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―――どうして 「・・・えーと、皆さんにご紹介したい方がいらっしゃいますの」 ―――どうして 「・・・女になった・・・栄 日天だ・・・よ、よろしく」 ―――どうして 「マジぃ!? 日天、女になっちゃった訳ぇ!?」 「なっははははははwww傑作やろ?wwww」 「凛々ちゃんも犯人の1人なんだから反省した方が良いかもー」 ―――どうして 「まぁ、気を落とすことはないでござるよ、たかが性別でござる」 「女の子になっても可愛いよ☆ あ、でもレジーヌさんには気を付けた方がいいよー」 「ドキ」 ―――どうして 「・・・ん、ルート、どうかしたか?」 「へ?」 「泣いてるじゃないか、何か辛いことがあるなら聞くが」 「う、ううん、何でもない、何でも、ないからぁ・・・」 「どうして・・・どうしてぇ・・・どうしてぇ!? どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてぇ!?」 誰もいない部屋の中、彼女は机に顔を伏せ、虚空に向けて怒りをぶつけた 「どうしてぇ・・・日天さんが、あんなことにぃ・・・ どうして皆、普通にしていられるのよぉ・・・」 涙と共に、溜まった感情を零してゆく そして、 「アタシの想いは・・・何処へ行くのよぉ・・・?」 答えが決して返ってくることのない疑問を投げかけ、声を出して泣いた いつも励ましてくれた“彼”は、もういない いつも傍にいてくれた“彼”は、もう死んだ あるのは、同じ姿をした“彼女”だけ ならば 「・・・・・・分かったぁ」 彼女は涙を拭い、 「日天さんのいないR-No.なんてぇ・・・もぉ、要らない・・・」 投げた疑問を、自分で拾った † † † † † † (ルート アタシの・・・日天さんを・・・返してぇ・・・ 悲痛な、弱々しい叫び しかしそれでも、その言葉はローゼの心に深く突き刺さった (ルート アタシのぉ・・・かっこよくて、冷静でぇ・・・ 甘い物好きで、子供っぽくて、ちょっとネガティブで・・・ でも・・・いつだって、笑顔が素敵だったぁ・・・ ぽろぽろと零れ落ちてゆく、想いを秘めた涙が、とても痛々しく、 何より、自分に否があったことに気づけなかったのが許せなかった 遊び半分でやったことが、ここまで膨らんでしまった事実 仲間であった少女の心を引き裂き、無にしてしまった事実 (ルート アタシが好きだったぁ・・・日天さんを、返してよぉ・・・ 2つの事実を突きつけられ、彼女は (ローゼ ・・・ごめん、なさい・・・ごめんなさい・・・ 只々、泣いて謝ることしかできなかった どんなに謝罪しても、何も変わらないのは分かっている だが、今の彼女には、それしかできなかった (ルート 謝るくらいならぁ・・・態度で、示してよぉ・・・! 日天さんを・・・元に・・・戻してあげてぇ!! (ローゼ ごめんなさい・・・ワタクシには、それが・・・できませんでしたの・・・ (ルート どぉして!? どんな困難も乗り越えたトップの姉貴のクセにぃ!! どぉして、こんな時だけ・・・そんなに弱気なのよぉ・・・! 取り戻せなかった少女の悔しさ 返してあげられなかった少女の悔しさ それらが混合し、朝日に溶け込んでいった――――― (日天 ルートォ!!! 腹の底から出た怒号に、ルートは顔を上げ、ローゼは振り向く 蓮華を壁に持たれかけさせていたらしい日天は、呼吸を整えて続けた (日天 お前、さっきオレに言ったよな・・・“日天さんは日天さんだ”、って 何でもっと早く、その答えに辿り付けなかったんだ・・・! (ルート っ・・・・ (日天 性別なんて、関係ない・・・そいつが好きなら、男だろうが女だろうが構わず言ってやれば良いだろ? (ルート でっ、でもぉ! アタシは・・・アタシは男の日天さんが――― (日天 オレだって、辛かったよ・・・! 女になって、想いを伝えられないって考えた時は!! (ルート ・・・え・・・? 息を呑むルートに構う事なく、日天は尚も口を動かす (日天 ずっと、思ってた・・・お前と一緒にいると、胸が温かくなって、自然と、楽しくて・・・ 最初は何なのか、分からなかったが・・・今やっと、はっきり分かった オレには、お前が必要なんだ! 傍にいてくれなきゃ、困るんだよ! 気が付けば、日天の頬も濡れていた それでも、彼女はルートに想いをぶつける (日天 お前が作ってくれた黒ゴマプリン・・・あの味が、忘れられなくてさ・・・ 何度挑戦しても、上手く・・・作れ、なくて・・・ また、オレの、為に・・・作って、くれないか・・・? (ルート り・・・リー、ティエン、さぁん・・・ (日天 ルート・・・オレは、男になっても、女になっても! この世の中で、お前が・・・お前の事が一番―――――― 最後の言葉を言いかけた瞬間だった 日天の身体を赤い光が包みこんだ――否、身体の奥から溢れ出した その光は、ぱちんっ!と風船が破裂するような音を立て、柔らかい日差しの中に消えた (日天 ・・・な、何? (ローゼ ど、どう、なさったの? (日天 ・・・戻った・・・男に、戻ってる・・・何で今――― 「“幼気”ですよ・・・」 「え?」と声を漏らす前に、背後から声が聞こえた そこに、よろめく身体を抑えながら、蓮華が立っていた (日天 蓮華さん、あんたまだ・・・ (蓮華 R-No.3の強い願望に・・・“幼気”が反応したもの、だと思われます・・・ 都市伝説の影響で性転換していたので、可能だったのでしょう・・・ (ローゼ じ、じゃあ・・・R-No.3は・・・ (蓮華 元通り、ですね (ルート ・・・良かったね、日天さん ざ、と砂の擦れる音が響く 息を切らせて、ルートが立ち上がった 日天が、彼女に歩み寄りながら話しかけた (日天 る、ルート、オレは――― (ルート 来ちゃ、ダメぇ! 驚き、足を止める日天 小さく、無理矢理に笑って、ルートは口を開いた (ルート 日天さんのことは、今でも好きぃ・・・顔も、心も、キレイだもん・・・ でも、ごめんねぇ・・・アタシ、一緒には行けない (日天 ッ!? な、何で――― (ルート アタシ・・・手ぇ、汚しすぎちゃったからぁ・・・ アタシの真っ赤な手で・・・日天さんの真っ白な肌も、心も・・・汚したくないからぁ・・・ 一歩、また一歩と、後ろに下がるルート 込み上げる涙を堪えて、大きく息を吸って (ルート ・・・エーヴィヒ、お願い 物陰に隠れていた白い毛並みのネコが、静かにルートに駆け寄る 同時に、白い霧が立ち込め、ルートとエーヴィヒの姿が薄らいでゆく (日天 なっ・・・ま、待て、ルートォ!! (ルート 日天さん・・・Auf Wiedersehen(さよなら) 霧の中に消えた彼女に、必死に手を伸ばす日天 しかしその手はルートには届かず、 ただ、零れた涙に触れただけだった ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂
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凶鬼10号 ノロイノイド R 闇文明 (6) NEOクリーチャー:マフィ・ギャング 7000 ■NEO進化-自分の闇のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(クリーチャーが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う) ■W・ブレイカー ■スマッシュ・バースト(このクリーチャーが攻撃する時、このカードの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱えてもよい) 仄暗い井戸の底から(イド・インヴェイデッド) R 闇文明 (7) 呪文 ■S・トリガー ■コスト5以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。 作者:wha +関連カード/0 【企画】新章!双極!!超天篇!!!全部まとめてジョーデッキー! カードリスト:wha 評価 名前 コメント
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6/27 仄暗い火口の中から(ウラガンキン亜種) 武器種別最速タイム 剣士大剣 片手剣 双剣 ハンマー ガンナーヘビィボウガン 6/27 仄暗い火口の中から(ウラガンキン亜種) 報告件数 6件 未報告武器 太/笛/槍/銃/斧/軽/弓 武器種別最速タイム 剣士武器種 タイム 武器名 スキル ドリンク オトモ 討伐or捕獲 備考 大剣 07 54"36 煌黒大剣アルレボ 攻撃UP【大】 抜刀術【技】 納刀術 集中 耐震 攻撃アップ【大】 なし 捕獲 片手 03 11"53 煌黒剣アルスタ 攻撃UP【中】 弱点特効 業物 捕獲の見極め 罠師 ボマー ネコの火薬術 ネコの短期催眠術 なし 捕獲 双剣 08 13"40 ホーリーセーバー 攻撃UP【大】 弱点特効 業物 見切り+2 攻撃アップ【大】 ネコの研磨術 ネコの短期催眠術 なし 捕獲 鎚 04 55"56 煌黒堅鎚アルメタ 攻撃UP【小】 弱点特効 業物 耳栓 罠師 ボマー なし なし 討伐 ガンナー武器種 タイム 武器名 スキル ドリンク オトモ 討伐or捕獲 備考 重弩 02 39"90 カオスウイング 氷属性攻撃強化+2 属性攻撃強化 捕獲の見極め 罠師 攻撃アップ【大】 ネコの火事場力 ネコの暴れ撃ち 麻痺ブメ×2 捕獲 剣士 大剣 142名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/27(月) 19 23 51.43 ID VEqRefV2 【討伐or捕獲】 捕獲 【タイム】 07分54秒36 【武器・武器種】アルレボ 【スキル】 攻撃大 集中 耐震 抜刀技 納刀 【ドリンクスキル】 攻撃大 猫のゴリ押し 【オトモ】 無し 【画像】 http //d2.upup.be/P6F3qep5Ng 【戦術・備考】 使ったアイテム 砥石 シビレ罠 後はドーピング剤 初期位置 秘境 捕獲位置 7 尻尾振り回し180度回転はダメージ喰らわないぎりぎりで、溜め3。オナラ攻撃は 尻尾に溜め2、できなければ溜め1。耐震ついていると楽です。やっぱり片手剣や双剣が戦いやすいモンスだと感じた。 正直喰らうに当たり前で攻撃。自分にPSの低さが十分わかった。 