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(暫定版) オイルフェンスによる囲い込みと、油回収船による回収を行っているが、効果は限定的。 4月29日から30日にかけて、ルイジアナ州海岸に原油が漂着 近くに位置するアラバマ州、フロリダ州、ミシッシピ州への原油漂着が危惧されている。詳細な漂着状況は未確認。 原油漂着を危惧する近隣住民や環境団体は、草の根活動的に対策を考案・実施中。その一つが、「髪の毛を集めて作ったマットで、油を吸着させて除去する」というもの。 (参考リンク http //news.livedoor.com/article/detail/4760639/) (解説:物質の表面には、Wettability(濡れ性)という物性がある。これは、その物体の表面が、どの流体を吸いつけ易いかという指標である。水が吸い付き易い場合は、Water Wet, 油が吸い付き易い場合はOil Wetという。例えば、車のボディ表面に汚れをつきずらくする為にワックスを塗るのは、汚れを溶かした水滴が吸い付きやすいWater Wetな要素を除去するという事。 人体の髪の毛は、洗わないでいればすぐにべた付くことから分かるように、Oil Wetな性質を持つので、油と水の混合物に浸した場合、油を優先的に吸着する) -
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とある海面の混沌短編《フザケスギタコバナシ》 前に進む意志 編 諸君 私は少年が好きだ 諸君 私は少年が好きだ 諸君 私は少年が大好きだ 純粋少年が好きだ 生意気少年が好きだ 野球少年が好きだ サッカー少年が好きだ 虫取り少年が好きだ わんぱく少年が好きだ がり勉少年が好きだ ゲーマー少年が好きだ 大人しい少年が好きだ 公園で 通学路で 幼稚園で 学校で 砂浜で 山中で 部屋で リビングで クローゼットで 秘密基地で この地上で存在するありとあらゆる少年が大好きだ 1列に並んだ幼稚園児たちの挨拶が笑顔と共に私に向けられるのが好きだ 空中高く放り上げられた少年が自分の胸に飛び込んできた時など心がおどる 少年が打った野球ボールが私の部屋の窓を破壊するのが好きだ かくれんぼで草陰から飛び出してきた少年を両手と胸で抱きしめて確保した時など胸がすくような気持ちだった 遊んでばかりで8月31日を迎えた少年が私を頼るのが好きだ 性に目覚めた少年が18禁コーナーを何度も何度もチラ見している様など感動すら覚える 宿題を忘れた小学生を教壇の前に立たせる様などはもうたまらない 泣き叫ぶ少年達が両手を大きく広げ、安心を求めて片膝をつく私の胸元に次々と集まってくるのも最高だ 少年が思春期の目覚めを否定して強がっているところを大人の色気が理性ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える 少年の無垢な性の目覚めに滅茶苦茶にされるのが好きだ 必死に守るはずだった少年の幼さが蹂躙され大人になっていく様はとてもとても悲しいものだ 少年の愛に押し潰されて(貞操が)殲滅されるのが好きだ 保護者に追いまわされ社会のマイノリティとして地べたを這い回るのは屈辱の極みだ 諸君 私はショタを、天使の様なショタを望んでいる 諸君 私に付き従うショタコンホイホイ購読者諸君 君達は一体何を望んでいる? 更なる少年を望むか? 情け容赦のない天使の様な少年望むか? 鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な少年を望むか? 『少年(ショタ)! 少年(ショタ)! 少年(ショタ)!』 よろしい ならば少年(ショタ)だ 我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする握り拳だ だがこの暗い闇の底で性癖異常者として堪え続けてきた我々にただの少年ではもはや足りない!! ハーレムを!! 一心不乱のハーレムを!! 我らは社会的少数派 一度はPTAに屈した敗残兵に過ぎない だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している ならば我らは諸君と私で総力100万と1人のショタコン集団となる 我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう 髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう 連中に少年の味を思い知らせてやる 連中に我々の愛の本気を思い出させてやる 天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる 一千人の淑女婦女子で 世界の少年を愛し尽くしてやる 「黙示録の騎士団団長より全購読者へ」 目標日本国大規模レジャー施設!! 第二次ピーターパン作戦 状況を開始せよ 真夏の日本。あらゆるアミューズメントパークが集まる大規模レジャー施設が誕生した。隣接する遊園地やショッピングモール、すぐ目の前にあるビーチまでも合体させ、それぞれの連携を考慮に入れた大規模複合施設だ。 今日が休日でオープンということもあって招待客や一般客がわんさか集まっていた。 「イルミナティ幹部の一人であるローズ=ムーンチャイルドが社長を務めるゼリオン社がこの施設に投資していたのもあり、私、ミランダ=ベネットは招待客として施設のビーチに来ている」 ミランダ=ベネットはビーチで自らの巨乳を自慢するかのように仁王立ちし、第4の壁を越えて自らの立場を説明していた。 水に濡れる肢体と長い灰色の髪。シンプルイズベストと言わんばかりの黒無地のワイヤービキニ。シンプルであるが故に彼女の豊満なバストが強調され、トップの紐がGカップの胸に引っ張られる。 その凶悪なボディに男達は釘付けとなり、ガン見しては彼女にビンタされて別れ話を切り出される哀れな男もいる。だが、彼女が一番惹き付けたいショタはあまり見向きもしなかった。 「ルシアンの一件でお仕置きしたのにまだ懲りてないのね」 箕田美繰《ミダ ヨクリ》もミランダと同様に招待客として呼ばれたのだが、彼女はあまり乗り気ではなかった。 その証拠に彼女は水着ではなく、レディースのパンツスーツを着用していた。長袖に大きな眼帯と火傷跡を見せないように配慮した格好だ。長い黒髪のせいもあって余計暑苦しく感じる。夏用の薄い生地で作られたピッチリとしたスーツが彼女の豊満な胸と安産型のヒップを強調し、水着とはまた別のエロスを感じる。 「だ、大丈夫だ!今回は手を出さない………ってか、私はショタコンじゃない!」 ミランダが必死に否定するが、ショタコンホイホイ事件やルシアン監禁未遂から彼女のショタコンは周知の事実であり、必死に否定しているのは本人だけだった。 「もう隠さなくて良いんですよ。だから一緒に警察署に行きましょう?」 ミランダの肩に手を置く美繰。その目は聖母の如く慈愛に満ちていた。その優しさが逆に残酷だ。 「だ、だから違うって!」 「手は出さない?」 美繰が迫る。 「だから私はショタコンじゃ…」 「手は出さない??」 更に美繰が迫る。 「ショタコンは友人のリザが…」 「手は出さない???」 更に更に美繰りが迫る。ミランダの架空のショタコンの友人がまた一人増えた。 「はい。手は出しません。妄想だけで済ませます。ごめんなさい」 完全に震えていた。雨の中の子犬のように震え、ミランダは美繰から目を逸らした。八雷神(ヤツイカヅチ)の制裁で一度死にかけたのがしっかりとトラウマになっているようだ。 「でも、妄想だけで済むのかしら?」 (私達はイルミナティの幹部なわけだし、欲望のままに動くのが普通よね) 「だ、大丈夫だ!今日は秘密道具があるから!」 そう言って、ミランダは胸の谷間から人型の浮き輪を取り出した。 「てってれてって てーっててー♪“少年型浮き輪~(9歳版)”」(大〇のぶ代風) 「何…これ?」(リアル過ぎてキモいんだけど…) 「あれ?水〇わさび風の方が良かったか?」 「いや、そうじゃなくて…」 「ああ。年齢的には冨〇耕生か野〇雅子の世代か」 「私まだ生まれてないんだけど!その浮き輪は何って聞いてんの!」 「いや、だから少年型浮き輪だ。それ以上でのそれ以下でもない。ちゃんと水に浮く」 「あ。…そう」 (もういいや。こいつの相手疲れた) 美繰は諦めた。「駄目だこいつ…早く何とかしないと」なんてネタすら頭に浮かばなくなった。。 残念だ…あまりにも残念過ぎる美女の姿がそこにあった。 「ところで…、それはどこで買ったのかしら?」 「オ〇エント工業の特注品。80万円」 「はい!没収!!そんな卑猥人形をビーチに持ち込むな!」 「うわぁぁぁぁぁぁぁん!それがなかったらもう耐えられない!襲うぞ!そこらの少年を片っ端に襲うぞ!欲望のままに用具室に連れ込んで襲うぞ!エロ同人みたいに!」 冗談なのか本気なのか。冗談であって欲しいのだが冗談には聞こえない。そんなミランダの脅しが浮き輪を奪った美繰の足を止め、彼女を振り向かせた。 美繰は怒っていた。地獄を人間という形に凝縮した存在と言っても過言ではない状態だった。そして、八雷神の矛先を全てミランダに向ける。 「自重してください。貴方はローズが招待した客人です。あまりに粗相が過ぎたら彼女に迷惑ですよ」 地獄の閻魔からの言葉に等しい美繰の忠告。ミランダは固唾をのみ、ただただ首を縦に振り続けた。 「もし…、もし耐えきれずに粗相が過ぎたら?」 こんなこと訊くんじゃなかったと思いながら、どうしても聞いておきたかったのだ。対戦車地雷を踏み抜く様な質問だった。 「黄泉軍(ヨモツイクサ)で凌辱の限りを尽くし、誰のどの部分の肉か分からなくなるまで解体します。これは冗談じゃないですよ」 本気だった…。本気で怒った彼女の目だった。 地獄の軍勢とその頭領、八つの雷神を使役する「禁忌の魔術師」の片鱗を覗かせた。 ミランダはただひたすら頭を盾に振り続けた。 (殺される…!逆らったら殺される!!) ミランダの必死の肯定に気が済んだのか、美繰は浮き輪を持ち去っていった。海パン姿の少年(ドール)を抱えている姿はどう見ても誘拐犯だったが、そこはあえて黙って置いた。また地雷を踏むなどごめんだ。 (だが、このミランダ=ベネット!この程度の恐怖に屈したりはしない!私はショタの味を覚えてしまった。背徳の蜜の味を知ってしまったらもう後戻りはできない) 恐怖に震えた足は戻り、跪いていたミランダは二本の足で砂浜をしっかりと踏みしめる。 (美繰。悪いが、私の辞書に『退く』の二文字は無い。私は決めたのだ。この身が燃え尽きるその時まで、私は目的の為に前へ『進み』続けると!) ミランダは駆けだした。少年たちの元へ―――――――― 「『自重しなさい』って言ってんだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「ドッブォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!」 美繰からの急襲で吹き飛んだ。ミランダの身体は宙を回転しながらロケットのように海の向こうへと“蹴り飛ばされた”のだ。身体が海面で水切りのように何度も撥ねながら、彼女の身体はビーチから2キロ先の無人島へと“着弾”した。 金と女と男達 編 メイラ・ゴールドラッシュもまた、このレジャー施設に足を運んでいた。彼女もローズに呼ばれた招待客の一人だ。 ブロンドの髪に豊満なバスト、対象的に引き締まったボディ。もの凄くアメリカンで「USA!USA!」と叫ぶ兵士たちの幻聴が聞こえる。どこぞのハリウッドスターがバカンスで着てそうなV字水着。彼女の体型と合わさってもの凄いセクシーさを出しているのだが、無駄にキラキラとした装飾が散りばめられた水着が装飾過多で悪趣味にも見える。 そんな彼女はビーチチェアに寝そべり、サングラスをかけて「いかにもバカンス中のハリウッドスター」感を醸しだしていた。 「あ~。金が無い~」 彼女の口癖だ。…というか、口を開けばこれぐらいしか言わない。過去の経験から金銭に対する欲望が強い彼女は常に金を欲し、金を稼ぎ、散財し、再び金を欲すループの中にいる。今は散財後の「金が欲しいモード」だ。 (どっかの金持ち御曹司が声をかけてくれねぇかな~。この際、イケメンじゃなくて良いから) そう思っていた矢先だった。 自分から少し離れたところで男達が群がっていたのだ。 「うおおおwwwwロリ!wwwwロリでござるよぉぉぉぉぉwwww」 「白スクで旧仕様とはこれいかにwwwwwフカヌポウwwwwww」 「コポオwwwww誘ってるんですね?wwwwwこれは誘ってるんですね!wwwwww」 (な、何だ?あの人だかりは…。しかも私みたいなナイスバディな大人の女よりも幼女に群がるなんて、世も末というか…、いや、とっくの昔からこの世界は末期だったな…) 真ん中にいるであろう幼女を取り囲むように大量に群がる男達。男達は興奮し、フラッシュをたいてカメラで撮影する者もいる。その様子は糞に群がるハエ、巣に侵入してきたスズメバチを倒すミツバチ、ガ〇ラに群がるソルジャーレ〇オンの如く。 (なんつーか。囲まれた幼女も大変だな。いや、それともモデルなのか?まぁ、どっちにしても私にゃ関係ないか。助けたところで金にはならねぇし) メイラは金にしか興味が無い。何をするにしても儲かるか儲からないか。それだけが判断の基準であり、金と儲けが関われば手段を選ばず遂行し、そうでなければたとえどんなに簡単なことでもやりたがらない。そんな人間だ。 「た、助けて…」 どこかで聞き覚えのある…、いや、ほぼ毎日聞いたことがある様な声が男達の群れの中から助けを求めてきた。 (あれ?この声って…) 儲かるかどうかは分からないが、俄然興味が湧いた。メイラはビーチチェアから立ち上がり、男達の群れへと歩いて行った。 「おい。ちょっとどけ」 メイラは群れの一番外側にいた男の肩に手を乗せて呼びかけた。 「神聖なロリタイムを邪魔するな!このババア!」 迫真の怒りと充血した眼。麻薬の吸引を阻止された末期中毒者並にヤバい視線と怒りがメイラに向けられたが、幼い頃はそんな奴らのいる日常が普通だったメイラにとっては「ああ。懐かしいな」ぐらいでしかなかった。 そして…… 「ドッブォォォォォォォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!」 メイラは男を蹴り飛ばした。男は小石の水切りのように水面を跳ね、音速の壁を突破してビーチの反対側にある無人島まで吹き飛ばされる。体重90キロオーバーの巨漢が音速を越えて吹き飛ばされる光景は凄まじいものだ。 「な、なんだ…?」 さすがの非現実な事態に男達の視線はメイラと吹き飛ばされた男の方に向いていた。呆気に取られ、幼女で興奮しているどころではなくなった。 メイラが歩くと男達は群れの中心部にいる幼女へと続く道を開けた。