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【作品名】 ルー=ガルー 忌避すべき狼 【ジャンル】 小説 【先鋒】 アルヴィル 【次鋒】 麗猫(レイミャオ) 【中堅】 神埜歩未 【副将】 老(ラオ) 【大将】 都筑美緒 【備考】京極夏彦の近未来ハードボイルド少女サスペンス 【先鋒】 【名前】アルヴィル 【属性】エリア警備 【大きさ】大男 【攻撃力】体格相応の鍛えた人間並み。美緒の首を両手で絞め上げて持ち上げ、悶絶させる。 サバイバルナイフ装備。 【防御力】拳法の達人の麗猫の蹴りを受けても行動可能。 【素早さ】鍛えた人間並み 【長所】それなりに強いはず 【短所】ほとんど武器を使ってない 【次鋒】 【名前】麗猫(レイミャオ) 【属性】未登録住民(中国系)、拳法少女 【大きさ】10代半ば少女並み 【攻撃力】拳法の達人。殺す気なら手刀一発で人の首の骨を折り殺す。 【防御力】鍛えた少女並み。肩を拳銃で撃たれても何とか行動可能。 【素早さ】調理用ナイフや棒状のもので武装した男3人をあしらい、あっという間に2人を倒す。 (1人は乱闘で同士討ちになり倒れた) 【特殊能力】スプレーガンの目潰しが効かず、煙幕の中で普通に戦闘可能。 【長所】喧嘩なら強い 【短所】殺し合いは本分じゃない 【中堅】 【名前】神埜歩未 【属性】少女 【大きさ】14歳少女並み 【攻撃力】サバイルバルナイフ装備。鍛えた人間の喉を掻き切り一撃で殺害。 【防御力】少女並み 【素早さ】「獣のよう」と評されるような動き。 不意を衝かれた常人に全く反応させず、鍛えた人間(アルヴィル)に対しても 他の相手の首を絞めている隙に少し離れた位置から一気に間合いを詰め喉を掻き切った。 【長所】ボーイッシュなクールビューティー 【短所】不意討ちで瞬殺が多くあまりまともに戦ってない 【副将】 【属性】エリア警備、武器マニア 【大きさ】成人男性並み 【攻撃力】レーザーポインター式の拳銃装備 【防御力】拳法の達人の麗猫の蹴りをボディと喉に受けてダメージはあるが行動可能 【素早さ】エリア警備なので鍛えた人間並みにはあるか 【長所】銃持ち 【短所】作中当たったのは一発だけ、誰も殺してない 【大将】 【名前】都筑美緒 【属性】天才少女 【大きさ】14歳少女並み 【攻撃力】カメ3号:バズーカのような形状のブラズマ砲。 金属扉やビルの壁を吹き飛ばして大穴を開け、人間に撃てば電子調理器にかけたように 全身沸騰させ即死させる。 ある程度の距離をおいて銃持ちに応戦しているので銃器並の射程はあるものと思われる。 【防御力】少女並み 【素早さ】カメ3号を持っていても問題なく動け、レーザーポインター式拳銃で狙われても横に飛んで回避。 そうしてしばらく銃撃を避けた後、下記のコンピュータで動きを呼んで反撃を命中させた。 【特殊能力】カメ3号にはコンピュータが搭載されておりアクセスできればハッキングも可能。 センサーにより肉眼では分からない足跡を探知できる。 戦いの中で相手の行動パターンを解析し、読むことができる。 【長所】武器自作とかやり過ぎ クラッシャー 【短所】やる事無茶苦茶 バカ
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キロロの森 3 5-490様 「ますますお前が欲しくなったよ…アリク」 茂みの奥に隠れるように立つ老婆…金色の魔女。 その人間らしからぬ不気味な顔を上げると、アリクを見つめてにたりと笑った。 「ッ…」 アリクは怯えきった表情で後ずさる。 「へぇ、あれがその金色の魔女って奴か」 クロウクロウは金色の魔女を見下ろし少し楽しげに言った。 「さて…確かランドットの話じゃあ、なにやら嘴に傷のあるオオタカがあの子を邪魔したらしいじゃないか」 金色の魔女はガルスを焦点の合わない目で睨んだ。ガルスも睨み返す。 「…あんたがこいつに呪いをかけた本人か。丁度良い、こいつの呪いを今すぐ解いてやってくれ」 金色の魔女の眉がピクリと動いた。その笑みに苛立ちが含まれる。 「確か…ガルスとか言ったね。馬鹿な事を言ってないで早くここから立ち去りなさい。その娘を置いてね」 「あんたの弟子に言ったはずだぜ、断るってな。後から曲げるつもりはねえ」 互いに睨み合う二人。アリクはガルスと金色の魔女を不安げな表情で見つめ、それをクロウクロウが見守っていた。 その緊迫した空気を、金色の魔女が破る。金色の魔女はひとつ大きな溜め息をついた。 「…馬鹿も休み休み言っておくれよ。だいたいお前がその娘を守ることに何の得があるんだ」 聞かれたガルスは少し黙っていたが、やがて得意気な表情で答えた。 「…あんた知ってるか?人間ってのはな…自分の毛皮を脱ぐことができるんだぜ」 「はぁ?」 と、素っ頓狂な声を上げたのはアリクだった。ガルスは構わず続ける。 「しかも脱皮と違って脱いだらそれで終わりじゃねえんだ。脱いだ毛皮をまた元通りに付けれるんだぜ」 「いや、あの、ガルス」 アリクはなんと言ってよいかわからず狼狽している。 「マ…マジかよ…!人間てすげえな…!」 「クロウもちょっと…普通に驚かないでよ…」 そばで聞いていたクロウクロウも目を丸くして驚いている。 「つまり、コイツには俺の知らんことがまだまだ沢山有るに違いねえ!俺はそれを全部知りたい!だからコイツをお前に渡すつもりはねえし、虫になられても困るんだよ」 ガルスは強い眼差しでそう言った。金色の魔女は目を細めながら聞いていたが、やがて顔を手で押さえて苦笑の笑みを零した。 「…くっ…くくく…はっはは…面白い、ここまでの馬鹿は久しぶりに見たよ」 金色の魔女は再び大きな溜め息をついて、ガルスを睨んだ。 「馬鹿の相手は疲れるね。あまり使いたくないんだが…しょうがないね、力ずくでも連れていくよ」 そう言うと、金色の魔女の黒い眼が赤く染まっていく。やがて風もないのに、木がざわめき始めた。まるで、金色の魔女に怯えるように。 「…な…何だ…?」 異変に気づいたクロウクロウが辺りを見回した。その直後。 「いっ…!?うぁっ…あああああっ!!」 突然耳を押さえてうずくまるアリク。 「なっ…どうした!?」 「聞こえるかい、アリク。それが、私の力だ」 金色の魔女は不敵に微笑んでアリクを見る。 「てめえ…アリクに何しやがった!!」 ガルスはうずくまるアリクを見ると怒鳴った。ガルスとクロウクロウには何も感じられないらしい。 金色の魔女はにたりと笑うと、微かに口を開いた。その瞬間、アリクが何かを察知した。 「…!だめっガルス逃げてぇっ!!」 金色の魔女は、消え入りそうな声で何かを囁いた。ガルスがその事に気づいたと同時に、金色の光が、彼の体を貫いていた。 「ガルスッ…!!」 アリクが叫ぶと、ガルスはその場に力なくくずおれた。いつの間にか現れた金色の光の壁の向こうで、金色の魔女が不気味に笑った。 「おいッ…どうした傷嘴!!」 クロウクロウが呼びかけるもガルスは答えない。 「さあ…お前も私を邪魔するのかい?もしそうなら、お前もそいつの二の舞になるが」 金色の魔女は光の壁をクロウクロウの方へ向ける。 「………!」 クロウクロウはチッ、と舌打ちするとアリクとガルスを交互に見た。その時、 「…ふざっ…けんな…!!」 意識を回復したガルスがよろめきながら立ち上がった。 「そいつは関係ねえ…やるなら…俺にやれッ…!!」 「ガルス…!」 アリクが泣きそうな顔でガルスを見上げる。 「ふん…やはり“虚仮威し”じゃあ、そんなに効かないか。なら、これでどうだい!?」 金色の魔女は光の壁を再びガルスに向けなおすと、何かを囁いた。 金色の光の壁が一瞬で赤黒く変化すると、再びガルスに襲いかかった。 だが、黙って食らうガルスではない。渾身の力を込めて飛び上がりぎりぎりの所でかわした。 「…甘い!」 金色の魔女が壁に手を翳すと、壁はガルスの動きを真似て飛び上がった。 「なッ!?」 予想を外した壁の動きに、ガルスの反応が遅れた。壁はガルスの背中に襲いかかり一気に弾けた。 「ぐぁあッ!!」 そのままぐしゃりと地面に墜落する。 「ぐっ…クソッ…!」 ガルスは再び立ち上がろうとするが、魔法に墜落のダメージが重なって思うようにいかない。 金色の魔女はゆっくりとガルスに近づく。そして、とどめを刺そうと枯れ枝のような腕を伸ばした。 「ガルス…!」 …もう…だめだ。様子を見つめていたアリクは、思わず目を閉じた。ふと、ガルスと初めて出会った瞬間が瞼の裏で蘇った。 …自分を見て、目を丸くして驚いて、それから笑って、それから…自分を守ってくれた。それなのに、今ここにいる自分は…。 助けたい。ガルスを、助けたい。 思ったときには、既に声を発していた。 「…待って」 その枯れ枝の腕が止まった。金色の魔女が振り向く。 「…もう…やめて…私が行くから…そのひとを…殺さないで」 言うことを聞かない膝に鞭を入れ、アリクは精一杯の力で立ち上がると、そのままゆっくりと歩き出した。 「ッ…アリク…!」 「…ほ、ほほ…いい子だ。こいつと違ってお前は賢いね…」 金色の魔女はアリクの方に手を差し出した。だが…。 「ッ…!?」 その手はすぐに引っ込められた。そして、怖じ気づいた表情でそのまま後ずさりを始める。 「あッ…!ああッ…!!」 なんということだろう。あの金色の魔女が、アリクに対して怯えている。先ほどまであれほど欲していたアリクに対して。 「アリクッ!やめろ戻れッ…!」 ガルスは声を振り絞ってアリクを止めようとするが、アリクは歩みを止めようとはしなかった。地面に転がるガルスに向かって、寂しく笑った。 「ごめんね…でも、私が行けば…それでガルスが助かるなら…私」 「いいや、その必要はねえ」 寂しく言い放ったアリクの言葉は遮られた。その言葉を遮ったのは、クロウクロウだった。 「よく言った嬢ちゃん…その言葉、その覚悟…久しぶりに震えちまったぜ…」 クロウクロウはアリクを飛び越えると、金色の魔女に立ちはだかる。 「俺の…心が!」 「…クロウ!?」 「なッ…!?」 驚くアリクとガルス。 「だがな…一度守ると決めた男の決意を、そう易々と蔑ろにするもんじゃねえぜッ!」 そう言うと、クロウクロウは目の前の老婆に飛びかかった。金色の魔女はとっさに何かを唱えようとしたが間に合わず、クロウクロウの爪に押さえつけられた。 「ぐぅッ!!」 金色の魔女はじたばたと抵抗するが、クロウクロウはその巨体で押さえて離さない。 「何ボサッと見てんだガルスッ!!嬢ちゃんを連れてさっさと逃げやがれッ!!」 「だっ…だめだよ!逃げるんなら、クロウも一緒に…!」 「だぁから、言ったろ?