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様々な世界が一つになった多元世界… Z本編に参戦してない世界もブレイク・ザ・ワールドに巻き込まれたかもしれません… 五号店より ・シャドウミラーの闇騎士と元アインストの少女と鋼鉄の孤狼 619 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/10/31(金) 04 48 55 ID lh85F9+N レントン『(姉さん、今日もお店は繁盛しています)』 ガー レントン『いらっしゃいませ』 ???『・・時空転移?違う変な世界に飛ばされたな』 ???『みたいですの もうあれの気配を全然感じませんの』 レントン『(誰だろう、なんか少しだけワカメみたいな髪の毛のお兄さんと大胆な服を着た女の子が・・・)』 ???『おい』 レントン『ハ、はいッ!』 ???『こんな化け物見なかったか?』 (写真を差し出される) レントン『・・なんですかこの気味悪いの?白いし触手うねうね・・・新手のコーラリアン?』 ???『知らないか・・・ならここに用はない』 ???『あん、せっかちすぎますの』 (立ち去る2人) レントン『誰だったんだろう・・・ところで』 クワトロ『ん?』 レントン『いつからそこにいたのですか?』 クワトロ『今だが』 レントン『(姉さん、ボクは見ていました・・クワトロさんがずっと女の子を見ていた所を)』 ズガアアアアアン!!(外からロボットの腕がコンビニに直撃) レントン『な、なんなんですかこれ!?赤い腕?リボルバー!?クワトロさんが串刺しに!!』 (ロボットから赤い服の男登場) ???『アルフェ・・!!どこだああああ!!アクセルなんかについてっちゃダメだあーーーー!!!それは余りにも分が悪い賭だああああ!!!』 レントン『(姉さん、訳が分からなすぎですが、クワトロさんが巻き込まれたことで安心したボクがいます)』 ・紅茶王子とゲットだぜ!娘 906 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/01(土) 22 52 24 ID RGtY6DLo ガー レントン「らっしゃっせ~~」 紅茶「流石にバザーの露店に比べて清潔感が…」 ダンス「じゃあ、さっさと必要なもの買ってクロガネ探しにまた出ましょ」 レントン(姉さん、今度はロン毛のCOOLそうなイケメンと赤い髪の褐色少女のコンビです。外に置いてあるあの人たちの機体は なんかWMな香りが微にします) 紅茶「・・・・ない・・・ない・・・・無い!!!!!」 レントン「????」 ダンス「どったの?」 紅茶「えええい! ティーパック以外の紅茶はココにも売ってないのかぁぁぁぁぁぁ!!!!」 ダンス「落ち着きなさいって! タンニン切れたの!?」 紅茶「おのれぇぇぇぇ!!!!」 レントン(姉さん。COOLなのは外見だけのようです…) ダンス「仕方ないでしょ。そういう嗜好品は大量生産物以外は稀少なんだから」 紅茶「・・・・だな・・・取り乱してすまない・・・」 ダンス「お茶ッ葉が切れて1週間だからね…流石に禁断症状か・・・。あ、見たかった恋愛映画のディスク見っけ!これも頂戴!」 レントン「全部で12670Gです」 紅茶「…南の方ならお茶の産地にめぐり合えるかもな…」 ダンス「だ~か~ら~、まずはクロガネと合流でしょうが!」 ガー レントン「ありぁとあした~~~」 915 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/01(土) 23 04 30 ID w5B4Kzy0 906 ブレイク・ザ・ワールドには新西暦の人間達も巻き込まれたのかwww UNにドリル戦艦や銀と真紅のAM乗りが営む運び屋の情報が挙がっても驚かないぞ! 六号店より ・タコ殴り中尉とイージス少尉 89 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/02(日) 23 09 32 ID /DbcdiBX ガー レントン「らっしゃっせ~~」 蛸1「う~~~さぶさぶ!!!」 地味「シベリアのブリザードは堪えますねえ…」 レントン(金髪の女性と…限りなく空気のような印象の青年が来店しました…。外に停めてある機体は仲良く同じ機体の 色違いです) 蛸1「く~。何かあったまるもん買ってさっさと逸れた連中探しに行こうぜ」 地味「そうですね中尉…。とはいえ…我々の所持金もそろそろ限界…」 蛸1「あ、卵と牛筋とはんぺんに大根。それから…」 レントン「チョッと待ってくださいね~。今日はがんもも安いですよ~」 地味「なんで保存の利かないものばかり買うんですか中尉ぃぃぃ!!!」 蛸1「だってさ~。もう缶コーヒー程度じゃ温まるもんも温まらないって」 地味「だから!もうちょっと節約を!」 蛸1「もう~うっさいな~」 レントン(レジの前で痴話げんかです…。軍人さんっぽいですが…) 蛸1「じゃあ、なんかもっといい奴でもあるってのか?あぁん?」 地味「そんなに寒いなら自分が!」 蛸1「・・・・・!?!?!?」 地味「・・・・!あっ・・・・」 レントン(うわ…金髪の人顔が見る見るうちにサラさん(キンゲ)みたいに真っ赤に…) 蛸1「ばばば、ばばばっば、ばっきゃろおおおおぅぅぅぅ!!!!」(ベゴシ 地味「へぶれきゅわ!?」 レントン(地味な方の人…顔でスライディングしながら外に転がっていった…) 蛸1「おい店員!御代はこれ!!」バシっ ガー レントン「ありぁとあしたぁ~~~」 90 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/02(日) 23 12 44 ID wo0LryLv 89 やはりブレイク・ザ・ワールドには新西暦の地球も巻き込まれた可能性が高いな このパターンで行けば…次に来るのは銀の流星とその友達の少女か!? ・銀の流星とその仲間達 218 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/03(月) 23 51 59 ID fPIC/k/8 レントン(ぶっちぎりアウトサイダーになってしまった僕達ゲッコーステイトとその一味ですが、流石に物資補給の時は 細心の注意を払う様になりました。) マシュー「お~いレントン。運び屋との合流ポイント近いから準備しとけ~」 レントン「は~い」 レントン(今日はUNの通販で注文した生活物資を運び屋さんに運んでもらって受け取る日です。) 負け犬「お待たせしました~」 メガネ「今回はご利用有難う御座います~」 紅妹「・・・・・」 メガネ「あなたもあいさつ!」 紅妹「あ、有難う御座います…(なんで私までこんな目に…)」 レントン(姉さん!営業スマイルバリバリですが、美人の運び屋さんが!!しかも3人組!!!) メガネ「お届け物のコンテナはこちらです~。ほらAイビス、搬入にはAステリオンでやって頂戴」 負け犬「なんで私が…」 紅妹「Kリオンには作業用の手足なんかついてないからな」 メガネ「代わりに、飛行中はそっちの積載量が多めなんだけどね(クスクス)」 紅妹「…兄様の夢への道でこんな事態になるなんて…」 メガネ「けど、働かないと食べていけないのもまた現実!」 レントン(どうやら、女3人で運び屋やってるのも色々事情があるみたいです) 負け犬「大型コンテナの搬入は終ったわよ~」 メガネ「じゃあ、なんかこの戦艦にはコンビニあるみたいだから私達も食べ物買って帰りましょう」 負け犬「ケーキ!ケーキ!」 紅妹「…犬みたいになるな!(ペシ)」 レントン(この後、店内でなにかの拍子でトラウマスイッチが入った二人をメガネのお姉さんがズルズルと引き摺って帰っていきました…。 けど、女性客3人組は結構華やかでした。) タルホ「ほうほうほうほうほう」 ギジェット「私達じゃあ華やかじゃないと…」 レントン「!?!?!!?」 223 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/04(火) 00 01 14 ID ulC74TPM 218 彼女達もブレイク・ザ・ワールドに巻き込まれてしまったのか… 何でアル○リオンとベガリ○ンじゃないか、そしてイ○イのいない理由は追求しないでおこう。 226 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/04(火) 00 04 26 ID C92Ggsaj 223 お金に困って売ったんだよ 桂さんが最初に乗ってた機体的に イルイは家で掃除やご飯作ってそう 229 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/04(火) 00 09 50 ID GFjGsbCz 223 新西暦の方だからじゃね? それだと何で負け犬と大負け犬(予定)が一緒にいるんだってことになるが 231 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/04(火) 00 16 09 ID ALB3vfKI 218書いた者だけど(ID変わったけど)、第2次αとOGの奴を混ぜて書いてるけど、時間軸的にはOG外伝準拠くらいの 人間関係で書いたつもり(だから衣類がいない)。不快に思われたのならスマン(陳謝 237 名前: それも名無しだ [sage] 投稿日: 2008/11/04(火) 00 19 24 ID ulC74TPM 231 そういう事でしたか。 226のような解釈も出来ましたし、お気になさらず。