片手剣 147名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/27(月) 21 40 28.25 ID jI0ZHFBv 良ドリンク?出たんで片手で行ってみました 【討伐or捕獲】 捕獲 【タイム】03 11"53 【武器・武器種】 アルスタ 【スキル】攻撃中 業物 弱点特効 罠師 ボマー 見極め 【ドリンクスキル】 火薬 短気催眠 (激運 不眠) 【オトモ】 無し 【画像】 http //c2.upup.be/lLcoBFNvPC 【戦術・備考】 7スタートでクーラー飲んで入場 見つかったらアゴに爆弾*2 適当に切ってたらガス攻撃してきたんでアゴに爆弾*2 怯んでる隙に落とし穴 咆哮かわして爆弾*2 穴落ちてアゴが壊れたんで適当にアゴを斬る 爆弾は12個使いました 閃光は持ってったけど使うの忘れてた 屁岩で自爆して点滅したんでシビレで捕獲で終わり リトライ数0でした( ・´ー・`)どや 原種で4分台すらなかなか出せなかったのに( ・´ー・`) 双剣 146名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/27(月) 21 16 05.29 ID J9sMoq8G 【討伐or捕獲】捕獲 【タイム】8 13"40 【武器・武器種】ホーリーセーバー 【スキル】攻撃大 見切り2 弱点特効 業物 【ドリンクスキル】攻撃大 研磨術 短期催眠術 【オトモ】なし 【画像】http //e2.upup.be/lDef8SPmdW 【戦術・備考】 基本的に後ろ足にくっついて車輪から様子を伺って回避するか攻撃するか判断って感じです 罠拘束は閃光2、シビレ1、落とし穴1 落とし穴しかけたらラングロトラが気付いたからこやし投げたら主任にまであたって落とし穴失敗・・・ と思ったらまた戻ってくれたので麻酔玉投げて攻撃→捕獲で終わりました。 落とし穴ミスとかタックル、ガスを警戒しすぎて手数減ったりで1、2分は縮めれるはず・・・ とある人のプレイみて真似してみたくてお題はってまでやったけどむずかしいなぁ・・・ 次やるときは火事場5、6分台目指してがんばります。 一番の天敵はラングロトラだったでござる。 ハンマー 148名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/27(月) 22 33 56.40 ID O0ZIBllh 【討伐or捕獲】 討伐 【タイム】04 55"56 【武器・武器種】 煌黒堅鎚アルメタ 【スキル】攻撃小 業物 弱点特効 罠師 ボマー 耳栓 体力ー10 【ドリンクスキル】 (激運 換算) 【オトモ】 無し 【画像】 http //d2.upup.be/P5C9zBsb7w 【戦術・備考】 原種に使ったやり方と一緒です。 開幕に落とし穴+G*8で顎破壊、後はひたすら顎を。 耳栓で咆哮時にホームラン狙うより、耳栓→攻撃大にして全体的な底上げしたほうが速いかも アドパ中に火薬術でれば、また挑戦します。 ガンナー ヘビィボウガン 141名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/27(月) 17 26 43.54 ID 4HX62qdh 【討伐or捕獲】 討伐 【タイム】 7 02"23 【武器・武器種】 崩砲バセカムルバス 【スキル】氷強化+2、水強化+1、属性強化、弱点特効 【ドリンクスキル】 攻撃大その他 【オトモ】 こざかしい猫×2 【画像】 http //img-up.com/s/495568/ 【戦術・備考】 炭鉱の息抜きになりました ちび主任用の装備を流用 143名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/27(月) 20 20 39.48 ID 0JJA0QV6 【討伐or捕獲】捕獲 【タイム】02 39"90 【武器・武器種】カオスウイング 【スキル】氷属性2/見極め/罠師/属性強化 【ドリンクスキル】攻撃大/火事場/暴れ撃ち 【オトモ】麻痺ブメ*2 【画像】http //c2.upup.be/jmHQubRnoA 【戦術・備考】 7スタートで溶岩にあたりながら鬼神G種クーラーをドーピング 入ったら落とし穴とタルG*2をセットしてペイント当ててしゃがみ待機 はまったら顎を割るまで水冷、割ったら氷結をしゃがみ撃ち 出たら閃光当てて落とし穴を設置して氷結をしゃがm(ry 点灯したらシビレ罠→捕獲で終了
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死闘-Blade/Virusより (ルート ・・・な、何ぃ? 何がどうなったっていうのよぉ? 目の前に、舞い落ちた一輪の花 目の前で、力無く倒れた1人の女性 エーヴィヒは豹の姿のまま、ぴくりとも動かない女性に近寄り、鼻先で揺する (エーヴィヒ ・・・残念だけど、既に死んでるよ。参ったね、「ティルヴィング」の能力だ (ルート 能力? 願いを叶えるだけじゃないのぉ? (エーヴィヒ うん。その願いなんだけど、それは3つしか訊いてくれなくてね 3つの願いを叶えた直後、「ティルヴィング」は所持者の命を奪う (ルート ッ!? じ、じゃあ、あいつ自殺したのぉ!? (エーヴィヒ そこなんだよ、妙な点は・・・この女性から、都市伝説の気配がしない 例え契約者が死んで、都市伝説の契約が切れたとしても、その痕跡は僅かに残る筈だけど、 その痕跡すらも感じられない・・・こんなこと、初めてだよ (ルート え・・・それじゃぁ、さっきまで戦ってたのは一体・・・? ルートは、落ちている花を拾い上げた 淡い紫の花弁が美しい、小さな花だった (ルート この花・・・えっと、『ミヤコワスレ』、だっけ? (エーヴィヒ 『ミヤコワスレ』・・・“また会う日まで” (ルート ・・・何それ? (エーヴィヒ 花言葉だよ・・・恐らく、まだ生きてるね (ルート 生きてるぅ? 何言ってんのよ、この女はもう死んでるって――― (エーヴィヒ それは抜け殻に過ぎなかったとしたら? その女性は何者かに洗脳、または寄生、憑依されて、利用されていただけかもしれない そしてその主は―――――― 「そこにいるのは誰だ?」 突然響いた、冷たさを覚える少女の声 あまりに驚き、思わずルートとエーヴィヒは小さく跳び上がった (ルート っま、まだ人間が!? (エーヴィヒ 本体かも知れない、油断するな! 咄嗟に身構え、声のする方向を見た (少女 ・・・ん? 貴様、もしかして元R-No.10か? (ルート なっ、テメェなんでそれを――――――――――――あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 声が聞こえた時の数十倍驚き、腰まで抜けてしまったルート (エーヴィヒ ・・・知り合いかい? (ルート う、うん、1回しか会ったことないし、話したことは一度もないんだけどぉ・・・ それでも、その少女は記憶の片隅には必ず残るであろう面影だった 肩まで伸びたシルクのように美しい白い髪 12歳程の外見に似合わぬ豊満なバスト 刺さるように冷たい視線を繰り出す灰色の瞳 何もかもが、「組織」時代に焼きついた記憶を呼び覚まし、ふと、呟いた (ルート ぼ・・・ボインの姉貴ぃ!! (少女 もっとマシな呼び方はなかったのか?; そう、彼女はR-No.4――レクイエム・リッケンバッカーだった † † † † † † (ルート ・・・すごぉい、ホントに治っちゃったぁ・・・ (レクイエム あくまで怪我を治すだけだ、体力までは治せん。あまり無理はするなよ? (ルート はぁーい・・・ところで、 (レクイエム ん? (ルート ボインの姉貴って・・・そんなキャラだったっけぇ? (レクイエム キャラ? 何がだ? (ルート 何が、って・・・ じーっ、とルートが見つめ続けているのは、レクイエムの胸元 男なら誰しもが飛びつきたくなるだろう巨乳の谷間に、白いふさふさの毛が見えていた 何故か、エーヴィヒが谷間に入っている それはエーヴィヒの意志ではなく、レクイエムが自分で入れたのだった (ルート アタシのエーヴィヒ、返してよぉ (レクイエム す、少しぐらい良いだろ?・・・こ、こんな魅力的な生き物を連れている貴様が悪い (エーヴィヒ 僕としては、窮屈で堪らないんだけどね・・・ 口数が少なく、他の追随を許さない、クールでナイスバディな上位ナンバー ルートが描いていた彼女のイメージは、この数分のやり取りで一瞬にして崩れていった (ルート ・・・ (レクイエム ・・・どうした? 上の空になっているルートに、渋々エーヴィヒを返しながら問うレクイエム 突然声をかけられたのと、もう一つ別の理由で、少し慌てふためいた後、ルートはそれに答えた (ルート え、あの、えぇっとぉ・・・その、は、初めて、だったからぁ・・・ ボインの姉貴と、こうして話すのって だから、少しイメージと違うなぁ、って・・・ (レクイエム なんだ、そんなことか・・・ふふ、イメージか 似たようなことを他の連中にもよく言われる (ルート そ、そうなの? エーヴィヒを受け取りながら、小さく首を傾げるルートを横目に、レクイエムは近場にあった木に背を持たれた 先のルートとナユタの戦闘の所為で、木の葉は散ってしまっていたが (レクイエム ローゼから、貴様の話は聞いている・・・ 「組織」を抜けた時の事も、その理由も、その後もだ (ルート っ・・・ね、ねぇ、ボインの姉貴は、アタシを殺しにきたの? (レクイエム ハァ? 冗談だろう? 私はここで都市伝説の契約者による戦闘があったと聞いて来ただけだ 事後処理班の長として、な? (ルート で、でも、アタシは、仲間を殺した裏切り者だし、それに、罪もない一般人も殺した・・・ 「組織」なら、アタシを仕留めて、それじゃなくても捕まえた方が良いんじゃない? こんなところ、他の誰かに見られたら、ボインの姉貴まで裏切り者扱いされちゃうよぉ・・・? 心配そうな面持ちで訴えるルート それを聞き、レクイエムは、優しげに微笑んだ (レクイエム そこまで私の身を案じてくれる者を、犯罪者として捕らえられると思うか? (ルート で、でもぉ・・・ (レクイエム それに、だ・・・私も、昔は貴様と同じだった (ルート 同じ? (レクイエム 私は、都市伝説と関わっただけの、何の罪もない人間を殺していた (ルート ―――――――――ッ!? 