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テレパシーですか?目と目で通じ合う -- ぽんぽこりん (2008-06-05 16 48 16) 名前 コメント
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漫画、イラスト作品のインデックスです 3-611 611さんの作品を615さんが漫画化されたコラボレーション作品です 3-789 / 3-797 おもちだいすきどっとこむ 目と目で通じ合う 絵師さんと君にGJ
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【ミリオンライブ!】第5話 通じ合う心 執筆開始日時 2017/05/03 元スレURL http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493805656/ 概要 (1) 時は第2話と第3話の間に遡る・・・。 (765プロ事務所) p「うーん。」 律子「どうしたんですか、新人プロデューサーどの。」 p「律子さん・・・。」 律子「もう!「さん」はつけなくていいと言っているじゃないですか?」ガバッ 美希「じゃあ美希ももう「さん」はつけないの律子!」 ゴン 美希「痛いの・・・。」 律子「あなたは別!」 p「いいんですか?先輩なのに。」 律子「いいんですよ、だって同じプロデューサーなんだから・・・、って敬語もやめて下さい。」 p「・・・わかった、善処します。」 タグ ^秋月律子 ^星井美希 ^横山奈緒 ^矢吹可奈 ^宮尾美也 ^伴田路子 ^田中琴葉 ^伊吹翼 ^所恵美 ^馬場このみ ^島原エレナ ^舞浜歩 ^大神環 ^高坂海美 ^佐竹美奈子 ^豊川風花 ^周防桃子 ^野々原茜 ^ジュリア ^中谷育 ^最上静香 ^北沢志保 ^エミリー スチュアート ^百瀬莉緒 ^春日未来 ^七尾百合子 ^二階堂千鶴 関連SS 【ミリオンライブ!】第○話 ○○シリーズ まとめサイト あやめ2nd えすえすゲー速報 だる速 ポチッとSS!! SSまとめ SSでレッツゴー SSまとめプラス
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○京ちゃん :賀張 京 〔KAHARI MISATO〕 ウーアマンとフロレンツィアが好きな東京在住の女の子 まどマギに関する事ならわたしに任せて!!
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350 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 17 13 18.17 ID yXa1bLAEP [3/5] 少し微妙な話題かもしれないけど報告入れておくか 特定のシステムを陥れる意図はなく、あくまでも困個人の問題だとは宣言しておく オンセとかによくある、登録PCを持ち寄るタイプの環境で、このセッション用に作ったPCでないことも明記 内容は「方程式もの」と言っても通じにくいかもしれないけど、 人員は6人いるのに助かる方法は5人分しか用意されてないみたいな話 非戦闘員のNPCをひとり連れた状態で罠にはまってしまい、どうあがいてもひとりは犠牲にしないと抜けられないという状況からセッションは開始した NPCを見捨てて脱出というのは、PLはともかくPCとしては選択できなかったので、 ひたすらに知恵を振り絞って罠の仕組みを予想して「トラップの正体が予想通りならこれで脱出できる!」という案を出すに至った そしてPL一同祈りながらその案を実行に移すのだけど「……残念、君たちの予想は外れていた。PC-Aは死んでしまった」 せめて非戦闘員を救えたことだけを心の支えに町に戻る一行、そしてその夜 「NPCが正体を現す、なんと彼はニャルラトホテプだった!(システムはクトゥルフではない、というかSW2.0)」 そしてPCの苦悶する様を見たくて罠を仕掛けたのはNPCことニャルラトホテプであり、死んだPCはニャルラトホテプに食べられて吸収(?)されてしまったことが明らかになる 呆然とするPCを後目に、ニャルラトホテプは死んだPCの姿を取って高笑いをしながら夜の闇に消えていくのだった…… 「……これ、正解あったの?」 「NPCを見捨てれば即クリアなのでイージーゲームでした」 「私が実はひとつ見落としをしていて、あのときあなたが挙げた××の案を実行していれば罠は破られてましたね」 「出来るか聞いたら暗に否定したじゃん!」 「明言はしていません」 351 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 17 36 48.56 ID aMN6YZ7W0 [2/2] 典型的なPLをハメる事しか考えてないGMか 352 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 18 05 20.06 ID lO8U7pg/0 [2/2] まぁ、GMを二度とやりたくなかったか GMを二度とできないと言う罠に自分がハマってる事に気づかなかったか。 353 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 19 06 38.33 ID zHf62RwQ0 [2/2] 350 乙、NPC相手に疑わしいなら「ディテクトフェイス」ぶち込むような鳥取じゃなきゃその手のシナリオってクリアできなくないか シナリオ単発で使い潰すためのシナリオじゃなくて持ち寄り系でやってる分、悪意も酷いなぁ 354 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 19 13 33.62 ID dIP1fYcH0 [4/5] 350 それ正解したとしても達成感も糞もないし、どのみちGMへの不信感が募るのは不可避。 完全な糞シナリオ&ダメGMです本当にありがとうございました。 どうしてこういう思いつきGMが減らないのかね。 今時どのルルブにも「GMは皆を楽しむことを第一にしましょう」的な心得書いてると思うが。 355 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 19 34 02.31 ID oYUtLzza0 その「素晴らしいアイデア」を思いついたところで思考が止まって PLがどう思うかなんて脳から飛ぶんだろう… 356 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20 02 08.13 ID d0coG7f10 四次元殺法コンビのアレを張りたくなるくらい典型的な馬鹿だなw 357 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20 27 33.73 ID yXa1bLAEP [4/5] 言葉足らずだったのでひとつつけたす NPCはそこで初めて登場した訳じゃなくて、これまで別セッションで顔出しして愛着もあった奴……になりすましたNPCだから「疑う」発想はまず出ないはず 358 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20 45 33.11 ID 0n4VbvCX0 [2/2] 357 うわあ……騙す気100%だこれ 359 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20 52 56.62 ID dIP1fYcH0 [5/5] それもう「俺はGM辞める」宣言と受け取って後は干したほうがいいんじゃねw 360 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20 53 10.53 ID KVNsb20K0 [3/3] 357 ひでえ…… ところで『オンセとかによくある、登録PCを持ち寄るタイプの環境』ってのがよく分からないんだが、要するにオンセのキャンペーンってこと? キャンペーンにこんなセッションをねじこむとか、マジで理解できないんだが 途中ならPLの意欲ダダ下がりって想像はつくだろうし、最終話のつもりだとしたらマジキチ 361 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 20 58 24.26 ID CUijVz1E0 357 思った以上に酷かった 362 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 21 00 17.40 ID p5mbp82q0 357 殴るか蹴り出すかしてOK 363 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 21 12 26.30 ID 0DDL9GQaP 357 悪意しか感じねぇな…。 364 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 21 25 47.90 ID yXa1bLAEP [5/5] 360 持ち寄りって言うんかな? 参加できるPLがあらかじめ登録しておいた手持ちのPCから適当に選んでパーティ組むようなの 日程のスリ合わせが楽だけど、ひとつのキャラの成長に複数のGMが関わってくるから死ぬとすごい気まずい 365 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/09(金) 21 27 30.44 ID pLIyMXJ30 360 まずPLがPCを作成してサイトに登録しておき、それをGMが立てた卓のシナリオに参加させるタイプだろう 623 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/12(月) 11 08 54.58 ID gR64Gvk50 616 あー…なんつーか乙、としか言えねーや(´・ω・`) 357の件について、偽者と気付くかどうかの判定とか違和感のある言動とかでの 情報提示があったのかどうか訊こうと思ってたんだが 訊くまでもなさそうだなこりゃ。 625 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/12(月) 11 24 34.89 ID M6ztEV7TP [3/3] 623 判定はなし 会話から窺える違和感とかは、ドッペルゲンガーの能力と等しかったから記憶や癖も含めた完全コピーされてる ついでに言えば、仮に疑って魔法とか使っても6ゾロ出さなきゃ無意味 強いて言えば、何らかの理由で戦いになったときに強すぎて気付くくらい……当然そのまま全滅するだろうけど 629 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/12(月) 12 14 41.07 ID UFkViRLA0 625 今気付いたんだけど、その設定で「NPCを見捨てれば即クリア」って どういう展開を想定してたのか見当が付かないな… 「よくぞ見抜いた」とか言ってドッペルが自殺でもしてくれたのか? 多分それ、見落としをしてた云々も含めてフカシで プレイヤー虐めるのが目的のデッドエンドシナリオだった薬缶。 632 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/12(月) 12 50 14.95 ID iEDI5wje0 [1/2] 629 NPCを見捨てる→よくぞ見抜いた、だが頃す→PC全滅、となる展開しか予想できねえw スレ357