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――これに記されているのは、かの聖杯戦争でオレの身に降りかかったありのままの出来事である。 篠ノ之やらない夫 2394年 12月 X日 3年ぶりに留学先のヨーロッパより、生まれ故郷の皇国日本は八ツ墓村へ帰宅する。 彼女? そんな者はいた覚えもない。 帰宅する前に両親の私設図書館に寄るが、鍵が閉まっている。無駄足だった。 [死亡イベント回避] 帰宅、しかし家にも鍵が掛かっている。3年ぶりにお隣の式に挨拶したが、死徒って何だ…? オレは知らない。 裏口から入ると…切り刻まれた両親の姿が…。駄目だ、今は思い出したくない。 ―5ヶ月が経過 この間の記憶・記録は判然としない― 2395年 4月 1日(推薦大学の始業式前日) 図書館へ行く。オレが落ち着ける場所はここくらいしかない。 あれ以来、オレは何かが足りない焦燥感に狩られている。 焦る気持ちのまま壁を殴ると、棚から日記帳がこぼれ落ちてきた。 そこに書かれていたのはこれまでの、そしてこれからの出来事。聖杯戦争は罠? なんのことだろうか。 何者かから奇襲を受ける。辛うじて避けたが……『あの時の、残りかす』? お前は誰だ、オレは知らない。 途中で本が破れながらも購入図書保管地下室へ逃げ込み、あの日記を読む。 突如天井に魔方陣が現れ、頭に流れ込む呪文を詠唱し続ける。 すると魔方陣に日記が吸い込まれ、長らく付き合うことになるオレのサーヴァントが召喚された。 彼女が言うに、彼女の望むマスターとは『かっこいい王子様なのです』だそうだ。 「古手 梨花」と名を告げた彼女は、幾百の死の山脈を越えてきたという。 彼女は猟師を召喚し、オレを追ってきた正体不明の人物を撃退した。 家に帰り、梨花に家のカードキーを渡す。…封印された神殿? 何のことだろう。 神殿を調べる傍ら、しばらく梨花――クラスはキャスターらしい――から聖杯戦争について情報を教えてもらう。 色々と胆が冷えることも聞いたが…まぁ梨花の口ぶりからして早急に問題が出ることも無さそうだ。 [そんな都合のいいわけないです] 2395年 4月2日 夢を――夢を見ていた。あの胸くそ悪い、あの日の夢を…。 最悪な寝覚めだったが、梨花が居てくれるおかげで気分も和らぐ。 パスを繋ぐことを提案される。魔力的には必要なさそうだったが、マスターに気付かれたとのことで繋ぐことを承諾した。 令呪が手の甲に浮かぶ。痛みはなかった。そしてキャスターのステータスを閲覧する。 他マスターが訪れるまでに異界の創造は完了する。その前に、キャスターに聖杯への願いを聞かれた。 父さんと母さんと侮辱する意思でもなく…自分の欲望を満たす為の手段でもない…。 真実を。そう、あの日の……オレの全てが奪われた日の全てを知る事だ。 異界創造が終わるまでに時間がある。父の趣味だった地下の武器庫にて『無辜を守る英霊の剣』を手に入れた。 [ゾロ115] 異界創造を終えた梨花が妙に焦っていたが、そんなに凄い物なのだろうか。汗だくになっていたが。 そして訪ねてきたのは策等大学の春川教授だった。どうやらセカンドオーナーとかいう立場らしい。 脱落を勧められたが、あいにく願いを諦めるわけにはいかない。そう告げると意外なほどあっさり退いていった。 梨花によると研究畑の魔術師らしい。それでいて科学分野の教授って訳だ。変な奴だ。 春川教授の接近について察した梨花の宝具について聞く。【死を持って死を尊び、終わりと待って終わりを尊ぶ】、か。 ついでに使い魔を作成…………平凡なただの猫…? 二人して不安になりながらも空港へ送り出す。 [ゾロ1] 重傷で家に帰り着いた使い魔から話を聞く。マスターが二人と、最強の新城か…。 [ゾロ185] ともかくも、調子に乗った猫に改造を加える。小判猫になった。 外に出掛けると幼馴染みの真紅と出会う。見ないうちに独り言を言う癖でも付いたか? 5ヶ月間の放蕩を責められる。連絡でも入れるべきだったか。埋め合わせに食事にでもと誘うが、折り悪く襲撃を受ける。 ちょうど真紅も用事があったらしい。巻き込まれないでいてくれるのはちょうどいいが…タイミング的に真紅もマスターなのか? 見かけたのは黄色い髪をした少女、ライダーだった。衝動的に友達契約を迫りたくなったが、嫌な予感がして自重する。 【死亡1】 千匹獣を使用し隠密、未来兵器ごっこに興じるライダーを観察する。読んでいた『近未来の軍事科学雑誌』を購入。 何という戦闘狂、直感で覗き見がバレる。仕切り直しや破壊工作に対処し、全力で逃走することに成功する。 帰宅できるかといったところで今度は式神に奇襲を受ける。梨花が言うには陰陽道の使い魔らしい。 猟師を召喚し対抗しようとするが、大喰らいによってそのまま食われてしまった。他者の使役する者を喰らう性質など卑怯だ、と梨花が嘆く。 そんなところでライダーに追いつかれ、そのままライダーが式神を撃ち殺す。が、どうやら彼女のマスターの式神だったらしい。 無事、家に逃げ帰り、眠りにつく。 2395年 4月3日 危険性を認識し、梨花の真名を教えて貰う。童話の概念、か…。 それと家にあった礼装は異界創造の際に全て壊れてしまったらしい。 梨花に協力してもらい魔力回路を開発する。 [【間操魔術】、【通り身の魔術】を予約。魔術属性は虚属性に] 真紅にいたずら電話。が、余りに信じられすぎて素直な心配が胸に痛い。夜にレストランへと誘う。 気付いたら3時間も長電話をしてしまっていたらしい。解せぬ。梨花に怒られる。謝罪をするも猟師に撃たれた。解せぬ。 花束と剣を持って真紅の元へ。玄関先で着替えるのはあまり感心しない。2人で街中の成功を呼ぶレストランへと向かう。 花束を渡し、戦争後の恩返しを約束する。そこにサラリーマン風の男から聖杯戦争関連の話合いを持ちかけられる。 …オレは、何故糸電話で会話をしようとし、真紅の胸を触ろうとしたんだろうか。直後現れたランサーに腕を掴まれ未遂に終わったが。 えらく影の薄い黒髪の彼女――ランサーに、真紅と互いがマスターであることを暴露される。おのれランサー、この空気が破壊されてしまった。 2日間の間、不戦の同盟を持ちかけられる。真紅のサーヴァントは同意、念のため契約内容を再確認する。 ランサーが此度の聖杯戦争で私が最強だと自負するので弱そうだとからかうと、あまりにも明確な殺意で気を失う。流石はサーヴァントか。 同盟を結べば宝具を見せてくれると言い、契約にも不都合は無さそうなため同盟を締結する。そのまま海岸へ。 グングニルを気軽に3連発するランサーに唖然とする我々。調子に乗るランサーをマスター、高槻が撃ち飛ばした。 2395年 4月4日 手前で料理した朝食を取る。弁当で済ませるのが楽だが、あまり出歩くのも危険なら自炊する他あるまい。 片手間に作ったシュークリームで梨花の機嫌が治ることを祈る……なんてな! 灼熱のシュークリームを味わ、不発だとぉ!? 残り2つのうち1つは…ちょうどいい、真紅食え! 吐き出すのは許さ―――なん…だと…? 口が灼ける! 涙が止まらない! くそっ、何でこんな事になってしまったんだ…! さて、落ち着いたところで真紅と聖杯戦争について相談をする。協力者として合格とのことだ。黒翼を持つ銀髪のサーヴァント、ガードが現れる。 試すようなことをされたのは彼女が心配したためらしい。『幕引きの王』とか呼ばれてるみたいだが…。 何故か睨まれる。そして何だか梨花と険悪ムード。一体何だって言うんだ…。 [真紅の恋心を邪魔すんなキャスター byガード] まぁ、何だかんだで笑い合って協力してくれるみたいだから良かった…のか? 表だって同盟を組むのは敵の連携を招いてまずい。互いにランサーについて思うことを交換してこの場は分かれる。 