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登録日:2010/12/22(水) 04 23 52 更新日:2024/05/10 Fri 03 09 59NEW! 所要時間:約 19 分で読めます ▽タグ一覧 CB おっぱい お嬢様 わがまま イノベイターになれなかった女 イノベイター勢力 エージェント ガンダム00 ガンダム三大悪女補欠 ソレスタルビーイング チャイナ ネーナの嫁 ネーナの罪は重い ペネロープ(サンダーバード) ワン・リューミン 世界の歪み 中国人 中華 中華おっぱい 何でも持ってるくせに、もっともっと欲しがって…そのくせ中身は空っぽ 劣化 厨二病 同人誌のエース 妹 巨乳 当主 悪女 意地汚い小娘 機動戦士ガンダム00 王家当主 王留美 留美 真堂圭 緑髪 美少女セレブ 自分勝手 自己中 顔芸 紅龍、私はね、この世界が変わりさえすれば良いの。 どんな手段を使ってでも……。 『機動戦士ガンダム00』の登場人物。 CV:真堂圭 性別:女 誕生日:7月9日 年齢:17歳(1st)→22歳(2nd) 身長:152cm(1st)→163cm(2nd) 体重:41kg(1st)→45kg(2nd) 血液型:A型 所属:私設武装組織 ソレスタルビーイング・エージェント / イノベイター勢力 読み:ワン・リューミン けしからんおっぱいを持つチャイナ娘。 私設武装組織 ソレスタルビーイングの最大手スポンサー、王商会の当主で美少女セレブ(笑)。 弱冠15歳で当主の座に就き、その美貌と財力から社交界では有名。 エージェントとして実動隊のチームプトレマイオスに施設や情報を提供し、他のスポンサーやエージェントに接触してのパイプ役として活動をサポートする。 が、当の本人はソレスタルビーイングの掲げる戦争根絶には興味が無く、寧ろ武力介入によって世界が変わっていく様子を楽しんでいた。 世界の変革を強く望んでおり、莫大な資産の多くをソレスタルビーイングに投じている。 余談だが、第2世代ガンダムを開発したコロニー・クルンテープの開発を組織の為に企画した有力な華僑の存在が示唆されており、 先祖の代からエージェントとして活動していたらしい。 また、常にボディーガード兼執事の紅龍(ホンロン)が彼女の傍に控えている。 実はこの紅龍は留美の(小説版等によれば腹違いの)兄で、本来ならば王家を継ぐのは彼であったが、 小説版によると善良な気質を持っていたが為に先代は彼を当主の器ではないと見限り、留美を後継者に選ぶ。 そして、紅龍を自由にさせ過ぎた事が失敗だったとし、留美には自由時間など一切与えずに、文字通り四六時中、王家の当主となる為の徹底した英才教育を施した。 留美はこの先代の意向で人生の大半を王家の当主としての教育に費やされてしまった事への鬱憤と王家という名の柵から解放された新しい人生への羨望を抱き続けていた。 同じく小説版では全てが手に入る立場であるが為、「欲求」を持てない事に「世界が灰色に映る」と描写されていた。 その為、新たな人生が開けるのではないかと考え、世界の変革を強く望むようになった。 言い回しや高圧的な態度から「ただの厨二病じゃね?」等と指摘されることもあったが、ぶっちゃけまさにその通りと言える。 【1stシーズン】 第1話から登場。 ソレスタルビーイングの武力介入の開始直前に軌道ステーション「天柱」でパーティーに参加。 その式典を狙うテロリストの迎撃に投入されたガンダムキュリオス、ガンダムヴァーチェの活躍を間近で見守る。 戦術予報士のスメラギ・李・ノリエガを高く評価しており、その予報の正確さに驚嘆していた。 その後地上で武力介入を行っていたガンダムエクシアとガンダムデュナメスには土地を用意し、新装備の追加や整備の環境を整える。 三大国家群のタクラマカン砂漠での合同軍事演習の際には別荘でプトレマイオスクルーと共にマイスター達の帰還を待っていた。 このミッションの前日には、クルーの女性陣と共に麗しい水着姿を披露している。 この頃は真面目にソレスタルビーイングのエージェントとしての仕事を熟しているように見えるが、次第に組織に内密で独自の行動を取るようになっていく。 本来はアレハンドロ・コーナー等の監視者は絶対中立の存在であり、ソレスタルビーイングの構成員とは接触を避けた方が良い立場にあるが、 彼女自身はそんな事を気にも留めずに一構成員としてアレハンドロと度々接触していた。 ソレスタルビーイング全体の組織としての綻びや、留美が独自の意識に基づく行動を取っている事がこうした点からも確認出来る。 ガンダムスローネとトリニティの出現に伴ってそれが顕著に表れ、付き合いの長いチームプトレマイオスと反目する中でもトリニティにバックアップを進言する等、 独断行動が一層目立つようになった。 ソレスタルビーイングが国連軍に敗北した後、組織は疲弊し各種パイプを断たれ、チームプトレマイオスのスポンサーは最早王商会のみとなる。 トリニティの中で唯一生き残ったネーナ・トリニティを保護し、地球連邦政府樹立に伴う世界の変革を見つめるも、未だ自身の望む世界になっていない事を痛感。 世界を変える機体としてダブルオーガンダムの完成を待ち望んでいた。 【2ndシーズン】 美しい大人の女性へと成長し、おっぱいも更に増量した。そこ、「ケバくなった」とか「劣化した」とか言うな ネーナ・トリニティを従え、引き続きソレスタルビーイングのサポートを行っており、人手不足の組織にアニュー・リターナーを紹介した事も。 しかし、ソレスタルビーイングの支援を行う一方で、裏ではイノベイター(イノベイド)を率いるリボンズ・アルマークと繋がりを持つ等、手段を選ばなくなっていく。 上記のアニューの推薦も、実際はリボンズからの指示である。 これらの事が(自分の所為で妹に望まぬ形で当主を継がせた事への負い目とその罪滅ぼしから)常に留美に忠実な紅龍からも疑念を抱かれ、 元々彼女の態度や自身の処遇に不満を抱いていたネーナに至っては反感と嫌悪を強めてしまう。 この時期になると、自慢の美貌は絶頂期に達するも待ち受けているのは下り坂という状況に焦燥感を駆り立てられ、 何とか変革完遂の時期を早めようと資金投入等にも見境が無くなっていく。 そして美も金も底が見え出した状況下、不老不死に近い肉体を持つイノベイター(イノベイド)に強い憧れを抱き、その一員に加わる事を望むも、 そうした内心を看破するリボンズに「富や権力を当たり前に持ち、同種でありながら、大衆を上から見下ろす旧世代の考え方」(要は消え去るべき過去の遺物)と揶揄され、 その望みも「君は…イノベイターにはなれない。悲しいけど、それが現実なんだよ」と嘲笑される。 それを契機にリボンズを見限り(というか見限られて放り出され)、ヴェーダの所在の情報を渡す為にプトレマイオス2に通信を入れ、ラグランジュ5で待っていた。 しかし、リボンズを出し抜こうと画策していたリジェネ・レジェッタの協力を得たネーナに裏切られ、窮地に立たされてしまう。 ネーナも相当利己的な人物だが、「何でも持ってるくせに、もっともっと欲しがって…そのくせ中身は空っぽ」という評価は王留美という人物を端的に表していると言えよう。 そして裏切ったネーナから銃撃され、殺されかけるも、唯一の肉親である兄・紅龍に文字通り命懸けで庇われ、窮地を脱する。 アニメではかなり動揺こそしたものの、留美は彼に哀悼の意を示す様子は見せなかった。 が、小説版では彼の死に「灰色の世界に一瞬色彩が明滅した」と言う程激しい悲しみの感情を抱いていた。 その後、指定したポイントに現れた刹那・F・セイエイにメモを託し、留美を心配した刹那に一緒に来るよう勧められるも、「求めてるものが違う」と断った。(*1) そして、王家のコネクションを駆使して世界の変革を目指す志を改めて固め、小型艇で脱出する。 が、その行動を読んでいたネーナのガンダムスローネドライに捕捉されてしまい、GNハンドガンで小型艇を撃ち抜かれ、志半ばで宇宙の藻屑と消えたのであった。 余談だが、この際に「小型艇の舵を刹那とグラハ……いや、ミスター・ブシドーが激戦を繰り広げている方に向けていれば、その混乱に乗じて生き延びられたかもしれない……」と小説版では言及されていた。 ……が、 「宇宙の物理法則は彼女の味方をしなかった」 「別の場所へ逝く事で変革を遂げた」 と明言されている通り、結局それが叶う事は無かった。 素晴らしく愛らしい容姿や素振り、おっぱいという武器を携えた彼女の第一印象は極めて良好だった為に活躍も期待されていたが、 (尺の都合や放送枠など致し方ない事情があったとはいえ)作中での描写が著しく不足しており、2ndシーズンでの回収はかなり速足で、あっけない最期を迎えてしまった。 そもそも名前からして「留まる美」でしかなく、 所詮は「自分にとって都合の良い世界への変革」を目指す事以外は眼中に無かった身勝手な人間として、その人生に幕を下ろしたのも必然であったのかも知れない…。 ちなみに小説での評価によれば「リボンズに見捨てられネーナに裏切られ文無しになった状況からでも、ここから立て直せるだけの人脈と交渉力がある」とのこと。 ソレスタルビーイングとの人脈に加え、連邦政府との関わりも当然あるだろうから、その後の反アロウズの波に乗れば、戦後の地球連邦政府と仲良くして表からでも裏からでも、世界をいくらでも動かせる立場に就けたと思われる。 世界征服できるくらいの財力があるという恐ろしい生まれの人物であったが、やはり「育ち方を間違えた」のだろう…… 【スーパーロボット大戦シリーズ】 『第2次Z』に登場。 概ね原作と同様だが、再世篇ではゼロレクイエム(原作)ルートに進むと、ネーナに撃墜された後に、ブリタニア皇帝となったルルーシュに救われていた事が判明。 彼に協力する事で生きる意味を見出し、世界の変革を見届ける。 最期はそのルルーシュに撃沈する天空要塞ダモクレスと運命を共にするよう命じられるが、 世界の変革をその目で見届け、目的を果たした彼女は原作と違い、穏やかな笑みを浮かべながら従容として死に赴いたのだった。 なお、黒の騎士団ルートだとそもそもルルーシュがブリタニア皇帝にならないので普通にネーナに殺される。というわけで、ほぼ唯一と言っていい原作ルートに進むことで救済されるキャラだったりする。 そして第3次Zではゼロレクイエムルートが正史になったのでまさかの留美救済は正史扱いになった。 【余談】 1stでは登場するたびに違う衣装で現れるという、猛烈に気合の入った扱いを受けている。 ……が、やはり最初のチャイナお団子が起源にして頂点だったのか、グッズやファンアートの大半はこれという風潮がある。 こんなにも項目が追記・修正されてゆく……。その向こうには、一体何があるのかしら……? △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 反対意見もなかったようなので、コメント欄のリセットを行いました。 -- 名無しさん (2017-12-28 17 02 01) X-Ωでは本人は登場してないけど、1期のネーナが留美に保護される前に別の世界へと飛ばされたおかげで留美の死亡フラグが1つ消滅しちゃったな -- 名無しさん (2018-05-29 02 33 47) むしろ留美も別世界に飛ばされて一度地位も財産も失った方が、ネーナと仲良くケンカしなな関係築けたかもな… -- 名無しさん (2018-05-29 22 47 04) ↑そもそも綺麗な留美になれるならネーナと仲良くする理由なんかないし、むしろ仲良くしてたらやばいぞ… -- 名無しさん (2018-05-29 22 57 41) 名家の党首とは言っても、彼女がバリバリ仕事をしている姿は描写されていないし想像も出来ないなぁ -- 名無しさん (2018-07-19 16 10 15) ↑社交パーティに出てるのが仕事の一つではありますな。 -- 名無しさん (2018-07-19 17 12 02) そんなに劣化してねーじゃん。なんつーの、美少女から美女にベクトル変わった。 -- 名無しさん (2018-10-11 16 57 17) 兄貴殺された時に刹那についてけば生き残れたんだろうけどなあ -- 名無しさん (2019-06-25 08 10 29) ネーナとレズっていれば裏切れなっかたのでは… -- 名無しさん (2019-09-04 14 44 46) 放送枠とか尺とかあったんだろうけど、全体的に描写が足りてなかったのが残念 -- 名無しさん (2020-04-17 10 56 10) 結局いろんな意味で1話がピークだったなあ、この人 -- 名無しさん (2021-09-10 13 01 10) スパロボで満足した姿もそうなんだけど、自分から動く方向さえ間違わなければ救いはあったキャラなんだよな。 -- 名無しさん (2023-01-20 13 17 59) 2ndシーズンの髪型と目の描き方が1stシーズンで気に入った人には刺さらなかった印象 今見ると確かに分かる -- 名無しさん (2023-04-16 21 52 54) 放送前、まだ特にキャラクターとかもよく解ってなかった時期に沢山同人誌とか作られたのに、いざ始まると特に話題にもされなくなったな -- 名無しさん (2023-04-16 22 09 16) 名前 コメント
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つくもさんが入室しました つくも (コサック帽にふわふわファーの白コート。白い毛革装束から流れる、黒い髪。 つくも (そして眼鏡が頻繁に曇るのでキュッキュと拭く ここはランドール鉄道南部路線。 ロディさんが入室しました ロディ (向かいの席に腰掛けるはベージュのコート姿。春が近いとはいえ、まだまだ寒い つくも (キュッキュ タムタム)『ここで既婚者の話をしよう、ロディ』 ロディ うん?(窓から視線を前に向けて つくも (タムタムタム)『既婚者、つまり愛を成したと見なせるペアの話であるが』 つくも (タムタム)『愛の境界線はもとより、愛の持続時間も気にならないか?』 つくも (タムタムタム)『世に離婚があるなら、愛は消えるものであると考えられなくもない…』 ロディ なるほどそれは興味深い議題ですね?(うん、と ロディ そうねえ。無条件で持続するものではない、とされるよね。 つくも (タムタム)『先日のお義兄様の話からすると、あれは離婚ではなく愛が深まり過ぎた例というか』 つくも (タムタムタム)『あのお義兄様はたぶん統計に入れてはいけないと思うので今後除くが問題あるまい?』 ロディ うん。統計から排除すべき極端だと判断していいと思う。 つくも (タムタム)『だよなぁ!私もそう思った』 (うむ、と つくも (タムタム)『ようはピークに達した愛という感情は、その後どこへ向かうのかという話だ』 ロディ …まあ、何事も例外はあるって事で……ぁぁ、俗っぽい言い方だけど、ピークを過ぎた後よね。 つくも (タムタムタム)『私の四十九院家の婆様に話を伺う機会が出来たので、はるばるフルプラントで聞いてみたが』 ロディ へぇ(関心したように)ソレで、先達は何て? つくも (タムタム)『“好きになればわかる”とドヤられて、フルプラント米のきりたんぽを美味しく頂いた』 つくも (タムタムタム)『様子を見た限り、他界した爺様との愛は消えていないように見えた』 ロディ なるほどー。そっかー。 …(おもむろにパーティパックのお菓子開けて ロディ (2人の間の小テーブルに置いて、はい、と小袋一つ差し出す チョコレートだ つくも (カバンからいくつかの缶を出す 緑茶 紅茶 ブラックコーヒー つくも (タムタムもせず、両の手に紅茶とBコーヒーを下げて、首を傾げて) つくも (どっち?と伺う) ロディ つまり自分で掴め、って事なのかな? それとも人それぞれって事か…(んー、と頬杖思案し ロディ (「つくもさん先に選んでよ。残った方でいいから」これが通常の回答。でもしかし。 ロディ (なんとなくの直感。 おれが選択する方が、彼女は喜はしいのではないか。 ロディ (ぴ、と無言で紅茶の方に指を指す つくも (こん、と紅茶をロディ側に置いて、自分はブラックをあける つくも (タムタム)『どうして紅茶を選んだ?』 ロディ んー、紅茶とかハーブティーとか好きなのよね。 コーヒーも飲むけど、根詰めて作業する時って感じ。 つくも (タムタムタム)『そうか、憶えておく』 つくも …。 つくも (タムタム)『作業?』 ロディ ん?(意外なとこ食い付いたなと ロディ 書類整理とか書き物とかそーゆー感じの。つくもさんもあるでしょ? つくも (タムタムタム)『そういえば普段はどのようにお過ごしで?』 つくも (タムタム)『私はロディと会うまでは全然だな』 (こちらも意外な感じに ロディ どのように、か。 あれ、そーなの?勉強熱心な学生さんって感じなのに。 つくも (タムタムタム)『もちろん普通の勉学は、普通に(満点で)学んできた』 つくも (タムタム)『高等部からはかなり自由だ。こうして、旅に来れるぐらいにな』 ロディ へぇー、そうなんだ。学校も色々あるのねー… って、そう。 そうだよ。(向き直って ロディ 驚いたよ。突然つくもさんもココドバイに行くってさ。 つくも (タムタムタム)『も、だ。ロディが行くなら私も行く。』 つくも (フフン、となんか笑って タムタム)『いわばこれぐらいは遠出のデートぐらいの気分だ』 ロディ いやはや、なかなか変わった理由で。(はは、と笑って ロディ (治安が悪い…というか何かと胡散臭い話も聞く。 心配ではある。あるが… つくも (タムタムタム)『ロディはどうしてロジタウンに?』 ロディ (そんな理由言われたら、逆に無下に断れないよね。…っていう)…ああ、ちょっとね。 ロディ お仕事ですよ。出張診療っていうの? ロディ そーゆー事だから、途中は別行動になっちゃうけど…(大丈夫かな、と つくも (タムタム)『ついていってはダメ?』 ロディ んー…。治療 カウンセリング の場にってのは難しいね? (守秘義務というのもあるし、それに… ロディ (結構、面倒臭い事になりそうな案件だ。…出来たら巻き込みたくない) 逆に言えば、それさえ済めばフリーだよ。ドバイタワーでも何でも観光できる。 つくも (タムタムタム)『仕事場にまでは寄れないか』 つくも (タムタム)『仕事、か』 ロディ そーだね。半日ほどは観光でも…(ん、と見遣って つくも (タムタムタム … タムタム …タムタム) つくも (タムタム)『これは、全く関係の無い話だが』 つくも (タムタムタム)『共働きと専業主婦ならロディはどちらを理想とする?』 ロディ え、……そのー、既婚者的な話? つくも (タムタム)『たとえば、そう全く例えばの話であるが、境界線を越えた場合』 つくも (タムタム)『より長く続くのはどちらか?という話にもなる。だがこの場合には統計はひとまずおいておいて』 つくも (タムタム)『ロディはどうなのか?という話だ』 ロディ なるほど。 そうねぇ…(ふむ、と 真面目に考えてるようだ ロディ その人が伸び伸び生活できるのが一番…と思うかなぁ? 