男の決意を蔑ろにするなって」 クロウクロウの足の下で、金色の魔女が何かを囁いた。そして腕をクロウクロウに翳す。 「はぁっ!!」 次の瞬間、クロウクロウの体は見えない力で弾き飛ばされた。 「ぐっ!!」 だが、クロウクロウはすぐに立ち直り再び金色の魔女にのしかかった。 「くぁっ…!く…しつっこいねぇコイツッ…!!」 「なに、気にすんなっ…嬢ちゃんに助けられた命だ、どうせなら…あんたの為に使わせてくれ」 「クロウ…」 「くっ…!」 ガルスは全身の力を振り絞って立ち上がると、棒立ちになるアリクのもとへ駆け寄った。 「やだ…クロウも逃げて、一緒に逃げて…!」 アリクはクロウクロウの名を呼ぶが、クロウクロウは答えなかった。ガルスはアリクをくわえて背中に乗せた。 「…恩に着る!」 そして、持てる力をすべてつぎ込み飛び上がる。 「くっ…待てっ…!」 金色の魔女は足から抜け出そうとするが、ガルスはどんどん高く上ってゆく。 「チッ…覚えておきなァ!ガルスよッ!…その娘を守ることがッ…やがては己の首を締めるということをッ!」金色の魔女はそう、空に向かって叫んだ。 ガルスはクロウクロウを一瞥すると、やがて北へ向かって飛び始めた。 「やめて、待って…!」 アリクが止めるも、ガルスは聞こうとしない。クロウクロウの姿が、どんどん小さくなっていき、やがて森に隠れて見えなくなった。 次の瞬間、先ほどまで居た場所が、まばゆい金色の光に包まれた。 「クロッ…!…クロウクロウ―――!!」 アリクはクロウクロウの名を叫んだ。だが…その声は、その名の主へ届くことはなかった。 第三話 キロロの守人 空は、いつの間にかうっすらと曇り始めていた。森の上空を、北へ北へと飛び続けるガルス。 「…大丈夫かなぁ…クロウ…」 アリクはガルスの背中で独り言のように呟く。 「………」 「ねぇ…ガルスはどう思う…?」 アリクはガルスに聞いてみるが、ガルスは答えない。 「…ガルス…?」 尚も呼びかけるも、反応はない。と、その時。 がくん、とガルスの体が大きく揺れた。 「わっ!?ち、ちょっと!?」 そのままガルスの体はどんどん下降していく。アリクは必死でガルスに呼びかけるが、その努力も虚しく二人は森の中へ落ちていった。 「きゃあっ!!」 ガルスの体は柔らかな草の上に落ちた。アリクは着地の衝撃で、地面にどさりと投げ出された。 腰をさすりながらよろよろと立ち上がる。 「いったた…ど、どうしたの…ガル…」 だが、言いかけたアリクの顔が強張った。 「…ス…?」 地面に横たわるガルスの顔が苦悶に歪み、呼吸も荒くなっていた。 「…ぐっ…い、いや…なん…何でもねえ…」 「な…何でもないわけ無いでしょ?流石に…」 ガルスは息を荒くして何とか言う。アリクはガルスのそばに駆け寄り、頬に手を伸ばした。 「…熱い…!?」 そのまま手をずらし、羽毛の中に手を突っ込んだ。じわり、とアリクの掌にガルスの熱が伝わった。灼けるような熱さだ。 「…っ…!す…凄い熱だよ…!これ…!」 「…そん…な、顔すんな…ただのか」 ただの風邪だ。そう言おうとしたが、喉から出たのは言葉ではなかった。 ドロリと、熱いものが嘴の端を伝った。体の中から邪悪な塊がこみ上げた。 「ぐ…がはっ…」 塊はガルスの嘴から吐き出されて、草の上にべしゃりと広がった。 青い草が、真っ赤に染まっていた。 アリクの顔が、凍りついた。 「げほっ…げぇっ…!」 塊は再び溢れ出した。吐き出しても吐き出しても、次々と塊はこみ上げてくる。そのリズムは、まるで心臓の脈拍だった。 「ガッ…ガルスッ…!!ガルスッ!!」 アリクがガルスの名を叫ぶ。ガルスの視界は徐々にゆがんでいく。 「どっ…どうしよっ…どうしようっ…だ…誰かぁっ…!誰か助けてっ…!!」 朦朧とする頭に、アリクの声だけが響きわたる。 だが、その声もやがてガルスの意識から抜けていった。ガルスの視界は、暗闇に飲み込まれた。 気がつくと辺りは真っ暗だった。上下も左右も区別がつかなくなるような、果てしない闇。 「…ここは…?」 世界の終わりに来てしまったような静寂。虚無感がガルスの体を満たしていた。 ふと、遠く離れた所に少女が立っているのに気づいた。肩まで伸びた茶色の毛に、茶色の毛皮。後ろを向いていて顔はわからないが、少女は間違いなくアリクだった。 「アリク」 ガルスは少女の名前を呟くように呼んだ。 気がつくと、いつの間にか先程まで遠く離れた所にいたアリクが、目の前にいた。 「…ガルス…?」 ガルスに気づいたアリクはゆっくりと振り向いた。 だが、振り向いたのは、虫だった。いや、虫の面をしたアリクだった。 アリクのその不気味な顎が、ゆっくりと開いた。 「ガルス」 「ッ!!!」 目覚めると、太陽の光が眩しかった。 「…ゆ…夢…!?」 うなされて居たのか、全身が嫌な気分で一杯だった。だるさの残る体を起こすと、辺りを見回した。 どうやら、大きな木のウロの中に居るらしい。藁や枯れ草で作られた布団に、ウロの入り口から日の光が注がれていた。 ふと、左肩に少しだけ重さを感じた。 左肩を見ると、アリクがガルスの羽に顔をうずめて眠っていた。すやすやと静かな寝息を立てている。 「…ア…」 名前を呼びかけた瞬間、先程の悪夢が蘇った。もし…アリクが、アリクじゃ無くなっていたら。 とその時。 「うぅん…」 アリクが寝返りをうった。その顔は、何てことない、いつも通りのアリクだった。 「………」 安堵の溜め息をついたと同時に、体の力が抜けた。 だが、その安堵も束の間だった。何者かの足音が、こちらに向かって近づいてきていた。 「…!!」 まさか、金色の魔女がもう追いついたというのか。足音は徐々に大きくなり、やがてウロのふもとでピタリと止んだ。 「ッ…」 ガルスはとっさに身構え、ウロの入り口に全部の意識を集中させた。 だが、ウロの入り口にひょっこり現れたのは、金色の魔女ではなくふさふさの毛を持ったイタチだった。 「よいしょっと…おおっ!?」 イタチはガルスを見ると大きな目を丸くして驚いた。 「っとと…やあ、気がついたんだな」 「…だ、誰だ…?」 イタチはガルスの不躾な態度も気にもとめず、ウロの中に入り込んだ。 「ああ、俺かい?俺はテンカクってんだ。別に怪しいもんじゃないぜ」 「そ…そうか。あ、俺は…」 「ガルスってんだろ?そこの人間から聞いたよ」 テンカクと名乗ったイタチはアリクを顎で示した。 「いやあ、それにしても酷い目に遭ったもんだな。偶々近くを通ったら、血ィ吐きまくって倒れてんだもんな。あんた、あのままだったら全身の血を吐いて死ぬところだったぜ」 「あんたが助けてくれたのか…すまねぇ、礼を言う」 「お礼ならそいつに言ってやりなよ。あんたが気を失ってる間、一生懸命看病してあげてたんだ。寝てる間にあんたに何か有ったら嫌だからって、夜も殆ど眠らずにな。あんた、よっぽどそいつに好かれてんだな」 「…え…」 ガルスは思わず、肩にもたれて眠るアリクを見た。 アリクは安心しきった顔で眠っている。寝言だろうか、口元がむにゃむにゃと微かに動いた。 「ま、流石に今は眠っちまってるけどな」 その時。ガルスの心の中で、アリクに対して今までに感じた事のない新しい“何か”が芽生え始めた。 何だろう、これは。いつしかガルスの視線は、アリクの気持ちよさそうな寝顔に釘付けになっていた。 「んん…うん…?」 と、ガルスの視線に気づいたのか、アリクが目を覚ました。 ガルスは、何故かとっさにアリクから目を逸らした。 「おお、起きたか」 テンカクがアリクの顔を覗き込む。 「あれ…ああ、私寝ちゃって…」 アリクは目を擦りながらガルスの様子を確認する。その瞬間、アリクの顔から眠気が吹き飛んでいた。 「…!…ガルス…?目…覚めたの?」 「ん…お、おう」 ガルスはそっぽを向きながら答えた。 アリクは言葉もなくガルスを見つめた。 「そっ…よっ……よか…っ…」 不意に、アリクの大きく見開かれた瞳から、大きな雫がこぼれ落ちた。 ガルスはアリクの予想外の反応にぎょっとして振り向いた。 「うっ…ふぁ…あああっ…」 雫は次々にこぼれ落ちて止まらない。とうとうアリクは自分の顔を手で覆ってしまった。 「あぁっ…うっ…ひくっ…うぅうっ…」 「お…おい…大丈夫か?目…目から水出てるぞ?病気か?」 ガルスはアリクの行動に度肝を抜かれ、どうして良いかわからなくなった。 そばでその様子をニヤニヤしながら見守っていたテンカクに目で助けを求めたが、テンカクは肩をすくめただけだった。 ガルスはただ、呆然とアリクを見守ることしか出来なくなった。 しばらくすると、アリクは落ち着きを取り戻してきた。まだ雫を一杯にためた目でガルスを上目遣いに見つめたが、やがてまた目を伏せた。顔を手で隠し、 「…ちょっと外…出るね」 と呟いて、入口に向かった。 テンカクは尻尾を使ってアリクを外に出してやると、しばらくアリクの行方を見守った。そして、ガルスに振り向いてニッと笑った。 「…いやあ、それにしてもすごいなあの子。あれなら“あの人”がミコの呪いなんかかけるわけだよ」 「…何がだ?」 「何がって…あんた今まで一緒に居て何も感じなかったのか?あの子、魔力を持ってるんだぞ?それもとんでもない量の」 魔力。確か魔力と言えば、魔法を使うのに必要な力だ。それを、アリクが持っている?ガルスはその言葉に思わず耳を疑った。 「…なっ…何だそれ!?そんなっ…聞いてねえぞ!!」 「ほら、例えば、あの子の周りでなんか不思議な事が起こったりしてなかったか?」 「ふ、不思議な事…?そんなん…」 と、言ったが、ガルスには思い当たる節があった。 ガルスは、これまでに二度、不思議な力で危機を救われている。ランドットと戦った時。そして、カラスの大群に襲われそうになった時。 そう言えば、そのどちらもが、背中にアリクを乗せていて、尚且つアリクに危険が迫った時だった。 「じゃあ、本当に…アリクには、魔力が…」 「ああ、間違いない。どうやら、その使い方までは知らな…って、じゃあ今まであの子が呪いをかけられた理由も分からなかったのか?」 「ああ、知らん。あいつの何かを欲しがってるのは知ってたが…まさか魔力とは」 「…呆れたなぁ。何で理由も無いのにそこまで命張る、って…」 テンカクはそこまで言うと、何かに思い立ったのかニヤついてガルスを見た。 「…何だ」 「…いや、何でもね」 ガルスはいまいち腑に落ちなかったが、テンカクは構わず続けた。 「…あんな、ミコの呪いで変身する虫ってのは、ただの虫じゃないんだ。“メレク”っていう、魔力の塊みたいな虫なんだ」 「魔力の塊…?」 「ああ。…そのメレクっていう虫は、普通は死んだ生きものの魂が、長い時間をかけて精錬されて生まれるものなんだ。