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Leader Lv3 小野塚 小町 Lv1 魂魄 妖夢 3x 獄界剣「二百由旬の一閃」 2x 人符「現世斬」 3x 投銭「宵越しの銭」 3x 霊符「何処にでもいる浮遊霊」 2x 死神「ヒガンルトゥール」 3x 死価「プライス・オブ・ライフ」 3x 魂符「魂の遊戯」 3x 換命「不惜身命、可惜身命」 3x 未練がましい緊縛霊 3x 浮かばれない地縛霊 2x 彼岸帰航 2x 死者選別の鎌 2x お迎え体験版 2x 無間の道 1x 離魂の鎌 3x 頭上華萎
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Leader Lv4 河城 にとり 2x 昔のことは気にせず 2x 逢魔が刻 2x 悪戯 3x 光符「オプティカルカモフラージュ」 3x 洪水「ウーズフラッディング」 3x 光符「ハイドロカモフラージュ」 1x 河童「のびーるアーム」 3x 漂溺「光り輝く水底のトラウマ」 3x 水符「河童の幻想大瀑布」 3x 河童「スピン・ザ・セファリックプレート」 2x 解体 1x 修理 3x 河童の工廠 3x 空中魚雷 3x 芥川龍之介の河童 3x 光学迷彩スーツ
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そいや蝙蝠変化入れるの忘れてた。 Leader Lv3 レミリア・スカーレット Lv1 博麗 霊夢 3x 夢符「二重結界」 3x 天罰「スターオブダビデ」 2x 必殺「ハートブレイク」 2x 神罰「幼きデーモンロード」 3x 神術「吸血鬼幻想」 3x 紅魔「スカーレットデビル」 3x 「紅色の幻想郷」 2x 紅蝙蝠「ヴァンピリッシュナイト」 2x 神槍「スピア・ザ・グングニル」 2x フェムトファイバーの組紐 3x 調伏 1x 茶会 2x ピンポイント 2x 根性避け 2x 畏怖すべき存在 2x 威厳 3x 運命操作
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コメント 引き分けはリアル大会なら散々やってますが、ネット大会では初。 あの状況では殴り返せないですわ。 露骨過ぎるロック型諏訪子。 狙いすぎて相手の体力を1残して反撃で死んだのは反省要素。 また、《神遊び》3枚では条件問わず打てる回避補正に不安が残る。《パターン避け》《君臨》投入を検討すべきか。 地鎮祭 《土着神の頂点 洩矢諏訪子》3L 《八坂と湖の権化 八坂神奈子》1 スペル22枚 《開宴「二拝二拍一拝」》3 《土着神「七つの石と七つの木」》3 《神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」》3 《土着神「ケロちゃん風雨に負けず」》3 《神符「水眼の如き美しき源泉」》3 《諏訪大戦 ~ 土着神話 vs 中央神話」》3 《ブラックリリー》1 《祟符「ミシャクジさま」》3 サポート9枚 《手長足長さま》3 《ネイティブフェイス》3 《守矢神》3 イベント9枚 《侵略》3 《明日晴れの日、毛の昨日》3 《神遊び》3
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ここに作品タイトル等を記入 更新日:2021/11/25 Thu 13 23 40 タグ一覧 セブンスカラー 紫水龍香 魔龍少女 今回のあらすじを担当するレグルスだ。前回は……クソ!思い出しただけでも腹立たしいが、赤羽、雪花、黒鳥の三人と絶戦を繰り広げたカストル。だがついに三人がカストルを撃破したのだ! おのれ奴らめ!しかし私の敬愛するプロウフ様も何やら動いているようで…… きっと素晴らしい考えをお持ちなのだろうな…… 続きが気になる!どうなる第二十一話! 「龍斗。正しくありなさい。誰かに優しく寄り添い、肩を貸せる人間になりなさい。」 子供の頃、親から事あるごとにに言われた言葉。綺麗事を凝縮した吐き気がする程甘い言葉。 けれど子供の時はそれを素直に受け入れていた。足の不自由な姉のために尽くした。親の期待に添えるよう尽くした。友達のために尽くした。 ……あの男と会うまでは。 「龍斗。貴方の従兄弟の龍賢君よ。龍賢君、龍凛、龍斗の二人と仲良くしてね。」 「はい。」 「はいお母様。よろしくね。龍賢。」 「…うん。」 従兄弟の龍賢。アイツは……俺よりも優れていた。賢かった。強かった。今まで俺に向けられていた視線をアイツは一気に掻っ攫っていった。 その癖アイツは優しかった。俺の隣に立ち続け、声をかけてきた。 「龍斗。一緒に遊ばないか。父さんが新しいゲームを買ってきてくれたんだ。」 「龍斗、良い釣り堀を見つけた。きっと大物が釣れる。」 「お前は将来絶対凄い奴になる。俺にはわかる。」 なんの疑いも、曇りもなく微笑んでアイツは俺に言う。 ……俺は、お前のその優しさが嫌いで仕方なかったよ。龍賢。 ザァザァと降る雨が窓を打ち付ける音が響く館の廊下をアンタレスが歩いていると、ふと窓をジッと見つめる魚のような怪物、アルレシャがいるのに気づく。 「どうしたの?柄にもなく考え事?」 「んお、アンタレスか。」 アンタレスが声をかけるとアルレシャが反応してアンタレスの方を向く。 「いや、ちょっと考え事をな。」 「考え事?」 そう言うとまた思案し始めたアルレシャにふと、アンタレスが思い出したように尋ねる。 「そう言えば、アンタ確か紫水の身内の一人と融合していたわね。」 「あぁ。そうだが。」 「いや、アンタがあの男と意識を残したまま、浸食じゃなくて融合するのを不思議に思って。アンタあの男を見下していたでしょうに。」 そう、アンタレスの言う通り龍香達によって肉体を失ったアルレシャは今その身内、龍斗と一体化している。 あれ程までに心底見下していた人間と一体化するとはどういう心変わりなのか。 「まぁ、確かに最初は乗っ取ってやろうと思ったさ。けどよ。コイツの中に入った時、中々面白いものを見ちまってよ。」 「面白いもの?」 余程面白かったのかククク、と思い出し笑いをしながらアルレシャはアンタレスに言う。 「自分で、自分を絞め殺している様さ。」 アルレシャが龍斗の中に入った時、龍斗がもう一人の龍斗を殺害している様子に出くわしたのだ。 動かなくなった自分を見下ろす龍斗をアルレシャが見つめていると、彼はアルレシャに気づいてこちらに歩み寄る。 その目は以前のような、中途半端な男の目ではなく……ドロリと闇を濁らせた悪意を全身に染み渡らせた男の目であった。 あまりの変貌ぶりにアルレシャは思わず尋ねる。 「…お前、あのボンボンじゃねぇな?誰だ?」 「俺は本物の龍斗。紫水龍斗……。こんな中途半端な奴じゃない。俺は、俺の手でアイツを……紫水龍賢を……殺す。邪魔はさせないぞ。」 「へぇ。…成る程。これが本来のお前、か。初対面よりも好印象だぞ。」 龍斗のドロリとした闇にアルレシャは興味を惹かれる。 「俺も龍賢とやらにくっついているトゥバンをブチのめす……お互い、今のところ目標は一致しているな。にしても、お前は何故あの男を恨んでるんだ?」 「何故…?」 アルレシャの問いに龍斗は目を大きく見開き身体の中に溜まりに溜まった憎悪を吐き出すように叫ぶ。 「アイツは俺から全てを奪った!アイツがいるだけで……俺は……!だから、俺はアイツを殺す!俺を否定する全てを……!」 叫ぶ顔はまさに悪鬼の如し。おどろおどろしい生の感情をぶつけられたアルレシャは、その様子をしばらく見た後、スッと手を差し出す。 「良いだろう。少しだけ、貴様のことを気に入った。その憎悪と俺が手を組めば……無敵だ。」 「………。」 龍斗はその差し出された手を無言のまま握る。その瞬間、龍斗の肉体に変化が起き、水を溢れさせ骨を砕き、肉を潰したような音が鳴り響く。そしてそこには更に禍々しく、凶悪な外見に変化したアルレシャがいた。そしてその口を開く。 「「俺達は、“一心同体”だ。」」 アルレシャの話に、アンタレスはへぇ。と感心する。あのアルレシャの心を動かす程の憎悪……最初は利用されるだけの頼りないボンボンかと思ったが、予想以上のポテンシャルを秘めていたらしい。 アンタレスが感心していると、今度はアルレシャがふと、尋ねてくる。 「……ところで、俺も一つ質問があるんだが。」 「なんだ?」 「二年前の襲撃……アレを手引きしたのは、誰だ?」 「?ソイツじゃないの?」 アンタレスがアルレシャ…龍斗を指を指す。しかし、アルレシャは首を振る。 「コイツの行動ログを見たが、レグルスの野郎が事前に知っていた情報とは大分違っていた。」 「?じゃあ私以外にスパイがいたとか?」 アンタレスがそう言うと、アルレシャはまたも首を振り…アンタレスに耳打ちする。 「……これは仮説で、もしかしたらだが。あの事件、俺達シードゥス、そして“新月”とは違う第三勢力が絡んでいるかもしれねぇ。」 「……第三勢力?」 「そうだ。あの戦い、おかしな点がいくつもある。誰がレグルスに情報を流した?それに、レグルスもアホじゃない。裏取りだってしたハズだ。