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【名前】真谷万里谷(しんたに まりや) 【性別】男 【所属】科学 【能力】無し 【概要】 明知中等教育学院の物理学教師を務める29歳。独身男性。 専攻は『流体操作系超能力の開発及び発展』。 空気や水等を操作するタイプの能力者に流体力学の基礎と応用を教えている。 厄介事が嫌いで、出来れば何の苦労なく人生を過ごして行きたいと思う怠け者。 学園都市の教師になったのも「それしか道がなかったから」に過ぎず、大きな目的は無い。 下手をすれば自分と同じかそれ以上の知識、 計算能力を有する学園都市の生徒たちを恐怖混じりで嫌っており、 出来れば教鞭を執る事もしたくないのだが、生活の為に仕方なくやっている。 しかし、下手な授業をして自分の「教師」という立場を失い、収入を失うのも嫌なので、 授業だけは毎回しっかりと行っているとか。 だが、嫌悪感と無関心と義務感からくる「丁度いい距離感」が一部の生徒に人気。 趣味は無い。日々を生産性無く、漫然と生きているだけである。 いちごミルクが好物で、職員室の机や家には空の箱が散らばっている。 【特徴】 ボサボサの髪の毛を整えることもなく寝ぐせをつけたままにして、 スーツの上に白衣を着用している。 【台詞】 「あー、あー面倒くせえ。お前ら出来れば質問すんじゃねえぞ。 分からねえことがあればまず自分で調べろ。良いな」 「この学校に流体力学に精通してんのは俺しかいねえっていうのは分かるけど・・・。 あー、レベル4の相手とかマジでやってらんねえんだが・・・」 「この前さぁ、夢にずっと好きだった幼馴染の女の子が出てきてよ。 幸せぇ~なんて思ってたんだが、よくよく考えるとこの前『結婚しました』って手紙が来てたわ。はは、死にてぇ~」 【SS使用条件】 特になし
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ざわざわ… 「はい、静かにして!今日は転入生を紹介します。さ、入って。」 「あ、はい…」 「転入生の紅蛇蓮華よ。学級委員の永江依玖、いろいろ案内してあげて。」 「はい。」 何か変な衣を着ている人が立った… 「永江依玖です。よろしくお願いします。」 「あ、こちらこそ…痛い!」 「あ、失礼…静電気が貯まりすぎてました…」 静電気!? 「まあ、とりあえず各クラスには担任、副担任、学級委員が一人ずついます。このクラスの副担任は上白沢慧音さんですが…今は職員室みたいですね。」 堅苦しいのは嫌だけど… 「じゃ、今日はこれで終わりよ。ほかの教室も見にいったら?」 「はい…。」 -一組- (窓から覗いてる) 「というわけでみんな、二学期もよろしくね。」 (何か普通だな…) 「ところで誰か血をくれない?」 (えー!) 「俺が!」「いや私が!」 (何このクラス!) -二組- 「もうどうでもいいじゃない?藍もいないしね。」 「幽々子様、ちゃんとしてください絵文字」 (変な人…) -四組- (何か暗いわね…) 「さあ、神奈子様と諏訪子様を崇めるのです!」 「ああ~」「うう~」 (何かやってるー!もはや理解できない!) -五組- 「…」 「…」 (暗い…あの担任のような鬼は止めないのかな…) -六組- 「なので…」 (よりによって四季教頭のクラスか…長そう…) -七組- 「はい、じゃあおしまい。」 「起立!気をつけ!礼!」 (ここは普通のクラスみたいね。) ピチューン、ピチューン(やっぱ慣れにくいなあ、このチャイム…) 「ああ、いたいた!」 「依玖、どうしたの?」「部活を紹介しようと思って…」 「部活か…」 まあ、見てみようかな。 合計: - 今日: - 昨日: - 名前 コメント
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文化祭 自由行動1回目 ①図書室→ミライ(シリアスUP) ↓職員室→?(シリアスUP) ↓雑貨屋→ミライ:俊敏なハエ(シリアスUP、ミライ好感度UP) ②1年3組→遥(ドキドキUP) ↓スーパーマーケット→?(ドキドキUP) ↓遥の家→遥(ドキドキUP) ③校門→月光(ユニークUP) ↓大きな屋敷→?:俊敏なハエ(ユニークUP) ↓月光の家→月光(ユニークUP) 3F男子トイレ(バトル:傲慢な蜘蛛) 2年6組(式神×10) 2F男子トイレ(節約の書×10) 3年7組(スカールズ×10) 体育館→月光好感度UP クスノキ→ミライ好感度UP クラブハウス→遥好感度UP 生徒会室→泉好感度UP コンビニ→泉好感度すごくUP 校長室→ヒメア好感度UP アクセサリーショップ→ヒメア 1→好感度すごくUP 自由行動2回目 ①校門→月光(ユニークUP) ↓大きな屋敷→?:傲慢な蜘蛛(ユニークUP) ↓月光の家→月光(ユニークUP) ②1年3組→遥(ドキドキUP) ↓大兎の家→?(ドキドキUP) ↓1年3組→遥(ドキドキUP) ③グラウンド→ミライ(シリアスUP) ↓雑貨屋→?(シリアスUP) ↓用具室→ミライ(シリアスUP) 3F女子トイレ(デンゲキの書×10) 1年1組(エンオウの符術×10) 3年4組(まじゅつの書×10) 屋上入り口→ヒメア好感度UP 公園→ミライ 2→好感度すごくUP 生徒会室→遥 1→好感度少しUP、3→好感度すごくUP ケーキ屋→遥好感度UP 図書室→月光 1、2→好感度少しUP 視聴覚室→月光好感度UP 2年1組→泉好感度UP 購買部→ミライ好感度UP BOSS:六つ足フロッグ(ヒメア、ミライ好感度UP) ドキドキ→メイド喫茶 シリアス→キャンプファイヤー ユニーク→モンスターショー
