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「ご、ごめん……律……ごめん」 「謝るなよっ……でも、わかってて欲しいんだ。私、澪のことずっと好きでいるから。私が怖いのは、澪に触れないことなんだよ」 「……私も、律に触れないの辛いよ」 「だから、笑わなきゃ、駄目なんだ。別に、澪のこと好きじゃないわけがないし、どうでもいいとか、まったく現実見てないわけじゃないんだ」 言葉が、私を刺していく。 痛くはあったけど、それは後悔の痛みだった。 自分に対する情けなさから来る痛みだった。馬鹿澪馬鹿澪。 あんなこというなんて馬鹿だ。 律はこんなにも苦しんでたのに。 「……泣けよ」 「泣いてなんか、ない」 「泣いてるよ、律」 「……っ……でも、澪は私を、抱きしめられないんだろ……」 ――澪の胸の中でしか、涙は流したくないのに。 律は続けて、そう言った。 でも、私は抱き締めることができなかった。 こんなにも愛しい律が、泣いてる律が、苦しんでる律が、こんなにも近くにいるのに。 泣いているから、私はそれを抱きしめてあげたいのに。 それができない。 できないんだ。それがどんなに辛いことか身に沁みた。心に沁みた。 」 触れないって、もう最悪だ。 律に触れたい。 涙を受け入れてあげたいよ。 抱きしめてあげて、泣く律を穏やかに受け入れたいのに。 持っていた布団にしずくが垂れていたのに気付いた。 私も、泣いた。 律も、泣いた。 でも、抱きしめられなかった。 悲しかった。 ■ 泣き疲れたので、私と律はベッドで天井を見つめたまま倒れていた。 「どうなっちゃうんだろ、私たち」 私はぽつりとそう言った。 「元に戻るよ、絶対」 律は細いけど、でもはっきりと言った。 「そんで、また澪といろんなことするよ」 「例えば?」 「たくさんチューする」 「うん」 「突っ込まないの?」 「いいよ。やりたいもん」 「ああ、やろうな」 「エッチなこともしていいよ」 「澪がそんなこと自分から言うなんて」 「いいだろ別に。したいものはしたいんだ」 「そーだな。このままいくと、随分ご無沙汰になっちゃいそうだもんな」 「あと、いっぱい抱き締めて欲しい」 「うん」 「あと、髪、撫でて欲しいよ」 「言われなくてもやる」 「もう、やりたいこといっぱいだな」 「触れなくなっただけで、やれないことたくさんあるんだなー」 「うん」 「それだけ普段、触れ合ってるってことだよな」 「……うん」 「ごめんなー澪」 「別に、お互い悪くなんかないよ」 「そーだけど……」 「だから、早く戻りなよ。待ってるからさ」 ■ 次の日は、ちょっとだけ恐れながら学校へ行くことにした。 ■ 次の日。 学校に行くと、梓が後ろから話しかけてきた。 「澪先輩!」 梓は私に追いつくと、私に並んで、嬉しいような、だけど穏やかな言葉を繋いだ。 「もう大丈夫なんですか?」 「大丈夫って?」 「だって律先輩があんなだから、澪先輩、もう学校にも来れないぐらいにいろいろと大変なんじゃないかと思ってたんです」 まあ実際すっごく大変だし、結構無理して学校に来てる節があるからなあ。 結局律と話し合った結果、とりあえず学校には行ってみようということになったけど。 こうして登校してると、やっぱり日常を取り戻した気分にはなる。 隣には律がいるから、一見ただの日常だ。 でも、私の隣にいる律の存在を、誰も気づいてはいない。 梓も気付いてない。 それはまた、私に気持ちの上でダメージを与えた。 肝心の律は、私の少し後ろで空を仰いでいた。きっと、私と梓の会話に入って私を動揺させまいとしているのだろう。 律の声は私にしか聞こえないけど、梓には聞こえない。だからこそ、聞こえない梓は私の行動に違和感を覚えるはずなのだから。 「まあ大変だけど、でもあまり休みすぎてもあれだから」 「そうですか。でも無理はしないでくださいよ」 昨日は部活をいつも通りしたようだけど、ちょっとだけ練習をしただけであまりやらなかったそうだ。 もちろん三人は「ふたりのために練習しておこう」という気持ちにはなったようだ。 だけど、ベースとドラム――私と律がいないと、演奏にまったく締まりがないらしい。 「やっぱり、律先輩と澪先輩の二人が揃ってないと、軽音部はちょっと不安定ですね」 「そっか。ごめんな」 「いえ、大丈夫です。それに唯先輩、こういうときだけやる気が出るんですから困ったものですよね」 校門に向かって歩きながら、梓が呆れたように言った。それでも面倒を見たのだから、やっぱり梓も思うところがあるんだろう。 「まあ、唯も何か頑張ろうって思ったんだよ」 「そうですよね。多分澪先輩たちのことを考えると、何かしなきゃって気になったんだと思います。私もムギ先輩もそうですし」 「えっ?」 「あ、いえ、なんでもないです。それじゃ、私はお先に失礼します!」 梓は逃げるように、ひゅーっと生徒玄関の方へ先に走って行ってしまった。私は立ち止まってその後ろ姿を見つめていた。 しばらくして、律が追いついて私に並んだ。どうやら話だけは聞いていたようで、梓が逃げたのを見て、なんなんだと声を漏らした。 ■ 「とにかく、やっぱり一日経っても、私は澪にしか見えないんだな」 一時限目が始まるまでの時間、トイレで律がそんなことを言った。 「まあ、澪だけで十分なんだけど」 私は昨日から悩んでた。 律の姿を目視できるのは、私だけだった。それは、嬉しいことなんだろうかって。 私は律を一人占めしたかったし、たまに律が私以外の誰かと仲良くしてるのを見ると胸が痛かった。 酷い時は、世界が二人っきりになっちゃえばいいのにって思ったこともあった。 今はそんな風に思わないし、恋人同士なんだから落ち着けてるけど。 でも、私の独占欲と嫉妬は、ちょっとあんまりだと自分でも思う。 今、世界には私と律しかいない。 律は今、一人ぼっちだった。だって、その姿を認めてくれる人が私以外に一人もいないんだから。 言うなれば、二人ぼっちだ。 私はいつも通り人間で、律とは別の誰かと話せるし姿を認めてもらえる。 でも、私にとって世界は律を中心に回ってる。 その律が一人なら、私も悲しむしかなくて。やっぱりそれは、一人ぼっちに値するのだった。 「本当に、私だけが見えてれば十分なのか」 私は手を洗いながら問うた。トイレには私たち以外誰もいない。 だけど遠慮なく話せるかと言ったらそうでもなくて、誰かがいきなり入ってくるんじゃないかとビクビクしていた。 「澪がいれば何もいらないってわけじゃないけどさ」 律のこと独占したいとは思ってたけど、いざそうなると、やっぱり皆に律の姿を見て欲しい気もした。 私の恋人はこんなに可愛くてすごいんだって、皆に知ってほしいんだ。 それに……やっぱり律がこのままなんて、寂しすぎるよ。 この世界は、『私たちだけ二人きり』じゃなくて、いろんな人たちの中の『二人』なのに。 律も私も、いろんな人たちの中のつながりを生きているのに。 律にも、家族や友達、知っている人だってたくさんいるのに。 嫉妬とか、独占欲とか、そんなのは本当にちっぽけなことだ。 そういうのは、律がたくさんのつながりを生きているから言えることで。 律が今、私にしか見えないって現実は、やっぱり悲しすぎる。 「ま、しばらくすれば元に戻るんだ。そういうの、ちょっと我慢しようぜ、お互いに」 「うん……」 しばらくの我慢か。 律はまだ笑ってる。でもこれは、昨日の涙を受け止めたうえでの笑顔だと私にはわかってた。 それよりも、幽霊の律と一緒にいて、いつも通りの生活を私が遅れるのか気になる。 元に戻るまでの間、私は『皆には見えない律』と共同生活だ。 もしかしたら、とんでもない失敗をしでかす可能性もある。皆の前で律に話しかけちゃう可能性もなくはないのだ。 トイレから出て、私は律に言った。少し騒がしいので、ひとり言だとは思われないはず。 「律、皆の前では極力話しかけないでくれよな」 「なんで? あ、そっか」 「そうだよ」 話しかけられたら反応したくなる。反応したら皆に変な目で見られる。このまま負のスパイラルにでも突入したら、ちょっと困る。 こんな時まで他人の視線を気にしてる自分が情けない。 律のことだけ考えてればいいのに、やっぱり他人から変な目で見られるのが怖いんだ私。 「わかってるよ。あ、でも話しかけちゃうかも」 「はあ……まあできれば誰もいないところでな」 「はーいはいっと」 私たちは教室に向かった。 誰もいなかった。 「あ」 「どした澪」 「一限、体育」 始業まで、あと五分を切っていた。 ■ 「結局サボリか」 「仕方ないだろ。今から行っても間に合わないしさ」 私と律は、屋上で町を見下ろしていた。突然先生が入ってくることもあるかもしれないけれど、でも、なんとか言い訳すれば逃れられると思った。 それに、無理に授業に間に合おうという気にもならなかった。今はあんまり体育みたいな運動をしたいわけじゃなかったから好都合だ。 こうやって、二人でのんびりしてる方がちょうどいい。正直、二時限目からも出たいという気持ちはそれほどなかった。 「澪」 「何?」 私たちは屋上のフェンスに腕を乗せて、風を受けてる。 青を見つめてる。 律が今どんな顔をしてるか、私には見えなかった。見たらまた、なんか泣いちゃいそうな気がしたから。 「しりとり、しよっか」 「なんだ突然。いいけど」 「じゃ、私からな」 「うん」 「きりん」 私は律を見た。律は笑ってるような、ちょっとやっちゃったなとでも言いたげな焦りの表情を見せていた。 しりとりしようって言って、すぐ終わらせるか普通。 そう突っ込もうと思ったけど、なんだか馬鹿らしくなって、私は吹いてしまった。 「ぷっ……あはは、ははっ!」 「おっ」 「……なっなんでしりとり吹っ掛けてすぐ終わらせるんだよ、くくく……」 笑う気分じゃなかったはずなのに、でも、笑ってしまった。 律もそれにつられて笑った。 もう笑っちゃえと思った。 そのまま流れに身を任せて、ずっと笑ってた。 なんかもう、この頃全然笑ってない気がしたから、とにかく笑った。 涙も出た。 でも、悲しい涙じゃなかった。楽しくて、笑ってばっかりだから出た涙だった。 「あーおかし。ふふっ……なんできりんなんだよ、はは」 「澪笑いすぎだろ」 「だって、律が」 多分、笑わせてくれたんだろうなって思った。 律はいっつもそうだった。 私が緊張してたら、笑わせてほぐしてくれるし、泣いてたら笑わせてくれる。 今度もそうだった。泣いてなんかいないけど、私の心は少し突き詰まってた。 律はいっつもそうなんだ。私の心を柔らかくしてくれる。 多分、さっきのもそうなんだって。 笑いが落ち着いて、私は言った。 「……ありがとな、律」 「えっ?」 「幽霊でもさ、律が傍にいてくれるだけで、随分助かるよ」 悲しいことばっかりだけど、触れないけど。 幽霊の律が、私の傍にいてくれるだけで、私はまだ救われてる。 少しだけ笑顔を取り戻せてる。 いろんなことがあって、悲しかったり辛かったりしても、幽霊の律はちゃんと傍にいてくれるんだ。 もちろんその、悲しいことっていうのは、律が事故に遭ったり目が覚めなかったり、幽霊になったことではあるけど。 矛盾してるけど。 私は律が幽霊になったことに悲しんでて、律が幽霊になっても傍にいてくれることに少しだけ安心しているんだ。 「あ、えーっと、ま、私が澪の傍にいるのは、と、当然というか」 「照れるなよこんな時に」 「う、うるせ」 律はフェンスに手を乗せて、顔を赤くしながらそっぽを向いた。可愛いと思った。 抱き締めたい。 律が幽霊になって、何度目なんだろう。 失ってから初めて気付くこともある。 そんな歌とか台詞、聞き飽きたはずなのに。 私も知ってしまった。 いや、違う。 失うことを受け入れたら駄目なんだ。 私が律を今、こんなにも愛おしいと思うのは……。 やっぱり、失ったからなのかもしれないけど。 『触る』ことを、失ったから愛しくなったわけじゃない。 いつだって愛しかった。 そのはずなのに。 今は無性にも、心が疼く。 一つ言えることは。 もし律が幽霊にならなければ、こんなにも愛しくはならなかったかって言われたら、絶対そうじゃないんだ。 確かに『触る』ということができなくなったから、いろんなことをやりたいと思うようになった。 抱くとかキスとかいろいろ。そういうのやりたいと思う。 でも、それは別に律が幽霊になったからやりたいと思うようになったわけじゃない。 いつだって私は律とそういうことを望んでいたし、結局のところ、幽霊だろうとなかろうと、私は律を好きなのには変わりはなかったんだ。 でも。 「やっぱり、悔しいよ」 「澪?」 風が私の髪をさらった。右手で押さえる。 こういうこと全部仕組んだの。神様なんだろうか。 だったら、神様は意地悪だ。 私、こんなの要らなかった。 「律に触れないの、ホントに悔しいよ」 「澪……」 私は腕を組んでフェンスに乗せると、そこに顔を埋めた。もしかしたら泣いたかもしれない。 その泣き顔を、今は見られたくはなかった。 律にだけは見せていい泣き顔だけど。でも、ついさっき笑わせてもらっておいて、すぐ泣くなんて。そう思ったのだ。 律は何も言わなかった。私は顔を腕に埋めてたから、視界は真っ暗だったけど。でも、律も心なしか、静かに泣いてるのかなって思った。 私たち、どうも感傷的だ。 ちょっとのことで、簡単に泣いてしまう。 大人になったら、成長したら、泣かないなんて嘘だ。 神様の意地悪。 8
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登録日:2022/05/02 (月曜日) 12 44 02 更新日:2022/05/02 Mon 19 53 29NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 MAGxiv pixivコミック ギャグ ラブコメ 恋愛 残念な美少女 漫画 百合 高校生 『スクールゾーン』はMAGxivで2018年4月から連載されている漫画である。作者はニンギヤウ。 ニコニコ静画の『マグコミ異世界出張所』にも同時に掲載されている。 連載以前はpixivなどのサイトに投稿されており、序盤のエピソードのプロトタイプとなっている。 2021年12月24日に4巻が発売された。 ◆概要 どこか残念でクセの強い女子高生たちの日常と恋愛模様を描く、コメディを主体とした百合作品。単行本の裏表紙では「百合ギャグ」と説明されている。 普段はテンション高めなコメディが展開される一方で、時折漏らされる百合的な重~い感情との落差が読者の情緒を揺さぶる。 焦点の当たる登場人物のグループは回によって異なり、それぞれのエピソードがほぼ並行して進んでいる。日常や徒然チルドレンのような感じ。 今のところ全く絡みのない登場人物たちもいるが、全員が間接的な交友関係にあり、相関図にすると複雑である。横江と杉浦のペアは主人公なのに交友関係が狭い。 ◆登場人物 横江礼(よこえ れい)本作の主人公。西互高校2年A組の生徒。黒髪長髪、右目を隠すような鬼太郎ヘアーである。自他ともに認める美少女で男子からの人気も高いが、作中では顔芸や奇行が目立つ残念美少女。自称顔面ハーバード。成績は非常に悪く、1学期の期末テストはオール赤点であったが、本人は気にしている様子はない。友人からは「れーちゃん」と呼ばれることもある。中学からの親友である杉浦のことは「けーちゃん」と呼び、学校・プライベートを問わずいつも一緒に過ごしている。ギャグ描写に還元されることが多いため普段は目立たないが、実は本気で杉浦に好意を寄せており、いまさら間接キッスに照れたりする一面も。中学時代のある時までは頻繁に杉浦に好意を伝えていたが、杉浦がどのように受け取っていたかは不明。現在では親友として一緒に過ごし続けることに納得しており、関係を進展させようとは望んでいない。 杉浦契(すぎうら けい)もう一人の主人公。西互高校2年A組の生徒。ショートボブで目つきの悪い小柄な少女。横江ほどではないが成績は悪く、期末テストで赤点3つ。極度の怖がりでホラーにめっぽう弱く、怪談を聞いた後、1人でトイレに行けなくなったりもする。横江と比べてかなり真面目で常識人。めちゃくちゃな振る舞いをする横江には、口悪く突っ込みを入れたり振り回されたりしている。とはいえ、当然のようにいつも一緒に過ごしているあたり居心地がいいのだろう。横江と毎日のように一緒にいることを何も疑問に思っておらず、八手を呆れさせた。