外に出て働きたいって人も、家庭に入って落ち着きたいって人もいるだろうし。 ロディ おれが「こうして欲しい」って要望するのはしっくり来ない…って感じかしら。どうですこの回答。 つくも (タムタムタム)『20点』 つくも (小袋チョコレートをつまんで) ロディ 低っ(あっはっは つくも (タムタム)『真剣(ガチ)の恋愛、“先生”は苦手?』 ロディ 何、急にJKっぽいな?(苦笑して) …まあ確かにさっきのは主体性無さすぎだったか? つくも (タムタムタム…と打ちつつ、砂漠を見遣り)『可能性を論じてはぐらかすのは、ノーだね』 ロディ 何、急に手厳しいな。(頬杖で苦笑して) … つくも (タムタム)『私は、ロディ…フロイデイン・リーラ・ラヴェンデルに結婚を申し出るつもりでいる』 ロディ ん、 。 つくも (タムタム…と打つ その目は、黒くそして白い) つくも (だが、赤面したりではない) つくも (タムタム)『あくまでつもりで、今では無い』 ロディ ……そっか。(何と返したものか、真顔で つくも (タムタム)『これはプロポーズではなく、プロポーズして良いかの相談だ』 ロディ …… それは、今返事した方が良い? つくも (タムタムタム)『さて、ラヴェンデル家の次男坊には世間体もあるようだしな』(なんかさっきから窓の外見てる つくも (… なんか妙に我がまま…というか振舞いがいつもより尖っている) ロディ …それはどうだろねえ。(はは、と乾いた笑いで それは彼も感じているようで ロディ …(何をどう口にしたものか。はぐらかす事も、曖昧にする事も出来る筈だけど。 ロディ (誠実でありたい気持ちが半端に邪魔をしてくる)…そうねぇ、 ロディ ガチの恋愛、確かに苦手。(うん、と つくも (タムタム)『なら安心だ』 ロディ (そうなの?と横顔を見遣って つくも (きょろきょろと車内を見遣り つくも …初心者同士、でうまくやろう?(鈴の音のような声 ロディ 、(口結んで ロディ … ………地声で喋れたんだ?(つられたように小声で つくも … (タムタム)『しゃべれない』 ロディ …え。じゃあ今のは。 つくも (赤くなりつつも タムタム)『プロポーズ』 ロディ ……… ロディ ………(片手で顔押さえて)……それじゃあ。 うん。 ロディ (押さえたまま俯きがちに、少しだけ顔上げて)……不束者ですが? つくも (タムタム)『いいのか』 つくも (タムタム)『家のこともあるだろう』 つくも (こんな“私”なんかに、答えていいのか) ロディ えぇ、自ら言っといて?(はは、と笑って つくも (勿論、自ら言っておいての話だ) ロディ ……正直ね、上手くやれるか分かんないよ? おれはこんなだし。 ロディ 君の事を「好きっぽい状態」に持っていける自信はあるけど、それが良い事だと信じられもしない。君相手だから、正直に言うけどね。 つくも (タムタムタム)『安心した』 ロディ でも、「上手く行かせたい」「その為に努力をしたい」とは思える。 つくも (タムタム)『ロディ』 つくも (タムタムタム)『私は君に頼ってばかりだ』 ロディ ん、そうかな? つくも (タムタム)『だから、このドバイで私は勝負をかける。プロポーズは、した』 ロディ …少なくとも、君はおれの枷をひとつ外したよ。おれがこんな返答をするのは、君相手だから。 つくも (タムタム)『私を好きになってもらう。まずは…』 …ひゅん つくも …(口元抑えて ロディ それは心に留めといて欲しいんだけど… (まずは? つくも …(やっば、好き。もう好き。恋とか愛とか境界線とかもう建前なぐらい好き。 つくも (でもそのあとがわからない…好きの後に何がある? つくも (タムタム)『うん、まずはお仕事の間にデートしたい』 つくも (タムタム)『今なら、映画館の隣にロディが居るのをイメージできるから』 ロディ イエッサー・マイプリンセス。(うん、と ロディ 見たい映画あるの?好みのジャンルとか。 …(そういえばそんな事も知らないのか、と つくも (タムタム)『それは先日の講義の“例え”であってな』 つくも (タムタムタム)『今、私達はどう座っている?』 ロディ ボックス席に向かい合って座っていますね? つくも (タムタム)『映画館ではどう座る?』 ロディ 隣り合って座りますね。 つくも (タムタムタムタム)『それよ』 (じゃーん、となんか空いた方の手で指さし つくも ((まもなく ロジタウン特区 ココドバイ というアナウンス ロディ それ。 …(ぉ、とアナウンスに宙を見上げて つくも (タムタム)『仕事の合間に、連絡するから』 つくも (タムタム)『あー』 つくも (タムタム)『やだやだ、私は嫌な奴だ』 ロディ ……ん?? どうしたのよ? つくも (タムタム)『以心伝心とか想いが通じ合うとか』 つくも (タムタム)『まるでわからなくて不安になる』 ロディ …そうねぇ。基本的に人の心の中って解らないもんねぇ。 ロディ 仮におれが、今ココで「君の事が大好きだよ!」…とか言ったって ロディ 全然信じられないでしょ。(あっはっは つくも … つくも (タムタム)『結構伝わるかもしれない』 ロディ まじ?(笑顔で つくも (タムタム)『うるさいな、誰がちょろい奴だよ』 (ぷん、とすごくわざとらしく つくも (荷物を持って タムタム)『愛の境界線、越させてやるからな』 ロディ …うん。(はは、とやわく笑って ロディ 楽しみにしてる…いや、期待してるよ。 ちょっと怖いけどね。(笑顔だが、正直な気持ちで つくも (タムタム)『…ロディ』 つくも (駅のホームで、カートを引き、振り返り ロディ (ホームに降りて、立ち止まって) …うん。 つくも (──“私は死なないから” と言おうとして、口を紡ぐ つくも (さっすが私だ、今言わなかったのは冷静だ! つくも (吐き気がする つくも (…違うんだ。ロディの何を突こうとしたのか。 つくも (違う。違う。違うだろ。 つくも (タムタム)『今日のプロポーズは、保留ってことで』 ロディ ………(なんとなくつくもの表情を、気配を見つめて ロディ ん、そう?(返事はあっさりめに つくも (タムタム)『私は利己的に思うことがある』 ロディ …何だろ?(言ってみてよ、と つくも (タムタムタム)『プロポーズは、されると嬉しいな』 つくも (ふい、としてカートをカラカラと引いていく ロディ 、 ロディ (ふっ、と思わず吹き出す …いや、笑い事じゃないのかもしれないけど。 ロディ それは、言われてみれば確かにだなぁ(つくもを追って歩く 歩幅ですぐに追い付いて ロディ …ま、せっかくだし遊ぼうよ。観光でも映画でもさ。 つくも (タムタム)『誘われたからには、デートプランは期待していいのかな』 ロディ そうねぇ、まあ、プランは幾つかありますけど…(耳年寄の頭でっかちになりがちなカウンセラー人生。机上は浮かべど、実感は無く ロディ …『初心者同士』、だからね?(隣のつくもを横目に見下ろして つくも (タムタム)『初』 つくも (…と打とうとして、思わずそのまま音声になり つくも (…くすりと笑い つくも (タムタム)『そうともさ』 ロディ …。そ。(無言で見遣って、そのまま前向き直して ロディ …ま、何処行くにせよ、まずは荷物預けちゃおっか。(カートを引いていく つくも (そしてドバイへ消えていく ロディさんが退室しました つくもさんが退室しました
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天然あきの書いた「すないぱーうどんげ養成所の最終試験シリーズ」の続きです。 俺設定あり。 希少種虐待あり。 天然あき 「………………」 「………………」 「………………」 誰もが無言だった…。 みょんに気を取られてれいむを見失ってからはや20分…誰も喋る気配が無い…。 金網のある場所に近付けば近付くだけ草むらが生い茂っており発見が困難となる。 そこまでの逃走を許してしまえば発見が困難になる。うどんげ達もれいむが見付からない限り迂闊に発砲する訳にも行かず、さりとて 敵対するうどんげよりも早く敵を見つけなければならず、20分の間一瞬の気も抜けず探し続けていた。 すないぱーに必要なのは何も狙撃能力だけじゃ無い。 獲物を待ち伏せる忍耐力も必要だ。 迂闊に手出しして無防備な姿をさらせば死ぬのはこちらだ。 すないぱーは居場所が特定されないからこそ意味がある。 恐怖に呑まれて無駄弾を使うような愚図では救いようはない。 その点このうどんげ達は大丈夫なようだ。 まぁ脅威なのは敵ではなく後ろにいる男なのだが…。 うどんげBは手を拱いていた。 二発弾数が残っていれば迷いなく撃っていたが今は一発。 外したら死。 その恐怖が引き金を下ろすのを躊躇わせる。 そうしている内にうどんげAは拡声器を置いて狙撃の体勢に入る。 流石にれいむがいくらうどんげAを信用していようとうどんげAが銃をこちらに向けている事に気づけばれいむとて言う事を聞いてはくれなくなる。 れいむがこちらに気付くよりも早く、尚且つ確実に仕留められるギリギリの距離で撃ち抜く。 それをミスし、明後日の方向に撃ったり、即死させる事が出来なければうどんげBは間違いなくその隙にれいむを確実に撃ち抜く。 いくらミスすれば終わりというプレッシャーがあるとしても止まった的を撃つのに躊躇うのならば最初からここにはいない。 故にうどんげAからしてもこれは外せない一発。 しかし悠長にしていればうどんげBが焦って発砲してしまう可能性だってある。 だからと言って焦ってはいけない。 れいむは助かったという思い込みがあるから不用意に近付いて来ているのだ。 一発で殺せないか外せばれいむはもううどんげAを信じないだろう。 だから外せない。 「………………」 そして、うどんげAは迷いながらも引き金をひいたのだった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゆっほゆっほ!」 れいむは跳ね続ける。 何の疑いも抱かずただ言われるがままに…。 ずる賢いまりさや頭でっかちとはいえ知能面では優れていたぱちゅりーなら疑ったかもしれないが思い上がり甚だしいれいむはそれを選択肢にすら浮かべない。 「じぶんはえらばれたゆっくりだ」という考えは余計な思考を許さない程強かった。 あまった思考はうどんげAの所へ戻った後の事ばかり考えていた。 だからだろう。 「ゆゆ゛!?」 自分の最期の時が来た事にも気付かなかったのは…。 れいむは次の瞬間左目とそこから上の部分が吹き飛んだ。 それと同時に周囲がスロー再生のように動くのが遅くなる。 何処か彼方へと別れていくれいむの左の揉み上げ。 『ゆ?なにかへんだよ?』 れいむは自分の視界が狭まった事に何となく気付く。 だがどうしてそうなったかはわからない。 直後として来るのは猛烈な激痛。 それは混乱していたれいむの思考を否応なく覚醒させた。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 れいむは現実をようやく知ったのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― しまった…。 うどんげAは最後の最後でとんでもない凡ミスをしてしまった。 一撃でれいむを仕留める事が出来なかった。迷いを払拭できなかったのだ。 正確にはれいむが受けた弾丸はれいむに確実に致命傷となる損傷を与えてはいたが即死するには至らなかった。 人間とは違い中枢餡を破壊しない限りしねないゆっくりでは頭の一部を吹き飛ばした程度ではすぐに死ねないのだ。 ある意味狙撃で殺すにはドスや胴付きのようなある程度のサイズの方が楽な場合もある。 それはさておき現状、このままではうどんげBに撃ち殺されて自分も死ぬ。 それだけは嫌だ!!? 死を恐れたうどんげAの頭が焼ききれんばかりに思考を巡らす。 それは今までの平常時では有り得ない高度な思考。 そしてどうすればいいかの行動はほぼ無意識に行われたのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― うどんげBが致命傷を受けたれいむに銃口を向ける。 確実に当たる。そう確信できる距離だ。 風速やその他のものはすでに考慮済み。 外す方が難しい状況だった。 だからうどんげBは勝利を確信し、迷う事なく発砲した。 だがここでうどんげBは迷っておくべきだった…最後まで自分の命に執着するの ならば…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 銃声は鳴り響いた。 そしてそれは決着を告げる音でもあった。 「ゲ…ラ…?」 呆然とし、事実を受け入れられないうどんげ。 そして、 「ゆんぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 醜い悲鳴を上げ続けるれいむがいた。 そう、うどんげBは外したのだ、最後の一発を…。 そして、 「……………」 無言で銃を構えているうどんげA。 しかしその方向はれいむに向けられたものではなかった。 それは、ほんの少しれいむから外れた方向。 微量な違いだが、それは大きい意味があった。 その先にはうどんげBの銃の先があった。 うどんげAが咄嗟に行った行動、それは…うどんげBへの妨害だった。 殆ど無意識に行った為うどんげAも何が起きたかわからなかった。 うどんげBは確実に中枢餡を撃ち抜く為に狙いを定める若干の時間の間にうどんげAは動揺した精神でれいむに当たるかどうかわからない二発目を撃つよりもうどんげBの持つ銃を狙い撃つ事を選んだのだ。 一度迷ったのだ。二度は迷わない保証は可能性はない。 むしろ迷う可能性の方が高い。だから別のを撃った。 そしてその賭けは成功した。 うどんげBはれいむの射殺に失敗した。 それはすなわち…、 「残弾0…失格だな…」 「ゲラアア!!?」 うどんげBの死が決定した事でもあった。 「ゲ、ゲラアアア!!!」 目を見開いて叫び声わ上げるうどんげB。 何かを言っているようだが教官にはわからない。 だが何となくはわかった。 「確かに俺は同じうどんげへの発砲は禁止した…」 「ゲラ!ゲラ!」 その言葉にうどんげBは頷く。 うどんげAのやった事は反則だと…だから自分は失格していない…そう言いたいのだろう。 だが、 「銃への発砲は禁止していない…」 教官は冷たく言い放った。 「!!?」 うどんげBのそれによって起きた絶望は悲鳴にすらならなかった。 そして生まれる不満。 その表情を教官は感じとって告げた。 「屁理屈だと思いたければ思え。 だが俺は常に言ってきたはずだ。 “銃を身体の一部にするな、身体を銃の一部にしろ”と。 そして俺はうどんげに対する発砲を禁じた。銃と貴様等を同列にする事は俺は絶対に許さない。 不満があるなら構わん。だが俺は意見を変えるつもりはない。仮に今のが無効だとしても残弾が0になったお前はどっちにしろ失格だ。失格者が一名か二名かの違いしかない。文句があるのならば自分の力で何とかしてみろ」 そう言いながら教官は銃をうどんげBに向ける。 「ゲラアァ!!?」 自分に突き付けられた銃にうどんげBは恐怖し、戦慄する。 「生き延びたいのなら行動しろ…思うだけなら誰でも出来る…」 そう言ってうどんげBを蹴り飛ばす教官。 「ゲラア゛ア゛!!?」 射撃場から地面へと転がっていくうどんげB。 教官はそんなうどんげBに銃を向けたまま床に転がっているうどんげFを同じように射撃場から放り投げる。 「ゲ…ゲラ…!?」 教官の行動に生きているうどんげ全てが首を傾げる。 そんな中教官は無感動にうどんげFの銃をうどんげAに投げる。 「ゲ、ゲラ?」 咄嗟にそれをキャッチしたうどんげAは困惑する。 教官の真意がわかりかねるからだ。 それを見越した教官は告げた。 「お前等の初仕事だ。 そのうどんげ達を殺せ…」と。 「「「「!!!!?」」」」 その場にいた全てのうどんげが驚愕する。 特にうどんげBが酷かった。 「ゲ…ゲ…ゲラアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!?」 顔を蒼白させて走り出すうどんげB。 死にたくない。ただそれだけがうどんげBを走らせた。 「ゲ…ゲラアアア!!?」 それに続くようにうどんげFも走り出す。 「いだいよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 そして残るのは致命傷を受けたれいむの悲鳴だけだった。 「わかるか…?」 教官は戸惑ううどんげ達に話し掛ける。 「あれが敗者だ。 そして…」 銃口を今も喚き散らすれいむに向ける。 「うどんげ…お前が殺し損ねた相手だ…」 「ゲラ…」 うどんげAはそれを見せられる。 「どうじででいぶごんなべにい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」 れいむは悲痛な叫び声を上げている。 「強制したのは俺だ…だが今あいつが苦しんでいるのはお前の迷いが生んだもの だ…」 「ゲラ…」 教官の言葉がうどんげAに突き刺さる。 この教官は嘘は言わない。 端的に、必要な事のみを告げる。 それをうどんげAは知っている。 だからそれは真実なのだろう。 「迷いがあったからあいつはああなった。 戸惑ったからあいつはああなった。 自信がなかったからあいつはああなった。 ……だからあいつは今無駄な苦しみを味わっている…」 そうだ…。 うどんげAは認める。 自信の保身の為に親友であるうどんげを殺す事を選んだ。 それを決めたなら容赦なく殺すべきだったのだ。 我が身可愛さで親友を殺すつもりの卑怯者なら卑怯者に徹すればよかったのだ。 なのに罪悪感を持ち、迷った結果がこれだ。 「たずげろうどんげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!! がわいいでいぶがぴんぢなんだぞお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!? さっざどじろごのぐずう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「!!?」 うどんげAはその言葉にショックを受ける。 「おばえのぜいだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! れいぶをたずげろお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 誰よりも長い時間を共にした親友からぶつけられる怨嗟。それによるうどんげA の心境は決して穏やかなものではなかった。 「じねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!おばえがじねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゲ…ゲラ…」 れいむの最期の叫びはうどんげAの胸に突き刺さる。 耳を塞ぎたい。