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私のやんごとなき王子様 3日目 「先生、遅くなりました!」 私は朝一番、教室に向かう前に職員室に立ち寄り、真壁先生に例の担当希望記入用紙を提出していた。 頭を下げて用紙を握った腕をずいと差し出した格好のままで止まる私に、 「おう、決めたか」 と、相変わらずの調子で笑ってそう言うと、先生は用紙を受け取った。次にそこに書かれた部署を見て頷く。 「……大道具か。うん、お前は美術の成績も良いし、きっといい物が出来るだろうな。しっかり頑張れよ」 そう言って私に向かって優しく微笑んでくれた。 「はい。失礼します!」 やっと清々しい気持ちが戻って来た。 職員室から出て行く足取りも軽い。今なら誰よりも早く100メートル走れそうってくらい軽かった。 絵を描く事は好きだった。 正直、土屋君と同じって言うのは若干引っかかるものがあるけれど……。 でも土屋君は才能のある人。 だから自分の感性に合わない物を描くのが苦痛っていうのが、なんとなく分かる気がする。だとすれば、そんな土屋君を少しでも助けたいって思ったの。 私には何の才能もないけれど、才能の無い人間だからこそ、何のこだわりも無く出来る事があるんじゃないかなって―― そう思ったから。 土屋君はきっと今も美術室にいるだろうな、って思いながら美術室へと向かう。 その途中の廊下で土屋君とバッタリ出会った。 「あ……土屋君」 「? ああ、君か」 土屋君は特に表情を変えるでもなく、私の方をすっとした瞳で見つめている。 顔立ちだけは綺麗だから、私は少しだけ動揺しながら言葉を紡いだ。 「あ……、あのね、私っ」 「演劇祭の希望、大道具にしたんだね」 「えぇ?! なんで知ってるの?!」 「君の顔を見れば何でも分かるよ、僕は映し出す事の天才だから」 「は……はぁ……」 尊大な彼の態度にはいつも驚かされる。というかちょっぴり引いてしまう。 「さ、じゃあ行こうか」 「ど……どこへ?」 「決まってるだろう。少し画材が足らないんだ。買いたしに行くんだよ」 「はぁ……」 私が呆気にとられている間にも、土屋君は廊下をズンズン歩いて行く。 「早く来ないと置いて行くよー?」 5mほど先から土屋君が振り向きながら声を張る。 その土屋君の表情は少し……微笑んでいる……ような? 「わわっ。着いてかなくっちゃ」 私は駆け足で土屋君の元へと向かう。 追いついた私を見ると土屋君は嬉しそうな顔をしてこう言った。 「ああ、良かった。僕は重たいものを持つ事はごめんだからね。荷物持ち、しっかり頼んだよ」 ……やっぱり‘あの’土屋君だわぁ~~~。 土屋君と学園から一番近い画材店に行くと、店員のおばさんがすぐに出てきてくれた。 「土屋様、ご注文の品は揃っておりますよ」 「そうかい、見せて貰える?」 「はい、勿論」 腰を低くして出てきたおばさんに顔色一つ変えずに、土屋君はそう伝える。土屋君の家は芸術家の一家で、土屋君のお父様は有名な画家、お兄様も同じく画家としてめきめきと頭角を現していて、この街で知らない者はいない。またお母様はとっても美人でしかもピアニスト。これでもかと言わんばかりに流れた芸術家の血をもって生まれた土屋君は、やっぱり選ばれた存在なんだろうか。 このお店にとってもお得意様のようで、おばさんは慣れた手つきで土屋君の頼んでおいたらしい物を、レジの上に次々と並べていく。 レジの上に置かれていく物を目だけで確認すると、土屋君は満足そうに頷いた。 「うん、一つも欠ける事無く揃っているね。じゃあ、支払いはいつも通りに」 「はい、かしこまりました」 そう言うとおばさんは、レジの上の物を袋へと詰めていく。 「学校から演劇祭用のお金、預かってないの?」 不思議に思っておもわず尋ねると、土屋君は何を言っているんだという表情で私を見据えた。 「当たり前だろう? 僕は僕の芸術を作り出す為に金銭になんて糸目を付けないよ。そんな事をしても完璧な物は作れないからね。支払いは家に任せてある」 「そ……そう」 一体どういうゲージュツを作り上げるつもりなんだろう? おばさんが詰める袋の中には1200mlのアクリル絵の具のボトルや大容量のアクリルファンデーションなんかが次々に収められている。う……重そうだなぁ。 「では、こちらに」 「君、出番だよ」 おばさんが手渡してきた大きな茶色の紙袋をアゴで指して、土屋君は私に命じた。 はぁ……。しょーがないよね。 「重たいから気を付けてね」 「はい、有難うございましったっ! わっ!」 おぼさんから受け取った紙袋の重さに、思わず膝が沈んでしまった。重い。ハッキリ言ってすっごく重い。画材ってこんなに重いものなの~っ?! 「それじゃあ、また」 それだけ言うと、土屋君はさっさと出口へと向かってしまう。 「ま……待って!」 両腕で抱きかかえるように紙袋を持ちながら、私も慌ててその後を追った。もー、土屋君ってどうしてこうなの!? 土屋3日目・No.2へ 一つ戻る2日目・No.4 ブラウザを閉じてお戻りくださいv 私のやんごとなき王子様トップへ戻る
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学校関係者 翔愛学園の学校関係者です。とりあえず「頼まれごと」に関係してる人。 理事長先生 福之神ゑび蔵 主な出現場所:理事長室、学校裏、裏門 生徒会お茶碗事件など良識のある対応をしてくれる頼れるお方です。 社会科科目担当 西園寺伊吹 主な出現場所:特進チャレンジ室 新たに赴任してきた先生です。最初に自己紹介し合う必要がありますので、 特進チャレンジ室に顔を出してみてください。 理数系科目担当 山木達矢 主な出現場所:教室、理科室 チョークを忘れたり教科書を忘れたり自習が多かったりしましたが、今では助手の協力を得て問題豊富になってます。 語学系科目担当 宮下楓 主な出現場所:教室、職員室 10ヶ国語をマスターしている才媛。セクシーです。 体育系科目担当 柏木寅悟郎 主な出現場所:運動場、校門、中庭の掲示板前、プール、保健室 外出許可証がないと追い返されてしまいます。保健担当が居ないときに保健室に行くと代わりにいますよ。 芸術系科目担当 夕凪桜 主な出現場所:音楽室、美術室、屋上、購買部 美容師の資格も持っている先生。ランダムで購買部に来てチケットで髪形変更等請け負ってくれます。 保健担当 小早川結衣 主な出現場所:保健室 学食の椎名さんとは幼馴染の関係。男女とも若い子が好きで、百合疑惑とショタ疑惑が… 学食のお姉さん 椎名美咲 主な出現場所:学食、保健室 保健担当の小早川先生とは幼馴染の関係。料理の研究に余念がない。ゲテモノ好き? 購買部のお姉さん 玉野みるく 主な出現場所:購買部 猫耳の女の子。猫又疑惑あり。「頼まれごと」に色々関わってます。 事務のお姉さん 高原麻友香 主な出現場所:学校入り口ほか チュートリアルの案内役。毎朝生徒をお出迎えしています。挨拶をしましょう。 先生も彼女には頭があがらないようです。
