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629 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09 09 00.21 ID blmwIQAO 犬幼女 クロは山頂までたどり着いた その瞬間、広大な広場が視界に飛び込む 広場の真ん中ではたくさんの子供たちが走り回っている その周りでは大人たちが花見を楽しんでいる 広場の周りは何十本もの満開の桜が子供たちを取り囲み、地面は綺麗に整備された芝生になっている いつも裸足のクロにはこの芝生の感触が非常に心地よかった クロ「わぅん♪」 クロは広場を縦横無尽に走り回った クロ「~~~♪♪♪」 肌に当たる風が気持ちいい クロは広場をぐるぐると周回する お花見をしている人たちの前をクロは次々と横切る クロ「~~♪…………!………?」 走り回るクロの目に、遠くでキラリと光るものが見えた クロはそれに近付いてみる 怪男「シロ。………………俺と結婚してくれ」 白「……………はい!」 どうやら光って見えたのは指輪だったようだ 一人の男性が幼女に指輪をプレゼントしている クロ「………ふぇ~……………」 クロは男と幼女のすぐ目の前まで近付き、指輪を凝視している ………ダイヤに限らず、このような輝く物を見るのはクロは初めてだった 指輪を持った男は自分のすぐ横にいる幼女にようやく気付いた 怪男「ちょ………何だお前………」 クロ「にゃう!」 怪男「あっ!?」 クロはいきなり男の持っていた指輪を取り上げる! 怪男「か……返せお前ーーー!!」 クロ「がぅ~~~♪♪」 クロは男の指輪を握りしめたまま逃げ出した………! 630 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09 10 19.25 ID blmwIQAO 犬幼女 白「た……大変なことになりました………」 怪男「あんの野郎……!取っ捕まえてしばいてやる!」 白「か……可哀相ですよ男さん………」 怪男「ちょっと待ってろ、すぐに捕まてくるから!」 クロ「がーーぅーーー」 怪男「あ……あいつ………速ぇぇ!!」 クロは広場を逃げ回る ………逃げ回ると言ってもクロには罪の意識など無いので、男とは鬼ごっこをしているような感覚でしかない だからそこに油断が生じたわけで………… クロ「がうッ!!?」 突然クロは足を引っかけられ、芝生の上に転げ回った 同時に、握りしめていた指輪も落とす クロ「……………??」 クロには一瞬、自分に何が起こったのか分からなかった 目の前に落ちていた指輪を誰かが拾いあげ、男に返した 男「すまん、ありがとうな」 X3「いや、いいって」 うつぶせに倒れたクロが顔を上げるとそこには幼女がいた 黒髪で短髪。男の子に見えなくもないその幼女 クロの第一印象は「怖そう」だった X3「ちょっとこいつ説教してくる」 そのままクロは幼女に引っ張られ、林の中へ消えてゆくのだった………… 632 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09 52 14.61 ID blmwIQAO 犬幼女 X3「おっ前なあ!何考えてんだよ!」 林の奥から怒声が響く X3「幼女ならあれがどういう状況か分かるだろ!」 クロ「……………ぅー」 クロは何を言われているのかさっぱり分からなかったが、自分が指輪を取ったことで叱られているというのは分かっていた X3「お前、飼い主は?そいつにもガツンと言ってやる!」 クロ「………むー…………」 X3「おい、なんか言えよ!」 クロ「………………」 X3「なんか……言えよ………。周りから見たらあたしがいじめてるみたいじゃないか…………」 急に小声になってしまう幼女 クロ「あぅー…………」 X3「………なぁ、もしかしてお前喋れなかったりとかする?」 クロ「………あー。パクパク」 クロは口を開けて自分の意思を伝える X3「そ、そうか。まあ、幼女もいろんなのがいるしな………。とりあえずあの二人に謝ってきな。頭下げるだけでいいから」 クロ「……………?」 X3「まさか言葉も分からんのか!?あたしが今まで言ってきたのは何だったんだよぉぉ!」 クロ「…………ナデナデ」 頭を抱えて落ち込む幼女をクロは撫でる X3「い、いやお前のせいで落ち込んでるの!」 クロ「んー?」 X3「ほら、あたしもついていってやるから謝りに行こう」 クロ「むー………」 クロは手を引っ張られ、再び広場に戻っていった 633 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09 53 25.34 ID blmwIQAO 犬幼女 X3「………男」 怪男「お、お前か。っと………。………………」 男は幼女の隣に立つクロを見ると険しい顔をする クロ「あ………ぁぅぅ…………」 男の険しい顔があまりにも怖いので、クロはついおどおどしてしまう クロ「ぁー………ぅー…………」 あたりをきょろきょろしながら落ち着かないクロを見て、幼女は小さく耳打ちした X3「(さっき言った通りに言えばいいんだ。ごめんなさい、だよ。ごめんなさい)」 クロ「………ん………ん…………」 怪男「………………」 男がずっとこちらを睨んでくるのでクロは思わず泣き出しそうになる 白「…………そわそわ」 クロ「ぅぅ~………」 X3「(大丈夫、怒った顔してるけどあいつは優しい奴だから。ほら、ごめんなさい)」 クロ「あぅ………ご………ごめんなさい…………」 涙声になりながらクロは言葉を発した ………さらに幼女は頭も下げるように促す X3「(こうやって頭を下げながら謝るんだ。ほら、やってみろ。ごめんなさい)」 クロ「ご………ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 クロは頭を下げながらごめんなさいを連呼した 怪男「も………もういいよ。………俺ももうそんなに怒ってないしさ。悪気はなかったんだろ?」 X3「ほら、もういいってよ。頭上げて大丈夫だよ」 クロ「……………グスン」 X3「……あ~あ。男が怖い顔するから幼女泣いちゃったあ。サイテー」 怪男「お、俺が悪いのか!?」 白「男さんのさっきの顔………怖かったです」 X3「まぁ、こいつも反省してるし、男が言った通り悪気はなかったんだ。これで仲直りな!」 白「男さん、仲直りのしるしに一緒にお弁当を食べませんか?」 X3「お、それはいいアイデアだ!ちょうど今から飯食うところだったしな!………男がシロにプロポーズするから先延ばしになったけど」 怪男「うるせい!ま、俺はいいけど………」 こうしてクロは男たちと一緒に弁当を食べさせてもらうことになった 634 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09 54 44.02 ID blmwIQAO 犬幼女 X3「あんた食べすぎーー!!」 クロ「もぐもぐもぐもぐ」 白「あ、あはは………このペースじゃあすぐに弁当無くなっちゃいますね」 怪男「ちょっと待て!………俺が取っておいたタコさんウインナーは?リンゴのうさぎさんはどこだ!?」 クロ「もぐもぐもぐもぐ」 怪男「あーーー!!てめぇぇぇーーーー!!!」 「「あはははははは………」」 やがて昼食も終わり……… X3「ふぅ………食った食った」 怪男「俺は全然食えてないけどな!」 白「そんなにムスッとしなくてもいいじゃないですか。楽しかったんですし」 クロ「………けぷっ」 食事が終わってからのクロの目線は、白髪の幼女が薬指に付けている先ほどの指輪にくぎづけだ よほど気に入ったらしく、指輪に興味津々のクロに男は説明を始めた 怪男「これは結婚指輪っていってな。好きな人にあげるものなんだ」 X3「まぁあんたは貰う方なんだけどな」 クロ「……………」 怪男「俺はこいつが好きだからあげたんだ。お前もいつか好きな人から貰えるさ」 クロ「…………好き?」 さっきから連呼されている「好き」という単語にようやくクロは反応を示した 635 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09 55 38.90 ID blmwIQAO 犬幼女 怪男「あぁ、好きだ。俺は、こいつが、好き」 そう言って男は幼女に指輪をあげるジェスチャーをする 怪男「お前も、誰かから、貰える」 今度はクロに指輪をあげるジェスチャーをした X3「ちなみに、あたしは、こいつが、嫌い」 怪男「痛っ!何で抓るんだよ!」 X3「シロとあたしの魅力は同等だろ。むしろあたしの方が上………。なんでこっちを選んだのかね…………見る目が無い男は嫌い」 男「馬鹿かお前は。シロとお前なんて月とスッポン。アリとキリギリス。ヘンゼルとグレーテルだ」 X3「訳分からん、くたばれ」 白「くすくすくす………」 クロ「………好き」 怪男達「「ん?」」 クロ「好き!」 怪男「え、いや…………あの?」 クロ「好き!」 X3「………もしかして………好きって言えば指輪が貰えると勘違いしちゃったんじゃ………」 怪男「…………マジ?」 クロ「好き!」 怪男「うわわわっ抱き着いてくるな!」 白「男さん…………」 怪男「あわわわシロ、そんな目で見るな!X3、こいつを離してくれ!!」 X3「食後の運動ってことで遊んでくるわ。んじゃ」 怪男「ぅおーーーーい!!」 クロ「好きぃ~~~……………」 636 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09 57 23.66 ID blmwIQAO 犬幼女 男「ハァ…ハァ……やっと山頂か………」 友「ぐええぇぇ~~」 男「吐くな」 男たちの目の前ではクロが走り回って遊んでいた 男「お、クロがいた!お~いクローーー!」 クロも男が呼んでいるのに気付き、近寄ってくる クロ「………がぅ~♪」 ピョン、と男に抱き着いたクロはペロペロと男の顔をなめ回す 男「あ~~クロ君。ちょっと降りてくれるかね。私今疲れてるんですが」 クロ「………好き」 男友「「!!!?」」 男と友は仰天する 男「お……お前どこでそんな言葉を………!?」 クロ「好きっ!」 友「うわぁぁぁ~~~とうとうクロが男に自分の意思を表明したぁぁぁぁぁぁ」 怪男「あ、その幼女のご主人ですか?」 先ほどの三人がやって来た 男「そうですけど………」 X3「へぇ~こいつがご主人様かぁ~。ま、男よりはマシだな」 怪男「あ~その、一緒に飯を食わせてやったんですがね、ご迷惑だったでしょうか」 男「いえそんな。弁当とか用意してなかったので助かりました。そこの幼女とも遊んでくれていたみたいですし………ありがとうございます」 友「君かわいいねぇ~。ちょっとお兄さんと遊ばない?」 白「え?あ、あの………」 男「あぁすみません。この馬鹿は生まれてくる時に母親のお腹の中に理性というものを置き忘れてきたみたいなんで。近づかない方がいいです。あとエサも与えないでください」 友「えっ?俺の扱い酷くね?」 怪男「あはははは…………」 白「男さん。そろそろ」 怪男「あぁ。………あ、すみませんそろそろ俺たち帰りますね」 男「あ、はい。今日はクロをどうもありがとうございました」 637 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 10 01 25.57 ID blmwIQAO 犬幼女 X3「へぇ~君クロっていうんだ」 クロ「んぅ」 白「クロさんでしたか。私はシロって言います。名前似ていますね………」 クロ「ん………」 X3「シロな。こいつシロ。私はX3。まぁ私の名前は長いから覚えられないかもな」 幼女は幼女と、大人は大人同士で話をしている 怪男「あなた達はこの辺にお住まいで?」 男「いや、ちょっとドライブがてら寄っただけです」 怪男「そうですか。俺たちの家は………ほら、そこから街が見下ろせるでしょう。あの辺…………あった、あの赤い屋根の家が俺たちの家です」 男「へぇ~。立派な家に住んでますね」 怪男「時間が空いていればいつでも寄ってください。今日は楽しかったですし、歓迎しますよ」 男「はぁ……考えておきます」 怪男「じゃあ、行くぞシロ」 白「はぁい」 X3「お、おいあたしは!?」 クロ「がぅ~~………」 クロは心底寂しそうだ 白「これでお別れですねクロさん。また会える日を楽しみにしています」 X3「楽しかったぜ今日は。次に会う時はお前より速く走れるようになってやるからな!」 二人の幼女はクロと握手を交わした 白「じゃあ………またね、クロさん」 去っていく彼女たちの姿をクロは見えなくなるまで見つめていた 638 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 10 02 55.29 ID blmwIQAO 犬幼女 友「さて………まだ時間はあるぜ?」 男「俺らはまだ遊んでないからな。よしクロ、鬼ごっこだ!」 クロ「がぅ!」 男「………と思ったけど俺は疲れてもう動けん」 友「俺もだ…………」 男「てか俺はお前に肩貸して登ったから疲れてるんだからな!?」 友「はいはい。じゃあお花見をしますか」 クロ「…………ん~?」 男「ごめんなクロ。こいつのせいで俺らは一緒に遊べそうにないや。そこで花見することにしたよ」 友「げえええぇぇ~~」 男「だから吐くなっつの。せっかくの景色がお前のゲロで台なしだ」 その後男たちはしばらくくつろいだあと下山した 下山中……… 男「そういやクロが言葉喋れるようになったのもあの人が教えたからかな」 友「と言っても好きだけみたいだけどな」 男「さっきから耳元で好き好き囁くんだよ………」 クロ「好き………好き………」 友「男、ちょっとクロ貸してくれ」 男はクロを友に渡す クロ「好き………好き………」 友「………こいつ、俺にも言ってるぞ」 男「もしかして誰でもいいんじゃないのか?」 友「なんだ残念………(でも男だけが好きなわけじゃないみたいで安心したww)」 907 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 35 37.94 ID DQrZhYAO 犬幼女 今日の男たちは昼食をドライブスルーで済ませた 友「なあ、最近俺らジャンクフードばかり食ってね?コンビニとかファミレスはもう飽きたぜ………」 男「じゃあ自炊してくれよ」 友「ん、おk」 男「やっぱヤメだ。お前に任すと何が起こるか分からん」 友「なんだよぅ酷いなぁ」 クロ「………スピー………スピー………」 男「こいつは食ったらすぐ寝やがって………」 今日はいつもより肌寒く、灰色の雲が空を覆っていた 天気予報では夕方から局地的に大雨になるらしい 友「雨降ってくる前にさっさと買い物済ましちゃおうぜ。この先の繁華街でいいんだろ?」 男「ああ」 男たちは非常食や衣類などの日常品を買うため繁華街まで来ていた ふと、友が前から疑問に思っていたことを口にした 友「なぁ、俺らこれからどうすんだ?ずっとこんな生活続けんの?」 男「俺がこれまで適当に車を走らせてたとでも思ったのけ?」 友は男がどこに行こうとしているのか現在地から推測し、脳内のデータベースから思い当たる項目を探してみる 友「………あ、こっちの方に来るんならもしかして……………」 友が脳内で検索した結果、HITしたのは1件のみ 男の幼なじみの女の家だった 男「あいつにこれからの生活を保障してもらえる」 友「え、マジで?」 女は某大型幼女メーカーの社長令嬢だ 実家は巨大なお屋敷と数十人のお手伝いさんがおり、今まで何一つ不自由ない生活を送ってきた 男「女からさぁ、頼まれたんだよ」 友「?………何を?」 だが、不自由ない暮らしだからといって本人が幸せかどうかは別の話 男「こんな窮屈な家にはもういたくないから連れだしてほしいって」 友「………………」 908 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 38 04.69 ID DQrZhYAO 犬幼女 男「もし連れだしてくれたならある物と引き換えにあなたたちの今後の生活は保障するって」 友「俺らが貧乏学生だと知ってて言ったのか!?」 男「それが3週間前の話」 友「…………へ?」 3週間前………? 友は3週間前の記憶を掘り起こす 男「俺らが幼女ショップを襲撃した次の日」 友「あぁ、なるほど。俺らのことは世間にはもうバレバレと………………ってそりゃマズくないか!?」 男「?……何で?」 友「だって俺らが幼女ショップ襲撃した犯人だってみんな知ってるってことじゃ」 男「そりゃ似顔絵が出てたからな。でも別に世間じゃそう騒がれてないよ」 友「へ?そうなのか?」 男「誰も殺さなかったし、この程度の強盗じゃ警察の捜査なんてすぐ終わっちゃうさ」 友「じゃあここまで逃げたならほぼ安心てこと?」 男「まぁ油断はできないけどな。女は馬鹿だからその辺をよく分からんまま俺らをゆすってるんだろ」 友「せこい奴だ」 男「悪い奴ではないけどな。でもまぁ女が金を出してくれるってんなら断る理由もないっしょ」 友「で、ある物とは?」 男「俺らが襲撃した幼女ショップな、女の親父さんのライバルメーカーだったんだよ」 友「うんうん」 男「そこではある新薬を開発してるらしくてな。それがどういう風に作られてるのか調べたいから見せてほしいらしいんだ」 友はその頼みは女ではなく女の親父さんからの頼みだと直感する 男「その新薬の話はずっと前に女から聞いてたんだ。だから金盗むときに一緒にあったものがそれだとすぐわかった」 そう言うと男はバッグの中から小さなカプセルがたくさん入った子瓶を取り出す 友「それが新薬?」 男「うん」 友「飲んだら体が小さくなるとか………」 男「バーローwwwwww」 クロ「…………んう~………くぁ~~~あ」 後ろの席にいたクロが大きなあくびをしながら目を覚ました 男は急いでその子瓶を上着のポケットにしまう 909 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 40 03.46 ID DQrZhYAO 犬幼女 クロ「………?」 クロはきょとんとした目で男を見る 男「クロには関係ない話だ。………そろそろ繁華街着くぞ。クロも来るか?」 男はクロのあごを撫でてはぐらかす クロ「///」 友「男、俺にもやってくれ」 男「あはは。氏ねよ」 男たちは繁華街に着いた 今日は休日なので人が多く賑わっている 男「人ごみうぜぇ………」 友「見ろ、ゴミが人のようだ」 男「逆」 クロ「うー………むぅー………」 トイレの時もそうだったが、クロは空気が悪かったり嫌な臭いのする場所を極端に嫌う 今のクロは非常に落ち着かない様子で男にぴったりとくっついていた 男「クロが嫌な顔するところ久しぶりに見たなー」 友「嫌なら車戻ってていいんだぞ?」 クロ「ぅー」 クロはいつまでも男から離れようとしないので一緒に連れていくことにした 男「しゃーねーなー。はぐれないように………はい、手」 男はクロと手を繋いで繁華街で買い物を初めた 910 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 41 01.43 ID DQrZhYAO 犬幼女 男たちは非常食や服などを買った クロは男たちの買い物に興味はなく随時退屈そうにしていたが、宝石店を見ると目を輝かせて男を引っ張った そして「好き」と言いながら宝石やネックレスを指さすのだ だが、さすがにそんなものを買う余裕のない男たちはすぐにその場から立ち去る クロ「むぅ……………」 男「そんながっかりすんな。女に会えば宝石ぐらい貰えるだろうよ。あいつ金持ちだから」 友「(色気より食い気のクロには似合わない気がするけどなぁ)」 そして男たちは2時間ほど買い物を楽しみ、時刻は4時前になろうとしていた 男「そろそろ帰るかぁ。雨も降ってきそうだし」 友「うむ。ところで何故俺が全部の荷物を持ってるんでござんしょ?」 男「俺はクロと手を繋いでるから荷物を持てないんだよ。な、クr………」 男は自分の右手を見た。何もない 今度は左手を見る。何もない 周囲を見回したが………先程まで手を握っていた幼女がどこにも居ない 男「お、おい。ク………クロがいないんだが…………!」 男は狼狽しながら言った 911 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 41 31.52 ID DQrZhYAO 犬幼女 友「え、ちょwwマジ!?」 男たちはクロは先に車に戻っているかもしれないと考え、駐車場まで戻ってきた だが、そこにもクロの姿はない 友「いついなくなったんだ!?」 男「30分ぐらい前まではいた。………多分、どこかの人ごみの中ではぐれたんだと思う」 友「迷子か………。あいつは鼻がいいから向こうから俺らを嗅ぎ付けらんないかな」 男「あれだけの人ごみの中じゃあなかなか匂いは分からんと思うぜ」 友「でも車の位置ぐらいは記憶してるんじゃないか?」 男「………………」 男は車に戻る前からずっと、クロが消えたある一つの可能性を考えていた あまり考えたくはなかったのだが、その可能性はどうしても頭の中から追いやることができなかった 男「クロ………さらわれたかもしれない…………」 友「ふあ!?」 友は素っ頓狂な声を出して驚く 楽天的な友にはそういうことは考えつかなかったらしい 友「なんでそう言えるのさ!?」 男「いや、なんとなく…………。ほら、少し前まで幼女狩りとかいうのが流行ったろ?」 友「お、おいそれって………クロが殺されるかもしれないってことか!?」 男「………早く見つけよう」 男たちが商店街へ戻ろうとしたその時 「…………ーーー!」 男「………ん?」 「……ーーーー!」 男「友、なんか聞こえない?」 友「え?」 「がぅーーーーーー!」 男は声のする方を向く そこでは、遥か遠くでクロが何者かに抱えられて人気のない小路へ消えていくのが見えた 男「いた!クロだ!!」 友「えっ!?どこ!?」 友の問いには答えず、男はクロが引き込まれた小路へ走りだす 男「(遠くからでよく見えなかったけど……間違いない!)」 912 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 42 38.96 ID DQrZhYAO 犬幼女 男がその小路へ入ると、奥の方で黒いスーツに身を包んだ男がこちらを向いて立っていた クロはその男にヘッドロックをかけられ、苦しそうにもがいている 男「クロ!!」 クロ「がむーーー!んぐぅーーーー!!」 黒男「動くな!それ以上近づいたらこいつの首をへし折るぞ!」 クロ「ぅぐっ………!」 男「くっ………」 男と目の前の相手との距離は5mほど離れている ………人通りの少ないこの道では助けも期待できない 男は、ここは黙って相手に従うのが賢明と考え、その場に立ち止まった 友「男!」 少し遅れて友も路地裏にやってきた 友「あ、クロ!てめぇ離しやが……」 黒服の男につかみ掛かろうとする友を、男は手で静止させた 友もすぐに今の状況を把握して立ち止まる しばらくの沈黙の後、黒服の男が静寂を破った 黒男「…………男と友で間違いないな」 細い目つきのその男は、篭ったような低い声で言う 友「………なんで俺たちの名前知ってんの?どっかでお会いしましたっけ?」 黒男「テレビで公開されたお前たちの似顔絵で顔は把握している」 男「あぁあれか。あんな似顔絵を一般人が記憶してるとは思わなかった。…………もしかして一般人じゃないとか?」 黒服の男は答えなかった 913 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 43 30.67 ID DQrZhYAO 犬幼女 男「あんたが何者なのかはだいたい想像がつく。……で、何が望みなんです?」 黒男「…………お前が幼女ショップから盗んだ薬を渡してもらおう。それでこの幼女は解放する」 男「薬を?………ははーん」 友「?どうしたんだ男?」 男「薬はここにあるよ。その前に一つ確認したいんだが………あんたは女の親父さんのライバル会社からの回し者で間違いないな?」 友「えっ!?」 黒男「……………」 男「極秘で開発していたこの薬を奪われたから取り戻しに来たんだろう?」 黒男「………そうだ」 男「でもこの薬を渡したとして。………この薬がどんな効果なのか知ってる俺たちはどうにかしなくていいのか?」 友「???」 黒男「その薬の効果を公表したところで。………実物、証拠を押さえられなければ世間は信用しないさ」 男「………まぁ確かに。だから女の親父さんの会社は何も言えないのか」 黒男「お前たちを始末しないのは、もちろん面倒事にしたくないというのもある。だが………どうしても渡さないというのなら力づくで奪わせてもらうぞ」 友「あ?やれるもんならやって…」 男「(しっ!友!)」 男は友に耳打ちする 友「(なんだよ……向こうは一人なんだから…………)」 男「(こういう時は必ず複数で動くもんなんだよ。俺たちをここで見つけたのは偶然だろうけど………すぐに襲ってきたということはそれなりの準備が出来てたってことだ)」 友「(えっじゃあ………)」 男「(もう後ろは塞がれてるぞ。このままじゃ挟み打ちにされる)」 男たちは後ろを振り向くことはしなかったが、感覚を研ぎ澄ますと確かに路地裏に何人かの人の気配を感じた 友「(この状況まずくね?どうすんだよ………)」 男「………………………」 914 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 44 17.25 ID DQrZhYAO 犬幼女 男は薬をゆっくりと差し出した 黒男「それを足元に置いて後ろに下がれ」 だが男は薬を渡す前にどうしても確認したいことがあった 男「女の話は半信半疑だからな………。友も知らないみたいだし、この際関係者のお前にはっきり聞いておきたい」 黒男「?」 友「?」 男「この薬の効果についてだ」 黒男「それを私が言う義務はあるのか?」 男「俺はだいたい知ってるからあんたは黙って俺の話を聞いてくれればいい」 黒男「………」 そう言うと男は薬について自分が知っていることを語り出した 男「友、よく聞いてろよ。この薬はな」 友「うん」 男「……幼女の身体に突然変異を起こす薬」 友「………突然変異?」 男「あぁ。なんかまだ実験段階で危険性が高いから公には発表されてないんだ」 友「突然変異って具体的にどんな?」 男「女が言うには………といってもこれも女の親父さんの話だろうけどよ。………実験でその薬を与えた幼女たちは、巨大化したり羽が生えたり手足が増えたりしたそうだ」 友「ちょ、その幼女たち可哀相じゃね?」 男「幼女は犬猫、モルモットと同じ扱いだからな。今でこそ幼女の人権みたいなのが認められてきたけど」 友「そんなアブない薬、何に使うのよ」 黒男「…………」 男「さあな。それは俺の知るところじゃないさ」 男は話をしている最中、ちらちらと黒服の男を伺った どうやら、彼の反応で真偽を確かめているようだ 915 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 44 46.64 ID DQrZhYAO 犬幼女 男「なんか1年ほど前にどっかの研究所からこんな感じの薬がいろいろ見つかったらしい」 友「恐いなー」 男「そこは当時幼女狩りで話題になってた猟奇殺人犯どものアジトになってたそうだ」 黒男「……………」 男「昔はいろんな幼女がそこにいたらしいからその時開発された薬なんだろうな。で、その研究所は女の親父さんのライバル会社に買い取られたんだ」 友「なるへそ。女の親父さんはその薬が何なのか知る術が無いと」 男「ライバル会社側としてもその薬の改良に全力を注いでいて、どこにも情報を流したくないんだろう」 友「なるほど。だいたい読めてきたわ」 黒男「………………」 男「(こいつ、平静を装ってはいるが………やっぱり薬の効果は本当のことのようだ)」 黒男「………話は終わりか?」 男「(この薬は女に渡すはずだったが………いや、実際は女から親父さんに渡すつもりなんだろう)」 友「おい男」 男「(まぁ俺らにはこいつらの会社の経営戦略なんて関係ないし、どっちに味方する必要もないか………)」 黒男「はやくその薬を置け!」 男は手に持っていた薬を足元に置く 男「(でも女に渡さないと金貰えないんだっけ………。あぁどうしようやっぱり渡さない方がいいのか!?)」 黒男「早くその場から下がれ!」 友「男!クロがどうなってもいいのか!?」 男「え、クロ………!?」 男ははっとしてクロを見る さっきからやけに静かだと思っていた なんでクロは騒がないんだ、と。男は今になってそれに気付く 友「あ………」 クロは首を落としてぐったりとしていた 黒服の男に首を締められ続けたためだ ………窒息してしまったのか!? 男「お、おいクロ!!」 クロは返事をしない 916 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 47 45.83 ID DQrZhYAO 犬幼女 黒服の男もクロがこうなることは予想外だったのか、動揺を隠せないでいる 友「おい………てめえ…………!」 男と友は怒りが爆発寸前だ もしクロが死んでいたりでもしたら………… 黒服の男は身の危険を感じ、急いでクロの脈をはかった 黒男「……………だ、大丈夫だ。意識を失っているだけだ…………」 男「本当か!?早くクロを離しやがれ!!」 黒男「………お前があと3歩下がったら、薬を引き換えにこの幼女を解放する」 まだ男たちと黒服の男との距離が近いようだ 僅かな差で何をされるか分からない 慎重なのはいいことだが………男たちはかえって苛立ちを募らせるばかりだった 1歩、2歩……… 下がってる間もずっと、この男に逃げられるのではないか………そればかりを考えていた だが黒服の男が逃げることはなく、薬と引き換えにクロをその場に寝転がせた 男「クロ!!」 男たちはすぐにクロに駆け寄る まだクロから離れていないので、黒服の男はさぞや驚いたことだろう 黒男「………っ!」 黒服の男は慌てて路地裏の奥へ駆けていった 男はクロを抱き上げる 男「おい、クロ!大丈夫か!?」 クロ「………………ん…………」 友「お、目を開いたぞ!」 男「よ………よかった……………本当に…………!」 クロ「んぅ……………」 クロはゆっくりと身体を起こす 男「クロ、俺がわかるか?」 クロ「………ぅ……………お…………と………こ………………」 男「……え!?」 友「クロ、男の名前が分かるのか!?」 クロ「……………おとこ」 男「………まじかよ」 917 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00 51 13.37 ID DQrZhYAO 犬幼女 クロは言葉を学習しないまま育ったが………決して頭が悪いわけではない 放っておいても勝手に学習するし成長もする 幼女が成長しないのは身体だけだ 友「じゃあクロ、俺の名前は?」 クロ「………………?」 男「さ、クロ。車へ行こうな~。自分で立てる?」 友「……フン、いいさ。どうせ俺なんて…………orz」 男「まぁ主人の名前ぐらい動物でも覚えられるからな!」 友「あ?誰が主人だコラ。クロのマスターは俺だろう」 男「お前最初に俺にクロの世話しろっていったの忘れたのかよww」 友「結局誰がご主人様なのかはクロに決めてもらうことだ!」 男「へぇ、いいぞ。じゃあクロ、お前のご主人様はどっちだ?」 クロ「…………おとこ」 友「ほら!俺を指さして言った!」 男「どっちだよwwややこしいなwwww」 クロ「…………がぅ」 男「あ、腹減ったのか?」 友「え、そんなこと分かるの?」 クロ「がぅ♪」 クロは男の肩に乗る 男「クロの気持ちも分かんないようじゃあ友もまだまだだなww」 友「くそっ………俺と男の違いは何なんだ……………」 男「顔」 友「言うな………」 男「心」 友「それはない………」 男「格」 友「よし、ちょっとこっち来いや」 その後、リアルに男と喧嘩した友はボディガードのクロに完敗するのであった 友「つ……つえぇ………。クロ………お前がNo.1だ……………ガクッ」 男「ボクシング経験者の友をなぎ倒すとは………クロ恐るべし」 クロ「がぅっ!」 そんなやり取りを終え、雨も降ってきた頃に彼らは再び車を発進させた 目指すは女の大豪邸 ここからあと2日ほどで着く予定だ