女王陛下の道を作る訓練された衛兵のように一糸乱れぬ動きだ。 「やっぱりあんただったんだ。リーリヤ」 メイラの視線の先にいたのは雪の妖精のような少女だった。 雪のように白い肌と地に着きそうなほど長い白い髪、凹凸のない幼女体型に「りーりや」と書かれた白いスクール水着を着ていた。その上、スク水が旧仕様というところがマニア受けする。 「メ、メイラ…。助けて。死にたくない」 女の子座りで涙目になりながらリーリヤはメイラに手を伸ばす。 「5万円で助けようか?」 「そ、そんなの出せるわけ…」 「よし。お前ら、こいつをペロペロしていいぞ。私が許す」 「「「イヤッホゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!!!!!!」」」 男達が次々とル〇ンダイブでリーリヤに飛びかかる。 「出すッ!ちゃんと出すからッ!助けてぇぇぇッ!」 「今の言葉、忘れんなよ!」 メイラは近くに置いてあったビーチパラソルを握ると、それで飛びかかる男達を一斉に打ち飛ばした。十数人もの男達が海の水面で撥ねながら音速を越えて反対側の無人島へと激突した。 「そんじゃ、金のこと忘れんなよ」 「う、うん」 (付いて、いけない。ギャグ補正とはいえ、メイラが、十数人のピザデブを、音速以上の速度で、ふっ飛ばす光景に、理解が、追いつかない) 「ってか、お前ブローズグホーヴィはどうした?あれがあったら…」 「ガードマンに、持ち込み禁止、って言われた。とりあえず、駐車場に、置いて来た。ある程度の距離なら、離れても、問題無い」 ブローズグホーヴィはリーリヤの生命を維持する役割も持っており、心臓の鼓動は霊装の補助によって動いている。いつも巨大な馬型の霊装を持ち歩くわけにもいかないので、ある程度は離れても大丈夫なようにしている。 (なるほど…今、リーリヤは霊装と離れ離れ…か。霊装が無かったらただの美少女なんだよな……。ん?ただの美少女?) メイラがまた何か企み始めた。傍から見れば何かを企てていることがすぐに分かる悪い顔をしていた。 「リーリヤ。やっぱ金払わなくていい」 メイラのその発現にリーリヤはきょとんとした。金の亡者、守銭奴、この世の全ては金と金、そんな彼女がお金を諦めたのだ。驚かないはずがない。 「ただ、代わりにちょっと私と小遣い稼ぎしないか?」 「え?あ、まぁ…良いけど」 リーリヤが承諾した途端、メイラの悪人顔がこれでもかと言うほど表情に浮き上がる。 リーリヤは悟った。これから碌でもないことが起きると… 「はーい!撮影は1回1000円ね!並んで並んでー!ポーズのリクエストも受け付けるよー!お触りは禁止な!」 「幼女撮影キタコレwwwww」 「音速の壁を越えた拙者に死角なしwwwwww」 「りーりやたんwwwwwwwwりーりやたんwwwwwwww」 パシャパシャと写真を撮りまくる男達。赤面しながらも彼らからの要求に答えて際どいポーズを取らされるリーリヤ。そして、メイラはリーリヤ撮影会で並ぶ男達から次々と金を巻き上げていた。 (いやー!儲かる!儲かる!こうも簡単に金が集まりやがった!ボロイ商売だよ!) メイラは心の中でガッツポーズを取り、ちょっと誤解を受けそうな発言を頭の中で押さえこんだ。 (まったく、幼女は最高だぜ!!金ヅル的な意味で) ダイヤモンドゲーム編 大規模レジャー施設の最上階の展望台レストラン。ビーチと海を一望できる全面ガラス張りの絶景だ。海とビーチを意識したのか、内装も砂浜を想わせる白とクリーム色、海を想わせる水色で構成され、テーブルは純白のクロスがかけられていた。 多くの招待客と一般客が賑わう中、一つのテーブルを囲んで3人の男たちが座っていた。 一人は別の男を睨み、残り2人は手を顎に当ててテーブルにあるボードゲームを見つめていた。 ボードゲームを見つめる2人の男達。 一人は白髪に近い銀髪で灰眼、儚さが窺える風貌をした男だ。クリーム色のスラックスに水色の半袖シャツというビーチを意識した爽やかなカラーリングの服を着こなしている。 彼の名はディムナ=ハーリング。 「智の隠者《ハーミット》」の二つ名を持つフリーの魔術師であり、かつては恋人の復讐の為に魔術結社を一つ壊滅させ、世捨て人のように隠居した過去を持っている。しかし、今はこうしてボードゲームを楽しむ爽やかな笑顔の青年でしかない。 「さて…実際のところ、僕はこの駒を動かしたいんだよね…」 駒を動かそうとするディムナ。そのボードをじっと見つめるもう一人の男。 左に流れる短い黒髪に黒い瞳をした東洋人。黒いスラックスに半袖の白いワイシャツ、緩んだ青いネクタイをつけたサラリーマン風の男だ。 彼の名は尼乃昂焚《アマノ タカヤ》。フリーの魔術師であり、魔術結社イルミナティとも深いかかわりを持っている。 この中では彼が一番ゲームが上手そうなキレ者の雰囲気を醸し出している。しかし、ゲームの状況はと言うと… 「おい。それだけは動かすな」 「君がそれを言うってことは、実際のところ、この駒を動かされるのが不都合なんだよね?」 「ああ。お前の言う通りだ。だが、次の俺のターンまでそれがそこに残っていれば、このゲームで一番面白いプレーを披露することが出来る」 「まぁ、理由はどうあれ、実際に僕は動かすんだけどね」 昂焚の懇願を振り払い、ディムナは駒を動かした。昂焚は少しだけ苦い表情になる。 「藍崎。次はお前の番だ」 昂焚とディムナがもう一人の男、藍崎多霧《アイザキ タギリ》に視線を向けた。 少し長めの黒髪に眼鏡をかけた少年だ。流水紋の甚平を着ており、その格好に合わせたのかサンダルを履いている。手には甚平と同じ模様の扇子が握られていた。 彼は腕組みし、足を大きく広げ、足踏みしながら非情に怒った表情で昂焚を睨みつけていた。「激おこぷんぷん丸」なんてレベルじゃない。「カム着火インフェルノォォォォオオウ」寸前の「ムカ着火ファイヤー」だ。 「おい」 「どうしたんだ?」 怒りの篭もった多霧の声に昂焚がすっとぼけた応答をする。あまりの怒りっぷりに普段の敬語口調は崩れていた。むしろ、彼はこっちが素なのかもしれない 「美繰に会わせるって約束で来たんですけど…なんでボクは貴方達とダイヤモンドゲームをやってるんですか?」 「それはな、ダイヤモンドゲームは3人でプレイするボードゲームだからだ。ルールはwikipedia参照」 「ネットに丸投げですか!?」 「実際、君は数合わせのためだけに呼ばれたんだけどね」 ―――――と、ディムナが多霧の怒りのムカ着火ファイヤーに油を注ぐ。 「ふざけないでください。ボクは帰―――――!?」 多霧が「ドン!」とテーブルを叩き、立ち上がろうとした瞬間だった。 立ち上がれなかった。昂焚の霊装「都牟刈大刀《ツムガリノタチ》」が8本の刀身で藍崎の身体に巻きつき、彼の身体を椅子に固定していたのだ。バチバチと静電気が流れてさり気なく痛い。ちょっと刃も当たっていて服が傷つく。 「多霧ボーイ。これは闇のゲームなのデース。『逃げる』という選択肢は存在しないのデース」 「その目ん玉引っこ抜いて千年ア〇テムでもねじ込んでやりましょうか?」 「義眼キャラは最近出てきたばっかだから被る」 「そんなSS限定キャラのことを言われても強欲の杯を読んでいない人には『え?そんなキャラ、最近スレに投稿されたっけ?』ってなりますよ」 「でもまぁ、実際、褒美が無いと盛り上がらないし、彼もやる気を出さないよねぇ」 ディムナがバチバチと火花が飛び散る昂焚と多霧の仲裁に入る。 「じゃあ1位は2位と3位を、2位には3位に一人一つだけ命令できるってことでどうかな?これだと実際、昂焚はゲームが出来る。そこの少年…多霧くんは勝てば会いたい人に会える。これでどうかな?」 「まぁ、それなら承諾しましょう」 「俺も意義は無い」 昂焚は多霧を都牟刈大刀の拘束から解放した。 そして、ゲームは終了した。 対岸の2色の駒たちがマス目に揃い、あと1色だけがあと一手のところで敗北していた。 「いやぁ~。智の隠者の本領発揮って奴ですかね。実際のところ、運が良かっただけなんですが」 ―――と1位のディムナは優勝コメントを語り、 「とりあえず、尼乃に勝てて良かったです。ボクとしては長年の目的がこれで達成されるわけですから」 ―――と2位の多霧はあえて昂焚に勝ったことを強調して語る。 そして、惜しくも最下位となった昂焚はと言うと――― 「貴様らは……そんなにも……そんなにも勝ちたいか!?そうまでして命令したいのか!?この俺が……たったひとつ企てた戦略さえ、踏みにじって……貴様らはッ、何一つ恥じることもないのか!?赦さん……断じて貴様らを赦さんッ!名利に憑かれ、魔術師の誇りを貶めた亡者ども……その夢を我が血で穢すがいい!ダイヤモンドゲームに呪いあれ!その願いに災いあれ!いつか地獄の釜に落ちながら、この尼乃昂焚の怒りを思い出せぇぇ!」 グ〇リバボイスで呪詛を吐いていた。しかもダイヤモンドゲームがどばっちりを受けている。 「『たったひとつ企てた戦略さえ、踏みにじって』って…作戦一つしか考えてないんですか。普通、2つか3つぐらい予備は考えますよ」 「そのツッコミは野暮だよ。実際のところ、彼はこのセリフを言いたかっただけだから。で?どっちの命令から始める?」 「ボクが先で良いですか?その…数年前からしたかったことなので…」 「良いよ。実際、僕の命令は君の後の方が良いだろうから」 ディムナと多霧が打ち合わせしている間に昂焚はテーブルの上のダイヤモンドゲームを片づける。 「で、どっちが先に命令するのか決めたのか?」 「ボクの方が先になりました。約束通り、美繰に会わせてください」 多霧は真剣な眼差しで昂焚に自らの願望を出す。数年に渡って探し求めた人。その人へと繋がる鍵が目の前にあるのだ。多霧にとっては、いけ好かない奴だが、約束を違える様な奴ではないと信じている。 「良いだろう。――――というか、あいつも招待客としてここに来ているからな。俺達とダイヤモンドゲームせず、テキトーにその辺りを散策していても会えたんだが…」 「それを早く言えええええええええええええええええええええええ!!!」 あまりの怒りっぷりに多霧はテーブルをひっくり返した。 男女の邂逅 編 ビーチ “多霧を美繰に会わせる” 2位としての褒美と約束を守る為に昂焚、多霧、ディムナはビーチへと来ていた。 「ここのどこかに、美繰がいるんですね」 「ああ。ローズに聞いたら、ビーチに行ったって聞いたからな。あいつがケータイ持ってたら簡単に呼び出せるんだが…」 「実際、魔術師でケータイ持ってる人なんてそうそういないよ。僕だって持ってない。女子高生ナンパした時にメアド交換するらしいから、持とうかちょっと悩んでいるけどね」 「ボクは霧の蛸で材料の仕入れに使ったりするので、業務用ってことで1台持ってます」 「ケータイは便利だからなぁ…。科学だの魔術だの言ってないで自由で持ってて良いじゃないかって思うんだが…。ちなみに俺はスマホに変えた。お陰でソシャゲハマってな。課金し過ぎてカード破産しそうになった。危ないな」 (うわぁ…。なにこの駄目人間。キメ顔で言うなよ…。しかもスマホ関係ねえ…) そう雑談しながら昂焚はビーチを見渡す。オープン日ということもあって招待客と一般客で賑わうビーチ。とある場所では男達が白スク少女の前で一列に並んでいる奇妙な光景もあるが、とりあえず今はスルーする。興味はあるのだが、まずは美繰を探すのが先だ。 (あ…) そう思っていた矢先だった。 昂焚は少し離れたところにある海の家にいるスーツ姿の美繰を発見したのだ。誰かと話しているようにも見えるが、かき氷の幟で姿が見えない。 「藍崎。美繰がいた」 「どこ!?」 昂焚が指さす先を多霧が凝視する。 「あそこだ。海の家のところのスーツの女」 昂焚が指さす先。そこには確かに箕田美繰がいた。長い黒髪、火傷跡を隠す為の眼帯、そして真夏であるにも関わらず素肌を見せようとはしないところ。立ち振る麻いから表情まで藍崎が探していた箕田美繰その人だった。 「会えた…。やっと…」 多霧は笑みを浮かべる。2人の間にどんな事情があって、どんな悲しい別離があったのかは分からない。多霧が美繰をどれほど想ったか、美繰が多霧のことをどう想っているのか、それは本人のみぞ知るのだろう。 「彼女のところに行きなさい」 「え?」 「1位である僕からの“命令”だよ。実際、君にして欲しい何かがあったわけじゃないからね」 「えっと…その…ありがとうございます。“ディムナさん”」 あえて感謝の対象がディムナだけであることを強調した。会わせてもらえたとはいえ、昂焚に感謝するのは癪だからだ。 昂焚も彼から感謝を求めたりはしなかった。多霧に面と向かって感謝されるなど、何か悪いことの前兆に思えて寒気がするからだ。 多霧はディムナと昂焚から背を向け、海の家へと向いた。 そして、彼は走りだした。 「美繰ぃぃぃぃぃぃぃ!5年前に貸したジョ〇ョ全巻返してええええええええぇぇぇぇぇぇ!!」 海の家へ向かって全力ダッシュする多霧。そしてビーチに響く彼の叫び。 かつて恋人だったんじゃないかとか、悲痛の別離があったんじゃないかとか、真剣そうな面持ちから想像していた2人の事情とはかけ離れたあまりにもバカらしくて日常的な目的にディムナは乾いた笑みを浮かべていた。彼は多霧とは今日知り合ったばかりで事情はほとんど知らない。しかし、彼の真剣な面持ちはきっと深い事情があると思っていた。しかし、現実はこのザマだ。 「彼女のところへ行きなさい。1位である僕からの命令だよ」なんてカッコつけて美談っぽく仕上げようとした結果がこれなのだ。恥ずかしさが半端無い。 一方、昂焚もどこか遠い目でジョ〇ョ全巻を取り戻すために走る多霧の背中を見続けていた。 「なぁ、ディムナ…」 昂焚が生気のない声で話しかける。 「どうしたんだい?」 「これだと、強欲の杯のあいつは『5年前に貸したジョ〇ョ全巻を返して貰う為に必要悪の教会に協力して学園都市までイルミナティを追いかけた頭の残念な魔術師』ってことになってしまうんだが、大丈夫なんだろうか…。深刻殺し《シリアスブレイカー》的な意味で」 「逆に考えるんだ。『実際、悲しい別れなんて無かったのさ』と考えるんだ」 「……。うん。そうだな。悲しい別れなんて無かった」 そう言って、昂焚は多霧の背中から背を向けて、立ち去った。 「実際、君への命令はまだ終わってないんだけどね」 ディムナが昂焚の肩を掴んで彼のさり気ない逃走を阻止する。 「チッ。せっかくイイ話風に締めて有耶無耶にする作戦が…」 「いや、どこにもイイ話成分なんて無いよ。実際、ただのカオスだけだよ」 昂焚はため息をついて踵を返し、ディムナと向き合う。 「やれやれ。で、俺は何をすればいいんだ?」 「とりあえず、今回は保留にするよ。実際、君は今すぐ僕の前から消えそうだしね」 その答えに昂焚の頭の上には?が浮かぶ。無類の女好きの彼なのだから、「ナンパ手伝え」とか「良い女紹介しろ」とか、彼の願望がいくらでも湧くはずのこのビーチで命令が保留されるのは不思議だと思った。しかし、それ以上に彼の後半の言葉が気になった。 (俺が消えるって…?) その直後、彼はディムナの言葉の意味を知ることとなる。 「んふふふふ…。やっと会えたね~。昂焚」 耳元でささやかれる声。背中から伝わる人肌の感覚と女性の肉感。背中に豊満な胸が押し付けられ、彼女の四肢が蛇のように昂焚の身体に絡まる。手も這うように頬を伝い、目を隠すように艶めかしく動く。 昂焚は振り向かずともそれが誰だか分かっていた。戦慄と恐怖が身体と精神を支配し、冷や汗がどっと噴き出す。これほどまでの恐怖を感じたのは久し振りだ。 「あ…ああ。久し振りだな…。ユマ。元気してたか?」 「勿論。元気だよ。今から昂焚と●●●を何回ヤっても大丈夫なようにね」 褐色の肌にラテン系らしい豊満なボディライン。しかし身体は鍛えられており、出るところは出て締まるところは絞まる完璧なバランスだ。肌とは対象的な白い紐ビキニ。右胸にはハイビスカスを想わせる大きな赤い花の絵柄が描かれている。 黒髪サイドテールの結び目にもハイビスカスが差し込んであり、昂焚が振り向くとハイビスカスの髪飾りがちょうど目の前にある。 「再会を喜びたいところなんだが、俺はこれからディムナと用事があるんだ」 ディムナを撒きこんでユマから逃れようとする昂焚。しかし――――― 「あ、僕のことは気にしなくていいから、お2人でごゆっくり~」 (見捨てられたー!?) ディムナは昂焚を見捨てた。彼は以前、女好きの例に漏れずユマに求婚したことがある。しかし、その結果、脊髄反射の速度で拒否され、更に迫ったらフルボッコにされた。いくら女好きの彼でもここまでこっ酷く自分を振った相手をもう一度口説こうなんて思わなかった。 「これで邪魔者はいなくなったね」 ユマはニッコリと笑うと、突然足を引っかけて昂焚を転ばし、そして彼の足首を掴んだ。 「さぁ!岩場へ!都合よく私達しか知らない岩場の陰で薄い本みたいな展開を!」 昂焚をズルズルと引きずるユマ。昂焚は抵抗しようと地面に爪を立てるが、虚しくも砂浜に自分の指の跡を付けるだけだった。 男の価値 編 この物語の舞台であるこの大規模複合施設。海に面してるため、場所は学園都市の外にあるのだが、学園都市の技術(と言ってもモンキーモデル)が使われており、感謝の意を込めて学園都市の関係者も招待客として呼ばれていた。その中には抽選で選ばれた学生もいた。 「イヤッホー!夏だ!海だ!イケメンだー!」 水着姿でハイテンションになったビーチをかけ回る中学生が一人。 慎ましやかな体型でポーニーテールの少女だ。ややツリ目だが十分に整った顔をしている。水着は青色の布地が多めのビキニを着ている。 鏡星麗《キョウボシ レイ》 彼女も抽選で選ばれた学生の一人だった。学園都市は内陸部にあるため海が無く、こうして数年振りにやってきた海に大興奮のようだ。ついでにイケメンでも漁れれば気分は最高なのだろう。 「凄い元気だね」 彼女に続いて同じ学生の招待客である風川正美《カザカワ マサミ》も来ていた。 カールのかかたセミロングの黒髪の上に麦わら帽子を着ており、淡い桃色のワンピースタイプの水着の上にパーカーを羽織っている。 「はぁ~。疲れた」 2人に続いて大量の荷物を持たされた神谷稜《カミヤ リョウ》もビーチに辿りついた。2つのエナメルバッグにリュックサック、折り畳み式のビーチパラソルにシート、クーラーボックスと重装備だった。 「何で海なんか…水に入りたければプールで良いじゃねえか…」 そうぶつくさ言いながら彼はシートを敷いてビーチパラソルを立てて準備する。 麗と正美、そして稜は抽選で選ばれた学生の招待客だ。元々は「一七六支部のみんなで海に行こう!」と支部長である加々美雅《カガミ マサ》が勝手に支部全員分の応募券を出したのだが、当たったのが麗、正美、稜の3人だけだったのだ。 「稜も一緒に泳ごうよ!」 疲れてシートの上に座っていた稜に正美が手を伸ばす。その背後には麗も立っている。稜がパラソルとシートを準備しているわずかな間に海を堪能したのか、2人の身体は海水で濡れていた。 「悪ぃ。疲れたからちょっと休ませてくれ」 「え~。でも折角の海だよ!海!1秒でも無駄に出来ないよ!」 「そんなんだから逝けメンなのよ!あんたは!」 「お前らでも遊べるじゃねえか。だいたい海なんてガキの頃に――――」 そこで稜は口を止めた。このまま言えば、正美の地雷を踏んでしまうからだ。彼女には1年より前の記憶が無い。そして、過去になにをしていたのかという記録も一切残っていない。故に彼女には過去が無いのだ。本人は少しそれを気にしており、稜も気遣ってか“過去”というワードに触れる話題はなるべく避けようとしていた。 それに記憶の無い彼女にとってこれが初めての海だ。いずれは学園都市に帰らなければならないことも考えると次にいつ海に行けるかなんて分からない。だから、彼女は1秒たりとも無駄に出来ないのだ。 「そうだな。せっかくの海だ。一緒に遊ぶか」 稜が重い腰を上げて、立ち上がり正美の手を掴んだ。 ―――――――と同時に誰かが稜の足首を掴んだ。 「!?」 稜は驚いて足を挙げて掴んできた何かを振り払おうとした。しかし、掴みかかる感覚が無くなるわけでもない。そして、足首を見るとしっかりの人間の手が掴まれていた。そして、手首、前腕、上腕へと視線を自分の手を掴んだ手の本体へと向ける。 「ここで遭うとは奇遇だな。科学で無知な少年」 尼乃昂焚だった。ユマに足首を掴まれ、砂浜をズルズルと引きずられる哀れな姿の尼乃昂焚だった。彼は藁にもすがる思いで手を伸ばした結果、稜の足を掴んでいたのだ。 「悪いが、助けてくれ」 「ふざけるな。手首をぶった切るぞ」 稜が指先から閃光真剣《ライトブレード》を出す。指標となる針が無い為、プラズマが少し不安定ではあるが、人間の手首を切断するには充分なエネルギー量だ。 「冷たいな。そんなだから彼女に愛想を尽かされて、新婚を少し過ぎた頃の夫婦みたいな喧嘩をする破目になるんだ」 「「お前が言うな!」」 ユマと稜によるシンクロ率400%のツッコミが昂焚に振りかかる。 「正美ちゃん。砂まみれの逝けメンが現れた途端、私達の存在が空気になったね」 「麗ちゃん。もう慣れたというか、ヒロインっていつも蚊帳の外だからね…」 2人は軽くため息をつく。 「まぁまぁ2人とも。その辺にしておいてくれるかな」 ヘリウムガスを吸ってその上ボイスチェンジャーを使った様な声が3人を静止する。 「お前は…」 「確か、昂焚の友人とか言ってた…」 「双鴉道化だ。そこの2人には面識があったね。そこのお嬢さん達は初めましてだね。私は双鴉道化。神谷稜くんとは…まぁ、知り合いといったところか。そういうことにしておいてくれ」 「えっ・・・あ、はい。よろしくお願いします」 (けっこう紳士的な人だなぁ…。仮面の下はもしかしたらイケメン!?) 「…………」 「何だね?その哀れみを込めた目は?」 ユマと稜は哀れみを込めた目で双鴉道化を見ていた。確かに今の彼(彼女?)の姿は滑稽だった。真夏のビーチなのに鴉の仮面を着け、全身を覆う黒いマントを羽織った姿はいつも通りだが、キグルミかマスコットキャラだと勘違いされているのか、多数の子どもたちを引き連れてマントを引っ張られたり、殴られたり蹴られたりしていた。 「うん。君たち。そろそろ離れてくれないかな?」 双鴉道化がそう言った途端、子どもたちの目から光が消え、じゃれるのを止めて蜘蛛の子を散らすようにどこかへ走り去っていった。 「おい。何でアンタがここにいるんだ?場合によっては…」 稜が正美を自分の背中に持っていき、彼女を守るように閃光真剣を出す。 「そう警戒する必要はない。私は彼に用があるのだから」 そう言うと双鴉道化は昂焚のすぐ傍にまで歩み寄った。 「さっさと起きやがれ!この駄目人間が!!」 ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!! 怒号と共に双鴉道化はうつ伏せに倒れる昂焚の身体を踏みつける。人間の足とは思えない轟音が鳴り響き、周囲の砂が振動して飛び散りクレーターが出来上がる。それを叩きつけられた昂焚は口から血を吐き、完全に白目を剥いていた。 (ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?) 昂焚の親友とは思えないあまりの行動にユマと稜は驚愕し、やはり予想外の行動に麗と正美も心の中でツッコミを入れるしかなかった。 「2人とも。この駄目人間の正しい扱い方を20年以上親友を続けたこの私が教えよう。特にユマ」 双鴉道化が仮面の嘴があたるまでグイッとユマに顔を近付ける。 「君が昂焚にどんな“幻想”を抱いているのかは分からない。だから今から私は彼の化けの皮を剥がしてやろう。尼乃昂焚は君が思う様な凄い人間じゃない。彼を愛してくれるのは親友としては嬉しい。しかし、“現実”を見た後でも同じことを言えるのであればの話だ」 そう言うと、双鴉道化は昂焚の頭を鷲掴みし、そのまま持ち上げる。 「昂焚。君は最近、カード破産寸前になったようだね。どうしてだ?」 「双鴉道化。これには深い事情が…」 ズドォン!! 双鴉道化が昂焚の頭を再び地面に叩き付ける。そして、再び昂焚の髪を掴んで面を上げさせる。 「言い訳はいらない。私が効いているのは君がカード破産寸前になった理由だ」 「……。ソシャゲの課金で…」 「この駄目人間が―――!さっさと借金返せ!イルミナティは財政難なんだよぉぉぉぉおぉ!!」 ズドドドドドドドドドッドドドオドドドドドオオォオォォォンン!!!!! 双鴉道化が昂焚の頭を掴んだまま、バスケのドリブルのように彼の頭を何度も砂浜へと打ちつける! 「この三十路寸前!住所不定!無職!童貞!アニオタ!ドルオタ!ロリコン!トラブルメーカー!いつまで自分探しの旅を続けるつもりなんだ!?あぁん!!言ってみろ!!」 「あ…いや、それは…」 「五月蝿い!黙れ!口答え無用だ!もう私は怒ったぞ!」 (えぇーっ!!) 「あと、私に5000万円近くの借金があるよな!!いつ返済してくれるんだ!?このクズ!駄目人間!!」 双鴉道化は何度も何度も昂焚の顔を砂浜へと打ちつける。そして、昂焚への暴言を吐けば吐くほど、稜の心の防壁が崩れていく。 「か、神谷?大丈夫?」 「俺って…三十路寸前の住所不定、無職、童貞、アニオタ、ドルオタ、ロリコン、トラブルメーカー、借金5000万円な上にソシャゲの課金でカード破産しそうになった男に負けたのか…」 稜が跪き、地面に手を着いた。稜の剣神としてのプライドがズタズタにされたのだ。圧倒的な力で自分をねじ伏せた男がこんなにも駄目人間だったのだ。 そんなことお構いなしに双鴉道化は精神的かつ肉体的にダメージを与え続ける。昂焚を罵倒することが稜を罵倒することに等しいことも知らずに…。 それから双鴉道化による罵倒が続くこと2時間。彼(彼女?)の昂焚に対する個人的な積年の恨みとかも含めて延々と聞かされ、強制ヘッドバンキングさせられた昂焚と剣神としてのプライドを欠片も残さず砕かれた稜は人格そのものまで否定され、光を失った眼差しで跪き、昔の金〇ロードショーのオープニングテーマが頭に浮かぶ夕陽のビーチで地面に手をついて絶望していた。 「これが彼の本当の姿だ。それでも君は愛せるのか?」 そう嬉々と語る双鴉道化。彼の罵倒には積年の恨みとかも含まれており、あとイルミナティがどうとか、幹部がどうとか、そんな昂焚とは関係ない愚痴もこぼしていた為、ストレスを発散してスッキリしたのだろう。 しかし、双鴉道化の言葉を無視してユマは昂焚の元へ、正美は稜の元へ向かう。 「それでも尚、愛するのか」 (ああ。癒そうとしてるんだね。正美ちゃんマジ天使) ここで本物の愛を見せつけられ、美談で締めるのだろうと思っていた。しかし―――――― 「本当に昂焚は駄目人間だね。29歳になってまで住所不定無職の童貞で仕事も気まぐれ。そんなステータスでお金をアニメやアイドルにつぎ込んでいるんだから、もう救いようが無いよね。一般社会だったら就職なんて無理だよね。どうしようもないクズで駄目人間。でも行動力だけは無駄にある。ラクサーシャだって救済を断念するレベルだよ」 「稜って最近、付き合いが悪いよね?デートはすっぽかすし、ドタキャンするし。風紀委員として頑張ってるのならそれで良いと思ったけど、加賀美先輩から聞いたよ?始末書の量が多いんだって?しかも苦情も殺到していて加賀美先輩も一日中、苦情対応に追われているんだってね。仕方ない時もあるけど、それでも限度ってものがあるんじゃないのかな?」 癒すどころではない。傷口に塩を塗って、辛子を塗って、石膏で固めるような追加の精神攻撃を展開する。 「ば、ばかな。し、信じられい。あの『闇弟令(やみでれい)』を使う者が存在しようとは…!!」 「知っているの!?カラスの人!?」 「ああ。以前、本で読んだことがある」 闇弟令(やみでれい) 春秋・戦国時代における逸話、それに基づいて秦が編み出した洗脳術である。 かつて、とある女商人の弟が姫君に見初められた。弟はそのことに舞い上がるほど喜んだが、かねてから弟に対して異性としての深い恋愛感情を持っていた姉はこのことを快く思わず、ある日、弟を洞窟に閉じ込めて拘束し、三日三晩、耳元で自分の元から離れないように囁き続けた。その結果、弟は姉から離れなくなり、怒り狂った姫君に処刑されるその時まで姉と一緒だったという。この暗“闇”で“弟”に自分から離れるなと命“令”し続けたことから民話「闇弟令」として語り継がれている。 そして戦国時代、この民話を元に秦は洗脳術を編み出し、高度な情報収集能力を生かして中国の統一を果たした。 日本には起源である逸話だけが伝えられ、伝わる際に読みが「闇弟令(やむでれい)」に変化。暗闇の中で弟を洗脳する姉、男を監禁して言葉を囁き続ける女の姿が病的であったことから「病弟令(やむでれい)」と「病」の漢字が当てられるようになった。平安時代の書物には「かの女、病むでれなりける」という記述が確認されており、伝来して以降の語彙の変化が著しいことが窺える。 現代では、秦が編み出した洗脳術は発祥地である中国の中華人民共和国公安部、アメリカのNSAやCIA、イスラエルのモサドなど、各国の諜報機関で用いられていると言われている。 日本でも忍、帝国の東機関、現代では内閣情報調査室や警視庁公安部が使っていると言われており、学園都市ではその洗脳のメカニズムが解明されつつある。 また、現代のオタクカルチャーにおける「ヤンデレ」というジャンルがこの「闇弟令」の逸話からきていることは言うまでも無いだろう。 民〇書房「民話から読み解く中国史 第三巻 恐ろしい女達」より 「まさか、闇弟令を使う人間に出会えるとは思っていなかった。彼女は何者なんだ?」 「まぁ、正美ちゃんは色々と不思議なところがあるのよね。1年より前の情報が皆無で書庫の能力データベースも曖昧だし、繚乱家政女学校の卒業生顔負けのスキルを持ってたりするし、でもたまにもの凄く粗暴な口調で罵詈雑言を吐いたり、デスメタルを歌うのがもの凄く上手かったり、爆発物とか毒物にもの凄く詳しかったり、出会ったスキルアウトが即座に土下座しながら財布を差し出したり、FPSが廃人ゲーマー並に上手かったり、ぶっちゃけ実銃の方も百発百中だったり、実は稜より喧嘩が強かったり――― 本当に不思議な子なんですよねぇ~」 「それは不思議で片づけていいのだろうか…」 「それに魔術師として凄いって言っても神の右席とかと比べたらカスレベルだよね。聖人相手でも生きていられるの?あの神谷とかいう少年相手には圧勝したみたいだけど、それって昂焚が凄いんじゃなくて都牟刈大刀が凄いだけなんじゃないの?」 「あ、そういえば稜が怪我をする度に綺羅川先生がどれだけ大変な目に会ってるか知ってる?稜が怪我をする度に病院行って、様子を見たらすぐに学園都市を飛び出して稜の両親のところに向かって事情を離して謝罪して、学校に戻ってきたら校長に怒られて、学園都市の偉い人からも『信用問題にかかわる!』って怒られて、わずかに残された時間で数十枚もの報告書と始末書を書いてるんだって。稜が怪我をする度に毎回これなんだよ?もの凄く迷惑かかってるよね?」 「「でも、そんな貴方の面倒見切れる人なんて、この世界で私だけだよね?」」 「「ハイ。ソウデスネ」」(洗脳完了) ((恋する乙女って恐えええええええええええええええええええええええ!!!!!!!)) この時、双鴉道化と麗は二度と恋する乙女を怒らせまいと誓った。
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第152話 海面の韋駄天 1484年(1944年)6月26日 午後10時45分 モンメロ沖南18マイル地点 第8艦隊第86任務部隊第1任務群に所属している護衛駆逐艦16隻は、4隻ずつに別れてモンメロ沖に割り当てられた担当海域を哨戒していた。 モンメロ沖南方18マイル地点を哨戒している第78駆逐隊所属の護衛駆逐艦エルドリッジは、僚艦と共に12ノットの速力で航行していた。 露天艦橋で見張りに当たっていた当直将校のルイス・ハワード中尉は、眠気覚ましのコーヒーを啜りながら、左腕に付けている時計に視線を移した。 「あと15分で交代だな。」 彼は、少し嬉しそうな口ぶりで呟いた。 ハワード中尉は3時間近く前から露天艦橋に立っている。 途中、1度だけ用足しで席を外した以外は、ずっとここで哨戒任務に付いていた。 「しかし、南では味方の艦隊が派手に撃ち合っているというのに、ここの空気は静かですなぁ。」 見張り役の水兵がハワード中尉に話しかけてくる。 「静かなのは嫌かい?」 「いえ、嫌という訳ではありませんよ。むしろ、ずっと静かな方が良いですよ。」 水兵は苦笑しながら答えた。それにハワード中尉も反応して、声を出して笑った。 「言えてる。ここが騒がしくなる事は、俺達のみならず、輸送船団全体が危ない事になるからな。」 「自分達がこうしてのんびりしているのも、TF72とTG73.5のお陰ですね。」 水兵はそう返しながら、南の方角に顔を向けた。 ここからは全く見えないが、今頃は、迎撃に向かった味方艦隊が、敵の艦隊と激しい戦闘を繰り広げているだろう。 艦内の通信室には、味方艦から発せられる無線通信が頻繁に入ってきており、乗員達は味方艦隊の動静を確かめようと、 通信室の入り口の前にまで押し掛けていた。 「戦況はどうなっているかな?」 「さぁ、今はなんとも。先ほどはTG73.5で戦艦ミシシッピーが撃破された、という通信を聞いたという奴が居ましたが、 今の所、詳細はわからず仕舞いですね。」 「味方艦隊が頑張っている中、ただ待つというのも、なんだか苦しいもんだな。」 ハワード中尉は悶々とした表情を浮かべながら、水兵にそう言った。 当直員がのんびりとした気持ちで、露天艦橋で会話を交わしている間、CICでPPIスコープを見つめていた ハロルド・ドルファン兵曹は、レーダーに映ったとある影に気が付いた。 「ん?この影は・・・・・」 ドルファン兵曹は目をPPIスコープに近付けた。すると、再び反応が現れた。 「どうした?」 「あ、班長。これを見て下さい。」 ドルファン兵曹は、声を掛けてきたひげ面の少尉に、今し方映った影を指さした。 線が通り過ぎると、三度反応が現れる。その反応は、先ほど見た位置と比べてやや移動している。 「先ほどから南東の方角、方位130度付近から不審な影が映っているんです。しかも、影は徐々に移動しつつあります。」 「本当だ。数は、さほど多くないようだな。」 ひげ面の少尉は、顎をなで回しながら言う。 レーダーに映っている反応は、合計で9。速度は20から22ノットほどである。 「距離は14マイルか。味方艦隊は今の所、マイリーの主力部隊と激戦中だが、味方艦艇の何隻かが、事前に離脱したのかな?」 「そのような報告はありませんよ。」 少尉の推測に対して、ドルファン兵曹は否定的な口ぶりで言う。 「だとすると、こいつは敵、と言うことになるが。しかし、敵がここまで辿り漬けるはずはない。敵の主力部隊は、今は1隻でも 多くの艦艇を必要としているだろうに。」 「ですが、念のために警報を出した方がよいのでは?IFFで敵か味方か、確認するのも良いでしょう。」 「そうだな。」 ドルファン兵曹の案に賛成した少尉は、まずは艦長に報告してから、この謎の艦隊が何であるかを確認させた。 それから1分後、 「なんてこった、IFFに反応なし・・・・こいつらは敵だって言うのか!?」 少尉は半ば仰天したような表情を浮かべて、そう言った。 「たかだか10隻未満とはいえ、マオンド側の軍艦がこんな所まで来るとは。沿岸部には潜水艦部隊が張っていたはずだぞ。」 「しかし、敵は偶然にも、その間をすり抜けることが出来た。そうとしか考えられません。」 「敵艦隊の艦種は何だ?」 少尉は、兵曹にすかさず、敵艦隊の詳細を確かめさせた。兵曹はしばらくの間、PPIスコープに視線を集中させる。 「9ある反応のうち、後続の3つの反応が大きい。そのうち、最後尾の艦は反応が大。」 「反応が大。ということは、戦艦か?」 少尉の問いに、ドルファン兵曹はゆっくりと頷いた。 「・・・・マイリーの奴らめ!」 少尉が忌々しげに喚いた直後、露天艦橋から緊迫した声音が流れてきた。 エルドリッジの露天艦橋からは、旗艦の上空で煌めいた照明弾がはっきりと見えていた。 「あのバイオレンスな色の照明弾。やばい、マイリーが近くに来ているぞ!」 ハワード中尉は驚愕の表情を浮かべて叫んだ。 「全員に告ぐ!総員戦闘配置!総員戦闘配置!」 艦内から、艦長の声がスピーカーに乗って聞こえてくる。艦内では、乗員が大わらわで各部署に向かい始める。 ハワード中尉も、自分の持ち場に戻ろうとしたその直後、水平線上で新たな閃光が灯った。しばらく経つと、砲弾の飛翔音が聞こえた。 それが極大に達したとき、旗艦の右舷側海面に水柱が吹き上がった。 「こりゃ、大変な事になったぞ!」 ハワード中尉は、水兵が震える口調で叫ぶのを聞きつつ、大急ぎで艦内に戻っていった。 階段を下りる途中、彼は艦長のグランス・ハミルトン少佐とすれ違った。 「ルイス、上の様子はどうだった?」 「敵さんは照明弾を撃ち上げてから、こちらに砲撃を加えてきています。姿は見れませんでしたが、水柱の大きさから見て、 戦艦クラスが居ると見て間違いないかと。」 「やはりか。畜生、こんな時にやってくるとはな。ルイス、君は元の部署で頑張ってくれ。俺は上で指揮を取る。」 ハミルトン少佐はそう言いながらハワード中尉の肩を叩き、階段を駆け上がっていく。 ハワード中尉はそれを見送るのも惜しいとばかりに、大急ぎで部署に戻っていった。 ハミルトン艦長が上に露天艦橋に上がった時、敵艦はDS78の旗艦であるレヴィに射撃を集中していた。 「旗艦より通信!DS78は、敵艦隊に向けて雷撃戦を行う!全艦、直ちに突撃されたし!」 通信員からの報告に、ハミルトン艦長は複雑な表情を浮かべた。 (接近して魚雷を叩き込むって訳か。まぁ、悪くはないが、こっちは3発の魚雷の他に、5インチ両用砲が2門しか持たない 護衛駆逐艦だ。こんな貧弱な武装しか持たない俺達じゃあっという間に揉み潰されちまう。普通なら、さっさとトンズラするのが 一番だ。だが、そうも言ってられん。) ハミルトン艦長は視線を左舷に向ける。 DS78の左舷側後方3000メートルには、スィンク諸島へ向かおうとしていた4隻の輸送船がいる。 護衛駆逐艦よりも遙かに低速な輸送船が敵に捕捉されれば、それこそ一瞬で叩き潰されるであろう。 (ここはせめて、輸送船が安全圏に逃げられるまで時間を稼ごうという腹なのだろう。いや、それだけじゃない、 俺達が粘れば粘るほど、湾内にいる味方艦が助けに来てくれる。ここは頑張り所だな) ハミルトン艦長はそう思うと同時に、体の中からむらむらと闘志が沸き立ってきた。 1番艦レヴィが回頭を始めると、DS78の4艦が順繰りに回頭していく。 4番艦であるエルドリッジは、一番最後に回頭した。その間、敵艦からの砲撃は続けられる。 レヴィが回頭した事によって、敵艦の砲撃は精度が悪くなったが、再び照明弾を上げ、精度を修正し始めた。 先頭艦レヴィの右舷や左舷に、太い水柱が3本ずつ立ち上がる。その大きさは、2000メートル離れたエルドリッジからも視認出来るほどだ。 「11インチクラスの大口径砲だな。あんな弾を食らったら、ペラペラの護衛駆逐艦なんぞ文字通り吹っ飛んじまう。」 ハミルトン艦長はおどけた口調で言いながらも、いつレヴィに弾が当たらぬか、内心ひやひやしていた。 「旗艦より通信!目標、敵駆逐艦!雷撃距離は5000!」 「距離5000か。それまで持てばいいが。」 ハミルトン艦長は不安げな口調で呟く。現在、彼我の距離は16000メートルまで近付いている。 DS78の4艦が27ノットで航行していると同時に、敵艦隊も22ノットの速度で接近していることから、距離5000までに辿り着くには さほど長い時間はかからない。 だが、それまでに艦が被弾しないかは、全く予想が付かない。 敵艦隊から発せられる発砲炎が急に数を増した。 それまで、最後尾の艦しか砲撃を行っていなかったが、距離が16000メートルを割った所で、新たに2隻が発砲を開始した。 旗艦レヴィに多量の砲弾が降り注ぐ。砲弾の一部は、2番艦オスターハウスの近くに落下した。 距離は16000から15000、15000から14000、14000から13000と、徐々に縮まっていく。 距離12000で4隻の駆逐艦も反撃を行った。各艦に取り付けられた2門の5インチ両用砲が射撃を開始する。 5インチ砲弾の曳光弾が、目の前の発砲炎に向けて注がれる。 全速航行時の動揺のため、砲弾はことごとくが外れ弾となったが、それでも撃たれっぱなしでいるよりはマシであった。 そして気が付くと、4隻の駆逐艦は敵艦隊まで距離9000を切るまで迫っていた。 その頃には、敵駆逐艦も砲撃を開始していた。 「敵艦隊まで距離9000!」 「あと4000か、まだ長いな。」 見張りの声を聞いたハミルトン艦長は、憂鬱そうな口調で言う。いきなり、エルドリッジの艦首側方に水柱が立ち上がる。 海水の一部は露天艦橋にまで掛かり、ハミルトンを始めとする艦橋要員がそれを浴びる。 硝薬の混じった海水は異様に臭い。 「くそ、これじゃ濡れ鼠もいいところだ。」 ハミルトンは苛立ち紛れにそう吐き捨てた。 唐突に、前方で発砲炎とは異なる光が灯った。 「レヴィに敵弾命中!」 ハミルトンは、前方にいる旗艦レヴィの艦上で起こる爆発をしかと目にしていた。 それが切っ掛けとなったのか、レヴィに敵弾が次々と命中し始める。 レヴィは敵弾が命中してからしばらくは、27ノットの速度で航行を続けていたが、距離8200まで接近したときに、敵巡洋艦から放たれた砲弾がレヴィの機関室を破壊した。 その瞬間、レヴィはがくりと速度を落とした。 レヴィが10発以上を超える被弾の前に力尽きた時、2番艦オスターハウスは慌てて舵を切り、レヴィの左舷を通り過ぎた。 レヴィに代わって先頭に躍り出た瞬間、オスターハウスは敵艦隊の目標に定められ、レヴィが味わった集中砲火を浴びる事となった。 「オスターハウスに砲火が集中しています!」 見張りの言葉通り、砲火の集中されたオスターハウスは、周囲に多数の敵弾が落下して姿が見え辛くなっていた。 だが、圧倒的不利な態勢にも関わらず、オスターハウスは前、後部の5インチ砲を撃ちまくる。 「敵駆逐艦に火災発生!」 護衛駆逐艦群が放つ砲弾も敵に損害を与え始めた。3隻から放たれる5インチ砲弾は、4秒から5秒おきに敵1、2番艦に降り注ぐ。 そのうち、敵駆逐艦1番艦の中央部でオレンジ色の炎が踊り始めた。 「距離7800!」 航海科員が刻々と、距離の推移を知らせてくる。その時、オスターハウスの居た辺りで突然、大爆発が起こった。 「オスターハウスに敵弾命中!」 「・・・・なんてこった・・・・!」 ハミルトン艦長は、衝撃的な光景を目の当たりにしていた。 それまで、敵弾を集中されながらも全速で航行していたオスターハウスが、一瞬目を離した隙に敵弾を浴び、猛火に包まれていた。 オスターハウスは今や完全に行き足を止め、その小さな艦体は、前部と後部が反り返っていた。 この時、オスターハウスに命中した砲弾は1発。だが、その1発は敵戦艦の主砲弾であった。 オスターハウスは、敵戦艦から放たれた主砲弾を煙突の辺りに受けていた。 11インチ相当の大口径砲弾は、薄い装甲を紙のように突き破って艦内で爆発し、爆発エネルギーは艦内で荒れ狂い、 機械室や機関室を一息に破壊した末、艦体を断裂させた。 この一撃で、オスターハウスは沈没確実の被害を受けたのである。 オスターハウスが轟沈したため、DS78は3番艦ブース、4番艦エルドリッジが残るだけとなった。 ブースが停止するオスターハウスの側を通り抜ける。そのブースに対して、マオンド艦隊は射撃を集中する。 ブースにも、戦艦、巡洋艦、駆逐艦からの砲撃が集中される。敵の射弾は、数撃てば当たる方式で放たれているためか、全くと言って いいほどブースに当たらない。 だが、その射撃精度はみるみるうちに良好な物となっていく。 しばらく経って、ブースにも敵弾が命中し始めた。 先のオスターハウスのように、敵戦艦の砲弾が直撃して轟沈するという事は無い。 だが、巡洋艦、駆逐艦の砲弾は次々と命中していく。 それまで反撃を行っていた前部の5インチ両用砲が、巡洋艦から放たれた砲弾によって叩き潰された。 駆逐艦の砲弾がついでにとばかりに、そのすぐ後ろにあった40ミリ連装機銃座を吹き飛ばす。 右舷側中央部に置いてあった20ミリ単装機銃座に砲弾が命中し、機銃が醜い鉄屑に変わる。 別の砲弾が後部に命中して、一気に2つの40ミリ連装機銃座を吹き飛ばして、ただでさえ多いとは言えぬ艦の対空火力を、 更に減少させる。 「距離は!?」 ハミルトン艦長は航海科に尋ねた。 「6300です!」 「このままじゃ、射点に辿り着く前に全滅だ!」 ハミルトンは呻くような小声でそう言った。 DS78は、射点に達する前に、既に2隻が撃沈破され、1隻が今も砲弾を浴びせられている。 