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1週間前・・・ アリス学園 教員部屋 ナルミ!! ん? アリスを持っている 可能性のある子が 見つかったそうだ へぇ・・・ どんなコ? これが国からの報告書だ 見るか? ・・・ ・・・ ・・・ ・・・へぇ❤ なかなか おもしろそうな子だなぁ ボク さっそく 会いにいってくるよ おい!! 学校長に ほうこくを・・・ あとは よろしく~❤ なるみ そそくさと退散 ・・・・・ あいつ こういうときは すばやいな・・・ 仕方ない オレがほうこくしに行くか …そして1週間後… おや・・・ 君はだれだ? この学園の生徒ではないな ・・・! そうか 君が新しく来た子だな? まったくナルのヤツ 何をやっているんだ・・・ アイツが むかえに 行っているんじゃ なかったのか・・・? ・・・仕方ない 君 いっしょに来なさい 中庭(?)から校舎の中へ そうだ 言い忘れていたが・・・ オレは「みさき」 この学園で 生物を教えている・・・ みさき先生 いいところに・・・ あ! 連れて来てくれたんだね! お前が早く来ないからだ いやいや しごとが 長引いちゃってね・・・ ○○ちゃんだね アリス学園にようこそ ・・・じゃあ オレはもう行くぞ うん ありがとね~❤ それじゃ○○ちゃん ろうかで話すのもナンだし どうぞ 入って❤ 職員室の中へ さて・・・と まず じこしょうかい しておこうかな ぼくは担任になる 「なるみ」です よろしくね ほう お前が例の 転入生か ああ じんの先生 しょうかいします 今度転入する □□ ○○です 「仮」入学だろ? くれぐれも問題を 起こさないようにな 今のは 算数を教えている 「じんの先生」だよ ちょっとキビシイけど 今は気にしなくていいよ さて・・・ 色々聞きたいことが あるんじゃないかな? ボクが答えるよ なるみ先生との会話 へ
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昔話 ~小さな体の深い歴史~ 「小さい生徒が真似をして怪我でもしたらどうするおつもりですか! 生徒の安全を守ってこその教師でしょうに。あなたは教師としての自覚が足りません!」 「はい…はい…まったくもってその通りでございます…」 夜の職員室に、英語教師、英のよく透る声が響き渡る。声を一身に浴びているのは正座で俯く数学教師、サン。 いつもの陽気はどこへやら、今の彼は雨にうたれる子犬のよう。 よくある光景ではあるけれど、今日は特に長引いているようだ。 もう職員室に残っているのはその二人と、資料整理に追われる泊瀬谷教師だけだった。 「聞いているんですか!ですからあなたは!」 「はい…身につまされるお話でございます…」 「お…お先に失礼しまぁす…」 さすがにいたたまれなくなったのか、片付けもそこそこに泊瀬谷教師が逃げるように職員室から出ていった。 残ったのは二人だけ。それからも説教はしばらく続いていた。 「わかりましたね!?」 「はい、それはもう身に染みて…」 「では…ここまでとします」 「…はい」 カツ、カツ、と自分のデスクへ戻っていく彼女を見て、サン教師は安堵の溜息をついた。 帰り支度をしていて、サン教師の様子がおかしいことに気づいた。 先程と同じ姿勢のまま、難しそうな顔で悩んでいる。 「どうしましたサン先生。もう結構ですよ?」 「はは、いやあ、それがですね…やはり正座というものは私の脚には向かないようで。 お恥ずかしながら、ひどく痺れてしまって。脚の感覚が無いんです。 動かせず、かと言ってこのままでは何も変わらずどうしたものかな、と」 「動かせずって…全くですか?」 「はい、さっぱりです」 まったくどうしてこうあなたは… まるでいい大人には見えないサン教師に対して、内心説教を続けながらも 英教師は自分にも責任があることを感じていた。 次からは座布団の一枚くらいは許可してあげようと思う。いや次があっても困るのだけれど。 「…ふぅ。仕方ありませんね。サン先生、ちょっと持ち上げますよ」 「いやあ、助かります。そちらの椅子に座らせてもらうと嬉しいです」 「はいはい、わかりましたよ」 屈みこんで、脇から手を入れて。女性の英教師でもそれほど負荷なく持ち上がった。 成獣男性とは思えない程軽い。本当に少年のようだ。 近くにあった椅子にトンと座らせ、自分も向かいの椅子に座って一息ついた。 「ありがとうございます。英先生、意外に力がありますね」 「あなたが軽いんですよ。しっかり食事とってますか?」 「ははは、ただの個人差ですよ。ぼくはよく運動もしてますからね」 「運動は良いことですけど、生徒が真似するような危険なことはしないでくださいよ」 「ええそれはまあ…勿論…」 「………」 サン教師のいまひとつ歯切れの悪い返事に若干の諦めを感じながら、英教師は黙って席を立つ。 職員室の一角に常備してある茶道具一式から、テキパキとお茶を入れて席に戻った。 急須から熱い緑茶が二つの茶碗に注がれる。 「どうぞ。少し経てば痺れも治まるでしょう」 「いやいや、これはどうも、何から何までお世話になってしまって」 「大したことじゃありませんよ」 両手でちょこんと茶碗を持ち、眼鏡を白く曇らせながら、ふぅふぅと息を吹きかけるサン教師。 そんな姿を見て、英教師がふと問いかけた。 そう深い意味などなかった。少し聞きたくなった、それだけだ。 「ひとつ、お聞きしてよろしいですか?」 「はい?何でしょう」 「あなたはどうしてそう……若々しくあるんでしょうか」 「…ふふ。子供っぽい、と、そう言ってくれて結構ですよ。自覚はありますから」 「いえそんなつもりは…まあ…そうですね」 「あちゃー、言われちゃいました! 面と向かって言う人なんてまずいないんですけどね」 あなたから言ったことですよ!?と、慌てて答える英教師を見て、サン教師はさも楽しそうに笑った。 「ははは。まあ、性格のことを聞かれてもねえ。どう答えたものか…どうしてそんなことを?」 「私は…そうですね…。 私はどうやら、生徒に苦手とされることが多いんです。サン先生は生徒から人気ですよね」 「ええまあ、そうかもしれませんね」 「人気ですよ。生徒に好かれるのも教師として大切なことです。 私も若い頃に比べて、考えが固くなってしまっていることは自覚しているんです。 これからもそうなっていくと思います」 「そうなんですかね」 「ですからサン先生ほどではないにしても、若い心を保つ何かがあるのなら、それを知りたいんです」 「はー。なるほど…」 サン教師は腕を組んで上を向き、少し考える素振りを見せた。 そして、ポツリと出たのは意外な言葉だった。 「子供の頃のぼくは、どちらかというと内向的で無口だったんですけどね」 それはどういうことか、問いかける英教師を静止して、サン教師はもう一度考える。 やがて何かを決心したように、うん、と呟いて前を向いた。 「少し、昔話をしましょうか」 サン教師の意図を察して、英教師は黙って頷いた。 「フリードリヒは…大人しい少年でした」 静まり返った夜の職員室で、サン教師は静かに語り始めた。 フリードリヒは大人しい少年だった。 ドイツのとある名門家のひとり息子である父と、平民の身分であった母との間に生まれたのが彼、フリードリヒだった。 