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856 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 01 45 21.78 ID ??? 似たようなサプリゴネでDX3がでた当時なんだけどルルブ追加で従者ブラムが 出来るようになったときにリビルドどセットでゴネられて困ったなぁ。 857 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 08 08.24 ID ??? 出てすぐセッションとかじゃなきゃ、ルルブ追加ほどの大規模なのはリビルド認めてやっていい気はするけどね 858 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 11 46.52 ID ??? 従者ブラムなんてマゾいのよくやる気になったな 859 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 13 15.40 ID ??? リビルドしたら性別が変わったでごわす 860 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 13 45.33 ID ??? 従者追加ってことは、ルルブ2発売前後ってことだろうけど…… DX3rdのルルブ1限定とルルブ1&2環境じゃ、結構条件が違うからね。 エフェクトの撮り直し程度のリビルドなら、じゃんじゃん認めていいタイミングだと思う。 問題は、第一に従者使いにリビルドってのは結構キャライメージに響く改造になるから、 キャラの同一性的に認めちゃっていい範囲かっていう論点。これは鳥取とGM次第かな。 一番の問題は、従者の性能のしょっぱさと、しょっぱさのせいで再リビルドの希望が出そうだってことだw 861 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 21 31.08 ID ??? 857 そいつがゴネたタイミングって出た直後どころかフラゲしてきて次のセッションまでに作り直してくるからやらせてくれって言ってきた。 860 そいつにルルブを見せてもらって弱いよって聞いたら愛でカバーするとかいってきた。 結局熱意に負けて許可したらルルブ3の時も似た様なことしたんで調子に乗るなって言ったらふじこったのでキャンペから追い出したけど。 862 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 25 35.79 ID ??? キャンペーン中に新しいルルブが出たら、無条件にリビルド認めてるが、 そういうのはメジャーじゃないのか 863 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 25 40.62 ID ??? ルルブ3・・・? 864 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 26 46.11 ID ??? 俺は認めるし認めて欲しいと思うけど、どこもそうだとは思わないかな。 メンバー全員に周知できるタイミングなら、じゃんじゃん認めた方が楽しいと思う。 流石にフラゲで一人だけ持ってるタイミングは厳しいが。 865 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 39 20.21 ID ??? 863 上級ルールブックのことじゃね? 866 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 02 59 10.17 ID ??? 862 そんなのGM次第だろ 867 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2012/01/19(木) 03 43 49.98 ID ??? リビルドという行為そのものが嫌いな人もいるしな スレ307
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【検索用 ちゃいなふぁいたー 登録タグ 2016年 VOCALOID じーざすP ち アートトラック 曲 曲た 鏡音リン 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:じーざすP(ワン☆オポ!) 作曲:じーざすP(ワン☆オポ!) 編曲:じーざすP(ワン☆オポ!) 唄:鏡音リン・レン 曲紹介 曲名:『チャイナファイター』 アルバム『ワン☆オポ!vol.11』収録曲。 歌詞 哈(は)!哈(は)! うぅぅ…哈(は)! 哈(は)!哈(は)! ラウンド1 まず間合いとって 波動系の飛び道具でもって 牽制 速攻 飛び抜け それを強パン撃墜 落ち着け 立ち回り 削り中キック 織り交ぜるは下段の大キック 固めて固めて投げ技 またまた起き抜け中キック パンチパンチキックパンチパンチキック パンチパンチキックパンチパンチキック パンチパ KIKOUKEN パンチパンチキックパンチパンチキック パンチパンチキックパンチパンチキック 必殺…KIKOUSHO! うーりゅーちーぱ一少林寺 ほら 目と目で通じ合う はらはら 体力すくなし ラウンド1234(いーあるさんすう) 強い奴と戦いたいなら 強い奴にならなきゃだめね ごはんも沢山食べなきゃだめだめ うてないよ KIKOUKEN 哈(は)!哈(は)! うぅぅ…哈(は)! 哈(は)!哈(は)! ラウンド2 ジャンプをくぐって 多段HIT系の技でもって 連携 小規模コンボ お手軽に上級者気取ってます SONICBOOM かわしつつキック 対空はまさかのしゃがみ中パン 速攻 前ステ セービング からのスピニングバードキック パンチパンチキックパンチパンチキック パンチパンチキックパンチパンチキック パンチパ KIKOUKEN パンチパンチキックパンチパンチキック パンチパンチキックパンチパンチキック 必殺…KIKOUSHO! かんたん かんたん 無問題(もうまんたい) ほらプレイボタンはそこ こんなに興奮してるの うんと久しぶり ドキドキ 弱い自分も愛していかなきゃ 弱い自分に負けちゃうからね おやつも食べます食べます でもでも体重は秘密っしょ なにかと戦う姿が自分と重なる瞬間にみなぎるの うーりゅ一ちーぱ一少林寺 ほら 目と目で通じ合う はらはら 体力すくなし ラウンド 1234 強い奴と戦いたいなら 強い奴にならなきゃだめね ごはんも沢山食べなきゃだめだめ だめだめだめだめ みててね やけくその HADOUKEN! 哈! コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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1/16 【京ちゃんの誕生日】 須賀咲ちゃんです! 今日は京ちゃんの誕生日、 京ちゃんがお仕事から帰ってきたら、ささやかなお祝いをしてあげるつもりです。 まぁ、こうやってお祝いをするのも一度や二度じゃないので、簡素にやるつもりだけどね。 大人になって誕生日を盛大に、って言うのもなんか恥ずかしいもん! 「パパはもうちょっとしたら帰ってくるから待っててね」 「「はーい」」 どちらかといえば子供たちの方がソワソワしています。 自分たちの誕生日をお祝いされるのも好きだけれども、誰かの誕生日を祝うのも好きなお年頃。 イベントごとってだけで盛り上がっちゃうんだろうね。 「何を用意したの?」 「ないしょ!」 聞いてもこうやって逸らされてしまう。 むっ、いらん知識がついたね。嬉しいことだけど!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2/16 京ちゃんが帰ってくるまで騒ぎ出す子供達を無理やり押さえつけていると、インターホンが鳴る。 何だろう、と玄関の扉を開けてみると、霞さん、シロさん、玄さんの三人がいた。 「咲……、これを渡しておいて」 「去年はお世話になったから、お誕生日プレゼントよ」 そう言ってホールケーキを渡してくる。 わわわっ、何だか悪いなっ。 「ごめんなさいね、人の旦那さんに」 「いえいえっ、霞さん達なら大歓迎ですよっ」 「それっ、白望ちゃんの気合を入れたケーキだから、きっと美味しいわよ」 「か、霞。黙って……」 「シロさん、ありがとうございます!!」 「私からはこれ、ケンタッキーのフライドチキンよ」 「(手作りしようとしたのを私が止めた)」 「(わ、私だってちょっとした油ものくらいは出来るわよ! ただ京太郎さんに渡せるだけのクオリティのものにならなかっただけで!)」 「(おかげでしばらくうちはフライドチキンばっかり……)」 「(悪かったわよっ!)」 「そ、そんな、霞さん達にはお世話になってばっかりなのに」 なんか京ちゃんの人徳に嫉妬しちゃう。 京ちゃんとこの三人、数回しか会ってないって聞いたのにー。ムー。 「そんなことないわ。 どちらかと言うとね、去年の咲ちゃんの誕生日分も含めているの」 「えっ?」 「だから旦那さん一人の分というより、咲ちゃんも含めて二人の分って考えて欲しいわ」 「霞さん……。 ありがとうございます!」 わぁ、なんだかとても嬉しいなぁ!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3/16 「ほらっ、玄ちゃんも」 「あうあう……」 「玄さん?」 そういえば玄さん、誕生日プレゼントを贈りたいって言ってたよね。 「こ、これ、マフラー……」 「もう、玄ちゃんがこんなに照れてるなんて珍しいわね」 「そ、そのっ、いつもお姉ちゃんに作ってるから手作りにしてみたんだけど、もし不格好だったら捨てちゃってもいいよ?」 「そんなことないですよっ。 ……ってこれ」 ,. . . -――- . . .、 ,. ' >.、 ./ \ / ,ィ ヽ /. . . . . . . . / l ト、 . ,' / l . . . . l .', . ,' l ,i / U l ! ', l . i l /{ /-一' レl ノー-, l i ! ;、 レ l〃⌒ヾ l/ 〃 ヾ l ! ', f⌒\{ {l l} {l l}Ⅵ 、 ! ', { 乂_ノ 乂ノ .l } \ノ 「既製品と変わらないレベルだ……」 ', 乂_ ` .!ヘ ノ ', 丶、 U ,--、 u ノ ヽ{\ ㍉  ̄ ,, '' `^≧| ┬ァiフ¨ ///∧ Kヽ、 //////∧ }//> , 、 / \//////∧ー―l///// } ≦ ヽ . . ヽ ク . . . i ヾ . . .ハ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . i / ヾ i i | | ヒ.i /ソ|` ∥ i | ;| .i | . ∥ | ハ |. { | ヾ | | ヾ|`|/ヽ|ソヾ ハ|ー≦\ | | ハ ィ.爪ハ .ヾ i イ斤心 } |ヽ |. | i 弋っリ 込 リ.| i | | i ハ | xx , xx .,i ヒ」 | 「そ、そんなことないよぉ」 o .i i u | | | i | ト ヽ. _ i | | ノ | | |. .ヾ ゝ 、 .,孑≦| |;;;;;; | /ノ | |. . . i ソ` 夭 /| ソ , | |ゞ i / ゝ仆' i ソi|/|. . . . . .i | | . . ヾ、 广 レへ /ヽ .i // ノ. . . . ./ /ヽ、 | |. . . i | 尸ヽ一イ ̄刀 /. . . . ./ / .ヽ| |. . . i | ,卅 / ノ. . . . / / /`.i |. . .i /. ヽ イ ト-匕ヽ/. . . . / / / .|――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4/16 「玄さん本当にお嫁さんレベル高いですね。 