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第十一章-第三幕- メイベルの友達 第十一章-第二幕- 第十二章-第一幕- アイリーン・マフィア本部を包囲した謎の武装勢力は、 キョウカ王妃との交渉を決裂させ、突撃を開始した。 四方から包囲されたこの状況の中、勇者軍の四名は 文字通り四散し、東西南北それぞれの方向へ突撃を開始する。 東へ向かったジルベルトは剣と鋼線で大暴れし、 敵を速やかに無力化し始めていた。だが数が数である。 やはり怪我だけでは済まないような 剣の振り回し方をせざるを得なかった。 「………………」 「こいつ、チビのくせにすかしやがって! 死ねぇ!!」 悪態をつきながら特に乱暴そうな敵兵が 数名ほど突っかかってくる。 そのうち二人に猛烈な足払いをかけて昏倒させ、 剣を一時鞘に収めてから片方の兵士をぶん投げて 残りの敵兵を薙ぎ払った。 更にもう片方の兵士も丁寧にぶん投げて戦場を撹乱する。 これを繰り返して、むしろ剣よりも安全かつ迅速に 敵兵を無力化しつつあるジルベルトだった。 文字通りのちぎっては投げ、ちぎっては投げ、である。 西に向かったソニアは獅子奮迅と言わんばかりの大暴れを開始した。 素早さと技量に定評のある彼女は 常人からは測り知れないほど機敏に動き、 避けては駆けて、駆けては殴り、 殴っては蹴り、蹴ってはまた避ける。 猿や狼でもここまで機敏かつ忙しそうには動かないだろう。 何名か重歩兵も混じっているが一切関係は無い。 敵の初撃をかわしたなら、もう彼女の独壇場だった。 右の拳で敵の鳩尾(みぞおち)部分の装甲にヒビを入れ、 次いで左の拳で鳩尾部分の装甲を叩き割り、 最後にもう一度右の拳で鳩尾に一撃。これで充分だった。 敵がうずくまったなら後は簡単。そのまま蹴り飛ばせば良い。 そんな感じの大暴れを続けるうち、敵兵はみるみる減っていく。 南へ向かったルシアはというと、 矢を束ね撃ちにし、弓を乱射する。 敵が近付けばまたステップを踏んで離れ、次々と弓を射る。 「とにかく奴を捕まえろ! これ以上好き勝手にやらすな!」 ようやく戦術らしき命令を下す敵兵だがもう遅い。 一斉に近寄ってくれば彼女の的だ。 「ウォーターウェイブ!!」 強い水圧を含んだ波が、彼女の周囲一帯の敵をを吹き飛ばす。 「くそ、怯むな、続け!」 敵兵がなおも懲りずに突進するが後はこれを繰り返すだけだ。 正直、場数を踏んだ彼女にはものの数ではなかった。 北へ向かったメイベルは、その自慢のスカーレット・アーマーで、 敵の攻撃をことごとく弾き返していた。 時々思い出したかのように動いては、非常に雑に敵を鎌で殴る。 自分のアーマーに絶対的な自信がある故に為せる所業だ。 「この好戦的でない態度……あの鎧……ひょっとすると、 あの『真紅の雌鹿』ってのはこいつの事か!?」 妙に戦慄する敵兵。どうやら何故かそれなりに名が売れたらしい。 「嬉しくなんかありません……!」 少々ムッとしたのか、メイベルは多少積極的に動き出した。 「あの鎧に勝てる奴なんかいないぞ、逃げろーッ!」 変なネームバリューのおかげで 敵は恐慌状態になったようではあるが、 メイベルはどこか納得がいっていないようではあった。 ジルベルトの横には大福達、五匹の猫が付いていた。 襲われた事で敵意を剥き出しにし、 こちらも尋常でない暴れぶりを示す。 だが、それに驚き、敵兵達が大きく後ずさった。 「その強さ……速さ……そいつら、普通の猫じゃないな! まさか、遺伝子調整動物か!?」 その態度の変わりようにジルベルトは驚いたが、 その通りなので、軽く頷いた。 『遺伝子調整動物』は遺伝子をいじる事によって生まれた動物達だ。 遺伝子の調整によりアレルギーを受ける事無く飼う事が出来る 愛玩用の調整はもとより、調整の仕方や組み込む細胞によっては 戦闘用の動物として誕生させる事も不可能ではない。 現に大福、きなこ、みたらし、黒ごま、あんみつの五匹は それぞれに長所の違う戦闘能力を持たされた動物であり、 知能も尋常ではないほどのレベルを誇っているのだった。 