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一触即発 「ぬ・・・うおおぉおぉ!!!」 叫び、体を大きく捻るバルバトス。彼の陰に刺さっていた一本の苦無が弾け飛んだ。 「ぐぅ、妙な奇術を使うガキが・・・覚悟は出来ているだろうな・・・」 バルバトスは、先程煙と共に現れた一人の少年を見下す。 「へぇ、僕の『影縫い』を気力で飛ばすなんて、ただ雑魚ではなさそうですね」 その少年、ジェイは素直な感想を述べ、バルバトスを見上げる。 その体格差はかなりのもの、偏に見ればそれは完全なる大人と子供であろう。 「その男は後回しだ。貴様から葬ってやろう」 その男とはジェイの後ろで体勢を崩しているクラトスだったが、完璧に標的が変わったようだ。 バルバトスはその銃剣をジェイに向ける。だがジェイは全く怯まない。 「どうした、逃げないのか?それとも足が動かんのか」 ジェイは皮肉にも反応せず、腰に携えた一本の苦無を取り出し、逆手に持って姿勢を低くする。 「あいにく今まで散々逃げ回ってしまいましたから・・・もう逃げるわけにはいかないんですよ」 それは、完璧な忍者の構え。 人を殺すための、完璧なる姿。 だが、ジェイは人を殺すためにその形を使うのではなく、守るために使うと決心した。 自分のしたことに・・・ 「謝らなければいけない人がいましてね。それまでは死ねません」 だがバルバトスは笑う。自分の立場が判っていない小物に向けての、同情の笑い。 「残念だったな。貴様の望みは叶いそうにない」 言って、バルバトスはその銃剣を大きく振った。 「ここで死ぬのだからな!」 ザァン! 大きな音が響く。だがそこに少年の姿が無い。素早く銃剣を整え 「甘いわ!!」 後ろに振る。高速移動を施し後ろに回るも、その気配を察したようだ。 斬激をジェイはしゃがんでやり過ごし、咄嗟に後方へと遠くに飛ぶ。 「僕の気配を辿られるとは・・・ますます只者ではないようですね」 バルバトスは銃剣を担ぎ、ゆっくりとジェイに近づく。 「これでも英雄殺しなのでな・・・殺しには長けている。気配を察すなどどうさもない」 「へぇ、そうですか。じゃあ長期戦は不利ですね」 体格の違いでスタミナの底も恐らく違うだろう。確かに長時間の戦闘はこちらにとっては喜ばしいものではない。 「そうだな。大人しく俺に殺されることだ」 「だから死ねないッて言ってるじゃないですか・・・貴方も相当バカですね」 皮肉でジェイははき捨てたが、バルバトスに挑発は通じない。幾度もの戦場を駆け抜けてきた男に、そんなものなど通用するハズも無かった。 「・・・お喋りは終わりだ。殺す」 「そうですね、さっさと終わらせましょう」 互いの間は5メートルほど、一つの風が吹く。 そこには確かな静寂。そしてすぐさま起こる戦闘への確かな兆候。 ―――どこかで、大きな嵐が起こった。 ジェイは苦無を一本投げる。バルバトスは銃剣で容易く交わす。 刹那、眼前にジェイの姿があった。 「何!?」 通り過ぎ、そして突然の爆発。腹部にもろに喰らった。 「ぐあぁ!」 「『闇走焔』」 だが傷は浅い。バルバトスはすぐさま銃剣を振り下ろす。 ジェイは両手に苦無を逆手に構え、二つで受け止める。 凄まじい衝撃。何とか持ちこたえたが、周囲の地面がへこんでいる。 少し傾けて軌道をずらし、すぐさま懐に飛び込む。 体勢を逆さまにしてありったけの力を足に込め、敵に放った。 「ぬぅ!温いわ!!」 腹に強く当てたものの、やはり重量の相手にはあまり通じない。間を開けることなく苦無を投げる。 「『鈴鳴苦無』!!」 だがその攻撃も銃剣により弾かれる。 バルバトスの武器は正に一撃必殺。一度でもその攻撃を受ければ、絶命は確実に免れないだろう。 故にあちらの攻撃を受けるわけにはいかない。全ての攻撃を回避し、微弱でもこちらの攻撃を確実に当てていかなければならない。 こっちは小柄な分小回りが利く。全体魔法でもない限り、ジェイは回避に絶対の自信を持っていた。 バルバトスが蹴りを繰り出す。バック転でそれを避け、苦無をバルバトスの足元に投げつける。 バルバトスは後ろに飛ぶが、まだそれは術の範囲内だった。 突き刺さった苦無は急激に冷気を纏い、その周辺を凍結させた。 「『氷樹』!」 「ぬぁ!?」 バルバトスの足が凍る。一瞬その動きを止める。 その一瞬でバルバトスの正面まで近づく。 が、その間にバルバトスは銃剣に闘気を纏わせ、ジェイに向ける。接近が仇となったか、銃口が目の前にあった。 「『ジェノサイドブレイバー』!!!」 大きな閃光と光線。完全にジェイへとクリーンヒットした。 ―――かに見えた。 閃光が止んだとき、目の前には焦げた丸太のみが転がっていた。 「何だと!?」 紛れも無く変わり身、ジェイは遥か向こう側にその姿を現した。 「今のは間一髪でしたね・・・しかしこのままではマズイ」 次第にバルバトスの足元の氷が溶ける。ゆっくりとその歩を進めてくる。 「あの男との一対一は戦局的に・・・」 「危ない!!」 不意に、遠くから声が飛ぶ。その声は精神の消耗で参戦できないでいたクラトスのもの。 だがその言葉の意味がわかる前にその「突然」は迫ってきた。 傍の急速なマナの流れを察し、ジェイは咄嗟に横転する。 さっきまでいた場所に火の海が表れる。すんでのところで灼熱の炎を回避した。 「これはイラプション!?けど、あの男が詠唱した素振りは無かった・・・」 詠唱の類ではない何かか・・・そう思考を巡らせていたとき、「突然」はまた迫ってきた。 後ろ振り向く。が、もうすでに攻撃は始まっていた。 「『翔連脚』・・・」 バルバトスとは違う別の男に、足技による連打を喰らってしまった。 「うわぁ!!」 空中に飛ばされるがすぐさま身を返して着地。その男を見据える。 ジェイにはそれが誰だか判らなかったが、 「おやおや・・・状況はかなり不利ですね・・・」 それだけはかろうじて判った。 F2平原から北上していたデミテルとティトレイはE2城を見つけ、そこにいる人影を見つけた。 状況を把握するには簡単だった。 一人の男は膝をついて疲れている。恐らくあれ以上の戦闘は無理だろう。 少年が青髪の大男と交戦している。傍から見れば少年のほうが優勢か。だが、 「私たちには関係の無いことだな」 言ってティトレイを先行させ、後ろから詠唱を開始。 イラプションは避けられたがティトレイの攻撃は当たったようだ。 「よしよし。とりあえずはあの少年か」 デミテルもその戦場へと足を進めた。 ジェイが後ろにバルバトス、前にティトレイの構図を背にしている。 「く・・・このままでは・・・」 そう安危していた時、遠方からその声は響いた。 『皆聞える!? 私はファラ、ファラ・エルステッド!――』 「「「「!?」」」」 その場にいる全員が、あのティトレイまでもがその声に反応する。 ファラの思いは、ここにも確実に影響を与えていた。 【クラトス 生存確認】 状態:足元の火傷(小) 精神的疲労(戦闘困難) 所持品:マテリアルブレード(フランベルジュ使用) 第一行動方針:青髪の男への対処 第二行動方針:カイルを探す 第三行動方針:コレットが気になる 第四行動方針:ロイドが気になる 現在位置:E2平原 【ジェイ 生存確認】 状態:頸部に切傷 全身にあざ 所持品:忍刀・雷電 ダーツセット クナイ(三枚) 第一行動方針:不利な戦局への対処 第二行動方針:ミントへの謝罪 第三行動方針:シャーリィと合流 現在位置:E2平原 【バルバトス 生存確認】 状態:TP中消費 所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(弾丸残り2発。一射ごとに要再装填) クローナシンボル エクスフィア 第一行動方針:ジェイの抹殺 第二行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先 第三行動方針:マグニスと作戦会議、そして連係プレーの練習を行う。可能ならば「ユニゾン・アタック」を習得する。 現在位置:E2平原 【デミテル 生存確認】 状態:TP2/3消費 所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル 金属バット 第一行動方針:少年の抹殺 第二行動方針:出来るだけ最低限の方法で邪魔者を駆逐する 第三行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける 現在位置:E2平原 【ティトレイ・クロウ 生存確認】 状態:感情喪失 全身の痛み、軽いやけど(回復小) TP中消費 所持品:メンタルバングル バトルブック 第一行動方針:かえりたい 第二行動方針:デミテルに従う 現在位置:E2平原 前 次
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キャラクター名:クウ PL名:真白白雪 種族:人間 ワークス:拳士 年齢:15 性別:女 髪の色:黒 瞳の色:黒 肌の色:白 身長:150 体重:43 シーカークラス:ドラグーンLV13 スタイルクラス:アタッカーLV0 総合レベル :13 属性:自然/火 使用経験点:130 未使用経験点:10 未使用LvUP権利:0 CF修正値:2 プラーナ 内包値:8+1+3+3+2=17 解放力:2 基本能力値 ベース 成長値 現在値 基本能力値 ベース 成長値 現在値 【筋力】 12 -- 12 【知力】 6 -1 5 【器用】 10 -- 10 【信仰】 7 -1 6 【敏捷】 9 -- 9 【知覚】 6 -- 8 【精神】 6 -1 5 【幸運】 7 -1 6 【戦闘能力】 :基本値(クラス修正)特殊能力 総合Lv=未装備 + 装備修正 戦闘値 命中値: 8( 3+ 2) 13 3=【29】 1 【命中】30 回避値: 7( 2+ 0) 9 2=【20】 1 【回避】21 攻撃力: 11( 4+ 3) 43 2=【63】 12 【攻撃】75 防御力: 9( 2+ 2) 9 =【22】 17 【防御】39 魔導力: 5( 0+ 2) 9 =【16】 2 【魔導】18 抵抗力: 7( 0+ 0) 11 =【18】 2 【抵抗】20 魔攻 : 5( 0+ 0) 35 =【40】 0 【魔攻】40 魔防 : 5( 0+ 3) 9 =【17】 8 【魔防】25 耐久力: 17( 5+ 4) 9 24=【59】 0 【耐久】59 魔法力: 12( 2+ 3) 9 24=【50】 -4 【魔法】46 行動値: 10( 2+ 1) 9 18=【40】 0 【行動】40 移動力: 3 【移動】 5 ■ライフパス 出自:天涯孤独 特徴:鋼の心/MPの自然回復治癒ジャッジ+3 生活:疎まれし者 特徴:孤独な魂/登場判定+3。1シナリオ1回 ■特殊能力 名称 :SL:タイミング: 判定値 :難易度: 対象 :射程: 代償 :効果 【汎用】 : : : : : : : : 《竜の探求者》 :自: オート :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :1シナリオに1回までダイス振り直し。 