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売れないダイエットサプリがヒット商品へ変貌した理由 美容・健康関連アイテムを展開するミオナはこのほど、水なしで飲めるダイエットサプリメント「シースルーライト 150/230/500」(2品3種)の販売数が160万個(10年11月15日現在)を突破し、同社の代表商品に成長していることを明らかにした。 シースルーライトの開発にあたっては、鰹節からヒントを得たという。脂ののった鰹は、微生物がタンパク質や脂肪を分解することで、鰹節になり脂がほとんどなくなる。この原理を人間の体に活かし、酵母菌や乳酸菌、麹菌、善玉菌などのほか、計108種の植物発酵エキスを配合した酵母ダイエットサプリに仕上げた。 現在は、バナナとパインの2つの味を展開しており、約1週間トライアル用「シースルーライト35」でさらなる愛用者拡大を図っている。 現在は同社の看板アイテムとなったシースルーライトだが、発売開始から9カ月間はまったく売れない状況が続いた。ヒットのきっかけは、ある健康関連の通販カタログで「商品コンセプトの『微生物ダイエット』を前面に打ち出した」ことだった。そのフレーズに興味や関心を抱いた生活者から問い合わせが急増。その後はTV通販などを活用して認知度を高め、愛用者を増やしてきた。 「販売に際しては、『すぐに痩せる・何週間(カ月)で何㎏痩せる』など期待を膨らませるフレーズを敢えて使用しなかった。代わりに、新陳代謝などの衰えにより『徐々に増える体重を維持することもダイエットの一つ』として提案したことが、ユーザー満足度を高めることにつながった」(鹿島泰孝社長) 業界初の豚サイタイエキス配合の「ナノパックシート」育成へ ミオナでは昨年来、素材開発に約5年を費やした夜用保湿シートパック「ナノパックシート」を化粧品ジャンルにおける最注力アイテムに位置づけている。目の下のクマやシミ、シワなどの気になる部分に貼ってそのまま寝るだけで、朝にはしっとりツルツルな肌へと導くという。業界初となる、豚のサイタイ(ヘソの緒)から抽出した「サイタイエキス」のほか、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの保湿成分を配合している。 香川大学医学部を通じ、美白試験(メラニン産生抑制試験)と細胞増殖試験を行った結果、サイタイエキスはアルブチンと比較し、ヒト正常皮膚線維芽細胞の増殖促進効果が高く、メラニン産生抑制効果も高いことが示されたという。
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913 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 44 23 ID cdjB2.kI ここはとある私立高校。時刻は下校時刻。 2階の廊下ではある男女がもめている。 「ちょっと。さっき葵(アオイ)ちゃんと何話してたの?」 「うるさいな。委員会の日程についてだよ。 来月から文化祭で忙しくなるからな」 「本当? 嘘ついてないよね? 悠君のこと信じていいんだよね?」 女の口調はまるで夫の浮気現場を押さえた妻のごとく。 美少女と呼ばれるほどの美しい容姿をしているが、 鋭い眼光は男性を負かしてしまいそうだった。 瞳には強い意志が宿っている。意中の男を独占したいと言う強い意思が。 (いい加減消えてくれよ。面倒な女め) 「本当だよ。俺が榊原さん(葵のこと)のことが好きになったとで も思ってるのか? 俺にはおまえだけだよ。アイリ」 少年は内心とは正反対のことを口にするのだった。 志穂とは彼らのクラスメイトで文化祭実行委員だ。 クラスでは演劇をすることが内定してるので、その準備やら 練習やらに忙しくなってくる時期であった。 914 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 45 30 ID cdjB2.kI アイリと呼ばれたその少女は不満そうな顔で口を開く。 「はぁ~? 何ぃその浮気夫が妻にするような言い訳? ふざけてるのかな? 全然心がこもってないんだけど?」 「いや、ふざけてないよ。俺はアイリのことが大好きさ」 「……」 なぜか黙ってしまうアイリ。 少年=悠二(ユウジ)は危険な予兆を感じていた。 適当な愛の言葉を並べて彼女のご機嫌を取ろうとしたのだが、 どうやら失敗したらしい。アイリは拳を握り締めたまま うつむいており、どう見ても納得してるようには見えない。 その証拠に、 「本当は榊原さんが好きなくせに」 「え?」 「私、知ってるんだよ? あの人と影でコソコソメールしてるの」 「なっ!!」 悠二は動揺を隠せなかった。その隙を突いてアイリが彼の カバンを奪い取り、携帯の画面を開く。 915 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 46 20 ID cdjB2.kI そこでメールboxやら着信履歴などを見られてしまったのだから 最悪だった。別にやましい内容はなく、友達以上恋人未満の 関係を維持してる悠二と榊原だったのだが、アイリにとっては 十分に許せない事態だった。 「私のこと好きって言ってるわりには、ずいぶん榊原さんと 親しいんだね。最近電話しても繋がらないことが多かったけど、 こういうことだったんだね」 「ばれたかwww サーセンw」 「サーセンじゃないよ……。やっぱり私のことバカにしてるね……。 相応の報いは受けてもらうよ」 全身から殺気を放つアイリがゆっくりと距離を縮めようとする。 悠二は冷や汗をかきながら後退しつつ、 なんとかこの事態から逃れようと策をめぐらす。 「おい待てよ!! ちょっと待ちなさい!! ぶん殴る前に俺の言い分を聞きましょうね!? 俺にだって言いたいことがあるんだ!!」 「いいよ」 「え? 聞いてくれるん?」 「うん。ただし、くだらない言い訳をしても、 悠君が殴られるという結果は変わらないけどね」 アイリはぞくっとするような事を笑顔で言う。 916 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 47 40 ID cdjB2.kI (病的なゲス女め……。 こいつは人を傷つけることに全く抵抗がない……クソッ!!) 男は心の中で悪態をついてから、 「そもそも俺とお前は付き合ってません。だから俺は無実だ。 分かったか馬鹿女? そもそもおまえはいつもいつも 俺の都合なんて考えずだな……」 絶対の真実を口にするのだが、 「えっ……。悠ちゃん、それはおかしいよ」 アイリは意外そうな顔をして驚いた。 「え? 何? 俺今おかしなこと言った?」 悠二もつられて数学の時間に誤答してしまった生徒のように慌てる。 二人が付き合ってないのは本当のことだった。 このヤンデレっぽいアイリという少女は、 今年同じクラスになってからなにかと悠二を追い掛け回し、 独占しようとする鬼畜だった。 「悠君は現実を認めようとしないんだね。残念だよ。 しかもさりげなく私のこと馬鹿女って言ったね? 私を怒らせないでってあれほど言ったのに……」 アイリの中では悠二とは将来を誓い合った仲ということに なっている。脳内設定の婚約者である。 917 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 49 37 ID cdjB2.kI 「いやいや、意味不明すぎて笑いたくなるレベルだぞ。 なんで俺を可哀想なモノを見るような目で見てくるの?」 「……これから悠ちゃんを私の家まで連行することにするね。 色々教育してあげる。そうすれば悠ちゃんだって 本当の愛に目覚めてくれると思う。大丈夫。痛くしないからね」 すでに会話になってない。切れたいのは悠二の方なのに、 アイリはさらに輪をかけて怒り心頭のご様子。 戸惑う悠二だが、考えるだけ無駄だと分かった。 「アイリよ。おまえの気持ちはよく分かった。 もう俺も自分の気持ちに嘘をつくのは疲れた。おまえには 俺の正直な気持ちを知って欲しいんだが、いいかな?」 「……え!?? 突然どうしたの?」 「落ち着いてくれアイリ。これから言うことは真剣に聞いて欲しい」 「う、うん……。悠ちゃん……」 悠二の男らしい声に驚愕するアイリ。 彼は熱っぽい視線を送りながらアイリの手を握っていた。 それはまるで、思いを秘めていた女性への告白のシーン。 悠ニは心を込めたメッセージを送る。 918 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 50 54 ID cdjB2.kI 「おまえより榊原さんのほうが好みだ」 「………はい??」 訪れたのは、沈黙と言う名の拷問タイム。 アイリは買い物帰りに偶然にも死体現場を 見てしまった主婦のような面持ちで固まっている。 よほどショックだったのだろう。 だが悠二にとってはいい迷惑だ。 彼女が再起動すれば殴られるのは分かってる。 ここで先手を打つことにした。 なんと、制服のポケットから 痴漢撃退スプレーを取り出して噴射した。 「~~~~~~????」 アイリにとっては全く予期しない出来事だった。 取るに足らないと思っていた獲物に逆襲されたのだから。 「うぅ……げほ、げほ……」 アイリが煙たがっている間に逃走した悠二。 彼はアイリのことをゲス呼ばわりしていたが、 彼もまた人のことを言えない。少なくとも 痴漢撃退スプレーは女性に向けて放つモノではない。 919 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 52 38 ID cdjB2.kI 「ぷぎゃあああああああああああ!! ぎゃははははははあ」 キモイ笑い声を発しながら階段を駆け下りる悠二。 やかましい女をからかってやったので気分は最高潮だった。 だが、それも長くは続かない。 背後から襟をつかまれることによって彼の疾走は止まった。 振り向いたら鬼と目が合ってしまって慌てた。 「さっきは驚いちゃったよ。覚悟は出来てるんだよね?」 アイリは愛のあるボディブローを放った。 至近距離から放たれた重みのある一撃だ。 重心に力を込め、回転を加えたアイリの拳が腹部にめり込む。 「……っ! piおなsbふぃdfs……!!」 少年は耐え切れず階段から転げ落ちてしまった。 痛いなんてモンじゃない。 痛みを通り越して快楽に昇華してしまいそうなほど。 (うーん。テレビで見るボクサー達は偉い。こんなに痛い技を 何発も喰らってるのに痛い顔一つしないなんて……) 転げ落ちた先は昇降口だ。 下校途中の生徒達が何事かと集まってきて 野次馬活動を始める。 悠二はうつ伏せに倒れた体勢で、釣り上げられた直後の 魚のようにピチピチ跳ねていた。情けないことこの上ないが、 痛みから逃れるためには仕方ない行為だった。 920 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 54 16 ID cdjB2.kI 「悠ちゃん、地獄の痛みで苦しんでるところ悪いんだけど……」 よく訓練された魔女は悠二の襟をがっしりと掴んだ。 