ブースが沈むか、脱落するのも時間の問題である。 その時、見張りが絶望したような口調で報告してきた。 「避退中の輸送船上空に照明弾が!」 その瞬間、ハミルトンは、自分達の行った試みが無に帰した事を悟った。 「ブース魚雷発射!」 ブース艦長は、相次ぐ被弾に溜まりかねたのであろう。搭載されていた3発の魚雷を全て発射した。 その直後、ブースは艦尾に命中弾を受け、急速に速度を落とし始めた。 「ブース速力低下!被害甚大の模様!」 「ブースを避けるんだ!面舵20度!」 ハミルトンはすかさず指示を下す。エルドリッジの艦首が右に振られる。 しばらくして、炎上しているブースの側を通り抜けた。 「敵戦艦、輸送船を砲撃中!輸送船1に被害が発生したようです!」 CICから伝えられた報告を聞いて、ハミルトン艦長は険しい表情を浮かべた。 「敵との距離は!?」 「5900!」 ハミルトンはまだそんなにあるのかと思った。敵弾がエルドリッジに降り注いできた。 ドドーン!という音を立てて、エルドリッジの周囲に大小無数の水柱が立ち上がる。 (このままじゃ本当に全滅だ!くそ、どうすればいい?) ハミルトンは思考を巡らせる。そして、短い逡巡のあと、彼は決断した。 「旗艦から通信は?」 「ありません。旗艦を呼び出そうとはしたのですが、脱落してからは音信は途絶えたままです。それから、ブースが 緊急信を送りました。恐らく、モンメロ湾のみならず、戦闘中の主力部隊も傍受しているでしょう。」 「そうか、分った。」 ハミルトンは頷いてから、言葉を続けた。 「このままではDS78は文字通り全滅だ。魚雷を発射した後、湾の中に居る味方艦と合流するため、一旦後退する。」 ハミルトンは自らの意向を伝えるや、艦内電話をひったくって水雷長を呼び出した。 「水雷長、魚雷発射だ。ぶっ放せ!」 ハミルトンの指示から5秒後、エルドリッジに設置されている21インチ3連装魚雷発射管から3本の魚雷が発射された。 「取り舵一杯!針路360度!敵と距離を置くぞ!」 「取り舵一杯、針路360度、アイアイサー!」 伝声管の向こう側で、活きの良い復唱が帰ってくる。エルドリッジが急回頭を行い、艦首が指定された方位に向けられる。 エルドリッジはそのまま、全速で敵艦隊から離れ始めた。逃げるエルドリッジに対して、敵艦隊は尚も砲撃を続ける。 いきなりガーン!という強い衝撃と轟音が響いた。 「後部両用砲損傷!砲撃不能!」 電話越しにダメコン班から、悲痛そうな声で報告が伝えられた。 エルドリッジは、先と違って敵艦隊に背を向けるようにして航行しているため、後部の両用砲1門でしか応戦が出来なかった。 それが潰された今、エルドリッジは敵の射程外に出るまで撃たれっぱなしとなる。 「マイリー共め、好き放題撃ちまくりやがって。」 ハミルトンが呪詛めいた言葉を言い放った。その刹那、目の前が真っ白な閃光に覆われた。 航海艦橋で指揮を取っていたハワード中尉は、唐突に上から伝わってきた強い振動に対して思わず首を竦めた。 舵輪を握っていた兵曹が仰天した顔を浮かべつつ、強い衝撃に負けまいと必死に耐える。 海図台の上に置いてあった海図や分度器、書類やコーヒーカップが振動で宙に舞った後、床にぶちまけられた。 振動が収まった後、ハワード中尉は真っ先に露天艦橋に居た艦長が心配になった。 「まさか!」 ハワード中尉は航海艦橋を飛び出し、階段を駆け上がった。 露天艦橋にはすぐに辿り漬けた。 「・・・・・・」 露天艦橋に立ったハワード中尉は、血まみれなって倒れ伏す6人の艦橋要員を見て顔を青く染めた。 砲弾が近くに命中したためか、倒れている兵の中には、四肢や首が千切れたり、上半身と下半身が分断された者が居た。 「・・・やあ、ルイス。」 掠れるような声がハワードの耳に聞こえた。彼はハッとなって、その声がした所に顔を向けた。 「・・・・艦長!!」 ハワードは、仰向けに倒れている艦長のもとに駆け寄った。ハミルトン艦長は、左目が破片にやられたのか、夥しい血を流している。 視線を胴体に移すと、右胸と脇腹の辺りに破片が刺さり、ライフジャケットが赤く染まっている。 ハミルトンの息は荒く、顔は激痛に歪んでいた。 「魚雷は・・・・魚雷はどうなった?」 「まだ、命中したかどうかは分りません。艦長、今は喋らないで下さい。すぐに衛生兵を呼びます!」 ハワードは衛生兵を呼ぶべく、その場を離れようとしたが、彼の足をハミルトン艦長が掴んだ。 「いや・・・・俺に・・・かまわんでいい。俺はもう・・・だめだ。」 「艦長!諦めては駄目です!この傷ならば、手当てすればなんとか」 「ならんから、俺は駄目だと言っているんだ。」 ハミルトン艦長は、はっきりとした声音でハワードに言った。 「これでも、元は医者だ。自分の体がどうなってしまったかは分る。それよりも・・・・」 そこまで言ってから、ハミルトンは咳き込んだ。 その時、唐突にくぐもった爆発音が聞こえた。ハワードはその爆発の方向に顔を向けた。 敵艦隊が居ると思しき海域に閃光が煌めいていた。その閃光は、発砲炎の物とは明らかに違う。 閃光はしぼみ、やがてオレンジ色の炎がゆらゆらとたなびき始めた。 よく見ると、駆逐艦と思しき艦が炎上しながら停止しているのが分った。 「艦長、魚雷命中です!ブースか、エルドリッジのどちらかの魚雷が、敵駆逐艦に命中したようです!」 「そうか・・・・ひとまず、これで1隻食ったな。」 ハミルトンはそう言ってから、視線をハワードにあわせた。 「ルイス・・・・この艦は、副長も居なくなっちまった。俺も駄目、副長も駄目になった今、後はお前に・・・ 中尉の中では経験豊富なお前に・・・・・託すしかない。」 「何を言うんです!か、艦長、しっかりしてください!」 ハワード中尉は、眠りに落ちようとするハミルトンの肩を揺さぶり、艦長の意識を保とうとした。だが、それも無駄な努力だった。 「ルイス、艦の指揮を・・・・取ってくれ。絶対に・・・・・味方艦隊と、合流しろよ。」 ハミルトンはそこまで言ってから、瞼を閉じた。 「・・・・・・・・・・・・・」 ハワードは、何も言葉を発せず、呆然とした表情で艦長を見つめていた。 ふと、彼は頬に何かが流れているのが分った。 「・・・・・分りました。」 ハワードは頷くと、ハミルトンに敬礼を送った。 それからすくっと立ち上がったハワードは、生き残っていた艦内電話をひったくり、艦内の乗員に伝えた。 「乗員に告ぐ。敵弾命中によって艦長以下、艦橋要員が戦死した!これより航海長であるハワード中尉が指揮を取る! 命令は先と変わらず。このままモンメロ沖の味方艦隊と合流する!」 戦艦マウニソラの艦橋上では、最後の輸送船が停止する様子をが見て取れた。 急襲部隊司令官に任じられたウィグム・ロウゴムク少将は、それを望遠鏡越しに見つめていた。 「これで4隻目、だな。敵駆逐艦はどうなった?」 ロウゴムク少将は、感情を感じさせぬ口調で主任参謀に聞いた。 「はっ。最後の敵駆逐艦には逃げられましたが、少なくとも3隻は撃沈か、大破させました。前哨戦は我々の圧勝ですな。」 「圧勝・・・・かね?」 ロウゴムク少将は、その鋭い目付きで主任参謀を見つめる。 「こっちは前哨戦で貴重な駆逐艦を1隻撃沈され、2隻が損傷している。損傷艦はまだ戦闘力を維持しているが、 駆逐艦群の隊形は敵の雷撃で乱れ、集合には今しばらくかかる。先の敵駆逐艦群が時間稼ぎを目的としていたのならば、 我々はまんまと、敵の術中に嵌ったことになる。これで圧勝と言うには、いささか誇張のしすぎではないかね?」 ロウゴムク少将は厳しい口調で、主任参謀に言った。 「しかし、このような小艦隊が、敵の輸送船団に接近できるとは夢にも思いませんでしたな。」 マウニソラ艦長が、やや興奮した口調でロウゴムク少将に言った。 「偶然が重なった結果だろうな。その最初のきっかけとなったのが、敵潜水艦の魚雷攻撃だった。」 マウニソラは、今回の海戦が勃発する2日前の6月24日未明に、アメリカ潜水艦から放たれた魚雷を艦腹に受けた。 最初の1発は、右舷中央部に命中した。魚雷は、最近になって張られた厚いバルジを突き破って防水区画で炸裂した。 この時、魔動機関室にも炸裂時の振動によって魔法石に異常が発生し、マウニソラは浸水とこの魔法石の不具合で速力が低下し始めた。 ただの1発で中破程度の損害を受けたマウニソラに、もう1発の魚雷が迫っていた。 誰もが当たると思い、来るであろう猛烈な衝撃に耐えようとした。 唐突に、マウニソラの舷側で水柱が吹き上がった。 再び伝わった強い衝撃に、乗員の全てが命中したと思い込んだ。 しかし、それは間違いであった。アメリカ潜水艦の魚雷は、マウニソラから僅か30メートルまで迫ったときに爆発を起こしたのである。 これによって、マウニソラはそれ以上の被害を受ける事は無かった。 それから2時間後、マウニソラは速力が11リンル出せるまでに回復したが、艦隊の速力は12リンルであり、マウニソラを 連れては艦隊速力は遅くなり、予定時刻までに敵艦隊に辿り漬けない。 そこで、第2艦隊司令部はマウニソラに巡洋艦2隻と駆逐艦6隻を付けて、小規模な艦隊を編成し、潜水艦に見つからぬよう、陸地に近い 海域を進ませて敵船団まで接近し、頃合いを見計らって輸送船団に突入させようと考えた。 これは、実質的に囮のような物であったが、マウニソラを主力とする奇襲部隊は、陸地伝いに航行し、夜更けと共にモンメロ沖に向けて突進した。 本来ならば、第2艦隊本隊はロウゴムク少将の艦隊と第1機動艦隊から分派された艦隊を囮にしてモンメロ泊地に突っ込む予定であったが、 逆に第2艦隊本隊が敵の有力な艦隊と遭遇したため、結果的に、ロウゴムク部隊が敵船団突入の任を負うことになった。 そして、ロウゴムク部隊は、輸送船団襲撃の手始めとして、敵駆逐艦3隻と輸送船4隻を血祭りに上げた。 「良い偶然は、もっと良い偶然を生む物だな。」 ロウゴムク少将は、無表情であった顔に初めて微笑を浮かべた。 「モンメロまで距離は?」 「あと8ゼルドほどです。もはや目の前ですな。」 艦長は誇らしげな口ぶりで言った。 マウニソラの主砲は、最大で8.5ゼルド(25500メートル)向こうまで砲弾を届かせる事ができる。 ここからアメリカ軍の上陸地点までは、既に射程内に捉えられている。 「ここは、陸地に一発、どでかい奴をぶちこみたい所だが、今は我慢して、陸地の近くにたむろしている輸送船団を狙おう。 ベグゲギュスの報告では、今も200隻以上の船が陸地の近くに居ると聞く。あと少しだけ近付いてから砲撃を行おう。 弾の数が少ないから、一発一発を有効に使わねばいかんな。」 ロウゴムク少将は、相変わらず冷たい口調で艦長に言った。 それから3分が経つと、新たな敵艦がロウゴムク部隊に接近してきた。 「駆逐艦ドルムギより魔法通信!我、左右に多数の生命反応を探知。最低でも5、6隻ずつの敵艦が接近中の模様。」 「流石はアメリカ軍の拠点だ。新手が来るのが早い。」 ロウゴムク少将はそう言ってから、全艦に照明弾を発射させた。 やがて、敵艦が居ると思わしき海域に照明弾が光った。 「左舷前方より敵駆逐艦5隻!右舷前方にも同じく、駆逐艦5ないし6!高速で接近してきます!」 「速力はどれぐらいだ?」 ロウゴムクは隣に立っていた艦長に尋ねた。 艦長はすぐに見張り員から敵艦の推定速度を聞いた。 「司令、敵駆逐艦は15リンル以上の速力で、こちらに向かっているようです。」 「となると、敵は艦隊型駆逐艦か。先の敵より厄介だぞ。」 ロウゴムクは、この敵駆逐艦が侮れぬ敵であることを悟った。 先の駆逐艦は船団護衛型駆逐艦で、武装もあまり強力ではなく、搭載している魚雷も少ないため、ほとんど一方的に撃破できた。 だが、艦隊型駆逐艦は武装も強力で、魚雷も8本から10本を搭載している。 今向かってくる敵艦は合計で11隻。11隻の駆逐艦から放たれる魚雷は、80本から100本以上にも上る。 下手すれば、戦艦マウニソラ以下の全艦が、魚雷の投網に捉えられてことごとく撃沈される恐れがある。 「駆逐艦部隊に左舷前方の敵を撃たせろ。巡洋艦とマウニソラは、右舷前方の敵を撃つ。」 マウニソラの前部2基の連装砲が、右舷側に向けられる。 発砲は駆逐艦群のほうが早かった。その次に、巡洋艦2隻が発砲を開始する。 2隻の巡洋艦のうち、1隻は元偽竜母であった特設対空巡洋艦であり、もう1隻は、ツボルグム級巡洋艦である。 発射速度は、ツボルグム級より、前方の特設対空巡洋艦のほうが早い。 艦上に設置された4ネルリ連装両用砲と単装両用砲のうち、右舷前方に指向可能な5門がここぞとばかりに撃ちまくる。 猛速で突進してくる米駆逐艦群に、砲弾の雨が降り注ぐ。 そこにマウニソラの巨弾が加わった。 マウニソラは、砲塔1門ずつを用いた交互撃ち方で巨弾を放つ。米駆逐艦群の周囲に砲弾が落下する。 しかし、高速で疾駆する敵艦に、砲弾はなかなか命中しない。 「速度が速い分、弾が当たりにくいな。」 ロウゴムクは単調な口ぶりで呟く。マウニソラが第4射、第5射、第6射と放つが、どれも空しく水柱を吹き上げるだけだ。 第7射を放つが、やはり空振りに終わる。その時、先頭艦に巡洋艦が放った砲弾が命中した。 爆発光が煌めいた瞬間、細長い棒らしき物が吹き飛ぶのが見える。それは、敵駆逐艦の砲身であった。 それから矢継ぎ早に、砲弾が先頭艦に命中する。短時間で12、3発の命中弾を受けた敵艦は、ガクリと速度を落とし、隊列から離れていく。 いきなり、左舷前方で真っ白な光が洋上を照らした。光はすぐにしぼみ、それから耳を聾するような音が木霊した。 「左舷前方の敵駆逐艦1、轟沈!」 (魚雷か、あるいは弾薬庫に弾が当たったな) ロウゴムクは見張りの声を聞いた後、内心でそう確信した。 敵駆逐艦も主砲で反撃してくる。先頭艦を2番艦に砲火が集中し、先頭艦が早くも速度を落とし始めた。 次いで、2番艦が後部に火災を発生し、その火災炎はみるみる大きくなる。 左舷前方の敵駆逐艦が距離3000ラッグ(6000メートル)まで接近したとき、唐突に回頭を始めた。 それを見つめていたロウゴムクは、咄嗟に魔導参謀に伝えた。 「魚雷が来るぞ!全艦回避運動!」 ロウゴムクの指令を聞いた駆逐艦群が回避を始めた。それを見越したかのように、右舷前方の敵駆逐艦群も回頭を始めた。 ロウゴムクが回避運動を取るように命令を下してから5分後。 「右舷後方より魚雷2本接近!」 左側に回避運動を行っていたマウニソラに、2発の魚雷が迫ってきた。 すぐに艦長が面舵一杯を命じる。魚雷は、この緊急回頭によって、艦尾ギリギリを避けていった。 「巡洋艦レスムブより通信、我、魚雷回避成功!続いて対空巡洋艦ロウルザより通信、魚雷回避成功!」 その報告に、ロウゴムクは安堵のため息を吐く。 その直後、先ほども聞いたくぐもった爆発音が、海上を圧した。その爆発音は、2度聞こえた。 「駆逐艦レアブグヌ被雷!大火災を起こして洋上に停止しつつあり!」 その報告を聞くや、ロウゴムクは目を瞑った。 (小型の駆逐艦では、アメリカ軍の魚雷は1発だけでも致命傷なのに、それを2発も食らうとは・・・・・なんと幸薄きことか) 彼は、心中でそう嘆いた。 感傷に浸る暇もなく、新たな爆発音が響いてきた。 今度は、敵駆逐艦との砲撃戦で損傷し、速度を落としていた駆逐艦ブヌースウが避雷した。 右舷中央部に突き刺さった魚雷は、爆発エネルギーを艦内で荒れ狂わせ、一瞬のうちに魔動機関室を破壊してそこを水浸しにした。 ブヌースウはこの避雷によって瞬時に停止し、左舷側から急速に沈没しようとしていた。 避雷した艦は、この2隻だけに留まった。 「司令、回避運動によって、隊形が大幅に乱れています。幸いにも味方艦は近くにおりますので、隊形を整えるまで思ったよりは 時艦はかからぬかと思いますが。」 「分っておる。」 ロウゴムクは、主任参謀の言葉を遮るようにして答えた。 「だが、なるべく早めに隊形を整えねば、我々は別の新手によって各個撃破されてしまう。残存艦に急げと伝えろ。」 普段、冷静沈着なロウゴムクにしては珍しく、焦りの混じった声音で主任参謀に命じた。 それから20分後、隊形を整えたロウゴムク隊は、再び進撃を開始した。 この時は、モンメロ沖まで7ゼルドまで迫っていた。 残り6隻となった艦隊は、22ノットの速力で進撃を続けていたが、またしてもアメリカ軍は新手を送り込んできた。 「司令!前方に新たな敵艦隊!艦種は駆逐艦、数は推定にして12隻!」 (12隻・・・・先ほどよりも多いな。) ロウゴムクは、内心でそう呟いたが、彼は先と変わらず、落ち着き払った声音で命令を発した。 「砲撃を敵駆逐艦群に集中させる。艦隊の砲力を結集して敵を蹴散らせ。」 それから30分後。 「敵駆逐艦群、離脱していきます。」 ロウゴムクは、先ほどよりもより険しい表情を浮かべながら、報告を聞いていた。 マウニソラを始めとする6隻の残存艦は、新手の敵駆逐艦との戦闘を今し方終えた。 襲ってきた駆逐艦は、先の艦隊型駆逐艦と違って、いくらか速力の遅い船団護衛型の駆逐艦であったが、この駆逐艦群はこれまでの 駆逐艦群より闘志に満ち溢れていた。 敵駆逐艦の中には、マウニソラから僅か1500グレルまで接近して砲撃のみならず、機銃掃射を浴びせる物も居た。 このお陰でマウニソラは左右両舷に配置されていた魔導銃の3分の1と、両用砲を1基ずつ破壊された。 また、魚雷攻撃によって新たに駆逐艦1隻が避雷した。 その他にも、巡洋艦ロウルザとレスムグも敵駆逐艦の砲弾により損傷を負い、ここにして、ロウゴムク部隊の所属艦で無傷な艦は 1隻も居なくなった。 これに対して、ロウゴムク部隊は、敵駆逐艦1隻を撃沈し、6隻を撃破するか、損傷させた。 敵駆逐艦は一通り攻撃を終えた後、どこかに消えていった。 「9隻あった艦隊が、もはや5隻に・・・・・やはり、アメリカ軍は強い。」 ロウゴムクは、素直にアメリカ艦隊の実力と闘志に感嘆した気持ちを抱いていた。 こちらは9隻の魚雷も持たぬ小艦隊とはいえ、巡洋艦と戦艦、それに、ある程度の駆逐艦を揃えたバランスの取れた艦隊であり、砲戦力に関しては駆逐艦しか無いアメリカ艦隊が不利となる。 しかし、敵は魚雷という兵器を活用して、ロウゴムク部隊に壊滅に等しい損害を与えた。 3波にも渡る執拗な攻撃は、アメリカ側の勝利に対する執念がいかに強いかを物語っている。 「しかし、ここまで来た以上、我々はただひたすら進むだけだ。あと1、2ゼルド進んだら、敵船団を砲撃しよう。」 ロウゴムクは、幕僚達にそう伝えた。マウニソラの弾薬庫には、まだまだ砲弾が残っている。 敵船団を完全に壊滅させる事は出来ないだろうが、アメリカ軍上陸部隊の進撃を大幅に送らせるぐらいの被害は与えられるはずだ。 ロウゴムク部隊の任務は、この時点でほぼ達成されようとしていた。 それから10分が経った。 「砲撃を開始する。照明弾発射。」 ロウゴムクは命令を発した。前部の主砲から照明弾が発せられる。 やや間を置いて、照明弾が炸裂した。 「ほう・・・・こいつは豪勢だな。」 ロウゴムクは、照明弾の光の下に照らされた無数の輸送船を見て呟く。 「さて、狩りを始めよう。各艦、砲撃を開始せよ!」 彼は、最後の命令を発した。 あと1分ほどで、あの輸送船団はマウニソラを始めとする5隻の戦艦、巡洋艦、駆逐艦の猛砲撃を受けるであろう。 アメリカ軍は、過去に2度、輸送船団を血祭りに上げている。その順番が、アメリカ側に巡ってきたのだ。 「因果は巡る、だな。アメリカ人。」 ロウゴムクは、突き放すような口調で呟いた。 「し、司令!」 魔導参謀が血相を変えながら、彼の側に走り寄ってきたのはその時であった。 船体が一瞬浮き上がったかと思うと、すぐにドスンと落ちて水飛沫を上げる。 夏のぬるい空気は、その高速力によってたちまち冷え、乗員にとっては心地の良い、自然のクーラーとなる。 41ノット(76キロ)の高速で走る魚雷艇は、兎もかくやと思えるほど、動揺を繰り返していた。 「おうおうおう、見えてきたぜ。」 そんな強い揺れを気にする様子もなく、第82任務部隊第3群指揮官であるマウリオ・ペローネ大佐は目の前の マオンド艦隊を視認していた。 「こちらシーラビット(TG82.3のコードネーム)、敵艦隊を視認した。これより攻撃に移る!」 ペローネ大佐は、隊内無線で各艇に伝えた。 彼が率いるTG82.3は45隻の魚雷艇で編成された部隊で、元々は沿岸警備用を目的として作られた。 TG82.3が使用する魚雷艇はエルコ社製80フィート型と呼ばれる物で、1942年1月から部隊運用が始まった。 全長24.4メートル、全幅6.3メートルという小柄な船体だが、兵装は21インチ魚雷発射管4門、12.7ミリ連装機銃2基、 爆雷投下器8基と、この体型にしてはかなりの重武装ぶりである。 エンジンはパッカード4-2500M3600馬力エンジンを搭載しているため、41から43ノットの高速力で洋上を航行できる。 ペローネ大佐は、部隊を二手に分けていた。 アメリカ軍は、この敵艦隊に対して、即興ではあるが、瞬時に敵主力を壊滅できる作戦を考えた。 まず、残存の駆逐艦と護衛駆逐艦で波状攻撃をかけ、敵の護衛艦を減らす。 敵の護衛艦がある程度減ったところで、PT戦隊が奇襲を掛けて、左右から魚雷攻撃を浴びせて、油断した敵艦隊を壊滅させる、という物である。 敵艦隊に対して最後の槍となったTG82.3は、敵艦隊が船団に近付いた所で、待機していた海域から一斉に発進した。 そして今、敵艦隊は、左右から45隻の魚雷艇に接近されつつあった。 「敵艦隊まで約12000!」 見張りが敵艦隊との距離を刻々と伝えてくる。 40ノット以上の速力で突っ走っているため、距離が縮まるのも早い。 51トンの船体は、波浪を乗り越える度に揺れ、船底が盛んに水飛沫を吹き上げる。 「雷撃距離は1000。まだまだ距離があるな。」 ペローネ大佐は、目の前の敵艦隊を睨み付けながら呟く。 距離が10000を割ったとき、敵艦隊が射撃を開始した。 ペローネの乗るPT137の左舷側に水柱が吹き上がるが、すぐに後方へと流れる。 残存する全ての艦が、撃てるだけの砲を撃ちまくるが、機動性抜群の魚雷艇は、次々と吹き上がる水柱を避ける。 しかし、犠牲を避けることは出来なかった。不運な魚雷艇が、敵駆逐艦から放たれた砲弾をまともに食らった。 ろくな装甲を施されていない魚雷艇は、文字通り木っ端微塵に吹き飛んだ。 別の艇は、敵戦艦から放たれた主砲弾が至近に落下した。その直後、水柱の煽りを食らった船体が横転し、もんどり打って海面に叩き付けられた。 魚雷艇に次々と犠牲が出るが、残りは依然、41から43ノットの猛速で接近する。 敵艦から放たれる砲弾は、小柄で機動性に富んだ魚雷艇に対しては悲しいほど命中率が低かった。 TG83.5は、先頭が距離2000に近付くまで、5隻を失ったのみで済んだ。 ペローネ大佐のPT137は、次々と襲い来る敵弾をひらりひらりとかわしながら、敵巡洋艦と思しき艦に接近しつつある。 1700メートルまで近付くや、敵艦から光弾が放たれてきた。 砲撃のみでは仕留めきれぬと見て、魔道銃も総動員したのであろう。 「その判断、悪くないぜ。だが、それでも俺達は止められんぞ!」 ペローネ大佐は獰猛な笑みを浮かべた。光弾が向かってくるが、PT137の操舵手は巧みに舵を切って、光弾に当たるまいとする。 唐突に、後方で爆発音が轟いた。 「あ、PT151がやられた!」 機銃手が、悔しげな口ぶりで叫んだ。しかし、ペローネはそれに振り向こうとしない。 51トンの船体は、相変わらず動揺を繰り返す。砲弾の弾着によって波が荒れているため、揺れは先よりも大きい。 しかし、3600馬力の高出力エンジンは、PT137を始めとする魚雷艇を40ノット以上の速力でもって洋上を疾駆させる。 「そろそろ雷撃距離だ。しっかり狙え!」 PT137は、敵巡洋艦の舷側に狙いを定めた。敵艦から放たれる砲撃と銃撃は激しい。 敵艦隊の反対側で一際大きな爆発が起きる。反対側から突撃を行っていた僚艇が、光弾か砲弾を魚雷発射管に食らい、爆発したのであろう。 (もう少し、もう少しだ) ペローネ大佐は、雷撃距離に達するまで待った。そして、ついに待望の時がやってきた。 「1000です!」 「よし、魚雷発射だ!」 ペローネ大佐は大音声で命じた。 PT137の両舷に取り付けられている21インチ魚雷発射管のうち、まず、右舷側の2基が魚雷を発射する。 その後に操舵手がやや右に舵を取って狙いを調整し、残る左舷側の発射管から2本の魚雷を発射した。 「よし、取り舵一杯!あとはトンズラだ!機銃手、あてずっぽうで構わんから敵艦に向けて撃ちまくれ!」 ペローネ大佐の側にいた艇長が、後ろの機銃員に向けて命じた。機銃員立ちは頷くや12.7ミリ機銃を敵巡洋艦に向けて撃った。 ドダダダダダというリズミカルな音を立てて、ブローニング社製の50口径M2重機関銃が唸りを上げる。 曳光弾が敵巡洋艦に向かっていくのが見える。 機銃手は、せめて機銃座の1つや2つでも潰せればと思い、弾数を惜しむことなく撃ちまくる。 やがて、敵巡洋艦から遠ざかり、今度は敵戦艦が見えた。機銃手はその戦艦に目標を変更して、2連装の12.7ミリ機銃を撃ちまくった。 速力が早いため、敵戦艦との戦闘も短時間で終わる。 敵戦艦の艦尾側に抜けたとき、後方で腹に応えるような爆発音が響くのを、ペローネ大佐ははっきりと聞き取っていた。 ロウゴムク少将は、初めて目にする魚雷艇に衝撃を受けていた。 マウニソラ以下の艦艇は、急速に距離を詰めてくる無数の小型艇を砲撃するのだが、敵の小型艇は見た事もない機動性でこちらの砲弾をかわしていた。 魔導士から未確認の生命反応が高速で向かってきている、という報告を受けてから僅かな時間で、未知の高速艇は艦隊から1000グレルという近距離まで近付いていた。 「魔導銃を撃て!」 ロウゴムクはすかさず命じた。 (主砲では、俊敏に動き回る高速艇を捉える事が難しい。しかし、魔導銃ならば、その動きにもある程度対応できるはずだ。) 彼は内心でそう確信した。 それは、確かに間違っては居なかった。しかし、魔導銃が撃ち始めた後、ロウゴムクは深い失望を抱くことになる。 魔導銃が一斉に放たれる。七色の光弾は、洋上を疾駆する高速艇に向けて注がれる。 ロウゴムクは、敵の高速艇が毒々しい色合いをした光弾に絡め取られ、次々と爆発する光景を脳裏に思い描いた。 唐突に、右舷側で爆発が起こった。それから5秒後に左舷側でも爆発が相次ぐ。 「その調子だ。」 ロウゴムクは小声で呟く。しかし、魔導銃による反撃も、この時点では遅すぎた。 「敵高速艇、距離500グレルまで接近、あ、回頭しました!」 唐突に、そんな報告が飛び込んでくる。ロウゴムクは、言葉の最後の部分に反応した。 (回頭した・・・・・まさか、魚雷!?) ロウゴムクは、内心で自らの失態を悟った。彼は、高速艇群が魚雷を搭載しているとは知らなかった。 彼はただ、抵抗手段が少なくなったアメリカ軍が、時間稼ぎのためにあのような小型艇も投入してきたのだろうとしか思っていなかった。 だが、 「魚雷がロウルザに向かいます!あ、駆逐艦にも魚雷が!」 この小型艇は、とんでもない攻撃力を有した獰猛な敵であった。 彼がもし、魚雷艇の存在を知っていれば、このような失態は起こさなかったであろう。 アメリカ海軍は、魚雷艇をほとんど後方でしか使わなかった。 魚雷艇の存在は、シホールアンルは勿論の事、南大陸の住人ですら殆ど知らず、魚雷艇を見かけた者も、高速の沿岸警備艇で あろうとしか思っていなかった。 シホールアンル海軍は、PTボートの事を高速警備艇であるとして知っているに過ぎず、スパイも全くと言って良いほど魚雷艇に 興味を示さなかったため、情報はごく限定的、それも間違った物でしか伝えられなかった。 情報不足のツケを、マオンド海軍は自らの艦艇でもって、一気に支払うハメになったのである。 巡洋艦ロウルザの右舷側に水柱が立ち上がった。水柱は1本だけではなく、2本、3本と連続する。 その直後、ロウルザは艦前部から大爆発を起こした。 「ロウルザ大火災!弾火薬庫が誘爆した模様!」 見張りが伝声管越しに、絶叫めいた口調で報告を送ってくる。この見張り員は、明らかに混乱を起こしていた。 「駆逐艦エグヴェス被雷!」 「ウスグンドがやられた!」 高速艇の放った魚雷は、激戦で生き残った僚艦を次々と捉えていく。 「右舷方向から高速艇3接近!」 「左舷側方より高速艇4、急速接近!」 マウニソラにも、敵の高速艇がやって来た。艦長はすかさず反撃を命じる。 だが、その命令は無意味であった。 マウニソラが魔導銃を撃ち始めたとき、敵の高速艇は定められた雷撃距離よりも更に近い、800メートルという近距離に達していた。 魔導銃が射撃を開始した直後、敵の高速艇群は一斉に魚雷を放った。 「右舷より魚雷多数接近!」 「左舷方向より魚雷!接近しまぁす!!!」 見張り員は、更に絶叫した。ロウゴムクは窓に駆け寄り、左舷側の海面を見つめた。 発砲炎で洋上が明るくなる。その明るくなった海面に、するすると白い物が伸びていた。 「・・・・アメリカ人め。」 ロウゴムクが初めて、憎しみの色を顔に表したとき、破局はやって来た。 唐突に、マウニソラの艦体が下から突き上げるような猛烈な振動に揺さぶられた。 振動は強烈であり、乗員全員が床から飛び上がり、壁や床に叩き付けられた。 大地震もかくやという猛烈な衝撃は、マウニソラの頑丈な巨体を容赦なく揺らし続けた。 ロウゴムクは、強烈な爆発音と共に、眼前が炎に包まれるのを目の当たりにした。 (ああ、弾火薬庫が誘爆したか) 彼は人事のような心境でそう思った。それから、彼の意識はぷっつりと途切れた。 輸送船団の近くで待機していた護衛駆逐艦エルドリッジの露天艦橋からは、敵戦艦の吹き上げる火柱がはっきりと見えた。 「・・・・すげえ。」 臨時に艦の指揮を取っていたハワード中尉は、その壮大な光景に見入っていた。 「航海長、シーラビットより入電です。我、肉薄魚雷攻撃により、敵残存艦全てに魚雷を命中させり。戦艦1、巡洋艦1、 駆逐艦2撃沈確実。巡洋艦1を撃破せり。」 「撃破された巡洋艦も、今頃は艦内の大浸水で大わらわだろう。しかも、ここは敵の大群のど真ん中だ。早晩、沈没することは 間違いなしだろう。」 ハワード中尉は、しみじみとした口ぶりで通信員に言った。 輸送船団は、被雷した敵艦が吹き上げる火災にうっすらと照らし出されている。 あと少し対処が遅れていれば、この輸送船団が、敵艦の代わりにモンメロ沖を照らし出していたであろう。 「しかし、今回は魚雷艇隊に助けられましたなぁ。」 通信員は興奮冷め止まぬといった口ぶりで、ハワードに言う。 「奴らは、いつも日陰者とか言われていたからな。だが、今回はその渾名を払拭させる良い機会になっただろう。 全く、魚雷艇隊も上手い事をしてくれるじゃないか。」 PT戦隊は、いつも戦線後方で任務に当たっているせいか、艦隊の将兵からは日陰者と呼ばれており、彼らは見下されていた。 とある時には、挑発してきた戦艦の乗員と、それを咎めた魚雷艇の乗員が喧嘩を起こしたこともある。 だが、今回の戦いで、PT戦隊は普段の鬱憤を晴らすかのように暴れまくった。 その結果、マオンド側の最後の槍は、目標を目の前にして見事に粉砕されたのである。 「今何時だ?」 ふと、ハワード中尉は時間が気になり、腕時計に目をやった。 時刻は、午前0時を過ぎていた。 「1時間か・・・・・これまでの人生で、最も長く、最も短く感じられた1時間だったな。」 6月27日 午前0時20分 第7艦隊旗艦オレゴンシティ 「マオンド側の殴り込みは、なんとか排除できたようだな。」 第7艦隊司令長官であるオーブリー・フィッチ大将は、ホッと胸をなで下ろしていた。 「最後の魚雷艇隊の攻撃で、敵の残存艦はあらかた撃沈できたようです。」 バイター少将は、フィッチよりも明るい声音でそう言った。 「しかし、味方艦隊にも少なくない損害が出てしまいましたな。」 「TG73.5からの報告では、喪失艦は駆逐艦3隻のみで済みましたが、主力戦艦の全ては大中破し、こちらが貸した 5隻の巡洋艦のうち、リトルロックとマンチェスターが大破。ウィチタが中破しています。駆逐艦の損傷も7隻に及ぶようです。」 「TG72.4の損害もなかなかに大きいぞ。」 フィッチは相槌を打った。 敵機動部隊から分派された艦隊を迎え撃ったTG72.4は、巡洋艦カンバーランドが損傷大で放棄、雷撃処分されたほか、 駆逐艦ヴァンパイアとセイバーが撃沈された。 この他にも、巡洋戦艦のレナウンとトライデント、巡洋艦ケニアとドーセットシャーが大破し、旗艦プリンス・オブ・ウェールズも中破した。 戦艦ウィスコンシンとミズーリは健在だが、2隻とも左舷側の対空火器は全滅の状態であり、特にウィスコンシンは被弾によって、レーダー類の ほとんどを使用不能にされている。 この2隻も、後方に下げなければ、機動部隊の護衛艦として使う事はできない。 「特にショックを感じているは、サマービル司令官だろう。何せ、転移以来、一緒に戦って来た艦艇を初めて失ったのだからな。」 「確かに。しかし、今回の戦闘で、マオンド海軍の主力艦隊はほぼ壊滅できました。」 情報参謀のコナン・ウェリントン中佐が言う。 「マオンド海軍は、保有戦艦の全てと竜母、巡洋艦の大半、駆逐艦の半数以上を撃沈、または撃破されています。この結果、 マオンド海軍は組織的抵抗力を完全に失ったと判断できます。」 「うむ。犠牲は少なくなかったが、得た物は大きい。これで、我々は1つのヤマ場を超えたわけだ。」 フィッチの言葉に、司令部の幕僚達は一様に頷いた。 「だが、まだ仕事は終わった訳ではない。私達には、沈没艦の乗員を救助するという重要な仕事が残っている。 ゆっくり休むのは、これを終わらせてからだ。諸君、疲れているだろうが、あと一踏ん張りしてもらうぞ。」 午前6時 スメルヌ沖西方50マイル地点 駆逐艦ドノンスク艦長であるルロンギ中佐は、集結地点に集まった僚艦の少なさに愕然としていた。 「戻ったのは、たったのこれだけか。」 彼はそう言うなり、深いため息を吐いた。集結地点には、昨夜の激闘を戦い抜いた艦が集まっている。 どの艦も大なり小なり損傷を受けている。ドノンスクも、前部砲塔を失い、中央部には生々しい弾痕と火災の跡が残っている。 この残存艦の中で、戦艦と思しき艦艇は1隻も見あたらない。 また、9隻あった巡洋艦も、今ではボロボロにされた3隻が居るだけだ。 駆逐艦も12隻しかいない。 このくたびれた15隻の艦隊が、戦闘開始前に戦艦3隻、巡洋艦9隻、駆逐艦20隻を有していた第2艦隊の残余であった。 「結局、奇襲部隊は目的を達せられなかったな。」 傍らに立っていたレトンホ大佐が、覇気のない声音で呟いた。 「奇襲部隊は、船団攻撃に成功した場合は魔法通信で状況を知らせると決めてあったのだが、それが無いとなると、船団攻撃の前に 全滅した可能性が高い。結局、我々の努力は無為に帰した事になる。」 「機動部隊から分派された部隊も、散々に打ち負かされたようですな。」 「ああ。」 レトンホ大佐は頷いた。 「この決戦に敗北した以上、ヘルベスタンの友軍はもはや救えないな。50万の有力な軍勢を失うとなると、これから我が祖国は、 厳しい状況で敵と向かい合わねば並んだろうな。」 レトンホ大佐の言葉に、ルロンギ中佐は改めて、自分達は敗北したのだと思った。 夜が明けようとしている。暗かった洋上は徐々に明るみを取り戻し、やがていつもの朝が来る。来る筈であった。 しかし、鮮やかな夕日は、分厚い雨雲に覆われており、いつもよりも少ない光量を、第2艦隊を浴びせただけに留まる。 しばらく経つと、集結した第2艦隊の艦艇群は雨に打たれ始めた。 モンメロ沖海戦 両軍の損害 アメリカ軍 沈没 重巡洋艦カンバーランド 駆逐艦9隻、護衛駆逐艦5隻 大破 正規空母ハンコック 戦艦ミシシッピー テキサス 巡洋戦艦レナウン トライデント 重巡洋艦ロチェスター ドーセットシャー リトル・ロック 軽巡洋艦ケニア 駆逐艦7隻 護衛駆逐艦5隻 中破 正規空母ボクサー ライト 戦艦ニューメキシコ アイダホ プリンス・オブ・ウェールズ 重巡洋艦ウィチタ ロサンゼルス 軽巡洋艦ナイジェリア マイアミ 駆逐艦5隻 小破 正規空母エンタープライズ 戦艦ウィスコンシン ミズーリ 軽巡洋艦セント・ルイス フレモント 航空機喪失286機(着艦事故並びに修理不能機含む) マオンド軍 沈没 正規竜母ヴェルンシア ミリニシア ニグニンシ 小型竜母イルカンル 戦艦リグランバグル ケリムガルダ イルマリンラ コルトム グラーズレット ミルラキンズ マウニソラ ライニクラ 巡洋艦10隻 駆逐艦14隻 大破 小型竜母ミカル 巡洋艦3隻 駆逐艦8隻 中破 巡洋艦1隻 駆逐艦3隻 小破 駆逐艦1隻 ワイバーン喪失439騎
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8/5 8人フラクタル海面低(モンゴル視点) 初めに ゲーム途中から個人チャットで プレイレポ希望とおっしゃってきた方がいらっしゃいましたので、 書くことにしました。 また、初めての投稿になります。 そのため、画像の貼り方など良く分からない所がありますので 今回は文字だけのレポートとなります。 御了承ください。 さて私のCIV4の経験ですが マルチプレイは過去5・6回程度プレイしておりますが、 未だにエンディングを見たことは無いです。 シングルプレイはやったこと無いです。 CIV4買ってすぐにインターネットに直行しました。 古代 モンゴル・指導者は誰だったか忘れました。 モンゴルを引き当てたと分かった瞬間、 ケシク ラッシュをすることを心に誓いました。 ゲーム始めてすぐ、西から日本の戦士がひょっこり現れたと思ったら 日本の首都が見えました。 日本にケシク ラッシュかましても大した効果は出ないと思い、 日本とは友好に行こうと思いました。 そのため、いちいち日本に確認を取って行動するようにしました。 (私)「首都の北に都市作りたいんだけどいいかな?」 (日本)「あらかじめ都市を作りそうな場所に戦士を置いておきました。」 (日本)「そこに作るのであればよいですよ。」 (私)「ありがとうございます。」 (私)「馬がそこしかないので、 首都の東にある馬の近くに都市作っていいですか?」 (日本)「あらかじめ・・(以下同文)」 (私)「ありがとうございます。」 そういった日本と仲良くなろうと懸命に努力している中で、 この世のどこかにあるローマがどこかに滅ぼされる。 (滅ぼした国)「首都が空だったから。」 日本がこんな非情な国で無いことを祈りつつ、 こちらの行動を報告し続ける日々が続く。 戦闘開始 ついにケシクを作れるようになった。 全都市でケシクの量産を開始する。 実は少し前から、斧兵を作り始めていたのだが 一気にエネルギーが高くなったのだと思う。 これら兵士を各都市で量産し、 その集合場所を日本との国境地点にしたせいか、 日本の態度が冷たくなっていく。 ここで、当時のモンゴル視点の世界は日本しか見えておらず、 孤立してました。 ただ、フランスの斥候とすでに出会ってた事、 日本からの報告で、南に抜ける通路が日本側にあった との報告を受けていた事から 日本とモンゴルだけの大陸では無い事は分かっていました。 そのため、日本と相互通行条約を結び、一緒に南へ攻めようと日本に提言。 この交渉が今回のゲームの中で最も大変でした。 何故か、こちらを信用してくれていない。 あれだけ報告し続けたのに・・。 まぁ、自分の落ち度というものは中々自分では分からないものです。 南にはフランス・ドイツ2カ国居ましたが、 日本とドイツは話したことがあるとの事でしたので フランスを攻めることにしました。 全体チャットで (私)「お金が欲しいのでフランスを攻めます。」 宣戦布告後、日本・ドイツも追随。 しかし、その後思わぬハプニングが・・ (フランス)「3ヶ国から攻められたらもう駄目だ。」 とフランスの中の方が落ちてAIとなる。 もう一つの大陸との遭遇 私にとって今回の戦争の意義は 日本の信用を得ようとしての戦争で フランスの領土にもお金にも全く興味がありませんでした。 むしろ同盟に誘い込んでもう一つの大陸との戦いに備えようと 考えていました。 フランスの中の人が居なくなってしまった前後辺りから もう一つの大陸に住むアメリカと接触する。 我がモンゴルの東端とアメリカの西端、 お互いの勢力が交わった事によるものだ。 日本とドイツは技術同盟を組んでいそうな雰囲気があったため、 早速アメリカに技術同盟の打診をする。 色良い返事をもらえ、技術交換を開始。 もう一つの大陸の事情を聞くと隣国インカに攻められてるとの事。 すぐにフランスと講和し、 (このときAIフランスからいくつか技術を譲り受けた。) アメリカへ援護を開始。 アメリカから譲り受けたガレー一隻で ちょびちょび、もう一つの大陸へ兵士を送る。 第1次大陸間戦争 この戦いから先、驚愕の連続でした。 この時点でのスコア順位は、 アメリカやインカと同じ大陸に居るスペインがダントツ1位で、 文化の伸びが大変やばいものとなっていました。 もう一つの大陸の位置関係は 西から アメリカ・インカ・スペインという配置でした。 そのため、スペインに攻め入るためにはインカを通らねばならず アメリカの戦争相手インカと相互通行条約を結ぶべく、 外交画面を開くと、わがモンゴル文明の技術が格段に勝ってました。 そこで相互通行条約結ばなくてもアメリカと一緒に楽に攻め落とせると判断し、 インカに宣戦布告。 全体チャットで 「・・・(すみません。何て言ったか忘れました。)。」 我が最強ケシク部隊でインカ領内に攻め込むと、インカの騎兵隊と遭遇。 (私の心の中)「へ?騎兵隊??」 (私の心の中)「先ほどの外交ウインドウではこちらの方が・・あれ?」 当然、銃に弓が勝てるわけも無く、敗退。 日本に援軍を要求すると、 未だAIフランスにドイツ・日本がてこずっているとの事。 暗躍するスペイン アメリカには、こちらの大陸に住む場所を日本から提供してもらい、 インカと講和。 アメリカはめでたく我々の陣営に加わる。 当時の世界陣営状況 1.日本・ドイツ・アメリカ・モンゴル 2.AIフランス 3.スペイン・インカ スペインの文化勝利も間もなくという事で、 インカの引き離し工作を開始。 1位スペインが2位とスコア1000点引き離してのダントツトップであったため、 工作するまでも無く、こちら側につくと思ってました。 しかし、インカとの戦争中から気になっていたのだが、 スペインのチャリオット兵がインカの領内そこら中に居た。 私が見た限りでは、インカの全ての都市にスペインの監視が入っていた。 その後、全体チャットで (インカ)「我が国は鎖国に入る。」 との宣言があり、スペインの陣営に入ったことを知る。 ただ、現状明らかにスペインの文化勝利目前なので、 いずれはこちらの陣営につくと見て粘り強く交渉し続ける。 対AIフランス戦(第2次大陸間戦争) 日本から驚愕の情報がもたらされる。 (日本)「スペインの輸送船から騎兵隊がAIフランス領内に上陸し フランス兵に代わった。」 このとき、初めてスペインの恐ろしさを知った。 対インカ戦争も、対AIフランス戦争も対スペインの代理戦争である事を。 しかし、向こう側の陣営はスペイン・インカの2カ国。 こちら側は、日本・ドイツ・アメリカ・モンゴルの4カ国。 技術競争ではこちらの方が上・・・と思ってた。 しかし、中々追いつかない。 というより、引き離されていく。 当時、スペインは5・6回目の黄金時代を迎え、 スーパーミラクル全盛期となっていた。 こちらの主力がやっと銃を持ち出した頃、 インカの戦車部隊が我がモンゴルに宣戦布告。 (私)「お疲れ様でした。」 最後に どこで間違ったのか、全く分からない。 技術競争って国数で決まるものじゃないんだね。 インカさんの考えが全く理解できなかった。 しかし、あれだけ監視 技術力の差があったら、 逆らえないものなのかな。 ただ、日本との友好関係については 最後までヒビが入らなかったように思う。 最後の瞬間などは、お互いの領土を守る兵士が全くおらず、 我々の兵士は全てAIフランス領内でした。 皆様からのコメント 事実と違う事、皆様からのアドバイスがありましたら、 ここに書き込んでください。 感想 レポ乙です、楽しく読ませてもらいました。 この世のどこかにあるローマがどこかに滅ぼされる。 (滅ぼした国)「首都が空だったから。」 日本がこんな非情な国で無いことを祈りつつ、 に笑ったw 日本より 私がAIフランスに手間取らなければ、モンゴルも、アメリカも、ドイツも もうすこしいろいろできたのかなと考えると結構つらいもののあるゲームでした。 フランスの初期ラッシュ以降、こちらの大陸は延々とAIフランスと戦争状態に なってしまったことが悔やまれます。 結果的に、ドイツはゲームの大半を戦争状態で過ごした結果、 国土の開発がまったくできないままに終わり、 日本も、遊休地をアメリカに譲渡し、アメリカに開発を委託することで、 ようやく主戦場への交通路が整備される有様でした。 ラッシュ失敗、即落ちは非常に取られると嫌な戦法であると実感しました。