《種族:ロストロイヤル》 :-: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :プラーナ内包値+1 《闘気の才》 :6: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :プラーナ内包値を[+SL]する 《闘気の才II》 :3: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :プラーナ内包値を[+SL]する 《象徴武器》 :-: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :第一属性の象徴武器を装備中【命中】+2(格) 《象徴武器Ⅱ》 :-: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :第一属性の象徴武器を装備中【攻撃】+2(格) 《感情喪失》 :4: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :指定したSL個の戦闘値を+2し、指定したSL個の基本能力を-1する(戦闘値:命中・攻撃・回避・抵抗 基本能力値:精神・知力・信仰・幸運) 【アタッカー】 《物理攻撃力アップ》 :--: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :【攻撃】を[CL+3] 【ドラグーン】 《竜拳士》 :自: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :竜拳士スキル取得可。ドラグーンのクラス補正を《竜拳士》の物に変更する。 《闘竜呼法》 :1: マイナー :自動成功: なし : 自身 :なし: 1C :シーン中、攻撃ジャッジ+3。3回重複 《百竜覇》 :-: メジャー :命中判定: 対決 :範選(1):武器: 2C :範囲選択(1)に物理攻撃。R1回 《武技活殺》 :3: オート :自動成功: なし : 自身 :なし: 3H :武器攻撃ダメージ+15魔法化。闘竜呼法1つ解除 《武技疾駆》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 :なし: 2M :闘竜呼法と同時に移動 《武技消力》 :1: RE :命中判定: 対決 : 自身 :なし:2M2C:魔法攻撃に命中+2でリアクション。R1回 《武技地爆》 :3: オート :自動成功: なし : 単体 :1S: 3C :飛行状態へのダメージ+15。対象の飛行状態解除 《武技天昇》 :1: オート :自動成功: なし : 自身 :なし: 1C :命中判定直前に使用。武器攻撃の命中+2。対象を飛行状態にする 《武技破力》 :1: RE :命中判定: 対決 : 自身 :なし:2M2C:武器攻撃に命中+2でリアクション。R1回 《破壊の血脈》 :1: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :攻撃、魔攻+26、解放力+1 《竜拳絶技》 :3: オート :自動成功: なし : 自身 :なし: 1P :格闘武器による物理攻撃直前に使用、ダメージ+34。1シナリオ3回 《終末の竜》 :5: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :プラーナ使用でダメージロール+25 《聖竜闘気》 :8: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :戦闘値全て+9、内包値+2 【装備】 《ムイラウムの輝き》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 :なし: 3C :BSを受けた直後、1つ打ち消す 《竜気の拳》 :-: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :竜の拳ムイラウムの攻撃+5(修正済み) 《真紅の力》 :-: 常 時 :自動成功: なし : 自身 :なし: なし :装備者のHPが10以下の場合、回避と抵抗のジャッジ+3 ■魔法■魔法記憶容量[【知力】+総合レベル]:18 名称 :LV:種別:タイミング: 判定値 :難易度:対 象:射 程: 代 償 :効果 フェザーウォーク :1:付与: オート :自動成功: なし : 自身 :0Sq: 2M2C :移動を行う直前に使用する。移動力と全力移動で移動可能なSQを+1する : : : : : : : : : [予備欄] : : : : : : : : : ■武装■重量上限[【筋力】+総合レベル]:25 ■魔装■装備可能レベル合計[【知力】+総合レベル]:18 【武装】 名称 :種別:部位:重量:命中:回避:攻撃:防御:魔導:抵抗:魔攻:魔防:耐久力:魔法力:行動:移動:射程:備考 竜の拳ムイラウム :格闘:両手: 3 :-1: :10: 2 : : : : 2 : : : : :0SQ: 翼の胸甲ラグステル :防具:上半: 4 : :-1: :12: 2 : : : 4 : : : : : : : -: ムチムチスーツ :防具:衣服: 1 : : 2 : : 3 : : 2 : : 2 : : : : : : : -: 【魔装】 :Lv:種別:重量:命中:回避:攻撃:防御:魔導:抵抗:魔攻:魔防:耐久力:魔法力:行動:移動:射程:備考 アタッカーシンボル : 3 :付与: - : 2 : : 2 : : : : : : : -4 : : : : : - : 合計: 4 : : 8 : 1 : 1 :10:17: 2 : 2 : 2 : 8 : : -4 : : : : ■所持品■月衣収納上限[【筋力】×2+総合レベル]: 名称 :重量:効果 幸福の宝石 : 0:Fを通常の出目として扱う ハイMPポーション : 0:メジャーアクションで使用することで治癒力10で使用者のMPを回復する。使い捨て 残固定化P:210 ■設定 物心ついた頃には両親はおらず、祖父の手だけで育てられていた。 が、祖父が死去すると同時、遺産目当ての親類にその身を狙われ、遺産を全て奪われ、その身すらも"売り物"にされた。 その後、売られ売られて、最終的に落ち着いたのは拳闘士と言う立場であった。 ロストロイヤルでありながら、拳闘士と言うギャップ差のせいか、よくよく試合を組まれ、何度も死にかけた。 生き残る為に必死だったからか、それとも聖竜騎士の血が流れていた為か、彼女は最後まで生き残り、開放奴隷となった。 その後は聖竜騎士の血を御せるようになろうと探索者として世界を回り、冥魔を倒して回っていた。 彼女が『テラ』に流れついた理由は不明。その時の記憶がなく、気づけばここにいたと言うそんなレベル。 元の世界に愛着もないらしく、現在は『テラ』でAAAに居候するつもり。 本音は寂しいから誰かのそばにいたいから、である。 やたらムチムチしたスーツなのは拳闘士時代の名残である。――わびしい生活の割にはかなり――…… 性格は境遇の為か口数が少なく、また人見知りが激しい小動物のような子。 「……なんでも、ない……」 コネクション :関係 エルジュ :忘却 : : : : : ※対人メモ※ : : : 【セッションボーナス】 : : : 【成長記録】 GL01:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士1 闘竜呼法・百竜覇・武技活殺3 GL02:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士2 武技疾駆・武技消力 GL03:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士3 武技地爆2 GL04:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士4 武技地爆3・武技天昇 GL05:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士5 武技破力・破壊の血脈1 GL06:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士6 竜拳絶技2 GL07:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士7 竜拳絶技3・終末の竜1 GL08:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士8 終末の竜3 GL09:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士9 終末の竜5 GL10:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士10 聖竜闘気2 GL11:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士11 聖竜闘気4 GL12:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士12 聖竜闘気6 GL13:アタッカー0/ドラグーン:竜拳士13 聖竜闘気8 【特記事項】
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倒錯共生 彼は本来なら好青年という言葉をまさに体現した様な人物だった。 多くの人々と悲しみを共有し、その口は時には仲間を和ませ、握られた剣は己の思う悪に対して振られた。今までの人生はひたすら一途に歩まれてきた。 が、今の彼は違う。 その顔は悲壮どころか人間に於ける善の感情は全て排され、人々を穏やかにした口からは歪んだ笑みが浮かぶのみ。そして剣や己の纏う衣服には聖女の血が赤黒くこびり付いていた。 本来の彼、クレスアルベインはもういない。傍らの魔術師の男により、本来の彼は失われてしまったのだ。 脳の神経を侵され、彼に残ったのは戦士としての本能、闘争欲のみ。 生暖かい笑みを浮かべる彼は端から見ればかなり頼りない筈なのに、しかし誰もが畏怖するような邪悪さを孕む。 掴み所のないその薄笑いには何処か不安定な精神をごまかしているようにも見えた。 今にも爆発しそうな彼の欲求。 そう、例えば――― 彼を豹変させた張本人、デミテルはそんなクレスに注意を払っていた。例え操られようと、それから本来隠していた裏の人格が引き出されてしまった場合本能に引きずられてしまう事もある。 そう、まさに主に反旗を翻したデミテル自身の様に。 人は脆い。 生きる為にはまず常に本能へのリミッターを掛け、歩む道への地盤を固めねばまともに生きる事すら叶わない。 でなくば人は思い立てば食物を貪っては肥え、自慰に浸り、女、男、種族関係なく交わり合い犯し合い、人を傷つけ殺戮へと、いかれた荷車が坂を転がって行くが如く転落してゆく。 世の中は修羅の統べる地獄の世界へと容易に姿を変えるだろう。 クレスはまさにその世界への扉を開けるよう、ベリアルやベルセバブが招待状を持って耳元で甘美に囁いているような状態だった。欲するなら世界を思うように食らえばよい。