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385 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/24(月) 23 50 11.38 ID OLj2FcAO 「あ~もうっ!あんたの全てが嫌い!」 目の前には、鬼の形相をした女。 ボスッ! 女に持っていた食材の入っているスーパーの袋を顔面に投げつけられる。 ドダダダダダ… ガチャ バタン!! (もしかして俺…ふられちゃった?) 目の前には、スーパーの袋。(…腹へったなぁ…。どっか食べに行くか…)靴を履き外にでる。 ギィ…ガチャン 顔がよく生まれたせいか性格がだらしないと友達によく言われる。 現に女の人と付き合って1ヶ月持ったことがない。最低記録は一週間。 (まぁ、俺の味方になるものはいっぱいあるんだ。ロートンに吉田家…あ、近くにガフトもあるじゃないか…。) 飯を探して歩きだした。金も一応ある。2000円だけだけど… (吉○家でいっか。) 店に足を入れる。 「いらっしゃいませー」 店員のいつもの挨拶を聞き流して席に座る。 「牛丼特盛つゆだくで…あ、後ギョクも付けて。」 「かしこまりましたー」 店員は注文を聞いた後、厨房へ向かっていった。 (はぁやっくこないっかなぁ~) 387 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/24(月) 23 51 47.04 ID OLj2FcAO 「お待たせしましたー。牛丼特盛です。」 (あぁ…いい匂い…。) 箸を割って牛丼を食べ始める。 (あぁ、し・あ・わ・せ…) 料理が出来ない彼にとっては、牛丼は定番の夕飯となっている。 (明日の朝も牛丼…でいっか。) 「すいません、牛丼もう一つ特盛りで持ち帰りにしてください」 「かしこまりましたー」 店員はまた奥の厨房へ向かう。 (大変な仕事だよなぁ…。時給いくら貰えるんだろうか。) くだらない事を考えながら彼は最後の一口を口にかっこむ。 「ふぅ。ごちそうさまでした」 席を立ち上がりレジに向かう。 「ありがとうございました。1020円になります。」 財布から2000円を取り出しレジにだす。「ふわぁ…」(眠い…) 「お釣り980円になります。」 金を受けとって、彼は外に出た。 ウィーン 「ありがとうございましたー」 外にでると、冷たい風邪がふいている。 (…もう秋かぁ…てか寒い寒い…) 彼はまた自分の家にむけて歩を進めた。 388 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/24(月) 23 57 39.82 ID OLj2FcAO (…ん?なんだあれ) 道の端に小さな人影が見える。 「助…けて…」 (どうしてこういう時に限って聞こえてしまうのか……ここは、秘技!聞こえないふりだぁ!) (って訳にもいかないよなぁ…。はぁ。) 人影に近づく。そこには、今流行りの幼女。 (足を…怪我してるのか。) 「…大丈夫?」 「あ、大丈夫…です。」 (…?さっきのは聞き間違いか?でも、足ボロボロじゃないか…。) 「本当に?じゃあ俺帰っていい?」 「え…はい…大丈夫…です。」 「よし、じゃあ乗って。」 「…ほぇ?」 「だから帰るんだよ、君と一緒に」 (…やべぇ。俺今めちゃくちゃ恥ずかしい事してる!?) 「あ…りがとうございます…?」 (うわうわうわ、ちょっと引いてる?俺この娘の中で変人確定?) とりあえず彼女を背中にのせて、彼はまた歩を家に向けて進めた。 463 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/26(水) 06 56 40.00 ID Pq85/AAO というわけで、 388の続きです。 キィ バタン 「きたないけど、どうぞ」 幼女をリビングに運んで横におろす。 (足は…別に大きい傷はないけどかすり傷とかが多いなぁ) (救急箱どこだっけ…) 立ち上がり救急箱がありそうな棚を探していると、幼女が話しかけてくる。 「あの…いいんですか?」 「ん、大丈夫だよ。安心して。」 (お、あったあった。一人暮らしなのに救急箱あるなんて俺偉いよな) 「取りあえず消毒してみるけど、痛かったらいってね」 ティッシュを手にとって消毒液をつけて幼女の傷口につけていく。 「っ…」 「ん、痛い?」 「いや…続けてください…」(痛いとかそういう反応はあるけど、基本的には反抗できないようになってるのかな?) (そういう事をするために買ってる人は多いらしいし、この子も大変だったんだろう) 彼が幼女の事を心配している内に消毒も終わり、絆創膏も貼り終わる。 幼女の顔をよく見ると、金髪で金色の目。 髪は長髪で少しパーマがかかっている。 (凄く目立つ体だよな…最近の幼女はこんなのもいるのか) 「ありがとう…ございました」 「んあ、気にしなくていいよ。」 (ってかさっき食ったばっかなのに腹減ったな…そういえば幼女って料理出来るんだっけ) 464 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/26(水) 06 58 20.08 ID Pq85/AAO 「で、でもここまでしてもらって…」 「うーん…じゃあさ、これで何か作ってよ。それでチャラ」 といってさっき顔に投げつけられたスーパーの袋を差し出す。 「え、料理ですか…やってみます」 「ん、よろしく。キッチンは向こうだから。」 幼女はキッチンへ向かう。時計を見ると、まだ9時。 (でも眠いなぁ…寝ーっちゃおっと) (…なんだこの匂いは) 部屋に広がる異臭。まだ15分しかたっていない。 (たとえるなら…そう、中学校の時にやった理科の実験の…てかそんな匂いしないだろ。) 立ち上がり、恐る恐るキッチンを覗く。 「…科学の実験でもしてるのかな!?」 そこには、鍋の噴火という普通じゃありえない物が見えた。 「…!、いや、これは、あの…その…」 そんな事言ってる間に鍋の噴火は大きくなっていく。 (なんだこれは、俺の家にはいつから火山ができたんだ!?) 「とにかく、火とめて!火!」 「は、はい~」 ダダダダダ… 「あつっ…熱い熱い熱い~」 カチッ ボボボボボボボ…プスン 「作れないんだったら作れないっていって大丈…」 チーン パパパパパン! 「きゃあ!」 「…卵でもいれたの?まぁいっか…」 「あぅぅ~ごめんなさい…」 465 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/26(水) 07 01 04.14 ID Pq85/AAO 「改めていうけど、作れないなら作れないって行ってくれて大丈夫なのに…」 「すいません…でも、一応できました!味噌汁にご飯炊いて卵焼きです!」 「…この火山になったのが味噌汁でレンジで爆発したのが卵焼き、それと炊いたってのはこの水に浸けた生米かな?」 「あ、あれ!?押してなかったっけ!?」 「…はぁ」 「じゃ、じゃあ私を買ってください」 「…え?」 「いくらでもいいです!料理も覚えます!」 (…そういうのも面白そうだなぁ) 尻ポケットから財布を取り出して逆さまにする。 ジャラララッ チャリン 「じゃあはい、これでお買い上げさしてもらうよ。」 「あ…ありがとうございます!これからよろしくお願いしますね!」 (あ…スッカラカンだ…明日銀行行かなきゃ。) 「ふわぁ…」 「あ、眠いんならそこに布団あるから敷いて寝ていいよ」 「ありがとうございます…ふぁ…」 幼女は寝室へ入ってく。目の前に残るのはとんでもないキッチン。 466 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/26(水) 07 01 39.10 ID Pq85/AAO (…でも、以外と見た目以外はいけたりしないかなぁ) 味噌汁を少し飲む。 「ゴホッゴホッ!うぇぇ…ゲフッゲフッ!」 (現実って厳しいな!) 「ゲホッゲホッ…ゴフン…」 (なんなんだあの幼女は。生物兵器ですかバカヤロー) (とにかく掃除しな…めんどくさいなぁ…明日でいっか。) 彼はリビングのソファに寄りかかり眠りについた… ================== 「ねぇ、お兄ちゃん!今日は」 「馬鹿、まだお前の出番じゃないだろう」 「えー…」 「ほら、早く端に戻っとけ。」 「つまんないー!」 「あーもう…じゃあ後でチョコバット買ってやるから。」 「本当に?」 「本当に。ほら行けって。」 「わーい!」 「あ、どーもすいませんでした…。ではまた後でー。」 ================== 「ふわぁ…。」 (…何だったんだ今のは) 時計は9の数字をさしている。 (…まだ寝れるなぁ。寝よーっと) …グー…… 644 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 14 31 30.25 ID M8JfVgAO (…なんだこの匂いは) (これ、デジャヴっていうんだよな…。) (…ということは。) ガバッ 「うわぁぁぁぁぁ!」 キッチンへダッシュ。昨日より弱いがやはり鍋は火山。 幼女は片手にいつの間にか家にあった料理本をもっている。 「きゃっ!」 「火ぃを消ぇぇしぃぃてぇぇ!」 「へ?はい~!」 ボボボボボボボ… プスン 「す、すいません…」 「これ、本当に本よんでやった?」 「は…はい…」 (なんなんだよ…どうすれば火山になるんだよ…俺の家だけ自然災害が起きやすいのか…いや、これは人工災害?) 「でも、ちょっとはマシになったかな?」 「本当ですか!」 「うん。富士山噴火が阿蘇山噴火になった。」 「あ…そですか?」 「阿蘇山わからないのか、残念」 (褒めて伸ばす…これぞ俺のやり方。ムフー…褒めてるのか?) 「とりあえず、リビングに戻って」 「で、でも片付けは…」 「いいよ、いいよ。俺やっとくから。」 2人はリビングの机に座った。 645 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 14 34 32.12 ID M8JfVgAO 「とりあえず、名前は?」 「名前…ですか?…わからないです。」 「へ、そっかぁ…」 「名前ねぇー…」 「ポチ、タマ、コロ、五右衛門、エリザベス…」 「…ってのは無しでぇー。」 「サザエ、ワカメ、カツオ、タラ、イクラ、マスオ、舟、波平…うーん…」 「そうだ、ルルルル プルルルルル プルルルルル ガチャ 「はい田中です。」 (お、でたでた。) 646 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 14 35 01.61 ID M8JfVgAO 神ヶ峰「よぉ」 「…神ヶ峰か?」 神ヶ峰「そうそう。お前一昨日幼女もらったみたいな事いってたじゃん。」 「あぁ…それで?」 神ヶ峰「幼女の名前どうした?」 「え?名前?…イルカのワンピース着てたから、イル」 神ヶ峰「安易だなぁー」 「…別にいいだろ。何、神ヶ峰も幼女買ったの?あの天下の神ヶ峰グループの一人息子もついに幼女に手をだすかぁ。」 神ヶ峰「そんなんじゃねーよ。倒れてたから簡単な手当してあげたら買ってくださいって」 「というかなんで今まで手を出さなかっ「おにいちゃんお腹へったー!」…わかったからもうち 647 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 14 40 19.59 ID M8JfVgAO ょっと待ってろ!」 神ヶ峰「今のがイルちゃん?」 「うん、幼女ってこんなに元気なの?」 神ヶ峰「いや、俺のところにいるのはおとなしいよ。」 「へぇ…。」 神ヶ峰「とりあえず参考になったよ。じゃあな。」 「じゃあな。」 ガチャ (とはいっても、服ボロボロだったからボロじゃひどいよな。) (うーん…向こうがイルなら、こっちも海の生き物系で…) (鮪、鯖、鰺。鱸…は川だっけ。いや、川も有りかな。スキ、キズス、スズ…スズ。スズでいいかな。) 神ヶ峰「よし、スズだ!」 「スズ…ですか?」 648 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 14 42 01.43 ID M8JfVgAO 神ヶ峰「うん、よろしくなスズ。」 (あれ、俺も安易…) スズ「スズ…はい!でも、どうしてスズなんですか?」 (え!どうしよ…まさか鱸からとったなんて言えないよな…) 神ヶ峰「…あれだよ、スズみたいに綺麗な音…じゃなくて声がしてるから。」 スズ「そうなんですか…スズか…えへへ…」 スズは自分の世界に入り込んでいる。 (そんなに嬉しかったのかな…。そしてナイス切り抜け、俺!) 神ヶ峰「よし、スズ!服買いにでも行くか。後朝飯!」 スズ「スズかぁ……え!?あ、はい!」 神ヶ峰「あ、じゃあそれまでの服どうしようかな…」 スズ「別に裸でもいいですよ?」 神ヶ峰「…それは、俺が駄目だから」 (というか、今も全然駄目なんだけどね。) スズ「何でですか?」 神ヶ峰「男だけにしかわからない事もあるのさ…フッ。」 スズ「は、はぁ…」 神ヶ峰「あ。そういえば夏に着てたタンクトップをタンスに入れっぱなしだったな。」 神ヶ峰「ちょっとまっててね。今取ってくるから」 スズ「はい!ありがとうございます!」 神ヶ峰はゆっくり立ち上が寝室へ向かう。スズはこの部屋を見回している。 649 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 14 42 26.48 ID M8JfVgAO 神ヶ峰「えーっと、あったあった。」 神ヶ峰はタンスからオレンジ色のタンクトップを取り出す。 (ちょっとでかすぎるか…?) 神ヶ峰はリビングについてからスズに話しかける。 神ヶ峰「スズ、これ着てごらん」 スズ「あ、はい。」 (お、ちょうどいい感じの大きさだなし、スズ背中に乗れ!」 スズ「でも…」 神ヶ峰「大丈夫だよ。昨日も重くなかったし」 スズ「じゃあ…お願いします…//」 神ヶ峰がしゃがみ背中を向けるとスズは背中に乗った。 スズ「……達郎さん、息苦しいです…」 神ヶ峰「え?じゃあそろそろ髪切らなきゃかなぁ…」 スズ「それと…お風呂ちゃんと入った方がいいですよ?」 神ヶ峰「…それは臭いってことかな?」 スズ「う~。そうです。」 神ヶ峰「…我慢しろぃ!」 神ヶ峰はドアに鍵をかけて駐車場へ向かった。 650 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 14 44 34.31 ID M8JfVgAO 目の前に広がるのは、たくさんの車。 そこに一つだけ何故ここにあるのかわからないくらい有名な赤い高級車が見える。 神ヶ峰「どうだ!俺の車は!」 スズ「え~っと…普通です。」 神ヶ峰「なんだって…今まで俺のフェレーリを普通と行った奴はいなかったぞ…」 スズ「すいません…車、乗ったことないんです。」 神ヶ峰「へ?そうなんだ…まぁいいや右のドアを開いて入ってな。」 そういって神ヶ峰は運転席のドアを開ける 中には車独特のあの匂いと蒸し暑さが広がっている。 神ヶ峰はキーを差し込みエンジンをかけつつこれからどう行くか考え始める。 (銀行いってから服買いに行って…) ガチャガチャ (ん…?) 助手席を見ると、誰もいなくてドアの向こう側でスズが戸惑いながらもドアを開けようとしてる。 (本当に乗った事ないのか…でもそんぐらいすぐわからないのかな…) ガチャガチャ ガチャガチャ スズ「ふぇ~」 神ヶ峰「そこのノブ引っ張るとドア開くから」 ガチャ スズ「あ、開きました!」 スズは満面の笑顔で助手席に座った。 765 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/04/02(水) 20 57 21.28 ID 9NGoeQAO 百合可愛いなぁ~。 次回wwktk! あれ、目から汗が…。 あいとゆうきだけが友(ry いやすいませんでした。 田中「なぁ」 イル「どしたのー?」 田中 「俺の出番は今回無し?」 イル「出番ってー?」 神ヶ峰「いや、有るよ?」 田中「まじで!?」 スズ「ほら、ここにありますよ~」 田中「おぉスズちゃん。何々…」 ================== 田中、バイクで神ヶ峰の車とすれ違う。 神ヶ峰「ん?今の田中か…?」 ================== 田中「…ウワァァァァァァァン!!」 スズ「行っちゃいました…」 神ヶ峰「…何であいつこんな所読んでんだ?この後が大事なのになぁ」 イル「ドッカーン!」 神ヶ峰「うぉ!」 イル「ネタバレ禁止ー!」 神ヶ峰「…は、はは。イルちゃんにも大人の事情ってのがわかってきたかな…?」 バタン。 イル「と、いうわけでー次回予告!」 スズ「え、えぇ?そんななのないですよ!?」 イル「車に乗っていた神ヶ峰をまっていたのはスズのエロエロ誘惑!神ヶ峰は理性を保つことができ」 スズ「ちがいますー!」 バコン! イル「はらひれほらひれ~…」 バタン スズ「あ、あれ?」 スズ「し、失礼しましたー!」 ダダダダダ… 気分転換のつもりです。おちてないのは仕様ですので 809 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/04/04(金) 00 52 11.13 ID qDJ3XoAO (…そういや裸足だったんじゃ) スズの足を見ると、靴などはなく肌色の足が見える。 しかも下の方は少し灰色に汚れている。 神ヶ峰「ス…スズ?足大丈夫か?」 スズ「?大丈夫ですよ?」 (丈夫に出来てるんだなぁ…) 神ヶ峰「…そっか。じゃあはっしーん。」 車が前に進みだすと敷き詰められている砂利のせいで車が揺れ始めた。 スズ「あう」ガタ「あう」ガタ「あう~」 ガタカダガタガタ…ガタン! 車は駐車場から走り去っていった。 神ヶ峰「はい、到着ー。一緒に行く?」 スズ「大丈夫です!迷惑だし…」 神ヶ峰「そっかぁ。じゃそこらへんいじらないでね。」 シートベルトを取りドアを開ける。 涼しい空気が体に当たって気持ちいい。 神ヶ峰「じゃあ行ってくるから」 スズ「はい~」 バタン。 ウィーン 足を進め銀行に入るとさらに涼しい位の温度。少し寒いくらいだ。 神ヶ峰「お、すいてる。ラッキー」 神ヶ峰がATMの前に立ち引き出しの作業を行う。 ウィーン バサッ (…こんなもんか) 周りの人達の視線が少し気になるがもうなれている。 それというのも、神ヶ峰の両親は大手幼女メーカー「YoucroZyoft」の社長夫妻だ。最近「YONY」と言う所に抜かされてるとか言ってたが。 810 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/04/04(金) 00 52 38.78 ID qDJ3XoAO でも、そのおかげで仕事をせずに生活ができる。 自分でも親不孝者だとは自覚している。が、働く事が長く続かない…。 (…銀行くると色々考えちゃうからいやだなぁ) 神ヶ峰「はぁ…」 気持ちが重くなるので、早くでようとおもったとき、銀行に一人は居るがたいの良い警備員に話しかけられた。 警備員「ちょっとお客さん」 (え!?俺なんか悪い事したか?) 神ヶ峰は自分のやった一連の行動を思い返す。しかし思い当たる節はない。 警備員「公共の場でそういうのは…ねぇ」 警備員が指を指した方向は神ヶ峰の後ろ。振り返ると、そこには… 神ヶ峰「…スズ?服は?後車は?」 スズ「車の中暑くて…」 スズの裸体。 (幼女って…恥ずかしいとか無いのか?)神ヶ峰「す、すいません!よく言っときますので!」 警備員「よくいっとくったって…あなたがそうさせたんじ」 神ヶ峰「すいませんでしたー!」 スズを持って車に走る。今まででこんなに恥ずかしがったことは神ヶ峰にはないだろう。 スズ「どうしたんですか?」 神ヶ峰「後でじっくり教える!」 神ヶ峰は車のドアを開けて助手席席にスズを置く。 神ヶ峰「とにかく服着て!冷房つけるから!」 スズ「はい~…」 811 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/04/04(金) 00 54 48.27 ID qDJ3XoAO スズ「暑いです~」 スズはだるそうだが、神ヶ峰の息子は元気らしい。 (いやいやいや、なんて言えばいいんだ?スズは、基本的な事が何もないような…。そして俺の息子はストライクゾーン広すぎじゃね!?) 神ヶ峰「ーっ!とにかく!家の中…いや家でも服は着てなくちゃ駄目なの!」 スズ「…?なんでですか?」 スズは不思議そうな顔で神ヶ峰の顔を見ている。きっと神ヶ峰は何倍も不思議なのだが。 神ヶ峰「とにかく!服は絶対着る!」 スズ「はい~…」 神ヶ峰が車のアクセルを踏み込むと車が動き出す。 神ヶ峰「…次はデパートに行くけど絶対に服脱いじゃ駄目だからな……」 スズ「はい~」 赤い高級車は銀行の駐車場を出て行った。 812 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/04/04(金) 00 55 49.07 ID qDJ3XoAO 神ヶ峰「ところで、さ」 スズ「はい?」 神ヶ峰「スズは前どんな風な人に飼われてたの?」 スズ「…前のご主人様…ですか?」 スズの顔が少し暗くなる。車内に人の喋り声はなくなり、神ヶ峰がかっこつけだけで買った興味も無い洋楽に車のエンジンの混じった音が流れるだけ。 神ヶ峰はまずい事を聞いてしまったんだろうかと話題をそらそうとしたものの、 かけるような言葉が喉からでず、スズが喋り始めるのを待つしかなかった。 まだ残暑が厳しいが、秋になりはじめている日の太陽が車に差し込んでくる。 スズに日が当たり綺麗な少しパーマのかかった金髪が更に光り輝いて綺麗に見える。 スズ「わっ…」 すると眩しかったのかスズが声をあげた、それに続いて表情を変えて言う。 スズ「…どんな人だったけ?」 スズはまるで自分で自分が不思議なように考えこんでいる。 神ヶ峰も話をそらすチャンスだと思って口を開いた。 神ヶ峰「…そっか!いや、わからないんならいいよ!」 スズ「そうですか?」 神ヶ峰「うんうん。…そうだ、今から行くデパートにはなぁ…」 その後、デパートに着くまでは神ヶ峰はスズにデパートの事を話していた。 813 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/04/04(金) 01 04 41.84 ID qDJ3XoAO 田中「そうか!逆に考えればいいんだ!」 イル「…?」 田中「出番がなければ作ればいい!」 イル、スズ、神ヶ峰「駄目!」「駄目です!」「駄目だ!」 スパン スパン スパーン!! 田中「ち、ちくしょう…またオチて無いじゃない…か」 バタン! 874 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/05/12(月) 07 54 28.54 ID EvAIbYAO スズ「うわぁ~…」 神ヶ峰「…そんなに驚くほど大きい?」 スズは目を輝かせ、辺りを見回していた。 神ヶ峰「おーい、スズ。そっちじゃないぞ、こっち。」 スズ「あ、はいー」 やはり、子供の頃は神ヶ峰にとってもデパートは楽しい所だっただろう。 幼女とは言え、神ヶ峰は昔の自分の姿を重ねていた。 いつも両親に連れて行ってもらったデパート。 その時にいつもよっていたのは幼女ショップだ。自分たちの店の視察というのもあったのだろう。 そしてそのころの神ヶ峰の両親の会社は大手というにはほど遠く、暇もよくあったようで週一回はデパートにいっていた。 (懐かしいなぁ…) エスカレーターに乗ってもスズの興奮はとまらず、 スズ「わぁ~」 神ヶ峰「あ、そんなに顔出してると」 ガツン。 スズ「ギャフン!!」 神ヶ峰「本当にこれに当たった奴ははじめてみたなぁ…」 神ヶ峰の言う「これ」とはデパートのエスカレーターには大体ついているであろう、あの透明なぶら下がっている板である。 神ヶ峰「お前は色々な意味ですごいよ…」 スズ「うっせぇな…」 神ヶ峰「ん、あぁごめんごめん」 神ヶ峰「…え?」 スズ「…なんだよ…ここ何処だよ…てかおじさんだれだよ…」 875 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/05/12(月) 07 54 53.79 ID EvAIbYAO なんだろう。これはあれだろうか。 漫画とかで良くある…そうだ、二重人格とか言う奴か? 神ヶ峰「ス…スズ?」 スズ「…それ、俺の名前?」 神ヶ峰「まぁ…一応そうだけど…」 スズ「女っぽい名前だなぁ、おい」 神ヶ峰「いや、女だろ…」 スズ「…あぁそっか…まぁいいや。でもなんで今更…まぁ、事情はまた後でな」 神ヶ峰「あ、おい」 スズの体がカクンと倒れたと思うと、スズはすぐに起き上がってきた。 スズ「いたたたたた…」 神ヶ峰「ス…スズ?」 スズ「はい?」 スズは目つきも声も元に戻っていて、 さっきの変なのは影さえなかった。 神ヶ峰「いや、何でもない!」 スズ「?」 神ヶ峰「ほら、あそこがスズの服を買う店だよ」 スズ「うわぁ…大きいー!」 確かにこの店は神ヶ峰から見ても大きいと思えた。 1フロアの半分は幼女ショップだった。 神ヶ峰「この店に無い物なんてないんじゃないか…?」 876 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/05/12(月) 07 56 51.44 ID EvAIbYAO そう思えるほどに広かった。 最近幼女メーカーが乱立してると 父から聞いた覚えがあるので きっとこれくらいないと入りきらないのだろう。 そして神ヶ峰が次に思ったのは、 めんどくさそう。 だった。 適当に買って帰ろうかなと思って 綺麗に重ねられた緑色の買い物かごから、 それを一つとる。右を見て、 スズは、いない。 ならば左を見て、スズは、いない。 だったら上を見て、スズは、いない。 360度見回して、スズは、いない。 神ヶ峰「…はぁ」 神ヶ峰はスズを探しに、奥に入っていった。 877 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/05/12(月) 07 57 10.70 ID EvAIbYAO スズは以外と容易に見つかった。 ちょっと奥に入った所の幼女売り場で 売ってる幼女と話していたからだ。 神ヶ峰「…スズ?」 スズ「あ、ごめん行かなきゃ」 ゲージの中の幼女「またね~」 ゲージの中をみると、 見てると眠くなりそうなぐらいにまったりとした表情の幼幼女がいる。 神ヶ峰「ほら、いくよ」 スズ「あぁ~まって下さい」 神ヶ峰はスズの手をもって服のコーナーへと向かった。 ゲージの中の幼女「ふあぁ…眠…」 878 名前: SS@海豚 [sage] 投稿日: 2008/05/12(月) 07 57 32.77 ID EvAIbYAO ―裏「最終兵器幼女」― 「はいカットー!」 神ヶ峰「お疲れさましたー」 スズ「お疲れさまです。」 神ヶ峰「…遂に新キャラか?」 ゲージの幼女「え?私この後あまり出番ないですよ~。」 神ヶ峰「え、まじ?」 スズ「神ヶ峰さん台本チェックしてないんですか?」 神ヶ峰「あー本当だ。…てかさ、俺こんなにあの生物兵器くわなきゃなの?」 スズ「…頑張ってください」 神ヶ峰「じゃあ今回もこのくらいで」 スズ、ゲージ幼女「さようならー。」 田中「シクシクシクシク…」 イル「ほらー元気だしなよっ!」 イル「あ、じゃあねー!」 田中「さようなら…」
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754:名前:sage : 2008/02/07(木) 02 54 19.84 ID fxg9QZh10 幼女596「早く餌ー」 店員「はいはい」 幼女631「トイレぇ」 店員「ちょっと待ててねぇ」 幼女96「店員よ、私の飼い主はまだか?」 店員「安心して、すぐ見つかるよ」 幼女410「ねー、遊んでよ~」 店員「小屋を掃除した後でね」 幼男8785「おい、キサマ、拭け」 店員「ナニを突き出すな!」 店長「すまん、また、野良幼女を拾ってきてしまった……」 店員「いいかげんにしてください、店長!!」 ~~~店員の日常~~~ 759 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/02/07(木) 03 18 17.17 ID fxg9QZh10 店員「店長、この野良をどうするんですか?」 店長「いつもの様に売る」 野幼女「……」 店員「いやいや、いいかげんに無理ですよ。汚いし、無愛想だし。って、泣くなよ」 野幼女「(上目微涙)」 店長「あ~あ、泣かしちゃった。可愛そうに……。店員は鬼だな」 店員「店長じゃなかったら、殴ってるのに……」 店長「取りあえず、いつもの様に大特価で優しそうな奴に売ってしまえ」 店員「はぁ、分かりました。責任は取りませんよ。ったくぅ」 店長「うんうん、ホント、店員は優しい奴だ。野幼女もよかったな」ヨシヨシ 野幼女「////」 店長「大丈夫、店員の見る目はたしかだ。オマエもきっといいご主人に会えるよ」 店員「ん~と、値段はどのくらいがいいですかね?」 店長「いつも通り、980円」
