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799 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 09 33 27.56 ID plyv+7CE0 CoCで初心者卓に参加した 出来あがった「PC」の大半が一般社会人で、怪異と積極的に関わるような性格を持つような経歴も持たず 必然的に「今何か見えた気がする、ちょっと確かめてくる」「俺は一人で部屋に戻るぜ」とかやらずに 「今何か見えた気がする、気のせいに決まってる」「様子がおかしい、不用意に出歩かないようにしよう」 こんな路線だったせいか、何も起こることなく訳の分からないまま結末を迎えた マスターが言うには PCが積極的に関わろうとしなかったから何も起きなかっただけ、むしろみんな安全志向だったからこのエンディングで良かったじゃないか 何かイベントを求めるなら積極的に首を突っ込めばよかった 俺はCoCはどれだけ逃れようとしても否応なく怪異に巻き込まれるゲームだと認識してて、他の人も同意見だったが マスターにはただのCoC性の違いと切り捨てられた 休日を無駄にさせられた感があって今も釈然としないけど、マスターの言ってる事も分からないでもないし 困はいなかったってことでいいんだろうか? 800 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 09 41 38.87 ID PQY0Z59e0 シナリオに参加しなかったPLどもが困。 初心者卓なら参加せざるを得ないくらい強力なヒキを作らなかったGMもちょっと下手打ったかな、くらい。 801 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 09 46 05.43 ID i9jUEUye0 [1/3] もしかして「初心者」性の違い? 802 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 09 49 47.96 ID dtZd38280 [2/2] 正直初心者集めといて誘導・アドリブ等でシナリオ進めないKPは下手だと思うが かといってシナリオから逃げ続けたPLどもには「休日を無駄にさせられた」とか言う権利はない 803 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 09 50 09.45 ID P6ezHqcJ0 799 GMが下手だな PCが自主的に破滅行為をしないとシナリオが成り立たないとかやっちゃいけないわ 無事に終わっただけで尾根型吟遊の一種だ 想定外な行動したらシナリオに参加できないようでは駄目すぎる 804 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 10 16 16.34 ID ncEfE37t0 双方歩み寄りの無いセッションとかそれはいったい何をやっていたんだと言いたくなるな 806 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 10 34 23.47 ID MJOPR4Vy0 [2/6] 何時間セッションやったか知らんけど、途中でおかしいと思わんかったんかと 808 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 11 21 54.63 ID wAw/KTQX0 確かにGMにも不親切なところはあるけど 「俺はパン屋だから冒険には出ません、パンを打ってます」 をやりつづけたらそら何も起こらんだろうと思う 809 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 11 27 58.24 ID +ABMgFaC0 まあこれはキーパーの失敗だよね。 初心者卓、と銘打った以上は。 困はいないと言っていいけど。 810 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 11 48 56.04 ID 2FNmLNRq0 KPは上手くないかもしれないけど同情はした 俺もその卓のKPちょっとやだわ 811 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 11 58 39.93 ID Cl0WCUtWO [1/3] こういう話を聞くたび、今回予告やハンドアウトがなんで生まれたか分かるな。 812 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 12 13 20.48 ID v6sNwW7A0 いくら初心者だからって、巻き込まれ型でないと動かないような地蔵PCはNG 813 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 12 20 56.44 ID MJOPR4Vy0 [3/6] この点は馬場先生がマトモな事を言ってた記憶 PCの目的は生存(怪異の回避)だが、PLの目的は怪異の追体験だからそこを両立するような意思決定をしなさいとかなんとか 814 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 12 32 58.47 ID dpycvdOo0 [1/2] 困がいないって言ってるやつは正気か? KP突き放しすぎだろ 初心者なんだったら「この後何かあるかもしれないから様子を見よう」って思うのも当然で KP「PCが動かなかったからなーんにもありません」 これは「KPの俺は悪くない、PCのお前らが動かなかったのが悪いんだぞ」って責任転嫁でしかないわ PLの自主性に頼りきったシナリオで、乗らないとシナリオ展開しない、しかも放置ってそれは困だわ 815 名前:ゲーム好き名無しさん[] 投稿日:2015/07/15(水) 12 38 12.87 ID lDsovXCY0 この件で困がいるとすれば、終わって振り返って自分におかしな所があったかもしれないと、疑え無いのが困。 KPば初心者を相手に迎える準備が無かったし、PLはもっと積極的に動かないと楽しくないのかも、と思えば良かった。 報告者が初心者ならば、一旦休憩中に周りと話し合うテクニックがあるし、初心者卓に入った経験者ならば他の初心者を楽しくさせることだってできただろ。 816 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 12 41 34.58 ID Cl0WCUtWO [2/3] KPもPLも下手だよね。 どうも、思考が固かったり、停止したりするタイプほど、自覚はないっぽいんだよな。 818 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 12 49 12.64 ID eluaskpS0 [1/2] 811-812 一般的な?TRPGならそうかもしれないが、これはCofCでしょ。 明らかに「キーパーが下手」 明文化された目的があるわけでもなく、 経験値も無ければや金銭的報酬も無意味、ましてやマジックアイテム獲得なんか微々たる物で、 「PCが何故キケンを犯してまで探索するのか」がこのゲームの肝。 そしてそれは25年も前に『PLたちの好奇心』と断言されちゃったでしょうが。 つまりこのキーパーのセッションは「興味を惹かれる要素がない」もので、 海千山千の古参PLなら「じゃあここからオレ様の華麗なろーるぷれいで・・」とかあるかもしれないが、 到底、初心者にオススメできるものではなかったんだろ。 819 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 12 50 42.40 ID MJOPR4Vy0 [4/6] 814 乗らないと展開しないのは仕方ないんじゃねーの 自主性に頼るっつーても、何もなしに酒場に放り込んで「好きにロールプレイして下さい。自分から動かないとイベント起きません」と投げたわけじゃなくて、 何かしら怪異の予兆を演出してるのにスルーしたってのは冒険者ギルドから依頼を提示されても、理由をつけて「その依頼は受けません」つーてるようなもんだろ 820 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 12 57 20.17 ID REW3DMef0 [1/2] 「今何か見えた気がする、気のせいに決まってる」「様子がおかしい、不用意に出歩かないようにしよう」 とPLがPC操作してる時点でベテランGMでも巻き込み型以外はできないと思うが。ホラーのお約束 正面からつぶしにかかられたら、それが意図的だろうと無かろうとGMにやれることは少ないよ 821 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 13 30 42.34 ID Wh/GgZQo0 絶海の孤島へのお誘いなんかあってもリーマンPCだったら「そんな急に休み取れません」「せっかくの休日にそんな辺鄙な所行きたくない」っつってスルーされそう 探偵とか作家とか記者とかホラー的に無難な職業にしときゃよかったのに 822 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 13 34 32.58 ID D5hndAWa0 事故だとは思う 思うけどソードワールドで依頼を受けてくれない程度にめんどくさい 少なくともKPのせいだけではない 824 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 13 52 35.30 ID JAB3oUPD0 報告内容だけで判断するなら、上手くはないかもしれんがKPを責めるのは酷だと思うぜ PLは積極性がないどころか、積極的に話に関わろうとしなかったわけだし 必然的に「今何か見えた気がする、ちょっと確かめてくる」「俺は一人で部屋に戻るぜ」とかやらずに 「今何か見えた気がする、気のせいに決まってる」「様子がおかしい、不用意に出歩かないようにしよう」 しかも、これはわかっていてやったように見える 振りを全面的に拒否られるのは流石に辛い 825 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 14 00 31.67 ID mnAheQgt0 [1/2] 別に気のせいだ。で、済ませるならば 容赦なく身内犠牲にするか、PC呪ってタイムリミットつけるかすりゃええやんと 826 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 14 02 08.19 ID nK+WtloK0 [1/2] 性格か職業的背景か、何かしら首を突っ込むような要素をつけなかったのが失敗でしたね(笑) まあそんな面子ばっかりなら、ホットスタートにでもして嫌でも関わらざるを得ない状況にするしかないかな… 827 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 14 18 40.56 ID vDsZKRuM0 [1/5] そう考えるとサンプルシナリオの腕に刻まれる死ってよく出来てたんだな 密閉空間かつタイムリミットで嫌でも探索しなきゃいけないけど、探索するほどカウントは進むっていう 828 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 14 22 14.53 ID r3x1+0jT0 [1/2] PCが乗り気でない、ってだけならGMだけじゃなくPLの方でも「嫌でも関わらざるを得ない状況にする」は可能だとは思う 例: PC「あそこは危ないから近づかないようにしよう」 PL「そう言っているPCでしたけど道に迷ったあげく入り込んじゃいました。GM、なにが起こります?」 ただPL本人が乗り気でなかったりするとその状況を作れるのがGMだけになったりして結構厳しいとも思う 829 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/15(水) 14 25 27.57 ID mnAheQgt0 [2/2] 828 というか普通のPLならこうすると思うぞ! スレ418
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「くっ……遊びが過ぎたか……!」 端正な顔を歪ませ、滝のような汗を流しながらアスモデウス・アリスは吐き捨てるように言った。 手を振るい炎を生じさせる。彼が得意とする魔法は狙い通りに標的に当たる。そして有効打にならない、それが接敵から10分以上に渡って続く光景。 「あああ小うるさい!!」 「ちいっ!」 翼を生やして飛翔することで、伸ばされた腕を回避する。そして返しに炎を出したが、それも腕に防がれた。と言っても、全身が腕なのでどこに当てても大差ないのだが。 手鬼vs竈門禰豆子に彼が介入し始まった手鬼vs竈門禰豆子 アスモデウス・アリスのタッグ戦。最も早く音を上げたのはアスモデウスだった。 悪魔の中でもエリートである彼は、非凡な才能を持つ実力者だ。しかしながら、相手が悪かった。手鬼はスタミナという概念の無い鬼。対してアスモデウスは普通に息切れもするし集中力も限りがある。はじめのうちは優勢に戦えていたのに、5分もするうちに燃やしても燃やしても突破口を見いだせず、ついに今は防戦一方となっていた。 自然と撤退を視野に入れる。敵に背を向ける主義では無いが、今優先すべきは「トモダチ」である入間の捜索。貴重な情報を持つとはいえ、固執しては本末転倒だ。 もっとも、相手がそれを許してくれるかは別だが。 「翼だと? お前本当に何なんだ?」 「それはこっちのセリフだ。」 困惑の声を上げながら禰豆子に向かって手を振り回す手鬼に、アスモデウスは炎で応える。 手鬼からの撤退を考えるもう一つの理由は、手鬼が首輪をしていないことだ。 正確には、首輪はしている。だが手鬼は決してそれを見せるようなことはしない。この殺し合いの直前、鬼殺隊の見習い風情に首を落とされたことは嫌でも覚えている。そのため手鬼は2本の手を除いて全てを首への防御に回していた。 そんなことを知らないアスモデウスからすれば、目の前の相手は殺し合いの参加者かどうかもわからない、無駄に強い敵だ。 (手加減して情報を聞き出そうと思ったが、殺す気で行く!) 「おおおおおっ!」 ならとっとと戦闘を終わらせよう。アスモデウスはこれまでやらなかった近接戦を仕掛けに行く。次に禰豆子とも戦うことを想定して飛行能力と共に使ってこなかったが、手の内を晒さずに勝つことは困難な相手だと認めざるを得ない。 狙うは、頭部。唯一弱点らしい部位で露出しているそこを潰しに行く。 「かかったな!」 「なっ!?」 それに対して放たれるのは、無数の手、手、手。 アスモデウスが本気を出していなかったように、手鬼も本気を出してこなかったが、勝負を決めに行く。今まで首をガードするだけで動かさなかった手を放ちカウンター。その手がアスモデウスに届く寸前に、爆風で押し戻される。炎の剣を爆発させ、アスモデウスは無理矢理距離を取る。空を切った手を戻すより早く、頭上に影。 「むぅっ!」 (来たな、狙い通り!) 上を取ったのは禰豆子。爪による一撃に血鬼術による爆発を組み合わせて、手鬼の頭部を爆ぜさせる。そこはアスモデウスも狙った場所であるが、禰豆子が狙うのはその下の頸。頭から頸まで一気に爆破して決着をつけようとする。 「むむっ?」 しかし、それこそ手鬼の狙い。手応えのなさに疑問の声を上げた禰豆子の前で手鬼の体がグズグズと崩れていく。そのことに手鬼に一撃を与えた禰豆子本人が困惑していた。 鬼は日の光に当たるか、日の力のあるもので頸を刎ねねば死なない。たとえば日輪刀で頸を刎ねる、たとえば藤の毒を頸にまで回す、そのような形だ。 ゆえに禰豆子は違和感を感じずにはいられない。今の一撃で鬼を殺せるわけがない。禰豆子からは首輪が見えていないため首輪が作動したせいという発想もなく、何が起きたのかと戸惑う。それが手鬼の狙い。 鬼同士では殺し合いにならないことは手鬼ももちろん理解していた。共喰いして頸ごと腹に入れてしまえば殺せる可能性はあるが、腹の中で再生しかねないのが鬼だ。だから禰豆子と戦い始めて早々に戦いを放棄することを決めた。決着がつかない不毛な戦いを、なんの利益もないのにする必要はない。あの鬼殺隊は気になるが、あんな腰抜けではせっかく生き返ったのに殺すのも億劫だ。