もちろん先代筆頭エリシャの時代にも遺伝子調整動物はいたし、 それを否定する理由は特に無かった。 敵はそれを警戒したのだと思い、退いてくれればと考えて ジルベルトは遺伝子調整動物である事を否定しなかった。 「おのれ、我等が真なる敵は勇者軍、お前達にあらず! その五匹の畜生共こそ、我等が誅滅すべき怨敵なり!! 死力を尽くせ! 他の部隊も合流させろ! 勇者軍などどうでもいい、あの五匹の猫をすぐに殺せーッ!!」 「えっ……!?」 ジルベルトも思わず声を出すほどに驚いた。 まさか人類史上最強の私設軍である勇者軍を放置した上で、 少々強いとはいえ、猫五匹を本気で付け狙うというのだ。 とても正気の所業とは思えなかった。 だが、敵兵はその動揺を隙と見なして、突撃を敢行した。 「大福、きなこ、みたらし、黒ごま、おいで!!」 思わず全力で叫び、四匹を呼び寄せつつ、自らは あんみつを抱き寄せて速やかに後ろへ退きつつ応戦する。 この仔猫達は生まれたときからジルベルトが守ってきた命だ。 あんみつにしてもメイベルが守ってきた命である。 ならば、勇者軍軍規に則り、 そして私情としても守らねばならない。 だが、ルシア、ソニア、メイベルの方面に 向かっていた兵士達までが ジルベルト及び五匹の猫を狙って殺到してくると、 流石にジルベルト一人では荷が重くなってきた。 事態を察して三人が救援に来るまでは それなりの時間がかかるだろう。 それまでに、猫達のうち、誰かが死んでいない保証は無かった。 (僕だけじゃ守り切れない……) 許容は出来なかった。どちらを守るかと言われれば、 猫の……否、家族の命を守る。それがジルベルトの信条だった。 (ならば、僕はこれより、修羅に入る!) 殺害行為の断行を決意しようと決めて、彼は剣を敵に向けた。 だが、その時だった。 「ダークバスター!」 空中から膨大な数の闇の魔法が飛来し、 敵陣のド真ん中へと叩き込まれた。 「そりゃそりゃそりゃそりゃ!!」 次々と乱射されるダークバスターに、次々と敵兵が倒れたり、 大慌てになったり、混乱を引き起こしたりしている。 (味方!?) ジルベルトは魔法が飛んできた空中の方角を仰ぎ見る。 天馬騎士――ペガサスナイトだ。それもかなり貫禄のある、 高い能力のペガサスに乗っているようであった。 「ベアトリス、降下よ!」 「ひひんばー!」 ベアトリスと呼ばれたペガサスの力で急降下し、一気に地上へ降り、 一通り騎乗している少女の手で槍が暴れ回った頃には、 彼女の槍の届く範囲に敵はいなくなっていた。 「ただ一騎だ、討ち取れ!」 兵士の注意が猫から逸れて、少女とペガサスに向く。 「ベアトリス、行って!」 少女の号令と同時に、敵兵をジャンプ台にして一気に急上昇。 再度魔法の雨を降らせ始める。 「弓兵、構えぃ!」 どうやら味方らしい少女とペガサスだが、 それを狙って弓を引く敵兵達。 弓と銃という、二種類の飛び道具はペガサス…… 否、空中戦を主とする者達の天敵と言っていい武器である。 このままでは明らかに危ない。 だが、危険は思ったほどに迫ってはいない。 むしろ、迫っているのは好機だった。 「フローベール、無茶し過ぎだ、下がれ!」 今度は馬に乗った普通のナイトだ。 武器は棒を持っているようだった。 (あれも味方なの!?) 馬上の棒術としては極めて見事な部類の敵の捌き方だった。 槍と同様に振り回しては突き、 また振り回しては突き、そして突撃。 一直線に敵を蹴散らしては方向転換し、また再度突撃、 空中と地上からのダブルヒット&アウェイを繰り返され、 敵陣はもはや陣としての効果を為さなくなっていた。 せっかくの味方だ。便乗しない手はなかった。 念のため持ってきていた広範囲攻撃用の 魔道書を開いて読み上げる。 残り1回しか使えない状態でもらったため、 リゼルからどうせ役に立つ状況は無いだろうと 言われていた余り物だが、なかなかどうして、 状況によっては助かるではないかと得心しつつも叫ぶ。 