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その5 楽しいときって、楽しいから、みんな寄ってくるんだ。だから、そこには何の深みもない。 単純に楽しいことを共有したいと思ってる連中が集まってきて、その楽しい雰囲気が好きなヤツらを、みんなで友達って呼び合う。 けど、自分にとって一番の真価を問われるのはどういうときか。 それは一番苦しいときに、どれだけ自分の周りに仲間がいてくれるかってこと。 そのときに自分の周りにいる連中は"友達"ってカテゴリーではなく本当の"仲間"になれるんだ。 いつも言うのは、どれだけ逆境で、どれだけ苦しいことやつらいことがあっても、 それは"仲間"と"友達"を分ける、いいチャンスだと思うべきなんだ。 こういうときにそばにいてくれるのは、こいつらだったのか?って思える。 うまくいってるときって、誰が本当の仲間か分からない。 けど本当にうまくいってないときや、本当に苦しいときに、そばで一生懸命やってくれるのは、 一生涯の仲間になれる可能性があるヤツなんだ。そこにいてくれる人たちはね、損得勘定じゃない。 これは、私の尊敬するGACKTが本の中で言ってた言葉。 ファンデッキCGIとして通常運営してた頃、私はルールを守らなかったりグレーだったりする人に対して、 厳しすぎるのではないか?と思われるくらい、厳しめに対応してきた。 それはひとえに、自分と利用者が培ってきたいわば「楽しい度」(胡乱な言葉だ)を減らしたくなかったから。 ここを利用してくれる人達は、この場の「楽しい度」がその人の中で高いから、利用してくれているわけだ。 だから今いる人達の「楽しい度」を絶対に減らしたくなくて、私は環境とプレイヤーの現状維持という事を最優先にした。 楽しいからそこに集まる。それは"友達"の集まり方で、間違った集まり方では全くない。 ネット上の、数あるCGIの中のたかが1サイトなわけで……楽しくなければ、他へ行けばいい。 その当然の考え方に、常に怯えて、恐怖しながらやってきたのがこの1年半だと思う。 毎日デュエル場を見続けて、ある人の姿を長い事見かけなくなったら、どうしたんだろう?ここが楽しくなくなってしまったんだろうか? って不安になって、自分の方針や言動に間違いがあっただろうか?なんていちいち考えたりする。 「たかが1サイト」に顔を出さなくなるのなんて、ちょっとしたきっかけ、いやきっかけなんてなく何となく行かなくなったってそれで十分な理由なんだけど、 でも本当に「楽しい度」が高ければそれはあんまり起こらないはずって、それで皆がもっと楽しくなれる場を作るにはどうしたらいいだろう?って考え続けた。 考えて考えて、いろいろな事を実行していく中で、有難い事に常連と言える定着したメンバーが何人も出てきてくれて、 そういう中で迎えたのが第二回咲夜大会だった。 これが最後の大イベントだと始める前から心に決めて挑んだけど、これが予想以上に大変だった。 段取り・進行、全員分のデッキチェックにメール返信、表図やhtmlの作成に抽選会、そして本番…… 何よりその中で、自分のポカが原因で、ここを快く思わない外部の人間につけいる隙を与えてしまったこと。 安心しきっていて、慣れすぎていたんだね。周りが「友達」だけだという環境に。 だから結構打ちのめされたし、自分以上に利用者のメンバーに対して申し訳なかった。 それは自分が最も恐れる、場の「楽しい度」の減少に他ならなかったから。あの頃、空気も悪くなっちゃったよね? 自分とみんなで築いてきた物が、こんなにあっさり崩れちゃうんだって思うと惨めで悲しかったし、投げ出してしまえと思いたくなる事すらあった。 連日の作業による疲れもピークだった頃なんで、とにかく本当に参っていた。もう勘弁してくれよって。 でもそんな中、メッセンジャーで、メールで、掲示板で、私はいつでも味方だぞって、そう言って応援してくれる人がいっぱいいた。 そこでようやく気付いたんだね。まさに最初のGACKTの言葉だよ。本当に苦しい時にあって、初めて分かった。 楽しい度が減ったからって去っていってしまう"友達"じゃなくて、辛い時こそ助けてくれる"仲間"がいっぱいいたって。 この1年半の触れ合いを通して、そうした"仲間"を得られていたっていうこと。 その仲間みんなに支えてもらわなかったら、あの大会はひょっとしたらうまくいかないまま終わってたかもしれない。 この仲間達に恥じないよう、精一杯頑張らなきゃ。って思いがあったからこそ、最後までやり遂げる事が出来たし、 閉会の書き込みをして、皆のコメントが次々書き込まれるのを見てたら、涙が出て止まらなかった。 1年半、毎日毎日実装カードやバグ取り、運営方針、なんだかんだ考えまくって、命懸けてやってきたこと。 ただのデュエルツールじゃない、デュエル・コミュニケーションの場としてやってきたこと。 それは決して間違ってなかったって、ようやく思えたんだ。 だから皆には、今でもどんなに感謝してもし足りない。 自分の全力投球に、全力で応えてくれる皆がいたから、ここを続けてきた意味は確かにあった。 楽しい度が減っても、この場所が無くなろうとしても、最後まで"仲間"でいてくれようとする皆。本当にありがとう!! では、よいお年を!
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第四回・中身を見てみよう 今回は、CGIの中でどんな事を書いているのかを簡単に解説してみたいと思います。 サンプルは適度に短いダーク・ヴァルキリアさんの起動効果部分です。 elsif($use_cno==3674){#ダーク・ヴァルキリア if($cont_flg!=1){ if(*1){return;} if($cpu[$s_a]!=1 ($F{ options } eq || $F{ options } eq 0 @select!=1)){ $tmp_syorip.=" m-どちらの効果を使用する? o-破壊効果(対象も選択) 魔力を乗せる l-1"; $seast= 991911 ;$jokenst= ; go_select_syori;return; } if($F{ options }==1){ if($fld_koka[$use_f_no]=~/used /){return;} }else{ if( use_mcounter){return;} $res_s[0]=$select[0]; } }else{$res_s[0]=$select[0];} if( used){return;} if($F{ options }==1){ on_mcounter2; add_msg; $fld_koka[$use_f_no].= used ; }else{ if( taisyo_chk monster_koka_chk){ add_msg; go_boti_arr; } これがダーク・ヴァルキリアの記述になります。 分解してはじめから解説してみます。 elsif($use_cno==3674){#ダーク・ヴァルキリア $use_cnoは誰が使ったか?という事、この場合はカード番号3674のダルキュリアが使ったので、このif節以下の処理を始める事になります。 if($cont_flg!=1){ 処理開始。まだ「効果発動」は行われていません。 if(*2){return;} 永続効果150番がフィールドに存在しているか、またはこのカードが再召喚されている(デュアル効果を得ている)か。 150番は《超合魔獣 ラプテノス》。つまり、デュアル効果を発動できない状態だとreturn(失敗、何も起こさない)となります。 if($cpu[$s_a]!=1 ($F{ options } eq || $F{ options } eq 0 @select!=1)){ 次以降のための布石です。この後の2つの効果のどちらを選択するか・したかをこの文で見極めていきます。 $tmp_syorip.=" m-どちらの効果を使用する? o-破壊効果(対象も選択) 魔力を乗せる l-1"; $seast= 991911 ;$jokenst= ; go_select_syori;return; どちらの効果を使用するか選択。破壊効果を選んだら変数optionsに0を、魔力カウンター効果を選んだら1を代入します。 seastは対象を選ぶ場合にどこのゾーンから選べるようにするか、対象を取るか、除外か……といった決まりをこの数字群でまとめてやってしまいます。 jokenstはその選ぶカードの条件です。このカードの場合は特に条件がないので空欄です。 例えばここに syu_steq "天使" などと入れると、天使族モンスターしか対象に出来ない効果となるわけです。 if($F{ options }==1){ if($fld_koka[$use_f_no]=~/used /){return;} }else{ if( use_mcounter){return;} $res_s[0]=$select[0]; } }else{$res_s[0]=$select[0];} 選択が終わったら、どちらを選択したかによってやる事が変わってきますね。 一行目にまず、optionsが1だったら……つまり魔力カウンターを載せる効果を選択した場合、このカードの効果から 「一度しか載せられない」→「すでに1度発動しているか否か?」を見なければいけません。 後に使用する、fld_koka/used/をこのカードが持っているならばすでに1度発動しているという事なので、returnします。 続いて先程のifに対するelse、つまりoptionsが0、破壊効果を選択した場合です。 こちらではヴァルキリアに載っている魔力カウンターを1つ取り除く必要があるのでそれのチェックです。 use_mcounterでuse_f_noから1つ取り除けない(載っていない)ならばreturnします。 if( used){return;} ここから、効果発動の開始です。チェーン処理が終わった後ここから始まります。 (4)はモンスターの起動効果を表す発動番号です。色々種類があって、ここを間違えてしまうと 永続魔法なのにお触れに引っかかったりしてしまいます。 if($F{ options }==1){ on_mcounter2; add_msg; $fld_koka[$use_f_no].= used ; options==1、魔力カウンターを載せる処理です。 まずon_mcounterで自分自身に魔力カウンターを載せ、何が起こったか分かるようにシステムメッセージを書き、最後に「1度この効果を発動した事があるよ」のfld_kokaを付加します。 }else{ if( taisyo_chk monster_koka_chk){ add_msg; go_boti_arr; else→options==0、破壊効果です。 res_s[0]は選んだ対象を示します。そのモンスターが対象として存在するか、モンスター効果を受けるかをチェックしてメッセージを表示して破壊します。 go_botiでは自動でメッセージを表示してくれるので、いちいち○○を破壊した!というメッセージを書く必要はありません。 以上でダーク・ヴァルキリアの起動効果部分を書き終えた事になります。お疲れ様でした! これは効果としては簡単な部類に入りますが、例え単語一文字書き損じるだけでも全体がエラーとなってしまうので、ホントCGIは地獄と言えます。 