むしろお嫁さんという概念そのものですね」 「い、言いすぎだよお!」 「(むしろ玄は別の概念……)」 「(白望ちゃん、考えるのはやめましょう)」 「これ、生地もしっかりしているし高かったんじゃないですか?」 「旅館の知り合いに譲ってもらったから大丈夫なのです!」 「(あれ、この前買ったって……)」 「(考えちゃダメよ)」 「あとこれ、咲ちゃんの分を色違いで用意したんだ」 「えっ、私のも?」 「ほらっ、夫婦でお揃いなら可愛いかなって」 「玄さんー!!」 / .. .. .. / . . . . . . . . . . . ./ | . . .ハ . . . j . . . .} ゚。 |\ . . . . .| .. 。 .. .. .. .\ / .. .. .. / . . . . . . . /|__;.ム斗 ./ | . . .し . .;\_} . |__ ゚。. . . .| . ..゚。 .. .. \ .゚。 / .. .. .. / .i . . . i . /│ ./ | .′ | . . . . . ./ Ⅵ 。 . . | . . .. 。 .. .. .. }ⅵ /....... . ., . . . | . . . レ彡| ./三ミ {、 | . . . ./ 彡=リ三ミト、 . .| . . . . ゚ .. .. .. | リ / .. .. . . ′ . .| . ./〃 リ リヾ 、 . . . ./.〃 ヾ 、リ . . . . i .. .. ..| / .. .. . . イ . . . . .| /il{ }li } . ./ il{ }li | . . . . | .. .. ∧ / .. .. ./ |. . . . . リ il{ }li l/ il{ }li | . . . .| . . .. .∧ / .. ./.. . . .|. . . . . .| ミト、 ィj/ ミト、 ィj/ | . . . .| . . . .. .∧ j ./ . .. . . . .| . . . . . | ゞ=====彡 ゞ=====彡 │ . . .| . . . . .. ∧ 「はわわっ」 イO/ . .. . . . . .| . . . . . |////////////////{ . . . .| . . . . . .. ..∧ / ..// . .. . . . . . .| . . . . . |、 r――――― 、 ι ノ . . . .| . . . . . . . .. ∧ / .. ..// .. .. . . . . . . .| . . . . . | .\ ι | | イ | . . . . .| . . . .゚ , . . .. ..∧ / .. .. ..// . .. . . . . . . . . | . . . . . | . . 个 . . ノ ---―‐ ____} . . 个 . . .| . . . . .| . . . . . ゚。 . .. .. ∧ 〃 .. /|〃 . .. . . . . . . . . . | . . . . . | . . . .ハ . . .≧==- __ -==≦ .ハ. . j . . . .| . . . . .| . . . . . . |i .. . . . .∧ / ../ l/ .. . . . . . . . . . . . | . . . . . | . . / } . . . . / { } \ . . . / }. . . . . | . . . . .| . . . . . . }ト . .. .. ..∧ 感極まって抱きついちゃった。 もー、玄さんは私がお嫁さんにしたいよっ!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 5/16 「それじゃ、私たちはこの辺で帰るわね」 「えっ、よければ上がって……」 「そこまで空気が読めないわけじゃない」 「あとはご家族でお祝い、だよ!」 「みんな……」 / \ / / \ ヽ (_) / / ヽ ハ /\ / / / / ヽ V \ ハ / / i i ∧ { V/ / i /. .〉  ̄ヽ ∧.V ハ i i V . ハ ー- { \Vハ 人 川 ハ /. 〃 } / l ハ \ミ. .ヽV /. . 彡 フ ハ 「何から何までありがとうございますっ!」 し j ∧ ヽ、ミ ヽ∨ 彡 / ∧ / 〈 \__人`゙〒テ'"人 _/ 〉 | \__ イ //∧ 〉、__ / |人_ ハ } //!/∧/ ∧ ハ } {/∧//ハ / } { ヘ } !//∧/∧ / !_ ∧ヘ } !//ハ//∧.イ.\. . >―. ._ /./. ∧ ト!//7\/∧.\. . . . . . . . . . . . .┐ /./ . . ∧ !.!/j./ ∧/〉.ヽ\. . . . . . . . . .// /./ . . . .∧ !V./ ∧∨. . .\. \ . . ―. //. /./ . . . . . . i ヽ./ /. i. . . . . .ヽヽ. . . ー-. // /./ . . . . . . . { Y ノ. ハ. . . . . . .〉ヽ\. . ./ / / . . . . . . . . ゝ / /. .ハ . . . . . i. . ヽ.ヽ〃. / / . . . . . . . . . .ゝ{//ノ. . .i .i. . . . . ./ . . ヽ//――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6/16. ′ ′ ′ | / ' . \ | l | | ′ ' . | l | | /| ′ ' | | | | l | l l i-l l‐ | | ---| |l | | | l | l l |八 | l | |__, | |l | | | l |l |\从 l __}八{ l ノ 从 リ 八 j | l 八 | ,,xぅ斧笄ミ\ |斗ぅ斧x )/ / / ノ | l \ | 《 h __j刈 `ー┘ h__j_| 》厶イ イ | | 个゙ 乂廴ソ 乂_ソ ,′ | | | | , ,′ | | ┃ | `` `` ,′ | 「それじゃ、咲ちゃん。 | ‘ |\ r‐ ┐ 人 | | ‘ | | ` ´ イ _ _ __ 八 また会いましょう」 | ‘ 「 | ` .... | l / / /^Yヽ | ‘ |八 T7^\ | / / / /Y^, | ‘ |\\ // `丶/ / / / | ! | -‐ ‘ | \\ .//. / / / / .八 | -‐'^´ ‘ | \\ // / / / / / ト、 〃-‐‐-----‐'/´ ,, - '' ー '、 ´ ヽ\ / / | | ヽ \ / ,/ /| l _< ィ / 十/┤ 十ト l ハ ヽ  ̄| { 示芸 \ |示芸! } 〃 j Y\|廴 リ 廴リ,!リ ノ / 廴 /// /// | } {/ヽ|\、, > ___ _-__, イN/ 「……ケーキの感想、期待してる」 / 〉 | 〉、 " /`ヽ ヽ〈 V/l ハ ,' | ヽ「」/ ヽ, l ! 〈/ヽ〉 } └t-ィ ヽ イ '' _.―― .... / .. . . . . . . . . . . . . . ` ..、.. . ' . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . } . } .. / } ヽ / . ′. . } 斗/L/! . . . / 、i . . .}...... ', / . ′. . } ヽ ,斗‐|- . | ト.、 | |.!. / . | ... . /| . .. l\ ! ヽヽ . l /! ..l | | l. { /.! |. . .. | .. ... |〒弐オ`\.l/〒テト.|./|. i...rぅ' ,| .| . .| ;{. ,. | ト' ィ;リ トィリr ノl ノ./ { V | .| . .|´ii .. | `ー' .゙-'l |/.| .|/ . , . . . l |.i ',. | ゙゙゙゙ ` ゙゙',!. } 「今度二人で並んでマフラーをしているとこ、写真に撮らせてねっ」.{i { ハ . 込{. l '.,l. (_`チ _,ノ./|..乂 / . ∧ . .V.i ヽ_. !ヾ= ‐、‐ T´|..小{ / . ル´} .从`⌒H⌒´}.丿. } .{. / . . ;へ/` '、l .. __/八_, .l. .} .{/ . ///;;`ヽ',`..〈 ./ .| } | } .{――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 7/16 …… … えへへっ、みんなに色々と貰っちゃった。 これじゃ私のプレゼントが見劣りしちゃうよぉ……。 ま、まぁ、その辺は愛情でカバーだよ! ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、 /_,..- ヽ ` 、 / /´ / ∨ \ , ´ / ,' 、 ヽ / , , / /| | . | | | ∨ _/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | |  ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ | , ´/}/_}∧ | | | / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | | / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{ ´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ 「咲、ただいまー」 | ∧ ∧,イ Ⅵム - - イ // _ヽl\ //イ__ |////} ` ー ´「////| |////| . / |/[__}/| ,...<////∧ , |/////> 、 , <///////////\ ///////////> 、 , </////////////////}____{/////////////////> 、 //////////////////////| |////////////////////∧ {/////////////////////∧ ,'//////////////////////} |//////////////////////∧ ////////////////////////|. / . . .| . . . /^l . || . . . . . . | ヽ . . . . .ハ . . | . . . . . .ヽ . . . . / . . . .| . . . .| . || . . . . . . | | . .\ | . | . . . . . . .| . . . . . . / ..... .| . . . .| / . |ト . . . . . .| | ./_\ /| . . . . . . 八 . . . . / . . . . | . . . .| \|| . \ . . . ィX笊竺心j /| . . ./ . . . . . . .|/ イ从 . . | ィ/笊匁、 \ . .. ノ{ ハ | . r-x . . . . . |ー | . . .\| i| ノ{ ハ 乂ー-ソ j/ V . . . . | | . . . . . . 从乂ーソ . . . . ハ| | . . . . . .∧ ′ "" / . . ./ | . . . . . . . ハ "" 厂 . . /j/ 「あっ、おかえり京ちゃん」 | . . 八| . .