目を背けたい。 だがそれだけはしてはならない。 何故なら、 「これが…お前が招いた結果だ…」 そう…うどんげAが自分で選んだ結果なのだから…。 「俺を恨みたければ恨めばいい…。俺を殺したければ殺せばいい…。だがあのれいむは恨むな。殺す対象に憎しみを持つな。私怨で殺すな殺意で殺すな、ただ撃てばいいだけだ。余計な感情を持てばそれは不幸にしか繋がらない」 あまりにも教官は無機質に、まるでカーナビの音声のようにただ告げている。 だがその言葉はうどんげAにはどんな美辞麗句よりも深く心に残っていく。 「いいか、銃を身体の一部にするな。身体を銃の一部にしろ。銃は殺す事等考えない。銃の役目は撃つ事だ。 ただ撃って当てる。それだけが銃に必要な役目だ。しっかり当たればそれに死は付随してくる…ただそれだけ…それだけだ…」 そう言いながら教官はうどんげAを狙撃銃を構える体勢にしていく。 しかしそれはうどんげCのように強制的ではなくむしろ拒否しようとすれば拒否できる類のものだった。 「殺そうとして殺すな…撃った結果で殺せ…。余計な感情を込めるな…それが…どちらにとっても…一番幸せだ…」 そう言って教官はうどんげAから離れる。 「あいつをどうするかは…お前が決めろ…」 そう言って教官はうどんげAから離れていく。 残るのは銃の感触のみ。 自分のではないけど問題はない。 「いやだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 そして遠くかられいむの声が響く。 うどんげAの長い耳はそれを否応なく捉える。 そうだ…これは自分のせいだ…。 うどんげAは狙撃銃のスコープ越しにれいむを見る。 いびつな形になったれいむ。 自慢だったリボンはボロボロになり、もはや見る影もない。 「ゲラ…」 うどんげAは人知れず涙を流す。 本当に大切な友達だった。 家族よりもずっとずっと一緒にいてくれていた。 れいむもそう思ってくれていた。だから言う通りにしてくれたんだ。 なのに裏切った。 いや裏切っただけじゃない…。 中途半端に裏切ったんだ…。 嫌々ながら…迷いながら殺そうとした…。 卑怯者であるなら卑怯者であるべきだった。 なのに…なのに…善良であろうとした…だから迷った…だから…れいむは苦しん でいる…。 自分の腕なら一発で終わらせる事なんて簡単だった…。 なのに失敗した…。迷ったから…。 「ゲ…」 謝罪の言葉を述べそうになる。 だが途中で止める。 謝る事に何の意味があるのだろうか? 裏切ったのも事実。 迷ったのも事実。 いくら言い訳を重ねても、虚飾を積み立てても、結局は選んだのは自分だ。 謝罪なんてただ現実逃避にしかならない。 だから…しない。 今まで殺したゆっくりに謝罪なんてして来なかった…。 ……だから謝らない。 れいむを裏切った…れいむを苦しめた…そして今殺そうとしている…。 「たずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 うどんげAは狙う。 今度こそれいむをしっかりと殺せるように…。 今度こそ無駄に苦しめないように…。 「ゲラ…」 うどんげAは構える。 れいむを殺す為に。 謝罪はしない。 殺す側の言い訳にしかならないから…。 うどんげAは心の中で誓う。 れいむ…これから君を殺す。 そして、うどんげもここで死ぬ。 君を殺してうどんげは死ぬ。 だからここにいるのはただのすないぱーだ。 意味もなく価値もないただの卑怯な暗殺者…。 死の予告すら告げない卑怯者…。 だから…もう苦しめないよ…。 うどんげAは一度目を閉じ、そして見開く。 そこに感情はなく、ただのすないぱーがいるだけだ。 一つの銃となったすないぱーがいるだけだ。 「…ゲラ…」 最後に小さくうどんげAが呟いた。 その言葉の意味は“サヨナラ”。 それは誰に…いや何に対して言ったのか誰にもわからない…。 そしてその直後引き金を引き、放たれた銃弾がれいむを撃ち抜いた。 れいむはそうして死んだ。あっさりと。 その瞬間…うどんげAは死に…新たなすないぱーが誕生したのだった…。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゲラア゛ア゛ア゛ア゛!!?」 うどんげBは走る。 死にたくないという一念のみで。 その後に続くのがうどんげF。 両腕を撃たれたが為に上手く走れない。 「ゲラ!ゲラ!」 うどんげFはどう逃げればいいかわからない。 だが死にたくないのなら逃げるしかない。 しかし怪我のせいかうどんげBとの距離はどんどん離れていく。 それでも必死に走る。 死にたくない。 自分は選ばれたゆっくりなんだ。 あんなクズ達(死んだうどんげ達)とは違うと自分に言い聞かせて。 「ゲラ!!?」 すると突然うどんげFが何かを踏み転んだ。 勢いよく地面に転がるうどんげF。 このままではマズイ!とうどんげFは立ち上がろうとする。 が、 「ゲラアア!!?」 上手く立ち上がれない。 撃たれた両腕では上手く立ち上がれない。 「ゲ、ゲラアア!!?」 うどんげFはパニック状態になる。 焦れば焦るだけドツボに嵌まっていく。 「ゲラ!?ゲラアアア!?」 何とかしようと足掻く。 その時うどんげFは偶然自分の転倒の原因を見付けた。 「ゲラア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」 それを見たうどんげFは思わず悲鳴を上げる。 うどんげFが見付けたもの、それは自分が殺したうどんげの相棒であったみょんの残骸だった。 その撃ち抜かれ、四散したみょんの残骸を踏み、うどんげFは更なる窮地に追い込まれたのだ。 うどんげFは必死に足掻く。 だが無駄な足掻きは所詮無駄でしかない。 「ゲラアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」 恐怖のあまりうどんげFはしーしーを漏らす。 何時撃ち殺されるかわからない恐怖にうどんげFは狂いそうになる。 足掻くがその全てが無駄になる。 「ゲ…ラ…」 するとうどんげFは四散したみょんの一部、眼球周辺の部分と目が合う。 今はもう機能しない残骸でしかない一部。 だがうどんげFにはそれがこちらを睨んでいるように感じた。 ありったけの憎悪を込めてうどんげFを殺そうとしている。 うどんげFにはそう思えて仕方なかった。 「ゲラアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!?」 それが更なる恐怖を生み出す。 うどんげFはみょんの相棒であるうどんげEを殺した。 まるでうどんげEの仇と言わんばかりにうどんげFは追い詰められていく。 「ゲラアア!!ゲララア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」 うどんげが狂乱して謝罪の言葉を撒き散らす。 そうすれば許してもらえる。 そうすれば助けてもらえるとでも言うかのように。 だが…、 「ゲビャア゛!!?」 あまりにもあっさりとうどんげFの頭はうどんげCの発砲した銃弾によって四した。 そこには感慨も何もない。 ただ朽ちたゆっくりがいるだけだった…。 うどんげFを窮地に追い詰め、死期を早めた原因となったみょんの残骸。 それが皮肉なのか偶然なのか執念なのか誰にもわからない…。 ただ確実なのはこうしてうどんげFは死んだという事だけだった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― うどんげFは死に、最後に残ったのはうどんげBのみ。 うどんげAは残るうどんげBへ向けて照準を合わす。 だが既にうどんげBの姿は狙撃銃のスコープでは確認できない距離にまで離れていた。 迷う事なく逃げる事のみに行動した結果だ。 利己的とは言えそのような行動が出来るうどんげBはゆっくりとしては優秀なのだろう。 だがうどんげAはそんな事関係ないとばかりに銃を向ける。 本来のうどんげAならば当てる事は不可能だ。 だが、まるで何かに取り憑かれたかのように冷静に、うどんげAは一発の弾丸を発射したのだった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― うどんげBは必死で逃げる。 「ゲラ!ゲラ!」 うどんげBには勝算があった。 れいむ達とは違って自分には手足がある。 この先に逃げ場を封じる金網があるのをうどんげBは知っていた。 その金網に隙間なんてものはあの教官が見逃す筈もない。 だからあのゆっくり達に助かる可能性は皆無だった。 だが自分は違う。 手足がある。 金網にもよじ登る事が出来る。 だから逃げる事は出来る。 逃げた後はそのまま人のいる所へ逃げよう。 何せ自分は希少種だ。 上手く取り入れば飼いゆっくりとして生きていけるかもしれない。 そううどんげBは考えてた。 何の確証も保証もないのはうどんげB自身百も承知だがこの場に残ったり、山の中で生きるよりは可能性は高いとうどんげBは判断した。 だから必死に走る。 背後でうどんげFが何か叫び声を上げているがそんなのはどうでもいい。 今はただ全力で逃げるだけだ。 何処まで逃げたかわからなくなる位逃げた。 ふと気付くとそこはもう金網まですぐそこ…うどんげBの腕前ではアシスト無しには狙撃不可能だろう。 「ゲラ…」 それに気付いたうどんげBは一息つく。 だがそれは最もしてはならない事だった。 「………!!?」 突然うどんげBの身体に衝撃が走り、電流が走り、熱い痛みが広がる。 「ゲ…ゲラ…」 身体から力が抜ける。 うどんげBは訳がわからない。 倒れ込もうとする身体。 その時点でようやく撃たれた事を理解出来た。 「…ゲ……」 有り得ない…そう思おうとしてそれが馬鹿らしい事に気付いた…。 撃たれたのは事実なのだから…。 明らかに致命傷…一発で命を奪われた…。 距離…風向き…それらを考慮して狙撃が不可能と思っていた距離で撃ち抜かれた…。 それを誰が行ったのだろうか…? うどんげBは死の淵…いやもはや死んでいる状態にも関わらずその事が気になった。 その考えは死ぬまでの僅か数秒の間の考えだった。 そんな中うどんげBはある確信めいた直感があった。 自分はうどんげAに撃たれたという直感が…。 「ゲラ…」 うどんげBは笑った。 死にかけている状態だというのに笑った。 この距離で撃ち抜かれるとは夢にも思わなかった。 それはうどんげB自身には不可能だと認めざるえない程の力量だった。 勝てる訳がない…。 もはや悔しさよりも呆れて笑えてくる。 これが教官達が求めた“すないぱー”ならば最初から自分には無理な話だ。 あまりにもお粗末で自分が滑稽としか思えない。 だが不思議と気分は悪くなかった…。 一撃でこちらを射抜き、命を奪ったその技量には感服すら抱いた。 うどんげBは利己的だった。だが自分の銃の腕前には嘘をつかない。 だからこそ…認めなくてはならない…。 「…ゲラ……」 自分の敗北を…。 死ぬのを拒否していたのにいざその死が逃れられないとわかるとうどんげBの心は落ち着きを取り戻していた。 そしてうどんげBは讃える…己が命の奪い手を…。 声にならないから心の中で…。 そうしてうどんげBは死んだ。あまりにも呆気なく…。 そしてそれが…新たなすないぱーの誕生を意味したのだった…。 任務完了 標的、うどんげB、うどんげF共に射殺 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ドススパークをくらいたくなかったらさっさとたべものをよこすんだぜ!ぜん ぶでいいんだぜ!!」 ドスまりさが率いる群れが森の麓の村にやって来る。 「ああ、わかったよ。少し待っててね今持って来させてるから」 それに黒一色の上着とパンツの女性は微笑みながら宥めている。 「はやくしてね!ぐずはきらいだよ!!」 「とかいはなありすはなみたいていのあまあまじゃまんぞくしないわよ!!」 「むっきょっきょ!けんじゃなぱちぇのさくせんどおりね!!」 周りのゆっくりがぎゃあぎゃあ騒いでいる。 女性が手早く菓子を群れのゆっくりに渡すと意地汚く貪り始める。 ドスも例外ではなく「めっちゃうめ!」とかよだれを撒き散らしながら食べている。 そんなドスが突然叫び声を上げる。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 だが叫び声を上げていながらドスは微動だにしていない。 さっきまでの違いは激痛に対する形相と眉間の位置に穴が開いたという点のみだ。 「むきゅうう!!どうしたのドス!!? けんじゃなぱちぇがゆっくりできないでしょ!!!」 参謀であるぱちゅりーがドスに文句を言う。 「ゆがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛からだがうごかないんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 しかしドスの叫びがその言葉を塗り潰す。 すると、 「うん、成功したみたいだね。それじゃ駆除開始だ」 動けなくなったドスを見た女性は微笑を浮かべたまま指を鳴らした。 すると、 「「「「うーゆっくりしね!!」」」」 何匹ものふらんが姿を現す。 そしてそれと同時に今まで言う通りになっていた人間達が群れのゆっくりへ攻撃し始めた。 「ゆゆううう!!?」 「ゆんやあああああどすたずげ…!!?」 「わからないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」 「ドスうううはやぐドズズバーグをうでえ゛え゛え゛え゛え゛!!?」 まともに戦えばゆっくりと人間では戦闘ではなく虐殺になる。 「むっきゅううううううう!!? ドスうううう!!!はやぐドススパークをうぢなざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 参謀ぱちゅりーが次々とゆっくりが殺される状況の中ドスに命令する。 しかし、 「うごげない゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?どうじどなんだぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」 ドスは微動だに出来ない。 そんな状態でドススパークを撃つなんて不可能だ。 この時点でもはや群れの未来は決まったようなものだった…。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ゲラ…」 すないぱーうどんげは標的の狙撃に成功したのがわかると淡白に呟いた。 うどんげは遠く離れた遠方からドスへの餡硬化剤入りの弾丸を命中させたのだ。 標的を一撃で仕留めた事にうどんげは何の感慨もない。 かつて大切な相棒を殺した瞬間からうどんげは一丁の銃となった。 銃は喜ばない。ただ役目を果たすだけだ。 あの最終試験から半年の月日が流れていた。 うどんげがすないぱーとなってから殺したゆっくりの数はドスや希少種関係なく百以上であり、その殆どを一発で仕留めていた。 ドスのような巨大な種では一発で殺すのは困難で、さっきのように行動を封じるのが一番手っ取り早いのだ。 「…ゲラ……」 うどんげは目をつぶる。 瞼を閉じればあの時の事を思い出す。 我が身可愛さで相棒を見捨て、尚且つ苦しめて殺したあの出来事が…。 あれからうどんげはすないぱーとなり幾つもの修羅場をくぐり抜けた。 ごりあてというゆっくりと対峙した時は五体満足で帰れたのが奇跡だった。 一緒に合格したうどんげDはドススパークを受けて相討ちになり、今やうどんげが最後の生き残りだ。 なのに未だにあの日を忘れられない。 うどんげが殆どのゆっくりを一撃で殺すのはもしかしたら相棒のれいむを苦しめた事の贖罪なのかもしれない。 それが正しいのかどうかはもう、うどんげ自身にもわからない。 彼女は銃…銃はただ役目を果たすだけだ。 標的を狙い撃ち抜く。それだけだ。 遠くが騒がしい。 ドスを失った群れが騒いでいるのだろう。 あれの殺害は仕事には含まれていない。 後は他の者の仕事だ。 うどんげはそう考えると装備をしまい背を向けて去っていく。 後にこのうどんげは伝説のすないぱーとしてゆっくり内で伝説となる。 だが、いくら有名になろうとも、伝説と畏怖されようとも、うどんげの表情は暗いままだった。 それはまるで命を奪うすないぱーの陰欝とした宿命を体言しているようでもあった…。 END あとがき 完結まで時間がかかってしまい大変申し訳ありません。 今回もまた尻切れトンボ的な終わり方をしてしまいました。 書いてく最中でどんどんキャラが変化していき、当初れいむと争って漁夫の利に うどんげAに射殺される筈だったみょんがどんどん変な方向に…。 オチとしても最終的に生き残ったうどんげAがすないぱーとして活躍後最後の仕 事としてれいむ達と同じ的の立場に立たされるというラストを計画していたのに 脱線しまくってしまいました。 とりあえずすないぱーうどんげはこれにて終了です。 時間がかかってしまい大変申し訳ありませんでした。 それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。 挿絵:にとりあき