「プラズマブラスター!!」 二人の騎士が離れたタイミングで術をぶっ放した。 多くの敵兵が感電し、更に戦局はこちらに有利に傾いた。 「大丈夫!? ジルベルト君!」 「こういう手で敵が来るとはね……!」 「フォローします、兄様!」 ソニア、ルシア、メイベルの順に合流してきた。 これで勇者軍の敗北は無くなった。 先程交渉した指揮官らしき人物は、二百名以上を引き連れて、 たった六名に勝てない事実に愕然とし、そして激昂しかけていた。 「お、おのれええッ!!」 すると、フローベールと呼ばれた少女がジルベルトの元に来て、 先程ジルベルトが使って、術の効力が無くなった プラズマブラスターの書をさっと取り上げた。 「フローベール!」 驚くメイベルだが、彼女は一顧だにしなかった。 「ちょっと借りますね!」 敵の指揮官は激昂したまま剣を構え、 もう一人の騎士に狙いを定めた。 フローベールはペガサスを急上昇させ、次いで急降下。 「ペンは!」 がごッ! 凄まじい勢いで本の角が敵指揮官の脳天に叩き込まれた。 未だ戦闘中の騎士はその異音に振り向いた。 自分が敵指揮官から狙われているのにようやく気付いたようだ。 「剣より!」 フローベールの手から空の魔道書が放り投げられた。 どうやら少年騎士は、フローベールの意図を察したらしい。 馬の腹を蹴り、思わず怯む敵指揮官に向かって疾走する。 「強し!!」 そのまま少年は叫びと共に本の表紙を ダイレクトに敵指揮官の顔面へ叩き込む。 「ナイスなコンビネーションだったわ。即席な割に」 「だから無茶し過ぎだって。俺じゃなきゃ 対応しきれないぞ。あんな無茶振り」 フローベールと少年はそう言いながらもハイタッチをする。 戦闘は終了した。敵兵の大半が撤退し、 残ったり気を失ったりした者達も アイリーン・マフィアの兵達によってあっさりと捕縛された。 「兄様、紹介します。私の友達、情報部所属のフローベールです」 と、メイベルが遅まきながら紹介する。 「フローベール=エルデナント伍長です。今のが初陣ですが、 何とか上手くいったようで何よりです。 で、こちらが愛馬のベアトリス」 「ひひんばー」 「?」 ジルベルトがテレパスで何かを読み取ったようである。 (この子があの総帥エリシャのお子なのね……分かるわ。この感じ。 人を惹き付ける才、戦の才、そして人業さえも呑み込む異才。 いや、あるいは鬼才なのかもしれないわ。どこまでも異質にして、 究極の自然体のまま戦えるという本質なのかもしれないわね) という考えである。その真意は読めなかったが、 総帥であり、母であるエリシャを知っているという事で、 ジルベルトはなんとなく親しみを覚えるのであった。 「で、自分はその双子の弟、バスク=ランドルフ軍曹です。 なんかエリート扱いされて、フローベールより階級高いですけど、 まあ立場は同じようなモンなんで扱いも同じでいいッス。 あと、所属は研究部になりますので、よろしくです」 (うちの子達を守ってくれてありがとうなのー) ジルベルトはニコニコと笑って二人と握手する。 戦闘終了を確認して、キョウカ王妃も中から出てきた。 「無事に二人が加わったようですね……」 「キョウカ王妃、この二人が フローベールとバスクです。双子なんですよ」 メイベルが紹介すると、キョウカは 二人よりむしろベアトリスを見た。 「まあ、ベアトリス……という事はあなた達は ユーフェミアさんとエルウィンさんのお子なのですね」 「あ、はい!」 「そうです!」 ガッチガチに緊張して二人が答える。 (ソニアさん、ソニアさん) 重要だからなのか、いきなりジルベルトが ソニアの腕をくいくいと引っ張る。 「ん? どしたの? 怪我でもした?」 「ううん、そうじゃないの。 けど、敵の様子が途中からおかしかった。 僕達じゃなくて、大福達、猫だけを執拗に狙い始めたの」 「なっ!? なんで!?」 ジルベルトが発言した事もそうだが、内容にも驚いた。 「分からないの。けど僕一人だけじゃ、この子達が危なかったの。 