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929 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 24 12.89 ID LxjJynI0 男・自宅 21時【真ハッピーエンド】ルート1 幼女99「スー…スー…」 男「可愛い寝顔しやがって・・・ (最近は挿入なしでこんな感じが続いてるな・・・ あの日・・・挿入したあの日からピリピリするっていうもんな・・・ 無理矢理したら幼男42みたく交尾レイプまがいになっちまう・・・)」 男「さて、金曜ロードショーでも見るか・・・えーっと今日はー」 ブーブー ブーブー 男「お メール」 ピッ 女【外に来て すぐ下にいるから】 男「! 女・・・」 ダッダッダ ガチャ バタン! 幼女99「ムニャムニャ… …? ご主人さま…?」 930 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 24 47.06 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート2 男「・・・女」 女「・・・なんか、久しぶりだね・・・ いつも連絡とりあってたのに・・・最近はからっきしだったから・・・」 男「そ・・・そう、だな」 女「・・・仲良くやってる? ・・・幼女99ちゃんと」 男「う、うん」 女「私の中から・・もう男は消えちゃったとか・・・思ってる?」 男「・・・ あんなとこ、見られたら誰だって」 ギュ… 男「!」 女「戻りたい・・・あの頃に・・・」 男「お・・・女」 女「本当に・・・心から好きって思える人に出会えたんだもん・・・」 男「女・・・ ・・・ ・・・」 グイッ 女「…!? 男・・・っ!?」 男「俺の心には・・・お前はもういない・・・」 女「男…!」 男「帰ってくれ」 女「ちょ…っ! ちょっと待ってよ…っ!」 ガシッ! 女「男・・・っ、本当にどうかしてる・・・っ! あの子は人間じゃないのよっ!?わかってる!?ねえっ!?」 男「やっぱり幼女99の事か・・・」 女「え・・」 男「復讐したいって言ってたもんな・・・ されても仕方がない事をした・・それは認めるよ・・・けどな・・・ 幼女99を巻き込むのだけはやめろ・・・復讐したいのなら俺だけにすればいい」 女「なによ・・・なによそれ・・・っ!! それじゃあたしが悪者みたいじゃないっ!! 事の発端はあんたでしょ!? あんたがあんな事しなけりゃ・・・っ」 男「だから・・・殴りたかったら殴ればいいし、償うから・・・」 女「もういい・・っ!今更殴ったって男は私の所に戻って来ないんだから・・・」 男「・・・」 女「・・・さよなら ・・・男 ・・・さよなら・・・」 男「・・・」 幼女99「………ご主人さま・・・」 931 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 25 29.96 ID LxjJynI0 男・自宅 22時【真ハッピーエンド】ルート3 ガチャ 男「・・・」 幼女99「…スー …スー」 男「・・・」 …バタン 男「・・・」 幼女99「スー… スー…」 男「・・・」 幼女99「スー… スー…」 男「・・起きてるのなら・・・聞いてほしいんだけど・・・」 幼女99「スー… ………」 男「さっき・・女が来てさ・・・ フっちゃった・・・女のこと・・・ ・・正確に言えば・・・完全に・・嫌われた・・・かな」 幼女99「…」 男「女とは付き合い長くてさ・・・ 中学からの馴染みで・・・ 毎日喧嘩ばかりしてたんだけど・・・高校に入ってから いつの間にか彼氏と彼女の関係になってたんだ俺たち・・・ 大学も同じところ受験して・・卒業してからもずっと想いは変わらず・・・ 就活で忙しい時しか相手にできなかったけど・・・ 就職決まって・・・ 落ち着いてきたら結婚の約束もしてたんだ・・・」 幼女99「…」 男「あいつ箱入り娘だからさ・・親父さん、厳しい人だった・・・ 俺と女の交際認めてくれるまでに・・何年もかかったんだけど・・・ ・・・一月前に・・女を宜しく って言われたばかりなのに・・・ こんな・・・」 幼女99「…」 男「・・・ でも、今はもう後悔してない ・・・幼女99と出会えて・・本当に良かった って、そう思う・・・」 幼女99「…」 男「世間からどんな白い目で見られても構わない・・・ 幼女99が、もっと俺と一緒にいる時間がほしいのなら・・今の仕事も辞めて・・・ 稼ぎは悪くなるけど、アルバイトでも何でもする・・・ ・・・もっと長く・・一緒にいたいのは俺も同じだからさ・・・」 幼女99「…」 男「・・・寝ちゃってるか・・・ ・・・おやすみ・・・ 幼女99・・」 男・自宅 土曜日 5時 ピピピピピピピピピピピピ カチッ 男「・・・ふんっ! …んー・・・ ?」 男「・・・・・・・・・・・・・・・幼女99・・・?」 932 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 27 15.06 ID LxjJynI0 男・自宅 12時【真ハッピーエンド】ルート4 『天気予報をお伝えします 今日の××都の天気は曇り、のち雨 ところにより雷を伴うでしょう お昼頃から夜頃まで雨が続きそうです お出かけ前には傘をご用意ください 天気予報をお伝え致しました』 男「・・・」 ポツ… ポツポツ ポツポツポツ ザアア――――――――――――――― 女・自宅 トントントントントントントントン 女「・・・」 幼男42「ねぇー飯まだー?」 トントントントントントントントン 女「・・・」 幼男42「ねぇーメシー」 トントントントントントントントン 女「・・・」 幼男42「めーしー」 ドンッ!! 女「・・・少し黙ってて」 幼男42「あーあー・・人間の女のヒステリーってやだやだ」 女「・・・」 幼男42「そんなに苛立つならさー・・いっその事ソイツでやっちまったら?」 カチャ… 女「・・・」 幼男42「今日の夜にでも呼び出して気分サッパリやったら? 未練の残らないようにー」 女「・・・」 幼男42「さっき手下の野良幼男どもが言ってたんだけど・・・ 幼女99が道端で人間のバカップルにケーキ貰って食ってるの見たって 聞いたんだけどー・・・今から幼女99の跡つけて俺が―――――」 ピンポーン 女「・・・」 …タッタッタ 幼男42「・・・ちっ」 女「・・・ ・・・ ・・・! 男・・・っ!?」 ガチャ! ザアア――――――――――――――― 男「・・・」 女「お、男・・・どうしたの? びしょ濡れじゃない・・・っ!」 男「・・・ずっと・・・探したんだ・・・ でも・・・どこにもいなくて・・・」 女「え・・・?」 男「・・・」 女「男・・・?」 男「・・・」 幼男42「気が変わったんじゃねーのー? よかったねー女主人さーまぁ~」 女「!・・・と、とりあえず中入って・・・風邪ひくよ・・?」 バタン 933 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 27 49.22 ID LxjJynI0 女・自宅 13時【真ハッピーエンド】ルート5 ジタバタジタバタ! 幼男42「ンーっ!ンンーっ!!」 女「しーっ! ジッとしてなさいっ!! 男と大事な話するんだからっ!!」 幼男42「ンンンーンーっ!!ンっンンんんんんんんんン――っ!! (この女ーっ!!絶対ハメてやるからな――っ!!)」 女「あんたを解放しっぱなしだったら幼女99ちゃんの所いって危ない事するでしょー? だめだよ~? そんな事しちゃー ね?」 幼男42「んんン――っ!!(違う――っ!!)」 ガチャ バタン… 幼男42(・・・男が会いに来た途端コロっと表情変えやがって・・・ 人間の女ってのは・・よくわからんわ) 女「・・・ふぅ・・ご、ごめんねー何か取り乱しちゃっててーっ!」 男「・・・」 女「え、えっと・・・な、何かさーっ!久しぶりだよねー男がウチ来るのってーっ!」 男「・・・ごめん・・・ 急に・・・」 女「う、うううううんっ!ぜーんぜんっ! 大歓迎でした――っ!あはははー はー」 男「・・・」 女「・・・私の方こそ・・昨日はごめんなさい・・・ 復讐するなんていって・・・そんな勇気・・ないのに・・・」 男「・・・」 女「・・・でも嬉しい・・男が・・私の所に戻ってきてく――」 男「幼女99が・・・いなくなったんだ・・」 女「え・・・?」 男「頼む・・・何か知ってることが会ったら教えてくれ・・・」 女「な、何を・・・」 男「あいつ・・・俺と女の・・人間の関係に邪魔したくなかったんだ・・・ 自分がいれば女を不幸にしてしまう・・・ だからあいつ・・・身をひいて・・・」 女「・・・」 男「女には・・本当に悪いと思ってる・・・ でも俺・・・ あいつの事、本気で好きなんだ・・・ 幼女99も・・・本当は俺のこと・・・」 女「・・・」 男「だから・・頼む・・っ! 俺、あいつの為なら何だってする・・・っ! 知ってる事なら何でもいいっ!! ・・・頼む・・女・・・」 女「・・・ ・・・知ってるよ・・幼女99ちゃんの居場所・・・」 男「え…っ!」 女「幼男42のお友達が・・幼女99ちゃんを見たんだって・・・」 男「ど、どこにいるんだっ!?」 女「・・・何でもする って・・・いったよね・・・」 男「ああっ!」 女「じゃあ・・・ 幼女99ちゃんが見つかったら・・・ あの幼女の見てる目の前で・・私を抱いてよ・・・」 男「え・・・」 934 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 28 51.87 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート6 男「い、今・・なんて・・」 女「幼女99ちゃんの見てる目の前で私と抱いて って言ったの・・・ まるで恋人であるかのように・・ね」 男「そ・・そんな事できるワケ・・っ!」 女「じゃあこの話はなかったことにしよ? 今頃幼女99ちゃん・・雨にうたれて震えてるんだろうなー・・・ 今日の夜まで降り続くみたいだけど・・・こんな季節に可哀想に・・・」 男「…っ!」 女「・・誰かさんのせいで幼女99ちゃん凍えじ・・」 男「わかった・・・」 女「・・・」 男「わかったから・・・早く、教えてくれ・・・」 女「・・・約束だからね・・・ 今度裏切ったら・・」 男「・・・」 女「・・・」スッ ガチャ 幼男42「?」 女「・・・」 シュル… シュルシュル 幼男42「ぶはーっ! やーっと解放されたよー ドSな飼い主さまに~」 女「幼男42・・・聞いてたでしょ? ・・・そういう事だから・・・ もし・・男が裏切って逃げようとしたものなら・・・ 幼女99ちゃんを好きにしちゃっていいから」 男「!?」 幼男42「どうでもいいけど僕のメシは?」 女「どこにいるのか教えてあげて」 男「・・・」 幼男42「メシ・・・」 女「・・・」 男「・・・」 幼男42「・・あーもーっ!!公園だよっ! ××公園っ!」 男「××公園・・・っ!!」 ダッ! 女「ちょっと男っ!! ・・約束だからね・・・」 男「・・・うん」 ガチャ バタン! 女「・・・」 幼男42「幼女相手にマジだねー こりゃ・・やりごたえあるねご主人さま」 女「・・・」 935 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 31 15.54 ID LxjJynI0 公園・木々の下 【真ハッピーエンド】ルート7 ザアア――――――――――――ゴロゴロゴロ 幼女99「…地面が…冷たい…濡れた…土の…香り…」 ザアア――――――――――――ピカピカッ 幼女99「ひゃう…っ!…ご主人さまぁああ…」 ペシャ ペシャ ペシャ ペシャ ペシャ 「そんな所で寝てると・・・風邪ひくよ・・・」 ペシャ ペシャ… 幼女99「…!」 男「・・・」 幼女99「ご主人…さま… あ…ぁううぅ…」 男「・・・そこが・・幼女99の新しいウチかい・・・?」 フルフル! 幼女99「ヒック! グスッ あうう… ヒック ううぅ~…」 男「もう・・俺と一緒に暮らしたくない・・・?」 フルフル! 幼女99「グスッ ぁうう… ヒック! うう~ごめんなさいぃ…っ!」ダッ! ガバッ! 幼女99「ヒック… ご主人さまの… ヒック ところ… グスッ 帰るぅ…っ!グスッ エグ エグ」 男「幼女99・・」 ギュ 男「おかえり・・・ おかえり・・・幼女99・・・」 936 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 32 55.18 ID LxjJynI0 男・自宅 土曜日 20時 【真ハッピーエンド】ルート8 ザアア―――――――――――――― 男「雨・・・やまないなー・・・」 幼女99「・・・」 男「今日は昼頃からずっと降ってるな・・・せっかくの休みなのに、ついてない・・」 幼女99「…ご主人さま」 男「・・・」 ナデナデ 男「明日日曜だし・・・また幼女ショップ行くか!」 幼女99「ご主人さま…っ!」 男「新しい服も買って・・・ そうだ! 幼女用のおもちゃも必要だな? 帰りにお遊びコーナーにも寄って・・・幼女99のお友達たくさん作らないとっ」 幼女99「/// はいっ///!」 男「俺さ・・・もっと幼女99といられる時間、作りたい・・・ だから本当に仕事変えようかと思うんだ・・・」 幼女99「お気持ちは嬉しいです、ご主人さま… でも…///」モジモジ 男「でも?」 幼女99「私… スーツ姿で帰ってくるご主人さまが…大好きです…///」 男「ンンン幼女99―――っ!!」 ギューッ! 幼女99「ふわぁぁ…っ!ご主人さまぁ…!」 男「ありがとう・・・俺、頑張るよ・・・」 幼女99「…///」 キュ… 幼女99「はい…/// ご主人さま…///」 男「・・・よし!じゃあご飯の前に風呂入るかっ!また背中流しっこするぞ~?」 幼女99「///」 ♪♪♪ 男「お・・電話だ」 ピッ 男「もしもし ・・・あ」 ガタッ 男「あ、ああ・・おかげさまで・・・」 幼女99「?」 ガチャ バタン 男「うん・・・今夜は勘弁してくれないか・・・? ・・・うん ・・・逃げたりしないよ・・・約束は守るから・・・ ・・・・・・じゃあ・・・うん・・日曜の夜に・・・・・・ お、おやすみ・・・」 …ピッ 男「・・・」 ガチャ バタン 幼女99「ご主人さま…?」 男「・・・ うりゃーっ!さっさと脱げ――っ!」 幼女99「きゃーっ///!」 937 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 34 16.77 ID LxjJynI0 男・自宅 日曜日 8時 【真ハッピーエンド】ルート9 チュン チュン 男(色々あったこの数週間・・・これまでよく無事でいられたなー・・・ 今、生きている事が不思議だ・・・幼女99も何事もなく済んで・・・ そりゃ色々問題はあったけどさ・・・ だからこのまま・・・俺と幼女99を・・・ハッピーエンドへ導いてくれ・・・) 男「なーんて」 幼女99「え?なんですかご主人さまっ!」 男「いや 一人ごとっ! だけどごめんな・・・ せっかくの日曜日なのに・・会社に忘れ物しててさ・・・」 幼女99「はいっ!」 男「取りに戻るだけだから2時間くらいで帰ってくるよ その間、幼女ショップ行く準備しといてくれな」 幼女99「…本当ですか?」 男「ほんとだって! 約束するっ!」 幼女99「じゃあ…」 男・幼女99「ゆーびきーりげーんまーん♪ うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーますー♪ゆーびきったっ♪」 幼女99「約束ですっ! 嘘ついたら、針千本飲んでくださいねーっ! えへへっ!」 男「ふふ わかってるよ!じゃあ行ってきます」 ガチャ 幼女99「あ ご主人さまっ!」 タッタッタ 男「ん?」 チュ 男「! ……」 スッ 幼女99「…/// 行ってらっしゃいませご主人さまっ///!」 男「…うん 行ってきます!」 バタン 938 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 35 50.52 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート10 男(・・・ふふふ 幼女99め、積極的になりやがって ・・ゆびきり か・・・何年ぶりだろ・・・) ――――――――――――――――――――――――――― 女「幼女99ちゃんの見てる目の前で・・・私を抱いてよ」 ――――――――――――――――――――――――――― 男「・・・」 男「俺・・・どうしたら・・・い・・ ?」 トボトボ 野良幼女「…」 男「のら幼女、か・・・ !?」 ガアアア――――――――――ッ!! 男「え・・・ちょ、危な・・・っ!!」 ダッ! …ドンッ!! 野良幼女「…っ!」 ガアアア―――――ッキキ―――――――ッ!! 男「っ・・・!」 「ごめん・・幼女99・・・ 俺・・・・・・また約束・・・、守れそうにない・・・・・・・・・」 939 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 37 01.96 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート11 …ご主人さま? 男「だ・・だれ・・・?」 ご主人さま… 男「きみは・・・ ・・・」 「男・・・っ!」 パチ 男「・・・ア・・・ ア・・・」 「男・・・っ!」 男「・・き・・・きみ・・は・・・」 「よかった・・・っ!気がついて・・っ! もう・・・起きないと思って心配したんだから・・・っ!」 男「・・・ここ・・・」 「ここは病院よ男・・・わかるわけないよね・・・ あなたは・・事故にあったの・・・ ・・・そして・・・1年、ずっと眠り続けていた・・・・・・」 男「1 年・・・? じゃあ・・きみは・・・?」 「・・・私は・・・女・・」 ギュ 女「男の・・・婚約者だよ・・・」 940 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 38 03.51 ID LxjJynI0 病院 11時 【真ハッピーエンド】ルート12 男「記憶・・・喪失・・?」 女「うん・・・頭の打ち所が悪かったみたい・・・ まだもう少し車イスとベッドの生活なるかも知れないけど・・・ でも大丈夫・・私・・・どんな事があってもあなたを支えていくから・・」 男「・・・君はきっと・・僕の大切な人だったんだろうね・・・ 夢の中で・・誰かがずっと、僕を呼んでくれてたんだ・・・ ご主人さま って・・」 女「そ・・そうなんだ・・・」 男「ありがとう・・・女さん」 女「男・・・」 ガラーッ 幼女「… あっ…!」 男「・・・?」 幼女「あ… ぁあ……」 男「君は・・・?」 女「あーどうもありがとうー着替え持ってきてくれてー」 幼女「あ… う… ご… ごしゅ」 女「っ! はいはい後は私が着替えさせておくからねー はいじゃーねー」 幼女「あ…っ」 ガラーッ ピシャ! 男「・・・今の子・・僕に会いにきてくれたんじゃ・・・」 女「・・・」 男「あの子は・・・誰・・?」 女「・・・ えへへっ! ウチで飼ってる幼女! 汚い格好だったでしょー? ごめんねーあの子、お風呂嫌いだからさー」 男「そう、なんだ・・・」 女「・・・服 着替えよっか・・・」 941 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 40 38.28 ID LxjJynI0 病院 12時 【真ハッピーエンド】ルート13 カチャカチャ 女「おいしい?」 男「・・・あんまり・・おいしくないかな・・・ 僕・・記憶があった時もこんなの食べてたの・・?」 女「あはは 多分病院の食事だからじゃないかなー」 ♪♪♪ 女「あ ちょっとごめんね・・電話」 ピッ 女「はいー あ、幼男42 え?ご飯? あーごめん買い忘れてたー・・・はいはいわかった!わかったってばもうっ!」 ピッ! 男「幼男42・・?」 女「ん ウチで飼ってる幼男」 男「2人もいるんだ・・・さっきの幼女もだよね・・」 女「え?・・・う、うん ・・・ちょっと行ってくるね、すぐ帰ってくるから」 男「うん」 女「あ、ウチに置いてある結婚カタログ雑誌も持ってくるね 2人で見よっ!」 男「うん」 ガラーッ ピシャ… 女「・・・」 スタスタスタスタ 女「・・・っ!」 幼女「あ…」 女「・・・」 幼女「あ… あの…」 女「・・今眠った所だから近づかないで」 幼女「あ…」 スタスタスタスタ 幼女「…」 男「・・・ 車イス・・・」 グッ 男「う・・・っ く・・」 グッ グッ ガシャン!ガラン ガラン… 男「う・・っつ・・・ ・・・足が動かないっていうのも・・・不便だな・・・」 ガシャ ガシャガシャ 男「・・・はあ・・ ふう・・・」 キイ… キイ… ガラーッ 男「・・・」 キイ… キイ… 942 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 41 59.59 ID LxjJynI0 病院・中庭 13時 【真ハッピーエンド】ルート14 ザアア… 男「・・・風が気持ちいいな・・・暖かい・・・ ・・でも・・・本当に・・何も思い出せない・・・ あの、女って人は・・・本当に・・僕の婚約者だったんだろうか・・・」 男「・・・! あの子は・・・」 キイ… キイ… 幼女「…」 男「ねえ・・・きみ・・・」 幼女「! あ…っ! あ…ぅ…」 男「さっきはありがとう・・着替え持ってきてくれて」 幼女「あ… は、はい…」 男「・・・」 ナデ… 幼女「あ…///」 男「随分汚れているね・・・ちゃんとお風呂に入らないと駄目だよ? こんなに可愛いのにもったいない・・」 ナデナデ 幼女「あ…ぅ ぅう…」 男「・・・なんだろう・・・僕・・・ 初めて君に触れたような感じがしない・・・」 幼女「あ…」 男「きみ・・・ 僕の記憶が無くなる前に・・どこかで、あった・・・?」 幼女「…」 幼女「…」 男「きみ・・・名前は・・」 幼女「…いいえ …初対面です、『男さん』っ!」ニコ ザアア… 男「・・・ ・・・そっか・・」 幼女「…」ニコニコ 女「・・・ ・・・くっ」 943 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 44 11.68 ID LxjJynI0 病院・消灯 0時 【真ハッピーエンド】ルート15 ガラーッ 女「・・・」 男「ん・・んん・・・ あ、あれ・・どうしたの? こんな時間に・・・ あれから全然帰ってこなかったから心配したんだよ?」 女「・・・」 ガラーッ ピシャ 女「・・・」 男「? どうしたの・・? ずっとうつむいて・・・」 女「・・・」 スッ… シュル シュル 男「! ど、どうして服脱ぐの・・っ!?」 女「・・・私さ・・・1年前・・男と約束してたんだ・・・」 シュルシュル 男「ちょ、やめて・・・っ!お願いだから服着てよっ!」 女「長かったんだから・・・本当に・・・」 シュル… パサ… 男「あ・・・」 ガバッ! 男「っ!?」 女「いいの・・・男はそのままで・・・」 ガラーッ! 男「!・・・あ・・」 幼女「!…ン…」 幼男42「おう、久しぶり おらっ!さっさと中入れよ」 グイッ! 幼女「ン…っ!ン…」 男「っ!? ちょ・・女さん! 何で幼女の手足縛ってるんですかっ!! クチ塞いで紐まで付けて・・・苦しがってるじゃないですか・・・っ!!」 女「幼女の首輪に紐は当然でしょ・・・? それに・・・逃げられたりしたら困るもの・・・」 ンギュ! 男「うぁ・・っ!」 女「ふふ・・記憶がなくなっても体は凄く正直じゃない・・・ こんなに・・はっ 硬く・・」 幼女「ン…っ! ン…っ!!」 グイッ! 幼女「ンっ!」 幼男42「ボソッ…(目をそらすなよ・・・まばたきもせず・・ あの二人をその目に焼きつけてよーく見ていろ・・・)」 幼女「ン…っ ンンン…ンン…」 944 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 47 52.84 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート16 ジュポジュポペチャ 女「ん…男のひんひんおいひ… ん」 ジュポペロ ペロッ 男「うあぁぁ・・・や、やめ・・」 シュ シュ シュ 女「ん~やめてちゃっていいの~? こんなに我慢汁だしちゃってるクセに~ はむ…っ」 ジュポジュポジュポ 男「う・・くっ・・・」 幼女「ン……っ ン…」 ボロボロ 女「ンぷはぁ…っ! 見てー・・幼女ちゃんあんなにボロボロ泣いちゃって~」 男「よ、幼女・・ちゃん・・・」 ジュポペロッ ジュポジュポ 男「ぁあ・・っ! くっ…うぅ・・」 女「はふ…っ ん~… ふふふ・・・男見て~ 私こんなに濡れちゃったぁ~」 男「え・・・」 グイッ …ムニュ 男「っ!」 ムギュ 女「あん…っ! …んん~ほらぁ~男が好きだったおっぱいも揉んで~ 柔らかいでしょ~?このおっぱいが好きだったんでしょ~? ねぇ~」 男「あ・・う・・・」 ムニュ ムギュ 女「あーんなつるつるぺったん幼女のおっぱいより こっちの方が楽しいでしょ~? ね~ ね~・・・」 男「う・・・何を、言って・・・ あの子と僕に・・・一体、何の関係が・・・ あっ…!」 ズッ 女「ああんっ!!すっごい・・・硬くて・・おっきくて・・っ!」 ズズズ 男「うあああ・・・っやめて・・・く、れ・・」 幼女「グスッ… ン…っ! グス… ンンっ」 ボロボロ 幼男42「あー人間同士の交尾もなかなか見応えがああぁぁ…」シコシコシコシコ ジュプ ジュプ 女「あううあああ…っ!す、すっごい気持ちいいよぉ男ぉ…っ! 男は…っ う、動かなくていいからぁ…っ!! 私が…っ全部 全部 全部ぅ!!」 ジュプジュプジュプジュプ!! 男「あああっ!ああっ! あ・・あっ!」 幼女「ン… ン…」ボロボロボロボロ グイッ! 幼男42「お前もほしいだろ・・・我慢しなくていいんだぜ・・」 幼女「ン…っ!」 945 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 49 36.13 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート17 ビクッ ビクン! 幼男42「見ろよこれ・・・こんなんになっちまったよ・・ あの飼主どものせいでもあるし、お前のせいでもある・・・」 幼女「ン…っ!ンン…っ!!」 幼男42「試してみようぜ・・・ 男とぼくの・・・ どっちがデカくて・・どっちが気持ちいいかをさぁー」 女「あんっ!あんっ だ、だめよぉ幼男42…っ! あっ 私がイってから…っあんっあん!」 幼男42「指図すんじゃねーよ・・・ 今・・入れてやるからな・・・ 可愛い声で泣け・・・っ!」 バッ! 幼女「ぷはぁ…っ! い… やだよぉ…」 男「幼女、ちゃん・・」 ズッ… 幼女「や… だぁああ…っ!」 男「よ・・・」 ジュプウウ!! 幼女「やだぁぁ―――――――――――――っっ!!」 幼男42「あああっ!!凄い閉めつけだぁ…っ!!」 ジュプ…ジュ プ… 「あ…っ!うぁ…っ あっ ああ…っ!ら、らめぇぇえ…っ!!」 ジュプヌプジュプジュプ! 女「あんっ!凄い!凄い凄いよ男ぉ―――っ!!」 男(なんで・・・なんでこんな・・・) 男(僕はどうなってもいい・・・幼女ちゃんは関係ないだろ・・・) 男(もう・・・もうやめてくれ・・・・・・結局はバッドエンドかよ・・・ そもそもハッピーエンドってなんだ・・・?どうやったら辿りつけるんだよ・・? でも今は考えてられない・・・幼女ちゃんが嫌がってる・・・ 助けないと・・・僕が助けないと・・・っ!!) 女「あんっ!もういっちゃう!いっちゃ…っ」 男「・・・くっ!」 カチッ 女「え・・・っ」 『109号室の男さーん どうされましたかー?』 男「助けてくれ――――――っ!!」 女「!!?」 948 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 52 15.51 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート18 男「助けてくれ―――――っ!!誰か早く来てくれ―――――っ!!」 女「あ・・ああ・・あ・・ っ!」 バッ!! 幼男42「よーし・・激しくするぞ」 グイッ!! 幼男42「んが…っ!?」 ガラーッ! ダダダダダダダ…ッ 男「・・・」 『男さんっ!?大丈夫ですか男さんっ!?今行きま…』 男「いえ・・・もう、大丈夫です・・・」 カチッ 幼女「ヒック… グスッ…」 男「・・・」 スッ ズル ガシャンッ!! 幼女「っ…!」 男「う・・うう・・」 ズル…ズル… 幼女「あ… あ…う…」 ズル… ナデナデ 男「・・・もう・・ 大丈夫だから・・・」 幼女「あ… あうぅ あ…っ!」 ギュ!! 幼女「うわああああああああああああああああああああああんっ!!」 ポツ ポツポツ…ポツ ザアア―――――――――――――――――― ペシャペシャペシャペシャ 女「はあ、はあ、 ん、はあ、はあ…っ!」 ペシャ ペシャ ペシャ… 女「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」 幼男42「はふー ったく結局復讐できずじまいかよ・・・つまんね」 女「はあ・・・はあ・・まだよ・・・まだまだこんなもんじゃ済まさない…っ!!」 幼男42「とりあえず服きろよ」 ウウ~ ウ~ ウウ~ 女「私は・・・私はね・・・あはは・・男・・・私はねぇ・・・っ!」 幼男42(ありゃりゃ・・・もうだめだ、このご主人様は・・・ 警察も来たし・・都会にも飽きたし、田舎で他のご主人さまでも狙うか・・・) ダッ! 女「あははははっ!あはははっ!!まだまだこんなもんじゃないんだからね男ぉ―っ!! グスッ あはっ! ヒック あっはははっ!!あははははははっっ!!!」 949 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 53 24.53 ID LxjJynI0 病院 1時 【真ハッピーエンド】ルート19 ザアア―――――――――――――――――― 警察「変質者の方は捕まえましたので・・ 後日その女性について質問もしていきますので宜しくお願いします」 男「あ・・はい・・・」 警察「では失礼」 ガラーッ ピシャン 男「・・・もう布団の中から出てきてもいいよ」 モゾモゾ 幼女「…」 男「よかったね・・・これでもう安心だろう?」 幼女「…」 男「ごめん・・・君の・・ご主人様だったんだよね・・・」 幼女「… 私の… 本当のご主人さまは… あなたです… 男さん…」 男「え?」 幼女「…」 男「そう、だったんだ・・・」 950 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 56 17.48 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート20 男「ごめん・・・でも、やっぱり思い出せない・・・」 幼女「…」 男「さっきの女って子の婚約の話が嘘やら・・僕や幼女ちゃんが どうしてあんな事されたのかも・・・思い出せないでいる・・・ 記憶をなくしてから・・何だか、いいように使われてるような気がしてならないんだ」 幼女「…はい」 ギュ… 幼女「少しずつでいいです… 私のことも…名前も…思い出してくれますか…?」 男「・・うん・・」 幼女「じゃあ… はい…」 男「ん・・・? どうしたの?小指なんか出して・・・」 幼女「指きりですよ… 約束をする時…お互いの小指を絡め合うんです…」 男「・・・うん」スッ 幼女「ゆーびきーりげーんまーん うーそつーいたーらはーりせーんぼーん のーますー ゆーびきった…」 男「・・・・・・・・・・・・・ ・・・あ・・・・・・・・・ ああ・・・・・・・あ・・・」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「約束ですっ! 嘘ついたら、針千本飲んでくださいねーっ! えへへっ!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 男「あ・・・あ・・・ ・・・ ・・・」 幼女「…ふふ これでやぶったらご主人さま…二千本ですね… えへへっ」 男「・・・」 幼女「?…ご主人さま?」 男「初めて出逢ったのは・・・小さな幼女ショップ・・・ 980円という・・・泥で汚れた幼女・・・」 幼女「ご主人さま…?」 男「その幼女の人生全てを俺は・・・980円で買った・・・ 小さな檻の中で・・・無愛想で・・絶望的だった幼女を・・・」 幼女「ご主人さま…」 男「俺が事故で寝ている時も君は・・・何度も俺を呼びかけて・・・ ずっと、ずっと俺のそばに・・いてくれた・・・・・・・・・・・・」 男「幼女・・・・・・・・・99・・・・・・・・・・・・」 951 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 22 58 20.61 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート21 男「・・・」 幼女99「あ… ぁあ…あ…」 男「・・・ただいま で、いいのかな…」 幼女99「あ…ぅああ… ご主人さまぁああ…ご主人さまぁああああ…っ!!」 ガバッ 幼女99「グスッ 寂しかったですぅ…っ!ご主人さまぁ…っ! ずっと、ずっとずっと待ってたのに…っ!帰ってこなくてぇ…っ! ヒック」 男「ごめんな・・・俺が駄目なばっかりに、幼女99に嫌な思いさせて・・・」 幼女99「ヒック! グスッご主人さまの… ばかぁぁあ…っ!」