身分違いの恋のこと、障害はあまりにも多く、世間の風は厳しく、両親の心と体を蝕み続けた。 彼が物心ついたときにはもう、彼の両親は存在しなかった。 親に代わり彼を育てたのは、乳母だった。少年時代、ずっとそばにいたのが彼女だった。 彼女は清廉で愛情深かったが、規律を重んじる性格で、子供に対しても厳しくなることが多かった。 「厳しく躾けられたことで内向的に?」 「いえ、確かに乳母の影響ではありますが…それとはちょっと違うんです」 「…?」 「フリードリヒは元々、それほど問題児ってわけじゃないですからね」 彼は、彼女の笑顔が好きだった。彼女はいつも彼を優しく見守っていた。 彼が規律を守っている限り、彼女はいつも優しい笑顔を見せてくれた。 しかし、フリードリヒはまだ子供。規律を破ってしまうこともある。 彼を厳しく叱咤する彼女はあまり見たくなかった。 そしてある夜、より厳しい祖父が彼女を叱咤している場面を目撃する。 彼女は、全て自分が悪いと、フリードリヒを庇っていた。 悪いのは自分なのに、彼女が責められる。そんな理不尽があってはいけないと思った。 しかし幼い彼に、大きな行動はできなかった。 せめて規律を守る良い子でいようと、彼はそう思った。 「活発でやんちゃ盛りな子供時代に、そんなことを考えてたんです。内向的で無口って感じにもなります」 「なんだか…ずいぶんと大人びていたんですね」 「そうですね。フリードリヒはそういう少年だった。ま、そんな話です」 少しぬるくなったお茶を飲み干して、トンと茶碗を置くサン教師。 英教師は慌てて急須からお茶を注ぎなおした。ここで話が終わってしまいそうな雰囲気だったからだ。 そんなことお見通しと言わんばかりに、サン教師がニヤリと笑う。 「おやぁ、どうしました?」 「…いえ、続けてください」 「心配しなくていいですよ。ここまで話したからには最後までお話しします」 「そう…ですか」 英教師はホッと息を吐き、自分の茶碗にもお茶を注ぎなおす。 視界が曇ること嫌ってか、サン教師は眼鏡を外してお茶をすすっていた。 「フリードリヒは…本当に彼女のことが好きだったんですね」 「ええ、そうですね」 「本当の母親のように慕っていた」 「……母親…いや…」 「…? どうしました?」 「それもまた…ちょっと違いますね」 「違うとは?」 「彼女は…」 彼女は亡き両親ののことを、特に母親のことをよく語ってくれた。 本来、彼女が母親を知る理由はないのだが、どんな偶然か、彼女と母親は交友関係にあったらしい。 結果的に、幼いフリードリヒを親友に託した、という形になる。 だから、フリードリヒは見たこともない両親のことをよく知っていた。 彼女の話の中の両親は、誇れる父であり、母であった。 彼女は母ではない。母とは別の存在だった。 「そして当時の彼にとって、誰よりも大切な存在で」 そう言って、ふっと遠くを見る彼の横顔は 「あの人の笑顔が好きだった」 「あの人が悲しむ顔は見たくなかった」 「あの人と、ずっと一緒にいたかった」 「あれは、恋だったんだ」 普段の彼とは違う、もう一人の彼の顔だった。 静寂の音が聞こえる。そんな静寂を破ったのは彼だった。 「驚きました? まあ、子供の初恋の話です」 「…それで…あなたはどうしたんですか?」 「どうもしませんよ。子供の頃の話です。それに…あの人はもういない」 「えっ? 彼女は」 「話を続けましょう」 数年後、フリードリヒは祖父の意向でギムナジウムの寄宿舎に入れられることになった。 当然、彼女と離れたくない彼は強く反抗した。しかし、祖父の下した決定が覆ることはなかった。 何よりも、彼女がそれを望んでいた。 彼女は、フリードリヒが自分に依存していることを懸念していた。もう自分の存在は、彼の成長の邪魔にしかならない。 彼が自分から離れて、たくさんの人と出会い、広い世界を知ることを望んでいた。 彼女もまた、フリードリヒと離れたくはなかっただろう。 それでも、彼女は彼の将来を思い、いつも通りの優しい笑顔で彼を送り出した。 ねえフリード。寂しがることはありませんよ。 これからあなたは、たくさんの出会いがある。何でも知ることができる。 あなただけの、たった一度の人生なのだから。悲しむよりも楽しみなさい。 私はいつだってここにいる。辛くなったらいつでも帰ってきていいんだから。 さあ、いってらっしゃい。 「別れる直前の、あの人の言葉です。僕はずっと覚えてる」 「彼女とは、それが…」 「ええ、それが最後でした。あの人はもういない」 「僕も気付いてた。もう会えないんだって。 僕の成長に、自分は邪魔にしかならない。あの人はそう考えたんだ」 「悲しいですね……」 「……」 でも、あの時代もまた、僕にとってかけがえの無い時代だったんですよ。 そう言って、小さく笑う。 僕は恵まれていた。友人に。教師に。 ギムナジウムで出会った友。一生に一人と言っても過言ではない、そんな親友。 孤独な僕に手を差し伸べてくれた。僕の世界を変えてくれた。 彼に倣って彼のように陽気に振る舞った。最初こそ、寂しさを紛らわすための手段だったのかもしれない。 でも彼と長く過ごすうちに、そうあることが自然となり。やがてそれは僕自身になった。 数学を担当した教官。あらゆる場面で気にかけてくれた恩師。 広い教養を持っていた。僕に数学の楽しさ、奥深さを教えてくれた。 それだけではなく、世間知らずだった僕にあらゆる知識を授けてくれた。 広い世界。社会。人の心。教師としては誉められないようなことまで、彼は教えてくれた。 祖父の反対を押し切って、数学を専攻し大学へと進めたのも、彼の力が大きかった。 「遅れてやってきた少年期、とでも言いますかね。サン・スーシは、あの時代に生まれたんだ」 本来、卒業後は家に戻る約束だった。 でも、あの人がいない家に戻って、一生を過ごす。そんなこと考えられなくて。 結局僕は家に戻らなかった。家のことは、親友が引き受けてくれた。 ここではない、どこか遠くへ。しかし行くあてのない僕を、教官が助けてくれた。 彼の紹介でやってきたのが、この国。この学園だった。 親友と教官にはお世話になりっぱなしですよ。 そう言って、彼は微かに笑う。 「逃げるようにやってきた。結局のところ、偶然。今ここにいる僕だけど…」 「この学園で、帆崎先生や白先生、猪田先生や泊瀬谷先生。 いろんな個性のある、気の合う仲間たちと出会えた」 「中には困った子もいるけど、たくさんのかわいい生徒達と出会えた」 「それに……」 言いかけて、顔を向ける彼の視線と、英教師の視線が重なった。 普段の彼からは考えられないような視線に、トクンと心臓が鳴る。 「…いや」 少し考えて、彼は目を伏せた。そこで考えた何かは、言わないことに決めた。 「僕の話はここまでです」 「そう…ですか。