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The Terminal Velocity 「ゆうう゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅぅぅ!!?」 青空を一直線に貫く甲高い悲鳴。 日夜ゆっくりがさまざまな悲劇に巻き込まれている幻想郷だが、この母ゆっくり れいむの状況は一味違った。 彼女は落下しているのだ――高度四千メートルの高みから。 いきさつは単純だった。 「ゆっゆゆぅ、ゆゆゆっゆぅ♪」 「おかーさん、おうたじょうずー!」「じょーずー!」 いつものように野原でゆっくりと団欒を楽しんでいたゆっくり一家。 だがその頭上をバサリと不吉な影が横切った。それはトンビの姿。 大空のハンターはゆっくりにとっても大敵だ。 「ゆゆっ、あぶないよ! みんなきをつけて!」 母ゆっくりは注意したが、このままでは襲われると本能的に悟った。 「みんな、ちょっぴりがまんしてね! あむあむあむぅ!」 「ゆゆっ、おがあざん、なにずるのぉ!?」「ぜまいよ゛ー!」 母は五匹の子供たちを守るために、口の中にくわえ込んだのだ。 その直後、トンビの鋭いカギ爪が、わっしと母をとらえた。 「ゆう゛う゛ぅう゛!? いだいいだいいだいよぉ!」 もがく母をがっしりとつかまえて、トンビは舞い上がる。折りよく上昇気流が見 つかり、一気に高空まで輪を描いて昇っていった。 五百メートル、千メートル。二千メートル、三千メートル。 高く高く、さらに高く。 だがそこで、母の決死の抵抗が実を結んだ。 「はなして、はなしてね、すぐにはなじでねぇぇぇぇぇ!!!」 もさもさもさもさ、もぢっ! 暴れる母の皮の一部が切れてしまった。 「ゆうう゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅぅぅ!!?」 そこで彼女は、虚空に放り出されたのだった。 「……ゆうううぅうぅぅぅい゛い゛い゛いぃ゛いぃ゛ぃ゛ぃぃ……!!」 落ちてゆく落ちてゆく、母は凄まじい勢いで落ちてゆく。 吹き付ける強風に、柔らかな頬はバタバタと波打ち、髪とリボンは嵐の前の旗の ようにびりびりと震えている。見開かれた目に涙が溜まる。 その目に映るのは、幻想郷の雄大な俯瞰。 こんもりした茂る緑は魔法の森だ。小さな玉砂利の庭は博麗神社。その近くにご ちゃごちゃと固まっているのは人間たちの村だろうか。 少し高台になったところ、霧に包まれた湖がある。あそこには吸血鬼の主が住ん でいるだろう。 明るい緑の背高の林は、永遠亭のある竹林だ。 そのほかにも、地べたを這いずり回るゆっくりには、想像もできなかったような 広い広い景観が、広がっている。 しかしそれは、死の前の走馬灯に等しい。 「落ぉぢぃるぅのぉ い゛や゛ああ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛!!」 母は狂ったように喚いている。落ちると死ぬ、その知識は、やわらかいゆっくり の本能に刻み付けられている。 そのとき、開け放った口の中でもがもがと何かが動いた。 「ゆ゛ゆ゛うう゛う゛ぅ゛ぅ゛!!?」「おっごぢでるぅぅぅ!!」 それは子供たち。身を挺して救ってやったつもりの五匹の子らが、信じがたい状 況に気付いて、恐慌しているのだった。 「ごわい゛ごわ゛い゛ごわい゛よぉぉぉぉ!」 「おがあざん、なんどがじでぇぇぇ!!」 子供たちは、吹き込む烈風にもてあそばれ、母の口の中でころころと回転してい た。直下に地面はなく、気味の悪い浮遊感が体を包み続けている。それはやわらか いゆっくりにとって耐え難い恐怖だった。 子供たちの悲鳴が、母の母性本能を刺激する。なんら望みのないまま、母は必死 に励ました。 「ゆうぅ゛っ、だいじょうぶだよおおお、おがあざんがついでるよぉぉぉ!!」 「ごあいごあい、ごあいよぉぉぉ!!」「落ぢだくないいぃ゛い゛ぃ!」 母の慰めも通じない。子供たちはさらに狂ったように泣き喚いた。 が―― しばらく叫んでいるうちに、親子はじょじょに落ち着いてきた。 「おおおちいいいいるううううぅぅ?」 「おおおぉちぃいなぁいいいよぉぉ?」「だぁいいぃじょおぅぅぶぅぅ?」 強風は依然として吹きつけているが、いつまでたっても地面に激突しない。 雄大な景色は、ずっと変わり映えせず見えている。 ひょっとしたら、怖がることはないのかもしれない。 それどころか、これは楽しいことなのかもしれない! 「うーかーぶうーかーぶ、たーのしーいよー♪」 子供たちは母の口の中で、渦巻く空気を浴びてきゃっきゃと浮かんではしゃぎ初 めていた。それを感じた母も、うきうきしだす。 「たーのしーいねぇー♪」 「ゆぅっくーり、とーんでーるねーえ♪」 そう、彼女らは、Terminal Velocity――終端速度に達したのだった。 落下する彼女らを空気抵抗がささえ、加速を停止させていた。このとき母ゆっく りは下向きに口を開いて袋状になっていたため、抵抗はかなり強いものとなってい た。 秒速約五十メートル。 落下開始から三十秒、短いCM二本分もの時間、彼女たちはそうやって楽しみ続 けた。 だが、愚かなようでも、ゆっくりはそれなりに生きる力を持った生物だった。 母の心の中で、不安が少しずつ増大していた。 風は吹き付けるが、目に映る景色は変わっていない。落ちていると感じたのは錯 覚のはずだ――そう思ってはいても、何かが危険な気がした。 実は母の目に映る地上の景色は、高度が二分の一になったため、最初と比べると すでに四分の一の面積にまで減っていた。気がつかなかったのは、変化が全体にわ たってゆっくりと進む、モーフィング的なものだったからだ。クイズ番組などでご 覧になったことのある方も多いだろう。生き物の目はゆっくりとした変化を捉える のが苦手だ。 その危険な景色を前にして母が取った行動は、しかし、やはりゆっくり的なもの だった。 「ううううん、しょっと!」 皮に力を込めて、ぐるりと回転し、上を向いたのだ。 上を向けば、もう地上は見えない。 明るくきれいな青空と、優雅に舞う鳥が見えるだけだ。 ふわふわとした浮遊感だけを思うさま楽しむことができる。 「ゆっくりー!」 それに加えて、子供たちは落下風から守られ、一種の乗り物に乗っているような 気分になった。ゆっゆっと口の中から這い出し、大きな母の顔の上に乗る。 「わぁい、おかあさんえんばんだよ!」 「ゆっくりひなたぼっこができるよー」 「ゆっゆく、ゆゆぅん♪」 母は終端速度で落下している(自由落下ではない)ので、その顔面には若干の重 力が残っている。子供たちは落ち着いて座ることができ、母の顔の端からそうっと 下を覗いては、吹き上げる風に、キャッと後ろへ下がったりした。 そんな子ゆっくりたちのたわむれを顔の上に感じ、母もつかの間の幸せに浸るの だった。 落下開始から、四十秒がすぎた。 くつろぐ子ゆっくりたちが、ふと不安な声を漏らし始めた。 「おかあさん、だんだん近くなってるよ!」 「地面が見えてきたよ! ゆっくりとまってね!」 このとき、彼女らの高度は千メートルを割っていた。 これぐらいの高度まで下がると、地上の光景が鮮明に見えてくる。個々の人が見 分けられ、建物の看板なども読めるようになる。 「あ、神社にあかしろのひとがいるよ!」 「まほーつかいさん、ばいばーい♪」 唖然とした顔で見つめる、箒に乗った魔女を、ゆっくりたちはあっというまに上 から下へ追い抜いた。 そんなつかの間の面白みが去ると、急速に恐怖が頭をもたげる。 「おかーさん、おかーさん、ゆっくり近づいてるよ!」 「だいじょうぶなの? とまって、ゆっくりしないでとまって!」 母の縁から下を見つめる子ゆっくりたちが、叫び始める。 母ゆっくりは必死でそれに応えようとする。 「んんっ、んぎっ、んぐぐぅっ!」 体をそらせ、くねらせ、なんとか速度を落とそうとする。 「んぐくぐぅぅ! んぐんぐんぐぅっ!」 あまつさえ左右にばたばたともがいて、上昇しようとさえしてみた。 もちろん、効果はまったくない。 「おっ、おがあざぁぁぁん!!?」 子供たちの顔が、再び恐怖に引きつり始める。母は必死に励ます。 「だっ、だいじょうぶだからね! ゆっくりとまるからね! んぎぃぃっ!」 顔を真っ赤にして、体を平べったくし、少しでも抵抗を増やそうとする。知識は なくても、とっさの本能がそれを可能にした。 座布団のように潰れた母れいむは、奇跡的に横方向への速度を得る。 スィー、と空を滑っていくゆっくりれいむの後頭部は、地上から見たら相当な奇 観であったろう。 しかしそれもしょせんは気休め。時速百五十キロを越える速度は、親子を容赦な く地上へと導いた。 ぞっとするような速度で、山が森が木立が迫る。親子はとうとう悟る。助かる道 はない。硬くて痛い地面に猛烈な速度で叩きつけられる。自分たちは跡形もなく砕 けて死ぬ。死ぬ。死ぬ。死んでしまう! 最後の数秒もはや完全にパニックに陥った子供たちが、泣き喚いて母の上で跳ね た。 「落ぢでる、おぢでるよぉぉぉ!!」 「おがあざんのばかぁぁぁ!」 「どおじでお空につれでっだのぉぉぉ!?」 「ほっどいでくれだらよかっだのにぃぃ!!」 対する母もめちゃくちゃな悲鳴を上げていた。 