「ぜーんぶ悠ちゃんが悪いんだからね? 私を怒らせた人がどうなるかよく知ってるでしょ? この学校では私が法律なの」 魔女の顔には少しだけ慈悲が浮かんでいる。 彼の襟を引っ張りながら外へと引きずり出そうとしていた。 一体どこへ連れて行くつもりなのかと周囲の生徒達が、 「ざわざわ…」 「ザワザワ…」 しながら見守っているが、 「みんなナニヲじろじろ見てるのかなぁ?」 アイリが睨みを効かせるだけで波のように去っていくのだった。 (ほんとクズね。あいつらは私に逆らう勇気すらないチキンたち。 私が怖いんだったら初めから野次馬なんかしなければいいのに) 「今日は久しぶりに私の家に招待してあげるよ」 「ア、アイリしゃまのうちにでしゅか」 「うん。早くいこ」 リムジンは玄関のすぐ隣で待機してる。 アイリがすぐ帰宅できるようになっているのだ。 921 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 55 05 ID cdjB2.kI 彼女はお嬢様であり、いわゆるブルジョワ階級に属している。 資産家の親が、寄付金と証した多額の賄賂を学園に寄付しており、 彼女のたいていの蛮行は許される。先ほどの会話では 『私が法律なの』などと言っていたが、 実際にその通りなのだから皮肉だ。 学園長以下、あらゆる学園関係者は彼女と その家系に服従しているといってもいい。 複数の稽古事の一環として格闘技にも精通しており、 空手や柔道を中心に心身を鍛えている。 「しかしお嬢様、本日はピアノのレッスンが控えておりますが…」 「いいよそんなの。めんどくさいし。 イライラしてるから早くして」 アイリは運転手を強引に説得し、少年を後部座席へ放り込む。 922 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 57 48 ID cdjB2.kI ーーーーーーーーーーーーーーー アイリの家は広かった。正門の前でリムジンを降りて、 迷路のような庭を抜けて本邸へと歩いた二人。 玄関の前では一人の少女が出迎えてくれた。 「おかえりなさいませ、お嬢様」 主人にお辞儀するメイド衣装の少女。 アイリ専属のメイドだ。年のころは十六。 線の細い顔立ちに切れ長の瞳。 アイリとは違うタイプの美人だ。 アイリはもう少し柔らかくて表情がころころ変わるが、 この少女は常に冷静な仮面を一つ被っている。 業務用の表情といえばそうなのだろうが、 彼女は意図的に感情を押し殺しているように見える。 実際は感情豊かなのだが。 (何度来てもバカでかい屋敷だ。道案内してくれる人がいなければ 庭で迷子になるほどだ。それにしてもこのメイド少女は…) 悠二は密かにメイドのことを観察していた。 えらく事務的に接してくれるこの少女のことが 最初は苦手だったが、何度もこの屋敷を訪れるようになってから 少しずつ印象が変わってきていた。 923 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 20 59 07 ID cdjB2.kI 「体育で汗かいたから先に入浴してくるね。 はいカバン。あとで着替えとタオルを用意してね」 「かしこまりました、お嬢様」 アイリからカバンを受け取り、恭しくお辞儀するメイド。 一つ一つの動作が洗練されており、本当によく 教育されているのだなと感心する悠二。 「悠ちゃんは私の部屋に案内しといてくれる? くれぐれも私の両親とは会わせない様にしてね」 「承知いたしました」 アイリは廊下の奥へと消えてしまい、二人きりになる。 初めてじゃないのに、なぜか緊張してしまう悠二。 「悠二様、お嬢様の部屋へお連れします」 そう言ってメイドが先導する。 クセのある黒髪を見ながら後についていった。 (リアルメイドさんはすごいねえ。 アキバとかにいる偽メイドとは全然違うわ) シックなエプロンドレスなんてそうそう見れるものじゃない。 過剰な装飾など一切ない業務用の服。 ここはまるで別世界だ。現実世界から隔離された空間。 一時間前まで普通の学園生活を送っていたのに。 なぜ自分に相応しくない空間にいるのかと思うとバカらしくなった。 924 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 00 21 ID cdjB2.kI ただ黙って歩くのも気まずいと思ったので少女に話しかけてみた。 「……アイリの奴、客を招待したくせに自分は風呂入ってるんだから 勝手だよな。俺は奴の部屋で何してすごせばいいんだろうな?」 「よろしければ、悠二様も愛梨様と入浴されてはいかがですか?」 「な……?」 「ふ……。冗談ですよ」 「な、なんだよ驚かすなよ。思わずあのバカ女の裸を 想像しそうになちゃったじゃないか」 「愛梨様の裸に興味があるのですか?」 「そりゃあるよ。あいつは完全に人格が破綻しちまってるが、 顔だけは一流だからな。それにスタイルも悪くない。 奴の性格さえ知らなければどんな男だってとりこになるさ」 「まあ、そんなに悠二様に褒めてもらえるなんて、 アイリ様がうらやましいですわ」 「え? 別に褒めてないよ。むしろけなしてるんだけど? つかなにそれ、私は嫉妬してますアピールでもしてんの?」 「ええ。それはもう。愛梨お嬢様を刺し殺したいくらいに」 「きついジョークだなおい。あんなバカを刺したところで 犬も喰わない様なワイドショーのネタになるくらいだから やめたほうがいいぞ」 「うふふ。それもそうですね」 925 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 01 33 ID cdjB2.kI 悠二はアイリの気まぐれで強制的に家に来させられるのだが、 その度にアイリ専属のメイド少女のもてなしをうけるのだった。 訪れるのは多くて週二回程度だが、付き合ってもない女の子の 家に連れてこられるというのも変な話だ。 だが、悠二はここに来るのが嫌ではなかった。 メイドとは互いに冗談を言い合えるくらいには仲良くなってる。 今では彼女と会うのが楽しみの一つになっている。 アイリの部屋にたどり着つくと、 「お茶の用意をしてきますので」 少女=マリがお辞儀して立ち去るのだった。 部屋の墨にはグランドピアノがおいてあって完全防音仕様。 天蓋付きのベッドや高級オーディオ、 50型のプラズマTVなどもあるが、 それでもあり余るほどの広さを誇る部屋。 投下された巨大な資本の賜物である。 「はぁ~きょうも疲れたぜ」 ベッドに遠慮なく横になる悠二。 何度も訪れてる部屋だから気心知れてる。 退屈になったのでその辺のCDでもあさって 適当なクラシックでも流してたら、 綾乃が茶菓子を持って戻ってきた。 926 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 03 20 ID cdjB2.kI 「わざわざすまないね。あのバカ女が戻ってくるまで まだ時間があるだろうからさ……たまにはどうだい?」 ちなみに、今流れてる曲はパッヘルベルのカノンだった。 弦楽器の重奏音が凄まじい迫力を奏でる。高級アンプは クラシックに最適になるようにチューンニングされているようだ。 「ですが私はこの後も仕事が…」 「そんなものは後回しだ」 綾乃の肩を少しだけ力を込めて抱き寄せる。 「おまえだって嫌じゃないだろ?」 「はい……」 慣れた様子で唇を重ねる。 最初は、『一つのエサを奪い合う二匹のオットセイ』 のように唇を突っつきあっていたが、やがて落ち着いていく。 抱きしめられたメイドがつま先立ちして 顔の高さを合わせる。ねっとりと唇を重ねて 互いの舌が絡ませる。それに伴って唾液が 口腔に流れ込んでくる。 「悠二様、それ以上は……!!」 「ああ、すまない」 927 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 09 40 ID cdjB2.kI ※メイド少女の名前はマリだ!!! 926 ×綾乃 ○マリ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「悠二様、それ以上は……!!」 「ああ、すまない」 彼女の胸を触りそうになったところで静止する。 言うまでもなく、ここはアイリの部屋だ。 ここで本番などやろうものならただでは済まされない。 二人は秘密の関係を維持してるのだ。 「そ…それでは私は仕事に戻りますので。 まもなくお嬢様が戻られると思います」 「お、おう。久しぶりに一緒になれて嬉しかったよ」 赤くなった顔を手で隠しながら退出するメイド。 残された悠二も同様に赤面している。 お嬢に内緒で愛し合っていることの背徳感が さらに気分を盛り上げてしまったのだ。 分かれるのが惜しいとは口にはしなかったが、 彼女と最後まで一緒にできたらどれだけ幸せだろうかと 悠二は考えた。自分の服に彼女の匂いがついていないか 確認しながら何気ない顔でアイリが戻ってくるのを待つ。 928 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 11 18 ID cdjB2.kI マリの父親はこの家の執事長だ。その娘の彼女も 父のコネでアイリ専属のメイドにさせてもらっている。 本来なら高校生の年齢のマリがなぜ就職しているのかというと、 学校が大嫌いだったからだ。高校には最初の二ヶ月しか通っていなく、 親と激論を交わした挙句、メイドとして生きる道を選んだ。 人に尽くすための作法なら幼少の頃から親に仕込まれていた。 常に上流階級の人々と接していたので、 有数の私立とはいえ学校で俗な生活をするのは肌に合わなかった。 マリは生真面目で細かい所まで気が利く娘だった。 アイリからは年が近いこともあり、気に入られていた。 影で悠二と怪しい関係になっているとも知らずに。 「おまたせ~ 悠ちゃん」 お嬢が戻ってきた。 「待たせちゃってゴメンねぇ。今日体育があったから 汗一杯かいちゃってさ。私があんまり汗臭かったから 悠ちゃんも困るモンね?」 彼女の発音は母音が間延びしていてやる気のなさそうな イントネーションなのが特徴だ。 「なんで俺が困るの?」 「んふふ。知ってるくせに。なんで悠ちゃんを 私のうちに招待したと思ってるの?」 929 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 12 35 ID cdjB2.kI そう言いながらベッドに座ってる悠二に近づいていく。 アイリはバスローブしか身にまとってない。 湯上り特有の色っぽさを全身から発しており、 「久しぶりにキスから初めよっか?」 こうして至近距離まで接近すると彼女の胸元へ 視線がいってしまう。健康的な白い肌の中でも 一際目立つその豊満な胸に。 あの谷間に顔を埋めたくなってしまう。 本当はこの女がどれだけ嫌いなのだとしても。 「ん……ん……おいしいよ……悠ちゃんの味だぁ……」 目を閉じてしっかりと愛しい人の口腔を味わうアイリ。 初めにディープキスから始める辺り、 すでに彼女の中でも準備が整っている証拠だ。 