ヒック グスッ グスッ 男「幼女99・・・」 スッ 幼女99「…っ! ご主人さま…」 チュ 男「・・・」 幼女「…」グスッ チュ… バサ… ザアア――――――――――――――――――・・・ 952 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 23 01 39.11 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート22 ペロッ ペロッ チュパ ペロッ 幼女99「ひゃうぅ…っ!ご主人さまぁ…私… お風呂入れてもらって、ひゃぁ… ないから…汚いですよぅ…ぁ…ゃああ…」 男「そんな事ないよ・・可愛くて、ちっちゃくて…綺麗な乳首だ・・・」 ペロ ペロッペロ チュー 幼女99「ひゃぁぁ…っ 吸っちゃらめぇぇ…っ!」 男「こっちはもうビチャビチャだよ・・・ ほら・・」 クチュ クチュクチュ 幼女99「ぁ…っ!ゃぁあぁあ…っ!だ、めぇ…っ!」 クチュクチュクチュクチュクチュ! 幼女99「うぁああ…っ!だ…めぇ…っお、おしっこ…っ!でちゃいますぅ…っゃああ…っ!」 男「いいんだよ幼女99・・・っ! はあ…いっぱい出してごらんっ!ほら…っ!」 クチュクチュクチュクチュチュチュチュ!! 幼女99「ぁ…っ はぅ…っ ぅ…ああ…っ!」 男「っ!」 プシャアア! ゴキュゴキュゴクッ 幼女99「は…っふぁああ…っ!ぁ…ああ…」ビクン ゴキュ… ゴク… 男「・・・はっ・・・」 幼女99「はぅぅ…ご主人さまぁ…」 男「幼女99のおしっこおいしかったよ・・・ ほら、寝転がってる俺の上でお尻をこっちに向けて・・」 幼女99「は… はい///」 953 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 23 03 56.00 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート23 ピチャピチャペロッピチャ 幼女99「はぁぅう…っ!ご主人さまぁ…っ」 男「ほら幼女99・・ちんちん舐めるクチやすめないで・・」 幼女99「は…はいぃ…」ハムッ チュパ… チュパチュパ…ペロッ ペロ… 男「はああ…っ気持ちいいよ幼女99・・」ペロッ 幼女99「ン…っ!ん…ンンっ…」チュパチュパチュパ 男「・・・」ピチャピチャペロッ 幼女99「…ぷはぁっ!はぅ…ご主人さまぁ、ご主人さまぁ…っ!」 ピチャピチャ 男「幼女99・・俺、もう我慢できない・・・ ・・・入れたい・・・俺に、のって・・・」 954 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 23 09 01.61 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート24 ズッ 幼女99「ひゃぁああう…っご主人さまぁ…っ!」 男「そう・・う…っゆっくりだよ・・ゆっくり、そう・・」 ズッ ジュプ プ 幼女99「あ…っはわぁああ…っ!」 ジュプ… ジュプ… 幼女99「はぁああ…!ご主人さまの…おっきいの、全部…入っちゃいましたぁ…っ」 男「よく見えるよ・・・幼女99のちっちゃいおっぱいも・・ 可愛い顔も・・まんまんにちんちん、入ってる所も・・・」 幼女99「ゃぁああ… 恥ずかしいですよぉ… あ…っ!」 ジュプジュプジュプ 幼女99「あ…っぁぅ…っ!あんっ!は…っごしゅじ、さま…ぁ」 男「あ…ああ…っ!き、気持ちいいよ幼女99・・・っ! すっごい閉めつけ、る…ぅ!」 ジュプジュプ…ジュプジュプジュプジュプ!! 幼女99「ひゃぁあっ!そんなに激しくしちゃ…っあ…っ!らめぇえええ…っ!!」 男「あああっ!幼女99――っ!!」 ガバッ!! 幼女99「やぁああんっ!あ…っ!」 パン!パン!パン!パン!パン!パン! 幼女99「にゃぁああっ!後ろからそんなぁっあっ!あんっ!あぅっ! 壊れ…ちゃうよぉ…っ! あう!あんっ!」 ジュプジュプジュプジュプ!! 男「はあ!はあ!愛してるっ!愛してるよ幼女99っ!!」 ジュプグチュジュプジュプジュプジュプ!! 幼女99「あんっ!あんっ!ごしゅ…っ、ご主人さまぁああ…っ!!」 ギュ! パンパンパンパンパン!! 男「この手も・・・っ!もう二度と、離さない・・・っ!!」 幼女99「はぁ…!はぅ…っ!ご主人さまっご主人さまぁ…!!」 ニュル! ジュプウウッ!!ジュプジュプジュプジュプ!! 男「はあ!はあ!可愛いよ、可愛いよ幼女99っ!!」 チュ…! ジュプジュプジュプ!! 幼女99「ン…っ!ンっ!ん…ンっ!ン!」 ギュ! ジュプ!ジュプ!グチュ ジュプ!ジュプ! 幼女99「ンっ!ぷはぁ…っご主人さまっ好きっ好きっ!大好きだよぉ…っ!!」 ジュプジュプジュプジュプ!! 男「幼女、99・・・っ!イ、イク…っ!イキそうだよ俺ぇ…っ!!」 幼女99「ひゃうっ!あんっあんあんっ!出してっ!出して…っ! ご主人さまの精子っいっぱい!いっぱい!!いっぱいっ!! 幼女99のお腹の中にっ! いっぱい…っドピュドピュ出してくださぁ――いっ!!」 男「うあああっああああああああああイっくううううううああああああっ!!」 ジュプジュプジュプジュプジュプジュプジュプ!!! 幼女99「はにゃぁあああっ!ご主人さまぁあああっ!!」 男「ああああああああああっ!! ああっ!!!」 ジュプウッ!! ごぴゅ!ごぷっどくっ!どくっ!どびゅっ!! 幼女99「にゃああああああああああああああああああああああああああんっ!!」 ハア… ハア… ハア… 幼女… 99… 955 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 23 10 20.81 ID LxjJynI0 【真ハッピーエンド】ルート25 男「ううう・・・痛い・・・」 幼女99「大丈夫ですか…?ご主人さま…?」 男「うう・・つい夢中になりすぎて・・・足痛いの忘れてた・・・くう・・」 幼女99「ご主人さま…」 男「てて・・・あ、大丈夫だよ・・俺 ふじみだからっ」 幼女99「///はい…」 キュ… 幼女99「ご主人さまは…ふじみ、です…///」 男「・・・ははっ」 幼女99「ふふ…」 男「退院したらどこに行きたい?」 幼女99「…幼女ショップです」 男「・・本当に好きなんだな」 幼女99「お遊びコーナーで…お友達、いっぱい作るんです」 男「うん、いっぱい作ろう・・・」 幼女99「それから…―――――――――――――――――――――」 病院 7時 ガラーッ 看護婦「おはようございまーす男さーん 検査の時間です… よ… あっ!」 ピシャ! 看護婦2「ん?どうしたの看護婦」 看護婦「い、いえぇ…っ! 何でもありませーん…っ!」 男「zzz…」 幼女99「スー…スー…」 キュ… 956 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/16(土) 23 15 11.35 ID LxjJynI0 最終回 【真ハッピーエンド】ルート26 数ヶ月後 病院・中庭 看護婦「退院おめでとうございます男さんっ!」 男「ありがとうございます」 あれから数ヶ月 俺は車椅子なしでも歩けるようになっていた ・・・といっても、まだ片方だけ松葉杖は必要なんだけどさ・・ 男「・・・っ! あ、ここまででいいです看護婦さん ・・大切な人がきました・・・」 その幼女は俺を見つけると、これ以上ない笑顔と手を振って 俺の方へ走ってくる 「ご主人さまぁ―――――っ!」 男「・・・」ニコ そして俺も微笑みをかえす・・・ これが俺にとって・・・ 本当にハッピーエンドなのかは定かじゃない・・・ ・・・先の事なんて誰にもわからない まだこれから先、色々な困難が俺たちを苦しめるだろう・・・ 「ご主人さまぁ///!」 大きく腕を広げ、飛びつき、俺の胸に抱きついてくる幼女 松葉杖を放さずとも片手で持ち上げられるくらい軽い幼女 少なくとも、今の俺にとってはこれはハッピーエンド でも・・・ 本当のハッピーエンドは・・ 二人で見つけていこうと・・・ 俺は思っている 「幼女980円(税)」-後半-【真ハッピーエンド】ルート 完
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675 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 00 39.37 ID CF.l0XA0 395と同じ 男・自宅 21時【ハッピーエンド】ルート1 幼女99「スー…スー…」 男「可愛い寝顔しやがって・・・ (最近は挿入なしでこんな感じが続いてるな・・・ あの日・・・挿入したあの日からピリピリするっていうもんな・・・ 無理矢理したら幼男42みたく交尾レイプまがいになっちまう・・・)」 男「さて、金曜ロードショーでも見るか・・・えーっと今日はー」 ブーブー ブーブー 男「お メール」 ピッ 女【外に来て すぐ下にいるから】 男「! 女・・・」 ダッダッダ ガチャ バタン! 幼女99「ムニャムニャ… …? ご主人さま…?」 676 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 01 48.62 ID CF.l0XA0 【ハッピーエンド】ルート2 男「・・・女」 女「・・・なんか、久しぶりだね・・・ いつも連絡とりあってたのに・・・最近はからっきしだったから・・・」 男「そ・・・そう、だな」 女「・・・仲良くやってる? ・・・幼女99ちゃんと」 男「う、うん」 女「私の中から・・もう男は消えちゃったとか・・・思ってる?」 男「・・・ あんなとこ、見られたら誰だって」 ギュ… 男「!」 女「戻りたい・・・あの頃に・・・」 男「お・・・女」 女「本当に・・・心から好きって思える人に出会えたんだもん・・・」 男「女・・・ ・・・ ・・・」 グイッ 女「…!? 男・・・っ!?」 男「俺の心には・・・お前はもういない・・・」 女「男…!」 男「帰ってくれ」 女「ちょ…っ! ちょっと待ってよ…っ!」 ガシッ! 女「男・・・っ、本当にどうかしてる・・・っ! あの子は人間じゃないのよっ!?わかってる!?ねえっ!?」 男「やっぱり幼女99の事か・・・」 女「え・・」 男「復讐したいって言ってたもんな・・・ されても仕方がない事をした・・それは認めるよ・・・けどな・・・ 幼女99を巻き込むのだけはやめろ・・・復讐したいのなら俺だけにすればいい」 女「なによ・・・なによそれ・・・っ!! それじゃあたしが悪者みたいじゃないっ!! 事の発端はあんたでしょ!? あんたがあんな事しなけりゃ・・・っ」 男「だから・・・殴りたかったら殴ればいいし、償うから・・・」 女「もういい・・っ!今更殴ったって男は私の所に戻って来ないんだから・・・」 男「・・・」 女「・・・さよなら ・・・男 ・・・さよなら・・・」 男「・・・」 幼女99「………ご主人さま・・・」 677 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 04 06.49 ID CF.l0XA0 男・自宅 土曜日 5時【ハッピーエンド】ルート3 男「こーら幼女99!いつまで寝てるんだー? 散歩行くぞっ!ほれっ!」 ガバッ! 幼女99「ふあぁ… 寒いですよぉ~ご主人さまぁ…っ」 男「なーに人間みたいなこと・・・ ・・・いや、とにかくほれ!散歩散歩っ!」 幼女99「はーい」 近所の公園・広場 タタタタタタタタタタタタタ! 幼女99「ハア… ハア…」 スタタタタタタタタタタタタタ! 幼女99「フウ… フウ…」 スタタタタタタタタタタタタタタタタ! 幼女99「ヒイ… ヒイ…」 幼女99「・・・」 幼女3598「ご主人さまーおんぶー」 3598飼主「よーし、ほら」 幼女3598「わーい」 幼女99「・・・」 幼女4771「あ、あのねぇ!マフラーカップル巻きにしてるのは寒いからだからねっ! 飼主のあんたが風邪で倒れられても困るだけなんだから…っ!」 4771飼主「はいはい、マフラー編んでくれてありがとうな」 幼女99「・・・」 男「幼女99? どうした?」 幼女99「!…」 男「・・・?」 …ギュ 男「?・・・幼女99?」 幼女99「…ご主人さま… 幼女99は…、今すごく幸せです…」 男「・・・うん・・・ 俺もだよ・・・」 ギュ 幼女99「ご主人さま… あったかいです…」 男「・・・」 ギュ 幼女99「もっと…ぎゅうって…してください…」 ギュウー 幼女99「はぁ… …幸せです、ご主人さま…」 678 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 06 00.73 ID CF.l0XA0 男・自宅 土曜日 20時【ハッピーエンド】ルート4 ザアア―――――――――――――― 男「雨・・・やまないなー・・・」 幼女99「・・・」 男「今日は昼頃からずっと降ってるな・・・せっかくの休みなのに、ついてない・・」 幼女99「…ご主人さま」 男「・・・」 ナデナデ 男「明日日曜だし・・・また幼女ショップ行くか!」 幼女99「ご主人さま…っ!」 男「新しい服も買って・・・ そうだ! 幼女用のおもちゃも必要だな? 帰りにお遊びコーナーにも寄って・・・幼女99のお友達たくさん作らないとっ」 幼女99「/// はいっ///!」 男「よし!じゃあご飯の前に風呂入るかっ!また背中流しっこするぞ~?」 幼女99「///」 ブーブー ブーブー 男「おっと・・・メールメール、会社からかな」 ピッ 男「・・・っ!」 幼女99「? ご主人さま…?」 …ピッ 男「・・・ごめん、先にご飯食べてて・・・ちょっと出かけてくるから」 幼女99「ご主人さま…?」 カチャ カチャカチャ 幼女99「あ…あの… そんなに…ごはん…」 男「・・・」 カチャカチャ カチャ… 男「幼女まっしぐら・・・3個分全部入れといたから・・・ お水も・・・ミルクもたっぷり入れとくから・・・ 行ってきます・・・」 幼女99「あ…っ! ご主人さまっ!」 ガチャ バタン 幼女99「…傘も持たずに… ご主人さま…」 ザアア―――――――――――――― 679 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 07 39.57 ID CF.l0XA0 近所の公園・砂場 土曜日 21時【ハッピーエンド】ルート5 ザアア―――――――――――――― 男「・・・」 ペシャ ペシャ ペシャ 男「・・・」 ペシャ ペシャ ペシャ… 男「・・・」 女「男・・・」 男「女・・もう・・・やめにしないか・・・? 俺たち、本当に・・もう、終わったんだよ・・・だから」 女「終わり・・・? 私・・・男の彼女だよ・・・? これからいっぱい将来のこと計画して・・子供つくって・・・ まだ・・・始まっても・・いないよ・・・?」 男「もうその話は済んだだろ・・? あれから何件メールしてくるつもりだよ・・・もういい加減にしてくれ・・・」 女「男・・本当は私のこと、好きでしょ・・・? あれだけ愛してくれたんだもん・・・本当に捨てたりしないよね・・・? ね・・・?」 男「・・・帰っていいかな」 女「・・・」 男「明日幼女99と出かけるんだ・・・引っ越す予定もしてる・・・ ・・・会社も辞めて・・・もっと幼女99と一緒にいられる時間を作りたいんだ・・ あいつもそれを望んでるし・・・俺もそう思ってる・・・」 女「・・・そう・・・ そんなにあの幼女が大事なんだ・・・ そう・・・」 男「・・・」 女「・・帰りなさいよ・・・あの幼女の所へ・・・」 男「・・・うん」 ペシャ ペシャ ペシャ ペシャ 女「・・・っ」 ドス…ッ ザアア―――――――――――――― 680 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 10 57.01 ID CF.l0XA0 【ハッピーエンド】ルート6 ザアア―――――――――――――― バシャ! バシャ… 男「うぐ・・っ! がっ・・・!」 女「いなくなればいい・・・っ! あんたも・・・あの幼女も・・っ!!」 ドスッ! ドスッ! 男「ぐはぁ・・っ!! ああっ! あ、ああ・・っ!」 ドスッ! ドチャ! 女「どれだけあんたにつくしてきたの・・!? どれだけあんたに抱かれたてきたのっ・・!? ずっと信じてきたのにっ!! 信じてきたのに―――――っ!!」 ドチャ ドスッ ドスッ ドチャ! 男「が・・っ あ・・っ あっ・・・」 女「うわああああああっ!! グスッ! ヒック! うわああああああああああああっ!!」 ドスッ ドチャ ドチャ! 男「・・・・・・」 ザアア―――――――――――――― 女「・・・」 ズチャ グチャ ブチ グチャ 女「・・・さよなら・・・ 男・・・ さよなら・・・ 男・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・」 ズチャ グチャ 女「さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ ブチャ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ グチャ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ グチャ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ ズチャ ベチャ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ グチャ グチャ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ ブチ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ グチュ ブチャ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・ さよなら・・・」 681 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 13 28.55 ID CF.l0XA0 男・自宅 土曜日 23時 【ハッピーエンド】ルート7 ザアア―――――――――――――― 幼女99「…グスッ エグ エグ…!」 女優『太郎・っ! お前・・・っ!ずっとあの人の帰りを・・・っ』 犬『くぅ~ん… くぅ~ん…』 女優『太郎・・・っ! こんなに痩せて・・・っ・・あの人はね・・・ あの人はもう・・いないの・・・っ! もう・・・帰って・・来ないのよ・・・?』 犬『くぅ~ん… くぅ~… ん… … …』 女優『あ・・・ああ・・っ! 太郎――――――――っ!!』 『太郎はずっとご主人さまの帰りを駅で待ち続けました 雨の日も、風の日も、冷たい雪の中でも・・ しかし、あの人は二度と帰ってはきませんでした これは・・・太郎の物語・・・』 幼女99「グスッ ヒック… 感動です~… ヒック…」 幼女99「…ご主人さま… 遅いです…」 ピンポーン 幼女99「ひゃあ…っ! だ、誰…?」 ピンポーン ピンポーン 幼女99「・・・」 ・・・・・・・・・ 幼女99「・・・」 タッタッタ 幼女99「…っ! ご主人さまの匂いっ!」 ガチャ! 幼女99「お帰りなさいっ!ご主人さまぁ!… …?」 幼女99「………ダンボール………?」 684 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 15 52.17 ID CF.l0XA0 【ハッピーエンド】ルート8 幼女99「ご主人さまの荷物…?」 ズリズリ… ズリズリ… 幼女99「んしょ…んーしょ! お、重たいです…っ」 幼女99「・・・」 ・・・・・・・・・・ 幼女99「ご主人さまの… 匂い… ダンボールの中から…」 ガサッ ビリビリビリ ビリ 幼女99「・・・」 ビリビリ パカ… 幼女99「・・・・・・・・・あ・・・・・・・・ああ・・・・・・・っ! ご・・・・主人・・・さ・・・・・・ あ・・・・・・ ・・・うっ…っ!」 ザアア―――――――――――――― 幼女99「ハア… ハア… ハアア…」 …パカ 幼女99「…ご主人さま?」 ・・・・・・・・・・・・・・ 幼女99「…ご主人さま?」 ・・・・・・・・・・・・・・ 幼女99「…ご主人さ… ま…」 ザアア――――――――――――――ゴロゴロゴロ 686 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/12(火) 22 18 29.37 ID CF.l0XA0 最終回 【ハッピーエンド】ルート9 ザアア――――――――――――――ゴロゴロゴロ ハムッ ハムッ ペチャ ペチャ ハムッ 幼女99「ご主人さま…っ! おいしいです…っ! ご主人さまのお肉…っ! とっても…っ!」 パクッ パクッ グチャ ベチャ 幼女99「おいしい… とってもおいしいですご主人さまぁ…っ! 幼女99…残しません…っ! 全部、全部食べますからぁ…っ!」 グチャ ネチャ ハムッ ペロッ… 幼女99「あふ… ご主人さま… ず―――っと一緒です… ず―――っと ずっと…」 ご主人さま…? 幼女99は今… と―――っても幸せですよ……………? ザアア―――――――――――――― 「幼女980円(税)」-後半-【ハッピーエンド】ルート 完
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536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 21 31 41.39 ID JHO39iEtO 男「すいませーん」 店員「いかがなさいましたか?」 男「いや、なんでこの幼女だけ安いのかな、って」 店員「ああ、コレですか……ちょっと製造過程でミスがあったことがわかりまして」 男「ミス? 外見は普通に可愛いけどな……中身?」 店員「いえ……実は、耳なんです」 男「髪に隠れて見えないが……聴こえないとか?」 店員「見た方が早いですね」 サラッ 男「!!!」 店員「実は工場の方で鼠に耳をかじられまして」 男「ぉ……おお……!」 店員「代わりとして猫耳をつけたらしいんです」 男「い、いいじゃん! これEじゃん! 買った!」 店員「ですがまだ問題が……」 男「ンなのどうでもいい! いくらだ!?」 店員「きゅ、980円です!」 男「ほらっ!」 チャリチャリン! 「あばよっ!」 ダダダッ! 店員「行ってしまった……ま、いっか」 幼「どら焼マンセー!」 男「……」 命名・のぶよ 558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 22 01 04.93 ID JHO39iEtO 男「すいません……のぶ幼女をクーリングオフしたいんですけど」 店員「まぁ……保証期間中ですし、いいですけど」 男「……こいつといると、何故かリーゼント風のチビガキと、音痴なガキ大将に襲撃をうけるんだ……」 店員「仕様です」 男「科学の進歩は間違った方向に進んでいる!」 店員「はいはい」 男「華麗にスルー……!」 店員「では、ご返品でよろしいのですね?」 の「……男クン」 男「……うっ」 店員「……本当に……よろしいのですか」 の「や、店員サン……僕はいいんだよ」 男「……のぶよ」 の「……なんせジョイアンに勝っちゃうんだから」 の「安心して未来へ帰れるよ」 ニコッ 男「帰れ」 の「それって僕の道具を飲んだから逆の意味でとっていいんだよNE!」 男「いや、違うから」 の「それもだよねアンアンアーン!」 570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 22 12 06.11 ID JHO39iEtO 店員「……ふっ」 男「……なに笑ってんだアンタ」 店員「失礼。お二人がまるで、兄妹のように見えたもので」 男「……」 店員「それでは、料金の980円を……」 男「あ、いや、やっぱいいや」 の「……え」 男「まぁ、あれだ、なんつーか」 男「一人で食うどら焼より、二人で食うどら焼のがウマイからな」 の「……お、お礼に夜の御奉仕もする!」 男「萎えた」 店員「仲良いですねぇ」 の「アンアンアーン!」 男「やかましいわ!」 その帰り道。俺はどら焼を四つ買い、千円をだした。 釣り銭は十円玉が二枚だった。 完
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223 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/05(水) 21 46 05.47 ID Vtcu.2AO ~忠幼女ハチ~26 《ハチと猫3~昨日の敵はやっぱ敵~前編》 ○月◇日 前庭にて 「ん…ここは…?」(←大の字に倒れてる俺 「あ、男さん気がついた!良かった~」(←しゃがみ込んで俺の顔を覗き込むハチ。顔近い。パンツ見えs 「ハチ…?あぁ、そうか俺はエロ猫にやられて…」 「大丈夫ですか?急に男さんが飛び出して行っちゃうから慌てて追いかけたんですよ。庭に出たら男さん倒れてるし……」(←ハチ、俺が起きるのに手を貸しながら 「心配かけてすまないな。もう大丈b…」 「ニャー」 「ぅおぁふ!?」ビクゥッ! 「そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ。ね、クロさん?」(←猫を抱き上げて頬擦り 「ニャー」 (…あれ?ハチはエロ猫のことは覚えてるのか…) 「ハチ、その猫いつからここに来るようになった?」 「四、五日前くらいからですかね。午前中によく来るんですよ」 「初めてあった時の様子覚えてるか?」 「はい、『ご主人さまが出掛けているときに一人で』サロンにいたときにクロさんが来たんです。そのときはお昼頃だったかな…?ミルクをあげたらとっても喜んでました」 「……そうか。(“ご主人さま”に関係がないことは覚えてるんだな…)」 224 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/05(水) 21 46 30.79 ID Vtcu.2AO ~忠幼女ハチ~27 《ハチと猫3~昨日の敵はやっぱ敵~後編》 ○月◇日 前庭にて 「それから、よくお屋敷に顔をだすようになったので“クロさん”っていう名前をつけたんですよ」 「よく顔をだす……だと?ハチ、変なことされてないだろうな!?」 「へんなこと……?じゃれてきたりはしますけど…ひぁんっ!?クロさんくすぐったいですよー!」 「ニャー」ゴソゴソスルスル(←猫、ハチのアンナトコやコンナトコにデタリハイッタリ 「アンナトコやコンナトコってどこじゃあぁぁっ!?このエロ猫っ!!これだから盛りのついた雄はッ!!!」 ブゥン!ヒラリ! 「また交わした!」 「ニャー」 ジリジリ(←両者、間合いを計っている 「あのぅ…お取り込み中悪いんですけど……クロさんは雌ですよ?」 「…………は?」(←俺、思わずハチの方に振り返る 「ニャー」 ピョイーンピト(←猫、ここぞとばかりに顔に(ry 「そんな、ならこの猫はレズっ娘…」 バリバリザクザクドシュドシュカスカーンウホホーイ! 「ごはぁッ!!」ドサッ 「ニャー」ストッ 「お、男さーーんっ!?」 286 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/06(木) 13 38 48.32 ID lBF9icAO ~忠幼女ハチ~28 《ハチとコンビニ・前編》 ○月◎日 サロンにて 「ハチ、コンビニ入ったことないの?」 「はい。買い物は商店街で済ませちゃうので…」 「ふーん。なら、これから俺と一緒にコンビニ行くか?」 「はい!一度入ってみたかったんですけど一人で入る勇気なくて……」 「ははは。そんなに大したとこじゃないぞ」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ウィーン 「いらっしゃいませー」 「す、すごいですねっ!いろんなものがおいてありますねっ!」 「おいおい、そんなに緊張しなくてもいいんだぞ」 タタタタ… 「これ!これはなんですかっ!?」 「……やれやれ、聞いちゃいねぇな。あんまりはしゃぎ過ぎるなよー」 タタタタ…コケッ!メゴシャンヌ!!(←ハチ、転倒 「言ったそばから…。すげぇ音だったけど…ハチ、大丈夫か?」 ムクッ、タタタタ… 「これはッ!?これはなんでしょう!?」 「テンション高すぎだろwwwwwwjk」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ありがとうございましたー」 ウィーン 「男さん!何買いました?」 「中華まん。二つあるから一つづつ食べようぜ」 「ここで食べるんですか?」 「コンビニでの買い食いは買ってすぐ食べるのが醍醐味なんだ。ただしポイ捨ては厳禁な」 「じゃあ、私はこの『“春風薫る桃園の誓い”まん』をいただきますねっ」 「よし、俺は『“血肉沸き躍る戦場の絆”まん』だな」 「……すごい名前ですね」 「中身は普通のあんまんと肉まんなんだがな……ほれ」 「ありがとうございます」 パクッモグモグ 「…!美味しいです!」 「だろ?このコンビニは中華まんが美味いんだ」 ジーッ…(←ハチ、俺に熱視線 287 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/06(木) 13 39 17.59 ID lBF9icAO ~忠幼女ハチ~29 《ハチとコンビニ・後編》 ○月◎日 コンビニ前にて 「……肉まんも食べたいのか?」 「はいっ!」 「(くっくっく、ちょっとからかってやるか)よし、一口やるぞ。…はい、あーん」 「……えっと、あの、その///」 「どうした、欲しくないのか?俺の肉まん」 「んっ…///」アーン(←ハチ、小さな口を精一杯拡げて パクッモグモグ 「(やば…興奮してきたww)どうだ?美味いか」 「はい、おいひぃでふ男ひゃんの肉まん…」(←ハチ、肉まんで口を一杯にし、頬を上気させながら 「(やばいやばいコレやばいww)…ハチばっかりずるいな。俺にもしてくれよ」アーン 「ふぇっ!?そ、そそれはっ!はは、はず、恥ずかしいですよぅ…!!」 「…してくれないの?じゃ、もういいや」ツーン(←俺、そっぽを向く 「あ…ご、ごめんなさい…。いいですよ…はい」(←ハチ、ちょっと涙目 ツーン 「…グスッ。…………さい…」 「ん?なんだ?聞こえないなぁ」 「ハ、ハチのあんまん、食べてください!」(←ハチ、涙目、赤面etc. 「………………………ふ、ふぉぉおぉぉおぉおおぉぉぉッ!!」ブチッ(←何かが切れた音 「お、男さん…?」 クンクン「ハチの(あんまん)…いい匂いがする…」 パクッモグモグゴクン 「…ふぅ。ハチの(あんまん)…柔らかくて甘くて…すごく美味しいよ…」 「は、はぁ…」 「うふふ、このままハチのことも食べちゃいたいな」 「お、男さん…なんか怖いですよ…」 「さぁさぁハチ。僕と一緒にk…」 ガリガリバリバリスパスパシャキーンザシュッ! 「うべぁ!?」ドサッ 「ニャー」 「まったく…なにやってんだか…」 「クロさん!おばさん!」 「この馬鹿にはちょいとばかしキツイお仕置きをしとくからね」 「あの…あんまり痛くしないであげてくださいね」 「はいよー」ズルズル(←俺、引きずられて退場 ◎日追記 あんなこともうしません。肉切り包丁怖い。クロ怖い。やめてやめてやめてやめてやめてやめて。 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごm(ry 288 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/06(木) 13 41 15.26 ID lBF9icAO ~忠幼女ハチ~30 《ハチとお花見》 ○月※日 商店街にて 「あれ…?