おまけにもう一人跳ねまわっているのも、食欲がわかないことから人間でないと判断する。なら戦う理由などあるはずもない。 「むぅ〜……」 この程度の鬼2匹なら、鬼殺隊に殺されるか他の鬼と日が出て相討ちになると見越して逃げに撤する。手鬼は冷静に自分が鱗滝に捕らえられ試し斬り用に生かされてきた47年を思い出して分析した。最後の一人になるために、戦うのは一度で充分だ。他の鬼が皆死に、人間たちが疲労困憊になってなお殺し合い、最後の一人になったと思い込んだ時のみ。自分と戦わず鬼殺隊になった者がいたように、必ずしも戦わなければならぬわけではない。 あとに残ったのは、禰豆子一人。逃げたと察せはしたが、追撃はできない。あらかじめ撤退の準備を土中で進めるためにわざと攻撃の手を緩め、頭部が脱出できるだけのトンネルを掘り、脱出後は埋めた。過剰に首を守るふりをして、アスモデウスが仕留められなかったとわかったタイミングで一気に頭部を下に行かせ、死んだと誤認させられるように。巨体であっても頸があれば元通りに再生できる鬼ならではの代わり身だ。 まんまとハメられた禰豆子は不満げな声を上げるしかない。みすみす鬼を逃してしまったことは危機感を覚えざるを得ないが、なんとか頭を切り替えた。そもそもは、鬼殺隊の隊士が鬼に襲われそうになっているのを助けに来たのだ。もう逃げているだろうが、今からでも追いかけよう。襲われるかもしれないがそれはそれだ。 禰豆子はとりあえずさっき隊士を見た辺りに戻ることにした。ほとんど離れていないので、直ぐに臭いに気がつく。禰豆子に冷や汗が流れた。この臭いは、血だ。急いで駆ける。そして。 首から血を流す隊士と、その首にかぶりつくアスモデウスの姿を見た。 (ここまで追い詰められるとは……誤算だ……!) 話はほんの数十秒前にさかのぼる。 アスモデウスは仕立ての良い服の至るところを自分の炎で焦がしながら地面を転がっていた。 手鬼の必殺のカウンターに対して放った起死回生のカウンター返し。とっさに放ったそれは、しかし手鬼はしとめ切れず、距離を取るために間近で起爆したアスモデウスだけが痛手を負う結果になった。 ことここにいたれば、アスモデウスの取るべき選択肢は撤退だけだった。優先すべき目的は入間の捜索であり、人間について吐かせるのはついででしかない。そのついででこの有様になっているのは不覚としか言いようがないが、これ以上恥の上塗りもできない。悔しいが退こう。ヨロヨロと歩き出す。 (この良い匂いは……入間様?) 行く宛はない。必然、直感で移動先を選ぶこととなる。そしてアスモデウスが悪魔である以上、入間の「トモダチ」である以上その匂いに気づかないはずもない。入間と同じ美味しそうな、人間の匂いを。 自然と足が向かう。下草の隙間から黒い服が見えて一瞬ぎょっとする。入間のわけがないとは思うがどうしても匂いで連想してしまう。 それはどうやら死体だ。格好からすると首に刀を当て自害したか。一応顔を見ておこうと仰向けにしようとして、苦しげな声が出る。彼の火傷は掌が一番重い。何か持つどころか触れるだけで激痛が走る。その痛みが屈辱を呼び起こすが、それを無視して仰向けにしようとして、ハッとなった。痛みが、消えていた。 「なにっ? なにが起こった?」 掌を見る。そこには火傷の痕さえもなかった。 まさか、だが、本当に。アスモデウスの額から油汗とはまた別の汗が流れる。痛みではなく驚きから震える手を、死体から流れる血に染めた。 瞬間、手に負っていた火傷がなくなった。 「間違いない! これは、人間だ!」 信じられないものを目の当たりにし、思わずアスモデウスは叫んだ。悪魔にとって人間は伝説上の存在。それが死体として、目の前に落ちているという事実をにわかには受け止められない。 アスモデウスはおそるおそる死体を担ぎ上げると、傷口である首へと口をつけた。それだけで甘美な風味を感じて、安らぐ。そして血を吸い上げ飲み込むと、自然と笑みがこぼれた。 傷が癒える。疲労が飛ぶ。ハイになる。ヤクキメたみたいにガンギマリ。とまではいかないが、とにかく体力の回復を実感した。 新鮮な人間を手に入れたアスモデウスにもはや先程までの屈辱は無かった。そもそも人間について聞き出すための戦闘なのだ、こうして実物が手に入ったのならば、鮮度が落ちぬうちに入間に献上するだけだ。 「むぅっ!」 「見境なしか!」 しかし、そうはさせじと襲いかかるものがいた。手鬼に逃げられた禰豆子である。 禰豆子は顔を悲しみに歪めてアスモデウスへと向かう。アスモデウスを鬼だと見抜けなかった、そのせいで鬼殺隊が殺されてしまったと自責の念に駆られる。実際はサイコロステーキ先輩は勝手に自殺しただけだし、アスモデウスは鬼では無く悪魔なのだが、そんなことは気づくはずもなかった。首筋にかぶりつき血を飲む。それだけで充分に禰豆子はアスモデウスを人間の敵だと認識した。 一方のアスモデウスは涼しい顔で払いのける。血の摂取により、身体能力の向上を実感している。前は対応が難しかった禰豆子の動きも、今は決して捉えられぬものではない。 「いいだろう、付き合ってやる。一分間だけな。」 この力ならば先の魔物も殺しきれる。成長した己の力を試すように、アスモデウスも禰豆子へと襲いかかった。 「こ、これはどういうことなんだろう。ヒーローショーじゃないよね……」 そしてそんな二人に切られるシャッターが一つ。野町湊は、一心不乱にカメラを向けていた。 キャンプから帰って寝て起きたら謎の森の中に放り出されて小一時間。やっと森を抜けて人を見つけたと思ったら、少年漫画みたいなバトルに出くわした。 もちろん、野町にあんな戦闘力はない。彼はただの性格が良くて顔が良い男子中学生だ。アスモデウスの信奉する入間ほどに危機回避能力が高いわけでもなければ、禰豆子の愛する炭治郎のように鼻が効くわけでもない。二人のようにお人好しなところがあるだけだ。 そんな彼に今この場でできることが、写真を撮ること。死体を抱えて炎を放つアスモデウスと、化物の顔つきで炎を纏い襲いかかる禰豆子を激写していく。 それがどういう意味を持つのかを、彼は知らない。 【0101 平原】 【アスモデウス・アリス@魔入りました!入間くん(1) 悪魔のお友達(入間くんシリーズ)@ポプラキミノベル】 【目標】 ●大目標 会場を探索し、入間がいれば合流。 ●中目標 生きた人間がいるのか調べる。 ●小目標 禰豆子を叩きのめし、情報を引き出す。 【手鬼@鬼滅の刃 ノベライズ~炭治郎と禰豆子、運命のはじまり編~(鬼滅の刃シリーズ)@集英社みらい文庫】 【目標】 ●大目標 人間を喰う。 ●中目標 潰し合うのを待つ。 ●小目標 鬼殺隊がいたら優先的に狩る。 【竃戸禰豆子@鬼滅の刃 ノベライズ~きょうだいの絆と鬼殺隊編~(鬼滅の刃シリーズ)@集英社みらい文庫】 【目標】 ●大目標 人間を守る。 ●小目標 目の前の鬼(アスモデウス)を倒す。 【野町湊@四つ子ぐらし(6) 夏のキャンプは恋の予感(四つ子ぐらしシリーズ)@角川つばさ文庫】 【目標】 ●大目標 家に帰る。 ●小目標 アスモデウスvs禰豆子を撮る。
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まるで穏やかな日差しに急かされるかのように、メイヴィは微睡みの中から目を覚ました。 視線を窓に向けてみれば、聳え立つグリッドの合間に覗く空に浮かぶ日差しが、天辺に差し掛かろうとしている。 「うぅん……まだ……昼かぁ」 まだ寝ていてもいいでしょとばかりに、口の端から涎を垂らしながらもぞもぞとシーツにくるまりながら暫く微睡みに耽っていようとする彼女だったが、その安穏とした時間は直ぐにでも中断される。 「……起きろ、何時まで眠ってるんだ」 馴染み深い男の声が響いたかと思うと、次の瞬間には身をくるめていたシーツを無理矢理に引き剥がされた。 「待って、返してよユージーン、寒いの!」 「そんな格好しているから寒いんだ。服を着ろ服を」 呆れたように眉を下げた男……ユージーンが剥ぎ取ったシーツを畳む。 ベッドの上で身体を縮こませるメイヴィは肌の上に何も身につけておらず、瑞々しくシミ一つ無い若い肌の上、身体中のいたるところには強化人間特有の幾何学的な手術痕が刻まれていた。 「でも、貴方だって昨日はあんなに楽しんだじゃないの」 メイヴィは不満げな表情で唇を尖らせる。豊かに実った胸と尻に引き締まった細い腰、真っ白な肌に街で見かければ思わず目を引く美貌は、彼女の自慢の武器だ。両腕で態とらしく胸を挟んで強調してみせるが、昨夜に散々楽しんだ後ということもあってか、ユージーンの反応はひどく淡白だった。 「今日は依頼が来ているんだ。悪いがソッチの方で構ってやれる暇はない」 「えぇー……、つまんないの」 見るからに落胆した様子のメイヴィだったが、渋々諦めたのかまだ温もりの残るベッドから名残惜しそうに出ると、床の上に乱雑に脱ぎ捨てられていた衣服の中から、適当に選んだシャツを羽織る。 そのままヨタヨタとした足取りでベッドルームからリビングへ出ると、途端に仄かに漂う香りが鼻腔を擽った。 「あれ、フィーカのいい香り……。何時もは代用品なのに?」 よいしょ、と椅子に腰を掛けながらそう問いかける。 ここルビコンの地でフィーカ……もといコーヒーなどの嗜好品は滅多に手に入らない貴重品の部類にあたる。 元から封鎖されていた上に環境もあってフィーカの原料栽培に向かない風土に加え、星外から持ち込もうとしても、その殆どは監視衛星からの砲撃で船ごと塵に変えられてしまう。そのためルビコンでは名前こそフィーカなだけの、中身が異なり味も質も悪い代用品が専ら出回っているのが現状だった。 だからこその何気ない問いかけに、キッチンに立ってフィーカを淹れていたユージーンが振り向かずに答える。 「ああ、少し前に依頼で協働した傭兵……覚えてるか?」 「んー? ミーシャちゃんとサーシャちゃん……だったよね確か。可愛かったから覚えてるよぉ」 知っている二人の名前を聞いて、メイヴィの頬が緩んだ。 彼女らはユージーンやメイヴィと同じ、独立傭兵として活動している双子の姉妹だ。 以前、アーキバスから依頼された作戦で共闘したことを切っ掛けとして、以来そこそこの頻度でメールのやりとりで近況報告程度はする間柄でもある。 「二人から先だっての礼だって言ってな。果たして何処にそんな金があるのやら……」 そう言いながらフィーカの注がれたマグカップを二つ持ってきたユージーンが、小さく肩を竦めて見せた。 ミーシャら二人のランクはC程度。共闘したユージーンだからこそわかったことなのだが、腕前はそんじょそこらのランク外傭兵などよりは遥かに良いものの、そこまで依頼が舞い込んでくる程とは思えなかった。 「まぁいいじゃない、貰い物は有り難く戴かなくちゃね」 手渡されたマグカップから漂うフィーカの心地良い香りに頰を緩ませながら、メイヴィは微笑んでみせた。 「……まぁ、それもそうだな。態々深く詮索するものでもないか」 ユージーンもメイヴィと向かい合うように椅子に座ると、フィーカに口をつける。 香りといい風味といい、かなり良い品だった。 『独立傭兵ユージーン、貴方に引き受けてもらいたい作戦がある』 フィーカを飲んで一息ついた後、依頼を確認するために開いた端末から聞こえてきたのは、善良さが滲み出る青年の声だった。 『作戦内容はアーキバスが新たに建設しようとしている第二再教育センターの破壊と戦士たちの救出支援。貴方には先んじて施設へ急襲して同志たちを突入させるための陽動を行ってほしい』 依頼主はルビコン解放戦線。 惑星ルビコン土着の人々によって組織された、反星外企業を掲げる大規模な武装組織だ。 惑星封鎖機構の監視の目を掻い潜り、ルビコンに進駐した星外企業を相手に抵抗を続けており、その戦力規模は決して侮れるものではない。 一方、作戦目標の施設を保有するアーキバスは星外企業の一つだ。 エネルギー兵器やフレームに加え、ジェネレータなどの開発を得意としている。 『再教育センターは虜囚となった戦士たちや内部の不穏分子などを収容し、再教育という名目で洗脳を行っているアーキバスの悪名を象徴する施設だ。今回の目標である第二再教育センターは未だ建設途中とはいえ、既に多くの戦士たちが捕らえられている……』 通信越しに小さな溜め息が耳に入る。傭兵起用担当である青年から漏れ出たものだろう。 『……本当は、我々だけでやらねばならない作戦なのはわかっている。しかしガリア多重ダムをベイラムが狙っているという情報を掴んでいる手前、それに備えるために戦力を割かなければならない。恥ずかしい話だが、我々の保有している戦力だけでは到底戦士たちの救出は叶わない』 ガリア多重ダムはルビコン解放戦線が保有している重要拠点の一つだ。 解放戦線がインフラを維持するためには欠かせない発電施設があるため、特に重要な戦力を置いている。 其処を狙われるともなれば、確かに戦力を割かざるを得ないだろう。 『今保有している戦力では不足している以上、貴方のような独立傭兵に依頼する他無い……。どうか恥を偲んでお願いする。我々に力を貸してほしい』 そこまで聞き終えたところで、ユージーンは後ろから腕を回して抱きついているメイヴィに問いかける。 「……メイヴィ、提示されている報酬は?」 「平均的な報酬額の二倍、再教育センターともなればアーキバスも戦力を置いているだろうし、妥当なところかしらね」 「なら、受けるとしよう。……久しぶりに楽しめるといいんだがな」 「わぁ……、悪い顔してるぅ」 寒空の下に、金属でできた細身の巨人が立っている。 右手にレーザーハンドガン、左手にバズーカを装備した巨人……AC“ルナティクス”は、ACSを解除し片膝をついた姿勢で待機していた。 機体の上から熱源探知を防ぐために合成繊維の布を被っており、隙間から覗く紫色に輝くメインカメラが静かに眩いている。 「ここもだいぶ積もってきている……。直にかなりの寒波が来るだろうな」 巨人の中にあるコックピットブロックの中で、ユージーンは強化人間用のパイロットスーツに身を包んだ姿で、機体越しにモニターに映る景色を横目にふと言葉を漏らした。 惑星ルビコンは一年を通したうちの殆どを雪で覆われている。気温もその分ひどく冷え込むため、古くから在住している土着のルビコニアンなどは、暖房を用意しながらも身を寄せ合うことで寒さを凌ぐのだという。 そういう環境が当たり前の中、かつて空調が効いているコックピットの中で快適に過ごしているACパイロットが恵まれていると言われたことをつい思い出し、苦笑が零れ落ちた。 身体を弄くり回して端金に命をかける者の、果たして何処が恵まれているというのだろうか。 『そろそろ作戦開始ね、いきましょう』 インカム越しにメイヴィが囁く。 彼女は現在、オペレーターとして後方の輸送ヘリから指示を出している。 その声に喜色が混じっているのは、久し振りの仕事に興奮を抑えきれないのだろう。 ユージーンは自らの愛機……ルナティクスのシステムを戦闘モードへと起動する。エルカノ製フレームの頭部カメラ妖しく瞬き、ブースターに火を入れると機体が唸りを上げた。 「さて、行くか」 淡々とした面持ちで、しかしメイヴィと同じく何処か喜色の混じった自分の声に自嘲しながら、ユージーンは戦端を開くためにトリガーを引いた。 『所属不明AC、止まりません!』 『あれは要警戒対象の……!』 『気狂いめ……、ベイラムか解放戦線から依頼でも受けたか!?』 第二再教育センターを警備していたアーキバスのMT部隊は、襲撃者であるACを相手に苦戦を強いられていた。 まだ建設途中ということもあって第二再教育センターに回されている警備は少ない。とはいえ戦力として多数のMTと幾つかの固定砲台を備えていたのだが、それも単独であるはずの襲撃者を前に、多くの犠牲を出してしまっていた。 「これである程度は減らせたが……」 左手に装備している特殊バズーカ【44-141 JVLN ALPHA】で複数のMTを吹き飛ばしたユージーンは、右手のレーザーハンドガン【VP-66LH】で疎らな汎用兵器群を丁寧に処理していく。 正面にシールドのついた固定砲台には垂直プラズマミサイル【VVC-70VPM】で対処し、敵の攻撃を予測するアラートが鳴ればクイックブーストで軽やかに回避する。 既に数にして二十は下るまいMT部隊を撃破しているのだが、まだ戦力を残していたのか未だに抵抗が激しい。 『レーダーに敵増援、アーキバス側のACよ』 「なるほど……、愉しみが増えたな」 メイヴィから齎された情報を耳にし、無意識に舌舐めずりをしたユージーンは左背部に搭載していたレーザーオービット【45-091 ORBT】を起動させる。 『気狂いめ、第二再教育センターを狙うとは……!』 若い青年らしい声色に怒気を孕んでルナティクスの前に現れたのは、アーキバスのVPシリーズで構成されたオーソドックスな中量二脚型のACだった。 右手にレーザーライフルと左手にレーザーダガー、背部は左側にパルスシールドを備え、右側には傘下企業であるVCPLのプラズマミサイルを搭載している。 