八 r-, / . . . / | ./ \ . {\ / | . / | \ > .. _ イ リ/ __] {___ _/三l /三三三≧=-__ _x<三ニ/´ / /ニ三三三三三三三>. r≦三三ニニ/ /三三三三三三三>´ /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´ \ そんなこんな言っていたら京ちゃんが帰ってきました。 果たして京ちゃんはどんな反応をするんだろう。今からニヤニヤしちゃうよね! ダダダダダ、と家の中から走ってくる音。 普段なら叱るけど、今日くらい許しちゃおうかな――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 8/16 _ -‐==‐- /. . . . . . ` -‐==ニ二 ‐‐- _ `ヽ / . . . / / / `ヽ / / .i .ト . __ニ=-. ./ . / | | ヽ \ / . / { i‐-ヽ ._\ \ ./ . { i ', ! ___\ . / ヽ \ ニ=- ̄ / | i | | |≠r rュミヾ i{ .ハ ∨ ∨ミ、 ./ /| i .{ !`ヽ !| {つ i! } `ヽ| 〉j. 〉 } // | ', i !ニミヽi\{ 乂zzソ /| !| | i ヽ ム . |fっi! } { i |‐-─ 、- | ト \ヽ|匁ソ , / i/| | . . . . ./ ヽ 「パパ! たんじょうびおめでとう!」 | .| } ゝ ‐- / !/i| . . / i t|ノノ~|/Vハ くi ノ /. ヽ/ |ゝ、 \ -‐ /. / ヽ >‐──.、. . / -‐‐、 / _,「 . ) . / イ ニ=- ~ / f . | r / // ~ ‐-ヽ / | ハ ! /| / i / __ i . 、/|__ ∠ / ‐ // | /`-‐ / / | __ -‐/ / | / .. .. .. .. .. .. .. .. .. .. .. .. .. ..\ / .. .. .. .. .. .. . . . . . . .. . . .. .. .. .. .. ヽ ノ .. ..// ./ ./ ./ . . .;、 . . i. . . . . .. . 、 .゙、 /、 / ,ィ_,A .ハ.i.....i !|__|___|、 . . . .i . i / )_ .i .´|V ソ .|! . . | !ト、 !、 |`| i . . | . | __ ,.-‐┐ ___ , =''"/ .// . .| . .|ィ≠=、 !、 . | z≠=、ハ . .i . .l/-―ァ / ノ ( ` ̄ ̄`ヽ.;-ノ // . . . ト、;!b ;;;; ! ヽi b ;;;; i ソ / ./_ . . . . ̄`ヽ// / `ー-、__/ ` !\ .ム.! ー―' , ┴--' ノ / ノ ) . .rv‐/ / / \_ ___ノ ノ )、ヽ 、 "" r―‐┐ "" !ナケ' ̄フ'/ / // /、`ヽ、 `ヽ f __ ∧ ,.へ iヽ! \ 、___ノ / / / // / / / '"  ̄ヽ!__/ `ー-----r‐'" i r/ / , |ノ! `ー----ァ'" / i! '" / 〈 i  ̄ `ヽ 「これ!」っ肩たたき券 \ ヽ !_ノ _/__ノ ヽ、 \ / / !、 i V 、_ 、____ノ ) | 、ヽ_,ノ、_/---、〈 `ーァ、___,、_/ !  ̄ヽ,_/ ` ) (_ノ ソ / . _〉 ,," ゛、 ノ / _` / (ヽ ヽ | | / 〈 \ 《 ゛、 /゙、 / ,.---‐二ノヽ___!、 \ i | ゙、 i ゛、 ラー=-| (__,..イ `ー'´ 7\_ ) __ /⌒ヽ ⌒\ ∨ ヽ___ _, ----` ∨ `ヽ、 /´ | \ / ____ / l| | . \ /// / | |l | ヽ / / // ,∧ / ,イ l| . . . / イ / // l | ' / ! 从 | . .'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | . }' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } . / イ | l{ { ∨/ ' } ∧ . ´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{ {从 | , ムイ r 、 }} /} \ 「うおおお!! | ノ ' }/イ/ { _,ノ ありがとなァ!!」 人 _,.. ァ r }/ ` ゝ - 'U イ |/ ` ーr ´ ___|_ ___| |//////| {|___ノ __|[_]//∧_ /// |____|///////////> 、 ///// | /////////////////> 、 /////// { //////////////////////} //////////∨///////////////////////|――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 9/16 走りこんできた子供達を思いっきり抱きしめる京ちゃん。 もー、スーツがしわになる……。まっ、今日はいっか! 「こんなのもったいなくて使えないよ」 「もー、そんなこと言ってたら子供達が拗ねちゃうよ。 ほら、もう使ってほしそうだもん」 「うぐっ、じゃあ一枚だけ使おうかな」 「はいはい。 まずはいつも通り着替えてからね。 今日は色々と貰い物があるからご馳走だよ」 「えっ!?」 「私と京ちゃんにって、色々貰っちゃった」 「そっかァ。 お返ししないとね」 「そだね」 こんなに色々貰っちゃったら何かのタイミングでお返しに行かないといけないな。 でも、あの人たちは何をしてあげたら喜ぶのかなぁ。 よし、今度考えておこう!――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 10/16 …… … ・幕間 「お父さん、何見てるの?」 「うげっ、照!?」 京ちゃんに抱きつく子供達を見ながら、お父さんが黄昏ていたので声をかけてみた。 するととても驚いたようで、持っていた何かを落とした。 「何これ」 「か、返せー」 「……?」 何の変哲も無い、チラシのように見える。 さっきまでお父さんのお財布の中に入っていたようだけれど、イケナイお店のチラシだったりしたら大変。 _. . ――― . . ,. ´ ` 、 / \ . ' / , 、 ヽ ヽ / / / / , | ! | ∨ ∧ , / / / / 、 .ト、 | | { | .| | . / 〃 / /| 从-、} 、 .|-从}-Ⅵ | | | / ィ { |r----从\ |, ---- ミ , / ,  ̄´ | }从 { ⌒Y ∨ ⌒Y } /}/Y ′ | / 乂_ノ 乂_ノ / イ / ,′ | { //// ////r- ' / 从 乂 ^ー( イ / / 「!?」 ∨ { 从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_ 从 イ / \| / \ ∨^/ />/' } / / |乂\∨_,イイ/ } {/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉 {`ー∧ / ∧ .、 |- r' 「だから見るなって言ったのに……」 お父さんはパシッと私の手からそれを抜き取ると、財布の中に大事そうに仕舞い直した。 おそらく20年以上昔に作られたそれはもうボロボロのヨレヨレ。 いつ破れてもおかしく無いだろうに、大事にしていたんだろう。 顔が真っ赤になる。 ……見るんじゃなかった、かな。┌─────────────────┐│ . |│ -┼、\ -┼─ -┼─ -┼─ -┼- |│ / | / -─ / -─ / -─ - ヽ-. |│./ J / ヽ_ / ヽ_ / ヽ_ ヽ_` . |│ |│ |│ .i -┼- / |│ | | / ,-, てる |│ ` ノ ι' し' さき |│ |└─────────────────┘ … ……――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 11/16 …… … 「京ちゃん、私からの誕生日プレゼント」 「照さん? いつもわざわざありがとうございます」 「……」 _. . . . ´  ̄ ̄ ̄ ̄ ` . 、 ,. . / ` .、 ' \/ \ / / , ヽ / / / / , . / / / / / , .∧ / / .' ' / / / | | | ∧ / / , -、| / / /,、 / , , | | ∧ .' / /,'⌒| /| / イ / ,\ / / | l | . | | { { ∧ 从{ {/ 「¨≧、 } / , / .' }_ \ | | 乂__)∧ | /r' Y〃 / / / / ` ー ' | | / Ⅵ 〈ソ /イ / イ / }/ | | ,′ \ 乂 / イ / | 八 | { ノ'/ | l 从| 、 / ぱ从 ∧ | }' \ ,ィ-く く{ \ .{ \ j ∧、` . イ¨´ゝ \ , | \ \ / ノ } / 7´ / `\乂 | ̄ ̄\ --/ ` < ∧ { | \ / `< | / >- 、 | , -/ ,. <>´/⌒,ム | / ,. <> ´ イ マム |_/ ,. <>´> ´ . . / マム ィ介ヽー― ´> ´イ . . . . . ./ ∨} ……お父さんのせいでちょっと頭がおかしいのかもしれない。 ちゃんとしたものは、今度あげる。 口にくわえたポッキーのチョコ部分を京ちゃんの口の中に入れて、スナック部分を噛み切る。 チョコを咥えたまま呆然としている京ちゃんを置いて、恥ずかしくて走って去って行ってしまった。 全部全部、お父さんと京ちゃんが悪い。 私は悪くないもん。 誕生日プレゼントの万年筆は、後で渡すからね。 … ……――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 12/16 「もー……、お姉ちゃんったら何してるの」 ボーゼンとする京ちゃんの背中を叩いて正気に戻す。 いつもならお姉ちゃんに怒るところだけど、今日は特別だよっ。 「はい、私からの誕生日プレゼント」 「おおっ! やっぱり咲からのが一番うれしーよ!」 「はいはい、お世辞はいいの!」 「……これってマグカップ?」 「一番大したことないもので悪かったね!」 「いや、別にそんなこと言ってないじゃん。 すげー嬉しいよ」 「その、ね。 そのマグカップ、私とお揃いなんだ」 「うん」 _,.......---............_ ,. ´ ` . 、 / \ . ヽ ' . / / | ヽ ' .' / / / .| | 、 .'. | | / ,イ , | ハ l | V '. | | 、|__/_}__/Nノ N、|_}_, | | '. | ハ | ハ / / イ } / / } ∧ / ト、} .| { {-从 {/ ̄ テ雫ミ/イ /イ }イ雫} / / | リ\} 八 {、 、__ \ lヽ Vり ヒり/ イ / | `\}、 、 / / / / / / / / / ム / 人 { , --r--,\ ,-- 、_____ 人 / \〉 「最近、なんかドタバタしたり子供達がいるから恋人時代みたいにあんまりイチャイチャできてないから……」 / | | | > ____ソイ⌒∨ { , , { ∧-, r/ //| } | \、\ ∨- / // / | { 、、\ ∨/ // ∧ | | | \__>、_}'__>´/} | | | `ー=-r-- ´ , |――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 13/16 …… … ・誰が誕生日プレゼントを渡すか勝負中 __、─- 、 > ,, ` ,, '´ ゙̄,Z._ , ' i!i i!i !ii !! <. / ii! !! i! , ii ハ ii! ii! ヽ l i! i!! ,イ /l./--l ト ii ii l ━━┓┃┃ | i!,.