なのに俺達ツォディアは半壊、他の奴らの被害もかなり出ている。」 「……なに、つまりアンタはこう言いたいの?あの戦いは“誰かに仕組まれた”ことだって。」 アルレシャの推測にアンタレスは怪訝な顔つきになる。だが、アルレシャはあくまで推測だ、と言う。 「だが気をつけた方がいいことは確かだ。…スピカ、カストルが死んだことさえ、仕組まれたことかもしれねぇ。」 アルレシャはそう言うと、また雨が降り頻る窓の外を見やる。 雨は更に勢いを増し、窓の外は何も見えない白い世界が広がっていた。 「……ちょっと。しばらく出撃不可ってどういうこと?」 ツンと鼻をつくアルコール臭が漂う白く清潔な病室のベッドの上で横たわって上半身だけを起こす赤羽が不満げに風見に言う。 風見は林檎を剥きながらはぁとため息をつくと。 「当然でしょ?“雨四光”の損傷具合もそうだけど、アンタ自分の身体見てみなさいよ。」 「……これくらい、何ともないわ。健康よ。」 「どこの世界に全身包帯だらけの健康があるの。アンタのその状態は世間一般では怪我人って言うのよ。」 風見の言う通り、赤羽は至る所に包帯を巻かれ、ガーゼを貼られ…控え目に言っても健康とは真反対に位置する状態となっていた。 「全身に擦り傷に痣を拵えて、挙句の果てには骨にヒビが入っているのよ。安静にしときなさい。」 「ちっ……あのパチモン、今度会ったらタダじゃおかないわ…。」 赤羽は風見が剥いた林檎を一切れ口に運びながらブツクサと文句を言う。 「な、何かごめんなさい……私の偽物が…。」 《お前が謝ることじゃないだろ…。》 「まぁ、怪我して何も出来ない気持ちは私分かるけど、今くらい休憩したっていいんじゃない?だって幹部の一人を討ち取ったんだし、私達。」 「藍、それ赤羽のだぞ…。」 龍香が申し訳なさそうに目を伏せ、カノープスが注意し、風見が剥いた林檎一切れを横取りしながら雪花が言い、黒鳥がそらを嗜める。 「カノープスの言う通り、別に貴女は謝らなくていいわよ……。」 赤羽ポスっと布団に身体を沈ませて、龍香を見るとふと、あの偽物……白龍香が言っていたことを思い出す。 『私は普段表に出ていないもう一人の龍香、って訳。』 あの歪んだ笑みをする一面を目の前の少女がするとは思えない。 (いや……もしかしたら。) もしかしたら本当に龍香の中にはあの恐ろしい感情が眠っているのかもしれない。だが、それは何も龍香に限った事ではない。人間誰しも憎悪と怒りの感情を持つ。 ここにいるメンバーの境遇を考えれば、持つなと言う方が無理な話だ。 「……普段大人しい人程溜め込む、か。」 「?アカチン、何か言った?」 「別に。何でもないわ。それより林檎頂戴。」 「はいはい。」 「にしても、シードゥス由来の装備つけてるアンタ達ちょっと羨ましいわね。ちょっと時間置いたらすぐ治るんでしょ?」 雪花が林檎を食べながら龍香、黒鳥、赤羽を少し恨めしそうに見る。 《まぁ、龍香と黒鳥は肉体も回復出来るし装備も変化だからなぁ。》 「そうそれ、ホント羨ましいわ。だって私と赤羽が一々装備のメンテナンスの時間あるのに、アンタ達は特に気にしなくてもいつでもどこでも、でしょ?」 「あら、それはアタシ達に対する嫌味かしら?」 「アタシは事実を言っただけだしー、メンテナンス時間かかって面倒なのは事実じゃん。ねぇ赤羽。アンタもそう思うでしょ?」 雪花が赤羽に話を振る。赤羽は少し間を置いて。 「いや、いつもメンテナンスしてくれる風見や林張さんに感謝の気持ちはあれど、面倒だなんてことは一回も思ったことはないわ。」 白々しく若干棒読みでそう答えた。 「そう思ってるのはユッキーだけみたいよ?」 「嘘ッ!絶対嘘じゃん!!見てよあの顔あの態度!絶対面倒くさいって赤羽も思ってるってちょ、まっいだだだだだだだ!!?こめかみグリグリはやめいだだだだ!!」 何てやり取りをしていると、龍香の携帯に着信がかかる。 「あ、龍香携帯鳴ってるわよ。」 「ホントだ。誰からだろ?」 そう言って龍香がポケットから携帯を取り出して電話をかけた人の名前を確認すると、驚く。 「えっ、お兄ちゃん?」 龍香は確認するやいなや、ぴっと着信ボタンを押して、携帯を耳に当てて電話に出る。 「あっ、もしもしお兄ちゃん?」 『龍香。今何か取り込んでいるか?』 「いや、特にないよ。今赤羽さんのお見舞いに来てるの。どうかした?」 『いや、少し手伝って貰いたい要件があってな。』 「手伝う?」 兄からの急なお願いに龍香は思わずキョトンとする。 『実はな……』 「だぁーっ!またハズレだぁ!」 桃色の髪をクルリと後ろで纏めた少女、桃井かおりはそう叫ぶと手にしていたゲーム機をポイっとベッドの上に放り投げる。 「確率渋すぎでしょ、ゲームやるってレベルじゃないわよもぉ……」 どうやら上手いことゲームが進行しなくてもブツクサ文句を言いながら部屋で項垂れていると、コンコンと部屋の扉をノックされる。そして続けて母がかおりを呼ぶ。 「かおりー?いるー?」 「なにぃー?」 「お友達が来てるわよー。」 「友達?うん、分かった。今行くー。」 自分の母の言葉にかおりは今日遊ぶ約束してたっけな?と小首を傾げながらトテトテと階段を降り、玄関の扉を開ける。 「はーい。誰ですかー?」 そしてかおりが扉を開けると……そこには親友の龍香と、その兄の龍賢が白い紙袋を持ってそこにいた。 「へ?」 「かおり。突然だけど遊びに来ちゃった!」 「突然の訪問ですまない。これは手土産だ。お口に合うと良いんだが…。」 「え、あ、これはまたご丁寧にどうも……じゃなくて、何でお兄さんが!?」 かおりが何故親友の兄が来ているのか尋ねると、龍賢は申し訳なさそうに微笑んで。 「いや、君には以前記憶喪失の時に世話になったからな。それに、俺がいない間龍香を支えてくれた事もある。少しゴタゴタしていて遅れてしまったが、一度キチンと礼を言いたくて。」 「そ、そんな。支えたのは私一人じゃないし、それに全然私大したことはしてないですし、こんな大層な……」 畏まった態度の龍賢にかおりが慌てていると、龍賢は少しシュンとした顔になる。 「その……もしかして迷惑だったろうか。」 その表情にかおりはうぐっと揺さぶられる。このいじらしさは間違いなく龍香の兄だな…となるがとは言えこうまで言われてしまっては龍賢の気遣いを無碍にするのも気が引けた。 「わ、分かった分かりました!だからそんな顔しないで下さい!」 根負けしたかおりがそう言うと、兄妹の顔が明るくなる。 (ホント可愛いわねこの兄妹……) なんてやっていると家の奥の方からかおりの母が顔を出す。 「あら、龍香ちゃん、それと……」 「申し遅れました。龍香の兄の龍賢と言います。かおりさんには妹が随分とお世話になっているそうで……そのお礼の方を言わせて貰いたいと思い。」 「あらあら、そうなの?わざわざご丁寧にありがとうございます。」 龍賢はそう言って菓子折りを包んだ袋を母に渡す。そして、受け取ったかおり母は頬に手を当て。 「こちらこそ世話になっているのに申し訳ないです。かおりったらずっと龍香が龍香が、って家でも言うものですから。」 「ちょっ、お母さん!」 かおりが抗議の声を上げるが、一度世間話というアクセルを踏み込んだ母が止まることはない。 「龍香ちゃんには私がついてないと、とか龍香ちゃんと何して遊んだのかを話す時はとても嬉しそうにするもので…。」 「えっ…なんか、照れるなぁ。」 赤裸々に暴露される自分の事情に、かおりは顔を真っ赤にして、龍香は照れる。 「もーっ!!お母さん!!」 そう叫ぶとかおりは靴を履いて龍香の手を取って家を出る。 「え、か、かおり?」 「ちょっと外出てくる!」 「お夕飯までには帰ってくるのよー。」 「分かった!!」 そう言うとのしのしとかおりは龍香を連れて、どこかへ行ってしまう。 すみません、とペコリとお辞儀をして龍賢もそれに続く。 その様子を微笑んで見送りながら、母は仲良さげに手を取り歩いていく二人を見て、微笑むのであった。 「今度は貴方が出る……ですか?」 「あぁ。カストルがやられたんだ。黙ってこのまま静観なんて言うなよ。」 蝋燭の灯が照らす部屋の中で椅子に座るプロウフにアルレシャが言う。 アルレシャの顔をプロウフはジッと見つめた後。 「良いですよ。」 「……お前ならそう言うと……なんだって?」 まさかプロウフが許可するとは思っていなかったようでアルレシャは思わず聞き返す。 「良いですよ、と言ったのです。カストルに勝ったとは言え、満身創痍の今なら“新月”メンバーも満足に動けないでしょう。」 「…どう言う風の吹き回しだ?」 「貴方いつも攻撃したがっていたじゃないですか。…勿論、こう言った手前前回のような失態を許す気はありませんが。」 「……嫌味な野郎だな。」 アルレシャがそう言うと、パチンとプロウフが指を鳴らす。その合図を皮切りにプロウフの背後から一人の少女が現れ、その少女の出現にアルレシャは面喰らう。 「なっ、何故お前が……」 「どーも。よろしくね♡」 そこにいたのはカストルが作り出した人形……白いドレスを纏った紫水龍香だった。カストルが死んだ事で龍香も消えたもの…と思っていたアルレシャにプロウフは言う。 「彼女を私が少し手を加えましてね。きっと役に立つでしょう。」 