約 54,520 件
https://w.atwiki.jp/armoredcoreforever/pages/581.html
ACVD/ARMS/CE-RESIST TYPE ARMSは機体の腕部を構成するパーツです。 使用する武器の性能に影響を与え、特に射撃時に発生する反動を制御します。SHOULDER UNITを肩部分に内蔵することができます。パーツによって、搭載可能な部位や量は異なります。 肩倍率1のものは左右が反転しただけの水増しパーツがある。性能は全く変わらないためお好みで。 ACVD/ARMS/CE-RESIST TYPECE-RESIST TYPE/CE防御型D/AM29 Ar-M-E28 Ar-M-E34/L Ar-M-E34/L(改造) AC-129 AC-129(改造) AC-202L Ar-M-W17 Ar-M-W17(改造) Ar-M-W22/L Ar-M-W48 Ar-M-W48(改造) Ar-M-W52/L AE-118 AE-205/L AE-118(改造) KOCHO mdl.1 KOCHO mdl.2 KOCHO mdl.2(改造) 性能比較表 コメント +パラメータ説明 各パラメータの詳しい解説はパーツパラメータ解説へ。 重量 パーツの重さです。 重量のあるパーツを搭載すると、機体の移動速度が低下します。 消費EN パーツが常時消費するエネルギーの量です。 消費量の大きいパーツを搭載すると、機体のENの回復速度が低下します。腕部パーツはスキャン時にENがカットされます AP パーツの耐久値(アーマーポイント)です。 機体全体の耐久値は、搭載パーツのAPの合計値で算出されます。 KE防御 KE属性(運動エネルギー弾)のダメージを減少させる性能です。 この値が大きいほど、KE属性の攻撃によって生じるダメージが減少します。 CE防御 CE属性(化学エネルギー弾)のダメージを減少させる性能です。 この値が大きいほど、CE属性の攻撃によって生じるダメージが減少します。 TE防御 TE属性(熱エネルギー弾)のダメージを減少させる性能です。 この値が大きいほど、TE属性の攻撃によって生じるダメージが減少します。 射撃安定性能 射撃時の銃身のブレと、発射による反動を抑制する性能です。 この値が大きいほど、弾の集弾性が増し、また反動によって生じるリロード時間の増加が抑制されます。 ショルダー格納倍率 SHOULDER UNITを搭載できる量です。 この値が大きいほど、SHOULDER UNITの効果が増大します。 CE-RESIST TYPE/CE防御型 CE-RESIST TYPEはCE防御に優れたタイプです。 全体的に射撃安定性が高く、腕部武装の火力を最大限に引き出せる。一方でEN消費が高く、APが低い。 消費ENの高さからTE武器、とりわけ連射力上昇の恩恵を受けにくいレーザーライフルとは相性があまり良くない。 射撃安定の低い武器をこいつで補ってあげよう D/AM29 ジャンクパーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 優れた射撃性能を有しています。破損のため、性能が劣化しています。 価格 -(25000Au) レギュレーション 1.00 重量 536 消費EN 1185 AP 2465 KE防御 102 CE防御 402 TE防御 29 射撃安定性 170 ショルダー格納倍率 1 腕部パーツのジャンクは正規品よりかなり修理費が抑えられる。CE腕とTE腕ならストミで使い続けられなくもない。 Ar-M-E28 量産パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 耐久性と射撃安定性能を両立させた高性能型です。 価格 55000Au レギュレーション 1.00 重量 514 消費EN 1208 AP 2663 KE防御 131 CE防御 432 TE防御 37 射撃安定性 180 ショルダー格納倍率 1 旧 ヴィーゼル。 説明通り、射撃安定と装甲を両立させたバランス型。 Ar-M-E34/L 量産パーツ:[CE防御][左肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 耐久性と射撃安定性能を両立させた高性能型です。 SHOULDER UNIT の機構を左肩に備えたバージョンです。 価格 55000Au レギュレーション 1.00 重量 514 消費EN 1208 AP 2663 KE防御 131 CE防御 432 TE防御 37 射撃安定性 180 ショルダー格納倍率 1 旧 ヴィーセント。 Ar-M-E34/L(改造) 改造パーツ:[CE防御][左肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 入手元 ジャック オリジナルを改修した改造型です。対KE装甲が追加され、防御特性が強化されています。 価格 55000Au レギュレーション 1.00 重量 536 消費EN 1241 AP 2731 KE防御 156 CE防御 402 TE防御 25 射撃安定性 177 ショルダー格納倍率 1 CE腕部の中でKE防御が最硬。 KEとCEを同時に確保でき、射撃安定もCE腕らしく高いので、インファイト型の重二との相性が良好。 AC-129 量産パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 優れた射撃安定性能を備えた狙撃型です。 価格 48000Au レギュレーション 1.00 重量 502 消費EN 1521 AP 1921 KE防御 111 CE防御 396 TE防御 45 射撃安定性 199 ショルダー格納倍率 1 全腕部中、最高の射撃安定性を誇るが装備負荷も相応に高い。 低防御、低APとまさに攻撃特化腕部。 後述のAE-118とはライバルか、実際に使ってみて差を確かめよう。こちらのほうが若干TEが高いのはグッド。 AC-129(改造) 改造パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 入手元 ヴラドⅢ オリジナルを改修した改造型です。 価格 48000Au レギュレーション 1.00 重量 476 消費EN 1499 AP 1709 KE防御 103 CE防御 382 TE防御 41 射撃安定性 199 ショルダー格納倍率 1 最高の射撃安定はそのままに薄い装甲をさらに削いで負荷を軽減したタイプ。 とはいえ軽減された負荷があまりにも若干すぎて落ちた装甲面と釣り合っているかは・・・ 改造前とこいつでは仮想敵になりがちなバトライの確定数が変わるケースもある、実際に確かめてから採用しよう。 最高の射撃安定を得つつ、理論値まで低燃費化したい軽量機向けか。 AC-202L 量産パーツ:[CE防御][左肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 優れた射撃安定性能を備えた狙撃型です。 SHOULDER UNIT の機構を左肩に備えたバージョンです。 価格 48000Au レギュレーション 1.00 重量 502 消費EN 1521 AP 1921 KE防御 111 CE防御 396 TE防御 45 射撃安定性 199 ショルダー格納倍率 1 Ar-M-W17 量産パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 高い耐久性を備えつつ、軽量化が施された射撃戦闘型です。 価格 96000Au レギュレーション 1.00 重量 406 消費EN 1321 AP 2465 KE防御 95 CE防御 382 TE防御 26 射撃安定性 188 ショルダー格納倍率 1 肩無し腕を除けばカテゴリ最軽量で燃費も低め。それでいてなかなかの高射撃安定。 機体の軽量化を図る時にはもちろん、199腕や191腕が極端すぎるという時にも。つい埋もれがちだが侮れない性能。 191、199腕と実リロードが変わらない武器もある、これも使って確かめよう。 Ar-M-W17(改造) 改造パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 入手元 鬼武蔵 オリジナルを改修した改造型です。フレームが強化され、耐久性が向上しています。 価格 96000Au レギュレーション 1.00 重量 415 消費EN 1310 AP 2745 KE防御 102 CE防御 390 TE防御 28 射撃安定性 181 ショルダー格納倍率 1 射撃安定を下げて防御面をやや強化したタイプ。 軽量がウリの改造元では求める装甲値に届かなかった場合の選択肢。 Ar-M-W22/L 量産パーツ:[CE防御][左肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 高い耐久性を備えつつ、軽量化が施された射撃戦闘型です。 SHOULDER UNIT の機構を左肩に備えたバージョンです。 価格 96000Au レギュレーション 1.00 重量 406 消費EN 1321 AP 2465 KE防御 95 CE防御 382 TE防御 26 射撃安定性 188 ショルダー格納倍率 1 Ar-M-W48 量産パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 一定の射撃安定性能を確保しながらも、優れた耐久性を実現しています。 価格 84000Au レギュレーション 1.00 重量 586 消費EN 1146 AP 3058 KE防御 125 CE防御 492 TE防御 52 射撃安定性 172 ショルダー格納倍率 1 AP、KE防御、CE防御がCE腕部内で2番手、おまけに省エネ。 安定性能は低いがそれでも他カテゴリとは一線を画する高さ。 TEコアを装備しながらショートレンジラインを確保したい中二アセンや、CE防御とAPを確保したい重二アセンのお供に。 Ar-M-W48(改造) 改造パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 入手元 法界坊 オリジナルを改修した改造型です。対CE装甲に特化した強化が施されています。 価格 84000Au レギュレーション 1.00 重量 599 消費EN 1052 AP 3140 KE防御 104 CE防御 531 TE防御 40 射撃安定性 171 ショルダー格納倍率 1 CE最硬腕部。APも一番多い。そのかわりジャンクと肩格納2を除いて射撃安定はCE腕部で最低。 ただ射撃安定は改造元と1しか変わらないので元々装甲面を確保したい人には気にならないレベルかもしれない。 Ar-M-W52/L 量産パーツ:[CE防御][左肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 一定の射撃安定性能を確保しながらも、優れた耐久性を実現しています。 SHOULDER UNIT の機構を左肩に備えたバージョンです。 価格 84000Au レギュレーション 1.00 重量 586 消費EN 1146 AP 3058 KE防御 125 CE防御 492 TE防御 52 射撃安定性 172 ショルダー格納倍率 1 AE-118 量産パーツ:[CE防御][右肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 狙撃型でありながら、高い防御力を備えています。 価格 87000Au レギュレーション 1.00 重量 542 消費EN 1403 AP 2379 KE防御 118 CE防御 453 TE防御 40 射撃安定性 191 ショルダー格納倍率 1 CE防御と射撃安定を両立している高バランス型。装備負荷も相応に高い。 これと199腕で実リロードがほぼ同じな携行武器も多い。その場合はこちらを使った方が、AP・防御値・消費ENの面で良くなる。例としてよくセットで使われるストレコを装備した場合、65発発射して撃ちきるのにようやく2秒差程度。 ガト等では大きくリロードに差が出ることもあるが、バトライを被弾できる回数にも差が出るケースがあるため、基本的にはこちらを。実際に仮想敵との被弾出来る回数やDPSの差異も確かめて使っていきたい。 AE-205/L 量産パーツ:[CE防御][左肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 狙撃型でありながら、高い防御力を備えています。 SHOULDER UNIT の機構を左肩に備えたバージョンです。 価格 87000Au レギュレーション 1.00 重量 542 消費EN 1403 AP 2379 KE防御 118 CE防御 453 TE防御 40 射撃安定性 191 ショルダー格納倍率 1 AE-118(改造) 改造パーツ:[CE防御][左肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] 入手元 大慈真人 オリジナルを改修した改造型です。内部機構が調整され、射撃安定性が強化されています。 価格 87000Au レギュレーション 1.00 重量 561 消費EN 1503 AP 2346 KE防御 51 CE防御 405 TE防御 39 射撃安定性 195 ショルダー格納倍率 1 防御面を削って射撃安定を強化したタイプ。負荷も若干上がっている。 全腕部において射撃安定が2番手、なのはいいが結果としてAC-129の劣化パーツのようにしか… KOCHO mdl.1 量産パーツ:[CE防御][両肩部にSHOULDER UNIT搭載可能] SHOULDER UNIT を両肩部に備え、狙撃以外の戦術にも適合可能です。 価格 160000Au レギュレーション 1.00 重量 603 消費EN 1712 AP 2768 KE防御 74 CE防御 385 TE防御 32 射撃安定性 156 ショルダー格納倍率 2 胡蝶(こちょう)。「源氏物語」第二十四帖。 ついに登場したCE腕の肩格納2の腕パーツ。 射撃安定は、CE腕としては最低だが、両肩腕としては飛び抜けて最高。腕武器と肩武器の性能を同時に最大限に引き出すことができる。 ただし消費ENも全腕部中飛び抜けて最高。また装甲面も微妙に頼りないため、機体構成を悩ませる。 デメリットもあるが、魅力的なパーツであることは間違いない。特に瞬間火力が欲しい重二タンクは一考の価値あり。 KOCHO mdl.2 量産パーツ:[CE防御][SHOULDER UNIT搭載不可] SHOULDER UNIT を排除し、大胆な軽量化が行われています。 価格 80000Au レギュレーション 1.00 重量 325 消費EN 926 AP 2258 KE防御 82 CE防御 299 TE防御 68 射撃安定性 189 ショルダー格納倍率 - 高い射撃安定性を誇りながら軽量かつ低燃費なのが特徴。 しかし肩格納を持ちながらより高い射撃安定を持つ199腕や191腕があるせいで、立場がほぼない。肩無しのデメリットだけが重くのしかかる。 KOCHO mdl.2(改造) 改造パーツ:[CE防御][SHOULDER UNIT搭載不可] 入手元 ジャックポッド オリジナルを改修した改造型です。対CE装甲に特化した強化が施されています。 価格 80000Au レギュレーション 1.00 重量 292 消費EN 993 AP 2188 KE防御 51 CE防御 329 TE防御 66 射撃安定性 189 ショルダー格納倍率 - CE防御を30上げた代わりにKE防御を31下げた以外はほぼ誤差の範囲。装甲値調整用か。もっとも、改造元と同様、勢力戦で使われることはほぼないが。 性能比較表 各種類中の最高値を青字、最低値を赤字で記載しています(JUNK除く)。※携帯非対応。 全パーツ中の最高値・最低値は太字で記載しています。 名称 種類 改造パーツ 価格 重量 消費EN AP K防 C防 T防 安定 格納 D/UAM-10 KE - - 455 554 3,377 198 22 40 132 - AA-135 KE - 45,000 498 748 4,564 306 46 63 132 1 AA-135 KE ナタリー・フィッシャー 45,000 514 721 4,666 276 106 41 130 1 AA-207L KE - 45,000 498 748 4,564 306 46 63 132 1 Ar-P-C28 KE - 48,000 415 802 3,812 260 31 51 152 1 Ar-P-C30/L KE - 48,000 415 802 3,812 260 31 51 152 1 Ar-P-C28 KE スティーヴィー・コッカー 48,000 442 774 3,975 222 36 101 147 1 AB-107D KE - 70,000 675 832 5,229 362 54 59 122 2 AB-107D KE バリー・ブル 70,000 710 851 5,617 374 64 51 120 2 AB-216 KE - 65,000 365 227 4,027 208 26 41 130 - Ar-P-K17 KE - 60,000 243 889 2,639 195 22 28 177 - Ar-P-K17 KE 道鬼斎 60,000 226 861 2,409 174 19 22 173 - UTSUSEMI mdl.1 KE - 68,000 287 402 2,148 215 32 32 149 1 UTSUSEMI mdl.2 KE - 68,000 287 402 2,148 215 32 32 149 1 UTSUSEMI mdl.3 KE - 72,000 325 423 2,551 274 42 48 142 1 UTSUSEMI mdl.4 KE - 72,000 325 423 2,551 274 42 48 142 1 UTSUSEMI mdl.4 KE テオドラ 72,000 352 447 3,004 284 39 42 140 1 名称 種類 改造パーツ 価格 重量 消費EN AP K防 C防 T防 安定 格納 D/AM29 CE - - 536 1,185 2,465 102 402 29 170 1 Ar-M-E28 CE - 55,000 514 1,208 2,663 131 432 37 180 1 Ar-M-E34/L CE - 55,000 514 1,208 2,663 131 432 37 180 1 Ar-M-E34/L CE ジャック 55,000 536 1,241 2,731 156 402 25 177 1 AC-129 CE - 48,000 502 1,521 1,921 111 396 45 199 1 AC-129 CE ヴラドⅢ 48,000 476 1,499 1,709 103 382 41 199 1 AC-202L CE - 48,000 502 1,521 1,921 111 396 45 199 1 Ar-M-W17 CE - 96,000 406 1,321 2,465 95 382 26 188 1 Ar-M-W17 CE 鬼武蔵 96,000 415 1,310 2,745 102 390 28 181 1 Ar-M-W22/L CE - 96,000 406 1,321 2,465 95 382 26 188 1 Ar-M-W48 CE - 84,000 586 1,146 3,058 125 492 52 172 1 Ar-M-W48 CE 法界坊 84,000 599 1,052 3,140 104 531 40 171 1 Ar-M-W52/L CE - 84,000 586 1,146 3,058 125 492 52 172 1 AE-118 CE - 87,000 542 1,403 2,379 118 453 40 191 1 AE-205L CE - 87,000 542 1,403 2,379 118 453 40 191 1 AE-118 CE 大慈真人 87,000 561 1,503 2,346 51 405 39 195 1 KOCHO mdl.1 CE - 160,000 603 1,712 2,768 74 385 32 156 2 KOCHO mdl.2 CE - 80,000 325 926 2,258 82 299 68 189 - KOCHO mdl.2 CE ジャックポッド 80,000 292 993 2,188 51 329 66 189 - 名称 種類 改造パーツ 価格 重量 消費EN AP K防 C防 T防 安定 格納 D/KT-1S TE - - 1,170 1,065 5,272 62 49 302 128 2 AD-134 TE - 58,000 813 732 5,442 91 71 473 128 2 AGEMAKI mdl.1 TE - 55,000 888 772 5,726 90 56 403 137 1 AGEMAKI mdl.1 TE アルベルト・ギュンター 55,000 863 761 5,526 82 113 381 134 1 AGEMAKI mdl.2 TE - 55,000 888 772 5,726 90 56 403 137 1 AGEMAKI mdl.3 TE - 100,000 1,078 1,118 6,916 85 68 423 132 2 AGEMAKI mdl.3 TE ゼヴェリーン 100,000 1,102 1,013 7,352 88 71 436 130 2 AGEMAKI