だから、フローベールとバスクが来てくれて本当に助かったの」 「……ふぅ、どうやらまた謎ばっかり増えちゃうみたいね」 と、内容を察してルシアが嘆息。 「敵の本命がクォーターエルフと猫じゃあ接点が無さ過ぎるわ。 もうちょっと接点が無いものかしらね」 ジルベルトは熟考しているが、まだ結論には至らないようだった。 ともあれ、ここでモタモタしているわけにもいかないので、 フローベール、ベアトリス、バスクを加えた勇者軍主力部隊は 更なる戦力増強を考え、勇者軍を支援する重要拠点の一つである、 バイオレット・ヴィレッジへと急行する意見をまとめたのであった。 「よっし、行くぞー!」 一人猛烈に張り切って走り出すバスクだったが、 慌てすぎたのが災いして、馬のコントロールを失いかけた。 そして落馬しようかとした瞬間、 横からフローベールが首をひっ掴まえてそれを止めた。 「バスク、慌てないの。みんなに合わせなきゃ」 「わ、分かってるよ。フローベールはいちいちうるさいな!」 と、改めて座り直すバスク。 「弟が粗忽者で済みません」 「フローベールこそおせっかいなんだよ」 「はいはい、言い合いはそこまで」 と、言い合う二人にルシアが割って入る。 流石に年長の貫禄であった。 「ゆっくり、けれど確実に進みましょう。 どうやら敵は、私達が思っている以上に巨大で、 しかも老獪な戦術がお好きなようだからね」 「はっ、はい!」 「了解です」 「じゃ、行くわよ。号令を、ジルベルト君?」 と、ルシアはジルベルトに振る。 ジルベルトはただ黙って剣を掲げて、前方へと向ける。 それに従い、前よりはいくらか緊張して、 一行は歩き出したのだった。 目標は――バイオレット・ヴィレッジ。 ジャパニーズ・チルドレンと呼ばれる者達の住処である。 <第十二章へと続く>
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勇者is 孤独 ララバイ 作詞/あしがる 作曲/長野 ラララ・・・・ 今日も勇者は一人きり 魔物を倒しに旅に出る 背後に連なる棺桶は 仲間が残したmemories 流した涙は 少ししょっぱくて 財布抱きしめたまま 今夜も野宿 勇者is 孤独 ララバイ(lala-bye) 切なくて 勇者is 孤独 ララバイ(lala-bye) 悔しくて スライムと殴り合う 俺は勇者.... 音源 勇者is 孤独 ララバイ(オケ+仮歌)
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二つ名:転生の勇者 名前: 詳細: とある裕福な家の少年に飼われている猫。元は山賊で、女神からの啓示を蹴った男。死の間際に女神からの再度の啓示を受け入れたが、目が覚めると猫(血統書付き)になっていた その他:
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二つ名:重鎧の勇者 名前: 詳細: 大きな槍を担ぎ、大きな鎧で身を固めた傭兵。様々な戦場を渡り歩き伝説とまで謳われている。その分実は鎧の下は美女だとか、いいや実は魔物だったなどのうわさも絶えないが真実は謎 その他:
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二つ名:紋章の勇者 名前: 詳細: 究極の魔術を編み出すため世界を旅している魔術師。全身に魔術の強化のための紋様を入れており、魔術の威力は絶大。しかしこれ以上紋様を入れるわけにもいかず、どうしたものか悩んでいる その他:
