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82 名前:ゲーム好き名無しさん (スッップ Sdb3-FhiE)[sage] 投稿日:2018/05/02(水) 18 15 33.74 ID fACsaTjyd [1/2] 報告失礼。 ほとんど面識のない間柄同士でのオンセ初回。 遅刻しないようにと早めに会場に向かったら、みんな同じ考えだったのか既に全員が揃ってた。 「時間前ですが、揃いましたし始めましょうか。 全員初対面なので、まずは自己紹介ですね。PC1の方から順番に行きましょう」 とうながされ、数人がそれを済ませたところで問題発覚。 「……俺抜きで何してんの?」 あまりにも自然だったので俺含めて誰ひとり気付いてなかったんだけど、今までGMとして振る舞ってた奴、GMじゃなかった! 本物のGMは離席して家事かなんかしてたみたいで、そろそろ時間だからと戻ってきたら勝手になんか既に始まってたってことで激怒。 俺たちも、初対面で誰が誰だか認識できてなかったとはいえ、よくよく注意すれば気付けたことなので平謝り。 当の本人はなんで怒られるのか分からないという態度。 流卓やむなしだなという感じだったんだけど、何故かそのままの面子で卓続行することになった。 相変わらず隙あらばGMとして振る舞おうとするから周囲が止めるのが常、欠席連絡には「本当に休まなければ無理?なんとかしてできるんじゃない?」と返信しまくるなど好き放題。 GMは別人のような歯切れの悪さで「んん……まあ、そこまで実害ないし……」と煮え切らない態度で、 俺らも後ろめたさがあるから強気に出れず。 すっごく微妙な雰囲気のまま卓は最後まで進み、 最後まで「それでは反省会に移りましょうか」とか仕切ろうとしてたけど、断って退室。 後日集まって反省会とかの連絡も来たけど無視……なんかすごく疲れる一ヶ月だった。 83 名前:ゲーム好き名無しさん (ワッチョイ 399f-luqG)[sage] 投稿日:2018/05/02(水) 18 29 02.52 ID 4YiYM+bK0 [2/3] 82 えっどういう事? PLの一人がGMのフリしてたとかじゃなくて完全な他人? とふならPLにだけ入室パス教えて鍵掛ければ良いだけだと思うが 何か弱み…例えばFBやmixi垢(本名)がバレていて付き纏われでもしてんのかね 何にせよGMは優柔不断さを付け込まれてるんじゃ自業自得だな そのGMにも今後関わらない方が良いと思う 89 名前:ゲーム好き名無しさん (スッップ Sdb3-FhiE)[sage] 投稿日:2018/05/02(水) 20 56 21.21 ID fACsaTjyd [2/2] 言葉足らずで失礼。 無関係な人物ではなく、PLのひとりがGMを無視して仕切ってたという話です。 偽装などもしていなかったので、最初に仕切りを許したのは完全に思い込みからくる不注意です。 GMが怒らなくなった理由は不明。 弱みを握られてるということはないにしても、何らかのまずい事情に気付いてしまったみたいな雰囲気。 開催は週一でしたが、前日あたりから「全員参加できるか返事してください」みたいに言い始めてうるさかったんですけど、 報告に書いた通り、欠席を申し出た人がこれでもかってくらいいろいろ言われてたんで、 変に目を付けられて粘着されるよりは、終わるまで耐えた方がまだ楽だな……という気持ちになった感じです。 スレ455
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182 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/05(月) 21 40 48.27 ID pZ5DCQGC0 なんかもうGMを威圧するのが好きな人みたいなのと同卓になった時が一番大変だった SNSで募集があったので参加した卓で、ネット上だと面白くて愉快な人が実は上記の性格で 何かとすぐGMや他の参加者に対して「はぁ!?それおかしくね!?」と声を荒げる パワー系巨体な見た目と相まって圧迫感が強く そしてまたいちいち「次納得いかなかったら殴る」とか言って来る GMに一番絡んでいて、他のPLはみんな分かってる事をあえて「分からん!GMが俺らに何をさせたいのか、ぜんっぜんわからん!」と言ったり 行動強制でもないのに「GMのストーリーに従うのはもちろんだ!だが誘導が弱い!じゃあ強制イベントでしかないと思うが、強制も弱いな!よく分からんね」 敵と戦っては「敵のデータに何の面白味もないし、GMがどうしてこの敵を出したのか、GMなりの背景がぜんっぜん見えてこない!」 もちろん俺らも困を諌めようとしたが余計に燃料になるだけで最後の方は疲れ果てて振り回されていた その点はGMに対して加害者と間違いなく言える そんなクズに囲まれてしまったGMがかわいそうという報告 183 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/05(月) 22 01 59.07 ID UxZrESw40 [2/2] ある地域の方言が、そんなに離れてない地域の人にとっても恫喝にしか聞こえない~なんて事はあるが 発言内容自体もなんか勘違いしちゃってる系だなそいつ 故郷の部族では自分が一番小さくてそんな風に脅されてるんじゃないか 184 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/05(月) 23 37 34.98 ID /hBTXqeR0 [2/2] 何が楽しくてTRPGやってのよ、そのクズ! 185 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/06(火) 00 39 38.68 ID VW+dEzeo0 誰かの上に立ちたい人間なんだろ 相手を否定すれば簡単に上に立った気になれるからな 186 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/06(火) 01 03 13.23 ID 8j61Vqmq0 理解力の足りないリアル脳筋なのかもしれない 187 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/06(火) 07 05 25.30 ID 44hMbvpV0 183 いちいち「次納得いかなかったら殴る」とか言って来る が方言だとは思えんがな 放言だとは思うがw 188 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/10/06(火) 07 38 15.74 ID kU+OM3SO0 暴言以外のなにものでもない スレ425
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買い物しかしなかったんですがやはり一番大事なものを買って終わった感じかなって思っていたんですけどね。 すごくびっくりなんですけどね。だって買い物へはパパが一緒について行ったんですけどね。息子も。娘ふたっりはついてこなかったんですが意外にパパは本性を言うんですが自分が食べたいものはここにはないって感じでね。めっちゃむかつくでしょ??じゃあどこにあるねんって言いたくなったんですけどね。[[http //www.gecko-conservation.org/ リンク名 URL]] ステップワゴン買取ます!
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秋だというのに、お日様が頑張っている。お陰で今日も真夏日である。 蝉もまだ頑張っているが、たかが3週間程度のことでもあるし、応援してやりたい気持ちもなくはない。 掃除当番に当たった俺は、自販機で冷たいペットボトル入りのお茶を買った。 一口その場で喉を潤してから、部室に向かう。 部室での飲み物は朝比奈さんが入れる熱いお茶と決まっているものの、こうも暑さが続くと冷たいものを飲んでいたくなる。 部室の扉を開けると、団長席にハルヒが座っているだけで、他は誰もいない。 「ハルヒ、みんなはどうした?」 「ん?アイス買いに行ったわよ」ハルヒはPCの画面から目を離して言う。「あ、いいもん持ってるわね」 「これか?」冷たいペットボトルのお茶をハルヒに示した。うんうんとうなずくハルヒ。 「ちょっとくれる?それ?」ハルヒは機嫌の良い猫を連想させる笑顔を浮かべた。 「ちょっとだけだぞ」といいながら、俺はハルヒにペットボトルを渡した。 ハルヒはペットボトルのキャップを外すとあっと言う間に半分飲んで、笑顔で俺にペットボトルを返してきた。 「は、半分も飲んじまったのかよ」 「喉渇いてたの」ハルヒは落ち着いた表情でいう。「おいしかったわ。ありがと」 ハルヒにため息で返事をして、俺は長テーブルのいつもの席に座った。半分になっちまったペットボトルをテーブルに置いた。 ハルヒと二人っきりになると、どうしても閉鎖空間のことを思い出す。 あのときからハルヒに対してもやもやした感情が消えない。ハルヒを疎ましいと思う気持ちはさらさらない。ハルヒが妙な方向に暴走するのを止めて、できればまともな人生を楽しんでもらいたいと思っている。 なんてモノローグをしてても、みんななかなか帰ってこないな。 「みんなどこまでアイス買いに言ったんだ?」 「さあ?コンビニにでもいったんじゃないの? でもキョンの分はないかもね」 「んじゃ、お前の半分よこせ。お茶のかわりだ」 「あたしのは高いわよ。プレミアムアイスですもの」ハルヒはえらそうにいう。「ま、あんたの態度次第ではあげなくもないけどね」 「なんだ、態度次第ではって」 ハルヒは立ち上がって、団長専用机に腰掛けた。俺の真正面でわざわざ足を組むのはどういう思考回路の働きによるものか。・・・見えるぞ。 「なにやらしい目になってんのよ」ハルヒの表情が不機嫌な表情に変わる「ホント、キョンはエロいわね」 俺は、男の性だ。許せと思いつつも、「それで態度次第とはなんだ?」と言った。 「あたしがキョンにアイスを半分わけたくなるような態度で接してくれれば、あたしだって鬼じゃないんだから、考えてあげてもいいってことよ」 その言い方が鬼だとは思わんのか。 「そうか」悲しいかな口でハルヒに勝つことは最初からあきらめている。 ハルヒは俺の返事に不満だったようだ。バンと机を叩き、威勢よく俺を指さした。 「その態度は減点対象よ」なぜうれしそうに言うのか俺には分からないのだが。 「ああ?、なんていえば満足するんだ。教えてくれれば、その通り言うぞ」 「教えたら意味ないでしょうが」ハルヒはあきれたように言う。 「分からないものはしょうがないだろう」 「ホント、しょうがないわねえ」ため息をついてハルヒが言う。「じゃあ、あたしの質問に答えなさい。その返答次第でアイス半分こしてあげる」 「それならまだ気楽だな」珍しく譲歩してるので、なんとなく不安になる。が、これはハルヒと付き合ったことがないとわからんかもしれんな。 「んじゃ、まず第一問。有希のことはどう思う?」 「長門か。いざとなれば頼れる奴だよな」 「ふむふむ。じゃあ第二問。みくるちゃんのことはどう思う?」 「うーん、着々とドジっ子に成長してるな。将来が心配だ」 「いいじゃない、きっといいドジっ子メイドになるわ」本気でそう思っているような口ぶりでハルヒが言う。 「それでは第三問。あたしのことはどう思う?」 「え?」 「なにきょとんとしてんのよ、あたしよあたし。忌憚のない意見でもいいわよ。もっともアイスはないわ罰ゲームはあるわで大変なことが予想されるけど」 「いいにくいな」 「ちょ、ちょっと、アマガエルの着ぐるみ着て校庭10周してもらうわよ、それでもいいの?」なぜハルヒがあわてているのか、俺には分からない。「そこまでしてあたしに言いたいことがあるの?」 「ちょっと待て、いま考えてるから」 言いたいことがあれば、たいていその時言っているし、ハルヒの罰ゲームと引き換えに言うべきことなどなにもない。 それはともかくこの胸の奥にあるハルヒに対するもやもやしたものの正体をはっきりさせるいい機会かもしれない。 「最近なんというかもやもやしているんだ」 「なにそれ、あたしに対してもやもや? 意味わかんない」 「俺もよくわからん。なんかしらんが、おまえの笑顔をみるのがとても楽しい」 「ば、ばかじゃないの」 「あと、そうだな。別れる時が一瞬寂しい。また会えるのにな」 「は、恥ずかしいこと言わないでよ。・・・・・・みんな居るのに」とハルヒはそっぽを向きながら言う。 「そう」長門の言葉に心臓が止まった。ホントに。冗談抜きに。 恐る恐る振り返ると、朝比奈さん、古泉、長門がいた。古泉は手に白いコンビニ袋を下げていた。 「いつからいた?」 「実は結構前から。すみません」古泉が楽しそうにいう。 「涼宮さんが机を叩いた時に、中に入ったんです。気が付きませんでした?」と朝比奈さんが申し訳無さそうに言う。「でもまさか、キョン君が、みんなの前で涼宮さんに告白するなんて思わなくて。二人っきりにしてあげればよかった。」 「ちょ、ちょっとみくるちゃん、やめてよ」ハルヒが慌てて制止する。「よりにもよってなんてこと言うのよ」 「あなたは彼女に恋をしている」長門が俺の目を見つめながらいった。どことなくあどけない表情を浮かべているように見える。「もやもやとは成長しつつある恋心」 ずばり指摘されると、かえってすがすがしいものがある・・・訳ねえよ。 ハルヒの顔が見れない。情けなさと恥ずかしさと奇妙なうれしさが心に同居していて、覇権争いを始めている。 いつからの俺の心の中は国取り物語になったのだ。 「ア、アイス溶けちゃうし、みんなで食べましょう」朝比奈さんのエンジェルボイスが遠いところから聞こえてくる。コンビニ袋からアイスを取り出しているのだろう、がさがさという音も聞こえる。 でも、みんな遠くに聞こえた。自分だけ時間が止まったように。 「あんたも、食べれば?」ハルヒの声に顔を上げた。ハルヒは考え込んでいるような、なにも考えていないような、どちらともとれる表情を浮かべていた。 「さっきのお返し」カップのふたにこんもりとバニラアイスがのっていた。 ご丁寧にスプーンまで半分か、ハルヒ。 「ああ」それしか言葉が出なかった。 ハルヒはアイスカップを持って団長席に戻った。無表情ともとれる顔付きで、なにを考えているのか分からない。ゆっくりとアイスを半分のスプーンで食べ始めた。 長門はガリガリ君を口に咥えて本を読み始めた。溶けたアイスが本にたれそうなものだが、得意の情報操作を施しているのか、その気配はない。 古泉と朝比奈さんは同じソフトアイスを食べている。朝比奈さんは気まずそうに食べているが、古泉はいつもと変わらない。 「早くたべないと溶けちゃうわよ」ハルヒが団長席からいう。 ふう、ため息をひとつついてアイスに手を延ばした。 みな無言でアイスを食べているというある種不思議な空間が形成されている。 なんかしゃべろうと思うのだが、言葉を忘れたようでしゃべることができない。 「まだまだアイスよね、やっぱ」ハルヒはいつものようにしゃべり出すのだが、だれも返事をしないため独り言になってしまう。 ハルヒが小首をひねりつつアイスを口に運ぶ。そのとき目があった。 「おいしいでしょ、キョン。一個300円もするアイスなのよ」にこりと笑った。 「ああ、140円のペットボトル半分で、150分帰ってきたわけだからな」ハルヒの笑顔で言葉が戻った。ハルヒの笑顔万歳だ、ちくしょうめ。 「わらしべ長者ね」そういってハルヒもアイスを口に運ぶ。 「ええ?そのペットボトルですか?」朝比奈さんがアイスを食べながら言う。「それ、二人で飲んだんですか?」 「ええ、買ってから一口飲みましたよ」俺はアイスを口に運びながら答えた。 「あたしも喉渇いてたから、半分もらったわよ」ハルヒが不思議そうにいう。 「え、でも湯飲みはそのままだから・・・ひょっとして、ペットボトルから直に飲んだんですか?」 「あの、なにがいいたいんですか?」俺は朝比奈さんに聞いてた。 「え、いや間接キ「ああ、みくるちゃんいまの聞かなかったことにして!!!」」 ハルヒが大声を出したので、なんのことだか俺にはさっぱりわからない。 ハルヒのほうを振り返ると、そっぽむいてアイスを食べている。 「おい、ハルヒ。朝比奈さんは結局なにがいいたかったんだ?」 「あんた、バカ?」ハルヒは呆れたような顔でいって、そして笑った。 いや、笑顔はいいから、答えを教えてほしいのだが。 おしまい