mdl.4 TE - 96,000 856 708 5,512 76 48 376 145 1 AGEMAKI mdl.5 TE - 96,000 856 708 5,512 76 48 376 145 1 AGEMAKI mdl.5 TE リンネ 96,000 799 686 5,117 71 44 362 144 1 AD-228 TE - 105,000 1,037 1,084 6,138 104 77 482 125 2 AD-228 TE ジェト・プタハ 105,000 1,007 1,036 6,027 92 113 461 123 2 Ar-A-A51 TE - 178,000 1,056 1,139 5,101 43 21 352 165 1 Ar-A-A51/L TE - 178,000 1,056 1,139 5,101 43 21 352 165 1 Ar-A-A76 TE - 193,000 1,165 1,025 6,231 52 23 385 155 1 Ar-A-A76/L TE - 193,000 1,165 1,025 6,231 52 23 385 155 1 Ar-A-A76/L TE ワンダ 193,000 1,182 948 6,528 58 35 351 151 1 名称 種類 改造パーツ 価格 重量 消費EN AP K防 C防 T防 安定 格納 A11 Vendetta 武器 - 180,000 1,780 902 4,892 189 18 32 135 - A03 Valiant 武器 - 220,000 2,074 1,034 3,811 28 126 11 162 - A04 Vampire 武器 - 220,000 2,074 1,034 3,811 28 126 11 162 - A08 Venom 武器 - 260,000 2,264 1,204 3,889 31 138 8 155 - A09 Vipera 武器 - 260,000 2,264 1,204 3,889 31 138 8 155 - Wa-V-P03 武器 - 200,000 2,450 998 4,607 23 7 165 132 - Wa-V-P08 武器 - 215,000 2,479 1,028 4,767 24 8 195 129 - Wa-V-S11 武器 - 248,000 2,034 808 3,074 136 7 30 123 - Wa-V-S17 武器 - 270,000 2,089 848 3,201 181 8 41 118 - MINORI mdl.1 武器 - 280,000 2,305 1,142 3,499 19 5 215 128 - MINORI mdl.2 武器 - 295,000 2,572 1,302 3,655 29 10 231 125 - KASHIWAGI mdl.1 武器 - 220,000 2,120 1,638 4,323 14 4 86 114 - KASHIWAGI mdl.2 武器 - 220,000 2,120 1,638 4,323 14 4 86 114 - YADORIGI mdl.1 武器 - 245,000 2,252 1,682 4,145 15 5 71 110 - YADORIGI mdl.2 武器 - 245,000 2,252 1,682 4,145 15 5 71 110 - WAB-219 武器 - 300,000 2,694 2,358 4,875 13 82 6 142 - WAA-145 武器 - 270,000 2,368 2,430 3,827 41 30 165 118 - WAB-123 武器 - 275,000 2,478 2,467 4,124 52 32 193 113 - コメント 射撃安定性は構え武器の射撃性能に影響しないのか? -- 名無しさん (2012-02-18 17 58 03) タンクで試してみたが、構え武器は安定性で射撃性能変わらないっぽいな。 -- 名無しさん (2012-02-28 02 20 26) トースターとVOLGAのコメントで腹筋が死んだ -- 名無しさん (2012-03-15 21 30 04) 初期装備の腕はD/UAM-10ではなくD/AM29ですよ。 -- 名無しさん (2012-04-12 23 43 15) 追加されたKOCHO mdl.1がショルダー格納倍率2なのでCE-RESIST TYPE/CE防御型の説明修正お願いします。 -- (名無しさん) 2013-10-01 22 42 36 ↑修正完了。ついでに追加パーツの画像も貼っておきました。 -- (名無しさん) 2013-10-02 03 25 51 遂に現れた肩武器搭載不可のCE腕、KOCHO mdl.2!! 誰か使ってやれよ・・・。 -- (名無しさん) 2013-10-15 00 08 27 胡蝶2は軽二で使ってるよ -- (名無しさん) 2013-10-24 07 30 26 199腕の右肩の方がなぜか倍率が0になってる -- (名無しさん) 2013-11-01 14 40 21 直しておきました。 -- (名無しさん) 2013-11-01 15 08 40 使用頻度低いのパーツの調整なんだからKOCHO強化してくれるよね? -- (名無しさん) 2013-11-05 19 44 10 大きく分けて狙撃向けの肩が横に長いタイプとそうじゃないタイプの2種類で、ビジュアル的な差異が小さくて地味な腕だよね。その分たいていの機体に合うし、射撃安定も高いから重宝してる。 -- (名無しさん) 2013-12-13 14 07 03 一番上けっこう使えるね -- (名無しさん) 2013-12-29 14 58 10 ↑同意 -- (名無しさん) 2014-03-06 02 49 56 胡蝶1の開閉ギミックって水平方向と垂直方向の二か所が開くんだな、つまりやろうと思えばショルダー倍率4にry -- (名無しさん) 2014-03-10 07 24 39 ↑24発のショートレンジミサ、4発のラジミサ、威力アンプで攻撃2倍、6倍近くに達するサブコンのロック速度、320%の追加弾倉・・・・・・うん、酷い。 -- (名無しさん) 2014-07-19 19 55 59 胡蝶の上方向に空くのは垂直ミサイル用だそうな -- (名無しさん) 2014-07-20 22 50 56 法界坊腕がなかなか使える、中二のCE確保にいい。 -- (名無しさん) 2014-09-22 16 47 18 今更すぎる・・・でも重二向けよね法界坊。中二は使わなくてもヒトマシライン確保できてるし -- (名無しさん) 2014-09-22 19 45 14 4↑ KEロケットに至ってはワントリガーで48発。怖すぎる -- (名無しさん) 2014-09-22 19 47 20 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/dangerousss2/pages/55.html
第一回戦血の池地獄 静間千景 名前 性別 魔人能力 静間千景 女性 グラスコフィン 早見歩 女性 クレイジートレイン ラーメン野郎・有村大樹 男性 白虎落とし 採用する幕間SS 【極秘・期間限定ラーメン開発レポート!ラーメン界の風雲児が語る! スタンプ10個で豪華景品が特盛! 極旨ラーメンでサイパン旅行を当てよう!】 (有村大樹の体内厨房は壊滅している) 本文 ――赤水の獄。血の池。 陰陽寮呪禁庁においてそれは、『激辛』の属性を象徴する地獄であると聞く。 主に『味噌』属性と複合させて生成する《血の池地獄ラーメン》は、現世では《王龍飯店》《創作中華 パパ厨房》《元祖地獄らーめん》といった古代店舗にわずかに名残を残すのみの、とうの昔に禁儀と化したオリジナルラーメンの筈である。 (なるほど。つまりここは、本物の地獄か) 失われし『激辛』の属性。地平の果てまで広がる血の大河を目前にして、なお有村大樹の表情が動かない。 《起源》において示されたトライ・グラマトン――『極』『旨』『男』の三大行を旨とするラーメン野郎は、基本的に自身の司るラーメン属性のみを探求し、他の属性に興味を抱くことはない。 その味へのこだわりはラーメン野郎の強みであり、同時に弱点でもある事を、有村大樹は自覚している。 有村大樹のラーメン属性はふたつ。 物質や空間の連続性を断つ『切断』概念、『魚介』。そして、質量、数量に対する『増殖』概念、『塩』。 彼自身の能力名は『白虎落とし』――というが、この高速湯切りによる調理能力はあくまで、有村の身につけたラーメン野郎としての技量をサポートするものでしかない。 それで良い、と有村は思う。 所詮人の腕はふたつ。ならばふたつで勝負するのがいい。 「……ィィィィ……」 客を前にしたラーメン野郎のなすべきことはひとつ。常に、その日の仕込みの中で、最高の一杯を提供するのみ。 「ィィァラッスァァァッセェェェェェイイイィィィィッ!」 魂の振動が空気を揺らす。 コンロの熱に呼応してスープが湧き立つがごとく……体内厨房の壊滅を経てもなお、この咆哮だけが衰えない。 沸騰(イグニ)――茹麺(ハルト)、定義(ベースド) 、深化(オプト)――展開(リリース)――――――。 (ラーメン野郎。人魔の領域に手を染めたラーメン野郎は、決して天国には行けない) 地獄。ラーメン野郎には相応しい末路。 《ラーメンの鬼》佐野実。《つけ麺の始祖》山岸一雄。ここにいるのか。 相棒のミル彦は、この運命を辿らずに済んだか。それともやはり、あのラーメン馬鹿はどこかの地獄にいるのか。 「絶対独立……」 調理は秒単位で完了する。意志持つスープが溢れ、『魚介』と『塩』の概念は、輝く剣の形を成す。 「俺は。やる。やるだけだ。絶、対……独立!!」 喜多方ラーメンの弾力を彷彿とさせる強くコシのある脚が、地を蹴った。 製麺された黄金の剣が目指す先はひとつ。距離にして100m、2人の少女の戦闘領域に他ならない。 ◆ 「うりゃぁぁぁぁぁぁぁ――」 (……!) 「――ッ、りぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 盾として構えたトランクは、蹴りの一撃で無残に潰れた。 静間千景の体は、一度血の池の水面を跳ね、盛大な飛沫と共に再び着水する。 あらゆる人間を凌駕して強化された、早見歩の魔人の脚力であった。 決して反応が遅れたわけではない。 むしろ、肺の空気をすべてしぼり出す全力の哮りは早見の攻撃のタイミングを知らせており、故にトランク全体をガラス化して盾にする時間もあった。 それはすなわち、防御に成功してなお、この威力である――という事を意味している。 「……けほっ! くふっ!」 体が沈む。やられた。と反射の意識が警告を発する。 強化ガラス化したトランクは、実物同様に細かな破片となって散り、静間の体を傷つけてはいない。 だが交通事故並の激痛と衝撃が体を襲う今、服に染みこんで身体を沈める赤い湖に抵抗する余力もなかろう。 (……と、素直にそう思ってくれるのなら) 血の池にあがきつつ……否、そう見せかけつつ。静間千景は思う。 (私もやりやすい、けれど) 「ごめん」 対岸に立つ少女の表情が、ふと憂いを帯びる。 「これ、で――終わりッス!」 次の刹那、早見歩の赤いシルエットは静間の直上、空中にいる。 魔人の膂力を以って蹴られた水面は、ぱたたた、と連続した波紋を遅れて立てた。 液面。空気。実体非実体を問わぬあらゆる概念を足場にする。魔人能力の名を『クレイジートレイン』という。 早見は水面を蹴った反動を殺さず、空中でくるりと回転し、シューズの靴底を直上――地獄の空へと向けて。 天を『蹴り』、稲妻じみた垂直降下の飛び蹴りを繰り出す。 (終わった) 静間千景は思う。 岩すら砕く威力を凝縮したシューズの靴底は、静間千景の直上に閃くギロチンの刃であった。 (これで、終わった――想定通り。) そして、会敵わずか5秒のこの時点まで、静間千景の策略であった。 遠ざかる赤い水面を見据えながら――それを夥しい泡とともに切り裂いて迫る靴底を見据えながら―― 完全に水没した静間はただ、痺れる手先を前方へと伸ばす。 ……『グラスコフィン』という。 触れた物体を『ガラス化』する、それが静間千景の魔人能力であった。 実体を持つものであれば、固体でも液体でも関係なく変換する力である。たとえ血液であろうとも。 先刻……早見歩の接近を知ってもなお、静間は逃げず、むしろ防御に時間を割いた。自身が蹴り飛ばされるであろう方向。この巨大な血湖の存在を知っていたからだ。 高台に位置して敵を待ったのは、他ならぬそのためだ。 水中に追い詰められたと見えたのは彼女の演技に他ならず、本来この地形は、静間の能力媒介に文字通り満ち溢れている。 「潰……れ、る! ッス!!」 敵の気迫に反応すら返さず、ゆるり、と能力を伝播させる。周囲を取り巻くこの血液すべてがガラスと化し、眼前の少女を樹脂標本の如く練り固めるイメージ。 水圧抵抗を突破して靴底が到達し、自身の肘先が完全に圧壊するまで、恐らく数秒といったところか。 (問題ない。その数秒で拘束は終わる。溺死……させる) 利き腕を確実に失うが、同時に敵の一角を落とせる。 静間の頭脳は鮮明である。それは勝利のための犠牲を一切厭わぬ、怨霊めいた狂気的思考であった。 そして魔人能力が血水に伝播し、早見の脚を包み込む―― 寸前で。早見の脚は水中から消えた。 代わりに響いたのは、ぞるるるるっ、という奇音。 (え……) 水中の静間はただ呆然と、浮かび上がっていく腕を見つめていた。 細い指。白い肌。 親指の位置からして、右腕。どこか見覚えのある腕である。 「――絶対。独立」 厳然たる声。静間千景の右腕を一撃で分断したその音は、思い返せばラーメンのすすり音に似ていただろうか。 ◆ 空間の『切断』。例えばA地点からB地点までの過程を切断された空間の間隙は一瞬で閉じる。これは世界の修復作用による。 そしてA地点とB地点は空間修復の際に接合され――もとA地点にあった物体はB地点へ、プランク時間の速さで移動する。 『魚介』属性の極地。ラーメン野郎・有村大樹の最も得意とする一杯、《無敵ラーメン(戦)》の調理工程がこれである。 (何なの、あれ……!?) 早見歩は未だ空中である。 垂直降下の最中、もう片方の足で空間を蹴り、横へと跳んだ……と言葉にすれば単純な所作に過ぎないが、 これは早見の突出した脚力と平衡感覚、そして空気すらをも足場にせしめる『クレイジートレイン』あってこその芸当であり、無論人域の技量ではない。 早見歩は事が起こる直前に危機を察知し、空を蹴って跳び離れていた。 水中の静間に蹴りを叩きこむ寸前――彼女の眼前数10cmの距離に忽然と出現した黒Tシャツの男が、理由である。 「vopal――」 短い囁きに振り返った背後では、既に男の斬撃が水面へと撃ち込まれ、ぞるるるるっ、というすすり音を立てた。 「どっちにしろ」 タン、と軽い音を立てて、自身の脚が岩場に降り立つ感触。 考えるよりも先に足が出るタイプの魔人ではあるが、それは決して彼女の愚鈍を意味するものではない。 その頭脳は高速化した肉体の回転を制御するに十分な速度であり、今しがたの思考と知覚は、一瞬の判断で空間を蹴って、数十m離れた盆地の岩場に落着するまで、わずか半秒程の間に行われている。 「良かった。助かったッス」 この低地からは、先の巨大な血池の様子は伺えない。戦闘領域からは離脱できたものと判断する。 しかし安堵の息は、新手の敵の攻撃に巻き込まれなかった事のみを意味するものではなかった。 ――高速で回転する早見の思考が不利になる局面がある。 彼女は手を掛ける寸前、どうしようもなく静間千景の半生を思ってしまっていた。彼女がどのような執着を抱いているのかを知らずとも、なお。同じ年頃の少女……いや、やや年上だろうか。話しかければあるいは、友達になれたかもしれない。 彼女が迎撃でなく逃走を選択した理由は、ある意味での打算であり、優しさでもあった。 (静間千景は水中。あの斬撃を食らったかもしれない。となると、あの状況……残るのは十中八九有村大樹……ッスね。 まだ、離れるだけの時間はあるはず) 2人を同時に巻き込む軌道の、無駄のない斬撃。有村が水中に沈んだ静間の存在を認識していた事は明らかだ。 だとすれば、静間を始末する時間……少なくともその死を確認するまでの間がある、と判断する。 (仮にさっきの瞬間移動みたいな応用ができる能力だとすれば、あたしの『クレイジートレイン』は不利――) しかし岩場の影を把握すべく頭を巡らせると同時。 重量感のある麺が湯切りされる時のそれのような、バシャリ、という快音が響いていた。 「――spitt.」 空中を跳躍し、恐るべき速度で強襲する『魂不滅』の黒Tシャツを、視界は捉えている。 静間千景の確実な始末、または早見歩の追跡。早見は、『有村大樹は前者を選ぶ』と読んだ。 今しがたの衝撃音は、その読みが外れた事を意味している。 ◆ 時刻は、数秒遡る。 流れこむ血河によって形成された、一際巨大な高台の血の池――その水面上、30cm。 無駄のない斬撃を振り切って、有村は小さく呟いた。 「客は二人か? 早見歩……」 奇襲を寸前で察知し逃げ去ったのは、早見歩。鋭敏な反応だ。 (そして、下に静間千景か) 足先が液面に触れた、瞬間。 ――ドカモリッ!! 早見が聞いた湯切りの快音を仮に至近で聞けば、丼から溢れるほどにモヤシの積まれた、ラーメンの秀嶺を幻視した事であろう。 有村大樹の屈強な巨体はカツオよりも俊敏に、斜め上方へと跳ねた。 「――spitt.」 振り切った仮想麺を媒介に、自身の足元に『増殖』概念を付与。 血の池……それを満たす血液の『増殖』による指向衝撃波。反動をカタパルトとして跳んだのだ。 モンゴル岩塩のまろやかな塩味が舌の上で調和する、ラーメンの名を《無敵ラーメン(姫)》という。 「調理完了だ。《無敵ラーメン(姫)》一丁! オォォォォマッチ……ヤラァァッシタァァァァァ―――ッ!!」 足先からの水中衝撃波は血中に沈む静間千景に対しても、十分に伝播した筈だ。 そしてその一撃は同時に、反動で早見への距離を詰めた。 「こいつ……」 有村の下方、早見は苦々しく呟く。 『有村大樹は前者を選ぶ』。読みは誤りであった。 . . . . 「どちらも、選びやがった、って事ッスね……!」 「俺は……俺は!」 『男なら、ラーメンは湯気と一緒に一気にすすり込むべし』。これは誰の言葉だったか。 精製した仮想麺は、わずか20秒で賞味期限に達する。その前に決める。 「俺はラーメン魂の次期店長……候補!」 「ラーメン野郎、有村大樹だ!!」 一撃。 切り下ろした剣は同時、崩壊した。『魚介』の属性は、メンマを裂くが如く容易く岩盤を裂断している。 そこに早見の姿はない。 ガン、と、有村の頭上で音が鳴った。 さらに、ガン、ガン、と連続する。 血池の下方。岩で囲まれた盆地。離脱した彼女がこの方向を選んだのは計算である事を。 この地形は早見歩を敵に回すに最悪の地形である事を、有村大樹はまだ気付いていない。 ◆ ガン、と音を立て、小柄な赤い体躯が壁を蹴る。 その勢いで次の岩へと跳び、さらに抉るように蹴る。横、斜め、あるいは上下。 「こういうセコい事は……あまり、したくなかったんスけど……ッ!」 繰り出される蹴りの度に土砂と石礫が舞い散り、遙か上方の早見の姿を覆っていく。 狙いを定めないようにしているのか。 「『味噌』属性のラーメン野郎が確かそんな技を使った。俺の上を取って、反撃を防ぐつもりか?」 有村はこの時既に、次の一杯の調理を始めている。 沸騰(イグニ)。茹麺(ハルト)。定義(ベースド) 。深化(オプト)。展開(リリース)。 地に降り立たず戦う早見の戦術は、対策に見えて対策ではない。 距離の概念を無効化する空間切断の一杯に、間合いは無意味であるためだ。それが三次元的な間合いであろうと。 たとえ客がはるか上方――天を統べるワイバーンであろうとも、その一杯を提供する。そのための《無敵ラーメン(戦)》。 「vopal.」 狙い違わず剣は空間の連続を断つ。そして仮想麺の射程内に早見の姿が……ない。 距離が足りない。代わりに有村の眼前には、一際大きい岩の礫だけがある。 「やっぱり……思った通りッスね。有村のおじさん」 転落。わずか2m程の落下だが、無防備な背がしたたかに打ち付けられる。 「……!!」 「その瞬間移動――いや、斬撃の威力からして空間でも『切断』しているのかな…… それ、物体の切断と一緒に使うのは無理ッスよね」 起き上がりつつ、心の中だけで肯定する。 《起源》に定められし掟の一。ラーメン野郎が味の秘訣を自ら客に明かせば、世界法則により爆裂、死す定めだ。 「もしできるなら最初の移動の時、目の前にいたあたしは切り裂かれていたはずッス…… そして『空間』を切断しての移動って事なら、直線上にある『物体』を無視して移動はできない。 ある程度大きな障害物があれば、その直前で停止する――」 「成る程。例えば石の礫か」 必要以上に岩を抉る移動方法は、先の礫のような障害物を空中に配置するための布石。 ――ボ、という軽い音と共に、有村大樹の肩を何か小さなものが貫通した。 「……戦略を見直す時間も。与えないッスよ。 空中に配置した石は『弾丸』ッス。取り囲むための――弾丸」 細めた有村大樹の目には、地獄の空を埋める土砂の群れが映る。 天使のように空を舞う早見歩が、それらを流星の如き速度で蹴り落とす様も。 「しゃららららららぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 バスバスバス、と、連続して肉体が抉れた。狙いは荒いが、圧倒的な弾数それ自体が脅威となる。 「……やってくれる」 『切断』は無効。触れて発動する『増殖』も、あの距離では届かぬだろう。 「だが、俺はやるぜ。早見歩。俺は独立する。半年間で絶対独立する! それが俺の夢だ!」 頭に巻いたタオル。黒Tシャツに昂然と描かれた『一期一杯』の筆文字。 