ガード=保護者と二人きりになったため、真紅をしっかり守ってくれるよう願い出る。これは笑顔で了承してくれた。 帰り際にガードに聖杯への願いを訊ねると、百を過ぎた老女のような力ない表情で「自分の職務をまっとうする事」だと答えた。 それは子供できる簡単な事、それすらできないのはただのジャンクだと、後悔と懺悔の念に満ちた声色で絞り出すように語るガード。 真紅はその弱々しい様子に躊躇無く令呪を切ろうとする。慌てるガードに毅然と対応するその姿は間違いなく聖杯戦争のマスターであった。 「まだ、聖杯の願いは言えない」と答える真紅。自らの信じる最善を生きる、その姿は危ういが、強いものとして目に映った。 真紅達と分かれ、改めて使い魔を改造する。自爆装置も付け、結果は大成功であった。まさしく三世とも言えるその使い魔の名は、ルパン。 早速、八墓村文化遺産『カリオストロ城』へと潜入捜査を頼む。冗談で麗しいお姫様と言ったことが、あんな事態になるなんてな…。 ああ、そうだ。ルパンが帰ってきたら最優のセイバーつきだと……? それも神武天皇なんて規格外にも程がある! きままに料理をしている陛下に秘蔵の調味料の在処を進言する。冗談で求婚しようとしてみたら切っ先を向けられた。 まぁ当然か…いくら陛下とはいえ、オレたちはキャスター陣営。明確に殺し合う立場だ。この場で殺し合いを初めても構わんなんて仰る。 話は聞いて頂けるってんで聖杯への願いを尋ねてみたら、無い、だそうだ。「皇国日本がここに今ある事が最大の親孝行だよ」…。 「この皇国日本に生まれきてくれて・・・本当にありがとう」。そんなことを、この国の生みの親に言われちゃ…堪えきれないだろ……。 「親を超える事が最大の親孝行」だなんて言われちゃ、そりゃあ張り切るしかない。 元気に去っていく陛下を見送ると、今度はうちのお姫様がお冠だ。あれはルパンのせいだ、オレは悪くぬぇ! そうこうしているうちにルパンには逃げられた。梨花は隠れている隙にセイバーのカリスマを見破っていたらしい。抜け目がないことだ。 ルパンの改造をしようと思ったが、どうもあいつも抜け目がないらしく、通信も切っているらしい。作り主に似るのかね。 それなら魔術の修行でもしようと思ったが、虚属性なんてのが珍しいらしく梨花でも無理なんだそうな。さてどうしたものか。 だったら異界の住民の契約だ。いつか陛下を見返すためにも、今の戦力強化は必須だ。 呼びかけに答えた住民達の内、ハンプティ・ダンプティと契約を結ぶ。…おい、気さくな演技って、おい。 夜も更けたところで蝶野…パピヨンに電話を掛ける。試しにカマを掛けてみたら馬脚を表した。錬金術か…。 バーで待ち合わせ。店の名前は【Sake Bomb】。パピヨンは先に来ておしゃれスーツ着用で飲んでいた。酒に弱いくせに…。 人前で大丈夫なのか聞いてみたら、「腐れ教会とアホアトラス院と馬鹿時計塔が壊滅してるから良いのさ!」だと? おいおい、本当か? 聖杯戦争について聞こうと思ったら、しらばっくれてきやがった。思いっきり水をぶっかけてやった。消火用の放水機でな! 見事に気絶したパピヨンをくどぅくあ公園へと運び込む。文字通り叩き起こし、マスクを人質に話を聞き出す。 パピヨンによれば、朝倉ハオとそのサーヴァントにより教会と時計塔を壊滅。また治外法権の化け物を及び腰にさせるのは『Ten-no』なる存在。 そして余りに口が堅かったことだが、ルルーシュというアトラス院出身の落ち零れが、アトラス院を壊滅させたらしい。 八ツ墓村の霊地の考察について聞くが、聖杯の器が必要ない程魔力が溜まっているとのこと。その魔力の出所は霊地らしいが… 最上位霊地を凌駕する魔力源が八ヶ所も存在し、魔力濃度が幽霊や凡俗の妖霊を実体化させる程の高さで極めて異常だそうだ。 配置はヘプタゴン、七芒星であり、その中心にもう一つの霊地が存在するらしい。この規模なら外宇宙の存在の本体が呼び込めるとのこと。 そこまで聞いたところでパピヨンと分かれた。…そう。これを機に彼と長く別れることになるとも知らずに。 2395年 4月5日 夢を――夢を見ていた。あの胸くそ悪い思い出ではない。しかし、それ以上に。最悪の思い出だった。 殺され続ける童話の世界。全てが終わりを迎え、そして終わりの無い狂気のセカイ。何千、何万、何億。 それは無限に続くかと思われる、永劫の死の連環。五更の果てに擦り切れていく、黒髪の少女。それは須く狂っていた。 寝起きは流石に爽快ともいかず、梨花の和服姿が癒しだった。手料理というのもまた……ああ。全てがケーキでさえなければ! そういえば、と。梨花からオレについての質問を受ける。好物? そりゃあキムチだ! あの後を引く辛 (ここの間は千切れていて読めないが、全てがキムチについて語った文章だったようである) 学業成績? また妙な物を聞くものだ。英語ドイツ語地理歴史裁縫料理は任せて欲しいが、体育美術物理は勘弁だ。 好きな物と言うが、知りたい事はなんでも好きだ。旅行先で各国の伝承を調べるのが特に面白かったな。 色々と語ったら梨花の体調が悪そうだった。立ちくらみらしいが、あまり無理はして貰いたくはないものだ。 改めて今日も異界の住民と契約をする。今度は河童だ。黄色い河童…正直緑色じゃないとは予想外だった。 自殺して苦しい思いしてネトゲ三昧してたら呼び出し、しかも業務内容=自殺。うん、オレが悪かった。だが割と乗り気のようだ。 ルパンや蝶野と連絡が取れないのが心配になり外出。怪我人が運び込まれたという病院へと向かう。その名前は、野比のびた。 道中バーサーカーと遭遇。マスターはあの春川教授らしい。激戦となったが、梨花の宝具のおかげで耐えきることができた。 いくらかダメージを喰らったが、戦闘外なら20分で全快らしい。吹き飛ばされても霊核が無事なら1時間で戻るのだとか。 そうこうしているうちに病院へと到着。梨花に車を持ってないか聞かれるが、使わないから売ったしな…。免許証は身分証として大事だが。 非常用通路から病院へ侵入、怠け者の医者に見つかるが何とかごまかし、新城からも逃れることができた。この国の暗部御用達の病院、か。 にしても、梨花が言うにあの新城って奴は梨花並みの魔力量だと? 英雄殺しとか言われてるが、全く恐ろしいことだ。 医者と新城に気付かれないよう慎重に野比の病室まで移動する。紫髪の女性に気付かれたが、特に周りに知らされるようなことはなく済んだ。 新城はバーサーカーと交戦するセイバーの元に行くらしい。これがチャンスとばかりに野比の病室に入り込む。 病人ながら眼鏡の奥に鋭い眼光を湛えていた。オレが本物の無自覚な一流の狂人だと? 全く心外なことだ。 奴が言うには全てのマスターは狂っているらしい。まぁオレが狂ってるかはともかく話を聞き出す。 ジャブとして好きな童話を聞いてみるが、兎と亀だそうだ。コンプレックスの塊の執念家ってとこだな。 油断のならない警戒心の持ち主だが、こいつが何故負けたかを聞き出す必要があった。 聖杯は既に完成していることを語り、そして誰に負けたかを言う前に狙撃を受け、野比は命を散らした。オレに何かを投げ渡しながら。 なおも続く狙撃から逃げる。屋上前で狙撃から何とか逃れ、河童を召喚―――いや、嫌な予感がする。長居は危険だ。 【死亡2】 シーツを集め、猟師に貯水タンクを打ち抜かせる。河童も呼んで全員でシーツを被り、バラバラに逃走を開始する。 猟師、河童が狙撃され倒れる。再召喚し再度囮になって貰う。エレベーターに乗り込み、床をぶち抜いてショートカットする。 ここからエレベーターで移動――やはり嫌な予感が頭をよぎる。ここは盛大に周囲を破壊しながら非常階段を駆け抜ける。 【死亡3】 窓を叩き割り二階まで辿り着いたところで数多の狙撃に狙い撃たれる。数えるのも馬鹿らしい狙撃の雨をくぐり抜け、何とか生還することに成功した。 不意を打ってきた新城の攻撃も躱しきり、アーチャーの狙撃もある中の状況ということで痛み分けとする。新城に、興味が湧いた。 家に帰る途中、まさかの狙撃に足をやられる。即死を狙う物ではなかったらしい…迂闊! 埋まった銃弾を梨花にメスでえぐり取って貰う。全く…こんな痛みは二度目でも堪える物があった。 そのとき五月蠅くチャイムを鳴らす珍客が現れる。病院で会ったあの女性だ。礼装を探しているらしいが…何のことだ? 余りに訳の分からないことを言うものだから馬鹿にしてみたら虚魔術で全力攻撃とか勘弁して欲しいものだ。 何とか捜し物がないか聞き出したが、そうか、野比が寄越したこれか。だがただでというわけにもいかない。 ちょうど虚魔術使いだというので魔術の教えを請うことにした。齢400年の魔術師、グレイブ・桜・ホールド。その名前、忘れまい。 