だが…ミコの呪いは…今生きてるものの魔力を、無理やり抽出して、メレクに変えてしまうんだ」 「…魔力を抽出された奴は…その後、どうなるんだ?」 「…詳しくは俺も知らないんだ。実際にかけられてる奴を見るのも、初めてだからな」 テンカクはそう言うと入口の外を眺めた。 「ただ…そいつにとって大事な部分が根本からごっそり抜かれちまうんだ。普通は…まともじゃいられないだろうな」 「………」 ガルスも入口の外を見つめた。ここからでは、アリクの姿は見えなかった。 ウロのある木から、少し離れた木。 その根本に腰掛けて、アリクは顔を膝にうずめていた。泣きながら、ガルスの事ばかり思っていた。 嬉しかった。とてもとても、嬉しかった。その気持ちばかりが溢れ出て、とても言葉になどならなかった。 でも、きっと誤解させてしまっただろう。あの時の、ガルスの困ったような顔が思い出された。 …ちゃんと言葉で言わなくちゃ。嬉しかったんだよって、言葉で伝えなくちゃ。 アリクは涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げると、涙を拭いて立ち上がった。その時。アリクの背中に、きりりと痛みが走った。 「ッ…!?」 棘でも、刺さったかな。 アリクは背中を気にしたが、特に変わったところは無かった。小首を傾げながら、木のウロに戻った。 中から、ガルスとテンカクの話し声が聞こえた。 「…それにしても、ミコの呪いか。昔はこんな呪いを使う人じゃあ、なかったんだけどな」 「…さっきから気になってたんだが、あんた、何でそんなに魔法の事に詳しいんだ」 「あれ?言わなかったっけか?俺は元々金色の魔女の弟子だったんだよ」 「なっ…!じゃあ、お前もランドットみてえに…!」 「そんなっ…」 突然聞こえたアリクの声に、テンカクは驚いて振り向いた。アリクは泣きはらして真っ赤になった目でテンカクを見上げていた。 「あっ…いやいや、違う違う!元々だ、元々!今は関係ないよ」 「本当か?そう言ってあの魔女に場所を教えたりとか」 「そんな事しないさ!それにランドットなんかと一緒にされちゃ困る。あいつは自分の地位や名誉の為だけに魔法を習ってる最低の奴だ」 「そ、そう…?」 「ああ。とにかく、俺はもう金色の魔女とは関わりないよ、本当だよ」 テンカクは必死に身の潔白を証明しようとガルスに詰め寄った。 「し…信じるよ」 ガルスはその必死な態度に押し負かされるように言った。それに助けられた手前、むやみに疑っては失礼というものだ。 それを聞くと、テンカクはホッと胸をなで下ろした。 「…それより、さっき“昔はこんな呪い使う人じゃなかった”って言ったよな?昔と今じゃ違うのか?金色の魔女は」 ガルスがそう聞くと、テンカクはこっくりと頷いた。 「俺が魔法を教わっていた頃はすごく優しくていい人だったよ。自分の教え子達には、それこそ母親みたいに接してくれたもんだった。悪い事に魔法を使うような奴には容赦なかったけどな」 「ふうん…それが何であんな風に」 「さぁな…俺にはあの人の考えることがよく解らん。…最近じゃあ、この森を破壊して何か企んでるって噂だし」 そう言ってテンカクはウロの外を仰いだ。 「…それって…どういうこと?」 ウロの下で、アリクがテンカクを見上げて問い掛けた。テンカクはアリクに気づくと、おお、すまん、と言って尻尾を差し出した。 尻尾でアリクをウロの中に戻しながら言う。 「うーん…あんたら、最近この森で何かおかしい事とか見たりしなかったか?例えば…森の木が枯れてたり、逆に変に元気になってたり」 ガルスとアリクはしばらく考え込んでいたが、ふとアリクが何かをひらめいた。 「…そういえば、この間、シトラの木が花を付けてた。シトラの花って、確か春に咲くんだったよね?」 それを聞いたテンカクは、思い当たる節があるのか何か考えていたが、やっぱりな、と小声で呟いた。 「何か知ってるのか」 「…いやな、最近この辺りでもそういうことが起こってるんだ。繁殖の季節でも無いのに花粉を飛ばしたり、実をつけたり、枯れたり。まあ色々なんだが、どうもそれら全部…金色の魔女の仕業らしい」 「…!」 ガルスは思わず息をのんだ。 「まあ、この森をめちゃくちゃにしてどうすんのかまでは知らないが、とにかくあの」 「ちょっと待って」 話を続けようとしたテンカクの言葉は不意に遮られた。遮ったのはアリクだった。 「それって…本当なの?証拠はあるの?」 突然不意をつかれたテンカクは戸惑いつつ答える。 「しょっ…証拠って…いやまあ、ただ…噂を聞いただけだけど…」 「噂って…」 アリクは疑いの眼差しでテンカクを見つめた。 「ど…どうしたアリク」 「…ひどい」 ガルスが尋ねると、アリクは俯いて呟いた。その声はまた、先ほどと同じように震えていた。 だが、その震えは先ほどとは違った意味を持っていた。 「…ひどいよ…自分を育ててくれた人の事なのに…そんなっ、自分の師匠よりも…誰が流したかもわからないような噂を信じるの…!?」 そう言ってアリクはテンカクを真っ直ぐに見上げた。アリクの目にはまた、大きな雫が浮かんでいた。 「ッ…」 テンカクはばつが悪そうに目をそらす。 「そんな…自分だけでも、師匠を信じようとは、思わないの…?」 アリクの瞳から雫がこぼれ落ちる。 「…あんたに何が解る」 テンカクはそらした視界の隅でそれを捉えると、ぼそりと呟いた。 「…ごめんなさい、助けてもらったのに、こんな事…」 「………」 三人の間に沈黙が流れる。どこか遠くで小鳥が鳴いた。 痛いほどの静寂を静かに破ったのはテンカクだった。 「…不思議な奴だな」 「…?」 「本当に不思議だよ。自分に呪いをかけた張本人を恨むどころか、まさか庇うなんて」 「…そ…そう…?」 アリクは頬を伝った雫を手の甲で拭った。 「…まあ、確かに師匠の噂をすぐに信じるなんて俺も悪かったかもな。…でもな、俺だって何の確証もなく噂を信じた訳じゃない」 「…それって」 「…あんた達、“キロロの守人”って知ってるか」 「…キロロの守人…?」 アリクはガルスを見上げたがガルスも首を横に振った。 「金色の魔女のもう一つの名前だよ」 「金色の魔女の…?」 「正確には名前っつーより肩書きだな。あの人は…ずっとずっと昔から、その膨大な魔力でもってこの森の秩序を守ってきたんだ」 「…それなら何で…この森を壊す必要がある」 ガルスはテンカクに尋ねたが、テンカクは俯いて首を振った。 「それはわからない…だけど…これだけは言える。俺の知ってる限り、この森に手を出す…いや、破壊できるのは…」 テンカクは真っ直ぐにアリクを見下ろし、 「金色の魔女だけだ」 静かに、だがしっかりとそう言った。 ←・→ タグ …
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一角獣座 これと言って関係があるわけではないが、ペガススさんとはよく間違えられること、もはや親戚の如し。 一角獣とはいわばユニコーンのことで、ツノが生えた馬がユニコーン、ツノの生えてない馬がペガススである。 冬の大三角のど真ん中にいるにも関わらず、影の薄い彼は、17世紀のドイツの天文学者が見つけるまで、名前すら上がらなかったという。まさに陰キャ。 故に他の星座達との盛大な物語とか、敵対関係とか無い。無いったらない。あ、でも捕まえたら幸運になれるらしいよ。
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ニャメ族 地面を這って移動する。 移動速度は遅い。 ニャメルク マニャメ 尻尾の肉が美味の味。 よく見ると後ろ足が無数に生えている。 ご飯を食べるときは必ず手を洗う。 洗う場所はそれぞれの個体で決まっており被ることはない 。 足がないのは退化したから派と手があとから生えてきた派による争いが近年激しくなっている。 顔を持ち上げながら移動しているので首の筋肉痛に悩まされている。 ニャメホーン 友達は全員刺身になった。 箸を置ける。
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切り替えです。 寒さも和らいで来ましたね。 -- (Jiyu@管理人) 2009-01-21 08 12 22 切り替え乙です 前スレよりサルベージ 【バレンタイン企画】をファイル名に付ける 次のお題で作る:バレンタイン or 2月 ・作品の発表 2009/2/14〜15 ・作者名の暴露 2009/2/17 22 00〜 今回も参加できると良いなぁ・・・ -- (名無しさん) 2009-01-21 09 18 57 砂越さんの新作、ますますシュールさが増してきてるなぁ…… そしてだっこをせがむれいむとまりさ萌え。 あと、チル裏のれいむが何事もなかったかのように戻ってて吹いた。 -- (名無しさん) 2009-01-22 17 56 10 すいません。 今回の作者当ても出してよいゆっくりは今までの作品で出てきたものに限るのでしょうか? -- (名無しさん) 2009-01-22 22 02 13 今回はお題ありだから、「今までの作品」って縛りは要らないかと。(個人的考え) -- (名無しさん) 2009-01-22 22 27 18 うむむ。 それは幅が広がって助かります。早速構成に入ろう。 -- (名無しさん) 2009-01-22 22 43 22 規制で書き込めないので。 スレ 705 ここじゃ見ないけど 「ゆっくり〜のひ〜♪ すっきり〜のひ〜♪ まったり〜のひ〜♪」 ってのがある。元ネタはウメッシュのCMだと思われ。 ちなみにCMはこんな歌詞↓ ゆっくりの日 すっきりの日 まったりの日 にっこりの日 なんだか毎日幸せの日 チョーヤウメッシュ -- (名無しさん) 2009-01-23 16 01 18 前のログより(一部省略) 思ったんだけど、画像の保管庫あるならこのwikiの 画像と漫画、gifアニメのページは別にいらないんじゃね? -- (名無しさん) 2009-01-20 19 21 08 2009-01-20 19 21 08 確かにリンクがありますしね。 -- (名無しさん) 2009-01-20 22 25 18 というわけなんだが、これ結局どうなるんだ? 一応考えられる案としては ①放置 ②メニューから隠してトップからのリンクも消す ③ページ削除 のどれかかと思うんだが…。 他に案あったら書いてくりゃれ -- (名無しさん) 2009-01-23 17 54 53 2009-01-23 17 54 53 ②と③で。