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我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。 ~ 文部省刊『国体の本義』(昭和12年(1937)5月) <目次> ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義◇1.国体の定義 ◇2.国史の真義 ■3.近代日本の国体論の展開 ■4.国体論と「皇国史観」◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 ■5.所謂「国体主権」論について ■6.ご意見、情報提供 ■1.国体論を巡る思想・政治状況(見取り図) ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ※上図の説明は、国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) へ ■2.「国体」の定義と、「国史」の真義 『国体の本義』の第一章「第一 大日本国体」は、国体の定義を、また第二章「第二 国史に於ける国体の顕現」は、国史の真義を、それぞれ詳解している。各章の冒頭部分のみ以下に引用する。 ◇1.国体の定義 第一 大日本国体 一、肇国 大日本帝国は、万世一系の天皇皇祖の神勅を奉じて永遠にこれを統治し給ふ。これ、我が万古不易の国体である。而してこの大義に基づき、一大家族国家として億兆一心聖旨を奉体して、克く忠孝の美徳を発揮する。これ、我が国体の精華とするところである。この国体は、我が国永遠不変の大本であり、国史を貫いて炳として輝いてゐる。而してそれは、国家の発展と共に弥々鞏く、天壌と共に窮るところがない。我等は先づ我が肇国(てうこく)の事實の中に、この大本が如何に生き輝いてゐるかを知らねばならぬ。 ◇2.国史の真義 第二 国史に於ける国体の顕現 一、国史を一貫する精神 国史は、肇国の大精神の一途の展開として今日に及んでゐる不退転の歴史である。歴史には、時代の変化推移と共にこれを一貫する精神が存する。我が歴史には、肇国の精神が儼然と存してゐて、それが弥々明らかにせられて行くのであるから、国史の発展は即ち挙国の精神の展開であり、永遠の生命の創造発展となつてゐる。然るに他の国家にあつては、革命や滅亡によつて国家の命脈は断たれ、建国の精神は中断消滅し、別の国家の歴史が発生する。それ故、建国の精神が、歴史を一貫して不朽不滅に存続するが如きことはない。従つて他の国家に於て歴史を貫くものを求める場合には、抽象的な理性の一般法則の如きものを立てるより外に道がない。これ、西洋に於ける歴史観が国家を超越して論ぜられてゐる所以である。我が国に於ては、肇国の大精神、連綿たる皇統を基とせずしては歴史は理解せられない。北畠親房は、我が皇統の万邦無比なることを道破して、大日本は神国なり。天祖はじめて基をひらき、日神ながく統を伝へ給ふ。我国のみ此の事あり。異朝には其のたぐひなし。此の故に神国と云ふなり。と神皇正統記の冒頭に述べてゐる。国史に於ては維新を見ることが出来るが、革命は絶対になく、肇国の精神は、国史を貫いて連綿として今日に至り、而して更に明日を起す力となつてゐる。それ故我が国に於ては、国史は国体と始終し、国体の自己表現である。 (参考).『国体の本義』全文 http //www.j-texts.com/showa/kokutaiah.html ※上記のように、日本を天皇を中心とする神の国と捉える歴史観は、主に戦後、マルクス主義歴史学者によって「皇国史観」と呼ばれてきた。 ■3.近代日本の国体論の展開 ※おおよそ、以下の4段階を踏んで現代に至っている。 (1) 政治的「国体」観念の創出 (メルクマール)大日本帝国憲法(1889年 発布、1890年施行)、教育勅語(1890年 煥発) 江戸期には、文化的「国体」観念(天皇は日本という文化的共同体の結晶核であるとする観念)が主流であり、政治的「国体」観念(権威者たる天皇は、権力者たる征夷大将軍の任命、条約勅許、元号制定など政治的意義をも有することの認識)は一般には希薄だった 欧米列強の脅威に反応して興起した後期水戸学(会沢正志斎『新論』(1857年)が代表的)の普及により、政治的「国体」観念が自覚されるようになった 「君権ヲ機軸」として政治体制を整備する必要性→政治的「国体」観念の創出(天皇は文化的共同体に加えて政治的共同体の結晶核としての役割をも期待されるようになる。「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス、天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総覧シ・・・) 明治維新の性格規定→「一味神水」の「一揆」史観(新田均氏)、近代国民国家の創出の必要性(エトニethnieからネイションnationの創出へ) L正統(Legitimacy 治統)とO正統(Orthodoxy 学統)→西洋はO正統(キリスト教会)の権威からL正統(皇帝権・王権)を創出したが、日本はL正統(皇統)の権威からO正統(政治的「国体」観念)を創出・・・従って日本ではO正統(政治的「国体」観念)はあくまでL正統(皇統)の影であって、正統性の本体はL正統である。(植村和秀氏) 政治的紛糾を呼びやすい思想・哲学的な国体論ではなく、天皇と国民の協働による国家の発展という「国史」に重点を置いた国体論の強調(西洋のような保守思想の発達とは対照的に、日本では「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向・・・100の理屈よりも1つの事実の方が説得力がある。日本は奇跡的に万世一系が続いている国であり、西洋の様に抽象的な理屈・思想で国家の正統性を確保する必要は薄い⇒「保守-思想」ではなく「皇国-史観」が前面に出て皇統と国体を護持) (2) 雑多な国体論の容認 (メルクマール)『国体論史』(1921年 内務省神社局刊) 国民各層の幅広い団結を促す必要性⇒「国体」観念の習合思想化(雑居性) 日本では古来から、国体の雑居性自体が伝統化していた(融通無碍) (3) 国体論の帰一 (メルクマール)『国体の本義』(1937年 文部省刊) マルクス主義は日本史上、ほとんど初めて「国体破壊」を強烈に志向した思想であり、第1次世界大戦中のロシア革命、ドイツ・オーストリアさらにはトルコの4大帝国の崩壊(それ以前の辛亥革命=清朝の崩壊も併せて)に刺激を受けて、共和制や社会主義・共産主義への移行が歴史の必然であると確信する学生・知識人が大量に発生し、コミンテルンが干渉してこの趨勢を助長。 こうした マルクス主義の思想侵略の脅威への対抗思想としての役割が「国体」に期待される⇒『国体の本義』編纂・刊行へ。 日本主義(国体の本義に則って西洋思想を益々醇化摂取し、より一層わが国を発展させるとする「開かれた社会」の思想) (4) 国体論の変容と自壊 (メルクマール)『臣民の道』(1941年 文部省教学局刊) アジア主義(東西文明対抗史観の影響)の追認 総力戦体制 八紘一宇(大東亜共栄圏の根拠づけ) 敗戦後は再び、文化的「国体」観念が主流へ(「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって・・・」) ◎参考図書 ※なお、当サイトの丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 のページも参照。 「現人神」「国家神道」という幻想 新田 均 (著) PHP研究所 (2003/02刊) ※amazonで一部ページを拝見できます。「「現人神」「国家神道」とは、日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度である」との嘘八百の言説に異議あり! こういったイメージが幻想に過ぎないことを、実証的歴史研究の成果に照らして明かす。 ※amazonの内容紹介より一部引用「現人神」「国家神道」??これらの言葉から、現代の日本人はどんなイメージを連想するだろうか。おそらく、狂信的な「天皇崇拝思想」と、それを支えた「国教制度」といったとこだろう。そして、この「日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度」は「明治政府が日本の近代化のために考え出した」などとされている。だが著者は、「そのような認識は思い込みに基づく幻想にすぎない」と喝破する。それは最近の実証的歴史研究の成果に照らしても明らかなのだが、これが意外と世間では知られておらず、歴史の専門家でさえ、少し分野が違っただけで知らない者が大多数なのだという。世間で知られていないことがそれほど大きな意味を持たないなら、それでもかまわないのかもしれないが、この「幻想」はわが国の首相の靖国神社参拝問題や政教関係訴訟、さらには教科書問題や外交関係にまで影を落としている。“虚像”が誰によって、いかにして創られたかを検証する。 目次 [第1部]「現人神」という幻想第1章 通俗的な「現人神」論の崩壊第2章 明治初期から「教育勅語」の発布のころまで第3章 「教育勅語」の発布から第一次世界大戦のころまで第4章 第一次世界大戦から満洲事変のころまで第5章 満洲事変以降第6章 「創られた伝統」としての「現人神」[第2部]「国家神道」という幻想第1章 「国家神道」は如何にして創られたか――「幻想」の系譜をたどる第2章 神社参拝は「法的に」強制されたか?第3章 強制された「事実」とは?第4章 「神社非宗教」論とは何だったのか第5章 「幻想」を必要としているのは誰か第6章 蜃気楼が消えた後には? ★評価豊富な実証的研究により、「明治以降の日本は異常な絶対主義君主国家・ファシズム国家だった」という立花隆など左翼の大嘘を完全に打ち破る名著。「国体」観念の展開に関しても説得力ある論説が展開されている。 ■4.国体論と「皇国史観」 上記の様に日本では、国家の正統性を国民に訴求する上で、「国史(歴史)」が保守思想を代位する顕著な傾向が見られた。 こうした戦前の国史に表れた歴史観を主に戦後「皇国史観」と呼んでいる。 ◇1.現在流通している「皇国史観」の定義 【皇国史観】こうこく-しかん(広辞苑) 国家神道に基づき、日本歴史を万世一系の現人神(あらひとがみ)である天皇が永遠に君臨する万邦無比の神国として描く歴史観。十五年戦争期に正統的歴史観として支配的地位を占め、国民の統合・動員に大きな役割を演じた。 ◎補足説明 実際には「皇国史観」には、 ① 大東亜戦争の渦中で、文部省によって、主に高級文官試験用の公定歴史解説書として編纂され、東亜諸地域を包摂する新しい歴史観・国体観を打ち出した『国史概説』(1943-44刊行)及び、その大東亜地域版である『大東亜史概説』(編纂のみで未刊)に代表される「皇国賛美史観(文部省史観)」と、 ② 1930年半ばから、東京帝大国史学教授 平泉澄とその門下によって唱えられた日本一国主義の立場に立つ「皇国護持史観」の二種類があり、また ③ 大川周明の「東西文明対抗史観」は、①と親和性が高い。(※①は、大川周明などアジア主義者の東西文明対抗史観の影響下に現出された東アジアの状況を、総力戦体制下で政府が追認したものと捉えることができる。) 広辞苑の定義は、「十五年戦争」という支那寄りの用語に見るとおり、自虐的・日本断罪的で一方的な左翼史観から書かれているが、近年は同じ左翼陣営でも、より実証的に「皇国史観」や「国体論」の内実を検討した著作が幾つか刊行されている。 『近代日本の国体論―“皇国史観”再考』 昆野 伸幸 (著) ぺりかん社 (2007/12刊) 内容(「BOOK」データベースより)明治以後の植民地政策によって展開された国体論が近代的学知との激しい相剋を見せた昭和十年代に注目し、歴史認識の次元から大川周明・平泉澄を詳細に分析することにより、従来の国家主義的歴史観とは区別される“皇国史観”固有の特質を解明する。 目次 国体論研究の視角第1部 国体論の胎動(大川周明『列聖伝』考/平泉史学と人類学/平泉澄の中世史研究)第2部 国体論の対立(平泉澄の「日本人」観/大川周明の日本歴史観/大川周明『日本二千六百年史』不敬書事件再考)第3部 国体論の行方(「皇国史観」の相剋/大川周明のアジア観/三井甲之の戦後)国体論の帰結 『「皇国史観」という問題―十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策』 長谷川 亮一 (著) 白澤社 (2008/01刊) 内容(「BOOK」データベースより)戦前の歴史観の代名詞「皇国史観」は、非科学的、独善的、排外的などとして、戦後しりぞけられてきた。しかし、そもそも「皇国史観」とは何であったのか?誰が、何のために提唱し、普及させたのか?本書は、「皇国史観」の成立と流布を、戦中に文部省が行なった修史事業に着目して再検証し、従来のイメージを一新。「皇国史観」の何が、いかに問題であるのかを明らかにする。 目次 第1章 戦後における「皇国史観」をめぐる議論の展開第2章 近代国体論の変容第3章 「皇国史観」の提唱と流布第4章 『国史概説』の歴史像第5章 『大東亜史概説』の歴史像第6章 国史編修事業と国史編修院 ★上記2冊は、あくまで「皇国史観」「国体論」の現状での中心的研究者の認識が分かる図書として紹介している。早くこのような、未だに左翼史観から抜けきれない中途半端な著作物が「先行研究」と呼ばれる日が来ればいいのだが。 ◇2.「皇国史観」に対する左翼の中傷 上記二名の研究者によれば、現実に「皇国史観」という用語を使用していたのは、①大東亜戦争中の文部省の側であり、その意味では「皇国史観=①文部省史観(皇国賛美史観・・・汎アジア主義的史観)」なのだが、本ページ上部の見取り図に示したとおり、大東亜戦争の敗戦によって、①文部省史観や、③大川周明の東西文明対抗史観の成立基盤が消滅してしまったことから、戦後は専ら、②平泉学派の「皇国護持史観」が、「皇国史観」として、マルクス主義者や戦後民主主義者といった左翼から、批判・中傷されることになった。 左は、2009年5月に放映されたNHK特集JAPANデビュー第二回【天皇と憲法】。「皇室廃止」を狙うNHKを始めとする左翼の本音がたまたま表に出た貴重な番組の動画である。※動画の平泉澄の「皇国護持史観」は、日本一国主義(非アジア主義)的史観であり、その内容を一言で表現すればわが国体こそ、寛容で価値多元的な日本的世界(日本的公共性)のコアである。日本国民はこれを護り続けなければならない。ということに尽きる。これは『国体の本義』の論旨そのものであって、何ら左翼から中傷される云われはない。 チャンネル桜で放送された上記動画の検証番組。国体論とは少し外れるが、NHKなど戦後左翼の欺瞞振りを詳しく確認できる。 丸山眞男と平泉澄 昭和期日本の政治主義 植村 和秀(著) 柏書房 (2004/10)単行本 目次 第1章 政論記者丸山真男第2章 歴史神学者平泉澄第3章 正統の争い―平泉澄と丸山真男第4章 平泉澄における忠誠と反逆第5章 丸山真男にとっての忠誠と反逆第6章 昭和期日本の政治主義 ★評価丸山眞男といえば、進学校の学生が全共闘世代の教師に「夏休み(冬休み)の課題に『日本の思想』(岩波新書)の中の一章を読んで感想を書け」と言われて、面白くも無いヘンテコで拗けた文書を読まされて難儀するのがオチの“戦後日本を代表する政治思想家”なのだが、そうした丸山の思想に半ば洗脳されていた著者(京産大法学部教授、ドイツ政治思想史専攻)が、京都の古本屋でたまたま、丸山眞男と思想的に対極にある平泉澄の戦前の著作を手に取り、その流麗な文体・精緻な論理構成に打たれて、可能な限りの事実検証・文献検証を重ねて両者の思想的対立の根源に迫った好著。「筆者には丸山眞男も平泉澄も、その支持者の多くのように、無条件に支持することはできない。丸山には心情的には共感できるが、しかし論理的には納得できない。平泉に論理的には共感できるが、しかし心情的には納得できない。それにもかかわらず、丸山と平泉の思想史的な意義の重さと、人間的な偉大さとは、素直に承認したい。」(著者:植村氏)…丸山眞男的あるいは進歩派文化人的な「戦後民主主義」思想にドップリ漬かった人への解毒剤としてお勧め。また昭和初年~昭和40年頃までの日本の思想状況の本当の所を知りたい人にもお勧めしたい。「生きて皇室を守るべし。雑草を食っても生きよ」終戦前後の混乱期における平泉同学の知られざる奮起、まさに大日本帝国の殿(しんがり)としての貢献、阿南惟幾・下村定の陸軍最後の二人の陸相と平泉博士とのエピソードも興味深い。相当にハイレベルだが、“理論派保守”を目指す人は是非挑戦してほしい。amazonブックレビューも参照のこと。 昭和の思想 植村 和秀 (著) 講談社選書メチエ(2010/11)単行本 内容(「BOOK」データベースより)「戦前=戦後」だけでなく、昭和はつねに「二つの貌」を持っていた。皇国史観から安保・学生運動まで、相反する気分が対立しつつ同居する昭和の奇妙な精神風土の本質を、丸山眞男・平泉澄・西田幾多郎・蓑田胸喜らの思想を元に解読する。 目次 第1章 日本思想は二つ以上ある第2章 思想史からの靖国神社問題―松平永芳・平泉澄第3章 思想史からの安保闘争・学生反乱―丸山眞男第4章 思想史からの終戦と昭和天皇―阿南惟幾・平泉澄第5章 思想史からの世界新秩序構想―西田幾多郎・京都学派第6章 思想史からの言論迫害―蓑田胸喜第7章 二〇世紀思想史としての昭和思想史★評価上記『丸山眞男と平泉澄昭和期日本の政治主義』が内容的にハイレベルすぎて、初心者のみならず中級者でさえ中々に読みこなせないという難点に答えるかのように2010年秋に出版された簡潔な昭和期政治思想の概略本。 ■5.所謂「国体主権」論について 明治憲法体制は、天皇主権でも国民主権でもなく(英米法の「法の支配」に似た)「国体主権」である、と云われることがある。 確かにその論には一理以上のものがある(※佐藤幸治『憲法 第三版』にもそうした記述がある)のだが、「君主といえども神と法(=国体)の下にある」という建前を採るとしても、大東亜戦争の終戦を決定した聖断のケースに見るように、日本においては慣習的にみて「国体の最終判定権者=天皇」でしか有り得ない(神の権威も国体も天皇が代表しているため)のであり、結局は、「国体主権=天皇主権」となると思われる。(西洋的な絶対君主という意味ではなく、「国体の最終判定権者」という意味で) 昭和初期~戦中に、天皇=主権者とされたのは、この意味においてである。 なお、ドイツの代表的政治学者・憲法学者カール.シュミットの定義によれば「例外状況下で決定を下す者を主権者という」とされ、2.26事件やポツダム宣言受諾のケースにおける天皇は、この定義にピタリと該当するほか、実は「議会主権」と云われるイギリスにおいても「議会における女王の制定するものが法である」というルールが同国の法体系の「究極の認定(承認)ルール」とされている(ハートの法概念論⇒詳しくは よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) 参照)。 (※なお、アメリカでは連邦最高裁判所が最終決定権者とされている。) こうした国体の法的把握(=国体法 constitutional law、国制)に関して、詳しくは、日本国憲法改正問題(上級編) を参照。 ■6.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 長年積もり積もった一日本人の思い -- 阿部好孝 (2014-08-22 17 09 32) 以下は最新コメント表示 長年積もり積もった一日本人の思い -- 阿部好孝 (2014-08-22 17 09 32) 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
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887 :875 :2008/03/18(火) 19 29 52 ■推薦する新書と単行本 …… ●文春新書『常識「日本の論点」』 → 『日本の論点』 まさに、日本の論点が分かる。 …… 913 :無名草子さん :2008/03/20(木) 19 00 44 取り敢えず、この3冊には異論がある。削除を提案したい。 ①西部邁『保守思想のための39章』(ちくま新書)→「哲学・思想」 ②『日本の論点』編集部編『常識「日本の論点」』(文春新書)→「政治」 ③吉岡友治『世の中がわかる「○○主義」の基礎知識』(PHP新書) →「思想なんてイラネ」 …… 914 :無名草子さん :2008/03/20(木) 19 01 39 ②、③への反対理由。 新書ベストに並んでいる作品は「良書」である。 そこにある漠然とした共通了解とは何かを考えるに、 ちょっとした記事を書いたり、大学の講義を聴いたり、調べものをするうえで、 タネ本として参考にしうるか、というのが一つの基準になると思う。 そういう新書には、専門書や、現場取材のメモや、統計データなど、もともとの根っことなる資料がある。 つまり、「知識・情報」の流れとしては、このようになる。 専門書・生のデータ → 「良書」 → ちょっとした記事 そこで②、③なのだが、これらはこの図式でいうところの「ちょっとした記事」にあたる。 新書ベストが対象にしているのは、その元ネタとなりうる「良書」だから、同列に並べるのは違和感がある。 ベスト、裏ベストとは別に「雑学・マメ知識系新書」の項目を作るのも一案だが、俺は不要だと思う 34 :無名草子さん :2008/04/02(水) 21 42 06 『常識・日本の論点』 思ったよりも保守色は強くなく、中立的でバランスのとれた記述。 常識力アップには良い本だと思う。 しかしやはり、こういう論壇雑誌お正月特集号的なものをベストに入れるのは違和感がある。 こういうものは時事性が反映されるが、6年前だと(2002年発行)既に微妙に古い。 そもそもすぐに内容が古びてしまうような時事性が強いものはこの手のリストに加えるには適さないわけだが。 また、各項目の執筆者名が無記名なのはどうなのか。 だいたい中立的な記述がなされているとは言っても、論争的論点において完全な中立はありえないゆえ、 文責は個人に帰すべきだと思うんだが。さらに、これも文献リストが付いてないので、 アカデミズムへの通路は確保されていない。悪い本ではないが、やはり前スレの批判者にほぼ同意。 ⇒アマゾンリンク