余談……表から見えないもの %dhiformar_arr=(3838= 1,3836= 1,3835= 1,3834= 1,3713= 1,3714= 1,); これが何を意味しているかというと、この一文でディフォーマーシリーズを定義しています。 「D・」と名のついたモンスター、という条件だとD・ナポレオンなども入ってしまうので、「D・」ではなく「これがディフォーマーシリーズ」とグローバルに定義してしまうわけです。 この定義は各サポートカードなどで、$jokenst= $dhiformar_arr{$cardno}==1 こんな感じで条件指定の際、ディフォーマーのみを一括で指定できるよう活躍します。 ではこのような群を作ってみると……? %sky_arr=(XXXX= 1,XXXX= 1,XXXX= 1); skyをさしずめ、空を飛んでいるモンスターとでも考えて定義してみましょう。ハーピー、巨大戦艦、エレファント、普通の魔法使い……。 他にも女性専用カード、魔法攻撃を行うモンスター、上級スペル……などなど、考えだせばいくらでも面白い定義を作れます。 この定義を行っておくと、例えばこんなカードが作れるようになるわけです。 地震 通常魔法カード フィールドに表側表示で存在する、空を飛んでいるモンスター以外のモンスターを全滅させる。 もちろん、こんなカードは作られません。 プレイヤー側にそれを知る手段が無いからです。不親切極まりないしOCGのルールとは反してしまうでしょう。 (一応、効果テキストのhtmlにその定義を書いておく事も不可能ではないですが……) この定義というのもあくまで一例で、「このカードには隠された効果がある!」とか「なぜ青眼が攻撃しない!」とか、 テキストに無い処理っていうのもCGIではいくらでも実現可能なわけです。 元々CGI以外では有り得ないため分かりづらいですが、特定のアイコン使用時に特別なメッセージが出る、これも立派な「隠された効果」なんですね。 初期のM&Wを彷彿させる、何が起こるかわからないびっくり箱のようなカード群とCGIもいつか作られたら、楽しそうだなあ。 3の倍数相手だとアホになるモンスターが(ry -- 名無しさん (2008-10-02 23 13 08) 名前 コメント
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第三回・バランスの推移 長くなってしまったので結局分け。 CGI黎明期から、(2008年9月)現在へ流れるにつれて、作られるオリジナルカードのバランスは少しずつ変わっていきました。 有り体に言って、「昔の方が強いカードが多い」のです。 それは、08/09制限のカードに初期の頃のカードが多く含まれている事にも現れています。 何故そうしたバランスの変化が起きたか?という事については、大きく3つの理由があります。 OCGバランスとCGIバランス 昨今のOCG新カードのカードパワーが軒並み上昇気味にある事は大方の異存の無い所と思われますが、 始めの頃は、こういったOCGカードの方を見て、カードのバランスを調整していた節があります。CGIの方を見れていなかったのですね。 (当時はまだ利用者の方もカード数も少なく、環境と言う程のものが構築されていなかったというのもありますが……) その時のOCGの頂点に位置するカード群の力を超えさえしなければ良い、というくらいの前提で作っていたということです。 このカードをいくら使用したところで【シンクロダムド】【剣闘獣】【ライトロード】らにはかなわないから大丈夫…… でも、このCGIにはそれらを本気で使ってくる人がおりませんから、その前提には意味がありません。 OCG的なバランスで作ったカードは、CGIの環境ではトップに位置してしまう事が有り得たわけです。 そういう事が分かってからは、OCGはむしろ気にせず、CGI上にこのカードを放り込んで大丈夫か?を第一に考えるようになりました。 必須カードとバリエーション用カード 初期の頃のカードには、既存デッキを明らかに強化するものが多く含まれています。 それには、カード数の全体が少なかったから、というのが理由としてあげられるかと思います。 当時はオリカCGIを謳ってはいても、その実装数の少なさから実質的には組めるデッキタイプがいくつか増えただけ、というものでした。 かといってミラーマッチばかり発生しては、もう一つ面白く思ってもらえないだろう…… こういった感情もあり、既存デッキに1枚組み込む事で働く事が出来る(そのデッキを強化できる)カード、というものが結構作られました。 (08/09制限にあるカードの一部にはそういった当時の兆候が見られます) そうしたカードを作る事により、既存のデッキ+1のこういうデッキも使える、と楽しんでもらえるという思いがあったわけです。 でもこの方策の問題点は、オリカを使わない人にとって不公平だという事です。 「このデッキタイプは、ここにしか存在しないこのカードを入れた方が絶対に強い」こうした状況があまりにも多く存在すると、 そのカードを主義から使わないで構築する方がただ損をしてしまいますし、カードプールを把握していない新規の方には優しくないでしょう。、 勿論こういうCGIですから、100%公平というものは有り得ないのは仕方のない所と思っていただく他ありませんが、 それでもそうした強力カードを増やしすぎると、元々のそのデッキの型すら崩しかねません。 そんなわけで現在は、既存デッキにバリエーションとして入れられるカード、選択肢の一つとして上がってくるカード、くらいのバランスを 目指して作成しています。決してそのデッキの必須カードには成り得ないものの、入れてみると面白い動きをしたり専用デッキを組めたりする、 そのくらいのバランスがいいのかなあと思っています。 (あくまで「基本の考え」であり、今後全てのカードがこうした理念のみで作成されるものではないという事を一応脚注致します) 活用と悪用の境界 前述しました、自分が以前にも行った製作というものは主に身内(知り合い)を相手に行っていたものでした。 この経験が知らずのうちに、自分の中で甘えになっていた面があると言わざるを得ません。 どういう事かというと、「このカードはこういう風に使うもの」という自分の中の青写真が作成時にまずあり、 使用する方は皆そのように使われるという甘えがあったという事なんですね。(今まで、ずっとそうだったために。) しかしいざ実装してみると、こちらが考えもしなかったような使い方をする方もおり、非常に驚嘆させられる事しばしばでした。 これは新しい効果を作成する際に全ての制作者が抱える普遍の問題で、本家の方でもこの問題に苦労しカードに規制がかかる場合も多いですね。 カード効果を最大限に引き出している事には間違いないので、私としては悪用などという感じの悪い言葉は使いたくありませんが…… ともかくそうした事例が発生してしまったり、またそれにより対処療法的なエラッタ等を行ってしまうと いちいち御迷惑をおかけしてしまうため、実装の際にはそうした点も注意するよう心がけ、パワーある効果のカードの場合は それが想定外の所で動かないだろうか……という風にチェックするようになりました。 ダイヤモンドガイ!ファンカス! おめーらの事だよおめーらの! 名前 コメント
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その6 無限の未来へ WSGP終了から二ヶ月……。 このサイトも、完全閉鎖までの秒読みに入っていた2月中旬に突如としてそのニュースは届きました。 「orotiサーバー閉鎖取り止め」 何……だと……? orotiサーバーが閉鎖しないなら、このCGIはどーなるの? このニュースを知った誰もが思った事でしょうが、私が一番そう思いました。 リアル事情的な意味でも精神的な意味でも、3月末の終了に向けて準備を整えてきた自分にとってはまさに寝耳に水な話でした。 どうすればいいのか…… 「orotiサーバーが終わるまでは残しておく」と言った手前、自主的に消滅させるのは憚られる。 しかし、心のけじめとして10月の一般公開終了と3月の閉鎖に踏み切ったはずだったのに……。 当時は相当悩みに悩み、どれだけ考えてもハッキリとした答えを出せないまま時間が過ぎていきました。 それは当たり前の話で、どちらの道を選んでも何かを捨てなければならなかったです。 閉鎖を取るという事は、自分の人生の時間を取る代わりに、ここでの仲間との交流を捨てるという事。存続を取るならば、その逆。 この二者択一に簡単に答えが出せようはずもありませんでした。 そんな折、某氏の「最後にみんなで集まりたい」という提案を元に、WSGPの企画が浮かび上がりました。 アニメ遊戯王5Dsで同時期に始まった大会・WRGPをパロディーにした、三人チームを組んでの大会です。 考えた当初は、非常に無謀だと自分でも思いました。 ここでのデュエルでしか知り得ない人達と、組みやすい2人ではなく3人チームを、さらに大会の形式を成すよう沢山作らなければならないとは……。 チームメンバーを巡るゴタゴタでかえって悪い雰囲気になってしまったりはしないか、よしんば開催したとして一試合毎に6人分のスケジュールを合わせ続けるなどという事が果たして可能なのか……。 不安要素は山積していましたが、それを吹き飛ばしてくれたのは、このWSGPを予告した時の一部メンバー達の動きでした。 まだ3人チーム大会とか何も言ってないのに、勝手にチームを結成し、勝手に予行演習としてチーム戦を実演してくれ、本告知にワクワクしてくれた…… この人達の動きを見た時、あぁ、これならば最悪この2チームしか出来なくてもイベントとしては成り立つなぁ、と思い開催を決断する事が出来たのです。 その後の経過は御存知の通りでしょう。 チーム結成に際して不和が起こる事も無く、沢山の人が参加して下さり…… 心配した試合のスケジュール合わせも、全員が連携し協力してくれあったおかげで恙無く事が運び、最後までほとんどトラブルも起きずに進行が出来ました。 3人チームを組んでの参加で、試合日は毎日・流動可能というこんなにも難しい大会をこの規模で、ここまでスマートに実行できたのは後にも先にも恐らくこのCGIだけでしょう。 WSGPの記録は、私の誇りです。 閉鎖の事に話を戻すと。 WSGP開催を決定した後、このCGIの進退についても方策が決まりました。 閉鎖か存続か……自分自身で決める事が出来ないならば、もはや道は一つ。 このCGIらしく……結末はデュエルで決めるしかない!! 管理人としての私を含む3人チームを内密に結成し、大会で優勝したチームと力比べをするエキシビジョンデュエルです。 もしも私が勝ったら、天がそう選んだのだろうとしてこのCGIは自主的に閉鎖。 参加者側が勝ったならば、その想いが自分の迷いを上回ったという事で、存続。 あまりにも壮絶でドラマティックな戦いとなりましたが、正真正銘、妥協も手加減も裏工作も一切無し、未来を賭けての真剣勝負でした。 そうして、このCGIはいましばらく現世に留まる事になりました。 これからここがどうなるのか、自分にもちょっと分かりません。4月より先のプランは、自分の中でも存在していませんでしたから。 とりあえず、今はこんな具合で生きています。 おまけ 大会専用カード(バランスブレイカー) 《念写記者天狗 姫海棠はたて》 条件召喚モンスター 星6/風属性/獣戦士族/攻2100 /守1500 このカードは通常召喚できない。 