「あんだだぢ乗ってるがらゆっくりうかべながったのよぉぉぉ!!!」 「ばがぁぁぁ!」 「ゆっくりじねぇぇぇ!」 「おりでぇぇぇぇ!!」 「い や゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ぁ゛ ぁ゛!!!!」 バヂャンッ! 一瞬の、高密度に圧縮された衝撃が、親子を粉砕した。 魔法の森のかたわらの道に落ちた母ゆっくりは、半径五メートルの放射状に飛び 散った。上からローラーでもかけたような平べったさが、衝撃の激しさを物語って いた。 だが、中心部にだけは、わずかに拳ほどの餡が盛り上がっていた。 それはセントラルピーク。隕石衝突などの際に見られる中央丘である。 その餡が、もぞもぞと動いたかと思うと―― 「……っぷぅ!」 なんと、一匹の子ゆっくりが顔を出したではないか! その一番小さな子ゆっくりは、インパクトの瞬間、母の喉の奥へ退避した。それ がために、分厚い餡子の層がクッションとなって、一命を取り留めたのだった。 餡子まみれで這い出してきた子ゆっくりは、家族の残骸を振り返って、涙した。 「うっうっ、おかーたん、おねーたん……ゆっくりちていってね」 子供ながらに、ゆっくりの心には強い使命感が芽生えていた。 不幸にして死んでしまった家族のためにも、自分がしっかり生きていかねばなら ない。 「れいむ、がんばるね!」 力強く宣言して、子ゆっくりは新たな一歩を踏み出したのだった! バッサバッサバッサ ぱく が、追ってきたトンビに食われた。 ================================================================ 思いつきで突貫工事しました。 ゆっくりが好きで好きで、ほんと可愛がってやりたいんだけど 情味のある可愛がりが書けないー。 YT このSSに感想を付ける
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→ 此れは・・・ 終端の王と異世界の騎士達との 壮大な戦いの序曲である・・・ 世界を喰らう《終端の王》(Endia) 継ぎ接ぎされた《偉大な可能性》(Grandia) 太陽の《狂詩曲》(Rhapsodia)騎士の名を呼ぶ・・・ 忌避すべき終端…王を退ける者… 《騎士》(Knights)とは即ち刃である 刻を孕む《終端の王》(Endia) 調整された《偉大な可能性》(Grandia) 生命の《譚詩曲》(Balladia)騎士の名を呼ぶ・・・ 仮初の空に浮かべた追憶の《追走曲》(Canon) 《地平線を渡る旋律》(物語)を口吟むのは誰の唇? 異世界を繋ぐ鍵・・・騎士を戴く物・・・ 《門》(Gate)とは即ち駿馬である 歴史を呑む《終端の王》(Endia) 改竄された《偉大な可能性》(Grandia) 運命の《交響曲》(Sinfonia)騎士の名を呼ぶ・・・ 争いの調べて躍る円卓の《円舞曲》(Waltz) 《支配権の正統性》(物語)を振り翳すのは誰の正義か? 点いて往く灯火を・・・消えて逝く灯火を・・・ 漆黒の《髪》(やみ)が・・・緋い《瞳》(ひかり)が・・・黙したまま見送るだけ・・・ 嗚呼・・・唯・・・頁(Page)をなぞる様に・・・ 《戯曲》(Drama)通りに《役者》(Doll)は踊り・・・ 残酷な幻想の美しい棘が・・・仄甘い《陶酔》(ゆめ)を魅せ・・・ 残酷な幻想の華やかな毒が・・・仄昏い奈落へと《観客》(きみ)を誘う・・・ 願ったこと全てが叶う世界ではない → だからこそ → 少年は大きく翔たくだろう・・・ 嗚呼…希望も絶望も両手で抱きしめて → それでこそ → 少年は大きく翔たくだろう・・・ 「嗚呼…どんなに強い向かい風であれ決意という翼を折ることは出来ない!」 「どんなに強い風でも其の翼を折ることは出来ない!」 無限に繰り返す痛みは輪廻の《輪舞曲》(Rondo) 《世界が失った可能性》(物語)を取り戻すのは誰の剣か? 今…ハジマリの空に浮かべた追悼の《追走曲》(Canon) 《第五の地平線の旋律》(物語)を口吟むのは少年の唇・・・
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終端の王と異世界の騎士 ~The Endia The Knights~ → 此れは… 終端の王と異世界の騎士達との 壮大な戦いの序曲である…… 世界を喰らう《終端の王》(エンディア) 継ぎ接ぎされた《偉大な可能性》(グランディア) 太陽の《狂詩曲》(ラプソディア)騎士の名を呼ぶ…… ──忌避すべき終端…王を退ける者… 《騎士》(ナイツ)とは即ち刃である 刻を孕む《終端の王》(エンディア) 調整された《偉大な可能性》(グランディア) 生命の《譚詩曲》(バラッディア)騎士の名を呼ぶ…… 仮初の空に浮かべた追憶の《追走曲》(カノン) 《地平線を渡る旋律》(物語)を口吟むのは誰の唇? ──異世界を繋ぐ鍵…騎士を戴く物… 《門》(ゲート)とは即ち駿馬である 歴史を呑む《終端の王》(エンディア) 改竄された《偉大な可能性》(グランディア) 運命の《交響曲》(シンフォニア)騎士の名を呼ぶ…… 争いの調べて躍る円卓の《円舞曲》(ワルツ) 《支配権の正統性》(物語)を振り翳すのは誰の正義か? 点いて往く灯火を…消えて逝く灯火を… 漆黒の《髪》(やみ)が…緋い《瞳》(ひかり)が…黙したまま見送るだけ… 嗚呼…唯…頁(ページ)をなぞる様に…《戯曲》(ドラマ)通りに《役者》(ドール)は踊り… 残酷な幻想の美しい棘が…仄甘い《陶酔》(ゆめ)を魅せ… 残酷な幻想の華やかな毒が…仄昏い奈落へと《観客》(きみ)を誘う… 願ったこと全てが叶う世界ではない → だからこそ → 少年は大きく翔たくだろう… 嗚呼…希望も絶望も両手で抱きしめて → それでこそ → 少年は大きく翔たくだろう… 「嗚呼…どんなに強い向かい風であれ決意という翼を折ることは出来ない!」 「どんなに強い風でも其の翼を折ることは出来ない!」 無限に繰り返す痛みは輪廻の《輪舞曲》(ロンド) 《世界が失った可能性》(物語)を取り戾すのは誰の剣か? 今…ハジマリの空に浮かべた追悼の《追走曲》(カノン) 《第五の地平線の旋律》(物語)を口吟むのは《少年》(かれ)の唇……
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終端の王と異世界の騎士 ~The Endia The Knights~ 少年は剣を…←クリックで前画面に戻る → 此れは… 終端の王と異世界の騎士達との 壮大な戦いの序曲である…… 世界を喰らう《終端の王》(エンディア) 継ぎ接ぎされた《偉大な可能性》(グランディア) 太陽の《狂詩曲》(ラプソディア)騎士の名を呼ぶ…… ──忌避すべき終端…王を退ける者… 《騎士》(ナイツ)とは即ち刃である 刻を孕む《終端の王》(エンディア) 調整された《偉大な可能性》(グランディア) 生命の《譚詩曲》(バラッディア)騎士の名を呼ぶ…… 仮初の空に浮かべた追憶の《追走曲》(カノン) 《地平線を渡る旋律》(物語)を口吟むのは誰の唇? ──異世界を繋ぐ鍵…騎士を戴く物… 《門》(ゲート)とは即ち駿馬である 歴史を呑む《終端の王》(エンディア) 改竄された《偉大な可能性》(グランディア) 運命の《交響曲》(シンフォニア)騎士の名を呼ぶ…… 争いの調べて躍る円卓の《円舞曲》(ワルツ) 《支配権の正統性》(物語)を振り翳すのは誰の正義か? 点いて往く灯火を…消えて逝く灯火を… 漆黒の《髪》(やみ)が…緋い《瞳》(ひかり)が…黙したまま見送るだけ… 嗚呼…唯…頁(ページ)をなぞる様に…《戯曲》(ドラマ)通りに《役者》(ドール)は踊り… 残酷な幻想の美しい棘が…仄甘い《陶酔》(ゆめ)を魅せ… 残酷な幻想の華やかな毒が…仄昏い奈落へと《観客》(きみ)を誘う… 願ったこと全てが叶う世界ではない → だからこそ → 少年は大きく翔たくだろう… 嗚呼…希望も絶望も両手で抱きしめて → それでこそ → 少年は大きく翔たくだろう… 「嗚呼…どんなに強い向かい風であれ決意という翼を折ることは出来ない!」 「どんなに強い風でも其の翼を折ることは出来ない!」 無限に繰り返す痛みは輪廻の《輪舞曲》(ロンド) 《世界が失った可能性》(物語)を取り戾すのは誰の剣か? 今…ハジマリの空に浮かべた追悼の《追走曲》(カノン) 《第五の地平線の旋律》(物語)を口吟むのは《少年》(かれ)の唇……