アイリの身体が火照っているのは湯上りのせいだけではない。 いつのまにかローブがはだけ、一糸まとわぬ姿となってしまっている。 「いいぞアイリ……」 アイリの唾液は少しだけ甘くてせつない味がした。 学園のアイドルと称されるほどの女の子が惜しげもなく 美しい裸体をさらけ出してくれることにうれしさすら感じた。 930 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 14 35 ID cdjB2.kI 乾ききってない髪からリンスの匂いが漂って気分を高揚させる。 学園で見せるヤンデレ的なアイリは大嫌いなのに、 どうしてか身体を交わらせると許してしまいたくなるのだった。 オスとしての本能。繋がりたいという欲求。 高校生という年齢を考えれば無理もない。 こういった身体の関係に恋愛的な考えは不要なのだ。 少なくとも男性の視点から考えれば。 「アイリはどんだけ興奮してんだよ? アソコをこんなに濡らすなんて変態だな」 愛液が溢れ出てる肉壁の中に悠二の指が侵入していた。 少し出し入れするだけでねちっこい水分が跳ねるような 卑猥な音が響いてしまう。それに呼応するかのごとく アイリの朱色の唇からもせつなげな喘ぎ声が聞こえてくる。 「あん……いいよぉ……もっと触って……あっ……あうっ……」 少し手で触っただけでもだらしない顔をしておねだりをするアイリ。 彼を思って一人で寂しい夜を過ごしたのは一度や二度ではなかった。 今は彼に背中から抱きしめられており、その体温を 身近に感じることが出来る。ゴツゴツした男の手の感触が、 彼の言葉が少しづつ自分の理性を狂わせていくのを感じていた。 931 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 16 16 ID cdjB2.kI 「もう我慢の限界だ。いれるぞ?」 「うん。早く来て」 さらに快楽の頂点を目指すため、ベッドに仰向けに寝かせた 彼女の足を開かせて挿入した。一定のリズムでピストン運動を開始する。 「あっ……ああ……もっと強くしていいよ……」 「はっ……はっ……」 「そ……そうだよ……その調子……」 流しっぱなしにしていたパッヘルベルの名曲集は、すでに 再生を終えてしまっている。まるでオーディオが空気を呼んで 二人だけの世界を想像してくれたかのようだ。 汗でしっとりと濡れていく両者の若い身体。 こうして繋がっている間は学校であった嫌なことも 全て忘れることが出来る。十代ゆえに押さえ切れない 性の衝動も、年頃ゆえの色々な悩みも全て吹き飛ばせる。 「あうぅう……悠ちゃんのが私の奥まで入ってるぅ……」 「はは……おまえはやってる最中までアホっぽい話しするんだな」 「はぅう……も、もう限界だよ……イっちゃうよぉお……」 「そうか、ならもっと強く突いてやるよ」 「んああああ!! きゃあああああ!!」 932 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/06(木) 21 18 10 ID cdjB2.kI 腰を浮かせた彼女の身体が暴れ始める。 汗で少し湿った髪の毛が揺れ、今までよりも 大きな声で騒ぎ始める。 ここで手を抜いちゃ駄目だと判断した悠二が、 可能な限り膣の奥まで何度も何度も突いてやった。 まもなくして彼女が達してから彼もそれに続いた。 「はぁ……はぁ……どうだった?」 「うん。きもちよかった……」 事後の余韻に浸りながら、二人でベッドに横たわる。 こうしていると愛しあうと夫婦にも見えてしまう二人なのだが、 実際はこんな単純な関係ではない。 悠二は性的にはアイリのことを愛していても、彼女の 内面までは好きになれなかった。それどころか嫌悪していた。 アイリとしてはたとえ身体を捧げても悠二に好かれたい、 彼を自分に振り向かせたいと思っていたのだが、 実はこの作戦は表面上成功しているだけだ。 実際に悠二からどう思われていているのか、 これから痛いほど思い知らされることになっていくのだった。 物語の第一章は、これにて終了する。
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936 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 17 30 ID n0OBkfas こんばんわ。続きを投稿します。第二章です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 悠二の朝は早い。居候先の親戚の家で目覚めるからだ。 今通ってる高校は県内でも有数の私立校だった。 自宅からは遠かったのと、両親の不仲に嫌気が差したので 母方の姉に当たる叔母の家で生活させてもらっている。 今まで一軒家に住んでいた悠二にとって、マンション生活は 新鮮だった。高級マンションというほどではないが、それなりに 住み心地はいい。親戚の人たちは親しくしてくれるし、 なにより両親の夫婦喧嘩から逃れることが出来たのが大きい。 「悠ちゃん、最近学校の方はどう?」 「特に問題ないよ。もうすぐ学園祭が始まるからその準備で 少し忙しいけどね。予定はおおむね順調に進んでいるよ」 叔母が用意してくれた朝飯を食べる。 悠ちゃんと呼ばれると、あのバカ女のことが嫌でも 頭に浮かんでしまうのがしゃくだが、口には出さずに食べ続ける。 トースターとハムエッグというごく一般的なメニューだ。 間違っても毒など入ってないから安心して食べられた。 アイリなら何を盛ってくるか分かったもんじゃないのだ。 「志穂(しほ)姉さんはもう行ったの?」 「今日も学校の図書館で勉強ですって」 937 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 18 30 ID n0OBkfas 「へえ受験生は毎朝大変だね。でも家の学校の生徒って大半が 推薦で進学するんでしょ?」 「そうだけど、一応小論文対策とかはやっておきたいらしいの。 朝一で勉強した方が能率が上がるとか言ってたわ」 志穂と呼ばれた人はイトコの姉さんだ。悠二やアイリが高二なのに対し、 その一つ上の学年になる。今年から受験生だから、長年続けてきた 吹奏楽部は夏の終わりと共に引退した。 推薦では国立入試を目指していてるらしく、日々新聞を熟読したり 面接対策をしたり健康管理に気を使って過ごしている。 悠二は別に従姉のことが苦手というわけではなかったが、 受験生特有の緊張感に恐れをなし、あまり関わらないようにしてる。 ようはできるだけ邪魔をしないようにしているのだ。 居候という立場を考えれば当然といえよう。 世帯主は会社でいい地位に着いている人であり、高い年収に 比例して勤務時間も以上に長い。朝は始発で会社に向かい、 帰りは早くて23:30に帰ってくる生活。過酷な残業地獄のため、 休日は疲れきった顔でマッサージ器でくつろいでいるものだから、 傍から見たら気の毒すぎた。 この家で一番楽してるのは、結婚以来専業主婦として過ごしてる この叔母さんだけだろうと悠二は密かに思っていた。 「それじゃあ行って来るよ」 「忘れ物ないわね? 定期も持った?」 「問題ないよ。それと今日も帰りが遅くなるかもしれないから。 何かあったら連絡するよ。じゃあ」 938 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 19 42 ID n0OBkfas 遅くなるとはアイリの自宅への強制連行によるものが大半だが、 たまに本当に学校の用事で残る時もある。便宜上、今の家族には 委員会の仕事だと言い張ってやり過ごしている。 アイリとの淫らな関係がばれたらきっと家を追い出されてしまう。 毎日が綱渡りの生活だった。良く言えば刺激的だが。 ーーーーーーーーーーーー 「おはよーー悠ちゃん!」 校門前で手を振っているのは、 昨日一緒にみだらな行為をした女だった。 (なんでアイリが校門の前で立ってるんだ。リムジン通学のくせに。 玄関横付けでとっとと教室に入ればいいだろうが) 朝登校すれば必ず校門の前で待機しているのが日課になってる。 互いに家が逆方向なので少しでも一緒に登校したいという 乙女心なのだろうと悠二は推測する。 (くっ…誰にも見られてないだろうな?) 悠二は強烈な羞恥心に襲われていた。 異性と登校するのは傍から見ればうらやましいかも しれないが、当人にとってはかなり恥ずかしいのだ。 僕ら付き合ってマースみたいなアピールしてるみたいで むずかゆくなってくる。 幸い、朝早い時間だ(悠二が早起きしてる理由はここにある) 登校してる生徒はちらほら見える程度。悠二は公衆の面前で 大声で自分の名前を呼ぶのをやめてほしい、という思いを 彼女に伝えるためにはどうすればいいかと考えた。 939 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 20 49 ID n0OBkfas そして自然に下半身を露出しながらこう言った。 「おはようアイリ。あのさ……さすがに朝っぱらから一緒に 登校するのは恥ずかしいかなって……思うんだけど……」 アイリは顔に冷水を浴びたように見る見る青ざめていった。 「うん。確かに悠ちゃんと一緒に登校するのは恥ずかしいかもね。 いろんな意味で」 絶対零度といえる視線が、愛しい彼を捉えてる。 「……ごめん。どこで笑えばいいのか分からないよ。 お願いだから私が切れる前にその粗末なモノしまって」 「実はこれ下半身クールビズなんです!! なーんて……」 「はいはい。おもしろいおもしろい。じゃあ死のうか?」 アイリの愛のあるアッパーカットが炸裂した。 それに要した時間はわずか二秒。軽やかなステップで 距離を縮めると同時に踏み込みを開始し、脳震盪(のうしんとう) を引き起こすのに十分な力を持って彼の顎に拳を叩き込んだ。 あまりにも鮮やかな攻撃。 その一連の動作を見たものは、まるでフルオケの演奏を 聞き終えた後のような高揚感を得ることが出来るという。 悠二の身体は緩やかな回転を描きながら 吹き飛んで(下半身を露出したまま)気絶したのだった。 940 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 21 33 ID n0OBkfas ーーーーーーーーーー 保健室のベッドで目を覚ました悠二が最初に思ったことは、 顎と背中に鈍い痛みがあることだった。自身の身に何が起きた のかは記憶にない。思い出そうとするとアイリの怒った顔が脳裏に 浮かんだので考えるのをやめたのだ。 「あっ、起きたんだね悠ちゃん」 「うむ。俺はどのくらい寝てた?」 むくっと上半身だけ起こし、アイリに問いかけた悠二。 「まだ朝の始業の前だよ。どうして悠ちゃんがここにいるのか 気にしなくていいからね。遅刻する前に早く教室行こ?」 「おう」 アイリに手を引かれ、教室へ向かう。 ざわざわ ざわざわ 教室にはほとんどのクラスメイトが揃って適度にざわついていた。 いつもと変わらぬ日常がそこにある。男女共にいつくかの グループを形成し、その集団ごとに他愛もない会話をしてる。 