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中町駅・中町停留所(なかちょうえき・なかちょうていりゅうじょ)は、静岡県静岡市葵区にある、静岡高速鉄道・静岡鉄道(静鉄)・静岡市交通局(静岡市営地下鉄)・静岡シティトラムの駅ならびに停留所である。 乗り入れ路線 静岡高速鉄道朝比奈線・国道本線・静岡鉄道静岡市内線・静岡市営地下鉄浅間線・静岡シティトラム中央環状線の4社5路線が乗り入れる。また主要駅以外で静岡高速鉄道国道本線と静岡シティトラム中央環状線が唯一交差している駅でもある。各路線ごとに駅番号が付与されている。 静岡高速鉄道 -D 朝比奈線 駅番号「D 02」 -N 国道本線 駅番号「N 09」 静岡鉄道 -SC 静岡市内線 駅番号「SC 04」 静岡市営地下鉄 -A 浅間線 駅番号「A 10」 静岡シティトラム -C 中央環状線 駅番号「C 03」 歴史 1929年(昭和4年) 静岡鉄道静岡市内線の中町停留所(現在の静岡シティトラムの停留所とは関係ない)として開業。 1940年(昭和15年) 朝比奈鉄道(現在の静岡高速鉄道朝比奈線)の駅が開業。 1960年(昭和35年) 朝比奈鉄道が駿遠豆鉄道などと統合し、静岡駿遠鉄道新静津線の駅となる。 1962年(昭和37年) 静岡鉄道静岡市内線が路面電車から通常軌道となったことにより、停留所から駅に変更される。 1974年(昭和49年) 静岡市営地下鉄浅間線の駅が開業。 1978年(昭和53年) 静岡駿遠鉄道新静津線の路線名称変更により、朝比奈線の駅となる。 1992年(平成4年) 静岡駿遠鉄道の会社名変更により、静岡高速鉄道の駅となる。 2004年(平成16年) 静岡高速鉄道国道本線の駅が開業。また同年に全会社に自動改札口・自動券売機を導入。 2010年(平成22年) 静岡シティトラム中央環状線の停留所が開業。 駅構造 静岡高速鉄道 朝比奈線・国道本線共に島式ホーム2面4線を有する地下駅。島式ホームのうち外側の2線(1・4番線)を国道本線、内側の2線(2・3番線)を朝比奈線が使用する。このため、国道本線と朝比奈線は対面乗り換えが可能である。 改札は駿府城口改札と呉服町口改札の2箇所があり、静岡鉄道・静岡市営地下鉄・静岡シティトラムの駅・停留所とは改札内乗り換えをすることができないため、一度改札から出てから乗り換えを行う必要がある。(このような例は静岡本線・国道本線・静岡鉄道静岡清水線・JR東海道本線・駿遠急行本線の草薙駅にも該当する。) 静岡高速鉄道の子会社である静岡交通事業が業務を担当する業務委託駅であり、新静岡駅が当駅を管轄する。 のりば 番線 路線 行先 備考 1 N 国道本線 新静岡・三ツ境・せんげん台・三軒茶屋方面 2 D 朝比奈線 新静岡・新松戸・新宿三丁目・小手指・浦和美園・鬼怒川温泉方面 3 D 朝比奈線 駿河岡部・袋井・豊橋方面 4 N 国道本線 駿河岡部・袋井方面 静岡鉄道 島式ホーム1面2線を有する地下駅。ザ・呉服町タワーの直下に位置しており、静岡寄りで静岡高速鉄道の駅と交差している。 新静岡駅が業務を担当する業務委託駅である。 のりば 番線 路線 行先 備考 1 SC 静岡市内線 安西方面 2 SC 静岡市内線 新静岡・静岡方面 静岡市営地下鉄 相対式ホーム2面2線を有する地下駅。静岡伊勢丹の直下に位置しており、同施設とは地下1階の地下通路で連絡している。 駅長が配置される直営駅である。 のりば 番線 路線 行先 備考 1 A 浅間線 昭府・松富方面 2 A 浅間線 新静岡・静岡方面 静岡シティトラム 片面ホーム1面1線を有する地上駅。ホームは歩道に位置しており、駅出入口を出て直ぐの所に静岡高速鉄道の駅のD2出入り口がある。 のりば 路線 行先 備考 C 中央環状線 呉服町二丁目・静岡駅北・新静岡方面
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「今日は2月14日!バレンタインデーよっ!!!SOS団員は男、女を問わず、 誰かに告白し、後日、わたしに成否を報告すること!!以上!!」 わたしはこういう日は嫌いだから帰るわね」 まったく自分勝手な団長だ。 バレンタイン、か…。チョコを最後にもらったのはいつだっかな? ハルヒは今までいくつあげたことがあるんだろう? いや、それより俺は15,6年生きてきて、もらったことがあったか?…まあいい。 誰かに告白、ね…チラッ 「……」 この部室には、現在SOS団全員が揃っている。ハルヒは出て行ってしまったが。 「あなたは告白する心当たりはあるんですか?」 「…別に」 対面する古泉は不敵に笑う。 「僕はまったくありません。…ただ、涼宮さんを怒らせて閉鎖空間を生み出すような ことがあってはいけません。適当な人にでも告白するつもりです。」 なんだなんだ…?古泉がまともな告白なんて出来るのか? 確かにモテそうな顔ではあるが…。 さてさて、どうしたものか。 コト…という静かな音と共に、いつもの通りの飲み物が置かれる。 「キョン君は誰に告白するんですかぁ?」 朝比奈さんか。朝比奈さんはあくまで学校の先輩であって、 同じSOS団に所属するものであって、特別な恋愛感情はないと思う。 「いや、まだ決まっていませんが」 「そうですかぁ…決めたら言ってくださいね!協力しますから!」 「ところで朝比奈さんは誰に…?」 「あ、そういえば、性別問わずって言ってましたよね。 私も、告白、しなきゃいけませんよね…。」 うーん。ハルヒはとんでもないことを言いやがる。 朝比奈さんをここまで困らせるとは!実にけしからん。実に。 「わたしは、わたしは…、わたしは、キョン君がす、好きです!」 なんだなんだ…?なんだよこのお芝居は? 「朝比奈さん、そういう冗談は古泉に…」 「冗談じゃないです!わたしは、キョン君が大好きなんです!! ひとりの、ひとりの男の人としてです…。未来から来たわたしですけど、 よければ…よろしければ、付き合ってください!!!」 なんということだ…!!朝比奈さんは涙ながらに、悲鳴のようにしゃべっている。 古泉は目の前で笑っていやがるし、長門は本を読んだまま…。 「朝比奈さん、そんないきなり言 「お願いします!!!!!」 こんな気迫のこもった朝比奈さんは見たことがない。 けれど、残念無念、俺の好きな人は朝比奈さんではない。 「朝比奈さん…あの…すいません…」 一言で察したのか、朝比奈さんはうなだれてしまった。 沈黙、いや、朝比奈さんの泣き声と古泉の笑顔が支配する部室…。 俺は、イスから立ち上がり、続けた。 「俺にとって、朝比奈さんはいい先輩です。けれど、好きな人と聞かれると…。 俺の好きな人は、長門だ!長門のことが大好きだ!!!!!」 えっ?という声が両側から聞こえたが、そんな雑音は気にしない。 俺の視線は、長門へと向けられている。たった一人の、長門有希へと。 「…なに?」 「おまえが好きだ長門!!!好きだ!!好きなんだ! だから俺と付き合ってくれ長門っ!おまえしかいないんだ!!!!」 「きゃああああ」朝比奈さんは駆け出し、部室から出て行ってしまった。 ごめん朝比奈さん…だが心配もしていられない。 この恋は必ず実らせる!!届け俺の想いっ!!!! 「長門!!!!返事を聞かせてくれ!!!!」 「わたしは」 「わたしは…。」 「わたしにとっては、古泉一樹という存在がもっとも大事。 情報統合思念体の関与はない。 あくまで人間的感情において、長門有希は、古泉一樹を愛している」 全世界が、停止したかと思われた。 …嘘だろ…長門……? 俺は、俺はこんなにも長門のことを…!!!!! ん…古泉…?なに長門に近づいてるんだよ!! 「古泉い!!!!」 「長門っ!?古泉?!?!?!?!」 なんということだろう。 時間にして数分と言ったところだろうか。 俺はボーッと突っ立っていて、何がなんだかわからなかった。 いつのまにやら二人は接吻し 長門は仰向けに倒れており 古泉は長門を ……… ………… ……… …………嫌だ。 ………… …こんなの、嫌だ。 「嘘だ!嘘だ!嘘だ!」 俺は、走っていた。廊下を。廊下らしきところを。 世界が、壊れてしまえばいい。あの二人を、壊してやりたい。 誰でもいい。誰でもいい。誰でもいい。 ぶっ壊したい。ぶっ壊したい。 ――――壊したい。 「あーあ。忘れものってのも久しぶりね…。 あれ?キョンが部室から走って…こっちに…どうしたのかしら??」 「ちょっとキョン!ってなに…あれっ?!?!どうしたの?!」 「嫌…嫌…嫌だ……」 「キョン!何してるの!わたしから手を離しなさい!! 何があったの?あんたが泣いてるなんて珍し」 拳の音が、小さく、廊下に響いた。 「キョ…やめ…やめてよ!純情な女子高校生を殴るなん」バゴ ズル…ズル… 「ハルヒ…ハルヒ…ハ…ル…ハルヒ…ハルヒだけが俺を…ハルヒ… 好きだよ…ハルヒ…ハルヒ、おまえは俺のこと、好きだよな?ハルヒ…」 「あ…れ…?なん…でトイレなん…かに私…?!?!?!?キョ…ン!!痛い… なにし、て、る…の!!!!!なんで裸に…なって…ん…ん!!! ちゃ、ん、と、服を着n わたしを なn やm」 「ハルヒ?俺のこと、好きか?好きだろ?そうだろ?」 「こん、なこ、と…するキョ、キョン…は…ぁっ……キョン…じゃ…な…い…! 早く…もう…や…ゃめて…ゃめ」 強姦致死傷罪・準強姦致死傷罪 無期又は5年以上20年以下の有期懲役(刑法181条2項)
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第九章 次の日、俺は一昨日のプールの疲れを思い出したかのように思いっくそ寝過ごして十時に目を覚ました。 いつもなら二時間くらい前に妹の必殺ボディーアタックによって起床を余儀なくされているところだが、珍しい日もあるものである。きっと夏休みぐらいはゆっくりさせてやろうという妹(か妹に命令した母親)の取り計らいだろう。助かるぜ。 起きてすぐ、俺はもはや習慣化している携帯電話の位置確認を行った。 机の上か枕元か。 探すこと三秒、そいつは問題なく枕元で見つかり、俺はここが平行世界であるという結論をすぐさま導き出した。順番から言えばこれで正しいはずだ。もちろんこの状況に正しいという言葉を用いていいかどうかは甚だ疑問だが。 「いたた」 起きあがろうとしたところで、俺は節々が妙に痛いことに気づいた。両脚に鈍痛がある。 「こりゃ筋肉痛だ」 それも、猛烈な痛みを伴うやつ。デパートを半日歩き回ったくらいではこうまでにはならない。俺はとりあえずそこらへんにあった筋肉痛用の塗り薬を脚全体に塗りたくってベッドに横になり、思考を巡らした。 いつになく激しい筋肉痛。デパートを歩き回ったことなんかが理由ではない。おそらく他に理由があるのだ。 答えはすぐに見つかった。 腕を眼前にかざしてみて気づいたのだが、俺はなんと、デパートに行った昨日よりも明らかに日焼けしていたのである。そう。まるでプールに行った次の日みたいにな。 ここから割り出される答えは一つしかなかった。 「この身体はプールに行った次の日の身体だ」 なぜかは知らん。きっと複雑な論理が成り立っているんだろうが、理解できる気もしないしする気もないね。とにかく、身体は二世界間では共有していないのだろうというのが解っただけだ。元の世界の身体と平行世界の身体と、俺は二つの身体を持っていることになる。 その日は特になにもなかった。 ハルヒからの電話もなく、かといって宿題を自主的に済ませる気にもならず、ただ疲労と筋肉痛にうなされているだけで日が暮れた。まあこういう日があってもいいだろうよ。そうじゃないと俺が持たん。肉体的にも、精神的にも。 夕飯を食べて風呂に入ってから、自室に引きこもってクーラーをつけ、床に転がって夏休み前に長門から借り受けたハードカバーを惰性で読んでいるうちに俺は眠ってしまった。 元の世界に戻って翌日、つまりデパートに行った次の日のことだ。 一日分の休憩が入ったおかげでずいぶんと心を休めることができたように思う。運のいいことに朝っぱらからハルヒが電話をかけてきて「今すぐ駅前集合だから」とか言い出すことはなく、おかげで俺は落ち着いた気分で朝比奈さんとの約束を果たすことができた。 午前八時半――。 いくら朝比奈さんとの待ち合わせとはいえ、三十分も前では早く来すぎちまったかと思っていたら駅前集合場所にはすでに朝比奈さんの麗しき姿があった。これだけ早く来てりゃ俺がビリになるわけだな。 「朝比奈さーん」 俺は自転車を置いてから小走りでその小柄な背中へと向かった。地面にはまだいくつか水たまりがあって、昨日の夕方まで雨が降り続いていたことを示している。 俺が呼び止めると朝比奈さんの栗色の髪が振り返った。 「あ、キョンくん」 「すみません、遅くなってしまって」 「いえ、あたしも今きたとこですから」 一応、定型のやりとりを交わしておくが、この様子では一時間前から待っていたような気もするね。朝比奈さんは首筋にうっすらと汗をかいていた。 「ええと、俺に話したいことがあるらしいですけど……」 「はい」 一日で気持ちの整理がついたのか、今日の朝比奈さんはやんわりと微笑んでいた。それは部室で俺にお茶を支給してくれる時のあの翳りのない微笑と同じであり、昨日のような重暗さはどこにも見あたらない。その美しさと言えば、そんなに感情のコントロールがうまい人だったかと疑問に感じてしまうほどだ。とにかく青葉の木洩れ日を受けて朝比奈さんは輝いて見え、俺の頬も自然とやわらかくなった。 だから朝比奈さんが、 「せっかくですから、散歩しながらにしませんか?」 と提案したときも、俺は満面の笑みでもって賛成したね。散歩という単語をデートと書き換えてくれたらなお良いのだが、そこまでは俺も要求しないさ。 「じゃあキョンくん、行きましょう」 俺は朝比奈さんの隣にぴったり並んで歩き出した。 散歩、というだけで特別どこへ行こうという目的意識はなかったものの、気づいたら俺たちは川沿いの道を歩いていた。このまま進めば高級分譲マンションに突き当たる道である。朝比奈さんと二人きりのシチュエーションではほぼ確実にこの場所を通っているような気がするが、もしかすると身体にここを通るようインプットされているのかもしれん。 今日はわりと暑さも控えめのようで、時折吹き抜けるそよ風が気持ちいい散歩日和であった。ついこの間まで淡い桃色の花弁をつけていた桜並木は、今やすっかり青葉を茂らせて太陽光にキラキラと輝き、その傍らにはチョロチョロと涼しげな音を立てて小さな川が流れている。 散策にはうってつけの河川敷を俺と朝比奈さんは会話もロクになくゆったりと歩いていた。朝比奈さんはただ散歩を楽しんでいるようにも見えたし、俺に話すべきことをどのタイミングで切り出すか考えているようでもあった。 「なんだか、のどかですねぇ」 休みだけに手軽なレジャーを楽しむ家族連れもいくつか見受けられ、朝比奈さんはチョコチョコとはしゃぎ回る子供に優しい眼差しを送りながら呟いた。のどか、という単語と世界が分裂しているという今の状況があまりにも不釣り合いで、俺はただ「ええ、まあ」とだけ答える。 「ねえキョンくん。こんなふうにして歩いてると、ずっと昔のことを思い出しませんか?」 「ずっと昔っていうと……ああ、一番最初の時の……去年の五月ごろでしたっけ?」 たった一年前のことが、ああもうずっと昔のことなんだなあと俺は妙に感慨にふけってしまう。確かにいろんなことがありすぎた。こうやって最初の頃のことを思い出すのも、もう何度目になるのだろうか。 「あの頃みたいな穏やかで楽しい時間が、いつまでも続けばよかったんですけどねえ。永遠に――キョンくんはそう思いませんか?」 