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黒いボディスーツを着込んだ女性が、照りつける太陽光も気にせずに車道を疾走していた。 地を蹴り、跳躍。一跳び300メートルとまではいかないが、それでもその移動速度は人間の限界を遥かに超えている。 それもそのはず、彼女は今でこそ姿が人間だが、正体はあらゆる面で神を超えた存在だったのだから。 主催者により能力には制限が科せら、この姿ではさらに能力が下がっているかもしれない。 それでも、今出せる最大の力でもって移動を続ける。 左腕には支給されていた武器を、右腕には意識を失っている少年を抱えて。 出会った当初、この少年は白い服を着ていた。 だが、いまやそれは見る影もないほど赤黒く染まってしまっている。 ここまでの道中にも、いくつもの赤い点がずっと続いている。 それの正体は、他ならぬ少年の体から溢れ出た血液だ。 もちろん止血は試みた。 だが、予想以上に傷が深いのか、血が止まる気配はまるでない。 「レン……!」 少年の名を呼んでも、返事はない。 血を失い過ぎた人間は死に到る。それは人ならざるこの女性でも知っていた。 急がなくては。 少し前に少年と交わした言葉、自分で開けることのできたバッグ、その中の地図。 人が集まる、都会に急がなくては。 都会なら大きな病院があるだろう、人――今は参加者だが、とにかくいれば治療の道具を持っているかもしれない。 運がよければ【回復魔法】が使える者もいるかもしれない。 「なんで、私は……!」 回復魔法が使えない自分を、そう創り上げた上司を恨む。 魔法の才能がないから……という理由ではない。 彼女は、わけがわからないよと騒いでいた生き物お墨付きの超魔力の持ち主だ。 ただ、基本装備に回復機能がないだけ。折角の魔力も、敵の魔法攻撃を遮断するぐらいでしか使えていない。 要するに、現状では宝の持ち腐れ状態なのだ。 最低級の魔道書でもいい。とにかく血を止める手段が欲しい。 別に会ったばかりのこの少年を助ける義理はない。ここはバトルロワイアルの場。 弱肉強食、弱い者は強い者に食われていく世界。 子供だからといって許されるほど甘い世界ではない。事実、見せしめに殺された少年の年齢はこの少年よりもさらに低い。 だがそれでも、女性は少年を助けたかった。 自分にとって、初めて出会ったまともな人間というのもあるが…… 職業病だろうか、最初にこの少年と共に行動……彼の護衛をしようと思った以上、それを投げ出すことはしたくなかった。 そして、彼女にも少なからずプライドがある。 世界の防衛者たる自分が、目の前の少年一人すら守ることができなかったとは何事か。 敵の奇襲に、まるで気がつけないとは何事か……! だが、まだ完全に手遅れではない。傷を負ってしまった事実は変わらない。 しかし命までは失っていない、まだ助けることが、彼の命を守ることができる。 それだけを考え、女性は走る速度を一切弛めずに進み続けた。 少し前…… 「レ、レン? 大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫……ふぅ、よかったよお姉さん」 「はぁ……? よくわかりませんが、無事でなによりです。 スターバスターの発射については、魔力を私の前方に収束させれば大丈夫そうでしたよ」 (胸からは出ないのか……ちょっと残念だな) 「何か?」 「いやなんでもないよ! それよりお姉さん、これからどうするの?」 「そうですね……やはり、首輪を外さないことには始まりませんし、人が多く集まる場所に行きたいのですが…… 生憎と、私はこの地域というか、世界そのものに疎くて……」 「あ、それなら僕が案内できるよ! これでも結構、色々な場所で歌ってるからね。 僕も最初にそういう場所に行こうと思ってたから、このまま真っ直ぐ行けば……渋谷や新宿に出れるはずだよ」 「なるほど、助かります。レンと会えてなかったら、私は真逆の方向に向かうところでしたよ…… 目標、渋谷区か新宿区……会場各地の地名把握完了です。……おっと」 「どうしたの?」 「危ない危ない、地図の確認だけで満足するところでした。私に支給された道具の確認も今のうちに済ませておかないと。……これは?」 「あ、スターバッ○スのコーヒーだ。……はずれみたいだね」 「なるほど、これが人間の飲む……あ、おいしい。名前もスターバスターみたいですし、きっと繁盛しているのでしょうね」 「どういう理屈さ……他に何か入ってない?」 「ん、ありますね。これは……」 「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃないか! 完成度高けー……って本物!?」 「変わったデザインの砲台ですね。威力は……」 「確か【お城の天守閣を吹き飛ばす程度の威力】って本に書いてあったような……」 「それはなかなか。ただ、本体も立派な造りで強度も申し分ないのですが…… この姿になる前なら、私の砲台の代用品として究極合体できたかもしれないと思うと、惜しいですね」 (あぁ……お姉さんの手が、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を……【アレ】を撫でている……ッ! ……【立派】……【申し分ない硬さ】……【合体できなかったのが惜しい】……=【お姉さんは今欲求不満】……ッ!? そうか、暗に僕を誘っているんだね!? そうなんだね!?) 「ね、ねえお姉さん? 僕のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲でよければ合体しない!?」 「え? レンもこの砲台を持っていたのですか?」 「うん、小型タイプだけど、持久力と速射性に優れたタイプのやつをね。逆に小型だから今合体できるんだ。 威力も凄いよ。(お姉さんを)一撃で昇天させることさえ可能なんだ!」 「……! それは凄い! 早速究極合体の構えに入りましょう。従来の合体であれば、背に砲台を……」 「いきなりバックから!?」 「?」 「じゃ、じゃあそこに手をついて四つん這いに……」 「ん……これで、いいでしょうか?」 「我が世の春がキタァァァァァ――――」 どぶしゃ! 「レ、レン!? 今嫌な音が……血っ!? まさか敵襲!? そんな、どこから……! くぅ……これ以上レンを狙わせるわけには……! ここは退いて……!」 (あぁ……そうだ。僕、テンション上がりすぎて鼻血出して卒倒したんだっけ……) 記憶を辿り、レンは自分の醜態を思い出す。鼻血以外にも下半身から白い液体が出たかもしれないがそれは気にしない。 そしてどうやら意識を失った後、機人のお姉さんに担がれているらしいこともわかった。 (あれ……僕、片腕で簡単に持たれちゃってる? 男としてちょっと傷つくなぁ…… それに、ちょっと、なんか、速くて、酔いそう……) 耳に入る音は、風を切る音のみ。 なぜこのお姉さんはこんなに急いでいるんだろう? 理由はよくわからないが、気絶していた自分を運んでいるのは確か。 このままでは正直酔いそうだし、男の自分がお姉さんの腕に負担をかけ続けるのもいただけない。 が。 (……もうしばらく気絶しているフリしとこう) 男、鏡音のレンの選んだ選択肢は狸寝入りだった。 なにしろ、出るとこ出てるお姉さんに強く抱きかかえられているのだ。 当然必然、二つの果実もむにゅりと押し当てられているわけで。 14歳の少年は、酔いや道徳よりも自分の欲望に忠実だった。 (……だって、しょうがないじゃないか……) だがレンも、その欲望の裏に潜んでいる本当の感情に気がついている。 レンは、怖いのだ。 家族とは散り散りになってしまい、目の前で行われた総理大臣による処刑。 いつ自分が、死んでしまうかわからない恐怖。 いつ家族が、殺されてしまうかわからない恐怖。 一度芽生えたその感情は、ちょっとやそっとでは拭いきれない。 いつもの、平常時の鏡音レンのフリを無理してでもしなければ、心が砕け散ってしまう。 そうしていないと、不安で押し潰されてしまう。 この場に似つかわしくない空気の道化を演じでもしないと、きっと一歩も動けない。 だから彼は、鏡音レンは偽りの仮面を被り、演技を続けているのだ。 (あぁ……柔らかい! 柔らかくて気持ちいいよ……!) ……多分。 「さて……ハクちゃんを探さなきゃだけど、どうやって探したものだろう?」 