肉屋が閉まってる…」 ヒラヒラ 「貼紙…?なになに…」 『お兄さんへ。今日は商店街の花見の日だ。ハチちゃんも来るから××公園に来な』 ××公園にて ワイワイガヤガヤ 「おぅ、お兄さん!来たねぇ!」 「おばちゃん…もう大分出来上がってますね」 「ハチちゃん気をつけな!このお兄さん変態だからねぃ!あははは!」 「そーなんれひゅかー!きをつけまひゅぅ!」フラフラ 「うぉ!?ハチもかよ!!」 「ぅにゃーん」ゴロゴロ 「これは、マタタビ?クロも酔ってる…のか?」 「よし、お兄さん!私と野球拳しよう!」 「嫌ですよ!なんでおばちゃんと!?」 「じゃぁ、わたひとひまひょー!」 「その勝負、のったぁぁぁっ!!」 「やっぱりへんたいれしゅねー♪」フラフラ 「ぅにょーん」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「うぅ…パンツ一丁になってしまった…」 「きゃはははは!おとこひゃんよわいれひゅねー」フラフラ 「うにー」 「はっ!そういえばおばちゃんは!?」 「どうだい、源さん!萌えるかい!?」クイックイッ 「萌えるよ!萌え萌えだよー!」(←八百屋の源さん(63) 「おばちゃんなんでメイド服きてんの!?あぁ目が腐るぅ!!」 「失礼だね!あんたもよく見ときな!レアものだよ!」クイックイッ 「やめてぇ!…うわ!ハチ、パンツ引っ張るな!」 「おとこのくせにうるひゃいでひゅよ~!」フラフラ 「むにょーん」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ――――数時間後。 「つ、疲れた…。みんな酔い潰れて眠っちまったみたいだな…」 「むにゃむにゃ…」 「ハチ、酒癖悪すぎだろ…。でも寝顔はかわいいなぁ」 「んみゅ…ごしゅじんさま…」 「…………」 「…おとこひゃんも……」 「!!」 「…おばひゃんも……クロひゃんも……みんな…だいしゅきれふ…」 「…………」 「だから…かえってきて……むにゃむにゃ」 ナデナデ 「桜、ほとんど見れなかったな……」 289 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/06(木) 13 42 50.47 ID lBF9icAO ~忠幼女ハチ~31 《ハチと買い物・前編》 ○月∞日 ペットショップにて 「ありがとうございましたー」 ウィーン 「これでクロさんの餌も大丈夫ですね♪」 「ホントにクロの事飼うのか?」 「はい!野良だといろいろと危ないですし、クロさんもお屋敷を気に入ってるみたいですから」 (う~む…心配だ…) 「これ、クロさんにプレゼントしようと思ってるんです」 「首輪か。いいんじゃないか?」 「赤くて鈴がついてて…絶対クロさんに似合うと思います!」 「そうだな、きっと似合うよ。…さて、次の買い物に向かうか」 「はい!」 幼女ショップにて ウィーン 「いらっしゃいませー」 (初めて幼女ショップに入ったが…ペットショップとそっくりだな…) 幼女A「そこのお兄さん、私を買ってくださらない?」 B「べ、別に買ってくれなんて言ってないんだからな!」 C「……買って。」 (……なんだか、嫌な感じだな…。ハチと同じ幼女が売られているなんて…) ハチ「あのー、YONY製の幼女フードはどこですか?」 店員「こちらになりまーす」 俺「ハチ、幼女フードってなんだ?」 ハチ「栄養バランスを考えて作られた幼女用の飼料ですよ。三日に一度はこれを食べないと調子が悪くなっちゃうんです」 俺「飼料、ねぇ…」 ハチ「普段はYONY社から送られてくるフードで済ませてるんですけどね。今日は送られて来た分が尽きちゃったんで買いに来たんですよ」 俺「さすがはYONY社長の幼女だな(社長が変わってもまだ送られて来るのか)」 ハチ「だから実は私、幼女ショップ入るの初めてなんです」 俺「え?ハチはショップ出身じゃないのか?」 ハチ「はい。私はご主人さまのオーダーメイドなので」 俺(…ハチって実はすごいのか?) 290 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/06(木) 13 43 06.14 ID lBF9icAO ~忠幼女ハチ~32 《ハチと買い物・後編》 ○月∞日 幼女ショップにて ジーッ 「ハチ、何見てるんだ?」 「あ、えっと…なんでもないです!」 「幼女用アクセサリー…?欲しいのか?」 「…あの、その…」 「どれが欲しいんだ?買ってやるよ」 「え、えぇぇ!?でも…」 「遠慮すんなって!」 「……じゃあ、コレを……」 「…………首輪?」 「はい…クロさんとお揃いかなーって…」 「駄目だ」 「えっ!?」 「首輪は駄目だ。ハチは…動物じゃない…人間だ…!」 「お、男さん…。……それなら、このリボンがいいです。赤くて鈴がついたリボン」 「ごめんな。俺がわがまま言っちまって…」 「いえ、嬉しかったです///やっぱり男さんはご主人さまに似てます♪」 「“ご主人さま”もそう言ってたのか?」 「はい!」 「そうか…(“幼女”って何なんだろうな…。なぁ“ご主人さま”?)」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― お屋敷・正門前にて 「今日はありがとうございました。おばさんに私の買い物に付き合えって言われたんですよね?」 「まぁな。でも俺も楽しかったし」 「…男さんは不思議な方です。初めて会ったはずなのに、懐かしい感じがします」 「俺が“ご主人さま”に似てるからじゃないか?」 「そう、でしょうか…?(それだけじゃない気がするんだけど…)」 「さて、暗くなってきたし帰るとするかな」 「あ!男さん…送って下さってありがとうございました」 「いいよ、気にすんな。それじゃ!」 テクテクテクテク… 「男さぁん!!」ブンブン(←ハチ、門の前で手を振りながら 「ん~?」(←俺、振り返る 「また明日、会えますかぁ!?」 「…………あぁ!会えるぞぉ!!きっとなぁ!!」ブンブン 291 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/06(木) 13 43 48.28 ID lBF9icAO ~忠幼女ハチ33~ 《ハチと幼男・1》 ○月♪日 商店街にて 「え…ハチが買い物に来てない?」 「あぁ、いつもなら来てる時間なのにねぇ…」 「ちょっとお屋敷見てきます!」 「頼んだよ!」 お屋敷前にて 「門に鍵が掛かってる……留守なのか?」 再び商店街 「ハチ、居ないみたいです…。門に鍵が掛かってました」 「…そういえばハチちゃんは買い物に来る前に、××公園に散歩しに行くことがあるって言ってたね」 「わかりました!ハチを捜してきます!」 (なんだか…胸騒ぎがする……!) ××公園・数十分前 「クロさん、今日もいい天気ですねー♪」 「ニャー」 テクテク… 「桜が綺麗ですよねっ!」 「ニャー」 テクテク… (…!…ろ…?……ぜ!) 「…なんですかね?公衆トイレの裏から…?」 幼女「いやぁ!お願い、やめて!誰か助けて!!」 幼男A「てめぇ、大人しくしやがれ!」 幼男B「ふ、だれも助けになんか来ませんよ」 幼男C「さっさと犯らせるでぷよー」 ハチ「こらーっ!止めなさーいっ!!」 A「なんだテメェ?邪魔すんじゃねぇよ!!」 ハチ「その子のこと離しなさい!怖がってるじゃない!」 B「何事かと思えば貴女も幼女じゃないですか。どうです、一緒に楽しみませんか?」 ハチ「お断りします!」 C「なんでもいいからさっさと犯らせるでぷ!」 ハチ「なんでもいいからさっさとその子を離しなさい!!」 A「だれが離すかよ!飛んで火に入る夏の虫だぜ!テメェも犯してやんよ!!」 ガバッ! ハチ「くっ…!」 292 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/06(木) 13 44 22.31 ID lBF9icAO ~忠幼女ハチ~34 《ハチと幼男・2》 ○月♪日 ××公園にて クロ「シャーッ!」 バリバリ! A「ぎゃあぁっ!?」 クロ「フーッ!!」 A「この糞猫ぉぉっ!!」 ブゥン!ヒラリ!バリバリバリバリ! A「ふ、ふざけやがってぇぇぇ!」 クロ「フゥーッ!!!」 ガンッ! クロ「ギャンッ!?」 C「でぷぷぷぷ♪」 ハチ「クロさん!!!」 B「所詮下等な獣ですね。我々幼男の相手にはなりませんよ」 ハチ「一対三なんて卑怯だわ!」 B「勝てもしないと判っているのに飛び込んでくる貴女やこの猫よりは賢いやり方だと思いますけどね」 ハチ「うるさいわね!困っている子を見捨てられるはずないでしょ!?」 B「なかなか気の強いお方だ。お見受けしたところ貴女は飼い幼女ですね?」 ハチ「そ、そうよ!」 B「ふふふ、そこの野良幼女よりは楽しめそうです…。どうです。取引をしませんか?」 ハチ「取引…?」 B「えぇ、そこの幼女と猫を見逃す代わりに貴女に我々三人の相手をしていただきましょう。もし、断れば…お二人も猫もただでは済まないでしょうね」 A「へへへ、面白れぇ!素直に従えよ?でねぇと命の保証はできねぇぜ!?」 C「早く犯らせろでぷ!」 ハチ「………分かったわ」 B「ご理解頂けて大変恐縮です」 ハチ「早くその子とクロさんを離しなさい…!」 A「ほら!行けよ!」 幼女「きゃあ!!」 ハチ「大丈夫ですか?怪我は?」 幼女「は、はい…。でもこのままだと貴女が…!」 ハチ「私は大丈夫ですから…この子を、クロさんをお願いします。まずはこの公園の近くの商店街のお肉屋さんに行って下さい。そこに頼れるおばさんがいますから」 幼女「わ、解りました…!」 ハチ「さ、早く行って!」 幼女「は、はい!」 タタタタタ…… B「では始めましょうか。いい声で鳴いてくださいよ?」 A「くくく、死ぬほどヨガらせてやるぜ」 C「でぷぷぷぷ♪」 492 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/09(日) 20 59 21.45 ID CiO5fAAO ~忠幼女ハチ~35 《ハチと幼男・3》 ○月♪日 ××公園に続く道路にて 「ハチーッ!どこだーッ!くそ、事故にでも遇ってなきゃいいが…!」 ヨタヨタ… 「ん?あれは…野良幼女か?随分ボロボロだな…」 ヨタヨタ… 「あれ…あの子が抱いてる猫って…あの首輪……クロかッ!?」 ヨタヨタ… 「き、君!その猫どうしたんだ!?」 「あ…あぅぅうぅう…助けて…助けて下さい…!私…襲われて…助けてくれて…でも…だめで…代わりに…私の代わりにッ…!」 「落ち着いて!何が起こったんだ?」 「私…幼男に襲われて…知らない幼女さんと猫さんが助けに来てくれたけど…猫さんはやられちゃって…」 「幼男だと…!?最悪だ……!」 「それで幼女さんは…私の身代わりに…。私、お肉屋さんに助けを呼びに行くように言われて!早くしないと幼女さんが…幼女さんが…!」 「…君が幼男に襲われた場所を教えてくれ」 「えっと…公園の奥の方のトイレの裏です!」 「ありがとう。あとは俺に任せろ。君は肉屋にいっておばちゃんに事情を話すんだ。いいね?」 「は、はい…」 「クロのこと、頼むよ!」 ダッ!ダダダダダ… 「はいっ!」 ××公園・公衆トイレ裏 レロォ… ハチ「んっ……」 A「ん~なんだぁ?首がいいのかよ?」 ハチ「そんな訳……ぅあ!?」 プニプニ C「ぷぷぷ♪ぷにぷにでぷ!おパンツがちょっと湿ってるでぷよ~」 ハチ「触らないで!!」ガンッ! C「痛いでぷ!反抗的な態度にはこうでぷ!」 プニプニプニプニプニプニプニプニ ハチ「………~~~~っ!?」 B「ふふふ…いい顔です。しかし我慢強いお方だ。なかなか声を上げませんね?これは鳴かせ甲斐があります」 ハチ「…っはぁはぁ……クロさんとあの子は…無事なの…?」 B「えぇ。これでも約束は守る方なんですよ?お二方とも開放して差し上げました」 ハチ「そう…良かった…」 A「グダグダしゃべってんじゃねぇよ!オラ!」ムチュウ ハチ「むぐ…!?」 チロチロプチュクチャペロペロ… A「ぶはぁ…!へへへ、キスうめぇじゃねぇか!」 ハチ「…ぷはっ!…全然嬉しくないわね」 C「パンツが濡れ濡れになってきたでぷ!我慢できないでぷ」 ペロペロペロペロ ハチ「ふぁぁっ!?」 B「ふふ、感じていますね。それでは私も愉しませて貰いましょう」 ビリビリィッ! 493 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/09(日) 21 00 52.72 ID CiO5fAAO ~忠幼女ハチ~36 《ハチと幼男・4》 ○月♪日 ××公園・公衆トイレ裏 ハチ「あっ!?」 B「ふむ、なかなか形のよい乳房ですね。幼女にしては大きいほうです」フニフニ ハチ「う…ぅぅう…」 B「こんなに乳首を硬くして…いやらしいですねぇ」コリコリコリクリクリクリクリ ハチ「ふぁぁ…」 B「ふふふ、気持ちいいんですね」 ハチ「ち、違っ…気持ち良くなんか…!」 B「どうでしょうねぇ?……ハム」チュウチュウフャフャレロレロ ハチ「ひぁぁ…」 B「ふふふ…」カリッ ハチ「うぁあぁぁあぁああぁあああぁんッ!?」プシュプシュッ C「うわ、なんかでたでぷ!」 A「潮噴きやがった!とんだエロ幼女だなぁ!ひゃはははは!」 ハチ(う…うぅ…ご主人さま…ご主人さま…) C「ふぅーっ!ふぅーっ!そろそろ挿入れたいでぷ!!」 A「オラァ!起きやがれ!ここからが本番だぜぇ!?」 ハチ「うぅ…」 B「それでは私からいかせて貰いましょうか。脱がせますよ?」 ズルズルベシャ C「ヒックヒクのヌレヌレでぷぅ♪」 A「小っせぇまんこだなぁ!処女かぁ!?」 B「ふむ、貴女ほどの幼女に手を出さないとは貴女のご主人さまは相当の変わり者ですね」 ハチ(ご主人さま…助けて……。ご主人さま…ご主人さま…ご主人さま…!) ガシッ B「それではいきますよ?処女だからといって労らないので覚悟して下さいね」 C「ぷひゃひゃぁ♪やっちまうでぷぅ!」 A「ぎゃはははははは!たっぷりヨガれよぉぉぉぉ?!!」 プチュ ハチ(ご主人さまご主人さまご主人さま…助けて…ご主人さま…) ハチ「助けてぇぇぇぇぇぇッ!!ご主人さまぁぁぁぁぁッ!!!」 ?「おぅ、任せろ」 ドガァァッ!! B「ぎゃあぁあぁッ!?痛い!痛いぃぃいぃ!?」 A「な、なんだってんだ!?」 C「に、人間でぷぅッ!!」 ハチ「ご、ご主人…さま……?」 俺「悪いな、ハチ。俺はお前の“ご主人さま”じゃないんだ」 ハチ「で…でも…でも……」 俺「ハチ。お前は今、混乱してるんだよ。大丈夫、俺が来たから。君を守るから。少し休んでるといい」 ハチ「ご主人……さま……」 スゥスゥ…… 俺「ハチ…よく頑張ったな。遅くなって、ごめん」 494 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/09(日) 21 01 20.57 ID CiO5fAAO ~忠幼女ハチ~37 《ハチと幼男・5》 ○月♪日 ××公園・公衆トイレ裏 B「貴…様ァァァッ!よくも邪魔してくれたなぁぁぁ!!」 A「あ~あ、切れちまったよ。コイツ交尾を邪魔されるのが一番嫌いなんだよなぁ」 C「切れたBは何するか解らないから怖いでぷ」 B「殺ス…!殺ス殺ス殺ス殺ス!!貴様を殺して、そいつを犯ってやらぁぁぁぁッ!!!」 俺「“そいつ”じゃねぇ。“ハチ”だ、野良幼男ども」 B「うるせぇえぇぇえ!!死ネぇえぇぇぇッ!!!」 ブゥン!ヒラリ 俺「悪いな、お前ら如きには殺されないよ」 バキィッ! B「ぐぁぁ…!?」 俺「君さぁ、切れると何するか解らないらしいけど、俺もそうなんだよねぇ」 ドゴォン! B「ぎぃぃい!?」 俺「おばちゃんにもよく言われるんだよねぇ。もう少し感情を押さえられないのかい、ってさ。おっと…逃げちゃだめだよ」 バガン!! B「ぶげぇぇ!!」 俺「うん。まぁ、つまりはさ。俺、怒ってるわけよ。ね?だから、さ……」 B「ひぃぃぃぃ…!!」 A「おい!B!大丈夫か!?」 C「ひ、酷いでぷ…」 「ハチに手をだした奴らは皆殺しじゃああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!」 A「に、逃げるぞ!」ダッ! B「ひぃ、ころ、殺されるぅ…!」ヨロヨロ… C「お、置いてくなでぷぅー!!」ドタドタ… 俺「逃がさねぇぇえぇえぇぇえッッッ!!!!!!!!!!」 ドゴォォォォオオオン!! ABC「ピギィィィィィ!?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「やれやれ…派手に暴れたねぇ」 「おばちゃん!」 「いきなりクロを抱えた野良幼女が店に来たから驚いたよ」 「よかった。無事に着いたんですね、あの幼女」 「話を聞いたらハチちゃんのピンチだって言うじゃないかい。それで慌てて店を閉めて飛び出して来たんだけど…」 ハチ「スゥスゥ…」 ABC「キュー………」 「もう、大丈夫みたいだね。やれやれ」プカー 495 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/09(日) 21 01 36.10 ID CiO5fAAO ~忠幼女ハチ~38 《ハチと幼男・6》 ○月♪日 ××公園・公衆トイレ裏 「で、これからどうするんだい?」 「とりあえず、ハチの着替えを用意しないと…」 「ここからお屋敷はちょっと遠いね。ウチにおいで。孫のお古がどこかにあったはずだよ」 「わかりました。あ、クロとあの野良幼女は…」 「クロならちょっとびっくりして気を失ってただけみたいだね。大丈夫、心配ないよ」プカー 「野良幼女は…?」 「…このまま放り出したら、保健所行きだろう?ウチで面倒見てやるよ。店の手伝いくらいはして貰うがね」 「良かった…。それから…頼みがあるんですが」 「なんだい?」 「こいつらに例の“お仕置き”しといてくれませんか?」 ABC「キュー……」 「あんた…鬼だね……」 「徹底的にやらないとまたハチに危害を加え兼ねませんから」 「わかった。やっておこう。…さ、立ちな。ハチちゃんと幼男を店に運ぶよ」 「はい。…………あれ?」 「どうしたのさ?」 「は、ははは…腰が抜けて立てません」 「…………はぁ」 「だって怖かったんですよぉ!?もしナイフとか持ってたらと思うと…」 「しまらないねぇ…」 「ううう……」 496 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/09(日) 21 04 38.96 ID CiO5fAAO ~忠幼女ハチ~39 《はじめまして・C》 ○月♪日・肉屋の奥にて 「ハチ、目を覚ましませんね」 「疲れてるんだろ。いろいろと大変だったからね」 「そうでしょうね…」 「お兄さん。着替えもさせたし私もいつまでも店を閉めとく訳には行かないから、ハチちゃんに付いていてあげてくれないかい?」 「わかりました」 「…あ、そうだ。コレをハチちゃんに渡しといておくれ。この子がつけてたものだから」 「……!はい!」 ――数十分後。 「…ん…ぅうん…」 「お、目が覚めたか」 「……ふぁ?…おはようございます…」 「おはよう」 「えと……ここは……」 「肉屋。おばちゃんの家だよ」 「あぁ…そうですね…むにゃ」ポスッ…スピースピー 「寝るのかよ!」 「はっ!?」ガバッ 「おはよう」 「お、おはようございます…。あのぅ…あなたが私を助けてくれたんですか?」 「ん…まぁね」 「ありがとうございます」 「お礼を言われるようなことじゃないな。それより体はなんともないか?」 「はい、大丈夫です。……あ」 「どうした?」 「リボンがない…」 チリリン(←リボンについた鈴の音 「これか?着替さえる時におばちゃんが外したみたいだな」 「よかった。大切なものなんです…」 「………」 「これは…記憶があやふやなんですけどね。本当に“昔に”大切な人に貰ったリボンなんですよ」 「くれたのは“ご主人さま”じゃないのか?」 「いえ、ご主人さまではなかった…と、思います。不思議な話ですよね、大切な人のはずなのに顔も思い出せないなんて…」 「…………」 「いつか思い出せるんでしょうか。それとも…」 「ニャー」トテトテ…チリン(←首輪の鈴の音 「あ、クロさん!!良かった…無事だったんですね♪」 「ニャー♪」スリスリ(←クロ、ハチに纏わり付く 「(ったく…このエロ猫は…)おい、ハチ。腹減ってないか?」 「あ…はい!」 「おばちゃんも忙しいみたいだからな。俺が作ってやるよ」 「あ、ありがとうございます。えぇと…」 「ん?そういや、今日はまだ名前言ってなかったな。男だ。よろしくな、ハチ」 「よろしくお願いします、男さん!」 「じゃあ…昼飯はミートソーススパゲティーでいいか?」 「はい!お昼ご飯、楽しみです♪」 497 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/09(日) 21 04 52.76 ID CiO5fAAO ~忠幼女ハチ~40 《forget-me-not》 ○月@日 サロンにて 「ハチは普段なにしてるんだ?」 「普段…ですか?ご主人さまの身の回りのお世話をしてますけど」 「み、身の回りのお世話……ゴクリ」 「お、男さん変なこと考えてるでしょっ!?う~…あの…その…そーいうことはしてませんっ!って、何言わせるんですか!もぅっ!」ポカポカ 「わはは!すまんすまん!…俺が聞きたかったのは一人でいるときのことだよ」 「う~ん、そうですねぇ…。お屋敷のお掃除をしたり、お散歩したり、本を読んだり…あとは花壇のお手入れですね。これが一番好きです」 「ほほぅ」カリカリ 「なんでメモするんですか!」 「ん~、どうしてだろうなぁ?」 「も~…まぁ、いいです。花壇の話ですけどね、ほら見えます?」 「ん?どれだ?」 「ほら、あの青い花です」 「あぁ、ワスレナグサだろ?」 「あれ?男さん意外と物知りですね」 「意外と、ってなんだよww」 「じゃあ、もしかして花の名前の由来って知ってます?」 「あぁ。ドイツだかの神話で悲恋ものだったよな」 パチパチ「すご~い!どうしてそんなに知ってるんですか?」 「……ある人に教えて貰ったんだよ」 「ある人?……あ~!もしかして恋人とか!?そうでしょ、男さん!」 「どうなんだろうな。俺にとってあの人は、あの人にとって俺は、どういう存在なんだろう?」 「……どんな方なんですか?」 「そうだな…。とても優しくて困ってる人は放っておけない人だよ。たまに自分の危険も省みなかったりするから、ちょっと危なっかしいんだけどな」 「ほほぅ」カリカリ 「なんでメモするんだよww」 「お返しです♪」 「俺はあの人ともっと仲良くなりたい。でも、それは今は無理なんだ。だからせめて…あの人の近くにいて幸せを護ってあげたいと思うんだよ」 「男さん。私にはその方が男さんのことをどう思っているかは解りません」 「…そうだよな」 「でも、私が思ったことなら言えます。男さんは素敵な方ですよ。今日会ったばかりだけど、それだけは分かります。だから自信をもってくださいね♪」 「ありがとう。ハチにそう言われると本当にそんな気がしてくるぜ」 「本当ですよ~!…あ、そうだ!ワスレナグサの花言葉、知ってますか?」 「いや…そういえば知らないな」 「ふふ、なら教えてあげます。二つあるんですけどね―― 498 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/09(日) 21 05 06.18 ID CiO5fAAO ~忠幼女ハチ~41 「『僕を忘れないで』それに『真実の愛』ねぇ…」 そこまで書いて俺はノートを閉じた。 「一つ目はともかく、二つ目はどうなんだ?」 そもそも俺のハチに対する感情が恋愛感情かすらはっきりしないのだ。う~む。 「なに書いてるんですか?」 「ぅおわっ!?…なんだよ、ハチか…」 「なんだよってなんですか!もぉ!」 「あんまりもーもーいってると牛になるぞ?」 「な~り~ま~せ~ん~!」 ハチとじゃれ合いながらそっとノートを隠す。 このノートはもっとハチのことを理解するために書き始めた日記のようなものだ。 ハチの“記憶”にない彼女の記録を見せたらどんなことが起きるか解らない。だから、コレはまだハチには見せられないのだ。 まぁ、俺の書き溜めたくっさい事や恥ずかしい事を見られたくないというのもあるが。 「もういいですよ~だ!私、クロさんとお話ししてますから」 「ニャー」 ありゃ、ちょっとからかい過ぎたか。拗ねてしまったようだ。 「ごめんごめん。俺が悪かったよ」 ジトーッとハチが睨んでくる。そして、彼女の腕の中には勝ち誇った顔でクロが抱かれていた。 「悪かった。反省してます」 「本当に…?」 「本当に」 「なら…いいですよ。ホントは怒ってませんでしたから♪」 打って変わって可憐な笑顔を浮かべるハチ。うむ、実によい。 「あ、3時になりましたね。紅茶とお菓子もってきますね」 「おぅ、頼んだ。ハチの煎れた紅茶は美味いからなぁ」 「私、男さんに紅茶煎れたことないですよ?」 「いや、料理も美味かったからな。飲まなくても分かるさ」 ホントは何度も飲んでるけどね。 「もぉ…///。じゃ、煎れてきますね」 「ニャー」 タタタタ… 終焉は、突然訪れる。 「急がなくていいぞー。ハチはすぐこけるからなー」 その日、俺とハチの平穏な日常は。 コケッ! 「言わんこっちゃない!大丈夫かー?」 「…………」 ――終わりを告げた。 「…ハチ?どうした…?」 「…………」 「ハチッ!おい、ハチ!?起きろよ!ハチッ!!」 「……はぁ…はぁ……」 「ハチーーーーーーーーーーッ!!!!!!」
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560 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/11(火) 00 00 59.18 ID 6zIckMAO ~忠幼女ハチ~42 「……ハチどうしたんですか」 「…………風邪だよ。だが……」 「だが……?」 聞き返したが、白衣を着た老医師は何も答えず目を閉じていた……。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 俺は倒れたハチをすぐに病院に連れていくことにした。 幸いな事にお屋敷のある住宅街の側には、幼女科のあるそれなりに大きい病院があるのだ。 「…ぁ…う…さま…」 ハチを担ぎ上げると、彼女は何か譫言を言っていた。 「すげぇ熱…!ハチ!しっかりしろ!すぐに病院に着くからな!!」 「……さん…ごめ…な……い…」 「喋らなくていい!無理をするな!」 このやり取りを最後にハチは完全に意識を失った。 病院に着くと軽い診察の後、直ぐにハチは連れていかれてしまった。 そして、俺はこの老医師からハチの容態の説明を受けようとしているのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 一度大きく息を吐くと、ゆっくりと老医師は口を開いた。 「君は…幼女という生き物についてどこまで知っているのかね?」 「まってくれ!俺はハチはどうしたんだって聞いてるんだ!!」 回りくどい質問に俺は思わず立ち上がって激昂する。 「落ち着きなさい。これは重要な質問だ。もう一度聞くよ。君は幼女についてどこまで知っている?」 老医師に諭され、仕方なく座り直す。この医師相手に叫んでもしかたないのは分かっている…。 「……幼女は十年ほど前に開発された愛玩及び飼い主の補助を目的の近人類型遺伝子保持生物…でしたっけ」 ちなみに幼男は幼女の後に開発された雄個体だ。 「その通り。一昔前の犬のような立場だね。他には?」 「ん…人語を解し、操れることに加えその愛くるしい容姿から人気が爆発。YONYを始めとした大企業の参入により一気に世間に普及した…。こんなところです、俺が知ってるのは…」 「そうか…まぁ一般に知られてるのはそれくらいだね。じゃあ…幼女の生態については?」 「…ほとんど知りません。人間に非常に近いってことくらいしか…」 生態も何も…俺は幼女は少し外見の違う人間と考えていた。 「それは少し違うね。確かに幼女は大変人間に近い生き物だ。稀なケースだが、人と幼女の間に子供が出来ることも確認されている」 「そうなんですか?」 幼女を性欲処理のはけ口にしてる奴らは多いがそんなことは初耳だ。 561 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/11(火) 00 01 12.89 ID 6zIckMAO ~忠幼女ハチ~43 「幼女にいろいろと特殊な手を施した上で、だからね。さて、幼女と人間の最大の違いは何か解るかな?」 「幼女と人間の違い?」 なんだろう。考えた事もなかった…。 「読んで字の如くさ。“幼女”は人間より早く、成長が止まる」 「あ…そうか」 考えてみれば当たり前だ。それが“幼女”のウリなのだから。 「でも、それが一体…?」 「幼女の年齢は外見ではほとんどわからない。少なくとも一般人にはね」 「???」 この老医師は何が言いたいんだ? 俺が混乱していると医師は再び口を開いた。 「……少し、君の幼女…ハチ君だったか。彼女について聞かせて貰うよ」 「…!はい。あ、でもハチは俺の幼女ではないんです。俺は幼女を飼った事はないし…あいつの“ご主人さま”はもう…」 「なるほど…なら解らないのも無理はない、か」 「すみません…」 「いや、いいんだ。まずは質問に答えてくれたまえ」 「はい」 ゴホン、と老医師は咳ばらいをした。 「ハチ君はよく転ばないかい?」 「え…あ、はい…。よく…転びます」 思わぬ質問だった。転ぶのはハチの“性質”じゃないのか? 「ふむ…では次。ハチ君の前髪の白髪は元からかい?」 「いえ…違うと思います。前に聞いたら白髪に気付いて驚いてましたから」 「最後の質問だよ。ハチ君は…何歳だい?」 「七歳以上…なのは確実です」 飛行機事故。ハチのご主人さまを奪い、彼女の足枷となっている事件。ハチは七年も“同じ日”を繰り返しているのだ…。 「そうか…やはりな」 老医師はカルテになにか書き込むとこちらに向き直った。 「ハチ君は…ただの風邪じゃない」 「風邪じゃ…ない?」 うむ、と老医師は頷く。 「倒れたのは風邪だけが原因じゃない。もう一つの原因、それは……」 そして、彼は決定的な一言を告げた。それは――。 「老衰、だよ」 563 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/11(火) 00 01 56.95 ID 6zIckMAO ~忠幼女ハチ~44 「老……衰……?」 は…………? 「先程検査したところ、ハチ君の脚は老化によってひどく筋肉が減少していたよ」 待て、待て待て待て…… 「それと白髪だがね。白髪は外見でわかる幼女の数少ない老化現象なんだ。そうなる前に死亡する幼女が多いから、余り知られてないがね」 何、それ? 「待ってくれ…ハチが…老衰…?あんなに小さいのに……?」 「……『幼女の年齢は外見では解らない』んだよ」 「う…うぅ…」 「そして、覚悟して聞いてくれ。ハチ君の年齢は七歳以上らしいが…」 「…………ぁぅ…」 聞きたくない…聞きたくない… 「幼女の平均寿命は四年から五年」 「ぅ、うぅう…」 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…。 「ハチ君は、いつ亡くなってもおかしくない年齢なんだよ…」 「うわぁあぁぁあぁああぁ……」 何かが、ガラガラと音を立てて崩れた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「……落ち着いたかね」 コトリ、と老医師はコーヒーの入ったカップを俺の前に置いた。 「……はい」 「さっきはあんな風に言ったがね、ハチ君が今すぐ亡くなってしまうという訳じゃない」 「……はい」 「一週間後か一ヶ月後か…はたまた一年後か…。