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終端の王と異世界の騎士 ~The Endia The Knight~ <> 《終端の王》 → Endia(エンディア) 《偉大な可能性》 → Grandia(グランディア) 《狂詩曲》 → Rhapsodia(ラプソディア) “Wu…Ah…Ah…” 《騎士》 → Knights(ナイツ) 《譚詩曲》 → Balladia(バレディア) 《追走曲》 → Canon(カノン) 《地平線を渡る旋律》 → ものがたり 《門》 → Gate(ゲート) 《交響曲》 → Symphonia(シンフォニア) 《円舞曲》 → Waltz(ワルツ) 《支配権の正統性》 → ものがたり “Wu…Ah…Ah…Ah…Ha…HaHa…Ha…HaHa…” 《髪》 → やみ 《瞳》 → ひかり 頁 → Page(ページ) 《戯曲》 → ドラマ 《役者》 → Doll(ドール) 《陶酔》 → ゆめ 《観客》 → きみ 《輪舞曲》→ ロンド 《世界が失った可能性》 → ものがたり 《第五の地平線の旋律》 → ものがたり 《少年》 → かれ “Wu…Yee…Ah…Ah…” コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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終端の宴と異世界の騎士 ◆w2G/OW/em6 エリアE―1……そこに建つ城。 城という言葉から連想される豪奢かつ荘厳な雰囲気も、この殺し合いの遊戯では意味をなさない物となる。 森の中にひっそりと存在する古城は、月光を浴びてただ……静かにそびえるのみ。 その城のバルコニーにて、彼女は月を見上げていた。 美しい白銀の毛並みに、紫色の鬣に、柔らかい月の光は降り注ぐ。 白く、微かに青みがかった満月……それは、彼女の敬愛する主を思い出させた。 慈愛に満ちた知恵のドラゴンが紅一点……白妙の竜姫・ヴァディス。 かつて死の淵にあった自分の命を救い、今は仕えている者ではなく対等な話し合い手として見てくれている存在。 ああ……この殺し合いを主が知ったらどのような事を思うだろう? きっと、自らの命を賭してでも止めようとするだろう。 キュウビと名乗ったあの魔獣を決して許しはしないだろう。 過去には実の姉と弟の戦いを止めるため、自らの使命たるマナストーンの守護を放棄しようとまでしたのだ。 竜に仕え、守護する戦士――ドラグーン――として、長い時を共に過ごした自分だからこそ、その優しさは誰よりもよく分かる。 ――――――だが、それでも。 ――――――大事な主が、望まないと知っていても。 「申し訳ありません……ヴァディス様」 バルコニーから見下ろした先……そこを進む青い獣を見つけ。 彼女――シエラは跳んだ。 ◇ 「本能の赴くまま殺し合え、か……随分と舐められたものだな」 青白い月の光に照らされ、そびえ立つ古城の近くの線路沿い。 夜天の主に仕えし守護騎士が一人、盾の守護獣ザフィーラは苦々しく呟く。 外見こそ青い毛並みを持つ巨躯の狼ではあるが、彼の実態は何千年もの時を生きた魔道書のプログラムだ。 無論、本能のままに動くただの獣とは違う……殺し合えという理不尽な命令と、それを命じたキュウビという獣に歯向かう意思が彼にはある。 幸い、この場に招かれた者は獣の姿を持つ者だけであるらしい。 彼が守るべき主や、仲間の守護騎士達は巻き込まれていないということだ。 だが、同時に巻き込まれた仲間も存在する、主の友人フェイトの使い魔アルフ。同じく主の友人である魔導士ユーノ。 フェレットに変化できるとはいえ、人間であるユーノがどうしているのか疑問だが……まさか、本当にフェレットと間違えたという訳ではないだろう。 まずは彼らと合流……その道中で、殺し合いへの抵抗を試みる他の動物を探す。 今後の行動方針を大ざっぱに決めると、支給されたデイパックを首にかけ………大きく後ろへと飛び退く。 直後、ザフィーラが数秒前までいた場所へと白刃が振り下ろされた。 (殺し合いに乗った獣……いや、違うな。獣人か?) 衝撃で舞い上がった土煙が晴れ、眼前に襲撃者の姿が現れる。 先ほど振り下ろされた片手斧に月光を反射させ、冷たい瞳で自分を睨みつける姿。 人間形体の自分やアルフよりも、若干獣に近い姿をしているが……白い毛並みを持つ、狼によく似た獣人。 「……こちらには、殺し合いに乗る意思はないが?」 無駄な事と思いつつも、確認のために襲撃者へと声をかける。 「そちらにその意思が無くとも、私にはある」 ろくな感情のこもっていない声を返される。 顔つきや体型から予想はついていたが、やはり女か。 だからと言って、加減するつもりは毛頭ないが。 「すまないが……死んでもらうッ!」 裂迫の気合と共に、獣人が突っ込んでくる。 ……どうやら戦いは避けられないらしい。 ◇ シエラは焦り始めていた。 ただの獣と見て襲いかかったはいいが、この狼……なかなかに手強い。 彼女がヴァディスと共に暮らしていた白の森にも凶暴な獣はいくらかいたが、それを束にしてもこの狼にはかなうまい。 鋭い牙と爪、巨体に似合わず俊敏な動き、魔楽器なしで魔法を行使できる能力。何より狼のくせに空を飛ぶ。 実力としては互角……いや、こちらが若干不利。 せめて愛用する2本の短剣があれば……と思うが、無いものは仕方がない。 ―――轟! 空気を震わせ、狼が雄たけびをあげる。 そこらの小動物なら間近で聴いただけで卒倒しそうな声だが、咆哮の目的はそんなものではない。 狼の足元に三角形の魔法陣が展開……直後、シエラの足元からいくつもの青白い楔がせり上がる。 素早くかわすが、やはり何本かは身をかすめ体に細かい切り傷を刻む。 「……っ!」 楔の林から転がる様に離れる。―――いつの間にか城からは離れ、鉄と砂利で出来た道の様な場所に出ていた。 先ほどまで城と道の間にあった木の柵は、すでに戦いの影響でバラバラになっている。 「まだやる気か? できれば、殺したくはないのだが」 少し離れた所に立つ狼が問いかける。 自分が優勢であることを自覚しているであろうその言葉が、焦りに加えて怒りを湧き起こらせる。 「情けをかけるつもりか? 獣の分際で、余計な知恵を持っている物だな」 「獣の分際とは心外だな……ただ、俺が仕えている主は殺し合いなど望まんお方だ」 「主……だと、貴様も主を持つ者なのか?」 シエラの言葉に、狼は少しだけ眉をひそめる。 「俺の名はザフィーラ、夜天の書の守護騎士にして、夜天の王・八神はやてに仕える盾の守護獣。 ……貴様『も』ということはお前も主を持つ騎士なのだな?」 主という言葉に心苦しい思いがシエラの胸の内に疼く。 「……名乗られたからには、こちらも名乗らない訳にはいかないな。 私はシエラ……知恵のドラゴンが一人、白妙の竜姫・ヴァディスに仕えるドラグーンだ」 「そうか、ではひとつ訊くが……そのヴァディスというお前の主は、殺し合いを肯定する様な輩か?」 「違う!」 即座に上げられるシエラの否定の声。 「ヴァディス様は……ヴァディス様は、その様な事を認める方ではない!」 「ならば、何故お前は殺し合いに乗った? ヴァディスという名は名簿には無かったはずだ……一刻も早く主の元へと帰るためか? それとも、ただ単に生きたいがためか?」 挑発にも似た、ザフィーラという狼……いや、騎士たる者の問いかけ。 それに対してシエラが返すのは。 「こちらからもひとつ訊こう、盾の守護獣。 貴様にとって守るべき存在は……主だけか?」 「……何だと?」 同じ様な、問いかけ。 「ヴァディス様は私にとってかけがえのない方だ……主が大切なのは貴様も同じだろうな? だが私にとって、失いたくない存在というのはヴァディス様だけではない」 正確には一度失った存在だがな、とシエラは続ける。 「だが、それだからこそ二度と失う訳にはいかない。 例えこの場にいる全ての命を奪ってでも……私の命に代えても、絶対にだ!」 片手斧を構え―――シエラは、己が想いを叫ぶ。 「そのためにも、死んでもらうぞ! 盾の守護獣!」 「……痴れ者が!」 再び片手斧を振りかざし、ザフィーラへと斬りかかるシエラ。 対するザフィーラは怒りを露にした咆哮をもってそれに応える。 「失いたくない者がいるのは貴様だけではない! キュウビに殺された仔リスを! そしてその周りにいた者達の悲しみに満ちた顔を! 見なかったのか貴様は!」 「私も見なかったわけではない! だが、その時に思い出したんだ! 失う痛みを! もう二度とあんな思いはしたくない! それだけだ!」 斧の刃が、爪と牙が。 互いの得物が月夜に閃き、ぶつかり合う。 「ならば、貴様の主はどうする! 殺し合いを望まぬであろう主の意思を踏みにじる気か! 守るべき存在がいくつもあるのなら、全て守ろうとは思わんのか!」 「私とてヴァディス様の意思を汚す事などしたくない! だが、その事で迷っている内にあいつを失ってからでは遅いんだ!」 相容れぬ意思を持つ騎士達の、幾度とない衝突。 その戦いに、終わりを告げたのは。 ―――ガタン、ガタン、ガタン ふいに二人の横から、眩い光が射す。 月光とは明らかに違うその光を放ち、こちらへと猛スピードで向かって来るのは…… 「―――電車か!?」 ザフィーラが言った聞きなれない言葉が、シエラの耳に届いた。 ◇ 「……逃げた、か」 目の前の線路を電車が通り過ぎた後、ザフィーラは呟いた。 戦いの最中に線路の上に来てしまっている事には気づいていたが、まさかああもタイミング悪く電車が来るとは考えなかった。 轢き殺されてはたまらないと、自分もシエラも線路上から飛び退いた……自分は東側、シエラは西側。 反対側へと避けたシエラはどうやら、電車が通り過ぎるまでに退却したようだが…… 「しかし油断をした……まさか武器を捨てるとはな」 ザフィーラの足元には、シエラの使っていた片手斧が落ちていた。その刃は血で濡れている。 電車を避けるために生じた、一瞬の隙。 その隙をついてシエラは、斧を自分へと向けて投擲したのだ。 武器を失ってまでの攻撃は確かな功績を残した……斧は左前足に見事に命中。 