それがお前の安息なのだからと。 しかしデミテルという主に仕えている以上、クレスはか細い神経一本でそれを押さえていた。 一見落ち着いては見えるが、実は操られた当初から己を落ち着かせるために片手で二の腕を掻き毟っていた。うっすらと血が滲む。 デミテルは最初からその様子に気づき、クレスへの警戒を緩めることは無かった。 なみなみに液体を注いだ杯を持って歩いている様なクレスの不安定さは危険因子になりかねない。しかし自身の知略に信を持つ彼は、警戒しつつもこの様なクレスをいかに最大限に利用するかに重きを置いていた。 その時だった。 東風が吹き、それが妙な臭いを運んできた。 酸っぱい様な…嗅ぎ慣れた臭いだった。 これは… それに一番に反応したのがクレスだった。眼の色が変わり、デミテルらを無視して東へと歩き出す。 「何処へ行くのだ、クレス=アルベイン」 今までならばマーテルの一件を除いて基本的にはデミテルの意見を聞いていたクレスだが、その時はデミテルの言葉を聞き入れはしなかった。 無言で行動するクレスにデミテルはやや表情を険しくするが、この臭いにより動かされたクレスの行動が気になった。 十分に思いあたる節があり、危険も無いと判断したためとりあえず後を付ける事にした。金髪の少年の動向も気になるが、この臭いはそう遠くはない。仮に金髪の少年が戦闘という発破を掛けるとすれば、少し寄り道した位がメインデイッシュの時間には丁度良い位になるだろう。 「…お前も付いて来るがいい。ティトレイ=クロウ」 普段は完全に腑抜けの為、戦闘以外では蚊帳の外のティトレイにも呼びかけ、デミテルはクレスの後を追った。 そこには凄惨なる光景があった。 砂漠の入り口。 本来ならば金に輝いているであろう黄砂が、どす黒く染まって乾いている。 そしてその上にはひとつの死体。 強い衝撃を受けたのであろう、体の至る所が欠損し、しかも砂漠の入り口という中途半端な気温もあって腐乱が進み掛けている。どうやら赤い髪の女である事が分かった。 暑さの上、むん、とした死臭が鼻を突いた。 デミテルはこの女とは面識がないので誰かは分からなかったが、それは一日目にバルバトスとマグニスに惨殺された、マリー=エージェントだった。 死骸の前でクレスは無表情に立っていた。ひょっとして、腐り行く死骸を見て彼の本来の感情が微かにでも胸を打っているのかという考えがデミテルの脳裏を掠めた。 死体はよく見ると何か僅かに動いている。腹部などは呼吸でもしているかのように微たる起伏をしていた。 生きているのだろうか。 まさか。 どう見てもこの状態で生命を存続させるなど魔界のネクロマンサーが禁呪を施さぬ限り不可能だ。 そしてクレスの正の感情も自分の技術をもってすればこれ如きでは動くまい。 デミテルがその様な思考をクレスの背後で広げていると、クレスは剣を取り出した。 高々に構える。 そして、振り被ると同時にその顔は邪悪な笑いに歪んだ。 剣を振り下ろした。 グシャ、という音が腹を裂く。 そしてその衝撃で死体が動いていた原因であろう――体の中に入り込んで腐肉を喰い漁っていたおびたたしい数の何かが、ぶあ、と音を立てて溢れだした。 ―――ゴキブリだった。 赤黒い遺体の上に黒光りするそれらがざわざわと覆う。 先程まではマリーの内腑を喰い散らかしていたそれら。 衝撃による驚きに腐った血を纏う不浄の虫がガサガサと肉の上を滑る。無数の触覚がパニックにより蠢き、きぃきぃと小さく幾重にも鳴く。おぞましい餓鬼界の様なその光景。 流石の光景にデミテルも眼をやや背けた。潔癖な彼には汚れた害虫は好ましくないものだった。 しかしクレスはそんなものに構うことなく剣を抜く。 再び衝撃に黒い塊がザッと動く。止めどなく食人虫はまだ溢れ、また突き刺す。 「ははは、はははは…!」 クレスのどうしようもない破壊衝動。 それは血の臭いに引き出され、この死体にぶつけられた。 デミテルは視界に入る害虫を忌々しく思いながらも、その様子を静観した。 ティトレイは相変わらず興味も無いのか眼は突き抜ける様に広く美しい青い空に向いている。 幾度も繰り返される衝動に蛆の付いた肉片が散る。それはクレスにも付着し、しかしクレスは手を緩める事はない。 狂人の醜行は暫く続いた。 少し時間が過ぎクレスは見る影も無くなった遺体を一瞥する。多数居たゴキブリは少数になり、その変わりに幾千幾万の米粒の様な蛆が露わになる。そしてまだ浅ましく肉を貪っている。 剣に付いた肉片を振り払い鞘に収めた。 その眼はまだギラギラと光っている。 もっと、もっと、もっと。 足りない。 どうしようもなく乾いた心に反して、欲求の杯はもう飽和状態だ。 出来ればマーテルだってこんな風にしたかった。本来は傷つける事も出来ない中で剣を振るえただけマシだけど。 それでももうリミッターという名の関は崩落しそうだ。 先程の狂行でとりあえず己を保ったものの、また二の腕に手が行く。 クレスはデミテルに仕える建前に懸命にしがみついていた。 「……クレス=アルベイン」 背後で低いミテルの声がする。 「私の言うことを聞くという約束を破るのは二度目だな。 この次があれば容赦しない」 冷たく言い放つデミテルにクレスは相変わらずの笑みを浮かべて答えた。 「はい、すみません」 「……」 デミテルは黙り、西南に向かい歩きだした。 クレスとティトレイもそれに続く。 「どうやら殺しをしたくて仕方がない様だな、クレス=アルベインよ」 歩いたままデミテルは淡々と言葉を紡ぐ。 「これから大きな争いが起きるだろう。うずうずしている様だから華はお前に持たせてやる。だが―――」 デミテルが振り返る。クレスと目が合う。 「共生という言葉を知っているか?」 いきなりの彼らしくない言葉にクレスは眉を僅かに寄せた。 「本来ならば生物同士が助力し合い、相互関係を営む事、そう生きて行く事を言う。蟻とアリマキの様に。 生物学の用語だがこの事は広い意味で人にもあてがわれるだろう。例えば恋人同士、友人関係――」 暫く口にしていない言葉を吐きながらデミテルは続ける。 「そして私とお前だ」 デミテルが指示をし、クレスがマーダーとなる。そしてクレスは乾きを癒し、デミテルは利を得る。この二人の関係はまさに共生だった。 「そうですか、仲良くしていきましょう」 クレスは笑みを崩す事無く答えた。 まさに「嘗めきった」という様子のクレスの眼をデミテルは些か厳しく睨む。 「だが―――」 再びデミテルは背を向けて歩みだした。 「共生の種類には利益を共にする変わりにそれ故に生命としての可能性を最小限に削っているものもいる」 淡々とした言葉は変わらず、クレスはデミテルの背中を睨む。 「私はいわばお前の宿主だ。 宿ったものは共生するが故に宿主に生命を完全に預けるものもいる。不必要な遺伝子は削られ、生殖は出来ず、果ては体を失い単独では行動すらも出来なくなるものも存在する。 つまり宿主の意志により、寄生する者を真の意味で傀儡にする、ないしは命を奪うのは簡単だと言うことだ」 「………」 クレスはデミテルの言葉の真意を理解しようと考えるが今一掴めない。 ミクトランの様に意志一つで首を飛ばせるとでも言うのだろうか。そんなはずはない。自分は今、確かに一人で地を踏み締めているのだから。 歪んだ共生関係。 しかしクレスがいくら暴れようとも、デミテルは彼を掌の上からは逃そうとはしなかった。使い所が難しい駒こそ、巧く利用すれば真価を発揮する。 「覚えておけ」 すると再び生臭い風が音を立てて吹き出し、彼の言葉はうまくクレスには聞き取れなかった。 「元々、毒薬を用い神経を操作するのみで完全に従僕にするなど博打性が高い。 私が何の考えもなく、危険なお前を操るだけで放置しておくと思うか?」 【デミテル 生存確認】 状態:TP25%消費 所持品:ミスティシンボル、ストロー、金属バット 魔杖ケイオスハート 第一行動方針:金髪の少年(ミトス)の後を追い、利用できそうならば利用する 第二行動方針:出来るだけ最低限の方法で邪魔者を駆逐する 現在位置:E3→南西部へ移動中 【ティトレイ・クロウ 生存確認】 状態:感情喪失、TP1/2消費 所持品:フィートシンボル、メンタルバングル、バトルブック 基本行動方針:かえりたい 第一行動方針:デミテルの指示通りに行動する 現在位置:E3→南西部へ移動中 【クレス・アルベイン 生存確認】 状態:TP1/3消費、善意及び判断能力の喪失 所持品:ダマスクスソード、忍刀血桜 基本行動方針:不明 第一行動方針:デミテルの指示通りに行動する(不安定) 現在位置:E3→南西部へ移動中 前 次
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第79話:どこかに残るなにか ――なぜ、自分は死のうとしなかったのだろう。 なぜ、この女性は自分を助け、剣士を止めようとしたのだろう。 数時間前のフリオニールなら、きっと即答できたはずだ。 けれども今の彼にはわからない。それを哀しいとすら思えない。そういった情動を感じる『何か』が、凍り付いてしまった。 「……」 ただ、頭の中にある記憶と経験が。 そしてほんの少しだけ凍らずに残された『何か』が告げる。 フリオニールの身体は、それに従った。 眠るミレーユを揺さぶり、簡単には目覚めそうにないとわかると、彼女の身体を担いで気付かれぬよう戦場を離れる。飛ばされた盾を拾うことも忘れない。 そしてしばらく歩いていると、突然目の前の建物から一人の男が飛び出した。 「おい、大丈夫か!?」 バンダナを巻いた男――ロックが、フリオニールに話し掛ける。 フリオニールは、背中に持たれかかった女性を見て、淡々と言った。 「……意識がない。魔法のせいだ。起こそうとしたが、起きない」 機械的に言葉を紡いだ彼に、ロックは少しばかり眉を潜めたが、すぐに気を取り直す。 「わかった。その人と一緒に、ここでじっとしていなよ。 あと、よかったら盾を貸してくれないか?」 フリオニールはあっさりうなずいた。ロックは白く輝く盾を受け取り、走り出す。 (仕掛けるなら今しかない) もし、緑髪の二人組が負ければ、青い服の男は自分達を襲うはずだ。 そうなれば勝ち目はゼロになる。自分には武器がないし、あの二人はどう見ても戦える状態ではない。 逃げるという選択肢は考えなかった。 仮に考えついたとしても、彼の過去が、それ以上に彼自身の矜持が許さなかっただろう。 (くそっ。この盾、結構重いな) ――ロックは知りようもないことだが、本来ならば天空の盾は常人には扱えない。 選ばれぬ者には、『結構重い』どころか持ち上げることすら難しいはずだ。 けれども、主の手を離れた今の間だけ、気紛れに力を貸したのか。 あるいは勇者を助けるため、ロックにその身を委ねたのか。答えは、盾にしかわからない。 (これ一つでどこまで戦えるか……やれるところまでやってやる!) 二対一でありながら、戦況は五分五分だった。いや、どちらかといえばソロ達の方が不利だったかもしれない。 「まさかこの程度で全力とか言わないだろうな?」 まだ余力を残しているのだろう。テリーは嘲りながらも、仕掛けてくる。 「二人がかりのハンデ戦なんだぜ、もう少し真面目にかかってこいよ」 (どこがハンデ戦だよ、呪文を跳ね返せるって時点で反則だろ) ヘンリーは小さく舌打ちした。 本来、彼の戦闘スタイルは、呪文で敵を撹乱しその隙を突くというものだ。 