その有様を見せつけるかのように。腕を組んで、険しい表情で空の早見を見据える。 『ラーメン魂』名物――ラーメン第一バトル態勢の構えであった。 飛来した流星が、また一つ上腕を抉った。口内に湧きだす血は、その負傷によるものではない。 自身の内臓を『増殖』させているのだ。 寿命の確実な短縮と引換えに、衝撃防御と致命傷へのバックアップを兼ねる、諸刃のラーメン。 「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 さらに一発。ぐらりと体が揺れる。 ―――『ダイキはいつも、無茶苦茶ばかりやらかすミル~~~!』 あり得ない筈の幻聴に、ふと笑いを漏らす。 さらに攻撃が続く。三撃。四撃。 車軸を流す石礫の猛攻を絶え間なく続けながら、やはり有村は倒れぬ。 「まだ、倒れない……!」 『増殖』による有村の体内組成の変化は、外からは伺い知る事はできない。 異常なタフネスが理由か。あるいは精神力のみで立っているのか。その誤認を誘う事が、有村大樹の目論見のひとつである。 空中からの一方的な攻撃を繰り出しながらも、早見は焦っていた。 「そんなに、までして、独立……が、したいッスか!」 十二、十三、十四。体に穿たれた傷口からはスープとも血液ともつかないものが溢れ、地を濡らす。 僅かに油の浮いた黄金色の血液は体内の異形化の果て、ラーメン野郎の末路でもあった。 「そうだ。絶対独立。この世で果たせなかった夢を果たす。それが俺の存在意義……だ!」 「こんなに走り回っても、何も、熱も風も感じない! そんなのは……上手く、言えないけど! そんなのはあたしじゃないッス! 大地を走るあたしじゃなあいと……あたしじゃない! だから!」 ――あたしの望みの方が強い! 声に詰まった早見の言葉の先を理解して……有村はにい、と深く笑って、賞賛の言葉を呟いた。 「……お前は、大馬鹿野郎だ」 足を引きずり、文様を描く。自らの流す血で打った捨て身の仕掛けだ。 ラーメンの丼にも見られる、雷文の文様。陰陽寮呪禁庁独自に発展させた、ルーン発動式である。 当時呪禁庁において《異端》と称された狂気のラーメン野郎。山岸一雄の提唱した――『つけ麺』なる技術。 既にスープの準備が整った『場』においては、ラーメンの調理は仮想麺の構築のみで足りる。 スープを先に用意し、そこに麺をつける。それは即ちラーメンである、という無法の理。 礫で仕留められぬことに焦れた早見は、いずれ必殺の直蹴りで勝負を決めに来るであろう。恐らくは、有村の調理に1秒程度の間が必要であることを知るが故に。 仮想麺の構築には、0.2秒も掛からぬ。その時が早見の最後となる。 ◆ 攻めながらも、異常高速で流れる早見の思考は、決して停止する事はない。 地上10m程。この高度からは、先程静間と交戦した広大な血の池が見える。死体が浮かんでいない。 ならばどこにいる? 血の池の岸まで泳ぎ着いたとでもいうのか? (恐らく、何かを仕掛けているッス。何かを。直接の蹴りを仕掛けるなら……その時) 最初に静間に仕掛けた一撃を回想する。構えた物体はトランクに見えた。 トランク? ……中身が透けるほど、透明のものが? 蹴りの一撃で粉々に砕ける、そんな材質のものが? そして気づいた。 ――池の水位が、上がっている。 (まさか) それはおぞましい変化だった。 どろり、と不気味な表面張力とともに、巨大な血の池が……溢れたのだ。 (『ガラス化』の能力……!!) 液体までもを『ガラス』にできるのだとすれば。 呼吸用の管を生成して、今もあの水中に潜むことが可能なのではないか。 有村の水中衝撃波を、伸ばしかけていたガラスの拘束で防いだのではないか。 そして。今。 (あたしが戦ってる間、ずっと……ガラスの『ダム』を少しずつ作って……流れこむ血の河を堰き止めた……とでも……!) どうする。どちらを警戒する。次の手は。有村大樹はまだ耐え続けるのか。 繰り返し繰り返し、高速で走り続ける思考。 流れこむ血の河に気づいた有村が、ふと身構えたように見えた。 ――今。 照準は背。猛禽のように降下。 仮にカウンターを狙っていたとしても、確実に死角となる攻撃角度。 「独」 が、背中越しに抜き放たれた有村の仮想麺は、彼女の胸を切り裂いた。 ……ずるりと滑る景色の中、早見歩は、その後頭部に見開いた眼球を見た。 「……立。」 ――眼球の『増殖』。 ◆ 有村はよろめいた。 狙い違わず放たれた『魚介』は早見の胸を深く裂いたが、それは致命の傷ではない。 直前で反転し逃れた動きは、最初の遭遇で見せた『空間を蹴る』技か。 有村の足元に絡みつく生暖かい血の波に混じって、ざくり、ざくりと何かが横切る。 予想外の負傷が、有村の平衡とラーメンの味を乱していた。 「これは……」 ざくり、と脛が切り裂かれる。何か異様な悪意が、不可視の力でもって有村大樹の切断を試みている。 「……ガラスの刃。動脈をやられたか」 足元に流れ来た物体を掴み取る。魚群めいた鋭利なガラスの刃を流して、下流の存在すべてを切り裂く仕掛けだ。 早見歩の策とも異なる悪辣な仕掛け。静間千景はダムを『そのように』決壊させていた。 「……」 パシャ、と、新たな水音が場に到達する。 「気は進まない。ほんとうに……気は、進まないんだけれど」 アルトの声に呼応し、ラーメン第一バトル態勢を構える。 右腕の肘から先を失い、全身の衣服を血に透かした少女のシルエットが、盆地の上から見下ろしていた。 「殺させてもらう。ごめんなさい」 「御託はいい。本日のご注文は?」 ◆ 「液体をガラスに変えるのが、お前の能力か」 有村の問いに答えることなく、歩を進める。 トランクのガラス化を既に見せている以上、能力が看破されている事は織り込み済みだ。 だから失った右腕の先は、周囲の血液から構成した刃に置換して、止血している。 有村の放った水中衝撃波は、展開しつつあった『ガラス化』で防壁を形成し防いだ。 しかしそれでも殺しきれなかった衝撃と……最初の早見の蹴りで受けたダメージは、どうしようもなく静間の体を蝕んでいる。 可能な限り速やかに決着をつけねばならない。自分の有利な環境を、血で満たされた岩場を作る。そのための策だった。 「私は……卑怯なのかな。あなたと早見さんの戦いを邪魔してしまった……」 「客と店員は常に多対一で勝負をしている。多勢を前に泣き言を言うラーメン野郎に、麺を語る資格はない」 「……そう。そうか。ラーメンなんて、もうどれだけ食べてないんだろう」 静間千景は陰鬱に笑って、足元の血河に手を差し込んだ。1秒。2秒。3秒。 それで『武器』の構成を終える。液体を『ガラス化』して作成した、強化ガラスの刀だ。 有村の体が静間の頭上に躍ったのは、直後であった。 「vopal.」 空間切断を意味する詠唱。手には山吹に輝く剣。同じく兵装の構成であれば―― 有村大樹の『白虎落とし』。調理工程は1秒を切る。 回転と共に、静間の刀が有村の『切断』を受けた。空間ごと引き裂く一杯に、静間の髪の端が巻き込まれ消える。 ごきゅ――と、空気だけがスープを啜る音だけが聞こえた。 着地と同時、掌底で静間の踏み込みを牽制する。 「ガラスの反射……死角を覗いたか?」 「瞬間移動の能力は分かっていたから。それに私の勝算は」 剣の先端が、くるくると空を舞う。それが有村の頭上を超えようとする刹那。 「それだけじゃあない。『解除』」 有村の頭上で、剣先が弾けた。不意に降り注ぐ血液が視界を濡らす。 間髪入れず、右肘先の刃で刺突。その狙いは、違わず剣を握る有村の肩を貫き…… しかし有村の左腕は、静間の胸にピタリと押し当てられている。 「spitt.」 破裂音。狭域指向性衝撃波。 「……っ!」 「受給資格者創業……支援。援助金は200万。俺は、夢を諦めない」 賞味期限を迎えた仮想麺が崩壊する。 だが有村は攻撃の手を休めず踏み込み、体当たりで静間の体を弾き飛ばした。 右肩に突き刺さった刃も折れる。 「絶対に独立する! 俺のラーメンを、世界に認めさせる!」 「……」 虚ろな意識で、静間は河の外に弾き出された事を知った。武器にできる血液は、もはやない。 「絶対独立」 「絶対、独立……!!」 新たな仮想麺が形成される。 無数の弾丸を体に受け、内臓の『増殖』による負荷を背負い、そして斬撃で動脈を断ち切られながら。 壊滅した体内厨房を限界以上に稼働させながらも。 ――絶対独立。その言葉だけで、有村大樹という男は前に進むことができる。 静間千景は顔を上げて、ゆっくりと近づく死を見た。 それと同時、横合いから差し込まれた蹴りが、有村の左腕を砕いていた。 ◆ 「……静間千景!」 有村へ繰り出した蹴りの余韻を殺さぬまま、空中を蹴って方向を転換する。 この環境における静間の能力の脅威を、早見歩は正確に認識している。 無限に武器と鎧を作り出すことのできる『ガラス化』の能力。 自身の負傷も深い。敵に時間を与えれば与えるほど、戦力差は開いていく一方であると。 「あたしは……あたしは、走りたいッス! もう一回、生き返って……!!」 今でも。死んだ今でも鮮明に、頭に思い浮かべることができる。 例えば、自分に期待を寄せてくれた、陸上部の先輩たちを。 ランニングコースでいつも出会った犬の成長を。 体力はなくても、いつでも自分についてきてくれた……幼馴染の少女の笑顔を。 「だから」 ふわりと落下する感覚を経て……空を蹴り加速する。 風も光もない地獄にあって、重力だけは変わらないのだと知った。 「だから――!」 静間は立ち上がった。河に走り出す。 遅い。3秒、いや2秒。その前に仕留める。確実に。 先ほどの一撃で有村の動きを止めた。ガラス化すべき血液は静間の周囲にない。 そして、早い。 この高度からなら、自分の蹴りの方が――早い!! 「う……りゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――っ!!」 しかし高速で走る思考は、そこで気づいた。 静間千景は走りながら右腕の先端を、早見の方へと向けている。 ……何故? 少女の唇が紡いだ解答は、短い一言だった。 「――『解除』」 右腕の切断面を覆うガラスが消え、勢い良く血液が噴き出した。 細い血流は次の瞬間、その形状のままガラスへと変じ―― ―― 早見は墜落した。 一拍の間をおいて、どさり、と、重いなにかが目の前に落ちた。 「ああ……」 「あなたの能力は」 落ちたものは早見自身の右脚だった。 その様を横目で見て、静間は淡々と言葉を紡ぐ。 「もう使えない。私の右腕もぐちゃぐちゃになってしまったけど。 でも、腕と脚だから……ふふ、価値は同じくらいかな」 紙一重の危機に対して何の感慨すら感じていない、そんな口調だった。 早見歩は自分自身の加速力で刃に飛び込んだ。 周囲のどこにも武器がなくとも、自分の血は武器にできる。 蹴りの威力は大幅に減じ、よって静間の犠牲は右上腕一本で済んだ。 そして『グラスコフィン』のような止血手段を持たない以上……早見の命自体も、長くはないだろう。 「……残っているのはあなただけよ。有村大樹」 虚無的な目を巡らせた先にはまだ、気力を失わずに立ち上がる一人の男の姿がある。 ◆ 「お前を倒すラーメンについて、考えていた」 「……。その両腕の傷で、剣が握れるの?」 有村の右肩には、先程の交錯でガラスの刃が突き刺さったままだ。 加えて早見の蹴りの直撃を受けた左腕は、骨が飛び出し捻れて食い込んでおり、想像以上の酷い有様であった。 (腕がなければ能力は使えない。腕で『剣』を握ることが能力の条件なら、それで間違っていないはず。 なら、次は何をしてくる……) 「生前の俺なら、腕を『増殖』させる……みたいな、無茶なオリジナルラーメンを作ったのかもな。 それは間違っていたことを知った。ラーメンの歪んだ行使は、必ずどこかにひずみを生む」 その時有村の脳裏に去来したのは、店長の……杉田巌の教えであったかもしれない。 あるいは、相棒のラーメン妖精、ミル彦との日々であっただろうか。 「高い。本当に高い授業料だった」 「……いい思い出があるのね。少し、羨ましいかな」 「お前は随分の間、ラーメンを食べたことがないだろう」 唐突な一言だった。 静間は目を丸くして、有村の意図を探った。 「さっき自分でそう言っていた。何かの病気か? なら尚更、そんな客に、不出来なオリジナルラーメンを提供する訳にはいかない」 震える腕を無理矢理に動かして、腕組みらしき体勢で構える。 ラーメン野郎は、《起源》に連なる《偉大なる知性》――空飛ぶスパゲッティ・モンスターに仕える神官である。 バンダナを模して頭に巻いたタオルと、腕組みの基本戦闘態勢は、向かい風に向かって立つ海賊の姿を模したものであったという。 海の属性は『魚介』。そして『塩』。神の力を借り……秘術を行使する。それがラーメン野郎。 「根拠はないが。今ならかつてない一杯を、作ることができる」 にい、と、無愛想に笑う。 トライ・グラマトン――『極』『旨』『男』。 一つの味を『極』めたラーメンは『旨』さの高みに達する。それが『男』のラーメン。 あの時のような。現世で死したあの時ではない。ミル彦を失ったあの時のようにでは、断じてない。 かつて無心に――あの渋谷109を切断した、あの時のような。 ただ感謝の『一杯』だけを、この少女に提供するために。 「……っ、私には……」 目を閉じて、少女は覚悟を決したようであった。 「私にそんなものは、分からない……!」 「分からせてやる」 走り、そして残る左腕で有村を直接ガラス化する意図であろう。 間に合うかどうかも分からないが、自分の力でできる限りのラーメンを、無心に作る他ない。 『味の乱れは宇宙の乱れ』。これは誰の言葉であったか。 体中の耐え難い激痛を耐えながらも、有村大樹は迎え撃った。 右腕でも左腕でもない。その口に咥えた剣が、琥珀色に輝き。 「vopal――」 静間の拳は、有村の右肩に突き刺さった刃に直撃し、体内深くに食い込ませた。 間に合わぬ――と見えた瞬間。 「うっ……ぐ!?」 飛来した『脚』が腰部に直撃し、静間の体勢を揺らがせていた。 それは切断された右脚である。 (……早見歩) 敵の名が浮かぶ。 どのような対象でも、どのような状況であっても、脚に触れたものを『蹴る』魔人能力。 それは仮に、切断された後であっても……地を『蹴った』反動で。 「アァァァァァ………リヤァァァッ、シタァァァァァァァ――――ッ!!!」 感謝の咆哮と共に繰り出すのは、有村大樹最高の一杯。 純粋な『切断』概念そのものを極限にまで『増殖』させた《無敵ラーメン(極)》は…… 静間千景の胴を両断し、地平を切り裂き、天空の彼方まで――地獄の世界を、分断した。 ◆ 「早見」 恐らく、体内厨房がメルトダウンを起こしているのであろう。 壊滅した血の池地獄の中。全身に熱を感じながら、有村は早見歩の体に向かって歩いた。 「決着を……つける、ぞ」 片脚を失った少女の姿は、翼をもぎ取られた鳥に似て無残に見えた。 呼びかけに答えはない。 あるいは先刻、静間に片脚を切断された時点で……もはや走ることができなくなった、その時点で。 早見歩という存在は、死んでいたのかもしれなかった。 「……」 唐突に、有村は胸を押さえた。 体が動かない。何かが決壊している、という感覚があった。 右腕を見ると、すでに有村のそれは冷たい氷像のように変じている。 ガラス化。 「静間……? どこだ。一体どこで、仕掛けた……?」 静間がこの体に直接触れることは、1秒たりともなかったはずだ。先程の交錯でも、右肩に突き刺さった刃のみを。 ……刃? (そういう事、なのか) 例えば早見がそうしたように、切り落とされた四肢から有村の肉体に能力が伝播しているとしたら? 最初に有村が切り落とした、静間の右腕の一部。それをあの折れた刃の中に埋め込んでいたとしたら? 先の交錯で接触を狙わず、刃を深く埋め込んだのは……有村の体内で継続して『接触』させるためだとしたら? 右腕自体をもガラス化すれば、それを同じく透明なガラスに塗り込めても、外見からは判別がつかないのではないか? 「……ガラスは電気を通さない」 切り離された上半身が、言葉を発した。 切断面をガラス化して止血をしているのだろう。有村にもそれくらいは分かる。 あと十数秒の余命もないと思われる上半身のみで。 なお彼女の能力を維持せしめるものは、如何なる執念の力なのだろうか。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 「首の後ろ……脳に繋がる脊髄の痛覚神経を最初からガラス化している。 最初から私はダメージを感じていない。死ぬまで」 おそろしく明瞭な声で、言った。 「……これが私の戦い方なんだと思う。 私には、あなたのようなものはなにもない。経験も、技量も、きっと覚悟すらもないから」 ――死、すらも。 「ミル彦。俺は。なあ、俺は、絶対に独立するぜ……。絶対に」 「……。あなたは本当に……」 「絶、対……独……立……」 「ラーメン狂いの……大馬鹿野郎なんだね」 ガシャリ、と音を立てて、冷たい像は地獄に伏した。 何か言うべきことがあったのかもしれない。と、静間は思う。 腹の底に感じる、わずかな暖かさ。 彼の戦いに殺意はなかった。今になって何故か、そう思えた。 「……ラーメン」 その言葉は、もう有村に届くことはないと知って。 「ラーメン、美味しかった。ごちそう……さま」 瞳を閉じると、なぜか暖かな涙が溢れた。 涙の味はほんの少しだけ、魚介と塩のスープに似ていた。 <了>
https://w.atwiki.jp/touhyou68/pages/46.html
Love is all. ♥ 「冗談じゃないわよ…バトルロワイアルなんて」 ウサ耳にブレザーという特徴的な格好をした少女、鈴仙・優曇華院・イナバは暗い森の中でそう独り言ちた。 ニコニコ動画における東方Projectの顔の一人として『うどんげ』『座薬』『新参ホイホイ』『ブルセラうさぎ』『治験』『月世界の矢口真里』などの愛称で親しまれる彼女には 元々月の軍人であったが戦いが嫌で幻想郷の永遠亭に亡命してきた過去がある。 そんな自分がなぜ、こんな理不尽な戦いの中に放り込まれなければならないのか。 なまじ人気者である我が身を呪いながらも森を進む彼女は、前方に自分と同じ様な特徴を持つ影を見つけた。 長いストレートヘアに狼耳が特徴的なその後ろ姿、彼女の名は確か…… 「今泉影狼さん!今泉影狼さんじゃないか!」 「ん? 誰じゃ?」 鈴仙に呼び止められた狼耳少女は怪訝な顔で振り向く。 「今泉さん!私です。あなたと同じ竹林の永遠亭に住んでる鈴仙・優曇華院・イナバですよ!」 「……生憎じゃが人違いじゃ。わっちは賢狼ホロ。この殺し合いから脱出する方法を探しているが……」 「いやーよかったですよ同じ幻想郷の人と会えて!」 「いや、だから人違いじゃって……」 「そういえば今泉さんの名前って名簿に載ってませんね。落丁かな?」 「だからわっちは」 「他にもアリスさんや霊夢さんが来てるみたいですよ。このテルヨフってのは無視するとして、他にも氷精や神様が――」 「チッ、これだから東方厨は……(ボソッ」 「ん? なにか言いました?」 「別に……」 こうして和気藹々とした邂逅を果たした獣耳コンビは とにかく殺し合いに反対することを決めて森の中を進んでいった。 しばらく進むうち、彼女たちの明敏な感覚が 暗闇の中から漂う異様な殺気を感知した。 「今泉さん、これって……」 「うむ。……だから別人じゃて」 やがて暗がりから姿を現したのは異様な姿の少女だった。 服装は普通の学生服だが、その両手には巨大なナタを握りしめている。 「おにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃん」 何より虚ろな瞳で何事かを呟き続けているその様子は明らかに常軌を逸していた。 「ぬし!わっちらは殺し合いをする気はありんせん! その武器を収めてわっちらの話を聞いてくれぬかや?」 「おにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃん」 ホロの呼びかけにも応えず、少女はゆらりゆらりと近づいてくる。 「今泉さん、下がってください。この相手には私が対応します」 「気をつけてくんなんし。気配からしてただの人間のようじゃが……」 鈴仙はホロを庇って少女と向き合う。 能力で波長を読んでみるが、目の前の少女は妖怪でもなんでもない普通の人間らしい。 人間の中にも博麗の巫女のような強者はいるが、この少女は本当にただの人間だ――マジックアイテムの魔力の波長もない。 その上両手は刃物で塞がっている。飛び道具を使われる心配もない。 それならばこのまま距離を取りつつ、一気に待宵(ルナティック)難易度の弾幕を叩き込んで無力化してやる。 弾幕の当たり所が悪ければ死ぬかもしれないが――この状況でそれは正当防衛というものだ。 仮にも元軍人であり妖怪である自分が敗北する要素はない。 ゾンビのごとくゆらゆらと近寄る少女に向けて、鈴仙は銃口に模した人差し指を突きつける。 「月は人を狂わすの。そう、月の兎である私の目を見て狂わずに居られるかしら!?」 ♡ 目が覚めて私が真っ先にしたことは名簿の確認だった。 「魔理沙……霧雨魔理沙……」 まず目にとまったのはアリス・マーガトロイド、私自身の名前だ。 それから矢部野彦麿、ロックマン、阿部高和、初音ミク…… 見知った名前がいくつも並んでいたが、その中に彼女の名前はない。 「魔理沙……よかった」 ほっとした途端、自分に対する疑念が沸き起こってくる。 なぜ自分は彼女……霧雨魔理沙のことなど心配したのだろう。 人の家を勝手に通り抜けて荒らしていく、あの盗っ人魔法使い。あいつのことなんてどうでもいいはずなのに。 それなのに、自分のことを差し置いてまで真っ先に―― 「……どうかしてるわね」 頭を振って立ち上がる。どうも自分はまだ混乱しているらしい。 「とにかく、この森を抜け出して今いる場所を確認しないと」 深い森だが幻想郷の魔法の森よりはマシだ。私は出口を探して歩き始めた。 森をしばらく進んだ時だった。前方にうさぎの耳が見えた。 「ひょっとして……鈴仙?」 