墓地の風属性モンスター1体を除外する事でのみ特殊召喚する事ができる。 効果は特にありませんでした。かかったな阿呆が! 《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》 条件召喚モンスター 星10/闇属性/機械族/攻4000 /守2800 このカードは通常召喚できない。自分のエクストラデッキから「サイバー・エンド・ドラゴン」1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚できる。 「Sin」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。このカードが表側表示で存在する限り、自分の他のモンスターは攻撃宣言できない。 特殊召喚に成功したターン、このカードは攻撃宣言を行えない。 フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合このカードを破壊する。 見えたけど出番なし。 《Sin レインボー・ドラゴン》 条件召喚モンスター 星10/闇属性/ドラゴン族/攻4000 /守0 このカードは通常召喚できない。自分のデッキから「究極宝玉神 レインボー・ドラゴン」1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚できる。 「Sin」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。このカードが表側表示で存在する限り、自分の他のモンスターは攻撃宣言できない。 特殊召喚に成功したターン、このカードは攻撃宣言を行えない。 フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合このカードを破壊する。 出番なし。事前に袋デュエルで存在がバレるというハプニング発生。 《Sin レミリア・スカーレット》 条件召喚モンスター 星8/闇属性/悪魔族/攻2900 /守2400 このカードは通常召喚できない。自分のデッキから「紅き月 レミリア・スカーレット」1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚できる。 「Sin」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。このカードが表側表示で存在する限り、自分の他のモンスターは攻撃宣言できない。 このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、このカードの攻撃力がそのモンスターの守備力を越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。 フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合このカードを破壊する。 せっかくだから1枚くらい度肝を抜くようなSinカードを用意しようと。 結局見えただけで、プレーンレミリアの方が召喚されてたけど。 《Sin Cross》 速攻魔法 自分の墓地から「Sin」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズにゲームから除外される。 出番なし。クソース! 《スパーク・ブレイカー》 通常罠 自分フィールドに「ワイズ・コア」 が表側表示で存在する場合のみ、自分のターンに発動する事ができる。 フィールド上に存在する全てのモンスターを破壊し、相手はデッキからカードを1枚ドローする。 恐怖のスパーク・ブレイカー。実にいい感じに働いて最終戦を盛り上げてくれました。 《ワイズ・ナイト》 効果モンスター 星4/闇属性/機械族/攻1900 /守1000 このカードの召喚に成功した時、デッキから「ワイズ・ナイト」以外の「ワイズ」「ワイゼル」と名のついたモンスター1枚を手札に加える事ができる。 最終戦が事故死じゃあかっこつかないだろうと思って用意したけど一枚も来ず。おまえはあほか~~ 《ワイゼルA3》 効果モンスター 星4/闇属性/機械族/攻1600 /守0 自分フィールドに「機皇帝ワイゼル∞」が表側表示で存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。 このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分フィールドの「機皇帝ワイゼル∞」の攻撃力は1600ポイントアップする。 最後の相手がシンクロ使い以外だと成す術が無いので単純な戦闘力も強化できるように。本番では壁役でしたね。 《ワイゼルG3》 効果モンスター 星4/闇属性/機械族/攻0 /守2000 自分フィールドに「機皇帝ワイゼル∞」が表側表示で存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。 自分フィールドの「機皇帝ワイゼル∞」が破壊される場合、このカードを代わりに破壊する事ができる。 ラスボスがあっさり除去られると悲しかったので防御要因。 本番では(ry
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咲夜さん B射の削り減った 2Cが変化 Bクロースのグレイズ削除 Cクロースキャンセル不可 DCノーマルヒットの通常コンボ不可
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【種別】 魔窟 【解説】 アニメキャラ(個別)板の上条当麻スレのことである。 カプ論争とかの荒れる話題は極力排除された、純粋?に上条当麻を愛する紳士達の社交場。 本スレが荒れた時に行くと癒される、平和に上条さんをprprできて幸せです、 あそこ見てるとSAN値が下がる、上条さんは俺の嫁、などの感想が寄せられている。 たまにブラクラ級の原典を生産することもあるが、住民は決してホモなどではない。 純粋に上条さんが好きなだけである(と言うことになっている)。 ◆ちなみにSAOのキリトくんスレも同じぐらいの魔境となっている模様。
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微エロです。 東方キャラが多めに出演しています。苦手な方は、注意してください。 いつもの様に、巨大な館の渡り廊下を掃除していく。 歩けど歩けど廊下は続いていって、果たして前に進んでいるのだろうかといった錯覚に捕われるが、壁に掛けてある壁画が変わっている事からちゃんと進んでいるのだな、と安心する。 普段だったら既に終わっているはずの作業なのだろうが、今日は何故かはかどらない。 …一人の、少女が頭から離れない。 加えて、例え掃除が終わったとしても、洗濯やら料理やらと次の仕事の事が頭にかすめ、おっくうに感じるのだ。 そのおっくうに感じる理由も『次の休みはいつなのだろう』といった煩悩から来るもので、―所詮言い訳だが、今の私は使い物にならないだろう。そう判断して仮眠部屋にへと向かう。 仮眠部屋に設置された簡易コーヒーメイカーを起動させ、トレイに逆になって何個か置かれているカップを一つとり、コーヒーを入れていく。 カップからコポコポと小気味良い音が聞こえる。コーヒーメイカーが停止し、私はコーヒーの入ったカップを持って近くのテーブルの椅子に座りこみ、ほうっと溜め息をつく。 …今日で、何回目だろうか。しかし、本音を言うと溜め息をつく度に私の脳裏に緑色の髪の少女の存在が浮かんでくるから、満更でも無いのかも知れない。 私は、最近引っ越してきた山の神社の巫女が好きだ。しかし、私には勇気がなく、きっかけが掴めないままでいる。 接点も、何もない。たまたま町にふらと立ち寄った時、恐らくそうだろうと思われる白と青の巫女服を纏い緑色の髪をした、凛とした表情の、なおかつどこかあどけないような…。 その少女を見掛けたのだ。失礼な話だが、全く場に合っていなかった。 どこかなく、神秘というか、何か庶民とは違う様な雰囲気が出ていたのだ。 「…ほう」 思わず、溜め息が漏れてしまう。 …一目惚れだった。 ずっと、彼女を見ていた。そうしたら、彼女は私に振り向いて、ニコリと笑いかけてくれた。 その時の私には、それだけで十分だった。しかし、所詮それも一時しのぎというか、また欲求が生まれてくる。 彼女と、話したい。…せめて、一目だけでも! 名前だけでも知りたい! 私は新しく天狗の山に神社が引っ越してきたということ位しか知らなく、そこにいる神の名前すら知らないのだ! …そもそも、彼女は山の神社に住む巫女ですら無いのかも知れないけれど。 ふと、カップに入ったコーヒーが目に入る。 先程まで湯気をあげていたコーヒーはすっかり冷めてしまった様で、一口舌に転がす様に含むと、妙に生温い感触が口内を伝わった。 駄目だな、もう一度滝れ直そうか。いや、それすらもおっくうだな。 時間を止める事のできる私が、時間を忘れるくらいに考え込むなんて。 これが、恋なのだろうか。 「恋は下心、愛はまごころ…、っと」 呟きながら、壁に掛った時計を見るとすでに30分も経過していた。 流石に、休みすぎか。しかし、気持ちの切り替えに踏ん切りがつかないままでいる。 …休もう。休むために仮眠部屋に入ったのに、思考を巡らせてばかりで休んでいないではないか。 テーブルから少し離れた所にある、真っ白のシーツに包まれたベッドの上にどすんと横になる。 どうやら私は自分の把握している体調以上に疲れていたらしく、すぐにうとうとと眠気が襲ってきた。 まどろんでいく視界の中、私は考える。 彼女は、何をしているのだろうか。 ☆ 身勝手な話だが、私は彼女と話したいと思う同時に、話したく無いと考えている。 話すということは、相手を知る。 私が思い憧れている彼女が、私の想像するような清楚な性格じゃなくて、下衆な性格をしていたら幻滅してしまうからだ。 自分から勝手に一目惚れして置いて、本当になんと身勝手なのだろう! しかし、自在に時を操れる私が何故能力を使わずに彼女を探しに行かないのか、そもそも何故周りから噂を聞かないかはといった理由の根本は、ここにある。 つまるところ、私には勇気が無いのだ。 勇気が無いから、このままでいいやと妥協してしまう。 妥協すると、今度は忘れる。 忘れると、彼女を思い出せないのだ。 …怖い。 彼女を、忘れたくない。 忘れたくないなら、行動しなければならない。しかし、それも怖い! …無いものねだりの結末は、何も無い。 私は、何がしたいのだろう。 『だったら、ゆっくりしていけばいいですよっ!』 「!?」 「ゆっくりしていってください!!!」 どこかから大音量の声が聞こえ、思わずベッドからむくりと起き上がってしまった。 すると、自信ありげな体たらくでシーツ越しに私の体に乗りながら、緑色の長髪をしていて頭にはカエルのブローチをつけた、 ――まるで、彼女を連想するこの子がそこにいた。 「おねーさん、今日から私がついていますよ! 元気だして!」 「…夢か」 もしくは寝惚けているのだろう。もう一度、枕にバフリと頭を埋める。 「ゆうっ! おねーさん、二度寝しないでください! せめて自己紹介してからにしましょうよっ!」 