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息を切らした少年が夜路を駆ける。 何度も後ろを振り返っては表情をこわばらせ、脚を急がせる。 「畜生……畜生……!」 誘いこまれるように路地裏から路地裏へ。 光が遠ざかり、闇が濃くなっていく。 「令呪を使うか……?」 走りながら左手に光る紋様に一瞬目を遣り、しかしすぐにかぶりを振る。 「いや駄目だ。いつまで続くかもわからないのに、こんな序盤で軽率に切れるかよ……!」 足手まといだから先に逃げろ。そう言って殿を買って出た己のサーヴァントを思い出す。 あちらは無事だろうか。 「大丈夫……もう少し! もう少しだ……!」 もう少し先に行けばあまり知られていない抜け道から大通りに出ることができる。 人混みに紛れてしまえば逃げ切り完了。あとはゆっくり彼女と合流すればいい。 逃げ切りの目途が立ったことで少年の顔に笑みが浮かぶ。 角を曲がり、その抜け道に入る少年。 しかし、彼はそこで足を止めてしまった。 「……は?」 逃げ込んだ細道を塞ぐように、工事用フェンスが聳え立っていたので。 「ざっけんな! 何で行き止まりなんだよ!」 渾身の力でフェンスを叩くがびくともしない。 二度三度とフェンスを叩く少年だったが、突如はじかれたように今来た道を振り返る。 「畜生…こうなりゃ俺一人でだってやってやる……!」 何もない空間に向かって呻く。まるでそこに誰か、自分の命を脅かす何者かがいるかのように。 完全に体を反転させて、魔力で生成した円錐形の弾丸を浮かべる。 「俺だって聖杯戦争に選ばれたマスターなんだ! やってやるよぉおお!!」 少年は闘争とも超常とも、とんと縁のない普通の高校生だった。 しかし彼は一般的な魔術師の数十倍の量の魔力をその体内に秘めていた。 この聖杯戦争にマスターとして召集された彼は、召喚したサーヴァントに魔術を教わったことで十分な戦闘力を持つ魔術師となったのだ。 咆哮と共に放たれた魔力弾が前方の建物を粉々に破壊する。 粉砕された建物から巻き上がる煙が視界を遮った。 「やったか!? 畜生、姿を見せやがれ卑怯者!」 一発受ければ対魔力をもつサーヴァントにも傷を負わせうる威力の弾丸を、二発、三発と生成しては虚空に向けて撃ち込む少年。 その顔から恐怖の色が引くことはない。 まるで、追いすがる見えない何かの手を振り払わんとするかのように。 四発、五発。もはや狙いもつけず闇雲に撃ち込む。 「汚えぞ! クソパンダ野郎ぉおお!!」 再び少年が咆哮し、六発目を生成する。 これまでとは比べ物にならない量の魔力が込められた巨大な弾丸。 当たればサーヴァントの霊核すら砕くであろう一撃。 「……お?」 突如、その叫びが止まり、生成されつつあった弾丸が霧消する。 膝をつく少年。 その腹部は赤く染まっていた。 「なんだ…これ?」 愕然とする少年の首に赤い線が走り、鮮血が噴出した。 30秒後、倒れ伏したその少年を、パンダの着ぐるみを着た男が見下ろしていた。 ◆◆◆ 二騎のサーヴァントが激突し、轟音が周囲に響く。 片方はキャスター。ポニーテールを揺らして快活に飛び回る少女。 片方はライダー。眼鏡をかけた痩身の小男。 ライダーの背後、何もない空間から召喚されたバルカン砲が火を噴けば、キャスターの魔力障壁が弾丸をはじく。 キャスターが浮かべた魔方陣から魔力弾を放てば、ライダーの召喚した鋼鉄の腕がそれをはじく。 「そんな豆鉄砲がオイラに効くと思ってるでやんすか?」 「それはアタシのセリフよ!」 互いに挑発しながら繰り返される、一進一退の飛び道具合戦。 一見互角に見えるが、その実優位に立っているのはキャスターの方である。 キャスターの魔力弾や魔力障壁は通常攻撃だが、ライダーの召喚する鋼鉄の腕は宝具である。魔力の消費量は比べるまでもない。 このままではライダーはジリ貧に陥り敗北してしまう。 だが5分ほど続けたところでキャスターが痺れを切らした。 ライダーの銃撃に合わせて大きく後方に跳んで距離を取る。 「これ以上削り合うのも不毛だし、先に逃がしたマスターも心配。 だから、そろそろ決着つけさせてちょうだい」 告げると同時、手に持つ杖を構え詠唱を始める――これまでの攻防で一度も行わなかった詠唱を。 さきほどキャスターの魔力弾を『豆鉄砲』などと挑発したライダーだったが、さすがにこれには瞠目せざるを得なかった。 これまで放たれていた魔力弾は低く見積もってもBランク相当。宝具だから受けることができていたが、身体に直撃すれば一撃で霊核が吹き飛びかねない代物だった。 それを無詠唱で放つ手合いが、わざわざ詠唱を行って放つ攻撃。どれほどの威力になるか想像したくもない。 召喚するバルカン砲を二門に増やして十字砲火を行うが、魔力障壁に阻まれキャスターには届かない。 そしてキャスターの背後から空に向かって、無数の魔方陣が展開されていく。 そのひとつひとつに魔力が充填されて、闇夜を照らす星のように輝く。 「いいんでやんすか? こんな序盤でそんなに魔力を使ってしまって!」 「問題ないわ。 アタシのマスターの魔力は底なしだもの!」 バルカン砲を斉射しながら揺さぶりをかけるも効果はなく、魔力障壁も魔力の充填もほころぶ気配がない。 「さあ、消し飛びなさい!」 ついに詠唱が完了し、魔方陣が一層輝きを増した。 放たれる砲撃は、彼の召喚する鋼鉄の腕もろともライダーを消滅せしめるだろう。 キャスターが己の宝具を解き放ち、この戦いは終わりを告げる。 「『極大魔術――――え?」 そのはずだった。 違和感を感じ振り返ったキャスターが見たものは、己の展開した魔方陣が次々に霧散し夜空に消えていく様。 起きている現象が理解できずに狼狽するキャスターの魔力障壁を突き破り、バルカン砲の弾丸が腹部に突き刺さる。 「どうして…」 信じられなかった。 戦いが始まってから己の勝利を疑ったことなどなかったのだ。 キャスタークラスの中でも指折りの戦闘力を持つ自分が、素質あるマスターに引き当てられた。 宝具を解放して緒戦を勝利で飾れることを確信するには十分な要素がそろっていた。 そのはずだったのに。 「さあ? どうしてでやんすかねえ!?」 そんな言葉と共に振り下ろされたドリルが、キャスターの全身を粉砕した。 ◆◆◆ 『飛ぶやつ』と呼ばれるロケットで空を飛び、ライダーが着ぐるみ男と合流する。 「お、そっちも終わったか」 「けっこうギリギリだったでやんす。 もう少し早く殺してほしかったでやんす」 「結構しぶとかったんだよ、このガキも。 お前こそもう少し魔力を使わずに勝てなかったのかよ」 「カタログスペックでは完全に向こうが上だったでやんすからね」 この着ぐるみ男も先ほど殺された少年同様、聖杯戦争に選ばれし者であり、ライダーのマスターでもあった。 互いの仕事に対する不満を垂れながらも、志を同じくしているため互いに深くは責めない。 「こんな調子で本当に優勝なんてできるのかよ」 「とりあえずしばらくは情報収集に徹したいところでやんす。 その異能(シギル)とかいう力も偵察においては最強でやんすから、マスターにも苦労をかけるでやんすよ」 「あんまりアテにされても困るぞ。これで色々制約はあるんだからよ」 「そうは言うでやんすがね。オイラは直接戦闘はあまり得意じゃない、集団を率いて戦う方が得意なのでやんす。 手足になってくれる駒を作るためにも、独力で倒せるサーヴァントを割り出しておきたいのでやんす」 「それでサーヴァントを失った元マスターに甘言囁いて手駒にしていくと」 そうして言いなりになる存在を手駒としてうまく使い、優勝を目指すのが彼らの方針だ。 先ほどの主従のような強すぎる存在はとっとと殺してしまうに限る。 「悪いやつだなあ」 「教師でありながら水商売の女に入れあげて何人も殺してる人間に言われたくないでやんす」 「リカさんに会うためだ。 やむを得ない犠牲ってやつだよ」 そうして拠点としている安アパートに向かって歩きだす。 マスターは入れ込んだキャバ嬢に会うために。 サーヴァントは世界征服を果たすために。 聖杯を求める二人の戦いが始まった。 【クラス】 ライダー 【真名】 カメダ@パワプロクンポケットシリーズ 【ステータス】 筋力E 耐久E 敏捷E 魔力C 幸運E 宝具EX 【属性】 中立・悪 【クラススキル】 騎乗:C 正しい調教、調整がなされたものであれば万全に乗りこなせ、野獣ランクの獣は乗りこなすことが出来ない。 対魔力:D 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力 【保有スキル】 ラスボスからの凋落:A 初登場時は物語の黒幕・ラスボスとして登場したものの、シリーズを追うごとに噛ませ犬や単なる被害者といったポジションに落ちぶれていったことを象徴するスキル。 召喚直後はステータスが本来よりも大きく向上した状態で召喚されるが時間経過と共に下降し、更にやることなすことがうまくいかなくなっていく。 マスターもサーヴァント本人もこのスキルの存在を認知することができない。 不撓不屈:A 幾度敗北し、失敗しても決してあきらめなかった精神がスキルとなったもの。 窮地に陥るとステータスが向上する他、決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお最終的な勝利のために足掻き続ける。 カリスマ(偽):B 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる。 Bランクでは国を率いるに十分な度量。 (偽)であるため不信任や利害の不一致などを原因として容易に離反や造反を招く。 直感:C つねに自身にとって最適な展開を「感じ取る」能力。 カメダの場合戦闘中には発動しない代わりに、戦術、戦略上己の妨げとなる事象の発生を察知できる。 【宝具】 『時空渡る機巧巨人(ガンダーロボ)』 ランク:B 種別:対人~対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:4人 カメダの操る巨大ロボット。全長18m。 大規模破壊用ゴーレムであるため本来は紛れもなく対軍宝具だったのだが、主人公達に白兵戦で負けまくったという逸話から宝具としての格が落ちてしまった。 基本的に全身は見せず、体の一部だけを召喚し攻撃する。 真名開放を行うことで全身が具現化され、搭乗することができるようになる。 兵装はガンダービーム、バルカン砲、火炎放射器、ミサイル、ガンダーパンチ、ガンダードリル、自己修復機能 『時空間移動装置』 ランク:EX 種別:対人~対界宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 『時空渡る機巧巨人』に搭載されている機能の一つ。 異なる並行世界に移動することができる。 ただし、同じ世界の同じ時代には一度しか行くことができない。 使用すれば聖杯戦争の舞台からも脱出可能な代物……なのだがジオット・セヴェルスにパスワードをかけられてしまい、起動させることができなくなってしまった。 カメダが終生解けなかったという逸話からこのパスワードは呪いの域に達しており、ジオット本人が入力しない限り(たとえ入力しうるすべての数列を入力したとしても)解除されることは決してない。 【weapon】 『時空渡る機巧巨人』に搭載されている各種兵装 飛ぶやつ 【人物背景】 世界征服を目論む悪人。 極めて利己的且つ冷酷非情な性格でいくつもの事件を引き起こしているが悔いるそぶりすら見せない。 世界の征服を試みては撃破され失敗しており、失敗するたびに時空間移動装置でほかの並行世界に移動して世界征服をやり直す、ということをしているが、シリーズを重ねるごとに悪役としての扱いがぞんざいになっていく。 最終的には時空間移動装置にパスワードをかけられ世界移動ができなくなり、遂にカメダの野望は潰えてしまった。 【サーヴァントとしての願い】 世界征服 【マスター】 バンダ君/カトウ@ダーウィンズゲーム 【マスターとしての願い】 もう一度、そして何度でもリカさんに会うための金(ポイント)を得る 【weapon】 包丁 西京パンデミックスのマスコットキャラクター『バンダ君』の着ぐるみ 【能力・技能】 異能(シギル)『隠形(ステルス)』 ダーウィンズゲームでカトウが得た異能(シギル)。 『全身を衣類で覆うこと』が発動条件で、連続使用はできず、早く動くと背景から浮き上がってしまうなどの弱点はあるが、効果は所持品や衣類にもおよび、暗殺や偵察に使える強力な異能である。 【人物背景】 主人公・スドウ カナメの通う高校の体育教師。 ポイントを他の参加者と奪い合う『ダーウィンズゲーム』のプレイヤーの一人で、新人狩りとして知られていた。 キャバクラ通いが嵩んで借金で首が回らなくなり、Dゲームのポイントを金銭に換えるため無関係な人間をゲームに招待しては殺害していたが、カナメにバトルを仕掛けて返り討ちに遭い、ポイントをすべて失い死亡した。 【方針】 聖杯の獲得を目指す。
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キリスト教に関連する倫理学の主な項目を時代別に簡素にまとめた。 古代キリスト教 パウロによる贖罪論 はじめ、イエスの教えを奉じる人たちを迫害していたパウロは、回心して、異邦人への伝道に大きな力となる。彼はユダヤ人であると同時に、ローマ市民権を有しており、ギリシャ・ローマの教養も深かった。 旧約時代は、律法を守ることが救済の条件であると考えられていた。しかし、人間は、今も昔も律法を破り続けており、律法を完全に守ることはできなかった。パウロは己を振り返り、律法では人は救われないことを、痛切に告白する。 では、人の罪は、どうすれば救われるのか。人間の内面に潜む根源的な罪は、自力で償うことはできない。誰かほかの人によって、贖ってもらうしかない。そのために、神の子羊として、全く罪けがれのない人物が、血の犠牲となるために必要とされた。 イエスの十字架死によって、人間の罪は赦された。創り主は、人間に対する愛(アガペー)を、イエスの復活によって示された。そして、後世の人々は、イエスを信じることで、救われて生きることができるのである。 …パウロは、このように教えを説いた。以後、迫害を受けつつもキリスト教は発展し、313年にはローマ帝国から公認されるに至った。 古代最大の教父アウグスティヌスの思想 人間は悪をなさざるを得ない存在であって、人間の本性を罪ととらえる。これがアウグスティヌスの「原罪」である。人は、ただ創り主の無限の愛とあわれみ、すなわち恩寵にすがるしかないのである。 また、アウグスティヌスは、キリスト教の三元徳を、ギリシャ以来の四元徳(知恵、勇気、節制、正義)の上に位置づける。三元徳とは、創り主の義がイエスの贖いによって示されたことを信じる信仰と、創主の国の到来と救いを確信をもって待ち望む希望、そして、信仰と希望とを自らのものとするための愛である。 スコラ哲学の大成者トマス・アクィナスの思想 スコラ哲学の主題は、信仰と理性との関係を探ることにある。トマス・アクィナスは、両者の調和を図ろうとした。 人間理性は、この世界を「自然の光」として照らす。自然の真理を認識する能力を持つ。しかし、信仰の真理は、自然の真理の彼方にあるものである。創り主の真理は、創られた存在でしかない人間が、これまた創られた理性を持って認識できるような代物ではない。人はただそれをあがめ、賛美することしかできないのである。したがって、理性は信仰によって支えられていて初めて、理性はその本来的な機能を果たすことができると説いた。 ルネサンス ルネサンスとは、「再生」を意味する言葉である。何を再生するのかというと、古代ギリシャ・ローマの思想文化である。ラテン語のみならず、ギリシャ語で、直接古代ギリシャの原典を研究する文化人が徐々に増えてきた。それには、古代中世の長きに渡って、ギリシャ・ローマの文物を維持してきたビザンツ帝国(東ローマ帝国)が崩壊したことにより、ギリシャ・ローマ文化が各地に流入したことも要因になっている。 エラスムスの「愚神礼讃」 当時の聖職者や支配層の腐敗・堕落を批判した。宗教改革には肯定的だったが、教会の分裂を止めるべく、ルターとは対立する立場をとった。ルターの奴隷意志論に対して、自由意志論を説いた。 トマス・モア「ユートピア」 理想の社会を探求して、貨幣や私有財産が否定された平等な社会を理想とした。これが、後の社会主義につながっていく。 宗教改革の先駆者 宗教改革の発端は、初期のキリスト教精神に立ち返って、カトリック教会のあり方を改革しようという運動だった。 ウィクリフ(1320~1384) オックスフォード大学神学教授で、聖書の翻訳にも従事した。ローマ教皇への重税や教会財産を批判した。 フス(1370~1415) プラハ大学教授。免罪符販売などの教会の堕落を批判する。異端とされて焚刑に処せられる。 サヴォナローラ(1452~1498) ドミニコ会修道士であったが、教会の腐敗と信仰心の堕落とを戒める。1494年には、フィレンツェ共和国の指導者となるも、やがて教皇と対立し、厳粛な姿勢に民衆も反発し、焚刑に処せられる。 ルター ヴィッテンベルク大学神学教授であったルターが、1517年に、95箇条の意見書でローマ教会を批判した。 ルターの思想 「信仰のみ、聖書のみ、万人司祭主義」というプロテスタント思想の基礎をルターは唱えた。 プロテスタントとは、そもそも「抗議する者」の意味で、カトリック側がつけたあだ名が一般化したものである。では、自分たちではどう呼んでいたかというと、福音主義教会(evangelism) だった。 信仰のみ 生まれながらの罪人である人間を救うことができるのは、唯一、創造主の恩寵であり、恩寵によって人間が持てるようになった信仰によるしかありません。信仰心は、自ら起こすものではなくて、与えられたものなのである。信仰のみで救われるとする考え方を、難しく言うと信仰義認説となる。 人は自らの意志を否定し、創り主の自由な意志のまま生きることこそが、自由な生き方であると説いた。 聖書のみ 信仰の拠り所は、聖書のみである。(カトリック)教会で伝えられてきた聖伝や、制度、儀式などには絶対的な価値を置かない。 万人司祭主義 聖職者と俗人との間に、本質的な区別はない。各人が、直接、主の前に立つ。 予定説 カルヴァン主義 アルミニウス主義 人間の現状 全的堕落 全的堕落 神による選び方 無条件的選び(神のみにより選別される) 先行的恩寵(チャンスは誰にでもあり、人の努力により選ばれうる) キリストによる贖罪の範囲 制限的贖罪(選ばれた者のためのみ) 万人のための贖罪(すべての人のため) 選ばれた人の抵抗権 不可抵抗的恩恵(選ばれた者は救われるしかない) 可抵抗的恩恵(人間の意思によって救われないこともある) 救いの計画の変更 聖徒の永遠堅持(選ばれた人は必ず救われる) キリストにおける保障(一度救われた者も堕落する可能性がある) カルヴァン主義(1509~1564)の予定説 スイス生まれのカルヴァンは、ルターの改革をさらに徹底させた。ルターの信仰義認説を継承しながらも、彼が究極の目的としたのは、創造主の絶対主権を確立することにあった。 創り主の意志が世界の唯一の原理であり、すべてが創り主の摂理によって導かれる。そして、どの人間が救われるかは、その人間の努力次第などではなくて、始めから決められてしまっているとする予定説を説いた。 人間は、創り主の意志の道具として、ひたすら創り主の栄光のために働かなくてはならない。自分が救われていることをどうすれば証しできるのか。すべての職業は天職であって、自分の職業に邁進することが、創り主のよって召しだされた使命を実現するただ一つの道であると考える。 カルヴァンが推し進めたプロテスタンティズムからは、やがて、すべてを信仰にもとづいて新しく作りかえようとする生活態度が生み出された。その代表として、ピューリタンの精神が挙げられる。 アルミニウス主義の予定説の否定 16世紀後半のオランダの神学者ヤーコブ・アルミニウスはもともとカルヴァン主義だったが、最終的にはカルヴァン主義とは異なる結論に至った。これをアルミニウス主義と呼ぶ。 カルヴァン主義が、個人の救いは神が創造以前より定めておられ、それゆえキリストの贖罪は選ばれた者のみのためであるとするのに対し、救いは神の恵みに対する各自の応答によるのであり、全能の神はその応答をあらかじめご存じであるだけであって、救われる者、ましてや滅びる者を神があらかじめ定めておられるわけではないとしたのだ。また、キリストの贖罪はそれゆえ、恵みに応答する全ての人々のためのものであり、その意味で非限定的なものであるとした。 権力の根拠 王権神授説 中世の封建社会が崩れて、君主の専制支配に依存する絶対主義国家が誕生する。この統治形態を支える理論が王権神授説だった。君主の絶対的な権力は、創造主より授けられたものであるとされるというものである。 