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【書きかけ】小島寛之「数学でつまずくのはなぜか」(2008) 数学でつまずくのはなぜか (講談社現代新書) 評価 ひとこと 分類 数学 新書 目次 第1章 代数でのつまずき~規範としての数学~ マイナス掛けるマイナスはなぜプラスなのか 負の数は商業取引の便法として普及した 負は「負の感情」の負 「天才バカボン」からのヒント 文字式という落とし穴 「できない」と「知らない」の佐 自由な数学と規範としての数学 「役に立つ」といういやらしさ アフォーダンスという考え方 アフォーダンス理論の成立 「能力」と「障害」 文字式は、ソフトウェアのようなものだ 2次の代数の難しさ 2次の代数は世界の「ひずみ」を表現する 十円玉の実験 ルート数の難しさ 「割り切れないもの」の深淵 ウィトゲンシュタインのムリ数についての思索 第2章 幾何でのつまずき~論証とRPG~ 何がこどもを幾何嫌いにするのか ギリシャ幾何学vsバビロニア幾何学 得意な子もとまどう ルイス・キャロルがおちょくったこと 幾何学は空間認識と切り離せない 公理系はRPG 定理が正しいのは、「ゲームの世界」の中だけのこと MIUゲームという公理系 MIUゲームをやってみる ゲーゲルの不完全性定理 幾何学と論理学 高校で学ぶ論理の問題点 真理値はあまり役に立たない 論理は「推論則」で学ぶべき クックロビンゲーム 第3章 解析学でのつまずき~関数と時間性~ 文章題との運命の出会い 関数こそ、この複雑な世界への入り口だ 携帯電話の料金を関数で表現する コオロギの鳴く回数の法則 ガリレオの落体法則 関数の歴史 サイン、コサインはアラビアで実用化された 対数関数は計算機のはしり 因果の連鎖関数の合成で表される 幾何学と代数学を結び付ける発明 デカルトの考え出した座標平面 図形を方程式に変える 関数のグラフにおける「時間」の困難 微分という魔法の算術 微分とは結局「真似っこ関数」を作ること 真似っこ1次関数を利用する 微分とは近似として世界を見ること 第4章 自然数でのつまずき~人はなぜ数がわかるのか~ 幼児は数を何だと思っているか 「次」を使って数をとらえる派 クロネッカーと藤沢利喜太郎 遠山啓の改革 足し算は集合算になる 数を理解できない天才少女の話 ペアノ自然数 数学的帰納法とはどんな原理だろうか 加法の交換法則の証明 神秘的?それとも当たり前? 妖怪の問題 無限のマトリョーシカ 第5章 数と無限の深淵~デデキントとフォン・ノイマンの自然数~ 「自然数」は数学者にも難しい ラッセルの批判 フレーゲの自然数 「分類」作業の一般化 自然数とは「集合の集合」である! ラッセル&フレーゲの自然数 ラッセルのパラドックス 悪魔の頭脳の持ち主 便利な集合の記号を知ろう ノイマンの自然数 フォーマルな定義 無限を手玉に取る 無限+無限? 無限の大きさを比べる デデキント無限 デデキントの自然数 無限は「心の中」にある! 気になる表現 メモ 参考文献 吉永良正「幾何学はどこから来たのか」 S・ボウルズ「アメリカ資本主義と学校教育I・Ⅱ」 佐々木正人「アフォーダンス」 アリス・アンブローズ「ウィトゲンシュタインの講義Ⅱ」 R・P・ファインマン「物理法則はいかにして発見されたか」 鬼界彰夫「ウィトトゲンシュタインはこう考えた」 野崎昭弘「不完全性定理」 ダグラス・R・ホフスタッター「ゲーデル、エッシャー、バッハ」 小杉肇「数学史(数と方程式)」 森毅「異説数学者列伝」 宇沢弘文「日本の教育を考える」 ラッセル「数理哲学序説」 田中一之・鈴木登志雄「数学のロジックと集合論」 カントル「超限集合論」 デーデキント「数につい9て」 サマンサ・アビール「13歳の冬、誰にも言えなかったこと」 デカルト「方法序説」 小島寛之「文系のための数学教室」 小島寛之「高校への数学」 小島寛之「数学オリンピック問題にみる現代数学」 小島寛之「マンガでわかる微分積分」 小島寛之「ゼロから学ぶ微分積分」 小島寛之「数学で考える」
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1話 気分直しに、僕は島の中心街を散歩することにした。 買い物に来るロールちゃんに会ってしまう可能性もあるけど、 一人でどこかに隠れているのは嫌だった。 未だに離れない恐怖に、きっと押しつぶされてしまう。 街はちょうど良くにぎやかで、うまく気を紛らせることができた。 ロールちゃんにも、会いそうに無い。 データがうまくやってくれているのだろうか。 …と、安心しかけたその時。 「あ!おまえは!」 急に後ろからとっぴょうしもない大声が響いて、 僕はもうすこしでその場で飛び上がりそうになった。 振り向くと、すぐ後ろに片手に中身のたくさん入った紙袋を抱えて、 一人の女の子が立っていた。 女の子は空いたもう片手でちょうどびしっとこっちを指差したところだった。 年はロールちゃんと同じくらいだろうか?上手くピンク色をつかった服装の、 少々きつい目つきの女の子。…しかし、見覚えは全然ない。 僕は思わず、自分で自分を指差した。 「へ?…僕?」 バラバラバラッ 女の子が抱えていた紙袋がそのひょうしに落っこち、中身がぶちまけられる。 りんごやみかんやバナナが転がって、あっという間に道をカラフルにした。 たちまち、通行人の驚いた声や苦笑のさざめきが沸きあがる。 「トロンさま~おとしましたよ~」 その子のまわりをうろうろしていた黄色い顔の小さいロボットが3人ほど、 あわただしくくだものをひろいあつめだした。ちょこちょこした動きが、なんかかわいい。 いきなり、見ているうちに一人がバナナを踏んだ。 「あ…」 (うわ、これは痛いっ) 思わず片手で顔を覆うものの、指の隙間からこっそり見てしまう。 「ひゃ~~~!」 気持ちいいほど派手にすっこけたロボットは、 あたりに響き渡るほどの音を立てて後頭部を強打し、きゅぅ。 と目を回してしまった。 くだものはよけいにバラバラと遠くまで転がってゆく。 呆然とその様子を見ていた女の子がやっと我に返り、 ぶんっと両手を振り下ろしながら叫んだ。 「もー!!なにやってるのよ、あんたたちっ!!こんなときに―――っ!!! しかも、なんでよりによって狙ったみたいにバナナで転ぶのよっ!!!」 「すみませ~ん!」 2話 残りの二人がわたわたと拾おうとするが、 慌てているせいで拾ったそばから落としてしまう。 …これはちょっと無視できない。 「僕も手伝うよ」 まず紙袋を拾って、僕はくだものをその中にひろい入れていった。 「ありがとうございますー!やっぱり青い人は親切ですねー、トロンさまー」 「トロンさまーお礼言わないと失礼ですよー?」 「…きゅぅ。(←まだ気絶中)」 「はい。バナナはひとつだめになったけど、一応これで全部だよ。…?あのー、どうかしました?」 紙袋を渡そうとしたが女の子はきょとん、として目を見張り、僕の顔を見たまま動かない。 そのうち、つうっと冷や汗のようなものが女の子の頬をすべった。 「ひょっとして…えっと、まちがってたら悪いけど …あなた、『ロック』とかいうディグアウターよね?」 「…はい?」 僕は眉をしかめて、思わず聞き返してしまった。 …どうしよう、この人『ロック』の友達なのかな?僕が黙っていると、 女の子は勝手に解釈したようだった。 「ええっ?!違うの?!…嘘じゃないでしょうね、あなたなまえは?」 「トリッガーだけど…」 ロックでもある、と続けようとした言葉はあっというまにさえぎられた。 「じゃあ違いますね!青い人は『ロック』っていうんです!」 「でも似てますね~、ソックリ大会で優勝できますよ!」 口々にまくしたてたロボットたちの声にかき消されてしまい、 何となく言い直すタイミングを失ってしまった。 女の子は残念そうに黒いくせっ毛の髪をかきあげた。 「ふぅん。別人なんだ。アイツだったら、おもいっきりオシオキしてやろうと思ったのに」 …言わないでよかったかも。 しかしオシオキって…おだやかじゃないなぁ。 「その人が、どうかしたんですか?」 「えっ?…うーん、そうね、アサカラヌインネンってやつよ」 「?」 …あれ、なんか顔が赤いぞ? 「荷物、助かりましたわ。行くわよあなたたちっ!ぐずぐずしてる暇なんてないんだからっ!!」 さっと紙袋を受け取ると、女の子はスタスタ去って行ってしまう。 「待ってくださいトロンさま~…あ!青い人に似てる人さん、ありがとうございましたー」 「人違いしてスイマセンでしたー」 3話 ぴょこぴょこと頭を下げて礼をすると、 きいろい顔の小さなロボットたちはやけに手際よく目をまわしている一体をかつぎ上げ、 『待ってくださ~い!!』 と、ハモって叫びながら女の子の後を追って走って行った。 「なんだったんだろう?」 なぜかぽつんとひとり取り残された気がして、僕は人差し指で頭をかいた。 …ロックには妙な知り合いがいるものだ。 次の日、僕はまた商店街の雑踏を歩いていた。 よく発展し、多くを望まなければ欲しいものはすべてそろう …そういったような、きれいでにぎやかな街だった。 (あともう少し…今日一日過ぎれば、『僕』は消える) そしたら、「ロック」に戻った僕はふつうにフラッター号へ戻るだろう。 あいかわらずの野宿だった今朝は変な悪夢も見なかった。 あれは、きっと気のせいだったのだろう。 夢が現実にかかわるなんてことはあるはずない。 夢は夢じゃないか。 街は水に沈んだ小石のように、静かで平和だった。 「…でも、何だろう」 妙な不安感がずっとぬぐい去れない。 胸の中心を取り去られてしまったような嫌な気持ち。 何か、とても大切なことを忘れているような…これから何か起こるような。 知らずに、足は勝手に進んでいた。いつの間にか商店街をぬけ、住宅街を通り過ぎた。 不安感は消えない。恐ろしい圧迫感が全身をしめつけ、足がふらつく気さえした。 (…空が…) 気が付けば歩きながら何度も空を見上げている。 群青色の、雲ひとつないその壁の向こうに、何かがいる。 (わけがわからない。僕は何がしたいんだ?!) 混乱しながらも、そんな気持ちに追いたてられるように、先を急ぐ。 ただ街から離れたい。人のいるところから、建物のあるところから、 …そうじゃない、被害の少ない方へ!! …被害って?何の被害だ?!僕は何をしようとしている?! 稲妻の閃くより短い一瞬、…その中で、突然僕は全てを思い出した。 (…そうか、そうだったんだ!) いきなり、何もかも全てが頭の中に差し出されていた。 するべきことも、これから起こるであろうことも、…みんな。 それは、深夜の警告ブザーのようにはっきりと僕の心を深紅に焼いた。 4話 足が歩きの歩調から、早足へ、さらにテンポアップして駆け足へと変わる。 …そうだ、マザー・セラには優れた護身用戦闘リーバードが二体いた。 一体には僕が14年前にセラとともに大ダメージを与えてやった。 マザー・ユーナに今は二人とも封じられているだろう。 …しかし。残りのもう一体は? あの、戦いの場にこなかった、あのもう一体はどこにいた? 僕はもう、迷っていなかった。全速力で山の斜面を駆け上がる。 上空から、びりびりと殺気が降ってくる。 感じる!…地上からは見えないほどの高空から、僕を認識してまっすぐに降ってくる、凶悪な存在を。 ―――ザンッ! 最後のやぶを突き破って飛び出したそこは、仮そめの静寂に包まれた山の頂上だった。 目の前にはちょっとした木の無い空間が広がっている。 …充分だ。戦うにはふさわしい場所。 もう何度目になるのか、見上げた空は現実を忘れそうな青一色。 かたすみには青ざめた昼の月…。 「ファラク!」 記憶の底に眠るその名を、僕は叫んだ。高く、まっすぐに。 声は天空へかけのぼり …自然の法則に従うならそのまま消えるはずだったが。 「トリッガァァァァァ―――――ッ!!!」 天空からの咆哮が僕の叫びと交錯し、瞬時に打ち消した。気配は恐ろしいほど近く! (きた!) 僕は落ち着いて、一発だけバスターを撃ちその場を飛びのいた。 ガシュオッ バスターの光弾が何も無い空中で弾け、そのとたん見えないスイッチでもひねったように こつぜんと天に黒い物体が現れた。 それとほぼ同時に、 ズゴウウッ! 轟音とともにその物体は地面に激突した。 土砂が巻き上がり、粉塵が煙のように立ち上る。 「っく…」 山ごと地面をゆるがす衝撃に、僕は危うくよろけかかった。 …まったく、とんでもないヤツだ。山の頂上はまるで新しく火口が 口を開けたようなありさまになっている。 『くっくっく。ひさしぶりと言いましょうかね?トリッガー様』 忌まわしく、懐かしい…金属的な低い声。 土や石が摩擦熱で溶けた高温と、蒸発した水の白い蒸気を身にまとい、そいつはゆらりと宙に浮いた。 漆黒の翼をマントのように体に巻きつけ、硬質の危険な刃物めいた長い尾をゆったりと振る。 白い幕のような水蒸気が切断されて、空の青い軌跡が残った。 5話 『ああ、今はご自分のことをなんと思っていらっしゃるか、分からないんでした。 ふふ、お気の毒なことだ。わたしが誰かも、 なぜわたしに破壊されるかも、わからない…そうでしょうとも』 鋭角なフォルムの頭部をしきりに頷かせ、奴は紅い目をうっそりと微笑ませた。 『わたしの光学フィールドを壊しさえしなければ、 この一撃で何も気付くことなく死ねたと言うのに。つくづくご不幸な方だ』 ライオンの首でも切り落とせそうな、巨大な鉤爪のある手を見せびらかすように一閃し、 そいつは得意げに自らの作り出したクレーターを指し示した。 …聞き飽きた。 僕はバスターをぴたりと奴に向け、 「口が過ぎるぞファラク。お前は昔からそうだったけど、今日は特に耳障りだ」 『なに…わたしを忘れていないと?