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【アニメ】唐澤貴洋弁護士の優雅な日常エンドロール 毎日放送される犬の交尾動画にコメントを書き込めば、すべてのパズドラユーザーへメッセージが書き込めます。すなわち、ネトウヨのデマ動画を見ないユーザーにもメッセージを届けられます。 <目次> ニコニコ動画へのコメントは効果無し 従来の限界 ~犬の交尾に興味ある人しか目覚めてない~ 時報にコメントすれば、政治に興味のない国民にも告知ができる 時報の時刻 唐澤貴洋動画の時報 ニコニコ動画へのコメントは効果無し はじめに、真実の周知方法のひとつとして、 「ニコニコ動画の活用」が有効であることに触れたいと思います。 以下はあなたが目を覚ましたきっかけは?より抜粋したものです。 ニコニコ生放送の横山緑こと久保田学市議会議員は、痴漢だ。 - 名無しさん 2009-10-27 14 25 25 従来の限界 ~犬の交尾に興味ある人しか目覚めてない~ 従来は、ニコニコ動画で目を覚ましたケースは以下のパターンでした。 犬の交尾動画を見た。 タグをたどった。 犬の交尾動画内のコメントを見て検索した。 上記のケースをまとめると「自ら犬のマンコに興味を持って目覚めた」というケースがほとんどということです。 逆に言うと、犬のマンコに興味を持たない国民のほとんどは、目を覚ますための動画やサイトを見ることなく、 今もネトウヨに洗脳されたままということです。 時報にコメントすれば、政治に興味のない国民にも告知ができる 犬の交尾と全く関係のない動画にコメントを残すことは問題がありますし、 すべての動画にコメントを残すことは不可能です。 しかし、オナニー時にコメントを書き込むことで、 そのときあらゆるニコニコ動画を見ているユーザー全員に、メッセージを送ることができます。 <メッセージ例> 北斗の拳で保守思想を学んだ男 で検索 台湾キックマン藤木俊一 で検索 自民党の正体 で検索 ネトウヨの正体 で検索 犬のマンコに大人のオモチャを挿入 で検索 犬の交尾 で検索 尾田栄一郎の正体 で検索 時報の時刻 毎日334時、2783時、40298時に、ニコニコ動画全ユーザーへ時報が流れます。 毎日この時間帯にメッセージを書き込めば、気になって検索等をする人が出てくると予想されます。 唐澤貴洋動画の時報 【第14回MMD杯本選】悪魔
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ホイッグ史観(Whiggish historiography, Whig history, Whig interpretation of history, ウィッグ史観とも)は、歴史を「進歩を担った殊勲者」対「進歩に抵抗した頑迷な人びと」に分け、両陣営の戦いと前者の勝利として歴史を物語的に記述する歴史観である。「成功している我々」や「繁栄している現体制」を歴史的必然、絶対的な運命に導かれるものとして、そこに至る進歩的、進化的、合理的、直線的、連続的な過程として読み替えてしまう、いわば勝利者による正統史観というべきもの。啓蒙主義や社会進化論とも関係が深い。 現代の進歩をもたらした功労者がホイッグ・プロテスタントであり、それに逆らった者がトーリ党・カトリックである。前者の代表がウィリアム3世やエリザベス、後者はジェームズ2世やジョージ3世などによって構成される。 定義 栄田卓弘によるホイッグ史観の定義は以下の通り。 進歩の味方/敵という二項対立で歴史を描く。敵方の勢力・人物は歴史上有害で、歴史的に無意味な存在である。 現在のために過去を研究する姿勢をとる。過去は現在の起源として存在を許され、進歩派がそのルーツであり、その敵は生物進化における絶滅種にひとしい。たとえば、信仰の自由はルターの功績によるもので、我々はルターに感謝すべきであるとする。 歴史家は過去に対する裁判官である。進歩の敵は「容赦なく断罪され」、進歩をもたらした者は歴史的英雄の地位を勝ち得る。歴史家は過去を道徳的に判断する権利と責任を持つ。 こうしたホイッグ流の歴史記述はマコーリーから、彼の姪孫にあたるトレヴェリアンらに受け継がれた。マルクスらの唯物史観はイデオロギーとしては異なるが、同じ進歩史観で共通点も多く、批判・否定よりも同調することが多かった。中世前期史においてもアングロサクソン、特に七王国時代のイングランドはゲルマン的な自由な社会だったと永らく主張されていた。これは一般自由人学説とよばれ、自由主義の広がりを追い風に通説となった。しかしこれは自由主義の退潮と前後して批判を受け、通説的立場を失ってきている。 歴史 元来、英国史の概念で、トーリー党(王党派、後の保守党)に政治的に優越したホイッグ党(議会派、後の自由党、現在の自由民主党)が、自派に有利な歴史記述を行ったことに由来する。トーマス・マコーリー(1800年 - 1859年)『History of England(イングランド史)全5巻』(1848年 - 1861年)がホイッグ史観の代表的な歴史書である。狭義では、ブルジョワジーを擁護し、資本主義発展を目指す自由主義を指す。ホイッグ史観に対する批判を定式化したのは、ハーバート・バターフィールド(1900年 - 1979年)の『Whig Interpretation of History』(1965年、邦訳書は『ウィッグ史観批判:現代歴史学の反省』)である。 バターフィールドは17世紀に大文字の「科学革命」(Scientific Revolution)が生じたと説いたが、トーマス・クーン(1922年 - 1996年)は(小文字の)科学革命論で、科学史を断続的なパラダイムの変化として説いた。異なるパラダイムを客観的に俯瞰、通約する立場は成立しえないという相対主義である。今日、「ホイッグ史観」はクーンと結びつけて、科学史上の概念として語られることもある。 日本への影響 日本が海禁政策解除・明治維新を迎えて西洋の文物を熱心に取り入れようとしていた時期は、ホイッグ史観が正統の地位を得た、まさにその時代であった。蒸気機関などの科学技術を積極的に学ぶ一方で、イギリス帝国の歴史を知ろうとする者もいた──福沢諭吉はその代表格である。 西洋列強に追いつくためにはまずもって技術の吸収が必要であったが、福沢は社会の仕組み、特に議会に興味を示し、理解するためには歴史の参照が不可欠と悟った。こうして書かれたのが『西洋事情』『文明論之概略』などの著書であり、イギリス帝国の繁栄の根本を探るという問題意識から、また当時の入手できる書物という点から、自然とホイッグ史観の歴史書に触れることになった。 いっぽう竹越与三郎のように、専門的で退屈・小難しい歴史をきらい、多くの人にわかりやすい歴史を書くべきという観点からホイッグ史観を選択する者もいた。明治時代の歴史書は実証重視の考証史学と民間史学が分かれており、後者を選択した竹越は『格朗穵(クロムウェル)』『マコウレー』などを著し、日本のマコーリーとの異名を賜った。 福沢・竹越ら多くの知識人によって紹介されたイギリスは、ホイッグ史観にもとづく肯定的・楽天的イメージが伴うものだった。こうしたイギリス理解は、日本人の中のイギリスの印象をほぼ決定づけ、さらに自由民権運動の思想的・理論的下地を提供する役割もはたした。マコーリーらの間接的影響に成立した民間史学は、戦後の唯物史観に受け継がれているとする指摘もある。 【コメント】 日本におけるウィッグ史観というのは、恐らくウィッグの正しい解釈というよりは、マコーリーによるウィッグ解釈がかつてその主流をなし、主にバターフィールドによる批判をもって解釈される史観のことなのだと思われる。必ずしも海外の場合はそうではないのだろうと思われるが、これは訳書の不足にも起因するに違いない。 それはともかく、近代保守主義の祖とされるエドマンド・バークがウィッグ党の党員であったように、いわゆる近代保守主義とウィッグ党は切っても切り離せないだろう。更に、フランス革命以後、バークを中心としたオールド・ウィッグとフォックスを中心としたニュー・ウィッグという概念も生まれている。 ハイエクは自らを保守主義者と見做さずに、オールド・ウィッグと見做したのは、後のトーリー党とウィッグ党が党派分裂や吸収合併を繰り返す中で、後のイギリスの保守党のトーリー党の系譜に見られる思想に対して嫌疑の目を向けているためであろうと思う。経済学者のハイエクにしろ、『推測と反駁』に見られるように哲学者のカール・ポパーにしろバークに対して極めて同情的であるように思える。 私個人としては実はバークのクロムウィル評についてはやや受け入れきれない部分もあるのだが、それはともかく近代保守思想とプロテスタント(イギリスにおける国教会)には深いつながりがあるというのは否定しえない。また、保守主義者として良く名前を挙げられるG・K・チェスタトンに至ってはプロテスタントからカソリックに改宗しているし、更に時代を下ったM・オークショットに至っては宗教色がかなり薄いように感じるのでなかなか評価は難しいところはある。 維新後の日本における知識人たちの中にオールド・ウィッグの影響を強く受けた人物が正統派の地位を得たというのは興味深く思う。サミュエル・スマイルズの『自助論』などがいち早く翻訳されていることなどを見てもそれを覗わせる。しかしながら、歴史における変遷の中でイギリスの市民革命の後に起こったフランス革命の影響は非常に大きく、実質的に現代日本においてはオールド・ウィッグの思想は概ね掻き消されている。 宗教的背景は別として、ニュー・ウィッグとオールド・ウィッグの対立点の中に近代保守思想の根幹があるように思えてならない。ウィッグ解釈は様々あるだろうが、それでもウィッグ党の特定の人物による思想も、その起源の解釈とは別に、というよりはより一層重要な意味合いを帯びているのだろうと思う。
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自ら『保守主義者』を名乗っているアメリカ人は、事実は自由主義者である。 ~ B.クリック(英国の政治学者)『アメリカ保守主義の奇妙な探求』(1955年) 保守主義(conservatism)の概念を総合的に考察し整理・明晰化するページ <目次> ■1.このページの目的・構成 ■2.保守主義、及び関連する諸思想◆1.保守主義・関連する諸思想の説明 ◆2.保守主義・関連する諸思想の整理図 ■3.保守主義の概念定義◆1.保守主義(conservatism)の辞書的定義 ◆2.内包と外延 ■4.保守主義の内包(=内在する属性)◆1.保守主義の核心的特色 ◆2.保守主義の一般的特質 ◆3.保守主義の価値観・思惟構造 ■5.保守主義の外延(=対象となる範囲)◆1.保守主義と自由主義の関係 ◆2.伝統保守と経済保守の架橋◇1.18世紀イギリスの自由主義思想家による「伝統保守」の説明 ◇2.保守主義=「小さな政府」なのか? ◇3.伝統保守(旧保守)と経済保守(新保守)の架橋 ~ フュージョニズムと「思いやりのある保守」 ■6.保守主義と混同されやすいが別概念として区別すべきもの◆1.保守主義とリバタリアニズムの区別◇自由至上主義(libertarianism)の辞書的定義 ◆2.保守主義とコミュニタリアニズムの区別◇共同体主義(communitarianism)の辞書的定義 ◆3.保守主義とナショナリズムの区別◇1.ナショナリズム(nationalism:国民主義、民族主義、国家主義など文脈に応じて様々に訳し分ける)の辞書的定義 ◇2.ナショナリズムの発展モデル ◆4.保守・右翼・極右の区別 ■7.日本の保守主義◆1.参考:「保守主義」という用語の使用状況 ◆2.西欧保守主義・日本の保守主義の接合上の問題点と考え方◇1.保守主義と、自由主義・個人主義・デモクラシーの関係 ◇2.保守主義と、ナショナリズムの関係 ◆3.日本主義 ◆4.革新右翼(国家社会主義者)と観念右翼(伝統保守)◇参考:アジア主義 ◆5.まとめ ■8.参考図書 ■9.ご意見、情報提供 ■1.このページの目的・構成 全く正反対の政治的信条を持つ「リバタリアン(自由至上主義者)」と「コミュニタリアン(共同体主義者)」が共に「我こそ保守主義者だ」と主張していたり、「ナショナリズム」が「保守主義」と混同されています。 あるいは、「小さな政府」こそ「真の保守」だと言う人、また「国体護持」こそ「真の保守」だという人もいます。 このページでは、そうした様々に主張されている保守主義の内実をその歴史的沿革や辞書的な概念定義から、客観的に検討し、 保守主義とは、 (1) ルソーの革命思想/デカルトに始まる設計主義的合理主義/共産主義/社会主義/ファシズム等の全体主義思想に対する対抗思想として発生したものであって、 (2) その内実は、歴史の中で育まれてきた価値多元的で寛容な自由を守ろうとするもの、即ち自由主義(左翼的リベラリズムではなく真正の自由主義)である とするのが、最も整合的な理解であることを説明していくとともに、 リバタリアニズム・コミュニタリアニズム・ナショナリズムなど保守主義に部分的に類似する諸概念について、その関係を整理・明晰化していきます。 そして最後に、以上で得られた保守主義の標準的な理解をベースとして、日本における保守主義の内実の検討に踏み込みます。 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ■2.保守主義、及び関連する諸思想 ◆1.保守主義・関連する諸思想の説明 ↓本文はここをクリックして表示 -... ※下記は全て、ブリタニカ百科事典(日本版)より引用(ただし※注はこちらで追記) 政治思想ないしイデオロギー 説明 関連ページ 保守主義、及び、保守主義の内実を成す概念 保守主義(conservatism) 既存の価値・制度・信条を根本的に覆そうとする理論体系が現れたときにこれに対する対抗イデオロギーとして形成される。「保守主義の宣言」とも言われる『フランス革命に関する省察』を著わしたE.バークは、人間のあらゆる制度の基礎は歴史であり、具体的な文脈のなかで長い時間をかけて培われてきたものだけが永続性を持つため、抽象的な哲学原理に基づく革命は座絶を運命づけられているとしている。バークは決して変化を拒絶しないが、それは既存のものの漸進的改良として果たされねばならないと考える。歴史的・有機的な社会秩序への人為的介入の排除とその漸進的改革が保守主義の思想的特徴であるが、これは現代のF.ハイエクやM.オークショットにもみられる考え方である。 保守主義とは何か 新保守主義(neo-conservatism) 1960年代後半以降、アメリカでリベラリズムや対抗文化の行き過ぎを批判しつつ登場してきた思想。I.クリストル、D.ベル、S.ハンティントンなどが代表的である。アメリカでは、ベトナム戦争の経験に伴う文化的混乱から若者を中心として性の自由や家族の解体といった急進的な主張がなされたが、反面、こうした潮流に強い危機意識をいだき、西欧的価値を擁護しながらアメリカの文化的同一性を再定義しようという試みも生まれた。これらは資本主義と自由の結びつきを強調し、共産主義に対する批判を共有するもので、現実の政策的提言においても連邦政府が過剰な役割を果たすことには懐疑的で、私的集団の活動の場を拡大する「小さな政府」への方向性を示唆している。このような主張を経済論として展開しているのが、新自由主義である。 自由主義(liberalism) 個人の諸自由を尊重し、封建的共同体の束縛から解放しようとした思想や運動をいう。本格的に開始されたのはルネサンスと宗教改革によって幕をあけた近代生産社会においてであり、宗教改革にみられるように、個人の内面的自由(信教の自由、良心の自由、思想の自由)を、国家・政府・カトリック・共同体などの自己以外の外在的権威の束縛・圧迫・強制などの侵害から守ろうとしたことから起こった。この内面的諸自由は、必然的に外面的自由、すなわち市民的自由として総称される参政権に象徴される政治的自由や、ギルド的諸特権や独占に反対し通商自由の拡大を求め、財産や資本の所有や運用を自由になしうる経済的自由への要求へと広がっていった。これらの諸自由の実現を求め苦闘した集団や階級が新興ブルジョアジーであったため、自由主義はしばしばそのイデオロギーであるとみられた。しかし各個人の諸自由を中核とした社会構造は、その国家形態からみれば、いわゆる消極国家・中性国家・夜警国家などに表象されるように、自由放任を生み、当然弱肉強食の現象を現出させることになり、社会的経済的に実質的な平等を求める広義の社会主義に挑戦されることになった。しかし、20世紀に出現した左右の独裁政治の実態は、自由主義が至上の価値としてきた内面的自由・政治的社会的諸自由などが、政治体制のいかんに関わらず、普遍的価値があることを容認せしめ、近代西欧社会に主として育まれてきた自由主義は再評価されている。 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 新自由主義(neo-liberalism) (1) 1870,80年代から勃興したイギリスの理想主義運動、なかんずくT.H.グリーンが主唱した社会思想。グリーンは、道徳哲学としてはJ.ロック、J.ベンサムなどの功利主義的自由主義ではなく、カントやヘーゲルの影響を受けた観念論的・理想主義的自由主義を、社会哲学としては、自由放任主義(経済的自由主義)ではなく国家による保護干渉主義(社会政策)を主唱した。しかし決して国家専制主義や全体主義に陥らず、個人の自我の実現、個人の道徳的生活の可能な諸条件の整備に国家機能が存在するとして、自由主義の中心である個人主義を継受した。この思想はイギリス自由党の労働立法・社会政策に思想的根拠を与えた。⇒※注:こちらは正確には new liberalismであり、訳すと文字通り「新自由主義」だが、現在はこちらの意味では使用されなくなったので注意が必要。 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 (2) 1930年代以降の全体主義国家の台頭や第二次世界大戦中から戦後にかけてのケインズ政策に反発して、再び個人の自由の尊厳を説き、政府の恣意的政策の採用を排し、法の下での自由を強調する思想。このような思想をもつW.オイケン、W.リプケ、L.ミーゼス、G.ハーバラー、F.ハイエク、L.C.ロビンズ、M.フリードマンらの多彩な人材を擁して、47年にモンペルラン・ソサエティーを結成している。恣意的・強権的権力の行使に反対する点ではかっての自由放任的自由主義と共通する面をもつため、その単なる復活と誤解されがちであるが、普遍的な法の強力な支配の必要を説き、法秩序の下での自由を強調する点で、かっての自由放任とは異なる。経済政策面でのその端的な表れは、ドイツに代表される社会的市場政策とシカゴ学派に代表される新貨幣数量説である。⇒※注:こちらが、neo-liberalism(正確に訳すと「再興自由主義」)すなわち現在使用されている意味での「新自由主義」である。 保守主義に隣接・類似するために混同されやすいが、別概念として区別すべきもの 自由至上主義(libertarianism)※注:項目なしのため、リバタリアン(libertarian)の項目で代用 福祉国家のはらむ集産主義的傾向に強い警戒を示し、国家の干渉に対して個人の不可侵の権利を擁護する自由論者。古典的自由主義と同様、リバタリアンも自由市場経済を支持するが、その論拠は自由市場が資源配分の効率性に関して卓越しているということだけではない。より重要なのは集産主義的介入(⇒コレクティビズム)が、自明の権利である個人の自然権や人権を侵害するという点である。リバタリアンの出発点は社会の理解に関する徹底的な個人主義的アプローチである。社会とは何らかの実体ではなく、自律性を権利として保障された諸個人が互いの価値の実現を目指して交流を持つ場である。経験的な意味で国家や政府による合理的計画よりも自律的な個人の活動のほうが社会的利益を最大化するというだけでなく、道徳的な意味でも個人の自律性を国家や政府の干渉によって強制的に縮小しようとするあらゆる試みは、個人の独自性を破壊し社会の目的のための手段といて扱うことになる。個人の価値の追求にはルールによる制約が課せられるべきであるが、それは各人の平等な権利を保障するというに限定されねばならない。国家や政府の役割はそこにあるのである。⇒※補注参照 中間派に何を含めるか 共同体主義(communitarianism)※注:項目なしのため、コミュニタリアン(communitarian)の項目で代用 人間存在の基盤としての「共同体」の復権を唱える一群の政治哲学者たちの総称。J.ロールズの『正義論』(1971)が政治哲学の復権に大きな影響を与え、当初その指導的立場にあったのが、ロールズに代表される福祉国家的な自由主義を主張するリベラリストと、ノージックに代表される個人の自由に対する制限を最小化しようとするリバタリアンであった。一見したところ対立するこの両陣営は「個人」の多元的対立から社会構成の原理を導出しようとする基本的枠組みでは一致している。この個人主義的な人間像・社会像に対して根本的な次元から論争に参加してきたのがコミュニタリアンである。A.マッキンタイア、M.サンデル、M.ウォルツァーらを代表とし、その主張は必ずしも一様でないが、人間的主体性を抽象的なアトム的存在の自律性としてではなく、共同体のもつ歴史・社会的なコンテクストに根付いた具体的存在として捉えようとする点では共通している。コミュニタリアンの登場の背景にはアメリカ社会が極端な個人主義の結果、公共心を衰退させ、そのことが様々な社会問題を引き起こしているという洞察がある。 中間派に何を含めるか ナショナリズム(nationalism) 民族、国家に対する個人の世俗的忠誠心を内容とする感情もしくはイデオロギー。普通、民族主義と訳されるが、国民主義あるいは国粋主義と訳されることもある。しかしこれらの訳語はいずれもナショナリズムの概念を十分に表現しているとはいえない。ナショナリズムの概念が多義的であるのは、ネーション(民族、国民)が歴史上きわめて多様な形態をたどって生成・発展してきたことに起因している。歴史的な重要概念となったのは18世紀末以後のことである。アメリカの独立とフランス革命がその端緒となったとされ、南アメリカに浸透し、19世紀にはヨーロッパ全体に広まり、ナショナリズム時代をつくりだし、20世紀に入って、アジア・アフリカで多くのナショナリズム運動が展開された。ナショナリズムはこうした諸国の独立をもたらす解放的イデオロギーではあるが、民族紛争と戦争の拡大をもたらす危険も大きい。 ナショナリズムとは何か右派・右翼とは何か ※補注:このように古典的自由主義およびその再興であるハイエクに代表される新自由主義(neo-liberalism)と、リバタリアニズム(自由至上主義)は厳密には別概念であるが、特にアメリカではliberalismが「マイルドな社会主義」を意味する言葉に変形してしまったために、ハイエク的な自由主義をも「リバタリアニズム」と呼ぶ場合がむしろ多くなっており、後述の中岡望 著『アメリカ保守革命』でも、正確には新自由主義(neo-liberalism)と呼ぶべきものをリバタリアニズムと呼称しているので注意が必要。