「お前……。」 「“本懐を果たしなさい”。吉報を持ち帰ればそれで良し。これ以上の失敗は許しませんよ。アルレシャ。」 ギロリ、とプロウフは威圧するような瞳でアルレシャを見据えた。 「もぉー!!お母さんったら!!ホントデリカシーないんだから!」 ぷりぷりと怒りながら文句を言うかおりに龍香はあはは…と苦笑いをする。 「でも、何かかおりがそこまで私を思ってくれたのは嬉しいな。ありがとう。」 「も、もう。改めて言わないでよ!結構恥ずかしいんだから!」 なんて二人がキャイキャイしているのを龍賢が眺めていると龍賢の中のトゥバンが話しかけてくる。 《おっ、あの時の女か。アイツは面白い女だぞ。何せただの人間の癖に俺に張り手をする位にはガッツがある。しかも他人のために、だ。》 「それは俺も見ていた。…龍香は良い友を持ったようだな。」 龍賢とトゥバンが話しているとポスンッと足に何かが当たる感触がする。 「?ボール?」 足元に転がってきたサッカーボールを龍賢が拾い上げると、向こうのサッカースタジアムから声がする。 「あっ!すみませーん!」 すると向こうから一人の茶髪の少年が走ってきた。 「君達のか。ほら、返すよ。」 「すみません、ありがとうございま…あれっ、龍香と桃井?」 その少年がふと、龍賢から少し離れた場所にいた二人に声をかけると二人は反応して。 「あれ?藤正君?」 「何してんの?」 二人は龍賢と藤正の所へとやってくる。 「知り合いか?」 「うん!私の、学校のクラスメイト!」 龍香と仲良さげに話す龍賢を見ながら、藤正は桃井に訪ねる。 「…なぁ、この人誰?」 「ん?あぁ。アンタ知らなかったっけ?この人が龍香のお兄さんよ。」 「この人が!?」 驚愕する藤正に龍賢はニコリと笑って手を差し出す。 「君が藤正君、か。龍香が世話になったと聞いている。これからもよくしてやってほしい。」 「あ、ど、どうも。」 藤正は差し出された手を恐る恐る握り返す。それに龍賢が満足そうにしていると、電話の着信音が鳴る。 「すまないな。」 龍賢はそう言うと携帯に出て、ふんふんと電話口の相手と何やらビジネス用語で会話をすると、一旦電話を切り。 「すまないが、少し用事が出来た。桃井さんや、藤正くんとはもう少し話したかったが…また今度とさせて貰う。龍香、友達は大事にな。」 「うん。」 そう言うと龍賢はその場から去ってしまう。龍香が龍賢に手を振ってる間に、藤正はかおりにこそこそと話しかける。 (な、なぁ俺失礼なこととかしてなかったよな!?) (何よ急に…してなかったわよ、全然。) (ほ、ホントに!?ホントにそうか!?) (うっさいわねー…。) なんてやり取りをしている時だった。 「おーい!遅いぞフジマサー!何してんだー!?」 「あっ、悪い悪い。知り合いに会ってさ…。」 サッカースタジアムから声がして藤正はそちらの方へと向かう。何となしに龍香とかおりも観戦するかとそちらの方に向かうと。複数人の子供達に混じって、龍香にとって見覚えのある赤茶の髪の少女が藤正を呼んでいた。 「全くー、コーナーキック頼むぞー。アタシのクロスシュートでまた点数を取ってやるから!」 「あいよ。」 藤正の肩をバシバシ叩くその少女、シオンの姿を見た龍香は思わず声をかける。 「シオンちゃん?」 「んー、その声……龍香!?」 声をかけた龍香に気づくと、シオンはすぐさま龍香に駆け寄ると、ムギューと挨拶代わりと言わんばかりの熱烈なハグをする。 「龍香ー♪また会ったな!約束もなしに会えるなんてこれはもはや運命かもしれないな!」 「ちょ、ちょっとシオンちゃん…は、恥ずかしいよ…」 「「は、はぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」 ギュッと龍香に抱きつくシオンを見て、藤正とかおりは絶叫する。 「ちょ、ちょちょ龍香!凄い仲良さげだけど誰!?誰なのその子!?」 「り、龍香って、もしかして女の人の方が好きなのか!?」 「ふえぇっ!?ち、違うよそう言うんじゃなくて…!」 「龍香は私の命を救ってくれた恩人だからな!そして、唯一無二の友だ!」 龍香に抱きついて、目を輝かせながら言うシオンに龍香はあはは…と苦笑いしながら尋ねる。 「でも、何で藤正君達とサッカーを?」 「んー、何か楽しそうだったから入れてくれるよう頼んだ!そしたらオッケーしてくれたからな!」 あっけからんと言うシオンに藤正が言う。 「…龍香と知り合いだったのか…。でも、実際ソイツ凄いぜ。めっちゃサッカー上手いんだよ。何か習ってたのか?」 「いや、全然?今日やるのが初めてだけど。」 キョトンとした様子でそう言うシオンに藤正は驚愕する。 「えぇ!?い、いやそれは嘘だろ!あのドリブルとか、シュートとか、絶対初心者じゃ無理だって!」 「うーん、テレビとか見てたら覚えたって感じ。」 「み、見て覚えたって…。」 「まぁまぁ、そんなことより皆待たせてるし、続きを早くやろう!あ、龍香も入る?」 「い、いやー。私は観戦させて貰おうかなーって…。」 「あ、そう?なら龍香!観客席でアタシの凄いプレーを見ててよ!」 「う、うん。」 そう言うとシオンと藤正はグラウンドに戻ってゲームを再開する。 「凄い知り合いが出来たのね、アンタ。」 「う、うん。まぁちょっとした成り行きって奴かな…」 《初めて見る顔だな、いつ会ったんだ?》 「あー、そっか。カノープスも会ってないんだっけ?カノープスが……その、私のこと丸くなったって言った時の…。」 《あー、…いや、あれはすまんかった。あれは流石に無神経だった。》 「その時に何かお腹すいて倒れてて…それで、ご飯をあげたら懐かれちゃった。」 「桃太郎か何かの話してる?」 「じ、事実なんだよ!それに、何かあの子の家すっごいお金持ちみたいで…助けたお礼、って言ってあの子のおじいちゃんにすごく高い喫茶店に連れて行って貰ったりして…」 《聞けば聞くほど何か胡散臭い話だな。》 「いや、ホントなんだって!雪花ちゃんや黒鳥さんもいたから!」 なんて龍香が二人に懐疑的な目を向けられている中、必死に事情を説明しているその時だった。 サッカーグラウンドからワァッと歓声が上がる。三人が目を向けるとそこには藤正からのパスを受け取ったシオンがまるで脚にボールが吸い付いているのではないかと思わせる程の華麗なドリブルで次々とボールを奪おうと向かってくる子供達を避けていた。 「す、すっご…」 その足捌きはサッカーにあまり興味のないかおりでさえも感嘆させる程で、龍香もプロと遜色がないような動きに見える。 「そぉれっ!!」 そしてあっという間にゴール手前まで来ると、思い切りボールを蹴り上げる。そして蹴り上げられたボールは凄い勢いでゴールネットに向かい、そして網を突き破らんばかりに突き刺さると、ポトっと落ちる。 「ご、ゴール!!」 審判役の誰かが言うとまたもやうおおおっと歓声が湧き上がる。 「す、凄いよシオンさん!」 「マジでスゲー!!プロじゃん!」 「へへん!どんなもんよー!」 周りの子供達がシオンを褒め称える。 《…子供にしちゃえらく動くな。》 「最近の子って凄いんだねー。」 《むぅ……》 カノープスは怪訝な目をシオンに向ける。だがシオンは皆からの賛美を程々に受け取ると、龍香に近づいてくる。 「どう?龍香!見てた?アタシのシュート!凄かったでしょ?」 「うん。見てたよ。凄かった!」 「えへへぇ。」 龍香が褒めるとシオンはえへへ、と嬉しそうににへら、と笑う。 「さぁて、見ててね龍香!またスゴイシュートを…」 シオンがそこまで言いかけた瞬間だった。ポーンポーンと公園の時計が四時になったことを伝える電子音が流れる。 それを聞いたシオンはビクッとなって慌てて時計を見ると。 「あ、もう四時!?うぅ〜もうちょっと遊びたかったけど、しょうがない…悪いけど、アタシもう帰らなきゃ!」 「えっ、もう帰るのか?」 「帰らないと怒られちゃうから!あっ、龍香!」 「何?」 シオンは龍香に顔を近づけ、紅いほっぺにキスをすると公園の入り口へと駆け出して。 「じゃあね、龍香!また今度!」 「あっ、シオンちゃ……もう。」 小さくなって消えていく後ろ姿を龍香が苦笑しながら見送っていると。 「り、りりりり龍香!!あ、あんアンタほっぺにち、ちちちちゅーを…!?」 「えっ、あぁ。初めてやられた時にはビックリしたけど、外国だと普通なのかなぁって。」 「り、龍香!や、やっぱりお前は女の人が好きなのか!?」 「いやだから違うって!!」 《うーん、まぁ俺は良いと思うぞ。俺がとやかく言う事ではないだろうが。》 「誤解だよぉー!!」 シオンの凶行にびっくりした三人に詰め寄られた龍香の抗議の声が公園に響き渡るのだった。 一人の青年と少女が公園を歩いていた。 「………。」 ゆらゆら、ゆらゆらとまるで海に揺蕩う藻屑のように頼りない足取り。だが、その目。黒く濁ってはいるが抱えきれぬ憎悪と狂気的な妖しい光が渦巻いていた。 《随分とご機嫌だな?そんなに今から戦えるのが、嬉しいのか。》 「それは、お互い様だろう。」 《確かにな。》 青年……龍斗は自分の中から話しかけてくるアルレシャにそう返す。そんなやり取りをしていると、プロウフが適当に見繕った私服に着替えていた白龍香が龍斗のズボンの裾を引っ張る。 