ありがとうございました」 少し残念に思ったものの、それを聞き返すようなことはしなかった。 「でも…よかったんですか? 人に聞かれて、おいそれと話すような話ではなかったのでは」 「そうですね。この国に来てから、ここまで人に話すのは初めてです」 「…!? ならなおさら私に話すようなことでは」 「いえ、英先生」 少し見上げる彼の瞳が、まっすぐに英教師を見据える。 「あなたには話していい…いや、あなたには知っておいてほしいと。僕はそう思ったんだ」 「え…それは…どういう…」 長い沈黙。 彼の横顔からは、その心を探ることはできない。 「フリードリヒ…あなたは…」 「…いや」 彼が、外していた眼鏡をかけなおす。 「ぼくはサン・スーシ。陽気な数学教師ですよ」 眼鏡の奥の瞳は、いつも通りの陽気なサン教師のそれだった。 痺れていた脚の具合を確認し、椅子からトンと飛び降りる。 「やあ、ずいぶん遅くなっちゃいましたね」 「え、ええ、そうですね」 「お茶、おいしかったです、ありがとうございました。遅くまで付きあわせてしまって申し訳ない」 「いえ、こちらが聞いたことですので。こちらこそありがとうございました」 「では英先生、ぼくはお先に失礼します」 帰り支度の済んでいたカバンをひょいと持ったところで、サン教師は動きを止めた。 「そうそう、英先生」 「なんでしょうか」 「今日の話、みんなには内緒ですよ」 口に指を当てて合図するサン教師は、本当に少年のようにしか見えなかった。 離れていく小さな背中。やがてその背中が扉の奥へ消えて、彼女はポツリとつぶやいた。 「サン先生。フリードリヒ」 「本当のあなたは…どっちなんですか…?」 虚空への問いかけに、答えるのは静寂だけだった。 <おわり> 関連:英先生 サン先生=フリードリヒ
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「―――あ!岩佐!外山! サボってんじゃねーよ部活出ろって! ブラついてるだけなら来いっつーに!」 廊下ですれ違う二人を見るや、わめき立てるコジロー。 それに揃って多少訝しげな顔を向け、しかし反論しようとする岩佐を手で制する外山。 「……キリノから何も、聞いてねえのか?」 「?あぁ何のことだ?」 そのコジローの反応に、ち、と舌打ちをひとつ。 どうやら退部届はコジローの元までは届かず、キリノが握り潰しているらしい。 (―――つまらねえコトを。) 今までに自分が知りえた情報では、 自分たちの退部届が受理されなければ、剣道部の休部は免れない。 そんな理屈が分かってはいても、それでもまだあいつ――― キリノが悩んでいる、というのは外山にも十分想像がついた。 大方、こちらの行動で余計に情が揺らいだとか、そんな理由だろう。 退部届を受け取る、という事は、即ち自分達を切り捨てるという事だ。 気丈ながらも優しいあいつにそんな決断が出来るだろうか、不安ではあった。だが。 (……案の定かよ。) いっそ、自分が校長に、直接叩き付けてやれば良かったのではないか。 そんな後悔さえ浮かびそうな所へ、何もかも分かったように、コジロー。 「…心配すんなよ、外山」 「………心配?」 「ああそうだ。何も心配はいらない。俺が……お前等の事も。守ってやるから。だから安心して部活に来い」 熱っぽく語る、その目をよく見れば―――この顧問は、こんな目をするような男だったか? ケンカで殴る相手にも、たまにこういう目をした奴が居る。そしてそういう奴ほど大抵、しぶとい。 そうだ、これは―――”ハラを括った目”だ。 「まさか、あんた…」 外山がそう言うと、ややバツの悪そうな表情を見せるコジロー。 その反応が物語る、”守ってやる”という言葉の意味。 (辞める気なのか、こいつ。俺達の為に…いや―――) ――――キリノの為に。 自分達を切る事の出来ないであろうキリノの為に、 自らの首を学校に差し出し……その代わりに自分たちを部に戻そうと。 おそらくはキリノも知らないのであろう、こんな事は。 確かにそれで全ては丸く収まるのかもしれない。だが。 「…フザけるなよ」 「あぁ?」 「なおさら…戻れるか。行くぞ、岩佐」 「おっ、おい…」 そのまま、去って行く外山と岩佐を眺めつつ、ひとつ大きく嘆息をつくコジロー。 「……なかなか、上手く行かんもんだな…」 片手でぱか、と携帯を開き、カレンダーに記された日付を見る。。 ――――――自分に残された時間は、あと3ヶ月。 ▽▽▽ 「失礼しまーすっ!」 閑静な職員室に、やや落ち着きの無いその声がこだまする。 練習前にコジローの呼び出しがあり、やってきたのは勿論、キリノ。 「今日は、どうしたんすかセンセー?まさかまた何か…」 「いや…今日はな」 差し向かうと、ゴホン、と一つ咳払いをし… いかにも「言い難い事をこれから言うぞ」という様な雰囲気を作りつつ。 「…キリノ。あいつらの退部届、よこせ」 「え…」 キリノがあからさまに戸惑い、反駁の態度を顕にすると。 「…なんで、知ってるんすか?」 「さっきユージから聞いた…外山らの様子がおかしくてな」 「でも…」 キリノは、信頼できない、とでもいう様な批判の眼差しを向ける。 コジローはひとつ、嘆息をうつと。 「いいから。そこから先は教師の領分だ。お前が決めろ、とは言ったが……俺はそこまでは、お前に要求しないよ」 「…そう、ですか……ですよね、だって…」 ”だって”。 そこまで言って、その先の言葉は憚られる。 流石に、我が身が大事だよね、とまで皮肉を言ってしまうのは… いい加減ながらも自分に代わって苦渋の決断をしてくれようという先生に対して申し訳がない。 でも、その態度には―――少しの満足感と、大きな失望。 (いい加減でも、生徒の事を考えてくれるこの人なら、もしかして―――) 実は自分を、そして皆を救う策を考えてくれているのではないだろうか? そんな漠然とした期待は今、儚くも裏切られ、その期待の大きさが故に、失望もまた、大きい。 そうしているうちに、やはり抑えられないその気持ちのひとつが、口をついて出てしまう。 「センセー?」 「ん?」 「先生って、ホントだめな先生だよね…」 「うっせーよ」 もうダメだ。いっそ泣いてしまいたい。 バカみたいだ、自分だけ……勝手に期待して、勝手に裏切られたと言って、泣いてる。 (本当に、バカみたいだ――――) キリノがそんな気持ちを抱え、必死に顔に出すまい、と戦っていると。 辛そうにしている自分に、いつもどおり心配そうな声をかけてくれるコジロー。 「…おい、キリノ?大丈夫かよ?」 そのいつも通りの気遣いが、優しさが、かえってキリノの神経を逆撫でにする。 ―――もうこの場には居られない、居たくない! 