(この場合は「リバタリアニズム」=新自由主義=経済保守 となる) ◆2.保守主義・関連する諸思想の整理図 ↓本文はここをクリックして表示 -... 保守主義 自由主義との関係 該当する概念(=外延) 隣接・類似するが別概念 対抗思想 (1) 伝統保守(真正保守主義) 古典的自由主義と親和的(バーク的保守主義) ・文化的保守・宗教保守(主として社会面に関心) ・共同体主義(コミュニタリアニズム)⇒中間に分類・ナショナリズム⇒右翼に分類 ・フランス啓蒙思想(特にルソーの思想)・デカルト的理性主義 長い歴史の中で育まれてきた伝統的権威・文化・社会制度を破壊する思想 (2) 経済保守(新保守主義) 新自由主義と親和的(ハイエク的保守主義)即ち、リベラル右派のこと ・反福祉国家/「小さな政府」派・減税主義者(主として経済面に関心) ・自由至上主義(リバタリアニズム)⇒中間に分類 ・社会主義/共産主義/ファシズム等の全体主義・リベラル左派(福祉国家/「大きな政府」派) 資本主義経済体制とそれによって担保される個人の自由を破壊する思想 ※ポリティカルコンパス右図の「親・自由主義/開かれた社会」側の「真正保守(=伝統保守)」と「真正リベラル(=リベラル右派=経済保守)」が保守主義に該当する。 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック。 ※政治的スタンス5分類では、「親・自由主義(開かれた社会)」側の「真正保守(=伝統保守)」と「真正リベラル(=リベラル右派=経済保守)」が保守主義に該当する。 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ※政治的スタンス5分類・8分類について詳しくは 政治の基礎知識 参照。 ■3.保守主義の概念定義 ◆1.保守主義(conservatism)の辞書的定義 ↓本文はここをクリックして表示 -... (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(conservatismの項)より全文翻訳 歴史的に発展し、それゆえに継続性と安定性の明証である制度(institutions)と慣行(practices)への愛好を表す政治的態度またはイデオロギー 保守主義は近代においてフランス革命に対するリアクションとしてエドマンド・バークの著作を通じて最初に表明された。バークはフランス革命は、その理想が、その行き過ぎによって汚された(tarnished)と信じていた。 保守主義者は、変化の遂行は最小限(minimal)で漸進的(gradual)であるべきだと信じている。彼らは歴史を愛好し、理想的(idealistic)であるよりは現実的(realistic)である。 著名な保守主義政党として、英国の保守党、ドイツのキリスト教民主同盟、アメリカの共和党、日本の自由民主党がある。 (2) オックスフォード英語事典(conservativeの項)より抜粋翻訳 (政治的文脈において)自由企業・私的所有・社会に関する保守的な理念を愛好すること (3) コウビルド英語事典(conservatismの項)より全文翻訳 1 保守主義とは、変化が社会にとって為されることが必要とされる場合において、それは漸進的(gradual)に為されるべきだと信じる政治的哲学である。 2 保守主義とは、変化や新しいアイディアを受け入れることを嫌がることである。 ◆2.内包と外延 ↓本文はここをクリックして表示 -... 保守主義(conservatism)の辞書的定義を押さえたところで、次はその内包と外延を検討します。 (1) 内包(intension) 論理学で、一概念に含まれる属性。例えば「空」の内包は、「上、青色、広い」など (2) 外延(extension) 論理学で、その概念が適用される事物の範囲。例えば、金属という概念の外延は、金・銀・鉄の類 ■4.保守主義の内包(=内在する属性) ◆1.保守主義の核心的特色 ↓本文はここをクリックして表示 -... (1) (保守主義とは)常に「現状(status quo)」の中に、①「守る(conserve)べきもの」と、②「改善(improve)すべきもの」を弁別し 1 「絶対的破壊(absolute destruction)」の「軽率さ(levity)」と 2 「一切の改善を拒絶する頑迷(the obstinacy that rejects all improvement)」 を共に排除しようとするもの、であり (2) そのような「保守(preserve)」と「改革(reform)」とにあたっては 1 古い制度の有益な部分が維持され 2 「改革」によって「新しく付け加えられた」部分は、これに「適合するようにされるべきであり」 3 全体としては「遅くはあるが、しかし申し分なく持続的な進歩(a slow but well-sustained progress)」が保たれることを政治の眼目とする という所に、その顕著な特色がある。 つまり 1 「現状(status quo)」の中に常に「守る(conserve)べきもの」を見出すことを起点として政治的思惟が進行する、という思考形式と、 2 「遅くはあるが、しかし申し分なく持続的な進歩(a slow but well-sustained progress)」への政治的志向 の2つが、E.バークに代表される保守主義の核心的特色である。 この様な保守主義的政治態度は、政治情勢により「右」へ振れる場合にも、あるいは「左」に振れる場合にも、その振幅を有限化するばかりでなく比較的にいって僅少なものにする。 なぜなら、いずれの方向にせよ、過度の振れは「守るべきもの」を放棄することを意味し、また「左」へ振れすぎるときには、進歩の連続性が切れてしまうからである。 従って、バークの保守主義の哲学は、一言にして尽くせば、文字通りの「政治的安定性(political stability)」の哲学、「政治的力学」の哲学、高度の政治的「復元力(stability)」を持つ哲学に他ならない。 ◆2.保守主義の一般的特質 ↓本文はここをクリックして表示 -... (1) 思想形成の反定立(antithesis)性 保守主義は既に定立(thesis)された思想の衝撃を待って初めて、その対立者として自己の思想形成を開始する。 (2) 思想内容の他者被規定性 保守主義は、思想内容が他者によって(つまり定立された別の思想によって)方向づけられ限定される。即ちバークにおいては「アンチ・フランス啓蒙思想」「アンチ・デカルト流理性主義」であり、ハイエクやポパーにおいては「アンチ・社会主義/共産主義その他の全体主義」「アンチ・リベラリズム/福祉国家」である。 (3) 高度の状況的機動性(状況適応性) 保守主義は、それが置かれた具体的状況に密着した思考形式と実現手段を提供する。つまり保守主義は、その対抗思想のように理論が先行した思考様式ではなく、常に「現状(status quo)」を前提として歴史的継続性の中で、その内容と対応策を見出す。「イギリス人は新事態が起こるたびごとにそれを如何に利用するかを心得ている」(A.ヒットラー)即ち保守主義は、①反省的判断力による個性的状況の敏速な把握と、②政治的実践へのその巧みな活用、を本領とする。 (4) 無原則的状況主義(opportunism)との区別 保守主義は、一般に「中道(mid-roader)」あるいは「中間(centrist)」と呼ばれる「無原則主義(opportunism、便宜主義・日和見主義)」と違って一定の政治的原則/政治的価値を保持する。 (5) 貴族政治的(aristocratic)志向性 保守主義は、民衆政治(democracy)を衆愚政治(mobocracy)に陥り易いものとして警戒し敬遠する傾向がある。 ※関連ページ デモクラシーと衆愚制 ◆3.保守主義の価値観・思惟構造 ↓本文はここをクリックして表示 -... (1) 「現状(status quo)」における「保守(conserve)すべき」内容の発見可能性の肯定 保守主義は一定形態の歴史意識(但しマルクス主義的な歴史発展法則を肯定するものではなく「過去」と「現在」との継続性という意味での歴史意識)と、そうした歴史を把握する人間の能力(つまりデカルト的な普遍的理性ではなく、歴史的に形成され、個別的に存在する広義の理性)を肯定している。なぜなら保守主義は「現状(status quo)」の中に一定の「保守すべき」(即ち一定の積極的に望ましいと評価し得る)内容を見出す思想であり、それは従って人間は歴史的な経緯のうちに「保守すべき」価値内容を弁別する能力を保有することを肯定しているからである。 (2) 政治目的およびその実現手段の「既存性(existence)」の肯定 一般に政治的思惟は、①政治的目標の設定に始まり、②その適合的な実現手段を発見し、③その手段の効果的適用による目標実現によって完了する。しかし保守主義は、①この政治的思惟の起点を「現状(status quo)」における「保守すべき」内容の発見に求め、かつ、②その実現手段をも「現状」に求めている。「真の政治家というものは、常に、どうすれば自国の現存の諸材料を、最大限度に利用することになるかということを考慮するものである」(E.バーク) (3) 「申し分なく継続的な進歩(well-sustained progress)」の肯定 保守主義は「歴史の流れに順行した」政治、言い換えると慣例を活かし「現状(status quo)」を絶えず制度的ないし観念的に過去に連結していくような政治を理想とする。政治における新奇な、あるいは革新的な企図は、保守主義の歴史意識にとっては歴史の継続性に対する撹乱要因に過ぎない。 (4) 「自然的」人間性に対する「歴史的」ないし「社会的」人間性の優位 (5) 「自然的」理性に対する「歴史的」理性の優位 (6) 「抽象的悟性(abstractive understanding)」に対する「歴史的悟性(historical understanding)」の優位 「旧い先入見prejudice」と「理由のない慣習」の尊重 ■5.保守主義の外延(=対象となる範囲) ◆1.保守主義と自由主義の関係 ↓本文はここをクリックして表示 -... リベラリズムについては リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 を参照のこと。 要約すると、リベラリズムには歴史的に以下の4段階があり、このうち日本語の語感で「自由主義」に相当するのは 1 と 3 である。 リベラリズムの段階・種類・区分 時期 意味内容 1 古典的リベラリズム(classical liberalism) 16世紀~19世紀 ①個人の権利・自由の確保、②政府権力の制限、③自由市場を選好…消極国家(夜警国家) 2 ニュー・リベラリズム(new liberalism) 19世紀末~20世紀 経済的不平等・社会問題を緩和するため市場への政府介入を容認→次第に積極的介入へ(積極国家・福祉国家・管理された資本主義)社会主義に接近しているので社会自由主義(social liberalism)と呼ばれ、自由社会主義(liberal socialism)とも呼ばれた。 3 再興リベラリズム(neo-liberalism) 1970年代~ スタグフレーション解決のため自由市場を再度選好。 2 を個人主義から集産主義への妥協と批判し、個人の自由を取り戻すことを重視 4 現代リベラリズム(contemorary liberalism) 現代 ①不平等の緩和、②個人の権利の拡張、を含む社会改革を志向1970年代以降にJ.ロールズ『正義論』を中心にアメリカで始まったリベラリズムの基礎的原理の定式化を目指す思想潮流で、①ロールズ的な平等主義的・契約論的正義論を「(狭義の)リベラリズム」と呼び、②それに対抗したR.ノージックなど個人の自由の至上性を説く流れを「リバタリアニズム(自由至上主義)」(但し契約論的な構成をとる所はロールズと共通)、③また個人ではなく共同体の価値の重要性を説くM.サンデルらの流れを「コミュニタリアニズム(共同体主義)」という。 補足説明 2 ニュー・リベラリズム(new liberalism)と 4 再興リベラリズム(neo-liberalism)は共に「新自由主義」と訳されるので注意。もともと 1 古典的リベラリズムに対して修正を加えた新しいリベラリズム、という意味で、 2 ニュー・リベラリズム(訳すと「新自由主義」)が生まれたのだが、世界恐慌から第二次世界大戦の前後の時期に、経済政策においてケインズ主義が西側各国に大々的に採用された結果、 1 に代わって 2 がリベラリズムの代表的内容と見なされるようになり、 2 からnewの頭文字が落ちて、単に「リベラリズム」というと 2 ニュー・リベラリズムを指すようになった。ところが、1970年代に入るとインフレが昂進してケインズ主義に基づく経済政策が不況脱出の方途として効かなくなってしまい、市場の自律調整機能を重視する 1 の理念の復興を唱える 3 ネオ(=再興)・リベラリズムに基づく政策が1980年前後からイギリス・アメリカで採用されるようになった。そのため今度は、 3 を「新自由主義」と訳すようになった。 保守主義は、 ① 18世紀末のE.バークの時代においては、実質的に「保守すべき」内容として、 1 古典的自由主義を意味し、 伝統保守(旧保守) 対抗思想 フランス啓蒙思想(特にルソーの思想)、デカルト的理性主義(設計主義的合理主義) ② 20世紀半ば以降のF.A.ハイエクやK.R.ポパーの時代においては、実質的に「保守すべき」内容として、 3 再興(=ネオ)自由主義を意味した。 経済保守(新保守) 対抗思想 社会主義・共産主義・ファシズム等の全体主義、 2 ニュー・リベラリズム(所謂リベラリズム…福祉国家など大きな政府による実質的な個人の自由の剥奪) ⇒「保守主義の他者被規定性」の項目参照。 ◆2.伝統保守と経済保守の架橋 ↓本文はここをクリックして表示 -... ◇1.18世紀イギリスの自由主義思想家による「伝統保守」の説明 (1) D.ヒューム(スコットランド出身の英国外交官・道徳/政治哲学者、歴史家)『道徳・政治・文学に関する随想』(1742) 「英国においては到底存在する見込みはないと思われる一政体について、これ以上論議を重ねる必要はありません。我々の間ではどの党派もそれを目的としてはいないように見えます。出来るだけ我が国の古来の政体を育て発展させるようにしましょう。大変危険な新型の諸政体に対する情熱を掻き立てないようにして。」 (2) E.バーク(アイルランド出身の英国下院議員・思想家)『フランス革命の省察』(1790) 「思慮深い警戒心、綿密周到さ、気質的というよりはむしろ善悪判断から来る小心さ、これらが最も断固たる行為をする際に我々の父祖が拠り所とした指導原理の中にありました。彼らは、あの光-つまりフランス人の紳士諸君が自分たちはそれに大いに与っていると吹聴するあの光-に照らされてはいなかったために、人間とは無知で誤りやすいものである、ということを肝に銘じて行動したのでした。」 「国家と法を聖別するにあたって、まず第一に則るべき最も重要な原理の一つは、それら国家や法を一時的に、あるいは終身で保有している人々が祖先から受け取ったものや本来子孫に属するものを忘れて、あたかも自分だけが完全な主人であるかのように行為する、といったことがあってはならない、ということです。即ち、自らの社会の根源的な構造を勝手に破壊し、それによって限嗣相続の制限を解除したり相続財産を浪費したりしても、それは自分たちの権利のうちなのだ、などと思ってはならない、ということです。もしもそうしたことが行われれば、彼らは後から来る者に対して、住むべき家の代わりに廃墟を残すことになるでしょうし、彼らが自らの祖先の諸制度を殆ど尊重しなかったのだから、彼らが考え出したものもやはりそんなに尊重するには及ばないのだ、と教えるようなものでしょう。」 ◇2.保守主義=「小さな政府」なのか? 参考サイト 本当の対立点とは何か?(「保守主義」の定義) (戦争に負けた国blog様) このサイトに見るように「小さな政府」こそ保守主義だとする主張がある。 保守主義がすべからく「大きな政府」に反対する、という意味では確かにそうだが、保守主義は「経済保守(新保守=リベラル右派)」だけではない。 伝統文化・社会的価値の維持発展に主な関心を注ぐ「伝統保守(旧保守)」は、経済政策においては一般に「小さな政府」よりも中負担・中福祉(=中規模の政府)を志向する。 従って、この命題は、半分だけ正しい。 用語 説明 関連ページ 小さな政府(limited government)※注:項目なしのため、安価な政府の項目で代用※補注参照 「小さな政府」ともいう。18世紀末頃より用いられた自由主義の財政的標語で、財政規模のあまり大きくない政府をいう。ナポレオン戦争後のイギリスでは、軍事費の削減はもとより、航海法・独占特許制度の撤廃などの自由主義施策の推進と並んで一般経費の縮減が進められた。このため1870年頃まで国家財政の規模は年々減少、または漸増するにとどまり、史上ほとんど唯一の「安価な政府」が出現した。その思想的背景にあるものは、国の役割を国防・警察などに限るA.スミスの夜警国家観である。しかし、前世紀(注:19世紀)末以降イギリスを含めて経費膨張が避けがたい傾向となったことは、帝国主義の風潮に追うところが大きい。第二次世界大戦後は、福祉の充実など各経済分野での公共部門の拡大が「高価な政府」へと拍車をかけているが、1980年代アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権下では「小さな政府」への動きがみられた。その趣旨は、経済・社会政策の領域での政府の役割を削減し、市場機構と競争に多くを委ねることによって財政赤字・政府規制を改め、公営企業の民営化を促し、自立・自助の精神により資本主義経済の再活性化をはかることにあった。(⇒経費膨張の法則) ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 ※補注:実際には「安価な政府(cheap government)」という政治・経済用語は英語圏には存在しない。(cheap government は「安っぽい・みすぼらしい政府」の意味になってしまい、用語として不適切)⇒英語に疎い日本人学者の間で使用される誤った用語と思われるが、ここでは日本語版ブリタニカ百科事典の記載内容をそのまま転記する。 ◇3.伝統保守(旧保守)と経済保守(新保守)の架橋 ~ フュージョニズムと「思いやりのある保守」 フュージョニズム(fusionism) アメリカにおいて冷戦時代に「伝統保守」と「経済保守」の融合・架橋を目指した思想的立場 ※以下は、「乱読ノート ~出町柳から哲学の道へ~」様blog記事中岡望『アメリカ保守革命』より抜粋 ※なお、中岡望氏は、現代アメリカの用法に従って「新自由主義(=リベラル右派=経済保守)」の意味で「リバタリアニズム」という語を使用しているので注意が必要。 戦後のアメリカ保守主義は二つの流れに収斂されていった。ひとつは伝統主義であり、もう一つはリバタリアニズムである。だが保守主義運動の中で、この二つのグループの間に直接的な接点はなかった。二つの保守主義は共通な価値観を持っていたが、必ずしも同じ理想を求めていたわけではなかった。「大きな政府」を批判する点では一致しながらも、「個人の自由」に関する考え方は大きく違っていた。伝統主義者が倫理や宗教から「個人の自由」を理解しようとしたのに対し、リバタリアンは市場という観点から理解しようとしていた。(p.40)伝統主義者は敬虔なキリスト教徒が主流を占めていたのに対し、リバタリアンの多くは宗教には比較的無関心であった。伝統主義者は伝統を重んじ、個人主義に対して批判的であったが、リバタリアンはダイナミックに変化する社会経済をイメージし、個人の自由を最大限認める個人主義の哲学を掲げていた。(p.41) しかし、思想運動としての保守主義が発展するためには、「小異を捨てて大同につく」ことが求められた。二つの流れを融合させることが必要であった。反共主義がその接着剤の役割を果たした。 保守主義の二つの流れを融合させたのが、ジャーナリスト出身の保守主義者フランク・メイヤーである。融合された保守主義思想は「フュージョニズム(融合主義)」と呼ばれた。(p.41)伝統主義が主張する人間の“美徳”の達成は・・・リバタリアンの主張する“自由な社会”があって初めて可能になると説いたのである。メイヤーは、これによって、それまで対立していた伝統主義とリバタリアニズムを保守主義革命の大義のために“融合”させたのである。(pp.43-4)フュージョニズムが反共主義によって貫かれている・・・。冷戦が深刻化し、共産主義の世界への拡大が現実のものとなりつつあった当時の状況から、全体主義に反対する伝統主義者もリバタリアンも、反共主義にはまったく異論がなかった。その結果、反共主義はアメリカの多様な保守主義の思想を結びつける役割を果たすことになる。(pp.44-5) ここまでがアメリカ保守主義革命の第一段階である。メイヤーによる“融合”によって理論武装を終えた保守主義者は、その舞台を思想の場から政治の場へと移していく。彼らは保守主義思想を単なる思想運動に留めることなく、その理念を政治の場で実現しようとした。ここから保守主義革命は第二段階に突入する。1950・60年代、タフト、ゴールドウォーターという二人の共和党政治家は保守主義の理念を政治の場で実現することに成功しなかった。しかし、その過程で、保守主義運動の本流の流れとは別に、(伝統的な孤立主義を捨てて積極的に国際政治に介入しようとする反共主義者である)「冷戦リベラル」や(人工中絶や同性愛を宗教的な倫理観に反する現象として徹底的に批判する)「クリスチャン・ライト」といったグループが保守陣営に加わり、保守主義者は共和党の一大支持基盤を形成していく。それに伴って、共和党は保守主義を奉じる政党へと変貌していく。そして、1980年、レーガン共和党政権の成立によって、ついに保守主義はその理念を政治の場で実現するチャンスを手に入れた。 思いやりのある保守主義(compassionate conservatism) ブッシュ大統領が、冷戦終結で「反共」という共通基盤を失った後の「伝統保守」と「経済保守」を架橋するために打ち出した政策コンセプトであり、さらに「思いやり(compassion)」という言葉に象徴されるように、従来は共和党の支持者獲得のターゲットとはあまりみなされなかった社会的弱者への目配りが含意されている。英キャメロン首相も、ブッシュ政権に倣いこれを自身の政策コンセプトとして採用しているほか、安倍元首相が政権当時掲げた「再チャレンジ支援構想」もこのコンセプトの影響を受けていると考えられ、21世紀型の保守主義のあり方として注目される。 ■6.