正に企業標準機と言える没個性的な外見だ。恐らくはあるだけのパーツで組み上げたのだろうと容易にわかる。 『アーキバスに手を出して、ただで済むとは思うなよ!』 青年の怒号とともにレーザーライフルが火を吹く。 レーザーの軌跡がルナティクス目掛けて飛翔するが、僅かな動きで難なく交わして見せる。 目標を見失ったレーザーは一定距離まで飛んでいくと、勢いを失っていき空中で霧散した。 「基本はできているが……、ヴェスパーの番号付き程ではないな。候補生止まりか?」 『黙れ! 信念もない独立傭兵ごとき、お前を倒せば俺だって番号付きに……!』 アーキバスACの挙動は決して悪くはない。機動射撃や回避もしっかりできているし、避けきれない攻撃はパルスシールドによって防げている。 しかし、とユージーンはアサルトブーストを発動、瞬間的に接近し怯んだアーキバスACを蹴り飛ばす。 ……圧倒的に経験が足りていない。 ACをはじめとした兵器群にはACSと呼ばれるシステムが搭載されている。 攻撃に対して自動で最低限の被弾に抑え、衝撃を緩和し機体安定を維持するシステムだが、これが短時間の内に一定値以上の衝撃を受けることで“スタッガー”と呼ばれる状態に陥る。 主にAC同士が戦う場合、このスタッガーを狙うのがセオリーなのだが、このアーキバスのパイロットはスタッガーに対する意識が欠けていた。恐らくは基礎的な動きを覚えたばかりの候補生程度のため、本格的な実戦を済ませてなかったのだろう。 哀れだな、と思いはすれ依頼を受けている以上、容赦をする必要性はない。 『クソッ、弾が、避けられない……! なんなんだよお前は!?』 バズーカの直撃弾が流線型のフレームを抉り、アーキバスACの右腕を吹き飛ばす。 片腕を喪い、スタッガー状態に陥ったACに対して、左肩のオービットと右腕のレーザーハンドガンの弾幕が容赦なくコア以外を穴だらけにしていく。 『あーあ……、抵抗できなくされて可哀想に、……ンフフ』 もはや何の動きすらままならない状態のACを前に、通信越しに嗤うメイヴィの声色から、悦に入った表情だろうと簡単に想像できる。殺す時はなるべく丁寧かつ残忍に。戦場でそう言った思考に走る点で、ユージーンとメイヴィは同じ穴の狢だった。 「戦場に立ったのはお前だ。悪く思うなよ」 『畜生……畜生畜生畜生畜生! この、独立傭兵が……!』 絶叫するアーキバスACのコアにバズーカの先端についた銃剣を突き刺す。 センサーから反応が消えたことで、相手が機能停止したのを確認したユージーンは、周辺施設と残兵に弾をばら撒く。 周囲を盛大に爆発が包みこんだ。 『これだけやれば充分よね。あとは解放戦線の兵が突入する筈……』 そうメイヴィが言いかけた辺りで、ルナティクスのレーダーがある反応を検知した。 「ん? レーダーに生体反応……。これは収容施設の方か」 機体のカメラを向けた先、其処は先程ばら撒いた時にバズーカを撃ち込んだ収容施設だった。 建物は半壊しており、瓦礫の山が築かれていた。ブースターを切って瓦礫に近付いてみると、隙間から生体反応が確認できる。 「……ふむ」 右手のレーザーハンドガンを地面に置き、マニピュレータで丁寧に瓦礫を退かす。果たしてそこには、幼い少女が倒れていた。 服装はアーキバスで支給されている制服の類ではない。長い頭髪は整えられておらず、衣服の下から覗く栄養が足りていないのだろうか細い手足からして、恐らくは収容されていたルビコニアンであろうか。 『ん〜、見た目は汚いけど悪くなさそう……。ユージーン、この子、拾って帰らない?』 「拾うのか? 悪くないと言うが……、これで判別できるのか?」 『それは女の勘ってやつ。可愛いものは直感的にわかるのよ!』 そういうものか、と考えながらユージーンは少女に対して機体越しに語りかける。 「おい、聞こえているだろう? ……生きているのなら選ばせてやる。此処で解放戦線の助けを待つならそのままじっとしていろ、俺たちに着いてくるなら、此方に手を伸ばせ」 言っておいて我ながら酷な選択肢だな、とユージーンは自嘲する。 自分たちは独立傭兵の中でも悪い意味で名高い。そう自覚している自分たちに着いてきてもいいことは無いだろう。とはいえ、解放戦線に保護されたとして、身寄りのないルビコニアンの子供が選ばざるを得ない道など決まりきっている。 「……お前が、お前の意思で選べよ」 彼は気づかなかったが、その声には、無意識のうちに何処か柔らかな優しさが混じっていた。 それから少し待つと、少女は精一杯の力を入れたのであろう、傷だらけの細い手を伸ばし……、それはルナティクスのマニピュレータへと触れた。 『やった、これで決まりね! それじゃあ、ヘリを回すから待っててね!』 鼻歌まじりに輸送ヘリを飛ばすメイヴィの声に、スキップしているようなイメージを浮かべて、ユージーンは思わず肩を竦めた。 「やれやれ……まぁ、退屈はしなさそうだがな……」 そう言ってコックピットのシートを倒す。ディスプレイ越しにぼんやりと見る空の色は、やけに赤みがかっていた。
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414 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 00 50 22.80 ID oTuEIk9Uo 忘れないうちに書いてく。 マリコは11時半位に来た。 車の音で分かったから玄関前まで出て待機してた。 私に気付いたらしくすぐに助手席のウィンドウを下げた。 マ「ごめん!予想より仕事長引いた!」 リ「お疲れ様ww良いよ私は暇だからww」 マ「リーちゃん優しいww取り敢えず乗って」 リ「あ、乗るの?」 マ「イエス」 お言葉通り助手席に座った。 416 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 00 59 38.03 ID oTuEIk9Uo リ「どっか行くの?」 マ「違ーう。リーもうちょっと近付いて」 リ「うん」 マ「目閉じて」 リ「うん」 キスされた。 すぐにかーっと熱くなる。 リ「…成程」 マ「成程ってwwキスの感想?ww」 リ「違うよww本当に付き合ってるんだなって実感したの!ww」 マ「取り消しなしだよ!?」 リ「酷いなww」 マ「冗談ですよww車ここだと邪魔だから公園のとこまで行く?」 リ「そーしますかー」 そういう訳で近くの公演へ移動。 417 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 01 09 33.95 ID oTuEIk9Uo マ「車から降りるの面倒だからこのままで良い?」 リ「うん、私もめんどいww」 マ「そうだ、ちゃんと買ってきたよお弁当箱!」 じゃーん!って自分で効果音付けながら取り出してた。 リ「本当に買ってきたんだww」 マ「あの後急いでご飯食べて残り時間で買ってきたww宜しくお願いしまーす!」 リ「分かった。おかずなんでも良い?」 マ「だし巻き食べたい!お母さんが作ると甘いし」 リ「そう言えばマリコんちの卵焼き甘かったなー」 マ「よく焦がしてたww」 リ「焦がさないよう頑張りまーすww」 マ「リーのなら焦げてても美味しいよ」 418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(栃木県) [sage]:2013/05/21(火) 01 17 49.98 ID VQUnU+2do >リーのなら焦げてても美味しいよ >リーのなら焦げてても美味しいよ >リーのなら焦げてても美味しいよ ごちそうさまです 418 実際黒焦げだったらどう言う反応するんだろww 419 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 01 21 12.32 ID oTuEIk9Uo リ「照れるからやめてww」 マ「かーわーいーいー(棒)」 リ「それはそれでムカつくww」 マ「我侭だなーリーはww」 マリコが終始嬉しそうで私も嬉しくなった。 突然だが「マリコから聞いたよ☆」とメールをくれた子をSとする。 リ「あ!そうだ!Sからメール来たんだけど何の事か心当たりありますか」 マ「早いなーSwwあれでしょ?付き合ってるの?的なww」 リ「やっぱSに相談か何かしてたの!?本当に驚いたんだけど」 マ「ずっと相談に乗ってもらってた。ついでにNとМにもww(N・Мも共通の友達)」 リ「皆知ってたの!?うわぁ恥ずかしすぎて[ピーーー]る…」 マ「皆知ってるねwwでもごめん、勝手に喋って。隠してたかった?」 420 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 01 30 32.20 ID oTuEIk9Uo sagaにしてなかったww まぁ良い。 リ「ううん、友達だから隠してたいって訳じゃないけど会うと絶対根掘り葉堀り聞いてくるのが想像つくから」 マ「ごめんね?」 リ「良いよ。私もこれからは皆に相談するwwww」 マ「私もww」 リ「皆大変になるなwwあ、週末飲もおって!」 マ「行くって言っといてww」 リ「分かったww」 ここで突然沈黙の時が。 あの急にシーンとなるあれ。 421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/21(火) 01 32 35.51 ID x563zHDD0 リーは、元カレ達にもお弁当作ったことあるのかな? もしなければ「恋人にお弁当作ったの初めて」って教えてあげたらめっちゃ喜ぶと思う。 421 お弁当はないな。 渡す時言ってみよう。 422 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 01 36 56.58 ID oTuEIk9Uo マ「…なんか喋ってよww」 リ「そっちこそww」 マ「…手つないでいい?」 リ「うん」 マリコの左手と私の右手とどっちも微妙に汗ばんでた。 マ「何で窓側見てるの?」 リ「なんかこう色々…」 マ「やっぱりやだった?」 リ「違う、色々恥ずかしくて顔赤いからやだ」 マ「車の中暗いから見えないよww」 リ「だってマリコめっちゃこっち見てるし」 マ「見たいもんwwリーもこっち見てよ」 423 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 01 47 22.66 ID oTuEIk9Uo リ「分かった」 すぐにマリコと目が合った。 マ「今何したいか分かる?」 リ「分かんない」 マ「嘘つき。リーからして欲しい」 リ「…目閉じて」 初めて私から軽くキスした。 されるのとはまた違ったドキドキで心臓がフル稼働。 ここ数日で心臓を酷使し過ぎてる感が否めない。 マ「これで今夜も安眠一直線ww」 リ「何それww」 マ「片想いじゃなかったーって実感してるとこww」 リ「真似すんなww」 マ「wwwwよし、帰りますかーww」」 424 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 01 56 20.03 ID oTuEIk9Uo あっと言う間にうちに着き リ「明日何時にお弁当取りに来る?」 マ「10時くらい?」 リ「りょーかい」 マ「本当にありがとう!めちゃくちゃ楽しみ!」 リ「あの、あんまりハードル上げないでww」 マ「だからーリーが作ってくれるなら何でも嬉しいから大丈夫ww 」 リ「じゃあ逆日の丸弁当にするからwwお休みww」 マ「梅干しばっかりもやだwwwwリーちょっと待って」 お休みのキスをしてマリコは帰って行った。 以上。 427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/05/21(火) 02 00 14.07 ID d+s0K8Cio キスしまくりですなぁ~シコシコ それにしても友人たちもバックアップしていたとはw 427 まさか皆知ってるなんて思いもせず。 よく遊ぶのにそんな態度全然なかった。 いつから話してたのか聞いておけば良かったなww 428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2013/05/21(火) 02 00 19.36 ID N2jad+np0 幸せ 428 幸せ! 429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/21(火) 05 43 32.51 ID ARW8USpjo 追いついたし! あまあますぎてこっちが溶けそうだ 429 おつ! そんなに甘いかなww マリコのデレは結構あるがww 431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 08 18 35.90 ID nZzst621O 朝から微笑ましい報告thx 身近に相談できる相手がいるってことはいいことだww 付き合ってるって言いたくても誰にも言えないのは苦しいだろうから 431 初めから知ってるなら気も楽だなと昨日悟ったww 大学の友達には言いづらいし結局良かったのかも。 432 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 08 22 59.44 ID oTuEIk9Uo おはよう。 435 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 08 32 35.56 ID oTuEIk9Uo こんな朝だけどSにメール返信した。 「おはよう。マリコから話聞いたww 飲み行くって! てかいつから相談受けてたんですかwwww」 Sも社会人だから返信来るのは昼休みか仕事終わりかな。 436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 08 37 17.87 ID zJkjjOjLo マリコの隠しアカがどんなツイートしてるか気になるのは俺だけか? 436 鍵掛けたって言ってたから私も見られないww 「フォローしていいよww」 とは言われたけど私だってマリコに内緒でスレ立ててる訳だから、そう言う所には立ち入らないようにした。 438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/05/21(火) 08 58 39.58 ID 2vtfx++Qo あたいも手作りのお弁当たべたいお 439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 10 19 58.85 ID X4m32+Tko J( ー`)し つお弁当 440 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 10 49 49.48 ID oTuEIk9Uo お弁当渡した! 今出先だからまた後で。 441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/21(火) 10 53 23.69 ID eKveIgoz0 お弁当渡して、いってらっしゃいのチューもしたんですね、わかります。 441 大体正確。 442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/21(火) 12 25 13.63 ID ZBDC+moQo リーがお弁当を渡していってらっしゃいのチューをした後、マリコに抱き寄せられて耳元で「嬉しい…ありがとう。大好きだよ」と囁かれたところまで妄想した。 442 白昼堂々そこまでしないww 443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/21(火) 12 40 09.67 ID BIIcPZFbo 長い付き合いから今の関係になった2人は、傍から見てもニヤニヤするほど安心感が有るネ マリコ様も長い間付き合ったらあーしたいこーしたいと悶々としてたろうから、ちゃんと相手してあげなよ ww 443 無茶ぶりじゃない限りマリコ様のしたい事するよww 444 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 18 34 52.46 ID oTuEIk9Uo ちょっとサークルに顔出して友達に漫画返してきたんだけど 友「元気そうになったねww」 と言われて恥ずかしい事この上ない。 