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No 参加武将 発生条件 効果 備考 1 織田信長、[織田017]SR柴田勝家 開幕 - - 2 [織田030]UC伴長信、織田信長 開幕 - - 3 織田信長 戦闘開始 味方士気UP、敵武力UP 士気+6、敵全武将の武力+2 4 [織田017]SR柴田勝家 接触 味方武力UP、敵武力UP 勝家の武力12、信勝の武力10信勝と接触 5 [織田017]SR柴田勝家、[織田033]SR前田利家 撃破 味方武力UP 勝家の武力14 利家の武力14勝家で3体撃破 6 [織田010]C河尻秀隆 特定敵撃破 味方武力UP 移動速度UP 秀隆の武力15 速度UP信勝を撃破 7 [織田014]R佐久間信盛、[織田028]UC林秀貞 攻城 味方士気UP 士気+6秀貞で攻城 8 [織田038]R毛利新助、[織田039]R森可成 一定時間 味方武力UP 新助の武力987c頃 9 織田信長 落城勝利 - - 10 [織田039]R森可成、織田信長 終幕 - - 11 織田信長、[織田012]R吉乃 終幕 - - イベントコンプ必要武将 織田信長、[織田010]C河尻秀隆、[織田012]R吉乃、[織田014]R佐久間信盛、[織田017]SR柴田勝家、[織田028]UC林秀貞、[織田030]UC伴長信、[織田033]SR前田利家、[織田038]R毛利新助、[織田039]R森可成
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26話:相克~淫豹淫魔~ 「ねえ、お兄さん」 「ん……」 豹の青年、古澤由樹は街を歩いている時に声を掛けられる。 見れば翼の生えた露出の高い格好の少女が、妖しい笑みを浮かべ自分の事を見ていた。 少女は大きく股を開き、その部分を強調する。 「一発しない……?」 「ほう……」 由樹は興味深そうに少女の方を見る。 「でも君と一発したら、俺天国までイっちゃうんじゃないの?」 「天国までイきそうなくらい気持ち良くしてあげるよ?」 「そう意味じゃなくて」 「……あらぁ、エロそうな感じがしたから誘えばすぐ乗っかってくると思ったんだけど」 少女は残念そうに開いていた股を閉じる。 そして腰の辺りから拳銃を取り出し由樹に向ける。 だが、由樹もまた、少女に拳銃を向ける。 互いに銃を突き付け合う「メキシカンスタンドオフ」の状況が完成した。 「俺は古澤由樹」 「私はクローイ」 「俺は一人殺している」 「私も一人殺してる」 「……」 「……」 「この状況、どう転んでもお互い良い事にはならないな」 「そうだね」 互いに銃を下ろす。 「こんな状況でなければ君と一発楽しみたいんだけど」 「私もね」 そして、二人は別々の方向へと歩いて行く。 「ああ、一応言っておくけど」 「私も、一つ言いたい事があった」 最後に、二人は再び顔を合わせ、冷めた声で言った。 「「次会ったら殺す」」 そして、二人は今度こそ別々の方向へ歩いて行った。 【朝/D-5市街地】 【古澤由樹】 [状態]健康 [装備]S WM945(5/8)、ア*ルパール [持物]基本支給品一式、S WM945の弾倉(2)、催涙スプレー、カッターナイフ [思考・行動] 0:気持ち良い事をしつつ、他参加者を殺していき優勝を目指す。 1:クローイを警戒。 [備考] ※クローイとは別方向に向かっています。 【クローイ】 [状態]健康 [装備]スタームルガーMk.I(7/10) [持物]基本支給品一式、スタームルガーMk.Iの弾倉(2) [思考・行動] 0:面白そうなので殺し合いに乗る。 1:バイロンさん、コーディ君、アドレイドちゃんはどこにいるんだろう? 2:古澤由樹を警戒。 [備考] ※小崎史哉を殺害したと思っています。 ※古澤由樹とは別方向に向かっています。 前:全ては君を”救う”ために 次:治療or執行 前:獣慾 古澤由樹 次:背後注意 前:「運も実力の内」とは誰が言い出したんだろう クローイ 次:何にも無いって事、それは何でも有りって事
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名前:ばーにぃー(相克バージョン) 性別:女 見た目:炎で出来たコンサート衣装を纏った17歳前後の少女 所属:イゼット学会・エリート 階級:魔神(★) 戦闘:6 運動:6 情報:6 調教:6 奉仕:5 誘惑:8+2 体力:5 魔力:7 自尊:6 HP:25 MP:35 PP:30 ソウル:18 DP:0 武器:マイクスタンド型万能魔具 ダメージ+12(炎) 衣装:燃えている衣装 装甲+3誘惑+2 装飾:サモン・親衛隊 奴隷化したのを呼び出す 配下:裏方さん達 魔奴隷相当 :桜してくれる人達 魔界メイド相当 設定:現在絶賛売り出し中のアイドル!みんなをめろめろにしに来たよ! 一人称:おねーさん 二人称:キミ グラマラスと言うよりはスレンダー、でも服はエロイ。というか服なのか? 口癖:何かと付けて燃えていく 好きなの:燃えるの・熱いの・歌うの 嫌いなの:冷めてるの・ノリが悪いの オフの日は燃えてなくてコタツに入ってヌクヌクしてたり と、言う『設定』の元各地で歌って実験して居る なお、バニー(つまりうさぎ)扱いは怒る 魔奴隷/6ソウル 配下 少女や少年の姿をした下級魔族の奴隷。1セッションに1度だけHP・MP・PPのいずれかを10点だけ回復する。 闇の牢獄/6ソウル 装飾 亜空間結界の宝珠がついた指輪。奴隷化した存在を閉じ込めておき、任意に呼び出せる。 赤31:炎雷の衣(情報+1/奉仕-1) 火・氷・雷のいずれかの精霊を身にまとっており、彼らによって常に情報を得ることができる。 青43:魅惑の声(誘惑+1/体力-1) 聞く者の心を惑わせ酔わせる美しい声を持っている。日常の会話自体に込められた魅了の力は強力な誘惑となる。 青45:傾国の美(誘惑+1/情報-1) 魔族の中にあってなお美しく輝かんばかりの容姿を持つ。ましてや人間の目には危うすぎるほどの美だ。 12 属性両手武器 両手 ダメージ+12の武器。火・氷・雷のいずれかの属性を持つ。 形状についてはPLの自由。 24 魔娼着 衣装 魔界の娼婦が着る禍々しく扇情的な衣装。装甲+3、誘惑+2。 46 魔界メイド 配下 下級魔族のメイド。1セッションに1度、HP・MP・PPのいずれかを20点回復してくれる。 11 ヘルファイア 20 地獄の炎を巻き起こす。視界内の敵全てに12+魔力ダメージ(火)。 55 フェロモン 20 情欲をかきたてる淫らな気配を放ち、視界内の望む対象全てを『魅了1』にする。 UC ボトムエラー 12 便意2にする キャラバンの日記 爬虫類な人と共にスライムなのやうんこ茸とか倒してオヒネリ確保した、で、スライムライダーな人の所で休憩してる
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今日 - 合計 - Get Ride! アムドライバー ~相克の真実~の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月12日 (金) 13時12分42秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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銀の邂逅 月の相克(中編) ◆KKid85tGwY 二度目の放送を終えてからのシャドームーンが取った進路は、大よそ次のような物だった。 当初は地図上の西端に居たシャドームーンは東の市街地へ向けて進路を取る。 その際、道路を使わずに森を進んでいったのだ。 別段、深い考えがあった訳ではない。 シャドームーンの能力ならば、道路を行こうが森を行こうが労力は変わらない。 ならば元より急ぐ必要も無かったシャドームーンは、 森の中に有る廃洋館等に寄り道をしながら市街地へ向かうことにした。 そして廃洋館の次に寄ろうとした展望台へ向かう途中に参加者が居たことは、 多少の退屈をしていたシャドームーンにとって幸運と言えた。 森の中に潜んでいたのは二人。一人は人間ではない。 全く得体の知れない二人だが、シャドームーンにとってはどうでもいいこと。 出会う全てが殺す対象なのだから。 そしてそれは殺し合いに乗っているからでは無い。 シャドームーンはゴルゴムの世紀王であり、 ゴルゴムは敵対する如何なる存在も絶対に許さない。 それは、只隠れて様子を伺う程度の反意でも例外ではない。 何故ならゴルゴムは、世界の全てを支配し蹂躙する存在。 人類がその歴史を紡ぎ出すより遥かに太古から存在し、世界を裏より支配した暗黒結社ゴルゴム。 シャドームーンが世紀王に即位した現在、遂に歴史の表舞台に姿を現し、 圧倒的な戦力で日本と言う国家その物の征服を果たした。 そしてゴルゴムの最終的な目的は世界の全てを支配すること。 その世界にはゴルゴムに抗う者はおろか、屈服し従わぬ者の存在すら絶対に許さない。 一辺の例外も無く、世界の全てがゴルゴムに膝まずく。それがゴルゴムの野望。 その頭脳までがゴルゴムに改造され、自我を完全に世紀王の物に塗り変えられたシャドームーンは、 最早ゴルゴムその物とさえ言える存在となっていた。 当然、シャドームーンもまた自らに僅かでも反抗する可能性を持つ者を絶対に許さない。 それが只の高校生であろうと、生命を宿した人形であろうと関係無い。 自らに屈服せぬ者は全てを打ち倒す。 彼がゴルゴムの世紀王であるが故に。 カシャ カシャ カシャ カシャ 月と水銀燈に確実な止めを刺すべくシャドームーンは歩を進める。 月も水銀燈もシャドームーンの相手では無い。 当然だとシャドームーンは考える。 自分は世紀王。世界の全てを支配する者。 同じく世紀王か創世王で無い限り、シャドームーンに敵う者など存在しないのだ。 不意に水銀燈から光が放たれる。 そして水銀燈は再び黒龍を伸ばした。 