社会契約説 やがて、市民の勢力が増大し、個人の自覚を深めていくとともに、17~18世紀にかけて、社会契約説があらわれた。これは、個人が互いの権利を保持するために結んだ契約によって国家が成立するというものである。社会契約説に比べて画期的な天は、神が権力の根拠に関与しない点である。 この前提として、社会契約がなされる以前の自然状態が想定されなければならない。自然状態とはあくまでも仮構である。社会契約説の主要な思想家として、ホッブス、ロック、ルソーの3人が挙げられる。それぞれ人間の本性をどうとらえるかは異なるため、それによって、自然状態なるものの想定も変わってくる。そして、社会契約の内容と政府のあり方も異なってくる。 ホッブス(1588~1679)の「万人の万人に対する闘争」 ピューリタン革命の時代に生きたホッブスは、人間は自己保存の欲望をどこまでも満たそうとする利己的な存在であると考えた。そうすると、自然状態においては、互いの利害が衝突して、「万人の万人に対する闘争」が果てしなく続くことになる。自己保存が目的であるのに、互いの生命がおびやかされてしまうという矛盾が生じるのである。これを解決するためには、各自が自然権を放棄して、共通の権力をつくって、それに委ねるしかない。(自然権とは、だれにも奪われてはならない、人間が生まれながらに持つ権利のことである。)つまり、人間関係に必然的に発生する悪を取り除くために社会契約が必要と考えた。こうしてできた国家は強大な力を持つ。ホッブスは、これをリバイアサンと名づけて、専制君主制を擁護することになる。 ロック(1632~1704)の理性の法 名誉革命に理論的根拠を与えたロックは、ホッブスと異なり、自然状態を自由、平等、平和などが比較的保たれている状態と考えた。すべての人間は等しく創造主によってつくられたものであって、理性の声はすでに存在している。自分の所有を侵害されないという自然権は、各人が他人の所有権を侵害してはならないとする自然法を守ることで初めて成立する。ロックは、これを理性の法と呼び、自然状態においても働いていると考えた。 それでは、なぜ政治社会が必要になるのか。ロックは、所有権の侵害を防止するためであると考えた。社会契約は、人間関係に必然的に発生する悪を取り除くためではなく、自然法がより確実におこなわれるために結ばれるのである。 ロックは、主権が国民の側にあると考えた。ホッブスのように自然権を放棄する必要はない。逆に、政府が国民の安全と義務とを守らない場合には、国民はあずけた権利を取り戻す(抵抗権)を持ち、ひいては政府を取り替える(革命権)をも有するのである。 さらに、ロックは、政府がその役割を果たすか否かのチェックを行えるために、権力の分立を考案した。 ロックの思想は、アメリカ合衆国の独立やフランス革命にも大きな影響を与えた。 ルソー(1712~1778)の人民主権論 ルソーにとっては、自然状態は、さらに理想的なものだった。人間は、自然状態においては完全に自由、平等で平和な生活ができたと考えた。このように、すべて人間は生まれながら自由・平等で幸福を追求する権利をもつという思想を自然権思想と呼び、日本では特に天賦人権説と呼ぶ。(詳細はキリスト教と自然法を参照) ところが、私有財産が認められ、土地の分配が行われると、貧富の格差が広がり、不平等、不合理、悪徳の充満する社会が生まれたと説く。 ルソーは、社会の発展のせいで不平のはびこる社会になってしまった状況から抜け出すために、すべての人が全面的に自己を一般意志に従わせるという社会契約が必要であると考えた。(一般意志とは、個人の利益を求める意志の総和としての全体意志ではなく、社会を構成するすべての者に共通する利益やすぐれた世論を意味する。)社会契約とは各人のすべての力を一般意志の指導下におくことになる。 ルソーによれば、政府はあくまでも一般意志の公僕であって、一般意志の代表者となることはできない。代議制度などは貴族政治にすぎず、真の民主政とは、古代ギリシャの直接民主制だけということになる。 ルソーの人民主権論は、フランス革命に大きな影響を及ぼした。 参考 https //blogs.yahoo.co.jp/lookahyon/32429374.html https //blogs.yahoo.co.jp/lookahyon/32985224.html https //blogs.yahoo.co.jp/lookahyon/33027345.html https //blogs.yahoo.co.jp/lookahyon/33223481.html http //www.christiantoday.co.jp/articles/24580/20171013/fukuin-no-kaifuku-45-1.htm
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シー・マスト・ダイ 作者 石川あまね イラスト 八重樫南 レーベル ガガガ文庫 分類 禁止図書 巻数 1巻(完結) ジャンル 近未来学園サイキックサスペンス 「君が世界を滅ぼすとしても、君が好き」 登場する幼馴染 志水はるか(しみず はるか) 年齢 中学二年(同い年) 幼馴染タイプ ずっと一緒系 属性 優等生、テレパシー能力者、巨乳 出会った時期 小学生低学年 誠のクラスメイトで、校内でトップクラスの人気を誇る美しい少女。長い黒髪を伸ばし、中学生にしては非常に発育の良い胸をしている。真面目で大人しい優等生だが、誠の前では強がりを見せたりと、やや子供っぽいところもある様子。 学年トップの高い超能力値数を誇るテレパシー能力者で、襲撃部隊にターゲットとして疑惑を持たれてしまう。最初はストレスがかかると制御出来ず、自分の思念を周囲に発散してしまう程度の能力だったが、襲撃事件の中で強い精神付加を感じ続けることで、徐々に強力なものへと進化していく。 誠とは小学校低学年の頃からの付き合いで、川で溺れかけたのを助けてもらったのをきっかけに親しく話すようなった。その後も何度も自分の危機に駆けつけ、不安な時に相談に乗ってくれたことなどから誠のことを深く信頼している。事件の中でも、誠を頼りにする態度を見せ、誠が危険のことをすると焦燥を感じ、誠の無事を確認すると安堵する姿を見せる。 矢口誠(やぐち まこと) 年齢:中学二年 この作品の主人公。容姿は平凡だが、成績優秀で、温和で人から好かれやすく、真面目な生徒たちの間では中心的存在になっている。超能力値は子供の頃から低いままで、まったくと言っていいほど上昇する気配はない。襲撃部隊に制圧された状況下でも、超能力が使えないことで不安や無力さを感じるが、取り乱さず打開策を考える冷静さを持っている。 はるかとは小学校低学年の頃に知り合い、今でも親しく話す仲で、細かい癖や好みを知っている。子供の頃から、ずっと好意を抱いているのだが、恥ずかしさや気後れから、気持ちを伝えることが出来ていない。また、不思議と幸運に恵まれ、過去に何度もはるかの危機に駆けつけることが出来、はるかの信頼を得ることに成功している。いざという時の行動力もあり、襲撃事件の最中でも、機転を利かせて、相手を出し抜く大胆さを見せる。また、はるかが自分を信頼してくれることに喜びを感じ、孤立していくはるかを自分一人でも助け出そうとする意思の強さを見せる。 その他関係の深いキャラ 北島良平(きたじま りょうへい) 年齢:中学二年 誠たち二年五組のボス的存在。強力なサイコキネシス能力者。粗暴で自己中心的な性格で、過去にも数々の問題行動を起こしてきた不良。襲撃事件の最中でも横暴な振る舞いを続ける。複数の女子生徒の手を出している好色な男でもあり、はるかのことを狙っており、誠を目の敵にしている。 はるかと誠の台詞とエピソード 二人の仲が深まるきっかけになった思い出 小学三年の冬、クラスの男女で河原をそりで滑り降りる遊びをしていた時、勢いよく滑りすぎて川に落ちてしまったはるかを助けるため、誠は真冬の川に飛び込んだ。はるかを助けることに成功するも、風邪をひき一週間寝込む羽目になるが、これがきっかけではるかと話をするようになる。 小学五年の遠足の時、中学生に絡まれたはるかを助け出し、さらに仲が深まった。 中学一年の時、はるかが養父母に、自分達は本当の両親ではないと聞かされショックを受けた時、誠が相談に乗り、慰めた。 二年五組の教室に貯水タンクが飛び込む事故があった時、タンクが頭をかすめパニック状態になったはるかを宥め落ち着かせた。 はるかも男の視線に気づき、助けを求めるように誠のシャツの袖を握った。男がはるかへの目線を切った後も、彼女は誠のシャツを握ったままだった。誠はこのような状況にも拘わらず、少し嬉しかった。はるかが自分を選んだことが嬉しかったのだ。周囲には他にも男子生徒がいる。その中で選ばれたのが自分だ。心が自然とほっこりした。 「あたし、そんなに不安そうに見える? でも、そんなに心配してるわけじゃないよ。ちょっと信用してるもん」「矢口くんがいればなんとかなるって」いきなりの言葉に誠は動揺した。 「なんだよ。そういってくれるのは嬉しいけどさ、ぼくはそこまで信頼してもらえるような人間じゃないぜ」 「ううん、あたし信じてるよ。矢口くんならきっとなんとかするって。小学校の頃からそうだったけど、矢口くんて土壇場やピンチにやたらと強いじゃない。(中略)あたし、矢口くんがピンチをどうにかしなかったところ見たことないもん。矢口くんならきっとなんとかしてくれるよ」 誠は自分の顔が赤くなっているのが分かった。 普段のはるかの様子が思い出される。誠に対して笑いかける彼女、電車の中で老人に席をゆずる彼女、誠のテストの点数に感心する彼女、ノートの隅にヘタクソなキャラクターを一生懸命描いている彼女、給食に対し以外に大喰らいな彼女、それを恥ずかしく想ってる彼女。 誠の中で、急激にクラスメイトに対する怒りが湧きあがった。彼らは、はるかを北島へのいけにえにし、さらに自衛隊にも捧げることで自分たちだけ助かるつもりなのだ。 これが友達だっていうのなら、友達など必要ない。ぼくは、自分ひとりでも志水さんを助けてみせる。 誠は自分でも驚くほどに安堵していた。はるかが無事だったことが何よりも嬉しかった。 彼は、自分を苛んでいた吐き気が消えていたことに気づいた。数分前までは、口から内臓系のすべてが飛び出しそうな勢いだった。人生であれほどに不快だったことはなかった。いまは逆に、これほどの幸福、喜びを感じたことはないと思える。彼女の無事が何よりも嬉しい。 はるかは世界にたった一人だった。誰も彼女の味方はいない。かろうじて味方をしてくれる人間がいるとすれば一人だけだ。 はるかは怯えていた。彼が彼女の"凄い力"に恐怖することに怯えていた。彼が彼女に恐怖することに怯えていた。 一日のうちにこれほど超能力が増進するなら、いつかは世界を滅ぼすほどの力を手にするかもしれない。 ――だからといって、志水さんを死なせるわけにはいかないよな―― 準備室に向かう心を決めるまでは逡巡していたが、あのときは誠自身が自覚していたよりも、ずっと強かった。いまさら後には引き返せない。世界中の人間と引き換えにしてもはるかを優先するつもりだった。 ――死なせるわけにはいかない。志水さんは絶対に死なせない。 たとえ、世界を滅ぼす人間だからってどうなんだ。 そんなことはどうでもいいことだ―― 「ねえ、もしもわたしが世界を滅ぼしちゃうとしたら、どうする?」綺麗に澄んだ声色だ。誠は首を傾げ、いいかえした。 「いまさらだな。もしもぼくが世界を滅ぼしちゃうとしたらどうするんだい?」 はるかが優しげに笑った。 「もちろん変わらず好きよ」 「ぼくも同じだよ」 概要 超能力が一般化した架空の近未来日本。突如、謎の武装集団によって占拠された港区第二十二中学校。死への不安と恐怖に苛まれながら打開策を考える矢口誠ら二年五組の生徒たち。やがて襲撃者の目的が、学校内に存在する一人の危険な能力者の抹殺で、そのターゲットの有力候補に幼馴染のはるかが含まれていることを知った誠は……。第4回小学館ライトノベル大賞ガガガ部門〈優秀賞〉受賞作。 突如、学校がテロリストに占拠され……。と、思春期の少年なら、一度は妄想するようなシチュエーションから始まる話。超能力がキーワードの一つになっているが異能バトル的な展開はなく、扱われる能力はテレパシーや未来予知といった精神的な能力が主である。主人公矢口誠は超能力を持たない一般人で、また秘められた力が覚醒……、といった展開もない。二年五組の生徒たちは、襲撃部隊の監視下で死の恐怖に怯える状況から始まり、続いて暴力を嵩にリーダー面して横暴な振る舞いを始める問題児北島への恐怖に怯える状況に立たされるという形で話は展開する。 その中で、襲撃部隊の目的が、超能力によって予知された、近い将来、世界を危機に陥れる危険な能力者の抹殺であることが分かり(能力者の正体は不明で、ただ襲撃の日に二十二中に存在する中の誰か一人であるという不明瞭な予知情報のみがある)、誠の幼馴染であるはるかが有力候補として疑われていることをが判明する。 はるかの命を狙う襲撃部隊。欲望のままにはるかを自分の物にしようと企む北島。自らの安全のためにはるかを生贄にしようとする二年五組の生徒たち。孤立していくはるかを守りたいと思いながら、死と暴力への恐怖と自分の無力さに葛藤する誠。極限状況下での心理模様が描かれていく。 誠とはるかは小学校来の付き合いで幼馴染と呼べる間柄だが、描写的には仲の良いクラスメイトのような印象で、いかにもな「幼馴染」といった雰囲気ではない。しかし、二人の間には、子供の頃、川で溺れかけたはるかを誠が助けた、家で辛いことがあって泣いていたはるかを誠が慰めた、不良に絡まれたはるかを誠が助け出したといった、強固な思い出の積み重ねがあり、誠ははるかに明確な好意を、はるかも誠に深い信頼を寄せている。周囲から孤立していくはるかを自分一人だけでも守り通そうと決意し、襲撃部隊や北島といった脅威に命懸けで立ち向かっていく誠と、そんな誠により好意を深めていくはるかの関係は禁止展開と言える。 全体として細かい設定部分などにやや首を傾げたくなる箇所などもあるが、この作品の最大の見所である真相の部分が物語の終盤にある。 +重大なネタバレ まず襲撃部隊の正体は自衛隊(この世界では強力な能力者で構成されたエリート部隊)で、事件はテロリストを装ってターゲットを抹殺するための政府の自演行為である。事件自体は、暴走した北島が保身のためにクラスメイト達を皆殺しにし、襲撃部隊の指揮官と相打ちとなることで幕を閉じる。北島の死によって予知が消えたことで、北島がターゲットであったと断定され、はるかへの疑いも晴れる。重傷を負った誠も幸運にも一命を取り留め、共に死線を潜り抜けたことではるかとの仲も深まり……という顛末を迎える。ここで終われば、主人公が幸運だけで生き残ったご都合主義な話で終わってしまうのだが、その後、誠とはるかの後日談とも言える姿が描かれ、ここから隠されていた真相が明らかになっていく。 テレパシー能力で、誠の心の中を覗き込んだはるかは、誠の無意識下にもう一つの隠された人格(第二の井戸)というべきものが存在することに気付く(誠自身は完全に無自覚、一般的に普及している能力者判定方法では発見不可)。その人格は誠の幸福のみを望んでおり、強力な未来予知能力と、自然現象に些細な干渉をする能力でバタフライ効果を生み出し、誠の都合の良いように事態が好転するように仕組んでいたのだった。これが誠の幸運の正体であり、誠こそが世界を危機に陥れる真のターゲットであったことをはるかは確信する。 誠がここぞという場面で大胆な行動に出れたのも、幸運に恵まれ命の危険を回避できたことも、はるかの危機に駆けつけることが出来たのも、北島がターゲットとして誠のスケープゴートになったことも、そして、自分が誠に惹かれていくきっかけになった思い出の数々が、全て第二の井戸によって演出されたものであったことをはるかは知ってしまう。そして、彼女が取った選択は……。 川から助けてくれたのも。遠足で不良から救ってくれたのも。屋上から水槽が落ちてきたのも。今回の事件で助けてくれたのも。何もかも演出だった。 演出でなかったのは、たった一つ。 第一の井戸の中にあった誠の気持ちだけだ。 どんなときも、誠は本物の勇気と思いやりを持っていた。 第二の井戸は運命の脚本を作り、実行する監督だ。 いま、あたしは脚本から完全に抜け出した。 あたしは映画をぶち壊すの? 運命を壊して主人公を殺すの? そんなことできるはずがない。 誠ははるかのことを想っているし、はるかも誠のことを本当に想っている。 それ以上に大切なものなどあるはずがない。 ――死なせはしない。 矢口くんは絶対に死なせない。 たとえ、世界を滅ぼす人間だからってどうなのよ。 そんなことは"どうでもいいことだわ"―― ――こんどは"わたし"が矢口くんを護る―― 世界の危機よりも誠を選んだはるかは、誠を脅かす存在を排除する守護者となることを決意する。 二人の想いが襲撃事件でも多くの犠牲を生んだことは覆しようのない事実で、この後も二人が生み出していく犠牲を考えれば、素直に賞賛できない後味の悪い部分もあるが、幼馴染である二人が、他の全てを犠牲にしてでも、互いの存在を最優先にしようする姿は利己的でありつつも、強い決意と想いの強さを感じさせる。 話自体は、1冊でまとまっているので続刊は蛇足と言えるので単巻完結と判断して良いと思われる。しかし、この作者の著作はこれ一作のみで、新作を出す気配もない。