傷自体はそんなに深くないが、出血している。早めに手当てしなければ動きに支障が出るだろう。 (さて、とりあえずはどこかで傷の手当か……) ふと、足元の片手斧に目を落とす。 これを振るっていた戦士……それは、嘗ての自分―――はやてのために、魔道士からリンカーコアを狩っていた頃―――を思い出させた。 (全てに変えても、守るべき者がいる……その気持ち、分からないでもないがな) 【E-2/線路付近/一日目/夜中】 【ザフィーラ@魔法少女リリカルなのはシリーズ】 【状態】:疲労(小)魔力消費(小)左前足に裂傷 【装備】:なし 【所持品】:支給品一式(不明支給品1~3)、ブロンズハチェット@聖剣伝説Legend of Mana 【思考】 基本:キュウビの打倒。殺し合いからの脱出 0:どこかで怪我の治療 1:アルフ、ユーノの捜索 2:殺し合いに乗っていない動物の保護 3:シエラを警戒。可能なら説得する? ※参戦時期はAs本編終了後、エピローグ前です。 ※シエラが別の参加者のために殺し合いに乗ったと知りました。 ※E-2の線路周辺の木柵が破壊されています。線路には傷はついていないようです。 「『デンシャ』とか言ったか、あのゴーレムは……随分と物騒なトラップだな。」 鉄の道を走ってくる巨大なゴーレムをかわした後、シエラは再び城へと戻ってきていた。 どうやらキュウビは、参加者同士の殺し合いでは物足りないらしい。 (化け狐の思惑などどうでもいいが……それよりも、今は武器を調達するべきだな) ザフィーラへと投げてしまった斧については、少し惜しかったかもしれない。 あのタイミングでは避けれはしないだろう。多少痛手を負わすことは出来たと思うが…… 「やはり、斧はお前が持つべきだな……ラルク」 この場のどこかにいるであろう、弟の名を呟く。 彼女が今、最も失いたくない存在。 ラルクは、一度死んだ身だった。 だが彼は生き返るために、奈落に幽閉されていた紅のドラゴン・ティアマットと手を組んだ。 そして完全なる復活を遂げるために他のドラゴンを殺しマナストーンを集め…… ―――最後はティアマットに利用され、異形の化け物にされてしまった。 その時の光景を思い出し、唇を噛み締める。 忘れるはずもない……異形となったラルクを殺したのは、他でもない彼女なのだから。 だから彼がティアマットの呪いから開放され、再び地上に出ることができるようになった時…… 彼女は、本当に嬉しかったのだ。 もう二度と、姉弟で戦うことなどないと。 あのような悲劇は、これ以上無いのだと。 (だが……悲劇は、起きた。何が殺し合いだ! 何が……何がいけなかったんだ!) 生き残るのはただ一人。他は全て死ぬ。 死んだ者の行き着く先は、ティアマットが嘗ていた、あの奈落……! (ラルク、もうお前をあんな場所へは行かせない。今度こそ姉として……お前を助けてみせる!) ラルクも自分と同じ、立派な戦士だ。 簡単には死にはしないだろう……ならば、自分は一匹でも多くこの場の獣を殺す。 何より、弟は自分がこんなやり方で生き残るのを望まないだろう。彼に合わせる顔がない。 (申し訳ありません、ヴァディス様……私はきっと、もう貴女に会えないでしょう) 夜空に輝く満月を見て、優しき主へと思いをはせる。 (ですから……この場では貴女の戦士ではなく、一人の『姉』でいさせては貰えないでしょうか?) 【E-1/城/一日目/夜中】 【シエラ@聖剣伝説Legend of Mana】 【状態】:疲労(小)全身に細かい裂傷 【装備】:なし 【所持品】:支給品一式(不明支給品0~2) 【思考】 基本:ラルクを最後まで生き残らせる 0:とりあえず怪我の手当て 1:使えそうな武器を探す 2:他の動物を殺す 3:ラルクには出来れば会いたくない ※参戦時期はドラグーン編のシナリオ終了後です。 ※電車を知りません。キュウビの用意したトラップだと思っています。 【ブロンズハチェット@聖剣伝説Legend of Mana】 メノス銅製の片手斧。 時系列順で読む Back 主に仕えし魔物の道は Next クズリくんのお父さんとコウマくん 投下順で読む Back 主に仕えし魔物の道は Next クズリくんのお父さんとコウマくん GAME START ザフィーラ 025 それは不幸な出会いなの? GAME START シエラ 028 暗い渦
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第159話:クリティカル・シャドウ(戦いの終端) 作:◆7Xmruv2jXQ 「鬼ごっこは終まいや、嬢ちゃん」 夜闇を震わせるその音を聞いて、フリウは逃げ切れないことを知った。 足を止め、後ろを振り返る。 水辺を行けば誰かに――願わくばあのミズー・ビアンカに――遭遇するかもしれない。 そう思い、砂利道を走ったのは完全に失敗だった。 明らかなオーバーペースともあいまって疲労は深刻な域に達している。 荒い呼吸を無理やり落ち着けようとしても、肩が上下するのを止められない。 手足は鉛を巻いたように重たい。軽度だが頭痛も感じる。 喉の奥が焼けたように熱く、それがフリウをいっそう不安にさせる。 (やっぱり、どっかで曲がればよかったのかな) 川に固執せず、方向転換するべきだったかもしれない。 苦々しい後悔が胸中を満たす。 フリウの片側だけの視界の中、闇をくぐって、ワインレッドの影が進み出る。 フリウとは対照的に、男――――緋崎正介は疲れた様子もない。 フリウが右手に、正介が左手に川を置く形で両者は対峙した。 「だいぶ疲れとるようやな。悪いが今から第二ラウンドや。今度は逃がさへんで」 「あたしだって、もう……逃げない」 「さよか。なら、手っ取り早く済まそうや!」 叫ぶと同時、正介が大きく踏み込む。 足場の悪さを感じさせない、軽やかな動きだ。 一瞬でフリウに肉薄し、右手で容赦なく殴りつけてくる。 一方フリウの反応も迅速だった。 ハンターに喧嘩は付き物だ。フリウ自身が殴り合いを演じたことこそ少ないが、場慣れはしている。 『絶対に相手から目を逸らすな。そうすりゃあ大抵の動きは見えるんだよ』 同い年の少年から教わった話を思い出す。 フリウはくぐるようにして攻撃を交わすと、大きく左に跳びながら念糸を放つ。 銀の糸が闇を滑った。 正介は糸をかわそうともせずにまっすぐフリウへと向かう。 掴みかかろうとするその右手に、念糸が絡みつく。 「あたしの方が、速い!」 フリウは叫んだ。 そして見た。 正介の両目が、鮮烈な赤に染まるのを。 「――――!?」 目の前で弾けた炎にフリウは声なき悲鳴を上げた。 紅い炎は一瞬だけ闇を払い、同時にフリウの視界を奪う。 それだけで念糸は無効化された。 意思の伸ばし手たるフリウが隙を作ってしまった。 その機を逃さず、正介――――否、始末屋ベリアルが肘を叩きつける。 いかに特殊能力者であろうとも、フリウの体は14歳の少女のそれだ。 フリウの頭蓋を衝撃が突き抜け、たまらず体が宙を浮く。 わずかな浮遊感の後、硬い地面に激突した。 「悪魔がもうちっとまともに使えるんなら、もっとスマートにやれるんやけど……悪いな、嬢ちゃん。 ここでは悪魔の力が制限されとるようでな、おかげで鬼火一個だすのが精一杯や」 フリウは体をまるめ、ひたすら痛みが去るのを待った。 全身が熱く、骨だけが冷えている。 頭の中にはいくつも音が反響しているし、視界は夜なのに真っ白だ。 「あ…う」 水の音も聞こえない。なのに近づいてくる足音だけが鮮明になる。 一歩。また一歩。一定のリズムで進み……止まった。 頭を蹴られる。 突き抜ける衝撃に眼球が揺れた。 打ち所が悪かったのか、意識が混濁してくる。 考えがまとまらず、倦怠感だけを確かに感じる。 何も考えられない。何もしたくない。 ふいに髪を掴まれ、上を向かされた。 ぼんやりとした視界。 男の後ろに、赤い、こぶしくらいの火の球が浮かんでいる。 その火に、フリウは惹きつけられた。 思い出す。 彼女とは自分の村で初めて会った。 彼女とは帝都で再会した。 それだけだ。 ほんの少しの間、道が交わっただけの他人。 それなのに、同じ痛みを抱えていた人。 あの火と同じ色の髪をした人。 彼女の名前は、 「ミズー・ビアンカ……」 「ん?」 意識も虚ろな少女が漏らした名前にベリアルは訝しげな表情を浮かべた。 少女の目は焦点が定まっていない。 まあ、手加減なしで頭を打たれたのだから無理はないが。 今ベリアルの手には手ごろな大きさの石が握られている。 これを2、3度頭に叩きつければ、この少女は絶命するだろう。 多少後味が悪いのは確かだが、それを割り切れる程度には彼は『悪党』だった。 ベリアルは石を叩きつけようと持ち上げて…… 少女と、目が合った。 フリウはベリアルの襟を掴むと、思いきり彼の顔を殴りつけた。 こぶしがひどく痛んだが、まったく気にしなかった。 意外な反撃にベリアルが思わず仰け反る。 自分の髪を掴んでいる手を爪で引っかき、腕に噛み付き、ひたすら暴れる。 念糸は使えない。 発動までのタイムラグは、今の自分には致命的だ。 がむしゃらに四肢を動かすと、ベリアルがフリウを解放して距離をとった。 いつの間にやったのか、端正な顔に大きな引っ掻き傷が出来ている。 体が燃えるように熱かった。 さっきまでが嘘のように意識が鮮明だ。 