近づいてみる。やはり間違いない。 後ろを向いて座っているので顔は確認できなかったが、ブレザーのような服装と長髪、そしてなにより頭頂のウサ耳から見て 私と同郷の鈴仙・優曇華院・イナバで間違いない。 「鈴仙? 私よ。人形遣いのアリス・マーガトロイドだけど」 警戒されないように声をかけて近づく。が、鈴仙は座り込んだまま微動だにしない。 「安心して。私には戦うつもりなんてないから……」 彼女の後ろ姿に何度も話しかける。しかし鈴仙はこちらを振り返ろうともしない。 「鈴仙? 大丈夫―――?」 ようやく繁みを抜けた私は、後ろを向いたままの鈴仙の肩に手をかける。と ごろん と鈴仙の首が体から落ちて転がった。 「!?」 その場を飛びずさり、私は気づく。彼女はすでに殺されていたのだ。 その時、激しい音と共に何かが木々の間から飛び出してきた。 「ぬし……」 飛び出してきたのは狼耳の少女だった。 全身に斬り傷を負い、血に塗れている。 「貴女!大丈夫!?」 「逃げなんし……あの娘……普通の人間ではありんせん……」 「えっ?」 次の瞬間 体が押された。 それと同時に狼耳の少女――たしか名前はホロだったか――の首が空に飛ぶのが見えた。 自分が助けられたのだと気づいた時、血飛沫の向こうに鉈を構えて笑う学生服の少女が見えた。 まずい。 咄嗟にデイパックに手を入れた次の瞬間には その女はホロの死体を踏み越えて私のすぐそばに来ていた。 速い。速すぎる。 人間の動ける速度ではない。烏天狗とどちらが速いかしら。 そんな益体もないことを思った一瞬、鉈が光った。 ♥ 両手に鉈を持って森の中を超速で飛び回る 彼女の名前は野々原渚。 お兄ちゃんのことが大好きな、普通の女の子だ。 そんな彼女が妖怪より速く動けるようになったのは支給された”ある物"のおかげだった。 彼女に支給されたのは二本の鉈。 そしてもう一つは……TAS、”Tool-Assisted Speedrun"だった。 Tool-Assisted Speedrunとはゲーム等でエミュレータの機能を用いて 理論上で実現可能だが普通の人間ではとても実現できないようなタイムアタック等のスーパープレイ動画を作ることである。 そして渚に支給されたのはTASという概念そのもの。 つまり彼女は物理的に可能な限りの最速・最適の動作で動けるようになったのである。 そんな彼女にとって、ルナティック難易度の弾幕をくぐり抜けて 鈴仙・優曇華院・イナバの首を刎ねるなど造作もないことだった。 今二人目の犠牲者を屠った彼女は、デイパックに手を突っ込んでいるアリスに一瞬で接近する。 アリスの顔が驚愕にひきつるのを見て、渚は笑う。 (お兄ちゃん、待っててね。すぐに帰ってご飯の支度するからね) 一刻も早くこの会場にいる奴等を皆殺しにして、兄の元に帰ること。 それだけが彼女の望みだった。 (だから―― 私がお兄ちゃんと会うのに邪魔なやつは―― みんな死んじゃえッッ!!) そして、鉈は振るわれ 金髪の首が宙を舞った。 ♡ (間一髪――!!) 地面に転がった『マリリン・モンローの蝋人形』の首を見て、私の頬を冷や汗が伝った。 私に支給されていた『蝋人形』。とっさに操って盾にしたおかげで、なんとか私の首はまだ繋がっている。 「なによ、無駄な抵抗して――!!」 「ッ――!」 再び超高速で斬りかかってくる女――ヤンデレ妹の前に、私はもう一体蝋人形を差し向けた。 「このッ!余計なことッ!」 私に支給された蝋人形は一体や二体じゃない、それこそ蝋人形館が開けるほどの数の蝋人形が このデイパックには詰まっていた。 しかしヤンデレ妹の連続高速攻撃は、複数の人形を展開させて一転攻勢を仕掛けることを許さない。 一体を盾がわりに取り出して攻撃を凌ぐだけで精一杯だった。 そうして防戦を続けているうちに、沢山あった蝋人形はあっという間に数を減らしていった。 「早く死ねッ!死になさいよ!」 また鉈が振るわれ、リンカーン大統領の蝋人形が砕かれる。 「私はお兄ちゃんのところに帰らなきゃいけないの!」 マッチ売りの少女が頭から両断されて真っ二つになる。 「早くお兄ちゃんにご飯作らなくちゃいけないの!」 クレオパトラ人形の頭が切れ飛ぶ。 「だから死ねよ!死になさいよ!死ねぇ!」 ドラキュラが。 ターザンが。 フットボール選手が。 ガンマンが。 カバゴンが。 蝋人形たちが次々と砕かれた無残な残骸となって森の中に散らばっていく。 激昂するヤンデレに必死に対応しながら、私の頭の一部は痺れたように冷静になって彼女の叫びを聞いていた。 (大好きな兄に会いたい) ただそれだけで、誰かを愛するというただそれだけの想いで、人はこうも戦い続けられるものなのか。 気の遠くなるような破壊の末、ついに私の蝋人形が尽きた。 「やだよぉ~。勤めなんか行きたかn」 最後に出てきたやけにリアルな出来の蝋人形が切り倒されると、もう私とヤンデレの間を阻むものは何もなかった。 「よかったぁ~、やっと殺せる」 ヤンデレの動きが読めず、適当に飛び退くと右肩に激痛が走った。 運良く初撃で致命傷はかわせたらしい。しかし、幸運は二度も続かない。 ヤンデレは完全に勝利を確信した笑顔で、鉈を振り上げた。 もう避けられない。 最後を覚悟したとき、私の心に浮かぶのは一人の少女の姿だった。 (魔理沙――――!!) 次の瞬間、鉈が振られるよりも早く 私の体は宙に浮かび上がっていた。 「えっ?」「えっ?」 白い糸に引かれて宙に舞う私と、それを地面から呆然と眺めるヤンデレ。 二人の疑問符が思わず揃った時には、私の体は樹上で受け止められていた。 この全身タイツはもしかして…… 「地獄から来た男!スパイダーマッ!」 ♥ \ コッペパ~ンにジャム! コロッケパ~ン / 「ホ!スパイダーマッ!いつの間に!?」 「100メートル先に落ちた針の音を聞き取る男、スパイダーマッ!」 ケツ十字キラー、スパイダーマッ。 彼は超人的なスパイダーセンスでホロやアリスが渚と戦っている音を聞き取り 戦いを止めるためにやってきたのだ! 「野生の少女に味方する男、スパイダーマッ!」 「私は野生じゃないけれど……」 救助したアリスを腕に抱いていつものポーズを決めるダーマッ。 渚は憎悪の目で予期せぬ乱入者を睨みつける。 「また変な奴が……殺してやる!」 樹上めがけて超速で飛びかかるヤンデレ。 「スパイダーネット!」 「えっ!?」 しかしその行先は、スパイダーマッの放った糸によって阻まれた。 渚は超人的な速さでネットを回避するが、ダーマは糸で追撃し続ける。 「スパイダーネットの結界で動きを封じる男、スパイダーマッ!」 「うっ……!このッ!」 「人々を苦しめるヤンデレ、許せる!」 ダーマによって、渚の周りに次々と糸が張り巡らされていく。 「……ッ!」 木々の生い繁る森の中でダーマと戦う不利を察したのか 少女は木の上の二人に背を向けると、猛スピードで闇の中へ逃げていった。 「待てぇー!」 追おうとするダーマだったが、傷を負ったアリスを抱えたままではTASで動く渚を追跡するのは不可能だ。 ダーマの静止を命ずる声だけが、森の中に虚しく響いていた。 「ハァ……ハァ……邪魔なやつが増えるなんて……」 交戦場所からはすでに遠く離れた森の中、渚はぜいぜいと息を鳴らした。 ただ疲労しているだけではない。手も足も 彼女の体中の至る部分から激痛が走り、渚を苛んでいた。 TASによる無理な高速活動は、到底普通の人間の体が耐えられるものではない。 人の体は常に100%の力で活動するようには出来ていないのだ。 無理な動きを続けていれば、やがて肉体は崩壊する。 現に彼女の全身には、高速活動によるダメージが着々と蓄積されていた。 「お兄ちゃん、お兄ちゃん、おにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃん」 しかし彼女は自分の身体の危機に頓着しない。 彼女は一刻も早くお兄ちゃんのもとに帰らなければならない。 帰ってお兄ちゃんのお世話をしなければならない。 お兄ちゃんは彼女がいなければ生きていけない体なのだから。 彼女がお兄ちゃんをそんな体にしたのだから。 「待っててね。 すぐに帰ってご飯作ってあげるからね。 おにいちゃああああああああああああああああああああああああん」 軋む身体を動かし続け、ヤンデレ妹は進み続ける。 最も愛するただひとりの人、お兄ちゃんと再会することだけを願って。 ♡ 「……助けてくれてありがとう」 「人々を守る為に戦う男、スパイダーン!(別人)」 傷の治療を終えてほっと一息つくと スパイダーマッが来てくれなければ私は死んでいたのだという実感が沸き起こり 私は思わず肩に巻いた包帯を押さえた。 それにしてもあの娘。 どんな術を使っているのか知らないが、あんな動きをして 脆弱な人間の体が無事で済むとは思えない。 彼女はそれを知って、それでも止まらないのだろうか。 自分の身を滅ぼすとわかっていても 愛のために、ただ愛する人と会うためだけに―― 私にそんなことができるだろうか もう一度幻想郷に戻るために、彼女に会うために、彼女に、魔理沙に―――― 「突然黙ってどうしたのかと気を揉む男、スパイダーマッ!」 「えっ!? え、ええ大丈夫よ。ごめんなさい」 ダーマの声で私は現実に戻された。 いつの間にか考え込んでいたらしい。 突然黙り込んで不審に思われただろうか? 「……お友達のことは気の毒だった。と悔みの言葉を述べる男、スパイダーマッ!」 「え、あ、ありがとう」 ……どうやらダーマは私の沈黙を、知り合いを失ったショックだと解釈してくれたらしい。 ……そう、鈴仙はあの娘に殺された。 ホロも。 だからこんなことは思っちゃいけない。 何のためらいもなく愛をむきだして叩きつける彼女を 愛のために自分の血も他人の血も流すことを厭わないあの娘のことを 愛に全てを捧げられるあの子を 一瞬でも、羨ましいと思ってしまったなんて 【F-6 森林/1日目・深夜】 【アリス・マーガトロイド@β時代の英雄(魔理沙は大変なものを盗んでいきました)】 [状態] 右肩に切傷(治療済み)、疲労(中) [装備] なし [道具] 基本支給品一式、不明支給品×0~2 [思考・状況] 基本:殺し合いから脱出したい。 1:魔理沙…… 【スパイダーマッ@γ時代の猛者(東映版 スパイダーマン 全名乗り口上)】 [状態] 健康の世界チャンピオン、スパイダーマッ! [装備] スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン [道具] 基本支給品一式、不明支給品×0~2 [思考・状況] 基本:バトロワ主催者に復讐を誓う男、スパイダーマッ! 【鈴仙・優曇華院・イナバ@β時代の英雄(患部で止まってすぐ溶ける~狂気の優曇華院) 死亡確認】 【ホロ@SP1時代の奇才(狼と香辛料MAD) 死亡確認】 ※鈴仙・優曇華院・イナバのデイパックとホロのデイパックは死体の傍に放置されています。 【G-6 森林/1日目・深夜】 【野々原渚(ヤンデレCD)@SP1時代の奇才(ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD)】 [状態] 疲労(大)、全身にダメージ蓄積中、ヤンデレ [装備] 我妻由乃の鉈@未来日記、竜宮レナの鉈@ひぐらしのなく頃に、TAS@TAS動画 [道具] 基本支給品一式 [思考・状況] 基本:全員殺してお兄ちゃんのところに帰る。 ※ヤンデレの妹に死ぬほど愛されて眠れない後編開始前の時系列からの参戦です。 【支給品紹介】 【「怪奇!ろう人形館 」に出てきた蝋人形@チャージマン研!】 音吉さんが勤める100年後の蝋人形館に飾ってある蝋人形たち。 君たちの中にも行った人がいるだろう? むかし偉かった人、有名だった人、いろんな人達を蝋人形にして、陳列してあるんDA☆ 【スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン】 スパイダーマッの能力の全てが集約されたブレスレット。 内部で無限に製造されるスパイダー液と呼ばれる特殊な液体を元にスパイダーエキスを注入したり スパイダーストリングスやスパイダーネットを作り出し、射出することが可能。 スパイダーマッの纏う全身タイツ(スパイダープロテクター)も普段はスパイダーブレスレットに収納されている。 【TAS@TAS動画】 ツールアシステッドスピードラン(Tool-Assisted Speedrun)、もしくはツール・アシステッド・スーパープレイ(Tool-Assisted Superplay)の略。 本来はエミュレータ上の操作で行うタイムアタックのことだが、このロワでは支給されたものが理論的に可能な最速の速さで動けるようになる。 速く動けるだけであり、それ以外の身体の強化や特殊効果はない。 【我妻由乃の鉈@未来日記】 ユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユ ッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッ キーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキ ーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキーユッキー 【竜宮レナの鉈@ひぐらしのなく頃に】 嘘だッ! sm14 やよいとゆっくりと幽愁の兵器 時系列順 sm16 お前らのような踊り手がいるか sm14 やよいとゆっくりと幽愁の兵器 投下順 sm16 お前らのような踊り手がいるか アリス・マーガトロイド sm [[]] スパイダーマッ sm [[]] 鈴仙・優曇華院・イナバ この動画は削除されました ホロ この動画は削除されました 野々原渚(ヤンデレCD) sm [[]]
https://w.atwiki.jp/battleroyale/pages/273.html
登場人物一覧 現在の状態 詳細情報 男性冒険者 女性冒険者 特別枠参加者 その他の人物 286話時点 死亡(32名) ♂ノービス(死体位置:燃え尽きた小屋(C-7)) ♀シーフ(遺品:無し 死体位置:不明 髪型 商人デフォ) ♂アーチャー(遺品:無し 死体位置:不明) プロンテラ案内要員(遺品 無し 死体位置 不明) ♀モンク(遺品:S1アドベンチャースーツ 死体位置 北東の浜辺の小屋(G-3)) ♀ローグ(遺品:大きな金の鈴 死体位置:南東の平原(F-8) ♂商人(遺品:無し 死体位置:林の中の集落(G-4)) ♀アサシン(遺品:各ジェム5個、S3コンポジットボウ、オリデオコンの矢筒 死体位置:丘の木立(D-6)) ♀プリースト(遺品:なし 死体位置:F-3(埋葬済み)) ――――第一回定時放送―――― ♀ソードマン(遺品:アンチペインメントの入っていた小瓶 死体位置:中央森林帯(F-7)) ♀セージ(遺品:幸運剣 トーキーボックス1個 死体位置:島の中央部の森(F-7)) バード(遺品:バリスタ 死体位置:F-3) 工務大臣(遺品:なし 死体位置:小屋(I-5)) ♀クルセイダー(持ち物:レイピア、青箱1個 現在位置: E-4(埋葬済み) 髪型:黒ロング 備考:献身Vitバランス型、右脇腹に負傷) ♂BS(死体位置:F-6 (埋葬済み) 遺品:短剣(何だったかは不明) 備考:戦闘型BS。ガサツ。むっつりスケベ。楽天家) ダンサー(死体位置:F-6(埋葬済み) 遺品:ロープ 備考:子持ちの美女) ♂ソードマン(死体位置:F-6 所持品:熱血鉢巻 外見特徴:ノビデフォ髪 備考:JOB45 両手剣剣士 ヘルファイアによる人格破壊) ――――第二回定時放送―――― ホルグレン(死体位置:G-6 遺品:タバコ、ハンマー、カード帖 支給品一式 思考:家出した娘(♀BS)に会いたい。生きて帰りたい) ♀アーチャー(死体位置:ミストレスに肉体を奪われたため、死体無し 備考:弓に対する怯えあり 妄想族) ジルタス(死体位置:G-6 遺品:なし 備考:♂アコのペット 首輪を付けられている) ♂アサシン(死体位置:E-7 遺品:なし 備考:ロリコン疑惑あり) 忍者(死体位置:I-6 遺品:グラディウス、黄ハーブティ〉 ――――第三回定時放送―――― ♂アコライト(死体位置:G-7(F-7境界付近) 遺品:メイス、ジルタス仮面 備考:支援型 ジルタスの死のショックにより狂気を帯びる) ♀ノービス(死体位置:G-7(F-7境界付近) 遺品:包丁(♂ローグのたむけ品) 外見:ノビデフォ金髪 どろだらけ) ♂マジシャン(死体位置:E-7 遺品 ピンゾロサイコロ3個…内1個は割れている、青箱1個、スティレット 備考:全裸) ♂アルケミスト(死体位置:D-6 遺品:割れにくい試験管・空きビン・ポーション瓶各10本 備考:半製造型 状態:右肩に浅い傷。心臓を貫かれた) ♂クルセイダー(死体位置:E-4 遺品:s2シミター(タートルジェネラル挿し) 備考:盾スキル&スピアクイッケン所持 状態:左目失明、脇腹に深い傷、背に刺し傷、焼け爛れた左半身) グラリス(死体位置:E-4 遺品 TBlバスタードソード、普通の矢筒、スリープアロー十数本とそれを穂先にした銛 備考:Wを救うために10人を殺害する 状態:治療済みの裂傷、左手首より先損失) ♀BS(死体位置:F-6 遺品:ツーハンドアックス 備考:ボス、筋肉娘、覚悟完了 状態:負傷、軽度の火傷) ♂WIZ(死体位置:E-7 遺品:コンバットナイフ、片目眼鏡、とんがり帽子、レッドジェムストーン1つ、血まみれのs1フード 備考:マッド魔術士、デビルチゲット 状態:軽度の火傷、左腕に刺し傷、♂セージに対する敗北感) ♂ローグ(死体位置:F-6 遺品:ポイズンナイフ 備考:殺人快楽至上主義、GMと多少のコンタクト有 状態:全身に軽い切り傷) ♀スーパーノービス(死体位置:E-6 遺品:s2ダマスカス、シルクリボン、カード帖(本人気付いていない) 備考:外見に似合わず経験豊富(短剣型) 状態:JTにより死亡) ♂ハンター(死体位置:E-6 遺品:アーバレスト、ナイフ、プリンセスナイフ、大量の矢 備考:D-A二極 極度の不幸体質 状態:背中に少し深い傷) ミストレス(死体位置:E-6 遺品:ミストレスの冠、カウンターダガー 備考:♀アーチャーの体を乗っ取る。力は以前よりかなり増大しているが、封印は健在。ジョーカーを殺して山に帰る=最後の一人になると決意。♂マジから魔力を奪った! ♂ハンターの誘惑、同時に♀ハンターへの報復) ――――第四回定時放送―――― ♂シーフ(死体位置:D-6 遺品:多めの食料 備考:ハイディング所持。盗作ローグ志望でちょっと頭が良い) 淫徒プリ(死体位置:E-6 遺品:女装用変身セット一式、青箱 備考:女装している 策士 ふとももフェチ 状態:ヘルファイアによる軽度の火傷。寄生虫ルーレットによる死亡) ♀ハンター(現在位置:E-6 所持品:スパナ、古い紫色の箱、フォーチュンソード、オリデオコンの矢筒、クロスボウ 外見:全身の皮膚が半分溶けた異様な姿 備考:対人恐怖症 鳥と会話ができる 純鷹師 弓の扱いはそれなり 状態:発狂 自我崩壊 火傷) ♂スーパーノービス(所持品 スティレット、ガード、ほお紅、装飾用ひまわり、古いカード帖 食料×2 備考:超強面だが頭が悪い 巨漢 BOT症状発言? ♀BSの遺言に従っている 寄生虫を殺す 状態:腹部に裂傷。右足膝、臀部、後背部を刺される。寄生虫の攻撃により死亡) ♀アルケミスト(所持品:S2グラディウス、ガーディアンフォーマルスーツ(ただしカードスロット部のみ)、矢筒、毒矢数本、望遠鏡、食料×2 備考:絶世の美女であり策略家 製薬型 悪女 ♂スパノビと合流したい(一人は怖い)状態:のど元に矢 毒 モンクの手によって安らかに死亡) ♀ナイト(所持品:S1シールド、ツルギ 備考:殺人に強い忌避感とPTSD(大分改善?)。刀剣類が持てない。笑えるように 状態:死亡) ♂プリースト(所持品 修道女のヴェール(マヤパープルc挿し)、でっかいゼロピ、食料×2、マイトスタッフ 備考:強面の殴りプリ。状態:HPSP共に微回復。腹部を刺される。パピヨンの攻撃により死亡。遺体の頭部は損壊) 生存(9名) 単独行動の者 グラサンモンク(所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス 種別不明鞭 備考:右心臓 したぼく2号 悪ケミを守る デビルチを警戒 状態:掌と肩に打撲 SP微妙に枯渇) パーティーを組んでいる者 騎士と商人(現在位置:E-6)♂騎士(所持品:s1少女の日記、カッツバルゲル、錐、カード帖(♀スパノビ遺品) 備考:GMの暗示克服?、混乱して♂ケミを殺害 心身の異常を自覚 ♀商人と同行 両手剣タイプ 状態:痛覚喪失。体力は半分程度。個体認識異常回復。精神は安定。必要とあらば殺人も厭わない? 筆談可能) ♀商人(所持品:乳鉢たくさん、店売りサーベル、カート、100万以上のゼニー 食料2食 備考 わりと戦闘型。メマーナイトあり? ♂セージに特別な感情が…? ♂騎士と同行 嘘が大騒ぎになり自己嫌悪 装置を探す 筆談可能) 一次職PT(現在位置:E-6)♀アコライト(所持品:集中ポーション2個、子デザ、ペットフードいっぱい 食料×2 備考:殴りアコ、方向オンチ、首輪と地図と禁止区域の関係を知る 状態:多少の傷 SP微回復 ♀マジを背負ってE6→F6方向へ移動) ♀マジシャン(所持品:真理の目隠し、とんがり帽子 食料×2 備考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意 状態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し 背中を思い切り蹴られるが意識あり。) ケミWizPT(現在位置:E-6)♀WIZ(所持品:クローキングマフラー、S1ロザリオ、ウィザードスタッフ、DCカタール、+7THグラディウス 多めの食料 備考:Lv99AGIWiz GMに復讐 状態:全身に傷跡、HP/SP中回復 デビルチのユピテルサンダーを受けた時、後頭部を木にぶつけて気絶) 悪ケミ(所持品:バフォ帽、サングラス、グラディウス、黄ハーブティ、食料×2 備考:サバイバル・危険物に特化 スティールを使えるシーフを探す、首輪・地図・禁止区域の関係を知る 状態:♀WIZを担いでE6→D6方向へ移動) 救助隊(現在地:E-6)♂モンク(所持品 なし 備考:アフロ ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷 状態:腕に裂傷 JT複数被弾によるショック症状 意識不明) ♂セージ(所持品:ソードブレイカー 島の秘密を書いた聖書 口紅 備考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑 ♂モンクを連れ帰還中) 以上50名 カード帖所持者 ♀スパノビ→♂騎士 ダンサー→♀BS→♂スーパーノービス ♀ローグ→♂クルセ(開封済) ♀モンク→グラリス(開封済) ホルグレン→♀アルケミスト(開封済)