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セッション1 エーディカによってマスティカに集められた冒険者たちは、ヴァイダスファミリーでありマギテック職員でもあるマギが持ってきた依頼を受け、マスティカ近隣にあるマトチャ遺跡へと向かう事になる。 マトチャ遺跡は魔動機文明期の生きた遺跡であり、7割程度を踏破されながら一部の部分に入ることができずまた稀に魔動機が巡回することもあってたまに視察に向かうにも危険が伴う。このためにある程度実力の保障された冒険者が雇われ、これの金入りが良いため競争率の高い依頼である。 マトチャ遺跡の踏破部分を無事に巡回し一番奥の大きな扉の前までたどり着くと、ニオはふと扉に興味を抱いてしまう。これに触れるとニオの頭に魔神語で「記憶と共に我が元に来い」と声がしてその扉が開かれる。 現れた魔動機を倒し、魔神を倒し、何者かの足跡を追って、キルヒアの紋章によって閉じられた一番奥の水槽のあるエリアに辿り着く。水槽の中から現れた魔動機を倒すと再び魔神語で「新たに紡がれる汝らの道を待とう」と声がして、気付けばニオの手元には「逆境の反刻印」があった。 水中の探索も十分にできず、他に思い当たる道もない。足跡も水に飛び込んで消えている。手掛かりを失った冒険者たちはこれまでの現状と謎の声について(魔神語だと伏せたうえで)を説明し、後をマギテック教会へと託すこととなった。 セッション2 冒険と冒険の合間、セッション1から五カ月ほど経った頃に冒険者の元へとマギがハイテンションで訪れる。曰く、前回の追跡調査の結果、水槽の水を抜いたらどこでもドア(のような状態の扉)が現れたと言う。触るとキルヒアの紋章が現れることからもこれは先のニオが鍵になるに違いないと冒険者に追加の調査の依頼が舞い込んだのだ。 早速扉の調査に向かい、なんだかんだと調べたところで扉に触れるとニオの頭の中に「来たか。珍しき者よ。我が元を目指せ」と魔神語で、そして他の冒険者の頭には魔動機文明語で同じ言葉が声がする。同時に、開かなかった扉も開くこととなる。余談だが、水槽の深さは40mから50mほどの深さがあった。 扉を潜るとその先は森であった。例の誰かと同じと思われる何者かの足跡を辿ると1つの小さな小さな村へと辿りつく。そこの住民に話を聞いて行くと、ここに住むレプラカーンの少年が五か月ほど前まで扉を出入りしていたとのこと。現在はニオたちしか扉の出入りはできなくなってしまったようだ。また、この地域は魔神によって街への交流が途絶えてしまっていることが判る。 これを聞いた冒険者たちはその魔神の排除にかかる。挑んだ。殴った。勝った。無事に冒険者たちは魔神の脅威を取り払うことに成功する。 その時点で日は暮れていたこともあり、冒険者たちはひとときの宴に迎えられつつこの場所について聞くこととなった。 どうやら、この場所はラクシアとはちょっと異なる世界のように感じる。この世界には魔神が多く存在している。そして、あちこちで魔神たちが好き勝手をして暮らしており、人々―――これには人族も蛮族も含む―――は常にこの脅威に怯えて暮らしているようだ。このため、この世界では人族と蛮族は共闘・共生関係にある。また、唯一「塔の街」と呼ばれる巨大な塔を擁する街だけは魔神による被害が発生せず安心して暮らすことができるらしい。 これを知った冒険者たちはこの場所が自分たちの手には余ると判断を下し、ジーズドルフの国へと事情を説明し対策を求めることとした。 セッション3 "デモンズルール"そう名付けられた世界の研究は、この1年間全く進む気配はなかった。 扉は閉じたまま、聞いていた通りのキルヒアの紋章。魔法のような気配はあれどその詳細は全く不明。更にこの扉、いつからかは不明だが動かすことが可能。と不明だらけ。ついでに情報を捜しにでたフィーは未だに戻って来ない(スピネルが国の仕事をほっぽりだして1年が経過)。調査しようにも、何を調べればいいのかが全く不明な状態であった。 そんなある寝静まった夜中のこと。ニオたちは夢の中で不思議な空間を訪れる。昏く、広く、穏やかで、風のない無の空間。そこに、いつものように何者かの声が掛かる。「汝らの道を示せ」と、声はそう語った。 気が付くと、彼女たちはいつか扉を潜って出た先にいた。しかし、振り向いても例の扉はない。---帰り道を、失った。仕方なく一行は以前も訪れた小さな村を訪ねることとする。 この辺りを支配していた魔神が倒されてから1年。無事に塔の街とのやりとりも取れるようになり、新たにここを支配せんとする魔神への対策も兼ねて村全体の施設が少し充実している。ちなみに一年前に出会ったダークトロールもここに居座っているとこのこと。魔神が来れば今度こそ我々が打ち倒してみせよう、とは彼らの弁。 しかしながら、この場で得られる情報は数少ない。せいぜいレプラカーンの少年もまた、扉の消失については確認しているという程度だ。そこで、少年の提案で塔の街に住む「この世界を研究している」というある学者を紹介してもらえることとなる。翌日の馬車を借りて一路塔の街を目指した。 塔の街は異様な場所である。人族と蛮族と、そして魔神が闊歩する。そこに不和はあれど、争いは起こらない。それが当たり前の場所だ。不気味な空間を目にしながら、一行は学者の元を訪ねる。 学者は、名前をアルキン・エイデスという。フロウライトの学者であり、高レベルのウィザードでもある。彼は一行を出迎え、その語る内容を歓迎した。"外の世界の者"、それも"導かれし者"と出会えるのは一生あって一度あるかないかの幸運だ。その全てが彼にとってはとても興味深い。そして、扉を無くした彼らの力になりたい、と思ったのもまた当然のことであった。 彼曰く、扉を無くした"導かれし者"ならば塔に行けば何か手掛かりがあるかもしれないと語る。その提案に乗り、一行は塔へ向かうこととなる。空前絶後の調査のチャンスだと、アルキンも彼らに付いていくこととなった。 街の中心にして象徴でもある天を貫くほどの巨塔は普段は魔神たちがその入り口を封鎖しており、通ろうとする者にこう問いかける「証を示せ」と。一行に対してもまた同様の問いかけをするのだが、ニオの頭についていた「逆境の反刻印」を見て大人しく塔への道を譲る。そして、塔の扉もまた、一行を妨げることはなかった。 しかし、1階を守護する魔神はそうではなかった。“紫毒の支配者”スゴウ(プラガドレフライ)は一行を見て、「導かれていない」と口にする。先に進みたいなら守護者たる自分を倒せ的なことを魔神らしく話し、一行に襲いかかった。 守護者を倒し、ついでに送還した一行は守護者から「扉が無くなったならここにあるだろうよ。早く帰りな(圧倒的良心的意訳)」と言われ、スゴウを倒したことにより現れた階段を登る。何十mか、もしかしたら100m以上あったか、その先に何もない部屋へと辿りつく。螺旋階段の踊り場のようなものだろうか。しかし、そこには見覚えのある扉があった。 扉を潜れば、一行は幽体離脱した状態となってジーズドルフ地下施設に厳重に封印されている外の世界側の扉から現れる。時間は一夜がすぎた程度で、身体は寝ている状態。無事に自身の身体へと戻ることができたニオたちは、これを以って帰還に成功した。 余談だが、今のところは扉のあった場所から上に進むことができず、ついでにそれから10日程度の間は扉の近くにアルキンがそこにおり、色々と情報を聞き出すことができた。しかし、ある日を境にアルキンはその場から姿を消してしまった。屋敷に戻ったのか、魔神に殺されたのか。・・・ただ、戦闘を行った痕跡やフロウライトの破片は見当たらない。 セッション4(最終回) 冒険者たちが幽体離脱を体験してから半年ほどの月日が流れた。しかし、その間、扉は相変わらずの様子でニオたちに反応して開くものの、その先は螺旋階段の途中で止まっている。 しかし、いつもの定期調査にと扉をくぐった時に、いつの間にか上へと続く螺旋階段が現れていることに気がついた。頂上の見えない螺旋階段をひた登っていくと、いつしか広大な空間にたどり着く。それを、聞き慣れた声が呼び止めた。 「着たか。旅の果てに」それは、耳に直接聞こえる言葉だった。もう目の前に声の主がいるのだと、彼らの旅の終着を感じさせる。彼は、旅の終着を待っていた。彼らの経験を糧とするために。ついでにその場にいたアルキンの研究もこの先で1つ終わりを見るのだろう。 しかし、そのためには2つの結界が邪魔だった。魔動機のような、あるいは魔法文明のもののような結界をそれぞれ破り、最奥に封じられた魔神、「異界竜アンドロメダ」と対面を果たす。対面した彼の体躯は遥かに巨大で、その実力はニオたちの実力を遥かに上回る、神にも迫る、あるいは超えるほどの力を秘めていた。彼は冒険者たちの姿を見て、喜びを見せた。 時を絶たずに、彼らの間に1つの影が現れる。アンドロメダを彼らにも倒せるくらいに小さく、そして力も抑えられた彼のちからの欠片。その戦いを以て、彼はこれまでの経験を語れと言う。 その戦いは、長いものではなかった。しかし、アンドロメダは満足そうに告げる「よい戦いであった」と。そして、改めて言葉で以て問いかけた。「お前たちの冒険を聞かせて欲しい」と。それが彼の願いだった。 アンドロメダは自らの願いを聞いた対価として、聞かれるがままに自らのことを語った。 彼は神々の戦いの真っ只中にいつの間にか現れた魔界の住民だった。その理由はアンドロメダにも分からなかったが、元より魔界でも隠居を決め込んでいた彼はこのラクシアにおいても自らの領域を守るためにあらゆる外敵と戦い、追い返していた。 しかし、彼の求める領域は広かった。周りから見ればそれはどこからともなく現れ、暴力の限りを尽くす災害にも等しかった。しかし、賢神キルヒアは彼の活動範囲から、それが少し過剰な自衛の行動だと気づいた。 時を待たずして、キルヒアがアンドロメダの前に現れた。排除を語るアンドロメダに対し、キルヒアは戦う姿勢を見せない。アンドロメダは自らの行動を見事看破されていることに気づき、安住の地を求めた。しかし、神々の戦いの舞台のどこに安住の地があるだろうか。そう考えたキルヒアは、1つの魔剣を作り彼に与えた。それは、彼をこの地に封じると共に、彼を守る結界となる、1つの巨大な魔剣の迷宮であった。 アンドロメダはその魔剣に満足していた。誰も来ない事は若干寂しいが、これによってこの騒がしい大地においても彼の隠居は保証されたのだ。そう思っていた。 しかし、彼の心に気づいていたのだろうか。魔剣の迷宮はラクシアから消えるはずの、彷徨う人々を取り込むようになっていた。それには人族蛮族、ひいては魔神など一切の区別はなかった。 最初、アンドロメダはこれを無視しようとしていた。しかし、人が増えれば争いが起こる。特に戦いそのものを求める蛮族や、自らの愉悦を第一とする魔神はその平穏を脅かすのに十分すぎる騒音だった。ゆえに、彼は調和の意思を持つ人族たちに与する形でこの魔剣の迷宮での争いを禁じた。無論、それは闘争に限ってのものだったが。 結局彼は長い時間をそうして生きる人々を見ながら暮らしていた。放っておけば人族と蛮族は互いが互いであるという理由だけで争うことも判った。それゆえに魔神たちに一部を残し人蛮を共に脅かす脅威としての活動も認めた。そのために安寧の地として、そして自らが利己的な争いを目にしないために戦いを禁じる地域をその足元に作った。そうして、「デモンズルール」と呼ばれる世界の今の形へと変容していった。 結果、魔剣の目論見どおりなのか、彼は少し暇つぶしの道具を手に入れることとなった。しかし、それでも彼はつまらなかった。彼に挑む戦士が、彼に挑むだけの勇士がいなかった。 そうして、時折彼は魔剣が外の世界に通じるのを利用し、歴戦の勇士たちが自らの元に訪れるように誘導するようになった。それは、ただ彼の欲求を満たすために。彼の暇を潰すためだけに。 彼はこれからもそうするのだろう。迷い込んだ者を、あるいは触れた者を観察しつつ、ただ安寧に胡座をかいて。 ーーー互いの要求に応えたことを確認し、アンドロメダは礼を告げた。そして、別れの言葉を彼らに伝えた。 そして、扉は閉ざされた。ラクシアとアンドロメダの世界が関わらぬよう、互いの秩序のためにその扉は閉ざされた。 こうして、彼らの扉に関わる戦いと出来事は終わりを告げるのだった。
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最後に一度だけ振り返り―――愛とれいなは“未来”へと向かった。 それを見届けたあさ美は、視線を自分の腕の中へと戻す。 様々な感情が浮かび、揺らめき、そして溢れ出している里沙の瞳が――そこには在った。 「あさ美ちゃん………どうして?」 その里沙の口からただ一言発せられた問いは、あさ美の脳裏にいくつもの場面を呼び起こした。 どうして自分は今こうしてここにいるのだろう。 “組織”に対して、いつか自分が明確に反旗を翻すことになると、深層で確信したのはいつだったのだろう。 愛とれいなに初めて出逢ったあの日だったのだろうか。 “潜入”の任務を負った里沙に「トロッコ」の喩え話をしたときだっただろうか。 それとも、愛とれいなに初めて“敵”として対峙したあのときだったのだろうか。 里沙の離反を知った日。 ―――表面上冷静にその事実を受け止めたあのとき? れいなを呼び出し、過去と自分の思いを告げた日。 ―――淋しげながらも強い口調で「そんなのは間違っている」と言われたとき? れいなからの電話を受けた日。 ―――その必死の懇願に冷たい答えを返したとき? …どの瞬間も、自分の中に何かを生んだのは確かだ。 だけど、これまで演じてきた“Dr.マルシェ”を完全に捨て去る決意には至らなかった。 自分の弱さを認めるまでには。 おそらくは、本当につい先ほど――― 命の灯が消えかかっている里沙を目の当たりにしたとき、自分はようやく本来自分が歩むべきだった道に戻ったのだ。 喩えそのような場面が訪れたとしても、絶対に心動かすことはしないと―――そう誓っていたのに。 「さあ、なんでかな?自分でも分からないよ」 だが、あさ美は苦笑を浮かべながらそれだけを返し、微かに肩をすくめた。 それはそれで、紛れもない本音でもあった。 「…そっちの治癒能力者さんとさ、わたし偶然2人きりになったことがあるんだよ」 僅かに訪れた沈黙の後、あさ美は静かに口を開いた。 自分が何を話そうとしているのか、自分でもよく分かっていないままに。 道重さゆみとの初めての邂逅は、長らく続いた雨がようやく降りやんだ朝の大学構内だった。 隣りあって座りながら名前も知らずにいた相手が何者かを知ったのは、その講義の後の出来事がきっかけ。 食堂に向かう途中の、ひと気のない作業現場で見つけた重傷者。 そして――わたしという会ったばかりの他人が目の前にいたにも関わらず、さゆみはそのチカラをさらけ出した。 そうしなくては手遅れになることを理解しながら、何もしなかったわたしを尻目に。 「無防備でバカな子だなって思ったよ。だけど……多分本当は心底羨ましかったんだと思う」 自分とまったく同じ能力。でも……自分とはまったく違う“チカラ”。 あのとき抱いた複雑な思いもまた、言葉で説明するのは難しい。 その後、食堂で向かい合ったさゆみは、何も聞かないわたしに戸惑いの視線を向けてきた。 そんなさゆみに、わたしは分別顔でその場しのぎの説教を垂れた。 特別な力を持っているからといって自分が“普通”じゃないなんて思うことはないと。 個人個人が得意分野を生かした職につき、世の中の役に立っているのと変わらないと。 それと同じように、その力をうまく使えばみんなが喜んでくれるのではないか……と。 「本音ではそんなこと欠片ほども思ってない適当なわたしの言葉を、あの子は真剣な顔で聞いてた。ほんと…バカだなって思った」 例えば光と闇のように―――決して溶け合わないものがある。 “普通”ではない自分たちの存在は、この世界に混ざり合うことは永劫できない。 おそらくは自分と似通った道を歩んできていながら、まだそのことに気付かずにいるらしい目の前の少女が腹立たしかった。 「でも……結局はそういうことなんだよね。いつになるのか…ううん、実現するのかすら分からないけど」 さゆみに語って聞かせた、中身のない薄っぺらな理想論。 だが、それこそが唯一の真実だったのかもしれない。 生まれた場所、肌の色、信ずる神――― 色々な要素を基に、人は自分の中に“普通”と“そうでないもの”を分ける境界線を引き、その線の向こう側に在るものを排除しようとしてきた。 真に排除すべきは、その境界線そのものであるということに気付かないままに。 そして、罪のない多くの涙や血を流し、累々たる悲しみの上に立っていながらも……それは今なお続いている。 自分も同じだったのだと今さらのようにあさ美は思う。 「悲しみの連鎖を断ち切りたい」などというもっともらしい正当性を振りかざしながら、その実は、自分が境界線の“こちら側”に来たかっただけだったのだ。 利己的な臆病者、傲慢な偽善者、見せかけだけの空ろな科学者―――それが自分であったのだ。 きっと。 「あさ美ちゃん。あのときさ……わたしが愛ちゃんたちの“監視”の任務に就くのを見送ってくれたとき、言ってたよね?」 自嘲の淵に沈んでいたあさ美は、その声に我に返った。 焦点を結んだ視線の先には、里沙の真っ直ぐな瞳があった。 「完全に治癒するまではそのままでいて、里沙ちゃん」 起こそうとした体をそっと押し戻すあさ美の手とその言葉に素直に従いながらも、里沙は目を逸らすことなく言葉を継ぐ。 「『迷ったらダメだ』って…あさ美ちゃん、そう言ってたよね?『そこにたまたまわたしが立っていたことをラッキーだと思わなきゃいけない』…って」 「……うん、言ったね」 そう、あのとき自分は里沙に言った。 多くの作業員を轢き殺そうとしているトロッコを、脱線させて止めるための“手ごろな物体”―――それが、すぐ隣に“在る”ことを幸運に思わなくてはいけない…と。 言外に、「逆に里沙自身も、わたしから見ればトロッコを脱線させるための“手ごろな物体”なんだよ?」という意味合いを含ませて。 間抜けにも自分自身が実践できなかったが、その考え自体が間違っていたとは今でも思わない。 「わたしさ、あのときに言うべきだった。『本当にラッキーだね』って」 「え……?」 だが、そう続けられた里沙の言葉に、あさ美は意表を突かれて首を傾げる。 そんなあさ美に、泣き出しそうな表情を一瞬見せた後、里沙は言葉を重ねた。 「『だってあさ美ちゃんがいてくれたら、誰一人傷つかないで済む方法がきっと見つかるから』って……言うべきだった。あのときそう言うべきだったんだよ……わたし……」 「里沙ちゃん……」 「あさ美ちゃん、頭いいしさ。絶対その方法が見つかるはずなんだよ。…見つかるはずだった。もっと早く……それに気付いてたら……ごめん…ごめんね……」 「………」 言葉を失くして里沙の潤んだ両目を見つめながら、あさ美は今さらのように気付かされていた。 里沙もまた、トロッコから降り、自分の足で歩き始める時期が遅すぎたと悔いていることに。 同時に、自分だけがトロッコから降りたことに、いまだに深い罪悪感を抱え続けていたのだということに――― 「ま、過ぎたことを言っても始まんないよ。…大体そんな一言で変われるほどわたしがバカ正直じゃないってことは、里沙ちゃんもよく知ってるでしょ?」 内心を押し隠した声で言葉を返しながら、あさ美は再び苦笑の表情を形作った。 次いで、その笑みを消し、一つ大きな息を吐く。 そして続けた。 「だから……考えようよ。今からでもさ。その方法を。歩くべき道を。2人で。わたしと里沙ちゃんで。一緒に」 もう遅すぎる……でもまだ間に合うこともある。 あまりにも陳腐に聞こえる……それでもそれが答えの一つ。 自分にも言い聞かせるように、一言一言区切りながら口にしたあさ美のその言葉に、里沙は僅かに目を見開き…そして微笑みを浮かべて口を開いた。 * * * ピシャッ――― ――――!? だが、そこから出かかっていた里沙の言葉は、顔にかかった温かい何かと、あさ美の驚いたような表情によって遮られた。 「――ッ!!あさ美ちゃん!!」 「か……は……」 あさ美の膝から跳ね起きた里沙の五感に、雪崩れのように情報が飛び込んでくる。 あさ美の胸の真ん中に広がりつつある朱色。 そこから散った飛沫の生々しい鉄の味。 半開きになった口から漏れる声にならない声。 咄嗟に抱きとめた腕から伝わってくる脱力感。 その体から立ち上る冷え冷えとした不吉な香り。 そして――― 視界の隅に映る一人の女性の立ち姿――― 「いつから敵の“お医者さん”になっちゃったわけ?Dr.マルシェさん」 「石川さん………」 それらの情報を絶望で彩るかのごとき石川梨華の――粛清人“R”の端整な無表情に、里沙は茫然とした瞳を向けた。 