「って言うかさぁ、喉乾いたんだけど。」 龍香の視線の先には車を屋台代わりにしている出店があった。 《今から戦いだってんのに、何言ってやがるクソガキ。》 「だからこそ、だよ。英気を養うんだよぉ。ねぇ。いいでしょう?」 「まぁ、そのくらいいいだろう。」 龍斗はそう言うと、白龍香と一緒に出店で飲み物を購入する。 「わぁい!さっすがお兄ちゃん♡話が分かる♡」 《随分と甘いようで。》 「後からゴネられるよりかはマシだ。」 二人はストローから飲み物を啜りながらさらに歩を進めて、適当なベンチに腰掛ける。 「一旦打ち合わせの方をしておこう……。お前は龍香を。俺は龍賢が狙いだ。そこまではいいな?」 「うん、そうだね!」 「だが、今回は龍賢の奴には俺の息がかかった連中が一旦呼び出してるから、いるのは龍香と金髪のガキと黒いのと赤いのだろう。」 「へぇ、もう手回ししてたんだ。」 「あぁ。今回の戦いは出来る限り奴らの頭数を減らす。そのために、お前は龍香の足止めをしていろ。残りは俺達がやる。」 「三対一になるけどぉ、大丈夫?」 「心配ない。」 龍斗はそう言うと飲み干した空の容器をグシャッと握り潰した。 「今の俺達に油断も、慢心もない。そうだろう?」 《あぁ。俺様達の本気を見せてやる。》 「ふーん…。ま、お兄様が言うなら任せるわ。」 「なら早速作戦開始だ。これを。」 そう言うと龍斗は紙切れを取り出し、白龍香に渡す。 「何これ。」 「その紙に書いてある通りにしてくれれば、いい。」 尋ねる白龍香に龍斗は薄暗い怨嗟の焔で歪んだ笑みを浮かべて言い放つ。 「それが奴らの終わりへの第一歩になる…!」 「なんかあの子と絡むとドッと疲れるなぁ…」 「いやー、だっていきなりその…チューしたら誰でもビックリするわよ…。」 龍香とかおりがわいわいと雑談しながら帰路に着く。シオンが帰った後もしばらく観戦していたが、なんとなくお開きムードになったのでかおりと一緒に帰ることにしたのだ。 そんな風に今日あったことを二人が話しながら歩く帰り道。ふと前を見ると向こうから見覚えのある二人がやってくる。 「あれ?」 《雪花と黒鳥か?》 何か急いでいるようにこちらに走ってくる二人を龍香が眺めていると、段々とこちらに近づいてきて…そしてかおりと一緒にいる龍香に慌てた様子で尋ねる。 「龍香!敵は!?シードゥスは?」 「え?」 「この辺に手強いシードゥスがいるのか!?」 「え?え?何の話?」 焦ったように捲し立てる二人に何がなんだか分からない龍香は困惑する。 すると、その様子に二人も頭の上に?マークを浮かべ、怪訝な顔つきになる。 「えっ、アンタが私達に電話で言ったじゃない。一人では手に負えないシードゥスがいるって。」 「えっ、言ってない言ってない。私、そもそも電話してないよ?」 「……どう言う事だ?」 食い違うお互いの主張。三人がどう言うことだと考え始めたその時だった。 「こう言う事よ♡」 聞き覚えのある声。三人が一斉にその声がした方向に振り向くと、そこには白いドレスに身を包んだ龍香……白龍香がいた。 「あなたは…!!」 「えっ!?り、龍香が二人!?」 姿形どころか声までそっくりな白龍香にかおりは驚愕する。黒鳥、雪花の二人も驚くが、すぐに険しい顔つきに戻る。 「成る程。アンタが赤羽が言ってた偽物ね。通りでアイツとは思えない程ふてぶてしい面してるわ。」 「何のつもりかは知らないが。そちらの出方次第では…」 雪花と黒鳥が構える。それと同時に二人の言葉に白龍香のこめかみに青筋が浮かぶ。 「アンタ達も、バカなのかしら…?」 白龍香が殺気立ち、二人も応戦しようとした瞬間。 「あまり、妹をいじめないで貰おうか。」 スッと白龍香の後ろから一人の青年が現れる。その青年の顔を見た龍香は目を見開く。 「龍斗……お兄ちゃん…?」 《お前……ッ!》 「久しぶりだな。?三人か。てっきりあの赤いのも来るかと思ったんだが。」 「アンタは…ッ!!」 その青年は紫水龍斗…龍香の兄だった。龍斗の登場に彼の所業を知る雪花は怒りに顔を歪ませる。 「何?また龍香を苦しめるつもり…!?アンタ龍香の家族なんでしょ!?何でまた…!」 「……家族が全て幸せとは限らない。中に憎しみ合う家族も、分かり合えない家族もいる。」 龍斗の言葉に黒鳥は顔をしかめる。そして龍斗はスッと前に手を出して言う。 「……言っておくが、俺はあの時の中途半端な俺ではない。…アイツを、紫水龍賢を殺すためなら…。」 龍斗の身体が地面から湧き出た水に包まれる。そしてギュッと圧縮したかと思うと弾けて水滴が散らばる。 そこにいたのは以前よりも凶悪な顔つきになった魚の怪物が立っていた。 「龍香。お前の死すら厭わない。」 「──ッ」 龍香が思わず後ずさる。だが、代わりに雪花が“マタンII”を構える。 「なんだか知らないけど、もう一回痛い目を見たいって言うなら…!!」 雪花はそのまま怪物と化した龍斗へと向かっていき、そして“マタンII”を振り上げる。 「もう一回ぶっ潰してやる!」 「……馬鹿め。」 振り下ろされた“マタンII”が龍斗にぶつかる直前、雪花の腹に目にも止まらぬ速さで龍斗は水を纏った拳を叩き込む。 「がっ──」 そして拳の水が轟音と共に弾けたかと思うと雪花は大きく吹っ飛ばされて地面へと叩きつけられる。 「雪花ちゃん!?」 「藍!?」 打ちのめされた雪花はピクリとも動かない。あまりの剛腕に驚く三人を見ながら龍斗は拳を緩めて、三人を見据える。 「まずは──一人。」 To be continued……。 関連作品 (セブンスカラー
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――上空 アドラー「ぐ、……むぅ、やられたわ」 管野「成功、したみたいだな」 サーシャ「でも、意識はそのままのようですね」 見事、自らの肉体との同調に成功した俺であったが、支配権はまだアドラーにあるらしく、口調にも彼女達を見る目にも変化はない。 額に手を当て、頭痛を払うように首を振る。 当初の同じく、ウィッチの少女達は逃がさぬように周囲を固めている。ただ、一つ違う点があるとすれば―― アドラー「……何のつもりだ。戦いに来たのではなかったのか?」 ラル「無論だ。だが、精神の戦いまで我々は干渉できない。なら、俺の帰還を信じて待つだけさ」 誰一人として、武器を握っていなかった。 敵を前にしての在りえない行為である。しかし、彼には有効だった。 アドラーは彼女達を憎んでいた訳ではないし、何よりも道徳性こそ一般常識から外れていたものの、人間性に関しては良識人と呼べるレベルである。 非武装を徹底し、これ以上の戦闘を不要と判断した者まで殺そうとする残虐性も持ち合わせていない。 アドラー(成程、とことんこちらの心理を読んでくる。ふざけた餓鬼だな) 何も言わぬまま手にしていた片手剣を納める。 これ以上戦闘を行わぬのなら、それでいい。これならば、内なる戦いに集中できるというものだ。 クルピンスキー「……一つ、いいかな?」 アドラー「何かな、伯爵? 答えられる範囲であれば、何なりと」 クルピンスキー「何故、こんな真似を……?」 その問いに、少しだけ思案するような仕草を見せ、まあよいかと指を差す。 ここまで来てしまえば、隠し立てしても意味はない。洗い浚いぶちまけてしまうのもいいだろう。 指を差した方向には、戦いの前にアドラーが休んでいた岩山だった。 アドラー「あの一帯だけ草木が生えておらんだろう。あの岩山には、ある怪異が封印されておるんじゃ」 ロスマン「そんな報告、聞いたことがないけれど……」 アドラー「当然じゃ。アレが封印されたのは、もう何百年も前の話だからな」 その告白に息を呑んだ。 元人間だろうと俺には聞いていたが、まさかそれほど大昔の人間とは思っていなかった。 管野「何でわざわざ封印を解こうとすんだ。植物が生えないなら、まだ瘴気を放ってるってことだ。中のネウロイも生きてるってことなんだぞ!」 アドラー「だろうな。だからこそ、身体が欲しかった。あの怪異を討ち滅ぼせる魔法力を宿した身体を……!」 サーシャ「貴方は、元々魔法力を持っていた訳ではないんですね」 アドラー「そうでもなければ人の身体を奪おうなどと思わん。それに……」 一瞬、躊躇するような素振りを見せる。 何か、酷く懐かしいものを思い出そうとして、長い年月の前に記憶の採掘が不可能なことを悟る。 思い出せるのは要所要所の強烈に焼き付いた記憶だけ。細部に至る記憶が思い出せぬ己に苛立ちを覚えた。 アドラー「あそこには、共に戦った戦友も眠っているのでな」 ニパ「戦、……友?」 アドラー「そうじゃよ。本来、怪異の封印には使い魔を用いるが、アヤツは強力過ぎてた」 下原「もしかして、ウィッチ自身が……?」 アドラー「その通り。一か八かの賭けだったが、何とか成功した。成功して、しまった」 ジョゼ「でも、封印を解いたからって……!」 アドラー「言われずとも分かっておる。……当の昔に死んでおるだろう。だが、封印がある以上、魂も精神も其処にある。儂はそれを解き放ってやりたいんじゃよ」 魂も精神も、物理的に表せるものではない。あくまでも概念的なものだ。 