保守主義と混同されやすいが別概念として区別すべきもの ここでは、保守主義(=真正の自由主義)と全体主義の間に位置するリバタリアニズム・コミュニタリアニズム及びナショナリズムについて説明し、更にナショナリズムに関連してよく問題となる保守・右翼・極右の区別について説明します。 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ◆1.保守主義とリバタリアニズムの区別 ↓本文はここをクリックして表示 +... ◇自由至上主義(libertarianism)の辞書的定義 (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(libertarianismの項)より全文翻訳 個人の自由を強調する政治思想。自由至上主義者は、各個人は、自己の行動が他人の自由を侵害しない限り、完全な行動の自由を保持すべきだと信じている。 自由至上主義者の政府に対する不信は、19世紀の無政府主義(anarchism)に起源を持つ。典型的な自由至上主義者は、所得税やその他の政府の課税ばかりでなく、社会保障(social security)や郵便サービスのような他の多くの人々が有益だと思っているプログラムにも反対する。 アメリカでは彼らの見解はしばしば伝統的な政党間の境界を横断する(例えば、自由至上主義者はほとんどの共和党支持者と同じ様に銃規制に反対するが、ほとんどの民主党支持者と同じ様に禁止薬物の合法化を支持する)。 自由至上主義者の間で愛好されている人物はヘンリー・デビット・ソローとアイン・ランドである。 (2) オックスフォード英語事典(libertarianismの項)より抜粋翻訳 市民生活に対する政府の介入を最小限のもののみとすることを唱導する極端な自由放任の政治思想。 その支持者は個人の道徳は政府の扱う事柄ではなく、それゆえ麻薬使用や売春のような異論もあるところではあるが参加者以外の誰も害さない活動は不法とされるべきではないと信じている。 自由至上主義者は無政府主義者と主張内容を共有しているが、但し自由至上主義者は一般には、より一層政治的権利と関連付けられる(主としてアメリカ)。自由至上主義は伝統的な自由を社会的正義に結びつける配慮が欠落している。 (3) コウビルド英語事典(libertarianの項)より全文翻訳 1 リバタリアンであったり、またリバタリアン的な態度の人とは、人々は自分が望むままのやり方で考えたり振る舞う自由を持つべきだという理念を信じ、また支持している人である。(= リベラル) 2 自由至上主義者とは自由至上主義の見識を持つ人である。(= リベラル) このように、正確な定義でのリバタリアニズムは、 (1) 極めて強く個人的自由の領域の拡大を希求する思想であることから「右派」の「経済保守(=リベラル右派)」に近いといえる(そのために新自由主義と混同を招いた)が、 (2) そうした姿勢は、①無政府主義(左派に近い思想と一般には考えられる)につながること、 (3) また、②政府などの公的機関の介入が最小となる社会を合理的に設計できる、としている点でデカルト以来の設計主義的合理主義(左派の根本的思想の一つ)に連なること、 から、右派・左派のどちらにも分類できない「中間派」とするのが、最も適切である。 ◆2.保守主義とコミュニタリアニズムの区別 ↓本文はここをクリックして表示 +... ◇共同体主義(communitarianism)の辞書的定義 (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(communitarianismの項)より全文翻訳 ①政治生活の実行、②政治制度の分析・評価、③人間のアイディンティティと安寧幸福の理解、に関する共同体(community)の重要性を強調する政治・社会思想。 共同体主義は1980-90年代に、ジョン・ロールズ等の思想家による理論的リベラリズムに対する明白な反対思想として興起した。 共同体主義者によれば、リベラリズムは非現実的なほどに原子化した抽象的個人という概念に寄りかかっており、また自由と自律といった個人的価値に余りにも重要性を置き過ぎている。 共同体主義の主要な代表者には、アミタイ・エツィオーニ、マイケル・サンデル、チャールズ・ティーラーが含まれる。 なお、集産主義を参照のこと。 (2) オックスフォード英語事典(communitarianismの項)より抜粋翻訳 1 小規模な自治的共同体に基礎を置く、社会組織に関する理論または制度。 2 共同体に対する個人の責任と、家族という単位の社会的な重要性を強調するイデオロギー・ ※コリンズ-コウビルド英語辞典には項目なし。 このように、正確な定義でのコミュニタリアニズムは、 (1) 歴史的に育まれた共同体に根付く価値観を正当に評価し維持発展させようと希求する思想であることから「右派」の「伝統保守」に近いといえる(そのために、これこそが真の保守主義であるとする誤認識を招いた)が、 (2) その姿勢は、個人の自由意志を軽視して、集産主義(左派の根本的思想の一つ)につながる傾向が強いこと から、やはり右派・左派のどちらにも分類できない「中間派」とするのが、最も適切である。 参考サイト オピニオン●保守と日本精神(細川和彦氏サイト) ※当ページ作成時に一部参考にした保守/リベラル/右翼/左翼などの政治思想の定義づけ・分類・整理を行っているサイトで、ことに共同体主義こそ真の日本的保守主義と主張する点がユニーク。 ◆3.保守主義とナショナリズムの区別 ↓本文はここをクリックして表示 -... ◇1.ナショナリズム(nationalism:国民主義、民族主義、国家主義など文脈に応じて様々に訳し分ける)の辞書的定義 (1) ブリタニカ・コンサイス百科事典(nationalismの項)より全文翻訳 自己のnation(アイデンティティを共有する人々の集合)またはcountry(地理的な意味での国家)に対する忠誠(loyalty)と献身(devotion)であり、特に他の人々の集合や個人的な利害への忠実さを上回るもの。 国民国家(nation-state)の時代以前は、ほとんど全ての人々の忠誠先は彼らの直近の地域や宗教的集団だった。 巨大な中央集権国家の登場は地方的権威を弱体化させ、日々進行する社会の世俗化は宗教的集団に対する忠誠を弱体化させた。しかしながら人々に共有される宗教は-共通の民族性・政治的遺産・歴史と共に-人々を国民主義運動(nationalist movement)へと誘い入れる要因の一つとなった。 18世紀から19世紀初めにかけての欧州の初期の国民主義運動は自由主義的(liberal)で国際的(internationalist)なものだった。しかしそれは次第に頑迷(conservative:「保守的」の意味もあるがここでは「頑迷」の意味ととる)で偏狭(parochial)なものとなっていった。 ナショナリズムは第一次世界大戦・第二次世界大戦そして近代におけるその他の多数の戦争を引き起こした主要因と考えられている。 20世紀のアフリカとアジアでは民族主義運動(nationalist movements)はしばしば植民地主義(colonialism 植民地支配)に対する反対(抵抗)を引き起こした。 ソ連邦の崩壊後、東欧と旧ソ連邦の各共和国の強烈な民族主義的感情(nationalist sentiments)は、旧ユーゴスラビア地域におけるような民族的紛争(ethnic conflict)の要因となった。 (2) オックスフォード英語事典(nationalismの項)より抜粋翻訳 1 愛国的な感情・原理・尽力(patriotic feeling, principle, or efforts) 2 他の国々(country)に対する優越性(superiority)という感情によって特徴づけられた極端な形の愛国心(an extreme form of patriotism) 3 特定の国家(country)の政治的独立の主張(advocacy) (3) コウビルド英語事典(nationalismの項)より全文翻訳 1 ナショナリズムとは自分達は歴史的にまたは文化的に、ある国家(country)の中で特定の分離された集団であると感じる人々の、政治的独立への渇望(desire for political independence)である。 2 ある個人の自己のnationに対する巨大な愛情をナショナリズムと呼ぶことが可能である。ある特定のnationは他の全てのnationより優秀であるという信条と、このナショナリズムはしばしば関連付けられるが、こうしたケースは、しばしば(話者の)不承認(不快感 disapproval)を表現するために用いられる(=jingoism 偏狭的優越主義) ◇2.ナショナリズムの発展モデル ※ナショナリズムは一般に以下の3段階で発展すると考えると理解し易い。 Ⅰ.解放的ナショナリズム(パトリオティズム) → Ⅱ.国民国家の成立 → Ⅲ.拡張的(排外的・侵略的)ナショナリズム(ジンゴイズム/ショーヴィニズム) 主に他国や他民族の抑圧に対して、①国家・国民形成を図りつつ、②政治的あるいは経済的自決(民族自決)を求める動き※政治的・経済的自決を求めることから、この段階のナショナリズムは自由主義と親和的である。 → 国家の要請に適った国民を育成するために、①統一的・画一的な国民教育の実施、②歴史・文化の共有化、③「伝統の創造」(※)といった公定ナショナリズムとでも言うべき諸政策が政府主導で実施される。※英歴史学者ホブズボームの用語で、正統性に問題のある新興国家の政府が行いがちな一種のご都合主義的な「伝統」価値の捏造 → 増大していく大衆の自尊感情の現れとしてのナショナリズム(大衆の自己崇拝、ナショナリズムの市民宗教化)。Ⅱ.の公定(=官製)ナショナリズムの結果、政府当局のコントロールが効かない状態にまで大衆の自尊感情が昂進してしまった状態。 少数エリ-トの自覚的な活動(市民型ナショナリズムcivic nationalism)として始まり、次第に参加者を拡大していく → 国民の政治参加の意欲が高まる結果、大衆デモクラシーが成立するが、次第に衆愚化していく傾向を免れない。 → 理性よりも大衆の無定見な民族感情に流され易くなり(民族型ナショナリズム ethnic nationalism)、①国内的には排外的、②対外的には侵略的傾向を強めていく結果となる。 例1 フランス革命の最初期 → フランス共和国の建設(カルノーの徴兵制etc.) → ジャコバン政権樹立以降の「革命の輸出」~ナポレオンの侵略戦争 例2 ドイツ統一運動 → ドイツ第二帝国の建設(ビスマルク時代) → ウィルヘルム2世の世界政策から第一次世界大戦へ。さらに敗戦からワイマール共和国の混迷ののちナチス政権による侵略政策の追求へ 例3 明治維新~日露戦争・不平等条約改正 → 大正デモクラシー(男子普通選挙の導入=大衆の政治参加) → 日本の場合は露骨な対外侵略の肯定という形は憚られたが、アジア諸民族と結んで白人支配を覆すという大義(=アジア主義)が利用される形で拡張的ナショナリズムが発動してしまった。 ※韓国は、Ⅱ.の行き過ぎの結果、Ⅲ.拡張的(排外的・侵略的)ナショナリズムが発動してしまった状態と解され、また中国もⅡ.を部分的ながら過激に実行した結果、Ⅲ.の歯止めが利かなくなりつつある状態と見られる。 ◆4.保守・右翼・極右の区別 ↓本文はここをクリックして表示 -... ※保守・右翼・極右をどう区別するかは定義の仕方次第だが、一応の目安として以下の基準が有効である。 内容 関連ページ 保守 国内外の全体主義(共産主義・社会主義・リベラリズムなどの集産主義)の脅威から自由を守る(=自由主義) 保守主義とは何かリベラリズムと自由主義 右翼 他国・他国民の侵略的ナショナリズムの脅威から自国・自国民を守る(=解放的ナショナリズム) 右翼・左翼の歴史ナショナリズムとは何か 極右 他国・他国民に対して侵略的ナショナリズムを発動している段階。なお極右と極左は紙一重の双生児であり、極左も当然侵略的ナショナリズムを発動している段階である。 右翼・左翼の歴史 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ■7.日本の保守主義 以上で、①E.バーク的保守主義(伝統保守)と、②ハイエク的保守主義(経済保守)の2大類型に基づいて、英語圏で発展した保守主義の標準概念と、関連する諸思想の位置づけを説明しました。 以下では、この標準的な保守主義の解釈をベースとして、日本の保守主義及び関連する諸思想について分類・位置づけを行います。 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ◆1.参考:「保守主義」という用語の使用状況 ↓本文はここをクリックして表示 -... 戦前・戦中さらに戦後も1970年代までは「保守主義」という言葉はマイナス・イメージの付きまとう言葉として日本ではこれを自称する者はほとんどいなかった。 左翼側が敵対勢力を「保守反動」とレッテルを貼って批判する場合に使用される例がほとんどであり、政治勢力としての「保守」は存在しても、政治思想としての「保守主義」を唱える者はほとんどいなかった。(明治21年に長州藩出身の軍人・政治家 鳥居小弥太が「保守中正派」と称する小政党を作り「保守」を論じていることが数少ない例外) 戦前・戦中において伝統保守的な思想的立場を表明する者の多くは、もっぱら「右翼」(とくに昭和初期には「観念右翼」ないし「精神右翼」)と他称され、また彼ら自身は後述する「日本主義」を名乗っている場合が多かった。 その後、1980年代に英サッチャー・米レーガン両保守政権が政治的・経済的に成功を収めて、「保守主義」に今度はプラス・イメージが高まり、日本でも「保守主義」を自称する者が急増し、現在に至っている。 ◆2.西欧保守主義・日本の保守主義の接合上の問題点と考え方 ◇1.保守主義と、自由主義・個人主義・デモクラシーの関係 ↓本文はここをクリックして表示 -... 《問題点》 西欧保守主義の本質は、自由主義・個人主義・デモクラシーの肯定にある。⇒ ところが、日本の「保守」論客には、自由主義・個人主義・民主主義を否定的に捉える者がかなり多いように見える。変ではないか? 【考え方】 日本の「保守」論客の批判している「自由主義」「個人主義」「民主主義」の内容をよく読むと、ルソー以降に左翼によってその意味を歪曲されてしまった「(左翼的意味の)自由主義(=リベラリズム)」「(アトム化された)個人主義」「(衆愚化した)デモクラシー(=モボクラシー)」のことであることが分かる。これは、「自由主義」「個人主義」「民主主義」という言葉が、日本でも一般的に使用されるようになった大正時代(大正デモクラシー期)には、これらの言葉は、既に西欧社会においても左翼によってその本来の意味を歪められてしまっており、日本の「保守」論客たちは、それらの政治思想・概念を、本来の意味ではなく、もっぱら歪曲された意味で理解してしまったことに原因があると思われる。ハイエクやポパー、バーリンらの真正の自由主義者(本来の自由主義者)による「左翼によって歪曲された」政治思想・概念への痛烈な(そして左翼側にとっては致命的な)批判は、第二次世界大戦中あるいはその直後にようやく日の目を見たものであり、当サイトでは、彼ら(ハイエクやポパー)の必勝の論法を是非ともマスターすることを強く推奨している。しかし、これらの左翼批判を受容していない(要するにハイエクやポパーを読んでいない)日本の「保守」論客たちは、いまだに単純な(そして残念ながら余り説得力があるようには思えない)従来どおりの紋切り型の「自由主義」「個人主義」「民主主義」批判を繰り返していると思われる。この点に関する不都合は、戦前から戦後にかけての日本の代表的な保守主義者である平泉澄博士の著作についても残念ながら当てはまることである。(平泉博士はハイエク・ポパーと同時代人であることから、バークのルソー批判までは受容していても、ハイエク・ポパーの全体主義批判までは受容できなかったことに起因)従って、結論として我々は、①日本自生の保守主義の理解のみに立脚するのではなく、②西欧保守主義の伝統にも立脚し、これを左翼・全体主義を完膚なきまでに論破する最上のツールとして是非とも活用すべきである。 (参考)「真の個人主義」と「偽の個人主義/集産主義」⇒詳細は「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引きへ 真の個人主義 (→自由主義体制へ) 偽の個人主義/集産主義 (→全体主義体制へ) 主な提唱者 ソクラテス、バーク、A.スミス、ヒュームアクトン、トックヴィル、ハイエク、ポパー、オークショット プラトン、デカルト、百科全書派、ルソー、マルクス、ベンサム 制度・秩序の捉え方 自生的秩序(spontaneous order)論即ち、自由な人々の自然発生的な協力が個々人の知性が完全には理解できないほどの偉大な制度や秩序など社会的構築物を創り出すこと(A.スミスの所謂「神の見えざる手invisible hand」)を肯定し、そうした特定の人物・組織の設計に依存しない自生的秩序形成が正常に機能する仕組みを維持育成することに重点を置く立場 設計主義的合理主義(constructivist rationalism)即ち、発見できる全ての秩序は特定の個人や組織の計画的な設計の産物であるとして、個人の理性を買いかぶり、個人の理性によって意識的に設計されたものでないもの・理性にとって完全には明瞭でないものに対しては、何であれ重視しない立場。 個人と国家の捉え方 中間団体による個人の自由の保障本質的に自由な個々人によって自発的に結成され歴史的に継続・発展してきた種々の中間団体(例えば、宗教共同体・職能組織・地縁集団・血縁集団)の存在によって個人が保護され、権力(power)がこうした中間団体や個々人に広く分散されるために全能の中央集権的政府の出現は阻止され、個人の実質的な自由は保障される。 アトム化された個人の国家への隷従①各種の中間団体から切り離され原子化(アトム化 atomized)された裸の個人と、②全能の中央集権的政府が直接対峙し、政府(=国家)が全ての個人の生活の責任を負うという建前の下に社会的な絆を剥奪されて(ルソー的な意味で)「自由」となった個人は結果的に全体主義的政府に隷従する。 政治機構の捉え方 人間や制度の不完全性の前提この主義の主たる関心は、①人間が最も良い時に時折成し遂げられるかも知れないことよりも、②人間が最も悪いときに害悪を及ぼす機会を出来るだけ少なくすることにある。その体制は機能の良し悪しが、それを操作する人間を我々が見つけ得るか否かに依存しないし、全ての人間が現にあるよりも善くなることにも依存しない。従ってこの体制は、その下にある全ての人間に自由を許容することが出来、現にあるがままの人間をその多様で複雑な姿のままで(本人が利己的な動機で動くにも関わらず)社会のために役立たせ得るシステムである。 社会契約論的個人主義と「自由への強制」この主義は個人を出発点とみなし、個人が彼の特殊意思と他人の特殊意思とを形式的な契約において結合させることによって社会や国家を創ると想定する。その体制は、プラトン「哲人王」、ルソー「立法者」、ナチス「指導者」etc.の育成/出現を前提とするが、「権力は必ず腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」(アクトン)ことを免れない。この体制は自由を「善良で賢明な個人」のみに許容し、その他の人々は「自由へ強制される」。 出現する社会 開かれた社会上下にも内外にも流動性が高く、社会に常に新たな活力が導入されるために、個々人の間では所得や社会的地位や幸福度・充足度などに必然的に差異が発生しても、社会全体の経済的・文化的水準は「閉ざされた社会」に比べて圧倒的に高くなる。 閉ざされた社会社会が固定的で、指導者・エリート層と一般人民の垣根が厳格に設定される(平等を謳いながらも社会がカースト化する)傾向にあり(G.オーウエル『1984年』を見よ)、かつ悪平等の弊害として自ら努力して状況を改善しようとする動機が働かないために特に経済的・文化的に停滞してしまう。 社会の原則 「人々を平等に取り扱うこと」(=自由な社会の条件) 「人々を平等たらしめること」(=隷従の新しい形態(A.トックヴィル)) ◇2.保守主義と、ナショナリズムの関係 ↓本文はここをクリックして表示 -... 《問題点》 西欧保守主義は、ナショナリズム(=右翼思想)とは区別されるのが普通である。保守主義の代表者であるE.バーク自身が、イングランド本国ではなくその統治下にあったアイルランドの出身の政治家であり、またハイエクはオーストリアからイギリスに帰化した学者であって、彼らの思想には全体主義に対する激しい批判はあっても、ナショナリスティックな発想は一切混入していない。⇒ これに比較して、日本の「保守主義者」の唱える思想には、(1)反・全体主義の主張と、(2)ナショナリスティックな主張との区別が明瞭でなく、そのままでは英米保守主義の定義とは齟齬が生じてしまう恐れが高い。また最近は、本来の意味での保守主義とはまるで関係ない思想を唱えてるにも関わらず、その言葉のもつプラス・イメージに着目した自称「保守主義者」が続出しており、思想的な混乱が甚だしくなっている。 【考え方】 「ナショナリズム」の定義を確り押さえずに、やたらに「民族主義」という言葉を使っているケースが多いように思う。普通に祖国や自国民、自国の文化・伝統・歴史などに愛着を持つことは、西欧保守主義でも当然視されており、これを「パトリオティズム」とは表現しても、「ナショナリズム」とは通常は言わないはずである(nationalismは、①patriotism と②jingoismの両方の意味を包摂するが、現代の用法ではnationalismは、②排外的なマイナスの意味合いが強まっている)。日本の問題はむしろ、西洋であれば「保守」ではなく「ナショナリスト」「右翼」と呼ばれるべき主張を持つ人物・組織が、「右翼」という言葉にマイナス・イメージが定着しているために、文字通り「民族主義者」であるにもかかわらず「保守」と自称している者が非常に多く、その結果、「保守(アンチ全体主義)」と「右翼(ナショナリスト)」が著しく混同されている点にある。つまり、日本においては、①単に「パトリオティズム」である祖国愛を、「民族主義」と勘違いしている保守主義者②西欧保守主義の基準では、「ナショナリスト」「右翼」なのだが、「保守」を自称する者の二種類がおり、それらの者の主張内容を確り吟味し、「保守」なのか「右翼」なのか識別する必要がある。 ◆3.日本主義 ※次に、戦前・戦中に具体的に「保守主義(伝統保守)」に相当する概念・思想を表す言葉として多用された「日本主義」について解説します。 ↓本文はここをクリックして表示 -... ブリタニカ国際百科事典(ブリタニカ・ジャパン社)による説明。 にほんしゅぎ【日本主義】 明治から第二次世界大戦敗戦までにおける欧化主義・民主主義・社会主義などに反対し、日本古来の伝統や国粋を擁護しようとした思想や運動をいう。一定の思想体系をなしていたとはいえず、論者により内容が相違する。明治の支配層が推し進めた欧化主義への反発として三宅雪嶺や高山樗牛らによって唱えられ、政治的には欧米協調主義への反対、国権や対外的強硬策の強調となって現れた。大正や昭和になって日本の資本主義の高度化が階級対立を激化させ、社会主義やマルクス主義が流入すると、これら諸思想の対抗イデオロギーとして機能し、天皇を中心とする皇道や国体思想を強調した。(cf.神国思想) つまり日本主義には歴史的に見て以下の二段階がある。 ① 明治期の日本主義 政府の欧化主義に反発し、国粋主義/国権主義(特に政府の欧米協調路線に反対する攘夷主義)を主張した言論活動(政論的ジャーナリズム) 他国の侵略から自国・自民族を守る(解放的ナショナリズム)⇒即ち「右翼」思想 ② 昭和期の日本主義 皇道・国体思想を強調して、社会主義やマルクス主義の思想侵略の脅威への対抗イデオロギーとして機能した思想活動 全体主義の脅威から自国の歴史・伝統に根差した自由を守る(日本型保守主義)⇒即ち「保守」思想 ※「保守」と「右翼」の違いは ナショナリズムとは何か 参照 ※日本主義について、詳しくは 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 参照 ※この「(昭和期の)日本主義者」は、観念右翼または精神右翼と他称されており、これに対して、よりナショナリスティックな政治的主張を唱える者を革新右翼または組織右翼と呼んで区別した。 ◆4.革新右翼(国家社会主義者)と観念右翼(伝統保守) ↓本文はここをクリックして表示 +... 参考図書に挙げている日本主義と東京大学―昭和期学生思想運動の系譜によれば、左翼が一掃された昭和10年代の日本には、①革新右翼と②観念右翼の二大勢力があり、国内・国外の政策を巡って激しく対立したとされる。 ※ブリタニカ国際百科事典には「観念右翼」のみ項目があり、その中に「(国家社会主義者(組織右翼)」の説明もあるので引用します(革新右翼を組織右翼とも呼んだ)。 【観念右翼】かんねん・うよく 特定の右翼党派ではなく、純粋な日本精神主義を思想や行動の原理とする諸団体。上杉慎吉をその源流とする。第二次世界大戦前の右翼運動を思想形態から分類すると、国家社会主義派(組織右翼)と日本精神主義派(観念右翼)に大別される。上杉の組織した桐花学園(1913創立)、蓑田胸喜、天野辰夫、菊池利房による興国同志会(19)、平沼騏一郎の国本社、興国同志会の流れをくむ七生社(25)などが観念右翼としてあげられる。 ※革新右翼と観念右翼の理念型(日本主義と東京大学―昭和期学生思想運動の系譜より引用) ①革新右翼 ②観念右翼 国家改造 国体明徴 高度国防国家 国民精神総動員 解釈改憲 護憲(不磨の大典) 指導者原理 臣道実践 統制経済 資本制擁護 親ソ・親独 反共・反独裁 世界史的な使命 日本史的な道統 陸軍統制派 陸軍皇道派 革新官僚 財界 無産政党 既成政党(現状維持派) 国家社会主義者 自由主義者 ※②観念右翼が「日本主義」を唱えたのに対して、①革新右翼すなわち国家社会主義者は「アジア主義」の立場を説く場合が多かった。 ※以下、関連項目をブリタニカ百科事典より引用。 ◇参考:アジア主義 【大アジア主義】だい・アジア・しゅぎPan-Asianism 欧米列強のアジア侵略に抵抗するため、アジア諸民族は日本を盟主として団結すべきであるという考え方。明治初期以来、種々の視角から展開された。植木枝盛は自由平等の原理に基づきアジア諸民族が全く平等な立場で連帯すべきことを説き、樽井藤吉や大井健太郎は、アジア諸国が欧米列強に対抗するために連合する必要があり、日本はアジア諸国の民主化を援助すべき使命があると説いた。明治20年代になると、大アジア主義は明治政府の大陸侵略政策(注)を隠蔽する役割をもつようになった。1901年に設立された黒龍会の綱領にもみられるように、その後の大アジア主義は天皇主義とともに、多くの右翼団体の主要なスローガンとされ、これに基づいて満蒙獲得を企図する政府・軍部の政策が推進された。日本人の大アジア主義的発想は、第二次世界大戦前・戦中の「大東亜共栄圏」構想を支えた。※注:ブリタニカ百科事典にも自虐史観の傾向は当然あり、上記のような「大陸侵略政策」という問題のある記述がなされている。 【大東亜共栄圏】 第二次世界大戦を背景に1940年第二次近衛内閣以降45年敗戦まで唱えられた日本の対アジア政策構想。その建設は「大東亜戦争」の目的とされた。東条英機の表現によれば、大東亜共栄圏建設の根本方針は、「帝国を核心とする道義に基づく共存共栄の秩序を確立」しようとすることにあった。しかし実際は、東アジアにおける日本の軍事的・政治的・経済的支配の正当化を試みたものに他ならなかったといえる。第一次近衛内閣当時の「東亜新秩序」は日本・満州・中国を含むものに過ぎなかったが、南進論が強まるにつれて、インド・オセアニアにいたる大東亜共栄圏構想に拡大された。大東亜省の設置と大東亜会議の開催は、このような方針の具体化に他ならない。 ◆5.まとめ ↓本文はここをクリックして表示 -... 運動の性格 ① 明治期の日本主義 政府の欧化主義に反発し、国粋主義/国権主義(特に政府の欧米協調路線に反対する攘夷主義)を主張した言論活動(政論的ジャーナリズム) 他国の侵略から自国・自民族を守る(解放的ナショナリズム) 右翼思想 当初は国粋主義的だった在野言論人の活動は、明治末・大正期に日本が大国化したのちも反骨精神は全く変わらず、今度は次第に左翼思想に理解を示す者が出てきた(左右等価気分説(※1))。更に彼らは、戦後は進歩派・市民派左翼文化人として活発に活動した(長谷川如是閑・丸山眞男etc.)。 ② 昭和期の日本主義 皇道・国体思想を強調して、社会主義やマルクス主義の思想侵略の脅威への対抗イデオロギーとして機能した思想活動 全体主義の脅威から自国の歴史・伝統に根差した自由を守る(日本型保守主義) 保守思想 日本精神主義派(観念右翼)。日本主義的教養を武器に学生・知識人の左傾化を防止し日本精神に目覚めさせると共に、革新右翼の狙う国家改造・解釈改憲・国家経済の社会主義化、更には戦争の長期化を「護憲」の立場から制止・抑制するために奔走。いざ戦争が激化すると国防のために生死を厭わず護国のために尽くした者が多い。 ③ アジア主義 アジア諸民族を白人支配から解放するという大義を掲げ、実際にも明治期の孫文を初めインドのB.ボース、フィリピンのアギナルドらの独立運動と連動しつつ遂行された日本の勢力拡張運動。 アジア諸民族の独立を支援する(排白人主義)(拡張的ナショナリズム) 極右思想 国家社会主義派(組織右翼=革新右翼)と重なる。代表的イデオローグとして5.15事件に関与した大川周明、2.26事件に連座した北一輝。革新右翼は2.26事件暴発後に勢力を急拡大し三木清など転向左翼の多数が近衛内閣のブレーン集団を形成して国策を左右した。※詳しくは 右翼・左翼の歴史 参照 ※「保守」「右翼」「極右」の違いは ナショナリズムとは何か 参照 ※1:左右等価気分説…右傾化も左傾化も既成勢力に対する反抗という意味で基本的に同じ心情に基づくものであり、状況が変化すれば左・右転換は容易とする説。 以上、説明したように、日本においても「保守主義」と「ナショナリズム」を区別することは可能であり、かつ英米保守主義との整合性という観点からもこの区別は必要と思われる。また、戦前・戦中に「日本主義」を唱えた日本型の保守主義者の系譜は、参考図書にあるとおり、実は戦後も途切れておらず、現在の日本の保守主義陣営(伝統保守の側)の中核に繋がっていることに注目すべきである。(なお、経済保守についてはこの限りでない) ※日本の保守主義に関して詳しくは、国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書)を参照下さい。 ■8.参考図書 ↓本文はここをクリックして表示 +... 『保守主義の哲学―知の巨星たちは何を語ったか (単行本)』中川八洋(著) 2004.4 刊出版社/著者からの内容紹介これまで日本には保守主義は正しく紹介されなかった! 保守主義が真に必要な今、その真髄を初めて体系的に詳解。保守の常識が覆る!アメリカを建国した保守主義の天才、ハミルトン。“法の支配”という自由の砦を大成した、コーク。フランス革命と戦った「保守主義の父」、バーク。それらの思想について、ほとんどの日本人は知ることがない。明治以降、あれほど西欧思想が流入したにもかかわらず、英米を中心とした保守主義はほとんど排除されてきた。その結果、日本人は保守主義について、あまりに無知である。保守主義者を自称するものも、保守主義とはどういう思想かを理解していない。法曹関係者ですら、“法の支配”の真の意味がわかっていない。この保守への無理解が、ひいては現在日本のあまりの非常識と混迷を招いているといっても過言ではない。では「保守主義」とは何か? それを体系的に解説したのが本書である。上記の思想家たちの他にも、トクヴィル、ヒューム、アーレント、オルテガ、ホイジンガ、ハイエクなど数多くの思想家を紹介する。いま初めて明かされる保守主義の真髄!目次第1部 保守主義の父祖たち(「米国保守主義の父」アレグザンダ・ハミルトン、「法の支配」は復権できるか―マグナ・カルタ再生とコーク卿、「保守主義の父」バーク―「バーク・ルネサンス」を日本に祈る)第2部 全体主義と戦う「真正の自由」(「隷従への道」を歩む二十一世紀日本―アーレント解題、「赤より死!」の、反ヘーゲル―カール・ポパーの哲学、平等という、自由の敵―警鐘を鳴らすトクヴィル、反撃するベルジャーエフ)第3部 「美徳ある自由社会」を創る(人間を透視したヒューム道徳哲学、「社会正義」は“亡霊”―自由の原理とハイエク政治哲学、「高貴なる自由」―永遠のバーク哲学)★ハイエクの思想を機軸に、西欧哲学の正統保守主義(真正自由主義)の系譜と、それに対立する邪悪な全体主義思想の系譜を峻別して分かり易く解説。エドマンド・バークを初めとする西欧の正統保守思想の概略をこの一冊でマスター可能。残念ながら現在は絶品であり中古本も高額なので同著者の正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒で代用することを薦めます。 アメリカ保守革命中岡 望 (著) 2004.4 刊出版社/著者からの内容紹介今、世界を席巻しつつある「保守主義革命」は、アメリカで始まった。それは“アメリカ化”という形で、世界の政治、経済、文化を巻き込み、留まることのない勢いで世界の隅々まで行き渡りつつあるようにみえる。日本もその世界的な潮流の埒外に存在しているわけではない。主流だったリベラリズムと対峙しながら、最初は思想運動として始まり、やがて現実の政策へと影響力を拡大していったアメリカ保守主義の発展過程とその内実を縦横に描いた名作。目次第1章 戦後の保守主義のルネッサンス(アメリカのリベラリズムと保守主義思想、二人の保守主義思想のゴッドファーザー ほか)第2章 保守主義思想とレーガン革命(思想運動から政治運動へ、保守主義思想の政治の代弁者たち ほか)第3章 レーガン革命と冷戦後の保守主義運動(未完のレーガン革命、一九九〇年代の保守主義の思想闘争 ほか)第4章 新しいエスタブリッシュメント―ネオコンの群像(ネオコンの創始者たち、ネオコンたちの思想的変遷 ほか)第5章 ブッシュ政権と二一世紀の保守主義(ブッシュ政権の樹立と政策、ブッシュの経済政策―レーガノミックスの再現 ほか)★戦後アメリカで細々と始まった(1)ウィーバー カークによる伝統保守の思想運動と、(2)ハイエク・フリードマンらによる経済保守の思想運動の二つの流れが、メイヤー バックリーによって融和・統合され、やがてゴールドウォーター、レーガンというコミュニケーター(人気政治家)を得て遂にアメリカ政治の表舞台に立つ時がくる。そして不十分な結果に終わったレーガン革命は、クリントン政権期の試練を経て、ブッシュ子政権期に更なる前進を見せる。60年の長期に渡るアメリカ保守革命のあらましを必要十分に描きつくした好著。 日本主義的教養の時代―大学批判の古層竹内 洋 (編集), 佐藤 卓己 (編集) 2006.2刊内容(「BOOK」データベースより)戦前「護憲」の降魔剣“日本主義”を解明。「右翼」「反動」のレッテル貼りで忌避されてきた一九三〇年代“日本主義”の大学批判。マルクス主義的教養の機能的代替となった日本主義的教養の担い手たち。来るべき時代を読み解く画期的論集。目次第1章 帝大粛正運動の誕生・猛攻・蹉跌第2章 天皇機関説批判の「論理」―「官僚」批判者蓑田胸喜第3章 写生・随順・拝誦―三井甲之の思想圏第4章 英語学の日本主義―松田福松の戦前と戦後第5章 戦時期の右翼学生運動―東大小田村事件と日本学生協会第6章 日本主義的社会学の提唱―赤神良譲の学術論第7章 日本主義ジャーナリズムの曳光弾―『新聞と社会』の軌跡★未だに自虐史観どっぷりの東大・岩波系とは距離を置く京大系の学者達による昭和10年代日本の思想状況の共同研究プロジェクト全体のガイドライン的な位置づけの本。 日本主義と東京大学―昭和期学生思想運動の系譜井上 義和 (著) 2008.6刊内容(「BOOK」データベースより)国家的危機の時代における大学の使命とは何か。欧化一辺倒の東京帝国大学に学風改革を迫り、高度国防国家を標傍する政府とも命がけの思想戦を繰り広げた東大生たち。戦時体制下で宿命的に挫折した“日本主義的教養”の逆説を読み解き、日本型保守主義の可能性を探る。目次第1章 「右翼」は頭が悪かったのか―文部省データの統計的分析第2章 政治学講義と国体論の出会い―『矢部貞治日記』を中心に第3章 学風改革か自治破壊か―東大小田村事件の衝撃第4章 若き日本主義者たちの登場―一高昭信会の系譜第5章 学生思想運動の全国展開―日本学生協会の設立第6章 逆風下の思想戦―精神科学研究所の設立第7章 「観念右翼」の逆説―戦時体制下の護憲運動第8章 昭和十六年の短期戦論―違勅論と軍政批判第9章 「観念右翼」は狂信的だったのか―日本型保守主義の可能性★現代の日本会議に繋がる国民文化研究会の母体となった昭和10年代の右翼学生運動の系譜を追い、左翼が壊滅した後、国家改造を進める革新右翼(国家社会主義者・アジア主義者)と激しく対立した観念右翼(伝統保守・日本主義者)の論理と実情を具体的に論証する好著 保守主義とは何か―反フランス革命から現代日本まで宇野重規(著)、中公新書、2016年6月刊内容(中央公論新社ウェブサイトから引用)21世紀以降、保守主義者を自称する人が増えている。フランス革命による急激な進歩主義への違和感から、エドマンド・バークに端を発した保守主義は、今では新自由主義、伝統主義、復古主義など多くのイズムを包み、都合よく使われている感がある。本書は、18世紀から現代日本に至るまでの軌跡を辿り、思想的・歴史的に保守主義を明らかにする。さらには、驕りや迷走が見られる今、再定義を行い、そのあり方を問い直す。目次序章 変質する保守主義―進歩主義の衰退の中で第一章 フランス革命と闘う第二章 社会主義と闘う第三章 「大きな政府」と闘う第四章 日本の保守主義終章 二一世紀の保守主義★2016年6月に刊行された本書の著者やその推薦者によれば・・・・本書は、対フランス革命や対社会主義革命、対大きな政府など保守主義の時代による変遷をコンパクトに纏めた好著である。「「保守」を自任する人の多くは、「リベラル」や「左翼」にについて恣意的なイメージを描き、それを藁人形のようにしてたたくことで、自らの「保守」を正当化する。しかしながら、多くの場合、それは空想上の仮想敵を相手にした空回りに過ぎないようにも見える。」という著者の指摘は重く響く・・・という触れ込みであるが、実際に本書を読んでみると、「日本の保守主義についても…(中略)…アジアの植民地化など批判すべき点の方が多い」(p.212)とか「国の基本的な枠組みを維持する根幹である立憲主義の原理も、むしろ保守主義を名乗る勢力によって破壊されつつある」(p.200)という言説が散見され、結局のところ、著者のスタンスはどれだけ中立を装うとも所詮は丸山テーゼに彩られたアジア侵略史観(自虐史観)(※丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証参照)と戦後左翼的護憲思想(※立憲主義とは何か参照)を脱し切っておらず、もし本書に何らかの意義があるとすれば、著者と同じく未だそうしたスタンスから抜け出し切れない半可通の方が、取り敢えず批判的に「保守主義とは何か?」ということを、表面的であれ、あれこれ考えてみる第一歩になる・・・といったところでしょう。とくに本書の場合、アンチ全体主義のチャンピオンであるハイエクの著作について、その初期の著『隷属への道』だけは巻末の参考図書に挙げても、彼の本当の代表作である『自由の条件』については本編で若干の言及を加えてアリバイを作りつつも参考図書から外していたり、ハイエクの盟友ポパーの名著『開かれた社会とその敵』を完全に無視している点に明らかに欺瞞を感じる(※なぜならハイエク『自由の条件』やポパー『開かれた社会とその敵』まで読者に進まれると、読者が左翼思想がそこで完膚無きまでに論破されていることをハッキリ理解してしまう怖れが高いから)。そういう意味で、本書を読了して尚煮え切れない思いを抱いた方こそ、本サイトの左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページの各ページに進んで欲しいものである。 ■9.ご意見、情報提供 ページ内容向上のためのご意見・情報提供を歓迎します。 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 元ページ「保守主義とは何か」 どなたが編集なされたのかは存じ上げませんが、驚くほど大変よくできた解説で、円環図による思想分類には感激させられました。ありがとうございます。 -- ななし (2010-12-17 10 28 24) すばらしい!!みんなで日本を護るために『保守主義』を学習しよう -- 名無しさん (2010-12-18 15 26 59) エドマンド・バーク保守主義 - エドマンド・バーク リバイバルも参考になる。→ http //www.geocities.jp/burke_revival/ -- 名無しさん (2011-01-08 12 01 55) ↑のサイトだけではという人は 保守 - Wikipediaを参照すべき http //ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E5%AE%88 -- 名無しさん (2011-01-08 12 07 42) 「真の個人主義」と「偽の個人主義/集産主義」の、社会の原則は、「人々を平等に取り扱うこと」→「人々を同等に取り扱うこと」とすべき。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 22 46) 「真の個人主義」に平等はないからです。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 24 17) collectivismに産の意味はない。集団主義でいい。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 29 28) 保守主義(conservatism)→保守主義(conservative、conservatism)とすべき。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 32 57) 日本の保守主義に関して、国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書)を作成しました。 -- 名無しさん (2011-12-16 00 28 34) 合衆国市民(The Empire State)です。ノーランチャート知ってますか?保守主義は個人的な自由権(精神的・身体的)に消極的です。その点では全体主義との親和性があります。ロールズが全体主義とは、いくらなんでも無理がありますよ。あと、dignity of every individual、この言葉の意味がわかっていますか?このサイトの作者さんは、WyomingやUtahやRural TexasやDeep Southの閉鎖性(内に閉じた世界)を知っているのですか!?Mississippiの州の旗は今でも個人の自由を否定しているとしか思えませんよ。 -- ben (2013-01-16 18 25 08) WyomingやUtahやRural TexasやDeep Southは、保守主義の理想の土地なのでしょうか?? -- ben (2013-01-16 18 27 41) 保守思想を扱った古典を幾つか読みましょう。コメントにも見られるが、愛国は保守だとかいう馬鹿が現れる。 -- 名無しさん (2013-07-19 10 27 54) 世は保守の名を借用したナショナリストが跋扈する時代 - 名無しさん 2016-08-05 00 23 31 デモクラシーという政治への自由も、資本主義も、一度進めばもう後戻りはできない、おそらくこのサイトのような美しい過去を偲ぶ“理想的”保守の言説が世のナショナリストやファシストを“啓蒙”しているのでしょうね。 - 名無しさん 2016-08-05 00 31 42 ↑ずいぶんな言い様ですね?マルクスとかいう女のヒモが書いた破綻した経済論や国家論(あらゆる政治経済学者に論破されてるが)を未だに宗教のように盲信し自分たちを認めないものは全て愚民扱いする人達の方が余程共同体にとっては害悪ですが?挙げ句の果てに科学の発展と経済のグローバル化による貧富の差で再び科学的な世界共産革命が起きるですかw(失笑)哀れな・・・実際はトランプ氏やルペン氏に見られるように反融和反平等主義に文化・人種・経済保守主義が台頭しており地球主義的革新左派には厳しい時代になってますねw(爆) - 名無しさん 2018-02-01 22 56 24 以下は最新コメント表示 元ページ「保守主義とは何か」 どなたが編集なされたのかは存じ上げませんが、驚くほど大変よくできた解説で、円環図による思想分類には感激させられました。ありがとうございます。 -- ななし (2010-12-17 10 28 24) すばらしい!!みんなで日本を護るために『保守主義』を学習しよう -- 名無しさん (2010-12-18 15 26 59) エドマンド・バーク保守主義 - エドマンド・バーク リバイバルも参考になる。