https://w.atwiki.jp/gundam-vs-gnsk/pages/622.html
ヴェルデバスターガンダムVERDE BUSTER GUNDAM 登場作品 機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER 型式番号 GAT-X103AP 全高 18.46m 重量 99.36t 所属 ファントムペイン 搭乗者 シャムス・コーザ 武装 350mmガンランチャー94mm高エネルギー収束火線ライフル220mm径6連装ミサイルポッドM9009B 複合バヨネット装備型ビームライフル 特殊装備 ヴァリアブルフェイズシフト装甲 【設定】 地球連合軍第81独立機動群「ファントムペイン」の試作型モビルスーツ。 優れたポテンシャルを持つ前期GAT-Xシリーズのカスタマイズによって、続々と現れる新型MSに対抗できる次世代機開発の模索を試み、アクタイオン・インダストリー社を中心とした民間企業連合の技術協力を受けて推進したエースパイロット用カスタマイズMS開発計画―通称「アクタイオン・プロジェクト」に基づき、バスターガンダムの再生機にストライクノワールとブルデュエルとの連携を前提として、専任パイロットのシャムス・コーザの意見を反映させた改良を行う事で完成した。 外見としては顔面を覆うほどの額のバイザー、ガンランチャーと収束火線ライフルが搭載されて大型化した両肩部、両腰の専用ビームライフルなどが特徴。 元のバスターにあった火砲の連結機構は失われたが、FCSが新型になり、加えて連装砲としての運用も可能なビームライフルが追加された事で全体の火力と命中精度が向上し、更にビームライフルの銃剣で接近戦にも対応可能になっている。 「ヴェルデ」とはイタリア語で「緑」の意味。 アクタイオン・プロジェクトによって誕生した5機のMSの名前は、象徴的な色と元になった機体の名前を合わせて名付けられている。 【武装】 350mmガンランチャー 右肩に装備されたレールガン。 バスターに装備されていた物を移設している。 固定装備となった事で収束火線ライフルと連結させる機能は失われている。 94mm高エネルギー収束火線ライフル 左肩に装備されたビーム砲。 バスターに装備されていたものを移設している。 固定装備となった事でガンランチャーと連結させる機能は失われている。 220mm径6連装ミサイルポッド バスターと同数が両肩部に収められている。 それっぽいブロックは両肩で4つあるが、ミサイルがあるのはその内の下2つ。 M9009B 複合バヨネット装備型ビームライフル バスターのガンランチャーと収束火線ライフルの代わりに両腰に新しく装備されたビームライフル。 普通のビームライフルとしてだけでなく、隣り合わせに連結させる事で反動も大きいが高火力長射程な連装砲としても運用できる。 先端にある近接格闘用の銃剣(バヨネット)は特殊な力場を発生させて使う事でPS装甲以外なら容易く貫いてしまう他、連装砲の射程延長のための誘導装置としての役割も持つ。 【原作での活躍】 ファントムペインのホアキン隊にシャムス・コーザ機として配備され、ブレイク・ザ・ワールド事件発生直後、新型駆動コンピュータを開発していたキルギスプラントを襲撃したザフト製MS部隊の殲滅任務を受け、同部隊のストライクノワール、ブルデュエルら2機と共に現場に急行、鎮圧した。 これと同時期に火星に居住するコーディネーターであるマーシャンを殲滅するために2機と共にデルタアストレイと交戦している。 続いて西ユーラシア地方にて2機と共にデストロイガンダムを輸送するハンニバル級陸上戦艦ボナパルトのザフトMS部隊からの防衛任務を艦上からの砲撃によって務めた。 その後、戦局的にザフトに追い詰められた連合軍の起死回生策の一環としてD.S.S.D(深宇宙探査開発機構)が開発したスターゲイザーのAIユニットを奪取すべく、ホアキン中佐が直接指揮するガーティ・ルー級特殊戦闘艦ナナバルクを母艦としてストライクノワールおよびスローターダガー部隊と共にD.S.S.D保有の宇宙ステーション「トロヤ」を襲撃した。 トロヤステーション襲撃では防衛行動に出た多数のシビリアンアストレイDSSDカスタムを撃墜し、ステーションへの連装砲による砲撃で甚大な被害を与えるなど、シャムスの怒りも手伝って高い火力を存分に発揮する事でストライクノワールと共に突出した戦果を挙げたが、最終的に戦闘宙域でエネルギー切れを起こしてフェイズシフトダウンすると共に行動不能となり、直後にシビリアンアストレイ部隊に包囲され、ビームガンの集中砲火を受けて撃墜された。 【搭乗者(パイロット)】 シャムス・コーザ CV. 神谷 浩史(第1話~第2話) / 宮野 真守(第3話、DVD版以降の作品) ファントムペイン特殊戦MS小隊のうちのホアキン隊に所属する隊員で、階級は中尉。19歳。 色つきの(伊達)眼鏡を身につけた黒人男性で、任務中でも軽口を叩く様な皮肉屋かつ好戦的な物言いが特徴。 一方でスウェン・カル・バヤン同様に洗脳教育を受けている事もあってコーディネーターを「化け物」と嫌悪しており、特に同僚でブルデュエルのパイロットのミューディー・ホルクロフトが戦死してからは、彼女を殺したコーディネーターへの激しい憎悪と怒りを露にし続け、感情を押し殺そうと努めるスウェンにさえも食って掛かった。 トロヤステーション襲撃ではコーディネーターへの憎悪のままに機体の火力に任せて敵部隊を蹂躙するものの、機体やオペレーターからの再三の警告を無視して戦闘(という名のほぼ破壊活動)を続行した結果、機体がエネルギー切れによって完全に停止。残存していたシビリアンアストレイ部隊に囲まれた事を知ると皮肉の笑みを浮かべ(漫画版では異常なまでの怒りの表情で中指を立てている)、凄惨な最期を遂げた。 【原作名台詞】 「ハッ…『非人間性』だってさ」ユニウスセブン落下のニュースを見てのコーディネイターに対する反応。やはりブルーコスモスにより洗脳教育が施されていることがわかる。漫画版ではこの後に「人間でもないのに」と続いており、より明確にコーディネイターへの差別意識が表現されている。 「ぶっ殺せるんだぜ! あいつらを…」ボナパルト防衛戦後、スウェンとの会話の中で。ミューディーの戦死により、コーディネーターへの憎しみが一層増していることがわかる。 「お前らコーディネイターはみんな許さねぇ……」DSSDトロヤステーションの戦闘で、多数のシビリアンアストレイDSSDカスタムを撃破し、M9009B 複合バヨネット装備型ビームライフルをステーションに乱射している場面にて。エネルギーゲージがEMPTYに近付いて警告音が鳴り、ナナバルクのオペレーターからも「直ちに帰還してください」と要望しているが、全く聞いておらず、コーディネイターへの恨み言を呟きながら、彼はただ引き金を引き続ける。 【ゲーム内での活躍】 EXVS.FB ストライクノワールのアシストとして参戦。 連装キャノンモードのビームライフルからゲロビを撃つ援護射撃を行う。 格闘CSに配置された事で咄嗟には使えないが弾の制限が無い事と、ここからのキャンセルルートが多いのが利点。 性質的には中距離での置きや追撃に向いている。 アップデートでチャージ時間が短縮され、弾の判定が太くなった。 EXVS.MB 引き続きアシストとして参戦。 アップデートによって火力と発生が向上した。 EXVS.MBON 引き続きアシストとして参戦。 弾速が落ちた代わりに銃口補正が向上し、照射時間が伸びた。 EXVS.2 引き続きアシストとして参戦。ブルデュエルもやっと追加され、ファントムペイン特殊MS小隊が勢揃いした。 また、ブルデュエル同様CPU機として参戦し、弾数無限というCPU機の特権を生かしながらゲロビを垂れ流してくる。 【余談】 シャムスの担当声優は最初は神谷浩史氏だったが、神谷氏が交通事故によって放映中に降板せざるを得なくなったことで、第3話と発売されたDVD版では宮野真守氏が代役として声をあてており、Gジェネレーション等のゲーム作品以降では宮野氏が担当するケースが多くなっている。 この2人は後に機動戦士ガンダム00で仲間として共演を果たすのだが、そう考えるとこれも縁だったのかもしれない。
https://w.atwiki.jp/kakiterowa/pages/82.html
「俺はここにいるぞーーー!!!」 ◆wKs3a28q6Qことピザの1号がその叫びを聞いたのは、ハンバーグラーから逃げて森へ入った時だった。 これと言って特徴の無い声だが、自分には分かる。あれは◆ZhOaCEIpb2こと、 1からの2号の声だ。 その直後、叫びが聞こえた方角から今度は爆発音。 これと言って特徴の無い爆発音だが、自分には分かる。 あれは我らがAAAに於ける最強奥義、『トライエース』によるものだと。 「そうか…先輩…拡声器を…」 走りながら呟く。全てを悟った。 1からの2号が拡声器を使った。それがどんな意味なのか、パロロワ書き手ならばすぐに分かる。 きっと、 1からの2号はもう…。 そこまで考えた所で、ようやく彼はもう逃げなくていい事に気付く。 ピザの1号はその場に座り込んだ。 少し太り気味な上運動不足がたたり、彼の体力は決してある方では無い。 座ると少し落ち着いた。そこでようやく未だ支給品を確認していない事を思い出す。 ロワでは支給品が明暗を分けるなんて常識なのに、この期に及んでそんな重要な事を忘れるとは。 (拡声器が先輩の手に渡ったとしたら、このデイパックには何が…?) ピザ1号(めんどいのでここから省略)はデイパックを逆さにして支給品を出した。 その中身は…。 『同人誌』『同人誌』『同人誌』 「………」 ピザ1号はガッカリして頭を垂れる。 何それ。同人誌三冊って。 これらの同人誌は、すべて自ロワで出された同人誌と同じ物だった。 ていうか、一つのロワで三冊も同人誌が出るってどうよ。しかもその内二冊は腐女子向けだし。 外れアイテムを引かされたキャラの気持ちがこれほど理解できたことは無かった。 ごめんよ自ロワのキャラ達、今までこんなアイテムを支給して…。 「こんなんで、一体これからどうしろと言うんだ…」 目標は目立つことだが、同人誌三冊でどうやって目立てばいいんだ。 いっその事腐女子向け同人誌でオナるというパロロワ史上最も愚かな行為を狙うか…いやそれはさすがにマズイだろ人として…。 精神的にもダメージを受けたピザ1号を、急激に疲労が襲う。 半ば自暴自棄になっていた彼は、そのままその疲労に身を任せた。 ――――ピザ! …ん?誰だ、俺を呼ぶのは…。 ――――目を覚ませ!ピザ! ちょっと、いくら何でもピザピザ失礼でしょ。 俺はふくよかってだけで、ピザでは…。 ――――自分で名乗ってただろ!ピザの1号! 「はっ!?俺は一体…!?」 目を開けると、そこには金髪のツインテールの女が立っていた。 ああ、この人は確か、自ロワで殺害数単独二位の活躍をしているのに登場話数が生存者中最下位で空気扱いされているあの…! 「気付いたか、ピザの1号!」 そう言ってこっちを見るその人物。見た目は自ロワの参加者だが、俺には分かる。 「◆Zp1p5F0JNw、空気の人…」 そう、彼(彼女?)は絶賛過疎中のAAAロワで空気扱いされているキャラを優先的に書き、ロワの進行を影で支える書き手。 ◆Zp1p5F0JNw、通称空気の人(さっき知ったけど)! 「あんたが現れたって事は…」 「そう、お前はこの書き手ロワにおける空気キャラ!だから私はお前を『書き』に来たッ!」 俺が空気…。 まあ、仕方がないか…。AAAロワの知名度的に…。 そもそも何で我らAAAロワ書き手がこのロワに参加できたかが疑問なのだ。 他は漫画、ギャルゲ、アニ、アニ2、ライダー…。今を輝く盛況ロワから、最終回まで突っ走った完結ロワ。 分かっている。どう考えたって、俺達は浮いている。 俺達はいわば強キャラの中に放り込まれた一般人キャラ。その上空気とくれば、自分の役割なんて一つしかない。 噛ませ犬。ズガン。これがバトルロワイアルというものだ。 どうせロクな扱いはされないだろう。 「さあ、ピザ1号。いつまで空気でいるつもりだ。早く現実に戻って目立つ準備をするんだ!」 「…いいんだ、もう」 「何だと?」 「いいんだよ。俺は過疎ロワですら毎回毎回予約キャラがかぶって、書けるキャラを失っているダメ書き手だ。 こんな俺がこの面子の中で目立とうだなんて、嘉門先生もビックリさ…」 そうだ。もういいんだ。 拡声器も先輩が発動させた。少なくとも、AAAの書き手を目立たせるという最低目標は達成したんだ。 俺がすべき事なんて、もう何もない。 「…失望の極みだ、◆wKs3a28q6Q!今のお前は『書く』価値も無いッ!」 突如空気の人が怒鳴る。 「目立てなさそうだから生を諦めるだと!?お前は、そんな理由で殺されたキャラの気持ちが分かるのか!? パロロワに参加させられたキャラが、生を渇望していたキャラ達が、そんな下らない事で死んで納得いくと思うか!」 「でもネタ無いからって自殺したキャラもいるし」 「黙れ!」 ピザ1号の反論をシャットアウトしてなおも空気の人は叫んだ。 「予約かぶり?書けるキャラがいない?それが何だ!私なぞ、自ロワの参加作品なんて一作しかクリアしてないし、持ってないぞ!」 「え…マジで?」 空気の人の突然の発言にピザ1号は固まる。 「いやいやマジマジ。だからクレスの初登場話も『こいつ駄洒落言うのか…じゃあ適当に駄洒落でも言わせとけばいいか』という発想で書いたのだ」 「ええー…」 「そんな状態の私が未だ書き手を続けているのに、お前は何だ!?恥ずかしくないのか!?」 いや、そんなので威張られても…つうか、それ書き手としてダメだろ。 「空気の人の言う通りだ」 ピザ1号の背後から聞き覚えのある声がする。 髪をリーゼントにしたヤンキー風の男、しかしこれと言って特徴のない顔。 先程まで自分を背負ってくれて、そして拡声器を発動させたはずの偉大な先輩。 「 1からの2号先輩…」 「ピザの1号よ!お前のロワに対する熱情はその程度なのか!?お前にAAAロワを託した俺の気持ちを踏みにじるのか!? 過疎という理由で、盛況ロワの前に屈するのか!?」 「そ、それは…」 1からの2号がピザ1号の右肩に手を置く。 「ピザの1号!年が明ける瞬間、お前はどこにいた?」 「…AAAロワスレに張り付いていました」 今度は空気の人が左肩に手を置く。 「ラジオツアーが来た時、お前は何をしていた?」 「…ラジオ直前に作品を投下しました」 今度は 1からの2号と空気の人が同時に問いかける。 「「受験を控えた一週間前、お前は何をしていた!?」」 「…ロワを書いていました!」 「「自ロワを愛しているか!?」」 「愛している!この思いは誰にも負けない!」 「「そうだ!それでいい!」」 そうだ。俺の自ロワに対する思い!自ロワに対する情熱!完結への意欲! 盛況ロワの書き手でも、過疎ロワの書き手でも、自ロワへの愛にレベル差は無い! 目立つ事だけを考えていて忘れてしまっていた。初めてロワを書いた時の初心という物を。 「…どうやら、もう私の出る幕は無いようだ。お前は立派に空気を脱出した。ここからは、お前がお前自身の物語を紡いでいくんだ」 空気の人が肩から手を離す。 「これからのAAAロワは任せた。俺達の情熱を受け取って、必ずや完結まで駆け抜けてくれ」 続いて、 1からの2号も手を離した。 それと同時に、ピザ1号の視界が白に埋め尽くされていく。 「先輩…ッ、空気の人…ッ」 二人に何か言いたい。けれど、何故か声を発する事が出来なかった。 だが消えゆく二人を見て口を動かす。自分達の心が一つなら、言うべき事も同じはずだ。 「「「トライア様、万歳…ッ」」」 ピザ1号が目を覚ます。そこにはただ森が広がるのみ。 「…夢、か?」 今のは一体?夢だったのか?それにしてはハッキリと覚えている。 だが夢であろうと何であろうと、自分の情熱に再び火が灯ったは事実だった。 (拡声器を発動させた先輩…それと一緒にいたって事は空気の人も…恐らく…) だが悲しまない。 自分にはすべき事があった。いなくなった二人の書き手の分まで、自分達が動かなければならないのだ。 足下に落ちていた同人誌を手に取る。 これは、自分たちのロワがここに存在する証だ。 「俺達のロワは、確かにここにある」 誰に言う訳でもなく、ピザ1号は静かに呟いた。 【黎明】【C-8 森】 【ピザの1号(◆wKs3a28q6Q)@AAAロワ】 【状態】地味に決意 【装備】ない 【所持品】不明 【思考・行動】 1・目立つ! 2・そのためにも活躍して生き残る! 3・脱出してロワを完結させる! 064 首狩り女と不死者 投下順に読む 066 ウルトラミキサー 062 バトルマスター 時系列順に読む 067 嵐を呼ぶカオス 027 とりあえずこれからは卑屈っぽく見えないように『過疎ロワ』のことを高貴っぽく『カソリーヌ』って呼ぼう ピザの1号(◆wKs3a28q6Q) 095 前門の虎。後門の狼。そして……
https://w.atwiki.jp/sinsetsuz/pages/64.html
少し喉が乾いた。きっかけはその程度のことだった。食堂に行って水でも飲もう。食堂を選んだのは、喉を潤そうと思い立った場所から一番近かったからだ。 月の女神の名を冠した戦艦の中は、慣れ親しんだ我が家の様に把握している。ほどなく食堂につき、がらんとした食堂内でぽつんとテーブルの上に置かれている瓶に気づいた。クルーの誰かが忘れていったものだろうか。 ラベルは貼られていない。グラスに一杯注がれていて、びっしりと滴る水滴が喉を通った時の心地良さを保証していた。ひょっとしたら、休息の時に誰かが購入したミネラルウォーターかなにかなのだろうか。 照りつける太陽の下、良く冷えた水を呑んだ時の心地良さを思い出し、ごくりと喉を鳴らす。 ――ちょっとだけなら、構わないかな? ささやかな罪悪感は、潤いを求める自分の声の前に呆気なく敗北した。 十代の少年のものにしてはやや細めの手が、良く冷えたグラスを掴み、唇へと運んだ。それが、別の艦のクルーがこっそりと持ち込んだアルコールであると知るのは、思い切りよく喉を鳴らしてからだった。 「ぐへぇ!?」 とりあえず咽た。 ザフトの最新鋭艦ミネルバの廊下を、一人の女性が歩いていた。半舷休息となった際に、普段は乗っている船の艦長からちょっとした頼まれ事をしたからだ。 身に着けているのは黒を主体にした軍服らしい固い印象を受ける上衣。下は女性の歩みにつられて揺れるスカート。 一歩歩むたびに丈の短い黒の布地からは眩いまでの肌が覗き、女性が望まなくてもオス共の視線を引き付けるには十分すぎる魅力が、薄い煙の様にふりまかれている。 当の本人にそのような意図はあるまいが、うっすらと春の陽光の下で咲き、ほのかにぬくもりを帯びた風に散る桜の花びらの様な唇。 背に掛かるほどまで延びた茶の色が濃い黒髪は、淡風に揺れる極上の絹糸のようにさらさら、さらさらと女性の歩みに従順に従い揺れ、天使の輪を浮かべる光沢はその髪を梳く指に、吸いつくような手触りを与える事を約束している。 女性特有の柔らかな曲線を描く輪郭の中に、翡翠のもっとも純粋な一塊を象眼した様な瞳と、まるで恥じらうように控えめながら、美しいと称されるバランスを高い水準で体現した鼻梁のライン。 街を歩けば声を掛けてくる男にも、また嫉妬と羨望の視線を手がつかめそうな濃度で向けてくる女にも事欠かぬ美女であった。 その美貌を独占するために、春の陽光と夏の陽炎、秋の三日月と冬の雪とが争っても仕方が無いと見える。 美貌とは華やかなものだ。抜きん出た美というものは人の目を集め、それはやがて不幸を呼び、あるいは幸福を呼ぶ。 鼻が三センチ短かったら歴史が変わっていたというクレオパトラの末路や、断頭台の露と消えたマリー・アントワネットの最後の様に、時に“美”はその持ち主に運命という絶望と同意の不幸の影を落とす。 この女性の場合は、少なくとも幸福ではあるまい。野端に咲く一輪の花が恥じらう様な貌に時折揺れる仄暗い影は、決して光に包まれた幸福な人生の持ち主が纏う筈もない陰鬱さを孕んでいるではないか。 今は凛々しく引き締められた唇や、美眉は、苦しみに、悲しみに、怒りに、憎しみに、恐怖に、絶望に歪む時こそ最も美しく形を成すのではないだろうか。 痛みに苛まれ、涙を流し許しを懇願する女性の姿は、長く俗世と断絶した聖者の死滅した快楽中枢さえ刺激して淫蕩な誘惑となってもおかしくあるまい。 万人の精神の奥底に秘められた甘美なまでに危険で、あまりに魅力的な背徳の感情を揺さ振る影が、まるで伴侶の様に親しげに、女性の肩に見えない手を回しているのかもしれなかった。 足を止めた女性が、軍服に締め付けられて尚、砂糖菓子みたいに甘くふわふわと柔らかそうな曲線を描く胸の中から、小さくため息をついた。少し歩き疲れたらしい。 