…バカな』 ファラクは、あからさまに衝撃の表情を浮かべた。 …バサッ ファラクの翼が展開する。青空を闇色に切り取る…竜の翼。 ‘ファラク’…いにしえの神話で、世界をささえているという巨大なドラゴンの名だ。 ファラクはその名にふさわしい、漆黒の竜の形をした巨大リーバード。 会話と高度な思考能力を持った、マザー直属の特別なリーバードだ。 『わたしは、トリッガー様のリセットと連動する時限装置の眠りを、 セラ様からいただいたのだ!セラ様はトリッガー様を破壊し損ね、 さらに万一ご自分とジジの動きをも封じられてしまった時の保険に、 このわたしを用意された…!』 言いながら、奴はだんだんと高度を上げてゆく。 『確かにあなたの体はリセットされた!お姿が違うのがなによりの証。 …では、なぜわたしを知っている?!セラ様が間違われるはずはない! なにをしたのだ、トリッガー!!』 ガガガガゥッ!! ファラクの両肩に備えられたガドリングレーザーが火を吹き、太い木々を割りばしのように粉砕した。 とっさに側転でよけたが、一瞬遅ければこまぎれになっていたのは僕だっただろう。 「お前に教える必要を感じない!!」 …教えるもなにも、知らないのだが。 6話 側転から立ち上がりざまに三発、バスターを撃ちこむ。 はずれた。 はずれた。 …かすった! 『ちっ!』 大きく旋回してこっちの射程域から脱すると、ファラクはいまいましげに竜に似た頭をふり立てた。 『ああ?なぜ効かない?…では、これなら?』 そのまま、いきなり目に捕らえきれないほどの速さで天を斜めに馳せる。 空を黒い斬撃が走りぬけたように。その巨体では信じられないほどの速さ。 …追いきれない! (しまった?!) ほんの刹那、僕はファラクの姿を見失った。 …そして、気付いた時気配は背後にあった。 ―――ザギュッ! 「わあっ!?」 アーマーの背中が深々と斬られ、衝撃で僕の体は軽々とふっ飛んだ。 息が止まるほど木で胸を打って、地面に落ちた時には痛みで目の前がかすんだ。 「うっ…ごほっ…」 『なぜだ、なぜだ?!こうやって簡単にやられるかと思えば、先ほどのようによける。 リセットされたトリッガー様が戦いのスキルを全て失い、デコイどものぬるい生活に溺れきった頃 …その隙をついて確実にあなたを破壊せよとセラ様はおっしゃった。 …そのためにわたしは14年も眠り続けたというのに! なのに、あなたはわたしを知っていたし、その運動能力はリセットされた者の動きではない。 …いったいどういう事なのだ?!』 僕のアーマーを切り裂いた翼を苛立たしげに広げ、ファラクが吠えている。 『トリッガー! あなたはあなどれぬ方であった。…なにか裏があるのか?!』 僕はぐったりと横たわりながら、それを聞いていた。 呼吸のたびに肺が、骨が、悲鳴をあげる。 (…裏?…) 心の中で、わらう。 (なあ『ロック』。きみは、本当は誰より強いのかもしれない。『僕』よりも) 記憶の中の『トリッガー』である自分とは少し違う、 やや幼いがまっすぐな光を宿す緑の瞳の少年が頷いて、 照れたように笑った気がした。 痛みを押さえつけ、僕は強引に立ち上がった。 …ひどい痛み。体がバラバラになりそうだ。 『そのダメージで何をするつもりですかね?』 宙で静止した奴の、憎々しげな声。ファラクは動かずにこちらの様子を見ている。 …高みの見物というわけだ。 7話 …一分 …五分。 僕は動かなかった。 『…思い過ごしというわけか』 つまらなそうに鉤爪のある手を一振りして、ファラクが「カッ」とそのあぎとを開いた。 『時間を無駄にした。…破壊させていただきます!!』 ――― 轟!! ――― 全てを拒絶するような純白のレーザーが、光速でファラクの口から放たれた。 触れたものを焼き尽くさずにはおかない、絶対の暴力。 二人の間には、盾とするにはあまりに脆弱な大気しか存在しなかった。 …でも。 僕は、この瞬間をこそ待っていた。 ファラクが大技を仕掛け、回避が困難になるこの時を! 「負けるかっ!!」 同時に、僕は右手に装着していた武器を作動させた! 目を焼くような極太のレーザーがほとばしった。全ての色を圧倒する、黄金の輝き。 二つの光線はちょうど二人の中間で激突した。 それはまるで、互いに喰い合う二頭の龍のごとくからみあい、スパークする。 百の雷を束にしたような轟音が乱舞し、山頂に降り注ぐ。 激しい勝負はすぐにけりがついた。黄金の光が白い光を食い破り… 『がああっ!!?』 ファラクの左肩のガドリングレーザーと、左の翼が光の中に一飲みにされた。 巨体が翼の支えを失ってふらりと傾く。 残った右腕が、失った個所をさまよった。 『…謀ったな…トリッガー』 苦くうめいて、ファラクが降下してくる。 …僕はそれを幻でも見るように、ぼうっと見つめていた。 「…ちがう。謀りごとをめぐらせたのは、『僕』じゃない。『ロック』なんだ」 ここへたどり着く直前、何もかも、わかった。 「『ロック』は無意識の中で、ファラク…お前が眠りからさめて降りてくることを感じ取っていたんだ。 …そして知っていた。リセットされた自分では、とうてい勝てないことを」 『何を…言っているんだ?』 僕はファラクを無視して続けた。…というより、言葉がとまらなかった。 「『ロック』はわざと…表層意識では気付いていないだろうけど …わざとフラッター号の上から落ちたんだ。お前と戦うために。 お前と戦える能力を持った『僕』と入れ替わるために」 8話 僕が何となくこの武器を作ってしまったのも、『ロック』の無意識がさせたこと。 フラッター号を去り、街を抜け、この山まで来たのも、そう。 全ては関係の無い人々を巻き添えにしないため。そしてなにより、 あの子を危険にさらさないために。 ファラクが地に降り立った。ぼろぼろの左半身、砕けた翼。 …しかし、焦土に鉤爪をくいこませて立つ姿のどこにも、弱さは無い。 むしろ血よりも紅い目には、手負いの猛獣のあのどうしようもない強さがおき火のように光っていた。 それでも、僕は言わずにいられなかった。 「…僕はきみを壊したくない。おとなしく去ってほしいんだ。…この戦いを、『無かった戦い』にしたい」 ファラクは一瞬唖然とした表情をみせたものの、静かな苦笑をもらし否定した。 『ハハハ、貴方のやさしさはかわらぬようだな。…だができぬ。 わたしは、差し違えてでも破壊せよとの命を受けている』 空間を縦に斬るように、ファラクの顔が天へ向けられた。 人工の牙、人工の口から音なき叫びがほとばしる。 …蒼空に牙をむく、半壊した竜の叫び。 殺戮を、破壊を天に誓うかのように。 …しかし、その姿が天からも地からも拒まれた、孤独な哀しい姿に映ったのはなぜだろう。 …ふいに、昔耳にした台詞が、ぽっかりと脳裏に浮かんできた。 『狼が孤独に悲しく月に吠えるのは、なぜか知っているか? …けして己が月に行けないことを知っていて、それでも月に憧れずにはいられないからなんだよ』 その巨大なモニターでは、遥か古に滅び去った獣がもの悲しい叫びをあげている。 それをじっと見つめたまま、動かない後姿。 モニターの放つわずかな光りにほっそりとした姿を浮かび上がらせ、 床まで届く見事な金色の髪が、じんとした煌きを放っていた。 ファンタスティックで非現実的なその言葉。 それを言ったのはマスター…。あなただった。 (なんでいま、思い出したんだろう…もしかして…?) 僕はそれに続くものを言葉に出してしまう前に、溜め息にまぎらせた。 ファラク、お前もマスターも、行きたくて行けない場所が…? 天を仰いでいた目が再び僕のほうを向いた。 9話 『待たせたな。トリッガーよ、今こそ全力で破壊してみせる』 直後、ファラクは無造作に残った右手で自らの…翼を、むしりとった。 切断面がバシバシと放電し、引きちぎられた金属片がガラスのような音を立てて、散る。 僕は自分がそうされたかのように衝撃で全身が震えた。 「!!そんな、きみは…なんてことを!?」 目を疑った。リーバードだって痛覚がある。痛みは人とたいして変わらないはずだ。 それを…何も感じていないように、布でも引きむしるように。 「そんなことをしたら、きみは二度とヘブンに帰れないのに!!」 僕は全力で叫んでいた。…ファラクの片翼はわざと残した。その片翼さえ残っていれば、 高速飛行戦闘はできなくとも、反重力制御機能でだましだましヘブンには帰れたはずだったから。 『陸戦を行うのには翼など邪魔なものでしかない。わかるだろう、貴方なら!』 「…くっ」 ファラクはゴミでも放るように、自分の体であったものを放り捨てた。 その動作には、後悔とか迷いとかは少しも感じられない。 ―――ファラク…お前、『マザー』のためだったら自分の命もいらないって言うのか?! 『そんなことより、自分の心配をすることだ!!』 ドドドドッ!! 一瞬で間が詰まり、鋭い鉤爪を備えた腕が、ものすごい速さで顔の前を通り過ぎた。 切断された前髪が視界をふわりと泳いでゆく。 もう一瞬飛びのくのが遅かったら、確実に首を削がれていた。…ぞっと冷や汗が流れる。 ファラクは止まらない。自分の攻撃がかわされたことに反応もしない。 そのままぐるっと体が回転して… (えっ!?) 死角に超高速で迫る何かを感じて、僕は本能的に体を動かしていた。 爪をよけて空中にいるので、もう飛びのくことはできない。 限界まで背を反らし、ブリッジするような感じに手から地面に落ち、そこからバク転して距離を取る。 再び足で地面に立った時にようやく、ファラクの尾がいままで僕がいた地面を切り裂いているのが見えた。 まるで爆発物でも仕込んでいたかのように、爆音とともに土が四散する。 「…くそっ!」 すかさずバスターを連射するが、今度はすべてファラクの右腕が叩き落してしまった。 …やっぱり、ファラクの覚悟が僕との実力差を埋めてしまっている…このままじゃ… (このままじゃ、負ける?) 10話 今の僕に、ファラクのこの覚悟に匹敵する強い感情は…あるだろうか。 違う!そんなこと考えている場合じゃないだろっ! (もう一度、撃てるかな?) 右手に備えた武器は、一発…上手くいって二発の攻撃が限界だ。 失敗したら、僕は腕ごと暴発に巻き込まれてしまう。 一瞬、ためらった。負傷への恐怖に、死への…孤独に。 『死ねええええええっ!!!』 「!」 ガツッ 左手のバスターの半ばまで、ファラクの爪がくい込んで止まった。 …いや、無理にそれで受け止めた。金属がこすれあう嫌な音が響き、金気くさい匂いが鼻をつく。 相手のあまりのパワーに、腕ががくがく震えてしまう。 …重い!まるで巨大な岩がのしかかっているみたいだ。 僕はちらりと右腕を見下ろした。 そこには、このファラクの翼を焼き尽くした凶暴な武器が、冷たい光を放っている。 右腕は…動かそうと思えば動かせる。いまこれを使えば… (でも、できない…っ、使えない…僕には!) 『先ほどのように、あの黄金のレーザーでわたしの腕を吹き飛ばさないのか?右腕は動くだろう?!』 生物であれば息がかかるほどの近くに顔を寄せたファラクが、全てを見透かしたように囁き、 僕のバスターにくい込んだ鉤爪が、さらにぎりぎりと力を増す。 はっきり言えば答えるどころか声も出せる状態じゃなかった。 僕は全神経と体力をつかってファラクの爪を押さえるだけで、 ファラクの両眼を見返すのがせいいっぱいだった。 「・・・・・・・・」 『どこまで甘いのだ、貴方は…っ!!』 吠えたファラクのあぎとが、閃光の速さで僕の頭を食い切る…直前、 なんとか右手でヘルメットをはずし、左手のバスターを切り離して僕は地面に転がりながら逃げる。 バキッ ファラクの口の中でヘルメットが粉々に砕け散った。 奴はふんと鼻で笑って、手の中に残った僕のバスターを軽蔑したように見下ろし、 『こんなオモチャでわたしを倒そうとした?…バカにしているのか?!』 汚いものにでも触れたように、僕のバスターをファラクは放り捨てた。 バスターは放物線すら描くことなく、そばの立ち木にグサッと突き刺さる。 僕はどうにかまた立ち上がったけれど、 肩で息をするごとに、もうこの戦いから逃れられないという実感が真綿のように締め付けてくる。 …それが、苦しい。 11話 『…やはり、あなたは昔と何かが違う。 昔の貴方なら、敵に対してためらいはしなかったはずだ。 全力をもって戦うことが礼儀だと…。 なにより、そんな粗悪品をメインの武器にしては、戦わない方だった。 くっくっく。やはり、貴方はデコイどもに毒されたようだ!!…貴方は弱くなっている』 笑うファラクの表情は、獲物をいたぶる猛獣のそれだった。 ファラクに指摘された通り、残った唯一の武器はしゅうしゅうと白い煙を上げ始めていた。 …その通り。これは粗悪品。…そんなことはわかっている。わかっていても… 僕にできることは、これが限界だったんだ。 『さて、さっさと片付けさせていただきましょう。 …この島もだいぶデコイが増えすぎた。 貴方を破壊し、回収するものを回収したら、すぐ初期化させなくてはね』 ―――初期化っ!? その瞬間、いきなり意識が引いた。 闇の底へ突き落とされるように、急速に意識が失われてゆく。…一体何が!? 答えは、すぐに頭の中に浮かび上がった。 (そうか…時間!) データは確か、三日目の昼くらいと言っていた。今ちょうど… (そんな!だめだ!!『ロック』ではこいつに勝てない!!) 一秒の数億分の一という短い時の中で、僕は叫んだ。…でも、それは声にならなかった。 『僕』はすでに肉体を支配していなかったから。 闇に沈み込む『僕』の横を、閃光のように誰かが昇ってゆく。 僕はそれに力いっぱい手を伸ばしていた。 (行っちゃだめだ!!――――ロック!!!) 「え?」 ―――ぱちぱち。 僕は、つぶやいてまばたきをした。誰かが僕を呼ぶ声がして、ふっと目を開いたら…。 (さて、ここはいったいどこでしょう?) 思わずクイズを出してしまうくらい、見覚えがない。 って、第一僕はさっきまでフラッター号の甲板にいなかったけ? どこか町の近くの山らしいことはわかった。遠景に町が見えるし、周囲にはとりあえず木もある。 なんでとりあえずなのかというと、周りの木々はことごとくへし折れてたり、根こそぎ倒れていたり、 何か鋭いもので斬られてまっぷたつだったりしていて、まともな木は数えるほどしかなかったからだ。 地面もぐちゃぐちゃで、少し離れたところに見える穴なんて、 まるで隕石でもぶつかった跡のようなでかいクレーターになっている 12話 『トリッガー様は「初期化」をお忘れか?』 さっきからそこにいて、しかも僕と会話をしていたらしいそいつが、バカにしたような声を上げた。 古い神話や物語に登場する『竜』のような形の、たぶんリーバード。 だいぶ壊れているみたいだけど、凄く強そうな感じがする。そいつは調子に乗って言葉を続けた。 『この島全てのデコイどもを殺すのですよ。簡単なことだ』 ―――なんだって!?――― 同じことを、つい数ヶ月前僕に言った奴がいた。 ロックマン・ジュノ。彼は、冷酷な笑みと共に、初期化を…カトルオックス島の人を、殺そうとした。 …こいつは、同じことを!? 「そんなことは、許さない!!」 僕は反射的に、いつもバスターをつけている左腕を上げかけて…はっとした。 (…な、無い?!) 右腕に見慣れない特殊武器が装備されているだけで、そういえばヘッドパーツも無い…。 