この子は大変慌てた様子で私のお腹から顔の近くへとぽふぽふベッドの上を跳ねながら向かってくる。 しかし、ベッドは慣れていないのか途中あらぬ方向に飛んでしまったり、ベッドからコロコロ落ちてしまいまた登ってきたりなどとても可愛らしい様子が伺えた。 これが、巷で噂になっているゆっくりとやらか。確かにとても愛らしい体たらくだが、ゆっくりを飼うとなると食費がかなりかさむという。 この子に対して私のカワイイものセンサーがビンビンに反応しているから是非とも一緒に暮らしたい所だが、いかんせんこの前まりもっこり買ったばかりでお小遣い無いんだよなあ…。 ああ、嗚呼、後生な…! 「ゆう~、おねーさん、無言ですりすりしないください、あ。…やっぱして」 気が付いたら私はこの子を頬にまで抱えてすりすりしていたらしく、この子は嫌がりつつも嬉しそうに顔を綻ばせている。案の定手を止めたら淋しそうな表情をして、もっとやってと懇願してきた。寝起き早々、鼻の奥から何か鉄の味が口内に広がった。 初々しいやつめ、この、この! 「あ、らめ、ほっぺを指でつつかないで…!」 この子があまりにも可愛らしい反応をしてくるから忘れていたが、そもそも今は勤務中だった。 時計で時間を確認してみると、仮眠室に入ってから既に6時間も経過していた。 事実を確認するためベッドの壁に付いている小さな窓から見える外の景色を覗きこむと、暗く太陽は沈みかえっていた。 「…あっちゃ~、やっちゃった」 本来なら仮眠などする時間は無いが、夕飯までに間に合えばいいかと2時間くらい寝ているつもりだったが、残念ながらゆうに食事の時間は過ぎてしまっている。 これはお嬢様たちがおかんむりだぞとうろたえている時に、不意にこの子がベッドに横になりつつ座っている私の膝に乗ってきて、胸に顔を埋めてすりすりしてきた。 私はそれを受け入れて頬を撫でてあげると気持ちよさそうに手に体を預けてきて目を細めるも、すぐにキッと目を開き私の目を見てきた。 ふむ、この子を撫でた感想だがもっちりとして手が弾むような感触を軸にさらさらとした髪がまた私の母性本能をくすぐって…! 「ゆうっ! 折角目を合わせた事に気が付いたのですから、聞いてくださいっ! おねーさん、ゆっくりしていないですよ! そんな働きずくめの生活じゃあいつか倒れちゃいます! 私と一緒に、ゆっくりしようではありませんか!」 この子がやや頬を膨らませながらキリッとした眉と目付きをして私にいってきた。 頬を人指し指でぷにりと押してみると、案の定小さな口を丸にして空気を吐き出した。可愛い。 「うーん。ゆっくりしたいのは山々だけど、私は勤めている身分だからね。十分ゆっくり出来たわ、ありがとう。あなたの名前、良かったら教えて貰える?」 「ゆっ! さなえはさなえですよ! ゆっくりしていってください!!!」 「さなえ、かあ」 あの子もそんな名前なのかな、と考えつつ無意識にさなえを抱き締めようとするも、今まさに業務を寝過ごした事を思い出す。 そうだった、今は急いでお嬢様に弁解しなければ! 「ゆうっ! おねーさん、またゆっくりしてないですよ! それに、おねーさんはしばらく働く必要が無いのですよ?」 さなえがぷりぷりと怒った様子で私に言いかけてくる。頬を膨らませているもやはりどこかなく可愛げがあり、思わず抱き締めてしまいそうに…、いかんいかん。 それにしても、働かなくても良いとはどういったことだろう? しかし、考えていても時間が過ぎてゆくだけなのでとりあえず部屋を出るためにドア前へと向かう。 すると、さなえがドア前までゆっくりとの名前が付いているとは思えないスピードで先回りをされ、通せんぼをしてきた。 頬の筋肉が柔らかくなる感触を抱いたが、このままでも仕方ないのでさなえを胸にだっこしてお嬢様の所へ向かう事にした。 当のさなえは『あ、あうう…』と不本意そうに、なおかつ恥ずかし嬉しそうに頬を赤らめて照れている。可愛い。 …が、現実逃避もここまで。私は半ばさなえの頬を弄んでいた手を止め、お嬢様への言い訳を考える。 どう言い訳しようか。いや、寝過ごした私が悪いのだから言い訳などせず素直に謝るということが筋というもの! いや、でも、怒られるのは恐いし…。 下手な考えを巡らせている内に、とうとうお嬢様の部屋前まで来てしまった。言い訳は何も考えていない。ああ、チクショウ! 恐らくお嬢様は夕食の時間になっても姿を現さない私を探したのだろう。 しかし、途中で叩き起こされる事無くぐっすりと眠っていたということは、見付けられなかったかもしくは仮眠室で寝ている私を見付けたもののかたくなに眠っていたという事だろう。 後者だとしたら、さっぱり記憶に無いだけに尚恐ろしい。どちらにしろお嬢様はすねられて不手寝されていることだろう。気まずいなあ! しかし、躊躇していても仕方ない。緊張した手付きで豪勢な造りのドアを開けて部屋に入る。 そこには、『う゛ー゛!゛ 待゛ち゛く゛た゛ひ゛れ゛た゛と゛お゛お゛お゛!゛』と地べたに座り込み泣き叫んでいる可愛らしいお嬢ちゃんの姿が…、あれ? 「さ゛く゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛ れ゛み゛ぃ゛、゛さ゛み゛し゛か゛っ゛た゛ん゛た゛と゛お゛お゛お゛!゛!゛!゛」 お嬢ちゃんが床に手を付きながら立ち上がり、そのまま私の方へおぼつかない足取りで向かって来て愛らしい顔を私のお腹にぽふりと埋めて抱きついて来た。 このお嬢ちゃん、あーと、お嬢様? お嬢様ではない、いやいやお嬢様である事は確かなんだけれど! 目の前にいるお嬢様に似たお嬢ちゃんは、お嬢様と比べて引き締まっているお顔が丸っこく、手足も赤ちゃんのようにぷにぷにしていてどこかなく肉まんの良い匂いが漂うお方になっていた。 「…うー? さくや、どうしたんだどぉ?」 さっぱり動かない私に疑問を持ったのか、お嬢ちゃんがお腹に埋めていた顔をあげて私の顔を覗き込んできた。 『うー?』と、汚いものを知らない様な無垢で純真な瞳で覗いてくる。 鼻の奥がふたたびチリチリと熱くなる感触を感じた。 「うー、しゃくや! いくられみぃが絶世の美女だからって、いきなりすりすりするのは良く無いんだどお!」 どうやら私はまた無意識の内に頬と頬をすりすりしていたらしく、お嬢ちゃんに怒られてしまった。さなえからはジト目の目線が飛んでいる。 しかし、お嬢ちゃんは自身で『れみぃ』と名前を言っている。この館のお嬢様は『レミリアお嬢様』だから、そこそこ被っていると言えば被っている。 ここは聞いてみるべきか。このまますりすりしだきたい気持ちを抑えつつ、お嬢ちゃんに聞いてみた。 「えっと、お嬢ちゃんはこの館の主人なの?」 「うー、そうだどぉ♪ れみぃはこーまかんのおぜうさまなんだどぉ!」 うわあああああああやっぱりそうだったよおおおおおおお嬢様変わってるんだよチクショウうわあああああ …可愛らしいしいっか。お嬢ちゃん、おほん。お嬢様は手を頭の上に挙げ、腰を軽く振りながら笑顔で何やらダンスを踊っている。 しかし、そのダンスはとりわけ上手なものではなく、所々もたついていてそのつど顔を曇らせている。 可愛い。 「…ふんっ!」 「あいた!」 不意に、床にいたさなえが私の足に向かっていきなり跳ねてきた。 当たってもぷにんと気に障らない程度の感触しかしないけれど、さなえの表情を見てみると何やら怒っている様に見える。 はて、何か忘れている事でも…、あ! 「ありがとうさなえ、忘れてたわ! …ごほん。お嬢様、遅れましたが只今夕食の準備を致しますので、何かご希望があられればなんなりと申し付けください」 「うー? …れみぃ、難しい言葉、…わ゛か゛ん゛な゛い゛ど゛ぉ゛ー゛!゛!゛」 「あ、あれ?」 お嬢様は言葉が理解できないご自身に腹が立って癇癪を起こしたのか、今にも泣き出してしまった。 ほーら、大丈夫ですよーと柄にも無い高い声を出しながらそっと抱き締めてお嬢様をあやすと、どうやらすぐに機嫌を直してくれたみたいで泣き止んでくれた。一安心。 背中には何やら張りの良い感触がボヨンボヨンと止まず受けているが、まあ些細なことだ。 「お嬢様。今日のご飯は何にしますか?」 「うー? れみぃ、ご飯は食べたんだどっ!」 「ゆっ、ほらあ! まーた、おねーさんはゆっくりしていないでは無いですか! 駄目ですよ、そんな事では! おねーさんは働く必要が無いんですっ!」 背中からさなえが顔を現して、私にお前はニートでいいと関白宣言をしてきた。 確かにありがたい申し出だが、働かなければいけないし…。 これが会社の同僚にプロポーズを受けた女性の方の心情なのだろうか。 「もうっ! 行きますよ、おねーさん! もっと手っ取り早くおねーさんが働かなくていい証拠を見せてあげます!」 「え? あ、ちょっと! さなえっ!?」 私はさなえに引っ張られ連れて行かれるがまま、いや、厳密にはさなえはゆっくりなので手足が付いていないので私が付いて行っているだけだけど。 無言の圧力というか、ゆっくりにあるまじき威圧感というか、その他もろもろの恐怖を感じてここで付いて行かなければやられる! と脳裏に焼き付いたので、素直に付いて行かざるを得なかった。 お嬢様への挨拶も十分ではないのに、さなえはそんなに一体何を怒っているのだろう。 お嬢様に軽い会釈を送ろうと、ドアを出る直前に後ろを振り向くと、お嬢様は『あら、お年頃ねぇ~ん』と言わんばかりに体をもじらせて手を頬と目に、しかし視界は見える様にかバッチリ人指し指と中指の間を開けて当てている。 お嬢様に失礼しますと一言残し、私は連れられるがままにお嬢様の部屋を後にした。パタン、と廊下にドアが閉まる音が響く。 「…さなえ。どうして無理に私を外に出したの?」 「…ぷんっ! おねーさんも、そんなニブチンな様ではまだまだ瀟洒とは言えませんね!」 さなえはツンと顔を上げ、ぴょんぴょん跳ねながらすぐに先に行ってしまった。慌てて追い掛けると、そこは調理場だった。 「ゆうっ、ここです! 覗いてみてください!」 異様に大きいさなえの声に圧されて思わずはいっと返事をしながらそっと調理場を覗いてみる。 そこには、せっせと材料を用意しているたくさんのゆっくりの姿があるではないか! 「…え、ええ? あり? 可愛い」 思わず混乱してしまい変な言葉と本音を出してしまったが、些細な事だ。問題は、何故紅魔館の調理をゆっくりが担当しているかだ! 「誰がこんな仕事の押し付けを…、はっ、まさか美鈴!? あの子ったら、自分がサボりたいがためにこんなに酷い事を…!」 「もうっ! おねーさんはどれだけ勘違いをすれば済むのですか! 付いて来てください!」 さなえはプリプリと怒りながら次なる場所へ向かっていったらしく、少々唖然としていた私は気が付いたらさなえがそこそこ先へ行っていて小走りで追い掛けなければならなかった。 さなえが向かった場所は、玄関前のロビーだった。異様に広いため普段は雇っている妖精のメイド達がせっせと掃除に励んでいるはずだが、目に映った光景は妖精メイドではなくゆっくり達の姿だった。 「…ウチの館って、こんなにゆっくりいたんだっけ?」 「…ゆう。おねーさん、本当は気が付いているのでしょう? 私が言ってあげますよ。 私たちがおねーさんの仕事を全部引き受けたから、おねーさんは働かなくていいんですっ!」 ☆ 「ゆぅ~、ちゅりちゅりぃ…♪」 先程、ゆっくりたちが皆で私の仕事をしているといった事実を目の当たりにしたため、またと無い機会だしゆっくりする事を決め、仮眠室へと戻ってきたのだ。 仮眠室とは言え、ほとんど名目上でお嬢様が私に与えてくださった様なもので事実上私の部屋にあたる。 