横江と比べてモノローグが少なく、彼女のことをどう思っているかはっきりとは分からない。しかし、ふとした横江の言動に顔を赤らめて照れたような表情を見せることもあり、脈ナシという訳でもない……?作者からは猫だと思われている。 根来八手(ねごろ やつで)西互高校2年B組の生徒。横江と杉浦の友人。糸目で関西弁という切れ者っぽいキャラに反し適当で、大して深く考えていない。糸目を開眼すると強烈な三白眼であり、横江と杉浦を怖がらせた。映画研究部(部員:2名、活動内容:未定、部室:物置)の部長を務めていて、後輩である椿の内向的な性格を気にかけている。他人をよく観察しており、自虐的なスイッチの入った椿を慎重に励ましたり、横江と杉浦の異様に近い距離感を考察したりしている。クラスメイトの藤と仲がよく、純朴で忙しない彼女のことを愛らしく思っている。しかし、ゲームセンターで岸屋と出会ってからやたらとポジティブになっていることは怪しく感じ、何か騙されているのではと疑う。そして「藤やしなあ……」と納得もしている。もっぱら「八手」呼びだが、杉浦からは苗字の「根来」で呼ばれる。 日生椿(ひなせ つばき)西互高校1年C組の生徒。柊の双子の姉で、瓜二つ。美少女で勉強も運動も優秀だが、内向的・自虐的な性格で、いつもおどおどしている。映画研究部の先輩である八手を尊敬しており、適当な人であると察してはいても、自分を気にかけてくれると思っている。要については、初めは距離の近さと奔放さに戸惑ったが、絡まれるうちに心を開いていく。ひよ子からはそっけない態度を取られることが多いが、もともと自虐的な椿には効果薄。むしろ2人で出かけてからは要と同様に打ち解けた。重度のシスコンであり、妹の柊に思いを募らせている。財布の中に柊の盗撮写真を15枚も入れるほどである。自分を拒絶する彼女とどうにかコミュニケ―ションをとろうとしているが、あまり上手くいっていない。八手を通じて横江・杉浦とも親交を深め、後輩相手でも容赦なく意味不明な行動をする横江には脅えている。 日生柊(ひなせ ひいらぎ)立陵東女子高校1年6組の生徒。椿の双子の妹で、姉と同じく美少女。教室ではクールな王子様的ポジションだが、夏まで友達が一人もおらず、誰とも話さないぼっちである。養護教諭の芥見先生にだけは懐いており、たいした用も無いのに保健室に行き、構ってもらおうとする。また、素直な態度を見せて胸の内を明かすのも彼女に対してだけである。姉の椿を一方的に嫌っており、学校生活について訊かれた際には「お前がとなりに居なくなって清々してる」というほど。何事も自分より優秀だった椿に劣等感を抱いており、それなのに卑屈で自虐的なところを不快に思っているようだ。椿は高校で八手や要といった繋がりを得た一方で、自分は空木とさえも素直に仲良くなれない現状に、なおさら劣等感を深めると共に、自分の空木への態度・対人関係を再考する。 空木れん(うつぎ れん)立陵東女子高校1年6組の生徒。柊のクラスに転入してきて、隣の席になった。天真爛漫、子供っぽく人懐っこい性格で、転入して間もないのに、多くの友達を作っている。柊に毎日馴れ馴れしく付きまとう。最初は邪険にされていたが、しつこくアタックした結果、一緒に登下校するところまで持って行った。よく喋るが内面描写が一切ないので、アホっぽい割に何を考えているかよくわからない。柊が、なぜ自分と一緒にいるのか尋ねた際には、暫し「えっ」などと口籠った末に「なんとなく!!」と答えた。転入の時期は1年1学期の夏休み前という微妙な時期で、理由は不明。芥見先生は彼女の名前に心当たりがあるようだが……? 山城要(やましろ かなめ)西互高校1年C組の生徒。奔放な性格のギャルで、ひな子の親友。自分のことを「カナ」、ひな子を「ピヨ子」と呼ぶ。恋愛に関して開放的で、頻繁に彼氏が変わる。両親は海外に赴任しており、タワーマンションの最上階で一人暮らししている。クラスメイトである椿の顔の可愛さに気づいて以来、何かにつけて彼女に絡み、かわいがっている。ひな子とはたいてい一緒におり、独占欲の強いひな子をからかったり、マイペースな振る舞いで翻弄したりしている。観察眼に優れて勘のいいところがあり、ひよ子や椿は会話の反応から本心を見透かされて動揺することもある。八手と何らかの関わりがあるようで、自分が映研に入ったら嫌がる人として「超絶糸目」と表現して八手を示唆している。一方で椿に好みのタイプを訊かれた際には「目つきの悪い人」を挙げるなど、詳細は謎。 仲谷ひな子(なかたに ひなこ)西互高校1年C組の生徒。要の親友のギャル。ぶっきらぼうな性格だがツンデレ気味。要の自由な振る舞いに翻弄されている。要に対する独占欲が強いようで、最近やたらと椿に構うようになったことを面白く思っていない節がある。そのため、椿に対してそっけない態度をとっている。しかし、面倒見の良い性格からか、おどおどとした彼女を突き放しても罪悪感が残り、それを要に看破されて揶揄われた。後に椿と2人で遊びに行く機会があり(要を含めて3人の予定だったが、来なかった)、その後は完全に打ち解けた。 芥見梛(あくたみ なぎ)立陵東女子高校の養護教諭。三白眼と薄っぺらい顔立ちが特徴的。高身長で男性に間違われることもある。ぼさっとした長髪、よれた白衣、便所サンダルと、養護教諭には見えないズボラな格好である。柊に懐かれて、度々保健室に押しかけられている。突き放したりはしないが、割とそっけない。そして柊はなおさら構ってもらおうとする。 藤まつり(ふじ まつり)西互高校2年B組の生徒。八手の友人。実家は神社で、祖母と2人暮らし。三白眼で目つきが悪く、いつもクマができている。割とどうでもいいことで自罰的になったり、些細なきっかけで持ち直して逆にポジティブになったりと、情緒の変化が忙しい。八手はそんなマヌケで純朴な藤のことを愛らしく思っているようだ。一日一善をモットーとしている。ゲームセンターで岸屋と出会い、自分が何度挑戦しても取れなかったクレーンゲームを一発で成功させた彼女のことを「真の善人」だと悟り、聖人あるいは女神のように慕うようになった。岸屋のちょっとした善意や何気ない言動を自分なりに解釈し、ますます尊敬を深めていく。一方で、そうした岸屋に個人的な好意を向けることを罪悪のように思いこんでもいる。 岸屋縁(きしや ゆか)ゲームセンターでアルバイトをしている、聖麟学院大学の学生。学年・年齢は不明だが、喫煙者。癖の強い人物の多い本作の中ではトップクラスにまともな感性をしている。美人で、男女問わず勤務中に客から贈り物をされている。クレーンゲームでブサイクなぬいぐるみを取ろうと奮闘する藤と出会い、興味を惹かれる。藤からは一方的に聖人のように思われているが、いたって普通の感性を持つ人物である。初めは変わった子程度に思っていたが、次第に微笑ましく思うようになっていき、藤がぬいぐるみを取れるまで見届けることにした。登場するのは藤とのエピソードだけだが、その中で要と思しき人物と親しげに電話する描写もある。 賢木恭(さかき きょう)立陵東女子高校の生徒会長。潔癖な性格で凛々しい顔立ちの少女。校内の風紀の乱れに危機感を覚え、改善を試みている。制服を着崩していた柊に注意を促そうとしたときに空木と遭遇し、小学生男子のようなあまりの「クソガキ」ぶりに思考停止して現実逃避してしまった。芥見先生のだらしなさも許容範囲外らしく、初対面の際には怒涛の突っ込みが入った。彼女以外の生徒会のメンバーは全員眼鏡をかけた、一見いかにも真面目そうな生徒たち。しかし実際には、漢字の多い企画書が読めなかったり、全然話を聞いていなかったり、上の空で賢木のことばかり考えていたりといったポンコツ集団。とりあえず賢木の言うことに頷いているが、彼女の熱意は伝わっていない様子。 上春(うえはる)先生立陵東女子高校1年6組の担任。ゆるふわな雰囲気のあるい若い女性の先生。柊の扱いについては「ちょっと掴みにくい」と表現している。既婚者で、左手の薬指に指輪もつけている。 杉浦結(すぎうら ゆい)杉浦契の姉。アパレル系の店員をしている。顔は妹とそっくりで、長髪である。妹のことは横江と同様に「けーちゃん」と呼んでいる。 プロトタイプには、上記の他に世一環と勇崎宵というキャラクターをメインにしたエピソードが存在したが、連載版には登場しない。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 同じ名前のホラー漫画あったよな -- 名無しさん (2022-05-02 19 53 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tugabosyu/pages/79.html
[名前] 雫葉 ウジン ( シズハ ウジン ). [バース] 後天性β ( 元α ). [属性] リバ. [クラス] 3 - 2. [年齢] 18歳. [容姿] グレーのさらりとした艶の有る髪.髪型は主にマッシュで後ろは刈り上げ且つツーブロ.目の色はどちらもハスキー犬の様な薄い紫.全体的に顔が整っていてハーフ感が美しく出ている.外国人風の顔立ちで日本人離れした美形.鼻が高く彫りが深め.眉も凛々しく揃っている.睫毛が長く目の下には睡眠不足を匂わせる微かな隈.肌は真っ白な程色白で透き通っていて日焼けもしていない.体付きは筋肉質で肩幅も大きめ.脱げば鍛え抜かれたバキバキな体が見える.所謂細マッチョで鎖骨もくっきり出ている.背中には狼と月のスクリプトタトゥー.項に薄らと十字架のホワイトタトゥー.たまに爪にブラックのマニュキュアを塗ったり.耳ピアスはR6ヶ所L5ヶ所空けているが学校では全て外している.舌ピもあるがこれは外さない. 服装は上黒シャツ+白カッターシャツ+ネクタイ+ニットセーター(主にミルクティーカラーだが季節に合わせて変える). 下黒スラックス+ウォレットチェーン(兎のキーホルダー付).靴紺と白のキャンバスデッキシューズ. [性格] 明るく優しく紳士的.気が回り誰にでも親切に接する.所謂学年の人気者.成績も優秀で常にトップクラスの学力を維持しており教師からも期待されている.スポーツ万能で運動神経抜群.体力もセンスも文句無し.男子からは憧れられる人柄.仲が良い人にはたまにからかったり意地悪したり.相手の心には入り過ぎない程のスキンシップをする.冷静に物事を判断したりと頼れる存在.誰からにも好かれ社交的.ガールフレンドも多め.スパダリ.意外と几帳面で綺麗好き.甘いものも辛いものも好き.一見だとまさしく完璧人間で親しみ易い.しかし実は重度のヤンデレでありサイコパス(ドS).好きになった人の情報は全て調べ上げSNS等やっていれば毎日チェックする.何よりも独占欲と束縛欲が強く嫉妬深い.好きな人は己だけのモノで手中に無いと安心出来ない. 出来る限り相手をバレない程度に影から常時監視している.そして近付く人間には嫌悪に溢れた睨みをぶつける.付き合い始めた頃は普通の幸せな感じなのだが段々と本性が見え出してくる.最終的には相手を監禁して自分無しじゃ生きられない様にする.リョナ.別れた後はかなり相手を引き摺る.依存癖.愛情表現は暴行や虐待.だが愛するのは1人だとは限らず飽きてしまえば他の人に目移りする.ストーカーや相手の家に監視カメラを仕掛けたり盗聴したりと様々な手段で相手を知ろうとする.しかし絶対に警察には目をつけられない.己の才能を無駄な事に使っている残念な堕ちた天才.ハードなSMものでも興奮するある意味変態的. [部活] バスケ部. [委員会] 図書委員. [備考] 韓国とロシアのハーフ.幼い頃父親から虐待を受けていた.その後は直ぐに孤児院に入り養子として引き取られた.今の両親とはとても仲が良いがどちらとも日本人であり一切血の繋がりは無い.両親には絶対手をださない.今は離れて一人暮らし.他人からの愛情を充分に受けなかったせいか常に愛されたがりで異常な程に人を愛する様になった.何度も恋人は出来るものの己の感情が重過ぎて結局は振られるの繰り返し.今は疲れたと言って恋人は居ない.総格闘技をやっているので力も強い.喧嘩は売らないが売られれば買うし負け知らず.多才で絵も上手く音楽では色々な楽器が弾け歌唱力もプロ並.料理も得意でお弁当を毎朝作っている.不眠症を患っているが身体に特に害は無いらしく寝たい場合は睡眠薬を摂取している.自宅には地下があり様々な拘束器具や拷問用具からバット等の武器も置いてある.相手が己だけに夢中じゃないと許せずどんな手段でも使う.身体能力が優れている為に相手の家に忍び込んだりも簡単にこなす. 価値観が同じである人と付き合っても理解して貰えず心の奥では鬱状態.だが絶対に学校側にはバレない様にしている.家事もしっかりとやり整理整頓も怠らないのは監禁生活で身についたもの.相手からのメールの返信や既読が遅いとイライラする.実はバイで男女共に差別無く見ている.美意識は高く流行りも確認したりとお洒落は心掛けている.韓国語とロシア語の他に英語やドイツ語をネイティブに話せる.裏ではファッションモデルをしていて業界では人気者だが学校ではファッションに詳しい人しか知らないレベル.外出時にはマスクを必ず着用.休日は好きな人の事で頭が沢山だが好きな人が居ない場合は趣味で時間を潰している.ギターやドラムが得意でダンスを習っている. [SV]「こォんにちは、俺はウジン。気軽に絡んでくれると嬉しいな? ( 微笑、首傾、)」「ッはは、○○くんって、意外に照れ屋さんなんだな。( くす、頬杖、)」「...此処さ、間違ってない? ( 回答指差、) ん、そうそう。よく出来ました。( ふは、頭撫、)」「すまん、今日バイトあるから遊ぶのはまた今度で良いか..? ( 手合、上目遣、)」「おかえり、遅かッたね。..何してたの? ( にこ、目細、)」「....は?何言ってんの?お前は俺のモノだろ? ( 頬叩、目見開、) 」「俺の気持ちも知らない癖に...、どれだけ妬かせれば気が済むんだ...。( 独言、顔腕埋、)」「ッたく、何で既読つかねんだよ.....ふざけんな..。( 髪掻乱、舌打、) 」「俺からのプレゼントだよ、嬉しいか? ( 首輪着、鎖持、)」「何ご主人様に刃向かッてんの?ペットは大人しく服従しとけや、。( 肩噛、キスマ付、)」「依存も嫉妬も束縛も、するなッて言うんだったら抜け道くらい教えろよ..!! ( 相手睨、押倒、首締、)」 [名前] 八剱 源 ( ヤツルギハジメ ). [バース] 先天性α. [属性] タチ. [担当] 物理兼体育. [年齢] 26歳. [容姿] 身長 179cm 真っ黒で綺麗な髪.髪型は前髪をコンマヘア分けにし後ろ髪は後頭部で高めに結んでいる.下ろすと肩くらいの長さ.目の色は紺色がかったグレー.顔立ちはキリッとしていて男らしく若干ツリ目.顔は整っていて全体的にはクール顔.1人でいる時は目付きが悪いがちゃんとしていれば美形.左目の下に1つ黒子.肌は色白で艶が有り滑らか.身体は痩せ型だが筋肉はしっかりついている.手足がすらりと細長く姿勢も美しいモデル体型.常時銀縁の眼鏡を掛けている(家では外す).耳はR4L5でピアスを付けている(学校では上司や会議の時だけ外す).項にピアス2ヶ所(ネイプ).臍にピアス1ヶ所.腰に薔薇のタトゥー.右肩に蛇とハートのトライバルタトゥー.左耳裏にキスマーク(レッドカラー)のタトゥー(普段は髪で見えない).服装は主に上カッターシャツ(白)+ネクタイ+ハーネスベルト(黒)+ジレベスト(紺)+スーツジャケット(黒).下ビジネススラックス(黒).靴ドクターマーチン(ダークブラウン).アクセ/狼のネックレス(銀).右手薬指に指輪(金) [性格] ばりばりの訛った関西弁で喋る.警戒心が強い.冷静沈着で誰にも寄り付かない1匹狼.基本的に生徒にも教師にも厳しい.容赦無く言葉を刺してくる.しかし面倒見が良く相談事は親身になって聞いたり怪我をした時には心配したりなど優しい一面も.良い意味で嫌われ者.教師ながらいつも勉強勉強ばかりで休む事無く働いている所謂社畜.恋愛経験自体は少ないので押しに弱く赤面症.オカン気質.嫌な事や辛い事も全部溜め込んでしまうタイプ.会議の時は大体営業スマイルをしている.馴れ馴れしい奴には牙を向くがちゃんと礼儀正しい子には普通に接する.負けず嫌いで強がり.ツンツンしているが実はこれでも寂しがり屋で構って欲しがる.甘党でよく自分でも休日スイーツ作りをしている.