→ http //www.geocities.jp/burke_revival/ -- 名無しさん (2011-01-08 12 01 55) ↑のサイトだけではという人は 保守 - Wikipediaを参照すべき http //ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E5%AE%88 -- 名無しさん (2011-01-08 12 07 42) 「真の個人主義」と「偽の個人主義/集産主義」の、社会の原則は、「人々を平等に取り扱うこと」→「人々を同等に取り扱うこと」とすべき。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 22 46) 「真の個人主義」に平等はないからです。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 24 17) collectivismに産の意味はない。集団主義でいい。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 29 28) 保守主義(conservatism)→保守主義(conservative、conservatism)とすべき。 -- 名無しさん (2011-09-24 08 32 57) 日本の保守主義に関して、国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書)を作成しました。 -- 名無しさん (2011-12-16 00 28 34) 合衆国市民(The Empire State)です。ノーランチャート知ってますか?保守主義は個人的な自由権(精神的・身体的)に消極的です。その点では全体主義との親和性があります。ロールズが全体主義とは、いくらなんでも無理がありますよ。あと、dignity of every individual、この言葉の意味がわかっていますか?このサイトの作者さんは、WyomingやUtahやRural TexasやDeep Southの閉鎖性(内に閉じた世界)を知っているのですか!?Mississippiの州の旗は今でも個人の自由を否定しているとしか思えませんよ。 -- ben (2013-01-16 18 25 08) WyomingやUtahやRural TexasやDeep Southは、保守主義の理想の土地なのでしょうか?? -- ben (2013-01-16 18 27 41) 保守思想を扱った古典を幾つか読みましょう。コメントにも見られるが、愛国は保守だとかいう馬鹿が現れる。 -- 名無しさん (2013-07-19 10 27 54) 世は保守の名を借用したナショナリストが跋扈する時代 - 名無しさん 2016-08-05 00 23 31 デモクラシーという政治への自由も、資本主義も、一度進めばもう後戻りはできない、おそらくこのサイトのような美しい過去を偲ぶ“理想的”保守の言説が世のナショナリストやファシストを“啓蒙”しているのでしょうね。 - 名無しさん 2016-08-05 00 31 42 ↑ずいぶんな言い様ですね?マルクスとかいう女のヒモが書いた破綻した経済論や国家論(あらゆる政治経済学者に論破されてるが)を未だに宗教のように盲信し自分たちを認めないものは全て愚民扱いする人達の方が余程共同体にとっては害悪ですが?挙げ句の果てに科学の発展と経済のグローバル化による貧富の差で再び科学的な世界共産革命が起きるですかw(失笑)哀れな・・・実際はトランプ氏やルペン氏に見られるように反融和反平等主義に文化・人種・経済保守主義が台頭しており地球主義的革新左派には厳しい時代になってますねw(爆) - 名無しさん 2018-02-01 22 56 24 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
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「日本列島は日本人だけの所有物ではない」「これからは国境に固執する時代ではなくなり『地球市民』の時代になる」(鳩山由紀夫・前首相)という発想は一体どこから来たのでしょうか? <目次> ■1.国家解体思想って何? ■2.「世界政府・地球市民」の思想的背景、歴史的経緯◆大陸合理論とイギリス経験論 ◆設計主義的合理主義と批判的合理主義 ◆「世界政府・地球市民」は、設計主義的合理主義(大陸合理論)からの帰結 ■3.いわゆる「陰謀論」について◆でも、なぜ「陰謀論」が発生したのだろう? ◆トンデモ陰謀論・デマ話に効く書籍 ◆陰謀論こそ保守派を混乱させる陰謀である ■4.まとめ ■5.参考図書 ■6.ご意見、情報提供 ■1. 国家解体思想って何? 先日、人気ブログ「中韓を知りすぎた男」様に、 国家解体思想 という記事が上がりました。 日本やアメリカといった既存の国家を解体して、世界統一政府を作り、みんなで地球市民になるんだ・・・という思想ですね。 本ページでは、この問題について少し突っ込んだ検討を行います。 ■2.「世界政府・地球市民」の思想的背景、歴史的経緯 ◆大陸合理論とイギリス経験論 中学や高校で、「啓蒙思想」が17世紀のイギリスや18世紀のフランスで起こり、それが1789年のフランス革命に繋がっていった、という事を学ぶと思います。 ホッブズ・ロック・ルソーらの唱えた「社会契約説」がその代表とされ、ほかにデカルトやモンテスキューなどの思想も少し習いますね。 大学の教養課程レベルだと、この啓蒙思想には実は ① 大陸合理論 「コギト・エルゴ・スム(我思うゆえに我あり)」というデカルトの『方法序説』以来ドイツ・フランスなど欧州大陸で発展した理性を唯一の拠り所として世界を合理的に理解しようとする思想潮流で、理性からの演繹による思弁を絶対視するもの。 ② イギリス経験論 人間の理性は不完全であり、所詮は人間は失敗と成功という試行錯誤を繰り返しながら経験に学ぶしかない、という理性に対する懐疑を唱え、演繹ではなく帰納の大切さを強調するもので、主に18世紀のスコットランド出身者(ヒューム、アダム・スミスら)およびアイルランド出身者(エドマンド・バーク)らが①大陸合理論に対抗して唱えた。 の二つがある、ということを学ぶと思います。 もちろん西洋思想の主流は、デカルト以来の、①大陸合理論のほうで、この思想が結局フランス革命を引き起こし、さらにやがてカント・ヘーゲルらのドイツ観念論を生み、ヘーゲル左派からはマルクス主義が生まれ、ロシア革命へと繋がり、またヘーゲル右派からはナチズムが生まれたのです。なおフランスではフーリエ、サン・シモンらの(空想的)社会主義が生まれています。 ◆設計主義的合理主義と批判的合理主義 日本の学者は明治以来、①ドイツ・フランス系の大陸合理論ばかりを輸入しましたし、今の社会科教育で教えられる思想家も、やはり①大陸合理論の思想家ばかりです。 しかし、実はイギリス・アメリカでは、②イギリス経験論の伝統が強くて、フランス革命の時にはエドマンド・バークが出、また第二次世界大戦の最中にはオーストリア出身で故国がドイツに併合された際にイギリスに帰化していたF.A.ハイエクと、K.R.ポパー、さらにはラトビア出身で、やはり故国がソ連に併合された際にイギリスに帰化していたI.バーリンらが出て、フランスの革命思想や、ヘーゲルやマルクスの思想、ナチズム(国家社会主義)を含む社会主義を全体主義思想として排撃し、そうした思想が発生した根源としてデカルト以来の①大陸合理論の持つ重大な誤謬を強く批判しました。 簡単に言うと、①大陸合理論、②イギリス経験論というネーミング自体が実は、①は合理的で②は非合理的だ、という①大陸合理論の論者の側のプロパガンダであり、実際には以下の分類が相応しい、という批判です。 ① 設計主義的合理主義 (F.A.ハイエクの造語で、いわゆる大陸合理論) デカルト以来の「自らの理性のみの力で世界を解明し、人類にとって理想的な世界を再設計できる」とするリセット主義。社会主義の暴力革命論も修正社会主義といわれる議会制内での社会改革も含めて、国家や社会を改造しようとする思想で、世界統一政府や地球市民という理念もここからの帰結である。 ② 批判的合理主義 (K.R.ポパーの造語で、いわゆるイギリス経験論) 人間が自らの理性を有効に活用できるのは自由な批判を通じて間違いを検出し改善して、より真実と思われるものに一歩でも近づく限りにおいて、である。社会を根底からリセットできる、とする①は致命的な思い上がりである。 もちろん、ハイエクやポパーが正しいとしたのは ②批判的合理主義であり、これこそが真の意味での「合理主義」であって、 ①設計主義的合理主義は、結局は人間を『隷従への道』へと導く誤った思想である、というのが彼らの結論です。 漫画『隷従への道』(ハイエク著)要約 、詳しくは⇒ハイエクと自由主義へ 1980年代のイギリス・サッチャー政権は、ハイエクの思想を政策理念の主軸に据えてサッチャー改革を断行しました。またアメリカのレーガン政権はハイエクの所属したシカゴ学派の経済政策を大々的に取り入れ、政治面ではソ連との対立政策を断行して、1989-91年にかけてソ連・東欧の社会主義体制を崩壊に導きました。 ◆「世界政府・地球市民」は、設計主義的合理主義(大陸合理論)からの帰結 このように現実の世界政治の舞台では、サッチャー・レーガン政権以来、ハイエクやポパーの思想が一応の勝利を収め、社会主義は大きく後退したのですが、学者達の思想の世界では、いまだに①設計主義的合理主義が大きく蔓延っていて、とくに日本においてはその傾向が強いのです。私達は、学校教育で、ホッブズ・ロック・ルソーの社会契約説やデカルトの思想は習いますが、ハイエクやポパーの思想は、ほとんど全く習いません。 従って高度な教育を受け、官僚や政治家や司法界に入るような、あるいはマスコミ界に入るような人材は、教育で植えつけられる思想のオカシサに自分で気づかない限り、デカルト以来のリセット主義(世界を理性の力で再設計できるとする思想)になってしまいます。 要するに問題なのは、西洋思想の主流そのものです。 鳩山由紀夫首相の「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」発言も、その淵源を辿ればここからきているわけです。 ① 西洋思想の主流 設計主義的合理主義(大陸合理論) プラトン ⇒デカルト ⇒社会契約説(ホッブズ、ロック、ルソー) ⇒ドイツ観念論(カント、ヘーゲル) ⇒ヘーゲル左派 ⇒マルクス主義(マルクスetc.)・修正社会主義(フェビアン協会etc.) ⇒国家解体思想(世界政府・地球市民) ⇒フランス啓蒙思想(百科全書派・ヴォルテールetc.) ⇒ヘーゲル右派 ⇒ナチズム(国家社会主義) ② 西洋思想の傍流 批判的合理主義(イギリス経験論) ソクラテス ⇒スコットランド啓蒙派(ファーガソン、ヒューム、アダム・スミスetc.) ⇒エドマンド・バーク ⇒アクトン卿・トクヴィルetc. ⇒ハイエク、ポパー ⇒真正自由主義(歴史と伝統を重視) ■3.いわゆる「陰謀論」について +ネットで一部の人が盛んに流布させている「ユダヤ陰謀論」といった類のデマ話を信じてしまう初心者向けの解説です。 ところで、以上説明したような「世界政府・地球市民」理念(=国家解体思想)が発生した背景・歴史的経緯を知らない人達の中には、ユダヤ系の陰謀組織が存在し、あらゆる謀略活動の糸を引いている・・・という類のデマ情報を信じ込んでしまう方々がいらっしゃるようです。 ユダヤの金融資本家が「イルミナティ」という陰謀組織を結成しており、実は共産主義国家と裏で手を組んでいて「全人類奴隷化計画」を進行中だとか、2001年9月に起きた911連続テロ事件はイルミナティに乗っ取られたアメリカ政府の自作自演だ・・・などと言う人までいらっしゃいます。あるいは、全てはフリーメーソンの陰謀だ、という話もあるようです(特に一神教のアメリカ・ヨーロッパでは昔からこうしたユダヤ金融資本家の陰謀という話が広く流布されており、ナチスがユダヤ人を迫害した原因ともなりました)。 しかし、そのような安直な陰謀論に飛びつくのは、 国家解体思想が発生した思想的背景・歴史的経緯を知っている人からは、馬鹿にされるだけですし、そうでなくとも常識のある一般の人からは、思いっきり引かれるだけです。 ◆でも、なぜ「陰謀論」が発生したのだろう? デカルト以来の①大陸合理論は「理性によって世界を唯一の正しい姿にリセットできる」という一元論・決定論でした。 当然その直系である社会主義思想も「歴史の方向性は決まっており、世界は共産主義社会に向かって進歩する」という決定論です。 これをそっくりそのまま裏返すと、「イルミナティ」という陰謀組織が存在し、彼らが世界の統一を目指してあらゆる陰謀の糸を引いている、というような話になります。 つまり一元論・決定論はそのままなのです。 (※ ①唯一絶対的な神の存在 → ②理性による唯一合理的な世界の設計 → ③世界統一を目指す唯一の陰謀組織の存在 ) このような安直な考え方が、一神教の精神文化を持つ欧米諸国で発生し広まってしまったのは、仕方がない側面があるのかも知れません。 しかし、そもそも寛容な多神教的精神文化を持つ我が国の普通の人ならば、ハイエクやポパーの小難しい批判を知らなくとも、直感的にこのような話はおかしい、と気づいてもよさそうです。 ◆トンデモ陰謀論・デマ話に効く書籍 トンデモ予言者大集合 ご存知『トンデモ本の世界』シリーズの、マネッコ本。しかしパチモンの癖に実に出来がいい!その為本家「と学会」から公認を貰ったと言う。冗談じゃなくマジで出来がいい!必読! この人を見よ 現代社会が生んだ病める神秘主義者カール・グロガウアーはキリストの生涯に異常とも言える執着を持っていた。彼は、市井の科学者の手になる未完成のタイム・マシンを入手するやキリストの最後を見届けるべく、過去へと旅立った・・・。神秘思想に取り付かれた人物の内面描写がすごい!有る意味最も厳しい本。 立花隆先生、かなりヘンですよ タイトル通り立花隆氏を批判している本。だが後半で、返す刀で立花隆がハマッテいる「ニューエイジ」「ニューサイエンス」などを批判している。それが又非常に的確。オカルト(「ニューエイジ」「ニューサイエンス」等)にハマッテいる人にはぜひ1度読んで欲しいが、タイトルのせいで立花隆に興味のない人は見向きもしない。惜しい。 ◆陰謀論こそ保守派を混乱させる陰謀である こうしたユダヤ金融機関の陰謀といった類の話は元々は左翼ブログの定番テーマだったのですが、昨年の総選挙の前後からマトモな言論ではとても保守派に敵わない左翼ブロガーの一部が、保守あるいは右翼に方向転換した振りをして(あるいは本当に転向したのかも知れませんが)こうしたデマを宣伝し始めたらしく、それを信じ込み自分も宣伝に廻っている人が何人も発生している様子です。(詳しくは反日ブログリスト?、「「愛国詐欺」詐欺」に注意を参照下さい。) いずれにせよ、こうしたデマ話は相手をするだけ時間の無駄ですし、第一に論理的な辻褄も全然合っておらず、全く知的好奇心をそそるものでもありませんが、中にはどうしてもこうした類の話を本気にしてしまい、あちこちで迷惑な宣伝活動までする幼稚な?あるいはひねくれた?人が発生している様子なので、当サイトではそうした被害の防止のため注意を呼びかけています。下らない馬鹿話なんか取り上げないで欲しい…と不快に思われた方は、以上の事情をご了承願います。 ■4.まとめ 「世界政府・地球市民」という理念は、ひとつの思想ですから、それだけで一概に悪いとは言いません。 しかし、このような思想が発生した背景、また、この手の思想を信奉する人達が自分たちの理想とは裏腹に、これまで世界にどのような惨禍をもたらしてきたのか、といった歴史的経緯を確り知っておくことは非常に大切です。 また、そのような思想的背景・歴史的経緯を知ることで、いわゆる「ユダヤ陰謀論」「911自作自演説」といった集団ヒステリーのようなトンデモ話に引っかからないで済むようになるはずです。 そして、寛容な多神教文化を持つ我が国のことを有難く感じ、大切に思って、この国を守りたいと強く思えるようになることでしょう。 ■5.参考図書 『正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒 (単行本) 』(中川八洋:著) 西欧哲学の正統保守主義(真正自由主義)の系譜と、それに対立する邪悪な全体主義思想(自由を圧搾する偽りの思想)の系譜を峻別して分かり易く解説。正統の思想・邪悪な異端の思想の各々の思想家と代表的著作の一覧表が大変参考になります。<目次>第1部 総論 真正自由主義離脱の代償・ 第一章 近代がうんだ「反・近代」―全体主義の源流フランス革命・ 第二章 「進歩」という狂信・ 第三章 真正自由主義―伝統主義、保守主義)第2部 各論 隷従の政治か、自由の政治か・ 第四章 「平等教」の教祖ルソー―全体主義と大量殺戮の起源・ 第五章 フランス革命―人類の「負の遺産」・ 第六章 「大衆」―全体主義の母胎・ 第七章 「人権」という狂信―全体主義への媚薬・ 第八章 迷信の「国民主権」、反・人民の「人民主権」・ 第九章 「進歩」の宗教、「進化」の神話・ 第十章 平等主義―自由抑圧の擬似宗教・ 終章 伝統・権威と自由の原理―保守する精神文献リスト―「悪書」の過剰と「良書」の欠乏 『知の歴史―ビジュアル版哲学入門 (大型本)』(ブライアン・マギー:著) イギリスの標準的な哲学・思想解説本。左翼の強い日本では意図的に紹介されない英国保守思想の大家エドマンド・バークにも確り数ページが割かれています。著者ブライアン・マギーは、ハイエクの盟友カール・R・ポパーと深い交流のあったイギリスの代表的な哲学解説者で、イギリス左翼の代表的思想家バートランド・ラッセルとも交流のあった人物。この本で特に興味深いのは、デカルト以来の大陸合理論が、ガリレオ・ガリレイからケプラーを経てニュートンによって完成した古典力学の決定論の大きな影響を受けていること、しかし20世紀に入ってアインシュタインの相対性理論・ハイゼンベルクの不確定性原理が発見され、絶対と思われたニュートン力学が否定され、それがハイエクやポパーの合理主義批判に影響を与えていること、がポパーの解説部分の前後に述べられている点である。 【関連】 政治の基礎知識 デモクラシーの真実 リベラリズムの真実 ■6.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 以下は最新コメント表示 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
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「国体法は自然法である」というような誤った話を(おそらく深く考えずに)書いている方々を時々見かけて気になっており、この件について、法思想史を踏まえながら少し説明していきたい。 <目次> ◆まず、ノモス(nomos 人為の法)とフュシス(physis ピュシス、自然の法)の用語解説 ◆次に、自然法 natural law の用語解説 ◆小まとめ ◆では、「国体法」とは何か ◆まとめ ◆ご意見、情報提供 ◆まず、ノモス(nomos 人為の法)とフュシス(physis ピュシス、自然の法)の用語解説 ノモス【nomos ギリシャ】 広辞苑 掟・慣習・法律の意で、社会制度・道徳・宗教上の規定を指す古代ギリシアの観念。前5世紀に出現したソフィストは、これを自然(ピュシス)と対立させ、その権威を相対的なものとした。この考え方はキニク学派やストア学派にも見られる。 ピュシス【physis ギリシア】 広辞苑 〔哲〕自然を意味する語。ギリシア初期の哲学者たちが、ミュトス的世界観(※注釈:mythos神話的世界観のこと)を脱却し、もののありのままの真実を記述し、その変化を通じて支配する根本原理を探求したとき、それをこの名で呼んだ。ラテン語のnatureと同じで自然のほか、宇宙・本性・性質などをも意味する。フィシス。 ノモスとフュシス nomos kai physis ブリタニカ百科事典 前者は「法律や習俗」、後者は「自然本来のもの」(人為によっては動かされぬ必然的なもの)を意味するギリシア語。この両者が対立カテゴリーとして登場したのは、アテネにおいてである。法は神聖であり正義と幸福(利益)は一致するものとされたが、法律の度重なる改変や周囲の実情に影響されて、かっては絶対視されていたノモス的なるもの一般の相対性や正義と利益の相反が鋭く自覚されるようになった。当時ソフィストたちは制度や価値は本来ノモス的なものか、それともフュシス的なものかを問題とし、神や正義さえもフュシス的性格を奪われてノモス的なものの領域に組み入れられるに至った。 ◆次に、自然法 natural law の用語解説 しぜん-ほう【自然法】 広辞苑 ①自然界の一切の事物を支配するとみられる理法。②人間の自然(本性)に基づく倫理的な原理。人為的・歴史的な実定法とは異なり、時と所を超越した普遍的な法と考えられている。規範的な意味を持つ点で、叙述的な自然法則から区別されうる。⇔実定法⇔人定法 natural law ブリタニカ・コンサイス百科事典(natural lawの項)より全文翻訳 法理学(jurisprudence)と政治哲学(political philosophy)に関して、社会ルールや実定法からではなく自然から派生した(とされる)全ての人類に共通する権利または正義の体系(a system of right or justice)である。この概念はアリストテレスを先駆者とする。彼は“自然に適ったもの”が必ずしも“法に適ったもの”と同一ではないと考えた。ストア派、キケロ、ローマ法学者、聖パウロ、聖アウグスティヌス、グラティウス、聖トマス・アキナス、ジョン・ドン・スコット、オッカムのウィリアム、フランシスコ・スアレスによって、様々な形で自然法の存在が主張された。近代において、ヒューゴ・グロティウスは、例え神が存在しなくとも自然法は肯定される、と主張した。そしてトーマス・ホッブズは自然法を“理性によって発見された一般ルールの規範であり、それによって人間は自身の生活にとって破壊的な行為を禁止されている”と定義した。ホッブズは、①仮想的な“自然状態”から理性的に演繹される法(=自然法)の複雑な体系と、②治者と被治者との間の合意による社会契約とを対比する試みを行った。ジョン・ロックは、ホッブズから距離を置き、自然状態を自由で平等な人々が自然法を遵守する初期の社会として記述した。ジャン-ジャック・ルソーは、①自己保存と②同情という“理性に先立つ”2つの原理によって行動付けられた孤立の中で美徳を保持する野生人(a savage)を措定した。アメリカ独立宣言の著者達は、平等と他の“自明の”“奪うことの出来ない”諸権利を唱導する前段で、わずかに「自然の法」について短く言及しているに過ぎない。