「思いますよ、当然」 俺は正直に答えた。しかし、朝比奈さんが「続けばよかった」と過去形にしたことが、俺の心をにわかに不安にさせた。 「あたし、この一年間ずっとそう思ってました。こんなふうな時間がずっと続けばいい、まだ大丈夫、まだ時間があるってずっと思いながら、とうとう一年が経っちゃったんです」 「わかりますよ」 俺だってそうだ。こんな時間がずっと続けばいいと思いながら、この一年を過ごしてきた。ハルヒの力がなくなるとか、朝比奈さんが引退するとか、そういう嫌なことから目を逸らし続けて、しかし、季節が移り変わるにつれて形容しがたい焦りが俺にじりじりと募っていった。そして今、ついに二度目の夏休みを迎えたのだ。目を逸らし続けた嫌なことが、今、片っ端から目の前にある。 「そろそろタイムリミット、というわけですね」 「…………」 朝比奈さんは何も答えず、ただ歩みを止めてうつむいた。話がだんだん核心へと近づいていることに気づいたからだろう。しばらく沈黙が流れ、そろそろ俺の方から声をかけてみようかと思った頃、朝比奈さんは顔を上げ、答える代わりに俺の腕をかすかな力で引っ張った。 「キョンくん、こっち」 朝比奈さんが指を差してちょこんと座り込んだベンチが、一年前、朝比奈さんに衝撃告白を受けた思い出のベンチだと気づくのに時間はいらなかった。俺も同じように腰掛けた木製ベンチの固い感触は、あの時とまるで変わっていない。 「…………」 やはりと言うか、朝比奈さんはなかなか話し出そうとしなかった。ここで話そうとは決意したものの、どうやって切り出せばいいか悩んでる、みたいな感じだ。 なんだか去年の五月を思い出すね。あの時も朝比奈さんは黙り込んでしまった。ちょうどこんなふうに。 いい加減に沈黙を居苦しく感じてきたときだった。朝比奈さんはやにわに顔を上げ、俺と目を合わせて一息にこう言った。 「あたし、もしかするとキョンくんと二度と会えなくなるかもしれません」 言葉の意味はよく解らなかったが。 ただ、そうやって俺に訴えた朝比奈さんの声には真摯な響きがあって、やはりただごとではないという雰囲気を感じさせた。 よっぽど泣き出してしまうかと思ったけどな。 朝比奈さんの声は少しうわずっていて、目は心なしかうるうるしていた。以前の朝比奈さんだったら泣いていただろう。間違いなく。 しかし朝比奈さんは泣かなかった。 泣くのを必死で堪えるようなうわずった声になりながらも、涙は絶対にこぼさなかった。そんな朝比奈さんの涙を堪える表情は、むしろ泣き顔よりもいたましく感じられて――。 瞬間、俺はびくりとしてしまった。 朝比奈さんのうわずった声の調子や、悲しみに耐える表情が、いつか見た朝比奈さん(大)にとてもよく似ていたからである。朝比奈さんは確実に大人になりつつある。そんな当たり前の事実が、俺に泣きすがってくれないというのとはまた別な意味で、どうにも俺を憂鬱にさせた。時間は着実に未来に向かって進んでいる。 「この世界の時間軸は、もうすぐ止まってしまうんです」 ひとしきり感情を抑えるような間をあけた後、朝比奈さんはまずそう言った。声が調子がいつもの朝比奈さんのそれに戻っていることに安堵してしまう俺は、情けない奴なんだろうな、きっと。 「今、この時間を表す時間軸はふたつあります。あたしが今キョンくんと話しているこの時間軸と、涼宮さんが創り出した平行世界の時間軸のふたつ。……そのことは知ってますよね?」 「ええ」 一組のカップルがベンチの前を通り過ぎていくのを目で追いながら、俺は答えた。 「実は、キョンくんがこちらの世界にいる間、平行世界の時間の流れは停止しています。同じように、キョンくんが平行世界にいる間はこちらの世界の時間が凍結しているんです。だからキョンくんはこの世界とあちらの世界で、同じ時間を二回分経験しなくてはならないの」 「それはまあ、実体験済みですけど」 いい加減飽きてきた頃合いである。 「キョンくんがいる間は時間が流れていて、いなくなると凍結する。そしてキョンくんがあちらの世界から戻ってくると、また時間が流れ出す――。この世界の時間軸は今、キョンくん本意の進み方をしているんです」 「俺本意とはまた大仰な言い方ですね。俺はそんな偉いモンになった覚えはないんですが」 「涼宮さんがそうしたんです」 朝比奈さんは視線を交えず俯いたまま言った。やっぱりハルヒか。 「何がしたいんでしょうね、あいつは。俺だけが二つの世界を行き来できて、しかもその世界の時間は俺が支配しているようなもんだ。また俺にどちらの世界がいいか選ばせるとか、そういう感じですか?」 「解りません」 できればご遠慮願いたいね。だいたい、なぜみんな俺にばかり選択を迫るんだ。ハルヒに連れ込まれた閉鎖空間でもそうだったし、十二月の世界改変の時もそうだった。無能で浅知恵の俺なんぞにそんな選択をさせるなんて、もはや犯罪の域に達しているぜ。 「今はまだ、いいんです」 どのくらいの間二人して川面を見つめていたのか、朝比奈さんがポツリと洩らした。 「どういうことですか?」 「今はまだ、キョンくんが眠ることによって二つの時間軸を制御できるから。でもいつか、その制御が効かなくなるときが来るんです」 「俺が眠っても別の世界に行けなくなる、ってことですか?」 「そう」 駆け回る子供を追いかける朝比奈さんの眼差しは、なんとなく憂鬱そうだった。 「いつか――いいえ、いつだって、涼宮さんが望めば世界は閉ざされかねません。もし平行世界の方を涼宮さんが選んだら、この世界の時間軸や未来は」 「永久に凍結したまま、というわけですね」 俺はデパートでの長門との会話を思い出していた。 ハルヒが情報改変能力を失うのは、情報爆発が起こった直後。長門はそう言った。 つまりその瞬間にハルヒはあらゆる力を失うのである。もちろん世界を創り出す力も、世界を閉ざす力も。 だとしたら――。 頭の悪い俺でもはっきりと解った。 ハルヒはおそらく、情報改変能力を失う前に一方の世界を選んで、もう一方の世界を永遠に閉ざしてしまうだろう。二つの世界をほったらかしにしないくらいの良識は持ち合わせている奴だ。 やっとつながったのである。平行世界、ハルヒの情報改変能力の喪失、そして情報爆発。 身体がぞくぞくしてきた。 武者震いではない。恐怖心的な震えである。考えてみればいい。長門は言ったのだ。情報爆発は一ヶ月以内に起こる、と。 するとどうだ。情報爆発の瞬間にハルヒは情報改変能力を失う。そして、ハルヒは情報改変能力を失う前に世界を閉ざしてしまうだろう。 ようするに、と俺は深く息を吐く。そうでもしないと卒倒してしまいそうだった。 一ヶ月以内、この夏休み中にそんなことが起こるのである。つまり、どちらかの世界が選ばれて、どちらかの世界は永遠に凍結されてしまうということが。 未来を感じずにいられなかった。 二学期の始業式を、俺はいったいどんな顔で迎えるのだろう。嫌な想像しかできない俺を、誰かどうにかしてほしい。 帰り道、俺と朝比奈さんの間に会話はなかった。 朝比奈さんは重大ミスをやらかしてしまった部下のように終始俯いたままで、ふとした瞬間に俺と身体が触れても何も反応を示さなかった。俺と一緒にいることに慣れたのかもしれないし、そんなことを気にする余裕がなかったのかもしれん。どっちでもいいことだ。 俺は俺で憂鬱だった。 もちろん朝比奈さんの話の内容も影響していたが、それと同程度に、あるいはそれ以上に、時間がないという焦りが脳組織を支配していた。 残り一ヶ月の期限。ハルヒの力が失われるまでの限られた時間。朝比奈さんの引退。俺がSOS団で過ごせる日々。 そういう今まで考えないようにしてきたことが正体不明の焦りとともに波のように押し寄せてきて、俺を飲み込んでしまったのである。今のうちに何かできることをしておくべきだと思うのに、いざとなると何をすべきかさっぱり思いつかない。ハルヒが朝比奈さんの引退を前にして物憂げに青空を眺めていたときの心境も、今ならわかるような気がする。 そうして苛立ちばかりむやみに蓄積させて家に帰ると、俺はただ一日中ぼんやりとしていた。誰からも電話はなかったし、おかしなことも起こらなかった。 十一時を過ぎた頃、俺は思いだしたように携帯電話を机の上にセットするとベッドに伏せた。 第十章 TOP
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スキル追加合成 S1合わせ一覧 【槍】 2017.7 スキル名 候補 スキル所持武将 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊堅守 槍隊堅守 A 森好之 朝比奈信置 足利義栄 由良成繁 槍隊襲撃 槍隊襲撃 A 一条信龍 森下通与 来島通康 来島通康 弓隊堅守 C 宮部長房 田尻鑑種 鈴木重則 由良成繁 留守政景 槍隊襲撃 S1 一条信龍 森下通与 来島通康 山川朝信 忠節の槍 A 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 留守政景 騎馬隊襲撃 C 田原親賢 織田信光 槍隊備え S1 おたあ 弓隊襲撃 C 椿姫 絶姫 花 四風賢鳳 S1 鳥屋尾満栄 勝男武士 C 小出吉親 槍隊進撃 S1 小国頼久 安宅冬康 猪苗代盛国 小野道好 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 槍隊堅守 S1 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊備え 槍隊備え A おたあ 四風賢鳳 A 鳥屋尾満栄 終末の美玉 A 高徳院 槍隊進撃 B 小国頼久 安宅冬康 猪苗代盛国 小野道好 鳥居強右衛門 槍隊堅守 B 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 城破り B 弓隊備え C 毛利秀包 石田正継 スキル名 候補 スキル所持武将 四風賢鳳 慙愧の酒 A 本多忠朝 紫電一閃 A 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 伏僧嘗胆 C 尼子勝久 毒饅頭 C 平岩親吉 スキル名 候補 スキル所持武将 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊襲撃 槍隊襲撃 A 一条信龍 森下通与 来島通康 来島通康 槍隊進撃 槍隊進撃 A 小国頼久 安宅冬康 猪苗代盛国 小野道好 留守政景 鳥居強右衛門 忠節の槍 A 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 荒切武者 A 福留親政 扇谷定正 騎馬隊襲撃 C 田原親賢 織田信光 忠節の槍 A 夏目吉信 弓隊襲撃 C 椿姫 絶姫 花 槍隊襲撃 B 一条信龍 森下通与 来島通康 来島通康 勝男武士 C 小出吉親 留守政景 槍隊進撃 S1 小国頼久 安宅冬康 猪苗代盛国 小野道好 槍隊備え B おたあ 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 橙武者 B 薄田兼相 槍隊堅守 S1 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 弓隊進撃 C 水野信元 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊堅守 槍隊堅守 A 森好之 朝比奈信置 足利義栄 伊丹康直 弓隊堅守 C 宮部長房 田尻鑑種 鈴木重則 由良成繁 槍隊襲撃 S1 一条信龍 森下通与 来島通康 来島通康 留守政景 槍隊備え S1 おたあ 四風賢鳳 S1 鳥屋尾満栄 スキル名 候補 スキル所持武将 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊急襲 槍隊急襲 A 黒岩種直 堀秀治 温井景隆 坂井久蔵 槍隊守備 槍隊守備 A 大熊朝秀 中川秀成 北条氏房 蒲生賢秀 冷泉隆豊 織田信広 弓隊守備 A 大関高増 鳥居忠吉 弓隊急襲 B 一柳直盛 米谷常秀 槍隊急襲 A 黒岩種直 堀秀治 温井景隆 坂井久蔵 騎馬隊急襲 C 冷泉隆豊 織田信広 槍隊守備 S1 大熊朝秀 中川秀成 北条氏房 蒲生賢秀 スキル名 候補 スキル所持武将 城破り S1 城破り 城破り 龍哭の酒 B 斎藤龍興 防壁破り C 小田氏治 鐘切り C 大谷吉治 鉄砲隊進撃 S1 中村一氏 スキル名 候補 スキル所持武将 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊奇襲 槍撃の真髄 A ※小松姫 坂井政尚 槍隊突撃 槍隊突撃 A 中黒道随 森可成 新庄直頼 槍隊奇襲 A 中条藤資 江里口信常 正木時忠 真田守信 槍隊奇襲 B 中条藤資 江里口信常 正木時忠 真田守信 槍半蔵 A 渡辺守綱 槍隊布陣 B 本願寺宣如 若江魂 A 舞兵庫 弓隊突撃 C 富永直勝 宇喜多忠家 乃美宗勝 忠節の槍 C 夏目吉信 兵器運用術 C 黒川晴氏 唐沢玄蕃 弓隊奇襲 C 弓削家澄 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊突撃 S1 中黒道随 森可成 新庄直頼 槍隊堅陣 槍隊堅陣 A 穴山信君 奥村永福 槍隊堅陣 S1 穴山信君 奥村永福 弓隊堅陣 B 長谷川守知 駒姫 騎馬隊堅陣 B 七条兼仲 三好康長 梅姫 槍隊布陣 S1 本願寺宣如 槍隊奇襲 S1 中条藤資 江里口信常 正木時忠 真田守信 スキル名 候補 スキル所持武将 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊堅陣 槍隊堅陣 A 穴山信君 奥村永福 槍隊布陣 槍隊布陣 A 本願寺宣如 弓隊堅陣 B 長谷川守知 駒姫 槍隊突撃 B 中黒道随 森可成 新庄直頼 騎馬隊堅陣 B 七条兼仲 三好康長 梅姫 槍隊堅陣 C 穴山信君 奥村永福 槍隊布陣 S1 本願寺宣如 弓隊布陣 C 木下家定 槍隊奇襲 S1 中条藤資 江里口信常 正木時忠 真田守信 スキル名 候補 スキル所持武将 槍隊奇襲 槍撃の真髄 A ※小松姫 坂井政尚 槍隊奇襲 A 中条藤資 江里口信常 正木時忠 真田守信 槍半蔵 A 渡辺守綱 若江魂 A 舞兵庫 忠節の槍 C 夏目吉信 弓隊奇襲 C 弓削家澄 槍隊突撃 S1 中黒道随 森可成 新庄直頼 槍隊堅陣 S1 穴山信君 奥村永福 追加スキル名 スキル候補名 スキル所持武将 スキル所持武将 スキル所持武将 スキル所持武将 追加S1スキル スキル候補名 スキル所持武将 スキル所持武将 スキル所持武将 スキル所持武将 ※新規ワールド開始時以外入手不可能 スキル追加合成【弓】 スキル追加合成【馬】 スキル追加合成【砲】 スキル追加合成【速】