ほんの少しの間の隙だったが、リーバードはカッと深紅の目を光らせ、即座に叫びを上げてきた。 『許さなければ、どうするのだっ!?』 「えっ…!?」 単純な動きだった。ただまっすぐにこちらへ体当たりを仕掛けてきた、それだけなのに。 目がついていかない。ロックオンするどころか、よけることもできずに、 気が付いたら僕は猛スピードで宙を飛ばされ、肩から地面に激突していた。 (…っ!!!) 目もくらむような激痛。肩の骨が折れていない様なのが、不幸中の幸いだった。 …なんてリーバードだ。 『な、なぜ…なぜよけない!?これしきの攻撃を、トリッガー様がくらうだと…?』 どういうわけか、リーバードの方が戸惑っているようだった。 少し離れた場所で立ち尽くし、呆然としている。 (…倒さなきゃ) この隙に。痺れる腕で大地をつかみ、一気に百倍の重さにもなったような身体を、じりじりと引き上げた。 …口の中を切ったのか、じわりと血の味がする。 ―――倒せるのか?そいつを?何の関係も無いのに?――― 冷静な声が、心の中で僕に語りかける。理性の声ってやつだろうか。 (関係…無くはないよ。今ここで、倒さなきゃ、島じゅうの人が死んでしまう) ふらつく足で、叩きつけるように地面を踏む。 リーバードは別の方を見て何かぶつぶつ言っている。 ―――百人が生きるためなら、一人の死なんか…ってことか?――― 13話 (違う!僕がもう少し、力があって賢かったら…両方きっとなんとかできるんだと思う。 …でも、今の僕ができるのは、これだけだから。できる事をしないよりは、ずっといいから!!) 鉛のように重い右腕を上げ、構える。 なんとなく…なんとなく、この武器は暴発するかもしれないと感じていたけれど。 それより、その気持ちの方が強かったから。 直後、ハッとリーバードがこちらを見た。竜を模したその顔が、ぎりと殺気を帯びた。 『悪あがきを!!』 あっさりとロックオンを振り切って、また僕には追いきれないスピードでリーバードが疾った。 「!」 …今度はその鋭い爪を構えている。あの速さで斬りかかられたら、間違いなく命はない! 瞬間が、永遠に感じられた。その時。 力強い見えない手が、ぐっと僕の右手を支えた。そして、前方のある方向へビシッと固定する。 (誰だっ?!) 視界には、迫り来るリーバードの姿しか…ない。 無いのに、その見えない手は、感覚の上では確かにそこに存在している。 ―――照準は、僕が――― (君は…?!) その声は、僕の内側から聞こえたようにも思えた。 そしてなぜか、とても聞き慣れた声のようにも… ―――今だ!!撃て!!!――― 『バカな!?なぜ…ッ』 ほんの一歩と離れていない距離にまで迫ってきていたリーバードの声は、それが最後だった。 14話 ――――カッ! 黄金の光の中、その叫びも切れ切れになって消えてゆく。 悪夢のような鋭い鉤爪も、 刃物の鋭さを持った尾も、血のごとき深紅の両眼も…。 漆黒の巨体が、嘘のように焼き消えてゆく。 光を見つめながら、僕は何かを叫びたかった。心の中で何かが暴れている。 言いたいことが形にならずに、せめぎあっているのかもしれない。 わけもわからずただ…悲しくて、悲しくて。 「どうして僕は…泣いているんだろう…」 頬をつたい落ちてゆく熱いものを、僕はどうしてか止めたくはなかった。…今は。 破壊的な光の奔流は、ファラクを文字通り跡形もなく消し去っていった。 戦闘の跡だけがただ、青空の下にさらされている。 …ここに、ついさっきまで悪夢のような巨大リーバードがいたと、 誰も信じられそうもないほどに、日の光がしらじらと降りそそいでいた。 …でも、確かにいたんだ。巨大な、悲しいほどに強いリーバードが。 涙をぬぐおうと右手を持ち上げると、武器が音もなく砕けて落ちた。 一部焦げたり溶けたりしているその破片からは、もうその構造を知ることはできないだろう。 「…ロック、この戦いの記憶は僕が持っていこう。 記憶の底で、二度と浮かび上がらないように、僕が押さえていよう」 …これは、きみにとって、存在しないはずの戦いだったのだから。 気が付くと、再び『僕』は『トリッガー』として立っていて、この戦いの跡を見つめていた。 『ロック』がこの記憶に苦しむ必要はない。 ファラクのことは、僕がずっと、覚えている。そしていつか… 『マザー・セラ』と出会うことがあるなら、そのときに、彼女にこのことを… 最後まで命令を守り通そうとしたファラクのことを、伝えたい。 『トリッガー』がやり残したことを、『ロック』に負わせられないもんな。 哀しい微笑を浮かべる自分を、なにか遠いもののように感じながら、僕は視線を巡らせた。 全ての武器を失って肌がむきだしになった腕を、風がやわらかくなででゆく。 ヘッドパーツも失ったので、髪は海からの微風に、 わずかに混じる潮の香りを編みこまれるままになっていた。 「マスター…あなたが地上に降りた理由…わかったかもしれない」 15話 全てが満たされた場所では、けして育まれないだろう気持ちがある。 『ロック』にはあって、『僕』〈トリッガー〉には無い心。 …それがあるから、『ロック』はきっと、強くなれる。 僕は白い昼の月を見上げた。 フラッター号の中でふと抱いた疑問を、思い出す。 『ロックはこの人たちといて幸せなんだろうか?』 僕は笑って、浮かぶ月の横の点を見る。 「ロック…間違いなく、君は幸せだ」 点は次第に大きくなって、ひとつの形を作る。…見覚えのある、赤と黄色の飛空船。 あの少女を迎えるべきなのは、僕じゃない。今度こそ、僕の全てが闇へ沈んでゆく。 僕は、意識の表層へ浮かんでゆく『ロック』に微笑みかけた。 「あの子が待っているよ…」 (待っている?) 「ロックーっ?大丈夫―っ!?」 ハッとして、僕は声のした方を見上げた。 「ロールちゃん!」 いつの間にか、フラッター号が僕の真上に来ていて、 甲板から身を乗り出したロールちゃんが僕を見下ろしていた。 ロールちゃんは、風に飛ばされないように片手で頭の上の帽子を押さえ、ぐるっと地上を見渡した。 その足元でデータがじっと僕を見つめている。なんか…かなしそうな顔だ。 「うわー、すごい、木がメチャクチャ。さっき強い光が見えたから来てみたんだけど、何かあったの?」 ―――何か? 思い出そうとして、僕は愕然とした。そういえば、僕は何でここにいるんだ!? なんでまわりは凄い戦闘でも行われた後みたいになってるんだ!? 「え…何があったんだろう?わからないんだ。どうしてここに来たのかも覚えてなくて…」 ほんとうに、わけがわからない。アーマーはボロボロだし、ヘッドパーツはなくなってるし、 もしかして僕、夢遊病にでもかかっているんじゃ…? 僕は必死で記憶がどこから無いのか思い出してみた。 16話 「そうだ!フラッター号から落ちたところまでは覚えてるんだけど…」 「落ちたところまで?」 ロールちゃんは驚いたように目をぱちぱちさせた。 「…じゃあ、ロックは、ロックなの?」 「え?どういうこと?」 僕は困って眉をしかめたが、ロールちゃんはそのとたん、パァっと花のように微笑んだ。 「…ううん、なんでもないの。おかえり!ロック!!」 その笑顔は、とても眩しくて…キレイだった。だから僕も、つられて笑う。 「ただいま、ロールちゃん!」 《END》
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812 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/03/15(月) 18 34 09 ID bzb1/xRa0 【自分の属性】 50代 おばちゃん 転勤者 【博物館、美術館】カメイ記念展示館(宮城県仙台市) 【常設展/企画展】 カメイコレクション展Ⅳ期 3/2~5/30 【行った理由】 招待券を送ってもらう 【評価】★★★★★ 【評価の理由】 とっても空いててゆっくり見れる 【感想】 最初に行ったのは 2009年の5月位。300円払って、絵画、こけし 、蝶のコレクションが観れます。 絵画は浅井忠さん藤田嗣治さん小磯良平さんまだまだ沢山私でも知ってる有名な方の絵画とか片岡鶴太郎さんのもありましたよ。 こけしも産地によっていろいろ。こけしについて 見識深められました。 蝶も最初は昔の梅津マンガの怖さで余り興味無かったんですが、観ていて雌雄一対でコレクションの多さ自然の美しさ、感動まで覚えました。 蝶は常設で展示替えはありませんが、こけしは企画で色々変えていただけます。 絵画は一人2.3枚展示してあり感動です。 社長室にかけてあったものを一般にも開放してくださり帰りに、とっても良かった旨を受付に話すと住所聞かれ 次からはタダで観れます。とってもいいとこです。 期間中はそのハガキで何度でもと言っていただけます。 何かあればカメイを使わせていただいてます。(笑) 813 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/03/15(月) 22 23 16 ID GBQVkBH30 【自分の属性】 禁則事項 【博物館、美術館】北野異人館 うろこの館 【常設展/企画展】建築物が近代遺産 【行った理由】 禁則事項 【評価】★ 【評価の理由】入館料1000円は高すぎ 【感想】ここは建物がメインなので中には特にめぼしい物は無い 814 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/03/16(火) 13 30 24 ID aoUwU3Kq0 813 同意。しかも券売場ではよその異人館とのセット券をやけに勧める。 美術館ではないが、北野異人館でもラインの館は何故か無料で良い。 【自分の属性】鉄ヲタ 【博物館、美術館】博物館明治村 【常設展/企画展】機械遺産 産業遺産 近代遺産 【行った理由】120年前のSLに乗るのと当時のフレンチを喰うため 【評価】★★★★★ 【評価の理由】非常に鉄分豊富(当時のSL・電車が走っている) 洋館の数が豊富 旨いものが以外と多い 特にフランス料理、米のコロッケ、牛鍋は美味 【感想】127歳になる明治中期のSLに乗れたのは鉄としては大満足 俺は基本博物館ってところは好かんのだがここは結構楽しめた 特に当時の大井牛肉店の牛鍋なんか肉が溶けるようで美味www 820 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/03/21(日) 13 22 16 ID pnOo9EyQ0 オペラシティのセシル・バルモンド展はしょぼかったなぁ。 かなり楽しみにして1200円払って入ったんだけど肩すかしを食らった。 せめて模型があったらよかったんだが。なんかダサい音楽かけてるのもひどかったな。 見本で置いてあった本の方が面白かった。 同時に見られた収蔵品展がまたしょぼくてさあ…… 822 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/03/27(土) 19 37 59 ID 6Ec6HOxi0 【自分の属性】 省略 【博物館、美術館】愛知万博 愛地球博公園記念館 【常設展/企画展】世界の文化自然関係 さつきとメイの家 【行った理由】藤が丘に用があったのでついでがてら万博跡地に行ってみた 【評価】★ 【評価の理由】ただの昔ながらの家 一回行くと飽きる 万博期間は超満員ではいれなかったのですいてからいってみたが何というものも ない。予約&並ぶ価値なし トロロだかトトロだか知らないがこのような雰囲気 の建物ならわざわざ名古屋までこなくとも観られる。 【自分の属性】大学生 【博物館、美術館】国立新美術館 【常設展/企画展】ルノアール展 【評価】展示品自体は★★★★(4つ)全体的な評価は★★★ 【評価の理由 相変わらずいけすかない感じの美術館。 建築もかっこいいし、展示品もいいのに、この異様ないけすかなさは何だろう。 以前来た時は午前中に民間団体の展示に入ったせいか、がらがらだったが、さすがにルノワール展はこんでいた。 なぜかうちの大学は学割がきいて、団体料金になって900円で入れた。 特にジジババが多い。しかもようしゃべるんだこれが。 人が多すぎて見づらいけれど、絵はいいのがそろってた。 印象派好きとしては大満足。 ルノワールの描く女ってやけに肥えてる。臀部の迫力がすごい。 花の絵がすごい綺麗。実際の花よりも綺麗な色で描いてる。 ばあさんが、だるんだるんの腹の裸婦の絵を見て、 「椅子に座るとこうなるのよ~」みたいなことを言ってて、萎えた。 「髪かざり」と「レースの帽子の少女」のポストカードが欲しかったけど、 お土産屋のレジの混みっぷりが壮絶だったので、買わなかった。 一階のカフェ?でコーヒーがスタバ以上に高いのに苦笑しながら帰る。 840 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/04/10(土) 09 02 46 ID UpnzMpLy0 三菱一号館美術館へ行ってきました。 好きな画家ではありませんがマネの展覧会は珍しいですね。 鳴り物の建物ですが、各部屋の天井全体に茶色の空調器が貼りついていて最悪でした。 天井の素顔が見えません。 これでは建物の良さが台無しですね。 壁もベニヤでペンキを塗っただけで感動に欠けます。 部屋にある暖炉も白々かったです。 しかし廊下は気持ちよく歩けました。 口直しではなく目直しに赤坂見付の安田靭彦展へ寄り道しました。 線と色の微妙な変化の草花絵を見て気持ちを新たにして帰宅の途につきました。 841 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/04/10(土) 21 23 55 ID DMsTPkGb0 建物自体の良し悪しは知らないけど、照明が低いせいで作品テカりまくり。 展示室も狭いし、あまり美術館向きの建物じゃないねえ。 859 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/04/28(水) 22 30 52 ID qIDH6Z730 【自分の属性】美術系学生 【博物館、美術館】三菱一号館美術館 【常設展/企画展】マネとモダン・パリ展 【行った理由】半分位は授業の一環 【評価】★★ 【評価の理由】 ここでも言われているが、本当に展示方法の悪さが気になって作品に集中出来ない 展示室がことごとく狭い、人多い、作品テカる、無意味な装飾等 部屋ごとにあるなんちゃって暖炉を見る度に苛々 あとミュージアムショップも劣悪 作品がまあまあ良かったのが救い 【感想】 夜の空いている時間帯がおすすめかなあと思います。 美術館全体に言えることですが、ここは特に展示室が狭く人の流れが非常に悪いので。 860 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/04/28(水) 22 55 07 ID qIDH6Z730 【自分の属性】美術系学生 【博物館、美術館】山形美術館 【常設展/企画展】常設展 【行った理由】授業の一環やら 【評価】★★★★ 【評価の理由】印象派のコレクションは良作品が多い。