そんなものの為に、彼は全てを懸けてきた。人としての人生も騎士としての誇りも捨て、他人を危険に晒すことも顧みずに。 其処に、どんな苦しみと思いがあったのか、彼女達には知るよしもない。 目的は分かった。しかし、かける言葉が見つからない。 俺やそれ以上に多くの人間を巻き込もうとするやり方が、正しい筈もない。だが、彼の思いを否定することも、また出来なかった。 アドラー「話は終わりだ。戦いの決着、待っているといい」 ――精神世界 俺「ガ……ふ、……」 血塊が喉から洩れる音なのか、激痛に呻く声なのかも区別がつかない音が俺の口から発せられた。 アドラーの持つ長剣で斬り裂かれた喉元から、間欠泉の如く血が噴き出す。 衣服と地面を真紅に、精神に辛苦を味合わせる傷は、次の瞬間、夢幻の如く消え失せる。 ここは誰の内にも存在する意識の集合点。 本来、己しか立ち入れぬ精神の領域での戦いは、心折れぬ限り、諦めぬ限り、決して死ぬことはない。 尤も、感じる痛みは現実のそれと何ら遜色ないものであるが……。 アドラー「………………ッ」 そもそも外とは時間の流れが異なるこの世界では、既に30時間もの時が経過していたが、未だ決着はついていなかった。 アドラーの戦闘前の言葉通り、終始、戦いは彼の優勢に進んでいた。 この世界は彼のもの。思う通りに周囲の状況を書き換えられるアドラーが負ける要素は微塵もない。 初めは、単純に感嘆した。それはやがて苛立ちに変わり……今は、純粋に恐怖心へと転じている。 アドラー(……ありえん。何故、何故起き上れる!) 既に、俺は現実においては千回以上は死んでいた。 心臓を突くこと五百、首を跳ねること三百、身体を斬り裂き臓物を晒させたのは百。残りはどんな殺し方だったか。 地面を捲り、鼠取りのように全身を押し潰したこともあった。 灼熱の業火で全身を焼き尽くすどころか、一瞬で蒸発させたこともあった。 五体をバラバラにするだけでは飽き足らず、慈悲なく20以上ものパーツに切断したこともあった。 俺はその都度に意識が闇に包まれ、次の瞬間には身体が元通りになるという発狂しそうな状況下でもなお、立ち上がってきたのである。 ありえない。 それだけの様々な痛みに耐えられるよう、人間は創られてなどいない。 ありえない、ありえない。 何百年と時を重ねてきた自分でも、そんな苦痛に耐えられる訳がない。 ありえない、ありえない、ありえない。 どれだけの傷を負ってもすぐに立ち上がる。そんな不死身の怪物のような人間が、存在する筈がない。存在していい筈がない。 ありえない、ありえない、ありえない、アりえない、あリエない、アリエナイ、アリエナイアリエナアリエナイアリエナイ。 今この状況を、笑って受けいれられる化物が、ありえる訳がない――! アドラー「アアアアアぁぁぁぁぁッ――――!」 己の内に巣食う恐怖と言う名の怪物を討ち滅ぼすように吠え、アドラーは地を蹴った。 俺「――――ふッ!」 迫る剣を、鋭い呼気と共に素手で捌く。 身体は未だに鉛の如く重くなっている。俺にのみ重力が増しているだろうか。いくら考えても答えは得られなかった。 しかし、答えは得られずとも、身体能力が最善の三分の一以下にまで下がっている事実さえ分かれば十分である。 彼我の差を分かってさえいるのならば、鍛え上げた技量故、捌くことは容易い。 即座にがら空きになった左胸――心臓に向かって、握ったナイフを突き立てる。 アドラー「……甘いわッ!」 俺「が……ッ」 地面に突き立てられていた剣を握り、容赦なく自身に向かってくる右腕の肘から先を両断した。 如何ともし難い性能差。俺は常に行動を予測し動かねばならないのに対し、アドラーは見てから動いていても事足りるのである。 右腕からかけ昇り、脳を冒す激痛と恐怖。けれど、俺は全く怯むことなく残る左腕で首を狙う。 アドラー「……無駄ァッ!」 斬、と更に左肘の先が斬り飛ばされる。 痛みよりも辛い物は喪失感。肉体の一部を失うのは、想像を絶する恐怖を伴う。 後ろに飛び退き距離を取ろうとするも、それを許すほど敵は甘くない。 袈裟逆袈裟と二つの剣戟が肩から脇腹を抜ける。分け隔てることのないように殆どの内臓を斬り裂いていた。 腸、胃、食道を通って熱い血液が口と鼻から漏れ、鼻から顎までを真紅に染め上げる。痛みよりも先に、失血で意識が朦朧としそうだ。 ドロリと内臓が腹からこぼれ、何とか止めようにも既に両腕はなく、ビチャビチャと地面へとぶちまける。 全身から昇ってくるに脳が危険信号を発し、強制的に意識の消失を選択したが、それでもなお強靭な意志を以って繋ぎ止める。 脳裏に浮かぶのは、外で帰りを待っているであろう依頼人達の顔。それだけが、今の彼を支える唯一の柱だ。 砕けそうなほど歯を食いしばり、喉から迸りかけた絶叫を耐えた。が、その忍耐もすぐに無へと帰る。 続き、またしても喉が真一文字に斬り裂かれた。 これでもう悲鳴を上げる心配はないな、と耐えるしか手段の残されていない俺は薄く笑う。 猛攻はまだ続く。 剣を振るう勢いを利用し、強力な回し蹴りが俺の胸板に炸裂した。 まるで榴弾でも直撃したかのような衝撃に胸骨と肋骨は粉砕し、背骨までが圧し折れる。 俺の身体は吹き飛ばされ、地面へ激突した衝撃で、更なる痛みが正気を抉る。 俺「ご、…………ぶ…………」 アドラー「まだだ……!」 地面へと倒れ伏した俺に馬乗りになるや、アドラーは狂気に身を任せ、剣を突き立てる。 剣が身体へと突き刺さる冷たい感触と、溶けた鉄を流し込まれる灼熱と激痛に、悲鳴を知らせる血の泡が喉から漏れた。 何度も何度も何度も何度も、剣を突き立てられる。 脳をかきまわされるような痛み――それは比喩ではなく、事実として剣先で脳をかきまわされている痛みである。 ガキン、とアドラーの刀身が折れ、俺の頭に突き刺さったままにされる。 それでも彼は安心できないのか、今度は剣の柄で頭を殴りつける。いや、そのような生易しい行為ではない。頭を砕くつもりだ。 都合三十度、柄が顔面に振り下ろされ、果実が潰れるような音と共に俺の脳漿が地面へと飛び散った。 顔面は完全に潰れ、頭蓋も原型を留めないほどに砕けている。手足は人体の反応なのか、ピクピクと痙攣を繰り返す。 荒い呼気と共に、アドラーは俺の身体から離れる。 彼は人体をここまで破壊したことはない。自らの狂騒に吐き気を憶えるも、ここまでやればという安堵に背を向けるが―― 俺「……よう。もう、……終わりか?」 そんな淡い期待も、粉々に砕けて消えた。 振り返れば、全身に血で濡らした姿のまま、それでも傷のみは綺麗に消えた身体で幽鬼の如く立つ俺の姿がある。 アドラー「何故、何故だ! 何故、死なん! これだけの痛みを感じて、これだけの破壊を受けて、砕けぬ精神などある訳がない……!」 俺「知るか。現に、俺はこうして立っているだろうが……」 俺はかなり早い段階で、純粋な戦闘によって身体を取り戻すことを止めていた。 それだけ身体能力には隔たりがあった。罠を張ろうにも、より速いアドラーの上を行くことは不可能であった。 故に、攻めることで心を折るのではなく、耐え忍ぶことで心を折ることにした。 普通ならば、何かとダメージを回避したがる。だが、彼は傷つくことを前提に、その上でどう戦うのかを模索する。 肉体も精神も使うことで擦り減っていく道具と同じと言う考えが、自己の保全、生き物としての当然の本能を自らの意志で抑え込む。 どんな攻撃にも、悲鳴を一切上げずに耐える。どんな死に様を前にしても、即座に立ち上がって見せる。 始めの内は単純に驚かれるだけだろう。しかし、それも度が過ぎれば恐怖に変わる。 自身の想像の限界、培ってきた常識の崩壊。自らの理解を超える存在にこそ、生物は恐怖するのだ。 代償なしに何かが得られると思っちゃいない。痛みなくして勝利は得られるなど考えもしない。 保身も無傷も興味のない、実に彼らしい選択肢。 俺「…………?」 アドラー「…………ぐッ!」 俺の背後から闇が噴出するように、荒野の世界を塗り潰していく。 それは精神世界の再構築を意味しており、アドラーの心が折れかけていることを示していた。 俺「……これが、俺の世界ね」 世界の全てが闇で覆い尽くされ、一部の光も差し込まない世界。 それが己の精神の在り様だとしても、俺としては全く理解できなかった。 しかし、目を閉じれば、勝手に浮かび上がる数多の記憶と軽くなった身体に確信を得る。間違いない、これは俺の世界だ。 俺「この茶番も終わりにしよう」 アドラー「……ッ」 静かに終幕を告げる言葉に、アドラーは恐怖一色に顔を染め、よろよろと後ずさる。 理解不能の怪物、許容不可能の化物を前にした人間の行動は、それしか残されていないのだろう。 闇の中に溶けるよう俺の姿が消えた。 圏境を用いているのか、単純に気配を消して闇に紛れたのか。恐怖で混乱したアドラーに答えを得られよう筈もない。 アドラー「――――がはッ!?」 背後から突然発生した衝撃に、地面に伏すよりも速く心臓が破裂した。 余りの激痛に悲鳴もでない。駆け上る血塊は喉を焼き、堪える間もなく口から溢れ出る。 首だけで振り返れば、右の掌を突き出した俺の姿があった。 そこでようやくネウロイのコアですら一撃で粉砕する、一切の防具と装甲を無視する掌打が自身に叩き込まれたのだと知る。 