ミズー・ビアンカ。その名前が、フリウに力をもたしていた。 (あの人に会うまで、あきらめない!) フリウはデイバックを下ろし、素早く剣を取り出した。 鞘に納まった剣を見てベリアルが警戒をあらわにする。 フリウは剣を鞘から抜いた。 重い剣をなんとか両手で支える。 不可視の刀身が夜気に触れる。ベリアルが怪訝な顔をした。刃が見えないのだ。 フリウは身を捻った。ベリアル目掛けて、両手に抱えた剣をぶん投げる。 「ちいっ!」 ベリアルは機敏な動作で回避に移った。 しかし刀身の長さを測りきれなっかったのだろう、ガラスの刃が肩付近を大きく裂く。 ベリアルは肩の痛みに耐えながら、反撃に転じるために崩れた体勢を立て直す。 赤い瞳がフリウを射抜く。 フリウは眼帯を外した。 「通るならばその道」 開門式を唱える。 白い眼球に大気が触れる。 ひんやりとしたその感触こそが滅びの感触だと、フリウは知っていた。 「開くならばその扉。吼えるならばその口」 体勢を立て直したベリアルが迫る。 フリウの詠唱に危険を感じたのか、その表情には濃い緊張の影がある。 「作法に記され、望むならば王よ。 俄にある伝説の一端にその指を、慨然なくその意志を。 もう鍵は無し」 ベリアルが火玉を呼び出しフリウへと投げつけた。 腕に焼けた痛みが奔る。熱い。 じくじくとした痛みが腕を這い回る。 しかしフリウはそれを黙殺し、最後の一文を唱えた。 「開門よ、成れ」 現れたのは銀色の巨人だった。 その体は力に満ちている。 削られた氷河のように荒々しく、鍛えられた刃物のように美しい。 音もなく。気配もない。 それが自然であるかのように、巨人は世界に溶け込んでいる。 「なんや、それ……」 ベリアルは呆然と呟いた。その存在は、彼が今までみたどんな悪魔よりも強大だった。 フリウは答えない。 (まずい……とんでもなくまずいで…) ベリアルはすぐさま逃走を選んだ。 ただで見逃してくれるとは思わない。腕の一本や二本は捨てる覚悟だ。 巨人の左に回りこみ、一気に駆け抜けようとして―――― 銀色の巨人は、彼に一切の時間を与えなかった。 ベリアルが反応するよりも速く、振り上げられたこぶしが叩きつけられる。 瞬時に大気が荒れ狂った。 弾けるように空気が消し飛ぶ。闇が震える。 刹那の間に暴風が川原を蹂躙。 衝撃が地面を抉り、水面にぶつかって盛大に飛沫をあげた。 それだけだ。 その一動作で、すべてが終わった。 あとには抉れた地面だけが残り、ベリアルの姿は存在しない。 わずかな静寂を挟んで。 フリウは静かに閉門式を唱えて、破壊精霊を封印した。 左目の世界が閉じる。 必要なときに呼び出し必要なくなれば封じる。 精霊使いとして完璧な制御だった。 封印が終わると、再び頭がぼんやりとしてきた。 疲労が一気にぶり返してくる。 「なんか……疲れちゃったね」 体も、心も。 今だけは何もかも忘れて眠りたい。 フリウは気を失った。 「やってくれるわ、あのガキ……」 地面に転がったまま、ベリアルは悪態をついた。 全身が水に濡れそぼり、長い銀髪も前髪が顔に張り付いている。 銀の巨人の攻撃は直撃ではなかった。 近距離で受けたとはいえ、余波に過ぎない衝撃波で右腕を折られ、あばらも数本やられた。 止血はしたが、血もかなり流した。 衝撃で川に放り込まれ、どうにか岸に上がれたのは奇跡だった。 「どこまで流されたんか知らんが、生きてるだけ儲けもんか」 正介は歴戦の悪魔持ちだ。今まで様々な相手と戦い、そのことごとくを討ち滅ぼしてきた。 その経験から言えば、あの巨人の攻撃を受けて自分が生きてるのは不自然だ。 本来ならバラバラに四散していてもおかしくはない。 それだけの力を確かに感じた。ということは…… 「あの化け物も、悪魔と同じように制限を受けている?」 そういうことなのだろう。 ならば、やり方によっては互角に渡り合えるはずだ。 「もっとも、もう会わんようにするのがベストやろうな。それ以前に、どっかで治療せんと、まずいわ」 ベリアルは苦痛を堪えて起き上がると、ゆっくりと闇へと消えていった。 【残り95人】 【B-5/川辺/1日目・02 25】 【フリウ・ハリスコー】 [状態]: 気絶。右腕に火傷。 [装備]: 水晶眼(ウルトプライド) 、ガラスの剣はその辺に放置されてます。 [道具]: デイパック(支給品一式) [思考]: ミズーを探す。殺人は避けたい。 【川のあるエリアのどこか/1日目・02 30】 【緋崎正介】 [状態]:右腕骨折。あばらも少々。血も流してます。 [装備]:探知機(半径50メートル内の参加者を光点で示す) [道具]:デイパック(支給品一式) [思考]:ケガの治療をしないと死にそう。 2005/05/05 改行調整、文章一部追加・改変 2005/07/16 修正スレ133 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第158話 第159話 第160話 第113話 時系列順 第028話 第082話 ベリアル 第230話 第082話 フリウ 第208話 第082話 ウルトプライド 第208話
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むらくも - アビスドラゴン グレード〈3〉 ノーマルユニット (ツインドライブ!!) パワー 11000 / シールド - / クリティカル 1 永【V】:《むらくも》以外のあなたの、ヴァンガードかリアガードがいるなら、このユニットのパワー-2000。 自【V】【LB4】:[CB2]このユニットがアタックされたガードステップ開始時、コストを払ってよい。払ったら、相手のグレード1以下のリアガードを1枚選び、バインドし、そのターンのエンドフェイズ開始時、そのカードをRにコールする。 フレーバー:そう、我こそが貴様らの“死”だ! 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 使ってみたいと思う 0 (0%) 2 弱いと思う 0 (0%) 3 強いと思う 0 (0%) 4 面白いと思う 0 (0%) その他 投票総数 0 コメント
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終端の王と異世界の騎士 ◆wC9C3Zbq2k (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第231話 「小悪党マルクに神の鉄槌を下すときがきたようね。位置は特定できたわ!」 オペレーターを喰らったことで知りもしなかったコンピュータの内容が理解できる。 ついでに面白そうなものも見つける。ハルヒの上機嫌は治まるところを知らない。 見つけたマルクの所在とは異なる方向へ歩き出そうとするハルヒにセイバーが問いかけた。 「どちらへ行かれるのですか」 「画面のここの部屋に宝箱があったのよ。行かないわけにはいかないじゃない。 中身はとてもきれいな…虹のしずくっていうの? マルクの背中の羽根に似てたわ。そういうアクセサリね」 水銀燈の翼はいいがデーモンの無骨な黒翼は見栄えが悪いためそれを装身具として身に付けたいのだとハルヒは語る。颯爽かつ華麗に登場してこそ神なのだと。 セイバーの感覚でいえば今のハルヒの格好はオシャレ以前の問題なのだが、本人が裸マントを問題だと思っていない以上それはただの文化の違いなのだろう。 従者はとやかく言うべきではない。そう判断して多くの言葉を飲み込む。 「お供します」 「美しさは罪っていうけど、そんなことが罪であるもんですか! 女装した化け物なんかに神が劣る点があっちゃいけないのよ」 上機嫌のハルヒは語る。 もちろんそのアクセサリ、ハルヒやマルクが装備するためのものではない。 それどころかドラグーン(乗り物)の一部なのだが、あまりに幻想的かつ人の基準からみて小さすぎるため彼女が必然的にそれを曲解したというだけのことだ。 格納庫の方向へ軽く浮きながら二人は向かう。 「それからアル…なんだっけ、あんたの名前」 「私は貴女の一介の駒に過ぎぬ存在。役割としての名であるセイバーで結構です」 「セイバー、あとどれくらい実体化できるの?」 召喚したモンスターの有効期限はどこにも書かれていなかった。 ハルヒの予想では長くて六時間、短ければそろそろ消滅するころ。 思っていたより強いことがわかったのでできれば最後まで有効に使いたい。 「申し訳ありません。残された時間はあと僅かです」 「だめよ。あんたには参加者のゴミどもを掃除してもらうつもりなんだから。 デジヴァイスだって光ってるわ。この勇気のタグ? とかいうので進化してもう少し持たせなさい」 そう言った途端黒い光がセイバーを包む。外見の変化は見受けられなかったが、身体が甲冑ごと軽くなっていることには気付いた。 本当に進化したらしい。セイバーは驚いたようにハルヒを注視する。 「これでやれるわね。格納庫にいる連中の皆殺し、任せて大丈夫かしら」 「相手が人間であれば、何人であろうと遅れをとることはないでしょう。英霊とはそういった存在です」 自信ありげなその答えにハルヒは満足する。モンスターにしておくのが惜しいほど忠実ではないかと。時間内に片がつくのなら単騎で殲滅してもらおう。 