しかし黒龍はシャドームーンへ攻撃せず、森の中を縦横無尽に飛び回っている。 目暗ましのつもりかとマイティアイで透視してみるが、月と水銀燈はその場から動いている様子は無い。 二人は何かを話しているようだが、龍が森の中を暴れ回っているせいで、 シャドームーンの聴力でも内容は聞き取れない。 突如、黒龍が大顎を開けてシャドームーンに襲い掛かる。 無論、その程度で不意を衝かれるシャドームーンではない。 シャドームーンの腕力なら軽々と振り払える。 筈が、予想以上の衝撃を受け止めてシャドームーンの足が止まった。 更にもう一頭の黒龍がシャドームーンを掬い上げるように襲い掛かる。 改造はされていても人間と大きく体重が変わらないシャドームーンは高々と宙を舞った。 シャドームーンにダメージは無く軽々と足から着地できたが、意表を衝かれたと言う思いを拭えない。 黒龍は明らかに威力を上げていた。 「うふふ、簡単に吹っ飛んじゃった」 シャドームーンの眼前に、水銀燈が悠々と降りて来る。 只単に態度が違うと言うだけではない。 水銀燈の気配その物が先ほどまでと違っていた。 原理は判らないが、おそらく水銀燈自身が力を増している。 水銀燈が背後へ飛び退きながら、黒羽の弾丸を飛ばす。 やはり黒羽はシルバーガードを傷つけることは叶わない。 しかし、水銀燈は黒羽を発射しながらシャドームーンの背後から黒龍を仕掛けた。 「図に乗るな」 広視界と透視を兼ね備えたマイティアイを有するシャドームーンに死角は無い。 黒龍へ光線状のシャドービームを放つ。 シャドービームとその余波は一撃で黒龍を霧散させた。 その一撃でシャドームーンは確信する。 水銀燈がどれほど力を得ても、キングストーンを持つ自分の方が出力は上であると。 シャドームーンは更に水銀燈へ向けてシャドービームを放つ。 水銀燈は高速飛行でビームを回避する。 高速飛行のまま森の草木の間を潜り抜けて行く。あれではシャドービームで狙うのは難しい。 マイティアイによる解析より速度が上がっている。 体重は同じまま出力が上昇したために、加速度も上昇したのだろう。 それでもシャドームーンの五感と身体能力を超える物ではない。 マイティアイは瞬時に水銀燈を捕捉。 森の草木を苦もせずに、水銀燈との距離を詰めるシャドームーン。 次の瞬間、黒羽の弾幕がシャドームーンを覆った。 それでもやはり弾幕は、シャドームーンに傷一つ付けられず足止めにもならない。 その足が不可視の壁に当たって止まる。 水銀燈の発した防御壁がシャドームーンの足先で波紋を作っていた。 シャドームーンは眼前の防御壁に対してサタンサーベルを振るう。 その一閃は空中の波紋を真っ二つに切り裂き、防御壁を消滅させた。 しかしその時には水銀燈は距離を離していた。 戦闘能力の高さを活かして追うシャドームーンと、小柄な体格と森と言う地形を利して逃げる水銀燈の構図が続く。 水銀燈は明らかにヒットアンドアウェイの戦術を取っていた。 影の名を冠する白銀の魔王が、猛打攻勢に出るのを、 銀の名を冠する漆黒の人形が、刹那の間合いで避け続ける。 しかしその追跡劇も、徐々にシャドームーンの側に天秤が傾き始めていた。 「フッ。何のつもりで時間を稼いでいるかは知らんが、それももう終わりだな」 「……自然は大切になさい。お馬鹿さん」 呆れた様子の水銀燈の周囲では、森を構成していた木々が横倒しに転がっている。 あるいはサタンサーベルで切り落とされ、あるいは根こそぎに殴り倒され、 シャドームーンの手によって、全て倒されていた。 身を隠す森が無くなれば、水銀燈とてシャドームーンを相手にヒットアンドアウェイを続けることができない。 邪魔となる障害が無くなり、シャドームーンは悠々と水銀燈へと歩を進める。 その視界を黒龍が埋め尽くした。 シャドーチャージャーからチャージしたエネルギーを拳に込めて撃ち出す。 キングストーンのエネルギーとエルボートリガーより発生する超振動のエネルギーを併せて放つ拳、シャドーパンチ。 シャドーパンチの威力は、一撃で黒龍の巨大な頭を爆散。 爆散した黒龍は無数の黒羽と化す。 そしてシャドームーンの周囲を舞い散る黒羽は、蒼い炎を発した。 シャドームーンは大儀そうにサタンサーベルを横薙ぎに振るう。 一閃で炎は払い飛ばされた。 今の隙に姿を消した水銀燈をマイティアイで探るシャドームーン。 高速飛行する水銀燈が飛び込んだ先は、巨大な展望台だった。 (あの建物には、人間も逃げ込んでいたな……) シャドームーンは水銀燈と戦いながらもマイティアイの広視界で随時、月の動向も把握している。 月は重そうな身体を引きずるように、展望台に逃げ込んでいた。 マイティアイで展望台の内部を透視する。 やはり水銀燈と月が居て、何かを話している。 恐らく先ほどから、何か作戦があっての行動だろう。 だが展望台の中なら水銀燈の動きも制限される。展望台の外からの攻撃で倒すことも可能だ。 しかしそれなら中に入って倒した方が早く確実である。 ゴルゴムの王は世界を制する者。 中で如何なる策が張り巡らされていても、阻む物は全て蹂躙し尽くしてこそ世紀王。 一抹の躊躇も逡巡も無く、シャドームーンは展望台に正面玄関から入っていく。 カシャ カシャ カシャ カシャ 展望台の内部は各階層毎に幾つもの部屋で仕切られていて、更に一階は正面玄関からホールに続いている。 招かれざる客、シャドームーンは堂々と足音を鳴らしながらホールへ進んで行く。 その先には水銀燈が宙に浮いて待ち受けていた。 「どうした? ようやく逃げ隠れをしても時間の無駄だと判ったか?」 「芸の無い挑発ねぇ。もう少し気の利いたことが言えないのかしら」 シャドームーンがサタンサーベルで斬り掛かる。 水銀燈はそれを避ける、と言うより偶々同じタイミングで背後の部屋へと窓から飛び込んだ。 「芸が無いのはどっちだ」 状況から考えて何らかの戦術の変化を予想していたが、水銀燈は相変わらず逃げの手を取る。 どれほど逃げても、シャドームーンの手からは逃れられないことを、まだ判っていないらしい。 マイティアイの透視の前には、部屋を仕切る壁など存在しないも同然。 即座に水銀燈の位置を捉える。 『シャドームーン、僕の名前は夜神月。今戦っている彼女は水銀燈だ』 水銀燈へシャドービームの狙いを付けた瞬間、不意に男の声が“周囲から響いた”。 ブラックサンと同じく聴覚も強化されたシャドームーンは、容易に声の発生源を把握する。 宿泊施設も兼ねているこの展望台には、施設内全体に放送を行うための設備が整っている。 そのために設置された幾つものスピーカーから、シャドームーンへ向けて語り掛けてきたのだ。 シャドームーンは透視で、一階に居る月を見付ける。 太い柱に如何にも身体が重そうに寄り掛かっていた月は、ハンドマイクを手にしていた。 恐らく、それを通して放送を行っているのだろう。 『君がどんな事情で殺し合いに乗っているのかは知らない。だが僕たちは殺し合いの阻止を目的としている』 月が建物内に居ることを確認できたので、シャドームーンはまず水銀燈に狙いを絞ることにした。 水銀燈はその機先を制するように、窓越しに羽を飛ばしてきた。 窓ガラスを割りながら、弾道にも弾速にも全く影響が無いことから見ても、 水銀燈の羽弾の威力の程が伺える。 それでもシャドームーンは小揺るぎもしない。 水銀燈の如何なる攻撃をどれほど積み重ねても、シャドームーンに傷を付けることも叶わないのは明白。 そしてシャドームーンの攻撃は一つでもまともに当たれば、恐らく水銀燈の命は無い。 勝敗は既に決まっている。後は時間の問題なのだ。 『具体的な方法としては参加者で結託し、首輪を解除するなどして殺し合いそのものが維持できない状況にすることを指針としている』 月が放送で世迷言を続けているが、シャドームーンにとっては無意味な話だ。 そう、“不愉快”や“不可解”と言うことではない。シャドームーンにとっては“無意味”な話なのだ。 シャドームーンは月に構わず水銀燈を狙い、シャドービームを撃つ。 しかし眼前に有る壁が炸裂した水銀燈は、寸前で急発進に飛行してシャドービームを避ける。 外れたシャドービームは壁を無きがごとくに貫通していき、展望台の外まで飛び出した。 水銀燈は部屋の密集している建物内を、シャドームーンと一定の距離を保ちながら飛び回る。 どうやら付かず離れずにヒットアンドアウェイの戦術を取り続けるのが水銀燈の作戦のようだ。 幾ら透視ができると言っても、実際に攻撃をする際には障害物の存在を無視することはできない。 水銀燈は自らの小柄と加速能力を駆使して回避に専念。 その上建物の中を高速飛行しているため、様々な雑物も避けながら飛行している。 しかし邪魔となる雑物があるので、慣れた調子で高速飛行をすることができないため、 それがかえってシャドームーンの解析から外れた動きとなっていた。 高速飛行中に肩を強くぶつけて、水銀燈の飛行軌道が揺れる。 再び放たれたシャドービームもこれによって狙いを外れ、展望台の外まで飛び出していく。 こうなればシャドームーンとて水銀燈の動きを捉えることは容易ではない。 やはり時間稼ぎにしかならないが。 幾ら時間稼ぎしても、水銀燈にはシャドームーンに対して有効な攻撃手段は存在しない以上、 いずれ回避は失敗して攻撃を喰らう。そうなれば水銀燈は一撃で終わりだ。 まさか月の説得に応じるとでも思っているのだろうか。 『勿論、主催者側もそれなりの対応をしてくるだろう』 何度目かのシャドービームを回避した後、不安定な高速飛行を維持しながら水銀燈が反撃に出る。 背中から黒龍。 それも大きさこそ先刻より小さいが、頭が幾つにも枝分かれしている。 数にして十頭を超える顎が側面の窓を破り、天井を削り、床のタイルを削ぎ、シャドームーンを囲むように全周囲から襲い掛かる。 シャドームーンの両手が発光。 無数の雷と化したシャドービームを、自分の全周囲へ無差別に放出。 あまりに急激かつ莫大なエネルギーの放出に、大気が雷鳴のごとき雄叫びを上げる。 そして直後に巻き起こるは、破壊の狂騒。 黒龍を破砕し、空気を切り裂き、天井を砕き、壁を貫き、柱を折る。 