殺風景な事は否めないが、紅魔館で唯一ほっと一息つける空間なのだ。 それにしても、先程からさなえが異様なまでに甘えて来る。とても嬉しいのだが、何やらさなえから焦りというか、対抗心の様なものが見える様な…。 「ゆっ、おねーさん! さなえ、お腹が減って来ちゃった…」 さなえが私のお腹ですりすりをしていた顔を上げ、上目遣いで私に投げ掛けてくる。うおお、そんな目で見られては何か用意しない訳には行かないではないか! 私ももう半日は何も食べていない事に気が付き、意識すると急にお腹が減ってきた。 「そうね、私もお腹がペコペコだわ。あなたたちが私の仕事を引き受けているということは、夕食が出来るまで待っていてということだもんね。軽い、おやつにしよっか」 私はお腹にいるさなえを座っているベッドに降ろして立ち上がり、部屋の隅に置いてある冷蔵庫を開け、…恥ずかしい話、日々生き甲斐にしているプリンを二つほど取り出してテーブルの上に置く。 さなえは『たまらん!』と言わんばかりに目を光らせて今にも食べたそうに私の足元へ近付いて来て体を左右に動かしている。 わかってるじゃない、さなえ! 女の子たるもの甘いものには目が無いものよね! 「じゃあ、さなえは向こうの椅子に座って。スプーンを用意するから、待っていてね」 「…ゆう。さなえ、おねーさんに食べさせて貰いたい、かな」 気が付いたら時が飛んでいた。今わかる事は、口内が鉄の味でいっぱいな事と、さなえをベッドに押し倒していてキュートなほっぺにキスをしていたという事だ。 「ゆっ、ゆっ、おねーさん、そんな、いきなりなんて…」 さなえは頬を真っ赤に染め上げ、息を上げてベッドにうつ伏せになっている私の頬にキスを返して来る。 この上無い幸せを感じたが、今はプリン。女の子たるもの、犠牲を出してでも甘いものを前には進まなければならないのだ! 「…ふう。さあ、おいでさなえ。プリンを食べさせてあげる」 体を起こし、ベッドに座りこみ膝を軽く叩いてさなえが膝に来る様に誘導する。さなえはボーっとしていたのか枕付近からしばらく動かなかったが、ハッと我に戻ったのかすぐに膝の上に乗ってくれた。 私の手には既にプリンとスプーンが握られている。甘いもの好きな私に隙は無い、さあ! どこからでもかかって来なさい! 「ゆぅーん…」 さなえは目を閉じて可愛らしい小さなお口を少し開けて今か今かと待ち構えている。 予想はしていたが、あまりの破壊力に大分動揺を喰らったッ! しかし、これしきの事でくじける私ではない! スプーンでプリンを掬い、さなえの口に近付けたその時だった! (さなえにいたずらすれば可愛らしい反応をしてくれるんじゃ無いかな…) 悪魔が私の脳裏に囁いてくる。や、やめろ! そんな事をして万が一さなえに愛想をつかれたらどうする! 私は冒険しない、今の幸せを噛み締めているだけでいいんだ! (本当にぃ? これっぽっちも、さなえの反応が見たいと思って無いの?) …、くっ! (やっちゃいなよ、ほら。あまりに遅いからさなえが薄目を開けて私の事を見てるわよ?) …私はお前に自分を売った訳でも、誘惑された訳ではない。これは自分自身が考えて決めた行動だ! (あら、そう? まあ私はどっちでもいいわ。頑張ってねぇ~) 悪魔は去った。私は様子を伺っているさなえの髪を撫でながらはい、あーんと告げる。 さなえは私を信用していのだろう、無防備に目を閉じて可愛らしいお口を開けている。 私は先程プリンを救ったスプーンを持つ! スプーンをゆっくりとさなえの口元に近付けていって…、さなえの唇とプリンが当たった瞬間! 私は急いでプリンをさなえの口元から引き離し、私の口に持っていった! さなえはパクリと軽く体を動かして噛みつくも、感触がしなく空を切った事に疑問を感じたのかキョロキョロと辺りを見回す。 さなえが私をみたのは背後から私のおいしいと言った声が部屋に響き渡ってからだった。 「…あ。ああ、あ、…さ゛な゛え゛の゛プ゛リ゛ン゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛」 さなえが体を震わせて玉の様な涙を流す。私がしまった、と後悔したのはその直後だった。 「ご、ごめんね! てっきり怒りはするものの、まさかそこまで無くとは思って無かったんだ!」 「ひ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!゛!゛!゛」 「ほら、まだまだプリンは残ってるし、はい! あーん!」 「ん゛っ゛…゛、あ゛ー゛ん゛!゛」 私はもう一回スプーンでプリンを掬い、さなえの口元にまで持っていく。さなえは用心しているのか今度は目を瞑らず、じっとプリンに注目している。 プリンと唇が触れるかどうかと言った瞬間、私は急いで腕を私の口にまで引き付け、そのままもう一度私の口に入れた。 案の定膝元から『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!゛!゛!゛ プ゛リ゛ン゛!゛!゛!゛』と悲痛な叫びが聞こえる。 ぞくぞくしてきたが、流石にやりすぎたか。私はさなえにきちんと謝る事にした。 「ごめんね、さなえ。今、新しいスプーン持って来るから待っててね」 「ゆ゛ー゛…、さなえ、そのスプーンがいいですっ」 さなえはジト目で私を警戒しつつ、そう言ってきた。 「はて、なんでですか?」 「だ、だって…! 不本意ながらも、お、お、おねーさんと間接キスじゃあ、ないですかっ!」 もじもじしながら頬を赤らめるさなえ。私は薄れゆく視界の中、至福とは何かを見い出せた気がした。 「…なんて、ごめんなさい。調子乗りました…、ゆっ? おねーさん、おねーさん!? あわわ、おねーさーん!!!」 ☆ 「うーん、…ハッ!」 「ゆっ! おはよう、おねーさん!」 気が付くとベッドの上に横になっていた。頭には氷嚢とタオルが敷かれていて、意識した途端に額が冷たくなる。 一体、どういう事か? 「ゆっ! おねーさんがいきなり倒れちゃうからびっくりしましたよ! おねーさんをベッドに運んでいたら他のゆっくりにプリンとられちゃったし、ゆっくり出来ませんでした…」 横になる私に、さなえが喋りかけてくる。話を聞く限り、どうやら私は急に倒れ込んだそうだ。自分ではちゃんと意識があるつもりだけれど、今も尚あたふたしているさなえの様子からして確かなものらしい。 それにしても、私の看病をしてくれている時にプリンを捕られてしまうなんて…。必死だったがために、気が付かなかったのだろう。なんだか、嬉しいかな。 「もうっ、日頃から無茶ばっかするから急に倒れたりするんですっ! おねーさんの体はおねーさんだけのものでは無いんですから、もっと気を付けてくださいね」 さなえが私に忠告しながらテキパキと代えのタオルと氷嚢を頭に乗せてくれた。入れたてと思える氷嚢の冷たさが少々ほてった体に気持ちいい。 手伝おうと起き上がろうとする私に『大丈夫ですよ』と一言言われ、何もする事が無い私は黙ってさなえの様子を観察する事にした。 あらかじめ用意されていたのだろう、テーブルの上にあるスープの乗ったおぼんをどういう原理か器用に頭の上に乗せ、ベッドまで運んでくれた。 運ぶ時にさなえの口から『ゆーしょ、ゆーしょ』と掛け声が出ていて、なんとも可愛らしい。 「ありがとう、さなえ。いただきます」 「ゆうっ、おねーさんは上半身だけ起こしてくれればいいですよ! さなえがあーんしてあげます!」 さなえがそう言うのでとりあえず上半身だけ起こして待ってみるが、果たしてどうやって食べさせてくれるのだろう。 まさかスプーンが浮くのだろうか? 「はい、ゆぅ…ん」 さなえは口で器用にスプーンをくわえてスープを掬うと、そのままスプーンを私の口へ入れてくれた。 ゆっくりには中々重く辛い作業なのだろう、さなえは鼻の上を赤くして息切れをしている。同時に私の中で何か大切な理性が消し飛んだような感触もしたが、まあ些細な事だろう。 「ゆうっ! おねーさん、胸をっ、そんなに押し付けないで!」 またもや無意識の内におもむろにさなえを抱き締めてバインバインしていたみたいだ。今日は、無意識が多いなあ。 「…んもう、おねーさんったらっ! 今は食事の時間ですよ!」 さなえはもの惜しそうな表情を浮かべつつ抱き締める私の腕から逃れ、もう一度スプーンの端を口にくわえる。 なんだ、さなえだって満更では無かったんじゃないか。可愛らしいやつめ。 さなえがスプーンでスープを掬い、もう一口私の口内にスープの味が広がる。正直に言うと、朝から何も食べていない私のお腹は悲鳴をあげていて、さなえの掬ってくれるペースのままだととてもでは無いがお腹が満たされる事はないだろう。 しかし、これでいいのだ。一口食べさせてくれるだけであごを痛そうにさせるさなえ。目は潤んでいて、高さの問題からしてどうしても上目遣いになってしまうため、私の母性本能が縦横無尽に刺激される。 …何より、さなえが初対面のはずの私にここまでしてくれる事がたまらなく嬉しいからだ! 何か裏があるのかもしれない。それでも、とても嬉しい。出来ることならいつまでもこうして居たいくらいだが、さなえのあごが限界を迎えたらしく八口から先は自分の手でスプーンを掬う事になった。 「ありがとうね、さなえ」 「ゆうっ、おねーさんがゆっくり出来ればそれでいいんですっ!」 さなえが笑顔を浮かべながら言ってくれる。 …――その時の表情が、町で見掛けたあの彼女のものと被った様に見えた。 あの少女も、こんな風に尽してくれるのだろうか。 あの少女は、私と話してくれるだろうか。 「…さなえ。あなたにとっては面白く無いだろう、相談なんだけど」 「ゆっ? どうしたの、おねーさん。改まらなくても、別に構わないですよ」 「…ふふ。あなたはどうしてそこまで私に尽してくれるのか少しばかり疑問に思うけど…、まあ、それはいいか。 私ね、好きな人が居るんだ」 「…」 「一目惚れでね、町に行った時にたまたま見掛けたんだ。認識すら無いわ、ただ噂は聞いていた。 山に新しく神社が引っ越してきて、そこの巫女の髪の毛の色は緑色だって」 さなえが私のお腹にゆっくりと飛び乗り体を預けて来たので、それを受け入れてさなえの綺麗な長髪を撫でてあげる。 さなえは複雑な表情を浮かべながらも、『ゆぅ…』と気持ち良さそうに目を細めた。 「私、彼女と仲良くなりたい。話だけでもいい! 一言、声を聞きたいだけ。 でも、それが出来ないの。拒否された時や、私の想像している性格の人だったら、幻滅してしまうだろうから。 幻滅してしまうことが、たまらなく、恐いの」 「…でも、そのままじゃあ進展もしないよ?」 「もちろん。それも伴って、恐いんだ。 どうしたらいいのか、このまま逃げていていいのか、素直に諦めるか、いろんな考えがよぎっちゃって、もう…」 「…ゆっ!」 うとうとと甘えていたさなえがカッと目を開き、ポヨンと私の膝から大きく飛びベッドの枕付近に乗ると、私の目を見て喋り始めた。 「おねーさん、見ず知らずの人に好きだって言われたら、どう思う?」 「えっ? そ、そりゃあ戸惑うけど…」 「うーん、それでも嬉しいとか、嫌な気分かで言ったらどっち?」 「…ええと。嬉しい、かな」 「なら、そういう事だよっ!」 さなえが笑顔でぽよんぽよん跳ねながらそう言った。 同時に、さなえは私の肩に飛び乗って『頑張れ』と唇に軽くキスをしてくれた。 唇にキスをした後のさなえの淋しそうな表情が、妙に頭の片隅に引っ掛かった。 ☆ 私は今、町の甘味屋前にいる。 