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第二十章-第五幕- 反逆の少女達 第二十章-第四幕- 第3部 序章-第一幕- 勇者軍主力部隊は、グロフィス・イグジスターの 最終奥技の弱点が展開時間の遅さにある事に気付き、 人海戦術による波状攻撃をかけ、遂にロバートの持つ 人業魔神剣ギガスカリバーにより、大勢を決した。 後は、とどめを刺すだけである。 グロフィス・イグジスターを追い詰め、 いざ、とどめという時だった。 「うっ!?」 その時、ストレンジャーソードから 聖剣エンジェルランプが弾き出される。 ぱきぃぃぃぃん! あまりのエネルギー量に刀身が耐えかねたのだろう。 聖剣エンジェルランプは木っ端微塵に砕け散った。 ストレンジャーソードに纏わり突いていた 呪鞘カオスリキッドの効力も底を尽いている。 「ちいッ、切り札が!」 「……いいや、ここからは俺の出番だ!」 エリックが前に出て、もがき苦しむグロフィス・イグジスターの 下半身を思い切り杖で打ち据え、粉々に打ち砕く。 ニノンの翼を強引に引き千切り、自らの手に奪還した。 「我が家宝は返してもらう!」 自己再生させるために、翼は一時しまいこむ。 「子に手を出される時の親という生き物が、 どれだけ苛烈で残忍かを、貴様は思い知れ…… ヴァリアブル・スピード・オーバー・ヒール!!」 上半身に治癒魔法をかけるエリック。 「エリック殿! 何をしておるのじゃ!? それでは再生するぞ!」 アンリが制止するのを手で止めるエリック。 「これは治癒能力を過剰に引き出す禁断の魔法だ…… 過剰に治癒能力を引き出された生命は、やがてその力に 耐え切れず、己が再生能力の高さ故に圧殺されるのだ! もっとも、大勢に使えばただの治癒魔法止まりだがな。 対象が少なければ少ないほど『過剰治癒力』は上昇する」 「おがああああああああああああああッ!!?」 感じたこともない苦痛に、一層もがき苦しむイグジスター。 一瞬で傷が治り、それがより深い傷に変貌していく。 まさに悪意意外のなんでもない、狂気の魔法であった。 「負の感情の具現化生命体だか何だか知らんが、 俺の子に、勇者軍の子に手を出した愚を死ぬまで呪え!」 その怒りと憎しみの深さに、エナやマリーは戦慄さえした。 これが人の親の恐ろしさだというのだろうか。 それと同時に、底知れぬ悲しみも理解できた。 だとすれば止めるにあたわず。むしろ推してやるべきだろう。 それで彼の悲しみが、いくらかでも報われるなら。 「待て、おっさん」 と、そこにエンジェルランプを失ったロバートが割り込む。 「何故止める、ロバート。お前も想像してみろ。 産まれたばかりの弟を同じ目に遭わされたらと考えてみろ。 お前は俺を止められないはずだ」 「いいや、止めるね。こいつには一時の死すら温い」 ざすっ。 軽くだが、ストレンジャーソードを突き立てる。 「何をする気だ、ロバート!?」 「悪党には悪党の報いがある……!」 ロバートもまた、狂気の笑みを浮かべる。 グロフィス・イグジスターはもはや抵抗する気力も無い。 「貴様の力という力を剣で吸い取り、この剣をまた違う形に進化させる。 そして貴様の……イグジスターの同胞殺しという汚名を塗った上で、 全てが終わる時にその愚かさ加減を全世界の人間に晒した上で、 苦と惨と悲を絡めて地獄に落としてやる……!!」 「相も変わらず性格の悪い……」 よくもまあそんな面倒な処刑方法を思いつくものだと呆れるエリック。 「反対なのか?」 「賛成に決まっているだろうが! やれ!!」 「おっさんならそう言うと思ったぜ!」 「ぐおおおおおおおあああああああああッ!!?」 ストレンジャーソードがグロフィス・イグジスターの存在を吸収し、 黒く、禍々しく、おおよそ剣というより取っ手の付いただけの牙、 という趣がぴったり似合う、魔性の装備が出来上がった。 「マリー! カオスリキッドを貸せ! こいつを封印する!!」 「お……おお? 分かった!」 慌ててマリーはカオスリキッドを展開し、新たな剣を包む。 すると謎の剣の負のエネルギーが自動的にカオスリキッドに流れ込む。 「これはどうした事だ?」 訝るマリーに、アンリ姫は怪球ミームで解析を行う。 「そのままでは暴走しかねない負のパワーに満ちておるようじゃ。 しかし、カオスリキッドがその受け皿となって、 結果的に封印という形を取ってくれておる。 