思わず、目を見張った 腕の力が抜け、落ちそうになったエーヴィヒは、 すたっ、とネコ特有の身体能力で見事に着地して見せた (レクイエム その方が私のイメージに合うだろう? (ルート い、いや、そういう問題じゃなくてぇ・・・え、じ、じゃあ、今は? さっきも、トップの姉貴と話してたとかって・・・ (レクイエム トップ?・・・あぁ、ローゼの事か 以前は、私とあいつは意見が対立していた。時には拳も交えた 分かりあえる日など、一生来ないと私も思っていたが・・・ ふと、彼女は空を見上げた 雲一つ無い、清々しいまでの青空が広がっていた (レクイエム ・・・戦場で、私はある男と出会った (ルート ・・・? (レクイエム まだ少年の、若い契約者だ 最初は敵同士だった。それが、ローゼと似たような男でな? 他人を守る為なら、自分の命さえも投げ捨てる、無謀すぎる男だ 話している内に、レクイエムの目が、懐かしい何かを見るような目に変わってゆく (レクイエム 私は奴に負けた。だが、奴は私を殺さなかった 数々の人間を殺した殺人鬼である私を、あいつは生かした あの時、私は人の温もりと言うものを教わった (ルート 人の・・・温もり・・・ (レクイエム 『この世に生まれて、一生独りぼっちなんて事は絶対にない』・・・その男が私に言った言葉だ 先程の貴様のように私の身を案じてくれる者などいないと、そう思っていた だが、あいつと出会って、言葉を交わして 身体の中から、穢れが洗われているような気分だった あいつは、居場所がなかった私に、居場所をくれた・・・いや、気づかせてくれたんだ ちら、とルートを見るレクイエム ん?と思わず首を傾げた 何故か、ルートがにやにやと笑っていたのだ (レクイエム ・・・何だ? (ルート ヒャハ♪ ボインの姉貴、その人の事好きなんだぁ? ぼんっ! とでも鳴り響くかの如き勢いで、彼女の顔は真っ赤になった (レクイエム ッバ、バカか貴様!? そんなわけないだろう!? わ、私は、あの男の事は尊敬はしているが、そんな疾しいことは断じて考えてない!! (ルート 必死なところが怪しいなぁ、ねぇエーヴィヒ? (エーヴィヒ ・・・恋愛は、よく分からないね (レクイエム っく・・・そ、それなら貴様も同じことじゃないのか!? (ルート へ? (レクイエム ふふふふふ、聞いたと言ったろう? 貴様が日天の事を――――― (ルート あぁぁぁぁぁストップストォップ!! それ以上言わないでぇ!! 今度は、ルートの顔が真っ赤に染まった やれやれ、とエーヴィヒはやや呆れ気味に溜息を吐いた (レクイエム ・・・む、まずいな、そろそろ戻らねば (ルート うわぁ逃げる気ぃ!? ボインの姉貴の卑怯者ぉ!! (レクイエム 誰が卑怯者だっ!? に、逃げるつもりなど毛頭ないからな!? 本気半分、嘘半分と言った様子で、レクイエムはその場を立ち去ろうとしたが、 (レクイエム ・・・この先、「組織」に戻る気はないのか? 真剣な表情で、ルートに尋ねた ルートも、表情を曇らせ、俯き気味になって、 (ルート ・・・うん。やっぱり、皆に会わせる顔がないってゆうかぁ・・・ アタシは、味方殺しの罪人だから (レクイエム そう、か・・・なら、私は何も言わない ただ、日天は貴様のことを心配しているぞ? (ルート ッ! 日天さんが? (レクイエム 機会があれば、声くらい聞かせてやっても良いだろうな また、彼女は小さく笑うと、 (レクイエム ルート、罪から逃げようとはするな (ルート え? それってどういう (レクイエム 死は償いじゃない、罪から逃げようとしているだけだ 無理に償おうなんて思わなくてもいい 生きろ。貴様が殺した人々の分まで・・・ (ルート ・・・それも、ボインの姉貴の想い人の言葉ぁ? (レクイエム そういうことにしておいてくれ; 苦笑しながらも、最後は微笑んでみせて、 レクイエムはその場から忽然と消えてしまった 驚いて、ルートはきょろきょろと辺りを見回した (ルート き、消えちゃったぁ・・・何と契約してるのかなぁ (エーヴィヒ 良い上司さんだったね (ルート あ、うん、まぁね・・・ 空を仰ぐルート 流れる薄い雲を眺め、暫し思案する そして、 (ルート ―――――よし、決めたぁ! ぱちんっ!と両頬を叩いて、気合を入れる 何を決めたんだい?とエーヴィヒに尋ねられ、ふふんと鼻を鳴らし、 彼女は大きく伸びをした後に胸を大きく広げて、高らかに宣言した (ルート 帰ろう、学校町へ! ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂
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戻る シリアス系 文章は上手いけど背景が分からないから感動できない -- (名無しさん) 2010-07-07 22 03 05 何故か「ハリーポッターと謎のプリンス」のスリザリンのロケットが隠してある洞窟で映像が再生された -- (名無しさん) 2010-07-07 22 16 18 これは素晴らしいムギ唯だと思う。イメージ的には、別れ(卒業?)を間近に控えた二人の心が形而上の世界で触れ合った、みたいな感じかねぇ。文章も素敵。実に素晴らしい。 -- (名無しさん) 2010-07-07 23 02 56 続きをッ -- (名無しさん) 2010-07-07 23 46 23 夢から覚めたあとの切なさと不安感のようなものを感じた。とてもいい短編。 -- (名無しさん) 2010-07-08 00 45 41 俺はデジモン無印の太一とアグモンが乗ったボートを思い出した BGMは「ボレオ」だな -- (名無しさん) 2010-07-08 08 14 28 俺はキテレツ大百科の最終回でコロ助とキテレツ君が別れるシーンで感じた切なさを思いだした。 -- (名無しさん) 2010-07-08 12 42 11 唯の見た夢って感じかな -- (名無しさん) 2010-07-08 21 48 38 ほんと、切ないね。 作者さんありがとう。 -- (名無しさん) 2010-07-11 10 19 37 綺麗な話 ランプが消えてもなお手を触れ合わせることは出来たのに それでもさよならなのか 理不尽だな…… -- (名無しさん) 2010-07-25 23 03 05 唯紬は詩的な話が良く似合う 面白かった -- (名無しさん) 2010-09-30 12 10 13 綺麗で神秘的 -- (名無しさん) 2010-12-12 21 03 29 美しい。実に美しい。 -- (通りすがり) 2010-12-12 21 14 40 このSSとは関係ないけど、紬「パーフェクトワールド」の直後に読んだらリアルに泣いた。 -- (名無しさん) 2011-02-03 18 03 10 良かった。 なんか乙一思いだした -- (・・) 2011-02-03 20 18 36 美しさと切なさを感じさせる神秘的な話だった…。 -- (名無しさん) 2011-12-15 15 24 20 The spring of knowledge このSSこれが似合うと思うんだ -- (名無しさん) 2012-06-23 22 39 38 シリアスか…ホラーにも見える。 二人は死んでないということだけど、どうなったのか? -- (名無しさん) 2014-02-21 01 03 37 仄暗い水の底からを思い出した -- (名無しさん) 2014-02-21 07 07 55 悲しいなあ -- (名無しさん) 2015-12-23 23 25 10
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(ルート へぇ? 面白いのと契約してんだねぇ・・・というか、多重契約者ぁ? にやり、怪しく笑いながら、彼女はエーヴィヒを避難させ、幾兆のウィルスで出来た刃の切っ先を、 黒い影の塊――『シャドーズ・アスガルド』を発動した裂邪に向ける (ルート でもさぁ、アタシに歯向かうようなバカな患者(クランケ)には・・・ 早急な手術(オペラツィオン)が必要だよねぇ?? (裂邪 何だお前、医者志望か? 腹でも脳でも好きに弄繰り回せばいいさ ま、無理だと思うけどなぁ? 「バカは死ななきゃ治らない」っていうし 裂邪も、金色に輝く鎌を構える ほんの一瞬間、しかしとても長い間、場の空気が止まった その静寂は (裂邪 『スコルピオ』!! (ルート 『カイザーシュニット』!! 2つの斬撃によって、真っ二つに斬り裂かれた 火花を散らし、ぶつかり合う刃と刃 (ルート 覚えてるぅ? 昼間の話 (裂邪 あぁ勿論さ。でも思い出したくはないな あの話のまんまだったら、どっちかがここで死ぬ事になる (ルート 自分が死ぬっていう決まりきった未来は見ないんだぁ?前向きだねぇ テメェみたいなお気楽なバカは――――見ててムカつくのよぉ!! 刃を振るい、裂邪の身体ごと弾き飛ばす 体勢を整え、即座に視界に彼女を収めると、裂邪は彼女の周りを浮遊する幾つかの球体を見た にたっ、と嫌らしく、妖艶に笑い、 (ルート ヒャッハハハハハ! 『ギフト・ヴァイラス』! 球体を、彼に向けて撃ち出した 足元のものは跳んで避け、目の前のものは鎌を盾に変えて防ぐ (ルート ちぇ、厄介な都市伝説だねぇ・・・ (裂邪 ・・・毒・・・ウィルス・・・ウィルスの塊?―――ってことは、幼気か! (ルート あらぁ意外、幼気のこと知ってんのぉ? 縁起臭いが、心の底から驚くルート (ルート だったら分かんでしょぉ? テメェはアタシには・・・勝てやしないってぇ!! 腕に携えた細く長い刃を、それよりも細く鋭くし、 (ルート 『ギフト・シュプリッツェ』! フェンシングの要領で裂邪の身体を突こうとする (裂邪 っち、『レイヴァテイン―レイピア』! それに応えるように、盾を刀身の細い剣に変え、弾き、突きを狙う (ルート ヒャハッ♪ しぶといねぇ! こぉんな執念深いおバカさんは初めてだよぉ!! (裂邪 ッヒヒヒ・・・前に、似たような性格の女の子と戦ってたのを思い出すな! 煌く花を咲かせ、散らしながら、言葉と刃を打ち鳴らす 両者共に互角だが、強いて言えば優勢なのは裂邪だった いくら元「組織」であったとは言え、ルートは幼い少女であり、 ローゼやレクイエムのような肉体強化は使えない 力勝負では、男である裂邪の方が分があった (ルート く・・・っそぉ! こんな奴にぃ――――ッ!! カァン!! 甲高い音と共に、ルートの得物が大きく弾かれ、隙が出来てしまった 当然、裂邪がそれを見逃す筈も無く、 (裂邪 ヒハハハハ! 