さすがにサークル友達には言えないww 445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/05/21(火) 19 36 50.20 ID 2vtfx++Qo 友人Sからのメールの返答が気になる 446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/21(火) 21 17 28.19 ID BIUlR3cko おべんとう、マリコすごくよろこんだんだろうなー。 どんなふうに渡したん? 447 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 21 45 12.01 ID oTuEIk9Uo サークル友達とご飯食べに行ってた。 11時頃マリコがお弁当箱返しに来るって言ってるww 448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/21(火) 22 08 13.92 ID nZzst621O おけーり マリコは愛妻弁当うれしすぎて 会社で不信がられてたりしてなww 報告まってるよー 448 マリコ今日は早く来たww 11時とか言ってたのに10時半くらい。 時系列で書いていく。 450 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 23 32 33.26 ID oTuEIk9Uo 10時にお弁当受け取りに来ると言われたので9時くらいから作り始めた。 ネギ入りだし巻き・ほうれん草の胡麻和え・きんぴら牛蒡・唐翌揚げ(冷食ww)。 梅干しはフリだと思ったのでご飯のど真ん中に置いて日の丸にしたww 可愛らしさの欠片もないお袋の味的なお弁当が出来た。 時期的に微妙だからお弁当袋に保冷剤入れといた。 丁度10時頃マリコからメール マ「着きました(ハート)」 リ「りょーかい(うんこ)」 家の前にいつものようにマリコの車が止まってた。 451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/21(火) 23 38 52.83 ID BIUlR3cko (・∀・)ニヤニヤ (うんこ)←おい 451 うんこはよく使うww 452 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/21(火) 23 52 39.42 ID oTuEIk9Uo 母親は丁度朝早くから出掛けてたからお弁当作ってるの目撃されなかったww リ「窓開けてー」 マ「おはようww」 リ「おはようwwはい、お弁当ですよー」 マ「本当に作ってくれたんだ!!」 リ「本当に作りましたよww」 マ「嬉しい!早弁するwwww」 リ「あの、可愛いお弁当とかは想像しないでねww凄い地味だからww」 マ「何でも良いよー!リーが作ってくれたって言うのが重要な訳でww」 リ「ここまで喜んでくれたら作りがいがあるわwwそろそろ出発する?」 マ「名残り惜しいけど仕事行く…。あ、リー忘れ物があるよ!」 リ「ないよ?箸もちゃんと入れたし」 マ「あるよww!!」 リ「…あー。分かった」 助手席のドア開けて軽くキスした。 453 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 00 07 48.62 ID z3kc+k+So リ「…いってらっしゃいww」 マ「やる気出たww行ってきます!」 マリコ仕事へ行く。 Sからは昼頃返信が来た。 S「マリコから聞かなかった?ww 1年位前に告白っぽい事してしまったって相談されて 『もしリーの様子が変だったら私のせいだから、その時は話を聞いてあげて』 ってお願いされたんだよ。 結局リーは気付いてかったから何もしなかったけどww 飲みは土曜日で良いー?」 リ「ありがとー。 そんな事があったのか…!! 全く気が付かなくて今更申し訳ないです。 土曜日でよろしおす!」 と言う具合だったww マリコがとても律儀な奴だと再認識した。 454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 00 11 53.05 ID 4VLRKLWGo 本当に大事にされてるんだねww 455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/05/22(水) 00 13 38.32 ID sKrTnmKIo 友達に話したのもリーを思っての行動だったのか! マリコカッコよすぎるだろ 454 455 その格好よさをひけらかさない所がマリコの良い所! 456 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 00 20 08.01 ID z3kc+k+So 夕方マリコからメールが来た。 マ「早弁せずに我慢したよ!これから食べるーww」 リ「しっかり噛んでお食べー」 20分後 マ「めちゃウマでした(ハート) 職場の人に『お弁当珍しいね』って言われたから 恋人が作ってくれたって自慢したwwww あと手紙すんごい嬉しかったーーー!! やる気みなぎる!!」 リ「テンションwwww大丈夫?wwww ノートの切れ端でごめんww」 マ「切れ端でもトイレットペーパーでも良いよー!家宝にするww お弁当箱洗って持ってくね。 多分11時頃になるけど大丈夫ですか><?」 リ「そんなに大切にするものじゃないよww 多分帰ってるから大丈夫! 残りの仕事も頑張ってー」 マ「頑張る!」 457 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 00 24 06.85 ID z3kc+k+So 手紙てかメモを入れといたんだが、 421さんが書いてくれた事とまだ一度も言ってない好きだよって言葉を書いておいた。 あんなテンションになるとはwwww 458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/05/22(水) 00 27 22.46 ID GwGPuWRqo 弁当作ってるとこ家族に見られたら言い訳できるかな 458 言い訳は難しいからマリコにお弁当作ってるとは話すかな。 その先はまだ分からない。 459 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 00 38 05.23 ID z3kc+k+So そして仕事が早く終わったマリコは30分前倒しでやって来た。 徒歩でww 近所の公園へ歩いていってベンチに腰掛けた。 マ「お弁当ありがとう。本当に美味しかったよ」 リ「いえいえ。また作る?」 マ「良ければ月一位でwwでもリーの負担になるから無理しなくて良いよ。 今日作ってくれた事で満たされたww」 リ「月一で良いの?いくらでも作るよww」 マ「あーそれじゃあ毎月記念日に作ってもらっても良い?休日の場合は前倒しでwwww」 リ「りょーかいしましたww今回みたいな地味ーなおかずでも良いよねww」 マ「今日みたいなのが良い!ほっとするwwww」 リ「なら良かったww」 マリコはぴったり横にくっ付いて手を握りながらにこにこしてた。 可愛いなと思ったから頬にキスしてみた。 460 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 00 50 26.70 ID z3kc+k+So 黙々と書くの寂しいww マリコはビクッとなったww マ「……びっくりした」 リ「なんでww」 マ「私から言わないとしてくれないかと思ってたから」 リ「そんな事ないですよww」 マ「じゃあもう一回して?」 もう一回頬にキスしたらマリコは何故か泣き始めた。 リ「え!?どうしたの!?」 マ「…手紙でも好きって書いてくれてたけど 本当にちゃんと付き合ってるんだなって思ってなんか嬉しくなって」 そう静かに泣くマリコに気持ちを伝えなきゃと思って今度は唇にキスをした。 公園だけど夜は人いないし。多分。 461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 00 53 02.30 ID VbZq5IMBo 読んでシ… (・∀・)ニヤニヤしてるお 461 シコシコ 462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 00 53 45.51 ID GzRSpu01o 見てるよ! マリコからしたら夢みたいだよね 462 泣くとは思わなかった。 464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2013/05/22(水) 01 02 52.57 ID QeMdzKlGo この純愛感がたまらなくいいね! 464 純愛なのか? アホみたいだけど2人ともいい大人だからなww 465 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 01 06 03.74 ID z3kc+k+So リ「ちゃんと好きだから付き合ってるよ」 マ「うん」 リ「今度はマリコの番」 するとおでこやまぶたや頬や顎まで優しくキスされた。唇も。 マ「なんか今日は良い事沢山あったからいっぱいしちゃったww」 リ「良かったねww」 マ「全部リーのおかげww」 リ「ほんとにね!」 マ「謙遜しようよwwww」 すっかり泣き止んだマリコを連れて帰路についた。 道すがら リ「Sから聞いたよ。皆に話したのは私の為だったんだねww」 マ「保身ですよ保身ww」 リ「違うでしょww私はつくづく自分の鈍さが嫌になったww」 マ「いやー鈍くて良かったよ? あの時リーが私に傾いたら、私って人が弱ってる時に漬け込んだ奴みたいだしww そしたら後味悪いからやっぱり気付かなくて正確だったんだってww」 リ「…マリコって今まで付き合った人の中で1番恰好いいww」 マ「ほんとにー?wwそれはちょっと嬉しいかもwwww」 マリコがスキップしだしたけど下手過ぎて、私が高速スキップで置いてけぼりにしてやったwwww 家の前でこっそりお休みのキスをしてマリコは帰って行った。 以上。 468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 01 12 30.76 ID bvTF2zsvo 久しぶりの良スレだな。見てて、幸せさが伝わってくる。 468 今幸せ! 469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [sage]:2013/05/22(水) 01 12 38.46 ID QeMdzKlGo スキップとかww可愛いすぎるわww 下手な所がまたかわいいwww でも置いてきぼりwやめれww 469 だってマジで下手なんだww 手と足が一緒に出てるから全然跳ねてないww これは置いていくしかあるまい。 473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 04 09 00.86 ID KgVUU09Wo 報告乙! 今度の飲み会の話が楽しみだ~ 473 何を聞かれるのか今から恐ろしいww 昨日の夜NとМからもメール来てたんだった。 NМ「マリコとSから聞いたよww おめでとうww土曜日楽しみだねwwww」 とほぼ同じ内容だった。 やはり皆揃うのかwwwwこわいwwww 475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 08 29 43.66 ID R1tHGnumo 理解ある友人でよかったね 475 ありがたい限り。 皆良い子なんだ! 476 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 11 18 57.59 ID z3kc+k+So 仕事前のマリコとメールしてた。 リ「おはようさん! 」 マ「おはよう。今日は仕事終わるの遅いと思うから会えない><」 リ「おつ!最近毎日会ってたねww」 マ「お陰で仕事もはかどったww今日はやる気が出ません…」 リ「頑張れ社畜ww」 マ「社畜さんはエサがないと頑張れないwwよし、昨日のリーの可愛い顔を脳内で反芻しながら過ごす^^」 リ「こわいよーwwてか可愛くないから止めてwwww」 マ「お断りします。じゃあ行ってきます!」 リ「行ってらっしゃい!気を付けてー」 仕事が終わるのは日付が変わるくらいと予想。 大変だな。 477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 11 22 03.86 ID 4VLRKLWGo リーが就職するところとマリコのところは時間帯合いそうなの? 477 私が働く予定の所は繁忙期以外は大体夕方の定時終わりらしい。 家が近いから会えると思いたいところww 482 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 13 15 48.10 ID z3kc+k+So そう言えば前にマリコからのアプローチぽいもの書いたけどあれもSたちとの作戦会議で出たものらしいww Sからの返信メールに書いてあったww 阿部真央の曲を教えたのはМと言ってたww 通りであんな曲知ってたんだな。 479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) :2013/05/22(水) 12 40 04.23 ID an/qyiieo はやくマリモとのレズエッチを 479 AVでも見て下さい。 481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 13 08 12.41 ID +VV5Ely1o スルーでいいよそういうの 481 ついつい。 483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) :2013/05/22(水) 13 29 51.06 ID an/qyiieo いや書き方は冗談だけど実際にやれんの?って話だよ 484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 13 39 15.26 ID FTjFAbyDO 急かすなよ 485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 13 40 55.99 ID 6+BqfZLjo できるできないは今ここで宣言いらないでしょ どうしていちいち覚悟を問うのかよくわからん リーは住人に覚悟を伝えなきゃならない義務でもあるんかね 486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/22(水) 13 43 48.55 ID 5lg3anucO いやわからんならわからんでいいけど、実際にそうなることがあるだろ? その可能性を無視することはしちゃいかんやん 487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/22(水) 13 54 52.16 ID B2Lei4gN0 そういうのも、考えてないわけないし、リーが住人に相談したくなれば書くだろ。のんびり待とうぜ。 488 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 14 08 36.88 ID z3kc+k+So 238を参考に。 もうそういうのお腹いっぱい。自由に考えさせて。 490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/05/22(水) 18 10 01.74 ID 5lg3anucO 考えるのも書き込むのも自由だけどスレを建てて相談してたんだから、俺らも二人の色んな障害を予想する訳よ その中で多くの意見があるのは当たり前だろう 俺だって応援してんだからお節介したくなるわ 496 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 21 44 53.25 ID z3kc+k+So バイトしてた。 まだ付き合い初めて3日位だからこれから先のことは私たちのペースでゆっくり進めさせて欲しい。 心配してくれているとは思うんだが、度々そう言う事を聞かれるスレに来るのが苦しくなる。ごめん。 495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 20 24 24.62 ID 7R/B40lDO 外でいってきますのチュッチュとか見られたりしてない? 