中途半端に残っているのも問題だと思う。 狼と香辛料早く新刊出ないかな。 ロレンスは萌えキャラだと個人的に思う。 -- (名無しさん) 2009-01-23 20 07 57 上のれいむが復活して安心した Actの三巻早く出ねーかな キングクリムゾンで飛ばされた戦闘シーンが見たいんだよ 針塚杏もかなりの萌えキャラのはずなのに、なんで打ち切られたんだ -- (名無しさん) 2009-01-23 20 49 00 2009-01-23 20 49 00 チャンピオンはバキと星矢しか見てないからよくわからんけど、 Actって面白いの? 一時期すごく話題になってたけど。 打ち切り的な意味で。 -- (名無しさん) 2009-01-23 21 00 14 面白かったよ 不良漫画+特撮っぽい感じで ただ肝心の所が単行本になってないんだよ つーかあの打ち切り方はジャンプ漫画より酷かった -- (名無しさん) 2009-01-23 21 38 33 ゆっくりえーりんのドスバージョンは ターンえーりん……なんて考えたりしてる今日この頃 なかなか筆が進まない… -- (鬱なす(仮)の人) 2009-01-23 22 26 23 髭の生えた巨大えーりん……ですと……?! -- (名無しさん) 2009-01-23 22 44 33 最近ターンA(記号が変換できない)ガンダムの性能を知ったけど、 何あのチート性能。 以前全ガンダムで最強はどの機体かって議論スレがあったけど、 ターンAとGガンダムは論外だといわれていた理由がよくわかった。 -- (名無しさん) 2009-01-23 22 59 52 ターンAはガンダムの最後の歴史として位置づけられてるからね まぁGは本物の論外だが、理屈なしに分身するし。 -- (鬱なす(仮)の人) 2009-01-23 23 12 43 だけど∀の反則っぷりは福井さんの小説版からだからなぁ。 ときにめーりんにネタ必殺技としてじゃおん・インパクトって駄目だろうか。 何故か元ネタの人がドSのせいか ドス化したゆうかりんとしてスペリオール(S)ゆうかりんという電波が。 -- (名無しさん) 2009-01-24 16 47 48 2009-01-24 16 47 48 いいと思いますよ。ネタ技かますときはとことん弾けた方がいいですし。 今連載中のssの次回掲載分がようやく9割終了。 気がつけば何回もストーリーの流れが変更されて原形とどめてない・・・。 一週間に一作投下したいと思っていても、なかなか出来ない。 連載作を抱えた他の作家さんのすごさが改めてわかります。 何か、筆を早くするコツってないですかねぇ・・・。 -- (名無しさん) 2009-01-24 17 35 59 とりあえずまず外郭から作ってその後肉付けしていけば ある程度は進むかもしれません(確証はないですけど) アイデアというのは日が経つと劣化、もしくは歪曲してしますからね それにしても思うんだが何かプチゆっくりアリスって 全然アリスに見えないんだよな…… -- (鬱なす(仮)の人) 2009-01-24 18 55 41 確かにネタを思い付いたらすぐにメモはするかなあ 講義中でも通学中でもメモ帳は必須 連載物はやっぱり途中で大幅な変更が無いようにある程度の構成はしっかり練りますね -- (名無しさん) 2009-01-24 19 42 41 wikiにss追加の人、毎度ながらご苦労様です。 -- (名無しさん) 2009-01-24 20 16 57 ところで尻尾の人、ここ見られてます?実は、以前書かれていた「ゆっくり・くるせいだーず」を (殆ど名前のみではありますが)話の中に登場させたいのですが、よろしいでしょうか……?できれば お返事もらえるとありがたいです -- (名無しさん) 2009-01-25 04 39 53 ↑ あんなんでよければどうぞ使ってください。 てか虐待のタネにされないんなら、自分の作品のネタは 別に何をどう使っても構わないですよ~。 さて、次の作者当てのネタが未だに1つも思いつかないわけだが…。 しかも発表日がテスト期間の中日とか…。 -- (尻尾) 2009-01-25 10 08 37 やばいな、今書いているSSゆっくりが出ているものの 前半が全くゆっくりメインじゃなくなっている。 大丈夫かなぁ -- (鬱なす(仮)の人) 2009-01-25 12 53 09 大丈夫です。すでに自分という前例があります。 個人的な考えですけど、ゆっくりが居ないと成立しない作品なら大丈夫だと思いますよ。 前半だけなら尚更です。 楽しみにしています。 -- (ゆっくり怪談の人) 2009-01-25 20 12 11 気がついたらssにおいてゆっくりが関係なくなることってたまにありますね。 例えるならば東方でやる必要がないネタで東方二次創作物を作ってしまったときと似たような感覚といいましょうか。 本来ならば本末転倒ですが、誰にでも起こりうる事なんじゃないかと思います。 難しいものです。 -- (名無しさん) 2009-01-25 20 59 49 今回の作者当ては参加者名簿を作った方が良いかなぁと思うんだけど、どうかな?書いた人と書いてない人が分かれば推理もしやすいと思うんだけど -- (名無しさん) 2009-01-26 10 57 20 そういえば本スレが800越えたけど、移転は850~900レス目だよね。 あまり話題にならないけど、移転後のテンプレは議論所のテンプレでいいのかな。 -- (名無しさん) 2009-01-27 03 24 21
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DBG/W87-100 カード名:掴んだ尻尾 カテゴリ:クライマックス 色:青 トリガー:1・門 【永】あなたのキャラすべてに、パワーを+1000し、ソウルを+1。 (門:このカードがトリガーした時、あなたは自分の控え室のクライマックスを1枚選び、手札に戻してよい) レアリティ:CC 神様になった日収録 ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 追跡者 鈴木 央人 1/0 4500/1/0 青
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●イエティ【―】 氷結界に棲息する魔物の一。 白い体毛に覆われた人間より遥かに大きい体を有する。 また、独自の言語を持つ等高い知能を誇る。普段は群で行動する。 ●一角獣【いっかくじゅう】 一本角をもつ、電気を帯びた魔物。 描写から察するに、モンハンの麒麟に近い姿ではないだろうか。 明確には記されていないが、間違ってもグレムリンではないだろう。 ●ガルーダ【―】 怪鳥。幼生のフェザが人語を解するため、高い知能をもっているらしい。 人間(おそらくは魔導師の類)によって創られた、いわば人造魔物の一族で、他者に魔力を注入されることで武器に姿を変え、所有者の身体能力を倍化させる。 個体ごとに固有の能力をもち、それを駆使して所有者の戦闘をサポートする。 ●グングニール【―】 北の彼方にある「氷結界」に住むと言われる龍。 蒼い体と赤い瞳を有する。 全身が凍っており、常に強大な冷気を放って周囲を凍結させる。 複数が生息すると考えられるが、1体はブリズドの支配下にある。 ●呪竜【じゅりゅう】 遥か昔、とある生物が「神」に反逆した事で、その生物が姿を変えられた存在。 ベースは人間ではあるが、その風貌は、紅玉の様に真赤な瞳、体の所々にある黒い鱗、鋭利な爪と牙に、黒い巨翼と尾を持つ、怪物。 強靱な胃袋を持ち、生物ならあらゆる物を食せるが、中でもとりわけ死肉を好む。 この存在によって傷を付けられた者は、彼らの「同胞」と成り下がってしまう。 「神を殺す力」を持っているらしいが…。 ●マンドラム【―】 作中に登場。なにかの生物らしい。 ●猛禽獣【もうきんじゅう】 獅子が鷲の翼を生やした姿で、全身は神々しいばかりに真っ白な体毛で覆われている。 非常に凶暴な性格で、生まれつき人の中で育った者以外は絶対に人に懐かない。 あくまでこの世界では通常の動物であるが、心を許した相手とテレパシーで交信できたり、成獣になると自然現象を操ることができるなど、魔物に近い能力をもつ(魔物はルンのエネルギーで魔力を得ているが、猛禽獣はサンのエネルギーで力を得る)。 操れる現象は個体によって様々で、古代のガーランド大陸では、大自然の神の体現者とされてきた。 ●リザードマン【-】 蜥蜴のような見た目の、人型の魔物。 言葉を話すなど、それなりに知能は高い。
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人間って面白っ! 説明書に堂々とした赤色で大きく綴られた文字。 どうやらこのチョコレートには、女性に不快感を与える薬の原液が入っており、 口にした者は女性に酷く当たられるそう。 ただし、その薬の効果は口にした者の体臭となって現れるため、 対象の鼻がつまっていたり臭いが嗅げない状態であれば問題は無い。 安骸寺悠は考えた。 王子に飲ませたらどうだろう、と。 だが太臓はこんな霊薬が無くとも常日頃から自分の行いのみで女性を不愉快にし、 毛虫どころか犬の糞以上に嫌悪感を与えている。 このような薬の場合、宏海のように一般常識と人間の在り方を理解した人間や、 女性の注目の的であるもて四天王のようなやつらに飲ませたほうが『面白い』だろう。 というわけで、太臓は放っておいて新たなる『究極の面白』を探そうではないか。 悠は先程から、 『アタシ アキ ねぇ 付き合ってよ』 としつこい女を無視して、前へと進み始めた。 【F-9 街/1日目/1時】 【安骸寺悠@太臓もて王サーガ】 [状態]:異常無し [道具]:基本支給品 霊薬「嫌悪」入りチョコレート [標的]:不明 [思考]: 1究極の面白を探す。 2モテ男やイケメン、一般人の男どもにチョコを食わせる。