話題も実に下らぬモノばかり。流行の芸能人やらアイドルの話やら、 インターネットで仕入れた怪しげな情報から恋愛の話など。 941 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 22 36 ID n0OBkfas その中でオタクっぽいグループがあるのだが、悠二はそいつらと 仲がよかった。オタクグループといっても外見がいかにも オタクですという風ではなく、みんな最低限の身なりは整えている。 悠二は彼らの影響で深夜アニメとやらを見せてもらって以来、 実は密かにはまっていた。特に流行の魔法少女モノが大好物なのだが、 アイリや家族には秘密にしている。いくら三次元で性が 満たされていると言っても、二次元には特有の魅力があるのだ。 たとえ将来妻ができたとしてもやめるつもりはない。 アイリは女子のグループに溶け込んでいた。 いわゆる一番可愛い女子が集まるグループで、 スクールカーストの上位に位置する集団である。 (アイリの容姿はその中でも別格) アイリに言わせれば表面上の付き合いであり、 空気のような関係と思ってるそうだが、 それはほとんどの生徒にとってそうだ。 学校での人間関係なんてそんなものだ。 本当の意味での親友など見つけられる人は よほどめぐり合わせのいい人だけだろう。 「今日の一時間目はロングホームルームだ。三週間後に控えた 文化祭にそなえて、演劇に出演する役者を決めてもらう。 文化祭実行委員の二人は前に出てくれ」 担任教師の指示に従い、委員の悠二と榊原葵 (さかきばらあおい)が黒板の前に立つ。 演劇にするのは前回の投票で決まっていた。 あとは誰をどの位置に配置するかだ。 942 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 23 50 ID n0OBkfas 「じゃ、俺が皆に聞いてくから榊原さんは書記を頼むよ」 「はい……」 彼女とは放課後残って仕事をすることが何度かあったので、 ついでと思いアドレスも交換しておいた。 榊原の家もそれなりの家系らしく、はい……とかいう 口調はいかにもお嬢様らしい。大人しい女子グループに属し、 なぜか同級生にも敬語を使う。 実はそれなりに気になる存在になっていたのだが、 アイリの前では下手な素振りは見せられない。 現にアイリが物凄い形相で二人の様子を凝視してるのだ。 女の嫉妬とは恐ろしい。 「まずは主演から決めていく!! 誰か商人の男役がやりたい男子はいるか!!」 声を張り上げ、挙手を求める悠二。 しかし誰も手を上げない。 あたりまえだ。こんなめんどくさい役、誰がやりたいというのか。 なにせ演劇自体が中世の恋愛を描いた者だ。 商人の男と売春宿で働いている娘が恋に陥るという ハレンチ極まる内容だ。脚本自体はオリジナルだが 結構ディープな描写が多く、当日は観客が驚くこと間違いなしだ。 「積極性のある奴は誰もいないのか……?」 ため息を吐きそうになる悠二。 途中でヒロインと口論末、お腹を 指されそうになる男の役は誰も望んでいないらしい。 943 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 25 30 ID n0OBkfas ため息を吐きそうになる悠二。 途中でヒロインと口論末、お腹を 指されそうになる男の役は誰も望んでいないらしい。 「脇役から選んでくのはどうでしょう?」 と言う榊原氏の意思を尊重し、通行人Aやら木の役などを 選ぶことになった。しかし問題なのは、クラスメイトほぼ全員が 脇役を望んでおり、脇役の投票率が限りなく100パーセントに 近かったことだ。 これではらちが明かないと判断したのは担任だった。 今まで隅のイスに座って傍観していた彼は、 「こうなったらくじ引きにしよう!! それなら文句ないだろ!?」 と言って速攻で四十人分のクジを作ってしまった。 (といっても実行委員の二人のみ免除なので実際は三十八) 悠二が壇上にクジの入った箱を置き、順番に生徒が引きに来る。 アイリが引きに来た時、「その女とイチャイチャしたら 殺すよ?」と耳元でいわれたので背筋がひんやりしてしまった。 主演の息子役と売春婦役にはクラスで特に容姿の優れた男女が 選ばれた。ようはイケメンと美少女だ。その他の人々は 裏方スタッフ(照明係から音響係)を含め、 全てその時間内に決定された。恐るべき早業である。 「んしょっと…」 決まった人の名前を黒板に書いていく榊原さん。 黒板消しを使ってる最中に体勢を崩してしまい、 944 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 26 30 ID n0OBkfas 「……あっ?」 後ろ向きに倒れようとする。 「おっと…。大丈夫?」 よく反応した悠二が彼女の身体を支える。 後ろから肩を抱くようなせつない体勢だ。 ショートでボリュームのある髪が間近に見えて 不覚にもドキドキしてしまった。しかも悠二は 気付かないフリをしていたが、実は彼女の左胸を 触っていた(わざとではない) 「ご、ごめんなさい早見君……」 「べ、別にいいんだよ、気にするな」 ちなみに、早見(はやみ)というのは主人公の苗字だ。 アイリの苗字は橘(たちばな)という。漢字で橘愛梨。 「ひゅーひゅー」 「付き合っちまえよおめえら」 草食動物のような顔をした生徒達たちから 野次が飛んでくるが、悠二の心配は他にある。 「……っ!!!!!!」 ギリギリ…… さっきから凄まじい勢いで睨んでくる猛獣こと愛梨お嬢様である。 普段から、あれ?なんかすげー視線感じてんなーと思ったら、 アイリに睨まれてる可能性大なのだった。視線をビームに例えるなら 米軍で実験中のレールガンに匹敵するかもしれない。 恐ろしさのあまり手足が心地いいリズムを刻みそうになるが、 表面上は冷静を装う。しかし冷や汗は止まらない。 945 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 28 00 ID n0OBkfas 「まあ、すごい汗をかいてますよ。具合でも悪いのですか?」 心優しき榊原嬢は、そんな彼を気遣ってハンカチで 顔の汗を拭いてくれる。ここは教室の壇上であるというのに 大胆すぎである。それに周りの野次を全く気にしていないあたり、 スルースキルは無駄に高い。 アイリの視線はさらに鋭くなり、もはや人を睨み頃さん勢いに なってるのにも気付いてないようだった。 (ふむ。どうやら俺か榊原さんが殺されるっぽい展開だね。 つかなんでアイリの視線に気づいてないの榊原さん? 君、これから殺されるかもしれないんだよ? 自殺願望でもあるの? バカなの死ぬの?) そんな心配をよそに長かったロングホームルームは 終わり、ついに裁判のときが訪れる。 「榊原さん、ちょっといいかしら? 話があるんだけど?」 「え? なんでしょう、大切な話ですか?」 「いいから来なさい!!」 無邪気な榊原さんを魔界へいざなおうとするアイリ。 ただならぬ気配を感じた女子達は遠巻きにして 様子を見守っている。近くの席にいた男子達も 何事かと野次馬根性でアイリたちを見ていた。 946 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 29 04 ID n0OBkfas 悠二はあわわ~、女同士の争いは怖いなぁ とか言いながら慌てていたが、 何も出来ず、榊原は屋上へと連行されてしまった。 悠二もその後を追う。 「どうして私と悠二の邪魔をするのかなぁ? 私たちの仲を知らないわけじゃないんでしょ?」 「ムグmグ……」 「ほらほら、どうしたのぉ? 言いたいことあるなら 何か言ってみれば? もっともその格好じゃ何も しゃべれないでしょうけど…」 ドS口調なのがアイリ。ムグmグしてるのが榊原さん。 なぜか簀巻き(すまき)にされて口にガムテープを張られてる。 確かにこの状態では一言も話せないし、自由に動くことすら かなわないであろう。簀巻き用の布団と縄はどこから 持ってきたのか不明だが。 悠二は屋上へと続く扉をこっそりと開け、 中の様子を見守っていた(助けに行くつもりはたぶんない) 屋上は予想通りカオス空間と化していた。 悠二は一部始終をじっと見守っていた。 アイリの奴は榊原さんに情け容赦のない腹パンを 食らわし、弱った所を簀巻きにして現在に至るのである。 話し合いなどもってのほか、アイリの恋敵にはもれなく 腹パンとう名の制裁を加えることをポリシーとする悪魔だった。 947 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 30 12 ID n0OBkfas 「悠二は私の婚約者なの。よろしいかしら? あんたみたいな下劣な雌豚には不釣合いだと思わない?」 「ふごふご…」 アイリはゲシゲシと蹴りを食らわして榊原さんを苦しめてる。 (なんて惨状だよ。さっきまで元気そうにしてた榊原さんが 今じゃ簀巻き状態でアイリに足蹴にされてるなんて……。 なんだ……? 俺の中に新たな感情が宿り始めて…?) 悠二は下半身だけクールビスしたくなったが、 ギリギリのところで思いとどまる。 (榊原さんは運が悪かった。ただそれだけの話さ。支配者階級の 橘愛梨には勝てるわけないんだ。最初から俺と関わらなければ こんなことにはならかった。ん? そう考えると俺が悪いのか? 榊原さんとメアドを交換したのは俺。じゃあなんだ? 俺のせい? 俺が彼女とイチャイチャしたいと思ったのはたぶん事実。 なら俺が間接的に榊原さんをいじめてることになるじゃないか……) 考えすぎると罪悪感という波に飲み込まれそうになる。 今はこの事態を収拾すのが先決。 いきり立った勇者が屋上に突撃した。 「アイリ!!」 「あっ悠ちゃん。どうしたの急に?」 アイリは榊原のパンツを脱がそうとしてるところだった。 榊原は嫌そうに暴れてるが、布団には縄がきつく巻かれている。 柔らかい太ももからゆっくりとショーツが脱がされていく所を 目撃し、悠二は一瞬だけ固まるが気を取り直す。 948 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 31 09 ID n0OBkfas 「俺は馬鹿だったよ。アイリをこんなにも不安にさせちまった。 本当はアイリのことが大好きなのに。天邪鬼な性格のせいで その気持ちをはっきり伝えなかった。……はは。大バカさ。 許してくれとは言わない。 でも、せめて抱きしめるくらいのことはさせてくれ」 「何言ってるの。もう嘘には騙されないんだから……」 「これでも嘘に見えるか?」 力強い男の腕に抱かれ、先ほどまでの魔性が失われていくアイリ。 握っていた榊原のパンツを落としてしまった。瞳からは 大粒の涙が零れ落ちる。哀しみではなく、悦びの感情から来る 暖かい涙だった。 「それじゃ仲直りのキスしようか? アイリ?」 「うん……!!」 昨日交わったばかりだというのに、エサを与えられた 雌犬のように尻尾を振るアイリ。それだけ彼の存在が 大切なのだ。彼以外には何も要らない。逆に言えば 彼のいない世界など、生きる意味がない。 「んんん~~~」 必死で彼の唾液を舐め取るアイリ。 ネチョネチョしたやらしい音がなんとも卑猥だ。 そんなに身長差はないのでスマートに唇が重なる。 余談だが、アイリが163センチで悠二が168(メイドは154) 949 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 31 42 ID n0OBkfas 「もういいか? 次の授業に遅れちまう」 「だめぇもう少しだけぇ……」 上目遣いでおねだりするアイリは美しかった。 年を越えた妖艶さすら感じるその色気に、 二人ははさらに情熱的に絡み合うのだった。 一応ここには榊原氏(ノーパン)もいるのだが、 気にした様子はないどころか、 二人は簀巻きの存在などもう忘れていた。 「大好きぃ~~~!!」 「ずっと一緒だぞアイリ……!!」 アイリが満足するまでキスという名の 唾液の交換を続け、結局次の授業には 遅刻してしまうのだった。