大切な物を失い、そのなれの果てが彼女の姿だそうだ。ああ、そうだ。お前のようには決してなるまい。また会おう空虚な魔術師よ。 ちなみに海外に行く前に少しこの町にいるらしい。とりあえず足の調子も良くはないので異界住民の補充をする。 が、中々出てこないので魔術の練習といこう。桜からの手紙もあったので読むが、馬鹿の連呼であった。意趣返しか? と、そこで異界への闖入者が判明する。猟師に見てきて貰うと、あのライダーが潜り込んで寝ていた。…Why? とりあえず河童を与え、寝ぼけてる内に牛乳を与えた。抱き潰されて河童は死んだ。エロゲ(笑)。 どうもバーサーカー以外かまって(戦争して)くれずに退屈し、知った家であるうちに忍び込んだらしい。迷惑だ帰れ。 マスターに令呪で不戦の誓いを立てさせられてるらしいが、口が軽すぎないか…? 言ったことを秘密にして泊まらせる代わり、宝具について教えて貰う。【金柏葉・剣・ダイヤモンド付騎士鉄十字勲章】……おいおい。 梨花も座に帰るとか言わないでくれ、頼むから。で、真名? ルーデルに決まってんだろ違うとか白を切るなこの戦争狂め。 聖杯への願いは、受肉してこの時代の戦争を味わい尽くすことらしい。…まぁ、当面は頼りになる、か。 さて、そういえば桜と一緒に入ってきた蝶が気になる。ライダーに撃たれる前に捕まえることに成功。 蝶はパピヨンの使い魔だった。どうやらパピヨン自身はバーサーカーに捕われているらしい。 バーサーカーの真名はチクタクマン。そして地球がまずいことになっているという。方程式、大学、の単語は拾えたがデータ破損のため消滅。 まだ時間があったので春川教授に電話したが、これは間違いだったのかもしれない。 【死亡4~9】 セイバー陣営の情報を流し、代わりにアサシンの情報を得る。再度聖杯戦争の脱落を問われ、断ったところで梨花に携帯を破壊される。 アサシンの情報から梨花が直感で気配を察知する。同じくライダーも感じたらしい。そのままアサシンは去っていったようだ。 次に狙うべき敵陣営をバーサーカーに定める。 夕飯は、キムチ。これ以外に要らぬ完全食中の完全食。素人にお勧めできな(略)ライダーが窓を割って乱入してきたが難無し。 腹も満たしたところで本日三度目の住民契約としゃれ込む。これで河童が命乞いと石化を身に付けた。死ぬまで身体を大事にな。 そんなところで真紅からの電話が。いざこざがあり近場にいるそうで、ライダーは河童と菓子と牛乳を与え隠れさせる。 何があったか問われ答えると、命を大切にしろと怒られる。怪我の様子も見破られる。何だか甘い香りがしたところでガードが真紅を止めに入った。 そういえば、と。バーサーカーの動きに疑問を持った真紅に大学の一件だろうと当たりを付ける。アサシンとセイバー陣営について説明。 無理はしないように言う真紅だが、無理するべき時には無理をさせて貰うとここだけは譲らないでおく。互いの無事を祈り、真紅達と別れた。 そこでライダーがランサーとセイバーの漁父の利をするためにマスターから呼び戻されたと伝えてくる。一晩はここを離れるらしい。 ばらしてしまったことを秘密にするため、直感による周囲の敵についてと【地を薙ぎ払う天空の魔王】について教えてもらう。 周囲50体の敵について河童に探らせる。雨は降ったがすぐ晴れた。アーチャーが居るのは間違いない。 お姫様が立派な異界についてご高説を垂れ流し始めたので、これはフラグに間違いなく、やはりアサシンの強襲があった。回避。ざまぁ。 バーサーカー群は見事に異界内で封殺、アーチャーの攻撃は異界を貫くに足りず、不幸なアサシンは手の内に落ちた。 逃れられるギリギリのラインでアサシンを縛り上げる。どうやら疑われるのにトラウマがあるらしい、が信じる物はオレ自身で見極める性分だ。 とりあえずは食事とし、Perfectiaな焼き鳥を振る舞う。どうやら好評の様子。流石はオレの知識の産物。 にしても同盟を組まれるほどの厄介さかと訊ねてみたが… 「聖杯戦争が始まった瞬間に霊地のど真ん中に大神殿を超える陣地を作って…… 土地の守護者が尋ねに行き、最強戦力のセイバーを陣地に向かい入れても無事で、 キャスターなのに外に出てバーサーカーに勝って、アーチャーの病院ごと撃ちぬく射撃の雨霰に生き残る。 どこに警戒しない要素があるのよ。後、セイバーのマスターに挑発したんでしょ? 未確認情報だけど……あの大英雄のライダーから逃げ切ったとも聞いたわ」 ……我が事ながら、確かにこれは悪目立ちしすぎた感が否めない。流石にこれは予想外だった。 生前暗殺したことがないのかと聞いたが、悪いことを聞いてしまったか。しかし少なくとも悪人ではなかった。オレの見る目は正しかった。 機嫌を直したアサシンは、アーチャーの暗殺を持ちかけてきた。どうも相性が悪く近づけないらしい。 同盟中敵陣営に乗り込まされて援軍無し、この扱いに恨みもひとしおのようだ。バーサーカー討伐も協力してくれるようで安心する。 一通り質問と他愛ない漫才の後、アーチャーへと奇襲を仕掛ける。 数多の罠をくぐり抜け、アーチャー、ルルーシュ達の懐へと潜り込む。アーチャーをアルキメデスだと推測したが、それは間違いだったか。 極めて精緻な攻防を魅せるアーチャー達の攻撃をかいくぐり、ルルーシュを仕留める。 その時だった。アーチャーの【我が身を焦がす太陽の化身】が発動する。 驚異的な攻撃を繰り出すアーチャーだったが、マスターが倒れた今、例え単独行動を持っていようと2撃が限界であった。――勝った。 倒れたルルーシュは死に際に周囲300mを巻き込む自爆攻撃をすると言う。全く狂人の相手は手に負えない。 見限り背を向けた。その瞬間にルルーシュはアーチャーに3つの令呪を使い転移、聖杯を得ることを願う。 全く…こんなに知りたくなった人間はこれまで生きてきて初めてだった。ああ、また会えることがあるならその時は最大の敬意を。 2395年 4月6日 清々しい目覚め。朝食前に梨花を起こしに行く。眠気覚ましに朝風呂を勧め、お姫様へおでこにキスをする。さぁ…覗きだ! 【記念すべき死亡10(笑)】 土下座。…何でオレは、覗きなんか敢行したんだろうな、本当。わけがわからない。 気を取り直して朝食だ。梨花が用意してくれ…た…… 「童話に出てくるようなふわふわのパンケーキにあまーい卵焼きに 北海道低温殺菌牛乳をたっぷり使用したミルクセーキ! デザートに三段アイスクリームなのです~」 ……明日からオレが朝食を作る。 さて、口の中が甘すぎるので、口直し代わりに梨花と話をする。童話の中で暮らしてきた梨花が、現界して過ごしてどうだったか気になった。 苦しみに苦しみ抜いてきた彼女を、幸せにしてやりたい。始まったばかりの……オレとお前の物語はそんな結末迎えさせはしない。 死は俺たちの終わりには相応しくない。ああ、一緒に聖杯戦争を勝ち抜こう。 【住民の召還契約が2人になりました。】 さぁ、次は何をしよう。何か既死感を覚えたが……。 【死亡11】 せっかく召喚契約が増えたんだ、早速召喚してみよう。これは、船乗りシンドバットと優しい鬼、か。 朝食を片付けようと思ったら、そこにはライダーとそのマスターが居た。何の冗談だ。 世間話をしに来たとは言うが――何を考えている。さっぱり分からない、全く信用ならない。 世間話と相成ったが、サーヴァントをどう思うか、か。そうだな…親愛…大切な仲間ってところか。 サーヴァントに恋慕の情を持っているか…ねぇ。まぁ、生憎だが無いな。とはいえ恋がどんな物かも分からん若輩だが。 ハオは、ライダーについてはただの道具であると、魔術師としてそう考えるべきだと、そう言った。ついでに好きな童話は人魚姫だそうだ。 サーヴァントを好きになり得るかと聞かれたところで突如乱入してくるライダーとキャスター。何というタイミング。 好きになる可能性は0ではないと返すと、殺し合おうと。そう、返された。3分後にしてくれると言うが、それもそれで理不尽だ。 【死亡12】 まぁいい、もし死んだらオレの所に化けて出て来て欲しいものだ。地獄の住み心地が知りたくてな。 にしても近代の英雄が出すような破壊力か、アレは! シンドバットの空船がボロ雑巾のように破壊された。 虚魔術を込めて再召喚し、イージス艦の形で再召喚された船も2撃で轟沈され、残る2撃を何とか梨花のおかげで凌ぎきる。 完全にオレ達に気が向いてるところでアサシンの奇襲。手傷を負ったライダーはそのまま退散していった。…まったく、生きた心地がしなかった。 アサシンは、自分と居ることでオレが不安にならないのかを訊ねるが、義理を持ち出してわざわざ助けるような奴が裏切る訳がない。 梨花に恋愛感情を持っていないことを聞かれていたらしく、その理由を問いただされる。が…まぁ、単純に恋愛経験が無いってだけだな、これは。 