俺「――――負けて死ね」 まるで兄弟との抱擁のように、首に腕を回す。 そして、掌を頭に押し当てると――――ゴキリ、ブツン、とそんな音が頭蓋の内に響き渡った。 アドラーが最後に見たのは、首のなくなった自身の身体が地面へと頽れる光景。 そして、最後に思ったのは―― ――ああ、こんな化物に関わるべきではなかった。 そんなありきたりで、余りにも遅すぎる後悔であった。 ――上空 アドラー「………………よかったな」 ラル「何だと……?」 アドラー「お前達の、勝ち、だ」 消え入るような声が、風に流される。俺の目には涙が流れていた。無論、俺の流したものではない。 自らの致命的な失敗を悟り、そしてたった一つの願いすら叶えることが出来ぬ不甲斐なさに流した涙であった。 次の瞬間、俺の身体から黒鷲が飛び出す。 腕は黒鷲を逃がさぬように首を捕えるが、まだ思った通りに身体が動かないのかストライカーは脱ぎ捨てられ、地面へと落下していく。 一番始めに動いたのはラルであった。 この日……いや、もしかしたら人生でも初めて見せるほどの速度だったかもしれない。 単純な落下速度にストライカーユニットの加速が劣る訳もなく、一瞬で俺の手を掴み、事なきを得た。 俺「が、ふ………は、あッ! ハア、……ハア、……ぐ、げぇぇッ」 ラル「俺、なのかッ? 大丈夫かッ!?」 俺「そんなに、がならなくても、聞こえてるよ」 千にも及ぶ傷の痛みと死の恐怖の為にか、胃の内容物を吐き出した俺であったが、何とか荒い呼吸を整えて返答する。 ラル「ッ、良かった。本当に、無事で、良かった……ッ!」 俺「はぁぁ、そんなに抱き締めないでくれ。流石に恥ずかしい」 ラルの柔らかい身体の感触に頬を赤らめながらも手にした黒鷲に視線を向ける。 意識を失っているのか、ピクリとも動かない。このまま殺してもよかったが、まだ聞きたいことがある。 だが、今は余計なことはしたくない。身体を包む暖かな感触に、全てを任しておきたかった。 心折る訳にはいかなかった最大の理由が、そこにあったのだから。 戻る
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第十一章 境界突破《アフターライン》 第五学区のある病院の三階のナースステーション。 そこで軍隊蟻《アーミーアンツ》は窮地に追い込まれていた。 毒島拳は姉の帆露を抱え、四方神茜は能力を発動させて霞の盗賊を警戒する。 樫閑恋嬢を人質に取られた2人は家政夫《ヘルプマン》たちに手を出せない。 毒島「お前のことだ。どうせ、大金を払ってくれるパトロンでもついたんだろ?」 家政夫「まぁ、大正解やな。」 藤原「おいおい。喋っていいのかよ。」 天明「どうせここで潰すんだ。問題はないだろ?」 地炭「同感ですわな。」 すると藤原はナイフを取り出し、家政夫《ヘルプマン》が抱える樫閑の首筋に刃を押し当てる。 藤原「おい。そこのクソアマも能力を解除しな。じゃねぇと、この女、殺すぞ。」 藤原の言ったことは茜には通じてないものの、場の空気を読んで茜が能力を解除する。 解除したと言っても、超音波メスなどの人間が知覚できるものだけであり、振動の膜や音波レーダーは未だに展開している。 家政夫「毒島ちゃん。同じ霞の盗賊の好や。こっち側につかんか?」 毒島「お断りだ。俺の目的は姉さんの仇を取ること、お前が金でホイホイ寝返るのと同じだよ。」 家政夫「そっか~。じゃあ、ここからはお願いやなくて、命令。」 そう言うと、家政夫《ヘルプマン》は樫閑を自分の胸元に寄せ、腕で首を押さえる。 家政夫「今、軍隊蟻《アーミーアンツ》はどこにおるんや?はよ言わんと、この嬢ちゃんの首をへし折るで?」 毒島「くっ・・・・!!」 毒島は迷った。家政夫《ヘルプマン》は殺る時は殺る男だ。嘘やハッタリでもかませば、躊躇いも無く樫閑を殺すだろう。 ならば、いっそのこと喋ればいいのだろうか。軍隊蟻《アーミーアンツ》はそんじょそこらのスキルアウトとは格が違う。 寄せ集めの能力者集団に劣るとは考えられないが、境界突破《アフターライン》計画阻止にどれほどの戦力が必要なのか分からない今、 無意味に戦力を消耗したくない。 毒島(クソッ!どうすればいい。) 茜に頼ろうにも、樫閑だけを避けて家政夫《ヘルプマン》を攻撃したりは出来ない。 榊原兄弟と藤原は倒せても、その瞬間、樫閑が殺されるだろう。 天明「!?」 地炭「どしたの?」 天明「過剰探査《オーバーファインド》の範囲内に何か入り込んだ。」 藤原「病室を抜け出した患者か何かじゃねぇの?」 天明「いや、何か小さなマシンだ。ラジコンみたいな・・・」 地炭「ラジコンって、真夜中の病院にラジコン何かあると思ってるん?」 家政夫「軍隊蟻《アーミーアンツ》が侵入させた小型の偵察ロボットかもしれへん。 この嬢ちゃんも何か勘付いて応援を呼んどったしな。せやから、天明ちゃんは潰しといてや。」 天明「ったく、面倒だなぁ。」 そうぶつくさ言いながら、天明はマシンが入り込んだ方向へと向かった。 家政夫「さてと、そろそろ吐いてもらうで。毒島ちゃん。」 毒島「なぁ、家政夫《ヘルプマン》。お前ら、木原に利用されているのが分かってるのか?」 藤原「あぁん?てめぇ、どういう意味だよ。」 地炭「ただの時間稼ぎ、聞く耳もたなくていいですわ。」 家政夫「このまま潰すのも興が乗らんし、ちょっとは聞いたるわ。そんで?ウチらが利用されてるって?」 毒島「ああ。多分、成功したところで金は貰えねぇと思うよ。」 家政夫「何を根拠に言うとるん?」 毒島「何を?って、木原の命令で姉さんを襲った奴らは金どころか、口封じに殺された。お前らも同じように捨て駒扱いされてるんじゃねぇか?」 藤原「はん!俺らが捨て駒?俺たち能力者はそんじょそこらのスキルアウトとは違ぇんだ。学園都市にとっても価値ある存在なんだよ。 てめぇら、スキルアウトや無能力者が何人何百人くたばろうと、むしろゴミが減って大助かりって奴だ。」 家政夫「それにこっちは50人もおるんやで?口封じ目的で殺すにも手間がかかるっちゅうもんや。」 すると、奥の暗闇の中から何かしらの機械を掴んだ天明が姿を現した。 天明「あれ?まだ終わってねぇの?」 地炭「兄さん。そっちは片付いたん?」 天明「ああ。こんなちゃちなオモチャで偵察だなんて、結局、産廃は産廃だな。生かす価値もねぇ。」 そう言うと、天明は鼻先が壊れた小型の偵察ロボットを振り回す。 偵察ロボットはハエのような形をしており、学園都市の電気店などで買える材料で作られたとてもチープなものだ。 藤原「おいおい。遊んでねぇでさっさと壊せよ。ここの状態が筒抜けだろ?」 天明「大丈夫だ。こいつはカメラじゃなくて、超音波レーダーで偵察するタイプだ。まったく、何十年前の技術だよ。 とにかく、こいつは音波発信器を壊しちまえば、タダのガラクタだ。」 家政夫(音波探査・・・波・・・・・・!?) 家政夫「あかん!はよ、それ叩き潰せ!」 家政夫がそう叫んだ途端、グチュ・・・というまるでトマトでも潰すかのような音が聞こえた。 家政夫「痛あああああ!!こりゃあ、堪忍やで!!」 右肩を押さえて苦しみ出した家政夫《ヘルプマン》。そんな彼の肩からは多量の血が流れていた。 それをチャンスにしたのか、いつの間にか意識を取り戻した樫閑が家政夫の蹴り飛ばし、毒島たちのところへと駆け込んだ。 毒島「意識あったのかよ。」 樫閑「かなり前からね。目覚めるタイミングを見計らってたのよ。」 藤原「逃がすか!」 藤原が空気縛線《エアーワイヤー》で自分の手元に圧縮した空気を集めるが、彼の手に風穴が開けられた。 ポッカリと空いた穴から大量の血液が流れ出る。 藤原「ぐぁ!!!」 天明「くそっ!どうなってんだよ!」 地炭「兄さん。ここは退いた方が得策ですわ。ホントに。」 地炭がそう言って逃げようとした途端、2人の足にも風穴が開けられる。 天明・地炭「「クソッ!!!」」 出血する脚を押さえ、2人はその場に倒れ込んでゴロゴロと転がってもがき苦しむ。 そんな状況に毒島は唖然とし、何が何やら分からなかったが、とにかく助けられたのは分かった。 樫閑「今のうち逃げましょう。」 毒島「あ、ああ。そうだな。行くぞ。」 茜「あーい♪」 苦しんでいる4人を尻目に毒島たちはその場から退却しようとする。 家政夫「流石に今のは痛かったで~。」 瞬間再生《アンデッド》で肩の傷を癒した家政夫《ヘルプマン》が立ち上がる。 樫閑「えっ!?何で立てるの!?」 毒島「あいつの能力は瞬間再生《アンデッド》!致命傷でも10秒以内に修復しちまう!」 毒島はハンドガンを構えると、家政夫《ヘルプマン》に目がけて弾切れになるまで銃を撃ち尽くす。 樫閑も同様に発砲し、心臓や顔面など、ピンポイントで応射する。 しかし、そんなものは瞬間再生《アンデッド》の能力を持つ彼の前では豆鉄砲同然だった。 家政夫「無駄無駄。RPGでもぶつけんと、ウチは倒せへんで。」 そう余裕を見せた瞬間だった。 両腕から超音波メスを発生させた茜が家政夫《ヘルプマン》へと突撃した。 そして、彼の両腕と両足を一刀両断し、文字通りのだるま状態にした。 分子レベルで切断する超音波メスを前にしては、彼の鍛え上げた肉体もまるで空を切るかのように容易に切断されてしまった。 