純粋に剣の腕前だけでは、本職相手に渡り合えるわけがない。 ソロは、自分よりは遥かに高みにいる。だが、それでも相手の腕に及ばない。 ……せめて、マヌーサでも効けば一気に戦況を覆せるのだが。 そう思った時、ヘンリーの視界に奇妙な物が映った。 物陰で隙をうかがうバンダナを巻いた男。その手に握られているのは―― (天空の盾!?) 彼が知る限り、親友の息子レックスしか装備できぬはずの盾。 それを誰とも知らぬ若い男が、身に付けている。 ソロも、男の姿に気付いた。一瞬だけ視線が交錯する。 その目に宿る輝きが教えた。彼は、自分たちの味方だと。 (ヘンリーさん……) テリーに聞こえぬよう、小さく声をかけた。 ヘンリーがうなずいたのを確かめ、ソロは一気に走り出す。 テリーは唇の端を吊り上げながら、向かえ討たんとばかりに駆けた。 ――ソロの後ろで、ヘンリーが呪文を唱えていたことは気付いていた。 彼に構わずソロの相手をしようとしたのは、指輪をはめた自分には呪文など無意味だと考えたためだ。 それが油断だった。 ヘンリーの呪文が完成する寸前、ソロの持つ剣が光り輝き、透明な壁を作る。 (――っ!?) 「イオ!」 テリーが離れようとしたその時、両者の間に爆発が起きた。 けれどもソロへと迫る熱風は光の壁に跳ね返され、正面に立つテリーへと襲い掛かる。 反射された呪文を再び反射することは、どのような魔力を用いても不可能だ。 舞い上がる砂埃と爆風に翻弄されつつも、なんとか青年は体勢を立て直そうとする。 (ちっ、味な真似を!) テリーは追撃を用心し、砂煙へと目を走らせる。だが、ニ撃目は予想外の方向から飛んできた。 地を蹴る音、それが背後から聞こえたと気付き振り返った瞬間、煙を裂いてバンダナの男――ロックが現れる。 とっさの反撃、だがそれすらも跳ね除けるかのように、右手の盾を押し出して―― 全体重を載せた体当たりが、テリーの身体を突き飛ばした。 フリオニールは路地の上で、四人の戦いを静かに見つめていた。 建物の中に隠れようとしなかったのは、ロックに「ここにいろ」と言われたからだ。 「う……うん」 爆発音のせいか、呪文の効力が切れたのか。背に負ぶわれたままのミレーユがようやく目を覚ます。 「テリーは……テリーはどこ?」 フリオニールは何も言わず、無造作に指を指した。 そして、ミレーユの瞳が見開かれた。 「やった!」 歓声を上げたのはヘンリーだった。続いてロックが、安堵の息を吐く。 二人ともここまで上手くいくとは思っていなかったのだ。 だが、ソロだけは気付いていた。 「ダメだ! まだ決着は……」 その言葉が終わったかどうか。 一瞬の出来事だった。 テリーが身を起こしたとヘンリーが気付いた時には、真紅に輝く瞳が目前に迫っている。 防御は間に合わない。 たった一撃で、ヘンリーの剣は弾き飛ばされ、宙に舞う。 テリーは己の武器を捨て、代わりに、導かれるように落ちてきた雷鳴の剣を手に収めた。 青年の唇が動いた。ヘンリーだけが、音無き声を読み取れた。 『死ね』――シンプルな一言だった。 「止めて、テリーーーーーっ!!」 ミレーユが叫ぶ。狂気の剣が閃く。 どちらが早かったのだろう? ――多分、同時だったに違いない。 赤い飛沫が空へ散った。肉を断ち切る不快な音と共に。 胸の辺りを十字に抉られ、ヘンリーは糸の切れた操り人形のように力無くくずおれる。 「邪魔ばかりしやがって……」 凍りついた空間を、憎々しげなテリーの声だけが渡る。その体が、不意に宙に浮かび上がった。 「今は退いてやるよ。この剣に免じてな」 返り血で汚れた天使の翼をはためかせ、テリーの姿は家並みの向こう、南の空へと消える。 ミレーユは呼び止めることもできなかった。 ただ、弟を止められなかった後悔に身を震わせるしかできなかった。 「ヘンリーさん!」 ソロとロックが、血にまみれたヘンリーに駆け寄る。 フリオニールの背から降りたミレーユが後に続く。 「おい、死ぬな! しっかりしろ!」 ロックが呼びかける、と、突然ヘンリーが目を開けた。 瞳ははっきりと焦点を結び、ロックを見つめる。 ゆっくりとだが自力で身を起こし、悪態までついてみせた。 「バカヤロウ、こんなところで死んでたまるかよ……」 その様子に、思わずほっとする男二人組。 しかしミレーユは、じっとヘンリーの背後を見つめていた。 「あなたは、何か不思議な力に守られているみたいね」 ふと、彼女の表情に翳りが兆す。自分の無力感を噛みしめるように。 「だから助かったんだわ……テリーは、本気であなたを殺すつもりだった」 だがヘンリーは頭を振った。 「違う……奴を止めたのは、あんただ」 「え?」 「あんたが叫んだ時、少し……奴の力が弱まった。 どんな関係だか知らないが、忘れたつもりでもどこかに残ってるんだろう。 忘れたつもりでも、記憶や心のどこかに……あんたのことが…… だから今も……俺に……止めを、ささずに……」 言い終えぬうちに、ヘンリーの体から再び力が抜けた。 「おい! 早いとこ手当てしないとまずいんじゃないか?」 慌てて脈を取りながら、ロックが言う。 ミレーユは困惑したように、ヘンリーとソロを交互に見た。 ソロは彼女の意図を察し、微笑を形作りながら答える。 「回復呪文は僕にも使えます。ここは任せてください」 「……ごめんなさい」 ミレーユは頭を下げ、村の外へと走り去っていった。 弟を、今度こそ止めるために。 【フリオニール(感情喪失) 所持品:なし 行動方針:静観?】 【ヘンリー(気絶、重傷) 所持品:G.F.カーバンクル(召喚可能・コマンドアビリティ使用不可) 行動方針:傷の治療】 【ソロ 所持品:さざなみの剣 水のリング 行動方針:ヘンリーの治療】 【ロック 所持品:キューソネコカミ 天空の盾 クリスタルソード 行動方針:ソロ達の手助けをする】 【現在位置:レーベの村中央部→宿屋 】 【ミレーユ 所持品:月の扇 エルメスの靴 行動方針:テリーを追い、命に換えてもテリーを更正させる】 【現在位置:レーべの村→南へ】 【テリー(DQ6) 所持品:雷鳴の剣 イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド 天使の翼 リフレクトリング 行動方針:自らの力を試す=ゲームに勝利する】 【現在位置:レーベの村→南へ】
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盟友 グリッド達2人と1匹と1本の行軍は、グリッドに対する積載量オーバーの為 一般的な速度を大幅に下回っていた。被索敵率を減らすことを主目的として 北の森を突っ切ったのもその要因に含まれる。 森を抜けるのと同時に、グリッドはその疲労で上がらない頭に搭載された 眼の焦点を遠くに合わせ、微小に顎を持ち上げた。 その先に紫の光を見る。ここにまでイオン臭が漂ってきそうな雷光だ。 「…ホワッズィスズァット?」 小高い丘の上から、雷が横に走っていった。 その発生源に、歪なシルエットが1つ。 「…雷系晶術…にしては物々しいな。どちらかというとハロルドの兵器に近いが…」 ディムロスがコアを月光に輝かせて、いぶかしむ。 2人の共通見解は嫌な予感程度のものだ。 「―――――レイバーだ」 3人目の、ぐぐもった声が彼の肺とグリッドの背を伝導する。 筋に電気信号。ヴェイグ・リュングベルの指先が動く。 「サウザンド、ブレイバー…フォルスによる砲撃だ」 反響したフォルスが、ヴェイグの意識を励起する。 「あーすいません。専門用語は無しで説明を…それ以前に、起きたの!?」 驚きと共にバランスを崩したグリッドが背負ったヴェイグごと倒れる。 気付いたら誰かの背の上、流石に日に2回もあれば情けなく思うのが人間ではある。 しかし、そんなことは比較的些細だ。誰がそれを行使しているのか、ということに比べれば。 四つん這いからディムロスを掴み、杖として立ち上がる。状況の認識を… 「ここは…俺は、トーマを見て…ナイフが…ディムロス、何があった?」 ディムロスはグリッドを一瞥して、彼の了承を得る。 「お前は、プリムラという、お前がその、抱いていた女に刺されて意識を失った。 今はハロルドと別行動中だ。かつてハロルドが使っていた拠点に向かう途中だったが、 運よくヒーラーにお前を見せることが出来たので先にE2に向かうことにした。さて、あれは何だ?」 掻い摘んだ説明の後、未だ唇の青いヴェイグの口が開く。 あれがどんな技なのか、誰が使えるのか。 「…だとすれば、砲口から考えると狙いは…E2か!!」 ディムロスは声を上げる。その先にいるマスターを案じて。 2人をディムロスは急かす。しかし、それが出来ない事情を抱えたものが1人。 「駄目だ…あいつが、あそこにいる」 どうやってヒルダ無しで発動しようとしているかは分からないが、使えるのは1人しか居ない。 ディムロスを地面に突き、よろよろと歩を進める。 「おい!ヴェイグ!」 こういうときにソーディアンは辛い。所詮は道具に最終決定権はないのだ。 「…済まないとは思う。だが、俺には武器が…要るんだ」 「―――」 どうしようもない、と思う。ソロン、リオン、封殺された意思の数がまた1つ増えるだけだ。 「とう」 押そうとする力が重心を外して掛かり、ヴェイグを横転させる。 「痛!貴様何を…」 「おーい、ケダモノ」 グリッドはヴェイグのことを無視して、小声で森を呼ぶ。 するりと茂みが揺れて、クィッキーが現れた。 「おい、ディムロスを…返せ!」 グリッドは気にも留めない。多分2人の間に真空の層が形成されているのだろう。 ディムロスを再びウイングパックに入れてクィッキーに括りつける。 「よし。それじゃE2に…あ、何?お前ビビッているのか?漆黒の翼の公式マスコットの癖に 情けない。そいじゃ、サービスでこいつを付けてやる」 そういってグリッドは自分のサックの中からアクセサリを取り出し、ウイングパックに入れる。 光への導きへの鍵、多少正常な用法を逸脱した機能を期待しても罰は当たるまい。 「グリッド…」 「俺のことなんぞスタンは覚えちゃいないだろうからな…あいつを、頼む」 グリッドは手でクィッキーとディムロスを払い、それに応じてクィッキーは闇を駆けていった。 「…よし!」 「何が良し、だ…!!」 胸を張るグリッドの胸倉をヴェイグが掴む。しかし力の入らない体は ヴェイグの言うことを聞かず、再び膝を折る。 悔しそうに地面を見るヴェイグの視界に、短剣が現れる。 それが何を意味するのかを理解する前に短剣を手に握らせた上で、 グリッドはヴェイグの腕を肩に回しヴェイグを立たせた。 「剣はそれで我慢してくれ…代わり、といっては何だが、俺が杖代わりになってやる」 眼を丸く、口を半開きにするヴェイグ。 「断る!」 「却下だ。お前はもう漆黒の杖の一員なのだ」 「そんな何度も団名を変えるような連中の…」 「いやか?じゃあ漆黒の翼ならオッケイだな!?ハイ決定!」 グリッドが鼻を鳴らしてから沈黙が暫く。 「…どこの漆黒の翼もこんな調子なのか」 諦観にも似た表情でヴェイグは丘の上を見上げる。時間も無い。 「俺は絶対に漆黒の翼なんぞに入らん」 チンクエディアを前に突き出し、フォルスを高める。 「代わりに1人仲介してやる…そこまで連れて行け」 凍結する草原の一部。弱体化した網の無効化。 「「行くぞ!」」 