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とにかく、俺は責任を取らないといけない。女の子が落ち込む姿なんか見たくないんだ。決意を胸に、朝比奈さんの手を取った。 「元の世界に帰れるまで、俺の家にいてください」 「えっ!」 「大丈夫、親はいませんから」 「え、ええっ!」 あれ?なんで、引き気味なんだ?顔を真っ赤にして、泣きそうな顔になっている。あっ! 「いや、そういう意味じゃありません!あの殺風景な家に、独りぼっちにしたくないってことです!もちろん部屋は別ですよ!」 セクハラじみた発言を非常に後悔した。俺は、なんつー大馬鹿野郎なんだ! 「ぷ、あはは……」 あれ?さっきまで泣きそうになっていたのに、笑っている。なんでだ? 「前から思ってたんですけど、キョン君に似てますね」 「キョンに?」 「顔は全然違うんですけど、雰囲気とかいろいろ似てます。ふふ……」 なんか、ほんの少しだけ複雑な気分になったが……、まあいいさ。朝比奈さんが笑ってくれんだからな。 家に帰った後、再び朝比奈さんと今後の行動について検討することにした。きっと、何かいい方法が必ずあるはずだ。諦めてたまるかよ。 「やっぱり、ここは元々俺がいた世界です。何も変わってませんでした」 「あたしは、念のため連絡をしてみたんですが、何の反応もありませんでした。この世界の未来には、時間移動というものがないのかもしれません……」 16年、何の変哲のない世界で生きてきたんだ。未来人なんてとんでもない存在は、当然ありえないって、俺は認識してる。だが、朝比奈さんは違う。朝比奈さんにとって、未来人の存在そのものが、現に存在しているもので当たり前のものなのだ。 だが、この世界には無いものが、俺の世界には存在している。それが朝比奈さんという存在。だったら、朝比奈さんだけ、この世界に来た理由は一体なんだ? 「あの……、朝比奈さんが昨日寝るまでの行動について教えてください。変わったことはありませんでしたか?」 「特に変わったことはありませんでした。お買い物に出かけた後、家にいました」 「じゃあ、この世界で過ごして、何か気になることがありませんか?」 「そのっ、あまりにも世界が違いすぎるんです。あたしの部屋も、全然違っていましたし……、あれ?」 「どうしました?」 「えっと、あたしが起きた部屋に元々いた人は、どこに行ったんですかぁ?」 なんてこった。朝に教室で感じた違和感の正体はこれだったんだ。朝比奈さんに気を取られ、この世界の変化に気づいていなかった。朝比奈さんにとって、この世界は異質そのものだ。だが、俺にとってはどうだ?ほとんど、元の世界と同じだった。ある部分を覗いては、の限定条件でな。 次へ
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対訳【朝比奈隆 訳】 ActⅠ ActⅡ ActⅢ ActⅣ 日本語訳異版はこちら アリアへジャンプ! 静まり返った夜 アンヴィルコーラス 炎は燃えて 君の微笑 見よ恐ろしき炎を 恋はバラ色の翼に乗って ミゼレーレ 君の微笑(動画対訳) アンヴィルコーラス(動画対訳) 編集者より 朝比奈隆は1949年に関西オペラグループ(現関西歌劇団)を結成し、以来、「椿姫」(1949)、「カルメン」(1950)、「お蝶夫人」(1951)、「ラ・ボエーム」(1952)、「カヴァレリア・ルスチカーナ」「パリアッチ(道化師)」(共に1953)と、毎年次から次へとオペラを上演しています。「トロヴァトーレ」は1972年の第33回公演で上演されました。 朝比奈隆訳で参考にしたのが、大フィルに保管されている、スコアです。RICORDI の総譜 PARTITURA D' ORCHESTRA(出版年不明) に全訳が書き込まれています。T.ASAHINAのスタンプが押され、Aug.24.1972 OSAKA と書かれていますので、恐らく1972年11月の「トロヴァトーレ」初演の際に指揮者の朝比奈隆が使ったものと思われます。 そこでWEBでダウンロードしたイタリア語のテキストと朝比奈訳をできるだけ楽譜に合わせて並べました。朝比奈隆は上演の度ごとに訳詞に手を入れていたとオペラ歌手の方々からは聞いています。実際、書き直されていたり、訳詞が2種類あったりする箇所があります。そこで、もとの訳詞の上に更に書かれている場合は、(別訳:)という形で併記しました。ダウンロードしたイタリア語のト書きは、あるほうが分かりやすいので、訳しておきました。 対訳で難しいのは、繰り返しの場面です。繰り返しが同じ訳の場合は、省略してありますが、同じテキストで訳語が異なるときは、訳をつけておきました。二重唱で、イタリア語は二人同じでも、日本語では訳し分けてあるものは、分けて書いておきました。鉛筆書きの訳語が消えてしまって、どうしても分からない箇所は空欄にしてあります。 この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ Aiko Oshio 管理人より 指揮者の朝比奈隆(1908年7月9日 - 2001年12月29日)が翻訳した「歌える日本語訳」を使用しています。日本語訳は左のイタリア語の意味とは必ずしも一致しません。 朝比奈のテキストは遺族の許可をいただいて掲載しています。複製・転載・転用は固くお断りいたします。 Blogs on イル・トロヴァトーレ 【朝比奈訳】《トロヴァトーレ》「君の微笑」バスティアニーニ YouTube動画公開 朝比奈隆訳《イル・トロヴァトーレ》対訳完成と「アンヴィル・コーラス」YouTube動画公開
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俺はホテルで朝を迎えた。 まず最初にすることは決まっていた。 昨日の出来事が夢でなかったかどうかだ。 洗面台へ行き、顔を確認する。 細い目をした二枚目がそこにいた。 9月9日 俺が古泉に替わって二日目。 昨日と同じく俺は古泉のままだ。 この調子ならおそらく古泉は長門に、長門は朝比奈さんに、朝比奈さんは俺になったままだろう。 地下の食堂でバイキング形式の朝食を取り、 早めにチェックアウトを済ませた。 普通、高校生が独りでこんなビジネスホテルに泊まっているところを見られたら 家出人として警察へ通報されそうなもんだが、 ホテルの従業員たちはとても丁寧な対応をしてくれた。 古泉の紹介のホテルだ。 きっと古泉のいう『機関』とやらが関わっていると思って間違いあるまい。 ホテルの玄関からでたすぐのところに、 小柄な女の子が柱にもたれかかりながら立っていた。 長門有希・・・今は古泉がその体に宿っている。 「よく眠れましたか」 「ああ、昨日はなんだか疲れたからな」 長門(古泉)と一緒に学校へ向かう。 一見他から見ると美男美女の組み合わせだが、 中身は男同士である。 「昨日はあの後大変だったんですよ。 あなたに電話した1時間後にですが・・・閉鎖空間が発生しました」 一瞬頭の中にあの灰色の空が浮かび上がる。 昨日古泉からの電話を受けて、一番に考えた「最悪の事態」を思い浮かべる。 誰もいない空間で複数の青い光の巨人がビルを壮大に破壊している。 灰色の空間は瞬く間に広がり、空と大地と海を覆いつくしていく。 「小さな規模でしたが出動は久しぶりのことでした。 僕……いや私もこの体で動けるのか少し不安でしたが、 やはり能力的には変化がなかったようで、無事神人を退治することが出来ました。 ですが、ことはそれだけでは収まらなかったのです。 今朝方……つまりつい先ほどになるんですが、 また閉鎖空間が発生したのです。 ……今度は少し大きめでした」 長門(古泉)が眉を下に下げてワンパクな子供に手を焼いている母親のような表情を見せる。 「ここのところは大変落ち着いていたはずだったんですが、 急にまた様子がおかしくなってきたのです。 数時間おきに閉鎖空間を生み出す……まるで中学生時代の涼宮さんを見ているようです。」 中学時代のハルヒがどうだったかは知らないが、 その頃の古泉の睡眠時間はだいぶ削られていたことだろう。 「おかげで今日も朝ごはん抜きです」 長門(古泉)は昨日のハルヒの言いつけを律儀に守ったといえる。 俺はそんな約束を今頃思い出しながら長門の姿で青い光の巨人と戦う古泉を想像していた。 そんなことがあったにも関わらずホテルのベッドでグースカ寝ていた俺こと古泉一樹の体は、 やはり超能力の素質はないと考えられる。 これでは閉鎖空間に閉じ込められてもあの巨人を倒すことは果たして出来ないであろう。 「ご飯といえばそうでした。昨日のお昼はきちんと食べられましたか? お金を渡すのを忘れていましたね」 といって長門(古泉)は定型封筒を手渡してくれた。 中には千円札が3枚ほど入っていた。 昼飯代にするには十分すぎるくらいだ。もちろん余ったお金は俺のものにすることにした。 このくらいの手当てをもらったところでバチは当たるまい。 クラスについて鞄を置く。 ホームルーム前の時間は朝の挨拶やら昨日のテレビ番組の話やらでくだらない賑やかさを演出していた。 特待生クラスといってもこの辺は俺のいた5組と同じだった。 こうしてみるとこの9組も5組もクラスの雰囲気は変わらないようだ。 目を瞑れば5組にいると錯覚してもおかしくはない。 どちらもどこにでもよくあるクラスといった感じで、 全国を探せば同じようなクラスは雨後の竹の子のように探しあてることが出来るだろう。 ハルヒが前に言っていた「自分が世界で一番楽しいと思っていたクラス出来事も、 日本の学校どこにでもありふれたものでしかない」というのも間違いではないのだろうな。 だがなぁ、ハルヒ。 お前がもし俺の体に乗り移ってみたらわかることだろうぜ。 お前のいるこのクラスにはいつも突拍子のない言動をするヤツがいて、 全く先の読めない思い付きでいつも周りを巻き込む事件を起こしていることをな。 しかもそいつは我侭で自分勝手で他人のことに一切関心をもたないくせに、 自分の願っていることを全て叶えながらも、 自分ではそのことに気づいていない変なヤツなんだ。 1年5組は世界で一番楽しいクラスではないかもしれないが、 世界で唯一お前がいるクラスなんだぜ。 2時間目の授業は物理だった。 なんと読んだらいいのかわからない記号が黒板にズラズラと陳列し始めた。 これでは授業を見ていても仕方がない。 外の景色を眺めてみると5組の連中がグラウンドを走っていた。 今日の体育は陸上か。 こうして自分のクラスを見学するのは初めてだな。 その中で一番目立つのはやはりこの女だろう、涼宮ハルヒ。 いつものように豪快なステップでハードルを……なぎ倒していた。 100mの間にあるハードル10個全てをなぎ倒してスタスタとベンチへ向かう。 普通、倒したハードルは自分で直すものだろうに…… この様子ならタイムを計るまでもなくクラスで一番だろう。 でもな……ハードルは倒さないで飛び越したほうがずっと早く走れることを知らないのか? 春にやった体力測定のときはうまく飛んでいたように記憶していたが気のせいだったか? それともアメリカのなんとかという選手を真似て走法を変えたのだろうか。。 その後を走っている男子も……今日は目立っていたな。 俺の中では今一番気になる存在だ。 「うんしょっうんしょっ」と掛け声が聞こえてきそうなおぼつかない足取りで、 今にもこけてしまわないか心配である。 ハードルの前に立つとハードルに手を掛け、 大きく足を投げ出しゆっくりと跨いでいく。 ハードルって飛び越す物じゃなかったっけ? 100mのハードルを50秒くらいかけて歩いているんじゃないだろうか。 周りの女子からはクスクスと笑い声が、男子からは野次のようなものまで飛んでいた。 ああ、こんな姿見たくない! 長門の力でこの数日間の記憶はなかったことにできないだろうか。 少なくとも野次を飛ばしていた男子は今後朝比奈さんに好かれることはないだろうがな! 背中に何かが当たるような違和感を感じふと脇のほうをみると、 後ろの席から左手がこっそりと伸びている。 小さな手につままれているものは、ノートの切れ端のようだった。 じゃあ、次のところを。と物理教師が言ったところでようやく理解できた。 さきほどから前の席から順番に問題を当てられている。 まさしく今前の席の女子の発表が終わり、 次は古泉一樹の番である。 って俺じゃないか! そう、もらったノートの切れ端には記号が並べられていたのだ。 しかもその記号にフリガナまで振ってある。 だから瞬時にこの状況を理解できた。 俺はすっと立ち上がりノートの切れ端の記号をさらりと読み上げ席に着いた。 もらったノートの切れ端を裏返し「ありがとう」と書いて そっと後ろの席へ返した。 後ろの席の人間に感謝したのは高校に入ってからは初めてのことだった。 4時間目の授業も無事に終わり昼休みになった。 俺はこの学校の食堂で飯を食ったことがなかったが、 食堂常連のハルヒいわく、 人気メニューは早い段階で売り切れるから最初のダッシュが肝心なのよ!だそうだ。 それではと立ち上がろうとしたとき、 右隣に座っていた女子からの視線に気づいた。 じっとこっちを見つめ何か言いたそうだ。 「……あ、あの、い、一緒にお弁当食べませんか」 見ると両手で抱えるような大きな弁当箱である。 その合図待っていたかのように周りの女子たちもさっと集まり始め、 みんなでお弁当交換会をしましょうという流れになった。 俺は何も持っていないのだから交換ではなく単なる譲渡だ。 ここからの流れは割愛する。 俺自身、古泉の自慢話ほど聞いていて腹の立つ話はないことをよく知っているからだ。 「もう元の体に戻らなくてもイーンダヨー!」 そんな天の声が聞こえてきても誰が俺を責めることができるのであろうか。 放課後、クラスの女子の全員とさよならを交わして部室へと向かう。 この後、大食い大会とやらに出なくてはいけないのはわかっているが、 朝も昼も食べてしまった俺は優勝候補から最も遠い存在だ。 部室の扉をノックすると俺(朝比奈さん)の声がした。 中に入ると俺(朝比奈さん)が朝比奈さんの定点、お茶汲みポジションに座っていた。 見ると破産宣告を受けた債務者のように暗い表情をしている。 「キョンくん……ごめんね……」 俺(朝比奈さん)の表情がどんどん暗くなる。 「ごめんね、わ、わ、わたしがうまくできなくて……その、 キョンくんに迷惑をかけちゃって……」 最初から潤んでいた目はついには大きな水溜りとなって流れ落ちた。 「わたし……男の子になるのは向かないみたい…… クラスで変なあだ名がついちゃいました。 ……オカマって……うぅ……」 ああ、なんとなくわかっていたさ。 だが誰と誰が言ったのか後でたっぷり谷口に聞き出すとして、 今つらいのは朝比奈さんの方だ。 俺の替わりにトイレや風呂など、嫌でも男の体を意識しなければならない時間を強制されるのだ。 さっきの体育の時間だって6組に移動して男子の中で着替えるのは耐え難いものであっただろう。 男の体になったからといってそれをいじくって楽しむような趣味は朝比奈さんには絶対にないと言い切れる。 「もう私……ぐす、つらくて……ごめんなさい。 キョン君の体なのにこんなことを言って……本当に……ごめんなさい……ごめんなさい」 この人は感情を全て感情に出してくれる。 こんな人が未来の組織からの指示で、 俺の体を使って何かを企むことなんて出来るわけがない。 そんなことをしたらすぐにハルヒにバレるだろう。 肩を両手で支え、そっとハンカチを差し出す。 早く元に戻りたいね、と言いながら涙を拭う仕草は、 紛れもなく朝比奈さんのものであった。 俺(朝比奈さん)の姿に元の朝比奈さんの姿が投影して、とてもいとおしく見えた。 それからじっとこちらを見つめながら何かを言いたそうにしている。 口元がかすかに震えて潤んでいる。 これは我ながら可愛い……のかもしれない。 肩に置いた両手がずっと離したくない気持ちになる。 ドサッ 何かが扉の方で落ちる音がして2人の体がビクッと反応し、とっさに離れる。 いつのまにか扉は開いていた。 音もなく扉を開けてそこに立ち尽くしていたのは朝比奈さんに扮した長門でもなく、 長門に扮した古泉でもなく。 ああ……ハルヒであった。 「へぇ~~~~~」 ハルヒの左右の眉がピクピクと痙攣を起こしているのを見て、 中学のときにやったカエルの解剖の実験のときの、 あの太ももの筋肉の動きを思い出した。 ハルヒは怒っているのか驚いているのか笑っているのかよくわからない表情で立ち尽くしていた。 