なおかつ、カオスリキッドのパワーチャージも出来るのじゃな」 感心したように言うアンリ姫。 後方で聖杯ライブチャージャーによる回復を行っている ローザはロクに聞いていないが、概ね全員納得した。 「で、その剣の銘はどうするつもりです? まさか、そのままストレンジャーソードとは呼べませんよ?」 「おいおい考えておくさ。次に使う時までにな」 アイゼンカグラのツッコミは華麗にスルーする。 「では、これにて本作戦を終了しましょう。 これからはイグジスターの識別装置を量産し、 各国と協力、連携してイグジスターを追い詰めなくては…… アンリ姫、あなたのその装置が鍵ですよ」 「うむ、承諾したのじゃ!」 ウォルフ王子の宣言でロバート救出作戦は終了となった。 「それじゃ、落ち着いたみたいだし、私は行く」 「ちょっと待ってイノちゃん!」 イノがそのまま立ち去ろうとしたのをレオナが止める。 「何? 私は勇者軍には入らないと言ったはず」 「そう! それ! だからあたしがそっちに入るッス!」 「何ぃぃぃぃッ!?」 ローザとマリーが揃って仰天した。 「ちょっと待て、何をお前勝手にやめるって!?」 「ロブ! 止めろ! これは立派な反逆行為だぞ!」 「ああ、いいぜ。貴様がそうしたいならすりゃいい」 ロバートは止めるどころかむしろ煽る。 「隊長いい奴ッス! じゃ、あたしはこれで! 今までいっぱいお世話になったッス! 今度会う時も敵じゃない事を祈ってるっスー!」 「い、いいの? ちょっと、レオナ?」 「いいからいいから」 珍しく慌てるイノに対し、笑顔で引っ張るレオナ。 「せめて動機を聞かせなさい、レオナさん!!」 ウォルフ王子がなおも止めるが、ロクに聞かずに離れて行く。 「隊長、何故止めないんだい?」 カイトが一応、ロバートに確認する。 「俺が誰だか忘れたのか? 俺は反逆の使途だぞ。 これがあいつの反逆だってんなら、 俺はそれをとにかく全うさせてやるだけだ」 「なるほど……火に油とはこの事で……」 苦笑するカイト。 エナはおずおずと、ヴァジェスに語りかけた。 「ヴァジェスさんも何で止めなかったんですか?」 「いや、俺は一応名目上は部外者だし。 別にカレン家に関わる事じゃねぇからなぁ。 最終的な裁量は、あくまでメインメンバーにあるし、 ロバートはああ言ってるし。あんたは?」 「止めようとしたのをクロカゲさんに止められたんです」 「ほう……どういう事か聞かせてもらおうか? クロカゲ」 「我……ミーム……通じた。我……見えた。 レオナ……イノ……かばう……動き……多い! レオナ……イノ……気に入ってた……止める……無駄!」 「それがニンジャなりの見方か」 ヴァジェスは少し笑う。 「でも、寂しいですね……あの人、ロバートさんを除けば、 私の最初の戦友だったんですよ。なのに……」 「何も今生の別れでもあるまい。泣くんじゃねぇ。 それにレオナの気持ちは少しだけ分からんでもねぇ。 たぶん、放っておけないツラと雰囲気持ってたんだろ」 「放っておけない?」 「そう、放っておけないんだ。それを反逆と呼びたきゃ呼べよ。 むしろ反逆の毒を纏った奴だから、嬉々として受け入れるだろ。 それがロバートの大器だ。今なら俺にも分かる」 「……ふうん……」 不思議なものを見るように、ロバートを見つめるエナ。 エリックは一人騒ぎには加わらず、レオナの動きも黙認した。 「まずは終わったよ、フォルテ、ゼブ、セティ」 一人呟くと、ようやく彼は少しだけ涙を流した。 涙は流し尽くしたはずなのに、悲願が達成されるとこの始末だ。 その情の脆さを悔しく思い、そしてまた泣いた。 「こんな所に墓なんか作ってやらないぞ……ロフ。 お前の墓は、ちゃんと妖精の森に建ててやるんだからな」 虚勢を張り、決意を固め、エリックは一人、歩き出す。 愛する妻と、残った子が待っている己の故郷へ。 そしてアンリ姫を除く各々が己の居場所へと戻り始めた。 アンリ姫は識別装置量産の指揮を執らねばならないのだった。 「エナ、早く来い!」 そしてロバートはエナを約束通りに迎える。 