「大丈夫……これ、外山君と岩佐君の退部届……です」 「おう、すまんな」 「お願い…します。じゃあ、あたし…部活、いきますね」 それから逃げるように走り去り、ドアをぴしゃり、と閉めると… その音の大きさに静まり返る職員室。 コジローは、ふう、とまたもやひとつ、大きな嘆息をうちつつ。 (やはり―――慣れない事は、するもんじゃないな。) そう、一人ごちていると。 遠巻きに様子を窺っていた吉河先生が声をかけてくる。 「…大変そうですね」 「いや、スイマセン、お見苦しい所を」 「千葉さん、泣いてませんでしたか?」 「そうかも―――知れないっすね。いやきっと、そうなんでしょう」 難題を突き付けられたキリノが、では自分にどういう期待をしていたか… 渡り廊下の一件を思い返すでもなく、コジローにはそれが、痛いほどよく分かっていた。 (しかし……俺はいずれ、居なくなる。その時に…) ――――頼ってばかりでは、ダメなんだ。 だから、今のうちに思い、悩むといい……全ての責任を、自分が取ってやれるうちに。 即ち、それこそが―――何もせずに、ただ責任を被り、去るだけのつもりであった自分を。 どうにか踏み止まらせてくれた……”向き合う”という気持ち。 自分が関わる事の出来る最後の試合……昇龍旗までに。 自分がしてやれる全ての事をしておいてやりたい。 そのようなコジローの切実な願いがあった。 ともあれ、実際に自分が居なくなった後の事も… もちろん少しは、考えておかないといけない。 「……吉河先生。実は、お願いがあるんですが…」 ―――――自分には、時間がない。 ▽▽▽ ―――3ヵ月後。 ―――コジロー先生が、いなくなった。 昇龍旗大会の途中、姿を消したまま、翌日の学校にもその姿は見えない。 いつも一番早くに来て開けてくれていた朝練の道場の扉も、今日は固く、閉ざされている。 (……何だろう?) ざわざわと、キリノの胸がざわめく。 あの夏の日以降、先生は驚くほど普通だった。 普通に―――外山君と岩佐君の退部にも触れる事もなく。 全員が承知の上であの退部届を受理した事になっていて… そのおかげで全くいつも通りの日常に帰る事の出来た剣道部。 そこに自分だけが割り切れなさを感じ――― 先生のその冷たさを恨めしく思うのも、いつしか忘れ掛けてた……そんな日のことだった。 (……どこいったんだろう。) 昼休み。初めはそんな程度の軽い気持ちで、職員室の扉を叩く。 すると、そこにあった筈の先生の机は綺麗に整理され… いや、というよりも「何もない」。プリントも、ファイルも、引き出しの中にさえ…何もない。 ただの使い古した平机がそこにはあるだけだった。……名札も、剥がされている。 頭が整理できずにうろたえるキリノの背後から―――女教師の声。 「…千葉さん?」 「……吉河先生。コジロー先生は…石田先生は、どこ行っちゃったんですか?」 そのキリノの質問にひとつ大きく嘆息をつくと。 キリノを少し、恨めしげに見ながら…吉河先生が真実を告げる。 「石田先生は……一昨日、うちの学校を、辞職されました」 「……………へ?」 「千葉さんは、知ってると思うけど…」 ―――夏の暴力事件のことで―――責任を、って――― ――本当は随分早くから―――辞職を――決められてたらしいのだけど――― ――剣道部の為にって―――昨日までと―――交渉して――― 吉河先生が目の前で何か大事そうな事を喋っている。 でも、耳は鼓膜が潰れでもしたように、一向にその情報を脳に送らない。 (辞色?磁職?……辞職?コジロー先生が?―――何で?) 自分の顔色がどんどん青ざめていくのが分かる。 吉河先生に食って掛かった所でどうしようもないのは分かっているが、感情に歯止めが利かない。 「…んで…何で、そんな事をする必要があるんですか!?退部届は…」 「石田先生、あなたから受け取った退部届、その場で破り捨てちゃったの。必要ないから、って」 「なんで…どうして…!」 「……石田先生から、あなた宛の言伝があるの…聞きたい?」 一も二もなくキリノが首をコクン、と縦に振ると。 少し気取ったようなおかしい口調で喋りだす吉河先生。 ”―――済まなかったな、キリノ。 俺、お前にはきっと、一番の迷惑を掛けたんだと思う。 お前の心残りを、結局……掃ってやれなかったのが残念だ。 最後まで、だらしない先生で、ごめんな。” 「………千葉さん?」 「……え、あれ?」 そこまで聞くと、涙は自然と溢れ出していた。 心残り―――つまりは、二人を蔑ろにし、ついには弾き出すという選択をしてしまった事への罪悪感。 それすらも抱えたままで、先生は。身を賭してまで… なおも自分の為に、二人が部に帰って来られるようにと努力を続けてくれていた。 ――――いつか思わず言ってしまった、あの言葉が。今度は自分の胸をえぐる。 ”何で、逃げるんですか……あんた顧問でしょう!?” (……あはは。あたしが一番の―――大バカだ…) 自嘲気味にひとつせせら笑うと、それを口火に――― どうしようもないほどの涙が目からあふれ出る。 人前だというのに…止まらない。 「せん…せぇ…」 走馬灯のように楽しかった頃の思い出がよぎる。 まだ二人きりだった頃。 やる気を出してくれて、嬉しかった頃。 弱ってた自分の頭に乗せられた、あたたかい手の思い出。 遠目にだけ見えた、済まなさそうに去っていく最後の背中… その全てが―――もう、取り返しがつかないものになってしまった。 「……コジローせんせぇ…」 涙ながらに今更名前を呼んだところで、彼に届くはずもない。 …だが、その代わりに、自分の頭に乗せられる、掌。 「よし、よし…」 「…吉河先生…」 「……そんなに好きだったのね、石田先生のこと」 「………」 ―――何とも、答えられない。 これは、そういうモノなんだろうか…本当に。 「石田先生から、剣道部の事、くれぐれもお願いします、って託ってるわ。 私、剣道の事は全然分からないけど……よろしくお願いね、部長さん」 「…すいま…せん……う、わあああああん!!」 ついには感情が噴き出し、その声は職員室じゅうに響き渡る… 泣きじゃくるキリノの頭をゆっくりと撫でる吉河先生。 コジローとキリノ。二人を繋ぐ、最後の奇跡が起きるのは――― それからさらに半年を待つ事になる。 おわり