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「尻尾も濡れたし……」 サイゲームスの競走馬達の美少女化コンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』における、 史実七冠名馬 シンボリルドルフ の 擬人化同名キャラ …から派生した元キャラに似てるけど違うナニか。 元々は実在のシンボリルドルフが何らかの不調やよろしくないレース結果となった際に、 スポーツ新聞等のメディアの見出しでダジャレ的に馬名をいじられていた競馬界隈のネタであったが、 『ウマ娘』のコンテンツ流行に伴い同作のシンボリルドルフにも自然発生したネタであると言える。 事の発端は同人作家デオン氏によるシンボリルドルフが二頭身にデフォルメされて、 何やらしょぼくれた表情で肩を落としてトボトボ道を歩いている一枚絵「ションボリルドルフ」。 一応は競走馬の擬人化キャラということでウマ耳ウマ尻尾の生えた元キャラから異様に丸く小さくデフォルメされた結果、 「もうこれウマというよりたぬきにしか見えない」ともっぱらの評判になり、ウマ娘界隈を飛び出して各所で人気に火が点く事となった。 そこから、某所にてこのションボリルドルフが何故か少ないアニメ枚数でジタバタと駄々をこねているアニメーションが有志により制作され、 これがまた某所でウケ二度目の話題に。 更にそれに続く形で『干物妹!うまるちゃん』のアニメ作品で土間うまるが披露した、 「うまる会議」のシーンでの動きをトレースした動きが各種作られた結果人気爆発。 次から次へとションボリルドルフの多様なモーションアニメが製作され、 原作『ウマ娘』の他のキャラクター達は勿論、『ウマ娘』で実装されていない他の競走馬を同様のデフォルメ姿で作ったもの、 果ては『ウマ娘』と関係ない他コンテンツのキャラクター達まで同じ規格で製作されるなど一大ムーブメントとなっていった。 これら一連の作品群は「たぬき(ウマ娘)」と呼ばれ、某所で一つの文化として定着し今にいたる。 本来なら某所は「ただでさえ原作版権の原型が無くなることはザラなのでよそにここの創作文化を持ち出すのをよしとしない」 という風潮と暗黙のルールがあったのだが、この「たぬき(ウマ娘)」はいつの日からか例外的に某所を飛び出し、 Twitter(現・X)、YouTube、ニコニコ動画等に大規模に漏れ出し、最早自粛も事実上不可能なレベルに大人気になってしまった。 これに関して某所は「そもそもが大元のションボリルドルフはデオン氏の創作ネタ」「そこから派生で創作している側としてとやかく言える立場にはない」 と黙認という形で落ち着いたが、あくまで黙認であって某所にそれらを知ってやってくる一見さんファン等を容認していない。 上記の通り複雑な発展経緯である事に加え、大元の『ウマ娘』の二次創作公式ガイドラインの馬主オーナー牧場に配慮した厳格さもあり、 何分グレーもグレーな創作界隈である (実装済の競走馬に対するトラブルはライスシャワーの墓標に無断で献花した者が居たり、晩年のテイエムオペラオーは悪意ある嫌がらせに遭った事も)。 もし興味を持ったなら、十分に配慮した上で各々コンテンツを楽しんでいただきたい。 そんな「たぬき(ウマ娘)」として発展した中でのションボリルドルフは、 自由でカオスな界隈の影響もあってか特にこれとキャラが決められているわけではないが、 一応集合知的設定的なものは存在する。 口癖は「~だし…」「~たし…」。「尻尾も濡れたし…」の台詞から引っ張られてか。疑問形の時は「かし?」。どんな口調だ 元キャラであるシンボリルドルフのトレセン学園生徒会長としての威厳がおおよそ消え去っていつもションボリしている たまに本気を出すとか真面目になる感じで細かく描き込まれた「シンボリルドルフ」になる(コミカライズ作品『シンデレラグレイ』での「中央を無礼(なめ)るなよ」顔をするなど)でもそうなっても寒いダジャレを言いたがるのは原作から変わらない 史実で親子の関係であるトウカイテイオーに甘い(これは原作のキャラからの設定だが)他、血縁が近いシリウスシンボリやツルマルツヨシと仲が良い、もしくは実際に家族として生活している 公式で黒歴史になったっぽい初期PVのオグリキャップと何故かフィギュアスケートを仲睦まじくしているシーンから、何故かオグリキャップをスケートに怪文書ポエムをささやきながら誘う・性的な意味で狙っている 何故か民謡「串本節」をバックに丸まってコマみたいに回りだす 原理不明で音を立てて身を震わせるだけで単細胞生物の分裂がごとく何人にも増えていくことが出来る 等々。これらの他にも、しっぽマリオの動きをたぬき繋がりでか習得して飛んでいたり、波動拳や昇龍拳が使える等、多芸にもほどがある。 また、界隈では原作の生徒会長設定の他、テイオーからの呼ばれ方である「カイチョー」、実馬の幼少期の名前「ルナちゃん」等の愛称で呼ばれている。 さそうたぬき まわるたぬき ふえるたぬき MUGENにおけるションボリルドルフ そんなションボリルドルフが、olt-EDEN氏(旧・ゼータ氏)によりMUGEN入りを果たした。 元から豊富にあったモーションをそのままに、波動拳や昇龍拳をはじめとする有名格ゲーキャラの技を使いこなし、 原作『ウマ娘』由来どころか他の版権キャラのたぬき達を人間弾幕しまくる等、何でもやれてしまう技のデパートなキャラ。 中にはこいつの演出を取り入れた勝利ポーズがあったりと、妙にマニアックなネタも。 3ゲージ消費で発動する「汝、皇帝の神威を見よ」は、元ネタの固有スキルと同じようにカットインから始まり、 発動すると通常3の最大ゲージ本数が5まで解放され、さらに多くの必殺技が使用可能となる覚醒技である。 また、ストライカーとして以下の5人を呼び出せる。 + ストライカー紹介 ビコーペガサス 何故かラテン語で叫びつつ、その場で数秒間百裂拳の如く音速の拳の連打で相手を蹴散らす。 ダメージ量はエイシンフラッシュやグラスワンダーより多め。 相手の攻撃を喰らうと「アーーー!!」とやたら長い悲鳴を上げて去っていく。 エイシンフラッシュ 「友人の剣龍神の剣を喰らえ!」などと叫びつつ、レイピアで連突しながら相手に接近する。 連続ヒットするので相手を固めたりダメージ稼ぎに使える。 相手の攻撃を喰らうと「ウーワーー!」と叫んで去っていく。 召喚時に勝利すると、元ネタのエイシンフラッシュ(ウマ娘)と同じような特殊勝利演出が見られる。カイチョーそこどいて マチカネフクキタル 相手に接近し、ハンマーで殴る。 札に掲出された1~9までの数字により様々な効果がある。 相手の攻撃を喰らうと「ビーッビッビッビー!」と効果音を鳴らして去っていく。 + 札の効果一覧 硬直1F1ダメ 特に無し 相手を引き寄せる 斬撃 電撃で相手を拘束 炎 大きく吹っ飛ばす(受け身不可) 氷結 大ダメージ(固有スキル発動時かつ凶悪カラー時は即死) グラスワンダー 薙刀を装備し、超火炎旋風棍の如き技を繰り出す。 密着して当てると相手の動きを止めることもできるので拘束技としても有効。 相手の攻撃を喰らうと「ヒィ!」と小さな悲鳴を上げて去っていく。 メジロマックイーン 「パクパクですわ」*1と言いながらドーナツを貪り食い、何故かションボリルドルフのライフが回復する。 回復量は多いが、それだけにクールタイムが長め。 相手の攻撃を喰らうと某クソゲー主人公を彷彿とさせるリアクションで去っていく。オーノー! ちなみに召喚した状態で勝利すると、肥大化したメジロマックイーン(通称「ビッグマック」)をションボリルドルフが突いて大爆発させた後、 不敵な笑みを浮かべるジャスタウェイ(幻覚ウマ娘)が出てくるという、カオスな特殊勝利演出が見られる。 その他多くのウマ娘(たぬき)がカイチョーの攻撃や必殺技の度に出張させられている。 AIはデフォルトで搭載されている。 細かな設定とカラー差にもよるが、想定ランクは強~狂上限。 プレイヤー操作 参考動画 この他、同氏が製作したグラスワンダー(たぬき)も公開されている。 「ダヌー!!」 出場大会 希望vs絶望 旧章12回リスペクト 隔離への挑戦大会 一キャラで二度美味しい同キャラタッグ狂中位トーナメント 第2回 純粋に人を信じてみたワンチャンきぼぜつ 第二回 激闘以上殺戮未満 シングルランセレ大会 黒夢 vs 白幻 仲間を集めて合戦バトル なんだ!このおんがくは!止めれるか戦慄のBGM軍! 新章 第五回 希望vs絶望 final無理ゲー挑戦大会 マーシャル前後R狂最上位シングル大会 七映 vs ステラ 仲間を集めて合戦バトル 三位一体 狂上位チームトーナメント らんらん式で仲間を集めてチーム戦大会 狂中位シングルランセレ大会~シンプル・イズ・ベスト~ 新参vs古参 ~令和から懐かしき日まで~ 歴史を超えたチームバトル 凍結 平成vs令和 生き残りを賭けた合戦大会 出演ストーリー ムゲストクンポケット プレイヤー操作 R-9cで色々と戦う動画(part86) 最後に、当然の話だがションボリルドルフの元ネタであるシンボリルドルフは実在した競走馬である。 MUGENを含む二次創作を他所に持ち出し、当馬の関係各所に迷惑を掛ける事は絶対に許されない行為である事を忘れてはならない。 使用する場合はネタをネタとして楽しみつつ失礼の無いよう節度を持った振る舞いを心がけよう。 *1 なお、マックイーンとしてはこの台詞を言っていない(「メロンパフェっ!メロンパフェをお忘れなくっ!」「おしるこ!!」なら言ったが)。 このミームが広がった切っ掛けとしてはpixivユーザーの塩氏が、関西圏で展開しているスーパーマーケット「万代」のPOPをツイートした為。 その文面は「チョコが一番ですわ。ワッフルと言えばコレですわ。種類いっぱいありますけどもチョコですわ。これだけあれば勝ちですわ」等と、 口調としては関西のおっちゃん的な感じなのだが、文面にするとお嬢様口調にも見える為、そこにマックイーンの画像を貼り付けたネタが加わり、 一気にインターネットミームと化した経緯がある (そのマックイーンの画像も、勝利ポーズのバグ機能を使ってハルウララやウイニングチケットのそれをマックイーンに取らせたものだが)。