特にモネなんか ピカソ、ルドン、シャガール、マティス、ルオーなんかも良い 作品数は多くはないが、たくさんの画家の絵があって楽しめるように思う 【感想】人も少ないし、学芸員の対応も良かった。 ただ建物そのものになんとなーく閉鎖感を覚えて息苦しい・・・ 今回は企画展もさらっと見たが、常設展の方が断然楽しめた。 861 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/04/30(金) 12 42 58 ID llZYvz180 【自分の属性】20代会社員♀ 【博物館、美術館】物流博物館 ttp //www.lmuse.or.jp/(東京都港区) 【常設展/企画展】常設展 【行った理由】マイナーな博物館に行くのが好きだから 【評価】★★★ 【評価の理由】小規模ではあるが展示の内容はなかなか充実している。そして超空いてる。 【感想】江戸時代(?)の荷車の模型や米俵の作り方など、ものの生い立ちを知るのが好きな自分には面白かった。 色んな変わったもの(壊れやすい仏像、だだ長い新幹線の車両など)の運搬を 解説するビデオが興味深い。時間さえ許せば全部見たかった。 飛行機・列車・船など運搬方法を組み合わせて早く・安く荷物を運ぶゲームの筐体があって 周辺に子供がいないのをいいことに一人占めで遊びまくってやった。 862 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/04/30(金) 13 05 02 ID llZYvz180 【自分の属性】20代会社員♀ 【博物館、美術館】玄武洞ミュージアムttp //www3.ocn.ne.jp/~genbudo/(兵庫県豊岡市) 【常設展/企画展】鉱石いろいろ 【行った理由】マイナーな博物館に行くのが好きだから+城崎温泉のついで 【評価】★★★★★ 【評価の理由】小さくて古臭い建物の中に、これでもか!というほど大量の鉱物。 ごたごたとひたすら置いてあるだけで展示は稚拙だが、質・量の充実ぶりは圧巻の一言。 学術系にしてもただ見て楽しむだけにしても、鉱物好きにはたまらない。 【感想】玄武洞に入れる気満々で行ったが、実は洞窟に入るような場所ではないのだった。 でも狙って作ったとしか思えない幾何学的な奇観ぶりは外から眺めるだけで面白い。 全体の滞在に2時間程度しか見ていなかったが、その倍はいたかった。 しっかり時間を取って解説(予約制だったかも)を聞きながら見たい。 川を渡し舟(片道300円)で渡ったのも物珍しい体験だった。 というか渡し舟のおじさんが実は社長らしい。舟の上で話をしたが、熱意も知識も豊富で面白い。 石好きの友達を連れていつかまた行きたい。 863 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/04/30(金) 13 15 58 ID llZYvz180 【自分の属性】20代会社員♀ 【博物館、美術館】日本・モンゴル民族博物館ttp //www.creategroup.co.jp/mongolia/minpaku.html(兵庫県出石郡) 【常設展/企画展】モンゴル!モンゴルモンゴラーモンゴレスト! 【行った理由】マイナーな博物館に行くのが好きだから+城崎温泉のついで2 【評価】★★★ 【評価の理由】ぱっと目立つものこそないが、展示自体は生活用品に武器鎧、宗教に芸術と充実しており、丁寧に運営されている印象。 【感想】城崎から行ったものだから、アクセスが悪いなんてもんじゃない。 バスを乗り継ぎ乗り継ぎ、もう意地になって行った。 博物館自体を目当てにするより、出石城のついでに足を延ばす、くらいがオススメ。 モンゴルそのものには「え、蒼き狼がどうしたって?」くらいで元々興味はなかったのだが 展示を見ていると中国や韓国より日本に近いような気がした。 絵も字も上手かつセンスが感じられる。 あと展示内容には明らかに関係ないが、ミュージアムショップで買った岩塩がうますぎて料理に目覚めた。 864 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/04/30(金) 13 28 46 ID llZYvz180 【自分の属性】20代会社員♀ 【博物館、美術館】本間寄木美術館http //www.yoseki-honma.com/(神奈川県箱根) 【常設展/企画展】寄木細工 【行った理由】マイナーな博物館に行くのが好きだから+寄木細工ハァハァ 【評価】★★★★★ 【評価の理由】寄木細工すげぇ!着色もしない木をただ組み合わせるだけで幾何学模様作っててしかも超きれい! 寄木細工の技術を結集した棚や衝立がある。まさに芸術品。俺、いつか金持ちになったらあれ家に置くんだ。 【感想】生命の星・地球博物館に行くついでだったはずが、完全に主客転倒した。 売店で力の限り散財したがまだ足りない。寄木細工の壁紙があったら家具に張りまくるのに。 寄木コースターの体験教室も予想以上に楽しめた。 興味のない人を力ずくでかどわかして連れて行きたいくらいオススメ。 865 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/04/30(金) 13 41 14 ID llZYvz180 【自分の属性】20代会社員♀ 【博物館、美術館】生命の星・地球博物館ttp //nh.kanagawa-museum.jp/(神奈川県小田原市) 【常設展/企画展】常設展 【行った理由】前から行ってみたかったので 【評価】★★★ 【評価の理由】展示物はすごい。石の柱がずがーんと立っているし、動物や昆虫の標本が果てしなく並んでいるし。 【感想】だが、「で、これをどう見ればいいの?」という点がひじょーに残念だった。 その内容ならわざわざ箱根じゃなくても、他の博物館でも見られるじゃん。 金がかかってそうなだけなおさら勿体無い。もっと博物館としての姿勢を打ち出して欲しい。 867 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/05/01(土) 14 08 44 ID EIk3JeV90 【自分の属性】当時は高校生 【博物館、美術館】島根県立美術館(松江市) 【常設展/企画展】企画展・フランス絵画の19世紀展 【行った理由】旅行のついで、絵が好きだから 【評価】★★★★★ 【評価の理由】 展示数が多く、作品のテーマごと(サロン関係、ヴィーナス関係、宗教関係など)に展示されているから、 流れにそって見ていくことができた。流し見もできるし、作品によっては顔を近づけて観察することもできる。 絵や芸術に全く興味がない人は分からんが、一般的な感性の持ち主なら「すごい・・・」と思えるような良作が多い。 【感想】全般的な感想 とにかく圧倒された。美しいもの&絵が好きだから、もうあの場所にいるだけで幸せだった。 作品の横には申し訳程度の説明書きしかなかったけど、作品の経緯や時代背景に大して興味のない自分には丁度よかった。 室内が薄暗い(ライトアップはしてある)&壁の作り方が変で迷路みたいだったから (壁に沿って歩いても、あれ?ここさっき見たぞ?もしかして迷子?ってなるレベル)、 同行者は文句言ってたけど、まったりうろうろするのが好きな自分としては楽しかった。 入館料は大人1,300円、大学生900円で、貧乏学生からしたら安くはないけど、見終わった頃には忘れてた。 企画展のカタログは3,400円で、貧乏学生から(ry「ちと高いな」って思ったけど、 けっこう厚みがあるし、全ての展示作品が収録されてるから妥当かと。好きなときに好きな作品が楽しめるのは素晴らしい。 どこの美術館でもそうだけど、やっぱりジジババは静かに鑑賞できないんだなーとゲンナリした。 わざわざ鑑賞してる人の前に立つのは何故なんだろう(´・ω・`) 【蛇足】 島根県立美術館は(過疎地域のわりに)なかなか良質な企画展をやるので、お気に入りの美術館です。 過去に見たのは、ビアトリクス・ポター展、エリック・カール展、竹久夢二展、モディリアーニ展、ミッフィー展、 パリ・ニューヨークの20世紀絵画展、ミュシャ展、岡本太郎展、モネ・印象派展、ロダン展などなど。 長文散文で申し訳ない(´・ω・`) 868 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2010/05/01(土) 21 45 58 ID IAyYG0IO0 【自分の属性】30代会社員♀ 【博物館、美術館】根津美術館 【常設展/企画展】国宝燕子花図屏風 【行った理由】地下鉄に貼ってあったポスターに一目惚れしたので 【評価】★★★★★ 【評価の理由】展示物・施設・スタッフの対応すべてが心地よかった 【感想】燕子花の屏風にとにかくうっとりしてしまった。 展示の仕方自体には特に工夫は無かったし展示数も豊富ではなかったけど 統一性のある空間が作られていてとても集中できた。 あと庭園のカキツバタが見ごろになってきていて根津氏が開いたという 屏風のお披露目の茶会を想像してさらにうっとりしてしまった。 新緑のもみじも綺麗だったしちょうど時に行ったと思う。 今日の美の巨人たちに取り上げられるから明日からもっと混むんだろうな・・・ (蛇足)根津美術館を後にしてその足で太田記念美術館にも行ったんだけど そちらの浮世絵も素敵だった。自分も実業家として成功して美術館開きたいと思ったw 872 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/05/02(日) 00 51 07 ID 3fnKkBl90 【自分の属性】専門学生 【博物館、美術館】水戸芸術館 【常設展/企画展】REFLECTION 【行った理由】学校行事 【評価】★★★ 【評価の理由】 時間かけないと微妙、あとChim↑Pomに部屋使いすぎ 【感想】 Chim↑Pomが嫌いなので飛ばす展示室が多くてうざかった… 他の作品も(俺には)あんま響くところはなかった。というか時間があんま無かった。 ほぼ宇川直宏の作品目当てでの鑑賞。 でも、その宇川さんの作品も確かに体験としては凄く面白かったけれど美術作品としては…? 今回の展示で一番すばらしかったのはラストに置かれたさわひらきさんの作品、「O」。 これはインスタレーション含め本当に感動的でした。ついついフルで見てしまった。 なんでも全ての作品をフルに楽しむには220分かかる…らしい。時間に余裕があるときにどうぞ。 873 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/05/02(日) 00 52 51 ID 3fnKkBl90 【博物館、美術館】Design HUB 【常設展/企画展】日本のデザイン2010 【行った理由】学校のどうのこうの 【評価】★★★ 【評価の理由】 展覧会自体の規模はかなりちまいが、深度は中々 【感想】 かなりちまい。超ちまい。会場自体が小さいから仕方がないけれど… でも展示はそれぞれの作家の持つ力を発揮していて、無駄はないように感じた(1名除く)。 会場はオフィスと同じ棟に入っているため、やや入るのに勇気が要る…。 廣村 正彰による、あんま期待してなかった「恋愛とデザイン」が一番凄みがあった。 普通にロマンチックなものもまあまあピックアップしているが、 残りはコンドームのCM、ラブホテルの運営、そしてギャルゲーという、 恋愛という言葉が持つロマンチックな雰囲気からは想像しがたい、でも恋愛に実は付いて回っているもの、 そしてそれをいかにロマンチックに見せるかということに着目した展示。かなり強烈だった。 874 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/05/02(日) 00 54 10 ID 3fnKkBl90 【自分の属性】専門学生 【博物館、美術館】東京六本木ヒルズ森美術館 【常設展/企画展】六本木クロッシング2010~芸術は可能か? 【行った理由】現代美術が見たかった。そういう気分だった。 【評価】★★★ 【評価の理由】作品は良かったけれど、統一性ナシ。 【感想】 評判悪めの六本木クロッシング。…やっぱり展覧会としては微妙すぎる。コンセプトがあるのかないのかわからない。 振り返ってみても、キュレーターの人たちが何をしたかったのかがよくわからない… でも作品自体は結構いい。なんだかよくわからない作品も多いが、中盤から後半にかけて面白い作品が幾つかあった。 特に小金沢健人のグラスを擦る映像が360度広がっているインスタレーションと 鈴木ヒラクの反射材の銀河ともいうべき世界が広がるインスタレーションの二つは特に感動的で忘れがたい。 あと、前半の方にある小さな扉を開けて部屋の中に入る作品はドア開けると作者がいきなりいてびっくりするw 875 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/05/02(日) 00 55 40 ID 3fnKkBl90 【自分の属性】専門学生 【博物館、美術館】東京都現代美術館 【常設展/企画展】常設展 MOTコレクション Plastic Memories-いまを照らす方法 【行った理由】現代美術が見たかった。そういう気分だった。その2。 【評価】★★ 【評価の理由】 …消化不良。 【感想】 なぜなら、見れる作品の数がちょっと少ない。展示の仕方も微妙。 冒頭、何の説明も無しにアンソニー・カロの作品がテキトーに床に置かれているのはどうかと思った。 個人的にはアピチャッポン・ウィーラセタクンという人の「エメラルド」という作品がヒット。 部屋の中を羽毛が舞う映像に世間話が被さるだけなんだけれど、その世間話の内容含めなんだかうるっときた。 何か展示してある作品のことばっかりでごめん。 初めて書いたのでこんなんでいいのかわかりませんが… 881 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/05/02(日) 18 02 25 ID MqaZ1Fay0 【自分の属性】鉄ヲタ 【博物館、美術館】リトルワールド http //www.littleworld.jp/ 【常設展/企画展】常設 【行った理由】友達に誘われて 【評価】★★★★★ 【評価の理由】 これを博物館とするならば、おそらく日本一広いのではないのだろうか。 少なくとも今まで出会った博物館のなかでは抜群に広かった。テーマパーク的な広さ。 そんな広さに、世界各22ヶ国33個の歴史的かつ庶民的な建物が『実物大』で展示されている。 サイトによるよ移築したり復元したものが多くレプリカというわけでもないらしい。 【感想】 建物館の間隔も十分に取ってる上、当然ながら建物内にも入れるので、それぞれの風景に没頭出来、 軽く世界一周をしているかのような錯覚になれるのが魅力。 色んな民族衣装のコスプレも出来ますのでデートにも最適。 名前は慎ましいが、かなりスケールのでかいところ。海外好きなら一度は見ていくべき。 893 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/05/03(月) 18 18 17 ID XpRXOuaw0 【プロフィール】行った当時は女子大生 【博物館、美術館】世田谷美術館 【常設展/企画展】オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー(終了) 【URL】ttp //www.setagayaartmuseum.or.jp/index.html 【場所】東京都 【行った理由】アール・ヌーヴォーとかデコとか好きだから 【評価】★★★★ 【評価の理由】 交通の便が悪すぎる 【感想】 最寄の複数の駅の真ん中にあり、そこからバスで10~20分もかかる。 ただ立地は公園の真ん中と自然に囲まれ最高だが・・・ 常設展は魯山人だったかな?素人の自分でも素晴らしいと感じた。 企画展がメインだが方向性がまちまちなので、その時々だろうと思う。 とりあえずアール・ヌーヴォー展の時は見せ方も良かったし、説明も詳しく素晴らしかった。 椅子とかも用意してあったし。 惜しむらくはレストランか。 美術館内のレストランは高級フレンチなのだが、高いのはいいとしても規模がやや小さい。 場所が公園だけに、周辺には公園内のぼったくり売店くらいしかないから どうしてもここで食べたがるのだが、収容人数が少なすぎて、行ったときは2時間待ちですと言われてしまい諦めた。