朝比奈さん(長門)の顔がハルヒの肩越しに覗いている。 ハルヒと一緒についてきていたのだろうか。 こちらを見ながら首を傾け、何か不思議そうな顔をしている。 今俺は何をしていた? そう、俺こと古泉は今俺(朝比奈さん)の肩を揉んでいただけだ。 お互い向き合ってだがな。 別にやましいことをしていたわけではないぞ。うん。 ……こんな言い訳では余計誤解を招く。 何も言わない方がまだ被害は少なくて済む。 俺(朝比奈さん)は血の気の引いた顔で震えていた。 さっきまで泣いていたので目も赤く充血している。 俺(朝比奈さん)の方に向かってそれとなくアイコンタクトを送るが、 それをどう受け取ったか、戸惑いながら「ち、違うんです……」と言った。 ハルヒの方へそっと目をやるとさっき落とした自分の鞄を拾いながら、 汚いものを見るような目でこちらを見ている。 「へぇ~~~~~~~~」 2へぇをもらった。さきほどから送っているアイコンタクトはむしろ逆効果か? 「なんか昨日からキョンの様子がおかしいとは思っていたのよねえ」 俺(朝比奈さん)の体がビクッと反応する。 ハルヒは昨日から俺(朝比奈さん)の様子がおかしいって気づいていたのか。 そりゃそうだわな。 気づくに決まってる。 朝比奈さんは絶対映画女優には向かない。 見た目は大変よろしいがこの人を女優にしようという監督などまずいまい。 せいぜいハルヒが監督する映画くらいだろう。 いつかハルヒが映画を作るなどとふざけたことを言い出さなければいいのだが。 「こういうことだったのね」 どういうことだ。 変な納得をしないでほしい。 俺は朝比奈さんが心配なだけだ。 古泉だったらもっとうまい言い訳を考えられるんだろうが、 その点、俺はまだ古泉になりきれていない。 「ま、いいわ」 よくない。非常によくない。 「恋愛は自由よ」 性の垣根を飛び越えるような自由はいらない。 ハルヒはわざとらしく俺たち2人を軽く避けるような仕草をしながら 団長机に歩いていき、足を投げ出して座った。 デスクトップパソコンに電源を入れてからもずっと不機嫌な顔をしている。 「こ、古泉くん。古泉くん」 俺(朝比奈さん)が服の袖を必死に引っ張っている。 今くっつかれるとまた怪しまれると思いつつも振り向くと、視線の先に淡い肌色が映った。 朝比奈さん(長門)が制服を脱いでいた。 もう下着に手を書ける寸前であった。 あわてて2人で廊下に出る。 朝比奈さん(長門)も一言くらい言ってから着替えろって。 そもそもなんで朝比奈さん(長門)がいきなり着替え始めてるんだ? これから5時に駅前の大食い大会に出るというのにわざわざ着替える意味がわからない。 扉の前で待機していると、廊下の向こうから長門(古泉)が歩いてきていた。 「今、朝比奈さんが(長門)着替え中だ。もちろんお前でも中に入っちゃダメだぞ」 無表情でコクンと小さくうなずく。 無言のまま昨日と同じホテルの鍵を古泉(俺)に手渡す。 こいつ、だんだん長門の真似がうまくなっている。 「12時30分、閉鎖空間発生。本日二回目」 廊下の壁に背をつけてまっすぐ遠くを見ながら長門(古泉)がつぶやいた。 「ついさっきおわった」 恐ろしいことをさらっと言ってのける。 「今までで最大級」 真剣な瞳がこちらを貫く。 今ハルヒの身に何かが起きているのは間違いないらしい。 それは俺たちの態度の変化に対してなのだろうか? それとも他に要因があってのことなんだろうか。 変な様子がなかったか俺(朝比奈さん)に聞いてみる。 「う~ん……変な様子といえば涼宮さん今日はずっと不機嫌でしたねぇ。 あと……あ、そうだ。今日私、お昼食べてないんですよ」 はい? 意味が今ひとつ掴めず、目が点になる。 「あ、あ、違うんですよ。 お昼休みに涼宮さんに大食い大会に出るんだから食べるなって言われまして…… それでずっとお昼は涼宮さんに連れられて校内不思議探索をしていました。 探索中もずっと不機嫌でその途中でもあの空間を発生させていたわけです……」 なるほどね。ハルヒ監修の元、お昼を堂々と取るのは難しかったかもしれない。 「でも、不思議なんですよねえ。 涼宮さんもお昼取らなくて良かったんですかね? 今日は涼宮さん大食い大会に出るつもりないみたいなこと言ってませんでしたっけ」 そういえばそうだ。 ハルヒは昨日大食い大会に4人は登録したが、 自分は監督だから出ないと言っていた。 もしかしたら俺達が昼メシを抜くのに自分だけ食べるわけにはいかないという、 ハルヒなりの優しさとでもいうべきなのだろうか? すまんが古泉(俺)は昼飯は食べてしまっている。 あるいは急に気が変わってハルヒ自身も参加するつもりなのかもしれないな。 あの大食い王だ。 自分で優勝をかっさらいたい欲求が出てきて不思議はない。 「もーいーわよ」 中からハルヒの投げやりな声が聞こえて部屋に入る。 朝比奈さん(長門)がピシッとメイド服を決めてお茶を入れるためのお湯を沸かしていた。 少し、いつもの朝比奈さんっぽい仕草に見て取れる。 「もう少ししたら行くからね」 時計をちらりと見ながらハルヒがぶっきらぼうにつぶやく。 お前は今何を考えているんだ? そんなに気に入らないことがあるならみんなにぶつけてくれた方がまだマシだ。 重い空気の部室でハルヒの方を見ないようにしながら朝比奈さん(長門)の入れてくれるお茶を待った。 「お、とっとっと……」 突然お盆を持った朝比奈さん(長門)がゆっくりと棒読みのようなセリフを吐いた。 お茶の載ったお盆を左右に振り子のように振りながら、 スローモーションのようにこちらに倒れ掛かってきた。 ガッシャーン!バシャ! 熱熱熱あつあつあつーっ! 豪快にお盆の上のお茶がこぼれ机の上に散らばった。 熱気を帯びた湯気が一瞬部屋を白く覆った。 異変を感じ、とっさによけたが足に少し掛かってしまった。物凄く熱い。 上靴を脱いで足にふーふーと息をかける。 あわてて俺(朝比奈さん)が雑巾を持ってきて床を拭いた。 「ドジだから……」 朝比奈さん(長門)が割れた茶碗を拾いながらポツリとつぶやく。 えええ?まさか……まさか今のわざとか? 「あーっはっはっは、みくるちゃんサイコー! あはは、あはは、いい!いいわ!そうよ、みくるちゃん。 やればできるじゃなーい! それこそメイドでドジっ娘! 萌えの最強な組み合わせパターンよ! これであなたは無敵の萌え娘に一歩前進よ~!」 そう叫ぶとハルヒは机のどこからか腕章を取り出しマジックで「メイド長」と書きなぐった。 「喜びなさい! 今日からみくるちゃんはメイド長に昇進よ! そうだ!もう今日はどうせだからその格好で大食い大会に出場よ! いいわね?」 朝比奈さん(長門)が腕章を受け取りながらこくりと首を縦に振った。 俺(朝比奈さん)が露骨に嫌な顔をし、がっくりとうなだれる。 だがおかげで男2人の怪しい空気を吹き飛ばしてくれたのだ。 朝比奈さん(長門)が機転を利かせてくれたのかもしれない。 長い坂を下る。 いつもなら帰り道だが、これから俺たちは大食いの大会に出なければならないらしい。 開催場所の北口駅はここから歩くと結構な距離がある。 ハルヒは先頭を軽快に歩きながらドン・キホーテのテーマを歌っている。 その後を右腕にメイド長と書かれた腕章をつけたメイドがシャキシャキと歩き、 高校生3人が後に続く。 俺(朝比奈さん)の足取りが少し重い。足元がちょっとふらふらしている。 「ちょっと貧血気味で……大丈夫です。なんとか歩けますから……私をあまり心配しないで……」 体を支えようとしたところで前のハルヒが振り向いて不機嫌そうな顔でこっちを見ていた。 あわてて離れる古泉(俺) 俺は何をやってるんだほんとに。 俺(朝比奈さん)の話だとハルヒも昼飯を食べていないはず。 ならちっとは元気を落とせ。まったく。 「本当に……私なら大丈夫ですから心配なさらずに」 にっこりと俺(朝比奈さん)が微笑む。 この俺(朝比奈さん)はあまりしゃべらないほうがいいかもしれない。 ちっとも俺らしくする素振りなんてない。 これじゃあオカマといわれても仕方ないか…… でもそれだけ本当の朝比奈さんは女らしさに満ち溢れているということなのだ。 体が男になろうとも女らしさを失わない。 ハルヒも一度朝比奈さんに乗り移ってもらえ。 一日で今までの評価を一変できるぞ。 駅前広場についた。 大会種目はカレーライスのようだ。 昨日チラシをよく見てなかったからよく覚えてはいないが、 北口駅前の広場には異常なまでのカレー臭が漂い、カレーの街と化していた。 夕飯の支度帰りの主婦や、会社帰りのサラリーマンなどが野次馬になってごった返している。 この様子だと北高の生徒もかなり見ていることだろう。 隣にいる俺(朝比奈さん)の顔がまた暗くなっていく。 大会受付本部には大きなテントが張られ。 カレーライスの大食い大会を知らせるでっかい垂れ幕が堂々と掲げられている。 TV局も来ているらしく、 意外に大きい大会らしい。 TVカメラマンがメイド姿の朝比奈さん(長門)を見つけてカメラを回していた。 ニュースの時間にでも流すのだろうか。 この映像が使われないことを祈る。 ハルヒが受付からゼッケンを4つ持ってきた。 「じゃ、頑張るのよ! SOS団のメンツにかけても絶対に優勝すること! いいわね!」 それだけ言い切ると手刀を切るような仕草をして、 観客席の見やすいほうへとずかずかと人を掻き分けていった。 本当にハルヒはこの大会に出ないらしい。 出れば優勝候補になれると思うんだが。 控え室となるテントの中へ移動する。 みれば相撲取りのように太っている選手もいれば、 ガリガリにやせている選手もいる。 全部で20人くらいいるだろうか。 優勝しても商品券程度の物しかもらえないというのに良くやることだと関心する。 大会開始10分前になった。 舞台のテーブルに一列に並び、観客の視線を大量に浴びる。 かなり恥ずかしい状態だ。 司会者が一人一人名前を読み上げていく。 前回の優勝者が先ほどのガリガリ君だというから意外だ。 俺たちの登録名はSOS団団員1号、2号、3号、4号であった。 ハルヒのネーミングセンスの男らしさにはいつものことながら頭が下がる。 朝比奈さん(長門)がSOS団団員3号として紹介されると、 会場からへぇーとかほぉーといったため息交じりの歓声が沸き上がった。 やはりメイド服の美少女はかなり目立っているようだ。 その歓声を聞いて団員1号の俺(朝比奈さん)が顔を真っ赤にしてうつむいている。 ちなみに古泉(俺)の名前は4号。 数字は入部した順番である。 机の前に大皿に盛られたカレーが並べられていく。 ルールは20分で何杯のカレーライスが食べられるかという単純なもの。 一杯500gと言っていたので結構な大皿だ。 食べる前からお腹イッパイだな。 ま、こういう大会に一生に一度くらい出るのもいいだろう。 開始の合図を待ちながら俺の心はもうすでにギブアップしていた。 そのとき団員2号の長門(古泉)が素早くポツリとつぶやく。 「……閉鎖空間発生」 ………。 なんだって? 横を振り向くと俺(朝比奈さん)は左耳を手で押さえ、 朝比奈さん(長門)は右手にスプーンを握り締めたまま虚空をじっと見つめている。 いつかみた光景そのままである。 この真剣な顔つきはカレーの大食いにかける意気込みとは違うようだ。 いつぞやの野球大会みたいに優勝しないと世界が大変なことになるとかそんなんじゃないだろうな? 「わからない。前回と違い、始まる前から発生している。 この大会との因果関係が不明。とにかく急速に拡大中」 おい長門(古泉)、お前本当に中身が古泉か? 一人だけ元に戻っているようなしゃべり口だ。 すぐにでも長門(古泉)に駆けつけてもらいたいところだが、 これから大会が始まろうとしている段階で抜け出すわけにはいかない。 「こらー! キョーン! 絶対優勝するんだからねー!! みくるちゃーん! 頑張ってテレビにガンガン映るのよー!!」 観客席の一番前に陣取ったハルヒが大声で叫んでいる。 こうして見る限り、ハルヒは非常に元気である。 それにこれからみんなの試合が始まるというのだ。 こいつが本当に今閉鎖空間を広げているのか? とてもそうは見えない。 本当はハルヒと違う人物が閉鎖空間をつくっているんじゃないのか? そう思えてきた。 長門の魔法のような力を使えば簡単に優勝できるかもしれない。 しかし、テレビも回っている大勢の観衆下の元でそれを使うのは余りにも危険である。 出来る限り実力でケリをつけるべきである。 今この4人の中で一番この競技に向いているのはSOS団1号の長門(古泉)であろう。 得意のカレーライスとなればかなりのものだ。 物理的な胃の容量が違うとしか思えない。 ただ、心配なのはこの長門はいつもの長門と違って、 中身が古泉だということだ。 これがどのように影響するかはわからない。 とにかく長門(古泉)! 頼んだ! お前の食いっぷりに任せた! さっさと優勝して光る巨人を倒しに行ってくれ! 運命の開始のブザーが鳴った。 15分が経過。 自分の胃の領地は全てカレー色に占領されていた。 2皿食った。もうお腹一杯だ。 朝比奈さん(長門)は4皿の目の中ほどまで食べたところで、 スプーンに乗せたカレーを凝視している。 長門にとって大好きなカレーもさすがに朝比奈さんの体には応えたか。 「こら、バカキョーン!! 休んでる場合じゃないでしょー! カレーなんて口の中に全部詰込んじゃえばいいのよ! 食べるんじゃなくて全部飲み込む感じよ! こうやって、があぁーって! ああ!んもう! みんなしっかりしろー!」 ハルヒは見てるだけのクセになかなか無茶ばかり言ってくれる。 俺(朝比奈さん)はなんとか2皿完食していたが、 3皿目には手もつけず、グッタリとしていた。 もうみんな限界が近い。 それでも長門(古泉)は頑張っていた。 自分の背負った使命の重さは地球の重さである。 その顔には必死さと真剣さが伝わってくる この大食い大会の結果次第では世界の破滅もありえるのだ。 ガ・ン・バ・レ・長・門(古泉)! その一口には人類の明日が掛かっている! コップの水を口に含みながら隣の席の朝比奈さん(長門)がため息混じりにつぶやいた。 「閉鎖空間の拡大が加速している」 なんだって?これでもダメなのか? 長門(古泉)の前には空の皿が7枚積み上げられている。 たしかにこれは女子高生としてはすごいのかもしれない。 だが、前回優勝者の意地か、ガリガリ君の食べる速度はそれ以上のものがあった。 すでに10枚。もうすぐ11枚目のお皿が積まれるところだ。 長門(古泉)は負けているなりにも立派に健闘している。 これに勝たないとハルヒのイライラは収まらないのか? ハルヒの方を見ると爪を噛みながら恨めしそうな顔でこちらを睨んでいる。 さきほどとは違ってまるで鬼気迫る表情だ。 なんとなく閉鎖空間の拡大もうなずけるような気がする。 今勝つための最低ボーダー、カレー12皿は女性の一日辺りの消費カロリーの3倍に達している。 ここまでやらせると危険である。 長門(古泉)の手が急に止まった。 額にはすさまじい量の汗が溜まり、目は充血していた。 いかにも苦しそうな表情を浮かべた長門(古泉)は口パクで「無理」と言っているようであった。 こうなったら仕方ない。 頼む。なるべくばれない方法を使ってくれよ…… 朝比奈さん(長門)の口元が素早く何かをつぶやいたかのように見えた。 一瞬動きが止まったかに思えたが、 そこからいきなりスプーンの回転速度が加速した。 4皿目を一気に流し込んだ朝比奈さん(長門)は 5皿目から皿を持ち上げてそのまま一気にサラサラと口の中へ放り込んだ。 食べているというよりもほとんどどこか異空間へ捨てている感じである。 現にお腹が膨れていく様子もない。 よく見ると朝比奈さん(長門)の喉が全く動いていない。 