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951 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 35 52 ID n0OBkfas 「おいこら。俺を解放しなさい」 休日の昼すぎに目を覚ました悠二は、身体の自由を 奪われていることに気がついた。太いベルトが 幾重にも巻かれており、ベッドの上で固定されている。 両手両足はもちろん、首にもしっかりと巻かれてる。 これでは苦しいので身動きしたいのだが、悠二の隣で 卑猥な本を読んでいるアイリが許してくれそうにない。 アイリが手にしているのは二次元の同人誌。 アイリにだけは心でも見つかってはならない代物だった。 「ふんふん。ふぅ~~ん。悠ちゃんってちっちゃい女の子が 好きだったんだぁ~~。ロリコンの人って分からないなぁ」 言葉だけ聞いてると可愛いものだが、鬼の形相でページをめくっていた。 タイトルは『魔法少女マロカエロカ』と書かれている。 見た目小学生にしか見えない少女達があられもないレズぷれいに 勤しんだりする内容である。他にも同人誌はいくつかある。 (もう殺せ……) 計り知れない絶望に舌を噛み切りたくなる悠二。 家族は全員出かけてる。今日はたまの休日なので惰眠(だみん) をむさぼろうとした悠二だったが、いつのまにか侵入してきた アイリに襲われた。そして現在は猛獣と二人きりで 心温まるような時を過ごしてるわけである。 952 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 36 56 ID n0OBkfas 彼女によるエロ本チェックならまだ生易しいかもしれない。 何度も説明してるがアイリとは正式に付き合ってない。 「まさか浮気してるのが漫画の世界の女の子だとは思わなかったよぉ。 世界は広いんだね~。ふふふ。これ、全部燃やしちゃっても いいかな? 出版社から作者から全部含めて」 彼女の権力だとそれくらいは許されそうだから笑えないのだ。 その作品はアニメが原作だが、彼女の親父なら製作会社ごと 転覆させることができるかもしれない。 「ごめんなアイリ。その前にこれだけは言わせてもらう。 彼女達で抜くのは最高だったよ。特に金髪の女子中学生が 可愛くてな? マ○さんていうんだけど彼女の胸は 中学生と思えないほど…」 「……この前さぁ、私だけを愛してくれるって言ったよね?」 「はて? なんのことだ? 一切記憶にございません」 「……包丁どこかな~? 台所?」 「待ちなさい君ぃ!! 俺はロリコンだって認めたんだぞ!? めちゃ勇気出したんだよ!? 何か問題でもあるのか!?」 「問題大有りなんてレベルじゃないよ。自分の婚約者が ペドだったなんてキモすぎでしょ……。できるだけ苦しまない ように逝かせてあげるからね。そのあと私も昇天するから。 やっぱり私たちは天国で愛し合ったほうがいいと思うんだ」 アイリはふらふらとベッドに接近し、ぼすんと倒れこむ。 悠二の顔を手で掴み、正面から視線を合わせる。 緩やかな動作で彼の首を絞めようとしたとき…… 953 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 37 42 ID n0OBkfas 「心から愛してるぞアイリ。俺にはお前以外考えられない」 「あっそ。くだらない冗談を言うってことは、 覚悟は出来たってことでいいんだね?」 「待てっつってんだろうが!! 頼むから俺の首から 手を離してくれ!! これ以上俺を怒らせたら 俺の新たな性癖を公表しちゃうぞ!?」 「ロリコンで露出魔のくせにまだ新しい性癖があるの? さすがにこれは通報してもいいレベルだよ。 ってかどうしてそんなに必死なの?」 「自分の生き死にがかかってんだからそれゃ必死になるわ!! この電波女が!! 俺には二次元の美少女でハァハァする権利も ねえのか!!? ほぉぉぉらあぁ!? 嫁とのエロスと二次元は 別なんだよ!! 主食とデザートなんだよ!! おまえに分かるか!!」 「……っ」 「あーもう頭に来たぞ!! もうどうにでもなれ!! 俺を殺すなら早くしろよ!! おまえみたいな電波に 息の根を止められるなんて最高じゃないか!! おら? 何黙ってんだ!? とっととやっちまえよ馬鹿女!!」 するとアイリは哀しげな顔して目を晒してしまった。 先ほどまでの鬼嫁の雰囲気はどこへ消えてしまったのか。 まるで別人のように大人しくなった。 (アイリ………おまえ……泣いてるのか?) トクン 悠二が不覚にもときめく。 デパートで迷子になった幼女を眺めているかのような このトキメキ。形容しがたい。 954 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 39 02 ID n0OBkfas あえて例えるなら↓ ----------------------------------------------------------- (険しい登山の途中で家族連れと会った。目の覚めるような 美しい幼女が父に連れられて歩いていた。俺は足の疲れなど すっかり忘れてときめいた。……俺はロリコンだったのか? すでに下半身のトーマスは発射寸前だ。こんな感じになるだろう) -------------------------------------------------------------- ※----で囲まれた箇所は読まなくても本編とは関係ない。 「私がこんなに愛してるのに…。 どうして分かってくれないのぉ…?」 「アイリ……」 「ただ悠ちゃんのことが好きなだけなのに……。 本当にそれだけなのに……」 つーっと彼女の頬に一滴の涙が流れたのだった。 彼女の心情を表している冷たい涙が。 一人の少女を泣かせてしまった。その事実が、 怒りに我を忘れていた悠二の胸を締め付ける。 アイリとてまだ十七の女の子。 一人の男を好きになること事態に罪はない。 (ふっ……。何で俺はあんなつまらないことで……) またアイリの全てを許してしまいたくなった。 今度は嘘じゃない。彼は心からアイリに惚れかけていた。 確かに家宅捜査された上に全身拘束されたのは事実。 しかし悠ニはこんな可愛い顔で泣きじゃくる女を他に知らなかった。 「なあアイリ、言い過ぎたよ。 すまないが俺の縄を解いてくれないか。 許されるなら、今すぐおまえを抱きしめたい」 955 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 40 19 ID n0OBkfas アイリは言う通りにしてくれた。 ようやく自由を得た悠二は体中の間接が悲鳴をあげていたが 涙目で耐え、文字通りアイリを抱きしめる。 「あったかいね……」 「ああそうだ。死んだらこの暖かさも失ってしまうんだぞ? もちろん人としての感情もだ。そんなの嫌だろ?」 「うん……」 洋服越しでも確かに伝わる互いの体温。 生きてることがなんと素晴らしいことだろうか。 死の欲とはタナトス。性欲とはエロスの一種で、 両者が交じり合った時に混沌は生まれる。 すなわち、死を間近に感じた者ほど子孫を残したいという 本能に従って行動したがる。 一時の感情とはいえ悠二を殺そうと思ってしまったアイリだが、 そんな彼女だからこそ一層身体がうずくのだ。 身体の奥底から湧き出てくる熱情。彼と繋がりたいという本能。 「何度も何度も不安にさせちまってごめんな? 俺はこんなにも大切な人が身近にいるのに ついつい横道にそれちまった。やっぱり俺は最低だな」 「ううん。いいよ。悠ちゃんは最後は私のところに 戻ってきてくれるんだもん。大好きだよ」 「俺もだよ……大好きだアイリ」 956 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 41 04 ID n0OBkfas 「ねえ悠ちゃん」 「なんだ?」 「私を縛ってほしいの……」 「……なっ!!」 アイリの説明によると、二次元同人誌は緊縛プレイが大半だった。 この部屋に多数転がっている三次元モノのSMモノAVや本など、 この男がどうやら極度のSM好きなのは一目瞭然だった。 (それらはアイリが隠し場所を暴き、散らかしてしまった) 「私だってあの女の子たちに負けないくらい 悠ちゃんを満足させられる。どんな責めにだって耐えてみせるよ」 とのことで、悠二を大いに盛り上げさせてくれたのだった。 幸いこの部屋に悠二を拘束する際に使ったベルトや ロープなどがあり、希望通りのプレイを展開するには 不自由しなさそうだ。 それから十五分後である。 957 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 42 58 ID n0OBkfas ヴィイイイイイイイイイイイイイイイ…… マンションの一室に響き渡る振動音。 「あっ……うっ……あっ………あっ……」 くすぐったそうに身体を小刻みに動かすのはアイリ。 ベルトで縛られてイスに座らされている。 両手は後ろ手(いすの背もたれの後ろ側)で、 足は閉じれないように開いた状態(いすの足に縛れている) 無防備な秘所にはローターがいれられている。 「あうぅう……すごいよこれぇ………!!」 熱を帯びた吐息を吐きながら感じてる愛梨。 上の下からも下の口からもヨダレを 垂らしてる姿はまさに淫乱。 「どうだ? 感じてるかアイリ?」 「う……ん……今までにない感じだよ……すごく……気持ちい……」 悠二の声はアイリの近くから聞こえた。 彼はすぐ横で彼女の痴態を眺めていた。 彼女が我慢できずに垂らしてしまうヨダレを 舐めとっては悦に浸っていた。 一方のアイリは目隠しされている。 「はぅう……あっ……ああん……!!」 視界を奪われると余計に神経過敏になる。 弱い振動を与え続けるローターは、愛液で 零れ落ちないように右の太ももにケーブルを ぐるぐる巻きにしてある。 958 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 44 10 ID n0OBkfas 「んんん~~~!! んぐう~~~!!」 唇をキスで塞がれて苦しそうなアイリ。 