幼なじみでご近所なら周りも顔見知り多そうだね まあ自分なら大大歓迎だが 495 私の家の庭が広いのでマリコは庭に車止めてるから多分ご近所さんからは目撃されてない…と思いたい!ww 庭自体が柵と樹木と花で囲まれてるし。 ただ家族に見られないように気を付けるwwww 497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 22 09 52.52 ID D9Gs/3Zno リーは大学出た後の住まいはどうすんの?一人暮らしすんの?実家に住むの?マリコ家に嫁ぐの? 497 嫁ぐ!!ww 暫く実家に住まわせてもらって貯金出来たら一人暮らししようかなとおもってた。 一人暮らしするにしても通勤範囲的に実家の近くだけどww 504 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/22(水) 23 22 29.41 ID z3kc+k+So perfumeの新曲が可愛すぎて頭から離れないww 勢い余ってマリコ用の着信音にしてしまった。 マリコはまだ仕事終わらないみたい。 「リーに癒して欲しい。職場にリーを持ち込めたら良いのに」 と言う現実逃避してるメールが来たww 505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 23 26 39.17 ID ZlX9B/xlo 自撮り写メ送ってあげるとか 505 マリコはプリクラ持ってると思うんだがww 自撮り恥ずかしいwwww 507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/22(水) 23 59 22.87 ID bvTF2zsvo 彼女は、仕事は何だ?。かなり過酷そうだけど。 507 具体的には言えないけどPC関係。 学生時代アシスタントしてたとこにそのまま就職したから即戦力として使われてるみたい。 508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage ]:2013/05/23(木) 00 03 41.96 ID GvutTvo6o 単に遅い仕事だろ 508 始業が遅いからね。よく分からないシステムww 510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/23(木) 00 10 47.02 ID paa3Ks/6o そういやリーの趣味って何? マリコはオタク趣味があるみたいだけど 510 私も浪人するまではライトなオタクだったww 今は相撲観戦が趣味。大体年寄りくさいと言われるww 今場所も熱い…!! マリコには「よく分からないけど相撲の話してると輝いてるwwww」と言われた。 512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/23(木) 00 25 29.84 ID zWN16pYVo デーモン小暮閣下が解説に来たら観るようにしてるな 512 閣下は副音声で解説してる時あるよね。 桟敷席に座る大村昆や高須医師が気になって取り組みを見逃しそうになる時があるww 514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/23(木) 00 29 03.79 ID paa3Ks/6o 若年寄だなぁ…… でもお互いの趣味に理解あるみたいだし不必要に干渉することもないんだろうね 514 趣味の話になると2人ともオタクらしく自分が話したい事をばーっと話して一方は聞き役になるなww 干渉はしないね。 好きな事があるのはとても良いと思う。 516 :リー ◆8/aREBGyyQ [sage]:2013/05/23(木) 00 35 47.16 ID Z/OopfkVo マリコ様はさっき帰宅したみたい。 「ただいまー。 いっぱい仕事を振り分けられちゃったから明日の為に今日はもう寝るよー。 おやすみリーちゃん(ハート)」 とメール来た。 ちゃん付けで呼ぶ事は殆どないのにww 517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/05/23(木) 00 48 37.53 ID paa3Ks/6o 愛情にターボがかかってきた証拠ですね 517 そうなのか?ww 518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/23(木) 00 50 58.67 ID SdH9B3ZDO 疲れてるね~ リーちゃんの癒しが必要だな 可愛いパジャマ写メ付きでおやすみマリコちゃんハートだな 余計に寝れんくなるかもしれんが 518 私のパジャマそんなに可愛くないww 普通におやすみって送っちゃったww 彼女らしい事ってなんだろ。 519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/05/23(木) 01 53 13.07 ID rjPnaG21o 普段はお互い名前呼びなのかな!?(・∀・) 519 お互いにあだ名呼びだな。 マリコはこの間から時々ちゃん付けで呼んでくる。 何故だww →続き
https://w.atwiki.jp/yatagi/pages/11.html
ここは、現在の政治制度や法律について理解し、改革に結びつけるために始めたページだったが、まぁ文章を書くことになれるためにはまず思いついたことをいろいろ書いていったほうがいいだろうということで趣旨が変わってしまいました。 少しずつ慣れていこうと思います。
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金の靴作品リスト 前ページ次ページ草薙竜樹 『こねこにKISS』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/09/11発売あたしは美亜(みあ)、中学2年生。あたしの彼・聖人(きよと)くんは、スポーツ万能、成績優秀、おまけにハンサム。そして、美亜だけにとってもやさしい、最高の彼なの! だけど、あたしたちのデートはいつも放課後の校舎の裏庭。だって、ここでしかデートできないんだもん。それはなぜかというと……!? ロマンチック・ラブコメディの表題作他、“15年に1度訪れる恋する夏”と占われた夏姫の運命の出会いの行方は……? 「夏色クリスタル」など6編を収録。表題作の続編「KISS みぃ ぷりーず」も見逃せない!! 『親にもナイショで』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/09/04発売「あんたは、ただついて来ればいい。ただし、俺の彼女としてね」。期末テストの成績が良かったほうの言うことを聞く――そんな賭けに負けてしまった青木千聖(あおき・ちさと)は、同級生の本田樹(ほんだ・いつき)とカップルのフリをして旅行するハメに~! 男の子と行くなんて、もちろん親にはナイショ! それなのに、部屋も同室なんてどういうこと!? 樹の目的って……!? ――表題作他、樹と千聖のその後を描いた「もうすぐギブアップ」、切ない読み切りを2編収録! 『だって 思春期』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/08/28発売「人を好きになるって……ちょっと、せつないや――」。西陵高校は全校生徒のうち女子生徒の数が極端に少なく、たったの9名。1年H組にいたっては、男子生徒しかいなかった。そんなクラスに女子が転入してくるという。全員が期待をよせるが、転入してきたのは、男勝りで正義感の強い女の子・宇佐見晶(うさみ・あきら)だった。山岸、渋谷、いつもひとりでいる女子生徒・野中らと打ち解けた晶は、次第に大人への階段をのぼりはじめる――!! 表題作他、「門限は6 00PM」「Kissをもう一度!!」の2編を収録。思春期真っ只中、甘く切ない青春ラブコメディ!! 『愛しあってるかい!?』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/08/28発売優しいけれど無鉄砲な滝沢啓(たきざわ・ひろむ)と、ちょっぴり優柔不断な女の子・愛田みちる(あいだ・みちる)は、相思相愛進行中の仲良しカップル。だけど、2人の前には大きな障害があって……。それは“男女交際禁止”。学校側にバレないようコソコソ付き合っていた啓&みちるだったが、ひょんなことからみちるが院長室に呼び出されてしまう。はたして啓は……? 表題作他、竜樹のぶっとびラブ・コメディを5編収録。なかでも著者がデビュー間もない頃に発表した「天国に吹く風は…」は、その後の草薙ワールドが垣間見られ、ファン必見!! 『ぴんくな予感』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/08/07発売塔の鐘が鳴る中、裏庭にある天使像の下で、誰にも邪魔されずキスできたなら、ふたりの恋は永遠に守られ続ける――古くから学校に伝わる「天使のジンクス」に憧れる高校1年生・めぐは、入学早々遅刻しそうになる。たまたま居合わせた先輩・杉山玲(すぎやま・れい)に遅刻のぬけ道を教えてもらうが、塀を乗り越え裏庭に降りた時に彼とキスしてしまって……!? 表題作他、毎朝、同じ電車に乗る名前さえ知らない彼に恋した女の子が、その子とひとつ屋根の下で暮らすことになる「目覚めのシグナル」など4編を収録。偶然と偶然が重なって恋は突然訪れる!? 草薙竜樹の乙女チック読み切り短編集! 『ガッツだぜ!』 草薙竜樹 販売巻数:2 草薙竜樹 2009/08/07発売長沢優絵(ながさわ・ゆえ)の初恋相手で、人気俳優となった不破猛(ふわ・たける)が、3年ぶりに優絵たちの住む町へ戻ってきた。今度こそ素直になって気持ちを伝えようと決意する優絵だったが、猛の変貌ぶりに愕然(がくぜん)! しかも「てめーなんかずっと、大嫌いだ!」と、演劇中にいきなりキスされてしまい……!? 悲しむべきか、喜ぶべきか?? ――フラれてもフラれても、めげない優絵がおかしくも切ない……純愛ラブコメディ第1弾!! 『禁断の花園』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/06/05発売高校教師の高槻瀬奈(たかつき・せな)は、美人でナイスバディが売り。しかし、その実体は服と化粧品と補整下着代で貧乏まっしぐらの童顔な女の子。そのため高校生・高津奈々(たかつ・なな)となって素顔でこっそりバイトも……。バイト中、教え子の本多玲遠(ほんだ・れおん)に10万円を渡され、絵のモデルを頼まれる。「服、全部脱いでくれる!?」。渡された10万円を既に遣ってしまった瀬奈は仕方なくヌードになるが……!? 教師と生徒、バレてはいけない禁断の関係!! アブナイ誘惑のシークレットラブ! 『あなただけ×××』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/04/03発売ホレっぽくて愛に生きる藤森深雪(ふじもり・みゆき)と、あきっぽくて次々と女のコを食ってはポイッの小松原公崇(こまつばら・まさたか)。そんなふたりが恋に落ちて、ガラにもなくHなしの純愛中。でも、そろそろあなたとxxxと深雪が思ってるところに、小松原の元カノ・西岡明美が現れて……。表題作のほか、マジメに性教育に取り組んだ「ドクトル深雪のあ・ぶ・な・い保健体育」、母校の高校教師となった青山京香と、教え子・名倉貴之の恋の行方を描いた「ケジメなさいッ!」の3編を収録。キュートでちょっとエッチな草薙流“性”教育コミック第2弾!! 『そこから先は×××』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/03/27発売「もう一度俺とつきあってよ。中坊の時みたく子供(ガキ)のつきあいじゃない、大人のおつきあいっつーやつ」。八神瑞樹(やがみ・みずき)と藤森深愛(ふじもり・みあい)は、中学の時付き合っていたものの、Hを求める瑞樹が怖くて別れたワケありカップル。そんな2人が、深愛の妹・深雪(みゆき)の妊娠騒動をきっかけに付き合うことに。表題作のほか、妊娠騒動の次は不感症!? 深雪が大活躍する2編を収録したかわいくてHなラブストーリー集。コミカルでありながら、しみじみと「性」について考えさせられる草薙流“性”教育コミック!! 『よけーなお世話!!』 草薙竜樹 販売巻数:1 草薙竜樹 2009/03/06発売「君の頭って、犬(セドリック)以下だね」。小さいころ、人前で二ノ宮魁(にのみやかい)に恥をかかされたことがきっかけで、魁を見返してやろうとライバル視する須藤水緒(すどうみお)。でも、ルックス、勉強ともに完ペキな魁に、ただいま苦戦中。そんなある日、とんでもない事態に!? 宿敵・魁と付き合うハメになるなんて!? こうなればヤツに接近して弱点を見つけ出してやる! 絶対、負けないんだから!! 闘魂(ファイティング)ツンデレガール・ストーリー『よけーなお世話!!』ほか、草薙竜樹の読み切り作品を6本収録。 前ページ次ページ草薙竜樹 ▲このページのTOPへ FEEL YOUNG フラワーコミックス MiChao! 3周年祭 デザート
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* * * 私はお店に入っていく田中さんをこっそりと隠れてみていた。 フライパンとか野菜とかを持って入れるようなお店でないのに、田中さんは気にしないで堂々としている。 そういえば、あまり見た目はあの頃と変わっていないなぁ… 運ばれてきた料理を「ん~!おいしい!」と田中さんは満足げに食べている。 ほんとうに美味しそうに食べるなあ、昔からあんまり綺麗な食べ方をしないけどそれは今も変わらないなぁ それに対して、一緒にいたあの女は一口食べるたびに何かをメモしている。 さっきから、田中さんに話しかけられても適当に相槌してしっかり話を聞いていない…失礼だ あの田中さんと一緒にいるのになんであんな態度なんだ?信じられない というよりもあの人は誰なんだ?田中さんが笑顔で話しかけるくらいの仲なのか? なんだろう、この胸のもやもやする感じは・・・ あっ、食べ終えたようだ・・・気付かれないようにこっそりと後をつけよう でも、どこに行くのかな?今度はどこか別の店に行くのかな? あ、危ない。田中さんが後ろを振り向いた。ばれちゃいけない、ばれちゃいけない・・・ (「どうした、れいな?」「ん、誰かに後をつけられ取る気がしたと・・・気のせいやったけど」) 相変わらず田中さんは勘が鋭いようだ。変わっていなくて、うれしいな あ、二人があの店の中に入って行った。なんてお店なんだろう? 喫茶リゾナント?「CLOSED」なのに入って行った? また日を改めてここに来てみようかな・・・何か分かるかもしれないしね、いろいろと それに田中さんとしっかり話がしたいし、なによりもあの女を調べるためにも * * * ●月□日(水) PM 9 00 駅前のファミレスで新垣は夕食を光井と一緒に取っていた。 「新垣さん、すみません。こんな時間に来てもらいまして」 「ううん、別にいいけど、どうしたの?光井?私に相談したいことがあるってメールに書いてあったけど」 今日の昼、新垣は光井から相談があるので夜に合ってほしいとのメールを受け取っていた。 「考えてみれば光井とこうやって二人きりで話しするのも久々かもね…昔はよく力の使い方指南で会ってたけど」 「ほんまそうですね。でも・・・今日、新垣さんに来てほしかったんは、私が視てしまったもののことで…」 「…久しぶりだね。光井がそうやって視てしまったことを他人に相談しようとするなんて」 「愛佳も自分でコントロールできるようになったんで、そうそう心がぐらつかないと思っていました」 光井は心を落ち着かせようと水を飲んでいるがグラスを持つその手は微妙に震えている。 「何を視たの、光井?愛ちゃんじゃなくて私に言うってことは、重大な未来を視たんでしょ? ひょっとして、愛ちゃんに関する未来なの?」 「いえ、高橋さんのことではありません。視えたのは・・・田中さんの未来です」 「田中っちのこと?だったら、なんで愛ちゃんに言わないの?一番、れいなのそばにいるんだから…」 「一緒だからこそ言えないんです。今回だけは… 愛佳が視たのは、田中さんを突き飛ばす高橋さんと、リゾナントから涙を浮かべて出ていく田中さんでした」 意外と光井の視た未来というのが想像してほど酷いものではなく新垣は拍子抜けした。 「え?それだけのこと?光井、人を呼んどいてそれだけなの~ ただ単に喧嘩でもしたんじゃないの?