茶葉が足りなくなったので町に買い物へ出かけに行った…、というのは口実で、本当の理由はまさに今甘味屋で絶賛味わい中の『彼女』に話し掛けるためだ。 別に、無理に探し当てた訳ではない。元々自分から山の神社に出向いて挨拶しようと考えていた。それで、手ぶらで挨拶に行くのも淋しいし、何か甘いものが恋しく感じたのでふらと甘味屋に立ち寄ったらたまたま彼女が甘味を楽しんでいたというわけだ。 …しかし、いざとなると中々勇気が湧かないもので、館の中で何回も練習した話の掴み方もどんどんとおぼろげに霞んでゆく。 ええい、何を躊躇している私! どうせ幻滅したとしても、それは私の都合ではないか! だったら、私は話し掛ける! 甘味屋ののれんをくぐり、一目散に彼女の座る席へと向かい、彼女に話し掛けた! 「あ、あのっ、あのッ!」 言えた、言えた、言えた、言えた、言えた! 「…、? はい、何でしょう」 緑髪の彼女はきょとんとしながら返事をしてくれた。団子の串を持っている両手が固まっているものの、肝心の甘味を味わう口はもごもごと動いていて可愛らしい。 「え、えっと! その、ううん、うぅ!」 あああ、頭の中が、真っ白というか、ああ! 頑張れ、私! 「す、す、す、好きですっ!」 私は薄れ行く視界の中、ああ、終わったなと考えました。 いくらテンパっているからって、いきなり好きですは、ねえ…。 もし彼女が私の思っているような、それこそさなえの様な性格の持ち主だとしてもこれはフォロー不可能で距離を置かれる事だろう。 ああ、ああ、なんて無情な! まあ、話し掛けられずに眺めるだけで満足していた臆病な私にとっては十分頑張ったか。 お疲れ、私! 「…はい。私も、好きですよ」 「…へっ?」 瞬間、元々世界に色は付いていたが、それらが色鮮やかに彩られる様な感触に包まれた。 「さ、さ、さ、さ、さなえ~! やったよ、話し掛ける事が出来た! それに、仲良くなっちゃったんだ! 来週、一緒に峠に行く予定! えへへ、いいでしょ! …さなえ? さなえ、どこ~?」 『おねーさんへ きちんとしたあいさつもせず、つくえのうえにてがみだけをのこしてさるわたしをおゆるしください。 わたしは、ゆっくりできないひとのまえにあらわれてゆっくりさせるためにつくられたそしきのいちいんです。 こんかいわたしにあたえられたぎょうむは、こーまかんのおえらいさんからいらいされたにんむで、おねーさんをゆっくりさせるというものでした。 このてがみをかいているときはまだはなしかけられたかはわかりませんが、おねーさんならきっとはなしかけられたのだとしんじて、おねーさんがかえってくるまえにてがみをのこしました。 おねーさんがかえってくるころにはこーまかんのみんなはゆっくりからふつうのめいどさんにかわっているはずです。 おめでとう、おねーさん。また、あいたいです。』 『ps.かんじがかけなくてすみません。わたしのふぁーすときすをうけとったのだから、せきにんとってくださいね』 ☆ 「どうも、お邪魔します~」 「あ、いらっしゃい。今は諏訪子様も神奈子様もいないから、のびのび出来ますよ」 「…それは助かるわ。早苗ちゃんには悪いけど、あの二人がいるとぎこちないのですもの」 「あはは、そう言わないでください。お二人方はお二人方なりに私たちを応援してくれているんですよ」 「うーん、そうかなあ…」 「ゆっくりしていってね!!!」 「お、出たな。私と早苗ちゃんが玄関で会った時にはいなかったのに、どっから沸いて来たんだお前。さあこい、ふにふにしてやるぞっ!」 「ゆうぅ~ん、おねーさんのお腹はおねーさんと違ってぶにぶにじゃなくて、ちょうど良いねぇ~♪」 「咲夜さん、ちょっと貸して貰えませんか…。ほらァ!」 「ゆぶッ!!!」 「ちょ、ちょっと早苗ちゃん! この子地面にのぺーって垂れて広がってるわよ!?」 「いいんです、れーむにはこの位がちょうどいいんです! …さなえちゃん、まだ戻らないのですか?」 「…ええ、戻らないわね。まあ、手紙にも書いてあったし。ひらがなばっかりだったから、もう一度別の紙に漢字で直さないと読みにくくて、手間がかかったわ。 その手間すらも、なんだかいとおしく感じたんだけどね」 「甘味屋で、私たちが会って、その時にはもう居なかったのでしょうか」 「わからないけど、多分そうなんじゃあ無いかしら。ただ、残念かな。せめて、報告だけでも聞いて欲しかった。 初めて話し掛けた時、早苗ちゃんに言った通り私が今早苗ちゃんと仲良く出来るのはさなえのお陰だからね。 『あなたが好きだって言われたら嬉しいでしょう? なら、そういう事ですっ!』って。この一言で何もかも吹っ切れて、早苗ちゃんに話し掛けようと考えたんだ」 「うーん、別にそのまま話し掛けてくれれば良かったのに。咲夜さん、かわいいじゃあ無いですか。それも、綺麗だとか、上品な意味で」 「まあ、謙遜はしないわ。でも、早苗ちゃんの好みに合わないかどうかや、そもそも彼氏とかいたらどうしようって考えるとおっくうになってきて…」 「…咲夜さんは、チキンですね」 「うっ! …否定は、しないけど」 「否定『しない』んじゃなくて、『出来ない』のではないですか? …そのゆーピットの名前と私の名前、同じなんですよね。ちょっと、妬いちゃうなあ」 「…早苗ちゃん?」 「その子とは一日限りの出会いだったのでしょうが、私と咲夜さんは会ってからそこそこ時間が経っています。それに、私と咲夜さんは何回も会って遊んだ仲じゃないですか! …なれるかどうかわかりませんが、私が咲夜さんにとってのその子に、その子以上の存在に立候補、いや! なってみせます! 時間がかかっても、必ず! だから、…一緒に、いてくださいっ!」 「…、! …―早苗ちゃ」 「ゆぅ~、何でれーむが下駄箱に隠れて無いといけないのー? やだ、もうやや! おうちかえゆもん!!!」 「ば、ばかっ! おばかやろうれーむ! 今一番いい所じゃねえか! ああああ、お前って奴は!」 「…二人とも、下駄箱から出て来なさい」 「ぷはっ、やっと下駄箱から出れたよ! れーむをこんな所に閉じ込めるなんて、何様なの!?」 「ち、違うんだぜおねーさん! まりさたちは決しておねーさんの話を盗み聞きしていた訳じゃなくて、あれだ! …そう、見守ってあげてたんだ! むしろ感謝して欲しいくらいだぜ!」 「…問答無用ッ!!!」 「「ゆべええええッッッ!!!」」 おねーさんへ きちんとした挨拶もせず、机の上に手紙だけを残して去る私をお許しください。 私は、ゆっくり出来ない人の前に現れてゆっくりさせるために創られた組織の一員です。 今回私に与えられた業務は、紅魔館のお偉いさんから依頼された任務で、おねーさんをゆっくりさせるというものでした。 この手紙を書いているときはまだ話し掛けられたかはわかりませんが、おねーさんならきっと話しかけられたのだと信じて、おねーさんが帰ってくる前に手紙を残しました。 おねーさんが帰って来る頃には紅魔館の皆はゆっくりから普通のメイドさんに替わっているはずです。 おめでとう、おねーさん。また、会いたいです。 咲夜さんの微熱っ! 珍しい組み合わせが見れた上にキュンときた、これが恋…。 -- 名無しさん (2009-03-12 21 57 33) 咲夜さんと早苗さんとは本当に珍しい スゴク良かったッス! しかしこの咲夜さんなんかアネゴ肌(←うにゅ?)を微妙に感じるんだが・・・気のせい? -- 偽ゆっくりれいむ (2009-04-10 03 10 31) さなえ…いいこやなあ… -- 名無しさん (2010-11-20 21 30 57) さくさなとか新鮮すぎる -- 名無しさん (2010-11-25 12 06 27) 名前 コメント
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「あれ?咲夜さん、まだ仕事ですか?」 午前1時過ぎ、美鈴が話しかけてきた。 「そうよ。お嬢様の雨傘がちょっと破けてたのよ。」 お嬢様が日常で使う道具の管理、修繕も私の仕事の一つ。 この日は就寝前のチェックで、傘布に小さな穴が開いているのを見つけた。 「日光や雨はお嬢様にとって天敵だからね。傘の類には特に気を使わないと。」 私は傘のチェックには特に気を使っている。 この雨傘も、雨水が一滴たりとも漏れないように念入りに修理しないといけない。 「なんというか・・・咲夜さんって本当、マメですよねぇ。」 「あら?このくらいメイドなら当たり前よ。 うちの妖精メイドは当てにならないしね。私がしっかりしないと・・・」 「でも頑張りすぎて体を壊したりしないで下さいよ。 うちの妖精メイドは当てにならないんですから。」 そして美鈴は「おやすみなさい」と言った後、寝室へ向かった。 傘布を張り替えようとした時、骨の根元がぐらついている事に気付いた。 特に問題はないような気もしたが、お嬢様は物の扱いが少々乱暴だ。 万が一があってはいけないと思い、一応そこも直しておいた。 最後に、防水スプレーを吹きかけて終了。 そんなふうに、つい熱が入って遅くなってしまった。 結局、傘の修理が終わったのは2時すこし前。 私は美鈴の言葉を思い出し、少し反省した。 とは言っても、時間は私の手の中にある。 そこまで気にすることもなく、寝床に着いた。 翌日、曇り空。 昼食を終えた私は午後の仕事の準備をしていた。 しかし中庭を見ると、お嬢様がいる。 またか、と私は思った。 最近のお嬢様は私に内緒で館を抜け出し、神社へ出掛けることが良くある。 しかも見たところ、傘を持っていない。 曇りなので日傘も雨傘もいらないと思われているのだろう。 私は修理したばかりの雨傘を持ち、飛び出していった。 「お待ち下さい!どこへ行かれるのですか?」 案の定、館から抜け出そうとするお嬢様を門の前で呼び止めた。 「う、うん。ちょっと霊夢のとこに遊びに行こうかなって。」 「それならば私もお供致します。」 「いや、いいよ。子供じゃあるまいし。神社に行くのにそんな危険もないでしょ。」 「ですが、何が起こるか分かりませんし・・・」 「本当、咲夜はおせっかいね。 いい?、どこに行くにもあなたと一緒なんて、 まるで私が一人じゃ何も出来ないみたいじゃないの。 心配のしすぎは、夜の王である私への侮辱と思いなさい。」 「そんな・・・私はただ・・・」 「咲夜、私の言うことが聞けないのかしら?」 強い口調で言うお嬢様。 こう言われては、私は大人しく従うしかない。 「分かりました。ですが念のため、これをお持ち下さい。」 お嬢様は雨傘を受け取ると、神社へ飛び立っていった。 夜になった。しかし、お嬢様はまだ帰ってきてない。 しょうがないので、パチュリー様と妹様には先に夕食を取って貰った。 お嬢様の分は鍋に保存して、後で温めなおすことにした。 「大丈夫よ、きっと向こうで馬鹿騒ぎしているだけ。」 「だといいのですが・・・」 それから一時間ほどして、お嬢様が帰ってきた。 と言うより、霊夢に抱えられて来た。 聞いた話によると、子鬼の挑発を真に受けて飲み比べをしたらしい。 結果は両者ノックダウン。普段飲む量の数倍近くの酒を飲み干したとか。 霊夢に礼を言ったあと、酔い潰れたお嬢様を抱えて屋敷に入った。 「お帰りなさいませ。おゆはんの準備が出来てますが、いかがなさいますか?」 「うーーーん。ご飯なんて食べられないよ。」 「分かりました。では、お水とお薬を用意しますね。」 それからお嬢様のお体を洗って、寝床へお連れした。 鍋のご飯は皆の夜食にでもしよう。 そう言えば何か忘れているような・・・そうだ、傘がない。 明日、朝一番で取りに行かなくては。 