好みのタイプやら何やら聞いてくるアサシンだが、何をこんなに必死になってるのやら。友達になって欲しいのかと返すと宝具の結界に包まれた。解せぬ。 ……まぁ言いたいことは分かるがな。生憎と今は戦争中でそれどころじゃないってのが正直なところだ。 このいざこざが一段落して、そしてオレがその気で居たなら……いやよそう。未来のことはその時のオレに任せるさ。 にしても色恋沙汰に巻き込まれる…ねぇ。呪いだってんなら口付けで解けるんじゃないかと軽口を叩いたら流石に怒られた。 マスターとはどうなのかと聞いてみたら召喚早々別れたとか。マスターを二人暗殺しろとだけ言われ連絡も付かないらしい。 ただ宝具で敵の情報を送り続けているとのことではあるので、その点からの警戒は必要なようだ。 暗殺先としてバーサーカーを勧めてみたところもう既に暗殺した後だとか。こればかりは驚く他無い。 聞く話によると春川を暗殺されたバーサーカーは黒タイツ…パピヨンを連れてどこかへと逃げ去ったらしい。 アサシンの宝具により、その暗殺の様子を実際にオレの目で見せてもらう。春川教授は…望みが叶った、そのタイミングで死んだのか…。 バーサーカーはパピヨンのことを契約者と呼び連れ去っていった。それに加えて壊れた幻想×300。よく生きて帰れたもんだ、アサシン。 にしても大学には確かに通えてないな…流石に札束云々は冗談だったが、ああまで真剣に叱られたのは久しぶりだ。 (この間8000レスほど耐久レース等で空き。4-2694より再開) そしてアサシンからルパンを引き渡される。セイバーとランサーが殺し合っている最中に見つけたらしい。 礼を言って抱きしめたら真っ赤になられた。きっと体調が思わしくあられないのであろう。うん、そうだそうに違いない。 そうだ、体調が悪いのならば梨花を呼んで診てもらおう。…って何故睨まれるのデスカ、梨花=サン。 何とか誤解は晴れたが…河童、お前の犠牲は忘れない。多分。 アサシンは宝具で、こちらが念じれば通じる様に設定してくれたらしい。攻め込む陣営が決まったら教えて欲しいそうだ。 泊まっていかないか誘ってみるが胃が悪いらしい。胃に優しい料理は何があったか。バーサーカーのマスター暗殺の祝勝会に2人で外食も悪くない。 ……さて、不穏な気配を漂わせている梨花を鎮めねばならん。何とか実利面でのアサシンとの同盟も組めそうではあるが。 魔力パスを強固にしようと猟師が唆すが鬼に成敗される。…? どういうことだろうか。 【一回の召喚で二人まで召喚できるように】 そのときだった。魔術回路の強さに、オレ自身が付いていけなくなったのは…視界が、暗転した。 ああ、あれは夢だったろうか。梨花を前にし、剣を振り下ろそうとするオレ。口の中を噛み千切り踏みとどまる……再度暗転。 呼んでいる…梨花か? 全く、仕方のない奴だ…そんなに泣きじゃくる顔はあまり見たくない…。 ……ん、そうだな。オレはお前の王子様だ。あ、いや。知識欲からだ、勘違いするな。 流石に色々あったからか身体が重い。外出は無理だとしてコミュニケーションを重視するか。 ちなみに梨花によればかなりの魔術回路が使い物にならなくなったらしいが、それでも前よりは向上しているようだ。 そして随分と口を濁していたが…梨花の異界に取り込まれ、生き続け、いや死に続ける存在と化してしまうとか。 ははは! 素晴らしい! これでずっと知り続ける事ができる!! 悲観する要素なんて皆無じゃないか! さて、梨花は梨花で絶えず異界の住人の声が聞こえるようになって五月蠅いらしく魔術防壁を組み立ててくるらしい。 とりあえずはルパンにバーサーカー陣営の調査を頼む。無事に帰ってきてくれると良いが。 そして梨花はまだ異界に篭もりっきりなので真紅に電話でもしよう。…ワンコール前に出た気がするが、気のせいだな、うん。 ガードが移動城塞を用意しているらしい。こちらの異界にも負けない守りになるとか。 真紅の安全確認と敵の情報交換について話をすると、ライダーの3つの宝具の情報が出せるそうだ。 しかし…アサシンの情報を抜きにすると出せる情報がないな。貸し1として3つ目の宝具―恐らくは固有結界―について教えてくれた。 一瞬だけの展開。真っ赤に染まる空と錆色の大地が延々と広がる中、ライダーは狂わんばかりの笑みを浮かべていたそうだ。 そのせいでガードは現状戦闘不能だとか。一体何があったんだ。 ――! そういえばバーサーカーのマスター、春川教授が死んだのを伝え忘れてた! 尤もバーサーカーの消滅は確認していないが。 真紅も町の住民に被害がでているのは御三家として許せないと……御三家? それに疑問を覚えるが早いか、ガードが電話をひったくる。 今の発言を忘れれば、貸しはなかったことにする、だそうだ。御三家とやらであることが知れるのはそんなに問題なのだろうか。 まぁ、真紅に悪いことになるなら聞かなかったことにする方が良いか。ガードも気をよくしたようだ。 『ガードの好感度3上昇』 独り言、と前置きしてガードが語る。セイバーとランサーの決着が明日中につく。思い入れがあるなら行きなさい、と。 自分自身に嘘をつくと碌な事が無い…これはガードの実体験の伴った言葉だろうか、妙に重く感じられた。 セイバーとは戦う約束をしている以上、見に行きたい。 さて、あと一人二人くらいは電話ができるか。―そうだな、忍野メメ。タチの悪い奴だが、久方ぶりに声を聴くか。 数回のコール音の後、懐かしい聞き慣れた声が届いた。 「何かいい事あったかい?やらない夫。」 どうやら今は教会にやっかいになってるらしい。オレが八ツ墓村に戻ったことは伝わっているようだ。 さて、何が興味を引くものか…とりあえずオレと友人絡みのことについて洗いざらいぶちまけてみた。 ロリと2人暮らしについてはスルーされた。ロリコンの気はなかったか、安心したようなつまらないような。 聖杯戦争に巻き込まれて寿命が消えた、あげくパピヨンが巻き込まれた。このことについては興味を引いたようだ。 返しにハオについて、軽く血が上った様子で問われる。代行者だとか。全く…関係者だらけかよ、オレの友人って奴らは! 忍の口からハオの抹殺の依頼を誘われる。報酬は聖杯戦争終了後の教会からの詮索を防ぐ、そして前払いも兼ねて礼装をプレゼント、だそうだ。 如何せん殺し合い宣言を受けた相手だ、受けるのはやぶさかでない。ただ『殺す機会があるのに殺さないのは勘弁してくれ』とのことに気をつけよう。 さて、少し時間はあるが梨花に夕飯を任せると糖尿まっしぐらだ。ここはオレがやっておかないとまずい、早速取りかかるとしよう。 夕飯後に梨花の防壁の様子について尋ねてみるが、うまくいかずぼそぼそと聞こえるような調子のようだ。 セイバーとランサーの決戦の場に行くことは梨花も賛成みたいだが、とっさにどう判断するか、その覚悟は決めておけ…と。 しかし静かな夜だ。切羽詰まっていないのも久しぶりだ。異界の住民との契約でもするとしようか。 早速召喚しようとするが、どうも梨花の様子がおかしい。住民が選ばせろと騒いでるようだ。まぁ、元気なのは良いこと、か? 召喚された住民達の中から、シンドバットと鬼の強化となる契約が選ばれた。鬼の秘伝のガーデニングとは一体…。 梨花によればルパンが帰ってくるのは朝になりそうだとのこと。町中を迂回しながら向かっているらしい。 まだ時間も多少あるので誰かとコミュニケーションを取ろうか……そうだ、鬼だ。あの筋肉は良い物だ。 そう、鬼のことを理解するには、オレも鬼のようにならねばあるまい。オレが、オレ自身が筋肉になることだ! オレが辿り着くべき真理の扉――それは知識でも真実でもない、筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 筋肉! 【鬼との好感度が上がった】 【やらない夫の『筋力』がEからDになりました】 2395年 4月7日 昨夜は何があったか…良く覚えていない。確か鬼と話した、ような? 梨花が起こしに来たが、起きてなかったら朝食を作る気満々だったらしい…危なかった。 ポストを確認すると『聖骸布の欠片』が入っていた。忍の仕業だろうな、大層な礼装を送ってくるものだ。有り難く使わせて貰おう。 と、朝っぱらから来客か? アサシンか真紅か…って、バーサーカーだと!? 即座に戦闘態勢に移るリカ。不意を打たれ身体に力を入れるのが遅れる。まずい――と、その正体は変装したルパンだった。心臓に悪い…。 鬼が割って入り、ルパンに感激の抱擁をお見舞いする。良いぞもっとやれ、鬼。 さて、ルパンが伝えてくれたのはバーサーカーの居所と、山に大規模な結界が張ってあること。ルパンの見立てでは内からに備えてる結界だそうだ。 梨花が考えるには、逃がさない為の罠、周囲への被害を抑える為、もしくはその両方か、と。 