シャドービームが巻き起こした破壊の狂乱は、一階だけに留まらず展望台の全体を揺るがした。 『くっ! …………しかし参加者の戦力を結集して主催者自身を逮捕、拘束すれば事態は収拾する』 「……フフフ、人間の戯言もそこまでいけば笑えるな」 月の話が余りに荒唐無稽なため、シャドームーンは思わず笑いを漏らす。 月は判っているのだろうか? 主催者とは一体、誰なのかを。 『可笑しいかい? だが決して不可能な話ではない。そしてそうなれば君が何を望んでいても、殺し合いの続行こそ不可能となる』 「不可能な話だ。貴様らは世紀王である私にも敵わぬ無力な存在。まして、この殺し合いを主催する者を倒すなどな……」 やはり月は知らないようだ。 この殺し合いを真に主催する者。 それは即ちシャドームーンとブラックサンの命運をも握る者。 それほどまでに強大な存在は世界に只一つ。 ゴルゴムを統括する唯一絶対の真の王、創世王のみ。 只の人間が、いや何者であろうと創世王に抗うことは不可能。 キングストーンを持つシャドームーンとブラックサン以外は。 『では証明して見せよう。僕たちが、無力ではないと』 ブツンと言う、月のマイクが切れる音が放送を通じて響く。 様子を見ると既にそこには月の姿が無い。 月が寄り掛かっていた柱には、黒い物体が二つ添えられている。 マイティアイで細部まで観察して見た結果、それは手榴弾であると判断。 更に手榴弾の上からは金属製の椅子が覆い被せるように倒していた。 その手榴弾のピンには細い糸が巻き付けられている。 何かの罠、のつもりだろうか? あんな物がシャドームーンに通用しないこと位は承知している筈だ。 手榴弾から伸びる糸の先を辿って行くと、壁に開いた穴を通って外に出ている。 そして糸の先は、展望台の外に出ていた月が握っていた。 月は体力の消耗で憔悴しきったように地に倒れ付している。 しかしその眼には、未だに折れない意志の光が宿っていた。 ◇ 「――――貴方の言った通り、シャドームーンを展望台まで誘き寄せられそうだけど、これからどうするって言うの?」 「僕には君に隠し持っていた支給品、手榴弾が有る」 「そんな物、あいつに通じる訳無いじゃないお馬鹿さん。……もっとも、あいつには何を持ってきても通用しそうに無いけど…………」 「通用する武器なら有る。この手榴弾じゃないけどね」 「何処にそんな武器が有るって言うの!?」 「“ここ”にだよ。別に隠してる訳じゃないけど、多分シャドームーンもそれには気付かない。気付かれたら、今度こそアウトだけどね――――」 ◇ 突如、水銀燈が身を翻してシャドームーンに背を向けて逃げようとする。 シャドームーンの目論見通りに。 今まで際どい綱渡りとは言え、水銀燈がシャドームーンの攻撃から致命傷を回避できたのは、 攻撃も交えながら、一定の間合いを保ちシャドームーンの攻撃の回避に専念して来たからである。 しかしここまで展望台の損傷が激しくなれば、水銀燈も回避に利用し難くなる。 そうなれば水銀燈は終わりだ。 だから水銀燈は遅かれ早かれここから逃げ出す必要があった。 しかしそのタイミングこそシャドームーンが狙っていた物。 攻撃も出来ない、建物の雑物も利用出来ない、この瞬間なら確実に攻撃を当てられる。 エネルギーをチャージした左手が光る。 その左手に黒羽が“直下”から飛び掛った。 黒羽はシャドームーンの左手を覆うように纏わり付く。 その時になってシャドームーンは初めて気付いた。 自分の周囲一体に、水銀燈の黒羽が散乱して落ちていることを。 そして水銀燈は、遠隔からでも自分の羽を操作できることを。 シャドームーンは左手に溜まったエネルギーで、爆発を起こすようにシャドービームを発射。 纏わり付く黒羽を一瞬で焼却する。 ――――更にシャドームーンに拠るものではない爆発音が響いた。 音の発生源は、先刻確認した手榴弾だとすぐに判った。 しかし疑問が残る。 おそらく爆発は月が起こした物。 何故、自身と全く関係のない所で爆発起こすのか? ――――爆発音に続いて、硬く重量のある物体が軋む音が聞こえて来る。 そしてシャドームーンの戦略眼は、すぐに疑問の答えに辿り着く。 シャドームーンは水銀燈を追うべく歩を進め――られない。 両足首に大量の黒羽が極度に密集して絡みつき、更に両足首を繋げていた。 ――――軋む音が急激に大きくなり、そして広がって行く。 それでもシャドームーンの脚力なら容易に黒羽を引き千切ることが出来た。 しかし足首には黒羽が纏わり付いたまま。そして黒羽は青い炎を発する。 炎ではシャドームーンを焼くことは出来ない。 それでも歩を進めようとする足首の関節で突如炎が上がり、シャドームーンはバランスを崩しそうになる。 ――――軋む音は展望台全体に広がり、そして建物自体が揺れ出した。 シャドービームを自分の足首へ放つ。 黒羽は全て燃え尽きる。 しかし、それも遅かった―――― ――――展望台全体が内側へ崩れ出した。 宿泊施設も兼ねた四階建ての展望台。 巨大な建築物であるその展望台を構成する、コンクリートや鉄筋などの雑物の総体は膨大な質量になる。 その膨大な質量それ自体が柱や壁となって、建物を構成して自重を支えることによって、 展望台は成立していたのだ。 しかし展望台は内部からの度重なる破壊のため、自重を支え切れなくなり、 巨大な建築物全体が一挙に崩壊したのだ。 そして破壊した膨大な質量は重力に導かれて、内側へ崩れる要領で落下していく。 それは建物のちょうど中央付近に居たシャドームーンへ、強大な武器と化して襲い掛かった。 ◇ 轟音が鳴り響き、粉塵が舞う。 目前で展望台が崩落するのを、地面に座り込んだ水銀燈は憔悴した様子で眺めていた。 あまりにも呆気無く展望台が崩れ落ち、 それ以上にあまりにも的確に月の作戦通り、事が運んだのに対して 水銀燈は未だにどこか現実感の無い状態だった。 「…………ありがとう水銀燈、助かったよ……」 水銀燈が伸ばしていた羽を戻すと、そこに姿を隠していた月が表れて礼を言う。 展望台崩壊により飛散する残骸から守ってやったのは、今や月が水銀燈と契約したミーディアムとなったため、 これからも利用価値が有る糧だと判断したからだが、 シャドームーンとの戦いで消耗し切った水銀燈には、最早気の利いた返事を返す余裕も残っていない。 シャドームーンを展望台まで誘き寄せて、展望台を崩落させてそれで倒す。 よくこんな無謀な計画を思い付いて、成功した物だ。 「…………まさか本当にこんな作戦が成功するなんて……つくづく貴方には呆れたわ」 「……………………多分、僕の方が驚いてるよ。この作戦の成功にね…………」 月自身、何らかの勝算があってこの作戦を立てた訳ではない。 ただ単純にシャドームーンを倒す方法は、それしか思い付かなかっただけだ。 水銀燈がシャドームーンに追い詰められて、否応なくミーディアムの契約を月に迫った時、 月もまたシャドームーンを倒すための作戦を立てていた。 そして水銀燈に、まずシャドームーンに作戦の内容を聞こえないように龍を出させてから、 展望台まで誘き出す手段を指示した。 水銀燈が素直に指示に従ったのは、彼女にも月の策に乗る以外にシャドームーンを倒す方法が無かったからだろう。 そして展望台で、シャドームーンを足止めする方法を指示。 月の正直な感想としては既にこの段階までで、不可能に近い公算だった。 シャドームーンの猛攻を掻い潜るだけでも困難を極めるのに、更に誘導まで行うのである。 幸運が幾つも重なった、針の穴を潜るような奇跡的な成果だった。 そして更にシャドームーンに通用する唯一最大の武器、展望台の破壊。 月に建造物を想定通りに倒壊させるような、建築学の知識は無いが、 “日本一優秀な”高校生である月は、建築学の基礎となる数学、物理学、力学、化学などの知識を有している。 そして雑学としてではあるが、ビルの解体などの要領の知識もあった。 故に月の頭脳を持ってすれば、展望台を内部へ倒壊させるための計算も可能。 それでもシャドームーンに展望台を狙い通りに破壊させるよう、水銀燈に誘導させ、 更に展望台内の放送施設を使って、シャドームーンに呼び掛ける振りをして水銀燈にタイミングを指示して建物から脱出させて、 手榴弾で柱を破壊して建物ごと内側に倒壊させてシャドームーンを倒すと言うのは、 やはり無謀極まりない作戦ではあった。 何よりミーディアムである月は、それらの作業を水銀燈にエネルギーを供給しながら行ったのだ。 只の人間であることを思慮に入れれば、月の体力と精神力は瞠目に値すると言えよう。 しかしその無謀は成功した。そしてその効果は絶大だ。 シャドームーンの装甲がどれだけ強固であろうと、金属である以上耐久力には限度がある。 そしてシャドームーンが生物であれロボットのような存在であれ、あれだけの出力と運動能力を兼ね備えた存在だ。 それ相応の出力機関や駆動機関が内蔵されている筈だ。 必然、装甲の厚さにも限界が出来る。 展望台の倒壊に巻き込まれて無事で済む筈が無いのだ。 ここからの問題は作戦結果の確認だ。 シャドームーンの生死は確認する必要がある。 死んでいる場合は問題ない。 生きている場合は―――― 「「!?」」 月と水銀燈の表情に一瞬で緊張が戻る。 不意に瓦礫の崩れる音がしたからだ。 そして展望台のあった場所は瓦礫が山のように積もっているため、月の居る位置からは視認出来ないが、 音のした位置は、大よそシャドームーンの居た地点。 水銀燈が空中に飛び上がり音のした方向を見る。 その険しい視線からすぐに察知することが出来た。 シャドームーンが生存していることを。 時系列順で読む Back 銀の邂逅 月の相克(前編) Next 銀の邂逅 月の相克(後編) 投下順で読む Back 銀の邂逅 月の相克(前編) Next 銀の邂逅 月の相克(後編) 144 銀の邂逅 月の相克(前編) 夜神月 144 銀の邂逅 月の相克(後編) 水銀燈 シャドームーン