格納庫の入口で立ち止まり、ハルヒは言い放つ。 「遠くに見えるあの集団がそうよ。食べたい気持ちもあるけれどさっきちょっと食べ過ぎたし、全員価値もないただの人間だから好きなように殺してかまわないわ。きひゃひゃっ! とりあえず先に半殺しにしておいてあげる。あたしはこれを撃ち終えたら例のアクセサリを拾いに行くから。つまりここで一旦お別れね」 「かしこまりました。マイマスター」 ハルヒが目を閉じ、声がブラックナイトマジシャンガールの野太いものへと切り替わる。能力を本気で使うために支配下に置いた存在を表層へ出したらしい。 「セイバー覚えておけ。神の崇高な理念を解さぬものは、いつか必ずこうして葬り去られるということを。アルカス・クルタス・エイギアス、煌きたる天神よ―――」 ラテン語と日本語の入り混じった詠唱によって、格納庫の天井に巨大な光の魔方陣が形作られる。その文字が示すものは、豪雷。 「サンダーフォールッ!」 幾本もの雷の柱が、少年少女の下に降り注いだ。 レナたちによるハルバード内部の探索の結果は上々といえた。 マルクはこれほどのものを密かに建造していたのかと憤慨していたピエモンが、これならプロテクトを解除するだけで操縦でき、かつ皆を元の世界に送り届けることができるはずだという結論を出したのである。 そしてその問題は、主要プロテクトのすでに外されたnice boat.のメインコンピュータで代用すれば解決可能なはずだと。 となると正式に運用するために足りないのは各所に配備する人員だけということになるが、これは残念ながらオペレータールームからピエモンに従ってくれるデジモンを引き入れるしかない。 マルクを探し出して決着をつけたのち禍根を絶つべくノヴァを完全停止させ、その後オペレーターを拉致して順にもとの世界へ帰還する。これが現在の優先順位だ。 一応人数だけなら核鉄の能力で分身できる日吉とディパック内で9体にまで増えていたケラモンで最低限は確保できる計算なのだが…… 残念ながら、彼らにオペレーティング技術はない。日吉はひたすらにテニスに打ち込んできたスポーツ少年。ケラモンは電子的な存在でこそあれ精神的に幼すぎるクラゲ。 そしてなにより、彼らによる共同作業は不可能だとレナは判断せざるを得ない。 日吉は口数が少なく一見クールに見えるが根は圭一に近いかなりの熱血漢だ。 自分や仲間を攻撃し重傷を与えた化け物と手を組むことに対して非常時だからとすぐ割り切れるほど冷酷非情な男ではない。 この件に関してはむしろレナのほうが異常なのだ。卑下するつもりはないがこんな環境で感情を抑えきれるほうがよっぽどおかしいということは彼女も認識していた。 そう。例えるならば、皆にとってクラちゃんたちは「人を噛んだことのある毒蛇」。 それほど危険で敵性の高いものをいま友好的に見えるという理由だけで檻にすら入れていないのだから非難されても仕方がない。 皆仲違いを恐れてか誰も強くレナに主張しなかったが、内心で不安がっていることは確実だろう。 クラちゃんに関しては所持を告げた時点で殺せと言われなかっただけましだと思うしかない。 (それに……) まだ戦いは終わっていない。この先何人仲間を失うことになるかわからない。 どれだけ自動化が進んでいようと宇宙戦艦は怪我人と棺桶で回せるほど甘くはない。 使えそうな道具も携帯するには難のある大きなものばかりだったので、全員揃って艦を出る。 ピエモンだけが妙に艦の技術に興味深げで格納庫から出ることを渋っていたが、遊戯の説得で歩を合わせ始めた。 「それにこんな大きな船、計画のどの部分に必要だったんだい? 地上にいる僕たちと戦うのにロボットならともかく戦艦なんて必要ないよね」 「うむ、その通りだ。脱出用の宇宙船ならともかく戦艦などバトルロワイアル遂行には明らかに不必要。マルクが何か別の目的で動いていた証拠に他ならない。 やはり正さねばならぬようだな。裏切り者マルクを」 遊戯の誘導に少女ピエモンが意気揚々と賛意を示す。相変わらず彼のマルクへの疑いは揺るがないようだ。 脱出艇でなく宇宙戦艦なのは確かに無駄が多すぎるように思えるが、時空管理局などの組織がここを発見した場合に逃げ切るための武力と考えれば決しておかしな話ではない。 もっとも、ただ派手好きなだけなのではないかという疑念も拭いきれないが……。 「まだ警備は来てないが、来られると厄介だ。合流を急ごうや」 「そうだね。霊夢ちゃんもKASくんも、カービィちゃんまで生きていてくれてどこかにいるみたいだし」 全員城にいる。古泉だけが会場に取り残されている可能性もあるが、おそらくは彼も城に招かれている。マルクならきっとそうするだろうとレナは考える。 古泉をこちらに引き入れることはできるか。彼がいつもの表情で降伏勧告を受け入れたとしてそれを信用できるか。できる限りの参加者を救いたいのにその壁はあまりに厚い。 ハルバードから離れてしばらくのち、不意に周囲の景色が鮮明になる。 それに気付いた集団の最後列にいた遊戯が誰にとはなしにつぶやいた。 「なんだか少し明るくなった気がしない?」 最初に気付いたのはクロスミラージュだった。 『屋内でなんてことしやがる! 避けられねえ、伏せろっ!』 「上!?」 中空に突如浮かんだ巨大な魔方陣から発せられた幾本もの稲光が、彼らに降り注いだ。 天候操作で強引に発生させた本物の落雷である。肉体の鍛えようなど関係なくただ命中したものに残酷な死を与える。 ハルヒの計算ではこれで半分は即死し、半分くらいは何らかのアイテムで生き残るが身動きのとれない重症に陥る。 そうなれば残りはセイバーが難なく駆除できる。そのつもりで放った強力な儀式魔法だ。 だが、轟音が去ったあとに倒れ伏した黒影はなかった。 全員が、身体の痺れに耐えながらも立って新たな来訪者を見つめている。 「驚嘆すべき力です……。雷撃も、あなたたちも」 「そいつはどうも。あんたもデジモンか?」 皆の前に現れた女騎士の感嘆の言葉を日吉が受け流す。 メタルブレードの掃射と防護魔法で電流を逃がそうとしたレナ、フライパン一本でレナの背後にあった例の棺桶を全員の盾になるよう強引にサーブした日吉。 同じくその大きすぎる隙間を埋めるように瞬時にレッドアイズを喚んで壁にした遊戯。ピエモンを野放しにはできないと遊戯が手放した包丁を手に取ったが雷のときに金属はまずいと思い直しあわてて投げ捨てたつかさ。 その包丁がいきなり眼前をかすめて背筋が凍ったピエモン。二人ほど役に立っていない気もするが、結果的に全員が全身の痺れを訴える程度までの被害で済んでいる。 女騎士は告げた。 「マスターのため、あなたたちを殺しにきました」 レナが女騎士に問いかける。 「ずいぶんと理性的だね。なのになんでそんなおかしな命令に忠実なのかな?」 「『圧倒的な力による支配』も世界に平穏をもたらすための正しい手段のひとつだと私は考えています。その力がマスターにはあって、あなたたちにはその力も意思もない。 対立する存在だからこそ、いま滅ぼしておかねば悪い結果を招きます」 「力なき正義は意味を為さず、正義なき力もまた無意味…だっけ。誰のセリフだったかな?」 二個目の質問に答えることなく、女騎士は腕を降ろし再度口を開く。 「あなたがたの存在はただの危険因子。未来を失わぬためなら、私は冷酷な一振りの剣となることにためらいはありません。それこそが、セイバーと呼ばれる私がここにいる理由なのでしょうから」 「所詮それは虚飾だよね。その努力で作られる平穏は、刹那のものじゃないの?」 「どれだけ希望がなくとも、私は世界を終わらせたくはない」 そう吐き捨てたセイバーの姿に威圧感を覚え皆が黙り込む。 その沈黙を破ったのは遊戯だった。 「この人…モンスターカードだ……。つまり、どこかに使用者がいる!」 「わかるの? 遊戯くん」 「うん。デュエルディスクのおかげかな。セイバー……攻撃力4500/防御力3000。ブルーアイズっていう僕らが使った最上位のドラゴンより遥かに強いよ。気をつけてみんな!」 絶望さえ覚えそうな数値をレナは茶化す。 「はうぅ。遊戯くんに伝説の英雄くらいじゃないと勝てないって言われた気がする。どうしよう日吉くん」 「てめーは充分伝説の英雄だよっ! 竜騎士レナ!」 「あなたも、騎士…なのですか。竜の姿が見えませんが」 「じゃあ貴女も騎士なんだ、セイバー。でもね、竜騎士っていうのは竜に乗るとは限らないんだよ? いくよ、クロスミラージュ。……モードⅡ」 『よしきたぁ!!』 セイバーは驚愕する。僅かな痛みと軽い疲れが自分を襲ったことに。 間違いなくそれは竜騎士レナの攻撃。ほとんど何のダメージにもなっていないとはいえ、ありえない挙動から攻撃を受けたという事実は軽視していいものではない。 目の前のレナは拳銃に見えたはずのものから魔力刃を伸ばし構えている。何をしたのかよくわからないからこそ警戒を強めなければいけない。 「りゅうけん…魔力増えたかな? クロスミラージュ」 『おうよ。けどああ警戒されちゃあ二度はないな。ダガーモードはティアから聞いてたんだな?』 ティアナが生前にクロスミラージュのことを伝えていたという事実はない。レナはただ不思議に思っていたのだ。 魔法の実在する世界で発動体であるデバイスが銃の形をする必要性は全くない。 魔力弾を創り出し精度の高い射撃を行うことが銃の形状をしていなくとも可能である以上、拳銃であることは手の自由を奪うマイナスの意味しか持っていないことになる。 