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このページは正規入隊してることが目標としています、いかがだめな方は今すぐ戻りましょう、 黄色の色は課金艦 緑は普通の潜水艦 青はローカルの潜水艦です、 ガーフィッシュ 潜り名人D シーハウンド 潜り名人D マスカー2 ニンテン 潜り名人D マスカー2 海面回復 レッドオクトパス 潜り名人 マスカー2 グレートシール 操縦名人D マスカー2 メガマウス マスカー2 潜り名人D シーブリーム マスカー2 海面回復 潜り名人D ブルーシャーク マスカー2 海面回復 シーサーペント マスカー2 海面回復 潜り名人D ソナー無効 ティープマナテ エア回復1.5 マスカー2 海面回復 潜り名人D クラスタシア ソナー無効 マスカー2 海面回復
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コースを引く基本的な考え方は五原則を勉強しましょう。 しかし、レースコースが陸地に近い場合や、風向が陸側からの場合、 レース海面の片側が毎回勝つ。有利サイドに寄せなければ絶対に勝てない。 というレースが存在します。 陸地の影響により局地的に風が振れている海面や、 局地的に風が弱くなってしまっている海面。 水深の影響や、河川の流れ込みの影響によって、潮に大きな差がある海面など、 そのようなレース海面では五原則よりも局地的な影響、 すなわちその地方に独特な「セオリー」が重視されることがあります。 ここでは、各水域のセオリーについてまとめ、全国大会に役立ててもらうとともに、 色々な水域のセオリーのなかから、局地的な影響が生じるメカニズムについて学び、 初めての土地でレースをする場合にも活かしてほしい。 風向○○°では右有利、風向◎◎°では左有利。と暗記するのではなく、メカニズムを理解することが重要です。 また、初めてレースを行う海面では、 事前に海面に関する情報を収集する必要がある。 知り合いや、予選で負けてしまった他校、その地方で活躍する社会人選手、漁師やハーバーの職員の方など、 できるかぎりの話を聞いて、地形図を確認し、頭の中に入れておく。 レース前に洋上で実際に確認し、局地的な影響が顕著であれば、戦略に組み込み、時には五原則よりも重視する。 祝津 (北海道小樽市 石狩湾) 祝津のセオリー
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目次 naviで指定しているページは存在しません 天帝海面標準の壁は厚かった。 戦争屋にどれだけ働かせても一瞬の平穏であっという間に追いつかれ突き放される。 あまりに厳しかったので前回のサラディンでは海面を高くして陸地を狭くするという妥協をしたのだけれど しばらく後に「海面低いほうがやりやすい」 こんなコメントもいただいた。 発想の転換である。 海面標準がだめなら海面低くすればいいじゃない はたと膝をうつ。そうかそうだったのか。 関連レポ 設定 天帝 パンゲア標準サイズ 海面低 非攻撃的AI エリザベス他、全7文明 速度普通 一つの都市でチャレンジ 編集をロック*入り口 [#taeb89f5] 一つ目入り口 [[ファロス ./a1_ファロス]]-二つ目入り口 [[偉大な大理石 ./b1_偉大な大理石]] 三つ目入り口 [[救貧の遺産 ./c1_救貧の遺産]] セーブデータ 3.17(E)BtS WLのインスコなし modなし 注意事項 今回も運だのみ。-今回もゆっくり。もうしわけないが途中改変もする。-長くなるかどうかはまだわからない。 無駄に長い 今のところ書けるかどうかも実はわからない-画像とプレイの記憶は全てセーブデータからの再現 セッションはたぶんないけど記憶があやしいのであったら教えてくださいまし [[次へ ./a1_ファロス]] コメント 一貫して大量生産と産業主義をまちがえてたorz -- dede 名前
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ソナーには紫色で反応します。海面で救命ボートに乗って手を振っています。 ミッション2、5、7で開始すぐにソナーし、いなかったらメニューから「ゲームをやり直す」が効率的。 インターネットモードでは救出したプレイヤーと同じチームのプレイヤー全員が獲得できる。 番号 名前 効果 目撃情報 セリフ 01 潜り名人A 潜水浮上+1耐久力-1 ミッション1のゴール付近 ミッション2の海上 潜水浮上速度を向上させると敵の魚雷を回避しやすくなるのであります! 02 体力じまんA 耐久力+1水中速度-1 少しでも耐久力を上げておけば生き残る確率が上がります! 03 マーマンA 水中速度+1海面速度-1 水中での速度は重要な要素じゃ!海面速度など遅くなってもかまわん! 04 スイマーA 海面速度+1旋回速度-1 潜水艦とは潜ることのできる船基本は海面を優雅に航行するものです 05 操舵名人A 旋回速度+1潜水浮上-1 奇襲を受けた時は素早く旋回して形成を立て直すのだ! 06 早撃ちA 装填時間-1旋回速度-1 装填速度が1秒でも速くなることがどれだけ有効か試してみるといいぜ 07 魚雷マニアA 魚雷装填数+1潜水浮上-1 ミッション3の海上基地周辺 ミッション5の海上 この艦の発射管にはまだまだ魚雷を装填できます 私にお任せください! 08 潜り名人B 潜水浮上+1水中速度-1 潜水艦はバラストタンクに海水を出し入れして潜水浮上を行います 09 体力じまんB 耐久力+1海面速度-1 潜水艦の装甲は薄いのであります!性能をあまり損なわず強化致します! 10 マーマンB 水中速度+1旋回速度-1 ミッション6の運河最終エリア 水中速度を上げるのもいいが加速ヘックスも意識しながら位置を取れ 11 スイマーB 海面速度+1潜水浮上-1 海面速度と水中速度の数値が同じ時海面の方がより速度を出せるはずだ! 12 操舵名人B 旋回速度+1耐久力-1 旋回速度は速いほうが良いぞ!船首を早く敵に向けた方が有利じゃ! 13 早撃ちB 装填時間-1潜水浮上-1 ミッション7の海上 魚雷装填なら任せてください!発射管の扱いに精通しております! 14 魚雷マニアB 魚雷装填数+2耐久力-1 ホーミング魚雷など邪道じゃ!通常魚雷こを男のロマンじゃ! 15 モールス 敵のモールスを傍受する 敵のモールスを傍受します!早期に敵の位置を把握できるかも! 16 潜り名人C 潜水浮上+1海面速度-1 浮上時の空気は気蓄器と言う所に極限まで圧縮して保存しているのだ! 17 体力じまんC 耐久力+1旋回速度-1 君の潜水艦に貼られている数字は最大連勝記録を表しているのだ! 18 マーマンC 水中速度+1潜水浮上-1 1ノットは1.852Km いわゆる1海里じゃ10ノットでは時速約18.5Kmになるぞ 19 スイマーC 海面速度+1耐久力-1 海面速度を上げるとクルーの救助や爆撃機の回避が有利になるぞ! 20 操舵名人C 旋回速度+1水中速度-1 潜水艦は旋回しても傾きません!姿勢制御装置が働いているのです 21 千里眼 名前の目視距離が上昇 チームバトルでは1秒でも早く敵味方を見極めることが大事じゃ! 22 早撃ちC 装填時間-1 インターネットモードの海上 魚雷威力は連射速度も関係する威力が弱いほど連射速度が速い! 23 マーマンD 水中速度+1 敵から逃げるときは可能な限り上下左右に蛇行するのだ! 24 スイマーD 海面速度+1 海面は狙われやすく大変危険なんだ海面速度が低い時は行かない方がいい 25 操舵名人D 旋回速度+1 敵を発見した時 慌てて攻撃せず様子を見て慎重に後ろを取るんだ! 26 マスカー マスカー回数+1 海中洞窟や海中基地などエアの補充が困難なステージでは大活躍するぜ! 27 体力じまんD 耐久力+1 デザインパターンは色も自由に変えられるド派手な配色で敵を驚かせてやれ! 28 ソナーマン ソナーの有効範囲が上昇 ソナーを起動すると自分の場所も知られます静止しているときは他のソナーに反応しません! 29 潜り名人D 潜水浮上+1 我々の艦は海面ではエンジン航行水中では電動航行する通常動力型よ! 30 魚雷マニアC 魚雷装填数+2水中速度-1 魚雷威力は魚雷航行距離とも関係する威力が強い魚雷ほど より遠くまで届く! 31 修理上手 海面でライフ回復 敵に見つからない様に浮上して下さい!海面にいる限り修理させて頂きます! 32 味方探索 全体マップで味方を表示 チーム戦では味方と合流するのが定石だその時俺のスキルは大いに役に立つぞ! 33 機雷名人 マスカー時機雷発射 ミッション3の基地前の海面 マスカー使用と同時に後方に時限機雷を発射する! 34 マスカー2 マスカー効果+5秒 この機能を使えば更に敵を翻弄する事が可能よ!おススメ! 35 エア回復 エア回復速度1.5倍 地味な能力だが他のクルーとの組み合わせによっては!? 36 スイマーE 海面速度+3 海面は狙われやすく危険だと!?じゃあ速度をもっと上げるんだ! 37 自動マスカー 自動的に発動 ミッション7の海面 マスカーのタイミングは意外と難しい!これで解決! 38 味方回復 味方を回復 ミッション7の海面 この機能を使うとチームプレイでモテモテになれるわよ! 39 魚雷マニアD 魚雷装填数+2 ミッション7の海面 装填数を上げて敵に怒涛の魚雷攻撃を浴びせるんだ! 40 ソナー無効 オイル状態で発動 ミッション7の海面 ピンチをチャンスに変えろ!君に使いこなせるか!? とある艦長のクルー出現メモ 体感20%以下ぐらいで出現 2人以上の出現もある 水上にいて、ソナーで紫色で表示される ある程度出現位置は決まっている M1(忘れた) 目撃情報通り、最後のリング付近 M2(全Lv同じ出現位置と確認) B3の北(01~03) ※開幕ソナーで届かない位置(ソナーマンが搭乗していれば届く) D3の北(04~06) B4の東(04~06) D4の南東(01~03) M5(Lv1にて) C3の北西(07 09) おそらく08もいると思うので確認でき次第修正お願いします C4中央よりやや北(07~09) C3の南西(10~12) D3とD4の境目(10~12) M7(Lv1にて)まだデータが少ないので注意 D3の南東(13、14、15) D4の南東ギリギリ辺り(13、15、16、18、19、20、21) 南東というより東? D4の真ん中(13、15) E3の真ん中(17,18) ※開幕ソナーで届かない位置(ソナーマンが搭乗していれば届く) C2とD2の境目の真ん中(18、19、20) ※開幕ソナーで届かない位置(ソナーマンが搭乗していれば届く) インターネットモード 海溝 諸島 海中基地 C3D3の境(30) 巨大石柱 海底遺跡 巨大プール D2(27) 海中洞窟 巨大水槽 巨大温泉 修理上手欲しい( ω ) -- 名無し (2014-11-27 19 36 26) 味方探索使える -- 名無し (2015-07-07 13 01 09) マスカー2はもはや必須だねぇ -- ゴミカス修理上手 (2015-07-25 09 05 12) マスカー2はミッション3のD3あたりで出たよ -- 名無しさん (2015-09-30 15 16 06) クルーの08が出ねー -- 名無しさん (2016-06-29 15 32 28) 何日間かやってやっと出てコンプしたわ -- 名無しさん (2016-06-30 18 59 16) 機電どこで出んねん -- 名無し (2017-02-12 16 19 07) てきとーに誰か来たらラッキー程度のノリで探していたら機雷名人ゲットしたわりに何処でゲットしたか分からないwこg -- 名無しさん (2017-04-05 20 15 10) 機雷名人は、M7だよね!? -- 名無し (2017-06-08 21 18 47) これってローカル通信でも出る? -- 名名無し (2017-07-31 00 15 38) 物欲センサーってこわいな -- ふんたー (2017-08-14 13 03 45) 27は海底遺跡2D 2Eの間にもいたような気がする -- 初心 (2020-04-06 17 24 17) ごめん23だったわ -- 初心 (2020-04-06 18 00 58) 寿司 -- 名無しさん (2020-10-14 15 00 24) 寿司? -- 名無しさん (2020-10-16 12 44 28) 名前 コメント
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検証内容 こうもりのスポーン条件 検証方法 こうもりを際どい条件を狙って自然スポーンさせる。(Minecraft PC版 1.8~1.9) 検証結果 こうもりのスポーンには次の3つの条件が存在する。高度 光度 空間 高度についてこうもりのスポーンする高度はy座標の値に依存するわけではない。より正確には1.8.?から仕様変更された (1.8時点では、y座標の値に依存する/1.8.9では異なる) 高度は、海面の高度に依存する。(少なくとも1.8.9以降)海面高度を変更することで、こうもりのスポーン高度も変更される。 海面高度より何マスかは未検証(だと思う) 光度について未検証(一般敵モブの7以下より低いらしい) 空間について他モブと同様床の上にスポーンする。ハーフブロック上などはスポーンできない。 他モブと同様床の上2つ分のブロックが透過系ブロックである必要がある。どのブロックが透過系に属するかは未検証(だと思う) 床の上の空間に、こうもりの大きさ分の当たり判定が存在しない。例えば開いたトラップドアが床の真上に存在してもスポーン可能。 不明点 海面高度より何マス下からスポーンするか 海面高度より何マス下までスポーンするか こうもりのスポーン光度 どのブロックが透過? 関連検証 検証/海面高度という一つの大きな基準
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船の操縦について 1.スピードメーターとゲージ スピードブーストゲージ 燃料値ゲージ 2.操縦スピードについて 操縦時の最大速度は100です。 条件 最大速度 備考 海面を後退 25 スピードブーストしても速度に変化はない スピードブーストなしで氷床上を前進 60 スピードブーストなしで海面を前進 70 スピードブーストありで氷床上を前進 80 スピードブーストありで海面を前進 100