家政夫「え・・・ちょ!?わい、何でダルマなってんねん!?」 それでも平気そうに無い手足をバタつかせる家政夫《ヘルプマン》。 スプラッタ映画ばりの惨状に毒島と樫閑はちょっと胃の内容物を吐きそうだった。 樫閑「と、とにかく逃げましょう。」 毒島「うえっ・・・ぷ。そうだな。」 軍隊蟻《アーミーアンツ》第4支部 風輪学園中等部の体育館の中で、全員が手持ちの懐中電灯で手元を探りながら黙々と作業を続ける。 作業というのは、武器の点検や装填の確認。弾の分配などである。 いくら警備がザルでも堂々と体育館の電気を点けてしまえば流石にバレるだろう。 そんな中、体育館の入り口の外で寅栄は携帯電話をポケットから取り出した。 寅栄「三ゴリ川と九野のおっさんらにも伝えとかないとな。」 そう呟きながら、寅栄は携帯で九野獅郎に連絡を取る。 呼び鈴が二回ほど鳴った後に向こうが出てきた。 九野『はい。こちら九野。』 寅栄「九野先生か。俺だ。寅栄だ。」 九野『ああ。寅栄くんか。今、緑川先生と一緒に例のラーメン屋にいるところだ。もしかして、何か進展でもあったのか?』 寅栄「進展どころか、黒幕を潰すための準備中だ。」 九野『黒幕?もしかして、木原故頼のことか?』 寅栄「あれ?何で知ってるの?」 九野『こっちも色々と調べてみたのだよ。調べたって言うよりは、脅したに近いけどね。』 緑川『捜査開始の時から変な動きをしている奴を思い出してな。そいつをちょっと小突いたら、 それはまぁ、聞きもしないことまでベラベラと喋ってくれた。』 寅栄「三ゴリ川に迫られたら俺でもゲロっちまうぜ。」 緑川『お前、また三ゴリ川って言ったな?』 寅栄「いや?言ってねぇよ。あ、ちょっと電波が悪いかも。」 緑川『お前なぁ・・・』 九野『さっき、黒幕を潰すために準備中と言ったよな?だとしたら、お前たちもある程度の情報を得ている訳か。』 寅栄「ああ。苦労したから、流石にタダってわけにはいかないんだよなぁ・・・。」 そう言って、寅栄は何かを企む笑みを見せた。 十数秒の沈黙の後、九野たちからの回答が届く。 九野『取引に応じよう。それで、条件は何だ?』 寅栄「ああ。情報料として、―――――――――――」 階段を降りて病院の入り口付近にまで行くと、また2,3人ぐらいの男たちが倒れていた。 彼らも藤原たちのように銃撃を受けていた。かなり出血していたが、急所は外しており、幸運なことにここは病院だ。 この騒ぎにかけつけた医師が治療してくれるだろう。 病院前の広場には複数台の車が止まっており、周囲に居たのは軍隊蟻《アーミーアンツ》のメンバーだった。 蟻L「お嬢。ご無事でしたか。」 樫閑「だから姐御と呼びなさいって何度言ったら・・・。まぁ、無事よ。それに、初めてにしては上出来ね。」 毒島「どういうことだ?」 樫閑「作戦は至って簡単な物よ。音波偵察機で内部の状況を確認し、そこから敵の位置を索敵する。 あの男が偵察機を発見したのはちょっとしたトラブルだったけど、受信機まで壊されなかったのは幸運だったわ。」 毒島「そうか。茜が壊された発信器の代わりを担ったわけか。」 蟻L「後は、俺たち狙撃班がこの対装甲貫通弾をあいつらにぶち込むだけだ。」 そう言って、蟻Lは狙撃銃に装填されていた弾丸を取り出した。ハンドガンの弾の数倍は大きく、先端は鋭く尖っていた。 これが病院の壁を貫通し、音波探査機の情報のみで位置を算出した敵を貫いたのだ。 たったそれだけの情報でここまでの作戦を遂行する軍隊蟻《アーミーアンツ》の技量はアンチスキルどころか、軍隊でもそうそういないだろう。 樫閑「正直、対装甲車用の兵器だから人間に使うのはちょっとあれなんだけどね。」 毒島「家政夫《ヘルプマン》・・・あのホッケーマスクを被った男はそれくらいが丁度いい。」 樫閑「あの人たちと知り合いだったようだけど、どういう関係なのかしら?」 樫閑の質問に毒島は答えを出し渋る。かつて彼らとスキルアウト狩りをしていた過去を、つい先日まで軍隊蟻《アーミーアンツ》を標的にしていたことを、 それらが知れてしまったら、彼らは自分をどのような目で見るだろうか。 敵対、軽蔑、もしかしたら「過去なんて関係ない」なんて言ってくれるかもしれないが、些細な恐怖感に答えが詰まってしまう。 樫閑「答えられないのね。じゃあ、質問を変えるわ。あなたと彼らの関係は、今の私たちの同盟を揺るがすものなのかしら?」 毒島「それは違う。あんたらと同盟を組んだ時点であいつらとは縁を切った。」 樫閑「そう。なら良いわ。あと、何でお姉さんを病室から連れ出しているの?」 毒島「それは―――」 毒島は持蒲という男から聞いた話をそのまま樫閑たちに話す。 信じてもらえるかどうかは別として、入院患者の誘拐という明らかな犯罪行為のリスクを背負うことを承諾してくれるのかが心配だった。 樫閑「――――まぁ、大体のことは理解したわ。その持蒲って男が信用できるかどうかは分からないけど、 帆露さんをそのまま放置するのも危険だわ。人質に取られる可能性もある。」 毒島「そうか。」 蟻L「もうじき警備員《アンチスキル》が来ます。鉢合わせする前に退却した方がよろしいかと。」 樫閑「そうね。総員!撤収!痕跡の消去は怠るな!」 蟻たち「Yes sir!」 迅速な対応で銃器や薬莢を回収し、3分足らずで準備を済ませた軍隊蟻《アーミーアンツ》は数台のワゴンで病院から立ち去った。 樫閑、毒島拳、毒島帆露、茜の4人は同じワゴンに乗り込み、メンバーの一人が車を運転していた。 樫閑「とりあえず、第七学区に向かうわ。」 拳「第七学区?何で?」 樫閑「あなたのお姉さんを隠れ家につれて行くわけにはいかないわ。」 毒島「え?・・・・あ、そうか。男だらけだもんな。」 樫閑「第七学区に優秀な医者がいるわ。余所の病院から誘拐した患者を治療してくれるかどうかは分からないけど、信用は出来るわ。」 毒島「そうか。これで姉さんは元通りになるのか・・・。でも、もしその医者がNOって言ったら?」 樫閑「足にでも鉛玉1発ブチ込んで、自分で自分の治療をさせるわ。」 毒島・運転手(うわぁ・・・・) 樫閑(出来れば、そういうことにはならないで欲しいわね。冥土返し《へヴンキャンセラー》。) 軍隊蟻《アーミーアンツ》が立ち去ってから数分後、一人の男が病院の入り口から現れた。 ホッケーマスクを被り、血まみれで袖の無いシャツと膝のところで切り取られたジーンズという滑稽な姿だった。 家政夫「あー。木原はん?獲物逃がしてもうたわ。あと10人ぐらい使い物にならへん。」 木原『――――――――。』 家政夫「あはっ♪そいつはおもろいなぁ。まだ報酬を貰うチャンスは残っとるんやな。そんで――――」 ブチッ・・・・・ 先ほどまで手足を切断されてだるま状態が嘘だったように飄々とした態度の家政夫《ヘルプマン》。 その態度が木原の不快を買ったのだろうか、すぐに電話は切られてしまった。 軍隊蟻《アーミーアンツ》第4支部 寅栄が出した情報提供の条件に九野と緑川は数十秒、黙り込んだが、決断をした。 九野『いいだろう。その話、乗ったぞ。』 緑川『だが、あまり好き放題に暴れるなよ。場合によっては、俺たちがお前を拘束しなきゃらならい。』 寅栄「分かってるぜ。せいぜい、ヘマしないようにするさ。」 九野『だが、どうやってあいつを捕まえるつもりだ?相手は第二十三学区、学園都市でもトップレベルのセキリュティを持つ研究所にいるんだぞ。 まさか、そこに襲撃をかけるつもりじゃないだろうな?』 寅栄「んなもん、出来たらとっくにやってるよ。出来ないからチャンスを待ってるんだ。」 九野『チャンス?』 寅栄「ああ、木原は明後日、第十二学区で何か大事な研究をするつもりらしい。あいつのことだ。表には出来ない様なヤバい実験だろうな。 元側近が言う話だから確実だ。別の理由で奴を逮捕すれば、毒島帆露の一件も余罪として追及できるはずだ。」 九野『だが、行先は第十二学区だろう?あそこは神学を科学的な面からアプローチすることを目的とした学区だ。 木原故頼が求めている様な研究室や設備は無いと思うんだが・・・』 相手は緑川の友人であり、九野獅郎先生だった。 寅栄「そこをあんたに調べて欲しいんだ。エリート教師だったら、その辺にコネがあるんじゃねぇの?」 九野『まぁ・・・教養教育として第十二学区に何度か生徒は行かせたことがあるが・・・・、まぁ、ダメ元でやってみるさ。』 緑川『俺は木原の逮捕に賛同する同志を集めてみる。』 寅栄「集まるのか?」 緑川『心配するな。あの事件に不信感を抱いている人間は多い。ちょっと声をかければすぐに集まるさ。』 寅栄「そうか・・・。助かった。」 ピーピーピーピー! 突如、寅栄のポケットの中にある別の携帯端末が音を鳴らす。 するとすぐに体育館の中からメンバーの一人が出て来る。 蟻M「敷地内に侵入者っす。」 九野『どうした?』 寅栄「悪ぃ。どうやら客人が来ちまったようだぜ。」 九野『警備員《アンチスキル》を何人か寄こそうか?ある程度の牽制は出来るはずだ。』 寅栄「いや、いい。俺らの武装がそっちにバレたら後々、面倒なことになる。こっちはこっちで済ませる。」 九野『分かった。情報の件、忘れるなよ。』 