少し先に見えた自販機と長椅子のある休憩所で一休みしようと、小さく頷いてま歩き出す。 纏う雰囲気の故に、歩みを再開させた肉感的な肉体はどこか白霧の向こうの国の人の様に儚い印象を受ける。 軍服越しに描かれる曲線も悩ましい蜂腰と、その先にあるスカートの中で悩ましげに揺れる尻肉も、眩さが目に沁み入るほどに輝くすらりと伸びた足も、いざ手に触れようとしても空を掴んでしまうような、どこか遠い雰囲気を纏っていた。 ふと、自販機の前まで歩いていた足が止められた。電燈に落とされる女性の影もまた止まる。廊下の向こうからこちらへ歩いてくる顔見知りに気付いたからだ。 女性より二、三センチほど低い背丈に、ややサイズの合っていない、丈の長い軍服を着こんだ少年だ。 斬り裂かれた清純な乙女の肌にぽつりと浮いた血の珠の様に、澄み切った朱色の瞳は実年齢よりやや幼げで、少し聞かん坊めいた意地の強さがうかがえる。 ちっとも直そうとしない所為で、逆にトレードマークみたいになった跳ねっ毛の多い黒髪は、碌に手入れもされていないだろうに枝毛一つなく少年の白い肌にはらりとかかっている。 ときおりふらふらと揺れる足取りに、女性は少しだけ不思議そうな顔をして、どこか調子が悪いのかしら? と心中で首を捻ったが、こちらに気づいた少年の声に疑惑はかき消された。 「セツコさんじゃないですか? どうしてミネルバに?」 「ちょっとブライト艦長に頼まれ事をされたの。シン君は? 部屋に戻る所?」 「ええ、まあそんな所です。なんだか体が熱くって。ああ、そうだなんか飲みます? それ位ならおれが奢りますよ」 「そんな」 と、はにかむ様に笑って曖昧に遠慮するセツコを無視して、シンは自販機に指を伸ばしてドリンクを二本購入した。ごく普通のミネラルウォーターとアイスティーだった。 「どっちにします?」 「じゃあ、紅茶の方」 「はい」 「ありがとう」 「別にお礼言われるようなことじゃないですよ」 差し出されたアイスティーのボトルを受け取り、仕方ないなあ、と少しだけお姉さんぶるような雰囲気で礼を告げるセツコに、シンはこちらも微苦笑するようにして答えた。それからどちらから言うわけでもなく椅子に腰かけた。 セツコの隣に座ったシンの位置が、少しだけ近い様にセツコには思えた。といっても、隣に座るような経験が多いわけではない。ただ、なんとなくそう思っただけだ。それに不愉快さは唯の一片たりともなかった。 「シン君、いつもシミュレーターに付き合ってくれたり、戦闘で援護してくれてありがとう。シン君のおかげでずいぶん助けられてる」 「いいですよ、それ位。ZEUTHの仲間でしょ? それにフリーダムを撃墜する時の訓練でも手伝ってもらったし。それより無茶してないですか? ちゃんと休まないと帰って体に悪いですよ。この前だってシミュレーターの中で寝てたでしょう」 「知っていたの? 分かってはいるんだけれど、今の私じゃ、まだまだ力不足だから」 そう言うセツコに、シンは歯痒そうな顔を浮かべるが、どこか自嘲するように手に持ったアイスティーを見つめて顔を伏せるセツコは、シンの表情に気付いてはいなかった。 粛々と自分の運命を受け入れる生贄の祭壇に載せられた乙女の様子に、シンは決して良い感情を抱いてはいないようだった。 「セツコさんは、他の誰も真似できないってくらい一生懸命、頑張ってます、努力してます! おれだってフリーダムを落とす為の訓練をしてた時はかなり思い詰めてたけど、セツコさんはいつもそれが当たり前になっているじゃないですか! そんなの、いつまでも続くわけないじゃないですか、心よりも先に体が壊れちゃいますよ! もっと自分の事も大切にしてください」 「うん、ごめんね」 「謝るよりも実践してください。そしたらおれもこんな事言わないですから」 「いつもより厳しいね、シン君」 「セツコさんが意地っ張りだからです」 でも、もう私の体は――それから続く言葉を、セツコは心の中で押し殺した。この目の前の少年の気遣いは、言葉で飾らぬからこそより深くセツコの心に沁み入ってくる。 何の他意もなく純粋にセツコの事を案じるシンの言葉は、自暴自棄の影が差していたセツコの心に、寒風吹きすさぶ荒野の中で春のぬくもりを帯びた風に頬を撫でられたような、そんな暖かさを感じさせてくれた。 勢いよくキャップを開け、ごくごくと喉を鳴らしてミネラルウォーターを飲むシンの傍らで、セツコは言葉には出さぬ感謝の念を抱いていた。 ボトルから口を放したシンが、セツコの方を振り向き、真摯な顔で話しかけてきた。心なしか二人の顔の距離が近い。 「セツコさん、お願いだから自分の事を大切にしてください。セツコさんが傷ついたら皆が悲しみます。カミーユやルナや、勝平やガロードにロラン、レントンやエウレカだって。ZEUTHの皆がです。 みんな、セツコさんの事が大切なんだ。自分がそんな風に思われてるって、自覚あります? 悲しみを広げないために戦うって言うんなら、自分の事も大切にしてください」 「……ありがとう。でも、私が私自身の手で決着を着けなければいけない事もあるの。みんなが、私の事を心配してくれるのは本当に嬉しい。でも、それを分かっていても、私は私の為に、あの男との決着を着けなければいけないと思う。 私がグローリー・スターの一員で、その事が誇りである限り。私が味わった悲しみを他の誰かに広げない為に」 シンの赤い瞳に映ったセツコは、これだけは譲れないと、かつての気弱な影はどこにも見られない、凛とした――しかしどこか痛切な光を宿し、翡翠の瞳でシンの心と向き合っていた。 シンは、自分の言いたい事をセツコが理解してなお戦うという言葉に怒りを覚え、そしてすぐに別の感情が胸を占めた。同情……ではあるまい。分かってもらえぬ苛立ちや怒りの後に来た感情が何か、この時のシンには分からなかった。 重たいものが床に落ちて跳ねる音と、セツコの視界が唐突に揺れるのは同時だった。床に落ちたのはシンが手に持っていたミネラルウォーターのボトル。セツコの視界が揺れたのは、シンに体を強く強く抱きしめられていたから。 シン君が目の前から消えた。痛いくらいに力を込められた腕が、私の体を抱きしめている。右の視界の隅に黒髪と右の肩が映っている。右の耳に熱い吐息が、嗚咽を漏らすように吹きつけてくる。 とくん、とくん、と押し潰された乳房越しに心臓の鼓動が体の中を通って聞こえてくる。 これは誰の腕? これは誰の髪? これは誰の吐息? これは誰の心臓の音? ――シン君のだ。シン君の腕。シン君の髪。シン君の吐息。シン君の心臓の音。こんなに近くで、唐突に。どうして? 突然の事に困惑するセツコは、幼子に語りかける慈母の様に優しく、しかしどこか困惑の色を浮かべてシンの名を呼んだ。そこに男の性に対する嫌悪や畏怖の感情は混じってはいなかった。それは相手がシンだからだろうか? 「シン君?」 「……セツコさんが、どうしても戦いをやめないって言うんなら。おれがずっと隣で戦います。セツコさんを守ります。もう、誰もおれの目の前で失いたくない」 「……シン君」 セツコは思い出していた。チラムの首都を業火の中に飲み込んだあの忌わしきMSに乗っていた少女の事。ステラ・ルーシェ、ラテン語で星という意味を持つ名前の少女を、シンがどれだけ気に掛け、そしてその死を嘆いていたかを。 今も、ステラを手に掛けたフリーダムを斃した時の、シンの虚ろな笑い声はセツコの耳の奥にこびりついて離れない。 心のどこかを真っ暗な穴の中に落としてしまった人間だけが挙げる事の出来る、空っぽで、冷たくて、悲しくて、聞いている誰もが涙に暮れてしまうような、シンの笑い声を。 あの時のシンの笑い声は、この世にそれ以上はないというほどの悲しみと無力な自分への怒りと混ざり合った、シンの魂の挙げる悲鳴だ。 それがあまりにも痛々しくて、少しでもそれを癒してあげられない自分の無力に、セツコもまた悲しみに胸を痛めた。 だから、セツコの口から零れたのは、せめてもの、気休めというのも愚かな、優しい優しい嘘。 「大丈夫だよ。シン君の目の前から消えたりしないから。私は大丈夫。私にはZEUTHの皆も、シン君も居てくれる。私は一人じゃない。だから、大丈夫。ね?」 「……おれ、守らなくっちゃって、父さんも母さんもマユもステラも、おれが居たのに守れなかったから、だから、今度は、今度こそはって」 「うん」 意味を成さない言葉の羅列になり始めたシンの言葉を、セツコは聞き続けた。抱きしめられた時から、動かさずにいた腕をシンの背に回し、少しだけ躊躇するように手をひっこめてから、腕の中の赤子をあやす母親の様にシンの体を優しく抱きよせる。 シンの腕に込められた力が少しだけ緩められた。自分を慈しんでくれる母の腕の中にいるのだと悟った、子供の様に。 「おれ、守りたいです。ZEUTHの皆も、ミネルバの皆も」 「うん。シン君ならできるよ。シン君がすごく頑張っているって事、本当に、みんなの事を守りたいんだって思っているって事、私は知っているから。約束する。私は、シン君の目の前から消えたりしない」 「はい。……おれもセツコさんが頑張っているって事、知っています。セツコさんがホントに、本当に頑張っているって。だから、おれ、セツコさんの事守りたいです。セツコさんの努力を馬鹿にするやつも、傷つけようとするやつも、悲しませようとするやつからも。 セツコさんの近くでセツコさんの事を見てきたから、セツコさんの傍でセツコさんと戦ってきたから、セツコさんの隣にいたいから。おれは、セツコさんと、もっと、ずっと、一緒に……」 「……うん。ありがとう、シン君」 君は私の事を守りたいって言ってくれるけど、もう私の心を守ってくれているんだよ? 私を守りたいって言ってくれる君の言葉が、私の事を認めてくれる君の言葉が、私の居場所を教えてくれる君の言葉が、どんなに私の心を救ってくれているのか、きっと君は知らないよね。 だから、きっと君との約束を破ってしまう私を、君は許してくれないよね。 「……シン君?」 「……」 「眠っているの? そういえば、なんだかお酒臭い。こら、未成年はお酒を飲んじゃ駄目なのよ。……ふふ、でもシン君の寝顔、可愛いな」 セツコの肩に涙に濡れた顔を押しつけるようにして眠ってしまったシンの寝顔を、なんとか盗み見て、泣き疲れて眠るその姿に、セツコは穏やかな笑みを浮かべる。 シンの閉ざされた瞼から流れる涙を、喜びと悲しみの入り混じった瞳で見つめていた。 「シン君、私の為に泣いてくれるの? もしそうなら、もう私の為には泣かないで。私じゃなくて、もっと、シン君と一緒に未来を歩いていける人の為に、涙は取っておいて。私じゃあ、シン君の隣で一緒に未来を歩いてはいけないから」 浮かばせられる事ができたのなら、生涯の誇りにできるような、そんなセツコの笑顔。だが、そこには、決して未来を生きようとする人間が浮かべてはならない、破滅の足音を聞いた者のみが浮かべる滅びの美しさが、不吉な影のように浮かんでいた。 シンがセツコの肩を枕代わりにしてから一時間ほどして、シンは目を覚ました。 自分の背に腕を回したまま、安堵しきった無防備な顔で、規則正しい寝息を吐いていたシンが、不意にん、と声を零すと軽く頭を揺すって顔を起こした。 中途半端な睡眠で寝ぼけ眼のシンが、すぐ目の前に、それこそおでこがくっつくくらいの距離にあるセツコの顔に気づき、きょとんとした顔を浮かべる。状況の把握に、脳の処理速度が追い付いていないのだろう。 (シン君ってこんな顔もするんだ。可愛いって言ったら怒るかな?) 突然の緊急事態に硬直するシンに対し、抱きしめ合ったままの姿勢を一時間ほど維持していたセツコは、余裕さえ浮かべて目の前の、息のかかる所にあるシンに向けて微笑んだ。 「おはよう、シン君。目は醒めた?」 「…………え、う、あ。……セツコさん?」 「うん」 朗らかとさえいえる、どこかあどけない子供の様なセツコの返事を聞き、シンの首から耳の先までが瞬時に赤くなった。状況を理解し、人間瞬間湯沸かし器となったのだろう。 反射的にか、シンの腕に力が込められ、頭はのけぞりつつも、シンはセツコの体を思いきり抱き寄せた。互いの体の間で、軍服を大きく盛り上げるセツコの双乳が付きたての餅のように潰れる。 「ん、シン君。ちょっと痛いかな」 「え? ……うああああ、ごごごご、ごめんなさい!!!」 自分が何をしたのか悟ったシンは、まるで漫画の様にセツコの体を手放し、自分の体に回されていたセツコの腕を無意識の内に解いて、椅子から勢いよく飛び退る。 すっかり素面に戻っているようで、少し年上の美女に対して自分が何をしでかしたのかを悟って、顔いっぱいにごめんなさいごめんさない、と赤く書き散らしている。 セツコは、そんなシンの様子が面白くて、控え目ながらも鈴を転がすような小さな笑い声を零す。 「ふふ、気にしないで。私は気にしてないから。あ、レイ君の口癖が移ったのかな」 「あ、や、その、とととととにかく、ごめんなさい!!」 その場で九十度近く腰を曲げて、床に激突しそうな勢いで腰を曲げ、シンはセツコに背を向けて脱兎のごとく駆けだした。 まあ、シンがセツコを抱き枕にして眠っている間は、誰も通りがからなかったから、ラッキースケベだの何だのとシンがからかわれる事は無いだろう。 「そんなに慌てなくてもいいのに」 その背に向けて明るい笑みを零しながら、セツコは手の中に残るシンのぬくもりを感じていた。シンが頭を預けていた自分の右肩に触れる。濡れている。シンの流した涙の為だろう。 「あったかい。シン君は、体だけじゃなくて、涙も、心もあったかいね」 自分の右肩に手を当て残る腕で自分の体を抱きしめた。つい先ほどまでそこにあったぬくもりを忘れぬように、確かめる様に、そっと、しかし強く。そうしなければ、自分を支える事が出来ないとでも言うように。 「あったかいね。……あったかいよ」 セツコは笑みを浮かべながら、何時止まるとも知れぬ涙を流し続けた。 次へ進む
https://w.atwiki.jp/sol-bibliomaniax/pages/233.html
First Contact 三島広光路&望月遡羅 「あー……この辺りは全部持ってるし……。これは保存状態が悪すぎ。ふへ、そろそろ掘り出し物見つけるのも、難しくなってきたねぇ」 西区画の繁華街にある、小さな古道具屋。その中でも、電子書籍が一般的な現代では比較的珍しい、紙の書籍が並んでいる棚の前に、一人の男が立っていた。 癖のある髪の毛をオールバックにして後ろで縛り、赤いフレームのスタイリッシュな眼鏡を掛けている。中華風の長袖シャツの上から、昇り竜をデザインした外套のようなものを羽織っていた。更に奇抜なことには、機械的なデザインを持つ二メートルほどの槍を、右肩に担いでいるということだろうか。 男の名は、【アンタッチャブルサイズ(不可触民の鎌)】三島広光路という。 この西区画を管理するリンク【澪漂管弦楽団】に席を置く生徒であり、現在は丁度仕事のために住処である九龍城砦から町に出た、その帰りだった。彼は、今では珍しい旧世紀の漫画本の蒐集を趣味としており、今日も帰り際に、「そろそろ新しい漫画とか仕入れてねぇかな」と、馴染みの古道具屋に顔を出したわけである。 「ふへ、まあ良いか。それより早く帰らねぇと、また二重にどやされるからな」 しばらく本棚を物色していた光路だったが、出し抜けにそう呟くと、踵を返して古道具屋を後にした。昼下がりの空は、もうすぐ雨でも降り出しそうな様子で、暗く淀んでいる。小手を翳してそんな空を見上げた光路は、 「ありゃ、参ったな。ファンキーレディオの天気予報だと晴れだったはずなんだが」 そう一人ごちて、足早に帰路に着こうとした。 「ヒロさん! ……もう、こんなところにいた!」 と、そんな彼に背後から声を掛ける人物があった。光路が振り返ると、そこに立っていたのは顔の左半分を長く垂れた前髪で隠している少女――彼の同僚である【ファンタズマゴリアバディ(幻想具現化)】望月遡羅の姿だった。 遡羅は形の良い眉を顰めて、頭半分ほど上にある光路の顔を睨んだ。 「また寄り道してましたね? 仕事が終わったらさっさと帰ってきてください!」 「あ、ああ……悪い」 どうやら帰りが遅い自分に痺れを切らして探しに来たらしい同僚に、光路はバツが悪そうな顔をして、謝罪の言葉を口にした。 ふと、遡羅の視線をかわすように目線を下げると、彼女の手に二本の傘が握られていることに気が付く。彼女もそこで思い出したように、 「これですか? 私はサボり魔のヒロさんなんか雨に濡れて風邪でもひけばいいって言ったんですけど、一重さんが持って行けって言うから仕方なくですね……」 照れたような様子で口早にまくし立てる遡羅。彼女のそんなツンデレな反応に思わず光路が苦笑したとき。 「ん?」 「あら……?」 タイミング良く、小さな雫が二人の鼻先を濡らした。 「降ってきちゃいましたね」 「ああ」 最初はぽつぽつとした小ぶりの雨も、すぐに勢いを増して舗装された道に複雑な模様を作っていく。遡羅は手にした片方の傘を光路に差し出すと、自らも一本を開いて頭上に掲げた。 リズミカルに傘を叩く雨粒の音を聴きながら、光路が不意に笑う。 「ふへへ……」 「どうしました?」 遡羅の問いには答えず、光路はねぐらである九龍城砦への道を歩き出した。慌ててその後姿を追いかける遡羅に、光路は苦笑しながら答えた。 「いや……俺達が初めて出会ったときも、こんな雨の日だったよなあって、思い出してね」 「ああ……そういえばそうですね」 彼の言葉に、遡羅も泣き出した空を見上げて昔に思いを馳せる―― ♪ 六年前―― 「やっべえ、傘なんか持ってきてねえぞ?」 光路は今日と同じように突然の雨に降られ、しかしそんな彼に傘を差し出してくれる同僚は当時はおらず、仕方なく雨の中を足早に九龍城砦へ向かっている途中だった。 「ふへ、日ごろの行いは良いつもりだったんだがねえ……」 友人である二重に聞かれたら、「【無能】が。サボり魔の貴様が言えた言葉ではないな」と馬鹿にされるだろう。しかしそんな言葉を掛けてくれる友人の姿も側にはなく、さらに強まった雨足に、どこか雨宿りできるところはないかと視線を彷徨わせたところで―― 「ん?」 自分と同じように、傘も持たず雨に濡れるのに任せるまま、自分の少し前を走り去る少女の姿が目に入った。普段なら人で溢れかえっている通りも、不意の雨に人通りは少ない。 それだけならば何ともない普通の光景。しかし、彼女の数メートル後ろを、何人かの黒服の男達が彼女を追いかけるように走っていったこと以外は、だ。 「なーんか、穏やかじゃなさそうだね……」 その様子に何か不穏な物を感じた光路は、そっとその男達の影を追いかけて、メインストリートから姿を消した。 「はぁっ……はっ、ぐ……はぁっ……」 息も切れ切れに走る少女。その背後を、先ほどから変わらぬ距離で追跡する男達。 否、先ほどよりもその距離は、幾分か縮まっているように見える。 「しつっこい……はぁ、……ですね!」 憎らしげにそう呟く声も、どこか覇気がない。当然だろう、もうかれこれ一時間近くもこの追いかけっこが続いていたのだから。 狭い路地を飛ぶように駆け抜ける少女。しかし、折からの雨に元々減っていた体力がさらに奪われる。なお悪いことに―― 「はぁっ……あっ!」 闇雲に走っているうちに、知らない路地に迷い込んでいた少女は、いつの間にか袋小路に駆け込んでしまっていた。 「ぐっ……しまった!」 転進して逃走を続けようとするも、すでに角には黒服の男達が迫っている。とっさに行く手を遮る壁を見上げるが、その高さは五メートルほど。現在ならばいざ知らず、少女の力では飛び越えることはもちろん、登って乗り越えることもままならない。 「くっ、ここまでですか……」 絶望的な声を上げた少女に、無慈悲な男達の声が被せられる。 「ったく、ちょこまかと逃げやがって……!」 「怪我はさせてもいいが……殺すなよ? 妹とはいえ死体じゃあ奴に対して何の切り札にもならねえからな」 「っつーか、殺しちまったら俺たちの身が終わりだろうよ?」 「キヒヒヒ」「ギャハハハ……」 男達の手には無骨な拳銃が握られている。少女が彼らの隙を探るように、右手を左の袖に差し入れたところで、 「おっと、妙な真似はしないほうがいいと思うぜ?」 その内の一丁が、少女の肩に向けられた。容赦なくその引き金に指をかけ、思わず少女が目を瞑った時。 「よお……おにーさんたち」 突然背後から声をかけられ、男達が驚いたように振り返った。否、実際に驚いたのである。何せ、声をかけられるまでその人物の存在に気付かなかったのだから。 そこに立っていたのは、少女と同じくらいの――丁度十代に差し掛かったばかりの少年の姿だった。 「なんだ、お前?」 「大人の仕事の邪魔すんじゃねえよ」 「キヒヒヒ」「ギャハ、ギャハハハ!」 凄みを利かせる男達の存在など意に介さないかのように、少年――光路は悪戯っぽく笑うと、歳相応の無邪気な声で尋ねた。 「おにーさんたち、漫画は好きかい?」 「あ?」 「何だいきなり」 予想外の問いに、男達が素っ頓狂な声を上げる。しかし、光路は独白のように続けた。 「漫画はいいよな……。自分にはとても及びのつかねえような、超人たちがこう……悪者をばったばったと薙ぎ倒す。自分はそれをコマの外っつー観客席から、眺めてるって訳だ。最高の、最っ高のエンターテインメントだよなあ?」 唐突に漫画について語り出す光路。男達の一人が、そんな彼の手に一本の槍が握られていることに気付いたとき。 「俺はさあ、そんな漫画の主人公に――憧れてんだ!」 今まで右肩に担がれていた槍が一瞬――消えたように見えた。 それが、目の前の少年が槍を振るったためだと理解するころには、光路に一番近いところにいた男が足元を掬われて転倒していた。 「っ、て、てめえ……!」 完全な不意打ちに男の一人が怒りの声を上げたことにも気付かないように、光路はクルリと回した槍を、今度は反対の左肩へと載せる。 「ちなみに、俺はそんな主人公には及びもつかない脇役中の脇役――それでもあえて名乗るなら、おにーさんたち。【ドイコーン(双角の麟獣)】って知ってるかい?」 そのまま流れるような動作で懐から現れた銃口が、別の男の眉間に突きつけられた。男達が持っているそれよりも、一世代古びた――それゆえに、使い込まれていることが一目で分かるような拳銃だ。