威勢と釣り合わない速度で、彼らは丘を登り始めた。 デミテルは眼を閉じ、フォルスの制御に集中している。 その顔の汗の量は尋常ではない。額に血管も浮かんでいる。 なんとも恐ろしい力。制御できるとかそういう次元の話ではない。 まるでこれは神の片鱗ではないかと錯覚したくなるほどに――― 草が割れる音が聞こえる。砂を踏むかのような、耳障りな音。 ティトレイの「網」を抜けて来た何者かが、1人、否、2人。 ここに至るまでまったくティトレイからの報告は無かった…どうやって網を抜けて来たのか… その歩調を聞く限りまともな状態でなかろうが…どうするか。あと、一分… 丘の上に、4人。 「何者かは知らぬが…今すぐここを退け。さすれば無用な命を奪わずに済む」 デミテルは2人を一瞥もしない。首を動かす余力すらない。 しかし、敵は…敵と呼べるかどうか妖しいが、全く以てマナを感じない男が2人、 しかも1人はどうやら手負いで、もう1人は一般人としか言いようの無い男。 「ふん!お前みたいな地味に悪人面した奴は本当に悪人だと相場は決まっている!!」 グリッドは息を切らせながら気を吐く。その根拠の無い自信はどこから沸くのだろうか。 後30秒… 「ならばどうする…この砲口をお前達に向けても良いのだぞ?」 頭痛に皺を寄せるデミテル。この一撃が終わってから始末すれば事足りる。 何十通りかのアクシデントを想定していたが、ここまで情けないアクシデントとは… 「ふ…ふん!そんなハッタリなどこのグリッド様には通用せん!それに貴様には用はない!!」 少し腰を引かせてグリッドは吼える。 この機を逸すれば、次の装填には1時間は優に要するだろう。 そのリスクはこの2人を見逃す比ではない。私は中断しない。 15秒… グリッドは肩を貸した相手を向く。ゆっくりと、ヴェイグは彼を見据えた。 「ティトレイ…何をしている…」 肺を動かす。 「無駄だ…其奴は感情を失った我が忠実なる僕…貴様らが何を言おうとこやつの力は我が手中…」 ?…違う?私は、中断しないのか…あるいは…中断‘できない’のか…? 10秒。デミテルは自分のセンサーの感度の良さが命取りになったといえる。 もう、後はただオートマティックに。 「フォルスは心の力。本当に心を失った能力者には扱えない… ティトレイ…お前、本当は、全部分かってるんじゃないのか?」 ドクン、と何かが鼓動したような音。紫電の光が更に輝く。 逆流の感覚。右腕の血液が沸騰する感覚。 「グッ!ティトレイ=クロウ!何をしている!!」 崩れた均衡を取り戻そうと、デミテルはケイオスハートを突き出す。 しかし、フォルスは何も応えない。寧ろ、 「まさか…私のマナを逆に制御下に置いたか!?従僕が主を隷属させるというか!!」 不可能を悟る。海の波を止められないと諦めるかのように。停止命令すら反抗。 私のマナを喰らい、想定した威力の140%…これが…暴走… 「見るな…」 5秒。砲身が6度上がる。 「見るなよ…」 ありったけの知識を働かせ、可能と不可能を明瞭にする。 4秒。砲身が6度上がる。デミテルの腕が内出血で紅く染まる。 「見んじゃねえよ…」 ヴェイグの手が輝くが、砲身を凍結させることは出来ない。 3秒。砲身が6度上がる。ただ状況を眺めるしかないグリッド。 デミテルはグリッドを見る。どこかにあった、慢心。戦場において最も厄介な手合い。 「頼む…見るな…」 千の策謀と万の知略の一切合切を荼毘に帰す、神に祝福された存在。 詠唱の中断は不可能…すでに隠密も神速も無為…ならば… 2秒。砲身が6度上がる。砲身に亀裂が走る。 「見るなァァァ!ヴェイグゥゥゥゥ!!」 1秒。6度上がる。砲身に光が集まる。 あくまでも‘弾丸’は私のマナ。城の中空への到達時間を算出。 城の上で、雷撃を地面に向けて指向性爆破する。城跡に雷矢の豪雨が降り注ぐであろう。 さながら、ティトレイの扇翔閃の如く。跡形も残らないのは変わらない。 理も知も今は埋葬しよう。戦略を解放する悦楽。デミテルは笑っている。 狂気を弄ぶデミテルもまた、狂気の住人。 殺傷力と殺害効率だけを希求し、狂気迸り山河を越えよ。 0秒。仰角15度で、サウザンド・ブレイバーが発射された。 デミテルの腕と、砲身が閃光と共に爆ぜたのと同時刻である。 【グリッド 生存確認】 状態:右肩に銃創(処置済み) 状態不明 所持品:マジックミスト、占いの本 、ハロルドメモ ペルシャブーツ 基本行動方針:生き延びる。 漆黒の翼のリーダーとして行動 漆黒の翼の再編 第一行動方針:E2に向かいスタン達に会う 第二行動方針:ヴェイグをG3洞窟に運んで、薬の準備 第三行動方針:プリムラを説得する 第四行動方針:シャーリィの詳細を他の参加者に伝え、先手を取って倒す 現在地:E3 【ヴェイグ=リュングベル 生存確認】 状態:右肩に裂傷(処置済み)強い決意 腹部重傷(処置済み) HP30% 状態不明 所持品:チンクエディア 基本行動方針:生き残る 第一行動方針:ティトレイの説得 第二行動方針:ルーティのための償いをする。 第三行動方針:カイル、スタンの2名を探す 現在位置:E3 【デミテル 生存確認】 状態:TP30% 右腕内部にダメージ 状態不明 狂気 所持品:ミスティシンボル、毒液 魔杖ケイオスハート アザミの鞭 基本行動方針:漁夫の利を狙い立ち回る 第一行動方針:??? 第二行動方針:発射後、可能なら生き残りを殲滅する 現在位置:E3 【ティトレイ=クロウ 生存確認】 状態:感情喪失? TP残り15% 状態不明 所持品:フィートシンボル、メンタルバングル、バトルブック 短弓(腕に装着) 基本行動方針:??? 第一行動方針:??? 現在位置:E3 【クィッキー】 所持品:S・D、セイファトキー 行動方針:スタンに会い、射手の存在を伝える 現在位置:E3→E2城跡 前 次
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Invitation to the inferno かえりたい。 ティトレイ・クロウはその一心で、自らの主から受け取った袋の中身を蒔いた。 かえりたい。 その種は、ファラ・エルステッドの遺志のもと集った、戦士達の家の周りに蒔かれた。 かえりたい。 主の命ずるがままに、ティトレイは蒔いた種に、自らの「樹」のフォルスを施す。 かえりたい。 ティトレイの「樹」のフォルスを受けた種は、たちまちのうちに発芽する。伸び始めた芽はあっという間に家の外壁に絡みつき、扉を、窓を、封じ込める。 かえりたい。 誰かが内側から扉を叩いたらしい。けれども、伸びた芽は蔓のように扉を十重二十重に食い込み、生半の攻撃では扉を破ることを許さない。 フォルスによって生み出されたものは、フォルスによってしか壊すことは出来ない。フォルス使いにとっては、常識である。 すなわち、フォルスの火で炙りでもしなければ、この蔓を切ることは不可能。さもなくば、ティトレイの主人たる男の放つ、魔術の火か。 家自体が崩壊しかねないほどの、強大な術技を放つのも手かもしれない。 だが、内側の人間は、よほど切羽詰らねば、そんな乾坤一擲の手は用いるまい。どの道、これで中の人間は、事実上幽閉したも同然。 育ち切った芽は、今や家全体に絡みつき、亡霊屋敷のような様相さえ呈している。だがその蔓の強靭さを思えば、この家は巨木の幹に埋め込まれたようなもの。 内側からでも外側からでも、この蔓のヴェールを破ることは、巨木を切り倒すに等しい力を要する。 それも、フォルスや魔術という名の鋸を使わねば、傷つけることさえ厳しい巨木である。 仕事を終えたティトレイは、ゆっくりとその建物に背を向ける。これが終わったら帰って来い。それが、主人から命じられた用事であった。 家に背を向けたティトレイの後ろで、ぴちゃりという音が響いた。それは、繁茂した蔓から垂れた、液体の音。 若干黄色がかっていて、しかもギトギトしている。これを地面に撒いて誰かをその上で歩かせれば、転ばせることも可能だろう。 今は亡き緑髪の少女、ファラがそれを見たなら、しばらくは買い出しの必要がないと大喜びしていたかもしれない。 その黄色い液体は、油であった。 家からゆっくりと離れるティトレイの鼻先を、いくつかの火球がかすめて飛ぶ。 魔術「ファイアボール」。若干拡散気味に放たれた火球は、家の何箇所かにに命中し、そこから火の手が上がる。 地面に垂れた油にも「ファイアボール」の炎は飛び火し、油の水溜りの上では、1つの炎が不気味に揺らめいていた。 「…予定通りだ」 デミテルは、「ファイアボール」が宿らせた火を見て、どこか事務的に呟いた。 デミテルは左手の中で、ティトレイにも持たせた、とある植物の種をもてあそんでいる。この種の表面も、少し油っこい。 その種はすなわち、アブラナの仲間に属する、とある植物のもの。 この島には、見たこともないような植物も多く自生しているが、一部はデミテルが西の孤島での暮らしのさなか、本草学の書物で見たものもある。 おそらくこの島は、多くの世界から切り取られた、世界のかけらのようなものを集め、何らかの方法でそれらを混ぜ合わせて作ったのだろう。 明らかにアセリアの地にはありえない植物と、そしてアセリアの植物があわせて自生しているところから、デミテルはそんな説明を打ち立てていた。 だが、今は別にこの島の成り立ちなど重要な事項ではない。 重要なのは、こうしてアブラナの種子を手にし、そして自らの手駒には、植物を操る力を持つ者がいたということ。 それこそが、この作戦を成り立たせているのだ。 ティトレイの力…「樹」のフォルスでこのアブラナの種子を繁茂させ、そしてその芽で屋敷を覆う。それが、デミテルの立てた作戦。 彼の本草学の知識と、ティトレイの力への洞察に誤りはなく、繁茂したアブラナには、油がぎっちりと詰まっていた。 あとはその油に火を点ければ、家の中の人間を閉じ込めて焼き殺せる、即席の猛火の牢屋が出来上がる。 獲物を確実に、しかも少ない労力と危険で葬れる策だ。 だが、デミテルはそこに、更なる駄目押しを放つことを決めていた。 低い声で魔術を詠唱するデミテル。魔術の心得があるものならば、その魔術は風を司る韻律を、多く含んでいることに気付けたはずだ。 デミテルが今度引き出していた知識は、錬金術。錬金術もまた、彼が西の孤島で独学していた学問であったのだ。 錬金術師の間では、次のことは常識とされている。 通常の火は、大気の中に含まれる不可視の粒子を吸収し、あのように熱く燃え上がる。 その粒子の名は「燃素」…すなわち「フロギストン」とも言うが、火は大気のフロギストンを吸収することで、燃え上がるのである。 デミテルが今紡いでいる魔術は、その大気のフロギストンを凝縮する魔術。これを屋敷に向け、放つのだ。 デミテルも暇を見て、以下の実験を行ったことがある。すなわち、大気中のフロギストンを凝縮し、それを燃えている火に放つ実験を。 フロギストンを過剰に供給された火は、普段のそれを遥かに越える勢いで燃え上がるのだ。 錬金術の先達の記述に間違いはなく、デミテルが暖炉にくべていた薪は、爆発的に燃え上がりたちどころに消し炭と化してしまった。 しかもその時の炎は高温で、それにさらされれば打ち上げられた鋼鉄でさえ、どろどろに融かしてしまう。 数日の実験を通じて得られたその結果を自らの書に記したことを、デミテルは今も正確に覚えている。 