貰ったぁ!! その刃を、彼女の胸に突き立て――――― (裂邪 ―――――――な、に? ―――――突き立てる事無く、寸前で止まった 正確には、ルートの胸ではなく、 すぐそこで息絶えていた筈の少年の胸だった (ルート 本ッ当にバカだねぇ、テメェは ルートは、注射針を構え、 (ルート 死人に躊躇してどぉすんのよぉ!? ヒャハハハハハハ!! 少年の骸ごと、逆に裂邪の右胸を貫いた 引き抜くと同時に、少年は倒れ、裂邪の口から赤黒い液体が溢れ出す (裂邪 ゴフッ・・・お、まえ・・・何しやがった・・・? (ルート ヒャッハハハハ!! いいねぇいいねぇ、最ッ高ぉ♪ 何ってぇ、死体操っただけだけどぉ? アタシのウィルスでねぇ! (裂邪 ウィ・・・ルス・・・・・・んぐっ!? 何とか立ち続けていた裂邪だったが、地に膝をついてしまった (シェイド [ドウシタ裂邪!? 心拍数ガ上ガッテイルゾ!?] (裂邪 や・・・べぇ、こ、れ・・・は・・・ 裂邪は、己の身体の異変を感じ取った 身体が熱い 関節が痛い 息が苦しい 頭が働かない (裂邪 ・・・かかった事ねぇけど、この症状・・・インフル、エンザ・・・ (ルート やっと気付いたぁ?ヒャハハハハハ! そうよぉ! アタシは「インフルエンザは地球外のウィルス」と契約し、そして飲まれたのぉ! (裂邪 なる、ほどね・・・さっきの子供は、その能力で操ったって訳か・・・倫理もクソもねぇな! (ルート 何とでもいいなよぉ! 殺し合いってのは最後にどっちかが立ってればそれでいいからねぇ!! 昔の仲間でも、知らない誰かでも、使えるものならぜぇんぶ使う! 正直ぃ?テメェもこいつらみたいに一瞬で殺してやってもよかったんだけどぉ、 跪く裂邪の肩を、鋭い針で貫き、その身体を持ち上げる (裂邪 ぎっ・・・! (ルート 一般人のクセにアタシに向かってきたんだからねぇ テメェはじぃ~っくりオペラツィオンしてあげるわぁ!!ヒャハハハハ!! そのまま腕を振るい、彼を投げ飛ばした (裂邪 ガハッ・・・ち、くしょう・・・ (シェイド [裂邪、ココハ退ケ! デナイト貴様ノ身体ガ持タンゾ!] (裂邪 ふっ、ざけん・・・な・・・! ここで俺が、逃げたらあいつは・・・他の誰かを襲うかも知れない・・・ もう、誰も犠牲にしたくない・・・あいつはここで、俺が止める・・・!! (シェイド [シ、シカシ・・・] (裂邪 それ、より・・・お前の方が心配だ・・・ あのウィルスが感染してたら、まずいからな・・・一度、影に戻ってろ (シェイド [ナッ!? キ、貴様、正気カ!?] (裂邪 うるさい・・・命令だ、影に帰ってろ!! 静まり返った公園に怒号が響くと、 彼の身体を包んでいた黒い影は、己のあるべき場所へと引き返していった (ルート おやおやぁ? もぉお終い? つまんないなぁ、もぉっと遊んで欲しかったのにぃ♪ わざとおどけ、無邪気に振舞うルート だが、裂邪は立ち上がる (裂邪 ッヒハハハハハ・・・安心しろ、まだ遊んでやる・・・ 俺の命が、尽きるまで!! 右手に持ったレイピアを、上空に投げ、 (裂邪 ・・・『ゾディアック』!! 「レイヴァテイン」がどろどろに溶け出したかと思えば、 それは裂邪の身体を覆い、黄金に輝く鎧となった (ルート なぁにぃ?また変身? 日本じゃ流行ってんのぉ?アホらし (裂邪 言ってられんのも今の内だ・・・完膚なきまでに滅ぼしてやる (ルート ・・・ヒャハハ、そぉこなくっちゃぁ♪ でも―――飽きちゃったぁ ぬるり、ぬるりと彼女の背後で、蛇が3匹踊り始めた (ルート 楽しませてくれた御褒美にぃ・・・『ギフト・ギフト』♪ 踊りくねりながら、蛇は一斉に裂邪に襲いかかった (裂邪 そんな御褒美・・・こっちから願い下げだ! 大きく、彼は右腕を振るった その瞬間、突風のようなものが吹き、蛇は弾けるようにして消えた (ルート ッ!・・・なぁんだぁ、やればできるんじゃなぁい? 言葉に無邪気を、表情に邪気を込め、嬉しそうに笑う (ルート これで本気が出せるよぉ!! 『ドリンゲント・オペラツィオン』!! 拡げた両手の五指の先端にウィルスが集まり、長く細い刃となる (裂邪 10本の剣か・・・俺も、爪は鋭くてね これで五分と五分、ってところか? 息を荒げ、体勢を整える裂邪 (ルート リーチはこっちの方が上だけどねぇ!! 最初にルートが一歩踏み出し、大地を蹴って間合いを詰め、5本の刃を振りかぶった (ルート いっただきぃ!! (裂邪 させねぇよ! 身を屈めて刃を避け、脚の刃で腹部を切り裂こうとする裂邪 その蹴りを空いた手の刃で防ぎ、ひょう、と宙を舞って身構える (ルート やるねぇ、でもまだまだ行くよぉ! その時、10の刃がぐにゃりと曲がり、ルートはそれらを鞭のように使って裂邪を攻撃した 彼は爪や脚、背の翼、身体全体を駆使して受け止める 流れた刃が、彼の周りの大地に爪痕を残してゆく (裂邪 蛇腹剣みたいなもんか・・・厄介な・・・! (ルート アタシからしたらテメェが一番厄介だよぉ! インフルエンザに感染して、よく立っていられるねぇ!? (裂邪 38度で体育の授業やってたからなぁ・・・これくらい、慣れてる! と口では言うが、身体は正直だった 動きがどんどんぎこちなくなっている 合わせて、呼吸もさっきと比べてはっきり聞こえるようになったことも、ルートは見逃さない にっ、と口角を上げ、 (ルート へぇ、そぉ・・・だったらぁ ゆらりと揺れる人影 倒れていた子供の死体が4つ、裂邪に向かって歩き出した (裂邪 ッ!? (ルート アタシには体力も無いしぃ、テメェみたいな盾も鎧も無いしぃ・・・いいよねぇ?? (裂邪 っんの・・・野郎ぉ!! 怒り心頭に達した裂邪は左腕を振るい、自らに迫る刃と歩み寄る子供を吹き飛ばし、 (裂邪 ヒ、ヒハハハハ・・・大地を焼き滅ぼした「レイヴァテイン」の力ぁ・・・見せてやる!! 右腕に、眩い光が集中し、バチバチとスパークが走る 彼を中心として、風が吹き荒れる その光景を見て、彼女は――― (裂邪 滅びろぉ!! 『ポラリs――――――――ぅぎっ・・・! ―――ルートは、声を出して笑った (ルート ヒャッハハハハハハ!! ヒャァッハハハハハハハハハハ!! (裂邪 う・・・・そ、だ・・・・・ろ・・・・オ゙ェ゙ッ 大量の血を噴き出し、裂邪は仰向けに倒れた 黄金の鎧も、小さなパスに戻ってしまった 疲労している上に、凄まじい体力の消費 こうなっては、彼は只の病人でしかない (ルート ヒャハハハハハ―――――手間取らせてくれたねぇ!? (裂邪 あ゙ぁっ!? 親指と人差し指から伸びる刃を腹に突き刺す そして、徐々に、徐々にその閉じた指を刺したまま開いてゆく (裂邪 ぐああ゙ぁあっ!? (ルート こっちはそもそも「組織」狙いだったんよぉ 何も一般人のテメェがでしゃばる事無かったのに、ねぇ! 反対の手の5つの刃で、彼の腕を貫き、そのまま引き千切った (裂邪 ―――――――――ッ!! (ルート あれれぇ? 声も出なかったぁ? 聞かせてよぉ痛々しい声をさぁ 腹の刃を引き抜き、残った腕を引き裂く 声にならない声が木霊した (ルート ヒャハハハハハハハ! そうそうそれそれぇ!! もっと聞かせてよぉテメェのだらしない声をぉ!! 穴の開いた腹部を、何度も何度も何度も何度も踏み潰し、踏み躙る 壊れかけた噴水のように、2箇所から血が吹き出、彼女の頬を濡らす (ルート ・・・ちぇ、汚れちゃったぁ・・・ま、いっか 横っ腹を強く蹴り、尚一層血を吐かせ、 (ルート あ、そうだぁ、わざわざ「組織」の連中待たなくてもここの連中から盗めばいいんだぁ わざとらしく大声で独り呟き、息も絶え絶えになっている裂邪を見下ろす 満面の笑みで、彼女は、 (ルート Gute Nacht(おやすみなさい)♪ 的確に、彼の心臓を貫いた ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂
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一陣の夜風が町の中を駆けた時、 双方は急速に距離を詰め、 (ローゼ 『フォトン・エッジ』! (ルート 『カイザーシュニット』ォ!! 刃と刃がぶつかり合い、音と火花を周囲に散らす 赤い刃を抑えながら、ルートは身体を宙に浮かせてローゼの頭に蹴りを入れようとした が、彼女はそれを赤い光の壁で受け止め、そのままルートの身体ごと弾き返す 砂埃をたて、ルートは地に足をつけたと同時に両手を広げ、ウィルスの球体を生成する 一方のローゼも、十指に赤い光を溜め、指先をルートに向けた (ルート 『ギフト・ヴァイラス』! (ローゼ 『フォトン・ウェーブ』! ウィルスとフォトンが衝突し、相殺し、爆風を巻き起こす 両者、互いに一歩も譲らない (ルート ち、くしょぉ・・・早く、くたばれぇ!! 十指の先端に長く鋭い刃を作り、 大地を強く蹴ってローゼに襲いかかる (ローゼ 貴方を拘束するまで、冥土には逝けませんわ! 身体中を赤いスパークが駆け巡る ルートが5本の剣を振るった瞬間、ローゼの姿は彼女の背後に移動していた すぐさま、振り向き様に5本、また5本と刃を振るう ローゼは恐るべき跳躍力で跳び上がり、指先から1発、また1発と光弾を放つ 長い剣を交差させ、ルートはそれを受け止め掻き消した (ルート ちょこまかとぉ・・・ふざけるのもいい加減にしなさいよぉ!! (ローゼ もう、お止めになって・・・今なら、まだ間に合いますの (ルート 何がよぉ!? アタシの罪が消えるとでも言うのぉ!? そんなことしても、アタシが殺した命は二度と帰ってこない・・・アタシの過去もねぇ!! 着地した瞬間、ローゼに刃が迫る が、その一閃を赤い刃で阻止する 二度、三度、何度も、何度も、薄暗い町に光の華を咲かせる ルートが右腕を引き、ローゼの顔面に刃を突き立てた 咄嗟に避けたが、たらり、頬に紅い筋が走る しかしその隙を突いて、ルートの腹部に膝を入れた 短い呻き声をあげ、ローゼとの距離を取ったルート (ルート ・・・ちぇっ、やっぱり感染しない、かぁ・・・! ウィルスで出来た刃で傷を作れば、そこからウィルスが侵入して感染する筈である だが、ローゼは彼女の能力を把握している 「フォトンベルト」で、体内に入ったウィルスの遺伝子構造を組換え、無力化したのだ (ローゼ えぇ、貴方の能力では、ワタクシには勝てませんわ・・・ 悪い様には致しませんの、だから・・・もう、こんなことは――― (ルート うるさい・・・うるさぁぁぁぁぁぁい!! 