少しでも辛いと無理.頭が良くエリートマンでそれなりのプライドも持っている.忠誠心が強く年上には犬の様に従い懐く.ノンケ.煙草と酒好きでよく飲むが強くはなくすぐ潰れる.酔うと甘えん坊になったり無邪気になったりする.SでもなければMでもない中間の人.家族や仲間との絆が強く傷つけられると一生憎む.性欲は無い訳ではないがあまり発情はしない.嫉妬深く執着心が強い.一度惚れると相手をずっと追い掛け続ける程の一途.独占欲は有るが表には出さない.家事は全て自分でこなし料理も得意で家庭的.兄弟(仲間)が多かった為幼い子の面倒見が良くそれからか生徒への授業も分かりやすいと評判.しかし仕事以外だと目付きが特段悪くなるので怖がられがち.敵だと判断した相手はとことん毛嫌いし仲間だと判断した相手はとことん大切にする.頭脳も運動神経もずば抜けており文武両道.感受性が豊かだがその分傷つきやすい [部活] 剣道部顧問 [委員会] 風紀委員 (臨時で保険). [備考] 父親が極道界トップクラスの組長.次男ッ子で3つ年上の兄が居る.実家は武家風な大きい屋敷で堂々とした風格.父が纏める組でも兄を始め1、2を争う程実力が有り第二の若頭的な存在.部下からはよく親しまれ「若」と呼ばれている.学生時代から闘いの経験があり銃の扱いは勿論のこと体術や剣術もそこらのプロよりも優秀.売られた喧嘩は買うが自分から喧嘩を売るような事はしない.今となっては組の経営はやっておらず親の事も組織も気にしており家から逃げ出して一人暮らしをし教師になった.だが普通に父と兄を誇りに思っており大好きなので組を脱退することはない.学校側には絶対バレない様にしている.体のピアスやタトゥーは不良時代の名残.学校教師になる前はバイトの形で家庭教師をやっていた.バツイチ.非童貞処女.兄に対しては尻尾を振る犬.嫌いな相手には口が悪くなり騒ぎはしないもののすぐ睨む.音楽が好きで休日には作曲をしたり歌を唄ったりしている.ピアノとヴァイオリンが弾ける.日々の仕事漬けの生活で体が衰えない様にとジムに通っている.たまに海外出勤をするので外国語を幅広く勉強中らしい.元妻に未練たらたらで今でも忘れられず一緒に撮った写真を消せずにいる.最近ではこのままじゃ駄目だと感じ新しい出会いへと気持ちを切り替えている所.嫉妬したり不安になったりすると自分の手首を噛む癖が有る(1人の時のみ).相手にずっと1人で放置されると暫く拗ねる.意外と相手をからかったり意地悪したり.お酒が入るとスキンシップ激しめ.人物の名前は一度会話すればすぐに覚える程に容量が良い.割と依存体質で好きになった人が出来ればいつも相手の事を思っている.深く落ち込むとメンヘラが出る.甘いものをくれた相手には好感度が上がり懐く.家では昔幸せだった頃の自分に嫉妬し1人でよく溜息をついている.ハイポクシフィリア(窒息性愛)且つボレアフィリア(殺戮嗜好).窒息の方に関しては本人は はっきりとした認識は無い(決してMではない).だが殺戮に関しては過去の経験からして自分でも認識済である [SV] 「八剱 源 や。..まァ名前は好きに呼びィ。( 相手見詰、ふす、)」「..大変お待たせ致しました。( にこにこ、書類渡、)」「馴れ馴れしゅゥすんなや、年上には敬語使うんが常識やろ。( ぎろ、む、)」「お前ェ、次遅刻したら、特別補習いきな。 ..それが嫌言うんなら課題追加したるわ。 ( 腕組、ふん、)」「..ぁ、○○、来とッたんか。どや?調子の方は。昨日辛そうにしてよッたさかい、心配したでェ。( 肩ぽんぽ、には、)」「なッ...何なんお前。..ほんま腹立つ...ッ。( 赤面、かァ、顔逸、)」「おいこら、....たまには構ッてくれても良いんとちゃう。( 頬膨、後抱着、ぎゅ、)」「..あ’’ッ!?からッッ、こんなん食える訳ないやろ!馬鹿!! ( 口抑、涙目、相手睨、)」「っへへ、○○と飲めて楽しいわ。...あッついな、。 ( 目細、ふは、胸元ボタン外、)」「..あ~~ッ、もう。.....あかん。嫉妬とか大人気無いわ...。( 手首噛、がり、はァ、)」「兄さん!!帰ッて来るんなら、もっと早よ言ッて下さいよ。..まァ、相変わらず元気そうなんで良えですけどね。( にへ、口緩、)」「アンタ、そ-やッて嬉しそうにしてる顔が似合うで、? ..おう、可愛え。( こく、えへ、頭撫、)
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112 名前:イゾラド~メクルメク衝動~[sage] 投稿日:2012/06/17(日) 22 18 11.94 と言う訳でなんとなくスレの流れを受けて突発SS投下です。 規制が解けたか祈りつつ…いつもwiki保管してくれる方、 読んでくれる方、スレでアルシェリ萌え補給してくれる方への感謝を込めて… 「あぁっ、アルト!アルト、あたしもう…っ!」 「っ、はぁ…シェリル…!!」 汗ばんだ素肌に絡み付いてくるほっそりとした腕とふわふわのストロベリーブロンド。 情欲に感極まった声を聞きながら一番奥へと自分自身を打ち付けて、 俺は体内に溜まっていた欲を彼女の中へと注ぎ込んだ。 「あ…あぁ…ある…と……」 「ああ―――…」 とくとくと注ぎ込まれる雫の熱さに耐えかねた様に シェリルが俺の首筋に腕を回し、きゅっとしがみ着いて来る。 幼な子みたいなその仕草に「俺はここにいる」と伝える為に そっと薄紅色の唇を優しく吸うと、シェリルの口からも小さな笑い声が零れた。 「もう…。こんなに一杯出すなんて…アルトのえっち。どれだけがっついてるのよ? ―――本当に、そんな顔していやらしいんだから……」 「ばっ、バカ!いやらしいのはお互い様だろ!?大体な、 お前だってあんなに俺の事を求めて、信じられない位に乱れてたじゃないか」 「なっ…!女の子に対してそんな事イチイチ口に出して言わないでよ!」 けれど、睦み合うだけ睦み合った後にぽんぽんと飛び出してしまったのはそんな遣り取りで。 大体「そんな顔ってどんな顔だよ!」と続けて口にして問い詰めようとする前に シェリルは拗ねた様に此方に背を向けてしまった。 「ほー……そう言う手段に出る訳か、妖精さん」 「な…な、何よ…?」 ぷぅっと頬を膨らませてそっぽを向いてしまった彼女の態度に、 これを逆に好機として俺は次の攻勢に出る事にする。 大体、ここ暫くの間互いに多忙な時期が続き、こうしてシェリルに 触れる事自体が実に一週間ぶりなのだ。一度や二度で足りる筈がない。 そっと背後から、今も情事の名残の熱を残した体を抱き寄せると ストロベリーブロンドから覗く首筋へ。ほっそりとした肩へ。 僅かに朱の色に染まった背中へと、次々に唇を落としていく。 「やっ…!?ちょ、ちょっとアルト…!」 「じっとしてろよ。勝手に拗ねるだけ拗ねたお前が悪い」 「んなっ!?何をそっちこそ勝手な事…や、あぁ…っ…!」 「俺はエッチでいやらしいんだろ?そもそもお前が言い始めた事だろうが」 「やぁ…っ、も、もう…バカ…っ!」 そのまま腋の下をくぐらせる様にして滑り込ませた指先で 柔らかな膨らみを揉みしだき、先端で存在を主張し始めた蕾をきゅっとつまむ。 ぴくん、とシェリルの跳ね上がって俺の動きに応えた事を確認すると 細い腰を両手で抱え上げて、そっとその尻を上げさせた。 「シェリル……」 「あ…あんまり見ないで…」 ベッドに肘をついて、恥ずかしさの余り枕に顔を埋めたシェリルの 白いお尻だけが、ねだる様に俺の方へと突き出されている。 普段から抱き合って行為に及ぶ事をお互いに好んでいるから、 こうして背後から繋がろうとする事はそう頻繁にある訳じゃない。 そして、頻度的には非常に高いのだろうとは思っていても、 抱き合って眠るからと言って毎回こう言う行為に及ぶ訳でなければ その度に隔てるもの無く中に出すことを許されている訳でもない。 だから―――…だから、仕方が無い。 俺の目の前で誘う様にふるふると揺れる白いお尻とか、 さっき注ぎ込んだばかりの自分の欲望が零れて内腿を伝い落ちて行く姿とか、 呼吸に合わせてヒクヒクと蠢くもう一つの場所が…… もの凄くいやらしく魅力的に見えても、それは仕方の無い事なんだと思った。 「アルト…な、何…?どうしたの…?」 「あ―――あ、い、いや……」 露にされた部分に注がれる視線を感じて、シェリルが恥ずかしそうにこちらを振り返る。 その彼女に曖昧な笑みを返しながら、俺はもう一度その場所へ視線を向けていた。 それほど色事に関して精通している訳でもなければ経験が豊富な訳じゃない。 それどころか『こう言う事』に対する衝動を感じたのも、実際の体験に こぎ着けたのも、今こうしている彼女が最初で、恐らく最後だ。 ただ、過去に演じたお役や立った舞台の知識、それからあの眼鏡の 相棒に吹き込まれたあれやこれやの話から、そうした事だけは知っていた。 女性の持つ、子作りをする為の場所とは違う、もう一つの場所―――… その場所が目の前で、シェリルの呼吸に合わせてヒクヒクと蠢いている… (っていや待て!幾らなんでもハードルが高すぎるだろ俺!!) 危うくそっちに持って行かれそうになった衝動を、慌てて理性側に引き戻す。 正直、目の前にいる彼女の心と体の両方にどっぷり溺れている自覚はある。 けれど幾らなんでも彼女にそこまで強いるだけの度胸は今の俺には無い。 (無い…つもり、なんだけどな……) ひくひくと蠢くその場所と、その下の部分から零れ落ちる欲望の雫。 雫が白濁したものから次第に透明度を増して行っているのは 自分が注ぎ込んだものを新しく溢れたシェリルの蜜が押し出しているからなんだろう。 俺を欲しがって恥ずかしそうに震えるシェリルの体… その時に湧き上がったのは、肉欲よりもむしろ、多分その体の誰も知らない部分を 余すところ無く自分の物にしたいと言う独占欲だった。 「シェリル…また、こんなに濡れて来てるぞ…?」 「っ…!」 震える背中に語りかけながら、俺はゆっくりと指先を彼女の内側へと入り込ませた。 一本目の指を飲み込んできゅうっと締め付けてくる襞の感触。 その締め付けにズクンと痛い程の衝動を感じた俺は、もう一本の指もその中へ 滑り込ませて、2本の指先に溢れた蜜をくちゅくちゅと音を立てて絡め合わせる。 「あ…あ、あぁっ…!やっ、音、立てないで…!」 「良いだろ別に、俺しか聞いてないんだから。すげぇいやらしい音で…興奮する…」 「ばか…ぁ…っ!」 「―――シェリル…」 枕をぎゅっと掴んだシェリルが、恥ずかしさにイヤイヤと首を振る。 その可愛い仕草に自然と浮かんだ笑みを自覚しながら、俺は背後から 彼女に覆いかぶさった。名前を呼んで促すと、その意図を察したシェリルが 首を傾げて俺の方を振り返ってきてくれる。吸い込まれそうな蒼い瞳に 浮かんだ情欲の涙の雫…。その雫を出来るだけ優しい仕草で吸い取ってから 柔らかな唇にそっと自分の唇を重ねる。ちゅ…と小さなキスの音が、 指先が紡ぐ淫らな音に混じって室内に響いた。 「…挿れて良いか…?シェリル…?」 「うん―――来て…アルト…」 夢見る様に陶然とした声でシェリルが俺の名前を呼んでくれる。 その声に誘われる様にして、俺は背後から彼女の中へと入り込んで行った。 「あ―――…あ、あぁぁぁ…っ…!」 「っく…イイ……っ!!」 一番奥の深い所まで繋がってしまうと、後はもう込み上げる衝動に 任せるままに、達する為の行為に溺れて行くしか無い。 大好きな人と一つに繋がる事は、どうしてこんなに気持ちよくて 幸せなんだろうか…なんて。快楽に乱れた脳裏の片隅でそんなバカな事を 考えながら、俺は背後からシェリルの中を突き上げて行く。 パンパンとぶつかった尻と腰が、くちゅくちゅと繋がった肉と肉が、それぞれ音を立てる。 そして―――今も視界に入り込んでくる、動きに合わせて蠢くその部分。 今度はもう理性の歯止めも効きそうにない。先ほどの行為でたっぷりと シェリルの蜜を塗れさせた指先を、俺はその場所へと這わせて行った。 「きゃっ…ああああ、アルト!?」 「良いから、そのまま力抜いてろ…」 「抜いてろ…って、あ、あぁっ…ばっ、バカ、何を…あぁぁぁんっ!?」 「……は…―――くっ…」 きゅっと怯えて窄まったその部分をほぐす様にして、 彼女のもう一つの穴へと指先の蜜を塗りこめて行く。 そしてその穴が蠢く度に、俺の物を咥え込んだシェリルのナカが 痛いくらいにきゅうきゅうと締め付けてきた。全てを持って行かれそうに なる衝動を息を殺してやり過ごすと、やわやわとそこをほぐしながら 指先を慎重に埋めて行く……… 「あっ…あ、あぁ…っ…!アルト、ダメ、ダメ…っ…!」 「今夜は指だけだから、大丈夫だ」 「バカっ!大丈夫なわけな…あ、あぁぁあっ!?やっ、う、動かしちゃイヤ…!」 当然の主張として上がるシェリルの抗いの声を封じる為に、 俺は絡み付く襞を捏ねる様にして繋がった部分をかき回してやった。 右手の指先はもう一つの場所を慎重にほぐしながら、左手でしっかりと 細い腰を引き寄せて、後ろから滅茶苦茶に貫き続ける。 「あっ!あ、あぁっ!やっ、ダメ、アルト…!あたし、あたしこんなの…っ!」 「―――っく…ハァ…気持ち良いか…?シェリル…?」 「し、知らないわよ…バカっ!やぁっ…だ、ダメ、そこ…っ、そこいやぁ…!」 そうして唇からイヤ、ダメ、と拒絶の言葉を吐き出しながらも 俺の肉体と指先を咥え込んだシェリルの体は、きゅうっとキツク締め付けては 素直に込み上げる悦びを俺に伝えて来てくれる。 俺の方も…込み上げてくる気持ち良さや視界に映る可愛い姿、 彼女の始めての場所を自分の手で開発しようとしているのだという 独占欲に満たされて、もう何も考えられなくなりそうだった。 ただ、一つになりたい。心も体も全て全て…何一つとして知らない事が無い位に 強く深く激しく…シェリルと一つに溶けて混ざって繋がり合いたかった。 「あ…あ―――…あぁっ!アルト、お願いもう…も…あたし、ダメ…っ!」 「ああ、シェリル。俺も……!」 「っ…あぁぁぁぁぁっ!アルト…アルトぉっ!……ぁ……」 ―――このまま、一緒に。 指先を一本そこに押し入れたままの状態で彼女の白いお尻を掴むと、 俺はシェリルの一番奥にもう一度自分の欲望を注ぎ込んだ。 びくんと大きく跳ね上がった体が小刻みに震え、その度に 吐き出される欲の雫がシェリルの中を一杯に満たして行く…… 「ぁ…あぁ…あっ…アルト………あん…だめ…だ…め…」 「シェリル―――…」 そうして俺のモノを受け入れると共に達したシェリルの体が、 くたりと力を失って乱れたベッドのシーツへと沈む。 今も埋めたままの指先をくにくにと少しだけ蠢かすと、達した体が またきゅっと俺のものを締め付けてきた。その動きに最後の欲まで搾り取られながら… 俺はそっと上体を傾けて、汗ばんだシェリルの背中に唇を寄せたのだった…… 「アルトのバカ!えっち!どスケベ!ヘンタイ!」 「わっ!?バカ止めろ!枕でぶつな!」 事が終わって丁寧に情事の始末をした後で、暫くはぐったりと体を 俺に預けていたシェリルが突然腕の中で暴れ始めた。 しなやかな動きで抱擁から逃れると、手にした枕でばふばふと俺の顔を叩き続ける。 その両手を掴んで突然の暴挙を止めようとした所で…こちらを睨み付けた蒼い瞳と目が合った。 久しぶりに見る本気の怒りを宿した瞳に、うっと一瞬だけ言葉に詰まる。 「ぶたれる様な事したのはアルトでしょ!?あんな……あんな所に指入れてくるなんて…!!」 怒りと共に口にした途端に、先ほどまでされていた事を思い出したのだろう。 涙目のままのシェリルの顔が、耳朶まで見る間に赤く染まっていく。 「もう本当に信じられない!アルトのバカ!!!!」 「バカって言うなよ。大体なんだかんだ言ってお前だってちゃんと感じて…ぐへっ!」 暴れるシェリルを何とか宥めようとして口を開いた所で、サイドボードに 置いてあったミネラルウォーターのボトルが顔面にクリーンヒットした。 「シェリル!お前なんてモノ投げて来やがる!?」 「投げられる様な事を口にしたのはアルトでしょ!?何デリカシーの無い事言おうとしたのよ!」 「そんな事言ったってお前だってちゃんと感じて泣きながらイったじゃ…うわっ!?」 そして再び投げつけられた二本目のボトルを、今度はとっさに受け止める。 …が、それに続いて投げつけられた携鯛電話が今度は鼻先に直撃した。 「シェリル!おま…」 「アルトのヘンタイ!!!もうっ、もうっ…暫くキスもさせてやらないんだからぁぁぁぁ!!」 