少年の手に余るような代物が、不思議とその手に馴染んでいる。 「【ドイコーン】……?」 「あ、西の澪漂の連中とつるんでるっていう……」 「インチャオの部隊長か!?」「まじかよ、あの天才少年兵……?」 自分の名乗りにうろたる男達を、光路は満足そうな笑みで見つめ、 「ふへへ、随分有名になってきたもんだ。そういった点では、二重の奴に感謝だな。これで俺もまた……物語の主人公に一歩近づいたって訳だ」 そう言うと、何のためらいもなく、手にした銃の引き金を引いた。 空気の爆ぜる軽い音と共に、一番近くにいた男の額に赤い花が咲く。 意識を失った男の身体が地面に倒れたのを皮切りに、光路の手にした槍が閃いた。今度は足払いなどという小技ではなく、相手を倒すための必殺の一撃を―― 「がっ……!」 肩に乗った槍をそのまま振りおろす面打ちで、一人の顔面を両断し。 「ぎゃ……」 叫びかけた一人の喉に斜め下からの突き上げを叩き込み。 「ごっ……ぶ……!」 横向きに引き抜いた切っ先で、さらに隣に立っていた男の首を断ち切り。 「た、助け……ぎゃあっ!」 最後に、先ほど地面に倒した男の左胸を狙って穂先を突き刺したところで。 その場に立っているのは光路と――そして男達に追われていた少女の二人だけとなっていた。 「ふへ、脇役どころかただの噛ませ犬、ザコ戦闘員かっつーの。……と、お嬢ちゃん、大丈夫かい?」 突然現れて一方的に追っ手を蹴散らしてしまった光路に、呆然としていた少女だったが、不意に声を掛けられたところで思い出したように頭を下げた。 「あ、はい! あの……どうもありがとうございました!」 「いやいや、悪い物見せちまったし、お礼言われるほどのことじゃないって」 律儀な少女の仕草に光路は思わず苦笑していた。 「俺は三島広光路。西の澪漂で雑用みたいなことをしてる」 「私は望月遡羅。もうすぐ本科に上がる、予科生です」 少女――遡羅の名前に、光路は「ん?」と妙な声を上げる。 「望月……遡羅? ってことはひょっとして……」 光路の疑問の言葉に遡羅は困ったような顔で答えを示した。 「やっぱり気付かれちゃいましたか……でも助けていただいた方にお礼をしないのも失礼ですからね。ええ、私は【ファンタズマゴリアレジェンド(幻想伝説)】望月楚羅嗚の妹です」 「ひ、ひえぇ……」 【ファンタズマゴリアレジェンド】あるいは【人類最強】と呼ばれる人物の名に、光路は情けない声を上げた。 ♪ 「――なるほど。で、お兄さんに対する人質として狙われてたってことか」 「ええ……入学したばっかりのころはそうでもなかったんですけど、最近は結構そういうことがよくあって。今回は特にあからさまでしたけど」 遡羅の事情を聴いた光路は神妙な顔で頷いた。 「確かに、篭森なんかも前はよく狙われてたって聞くしな」 人を食ったような知人の顔を思い浮かべ、思わず苦笑する。この学園都市において、有名人の関係者というのは良くも悪くも目立ってしまう。しかし、と光路は首を捻った。 「それにしたって遡羅、少しは腕も立つように見えるぜ? 今の奴ら程度なら、あんた一人でもどうにかなったんじゃないのか?」 周囲に転がったままの死体を横目で眺めつつそう言うと、遡羅は小さく笑って首を振った。 「ダメなんですよ」 「何でだ?」 「『楽しくない』からです」 遡羅は無邪気な笑みを浮かべてそう言った。意外な言葉に光路は目を見張る。 「私は、戦って『楽しい』と思える相手じゃないと、本気が出せないんですよ。手加減というのではないのですが……やる気が出ないって言うんですかね?」 戦闘狂というわけではないのだろう。出会って僅かな時間しか経っていないが、光路の中にはそういう確信があった。おそらく、彼女は間近に兄の姿を見ることで、目的を持って戦うことの楽しさを知っているのだろう。光路がそうであるように。それを彼は「変っている」とは評せなかった。 「ところでヒロさん」 光路が、仲睦まじい友人二人の姿を思い浮かべたところで、不意に遡羅が声を掛けてきた――いつの間にか、光路の呼び名が「ヒロさん」にシフトしている。 「ん?」 光路が答えると、遡羅は何のこともなく、言った。 「ちょっと、勝負してみませんか?」 「は?」 「というか、ちょっと指南していただきたいのです。ヒロさんと戦うのは、何だかすごく『楽しそう』なので」 「ふ、ふへへへへ……」 光路は思わず笑っていた。前言撤回。彼女は十分に「変わった」人間だ。 しかし、光路は嫌な顔一つせずに、手にした愛槍を掲げる。 「いいぜ、相手してやるよ。言っておくが、本科生――ランキング百位台のトップランカーを、嘗めるんじゃねえぜ?」 ♪ 二人は同時に踏み込んでいた。 左右が極端に狭い路地。回避できる場所が少ない場所は、彼の槍という武器にとって最大限に威力を発揮できる条件だ。 すると、遡羅は右手を左の袖に入れて、緩やかに引き出した。その手に、長い柄を持つ武器を握って。 「うおっ」 そのまま下から突き上げるように振り抜かれた武器を、上体を反らして回避する。遡羅の手に握られていたのは、柄の先端に緩やかな反りがある刃を持った、大きな鎌だった。普通の鎌とは違い、まるで腕を広げるように二枚の刃が両側へと伸びている。武器として使う鎌というより、死神が手にするような、処刑道具のような禍々しさを見る者に印象付ける武器だ。 「そりゃあどういう手品だい? それとも――ミスティックか」 本来ありえない大きさの武器が袖口から現れたことに、光路は目を見張る。対する遡羅は、取り出した大鎌を一回転、半身の姿勢をとって構えた。 「手品もミスティックも、種明かしをしないのが定石ですよ?」 「ふへ、違いねぇ」 一つ笑って、光路は手にした槍に生体エネルギー――TAOを通した。すると穂先近くから半透明の、やはり反りのある刃が現れる。 光路の持つ槍【黄天衝】――TAOを燃料に三種類の武器を展開する特殊な武器である。遡羅は自分と同じ鎌を武器として構えた光路に、楽しそうに笑いかけた。 「あら、そっちも手品ですか?」 「企業秘密、だ」 光路もその笑顔に答えるようにニヤリと笑い――そして二人は再び武器を構えてぶつかり合う。 単純な力比べならば光路の方に分がある。性別差ももちろんあるが、TAOが使える分攻勢を高めているからだ。 そのまま遡羅の大鎌を弾き飛ばそうとするが、一瞬早く反応した遡羅は自ら武器から手を離す。力を受け流された形になる光路の鎌は、脇の壁にその刃を食い込ませてしまった。それを引き抜くのに、また一瞬が重なる。 遡羅はその隙に壁を蹴って頭上を取る。続けて袖から二本目の大鎌を取り出すと、それを光路目掛けて投げつけた。 「うそん!?」 慌てて自らも槍を手放し、前に跳ぶことでその攻撃をかわす。しかし、かわしたところに二段構え―― 「っ、づあっ!」 跳んだところに水溜りがあり、それに足を取られて無様に転倒してしまった。そこへ着地した遡羅が、地面に転がった大鎌を持ち上げて光路の首筋に添える。 「勝ち、ですね」 「ふへ、ふへへへ……」 本当に嬉しそうに笑い、首から鎌の刃をどける遡羅に、光路は力ない笑いを漏らした。【人類最強】の妹とはいえ、予科生に負けたという事実にショックを受けているようである。と、身を起こした光路の目が妙なものを捕らえた。 「ん? こりゃあ……?」 先ほど足元を取られた水溜りが、虹色の光彩を引いて立ち昇っていく。気付けば折からの雨は上がっており、周囲にも水溜りなどは見られなかった。 「あら、気付かれちゃいましたか。うふふ……」 まるで悪戯が見つかったかのように笑う遡羅。 「私のミスティック能力は、絵に描いたものを具現化させる能力なんです」 そう言って袖から一枚の紙を取り出す遡羅。そこには水溜りの絵が描かれていた。 「なーるほどな。いやいや、参ったねえ……俺も修行が足りないわ」 負けてしまった照れを隠すように頭を掻く光路。二重に「【無能】が」と突っ込まれそうな、鮮やかな負けっぷりだったが、不思議と悔しさはない。それよりも、 「なあ、遡羅」 「なんですか?」 不思議な満足感に満たされていた光路は、遡羅に一つの提案をする。 「お前の、保証人にならせてくれ」 「え、本当ですか?」 突然の申し入れにも関わらず、遡羅は嬉しそうに頷いた。 「よろしくお願いします、ヒロさん」 ♪ 「よく覚えていますねえ。あの日に雨が降ってたことなんて、すっかり忘れていましたよ」 それから六年。その間に、本科に上がってしばらく便利屋をしていた遡羅は、光路の斡旋もあって澪漂管弦楽団に名を連ねる団員となっていた。 初めて出会ったときのことを話していた光路に、遡羅は照れくさそうに笑った。 「ああ、俺に勝ったことなんて、もうすっかり忘れちまったってことか」 「そんなこと言ってないじゃないですか」 茶化すように言った光路の言葉に噛み付く遡羅。ころころと表情が変り、歳相応の少女然とした雰囲気を纏っている。 「とりあえずあの日、ああして刃を交えていなければ、こうして一緒に仕事をしてることもなかったんでしょうから。感謝してますよ?」 「ふへへ」 二本の傘が触れ合って、一方からもう片方へと雨の雫が流れ落ちる。柄にもなく本心を口にしてしまったことを振り払うように、 「まあ、これでちゃんと仕事をしていただければもっと感謝できるんですけどね」 「へいへい、悪かったね」 この後、二人は澪漂の管弦楽団一つを束ねる団長と副団長にまで名を上げることになる。 現在の二重と一重に匹敵するほどの実力者となる二人だが、その話はまた別の物語で語られることになる。
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/499.html
この大地を残酷に、美しく照らす ◆/Vb0OgMDJY氏 そうして、その場には、倒れ付す殺人者と、一人の少女、 そして、 「か、はっ……」 九鬼の口から、言葉が漏れた。 それは、人の死ぬ間際の、吐息に似て、 そして、丁度その魂を運ぶかのような不吉さを持つ光が、太陽に照らされた。 そう、橋の向こう側、未だに太陽の届かぬ先に、美しく舞い続ける、一羽の蝶々のみとなった 東の空より上りだした朝日が迫りながらも、それを拒絶するかのように闇夜の中で、なお不吉な夜の美しさを映し出す。 かつて、誰かが呼んだ通り、まさしく月の光を映す、月光蝶の名の通り、日の光という希望を、拒絶する。 ◇ 最初から、彼女は死んでなど、いなかった。 玲二が、深優に告げなかった事実。 そして、深優が玲二に告げなかった事実が、存在している。 玲二がユメイを見つけた時、彼は深優にユメイの情報を求めた。 それに対しての、深優の答えは、オハシラサマと呼ばれる存在であり、霊力という力を用いる、素手に見えても油断は禁物と答えた。 だから、玲二は遠距離からの奇襲によって仕留めにかかった。 おして、その目論見はほぼ成功していたといってもよいだろう。 あの時点ではまだ生きてはいたが、治療のための道具を取り出す気配も無く、出血も致死量に達するか、というところ。 故に、放置したのだ。 玲二には、『自身、あるいは他者の傷を癒す』という能力との遭遇経験は、なかったのである。 故に、玲二はユメイがまだ生きている事実を告げなかったし、 知識としては認識していても、遠距離狙撃の事は知らない深優は、ユメイは既に死亡しており、能力による治癒はありえないと認識していたのだ。 そうして、蹲りながら傷を癒す彼女の耳に、橋という言葉が、聞こえたのだ。 ◇ 「……あ…?」 声が、漏れる。 少しして、深優はそれが自身の声帯より、生じたものであると理解する。 九鬼鋼耀は、すでに満身創痍の状況であった。 鬼としてあり続ければいずれ再生した怪我ではあるが、今の彼は唯の人間である。 鎖が支えていなければ、すぐさま倒れ付す程の重傷をおった彼の身体を、光の蝶々が、通り抜けた。 その光の通り抜けと共に生じた燐粉は、まるで、彼の命そのものが抜けでているかのようで、 「……あ、あ?」 何が、起きたのか。 状況は理解できているのに、それを認識出来ない。 何が起きたのか、わかっているのに、判りたくない。 思考が、理解を拒んでいる。 と、その時。 死に体の九鬼が、動く。 天の鎖は何の効果も発揮せず、容易く彼の左腕から外れる。 彼の腕は深優の方に突き出され、そして、 「すまん、迷惑……かけちまったな」 今正に、深優を貫かんとしていた光の蝶を、その身体で防ぎ通す。 それが、最期の力。 全ての終わり。 九鬼鋼耀の、命の最期の輝きであり、 深優の行動の、結果であった。 「あ、ああ……」 ふらふらと、手が伸びる。 何処へ伸ばすのか、 何を掴もうというのか、 「ああああ」 何が望みなのか、 何を思うのか、 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 咆、哮 泣くことと、叫ぶ事は似ている。 泣き叫ぶように、声は放たれる。 何が、悲しいのか、わからない。 ただ、何かがひたすらに悲しい。 天も地も無い……ただ、叫ぶ。 泣くように叫ぶ。 怒るように叫ぶ。 悲しむように叫ぶ。 憎むように叫ぶ。 ただ、ただ、純粋に。 何がしたいのかもわからない。 何があるのかもわからない。 ただ、その、悲しみを、世界に、自分に、全てにと、放ちたかった、伝えたかった どうにか、したかった。 どうにもならないから、ただ、叫んだ。 何が叫ばせるのか、それすらもわからないまま、ただ、ただ。 そして、その時に、何かが、光が、生じた。 瞬間に放たれたそれは、正しく 神鳴りであり、 怒槌でもあり、 感情そのままの、発露である 判ることなど、何も無い。 出来る事は、判らない。 あったのは、ただの結果のみ。 怒りでもなく、悲しみでもない。 そこにあったのは、ただの純粋な“感情” 悲しいとか怒りとかに細分化される前の、どうしようもない気持ち。 世界に、己をぶつける行為。 深優・グリーアという少女が、世界に向けた最初の叫び。 巫女であり、祭祀であるhimeの、世界への呼びかけ。 himeとしての、産声。 “カマエル” 何処かで、確かにそのような名で呼ばれた天使。 彼女の『力』としてこの世に生を受けた『仔』―チャイルド―の産声。 狙いなど何も無く、そもそも攻撃的な意思すら定かでなく。 何処でもない、世界へと向けられた『声』は彼女の意思の元、世界へと降り注いだ。 かすかに残された闇を切り裂く、光の刃。 その光は、狙いを大きく外し、橋を支えるワイヤーへと突き刺さる。 両側から支える橋とは異なり、何箇所もの支柱を持つ鉄橋は、一部が破壊されたぐらいでは崩壊はしない。 だが、真に被害が現れたのはその場所ではなく、 外に、殆ど放たれない力は、周囲へと、発散され、付近を破壊し、 度重なる衝撃に撓んでいた中心部はその自重へと絶えかね、轟音とともに、崩落した。 ◇ 川岸に、一輪の華が咲く。 血のように、いや、正しく血そのものの色の華 まるで彼岸花のごとくに、美しく、不吉な色合いをそこに残す。 雷とは、空気中の水分が凍結し、摩擦しあう事によって生まれる真空放電現象である。 要するに、唯の電気の塊なのだが、人々に恐れを抱かせるのは、その規模によるものである。 人の神経の伝達とは電気信号であり、その速度を人は認識出来ない。 故に、あの雷じは、元からユメイを狙った物では無いのだ。 「…………」 夜は、明ける。 元々夜明けはすぐそこまで迫っていたけれど、それでも、どうしても今の雷が夜闇を打ち払ったかのような思いを抱く。 天を操る力。 山の神か、それとも大鬼か、それらに比類しうる力。 神を封じる御柱程度では、到底抗し得ぬ力。 化した鬼を打ち倒し、今また天を呼ぶその力。 あの人は、果たして私の事を仇と思うのだろうか? 或いは、ただ力を奮いたかったのか? 願わくば、前者であってほしい。 その力を桂ちゃんに向ける事無く、私に向けて欲しい。 少女も鬼も、河に落ちた。 山の神も、鬼も、山の眷属なのだから、傷ついた身体で水に落ちた事は幸い。 しばらくはここには戻る事は無い。 先ほどの音を聞いて、恐らくこの場にやってくるあの子達と、出会う事は無い。 今は、此処から離れよう。 桂ちゃんは、きっと心配する。 私がした事を知っても、それでも心配して、ここまで来る。 もう、あの子に会うわけには行かない。 会えば、泣かせてしまいそうだから。 【B-4 鉄橋跡付近、西側/2日目 早朝】 【羽藤柚明@アカイイト】 【装備】:アヴァロン(エクスカリバーの鞘)@Fate/staynight[RealtaNua] 【所持品】 『武器』 :メガバズーカランチャー@リトルバスターズ!、電磁バリア@リトルバスターズ! 騎英の手綱@Fate/staynight[RealtaNua]、金羊の皮(アルゴンコイン)@Fate/staynight[RealtaNua]、 レミントンM700(7.62mmNATO弾:4/4+1)、予備弾10発(7.62mmNATO弾)、包丁@SchoolDaysL×H、 『服飾品』:メルヘンメイド(やよいカラー)@THEIDOLM@STER、ドリルアーム@THE IDOLM@STER、 地方妖怪マグロのシーツ@つよきす-MightyHeart-、光坂学園の制服@CLANNAD 『その他』:支給品一式×5(一つ水なし)、ドッジボール@つよきす-MightyHeart-、縄、 木彫りのヒトデ1/64@CLANNAD、情報の書かれた紙、木彫りのヒトデ4/64@CLANNAD、 ガイドブック(140ページのB4サイズ)、ギルガメッシュ叙事詩、 【状態】:服は血まみれ、《力》増加中(贄の血)、肉体的疲労(中)、力消費(中) 【思考・行動】 1:浅間サクヤを蘇生させ、羽藤桂と再会させるために殺し合いを肯定する。 2:桂が心配 【備考】 ※理樹たち、深優と情報を交換しました。深優からの情報は、電車を破壊した犯人(衛宮士郎)、神崎の性癖?についてのみです。 ※エクスカリバーの鞘の治癒力は極端に落ちています。宝石などで魔力を注げば復活する可能性がありますが、幾つ使えばいいのかなどは不明です。 ※ユメイルート終盤、桂が記憶を取り戻す『パンドラ』以降、ケイがオハシラサマになる『代わりの柱』以前より参戦。 ◇ 俺はまだ、生きている。 何があったのかおぼろげにしかわからないが、それでいい。 結果として俺は生きていて、そしてあの男は死んだ。 深優がどうなったのか、それも今は気にしていられない。 過程などどうでもいい。 そうだ、殺し方なんて気にする必要はない。 要するに、 「な……に……?」 ただ、殺せばそれでいい。 何とか起き上がった視界に、飛び込んできた光景。 ごく普通の女子高生の手に、大きすぎる銃。 少女の手には、大きすぎて不釣合いな代物だ。 実に、意味不明な前衛芸術だな。 この距離だと、外しようが無い。 そもそも、俺は満足に動けもしない。 放たれた銃火は、 容易く俺の肩を貫き、 そして、背後の 奈落へと 転じた。 ◇ 言うか、言わないか、迷った。 だけど、多分後になってから言うのは危険だから。 だから、深優さんが双七さんと一緒にいた事は告げた。 その事で、ここで戦いになってしまう事は予想できたのだけど、他の選択肢も無かった。 ユメイさんには声を掛けずに、橋までやってきて、そして、九鬼さんの死体と、まだ生きてる男の人が居た。 男の人は交渉の余地の無い危険な人だから、迷わず撃った。 「しまった、のかな」 これからどうなるにしろ、あの男を放っておくのは危険だったし、丁度良い場所に居てくれた。 だからまあ撃ってみた、のだけど。 生きてるかな?死んでるかな? 普通撃たれて河に落ちれば死んでるとは思うけど、逆に生存フラグとも言えるのかもしれない。 死んだと思っていたユメイさんが動いたのだし、どうなるか判らない。 ユメイさんに何があったのか知らないけど、とても普通じゃなかったから声は掛けなかった。 そして、今私はまた一人。 強力な同行者も、目的地も無い。 【B-4 鉄橋跡、橋の西側/一日目 早朝】 【山辺美希@CROSS†CHANNEL ~to all people~】 【装備】:イングラムM10@現実(31/32)、投げナイフ4本 【所持品】:支給品一式×3、木彫りのヒトデ7/64@CLANNAD、ノートパソコン、MTB、 『全参加者情報』とかかれたディスク@ギャルゲロワ2ndオリジナル、イングラムM10の予備マガジンx3(9mmパラベラム弾) コルト・パイソン(6/6)、.357マグナム弾10発、スタンガン 【状態】:右肩に銃の掠り傷、左膝に転んだ傷跡、疲労(小) 【思考・行動】 基本方針:とにかく生きて帰る。集団に隠れながら、優勝を目指す。 0:とりあえず誰かお人好しな人を捜す。 1:自身の生存を何よりも最優先に行動する。 2:最悪の場合を考え、守ってくれそうなお人よしをピックアップしておきたい。 3:バトルロワイアルにおける固有化した存在(リピーター)がいるのでは?という想像。 4:深優およびHiMEを警戒。神宮司の力に軽い興味。 5:詳細名簿のデータは改変、もしくは破棄する 【備考】 ※千華留たちと情報交換しました。深優、双七、なつきと情報を交換しました(一日目夕方時点) ※理樹の作戦に乗る気はないが、取りあえず参加している事を装う事にしました。 ※参加者が違う平行世界から来ている可能性を考慮に入れました ※なごみと敵対していた人間の名前を入手。 ※詳細名簿のデータをざっと閲覧しました。 【B-4 河/2日目 早朝】 【吾妻玲二(ツヴァイ)@PHANTOMOFINFERNO】 【装備】: 防弾チョッキ 、 【所持品】:『袋1』SturmRugerGP100(6/6)、.357マグナム弾(24/36)、ダイナマイト@現実×5、トンプソンコンテンダー(弾数1/1) 小鳥丸@あやかしびと-幻妖異聞録-、ニューナンブM60(5/5)、 二ューナンブM60の予備弾9発、 5.56mmx45ライフル弾7発 『袋2』、ハルバード@現実、ハンドブレーカー(電源残量5時間半)@現実、ルガー P08(3/8+1)@Phantom、シアーズの資料 『袋3』 支給品一式×11、刹那の携帯電話 、デジタルカメラ@リトルバスターズ! 