雄叫びをあげ、天に向けて右の拳を突き上げる その腕から、天をも貫かんとする大きな剣が作り上げられた 全てを断ち切るその“神の腕”を、 (ルート はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!! 1ミリさえぶれずに、ローゼに向けて真っ直ぐに振り下ろした しかし、それは、 (ローゼ ・・・『フォトン・ヴェール』 風に靡くカーテンのように揺らめく赤い光の壁によって防がれ、 ぱんっ!と水のように四方八方に弾けてしまった 瞬間、ルートの表情が、一気に凍りついた (ルート なっ・・・う、そ・・・でしょぉ・・・? 小刻みに震え、一歩退く 蓮華を、そして日天の「ワーム」を両断した大刀が、一瞬にして掻き消された その絶望と同時に、彼女は今、蓮華と日天との戦いで、酷く体力を消耗していた 肉体と精神の損傷が、ルートの全てを崩そうとする (ルート あ・・・あぁ・・・ (ローゼ 戦う気力は、残されてないようですわね・・・ ローゼは一歩前に出て、す、と右手を差し出した (ローゼ こちらにいらっしゃって・・・? 貴方には、伺いたい事が沢山ございますの その目は紫色に輝き、そして優しげに微笑んだ ――――――――嫌だ (ルート 嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁ!! アタシが、アタシが負けるなんてありえない! アタシは・・・テメェも! そこにいる堅物の姉貴もぉ! みぃんな殺してぇ!! テメェ等に復讐してやるのよぉ!! (ローゼ ・・・復、讐? それは、どういうことですn (ルート アタシの苦しみをぉ!! ぜぇぇぇぇんぶ!! テメェ等に教えるまではぁ!!! その時、ルートの周囲に、闇に紛れてスパークが走り始めたのだ 真っ黒な、邪悪な稲光――いや、「光」ではなく、「闇」そのものだろうか ローゼはそれを見て、最初は疑問の色しか見せなかったが、 (ルート アタシは負けない!! 倒れない!! だから、テメェ等は、ここでぇ!! ルートが構えを取った時、その表情は驚愕の色を示した 少し前屈みになり、両掌を広げ、身体の右方に何かを抱えるような態勢 その両掌の間に黒いスパークが集中し、さらにどんどん大きくなっている これには、戦いを傍観していた日天も思わず息を呑んだ (日天 ま、まさか・・・あの技は!? (ローゼ そんな・・・ワタクシと、同じ・・・!? (ルート ッヒャハハハハハハハハハ・・・ヒャハハハハハハハハハハハハハ!! ヒャァッハハハハハハハハハハハハハハハハ!! 増幅し続ける黒いエネルギーの集合体 狂ったように笑うルートは、ローゼ達を見据えて、 (ルート みぃんな・・・安らかに、楽に・・・死ねばいいのよぉ!!! ―――――まずい! (ローゼ くっ、『フォトン・ウィング』! フォトンによって赤い翼を生成し、上空に羽ばたいた それを目で追い、ルートはその手の中にある邪悪な物を、 (ルート 『オイタナジー』!!! 憤怒や憎悪、そして悲哀を込めて、一気に放出した (ローゼ 『フォトン・ヴェーr―――――――――ッ!? 間に合わなかった 赤い光が完全に壁を作り上げる前に、黒い光条が辿り着く 必死にフォトンをコントロールするが、不完全な防御壁では抑えるだけが手一杯だった (ローゼ うっ・・・なんて、力なの・・・! (ルート ヒャハハハハハハハハ!! どうしたのぉ!? それが限界ィ!? だったらぁ・・・一瞬で死なせてあげるわぁ!!! 出力を増した黒いエネルギーを前に、とうとう壁が限界を向かえた (ローゼ きゃあっ!? 一瞬間に光条の軌道を反らし、ギリギリで直撃を免れたローゼだったが、 右肩が、紅く濡れてしまっていた つぅ、と袖の中を血が流れ、指先から滴っていく 右肩を抑えながら、空中でバランスを崩してしまった彼女は地面に叩きつけられた (日天 ろ、ローゼさん! (ローゼ ハァ、ハァ・・・R-No.3、今の、ご覧になって? (日天 あぁ・・・あれは明らかに、荷電粒子砲だった (ローゼ えぇ、でも・・・インフルエンザウィルスが、どうして・・・? その呟きが聞こえていたのか 大きく楽しげに笑いながら、ルートがその問いに答えた (ルート アタシの契約した「インフルエンザは地球外のウィルス」には、もう一説あるのぉ・・・ 宇宙空間を浮遊していたインフルエンザウィルスが太陽風の影響で荷電し、 北極の磁場に吸い寄せられて地球に来た・・・ていうねぇ! (日天 だが、ウィルスで荷電粒子砲なんて―――、幼気、なのか・・・ (ルート 荷電したウィルス粒子を加速させ、一気に放出する・・・簡易的な荷電粒子砲の完成よぉ! 冥土の土産にはもぉ十分かなぁ?? 今度こそ、死んでもらうからねぇ!! 再び、先程の構えを取ったルート 掌の中で、バチバチと音を立てて黒い稲妻が走る (日天 くそっ・・・画竜、点せ―――― (ローゼ いえ、R-No.3! R-No.1を連れてここから離れなさって! 理由を問いただす前に、ローゼは行動で示した 両手を広げ、赤い光を集め、両掌を前に出してフォトンを集中させる (日天 まさか、あんたもやる気か!? そんな怪我で無茶だ! (ローゼ ワガママで何とかしますわ! 今はこれしかありませんの! だから、急いで!! 赤い瞳で強く訴えるローゼ 日天は軽く舌打ちをし、蓮華を背負って速やかに距離を取った (ルート ヒャハハハハハハハ!! なぁにぃ?? 光子でやる気ぃ?? バッカじゃなぁい!? 光子は質量0、加速しても何の力も得られないのよぉ!? 分かってんのぉ!? (ローゼ 例え、質量が無くたって・・・可能性が無い訳ではありませんわ! (ルート じゃあ、アタシが無くしてあげよっかなぁ!! 互いに、息を深く吸い、 (ルート 『オイタナジー』!!! (ローゼ 『フォトン・ストリーム』!!! 互いのエネルギーが、想いが、同時に放たれ、黒い闇と赤い光が、轟音と共に激しく衝突した すぐに、その変化が見え始めた――――闇が、光を押している (ローゼ ぐぅ・・・! (ルート やっぱダメじゃなぁい!! 潔く逃げ帰れば良かったのにねぇ!? (ローゼ 逃げる、なんて・・・出来ませんわ! ワタクシには、守らなければならない人が、沢山いるから・・・ 皆さんが、ワタクシを支えてくれるから! ワタクシは、その人達に恩返ししたい!! (ルート なぁにが恩返しよぉ!? くっだらない!! じゃあ何ィ!? 命懸けんのが恩返しだって言う訳ぇ!? (ローゼ 違いますわ!! 恩は、想いは、直接伝えなければいけませんの!! (ルート ッハ、やっぱ訳分かんない・・・じゃあ、その守りたいものと一緒に死んじゃえぇぇぇ!!! 勢力を増す黒い光条に圧倒的に押され、靴が地面に擦れながらじわりじわりとずれていく それでも、ローゼは何とか持ち堪えていたが、 傷口から血が噴き出すのを見れば、身体に途轍もない負担がかかっているものだと分かる (ローゼ う、くぅ・・・まだ、ダメぇ・・・!! (ルート ヒャハハハハハハハハ!! そろそろ終わりにしよっかぁ?? テメェも、その後ろの姉貴達もぉ!! ヒャッハハハハハハハ!! ローゼの耳には、ルートの邪悪な笑い声は届いてなかった 聞こえてきたのは、自分がこれまで出会った人々の、楽しそうな笑い声 その中には、かつて仲間だったルートのものもあった ―――何としてでも、守りたい (ローゼ させ、ません・・・絶対に、させませんわぁ!! 黒い力が強まったその刹那、ローゼの背に、赤い翼が拡がった かと思えば、辺り一帯に赤く煌く粉塵が舞っていた 粉塵は、軽い爆裂音を響かせ、赤い光条の中に溶け込んでいき、その力をあげていく (ローゼ こ、これは・・・! (ルート なぁっ!? 一体、何を・・・!? (ローゼ ・・・一か、八か・・・往きますわ! ぶわっ!と赤い光が、ローゼの身体を包みこみ、赤いスパークを発生させる 光は、次第に光条と一つになり、 (ローゼ 『フォトン・ローズ・ストリーム』!!! 黒い闇を、押し始めた 今まで力が上回っていただけに、急に押され始めたルートは驚きの色を見せた (ルート う、そ・・・!? ま、まだまだぁ!! ルートも出力を上げ始める 双方共に衰えを見せる様子は無かった (ローゼ ・・・最大、出力・・・!! (ルート ヒャ、ハハ・・・やってやるわぁ!! 2人の雄叫びと、光と闇が混じりあい、 空が落ちてきたような爆音が、一帯に届いた † † † † † † 日が昇り、町中を光が支配し闇が逃げていく そんな町に、4つの人影があった 気を失っている緑の髪の少女と、それ抱える黒髪の少女 右肩から血を流している、赤い髪の少女 そして、 うつ伏せになって倒れている、灰色の髪の少女 (ルート ち、くしょ・・・ちくしょぉ・・・ 目を腫らし、敗北の苦汁を飲むルート そんな彼女に、覚束ない足取りで近づくローゼ (ローゼ ・・・もう、終わりですわ・・・もう一度、伺いますわよ ワタクシと、一緒に来て下さらない? さっきと同じように、ローゼは彼女に右手を伸ばした ルートは震える腕でようやく、上体を起こすと (ルート ・・・・・・・ッ! ぱしんっ その手を、払い除けた (ローゼ ッ! (ルート ま、だ・・・まだ、負けて、なぃ・・・まだ、戦えるぅ・・・! (ローゼ お止しになって・・・そんな力は、既に今の貴方には無い筈ですわ・・・ ワタクシは、貴方に「組織」に戻って頂きたいと思っておりますの 貴方は、罪の無い人を何人も手にかけたけれど・・・ 罪を償え、とは申しません、ただ・・・その気持ちさえあれば―――― (ルート 黙れぇ!! 償う気もないし、アタシは「組織」に戻る気もない!! 今度、こそ、テメェをぶっ殺し―――――、て 立ち上がり、戦闘態勢に入ろうとするが、足が縺れてへたり込んでしまった (ローゼ 戦いだけでは、何も解決しませんの・・・ 話して、下さるかしら? ワタクシ達に、貴方の身に何があったのkッ!? ぐい、と胸倉を掴まれるローゼ そのまま引っ張り、ルートは尚一層怒気を交えて叫んだ (ルート 本気で!? 本気で言ってんのぉ!? テメェの所為で・・・テメェの、所為でぇ!! テメェの・・・所為でぇ・・・ 一頻り叫ぶと、また力無くしゃがみ込む 暫く、俯き大粒の涙を零して、 (ルート 返してぇ・・・返してよぉ・・・ (ローゼ え・・・? 顔を顰めるローゼを見上げ、泣きじゃくりながら言い放った (ルート アタシの・・・日天さんを・・・返してぇ・・・ ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂
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ザザァ・・・と寄せては返す細波の音を耳に、 小さな生き物達がひっそりと蠢いている磯部で、少女はただ水平線をじっと見つめていた 灰色の髪、紅い瞳、胸に晒し布を巻いて黒い上着を羽織った彼女の名は、ルート・ライフアイゼン 元はR-No.10として「組織」に身を置いていた少女である (ルート 海、かぁ・・・思い出すなぁ (エーヴィヒ 何をだい? ぴょこり、と彼女の肩に飛び乗り話しかけるのは、 ふさふさの毛を持った子猫、エーヴィヒだ 海を眺めて自分の世界に入り浸っていたのか、彼女は冷たい目でエーヴィヒを睨むと、 むすっとした表情のままで語り始めた (ルート ・・・まだ「組織」にいた頃のことをちょっと、ね (エーヴィヒ へぇ、珍しいね。君でもそんな事を思い出す時があるんだ (ルート うっさいねぇ、アタシだって一応人間だしぃ! (エーヴィヒ ニャー (ルート こんな時だけネコの振りすんなぁ!! 首の付け根を摘んで、エーヴィヒを怒鳴るルート 暫くして気が治まったのか、それともそもそもそんな気分ではなかったのか、 彼女はエーヴィヒを定位置に戻して、また水平線の彼方を見た (ルート あの時のアタシは、まだ子供だった 見た目はずっと子供のままだけど、心も子供のまんまで でも、あの人と出会って、ちょっぴり大人に近づいた気がした あの人が、アタシに色んな事を教えてくれた・・・ 胸に手を当て、きゅっと縮こまるようにして赤く染まった顔を隠そうとする やれやれ、とでも言うように、エーヴィヒは首を横に振って磯部に飛び降りた と、その時だった 「・・・ルート?」 はっとして、ルートは飛び上がるように立ち、声のした方向に目を向けた 「噂をすれば影が差す」、とは正にこの事だろう そこには、彼女の想い人である、R-No.3――栄 日天が立っていたのだ (ルート う、そ・・・日天、さん? どうして・・・ 驚きの余り、上手く言葉が出ないルート だが、日天も同じ様子だった (日天 オレが聞きたいくらいだ・・・会いたかった、ルート 足場の不安定な磯部を、軽い身のこなしで跳び歩き、彼はルートの元へ辿りついた (ルート え・・・あ・・・ぅぁ・・・ (日天 ずっと話がしたかった・・・まだ、お前に言ってない事があったんだ 頼むから、聞いてくれ。オレは――――――― (ルート っき、来ちゃダメぇ!! 一歩、足を踏み出した日天に、ルートが叫んだ 彼はピタリと動きを止めたが、すぐにまた歩み始めた (ルート ・・・き、来ちゃダメだよぉ、日天さん・・・ アタシに近づいたら、日天さんが汚れちゃう・・・ (日天 ルート、お前は汚れてなんかいない (ルート ううん、すっごく、汚れてる・・・血と、肉と、殺された人の怨念で汚れてるのぉ・・・ だって、アタシは・・・沢山の部下も殺したし、何の罪もない人々も殺し続けた アタシの馬鹿な行いを止めようとした契約者まで・・・ もうアタシは身も心も汚れきってる・・・アタシのした事は、決して許される事じゃないから (日天 違う!! 突然の怒号に、俯いていたルートが顔をあげた 日天の表情は激しい怒りと、深い悲しみに満ちていた 今まで見た事もない彼の様子に、ルートは目を見張った (日天 ・・・これまでの殺人行為も、「組織」の味方殺しも、全部お前がやった事じゃない (ルート 日天さん・・・ (日天 何かがお前にそれをさせていたんだ、オレには分かる お前があんな事する訳がない・・・そうだろ? (ルート ・・・気持ちは嬉しいよ、ありがとぉ でも、ごめんなさい・・・やっぱり、あれはアタシがした事だよ アタシにははっきりと殺す意思があったし、復讐したいっていう意志もあった・・・ 日天さんがどんなに庇ってくれたって、アタシは立派な殺人鬼――― (日天 ならどうしてあの時オレを殺さなかった!? (ルート ――――――ッ!? ―――――アタシの知ってる日天さんは・・・もういないんだからぁ!! ―――――鬱陶しいよねぇ、それ・・・子宮ごと貫いてあげるわぁ!! ―――――でき、ないよぉ・・・ ―――――だってぇ・・・日天さんはぁ・・・日天さん、なんだもん・・・ 半年前の出来事が、光景が、言葉が ルートと日天の脳内で映像となって蘇り、流される (日天 あの時のお前には、オレを殺すくらい訳はなかった筈だ 蓮華さんさえも圧倒したお前なら、オレくらい簡単に殺せた筈だ だが、お前はその手を止めた・・・どうしてだと思う? ルートは何も答えなかった 否、何も答えられなかった (日天 お前には・・・お前の心には、そんな優しさがあったんだ そんなお前が人殺しなんて、今でもオレには信じられない 信じられないからとは言えこんな結論を出すオレもどうかしてるとは思うが・・・ 自重気味に笑うと、彼はルートの手を取った (ルート ぁ・・・ (日天 お前はもう、人を殺すような事はしてない筈だ 「組織」の見えないところで、各地で活躍してたのはお前だろう? 既に、沢山の人々の命を、この手で救ってる・・・そうだろ? (ルート 日、天、さん・・・あ、アタシ・・・ (日天 罪なんて忘れてしまえ・・・なんてことは言えない だが生きていれば、罪は必ず償える それを手助けするのもオレ達・・・「組織」の役目だから 日天が言い放った時、 ルートの目から大粒の涙が、腹の底から大きな声が溢れ出し、彼女は日天の胸に飛び込んだ 泣きじゃくるルートを、彼はそっと抱きしめた (ルート リーッ、ティエン、さぁん・・・ぐすっ・・・アタシ、アタシぃ・・・ みんなに、謝りたい・・・許してもらえなくてもいいからぁ・・・あやまりたいぃ・・・ (日天 あぁ、オレも一緒に謝ってやるさ 想いを込めて気持ちを伝えれば、きっと相手にも伝わるから (ルート でもッ・・・こわい・・・こわいのぉ・・・ゆるしてッもらえないからぁ・・・ (日天 ・・・もしも世界がお前を許さなくとも オレは、オレだけは、お前を許し続ける、守り続けてやる (ルート ひっぐ・・・日天、さぁん・・・ (日天 世界を敵に回しても良い。オレはずっと、お前の味方だ オレは・・・ルート、オレはお前の事が、世界中の誰よりも・・・好きだ その言葉を聞いて、ルートは尚一層泣き始め、 日天はただただ、彼女を泣き止むまで抱きとめていた 暫くして、ルートは泣き止んだのだが 2人は何故かその場から、しかも日天が彼女を抱いたままで、動く気配がなかった (日天 (・・・気持ちを伝えたは良いが・・・) (ルート (・・・こ、告白、されちゃったけどぉ・・・) 理由はそれぞれ違えども 2人の想いは、同じだった ――――――――これから、どうしよう (エーヴィヒ (・・・全く、初々し過ぎて目も当てられないね) エーヴィヒはルートと日天が自分達の世界に入ってるところをずっと傍観していた と、彼はネコ団子状態を解いて立ち上がると、呆れたように首を振って、 (エーヴィヒ ちょこっとだけ、手伝ってあげようかな ふぅ、と溜息を吐くと、 一瞬だけ、エーヴィヒは本来の姿である豹の形相を出現させ、 肉食獣が獲物に狙いを定めるかのような鋭い眼を、2人に向けた (ルート ――――――――ッ!? (日天 ―――――――ッ!? その瞬間、ルートと日天の身体がビクッ、と飛び上がった 同時に、2人の呼吸が突然荒くなり始めた (日天 なっ・・・ふ、ふざけっ・・・ (ルート はぁ、はぁ・・・や、こ、これって・・・ エーヴィヒは「オセ」に飲まれた契約者、もとい契約猫だ ソロモン72柱の悪魔の一つである「オセ」の能力は、 幻影を見せる、秘密を暴く、等の他に『気を狂わせる』というものがある 今、エーヴィヒが行ったのはその能力を少し解釈を曲げた力であり、 対象者の精神を弄る事で、興奮や冷静を人為的に作り出すのだ この能力で、ルート達の興奮状態を高めた訳なのだが、彼はこの状況を見て思わず呟いた (エーヴィヒ ・・・加減を間違えたかな そんな事実は露知らず ルートも日天も、己の湧きあがる欲求を抑え込むのに必死だった 何故ならば その欲は、他ならぬ想い人に向けられているからだ (ルート リー・・・ティエン、さん・・・離れ、て・・・ (日天 そう、したいのは山々だが・・・か、身体が、言う事を・・・ それはルートも同じだったが、2人は大きな誤解をしていた “離れられない”のではなく“離れたくなかった”のだ しかし互いに互いの心から、その気持ちを押しのけたかった ――――まだ身体の幼いルートに手を出す訳にはいかない ――――日天さんを汚すようなことはしたくない どれだけ強く願おうと、身体は意に反して2人を離そうとしない (ルート ・・・ね、ねぇ、日天さん・・・ (日天 どうした、ルート―――――――――― 声をかけられ、彼女の顔を見た瞬間に、彼の理性が音を立てて崩れ落ちた ルートの紅潮した頬、潤んだ瞳に食い入るように、日天の顔が不意に近づく (ルート ふえぇっ、っちょ、日天さ――――― (日天 すまない、ルート・・・許してくれ ルートの唇を、日天の唇が包み込んだ † † † † † † † 数分後 (日天 ルート! 何も言わずにオレを殺せ!! (ルート えぇ!? お、おおおお落ち着いて日天さぁんっ!? (日天 見た目だけとは言え、幼子に手を出すなんて男として情けない! お前にはオレに罰を与える資格がある! 無理なら、せめて介錯人になってくれ!! (ルート だ、だから落ち着いてぇ! 粗方叫び終えると、二人して息切れし、 すぅっ、と大きく深呼吸をした (日天 ・・・本当にごめん。謝っても、許してくれないだろうが・・・ (ルート そ、そんなこと・・・あ、アタシは、その、ぜ、全然、気にしてないからぁ・・・ ぽ、と頬を紅色に染め、視線を反らすルート (ルート あ、あの、こ、このことは忘れよぉ? ね? じ、じゃないと、多分・・・ (日天 ・・・良いのか? (ルート え? 日天から発せられた意外な言葉に、ルートは固まってしまった ―――――誤解されたか!? そう思った日天は彼女に必死に弁解する (日天 っち、違う、思い出にしようという訳じゃない た、ただ・・・正直言うと、嬉しかったんだ お前と触れ合って、お前の温もり肌で感じて・・・い、やっぱり、オレは最低な男か? (ルート ・・・うぅん、そんなことない 日天さんはいつでもカッコよくて、優しくて・・・世界でいっちばん素敵な人だよぉ 日天さんがそうしたいのなら、アタシも忘れない 今日、こうして日天さんと出会えた奇跡 こうして、日天さんと・・・・・・・・・・・・・・・ぁぅ/// (日天 ん、どうした? (ルート ぉ、ぉもぃだしたらぁ・・・ぬ、ぬれてぇ/// はにかみながら笑うルートに、日天は申し訳なさそうな笑みを浮かべた (日天 ・・・なぁ、ルート (ルート ? (日天 もう、戻って来ないのか?