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攻\守 普 火 水 电 草 冰 格 毒 地 飞 超 虫 岩 鬼 龙 恶 钢 普 △ ╳ △ 火 △ △ ● ● ● △ △ ● 水 ● △ △ ● ● △ 电 ● △ △ ╳ ● △ 草 △ ● △ △ ● △ △ ● △ △ 冰 △ △ ● △ ● ● ● △ 格 ● ● △ △ △ △ ● ╳ ● ● 毒 ● △ △ △ △ ╳ 地 ● ● △ ● ╳ △ ● ● 飞 △ ● ● ● △ △ 超 ● ● △ ╳ △ 虫 △ ● △ △ △ ● △ ● △ 岩 ● ● △ △ ● ● △ 鬼 ╳ ● ● △ △ 龙 ● △ 恶 △ ● ● △ △ 钢 △ △ △ ● ● △ 无标注=正常伤害 ●=2倍克制 △=1/2倍抵抗 ╳=无效
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白 青 黒 赤 緑 多色 アーティファクト 土地 番外カード 白 眩い希望/Blazing Hope 浄化の光/Cleansing Ray 神聖なる評決/Divine Verdict 永暁の勇者/Everdawn Champion 歓喜する空渡り/Exultant Skymarcher 飢えた聖騎士/Famished Paladin 帝国のケラトプス/Imperial Ceratops 軍団の征服者/Legion Conquistador 光明の縛め/Luminous Bonds 壮麗なヘリオプテルス/Majestic Heliopterus 薄暮の殉教者/Martyr of Dusk 制覇の時/Moment of Triumph 贖罪の聖騎士/Paladin of Atonement 猛竜の相棒/Raptor Companion 鮮血の賛美者/Sanguine Glorifier 空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant 強者鏖殺/Slaughter the Strong 短角獣の歩哨/Snubhorn Sentry スフィンクスの命令/Sphinx s Decree 太陽の歩哨/Sun Sentinel 太陽冠のプテロドン/Sun-Crested Pterodon 神殿アルティサウルス/Temple Altisaur 罠顎の暴君/Trapjaw Tyrant 原初の夜明け、ゼタルパ/Zetalpa, Primal Dawn 青 提督の命令/Admiral s Order 狡猾な巾着切り/Crafty Cutpurse 巧射艦隊の帆綱引き/Deadeye Rig-Hauler 想起横溢/Flood of Recollection 詐取/Hornswoggle 帆凧の海賊/Kitesail Corsair 霧まといの川守り/Mist-Cloaked Herald 否認/Negate 風への放流/Release to the Wind 川の急航者/River Darter 川識の占い師/Riverwise Augur 財力ある船乗り/Sailor of Means 船慣れ/Sea Legs 海底の神託者/Seafloor Oracle 黄金都市の秘密/Secrets of the Golden City 銀エラの達人/Silvergill Adept セイレーンの略奪者/Siren Reaver 捕らえ難い悪漢/Slippery Scoundrel 急流の魂/Soul of the Rapids 誓いの守護者/Sworn Guardian 黒 鮮血流/Arterial Flow 運河のオオトカゲ/Canal Monitor 薄暮の勇者/Champion of Dusk 闇の尋問/Dark Inquiry 恐竜ハンター/Dinosaur Hunter 薄暮の軍馬/Dusk Charger 薄暮軍団の盲信者/Dusk Legion Zealot 深海艦隊の移乗要員/Fathom Fleet Boarder 欲深い悪漢/Grasping Scoundrel 陰惨な運命/Gruesome Fate 刺突/Impale 首謀者の収得/Mastermind s Acquisition 渇望の時/Moment of Craving 誓いを立てた吸血鬼/Oathsworn Vampire 無慈悲な略奪者/Pitiless Plunderer 貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra 略奪者の急襲/Reaver Ambush 復活/Recover サディストの空渡り/Sadistic Skymarcher 吸血鬼の亡霊/Vampire Revenant 貪食の吸血鬼/Voracious Vampire 赤 血染めの太陽/Blood Sun 砲撃/Bombard 鉄面提督の報奨/Brass s Bounty 鉄面連合の掠め取り/Brazen Freebooter 海賊の示威/Buccaneer s Bravado 突進するタスコドン/Charging Tuskodon 原初の嵐、エターリ/Etali, Primal Storm 狂信的扇動者/Fanatical Firebrand エリマキ死吐き/Frilled Deathspitter ゴブリンの先駆者/Goblin Trailblazer 反逆/Mutiny 針歯の猛竜/Needletooth Raptor オラーズカの猛竜/Orazca Raptor 海賊の略奪/Pirate s Pillage 無謀な怒り/Reckless Rage 基盤の揺るぎ/Shake the Foundations 粉砕/Shatter 銀まといのフェロキドン/Silverclad Ferocidons 暴走する角冠/Stampeding Horncrest 風雲艦隊の剣客/Storm Fleet Swashbuckler 太陽襟の猛竜/Sun-Collared Raptor 意気がった海賊/Swaggering Corsair 緑 攻撃的衝動/Aggressive Urge カコフォドン/Cacophodon 寵愛される幼生/Cherished Hatchling 巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw 冠羽の群れ使い/Crested Herdcaller 巨大な戦慄大口/Colossal Dreadmaw 深根の精鋭/Deeproot Elite 原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger 金林の追跡者/Giltgrove Stalker 屈強な古参兵/Hardy Veteran 弱者狩り/Hunt the Weak 翡翠をまとう者/Jade Bearer 翡翠細工の職工/Jadecraft Artisan ジャングル生まれの開拓者/Jungleborn Pioneer イクサーリの守り手/Ixalli s Keeper 翡翠の守護者/Jade Guardian ジャングルの探査者/Jungle Delver 暴走の騎士/Knight of the Stampede 帰化/Naturalize オラーズカの襞背/Orazca Frillback 鬱蒼たるアルマサウルス/Overgrown Armasaur 垂直落下/Plummet 万猛竜/Polyraptor 群れの力/Strength of the Pack 俊敏な番人/Swift Warden 打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon 雷群れの渡り/Thunderherd Migration 地表形成師/World Shaper 多色 アゾカンの予見者/Atzocan Seer 凶兆艦隊の首折り/Dire Fleet Neckbreaker 薄暮薔薇、エレンダ/Elenda, the Dusk Rose ハダーナの登臨/Hadana s Climb 永遠への旅/Journey to Eternity + 永遠の洞窟、アザル/Atzal, Cave of Eternity ジャングルの化け蔓/Jungle Creeper 軍団の副官/Legion Lieutenant マーフォークの霧縛り/Merfolk Mistbinder 不敬の行進/Profane Procession + 薄暮薔薇の墓所/Tomb of the Dusk Rose 変幻の襲撃者/Protean Raider 怒り狂うレギサウルス/Raging Regisaur 執拗な猛竜/Relentless Raptor 攻角のケラトプス/Siegehorn Ceratops 風雲艦隊の疾走者/Storm Fleet Sprinter カトラカンの宝物庫/Vault of Catlacan アーティファクト 覚醒した融合体/Awakened Amalgam 太陽の聖域/Sanctum of the Sun 煌めく障壁/Gleaming Barrier 黄金炉の駐屯所/Gold-Forge Garrison 沈黙の墓石/Silent Gravestone 闊歩するものの装具/Strider Harness 旅行者の護符/Traveler s Amulet 土地 進化する未開地/Evolving Wilds 放棄された聖域/Forsaken Sanctuary 穢れた果樹園/Foul Orchard 高地の湖/Highland Lake 採石場/Stone Quarry 森林地の小川/Woodland Stream 番外カード 吸血鬼の勇者/Vampire Champion ヴラスカの征服者/Vraska s Conquistador アングラスの伏兵/Angrath s Ambusher 船方ゴブリン/Swab Goblin 燃え殻の痩せ地/Cinder Barrens