、アサシンの腕、USBメモリ@現実 、 桂の携帯(電池2つ)@アカイイト、医療品一式、恭介の機械操作指南メモ、秋生のバット、おにぎりx30 野球道具一式(18人分、バット2本喪失)カジノの見取り図、ゲーム用のメダル(14000枚相当) 懐中時計(オルゴール機能付き)@Phantom、包帯、業務日誌最終ページのコピー 【状態】:肋骨数本と左腕の骨にヒビ、右肩に銃の掠り傷、左膝に転んだ傷跡、首に痣、全身打撲、疲労(大) 【思考・行動】 基本:運営者側を脅迫して、キャルを生き返らせる。その為に首輪を外す、運営者側の反乱分子と接触する。 1:???? 2:他の参加者達から、首輪解除、主催者側の反乱分子に関する情報を聞き出す。返答に関わらず殺す。 3:ドクター・ウェストを発見すれば、首輪を外させる。 【備考】 ※身体に微妙な違和感を感じています。 ※時間軸はキャルBADENDです。 ※5.56mmx45ライフル弾はトンプソンコンテンダー、コルトM16A2で使用可能です ※平行世界の存在に気付きました ※ドクター・ウェストについて、烏月から話を聞きました ※防弾チョッキは一部破損しています ※深優と協定を結びました。 ※シアーズ財団の詳細を知りました。シアーズが主催としている事を知っています。 ※深優がアンドロイドである事を知りました。 ※コンポジットボウはスリングが取り外された状態です。 ※レザーソー、コルトM1917(0/6)、コルトM16A2&スナイパースコープ(0/20)、クトゥグア(0/10)が橋の上に落ちています。 ※コンバットナイフ、ポリネーボガード製の透明の大盾は破壊されました。 ◇ さて、参った。 今度も、何も出来やしない。 いや、前は話せただけ上等だったか。 今は、ただ偶然引っかかった鎖が、何とか、意味を成している。 そういえば、金属を操る、それが、あいつの力だったか。 最期に、力を貸して、くれたのか? 何か、俺は、いつも、お前に助けられて、いるな…… ◇ 嘆く、理由なんて無い。 数十分前に出会っただけ。 死んだところで、気にする必要も無い相手。 彼の死はどうしようもない事象で。 彼の命などどうでも良いもので。 私には、まるで関係の無い事柄で。 今、私が流されないのは、偶然彼の身体に繋がった鎖が、押し留めているだけ。 彼も、私の事などどうでも良かった筈。 悲しむべきものなど、何もないのに 全てが、悲しかった。 【九鬼耀鋼@あやかしびと-幻妖異聞録-:死亡】 【B-4 鉄橋下の河の東岸付近(河の中)/2日目 早朝】 【深優・グリーア@舞-HiME 運命の系統樹】 【装備】:遠坂家十年分の魔力入り宝石、グロック19@現実(8/7+1/予備38)、 【所持品1】:支給品一式4×(食料-2)、拡声器 、天の鎖(エルキドゥ)@Fate/staynight[RealtaNua] 【所持品2】:クサナギ@舞-HiME 運命の系統樹、双身螺旋刀@あやかしびと -幻妖異聞録- 首輪(リセ)、 刹那の制服と下着、ファルの首飾り@シンフォニック=レイン、良月@アカイイト 【状態】:悲嘆、服びしょ濡れ、体力消費(中)、肩に銃創(治療済み)、刀傷(治療済み)、右足から出血、全身打撲、ところどころ裂傷、全参加者の顔と名前は記憶済み 【思考・行動】 基本方針:アリッサを救うために行動する。 0:???? (以下以前の状態表) 1:自分の意志で。 2:アリッサを救うために殺し合いに乗る 3:玲二を欺きつつ共に行動。進路は学校に。 4:できるだけ殺し合いが加速するように他の参加者を扇動する 5:ここにいるHiME(玖我なつき、杉浦碧、藤乃静留)を殺す。殺す時はバレないようにやる 6:士郎、美希を警戒 7:玲二の戦闘技術を盗む。 8;もしアリッサが偽者なら――――自分が正しいと思う事をする。自分の意志で。 【備考】 ※参加時期は深優ルート中盤、アリッサ死亡以降。 ※HiME能力が覚醒しました。 ※アリッサが本物かどうかは不明。深優のメモリーのブラックボックスに記録されたジョセフ神父の独白にその事実が保存されています。 現在、プログラムではなく己の意志で動く深優で在る故に検索することも可能です。 ※万全の状態で戦闘可能になるまでは若干の時間を要します。 ※なつき、双七、美希と情報を交換しました(一日目夕方時点) ※玲二と協定を結びました。反乱分子の情報は深優は持っていません。 ※シアーズ財団の詳細を知りました。シアーズが主催としている事を知っています。 ※アリッサに偽者がいることを知りました。 ※九鬼の支給品(支給品一式、日本酒数本、首輪(宮沢謙吾))が九鬼の死体のすぐ側にあります。 ※鉄橋の中央付近が崩落しました。(遊歩道などがあれば、渡れるかも?) ※鉄橋を中心に、大規模な爆音が付近に響き渡りました。 227 この大地を残酷に、美しく照らす 投下順 228 The straight 時系列順 羽藤柚明 237 THE GAMEM@STER SP(Ⅰ) 深優・グリーア 229 哀しみと真実と 吾妻玲二 山辺美希 231 The knife in the blue 九鬼耀鋼
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/448.html
悪役(後編) ◆tt2ShxkcFQ ◇ ◇ ◇ 駆ける。駆ける。 一人の男が、漆黒に染まった森の中を駆ける。 黒いコートを風になびかせ、全身で風を切りながら。 ヴァッシュ・ザ・スタンピードは森を駆ける。 水銀燈と約束した30分は先ほど経過してしまった。 追いつけるだろうか……いや、追いついてみせる。 息が乱れるが、速度を緩めるつもりは無い。 別行動をとるにあたり、佐山に依頼された事は次の二つ。 脱出を目標にしている参加者を見つけ保護、もしくは協力すること。 機械に精通している参加者を探し、確保すること。 佐山達は古城の仕掛けを確認し次第、地下に潜ると言っていた。 なんでも脱出の手がかりを探すらしい。 一度地下に潜ると何時出てこられるかは分からない。 時間に縛られるのは避けたいという佐山の意見の元、集合時間を決めることはしなかった。 その代わりに渡されたものが、今ヴァッシュのデイバックの中に入っている。 2つの小さな袋に詰められた黒い粉、黒色火薬だ。 黒色火薬は火をつけると、濛々と黒い煙を空へと吐き出し続ける。 そう、昔から使われている連絡手段、狼煙だ。 次に合う時は、どんなに早くても日が昇った後。 佐山達が煙を立てた事を確認した後、すぐさま向かえる場合は1本の煙をたて、早急にE-2駅へ、もしも駅が禁止エリアだった場合は隣のホテルへと向う。 何かしらのトラブルがあり、すぐに向かえない場合、2本の煙を立て、その時の次の放送までに集合場所へと向かう手はずになっている。 『俗に言う、反撃の狼煙になる事を祈ろう』 そう言っていた佐山の顔が脳裏へと浮かぶ。 そしてもう一つ、ヴァッシュがやらなければいけないこと。 「リヴィオ……何が起きているのかは分からないが。俺はお前を信じてるからな。 ……そうだよな、ウルフウッド」 目の前には、数メートル先さえ見えない不気味な闇が続く。 それに負けないよう、さらに足を速める。 殺し合いを止め、全てを救い上げるために……黒い天使は一人、森をかける。 【B-2 学校近くの森/1日目 夜中】 【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン・マキシマム】 [状態]黒髪化、左肩に刺突による傷(再生中)、脇腹の痛み、全身に打撲 [装備]ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃 6/6 @トライガン・マキシマム [道具]支給品一式、拡声器@現実、予備弾丸28発分、佐山のメモ(三回目の放送内容について)、黒色火薬入りの袋×2 [思考・状況] 基本:殺し合いを止める、今度こそ絶対に。 0:水銀燈に追いつき、彼女を手伝う。 1:リヴィオを見つけ、殺し合いに参加している場合は止める。 2:仲間を募る、機会に詳しい参加者を見つける。 3:ウルフウッドとの合流。 4:出来れば水銀燈を佐山達のところへ連れ戻したい。 【備考】 ※原作13巻終了後から参加 ※サカキ、ロベルタの名前はまだ知りません。 ※詩音を『園崎魅音』として認識しています。詩音は死んだと思っています。 ※口径などから、学校の死体を殺すのに使われたのはロベルタの持っていた銃ではないかと考えています。 ※義手の隠し銃には弾が込められていません。弾丸を補給すれば使用可能です。 ※伊波、新庄と情報交換をしました。佐山、ブレンヒルト、小鳥遊、高槻、メカポッポ、片目の男(カズマ)の情報を得ました。 ※水銀燈の左腕が欠損していることに気づきました。 ※佐山達との合流のため、狼煙のルールを決めました。 1、使用するのは早くても日の出後。 2、佐山達の狼煙を発見し次第、ヴァッシュ達が返答の狼煙を上げる。 3、すぐ向かえる場合、1本の煙をたて早急にE-2駅へ、もしも駅が禁止エリアだった場合は隣のホテルへと向う。 4、すぐに向かえない場合、2本の煙を立て、その時の次の放送までに集合場所へと向かう。 ◇ ◇ ◇ 「お前、やっぱり最低の悪党だな」 「言ったはずだよゾロ君、それならば望む所だ。とね」 ゾロの嫌味にそう答えつつ、佐山は自らの荷物を纏める。 「しかし、よくもまぁ思っても無い事をべらべらと言えたもんだ。 それでもあのバカを説得できなかったってんだから、小鳥遊も報われねぇな」 「確かに、ヴァッシュ君の強情さは私の想像を超えていたよ。 だが、首輪解体のためにも仲間はまだ集める必要がある。 彼が水銀燈を諦めていたとしても、恐らくは参加者探しを頼んでいたね」 「はぁ……!?じゃあお前、どっちにしろ行かせてたのかよ。本当に意味がねぇな」 「それは違うよゾロ君、出来る事ならばゼロを共に迎え撃って欲しかったというのは事実だ。 そして何よりも、ヴァッシュ君の人となりを理解することが出来た」 「……だとしても、やっぱりお前のやり方は気にいらねぇ」 「それで構わないよ。先ほどヴァッシュ君に言ったように、私たちは共有している時間が短すぎる。 互いを完全に信用していなければ、いざという時命を預ける事は出来ない……私たちの様にね、ゾロ君」 ゾロは眉をピクリと反応させると、佐山を睨み付ける。 「何もそこまでの信頼関係を築こうと言っている訳ではない、それは一朝一夕で作れるものではないからね。 だが手を組むからには、ある程度は信頼できる人物でなければならない……だからこそ、多少乱暴だがあの手段を取らせて貰ったのだよ」 「本当に自分勝手な野郎だな、一歩間違えればヴァッシュの反感を買ってたぞ」 「だが、そうはならなかった」 佐山の物言いに、ゾロは大きなため息をついた。 そして自らの体の調子を確かめるかのようにグルグルと腕を回す。 悪くない感触に、一つ頷いてからゾロは口を開いた。 「で、ゼロって奴は当然迎え撃つんだよな」 「……それは、この古城の仕掛け次第といった所だね」 「おい、お前がさっき言ってたんだろうが。今ならこっちが有利だって」 「ゼロは君が考えているよりもずっと厄介な相手だよ。ここでは一手のミスが死へと直結する。 迎撃するか撤退するか、私たちの手元にある全てのカードを確かめてから決めても遅くは無い」 「……そうかい、分かったよ大悪党。 さっさと二人を起こして仕掛けとやらを確かめに行くぞ」 ゾロの皮肉に笑みを返してから、佐山は新庄を起こすべく歩み寄った。 眠っている新庄へと視線を向ける。 さて、どうやって起こすべきだろうか。 丸みを帯びた体が、呼吸にあわせて規則正しく上下している。 そして視線は何故か下へ、新庄の尻へと向う。 やはりマロい、このままこの尻を…… 「伊波さん……」 一人で尻の鑑賞会を行っていた佐山の耳に、一つの声が響く。 床に敷き詰められた絨毯に横になり、寝息を立てている新庄・運切。 その新庄の瞳からは、一筋の涙が流れて絨毯に黒いシミを作り上げていた。 『大好きな、友達』 先程の新庄の言葉が、脳裏へと浮かび上がる。 佐山の腕の中、新庄は嗚咽をあげながら伊波のことをそう指した。 体を震わせ、顔を佐山の胸に押し付けながら、新庄は泣き続けたのだ。 佐山は知っている、新庄が言うその意味を。 性別という定義を持っていない新庄が、今までどのような生活を送ってきたかを。 全てを受け入れてくれる友人が、どれ程貴重なものなのかを。 そしてそれを失った新庄が、どれほどの傷を心に負ったかを。 「……新庄君、起きたまえ」 佐山は優しく肩を揺り動かし、そういった。 新庄は薄っすらと瞳を開くと、慌てた様に目をこすってから顔を上げる。 「ん……佐山君?見張り交代の時間……?」 「いや、動かなければならなくなった。休憩はもう終わりだよ」 「え……ヴァッシュさんは?」 「それについては、移動しながら説明しよう」 そう言ってから、小鳥遊へと視線を移す。 呼びかけて体を揺すって見るが、未だ目を覚ます気配は無い。 「やはりまだ目を覚まさないか。少々強く打ち付けすぎただろうか」 「うわ……それすっごい今更だよ、佐山君」 「仕方がない、私が担いでいこう」 そう言って佐山は身を屈めると、器用に小鳥遊の体を右肩に担ぎ上げる。 右腕が痛むのか、一瞬顔をゆがめた。 「佐山君、まだ腕が治ってないんでしょ。ボクかゾロさんが……」 「配慮は無用だよ新庄君、治療符のおかげで大分楽になってきた。 それにゼロが迫っているこの時に、戦うことが出来る新庄君やゾロ君の両腕がふさがれるのは良くない」 「え……ゼロ?」 佐山は首を傾げる新庄に一つ頷くと、デイバックを再生途中の左腕に引っ掛けて歩み始める。 背負った小鳥遊は想像していたよりも重く、佐山の右腕には鈍痛が走る。 「おい、待て佐山……やっぱりダメだ。 さっきお前が言ったように、俺はお前を完全には信用できねぇ」 「な……ゾロさんっ!?」 首筋に冷たいものを感じて、佐山は後ろを振り向いた。 鋭い眼光のゾロが秋水を右腕にもち、佐山の首へと突きつけている。 「何を言っているのかね。ゾロ君」 慌てる様子も無く、佐山はゾロへと問いかける。 「俺は、お前のさっきの言葉がどこまで嘘なのかが分からねぇって言ってるんだ。 小鳥遊はお前の荒治療のおかげで本当に俺らに牙を向けるかも知れねぇ。 そうじゃなくても、俺は見てないが……伊波を助けるときの様には戦力になら無いかもしれねぇ」 「ゾロさん、やめてよっ」 新庄の懇願を無視して、ゾロは佐山に問いかける。 「お前は邪魔になれば、そいつを見捨てるつもりなのか」 ゾロは刀を握る右腕に力を込める。 ゾロは決して、ヴァッシュの様に甘い性格ではない。 倒すべき相手は倒し、命を奪うべき相手からは、躊躇わずにそれを実行するリアリストだ。 だが決して、情の薄い性格でもない。 今は亡き親友との約束を守り通そうと努力し、同じ船の仲間を大切に思う心を持っている。 自分の信念に背く行いは決してしない……そしてそれは、従っていた船長にも言えることだ。 だからこそ確かめたかった。 目の前のこの男は、決定的なところで自分との考え方が合わないのではないか。 この男に従って動くことが、果たして選ぶべき道なのか。 「答えろ佐山、お前にとって、小鳥遊はなんだ」 単なる協力者か、あるいは仲間か……それとも、ただの手駒なのか。 答えを待つゾロに、佐山は微細も変化を見せずに、日常と変わらぬというかのようにゾロに向き直る。 「確かに、小鳥遊君がこれからどうなるかは分からない。 立ち直ってくれると思いたいが、そうはならないかもしれないね……。 もうどうにもならなくなったとしたならば、その時は覚悟が必要かもしれない」 「さ、佐山君……」 「そうか……それがお前の答えか」 鋭い視線を佐山へ向けながら、ゾロは僅かな怒りを顔へ浮かべて刀を収める。 「だが、どんな事が起ころうとも。小鳥遊君は私にとって……」 佐山はそのまま踵を返し、扉へと歩み始める。 「私の大切な、友人だよ」 それを聞いたゾロは目を見開いた。 新庄は微笑みながら、デイバックを担いで佐山に着いていく。 「はっ……上等だ、今はお前について行ってやるよ、大悪党」 小さくそう呟くと、ゾロも自らのバックを持って歩き出した。 その顔に、僅かな笑みを浮かべながら。 【A-2 居館一階 廊下/1日目 夜中】 【佐山・御言@終わりのクロニクル】 [状態]:全身打撲、左腕欠損(リヴィオの左腕)、右腕の骨に皹、全て回復中 [装備]:つけかえ手ぶくろ@ドラえもん(残り使用回数2回)、獏@終わりのクロニクル、治療符@終わりのクロニクル [道具]:基本支給品一式×5(二食分の食事を消費)、S W M29 6インチ 5/6@BLACK LAGOON、予備弾丸26/32 空気クレヨン@ドラえもん 、防災用ヘルメット、 ロープ、防火服、 カッターナイフ、黒色火薬入りの袋、 ミュウツー細胞の注射器@ポケットモンスターSPECIAL、双眼鏡、医薬品多数、ライター、 起源弾@Fate/Zero(残り28発)、 クチバの伝説の進化の石(炎、雷、水)@ポケットモンスターSPECIAL、 空気ピストル@ドラえもん、 メリルのハイスタンダード・デリンジャー(2/2)@トライガン・マキシマム 、排撃貝@ONEPIECE、 デリンジャーの残弾20、 鉄パイプ爆弾×4、治癒符2枚@終わりのクロニクル、ジャバウォックの右腕@ARMS 、伊波の首輪、ハクオロの首輪 [思考・状況] 1:古城の仕掛けを調査する。 2:ゼロへの対処を決める。 3:首輪を解体し、構造と機能を調べる。 4:地下を探索する。 ※小鳥遊が女装させられていた過去を知りました。 ※会場内に迷宮がある、という推測を立てています。 ※地下空間に隠し部屋がある、と推測を立てています。 ※リヴィオの腕を結合したことによって体のバランスが崩れています。 戦闘時の素早い動きに対して不安があるようです。 ※地下鉄を利用するのは危険だと考えています。 ※○の窪みに関しては、首輪は1つでいいという仮説を立てています。 ※ハクオロのデイパックの中身はまだ確認していません。 ※水銀燈に関してはヴァッシュと再合流後、検討しようと考えています ※ヴァッシュ達との合流のため、狼煙のルールを決めました。 1、使用するのは早くても日の出後。 2、地下の探索が終了し、合流の必要が生じた場合に狼煙を上げる。 3、1本の煙を確認した場合は早急にE-2駅へ、もしも駅が禁止エリアだった場合は隣のホテルへと向う。 4、2本の煙を確認した場合はその時の次の放送までに集合場所へと向かう。 【新庄・運切@終りのクロニクル】 [状態]:健康、顔に腫れもの、精神的な疲労、全身にダメージ(小) [装備]:尊秋多学園の制服、運命のスプーン@ポケットモンスターSPECIAL [道具]:支給品一式(食料二食消費、水1/5消費)、コンテンダー・カスタム@Fate/Zero コンテンダーの弾薬箱(スプリングフィールド弾26/30) [思考・状況 ] 0:何があったの? 1:伊波さん…… 2:佐山とここから脱出する 3:ブレンヒルトについてはまだ判断できない。 4:人殺しはしない。 ※小鳥遊宗太については、彼の性癖とかは聞いています。家庭環境は聞いていません ※新庄の肉体は5:30~6:00の間にランダムのタイミングで変化します。 変化はほぼ一瞬、霧のような物に包まれ、変化を終えます。 午前では女性から男性へ、午後は男性から女性へ変化します。 現在は女性。 ※参戦時期は三巻以降です ※まひるに秘密を話しました。次の変化のときに近くの人に話す必要は… 【ロロノア・ゾロ@ワンピース】 [状態]疲労(中)、全身にダメージ(中)(止血、消毒、包帯済み)、左腿に銃創(治療済み)、右肩に掠り傷、腹部に裂傷、全て回復中 [装備]八千代の刀@WORKING!!、秋水@ワンピース、雪走@ワンピース、治療符@終わりのクロニクル [道具]支給品一式×2(食料7/12、水7/12消費)、麦わら海賊団の手配書リスト@ワンピース、迷宮探索ボール@ドラえもん、 不明支給品(1~3)、一方通行の首輪(血がこびりついている) 、ARMSのコア(ジャバウォック)@ARMS [思考・状況] 1:とりあえずは佐山達と行動を共にする。 2:ウソップとルフィの仇打ち 3:ゲームにはのらないが、襲ってきたら斬る(強い剣士がいるなら戦ってみたい) 4:ゼロは迎え撃ちたい。 5:ルフィ(死体でも)、チョッパーを探す。 6:新たな刀が欲しい 7:首輪の秘密が気になる。 ※参戦時期は少なくともエニエスロビー編終了(45巻)以降、スリラーバーグ編(46巻)より前です。 ※雪走が健在であったことに疑問を抱いています。 ※八千代の刀@WORKING!!は僅かにですが歪んでいます。 【小鳥遊宗太@WORKING!!】 [状態]:全身に痛み、気絶中 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式(一食分の食事を消費)、地下の地図、伊波まひるのヘアピン@WORKING!! [思考・状況] 1:伊波さん…… ※獏の制限により、過去を見る時間は3分と長くなっています。このことに気づきかけています。 ※地下鉄を利用するのは危険だと考えています。 ※A-2古城跡・主塔2階Dr.くれはの医務室に伊波のデイパック(支給品一式(食料一食消費、水1/5消費)、マジックハンド×2 @ WORKING!! )が放置されています。 ※A-2古城跡・居館2階客室にカルラの大剣@うたわれるものが放置されています。 ※A-2古城跡・庭園に大型レンチ@BACCANOが放置されています。 時系列順で読む Back 悪役(前編) Next かいぶつのなく頃に~讐たり散らし編~(前編) 投下順で読む Back 悪役(前編) Next [[]] Back Next 悪役(前編) ヴァッシュ・ザ・スタンピード [[]] 悪役(前編) 小鳥遊宗太 [[]] 悪役(前編) 佐山・御言 [[]] 悪役(前編) ロロノア・ゾロ [[]] 悪役(前編) 新庄・運切 [[]]