ちょうどそのとき、デミテルは大気のフロギストンを凝縮し終えた。いける。この量ならば。 デミテルは両の手をかざし、フロギストンの風を吹かせる。風とは言っても、そよ風よりわずかに強いという程度。 だが、家に放たれた弱い火を、煉獄の業火に育て上げるには十分過ぎるほどには、その風は「強烈」であった。 フロギストンの風が火に達した瞬間、ちっぽけな火はたちどころに膨れ上がった。 ぼうん! 空気が一気に膨らみ上がる音と共に、放たれた火はたちまちに家を囲む。 フロギストンの風に後押しされた猛火…魔術により生み出された炎は、ティトレイの繁茂させた蔓を…蔓の含む油を火種とし、赤々と燃える。 これで、中の人間の運命は決したも同然。火が回り始めていることに気付いたとしても、気付いた頃にはもう遅い。 すでに火は、消火できないほどに広がっているのだ。 もちろん、魔術「タイダルウェーブ」あたりを用いれば、崩れる家の瓦礫ごと炎を吹き飛ばし、強引に消火することも不可能ではないかもしれない。 だが、家の中の空気のもとで、そんな真似は出来るまい。 家の中の空気もやがて高熱を帯びる。おまけに家の中には、熱の逃げ場もない。 そして、魔術の行使には、発声を伴う呼吸が必要となる。 肺が火傷するほどの高熱の空気を呼吸するなど、進んで行おうとする愚か者はいるまい。 おまけに、この火事を消火できるほどの高等魔術にはかなり長時間の詠唱がいる。 詠唱を終えるまで、何度呼吸で肺を高熱の空気にさらさねばならないか、想像するだに馬鹿馬鹿しいだろう。 更に。時間が経てば、家の中には「死の空気」が充満する。 錬金術で「死の空気」と言えば、炎の燃焼でフロギストンを奪われた空気を指す。 この空気は呼吸には適さず、逆にその中に長時間さらされれば、生き物は息が詰まって窒息死する。 デミテルの推測では、あの家の中の空気から、フロギストンが失せるまであと数分。 そしていかな歴戦の勇者でも、「死の空気」に耐えられる時間は、5分もあるまい。 結論としては、あの中にいる人間に与えられた時間は、どんなに長く見積もっても10分。 10分を過ぎてもこの家からの脱出に成功せねば、中の人間は確実に灼熱地獄の中で絶命する。そのときにはすでに絶命している。 中で第三勢力の何者かが暴れているようだが、この策にまとめて嵌める事が出来た以上、そいつもまとめて葬り去れるはず。 葬り去れなければ、また何らかの策を講ずればいい。 例え万が一、この場にいる全員が生還したとしても、団結しつつあった一同に、疑心暗鬼の火種を撒けた事。それだけでも、この策に意味はある。 デミテルは、家全体に炎が回ったことを確かめてから、その場を立った。ティトレイもまた、それに倣う。 とりあえずデミテルは、この村を去ることに決めた。自らの策のための布石を完遂させた以上、ここにこれ以上いる意味はあるまい。 ダオスにけしかけたクレスの様子を見たのち、素早くこの村を離脱する。 だが、もし自ら窮地に陥らず、利だけをさらえる目算が立ったのであれば、少しばかり手助けをしていくのもいいだろう。 一応クレスには落ち合う地点を事前に知らせてある。無事生還できれば、そこで落ち合えるだろう。 クレスは拾ったとき、ボロボロの状態だった。 もとより傷だらけのクレスは、ダオスを潰すための捨て駒と割り切ってけしかけてみたが、回収できればそれもまたよし。 問題は、どれだけ安全に漁夫の利をさらうことが出来るか。デミテルの判断基準は、全てその一点に集約されていた。 黒い外套を舞わせながら、デミテルは言う。 「…行くぞ、ティトレイ」 「…うん、わかった」 ティトレイの返事を受けるが早いか、デミテルは可能な限り物陰に隠れながら、村の南側に向かう。 ちょうど南側からなら、ダオスとクレスの様子も見ることが出来るし、何より南側のルートは、脱出の最短経路だからだ。 デミテルと、そしてティトレイが去ったとき。 そこには煉獄と化した家のみが残された。 煉獄への招待状。それが、デミテルが中の4名に知られざる内に差し出した、一通の手紙であった。 【デミテル 生存確認】 状態:TP30%消費 所持品:ミスティシンボル、ストロー、金属バット 第一行動方針:ダオス打倒計画の決行 第二行動方針:可能な限り戦力を削ぐ 第三行動方針:危険と見れば逃走する 現在位置:C3村 屋外。南部へ移動中 【ティトレイ・クロウ 生存確認】 状態:感情喪失、TP中消費 所持品:フィートシンボル、メンタルバングル、バトルブック 基本行動方針:かえりたい 第一行動方針:デミテルの指示通りに行動する 現在位置:C3村 屋外。南部へ移動中 前 次
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喪失 ◆cJ9Rh6ekv. 暗い夜闇の中を、ぽつんと行進する影があった。 ずんぐりとしたシルエットはデイパックと、人間一人を背負ったことで大きく膨れたもの。重い足取りで進むのは、一条薫を背負った小野寺ユウスケだった。 「……すまない、小野寺くん」 背後の一条から囁かれたのは、何度目かになる謝罪の言葉だ。 応急手当を済ませてから、ユウスケは一人で彼を背負い、病院を目指し歩いていた。 直後、意識を取り戻したかと思えば何度か遠のきもしているらしく、繰り返される謝罪は軽く前後不覚の状態故か。 ……あるいは、一刻も早い治療が必要な身でありながら、冷たい夜風に今も体力を奪われながらも、彼もまた無力感から際限なく自分を責めているのかもしれない。 「構わないですよ。俺が、無駄に元気なだけですから……」 止血を終えた後から、ユウスケが一人、彼を背負って歩く形になったのは、ひとえに体力差の問題だ。 良きにせよ悪しきにせよ、今のユウスケは二度に渡って凄まじき戦士に転じた身。 あれだけ消耗していた肉体も、未だ万全とはいえずとも、一条を背負って長距離移動するのは問題ないほどに回復していた。 それでも歩みが遅いのは、一条への負担を気遣うばかりではなく――やはり先の戦いが心に残した爪痕が深すぎたせいだ。 一条やキバットがいくら慰めてくれても、肯定してくれても。事実として自分が、他人を巻き込む虐殺兵器と化しながら、ダグバを討つことをできなかった事実は覆せない。 ――そして一条もまた、やはり文字通りユウスケに重荷を背負わせた形になった居心地の悪さと、己の不甲斐なさへの憤りとを抱えていた。 「……ちょっと待て、二人とも」 そんな負の感情に沈んでいた二人を呼び止めたのは、隣を飛行し追随していたキバットバットⅢ世だ。 彼の様子を見てみると、キバットは片方だけ残った目で夜空を見上げていた。 その、星空を見るには険しすぎる視線に倣ってみたユウスケは、見た。 天空に生じたオーロラから吐き出された巨大な飛空船の群れ。そのうち一隻が、自分達の頭上を通り過ぎていく様を。 『時間だ。これより第二回放送を開始する』 ゾッとするほど静まり返っていた会場に響き渡る、冷徹な男の声により――ユウスケたちは、殺し合いの開始から十二時間の経過を知った。 そして、取り返しのつかない喪失の数々と――漫然と絶望に浸っていられる時間が終わりを告げたことを。 ◆ 「何が……何が人が人を殺してはならない、だっ!!」 第二回放送が終わった後。去っていく巨大な影に向けて、耐えきれなくなったようにキバットが叫んでいた。 「こんなこと仕向けておいて、どの口でそんなこと言ってやがる! バカにしやがってこのヤローッ!!」 首領代行を通じて伝えられた、大ショッカー首領――すなわちバトルロワイアル主催者の言葉に、キバットは逆上したように悪態を吐く。 だが、どこまで参加者たちを虚仮にしたようなその言葉に対して、怒りを抱く余裕はユウスケの中にはなかった。 あまりにも――あまりにも多く、そして受け止めきれないほどの大きな喪失に、打ちのめされてしまっていたから。 「海東……みんな……」 海東大樹。第一回放送で名前を呼ばれた光夏海と同じ――というには、時に危うすぎるほどに気ままではあったが、ユウスケにとって旅の仲間と呼ぶべき男が死んだ。何度も助けてくれたあの通りすがりの仮面ライダーが。 日高仁志、すなわちヒビキ。共に殺し合いに立ち向かった頼もしい仲間にして、ユウスケが……殺めてしまった桐矢京介の師匠であった彼も、また。 それも、彼らの属する『響鬼の世界』ごと――全員、殺されてしまった。 急激に、口の中が乾いて来た。ともすれば吐きそうになるほどに。 響鬼の世界の参加者は全滅した。それにより、彼らの世界に残る人々も滅亡を決定づけられた。 文字通りに、世界中の人々の笑顔が奪われた――その一因に間違いなく自分が居る、という途方もない罪悪感に、膝が折れてしまいそうだった。 ――だが、今のユウスケにはそうもできない理由があった。 彼らだけではない。紅音也も、鳴海亜樹子も、もっと大勢が死んだ。 そんな犠牲者を読み上げる放送の中で、あったのだ。彼の名が。 「五代……」 背中が震える。ユウスケ自身の意志ではなく、そこに触れている人物の感情で。 友の――五代雄介の死を知った、一条薫の声には。聞くだけで胸が張り裂けそうになるような、悲嘆がそこに含まれていた。 「一条さん……」 背負っている、という体勢の都合上。ユウスケは彼の顔を伺うことができない。 今、彼は――どんな表情を浮かべているのだろう? 「……すまん、小野寺くん。急かすようで申し訳ないが、もう進もう」 だが――悲痛に沈んでいるかと思われた一条の声には、既に芯が戻っていた。 もちろん、万全の張りとは言えないが、それでも。 思わず、ユウスケは問うていた。 「……良いんですか?」 「……良くはない、だろうな――だが、止まっていることはもっとできない」 絞り出すような返答の裏からは、確かな決意の程が感じ取れた。 つい先程、ユウスケを優しくも力強く励ましてくれた時のように――彼の信じる正義に殉じようとする、強い意志が。 「奴らは、大ショッカーはこの殺し合いで最後に残る世界を決めると言った……君が言うように、世界の滅びは確かに起こっているのだとしても。これから参加者の全滅した『響鬼の世界』だけを狙って破壊するのは、大ショッカーが実行することのはずだ」 一条に言われて、ユウスケはハッとした。 彼の言うことには一理ある。大ショッカーの放送の中では、あくまで参加者の全滅しか告げていない。 ならば一条の言うとおり、彼らの世界は未だ健在で、この先に大ショッカーが破壊を試みるのだとしてもおかしくはない。 ……事情も知らずに遺された、京介の家族や学友たちごと。 「そんなことを許すわけにはいかない。だからできるだけ早く、奴らの計画を阻止して、全ての世界を救う方法を見つけなければ……」 そのためには、バトルロワイアルすら止められていないうちに、足を止めてはならないと――一条は、暗に告げていた。 あれだけ親愛の情を示していた、五代雄介を亡くしても。 それこそがきっと、皆の笑顔のために戦った彼の遺志でもあるはずだと信じて――中途半端な真似だけは、しないために。 「……っ」 そんな気持ちに押されるように、ユウスケは一歩踏み出した。 移動の再開に気づいたように、キバットとガタックゼクターもまた追いかけてくる――ユウスケに仮面ライダーの力を託してくれた、仲間たちが。 ……そうだ。 今は、嘆いてばかりいられる時ではない。 五代雄介は――もう一人の偉大なクウガは、志半ばにして息絶えた。 