光を奪われた視界では彼が今どこにいあるのかも 分からないが、確かにその感触を感じることが出来る。 その時、ローターの振動が急に強くなった。 「んん!???」 キスは継続したままだ。 突然訪れた新たな快楽に身体が暴れそうになる。 ギシギシときつそうな音を奏でるベルトとイス。 一切の自由はない。全ては悠二の思いのまま。 手のひらで踊らされる操り人形なのだ。 「ゆ、ゆうちゃ……もうイッっちゃうよ……」 「そうか。淫乱なアイリさんはまたイッちゃうのか。 これで何回目だと思ってるんだ? この雌豚」 「そんなこと言わないでよ…いじわるぅ…」 「ははは。おまえだって本当はこうされてうれしいんだろ? 乳首がコリコリになって自己主張してるぞ?」 正面から乳房を握り締め、先端の乳首を指でつまんでみる。 「ひゃあ!」 「大きいなぁアイリの胸は。形も綺麗で触り心地は最高だ。 どうしたらこんな卑猥な体つきになれるんだ?」 959 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 45 40 ID n0OBkfas 片方の胸を両手で丁寧に触り、尖った乳首に吸い付いてみる。 するとアイリがさらにエッチな声で騒ぎ出すのだ。 「んひゃああ!!」 「もう楽になっちまいな」 「んんん~~~!! いやあああああああ!!」 秘所と胸の同時責めについに耐え切れなくなったアイリ。 一瞬だけ身体を大きく震わせて両足の間を愛液で濡らしてしまった。 ローターの電源を切る悠二。 疲れきった彼女を解放し、ベッドに寝かせてやった。 まるで一つの儀式が終ったかのような満足感。 まさか自分の性癖にそった行為をアイリがしてくれると 思ってなかった悠二は不思議な感覚だった。 (こいつは本当に俺のことが……) すでに寝息を立てて眠り始めてしまったアイリ。 今日は何度も絶頂を迎えてしまったので よほど疲れたのだろう。 こうして寝顔だけ見てると、年相応の少女だ。 ヤンデレ成分など微塵も感じられず、愛しくすら 思えてしまうから不思議だった。 アイリのことは好きだ。でも嫌いでもある。 嫌いなのに好き。まるで言葉遊びになってしまう。 これ以上考えても無駄だった。 悠二は全裸の彼女にそっと布団をかけてやり、 散らかったエロ本を元にもどしたのだった。 960 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 46 56 ID n0OBkfas (悠二のアイリに対する好感度は少しだけ上がった) ーーーーーーー 翌日、学校の昼休みでアイリと一緒に昼食をとっている悠二。 四時間目終了後、彼女が開口一番にこう言ってきたからだ。 「悠君……。今日は悠君のためにお弁当作ってきたの。 食べてくれるよね?」 「おう。わざわざすまないな」 彼女と一緒に昼食を取るようになったのは二学期になってからだ。 この高校では弁当派が多数で一部が学食を利用しているが、 基本的には男女別々で食べる。当たり前だが。 アイリとて一学期の頃は女子グループと共に食べていたが、 二人の絆も深まるために一緒に食べることに決めたのだ。 もちろん恥ずかしくないわけがない。 クラスという閉鎖社会において目立つことがどれだけ 恐ろしいことか。男女で一緒に食事を取るなどもっての他である。 学内に存在するカップルはたいてい屋上とか学食とか 場所を選ぶ者だが、彼らは違う。アイリの強い希望により、 悠二の席で食べることになっている。 当初はクラス中から嫉妬と羨望の目で見られていたが、 それにどうこう言う輩はいない。相手は天下の愛梨お嬢だ。 彼女の家柄を知れば逆らう者など出てこないのだ。 仮に男女交際禁止の校則があったとしても、 校長を説得して黙らせるくらいのことは出来る。 961 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 47 52 ID n0OBkfas 悠二がおかずを食べながら適当に感想を述べる。 「前から思ってたんだけどボリュームのあるものが多いよな。 油モノとか」 「嫌だった? 男の子は力のつくのが好きだと思ったんだけど」 「全然構わないよ。おなか一杯になるし」 アイリは悠二の向かい側に座り、一つの席を共有している。 ようは対面式だ。こうして話してると中睦まじいカップルそのもの だが、この二人は未だに正式に付き合っていない。 もちろんクラス内では公認カップルとなっているのだが。 当の本人たちの見解は違うというわけだ。 悠二はスパイスの効いたから揚げを咀嚼しながら、 「アイリの料理は愛情がこもっててとってもおいしいよ?」 「ありがと。お世辞でも嬉しいよ」 「いや本当だって。最初の頃に比べて随分上達してるよ」 メニューは一口サイズのから揚げや玉子焼きやウインナーなど どれもシンプルだが無難な味付けだった。彼女は堅実に料理する タイプらしく、挑戦的な味付けは一切しない。 ご飯は食べやすいようにおにぎりにしてある。 具も毎回変えてくれる。とにかく食べやすさ重視で 作ってあるからついつい食が進んでしまうのだ。 アイリの愛のお弁当作戦はたしかに男の心を射止めようとしていた。 962 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 48 35 ID n0OBkfas (結構尽くすタイプの女だよね。普通に接してれば わりとマトモなところもあるし、料理もうまい。 マジでこのままアイリと付き合おうかな?) とまで考えさせるほどだ。もっとも彼はそのことを口にはしないが。 昨日の一件以来この二人の仲は急進した。 アイリからの一方通行の愛情だったのを、 悠二の方も受け止めるようになって来たのだ。 だが、物語はそう単純に進まない。 ーーーーーー 放課後は演劇の練習だ。 各学年の予約で一杯だった体育館をなんとか貸し切ることに 成功し、全ての舞台装置を設置した。音響から照明、 役者の衣装までばっちりだ。 演劇部に所属してるクラスメイトが細かい所まで 手ほどきしてくれたので助かった。 問題は脚本だった。 脚本担当はなんと男子のクラス委員長だったのだが、 あまりにも過酷すぎる箇所があるのだ。 「おい、委員長。娼婦が知り合った客の男に騙されて 自殺未遂するのはひどすぎないか? いくら最後は 商人の男と結ばれるとはいえ、あまり酷い内容だと 公序良俗に反するかもしれんぞ」 悠二が言うと、委員長殿(杉本マナブ)は難しい顔でこう言った。 963 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 49 50 ID n0OBkfas 「必要悪だ」 「プヒ?」 「物語には多少の起伏が必要だ。そのためには多少 荒い設定であっても押し通す必要がある。確かに ヒロインが娼婦という時点ですでに結構な冒険を してることは認めよう。しかし君はこの企画を 凡庸な内容で終らせたいのかね?」 委員長は非常に真面目で公平な男としてクラスの有名人だった。 古風な喋り方をする変わり者だが、学力は学年でトップ5。 黒ブチの眼鏡をしてるが、意外とイケメンなので 一部の女子から人気がある。 「グリムやアンデルセンの原作を呼んだことがあるかね? どれも道徳的な要素を持つ一方で、 血なまぐさい残酷な描写が目立つ。だがあれが当時 童話として欧州の子供達に親しまれていたのだ。 彼らの興味をひきつけたのは、何よりもその残酷な内容だった」 ずいぶん知ったふうな口を聞くメガネである。 インテリ風のメガネの裏に、演劇に対する熱い情熱を宿してる。 悠二は少しめんどくさそうに、 「そうかい。で、この内容で客に受けるんだろうね?」 「もちろんだ。文化祭など子供臭いイベントなどと昨今の 学生諸君らは思っているだろうが、そこに一石を投じる 必要があると私は思ってる。日本的でお花畑的な恋愛物語など、 大衆は飽き飽きしてるはずなのだよ」 「うーむ。委員長殿がそこまでいうなら仕方ないか。 担任とも相談してくるよ」 964 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 51 11 ID n0OBkfas 担任は気のいい男だった。教育学部を卒業してまだ二年しか 立っていない若さだったが、基本的に自由放任主義者で 生徒の企画したことは好きににやらせてくれる。 相談すると、担任はどんな脚本でも公開しないように やれと言ってくれた。悠二はこれ以上駄々をこねても仕方ないと 判断し、練習を続行する。 「~~~~~~!!」 「~~~~~~~~!!!」 役者達は壇上で声を張り上げる。 脚本家の委員長殿と監督役の悠二と柏原は 壇上の隅のパイプイスに座って観察してる。 悠二は手にした脚本を読み返していた。 脚本を要約すると、ある少女が父を戦争で失い、 路頭に迷った家計を支えるために売春宿に売られてしまう。 過酷な運命に人としての心を失ってしまった彼女。 幼少の頃から厳格なカトリック教徒であった彼女でさえ、 神など存在などしないと思うに至ったのであった。 そこで客として出会った若い男と恋に落ちる。 男は若い行商人だった。そこそこ資金を蓄えていて、 容姿も優れている。男は少女のことを気に入り、 嫁にしたいと申し出る。 彼と結婚する日を心待ちにしながら売春宿で 働き続ける少女。結婚日を間近に控え、いよいよ この仕事を止めようとしたその時、彼の浮気を発見してしまう。 男は金持ちの女と知り合い、恋仲に陥っていた。 965 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 52 04 ID n0OBkfas あんな浮気男に騙された自分は愚かだった。 悲しみと絶望に打ちひしがれた少女は、 ナイフを手にし、そして…… 「早見君。ちょっとよろしいですか?」 「うん?」 柏原さんに話しかけられ、本から視線を外す。 「脚本のことで相談があるのですが、あっちで話しませんか?」 「いいけど…」 席を経ち、体育館の目立たない場まで誘導される。 照明は壇上についてるのみなので、暗がりがほとんど。 この位置なら完全に壇上からも完全に死角なので 誰からも見られることはない。 ここで榊原はとんでもない行動に出るのだった。 「動かないで下さいね?」 突如口元に当てられたクロロホルムが、 「な……!! ぐっ……むぅぅ……んん……」 一瞬のうちに悠二の視界をぼやけさ、脱力させる。 ふらふらになり、もう立ってられなくなる。 冷たい床の感触が背中を打つかと思いきや、 柏原の細い腕に抱きかかえられる。 彼女は見たことのない顔で笑っていた。 966 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 20 58 59 ID n0OBkfas ーーーーーーーーーーーー 突如変貌した榊原。悠二の運命やいかに? 第三章前半終了 後半へ続く (こちらも続けて投稿します。一度に何度も投稿してすみません)