結界は気になるがランサーとセイバーの決闘を探す方が先決だろう。今日決着が付くらしいこれを逃すわけにはいかない。 梨花は同士討ちになるか片方が潰れるのを待てばいいと言うが、こればかりは譲れない。ルパンも迷惑掛けて済まないな。 商店街を探しているとガードと遭遇する。真紅の様子が酷いらしいが、魅力の魔術…? そんなの使えたら。使えたなら…ッ! ま、まぁオレがイケメンなのは世界が羨む事実だがな! 泣いてなんかいないもんね!(紙が所々皺になっている) 気を取り直して…今日の夜には山で戦闘が起こるとのこと。それまでは町を探した方が良いようだ。 それにしてもまれに外れる未来予知か…スキルか、宝具の可能性もある、な。 何をしに商店街にいたのか聞いてみると、安売りのヤクルトの箱買いをしにきたとか。何してるんだ、ガード。 南の方を探した方が良いと言い残し、彼女は風のように去っていた。現世を存分に満喫してるなあいつ。 次は助言に従い南のくどぅくあ公園を巡ってみる。居たのはバルクホルンだった。3日前から日本に来ていたらしい、もう帰るとのことだが。 彼女が言うに、ここ数日で“旅行者”やホームレスを中心に誘拐が起きているらしい。住民も少なくない数の被害があるようだ。 全く、狙いがそれってんなら身元は洗われてる。天涯孤独の身ってのもこういう時は大変だ。 …で、おい、忍。何を吹き込んだ、おい。「年端も無い女の子と同棲していると聞いた」って何だァ! 実家の隣に住んでる子ということで何とか誤魔化す。振られたのを何度も慰められてるしな、恋人なんて、そんな信憑性…く、悔しくなんか! それとセイバーについてセントラルタワーの近くで見かけたと有力な情報を得る。 あとバルクホルンお姉ちゃんは明日帰るらしい。気をつけて帰るように言って別れる。 セントラルタワー周辺を探ってみるが、誰ともぶつからず徒労に終わる。梨花が魔力に反応する術式を組んでくれたようだ。 近くにいる筈なんだが……どうしても見つからない。炎天下の中歩き回ったおかげで疲れも出ていたため、一旦家に戻る。 もう夕方だ、夜には山でランサーとセイバーがぶつかるはず。それを待ち受けるのが確実だろう。 盗んだバイクで何とやら。ちなみにこのシーンは格好いいオレの姿が見れるから一見の価値有りだ。 【写真が挟まっている】 梨花が免許云々と騒がしいが、今運転できるかどうかに免許なんて些細な問題だ。 山への途中で通行止めに遭う。不発弾が見つかったらしいが、どう考えても言い訳に過ぎない。 上の命令に従ってるだけの警官に付き合ってる暇はない、千匹獣で隠れて通り抜ける。 山道に入り、バイクを置いて上っていく。入り口の部外者用の結界を解除、誰か居た気がしたが…梨花から離れない方が身のためか。 【死亡13】 結界の解除に釣られ現れる黒服達を住人召喚で殲滅。そのまま隠れてセイバーとランサーをただじっと待ち続ける。 日も没したところで、血塗れのセイバーがランサーを担いで現れる。梨花と相談するが、横槍は危険なようだ。見守ることとする。 そのままセイバー達は結界内へと進入。ランサーが言うに魔封じと封じ込めの結界だったようだ。 見えぬ呪術宝具を断ち切り、『神國を討ち滅ぼす剣』にてランサーを消滅させるセイバー。 しかしそこからランサーは『自らを創造したもの』にて蘇生、乖離剣エアを3本創造し放つ。『神國を討ち滅ぼす剣』で相殺するセイバー。 …対界宝具の大盤振る舞いとか、何の冗談だろうか…。梨花も久々に新鮮な絶望を味わったとか。ああ、オレも思い知らされた。 本命以外の撃ち合いでは千日手だ、と共に切り札を開帳する二巨頭。 ランサーは『万物を貫き通す投擲(ブラフマーストラ)』。ブラフマーの名を冠する投擲武器、そのオリジナル。 対するセイバーは『根源に押し流し神崩しの一撃(ミカフツノカミ)』。神域を滅ぼした究極の一撃。 ―――ここだ。手を出すならあの2人が最高の一撃を繰り出すその瞬間のみ。 梨花に命じる。『悲劇を飲み干す背徳の物語』を以て、ランサーの一撃を防げ、と。 真名解放された異界は『万物を貫き通す投擲』を防ぐように顕現する。 他の宝具に補助されてさらに出力をあげるとのことだが、例え神秘強度が数千倍違おうと、幾億の世界を貫こうと、名由他の前では塵同然。 眩しい閃光が消え去った後にも、異界は変わり無い姿を悠然と浮かべていた。とはいえ6割強が吹き飛んだらしいが…。 畳み掛けるように放たれるセイバーの一撃によってランサーの姿が消滅する。 セイバーの前に参じる、オレとキャスター。セイバーは皇国日本の効果で完治しつつあるらしい。 こちらの消耗を見抜かれ、決闘はまたの機会にしようと言うセイバー。確かに、約束を果たすなら互いに全快でぶつかりたいところだ。 そう答えると、これだけで現界した価値はあると返される。子は親を越えるのが最大の恩返しだろうに。 互いに、次会ったときは全力で叩き伏せると宣戦布告をしつつ別れようとした、その瞬間だった。 「令呪をもって命じる……より破壊に特化した一撃を! 全てを終わらせろ貫き通せ――我が宝具よ」 オレは全く反応ができなかった。セイバーはオレを突き飛ばし、衝撃がすぐ側を走り抜ける。 膨大な砂塵の中、立つ影が見える。オレは腰が抜けて立つこともままならない。梨花の直感も働かなかったのは気に掛かるが―― 視界が晴れたところで、その理由がはっきりと分かった。二本の足で立つセイバーの、その胸にぽっかりと空いた……穴。 敵対宣言したばっかりだ、一人だけだったら幾らでも防げただろう! 敵だなんて、嘘をついて…オレを庇って…!! ああ、視界がぼやけてはっきりと見えやしない。しかしセイバーの、オレ達の偉大な生みの親の顔は、脳に、魂に、焼き付いて消えることはない。 泣いてなんていない、泣くのは相手への侮辱だ…。 セイバーは、最後の力の全てを振り絞って『根源に押し流し神崩しの一撃』を放つ。 それは今まで見た中で、一番力強く、そして優しい光だった。 身体の端から消えかけているセイバーに声を掛ける。ああ、不安にさせるつもりはないのに、涙が止まらない。 死者に縛られるな、頑張れ…か。本当、最期まで迷惑掛けっぱなしだな、オレは。 駆けつけた新城をワイヤーが襲うが、消滅する寸前にセイバーがそれを防ぐ。 そのまま合流し家へと帰ろうとしたところで。山麓からの狙撃が新城を貫いた。 『令呪を一画切っての狙撃らしい。これで2画消費か?』 息絶え絶えに、貸金庫と暗証コード「僕の生は国家の為に」を伝えてくる新城。 この国を裏切ったら殺す。必ず殺す。そう叫びながら、愛国心を胸に火葬術式によって塵と消えた。 2395年 4月8日 昨日のことを思い返し、梨花はランサーの真名がブラフマーだろうと言う。 しかしアブー山にあったブラフマーを祈る寺院を最後に……100年前に信仰がなくなった神のはずだ。 オレでさえ碌に知らない、一般では言わずもがなだろう。 知名度から霊核も魔力も本来の億分の一、信仰を失い零落した神。 しかしサーヴァントは英雄を下ろす器の筈だが…梨花が言うには、それはこの聖杯戦争では当てはまらないという。 また聖杯について分かったことがあるらしいが、全く。オレを前に聞くか聞かないかなんて分かりきったことを訊くんじゃない。 聖杯が7つで七芒星を創られ、中心の図書館に大結界が張られた上でメインの聖杯があるようだ。 これ以上のことを知るには、直接7つの聖杯と図書館のメインの聖杯を調べるほか無いということだ。 とにかく現状では、攻撃に長けるランサー、ライダー、バーサーカーをどうにかしないことには立ち回れない。 オレがまともに戦闘に参加できれば良いんだが…ともかくもまずは魔法…いや、魔術? の練習と行こう。 魔術の練習台として河童が召喚されたが、河童には別の良いアイディアがあるという。 折角だからその案に乗ってみようってことで河童が何やら召喚すると…豚? 猫? 何だか妙なのが数体飛び出してきた。 何者か訊いてみると、世界全ての悪…だと? 猟師、やってしまえ。 異界のことなら全て知り尽くしているとか言っていたが、詳しく訊く前に全員吹き飛ばされてしまった。残念。 さて、河童に虚魔術を掛ける前に『虚ろ開きの背』を『異界への片道切符(ストレンジ・ジャーニー)』と呼ぶことにする。 何か梨花が妙な顔をしたが…良い名前だと思うんだけどな、これ。 河童に虚魔術を掛ける実験は見事に成功する。赤のフリルが似合う女性の姿に――女性? お前、女だったのか…。 調子に乗った河童は自慢の雷を披露する。雨を降らせた後に雷撃の雨霰…範囲殲滅にはもってこいだな。 しかしこの虚魔術、強力ではあるが梨花には決して使うべきではないという。梨花は使うべきだというが遮る。 何でも河童が言うには、失敗した場合消滅してしまうという。