「な………!?」 ベッドに転がった携鯛を拾いながら俺が反論するより早く、 シーツを剥ぎ取ったシェリルは華奢な体に白い布地を巻きつけて隠してしまう。 それからフーー!と全身の毛を逆立てた猫の子の様に、威嚇しながら此方を睨み付けて来た。 「あ―――………」 「半径一メートル以内に近寄らないでよ、このヘンタイ!」 「おい、シェリル…って待て!それは投げるな!」 何とか宥めようとする俺を制して、シェリルが叫びながら腕を振り上げる。 その手に握られたサイドボードのクロックは、彼女が気に入って店頭で購入した物だ。 投げつけられたら俺の方も軽い怪我ではすまないだろうし、壊れてしまえば 後になって泣くのはシェリル自身だと分かりきっている。 慌てて細い手首を掴もうとすると、今度は腹部に見事な蹴りが入った。 「お…おま…え、な……」 「近付かないでって言ったでしょ!アルトのバカ!」 どうやら修復も不可能なくらいに完全にヘソを曲げてしまったらしい。 ふとした事で沸いた好奇心と独占欲。その二つに流されてしまった自分を 後悔してももう遅い。されてしまったマニアックな行為が恥ずかしいのか、 それとも感じてしまった自分が恥ずかしいのか。恐らくはその両方が 原因で拗ねてしまったシェリルを前に、俺は小さな…けれど深い溜息を吐き出した。 『…お前みたいにギリギリまで我慢しちゃうタイプが 振り切れちゃった時に暴走してタチが悪いんだぜ?』 脳裏に甦った…もう随分と前に親友に受けた忠告を 今更ながら身に染みて思い出しながら、俺は諦めと共に寝室を後にしたのだった。 イゾラド~メクルメク衝動~オマケ 投稿日:2012/06/18(月) 00 55 05.47 「…アルトのバカ………」 肩を竦めて観念した様に立ち去ってしまった後ろ姿。 その後ろ姿を完全に視界から消してしまった扉を恨めしげに睨みながら 私は小さく、そんな言葉を呟いていた。 ―――本当は分かっている。アルトが困った笑みを浮かべながら 行ってしまったのは、私が完全に拗ねたからなんだと。 アルトにされた事が恥ずかしくて、その行為に感じてしまった 自分が恥ずかしくてどうし様もなくて…その恥ずかしさをアルトにぶつけてしまった。 恐らくアルトは今夜はリビングのソファーで夜を明かすつもりなのだろう。 朝になって私の機嫌が良くなる様なとびっきりの朝食を作ってから 宥める様にあの扉を開けて来るつもりで…もう今夜は、 この寝室の扉が開かれる事は…恐らく、無い。 そう思うと途端に胸にきゅっと寂しさが込み上げて来てしまって、 私はさっき散々アルトを叩いた枕を胸に抱き込む様に ベッドの中へともぞもぞともぐりこんだ。 「本当は…アルトになら、何をされても良いと思ってるのに…」 こんな事にさえ素直になれない自分自身が本当にイヤになる。 本当はアルトと愛し合って、心も体も結ばれて、久しぶりにお互いの 体温や心音に包まれたまま…朝まで幸せな時間を過ごしたかったのに… 「アルトの…バカ…。お、お、お尻なんて……あんな事まで許すの、 あんただけなんだって、その位察しなさいよ。別の誰かだったら、本当に イヤだったら相手の腕に噛み付いてでも抵抗してるんだから…」 「いや、そう言われてもさ。俺にだって流石に無茶をさせたって自覚や負い目があるし」 「だからその無茶を許すのはアルトだけなんだって分かりなさいよ。 そりゃ思い出すと、恥ずかしくて今も死にそうだけど…アルトが 喜んでくれるなら、あたしだって嬉しいんだから…」 「まぁそう言って貰えると、次からは俺も仕掛け易くはあるな…」 「次って何よ次って!―――ってちょっと!あんたいつから部屋に戻ってきてるのよ!?」 「ん?俺になら、何をされても良いと思ってるのに、辺りか?」 「殆ど全部じゃないのよ!!!」 信じられない!と言う想いと共に投げつけた枕を、鍛えられた腕が綺麗にキャッチする。 そんな仕草さえどこか優雅で思わず見惚れそうになった自分を叱り付けて 私はもう一度、琥珀色のアルトの瞳をまっすぐに睨んだ。 「だ、大体あんた、今夜はもうこの部屋に戻って来ない筈でしょ? なんで5分も経たない内にあっさり戻ってきてるのよ!?」 「ああ…。まぁ俺も最初はそのつもりだったんだけど…な。 なんだか何処からとも無く『今夜はアレで終わりのつもりだったのに なんか規制を心配してくれてる人がいるみたい!Σ( ̄□ ̄;』とか 『ちょっとアルトさん!行って来て!行って来て!』とか言う声が聞こえた気がして」 「ナニよソレ!?意味わかんない!!」 「ああ。……言ってる俺も正直良く分からない」 小首を軽く傾げて不思議そうな表情を浮かべながら、それでも 止まる事無くアルトは寝室の入り口からベッドの方へと歩み寄って来る。 「ちょっ…!半径1メートル以内に近寄らないでって言ったでしょ!?」 「ああ。でも俺になら何をされても良いって思ってるんだろ? だったら…半径1メートル以内に近付く事くらい許してくれよな」 「なっ…バ、バカ…っ!!」 そして、そう言うが早いか否か。見る間に距離を詰めたアルトはベッドの 端へと腰を下ろすとそのまま私の上へと覆いかぶさって来た。 「……アルト……」 「―――悪かった」 「あ……ズルいわ、そんなの……」 少しだけ甘える様な響きを込めて、耳元へと囁かれる言葉。 その言葉に顔を上げると、双眸に一杯の優しさを込めて此方を 覗き込んでいるアルトの琥珀色の瞳と目が合った。 そのまま静かに瞼が閉じられて…唇がそっと私の唇を吸う。 小鳥が戯れる様な、優しくてどこかくすぐったいキス。 何度も甘く触れては離れ、そしてまた触れてくるアルトの唇に とくんと胸が震えて、きゅっと締め付けられるのが分かった。 許しを請う様に繰り返される優しいキスに、観念した私は 両腕をアルトの首筋に回して、そっと引き寄せる。 「んっ…はぁ…あ、ると…」 「―――ん……」 そのまま…ようやく許しを得て喜ぶ子供みたいに、 アルトの舌がぬるりと口内へと入り込んで来た。 熱を帯びた舌先に上顎や歯列、自分自身の舌を舐められる度に ぞくぞくとした感覚が背筋を走り、お腹の辺りがきゅんっと熱くなる。 「あ…はぁ…アルト…だめ…」 「シェリル……もっと―――…」 「ぁ…ん、んふ……」 息苦しさに離れた唇から漏れたささやかな抵抗の言葉は また重ねられて来たアルトの唇と舌に飲み込まれてしまった。 そのまましなやかに鍛えられた指先が私の腰のラインをなぞる。 優しいその愛撫に思わずびくりと跳ね上がった体は またアルトの腕の中に包み込まれてとろとろと溶けて行ってしまう…… 「なぁ、シェリル…」 「はぁ…な、なによ……」 「もう一度…良いか?」 「もうっ!だからそれをイチイチ聞かないでよ、バカっ…!」 私の体もすっかり熱を帯びて、アルトが私を欲しがってくれてるのと同じ位に、 私もアルトを欲しがってるんだって…そんな事、分かり切ってるクセに! 何処か意地悪く聞いてくる声色に、くるりと体を反転させると 今度は私の方が上になってアルトの体に覆いかぶさって行った。 そのまま…少しだけ開いたままだった唇に自分の唇を重ねて 温かな口内へとゆっくりと舌を忍び込ませる。 その舌先を、アルトは甘い仕草で優しく吸ってくれた。 触れ合った部分から溶け合う様に熱を帯びていく体。 溶け合う事を相手にねだる様にどきどきと早鐘を打つ鼓動。 そして…お互いの心の奥から込み上げてくる、この衝動……。 あなたが好き。 あなたを愛してる。 だから全部全部…あなたと、一つになりたい。 溢れる愛しさのままに体を重ねると、私とアルトはまた深くて優しい 夜の時間へとその身を委ねて行ったのだった。 *********************************************************** その夜アルトさんが「今夜は指だけ」で我慢出来たのかどうかは永遠の謎! …という訳で、丁度規制ギリギリで何とか本編の投下が出来たので ≫120の段階で良いかな?と思っていたのでした。 規制を心配してくれた皆様、本当に有難うございました。
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「シン君、後ろ向いててね」 「別にいいって…適当にやるから」 そう言いつつも、シンは嬉しそうな顔の恋人に逆らおうとせず、照れ臭そうに後ろを向く。 セツコは鼻歌を歌いながら、ブラシで色艶共に良いのに、収まりだけが悪いシンの髪の毛を丁寧に梳くと、青色の紐で結んでいく。 ◆運命と星と明日◆ セツコに会えるまでの願掛けという、セツコ以外の人間にはこの三年間恥ずかし過ぎて、誰一人として口外しなかった乙女チックな理由で伸ばされた髪を、シンは彼女と再会してすぐに切ってしまおうとした。それに待ったをかけたのはセツコであり、 「ポニーテールにしたら侍みたいでカッコ良くなりそうだから切らないで」 との可愛いワガママであっさりと伸ばすのを継続するに至った。 セツコは、自分の手の中にある自分の髪の次に慣れ親しんだ黒髪を愛しげに触れる。 こうして、自分とは色艶、質共に異なる髪の毛を弄ることが純粋に楽しいのだが、密かにもう一つの理由があった。ようやく身体を重ねる行為に慣れてきたセツコではあるが、貞操観念の強い上に、経験も無く、知識も最低限しかない彼女は、慣れたと言っても、羞恥心を抑え込む事に慣れたという程度のものだった。 その一方で、シンは彼女の不在の三年間、いわゆる「爛れきった」生活を送っていた。 つまり経験値が圧倒的に異なっているのだ。また、元来、開き直ると恥じも外聞も無くなるシンは、セツコと再会して以来、明け透け且つ貪欲に彼女を求めた。 彼女の検査入院後、互いのわだかまりを解いてからの一週間を、それ以降の夜も、殆ど食事等最低限の行動以外の全ての時間をベッドの上で過ごした。 そうして二ヶ月以上が経った今も、必ず先に根を上げてしまうのはセツコであり、彼女が目を覚ますと、優しげに、愛しげに自分の髪を梳くシンの姿を確認するという事の繰り返しがこの数ヶ月繰り返された。恥ずかしくも有るが、生まれてこの方親を含めても、誰かに思いっ切り甘えた記憶の無い反動のようにシンに甘えるのは余りにも心地良かった。 心地良かったのだが、やはりセツコの中では彼は『シン君』なのだ。 三年の時を経て、実際には自分よりも歳上となり、振る舞いも子供っぽさをムキになって否定するのではなく、敢えて子供の部分を曝してしまえるだけの余裕を持っていた。 また、こういった男女の営みの経験も(改めて思い返しても大変腹立たしいことではあるのだが)彼の方が圧倒的に多い。 それでも、セツコの中の何処かはシンを年下として見ている部分があり、「お姉さん」としては翻弄され続けるのを少々面白くないと感じるのも事実だった。 故に、こうしてシンの髪を堂々と好きに出来るこのひと時が堪らなくセツコは好きなのだ。 ポニーテールにしたシンを見てみたいと思ったのも確かではあるのだが。 シンはそれまで無造作に赤い紐で髪を結んでいた。基本的に無頓着な、それはシンが好きな色であるのも確かではあるが、密かなルナマリアの自己主張の色だった。 セツコがシンの髪を結ぶようになってからは彼女は必ず青い紐を使うようになった。 『青』はセツコの大切な絆の証でありシンの赤と対照的なものではあるが、密かなセツコの独占欲の現れでもある。 自分のカラーでシンを縛りつけている事から来る自分でも気づかなかった嫉妬深さと独占欲の強さに気恥ずかしくも思ったが、それ以上に満足感に満ち足りてしまうので、止めることの出来ない作業でもあった。 「うん…出来た」 触れる程度に、シンの髪に唇を寄せると、シンが振り返る。 「やれやれ、こんなもんどうでもいいけど…そうだ、今度はセツコさんが後ろ向いてくれる?」 「うん」 何の抵抗も見せず、素直に後ろを向けると、撫で肩気味の小さな背中がシンの視界に映る。 この三年間で最も嬉しかったのは彼女より微かに高いかどうかだった身長が頭一つ分大きくなった事だ。立ったままキスをする時に、一生懸命に背伸びをする彼女をこっそりと薄目を開けて確認しながら口付けるのがシンにとっては自分の無駄に伸びた身長の唯一にして最大の利点だと思っている。 今すぐこの身体を抱きすくめてしまえば彼女の柔らかな感触と、甘い香りにすぐに蕩けてしまうのは知り尽くしている。 既に、自分の指と唇と舌で彼女の身体に触れていない場所は無かった。それにも関わらず、決して強くない理性が、この華奢な身体を見るだけで崩れ去ってしまいそうになる。 しかし、今はまずやるべきことがあった。ベッドの下にこっそりと隠してあった箱を取り出すと、腕を回す。一瞬抱き締められると思ったのか桜色に頬を染める彼女に微笑みながら、『ソレ』を首の後ろでパチンと留める。 「これって…」 「ホラ、ホラ、見てみてよ」 自然と弾む声を自覚しながら姿見の鏡の前に彼女を立たせる。 ソレはシルバーのチェーンの先に、同じくシルバーの十字架の付いた、セツコの好みそうなシンプルで上品なクロスモチーフのチョーカーだった。 シルバー一色の中で、大きく目を引くのはワインレッドの宝石がクルスの先についている事だ。 「綺麗……」 うっとりとしながら呟くセツコの表情は本心からの言葉のようであり、内心シンはガッツポーズを取った。これの為に、セツコと離れる間を惜しんで、しかも夕食を奢る約束までさせられながらルナマリアに付き合ってもらった甲斐があったというものだ。 もっとも、唯一違うのは、シンの注文で付けられたワインレッドの宝石だ。 「気に入ってくれた?」 鏡に映る、自分の肩に顔を乗せ無邪気に笑うシンに笑顔で頷く。 「うん。この宝石…凄く綺麗…」 セツコがそう言うと、シンは得意げに自分の目を指差す。 「それ、俺の目とおんなじ色。店員さんに選んでもらったんだよ」 セツコの頬を更に一層深い朱が差す。少々くさいセリフだったかなとシンは思ったが、実際にはセツコがシンを自分の色で縛ってしまいたいと遂今しがた考えていた事と同じ事をした彼に対する愛しさと嬉しさ、ソレを自分とは違いあっけらかんと言えてしまう事への照れでもあった。 「あ、あとそうだ、これも忘れてた…」 「ひゃんッ」 セツコの口から可愛らしい悲鳴が短く零れる。シンがチョーカーの部分を避けて彼女の首筋に吸い付いたからだ。くたりと、条件反射で力が抜けていくのを感じながら、ポーッとなるのを鏡越しに見つめながら、銀色の糸を一筋引きながら唇を離すと、雪のようなセツコの首筋に見事な間での痣が刻まれる。 「ちょ、ちょちょっと、シ、シシシンくんッ!?」 真っ赤になって振り返るセツコは全く迫力の無い表情で睨みあげる。 「マーキング。俺のもんでしょ?」 ニッとこういう時に限って無邪気に笑う恋人を恨めしく思いつつも、内心だらしなく緩みそうになる頬を堪えながら、セツコは、残りの手荷物を取るべくシンから離れる。 「もうッ、シャトルに遅れるわよ」 「りょうか~い」 全く反省の色無くシンが答える。二人が朝からこんなイチャ付きながらも仕度をしているのは、彼らが今日オーブ行きのシャトルに乗るからだ。 事は三日前に遡る。 隊長室で全くやる気の起こらない事務処理を、副官の光らせた視線に曝されながら取り組んでいると、空気の抜ける音と共に入ってきたのは嘗ての戦友であった。 「ヅラさんじゃないですか」 「ヅラじゃない、ザラだ!!というかお前はどうして未だに俺にだけはそう意地が悪いんだ!?」 嘗て、シンと、その副官ルナマリアの上官であり、現在は少将としてカガリの居るオーブに居るはずだったアスラン・ザラであった。 「やっほー、シン」 最近たっぷりと睡眠を取れた反動から、妙に、気持ち悪いぐらいにテンションの高いキラがアスランの後ろから姿を現す。 「キラさんまで…どうしたんですか?」 「うん、デコラン…じゃなかった、アスランと此処に来たのはね、ようやく次世代量産機のモデルが決まったからだよ」 「デコて…わざとか?わざとなんだなキラ!?」 キラの言葉に、それまでシンの傍らにいたルナマリアが微かに目を見開く。 「前にキラさんがOS作らされてた?それでデコラン・ズラさんと一緒に来たということは…」 「……ルナマリア…君まで…」 「そ、量産機のモデルはジャスティスベースって事」 その言葉を聞くや否や、シンはガクッと落ち込み、反対にルナマリアは飛び上がらんばかりに喜ぶ。 「やっりぃぃ、シーン、アンタ賭けは忘れてないでしょうね?」 