確か、光井の見る夢は声が入らないんだよね? なんだかんだで愛ちゃんもああ見えて頑固し、れいなは気がすごく強いから」 光井の説明を聞いて呑気に答える新垣に対して、光井は声を低くし話を続けた。 「もうひとつ視たんです・・・そっちがなんていうか、普通じゃなくて…田中さんでは考えられないっていうか いや、田中さんでなくてもありえないっていうか・・・」 「れいなには考えられないこと…光井、いったい何を視たの?」 「場所がよくわからないんですけど、どこかの暗いビルの一室の窓から外へと身を投げ出す田中さんが視えました…」 <3日目> ●月◆日(木) PM 1 30 昼間のランチタイムも終わり喫茶リゾナントにも休息の時が訪れる。 「愛ちゃん、賄い料理作って~お腹すいたと~」 「れいな、たまには自分で何か作ってみようとか思ったらどう?せめてオムライスくらい作れないと…」 そう言いつつも高橋はれいなのためにチャーハンらしきものを作るために奥のキッチンへ向かう。 「いいの、れいなは!やる時はやると!今はそのときやないと!」 れいなはカウンターで洗い終わったティーカップを布巾で磨きながら上機嫌で鼻歌を歌い始めた。 ♪カランコロン 入口のベルが鳴る。 「いらっしゃいませ」 れいなが顔を上げ、普段通りにお客様を迎える。 普通なら客は自分で席に座ろうとするのだが、入ってきた人は全く動く気配がない。 聞こえなかったのかと思い、れいなは入ってきたお客に声をもう一度かけた。 「どうぞ、お好きな席にお座りください」 入ってきた客は一人の女性だった。セミロングの栗色の髪で白いコートを羽織り、大人びた風貌 目つきは少し鋭く、やんわりと口を閉じているにもかかわらずクールな雰囲気を抱かせた。 「どうされましたか?」れいながおそるおそる声をかけると、その女性が一歩近づいてきた。 「田中れいなさんですよね!私ですよ!みやびです!覚えてますか?」 その見た目とはそぐわないくらいに明るい声がその女性の口から飛び出した みやびと名のった女性は田中さんの手をギュっと握り、嬉しさのあまり手をぶんぶんと上下に振り始めた。 「みやび?・・・ミヤ!久しぶりやん!元気にしとうと?この町におったん?今、何しとると?」 「何?れいな、誰が来たの?あ、いらっしゃいませ~」 れいなの大声を聞きキッチンから高橋が出てきた。挨拶を忘れないのは店長としての自覚があるのだろう。 「愛ちゃん、紹介すると!この子は雅ちゃん、れいなはミヤって呼んでると」 「初めまして。高橋さん、夏焼雅と申します」 「ちょ、なんであっしの名前わかるの?れいな、教えてないでしょ?」 いきなり名字を呼ばれ狼狽を隠せない高橋に雅は冷静に高橋の胸の辺りを指差した。 「エプロンに名札付いてますよ。高橋さん、天然なんですね」 そう言って雅はクスッと笑みを浮かべた 「ミヤはれーなの昔の知り合いなんよ。愛ちゃん達と出会う前のやけど」 れいなは高橋に雅をそう紹介した。 「田中さんには昔、危ないところを助けてもらったことがあって、それからの縁なんです」 「ふーん、あのれいながねえ」 「なんよ愛ちゃん、なんか不思議そうな表情しとるけど」 高橋は雅の顔をじっと見ていた。れいなが親しくしていた友人がいたという話はこれまで聞いたことがなかった。 というよりもれいなが昔の友人の話をしたことが一度もなかった。 高橋自身の過去が過去だけに自ら話さないこともあり、二人とも自然と昔の話を避けている節があったのだ れいなは高橋に雅との出会いを簡潔に説明した。 「…というのが出会いっちゃ。その後、雅が何回かれいなにご飯の差し入れしてくれたりして仲好くなったんよ」 「田中さん、本当に家って言えるようなものに住んでいなくて食事もしっかり取ってなかったですからね! 助けてくれたお礼もしたかったですし、何よりそばにいたかったので… 田中さんがすごく格好良くて、憧れて田中さんに弟子入りしたんです。自分の身くらいは守りたいので」 バッグをテーブルの上に置き、雅はその場で一発、上段蹴りを放った その蹴りはれいなの蹴りと比べてもキレがあり、まともにくらったら一撃で気絶するほどの鋭さであった。 「あれからも自分の技に磨きをかけているんですよ!田中さんに追い付けるように!」 「そんなれ―なが目標なんて嬉しいけど恥ずかしいと~」 高橋の目の前で褒められて照れくさそうにれいなはニシシと笑った。 「そういえば、いま、ミヤは何しとると?」 「○●高校に通ってますよ。今日は学校の建設記念日のため休みなんです」 「え?雅ちゃん、高校生なの?すっごく大人っぽいね~」 高橋は雅が大学生なのだと勝手に思っていた。というのもファッションセンスが異常に良かったからだ。 雅は笑いながら答えた。 「よく言われるんですよ~大人ぽいねとか色気があるねとか。別に気にしてないんですけどね」 「・・・羨ましいっちゃ。昔から大人っぽかったけどますます色っぽくなっとるし…」 「そんな田中さんだって、昔からずっと可愛いままじゃないですか。変わらないから一目でわかったんですよ」 「ミヤ、それ、言ったらダメなことっちゃ!色っぽいと・・・じれったいと・・・」 れいなはブスっとしたが、高橋もその横で横に現れた年下の女の子を羨望の眼差しで見ていた。 「あ、雅ちゃん、気がつかなくてごめんなさいね。今、飲み物用意するから。何にする?」 高橋が立たせっぱなしにしていたことを思い出し、メニューを雅に差し出した。 「あ、すみません、この後すぐ行かなくてはいけない場所があるんで」 「ミヤ、そうなの?せっかく来たんだからゆっくりしてほしかったのにな」 すぐ帰らなくてはならない雅をみて、れいなは少し残念そうにしている 「すみません、偶然、この辺を通ったので寄ってみただけなんです。時間あるときにまた来ますね! それで田中さん、連絡先を教えてくれませんか?今度、じっくりお話したいので…」 雅は持ってきたカバンから携帯を取り出した。 「あ、うん。ちょっと待ってて。今、携帯持ってくるから」 れいなは二階の通称『れいな城』に置いてある携帯電話を取りに行くために店の奥に入って行った。 「田中さんの部屋は二階か、ふ~ん」小さくつぶやいた 雅は店の中を一通り眺めながら話しかけた。 「・・・素敵なお店ですね、小物とかすごくかわいい・・・」 「ありがとう。今度は自慢の料理を食べに来てね。れいなの友達ならサービスしちゃうからね」 近くに置いてあった人形をさわっている雅を見ながら高橋が優しく声をかけた。 「ミヤ、お待たせ~赤外線の場所、どこ?あ、ここかいな」 二階から下りてきたれいなは雅と番号の交換を終えた。交換を終えた雅は机に置いたバッグを手に取った。 「それでは、田中さん、今度はしっかりお話しさせてください!高橋さん、また来ますね」 「ミヤ、なるべく近いうちにメールすると~」「雅ちゃん、待ってるからね」 高橋は雅に『喫茶リゾナント』の住所と連絡先の書かれたメモ用紙を渡した。 「それでは、また近いうちに~」 ドアが開かれ、雅はれいなに手を振りながら出ていき、入れ違いに冷たい空気が店内に入ってきた。 「・・・雅ちゃん、いい雰囲気の子だね。優しい子なんだって感じた・・・」 「ミヤはほんとうに素直でいい子っちゃ!なんたってれいなの弟子やけん!」 ただ、気になることが少し残った。 「そういえば、ミヤはここでれいなが働いているってどうやって知ったんやろ?…ま、いいっか」 そんな喫茶リゾナントから少し離れたところで振り返った彼女はこんなことを思っていた― * * * 面白いお店ね、喫茶リゾナント。店の中の構造もだいたい分かったし しかしまさか、田中さんが働いているとは思わなかったわ ふぅん、田中さん、すっかりおとなしくなっていたわ。昔のあの危険な空気が消えているし あの、高橋とか云う女が田中さんを『拾った』みたいね。まあ、いい人っぽかったからよかった。 なんか昔よりも田中さん、痩せていたような気がしたけど、しっかり食べているのかしら?もしかして… あ~、なんでだろう、なんかムカつく。田中さんのそばに、私以外の人がいて最高の笑みを見るなんて 田中さんのいるべき場所って正しいのかしら?あそこでウエイトレスで。もう少し観察してみようかな * * * ●月◆日(木) PM 3 00 久住は近く公演される予定の舞台についてのインタビューを受けていた。 インタビュアーの置いたレコーダーが机の上で静かに取材時間を告げている。 「・・・それでは、今回の役どころを聴いた時の感想を教えてください」 「はい、今回の役は本当に芯の強い女の子だなって思います。自分をしっかり持っていて、見習わなければ・・・」 インタビューに答える久住には多少疲労の色が伺える。ちらちらと久住はレコーダーを見てしまう。 「・・・それでは、次にきらりさんはどうやって台詞を覚えますか?」 この手の質問は良くあり、久住は回答をいつも前もって決めていた。 「ん~、そうですね~きらりは~実際に動いてみて体で覚えます★ 例えば、『おはよう』といってドアを開けるシーンは、実際にドアを開けて『おはよう』って言います」 「なるほど~日常に取り入れるんですね…きらりさんは台詞覚えはいいほうですか?」 久住は一瞬考え込んだ結果、首を傾けながら答えた。 「他の人がどのくらいなのかわかりませんけど、一回覚えたらなかなか忘れないので、得意かもしれません★」 「羨ましいですね~私なんて今日の朝ごはんに食べたものすら覚えていませんよ、ハッハッハ」 実際に久住は一度起きたことは忘れにくい。そのせいで間違った台詞を覚えなおすのは人一倍苦労する。 加えてリゾナンターとして電気使いの力が身に着くとその記憶力はますます向上していた。 何かの雑誌に書いてあったことを久住はなんとなく覚えている。 ―記憶とは電気信号のつながりによりできている。 見たり感じた『事実』は『電気』によって脳に伝わり一時的な『記憶』として覚えられる。 何回も何回も同じ出来事を思い出すことで記憶、すなわち『思い出』は構成され保持されると。 その電気刺激が活発になればなるほど『記憶』の形成は速くなり、確固たるものとなる。 インタビュアーが場を和ませようと話し続けているのを久住は適当に聞いていた。 「昔のことはどんどん忘れていってしまって、顔は知っていても名前が出て来ないこともしょっちゅうですよ。 おっと、私のことはどうでもいいですかね、きらりちゃん、ごめんなさい。インタビュー続けますね」 「はい、よろしくお願いします★」 ●月◆日(木) PM 1 00 「矢口さん、おじゃマルシェしますね~」 「・・・なにそれ?」 Dr.マルシェが矢口の部屋を訪れた時、矢口はカレーパンを食べていた。 「あ、カレーパンだ!パンが一つなら・・・」 「わけわけしないよ~だ!っていうかさっきの『おじゃマルシェ』って何よ?説明しなさいよ」 「まあ、そんなのはどうでもいいじゃないですか?はい、これ、ボスからの指令所です」 あくまでマイペースなマルシェの態度に多少の反感を感じつつ、渡された封筒から書類を取りだした。 「えーとなになに?『指令:以下の人物を調査せよ』?」 矢口が書類の一番上に書いてあった文章を口に出すと、マルシェが説明を始めた。 「なんか、ボス、『おもろい奴がおる』っていってましたよ! 矢口さん、田中れいな、知ってますよね?リゾナンターの」 矢口は書類を読みながらマルシェの言葉に適当に相槌を打った。 「うん、知ってる。あの猫娘ね。で、それが何?」 「その資料にも書いてあるんですけど、調査対象のその子は『田中れいなの弟子』を自称しています。 そして、最近まで行方不明だったんですけど、私の部下が偶然発見したんですよ!」 矢口には見えないがマルシェは胸を張って誇らしげに報告した。 「それでですね、その子なんですけど普通じゃないんじゃないかっていう噂なんです」 「普通じゃない?例えば空を飛ぶとか地面に潜れるとか巨大化するとか?キャハハ・・・」 矢口が自分で言った冗談に笑っているが、それを冗談と思えなかったマルシェは真面目に答えた。 「いえ、具体的には分からないんですが、噂では触れないでブロックを破壊したとのことです」 「あ、そ・・・しかし、冗談が分からない子だね、マルシェは」 「科学者ですから」 きっぱりと答えるマルシェの口から説明になっているのかどうか分からない回答が返ってきた。 「ところでなんで、この調査担当がおいらなの?調査って、いつも吉澤の担当だよね?」 矢口は率直に感じた疑問をマルシェにぶつけてみた 「えーと、確かですね、ボス曰く、矢口さんは能力者の力を把握することに長けているからだそうですよ。 どういう力かわからない時に前もって、矢口さんなら前もって『阻害』できるので有利に進められるじゃないですか! それに相手の力を『知る』ことができるっていうじゃないですか!それって大きなアドバンテージですよ!」 矢口の能力である『阻害』 相手が能力者の場合は、その能力の発動・行使を阻害することができる。 更に矢口はその力が行使される前から、その力がどのようなものかを把握することができる 「それに~ボスも言ってましたよ~ 『矢口ならウチの期待に添える活躍してくれるやろ。ほんまに頼もしい奴や』って」 マルシェはお世辞にもうまいとはいえないモノマネをしながら言った。 しかしボスからの頼りにしているとの旨の発言は矢口のやる気に火をつけた。 「ボスが言うなら仕方がないかもね。キャハハ・・・オイラ頑張りますよ~ おい、マルシェ、ボスに伝えといて! 『あなたの矢口が全力で御期待に添う成果を上げてきます』と!キャハハ・・・」 キャハハ笑いをしながら矢口は封筒から写真だけを取り出し、部屋を飛び出していった。 その後ろを見送りながらマルシェは呟いた 「まあ、実際は吉澤さんが今、別の任務中で動けないかららしいですけどね・・・」 知らずが仏とはまさにこのことであろうと思いつつマルシェは呟いた。 「しかし、ボスが興味持つほどなのかなあ?この子は…価値があるなら私も会ってみたいな」 机の上には矢口が持っていかなかった調査のターゲットの名前の記された書類があった。 そこにはこう記されている。 = 以下の人物について調査せよ = = 調査対象: 夏焼 雅 = back 『「Vanish!」(1)鳴り始める終焉のベル』 next 『「Vanish!」(3) 病むときにも愛する故に』
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渋谷にセクシーな大型広告が載った沢尻エリカさんが、コンラッド東京(新橋のホテル)で記者会見が行われました。 それは露出度が高いとして話題のたかの友梨ビューティクリニックの新CM発表会見。 会見ではたかの友梨、クライアントの皆様に大変迷惑を呼んでしまい残念に思いますなどと、陳謝したとのこと。 いままでの2年半は刺激的で楽しかったとも。 質問がおわったあとは5秒以上の深々とあいさつ。 いままでの彼女にはないとても丁寧な行動です。 ここまではなにも問題がない会見ですが、終了間際、あの問題にたいしての質問がでました。 今回の会見では出席者からの質問は受け付けないことになっていたのですが、 記者から反省しているのか、6箇条の撤回は?などと聞かれました。 やはりあの6箇条はかなり気になりますよね。 気になる沢尻さんの回答は、 撤回するつもりはありません。 さすが、エリカ様 天皇賞(秋)レース DCキャッシュワン 心理テスト恋愛