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 幼い頃から悠二の両親は仲が悪かった。 父は母のことを最低の女だと罵倒し、 悠二にあんな女とだけは結婚するんじゃないぞと 言い聞かせた。母も反対に父をけなした。 (ならどうしてお父さんとお母さんは結婚したの? 幸せになるために結婚したんじゃないの?) 悠二は思ったことを母に伝えた。 母は言葉を濁し、大人には色々事情があると教えてくれた。 意味が分からなかった。 夕飯のたびに飛び交う両親の怒鳴り声。 割れた皿やビンの音が鳴り響く。 なぜか離婚はしなかった。あれだけ憎しみあっていたのに。 中学に上がる頃には胃がキリキリ悲鳴をあげるようになった。 くだらない。あいつらは人間のクズだ。 あいつらのために自分が気を病むなんてくだらない。 男女の愛など偽りだ。 それは恋愛小説など創作作品の中にだけ存在するだけ。 一人の異性と一緒を共にすることなど最高にくだらない。 967 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 01 07 ID n0OBkfas 恋愛にも結婚にも一切興味がなくなっていた。 一生一人で過ごしても構わないと思っていた。 世界の広さを知らない時までは。 ーーーーー 「早見君。目を覚まされましたか?」 「あぁ。俺はどれくらい寝てたのかな? 見たところ外はもう暗いみたいだけど?」 悠二は保健室のベッドから起き上がろうとして 違和感を強烈に感じる。軽いデジャブ。 全身が麻痺していた。そして右腕にガーゼ。 注射でもされたのかと推測する。 「夜の七時を回ったところですわ。ですから 早見君は二時間くらい寝ていたことになります」 生真面目な口調で答えるのは彼をここまでさらった女だ。 榊原葵。ついに化けの皮をはいだ同級生。 悠二は勤めて冷静に話し始めた。 「下校時間はとうにすぎてるじゃないか。 榊原さんは家に連絡してるのか?」 「もちろんですわ。全て計画通りです」 「そうか。すまないが俺の携帯を取ってくれないか。 君が握ってるそれだ。なぜ君が俺の携帯を持ってるのかは あえて聞かないけど、家族に連絡しなきゃならないんだ」 968 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 03 07 ID n0OBkfas 「それは無理な相談ですわ」 「なぜだい?」 「これをご覧になって。橘愛梨さんからの着信件数、 もう40件を超えてます」 彼女は事の顛末を話した。 表向きには具合が悪くなった悠二が演劇の練習中に 帰ったことになってる。実際には巧妙に貸しきることに 成功した保健室で悠ニを監禁しており、勘のいいアイリは 事件の匂いを嗅ぎつけているとのこと。 学校側にばれないのかと悠二が聞くと、問題ないと即答された。 榊原はベッドに浅く腰掛けた。 「私が早見君のことを好きなのは知ってますか?」 「初耳だね。いつからだい?」 「はじめて同じクラスになった時からずっとです」 「へえ、ってことは一年の時からか……」 悠二は去年クラス委員長をしていた。将来の推薦に 役立つと考えて立候補したのがきっかけだった。 自分としては与えられた仕事を淡々とこなしてるつもりだったが、 先生や周りの生徒からはリーダーに向いてると評価されていた。 今年も立候補しようかと考えたが、めんどくさいのでやめた。 他に誰もやる人がいないのなら話は別だが、今年は 例の委員長殿(メガネ)がいるので彼にまかせた。 969 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 04 29 ID n0OBkfas それでも文化祭実行委員として彼のリーダッシップは 遺憾なく発揮されていた。困った時や迷った時は 周りの人と相談し、総合的に意見を集めてから判断する。 榊原が文化祭実行委員に立候補したのも、すべては 彼に近づきたいがため。彼の補佐が出来ればそれで十分だった。 少し前までは。 「榊原さんが俺をどうしたいのか知らないけど、 俺の中ではアイリが一番の存在に……」 全て言い終わる前に枕元に注射器が突き刺さった。 「……っ!!!!」 太い針だった。 数センチ間違えれば眼球が潰されてしまっただろう。 「あの女の名前はできるだけ口にしないで下さいね?」 「……う……あっ……!」 この瞳……。 間違いないと悠二は悟った。 病的になっている女特有の狂気を感じた。 さっきの注射器もまるでためらいがなかった。 これ以上私を怒らせれば次は容赦しないぞと 脅されたようなものだ。 ただでさえ抵抗できないこの状態。 死刑囚と同じ牢屋に閉じ込められたのに等しい。 970 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 05 50 ID n0OBkfas 「早見君はあの女に騙されているんです」 榊原は電気を消した。 明るさに目が慣れようとしていた悠二にはきつい。 人は情報入力の大半を視界に頼っており、 これが失われると途端に不安になる。 「あの女は嫌がる早見君をいたずらに追い掛け回して 困らせていました。早見君だって私に何度か言ったじゃないですか。 あの女がしつこいから困っていると……」 それは事実だった。今でこそアイリの存在が大きくなりつつある 悠二だが、少し前までは本当にうとましいと思っていた。 「最初は早見君の方から話しかけてくれましたね。 私は絶対に早見君とはうまくいくと思ってました」 確かに、榊原と親しくしようとしたのは悠二の方からだ。 二年連続で同じクラスで、委員会も一緒になったので 軽い気持ちでアドレスを交換したのが間違いだった。 後悔してももう遅い。 一年の頃から影から見つめる熱い視線に、鈍感な 男は気がつかなかった。彼女の正体を知っていれば、 決して仲良くなろうとは思わなかっただろう。 「なのに、あの女は私たちの邪魔をしました」 いつのまにか榊原の顔が目の前にあったので慌てる悠二。 肩が触れ合うほどの距離だ。 暗闇の中でも相手の顔がうっすらと見える。 971 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 07 08 ID n0OBkfas 「先週はあの暴力女に暴行されてしまいましたが、 悠二君はあんなやり方が許せると思ってますか?」 いつのまにか下の名前で呼ばれてることに気がついたが、 あえて指摘しない悠二。淡々と答える。 「ああ、屋上のあれな。確かにアレは常軌を逸してるよ。 あいつはちょっと感情的になりすぎるところが あるからな……。あの件については俺からも…」 「悠二君は私を助けてくれませんでした」 「……!!」 「さらに、あろうことかあの女とキスしてましたね。 でもアレは間違いだったと信じてます。 橘愛梨に脅されて無理矢理やらされたんでしょう? 毎日お昼ごはんを一緒に食べているのもです。 違いますか?」 榊原は悠二に馬乗りになってる。 上半身を倒し、彼の肩に両手を乗せている。 まるで押し倒してキスを迫ってるようなポーズ。 しかし甘ったるい雰囲気はなく、 むしろ殺伐とした尋問だった。 あの簀巻き事件は確かに人としての尊厳を奪った。 榊原が怒るのも無理はない話しだが、 この女は少しずれてると悠二は思った。 橘愛梨に対する恨みというより、一人の男に対する執着から 行動してるように思えるのだった。 972 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 08 02 ID n0OBkfas 「質問に答えてください」 沈黙を続ける悠二に苛立った様子の榊原。 「……っ。なら正直に言うよ。俺はアイリのことが好きなんだ。 別にあいつに強制されたわけじゃないぞ? 俺は本当に あいつのことが好きになったんだ。だから君とは付き合えない」 榊原は黙ってしまった。 あたかも異次元にワープしてしまったかのような違和感。 雰囲気がさらに悪くなり、空気が恐ろしく冷たく感じる。 今彼女が何を感じ、何を考えているのかは分からない。 魔物に脅えて過ごすのはもうごめんだった。 悠二はようやく手足に感覚が戻ってきたことを 実感していた。指先程度なら自由に動かすことが出来る。 もう少し時間を稼いで隙をみて逃走しようと思ったのだが… 973 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 08 46 ID n0OBkfas パリーーーン!! 「っ…!!! な…?」 ガシャーーーン!! 悠二が何事かと思って目を凝らすと、榊原が暴れていた。 怒り狂った彼女は パイプイスを手にしてその辺の棚を破壊してる。 (あの時と同じだ……両親が喧嘩してる時のあの音……!! うわぁあ……嫌だ…嫌だ……誰か助けてくれ……!!) 砕けるガラスの音。 物品が叩きつけられる大きな音。 押さえ切れない怒りが爆発している。 三十秒ぐらいしてから、再び沈黙が訪れた。 静寂もまた恐怖だ。悠二の精神は幼稚園児にまで 退行しようとしていた。真っ暗な暗闇で見えない 暴力に脅える怖さ。 高校生になってもぬぐうことの出来ない最悪のトラウマだった。 死ぬ。殺される。もう駄目だ。 マイナスイメージで脳が支配される。 本気で得体の知れない同級生に脅えてしまった。 974 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 10 45 ID n0OBkfas 「大きな音を立ててしまってごめんなさい。 悠二君が正直になってくれないものですから、 つい苛立ってしまいましたわ」 「……あ……う……」 子犬のように縮こまる悠二を胸に抱く榊原。 悠二は確かに少女の体温を感じた。 恐れている相手なのに、なぜか安心してしまうのだ。 なぜか懐かしさを感じるのは、頭を丁寧に撫でられているから だろうかと考えていた。 親への服従。 両親から強制されたこと。扶養されている者の哀れな身分。 本当に欲しいのは愛情だった。なのに…… 悠二の脳裏にそれらが浮かんだ時だった。 「はぁぁ……。久しぶりに激しい 運動したから汗かいてしまいましたわ」 榊原は制服を脱ぎ始めた。まずは上着からだ。 清楚な色合いのブラが暗がりの中でも確認できる。 それと形のいい控えめの乳房もおおまかに。 「……っ!!」 思わず注目してしまう悠二。 すでに目は暗闇に慣れてしまってる。 普段から委員会で一緒になってる女の子の 素肌がこんなに扇情的だとは思わなかった。 975 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 11 57 ID n0OBkfas 彼女はスカートのホックを外してショーツも惜しげなく解放した。 悠二の男性の本能はすでに彼女の身体を欲しがり始めてる。 どちらかというとスレンダーな体系。アイリとは違った魅力。 駄目だ。浮気は駄目だ。頭ではそう思っていても身体は…… 「どうかしましたか悠二君?」 彼女は悠二をじっと見つめてる。 「だ、だめだ……。やめるんだ…」 悠二の神経麻痺はもう治っている。 彼は半身を起こした体勢だったが、 榊原に密着されている。 首の後ろに両手を回されていた。 細い彼女の指が自分の身体に触れるだけでドキッとした。 「私の身体が欲しいですか?」 