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おばさん「最近食堂の売り上げが減ってきてねぇ」 放課後、たまたま立ち寄った食堂で調理のおばさんと世間話をしていたらそんな話が出てきた。 翠「そうですか?けっこう売れてるように見えるです」 おばさん「金額的には雪華綺晶先生のおかげで問題無いんだけどねぇ」 翠「なるほど・・・食べに来る生徒が少なくなったって事ですか」 おばさん「そうなのよ。翠星石先生何か良い案有りませんかねぇ?」 翠「う~ん、すぐには思いつかないですぅ。でも、料理に携わる者として見過ごせねぇです。 ここは翠星石に任せるです!泥舟に乗ったつもりで居やがれですぅ」 そう言って食堂を出て行く。翠星石の後姿が見えなくなった頃、おばさんはポツリと呟いた。 おばさん「泥舟だと困るんだけどねぇ・・・」 かくして、翠星石が中心となって学食再生プロジェクトが立ち上げられた。 翌日、翠星石は雛苺に事情を説明してある物を用意させ、授業にそれを持参した。 翠「おめえら、このアンケートに答えやがれです」 雛「ちゃんと真面目に書いて欲しいの」 二人は生徒達にアンケート用紙を配っていく。アンケートの内容は学食に関する物だった。 翠「最近学食を利用する奴が少ないと、調理のおばさんが嘆いていたです」 雛「そこで、皆にもっと利用してもらうためにどこが問題なのかを知りたいの」 生徒達は、そう言えば最近行って無いなぁと思いながらアンケート用紙に記入していく。 書き終わった用紙を集めたところで授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、二人は授業を終えて職員室に向かった。 翠「う~ん、結構辛辣ですぅ」 雛「学食美味しいのにぃ」 隣り合った机で難しい顔をしながら二人はアンケートを読んでいく。 アンケート用紙に書かれていたのは二人を悩ませる物ばかりであった。 例えば、使わなくなった理由として『購買のパンの方が安いしうまい』とか『メニューに飽きた』とか 『マズいから』とまで書いてある物も有った。 また、学食に望むものはという質問に対しては『あと100円安くして』『もっと美味しい物が食べたい』という物から 『水銀燈先生が作ってくれるなら1万出す』『蒼星石先生が食べさせてくれるサービス』などある意味でこの学園らしい 物まで有った。 真「学食に関する要望?そうね・・・紅茶が無いのが不満なのだわ」 金「甘~い玉子焼きを食べたいかしら~」 蒼「サイドメニューの充実かな」 薔「・・・小食な人向けの食券があれば」 雪「美味しければなんでも。ただ、ゆで卵はもう作らないで欲しい。臭いだけで食欲が無くなる」 他の教師からの要望は大体こんな物だった。生徒達と違って不満点や要望が具体的なので対策しやすい。 それらを纏めている翠星石に水銀燈が声をかける。 水「私には聞かないのぉ?」 翠「以前聞いたです。高級食材なんて学食には到底無理です」 水「・・・そう、じゃあこれだけ言っておくわぁ。どれだけコストを削減しても絶対に手作りにしなさい」 翠「・・・・・・・・・そんなの言われるまでもねーですけど、仲間はずれは良くないですからリストに入れておくです」 水「それじゃ、よろしくぅ」 そう言って次の授業のために職員室を出て行く水銀燈。 翠(相変わらず素直じゃないですぅ) 翠「寝言は置いておくとして、多い希望は値段とメニューの充実ですね」 雛「でも、値段はギリギリに切り詰めてるのよね」 翠「これでもうちの学食は手作りですぅ。これ以上安くしたら碌な物にならないですぅ」 学食や社食等はどうしても値段を重視してしまう。その結果出てくる料理は冷凍食品、という例も少なくはない。 その点、有栖学園の食堂は全て手作りである。しかもセットメニューなので栄養面でも問題無い。 雛「セットメニューばかりだから飽きちゃうのかな?」 翠「確かにAセットとBセットだと違いはトンカツかハンバーグぐらいです。でも、他にも単品メニューは結構有るですよ」 翠星石の言うとおり、セットメニューの他にもカレーやうどん・そば、ラーメン等の単品メニューは有った。 雛「それでもトッピングとかのサイドメニューは少ないと思うのよ」 翠「言われてみれば、カツカレーとか無いですね。ラーメンも醤油以外無いです」 雛「こうやって挙げてみると、結構問題点がいっぱいなの」 二人はあれこれと話し合い、次々と問題点を挙げていった。 翠「問題点はだいたいこれぐらいです。後はこれらの解決ですぅ」 雛「おー」 問題点は見つかった。しかし、解決策は簡単には見つからなかった。 蒼「初めて知ったけど、かなり切り詰めて作っているんだね」 翠「これ以上安くするのはやっぱり厳しいですぅ・・・」 雛「う~ん、難しいの~」 二人は蒼星石に頼んでネットで料金モデルを調べてもらった。 調理の人たちに直接聞けば良いのだが、材料費とか当人達が知っているとも限らないし、 人件費などの給料に関して聞くのも気が引けたからである。 蒼「材料費を1円でも安く出来れば、料金にも影響が出るんだろうけど・・・」 そう言ってある事を思いつく。 蒼「そうだ、材料を取り寄せている業者さんよりも安い所を探したらどうだろう?」 雛「取り寄せる材料は沢山なの。簡単には見つからないと思うの」 翠「でも、悪い手じゃないですぅ。1種類だけでも安く仕入れる事が出来れば・・・」 考え込む3人。そして最初に発言したのは雛苺だった。 雛「もしかしたら、安く仕入れる事が出来るかも知れないの」 翠「どうするですか?」 雛「商店街の八百屋さんに頼むの。確か八百屋さんの結菱さんは農家の人から直接仕入れてるの。 だからとっても安くて新鮮なの」 翠「なるほど・・・商店街ですか」 蒼「でも、大量に仕入れないといけないと言ったのは雛苺先生だよ」 雛「うぃ・・・でも、10分の1でも仕入れる事が出来れば安く済むの」 あれこれと話し合っている3人に、1人の用務員が近づく。 ?「かぁずきぃぃ!」 蒼「うわぁぁっ!!・・・はぁはぁ、柴崎さん驚かさないでください!」 元治「はっはっは・・・すまんすまん。それで一体何の話をしておるんじゃ?」 翠「じじいに話しても意味が有るとは思えねーけど話してやるです」 翠星石は事情を説明した。元治は一通り聞くと意外な申し出をしてきた。 元治「なるほどのぅ・・・一葉とは将棋友達じゃし、なんなら私から話を付けようじゃないか」 翠「え?!それ本当ですか?!」 元治「ああ、本当じゃとも。ついでに他の店とも掛け合ってみようかの」 雛「良かったの!これで安く仕入れる事が出来るの!」 蒼「ありがとうございます柴崎さん」 元治「なんのなんの、かずきの力になれるなら例え火の中水の中って奴じゃわい」 蒼(だから、僕かずきじゃないのに・・・) そう言って豪快に笑う元治だった。 翠「さて、これで仕入れの問題は解決したです。後はメニューの充実ですぅ」 雛「これはヒナ達にお任せなの~」 蒼「家庭科の先生の本領発揮だね」 翠「善は急げです。今から早速新メニューの製作に取り掛かるです。蒼星石は調理のおばさんたちを 家庭科室に呼んで来て欲しいです」 そう言って職員室を後にする2人。