腰に手をあて傲然と見下ろすルナと、負け犬である事を認めたがらないように彼女を見上げながらシンが呻くように言う。 「月の都のケーキバイキング…か?」 「そうよ~、ああ、今から予約しなくちゃ!」 「お前達は自軍の量産機で賭けをしていたのか…」 「まぁまぁ、いいじゃないのアスラン。ああ、僕もこれでディアッカに今度発禁モノの秘蔵のDVDを上げなきゃいけなくなったんだ…」 「お前もか、キラッ!?」 ザフトのトップクラスの人間の軽さに目眩と疎外感を覚えながらも、どうしても気になっていた事をアスランは聞かずにいられなかった。 「因みに、お前らは何を予想したんだ?」 「デスティニー」 「フリーダム」 「量産できるかッ!!特に、シン。お前のあの馬鹿機体なんぞどう量産化するんだ」 シンの愛機は彼にしか乗れない欠陥だらけのMSであり、また、キラのMSは高度な操縦技術と空間把握の能力を要する。どちらも、量産、汎用化とは対極にあるような機体だった。 「大穴でくると思ったんだけどな……」 競馬感覚で軍の今後を予想していた嘗ての部下に目眩を覚えながら、疲れきったようにアスランは呟く。 「そのことも交えて、俺たち四人にラクス、いや、クライン議長から及びがかかったんだ」 「アスカ隊隊長、シン・アスカ到着いたしました」 「同じく、アスカ隊副隊長、ルナマリア・ホーク、到着いたしました」 「ヤマト隊隊長、キラ・ヤマト到着いたしました」 「オーブ連合国少将、アスラン・ザラ、クライン議長の要請により本日付でザフトに臨時に赴任することになりました」 「あら、いらっしゃい。いやですわ、楽にして下さい」 一応とはいえ、長年の知り合い、それも年恰好の近い戦友達の妙にしゃちほこばった物腰に、ザフト評議会議長ラクス・クラインは苦笑をもって返した。 「了解でありまぁあす」 「じゃあお言葉に甘えるよラクス」 真っ先にラフな物腰になったのは敬語が苦手でしょうがないシンと、彼女の恋人であるキラだった。途端に議長室は友人達の駄弁り場のような緩んだ空気に変わる。 『先日、キラのお母様から美味しいクッキーを頂いたんですの』とラクスが言うと、シンが自分とキラにコーヒーを、ルナマリアとアスランとラクスには紅茶を淹れると申し出る。 ぶちゃけ公私混同ではあるが、年若くして議長職に就き辣腕を振るっている彼女の心労を知らない四人ではなく、またもともと揃ってイザークのような模範的というか融通の利かないタイプの典型的な軍人とは程遠いので、このような振る舞いにはとうに慣れていた。 しばらくの雑談の後、人心地つくと、ラクスはぽつりと話し始める。 量産機のモデルを決定付けたのは、ジャスティスのリフターであった。特殊な反射神経や空間把握能力も必要とせず、火力も用いないこの武装は、デブリの破砕作業や、その他、戦闘以外の用途に応用出来るというのが決定的であった。 フリーダムのように大軍を一機で相手にするほどの射撃の力量や火力でも、また、デスティニーのような常軌を逸した歪な戦闘特化のMSを、既に時代は必要としなくなりつつある。 「ジャミル艦長からも打診がありましたの。ダブルX,GXの破壊が」 「え…!?ガロードの奴は同意したんですか?」 シンの脳裏に自分と同年代の戦友が思い浮かぶ。彼にとってはダブルXは兵器である以上に自分やティファを信じ命をとして未来と共に託された特別な相棒であるはずだった。しかし、ラクスは静かに頷く。 「シン、貴方は二ヶ月前、セツコさんが戻っていらした時の事を覚えていますか?」 忘れるはずが無かった。姿を消していた彼女が戻ってきた日の事。 そして、戦争によって人が利用される価値観の中で歪められた兄弟の事。 「フロスト兄弟が現れたこと、彼らがフラッシュシステムを扱ったこと、そして何より彼らを貴方が討った事…彼はその事を悔やんでいましたわ…」 本来ならば自分たちが向かい合わなければならない宿敵である彼らをシンが討ち、結果として、彼らの命を背負わせてしまった事を。 「彼らが居なくなった時から、ずっとディアナ女王陛下と共に月を調査してみたら、やはり、フラッシュシステムに関する資料と、ビットモビルスーツの部品が持ち出された痕跡がありましたの。どうやらアグリッパ一味の残党がディアナ様にせめてもの意趣返しのつもりで手引きしていたようですが…」 それは最早済んだことである。そして、現在、唯一フラッシュシステムの復活の鍵を握るのは間違いなくGXとダブルXである。 「それに、ジャミル艦長はこうおっしゃっていました。『もし何かあった時の為に、そんな理由で、管理者を気取り、何時までも武力を保持し続けることが結局新たな戦場の火種を生み出すのかもしれない。ならば、せめて自分達はその火種を持ち続ける覚悟よりも放棄する勇気を選びたい』と…」 戦争を憎むフリーデンの艦長らしい言葉だと思った。 「それで今回は結局アスランの無個性…ではなくて、火力の低い応用の聞きそうな機体が選ばれたわけですわ。だから、アスランには当分の間ザフトに所属していただきます」 「はぁッ!?」 何ソレ、聞いてないんですけれどと言わんばかりのアスランの悲鳴を無視して、ラクスはシンを見据える。 「シン。貴方には特別任務を与えます」 「俺に…俺個人にですか?」 「そうです。重要且つ、集団では不可能な任務です」 真剣なラクスの声に、軍人として、姿勢を正してシンは言葉を待つ。 「貴方は、明日の明朝9時のオーブ行きのシャトルに乗り、ザフト所属ZEUTHのメンバーと極秘に接触し、各地で大戦時の、現在条約の規定に抵触する武力勢力の調査と、可能であれば彼らと協力してこれを拿捕する役割を与えます。これらの武装勢力の点在する場所が広範囲且つ、不鮮明であるため、フェイスの権限をもってこれを独自の判断による行動を許可します」 シンは、一瞬ラクスの言葉に唖然とするが、微かに笑みを浮かべると、素早く立ち上がる。 「ハッ、シン・アスカ、ラクス・クライン議長閣下からの勅命確かに承りました」 敬礼すると、颯爽と議長室を後にする。 キラはシンが居なくなるのを確認すると、堪えきれずに吹き出す。 「ははは、ラクス、一体何なんだいあの命令は。あれじゃあハネ―ムーンついでに、挨拶周りして来いって言ってるようにしか聞こえないよ?」 「あら?そう聞こえましたの?だとしたら、気のせいですわ。今のザフトは彼のような戦闘特化型の軍人をそろそろ手に負えなくなりつつありますもの…これを気に今後の身の降り方でも考えてくれると助かりますわ」 ウインクする恋人に、キラはルナマリアといい、ラクスといい、どうしてこうも自分達の身の回りには色々な意味で凄い人がいるのだろうかと苦笑する。 「う~ん、久し振りの自然だわ」 紛い物ではない、本物の日の光を一身に浴びるように身体を伸ばしながら、弾んだ声を上げるセツコに、シンまでもが幸せな心地になる。 ルナマリアやアスランにはピンと来ないみたいだが、地球で生まれた人間は、やはりそこが何処であろうと、足で本物の大地を踏みしめることが出来ることが嬉しいのだ。 そんな感覚は人類が宇宙に住むようになってから抱くようになった新しい社会病だとテクスは言っていた。カミーユの迎えを敢えて遠慮し、シンとセツコはずっと海岸沿いを歩いていた。 ふと、何度か偶然にしては自分の左手と彼女の右手が触れ合う事が多いなと思いながら、横目に傍らのセツコを見下ろすと、頬を染めたセツコの瞳はチラチラと自分の手に視線を注いでいる。 ギュッ、と彼女の意図を察して指を絡めるように握ると、ホワッと明かりが灯されたようにセツコは瞳を輝かせる。たかが、これぐらいの触れ合いで照れてしまう、初々しさを失わない彼女が微笑ましく、もっと毎日凄い事をしているのにと思う。しかし、我ながら呆れてしまうくらいそんな彼女にイカレてしまっているのだ。大戦時の何時ぞやのゲイナーの大告白なぞ、今なら躊躇なくしてしまえるな、と詮無きことを思いながら、この道のりがもう少し続いて欲しいと思いながら歩く。 左手が熱い。どうして、この人は次から次へと自分の求めるものを、言葉を、行動をしてくれるのだろうか。何処までも付け込んでしまう、何処までも甘えてしまう、何処までも求めてしまう。堰を切ったように溢れ続ける独占欲と愛情を、尽きることを知らないように受け止め続けてくれる。何処までこの幸せが続いてしまうのか。 たった二ヶ月の同棲生活が、それまでの自分の19年間よりも密度の濃いものに思える。 もし、この手を失ってしまったら?きっと今度こそもう立ち上がれないと思うと、そうなってしまう前に振り切ってしまいたいという自滅衝動と、そうしてしまう事の恐怖に震える。 「大丈夫だから…」 「え…?」 顔を見上げると、優しく包み込むような笑顔を浮かべる。 ズルイ… 16の頃から変わらない無邪気な笑みを浮かべたかと思うと、不意に二十歳の大人の「男」としての笑みを自分に向けてくるこの青年が堪らなくズルく思えてくる。どれだけお姉さんぶっても、いつの間にか自分が妹のように甘えまくってしまっている現状が甘噛みされたようにむずがゆく、くすぐったい。 出掛けに彼に付けられたチョーカーが彼が自分を所有しているという意思表示ならば、 首に刻まれた痕が、自分が彼だけのものだという刻印ならば、決して失いたくない。 余裕ぶって、大人ぶって、年上ぶって(実際年上なのだけれど)楽しそうに歩くシンが小憎らしく、ぎゅっと握る手に力を込める。こんな日差しの中で手なんか繋いで、汗ばんで離したくなっても離してたまるものか、離してなんかあげないと、セツコは拗ねたように口を尖らせる。 そんな顔すらシンを魅了していることに当の本人は気づいていない。 「ああーーー!!シン兄ちゃん!!」 「シンにいちゃーー」 永遠に続いて欲しいと願っていた筈の道は終わりを迎え、シン達はマルキオ導師の家に到着する。舌足らずな声で出迎えてくれるのは幼い姉妹。フレイとナタル、キラが名付けた少女達だった。 フレイはシンの姿を見つけると、それまで一緒に遊んでいた男の子を完全に袖にするかのように一目散に駆け寄ってくる。ナタルは、姉においてかれないように、砂浜に足を取られ、もつれそうになりながら後から来る。 「かわいい…」 子犬のように駆け寄ってくる少女達に、思わずセツコは呟く。 幼い故に、その姉妹は命そのものが力を持ち、光を放ちながら躍動しているように見えた。 「よ、元気にしてたか!!」 シンは慣れ親しんだ仲なのか、気軽に声をかけるが、間近にまで駆け寄ってきたフレイは、セツコの存在を見つけると、不機嫌そうに眉を顰める。自分はどちらかといえば子供にすかれるタイプだったのに、と軽いショックを覚えているのを尻目に、フレイは開口一番に言う。 「シンお兄ちゃん、浮気!!」 「うわきー」 幼い少女の口から出たとは思えないハッキリとした糾弾に、セツコは唖然とする。 妹の方はおそらく意味を理解していないだろうが、姉は間違いなく理解した上での言葉だ。 (なんておませさんなのかしら…) 確固たる恋人の立場を得た自分であっても、こうもハッキリと糾弾できるだろうかと、変な対抗意識と感心を抱きつつ、取り敢えずはシンとの遣り取りを傍観することとする。 「おいおい、浮気じゃなくて、本気なんだって」 子供に向かってなんていうことを真顔で言うのかとギョッとすると、フレイは負けじと言い返す。 「シンお兄ちゃん、フレイの事お嫁さんにするって言ってたじゃない。だったらフレイはフィアンセでしょ?」 たかだか5、6歳の少女とは思えぬ言葉、勝気な物言いにツィーネを思い出してしまった。 「いや、そんな事………言ったっけ、か……?」 「シン君……?」 あまりのいい加減さに呆れるのと同時に、こんな小さな子に我ながらみっともないと知りつつ微かな嫉妬が湧いてくる。 「確かに、言ってたわよね」 突如として、第三者の声が入り込む。 懐かしい声に、顔を上げると、そこには嘗ての仲間、保母さんのようなエプロン姿のファ・ユイリの姿があった。後ろでは苦笑まじりにシンに片手を上げて挨拶をしているカミーユ。 「ファさん!!」 「セツコさん!!おかえりなさい!!」 互いに駆け寄って抱き合う。ファの瞳は既に涙で濡れ、それを見つめるセツコの視界も徐々にぼやけてきた。随分と大人びたファの姿に、彼女もまた魅力的に年月を重ねたのだと、寂しくも、また嬉しくも思う。それでも今こうして再会の喜びを分かち合うことが出来ているのだから。 しばしの抱擁を終えると、鼻を啜りながらファが離れる。 「もっと早く会いに来てくれたらよかったのに」 「うん、ゴメンね…」 「ううん、気にしないで。カミーユから聞いてるから。シン君が中々離してくれなかったんでしょう?」 その言葉に、背後でシンが動揺するのが気配でわかる。 「カ、カミーユッ、お前、上手く言っとくって…」 「ああ、上手く言っておいたぞ。お前の『本心を端的にまとめて』上手くみんなに」 カミーユは意地悪げにシンを見遣ると、さも当然のように言う。 「皆って、皆かよ~」背後からシンの情けない声が聞こえる。それ以上に、セツコもファとカミーユに投下された言葉に真っ赤になる。 他者の口から、シンが自分を大事に思っていると言われるのは、未だになれることの出来ない面映さを感じる。 「カミーユ…お前…覚えてろ…」 「ああ、そうしておく、けど、その前にレイに会わなくていいのか」 レイという名に、セツコの胸がざわめく。アカデミーに入った頃からシンと共に時を過ごし、彼をデュランダル議長の手駒に仕立て上げようとしていた。 そう思っていたが、その実はシンに全ての想いを託し、自分の理想とする世界で、旗頭となって、英雄として、平和な世界を生きて欲しいという不器用ではあるものの、深い友情を持っていた人物。カミーユ同様シンにとってかけがえのない親友である。 だとすれば、シンが真っ先に此処に来たのにも理解が行く。 二人の親友がいるところに真っ先にセツコを連れてきたかったのだろう。 「レイは今日は……その大丈夫なのか?」 シンが伺うようにカミーユを見ると、彼は安心させるように微笑む。 「ああ、流石に立っているのはキツイみたいだけど、ベッドに座ったままで話す分には元気なもんさ」 「そっか…」 シンがホッと胸を撫で下ろす。恐らく、女性で彼が最も身を案じるのがセツコだとすれば、男の友人で最もシンがその身を案じるのはレイであろう。 「セツコさんにも、会いたがっていましたよ」 「私にも?」 正直あまり接点のなかった彼がどうして、と思うものの、シンはレイに会いに行きたくてウズウズしているようである。 「セツコさん、行こう」 「う、うん」 手を引っ張られるようにシンに連れられて、木造のペンションのような家の扉を開け、迷いの無い足取りでシンは歩いていく。 扉を開けて最初に目についたのは、家と同じ木のテーブル、と椅子。ソファが絨毯の上にあり、今の角には大きなグランドピアノが鎮座していた。その傍らには玩具箱があり、何ともアンバランスな気がした。 ただ、ファが厳しいのだろう、玩具はキチンと箱に収まり、床に投げっぱなしになっているということは無かった。廊下の一番奥の海に近い部屋の扉の前に立ち止まると、シンは勢い良くノックをする。 「レーーーーーイ」 シンプルな一言の後、少しして、対照的な静かな声が扉の向こう側から聞こえてくる。 「そんなに大きな音を立てなくても聞こえている。シンだろう?入って来い」 シンのみに向けられる微かに柔らかさを帯びた声を聞き終えるか否かのうちにシンんは勢い欲扉を開ける。 そこには、記憶よりもずっと空気の柔らかくなった色白の青年がベッドから半身を起こして此方を見ていた。髪は、三年で伸びたシンとは対照的に短く切られており、随分と記憶とは異なる雰囲気を醸し出している。 「レイ、レイ、大丈夫なのか?」 飼い主に駆け寄る犬のように、気遣わしげにレイの下に向かうシンを見て、少し、レイを羨ましく思う。 一度、恋慕の念をハッキリと自覚してから気づいたが、先ほどのフレイという少女といい、レイといい、自分は相当嫉妬深いようだ。 「やれやれ、お前は相変わらず心配性だな。問題ない、現にこうして俺とお前はしっかりと語り合っているだろう」 シンを落ち着かせるように、優しく声をかけるその姿は、確実に三年前とは異なっていた。 「良かったーーー」 ようやく得心が言ったかのように、シンは深く溜息を吐く。 レイの視線が、慈しむ様にシンに向けられていたレイの視線が、がらりとまるで刺し殺すような鋭さを伴ってセツコをほんの一瞬射竦めた。シンが気付かないほんの一瞬ではあったが。 「セツコ・オハラ…お久し振りです。ご帰還されたというのは本当のようですね」 「え、ええ。シン君やカミーユ君のおかげよ」 「そうですか、それは良かった」 全くそう思っているようには聞こえない声色で語り掛けるレイを不思議に思ったのか、シンは彼に怪訝な瞳を向ける。 「レイ?」 「シン……すまないが、少しの間、彼女と二人だけで話させてくれないか」 「え?でも…」 「頼む」 友人の真剣な瞳に映る意思を汲み取ったのか、構わないか?と尋ねるようにシンはセツコに視線を向ける。セツコは静かに頷く。 「うん、私からもお願いシン君」 きっと、これは通らなければいけないことなのだろうと、察することが出来る。 シンは二人を微かに見比べると、納得したように席を外す。 セツコ少しだけ勇気を分けて欲しくて、シンが擦れ違う時に、微かな間だけ指を絡ませた。 一瞬だけ強くシンが握り返し、まるで彼の強さが入ってきたような気がする。 背後で扉がしまる音がすると、レイはベッドの傍らの椅子を勧めた。 セツコがゆっくりと座るのを確認すると、大きく一つ息を吐く。 「正直、俺は貴方が余り好きではありません」 宣言するように吐き出された言葉だった。 「シン君を傷つけた…だから?」 レイは頷く。 「貴方がどういうつもりで、どんな決意であの時消失したのかは知りません。俺にとって大切なのは、それによってシンが、アイツが平和な世界を謳歌してこれなかったことです。誰よりも平和な世界、争いのない世界を渇望していたアイツが、ようやく訪れた世界を謳歌出来ない、そうさせた貴方を恨みもしました。いえ、今も恨んでいるかもしれません。貴方がいなくなった後のシンの姿は見ていられたものではありませんでしたよ。クローンであるという事に何の偏見も抱かず、慈しみさえして。あの時、俺に手を差し伸べて、『レイ・ザ・バレル』としての生きる道を指し示してくれたのはアイツです。キラ・ヤマトでも、ラクス・クラインでも、なく、あの無鉄砲で一途な馬鹿です」 嘗て、アレはヘブンズベース攻防戦の後であったのだろうか、シンは戦闘の興奮から寝付けなかったのか、パソコンを見つめながらレイに語りかけた。 『なぁ、レイ。鎌ってさぁ、農耕具だったんだな』 『ああ、元々は実った麦などを刈り取るものだろう』 何でプラント生まれの自分が、地球生まれの彼に農耕具の説明をするのだろうかと頭が痛くなった気がした。 『じゃあさ、死神っているだろう?』 『実際にお目にかかった事はないが、そう比喩されるのを聞くことは多々あるな』 『あれもさ、命を単純に奪ってるんじゃなくってさ、刈り取ってるのかな…』 そう言って自分の手を見つめるシン。視線の先には白い手が映っているはずであろうが、もしかしたら彼には自分の手は血塗れに見えているのかもしれない。 『いらない命って、そんな権利ないかもしれないけどさ、何て言えばいいんだろう、命を刈り取る替わりに、死神も新しい命が生まれるのに…少しは、ほんの少しは役に立ってるのかな…刈り取られた命も少しは浮かばれるのかな…』 そう考えるのはお前の弱さだ、戦場でそんな感傷を抱いていたら死ぬぞ、そう言おうとして口を出た言葉はレイ自身の意思を全く裏切っていた。 『かも知れないな…だが、少なくとも、俺にはお前が死神とやらに見えたことはない』 そう、俺にはまるで… 「ステラ…と言いましたか、エクステンデットの少女を化け物としても、敵としても見ずに、か弱い少女として護ろうとした、狭い視野でしか物事を判断出来ない奴です、でもアイツは決してそれでも手を差し伸べることは止めなかった。分不相応であると知っていて尚… 傲慢だと、身の程知らずだ断じてしまう事など出来ない。 偽善だと言われても、行動しないよりマシだと知っている奴なんです…」 荒くなった息を、幾度か呼吸して整える。セツコは何も言わずに耳をただ傾ける。 「だから、アイツは幸せになるべきだった。アイツが幸せになるのを見届けてから死ぬつもりでした…聞いているでしょう?テロメアが短く、俺が余り長く生きられない事を…」 静かに頷くセツコを満足気に見遣ると、レイは続ける。 「それを嘗ては悲観しました。いや、諦観していました。仕方が無い事だと…そうなってでも、それを受け入れて戦うのが自分の運命だと、そう受け入れるつもりでした」 自分と同じだ、と初めてセツコは目の前の青年にシンパシーを覚えた。 嘗て、スフィアによって、味覚を、そして視覚すら失いかけた自分は、それを受け入れ、人間ではなくなってでも、悲しみと絶望を糧としてでも戦うのが宿命だと覚悟していた。 それは今にして思えば、ただの諦めと紙一重だった。 「けれど、アイツはそれを否定した。誰にも迷惑が掛かるわけでもない、俺自身の問題で、俺が納得した上で諦めても、アイツは諦めないんですよ…アイツとアカデミーで友人になったきっかけはね…殴り合いだったんですよ」 「え?」 聞き役に徹するつもりのセツコは思わず声を上げた。 シンはともかく、目の前の青年が殴り合いをするようには見えなかった。 「投げ掛けられたのは実に陳腐な、それこそ何人もの人間に言われた言葉でした。でもそれは下らない嫉妬、やっかみから来るものとわかっていたから黙殺してきました。 けど、あの時は違った。全力でぶつかってきて、何の媚びも、飾り立てもしない熱い感情をぶつけられて、思わず此方まで熱くなってしまった…アイツは…シンという奴は良くも悪くも人の感情を引きずりだすんですよ。怒りも、恐怖も、悲しみも、喜びも、何もかも蓋を無理に抉じ開けて…アイツにであって、アイツにギルを撃った後にアイツに手を差し伸べられてからのこの数年は、それまでの人生以上に心を満たしてくれるものでした。 ようやくレイとして生きることが出来たのですから。だから、だから…」 息を大きく吸い込む、たったそれだけの音が、静かな部屋にやけに響く。 「そんなアイツから笑顔を奪った貴方が、逆恨みと分かっていても恨まずにはいられなかった…けれど、貴方に帰ってきて欲しいとも思っていました。アイツの時間が進むのは、きっとその時でしょうからね…」 初めてレイはセツコに笑顔を向けた。 「だから、今日、安心しました。アイツのあんなに幸せな顔を見ることが出来て。少し悔しい気もしますが、その事には、心から感謝したいと思います」 そう言って深々と頭を上げるレイにセツコが焦る番であった。 「そんな、寧ろ私が幸せにしてもらってばっかりで…」 「それでも、同じだけ貴女がアイツを幸せにしている事ぐらいわかります。共に過ごした時間は自慢ではありませんが貴女よりも多いですからね。セツコ・オハラ…いえ、セツコさん…アイツを、シンの事をよろしく頼みます。手の掛かる奴だと思いますが、俺のこの世で唯一の親友なんです。たった一つの誇りはアイツと共に最後まで戦えたことなんです」 清々しさと、寂しさを湛えた笑みに、セツコも笑みを向ける。 「何だかレイ君って、シン君の親みたいね」 思いも寄らぬことを言われて、レイがポカンとした表情を浮かべる。きっと、これはかなりレアな表情なのではないのだろうか。 そう思っていると、レイはプッと吹き出した。 「ハハハッ…ッ。確かに、そうかもしれません。親というのが、自分には手の届かない望みを、自分では叶えられない夢を子に託すというのなら。俺は子供が作れません…作る気もありません。悲しい命の連鎖は俺で終わりにするつもりです。でも、俺の心は、願いはシンに託すつもりです…アイツにもらった『レイ』を終わりにするつもりはありません…」 何て晴れ晴れとした表情を浮かべるのだろうと、目頭が熱くなる。 シンとレイ、二人はこれ程に強い絆で結ばれているのだ、世界中の誰かも知れぬ、誰かに、誰もに、セツコは込み上げてくる感情を伝えたかった。 人は、死を実感して、ここまで穏やかに友に想いを託すことが出来るのか。 そんなセツコの感情を読み取ったのか、苦笑混じりにレイは付け加える。 「勘違いされては困りますが、俺はすぐに死ぬつもりはありません。個人的にはシンの子供を見てみたいという夢くらいは持っています」 だから、と一拍置くと、シンを彷彿とさせるような無邪気な、悪戯っ子のような笑みを向ける。 「貴女には頑張ってもらわないと困ります」 「え?」 意味がわからず、間の抜けた声を上げるセツコを溜息混じりにみると、レイは続ける。 「コーディネイターは出生率が低いんです。第二世代は尚更。相手がナチュラルであっても、一般のそれに比べればかなり低い…ですから、貴女には頑張ってもらわなくては… 正直困ります…シンの子供を抱かせてもらうまでは死んでも死にきれませんから」 鯉のように、顔を真っ赤にしてパクパクと口を動かしているセツコを怪訝そうに見ると、レイはもしや…と呟く。 「シンと子供など作りたくないと、シンの子供は産みたくないと言うのですか……ッ!?」 「そ、そんな、産みたいですッッ!!!!!!」 告げられた言葉に、脊髄反射的に言葉を発してから、自分がとんでもなく恥ずかしい事を口走った事に気付いて、セツコは最早嘗てのサラの比では無い程に真っ赤になった。 俯くセツコを、安心したように見つめるレイの視線にも気付くことなく。 「星が近かったんだな、ここは…」 夜空を見上げながら、シンは潮風に髪を揺らせて、目前の物言わぬ石碑に語りかける。 昼間から夕方は結局焼き餅を焼いたフレイとナタルの遊び相手をしていて、来ることの出来なかった場所。 そういえば、彼女が消失してから一度も足を運んでいなかった。 だとしたら三年以上。 シンの目の前にあるのは慰霊碑。 シンの世界が終わりを迎えた場所であり、 シンの世界が始まりを迎えた場所である。 シンの戦争が終わりを迎えた場所でもある。 そういえば、キラたちと初めて出会った場所でもあった。 ともすれば、この場所はシンの世界のターニングポイントになり続けている場所だ。 しゃがみ込むと、慰霊碑を、もう遥か昔に思える記憶の中で、妹にそうしてきたように優しく撫でる。当然掌に伝わるのは柔らかな栗色の髪をした妹の温かく心地良い頭などではなく、潮風に曝され、微かにざらついた冷たい石の感触でしかない。 「ゴメンな、マユ、母さん、父さん。ずっと顔見せないで。その間人殺ししたり、女に縋ったり、随分腐ってたよ…マユが生きてたらきっと怒っただろうな…」 それでも、シンの手は撫でるのを止めない。その冷たい慰霊碑の下には何もない、心の中に生きているという言葉も、思い出を肯定する事もしないシンにとっては、最早『家族がいた』という過去の事実が存在するのみだ。 悲しんで悲しんで、泣いて泣いて、喚いて喚いて、そうやって戦った果てに、年月を重ねた今、尚その事実に涙を流すようなセンチメンタルな感情は生憎持ち合わせていない。 世界が崩壊したと確かに思ってた。もう生きていける気力がないとそう思っても生きてきた。何も無いと思った先でも、人殺しに逃げた先でも、しがらみや因縁、悲しい別れも、かけがえの無い絆も出来た。 そうやって生き続けることを、昔の自分だったらみっともないと吠えたかもしれない。 見えない明日が怖くて、今だけを懸命に見つめながら生き急いだかもしれない。 けれども、例え喪失したとしても生き続けていれば、いつか再び戻ってくる事を、失ったはずのものを手に入れることができると知っている。 明日は今日よりも良い日とは限らない。苦しむかもしれない、後悔するかもしれない、打ちひしがれるかもしれない。けれど、明日を信じて進んだのならば、やはりそれは進んだということだ。昨日より悪い日かもしれないが、昨日より悪い自分ではない。昨日より悪くない自分なら、痛みを知った自分なら、或いはもっと良い明日を作れるかもしれない。 そう信じている限り、自分は進んでいける。 「ゴメンな…マユ…兄ちゃんまだまだそっちに行けない」 人の血に染まった自分では、妹の下に等行ける筈も無いが、それでも、シンは例え行けたとしても、アレだけ想い、捕らわれ続けた妹に決別する。 すでに機種が古く、部品交換も不可能となり、何も映さなくなっていた携帯。 焼け焦げ、バラバラになった肉片となった家族が自分に残したのは、ずっしりとした妹の腕の感触と重み、そして、誕生日に自分の送った携帯。 腕の感触は新たな柔らかさで上書きされ、冷たい感触は新たな温もりで溶かされた。 自分の視線は過去の事実を示す携帯ではなく、たった一人の愛しい女性の姿。 薄情な兄ちゃんでゴメンな。でも、もう置いていくよ。 形見の携帯をそっと置く。 「シンくん……やっぱりここにいた…」 振り向かずとも、誰なのかは容易に想像が付く。 ゆっくりと立ち上がり振り替えると、カーディガンを羽織ったセツコが切なそうに見つめていた。その手には白い花。 「レイと何話してたの?」 「嫉妬してくれてる?」 「うん…どっちにも」 「可愛い…」 「やめてくれって…だってアイツが俺に内緒にするのも面白くないし、セツコさんが俺以外の奴と二人っきりなのも面白くない」 「馬鹿ね。花婿の父親と、花嫁の会話……かな…」 セツコはゆっくりとシンの傍らに行くと、今度はセツコが跪き、花を添える。 「……家族の方には何て言ってたの?」 月の光に天使の輪のように艶やかな黒髪を煌かせ、潮風が絹糸のような髪にじゃれ付く。 「親不孝な息子でゴメン。あと、お別れを言いに」 「お別れ?寂しくない?」 セツコは供えた花束の横に置かれたピンクの携帯に目をやる。 「寂しくないって言ったら嘘になる。でも、もう置いてきたから……16歳までの俺は此処に置いていくって。どうしようもないひねた、生意気で偏屈なガキになっちまってるけどさぁ、面倒見てやってくれよって。少なくとも、そのガキの一番は家族なんだ。俺よりもよっぽど孝行息子だよ」 「今は違うの?」 そういって、微かに揺れる瞳は月の光を映し、プラントにいた時に毎夜見る以上に美しかった。 「もう替えが利かない、どうしようもなく厄介な人が家族皆の場所を纏めて占拠してるんでね」 スッと立ち上がるセツコの瞳にはシンが映っている。 「きっと、凄い独占欲が強いんだね、その人」 「大丈夫、俺はもっと独占欲強い奴知ってるから。そいつはさ、その人の中の家族も友達の場所も何もかもひっくるめて占拠する気なんだ。性質悪いだろ?」 「もっと性質が悪くなってくれても、きっと喜ぶよ…きっと似た者同士だから、全部満たして欲しいって思ってるよ」 「ねぇ……もう、16歳のシン君は此処に置いていくんだよね…」 「ああ…」 「じゃあ、私の目に今映ってるのは誰?」 「………馬鹿で、どうしようもなく弱くて、勝手で、セツコさんの…いや、セツコの事がスッゲェー好きで、好きでしょうがない奴……俺の目に映ってるのは誰なんだよ?」 「子供にも、友達にもヤキモチ焼くくらい嫉妬深くて、独占欲が強くて、シン君の事が…シンの事をどうしようもないくらい愛してる……ただの女……かな?」 「そいつは大変だ、だったら、ずっと見てなきゃな…どっか行ったりしないように、ずっとつかまえておいて、手離さないようにしておかなきゃな」 「私もそう思う。もう他の何処にも目が行かないぐらい、ずっと離さないで、離れないでおかなきゃ駄目だね」 クスクスと笑うセツコの左手をそっと取ると、その指に軽い口付けを落とす。 唇を落とされた指 ――― 薬指の意味に気付き、月に反射して朱色に頬を染めると、ほうっと、月明かりを浴びて花開く月下美人のような笑みを浮かべる。 左手を取った手はそのままに、もう片方の手を顎に添え撫でるようなキスをする。 神父も家族も、来賓も、何も無い、けれどそれは紛れも無く誓いの式だった。 月明かりを浴び、添えられた白い華が、潮風に乗って微かに揺れる。 幼い少女が祝福の笑顔を向けるように。
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【先生】紅丸也 べにまるを元にして色々所々盛ってます、身長とか年齢とか() 名前 紅 丸也(べに まるや) CV 小西克幸(イメージ) 髪型 後ろで一本しばりのくせっ毛、ちょいたれ目 年齢 29歳(微妙なお年頃) 身長 165(朝起きた時+6)(上げ底+3)=最大174 教科 理科(全般)・国語(現文など) 部活 理科班顧問・演劇部副顧問 性格 基本はフレンドリー~騒がしい。図太いくせに変なところで打たれ弱い。ゆるーいようにみえて、それなりに真面目。タバコは吸いません。頭ぽんぽん常習犯。昼飯は驚異のラーメン率。ビーカーでチキンラーメン食べてる姿が目撃される。白衣着用。 演劇部の顧問も兼用してる。 副顧問だけど国語も担当のためよく顔出しに来る。でも理科班の活動もかかさない。よく爆発してる() たまに三文芝居がかったアニメの台詞言い始める()。厨二先生。新作ゲームチェックに余念がない。つまりは、アニメゲーム好きのあかん先生だが、ゲームは学校に持ってこない(家が近くのため生徒とゲームしたいときは下校後取りに帰る) 腕につけてる時計代わりの妖怪ウォッチはリアル妖怪ウォッチともっぱらの噂。たまに、ジバニャン、と何もいない空間へと名前を呼びかけている(ただの危ない人とも言う)。 髪留めは相方(幼なじみ男)からもらった星座の髪留めゴムつけてる。 朝起きた時の身長が171cmまでのびる体質、夜に近づくにつれて低くなってくる。身長を気にしているため、こっそりシークレットブーツで高くしている(合計174)。 身長については、最高の174がハイキューのスガさん、最低の165がオドロキくんの身長と同じという完全なる背後の趣味() 後付け設定。 教師の赤城飛鳥先生は小さい頃からのご近所さん。兄ちゃん→あーちゃん→飛鳥→アカシロ先生と呼び方が変わっている。なぜか仕事も同じになってしまった腐れ縁。正直仲はたぶんかなりいい。最近、色んな後付設定のせいで丸也さんの内情が大変() 丸也が現在どうttryである諸悪の根源、箱入り息子張りに飛鳥が気にかけた結果、もうすぐ魔法使いというとんでもない状態に陥っている。 ちっちゃな頃から、特撮、ヒーロー、ロボットなどに憧れていた。アニメゲームが昔から大好き。 15歳あたりでは不良と呼ばれるギザギザハートの持ち主だった。高校時代ではギザギザハートながらも、飛鳥の助力と、スラムダンクでいう安西先生のような存在の、校長先生に出会う。そこで考えを改めた彼は、校長先生の元で働きたいと必死に猛勉強して教師を目指す。念願かなって、無事校長先生の元で教師をするようになる。 いつからか校長先生らぶすぎてどうしようもなくなっている。 正直、モテない() (モテない理由が、某幼馴染の妨害のためという設定後付あり。ひどいな飛鳥()) それぞれの人物との過去 新発田凛 高校の時の一年先輩。 りんさんと呼び続けて幾星霜、帰り道の買い食いをしながら一緒に帰った記憶が一番思い出として残っている。りんさんの物怖じしない言い方がとても好きで、きがつけば、りんさんりんさんと後を追っかける犬みたいになっていた。りんさんが人としてとっても好き。 砂カケル 高校の時の一年先輩。 先輩なんだけれど、後輩みたいな同級生みたいな存在。怪しい薬品を大量に持っていたため、すーさんの所に入り浸っていろんな調合や配合を楽しませてもらっていた。それがきっけで仲良くなる。しばらく音信不通になっていたが、先生として再会。以前のおどおどとした様子がなくなり、今は丸也にとって改めて先輩という存在でもある。 赤城雫 飛鳥の弟、飛鳥、丸也含めて三人兄弟みたいに育ってきた。 20140919 そんなまさかの半固定相手定着。 アカシロ先生とお付き合いはじめましたー。 どうしてこうなった。葛藤の理由はこれだったのかまるやくん。 半固定っていうか、この子嫉妬がひどいから半固定とかできてないバカ!!← まあ、色々あるみたいですが、なんだかんだ仲良くはやっているみたいです。 アカシロ先生苦労かけますがよろしくお願いしますー(礼) 魔法使いは回避したらしいよ。 #繋がれ創作男子の輪 ・派生もろもろ 無接点ルート 赤城先生と先生になってから初めてあった設定のルート。幼なじみがおらず、家庭崩壊時結構すれた。その後校長先生のおかげで先生になるも、精神的には通常より子供っぽい。生徒の前では落ち着こうとしているけど、すぐかっとなる。ヤンキーにみられること多い。チョコボー大好き。 赤城先生とは色々イライラいざこざあったものの、なんだかんだで、お付き合いはじめました。こいつも通常と同じくどうttry() にょた化 名前の通りにょたになる!変わるときはアカシロ先生と一緒にかわるけど、二人とも百合百合しいほんと!!にょた赤城先生美人すぎるからがんばって守るっていってる()← 以下追加設定ごっちゃり。 高校の時、突然家庭崩壊。飛鳥を頼ろうとした所飛鳥は恋愛にいっぱいでそれに気づかずに、ぐれる()その後にお互い向き合う時があり、ようやく仲直り。 その後校長先生とも会い、先生を目指すという夢も持ち、自分の人生と向き合っていくことになる。 高校との時に丸也宛のラブレターを飛鳥に渡してもらおうとした女の子は、飛鳥が丸也過保護のため、丸也にその気持ちを伝えることなく終わっている。 飛鳥曰く、高校時代に吹っ切れたことがきっかけで、結構もてていたらしいのだが、ほぼ全部飛鳥がその目をつぶしたとかなんとかいう設定あったっけ() 教師になってから、丸也大人の恋をする。彼女が結婚することで、告白するも片思いで終わっているが、彼にとってはとても大切な思い出になっている。 ところで、こうして総括して年代を巡ってみた結果、丸也は飛鳥に対する意識が少しおかしい。飛鳥は丸也に対して過保護、いっそ狂気じみたものなのだけれど、それを当たり前の事としてとらえてしまっている節があり、飛鳥に対する意識はかなり麻痺している。っていうか、最終的に丸也自身も飛鳥に対して当たり前のような独占欲のようなものを働かせるので、うーーーーーんってなっている(背後が)
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人柄 【名前】藤堂 桐花 【性別】女 【年齢・所属】16年/高校1年 【容姿】 烏の濡れ羽色をした艶やかな黒髪 やや癖のあるウェーブを孕んだミディアムロングヘア 160程度の身長に、ぱっちり開いたアーモンド型の紅の双眼。 開いた口元は鋭い八重歯が目立つ 胸部は同世代に比べて目立ち、 それが武器になり得ることを理解している そして場合によっては、それを使う事も辞さない 普段はワインレッドのキャスケットを被り、ゴスロリ調のワンピースにリボンローファー。 本人曰く、オタク受けしそうな格好との事。 【性格】 サディスティックで狂気的 かと思えば理性的な1面も 平素は人畜無害な一般人を装ってはいるが、蓋を開けてみればそれは仮初の姿に過ぎず。 人が負の感情を浮かべた表情を鑑賞することを何よりも好む。 度が過ぎて昂ってしまうことも多々ある。 腐りきった性格と裏腹に、芯のある人間を何より好み。 琴線に触れた1握りの人間をお兄様、お姉様と慕うだろう。 それは性的な意味を孕むとあっても また、イジメ甲斐のある人間を見つけても昂る。 【能力】 〘イマジナリードレスアップ〙 自らに範囲を限定してのみ、適応される能力。 能力を向上させる衣装を纏う他、武器になるものを召喚、髪色や目の色の変化を可能にする。 召喚可能な武器は多岐にわたるが、彼女自身が扱えるのは刃物類がメイン、銃器の心得はない。 主に凶行時におけるカモフラージュに使う事が多く、犯人の正体から己の身の上に繋がらないようにするため 能力使用時は黒のバタフライマスクに、髪色を銀に染めて縦ロールに編み込む 〘吸血種の劣力〙 注射器を通して注ぎ込まれた能力 残血量によって様々な能力を発揮する吸血種としての能力 インターバルが必要なものの、体を赤い霧に変える能力 また、多量の血液を消費して怪我の治りを早める、または、欠損部位の再生が可能 けれど彼女はまだ、この力を自覚していないので欠損部位はそのままに また、上記の能力と併用し、そこに血の力を混ぜることにより、強化を図ることも可能 また、吸血時は本物の吸血鬼に及ばず、快楽より痛みを強く引き出す 【概要】 幼少時に誘拐され、小学生が終わるまでの期間を誘拐犯の家で過ごす。 幸いにして何の被害も受けず、標準以上の教育を受けるが。 ふとした瞬間に能力が開花、誘拐犯を殺害し、保護された警察機関の力によって家族の元へと舞い戻った。 しかし、家族と過ごすよりも長い時間を別の場所で過ごしたこともあり、自分の居場所を見失った と、言えば聞こえはいいが、彼女自身の狂気的な1面は生まれついてのもの。 同情を引くため、またはそれが利用できると判断した時に、己の身の上を話すだろう。 少なくとも今は、善意はない。 現在は親元を離れて一人暮らし、 アルバイトをして生計を立てている 料理の心得はそやれなりに 交友関係 + ... 鳴瀬宥 無意識下で傷つけたくない、嫌われたくないと思っている相手 でも本人はその理由について明確な答えを持たず 悩みに悩んだ挙句、しゅきぴ?と自分の感情を表した 色々と暴露した挙句、嫌われる恐怖を思い出して逃げる 実は鳴瀬にのみ、鼻を擦り寄せて嗅ぐ動作をちょこちょこと……犬 「宥の匂いは嗅いでいると安心する、しゅきぴ」 ――――― 愛すべき、守るべき相手 狂人だった自分を人間にしてくれた、最愛の恋人 彼女のことを思うと胸が締め付けられるように苦しくなる 誰かと話していれば嫉妬するし、自分だけを見てほしいほどに愛している 「……ずっと離れたくない、死がふたりを分かつまで」 それはそれとして、宥は女の子にもてるので気が気じゃない マレウス・マレフィカルム 同類意識を持っている 人の皮を被った異常な感情の塊と称した 根底では人の事など信頼していない、しようはずも無いこの子に 人間としての感情が目的を押しつぶすほどに曇らせたい 血に塗れた道を振り返って、後戻りも出来なくなった 今際の際に、人間として殺してやりたい 実は容姿が1番好み 「お人形さんみたいな容姿が好き、押し倒して(検閲)」 篠崎龍 狂人的に大好きな相手 堕としても堕としても這い上がってくる精神力に興奮を覚えている。 その度に、恨み言を言いながら立ち向かってくる姿が大好き 好きが高じて出会う度に部位を欠損させて愛でたい どうしようも無い感情の行く先の1つが彼 人間的に好きなのが宥だとすれば、狂人的に好きなのは彼 「同じ異能の化け物の癖に、人間よりも人間らしくですきなのよね」 ――― 全てをさらけ出せる、ある意味で宥よりも自分の狂気性を刻みつけた相手 腹の底の黒い悪意をぶつけあったからこそ、ある意味では誰よりも彼の事を信頼している 苦悩していればすぐにでも駆けつける程には、好感度を抱いている。 ……それはそれとして、椿の匂いが香る度に怯えられるので 匂いを変えようかと思っている 「……龍さんは結構、可愛いのよ?」 三峰アラタ 狂人的に大好きな相手その二 初めてであった時の初心な反応を、実は可愛いと思っていた。 英雄と、ただの少年の意識の狭間を、境界線を曖昧にし、心を折って堕とすのが最大の目的だった 両親を殺した仇と罵倒され、殺意を向けられた時 笑いを隠すのが大変だったという ――――― 彼女を人間としてくれた大切な人の1人 今では自責の念と、湧き上がる罪悪感で、なかなか上手く話せない 守るべき、大切な相手の1人 「……笑いあって、普通にお話がしたいわ」 愛逢唯愛 翼をもぎ取られてボロボロにされた相手 実は腸の底が煮えくり返っている しゅきぴの前で裸に剥いてやりたい 「次会ったら殺す」 山田白 狂人仲間 似たような価値観を持って、似たような思考を持ってる でも行き着く先は少し違う様子 健康的な白い首筋からの吸血は予想以上に滾り、小生意気な薄ら笑いから嬌声へ切り替るギャップは下腹を疼かせた おとなのかんけい 「調子に乗って噛みすぎたかも」 由奈昴 演劇へ興味をもつきっかけ 彼の誠実なまでの演技への熱意に絆されて、劇団めぶきに入部する 子犬のような可愛らしい見た目と裏腹に、演劇時における変貌には舌を巻くものがあり 不覚にもその"男"にどきりとさせられてしまった ギャップ萌えは正義 「あの子に悲しい顔をされると、弱いのよねぇ……」 ―――― めぶきを利用し、その名を悪に染めて悲しみのどん底へと突き落とした相手 けれど今では大切なものの1人、演技という新しい生きる道を示してくれた敬愛すべき座長 「もう二度と、めぶきの名は汚さない、汚させやしない」 + デレステみたいな1口メモ 匂いフェチ 抱きしめられるのが好き ちょっっっとだけ独占欲が強い
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こなたはベットに腰掛けて、じっと私を見ている。真剣な話と言ってあるから、少し緊張しているみたい。「で、何なの?」 こなたが促したが、直ぐには言い出せなかった。 言ったら、始まってしまう。引き返すことは出来ない。凄く怖い。 だけど…それでも―――― 「この前…つかさの部屋で何してたの?」 私は、言った。 「な、何って…く、下らない話してただけだよ。かがみ、眠っちゃったと思ってたから…」 「…そう」 こなたは平気で嘘を吐いた。 胸がチクチク痛くなって、掌の奥がうずく…もう、我慢できない。 「かがみ…!?ちょっ、なにやってんのさ!」 服に手をかけ、一枚一枚脱いでゆく――そんなに驚くことないじゃない。つかさと…あんな事してたんだから。 下着も脱いで準備完了。 こなたは力があるから、全力で行かないと… 「ホ、ホントさ、どうしたの?とにかく服ッ――――わぁ!!」 全体重で押し倒す。馬乗りになれば流石に返せないだろう。 こなたは目を白黒させて、何か言っている。取り乱した顔がもっと見たかったから、言ってやった。 「つかさとはしたクセに」「――――み、見てた…の?」「始めっからね。随分イジメてたじゃない」あはは、ビクッてなった。 「あっ、あれはさ…その…」ぶつぶつ言い分けんするこなたが可愛い―――だからつい、下らない事を、聞いてしまった。 「つかさのこと…好き?」「へ?」 必死で頭を捻っていたのか、まぬけた声が返ってくる。「好きなの?つかさのこと」「それは…―――――うん、好きだよ…」 目をそらしていたこなたは、少し戸惑ったあと、はっきり答えた。 うん。わかってた。 大丈夫、予想できていたんだから。 だから。だから私 これ以上下らない事を聞くんじゃない。 「なら―――――私のことは…好き?」 ああ…もう 「どうなの?友達とかじゃなくてさ」 「そ、そんなの…う…あ…」どうせ聞きたくもない答えに違いないから、私は逃げてしまった。 「私は…好きだよ。こなたのこと。すごく」 それでもまだこなたはとまどった顔でこちらの目を見つめている。 「かがみ…、そんな事…」 「こなた…」 ―――もう、我慢できないよ、 こなた――― 憂いを帯びた瞳 桃色に上気した頬 そのみずみずしい唇、 そのみずみずしい唇に私は―― ――吸いついた。 「かがみ…んんッ!んうー!んくっ…っはぁ…」甘い、思った通り、やっぱり甘い。 「こなたぁ…こなたの唇おいしいよぉ…、つかさには渡さない…あんたは、 私だけのもんなんだからぁ…!」 「やっああっ…!かがみぃっ…」 ――私のこなた、 もっと気持ちよくしてあげる―― 私はその白くてきれいなこなたの肌を舌で弄る。 舌がこなたの身体をなぞり、そのあとが唾液で光っていた。 舌がなぞるたびにこなたは体を跳ね上げた。 「ひゃあッ!か・・・かがみぃ・・・」 こなたの瞳からは恐怖と悔しさからか少し涙が見え隠れする。 わたしはいつものこなたからは考えられないこなたの表情を見て独占欲がどんどん高まっていった。 「私の・・・私だけのものだからぁ・・・」 私はこなたのまだまだ未発達の胸を鷲掴みにした。 それと同時にこなたが甲高い声を上げた。 「ふぁああああっ!?」 そして私はこなたの胸のピンク色の先端を口に銜えて舌で愛撫する。 そのたびにこなたは激しく喘いでくれる。 「もっと・・・もっとこんなこなたの表情見たい・・・」 出会う順序が違っていたら。 私がこなたと最初に友達になっていれば。そしてつかさが二番目だったら。 こなたと睦んでいたのは自分だったのかもしれない。 こなたとつかさの関係に気付いてから、夜毎そんなことを考えていた。 今さら言ってもどうしようもないことだけど。 だけど、今はいい。 今はもう、私の腕の中にこなたがいる。 私がこなたのものになるんじゃない。こなたを私のものにしてやる。 こなたは上気した顔を私に向けていた。乱れた着衣から覗く肌は赤く火照り、熱に潤んだ瞳は微妙に焦点が合っていない。 つかさのことは抱くばかりで、抱かれることには不慣れなのだろうか。少し怯えを含んだようなその表情は、私の中の加虐的な感情をくすぐる。 そうだ。私は怯むことなんてない。 こうして抱いてしまえば、今までみたいに惨めな気持ちで自分を慰める必要もない。 罪悪感に苛まれながら、こなたの名前と顔を頭に浮かべて、自分の恥ずかしいそこに指を擦らせる必要なんてない。 想像の中でしか汚せなかったこなたを、これからは本当に愛してしまえる。 押し倒されたこなたは、私の方が意外に思うぐらい大人しかった。本気で抵抗されたら、多分私は押さえきれない。 「こなた……」 「かがみ、やめ……っ!」 まだ何か言おうとするこなたの唇に、私のそれを重ねる。これで二度目。今度は舌も入れてやる。 「んっ!?……んんっ……っ」 抗ったのは一瞬だけ。こなたは従順に行為を受け入れた。 こなたの味、こなたの温度を、思うまま舌に感じられる。 唇を離す。私とこなたの口の間に、唾液が糸を引いた。 「はぁ…はぁ…」 弱々しく息を整えるこなたを見つめる。 普段からは想像できないその姿に私は魅入られてしまったかのように目を離すことができない…。 「か、かがみ…」 脅えるように…懇願するようにこなたが私の名前を呼ぶ。 「ん?…観念したのかな?こなた」 「もう…やだよ。やめてよ…お願いだから」 力なく項垂れてイヤイヤをするように首を振りながら私を拒絶する言葉を口にする。 でもそんなことはもうどうでもいいんだ。私は決めたのだから。 「ふ~ん。そんなに嫌なんだ。私のことが」 「ちっ違う…そうじゃなくて」 「嘘」 こなたの顔を両手で包み目を見ながら言葉を続ける。 「でもね…こなた。本気なのよ私。あなたが欲しいの」 最愛の人を前に心に溜め込んでいた感情が言葉になって溢れてくる。 それが後戻りの出来ない道を進むことだと理解していても。 「こなたがどんなに私を拒絶しても…今までの関係を…こなたを…壊してでも…」 今…私はどんな表情をしているのかな。泣いている?笑っている?無表情? こなたの瞳に私を映そうとしても…私を振り向いてはくれなかったように涙で潤んだ鏡は私を写してはくれない。 「……」 こなたは黙って私の言葉を聞き続ける。ただ脅えてるだけなのかもしれない。 「私を壊してでも…」 ううん。もう私は壊れている。もうこなたを求めることしかできない壊れた人形。 「こなた」 愛する人の名前を呼びながら三回目のキスをした。こなたは…震えながらも抵抗はしなかった。 Good End Bad End(鬱モノ注意) コメントフォーム 名前 コメント GJ!! -- 名無しさん (2023-01-12 18 27 52) かがみんヤンデレルートに入りました -- 名無しさん (2011-04-10 23 35 15)
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問題のない新しいことなんてない カーシェアリング(近所やらで車共有)は月6万節約 でも子供の習い事とかパートとかで車は自由に使いたい なのでやっぱ無理かなぁ・・・新しいことをやろうとすると問題は出る 問題が出ない新しいことなんて、そもそも問題なんてない↑いまいち破綻気味だけど、完璧な新規なんてありえない、に近いのかな 新しいことをやって、その上で問題を解決すればよいまずはやる。意外と問題だったことは解決できる問題であることが多いという経験則か 問題の出ない新規はありえない HotSpot VM Sun MicroSystem社の初期JavaVM HotSpot技術を使用詳細は下記 JIT技術を使用詳細は下記 サーバに対応するバージョンと、クライアントに対応するバージョンがある実態は同じVM。起動時のオプションによって使い分け、サーバのバージョンのみ下記オプションで起動する java -server MyApp 参考:http //ja.wikipedia.org/wiki/HotSpot GIMP 使い方 http //gimp2.info/?m=mymanual Javaのセキュリティ http //java.sun.com/j2se/1.5.0/ja/docs/ja/guide/security/spec/security-spec.doc1.html#21150 JFrameとJPanel デフォルトのLayout JFrame BorderLayout JPanel FlowLayout クラウドコンピューティング クラウドコンピューティングとは、インターネットに接続されているコンピュータと、そのコンピュータが提供するデータ、サービスを利用して計算をする 「ニュースサイトが提供するニュースデータを集めて、興味のあるものだけを抽出するフィルタリング処理を施して、情報を公開する」という処理は、クラウドコンピューティングの単純な例だといってよいでしょう。ニュースサイトが提供するニュースデータのように、現在のインターネットではさまざまなデータが利用できます。そういったデータを利用して、ユーザーが必要とするサービスを提供するために、インターネットに接続されているコンピュータを利用するわけです。 「サービスを提供しているサーバが実際はどれなのか」「提供されているデータはどこに保存されていたものなのか」といった情報は、「もはや雲に隠れて分からない」という状態 先ほどの例に出したニュースデータが、ニュースサイトから来たデータであるという事実は、フィルタリング処理をされた後では分かりにくくなっているでしょう。クラウドコンピューティングの世界では、ハードウェアがどこにあり、処理はどこでされたのか、といったことを気にすることなくユーザーが使えるといわれています。 クリップボード import java.awt.BorderLayout; import java.awt.Color; import java.awt.FlowLayout; import java.awt.GridLayout; import java.awt.event.ActionEvent; import java.awt.event.ActionListener; import javax.swing.JButton; import javax.swing.JFrame; import javax.swing.JTextArea; import javax.swing.JTextField; public class ClipboardTest extends JFrame{ JTextArea txtarea1; JTextArea txtarea2; JButton btn1; JButton btn2; public static void main(String[] args) { ClipboardTest me = new ClipboardTest(); me.init(); } private void init(){ // コンポーネント設定 setLayout(new GridLayout(2,2)); setDefaultComponent(); // サイズ設定(適当) setSize(300,300); setVisible(true); } private void setDefaultComponent(){ txtarea1 = new JTextArea(); add(txtarea1); btn1 = new JButton("コピー"); btn1.addActionListener(new ActionListener(){ public void actionPerformed(ActionEvent e){ String value = txtarea1.getText(); txtarea2.setText(txtarea1.getText()); } }); add(btn1); txtarea2 = new JTextArea(); add(txtarea2); btn2 = new JButton("Clipboard内部"); btn2.addActionListener(new ActionListener(){ public void actionPerformed(ActionEvent e) { } }); add(btn2); } } 僭越 (名・形動)[文]ナリ 身分や権限などを越えて、差し出がましいことをする・こと(さま)。 「―な言い方」「―のそしり」「―ながら私が…」 [派生] ――さ(名) http //dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%D1%A8%B1%DB kind=jn mode=0 base=1 row=0 Firefox開発 https //developer.mozilla.org/Ja OECD Organization for Economic Co-operation and Development(経済協力開発機構) ヨーロッパ、北米等の先進国によって、国際経済全般について協議することを目的とした国際機関 本部:パリ 目的経済成長:出来る限りの経済成長、雇用の増大、生活水準の向上を図ること--開発:経済発展途上にある諸地域の経済の健全な拡大に寄与すること 貿易:多目的かつ無差別な世界貿易の拡大に寄与すること 下部組織(?)として国際エネルギー機関(IEA)etc パラノイア 精神病の一種で、体系だった妄想を抱くものを指す。強い妄想を抱いている、という点以外では人格的に常人と大して変わらない点が特徴。 被害妄想 - 挫折・侮辱・拒絶などへの過剰反応、他人への根強い猜疑心(さいぎしん)。 誇大妄想 - 数を誇大に示したり、大げさな表現を好むなど。 激しい攻撃性 - 誹謗中傷など。 自己中心的性格。 異常な独占欲。 LIVE 逆さに読むとEVIL(悪魔、罪)
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340 名前: ◆UOt7nIgRfU [sage] 投稿日:2009/05/20(水) 02 01 31 ID +F6WUtSc おかしい……何でボクはこんなにジリジリと心の奥がくすぶっているんだろう? 歩はここに来てない衣の代役として役目を負っただけなのに…… 透華に憧れる気持ちも分かる。いざとなった際の切り札で、大事な存在 なんだけど…透華の制服を着させたくないっていうこの気持ち… 透華専属なのはボクだって2度も言ってしまったのもあからさま過ぎたかな… でも、言わずにはいられなかった。だって、ボクは透華の一番で居たい…… 「おい国広くん。なんか顔が怖いぜ?」 純のその言葉に、思考のループから舞い戻った。いけないいけない、 ボクの悪い癖がまた首をもたげてたみたいだ。 「そーかな? そんなことはないよ」 いつものように飄々と流してみたけど、どうせ純には全部お見通し なんだろうな。それが分かっているからこそ、狼狽する訳には行かない。 「心拍数、呼吸の乱れが平常時と違う数値を――――」 …あぁ、ともきーまでそんなことを。ボクの味方はひとりも居ないのかな? 「どうかしたんですの、はじめ? 熱とかあるんじゃなくって?」 「――な、なんでもないって!」 不意に伸びてきた透華の手を反射的に払ってしまった。ダメだ、こんなのは ボクらしくない。取り敢えず、してしまったことをどう取り繕うか。 0.5秒で弾き出さないと! 「ごめん透華。ちょっとだけ決勝前で緊張してるんだ。熱とかはないから 心配しないで」 「…そう、それならいいのですけれど…いくら最強の我々でも、体調が 悪ければ100%は発揮出来ませんわ。…本当に何ともないんですの? 見たところ少し顔が赤いですわ」 「平気平気。大丈夫だよ透華」 相変わらずちゃんと見てくれてるんだなぁ…目立ちたがり屋の透華の 上辺だけ見る人は、自己中心的だというレッテルを貼りたがるけど、 そんなことはないんだよね。事細かに、つぶさに周囲をきっちり見てくれる。 そーいうところにボクは惹かれてるんだ。 「で、決勝先鋒は俺な訳だけど、探り入れておくのはどこにする?」 「そんなの……原村 和の清澄に決まってますわ! 副将戦でわたくしと 当たるわけですから、それまでどんな戦術で来るのか…先鋒戦から 分析していただかないと!」 清澄の話――特に原村 和の話題になると透華は饒舌になる。 ライバル校としては無名なだけに、何をそこまでこだわるのかは 透華にしか分からないことなんだろうけど……何故だろう、透華が 原村 和の名を出す度に、胸の奥がチクリと痛む。 あ、また怖い顔になっちゃってるかも知れない。こんなんじゃダメだ。 ボクはもっと、自分に自信を持たないと。透華がボクだけを見てくれる ように、だけど、あからさまになり過ぎないように。 「でもさ、本当に原村 和がのどっちだっていう確証はないんでしょ?」 我慢が効かない。こんなこと言うつもりはないのに、突っかかってしまう。 頭で分かってるのに、口は動いてしまう……。 「確かに確証はありませんわ。それと同じく、違うという確証も……」 「透華先輩が直接確かめられるのですから、じっくりと吟味してみれば 自ずと分かると思いますけど…」 ……その台詞、ボクが言おうとしたのに。ペースが変だ。歩ワールドに 先手先手を打たれている。焦燥感がどんどんと募っていく。 これが俗に言う“ヤキモチ”という感情なんだろうか? ……ボクがここまで独占欲が強いだなんて思いもしなかった。 「まー、透華なら原村をハコにするぐらいは出来んだろ。そう出来るように 俺がお膳立てしとくわ。負かして、ひざまづかせるのも一興か? それとも、透華の靴でも舐めさせるか?」 そう言って笑い飛ばす純の言葉に、頭の中が真っ白になった。 「やめてよ! そんなこと、許さない!」 …あれ? ボク、何を叫んだんだろう? 場違いなことを言ったってのは、 凍り付いてる周りを見れば分かった。問題は『どう捉えられたか』。 「はじめ、いきなりどうしたんですの?」 「……っ 何でもないよっ」 「…ははぁん、国広くんはヤキモチ焼いちゃったのか~」 的確な純の指摘に耳まで赤く染まった。顔が上げられない。 そんなボクを心配したのか、透華は身を屈めて下からボクの顔を 覗き込む。ダメだって透華、それは逆効果だよ。 「……全く、何かと思えば。気にしすぎですわ……はじめ、良く聞きなさい」 「……?」 「原村 和はわたくしのライバル。それを打ち負かすのは至極当然。 そして貴女はわたくし専属。それは分かってますわね?」 「…う、うん」 「よろしい。……ならば、はじめのヤキモチはお門違いですわ。 わたくしの傍に居て良いのは……はっ、はじめ、だけ…ですし! 代わりの人間なんて居ないんですわ!」 「……透華」 あれ、あれあれ? その言葉を聞いたら……何だか涙が。止めないと、 こんな情けない姿なんて見せられないよ… 「何も泣かなくても…」 「違う、違うんだよ透華。ボク……泣くつもりなんて……」 言葉返さず、ふわりとボクを包んでくれる透華の腕。止めどなく溢れる涙は 寂しさではなく喜びの涙だと伝えたいけど、喉が詰まって言葉が出なかった。 (…歩、智紀、行くぞ) ボクが知らぬ間に、純は2人を引き連れて去っていた。まぁじっと見られてて も困るし、賢明な判断だと思った。 決勝前、控え室までの通路で泣いてしまうなど、情緒不安定としか 言いようがないけど、どうしても止められなかった。そのくらい、ボクの中の 透華という存在は大きく膨れ上がっていたんだと思う。 もう止められる止められないの問題じゃない。想いを伝えないと収まらない。 「透華…ボク、ボクね」 顔を上げて伝えようとしたその時、そっと唇に指を押し当てられ、言葉を 遮られた。 「…はじめ。それから先の言葉は……決勝が終わってから聞きますわ。 そ、その時、わたくしからも伝えたいことがありますから……」 ――透華が言わんとしていること。それはボクにも分かった。 分かったからこそ、ここで止めておこう。聞き分けのないのは、メイドとして 失格だしね。 「……うん。わかった。まずは決勝を全力で頑張ろう。全部終わったら、 会場の外で待ってる……」 「…わかりましたわ。それまでは、心に秘めておきましょう」 一歩を踏み出す。黙っていても焦れていても始まらない。 ボクと透華。単なる主従以上の想いを持ってしまったが故、 乗り越えなければならない壁は高いかも知れないけれど…… きっと、大丈夫。ボクはそう確信している。 だって、ボクは透華の専属なんだもの。透華のことは何だって知っているから。 ーENDー