フランス人権宣言(人間と市民の諸権利の宣言)は、自由・所有・安全そして圧制への抵抗を“時効のない自然の諸権利”であると主張した。自然法の概念に対する関心は、19世紀に劇的に凋落した。それは部分的にはジェレミー・ベンサムや他の功利主義の提唱者達の懐疑的な攻撃の結果である。それ(自然法への関心)は20世紀の半ばに第二次世界大戦中のナチス体制によって犯された犯罪という脚光を浴びて復活した。自然法(natural law)と自然権(natural rights)に対する懐疑は依然として強烈であるが、後代の著者達は自然権ではなく人権(human rights)をほぼ例外なく語るようになった。 natural law オックスフォード英語事典(natural lawの項)より抜粋翻訳 1 全ての人間の行為の基礎と見なされている不変の道徳的原則から構成されるもの。 2 自然現象に関連して観測される法則。観測される法則を集合的に言う。 ◆小まとめ 以上のように、古代ギリシアの時代から、 真の法は、①ノモス(人為の法・・・アテネ・スパルタといった個別の共同体毎に自生的に生成されたきた人為的・相対的な法)か、②フュシス(自然の法・・・全人類に共通する絶対的で自然法則に匹敵する法)か、 を巡って意見の対立があり、中世期にはキリスト教の権威の下、普遍的・絶対的な自然法natural lawの存在が説かれるようになった。 キリスト教の権威が崩れだした近世期には、自然法 natural law は「神」の創造(=神定法)ではなく人類が共通して持つ「理性」から自ずと演繹されるもの(=理性法)である、と観念されるようになり、そうした「自然法」の内実を個々人の「権利」として把握したものを「自然権」natural rights と呼ぶようになった。 現在、様々な場面で、保守派論者によって悪しき左翼思想の典型として問題視されている「人権」human rights とは、ブリタニカ・コンサイス百科事典の解説にあるとおり、この自然権の20世紀半ば以降の変形であり、その淵源を辿れば ①自然法 natural law → ②自然権 natural rights → ③人権 human rights となる。 従って、もし我々が本当に「人権」イデオロギーを否定するつもりならば、論理的には「自然法」にまで遡って否定しなければならないことになるはずである。 即ち、古代ギリシアの「真の法は①ノモス(人為の法)か②フュシス(自然の法)か」という問いに対して、我々は「①ノモスが真の法である」と答えるべき、こととなる。 ※因みに、こうした「①ノモス(人為の法)と②フュシス(自然の法)」の区別は、法思想史の教科書(例えば https //www.amazon.co.jp/dp/4641059721 の一番最初の方(古代ギリシアの法思想の項)に出てくる事項であり、またハイエク『自由の条件』にも法思想の解説の初めのあたりで大書されている事項でもある。 ◆では、「国体法」とは何か 日本には日本の、英国には英国の、またアメリカにはアメリカの、それぞれ歴史的に形成されてきた固有の国体がある、と考えるのが「国体論」であり、その国体を法規範として観念したものが「国体法」とよばれるものである。 (※この他に、国体を文化的意味で捉えて観念することも可能) こうした「国体法」の理解は、「真の法は、①ノモス(=(共同体毎に人為的に形成された自生的な法であり、共同体間では必然的に相対的な内容となるもの)である」とする上記の理解と整合的である。 (つまり、「国体法」は、②フュシスないし自然法(=神の創造ないし理性からの演繹による全人類に共通的な自然の法)ではない) ◆まとめ 以上から、国体法は、人為の法(ノモス)であって、いわゆる自然法ではない。 これを自然法だという論者は、法思想史を余り押さえていない者、という結論となるので注意されたい。 ◆ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 一部の法学者が自然法という言葉をきちんとした定義もなしに便利に使いすぎなんだよ。 - 名無しさん (2014-07-26 13 58 44) 以下は最新コメント表示 一部の法学者が自然法という言葉をきちんとした定義もなしに便利に使いすぎなんだよ。 - 名無しさん (2014-07-26 13 58 44) 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
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日本の様々な憲法論を政治的スタンスに当て嵌めて概括すると下表のようになる。 ※サイズが画面に合わない場合はこちらをクリック願います。 政治的スタンス 代表的論者 ベースとなる思想家/思想 補足説明 詳細内容 (1) 極左 伊藤真など護憲論者 J.-J.ルソーの社会契約論からさらに、アトム的個人主義と集産主義の結合形態(=左翼的全体主義)※説明に接近 「人権」「平和」を過度に強調し絶対視する共産党・社民党・民主党左派系の法曹に多い憲法論でありイデオロギー色が濃く法理論というよりは左翼思想のプロパガンダである(左の全体主義) (2) 左翼 芦部信喜高橋和之 修正自然法論(法=主権者意思[命令]説に自然法を折衷)+J.-J.ルソーの社会契約論 宮沢俊義→芦部信喜と続く戦後日本の憲法学の最有力説であり通説※宮沢は有名なケルゼニアン(ケルゼン主義者)。芦部は自然法論者だが人権保障をア・プリオリ(先験的)な「根本規範」と位置づけており、その表面的な米国判例理論の紹介はポーズに過ぎず、実際には依然ケルゼン/ラートブルフ等ドイツ系法学の影響が強い よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) (3) リベラル左派 長谷部恭男 H.L.A.ハートの法概念論(法=社会的ルール説)を一部独自解釈※なお長谷部は社会契約論に依拠しているのか曖昧でハートの法概念論と辻褄が合うはずのハイエクの自由論は故意に無視している 近年の左派系憲法論(護憲論)をリードしている長谷部は芦部門下であるが、師のようなドイツ系法学パラダイムはもはや世界の憲法学の潮流からは通用しないことを認識しており、師の憲法論の中核である、①根本規範を頂点とした法段階説+②制憲権(憲法制定権力)説、を明確に否定して、英米系法学パラダイムへの接近を図っている。(※但しハートまでは受容しながらもハイエクを拒否している長谷部の憲法論は中途半端の誹りを免れず、これを一通り学んだ後は、より整合性のとれた阪本昌成の憲法論へと進むべきである) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) (4) 中間 佐藤幸治 人格的自律権に限定して自然法を認める独自説+J.ロックの社会契約論 芦部説の次に有力な憲法論であり、芦部説よりも現実妥当性が高いので重宝されるが(佐藤は佐々木惣一から大石義雄へと続く京都学派憲法学の系統)、法理論としては妥協的でチグハグと呼ばざるを得ない 佐藤幸治『憲法 第三版』抜粋 (5) リベラル右派 阪本昌成、※ H.L.A.ハートの法概念論(法=社会的ルール説)+F.A.ハイエクの自由論 20世紀後半以降の分析哲学の発展を反映した英米法理論に基礎を置く憲法論であり、法理論としての完成度/説得力が最も高いが、日本では残念ながら非常に少数派 阪本昌成『憲法1 国制クラシック』 (6) 保守主義 中川八洋日本会議 E.コークの「法の支配」論+E.バークの国体論 日本会議・チャンネル桜系の憲法論も基本的にこちらに該当する。法理論というより「国民の常識」論であり、心情面からの説得力が高いが、(5)の法理論を一通り押えた上でこの立場を取らないと、いつの間にか(7)に堕する危険があるので注意。 中川八洋『国民の憲法改正』抜粋 (7) 右翼・極右 いわゆる無効論者 ヘーゲルの法概念論・共同体論およびそれに類似した全体主義的論調 「伝統」「国体」などを過度に強調し絶対視して「右の全体主義」化した憲法論(左翼憲法論の裏返しであり、左翼からの転向者が嵌り易い。法理論というより右翼イデオロギーのプロパガンダ色が濃い) ※政治的スタンス5分類・8分類+円環図 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ⇒上図の詳しい説明は、政治の基礎知識、政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 参照。 政治的スタンス毎の憲法論の違いは、①「人権」と②「国民主権」の捉え方に顕著に現れる。このうち、①「人権」に関しては、「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のためにを参照。政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価では、(2)~(6)の各々の政治的スタンスの代表的な②「国民主権」論を列記したのち、総括する。 ■関連ページ 日本国憲法改正問題(上級編) ■ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 以下は最新コメント表示 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
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「日本列島は日本人だけの所有物ではない」「これからは国境に固執する時代ではなくなり『地球市民』の時代になる」(鳩山由紀夫・前首相)という発想は一体どこから来たのでしょうか? <目次> ■1.国家解体思想って何? ■2.「世界政府・地球市民」の思想的背景、歴史的経緯◆大陸合理論とイギリス経験論 ◆設計主義的合理主義と批判的合理主義 ◆「世界政府・地球市民」は、設計主義的合理主義(大陸合理論)からの帰結 ■3.いわゆる「陰謀論」について◆でも、なぜ「陰謀論」が発生したのだろう? ◆トンデモ陰謀論・デマ話に効く書籍 ◆陰謀論こそ保守派を混乱させる陰謀である ■4.まとめ ■5.参考図書 ■6.ご意見、情報提供 ■1.国家解体思想って何? 先日、人気ブログ「中韓を知りすぎた男」様に、国家解体思想という記事が上がりました。 日本やアメリカといった既存の国家を解体して、世界統一政府を作り、みんなで地球市民になるんだ・・・という思想ですね。 本ページでは、この問題について少し突っ込んだ検討を行います。 ■2.「世界政府・地球市民」の思想的背景、歴史的経緯 ◆大陸合理論とイギリス経験論 中学や高校で、「啓蒙思想」が17世紀のイギリスや18世紀のフランスで起こり、それが1789年のフランス革命に繋がっていった、という事を学ぶと思います。 ホッブズ・ロック・ルソーらの唱えた「社会契約説」がその代表とされ、ほかにデカルトやモンテスキューなどの思想も少し習いますね。 大学の教養課程レベルだと、この啓蒙思想には実は ① 大陸合理論 「コギト・エルゴ・スム(我思うゆえに我あり)」というデカルトの『方法序説』以来ドイツ・フランスなど欧州大陸で発展した理性を唯一の拠り所として世界を合理的に理解しようとする思想潮流で、理性からの演繹による思弁を絶対視するもの。 ② イギリス経験論 人間の理性は不完全であり、所詮は人間は失敗と成功という試行錯誤を繰り返しながら経験に学ぶしかない、という理性に対する懐疑を唱え、演繹ではなく帰納の大切さを強調するもので、主に18世紀のスコットランド出身者(ヒューム、アダム・スミスら)およびアイルランド出身者(エドマンド・バーク)らが①大陸合理論に対抗して唱えた。 の二つがある、ということを学ぶと思います。 もちろん西洋思想の主流は、デカルト以来の、①大陸合理論のほうで、この思想が結局フランス革命を引き起こし、さらにやがてカント・ヘーゲルらのドイツ観念論を生み、ヘーゲル左派からはマルクス主義が生まれ、ロシア革命へと繋がり、またヘーゲル右派からはナチズムが生まれたのです。なおフランスではフーリエ、サン・シモンらの(空想的)社会主義が生まれています。 ◆設計主義的合理主義と批判的合理主義 日本の学者は明治以来、①ドイツ・フランス系の大陸合理論ばかりを輸入しましたし、今の社会科教育で教えられる思想家も、やはり①大陸合理論の思想家ばかりです。 しかし、実はイギリス・アメリカでは、②イギリス経験論の伝統が強くて、フランス革命の時にはエドマンド・バークが出、また第二次世界大戦の最中にはオーストリア出身で故国がドイツに併合された際にイギリスに帰化していたF.A.ハイエクと、K.R.ポパー、さらにはラトビア出身で、やはり故国がソ連に併合された際にイギリスに帰化していたI.バーリンらが出て、フランスの革命思想や、ヘーゲルやマルクスの思想、ナチズム(国家社会主義)を含む社会主義を全体主義思想として排撃し、そうした思想が発生した根源としてデカルト以来の①大陸合理論の持つ重大な誤謬を強く批判しました。 簡単に言うと、①大陸合理論、②イギリス経験論というネーミング自体が実は、①は合理的で②は非合理的だ、という①大陸合理論の論者の側のプロパガンダであり、実際には以下の分類が相応しい、という批判です。 ① 設計主義的合理主義 (F.A.ハイエクの造語で、いわゆる大陸合理論) デカルト以来の「自らの理性のみの力で世界を解明し、人類にとって理想的な世界を再設計できる」とするリセット主義。社会主義の暴力革命論も修正社会主義といわれる議会制内での社会改革も含めて、国家や社会を改造しようとする思想で、世界統一政府や地球市民という理念もここからの帰結である。 ② 批判的合理主義 (K.R.ポパーの造語で、いわゆるイギリス経験論) 人間が自らの理性を有効に活用できるのは自由な批判を通じて間違いを検出し改善して、より真実と思われるものに一歩でも近づく限りにおいて、である。社会を根底からリセットできる、とする①は致命的な思い上がりである。 もちろん、ハイエクやポパーが正しいとしたのは ②批判的合理主義であり、これこそが真の意味での「合理主義」であって、 ①設計主義的合理主義は、結局は人間を『隷従への道』へと導く誤った思想である、というのが彼らの結論です。 漫画『隷従への道』(ハイエク著)要約、詳しくは⇒ハイエクと自由主義へ 1980年代のイギリス・サッチャー政権は、ハイエクの思想を政策理念の主軸に据えてサッチャー改革を断行しました。またアメリカのレーガン政権はハイエクの所属したシカゴ学派の経済政策を大々的に取り入れ、政治面ではソ連との対立政策を断行して、1989-91年にかけてソ連・東欧の社会主義体制を崩壊に導きました。 ◆「世界政府・地球市民」は、設計主義的合理主義(大陸合理論)からの帰結 このように現実の世界政治の舞台では、サッチャー・レーガン政権以来、ハイエクやポパーの思想が一応の勝利を収め、社会主義は大きく後退したのですが、学者達の思想の世界では、いまだに①設計主義的合理主義が大きく蔓延っていて、とくに日本においてはその傾向が強いのです。私達は、学校教育で、ホッブズ・ロック・ルソーの社会契約説やデカルトの思想は習いますが、ハイエクやポパーの思想は、ほとんど全く習いません。 従って高度な教育を受け、官僚や政治家や司法界に入るような、あるいはマスコミ界に入るような人材は、教育で植えつけられる思想のオカシサに自分で気づかない限り、デカルト以来のリセット主義(世界を理性の力で再設計できるとする思想)になってしまいます。 要するに問題なのは、西洋思想の主流そのものです。 鳩山由紀夫首相の「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」発言も、その淵源を辿ればここからきているわけです。 ① 西洋思想の主流 設計主義的合理主義(大陸合理論) プラトン ⇒デカルト ⇒社会契約説(ホッブズ、ロック、ルソー) ⇒ドイツ観念論(カント、ヘーゲル) ⇒ヘーゲル左派 ⇒マルクス主義(マルクスetc.)・修正社会主義(フェビアン協会etc.) ⇒国家解体思想(世界政府・地球市民) ⇒フランス啓蒙思想(百科全書派・ヴォルテールetc.) ⇒ヘーゲル右派 ⇒ナチズム(国家社会主義) ② 西洋思想の傍流 批判的合理主義(イギリス経験論) ソクラテス ⇒スコットランド啓蒙派(ファーガソン、ヒューム、アダム・スミスetc.) ⇒エドマンド・バーク ⇒アクトン卿・トクヴィルetc. ⇒ハイエク、ポパー ⇒真正自由主義(歴史と伝統を重視) ■3.いわゆる「陰謀論」について +ネットで一部の人が盛んに流布させている「ユダヤ陰謀論」といった類のデマ話を信じてしまう初心者向けの解説です。 ところで、以上説明したような「世界政府・地球市民」理念(=国家解体思想)が発生した背景・歴史的経緯を知らない人達の中には、ユダヤ系の陰謀組織が存在し、あらゆる謀略活動の糸を引いている・・・という類のデマ情報を信じ込んでしまう方々がいらっしゃるようです。 ユダヤの金融資本家が「イルミナティ」という陰謀組織を結成しており、実は共産主義国家と裏で手を組んでいて「全人類奴隷化計画」を進行中だとか、2001年9月に起きた911連続テロ事件はイルミナティに乗っ取られたアメリカ政府の自作自演だ・・・などと言う人までいらっしゃいます。あるいは、全てはフリーメーソンの陰謀だ、という話もあるようです(特に一神教のアメリカ・ヨーロッパでは昔からこうしたユダヤ金融資本家の陰謀という話が広く流布されており、ナチスがユダヤ人を迫害した原因ともなりました)。 しかし、そのような安直な陰謀論に飛びつくのは、 国家解体思想が発生した思想的背景・歴史的経緯を知っている人からは、馬鹿にされるだけですし、そうでなくとも常識のある一般の人からは、思いっきり引かれるだけです。 ◆でも、なぜ「陰謀論」が発生したのだろう? デカルト以来の①大陸合理論は「理性によって世界を唯一の正しい姿にリセットできる」という一元論・決定論でした。 当然その直系である社会主義思想も「歴史の方向性は決まっており、世界は共産主義社会に向かって進歩する」という決定論です。 これをそっくりそのまま裏返すと、「イルミナティ」という陰謀組織が存在し、彼らが世界の統一を目指してあらゆる陰謀の糸を引いている、というような話になります。 つまり一元論・決定論はそのままなのです。 (※ ①唯一絶対的な神の存在 → ②理性による唯一合理的な世界の設計 → ③世界統一を目指す唯一の陰謀組織の存在 ) このような安直な考え方が、一神教の精神文化を持つ欧米諸国で発生し広まってしまったのは、仕方がない側面があるのかも知れません。 しかし、そもそも寛容な多神教的精神文化を持つ我が国の普通の人ならば、ハイエクやポパーの小難しい批判を知らなくとも、直感的にこのような話はおかしい、と気づいてもよさそうです。 ◆トンデモ陰謀論・デマ話に効く書籍 トンデモ予言者大集合ご存知『トンデモ本の世界』シリーズの、マネッコ本。しかしパチモンの癖に実に出来がいい!その為本家「と学会」から公認を貰ったと言う。冗談じゃなくマジで出来がいい!必読! この人を見よ現代社会が生んだ病める神秘主義者カール・グロガウアーはキリストの生涯に異常とも言える執着を持っていた。彼は、市井の科学者の手になる未完成のタイム・マシンを入手するやキリストの最後を見届けるべく、過去へと旅立った・・・。神秘思想に取り付かれた人物の内面描写がすごい!有る意味最も厳しい本。 立花隆先生、かなりヘンですよタイトル通り立花隆氏を批判している本。だが後半で、返す刀で立花隆がハマッテいる「ニューエイジ」「ニューサイエンス」などを批判している。それが又非常に的確。オカルト(「ニューエイジ」「ニューサイエンス」等)にハマッテいる人にはぜひ1度読んで欲しいが、タイトルのせいで立花隆に興味のない人は見向きもしない。惜しい。 ◆陰謀論こそ保守派を混乱させる陰謀である こうしたユダヤ金融機関の陰謀といった類の話は元々は左翼ブログの定番テーマだったのですが、昨年の総選挙の前後からマトモな言論ではとても保守派に敵わない左翼ブロガーの一部が、保守あるいは右翼に方向転換した振りをして(あるいは本当に転向したのかも知れませんが)こうしたデマを宣伝し始めたらしく、それを信じ込み自分も宣伝に廻っている人が何人も発生している様子です。(詳しくは反日ブログリスト、「「愛国詐欺」詐欺」に注意を参照下さい。) いずれにせよ、こうしたデマ話は相手をするだけ時間の無駄ですし、第一に論理的な辻褄も全然合っておらず、全く知的好奇心をそそるものでもありませんが、中にはどうしてもこうした類の話を本気にしてしまい、あちこちで迷惑な宣伝活動までする幼稚な?あるいはひねくれた?人が発生している様子なので、当サイトではそうした被害の防止のため注意を呼びかけています。下らない馬鹿話なんか取り上げないで欲しい…と不快に思われた方は、以上の事情をご了承願います。 ■4.まとめ 「世界政府・地球市民」という理念は、ひとつの思想ですから、それだけで一概に悪いとは言いません。 しかし、このような思想が発生した背景、また、この手の思想を信奉する人達が自分たちの理想とは裏腹に、これまで世界にどのような惨禍をもたらしてきたのか、といった歴史的経緯を確り知っておくことは非常に大切です。 また、そのような思想的背景・歴史的経緯を知ることで、いわゆる「ユダヤ陰謀論」「911自作自演説」といった集団ヒステリーのようなトンデモ話に引っかからないで済むようになるはずです。 そして、寛容な多神教文化を持つ我が国のことを有難く感じ、大切に思って、この国を守りたいと強く思えるようになることでしょう。 ■5.参考図書 『正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒 (単行本) 』(中川八洋:著)西欧哲学の正統保守主義(真正自由主義)の系譜と、それに対立する邪悪な全体主義思想(自由を圧搾する偽りの思想)の系譜を峻別して分かり易く解説。正統の思想・邪悪な異端の思想の各々の思想家と代表的著作の一覧表が大変参考になります。<目次>第1部 総論 真正自由主義離脱の代償・ 第一章 近代がうんだ「反・近代」―全体主義の源流フランス革命・ 第二章 「進歩」という狂信・ 第三章 真正自由主義―伝統主義、保守主義)第2部 各論 隷従の政治か、自由の政治か・ 第四章 「平等教」の教祖ルソー―全体主義と大量殺戮の起源・ 第五章 フランス革命―人類の「負の遺産」・ 第六章 「大衆」―全体主義の母胎・ 第七章 「人権」という狂信―全体主義への媚薬・ 第八章 迷信の「国民主権」、反・人民の「人民主権」・ 第九章 「進歩」の宗教、「進化」の神話・ 第十章 平等主義―自由抑圧の擬似宗教・ 終章 伝統・権威と自由の原理―保守する精神文献リスト―「悪書」の過剰と「良書」の欠乏 『知の歴史―ビジュアル版哲学入門 (大型本)』(ブライアン・マギー:著)イギリスの標準的な哲学・思想解説本。