直接攻撃できる剣や槍をデバイスとして用いるのならわかるが、そうでないなら手袋か腕輪のように両手を使えるものであることが望ましいはずだ。 ただの一丁にも二丁にもなるアンカーガンではあきらかに能力不足。 だから、手で持つ以上近接戦闘用の機能はないとおかしかった。それを試す機会が今までなかったというだけのことだ。モードⅡという呼称も思い付きである。 「なるほど。貴方達ほどの傑物と剣を交わすことができたことを、光栄に思いましょう」 セイバーが剣を構えるでもなく宣言する。が、警戒して距離を詰めれずにいることは明らかだった。レナは遊戯に告げる。 「つかさちゃんとピーちゃんを連れて、マスターを探して! この人はレナと日吉くんで止めてみせるから」 「でも、デュエルモンスターズをよく知っている僕のほうが」 「とっておきのある遊戯くんにしかできないの。予想が当たっているなら、力押しだけじゃ彼女のマスターに勝てない」 一拍おいてレナは続けた。 「彼女のマスターは、古泉くんじゃなくてハルヒだから」 セイバーとレナを除く四名に衝撃が走った。 「馬鹿なっ! ハルヒは放送で死亡を宣告されたはずだぞ」 「なんで、なんで? カービィちゃんが生きてたことと関係あるのかな?」 「ハルヒが…そうか。レナは、僕に切り札があることも知ってたんだね」 ざわめきだす後衛に、真っ先に気を取り直した日吉が怒鳴りたてる。 「理解はあとでいい。俺たちがこいつに負ける前に行ってハルヒを止めろ。カードは使用者さえなんとかすれば止まるんだろうが!」 「うん! 強さがわかってるだけに勝ってとは言わない。だから――無事でいて!」 遊戯がつかさとピエモン、二人の手をとって駆け出そうとしたところにセイバーが割り込もうとしたが、彼女はその場にいなかったはずの誰かに飛び膝蹴りをくらい真横へ吹き飛ばされた。 「!?」 レナが叫ぶ。 「遊戯くん今のうちに! つかさちゃんも走って!」 セイバーが振り向いた先、鮮やかな水色の髪をツインテールにしたベビーフェイスの女子レスラーが、沈痛な面持ちをしてそこにいた。 「ウタイタイ…ウタイタイヨ……」 「伏兵ですか」 セイバーは驚く。どこから出てきたか全く気配を感じさせなかった。 相手がほぼ全力で攻撃してきたことは確かなので強さそのものは警戒するほどではないが、それでも斬り飛ばして離脱しようとする三人を追えるほど強行突破は容易ではない。 日吉もレナも隙あらばとこちらを伺っているのだ。命令の完全な遂行が望めなくなるのは痛手だがこれ以上無謀な行動は取れなかった。 今にも泣きそうな顔をしたツインテールをレナが諭す。 「聞きなさい初音ミク。ここにそんな自由はない。もしあなたの存在意義が歌うことだとしても、闘いの果てにその権利を勝ち取らなければあなたが歌う機会は決して来ないの。 私は戦う力・北米版パッチをあなたに与えた。すべきことは分かってるよね?」 「タタカイハ イヤ…ウタウコトト ネギガスキ」 「私たちが、好きで戦ってるように見える? 見えるなら好きにすればいいよ」 「…ワカリマシタ」 「今際の際に口論は不要。そこまでです」 そう言いながらセイバーが突進するが、フライパンを構えた日吉に阻まれる。 「武器も見せずになめてんじゃねーよ」 「日吉くん、違っ!!」 セイバーの両腕がまるで剣を握っているかのように日吉に向けて一閃する。手にしていたフランパンはたやすく両断され、彼の右肩から激しい血飛沫が舞った。 そして、ゆっくりと、その長身は前のめりに倒れた。 凄惨な光景に声を震わせながらレナは叫ぶ。 「セイバーはすでに剣を構えてたんだよ…どうして気付いてなかったの? 日吉くん!」 返事をする者はない。あれだけの出血、すぐにでも治療しなければ意識の戻らぬままこちらには帰ってこられない存在になってしまうことだろう。 血を浴びたはずの彼女の剣は変わらず不可視の刃のままだ。レナはセイバーを睨み付ける。 「なぜそんな顔をするのですか。人は戦場において誰しもあっけなく死んでいくものだというのに。それよりも貴女が風王結界に気付いていたことのほうが驚きです」 「戦争をしたことがなくても、もうそれくらいわかってるよ。でもね…そうでない世の中であってほしいとみんな願ってたの。だから、手の届く範囲だけでも叶えていかなくちゃいけないんだよ」 「恥ずかしいこと言ってんじゃねえよ」 「あなたは…日吉!」 「日吉くん!」 無傷の青年がそこにいた。確かに命を奪った手ごたえがあったはずなのに。 だが、彼が倒れていたはずの場所を確認しても今は血の跡しかない。つまり仕留め損ねたということ。 戸迷いながらもセイバーはすぐさま振り返り剣を振るう。 「甘えよ。なんのために一度斬られたと思ってる」 「なん…だと!?」 勝利を約束するはずのその伝説の剣は、まるで見えているかのようにあっさりと彼の握った月牙で弾かれた。 しかも彼の言うことが本当なら剣の間合いを知るためにわざと斬撃を受け、たった一度で騎士王の剣筋が見切られたということになる。 すぐに気を取り直し反撃に備えて防御体制を取ったさせたセイバーだが、彼の攻撃はKIを纏った左手での掌打。防ぎはしたもののあまりの威力に体勢を大きく崩す。 日吉は叫んだ。 「今だやれっ! 初音なんとか!」 姿勢を下げて全速力で向かってくる小柄な女子レスラー。だがセイバーの見るその姿にはちらつきが混じっていた。 (幻術魔法……本体はどこに!) 気配は正面の虚像から感じるのみ。初撃を受けたときと同じように考えれば、ミクという少女は気配を完全に殺せることになる。 正面のミクが何かを唱えようとする瞬間、セイバーの斜め上に気配が生まれた。 これこそが本体と判断したセイバーはその空間を斬りつける。 「せいっ!」 が、直後に耳に届いた少女の絶叫を聞いてセイバーは直感が外れたことを思い知らされることになった。 そして、正面が本物だとしてもたいした攻撃力ではないという計算すら誤りであったことも。 「ウンドウカイ プロテインパワー!」 強化されたミクの叫ぶように叩きつける最高速の拳が、防御力3000といわれた彼女をなすすべもなく遠方の壁に激突させた。 セイバーの吹き飛ばされた先を警戒しながらレナは日吉の前に降り立つ。 「核鉄の能力かな? 本気でびっくりしたよ」 「あれ以外に方法が思いつかなかったんだよ。文句は勝ってから言いやがれ」 何のフェイクでもなく“二人に増えてから一人死んだ”日吉がまだ血色の戻らぬ顔で悪態をつく。 スパイダーマンも用いたサテライト30の正しい使い方ではあるが、日吉にとっては何の事前情報もない大博打。今も死の恐怖と感触は生々しく残っている。 氷帝で次期部長候補として先輩たちに徹底的にしごかれた経験がなければ紙一重での回避も感覚と身体のどちらかが追いつかず失敗していただろう。 「レナこそやるじゃねえか。adobe部長を思わせる知略だったぜ」 「ありがとう。でも誰それ」 レナが使ったのは、幻術魔法による二重のフェイク。 突進したミクは幻影を被せた本物のミク。不意打ちしようとしたミクは幻影。 さらに日吉の死に動揺し立ち尽くしていたレナも幻影で、本物は透明化した上で上空からの奇襲を狙っていた。補充した魔力も再度枯渇状態になるほどの大盤振る舞いだ。 「まだ終わってないよ。油断しないで」 「勿論だ。だが、レナの指揮なら安心して戦えるぜ。俺たちの大将はもうお前しかいねえ」 「もう……か。責任重大だね」 「そら行くぜ下克上、此処に集え! 我等竜宮一家だ!」 攻撃モーションで硬直したままのミクに発破をかけるように踏み出しながら叫ぶ日吉。 だが、レナはそこに訂正を要求した。 「つかさちゃんがいない今だからいいかな? 竜宮一家じゃなくて園崎一家でも」 「園崎……殺されたそいつが、お前にとって人生の師匠だったんだな?」 コクリとうなずくレナを背中に、一騎当千の若獅子は下克上を復唱する。 最強の騎士を討つという試練も、きっと乗り越えられる。そう信じて。 「もう一息だ。折れんなよ!」 「うん!」 レナの力強い一言に対抗するかのように、遥か先のセイバーが構えをとる。 お互いメインとなる手の内を見せたいま、よほどの奇策がない限り後の先を取った側が有利。両者ともそれを意識してか睨み合いといった構図になる。 日吉たちに不利になるとわかっていて攻勢に出る理由はない。カードの所有者を止めれば彼女も消えるのだから遊戯たちが所有者をとめれば戦わずにすむのだ。 そしてなにより、セイバーは強い。一撃でもまともにくらえば命が危ういほどに。 時間が余っているわけではない。だがより焦っているのは、確実にセイバーのほう。その認識があるから冷静に待つことができる。 「初音がまったく動かないようだが、まさか死んだか?」 「緊急停止がどうとか聞こえたから、ただの故障だよ……たぶん。パッチが雷で壊れかけてたのかな」 「生身の体になっておいてそんな故障するのかよ。ひでえな」 そのまま睨み合いは十分近く続いた。 セイバーは眉をしかめながら無言でレナたちの様子を見続ける。 大言壮語を吐いておきながら半数を逃がし、さらに残った面子にも勝てずにいる。 ハルヒに敵う者が存在しない以上どれだけ望みが薄くとも彼女の機嫌を取り続けるべきだという考えが揺らぐほど、対主催集団は統率が取れていた。 しかし所詮は人の身。