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書籍ライブラリ 経済・自由・平等 公共の福祉とグローバリズムの相克 古典が既に警告していたグローバル経済は必然なのか? 幻想のグローバル資本主義(上) アダム・スミスの誤算 佐伯 啓思 内容(「MARC」データベースより) 自由主義市場経済の父と称されるアダム・スミス。しかし彼は最初に「グローバリズム」について警告した人物でもあった。スミス、ケインズの思想を問い直し、グローバリズムの本質的矛盾と危うさを抉り出す。 2006.9.12 インターナショナルとグローバルの違いは大きい 彼の他の著書の名を見てみると、若干偏向した志向性を持つた人の様であります。然し乍ら、冒頭から、インターナショナル経済がグローバル経済とどう違うかなどと、中々に面白い観点が提供されます。 スミスとケインズの共通点。「国富論」の真の目的 若干の色眼鏡を掛けながら読み進んだのでありますが、この2巻を読む限り、説得力は十分でありました。題名から想像される様に、アダムスミス「国富論」及びケインズ「一般理論」を手掛かりに思考を巡らすのでありますが、彼が主張するのは、アダムスミスは国内経済が富む事を考え、ケインズは完全雇用を目指し、いずれも現在で言ふ処のグローバル資本主義には反対していたという事であり、アダムスミスに於いては其れが「国富論」を書く必要性の重要な部分を担つてゐたと言ふ事であります。 幻想のグローバル資本主義(下) ケインズの予言 佐伯 啓思 内容(「MARC」データベースより) 国家と市場の相克を超え、いかなる「生」と「社会」を築いていくべきか。ケインズの思想を読み直し、グローバリズムへの幻想の超克と、新たな社会秩序の可能性を論考。 古典を謙虚に参照。「新解釈」に非ず。 名著に解釈をつける本は「彼が言ひたかつたのは実は斯々云々であつたのだ」等と、自分の解釈が世紀の大発見で在るかの様に述べがちであります。 この著者はその反対でありまして、正直だなと思えるのは、元著のテクストを参照した後、自分の解釈を述べて「・・・と読みたい。」と締めくくる処であります。亦彼は、アダムスミスなりケインズは、現代に於いて重要性を持つ「グローバリズム」の観点から見た場合には共通点を持っていたと述べているだけであって、恐れ多くも佐伯氏の解釈が彼らの思想の全てでは無いとはつきり自覚してをり、その限定が考察を素直なものにしてゐます。 処方箋の端緒を示す グローバル資本主義を採用しないとすればどうすれば良いのか、またどの様にそれが可能となるのかと云ふ事が最終的に問題なのでありますが、今後の世界への処方箋の端緒も示されております。 アダムスミス、ケインズは一般的にどの様に理解されているのか等、経済学についての最低限の知識、用語、発展経緯は知つて読む方が良く味わえると思いますので、初学の方は下記の「経済学入門」などを読まれてから当たられた方が良かろうと思ひます。 DATA 発行 PHP新書(1999/05) 参考 国富論国の豊かさの本質と原因についての研究 上・下 アダム・スミス いいのが出たねえ。 2008.1 2冊で7000円ほどになりますが、決して高くない。文庫本で揃えたら各社とも3冊セットで各巻分厚く合計3000円以上。それならこちらのハードカバーの方が断然いいです。新訳、美しい活字、ゆったりした配置。読むならこちら。 日本経済新聞社出版局 (2007/3) ASINを正しく入力してください。 人間にとって経済とは何か 飯田経夫 内容(「BOOK」データベースより) 「失われた十年」は今日、依然として尾を引いている。だが、そもそもバブル経済はレーガノミックスによって誘発されたのではなかったか。ケインズ政策への懐疑、マルクス主義経済の失敗によって、いままた回帰するアダム・スミスの「自由放任」の経済―その発展型が、今日世界を席巻するアメリカ型市場経済であり、その本質は、あくなき富の追求である。貧乏を克服し、豊かさを手中にしたいま、私たちは経済の目標を何に置くべきか。新しい価値観の時代を生きる、もう一つの視座とは。 「経済学とは貧乏を無くす為の学問である」 2006.9.15 と著者は云ひます。不況だ不況だと云ってゐるが、貧乏は無くなつたではないか。もう良いではないか。と彼はいいます。彼は経済学者であります。其れでいて、日本に於いて経済学はもう使命を終えた、経済学に期待するものは何も無い、むしろ失望して仕舞つてゐると云ふのです。 国際的なカネの流れは、既に貿易に必要な「実需」の何百倍にも達している。そういう膨大なカネが、ひたすらハイリターンを求めて、うなりをあげて全世界を駆け巡って・・・利用できるものを利用し尽す。 金儲けには使ってはならない神聖なものの筆頭が為替レートである 政府は基本的にモノをつくらないため、経済に占める政府の比率が大きくなると、経済は非効率になる 赤字財政・福祉国家とは要するにタカリである。 投機資金に成り下がった資本 世界中の国際貿易の規模に比べて、ほんの一部でしかない投機筋の動きで、何故為替レートが変わってしまうのかと常々疑問に思っていたのですが、さうですか、逆だつたのですか。世界中が賭博場になつてゐたのですね。我々が暮らしている地球は其の様な処に成つて仕舞つてゐたのですね。 一読では飲み込み切れない気迫 読了してみて、本書全体で著者が何を言わんとしたのか未だ図りかねている。学者としての論と、人間としての情が、お互いを必要としながら手を取り合えずに、一人の人間の中で煩悶している、その息遣いだけは充分に受け止めた。 詳細 新書 209ページ 出版社 PHP研究所 (2002/06) ISBN-10 4569620248 ISBN-13 978-4569620244 発売日: 2002/06 商品の寸法 17.2 x 10.4 x 1.2 cm 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 飯田 経夫 1932年、大阪府生まれ。1955年、名古屋大学経済学部卒業。同大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、現在、中部大学教授。1980年、論文「高い自己調整力をもつ日本経済」で第1回石橋湛山賞受賞。 悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環 内橋 克人 えーっと、「世界標準」の国って、発展途上国ですよね。 2007.9 内容(「MARC」データベースより) ネオリベラリズムはただの景気循環ではない。バブルと破綻を繰り返すなかで共同体を破壊し、人々の心を狂わせる「悪夢のサイクル」なのだ-。50年のスパン、世界史的な広がりの洞察から発見された経済のダイナミズムを紹介。 悪魔のサイクル 「構造改革」による規制緩和 海外から投機資金流入 好景気により通貨・株価が上昇 投機により実力以上に上昇 空売りによる売り浴びせ・資金引き上げ 経済崩壊・資産価値毀損(値下がりしたら買いたたく) 「構造改革」による更なる規制緩和 再び投機資金流入 好景気により通貨・株価が上昇─今の日本(出版は2006年) 投機により実力以上に上昇 空売りによる売り浴びせ・資金引き上げ 経済崩壊・資産価値毀損・社会が荒廃 以下繰り返し 全プロセスを通じて資産家は稼ぎ、「構造改革」で守られなくなった中間層は沒落していく これは何も日本だけに限ったことではないようです。最初にやったのはレーガンとサッチャー。数字だけの好景気に調子づいて更なる規制緩和を求めている経団連などには筆者は眉をひそめています 近代経済学(ケインズ政策)によって経済の振幅を小さく抑え安定させると同時に保護によって中間層を厚くして行き、それによって社会も安定する、という社会から、新古典派経済学に基づく振幅の大きい経済へと「ルールは変更された」のだと著者は言います。 何のことはない、日本も世界標準=発展途上国(或いはブラックマンデー以前の世界)になるってことですな。権力者と政商は大金持ちで、殆どの人は豊かではないか貧窮してて、スラムがあってギャングがいて... そういえばつい先日アメリカの住宅バブルがとうとう弾けてまたやや苦しい中間層がさらに貧窮層に沒落することになりましたね。「今の好景気はアメリカの住宅バブルによるものだ」ってのはネットでは常識でしたがマスコミはほぼスルー。債権が不良化してようやく「景気に影響」って、人間のこと忘れないでね。それでも日本も大したもんで、100万ドル以上の金融資産を持ってる人は100万人以上いるそうで、赤ちゃんから年寄りまで含めて100人に一人ぐらいは億万長者なんですな。ほんと? 非常にクリアな見通しを与えてくれる本 海外取引による決済に必要なお金は年間で8兆円。それに対して実際に為替市場で動くお金は300兆円!毎日1兆円のお金が付け入る隙を探して世界中を驅け巡っているのです。これは大体の識者で意見が一致するところ。 更に著者は昨今のテロ戦争を「イスラム圏にも「資本家が儲ける美味しい商売」を教えてあげるべく既存の経済とインフラを壊しに行っているのだ」と位置づけています。終章あたりでは勢い余って「第三の経済」とか「トービン税」「ATTAC」なんて話で前半に比べて地に足ついてないんですがまあいいでしょう。非常に見通しの良くなる本。 各論の一つ一つも説得力あり 夕張市を始めとして、自治体の経済破綻が話題になります。原因は膨大な負債(地方債)。今となっては新規に起債しても利払いで精一杯の所が多いそうです。なんでそうなったのか? 「増税なき財政再建」の時期に「内需拡大」の一環として50兆円の公共投資を米国に約束しちゃったんだそうです。でも増税はできない。財政投融資も評判が悪い。どうしたか?地方自治体に借金で投資させたのです。「ふるさと創生1億円」の頃に地方債の借入残高は急上昇しているのです。現在では200兆円!トホホホ。 