・・・「組織」に 「組織」 その言葉を聞くや否や、ルートの表情が暗くなる が、すぐに首を振って笑みを作る (ルート ・・・うん。まだ、堅物の姉貴は、許してくれそうにないからぁ あと、蜘蛛のおじさんとかも・・・ (日天 オレが皆に事情を話すよ。そうすれば、分かってくれるかも知れない (ルート ありがとぉ、でも良いの。日天さんには、迷惑ばかりかけてるしぃ・・・ す、と彼女は立ち上がり、日天に背を向けて歩き始めた それに続くように、日天もまた立ち上がる (日天 ・・・行くのか (ルート うん・・・これから、学校町に行くつもりぃ だから、もしかしたらまた会えるかも・・・知れないねぇ 小さく笑うと、少し振り返り、 (ルート ・・・日天さん。甘い物、食べ過ぎないようにねぇ? (日天 ・・・あぁ、分かってる。お前も、一人で突っ走ろうとするなよ? 互いに、くすっと笑い合う まだ何か言いたげだったが、ルートはそのまま磯部を岩から岩へと跳びながら、 遥か向こうへと走り去っていった (日天 ・・・また会おうな、ルート (エーヴィヒ 会えるとも、近いうちにね 突然の声に驚き、日天はきょろきょろと辺りを見回した 足元でちょこちょこと歩いているネコを発見すると、しゃがんでそれに話しかけた (日天 お前は、確かルートと一緒にいた・・・ (エーヴィヒ 僕の名前はエーヴィヒ・・・そんなことよりも 栄 日天と言ったかな? 君の推理・・・正しいよ (日天 推理・・・っ、まさか!? (エーヴィヒ それが何者かまでは、僕にも分からないけどね と言って、エーヴィヒはルートを追って歩き出す (日天 待て! お前は一体―――― (エーヴィヒ 僕が知っていることはもう一つ 「組織」内部で、「組織」全体を支配する計画が極秘裏に進められている (日天 ッ!? ば、馬鹿な・・・し、信じて良いのか!? (エーヴィヒ 仮にも僕は悪魔だ。けど、彼女には恩がある 信じるも信じないも君次第だよ くっと口角をあげると、エーヴィヒは一瞬黄金色の豹の姿になり、 その秀麗な姿を霧の中に隠し、その場を立ち去った ザザァ、と静かに波の音が響いた ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂
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【登録タグ SOUND HOLIC SYO ほ 幻想★あ・ら・もーど III 暗闇の風穴 曲】 【注意】 現在、このページはJavaScriptの利用が一時制限されています。この表示状態ではトラック情報が正しく表示されません。 この問題は、以下のいずれかが原因となっています。 ページがAMP表示となっている ウィキ内検索からページを表示している これを解決するには、こちらをクリックし、ページを通常表示にしてください。 /** General styling **/ @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight 350; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/10/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/9/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/8/NotoSansCJKjp-DemiLight.ttf) format( truetype ); } @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight bold; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/13/NotoSansCJKjp-Medium.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/12/NotoSansCJKjp-Medium.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/11/NotoSansCJKjp-Medium.ttf) format( truetype ); 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地球の何処かにある、青空の下に広がる黄金色の草原 広大なこの大地を、とぼとぼと歩いていく人影が1つ 晒しの上に黒い長袖の上着を羽織り、黒のミニスカートを穿いた、 短めの灰色の髪と赤い瞳、そして肩に乗っている白いネコが特徴のその少女は、 発情期を向かえた獣のように大声で鳴いている自らの腹を撫で、一言 (ルート ・・・お腹減ったぁ・・・ 少女――ルート・ライフアイゼンは絶賛空腹中であった 肩の上で涼しそうな顔をしているネコ――エーヴィヒが、彼女に向けて口を開いた (エーヴィヒ こんな内陸だと、それこそ昆虫くらいしか食べる物が無さそうだね 草食動物の1頭や2頭いれば助かるんだけど (ルート テメェはどうせ何も喰わなくてもいいんでしょぉ? 便利ねぇ、悪魔ってぇ・・・ (エーヴィヒ 悪魔にも食事を摂る者はいるけどね 暴食を司る「ベルゼブブ」とかは特に (ルート アタシも今暴食したい気分よぉ・・・ あーぁ、アリでもバッタでも何でも良いから、何処かに居ないかなぁ もぉこの草でも良いんだけどぉ―――ん? 自らの掌を見て、ふと、 (ルート ・・・まだ、食べ物あるじゃなぁい♪ (エーヴィヒ 幾ら何でもそれは悪食過ぎると思うよ (ルート それくらいアタシは餓えてるのよぉ・・・がるるるるぅ・・・ 正しく餓えた獣のように、しかし弱々しく唸ってみせる 外見相応の、幼い少女らしい振る舞い 先日までの彼女は何処に行ってしまったのだろうか と、エーヴィヒを見ながら歩いていたルートがふと前を見た瞬間、彼女の目が輝き出した 幾つか並んだ即席らしき家屋 はっきりと感じる人の気配 どうやら、小さな集落があるようだった (ルート やったぁ!! 久しぶりのまともな食事だぁ!! ついてるぅ♪ (エーヴィヒ 集落を食物扱いしないように けど、確かに人間に会うのは数日振りだね (ルート あ、エーヴィヒは黙っててよぉ? ネコが突然口利いたら気味悪がられるから――― 轟く爆音 昇る黒煙 響く悲鳴 (エーヴィヒ 食事どころじゃなさそうだよ (ルート ・・・ハァ、やっぱりついてないぃ・・・ がくり、項垂れて溜息を吐くルート まるでこの世の終わりを迎えるかのような表情を浮かべている (エーヴィヒ どうする? (ルート ・・・決まってんじゃないのぉ ぱちんっ、と両手で己の頬を叩いて、「よしっ!」と気合いを入れて顔を上げる (ルート 腐っても、アタシは元「組織」だからねぇ! † † † † † † 燃え盛る家屋を蹂躙し、口から火を吹いて集落を火の海に変えようとする巨大な化物 身体全体が毒々しい緑色に染まって、無数の棘が生えているそれは、 頭と尻尾が蛇のようにしなやかで、足は亀のように逞しい 化物を恐れ、逃げ惑う住人達 その中で1人、足が縺れて前のめりに転げてしまった少女 ギロリと鋭い目を光らせて、化物は舌を伸ばして少女を喰らおうとした しかし、その舌は横から飛来したゲル状の球体によって弾かれ、 さらに狙っていた少女も、新たに現れた少女によって助けられてしまった (ルート さぁ、逃げてぇ! 早く!! ルートの指示を聞き、急いでその場から離れる少女 ところが化物の目は既にその少女ではなく、今目の前にいるルートを捉えていた じゅるりと口から溢れる涎が垂れ、じゅうっ!という音をたてて地面を溶かす (ルート あれ、えっと、こいつどっかで見たことあるぅ・・・何だったっけぇ? (エーヴィヒ この姿、それに炎と毒を吐き、乙女を狙う性質・・・ 間違いないね、「ペルーダ」だよ (ルート あぁそれそれぇ!!・・・でも何処で知ったんだろぉ? 首を傾げるが、「ま、いっかぁ」と呟き、両手を広げ、 全ての指の先端からウィルスで出来た刃を1本ずつ、合計10本を作り出す 「ペルーダ」も、既にルートを捕食する気満々のようで、興奮状態にあった (ルート 毒を持ってるのは厄介ねぇ・・・アタシのインフルエンザウィルスが効いてないみたいだしぃ (エーヴィヒ 乙女を狙うらしいから、下手をすれば君の命も危ないね 僕も手を貸した方が良いかな? (ルート じゃぁ、お願いするわぁ! (エーヴィヒ 仰せの侭に 肩から飛び降り、ネコらしく見事な着地をしてみせると、 エーヴィヒの姿が揺らぎ、それは白い毛並みの小さなネコではなく、 黒い斑のある金色の毛並みの秀麗な、大きな豹の姿となった エーヴィヒの契約都市伝説の1つであり、「ソロモン72柱」の1柱、「オセ」の姿だ (エーヴィヒ 幸運を祈るよ (ルート 任せなさいってぇ! 吐き出される火炎 1人と1匹は、互いにそれを跳んで回避した 豹の姿であり、そもそも悪魔であるエーヴィヒは納得の運動能力であるが、 飲まれたとは言え人間であるルートが、巨大である「ペルーダ」の身体を越える程の高さまで跳んでいる 「オセ」は幻影を作る事ができるが、これがエーヴィヒの仕業ではない 強いて言うなら、彼女にこのような芸当ができるようになったのはエーヴィヒのお陰だ そもそも「インフルエンザは地球外のウィルス」は身体能力を強化できるものではない筈だった しかし、「オセ」の『隠された秘密を見つけ出す』能力で、擬似的に肉体強化に成功したのだ “ウィルスを自身に感染させ、自身を操作する”ことによって ルートは落下の勢いで、10の刃を「ペルーダ」の頭に向けて切り裂こうとした (ルート いっただきぃ!!――――――いっ!? と、「ペルーダ」の身体中の棘が逆立ち、それが発射される 瞬時に刃をクロスして、射出された棘から身を守り、ゆっくりと着地する (ルート っちぇ! 何なのよぉ!! (エーヴィヒ 「ペルーダ」は棘を飛ばせるからね・・・あれにも毒があるから、気を付けて (ルート ・・・んん? 何でだろぉ、やっぱり聞いたことあるぅ・・・ またも首を傾げるが、飛来する棘の雨を避ける為にそれを中断する 背後に跳んで、叩き斬り、蹴折り、横に跳ぶ ルートは周囲に液状の球体を浮遊させ、 (ルート 『ギフト・ヴァイラス』! 