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登録日:2019/01/31 Thu 17 39 00 更新日:2024/04/15 Mon 16 03 57NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 DQN いじめ どうあがいても絶望 まんが王国 アウトレイジ クズしかいない世界 スクールカースト ダメな大人の万国博覧会 ボコボコりんっ! メンヘラ リョナ 人間のクズの温床 全員悪人 全員死刑 双葉社 君に愛されて痛かった 地獄絵図 孤高の遠吠 小林勇貴 少年犯罪 底辺 悲恋 新潮社 汚い大人の見本市 漫画 漫画アクション 犯罪 知るかバカうどん 秋田書店 負の感情 負の感情製造機 負の連鎖 闇金ウシジマくん 驚きのクズ率 鬱展開の嵐 鬱漫画 鬼畜系 わたしあなたのこと好きだった ただそれだけ 概要 「君に愛されて痛かった」とは、知るかバカうどん(これがペンネームである)の漫画作品。 『漫画アクション』(双葉社)2017年12号より連載開始されるも、後述する通りの過激な展開から7話で打ち切りとなる。 その後新潮社の電子漫画配信サイト「まんが王国」に移籍して再開、単行本は新潮社から出されていた。 2022年3月31日を以て新潮社と契約を解除し、秋田書店へと移籍。単行本も電子版が先行する形で新装版が販売される。 もともと作者は成人誌で暴力的な描写や救いようのない生々しい展開の作品を多数発表していたことで知られる作家。 本作でも1話のプロローグからすでにバッドエンドが約束された状態となっている。 「援助交際」「いじめ」「犯罪を平然と行うDQN」などといった要素がふんだんに盛り込まれている。 特にいじめやDQN達の生々しい描写のねちっこさはえげつなくいじめシーンもゴキブリぶちまけレベルは当たり前。 畳み掛ける鬱展開と時折見せる女性キャラクター達の可愛らしい表情とのギャップが大きく人を選ぶ作品でもある。 なお、最初に打ち切られた原因の一つである当初の9話は単行本1巻のメロンブックス特典となっている。 ストーリー 荒れた団地に住み、家庭にも恵まれない高校1年生の少女かなえ。 彼女は中学生の時に陰惨ないじめを受け、そのトラウマにとらわれてクラスメートとも心から馴染めずにいた。 承認欲求から援助交際をやっていた彼女と出会った他校の野球少年寛。 優しくしてくれる寛に心惹かれていくかなえだが、それは周辺の者たちも巻き込んだ悲劇の幕開けだった。 キャラクター 叶井かなえ 高校1年生の少女で主人公。生活保護受給者やDQN、低層外国人が多い荒れた団地に母や年の離れた弟と一緒に住んでいるが家族関係は良くない。 父親はいない模様。 中学生の時に転校した学校で「真面目に授業受けたりして同級生の和を乱している」と言いがかりをつけられ凄惨ないじめを受け、この経験が深いトラウマになっていて精神は非常に不安定で、被害妄想的になりがち。 高校では友人グループに表面的に合わせているが自分の居場所と感じられていない。特にリア充と見られる環境に近づくと脳内で「自分に相応しくない場所」と認定してしまいパニックにも近い精神状態になってしまう。 優しくしてくれた寛に惹かれていくが、結果的にそのことが一周辺の人や寛をも期せずして傷つけていくことになる。 巨乳で料理もできるので意外とスペックは悪くないのだが、自己評価は低く自分を追い詰めがちな癖がある。 実は承認欲求から援助交際に手を染めており、援助交際のため遅く帰宅することが多いので家族にはますます疎まれている。 普段はおどおどした態度だが、一度ブチ切れると手がつけられない面があり、鳴海など地元の不良と交際し、違法行為や性的な行動に対するハードルも低い。 (恵まれた環境にいながら自分をいじめる一花に憎しみを抱き、鳴海を通じてDQNグループに依頼して彼女を拉致暴行させるなど。 もはや一花は悪という点に関して手も足も出ないレベルであった) その後何食わぬ顔で一花をハブったグループに戻るが、更に鳴海を失い寛の元カノである奈々の登場で精神の不安定さは止まらないままでいる。 野村寛 高校2年生の少年で、かなえとは別の学校に通う野球部のピッチャー。 選手としては有望で、本職の投手はもちろんのことバッターボックスに立ってもいい仕事をする。甲子園出場も期待されており性格も優しく社交的で、近隣の高校生達や高校野球ヲタ老人の間でも顔がよく知られている。 カラオケ合コンでかなえと知り合い、彼女が援助交際をしていることを知って咎め最初は強く反発されるがそれでもかなえに優しくしたため想いを寄せられる。 彼もかなえとの接近でまんざらでもない様子。 しかしかなえとの接近で鳴海に恨まれ肩を壊されてしまい、痛みを隠して練習に参加しているものの制球が悪くなってきている。 鳴海 かなえの友人であるヤンキー少年。 原付に乗っていることから16歳以上と思われるが高校に行っているかは不明。 父は家出したきり、母親はそれ以来家事をせず呑んだくれという荒れた家庭。 不良だが人の良さを通り越してヘタレじみたところがあり、先輩に理不尽に殴られても逆らえず悪事にも流されがちで、かなえの援助交際を止めることもできていない。 中学生だった頃のかなえと団地の広場で出会い、それ以来お互いの愚痴を聞く間柄だがかなえには男性として意識されていないところがある。 それなりに悪事にも手を染めていたのか、鑑別所に入っていたこともありそこで出されていたビスケットが今でも好物。 かなえのことを密かに想っていたが告白もできておらず、彼女に依頼されて一花への暴行で不本意な形で童貞を卒業する。 寛とかなえの接近に耐えられなくなり寛を襲撃して負傷させ、逮捕される。 市川一花 かなえの友人グループのボス格の少女で、黒髪ショートカットでピアスをつけている。 家は金持ちで両親にも溺愛されており、欲しいものはなんでも買ってもらえる(*1)環境にある。中学時代はバレー部のエースだった。 一見品行方正なようだがわがままで思い込みが激しく、自分の思い通りにならないとすぐキレる。 この性格から中学の時は部活で張り切りすぎ、他の部員に厳しく当たりすぎて嫌われ、結局孤立した過去がある。中学時代はベリーショートでボーイッシュな格好だったが、そのために男友達に異性として見てもらえず振られた過去もある(*2)。 一方でドラマの恋愛に憧れるような純情なところがあり、キス経験もない処女だった。 寛のことが好きだが、かなえが彼と接近したと知って裏切られたと思い込みかなえをいじめるようになる。 かなえに対してはそれまで本気で友達だと思っていたが、 「友達がいないと自分を支えられないが、大切にはしない」思考が見え見えの上から目線で接しており、 その態度はかなえをハブった他のメンバーに対しても同様であった。 しかし今までの恨みを溜め込んだかなえが依頼した鳴海の先輩らに拉致され顔パンの挙句にマワされてしまい、その際ファーストキスもDQNのベロチューで奪われてしまう。かなえの所業ということには気づかなかったものの、凌辱されている模様を彼女のスマホで録画されてしまっている。 この事件のショックで1ヶ月ほど不登校になってしまい、登校を再開してもなおトラウマに苦しめられるようになり友人グループからもハブられてしまう。 作者曰く「いちカス」 富田とみ子 かなえの友人グループのメンバーである太めのぶさギャルで食い意地が張っている。 性格はあまりよろしいとはいえず、一花がかなえをいじめ始めた時は意気揚々と便乗して陰湿な行為に加担する。 一花が不登校になった後は手のひらを返すも、かなえとは間も無く溝ができ始める。 里紅 かなえの友人グループのメンバーであるショートカットの少女。 可愛らしい顔立ちだが、女社会で無難にやり過ごすことを優先しているため要領よく抜け目ない。 一花がいなくなると「わがままでウザかった」と手のひらを返す。 とみ子とは幼馴染だが、都合が悪くなるととみ子を切り捨てる。 瑠奈 かなえの友人グループのメンバーであるポニーテールの少女。 料理は下手。 鳴海の先輩達 タチの悪いDQNグループ。気分屋で後輩を下らない理由で殴るなど日常茶飯事。 鳴海を通じたかなえの依頼で金をもらって一花をマワす。 悪事を働くのに躊躇がなく、一花が泣いても嘲笑いながら暴行を続ける真性のDQN揃い。 なお、メンバーの1人であるメガネ男の着ているTシャツに描かれているツインテールの少女は作者の成人向け読み切り作品「メンヘラホス狂ボコボコりんっ!」の主人公「姫」。 越智 寛の野球部のチームメイトでキャッチャー。寛とは小学生時代に所属していた野球チームからの縁。 坊主頭で無愛想だが硬派な性格で、友人である寛を心から心配している。 かつては父親から強要された道である野球のおかげで苦しんでいたが、寛との交流で立ち直ったことがある。 寛を襲った鳴海に激怒し、彼をボコボコにした。 かなえに引きずられつつある寛に危機感を抱いており、2人の交際をやめさせようとしている。 かなえの母 割とかなえと似ている。飲んだくれで娘を疎ましく扱っており、酒が入ると荒れ子供たちを怒鳴りつける。 かなえの弟 歳は離れているようで、狭い団地なので姉と同じ部屋だが仲は良くない。 かなえが遊び呆けているから自分が勉強を強要されていると思っているので姉へのアタリはきつい。 七瀬奈々 寛の元カノ。何か運動部で活躍しているようで、快活なショートカットの少女。 Instagramのアカウントを持っている。 追記・修正は悲劇の扉を開くことに △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] タグ欄やコメント欄が消えてました。初版の方は今後お気をつけください。 -- 名無しさん (2019-01-31 18 08 26) この作者絵も漫画も鬱だったり胸糞悪い作品ばっかり描いてて気分悪くならないのだろうか? -- 名無しさん (2019-01-31 19 34 05) 作者は親から「気持ち悪い漫画ばかり書くな、就職するか死ぬか選べ」と言われたらしいな -- 名無しさん (2019-01-31 21 57 35) 作者女性なんだよな…… -- 名無しさん (2019-01-31 21 59 09) あれ?この項目って以前なかったっけ?気のせいかな? -- 名無しさん (2019-01-31 22 42 13) まあ、作者が書きたいんだったらいいんじゃないかな? -- 名無しさん (2019-01-31 23 04 05) 何だかんだ面白くて続きがとても気になる -- 名無しさん (2019-02-01 00 20 52) 主人公が援交してる理由がそもそも「自分を必要として欲しい」って願望からっぽいから、幼馴染からの気持ちに気付いてれば違ったんだろうな。 -- 名無しさん (2019-02-01 13 14 01) エロマンガ発売時の作者インタビューチラっと読んでみたけど、闇が深い感じだった。だからこそ作品に活かしてるのかもしれない -- 名無しさん (2019-02-01 23 38 59) 編集に梯子外されて作者も大変だったろうな [] -- 名無しさん (2019-04-02 18 22 14) 鳴海の先輩達もいずれ劇中で捕まってほしい -- 名無しさん (2020-01-13 18 18 36) いちかす中学でも高校でも人望なさすぎて草生えるけどかわいそう。 -- 名無しさん (2020-02-01 23 58 53) 5巻はよ -- 名無しさん (2020-08-18 12 39 46) 十字架のろくにんって漫画も、最初は別冊少年マガジンで連載してたけど胸糞悪い過激な描写が多くてすぐにマガポケに移籍する事になったりと、この漫画と似てる所があるんだよな -- 名無しさん (2021-06-20 12 40 00) まんが王国の方結局終わってる? -- 名無しさん (2022-06-17 18 49 41) 寛と奈々は何で別れて恋人関係を解消したんだ?性格の食い違いがあったとか? -- 名無しさん (2022-08-28 23 16 20) 初期にかなえが援交の記録手帳につけてたけど、一週間毎日別の男とヤッてる時期があると気付いてヒエッ……てなった。 -- 名無しさん (2023-11-12 16 34 48) 名前 コメント
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食堂内を見渡す。 いつも俺が座っている場所は既に埋まっていた。 俺は窓際が好きなんだ。 陽 菜「あ、大翔くん」 首をひねって声の主を探す。 大 翔「お?」 沢井がトレイを持って俺の後ろに立っていた。 トレイの上には既に空になった食器が置かれている。 大 翔「食堂にいるなんて珍しいな。いつも弁当なのに」 陽 菜「あ、う、うん。今日は気分転換に、食堂」 なぜだか目を泳がせる。 なにも慌てるようなことでもないだろうに。 陽 菜「大翔くんは?」 大 翔「ああ、あっちの方で食べてた」 食堂の隅を指差す。 食堂に来るのが遅れた理由を説明するのがめんどくさかった。 今日の俺は嘘つきだ。 陽 菜「そっか」 大 翔「うん」 陽 菜「そういえば、今日来た留学生、大翔くんの家にホームステイしてるんだってね」 大 翔「あ、ああ。誰から聞いた?」 陽 菜「黒須川くん」 あのお喋りめ。 大 翔「それ、クラスのみんなには黙っててくれないかな。教室から連れ出しただけで睨まれた。それがバレたらみんなの反応が怖い」 陽 菜「いいけど……ちょっと遅いかも」 悪戯っぽい笑みを浮かべる。 沢井のこの表情を見たのは久しぶりな気がする。 陽 菜「もう黒須川くん、みんなに喋っちゃったし」 大 翔「……まじですか」 落胆する俺を見て、沢井が声を出して笑った。 あの超絶軽口男め。 しっかり口止めしておけばよかった。 陽 菜「教室いったら、今度は大翔くんがみんなの質問責めにあうかもね」 大 翔「覚悟しとく」 溜息をついた時、頭の上で鐘の音が響いた。 陽 菜「あ……じゃあ私、いくね」 大 翔「おう」 沢井は食器返却場所にトレイを置いて、食堂から出ていった。 一緒に教室に行こうか。 そう言えないのが、俺達の限界だ。 壁にかけられた時計を見上げる。 次の授業まであと五分。 大 翔「もうこんな時間だったのか」 結局、俺は昼食にはありつけず、空腹のまま午後の授業とクラスメイトの取り調べを乗り切った。 大 翔「ただいまー」 帰宅。 だが返事は無い。 玄関には靴が四足ある。 一応、みんな帰ってきてはいるみたいだ。 靴を脱いでそのまま二階の自分の部屋へ行こうとすると、居間へと続く扉の隙間から美優がこっちを見ていた。 大 翔「ん?」 美優が手招きをする。 階段の一段目を踏んでいた足をおろして、居間を覗き込む。 美 羽「……」 レ ン「……」 美羽とレンがにらみ合っていた。 いや、一方的に美羽がガンを飛ばしているだけで、レンは腕を組んで涼しい顔をしていた。 そしてレンの隣ではユリアがいつもの柔和な笑みを浮かべている。 体調はもう問題ないようだ。 それにしても、 大 翔「どうしたのこれ?」 空気が重い。 美 優「えっとね……料理の話になって……」 美 羽「じゃああなたはなんでも作れるわけね」 レ ン「ああ。できる」 美優の説明を聞く暇もなく、口論(?)が始まった。 レ ン「君はできないのか?」 美 羽「で、できるわよ!」 嘘はいけない。 大 翔「で? なんだって?」 美優に続きを促す。 美 優「えと、ユリアさんが料理の話しだして、それでえっと、私は和食よく作るよって言って、美羽ちゃんは何ができるのってなって、いつの間にか喧嘩みたいになってて」 大 翔「なるほど」 美優がしどろもどろに状況を説明する。 あまり人を怒らせた経験がない美優はこういう場面に出くわすと、ちょっとしたパニック状態になる。 そのせいでいまいち要領を得なかったが、なんとなくはわかった。 何を作れるのか聞かれて美羽が困っているところをレンが何か言ったんだろう。 それでプライドの高い美羽が怒り出した、と。 レ ン「君はなにを作れるんだ?」 美 羽「な、なんでも」 レ ン「ほう、例えば?」 美 羽「ちゅ……中華、とか」 あの野菜を切って炒めただけの料理を中華と言い切るか。 レンの言葉に悪意は感じられない。 もしかしてレンは、美羽が気分を害していることに気付いていないんじゃないだろうか。 普通に会話をしているつもりなのかもしれない。 ユリア「チュウカとはどんな料理なんですか」 美 優「えっと」 美優が本棚から料理書を取り出して、ユリアにそれを渡す。 ぱらぱらとめくる。 ユリア「おいしそう」 興味深そうに料理の写真を眺めている。 ユリア「これ、作れますか? 食べてみたいです」 ページを正面に向けて、本を掲げる。 美羽が固まった。 見出しの大文字がちらりと見える。 『鶏の甘酢あんかけ』 美 羽「で、できるわ!」 力強く嘘をついた。 だ、大丈夫かよ……。 美優も心配そうな目でそのやり取りをみていた。 美 羽「別に作るのはいいけど、あなたもなにか作ってよね! そんなに自信あるなら腕前みせなさいよ」 レ ン「いいだろう」 美 羽「勝負だからね!」 レ ン「あ、ああ」 なんでそんな無謀な勝負を挑むんだ。 ああ、くそ。 美 優「お、お兄ちゃん」 美優が俺の学生服の裾をぎゅっと掴む。 俺も不安だよ。 二人が台所へと消えていく。 その背中を見つめながらユリアの正面に座って、机の上にだされた煎餅に手を伸ばす。 大 翔「体調、大丈夫なの?」 ユリア「ええ、もうすっかり。ご心配おかけして申し訳ありません」 大 翔「いや、大丈夫ならいいよ」 美 優「なにかあったの?」 大 翔「ああ、ちょっとな」 ユリアを心配しつつも、俺の意識は台所へと注がれていた。 なにか手伝ったほうがいいかな。 煎餅を一口かじって、立ち上がる。 美優もついてこようとしたが、座ってろと手で合図する。 台所では美羽が冷蔵庫の中身とにらめっこし、レンは調味料を手にとってそれをじっと見つめていた。 大 翔「なんか手伝おうか?」 レンに声をかける。 レ ン「大丈夫だ」 大 翔「調味料とか、わからないだろ」 レ ン「なんとかなる」 レンは醤油を少し指につけて味見をしていた。 何かを確認するようにうんうん、と頷いている。 いかにも料理ができます、という空気を醸し出している。 これは美羽のやつ、惨敗だな。 美 羽「ちょっと、兄貴」 美羽がドスのきいた声で俺を呼ぶ。 