、ii /‐l/-'、 ̄,V-|ハ ! N ┃ ━━━━━━━━ |!i.|.f1.| ===j= ,,r ==j=lW ┃ ┃┃┃ |.i!|.「l | `ニニ´ ヾ二 l ┛ |ii ヾlノ. , -‐' r _ \l /| ii /'\ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚ _/) | / 。≧ 三 ==-‐..T....|(( K -ァ, ≧=- 。.....|.....| )) l(ヽ イレ,、 >三 。゚ ・ ゚... |.....|(( ( l)ゝ( ≦`Vヾ ヾ ≧....|.....| )) )l ) )) 。゚ /。・イハ 、、 `ミ 。 ゚ 。 ・ / _ ! _._ `ー=ニ ` 、 / /ミミミ、 ! ////∧、 ヾミ三ニ─´ _ . / ノリ /ミミミミゞ ! l// `ミミヽ、 _ / | // /ミミヾゞヾゞV ミミミ .、¨_¨─ ´ _ | /ミミヾゞヾゞ _..',Y ∧  ̄ ¨/ | /三ミ / ',Y 〉 ─ ´ ー .ヽ彡 i i イfェュf´ |) ./ミミミヾ、 ノノ〃ヽ´"fェュ、 ''"´ ノ|¨ゞゞ、三==' -=彡≡彡 `¨´ i / |ハゞゞニ=' 「えっ」 ミ三=´川ゞ i U / .| ヽ  ̄ 川ゞゞ、 、 _ . / .∧ _ ヾll| ゞゞヽ i` ._. / ./ ∧ヽ ゞ ` ヽ、_¨-―- ./ ./ .| \ lハ 、_ .´ / l | ¨ ・ . /| \ / l | ` ・ . // |. `_´ / | ,! ハ ヽ ,,‐ ./ / 从|i、.| | r \ `ー / ̄.ヽ_-、 .ー彡 _/ / / l } \l | ( ( 《 《 \_二ニフ ( .ー彡 ≧必__丿ノ ノ \\ 入ヽヽ斗\ヽ ヽ、 ヘ_ ''― l l. ゙l゙l. i / 弐ヲ 弋+デ─寸\\キセ+ナテ) )l | l _ ノ yくヽ\l゙l.゙l.゙l ` ── " ノ )Τ ―<////l l l \ ヽ ( ゙l ゙l゙l |.ゝ | .ノノ// \  ̄ ̄ヽ \_j リ l レ l // ぐ ̄ / |゙!彡゜ U l / ―----ヽ、彡ソ'/ i、 | く l / `ニン l. 从,.弋 ヽ ⌒ '" ./ ミ 乂 l|lヽ ヽ、 `''ニニ''''''''''''''''フ″ / lリ \l 「えっ」 |三 .\ ヽ  ̄ ̄ ,,. /ソノ |三三 >,,, ヽ ゙"''''"" / ノ三三三三>ミ\ イ 斗≦三三三三三三三≧ 付≦三三三三三三三三三三三> ノ三式_三三三三三三三三三三三三三三三三三三|三三三≡≡==ー-――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 14/16 …… … ・マヨイガで二次会 , ' . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ ..ヽ /. . . . . . . . . . . . . . . .;、 . . . . . . ヽ .. .ヽ // . ./.. /. ; / ';. . . . . . . . . . '; ....; /,' . ;'. /. l! ;' .'; l l . . ..i /.i | lL -亠 l  ̄丁T! ‐! l l . . |. i ! 、 l l!、 _」L l l --+HL_ l .;リノ . . ...| ! .l トゝ !´__ _ヽ 川 ,,z=-zy/j;イ .| | .l . lv'筰 卞 ヽ. ´ b jヽ .!l .| l l! .辷.ノ ー.― ll .| l l. ,,, ' ''' 'l . .| l l U /l .. l .l. ャー‐ッ / l / .l l ... イ / l 「(えっ?)」. l >.....___ < | l / .. ' l . / l / . /. l .. /{ | / . / l . . / ゝ´ll /,' ./> 、 l . /// ! / / イ./ ヽ. l . / ,' / / ;.' / | .i. l=;/ l / ,; ,' / ! l ,' l ./ i / / / l! .l / 丿, ' /! ;' / / ! ___/ / / \ \ ⌒フ / , / l 〈 \\ \ / / / / /| \ ∨ \ \ / / / /-~/-| { \~ー 、' \ ) 〈 / | |八Ν__八{ | _\ ∨ l|′ / l| l ァ┼ ┬ \N┬‐┬ | | リ 〃 / l|\_从 乂゚_ノ 乂゚ノノ}∧l/} 八/ / ,八 入 、 ,,, ,′ ト、ノ. { / }\__ U ′ |. 从 八{ 込、 ∠ . イ^| }八 「(アレでイチャイチャしてないに入るの?)」 ∨ \从_}> . __ イ 八jノ ) / \__ Κj/ _/ //〉_∧ ‘, / .∨ ,/// ∨ } .. . . ´ ∨//\__//∨ `ト、 /∨ ∨\ i i i/ { . . | \ { ∨ \/ i∧\{ . . | ∧ ____ ___ ,, ´ ` . / \ . \ {___j⌒ヽ ゚。 / .ヽ ___,ノ ノ { / / | い / --- ´. / \__/ .ィ /! .ハ ‘ , ‘, ゚. 乂,ノ /ー――― { | i | | ∨ . | | | ゚◯. / | |丁¨{丁{│ . .. i| ¨v 丁¨` | | .゚ i i | |ハ!ハl リ い、 小 乂{\ | | i | ハ | | ,ィ宍ミト } \ ..゚。ィ宍ミトぃ.. | | || | | |〈 _)トJi | `¨ _)トJi | 〉| | | || | | l ,込rク 込rク . ...| | リ | | |i 。 。 | | |. { } ト . ' ' ' ′ ' ' ' イ .l | 「(二人とも何で呆然としてるんだろう?)」 C| | ハ へ / | 。. ! / ||i { 个 .  ̄ イ ,゚ .,゚ .| | ||ハ 。 i > ___ ィ i{ / / j{ | || ゚。 ゚。 i r‐| |┐ }/ / ハ | || ゚。 ゚。/ \ / \ / / .,゚ ゚, |i ゚。>''ゞミ{ ,八八 ノイ、| | | ィリゝヘ r=====ミ___,ィ=====ュ | ト、 ..|――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 15/16 …… … 「でも、お仕事忙しいのは仕方ないもん。 雰囲気だけでも恋人らしくしたいなって」 「……」 __ /⌒ヽ ⌒\ ∨ ヽ___ _, ----` ∨ `ヽ、 /´ | \ / ____ / l| | . \ /// / | |l | ヽ / / // ,∧ / ,イ l| . . . / イ / // l | ' / ! 从 | . .'/ ' ' /-|-{ { | /}/ | / } } | . }' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } . / イ | l{ { ∨/ ' } ∧ . ´ | {|从三三 / 三三三 / /--、| ∧{ {从 | , ムイ r 、 }} /} \ | ノ ' }/イ/ 「咲かわいい!!」 { _,ノ 人 _,.. ァ r }/ ` ゝ - ' イ |/ ` ーr ´ ___|_ ___| |//////| {|___ノ __|[_]//∧_ /// |____|///////////> 、 ///// | /////////////////> 、 /////// { //////////////////////} //////////∨///////////////////////| 「ひゃあ!?」 「もー、そんなこと考えてたのか。 かわいいじゃん」 「ちょっと、頬ずりしないの! 夜だからお髭が生えてきてて痛い!」 「ご、ごめん」 「うー、お嫁さんを心配させる京ちゃんが悪いんだもん」 「そーだな。 今度、またデートしよっか」 「うん」 な、なんか改まって言われると恥ずかしいな。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 16/16 「……これで、終わり?」 「そだよ?」 「……そっかァ」 「? やっぱりマグカップじゃ嫌だった?」 「いや、これは嬉しいんだけど、その……」 なんか京ちゃんの歯切れが悪い。 なんだろ? 「……いつものプレゼント期待してたから」 「……? あっ、まさか……」 /\-――‐- 、 , --=7 丶 `ヽ /, ヽ ヽ ∠/ / 、 、 丶 i / i ! l. l i. i | / ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、 /_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`  ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !| ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ // l i `i _/,、/ 「『プレゼントは私!』ってやつ!」 ´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′ 丶 ー ―‐ ' / |′ \ / | __ i ー ' ! __ , ィ'´ . /-‐ ´} / `Y´ . .\ , -‐'' ´ . ./ . . ./― - 、 ,/__ / . . . . . /`丶、 ハ . . .i ., . ,′ . i `  ̄ / . . . . ../ . . . . . . .丶、 / . . .i . . |,' . i . . . . ! ヽ / / . . . . . / . ., . . . . . . . . ,.ヽ ! . . . .ヽ .{ . .l . . . . l. i / . . . . . / . ./ . . . . . ./ . . .i _........----......._ ,. ´ ` 、 / 、 ' , 、 ヽ / / / | | ∧ .' ' / / , イ | } | | ∧ , | / /l / / } , .イ / } } ! . | | / { _/_}ム/ / /、_| _/ / / | . { / | ィ´}//イ /} / / }/`ヽ イ ' 〉, , { | ,ィ斧汽 /´ ィ斧汽、} / |\ | {八 { \ {とヒこソ ヒこソっ イ | \} | 乂ム . . . . . . .、 . . . ムイl / 从{∧ _ _ 人 ∧{ |/ > ../^} /⌒l、` .イ } ./ リ 「もー、しょうがないなー!」 ___/-'-'-- 、/〉「-、/ ' ,.. < {======ミ`ヽ|〉 ` ...._ /⌒\\ /`ヽ ∨, { >-、 {==、 { \/ 〈7 ー、{ ̄| //,ィ^. , \Ⅵ / | , /イ . ./ ∧ みんな、ちょっとお出かけしてくるねー。 あ、明日の朝までには帰るから! 大丈夫!! カン!