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ゴロリに見つからないよう、うまく隠れながらグラウンドを目指すヴァイジャヤ。 だが、彼は気づいていなかった。さて彼はいつからゴロリの他に追っ手がいないとを錯覚していた? 「ちょっと眠ってろお前―――」 「ッ!!!?」 背後から声をかけられたときはもう遅い。 屈強な腕がヴァイジャヤの首を締め付ける。 その力は尋常ではなく、特殊な細胞によって強化されたヴァイジャヤの肉体でさえ抵抗できないものだった。 「よくも俺の駒を殺しやがったな!もう許せるぞオイ!!」 男が何か言っているがもはや彼には何も聞こえなかった。 ヴァイジャヤの意識がみるみるうちに薄れていく。 そして…… 「落ちろ―――」 男の言葉と共にヴァイジャヤは意識は闇に落ちた。 「こいつどの漫画に出てた何て言うキャラだったかな…。 俺より先に終わったジャンプ漫画のキャラなんて覚えてないんだよねぇ」 そう言って、首がおかしすぎる方向に捩れ曲がって倒れているヴァイジャヤを男は踏みにじった。 男の名は久保帯人。おそらく読み手諸君は知らない者はいないであろう漫画家である。代表作は言うまでもない。 久保帯人は野獣先輩討伐隊の一人…いや、それを結成した本人であった。 彼はジャンプの看板作品ブリーチの作家としてジャンプ内での地位をじわじわと向上させ、いずれ天に立つ…はずだった。 だが、その矢先自分がホモビにも出てオーソドックスなSMプレイで少年を調教していたことがバレてしまったのであった。 その影響で久保帯人に絶望してブリーチのファンをやめた読者が続出、女と結婚して自分はノンケ(大嘘)であることをアピールしたが効果はなかった。 これが久保帯人に地位の陥落に影響し、天に立つことが遠退いたのは語るまでもないだろう。 その報復のために自分と同じく野獣先輩…もしくは彼のカテゴリーに対して恨みを持つキャラを集めて討伐隊を結成し、彼らを動かして自分は後から動くはずだった。 が、からくりドームの野球の死合に巻き込まれるという予想外の事態が発生したために自分が動かざるを得なくなったのだ。 「大丈夫ですか久保先生」 「…多田野数人か」 久保帯人に話しかける男は多田野数人。 先ほどナッパ様の打球で死んだクッソ情けないホモビのTDNとは違う。 イチローが探していた正真正銘の野球選手としての多田野数人選手である。 彼も討伐隊の一人であり久保帯人と共に行動していた。 「状況は?」 「最終イニング表でイチローさんのホームランで一点のリードです。もっと差を広めなければ相手の力量からして一転攻勢による逆転もありえますね。 ちなみに負けたほうは全員切腹ですよ。まぁ負けたからって素直に切腹する奴はいないと思いますが。この試合、僕らも加勢しますか?」 多田野の提案に対して久保帯人は腕を組みながら答える。 「まぁ別にただの駒がいくら死んでも別にかまわないけど…やっぱりここで戦力が削れるのはマズイかな」 「まだ一日目ですし。博麗の巫女霊夢、山の四天王伊吹翠香を失うのは大幅な戦力ダウンですよ。 それに運良く合流してきた方にもチートバッカーズの美堂蛮、元ポケモンチャンピオンのダイゴ、地上最強の生物範馬勇次郎。 そしてイチローさんもいます。彼らを…特にイチローさんを失うのは避けたいですね」 「これだけの人材がいるんだったらひとまず様子見でいいと思うよ。まぁ、博麗の巫女に至っては代わりがいるんだけどね」 「何よそれ!この私をあいつの代替品みたいな言い方…、あ~腹立つわぁ^~」 久保帯人の発言に多田野と同じく行動していた博麗霊夢は彼に噛み付く。 今試合に出ているほうの霊夢とは違う出展作品である。それにしてもこの霊夢もまたヘンな声である、なんか関西のおばさんっぽい。 ちなみに彼女は大晦日に風呂に入っているところを殺し合いに巻き込まれたのでバスタオル一枚である。 健全な男子なら興奮して自分の息子がスタンドしかねない光景だがホモである二人は特に興味がなかったのだった。 「とにかく悪いようにはしないよ。僕らの目的のためにもね」 「そうですね。ホモビに出たことがばれてるなら仕方ない」 「私はただ風呂で生き返ってるのを邪魔した奴をぶちのめしたいだけだけどね」 久保帯人らはこの殺し合いが世界の崩壊を防ぐための手段であり、殺しあわないと世界が滅びるのを知っていた。 だがそれは彼らにとって不都合だったのだ。久保帯人は天に立つことをあきらめてはいなかったのだから。 この世界では久保帯人と多田野数人がホモビで出ているという事実が判明してしまっているからだ。 久保帯人の真の目的は野獣先輩の属するカテゴリーに対しての報復ではない。 まずこの世界を災害で滅ぼして、その後の新世界で漫画界の天に立つことなのだ。 そのために『野獣先輩の抹殺』を表の目標として掲げ同志を集め、殺し合いによって世界の崩壊を防ごうとするダース・ベイダーらの目的を阻止し抹殺しようとしていたのだ。 『世界の崩壊』が目的の久保帯人。この先彼はこの試合に対してどう動くのか。 「ククク…世界を芸術品にしたてy…仕立て上げてやんだよ。 世界を芸術s…ヒィンにしたんだよ!! 世界を芸術品にしてやるよ…」 「先生、決め台詞くらいちゃんと決めてくださいよ…」 【一日目・16時10分/東京・からくりドーム】 【久保帯人@現実?】 【状態】健康 【装備】斬魄刀「???」@ブリーチ 【道具】支給品一式、サングラス、SMプレイ用の道具一式 【思考】 基本:世界を滅ぼし天に立つために主催者を殺す 0:さて、どうするかな… 1:自分が結成した野獣討伐隊を上手く操る 2:できればイチローチームを戦力として取り入れたい 【多田野数人@現実】 【状態】健康 【装備】野球道具 【道具】支給品一式 【思考】 基本:世界を滅ぼしてホモビに出ていた過去を抹消する 1:久保帯人に協力 2:最低でもイチローを味方に引き入れたい 【博麗霊夢@東方お正月ボイスドラマ企画】 【状態】健康 、バスタオル一丁、声がヘン 【装備】バスタオル、お札 【道具】支給品一式 【思考】 基本:主催者をぶちのめす 1:久保帯人に協力 【ヴァイジャヤ@魔人探偵脳噛ネウロ 死亡確認】
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710 名前: NPCさん 2006/09/18(月) 01 44 32 ID ??? 後出し回避でなるべく詳細に書くので長めだが勘弁。 システムはシャドウラン。PCは以下の3人。 A:ドワーフ傭兵、亜人の地位向上と人間との共存をめざす活動家 B:トロールギャング、脳味噌筋肉でパーティ内ではAの弟分 C:人間コンバットメイジ、Bが所属するギャングボスとつながりをもつ 溜まり場のBARでたむろっている所で、Bはギャングボスに呼び出されて出て行った。 Aは頭が弱いBのお目付け役をギャングボスから頼まれていたが、 当のボスに呼び出されての事なのでまあいいかと単独行動させる。 後から考えると、これが全ての間違いの元だった。 Bはアジトで、ギャングボスの所へBを尋ねてきたという若い女性に会う。 彼女はPCがコネを持つ引退した企業家の元部下で、彼からBの存在を聞きつけ 何とかランを引き受けて欲しいとすがってきたらしい。 なお、依頼は厳重に密閉されたアタッシュケースを一週間守り通すこと。中を見てはいけない。 それをやり遂げれば、一週間後には彼女がまた受け取りに来て報酬を出すという。 残りの2人はその場にいないし連絡を受けたわけでもないので発言は控えめだったが、 Bは彼女の名前だけ聞いてあっさり承諾し、依頼人を帰してしまった。 711 名前: NPCさん 2006/09/18(月) 01 45 50 ID ??? AとCは事後連絡を受けるが、そこで既にこのような疑問をもった。 ・依頼人は名前だけで素性すら明かしていないが、信頼できるのか? ・ランナーに預けるような荷物、狙っている奴が必ずいるはずだが? ・依頼人をあっさり解放してしまったが、彼女が狙われる危険が大なのでは? ・一週間拘束が確定しているにもかかわらず、前金も無しはチト辛い。 ・そもそもこのケースの中身は何よ?(これは訊いても教えてくれないかもだが) ・まさか時限爆弾ではあるまいな。 etc. 名前とコネの部下らしいという話だけを手がかりに、BARのマスターを通じコネに連絡。 その名の女性が部下としてついていたことだけは裏が取れたが、 そもそも依頼人が「その名の女性」かどうかという確証はまったくない。 スタート地点でのあまりの情報量の少なさに困り、ひとまず一週間逃げ延びることを画策。 廃棄された地下街へ潜りホームレスに紛れ込ませてもらうことに。翌日1人のホームレスが、 ある人からカバンを言い値で買うから受け取ってくるよう頼まれた、と言って接近してきた。 Aはカバンは渡すから、と前置きして頼み人のことをあれこれ探ろうとするが、 「渡しちゃ駄目だ!」と血相を変えて出てきたB(註:2m)にビビッてホームレスは逃走。 後を追うもドワーフの哀しさ、追いつけず見失う。 712 名前: NPCさん 2006/09/18(月) 01 47 24 ID ??? どうにかホームレスのねぐらを探し当て、巨人抜きで再度交渉。 こちらは3万新円(300万、言い値としてはちと安かったか)を提示。 Cは透明化して後を追いインテリヤクザ風の頼み人を視認するが、それ以上は行動に移せない。 帰ってきたホームレスから3万新円を受け取るが、ここでちょっと揉めたBは彼をKOしてしまう( A`) 隠密で頼み人に気付かれず接近しようとするA・Bだがこれは看破され、通常交渉に。 金は払った、望みとあればあと1万出すからカバンを寄越せというヤクザに、 交換の前に少しでも情報を引き出してチームの立ち位置を明確にしようと図るA。 ここで周囲を警戒していたBが知覚判定にファンブル。朽ちて突き出ていただけの鉄筋を 一行を狙うスナイパーの銃身と間違えてしまい、Aをかばうために飛び出す。 泡を食ったヤクザ男は「せっかく穏便に話を進めてやったのに、馬鹿め!」と逃走。 マスター曰く「紆余曲折は理解の上だが、世間的には君たちは哀れなホームレスに暴行を加え 交渉を持ちかけてきた相手を威嚇して金だけせしめた外道だ」 言 い 返 せ な い なおこの次点で(情報0にも関わらず)終了予定時刻まで3時間を切っていたことと マスターが、なぜこんな展開になったのか頭を抱えていたことを特筆しておく。 713 名前: NPCさん 2006/09/18(月) 01 49 00 ID ??? いらぬ騒ぎを起こしたことで地下居住者から排斥された一行は地下街を逃げるように後にし、 いくつかの隠れ場所を転々としながら、持久戦覚悟で盛り場の安宿へ潜り込んだ。 そこへ突如、BARのマスターから携帯に連絡が。「Webニュースを見ろ。これが精一杯の忠告だ」 『(依頼人)という女性の水死体が発見されました』 ヤッパリヤッチャッタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 調査したが、Bが会った女性と被害者は9割同一人物らしい。 この瞬間に手の内のアタッシュケースがほぼ「地雷」と確定した。 せめて中身を知るため、腕利きのデッカーを雇って錠を突破できないかチェックするが失敗。 安宿の一室で、今後の身の振り方を協議することに。 A:プロとしては悔しいが、タダ働きの上に早急に処分しないと俺たち全員の命が危ない。 B:いや、死んだのが依頼人とは限らない。いまさら違約はランナー仁義にもとる。 C:自分が企業人だったころのコネがメガコーポにある。頼んで処分してもらおう。 決断は実質リーダーのAに任された。意を決したAは後生大事にBが持っていたカバンを 半ば強引に取り上げ、「ここで待機しろ。俺にいい考えがある」と2人を説得。 まさか!という顔のPL-CとキョトンとしたPL-Bを置いて宿を出て行った。 714 名前: NPCさん 2006/09/18(月) 01 50 31 ID ??? これ見よがしにカバンを抱えて単独行動をすると、間もなくあの男が取り巻きを控えさせて接近してきた。 「やっとその気になったのか、何も言わずこの1万は受け取ってもらおう。カバンは渡せ」 「いや、実はその気はないのだ。金は返す」 どこからかスナイパーライフルの発射音が響き、絶命したAからカバンを奪っていく一団。 A:依頼は守れんかったが、これでもうBとCは狙われないで済むよね? GM:まあ、そうなるかなあ。 2人が銃声を聞いたシーンを挟み、ここでマスターはシナリオを終了させた。 なおマスターのぶっちゃけ話によると依頼人は殺された女の姿を借りて偽装した企業工作員、 ヤクザ男はPCの存在を知った反勢力の工作員で、PCを諦めさせるため本物の女を殺したそうだ。 カバンの中身は、彼らの勢力の不祥事のデータだったもより。 セッション後の発言 GM:「予想外の展開で余裕がなかった。用意した情報が全く伝わらなかったのはある意味奇蹟」 A:「全く情報が入らないので焦って、とりあえず絵として美しく終わることだけ考えた」 C:「結末としては悔しいが、最後はうまく持っていかれた」 B:「俺、何か間違ったことをした?」 (#゚д゚) 一応フォローとして、gdgdな展開だったがセッションは楽しんだことを付け加えておく。 724 名前: NPCさん 2006/09/18(月) 02 28 20 ID ??? 最後のAの行動だが金をもらってカバンを渡したらまずかったのかね? 結果的に殺されるにしてもわざわざ相手の申し出を蹴る意味がよくわからんのだが。 726 名前: NPCさん 2006/09/18(月) 03 14 34 ID ??? オープニングで、ボスがあえてBを単独で呼び出したのは 結局どうしてだったんだろう。 727 名前: 710 2006/09/18(月) 03 27 29 ID ??? 後出しになっちゃうがこれは一応書いとく 724 コンベだったんだが、早めに終わって暇した他の卓の人が脇で見ていた。 その時に出た質問 観:安全にメガコーポに依頼しないで、バクチに出ましたね。 A:第三者に頼んで逃げて終わられたら、自分が観客ならスクリーンに物を投げると思ったw 観:カバンを引き渡さないで金を突っ返したのは? A:一応自分では理想に燃える活動家のつもりでいたので、成行きとはいえ 金を巻き上げてしまったのは心苦しかった。あれに手をつけると外道になると線引きしていた。 観:相手はビジネスに徹していたようだし、そこまで仁義にこだわっても。 A:ぶっちゃけ無残に死んで仲間を逃がす、がやりたかった。それまでが背後関係がつかめなくて ずっとモヤモヤしてたから、最後にショッキングなシーンを演じたいというわがまま。 あんな態度を取られたら、もう殺さないと示しがつかないだろうし。 726 ちょっとわかりにくかったが、ボスは「Bだけが所属しているチンピラ集団の親分」であって 女がBにランを依頼するとは知らず、部下に引き合わせただけのつもりでいたからだと思う。 マスターは他のメンツ、特に目付け役のAの同席は許可していたがAがうっかりスルーしちゃったのは前述の通り。 あと、始まって最初のシーンであるため、Bが依頼に関する情報を全く集めないという ある意味珍事を想定しきれなかったのかもしれない。 なんか読み返してるうちに病気の子供はいなかったような気がしてきたので モノフィラメントウィップで首を吊ってくる。 スレ112