ともかく覚悟だけはしておいて欲しいんだ」 「……はい」 俺は…ハチに何をしてやればいいのだろう。 「さて、これからの事だがハチ君には大事をとって三日ほど入院してもらうよ」 「見舞いに来てもいいですか…?」 「あぁ、もちろんさ。ハチ君も喜ぶよ」 「……どうでしょう」 「?」 ハチは明日にはまた俺の事を忘れているだろう。 「今、ハチに会えませんか?」 「う~ん…まだ眠っているよ?」 「構いません」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ハチは病室で静かに眠っていた。 俺はベッドの横の椅子に座ったり、ハチの手をとった。 「ハチ、聞いてくれ」 「…………」 「俺はハチに大切なモノをたくさん貰った。だから、俺はハチに恩返しをしたい」 「…………」 「まだ何をすればいいのか解らないけど、必ずする」 「…………」 「だから待っててくれ。やるべき事を見つけてくるから」 「…………」 「例え君に忘れられていてもいい。俺が戻るまで、待っててくれよ…」 俺はそっとハチの手を離すと、静かに病室を後にした……。 614 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/12(水) 01 05 08.75 ID JIM8EsAO ~忠幼女ハチ~45 俺は病院から出たその足で商店街に向かった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「そうかい…。ハチちゃんがね…」 そう言っておばちゃんは煙草に火を付けた。 「俺は…どうすればいいんでしょう…」 解らない。ハチのために何が出来るのだろう。 「はぁ…。あんたねぇ…本当に情けない面してるよ、今」 「でしょうね。自分でも分かってますよ」 「なら、シャンとしな。うじうじしてても始まらないよ!」 おばちゃんはバシンと俺の背中を叩いた。 「…なんで」 「うん?」 「なんでおばちゃんはそんなに動じないんですか?なんでハチがあんな状態なのに平気な顔してるんですか!?」 不思議だった。 あんなにハチを可愛がっていたおばちゃんが、なぜハチが死ぬかも知れないと知って普段のままでいられるのか。 「……そりゃあねぇ、私だって悲しいさ」 フーッと煙草の煙を吐き出す。 「でもね。“死”っていうのは生きてるモノ全てに訪れるんだよ。だから、そこに辿り着くまでにどれだけの事をやれるか、っていうのが重要なのさ」 そのためにはさ、とおばちゃんは続ける。 「下を向いてちゃ何もできない。背筋をシャンと伸ばして、前を向いて進んでいかなくちゃね」 バシン、と再びおばちゃんは俺の背中を叩いた。 「だから、私らまでいじけてたらどうしようもないだろ?」 叩かれた背中がジンジンと熱かった。 「そう…ですね。ハチのために出来ることを探す。それが俺の今やるべき事です」 あっはっは!と突然おばちゃんが大声で笑った。 「……何ですか?」 「あんたがやるべき事は始めから決まってるよ」 おばちゃんは煙草を灰皿に置いた。 そして、言った。 「『ハチちゃんの止まった時間を動かしてやってくれないかい』」 「…………!」 「『このままじゃ可哀相だと思わないかい?帰って来ることのない“ご主人様”をいつまでも待ち続けるなんてさ』」 そうだ…。俺はハチの時間を動かそうとここまでやって来たんだ。 だけど、それで本当に正しいのか? 『真実を知ればハチは深く、深く傷つくだろう。今のままの方が幸福なのかもしれない…』 ハチの残り少ない時間を真実を報せて苦しめるのか? なにも報せず偽りの平穏を過ごさせるのか? 615 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/12(水) 01 05 19.57 ID JIM8EsAO ~忠幼女ハチ~46 そんなもの…決まってる。 ハチの時間を動かすんだ。最初にそう決めたんだ! 「……俺はハチと一緒の時間を歩みたい」 これは、俺のエゴだ。どうするんだ、俺。お前の勝手でハチを苦しめるのか? 「もし、それでハチが苦しむというなら…俺はその苦しみを取り払う。そして、今以上の幸せをハチに与えてやるさ!!」 「そうかい。それがあんたの覚悟かい、お兄さん?」 おばちゃんは真っ直ぐにこちらの目を見てくる。 「そうです」 もう、迷わない。ハチの記憶を取り戻すために全力を注ぐ。 「なるほどね。最初の頃よりは随分男らしくなったじゃないか。……受け取りな」 おばちゃんが何かを放り投げてくる。 受け止めてみるとそれは2つの鍵だった。 「これは……?」 「一つはお屋敷のマスターキーだ。ハチちゃんに何かあったときは頼む、って社長さんに言われて渡されたんだよ、昔ね」 「こっちは?」 「社長さんの書斎の金庫の鍵だとさ。自分が居なくなった時、ハチちゃんを任せられる人間を見つけて渡してほしいと言われたよ」 「ハチの“ご主人さま”は自分が死ぬことを知ってたっていうんですか?」 「どうだろうねぇ…。頭のいい人だったから、全ての可能性を考慮していたんだと思うよ」 ともかく、とおばちゃんは続ける。 「お屋敷に行ってみな。きっと何か助けになるはずさ」 「ありがとうございます!」 俺はお礼を言うとすぐにお屋敷に向かって走り出した。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― “お兄さん”のみるみる小さくなっていく背中を見送りながら溜息をついた。 「これで良かったのかねぇ、社長さん?」 私は、今はもういない、息子代わりでもあり友人でもあった男の事を考えていた……。 616 名前:SS@ハチ公[] 投稿日:2008/03/12(水) 01 08 14.07 ID JIM8EsAO ~忠幼女ハチ~47 《ハチの見る夢》 ここはどこだろう。わたしはだれだろう。まだ、なまえはなかった。 「YONY製オーダーメイド幼女シリアルNO.008です。よろしくお願い致します」 「NO.008じゃあ呼びにくいなぁ。そうだねぇ…ハチってどう?安易かな?」 「ハチ…それは私の呼称でしょうか?」 「そ♪ハチ、よろしくね!」 ハチ。わたしはハチ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「やぁ、おばちゃん!」 「おや社長さん、ご機嫌だね。買い物かい?」 「まぁね~♪たまには自分で買い物しようかなぁ、ってね」 「いい心掛けだね。お手伝いさんに任せっきりだと馬鹿になるよ?」 「へいへ~い」 「おや?社長さんの後ろに隠れてるのは…」 「かわいいでしょ~♪幼女のハチっていうんだよ。ほらハチ、ご挨拶は?」 「こんにちは。ハチと申します」 「しっかりした子だねぇ…。よろしく、ハチちゃん」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ハチ、美味しい?」 「……まずいです」 「あれぇ?どっか間違ったかな~?」 「あの……」 「ん~?なに?」 「やはり私がお作りしましょうか…?」 「いいのいいの!今日はハチの歓迎会なんだから!」 「しかし…」 「明日からはハチに頼むから!今日は僕に作らせて!ね?」 「はぁ…畏まりました」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ご主人さま、朝です。起きて下さい」 「……ふぁ……?」 「おはようございます」 「うん…むにゃむにゃ」 「起きてください」 「…ぅぅん?……あーっ!ハチ!おはよー♪」 「おはようございます」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「おいしー♪ハチ、料理上手だねぇ!」 「ありがとうございます」 「…んー…昨日から思ってたけどちょっと喋り方堅苦しくない?」 「そうでしょうか?」 「そうだよ~。こっちまで緊張しちゃうじゃない!」 「……ご主人さまが緊張…?」 「ハチが信じてくれないー!うわーん!」 「な、泣かないでください…!」 「…じゃあさ、堅苦しい喋り方はなしね?」 「……畏まりました」 「……うぅ…」 「わ、わかりました」 たいようみたいにごしゅじんさまはあったかい。こおりついたわたしをすこしづつとかしてく――。 753 名前: SS@ハチ公 投稿日: 2008/03/13(木) 01 27 12.17 ID 4TaETEAO ~忠幼女ハチ~48 俺はお屋敷の玄関ホールにいた。 何度も来た場所だが、今回はハチがいない。 このやたらと大きなお屋敷に一人きりだと思うと、それは非常に心細いことだった。 「ハチは七年もここで…一人で“ご主人さま”を待ち続けてたのか…」 それは、俺には考えられないほどの孤独と不安に苛まれる行為だろう。 記憶を失っているとはいえ、それは余りに永い。 そして、このままではハチは死ぬまでここで待ち続けるだろう。帰らぬ“ご主人さま”を。 俺は、この呪縛からハチを解き放たなければならないのだ。 「待ってろよ、ハチ…。俺が必ず…!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ハチの時間を動かすための手掛かりを求め、俺はお屋敷の中を歩き回った。 しかし肝心の“ご主人さま”の書斎とやらが見つからない。 「くそ…書斎はどこだよ」 いつもハチを訪ねてここに来るときは、サロンに通される。他に行った所といえば厨房くらいだった。 「仕方がない…。片っ端から扉を開けていくか」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 扉を開けるとぶわっと埃が舞い上がった。 「う、すげぇ…」 ゴホゴホと咳込みながら扉を閉める。 ほとんどの部屋はずっと使われていないのか厚く埃が積もっていた。 おそらく普段使う所以外は掃除の手が回らないのだろう。 「これだけ大きな建物に一人きりだもんな。当然か…ん?」 お屋敷のもっとも奥まった所にある部屋。 この部屋だけは扉を開けても埃が舞い上がらなかった。 扉の隙間からゆっくりと覗き込む。 「…………あった」 そこには、たくさんの本棚と一つの机の置かれた書斎があった。 754 名前: SS@ハチ公 投稿日: 2008/03/13(木) 01 27 33.41 ID 4TaETEAO ~忠幼女ハチ~49 《ハチの見る夢》 「う~ん、この部署の業績からすると…ブツブツ…」 「ご主人さま、お疲れ様です」 「あ、ハチ!紅茶煎れてくれたの?ありがと!」 「どういたしまして。このところ会社から帰った後はずっと書斎に篭りきりですね。忙しいんですか?」 「うん。ごめんね、ハチ…。忙しくてなかなか君の相手をしてあげられないよ」 「気にしないで下さい。お仕事が一段落したら、思う存分お買い物に付き合って貰います♪」 「あ!ハチ笑ってる~!やっぱり笑ってる方が可愛いよ!」 「ふぇっ///!?かかかからかわないでくださいっ!」 「からかってないよ?ハチの笑顔ホントに可愛いもん」 「///~っ!も、もう夜も遅いのでお仕事もほどほどにしてくださいねっ!わた、私は部屋に戻りますからっ!」 「うん、これだけ片付けたら寝るよ。……あ、仕事終わったら一緒にお買い物行こうね♪」 「は、はいっ!おやすみなさい!」 「うん、おやすみ。………ここの予算配分は…ブツブツ」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「行ってきま~す!」 「「行ってらっしゃいませ、ご主人さま!」」 「さ、社長。後部座席へ」 ブロロロロ… 「ご主人さま、お忙しいんですね」 「そうよ~。なにせあのYONYの社長だからねぇ。ハチちゃんは来たばかりだから知らなかったかしら?」 「はい、知らなかったです。ご主人さまってすごい人だったんですね」 「正直そんなすごい人に見えないわよねぇ、うふふ♪……あ、そろそろ時間ね。お仕事に戻るわよ、ハチちゃん」 「はい!給事長さん!」 ――まいにちがしあわせで。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ご主人さまぁ~!ご飯ですよぉ~!」 「んぁ…あと五分…むにゃ…」 「二度寝はいけません~!えいっ」 「ぐぇっ!?お、おはよう…ハチ」 あったかい。まいにちが、あったかい。 「ハチは料理が美味いなぁ!」 「えへへ…♪」 かわらないひびは、ずっとずっとつづくとおもってた。 78 :SS@ハチ公 :2008/03/16(日) 23 05 27.06 ID 8xfMvsAO ~忠幼女ハチ~52 『……おばちゃんが信用したなら、僕はハチを貴方に託そうと思う……』 『君にハチの“ご主人さま”になって欲しいんだ』 手紙を読み終えると手が震えていた。 「俺が…ハチの…“ご主人さま”に…?」 …………冗談じゃねぇ。 「ハチはまだあんたを待ってるんだぜ?それを差し置いて“ご主人さま”には成れねぇよ…」 それにハチの“ご主人さま”はハチのことを人間の様に扱ってたんじゃないのか? 話が違うじゃねぇか…… 「で、こっちの小箱には何が入ってるんだ…?」 手紙と共に入ってた小箱を開ける。 「ん……?」 そこにあったのはもう一枚の手紙と指輪……? 『最後にもう一つ。もしも、君が僕の様に変わり者で、ハチのことを本当に大切に思ってくれているのなら――』 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「……どうやら俺もあんたも相当の変わり者みたいだな。“ご主人さま”よぅ?」 俺は小箱をポケットに突っ込んだ。 「最初の手紙の頼みは御免だが、こっちならやってやらぁ」 俺の心は決まった。もう、ハチに全てを話してもいいだろう。 「病院の面会時間は…もう終わってるか」 明日の朝一番でハチに会いにいこう。 そう思い、書斎から出ようとしたとき携帯電話が鳴った。 発信元は…… 「病院…!?」 ハチを連れていった時に“緊急”時の連絡の為に登録したのだが…ハチに何かあったのか!? 「も、もしもし?!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 《ハチの見る夢》 くらい。まっくら。なにもみえないよ。 「……チ……。……ハ……チ……」 だれ?わたしのなまえをよぶのはだれ? 「ご主人さま?」 「……ハチ……」 ごしゅじんさまだ。むかえにきてくれたんだ。 「ご主人さまぁっ!」 「……だ……。」 まってたよ。ずっとまってた。さびしかったんだよ? 「うわぁあぁあん!ご主人さまぁぁぁっ!!」 「ハチ……来ちゃだめだ!!」 79 :SS@ハチ公 :2008/03/16(日) 23 05 39.70 ID 8xfMvsAO ~忠幼女ハチ~53 ハチの容態が悪化した。 一度は落ち着いたと思われた高熱が、再び振り返してきたらしい。 「すぐに病院に向かいます!」 そう言って俺は携帯を切った。すぐに手紙を持って書斎を飛び出す。 俺がハチの所へ行ったからといって何が変わるという訳ではない。 それでも、側に付いていてやりたいと思った。大切なヒトだから。 お屋敷を飛び出すとき前庭の花壇が目に入った。 ワスレナグサ。 ハチが好きな花。“ご主人さま”が好きだったという花。 ハチの為に摘んでいってやろうか……。 一瞬、そう思った。 だが、そんな暇はない、と即座に判断する。 俺は…青く小さな花の咲く花壇の横を駆け抜けて行った……。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 《ハチの見る夢》 「どうしてですか…?ご主人さまは私を迎えに来てくれたんじゃないんですか!?」 「ごめんね…ハチ。君はまだ“こちら側”に来てはいけないんだよ」 「“こちら側”って何ですか!?私はご主人さまと一緒に居たいだけなんです…!」 「駄目だよ。“こちら側”に来たらもう戻れなくなるから。まだ“そちら側”には君の大切なヒトが居るんだろう?」 「ご主人さまより大切な人なんて……」 「いるよ。よく思い出してみて?」 「そんなわけ…」 『…チ…』 「ほら“彼”が呼んでる。行ってあげなよ」 「でも…でも…!」 『…ハチ……が……か…ら…』 「行くんだ、ハチ。こちら側に来ちゃいけない!」 「嫌です!ここに残ります!!」 『ハチ…頑張れ……俺が…付いてるから…!』 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ハチ!頑張れ…!俺が…付いてるから!!」 ハチは高熱にうなされていた。相当に状態は悪いらしい。 老医師の話だと、治療に全力は尽くしているという。 しかし、この高熱に老化したハチの身体が耐えられるかは彼女自身の気力と体力に掛かっているそうだ。 俺にはただ彼女の手を握って励ます事しかできない。 「死ぬなよ……ハチ!俺はまだお前に伝えたいことがあるんだ!目を覚ませ、ハチ!!」 80 :SS@ハチ公 :2008/03/16(日) 23 05 52.79 ID 8xfMvsAO ~忠幼女ハチ~54 《夢の終わりと優しい忘却》 「嫌です!私はご主人さまから離れません!」 「ハチ、あんまり僕を困らせないでおくれ?」 「嫌です!嫌、ですぅ……嫌ぁ…!ずっとずっと…一人で…待ってたのにぃ…」 「ハチ、君は一人じゃないよ。…目を閉じてご覧?」 「……ぅうぅ…」 「いい子だね、ハチ。そのままでいるんだよ…」 「ご主人…さま…?」 「少し眠っていてね」 「…あ…ご主……ま…」 「ごめん。でもこれ以上は本当に危険なんだ…。後は頼んだよ、男くん」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― とおざかっていく。ごしゅじんさまがとおざかっていく。 のばしたみぎてがとどかなくて。わたしはないた。 また、わすれちゃう。ごしゅじんさまをわすれちゃう。 でも。あったかいおおきなてがひだりてをつつんでくれた――。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「…………」 ハチの手を握り続けてどれくらいたっただろうか。 だいぶ夜も更けてきた。熱も下がってきたみたいだ。 「これなら…大丈夫そうだな」 ハチは、さっきまでうなされていたようだが今は落ち着いている。 「…氷嚢がぬるくなってるな。取り替えてやるか」 氷嚢を新しいものに替えようとハチの手をそっと離す。 ――キュ。 「え……?」 「手、離さないでください…」 涙で頬を濡らしたハチが俺の手を握り返していた。 81 :SS@ハチ公 :2008/03/16(日) 23 06 12.00 ID 8xfMvsAO ~忠幼女ハチ~55 「…目、覚めたんだな…」 「はい。男さん」 ハチはまだ調子が悪いのか、弱々しく微笑む。 「え、あれ…?」 今、ハチは何て言った? 「男さんが…付いていてくれたんですよね?」 「俺のこと、分かるのか?」 「?もちろん、分かりますよ」 キョトンとハチが首を傾げる。 「本当に?ミートソーススパゲティーのことも?リボンのことも?全部?」 「はい、全部です」 「………~~~~っっ!」 思わずガバッ!とハチを抱きしめてしまった。 「ひゃぁっ!」 「良かった…本当に良かった…!ぅうぅ…」 「あ、あの…あの…///」 「ぅう…よがっだぁ…ぼんどぶによがっだぁ…」 「な、泣きすぎですよ…もぅ」 「…ぅうぅ…ぅえぇ…」 ハチは俺の頭を優しく撫でてくれるのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「落ち着きましたか?」 「あぁ、ごめんな。取り乱して」 くすくすとハチが笑う。かわいい。 こんなやり取りも、昨日会ったばかりなのにすごく久しぶりな気がする。 ひとしきり笑い合った後、ハチが口を開いた。 「男さん、実は…一つだけ覚えてないことがあるんです」 「なんだ?」 「……ご主人さまのことです」 「…………」 「ご主人さまが出張に行って…どうなったのか、私は知りません」 「…………」 「教えて、くれますか」 「……………………わかった」 144 :SS@ハチ公 :2008/03/18(火) 09 17 28.26 ID n1MqPgAO ~忠幼女ハチ~56 「ハチ、心して聞いてくれ…」 「はい…」 ハチの顔は薄ぐらい病室の中でもわかるほどに真っ青だった。 「辛くなったらいつでも止めるからな?」 「はい…」 ハチが頷いたのを確認し、一呼吸置いてから俺は話し始めた。 「ハチの“ご主人さま”は…もう、いない」 「……っ…」 ビクッとハチの肩が震える。 「出張へ行く時の飛行機が…墜ちたんだ…」 「…………」 「乗客・乗員は全員…」 「……亡くなったんですね…」 俺は頷く。ハチは泣かなかった。悲壮な顔付きでここではないどこか遠くを見つめていた。 「七年前の…話だ」 シン…と辺りが静まりかえる。真夜中の病院は物音ひとつしなかった。 「…………男さん」 ハチが小さな声で言った。 「私は…ご主人さまが大好きでした…」 俺は黙って頷く。口を挟むのは野暮だろう。 「大好きだったのに…いなくなってしまったことを信じたくなくて…七年も気付かない振りをして…」 ハチの目から一筋水滴が零れる。 「こんなに長い間……ご主人さまを…一人ぼっちにして…私は…幼女…失格です…」 二筋…三筋…次々溢れ出す涙がハチの頬を濡らしてゆく。 「ハチは幼女失格なんかじゃない」 俺はハチを抱きしめた。彼女の肩はあまりに小さく脆かった。 「でも…でも…私は…」 「ハチは幼女失格なんかじゃない。もしハチが許してくれるなら俺と一緒に居てほしいくらいだぜ?」 俺は敢えて、少しおどけてみせる。 ハチは少しびっくりしたような顔をした後、済まなそうに微笑んだ。 「…ごめんなさい。私がご主人さまと呼べるのは…」 「わかってる。今の“ご主人さま”だけ、だろ?」 「……はい!」 (な?ハチがあんたを差し置いて俺を“ご主人さま”なんて呼ぶはずないだろ?“ご主人さま”よぅ) 「……でも嬉しかったです。男さんが、一緒に居てほしいって言ってくれて」 ハチはすごく綺麗に。涙で濡れた顔を綻ばせた。 145 :SS@ハチ公 :2008/03/18(火) 09 18 38.34 ID n1MqPgAO ~忠幼女ハチ~57 「そうそう。ハチは勘違いしてるぜ」 「えっ…」 「一緒に居てほしいってのは、別に俺がハチの“ご主人さま”になるって訳じゃない」 「え……?」 俺はポケットから例の指輪を取り出す。 「こういう意味さ」 そして、ハチの薬指にそっとはめた。 「え…え…?これって…えっ?」 ハチは今度は真っ赤になって指輪と俺を交互に見る。 うぁ、恥ずかしい。猛烈に恥ずかしさが込み上げて来た。 「あー…つまり…その…なんだ…俺と…けっ…結婚…なんてどう?」 しまらないねぇ、といういつかのおばちゃんの声がリフレインしそうなプロポーズだな、俺よ。 「あわわわわはわわわわわわももももも」 かつてないほどテンパってるな、ハチ。俺もだ。 さっきのしんみりムードもすっかり吹き飛んじまったようだ。 「い、嫌だったか?」 「いいい嫌じゃないですっ!!」 「でででもわたわたわし私、幼女ですよ!?結婚なんて…!!」 「いや…できるんだな。それが」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― “ご主人さま”が書いた小さな手紙。そこにはこう書かれていた。 『最後にもう一つ。もしも、君が僕の様に変わり者で、ハチのことを本当に大切に思ってくれているのならこの指輪をハチに渡して欲しい』 『これはエンゲージリングだよ。幼女と結婚なんて馬鹿げてると思うかもしれない。でも、ハチは幼女じゃないんだ。少なくとも戸籍上ではね』 『僕には身寄りがない。家族と呼べるのはハチくらいだったんだ。だから、僕に何かあったら家や財産は全て国に没収されてしまう。幼女に人権はないからね』 『でも、そしたらハチはどうなる?飼い主のない野良幼女として生きるか、財産と共に国に没収されいつかは保健所で処分されるかもしれない』 『だから僕はハチに戸籍を作ったんだ。もちろん正規のルートじゃないけどね。これでも大企業の社長だから、大変だったけど何とかなったよ』 『後見人は肉屋のおばちゃんになってもらうことに決まってる。だから僕が死んでもハチはこのお屋敷で暮らして行けるんだ』 『だから…もしも君がハチを愛していて、僕のように彼女をヒトとして見ているのなら』 『ハチの伴侶になって欲しいんだ』 146 :SS@ハチ公 :2008/03/18(火) 09 19 25.05 ID n1MqPgAO ~忠幼女ハチ~58 「まったくもってハチの“ご主人さま”の行動力は凄まじいと思う」 「そうですね……」 俺の話を聞き終わったハチは静かな表情で指輪を眺めていた。 この指輪は俺からの、え…エンゲージリングでありながら“ご主人さま”の形見でもあるのだ。 「あ…」 「どうした?ハチ」 「普通、エンゲージリングなら対になる指輪がありますよね?」 「ん…あぁ、そうだな。でも一つしか入ってなかったぞ?」 「多分…私…持ってます」 そう言ってハチが取り出したのは小さな 古い封筒。 「これ…ご主人さまが出張の前日にくれたんです。大切なヒトができたら読むようにって」 ずっと、肌身離さず持っていたんです。ハチはそういうと封筒の口を開けた。 果たして中から出て来たのは…… 「やっぱり…」 指輪と手紙だった。 そして手紙にはたった一言。 『ハチ、おめでとう』 そう書かれていた――。 147 :SS@ハチ公 :2008/03/18(火) 09 20 09.93 ID n1MqPgAO ~忠幼女ハチ~59 《うぇでぃんぐ》 ○月Ω日 とある霊園のとある墓前にて 「ハチ、着いたぞ」 「はい」 「車椅子から降りられるか?」 「大丈夫ですよ…よっと…きゃあ!」 「おわ、無理すんなって!」 「ご、ごめんなさい」 「足悪いんだから気をつけないと…よっと」 「ひぁっ!?」 「これなら大丈夫だろ?…どうした」 「お、おひお姫様だっこ…///」プシュー 「……///ほ、ほら早く済ませるぞ」 「は、はい!」 「えーと…社長さん」 「ご主人様」 「あの…俺達、結婚します」 「ウェディングドレス…見えますか?」 「えと、俺…男はハチを幸せにすることを誓います」 「私…ハチは男さんを幸せにすることを誓います」 「……///ち、誓いのキス…だな…」 「……はい///」 ちゅっ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「俺……絶対ハチを大切にするからな…」 「はい♪ふつつか者ですがよろしくお願いしますね」 148 :SS@ハチ公 :2008/03/18(火) 09 21 17.74 ID n1MqPgAO ~忠幼女ハチ~EPILOGUE1 《帰郷》 ○月○日・肉屋にて 「いらっしゃいませっ♪」 「よっ!リヴ、久しぶりだなぁ!しばらく見ない間に可愛くなっちゃって~」 「ニャー」 「あーっ!男さんにクロさん!お久しぶりですっ。おばちゃん、みんな~!男さん来たよ~!」 ドタドタドタ… 「あん?お、本当だ。よっ、男!……って、クロさん!?お久しぶりっす!!」 「おやおや、男さんじゃないですか。ずいぶんとご無沙汰でしたね」 「男、久しぶりでぷ!お土産くれでぷ~♪」 「よぉ、タン、テール、ハム。お前らは久しぶりなのに全然変わってねぇなぁ…」 「これでもずいぶん良くなった方だよ。始めの頃は言う事も聞かないで暴れ回ってたんだからね」プカー 「あ、おばちゃん!お久しぶりです!」 「久しぶりだね。正月以来だっけ?」 「そうですね。今年は仕事が忙しかったんで…」 「あんまり無理するんじゃないよ。で、今日はどうしたんだい?」 「今日はハチと初めて会った日ですから」 「あぁ、そうか。もうそんな時期かい。歳をとると忘れっぽくなっていけないね」 「なので、お屋敷に寄ってからハチの所に行こうと思ってます」 「そうかい。どうやら今年もたくさん咲いてるみたいだよ」 「そりゃ良かった。ハチも喜びますよ」 「私たちがいっぱいお世話しましたからねっ!」 「そうだぞ。感謝しやがれ」 「ふふ、去年よりたくさん咲いていますよ」 「お土産よこすでぷ~」 「ありがとな、みんな。そしてお土産はない!」 「ガーンでぷ」 「ニャー」 「ん?クロ、もう行くのか?」 「それじゃ、気をつけて行くんだよ。帰りにもうちに寄っていきな」 「はい、そうさせて貰います!それじゃ!」 「ばいば~いっ!」 「またな!」 「さようなら」 「お土産~…でぷ」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― お屋敷にて ワイワイガヤガヤ 「おー…また増えたなぁ」 「ニャー」 「男さんだー」「男だー」「男だわ」「……男」「うほっ、いい男!」「男様ですわ!」 「よぅ。いつもの貰いに来たんだけど…」 「はい、どうぞ!リヴから連絡は貰ってたので用意して置きました♪」 「サンキュー。よし、クロ行くか」 「ニャー」 「「「バイバーイ!」」」 「じゃあなー!皆仲良くするんだぞー」 「「「はーい!」」」 149 :SS@ハチ公 :2008/03/18(火) 09 21 45.97 ID n1MqPgAO ~忠幼女ハチ~EPILOGUE2 「……と、いうわけだ」 俺は近況を語り終えると腰を下ろした。目の前には二つの墓石がある。 一つは“ご主人さま”のもの。もう一つがハチのものだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ハチは結婚してから数カ月後に天に召された。死因は、老衰だった。 ハチは最期にこう言って微笑んだ。 「ごめんなさい。ちょっとご主人さまのお世話をしてきますね♪」 ハチはホントにご主人さま思いだよ、まったく。 ――全部、五年前のことだ。 ハチが死んでから五年間。色々なことがあった。 まず、俺がYONYに就職したこと。 そして、そこである研究に関わることになった。 幼男女の寿命を飛躍的に延ばす新薬である。 一昨年、その新薬が完成した。 これにより幼男女の寿命は約二十年にまで延びたのだ。 それから、お屋敷を野良幼女の保護施設として提供したこと。 まぁ、これはハチの生前に彼女と話し合って決めた事なのだが。 ほかにも、幼女に一部人権が認められたり、クロに子供ができたりと色々あったわけさ。 そういった諸々の出来事を俺は毎年、この日――ハチと出会った日に墓前報告する事にしているのだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「さてと、掃除も終わったな」 「ニャー」 「ん?…あぁ、まだ飾ってなかったな」 俺はバッグから小さな青い花束を取り出し、ハチの墓に飾る。 「これ、お屋敷のワスレナグサだぜ。ハチ、好きだったよな。今年ももってきたぞ」 俺は手を合わせ目を閉じる。 クロも隣でおとなしく座っている。 (ハチ……俺は絶対にお前のこと忘れないから…) 「よし…行くか」 俺が立ち上がるとクロも身を起こした。 「ハチ、また近い内に来るからな。“ご主人さま”もハチをよろしく頼みます」 ハチの墓石を一度撫でると、俺は歩き出した。 「腹減ったなぁ…なんか食ってくか?」 「ニャー」 「そうか。じゃあ…ミートソーススパゲティーにするか」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 遠ざかっていく男の背を追い抜く様に強い風が吹き抜けた。 『……さん…』 何か聞こえた気がして、男は振り返ったが何もなかった。 男は手を振って何事か叫ぶと、今度こそ去っていった。 ――それは、春先の暖かくなり始めた頃のことだった。 ~忠幼女ハチ~―完―