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2021年4月17日 視聴者問題 2021年4月17日ネーデリア「危険ほっこり」 2021年4月17日かりんぱにぱに「潔くかっこよく生きてゆこう」 2021年4月17日耳「目と目で通じ合う」 2021年4月17日ゆま「真帆.UNO.トランプ」 2021年4月17日ブルー「ミスのある顔」 2021年4月17日従業員よっしー「笑顔の行方」 2021年4月17日モーリー「報われた努力」 配信アーカイブ(外部リンク) 配信月に戻る 前の日 次の日
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第百十九話 そう思うかどうかが俺の基準なんだよ 投稿者:兄貴 投稿日:10/09/04-09 29 No.4400 ――求めるのは絶対的絶望、そのための手段は全て講じてあります 今目の前に居る少女のような瞳で、表情で、かつて自分の愛する女は言った。 アンチスパイラルのメッセンジャーとしてその身を変えられ、人類に絶望を告げる役割となった。 皮肉なものだ。 もう二度と自分は愛する女と会うことは出来ないというのに、まさかよりのもよってもう一度あの時のニアの面影を持った女性に、こうして自分の道を阻まれるとは思わなかった。 「クロニア・・・テンジョウ・・・お前は・・・一体・・・」 腹部の一撃の痛みが少し引いてきた。シモンは自分の身に起こった現状を整理していきながら呟いた。 「質問はこちらかしているのです」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「何か?」 目の前の女性、クロニアは相変わらずの無表情。冷たい目で自分を見つめている。 彼女に対して心乱されたシモンは、直ぐに返答出来なかった。 そんなシモンの動揺を見透かしたかのように、クロニアは表情を変えぬまま口を開く。 「どうしました? 私がそれほど誰かに似ているのですか?」 「ッ!?」 一瞬心臓が鷲摑みにされたのではないかというぐらいに、シモンの体は反応してしまった。 似てなどいないのにだ。 しかしシモンの態度はまるで肯定しているかのように、言葉を詰まらせてしまった。 「そうですか・・・ですがあなたの事情は私には関係ない。あなたはまず私の問いに答えてください」 だが、戸惑い言葉を詰まらせるシモンに何の関心も持たずにクロニアは言葉を続けた。 「いや・・・・」 「?」 「似てなんか・・・・似てなんかいないよ。少し驚いただけだ。テンジョウ・・・お前がユウサの言っていた者だな」 シモンは苦笑しながら首を横に振った。 そうだ、似てなどいない。心を乱してはいけない。 目の前の女性はニアではない。 シモンは腹部を押さえながらもようやく立ち上がり、クロニアと向き合った。 「俺はシモン。新生大グレン団のリーダー、穴掘りシモンだ。お前の持つ力が螺旋力なのだとしたら、俺はお前と同じ、螺旋族だ」 シモンの言葉にクロニアも僅かながらの反応を見せる。 「・・・螺旋族・・・」 「これがその証だ」 そう言ってシモンがクロニアに向けて見せたもの。それこそ螺旋族の証でもあるコアドリルだ。 「・・・・・・やはり・・・それは本物でしたか」 胸元をはだけさせて見せたコアドリルに一瞬クロニアは眼を見開き、そして視線を再びシモンの顔へと戻した。 「学園祭の映像でもあなたを見ました・・・・・・たしかに、あなたは私やお父様と同じなのですね・・・ありえない話ですが」 シモンをジッと観察するように見ながら、ゆっくりと口を動かす。 「ああ・・・本当はこの世界にも・・・旧世界と呼ばれる地球にも存在するはずのない力だ」 「・・・螺旋力と螺旋族という言葉・・・証の宝具の所持・・・どうやらあなたは本物のようですね」 シモンの言葉に、あくまで表情を変えぬもののクロニアは言う。 「どういうことだ?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「そして・・・・そしてお前は俺から何を聞きたいんだ?」 シモンに尋ねられてクロニアは目をそっと閉じた。 まるで何かを考えているかのように。 だが、その何かがまったく読めない。その虚無の表情から何かを読み取ることは出来なかった。 「・・・それは私もまだ考えていませんでした」 「何?」 そして返ってきた言葉は意外なものだった。 「あなたと会うことを優先するあまり、まだ自身を整理していませんでした。どこから・・・何から・・・何を・・・その全てを得るにはまだ時間が掛かるでしょう・・・」 「お、おいおい・・・」 ニアとは違うが、これはこれで掴みづらい女だとシモンは認識した。 何事にも感情をあらわにして、心を隠すことなくいつも曝け出していたニア。しかし純粋すぎて、更に世間の常識とズレて育ったがゆえに時折掴みづらい側面があった。 「さて・・・どうしたものでしょうか・・・始まりの新人類・・・テンジョウ家の歴史・・・螺旋力・・・螺旋族・・・始祖の遺言・・・私から話すこともあれば、あなたから聞き出したいこともある・・・しかし・・・」 対してクロニアは全てを閉ざしている。どこまで本当か分からない。どこまで本気なのか分からない。とぼけているのか、真剣なのか、何を考えているかを読めない。だからこそ、掴みづらい。 「しかし・・・やはり・・・ここは・・・・」 「?」 そして数秒後にクロニアは目をゆっくりと開いた。考えがまとまったのだ。 「やはり時間があまり無い以上・・・まずは私情に走らずに役目を優先させるべきなのかもしれません・・・」 「役目?」 「狂い笑いの始末もそうですが・・・シモン・・・そしてサウザンドマスターの息子のネギ・スプリングフィールド・・・・まずはあなた方を止めることから始めるべきなのでしょう」 「ッ!?」 冷たい瞳がシモンを射抜いた。 途端にシモンは思わずクロニアから距離を取ってしまった。 空気に乱れもなく、クロニアからは敵意も殺気も感じない。 しかしクロニアの内から徐々に溢れる何かの力からシモンは逃げた。 「俺たちを・・・止める?」 「はい」 赤く輝く・・・ 「単刀直入に言います、シモン。あなた方がアーウェルンクスに抗おうというのなら・・・あなた方は間違っています」 螺旋力だ。 気づけばクロニアの手には先ほど弾いた槍とは違う武器が握られていた。 銀色に輝く三叉の・・・ 「それは・・・ドリル?」 三叉のドリル。 「トライデント・スパイラル・・・これが私の螺旋の力です・・・・・」 三叉の槍の先端がドリルとなった、線の細い女性には決して似つかわしくない仰々しい武器だ。 気づけばシモンもその手にソルバーニアを構えていた。 (・・・こんなことになるなんて・・・まるで予想していなかったよ・・・) クロニアの螺旋の力を前に、自然と自分も螺旋の力を前面に出していた。 似ていないと頭の中で思い続ければ思い続けるほど、今自分が戦おうとしている女と、かつての思い出がよみがえってくる。 思い出すだけでもつらく切ない思い出。 アンチスパイラルにより変えられてしまった最愛の人。 どうしても重ねずにいられなかった。 「なるほど・・・先ほどの動揺していた時とは違い、心の回転軸がブレていない・・・美しい輝きです・・・しかし理想には届かない・・・だから私にも届かない」 シモンに流れる螺旋力に僅かな関心を見せるも、クロニアは直ぐに首を横に振った。 これではダメだと、シモンをまるで見限ったような眼だった。 その眼を見るとシモンは悲しくなった。 ああ、この子は一体何を諦めているのだろうと、不意に思ってしまった。 しかしそのシモンの油断を突き、彼女は再び・・・ 「ッ!?」 音も姿も感じさせずに姿を消し・・・・ 「き、消え・・・・ッ!?」 消えたはずの人が音も立てずに背後から槍を突いた。 「直撃を避けましたか・・・・反応は上々ですね・・・しかし・・・」 衣服を貫き、シモンのわき腹が微かに抉られて血が滲み出した。 もっとも痛みよりも驚きのほうが強い。 昔を懐かしみ油断していた。心の中で何度も振り払おうとしていたのにだ。それは不覚だった。 だが、シモンが攻撃を喰らってしまったのは、ただの油断だけではない。 (まただ・・・またこいつの動きが分からなかった) 少々油断していたとはいえ、戦闘体勢に入っていたにも関わらず、クロニアの動きが分からなかった。 まるで本当に存在が消えてしまったかのように姿を消し・・・ 「・・・荒い・・・」 「なっ!?」 また姿を現し・・・ 「遅い・・・」 「ッ!?」 再び姿を消す・・・ 「そして・・・・・脆い・・・」 その姿を決してシモンに捕まえさせずに、自らの攻撃だけをシモンに残していった。 どれだけ目を凝らしても姿は見えず、どれだけ辺りに注意を払ってもクロニアの出現と攻撃を読み取ることは出来ない。 (やはり・・・これはスピードじゃない! これは・・・) そしてシモンは再び背後を取られた。 「・・・・・・ッ・・・・お前・・・・・」 首筋に冷たい矛を当てられ、思わず全身が硬直した。 冷たい汗が頬を伝った。 「私は・・・いつでもあなたを葬ることが出来るのです」 正に成すすべなく、シモンは命を握られた。 息一つ乱すことなく。 心乱すことなく。 その表情すら乱すことも無い。 「お・・・お前・・・・・」 気品を損なうことも無く。 悠然とした態度で、彼女はシモンを圧倒したのだった。 その表情は、悲しいことにかつて見た最愛の人が見せた希望の篭らぬ表情。 最早シモンも言葉が出なかった。 「つ、強いです!? 一体誰なんでしょう、この女性はッ!?」 「み、見覚えが無い・・・・」 画面に映し出される光景に、フェイトガールズたちは度肝を抜かれていた。 墓守人の宮殿内に侵入したシモンを監視映像で確認したところ、正体不明の女性が現われ、シモンと一戦交えて圧倒しているのだ。 シモンを知る彼女たちからすれば異常事態に他ならない。 