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1話 ―――気がついた時、僕はベッドに寝ていた。 ひどく心配そうな様子の女の子が僕を覗きこんで、 からだ全体を沈ませて深いため息を漏らした。 たちまち深い緑色の瞳にうっすらと涙が浮ぶ。 「…よかった。ロック、3日も目を覚まさないんだもん、死んじゃったかと思った」 赤い帽子に赤い服。この少女にとてもよく似合っている。 きっと、赤色が好きなんだろう。 その直感はなぜか間違っていないと確信が持てた。 …なぜだろう?僕はこの女の子にははじめて会ったのに。 呆然と見上げていると、女の子は不思議そうに首を傾けた。 明るい色でクセのある金髪が肩の上でふわりと揺れる。 「どうしたの?ロック、…まだ、どこか痛い?」 「痛いって…?」 「覚えてないの?フラッター号の甲板から落ちちゃったんだよ、ロック」 (フラッター号?…ロック?…この子は何を言っているんだろう?) 僕は首をかしげるしかなかった。なんで自分はこんなところにいるのか、 まるで見当がつかない。 わかるのは、雰囲気から考えてここが飛行船の一室らしいことくらい。 「ごめん、よくわからないんだ。…キミ、だれ?」 女の子は消えかけていた不安の表情を再び強く浮かべ、素早く僕の手を握った。 …その手は小刻みに震えている。 「だれ?…だれって、どういうこと?わたし、ロールよ?!」 ロール…?全く心当たりがない。どうしよう、こまったな。 マザー・セラにひどくやられたから、メモリーの一部が混乱しているのかも。 「もしかして、記憶喪失?当たり所が悪かったのかな…。ねえ、自分の名前は覚えてる?」 最初の方を独り言のように言ってから、女の子は真剣な顔で僕を見た。 「え?僕はロックマン・トリッガーだけど?…キミは、どこかで会ったかな。 えっと…ロール…さん?」 「?!」 こんどは女の子の方が呆然とする番だった。 まるで、初めてゴキブリを見たときのマスターみたいな顔してる。 「僕はヘブンの一等粛清管で…」 「データっ!!早く来てっロックがなんかヘンーーー!!」 最後まで言うのも待たずに、彼女は後ろを振り向くとドアの方に向かってそう叫んだ。 (データ?) 2話 そうだ、データのことは覚えてる。 僕が作った外部記憶装置だけど…、 よかった、データとははぐれていなかったんだ。 いや、ちょっとまてよ? じゃあ僕はなんで、 見も知らない女の子の「フラッター号」とかいう飛行船に 乗っているんだろう?…わからない。なにも! ボクはベッドの上で身じろぎし、片手で頭を押さえた。 …そういえば、痺れるような痛みが…。 「ウキキッ、ウッキャー」 (なんだよロールちゃん、ロックはああ見えて丈夫だから~。 めったなことじゃどうにかなんないのに~) 現実に聞こえる声と二重になって、甲高い子供のような声が聞こえてきた。 データは僕が持てるだけの技術を投入して作った外部記憶装置だ。 マザー・セラにメモリーをスキャンされないために、 重要なメモリーを全部うつして …そして、そんな重要な記憶が入っていると気付かせないように、 油断を誘いやすい小ザルの姿に設定したんだ。 言葉もサルの鳴き声のようなものしか(一見)発さない。 しかし実は、その「サルの鳴き声」と同時にデータはふつうに言葉もしゃべっている。 …その言葉は僕にしか聞こえない。これも「マザー・セラ」対策の一つだった。 ひょいと器用にドアノブにぶらさがって、ドアを開けて入ってきたデータはそのままの姿勢でまた鳴いた。 「ウキッ?」 (で、ロックがどうしたって?) 「どうしよデータ!ロックがわたしのこと『さん』づけで呼ぶの! それに自分のことナントカトリッガ―なんて言うし…っと、 こんなことデータに言っても仕方ないよね。 おじいちゃん呼んでくるからデータはロックをみてて!!」 ぱたぱたといそがしく身振りを交えながらあわただしくそれだけ叫ぶと、 ロール…という子は部屋の外に出て行ってしまった。 データは、ぽんと床に下りるとびっくりしたように ドアとこっちとをかわるがわる見つめて、まんまるい手をくるくるまわした。 「ウキャ…?」 (どうなってんの?) 3話 「データ…だよな?」 「ウッキィ!ウキッ!」 (なに言ってんだよロックー、ボクがデータなのは見ればわかるだろ! …もしかして頭打っておばかになっちゃった?) 「おばかって…あいかわらずだなデータは…じゃなくって!」 僕は腕をぶんっと振って『この話はここで終わり』のジェスチャーをした。 「それだよ!その『ロック』って呼び方!確かに僕はロックマン・トリッガ―だから ロックって呼び方はわかるけど、それじゃほかのロックマンたちと区別がつかないじゃないか。 あのデコイの女の子はともかく、なんでデータまでロックって呼ぶんだ?」 「???」 データの手の動きがぴたりと止まり、しっぽの形が?の形になった。 「それに…そういえば、僕はどうしてこんな姿なんだ? セラとの戦いで大破しちゃったから…かな。教えてくれるか?データ。 メモリーが混乱しているみたいなんだ」 データのしっぽが慎重にくるりとまわった。 黒いつぶらな目もいつにもまして真剣だ。…どうしたんだろう? 「トリッガ―…?じゃあ、セラとの戦いの後のこと、何も覚えていないって言うの?」 「そうみたいだけど…なにか問題でも?」 僕には何がなんだかわからない。 データはなぜかうつむいて肩をふるふるさせている。 一拍の間の後、データはいきなり顔を上げ、『カッ!』と両目を光らせた 「ウッキィ!!」(問題おおありじゃあ!!) ガッキン☆ データ全力の体当たりで再び意識がふっとんだ僕であった。 ようやく意識が戻ったとき、枕元にはこんどはデータだけがいた。 あの、ロールとかいうデコイの少女はいないみたいだった。 …ああ、まだ頭がガンガンする。データの奴、なに考えてるんだ? 僕は痛みにうめきながら、それでもベッドの上に身を起こした。 「…それで?いいわけを聞きたいんだけど?」 つい、ちょっとぶすっとした口調で言ってしまう。 4話 「ウキ…?」 (確かめるけどさ、トリッガ―。記憶がないって言うけど、逆に覚えてる事はなにかある?…) 後から考えれば、そのときのデータの口調はどこかしら試しているようだったと思う。 でも、そのときの僕は気付くことができなかった。 冷静さを失っていたし、頭の痛みのせいで、 何かを疑うことなんてとても出来る状態じゃなかったんだ。 僕は知っていることを素直にデータに話した。 自分たちの故郷、ヘブンのこと、最後の人間であり、 僕を作った『マスター』。その深く響く声と澄んだ青い瞳。 …彼が僕に託した最後の望みのこと、二人の『マザー』のこと、 粛清官として与えられた役目とイレギュラーを狩る日々…。 最後に覚えているのは、マザー・セラが放った破壊的な威力の光線が 僕の半身ほとんどを焼き尽くした、気も狂いそうなほどの激痛。 それと同時に僕が叩きつけた全力の攻撃が、 彼女の戦闘端末を粉々に打ち砕いた光景。 「なあデータ、僕はあれからいったいどうしたんだ? あの戦いで僕は勝ったのか? でも、それにしちゃ今の僕にダメージが無さすぎる。 …どうみても、あの時の傷はボディーのリセットを必要とするレベルの…」 なおも言いかけた言葉は、データによってさえぎられた。 データは、ぽんと僕の足の上に乗ってじっとこっちを見上げた。 「ウキャキャーウキャー。ウッキー」 (ロールちゃんたちをいったん追い出したのはせいかいだったよ。 トリッガ―、きみは…なんていったらいいのかな、こころが過去に行っちゃってる) ―――なんだって? 「過去?なにをいっているんだ?」 「ウキ…だからー。今はトリッガ―が思っているような時間じゃないんだ。 いまは、トリッガ―がセラと相打ちになってから、十四年経ってる」 じれったくなったのか、データは『サル語』をやめて必死に身振り手振りで話し出した。 くるくるよく動くかわいらしい動作に反して、 話の内容は…僕には残酷だった。 5話 「じゃあ…僕は」 データはあまりにもあっさりと頷いた。 「言いにくいけどね…もうとっくの昔にリセットされたはずなんだ。 新しく再生されたトリッガ―を拾って育ててくれたのは、 昔有名なディグアウターだったらしいバレルさん。 『ロック』って名前を付けて、孫娘のロールちゃんといっしょに育ててくれた。 ロールちゃんの両親もキミを差別しなかったよ。 実の娘と変わらないほどの愛をそそいでくれた。 十四年間、キミは『ロック』として育った。 ロールちゃんの両親が失踪してからは、ロールちゃんとバレルさんと 三人でディグアウターとして働いてきたんだよ。…この、フラッタ―号でさ」 データはぺんぺんと、壁をたたきながら言葉を締めくくった。 そんなの、知らない。僕は…ロックマン・トリッガーで、 あのロールとかいうデコイの少女のことなんか、なにも…。 (うっ…?) 僕は思わず頭をかかえた。映像がフラッシュバックしていく。 これは、ロール…ちゃん?やめろ!なんで、なんできみは泣いている? …なぜ…こんなにも胸が痛い?! 「トリッガー、さっき気を失っている間に調べた。 キミは、フラッター号の甲板から落っこちて今だ意識が戻らないでいる本来の人格 『ロック』が、自分自身の体をカラッポでいさせないために、 急きょ拾い集めた『トリッガー』の人格と記憶のカケラでしかないんだ」 「・・・・・・・!」 その言葉は、妙にするすると僕の心に染み込んだ。頭のどこかが、「そうだ」と言っている。 …そうなのか?僕は、もう…トリッガーでなくて…。 「キミはリセットされ残ったトリッガーの不安定なカケラにすぎない。よくもって三日かな、 それくらいでキミは消える。『ロック』が目を覚ますから」 やけに複雑そうなデータの顔。データの気持ちはなんとなくわかる。 データはある意味僕の分身でもあるのだから。 「…わかった。僕は、今は『トリッガー』だけどあと少ししたら僕の知らない僕… 『ロック』に戻ってしまう。そういうことなんだね?」 データは無言でうなずいた。 「あのデコイの少女にも説明したほうがいいのかな」 「ウキ」 (安心させてあげるくらいにはねー。したほうがいいと思う) 「そっか」 「ウキッキ」 (そうそう。…あ、ロールちゃんたち来たよ) 6話 僕はそっと、開いたドアを振り返る。 『トリッガー』の記憶には無い二人のデコイ。 だけど、『ロック』には…きっとすごく大事な二人。 少女は老人を不安げに見上げ、老人は彼女を安心させるように優しくその肩に手を置いた。 …『ロック』にとって大切なこの二人を傷つけるようなことは、絶対にしてはいけないんだ。 となぜかその時確信した。 そして、三日間無事に彼女達を守らなければいけない、とも。 …理由はまったく不明だったけど。 「だいじょうぶ?ロック、さっきおじいちゃんに話したら記憶喪失じゃないかっていうの。 それで…もう一度確かめに戻ってきたら、なんかデータが部屋に入れてくれなくって」 ちらりとデータを見る瞳が不安に揺れている。 口元にうかぶ微笑みも心の不安を無理やり押さえつけているようで、 見ている僕のほうが…つらい。 「ほんとに、わたしのこともおじいちゃんのことも、覚えてない?」 「…うん、ゴメン」 静かに成り行きを見ていた老人が、あたたかな笑顔をみせた。 「ロック、あやまることはないぞ。記憶喪失は本人の過失ではないからのう。 ロールも気楽にかまえることじゃ。…難しいのは、記憶がいつ戻るかがわからんことくらいじゃな」 「そうだけど…」 それが一番不安なんじゃない、と言いたそうにロールちゃんが肩をすくめた。 「データが言うには、だいたい三日くらいで元に戻るって」 老人…バレルさん(だろう多分)が、ほほう、と呟いてデータを覗き込む。 そのバレルさんを見下ろしてからロールちゃんが眉をしかめた。 「そうなの?データ」 データは二人に注目されたことで有頂天になったらしい。 どんぶりみたいなボディーをふんぞり返らせて、ふふん、と得意そうな鼻息を吹いた。 「ウキィ!!」 (そう!!) かくかく頷いてみせる。 「う~む。データはわしらよりロックのことを理解しているみたいだからのう…」 「そうね…ちょっと不安だけど」 データはその二人の反応に不満そうな顔をしたけど、それで二人は納得したみたいだった。 「じゃあ、わたしはロックが落ちたときに壊れちゃった手すり、修理してくるね」 (え?) 「わしは部屋に戻って研究の続きをせねばならんのじゃが…ロックよ、ひとりで大丈夫じゃな?」 「え?ええ、まぁ…」 7話 僕は思わず、そんな間の抜けた返事を返してしまった。 どうなってるんだ?ロールちゃんが最後に見せた笑顔なんてまぶしいくらいにピッカピカ。 さっきまでの不安の影なんてどこにもない。 …仮にも家族ならもうちょっと心配しそうなものだけど。 データが隣でぼそりとつぶやいた。 「ウキ…」 (二人ともロック関係のトラブルには慣れっこだからね~。 もう何が起こってもあんまし驚かないみたい) 僕はデータを見下ろした。 「『ロック』って、あのデコイ達に嫌われてるってことは…ないよね?」 データはしらじらしくあさっての方をむいて、お得意の手をくるくる回すポーズをとった。 「ウキィ~ウキャー」 (世の中には~、知らないほうがいいこともあるらしいよー) 「…そうなのかな」 …僕の『家族』に関する概念のメモリーが間違っている可能性もある。 