ダグバにも対抗できると目された、大きな希望が。 だったら……もう、お終いなのか? このまま次々と参加者が脱落し、滅亡する世界が続々と増えていき――ダグバや大ショッカーのような暴虐無道だけが生き残る悪夢を受け入れるしかないのか? そんなの――――諦めてしまって、良いわけがない。 そんな中途半端な真似、できるわけが、ないではないか。 「……一条さん」 「どうした?」 前触れのない呼びかけに、一条は穏やかな調子で応じた。 「……あんなことをしておいて、何を言うんだって思われるかもしれませんけど」 問いかけに答える声が、震える。 まだ、罪の意識は拭いようもなくこの身に纏わりついている。完全には迷いを振り切れない。 それでも、言葉にしなければ、内に抱えたままでは、いつまで経っても変わらないから。 「俺……俺、戦います。五代さんの分も。今度こそ、皆の笑顔を守るために」 それを叶えられる見込みのある者が最早、自分しかいないのであれば。 膝を着き、ただ悲嘆と絶望に沈んでいる暇など、この身に許されるはずがない。 そもそもこれは、誰かに任せて良い話ではない。 姐さんと約束したのは――他でもない、小野寺ユウスケなのだから。 「変わってみせます。今度こそ……今度こそ、ちゃんと、クウガとして」 そして会ったこともないあの人の――五代雄介の意志もまた、継いでみせると、密かに決意を固めながら。 「中途半端は、もう、しません。だから……安心して、ください」 大ショッカーを倒すまでは、もう自分から逃げている場合じゃない――ユウスケはその覚悟を、一条へと言外に伝えた。 ◆ 小野寺ユウスケの――もう一人の戦士クウガの背に揺られながら、一条薫は複雑な心境を抱えていた。 思い煩うことはいくつもある。守れなかった同行者たちの無念も、出会う間もなく死んでしまった鳴海亜樹子への疑惑も、ユウスケに語ってみせた世界崩壊を止めるための手段の模索も。 大ショッカーの首領代行という立場で現れた、未確認生命体B-1号のことも。 だがやはり、多くの考えるべきことにもなかなか集中させて貰えないほど、一条の胸の中を占めるのは、二人の戦士クウガに対する感情だった。 (五代……すまん……) 胸中で詫び続けるのは、あの冒険家のこと。 旅を愛する彼を、ずっと縛り付けてしまった。誰より暴力を嫌う彼に、ずっと戦いを強いてしまった。 他に、未確認に対抗できる戦力がなかったから。一条が、警察が無力だったから、彼を危険に晒し続けてしまった。 そんな寄り道のせいで、こんな恐ろしい戦いに巻き込ませてしまって……とうとう、その命を喪わせてしまった。 同僚の殉職なら、聞かない話ではない。 だが五代は、民間人だったのだ。 本当は、もっと、素晴らしい青空の広がる景色をたくさん見られたはずの彼の生涯を、こんなところで。 誰より正義感が強く、けれど悪意と対峙することも、義憤に身を燃やすことにも慣れていなかった五代を死に追いやってしまったのは、自分たちの無力――そして己の発した言葉こそが呪縛になっていたのではないかと、一条は悔やまずには居られなかった。 重傷の身の、どの痛みよりも響く喪失感と罪の意識――そしてそれをさらに膨れ上がらせるのは、その再演に対する恐怖だった。 (俺は……小野寺くんまで) 第零号との死闘で、精神に深い深い傷を負ったもう一人の――若きクウガ。 五代と同じように、皆の笑顔を守りたいと戦う青年。辛うじて生き延びてくれた彼にもまた、自分は呪いをかけてしまったのではないか。 中途半端な真似をするな、と―― 人の身と心で背負いきれるはずもないものを、またも一個人に押し付けようとしているのではないかと――文字通り今、お荷物と化した己を背負う青年に対しても、一条は罪悪感を覚える。 ただ……ただ。一方で、自らを気遣う彼の声が、先程のように自決へと一縷の望みを託したような末期的な物ではなかったことには、軽率にも安堵してしまっている自分のことも、一条は認識していた。 彼の精神は、やはり仮面ライダーの――戦士クウガの物だったのだ。 追い詰められても、だからこそ甘えられなくなる。己の持つ強大な力、その責任から逃れられなくなる。 それが土壇場で、自らの命を放棄するという選択肢を先延ばしにさせたことを――素直には喜べなくとも、今はただ、先に繋がったことこそを最後の希望として。 それでも、その正義の魂がユウスケを立ち直らせたのだとしても。その業と責任を、彼一人に背負わせるわけにはいかない。 守るべき皆の笑顔の中には、彼自身の笑顔だって含まれていることを……確かに彼が守れたものと同じように、忘れないでいて欲しいのだ。 (そうだろう……五代) 贖罪になるとは思わない。五代雄介と小野寺ユウスケは別人であり、何の因果関係もない。 それでも、きっと、五代は悪い意味で自分の後を誰かが追うのは嫌うはずだから。 共に背負えるだけの力がない一条がこんなことを考えるのは、いっそ無責任かもしれないが、せめて――せめて、彼と並んで戦える仲間のところまで、その希望を繋ぐまでは、諦めることはできない。 ……それが正しいことだとは、頭ではわかっているのに。 諦めるべきはないというのに、どうしても引っかかってしまうのはやはり、喪ったものが大きすぎるからだろうか。 結局は五代をそこまで導くことのできなかった自分への、拭い取れない不信のせいか。 五代雄介も、小野寺ユウスケも、同じく奮起してくれた父の言葉を――何より果たせていないのは自分ではないかという、疑念のせいか。 ――この闇を抜ける頃には、そんな迷いも晴れるだろうか。 柄にもなく、そんな感傷を懐きながら。一条はせめてもの回復と、考察すべき事柄への集中に意識の切り替えを務めた。 【二日目 深夜】 【???】 【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】 【時間軸】第30話 ライダー大戦の世界 【状態】疲労(極大)、ダメージ(大)、左脇及びに上半身中央、左肩から脇腹、左腕と下腹部に裂傷跡、アマダムに亀裂、ダグバへの極めて強い怒りと憎しみ、仲間の死への深い悲しみ、究極の闇と化した自分自身への極めて強い絶望 【装備】アマダム@仮面ライダーディケイド 、キバットバットⅢ世@仮面ライダーキバ、ガタックゼクター@仮面ライダーカブト 【道具】無し 【思考・状況】 1:一条を死なせたくない、何としても助けたい。 2:これ以上暴走して誰かを傷つけたくない…… 3:……それでも、クウガがもう自分しか居ないなら、逃げることはできない。 【備考】 ※自分の不明支給品は確認しました。 ※『Wの世界万能説』をまだ信じているかどうかは後続の書き手さんにお任せします。 ※アルティメットフォームに変身出来るようになりました。 ※クウガ、アギト、龍騎、響鬼、Wの世界について大まかに把握しました。 ※変身に制限が掛けられていることを知りました。 ※アマダムが損傷しました。自壊するほどではありませんが、普段より脆くなっています。 ※ガタックゼクターがまだユウスケを自身の有資格者と見なしているかどうかは、後続の書き手さんにお任せします。 ※キバットバットⅢ世の右目が失われました。またキバット自身ダメージを受けています。キバへの変身は問題なくできるようですが、詳細は後続の書き手さんにお任せします。 【一条薫@仮面ライダークウガ】 【時間軸】第46話 未確認生命体第46号(ゴ・ガドル・バ)撃破後 【状態】疲労(極大)、ダメージ(極大)、額に怪我、腹部表面に裂傷、その他全身打撲など怪我多数(応急処置済)、出血による貧血、五代たち犠牲者やユウスケへの罪悪感、強い無力感、ユウスケに背負われて移動中 【装備】アクセルドライバー+アクセルメモリ@仮面ライダーW 【道具】食糧以外の基本支給品×1、名護のボタンコレクション@仮面ライダーキバ、車の鍵@???、おやっさんの4号スクラップ@仮面ライダークウガ 【思考・状況】 1:第零号は放置できない、ユウスケのためにも対抗できる者を出来る限り多く探す。 2:五代……。 3:例え何の力にもなれなくても、ユウスケを一人には出来ない。 4:鍵に合う車を探す。 5:照井の出来なかった事をやり遂げるため『仮面ライダー』として戦う。 6:一般人は他世界の人間であっても危害は加えない。 7:小沢や照井、ユウスケの知り合いと合流したい。 8:未確認への対抗が世界を破壊に導き、五代の死を招いてしまった……? 【備考】 ※『仮面ライダー』の定義が世界ごとによって異なると推測しています。 ※麗奈の事を未確認、あるいは異世界の怪人だと推測しています。 ※アギト、龍騎、響鬼、Wの世界及びディケイド一行について大まかに把握しました。 ※変身に制限が掛かっていることを知りました。 ※おやっさんの4号スクラップは、未確認生命体第41号を倒したときの記事が入っていますが、他にも何かあるかもしれません(具体的には、後続の書き手さんにお任せします)。 ※腹部裂傷は現在深刻ではありませんが過度な運動をすると命に関わる可能性があります。 ※以下の支給品は、ガタックゼクターが運んだデイパックの中に入っているはずの物ですが、デイパックが破損しているためいくつかはE-2エリア、E-1エリア、F-1エリア内に落ちているかもしれません。または、やはりいくつかは攻撃に巻き込まれて消滅した可能性もありますが、詳しくは後続の書き手さんにお任せします。 @ガタックゼクターが運んだデイパック内にあるはずの支給品:照井の不明支給品、アタックライドカードセット@仮面ライダーディケイド、ガイアメモリ(スカル)@仮面ライダーW、変身音叉@仮面ライダー響鬼、トリガーメモリ@仮面ライダーW、ガルルセイバー(胸像モード)@仮面ライダーキバ 、ユウスケの不明支給品(確認済み)×2、京介の不明支給品×0~1、ゴオマの不明支給品0~1、三原の不明支給品×0~1 【備考】 ※カードセットの中身はカメンライド ライオトルーパー、アタックライド インビジブル、イリュージョン、ギガントです ※ライオトルーパーとイリュージョンはディエンド用です。 ※インビジブルとギガントはディケイド用のカードですが激情態にならなければ使用できません。 ※ただし、上記の支給品の内ライダーベルト(ガタック)@仮面ライダーカブトは確実にガタックゼクターに確保されています。 【共通備考】 ※『響鬼の世界』は参加者が全滅しただけで、世界そのものは大ショッカーがこの後で破壊するのではないか、まだ止められるのではないかと考えています。 ※一条の治療のため、病院を目指して移動しています。ただしそれがD-1かE-5か、つまり出発地点のF-1エリアから見て北か東か、および現在地がどこになるのかは後続の書き手さんにお任せします。 114 更ける夜 投下順 116 対峙(前編) 時系列順 107 慚愧 一条薫 124 紅涙(前編) 小野寺ユウスケ