だがそこはうまく皿を持ち上げることで周りから見えないようにカバーしている。 会場は壮絶な盛り上がりを見せた。 メイド服を着た上品で可愛い女の子がすさまじい食いっぷりを披露しているからだ。 朝比奈さん(長門)のその姿はメイドとしてはあまり上品な食べ方とは言えないだろうが、 この際贅沢は言っていられない。 こうなると次の皿にカレーを盛るのが間に合わないくらいである。 司会者が残り一分を告げたところで、 朝比奈さん(長門)があっという間に20皿目のカレーを異空間に流し込み それを見たガリガリ君はついに諦めたか、手を止めた。 会場はの歓声はヒートし、大盛り上がりを見せた。 市内大食い選手権大会の歴史にSOS団団員3号朝比奈みくるの名が刻まれた。 「表彰状、SOS団団員3号朝比奈みくるどの。 あなたは第6回市内大食い選手権大会において……」 表彰式の最中、すでに長門(古泉)の姿はなかった。 あの満腹の体で閉鎖空間の巨人とどこまでやれるのか知らないが、 朝比奈さん(長門)の優勝により、 幾分か閉鎖空間の拡大は抑えられているということだったのでたぶん大丈夫だろう。 この優勝は無駄ではなかったと思いたい。 ハルヒには長門は急用で帰ったと伝えておくか。 それにしても朝比奈さん(長門)の食いっぷりは見事という他なかった。 見事すぎて逆に怪しまれないか不安である。 実際、前に野球大会でインチキを使ったときも相手チームにはかなり怪しまれたものだが、 今回も周りの選手たちからは疑いの目としか思えない視線が注がれていた。 これ以上SOS団という名前でこのように目立つことをするのは大変危険である。 しかし、ハルヒにはそんなことはどうでもよかったらしく、 「やったわ!みくるちゃん!優勝賞品の商品券でみくるちゃんの新しい衣装を買ってあげるからね! そうだ!今度は女王様なんてどう?結構高いのよ、ああいう服は。」 と朝比奈さんにとっては何ともありがたくないであろう公約を掲げていた。 ハルヒは朝比奈さん(長門)の手から商品券を当たり前のように奪い去りながら自分の鞄の中に入れていた。 その横で俺(朝比奈さん)がぐったりとしながら、自分にはさも関係のない話のようにしている。 俺ももうしばらくカレーは食いたくない。 大会を終えた4人はすることもないのでそのまま帰宅の途についた。 辺りはすっかり暗くなっている。 「ねえ、キョン」 なんだよ、と返事をしそうになった。 そうだ。俺は今、古泉である。 キョンと呼ばれたら俺(朝比奈さん)が返事をする役目である。 道路のカーブにある反射鏡を見上げるとしっかりとそこに反射鏡を見上げる古泉(俺)の姿がある。 俺(朝比奈さん)は呼びかけに何も答えず、考え事をしていたのか黙々と足を進めていた。 「こら、バカキョン!」 「いたたたっ! は、は、はい! なんでしょう?」 左上腕部をぎゅっとつねられて初めてハルヒの呼びかけに気づいた俺(朝比奈さん)はあわてて振りむく。 「んもう、さっきから何ぼーっとしてんの? どーせみくるちゃんのことずっと見てたんでしょうけど。 ……言っとくけど、みくるちゃんはあたしの物だからね! 変な気起こさないでちょうだいね」 ハルヒは朝比奈さん(長門)に後ろから抱きつくと、 まるで自分のおもちゃを自慢する子供のような顔で朝比奈さん(長門)を軽々と持ち上げた。 持ち上げられた朝比奈さん(長門)は無抵抗なまま ハルヒの右腕の上で一回転したところで放り出されるようにして着地した。 俺(朝比奈さん)はなにか言いたげな顔をしていたが、 今ハルヒの力で俺たちが入れ替えられているのであれば、 やはり俺たちはみんなハルヒの物といっても過言ではないのかもしれない。 ……いや、そんなことはさせないぞ! させたくないが…自分の体が自分の物でないこんな状態ではあまり説得力もない。 「あたしん家こっちだから、じゃあね」 とハルヒは一言だけ言い切ると、そのまますぐに十字路を左に曲がり暗闇に颯爽と消えていった。 ハルヒは本当に元気なままだ。 何か不機嫌な要素を残しているとは思えない。 そのことが余計こちらを不安にさせる。 俺(朝比奈さん)とも次の角でわかれ、 そこからしばらくは朝比奈さん(長門)と二人きりとなった。 朝比奈さん(長門)はいつものとおりの長門らしくずっと無言のままだ。 途中すれ違う人たちが朝比奈さん(長門)のメイド服姿に驚いていたが そんなことはまるで目に入っていないようだ。 光陽園駅が見えてきたところで朝比奈さん(長門)は急にまま立ち止まった。 朝比奈さん(長門)の右腕についたメイド長の腕章が風にゆれ動く中、 体は1ミリも動かさず顔だけをゆっくりこちらへ向けてきた。 長門がこんな風な行動を取るときは必ず何か重要な意味がある。 あるのだが、その行動は少し遅い。 早く言えって。 「……わたしの家に来て」 突然心臓の音がドクンからドキンに変わったような気がする。 いつか本物の朝比奈さんにこんなことを言われる日が来てほしいものだ。 「なんで?ここでは話せないこと?」 「話したいことがあるの」 朝比奈さん(長門)の目は真剣そのものであった。 長門のマンションは昨日来たばかりだ。 あのときはだいぶ混乱していたな。俺も。 二日たって落ち着きは取り戻したが、肉体は取り戻せないままだ。 エレベーターに乗って7階を押す。 「何か食べたいものある?」 朝比奈さん(長門)が珍しく人の注文を受けようとしている。 「…冷凍庫にカレーしかないけど」 思わず驚いてしまった。 そして少し笑ってしまった。 長門、お前いつの間にか冗談がうまくなったなぁ。 部屋の電気をつけてコタツ机に座っていると、 朝比奈さん(長門)が台所から盆に急須と湯飲みを載せて持ってきた。 いつか最初にこの家に来たときと同じ状況なのだが、今ここにいるのは朝比奈さんと古泉だ。 周りから見たら全然違う風景である。 さきほどのようにドジッ娘発動でお茶をこぼさないうちに空中で茶碗を受け取った。 「話ってなにかな?」 こちらから切り出してもすぐに話し出さないのが長門の癖だ。 俺もとりあえず飲めといわんばかりに出されたお茶に口をつけて押し黙った。 朝比奈さんの入れたお茶と少し味が違う気がする。 だがこれはこれでおいしいと思えるから不思議だ。 朝比奈さんの体からはお茶をおいしくさせる成分が抽出されているのだろうか。 ふと、昨日長門(古泉)が言っていたことが気になった。 「ところでお前、朝比奈さんの体になってから、ハルヒに対する観測の視点とやらに変化はあったのか?」 昨日の長門(古泉)からの電話のときの話題だ。 長門はもしかしたら今回の事件を意図的に起こした張本人かもしれないというものだ。 今日のハルヒの様子を見ていると、もしかしたらこの長門という線も考えられなくはない。 人間を入れ替えるなんてことが出来るのはあとは長門くらいのものだからな。 朝比奈さん(長門)はうつむいたまま何も答えない。 何か心の中で葛藤しているのか。そしてようやく口にしたことばは… 「もしかしたら私たちは……元の体には戻れないかもしれない。」 な、なんだって? 「私を含め団員の4人は恒久的にこの体のまますごすことになる可能性がある」 衝撃的かつ無責任な発言だ。 古泉が言っていた最悪な予感の一つを自ら宣言したのである。 そのくせ俺の質問には何も答えていない。 …待ってくれ長門。昨日と話が違うぞ。 お前が俺たちの体を元に戻せないとなったら俺たちはどうすればいいんだ? またハルヒのきまぐれで俺たちの体をシャッフルする日を待てというのか? それともそうさせるように仕向けろというのか? しかもハルヒには入れ替え事件を知らせずにだぞ? 話は長くなる、といったん前置きをおいた後お茶を静かにすすって答えた。 「今回の騒動の発端は涼宮ハルヒ。 彼女による小規模時空変換の際に、私の中にある変化がもたらされた。 それは人間が有機生命体である以上、体内細胞に微小ながら蓄積される思考情報の残骸。 …あなた達の言葉で言うところの残留思念ともいうべきものを解析したときに起こった」 残留思念などという言葉を使ったことなどないが、 とにかく体に残った記憶のようなものだろう。 そんなものがあるなんて気づかなかった。 じゃあ、この古泉の体にも残留思念があるというのだろうか。 しかしながら俺は今、古泉の使う超能力もなければ意識も記憶も何も持っていない。 「人間にはどのようなデバイスを用いてもこの残留データから情報を汲み取ることは出来ない。 このことは未来人である朝比奈みくるも同じこと。つまり私だけにできる…」 と言って朝比奈さん(長門)が急に隣に体を寄せてきた。 ドキっとして思わず体を反らそうとしたが朝比奈さん(長門)密着してくる。 そして右手の人差し指をゆっくりと古泉(俺)の額に伸ばし、軽く触れた。 いや、触れたのだろうか。触ると同時に感覚がなくなったのでわからなかった。 目の前が突然真っ暗になったのである。 いや、急に暗いところに来た時のフラッシュバックともいえる状態だろうか。 徐々にボンヤリと周りの状況が確認できる。 ぼんやりと明るい灰色の空、無音の空間、誰もいないビル群。 …閉鎖空間である。 だが不思議なことに今回の閉鎖空間は今までと感覚を全く別にしていた。 言葉では説明できない何かをたしかにそこに感じていた。 誰かがここにいる。わかる。 そして戦っている。あの光の巨人とだ。 そしてこの空間を生み出した主の存在をはっきりと感じる。 ──ハルヒ。 急にまたフラッシュバックした。今度は眩しい。 気づくとまた長門の部屋にいた。 朝比奈さん(長門)の指がゆっくりと目の前から離れていく。 今の映像が古泉の体にあった残留思念なのだろうか。 やけに生々しい。今起こっている出来事のようであった。 「朝比奈みくるの情報を解析しているうちに、意識下における情報の中で、 今回の騒動の原因の因子とみえる意識の片鱗を捕らえた」 つまり、朝比奈さんに原因の一部があるってことか? もしかしてそれを言うために俺をここへ呼んだのか? 「朝比奈みくるは自己の言動により涼宮ハルヒへ大きな影響を与えたことを無意識の元に自認している。 そのことが今回の入れ替え騒動を引き起こした原因になったかもしれないということも。 しかしそれは…朝比奈みくるとして、言ってはいけないことが含まれている。」 なんだそれは。 知っているけど教えてくれないというのだろうか。 朝比奈さん特有の禁則事項とでもいうのか? 朝比奈さん(長門)は押し黙ったままうつむいている。 「……以前の私なら言えたこと。 私は…朝比奈みくるの残留思念のもたらすエラーにこれ以上対処できない」 どうしても教えてもらえないのか? 「わからない。このことがなぜか朝比奈みくるにとっての意識の中で特別なカテゴリーを持ち、 その情報は身体における理解の分別の中にいくつかの情報とともにタブーを伴って存在している」 タブー…それは未来人としての特性なのだろうか。 とにかく長門の使う言葉がわかりにくく、理解が全てに及ばない。 こういうのをなんていうんだっけ? 長門は情報の伝達に齟齬が発生するって言ってたな。 「私は現在、情報統合思念体と直接同期できない。 このことが個としての私本体の能力に限界をもたらすと同時に、 朝比奈みくるから受ける情報同期への回避行動を不可避なものへとさせている。 そして、朝比奈みくるによってもたらされた蓄積情報が、 排除できないデブリとなって私に大きなエラー情報を与えている。 いつか私にもたらされるかもしれない大きなバグが情報回路に形成されつつある。 それが発動したときの行動を予測できない。 きっとあなた達を元に戻すことは出来ないだろう」 長門は普段は全くの無言だが、しゃべるとなると一気にしゃべる癖がある。 お茶はすっかり冷たくなってしまっている。 頭の中もすっかり冷めてしまった。 長門にとって朝比奈さんの体でいることはいろいろと不都合があるらしい。 だからハルヒの能力による規制が外れても、 そのまま能力が落ちたままになる可能性があるということだろう。 ざっとこんな感じの意味だったと理解した。 これ以上は今の俺にはついていけない。 「ところで、長門の今の状態が徐々に変化していくものとして…、 9月12日になった時点で俺たちの体を元に戻すことのできる可能性はどのくらいあるんだ?」 「おおよそ…99.9996%」 ほぼ確実に大丈夫じゃないか。 たったの0.0004%がそんなに長門を不安にさせる材料となっているのか。 いや、長門のことだ。 この極少の確率がいずれ大きな可能になることを知っているのかもしれない。 だから俺にそのことを警告しているのだ。 そのときが来たら助けてくれと言いたいのかもしれない。 部屋から出たときに初めて気づいた。 俺は今まで、朝比奈さんと二人きりで一緒の空間にいたのだということを。 中身は長門にしろ、体はあの犯罪的なボディーである。 むしろ中身が長門であるからこそ間違いが起きても朝比奈さんにはわからないということで… いや、間違いはないんだが、もちろんする気はないんだが、何言ってるんだ俺は。 せっかくの貴重な時間を何もせずにただ話を聞いているだけに終わってしまった自分を情けなく思った。 さっさと帰ろう。っと今日も泊まりはホテルだ。我が家が恋しい。 古泉が用意してくれたホテルは昨日と同じ、 部屋の番号だけが違う部屋であった。 部屋の配置などに変化もない、つまらないビジネスホテルの一室。 シャワーを浴びて横になると同時に携帯が鳴った。 長門(古泉)からだ。 「やあ、すいません。もう寝ていましたか?まだ大丈夫でしたらお伝えしたことがありまして」 すっかり口調は古泉だ。 昼間の長門(古泉)とは別人のような語り口である。 「いえいえ、あれは長門さんのフリですから。 うまくなったものでしょう?僕も俳優やらせたらなかなかの物になるんじゃないですかね?」 「疲れてるんだから用件だけ言え」 「ああ、すいません。もちろん他でもない涼宮さんの話なんですが」 長門の次は今度はハルヒか。 SOS団は問題ばかり発生する団ともいえるな。まさにSOSだ。 「閉鎖空間の発生が頻発しています。 あなたと別れた後もあれから二回も閉鎖空間が発生しました」 やっぱり原因はハルヒなんだろうか。 古泉がそう感じるだけで他の人が作り出した閉鎖空間ってことはないのだろうか。 さっき朝比奈さん(長門)は自分の力が制御できないと言った。 さらに朝比奈さん自身に原因の発端があるとも言った。 「いいえ、それはありません。 間違いなくこの閉鎖空間を発生させたのは涼宮さんです わかってしまうのだから仕方がないのです。」 そう、それはさっき古泉の体とシンクロしたときなんとなく感じていた。 あの一瞬で今ハルヒの心の中に抱えている意識下ストレスの大きさがわかったのだ。 だから古泉の言いたいことはよくわかる。 「今までの涼宮さんの場合、閉鎖空間を広げるときは何か物事がうまくいっていないときでした。 そういうときの涼宮さんの様子であれば、顔色や態度からなんとなく読み取れるはずでした。 ですが今回は違いました。 あなたも目の前で見ていたでしょうが、 涼宮さんの提案した大食い大会に優勝しているにも関わらず、ストレスは増大していったのです もちろん閉鎖空間の規模もどんどん大きくなっています。 今まではあなたの力でかなり涼宮さんのストレスを抑えることが出来ていました。 少なくともイライラの原因を推し量ったり、 涼宮さんの行動をコントロールしたりはできましたからね。 ですが、今僕たちは自分の体を離れ、各々の行動を制御できません。 あの朝比奈さんではあなたの肉体を使って涼宮さんのストレスをとめることは出来ないのです」 俺はもうハルヒの相方として離れることができない存在だとでも言いたいのだろうか。 俺はアンコウの雄と雌じゃない。 あいつの伴侶としていきるつもりは毛頭ない。 だが、このまま灰色の世界に飲み込まれて消えるのはもっと嫌だ。 「このまま行くと明後日くらいが持ちこたえられる限界です。 長門さんの力で元に戻してもらうにしても 少なくとも9月12日まではこのままでいなくてはなりません。 もしかしたら……」 もしかしたら? 「もしかしたら9月12日という日は人類滅亡の期限なのかもしれませんよ」 人類の滅亡だと? そういうことを軽々しく口にする古泉の癖にはもううんざりする。 早く電話を切ってくれ。 「この調子では明日は学校に行けないかもしれません。 そのときは涼宮さんを頼みます。 とにかく涼宮さんのストレスの原因を探ってください。お願いします。では」 頼まれてもどうしようもない。 さっき古泉がいったように俺は今古泉になっているせいでハルヒに対して影響力が少なくなっているからだ。 そしてその体を動かしている朝比奈さんは今回の原因について何も話してはくれてはいなかった。 朝比奈さんの体に乗り移っている長門もだ。 細かいことは明日直接聞くしかない。 まずはハルヒのストレスの原因を探ることから始めなくては… 携帯を机の上に置き、ぐったりと横になって時計を見ると時間は12時を差していた。 明日は9月10日。 何をするのか具体的にはつかめぬまま、とにかく明日にかけるしかない。 古泉になって二日目の夜が更けていった。 第3章