それから数日後、その日も曇り。 夕方、館の裏口のあたりでお嬢様とばったり出くわした。 「お嬢様、まさかお出掛けですか?」 「ち、違うよ!ちょっと外の空気が吸いたくなっただけ。」 「はぁ、そうですか。」 「そうだ、咲夜・・・廊下の掃除、やっておいてくれる?」 「廊下・・・ですか?午前に掃除したばかりですが。」 「あれじゃ不十分なのよ。悪いけどやり直して。」 「は、はい。分かりました。」 しぶしぶモップを手に、廊下へ向かう。 しかし、既に掃除を終えているので廊下は綺麗になっている。 特に汚れているようでもないが。 「咲夜、今夜のレミィのご飯はいらないわよ。」 不意にパチュリー様に声を掛けられた。 「どういうことですか?」 「さっきレミィが、新しい遊びを思いついたから巫女のとこに行くとか言ってたわよ」 やられた。廊下の掃除をしろと言うのも、こっそり抜け出すための作戦だろう。 窓の外を見る。いつの間にか分厚い雨雲が空を覆っていた。 「急に雲行きが怪しくなったわね。あの子、傘はちゃんと持ったのかしら。」 私は急いで玄関に向かう。 このあいだ霊夢から返して貰った雨傘が、そこにあった。 「お嬢様!」 それを持って神社へ飛び出した。嫌な予感がする。 先程のやり取りから数十分ほど。お嬢様はまだ神社に着いてはいないだろう。 天候が怪しくなった時点で引き返しているならいい。 もしくは雨が降り出す前に神社に着ければいい。 しかし、もしも道中で雨に降られたなら・・・ 傘のないお嬢様はひとたまりもない。 お願い・・・まだ降らないで・・・ 祈るような気持ちで全力で飛ぶ。 しかしそんな願いも空しく、雨粒が私の首筋に落ちた。 「あ!あああ!!」 一瞬、雨粒の落ちたところが火傷するような錯覚に陥った。 まるで、私が吸血鬼になったかのように。 雨は次第に強くなっていく。 お嬢様を呼びながら、目を皿のようにして下を見る。 お嬢様がまだ神社に着いていないのなら、雨に降られて落下している可能性は十分にある。 もしもそうなら、それを見逃すわけにはいかない。 私が見つけなければ、他に救いはない。 そうしていると、下の森の中に何か黒いものを見つけた。 もしかして・・・お嬢様の翼!? そう思って近付いて見たが、違う、ただの使い古しのマントだ。 ほっと胸を撫で下ろすと、再び神社への道を行った。 「本当に助かったわ。あなたは私の恩人ね。」 当のレミリアは博麗神社にいた。 神社の石段のところで雨に撃たれ、動けなくなっているところを霊夢が助けていたのだ。 濡れた体を拭いて貰い、服まで貸して貰って炬燵で暖をとっている。 「あんたの口から『恩人』だなんて、面白い冗談ね。」 「いやいや本気だよ。雨が降り出した時はどうしようかと思った。本気で感謝してるわ。」 「あらあら、そんなこと言うから、いつの間にか外は凄い豪雨じゃない。」 雨は激しさを増して、雷まで鳴り出した。 「困ったなぁ、これじゃ帰れないねぇ。明日まで降り止まなかったら、どうしようかしら。」 そう言ってレミリアは霊夢に擦り寄る。 「やっぱりいつものあんたね。」 「お嬢様っー!お嬢様っー!!聞こえていたら返事をしてください!」 日の暮れた森の上を、大声を出しながら飛び回っているのだから 当然、野良妖怪どもが寄って来る。 この一刻を争う時に、そんな奴らに時間はかけられない。 少々無茶な戦いをしなければならない。 焦りで弾幕の避け方まで雑になっていく。 そうしている内に、ついに神社が見えるとこまで来てしまった。 最早こうなっては二つに一つしかない。 つまり、無事に神社へ辿り着けたか。 それとも、どこかで見落としてしまったか。 鼓動が早くなる。背筋に嫌な感触が走る。 「レミリア?来てないわよ。」 もしも霊夢がそう答えたら、どうすればいいのだろう? 境内に降り立つと、母屋から騒がしい声が聞こえてきた。 私はたまらず、雨戸を開けて上がりこむ。 そこには霊夢に覆い被さるようにしてじゃれているお嬢様がいた。 「お嬢様!!ご無事ですか!!!」 思わず歓喜の声を上げた。 お嬢様はびっくりして、一瞬固まっていたが・・・ 「・・・ちょっと、なんであなたがここに来てるのよ?」 不機嫌そうな声で言った。 「え・・・?」 「あ・・・その、お嬢様が神社に向かったと聞いて・・・雲行きが怪しくなったので・・・」 「咲夜、さっき言ったよね?『廊下の掃除をしろ』って。 ちゃんと終わらせておいたんでしょうね?それにしては随分早いみたいだけど。」 「いえ、まだです・・・」 「そう、私の命令を無視してここに来たのね。『分かりました』って言ってた癖に!」 「す、すいません・・・」 自分でも聞き取れないくらい小さな返事しか出来なかった。 「早く帰って仕事しなさい。今度こそ言うこと聞かなかったら、酷いわよ?」 私は知っている。この喋り方のお嬢様に逆らってはいけない。 「あの・・・でしたら傘・・・」 「早くしろ!咲夜!!」 せめて雨傘を渡そうとしたところへ、追い討ちをかけられた。 私はそのまま逃げ出すように神社を後にした。 「少し暖まっていったら?」と霊夢が言ったような気がする。 そう言えば、雨が異様に冷たい。 「ちょっと、いくらなんでも酷いんじゃない?」 咲夜が去った後、霊夢がレミリアを責めていた。 「よく分からないけど、あいつ、あんたが心配で来たんでしょ?」 「これも私の立場上、しょうがないのよ。 私と咲夜は友達でもなければ、家族でもない、主君と家来。 聞き分けのいい主君なんて、ありえないじゃない。 咲夜には悪いけど、私の命令が最優先でいて貰わないと。」 「そんなものなのかしら?」 「まぁ、霊夢には分からないことだろうけどね。」 「・・・・」 それでも霊夢はいまいち納得しきれない様子だった。 「それより霊夢、そろそろ酒盛りの時間じゃない?」 「はいはい、分かったわよ。」 「咲夜さん、どうしたんですか!?」 門の前で美鈴に呼び止められた。 私は雨に降られて全身ずぶ濡れだ。 「うん、ちょっと・・・ね。それより、お嬢様は今夜は遅くなるみたい。」 「傘、持っているじゃないですか。なんで差さなかったんですか?」 「だってこれはお嬢様の傘だから・・・。私の傘は持って行くの忘れちゃったし。」 「怪我までしてるじゃないですか!毛布と包帯を持ってきますね。」 「ううん、これくらい平気よ。それより私にはまだ仕事が残ってるから・・・」 怪我は行きに野良妖怪に襲われた時のものだが、そんなことはどうでも良かった。 それよりも、早く廊下の掃除をやらなければ。 『今度こそ言うこと聞かなかったら、酷いわよ?』 お嬢様の言葉を思い出す。 体を流し、着替えを済まし、簡単に傷の手当てを終えて、すぐに仕事に取り掛かった。 パチュリー様と妹様のご飯も作らないといけない。 とにかく時間が欲しい私は、何度も時間を止めながら廊下にモップを掛けていった。 深夜になって雨が止んだ。 しかし、お嬢様はまだ帰ってきていない。 私はいつも通り、お嬢様の日用品のチェックをしながら帰りを待っていた。 本当は神社まで迎えに行きたいが、行ったらまた怒られてしまいそうだ。 それにしても既に春先だと言うのに、いやに冷える。 体の芯まで凍えるようだ。 そうだ、お嬢様に温かいスープでも作っておこう。 次の朝、快晴。 今朝の私はなんだか体がだるいし、熱もあるようだ。 昨日は少し無理をしたかも知れない。 お嬢様は私が眠っている間に帰っていたらしい。 今は自室で寝息を立てている。 パチュリー様が言うには、帰ってきたのは明け方。 昨夜は一晩中飲んでいたが、空が白んできたので急いで帰ってきたのだとか。 こんなことなら『厨房にスープがあります』ってメモ書きの一つでも置いておけば良かった。 これも美鈴への差し入れにしておこう。 「ところで咲夜、なんだか顔色が良くないみたいだけど、大丈夫?」 パチュリー様がそれなりに心配そうに言う。 「私は大丈夫ですよ。いざとなったら時間を止めて休憩しますから。」 「そう?だったらいいけど・・・ああ、そうだ、これ。」 そう言うとパチュリー様から籠を差し出された。 中には服が入っていた。 「昨日レミィが着ていた服と、霊夢から借りた着替えよ。 洗濯しておくように言え、って言われたわ。 特に借り物の服は大事に扱いなさいって。」 「分かりました。すぐにやっておきますね。」 「それと、10時半に起こせとも言ってたわ。全く、あんたも大変ね。」 私は苦笑でそれに答えた。 いつもなら洗濯は朝の掃除の後だけど、前倒しすることにしよう。 この天気なら、洗濯物もすぐに乾くだろう。 そう思って洗濯場に行こうとしたところで、軽く眩暈がした。 「う、ん・・・」 咲夜に起こされることなく、ひとりでに目が覚めた。 放っておけば昼過ぎまで寝てしまうかと思っていたので、意外に短い眠りだ。 一体どれくらい寝ていたんだろうと、時計を見ると・・・ 「え?もう昼の1時?」 急いで部屋着に着替えて図書館へ向かう。 パチェはちゃんと咲夜に伝えていたらしい。 それからテラスに行くと、中庭で洗濯をしている咲夜がいた。 それにしても、随分とのんびりした洗濯だ。 「ちょっと、咲夜!」 中庭は日光が強いので、テラスから怒鳴りつける。 「あ 、 お 嬢 様 、お は よ うご ざ い ま す 。」 嫌に間延びした返事が返って来た。 「おはようじゃないわよ、もう昼過ぎじゃない!! 10時半に起こせって言われてたんでしょ?どういうことよ!?」 咲夜はびっくりした様子で時計を覗き込む。 しかし、その動作さえスローだ。 「す 、 す い ま せ ん 。 お 嬢 様 。 ま さ か 」 「もういい。あなたと話しても時間の無駄よ。」 やはり間延びしていた咲夜の言葉を遮って、中に入った。 一体、何なんだ?咲夜が私にあんな態度をとるなんて、今までなかった。 あいつ、まさか昨日のことを根に持っているのか・・・? 最悪だ。 まだ10時前のつもりが、いつの間にかこんな時間になっていたなんて。 お嬢様は相当怒っていたのか、かなり早口で私を叱っていた。 さっきまでの眩暈に加えて、絶望感で重力を感じなくなる。 しかし今はとにかく、少しでも早く洗濯を終わらせて謝りに行かないといけない。 もう体調が悪いなどと言っている場合ではない。 時間を止める。眩暈がした。 時間を止める。吐き気がした。 時間を止める。耳鳴りがした。 時間を止める。目の前がぼやけた。 時間を止める。気を失いかけた。 時間を止める。バランスを失って倒れこんだ。 なのに、いつまで経っても洗濯は終わらない。 時計を見ると、もう2時半だ。 時間が異常に早く流れているような気がする。 もし、このまま日が暮れてしまったらどうすればいい? 洗濯も満足に出来ないメイドなんて、お嬢様はどう思うだろうか。 見捨てられる・・・? いや、もう既に見捨てられているのかも知れない。 昨夜からお嬢様の逆鱗に触れ続けてきた。 お嬢様から引導を渡されるくらいなら、その前に消えてしまいたい。 私の世界が崩壊していくような気がした。 「咲夜さん!」 いつの間にか、美鈴が私の肩を掴んでいた。 「大丈夫ですか!?もうフラフラですよ!」 「なんか・・・私・・・駄目かも知れない・・・」 流石にもう「大丈夫」なんて言えなかった。 「待って下さい!今すぐパチュリー様を連れてきますから!」 そう言うと美鈴は信じられない速さで館に駆けて行った。 本当に、今まで見たことがないようなスピードだ。 それから10秒もしない内に、美鈴がパチュリー様を連れてきた。 どういう訳か、パチュリー様まであの超スピードで駆け寄ってくる。 