詳細 単行本 235ページ 出版社 文藝春秋 (2006/10) ISBN-10 4163684808 ISBN-13 978-4163684802 発売日: 2006/10 商品の寸法 19 x 12.8 x 2.4 cm 新版年収300万円時代を生き抜く経済学 森永 卓郎 ご存知モリタク先生の「年収300万円」。 2007.1 内容(「BOOK」データベースより) 小泉構造改革とは、ほんの一握りの金持ち階級と圧倒的多数の低所得層とに日本をわけるものだった!9割のサラリーマンが「負け組」に向かうなか、可能性のない「成功」をめざすか、自分にとって「幸福」な人生をめざすのか。安定が崩れ去った日本社会での「森永流前向き生き方」。ベストセラー正続を新版にして文庫化。 目次 日本に新たな階級社会が作られる 年収300万円時代がやってきた 年収300万円時代の本当に「豊かな」生き方 年収300万円時代を幸福に暮らす「知恵と工夫」 本当の幸せとは? 私自身の「年収300万円時代」 光文社知恵の森文庫 (2005/5/10) 緊急版 年収120万円時代-生き抜くための知恵と工夫- 森永 卓郎 副題の「生き抜く為の知惠と工夫」は書いてないけど... 2007.12 本書の論点はこの2つ 日銀によるデフレ実行を告発 金融資産課税3%を主張 年収300万円本はたくさん出てしまって食傷気味の方も多いかと思われますが、これからは120万円。でも本当の主張は金融資産課税と見た。根拠は殆ど示さず、警告と告発で一気に書き上げました。なーんも勉強してない人が読んだら「そんなことないんじゃない?」で終わってしまうので、またゆっくり続編を出して行って下さいね。 現代のお金持ちは資本家というより資産家ですな。資本を資本と思ってない。資産と思ってる。いや単に資金?お金が自己目的化してるんだから「資」もいらんな。うーんと、「お金」を増やすための「資金」を持ってる、と。そんな感じなんかな。 資本家が居なくなってるということは、言い換えれば資本主義社会は静かに終わってたってことじゃん。レーニンもびっくりですぜ将軍様。あ、先刻ご承知でしたか。確かにあなたこそ現代の偉大なる将軍様、棟梁の中の棟梁なのかも知れません。 3000万では動かない人も30億なら裏切らざるを得ない世の中 道州制なんて言わず、私なら日本をA・B二つに分ける。A地域は新自由主義、お金持ちと大企業とMBAの皆さんに住んでもらう。B地域は平等を目指す。さあどうします?なんて話があった。 デフレを実行したのは日銀 日銀当座預金積み上げにかくれた金融締め付け マネタリーベースで見てみると...ってデータないじゃん!既出か。 小泉さんは周りの人しか見てなかっただけの純粋な人 「日本の景気は悪くないじゃないか。こないだレストランを予約しようとしたら予約で一杯だった」 禁断の金融資産課税3%論 財産権の侵害だ、という正論もあるのですが、 1500万円までは非課税。 100億円持ってる人は毎年3%減っていきますよ。でも利回り出せるんだから3%くらいはOKでしょ。 と言われると、うーんなるほどそんなもんかもな、とも思う。いいとこつくねえ、モリタクさん。 地域通貨で減価していく紙幣ってのがあってまあ似たような話なんだが、モリタクさんの方が当面は現実的。えらい。 まあいずれにしても、貯金できるって、何だろね。 出版社 あ・うん (2007/2/16) 乱世を生きる-市場原理は嘘かもしれない- 橋本 治 未読です。 所謂ダメ系、負け組系からの理論提出として購入しました。 ご感想などお寄せ下さい。 お名前 コメント アダム・スミスの誤算 ケインズの予言 人間にとって経済とは何か 悪夢のサイクル 年収300万円時代を生き抜く経済学 年収120万円時代 市場原理は嘘かもしれない
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🐸ギャハハハハw
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銀の邂逅 月の相克(後編) ◆KKid85tGwY 瓦礫の山の中に白銀の身体の大半を埋め、頭と左腕だけを天に突き出し、 シャドームーンはその存在を白日の下に示していた。 しかし白銀の輝きは煤に塗れ、弱弱しい印象さえ受ける体勢は、 以前のような威厳は感じ取れない。 シャドームーンを倒すなら今を置いて他には無い。 水銀燈はシャドームーンの下へ降りていく。 「うふふ、無様ねぇ」 悠々とシャドームーンを見下ろす水銀燈。 強者と弱者。 追い詰める者と追い詰められる者が逆転した様は、水銀燈に強烈な快感を与える。 あの傲岸だったシャドームーンの命は最早、水銀燈の手の中にある。 そして今、それを終わらせることが出来るのだ。 「約束通り、ジャンクにしてあげる!」 水銀燈はシャドームーンへ向けて剣を振るう。 剣の切っ先が喉元に当たる 水銀燈は、剣の主を睨みつける。 「……どういうつもりかしら?」 「言った筈だ。君が誰かを殺そうとするなら、僕が止めると」 水銀燈の喉元に突きつけられた剣の正体は、月の支給武器。 二本の刃が平行に延びたその異様な造詣の剣は、新井赤空作の初期型殺人奇剣・連刃刀。 息も絶え絶えに刀を構え、月は水銀燈と対峙する。 水銀燈は心底呆れたと言う様子を隠すこともなく吐き捨てた。 「……こんなのを生かして置いて、一体どうするつもりなのぉ? 私から庇った後、こいつに殺されれば満足?」 「僕の理想はあくまで誰も死なせないことだ。そして僕の方からそれを妥協するつもりは無い。 君もシャドームーンも僕自身も殺し合いの犠牲にはしない」 「貴方、状況が判ってるの? 貴方がどう頑張った所で、私を止められる訳ないじゃない。 それにそもそも、私は貴方から力を貰ってるのよ? あんまり無理したら、力を使い果たして死んじゃうかも」 「君こそ状況が判っているのか? 二対一だと言うことが」 月を小馬鹿にしていた調子から一転、急に全身が総毛立つような寒気を覚え水銀燈はシャドームーンを見る。 シャドームーンは相変わらず無言のまま、瓦礫の中に埋まっている。 もう喋ることも出来ないのだろうか? シャドームーンの状態を窺い知ることは出来ない。 しかしシャドームーンの恐ろしさは、水銀燈の骨身に染みていた。 「エネルギー源の僕を敵に回してまでシャドームーンと戦う方が、君にとってはリスクが大きいと思うけどね。 仮にこの場で僕とシャドームーンを殺すことが出来たとして、その後が続くとも思えないけどな」 水銀燈にとっては最も痛い指摘である。 今の水銀燈はミーディアムによってエネルギーの供給が保たれているとは言え、 先刻までのシャドームーンとの死と隣り合わせの戦いで、精神的な消耗が大き過ぎた。 この上シャドームーンと月の二人と戦って、両方を始末するなど考えるだけで気が重くなる。 水銀燈も口を閉ざしたため、場を沈黙が支配する。 ややあってようやく口を開いたのは月だった。 「これは僕達全員の生存率を上げるための提案でもある。僕と水銀燈とシャドームーンで組めば、全員の生存率が大きく上がる計算になる」 「そいつが大人しく私たちと組むと思ってるの?」 「シャドームーンは大人しくしているしかない筈だ。大きなダメージを負っているからね。そしてそのダメージを負わせたのは僕たちだ。 一度勝利した相手である今の手負いのシャドームーンなら、僕たちで管理することが出来る」 「…………」 「水銀燈、必要以上に弱気になっても大局的な利益や合理性を見失うだけだ」 「私に下らない説教をしないで頂戴……」 それ以上何も言わなくなった様子を見て、月は水銀燈を思い留めることが出来たと確信する。 多少は強弁も含んだが、それでもシャドームーンを殺させる訳には行かなかった。 月の安全のためにも。 同盟を組んでミーディアムとなっているとは言え、月は水銀燈に生殺与奪の権を一方的に握られている関係であることは変わりない。 しかしここにシャドームーンが介入すれば、一挙に関係性が変わるのだ。 月と水銀燈とシャドームーンの三人で同盟を組んだ場合、 水銀燈が月を殺せば、当然同盟はご破算になる。 そうなればシャドームーンとの関係も悪化し、再び殺し合いになることも充分考えられる。 一度勝った相手とは言え水銀燈にとってシャドームーンは恐ろしい相手。 敵対することには、かなり精神的な抵抗がある筈だ。 そしてシャドームーンにとっても月と水銀燈は一度敗北した相手である。 再び敵対することの精神的抵抗は大きい筈。 同盟を組んでも水銀燈とシャドームーンは牽制し合う状況になる。 そしてどちらも容易に手が出せないその状況が月を安全にするのだ。 月ならば牽制し合う二人を煽ってコントロールすることも可能である。 「…………最終的な判断は君が下すんだシャドームーン。僕たちと組むか、組まないか」 月はシャドームーンへ向けて質問する。 勝利者から敗北者への最後通牒。 即ち生きるか、それとも死か。命の選択を突きつける。 その選択に対しシャドームーンは―――― 「……………………フフフ、フフフフフハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」 ――――嘲るような笑いで答えた。 地に伏した敗者がそこに僅かな気負いもなく、傲岸に。不遜に。 シャドームーンの反応が完全に予想外であったため、月も水銀燈も驚くと言うより呆気に取られていた。 「…………フフフ。茶番もここまで来ればな、中々愉快だったぞ」 「……状況は理解出来ているよね? 建物の倒壊に巻き込まれた君がどんな虚勢を張った所で無意味だ。 君の命は水銀燈の機嫌次第なんだ。無意味に挑発するような真似はしない方が良い」 「茶番のついでに質問してやろう。ブラックサン……南光太郎を知っているか?」 月はここに来てシャドームーンの心理が読めなくなって来た。 シャドームーンの様子に虚勢や挑発の色は一切無い。 突如として月に悪寒が走る。 それはルパンと別れたことを悔いた時と同じように、 自分の思考に何か根本的な欠落を見つけたような感覚があった。 「……答えないか。ならば茶番も、お終いだ」 シャドームーンの左腕に緑色の光が宿る。 