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856 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/15(金) 14 49 18.45 ID PFa3i7s0 とはいえ次の日は平日で、その機会は必然的に帰宅後に持ち越しとなる。 朝から講義にバイトとあらかた揉まれ、やっと部屋に帰還できたのは午後七時。 ただいまと部屋に入ると、ミクは 身長を補うための足場の上にエプロン、といった格好で台所に立っていた。 一々俺の自制心を確実に刺激する奴め。 おかえりーと返ってくる弾んだソプラノ。 だがそんな機嫌の良い様子を目の当たりにしても、 俺は昨夜の決意を忘れてはいない。 いや、ちょっと揺らいだけどさ。 「ミク、ちょっと手を止めて、こっち来てくれないか。話があるんだ」 「んー?」と振り返る少女。 一々俺の(以下同文)。 857 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/15(金) 14 52 23.34 ID PFa3i7s0 ミク、お前なんか俺に隠してるだろ。 一緒に暮らして一ヶ月にもなるんだし、 もうそろそろ俺を信頼して話してはくれないか。 それだけ言って反応を伺うと、彼女は血の気をサッと引かせ、 それっきり俯いて、何も言わなくなってしまった。 …最近こいつ関係で、やけに頻繁に沈黙を経験している俺だった。 こちとら望んでるわけじゃないんだがな。 それはさておき、この状況をどう打開したもんかね。 なんかもう、色々とめんどくさくなってきたな。 面倒くさい。 そういう時の人間ってのは短絡的になるのが定石だ。 つまり、何が言いたいかというと、 後から考えれば割と恥ずかしいことを平気でやってしまうものなのさ。 俺はミクに手を伸ばす。 肩に手をかける瞬間、華奢な身体が小さく震えるのを感じる。 …こいつ、怯えてるのか。 まがりもなにも一月同じ屋根の下暮らした、この俺を。 いよいよ情けなくなってきたな。 859 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/15(金) 15 28 06.87 ID PFa3i7s0 手をかけた肩をひょいとこちらへ引き寄せる。 毎晩理由不明な罪の意識に苛まれる哀れな少女。 その身体は、想像よりずっと軽かった。 されるがまま、俺に体重をあずける形になる。 小さな頭を、胸の位置にくるよう姿勢を調節する。 前述のとおり、これは別によく考えた上での行動ではない。 ただ、昔何かの本で、 「何らかの理由で心に傷を負った者を安らがせる手段として 心臓の鼓動を聞かせるのが有効」みたいなことを読んだ気がする。 ん?でもそれは人間への対処法だったか、と一瞬考えるが 俺に言わせりゃミクは人間なので、万事OKだ。 860 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/15(金) 15 38 54.76 ID PFa3i7s0 ……三分くらい、そうしていただろうか。 最初こそ、あたかも「かねてから恐れていた事態がついに訪れてしまった」 とでも言うかのように小刻みに震えていた彼女だったが、 やがて背中越しに、だんだん警戒心が消えていくのが伝わった。 そろそろ俺としても何か言わなければなるまい。 「お前さっき一瞬、俺を怖がったろ」 「え?あ、あの、その、ごめんなさい」 「だから、謝らなくていーから。 最初に言っただろ? この先俺が幼女についての何を知ったって、 ミクはミクだ。もう今さら態度変えるような、そんな仲じゃないだろ。 …さっきのことだって、話したくないのならそれで良いさ。 お前を悲しませてまで知りたいほど、大層な話じゃないよ」 「……」 861 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/15(金) 15 53 43.22 ID PFa3i7s0 ミクは何も言わない。 くすん、とすすり上げる声がきこえる。 そのまま暫く、泣いているようだった。 「…あ、あの、お兄さん?」 「どうした」 「そろそろ頭、放してくれない?」 「かまわん、そのまま泣け」 「でも、服に、その、涙とか、鼻水とかつけちゃう…」 「お前、自覚は無いかもしれんが、お前の泣き顔は凶器だぞ。 この至近距離でその顔で見上げて、俺を狂乱させる気か」 「ふぇっ? え、ええと、もう大丈夫。…はい、もう泣いてないから」 「本当か」 「うん」 「ほい」 ぱっとおさえていた手を放した。 ここで…うん、すまない。ちょっと想像してもらいたい。 顔を上げた彼女は涙で潤んだ目で、にっこり笑っていた。 少し無理をして堪えているのか、頬が少し赤らんでいる。 くわえて、そこに、必然的に上目遣い。顔まで三十センチもない。 おいおい、その顔もアウトだろ、 常識的に考えて。 41 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/17(日) 23 18 52.18 ID Fh9Jwlk0 まぁ顔を上げたからといって何かするでもなかったわけで…。 俺たちはしばし無言で見つめ合う時間を持て余した。 いや、正確に言うと俺の方は、この少女が可愛いやらいじらしいやら、もういっそ 本能の赴くまま好きなようにしてやりたいやらで、自我の抑制でイッパイイッパ イであった。 妄想に悶々とする俺を知ってか知らずか、先に口を開いたのは少女の方だった。 「えっと、キスでもしときますか?」 ここで俺の思考、止まる。 42 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/17(日) 23 21 33.20 ID Fh9Jwlk0 いや、ここで言い訳の一つも言わせてもらうが、いつもの冷静な俺なら迷わず以前のように 眉間にチョップの一つも撃ち込んだことだろうさ。 だがいかんせん、今の俺はこれでもかと連続した想定外のシチュエーションに混乱中だ。 このままでは限界に達した欲望の果てに、 目の前の可憐な少女に何をしてしまうか定かではない。 もしかしたら筆舌にし難いあーんなことやこーんなことをしてしまうやもしれない。 それなら今のうちに適当に吐き出してしまうべきだ、うんそれが良い などと 何故か言い訳じみたことを考えながら、やっとの思いで次の言葉が口をついた。 「…しとこうじゃないの。」 (次で場面変わります。) 43 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/17(日) 23 24 51.46 ID Fh9Jwlk0 四季はめぐって、新緑の季節。 春にミクと見に行った桜も、とうに葉桜へと姿を変えるであろう頃、 俺は新たな悩みの吐き出し口をさがすようになっていった。 いや、そこ、肝の小さい男だとか、幼女の前だけ良い格好してとか 言わないでやってくれ。 彼女の例の症状が(何故か)着々と悪化している今、 一刻も早く原因解明を願う俺を誰が責められよう。 そんなわけで、今俺は例の大型ペットショップの前にいるわけだ。 ごめんなさい。当分来ないと言ったくせに、また来てしまいました。 全く、一度口にしたことを撤回するなど男の風上にも置けない行為を…いや、待てよ。 そもそも、それを心に念じてこの場所を逃げるように去ったのは まだ肌寒さの残る三月の暮れ。そして今、 あれから早三ヶ月以上の歳月が経過している。 ふむ、三ヶ月といえば「当分」にも値する期間かもしれない。 ん?ということはミクが家へ来てもう三ヶ月か。 なんだか色々あったせいでそんな気がしないな。 それにしても月日の流れというのh いい加減俺を横目に入店する人の「何、この人?」的な視線が痛くなってきたので おとなしく店に入る俺。 44 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/17(日) 23 29 43.76 ID Fh9Jwlk0 ガー という自動ドアの音を背後に聞き、俺は店内を見回した。 それにしても本当に広い店だ。こんなに広いと…どこへ行けばいいんだろうね。 とりあえず、書籍コーナーに足を進めることにする。 何か参考になる記述が見つかるかもしれない。 …などという俺の期待は、ものの数秒で打ち砕かれることになるのだが。 書籍コーナーで俺を出迎えてくれたのは、中々素敵なタイトルをした幼女飼育本の数々だった。 ええと、 『初心者の幼女飼育も、これ一冊』、 『あなたの幼女を一ヶ月で思い通りの性格に!』。 こっちは…げっ 『幼女拘束全集』って…。 一瞬手足を拘束され首輪をリードに繋がれたミクが脳裏に浮かぶ。 羞恥心からか頬を紅潮させ、その唇からは艶かしい吐息が……って 違う違う!俺をそんな輩と一緒にするな!今のは一瞬の気の迷い、 そうさ、俺は変態じゃない、仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ! 「何かお探しものですか?」 声かけられた。 45 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/17(日) 23 33 48.19 ID Fh9Jwlk0 よりによって俺の人生で声をかけられたくない場面ベスト3にランクインするであろう このタイミングを的確につくとは、中々の猛者よのう。 声の発信先を辿ると、一人の若い女店員が立っていた。 「良かったらお力になりますよ」 「いや、探し物とかじゃないんです。ちょっと幼女についてちょっと調べたいことがあって」 「でしたら、当店の幼女なんでも相談コーナーへどうぞ」 かくして俺は幼女なんでも相談コーナーなるものに案内された…といっても、 事務的な机と椅子があるだけの、なんとも簡易なものだったが… そこに俺たちは顔を合わせて座った。 それにしてもこの店員さん、もしかして以前来店した時に 俺に声をかけようかと迷う素振りを見せた、あの方ではないか。 いや、接客する立場からすれば、客の顔を一々覚えていられるわけないのだが… などと考えているうちに彼女はどこからかメモを取り出し、細い指先でペンをくるくる回している。 「では、どうぞ」 彼女が促した。 今さらそう言われると、逆に何から話せば良いのやら。 困っていてもしょうがないので、俺はいきなり事の本質を問う。 「短刀直入に聞きます、幼女ってなんですか?」 「アンドロイドです。」 短刀直入に返された。 50 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/18(月) 01 39 26.57 ID WBj3AHI0 「ある日本企業が製造する、人造人間ですね。 といっても、ロボットみたいなのではないですよ。 身体のつくりは限りなく人間に近いといって良いです。 発売当初からその愛らしいルックスで人気をあつめ、 今や当店でもトップの売り上げを誇ってます。」 まるで辞書の一文を読み上げるかのように、簡潔に説明した。 しかし、どうも腑に落ちない。 「つまりその、極端な話、人間を飼うと同じことですよね。 となると人権云々、面倒なことになりそうなものですが」 「ああ、それなら大丈夫。その辺りは、ちゃんと一線がひかれてます。 人間に近いといってもそれは身体面だけで、精神面は人間と比べものにならないくらい 稚拙に設定されていますから。…でも、最近はその、逆に心無い人たちが、そこを狙って、 幼女に、その、心無いことをする事例が増えているというか……」 最初、何を言っているのか分からなかった。 …が、すぐにピンときた。 いつか幼女衣類専門店で見た、卑猥なコスチュームの数々が頭をよぎる。 「…幼女を、性欲の対象とするってことですか。」 51 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/18(月) 01 56 50.69 ID WBj3AHI0 「まぁ、そういうことです…」 彼女は恥ずかしそうに視線を逸らす。俺は全身から力が抜けるのを感じた。 一体どこまで病んでるんだよ、この国は。…しかしまぁ、合点はいった。 俺は今までミクを唯一の一般の幼女の形として考えていたから、 この限りなく人間に近い存在を性欲の捌け口とする輩がいることを遺憾に思った。 だが、市場に出回る幼女がもっと動物的な存在というのなら、話は別だ。 多くの幼女がそのような扱いを受けていることも、 やはり(認めたくはないがな)事実なのだろう。 となると…異常なのは、やはりミクの方だ。 果たしてそのことを、この女性に相談して大丈夫なのだろうか。 …大丈夫な気がする。 どことなく彼女には話し相手を安心させるような、 業務を越えた親しみを、感じさせられた。 いやもうそれは、単に溺れる者は藁をも掴むというやつなのかもしれないが。 俺は決心する。 「うちの幼女について、相談したいことがあります」 「はい?なんでしょう?」 彼女が軽く首をかしげると、柔らかなショートカットがふわふわ揺れた。 118 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/19(火) 14 51 32.52 ID odt4AkAO 俺は彼女に一通り、ミクのことを話した。 彼女は途中からメモをとるのも忘れ、俺の話に興味深く耳を傾けた。 「最後まで狂人扱いされずに聞いてもらえた」、ただそれだけのことが、 自分でも奇妙なくらいに嬉しかった。 俺が話し終えると、暫く彼女は何か考えているようだった。 やがて真剣な表情で、 「面白い…ええ、面白いです。とても。 もしこの話が本当だとしたら、過去に聞いたことありません。 そもそも幼女というのはですね、人間の…あ、はい。すみません、ちょっと失礼しますね」 妙にガタイの良い男が、後ろから彼女の肩を叩いていた。 そのまま二人は俺に声の聞こえない場所まで行くと、何やらひそひそと会議をはじめた。 「ああ、あれがここの店長か」 直感的に俺は思う。 119 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/19(火) 15 00 46.61 ID odt4AkAO 同時に、おそらくこの男が以前俺からの電話を一切の慈悲もなく 一刀両断した張本人であろうことも、疑ってなかった。 …全く、少しはあの女店員さんの接客精神を 見習ってもらいたいね。 で、その女店員さんはというと 何やら困った顔で彼の話に頷き、 店長と俺の方へ交互に視線を走らせていたかと思うと やがてしゅんとした顔でこちらへ戻り、 「あの…すみません。本当はもっとお話を伺いたいのですが… その、うちでご購入された幼女以外の相談は お受けできないという方針らしくて…」 彼女はどうやら多数の他の客を放置し、一人の (しかも明らかに店の利潤につながる気配の無い)男性客と楽しそうにお喋りしていたことを 咎められたらしい。 いやいや、これも立派な業務の一つだと、俺ぁ思いますよ。 というか店長、あんたまた俺の邪魔をしますか。 可哀想に、女店員さんは何故だか罪悪感を感じている様子で、 足元に視線を落としたまま口ごもっている。 …何やら感情の起伏の激しい所辺り、ミクを連想させられるじゃないか。 見ればまだ若い。俺より一つ、二つ年下といったところだろう。 やれやれ、こんな可愛らしい子を困らせるのも悪趣味というものだ。 ここは率先して身を退くのが真の紳士と言えよう。 120 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/19(火) 15 10 04.61 ID odt4AkAO だから言う。 「わかりました。もう充分ですよ。ありがとうございました」 「…え?」 「いや、とにかくあなたに話聞いてもらったら、それだけで多少肩の荷がおりました。 まだ問題はありますが、これから自己解決してゆきますよ。 だから、自分はこれで帰りま」 「あ、あ、だめです。」 …はい? 「いえ、確かにこの店の従業員の立場からは、もう援助できません… でも、その子には仕事と関係無く、個人的に興味があります。…もっとお話とか聞きたいし…だから」 そう言うと、この店員さんは可憐なお顔をずいとこちらに寄せる。 一瞬どきっとする。 そしてこのままでは…そんな、だめです、あわやほっぺにキス… といった所で停止。ちょい残念。 しかし耳に彼女の甘い吐息を感知、よもや正常に働くはずも無い頭で、 俺は彼女のひそひそ声を聞いた。 「この後、裏の喫茶店で待っててください。 もうちょっとで交代なので、着替えたらすぐ向かいますから。」 121 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/19(火) 15 38 23.73 ID odt4AkAO その後のことは、少しばかり省略させてもらおう。 何はともあれ、俺は今帰路についている。 更に半歩ほど遅れ、何故か彼女の姿。これが現状だ。 どうしてこの現状かと問われたら、 それは彼女が望んだからと説明する他ない。 喫茶店での簡易会議中(議員二名)、話がミクの歌のことに差し掛かると 何故かこの人、顔を輝かせた。 そしてどうしてもミクの歌を聞きたいなどと懇願されたらホラ、男として断れないじゃないか。 べ、別に可愛い女の人を部屋に上げるのが嬉しいとか、そんなこと考えてないんだからね! かくして互いの利潤が一致、 奇跡的にこの「それなんてエロゲ現象」が成立したわけだ。 しかしそういえばミクの歌って、俺もまともに聞いたわけじゃ無いんだよな。 歌えと頼んで、歌ってくれるもんだろうか。 193 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/20(水) 22 48 45.50 ID 24UPMcAO 部屋に戻った俺の後ろに続く人物の顔を見ると ミクは「あぅ」と一瞬たじろぎ、その後硬直した。 そして 「え、えと、私お邪魔みたいなのでしばらく席はずしまs」 などといらん気配りをしやがったので、俺はこいつが外へ出て行こうとする 襟元をぐいと掴んで引き戻さなければならなかった。 「待て待て、この人はさっき知り合ったばかりの人だ。 しかもお前に会わせるために連れてきたのにいなくなってどうする」 「え、そうなの?」 「そうなんだよ。だからちゃんとそこ座ってなさい。ええと、じゃ、店員さん。 俺隣でちょっと着替えてくるんで、その間にお互い自己紹介でも」 「了解しましたー。」 しかし数刻の後部屋に戻った俺は、異様な光景を目にすることとなる。 194 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/20(水) 22 54 33.74 ID 24UPMcAO その光景 →これ以上ないくらい恥ずかしがりつつも、 初対面なのでどう対処すべきか分からずオロオロするミクに、 ミクの服に手を入れ真剣な顔でふにふにと胸元をまさぐる店員さん。 …いやいや、確かに素敵な画であることは認めますが、 お二人とも何してはるんですか。 「あ、お帰りなさい。いやね、この子やけに大人びた口調で話すと思ったら、 ちゃっかり身体の方も、少しだけ大人なんですねー。 長年幼女見てますけど、こんなコはじめてです」 あ、そうすか。 でもそれくらいで観念してやってください。 うちのミクが羞恥と恐怖で爆発しそうです。 「あ、本当。えへへ、ミクちゃんごめんねー」 「あ…う……」 ミクは目をトロンとさせ、真っ赤な顔で俺を見る。 形の良い唇から漏れる吐息が悩ましい。 195 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/20(水) 23 01 23.19 ID 24UPMcAO 「…で、自己紹介は済んだようですね?」 「あ、そういえばすっかり忘れてました」 「…いきなり今の行為に及んだんですか」 名も知らぬ初対面の人間と二人きりにされたと思ったら いきなり服に手をつっこまれたミク。 かわいそうに、さぞ怖かったことだろう。 これは彼女、いきなりミクに嫌われたのではないかと思ったが、 そんな俺の心配を他所に二人は速やかに打ち解けた。 その様子はさながら歳の離れた姉妹のようで 見ていて微笑ましい。ニヨニヨする俺きめえ。 最初会った時にも思ったが、この女性には 何か他人が知らぬ間に心を許すふいんき(何故か ry)が 備わっているのかもな。 196 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/20(水) 23 11 49.08 ID 24UPMcAO さてその後のことと言っても、特に変わった話もなく。 まぁ丁度夕飯時ということもあり、何の気なく「一緒にいかがです」と誘うと 本当にこの方は遠慮のカケラもなくミクのつくった飯をお召し上がりになられた。 (「これ、ミクちゃんが作ったの?へー、すごい。私より料理上手いかも…」) 食後は茶をすすりつつテレビを見て談笑、 やがて時計の針が午後の八時を指そうという頃、 「ではそろそろ失礼しますね」と席を立った。 というかあなた今日、ここにきて飯食っただけですよ。 ミクに親しげに別れを告げ、 ついでに俺の駅まで送る申し出は丁重にお断りされ、 それならせめてと玄関先まで見送る。 扉を閉める際視界の隅でミクを確認すると、 ちょこんと正座してテレビに噛り付いている。 大衆向けの甘ったるい恋愛ドラマでも見てるのだろうか。 見るのは別に良いがスイーツ(笑)にだけはならないでおくれよ… という冗談はさておき。 …これなら外に出てしまえば、会話を聞かれる心配も無いだろう。 俺は前を行く店員さんに続き外へ出ると そっと戸を閉めた。 197 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/20(水) 23 27 00.59 ID 24UPMcAO 「…で、どうなんです」 悪いが俺だってミクのお友達を増やすことを一番の目的に、 彼女と会わせたわけじゃないんだ。 俺は切実にミクについての情報を求めている。 そのためになりふり構ってる余裕など皆無だ。 「…ミクちゃん、本当に良い子です」 さっきとは打って変わって母親のような穏やかな声だ。 それでも若干この場の空気が変わる。 「そうですね…普通と違うといっても人格は至って正常、 かといって病気の気もありません。 このまま生活していくのに支障は無いを思いますし、 あの子もそれを望んでると思います。……でも」 少し声が暗くなる。 彼女は何故か俺の目を見ない。 「あまり口外するのはお勧めできません。 ミクちゃんがどんなに人間的な感性を持っていたとしても、 幼女に分類される以上は人権を持ちません。 例えば、幼女販売企業に不良品回収を理由にミクちゃんの引渡しを要求されたら あの子を守る法律はありません。」 「……」 「もしミクちゃんが新種の幼女として引き渡されたら、企業は あらゆる手段を用いて貴重なサンプルの研究をするでしょう。 原因解明のため安楽死の後解剖なんてことも、 法的には決して不可能では無いんです。」 198 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/20(水) 23 37 00.78 ID 24UPMcAO 「…そうですか」 正直ショックで自分が何を言っているのか分からなかった。 ここまで深刻な問題だと、何故俺が想定できよう。 だが今は… 俺は努めて真摯な態度で目の前の女性に礼を言った。 「たとえ好ましい情報では無くとも、それを今知ることができたのは 俺にとっても大きな収穫です。 今日はありがとうございました」 彼女がほんの少し、笑顔を見せる。 少しだけ、張り詰めた空気が緩んだ気がした。 そうだ、何もこれは最悪な状況というわけじゃない。 だって、俺はこれを今知ることができたじゃないか。 俺がミクの傍にさえいれば、たとえこの先問題に直面したとしても 幾らでも手の打ちようはある。 そうだろ? 199 名前: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 投稿日: 2008/02/20(水) 23 46 26.45 ID 24UPMcAO 「…はい。あ、でも結局ミクちゃんの歌声、聞けませんでしたね。 また来ても良いですか?」 「いつでも歓迎しますよ。ミクもきっと喜びます」 「えへへ、嬉しいです。次もこのくらいの時間に… あ、たしか大学通われてるんでしたね。因みにどこです?」 「ああ、○△大学です」 「あ、偶然。私もそこ出身です」 …………ん? 「だからぁ、私は一応そこの卒業生なんです。」 …なんたること。 いや、先ほどのそれとは比べ物にならないが、 こちらもちょっとしたサプライズである。 てっきり一つ二つ年下だと思っていたこの童顔な店員さん、 どうやら逆に年上らしい。しかも一つ二つってレベルじゃねーぞ。 いや、でも、ちょ、ちょっと待ってください。 予想外の言葉に気の利いた返答の一つもせねばと 凍り付く思考を巡らそうとする俺を見てフフンと笑い、 この元気な先輩さんは 「じゃ、今日は楽しかったですよ。また近いうちに遊びに来ますね。 おやすみなさい、後輩くん♪」 などとこれまたクラリとくる台詞で別れを告げると そのまま呆然とする俺を残し、去ってしまわれた。 337 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/23(土) 01 24 45.22 ID 0Xj5MUAO 彼女が去った後も、俺はしばらく玄関先に立ち尽くしていた。 嵐が去った後というのは、こういうのを言うのかも知れない。 やがてふと我に返る。 …いつまでもこんな所にいてもしょうがない。 もどろう、ミクの元へ。 そのときだった。 ノブに手をかけるのと同時、 まさに狙い済ましたかのようなタイミングで携帯電話が鳴った。 画面に表示されるのは未登録の番号。 …だが確かに、以前見覚えのある番号。 338 名前:SS@ミク…orz[] 投稿日:2008/02/23(土) 01 29 21.14 ID 0Xj5MUAO まさか、いや、そんなはずは無いさ。 よりによって今の今だぜ。偶然にも程がある。 思考と裏腹に嫌な脈打ち方をする胸を押さえ、 ゆっくりと電話に出る。 「…もしもし」 「いつも当社の製品をご利用頂き、ありがとうございます。こちら、○×社です」 その瞬間、頭から冷水を浴びせられたかのような錯覚におそわれた。 若い女の声、それに機械的な対応。 「以前お電話承った、ミクちゃんの飼い主の方ですか?」 339 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/23(土) 01 33 20.33 ID 0Xj5MUAO 「…いいえ、違いますけど」 なんなんですか、いきなり。こんな夜中に、失礼ですよ。 努めてそう聞こえるような態度を込めて、言った。 「…これは大変失礼致しました、こちらの不手際です。 どうも申し訳ありません」 その後に続く「では失礼します」という女の声も聞き終えない内に、電話を切った。 時間にして三分に満たない、ほんのちょっとした出来事。 だがそれはこの先も俺の記憶のほんの片隅に、 深く根を張り続けることになる。 それはまるで人体に巣食う質の悪い病原菌のように、 ともすればミクという存在すらも じわじわと飲み込んでしまう気がした。 340 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/23(土) 01 40 58.53 ID 0Xj5MUAO 部屋に戻ると、ミクはまだテレビを見ていた。 そんな少女とテーブルの角を介して隣合う一辺に座った。 そのままごろんと仰向けになってみる。 手を伸ばすとカーペットを越え、フローリングの床に触れた。 ひんやりした感触が腕を伝って気持ち良い。 …この暑過ぎず過ごしやすい気候も長くは続かず、程なくして うっとうしいほどの熱気を帯びるのだろう。 もうすぐ、夏だ。 何をするでもなく、ただ目の前の薄汚れた天井を見た。 短い間に少しばかり多くのことを経験しすぎたような、 そして今まで張り詰めたものがプツンと切れたかのような、 そんな心地よさとは一切無縁、気だるいばかりの疲労感。 …これからどうすれば良い。 341 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/23(土) 01 46 44.06 ID 0Xj5MUAO ひょこ。 不意に視界に小ぶりな顔が闖入した。 近頃じゃ一日で一番多く見ているであろう顔。 顔の距離から、床に手と膝をついた体勢なのだと予想した。 いつもの人懐っこい表情で俺を見下ろす。 「あのお姉さん、良い人だね」 「…ああ。」 「また来てくれるかな」 「多分」 「うれしいなぁ。またいっぱいお喋りしよう」 「…はは」 生返事をしつつ、俺は彼女の顔を形成る要素の一つ一つを見た。 幼い目元、長いまつげ、うすい唇、 それに重力に従って垂直に垂れる長い髪。 「お兄さん、ありがとうね」 「ん?」 「私こんなに楽しいの、久しぶり」 「ああ…良いんだよ」 「今日だけじゃないんだ。お兄さんと会ってから、 私本当に毎日が幸せ。 …だから私もその恩返しに、ほんのちょっとでもお兄さんを 幸せにできたらなって、そう思うんだ…」 一つ息をつき、 それまでのあどけない表情は一転して 何やら深刻そうな表情に変わった。 「何か嫌なことあったの?」 342 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/23(土) 01 50 57.43 ID 0Xj5MUAO がばっと身体を起こした。 まさに予想外、的確に急所を突かれ、若干戸惑う。 何か言わなければならない。 でもこの心優しい少女に、俺は何を言えばいいんだろう。 「いや……わからない」 我ながら変な返事をした。 ミクは言及しない。ただほんの数秒だけ考えて、 「お兄さん、一番風呂入ってきなよ」 「はい?」 まぬけな声が出た。 「だってお兄さん、やっぱりちょっと疲れてるみたい」 「ああ…そうかな」 「そうだよ。ゆっくり休んだ方が良いんだよ」 「いやだけど、どうして風呂だよ」 「お風呂って、 なんか自分がもう一回生まれ変わったような気にならない?」 不覚だが、妙に共感できてしまった。 「なんとなく、分かる気がする」 「でしょ?だから今日は先に入りなよ。…私入れてくるね!」 それだけ言うと、ぱたぱたと慌ただしく風呂場へ消えた。 あぁ、そうだ。彼女はいつもそうだった。 ミクは、優しい。 343 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/23(土) 01 55 11.23 ID 0Xj5MUAO ミクは、優しい。 そして人の気持ちを良く汲む。 俺の様子がおかしいといち早く気付き、 かといって決して強引に何か聞き出したり慰めようとはしない。 ある時は暖かいコーヒを煎れ、またある時は何をするでもなく 静かに本などを読んで傍にいる、といった具合に、 ともかく手を変え品を変え そのときこちらの負担にならない程度の働きかけをした。 そんな彼女のさりげない優しさが、好きだった。 ともすれば人でも困難な気配りをさらりとやってのける彼女に 尊敬の念を抱くことさえ、しばしばあった。 …そんな彼女に、俺は何をしてやった? お友達をつくってやったり、CDを聞けるようにしてやる以外に。 自分の無力さがつくづく嫌になる。 399 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/24(日) 17 12 44.30 ID hECeNoAO 「――――――!!!??」 なんの前触れも無く風呂場に響いた耳をつんざく悲鳴に、 俺の思考は中断を余儀なくされた。 「おい、ミク…!?」 狭い部屋を走り抜け、引き戸を乱暴に開ける。 だが俺を迎えたのは声の主の幼女ではなく、冷水だった。 「うお!?」 俺は思わず一歩退く。 いくらもうすぐ夏とは言え、季節はまだ水浴びには涼しすぎる。てか、寒い。 顔を拭って、中の状態を確認する。 そして、見た。 既に水浸しの脱衣所、四方八方に吐き出される水しぶき、好き勝手暴れるシャワーのホース。 ―そして頭を手で覆い、はじっこの方で小さくうずくまるミク。 大惨事。 もうこれ以上無いくらい、大惨事。 400 名前:SS@ミク[] 投稿日:2008/02/24(日) 17 16 12.43 ID hECeNoAO とにかく、これは良くない。非常に良くない。 こうしてる間にも容赦無く振り撒かれる冷水はともかく、 勢いづいたシャワーヘッドの一撃を後頭部にでも受けたものなら 俺など全治一週間は請け負える。 そう考えるとシャワーから噴き出しているが熱湯ではなく冷水だというのは、まさに行幸と言う他ない…と そんなこと言ってる余裕は無いか。 俺は腕で頭部を護る体勢で、突っ込む。 怯えるミクの横を掠め、ヒュンヒュン音をたてて暴れまわるホースを潜り抜け…とその時、 遠心力を味方につけた会心の一撃を横腹に受けた。 痛ぇってレベルじゃ無ーぞ。骨まで響く、鈍痛。 401 名前:SS@ミク[] 投稿日:2008/02/24(日) 17 21 44.59 ID hECeNoAO やっとの思いで蛇口を固くしめると、 俺もミクも弱々しくその場にへたりこんだ。 さっきの一撃の後遺症で息ができん。 これなんて生き地獄? 「ごめんね?…あのー…大丈夫?」 苦しみに悶える俺の前に、ミクが歩み寄る。 「ぶっ!!!」 そちらへ目を向けた瞬間、俺はただでさえ不足している酸素を いやが上にも吐き出す羽目になった。 …ここで多少の説明を要するが、 以前例の猥褻衣類店でミクの普段着は一式揃えておいたため、 もはや俺が彼女に服を貸す必要は無い。 しかしそれにも関わらず彼女は 「こっちの方が落ち着くから」などという理由で しばしば俺の服を拝借している。 そしてこともあろうに、今日のミクは俺のTシャツを着ていた。 つまり今の彼女はTシャツ一枚で(流石に下着は着用しているだろうが)、 薄い布地はピッタリ体に貼り付き しかも濡れた白系色は光の侵入を遮…ええい、面倒くさい。 ようするに、スケスケ状態なわけだ。 断言する。これはヤバい。 どれくらいヤバいかと言うと、全裸よりヤバい。 402 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2008/02/24(日) 17 28 09.38 ID hECeNoAO ミクはしばらくぽかんとしていたのだが、 しばらくして俺の目線に気づき、 それから自分の身の振りを確認するや否や その場にうずくまってしまった。 下を向いてしまったせいで良く伺えないが、 顔がこれ以上無いくらい紅い。 まだ少々呼吸困難の気はあったが、 俺はよろよろと部屋の中へ戻る。 そして適当な引き出しから乾いたバスタオルを取り出すと、 依然絶賛紅潮中のミクへと放ってやった。 「え、え?お兄さん?」 「お前が先に入れよ。そのままじゃ風邪ひくから」 「でも、それを言うならお兄さんだってびしょ濡れ…」 「良いから良いから」 ぴしゃっと戸を閉める。 軽い既視感を覚えつつも、鼻歌など口ずさみ部屋へ戻る。 脇腹はまだ痛んだが、なんとも晴れやかな気分だった。 さっきまで感じていたモヤモヤは、霧が晴れるかのように消えてしまった。 それどころか、今まで何とくだらないことで 悩んでいたのだろうとさえ思える。 403 名前:SS@ミク[] 投稿日:2008/02/24(日) 17 34 38.02 ID hECeNoAO 「お兄さん」 背後から呼ばれて振り向くと、申し訳なさそうな表情のミクが 引き戸から半分だけ顔を覗かせてこちらを見ていた。 なんか、その画も前に見たことあるぜ。 「どうした、早く入ってこいよ」 「だめだよ、お兄さんだってびしょ濡れじゃない。このままじゃ 私のせいで風邪ひいちゃう」 「俺は良いから、遠慮するなよ。 男として濡れたままの女の子放っとくわけにいかんだろ」 「…それでね?その…私考えたんだけど」 何やら言い難そうだ。 「だから、ね?つまり…良かったら、一緒に入らない?」