「紺野、あんたとなら…もしかして分かり合えるかもしれない、ってちょっとだけ思ってたんだけどな」 小馬鹿にしたような口調でそう言いながら、石川は里沙の腕の中のあさ美を見下ろす。 その表情に浮かんだ、いつもの嘲るような笑みを見た瞬間――里沙は何故か理解した。 今の石川の言葉が、紛れもない本音であったことを――― 「さて。あたしがここに立ってることの意味は分かるよね?里沙」 数瞬、視線を固定したまま沈黙していた石川は、その目を里沙に向け、いつかも聞いた台詞を口にした。 ――この台詞を2度聞いたのはきっとわたしが初めてだろうな 激しく暗い炎が燃える石川の瞳を真っ直ぐに見つめ返しながら、里沙はふとそんなことを思った。 『Remove the Betrayer ――裏切者は消去せよ――』 “組織”の不文律。 そしてそれが具現化された存在――粛清人“R”。 彼女がこの台詞とともに前に立つことは、その者に逃れえぬ死が迫っていることを指すのだから。 「…分かります」 だが、あのときと同じように静かに肯定の言葉を返す里沙は、確かにその言葉の“意味”を理解していた。 台詞はまったく同じでも、そこに込められている“理由”が、前回とは完全に違っていることを――― 「里……沙ちゃん……」 そのとき、自分の膝元から発せられた囁くようなその声の方に、里沙は慌てて視線を向けた。 「里沙……ちゃん、あの人、を……石川、さんを……解放、して……あげて……」 「あさ美ちゃん……」 「可哀、想な、人……孤独、な人……わたしと…同じ……里沙ちゃんと……同じ……」 その言葉で、里沙は知った。 石川の心の声は、あさ美にも届いていたのだということを。 そして、それにも関わらず互いにこのような形でしかそれを表現できずに終わったことに、深い後悔を抱いていることを――― 「ごめん、ね、里沙、ちゃん……2人で、見つけ、ようって……言って、た、けど……無理…みたい…」 「謝らないで…あさ美ちゃん、いいから…!もう…いいからっ……!」 「見つ、けて…里沙、ちゃん……が……。でき、る…よ…里沙……ちゃんた…ち…な………ら………」 「あさ美ちゃん……!」 最後に微かに笑みを浮かべ……あさ美は静かに目を閉じた。 「…分かったよ、あさ美ちゃん。わたしなんかに何ができるか分からないけど……でも……もう迷わない。だから…見守っててね」 ただ眠っているかのような、穏やかな表情のあさ美にそう呟きながら微笑みかけると、里沙はその体をそっと床に横たえる。 そして両手を胸の前で組ませ、黙祷を捧げるとゆっくりと立ち上がり、その視線をようやく石川に戻した。 「仲良しのお友達とのお別れは済んだ?里沙ちゃん」 「はい。待ってていただいてありがとうございました」 冷笑の響きを含ませた石川の言葉に対し、里沙は本心からの言葉を返した。 一瞬、目を泳がせるようなそぶりを見せ、石川はそれを取り繕うように口を開いた。 「どういたしまして。何しろ紺野はあたしの命の恩人様だからね」 大げさな身振りで肩を竦め、沈黙を嫌うかのように石川は喋り続ける。 「油断してたらピストルでこの辺撃たれてさ、でも紺野が貸してくれてたプロテクターのおかげで命拾いしたんだよね」 胸の辺りをトントンと中指で叩きながら軽い口調でそう言う石川の視線が、一瞬あさ美の上を通り過ぎる。 「で、そんときの経験にヒントを得たのが、この念動弾―サイコ・ブレット―。あんたが記念すべき第1号の“体験者”だったんだよ、紺野。光栄でしょ?」 甲高く、乾いた笑い声を上げる石川を静かに見つめる里沙のココロの中には、憎しみや恐れ、悲しみの感情はもうなかった。 ただただ、やるせない思いとそして――― あさ美がつい先ほど遺した言葉が“覚悟”とともに在った――― back →『“未来”への反逆者たち ―チカラとココロ(1)―』 next →『“未来”への反逆者たち ―チカラとココロ(3)―』
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60 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 18 20 22 ID 2qNHyufM ~阪神競馬場~ 闇「…」 闇「…俺は…誰だ?」 闇「西のライダー…EMCの副総統…セントラルの闇…笠松の闇…」 闇「そして…」 ‐それは輝き。‐ 闇「クックク…」 ‐それは試練。‐ 闇「…護る者。気高く、そして儚き乙女の守護者」 ‐それは刻。‐ 闇「…植える者。神の庭たる絶景を創り、そして保つ植彩者」 ‐六十幾度の時を越え。‐ 闇「…ガードナー…」 ‐荘厳なる春の知らせ。‐ 闇「何人たりとも邪魔はさせん」 ‐そして、永き戦いの序曲。‐ 闇「クククッ…そうだ、俺は…」 ‐ 桜 、開花…‐ 闇「…安藤勝己、未来の女王と共に絶景を創造する者」 361 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 18 37 05 ID 2qNHyufM 闇「…」 種「…」 四位「…」 小牧「…ハイパールージュ?いや、アトミックラストバンブー?いや…ブツブツ…」 川田「タン…ロン…」 イケメン「さすがEMだパーマ…どいつもこいつも恐ろしいオーラだカズヲ…」 ポツン「臆した者負けだ」 藤岡「さ、さすがクラシックの輪乗り… みんな凄く真剣な表情、集中してるなぁ」 福島「そんな中あなたはリラックス、と」 藤岡「あ、ども」 福島「あなたの器の大きさには驚かされます」 藤岡「トライアル勝ってるとはいえ、立場的には楽ですから」 362 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 18 39 47 ID 3dmyTOVC 358 どうしてこういうのが湧くんだろ? うざいことこの上ないわ。お前みたいな凡愚は いいから黙って待ってろよ。 とか言ってたら、ほす氏キター 363 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 18 49 32 ID 2qNHyufM 福島(この渦巻く邪気の中で、爽やかで素敵で妖艶な微笑みを投げ掛ける余裕…) 福島(ふふ…佑介…本当に規格外ですよ、貴方は) 福島「んっふ、お互いに頑張るとしましょうか」 藤岡「そうですね、負けませんよ!!」 幸「…時間」 種「っふ、おまえら…そろそろだぞ」 四位「…待ちくたびれたぜェ…」 種「三の一、芳しき桜花の門が開く」 闇「…」 罵罵「各馬のゲート入りが始まります」 364 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 19 34 47 ID pCmUE0Yg 362 目欄… 365 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 19 43 03 ID 2qNHyufM 358 362 罵倒、メル欄、縦読み…ここはツンデレの多いインターネッツ(ry 罵罵「各馬順調に入っていきます」 種「くくっ、佑介か…」 藤岡「どーも、豊さん」 種「暑いなァ…」 藤岡「確かに、異常ですね最近の気温の変化は」 種「いいや、横の誰かさんのトンデモな邪気が原因だよ… まるで蒸されるようだ…頭がやられるっ…!!」 藤岡「駄目だこの人暑さでやられてら」 種「闇の馬、どう思う」 藤岡「豊さん、会話って単語知ってますか?」 種「おっとゲートが開く…」 藤岡「今決めました、絶対豊さんには勝ちます」 村田(こんなときに談笑?なんて余裕だ…) イケメン(勝てる気がしないパーマ…!!) 366 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 19 56 08 ID 2qNHyufM 罵罵「レッドディザイアが入りまして、ゲート入りが完了しました」 四位「クク…見てやがれ…」 藤岡「…よし」 種「くくく…」 闇「…」 川田(凄い気合だツィー…) 闇「…さぁて、いこうか女王様」 ‐ 桜 、開花…‐ 罵罵「スタートしましたっ!!」 367 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 20 25 40 ID 2qNHyufM 四位(ん…?副総統…) 福島(普通に出たのに…えらく下げますね) 闇「…」 四位( 桜 の旅路は足早になりやすい… あの馬相手にあまり前に行きたくもないし…ここは下げるか) 福島(前はまとめて絶景にのまれるでしょう… ふむ、ここは下げましょう…ふんふ…) 種「なんだ佑介、あがってこいよ…クク…」 藤岡「ふふふ、豊さんを目標にしちゃいますよ…」 福島(佑介、逞しい尻だ) 村田「よーし、うまく出…」 川田「チョリソーーーー!!!!!!」 村田「な!?」 罵罵「コウエイハート馬体を並べていったぁー!!」 368 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/13(月) 20 42 28 ID 2qNHyufM 川田「ツィー!!ホォーイ!!………ふぅ」 村田「畜生が…」 罵罵「半マイル46秒半、少し速い旅路、前は苦しいか!?直線に入ります!!」 種「おいおい愚鈍共がっ…邪母の胎道…空いておるぞォ…!? 悪いな佑介ェ…先にいく…くくっ…」 藤岡「なっ…さすがに視野だけは広い!!」 木刀(なんだ…こちとら一杯一杯なのに) 松岡(やっぱパネェわ西の奴らはよ…) 四位「ふん、祐一…悪いが少々外にいってもらうぞ」 福島「…僕は少しぐらいは構わないですが… 折角ですので、貴方と一騎打ちの様相にさせていただきますよ」 四位「どういうこった」 福島「こういうことです」 罵罵「おっと、ブエナビスタ少し前が閉じたか!?」 闇「…」 377 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 01 59 44 ID fxvejbsB 福島「かたやぶつけて、かたや塞いで… お二人には、少し荒っぽい真似をして申し訳無い」 福島「ですが…僕が望む革命には、絶景だとか、欲望だとか… そういったものは要らないんです、ほんの少しもね」 福島「ただ、新しき時代への踏み台とさせていただくのみ」 福島「…さぁ、行きますよ… 麗しき桃色の革命月-ジェルミナル-…!!」 四位「ちい、こいつは凄い邪気だ…」 闇「…クク…」 ?「祐一君…本気か…?自らの手でスケジュールをはやめてきたようです」 ?「これは…機関が黙ってはおらんだろうな…」 ?「…下手すりゃ黒歴史を書き替える羽目になりますかね?クク…」 ?「…なぁ」 ?「なんです?あぁ、老人共のことはぬかりなく…餌は撒いてあります…」 ?「…この設定そろそろやめないか、猿」 猿「なんでですか、お互い暇でしょう?伸二さん!」 恫喝「阿呆、恥ずかしいんだよ…」 猿「いや~、忘れな草で障気にやられてた風でしたから、気晴らしにどうかなと」 恫喝「うるさい黙れ」 378 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 02 15 50 ID fxvejbsB 四位「ふん…本当に申し訳無いと思っているか、甚だ疑問だな」 福島「…ふふ」 四位「…まぁいい。お前はそういう奴だ…ヒャハハ… それに、俺のことは気にするな。むしろ感謝したいほどだ」 福島「…?」 四位「逃げたい。差したい。勝ちたい。勝たせたい。喜びたい。喜ばせたい。生きたい。生かしたい。 欲望というものは、枚挙し始めればそれこそ暇は無く」 福島「…」 闇「…」 四位「欲することをやめたら、それはもはや人ではないぜ…祐一。 だから俺は欲する…勝ちを…価値を」 四位「…その感情は赤く純粋なる人の営み-レッドディザイア-!! さぁ、お花見はもう終わり、会戦といこうかァ!!」 闇「クク…」 379 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 02 30 35 ID fxvejbsB 闇「…俺は護る」 福島「ふんふ…?」 闇「寒き冬の日、幼くして玉座に上がりし少女を」 闇「…俺は植える」 四位「…?」 闇「与えられた神の庭に、美しき桜を」 闇「…悪いが、負けるわけにはいかんのだ」 福島「ふふ…こちらもその気は微塵もありません」 四位「あんたがこのまま黙ってるはずがない…やりましょう…!!」 闇「クク…あぁ…」 闇「闇奥義百八手、神の庭三手…」 闇「闇の桜-オスクーロ・セレーソ-」 罵罵「大外から来たぞ、ブエナビスタだぁー!!!」 380 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 02 42 15 ID fxvejbsB 種「ちっ…後ろ…佑介に師範代あたりがきたか… もう少しだけ踏ん張って踊っておくれ、神の系譜の継承者…」 藤岡「前が崩れる、チャーンス!」 小牧「ファンタスティカチャンスオブバンブー!!!!!!」 藤岡「あ、小牧さん今パクりましたね!?」 種「っふ…元気な奴らだなァ…」 イケメン「EMは化け物揃いだチクショー」 ポツン(まだ西の壁は厚い、か…) 福島「くっ…はぁぁぁぁっ!!」 四位「うおおおおっ!!」 闇「…交わせ」 381 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 08 23 44 ID YxPmfCWG …。 おっと、普通に見入ってしまった。ほす氏乙。 382 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 12 11 56 ID fxvejbsB 罵罵「先頭はレッドディザイア、だが外から来たぞ来たぞブエナビスタだー」 四位「こんっの、化け物が…」 藤岡「豊さんは交わした、次は祐一さんに届けぇー!!」 福島「な!?佑介、そんなに激しく後ろから突っ込んでっ… …抜かせませんよ、ふっふ!!」 種「ち、速すぎたか…今逝くぞ冥府っ…」 罵罵「先頭はブエナビスタ!交わしたぁ!」 闇「…まだ未完成の景色だがな、とりあえずは見初めろ」 罵罵「ブエナビスタ先頭でゴールインッ!!まずは一つ!!まずは一つです!!」 闇「あぁ、まずは一つ…神の庭に 桜 は成った。 そして樫を植え、秋の華を添え、女王の園に至高の絶景を」 383 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 12 28 25 ID fxvejbsB 藤岡「とどかなかった…流石ですね!」 福島「佑介、あの乗り方…最高に興奮しましたよ…ふんふ…」 (いい勝負でしたよ、やはり競馬は素晴らしいですね) 藤岡「へ?」 幸「…逆」 四位「あークソッ!!帰って寝るぞ俺ァ!!」 池添「まま、そう言わず、飲みましょうよ」 川田「そうそう、副総統の奢りでね」 猿「うん、そりゃいい!!」 恫喝「桜花賞は疲れるからなぁ!!ハッハ!!」 闇「…誰だこいつら…?」 木刀「…」 松岡「…」 種「よう、ノリちゃん」 ポツン「…なんだ」 384 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 12 32 41 ID kICaVkmH まだ続くのかwww ほす氏乙www 385 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 12 55 36 ID fxvejbsB 種「どうだ、うちは凄いだろう」 ポツン「…なんだ、そんなくだらない話をしにきたのか?」 種「ふん…まぁ聞け。うちはな、凄いんだよ。 時に利己的になりもするが、芯では皆が皆を思い慕っている」 ポツン「…」 種「だから凄いんだ」 ポツン「…そうか」 種「そうだよ禿」 ポツン「うるさいぞ馬目線」 種「くく…じゃあな」 ポツン「あぁ…」 木刀「…」 種「そうだ…おい」 木刀「はい」 種「例の件だがな、少しまずいかもしれん」 木刀「…俺の存在がばれましたか」 種「いいや…だが、誰かに感付かれかけている可能性が高い」 種「そこでだ、今まで以上に慎重にいこうと思う。 俺への連絡は全面的に避け、こちらへの情報送信もやめにしろ」 木刀「…はい?」 種「物があるとやばいからな、例の物は俺に渡せ。 そして、その状態で電髪に何十年か潜伏してもらおうか? そうだな…怪しまれないためにも、皆とは友好な関係を築いてくれるとベターだ」 木刀「は?総統、それは、つまり…?」 種「おいおい、その呼び名もまずいぞ…くく… それじゃあまたレースでな、 東の後藤浩輝君 」 木刀「……………………はい!」 386 名前:こんな名無しでは、どうしようもないよ。[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 13 00 49 ID fxvejbsB ポツン「何の話をしていた?」 木刀「いえ、まぁすこし世間話を」 ポツン「そうか」 木刀「…典さん」 ポツン「んん?」 木刀「たまには、みんなで飲みにいきますか」 ポツン「…来週は大一番だぞ」 木刀「…ですよね…」 ポツン「…だし、前祝いでもしておこうか」 木刀「…良い店探してきますよ!!」 松岡「飲み!?まじすか!?激アツじゃないすか!!」 ポツン「何かが変わる、か…?」