寅栄「ああ。ここを切り抜けたら教えてやるよ。」 そう言って、寅栄は端末を切り、にやける顔からリーダーとしての真面目な顔つきになる。 寅栄「相手の勢力は?」 蟻M「ざっと30~40人ぐらいっす。」 寅栄「随分と大勢だな。木原の回し者か?」 蟻M「おそらく、そう考えていいっすね。あと、武器を持っていないことから、全員がそこそこのレベルの能力者と考えて間違いないっす。」 寅栄「無能力者狩りの連中だろうな。」 寅栄は体育館の中へと戻り、蟻Mも彼に続いて行く。 体育館の中では全員が武器を持って迎撃準備を整えており、仰羽やサークルの連中も戦う覚悟を決めていた。 蟻N「迎撃準備完了です!」 蟻O「敵は正門に30名、西門と東門に5名ずつです。」 冷牟田「勢力的に考えたら、西門か東門から退路を開いた方が良いわね。」 仰羽「いや、西門と東門は狭い。乗用車ならともかく、トラックは通れない。」 冷牟田「・・・となると、正門しか出口がないわね。」 寅栄「相手もそれを想定しての配置だろうな。西門と東門の連中は牽制。本丸は正門の奴らだ。」 冷牟田「それで、どうするの?」 寅栄「こうなったら正面突破しかないな。樫閑に頼る時間も無さそうだし・・・・。」 三上「正面切ってのガチンコ勝負ってわけか。」 神座「やっと、サークルの切り札にして秘密兵器の神座残時ちゃんの本領発揮だね!」 神山「乱戦は避けてくれ・・・・。俺の能力は両刃の剣だ。」 仰羽「寅栄さん。俺はまだ戦えますよ。」 蟻たち「俺らも準備万端っす!」 そう言って整列して並ぶ蟻たち。そして、威厳のある足取りで寅栄が彼らの目の前に立った。 その光景は軍隊と指導者。鉄の掟によって固められた強固な絆の姿だった。 寅栄「てめぇら!この戦いは軍隊蟻《アーミーアンツ》の筋のためだけの戦いじゃねぇ! 事件で傷ついた毒島姉弟の絆も! 警備員《アンチスキル》の誇りも! 非道な計画で傷を負った奴らの希望も! 命を落とした奴らの魂もかかってる! 俺たちは負けるわけにはいかねぇ!ここで負けるのは筋が通らねぇ!そうだろ!?」 仰羽・蟻たち「ウッス!!!!」 寅栄「蟻も群がりゃ、龍も喰らう! 虫けらの意地を見せてやれ! 軍隊蟻《アーミーアンツ》行くぞ!」 蟻たち「イェヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」 持っている武器を高らかに持ち上げ、屈強な蟻たちは高らかに雄叫びをあげた。 最終章へと続く
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第21話『気に入らない』 ギルスを倒した音也と侑斗。音也が変身を解こうとしたその時 侑斗「おかしい…」 音也「どうした?そこの緑色?」 侑斗「体がないのにあいつの気が随分残ってる…」 音也「気?何の話だ?わかるように説明しろ」 侑斗「奴はまだ…生きてるかもしれないってことだ」 ギルス「フハハハ、よくわかったな」 ギルスの体が再生されていく。だが、少し形が違っていた。 ギルス「エクシードギルス…。この姿になったのはキングに次いで二回目だ」 音也「……ほう。生意気だな。俺に手も足も出なかったくせに」 侑斗「待て!さっきまでのあいつとは明らかに強さが違う…」 音也「関係ないな。行くぞ」 その頃、剣崎と始は、何故か始が剣崎を襲い戦っていた。 剣崎「始……」 始「ファンガイア四天王寺を一人倒したくらいでいい気になるなよ!」 剣崎「ウェ…」 始「どうした?力を見せてみろ!こんなものか?お前は」 互角に戦う二人。しかし、始は何かが気にくわなかった。 始「新しい力を見せろ!そんなものでファンガイア四天王寺に勝てるはずがない」 剣崎「始…今はそんな場合じゃ…」 始「気に入らないんだよ!てめぇら甘ちゃん全員な!」 その頃、エクシードギルスとなったギルスを相手に、音也と侑斗は押されていた。 音也「クッ…。まったくの不協和音だ。俺たちの連携は」 侑斗「いないよりはマシだろ」 音也「違いない」 ギルス「死ねよやぁぁ!」 まず狙われたのは音也だった。 攻撃を受けた音也の変身は解けてしまう。 侑斗「なんて攻撃だ……」 音也「クッ……仕方がないイクサではここが限界か」 イクサナックルを捨てる音也 名護「俺の!」 すぐさま拾いに行く名護啓介(22) ギルス「諦めたのか?」 音也「まさか。来い!キバット!」 音也が言うとドコからかコウモリのような物体が現れた。 キバット「行くぜ!カブッ!」 音也「変身」 音也はキバに変身し、ギルスと戦う。 ギルス「ほう……おもしろい」 侑斗「デネブ!来い!」 デネブ「そうそう!それそれ!」 ゼロノスもベガフォームにチェンジする。 名護「き……キバァァァ!」 キバとゼロノスベガフォームの連携で、ギルスを追いつめる。 ギルス「状況は不利……。まぁ、今回はそちらの男(名護)から仕掛けてきた戦いだ。わざわざ決着をつける事はないな」 音也「逃がすか!」 名護「キバァァァ!」 その時、名護が音也の邪魔をする。 音也「ちょっ…お前、何をやっているんだ」 侑斗「おい、あいつ逃げるぞ!」 ギルス「時よ止まれ!」 ギルスは時を止め、去っていった。 音也「奴は…ドコに?」 侑斗「時を止める力…剣崎たちが言ってた奴か……」 名護「キバァ!その命、神に返しなさい!変身!」 『I・KU(ry』 名護「ウァァァァ!」 キバット「ウェイクアップ!」 音也「ライダァァキック!」 名護「グァァァァァ!」 名護は海へと落ちていった その頃、ロボブレイドに変身した剣崎は、始を追いつめていた。 始「クッ…何が…ロボ…ブレイドだ…」 加賀美「おい!もうよせ!」 始「邪魔をするな!」 剣崎「ウェ……」 その時だった。始と加賀美が何者かに吹き飛ばされた。 剣崎「始!加賀美!誰だ!?」 「怪魔怪人デスガロン!キングの命令で貴様らを殺しに来た。」 剣崎「なんだと……」
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「囲碁、双六を好んで、これに耽って夜を明し日を暮す人は四重五逆の重罪にもまさる悪事であると思う」とある高僧が申されたのが、今に忘れず、結構な言葉と感じられた。
https://w.atwiki.jp/moondream/pages/87.html
密会の様子を盗視されてしまい、白猟の一味、ノスガール部隊の存在がよに知らされてしまった よって再び懸賞金をつけられた 全員に世界で5番目に高い1億V 企業はもちろん潰された 第一基地の洞窟に集合していた 玲「まさかばれていたとはな」 崚「もっとうまくやれよな・・・」 啓悟「全くです、不用意なんですよ」 武「今更何を言っても仕方ないだろww」 フォッサ「・・・・・‼?誰だ?」 ?「ほう・・・これは今話題の白猟の一味」 智「・・・・?」 ?「私は唐騎士部族五番部隊副隊長カインと申す・・・では失礼しますよ・・・空手」 正拳‼ 武「は?やるしかないか、拳法第一条」 拳‼ カイン「ほう・・・さすがだ・・・そろそろ援軍がきます・・・あなた方を取ればさらに名が上がる」 啓悟「唐騎士部族と言えば社長兼ボスは3億の首だったはず・・・」 カイン「そうですね・・・」 玲「二刀流その3」 矢武雨‼ カイン「うお・・・」 ドサ‼ 崚「援軍が来るらしいな・・・戦う?逃げる?」 啓悟「肩慣らしに戦いましょうかね」 唐騎士部族「いたぞ‼白猟の一味、ノスガール部隊連合軍だぁ」 啓悟「玲さん?敵の数は?」 玲「ちょっとまってくれ・・・・・あぁ、3000程だ」 啓悟「ちょうどいいですよ」 唐騎士部族「隊長たちが来るまで持ちこたえるんだ‼」 啓悟「では参りますよ幻覚×闇穴」 幻想闇穴 唐騎士部族「これはブラックホールだ‼回避しろ!」 啓悟「無理ですよ・・・あなた方が見ているのは偽の穴、本当の穴は・・・・」 啓悟「透明ですからね・・・堕ちなさい・・・・」 悠斗「玲、智、武・・・お前たちは待機しておけ・・・俺らだけで充分だ」 悠斗「俺はこの2年かけてほとんどのスロットルを捨てて新たに改造したんだ‼」 悠斗「ニュースロットル解禁だ‼スロットルA‼」 特大弾‼ 唐騎士部族「回避・・・不可能です‼」 崚「一刀流突き」 美流 崚「そして一刀流空技」 風祭‼ 玲「美流により作られた風の流れにコントロールできていない強力な風祭をぶつけることで風祭を制御するのだ」 崚「説明御苦労」 フォッサ「楽しいねぇ・・・赤炎第一術」 武球‼ フォッサ「赤炎第二術+白炎第一術」 武拳+瞬移‼‼‼ 武「すげぇ速いしすげぇ威力だな」 智「お前ら‼1~5部隊の隊長、副隊長が来ているぞ‼そんなやつら俺の部下に任せておけ」 啓悟「分かりましたよ・・・」 一番隊隊長:ウン 二番隊隊長:デウ 三番隊隊長;テュロイス 四番隊隊長:クアン 五番隊隊長シンク ウン「・・・・うちの部下をよくも・・・・・」 玲「仕掛けてきたのはそっちだ」 テュロイス「問答無用‼」 武「やるか・・・拳法第三条」 蹴‼ デウ「・・・さすがに優秀だな・・・」 智「話する気なさそうだな」 玲「じゃあ俺達もやるしかないな」 啓悟「総力戦になる予感がする」 シンク「では参る」 大球‼