彼らはハルヒどころか主催者にすら反抗して確実に勝てる要素すら持っているわけではない。 せめてカリスマ性のある指導者でもあれば違っただろうが、層が薄すぎるのだ。 ハルヒの太鼓持ちに落ちぶれようとも、誰かがこの世界を滅ぼし新たに悪夢のような天地創造を行おうとしている神を止めなくてはならない。 (私はカードに封じられたただの英霊にすぎない。だが、最悪の結果だけは避けなければと決意した) この身は朽ちても翌日にはまた召喚可能となる。ならば相討ちとなろうともここで一人は屠るのが己が道の示し方であろう。セイバーはそう覚悟を決めて踏み込む。 直後、セイバーの身体が金色の光に包まれ……その場から消えうせた。 周囲に鋭敏すぎるほどの警戒を送ったのち、日吉が述べる。 「……どういうことだ? 遊戯たちがやったのか」 「逃げられたようには見えなかったから、たぶん」 緊張の糸が切れたのかへたりこむレナ。 思い返せば、仮眠すら取らず連戦に次ぐ連戦を高校生にも満たない少女がこなしてきたのだ。そう気付いた日吉はレナを急かしてしまわぬよう自身の焦りも心の内に封じ込める。 そう。遊戯たちがハルヒに勝ったのなら、残る敵はマルクと雑魚デジモンだけ。バテ気味の自分たちが忙しなく動いて体力を浪費する場面ではない。そう信じて。 「北米版パッチってのはこれか。外しておくぜ」 「ありがとう。……ミクには、悪いことしちゃったな。はは…」 「あんまりモノに感情移入しないほうがいいな。お前はいま疲れてる」 日吉の心配をよそにレナはすぐさま立ち上がり、軽く柔軟をした。 「知ってるよ。だとしても立ち止まってる暇はないから。行こうか」 「……ほんとに中学生かよ、お前」 「それはお互い様だね」 初音ミクとパッチは日吉にそのまま持たせ、レナは日吉を先導しながら遊戯たち・霊夢たちを探して歩き出す。 その歩みを見たものは亡霊でも見たかのような不気味な力強さを感じたことだろう。 彼女たちを突き動かす原動力は正義感や生への渇望ではなく、生き残った者としての責任感と意地だった。 回復薬だったはずの実を無理やり水で喉に流し込み、レナはつぶやく。 「ごめんクロスミラージュ。いまは貴方の声、うまく聞き取れないや……」 【3日目・黎明/クッパ城格納庫】 【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:悲しみ、かなり疲労、魔力枯渇気味 [装備]: リアルメガバスター(93/300)@デッドライジング、メタルブレードのチップ、包帯 サイレンサー付き拳銃(6/6)@サイレンサーを付けた時とry、鉈@ひぐらしのなく頃に クロスミラージュ@リリカルなのは、バリアジャケット(龍騎士レナフォーム)@07th Expansion [道具]:支給品一式*13(食料3・水3消費)、日本酒(残り半分)、オミトロン@現実?、モモンの実*3@ポケットモンスター、鉄パイプ、 本『弾幕講座』、アイテム2号のチップ@ロックマン2、暗視ゴーグル@現実、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、 ポケモンフーズニ日分(四食分消費)@ポケットモンスター、ほんやくコンニャク(1/4)(半分で八時間)@ドラえもん、テレパしい@ドラえもん(残り2粒)、五寸釘@現実、 雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、サイレンサー付き拳銃の予備弾95発@サイレンサーを(ry 桃太郎印のきびだんご(24/25)、ウルトラスーパー電池(残り30%)@ドラえもん、ゼットソーハードインパルス@現実、ハイポーション×2、 飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、十得ナイフ@現実、ナイフとフォーク×2、包丁、首輪の機械部品、MASTER ARTIST01~10@THE IDOLM@STER、 壊れたオセロ@現実、ノートパソコン(バッテリーほぼ満タン)@現実、RPG-7(残弾5)@GTASA、RPG-7の予備弾薬95発@GTASA 富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、ピッキング用針金、 盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒し(ry、フィルム、 ピーピーマックス@ポケットモンスター、ウィンチェスター M1895/Winchester M1895(狙撃銃、残弾5)@現実、ウィンチェスターM1895の予備弾95発@現実 無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、10円玉@現実?、札束(1円札百枚)、琴姫の髪 、クラモンD×9匹、Nice boat.のメインコンピュータ、フタエノ極意書@ニコニコRPG [思考・状況] 1.霊夢ちゃんやみんなと合流したい 2.罪滅しをする ※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。 ※身体能力が向上しています。それによってレナパンが使えるようになりました。 ※ノートパソコンに海馬の残した何らかのファイル(飛行石関連その他)とメッセージがあります。メッセージは打開が成功したら読め、との事です。 ※バリアジャケットはひぐらしを起動すると出てくるアレ、もしくは07th Expansionのトップのアレ 【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】 [状態]:ほぼ回復、中程度の疲労、覚醒、右腕に少し鈍痛 [装備]:サテライト30@真赤な誓い [道具]:支給品一式*7(食料一日分、水二本消費)、ネギ@ロイツマ、長門の首輪、コイン*2@スーパーマリオワールド 孔明ブロック(大)@スーパーマリオワールド、 炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト、首輪の残骸、上海人形、テニスボール*3、ジアースの機械、電気部品、北米版パッチ@エキプロ、初音ミク [思考・状況] 1.天衣無縫の極みを会得し、主催に下克上する。 2.遊戯たちとの合流を急ぐ 3.レナの体調が少し心配 ※無我の境地をマスターしました。KIも操れるようになりました。 ※フタエノキワミをマスターしました。 ※無我の扉の一つ、百錬自得の極みに到達しました ※ピーちゃんの事を間違えてビーちゃんと呼んでいます sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして 時系列順 sm231:~The Endia & The Knights~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして 投下順 sm231:~The Endia & The Knights~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして 竜宮レナ sm231:~The Endia & The Knights~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして 日吉若 sm231:~The Endia & The Knights~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして 柊つかさ sm231:~The Endia & The Knights~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして 武藤遊戯 sm231:~The Endia & The Knights~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして ピエモン sm231:~The Endia & The Knights~ sm230:第二次ニコロワ大戦Ⅳ ――巨人の目覚め、そして 涼宮ハルヒ sm231:~The Endia & The Knights~
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2. 文法 2.1. 文脈自由文法 文脈自由文法(context-free grammer)は複数の生成規則(production)から構成されます。個々の生成規則は左辺(left-hand side)に非終端記号(nonterminal)と呼ばれる抽象記号を、右辺(right-hand side)に非終端記号と終端記号(terminal symbol)の列を持ちます。各文法において、終端記号を特別なアルファベットで表します。 目標記号(goal symbol)と呼ばれる単一で重要な非終端記号を含む構文から始まる文脈自由文法は言語、すなわち非終端記号を左辺と一致する生成規則の右辺と置き換えることを繰り返すことにより得られる終端記号の可能な列の集合を定義します。 2.2. 字句文法 2.3. 構文文法 2.4. 文法記法