異界の住民であれば異界に戻るだけで再召喚できるみたいだが。 昼。目下の目標を決めた方がいい、と梨花は言う。 漠然と真実だけを求めるのなら聖杯のみを目指せばいいが、知る過程を重視したいのなら積極的にこの聖杯戦争を調べる必要がある、と。 そうだな――まず当面の敵になるライダー、ランサー、バーサーカーは遭遇次第…聖杯戦争からご退場願おう。 そして両親と聖杯の関係を調べる為に、梨花の言っていた7つの聖杯を巡ろう。“これ”を“知る事”を優先しよう。 優先順位は真実と知る過程を優先、次にセイバーとの約束である皇国日本も最低限守りたい。 真紅や蝶野…できれば敵であるアサシンにも手を回したいが、手が足りるかどうか。 お姉ちゃんとも仲良くしたかったが…そうか、今頃空の上か。こればかりは諦めるしかないなこれは。 さて、とりあえず新城さんの言っていた貸金庫の中身が気に掛かる。銀行が3つあるが、大規模銀行に向かったところUSBが1個預けられていた。 家に帰る途中ライダーの襲撃を受ける。危ない危ない、礼装がなければ即死だった。敵意はないただの挨拶らしいが…殺すな。 どうやら令呪でバーサーカーを攻略するよう命じられているらしい。周囲のバーサーカーは全部狩り尽くしたのでお茶でもしよう、と。 情報交換にお勧めの場所…場所ねぇ…。そうやって彷徨いているとラブホテルの前に辿り着いた。待て、誤解だ! 何かに誘われるように、喫茶店『KON☆TON』へと足を踏み入れる。…店員が全て、LV150以上、だと…? 注文は『水出しコーヒー』と『チョコロールケーキ』、そして『セミのからあげ』。ファンサービスキャンペーン中とのことらしい。 冗談でライダーに、戦闘狂ならここの店員にはふっかけてみないのかと振ってみたが…その、何だ。オレが悪うございました。 ライダーのマスターのことを訊ねてみるが、思いっきり敵視されてるらしい。善くも悪くも純粋…ね。聖杯の調査はバーサーカーのおかげで進んでないとか。 一般的な魔術師と同様に使い魔扱いされてるのは気に食わず、逃げ出したいくらいだとぼやいていた。 駄目元で襲撃を控えてくれないかと頼んでみるが、『戦争をやめるのは肉体も精神も魂も…何もかもなくなった時だけ』だそうだ。 なお9800体ほどのバーサーカーが訪ねてきたが、丁寧な接客に満足して旅立っていったことを記しておく。何処に? 訊くな。 最後にランサーの情報を交換し、3つ目の宝具――いや、バーサーカーの殲滅を令呪に誓って貰う。 【死亡14】 2画で頼んだところ、10画を消費してバーサーカー撃滅を誓ってくれた。大盤振る舞いにも程があるだろう…。 幸運と、次会ったときの殺し合いを誓ったところで別れた。蝉のからあげは中々うまかったことと6500万の出費についても記録しておく。 流石にあんな化け物達の住処にいて精神も擦り切れ、即座に家に帰るのを選択する。USBについても調べたいしな。 日も傾いたところで家に帰り着き、早速家のPCでUSBを読み込む。 フォルダとテキストファイルらしき物が入っていたが、まずはテキストファイルを開くとする。 パスワード認証を求められたので、新城の言っていた「僕の生は国家の為に」を入力。セキュリティはオレに掛かれば丸裸だ。 『皇国日本の聖杯調査レポート』…か。七カ所の聖杯補佐、町中央部の大聖杯、そして…前聖杯戦争の結末、だと…? 選びたい。選びたかった。…が、梨花が居たおかげで冷静さを取り戻せた。まずは、町中央部の大聖杯について確認してみよう。 表示されたのは動画ファイル、どうやら偽装されていたようだ。更に読込画面にサブリミナル効果のある映像が入っていたらしい。梨花のおかげで助かったか。 USBを目標に200ほどの呪詛も飛んできていたらしい。恐ろしいことだ。全く狂気じみた、いや狂気そのものの愛国心か。 またライダーのマスターからも『厭魅(えんみ)』として『仙法』と『天神法』を交互に掛けてきたとか。 アーチャーからは『カバラ数秘術』に近い運命操作を、ランサーからはマントラの力任せの呪殺も山ほど…よく生きて来れたな、オレ。 それはともかく映像を見よう。どうやら参加者全員分の用意をしていたようだ、狂人め。 そして資産凍結を盾に…もとい矛にして、バーサーカーの撃破を要求してきた。 また裏話としてセイバーと新城が脱落した段階で“陛下”が動き出すことを伝えてきた。 正式に動ける3、4週間後になり次第、この地は“浄化”される…要はタイムリミット付きだ、と。 …正直なところ、資産凍結の時点で魂半抜けだったな。危うく聞き流すところだったが、ここから前払いの報酬と来た。 冬木式の聖杯の制作方法が知れ渡ってからほぼ全てが失敗する中、成功したのがこの地の全聖杯戦争だそうだ。 聖杯は『神薙家』『桜田家』『春川家』の三家の合作、『神薙家』が霊地を提出し、『桜田家』が聖杯を作り、『春川家』が不備を消したらしい。 それぞれの先代は全員死亡しており、優勝者に関しては願いを含む一切が不明。その後の聖杯の行方も不明とのこと。 皇国日本が頭を抱える一因になった聖杯戦争とのことで、聞いた感じではどうも今回が二度目なのか? 霊地の七カ所についてはまるで分かっておらず、複雑な式があり何かの陣となっているらしい。 そして町の中心部の図書館にある大結界が聖杯の核だろうと思われる、とのこと。 この辺は部外秘資料だから君に話した事が外部にバレたら首が飛ぶ――物理的な意味…だよな、これは。 面白そうだと思った梨花が適当にPCを弄ると、何の操作をしたのかバーサーカーのハックが露わになり、逃亡した。 この話を聞いた上で、梨花はこの話を受ける必要性は特にないという。力を蓄えれば十分に勝算はある、と。 だが、今この機会社会においてバーサーカーを放置するのは愚の骨頂だ。すぐさま社会を掌握されてもおかしくはない。 また情の面でも、国生みの親に託されて蝶野が捕まってる現状、更には図書館も手放したくはない。 そして最後に――全てをやり遂げた後、端金を投げ返して新城を脅したい。そしてセイバーにチクってそれを肴にしたい。あの世での愉しみも取っておきたい。 そう言うと梨花はよく分かっていると笑うのだった。…こいつもタチの悪さじゃ引け取らないよな、正直な話。オレみたいな一般人が浮いちまう。 さて、方針も決まったところで…アサシンに連絡を取ろう。念じれば来るって話だったので叫んでみた。 いくらなんでも遅過ぎと言うが……何だっけ? 一緒に外食に行く約束? 「攻め込む陣営が決まったら連絡する」…ああ、そんなことも言ってたか。 色々と忙しく、連絡を取る暇がなくて悪かった。バーサーカーが、マスターが死んだがまだ生きているのでそこを攻めると伝える。 アサシンの情報網によればバーサーカーの本体は廃工場か大学にいるらしい。 廃工場の防御戦力は改造人間が20体、バーサーカーレプリカが500体程。大学は改造人間が10体、バーサーカーレプリカが200体程。 一日もあればどちらか確定できるが、出来たら今日の夜にも奇襲をしたいとのこと。 アサシンの戦闘力について聞いたが、これは野暮だったようだ。パピヨンは廃工場にいるらしい。 [アサシンの好感度UP] ガードも戦力として誘えないかと問うアサシン。突然だったので適当言ったら梨花に殴られた。解せぬ。 とりあえず真紅にバーサーカー戦についての打診をするが、無策では危険だと二の足を踏まれる。ガードに代わってもらい問答を開始。 詳細は略すが、バーサーカーの居場所の提供によって協力を取り付けることができた。ガードは遊撃を行うようだ。 後はどちらを襲撃するかだが…パピヨンが捕らえられて無事だと言ったその言葉を信じ大学へ向かうこととする。 向かうルートとしては3つ。 1つ目は山道の近く。危険は少ないけど遠回り。 2つ目は高速道路。町を突っ切る形になり危険、確実に罠が張られている。 3つ目は町中の“なぜか”警戒されていない商店街。正直罠にしか見えないが…。 紆余曲折あったが、ここは最短距離で向かえる商店街を選択する。 罠があるかと思いきや、商店街の様子は実に平和そのものだった。よくよく観察すると、バーサーカーの残骸がそこかしこに散らばっている。手口は斬撃。 詳細は不明だが河童を囮にし先を急ぐことにしようとする…と、そこで襲いかかるワイヤーをアサシンが止めた。 繰り返される鉄線による斬撃をかいくぐり、商店街の建物を鬼の全力でぶち抜いて駆け抜けることとする。 【死亡15】 なおも追いすがり、時にビルを両断しながら襲い来る襲撃者。ここは危険は覚悟で河童に広範囲で剥ぎ払わせることにする。 召喚は無事成功、超高圧電流によりワイヤーは焼き切れ、襲撃者を撃退することに成功する。 思ったより足止めされずに抜けることができた。アサシンは立ち止まって河童と会話していたが、何を話していたのか。 