美 羽「敵に塩を送ろうって言うの?」 よくわからないが、すごく怒っていた。 大 翔「敵ってなんだよ。俺はただ……」 美 羽「裏切り者! カメムシ!」 大 翔「カメムシ!?」 美 羽「出てけ!」 ひどく罵られながら、俺は台所から追い出された。 美優を見る。 不安げな顔で首を振った。 今の美羽ちゃんに手伝おうかなんて言ったら私でも怒られちゃう。 目がそう言っていた。 野菜を切って炒めるくらいしかできない美羽が、 味付けは塩こしょうかカレー粉をかけることくらいしかしたことない美羽が、 たった一人で本格中華に挑む。 ぐぅぅぅー 俺の腹がなった。 そういえば今日は昼飯抜きだった。 美 羽「うわぁ!」 台所から悲鳴と床に何かが落ちる音が聞こえてきた。 果たして大翔はまともな食事にありつくことができるのであろうか? そんなナレーションが聞こえた気がした。 午後七時三十分。 いつもより少し遅めの夕飯。 俺の空腹はもう限界だ。 美 羽「おまたせー」 台所から美羽と美優が食事を運んでくる。 俺の前に皿が置かれた。 大 翔「……」 からっと揚げられた鶏肉の上に黄金色の餡がかかっている。 人参の赤とピーマンの緑がほどよいアクセントになっていて彩りもいい。 意外にも見た目は悪くない。 鼻を近づけて匂いをかぐ。 特にやばい香りはしない。 レ ン「私もできたぞ」 台所からレンの声が聞こえた。 美優が台所に走っていく。 ほどなくして俺の前に二皿目が並ぶ。 スープか。 澄んだ琥珀色のスープの中に大きめに切られた野菜がたっぷり入っている。 見た目は、うまそう。 香りもいい。 目線を前にやると、ユリアが手前に置かれた箸をじっと見ていた。 大 翔「箸の使い方、わかる?」 ユリア「ええ、さきほど美優さんに教えていただきました」 箸を持って、器用に動かしてみせる。 美 優「たぶんお兄ちゃんより上手だよ」 大 翔「まさか」 笑い飛ばす。 ……こっそりと練習しておこう。 大 翔「さて、冷める前に食うか。いただきます」 美 優「いただきまーす」 ユリア「いただきます」 美 羽「召し上がれー」 レ ン「口に合えばいいが」 まずは美羽の料理に手をつける。 鶏肉を箸でつまんで一口で頬張る。 美 羽「ど……どう?」 美羽が不安と期待が入り混じった目で俺を見る。 大 翔「……味見した?」 美 羽「し、してない」 俺はゆっくりと箸を置いた。 大 翔「しろよ!」 間髪いれずに切れた。 大 翔「甘い! 甘すぎるだろ! スイーツの領域だろ! こんなもんをおかずにライスが食えるか!」 極上の料理を内におさめることを期待していた俺の胃袋が、納得がいかぬと俺に吼えさせる。 美 羽「ちょっと! なによその言い方! 美優は! 美優はどうなの!?」 美 優「……」 美優は少し迷ったそぶりを見せた後、弱々しく首を縦に振った。 顔が真っ青だった。 レ ン「確かに……これは甘すぎるな……」 レンが顔をしかめる。 美 羽「なによ! みんなして!」 大 翔「食ってみろ! いいからお前も食ってみろ!」 美 羽「わ、わかったわよ……」 おそるおそる自分の作った料理を口に運ぶ。 もぐもぐと鶏肉を咀嚼。 ごくんと飲み込む。 美 羽「お……ぉいしぃじゃなぃ」 声が震えている。 大 翔「じゃあ残さず食えよ」 美 羽「……」 大 翔「……」 美 羽「……ごめんなさい」 美羽が謝った。 全員が箸を置いて、見た目だけはいいそれをガッカリした目で見ていた。 いや、一人だけ休まずに箸を動かしている人間がいた。 ユリア「みなさんどうされたんですか?」 ユリアだった。 レ ン「ひ、姫様?」 ユリア「レンは食べないの? せっかく作っていただいたのに」 美 羽「あの、私が言うのもなんだけど無理して食べなくてもいいわよ?」 不思議そうな顔で首を傾げる。 ユリア「おいしいですよ?」 みんなの目が点になった。 ユリア「美羽さんってお料理お上手ですのね」 幸せそうな顔でぱくぱくと食べる。 もしかしたら彼女はパンの代わりにお菓子を食べている人種なのかもしれない。 ……王族の味覚恐るべし。 大 翔「ま、まぁ、スープだけでも飲むか」 気を取り直してスプーンを手に取る。 野菜と共にすくって口の中へ。 ……。 野菜のだしがよく出ている。 味は悪くない。 たぶんコレが好みの人もいるだろう。 ただ―― 大 翔「しょっっっっっぱぁ!!」 俺には飲めなかった。 塩分が唇の水分を吸い取ってかさかさになっていく。 ポテチうす塩味を食べ過ぎた時のあの唇感覚だ。 レ ン「な、なに?」 大 翔「あじ……味見した?」 レ ン「い、いや」 ……なんでしないんだよこいつら。 怒りが再び火をつけ始める。 レ ン「み、美優殿の口にも合わないか?」 美 優「……」 美優は虚空に目を彷徨わせた後、ふるふると首を振った。 少し涙目になっていた。 美 羽「しょっぱぁい」 美羽がベッと舌を出す。 ちょっとうれしそうだった。 レ ン「な、なんということだ……」 大 翔「飲んでみろ。お前も飲んでみろ」 レ ン「う、うむ」 おそるおそるスプーンを口へ運ぶ。 もくもくと野菜を咀嚼。 こくっと飲み込む。 レ ン「…………ぅわぁ」 レンの素を見た気がした。 レ ン「こ、これは何かの間違いだ」 大 翔「自信ありげだったのに、いつも料理してるんだろ?」 レ ン「ああ、姫様の食事は私が用意させてもらっている」 大 翔「自分で食べたことは?」 レ ン「ない」 大 翔「それでか……」 レ ン「しかし姫様はいつもおいしいと……」 レンがユリアを見る。 ユリアは海のようにしょっぱいスープを幸せそうにすすっていた。 そこで、気付く。 ユリア「レンの作ったスープはやっぱりおいしいわね」 ユリアが重度の味覚音痴であることに。 レ ン「ふっ……」 レンは背もたれに身を預け、だらりとその両手をたれた。 その顔には失意の色がありありと浮かんでいる。 レ ン「……生き恥を晒した。殺せ」 なんでそうなる。 レ ン「あのような大見得をきってこのザマとは……申し開きもできん。いっそ殺してくれ……」 天井を見て自嘲気味に笑う。 料理ごときで死にたがる人を初めて見た。 美 羽「ちょっと!」 美羽がバンッと机に手をついて立ち上がる。 みんなの視線が美羽に集まる。 すごく興奮していた。 美 羽「殺せってどういうことよ!」 レ ン「私は恥を晒したのだ。騎士としての誇りを私は失ってしまった」 美 羽「バカッ!そんなことで死ぬことなんてない!」 レ ン「し、しかし私は!」 美 羽「だって、だって!」 レンに近づいて手をとり、両手で優しく握った。 なんでこの空気は。 美 羽「だって……料理なんかで女の子の価値は決まらないもの!」 レ ン「み、美羽殿っ!」 美羽にも『殿』がついた。 二人の瞳がキラキラと輝いている。 二人の間に奇妙な友情が生まれたらしい。 レンって結構ノリのいいやつなんだな……。 大 翔「でも、料理できたほうがもてるぞ」 ぼそりと呟く。 美 羽「なんか言った!?」 大 翔「なにも……」 俯いて、見るだけでげっそりするスープをかき回す。 結局、夕飯はカップラーメンのみの味気ないものになった。 ユリア「おいしい、ふふっ」 ユリアだけは出された食事を完食した。 美 優「……」 そして無理に食べようとしたお人よしが精神に傷を負った。 いつもより賑やかな夕食。 料理は残念だったけど久しぶりに、家族の団欒というものを味わった気がする。 ユリアとレンも楽しんでくれているように思えた。 でもそんな中、 ユリア「……」 ただ一度だけ、ユリアが目をふせ小さく溜息をついたのを、俺は見逃さなかった。 夕飯の喧騒が去って数十分がたつ。 美優はすぐに自分の部屋へ引っ込んでしまった。 美羽とレンはソファに座って雑談しながらテレビを見ている。 もう随分と打ち解けたらしい。 全員がレッドの戦隊ヒーロー物のコントを見ながら、二人で仲良く笑っている。 ゆっくり話すなら、今のうちかな。 洗い物を済ませたあと二階へとあがって、一番手前の部屋の扉をノックする。 ユリア「どうぞ」 部屋の中から返事が来るのを待って、扉を開ける。 かつては両親の寝室だった部屋が、すっかり女の子の部屋になっていた。 ユリア「どうされました?」 ユリアはベッドに座って本を読んでいた。 『家庭の医学』 たぶんこの部屋にあったものだろうけど、おもしろいんだろうか。 大 翔「気分どうかな、ってさ」 なんとなく居心地が悪くて、そわそわする。 住み慣れた自分の家のはずなのに初めて女の子の家に遊びに行った様な、そんな緊張を感じていた。 ユリア「ええ、大丈夫です。ご心配してくださってありがとうございます」 ユリアが俺に微笑みかける。 大 翔「それならいいんだけど、ちょっと元気なさそうだ」 いつも浮かべている笑顔だけど、どことなく無理をしているように見えた。 大 翔「急に環境が変わったわけだし、ストレス感じてるんじゃないかなって思ってさ。実際倒れちゃったわけだし。なにか不自由があったら遠慮せずに言ってよ。出来る限りのことはする」 ユリア「ありがとうございます。でも本当に大丈夫です」 大 翔「そっか……じゃあ」 まだ会って二日足らず。 なんでも話せるほど信頼関係も築けていない。 おせっかいが過ぎたのかもな。 結局はレンに任せることしか、俺にできることはないのかもしれない。 ユリア「いえ……ごめんなさい。やっぱり聞いてもらえますか?」 扉のノブに手をかけたとき、呼び止められた。 笑顔が消え、不安げな表情で俺を見ている。 ユリア「どうぞおかけになってください」 ユリアに椅子をすすめられて、腰かける。 察するに、あまり良い話ではないようだ。 ユリア「あまり理解のできる話ではないかもしれませんが」 一呼吸置いて、続ける。 ユリア「私は未来を予知することができます。といっても自分の意思で見ることはできず、急に見えるんです。その内容も明日の天気だったり顔も知らないどこかの誰かから生まれてくる赤ん坊が男の子か女の子か、そんな些細なものがほとんどです。稀に嫌なものを見てしまって、気分が悪くなることはありました。でも今日見たあれは……あれは……」 黙り込む。 別に驚きはしなかった。 魔法の不思議を散々見せられたから、未来を予知できようが空を飛ぼうが、全て納得できる。 沈黙が耐えられなくて、俺は続きを促した。 大 翔「何が見えたの?」 ユリアは決心したように俺の目をまっすぐ見て、ゆっくりと口を開いた。 ユリア「……建物が崩れ、大地が割れ、人々はたった一人もいませんでした。そんな映像がいっぺんに押し寄せてきて私は恐ろしくなってしまって……」 ユリアはぎゅっと目を閉じて、両手で自分の体を包み込んだ。 肩が小刻みに、震えていた。 ユリア「おそらく、そう遠くない未来、理由はわかりませんが……この世界は私がみた映像にいきつくのだと思います」 大 翔「それはつまり?」 ユリアの喉がこくりと動いた。 ユリア「この世界は……滅びます」 深刻な面持ちで、震える声で。 大 翔「そっか」 それに対して俺の返答はあまりに間が抜けていたと思う。 ユリア「言うべきか迷ったのですが……大翔さんの世界ですから……」 嘘はついていない。 つく理由もない。 たぶん、ユリアがそういうなら滅びるんだろう。 ユリア「いえ、ごめんなさい。私は一人で抱え込むことが怖かっただけなのかもしれない」 大 翔「いや、言ってくれてよかったよ。体調が悪かったわけじゃなくて安心した」 自分を責めるユリアに笑ってみせる。 別に無理はしていない。 大 翔「じゃあ俺は失礼しようかな。念のため今日はゆっくり休んで」 ユリア「はい……」 やせ我慢もしていない。 ユリア「あの」 大 翔「ん?」 ユリア「……ごめんなさい」 大 翔「ユリアが謝ることなんて、何もない」 部屋から出て扉にもたれる。 俺達が生きるこの世界が、遠くない将来、滅びる。 ただ、実感がわかなかった。 大 翔「風呂でも入るかぁ」 浴槽につかって考えをめぐらせる。 世界が滅亡します。 そう言われた人間はどういった行動を起こすだろうか。 世界を救おうとする。 理不尽な未来に憤る。 逃げ出す。 どれもよくわからない。 世界を救おうにも滅びる原因がわからない。 魔王だとかそんなものがいたらわかりやすいが、現実世界にそんなものはいやしない。 それにいたとしても、俺はゲームや漫画の主人公じゃないからとても立ち向かえないだろう。 別に憤りもない。 あまりに突拍子がなさ過ぎて、怒りを感じることもできない。 逃げ出そうにも、世界がまるごと滅びるのならどこにいたって同じだ。 アヒルの玩具のゼンマイをまわして、水面に浮かべる。 ばしゃばしゃと音を立てながらアヒルがよちよちと泳ぎ始めた。 そういえば、俺が今朝みた夢もそんな感じだった。 建物は全部廃墟になってて、地面もとてもまっすぐ歩けないような状態で、俺以外誰もいなくて。 ……あんな世界がくるのは、嫌だな。 泳ぎ続けるアヒルを掴んで、立ち上がる。 アヒルは俺の手の中で悶えていたが、しばらくしてその動きを止めた。 すこし、のぼせた。 大 翔「あ、しまった」 新しい下着を持ってくるのを忘れてしまった。 洗濯カゴに突っ込んだ使用済みトランクスを見つめる。 風呂から出た後にもう一回はくのは、なんか嫌だな。 大 翔「おーい! 美羽!」 脱衣所から救援を頼むも返答は無し。 居間からテレビの音だけが聞こえてくる。 気付かないか、仕方ない。 タオルを腰に巻いて、脱衣所を出る。 普段ならそう気を使う必要もないが、今は女性のお客様が二名もいらっしゃる。 スニーキングミッションの開始だ。 音を立てないように廊下を進んでいく。 居間を覗くと美羽とレンは相変わらずテレビに集中していた。 なんかわくわくしてきたぞ? 居間を通り過ぎて階段に足をかける。 ここをのぼりきれば俺の部屋まで数メートルだ。 しかし、最後の段を踏みしめたとき一番手前の扉が開いた。 ユリア「あら、大翔さ……ふぅー」 顔を出したユリアが、バタンと音を立てて速攻で気絶した。 うぉ! 足を上げてたせいで息子が丸見えになっておるではないか! ? 「なんかすごい音したけどぉ?」 誰か来る! や、やばい! とりあえず逃げよう! が、走り出した瞬間タオルがするりとほどけ、ありえないほど器用に階段の手すりに引っかかり、絶妙なバランスで一階まで滑り落ちていく。 うぉ、うぉぉぉぉぉぉ! 美 羽「タオルおちてる」 美羽と目があった。 美 羽「……」 軽蔑のまなざし。 美 羽「なにやってんの?」 とりあえずレンじゃなくてよかった。 大 翔「タオル! タオル返して!」 前かがみになって大事な部分をおさえながら必死に訴える。 美羽は溜息をついて階段をのぼってきた。 あれ? これはやばくないか? 大 翔「こ、こなくていい! 投げてくれればいい!」 美 羽「はぁ?」 遅かった。 美羽の目の前には、裸の兄と卒倒したお姫様。 美 羽「……」 軽蔑のまなざしII。 美羽は黙って階段を下りていった。 タオルを持ったまま。 美 羽「レンー。ちょっと二階いってみてー」 なにぃ! 美 優「どうし……お兄ちゃん!?」 運悪く美優も自分の部屋から出てきた。 大 翔「ちょ、ちょっと退いてくれ! あとで説明するから!」 美 優「えっ? えっ?」 大 翔「頼むから!」 レ ン「いったいなん……ひ、ひめさっ!?」 大 翔「おぉ!?」 レ ン「きさっ! きさま! なんと、なんという!」 大 翔「待って誤解! 誤解なんだ!」 レ ン「斬り捨てる! あっくそ! 待っていろ! そこで待っていろ!」 腰に刀がないことに気付き、レンが風のような速さで一階へと降りていく。 階下を見ると美羽がこちらをみてほくそ笑んでいた。 あ、あの女……! 大 翔「頼むから美優どいてくれ! もしくはなにか布を持ってきてくれ!」 美 優「えっ? えっえっ?」 大 翔「はやく!」 美 優「ひぃっ!」 俺の剣幕におされて美優が素っ頓狂な声をあげた。 しかも俺の部屋への道をふさぐようにオロオロと左右に動き回っている。 だめだ。 万事休すか……! 美 羽「兄貴ッ!」 諦めかけたとき、美羽の手から白い布が投げられた。 右手でそれをキャッチする。 まさかお前から助け舟が出されるとは。 今までの狼藉、大目に見てやる。 レ ン「大翔ォッ!」 鬼の怒声が聞こえて慌ててそいつに足を通す。 よし! かなり窮屈だが、これですこしは落ち着いて話ができる。 美 優「おにっ……おにいちゃぁぁぁん!」 レ ン「な……貴様……正気かっ!」 美 羽「うわっ! ほんとにはいた!」 ゆっくりと目線を下げていく。 ヒラヒラとした装飾が目に入った。 大 翔「美優の下着じゃねぇか!!」 美 優「おにっおにいちゃ……ふぅー」 レ ン「貴様見損なったぞッ! そこになおれぇ!」 美 羽「あははっ! バカだ! あはっあはははは! ひぃひぃー苦しっあははははは!」 ユリアの上に重なるように倒れる美優。 鬼の形相で刀を抜き放つレン。 笑い転げる美羽。 大 翔「もう……どうでもいいや……」 この日は間違いなく、俺にとって最低最悪の一日だった。