「俺達は遊軍として世界中を動き回るぞ。 イグジスターを見かけたら近くの部隊に救援を要請しつつ駆逐。 また気ままな二人旅が始まるってわけだな」 「二人と一匹です」 「にゃー」 ずっと隠れていた猫のポメが姿を見せる。 「お前、今回目立たんかったな?」 「ふぎー!!」 怒って爪で引っ掻こうとするポメを受け流すロバート。 「ふはははは! 再開早々飼い主に牙を剥くか。 本当に貴様は面白い猫だな、ポメ!!」 さっきの狂気とは裏腹に、猫を撫でる顔は本当に穏やかだった。 「じゃ、行きましょうか」 「おう!」 二人は、またどこへともなく歩き出した―― 来たるべき新たなる戦いへ向けて。 そしてどこか遠く。 イノとレオナは道すがら喋っていたりした。 「……勇者軍にいれば高給優遇は確実だったのに。変な人」 「イノちゃんは放っておけない感じがするんスよー。 これって、一種の宿命って奴じゃないッスかねー?」 「宿命、ね……なら、いっそ作ってみようかしら」 「何をッスか?」 「第2の勇者軍的軍閥プランをもっと具体的に、ね。 同等のメンバー構成に、資金源となるスポンサー、 活動理念と活動区域の保障調停に、各国とのパイプ繋ぎ。 私とあなたの実力があれば、きっと何だって出来るもの。 期待してみる。お願いだから応えてみせてね」 「はいッス! 勇者軍にこのままいるよりずっと面白そうッス!」 二人の少女は反逆の毒を抱いたまま笑い、夢を語った。 それが古より決められた運命であったかの如くに―― <第3部へ続く>
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本当は怖い?勇者部ハロウィン 鷲尾須美 CV 三森 すずこ ステータス ※ステータスの数値は初期値になります。 型 属性 レア度 HP ATK 踏ん張り 速度 CRT コスト SP 遠射型 青 SSR 900 3510 D B- D- 31 29 リーダースキル はろえんのおもてなし 青属性の勇者のATK+10%、HP+25% 必殺技 奇襲・吃驚矢 種別 効果 ゲージ 技再使用時間 敵移動停止 攻撃ペース昇 CRT昇 22倍ダメージをライン範囲の敵に与え、20秒間範囲内の敵移動停止、自ペアの攻撃ペース+30%、CRT+400 3 27秒 アビリティ せーの、はっぴーはろえん♪ 発動条件 効果 強敵出現 ボス出現時、必殺技ゲージ+1個、自ペアのMAXHP+10% 神花・覚醒 神花/覚醒時 獲得精霊 初回神花 二回目回神花 三回目神花 四回目神花 SR刑部狸(青) 一定覚醒値報酬 必要覚醒値 5 SSR刑部狸(青) SR刑部狸(青) 最高級技うどん玉x15 神花解放 段階 必要コイン 必要属性結晶 上限Lv30 8,000 青の欠片x7 上限Lv50 - - 上限Lv70 - - 上限Lv99 - - ボイス 1 - 2 - 入手方法 イベント21年「10月 本当は怖い?勇者部ハロウィン」交換所ラインナップ(邪神像サンチョ10000個or25000個) 名前
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六花の勇者 - 編集タグアニメ公式/Wikipedia/Twitter 目次 基本情報 音楽情報 各話使用音楽一覧 基本情報 監督 高橋丈夫 音響監督 岩浪美和 音楽プロデューサー 高畑裕一郎 音楽制作 ポニーキャニオン 話数 全12話 放送時期 2015年07月~2015年09月 原作区分 ライトノベル 関連作品 音楽情報 区分 楽曲情報 発売情報 発売日 劇伴音楽 大島ミチル 不明 不明 OPテーマ 第一章「Cry for the Truth」MICHI(第1話~第5話、第12話) 作詞:RUCCA 作曲:藤田淳平(Elements Garden) 編曲:岩橋星実(Elements Garden) ♪MV (Short Ver.)(Youtube)[01 44] S『Cry for the Truth/Secret Sky』MICHI ※EDテーマ第一章「Secret Sky」も収録。 