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人間兵器(Human Arms / S.H.A.L.O.N.)とは、人間兵器計画によって生み出された兵器の概念、及び実験体の総称である。 「S.H.A.L.O.N.」とは「有機ナノマシン群体による人間素体の戦略兵器(Strategic Human-based Arms by Legion of Organic Nano-machines)」の略称である。人間兵器を生み出す計画はシャロン計画とも呼ばれた。 計画の概要 歴史 経過アルファフェイズ(1502-1510) ベータフェイズ(1510-1518) ガンマフェイズ(1518-1525) デルタフェイズ(1525-1531) イプシロンフェイズ(1527-1536) オメガフェイズ(1536-1543) 験体アルファ験体 ベータ験体 ガンマ験体 デルタ験体 イプシロン験体 オメガ験体 有機ナノマシン 能力 計画の概要 聖紀1502年に発足。それまで高機能義手などとして実用化されていたナノマシン技術の軍事転用である。この頃の戦争はそれまでの大量破壊に代わって、小規模戦闘で民間への被害をなるべく減らそうとする傾向にあった。 ゲリラ戦闘を行うにあたって、人間は生身では戦いづらいので武装する必要があるが、武器を持つ場合、まずその武器の使用に習熟する必要があるし、武装中は武器の重量ぶん動きが鈍る。本計画の発足当時は、戦闘服を身に纏うタイプの武装(アサルトアーマー)の研究はまだ不十分だったため、武器を身に付けるのではなく、人間自体を武器化することによって、即時性や戦闘の自由度を向上させようというのが本計画の目的である。 ナノマシン(微小機械)技術とは、魔導力を利用して分子サイズの機械を制御し、自由な形状や性質を持たせることで、極めて高い汎用性を得るものである。さらに自己複製機能、単純な通信機能などを搭載し、生物の細胞に限りなく近い性質を持たせた有機ナノマシンの研究も行われた。 最初は血管を通って腫瘍などに直接薬剤を届ける機械として開発されたナノマシンだが、研究の発展に伴って、体組織の内部に入るのではなく体組織そのものと同化し、生体と接続して義手や義眼といった身体欠損を補うための技術として発展した。ナノマシン義手が従来の機械義手に比べて優れていたのは、ナノマシン群体のフレキシブルな性質のおかげで本来の手に限りなく近い造形や動きが可能で、外見上健常者とほぼ変わりない生活が送れる点などであった。 人間兵器計画は、この技術を更に拡張し、全身をナノマシン化することで最強の兵士を生み出そうというものである。しかし、身体を部分的にナノマシン換装するだけでも相当の技術を要するのに、大部分を覆う上、自由に変形させるとなると、その制御は困難を極める。ナノマシン制御のために、従来採られていた制御手法ではなく、擬似人格を持たせた制御AIを中枢に組み込むことで、高度な形態制御を行わせようと試みた。最終的なこの計画の主な内容は、有機ナノマシン群体と人体の結合、及びナノマシン群体の制御AIの研究の2つであった。 歴史 聖紀1499年にアスタリア大陸で勃発した戦争(*1)は、徐々に戦火を広げ世界大戦の規模となった。この戦争はその後40年以上にわたって続くが、その比較的初期の段階で人間兵器計画は始動することになる。 当時劣勢にあったウォーデンベリーチ公国は、状況を打開するための決定的な軍事手段を求めていた。戦争の目的は破壊ではなく占領にあったので大量破壊兵器は望ましくない。そこで公国は科学者達に、なるべく小規模な戦闘で、かつ圧倒的な戦力を以って、敵を制圧する方法はないかと問いかけた。科学者達はアサルトアーマーを含むいくつかの案を出した。公国は戦略兵器の研究企画をいくつか採用し、専門の研究機関を建てて実用化を目指すよう促した。人間兵器研究所もその一つであった。1502年のことである。 聖紀1505年。体の一部だけをナノマシン群体化したアルファ験体が早い段階で実用化され、戦果を挙げたため予算が増やされた。しかし計画が次の段階へ進むと壁に当たり、停滞した。 聖紀1515年。対抗馬だったアサルトアーマー計画が実用化され、目立った進歩のなかった人間兵器計画は圧迫される形となる。政府の予算の多くはアサルトアーマーの量産につぎ込まれ、だんだんと人間兵器研究所の雲行きが怪しくなってくる。 聖紀1524年。とあるガンマ験体の暴走により研究所が半壊すると、いよいよもって政府からの資金援助はほとんど打ち切られ、計画も頓挫するかと思われたが、独自ルートで資金を調達し、なんとか研究を続行させた。この頃から一般人をさらって実験体にするなど研究所の蛮行が目立つようになる。 聖紀1542年。もはや政府からは完全に隔離された計画はいよいよ最終段階に入った。数多くの犠牲の結果オメガ験体が完成した。しかしそれは人類に制御不能であまりにも強大な兵器となった。計画は当初の目的とは裏腹に核兵器をも超える大量破壊の可能性を孕んだ兵器を生み出してしまった。なによりの不幸は、この時期にはもはや戦争もほとんど終結し、計画そのものが無用となっていたことだった。 聖紀1543年。オメガ験体の存在を危険視したウォーデンベリーチ政府、そしてかつて公国と敵対していたいくつかの国が共謀し、連合軍となって研究所を攻撃した。研究所は徹底的に破壊され、全ての研究データが消去された。だが研究所は彼らが造り出した"作品"たちをどこかに隠してしまった。激戦の末、オメガ験体は破壊されたり、機能停止に追い込まれた上に深い海の底に沈められたりした。こうして人間兵器計画は完全に幕を閉じた。 そして紀年が変わり新代と呼ばれるようになって数百年。休眠状態で隠されたいくつかの験体が目覚める。 経過 計画は研究の進捗によっていくつかの段階に区切られ、それぞれのフェイズは"我々の世界"でいうギリシャアルファベットで表された。 アルファフェイズ(1502-1510) 計画の目的は当初から人体のほぼ全てをナノマシン群体に置き換えることであったが、まずは既存のナノマシン技術の応用として自由に変形可能な義肢を作るところから始められた。これがアルファフェイズである。験体には主に戦争で四肢を欠損した兵士や、純粋に身体能力強化を望んだ志願者が使われた。 アルファフェイズはおよそ8年続き、35人の験体が生まれた。彼らは四肢の一部をナノマシン群体化し、それを自由に変形可能な武器として使った。その制御には専用のコンピュータが使われ、バックパックに格納された。もともと屈強な肉体を持つ彼らにとってバックパックにあるコンピューターは重荷ではなかったが、非常時に捨てることができないので、あまり評判は良くなかった。一応義肢としての基本機能は単独でまかなえるので、バックパックを破棄(爆破)する代わりに普通に武器を装備して戦闘した者もいた。 アルファフェイズの験体は"兵士"としてはおおむね成功といえたが、"兵器"と呼ぶにはあまりにも不十分であった。それは研究所も承知の上で、アルファフェイズはあくまで課題を明確にするための先行研究であった。 ベータフェイズ(1510-1518) 次は当初の目的であった全身のナノマシン群体化であったが、アルファフェイズを経ていくつかの問題が浮かび上がった。特に大きかったのは制御方法の問題であった。 片腕ぶんのナノマシン群体であっても、それを武器として運用するには高性能なコンピューターが必要であり、安くないコストがかかった。それを全身に拡張するとなると、コンピューターは更に高性能でなければならない。時が経つほどコンピューターのサイズあたりの性能は向上していったが、それでも全身を制御するには全く不足していた。それを解決する方法を探るのがベータフェイズの目的であった。 ベータフェイズは9年続いた。そのほとんどの時間は停滞であった。最終的に、験体に移植するナノマシン群体それ自体を一個の頭脳とし、いわば"全身で考える"人工知能とすることで、総合的な制御を行うという方式論には至ったものの、それが実現されるまでに10人以上の死者が出た。ベータフェイズ中期にはアサルトアーマーが戦場で活躍しはじめたこともあり、研究所への資金援助が徐々に減っていったことも研究が滞った原因の一つである。 金銭的及び人的な損失は大きかったが、一応ベータフェイズは終わりを見た。ベータフェイズの験体で戦闘に耐えうる者はいなかったが、その大きな原因は、ナノマシン群体の制御が複雑すぎて、脳への過負荷により"焼き切れて"しまうというものだった。それを解決するために、研究所は生身の脳の思考を読み取って実際にナノマシン群体を制御するための擬似人格の開発に着手した。 ガンマフェイズ(1518-1525) いよいよ研究は佳境となった。験体本来の脳とは別に、ナノマシン群体を制御する負荷を負わせるための擬似人格を構築し、組み込むのがガンマフェイズの目的であった。 ガンマフェイズは7年続いた。最初の3人は擬似人格をうまく制御できずに死亡、あるいは再起不能に陥ったが、遂に計画は最初の人間兵器、Γ-4 ヴェインを生み出した。擬似人格はうまく験体の頭脳と馴染み、全身のナノマシンを任意に操作することができた。しかし2ヶ月ほど経ったある日、擬似人格「PS-G005 ニクロス」は自らの意思を獲得したような素振りを見せ、ヴェインの意志とは無関係に活動するようになった。やがてその行動は暴走と呼べるほどまでになり、反抗するヴェインの影響もあって、研究所のおよそ4割を破壊するに至った。多大な犠牲を払ってヴェインは拘束され、強制的に休眠状態にされると、地下深くのシェルターに封印された。この暴走事故は政府から大きく咎められ、資金援助を打ち切る決定的な理由になった。 どうにか組織としての体裁を維持した研究所は表舞台から姿を消し、秘密裏に研究を進めることになった。ガンマフェイズを通して、(暴走するかはともかく)ナノマシン群体の完全な制御を実現した計画は、より高い安定性を得るべく次の段階へ移った。 デルタフェイズ(1525-1531) 全身をナノマシン群体と化した人間兵器はガンマフェイズでついに実現したので、デルタフェイズではその安定性を高めるための研究が行われた。政府及び軍からの人的援助は受けられなくなったため、民間人を募り、時に誘拐して験体にした。 デルタフェイズは7年続いた。擬似人格の機能を、全身を制御可能なレベルの権限にしておくと危険だということが判明したので、験体が自分の意志で擬似人格を抑制できるように、リミッター機能が付加された。このリミッターは有事の際に外部(研究所)からも強制的に発動できるようにした。それに伴って験体の脳への負荷が高まるため、変形機能が一部制限され安全性が高められた。 こうして6人の験体が生み出された。彼らは全員安定していた。計画はこのまま量産体制に入ることもできたが、研究所はそんな施設も資金ももはや持ちあわせていなかったため、デルタフェイズはひとまず打ち切り、次の段階へ進んだ。 イプシロンフェイズ(1527-1536) デルタフェイズでは擬似人格とナノマシン群体の性能を抑制し、験体である人間の意志でどうにか制御できるようにした。それと並行して行われたイプシロンフェイズでは、全体の機能を抑制するのではなく、用途ごとに擬似人格を分割し、必要に応じて変身することで様々な状況に対応させようとした。 イプシロンフェイズはデルタフェイズ開始後ほどなくして始まり、デルタフェイズより長い9年間続いた。1人の験体に対して複数の擬似人格を組み込むのは容易ではなかったが、デルタフェイズが終了する頃には安定期に入っていた。しかしデルタフェイズ以降、ときどき験体を無理やり調達していたのが災いし、Ε-2 エリザを筆頭に、Δ-2 エリオン、Δ-5 アリスの3人が反旗を翻した。彼らは残りの験体と戦い、研究所にも被害を与えたが、こうなる可能性を見越して付けられたリミッターが発動されたことで意識を失い、かつて暴走したヴェインと同じように地下深くに破棄されることになった。 験体には研究所に忠実な者もいたが、やはりそうでないものによる反乱が起きた。思い通りに操れるとは限らない人間の部分を、研究所は遂に排除することに決めた。ここに人間兵器は本来の目的から、更なる高みへと至った。 オメガフェイズ(1536-1543) 本来の人間兵器の目的は、兵士の全身をナノマシン群体化することにより、身体能力の大幅な強化のみならず、必要に応じて要所を変形させることで柔軟な対応力を持たせるというところにあった。しかし政府からの援助が打ち切られ、もはや戦争に必要とされなくなった今、計画の目的は至高の兵器を生み出すことへと変わっていた。 全ての研究の終着点と位置づけられたオメガフェイズでは、人間を改造して兵器化するのではなく、最初から1つの擬似人格を持つ1個の生命体として創造するのが目的となった。すなわち人造人間の研究である。人間の脳を根幹に使うのは、臨機応変な思考と生来の知恵による有機的な判断力を求めてのことであった。しかし研究所は、度重なる研究の末、それらをある程度アルゴリズムに落としこむことに成功していた。こうしてゼロから人体を模したナノマシン群体が作られることになった。 人間を素体とした人間兵器は、重要な器官である脳や脊髄、神経の一部などは生体のものがそのまま使われたが、それが完全な変形を阻害する要因でもあった。それらも全てナノマシンによって構築したオメガ験体はもはや人型に留まる必要もなく、自由自在に変形、時に分離して、文字通り人間離れした戦闘行為が可能であると期待された。人間兵器計画の開始時からすればそれは途方も無い空論であったが、34年に及ぶ研究はそれすら実現可能にした。資金も人手も尽きる最後の最後に研究所は、人類史上最強といえる3体の人間兵器を完成させた。もはや戦争は終わっていたが、彼らは各地で"デモ"を行い、研究所の功績を主張することとなった。 結果は前述の通りである。研究所は破壊される寸前に、ヴェインやエリザを含むそれまでの"作品"をどこかへ隠した。オメガ験体のうち2体は破壊されたが、最後にして最強の験体―Ω-3 ヴィラシュテリアは機能停止に追い込むものの遂に破壊できず、拘束して海溝の底に沈められて終わった。こうしてオメガフェイズは打ち切られ、人間兵器計画はいくつかの痕跡を残して消滅することになった。 験体 人間兵器計画の被験者となった者は験体と呼ばれる。初期は軍人が起用されたが、人手が足りなくなりつつあった末期では一般市民を誘拐して改造するといった非人道的な所業もあった。 験体コードはフェイズを表すギリシャアルファベットの後に被験者としての番号が付加され、その後に本人の名前が続く。例えば「Α-1 ジョージ」といった形になる。また、被験者に移植されたナノマシン群体自体にも個別のシリアルナンバーが当てられていた。こちらは「PS-A001」のように表記された。最初の「PS」は「Project S.H.A.L.O.N.」の略である。後期のナノマシン群体は擬似人格としての名前も与えられた。 アルファ験体 彼らは全員、心臓などの重要器官は生身であったため、戦争による負傷や病気、あるいは老衰によって全員が死んだ。ほぼ全員が自ら志願したのもあって、人間兵器計画の験体では最も幸運であったといえよう。彼らの多くは研究所が破壊される1543年にも存命で、何人かは政府の援助が打ち切られた際に離脱、残りも連合軍による攻撃の際にバックパックを破壊され兵器としての機能を失った。応戦し生き残った全員が戦犯として勾留されるが、後に釈放される。 数が多いので重要な人物以外は省略する。 Α-1 ゲオルグ(George) 移植箇所は右腕。記念すべき最初の験体。彼は軍曹であったが、戦闘中に敵の銃撃を受けて右腕を深刻に負傷、治癒不可と判断され切断された。新たな腕を得て再び戦線に復帰するため、彼は人間兵器計画を知ったとき真っ先に志願した。 Α-12 ザカリー(Zachary) 移植箇所は右脚と左腕。2箇所以上に義肢を移植した最初の験体。コンピューターへの負荷が大きく、彼は満足に動けなかった。志願したのは初期のほうだが、12番めとなったのは単に研究所側が技術の安定化を待ったためである。 Α-19 ルゼルフォード(Rutherford) 移植箇所は左腕と左脚。最初は左脚のみの移植だったが、後に左腕も負傷し、義肢化した。2段階の移植手術を行った最初の験体。 Α-29 ウォレン(Worren) 移植箇所は両脚。バックパックの重量のせいで戦闘中危機に陥り、義脚の基本的機能のみを残してバックパックを破棄。機密保持のためにそれを爆破した上で帰還する。以降は両脚を単なる義脚として使っている。 Α-35 ジェラルド(Djerald) 移植箇所は両腕。最後のアルファ験体。 ベータ験体 ベータ験体は12人いたが全てが何らかの原因で死亡している。ナノマシン群体が移植されたのは、共通して全身の筋肉、骨格、皮膚、体毛、そして血管である。脳とそれに付随する神経系、血液、そして内蔵の多くは生体のものがそのまま使われた。結果として全員実験中に死亡したが、成功していたとしても普通の人間と同じ寿命だったと考えられる。 こちらも数が多いので重要なもの以外は省略する。 Β-1 ゴードン(Gordon) 最初のベータ験体。爆弾で全身を負傷し、なんとか延命措置を受けていたところにベータフェイズの知らせを受け、自ら志願した。ナノマシンの移植中に容態が急変、そのまま死亡。 Β-5 メルク(Melk) 手術後まで生存した最初の験体。ナノマシンの移植後、数分間生存したが、頭痛を訴えたのち、苦痛に呻きながら死亡。四肢は武器形態に変形しなかった。 Β-7 ドラゴリア(Dragoria) ベータ験体では武器形態への変形に初めて成功。運動試験も行ったが、しきりに頭痛を訴え、自室で仮眠を取った際急に暴れだして死亡。全身を武器化した状態だった。 Β-12 エルジュ(Eldge) 最後のベータ験体。12人のうち最も長く生存したが、1週間だった。研究所は彼らに共通して現れた頭痛症状が、ナノマシン群体からの情報フィードバックが過剰なために起こった脳への過負荷であると結論づけた。 ガンマ験体 擬似人格を搭載した最初のモデル。ベータ験体から、更に血液と一部の内蔵がナノマシンに置換されている。ドクターと呼ばれるナノマシンが生体細胞の遺伝子異常を修復し、理論上は半永久的に活動できる。ガンマ験体の擬似人格は験体の主人格と相反するような性格に設定されており、相互に影響しあってより良い結論を導くと期待されたが、うまくいかなかった。 Γ-1 ジブリール(Gebril) 擬似人格名「PS-G001 ミカエル(Michael)」。最初のガンマ験体。擬似人格の機能不全でナノマシンを制御しきれず死にかけたが、応急措置によって一命を取り留め、車いすで生活するようになった。連合軍による攻撃の際に死亡。 Γ-2 エルヴィン(Elvin) 擬似人格名「PS-G002 マグナ(Magna)」。擬似人格に対して拒絶反応を起こし、数時間苦しんだのち死亡。 Γ-3 ムナーク(Munark) 擬似人格名「PS-G003 ティタン(Titans)」。ナノマシン群体の制御には成功したが、数日後擬似人格が過負荷により損壊、行動不能に陥る。壊れた擬似人格からナノマシンを切り離して単なる義肢として使おうとするが、内蔵機能が不全となったため、改めて擬似人格「PS-G004 モリブディア(Molybdia)」を移植。しかしこちらとはうまく馴染めず、寝たきりになる。後に自害。 Γ-4 ヴェイン(Vein) 擬似人格名「PS-G005 ニクロス(Nikross)」。擬似人格との協和に成功。全身の武器化もスムーズに行え、人間兵器として完成を見た――と思われたが、2ヶ月後擬似人格が突如として暴走。研究所内で暴れ回り甚大な被害を与える。彼によってアルファ験体が3名ほど殺されている。数十人がかりで取り押さえ、強制的に休眠状態にされたあと、地下シェルターに封印された。 デルタ験体 擬似人格を抑制できるようにしたことで高い安定性を獲得した。しかしガンマ験体とともに、1体あたり"我々"の価値でいう2千万ドルほどの予算がかかったため、資金も尽きつつあった研究所は量産できなかった。もし政府による資金援助が続いていれば、戦場には人間兵器が溢れていたかもしれない。 験体の確保も難しくなってきたため、一般人を強制的に連れてきて改造を行ったりした。連合軍の攻撃で死亡しなかった者は、その前に反乱した者も含め、休眠状態で後の時代まで生き残る。 Δ-1 ゼルディス(Zerdis) 擬似人格名「PS-D001 ライズ(Rise)」。最初のデルタ験体。純粋な身体能力が高めで、両手や背中から無数の刃を出すなどして戦う。連合軍の攻撃時に脳を破壊されて死亡。 Δ-2 エリオン(Elion) 擬似人格名「PS-D002 ケストル(Kestor)」。全身を硬化してそのまま鈍器として使うような戦い方を好んだ。エリザの謀反に加担し、ゼルディスと戦ったが敗れて休眠させられた。 Δ-3 ティナ(Tina) 擬似人格名「PS-D003 ミファ(Miffa)」。相手の神経系に進入し内部から破壊する戦術を使う。身体能力はあまり高くなかったため謀反の際にアリスに組み伏せられる。連合軍の攻撃時は休眠状態になって生き延びた。 Δ-4 レイン(Rein) 擬似人格名「PS-D004 ダール(Darle)」。ナノマシン群体を切り離して遠隔操作し、四方から攻撃する。謀反の際にはティナを破ったアリスを半殺しにする。連合軍の攻撃時には包囲網を振り切りどこかへ逃走したあと、休眠状態に入ったと思われる。 Δ-5 アリス(Alice) 擬似人格名「PS-D005 エリス(Elice)」。エリオンの恋人だったが彼ともども研究所に誘拐されて改造を受ける。相手を傷つけることを好まず、謀反の際にはティナの虚を突いて死角から拘束する戦法を取ったが、レインによって抑えていたティナもろとも心臓を貫かれる。両者ともナノマシンによってすぐに心臓は修復されたが、アリスは休眠状態にされ地下シェルターに封印された。 Δ-6 ロドリオン(Rodrion) 擬似人格名「PS-D006 フェイル(Feil)」。変形させた自分の四肢を地形と連結し、大規模な破壊を伴う攻撃を行う。戦闘方法の大味さとは裏腹に気は弱く、研究所をなるべく壊したくないところを突かれてエリオンに撃破される。連合軍の攻撃後の消息は不明。おそらく生き延びて休眠している。 イプシロン験体 デルタ験体とは異なり、擬似人格を抑制するのではなく分割する方向で制御しようとしたもの。機能別にいくつか用意された形態を使い分ける。成功といえば成功なのだが、個々の形態の技能は優れいているものの、総合的に見るとどうしてもデルタ験体には劣る上に、そもそも製造にかかるコストも大きかったため、2体しか作られなかった。 Ε-1 モデュール(Moddule) 擬似人格は「PS-E001 アベル(Abel)」「PS-E002 カイン(Cain)」「PS-E003 セト(Set)」の3つ。アベルが近接格闘特化、カインがブレードによる中距離戦闘特化、セトが隠密行動特化となっている。エリザの謀反の際に激しい戦闘の末勝利するが自らも甚大な被害を受ける。連合軍の攻撃のときには最前線で戦い続けるが、やがて力尽きた。 Ε-2 エリザ(Eliza) 擬似人格は「PS-E004 エルエ(Erue)」「PS-E005 ルカ(Luka)」「PS-E006 イヴァ(Iva)」「PS-E007 ゼオン(Zeon)」「PS-E008 アニエ(Anie)」の5つ。モデュールより更に機能が細分化されており、エルエは身体能力を抑えた代わりに演算能力や知覚機能に優れた標準状態。ルースはブレードなどを用いた近距離戦闘特化、イヴァはより機動性に特化した高速戦闘用、ゼオンは逆に鈍重な代わりに攻撃力に特化、アニエは全ての運動性を捨て防御能力に特化した形態である。ルカからアニエまでの形態は相互に遷移できず、必ずエルエを介す必要がある。エリオン、アリスと共に研究所に対して謀反を企てるが、最終的には失敗に終わり、休眠状態にされて地下シェルターに封印された。 オメガ験体 人間を改造するのではなく、ゼロからナノマシン群体によって人体を構成した人造人間。人間兵器計画の終着点であり、人類史上最強クラスの兵器である。もとから擬似人格であるため、験体名と擬似人格名は一致している。 Ω-1 シャロン(S.H.A.L.O.N.) 「人間兵器」の名を冠する最初のオメガ験体。擬似人格が不完全で、動きがぎこちない。連合軍が攻め入ったときモデュールと共に最前線で戦っていたが、アサルトギア部隊の総攻撃によって完全に破壊された。 Ω-2 エクセルシオール(Excelsior) 「更なる高みへ」の意味を持つ2番目のオメガ験体。最初から入れておくプログラムとデータを最小限に抑え、あらゆる事象から学習して無制限に賢くなるべく作られたが、十分な学習を終える前に連合軍の攻撃を受け、破壊された。 Ω-3 ヴィラシュテリア(ViraStelia) 「星を観る者」の意味を持つ最後にして最強のオメガ験体。これまでに作られた全ての擬似人格に加え、全ての験体の戦闘データも記録されており、戦闘中に相手の動きを学習していくらでも強くなる。連合軍の攻撃の際も最後まで抵抗し続け―というかヴィラシュテリアに限ってはむしろ敵を圧倒していた。最後は連合軍が開発した対人間兵器用電磁パルスによって機能停止させられるが、咄嗟に変化した完全防御形態はどうやっても破壊できず、苦肉の策として超高強度の"棺"に入れられて海溝に放り込まれた。 有機ナノマシン 有機金属(詳細は企業秘密であり不明)によって構成された分子サイズの機械。個々のナノマシンはごく単純な機能しか持たないが、それを無数に集合させて一様な動きを与えることで実に様々な動作が可能となる。一個の機械として振る舞うナノマシンの集合体をナノマシン群体と呼ぶ。ガンマ験体以降の全身をナノマシン群体としたモデルでは、60兆個かそれ以上のナノマシンが使われている。 人間兵器計画におけるナノマシンは複雑な制御構造が必要となったため、いくつかの種類が作られている。 アーキテクト(Architect) 群体の構造を担う基本的なナノマシン。筋肉や皮膚といった"柔らかい"組織を構成する。ナノマシン群体の大半はアーキテクトである。ナノマシンとしては比較的大きく、セルマシンとも呼ばれる。大きさは一般に50μm程度だが、自身を膨張・収縮させることも可能であり、人間兵器はナノマシンの総数を保ったまま体の大きさを変えることができる。柔軟性に富み精密な動作も可能で自己複製機能も完備しているが、耐久力が低く壊れやすい。人間兵器はアーキテクトの複製材料を確保するために常人より多めの食事を必要とする。 ブラックスミス(Blacksmith) 超高強度のナノマシン。極めて小さく(50nm程度)、そして強靭で硬い。人間兵器の骨格や、四肢を硬質化して武器にする際の表面構造に使われる。アーキテクトに比べて耐久力は高いが、構造を単純にするため精密な動きは命令できず、自己複製もできない。ブラックスミスは塊にすればダイヤモンドの硬さとチタン以上の強さを兼ね備え、極限まで薄くすれば触れただであらゆるものを切り刻む最強の刃となる。アーキテクトに次いで多く含まれる。製造に特殊な素材を必要とするため、欠損すると補充しづらい。ブラックスミスがかなりの密度を持つため、人間兵器は普通の人間より体重が大きい。 カーペンター(Carpenter) ナノマシン製造用のナノマシン。含有率はナノマシン群体の約5%に過ぎないが、重要な役割を持つ。理論上は、カーペンターが1個でも残っていれば周囲の物体を素材に複製できるため、人間兵器は高い自己治癒力を持つとされる。常にカーネルからの指令を受けており、指令が無くなった場合まずカーネルを製造するようになっている。 ドクター(Doctor) 生体細胞治療用のナノマシン。オメガより前の人間兵器は人間の細胞組織も残しているため、戦闘や老化でそれらが傷付く可能性がある。そのような場合に生体細胞を修復したり新たに作ったりするのがドクターの役目である。度重なる細胞分裂に伴って発生する遺伝子異常を修正することもできる。脳の周辺に特に多く存在し、頭脳を最優先で保持する。オメガ験体では主に体液を生成しているほか、目などをより生物のそれに近づけるための組織を製造する。 イーター(Eater) 捕食用ナノマシン。人間でいう消化活動を担当する。口などから取り込んだ物体を、分子レベルまで分解し、ナノマシンの材料として使えるものとそうでないものに分別して後者を捨てたりエネルギー源にしたりする。含有率は極めて少なく、人間兵器は十分な材料を貯蔵できればしばらく無補給で活動できるので、欠損時の製造優先度も低い。 カーネル(Kernel) ナノマシン群体の中枢。1個1個が脳細胞(ニューロン)のような機能を持ち、2ビットのコンピューターとして機能する。単独では大した計算能力を持たないが、これが無数に集合することで高度なニューラルネットワークを構築する。カーネルはカーネル自身を含む全てのナノマシンに直接の指令を下す最重要要素であり、験体の脳に直結されている。擬似人格を保持するのもカーネルである。ブラックスミスに囲まれて厳重に保護されているが、もし全てのカーネルを失えば、人間兵器は活動できなくなる。 能力 人間兵器は通常の兵器と比べて有効な機能をいくつか持つ。ガンマフェイズ以降の験体には共通して備えられた特殊能力もある。 変形 人間兵器の基本にして最大の特徴。ナノマシン群体を自分の意思で自由に制御し、任意の形状を持たせることができる。アルファ験体では武器に変形できる義肢程度の機能に留まったが、実用化に成功したガンマ験体以降では全身を武器にする以外にも移動や隠密のために様々な応用が効く。顔の組織もナノマシン群体であるためいくらでも変えることができるが、オメガ験体を含めた全ての人間兵器は"本来の顔"を持ち基本はそれで生活する。 機動力 アーキテクト・ナノマシンが持つ大きな駆動力は、人間の限界をはるかに超えた運動を可能にする。拳を硬質化して全力で振り抜くだけでも鋼鉄の壁を陥没ないし破壊できるほどの威力を持つ。変形能力を使わずとも人間兵器は身体能力だけで通常の兵器を圧倒できる。 細胞吸収(アブソープション) 他者の生体細胞を捕食し、その遺伝情報を解析することで、身体的な特徴をコピーできるようにする能力。ガンマ以降の験体に実装され、人間兵器の"食事"手段となる。普通に口から食べることもできるが、手から吸収することもでき、そちらが多用される。生物を吸収しようとする場合相手を殺すか動けなくなるまで弱らせる必要がある。単純にナノマシンの材料の確保のためにも使われる。 カオスチャンバー 原理不明の亜空間生成装置。発掘されたものであり人間兵器研究所によって発明されたものではない。Γ-4 ヴェイン以降の験体に搭載された。亜空間のサイズはものにもよるが3立方メートルほどで、ナノマシンの材料その他を保管するために使われる。カオスチャンバーに材料を大量に貯めこんでおけるため、人間兵器は戦闘しなければ1年、戦闘する場合も1ヶ月近くは無補給("食事"無し)で活動できる。アサルトアーマーや人間兵器が開発された16世紀にあっても完全なオーバーテクノロジーで、原理も解明できず供給が発掘頼みだったことも、人間兵器が量産できなかった理由の一つであろう。ちなみにカオスチャンバー自体は人間兵器計画特有のものではなく他の軍隊や後の時代の冒険者にも重宝される。 休眠 生物の細胞は100年程度で分裂の限界を迎え、それ以上増殖できなくなる。それが人間としての寿命の限界であるが、休眠状態にすることで代謝を極限まで抑えるとともに、ドクター・ナノマシンが遺伝子を修復して若返らせることができる。休眠状態は短ければ数日程度だが、全身の細胞を入れ替えようとすると数年から数百年かかる。その間人間兵器は硬質化したナノマシンに覆われるため物理的な被害を受けることはまずない。また休眠状態では、部分的に損傷あるいは機能不全を起こしたナノマシンの分解と再構築も行われる。休眠を経て目覚めた人間兵器は生体組織もナノマシン群体も新品同様となる。休眠の機能によって理論上人間兵器は半永久的に活動可能となっている。しかし脳細胞の完全な修復は難しいようで、休眠中には記憶の一部が失われるらしい。