「はっ!? まさか、フェイト様が私たちに内緒で拾った孤児でしょうか!? それともフェイト様が用意した謎の助っ人ですか!?」 暦がフェイトの仕業なのかと振り向くが、フェイトは画面を見つめながら首を横に振る。 「いや・・・違うよ・・・何者かは知っているけどね。でも、どうしてここに居るのか・・・君の所為かい?」 画面のクロニアを見た後に、フェイトは後ろでニヤニヤとしているユウサに振り返った。 「ひはははは、お嬢様もワザワザ地球からご苦労なこった。まあ、そのお陰で運命の男に会えたんだ。そのキューピッドとなった俺様には感謝して欲しいがな。ひははははははははは」 「・・・彼女・・・やはりテンジョウ家とシモンは何か関係が?」 「ひははは、んなこた~お前さんが知る必要のねえこった。まあ、あの二人は放っておきな。その方が面白そうだからな♪ お前さんは、もう直ぐ来る坊やの方に集中したらいいんじゃねえのかい?」 ユウサは多くを語らず、あくまで傍観を決め込んだ。 ただ楽しそうに、螺旋の男と女の会合が、何を起こし、何を生み出し、事態をどのように導くかを、興奮しながら眺めていた。 「フェ・・・フェイト様・・・やはりこの男を置くのは危険では?」 ユウサに寒気を感じながら、焔が小声でフェイトに耳打ちをする。 「問題ないよ。だから奴に構うな。構ったら意味も無く嫌がらせをして来るだけだ。それにテンジョウ家に追われているこの状況で、余計なことをするほど馬鹿でもない」 そう、ヘラヘラとしているが、ユウサもこの状況は想定外だったのだろう。 今は楽しそうにしているが、クロニアに追われる状況はユウサにとっては望むものではないのである。つまり言い換えればクロニアの力をそれほど脅威だと感じているのだ。 ならば今目立つことや余計なことはしないだろう。 ましてやネギやシモンと戦う前に余計な力を裂くのはフェイトとしても望まない。 だからこそ、フェイトもユウサに一々口出しはせず、再び画面に眼を向ける。 「でもこの女・・・気に入らないね・・・」 何度もフェイトの思惑を狂わせてきたシモンを、涼しい顔で御するクロニア。 自分が敵と認識した男を、何事も無いかのように押さえつける姿が、少々フェイトの癇に障った。 すると・・・ 「案ずるな。あの家が我らの邪魔をすることはない。我らの計画は奴ら側にとっても悪くない話であるからな」 フェイトたちの集まっている部屋に、一人のローブを羽織った謎の人物が現われた。 「お~! ・・・ひはは、これはこれは・・・」 「あっ!?」 「・・・あなたか・・・」 その者の出現に、それぞれ意外な反応を示した。 ユウサも画面のクロニアとシモンのやり取りから目を離したくらいだ。 「クロニアちゃんといい・・・面白い奴がゾロゾロと来るね~」 ローブの人物にユウサが話しかけると、ローブの人物は途端に鼻で笑った。 「ふん・・・狂い笑いよ・・・ならばテンジョウ家以外にも、もう一人面白いものがおるぞ? 私が呼んだ者が一人な・・・貴様も知っている者じゃ」 「アン? 俺の知っている? おいおい・・・まさかあのゲジョウ君じゃね~だろうな~?」 「いや・・・だが・・・惜しいというべきか」 「なに~?」 ローブの人物の言葉にユウサも笑みが消えた。 何かを考える仕草を見せて、少し口を閉ざした。 「フェイト様! ネギ・スプリングフィールド一行、宮殿内に進入しました!!」 調が慌てた声でフェイトに知らせ、全員の視線が再び画面に移る。 「来たか・・・ネギ君・・・」 ようやく役者が揃ったと、フェイトのポケットの中の拳が自然と握り締められた。 まるでこの状況を望んでいたかのように。 しかし・・・ 「はあああああああああああ!!」 勢いよく振り返り、振り向きざまの槍の一閃でクロニアから距離を取った。 ニアのことを考えないよう、頭の中を切り替えようと必死だった。 しかし距離を取ったと思えば、その視線の先にクロニアは存在せず、気づけばまた自分の背後で先ほどと同じようにシモンの首筋に矛を当てていた。 「シモン・・・あなたは何も見えずに、そして分かっていない」 「な、なに?」 「何が正しいかではない・・・どちらの方がまだマシなのか・・・そういった選択肢しかないのです。それを分かっていないからこそ、あなたは間違っている」 シモンの首筋に矛を当てながら、背後からクロニアは淡々と口を動かす。 「ふざけるな! 納得できないやり方に納得することが、間違っていないことだとでも言いたいのか!!」 クロニアを振り払うように、シモンは再び振り向いて突きの連打を放つ。 外から見ればシモンとて超速。 並みの使い手では手も足も出ないはず。 しかし・・・ 「なるほど・・・真っ直ぐで・・・純粋で己を疑うことが無い。それはとても尊いものであり、脅威でもある。無知というものは恐ろしい・・・」 届かない。 消えてはシモンの背後に回りこみ、振り返ったらそこには既に存在せず、何度も背後に立たれた。 いつでもシモンを殺すことが出来るのだと、無言で伝えているかのように。 「くっ、・・・・俺が間違っているなら・・・なら、フェイトの進もうとしている未来にお前は賛成するのか?」 気圧されぬよう、シモンも螺旋力と気迫を込める。 苦笑しながらも、首筋にある凶器に構わず、シモンは背後にいるクロニアに振り返らずに尋ねる。 「賛成反対というよりも・・・悪い話ではない・・・というところです」 だが、クロニアはあくまで淡々とする。 「何も無い・・・消滅した未来がか?」 「しかしあなた方の場合でも破滅への道・・・いえ、さらに多くの血を流す未来へと繋がっています」 「何故分かる?」 「分かるからです」 「何?」 「大局の見えないあなた方とは違い・・・・そう、あなたたちは何も分かっていない」 クロニアがシモンに告げた言葉。「何も分かっていない」果たしてこの言葉を自分の人生において何度言われたことか。 そう、敵にも、友にも言われたことのある言葉だ。 「俺の頭が悪いのは分かってる。でも、分かっていないからこそ、俺は分かろうとこうして前へ進んでるんだ!」 分からないなりに見っともなくても足掻いて答えを見つける。 それがシモンのやり方だ。 しかしクロニアは首を横に振った。 「いえ、そうではありません」 「なに?」 「私が分かっていないと言ったのは、そういう意味ではありません。私が分かっていないと言ったのは、地球側から考えた場合、この世界の滅亡は都合がいいということです」 「なっ!?」 それは残酷な上に衝撃的な言葉だった。 世界の消滅を涼しい顔で都合が良いなどと言われたのだから。 「もう既に知っているかもしれませんが、地球側の代表は移民を受け入れる気はゼロです。それは60億人以上が住む地球に余裕がないだけでなく、科学の力を使わずに、人一人の力でも世界を滅ぼす力を持つ魔法使いの存在は好ましく思われていないからです。よって、その魔法世界の住人を何万人も移民させることはありえません。魔法使いと一般人類の僅かな亀裂が、世界を巻き込む大惨事に繋がる可能性もありえます」 ユウサやアムグや瀬田とも似たような話をした。 そう、魔法と世界は交わることはないと。 「何故今日まで魔法使いと一般人類の間に大規模な争いがなかったのか・・・それは魔法の存在を秘匿としたからです。魔法使い側も掟を重んじ、世界の均衡のためにその存在を表舞台に立たせませんでした」 「待てよ・・・今まで大丈夫だったんならこれからも大丈夫なんじゃないのか?」 「はい。ですがここ数年になり、その均衡が崩れだしたのです」 「なに?」 「現在地球側で魔法の存在を明かされていない国・・・例えばモルモル王国などは独自の力で魔法の存在、そしてこの世界の存在までたどり着きました。それはどういうことか? 簡単です。表舞台では秘匿とされていた魔法の存在に、とうとう世界中が気づき始めているのです。爆発的な人類の人口の増加と文明の進化が、これまで知られてはならなかった世界の裏側までたどり着いてしまったのです」 シモンは口には出さない。しかしクロニアの言っていることは、恐らく瀬田たちのことだろう。 そう、彼らの国は魔法の存在を知らされていなかった。科学の力だけでのし上がった国だ。 そしてその国は、自らの力で魔法の存在にまでたどり着いたのだ。 「そう、今の時点でも既に均衡が崩れている中、魔法世界に住む民が地球に移民しようとしたらどう思われるでしょうか? もろ手を挙げて歓迎されると思いますか? 違います。一般人類はこの世界の民や魔法使いの存在を自分たちの生活を脅かす勢力と見なすでしょう。それゆえ、必ず亀裂を生み出します。自分が魔法も何も使えないただの人間だった場合、その人間は手から雷や炎を自在に出す異形の存在を受け入れられるはずがありません。必ずその存在を恐れ、排除しようとします。それだけで戦争は始まってしまいます」 「・・・それは・・・・・・」 「だから、その前にこの世界を封じるのです」 最初は僅かな食い違いが理由。それが大きくなって争いが起こる。 それが更に大きくなって戦いが起こる。 そしてお互い妥協することが出来ず、周りを巻き込み、最終的には戦争を生み出す。 「仮にあなたがアーウェルンクスを止めたとしても、どちらにせよこの世界はいずれ滅びます。その際、魔法世界人のほとんどが死に絶え、僅かな生き残りも生存を賭けて地球人類との戦いを起こす未来が濃厚です。私は魔法使いでも魔法世界人でもありませんが、地球の守護者の一族として、危機が地球に及ぶのであればその災厄を防がねばなりません」 「戦い・・・・・」 「魔法世界の消滅により魔法使いの人数は激減します。魔法使い側と一般人類とのパワーバランスも大きく崩れ、人類の敗北は無いとは思いますが、それでも魔法使い側が本気となった場合の被害は尋常ではないでしょう。ならばその争いの種を事前に・・・魔法世界人ごと例外なくメガロメセンブリアの民も封じてくれるのであれば、我々側からすれば悪い話ではない」 あくまで魔法世界とこの世界の人間を切り捨てようとする非情なクロニアの言葉。 地球人類を守るために決断した、上に立つものとしての考えだった。 だが、その言葉から大体のことが見えてきた。 「・・・地球側の心配の種がまとめて消えるから、この騒ぎに便乗して世界から魔法使いそのものを消そうってことか?」 「勿論世界を封じた後、現在地球に残る魔法使いまで殲滅することはありません。しかし世界が気づき始めている以上、これからも隠し続けるには今以上の制約や管理下に魔法使いをおく必要があります。しかし激減した魔法使いたち相手ならば難しい話ではない。だからこそ、この騒ぎに便乗して魔法使い側と一般人類側の関係を拗らせて盛り上げようとする恐れのある狂い笑いを、今のうちに始末しようと私が動いているのです」 「なるほど・・・世界が魔法の存在に気づき始めて・・・残された魔法使いたちや人類の戦争・・・・それを盛り上げるユウサか・・・だんだん見えてきたな」 「そうです。世界の均衡のため魔法の存在はこれからも秘匿し続けねばなりません。ですが今ならまだ、魔法世界そのものを封じてしまえば大きなことは誤魔化すことが出来ます。そして・・・今回の件で激減した魔法使いたちは、時を経て更に減少し・・・やがて・・・」 「・・・やがて? やがてどうなる?」 その続きは分かっている。だが、確認せずにはいられなかった。 そして彼女は最後の言葉を告げる。 「世界から魔法は消滅します。それで終わりです。それが世界の本来あるべき姿・・・魔法など・・・進歩と進化を経た今の人類には必要ないのです」 地球側にとって、魔法というのはクリーンなイメージばかりではない。 ナギやラカンたちのように、その気になればたった一人で世界を滅ぼす力をも持っている。 意思のある核兵器と共生することは可能だろうか? 個人間なら可能かもしれない。しかしそれが種レベルの話だと、そうもいかない。 瀬田も言っていた。世界は未だに宗教や人種の壁すら乗り越えられないのだ。 魔法の存在も秘匿とされていたからこそ、これまでうまく一般人類と共生できた。彼らの力を見えないところで役立てることで世界にも貢献してきた。 しかし、その秘匿が限界になり、魔法そのものが世間に知られてしまえば世界は混乱する。関係に亀裂が走り、戦争すら起こりうる。 そこに今回のフェイトたちの魔法世界そのものを魔法世界人やそこに住む人間ごと封じるというのだ。それは地球の一般人類からすれば確かに悪い話ではなかった。 魔法世界を地球に知られる前に、何千万人と存在する魔法使いの存在共々封じることにより、これから起こりうる災厄を未然に防ぐことになるのである。 そのために、クロニアはここに居るのである。 障害となるシモンを止めようと、立ちはだかるのである。 「まるで・・・あの時と同じだな・・・・」 「?」 シモンは不意に口に出した。 まるでかつてアンチスパイラルが襲来した時と同じだ。 思い出さないように、重ねないようにと思っていたが、どうしても当時のことを思い出してしまい、切なくなった。 しかし同時に一通りの話を聞いてシモンは・・・ 「でも・・・そうか・・・やっぱりな・・・」 「どうしました?」 何故か口元に笑みを浮かべていた。 「ユウサの話で何となく分かっていたんだが、こうして違う奴からの話を聞いていてようやく分かった」 「・・・何がです?」 「俺の進もうとしている未来は・・・・あいつの未来へと続いているんだって・・・・」 「あいつ?」 そう、クロニアが止めようとしている未来は、恐らくだが繋がっているのだろう。 超鈴音のいた未来。 彼女が人生を賭けてまで避けようとした未来だ。 だが・・・ 「お前こそ分かっていない。その未来に・・・その未来に生きる奴が・・・俺と約束してくれたんだ」 「・・・・・?」 そう、予想や予測で話を進めるクロニアとは違う。 正にその未来で生きていた少女が、歪んだ夢を殴って戻し、自分に誓ってくれたのだ。 「逃げずに立ち向かうと俺に約束した。曲がって歪んで捻じれた想いを気合で戻し、真っ直ぐな眼で俺に誓ってくれたんだ」 「誰のことです?」 「俺の・・・・・ダチだ」 超鈴音・・・たとえ二度と会うことがないかもしれなくとも、彼女との誓いはシモンの中でいつまでも息づいている。 「だから俺も・・・最後まで足掻く」 彼女は今でも未来で戦っているはずだ。 かつては失望したグレン団のマークを背中に背負い、その未来で戦っているはずだ。 「私の話を聞いていましたか? 結局は多くの血が流れるかもしれない未来のためにあなたは足掻くのですか?」 「お前には初めてだが、俺は人に言われるたびにこう言ってきた! だから何度でも言ってやる! まだ見ぬ明日に怯えて、今を後悔したくはねえ! それが俺の・・・俺たちグレン団のやり方だ!!」 だから今をとにかく抗うのだ。最初から決まっている。 「だから守ってみせる! 地球も! 火星も! 人類も! 全部まとめてな!」 それがシモンのブレることの無い心のドリルの回転軸。 そしてその回転は速くなればなるほど重力から解き放たれて天を目指す。 そうなったシモンは止まらない。 「戯言を・・・まるで話にならない」 「!?」 「その身勝手な思想の犠牲となるのは・・・あなたではありません・・・あなたに何が出来る。真実や現実を夢想で誤魔化すのは、私がもっとも嫌悪する事です」 瞬間、クロニアの姿が消えた。 完全にこの空間から存在を消した。 だが・・・・ 「はあああああ!!」 「なッ!?」 シモンは何も無い空間に向けてソルバーニアを一閃した。 すると丁度その瞬間、シモンの背後にあったその空間の亀裂から、クロニアがシモンに向けてトライデント・スパイラルを振り下ろす寸前だった。 「・・・・・ッ・・・何故・・・・・・・・」 まさか防がれるとは思わず、クロニアは両目を見開き、声には出さないが驚いている様子だった。 先ほどまではこの動きでシモンを翻弄していたというのに、その動きをいきなり攻略されてしまったのだ。 「この技・・・スピードじゃない・・・螺旋界認識転移システム・・・ワープだろ? お前はこの近距離でショートワープを使うことで相手に認識できない速さで接近してたんだ」 何度も彼女はシモンに認知できないほどの速さで背後まで接近した。 それはスピードではない。近距離のワープだったのだ。 螺旋界認識転移システムを螺旋力により自在にコントロールしているのだろう。 「だけど俺には分かる・・・一度認識してしまえば、俺の超螺旋索敵能力なら全て分かる」 笑みを浮かべるシモン。 そう、螺旋索敵の力なら例え相手がワープを使って接近しようとも、一度クロニアの存在を認知してしまえばシモンには感知できるのである。 気配や空気の流れなどを読む必要は無い。存在しようが消えようが、最初からクロニアだけを感じ取っていれば良かったのだ。 得意げなシモンに対してクロニアは、納得がいったのか軽くため息をついた。 「テレポートに感知能力・・・この力も知っていましたか・・・しかし螺旋界認識転移システムや螺旋索敵など、まるでメカのような名前ですね」 「メカか・・・まあ、間違ってはいないけどな・・・」 シモンも自分と同じ力を使う。それを改めて認識したクロニアは、一つの疑問が浮かんだ。 「・・・解せません・・・」 「えっ?」 「テレポーションの力も知っているのなら、あなたも使えるのですか?」 「ああ。俺なら地球だろうと銀河の果てだろうと、多元宇宙だろうと跳べるけどな」 「・・・・・ならば何故、ネギ・スプリングフィールドや他の生徒たちを地球に帰さないのです? それであなた方の旅の問題をほとんど解決できたはず」 勿論それはクロニアの言うとおりだろう。もっとも記憶喪失やゴタゴタが多く重なって中々全員揃わなかったため出来なかったのもある。 だが、理由はそれだけではない。 「あいつらにもやるべきことがあったからさ。自分で決めた、命懸けの道がな」 父や母のこと、世界の秘密、世界を救う、世話になった人たちを助ける、理由は様々だが向かうべき場所は同じ。 その道を前に進まずに、ネギたちも自分たちも、地球に帰る選択肢はなかったのだ。 「くだらない・・・」 「なんだと?」 「命や信念・・・その重みを賭けられるほどの子達でしょうか? その意味を知る子達でしょうか? 言葉に酔っているだけなのでは? まだ10歳と中学生の少女たちです」 確かにそうかもしれない。 「そのような者たちや・・・そしてそのようなあなたに世界も未来も託すことなどは出来ない」 特にネギの生徒の少女たちはどこか物事を楽観視している面があるかもしれない。 「俺だって14歳の時には多くのものを背負っていた。何も分かっていなくても、分かっていないからこそ分かるまで前へと進んだ。だからいいんだ。出来るかどうかや分かっているかどうかじゃない。そう思うかどうかが俺の基準なんだよ」 だが、シモンはそれで構わなかった。 「そう・・・思うかどうか?」 「だから俺にはそれで十分なんだよ。言葉の重さや深さは別にして、気持ちはあいつらも本物なんだよ」 言葉と思いさえあれば十分なんだと、シモンは笑った。 「それに子供子供ってあんまりあいつらを甘く見るなよな。世界を造るのは大人の役目だけど、世界を変えていくのは子供たちなんだからな」 その笑みがどこか眩しく、そしてクロニアには・・・ 「暴言・・・を・・・・」 不快に感じた。 「螺旋銃(らせんがん)」 「ッ!?」 そして次の瞬間、クロニアは右手の指をピストルの形にしてシモンに向ける。 するとクロニアの指先からレーザー光線の様なものが螺旋を描きながら、シモンの真横を通りすぎだ。 シモンが使ったことの無い螺旋力の使い方だ。 「思うだけでいいと・・・ならば覚悟も道理もなく進むあなた方はやはり危険・・・あなたは私と同じ・・・しかし私たちは違う。あなたと私は違う。本能の赴くままに己の欲望のためにこの力を使うあなたは、やはり私とは違う」 少し様子が変わった。 「何だ・・・そんな風に怒れるんだな」