何か話し合っているようだが、早口すぎてとても聞き取れない。 2人の動きはどんどん加速していってる。 更には他のメイド達までやって来て、目にも留まらぬ速さで動き回る。 奇妙な夢でも見ているのかと疑いだした頃、目の前にお嬢様が現れた。 しかしあまりに速すぎて、まともに顔を見ることすら出来ない。 次の瞬間、太陽が沈んだ。 私の周りの人たちは、もう加速しすぎて消えてしまった。 今度は急に明るくなった。 朝が来たのか、と理解した頃には既に太陽は再び沈みかけている。 とりあえず立ち上がろうとしたが、体が全く動かない。 本当に、指一本動かすことさえ出来ない。 私はもう訳が分からなくなった。 しかし視界が闇に覆われて、代わりに奇妙な光が見え始めたので 自分に何が起こっているのか分かった。 しばらくして私は死んだ。 夕方の4時。 「お嬢様、ちょっと来て貰えますか?」 いつになく真剣な表情の美鈴がいた。 美鈴に中庭へ連れて行かれると、パチェやメイド達が咲夜を囲っている。 「咲夜・・・?どうしたの・・・?」 咲夜はまるで蝋人形のように固まっている。 瞬き一つしないし、話しかけても全く反応がしない。 「触っちゃだめよ。」 揺すってみようかと思った私をパチェが制した。 「一体、何が起きたのよ?」 そう言えば、昼過ぎに咲夜を見たときも何だか様子がおかしかった。 「咲夜さん、死んじゃったんですよ。」 吐き捨てるように美鈴が言った。 「死んだって・・・咲夜が・・・?」 「正確に言うとまだ生きてるわ。と言うより、もう永遠に死ねない。」 訳が分からないパチェの言葉のせいで、私はますます混乱した。 「死因は過労よ。昨日、帰って来た時点でもう咲夜の体は弱りきっていた。 それなのに休むどころか、何度も時を止めてまで働いていた。 連続して時を止めるのは、咲夜が思っていた以上に負担が大きい。」 続けて、咲夜が固まっていることの説明が入る。 「咲夜があんまり無理をするものだから、体が自分自身の時間を遅らせていたのよ。 少しでも死期を遅らせようとする生存本能ね。 そしてその時間は、死に近付くほど遅くなる。 つまり、死は永遠に来ない。 咲夜は時空の彼方で死んで、私達から見れば咲夜だけ時が止まったように見える。」 しかし私はその説明を理解するどころか、咲夜が死んだことすら受け入れられない。 「ねぇ、パチェの魔法で何とかならないの・・・?」 「仮に咲夜の時間を元に戻せたとしても、普通の死体しか残らないわ。 どうしても埋葬したいなら、やってみるけど・・・」 咲夜の頬に触れようとした私を、再びパチェが制する。 「今の咲夜に触ると、あなたの時間まで止まるわよ。 そうなれば、どこに行くのか見当も付かない。」 「嘘・・・嘘よ・・・どうして・・・」 項垂れる私に、美鈴が雨傘を差し出した。 「咲夜さん、ずっとお嬢様のこと想い続けていたんですよ。 どんなに報われなくてもお嬢様の為にって・・・頑張りすぎでしたけど・・・」 ずっと使っている雨傘なのに、傷一つ付いてなかった。 持ち主の癖に、そんなこと今まで気が付かなかった。 数百年後、曇り。 朝起きてすぐに中庭に向かった。 あの日のままの姿の咲夜がいる。 一方、私は流石に成長していて、咲夜と同じくらいの背丈になった。 彼女の周りには薄いバリアが張られている。 誰かが迂闊に咲夜に触らないように、 また咲夜が埃で汚れないようにパチェに頼んで作って貰った。 術者が死んでも永続的に効果の続く代物だ。 咲夜の目をじっと見つめる。 今にして思えば、咲夜は私が考えていた以上に私に尽くしてくれていた。 私から感謝の言葉なんて殆どなかったのに。 ありがとう・・・咲夜。 分かってる。もう遅いよね。 ゴメンね・・・咲夜。 おおお… -- 名無しさん (2009-04-04 22 42 14) 咲夜さん… -- 名無しさん (2009-04-25 22 02 02) 俺的にはストレートに死ぬほうが好みなんだが よいssだ -- 名無しさん (2009-04-25 23 30 48) つーか時間凍結(?)解除して埋葬してやれよ -- 名無しさん (2009-04-26 13 34 52) そのまま美しい姿を残してやるのもいいジャマイカ -- 名無しさん (2009-04-26 18 43 14) 過労死寸前のグロッキー状態ですが -- 名無しさん (2009-04-27 12 41 04) この作者は映画「タイムマシン」を鑑賞したとみた! -- 名無しさん (2009-04-27 21 03 55) 素晴らしい! -- 名無しさん (2009-05-31 01 28 35) しかし結局レミリアイジメに見えてしまう。 ナンデだ? -- 名無しさん (2009-06-19 16 56 37) 私は死んだ。ザ・ワールド(笑) -- 名無しさん (2009-07-19 18 21 43) とりあえずおぜうさまが酷いな 従者の気持ちも分からずに、カリスマ(笑) -- 名無しさん (2009-07-19 21 55 30) \いい話/ 普通に埋葬すれば良いのに…(ノ_・。) -- 名無し (2009-12-31 15 44 04) 数百年…美鈴がどんな姿か気になる所。ババァとか言われてたら俺死んじゃう。 -- 名無しさん (2010-01-01 03 30 25) おぜうさま、もう少し従者に気をつかいましょう。 あと多分、美鈴はおぜうさまに怒ってるな。 -- 外道 (2010-01-01 12 50 16) これは・・・とても記事にはできません・・・・・ -- 射命丸文 (2013-06-26 16 24 49) これはよい… -- 名無しさん (2015-08-11 18 03 59) ふへーーーー -- 名無しさん (2015-09-23 20 31 33) 咲夜さんを死なせるとかマジないっす! -- 名無しさん (2015-09-23 20 32 20) レミリア優しすぎワロター -- 名無しさん (2015-10-08 00 57 56) え、これって咲夜は人の何億倍も長い時を生きているってことじゃないの⁇ -- 名無しさん (2016-12-12 01 33 27) コールドスリープやんけwww -- カッスやなw↑ (2016-12-26 00 16 53) かりちゅま☆うーっwww -- キリライター (2016-12-26 00 18 32) 他の人のも作ってー(死ぬやつよろ)www -- 残酷な天使のライト (2016-12-26 00 20 56) 名前 コメント
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いつもと変わらない夜だった 「お嬢様、おはようございます」 メイドが言った 「おはよう、いい夜ね」 悪魔が言った いつもと変わらない夜だった 「御髪を直しますわ」 メイドが言った 「ええ、お願い」 悪魔が言った そして、いつもと少しだけ違う夜だった 「お嬢様」 メイドが言った 「今日で、お暇させて頂く事になりました」 悪魔は少し悲しそうな目をして 「そう」 とだけ答えた 「本当にいい夜だわ」 悪魔が窓から月を見上げて言った 「テラスでお茶にしましょう」 メイドが準備をして参りますと言って部屋を出ると 悪魔はそっと溜息をついた 悪魔とメイドは二人で月の降るテラスに出た 悪魔がメイドにお茶を注ごうとしたので メイドが慌てて辞退すると 悪魔はたまにはいいじゃないと悪戯っぽく微笑んだ 「こんなにも月が紅いから」 悪魔が言った 「昔の事を思い出すわ」 メイドは何も言わずに月を見上げた 「あなたと初めて会ったのも、丁度こんな月の夜だった」 「あれからどのくらい経ったのかしら」 悪魔が言った 「あの紅白のおめでたいのも、白黒の喧しいのも、いなくなってみれば寂しいものね」 メイドはくすりと笑って頷いた 「殊にあの黒いほうは、随分と面倒をかけてくれましたわ」 悪魔もそうだったわねと笑った それから二人は黙ってお茶を飲んだ まるでそうしていればこの時がいつまでも続くと言いたげな そんな静かな、静かな沈黙だった 月が中天に架かった頃 漸くメイドが沈黙を破った 「お嬢様」 悪魔の小さな手が幽かに震えたように見えた 悪魔は立ち上がるとメイドの傍らへと歩み寄り その銀髪を優しく撫でるとメイドの唇に自分のそれをそっと重ねた 「お嬢様」 少しだけ頬を上気させたメイドが言った 「一つだけ、私の我が侭をお許しください」 悪魔は黙って先を促した 「どうか貴女の記憶の中の私は、いつまでもこの私のままで」 最後までそういうところは変わらないわね、そう言って悪魔は笑った そしてくるりと踵を返す 「さようなら、咲夜」 「さようなら、レミリア様」 一迅の風が舞った 悪魔が振り返ったとき、そこにはもうあの瀟洒な従者はいなかった ただ彼女の身に着けていた服だけが風にはたはたと靡いていた 悪魔はそれを胸にかい抱くと ただ、声もなく泣いた 泣いた -- あ (2007-07-23 17 01 03) レミリアと咲夜さんの関係って考えると泣けてくるな 永夜抄EXクリア時の会話見ると・・・(´;ω;`)ウッ… -- 名無しさん (2008-07-29 03 47 03) なんで消えちゃったの? 死ぬんじゃなくて消えたみたいだし 霊夢達の描写から未来っぽいけど、咲夜は姿が変わってないみたいだし 幽霊・・・にしては服が残ってるし -- 名無しさん (2008-08-14 16 57 21) タイトルから察せ -- 名無しさん (2008-08-28 13 28 03) 無粋だが能力に限界が来たんなら 紅魔館の空間操作も終わって館内が滅茶苦茶になるんじゃね? -- 名無しさん (2008-11-08 14 52 53) これはいぢめネタに留めておくには惜しすぎる作品だ。 -- 名無しさん (2008-11-08 17 52 25) 自分の時間を止めていたから 能力の酷使によってキャパシティが失われたその時、 止まっていた自分の時間が一気に進んでしまったのではないか・・・ -- 名無しさん (2008-11-09 20 37 25) 何処かの読み物まとめのサイトで そっくりの見た事あるな -- 名無しさん (2008-11-10 14 29 54) しかぁしッ! 幽霊になって復活ッ! みたいな事にはならないのかな…… -- 名無しさん (2008-11-11 20 14 31) 幽霊になると生前の記憶が消えるみたいだな。 幽々子見たいな例もあるし。 -- 名無しさん (2008-11-17 18 59 25) 咲夜さんは吸血鬼だから(DI○様 -- 名無しさん (2009-05-30 17 02 59) 自分の時間を今まで止めていたのか… -- 名無しさん (2009-06-01 09 35 32) 悲しいなぁ -- 名無しさん (2009-06-17 22 33 34) これは泣ける話だ! -- 名無しさん (2009-12-08 17 50 33) 悲しいというよりは儚いと感じた -- 名無しさん (2009-12-08 23 32 40) 切なくなった… -- 名無しさん (2010-09-09 19 32 38) 咲夜さんは神だから(ツァラト〇スト〇 -- 西行寺ミハエル (2014-08-16 01 39 11) 咲夜が死んだら紅魔館はブッ壊れるのでは?と思ったけど、 あらかじめ紅魔館のサイズは戻しておいたっちゅう事にしよう。 -- キング クズ (2016-06-20 17 00 44) 名前 コメント