2015年07月22日 第二章「Black Swallowtail」UROBOROS(第6話~第11話) 作詞:上木彩矢 作曲:黒瀬圭亮 編曲:Tom-H@ck S『Black Swallowtail』UROBOROS 2015年09月09日 EDテーマ 第一章「Secret Sky」MICHI(第1話~第3話、第8話、第12話) 作詞:RUCCA 作曲・編曲:藤間 仁(Elements Garden) S『Cry for the Truth/Secret Sky』MICHI ※OPテーマ第一章「Cry for the Truth」も収録。 2015年07月22日 第二章「Dance in the Fake」ナッシェタニア(日笠陽子)(第4話、第5話、第10話) 作詞:RUCCA 作曲・編曲:藤間 仁(Elements Garden) S『Dance in the Fake』ナッシェタニア・ルーイ・ピエナ・アウグストラ(CV:日笠陽子) 2015年09月09日 第三章「Nameless Heart」フレミー(悠木 碧)(第6話、第7話、第9話、第11話) 作詞:RUCCA 作曲・編曲:藤間 仁(Elements Garden) S『Nameless Heart』フレミー・スピッドロウ(CV:悠木 碧) 2015年09月16日 挿入歌 なし - - topに戻る 各話使用音楽一覧 各話で使用された音楽の一覧。 ・ここでのOP・EDの定義はクレジット上の表記ではなく、OP・EDクレジットのテロップが表示されている場面(多くはOP・ED映像と共に流れる)で流れていた楽曲。 ・基本曲名のみで表記。歌手などが違う場合その都度表記。 ・初使用の楽曲は太字で表記。 話数 サブタイトル OP ED 挿入歌他 第1話 地上最強の男 「Cry for the Truth」 「Secret Sky」 なし 第2話 初めての旅 「Cry for the Truth」 「Secret Sky」 なし 第3話 六花殺しの少女 「Cry for the Truth」 「Secret Sky」 なし 第4話 勇者集結 「Cry for the Truth」 「Dance in the Fake」 なし 第5話 七人目の勇者 「Cry for the Truth」 「Dance in the Fake」 なし 第6話 罠と潰走 「Black Swallowtail」 「Nameless Heart」 なし 第7話 二人の理由 「Black Swallowtail」 「Nameless Heart」 なし 第8話 凡人と天才 「Black Swallowtail」 「Secret Sky」 なし 第9話 疑惑の蕾 「Black Swallowtail」 「Nameless Heart」 なし 第10話 絶体絶命 「Black Swallowtail」 「Dance in the Fake」 なし 第11話 反攻 「Black Swallowtail」 「Nameless Heart」 なし 第12話 解明の時 「Cry for the Truth」 「Secret Sky」 なし topに戻る
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二つ名:隠密の勇者 名前: 詳細: シノビという希少な部族の少年。表舞台には絶対に出ない部族だったが神託を受けたことにより表舞台で動かざるを得ないことになったので非常に仕事がしにくくて困っている。 その他:
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二つ名:黒蝕の勇者 名前: 詳細: 女神以外の神を信仰しており、祈りに応じて現れる黒い何者かはその神の使者で、今日も使徒と共に平和のために戦う。女神の信託はそういう神もいるんだなと割と気軽に応じた その他: