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カイエ@愛鳴藩国様からのご依頼品 カラ、コロ、 カラ、コロ。 境内に続く石畳の上を、下駄履きの素足が小走りにしていく。道の左右に広がるのは、社を守る高い木々によって構築された豊かな空間で、夜をその身に落としたアスファルトよりもひんやりと、霊所に相応しい土の匂いを一帯に漂わせている。高木がしめやかな土から立ち上る冷気をその傘の中に捉え、逃さないでいるのだ。そのうす暗がりを、ちらほらと、人影が楽しむように点在していて、ひそやかな会話たちが、森閑とした中を、耳にではなく、肌身に聞こえるように満たしている。 そんな中を、歩調こそ違えど、似たようないくつもの足音…ぺたりぺたりと草履の音も重なって、今は珍しく灯の入った石灯籠が構えた、階段脇に集まりやがて止んでいく。まあるく人の手と歳月が一緒になって削り出した石灯籠の内側から、ゆらゆらと、生きた火にしか出せない淡さで放射されている光、浮かび上がるのは男女種々の浴衣姿。影が、はしゃいでいるかのように、とめどなく揺れていた。 風が熱く、そしてどこかしら甘い、夏の夜のことだった。 /*/ ~祭囃子:前編~ /*/ 祭りの会場からはひっきりなしに上がる屋台の掛け声、子供たちの不思議によく通る甲高い声で、あれやこれやの珍しい品々を子らなりに品評している面白おかしそうな様子や、その面倒を見ている大人達の彼らを追いかけるゆったりとした足音、それに、射的や、祭りに付き物のフランクフルト、焼きそば、たこ焼き、いか焼き、お好み焼きといった、すぐに暖まる焼き物のじゅうじゅう鳴る脂ぎったうまそうな音、綿あめを回す機械のごうんごうんと低く響き渡る音などが、ぎゅうぎゅうに詰まって立ち上っている。 「では、行こうか。人数が多いからはぐれないように。はぐれたら、やぐらのところに集合ね」 浴衣の袂に手をつっこみながら、穏やかな調子で述べたのは、後ほねっこ男爵領の領主である火足水極であった。彼の同行者たちはあんまりに人数が多いものだから、中心人物となる2つのゲストを取り巻いて、二つの同心円を描いており、一つには、いかにも引率らしい先生と呼ばれる男とその賑やかしい細君を中心に、もう一つには、これまた友好国である愛鳴藩国の面々と国元の仲間が取り巻く、一人の少女と男を中心にしたグループとで構成されている。 その、少女のグループの、やや後ろの方からみなを促すように、火足は全体を視界に収めて立ち位置を決めていた。引率といえばこれも引率らしく、はぐれるもの、不都合の出るものがいないよう、しんがりで見ているつもりなのだろう。やや面長の、見るものをおっとりさせるような落ち着いた雰囲気が、その行動に違和感を持たせない。 わらり、それまでにも賑やかにしてた集団が、突如の来訪者によって緊張を帯びた。 /*/ 神社の裏山に現れた英吏と斎藤奈津子は、眼下の喧騒を避けて、ぐるりと迂回しながら進んでいた。 「……」 「ここが未確認の勢力下であることを忘れるなよ、斎藤」 「あ、はい!?」 ごくん、と生唾を飲みながらもの欲しそうにしていた斎藤は、英吏に手を引かれながら図星をつかれて二重の意味でどぎまぎした。 はわわ、手、手をつないじゃってます! 加えて彼女の高性能な両の目は、それでもこんな暗がりから容易に祭り会場の催し物を判別し続ける。ああ、あのお面はなんでしょう、猫のような狸のような…リンゴ、リンゴも、なんだかぴかぴか光ってます。透明な何かに包まれて、うわーおいしそう! いけないまた英吏さんに怒られる、でもでも、うわー、うわー、バナナが、バナナがチョコで綺麗でおいしそう…! そんな人間最終兵器の内心の挙動不審を、見透かしているのか、いないのか、英吏に幼体の頃から躾けられた動物兵器である狐型雷電クイーンは、きゅんとも鳴かずに二人の後ろを追走している。 英吏は油断なく索敵を行っていた。状況を掌握していない地域において、何が起こるかわからない。女性にしては長身な斎藤よりも遥かに高く、でかいその巨躯を、機敏に体捌きながら林の中を突き進む。身につけた銃器の重みが心強い。じりじりと、祭りの会場に近づきながら目を配る。実弾はフルに込めてある、素性はなんだかわからんが、ああして動いている限りは生物だろう、生物なら、こいつを喰らって無事で済むものもいるまい。 「―――!!」 「ふぇ?」 気の抜けた声を漏らした斎藤の口を無意識のうちに押さえながら英吏は立ち止まる。あの姿、確か―― 「~~~~!!」 「暴れるな…静かにしていろ」 手元でこくこく斎藤が頷くのを感じながら、たった今、ちらりと目にした少女の情報を頭の中で検索。 肌の色は前に見たより幾分白いか、髪も、ストレートに変わっている。だが、骨格などの特徴が記憶と合致する。 周りを取り巻いているのは…りゅうへんげとやらの仲間だろう、ちょうどいい、あれを人質に問い質してやる。 「行くぞ、斎藤」 「は、はい!!」 英吏さん、手、手に私のつばが…! 言われるがまま、慌てて身構えながらも、斎藤の頭の中はさっぱり状況についていっていなかった。 /*/ 「では、行こうか。人数が多いからはぐれないように。はぐれたら、やぐらのところに集合ね」 しんがりをつとめているらしい、長髪の男がそう言ったのを見計らい、英吏は飛び出し懐から機関拳銃を抜き放った。飛び出した、とも言えぬほど、静かでひそやかな、しかし示威的な挙動だった。 「!!」 みなが緊張し身構える中、火足はとっさに後ろを振り返った。せっかくの祭りに、どんな誤解があっても寂しい。皆が必要なことをしているのなら、自分はそれ以外の必要なことをしよう。そう思った。 果たして少女、後藤亜細亜の後ろ、構えられた機関拳銃の射線上に、射的会場はなかった。 /*/ 英吏は警戒しているようだけど、なっこちゃんは展開についていってない。トーゴさんが身構えていないのなら、この場はきっと安心なのだろう。誤解をまずは解きながら、亜細亜ちゃんのいいようにしてあげられるといいな。 火足は眼前で進む展開を見守りながら、そんなことを思っていた。 あ、亜細亜ちゃん舌噛んだ。ガチガチだなー。 「逃げないあたりに進歩が見れますね」 押し倒せー!との、自分の奥方の野次をさておきながら、吹雪先生は火足に話し掛ける。何度か会って、通じるものがあると感じてくれているのだろう。頷きながら、 「ちょっと荒療治かともおもわんではないのですが。目覚しいですな」 さておかれた方の吹雪先生の奥さんは、旦那につっこみを入れられて夫婦喧嘩を始めている。ものすごい勢いで亜細亜をプッシュ、というよりけしかけようとしている奥さんに、さすがと火足は笑いながら感心した。さすが、子供と遊ぶ時も手を抜かないでコテンパンにするひとだなあ。 展開の方はというと、自分が知らない英吏の女性関係がいきなり次から次へと繰り広げられて、なっこちゃんがほとんど怯えるように緊張している。英吏は英吏で相変わらず銃を構えたまま、人を殺せそうな目で、亜細亜に対して尋問まがいの会話を続けている。 「やっぱり抱きついてキスしたほうがはやいんじゃないの?」 「だれかこの人とめてくれ!」 「お前夫だろう」 トーゴが吹雪夫妻の喧嘩につっこみを入れた。 「先生が止めんで誰が止められるんですかー」 火足も続いてつっこみを入れた。 一方とうとう緊迫感が頂点に達してしまった会話に、亜細亜もなっこちゃんも泣き出した。たまきとミーアがそれぞれぎゅうっと安心させるように彼女らの手を握る。 「さっきからずっと思ってたんだが、りゅうへんへんげってなんじゃね」 「ああ。この間海法よけ藩国の人がですね。あ、いいですか、解説」 しかめっ面で英吏が連呼する名前について聞き返すトーゴに、なんとか奥さんの攻撃から脱しながら吹雪先生が答える。 火足はひたすら状況を見守りながら、促した。 「吹雪先生よろしく」 /*/ 後藤亜細亜は緊張していた。 一つには、英吏ともう一度会えるから。 一つには、自分で英吏ともう一度会おうとしているから。 一つには、周りのみんなを騙して、あの時の英吏と、もう一度会おうとしているから。 シロ宰相からもらったマイルで呼び出す相手を藩国逗留の英吏から、何も知らずに呼び出されてしまった英吏に切り替えた。着用アイドレスを、吹雪先生の奥さんの着付けで夏祭り用の金魚風浴衣に着替える時も、それで緊張した。 まんまるくて大きなぬいぐるみに、こっそり英吏と名前をつけて可愛がっていた。ガンオケ緑の英吏は格好いい。自分で直接会ってみて、ますますその思いが強まった。 火足さんたちから、また小笠原に行こうと声を掛けられた時、ひそかにこの計画を実行しようと思いついて、我ながら驚くほどの行動に、やっぱり緊張した。先生の奥さんに一所懸命お化粧してもらって、自分でもちょっとびっくりするくらい変わった姿に、ほんの少しだけ、心が期待で躍った。 いつもより、ずっとずっと、緊張した。周りにいっぱい人がいて、わーっとなるのより、周りの人たちに気付かれて何か言われないか、英吏さんにまた会えるけどほんとに会ってしまったらどうしようどうしよう、とか、そんなことで緊張した。 唾がのみこめないくらい、緊張した。 いきなり現れた英吏に突きつけられたのは、銃口だった。 /*/ 「英、吏、さん……」 英吏がこういう人間だということは知っていた。だから亜細亜はそのことでは動揺しなかった。 「なぜ私の名前を知っている?」 「し、調べましたっ」 少しでも、英吏に答えよう、答えようと、必死に会話を続けた。 「どうやって、調べた?」 英吏は人殺しのような冷たい目で、自分を見ている。 「もう一度尋ねる。どうやって調べた?」 「イ、インターネットです」 冷たい口調に、知らず、ぎゅうと手を固く握りこんでいた。 「それはナショナルネットワークのようなものか」 頭がかーっとなって、冷たくなって、頬が強張った。英吏さんのいる世界は第五世界で第五世界はインターネットがなくて、ええと、ナショナルネットワークってどんなものだっけ、何か答えないと、何か答えないと…… 「あと、ゲームです。ガンオケ緑を買ってもらって」 「りゅうへんげが言っていたのだな。どういうものだ。いえっ!」 怒鳴られた。 /*/ 「怒鳴らないであげて!」 隣で誰かがしゃべってる。 「子供を泣かせるのが貴方の趣味ですか?英吏さん。」 また別の誰かが言う。 違う。違うの。 思いながらぼろぼろ涙がこぼれてきた。 「まあまあ、子供相手に大人気ないかと」 涙をぬぐうことすら思いつかずに、凍りついて立ち尽くしながら、唇を噛む。 違うの。 英吏さんは悪くない。 英吏さんは悪くない。 悪いのは私。 みんなを騙して、英吏さんを怒らせてしまった私。 なっこちゃんの泣いてる音もする。誰かがなっこちゃんに寄り添ってる。 ごめんなさい、なっこちゃん。 ごめんなさい、先生。ごめんなさい、先生の奥さん。ごめんなさい、トーゴさん。 ごめんなさい、みんな。 ごめんなさい、英吏さん。 ごめんなさい。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。 ごめんな、さい… 立ち尽くしている肩に、暖かな手が置かれた。 /*/ 火足は、ずっと懐に差し込んでいた手を抜いて、亜細亜の肩に手を置いた。それで少しは落ち着いたのだろうか、手に感じる亜細亜の体はわずか、ほぐれたようだった。 吹雪先生がみんなに状況説明を始めている。一人、ほねっこの仲間が飲み物を買いに走ってくれた。ありがとうと思いながら自分も説明に耳を傾ける。 「ああ。この間海法よけ藩国の人がですね。あ、いいですか、解説……亜細亜に聞いたんですが、亜細亜と英吏を呼んだらしいんですよ。それでその、まあ、英吏は大変不機嫌だったようで、イベントは夏祭りだったかな。まあ、ところがですね。亜細亜はあれ以来どういうわけだか英吏英吏とうるさくて。ぬいぐるみに英吏って名前をですね」 ここまで説明が来て、亜細亜が不意に火足の手から逃れて走り出した。真っ赤になって、英吏の顔を見てからのことだった。 ありゃ。 「あああ、下駄で走ると危ないってばー」 慌てて声をかけるが恥ずかしくて聞いていない。かわりに彼女を追いかけてくれる仲間たち。よし、そっちは任せよう…任せた! 「ところで、吹雪先生。あなた、学校で女生徒から何か言われたりしませんでしたか、もー(この無神経!)」 火足は、落ち着きかけた場に一服の清涼剤となるべく、吹雪先生に話し掛けた。 華麗にスルーされた。 /*/ 気に食わん、と英吏は思う。 気に食わんことだらけだ。 状況は不明で、にも関わらず相手方には自分の情報を相当のところまで握られている。当人達にそのつもりはないのだろうが、ぬいぐるみだの、女の子の特権だの、あれこれと余計な話が間に加わってくると、余計にいらいらする。 亜細亜は逃げる、状況はさっぱり把握できない、にも関わらずこいつらは必要以上に慌てない。苛立っている自分の方が弱い立場にいるようで、ますます頭に来る。 「ここはどこで、お前達はなにかだ。そこから話せ」 例の、しんがりに立っていた髪の長い男、亜細亜に先ほどまで手をかけていた、火足とかいう奴が、話し出した。やはりこいつがこの一群のリーダーか、と思いながら、荒唐無稽な話を聞く。 「私達は、自分達の世界をニューワールドと呼んでいます。かつていた世界から、我々は落ち延びました。そこで世界を発見、開拓しました。こことは別です」 「頭が痛くなるようなおとぎ話だな。それを信じろと?」 意外なことに、冷静な答えが返ってきた。 「そうですね、まず仮定として考えてくれても構いません」 /*/ 事情を聞いてみると、思ったより状況は悪くないようだった。 「あなたに会いたい、そういう人がたくさんいたからです。英吏さんの都合をお聞きできなかったのは、申し訳なく思いますが」 「自由に呼び出せるわけではありません。想いが一定量にならないと、奇跡めいた現象はおきません」 「人に焦がれ、一目でも姿を、声を、存在を感じていたいという想いです。それは魔術と呼ぶには、少しばかり原始的に過ぎる」 自分が誰かの思い通りに無限に呼び出される危険性はないと、わかっただけでも充分だ。試すまでは、信用できないが、思ったよりこの男は話せた。言っていることは曖昧で感傷的な言い回しをするが、言おうとしていることが何なのかは、よくわかった。 「…………」 なにより一番大事なことは。 俺を呼ぶ、こいつらがいなくなれば二度とこういうことは起こらないと理解出来たことだ。 /*/ わあ、なんだか賑やかな催し物がやってますー、英吏さんと二人きり、て、手をつないでもらって…… などとのん気に思えていたのはほんの少しの間だった。 「お願い、ちょっと待って!」 「あいにく、私は私の勝手にやる、人に命令されるのはまっぴらだ。給料でもでないかぎり。抵抗するなら射殺する」 気付いたら、英吏さんは知らない人たちの前に立って拳銃を突きつけている。しかも、なんだかよくわからないけど、お、女の子が英吏さんの前に出てきて、しししかも英吏さんとしりしり知りあいみたいであああああ。 「この間、さらわれて、こりてなかったと見える」 さらった? 英吏さんが、この女の子を? 「押し倒せー!」 無責任な野次が心に刺さる。そ、そうなの? そうなんですか、英吏さん? 「やっぱり抱きついてキスしたほうがはやいんじゃないの?」 の、ノー!! 「りゅうへんげが言っていたのだな。どういうものだ。いえっ!」 なぜだかわからないけど、英吏さんが大声を出して、それでもう緊張の糸が切れてしまった。斎藤は、誰かに手を握られながらほろほろ泣いた。知らない人に涙をぬぐってもらいながら、はー、はー、と落ち着くために深呼吸。 「なっこちゃん、大丈夫?」 「ありがとうございます。でも、まあ、そうですよね」 二人きりで、一緒なんて。 こんな私にそんなラッキーなことが起こるわけなんて、 「そんなにうまくいくわけもなく……」 /*/ 亜細亜は暗いところで一人しゃがみこんで泣いていた。 ジュースを差し出されても、反応がない。 /*/ 「こいっ、クイーンオブハート!」 英吏の朗々たる韻律を持った声があたりに響き渡り、闇から獣が立ち現れた。 /*/ -The undersigned:Joker as a Clown:城 華一郎 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 名前 コメント ご発注元:カイエ@愛鳴藩国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=164;id=gaibu_ita 製作:城華一郎@レンジャー連邦 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=669;id= 引渡し日:2007/ counter: - yesterday: -
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アポロ・M・シバムラ@玄霧藩国さんからのご依頼品 お見舞い オマケ きれーなえーりん? オマケ2 文字なし きれいかどうかはまぁおいといて@@ ご依頼ありがとうございましたー!! 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) きれいだ…!服がぶかぶかの英吏さんもかわいいです。というか撫でている英吏さんがかわいいです。良い思い出を、良いかたちにしていただけました…ありがとうございました~~! -- アポロ (2008-10-30 20 48 05) 名前 コメント ご発注元:アポロ・M・シバムラ@玄霧藩国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one namber=1284 type=1252 space=15 no=0 製作:黒崎克耶@海法避け藩国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=1609;id=UP_ita 引渡し日:2008/10/28 counter: - yesterday: -
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「すいません、英吏さん…ありがとう。」 赤星はうつむいた。何かを祈るような、姿だった。 「こんな事になるつもりではなかったのです。いつかもっと良い形でお会いしましょう。英吏さん、奈津子さん、クイーン。」 潮騒が、人々の確かにそこにいた余韻をかき消していく。今夜は月夜だ、水面が青い。 波に散る、月の姿を見ながらに、思うのは、今宵の顛末。思いもよらないすれ違いが、それでも最後には、気持ちを、理解を半ば押し付ける形にはなったけれども果たされて、そうして最初の英吏たちは元の世界に帰っていった。 緊張していた。警戒していた。 当然のことだった。自由意志も同意もなく、自分の置かれた状況に対する、知識も、心構えも、何もない人間が、突然に理解を求められたのだ。 だが、それでも――― 一方的ではなかったと思う。最後には、対話が出来ていたと、そう信じている。 なぜなら最後に英吏は笑ったからだ。 あれだけ威圧を怠らなかった英吏が、自分たちの、精一杯積み重ねた言葉を聞いて、最後には笑って去っていったからだ。 思いは、伝わる。 信じてつかんだそのことを胸に、赤星は、二人が去った余韻を断ち切って振り返る。 亜細亜ちゃん。 思えば、気持ちは伝わるよ――― /*/ ~祭囃子:後編~ /*/ 英吏たちが帰りの合図を呟きこの世界から姿を消した頃、もう一組の、愛鳴藩国から到着した英吏と斎藤の警戒もようやく解けていた。 導かれて殺しあう、真なる一を決めるための戦いの、合図となる同一人物同士の共存が、最初の二人が帰っていったことで解除されたからだ。 敵の気配がなくなったと感じられた英吏たちは、船着場に迎えに行った面々と共に戻ってきて、介護テントに待っていた亜細亜たちと合流。 そこでもう一度アクシデントが起こった。 /*/ あああああああ。 口からエクトプラズムはみだしながら、火足は夫婦のコンビネーション攻撃に悶絶していた。 亜細亜はわんわん泣いている。 火足は思った。どうしてこんなことになったんだろう。 /*/ 違った。 頭が真っ白になった。 違う。 「?」 泣いている亜細亜を不思議そうに、だが泰然と笑みながら見ているのは、英吏。 今、 目の前にある、 この笑顔は、 私が欲しかったものじゃない…… 『今から来る、英吏さんは、さっきの英吏さんとは別の人だから、大丈夫だよ』 目が覚めて、英吏たちが戻ってきたと聞いて、 きっと、みんなが怒った英吏さんをなだめて連れ戻してくれたんだと思った。 でも違った。 『さっきの英吏さんとは別の人だから』 『別の人だから』 「わぁ……」 わんわん、まるで自分の歳の半分くらいもない子供みたいに亜細亜は泣いた。 泣いて、泣いて、泣いた。 全部頭の中から飛んでいった。 「呼んでもらったのに……」 ひぃ、と、喉を鳴らしながら空気を吸う。 「せっかく呼んでもらったのに……っ」 遠いところで英吏がしゃべっている。 『騒がしい祭りだが、あの子は?』 違う。 そうじゃない。 そんな、風に、 あなたに話されたかったんじゃない…… /*/ 罪悪感も、なにもかも振り捨てて、 その場の何もかもが耐え切れなくなって、 亜細亜は、 逃げた。 /*/ 「あああああああ!」 安心させるつもりで言ったのが悪かったなー、と火足は、ものすごいいい笑顔で自分にアキレス腱固めをしている吹雪先生と、アームロックをかけているその奥さんとに絶叫させられながら反省していた。 『今から来る、英吏さんは、さっきの英吏さんとは別の人だから、大丈夫だよ』 気付けなかったなあと思う。 あの子があの英吏を呼んだのは、あの英吏が好きだからで、自分たちが誰かを好きになる時そうであるように、かわりなんていなかったんだなあ、と。 「そのようだな」 トーゴがエクトプラズムでしゃべる彼に同意した。回りでは、ぷかぷか幽体離脱している藩王を必死に体へ押し戻そうとみんながてんやわんやしている。 英吏も斎藤も何が起こったのかよく理解していない。 ある意味で、さっきの英吏と斎藤たちと、同じ状況だ。 呼ばれたけど、何が起こっているかわからない。 考えると一つずつ亜細亜の反応が腑に落ちていく。いくら内気な彼女でも、ただ誰かと会うだけであんなに緊張するはずがなかった。 まだまだだなあ、と思う。 二組の英吏たちに対しても、そうだし、亜細亜に対して、もっともよく、そうだった。 気がつけば、二人でロメロスペシャルをかけられている。地獄の釣り天井とも呼ばれる技で、両手を後ろからつかまれ背中を足で押し上げられ、空中に固められる技だ。既に関節技の域を越えている気もする。 うれしそうだなー、うれしそうだなー。 くそー師匠め。 心の中で吹雪先生を師匠と呼びながら、その師匠からさっきのお返しとばかりにガッチリホールドされつつ、やっと魂が肉体に復帰した火足は、逃げていった亜細亜をまた仲間が追いかけてくれたことに安堵しつつ肩周りの筋肉をほぐした。ふー、しんどかった。 追いかけよう。 素直に火足は、先行して追いかけた二人を追った。 それを見てか、見ずしてか、一つの人影が彼らの前をあてどなく横切る。 /*/ 吟遊詩人はふらりと踊る。 少女と語らい雑踏を抜け。 太い腹をまあるく揺らし、吟遊詩人はふらりと踊る。 さて望むものはなんだろう。 望む、代価は君にはあるか? さて望むものはなんだろう。 望む、覚悟は君にはあるか? いよいよ天高くに月を迎えた祭りは深く、社を祭って騒々しく宴を謳う。 満ち満ちたように見える月はだが、いまだ満月ならず、時を待ち――― /*/ 「………」 戻りたくない、と、亜細亜は思った。 戻りたく、ない。 あの二人の、ううん―――英吏のいる場所には、戻りたく、ない。 それに、さっき、とうとう口にしてしまった。 せっかく呼んでもらったのに、と。 ……今度こそ、みんなにわかってしまっただろう。 嫌だな。 戻りたく、ないな。 重たい気持ちの中に、ぽうっとリフレインしてくる、通りすがりの男の言葉。 『君が欲しいものがある』 「…………っ」 ぎゅうっと心を内に固めて亜細亜は身を固くする。唇は、周りとの対話に費やされているけれども、心はもう、そこにはない。心はもう、ここにはおけない。 心のありかは、ではどこか。 戻りたくない。 けど――― 思い返すのは一つの言葉。 『好きな人にはせめて本気の想いをぶつけたいじゃない』 今日の自分は、どうだったろうか。 英吏に、みんなに、ちゃんと想いを伝えていた、だろうか…… 「―――――」 後藤亜細亜は空を見上げる。そこを月が上らんと、丸い姿をさらしていた。その月を、見上げながらにいつしか涙は乾いてゆく。 これから、どうしよう? /*/ どうするべきか、と火足は考えた。 今、ふらりと現れた吟遊詩人の言に従って、亜細亜を広島ゲームに誘うべきか。 そのために、自分はどこまでやっていいのか。 落ち着いたら戻ろうか、と亜細亜に話し掛けて、戻りたくないと返された。 今日は失敗してばかりだな。 それでも――― 真面目に、彼女のことを見守りたい、導きたい、と思うから。 火足は最後の瞬間まで、考え続けていた。 見つめるのは己の手。視線へと、問い返すかのように掌はある。 自分がどうするべきなのかを。 /*/ 夏祭り。 一組の、夫婦は仲良く腕組みしながらどこかへ消え、一人の男は今日もまた新たに世界の小さな仕組みを知る。 少年の持つ飴に、少女はためらい、いつものようにおねだりをし損ねる。 祭囃子のただなかで、人の思いが雑踏のようにすれ違い、立ち止まり、交錯する――― 小笠原…… いつでも時は流れ、そして去る。 今振り返る、この時をすら。 祭囃子は月夜に高らか。 /*/ -The undersigned:Joker as a Clown:城 華一郎
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○○:苗字 ※提案時とイベント等とで呼称が違う可能性アリ 呼称一覧(緑)/呼称一覧(青) 石田咲良:○○ 空先生 ペンギン 都先生 横山:亜美 谷口:竜馬 村田:村田さん 山口:葉月 上田:上田君 厚志:青 未確認:緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 シマシマ 若宮 原 森) 横山亜美:○○君(さん) 先生 ペンギン 谷口:谷口さん 野口:野口さん 未確認:白(石田 村田 竹内 渡部 野口 山口 岩崎 工藤 菅原 吉田 上田 瀬戸口 厚志) 緑(源 金城 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 小島航:○○君(さん) ペンギン 空:兄さん 厚志:青 英吏:英吏さん 未確認:白(村田 真央 渡部 吉田 上田 ペンギン 壬生屋) 緑(源 金城 柱 國分 先内 荒木 斉藤 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 村田彩華:○○ ペンギン 山口:葉月 未確認:白(石田 竹内 真央 岩崎 工藤 菅原 吉田 空 瀬戸口 厚志) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 竹内優斗:○○君(さん) ペンギン 厚志:青 英吏:英吏さん 大迫:大迫先生 未確認:白 (村田 山口 菅原 上田 空 壬生屋) 緑(源 金城 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(石塚 佐久間 田島 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 谷口竜馬:○○ 空 :空先生 横山:横山女史 未確認:白(小島 佐藤 渡部 野口 山口 岩崎 菅原 吉田 空 ペンギン 瀬戸口 厚志) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 鈴木真央:○○君(さん) 未確認:白(石田 横山 村田 谷口 渡部 山口 上田 空 ペンギン 壬生屋 東原 厚志) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 佐藤尚也:○○ 先生 ペンギン 厚志;青 未確認:白(上田 壬生屋 東原) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 渡部愛梨沙:○○ 未確認:白(小島 村田 谷口 佐藤 野口 山口 岩崎 工藤 吉田 上田 空 ペンギン 瀬戸口 壬生屋 厚志) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 野口直也:○○君(さん) ペンギン 芝村英吏:英吏さん エステル:紅 未確認:白(村田 谷口 真央 渡部 山口 上田 空 壬生屋 厚志) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 山口葉月:○○君(さん) ペンギン 岩崎:俊くん(イベント)、俊君(提案) 吉田:遥ちゃん 未確認:白(石田 横山 小島 村田 竹内 谷口 真央 工藤 菅原 上田 空 壬生屋 東原 厚志) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 岩崎仲俊:○○君(さん) 小島先生 ペンギン 伯爵 スキピオ 大迫先生 都先生 シマシマ 山口:葉月さん 厚志:青 國分:國分さん 芝村英吏:英吏さん エステル:紅 牧原倖:倖君 牧原輝春:輝春さん 善行忠孝:善行さん 未確認:緑(荒木 神海 風間 石津 滝川) 青(田島 古関 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 篠山 若宮) 工藤百華:○○ 厚志:青 エステル:紅 未確認:白(石田 横山 竹内 谷口 真央 渡部 野口 山口 菅原 吉田 上田 空 ペンギン 東原) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 森 茜) 菅原乃恵留:○○ 村田:彩華先輩 山口:葉月 吉田:ハル 上田:トラ 未確認:白(石田 横山 谷口 真央 工藤 空 ペンギン 瀬戸口 壬生屋 東原 厚志) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 吉田遥:○○さん 大迫先生 都先生 菅原:のえる姉さん 上田:トラ 厚志:青 空:先生 ○○君:竜造寺 滝川 佐久間 若宮 茜 未確認:白(石田 横山 村田 谷口 真央 渡部 野口 工藤 空 ペンギン 瀬戸口 壬生屋 東原) 緑(源 金城 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 舞) 青(蔵野 石塚 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 シマシマ 原) 上田虎雄:○○君(さん) 空先生 小島:コウ 厚志:青 未確認:白(横山 村田 竹内 真央 渡部 野口 工藤 菅原 壬生屋) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 滝川 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 大迫 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 小島空:○○ ペンギン 小島:弟 未確認:白(石田 横山 村田 竹内 谷口 真央 佐藤 渡部 山口 岩崎 工藤 菅原 吉田 上田 瀬戸口 壬生屋 東原 厚志) HBペンギン:名前をカタカナ呼び 未確認:白(石田 横山 小島 村田 竹内 谷口 真央 渡部 山口 岩崎 工藤 菅原 吉田 上田 空 瀬戸口 壬生屋 厚志) 瀬戸口隆之:○○ 先生 ペンギン 大迫先生 東原:希望 厚志:大将 未確認:白(横山 谷口 真央 山口 工藤) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 善行 石津 舞) 青(蔵野 石塚 佐久間 田島 辻野 古関 小野 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 中山 篠山 俊郎 都 シマシマ 若宮 原 森 茜) 壬生屋未央:○○君(さん) 先生 ペンギン 大迫先生 都先生 シマシマ 東原:希望 厚志:青 牧原輝春:輝春さん 善行:善行さん 未確認:白(石田 横山 村田 谷口 渡部 山口 岩崎 工藤 吉田 上田) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 石津 滝川 舞) 青(田島 辻野 古関 大塚 永野 田上 飛子室 武田 山本 松尾 嶋 篠山 俊郎 若宮 茜) 東原希望:希望の呼び方 青の厚志:○○(さん) ペンギン 大迫先生 都先生 工藤:工藤 東原:希望 舞:舞 空:空 未確認:白(小島 村田 谷口 渡部 山口 菅原 上田 壬生屋) 緑(源 金城 竜造寺 柱 深澤 國分 先内 荒木 斉藤 英吏 エステル 倖 輝春 結城 神海 伯爵 風間 スキピオ 石津) 青(大塚 永野 田上 飛子室 松尾 俊郎 シマシマ)
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前のページ 芝村: 英吏から返事来た。 南天: Q:な、何とかいてありますか(汗) #いえいえ、幸せそうで何より、こっちは心配しないでたのしんでー 芝村: A:少し、風邪で気分がすぐれなかったようです。帰って寝ます 南天: Q:英吏さんの自宅は宰相府の寮ですか? 芝村: A:ええ まつり: r:しげしげと秘書官の制服姿を眺めます 芝村: 似合うねえ>まつり まつり: #はい まつり: 「最近高之さんのお仕事ぶりを他の人から聞いて 自慢してるんです」 r:抱きつきたいけどやっぱり我慢です 芝村: 高之はにこっと笑って貴方を抱き寄せた まつり: 「きゃ」 嬉しいからしばらくそのままでいます #かえすがえすも南天さんごm(いkr 芝村: ぎゅーとだきしめられてる まつり: 「職場だから我慢しようと思ってきたのに…」 高之:「久しぶりだからな」 まつり: Q:やっぱりギャラリーがいたりしますか 芝村: A:ええ。森と風野は顔あかくしている。 tactyはおーという顔 まつり: 「3週間とちょっとですね」 顔見上げて笑って 「次はすぐですから」 まつり: #リアルで顔が赤くなってきました こんなはずじゃ 南天: #いやかえってそれはいいから(笑) r:寮の場所と部屋番号をを調べてダッシュで向かいます 南天: 「アヤフジ!フジトラ!また来るからね!!」 南天: 長靴を放り投げて履きなれたヒールでダッシュです!! まつり: 「南天さん 行っちゃった… がんばれー」(小声で) 芝村: 寮についたよ>南天 南天: r:帰ってきているか、寮の入り口にある札を確認します 芝村: 確認した>南天 いるねえ 南天: 有難う御座います。 r:寮監さんに「お世話になった方が体調不良と言う事なので、顔を見させてください」と断って部屋まで行きます 芝村: 英吏は部屋の前だ 貴方と目があった 背を向けた。 南天: 「英吏さん!御免なさい…わ、わたしは、安心してしまって」泣きそうなのでぐーっとこらえます 「ああもう、何を言ってるのか自分でも…」 南天: r:顔を真っ赤にして目をごしごしします まつり: 「できたら、デートと別の日にののみさんと三人でお食事とかどうかなと思ってたんだけどどうですか?」 高之:「いいとも」 まつり: 「お食事といっても私がお重詰めてもってくくらいだけど」 高之:「うん」 まつり: 「はい ののみさん平日は学校?」 #完全に並行ゲームで申し訳なく… 高之:「ああ」 まつり: 「じゃあやっぱりデートとは別の日ね。場所はどうしましょう 貴方のお部屋とか使えます?」 #がんばれ! 高之:「ああ。いいな」(耳元でささやいてキス) まつり: 「…!」ちょっとびくっとします 顔真っ赤です まつり: 「くすぐったい」 高之:「悪い」(でもやめない) まつり: 「(ひにゃー)」 まつり: 「た、たかゆきさん やっぱり職場だから…その」 r:(ちょっとふるふる) 高之:「そうだな」 芝村: 高之は身を引いた。 芝村: 高之:「じゃ、誕生日に」 まつり: 「えと… はい!」 芝村: 高之は仕事に戻った。 まつり: あ。 芝村: 華麗に。 まつり: 話聞こうと思ったのに(笑) まつり: r:せっかく厩舎なので 雷電の様子を覗いてみます 英吏:「自分は風邪です。どうぞ、お引取りください」 南天: 「私のことは、お嫌いですか?顔も見てくれないほどにもう、お嫌いですか?」 r:言いながら近寄ります 芝村: 英吏:「風邪だと、言っています」 南天: 「なるほど、じゃあ…ご無礼します」 r:そっと英吏さんの額に手を当てて熱を測ります 芝村: 英吏はよけた。 傷付いた目で南天を見た。 あ。窓から逃げた。 まつり: #そこまで! 南天: r:我が身を省みず飛びます窓から 南天: 耐久力-3ですけどね まつり: #骨折しないでー 芝村: クイーンが南天を拾った。 南天: 「ずるいっ」 芝村: クイーンは厩舎まで南天をはこんでいった。 まつり: 「あれー」 「こんにちは女王様 初めまして」 南天: r:英吏さんに置手紙をします まつり: 「…英吏さんは?」 芝村: クイーンは南天を落とした。 南天: 「いいよ、貴方に乱暴にされる理由は分かってるから」 まつり: 「あー」 「…どうなった?」 まつり: r:南天さんに近寄ってなでなで 南天: 置手紙 アヤフジとフジトラをお願いします。 #ついでにボイスレコーダーを置いて行きます。訓練中の声をとったものです。 芝村: はい。 /*/ 芝村: はい。お疲れ様でした。 まつり: わーん 聞きたいこと全然聞けなかった(笑) 南天: えわ、わたし つぎいけないかもorz まつり: 用件は伝えたから私はいいけど… 南天: いやちがくて(汗) みらのの まつり: ああ 23時からか 行けないってダメージ大? まつり: あー 失礼しました ありがとうございました! これが一番最初でした 芝村: ははは。 南天: #クリーンヒットorz自責 まつり: いやでも お仕事中見られたのでいいですw わたしは。 南天: あ、有難う御座いました(汗) 芝村: そして全てを忘れてラブラブモードつきやま まつり: 忘れてませんよ(笑) 南天: すみませんでした まつり: どうやって着地しようかと できませんでしたが まつり: 一人でこなかったので 気に入らなかったとかありましたでしょうか 芝村: ははは。 芝村: 評価はまあ、あずかっといてあげよう まつり: わあ まつり: とりあえず平和そうな宰相府でした まつり: 秘宝館出してもよろしいでしょうか 芝村: そうだね 芝村: 1・1でどうぞ では解散しましょう。お疲れ様でした まつり: ありがとうございます ありがとうございましたー 南天: 有難うございました 芝村: 元気出せ。傷は浅いぞ トップページ
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[ { "title" "アポロニア人", "part_type" "group", "children" [ { "title" "アポロニアとは", "description" "第1世界(WR2006年以前)、もしくは世界番号変更後(2007年以降)の第2世界の地名。 アポロニア・ワールドタイムゲートの接続先。\nニューワールドと違って今まで大きな戦乱もなく、大繁栄して人も増えている妖精の国。", "part_type" "part", "localID" 1 }, { "title" "アポロニア人の外見的特徴", "description" "NWから移民した森国人、エルフを祖先に持つアポロニア人であるが、森国人のその最大の外見的特徴である長い耳は、長い時の流れの中で失われたのか他の人種とそう変わらない形をしている。\nただし、肉体に過剰に魔力が溜まるとまた耳が長くなることがあるようである。", "part_type" "part", "localID" 2 }, { "title" "魔法の素養", "description" "森国人は魔法の素養を持つ種族であり、それを祖先に持つアポロニア人もまた同じように魔法の素養を持っている。", "part_type" "part", "localID" 3 } ], "expanded" true, "localID" 0, "description" "" } ] 部品構造 大部品 アポロニア人 RD 2 評価値 2部品 アポロニアとは 部品 アポロニア人の外見的特徴 部品定義 部品 アポロニアとは 第1世界(WR2006年以前)、もしくは世界番号変更後(2007年以降)の第2世界の地名。 アポロニア・ワールドタイムゲートの接続先。 過去にアイドレスで起きた大虐殺の折、ISSに所属していたアポロさんの個人ACEである英吏さんが、るしにゃん王国、ゴロネコ藩国の長老らと手を組み、逮捕(という形で保護をした)者とその家族らを新天地へと逃がしていた。 これにより英吏さんにちなんで新天地の名前がエーリニアとなりそうだったが、本人が固辞したため奥様であるアポロさんの名前がつけられた。 ニューワールドと違って今まで大きな戦乱もなく、大繁栄して人も増えている妖精の国。 部品 アポロニア人の外見的特徴 NWから移民した森国人、エルフを祖先に持つアポロニア人であるが、森国人のその最大の外見的特徴である長い耳は、長い時の流れの中で失われたのか他の人種とそう変わらない形をしている。 ただし、肉体に過剰に魔力が溜まるとまた耳が長くなることがあるようである。 提出書式 大部品 アポロニア人 RD 2 評価値 2 -部品 アポロニアとは -部品 アポロニア人の外見的特徴 部品 アポロニアとは 第1世界(WR2006年以前)、もしくは世界番号変更後(2007年以降)の第2世界の地名。 アポロニア・ワールドタイムゲートの接続先。 過去にアイドレスで起きた大虐殺の折、ISSに所属していたアポロさんの個人ACEである英吏さんが、るしにゃん王国、ゴロネコ藩国の長老らと手を組み、逮捕(という形で保護をした)者とその家族らを新天地へと逃がしていた。 これにより英吏さんにちなんで新天地の名前がエーリニアとなりそうだったが、本人が固辞したため奥様であるアポロさんの名前がつけられた。 ニューワールドと違って今まで大きな戦乱もなく、大繁栄して人も増えている妖精の国。 部品 アポロニア人の外見的特徴 NWから移民した森国人、エルフを祖先に持つアポロニア人であるが、森国人のその最大の外見的特徴である長い耳は、長い時の流れの中で失われたのか他の人種とそう変わらない形をしている。 ただし、肉体に過剰に魔力が溜まるとまた耳が長くなることがあるようである。 インポート用定義データ [ { "title" "アポロニア人", "part_type" "group", "children" [ { "title" "アポロニアとは", "description" "第1世界(WR2006年以前)、もしくは世界番号変更後(2007年以降)の第2世界の地名。 アポロニア・ワールドタイムゲートの接続先。\n過去にアイドレスで起きた大虐殺の折、ISSに所属していたアポロさんの個人ACEである英吏さんが、るしにゃん王国、ゴロネコ藩国の長老らと手を組み、逮捕(という形で保護をした)者とその家族らを新天地へと逃がしていた。\nこれにより英吏さんにちなんで新天地の名前がエーリニアとなりそうだったが、本人が固辞したため奥様であるアポロさんの名前がつけられた。\nニューワールドと違って今まで大きな戦乱もなく、大繁栄して人も増えている妖精の国。", "part_type" "part", "localID" 1 }, { "title" "アポロニア人の外見的特徴", "description" "NWから移民した森国人、エルフを祖先に持つアポロニア人であるが、森国人のその最大の外見的特徴である長い耳は、長い時の流れの中で失われたのか他の人種とそう変わらない形をしている。\nただし、肉体に過剰に魔力が溜まるとまた耳が長くなることがあるようである。", "part_type" "part", "localID" 2 } ], "expanded" true, "localID" 0, "description" "" } ]
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カイエ@愛鳴藩国様からのご依頼品 「すいません、英吏さん…ありがとう。」 赤星はうつむいた。何かを祈るような、姿だった。 「こんな事になるつもりではなかったのです。いつかもっと良い形でお会いしましょう。英吏さん、奈津子さん、クイーン。」 潮騒が、人々の確かにそこにいた余韻をかき消していく。今夜は月夜だ、水面が青い。 波に散る、月の姿を見ながらに、思うのは、今宵の顛末。思いもよらないすれ違いが、それでも最後には、気持ちを、理解を半ば押し付ける形にはなったけれども果たされて、そうして最初の英吏たちは元の世界に帰っていった。 緊張していた。警戒していた。 当然のことだった。自由意志も同意もなく、自分の置かれた状況に対する、知識も、心構えも、何もない人間が、突然に理解を求められたのだ。 だが、それでも――― 一方的ではなかったと思う。最後には、対話が出来ていたと、そう信じている。 なぜなら最後に英吏は笑ったからだ。 あれだけ威圧を怠らなかった英吏が、自分たちの、精一杯積み重ねた言葉を聞いて、最後には笑って去っていったからだ。 思いは、伝わる。 信じてつかんだそのことを胸に、赤星は、二人が去った余韻を断ち切って振り返る。 亜細亜ちゃん。 思えば、気持ちは伝わるよ――― /*/ ~祭囃子:後編~ /*/ 英吏たちが帰りの合図を呟きこの世界から姿を消した頃、もう一組の、愛鳴藩国から到着した英吏と斎藤の警戒もようやく解けていた。 導かれて殺しあう、真なる一を決めるための戦いの、合図となる同一人物同士の共存が、最初の二人が帰っていったことで解除されたからだ。 敵の気配がなくなったと感じられた英吏たちは、船着場に迎えに行った面々と共に戻ってきて、介護テントに待っていた亜細亜たちと合流。 そこでもう一度アクシデントが起こった。 /*/ あああああああ。 口からエクトプラズムはみだしながら、火足は夫婦のコンビネーション攻撃に悶絶していた。 亜細亜はわんわん泣いている。 火足は思った。どうしてこんなことになったんだろう。 /*/ 違った。 頭が真っ白になった。 違う。 「?」 泣いている亜細亜を不思議そうに、だが泰然と笑みながら見ているのは、英吏。 今、 目の前にある、 この笑顔は、 私が欲しかったものじゃない…… 『今から来る、英吏さんは、さっきの英吏さんとは別の人だから、大丈夫だよ』 目が覚めて、英吏たちが戻ってきたと聞いて、 きっと、みんなが怒った英吏さんをなだめて連れ戻してくれたんだと思った。 でも違った。 『さっきの英吏さんとは別の人だから』 『別の人だから』 「わぁ……」 わんわん、まるで自分の歳の半分くらいもない子供みたいに亜細亜は泣いた。 泣いて、泣いて、泣いた。 全部頭の中から飛んでいった。 「呼んでもらったのに……」 ひぃ、と、喉を鳴らしながら空気を吸う。 「せっかく呼んでもらったのに……っ」 遠いところで英吏がしゃべっている。 『騒がしい祭りだが、あの子は?』 違う。 そうじゃない。 そんな、風に、 あなたに話されたかったんじゃない…… /*/ 罪悪感も、なにもかも振り捨てて、 その場の何もかもが耐え切れなくなって、 亜細亜は、 逃げた。 /*/ 「あああああああ!」 安心させるつもりで言ったのが悪かったなー、と火足は、ものすごいいい笑顔で自分にアキレス腱固めをしている吹雪先生と、アームロックをかけているその奥さんとに絶叫させられながら反省していた。 『今から来る、英吏さんは、さっきの英吏さんとは別の人だから、大丈夫だよ』 気付けなかったなあと思う。 あの子があの英吏を呼んだのは、あの英吏が好きだからで、自分たちが誰かを好きになる時そうであるように、かわりなんていなかったんだなあ、と。 「そのようだな」 トーゴがエクトプラズムでしゃべる彼に同意した。回りでは、ぷかぷか幽体離脱している藩王を必死に体へ押し戻そうとみんながてんやわんやしている。 英吏も斎藤も何が起こったのかよく理解していない。 ある意味で、さっきの英吏と斎藤たちと、同じ状況だ。 呼ばれたけど、何が起こっているかわからない。 考えると一つずつ亜細亜の反応が腑に落ちていく。いくら内気な彼女でも、ただ誰かと会うだけであんなに緊張するはずがなかった。 まだまだだなあ、と思う。 二組の英吏たちに対しても、そうだし、亜細亜に対して、もっともよく、そうだった。 気がつけば、二人でロメロスペシャルをかけられている。地獄の釣り天井とも呼ばれる技で、両手を後ろからつかまれ背中を足で押し上げられ、空中に固められる技だ。既に関節技の域を越えている気もする。 うれしそうだなー、うれしそうだなー。 くそー師匠め。 心の中で吹雪先生を師匠と呼びながら、その師匠からさっきのお返しとばかりにガッチリホールドされつつ、やっと魂が肉体に復帰した火足は、逃げていった亜細亜をまた仲間が追いかけてくれたことに安堵しつつ肩周りの筋肉をほぐした。ふー、しんどかった。 追いかけよう。 素直に火足は、先行して追いかけた二人を追った。 それを見てか、見ずしてか、一つの人影が彼らの前をあてどなく横切る。 /*/ 吟遊詩人はふらりと踊る。 少女と語らい雑踏を抜け。 太い腹をまあるく揺らし、吟遊詩人はふらりと踊る。 さて望むものはなんだろう。 望む、代価は君にはあるか? さて望むものはなんだろう。 望む、覚悟は君にはあるか? いよいよ天高くに月を迎えた祭りは深く、社を祭って騒々しく宴を謳う。 満ち満ちたように見える月はだが、いまだ満月ならず、時を待ち――― /*/ 「………」 戻りたくない、と、亜細亜は思った。 戻りたく、ない。 あの二人の、ううん―――英吏のいる場所には、戻りたく、ない。 それに、さっき、とうとう口にしてしまった。 せっかく呼んでもらったのに、と。 ……今度こそ、みんなにわかってしまっただろう。 嫌だな。 戻りたく、ないな。 重たい気持ちの中に、ぽうっとリフレインしてくる、通りすがりの男の言葉。 『君が欲しいものがある』 「…………っ」 ぎゅうっと心を内に固めて亜細亜は身を固くする。唇は、周りとの対話に費やされているけれども、心はもう、そこにはない。心はもう、ここにはおけない。 心のありかは、ではどこか。 戻りたくない。 けど――― 思い返すのは一つの言葉。 『好きな人にはせめて本気の想いをぶつけたいじゃない』 今日の自分は、どうだったろうか。 英吏に、みんなに、ちゃんと想いを伝えていた、だろうか…… 「―――――」 後藤亜細亜は空を見上げる。そこを月が上らんと、丸い姿をさらしていた。その月を、見上げながらにいつしか涙は乾いてゆく。 これから、どうしよう? /*/ どうするべきか、と火足は考えた。 今、ふらりと現れた吟遊詩人の言に従って、亜細亜を広島ゲームに誘うべきか。 そのために、自分はどこまでやっていいのか。 落ち着いたら戻ろうか、と亜細亜に話し掛けて、戻りたくないと返された。 今日は失敗してばかりだな。 それでも――― 真面目に、彼女のことを見守りたい、導きたい、と思うから。 火足は最後の瞬間まで、考え続けていた。 見つめるのは己の手。視線へと、問い返すかのように掌はある。 自分がどうするべきなのかを。 /*/ 夏祭り。 一組の、夫婦は仲良く腕組みしながらどこかへ消え、一人の男は今日もまた新たに世界の小さな仕組みを知る。 少年の持つ飴に、少女はためらい、いつものようにおねだりをし損ねる。 祭囃子のただなかで、人の思いが雑踏のようにすれ違い、立ち止まり、交錯する――― 小笠原…… いつでも時は流れ、そして去る。 今振り返る、この時をすら。 祭囃子は月夜に高らか。 /*/ -The undersigned:Joker as a Clown:城 華一郎 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) こんなにたっぷりと書いていただいて、大感激です! それぞれの場面がとても活き活きしていて、ぐっと引き込まれました。お願いして本当に良かったです。ありがとうございました! -- カイエ@愛鳴藩国 (2007-10-26 17 24 20) 名前 コメント ご発注元:カイエ@愛鳴藩国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=164;id=gaibu_ita 製作:城華一郎@レンジャー連邦 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=669;id= 引渡し日:2007/ counter: - yesterday: -
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アポロ・M・シバムラ@玄霧藩国さんからのご依頼品 えーりんに、激しく萌えました。 描いていて楽しかったです。ありがとうございました! 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) すてきなお見舞いイラスト、ありがとうございました!包帯で押さえられてる英吏さんの金髪に萌えました。さらっさら!英吏さんの髪さらっさら!(興奮 -- アポロ (2008-12-17 18 52 47) 名前 コメント ご発注元:アポロ・M・シバムラ@玄霧藩国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one namber=1514 type=1464 space=15 no= 製作:春雨@レンジャー連邦 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=1725;id=UP_ita 引渡し日: 2008/12/14 counter: - yesterday: -
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室賀兼一@リワマヒ様からの依頼より “優しき月の夜想曲” /*/ 「同じ物はふたつとない。 いいじゃないですか奈津子さん。 それだけ身近に感じてもらってるということで」 「そんな・・・ほんとうにそうでしょうか・・・」 ~41117002の会話より抜粋~ /*/ 室賀が案内されたのは学校の前だった。 隣に突然奈津子が現れる。ぴょこんと。 この擬音はかわいらしいと思うのだがどうだろうか。まぁ、話を続けよう。 「えーと、これのどこが冒険でしょう!」 奈津子の疑問はもっともである。普通冒険といえば、山を越え谷を越えである。 室賀も肩透かしを食らったようにこけている。 彼にとってもこの状況は予想外だったらしい。そして、納得した。 「いや、これから冒険に出かけるところということで。」 集合が学校なだけで、これから別のところに向かうのだろう。奈津子が学生であることを考えると妥当な判断だろう。 さて、目的地はどこかなと呟きながら宰相府発行の地図を見る室賀。 そして、宰相府は彼の予想を裏切っていた。 地図は学校を間違えなく指しており、学校に芝村英吏の宝があると書かれていた。 いろいろ宝がある人だなあ、と思う室賀。 一緒に地図を覗き込んだ奈津子は、目を文字通り丸くして“英吏の宝”の部分を凝視している。 「興味湧きますね。英吏さんが他に大事にしてるものがあるなんて。」 室賀の言葉にえーと奈津子。 「め、めがねでしょうか、やっぱり?」 確かに英吏は眼鏡キャラだがよく源と殴り合って壊していたような気もする。 「いがいにもっとかわいいものかも。」 と、奈津子に意味ありげに目配せする室賀。 「何が宝なのかわかったら、プレゼントを用意するときの参考になるかもしれませんよ?」 室賀の言葉を聞いて奈津子はそうですねと笑顔になった。本当に笑顔のよく似合う娘だ。 「行きましょう!」 「ええ!」 奈津子の言葉に、室賀はにっこりと笑って動き始めた。 学校内に入ると、授業中特有のあの静けさが二人を迎える。 「守衛さんに見つからないように、こっそりこっそり。授業抜け出したのがばれない様に。」 と楽しそうな室賀の後を、猫のように足音を殺して奈津子が続く。勿論この人も楽しそうだ。 「英吏さんもさすがに授業中でしょうね。宝はどこに…。」 うーん?と頭の上に?マークを浮かべる奈津子。 「英吏さんの普段いらっしゃるところはどこでしょうね。厩舎かな?」 室賀曰く、宝物は普段いるところに身近においていることが多いそうだ。今度、室賀さんの執務室を漁るといいだろう。きっと彼の大切なものが出てくるはずだ。なお捕まっても私は知らない。 小首をかしげて考える奈津子。うんと一つ頷いた。 「厩舎に一度行ってみましょうか。」 「そうですね。いってみましょう」 同意する室賀。 学校の校舎を出て、厩舎へと向かう二人。 厩舎の中に入ると、沢山の獣の気配がする。雷電だ。 個室の小窓を一つずつ覗き込み、クイーンを探す室賀。 いた。純白の毛並みを持つ雷電の女王。 もっとも、今は丸まって寝息を立てている。 妙に可愛い。 「クイーンに聞いてみましょう。私は動物と話せますので。」 寝てる所を申し訳ないですが、と微笑む室賀。 「ええ。それ以上に。きっとクイーンに守らせていると思うんです。」 奈津子の答えを聞いて、クイーンの部屋を改めて覗き込む室賀。 残念ながら、ぱっと見てそれらしい物は見当たらない。 やっぱり、本人に聞いてみようと奈津子に向き直る室賀。 