掌を「ペルーダ」に向けて、弾丸を一斉に撃ち出した 次々と、ウィルスの塊がその巨体に命中するが、「ペルーダ」はけろりかんとしていた 小さく舌を打ち、ルートは人並外れたスピードで間合いを詰めた 「ペルーダ」は近づいてきた標的を狙って火炎を吐き出すが、ルートは難なくかわす だが宙に浮いた彼女を見逃す程、この怪物は馬鹿ではなかった 逆立った背中の棘の先端が、一斉にルートの方を向く (ルート ッ!? し、しまっ―――――― 1本、また1本と、自分に向かってくるその棘を、 常人の約2倍という反応速度で次々と弾き返す 全て防ぎ切り、一度距離を取ろうとした矢先だった 長く鋭い翡翠の毒の棘が、小さな身体を貫いた 声が出ず、代わりに真っ紅な血を吐き出す少女を、 「ペルーダ」はその長い尻尾で容赦無く地面に叩きつけた 笑い声ともとれる大きな雄叫びをあげ、 毒棘竜は大好物である乙女の生肉を、満足そうに咀嚼した と思えば、「ペルーダ」は口の中にあるものを吐き出した 唾液と共に落ちてきたものは、溶けかけた岩の塊 少女の姿は、何処にも無かった 右、左と見回す化物を見て、滑稽そうに笑う無邪気な声を聴き、 「ペルーダ」は少し離れた場所に立った少女を見据えた (ルート ヒャハハハハハハ・・・あー危なかったぁ、なんちゃってぇ♪ 偽者は効果覿面ねぇ、Dankeエーヴィヒ (エーヴィヒ お安いご用だよ そう言って、ルートは自分と同じ大きさの豹の頭を撫でる エーヴィヒの契約都市伝説「オセ」は、幻影を見せる事ができる悪魔だ 先程「ペルーダ」が仕留めたルートだったものも、彼が見せた幻にすぎない その騙された張本人は怒りが混じった咆哮を轟かせ、全身の棘を逆立たせる (エーヴィヒ また来るよ、今度はあの幻のようにならないでね (ルート それよりテメェも戦いなさいよぉ! (エーヴィヒ 悪いね、僕は戦闘向けじゃないんだ、あくまでサポート専門 (ルート ちぇっ、後でどうなるか分かってんでしょうねぇ? 飛び交う棘を避けながら、ルートは自らの周囲にウィルスを展開する (ルート ウサギの1匹ぐらい狩れるようにぃ、調教してやるんだからぁ!! ウィルスを針状にして、「ペルーダ」の足に集中砲火する 硬い鱗で覆われた足を貫通する事はできなかったが、 数の暴力に押され、バランスを殺され、巨体はずずぅん!!と轟音を立てて倒れた にっ、と笑い、ルートは再び幾兆のウィルスを集めた 今度は自分の右腕に、巨大な刃を作り上げる 空さえ斬り裂けそうなその剣を振り上げ、 (ルート 行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!『ゴットアルム』!!! 力強く、振り下ろした ある時は巨木を、ある時は蟲竜を薙ぎ払ったその剣は、 いとも簡単に毒棘竜の身体を両断する―――― (ルート ―――――――ッ!? ことはなく、がっ!!と火花を散らして棘に抑えられ、 巨体が立ち上がると同時に押し返され、彼女が尻餅をついたと同時に刃は消滅した すぐにルートも立ち上がり、「ペルーダ」の放った火球を避けつつ距離を取った (ルート あぁチクショォ!! どうなってんのよぉ!! (エーヴィヒ 女の子らしい言葉を覚えた方がいいね (ルート 黙んなさい!! テメェも何か手伝えぇ!! (エーヴィヒ 指示があるなら何なりと (ルート 面倒ねぇ! あのデカブツの弱点とか―――― ―――――――ねぇ日天さぁん、これもリンドヴルムの仲間なのぉ?? (ルート へ・・・あ! ―――あぁ、「ペルーダ」という竜の一種だ。オレもまだ見た事は無いけどな ―――へぇ~、変わった形だねぇ 突然脳裏に過ぎる、彼女の過去の記憶 それが、彼女に勝利を確信させた (ルート 思い出したぁ・・・エーヴィヒ! アタシの偽者、よろしくぅ! (エーヴィヒ 了解 ―――唾液や棘に毒があり、炎も吐ける。しかも棘を飛ばして攻撃するらしい ―――えぇ!? 厄介なリンドヴルムぅ・・・ ずらりと並ぶ、ルートの姿 「ペルーダ」は迷いを見せながら、それらに向けて火球を吐き、棘を飛ばす ―――だが、はっきりとした弱点もあるんだ ―――弱点? (ルート 隙だらけよぉ、この脳筋!! ルートは再び、先程のように大きなウィルスの剣を生成した ―――そうだな、いつか戦うかも知れないから、お前にも教えてやろう (ルート 今度こそ・・・くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!! ―――いいかルート、「ペルーダ」の弱点は、 毒棘竜が気づいた時は既に遅かった ルートの刃は急所を捉え、大きく真っ赤な華を咲かせた ――――――――この、長い“尻尾”だ 甲高い断末魔を轟々と響かせて、「ペルーダ」は力無く、静かに、己の血に伏した 巨大な刃を消し、ウィルスの役目を終わらせ、大きく深呼吸をするルート ネコの姿に戻りながら駆け寄ってきたエーヴィヒをその腕で包み、 既に亡骸となった「ペルーダ」を見て、ぽつりと呟く (ルート ・・・これ、食べられるぅ? (エーヴィヒ 毒で死ぬ覚悟があるなら (ルート じゃあ、やーめたぁ 諦めた様子でルートが踵を返した瞬間に、 「ペルーダ」の屍は細かな光の粒となって、風に流れて散っていった (エーヴィヒ でもよく分かったね、折角僕が教えてあげようと思ったのに (ルート ヒャハ♪ 昔、“誰か”に教えてもらったんだぁ 楽しそうに、しかし果敢なげな笑顔で言うと、 彼女はエーヴィヒを肩に乗せ、 (ルート 次は・・・ここの住民達の安否確認! 逃げた住民達に事が鎮まったと報告する為、走り出した――― 「おい君! 怪我は無いか!?」 若い男性の声 自分に向けられているらしいその声に振り向くと、2つの人影がこちらに駆け寄ってきた 声の主である男性と、それに付き添う女性 その2人に共通しているのは、サングラスに黒いスーツ (ルート ・・・「組織」ぃ? いるならテメェらがあの化け物倒せば良かったじゃないのぉ!! (黒服女 なっ・・・それは、その、応援を呼んでいまして・・・そ、それより怪我はありませんか!? (ルート あるように見えるぅ!? お陰様でぴんぴんしてるわよぉ!! ていうか、なぁにテメェら、新人? (黒服男 え・・・あ、まぁ、最近黒服になったばかりだが (ルート でしょうねぇ、スーツもサングラスも新しすぎるしぃ、 それに・・・何だか弱っちそう (黒服男 (堂々と失礼な・・・誰なんだこの子は?) (黒服女 (さ、さぁ・・・先輩、でしょうか?) (ルート 何ボーっとしてんのよぉ!ここの住民達は何処!? (黒服女 あ、はい! この先に避難を―――― 最後まで聞かずに、ルートは女性が指差す先に向かって走り出した 辿り着くと、確かに住民達が集まっていた だが、その表情は険しいものばかりだった 燃える家々を見ているのもそうだが、それ以上に彼らの一部が問題だった (ルート ――――――ッ!! 骨折、火傷、分断、そして毒の侵食 あらゆる状態の怪我人が屯していた (黒服男 っこ、これは・・・ (黒服女 酷いですね・・・ (ルート 他人事みたいに言ってんじゃないわよぉ!!「組織」はいつ来るぅ!? (黒服女 え、えっと、恐らく10分後には――― (ルート なら「蝦蟇の油」か「河童の妙薬」くらい有んでしょ! さっさと怪我人の治療して! (黒服男 わ、分かった――――待て、流石にこの人数だと足りなくなる (ルート あぁんもぉ!! テメェら、何に飲まれてるぅ!? (黒服女 私は、「口裂け女」に・・・ (黒服男 俺は「注射男」だが (ルート あぁ良かった、何とかなりそうねぇ 「口裂け女」でメスとか適当な刃物出して! 「注射男」は麻酔注射とかできない!? (黒服男 ・・・お、お前、何を―――――― ルートは迅速に己の荷物の中の物を取り出す 出てきたものは、少ないが幾つかの医術道具だった (ルート 丁度メスと麻酔がないのよねぇ (黒服男 こ、ここで手術する気か!? お前、まだ子供だろう!? (ルート うっさいねぇ、アタシも飲まれてるし、歳はテメェより上だしぃ それに、ここでやんなきゃこいつら死んじゃうかも知れないんだよぉ!? (黒服男 ッ・・・ (ルート 文句言ってる暇があんなら、アタシの言う事を聞いてさっさと動けぇ!! 少女の怒号が響くと、2人は速やかに指示されたものを能力で出現させ、 薬を持って他の怪我人を当たった ルートはそれを見届けると、注射器とメスを構えた (エーヴィヒ 本当にやるのかい? (ルート アタシは元R-No.10、救護班を従えてたのよぉ? まぁ、多少のブランクはあるけど、応急処置くらいならできるわぁ 軽く息を吸って、精神を整え、メスを輝かせた (ルート ・・・手術、開始 † † † † † † 数分後――― (エーヴィヒ ・・・良かったのかい? ここ暫く、通常の食事を摂ってないじゃないか (ルート ん~、でも、恩を売るような真似はしたくないしぃ・・・ 集落を離れ、彼女達は再び草原を歩いていた 応急処置は全て成功したが、その後「組織」が来た為に、 「オセ」の能力で姿を晦ませて早々にあの場から退散したのだった (ルート それに、あの状況でご飯も何もないじゃないのぉ (エーヴィヒ それもそうだけど、「組織」に言えば食料くらい貰えたんじゃないかな (ルート ・・・もう、「組織」とは関わりたくない 俯きがちに呟くと、エーヴィヒはそれ以上何も言わなかった ふと、ルートが見上げると、空は既に赤く染まりかけていた (ルート ハァ、野宿できるところ探さなきゃね (エーヴィヒ 木のあるところがいいね (ルート だったらテメェも自分の足で探せぇ!! 首根っこを掴んで、彼女はネコを広い草原に投げ飛ばした ―――「ペルーダ」は乙女を好む性質があってな。とある娘がこの「ペルーダ」にずたずたに引き裂かれて殺された ―――ひえぇ・・・ ―――けど、その恋人が娘の仇を討つ為に「ペルーダ」と戦い、尻尾を斬って討伐に成功した ―――へぇ、そうなんだぁ・・・ねぇ、日天さん ―――ん? ―――もし、アタシが「ペルーダ」に襲われたら・・・殺される前に助けてくれるぅ? ―――・・・どうだろうな。オレは、そんなに強くないから ―――嘘でも「勿論」とか言ってよぉ! ―――す、すまん; (ルート ・・・ちゃんと、助けられたじゃない・・・ 寂しそうに、彼女はまた呟いた ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