左翼の強い日本では意図的に紹介されない英国保守思想の大家エドマンド・バークにも確り数ページが割かれています。著者ブライアン・マギーは、ハイエクの盟友カール・R・ポパーと深い交流のあったイギリスの代表的な哲学解説者で、イギリス左翼の代表的思想家バートランド・ラッセルとも交流のあった人物。この本で特に興味深いのは、デカルト以来の大陸合理論が、ガリレオ・ガリレイからケプラーを経てニュートンによって完成した古典力学の決定論の大きな影響を受けていること、しかし20世紀に入ってアインシュタインの相対性理論・ハイゼンベルクの不確定性原理が発見され、絶対と思われたニュートン力学が否定され、それがハイエクやポパーの合理主義批判に影響を与えていること、がポパーの解説部分の前後に述べられている点である。 【関連】 政治の基礎知識 デモクラシーの真実 リベラリズムの真実 ■6.ご意見、情報提供 ↓これまでの全コメントを表示する場合はここをクリック +... 作っていて正直、結構厄介な問題だと思いました。このページのここが分かりにくい、ここをもっと説明して欲しい、など当ページをより良くするために、様々なご意見をお願いします。なお煩雑さをさけるため、頂いたコメントはページ修正後に削除する場合があります。 -- ページ作成者 (2010-05-08 03 55 12) まとめ乙。なんとなくわかったようなきがするwたぶんこれでもかなり分かりやすくまとめてくれたんだと思う。今後は民主党、左翼勢力、特定アジア等の敵勢力がどのようにしてまとめてくれたことを利用していくのか現実問題とリンクしてくれるとよりわかり易くなるかもしれない -- 名無しさん (2010-05-08 14 38 37) 鳩山氏の演説を作った平田オリザ氏も国家解体と言ってますから、鳩山氏もはっきりと国家解体を目指しているとは言えなくても心では思ってるんだと思います。http //www35.atwiki.jp/kolia/pages/780.html#id_c7b6a592 -- 名無しさん (2010-05-08 16 15 54) >作っていて正直、結構厄介な問題だと思いました。「厄介な」とは、この問題を安直な陰謀組織の話にしてしまう人がどうしても一定の割合で発生する、という意味です。詳しい事情。今から15年前のオウム真理教事件(アメリカ・ヨーロッパにユダヤ系の悪の陰謀組織があり、1999年に世界最終戦争が発生する・・・といった洗脳ビデオを信じ込んでカルト教団に入信した(元)大学生らが、教祖らの命令で被害者救援活動に取り組んでいた弁護士一家の殺害・地下鉄サリン散布などの凶悪犯罪に及んだ事件)の例に見るとおり、この手の怪しいユダヤ陰謀論は昔からあるのですが、今でも少しづつ形を変えて一部の人に通用するようです。そうした怪しい陰謀論を信じ込んでいる人にお勧めの本⇒トンデモ予言者大集合、この人を見よ、立花隆先生、かなりヘンですよ --- ページ作成者 (2010-05-24 23 22 18) お疲れ様です。とても勉強になりました。 -- 国家解体思想嫌い (2010-11-08 11 15 42) ただ、陰謀論の所がよくわかりません。国家解体思想の系譜と陰謀論の真偽は関係ないと思いますが。 -- 続き (2010-11-08 11 17 58) 国家解体は反日勢力の基本的考え方だから保守・愛国派は国家護持を基本とすべき!! -- 名無しさん (2010-12-24 10 51 46) 911は100%自作自演だべ?陰謀とかじゃなく、ビルの崩れ方があきらかにおかしいだろw -- 名無しさん (2011-01-16 05 34 43) ↑ ソースは?(2ch以外で) -- 名無しさん (2011-01-16 10 05 27) ↑余りに知られた真実なので、陰謀論とみなす必要はありません。 -- 名無しさん (2011-07-18 13 06 38) 内容が間違いだらけ 書き手のナルが入りすぎてて気持ち悪いです -- 名無しさん (2011-10-06 12 10 43) このページ他サイトからも評判悪いよ 削除した方がいいじゃね -- 名無しさん (2011-10-06 12 13 52) ↑此処のHPはユダによって作られました。 -- 名無しさん (2013-06-06 23 00 10) 昨夜放送されたテレビ東京の『地球ドック』という番組が、「二酸化炭素排出による地球温暖化」説を主張したり、オーストラリアの動物保護の話題と共に「地球市民」という言葉を推したり、とにかく酷いサヨク番組でした。また、そのオーストラリアのレポートをしていたのは、久本雅美(創価学会員)でした。http //www.dailymotion.com/video/x1llh5i_%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF-%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%8B%E3%82%89%E4%BB%8A%E3%81%AE%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%82%92%E5%81%A5%E5%BA%B7%E8%A8%BA%E6%96%AD-1-3_lifestyle -- 某173 (2014-04-04 18 03 46) ユダヤ教はなぜいつも陰謀論の主役になっているんでしょうね。 -- 名無しさん (2014-04-14 18 23 39) ↑陰謀論なんかじゃなく事実だから。上記の陰謀組織が電通や博報堂と結託し、右翼やノンポリの個人情報を集めるのがこのサイトの最大の目的です。当然、我々の個人情報は奴等に渡っています。 -- 名無しさん (2014-04-14 19 30 31) 輿水正が売国認定される真の理由は、このサイトにとって不都合な真実がバラされとるから。 -- 名無しさん (2014-07-03 19 49 17) ユダヤ教の人にお願いすれば願い事はなんでもかなうのかなw -- 名無しさん (2014-07-22 11 58 22) 杉原千畝はユダの手先の反日売国奴。こやつと松岡洋右、近衛文麿、牟田口こそ真のA級戦犯。東条先生は無罪なり名誉回復を! -- 名無しさん (2014-07-24 09 39 30) 911は~の返信2つ以降(某173さんや2014年4月14日午後6時の書き込みの人除いて)、完全にユダヤ陰謀論教で気持ち悪い。創価学会員と同じこと言ってるのに気づいたらいかが? -- 名無しさん (2014-08-04 23 22 07) ↑↑杉原さんが売国奴かどうかは知らんけど、韓国の反日デモで安倍総理の写真と共に踏みつけられてた画像あったから、もうちょっと違うのでは?東條さんの名誉回復は同意します。 -- 名無しさん (2014-08-04 23 25 58) ↑↑ユダヤ陰謀論は全て真実やから。 -- 名無しさん (2014-08-06 12 05 43) ↑↑相手が日本人なら誰でもいいんだろ。 -- 名無しさん (2014-08-06 12 07 37) TPPで得をするのもユダヤ金融だけだろ。陰謀論wじゃなくて事実を見ろ -- 名無しさん (2015-09-14 13 04 47) 911テロでユダヤ人だけ数千人が出勤してなかったのはなぜ? -- 名無しさん (2015-09-14 13 05 22) このサイトは他の記事はいいんだけどユダヤ関連だけはひどいね。ユダヤ様のスケープゴートとして在日叩きしてると疑われかねないですよ。ユダヤ関連だけ意味不明な抽象論ばかり。東大話法ってやつですね -- 名無しさん (2015-09-14 13 06 30) 「世界を動かすものの正体」で検索してみて -- 名無しさん (2015-09-15 13 17 40) 大変な知識です。参考になりました。しかし「設計主義的合理論(大陸合理論)」の理性主義だけでは現実的内容に見えますが、一方ではやはり理想とか理念は -- 荻野源吾 (2015-10-13 01 17 00) 「設計主義的合理論」の理性主義だけでは現実的でないように見えますが、一方ではやはり人間の理想とか理念は将来に渡ってますます生きてくるのでは。これが時間がかかっても人類の英知。今は記録媒体も進み知識の蓄積も多い。過去の歴史から学ぶことの出来ない人間愚かさと同時にその叡知に信頼したい。また「地球市民」運動が必ずしも「国家解体論」には直結しない。国民・民族の誇りと共に、家族や地域・国家を超えて「地球市民」を意識しての国際平和希久は可能。ジョンレノンの「イマジン」のごとく。理想・理念は現実的でないとする志向形態こそ旧守派となる。 -- 荻野源吾 (2015-10-13 01 37 53) 「設計主義的合理主義の」行き着く道としてハイルヒトラーもスターリンの独裁も「計画」による「隷従への道」として同じ筋道に描かれていますが、確かに当時独裁による殺害などの現実を知らされていますが、物事はそう単純ではありません。一旦旧ソビエト的計画経済は失敗していますが、さりとて資本主義も危うさは同じです。目下寡占資本状態。市民の生活は便利さのみに追われ心は萎縮しています。貧困の再生産も。従ってあなた方のプロパガンダは有効ではありません。「 -- 荻野源吾 (2015-10-13 01 56 43) 自由主義への信仰がすぎるんじゃない 共産主義的思想は全体主義に至りやすいものの、資本主義だって無政府主義やリバタリアニズムに至りやすいんだぞ リバタリアンが蔓延した世界は道徳心の欠如した世界で社会が解体されかねない - 名無しさん 2015-11-14 01 44 56 ×資本主義→○自由主義 - 名無しさん 2015-11-14 01 46 16 陰謀論については、ポパーの薄いほん読んだが「プラトンは、ペロポネソス戦争をギリシャ神話の神のせいと考えてる。」とあった。 - 名無しさん 2016-11-28 11 45 24 以下は最新コメント表示 作っていて正直、結構厄介な問題だと思いました。このページのここが分かりにくい、ここをもっと説明して欲しい、など当ページをより良くするために、様々なご意見をお願いします。なお煩雑さをさけるため、頂いたコメントはページ修正後に削除する場合があります。 -- ページ作成者 (2010-05-08 03 55 12) まとめ乙。なんとなくわかったようなきがするwたぶんこれでもかなり分かりやすくまとめてくれたんだと思う。今後は民主党、左翼勢力、特定アジア等の敵勢力がどのようにしてまとめてくれたことを利用していくのか現実問題とリンクしてくれるとよりわかり易くなるかもしれない -- 名無しさん (2010-05-08 14 38 37) 鳩山氏の演説を作った平田オリザ氏も国家解体と言ってますから、鳩山氏もはっきりと国家解体を目指しているとは言えなくても心では思ってるんだと思います。http //www35.atwiki.jp/kolia/pages/780.html#id_c7b6a592 -- 名無しさん (2010-05-08 16 15 54) >作っていて正直、結構厄介な問題だと思いました。「厄介な」とは、この問題を安直な陰謀組織の話にしてしまう人がどうしても一定の割合で発生する、という意味です。詳しい事情。今から15年前のオウム真理教事件(アメリカ・ヨーロッパにユダヤ系の悪の陰謀組織があり、1999年に世界最終戦争が発生する・・・といった洗脳ビデオを信じ込んでカルト教団に入信した(元)大学生らが、教祖らの命令で被害者救援活動に取り組んでいた弁護士一家の殺害・地下鉄サリン散布などの凶悪犯罪に及んだ事件)の例に見るとおり、この手の怪しいユダヤ陰謀論は昔からあるのですが、今でも少しづつ形を変えて一部の人に通用するようです。そうした怪しい陰謀論を信じ込んでいる人にお勧めの本⇒トンデモ予言者大集合、この人を見よ、立花隆先生、かなりヘンですよ --- ページ作成者 (2010-05-24 23 22 18) お疲れ様です。とても勉強になりました。 -- 国家解体思想嫌い (2010-11-08 11 15 42) ただ、陰謀論の所がよくわかりません。国家解体思想の系譜と陰謀論の真偽は関係ないと思いますが。 -- 続き (2010-11-08 11 17 58) 国家解体は反日勢力の基本的考え方だから保守・愛国派は国家護持を基本とすべき!! -- 名無しさん (2010-12-24 10 51 46) 911は100%自作自演だべ?陰謀とかじゃなく、ビルの崩れ方があきらかにおかしいだろw -- 名無しさん (2011-01-16 05 34 43) ↑ ソースは?(2ch以外で) -- 名無しさん (2011-01-16 10 05 27) ↑余りに知られた真実なので、陰謀論とみなす必要はありません。 -- 名無しさん (2011-07-18 13 06 38) 内容が間違いだらけ 書き手のナルが入りすぎてて気持ち悪いです -- 名無しさん (2011-10-06 12 10 43) このページ他サイトからも評判悪いよ 削除した方がいいじゃね -- 名無しさん (2011-10-06 12 13 52) ↑此処のHPはユダによって作られました。 -- 名無しさん (2013-06-06 23 00 10) 昨夜放送されたテレビ東京の『地球ドック』という番組が、「二酸化炭素排出による地球温暖化」説を主張したり、オーストラリアの動物保護の話題と共に「地球市民」という言葉を推したり、とにかく酷いサヨク番組でした。また、そのオーストラリアのレポートをしていたのは、久本雅美(創価学会員)でした。http //www.dailymotion.com/video/x1llh5i_%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF-%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%8B%E3%82%89%E4%BB%8A%E3%81%AE%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%82%92%E5%81%A5%E5%BA%B7%E8%A8%BA%E6%96%AD-1-3_lifestyle -- 某173 (2014-04-04 18 03 46) ユダヤ教はなぜいつも陰謀論の主役になっているんでしょうね。 -- 名無しさん (2014-04-14 18 23 39) ↑陰謀論なんかじゃなく事実だから。上記の陰謀組織が電通や博報堂と結託し、右翼やノンポリの個人情報を集めるのがこのサイトの最大の目的です。当然、我々の個人情報は奴等に渡っています。 -- 名無しさん (2014-04-14 19 30 31) 輿水正が売国認定される真の理由は、このサイトにとって不都合な真実がバラされとるから。 -- 名無しさん (2014-07-03 19 49 17) ユダヤ教の人にお願いすれば願い事はなんでもかなうのかなw -- 名無しさん (2014-07-22 11 58 22) 杉原千畝はユダの手先の反日売国奴。こやつと松岡洋右、近衛文麿、牟田口こそ真のA級戦犯。東条先生は無罪なり名誉回復を! -- 名無しさん (2014-07-24 09 39 30) 911は~の返信2つ以降(某173さんや2014年4月14日午後6時の書き込みの人除いて)、完全にユダヤ陰謀論教で気持ち悪い。創価学会員と同じこと言ってるのに気づいたらいかが? -- 名無しさん (2014-08-04 23 22 07) ↑↑杉原さんが売国奴かどうかは知らんけど、韓国の反日デモで安倍総理の写真と共に踏みつけられてた画像あったから、もうちょっと違うのでは?東條さんの名誉回復は同意します。 -- 名無しさん (2014-08-04 23 25 58) ↑↑ユダヤ陰謀論は全て真実やから。 -- 名無しさん (2014-08-06 12 05 43) ↑↑相手が日本人なら誰でもいいんだろ。 -- 名無しさん (2014-08-06 12 07 37) TPPで得をするのもユダヤ金融だけだろ。陰謀論wじゃなくて事実を見ろ -- 名無しさん (2015-09-14 13 04 47) 911テロでユダヤ人だけ数千人が出勤してなかったのはなぜ? -- 名無しさん (2015-09-14 13 05 22) このサイトは他の記事はいいんだけどユダヤ関連だけはひどいね。ユダヤ様のスケープゴートとして在日叩きしてると疑われかねないですよ。ユダヤ関連だけ意味不明な抽象論ばかり。東大話法ってやつですね -- 名無しさん (2015-09-14 13 06 30) 「世界を動かすものの正体」で検索してみて -- 名無しさん (2015-09-15 13 17 40) 大変な知識です。参考になりました。しかし「設計主義的合理論(大陸合理論)」の理性主義だけでは現実的内容に見えますが、一方ではやはり理想とか理念は -- 荻野源吾 (2015-10-13 01 17 00) 「設計主義的合理論」の理性主義だけでは現実的でないように見えますが、一方ではやはり人間の理想とか理念は将来に渡ってますます生きてくるのでは。これが時間がかかっても人類の英知。今は記録媒体も進み知識の蓄積も多い。過去の歴史から学ぶことの出来ない人間愚かさと同時にその叡知に信頼したい。また「地球市民」運動が必ずしも「国家解体論」には直結しない。国民・民族の誇りと共に、家族や地域・国家を超えて「地球市民」を意識しての国際平和希久は可能。ジョンレノンの「イマジン」のごとく。理想・理念は現実的でないとする志向形態こそ旧守派となる。 -- 荻野源吾 (2015-10-13 01 37 53) 「設計主義的合理主義の」行き着く道としてハイルヒトラーもスターリンの独裁も「計画」による「隷従への道」として同じ筋道に描かれていますが、確かに当時独裁による殺害などの現実を知らされていますが、物事はそう単純ではありません。一旦旧ソビエト的計画経済は失敗していますが、さりとて資本主義も危うさは同じです。目下寡占資本状態。市民の生活は便利さのみに追われ心は萎縮しています。貧困の再生産も。従ってあなた方のプロパガンダは有効ではありません。「 -- 荻野源吾 (2015-10-13 01 56 43) 自由主義への信仰がすぎるんじゃない 共産主義的思想は全体主義に至りやすいものの、資本主義だって無政府主義やリバタリアニズムに至りやすいんだぞ リバタリアンが蔓延した世界は道徳心の欠如した世界で社会が解体されかねない - 名無しさん 2015-11-14 01 44 56 ×資本主義→○自由主義 - 名無しさん 2015-11-14 01 46 16 陰謀論については、ポパーの薄いほん読んだが「プラトンは、ペロポネソス戦争をギリシャ神話の神のせいと考えてる。」とあった。 - 名無しさん 2016-11-28 11 45 24 名前 ラジオボタン(各コメントの前についている○)をクリックすることで、そのコメントにレスできます。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ
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「反日?なにそれ?自分に関係あるの?」って人の疑問に答えます。 ■質問の記述について■ よく分からないことがあれば、遠慮なく質問を 「反日問題Q&A 新規質問」 へ載せてください。 あるいは知らない人が多いであろうと思われる質問がある場合も載せてください。 ご自身で回答しても良いですし、よく分からない・うまく答えられないと言う場合は、 回答欄を空欄にしておき、他の方に回答してもらって結構です。 ■回答の記述について■ Q A内での回答は、簡潔に重要な部分のみにしていただけると良いと思います。 より詳しい回答に関しては、新たにページを設けるか、もしくは外部リンクに委ねると良いと思います。 <回答済みQ A> (もっと良い回答、質問の仕方があれば修正してください。) 反日問題Q&A初級そもそも「反日」ってどういう意味? 反日だと何が問題なの? 国内の反日は? 国外の反日は? 反日の国ってどこ? 反日政策をすると、反日勢力にとって何が得なの? 「従軍慰安婦問題」って何? 「従軍慰安婦」と「慰安婦」って何が違うの? 従軍慰安婦がいた確かな証拠ってあるの? 「河野談話」って何? 従軍慰安婦決議案って何? マイク・ホンダってどういう人物なの? 「南京大虐殺」って何? 南京大虐殺があったという確かな証拠ってあるの? 各新聞社・出版社の論調を教えてください? それぞれの新聞について、反日報道の例を教えてください? 反日の放送局ってどういう所があるの? テレビ朝日が反日だとする根拠は?具体的な例を教えてください? TBSが反日だとする根拠は?具体的な例を教えてください? NHKが反日だとする根拠は?具体的な例を教えてください? 自民党って反日?親日? 民主党って反日?親日? 民主党の反日政策・反日活動にはどういう具体例があるの? 公明党って反日?親日? 社民党って反日?親日? 共産党って反日?親日? 他に反日の政党ってあるの? 「人権擁護法案」って何? 「外国人参政権」って何? 民主党 沖縄ビジョンの「一国二制度」って何? 「在日朝鮮人」って何? 朝鮮籍と韓国籍って何が違うの? 在日の人って、日本に強制連行された可哀想な人じゃないの? 「在日特権」って何? パチンコ産業ってどういう産業なの? 外国人犯罪とか凶悪犯罪とかって反日と何か関係あるの? 「通名報道」って何? 何で日本人なのに反日の人たちがいるの?自分の国をメチャクチャにして何が得なの? 最近アメリカも反日っぽくない?なんで? 何でテレビとか新聞は、反日の実態をちゃんと報道しないの? マスコミがもっと報道して国民に知らせてあげればいいのに? このまま反日勢力の好きなようにやられたら、日本はどうなっちゃうの? 本当か嘘かを見分けるにはどうしたらいいの? 「捏造だ!」といってる人が嘘をついている可能性もあるよね? 反日問題Q&A中級「朝鮮総連」って何? 「民団」って何? 日教組って何? 「自治労」って何? 「旧社会党」って何? 「プロ市民」って何? 反日問題Q&A上級朝鮮(韓国・北朝鮮)は歴史を歩んできたの? 東京裁判って何? GHQって何?GHQがしたことって何? 何で日本は大東亜戦争(太平洋戦争)を起こしたの? 太平洋戦争と大東亜戦争という、二つの呼び方があるのはなぜ? 政治思想や経済思想などの区分分けで、○○主義とか○○イズムとか○○派という言葉がたくさん出てきて分かりません。 日本に民主主義をもたらしたのはアメリカですか? 保守思想について教えてください。また、保守派と革新派の思想の違いを教えてください。 何で「憲法9条護憲派=反日」なの?