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文字サイズ小で上手く表示されると思います 図書館より 朝比奈さんは、ハルヒの一番凄いところってどこだと思います? たまにはのんびりと一人で昼食を――そう思って部室にやってきた俺は、同じような理由で部室に きていた朝比奈 さんに何となくそう聞いてみた。 まあ世間話って奴さ、特に意味があっての発言じゃない。 「一番凄い所……ですか?」 ええ。 対面に座る朝比奈さんは箸を止め、視線を宙に彷徨わせながら思考するように固まっている。 そんな見ていて心が安らいでしまう様なお姿をしばらく楽しませて貰った後、 「行動力、かな」 朝比奈さんはそう結論付けた。 なるほど、確かにあいつの行動力は凄い。 今更語るまでもない様なあれこれが脳内を駆け巡り、その節々で溜息をついていた自分を思い出して 思わずため 息が出る。 何故俺がた溜息をついたのか想像できたのだろう、そんな俺を見てくすくすと朝比奈さんは微笑んでいた。 「キョン君はどう思ってるんですか?」 俺ですか? そうですね……。 肉体的能力、まあ確かにこれは凄いな。 学習能力、これに関しては常識以外はたいしたもんだろう。 社交性? マンションの管理人さんとか第三者には礼儀正しくできるんだから俺より社交性があるよな。 さて、自分で聞いておいて俺はその答えが思いつかない事に驚いた。 俺が長考に入った事に気づいたのだろう、朝比奈さんはまたちんまいお弁当の切り崩しに取り掛かる。 別にここで朝比奈さんに特別な答えを言う必要性はない、でも何故か適当な答えを言って誤魔化すのは 何か違う 気がするんだよな。 チーズ入りのオムレツを箸で二つに分けながら、俺は頭に浮かんだ言葉をそのまま呟いた。 意志の力、って奴ですかね。 「意志の力……ですか」 ああ、口に出してみてやっとわかったぜ。これが俺の本音なんだ。 適当に聞き流してくださいね? そう前置きして、俺は思いつくままに口を動かした。 これを言ってしまうと俺はハルヒの事を馬鹿にできなくなるんですが……まあ、禁則事項って事でお願い しますね? 実は俺、子供の頃から結構最近まで宇宙人や未来人、超能力者がどこかに居てくれないかなって思ってたんですよ。 でもまあ普通に考えるとそんなの居る訳がない、でも少しは居て欲しい。 ……なんて、そんな程度の考えでしたけどね。 でも、あいつの場合はその思いは本気だったって所。それが凄いと思うんです。 子供の頃からって簡単に言えますけど、これってとんでもない時間ですよね。例えば、俺が欲しい物が あったとして、 それを1週間欲しいと思い続けろ! って言われたらまず無理です。 思い続けたらそれをプレゼントしてもらえるって言われても無理だと思います――まあ、朝比奈さんの心が頂けるって 事なら可能性は十分にありますが――それ程、自分の思いを持ち続けるのは難しい事だと思うんですよ。 でもあいつはずっと、俺と朝比奈さんと出会ったあの七夕の日からずっと。世界が面白くなる日を信じて 努力してきた。 ……まあ、その努力がいい事かどうかは別としてですがその意志の強さだけは認めざるを得ない、 そんな感じです。 ん、喋り過ぎたか。朝比奈さんはいつの間にか箸を止めていて、俺の顔をじっと見ている。 その顔は……なんだろう、笑顔の様で寂しい様な……。 「涼宮さんが羨ましいな」 なんですか、それ。 「だって、本当に理解してくれている人が居るんだもん」 ……それって、まさか俺の事ですか? いつもあいつの行動に頭を抱えてる俺があいつの理解者だとは正直思えない んですが。 空になった弁当箱をしまいながら朝比奈さんは微笑む。今度は素直な笑みで。 「内緒です。……キョン君、一つ約束してください。これから何があっても、涼宮さんの事を信じるって」 何ですか、急に。 そう誤魔化そうとした俺だが、朝比奈さんは真剣な眼差しで俺の事を見つめている。 えっと、それも規定事項って奴なんですか? 「いえ、これは私からのお願いです」 なるほど、貴女のお願いなら断る理由なんてありませんよ。 信じますよ、あいつの事。何があってもって訳にはいかないかもしれませんが、可能な限りで。 「誓ってもらえますか?」 誓いましょう。 安請け合いする俺だが、朝比奈さんの視線は真剣なままだ。これはそれ程重要な事なんだろうか? それと、朝比奈さんの事も信じてますよ。それこそ何があっても、こっちは頼まれなくても誓います。 「ええ?!」 慌てふためく朝比奈さんをのんびりと眺めさせてもらっていると バアン! 勢いよく開く部室の扉、思わず固まる部室の空気。 恐る恐る顔を向けた先にあったのは 「キョン、団長である私を信じるってのは団員として当然の事だけど……あたしは頼まれて、で。みくるちゃんは 頼まれる までもなく信じるってのはどーゆーこと!」 やっぱりお前か。いやハルヒ、お前で良かった。そんな扉の開け方をしたのがもしも長門だったらよけい怖かったからな。 弁当を片手に固まっているハルヒは怒りで細かく震えている。 「そんな適当な事を言って誤魔化されるとでも思ってんの? あんたの忠誠心って奴を叩き直してやるわ!」 座っていた俺の首に絡まるハルヒの腕、っておいハルヒ、まじで入ってる! チョークだチョーク! 慌てて腕を叩く俺を無視して、ハルヒはぎりぎりと首を締めあげてくる。 チョークスリーパが忠誠心を上げる効果があるなんて初耳だな……って意識が遠のいてる場合じゃない、あ、朝比奈さん 助けてください! 声が出せないので視線で訴える俺に、朝比奈さんは小さく「約束ですよ?」と呟いた……ってそれはともかく今は助けて 下さいよ? 「誓い」 終わり 「就職活動」へ続く その他の作品
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キョン「朝比奈さんボラギノールくれませんか?」 みくる「あ、はいどうぞ。 切れ痔…辛いんですか?」 キョン「はい…切れ痔になってからというものウンコをするのが怖くなっちゃって……それ以来便秘気味でそれがさらに切れ痔を悪化させるという悪循環が……」 長門「そういう時は水をいっぱい飲んで下痢状にすると良い。」 みくる「あ、長門さんもボラギノールですか?」 長門「………コクリ」 キョン「カレーばっかり食べてるからだぞ。気をつけろよ」 長門「善処する」 みくる「ふぇっ!キョンくん凄い血…そんな状態で古泉くんに迫られたら…」 キョン「あいつは今日休みですよ。なんでもアナルオナニーのしすぎで脱腸したとか…」 長門「正確には78cmほど脱腸した」 みくる「ふわぁ~、痔核の私には理解出来ないですぅ~」 ハルヒ「痔とか関係ないと思うわよ?てゆーかあんたら下半身丸出しで世間話しないでよ!!(あー、マンコかいー)」 ボリボリ ハルヒ「……(あー、マンコかいー。中学時代に遊び過ぎたかしら?今日はもう帰ろっ)」 ボリボリ 古泉「おや、涼宮さん。こんなところでどうしたんですか?部活は?」 ハルヒ「あ、古泉くん(こいつまで下半身丸出しかよ…) って、なんかお尻から出てるわよ?やたらはりきってる一本糞?」 ボリボリ 古泉「いやいやお恥ずかしい話なんですけどね。実はとある事情により脱腸してしまったんですよ。それで医者に見せた所―― 医者『これは…手の施しようが無いほど出ちゃってるねえ~(今夜が山だな)』 ――というわけでしてね。とりあえず痛み止めを貰って帰されたんでよ」 ハルヒ「え うっそ、これ腸!?」 ボリボリ 古泉「では傷心を癒す為にキョンたんのアナルを可愛がってくるのでこれで」 ハルヒ「あ、ちょっと待って! 今日のキョン、生理みたいに血が出てたわよ?」 ボリボリ 古泉「おやおや、それは困りましたね……ではフィストファックということで手を打ちましょう。アディオス!」 ハルヒ「し…知~らないっと、(古泉くんサイヤ人みたいなってた…帰ろ)」 ボリボリ キョン「や、やめろよ古泉!拳なんか入らねぇよっ!」 古泉「僕のキョンた~~ん!」 スボッ キョン「あ゙ぎぃ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!11!」 みくる「ひぃ~っ!」 ドシンッ(尻餅ついた) みくる「あじゃぱああぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!で、出たっ!分身がっ!ベイビーがにょろっと顔を覗かしたナリよ~(TдT)」 長門「ぁあぁぁ……ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ご゙め゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!」 チョロチョロチョロチョロ(あまりにも凄惨な光景に失禁した) 古泉「あはは、真っ赤な薔薇が咲きましたよキョンたん…」 スボ スボ グリグリ キョン「…………………………………………………………」 ガク ガク ガタガタ 古泉「……ハァハァ……」ズボ ズボ ズボ ズボ キョン「……………」 ガク ガク ガク ガク 古泉「ハァハァハァハァ」グリグリ グリグリ グリグリ グリグリ キョン「……………」 ガタガタ ガタガタ ガタガタ ガタガタ 王大人「王大人死亡確認!」 キョン「なっがっと~」 長門「あっ、いやっだめ。肩車は!肩車だけは!」 キョン「なんでだ?これなら天井まで届くだろ?」 長門「あっ、お尻が、お尻が痛い。」 キョン「そんなバカな。一体何があったっていうんだ」 長門「・・・う、いや、それはその」 キョン「いいから早く蛍光灯を代えてくれ、この格好をハルヒに見られたらなんていわれるか」 長門「・・・/////」 キョン「長門・・?」 長門「もう少し・・・いや、うん。分かった」 キョン「終わったか?」 長門「うん・・・外した」 キョン「よーし、じゃあ次は付けるの頼むわ」 長門「/////」 古泉「ところでどうしてお尻が痛いのですか?」 谷木田「お前が出て来るとややこしくなるだろ」 古泉「なぜだっ!!!」 部室にて みくる「キョンくん、お茶どうぞ~」 キョン「ありがとうございます」 キョン「朝比奈さん、最近ずっと部室で立ちっぱなしじゃないですか。 たまにはイスに腰掛けてゆっくりしてくださいよ」 みくる「わ、私はいいんですよ~。気にしないでください!」 キョン「そんなこといわないで下さいよ。上級生を立たせてるなんて 居心地悪いじゃないですか。ほら早く座って」 みくる「そ、そんなあ・・・」 キョン「はやくはやく」 キョンが半ば無理矢理みくるをイスに座らせる。 みくる「はうぅ!・・・・・痛いですぅ」 キョン「どうしたんですか?」 みくる「い、いや、なんでもないんですよ!・・・イテテ」 キョン「?」 帰り際 長門「・・・これ使って」 みくる「な、長門さん、その軟膏・・・・・知ってたんですかぁ・・・・・」 長門「安心して。誰にも言わない」 みくる「長門さん・・・・・ふえぇ、ありがとうございますぅ・・・・・」 ~翌日~ みくる「おはようございます」 長門「…ヒソヒソ」 ハルヒ「 ∑ 」 ハルヒ「…ヒソヒソ」 キョン「 ∑ 」 キョン「…ヒソヒソ」 アナル「 (///) 」 みくる「あ、あのみなさん何を…」 鶴屋「あっはっはっは!w みくるあんたイボ痔なんだってね!w ひーっひっひっwww」 みくる「( ゚д゚ )」 長門「(;゚з゚)~♪」 キョン「朝比奈さん、なんです?これ」 みくる「ひぇっ!?それはその…なっ、な、…何でも無いです!返してください!」 キョン「バイブ…ですか?」 みくる「ち、違います!返してください!それが無いとわたし困るんです…」 キョン「ほほ~違うんですか?では何に使うもの何でしょうね~」ニヤ(・∀・)ニヤ みくる「それは…その…」 キョン「へへ、こんな物なくとも俺が代わりに朝比奈さんを慰めてあげまs(ry」 みくる「痔なんです…」 キョン「え…」 みくる「わたし…痔なんです…それは携帯用ウォシュレットです…」 キョン「…」 みくる「…」 キョン「ごめんなさい…」 みくる「いえ…いいんです…」 キョン(何だろう…この、ケツの穴のむず痒さは…) 古泉「それは恋です。無論、僕への(^-^)」 キョン「顔を近付けるな耳を咬むな心を読むな」 古泉「(´・ω・`)」 みくる「最近どう?」 長門「声大きいですよ」 みくる「最近これ使ってるんだよ。外の痔には塗って、中には注入な」 長門「頭いい!!」 みくる「声・・大きいぞ」 キョン「うぃーす。ってなにしてるんだハルヒ?」 ハルヒ「みくるちゃんの椅子にブーブークッション仕掛けてるのよ!みくるちゃんのことだからきっと萌え萌えなリアクションしてくれるに違いないわっ!」 長門「………ピクッ」 キョン「たくっ、ほどほどにしとけよ?」 ガチャ みくる「遅れちゃってごめんなさい」 ハルヒ「(キタ――――ッ!!)」 みくる「よっこいしょ、と」 ブゥーッ みくる「ぎゃああああああああああああああ!!!」 長門「ガクガクガタガタブルブル」 キョン「あ、朝比奈さんっ!?」 ハルヒ「へ? なになに?」 みくる「震動がっ!生まれた!にょろっと生まれたにょろよ~(TдT)」 朝比奈みくるの痔核 完 「今日は乗馬に挑戦よ! みくるちゃんは練習の為にコレに乗ってね!」 「なんですかぁ?」 ハルヒはいきなり手首を縛りあげるとみくるを木馬に乗せた 「ふぇぇぇぇん いたいですぅぅぅ さけちゃいますぅぅぅ」 「あれ?みくるちゃんはもう裂けてたはずじゃなかったのかい?」 「涼宮さんっっ いたいですぅぅ もっとさけちゃいますぅぅ ひぐぅぅぅ」 どういうことだ説明しろ長門 「やっと木馬に縫って置いたタバスコが効いてきた・・」 カタンコトン、カタンコトン 多丸圭一「………ハァハァ」 さわ さわ みくる「…ひっ…(や、やだ。後ろの人痴漢だ…) 多丸圭一「……ハァハァ」 さわ もみ みくる「…ぁ…やめ……(キョンくん助けて……)」 多丸圭一「…ハァハァ」 もみ ぐわしっ! みくる「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!111!!」 ドンガラガッシャン! キョン「あ、朝比奈さんっ!?」 ハルヒ「へ? なになに!?」 