と同時に、シャドームーンへの警戒を怠っていなかった水銀燈が黒羽を飛ばす。 瓦礫をその重量など無きも同然に吹き飛ばしながら、シャドームーン緑の電撃を纏った左腕を横に薙ぐ。 それだけで黒羽は全て焼き払われた。 そして緑の電撃は急激に膨張。 周囲の大気も焼かれて同じく急激に膨張。 膨張する大気を叩きつけられる感覚と同時に月の意識も激しく揺れる。 混濁する意識。 酩酊する視界。 月はそれでも必死に状況を把握するよう勤める。 微塵に粉砕されて舞い散る瓦礫と粉塵。 水銀燈はどうやら瓦礫に強く叩き付けられたようだ。 そして月もまた瓦礫に背を預けて座った状態で動けないでいる。 身体の至る所で、骨の折れた痛みがある。 シャドームーンに水銀燈ごと、周囲の瓦礫ごと、吹き飛ばされたのだと理解する。 まだそんな力が残っていたとは、驚愕に値する。 しかし真の驚きはその後に訪れた。 粉塵が晴れてシャドームーンの姿が見える。 白銀に輝く五体。 そこには傷一つ無い。 そして何よりシャドームーンは先ほどまでの有様など嘘のように、 既にその圧倒的な威圧感、威厳を取り戻していた。 シャドームーンの姿を見て月は直感的に思い知った。 しかし理性はその直感を否定する。 まさかそんな筈は無い。 そんなことは物理的にありえないだろう。 シャドームーンは展望台の倒壊の只中に居たのだ。 そのシャドームーンが無傷だなんてありえない。 月は“日本一優秀な”高校生であることは間違いない。 特にその知性。 知識も応用力も、日本や高校生に限定しなくとも比肩し得る人間など、 俄かに思い浮かぶのは“世界一の探偵”Lくらいの物だろう。 しかし、それでも月は殺し合いに参加するまで、 死神もデスノートも、超常的なことは何も知らない、平凡に生活していた高校生であることに違いない。 だからその判断は月の知る常識的な、あるいは科学的な知識を基準とした物となる。 他に判断基準を持ちようが無いのだから。 自分が知る世界を超える知性は持ちようも無い。どんな天才も超えられない限界がそこに有る。 それゆえ月は、シャドームーンに対し二つのある根本的な誤解を犯していた。 そしてその代償を、今払う時が来る。 カシャ シャドームーンが一歩、近付いて来る。 月の身体が突如震え出す。 絶望が、死が、近付いて来ていた。 カシャ 月の震えが止まらない。 身体が震える理由は自分で判っている。 絶対に逃れられない恐怖。 絶対の死が近付く恐怖だ。 カシャ それでも月は、必死に対策を考える。 その卓越した頭脳を駆使して。 この場を生存する方法を。 あらゆる可能性を考慮して。 カシャ そして考慮したあらゆる手段が自分の頭脳によって否定されていく。 月の卓越した知性は、この場を切り抜ける方法がないことを証明していく。 カシャ シャドームーンが立ち止まる。 月の名を関する絶望が見下ろし、 月の名を関する知者がそれを見上げた。 月は自らの能力に絶大な自信があった。 知性は勿論のこと、中学時代にテニスの全国大会で二度優勝するほどの体力と運動能力。 そして精神力。自分はいかなる事態にも冷静に、的確な判断を下すことが可能だ。 月は自分がそうであると認識していた。 しかしそれもまた月の誤解だったと言えよう。 月は未だかつて絶対の恐怖と対峙した経験が無かった。 自らがどれほど知と力を尽くしても、決して逃れられない死と言う絶対の恐怖と。 「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」 月はまるで堰を切ったように叫びを上げる。 体面も何も無く、耐え切れなくなった物を全て吐き出すがごとく。 そして座った体勢のまま、手に持った連刃刀でシャドームーンの脚を切り付ける。 一度だけではなく、二度も三度も。 いや、それは切り付けるなどと言えるような整然とした行為ではない。 叫びを上げながら、力任せに刀身を叩き付けているのだ。 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。 刃が零れ、刀身に歪みが生じようとひたすら力任せに叩く。 シャドームーンの脚には擦れ一つ付かないがひたすら力任せに叩く。 そこに常の月らしい理性的な思考は存在しない。 恐怖からの逃避行動があるだけだった。 月は今や完全な恐慌状態にあった。 「…………愚かな。フッ、どうやら私は人間を少し過大に評価していたのかも知れん」 シャドームーンは邪魔臭そうに脚で連刃刀を払う。 連刃刀は刀身が折れながら月の手から吹き飛んで行った。 月にはもう抵抗の手段は残されていない。 声が枯れて、もう叫ぶことすら出来ない。 月の講じるあらゆる手段を、想像を絶する能力で叩き潰すシャドームーン。 月の根本的な誤解の一つが、このシャドームーンの能力である。 人類史より遥かに長い歴史を持つ暗黒結社・ゴルゴム。 シャドームーンはそのゴルゴムの最新技術の粋を尽くして改造された世紀王の一人である。 そして前述の通り、先にブラックサンと言う実戦投入されたモデルケースが存在し、 そのブラックサンより改造期間が長いシャドームーンには、細かい改良点が幾つも存在する。 パンチ力とキック力は基本的にブラックサンと変わらない。 しかしシャドームーンにはエルボートリガーとレッグトリガーを装備している。 超振動発生装置であるそれらは、自体を武器にすることも可能だが、 シャドームーンのパンチ力とキック力を強化する効果も兼ね備えている。 更にブラックサン以上の跳躍を可能にする瞬発力。 全身を覆う装甲はリプラスフォーム以上の硬度を誇る強化皮膚・シルバーガード。 そしてマイティアイ。 シャドームーンの基本的な性能は、ブラックサンをも上回っているのだ。 その無類の高性能を駆使すれば、展望台の倒壊の中でも無傷で居ることは可能だった。 しかしその高性能は月にとって完全に想像の埒外。 理解を超えた怪物が今、真紅の剣を振り上げた。 既に声を枯らした月は叫び声を上げることも出来なかった。 (馬鹿な!! 僕が……こんな何も出来ないまま…………死ぬなんて! 水銀燈とシャドームーンをコントロールして、殺し合いを脱出する筈が……一体どこで判断を間違えた!?) 月のシャドームーンに関するもう一つの誤解。 それはシャドームーンが説得可能だと考えたこと。 シャドームーンはブラックサンと違い、その頭脳まで改造された世紀王。 人間の精神は完全に破壊されて、そこにあるのはゴルゴムの王としての自我のみ。 その価値観もまた完璧にゴルゴムの物となっている。 そしてゴルゴムとは世界の全てを支配して、逆らう一切を蹂躙し尽くす存在。 人間もその種の全体が、ゴルゴムにとっては服従か滅亡かを突きつける存在。 シャドームーンはその内面までも、只の人間である月にとって完全に想像の埒外なのだ。 そもそも殺し合いの脱出のために協力するよう説得されるなど、絶対にありえない。 ゴルゴムは自らに歯向かう者や従う者は勿論、一片でも自らの支配を拒む余地の有る存在は絶対に許さない。 ゴルゴムの王は並ぶ者の存在を決して許さぬ絶対者なのだ。 月には二重の意味で理解を超えた怪物が今、真紅の一閃が奔らせた。 「無力だったな、世紀王の前では」 サタンサーベルが月の胸を、薄紙のごとく容易に貫いた。 傷口から大量に噴出する血液は、月の知識で無くともそれが致命傷であると理解させられるだろう。 薄れゆく意識が、逆に死を自覚させた。 (僕は…………どこで判断を間違えて……………………ルパンさん…………あなたならどうしてましたか?) 薄れゆく意識の中、月は何故かルパンのことを思い出していた。 幾らルパンと言えど、戦闘能力ではシャドームーンには敵わないだろう。 それでも、月には無い柔軟な発想と、危機にもその柔軟さを損なわないあの精神力なら、 あるいは月にも思いもよらなかったシャドームーンへの対処法を考え付いたのでは無いだろうか。 ルパンはそんな期待感さえ抱いてしまうほど、底知れない人物だった。 そして月はやっと気付いた。 ルパンと別れる判断が誤りだと感じた理由を。 それは『戦力が分断される』からだ。 気付いてしまえば子供でも判る単純極まりない理由。 しかし“キラ”などと言うどれほど実態があるか判らない観念に振り回され、 自分の内面の問題に拘泥して、ルパンと別れてしまう。 その結果、自分のリスクを増してしまった。 自分の中にキラの可能性が有るかどうかなど、この場を生き残ってからの話だった筈なのに。 殺し合いは、只生き残るだけでも容易なことではない。 しかし月は殺し合いそのものを甘く見てしまった。 殺し合いを生き残るための最善の方策を採れば、月にも違った可能性が有り得たであろうが。 自分の内面の問題に拘り、大局的な優先順位を見誤る。 聡明な月らしくない、あるいは月らしい失敗ゆえか、 “新世界の神”となる筈だった男は無念の最期を遂げた。 【夜神月@DEATH NOTE 死亡】 真紅の刃に貫かれた月が、力無く伏せていく。 それを見ていた水銀燈は、同時に自分の身から力が失せていくのを感じる。 ミーディアムを失う。即ち、月が死んだ。 力の供給源と参謀役を同時に失った水銀燈は、シャドームーンに対する勝算も失ったのだ。 先刻までの月と同じく決して逃れられない死を間近にして、水銀燈も恐怖に震える。 長くアリスゲームを戦い抜いてきた水銀燈も、これほど絶対的な恐怖は初めて体験する。 「フッ。どうやらこの人間が死ぬことで、貴様も力を落としたようだな」 恐怖の源泉、シャドームーンが水銀燈を見る。 次の瞬間、水銀燈は弾けるようにその場から飛び出した。 精神の許容量を超える恐怖に直面すれば、人は直視することもかなわず逃避する。 それは人間も人形も変わらない。 最早、今の水銀燈にローゼンメイデンとしての自負は無かった。 捕まったら確実な死が待っている。 だから後先も考えずに、力の限り逃げる。 今の水銀燈には只それだけしか無かった。 無我夢中で逃げる水銀燈は、いつの間にか森の深くまで入っていた。 どの方向へどのくらいの距離を飛んだのかすら判らないから、現在位置すら判別出来ない。 