蒼星石は食堂に行って翌日の分の仕込をしていた調理の人たちを呼びに行った。 翠「それでは、今から家庭科の特別授業の始まりですぅ!」 それから数週間後、食堂は生徒達でごった返していた。 商店街からの協力で、材料費を1割近く安くする事ができ、その結果各メニューの値段が10~20円安くなった。 そのメニューの方も翠星石と雛苺のアドバイスで大きく様変わりした。 さらには食券に大盛りの他に半分など少量にできる食券や雪華綺晶先生専用の食券も付けた事で女子生徒から人気が出た。 また、浮いた材料費で購入したドリンクサーバーも生徒や教師たちに好評だった。 おばさん「ほんと、ありがとうねぇ翠星石先生」 翠「お礼を言うなら翠星石より柴崎さんに言うです。もし居なかったら材料の仕入れが出来なかったです」 おばさん「それじゃあ、あの人の好きな里芋の煮っ転がしでもサービスしないとねぇ」 そう言って笑うおばさん。釣られて翠星石も笑う。 一頻り笑った後、おばさんがこう切り出してきた。 おばさん「ねえ、翠星石先生」 翠「何ですぅ?」 おばさん「この間の特別授業、とっても評判だったのよ。だから、今後も新メニュー開発の時にアドバイス貰っても良いかい?」 翠「お安い御用ですぅ!何でも言いやがれですぅ!」 それ以来、翠星石と雛苺は食堂の新メニュー開発の手伝いをする事になった。 そして、その時から食堂の売り上げは大幅に伸びていく事になる。
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付録エコバッグ奥 987 :1/2:2010/12/13(月) 22 43 10 ID 05x5q0P0 梅がてらの未遂ドロ話 エコバッグが釣ったエコクレクレ話 ある雑誌付録のエコバッグがかわいくて即購入。 書類ケースやノートPCにちょうどいい大きさなんで ほぼ毎日会社やショッピングに持ち歩いてる。 娘の保育園でも「それ最近よく持ってるね」と言われるほど。 先日も保育園の着替えを入れて持っていこうとしたら 娘がおもちゃを持って行くと言ってきかない。 情けない話だが、娘は母親にだけ頑固者。 仕事(在宅だが納期が五月蝿い)の時間もあるのでこういうときは いつもカバンに一緒に入れて保育園まで持って行かせれば 気が済むので、その日もそうすることにした。 保育園前で自転車を止め、鍵をかけて着替えだけを持ち エコバッグにオモチャだけ残してカゴの中に入れておいて… はい、見事に盗られてました。 990 :2/2:2010/12/13(月) 22 52 47 ID 05x5q0P0 そして今日、朝にいつもどおり娘を預けて園を出ようとしたら 見知らぬ50くらいのオバサン(A)が私を指さしてふぁびょってる。 出口の側に職員室があり、園長と挨拶してる時だったので 「?」状態な私と園長。 園長が先に正気に戻って 「Aさん落ち着いて、どうしたの?」と言うと 私にむかって、 詐欺だ!騙したな!慰謝料払え!強盗! といやもう、ナンナンデスカ状態。 そのうちwktkな顔の他のママさんも集まってきてkwskされたんだが、 さっぱりwww とりあえずAさんとやらが言うには 「(私)のエコバッグに荷物を入れたら手の部分が切れた」 「卵や大根が折れたり壊れて晩ご飯が無くなった」 「それなのに(私)は同じエコバッグを持ってるじゃないか!」 「あれは偽物だったんだな!ふざけるな!慰謝料払え! いや損害賠償だ!」 「とりあえずその(私が持ってる)エコバッグよこせ! 財布が入ってるだろうからそれごとよこせ! きいいいいいいいいいーーーーーーーーー!!!!」 その辺りで何とか冷静になった私。 「えーとつまり、先週私のエコバッグを盗んだのはあなたで 間違いないですね?」 A「盗んでない!もらってやったの!私の方が似合うから!」 私「いえ、世間一般ではそれは泥棒というんですよ。 とりあえず警察行きます?」 A「ふざけんな金払えふぁびょーーーーーーん!!!!」 991 :3/2:2010/12/13(月) 22 53 28 ID 05x5q0P0 収まらなかった。仮分数だ(((((orz とりあえず園長が職員室へAを連行。 その後は噂で聞いたんですが、Aは隣国の方で一族全部 ドロ&クレだったそうで、余罪が小さいものまで入れると100を超える数。 特に被害の大きかったママさんの計らいでKへ。 私も一応被害届を出すことになりました。 Aのふぁびょる元になった私のエコバッグですが、元々 気に入ったものは大人買いするタイプなので、全部で10個 同じものがあります。 パクられたのはPCなどの重いもの入れ過ぎて手の部分が 危うくなってたもので、盗られても別に何とも思わなかったんですwww そして現在、売り切れ店が多いようで既に3人のママさんから エコバッグ分けてクレクレが沸いている。 お断りしますとは言ってるけどめげないんだよな、さてどうしたものやら… 992 :名無しの心子知らず:2010/12/13(月) 22 55 28 ID uy0XYgnE 大人買いしすぎwwww 乙です。 993 :名無しの心子知らず:2010/12/13(月) 22 56 14 ID TlChwoRw おもちゃは返ってきたの? 994 :名無しの心子知らず:2010/12/13(月) 23 01 44 ID 05x5q0P0 993 おもちゃはカゴの中に残ってました。 はっぴいせっとのシュ◯ックなので、かわいくないから 置いて行ったのかもww 996 :名無しの心子知らず:2010/12/13(月) 23 07 42 ID P/hEvBl7 なんでエコバッグ分けてクレクレって言われるんだ? 買ったとこでも見られたのかね 997 :名無しの心子知らず:2010/12/13(月) 23 08 18 ID 6UOeQbFk 新たなクレクレ3人が 「売ってクレクレ」なのか 「タダでクレクレ」なのか気になる 998 :名無しの心子知らず:2010/12/13(月) 23 10 52 ID 05x5q0P0 996 私の大人買いクセを知ってる誰かがバラしたみたいですw 「わけてあげてもいいけどお~~~、 使用済みオムツ入れ用と、うちのミドリガメちゃんの搬送用と 犬のう◯ち用のどれがほしい?」 つーたら大抵引っ込みますけどねwww ひとりだけミドリガメ用!と元気いっぱい言ってくれたので 「んじゃアゲルけど、寄生虫ついてても文句言わないでね」と返したら 「やっぱいらない…」だと。ヘタレだwww 999 :名無しの心子知らず:2010/12/13(月) 23 11 04 ID NP/F9yYu 997 前者ならともかく、後者はないわー。 次のお話→コピペ(126-25)