多丸圭一「(やべっ!)」 スタコラサッサー みくる「ゆ、指がっ!生まれたっ!ちょろ~んと生まれたナリよ~(TдT)」 部室にて みくる(長いことイスに座ってたらまた痔が出ちゃったみたいですぅ・・・・・ 今日は家に帰っておとなしくするです・・・・・) 帰り支度をはじめるみくる。 ハルヒ「みくるちゃん、どうしたの?」 みくる「きょ、今日は用事があるので先に帰らせてもらいますね」 キョン「ちょうどよかった。オレも用事があって今から帰るんですよ。 一緒にどうですか?」 みくる「急がなきゃいけないので遠慮させてもらいますぅ」 キョン「だったらなおさらですよ。実はオレ今日自転車で来てるんです。駅まで送りますよ」 キョンの言葉にみくるは青ざめた。自転車の固いシートほど 痔を患ったケツにダメージを与えるものはない。 みくる「い、いや、その、ああの、わわわたしは」 ハルヒ「遠慮しなくていいじゃない。急いでるんでしょ?送ってもらいなさいよ」 なぜかハルヒまで二人乗りを勧めてくる。みくる絶体絶命のピンチ。 長門「・・・・・ダメ。朝比奈みくるは」 ハルヒ「どうしたの有希?」 みかねた長門が助け舟を出そうとした。しかし・・・ みくる(ダ、ダメです長門さん!) みくるのすがるような視線を感じて長門はいえなかった。 みくるにとって痔のことをみんなに知られるのは、痔の痛みよりずっとつらいことなのだろう。 あえて茨の道を歩もうとするみくるの決心に長門は泣いた。 長門「・・・なんでもない」 ハルヒ「そう?じゃ決まりね。キョン、全速力で送ってあげなさい!」 キョン「ラジャ!」 みくる「ひええ・・・・」 自転車置き場にて キョン「それじゃ朝比奈さん、後ろに乗ってください」 みくる(そーっと、そーっと・・・・) みくる「痛ッ!ふみぃ・・・」 みくるが乗ったと同時にキョンは全力で自転車を漕ぎ出した。 みくる「痛いイタイイタイ!キョンくんもっとゆっくり走ってください~!」 キョン「このぐらいのスピードなら大丈夫ですよ!すぐ慣れますって」 しかしこれはまだ地獄の入り口にすぎなかった。 キョン「この先大きな段差があるからちょっと振動がきますよ」 みくる「へ?イダァァァァァァァッ!!痛いイタイイタイイタイイタイ!!!」 キョン「だ、大丈夫ですか?足どっかにぶつけたんですか?」 みくる「しくしく・・・なんともありませえん・・・」 キョン「そうですか・・・じゃ、全速力で行きますね」 みくる「いだい・・・シクシク」 翌日みくるは学校を休んだ。 その翌日に朝比奈さんは学校へやってきたが、顔面は蒼白で歩き方もぎこちなかった。 SOS団にも顔を出しはしたものの、「今日は早退させてください・・・。」とのことだ。 「朝比奈さん、体調が悪いのなら少し座って休んでいかないと・・・。」 俺は満面の笑みを浮かべるが、朝比奈さんの顔からは血の気が引いていく。 「ほら、こうすれば大丈夫でしょう?」 俺は後ろから朝比奈さんを抱きしめ、イスへと腰掛ける。 朝比奈さんは「ひっ」と小さな声をあげたが、すぐに安堵の表情へと変わっていた。 「ちょ、キョン!! 何やってるのよ!」 「・・・やれやれ。 妬けますね。」 ( く・・・くやしいっ! ビクッ ) 長門に至ってはハッキリと目を見開いたまま、こちらを凝視していた。 ぐさま拾い本を読み出したが 流石に今の状況に気付いたのか、朝比奈さんは耳まで真っ赤にして足元に目線を落としてしまった。 ああ、朝比奈さんがたまらなくいとおしい・・・。 (すみません、一昨日はちょっと激しくし過ぎましたね。 ふふ・・・ でも可愛かったなあ・・・。) 朝比奈さんの耳元に唇を寄せそっと呟く。 「やぁっ」と小さく呟くと、朝比奈さんの顔は完熟トマトのように赤くなっていく。 彼女の可愛らしい仕草の一つ一つが、俺の嗜虐心をくすぐる。 最高だ。 ・・・興奮してきちゃいましたよ。 「ちょ、 キョン み、みみくるちゃんにセクハラしないでよ!!」 ・・・お前が言うな。 長門は本をパタリと落とす。 すぐさま拾い本を読み出したが目線がフラフラと定まらない。 長門、本が逆さまだぞ。 古泉は白目をむき口角から泡を吹き出していた。 その翌日に朝比奈さんは学校へやってきたが、顔面は蒼白で歩き方もぎこちなかった。 SOS団にも顔を出しはしたものの、「今日は早退させてください・・・。」とのことだ。 「朝比奈さん、体調が悪いのなら少し座って休んでいかないと・・・。」 俺は満面の笑みを浮かべるが、朝比奈さんの顔からは血の気が引いていく。 「ほら、こうすれば大丈夫でしょう?」 俺は後ろから朝比奈さんを抱きしめ、イスへとパワーボムをかます。 朝比奈さんは「ピギィィイィッ!!!」と断末間の悲鳴をあげたが、すぐに意識が飛んだのかだらしなく涎を垂らしながら痙攣していた。 「ちょ、キョン!! 何やってるのよ!私にもやらせなさいっ!」 「・・・やれやれ。 妬けますね。」 ( く・・・くやしいっ! ドピュッ ) 長門に至ってはハッキリと目を見開いたまま、こちらを凝視していた。 長門「……(イボ痔がバレたら殺されるガクガクガタガタブルブル」 キョン「おまえって長男だよな?一樹だし」 ガチャ 古泉「いえ、次男です」 みくる「え!」 キョン「ああ朝比奈さん、遅かったですね」 みくる「…あ、あの、お掃除当番で…」 キョン「そうでしたか。着替えるのなら出ましょうか?」 みくる「いえ…」 キョン「どうしました?」 みくる「こ、古泉くん!あなたは…その…本当に痔なんですか…?」 古泉「聞いてらしたんですね、そうですが…意外ですか?」 みくる「いえ…そういうわけでは…」 古泉「なんなら写真をお見せしましょうか?」兄の写真を見せようとする みくる「!?そ、そんな写真見たくありません!」 朝比奈さん、今日はずいぶんと機嫌がいいですね…。 もしかして直ったのですか? 「あ、はい。 この薬のおかげで大分良くなって…ひゃっ。」 ハッとして怯える朝比奈さん。 これはたまらない。 「早く治るように俺が薬を塗ってあげますよ。」 「も…もうらめです…。 だってまたキョン君…。」 「早くしないとハルヒ達が来ちゃいますね…。」 朝比奈さんの肩に顎を乗せつぶやく。 …予想通り真赤になる朝比奈さん。 「じゃ、じゃあ早くしてくださいよぉ!」 「あれ? 人にお願いする時はどうしましたっけ?」 「……キョン君、お願い、します。」 「あ、あまり見ないでくださぁい…。」 黒板に手をついたまま懇願する朝比奈さん。 きっとまた泣き顔になっているのであろう。 「じゃあ、こうしましょうか?」 「ひゃっ…」 体を回し、向かい合うような形で朝比奈さんを軽く抱擁する。 「朝比奈さん、力を抜かないと塗れませんよ?」 俺はスカートをたくしあげつつそう呟いた。 「ひゃあ!」 おそらく軟膏の冷たさに驚いたであろう朝比奈さんが、俺の腕の中でビクリ、とした。 あくまでもゆっくり、丁寧に。 俺は軟膏をしわの一つ一つまで中指で伸ばしていった。 「やぁ…らめぇ…」 ヒタヒタ・・・ 誰かが廊下を歩いてくる音がする。 俺は朝比奈さんを抱えたまま、衣装置場の中に隠れた。 「あら、だれも居ないのかしら?」 ハルヒがドアを開け、団員を探しているらしい。 俺はかまわず淵をなぞり、浅く、第一関節ほどの深さで内を掻き回す。 やがてハルヒが出て行くまで、朝比奈さんは俺のワイシャツを噛んだまま刺激に耐えていた。 「どう見てもただのエロ小説です。 本当にありがとうございました。」 …なぜか意味不明な文字列が頭に思い浮かぶ。 なにこれ? やがてハルヒは出て行き、朝比奈さんは呆然としたまま尻餅をつく。 朝比奈さんのスカートを元通りにし、入口へと歩き出す。 「え…? あ きょ、キョン君?」 朝比奈さんは困惑し、膝たてのまま俺のワイシャツの後ろを掴む。 「約束は守りましたよ。 早く治るといいですね。」 ドアを開け、出て行こうとする俺の背中を朝比奈さんが抱きとめる。 「キョン君…お願い… 」 「朝比奈さん? どうしましたか?」 …そのとき俺は、口元に勝ち誇ったような笑みを浮かべていたに違いない。 おわり 「「「「王様だ~れだっ!!」」」」 ハルヒ「私が王様よ!じゃあ1番が、3番の人にケツバット!!1番と3番は誰?」 古泉「1番は僕です」 みくる「しゃ、3番でしゅ~)」 ハルヒ「じゃ、早速やってちょうだい!」 古泉「了解しました閣下」 みくる「しょんな~」 キョン「(おい古泉。朝比奈さんはアレだから…その、分かってるよな?)」 古泉「(ええ、分かってますよ)」 みくる「ふぇ~(古泉くん。その、優しくしてくださいね~)」 古泉「安心して下さい朝比奈さん(ふふ、分かってますよ。あなたが『ドM』だってことくらい・・・)」 バッシーン!!! みくる「ぎにゃあああああああああああああ!!!出たああぁぁぁあああ!!魔王様降臨じゃあああああああああ(TдT)!!!!!!!」 ジョロジョロジョロ 古泉「アッハッハッ、失禁ですかwいい年して恥ずかしいですね朝比奈さんwww」 ハルヒ「うわっ、ちょちょっと古泉くんやり過ぎよ!」 オロオロ キョン「朝比奈さん大丈夫ですか!?と、とりあえずオロナインを。オロナイン塗っとけば万事解決ですから!」 オロオロ 長門「古泉空気嫁」 今日も俺は朝比奈さんとの行為に更けっていた。 彼女もあの日以来、俺のことを拒むことはなくなっていた。 この光景を見たらきっと、谷口は悔しがるのだろうな。 朝比奈さん、そろそろ…。 「ふぁ、ふぁいぃぃ」 ガチャ ドアが開き、長門が部室に入ってくる。 長門はドアノブから目を上げ…そのまま固まってしまった。 やがてすこし大きく目を開くと、長門は結合部分を凝視した。 「え…おしり…?・・・え? え?」 ボソリとつぶやき、呆けたようになる。 長門の視線が右上を向き、小刻みに動いている。 どうやら”アナル”について検索しているようだ。 しばらく経ってから長門の視線がある一点に集中する。 口に手を当て声を押えようとする朝比奈さんの姿に、 普段雪のように白い長門の肌が、みるみると血の気を取り戻していった。 「む・・・ふっ……ん、ふぁ、ぁあ…はぅ、くっ…」 長門は朝比奈さんが団長席にへたりこんだと同時にビクリ、と体を震わせた。 「待てよ!」 踵を返し、部室を出ようとする長門に大きな声をかける。 ドアがあと五センチで閉まるというところで静止した。 『涼宮ハルヒと痔と涙』 ハルヒ「みくるちゃんお茶!」 みくる「ひゃ~い、きゃっ!?」 ガシャーン 古泉「ああ!朝比奈さんがつまづいて涼宮さんにあっつーいお茶がっ!!」 キョン「分かりやすい説明を有難う古泉。それはそうと長門よ。お前今朝比奈さんの足をかけただろ?」 長門「気のせい」 ニヤリッ ハルヒ「み・く・る・ちゃ~ん?良い度胸じゃな~い?」 みくる「あわわわわわわわわわ…」 ハルヒ「お尻出しなさい!お尻ペンペンの刑よっ!」 みくる「ふぇっ!?だ、だめでしゅ~!それだけはだm」 ハルヒ「問答無用よ!それ、ペンペーンペーン!!」 パチーンパチーンパチーン みくる「あがあ゙あ゙ああ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!!!」 キョン「あ、朝比奈さん!?」 ガタッ ハルヒ「へっ!?なになに?あたしのせいっ!?」 古泉「朝比奈さん…あなた、まさか…(アナル仲間か?)」 みくる「う、産まれた!!あ、悪魔ちゃんがにょろっと産まれたナリよ~!!!(TдT)」 長門「ククク…」 ニヤニヤ
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キョン「朝比奈さんボラギノールくれませんか?」 みくる「あ、はいどうぞ。 切れ痔…辛いんですか?」 キョン「はい…切れ痔になってからというものウンコをするのが怖くなっちゃって……それ以来便秘気味でそれがさらに切れ痔を悪化させるという悪循環が……」 長門「そういう時は水をいっぱい飲んで下痢状にすると良い。」 みくる「あ、長門さんもボラギノールですか?」 長門「………コクリ」 キョン「カレーばっかり食べてるからだぞ。気をつけろよ」 長門「善処する」 みくる「ふぇっ!キョンくん凄い血…そんな状態で古泉くんに迫られたら…」 キョン「あいつは今日休みですよ。なんでもアナルオナニーのしすぎで脱腸したとか…」 長門「正確には78cmほど脱腸した」 みくる「ふわぁ~、痔核の私には理解出来ないですぅ~」 ハルヒ「痔とか関係ないと思うわよ?てゆーかあんたら下半身丸出しで世間話しないでよ!!(あー、マンコかいー)」 ボリボリ ハルヒ「……(あー、マンコかいー。中学時代に遊び過ぎたかしら?今日はもう帰ろっ)」 ボリボリ 古泉「おや、涼宮さん。こんなところでどうしたんですか?部活は?」 ハルヒ「あ、古泉くん(こいつまで下半身丸出しかよ…) って、なんかお尻から出てるわよ?やたらはりきってる一本糞?」 ボリボリ 古泉「いやいやお恥ずかしい話なんですけどね。実はとある事情により脱腸してしまったんですよ。それで医者に見せた所―― 医者『これは…手の施しようが無いほど出ちゃってるねえ~(今夜が山だな)』 ――というわけでしてね。とりあえず痛み止めを貰って帰されたんでよ」 ハルヒ「え うっそ、これ腸!?」 ボリボリ 古泉「では傷心を癒す為にキョンたんのアナルを可愛がってくるのでこれで」 ハルヒ「あ、ちょっと待って! 今日のキョン、生理みたいに血が出てたわよ?」 ボリボリ 古泉「おやおや、それは困りましたね……ではフィストファックということで手を打ちましょう。アディオス!」 ハルヒ「し…知~らないっと、(古泉くんサイヤ人みたいなってた…帰ろ)」 ボリボリ キョン「や、やめろよ古泉!拳なんか入らねぇよっ!」 古泉「僕のキョンた~~ん!」 スボッ キョン「あ゙ぎぃ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!11!」 みくる「ひぃ~っ!」 ドシンッ(尻餅ついた) みくる「あじゃぱああぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!で、出たっ!分身がっ!ベイビーがにょろっと顔を覗かしたナリよ~(TдT)」 長門「ぁあぁぁ……ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ご゙め゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!ごめ゙ん゙な゙ざーい゙!」 チョロチョロチョロチョロ(あまりにも凄惨な光景に失禁した) 古泉「あはは、真っ赤な薔薇が咲きましたよキョンたん…」 スボ スボ グリグリ キョン「…………………………………………………………」 ガク ガク ガタガタ 古泉「……ハァハァ……」ズボ ズボ ズボ ズボ キョン「……………」 ガク ガク ガク ガク 古泉「ハァハァハァハァ」グリグリ グリグリ グリグリ グリグリ キョン「……………」 ガタガタ ガタガタ ガタガタ ガタガタ 王大人「王大人死亡確認!」 キョン「なっがっと~」 長門「あっ、いやっだめ。肩車は!肩車だけは!」 キョン「なんでだ?これなら天井まで届くだろ?」 長門「あっ、お尻が、お尻が痛い。」 キョン「そんなバカな。一体何があったっていうんだ」 長門「・・・う、いや、それはその」 キョン「いいから早く蛍光灯を代えてくれ、この格好をハルヒに見られたらなんていわれるか」 長門「・・・/////」 キョン「長門・・?」 長門「もう少し・・・いや、うん。分かった」 キョン「終わったか?」 長門「うん・・・外した」 キョン「よーし、じゃあ次は付けるの頼むわ」 長門「/////」 古泉「ところでどうしてお尻が痛いのですか?」 