「奈津子さん、クイーンを起こして聞いてみようと思います。」 奈津子は頷いて、ドアの閂を開いた。 クイーンが顔を上げた。ひょっとしたら、もう既に気付いていたのかも知れない。 「クイーン、クイーン」 部屋には入らず、ドアの外から声をかける室賀。やはり、女性の部屋に勝手に入ってはいけないと言う事だろう。 「こんにちは。室賀兼一です。」 クイーンは一つ頷いた。 「クイーン、あなたにお願いがあってきました。」 小首をかしげるクイーン。美しい毛並みが揺れる。 「英吏さんの大事にしているものを知りませんか? 同じ物が手に入ったら、奈津子さんと二人でプレゼントしたいと思うんです。 」 クイーンは直ぐに奈津子に近づくとくんくんと匂いを嗅ぎ始めた。 焦る奈津子。いや、照れてるのか。 「ちょ、やめてくだ」 まだ嗅いでる。それで、室賀は何か気付いた様だ。 「ははあ。クイーン、ありがとう。」 そう言うと、奈津子のほうに向き直り悪戯っぽく微笑む。 「奈津子さん、英吏さんの大事にしているものがわかりましたよ。」 「え?」 きょとんと室賀を見る奈津子。 「あなたですよ、奈津子さん。」 にっこりと笑う室賀。 「クイーンは、英吏さんの大事なものとは、あなただと言ってるんです」 言葉の意味が理解できるまで、数秒の時間が必要だった。 奈津子、びっくりである。 「えー!」 厩舎の中に声が響く。一頭の雷電が迷惑そうに吼えたが、奈津子には聞こえていない。というか、それどころではない。 「違いますよ違いますよ、ぜったいたぶんちがいます」 顔を真っ赤にして手を振っている奈津子。最後の方に、ちょろっとそうあったらいいなという個人的な願望が聞こえた。 「こまりましたね、プレゼントのしようがない」 そんな奈津子をにこにこ笑いながら眺める室賀。 「違うはずです…」 盛大に照れる奈津子。 「同じ物はふたつとない。いいじゃないですか奈津子さん。それだけ身近に感じてもらってるということで」 室賀が笑顔のままで言った。 「そんな・・・ほんとうにそうでしょうか・・・」 不安と期待に瞳が揺れる。 「クイーン、起こして悪かったね。」 クイーンに声をかけて二人で厩舎を出る。最後に振り返ってもう一度ありがとうと声をかける室賀。 気にするなとでも言うように、尻尾を振って答えるクイーン。 外に出ると丁度授業の終わりを告げる鐘が鳴っている。 「まあ、英吏さんにあったら、無理に聞いてみるより、そばにいてあげたらいいんじゃないかなあ。きっと喜びますよ」 うれしそうに笑う室賀。 「では、私はこれにて。いや、よい冒険でした」 そそくさと立ち去る室賀。 奈津子はそれに何かを気付いたようだ。 にっこりと微笑んで、ありがとうございます!と元気に声をかけた。 「はあい。ではでは~。」 軽く手を振って、立ち去る室賀。 思わず感想が口からもれる。 「いいこだなあ。」 ~FIN~ /*/ 以下は本来秘宝館に発注が無かったものであるが、ちょっとしたオマケとして、もし良かったら受け取って頂きたい。 /*/ “友誼の証” /*/ “わが国の唯一の資産は友情、そのかけらの一つが今、形になりました……” ~02117002の呟き~ /*/ リワマヒ国藩王室賀兼一は王宮の自室で一枚のコインをささげ持っていた。 「わが国の唯一の資産は友情、そのかけらの一つが今、形になりました……」 コインには、友人たる斉藤奈津子の横顔が刻印されている。 それを、はじいて上に投げると同時に柱の影から斉藤奈津子が現れた。まるで、楡の木の陰から勇者が現れるように。 「どうか、しましたか?」 微笑む奈津子。どんな時であろうとこの娘の笑顔は人の心に火をともすのだ。 「こんにちは、奈津子さん。実はちょっと困ったことがありまして」 実際に室賀は困っていた。広島迷宮に友人の奥羽りんくとその個人ACE奥羽恭兵が取り残されていたのだ。 敵は航空戦力と空戦を覚えたエースキラーだ。 救出しようにも如何せん航空戦力が無い。いや、リストにはあるのだが必要発言力が高くて手が出ないのだ。 「えー。はい。なんでしょう」 奈津子は、室賀さんでも困ることがあるんだなという目で見ている。 「友達と一緒に広島の迷宮を探索にいったんですが、友達とその大事な人とが取り残されてしまったんですよ。 」 「広島、ですか。あ、私前広島にいましたっ」 GPO緑の章の舞台は広島である。え、皆知ってるって。 「おお。で、その迷宮に行くには航空機でないといかれなさそうなんですね。で、飛行機を大至急都合つけないといけないんですけども 」 一度言葉を切る室賀。 「ふむふむ。大変ですねえ。」 と奈津子。迷宮と聞いても変な顔をしないのはこの人のいいところだろう。私もそう思う。 「奈津子さん、飛行機の都合をつけるにあたって、何かいい方法、思いつきませんか?」 こくこくと頷いた後英吏さんを呼びますね。ちょっと待ってください。と言った後、数秒とまる奈津子。 「ありがとう!」 英吏は真性の軍人である。彼に相談できるのは大きいだろう。 「電話に出てくれるそうです!」 ありがたいと、周囲の猫の子達におこたの間から黒電話を持ってきてもらった。 早速、英吏に電話をする奈津子。そう言えば、この二人一緒に並んでアイドレスに遊びに来ているのだろうか? まぁ、それは聞かないでおこう。 電話をかける奈津子。顔が赤い。 そして、受話器を室賀に渡した。 電話の内容は省いて、結果だけを書くとしよう。 それは、夜の闇を照らす一条の光。夜明けを告げる足音となった。というところだろう。 受話器を置く室賀の表情を見る奈津子はにこにこ笑っていた。 どうやら、英吏さんならどうにかしてくれるという考えは間違っていなかったらしい。と言うより、芝村英吏は必ず手助けしてくれると信じて疑っていない。 「奈津子さん、ありがとう!」 奈津子の手をとって、ぶんぶんと振る室賀。 「おかげで友達を助けられそうです!」 その言葉を聞いて、太陽のように笑う奈津子。 「よかった」 その笑顔に笑顔で答える室賀。 「奈津子さんにはあとで手作り勲章を贈らせて下さい」 「いえいえ。じゃあ、また何かあったら呼んでくださいね」 そう言うと、嬉しそうに笑って手を振り、柱から姿を消した。まるで、役目を終えた勇者が楡の木の陰から消えるように。 ~FIN~ 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) わあ、おまけまで!ありがとうございます~! そういえば試練は冒険でした。懐かしい思い出です。楽しいSSありがとうございました! -- 室賀兼一 (2007-12-25 19 37 46) 名前 コメント 発注者:室賀兼一@リワマヒ様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=229;id=gaibu_ita 受注者:葉崎京夜@詩歌藩国http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=579;id=UP_ita counter: - yesterday: -
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アポロ@玄霧藩国様からのご依頼品 待ち合わせのシーンがとてもかわいらしかったので描かせていただきました。 少しでも気に入ってくだされば幸いです。お幸せに! 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) こちらでのコメントが遅くなってしまいまして、大変申し訳ございません!待ち合わせでのあまりにも英吏さんらしいところを描いてくださってありがとうございます…!そうです、この通りです、ああ格好いい!おまけもありがとうございます。抱いてる英吏さん人形が可愛いです。これ欲しいです(ぁ -- アポロ (2008-07-02 06 23 05) 名前 コメント ご発注元:アポロ@玄霧藩国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=306;id=gaibu_ita 製作:田鍋 とよたろう@鍋の国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=1038;id=UP_ita 引渡し日: counter: - yesterday: -