うーん、と唸りながら、巡音ルカはその頭脳を高速回転させる。 自分の目的は、大切な人である弱音ハクとの再開及び護衛。 そして、あの豚どもへのきっついお仕置きだ。 だがこの双方の目的を同時に達成するのは中々に困難。 探し人を見つけるのは容易ではない。事前に待ち合わせ場所を決めているならともかく、この会場は広い。 闇雲に探していては、何度も行き違いになることも考えられる。 豚の始末も面倒だ。首輪を外さなければ、おそらくまともに刃向かうことさえできない。 それだけでなく、主催の豚とはまた別の紅い豚、マグニスも面倒だ。 あの時はつい本心で敵を煽ってしまったが、実力は明らかにあちらが上だった。 仮面ライダーの力を使えば、倒せないことはないのかもしれないが…… 今はまだ変身できない。仮に変身できても、10分で仕留められなければこっちが返り討ち確定。 問題は山積み。 どれも難易度は高いが、やはり優先すべきだと判断したのは…… (ハクちゃんは早くみつけないと。それこそあの紅豚に見つかったらひとたまりもないよ。 ボクみたいに、戦いになっても生き残れそうな道具が支給されていればいいけど……) 自分はアンドロイドだ。少なくとも世間一般の人間よりかは反射神経も運動能力も優れている。 だがあくまで普通の人間と比較した場合であって、マグニスのような燃える大斧を振り回すような男…… 普通じゃない人間の相手は厳しいものがある。 ハクを守りたい。だが、少しでも油断すればハクよりも先に自分が死ぬ可能性だっておおいにありうる。 「やっぱり、誰かボクと同じように豚にお仕置きしようと考えてる仲間が欲しいところだね。 常ならざる力の持ち主~とか、特別な眼~とか、魔法少女~とか色々な人が参加させられてるみたいだし…… 少しくらい、同じことを考える参加者がいてくれるといいんだけど……ん? あれってまさか……!?」 「はいはい、急いでるとこ悪いけど、キミちょっと止まってね」 「っ!」 ルカが発見したのは、一人の女性と、その腕に抱えられた少年だった。 メモリがまだ使用できない現在の状況では、下手に参加者と接触することはあまりしたくはなかったのだが…… その抱えられている少年の格好には見覚えがあった。 もっとも、その見覚えのある格好は朱に染まっており、現在も鮮血が滴っている点が異なっているが。 「……それ、どうしたのさ? 悪いけど、ちょっと置いてってもらえるかな? そうしたら見逃してあげるよ」 「……お断りします。貴女こそ、そこをどいてもらえませんか? 退かない場合、こちらも鉄拳星砕……実力行使させていただきます」 (あれ……なんか今、ルカ姉さんの声が聞こえたような……?) ルカは、ハク以外の知り合いの姿……弟分の鏡音レン、ボーカロイドの仲間をこの会場で初めて目にした。 しかしその姿は変わり果て、おそらく手を出したであろう女に抱えられている。 ライバルであり、共に夢を語り合った家族でもあるレンを、ルカには見捨てることなどできなかった。 そのレンを抱えるシステムもまた、レン以外の初めての人間をこの会場で目にした。 レンを差し出したら見逃す……どこか上から目線、いや人間の実力からすればそれは当然か。 この人間の実力がどれほどのものかはわからないが、余裕のある笑みから察するに実力者だろう。 二人とも、内心は冷や汗が流れている。どうしようもないほど強かったらどうしようかと、不安で一杯だ。 だが退くわけにはいかない。 正体もわからない謎の女……最悪、首をはねて首輪を手に入れようとか考えてるかもしれない奴に、レンを渡してなるものか。 (ボクが、レンを助けないと……!) (私が、レンを守らねば……!) 二人は間合いを取りつつ、辺りには緊迫した空気が張り詰める。 そんな中。 (あれ、やっぱりルカ姉さんだ! なんかいつも尻叩きプリーズって言ってる姉さんよりも随分と凛々しいけど…… なんだろう……なんか空気がピリピリしてる……) 渦中の少年は暢気だった。 【中央区/一日目・日中】 【鏡音レン@VOCALOID】 【状態】 健康、鼻より出血中、狸寝入り中 【装備】 【道具】 基本支給品一式、禍神のマリネ、たこルカのタコぶつ 【思考】基本:死にたくない 0:もしかして、どっちが僕を抱っこするかでもめてるとか? 1:リンや他の家族が心配 2:電波お姉さんに家族と正義感溢れる青年(南光太郎)を探しを手伝ってもらいたい ※国会議事堂内で一部参加者の顔を覚えている可能性があります ※最終防衛システムの話をろくに聞いていません 【最終防衛システム@サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY】 【状態】健康、人間体、人間への恐怖(若干緩和)、焦り、胸部中心にレンの血痕多数 【装備】スターバスター、振り下ろし、踏み潰し ○変化、○ダウン、○消滅、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲(空き) 【道具】基本支給品一式、スタバのコーヒー×2 【思考】 基本 主催者の排除 0 目の前の女性(ルカ)を警戒 1 人間の参加者にもまともなのがいる? 2 新宿or渋谷の病院に向かい、レンの傷を治したい 3 白い生物(キュゥべえ、名前未確認)を警戒 【個人制限・特殊能力】 004「人間っていいな?」参照 ※コロッケの効果時間は不明 ※レンの出血が鼻血によるものだと気がついていません 【巡音ルカ@VOCALOID】 【状態】健康、仮面ライダーアクセルにもうしばらく変身不能 【装備】アクセルメモリ@仮面ライダーW、アクセルドライバー@仮面ライダーW、 【道具】支給品一式 【思考】基本:弱音ハクと合流し、主催にお仕置きをする。 0:目の前の女性(防衛システム)を警戒 1:弱音ハクと、豚へお仕置きする仲間を探す。 2:レンを助けたい 【補足】 ※カオスロワ7期、8期とは別人のようです。 ※彼女にとってVOCALOIDは『人間に近いロボ』。7期のVOCALOIDみたいなものですが、 その他の設定(ナノマシンで自動修復等があるか)は後の書き手に任せます。 ※弱音ハク以外のVOCALOIDとの関係は後の書き手に任せます。 ※弱音ハク以外のVOCALOIDがロワに参加していることを確認していません。 ※レンの出血が鼻血によるものだと気がついていません 支給品紹介 【スタバのコーヒー@現実】 有名店のコーヒー。いつでも挽きたてのおいしさを。 3本セット。 【ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲@銀魂】 8期で八坂神奈子が御柱の代わりに装備していた大変卑猥な大砲。 だがそのふざけた見た目に反し、江戸城の天守閣をぶち抜いて江戸を開国させる程の威力を持つ決戦兵器。 完成度が高くて当然、本物なのだから。 「お……俺は、どうすればいいんだ……!?」 二人の女性が睨み合う中、その様子を近くから窺っている者がいた。 ただならぬ鋭い眼光……ということはなく、それ以前に眼光がない。 極限まで細められた糸目と浅黒い岩のような肌が特徴的な少年…… 彼の名はタケシ。 小さな怪物【ポケットモンスター】を操るトレーナーだ。愛用は硬くて大きな岩タイプの…… ……誤解を招くといけないので【ポケモン】にしておこう。 とにかくタケシは、ポケモン使いであり、ジムのリーダーを勤めつつ、ポケモンマスターになる夢を持つ少年だった。 そんな彼もまた、バトルロワイアルに巻き込まれてしまっていた。 見せしめに殺されたのは自分と年齢も近いであろう男の子。 しかしタケシは、恐怖を振り払い、このバトルロワイアルに立ち向かう覚悟を決めていた。 ポケモンを悪用する連中も許せないが、人の命を平気で奪う奴はもっと許せない―― そう叫んだのを、彼はまだ覚えている。 使うポケモンのタイプ故か、あるいは性格故にタイプが岩なのか……タケシは真面目で実直な少年だった。 動かざること岩のごとし、一度抗うと決めたら徹底的に抗う、不動の心の持ち主だった。 だが、そんな彼の決意を嘲笑うかのように、彼に支給された品は…… ドヤァ…… ドヤァ…… ドヤァ…… むっかつく表情の、全く同じキャラクターのフィギュアが三体。 しかもセットではなく、どうやら一体一支給の扱いらしい。 完全に外れのデイバックだった。 しかしその程度では、タケシの岩のような心を砕くには至らない。 気をとりなおした彼は、他の参加者を探して歩き…… 「な、なんだあの美しいお姉さんは……!?」 彼は、桃色の髪のお姉さんに心を奪われた。 声をかけるのも思わず躊躇ってしまう程の美しさ。 突き出た胸に、ドレスのスリットから覗く脚と絶対領域の破壊力たるや尋常ではない。 これにはタケシの岩のような心も砕けた。 イシツブテ の だ い ば く は つ (どんなに硬い岩も、お姉さんという名の潤いの水の前では一撃必殺されてしまうのさ……) そんなことを考えながら、タケシはルカのストーキングを開始していたのである。 そして現在、ドレス越しのお尻を見つめながらストーキングしていたタケシは、新たなお姉さんを発見した。 (これはまた暴力的なわがままボディ……! 露出が全くないのに不満じゃない不思議……!) ストーキングがばれると不味いので、タケシは心の中でぐっと親指をたてた。 しかし、どうにも二人のお姉さんの様子がおかしい。 互いを牽制しあうような……そんな感じだ。 そして冒頭、彼はどうすればいいのか迷う。 殺し合いなど、絶対にしてはならない。ましてやあんな美しいお姉さん達が。 だが愛用のポケモンを奪われ、支給品はがらくた……鍛えてあるとはいえ子供の自分が、間に立てるだろうか? 言葉で解決するのが一番だが、万が一の場合はあの二人の真ん中に立って仲裁をしなければならない。 (なんだ……この悪寒は……?) 何故か、僅かに二の足を踏んでしまう。 間に立ったはいいが、二人の拳が止まることなく、自分の体を直撃する光景が容易に浮かんでしまう。 (ええい! それはつまりどちらかのお姉さんも怪我をするかもしれないってことじゃないか! お姉さんが傷つくくらいなら! 男ならどーんと身代わりになるべきじゃないのか!?) 己を奮い立たせ、なんとか一歩目を踏む。 しかし元々がストーキングのために距離をとっていたため、お姉さんまで辿りつき、止めるには……走るしかない。 (くそっ、間に合わないか!? なら、このまるで役に立ちそうにない人形でこっちに注意をひきつけるか……!?) 三体の人形の背中にはボタンがついており、説明書によれば、押すと様々な言葉を喋るらしい。 お尻のあたりには音量調整する場所もある。 これを最大音量にし、注意をひきつければとりあえずお姉さん同士の争いは回避されるのではないだろうか? しかし、どのボタンでどんな言葉を喋るかまでは説明書に書いていない。 下手な台詞をこの人形が喋れば、怪しまれ、問答無用で自分がお姉さんにぼこぼこにされるかもしれない。 (……それはそれでアリだな。 いやとにかく! どうする俺! どうする俺! そしてあいつは人間じゃねぇ!) ぎりりと歯を噛み締めながら、タケシは二人のお姉さんと、ついでに一人の羨まけしからん子供を見つめる。 彼の行動ははたして……? 【タケシ@ポケットモンスター】 【状態】 健康、葛藤 【装備】 【道具】 基本支給品一式、アビシオンのフィギュア×3 【思考】基本:殺し合いには乗らない。できれば友たちが待つ場所に帰りたい 0:お姉さんたちを止めたいが、どうする……? 1:あの子供(レン)はちょっと殴りたい 2:愛用のポケモンを取り戻したい 支給品紹介 【アビシオンのフィギュア@パロロワ】 甘い! 甘いぞぉ! 7期や9期、LSロワやテイルズ2ndなどで登場。 どうみてもはずれだが、フィギュアのモチーフ以上に圧倒的に出番が多い謎の品 034:国会見学とか正直一つたりとも記憶に残ってねェ 投下順 036:サザエ、外伝でもうっかり 034:国会見学とか正直一つたりとも記憶に残ってねェ 時系列順 036:サザエ、外伝でもうっかり 021:なにレン? お姉さんに(ry 鏡音レン 049:少年と美女と恐竜と 021:なにレン? お姉さんに(ry 最終防衛システム 049:少年と美女と恐竜と 005:パルマーA「俺のことは(ry 巡音ルカ 049:少年と美女と恐竜と 初登場! タケシ 049:少年と美女と恐竜と
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あー、これもちょっとまずかった (^^; 2006/ 8/22 19 58[No.37723 / 39216 ] 投稿者 ja2047 スマ氏ますますF化中(ja2047氏) F化てどういう事でしょうか? はは、これは不用意でした (^^; へたに解説して召還呪文になるとまずいので、この件は忘れて下さい この通り伏してお願い申し上げまする m(_ _)m はっきりいって有効なる議論を維持することは、今の時点では非常に困難な状況になってまいりました。 あなたが有効な議論を維持出来なくなってきているというのは解ります。 そのために何とか角度を変え、矛先を変えることで負けまいとしていることも理解出来ます。 負けるとか、負けないとか、の問題ではないのですがねえ。 そういって頂ければ、私も安心です。 要はあなたがあなたの主張をちゃんと説明出来るかどうか、これが問題であるわけです。 矛先を変えるもなにも、ja2047氏に質問してボールは渡しています。 元々私に対する質問攻勢はmsg37249から始まっています。その前に私はこの議論の最も本質的な点について、あなたにボールを投げています。 あなたの、msg37249~37251について言えば、そのボールを投げ返すまでの時間稼ぎに、とりあえずそこいらにあるものを手当たり次第に投げ返してみた、に近いでしょう。それでも私は一応一つずつでも応答に入っているのです。 その返事が2~3週間経っても来ないのですから、私は為すすべがありません。 為すすべはありますよ。 あなたは、正規兵が軍服を脱ぐのは、その状態で攻撃行動を取らなくても国際法違反だ、と言っているのですから、その根拠条文を示せばよいのです。 あるいは、条文はないんだ、「慣習法」であるから明文化されていないんだ、と言われるのなら、その「慣習」にしたがって、無抵抗かつ非武装の軍服を脱いだ正規兵が処刑され、しかもそれが非難されなかったという実例を挙げていただけばいいのです。 挙げられなきゃおかしいですよね。 「明文化されていないが慣習法である」というのは一応理屈になってますが、 「実行された例はないが、そういう慣習があった」というのは理屈にもなんにもなっていません。 あなたが主張しているのはそういう理に合わないことなのです。 返信 これは メッセージ 37714 lewisscsmytheさんに対する返信です もどる
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さよなら絶望先生(さよならぜつぼうせんせい)は、久米田康治による日本のギャグ漫画。また、そのアニメ化作品、OAD作品。 B zネタが登場する回が存在する。 作中に登場するB zネタ 12話「まだ開けそめし前髪の」(単行本1巻) |単行本20ページ2コマの張り紙に、「食べ合わせ注意!! 合わない例 キウイ ビーズ」と書かれている。これは、B z「愛のバクダン」がゼスプリ ゴールド・キウイのCMソングになったことを指す。 アニメ版では、張り紙には何も書かれていない。(『【俗・】さよなら絶望先生』2話「まだ明け初めし前髪の」) 「発禁抄」(単行本15巻初回限定版に付属のOAD『【獄・】さよなら絶望先生』上巻) |主人公である糸色望(いとしき のぞむ)が「世の中、常に見えない部分で激しい戦いが繰り広げられているのです!」と発言した後に、「ミエナイブブン~INVISIBLE PART~」という文字が映るが、これはB z「ミエナイチカラ 〜INVISIBLE ONE〜/MOVE」のジャケットのパロディである。 原作版には登場しない。(単行本11巻 109話「発禁抄」) アニメシリーズ テレビアニメさよなら絶望先生(第一期) 【俗・】さよなら絶望先生(第二期) 【懺・】さよなら絶望先生(第三期) OAD(OVA)【獄・】さよなら絶望先生(第二・五期) 【懺・】さよなら絶望先生 番外地(第三・五期) 関連商品 コミックス 1巻 コミックス 15巻初回限定版 関連項目 大槻ケンヂ「大槻ケンヂと絶望少女達」という名義で出演声優と共に主題歌等を担当している。 かってに改蔵同じく久米田康治による漫画作品。 外部リンク 週刊少年マガジン さよなら絶望先生 スターチャイルドレコード さよなら絶望先生 アニメ公式ページ 名前 コメント
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※視点系頑張ります。なお、これでラストです。 『平和の光 〜 これからも… 〜』 この光はまぶしく感じる。それでも幸運だ。 幸せを感じられる思いがある。 色々な人物と会った。 狙撃兵や槍使い、大剣使い、番人…数え切れないほどの出会いがあった。 でも、にぎやかさが消える時は消えてしまう。 でも、それでもここはいつもにぎやかだ。 マ「おーい!写真撮影しようぜ!」 フ「いいな、それ!」 L「記念撮影みたいなものだな。俺は参加しよう。」 と二人がうれしそうに言う。 坊「…そうね、いい思い出になりそうね。」 ル「じゃ、みんな集まって!!!」 マ「じゃ、撮影者は…」 剣「任せろ。…氷の剣よ!」 氷の剣で人を作る。カメラは種族ので撮影だ! マ「じゃ、いいぜ。」 剣「…行くぜ。」 ル「はい、チーズ!」 カシャッ、という音と共に撮影される。 フ「古いな www 」 坊「古 www 」 マ「ちょ www 待 www 」 ル「え?」 L「…古すぎだ www 」 剣「…うくく…。」 流石に大剣使いも笑ったか。でもこれが平日なのかもしれない。 いつかは去る種族でも、今は楽しんでおこう。 そう、俺達のアルバムに載せよう。 忘れぬ為に。記憶の為に。 坊「…ねぇ、また去っていっても、また来るよね?」 マ「ああ。」 坊「それとファルコンには前に会った。」 フ「黙れ wwwww 」 坊「笑うな!」 とにかく…これが平和だな。種族の望む平和だな。 でも、まだ世界中にあふれる戦争を、止めるのか。 それはまた別の話だ。 でも、今は今の時間を刻もう。 剣「…マリオ、無理はするなよ。」 マ「大剣使い、お前もな。」 そう、これが平和だ。 マ「じゃ、買出しな!」 L「ルイージ、俺が行く。」 ル「いいですよ。僕がかい出しに向かいます。」 フ「頑張れよ。ついでに俺酒な。」 坊「じゃ、私は…秘密。買出しに向かうわ。」 これが幸せだよ―――。 ※キャラ「マリオ=マリオ」 最終話らしく終了をと。となったらマリオでしょう。 ※他キャラ「キャプテンファルコン、ミスターL、マリオ=ルイージ、カー坊・クロイツ=ミルドラース、大剣使い」 もう最終的に終わるのでフルでラストは。 カー坊そこは暴露しないと思わせたくなかったので。 これで『必殺短編集_無限大』終了です。 お疲れ様でした。 また会えましたら、その時は…会えるという光を見ましょう。
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風見雄二は親殺しだ。 母親を助けるために。その一心で『殺してやる』と覚悟を決めて、明確な殺意を持って酒の瓶で父親の頭部を殴打。 『文字を書いたり、箸を持つのは右……。ボールを投げたり、バッターボックスに立つ時は左……。じゃあ、人を殺す時はどっちの手?』 姉の一姫がそんなことまできょういくしていたから、しっかりと右手で。 父親ははっきり言って、クズだ。 天才である姉の一姫ばかりを大切に扱い、雄二に対しては極めて雑に。 彼に与えられたものが食パン1枚だったことを一姫が知ると、それ以降は食事が惣菜パンにグレードアップした。 一姫はブラコンだ。弟の雄二を愛している。 そして一姫は天才で、家族の誰も逆らえない。彼女こそ家計を支える収入源であり、この家で誰よりも優れた存在だ。 雄二は風呂場で性的な悪戯をされたりもしたが、それでも姉の愛は本物で。そして風見一姫がいるから、こんな家庭でもなんとか成り立っていた。そんな姉に恐怖心がないと言えば嘘になるが、雄二も彼女に依存していたのもまた事実。 ゆえに姉の一姫が死んだ時、家庭はすぐに崩壊した。 父親は酒に溺れ、母親と雄二を虐待するように。 あまりにも理不尽な日々を脱するために雄二と母親は家出をした。 それから雄二は母親一人に養われた。 父親が存在しない、安らかな日々。天国のような日常。 だが天国はすぐに崩壊し、父親という悪魔が再びやってきた。彼はいきなり襲来して母親を性的に襲い始めた。 だから風見雄二はこの時、初めて殺人という罪を背負ったのだ。 母親を助けるために、立ち向かった。 それは少年にとって勇気ある一歩である。逃げてばかりじゃ何も変えられないから――だから雄二は立ち向かったのだ。 そして殺人者としての一歩でもあった。どんな動機があるにせよ、殺人は殺人。 たとえゲスな男が相手で、家族のためであっても。風見雄二はその瞬間、自らの手を血で汚してしまったのだから。 『お母さん、逃げよう』 それでも雄二は逃げることを選んだ。 せっかく母親と平和な時間を、手に入れたのだから。 『どこまで逃げればいいんだろうね……。いつまで逃げればいいのかしら……』 それでも母親はもう精神的に限界で。 『ユウちゃん先に逃げなさい……。お母さん、後から行くから』 まだ子供だった雄二には、何もわからなくて。 彼が家を出ると――母親は自殺した。 『ごめんね、ユウちゃん。ごめんなさい』 母親は遺書の中で、必死に雄二に謝っていた。 ……こうして彼は父を殺し、母親を自殺へ追い込んでしまった。 それから桐原礼と名乗る男に身元を引き取られた。 女装をさせられ、体を触られ。 雄二はとても女装が似合い、長いウィッグを被ったその姿は皮肉にも姉の一姫に似ていた。 そしてまた殺人を繰り返す。 それを気に入った桐原礼――ヒースオスロは自身が設立したテロリスト養成機関に雄二を通わせた。 そこではオスロのお気に入りということで疎まれ、嫌がらせだって受けた。 それでもマーリンという少女は手を差し伸べてくれた。 ひたすら訓練に励み、卒業試験はマーリンとの殺し合い。 彼女を殴った時――父親のしてきたことを思い出して。彼と同じになりたくなくて。 雄二は負けた。 『ごめんなさい……。なんでこんなことになっちゃったんだろうね』 卒業試験が終わった後、マーリンは母親と同じ言葉を口にした。聞きたくない言葉だった。 『人を傷つけないで生きていければ……それが一番いいのにね……』 そしてマーリンは二度と顔を合わせることがなかった。 後から看護師にマーリンが初仕事でミスして死亡したことだけが、伝えられた。 現実はあまりにも残酷だ。 風見雄二という少年はそんな過酷な人生を歩んできた。 マーリンの死亡後、卒業のための課題として彼は暗殺をした。 女装をして、隙を突いての殺害。雄二はたかだか子供と言えども鍛錬を積んできた存在だ。大人相手でも殺せる。 正体すら掴まれることない、見事な暗殺。 このままでは風見雄二は間違いなく最低最悪の殺戮兵器になっていただろう。 ――だがオスロの屋敷で日下部麻子に発見。保護されたことで彼の人生は大きく変わる。 『いいか?私がお前を拾う神、神様だ』 神様。 麻子のその言葉は、大袈裟に言っているようでもあるが――あながち間違いではない。 事実。風見雄二という少年に正しき道を歩ませたのは、彼女なのだから。 それから雄二は麻子と、彼女と仲の良いJBによって育てられた。 最初こそ死んだ瞳をしていたが……彼女たちと過ごしていくにつれてその目に光を取り戻してゆく。 そして雄二は犬を与えられた。 犬とは人懐っこい生き物だ。当然、雄二にもすぐに懐いた。 ジョンと名付けられたその犬は雄二と共に過ごし、成長する。 麻子に特訓された際に『力だけじゃねえ、頭も使え!使えるものは何でも使え!!』と言われてジョンの名を呼び、噛み付いてもらうことでサポートされたこともあった。 ジョンは雄二にとって大切な家族だ。 だが――ある日、熊から家を襲撃されてジョンを攫われた。 武器を取りに行っている間に――ジョンは首根っこをクマに噛まれ……おそらく、即死していた。 それでも雄二はジョンを取り返そうとして――。 だってジョンは雄二にとって大切な家族だから。 かつての地獄のような日々。そこへ光を齎してくれたのが麻子とJB。そしてジョンだ。 そんな雄二がようやく手に入れた――大切な日常(家族)なのだ。 だから雄二は、クマと戦った。 一度は追い詰められたが――殺害することに躊躇しないというスイッチが入った瞬間。 彼はクマの目を、容赦なくナイフで切り裂いた。 そのまま熊を殺すことも出来た。 後は銃を撃つだけだったが――。 「こいつらに食わせる気だった……。俺の犬を……」 ジョンを殺した熊は親で。 その子供が、雄二の視界に入ってしまったから。 「どうして、俺の犬なんだよ……」 雄二は、熊を撃つことが出来なかった。 だが麻子はそんな雄二を『それでいい。お前はそれでいいんだ』と抱き締めた。 大切な家族を守れなかった雄二は、ジョンの墓の前で誓う。 『麻子のように強くなりたい』 そんな雄二に――麻子は今後、彼の呪いになったともいえる言葉を掛けた。 ――お前は私の命令なければ虫や鹿も殺せない。 防衛省が貴様のようなヘタレを一人前にするために、いくら金を使ったと思っている。すべて国民の血税で賄われていることを肝に銘じろ 貴様には、貴様を育てるために支払われた費用に見合う働きをするまでは、勝手に死ぬことすら許可されていない。 一人十衛!! 貴様は国民10人の命を救うことと引き換えに、始めて死を許される。 5人にまけてやる!国民5人を救うまで、野垂れ死にすることは許さん 他人のためには迷わず引き金を引ける人間になれ。 ――そして。 そんな言葉を胸に刻んで暫くしてから――雄二はこの殺し合いに巻き込まれた。 ○ 「まさかいきなり、こんなものに巻き込まれるとはな……」 動揺こそしていないが雄二の声には、緊張感が含まれていた。 修羅場は踏んできた。普通の子供とは大きくかけ離れた少年――それが風見雄二だ。 だが。 だがそれでも、なにもかもが唐突過ぎるし、目の前で命を散らされたのだ。 これが成長した後の雄二ならばもっと平常心を保てたが、まだ幼い子供の雄二にはあまりにも辛い現実だった。 こんな状況でも正気を保てるだけでも、子供としてはすごい方だろう。幾度となく死を見てきたから、現実から目を逸らさず。大きく取り乱すこともなく振る舞うことが出来る。 「兄弟愛……」 雄二にとってルフィとエースは赤の他人だし、彼らのことは全くわからない。 しかし乃亜の言葉から察するにあの二人が兄弟だということはわかった。 兄弟。家族。 ――雄二はこれまで姉と母親と犬を失い。父親を殺した。 だからそういう言葉に対して無関心というわけじゃない。……兄弟共々、乃亜に殺された敗北者を哀れだと思う。 「……悪趣味なやつだな」 雄二が乃亜に嫌悪感を示す。 別にこういうゲスが珍しいとは言わない。彼は人生で何度もクズを見てきた。 ――だからといって彼らを許容する気もない。 「見ていろ、乃亜。お前は俺が倒す――」 雄二の決断は早かった。 優勝特典?そんなものに興味はない。 風見雄二はこの殺し合いで乃亜を打倒し、麻子達の待つ日常へ帰ると決めたのだから。 「あんたはこの世界(ゲーム)の神らしいが、俺にはもう麻子っていう神がいるんだ」 灰色の迷宮から楽園へ至るはずだった少年は――その途中で、殺し合いに身を投じた。 ○ 「えっ……。今の、なんだったの……?」 条河麻耶は怒りや悲しみという感情を抱かなかった。 というよりも、あまりにも現実離れし過ぎて頭が追い付いてない。 「ゲームっていうには、いくらなんでもやり過ぎじゃね……?ドッキリにしても限度があるぞ……」 マヤはこれまで殺戮や暴力とは無縁の日常を歩んできた。 笑顔溢れる木組みの街で、みんなで楽しく幸せに――。 そんな日常が、素晴らしき日々だなんて。かけがえのないものだなんて思わずに。 いつまでもずっと続くのが当たり前だなんて――。 「おーい!チノ、メグ!!」 あまりにも現実離れして、頭が追い付かないけど。 それでもやっぱり、ちょっぴり不安で。 大切な親友を――チマメ隊の二人の名を呼んだ。 だが返事はない。チマメ隊だけじゃなくて――ココアも、リゼも。 誰もマヤの声に反応しない。 「…………」 ゴクリ、と生唾を飲み込む。 怖い。何も知らない場所にいきなり拉致されて、連れてこられたのだ。恐怖感に襲われるのが当然である。 「ちぇ~。みんなして私をからかおうとしてるんだな~!?」 空元気。 そんな言葉が今のマヤにはお似合いだろう。 ......はっきり言って怖い。人があっさりと死んだ、あの生々しい光景をドッキリだとか、悪戯だとか。そういう言葉で片付けるなんて無理だ。 それにマヤは自分の友達がそんなことするわけないと信じている。 木組みの街で。優しい世界で育ったみんなは――冗談でもこんなことしない。するはずがない。そういう分別は付くはずだ。 それでもあんな現実、受け止められなくて。 怒りや哀しみはあまり湧いてこないが――恐怖感に苛まれる。 もしもこれが本当に殺し合いだったら――。 チマメ隊のみんなや、リゼ達が巻き込まれてたら――。 「――それは違うな」 そんなマヤに、一人の少年が声を掛けた。 彼の名は風見雄二。子供の身でありながら、過酷な人生を送ってきたせいであまりにも『普通の子供』とは掛け離れてしまった存在。 マヤは頭が追い付かず、なによりこんな現実を認めたくなくて。 表面上しか取り繕えなかった滑稽な彼女は――雄二の接近にすら気付けなかった。 「え?それってどういうこと??」 マヤが首を傾げる。 だがその表情に余裕はなくて。本当はこの現実を理解しているということを雄二は察する。 もしも彼女の茶番に付き合えば――もしかしたらマヤはこれ以上、悩まなくて済むかもしれない。天真爛漫な笑顔を振る舞き、現実から目を逸らすことだろう。 ――だがその先に待っているものは、間違いなく死だ。 雄二にとって目の前の少女は赤の他人だが―― 『一人十衛!! 貴様は国民10人の命を救うことと引き換えに、始めて死を許される。 5人にまけてやる!国民5人を救うまで、野垂れ死にすることは許さん』 麻子の言葉があるから。 それにこのまま見捨てた結果、死なれるというのも――少し胸糞が悪いから。 (俺は麻子みたいにはなれない。でも今ここに、救える命があるのなら――) 「これは誰かが仕組んだ悪戯やドッキリじゃない。……正真正銘の殺し合いだ」 「うーん。でもさ、これが本物の殺し合いなんて証拠はないじゃん」 「じゃあ人が死んだあの光景はなんだ?」 「それは……きっと何か手の込んだトリックとかあって……」 そんなふうにあまりにも馬鹿げたことを言い始めたマヤを。雄二は哀れみを含んだ視線で見つめる。 ……きっとマヤの反応こそが、子供として当たり前の反応なのだろう。 風見雄二はここに来るまで傷付き過ぎて――だから覚悟を固めるまでも早かった。 だがみんながみんな、雄二みたいに悲惨な人生を歩んでるわけじゃないのだ。……そもそも子供なんて本来、死という概念とは程遠く日常を過ごすものだ。 「マヤ。これが見えるか?」 「銃でしょ?それくらい――」 パン、パン。 マヤが言い終えるより早く雄二は樹木に発砲した。 たったそれだけ。たったそれだけで、ぽっかりと穴が――銃弾の貫いたあとが2つ見える。 「ああ、銃だ。本物の実銃だ」 瞬間――流石にマヤの表情が青ざめた。 バラエティの銃にしては破壊力が高すぎるし、なによりこの子供の技術。そして精神力だ。 彼は当たり前のように銃を撃った。何の躊躇いもなく引き金を引いた。 「これで現実がわかったか?」 「……うん。でも、どうしてそんなことを教えてくれたの?」 純粋な疑問だった。 これほど強いのなら、優勝を目指すのも難しくないようにマヤには思える。 「――俺の名前は風見雄二。この殺し合いで5人を救うのが俺の目的で、偶然にもお前が一人目だったというだけだ」 「それはすげー目標だね!わたしはマヤ。チマメ隊の条河麻耶!」 「……マヤ。お前は何かの特殊部隊だったのか?」 「まあ銃は撃てないけどね」 マヤは素人だ。 そもそもチマメ隊なんて何か特殊な部隊というわけじゃないし、戦うこともない。 「その代わりわたしには、これがあるみたいだけどさ」 マヤは一振の剣を取り出した。 その名も戦雷の聖剣。戦場を照らす光になりたいという渇望により強化される、戦乙女(ヴァルキュリア)の剣。 「ふむ。誇り高き戦乙女の剣、か……」 マヤに支給された支給品の説明を読み、彼女の元気な姿を見る。 ……なんとも頼りない姿だが、仲間を守るという気概を感じる。 彼女ならあの時のように――ジョンを失った時のようにならないと思えた。 そして二人の子供は、灰色の迷宮を彷徨う ちなみにこの際、雄二は支給されたもう1つの武器であるパンプキンを使用していない。今はだたかだか樹木相手に使う必要性を感じなかったのだろう 【風見雄二@グリザイアの果実シリーズ(アニメ版)】 [状態]:健康 [装備]:グロック17@現実 [道具]:基本支給品、浪漫砲台パンプキン@アカメが斬る!、ランダム支給品0~1 [思考・状況]基本方針:5人救い、ここを抜け出す 1:マヤに同行。保護する 2:パンプキンの性能を知りたい [備考] 参戦時期は迷宮~楽園の少年時代からです 【条河麻耶@ご注文はうさぎですか?】 [状態]:健康 [装備]:戦雷の聖剣@Dies irae [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況]基本方針:チマメ隊やみんなと一緒に戦う 1:バラエティじゃないなら、わたしが戦わなきゃ! 2:雄二って何かリゼみたいなやつだよね。やっぱ強いのかな? [備考] 161 絶対強者 投下順に読む 178 壊れるほどに愛しても 時系列順に読む START 風見雄二 008 迷路の中、僕ら二人、空を目指す START 条河麻耶
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「私の生み出した『バオー』よ、もう間に合わん…爆発はここまで来る… フフフフ…わしとお前が死ねば…ドレスの研究も終わりだ…」 鍾乳石が突き刺さった老人が、血を吐きながら言葉を発する。 5 4 3 その後ろでカウントダウンの声が響いている。 「この神秘的な洞窟こそわしらの墓場に相応しかろう!」 2 さらばバオー! さらば少年よ! 1 0(ゼロ)!! 辺りが光に包まれ、それと同時に洞窟が崩れていき、凄まじい勢いで水が打ち寄せてくるのを感じる。 意識が遠くなっていく、おそらくこのまま自分は死ぬのだろう。 スミレは無事逃げ出してくれたのだろうか? そう考えた次の瞬間、彼の意識は閉ざされた。 そして次に彼が目を開けた時、ピンク色の髪をした少女に唇を奪われていた。 な、なにをするだァーッ! 混乱のあまりそう叫びそうになるが、突如焼け付くような痛みを感じ、彼はうずくまった。 「くっ、これは!?い、いけない!」 痛みそのものではなく、それがもたらす『変化』を恐れ、思わずそう叫ぶ。 「だ、大丈夫よ、『使い魔のルーン』が刻まれているだけだから」 いきなり彼が目を覚ました事に驚いたのか、彼のただならぬ雰囲気を察したのか、 先程の少女が恐る恐る彼に話しかける。そしてその言葉通り、程なく痛みは治まった。 何とか平静さを取り戻した彼がまず最初に考えたのは、自分はドレス、またはそれと同じような組織によって 助けられた、いや、モルモットとして捕らえられたのではないか?という事であった。 辺りを見回してみると、奇妙な生物が何匹かいる、漫画やゲームのモンスターそっくりな生き物達。尋常ではない。 だが、次の瞬間疑問も沸き起こる。周りにいる人間の服装の奇抜さにである。 もし彼らが研究員なら、白衣を身に着けているだろうし、自分を警戒しての戦闘員にも見えない。 そもそも自分が何であるかを知っていれば、開け放たれた外で目覚めさせる事などしないだろう。 (それにしても…) どうにも周りの人間は、自分を、いや自分の横にいる少女を嘲笑っているような感じである。 「これがッ!これがッ!これがゼロのルイズだッ!」 「な、何てことだ!一日一日、ゼロのルイズは確実に進化しているんだ!」 マイナス…ルイズはあと数日でマイナスになるぞ!お、おそろしい!」 等という言葉も聞こえ、ますます状況がわからなくなる。 彼女は機嫌が悪かった。 ご機嫌斜めだった。 それもそうである、初めて魔法に、しかも一生を左右するサモン・サーヴァントに成功したと思ったら、 平民が召喚されてしまったのである。 しかもその平民に、貴族である自分のファーストキスを捧げてしまったという現実! あと、いきなり起き上がったその平民に、そう平民にちょっとビビってしまったという事も。 メルヘンだッ! ファンタジーだッ! こんな体験できる奴は他にいねーッ! 等とポジティブに考える事など出来よう筈もない。 教官のミスタ・コルベールがルーンを見て珍しいなどと言うものだから、ちょっと期待したが、 あとは特に何を言うという事もなかった。 「はぁ…なんで私が平民なんかを…」 飛行魔法で校舎に戻っていく教官と級友を見送りながら、ルイズはため息をついた。 「君、これはいったい!?あの人たちは!?」 何かを叫んでいる自分の使い魔…認めなければならないだろう、『自分の使い魔』にむかって口を開く。 「あんた、名前は?」 「え?」 「だから名前はなんて言うのよ!?」 貴族の質問にさっさと答えないとは、どうやら頭の回転も悪いらしい…と、益々憂鬱になる。 「育郎…橋沢育郎…」 困った顔でそう自分の名を告げる平民を見て、彼女は「変な名前」と思いながら、再びため息をつくのであった。 しかし彼女はまだ気付いていない、『彼ら』が最強の生命力を持った使い魔であることを! 「なんだかものすごく嫌な予感がするわ…」 一方そのころ、超能力ではなく女の勘で、橋沢育郎が助けた少女スミレは、人知れず不機嫌になっていた。 To be continued…… 戻る
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登録日:2010/03/13(土) 01 48 35 更新日:2023/08/22 Tue 14 26 52NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 オーバーロード・フュージョン グォレンダァ!! サイバー流究極奥義 ヘルカイザー 丸藤亮 未来オーバー 未来融合-フューチャー・フュージョン 遊戯王 遊戯王GX 遊戯王OCG 遊戯王OCGデッキ項目 いやだ…………オレは!!負けたくないぃぃぃ!!! お前の懐にある勝利を奪い取ってでも!オレは!!! 未来オーバーとは、遊戯王OCGの1ターンキルをコンセプトとしたデッキである。 《サイバー・ドラゴン》と不特定多数の機械族を融合することで融合召喚できる闇属性機械族の融合モンスターである《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を切り札とする。 この《キメラテック・オーバー・ドラゴン》は、融合素材にしたモンスターの数×800の攻撃力になる。 さらに、素材の枚数だけレンダァ! できる。 つまり10枚のカードを融合にすれば攻撃力は8000! ジュウレンダァ! 一撃で敵プレイヤーを粉砕だ! リスペクトなんてくそくらえ! ハッハッハッハッハッハ! とは言ったものの、普通に10枚以上のカードを使った融合を発動するのは至難の業。 そこで【未来オーバー】の名前の由来となる、《未来融合-フューチャー・フュージョン》と《オーバーロード・フュージョン》(通称バーロー)を使う。 未来融合は融合モンスターの素材となるカードをデッキから墓地に送り、2ターン後に融合召喚するという永続魔法カード。 バーローは墓地のカードを除外することで、闇属性機械族の融合モンスターを融合召喚扱いで融合召喚する通常魔法カード。 未来オーバーのギミックは、未来融合でサイドラを含めた大量の機械族を一気に墓地に送り、 バーローで墓地のモンスターを根こそぎ融合、そしてメガトン級のキメラテックを召喚してアタックというのが基本。 ただしキメラテックは召喚時に自分以外の自分フィールドのカードを全てを破壊してしまう。 TF2のバカイザーのようになりたくなければ注意だ! と、アニメ的かつロマンにあふれたデッキである。 しかし、成功率が高かったために未来融合とバーローが制限。 シンクロの煽りを受けサイドラの規制強化と向かい風ばかりであった。 それでも環境の変化によりサイドラは制限解除、 さらに《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》というフィールドや墓地でサイドラ扱いとなるカードも増えた。 未来オーバーは、サイバー流の復活とマシンナーズ関係の強力なカードともに新たな産声を上げたのである! キメラテックでダイレクトアタックするほかにも、相手のフィールドに送りつけて、相手モンスターの攻撃力の半分のダメージを与える《ミス・フォーチューン》や、 もしくは《カタパルト・タートル》などで射出するなどのバーンで1キルする方法もある。 これらの場合は融合に20枚のカードを使用し攻撃力が16000を超えれば可能になる。 普通に攻撃したほうが早くね?とは言ってはいけない バーローして除外されたカードを《次元融合》で一斉に帰還させてオーバーキルというのもできたが、次元融合が禁止になったので昔の話である (この際サイコ・ショッカーや《マジック・キャンセラー》を帰還させればほぼ勝利が確定した点も凶悪だった)。 また、機械族であるためサポートも充実しているので、それらを生かして比較的柔軟に組めるのも利点である。 ◎主なデッキの種類 ◆戦線維持とデッキ圧縮を兼ねられるガジェットシリーズを基軸にする。 名付けて【未来ガジェット】研究所! 某想定科学アドベンチャーとは勿論無関係だが、TF6スタッフレシピで公式ネタ化。コナミェ… ◆アニメと同じくサイドラを基軸にするサイバー流の切り札に ◆デコイチ、ボコイチ、《サイバー・フェニックス》、《カードガンナー》でドロー加速をして一気に手札にパーツを揃える機械ブースト型。 《ブラック・ボンバー》も採用圏内だ! ◆サイコ流のアクセントに サイコ・リターナー&サイコ・ショッカーで罠を封じ、確実にレンダァする! ◆D(ディフォーマー)のアクセントに サーチと圧縮に優れ、機械族も豊富。 敵の攻撃はグラビティ・バインド等の遅延カードで遅らせ、自分の攻撃時はオーバーの効果でそれらを墓地に送ってから攻撃! ◎弱点 ◆墓守デッキ 墓地利用が封じられるため。 ◆アンデット・ワールド 墓地が機械族ではなく、アンデット族になるため。 ◆召喚感応型カード(《奈落の落とし穴》など) 理由は言わずもがな。 ◆攻撃感応型カード(《次元幽閉》など) 理由は言わずもがな。 ◆ダメステいいですか?www 理由は(ry ○アニメ、ゲームでの活躍 アニメでは、カイザー亮こと丸藤亮がダークサイドに落ちた姿、ヘルカイザー亮が使用する。 厳密にはこのデッキというわけではないが、上記の主要カードのほとんどがヘルカイザーのものなので、 ほぼヘルカイザーのファンデッキである。 ヘルカイザーが初めてキメラテックとバーローを使用した回はファンの間では有名で、 「俺は負けたくないィィィ!」と「エヴォリューション・レザルト・バースト、グォレンダァ!」はヘルカイザーの代名詞。 ヘルカイザー自体がGXでもトップクラスの人気を誇るキャラだというのがこのデッキが人気の理由の一つでもある。 ゲーム作品でもヘルカイザー亮が使用してくるデッキの一つで、高レベル帯になると使用してくる。 タッグフォース2でのヘルカイザーはキメラテックの墓地送り効果で自滅したりで「バカイザー」などという不名誉なあだ名をつけられたが、一転してタッグフォース3では《キメラテック・オーバー・ドラゴン》、《サイバー・ツイン・ドラゴン》、《サイバー・エンド・ドラゴン》の三体をフィールドに同時に展開するなどファンとプレイヤーが涙目なことをしてくれる。 名実ともに色々なプレイヤーから愛されているデッキの一つであるといえる。 【少年、これが絶望だ】 しかし、その愛が行き過ぎたのか2012年の9月の改訂にそれは来たのだ 禁止『未来融合』 そう、禁止である… 遂に未来オーバーは息の根を止められてしまった その先に待ち受けるのは漆黒の絶望のみ 未来に希望は無いというのか… ないわけではなかった。 2017年1月づけで未来融合が制限復帰。 これにより再び構築可能になったが、未来融合の効果発動が「発動した次のスタンバイフェイズ」と大きくタイムラグを与えられたため、ギミックは構築できても実行するのは困難になった。 後に2018年1月に無制限に。 しかし禁止だった間に 融合カード無しで墓地融合できる《ABC-ドラゴン・バスター》及びそのパーツ 墓地に送られるとトークンを出せる《水晶機巧-ローズニクス》と《幻獣機オライオン》 返しのターンをほぼ確実に守れる《超電磁タートル》 等の新戦力が加わり爆発力は増している。 俺は…追記修正に飢えている… 俺は追記修正されたいぃぃぃぃぃ! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 未来融合ェ… -- 名無し (2013-08-22 09 59 13) 未来融合復帰が今問題の4体の竜のせいで絶望的になっているという -- 名無しさん (2013-12-29 22 43 20) Vきゅん…? -- 名無しさん (2013-12-29 23 08 36) ↑Ⅲの間違いかね・・・? たしかⅢの中の人はデュエリストだったはずだし -- 名無しさん (2014-03-24 09 25 12) TFでカイザーが未来オーバーでデッキのモンスター全部除外してキメラテック召喚→「強制脱出装置で」をした時は笑いが止まらんかったわw -- 名無しさん (2015-02-03 22 19 42) こういう単純なパワーデッキ好き -- 名無しさん (2015-02-03 22 24 21) 未来融合でキメラテック・オーバー・ドラゴンを召喚し自分とパートナーのフィールドを破壊してタッグデュエルに敗北する高度な戦術!略して【未来オーバー】だ! -- 名無しさん (2015-02-05 21 11 37) TF6で、カード18枚で攻撃力14400が出てワンキルされた時は何も言えなかったぜ… -- 名無しさん (2015-02-05 21 50 51) エラッタされてもこのデッキの復活は難しいと思う -- 名無しさん (2016-12-21 21 15 58) どうやら復活の兆しが見えたようだぞ、サイバー流門下生の諸君 -- 名無しさん (2023-05-17 08 24 24) 名前 コメント
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【赤屍蔵人@GetBackers-奪還屋- 死亡】 [残り68人]
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前へ 普段は一人で出歩くこともままならないなんて、やっぱり厳しいんだな。 まぁ、そりゃそうか、いいところのお嬢様なんだから。 そんなお嬢様が今はお一人。 やっぱりこれはイレギュラーな状態なんだ。 これ、僕はどういう対応を取ればいいのだろう。 お嬢様を保護してお屋敷まで送ってあげた方がいいのかな。 でも、いま目の前にいるお嬢様のお顔のなんと楽しそうなこと。 その笑顔が消えてしまうようなことはしたくない。 そうだよ。 お嬢様がそんなに行きたいところがあるんなら、こういう時ぐらい行かせてあげたいじゃないか。 「じゃあ、それ怒られるのは僕が引き受けます。だから、今日はお嬢様のやりたいことをしましょうよ」 「まぁ、千聖にお付き合いいただけるの? それは嬉しいわ!」 三日月のようなその目を見ることができた僕の方が数億倍嬉しいですよ、お嬢様! 「お嬢様が行ってみたい所って、どこなんですか?」 お嬢様が言われたのは、ここから電車で20分ほどのターミナル駅の名前だった。 「そこにあるデパートで“水戸黄門展”というものをやっているのよ。さっきポスターで見たの。 それで、どうしてもそれに行ってみたくて。もう、居ても立ってもいられなくなってしまって。 でも、そんなところに行きたいなんて言っても、執事は“今日の予定には入っておりません”なんて言うんだからきっと」 家の人に怒られる覚悟を決めてまで行きたいところっていうのは、デパートでやってる水戸黄門展なのか・・・ 上流階級の人の思考というのは、僕のような凡人にはちょっと理解が難しいところがあるな。 「だから、せっかくのこの気持ちが下がってしまうようなそんな言葉は聞きたくないから、何も言わずに飛び出してきてしまったの。 それに、岡井家の執事ならこれぐらいのことは一度は経験しておくべきだわ。そうよ、これは千聖の親心なのよ」 そうやっていたずらっ子みたいに笑うお嬢様は屈託が無くて、見ている僕まで愉快な気持ちにさせてくれた。 まぁ、そのいたずらの犠牲になった執事さんとやらは災難だけれど。(執事さんといえば、あの執事さんは元気にしてるかな。あれ以来会ってないけど) 「行きたい所っていうのはデパートの水戸黄門展なんですね。お嬢様は水戸黄門がお好きなんですか?」 「えぇ、大好き!!」 お嬢様の美しい瞳がキラキラと輝いた。 「千聖は時代劇を見るのが好きなんですけど、そのなかでも特に水戸黄門は大好きなの。 日本中を旅する黄門様ご一行が悪い人の企みに巻き込まれてしまうストーリーにはいつもハラハラしてしまうわ。 それでもやはり最後には正義が勝つのね。黄門様によって悪い人も改心されて、見ていると気持ちが穏かになるの。 そうやって旅を続ける黄門様ご一行の行く手がいつも楽しみで楽しみで。 登場人物も、黄門様だけではなく、それぞれのキャラクターが立っててとても面白いのよ。 千聖が好きなキャラは、まず何といってもうっかり八兵衛(ry ・・・話しが終わらない。 お嬢様、水戸黄門が本当に好きなんだな。 水戸黄門って確かいつも同じようなお約束的なストーリー展開だと思ったけど、お嬢様はそれに毎回ハラハラして見てるのか。かわいいw たっぷり5分は使って水戸黄門の魅力を僕に語ってくれたお嬢様。 そして、ようやくそばを食べ終わったお嬢様が箸を置かれた。 箸を置く動作ひとつとっても優雅で、そんな人が僕と一緒に立ち食いそばとは・・・ 「ごちそうさまでした」 店を出て、僕はお嬢様に声を掛ける。 僕の横にいるお嬢様、こうやって見ると本当に小柄で。 別格、だね。このかわいらしさは。 でも、普段の制服のときよりも、そのー、そのですね、胸のあたりがこう存在感をハッキリと主張されていてry ・・・って、やめよう。そんなことを考えるのは。 お嬢様のそのお姿を目にして見とれてしまいそうになるのは男の性なのかもしれないが、そのようなことは硬派な僕らしくもない← 「お嬢様、電車の乗り方とか分かるんですか?」 「まぁ、失礼ね。それぐらいは分かります。でも、どの電車に乗ればいいのかがよく分からないわ」 「僕がちゃんとご案内します。お嬢様は安心して楽しんでください」 「千聖のわがままにお付き合いいただけるなんて。私、本当にわからないことばかりなので助かりますわ」 ・・・また“お付き合い”って仰いましたね。 今お嬢様の言ったその言葉が僕の頭の中を渦巻いていく。 お嬢様とお付き合い・・・ 気付いたんだが、これって、“デート”って言うものじゃないだろうか。 うん、そうだよね。これって、間違いなくデートでしょ。 デートかぁ(照)。 これは楽しいことになってきたぞ。 ウキウキしてきた。 女の子とデートするなんて、僕はこれが初めてなんだ。 僕の初めてのデートのお相手が千聖お嬢様だなんて!! お嬢様と連れ立ってホームへと階段を上って行く。 自然と足取りが軽くなっていくのが自覚できる。 お嬢様とデート・・ムフフフ。 そんな脳内設定に浮き立ちながらホームに上がると、そのとたん大きな鳴き声のようなものが聞こえた。 その鳴き声に頭上を見上げると、大きなカラスが数羽電線に止まっている。 そしてそのカラス、僕のことをじっと見ているような感じがした。 というか、実際見てる。僕のことをハッキリと。 な、なんだよ、その威圧的な態度は。カラスのくせに。 そう思って僕が睨み返してやると、僕を見下ろすようなカラスは、更に威嚇するようにその口ばしを開いて大きな声で鳴いた。 そこには明らかに敵意を感じる。 しかも、ホームを歩いている僕らにぴったり着いてくるかのように、電線上を飛び飛びに移動してくるじゃないか。 そして、その間もずっと視線を外さず僕のことをじっと見ている。 なんなんだよ、このカラス! カラスごときが何で僕に対してそんな偉そうな態度なのか。 せっかくウキウキの絶頂に上り詰めようとしていた気分が、今のでちょっと水を差されてしまった。 いや、待てよ。 カラスなんて放っておいて、ちょっと冷静になろう僕。 冷静さを取り戻し考えると、思いついたことがある。 考えてみれば、これはデートじゃないんじゃないか。 うん、デートじゃないだろ。まったく違う。 これはあくまでもお嬢様のお出かけに単なる付き添いで御一緒するだけなのだ。 そうだ、これはデートなんかじゃない。 だって、僕の初デートは舞ちゃんと!って決めてるんだから。 僕の初めては大切に取っておかないと。 だから、今日のこのお嬢様とのお出かけは決してデートなんかじゃないのだ。 でも、これはデートじゃない!と、どんなに自制しようとしても、やっぱり浮かれモードが全開になりそうだ。 だって、僕の横にいるのはあの千聖お嬢様なんですよ! だがしかし、そんな浮かれてる場合ではない。 もっと緊張感を持たなければ。 いま僕はお嬢様のボディーガードなのだ。 悪い人間が近づいてきたりしたとしても、お嬢様をお守りするのはこの僕なんだから(キリッ そんな、僕が決め顔をしている間もずっと、頭上ではカラスがじっと僕のことを見ていたのであった。 ふん。まぁ、カラスなんかどうでもいい。上から目線で生温かく見守ってやろう。 いま僕の心にそんな余裕があるのは、僕の隣りにはお嬢様のこの楽しそうなお顔があるからだ。 その時、またカラスの鳴き声。 今のようにお嬢様のお顔に無意識のうちに見とれそうになると、その途端に威圧するようなカラスの鳴き声が上がるのだ。 カラスから受けるその重圧は、隣りのお嬢様の笑顔に癒される。そして、またカラス。 その繰り返しは電車がくるまでの間、しばらく続いたのだった。 次へ TOP
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【検索用 まほろはしょうねんたん 登録タグ GUMI NexTone管理曲 VOCALOID Youtubeミリオン達成曲 ま ユリイ・カノン 初音ミク 曲 曲ま 殿堂入り 片井雨司】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:ユリイ・カノン 作曲:ユリイ・カノン 編曲:ユリイ・カノン 動画:ユリイ・カノン 絵:片井雨司 唄:初音ミク・GUMI 曲紹介 #00 ネオジャパネスク少女譚歌明るくて可愛いの作りました。昨日の明日。過去になる一秒前。 曲名:『まほろば少年譚』(まほろばしょうねんたん) ユリイ・カノン氏の7作目。 歌詞 (作者ブログより転載) いついつ出やる 籠の外 抜き足差し足じゃ おいてけぼりだ 倦まず弛まず歩けども おぼつかない足取り ないものばかりほしがって 探し疲れて続きはいつかとか でも 手をこまね つっ立っているよりはまだいいな あめ あめ 降れやもっと 蛇の目の傘さしたいの 絢爛な模様のぼんぼりたちも ただそれだけじゃ物足りないな 灯してよこころごと まどかな月がのぼる今宵は あまねく世に響くように謳え 巡るぐるり かりそめのいま 生き死になんて忘れちゃって 夢の道すがら 覚めないままで その手を取って 闇夜だって駆ける ちとせ流れても憶えていて少年の日の夢 これも誰かの掌の上 死にそうなくらい退屈な夜に 足音は言葉よりも雄弁に 躍る感情を響かせていた 今この瞬間でさえも 一秒後にはもう過去になるけど 逆らえない時の中で昨日の明日を生きる 花曇りの空だった 日に咲く暈が見たいの 息を止めても心臓は打つ 立ち止まっても地球は回る 時間は待ってくれない まどかな月がのぼる今宵は うたかたの物語を紡げ 満ちて欠ける 心模様に 字余りな思いを乗せて 命はまたたき 歌はとこしえ 未来世まで走り出せ少年よ 終わりのない永久にはない 夜明けを見ていたい あー 何回 何千 何万回と生きてみても わかんないなこの難問 解答なんて出ないや なあ「もしも」だとか空論は昨日に捨てて明日を始めようか コメント ユリイさん来たーッ! -- 名無しさん (2017-05-05 21 04 51) おどりゃんせと比較されるけど結構違うベクトルの曲だよね。好き。 -- 名無しさん (2017-05-06 07 26 33) まほろばしょうねんひょう大好き❤これからも応援します。 -- ボディーガードc (2017-05-15 22 03 25) しょうねんたん だよ -- 名無しさん (2017-05-16 21 07 17) ユリイさんの曲全部好き‼︎□ -- メデューサ (2017-05-21 13 32 03) PVサイコー! ミクもGUMIも可愛い(*^-^) -- さかちゃん (2017-06-03 20 50 12) 全てが好み!!! -- にゃお (2017-07-16 21 49 45) リズムもユリイさんの曲もいいですね。一番上の匿名さん、お疲れ様です(*´▽`*) -- なみねこ (2017-10-25 17 07 56) ユリイ·カノンさんの、曲が、大好きなんです!!!!PVも、カワイイですね!! -- 祈月 永真 (2017-12-30 11 41 56) サイコー以外言葉が出ない -- 名無しさん (2018-09-11 23 26 52) 神 -- 名無しさん (2019-08-07 09 43 41) めちゃくちゃいい!大好き! -- ねこ (2020-11-06 21 42 54) 名前 コメント