谷木田「お前が出て来るとややこしくなるだろ」 古泉「なぜだっ!!!」 部室にて みくる「キョンくん、お茶どうぞ~」 キョン「ありがとうございます」 キョン「朝比奈さん、最近ずっと部室で立ちっぱなしじゃないですか。 たまにはイスに腰掛けてゆっくりしてくださいよ」 みくる「わ、私はいいんですよ~。気にしないでください!」 キョン「そんなこといわないで下さいよ。上級生を立たせてるなんて 居心地悪いじゃないですか。ほら早く座って」 みくる「そ、そんなあ・・・」 キョン「はやくはやく」 キョンが半ば無理矢理みくるをイスに座らせる。 みくる「はうぅ!・・・・・痛いですぅ」 キョン「どうしたんですか?」 みくる「い、いや、なんでもないんですよ!・・・イテテ」 キョン「?」 帰り際 長門「・・・これ使って」 みくる「な、長門さん、その軟膏・・・・・知ってたんですかぁ・・・・・」 長門「安心して。誰にも言わない」 みくる「長門さん・・・・・ふえぇ、ありがとうございますぅ・・・・・」 ~翌日~ みくる「おはようございます」 長門「…ヒソヒソ」 ハルヒ「 ∑ 」 ハルヒ「…ヒソヒソ」 キョン「 ∑ 」 キョン「…ヒソヒソ」 アナル「 (///) 」 みくる「あ、あのみなさん何を…」 鶴屋「あっはっはっは!w みくるあんたイボ痔なんだってね!w ひーっひっひっwww」 みくる「( ゚д゚ )」 長門「(;゚з゚)~♪」 キョン「朝比奈さん、なんです?これ」 みくる「ひぇっ!?それはその…なっ、な、…何でも無いです!返してください!」 キョン「バイブ…ですか?」 みくる「ち、違います!返してください!それが無いとわたし困るんです…」 キョン「ほほ~違うんですか?では何に使うもの何でしょうね~」ニヤ(・∀・)ニヤ みくる「それは…その…」 キョン「へへ、こんな物なくとも俺が代わりに朝比奈さんを慰めてあげまs(ry」 みくる「痔なんです…」 キョン「え…」 みくる「わたし…痔なんです…それは携帯用ウォシュレットです…」 キョン「…」 みくる「…」 キョン「ごめんなさい…」 みくる「いえ…いいんです…」 キョン(何だろう…この、ケツの穴のむず痒さは…) 古泉「それは恋です。無論、僕への(^-^)」 キョン「顔を近付けるな耳を咬むな心を読むな」 古泉「(´・ω・`)」 みくる「最近どう?」 長門「声大きいですよ」 みくる「最近これ使ってるんだよ。外の痔には塗って、中には注入な」 長門「頭いい!!」 みくる「声・・大きいぞ」 キョン「うぃーす。ってなにしてるんだハルヒ?」 ハルヒ「みくるちゃんの椅子にブーブークッション仕掛けてるのよ!みくるちゃんのことだからきっと萌え萌えなリアクションしてくれるに違いないわっ!」 長門「………ピクッ」 キョン「たくっ、ほどほどにしとけよ?」 ガチャ みくる「遅れちゃってごめんなさい」 ハルヒ「(キタ――――ッ!!)」 みくる「よっこいしょ、と」 ブゥーッ みくる「ぎゃああああああああああああああ!!!」 長門「ガクガクガタガタブルブル」 キョン「あ、朝比奈さんっ!?」 ハルヒ「へ? なになに?」 みくる「震動がっ!生まれた!にょろっと生まれたにょろよ~(TдT)」 朝比奈みくるの痔核 完 「今日は乗馬に挑戦よ! みくるちゃんは練習の為にコレに乗ってね!」 「なんですかぁ?」 ハルヒはいきなり手首を縛りあげるとみくるを木馬に乗せた 「ふぇぇぇぇん いたいですぅぅぅ さけちゃいますぅぅぅ」 「あれ?みくるちゃんはもう裂けてたはずじゃなかったのかい?」 「涼宮さんっっ いたいですぅぅ もっとさけちゃいますぅぅ ひぐぅぅぅ」 どういうことだ説明しろ長門 「やっと木馬に縫って置いたタバスコが効いてきた・・」 カタンコトン、カタンコトン 多丸圭一「………ハァハァ」 さわ さわ みくる「…ひっ…(や、やだ。後ろの人痴漢だ…) 多丸圭一「……ハァハァ」 さわ もみ みくる「…ぁ…やめ……(キョンくん助けて……)」 多丸圭一「…ハァハァ」 もみ ぐわしっ! みくる「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!111!!」 ドンガラガッシャン! キョン「あ、朝比奈さんっ!?」 ハルヒ「へ? なになに!?」 多丸圭一「(やべっ!)」 スタコラサッサー みくる「ゆ、指がっ!生まれたっ!ちょろ~んと生まれたナリよ~(TдT)」 部室にて みくる(長いことイスに座ってたらまた痔が出ちゃったみたいですぅ・・・・・ 今日は家に帰っておとなしくするです・・・・・) 帰り支度をはじめるみくる。 ハルヒ「みくるちゃん、どうしたの?」 みくる「きょ、今日は用事があるので先に帰らせてもらいますね」 キョン「ちょうどよかった。オレも用事があって今から帰るんですよ。 一緒にどうですか?」 みくる「急がなきゃいけないので遠慮させてもらいますぅ」 キョン「だったらなおさらですよ。実はオレ今日自転車で来てるんです。駅まで送りますよ」 キョンの言葉にみくるは青ざめた。自転車の固いシートほど 痔を患ったケツにダメージを与えるものはない。 みくる「い、いや、その、ああの、わわわたしは」 ハルヒ「遠慮しなくていいじゃない。急いでるんでしょ?送ってもらいなさいよ」 なぜかハルヒまで二人乗りを勧めてくる。みくる絶体絶命のピンチ。 長門「・・・・・ダメ。朝比奈みくるは」 ハルヒ「どうしたの有希?」 みかねた長門が助け舟を出そうとした。しかし・・・ みくる(ダ、ダメです長門さん!) みくるのすがるような視線を感じて長門はいえなかった。 みくるにとって痔のことをみんなに知られるのは、痔の痛みよりずっとつらいことなのだろう。 あえて茨の道を歩もうとするみくるの決心に長門は泣いた。 長門「・・・なんでもない」 ハルヒ「そう?じゃ決まりね。キョン、全速力で送ってあげなさい!」 キョン「ラジャ!」 みくる「ひええ・・・・」 自転車置き場にて キョン「それじゃ朝比奈さん、後ろに乗ってください」 みくる(そーっと、そーっと・・・・) みくる「痛ッ!ふみぃ・・・」 みくるが乗ったと同時にキョンは全力で自転車を漕ぎ出した。 みくる「痛いイタイイタイ!キョンくんもっとゆっくり走ってください~!」 キョン「このぐらいのスピードなら大丈夫ですよ!すぐ慣れますって」 しかしこれはまだ地獄の入り口にすぎなかった。 キョン「この先大きな段差があるからちょっと振動がきますよ」 みくる「へ?イダァァァァァァァッ!!痛いイタイイタイイタイイタイ!!!」 キョン「だ、大丈夫ですか?足どっかにぶつけたんですか?」 みくる「しくしく・・・なんともありませえん・・・」 キョン「そうですか・・・じゃ、全速力で行きますね」 みくる「いだい・・・シクシク」 翌日みくるは学校を休んだ。 その翌日に朝比奈さんは学校へやってきたが、顔面は蒼白で歩き方もぎこちなかった。 SOS団にも顔を出しはしたものの、「今日は早退させてください・・・。」とのことだ。 「朝比奈さん、体調が悪いのなら少し座って休んでいかないと・・・。」 俺は満面の笑みを浮かべるが、朝比奈さんの顔からは血の気が引いていく。 「ほら、こうすれば大丈夫でしょう?」 俺は後ろから朝比奈さんを抱きしめ、イスへと腰掛ける。 朝比奈さんは「ひっ」と小さな声をあげたが、すぐに安堵の表情へと変わっていた。 「ちょ、キョン!! 何やってるのよ!」 「・・・やれやれ。 妬けますね。」 ( く・・・くやしいっ! ビクッ ) 長門に至ってはハッキリと目を見開いたまま、こちらを凝視していた。 ぐさま拾い本を読み出したが 流石に今の状況に気付いたのか、朝比奈さんは耳まで真っ赤にして足元に目線を落としてしまった。 ああ、朝比奈さんがたまらなくいとおしい・・・。 (すみません、一昨日はちょっと激しくし過ぎましたね。 ふふ・・・ でも可愛かったなあ・・・。) 朝比奈さんの耳元に唇を寄せそっと呟く。 「やぁっ」と小さく呟くと、朝比奈さんの顔は完熟トマトのように赤くなっていく。 彼女の可愛らしい仕草の一つ一つが、俺の嗜虐心をくすぐる。 最高だ。 ・・・興奮してきちゃいましたよ。 「ちょ、 キョン み、みみくるちゃんにセクハラしないでよ!!」 ・・・お前が言うな。 長門は本をパタリと落とす。 すぐさま拾い本を読み出したが目線がフラフラと定まらない。 長門、本が逆さまだぞ。 古泉は白目をむき口角から泡を吹き出していた。 その翌日に朝比奈さんは学校へやってきたが、顔面は蒼白で歩き方もぎこちなかった。 SOS団にも顔を出しはしたものの、「今日は早退させてください・・・。」とのことだ。 「朝比奈さん、体調が悪いのなら少し座って休んでいかないと・・・。」 俺は満面の笑みを浮かべるが、朝比奈さんの顔からは血の気が引いていく。 「ほら、こうすれば大丈夫でしょう?」 俺は後ろから朝比奈さんを抱きしめ、イスへとパワーボムをかます。 朝比奈さんは「ピギィィイィッ!!!」と断末間の悲鳴をあげたが、すぐに意識が飛んだのかだらしなく涎を垂らしながら痙攣していた。 「ちょ、キョン!! 何やってるのよ!私にもやらせなさいっ!」 「・・・やれやれ。 妬けますね。」 ( く・・・くやしいっ! ドピュッ ) 長門に至ってはハッキリと目を見開いたまま、こちらを凝視していた。 長門「……(イボ痔がバレたら殺されるガクガクガタガタブルブル」 キョン「おまえって長男だよな?一樹だし」 ガチャ 古泉「いえ、次男です」 みくる「え!」 キョン「ああ朝比奈さん、遅かったですね」 みくる「…あ、あの、お掃除当番で…」 キョン「そうでしたか。着替えるのなら出ましょうか?」 みくる「いえ…」 キョン「どうしました?」 みくる「こ、古泉くん!あなたは…その…本当に痔なんですか…?」 古泉「聞いてらしたんですね、そうですが…意外ですか?」 みくる「いえ…そういうわけでは…」 古泉「なんなら写真をお見せしましょうか?」兄の写真を見せようとする みくる「!?そ、そんな写真見たくありません!」 朝比奈さん、今日はずいぶんと機嫌がいいですね…。 もしかして直ったのですか? 「あ、はい。 この薬のおかげで大分良くなって…ひゃっ。」 ハッとして怯える朝比奈さん。 これはたまらない。 「早く治るように俺が薬を塗ってあげますよ。」 「も…もうらめです…。 だってまたキョン君…。」 「早くしないとハルヒ達が来ちゃいますね…。」 朝比奈さんの肩に顎を乗せつぶやく。 …予想通り真赤になる朝比奈さん。 「じゃ、じゃあ早くしてくださいよぉ!」 「あれ? 人にお願いする時はどうしましたっけ?」 「……キョン君、お願い、します。」 「あ、あまり見ないでくださぁい…。」 黒板に手をついたまま懇願する朝比奈さん。 きっとまた泣き顔になっているのであろう。 「じゃあ、こうしましょうか?」 「ひゃっ…」 体を回し、向かい合うような形で朝比奈さんを軽く抱擁する。 「朝比奈さん、力を抜かないと塗れませんよ?」 俺はスカートをたくしあげつつそう呟いた。 「ひゃあ!」 おそらく軟膏の冷たさに驚いたであろう朝比奈さんが、俺の腕の中でビクリ、とした。 あくまでもゆっくり、丁寧に。 俺は軟膏をしわの一つ一つまで中指で伸ばしていった。 「やぁ…らめぇ…」 ヒタヒタ・・・ 誰かが廊下を歩いてくる音がする。 俺は朝比奈さんを抱えたまま、衣装置場の中に隠れた。 「あら、だれも居ないのかしら?」 ハルヒがドアを開け、団員を探しているらしい。 俺はかまわず淵をなぞり、浅く、第一関節ほどの深さで内を掻き回す。 やがてハルヒが出て行くまで、朝比奈さんは俺のワイシャツを噛んだまま刺激に耐えていた。 「どう見てもただのエロ小説です。 本当にありがとうございました。」 …なぜか意味不明な文字列が頭に思い浮かぶ。 なにこれ? やがてハルヒは出て行き、朝比奈さんは呆然としたまま尻餅をつく。 朝比奈さんのスカートを元通りにし、入口へと歩き出す。 「え…? あ きょ、キョン君?」 朝比奈さんは困惑し、膝たてのまま俺のワイシャツの後ろを掴む。 「約束は守りましたよ。 早く治るといいですね。」 ドアを開け、出て行こうとする俺の背中を朝比奈さんが抱きとめる。 「キョン君…お願い… 」 「朝比奈さん? どうしましたか?」 …そのとき俺は、口元に勝ち誇ったような笑みを浮かべていたに違いない。 おわり 「「「「王様だ~れだっ!!」」」」 ハルヒ「私が王様よ!じゃあ1番が、3番の人にケツバット!!1番と3番は誰?」 古泉「1番は僕です」 みくる「しゃ、3番でしゅ~)」 ハルヒ「じゃ、早速やってちょうだい!」 古泉「了解しました閣下」 みくる「しょんな~」 キョン「(おい古泉。朝比奈さんはアレだから…その、分かってるよな?)」 古泉「(ええ、分かってますよ)」 みくる「ふぇ~(古泉くん。その、優しくしてくださいね~)」 古泉「安心して下さい朝比奈さん(ふふ、分かってますよ。あなたが『ドM』だってことくらい・・・)」 バッシーン!!! みくる「ぎにゃあああああああああああああ!!!出たああぁぁぁあああ!!魔王様降臨じゃあああああああああ(TдT)!!!!!!!」 ジョロジョロジョロ 古泉「アッハッハッ、失禁ですかwいい年して恥ずかしいですね朝比奈さんwww」 ハルヒ「うわっ、ちょちょっと古泉くんやり過ぎよ!」 オロオロ キョン「朝比奈さん大丈夫ですか!?と、とりあえずオロナインを。オロナイン塗っとけば万事解決ですから!」 オロオロ 長門「古泉空気嫁」 今日も俺は朝比奈さんとの行為に更けっていた。 彼女もあの日以来、俺のことを拒むことはなくなっていた。 この光景を見たらきっと、谷口は悔しがるのだろうな。 朝比奈さん、そろそろ…。 「ふぁ、ふぁいぃぃ」 ガチャ ドアが開き、長門が部室に入ってくる。 長門はドアノブから目を上げ…そのまま固まってしまった。 やがてすこし大きく目を開くと、長門は結合部分を凝視した。 「え…おしり…?・・・え? え?」 ボソリとつぶやき、呆けたようになる。 長門の視線が右上を向き、小刻みに動いている。 どうやら”アナル”について検索しているようだ。 しばらく経ってから長門の視線がある一点に集中する。 口に手を当て声を押えようとする朝比奈さんの姿に、 普段雪のように白い長門の肌が、みるみると血の気を取り戻していった。 「む・・・ふっ……ん、ふぁ、ぁあ…はぅ、くっ…」 長門は朝比奈さんが団長席にへたりこんだと同時にビクリ、と体を震わせた。 「待てよ!」 踵を返し、部室を出ようとする長門に大きな声をかける。 ドアがあと五センチで閉まるというところで静止した。 『涼宮ハルヒと痔と涙』 ハルヒ「みくるちゃんお茶!」 みくる「ひゃ~い、きゃっ!?」 ガシャーン 古泉「ああ!朝比奈さんがつまづいて涼宮さんにあっつーいお茶がっ!!」 キョン「分かりやすい説明を有難う古泉。それはそうと長門よ。お前今朝比奈さんの足をかけただろ?」 長門「気のせい」 ニヤリッ ハルヒ「み・く・る・ちゃ~ん?良い度胸じゃな~い?」 みくる「あわわわわわわわわわ…」 ハルヒ「お尻出しなさい!お尻ペンペンの刑よっ!」 みくる「ふぇっ!?だ、だめでしゅ~!それだけはだm」 ハルヒ「問答無用よ!それ、ペンペーンペーン!!」 パチーンパチーンパチーン みくる「あがあ゙あ゙ああ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!!!」 キョン「あ、朝比奈さん!?」 ガタッ ハルヒ「へっ!?なになに?あたしのせいっ!?」 古泉「朝比奈さん…あなた、まさか…(アナル仲間か?)」 みくる「う、産まれた!!あ、悪魔ちゃんがにょろっと産まれたナリよ~!!!(TдT)」 長門「ククク…」 ニヤニヤ