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90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 05 35 04.72 ID Gz626frw0 2XXX年・・・日本は色々有って大格差時代を迎えていた・・・ 富男「はぁ、そろそろ贅沢も飽きてきたなぁ~暇潰しに幼女でも買ってみるか~」 店主「ようこそいらっしゃいました。本日はどういった幼女をお探しでございますか?」 富男「ああ、暇でな。適当に手の掛からん、面白そうなのを見繕ってくれんか?」 店主「承知いたしました」 店主「こちらなどいかがでしょう?家事から夜のお供まで完璧に訓練されております」 富男「ほぅ、見目も良く、なかなかだな。いくらだ?」 店主「はい、諸経費など全て含みまして¥3608000(2007年の価値にして)で御座います」 富男「安いな…何か裏があるのではないだろうな?」 店主「滅相も御座いません。本商店は、国家検定特一級の品質を誇っております」 富男「ふむ、良いだろう。この幼女を買お……ん?」 幼女「…私を……さい」 富男「?何だこいつは?」 店主「あぁ、申し訳御座いません。その幼女は5等一般市民向けの者で御座います」 店主「しかも、なかなか他人に心を開かぬ上に、修練の出来も悪く、ほとんど価値はありません」 富男「ふぅん…コイツ、さっきから何か言っているな?」 店主「これ!お前は取得も無いのだから、せめてお客様に失礼の無きようになさい!」 幼女「……私…私を……買って…下さい…」 店主「!!何と無礼な事を!!お前はお客様に選ばれる立場なのだぞ!立場をわきまえ…」 富男「まぁまぁ、良いじゃないか。ふはは!割と面白そうな奴じゃないか!良し、店主コイツを貰うぞ!」 店主「は、はぁ。では、諸経費も含めて¥980で御座います…しかし、お客様、本当に…」 富男「もう良い。くどいぞ?もう、私はこいつに決めたのだ」 店主「は、はい、承知いたしました…では、どうぞ。…これ!せめてご挨拶くらいはしないか!」 幼女「………………ペコリ」 こうして、俺と幼女の生活は始まったのだ… 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 06 01 19.93 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第0日目、夕方~ 富男「ふぅ、着いたか・・・街を区切るのは良いが、これ程迂回路が多くてはなぁ~」 幼女「はぁ・・・はぁ・・・」 富男「何だ?疲れたのか?」 幼女「・・・・・・コクリ」 富男「やれやれ、お前、体力も¥980分しか無いのか?」 幼女 クラリクラリ・・・バタン 富男「お、おい!お前!!大丈夫か!?」 一時間後・・・ 幼女「う~・・・にゅう・・・ハッ!」 富男「起きたか!全く・・・ふざけるなよ!?何故、俺がお前などの世話をせねばならん!!」 幼女「・・・・・・」 富男「何だというのだ?お前は日頃運動不足の俺より体力が無いとは!?クズか!?」 幼女「・・・・・・・・・グスン」 富男「!!お、おい!泣くなよ!収まれ!!」 幼女「・・・う、うぅ・・・あう、うう、ひっく・・・」 富男「な、こ、これでは俺が悪者みたいじゃないか!」 幼女「あぅう・・・ごめん・・・なさい・・・わたぁうぅ・・・うううぅ・・・」 富男「な、本当に訓練されてないようだな・・・」 幼女「ご・・・うぅ・・・ごめん・・・なさい・・・ごめん・・・なうぅさい・・・」 富男(う・・・なんか罪悪感に駆られてきたな・・・) 富男「わ、わかった。もう怒ってないから!お、俺が悪かったな?そうだな?」 幼女「うぅ・・・・ヒック、ヒック」 20分後、俺の必死の懇願でやっと幼女は泣き止んだのだった・・・ 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 06 27 19.05 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第1日目、朝~ 富男「ふあぁ!良く寝たな。やはり、このベッドは最高級だけあるなぁ」 幼女「すぅ・・・すぅ・・・」 富男「・・・コイツは・・・俺よりも長く睡眠という快楽を貪るつもりか・・・(怒)」 昨日は、大変だった。やっとの事で幼女を泣き止ませたと思ったら・・・ コイツ、そのまま俺のベッドで寝やがった・・・ だが、かといって俺が他で寝るのも癪に障るので、俺はコイツと床を並べる羽目になったのだ 富男「・・・しかし、もっと臭うモノかと思っていたが・・・あの店、やりおる・・・認めたくないが・・・すげぇ良い匂いだ・・・」 幼女「うぅん・・・すぅ・・・すぅ・・・」 富男「ハッ!良い匂いじゃない!くうぅ!ぐうすか眠りやがって・・・えぇい!いい加減に・・・」 幼女「にゅう・・・ペロペロ」 富男「!うぼわ!こ、こいつ、俺を頬を舐めやがった!?こ、このっ!!」 幼女「ペロペロ・・・うにゅう・・・」 富男「は、ふぅ・・・はぁははぁ。な、生暖かくて・・・く、くすぐった気持ち良いぃぅぁあ・・・」 幼女「・・・すぅ・・・すぅ・・・」 富男「・・・・・・」 富男「・・・くっ、可愛い寝顔しやがって・・・・・・ふん・・・まぁ、もう少し寝かせてやるか・・・」 そうして、俺は昼過ぎまで幼女の寝顔を(図らずも)堪能してしまったのだった・・・ 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 07 04 16.86 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第1日目、昼~ ぱーと1 富男「ぐぅすか、ぴいすか」 ツンツン 富男「くぅう、なん・・・だ・・・」 ツンツン 富男「ふぅん・・・ぐぅぐぅ・・・」 ギュッ! 富男「あうち!!な!なんだ!!敵襲か!!!?」 ツンツン 富男「は!・・・な、何だ!・・・お前・・・か・・・!ハァフゥ」 幼女「・・・・・・した」 富男「ん?何だ?」 幼女「お腹が・・・空き・・・ました」 富男「はぁ!?何て図々しい!何で俺が用意するんだよ!むしろお前の仕事だろうが!?」 幼女「・・・・・・・・・・・・グスン」 富男「!!!わ!分かった!!作る!今、飯を作る!だから、泣くのだけは勘弁しろ!!」 どうやら、俺は参った事に、あれから二度寝をしてしまったらしい・・・ ・・・ではなく、何か可笑しな事になってきた。これでは、主従逆転だ。 昨日から俺はコイツの世話ばかりしているじゃないか・・・ 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 07 05 32.20 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第1日目、昼~ ぱーと2 30分後・・・・ 富男「ほらよ。簡単な物だが一応出来たぞ。」 幼女「・・・・・・チャーハン」 富男「ん?嫌いか?」 幼女「ブンブン(首を横に振る音。鬼軍曹ではない)」 富男「そうか、ならさっさと食べろ」 幼女「・・・パクパク」 富男「・・・美味いか?」 幼女「・・・・・・はい」 笑った、昨日からほぼ無表情だった幼女が微笑んだ、俺に向かって・・・ 可愛かった・・・それは、とても可愛かった・・・ 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 07 33 08.82 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第1日目、夜~ ぱーと1 夕食を食べ終えると、俺は洗濯物を取り入れて、ぱっぱと畳んでいた。 ・・・・・・俺、全然、贅沢してねぇじゃん・・・・・・ というのも、一応、幼女を買ったので、今まで居たメイド(オバタリアン)に暇をやった為だ。 俺は、家の中に他人を入れる事を元来好まない。オバタリアンには悪いが、二人も家に他人を招いたら疲れる。 富男「はぁ、家事久しぶりだから疲れるなぁ・・・」 幼女「・・・・・・」 富男「フゥフゥハァハァ・・・」 幼女「・・・います」 富男「ふぅふぅはひぃはひぃ・・・」 幼女「・・・あの・・・て、手伝います・・・!」 富男「はひぃ?」 そういうと、幼女は手馴れた手つきで洗濯物を畳み始めた 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 07 56 02.33 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第1日目、夜~ ぱーと2 幼女「♪」 幼女は少し笑みを浮かべながら、生き生きと洗濯物を畳んでいる だが、何かひっかっかる事がある様な・・・ 富男「!あれ!?・・・お前・・・上手いじゃないか・・・家事とか出来ないんじゃなかったのか?」 幼女「・・・・・・・・・!」 そう俺が指摘した刹那、幼女は手を止めて俺の方に向き直った。 幼女「あ・・・あの・・・私・・・出来ます。家事、少しならお手伝いできます」 富男「え?そうなの?でも、店では家事も出来ない単なる役立たずのクズだと・・・」 幼女「・・・・・・・・・・・・酷いです」 富男「あ、いや!本当だな!あの店主は酷い男だな!」 幼女「・・・・・・・・・ジーー」 富男「・・・・・・・・・(汗)」 幼女「・・・・・・・・・・・・グスン」 富男「ああ!!ご、ごめんなさい!!そうだね!俺が悪かったね!幼女はクズなんかじゃないよね!」 幼女「・・・・・・・・・・・・ニコッ♪」 富男「・・・・・・???」 幼女「・・・初めて『お前』じゃなくて・・・『幼女』って呼んでくれました・・・」 富男「・・・も、もしかして、からかった?」 幼女「♪」 富男「ぬぅう!!おま・・・幼女ぉぉお!!!」 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 08 31 08.14 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第1日目、夜~ ぱーと3 俺と幼女は一通り家事を済ませて、風呂に入り(別々に)床についていた。 幼女「すぅ・・・すぅ・・・」 幼女は俺の隣で安らかに寝息を立てている。 さっきの一連の家事作業の中で幼女は俺に心を開き始めてくれた様だ。 そして、正直、自分でも驚いているのだが、まだ一日半しか一緒に居ないというのに、 俺も幼女に心を開き始めている。 ほんの暇潰しのつもりだったのに・・・ 富男「ったく、可愛い寝顔しやがって・・・」 俺は、幼女が起きないように細心の注意を払いながら、幼女の頭を軽く撫でてやった。 微かになびくつややかな髪から、甘い香りが放たれて、俺の鼻腔をくすぐる。 そういえば、さっきの幼女との会話の中で気になっている事があったのだが、 結局、静かに遠くなる意識の中で、俺は今日の思考を中止する事を余儀なくされたのだった。 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 08 46 42.16 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、朝~ 富男「ぐうすかぴいすか・・・」 ツンツン 富男「うぅん・・・」 ツンツン 富男「うみゃあん・・・すやすや」 幼女「・・・・・・///」 チュッ♪ 富男「ぬぅん・・・ぐぅぐぅ・・・」 幼女「・・・ふふ・・・・・・もう少し・・・寝ていて下さいね♪」 かくして、俺はまんまと昼まで寝かされていたのであった。 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 09 46 41.19 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、昼~ ぱーと1 富男「ふぁあああ・・・寝すぎたなぁ~。スマンな、幼女。腹減っただろう?今、作って・・・」 目覚めて、俺は驚きを隠せなかった。 俺がこれから、慣れない料理を行い、二人分の昼食を並べる筈の場所に、 今日は既に、明らかに4人前程は有るだろうか?、豪華なご馳走が並んでいる。 富男「・・・?こ、れは、一体!?」 幼女「・・・あ、あの・・・作ってみました・・・」 富男「はあぁ・・・!これはすごい・・・」 幼女「・・・あの、あの!・・・お口に合いますか?」 富男「モグモグ・・・・・・・こ、これはっ!!」 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 10 32 37.70 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、昼~ ぱーと2 富男「あ、あの・・・大変言いにくいのですが・・・・・・」 幼女「・・・お、美味しく・・・ありませんか?」 富男「ええ、心苦しいばかりですが・・・」 幼女「あうう・・・す、すみません・・・あの・・・お料理はまだ・・・あまり、上手くなくて・・・」 富男「いや!まぁ、こういう物はさ、気持ちだけでも十分、お腹一杯になれるものだから、なぁ!」 幼女「うぅぅ・・・」 富男「いや、まぁ、うん・・・俺はダイエット中だったりもするわけで・・・ちょうど良いなんて思ったりする訳で・・・」 幼女「・・・・・・・・・」 富男「ま、まぁ、そういう訳で・・・あの、その、ご馳走様でした・・・」 幼女「・・・・・・はい・・・・・・」 富男「・・・・・・・・・・・・」 幼女「・・・・・・・・・・・・」 富男「・・・・・あの、幼女?」 幼女「・・・・・・・はい?」 富男「簡単な物しか作れないけど、良ければ何か作ろうか?」 幼女「ううう・・・ごめんなさい・・・」 富男「・・・・・・・・・一緒に作る?」 幼女「・・・・・・!は、はい♪」 本当に、幼女と一緒に居ると不思議だ。 昨日までは料理なんて、全くしたくなかったのに、今日は進んで料理をしたい気分になった。 ・・・・・・俺は、きっと、幼女の悲しそうな顔を見たくなかったんだ・・・ 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 11 02 15.09 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと1 昼食を食べた後、俺はふと、昨日の会話の内容が気になっていた。 幼女を買ったあの店は、確かに信頼に足る特一級の名に恥じぬ優良店舗であった。 そこでの訓練で幼女に下された評価は、たったの¥980。 俺は取り分け幼女市場の相場に詳しい訳ではないが、大体、他幼女は最低クラスでも¥100000はするのが普通だ。 これは、幼女の能力から考えると、明らかに不自然だった。 俺は、その辺の話をすべく、また、何より少し狙いが有って、幼女を散歩に連れ出してみる事にした。 幼女「ずずぅ・・・はふぅ・・・」 富男「なぁ、幼女。グリーンティーで一服している所に悪いんだが、少し散歩に付き合ってくれないか?」 幼女「は、はい!良いですよ♪」 富男「じゃあ、行こうか・・・冷えるから暖かい格好をしろよ?」 幼女「あ・・・はい・・・これで、良いですか?」 富男「ああ、おkだ」 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 11 37 22.41 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと2 幼女「ハァハァ・・・う、ま、まだですか?」 富男「いや、もう少し、後30メートルも歩けば着くよ!」 俺と幼女は1等一般市民街区のある小高い丘を歩いていた。 幼女「はぁはぁ・・・冗談ではなく・・・ほ、本当に限界ですぅ・・・はぁ」 富男「幼女は体力だけは¥980に相応しいからな・・・でも、心配するな!もしもの時はおんぶしてやるよ!」 幼女「!・・・・/// が、頑張ります・・・はぁはぁ」 5分後・・・・ 富男「よぅし!着いたぞ!ここだ。ほら、そこのベンチに座りな。」 幼女「はぁはぁ・・・やっと着きましたか・・・よいしょ」 富男「ハハハッ!何かおばさんみたいだな」 幼女「・・・・・・・酷いです。・・・・・・私は、まだピチピチです・・・」 富男「ふぅ、冗談はさておき、幼女も初めて出会った時から比べて、随分俺に心を開いてくれてるよね」 幼女「・・・・・・そう、はっきり言ってしまうと・・・少し恥ずかしいです・・・///」 富男「・・・あのさ、単刀直入に聞くよ?・・・俺という人間は、君にとって、全てを曝け出せる程信頼に足る人間かな?」 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 11 59 20.48 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと3 幼女「・・・え?」 富男「幼女、俺は君の事をもっと知りたい・・・」 幼女「・・・どうしてですか?私を買った時、あなたは暇潰しだと言っていました」 幼女「これも、暇潰しの一環なんですか?」 富男「いいや、暇潰しでも、興味本位でもないよ。無論、君の言う通り、最初はそうだったかも知れないけどね・・・」 富男「・・・僕の両親はね、有名財閥の幹部だったんだ・・・」 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 12 40 57.99 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと4 富男「両親は努力し、必死に働き、そして地位を得た・・・・・・でもね、その最期は脆い物だった」 幼女「・・・・・・」 富男「両親は、友人に裏切られ、罪を着せられ、会社に捨てられ、遂には家族からも見捨てられた・・・」 富男「そして、追い詰められた両親は、不注意による交通事故で命を落とした・・・」 富男「俺に大いなる遺産を遺してね・・・・・・それから、俺は生きる事が分からなくなった・・・」 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 12 56 57.34 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと5 富男「人を信じられなくなった・・・人の温もりを忘れた・・・ただ、有り余る金を湯水の如く使い、刹那的な悦楽を求め続けた」 富男「そして、残った物は、ただ消え行くのを待つだけの抜け殻さ・・・」 富男「・・・・・・俺は死んでいた、執行猶予を生きていた・・・」 富男「君に、出会うまでは」 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 13 25 20.44 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと6 幼女「・・・・・・・・・」 富男「君は、人と信じあう事の心地よさを与えてくれた・・・人の肌の温もりを思い出させてくれた・・・」 富男「そして、人を愛する事を教えてくれた・・・」 富男「俺は・・・貴方の事をを愛している・・・」 幼女「・・・・・・・」 幼女の瞳から涙が零れ落ちた・・・それは、今までに見たどんな輝きよりも強かった・・・ 俺の一番大好きな場所、夕日の沈む光が何かの終わりを告げ・・・そして、何かの始まりを告げる・・・ 夕日に彩られた幼女は、まさに俺の命そのものだった 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 13 48 52.67 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと7 夕日の沈みゆくなか、夕日より儚く、そして、強く輝くその人は、 俺に向かって微笑みながら・・・ようやく沈黙を破った・・・ 幼女「私、本当は誰にも買われたくなかったんです・・・誰にも支配されたくなかったんです・・・」 幼女「私がまだ、さらに幼い頃・・・私の家は地方の支配身分でした。」 幼女「幼い頃から支配される人々を見て育ちました。しがらみの中に縛られ、尊厳を失い、抑圧され、人としてさえ生きられない人々を・・・」 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 14 14 27.12 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと8 幼女「やがて・・・私の家は没落しました・・・支配身分同士の権力闘争の果てでした・・・」 幼女「家族は支配される人間に変わりました・・・様々な迫害を受け・・・流れ・・・私は売買される身になりました・・・」 富男「・・・なぜ、俺に買われたんだ?」 幼女「・・・お兄様に似ていたから」 富男「君のお兄さん?」 幼女「・・・流れる途中で家族はバラバラになりました・・・」 幼女「そのなかで、お父様は死に、お母様は売られ、お兄様と私は最期まで一緒に居ました・・・」 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 14 36 16.58 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと9 幼女「お兄様は誇り高い人でした・・・両親が辱めを受け、己が虐げられ、私も売られようとしていました・・・」 幼女「お兄様はその全てを背負い、私を護ろうとしていました・・・しかし、その重圧は未だ若かったお兄様の心を蝕み」 幼女「そして、壊れてしまいました・・・」 幼女「せめて、私が、あの助けを求めるお兄様の瞳に応えられていれば・・・もっと支える事が出来れば・・・」 幼女「私はずっと後悔してきました・・・だから、お兄様の瞳に似た、あなたの瞳を放っておけませんでした・・・」 富男「・・・・・・・俺は、知らず知らず、君に助けを求めていたんだね・・・」 幼女「私も求めていました・・・あたかも、生きる事その物であるかの様に振舞う」 幼女「身を縛る支配という名の鎖から、解き放ってくれる人を・・・」 幼女「・・・貴方は私の・・・白馬の王子さま・・・・・・ですね」 260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 14 53 43.39 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、第2日目、夕方~ ぱーと10 俺と幼女は沈む夕日の消えゆく最期の光のなかにいた・・・ 富男「幼女・・・」 幼女「あ、あの・・・その・・・そんなに見つめ・・・られたら・・・恥かしいです・・・」 富男「それは困るな・・・俺はこれからずっと君を見つめ続けるんだから・・・」 幼女「あの・・・あの・・・///」 俺は煮え切らない幼女の唇を無理やりに奪った・・・ 幼女「ん・・・んぅ・・・・・・・・・・・はぁ・・・ぁ・・・・もっと優しく・・・が良いです・・・」 富男「じゃあ、んっ」 俺は唇を幼女に向けて差し向けた・・・ 幼女「・・・・いじわるです・・・・・///」 幼女は顔を真っ赤にして俺の唇をついばんだ・・・ 初めて味わう、柔らかさとジンジンする様な甘さを、俺達は暫く互いに味わいあっていた 268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 15 15 10.79 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、恋人達のミッドナイト、ホワイトアウト~ ぱーと1 辺りは暗くなっていた・・・ 富男「えっと・・・帰ろうか?」 幼女「はい♪・・・んっしょ!」 幼女「わ、わわっ!あ、足に力が・・・!」 クラリクラリ・・・ 富男「なっ!危ないぃ!!」 ボスッ! 転びそうになった幼女を、すんでの所で胸の中に抱きかかえた。 幼女「あわわ・・・えへへ、ごめんなさい・・・私、やっぱり体力は¥980並ですね」 富男「おいおい、前にもこんな事なかったっけ?」 幼女「はい♪出会った日です!」 富男「もう、元気なんじゃないのか?本当は・・・・立てるか?」 幼女「え、え~と、よいしょ!・・・・・・・・・っわ!わわわっ!?」 富男「アララ・・・」 幼女「あの、ごめんなさい・・・やっぱり立てません・・・♪」 富男「・・・楽しそうにするなよ・・・どうする?回復するのを待とうか?」 幼女「あ、あの・・・出来れば・・・・ぶ・・・」 富男「へ?何?」 幼女「あ・・・の・・・おんぶ・・・して・・・欲しい・・・です・・・・///」 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/02/06(水) 15 42 09.85 ID Gz626frw0 ~富男の幼女日記、恋人達のミッドナイト、ホワイトアウト~ ぱーと2 富男「でも、さっきおんぶするって言ったら、頑張るって言ったじゃないか!」 幼女「はい♪頑張って立てなくなったら・・・おんぶ・・・して貰えるかなって・・・」 富男「・・・・・な、何言ってんだよ・・・小恥ずかしいなぁ」 幼女「おんぶ・・・ダメですか?・・・」 富男「・・・・いや・・・・構わん・・・・乗れ・・・・」 ボスッ! 幼女「ふふふ・・・富男さんの背中・・・すごく大きいです・・・」 富男「・・・・・ほ、ほぅう、そ、そりゃよかったなぁ・・・///」 幼女「♪富男さん・・・・一つお願いしても良いですか?」 富男「はん?良いけ・・・い、いや、内容によるな!ま、まぁ、言ってみ?」 幼女「あの・・・富男さんの事・・・お兄様って呼んでも良いですか?」 富男「!!ぬぅ!?い、いや・・・あんな話聞いた後だし・・・返事に困るなぁ・・・」 幼女「お兄様♪」 富男「は、はひぃ!」 幼女「エヘヘ♪・・・お兄様・・・///」 ギュ! 富男「・・・・・・・・・・・・(首が絞まる)」 284 :SS@ビックバン :2008/02/21(木) 23 10 20.33 ID mxCD5UI0 ~富男の幼女日記、恋人達のミッドナイト、ホワイトアウト~ ぱーと3 その日の夜・・・ 富男「さ~てと、それじゃ、そろそろ寝るとしますか」 幼女「そうですね!私も、もうクタクタで・・・」 富男「・・・ホントに体力ねぇな・・・」 幼女「あ、あはは・・・すみません・・・」 富男「体は全ての資本だぞ?鍛えねぇとな・・・」 幼女「そうですね・・・私も何とかしないと・・・とは思ってるんですが・・・」 富男「ま、それは、おいおい鍛えるしかないかな」 幼女「はい!今後、頑張ります!」 富男「じゃ、と言う事で、俺は寝るわ!」 ・・・・・・・・・・・・ 富男「おい・・・幼女・・・試みに聞くが、何で俺の寝室に居る?」 幼女「一緒に寝ましょう♪お兄様♪」 富男「や、やっぱりかぁ!?じ、自分の寝室で寝なよ!」 幼女「だ、だって・・・寂しいじゃないですかぁ・・・」 富男「な、寂しいってお前な・・・」 幼女「むぅ・・・あんなにだだっ広い所・・・一人で寝たくありません・・・」 富男「・・・だ、だがな・・・俺は男であって、幼女は女であって・・・」 幼女「・・・良いじゃないですか・・・愛し合ってる訳ですし・・・フフフ♪」 富男「な・・・お、お前・・・そんなに一緒に寝たいのか・・・?」 幼女「はい・・・」 富男「・・・はぁ・・・・・分かったよ・・・ほら、ベッド入れ」 幼女「やった♪」 バフン! 富男「ごほごほっ!お、お前、そんな勢い良く・・・」 幼女「だって、嬉しいんですもん♪」 富男「・・・まったく・・・まぁ、良いか・・・幼女が嬉しいなら・・・」 幼女「えへへ♪ありがとうございます♪」 富男「ふぅ・・・じゃあ、おやすみ・・・」 幼女「はい♪おやすみなさい♪」