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「感情(かんじょう)」とは、ポケモンノベルにて掲載されている現在連載中の作品である。作者はもみの木。注意書きを除き、現在九話。 жжжжжж目次жжжжжж 概要 世界観 あらすじ 登場人物主要人物 その他の登場人物 データ 関連項目 リンク жжжжжжжжжжжжжжж 概要 ゲームソフト「ポケモン不思議のダンジョン闇(時)(空)の探検隊」を元にした探検隊のお話。 「ポケモン不思議のダンジョン」のストーリーと共通することがいくつかあるが、ときのはぐるま等は登場しない。 上に書いた事も含め人によっては不快を与える可能性があるため、注意書きはよく目を通してほしいとのこと。 世界観 物語の舞台は“ミュウのギルド”という施設や探検隊が色々な準備をする場所が近くにある街(名前は不明)。明かす予定も無い。 主にポケモンのみが登場するが、非常に少ないが人間も一部登場する。 あらすじ 「何を求めていたのかが、解らなくなってしまいました。僕は、どうすれば、いいのでしょう。」 「ただ、此処から逃げ出してしまいたいのです。」 たった二匹の、ただそれだけの思い。それこそ暗いものだったけれど、救ってくれるものはあったのです。 「色々な事を感じて、色々な事を求めている。その幸せを、伝えたくて。」 「ただ、貴方を救いたい。」 たった二匹の、一点の曇りも無く在ったそれは、伝える事を、……許されたのでしょうか? これは、丁度真ん中のおはなし。始まりでも、終わりでもない。けれど、始まりと終わりを探るには十分な、”おはなし”。 ――――この真ん中の出来事の始まりは、ピカチュウの記憶喪失から始まった。 * 記憶を無くしたピカチュウ・ユウと、ユウが出会った勇敢なジュプトル・ジュンは一流の探検隊を目指す。探検隊になる為に修行するギルドの親方・ミュウと、その助手・ミュウツーは、一体何を知っているのか。ユウの過去に何があったのか。ジュンはどんなポケモンだったのか。 ――果たして、彼らは一流の探検隊になり得たのでしょうか。 ポケモンノベル作品ページから転載 登場人物 1~4話までのネタバレの可能性があるのでご注意ください。 主要人物 ユウ 本作の主人公。♂のピカチュウ。記憶をなくし、見知らぬ森(のような所)で意識を取り戻す。意識を取り戻した場所で出会ったジュプトル・ジュンと立派な探検隊になる事を誓い、ミュウのギルドで修行中。名前も解らなかったため、“ユウ”という名前はジュンに名付けてもらった。探検隊としての実力はまだまだだが、たまに力を発揮する。 優しく少し乙女なところがあり、常に敬語を使う。家族くらいにしかタメ口を使わない。料理は上手と見せかけて物凄く下手。実は精神面が弱く、失敗もよくある。1人称は「僕」。 姿は通常で、水色のスカーフを身につけている。首に細長く赤黒い傷があるが、常にスカーフを身につけているため見えない。 ジュン 本作の主人公。♂のジュプトル。海岸で出会ったユウと共に立派な探検隊を目指しミュウのギルドで修行中。最初の頃は色々と不明な点が多いが、本編で明かされる予定。探検隊としての実力は良いが、モンスターハウスを1匹でしとめられる程の実力は無い。 勇敢で陽気な性格。でも真剣な時は真剣。顔はかっこいいらしい。本作ではなかなか明かされないが、実は女好き。でも男も好き。カラオケが趣味で歌が上手。怒ると怖い。1人称は「俺」。 姿は通常で、ユウと同じく水色のスカーフを身につけている。 ミュウ ユウやジュン達が修行するギルドの親方。♂のミュウ。不可解で思わせぶりな発言をよくする。ミュウツーが助手。色々と謎が多いが本編で明かされる予定。 不思議なふわふわした性格で、何故か言葉がやけに説得力がある。仕事をたまにさぼってミュウツーに怒られる。 見た目も性格も子供のようだが、裏の顔は全てを悟る賢いポケモン。きっと本作の中では1番怒ると怖い。実力は本当に素晴らしく、何よりも強い。1人称は「僕」。 姿は通常。特に何も身につけていない。 ミュウツー ユウやジュン達が修行するギルドで働く、ミュウの助手。♂のミュウツー。自分がミュウのコピーだという事を知っていてもミュウに嫉妬などの感情を抱かず、むしろ慕っている。しかし、ギルドの生徒やミュウが仕事をさぼったりふざけたりした時はちゃんと怒る。 真面目でクールだがとても優しい。仕事を責任をもってこなす。指導がとても上手なため、皆から好かれる。ミュウと同じく全てを悟っているが、何も語らない。実力は本当に素晴らしいが、ミュウには劣る。1人称は「俺」。 姿は通常。特に何も身につけていない。 キィ ユウやジュン達が修行するギルドの生徒。♀のチリーン。 ユウとジュンがギルドの不法侵入の疑いをかけられた時、2匹を優しい目で見つめたり、2匹が依頼をこなした帰りを寒空の下1匹で待つなど、どうやら2匹に、特にユウに好意を抱いている様子。 素直で誰にでも優しく常に敬語を使う。色んなポケモンから好かれる。どちらかと言うと、ギルドでは修行よりも生徒を集合させたりする仕事をしているため探検隊の実力はまだまだ。攻撃よりも回復担当。1人称は「私」。 姿は通常。特に何も身につけていない。 チェックナイト 世界を自分達だけの世界にしようとしている組織。4話のミュウ達の会話にて初登場。 ボスが誰も信じられなくなったことがきっかけで、コピーを大量に生み出すなどの活動をしている。 謎が多く残されるが、本編にて明かされる。 その他の登場人物 ミュウのギルドの生徒 ユウ、ジュン、キィの他に、イーブイ♀のフウ、チェリム♀のラム、ゼニガメ♂のゼニ、ピカチュウ♂のピカ、ゴマゾウ♂のコウタ、ガーディ♂のケイ、トゲピー♀のコロがいる。ギルドの生徒は合計10匹。彼らの性格などの詳細は本編の5話に記載。 また、ゼニガメ♂のゼニとピカチュウ♂のピカは作者の空の探検隊の主人公たち。ちなみにチーム名はマリンズ。 データ 2010年2月18日連載開始 Ⅰ 期待 Ⅱ 好奇心 Ⅲ 後悔 Ⅳ 幸福 Ⅴ 困惑 Ⅵ 不安 Ⅶ 安心 Ⅷ 恐怖 Ⅸ 驚愕 関連項目 もみの木 リンク 感情(ポケモンノベル作品ページ)
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喪失 「マリ・・・アン・・・」 リオンはマリアンを追おうと疲労しきった体に無理をさせて、必死に走っていた。 あの後、後方で強い光が見えたがそんな事は気にも留めずに走った。 しかしそれも長く続くはずが無い。 既に彼女を見失ってしまっていたリオンは人形のようにガクリと膝を折ってしまった。 マリアン・・・ 彼女を守る為ならどんなに血で汚れてもいいと思っていた。 だが、それとは逆にそんな汚れた自分を彼女にだけは見て欲しくないとも思っていた。 彼女のあの自分を見る目・・・ あの信じられないものを見るような、脅えたあの目が心に突き刺さって離れない。 彼女は昔から自分の汚れた部分を知らなかった。 いや、自分が見せまいと必死に努力をしてきた。 例えばヒューゴからの命令での任務は、それがどんなに口に出して言いたくもない内容であっても 彼女にだけはそんな素振りも見せる事は無かった。 それは知られて彼女に嫌われたくなかったから。 己の唯一安らげた場所を失いたくなかったから・・・ しかし見られてしまった・・・人を殺して血で真っ赤に染まった自分を。 そして彼女は去っていった。 まるで心臓を重い鉄の鎖で締め付けられているように、 その現実はリオンの心に容赦なく圧し掛かっていった。 そしてその鉄の鎖は金属の冷たさを持って、内側から体を冷やしてゆく。 その冷たさにどんどん体は冷やされてゆき、その寒さにリオンは震えた。 傷からの出血は確かにあったが、この冷たさはそれによるものとは違っていた。 「嫌われた・・・な」 感情の篭らない掠れた声だった。 汚れた自分を見られてしまった。 彼女はとても綺麗で純粋だから、きっとこんな自分は酷く醜く恐ろしい化け物に見えただろう。 だからきっと、彼女はもう笑いかけてくれないだろう。 出会っても『会いたかった』なんて絶対に言ってくれない。 何故、それなのに彼女を追いかけようとしているんだろう。 再び会っても自分は何を言えばいい? 何を言ったってもう何もかも元には戻らないというのに! 絶望、という言葉は正にこのような状況に陥った時に言うのだろう。 しかしそれでもリオンにはまだ、小さな希望という種が鎖で痛みすら伴う心臓に根付いていた。 例え彼女に嫌われたとしても、彼女が生きてくれればそれで・・・ 休みも無く戦い続けた体はついに限界を訴えて、リオンの意識を沈め込もうとしてきた。 もはやリオンにはこのまま思考を続けられそうなほどの精神力も残っていなかった。 だがこのまま倒れるわけにはいかないことは解っている。 それでも必死に足を立たせるとフラフラと遠くの森(体調が万全の状態なら近くに感じたのだろうが、 今のリオンにとっては酷く遠くに見えた。)まで歩いていった。 やがて森へと足を踏み入ると、倒れ込むようにその体を木に預けた。 体中が重く、もはや指を動かすのも億劫なほどリオンは疲労しきっていた。 視線をさまよわすと抜き身のままのシャルティエが血で汚れたままになっている。 あの、赤い髪の男の血だ。 ……マリアンはあいつと一緒に行動していたのか。 ならばあの赤い髪の男はマリアンを守っていてくれてたのだろうか? 罪悪感よりもマリアンを守る人間を自らの手で減らしてしまったのかという後悔があった。 そしてよりによってマリアンの目の前で殺してしまったという 後悔。 リオンはヨロヨロと手を伸ばして、自分のマントでシャルティエの刀身に付いた血を拭った。 もしまた彼女と会っても、もうこれ以上彼女を怖がらせたくないとの思いからだった。 「すまない・・・シャル・・・」 乾いて血を落とすのには苦労したが、それでもなんとか落としきると リオンは寒さから身を守るように体を丸め込み瞼を閉じた。 疲れきった体はあっさりと眠りについていった。 それはこの眠りが全てを忘れさせてくれる事を願っているようだった。 【リオン 生存確認】 状態:極度の疲労 睡眠 全身に軽い火傷 上半身に軽い凍傷 腹部に痛み 右腕に刀傷 肩に刺し傷 所持品:シャルティエ 手榴弾×1 簡易レーダー 第一行動方針:睡眠 第二行動方針:マリアンとの再会(ただし再会を恐れてもいる) 第三行動方針:ゲーム参加者の殺害 現在位置:C7の森 前 次
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喪失 黒 ソーサリー 匿名 プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは手札を公開する。あなたはその中から名前を持つ、土地ではないカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。あなたは1点のライフを失う。 勇ましいものは、いつでも滑稽だ。人間の真実な運動が勇ましかった試しはない。 36版の404 [部分編集] イラスト ┏━━━━━━━━━━━┯┃ / ̄ ̄\ く┃ / ヽ_ .\ ゝ┃ ( ●)( ●) | 〈┃ (__人__) | 7┃ l` ⌒´ | ノ┃ . { |,イ┃ { / | \┃ ,-、 ヽ ノ、\ `ヘ、┃ / ノ/ ̄/ ` ー ─ '/>< `∟_┃/ L_  ̄ / ト、,_┃ _,,二) / 〔―ヽ、人,,r、__┃ _,フ / }二 コ \. Li\_,┃__,,,i‐ノ l └―イ ヽ | ┃┃ l i ヽl ┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