深くは考えないでおこう。 「なあデータ、聞いてもいいかな」 それから二時間後、僕はひととおりフラッタ―号の中を見終わったので、 ちょうどどこかの島に停泊しているらしいし、外に出てみよう…と、思っていたはずなんだけど。 気が付けばここはなぜかキッチン。 「僕、何をしているのかな」 「…ウッキー」 (自分でもわかってると思うけど、右手にフライ返しを持って、 左手にフライパンを持っているんだと思うなー) そういうデータは、少し離れたシンクの横でお皿を持って立っている。 お皿の上では、たった今調理が終わったばかりといった風情のエビピラフが、 美味しそうな湯気を上げていた。 …彩りとして添えられたミニトマトとパセリが心憎い。 …こんなの、いつ誰が作ったんだろう?僕は首をひねった。ロールちゃん? …いやまさか。それはないな。根拠はないけど、それだけは絶対無い。 ふと、目に入るフライパンとフライ返し。 まだ使用直後のように熱い。それを持っているのは僕。 …僕が?! 8話 「ハハハハハ、まさか!僕が料理なんてするはずないじゃないか!」 思わず声に出して笑ってしまう。そもそも僕は『食事』を取った経験が無い。 ヘブンでは資料・情報としてしか料理や食事は存在しない。 ヘブンの住人はマスターも含めて食事を取らずに生きてゆける。 老いも死も病も飢えも乾きも無い世界 ……それこそが人の思い描いた『天国』、ヘブン。 ヘブンはそうあるべく作られ、事実そうだった。 『ロック』はともかく、今の僕『トリッガー』は料理のことなんてかけらも知るよしが無い。 「ウッキャ」 (習慣ってのは怖いねー) やたら感慨深げにデータがうんうんと頷いた。 「え?」 「ウッキィ…ウキキ」 (記憶が無くてもついからだが動いちゃうんだねー。ロックは毎日 …みんなのごはん作ってたんだ。ちょうど今、お昼だし~) 僕はよろめきながら振り返った。後ろのテーブルの上には、 清潔な赤いチェック柄のテーブルクロスが広げられ、 すっきりと背の高い花瓶が中央に乗っかっていた。 花は新鮮で新しい。 その花瓶の周りを囲むようにして、同じピラフが二つ乗っかって… 「ええええええええええ?!」 これを。 僕が?! …なあ『ロック』、きみはいったいどういう生活をしてたんだよ… 他にもフラッタ―号内には『ロック』の痕跡が多く見受けられた。 トイレやお風呂を見ればいきなり訳も無く掃除がしたくなり、 流しに沈んでいる皿を見れば洗いたくなって、 僕は恐ろしくなってその場を逃げ出してしまった。 『自分の部屋』が金属板むき出しで殺風景なのはいいとして、 クローゼットを開けたら黄色いエプロンなんかが入っていた時は 思わず目の前がまっしろになった。 9話 もうひとりの自分が背後からひたひたと忍び寄ってくるような、嫌な気分。 「…はぁ」 フラッタ―号の甲板の上に座りこんで、僕はがっくりうなだれながら溜め息をついた。 カオカオと鳴きかわしながら、見上げた空をカモメが横切ってゆく。 …フラッタ―号の中には入りたくなかった。また知りたくも無い事実が出てきたら …と思うと、どうしても中に入る気になれない。 ロールちゃんやバレルさんにも…実を言えば顔をあわせたくない。 彼女達の存在は、今の僕『トリッガー』を芯から消し去ってしまう…そんな気がして。 (『ロック』はあの人達といて、しあわせなのかな?) ふと考えてしまう。 データの話ではディグアウターとして『ロック』は一番危険に身をさらしているらしい。 …まだ『トリッガー』としてのメモリーはデータの中だけにあって、 一等粛清官の時に身に付けた高い戦闘スキルを、『ロック』は使えない。 遺跡の中には、決してデコイの身では生きて帰れないほど強力な リーバードが配置されている所もあったはずだ。 僕はあごに手をやり、難しい顔で空をにらんだ。 あのデコイたちに、いいように使われてる…ってことはないよなあ。 「ロック、どうしたの?こんな所にいたら、また落ちて頭打つかもしれないよ?」 「うわわわわっ?!」 誰もいないと思っていたのに、甲板の外側のふちからロールちゃんがひょっこり顔を出して、 僕は驚いたひょうしに手に持っていた工具をバラバラ床に落としてしまった。 「…何してたの?」 上に登って来ながら、彼女は不思議そうにこちらの手元を覗き込んだ。 どうやらフラッタ―号の外壁で何か作業をしていたらしく、手袋がオイルで汚れていた。 …よく見れば、腰に命綱を結んでいる。 「いや、その…ちょっと武器を手直ししようと思って」 言いながら、言い訳をするように僕はがちゃがちゃと工具を拾いなおした。 …だって、いくらなんでも言えないじゃないか? 「君たちに会いたくないから」なんて。 (武器を直していたのは本当だし) 10話 「手直しって…ロック、機械苦手だったよね?」 たちまち警戒した目でロールちゃんが僕を見た。 深い疑いが、ありありとその顔に表れていた。 …僕はなにか、変なことを言っただろうか? 「苦手?…変だな、どっちかっていうと得意なんだけど…」 データを作ったのは僕なんだから、機械が苦手なわけは無い。 それに、自分で自分の面倒を見られなければヘブンでは代わってくれる人なんていないし、 必然的に機械には強くなる。 「自分の武器の面倒くらい、自分で見ないとね」 笑ってみせたが、予想に反してロールちゃんはこわばった顔のまま、びくっと身を引いた。 「ロック…あの、…ううん、やっぱりなんでもない」 一瞬、ロールちゃんは何かを言おうとしてやめてしまった。 その顔がどこかさみしそうで、悔しそうに見えたのは気のせいだったのだろうか。 「どんなの作ってるの?見せて」 「うん、いいよ。もうできあがるから…はい」 最後のネジを締めてから、ロールちゃんに手渡す。 それは腕にはめて使うバスター系の武器だった。 彼女はそれを受け取り、意外と真剣にひっくり返したり覗き込んだりし始め、 その表情はそれにつれてどんどん険しくなっていった。 「ロック…これは?」 押し殺したその声はかすれていて、なぜか悲鳴にも聞こえた。 深いエメラルド色の瞳が、内でせめぎ合う感情のあまりの強さに、わずか震えている。 「え?」 予想もしなかった反応だった。 僕はただ、『特殊武器』とかかれた棚においてあったもののうちから 最も威力が高そうなのを選び、船内にあったガラクタで改良しただけだ。 威力、射程距離ともに元の三十倍程度にあがったが、材料がしょせんガラクタでしかない。 そのせいで一、二発の発射にしか素材が耐えられそうも無かった。 …つまり、早い話「失敗」。 きっとこの失敗がばれたんだ。それで、この少女は怒っている。 「え~と…すいません。ちょっと失敗しちゃって、発射の反動に素材があまり耐えられない…」 「ちがう!そんなんじゃないの!」 首を横に振って、ロールちゃんは突き飛ばす勢いで武器を僕につき返した。 11話 「うわったった…!」 取り落としそうになって、僕はやっとのことで床すれすれで受け止めた。 僕の安堵の溜め息と重なるように、静かなロールちゃんの声が頭上に降ってきた。 「…なんで?どうなってるの?!…わかんないよ …今のロック、ロックじゃない気がする。記憶喪失とかじゃなくて、 もっと別の…わたしの知らない他の…誰かみたい」 「…え」 (気付いた?) 僕が身を起こすと、ロールちゃんはハッチに向かって後ずさっていた。 その顔は、不信と恐怖に曇っていて、僕はその瞬間、信じられないほど胸が痛んだ。 …どうして? 「ごめんねロック、わたしだってロックを信じたいけど…どうしても、だめ」 「そう…なんだ。でも、なぜ」 「…その武器。わたしには理解できない。 …まるで、人が作ったものじゃないみたいで、すごく複雑で高度なんだもの。 …ロックを信じられない、こんな自分なんて大嫌い!だけど、でも…。 ムジュンしてるよね、わかってる。わかってるけど!…ごめん、ロック」 …パタン 無機質な音を立てて、全てを拒絶するように金属のハッチが彼女を飲み込んで閉じた。 僕は、再び原因不明の痛みにうずく胸を押さえてふらりと立ち上がった。 フラッタ―号の甲板の上は飛行船発着場の中でもぬきんでて高く、 周囲を囲む町並みが一望できる。 マンボウの形をしたフラッター号のシッポのむこうには、 夕日を映して金色に輝く海原がどこまでも穏やかにうねり広がっていた。 「ロールちゃん…」 吸い込んだ風は潮の香りがして、心の中をなにか熱いものでいっぱいにしていった。 どうしようもなくさみしくて、いらだたしくて、叫びたいほどもどかしい。 …なにより、今までに感じたことが無いほど悲しくて。 いつの間にか両手を握りこぶしにして、 力をこめていたのに気付いて、僕は右手を開き目の前にかかげた。 …こんな時でさえ、頑強なアーマーが体を覆っている。 「データ、僕が『ロック』になっちゃうのはあさってだったね?」 「ウキッ?!」 (え゛っ?…いるの気付いてた?!) きまり悪そうにデータがハッチから顔を出した。 「あたり前だよ。…気配でね」 12話 手を下ろせば、もう夕暮れから夜空へと変化したあいいろの空にぴかりと一番星が見える。 「ウキキャ~」 (うん、多少の誤差はあると思うけどあさっての昼…それくらいだよ~) 弾むようにこちらに近寄ってきたデータは、 僕の顔を見上げて心配そうにしっぽを丸めた。 「ウキャ…?」 (もしかしてトリッガー、このままフラッター号を降りようって、思ってる?) 「うん。今はあの子と同じ場所にいたくないんだ」 データは何も言わなかった。つくりものの瞳は、 いつもは言葉以上に雄弁なのに、今は何も語りかけてこない。 「僕が『ロック』に戻るまで、ここには帰らない」 僕はデータに背を向けて、フラッタ―号の手すりの上に立った。 幅は5cmも無い。ロールちゃんが命綱をつけて作業していただけあって、 高さも三階建てのビルくらいは軽くある。 吹き上げた風が前髪を全部逆立てて通り過ぎた。 …だけど、僕もだてに戦闘をくぐりぬけて来たわけじゃない。 不安定な足場も高さも風も、僕の姿勢を揺るがすにはまるで足りなかった。 「……ウキィ」 (ロールちゃんは、哀しむよ)僕は振り返らなかった。 ロールちゃんの悲しげな顔を思うと、ぎゅっと胸が痛くなる。 …だけど。 「データ、僕は…何といわれても、今の自分を『ロック』とは思えない。 僕は『トリッガー』…そうとしか」 うつむいて、金属のアーマーに包まれた自分の体を見下ろす。 それは、青い色をしていた。 僕の好きな青い、空の…地球の色。 「あの子は『トリッガー』である僕を知らない。おまけにその僕はあとたった三日で消える。 …だったら、あとに障害を残さないためにも、『トリッガー』はいない方がいい。いない事にする」 「ウキキッ」 (わかったよ、ロールちゃんとバレルさんはボクがみてる) 振り返ると、データは丸い手をくるりと回してうなずいた。 13話 「うん、頼む」 僕は振り向かずにうなずいた。 そしてそのままデータと、フラッター号と、海に背を向け、ジャンプする。 ・・・タンッ 踏み切り音を耳に残して、フットパーツに強化されたジャンプ力で軽々と体が上昇してゆく。 さあっと町並みが下へ流れ、肺に心地よい涼しさの大気を吸い込んで、僕は空を見上げた。 いつの間にか、そこは降るような星空。このまま飛んで行けそうな気がする。 宇宙へ…そして、ヘブンにさえも。包み込む浮遊感の中で、懐かしい言葉がポンと跳ねた。 (…故郷〈ヘブン〉) 思い出せそうで、思い出せない。手を伸ばしても、もう…自ら捨てた天国には届かない。 跳躍は飛翔にはならなかった。重力の触手が再び、僕にからみつく。 消えてゆく浮遊感。 ―――スタッ。 飛空船発着場の建物の影に着地した、ちょうどその時、 フラッター号の上でハッチが開く音がした。 「あの、さっきはちょっと言い過ぎちゃった」 …ロールちゃんだ。僕は目立たないよう、その場にしゃがんだ。 不用意に隠れようと動けば金属製のアーマーが騒音を立ててしまうので、そのまま息を潜める。 少し間があってから、ロールちゃんの不安そうな声が響いた。 「…ロック?さっきまでここにいたのに」 パタパタと軽い足音がして、彼女のシルエットがしばし甲板を動き回った。 …僕を捜して周囲を見回す頭の動きに合わせ、金の髪が月光にきらめいた。 「ねえ、データはロックの行き先知ってる…よね」 「ウキィ…」 (教えられないよ、…ロールちゃんのためだもん) ロールちゃんには、データの言葉はわからない。だが、雰囲気で悟ったのだろう。 「…やっぱりわたしにはデータの言葉、わかんないか。 …その顔は知ってるけど教えないって感じだけど、…そう?」 「・・・・・・・」 「もしかしてロック、二度と帰らないってことは無いでしょ?」 「・・・・・・・」 「そうだったら、どうしよう。…ロック…」 ロールちゃんはその後、だいぶ長く外を眺めていたみたいだった 14話 「じゃあ…戻ろっか」 「ウキ」 ロールちゃんとデータはフラッター号に入っていった。 それを見届けてから立ち上がった僕も、なぜかしばらくフラッター号を見つめてしまった。 最後の言葉が少し湿っているように聞こえたのは、気のせいだったのだろうか。 その夜はフラッター号から持ち出した灰色のマントを着て、 僕はそれにくるまってどこかの建物の屋上で眠った。 後から思えば、眠りに落ちるのは驚くほど早かったと思う。 目を閉じるのとほとんど同時に、睡魔が意識を闇へ引きずり込んでいった。 ―――ドクン。 …え?これは、何だ? ―――ドクン。 漆黒。鋭く。強大な。遥かなる天上に。眠って。…ああ違う、待ってるんだ。 ―――ドクン。 時を。…そして今。 (目覚めた?) ―――ドクン。―――! 「うわあっ?!」 僕は飛び起きた。全身がガタガタ震えて、寒気を覚えるほど汗をかいている。 震えの止まらない身体を自分の腕で抱きしめた。…怖い。怖い! 何がどう怖いのかもわからず、ただもう意味も無く心がおびえている。 「何で…こんな夢を」 苦く心の中で続ける。悪夢におびえるなんて…なさけない。小さい子供じゃないのに。 少し落ち着いて周りを見れば、いつのまにか街は朝焼けのオレンジ色に染まり、 そこここで早起きのスズメがにぎやかにさえずっていた。 ほんの短い間しか寝ていないと思ったのに、どうやらしっかり一晩たっていたらしい。 僕は跳ね起きたひょうしに落ちてしまっていた灰色のマントを、なんとなくたぐりよせた。 …あれは何だったんだろう。 ただの夢と言いきってしまうには難しいほど、嫌なリアリティがあった。 「冗談じゃない」 僕は立ち上がった。―――本物なんかであるものか。あんな…不吉な夢なんて 15話 (―――本物なんかであるものか―――) その思いをあざわらうように、それは目覚めた。 そこははるかなる天空。 かつて、ヘブンと呼んだ者がいた。今もそう呼んでいる者も、いるだろう。 それは、鋭い両眼を開き、うっすらと亀裂のような微笑を浮かべた。 それにはわかっていた。いまこそ、与えられた命令を果たす時なのだと。 行くべき場所も、やるべき事も、記憶の中であきれるほど鮮やかだった。 『ロックマン・トリッガーの破壊』 もう一度心の中で確認して、 立ち上がる。 命令の遂行に、かけらほどの迷いも彼は抱かない。 <第一章、完>