シャドームーンを完全に振り切ったと思える距離までいかなければ、今の水銀燈は振り向く余裕すらないのだ。 脇目も振らずに飛び続ける水銀燈。 その視界が突如として激しく揺れる。 どうやら頭上からの衝撃が原因のようだが、水銀燈も上手く事態を把握出来ない。 そして今度は視界全体が――――赤く染まった。 濁った、何か不吉な予感を孕んだ赤に視界が塗り潰されて行く。 続いて鼻を衝いたのは強烈な異臭。 得体の知れない、生臭さで満たされる。 水銀燈を囲む世界が突然、異常な物に変貌した。 動転した水銀燈は目前を手当たり次第に弄る。 何か軟らかい物が顔を覆っていたので、水銀燈はそれを手繰った。 視界の端でようやく確認出来たそれは、細長く伸びた動物の内臓。 そしてようやく視界を塗りつぶす赤が血の色。異臭が血と臓物の臭いだと判った。 なぜそんな物が? 疑問に駆られ、水銀燈は内臓を更に手繰る。 内臓は水銀燈を覆うほど、巨大な肉塊から伸びていた。 今度は肉塊を手繰る。 血に塗れて全容が明らかにならない肉塊の先についていた物は、人間の頭だった。 しかもその頭を水銀燈は見覚えが有る。 端正な顔は苦痛と恐怖で歪み、光を宿さぬ眼も空ろだが、 それは間違いなく夜神月の頭部だった。 流石の水銀燈も恐怖のあまり、ヒッと短い悲鳴を漏らす。 なぜ月の身体が自分に乗り掛かっているのか、全く理解出来ない。 自分は“これ”の存在する場所から逃げていた筈だ。 自分は既に死んで地獄に来ており、そこで月と再開したのではないか? そんな突拍子も無い思考をするほど、水銀燈は混乱していた。 カシャ カシャ カシャ カシャ 混乱する水銀燈の耳に、更に恐怖を煽る足音が聞こえて来る。 振り向くのにすら恐怖を伴う。 水銀燈に絶対の死を与える存在がそこに居るのだから。 「一時でも逃れられると思ったか?」 血に塗れたサタンサーベルをこちらに向けるシャドームーンを見て、水銀燈はようやく状況が理解出来た。 自分を追いかけて来たシャドームーンが、サタンサーベルに刺さったままだった月の死体を投げ付けて来たのだ。 水銀燈とシャドームーンでは余力がまるで違う。逃げ切れる筈が無い。 本当は最初から判っていたことだ。 それでも異常な恐怖に駆られた水銀燈は逃げずには居られなかった。 「一抹でも交渉の余地が有ると思ったか?」 「イヤ!! イヤッ!! イヤよおおおおおおおっ!!!!」 先ほどの月と同じく恐慌状態になった水銀燈は、黒羽を闇雲に飛ばしてシャドームーンを攻撃する。 そこに戦術的な判断は無い。それどころか戦う意思すらないと言えよう。 只の現実からの逃避を動機とした行動なのだから。 そして水銀燈はその間もひたすらに叫び続けていた。 既に薔薇乙女の体面も失くしていたのだ。 「一片でも勝算が有ると思ったか? この次期創世王を相手にして」 シャドービームが放たれる。 ビームは月の死体に直撃。月の死体も背負っていたデイパックも、爆発四散させた。 その余波で水銀燈も身体毎吹き飛ばされて、地面を転がっていく。 全身の痛みがいつまでも残る。 水銀燈は仰向けに倒れたまま動くことも出来ない。 自分の身体の、精神の、全ての力を使い果たしてしまったように思えた。 カシャ カシャ カシャ カシャ 歩み寄るシャドームーンから、水銀燈は這うようにして逃げる。 その左脚の上に何か重い物が圧し掛かった。 見てみるとシャドームーンの足が踏みつけている。 水銀燈がどう外そうとしても、万力のごときシャドームーンの足の力から逃れることは出来ない。 しかも踏みつける力が更に強くなっていく。 水銀燈が苦悶に喘ぐが、シャドームーンはお構いなしに力を込め続ける。 水銀燈の左脚が加重に耐え切れなくなり軋みを上げ、やがて粉々に吹き飛んだ。 「脚が!! 私の脚がっ!!!」 「フッ、少し本気を出せば脆い物だ。この分では全身をバラバラにするのも容易いな」 自分の身体の一部を破壊されて、更に侮辱される。 常の水銀燈ならばどれほど怒り狂っただろう。 しかし今や水銀燈はもうシャドームーンへの怒りを表すことも出来ない。 只、シャドームーンが純粋に恐ろしかっただけだ。 人間に手向かいも出来ず殺される虫になった気分だった。 「……イヤ…………助けて」 恥も外聞も無い、命乞いの言葉が水銀燈の口をつく。 そんな物をシャドームーンが聞くなどと考えた訳ではない。 誰に対して言ったのかも定かでは無い呻き声。 「助けて欲しいか?」 だからシャドームーンが返答したのは水銀燈にとって、全く予想外のこと。 まるで信じられないと言った表情で、水銀燈は呆然と見上げる。 次の言葉が浮かばない水銀燈に、シャドームーンが話を続けた。 「見逃してやっても良いぞ。……但し、私に従うと誓えばな」 屈従か死か、今度は水銀燈が選択を迫られる。 無論、水銀燈ならば屈従を選ぶ筈が無い。 ローゼンメイデンの矜持は命よりも重いのだ。 水銀燈は自らの想いのまま、シャドームーンの選択に答える。 ◇ 森の中を暗い影が進む。 闇のごとく黒い羽がはためく。 暗黒の人形、水銀燈は森の中を低く飛んでいた。 まるで幽鬼のごとく、生気の無い表情でふらふらと浮遊するように飛ぶ水銀燈。 その異様な状態は、エネルギーの消耗が激しいと言うのも理由の一つだが、 それ以上に精神的な要因が大きかった。 結局は屈従してしまったのだ。シャドームーンに。 本来の水銀燈なら選ぶ筈の無い選択。 しかし今の水銀燈に、シャドームーンに逆らうほどの気概は残されていなかった。 そのお陰で水銀燈は今生きてはいる。 恐らく、従わなければシャドームーンは躊躇無く水銀燈を殺していただろう。 月の時と同じように、虫を踏み潰すような気安さで。 水銀燈は自らの選択で、その命を守ることが出来たと言える。 しかし、そんな理屈で自分を納得させられる筈も無い。 屈伏したのだ。自分を追い詰め、傷つけて敗北させた者に。 シャドームーンを許すことは出来ない。 しかしそれ以上に、水銀燈は自分が許せなかった。 アリスとなる筈である大事な自分の身体を、致命的に傷付けられて、 そのシャドームーンに怒りをぶつけるどころか、恐怖に屈して命乞いをした自分に。 闇人形はより深い闇を心に抱えながら、森の中を進んで行く。 どこへ進もうとしているのか、それは自分でも判らなかった。 【一日目夕方/E-5 山中】 【水銀燈@ローゼンメイデン(アニメ)】 [装備]無し [所持品]支給品一式×3(食料を一つ譲渡)、メロンパン×4@灼眼のシャナ、板チョコレート×11@DEATH NOTE 農作業用の鎌@バトルロワイアル、不明支給品0~2(橘のもの、確認済) [状態]疲労極大、右目にヒビ割れ、右眼周辺に傷、、左脚欠損、強い恐怖 [思考・行動] 1:??????? [備考] ※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。 ※nのフィールドに入ろうとすると「入ろうとする意思そのものが消されてしまう」ようです。 森の中へ飛んでいく水銀燈をシャドームーンは只黙って見送る。 シャドームーンが水銀燈に生き残るチャンスを与えたのは、 ゴルゴムの王だから、とも言えよう。 世界の支配を目的とするゴルゴムは、従わぬ者の存在を決して許さない。 シャドームーンがヴァンやC.C.を見逃したのは、あくまで一時的な措置。 歯向かう者には絶対の死を与えるのがゴルゴムであり、シャドームーンなのだ。 しかし恐怖で屈伏する者は違う。 実際にゴルゴムは黒岩博士などの人間も自分達の傘下として利用している。 その偉大さに畏れ、心服する。それこそがゴルゴムを相手にして生き残る唯一の道。 水銀燈を生かしておいたのも、彼女が心からシャドームーンを恐れ従ったからだ。 だからこそシャドームーンは水銀燈に命令を与えて解き放った。 命令は『他の参加者を見付け出して、シャドームーンの危険性を喧伝すること』。 そうすれば殺し合いの参加者たちは、結託してシャドームーンへの対策に乗り出すだろう。 それを一網打尽にすれば、一々各個撃破して行くより手間が省ける。 しかもこの命令ならば、水銀燈も大人しく従う公算が大きい。 何しろ他の参加者結託することは、水銀燈にとってもシャドームーンに打ち勝ち生き残るための唯一と言って良い方策だからだ。 例えそれが万に一つの可能性であっても。 仮に水銀燈が従わなくとも、それはそれで構わない。 従おうが従うまいが、何れにしろ次に会った時は殺すつもりだからだ。 水銀燈を生かしておいたのも、また一時的な措置に過ぎない。 恐怖に駆られた者を走狗として利用する。それもまたゴルゴムの在り方と言えよう。 シャドームーン自身も、やがて徐に出発する。 シャドームーンは王者では有るが、座して走狗の成果を待つ為政者ではない。 自らの力でゴルゴムの世界を築く戦士でも在るのだ。 絶対の王者は、再び孤独な戦場に身を投じる。 しかし彼はまだ知らない。 自らの運命の片割れ、ブラックサンが既にこの世に居ないことを。 【一日目夕方/D-5 山中】 【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】 [装備] サタンサーベル@仮面ライダーBLACK [支給品] 支給品一式、不明支給品0~2(確認済み) [状態] 疲労(小) [思考・行動] 0:東の市街地へ向かう。 1:殺し合いに優勝する。 2:元の世界に帰り、創世王を殺す。 3:かなみは絶望させてから殺す。 4:殺し損ねた連中は次に会ったら殺す。 【備考】 ※本編50話途中からの参戦です。 ※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。 ※シャドービームの威力が落ちています。 ※会場の端には空間の歪みがあると考えています。 時系列順で読む Back 銀の邂逅 月の相克(中編) Next 第三回放送 投下順で読む Back 銀の邂逅 月の相克(中編) Next 第三回放送 144 銀の邂逅 月の相克(中編) 夜神月 GAME OVER 水銀燈 151 doll dependence syndrome シャドームーン 154 世界を支配する者