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浏览次数 - s2168948.jpg 豆瓣书评 总括 应该是3年前,在池袋南口PLAZA购入 生き方 ,草草翻了翻,后来送给YY。 中文版将其一分为三... 从VeryCD下载了中文版的 活法 (I),就以这本小册子开始我久违的读书生活吧。 书名 活法 作者 稻盛和夫 文字版本 中文 图书种类 E-book 入手渠道 VeryCD 精读 2010-05-14 推荐指数 ★★★★★ 摘抄笔记 2010-05-14 前面的话 身居乱世之中,重新审视“活法” 开篇便提及“乱世”,并非简单的交代背景引出问题,而是极恳切的。 虽未明言,但作者作为一个真正的佛教徒,所想的恐怕是末法时期的乱世。 作者不是一个需要靠出书谋利图名的人,它是个真正的思想者,一个寻找并宣扬能够拯救人类的真正哲学的有责任的思想者。 各位读者,为了找到人生的乐趣,度过一个充满幸福的充实人生,我希望您能从本书获得一点启发,倘如此,我将感到无比高兴。 看似平淡,却可见其良苦用心。 稻盛和夫文风平实无华,不求语出惊人,但求娓娓道来。 这种从容,常被浮躁而又不知作者大名的人理解为空洞乏味,难得青睐。 除非那些"已知"大师们推荐,而这倒是不难的。 推荐过他的有季羡林,郎咸平,马云等。 人类活着的意义、人生的目的到底是什么?对于这个最根本的疑问,我仍然想直接回答,那就是提高心地,修炼灵魂。 接下来的观点阐述,涉及到今生来世等宗教系统的概念,而这些显然不是每个读者都愿意接受的(虽然日本读者相对更容易接受)。作者没有礼貌地含糊其词,而是诚挚地言之确确。对于以暧昧为美德的日本人而言,直接正面肯定地回答,意味着他真的坚信不疑且愿意为此负责 )。 接下来的摘抄越发困难了,因为字字句句都是良言,如何取舍。 不断提高自己的人性,修炼灵魂,带着比初到人世时有更高层次的灵魂离开这个世界。我认为人生的目的除此以外别无他求。 今天比昨天更好,明天比今天更好,为此,不屈不挠地工作、勤勤恳恳地经营、孜孜不倦地修炼,我们人生的目的和价值就是这样确确实实地存在着。 人生的目的和价值就是这样,用生命中的每一天来修炼,修炼出一个更好的今天,一个更好的明天。 以前看过的一个电影,小男孩在回答关于人生意义的问题时,不假思索的回答"感悟人生,还能有什么?",人生的意义就是用人生去感悟人生的意义 )。小男孩挺Cool,比很多人强。稻盛和夫当然不只是为了想明白这个而生,明了了,确信了,就要赶紧去修证,即,克己利他。用我们容易理解的利己的思维方式来说,就是他要通过克己利他来实现"更高层次的灵魂",他确信这是他唯一带得走的东西,你觉得呢? 当然,作者所追求的并非仅仅一个更好的归宿,而是一个过程,一个现在。"就是这样确确实实地存在着"。如果您和我一样觉得"更高层次的灵魂"一词不那么亲切,其实作者所指的就是"更美的心",是时刻伴随着我们的,甚至那就是真正的我们。 所谓劳苦,正是锻炼自我人性的绝对机会。 能够把考验当作“机遇”对待的人----也只有这样的人才能把有限的人生真正地当作自己的人生活下去。 打不倒我的就都是助力,而能在一定期限(人生)内能打倒我的就只有我自己,所以我的敌人就只有我自己。这是对自己生命负责任的态度,不这样,便是弃权。名言说"随波逐流,这是连死鱼都会的事情。" 质朴的原理原则是不可动摇的指针 我们需要什么样的哲学呢?答案就是“做人准则是否正确”。这是类似父母给子女言传身教的那么简单而朴素的教导,是人类自古培养起来的伦理、道德。 当今,人气颇高的哲学很多,厚黑,权谋,潜规则...,外圆并不可鄙,但内一定要方,有所为有所不为,不越矩当可无咎。不过成就"更高层次的灵魂",恐怕还是朴素一点好--心机懒为成大巧,看我们有没有慧根来信。 2010-05-15 从努力工作中体味人生的真谛 工作不再是谋生的手段,而成为人的需要,这是共产主义理想。不管怎样,我今后的职业生涯中,工作还是谋生的手段,但同时,它的的确确可以用来"体味人生的真谛"。其实不只是工作,8小时以外的吃饭穿衣,读书行路,无一不是"体味人生的真谛"的修炼场。而工作恐怕是其中时间比例更大,对社会和他人联系影响更为广泛而深远,能实现更高效的修炼却更容易被忽视,也是作者最有心得的一个道场。 作者烧炼过陶瓷制品,很清楚高温和耐高温对于烧制上品的重要意义。中国人更明白,吃的苦中苦方为人上人。但我们对于人上人的定义实在是太狭隘了,跟"更高层次的灵魂"完全不是一回事。认识理念,思维方式,行动方式不同,结果自然也就大相径庭。他们的对工作的尊重,对所有劳动者的尊重,已成为民族基因世代相传,而我们甚至连口号的力气都没有了。就象当年的"不正之风"这个词儿现在还有人用?我们固然可以为我们的不敬业找出一堆借口,但事实其实很简单,我们不认为敬业对我们有利益,仅此而已。仁者乐山,智者而水。君子谈义,小人谈利。论数量当然还是小人多,舍义而谈利也并无不可,只是需要环境的足够公平以及个人的足够聪明,显然我们并不具足。所以,一方面我们对日本人的工作观及其工作成绩有目共睹,另一方面我们也只能做到目睹而已。 这里,作者提要了"精进"“厚德载物”等我们熟悉的概念,这本来是我们中华民族的根本价值观,如今却已经快要失传了。难道已经不好用了吗?Yes or No?那要看我们的眼光有多远了。 劳动这种行为的尊贵就在于此。也许说起精神修炼让人联想起宗教上的修行等,其实,热爱本职工作,一心扑在工作上,这就足够了。 听说拉丁语中有句谚语,“与其完成工作,莫如完善做工者的人格”,人格的形成也是通过工作的完成而实现的。也就是说,哲学产生于辛勤的汗水中,精神在日常的工作中得到磨炼。 认识到劳动的"尊贵"是需要智慧的,而坚持它则是需要勇气的,在当今中国则需要"无比的"勇气。 我们现在看到的这句拉丁语古谚至少经过2道翻译,最后成了这个样子,你觉得哪道翻译环节失真了? 回到这两句朴实的话,真正的修行不必一定要有宗教的概念作为支撑,很多人自然而然的就很符合地去做了。我们周围还是有很多这样的榜样,而他们的哲学的确就在他们的汗水中。 我经常对员工说,必须“极其认真”地过好每一天。生命只有一次,万万不能浪费,要“竭尽全力”、真挚、认真地活着----继续这种看似朴素的生活,平凡的人不久也将旧貌换新颜,变成非凡的人。 不必累述,态度决定一切是有根据的。 "认真",这在中国称不上是美德,往往让聪明人哂笑。在日本也算不上是美德,因为这是必须的。 通过每天辛勤的工作,我们在形成高尚人格的同时也一定能够获一个美好的人生。我希望大家把这一点铭记在心。 再次重申,真是个好老头。 人生·工作的结果=思维方式×热情×能力 这种"成功公式"从来就不会被大家忽略,但真正信解受持,最终受益的还是少数。究其原因,说来好笑,可能是"等不及"? 总是积极向前的、建设性的;有一颗感恩的心,具备和大家一起行动的协调性;乐观的接受;充满善意、有理想、态度温和;不惜努力;知足、不自私、没有强大的欲望等等,这些都是积极性的思维方式。 这里罗列的都是老一套,就像小学教室里张贴的伦理观或道德纪律方面的标语一样。但是正因为如此,我们绝不可轻视它,不仅要用脑筋理解,还要用灵魂领悟,使其变成你血肉的一部分。 中肯。其实成功密码早在我们的孩提时代就已经听到了。只是在脑海里,不在灵魂和血肉中。 补充一个不太相关的。源自网上。 1987年1月,75位诺贝尔奖得主聚集巴黎。有人问一位获奖者:“您在哪所大学、哪个实验室学到了您认为最主要的东西?”白发苍苍的学者沉思片刻,答道:“幼儿园”。“在幼儿园您学到了什么?”“把自己的东西分一半给小朋友;不是自己的东西不要拿;东西要放整齐,吃饭前要洗手;做错事要表示道歉;午饭后要休息;要仔细观察周围的大自然。” 我们可以一一对照的来看当今中国。 我希望人们铭记这个“宇宙法则”。那就是:人生与心念一致,强烈的意念将以一定的现象表现出来。也许有人断定此言极其神秘不予接受。但是,这是我在此前的人生中多次体验后确信不疑的不二法则。 这种思维在古代中国本来很平常,善恶一念,祸福有因。但同样流于口头或者被作为孤立的价值体系束之高阁。当我们全副武装地进入生活的丛林中时,我们带着猎枪却没有罗盘...不累才怪! 草色遥看近却无,好书也是一样。剥离摘抄出来的往往"不够看",就抄此一句以供管窥。 宇宙中存在着一种让一切更加美好,使一切进化发展的力量,这也可以说是宇宙的意志。如果能够很好遵循宇宙意志所产生的趋势,那么就能给人生带来成功和繁荣。如果背离该趋势,那么等待的结果将是没落和衰退。 一言以蔽之,曰道。闻之者众,行之者鲜。 要课以自己比他人更为艰苦的人生,并不断严格要求自己,这是必不可缺的。努力、诚实、认真、正直….严格遵守这些看似简单、容易的道德观和伦理观,并把他们作为自己的人生哲学或人生态度的不可动摇的根基。 投机取巧不好吗?不劳而获不好吗?坑蒙拐骗而又能逃避制裁不好吗?为什么一定要努力、诚实、认真、正直,这么做又能给我带来什么好处?...与其说这么做有什么额外的好处,不如说这样做可以让我们不至毁灭,每个个体也是一样。 第一章 让梦想成真 世事不遂人愿----对于人生中发生的很多事情,我们难免这样去看。但是,这正是因为你认为“世事不遂人愿”才招致的结果。就此而言,不如愿的人生其实也正是他心念而来的人生。 太精辟了! ......为了实现理想,只是一般的愿望是不行的。“强烈的愿望”很重要。不是漠然地想“如果能够那样就好了”,这是不够成熟的想法,而应该是抱有强烈的愿望,废寝忘食地渴望着、思考着。全身上下从头顶到脚尖都充溢着这个愿望,就好比是身上划破后流出来的是“愿望”而不是血。 必须有强烈的愿望,坚定不移的信念。这是使事业成功的原动力。 在我们的传统理念里,善恶一念,福祸有凭是不陌生的,定性定向了,却往往省略了强弱。这在古代不是个问题。但在今天,习惯了吃别人嚼过的馒头,习惯了急功近利,对于这样的我们,恐怕还是言尽些好 也许有人会摇头认为这未免太乐观了。但是,废寝忘食地渴望、思考并不是那么简单的行为。你必须持续拥有强烈的愿望,并不知不觉地把它渗透到潜意识里去。 易乎?难乎? 考虑周全的话,就一定能实现 设定一个更高的合格线,更进一步采取行动直至现实和愿望完全吻合为止。只有这样,才能取得令人满意的出色成果。 更高的合格线,这就是强者和弱者的区别。男人,要对自己狠一点 )。 而且,极其有趣的是,事行能够清晰“看见了”的,最终也一定能以“崭新的”结果实现。相反,如果事先没有清晰的印象,即使做出来也不是“崭新的”。这也是我在人生的各种经历中体验到的事实。 不懂,因为我没实践。希望能早日明白。 各个细节都能够明确预想到的事就一定能成功。 这需要长时间的孜孜以求。 成功的两大因素:缜密计划和前期准备 成功的因素,作者只提了2个,还都是真正行动之前的因素。行动力不重要吗?坚定不移的信心,坚持不懈地恒心,经受挫折的忍耐力,应变能力,总结反思的能力等等等等难道都不重要吗?每个人有自己的成功因素,缺什么,什么就最重要。但在这里,作者应该不会提出一个适用面狭窄的论点。他所提及的这两个成功因素的影响作用范围,一定不是在行动开始时就结束了的。那么,“缜密计划和前期准备”是如何在行动前后的各个阶段发挥作用的呢? 设想本身应该基于超大胆的“乐观论”,打开想象的翅膀,并在周围聚集一些积极发表意见的乐观派人士。 但是,在设想向具体计划转移时,则应该以悲观理性的分析为主,必须想象所有可能存在的风险,慎重、小心、严密地推敲计划。但大胆和乐观在这一阶段始终是有效的。 一旦到从计划转入落实阶段,则再次基于乐观论,坚定不移地开始行动。也就是说,“乐观地设想、悲观地计划、愉快地执行”。 万事事在人为,大场先生紧紧地掌握了人生的真理。这位难得的冒险家想说的是,如果没有胆小、慎重、小心作后盾,所谓的勇气也不过是蛮勇。 其实说到底与毛的战略藐视战术重视的思想是一致的。缜密计划和前期准备的作用,只是让我们能够在该乐观的时候乐观得起来,在该悲观的时候悲观得下去。还是原文更透彻--"乐观地设想、悲观地计划、愉快地执行" 心相 谈完了象,又谈相,最后是向 从改变内心想法的瞬间,我的人生开始转运。以前的恶性循环终止,良性循环随之开始。从这段经历中,我体会到人的命运不是像铺设的铁轨一样被事先定下来,而是根据自己的意志能好能坏。 和了凡居士有类似。 发生在自己身上的一切,都是由自己播下的种子 的确,所谓命运,在我们的生命期间俨然存在。但是,它不是人类力量无法抗拒的“宿命”,而是因我们的内心而改变。人生是由自己创造的,能够改变命运的只有一个,就是我们的内心。在日本思想里,这就是“立命”。 “立命”当然不是made in japan,但他确实存在于现有的日本思想中。而在中华的价值体系中逐渐淡漠了。离我们很近的 了凡四训 中的第一训就是"立命之学",但哪位中国企业家可以很好地运用它成就一番伟业,甚至著书立说畅销海外?话语权的缺失往往怪不得别人。 能够完成一件新工作的人是坚信自己的“可能性”的人。所谓可能性,是指“将来的能力”。如果根据现在的能力判断自己“行还是不行”,那就永远也做不成新的事情或困难的事情。 精辟! 相信自己的可能性,给自己规划一个超出现有能力水平的更高目标,并为在未来某一时刻实现目标而倾尽全力。此时你所需要的是使自己的“愿望”像不来的火焰一样持续燃烧。这样成功或成绩就会如期而至,自己的能力也能够得到提高。 两点。①高目标②倾尽全力。两者相辅相成。 哪怕是无能为力的事,那也只是现在的自己无能为力,将来的自己一定能行,用“将来进行时”考虑是很重要的。应该相信自己还有潜能,等待机会唤醒、迸发出来。 所谓已经不行了,已经无能为力了,只不过是过程中的事。竭尽全力直到极限就一定能成功。 看似鲁莽,确是正途。不然岂不太轻巧了。是否鲁莽也是相对的,这取决于你到底多大程度上相信人的潜力,而信念和经验又是相辅相成的。 为了继续昨日的工作,不得不挥洒汗水,一毫米、一厘米地前进,把横在眼前的问题一个个解决掉,时间就这样在看似微不足道中度过了。 此刻的这一秒钟聚集成一天,这一天聚集成一周、一个月、一年,等发觉时,已经站在了先前看上去高不可攀的山顶上。这就是我们人生的状态。 即使不考虑以后的事而全力以赴过好现在每一瞬间,先前还未能看见的未来之像就自然而然地可以看见了。 所以奉劝各位,与其徒然为明日烦恼、孜孜不倦地计划未来,不如首先倾注全力充实每一个今天。这才是实现梦想的最佳有效途径。 平实得令人感动。 究竟是什么使像他们这样平凡的人变成了非凡的人才呢?是孜孜不倦、默默努力的力量,亦即脚踏实地度过每一天的力量,是坚持积累每一天的力量,或者说是坚持使平凡变非凡。 我所说的坚持很重要,并不意味着坚持是“相同的重复”。坚持和重复是两码事。不是漫不经心地重复昨日,而是明天比今天,后天比明天,必须前进,哪怕是一点点的进步与改善。这样的“创意精神”能够加快靠近成功的速度。 对于细小的事情,想方设法进行改良的人和没有这样做的人,从长远地看,将产生惊人的差距 点点滴滴地积累 牢记“有意注意”的人生 锥子 第二章 依原理原则思考 真理是一根线织成的布。所以,所有事情越单纯就越接近它本来的状态,也就是说,越接近真理。 比喻很有趣。 究竟要选择两条路中的哪一条路,当你犹豫彷徨时,我建议你远离自我利益,选择那条充满荆棘的道路,因为这是人生“本来应该”走的路----我们就是要选择这样愚直的、艰辛的生活方式。 正道是沧桑 “思想如哲学家般深远,心术如元禄武士般高尚正直,加之以小吏的才干,再加之以百姓的身体,如此则必成实业社会之俊杰。” 善思,正念,精勤,健体 无论什么事都要有必胜的迫切心情,再加上单纯朴实地对待万物的谦虚态度——就能找到平日可能忽视的解决问题的线索。......我时常激励员工“加油!加油!直到上帝都想伸手支援为止。” 天道酬勤 “知晓”与“办得到”之间有很深的鸿沟,能够填补这道鸿沟的就是现场的经验。 本田技研工业的创始人本田宗一郎先生 干起来 洋溢着满腔的热情、努力认真地过好现在每一分钟。埋头苦干眼前的工作,心无杂念地充实地度过每一个瞬间,这样就能通向开辟美好未来的道路。 怎么干 自然界中,所有的生物都在赋予它的时间里、在一个个有限的瞬间中,尽最大努力认真活着。通过努力过好“现在”,就能把小小的生命与明日连接起来。植物尚且如此,我们人类岂能输于花草。所以不要虚度每一天的光阴,必须认真地活着。这也许是让我们来到世上、让人生有价值的宇宙和我们人类之间的一项约定,也是使人生这台戏充实圆满的必要条件。 感动 “不燃性的人不必留在公司。希望你们成为自我燃烧的自燃性人。至少是当靠近燃烧的时能一起燃烧起来。” 我是哪一种? 总之,“热爱”才是最大的动机,意愿也好、努力也好、成功之路也好,所有这些基础都是“热爱”。 “热爱”和“全神贯注”就如硬币的正反两面,是因果关系的循环。因为热爱才能全神贯注,全神贯注之中自然而然热爱上了。 当然,最初难免有些勉强。但是,必须要反复对自己说:“自己正在从事一项了不起的工作”,“这是多么幸运的工作啊”。于是,对工作的态度自己而然就有了大转变。 学习当然也是这样. 可以说,此时最重要的是“战胜自己”。所谓“战胜自己”就是要抑制利己欲望、自我告诫不要姑息自己。否则,既不能成就任何事业也不能最大限度发挥自己具备的能力。 这里所说的一个人的真正能力,也许还包括坦率地对待事物的克己之心。即使有非凡的能力,但自己乐于安逸,舍不得努力,从某种意义上说是欠缺“运用自己与生俱来的才能”的能力。 入木三分! 第三章 磨砺并提高心智 中国明代思想家吕新吾在其著述《呻吟语》中明确表达了同样的内容,即:“深沉厚重,是第一等资质;磊落豪雄,是第二等资质;聪明才辩,是第三等资质。”这三个资质,换言之就是“人格、勇气、能力” 手中那本呻吟语快十年了,也没认真品读。惭愧。 这三种资质的品论让我想起了刘关张。 课以自己高洁的生活方式,这是人上人的义务,亦即崇高的义务。 六个精进 如果只从本书抄录一处,那就是这"六个精进" 而我,更愿意连同它的简短阐述也一并抄录下来。 (1)付出不亚于任何人的努力 比任何人更多钻研,而且一心一意保持下去。如果有闲工夫抱怨不满,还不如努力前进、提高,即使只是一厘米。 (2)戒骄戒躁 “谦受益”是中国的古语,谦虚之心能召来幸福、净化灵魂。 (3)每天自我反省 每日检查自己的行动和心里状态,是否只考虑了自己的利益,是否卑怯的举止等,自省自戒,努力改正。 (4)感谢生命 只要活着就是幸福,培养对任何细小的事情都心怀感激的心性。 (5)行善积德 “积善之家有余庆”,提倡行善、积德,特别注意要有同情心,行善积德有好报。 (6)摒弃掉感性所带来的烦恼 不要总是忿忿不平、杞人忧天、自寻烦恼。相反地,为了不致事后后悔,更应全身心地投入。 重要的不是把名家名训装裱镜框之中,高悬于家壁之上,而是落实到日常的生活当中去。 六波罗蜜 布施、持戒、精进、忍辱、禅定、智慧 劳动时所感受到的精神的愉悦,在单纯劳动中加进自己的创意技巧,使工作更愉快,不是被他人强制的“被动工作”,而是自己成为劳动行为主体,这些精神我们确实曾经拥有。 第四章 以利他之心生活 由于京瓷公司发展的结果,我的个人资产也意想不到地剧增,这是在大家的支持和帮助下获得的,决不能据为私有。社会给我的、或者说社会暂时给我保管的资产以有益于社会的形式还原于社会才符合道理。这个京都奖在回报社会的同时,又是我的利他哲学的一种实践。 日本的目标既不应是经济大国也不应是军事大国,而应是以德重建国家;既不是擅长打小算盘的国家,也不是忙于炫耀军事力量的国家,而是以人类崇高精神之德作为国家理念,并与世界接轨。 一旦成为这样的国家,那么,日本就能得到国际社会的认同和尊重。而且,也不会有企图侵略日本之辈。从此意义上讲,它应该又是最妥善的安全保障政策。 需要强调一点的是,知足的生活态度绝对不是满足现状、不进行任何新的尝试或停滞不前碌碌无为。拿经济情况来作比喻,虽然GDP总值没有变化,而内涵或者产业结构本身不断发生改变。也就是陈旧的产业不断消亡,新的产业不断发展壮大。这是因为人类的智慧使新生事物不断涌现,健全的新陈代谢不断交替进行,人与社会都充满活力和创造性。 第五章 与宇宙相和谐 思善事,做善事,就能将命运引向美好。人类一方面受命运的支配,另一方面通过自己的善事善行改变命运。 因果报应需要时间。牢记这句话,不要为暂时没有好的结果而焦躁,每日孜孜不倦、一心一意积累善行,最终一定会有好结果的。 所谓遗传基因,无论是人类、动物、植物或者微生物酶或大肠杆菌等原始的生物,全都使用由四个文字构成的“密码”,写入各种信息。令人惊叹的是,人类这样的高等生物也是由这四个文字组成的信息构成的。 人类的每一个细胞中,写入了30亿个的遗传基因信息,把此信息量用书籍的厚度来换算的话,竟然有1000册厚达1000页的书那样庞大。在构成人类基因的60亿细胞中,每一个细胞都被写入了如此庞大的信息。 更应该惊叹的是,写有这些遗传基因信息的DNA相当地精致细微。地球上居住的60亿人的所有DNA聚集在一起,也只不过一粒米粒的重量。 在如此细小的空间里,整然有序地写入了如此惊人、庞大的信息,没有丝毫的杂乱无章。而且,地球上存在的所有生物,都由相同的四个文字构成的遗传基因密码形成。 知识点 无需完美,贵在坚持 .