「う……」 「いいですよ? 悠二君にならなにされてもかまいません。 ただし、あの女のことを忘れるといってくださればですけど」 そんなこと急に言われてもできるわけがない。 悠二はそう口に出して言いたかったが、 なぜか唇が震えてしまう。声も出ない。 だが彼女は待ってくれない。 「……好き……です……んん……」 976 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 13 12 ID n0OBkfas 彼女の柔らかい唇が押し付けられていた。 できればアイリ以外の女とキスは控えいと思っていた矢先だった。 女の唾液の味が口の中に染み込み、頭がボーっとしてしまう。 (俺はあの榊原とキスしてるのか……? 最初は軽い気持ちで知り合ったのに……) 榊原は積極的に身体を預けてきた。 キスに夢中になっていた悠二がふと下のほうを見ると、 胸が押し付けられていることに気がつく。 まだ下着姿の彼女。美しい肌だ。 全て脱がしてしまいと劣情が頭を過ぎる。 暗闇に脅えていた男に、猛獣としての本能が戻ってくる。 「我慢しなくていいんですよ?」 まるで心境を見透かしたかのようなセリフ。 確かに我慢は体に悪い。ここまで来たらもう止まれない。 全ては誘惑してきたこの女が悪いのだと自分に言い聞かせ、 悠二は彼女を押し倒してやった。 「きゃ……」 「今度は俺からいくぞ」 「はい……」 舌を伸ばし、彼女の口の中にいれる。 彼女の嬉しそうに舌を絡め、液体が交じり合う。 まるで発情した雌犬だな。 いいだろう。徹底的に犯してやる。 977 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 14 42 ID n0OBkfas 悠二はそう思いながらブラのホックを外した。 乳首が自己主張してる可愛い胸を強く握る。 「んん……はぁぁ……!」 頬を赤く染めて息を吐く榊原。 実年齢より何歳も色っぽく感じられる。 「次はこっちだ」 「……あっ……」 「ほう、やっぱりびしょ濡れだな? 普段は大人しそうな顔してるくせに変態だったんだな」 「あうっ……んんっ……」 ショーツの中を男の手がまさぐっていた。 エッチな液体で濡れている下着など、 もはや脱がしてしまっても問題ない。 羞恥心を煽るようにゆっくりと脱がしてやった。 ずぶ濡れになってる秘所が眼前に晒される。 ピチャ ピチャ ピチャ 悠二はわざと下品な音を立てて、あふれ出る愛液を 舐めていた。足を閉じることなど許さない。 両足を大きく広げさせ、彼女のアソコに顔をつっこんでいた。 「はっ……いいです……もっと……舐めて……」 榊原は自分の指を口でしゃぶりながら、 もう片方の手で自分の胸を触っている。 979 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 17 29 ID n0OBkfas その姿はもっと快楽が欲しいと主張していた。 「あっ……んっ……あっ……」 「どうだ? 感じてるか?」 「はいっ……もう私っ…………」 「おっと、イクのはまだ早いぞ」 悠二は責めを止めた。榊原の身体を抱き上げ、 ベッドの上に座っている自分の上に乗せる。 互いが向き合う位置で悠二のモノが 榊原の秘所に押し込まれた。対面座位だ。 「あっ……!! あんっ……!! すごいっ……!!」 いっそう大きな声で喘ぎだす榊原。 汗一杯かいてる肌が艶かしい。 髪を振り乱し、悠二の上で上下に揺れ続ける。 その華奢な腰を決して離そうとしない悠二は、 力強く彼女を膣を刺激し続ける。 膣口のさらに奥を目指して男性器を挿入していた。 「だ……だめっ……!! もうすぐにでも……イッちゃいそう!」 「うっ……はは……ヤッてる時はお嬢様口調じゃ…ないんだな…!!」 「悠二君……!! 悠二君大好き……!!」 980 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 19 55 ID n0OBkfas 「一緒に……楽になろうぜ榊原。はっ…こうなったら…… トコトンまでやってやるからな……」 若い男女の嬌声が響き渡る夜の保健室。 ここは県内有数の私立校だ。金持ちのお子さん達が 通う清き正しき学校でこんなことが行われていると 誰が思うだろうか。 世間に事実を知られたら即退学。 そんなことは二人だって承知の上。 だからこそ、背徳感が劣情を加速させる。 ――それから何度達したのか、二人は覚えてない。 気がつけば夜の八時を回っていた。 家ではゴールデンタイムのテレビ番組でも流れているのだろうか。 残業を終えたサラリーマンたちが駅前を歩いているのだろうか。 冷静になると、今日に外の世界が気になって仕方なかった。 「俺はもう行くよ、榊原さん」 身支度を整えてカバンを手にした悠二が言う。 早足で扉を開け、振り返らず去ろうとしたが… 「まあそんな他人行儀な呼び方はいけませんわ。 どうか下の名前で呼んでください」 981 :『いかにして彼らは鬼畜へと変貌したのか』:2011/10/07(金) 21 21 40 ID n0OBkfas 「葵か。少し気恥ずかしい気もするが…」 「悠二君。私のこと好きですか? これからもずっと好きでいてくれますか?」 榊原は暗に今の関係を続けようといっている。 ズキ…… アイリを裏切ってしまったという罪悪感で胸が痛んだ悠二。 彼女の顔は見ず、無言で立ち去った。 月明かりがカーテンの隙間から差し込む。 夜の学校特有の静けさに支配されいてる保健室。 一人だけ残された少女はポツリとつぶいた。 「悠二君。私には一度も好きと 言ってくださらないのですね……」 ーーーーーーーーーー あとがき。 ついに体の関係を持ってしまった葵(あおい)と悠二。 アイリへの思いが強まっていた悠二にとっては 思わぬ誤算となってしまった。 これから彼らの関係はどのように変化していくのか、 次回にご期待ください。 第四章へ続く
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戦争はいかに「マンガ」を変えるか-アメリカンコミックスの変貌- このページは本サイトの管理者、longboxman/小田切博の単著『戦争はいかに「マンガ」を変えるか-アメリカンコミックスの変貌-』(NTT出版刊)のサポートページです。 →NTT出版 商品詳細情報 →ビーケーワン →セブンアンドワイ → アマゾン →2007年4月1日毎日新聞朝刊書評欄『今週の本棚』で取り上げられました。 「「9・11」後、えがけなくなった光景とは 井上章一・評」 この書評、なぜか毎日新聞のサイトのほうには掲載されていません(w Not Actual Cover 編集さんの意向で没になった「夜」バージョンのカバーイラストを30分ばかりいじってつくったコミックブックカバーバージョン。80年代の売れないB/Wパブリッシャーがカバーだけがんばって有名アーティスト使いました風にしたつもり。 It s Actual Cover(Art) 実際のカバーではエフェクトかかっててよくわからない採用版カバーイラスト。縮小&減色かけているので原画のクォリティには遠く及ばないが、こういう絵だとはっきりわかるように掲載。 My Cover Artist, Takeshi Miyazawa この本のカバーイラストを描いていただいたコミックスアーティスト、タケシ・ミヤザワ氏の英語版Wikipediaの記述よりも詳しい(w なにしろ本人に聞いている)プロフィール。ミヤザワ氏は現在日本在住、日本でのマンガ家としての仕事を模索中なので、興味のある方はコンタクトしてみてください。 「9-11」以降のアメリカンコミックスの変化から学ぶべきこと 本書の原型になった原稿のひとつ。なぜか2003年8月発行のスタジオジブリのPR誌『熱風』に掲載されたもの。掲載号の特集は「私とNPO」だったので特集ともなんの関係もなく、紙面では非常に浮いていたように記憶する。内容的にはこのテーマに関して私は一貫して同じことしかいっていないため、新味も意外性もないと思うが、一種のレアトラックとしてここに収録しておく。 参考文献リスト 本書巻末に収録した参考文献リストと内容的には同じもの。英語文献に関してはタイトルを簡単な内容紹介ページにリンクし(アマゾンにデータがあるものはそこにアマゾンへのリンクを貼ってある)、ネット上で読めるテキストに関してはタイトルを当該テキストそのものへリンクしている。要は「実際に使える参考文献リスト」である。コミックスや日本語文献に関してはとりあえず紹介ページをつくる気はない。 なお「参考文献」といいつつリストの中にリファレンス系のサイトや研究団体のページが混じっているが、これはべつに文献数の「カサ」を増すためではなく(編集者にはむしろ「多すぎる」「やりすぎ」といわれた)、このリストから読者が文献検索などの資料収集までを独自にできるようにするため。 最初は参考文献リストの作成などというめんどくさいことはあまりやりたくなかったので、どうしても書かなきゃならないものを2、30冊あげればいいやと思っていたのだが、紙屋研究所に「参考文献リストに海外文献を挙げるのは衒学趣味だ」と書かれているのを読んで、頭にきて可能な限り実用性のあるかたちでリストを整備した(海外文献しか参考にならない人間の身になってもらいたい)。それで「これならやろうと思えば文献検索からなにから可能だ」といったら今度は担当編集を含む複数の人間から「そんなことをするのはアンタだけ」といわれたので(よく考えるともっともな気もする)、また頭にきてこのネットワーク版をつくることにした。 SpiderMan WTC Trlr 本文中で触れた事件後公開中止になった『スパイダーマン』予告編。YouTube等ではなくダウンロードサイト。ご利用は自己責任で。 The Authentic History Center 同じく回収された『スパイダーマン』ポスター。これもリンクのみ、画像への直接リンクはしない。いちおうこっちは「The Authentic History Center」のアーカイブコンテンツなので予告編ムービーよりは問題は少ないと思うが、こちらもご利用は自己責任で。 American Elf The Sketchbook Diaries of James Kochalka スーパースター(w、ジェームス・コチョールカのサイト。デイリーストリップ『American Elf』が1日分だけタダで読める。前は一週間分読めたのに、ケチだよ、スーパースター(w まあ、たぶん忙しくなったからメンテ面倒でこうしたんだろう。金かかるほうもペイパルで月$1.95でコミックブック買うより安いし。どうせ単行本買うので個人的にはあまり見ないが、コチョールカの作品を読んだことがないひとはぜひいってみてください。 コメント なんかいいたいひとはこちらにどうぞ。ただ、いま使ってるプラグインの仕様が気に入らないので、もうちょっといいものができたり、気に入ったサービスがあったら変えるかもしれません。 -
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