日没前に大学に到着。罠があるなら、事前に梨花が言ってた通り異界で全て踏み潰そうじゃないか。 異界を展開し正面玄関から突入。何も書いていない部屋に入るとバーサーカーコピー達を発見。盾役をアサシンが即殺、残りを河童の雷で一掃する。 地下研究室へと向かう途中、急に隔壁が閉まり始める。宝具を展開し構造把握するアサシンと、隔壁を破壊し進むべきだという梨花とで口論となる。 そこに襲ってくるバーサーカーレプリカだが、アサシンの強襲と河童の雷により撃退。この雷で破壊された隔壁の先へと進む。 先で待ち構えていたのは神秘レーザーを放つ魔道兵器。梨花は遠回りを、アサシンは囚われた人を助けるため短期で片を付けたいと言う。 最初から目指すは短期決戦。ここはアサシンの方針に乗り河童を突撃、雨やプリズムなどで拡散させつつ船で…河童が一撃で落とす、だと? そのまま突入しようというところでクレイモアに気付き足を止める。向こうから現れたのは一人の魔術師だった。 魔術師、伊藤誠との魔術合戦。その最中、彼の魅了の魔眼にアサシンが囚われてしまう。そのまま隔壁の先に消える伊藤に追いすがるオレ。 そのまま隔壁が下り、梨花と分断される。伊藤との交渉タイム。不戦を誓い撤退せよ…か。 お断りだな。彼女さんが助けられない事はわかったが、オレは助けられる範囲の物しか助けない。 そう返したところで伊藤はアサシンを殺そうと剣を振り――そこに現れたガードに腕を落とされた。 伊藤はチクタクマンに与えられた権限から周囲の罠を起動させるが、ガードは意に介さずオレと話を続ける。 助けて欲しいか? そりゃあ助けて欲しいだろ、もちろんアサシンも込みだ。借りが1つ、だな。 アサシンと共にガードの後ろに放られたところで、部屋のトラップが一斉に起爆する。しかしガードには傷どころか埃さえ無い。 その後もレーザーが放たれるが、目を覚ましたアサシンと共に回避する。そして全ての攻撃を平然と受けきるガード。 ガードは伊藤のあり方を尊敬すると。そしてオレを試すと言ってきたが、時間が惜しいから後にしてくれと返す。 一通りの問答の後、ガードは伊藤に向き直り、彼の“姿勢”を守る、と。宝具を開帳し致命傷を与える。 //この辺りうまく文章化できない 「貴方の救いを守ってあげる」と。伊藤の元に一人の少女が駆け寄る。それを見届けたところでオレはアサシンに引かれつつキャスターの元へ向かった。 手を繋いだまま駆け抜け続ける、その途中。見た限りは廊下である一角でアサシンは立ち止まる。目的地はここだ、と。 バーサーカーが現れ交渉を持ちかけられるが即断った。生贄にせず交渉? どっちだろうとお前の提案に乗る気はない。 バーサーカーは『混沌と死の方程式』を展開。周りの空間が歪んでいく感覚に捕われる。 その場にいるだけで精神が軋む。目が内側から刺され耳に焼けた鉄の棒が押し込まれるような錯覚を覚える。意識を保つのが精一杯だ。 精神が壊れる手前まで追いつめられる。目を背けているが“それでも”感じる、冒涜的な化け物の存在を。 精神が壊れる――その前に、アサシンの言葉で正気を取り戻す。覚悟のない者が居て良い場所じゃない、と。 何とか耐えきるが、言葉が出ない。アサシンの立ち向かう姿を無言で見守る―そこで唐突に死を感じた。 【死亡16】 今のは幻覚か、いや梨花の異界の影響か。意識を覚醒させ立ち向かう。邪魔と言われてアサシン一人残していられるか。 目的はこの先にあり、オレは目的を達成するために来た。邪魔だと言われて帰るわけがない、戦場を知る為にも来たんだ。 破滅と裏切りの騎士? それがどうした、俺が知っているアサシンはいつだって誠実な騎士だ。なら背中預けることを恐れる必要が何処にある! お前も信じてくれるなら…オレは“本来の力を取り戻す為ならなんでもする”。本質は間違いなく、清廉潔白な美しき騎士だ。 『問おう、誠実な騎士よ。汝の名はなんという?』 『誠実と真実の騎士、アグラヴィンは――騎士道を掲げて貴方を信じる!やらない夫!』 真のステータスを取り戻したアサシンは、顕現した化け物の感覚を全て掌握し切り伏せる。 オレも、少々ストレスを発散させて貰おうか! 妙に身体も軽くてな! 幾らでも切り伏せられそうだ! そこに梨花も合流、遠巻きに見ていたバーサーカーをタコ殴りにしている。 数千体の“何か”がこの大学に向かってくる気配がする、と梨花は言う。が、それはともかく――― アサシンという一時の同盟相手の為に危険を犯すのは看過できない、どうしてアサシンを命を顧みずに助けたのか正直に答えなさい、と。 あくまでも、助けられそうだったからだ、と。 とりあえずは納得してくれたようだが、それでも次に暴走したらそれなりの手段を取るとのこと。…これは危ないな。 梨花と合流したところでひとまずガードの元へと向かう。そこには巨大なゴーレムの群れが大学に押し寄せていたが、巨大な城壁が囲み微動だにしていなかった。 逃亡の時が不安だったが、この様子ならこちらは任せても大丈夫そうだ。守りはまさに鉄壁か。 こっちは任してアサシンの元へ向かえと返すガード。面白くない事になっているらしい。 とんぼ返りでアサシンの元へ向かおうとするところに、梨花の悪行はそろそろ見逃せないと言い出すガード。何のことだ…? 理由無しに梨花を馬鹿にされてへらへらしているほどお人好しではないが、彼女は秘密主義者で狡猾な性格だとガードは言う。 売り言葉に買い言葉な状態だが、梨花も戻ってきたのでひとまずアサシンの元へ急ぐ。 不完全に顕現した邪神と打ち合うアサシン、だが一進一退で決着は付きそうにない。 梨花の見識によれば、放置すれば自壊する程度とのこと。シンドバットを召喚し、バルクホルンを救出して撤退することにする。 ガードはうまくやっているだろうか。信頼して任せることとして、正面玄関を避けて離脱、脱出する。 日も没したところで家に帰り着いた。まるで数週間ぶりのように疲れがどっと湧き出る。 アサシンは部屋に引き籠もり中。そしてバルクホルンは、3日は起きないように出来るがここで目を覚ますと発狂する。どうしたものか…。 魔術師であれば別だが、ど素人をどうにかするなら最低でも宝具級の何かが必要とのこと。そういや何故バルクホルンは捕まっていた…? さておき、バルクホルンは寝かせておいて、まずは図書館に聖杯を調べに行こう。ルパンに調べさせるのは嫌な予感がする。 だが少し余裕もあるし、ひとまず梨花と会話しておこう。バルクホルンを救出したとき機嫌悪かったりとかな…。 そう訊ねると、「自分の王子様が他の女性を助けるのに一生懸命になっているのを見れば、嫉妬の1つや2つするのです。」と。…え? …な、何か妙な空気になったが、姫だけじゃなくて民も助けるのが“王子様”の役目だ。まあ、嫉妬されているのは嬉しいもんだな、お姫様。 にしてもガードも変な事を言うもんだよな、梨花が悪どい事をしてるだとか。オレは梨花を信じているからな。 聖杯戦争が終わって…その後。オレと一緒にいてくれるだろうか、と。「…す、少しは考えてやってもいいのです。」全く光栄なかぎりで。 さて、一通り話し終えて図書館に向かうが―――結界に阻まれて入れません、所有者のやらない夫です。どうしてこうなった。 梨花によれば聖杯を魔力源とした相当複雑な結界らしい。梨花に言われて後ろを向き、じっとする。グワ―! 頭が炸裂した。 この結界を解除するのには条件があり、1つ目はオレが生きている事。2つ目は他の7カ所の霊地(?)で“何か”を回収する事だそうだ。 時間もあるし早速一つ目の霊地へと向かう。ここは――――因島神社、か。いんすます? 違う違う、いんのしま。 中々複雑な術式で梨花でも難儀しているようだ。その間、梨花の側にいることにする。 作業の片手間に、オレが真紅と何時出会ったのかと訊かれるが――訊かれ…いつ、だ? 思えばアサシンと共に化物と戦った時もそうだ。 おかしい…オレが忘れ事をする!? 冷静に考えたら、“神社の名前”さえも忘れている…だと!? まさにありえないだろ…これは一体…。一体オレは、何を知らない…? 梨花が術式を解除する。視界に映るのは、裂け目。涙を流す、オレ。 バーサーカーを使役する母さん。対峙するのはキャスターを――梨花を使役する、父さん。 これは聖杯戦争? 過去の? 父さんが、予知? 梨花の呼び出す猟師が、タスラムの魔弾? 兎と亀によるアキレスのパラドックスに、桃太郎の召喚だと? 何だこれは…明らかに、異常だ! 現実に引き戻される。俺の名を叫び続ける梨花がそこにいた。今のは、何だ。夢、か? 気を失っていたのはほんの数秒のことらしい。とりあえず見たことを洗いざらい話す。が、梨花にはそんな記憶は無いという。 それよりも頭に七芒星が浮かんでる? どういうことだ? 一角が聖杯『外なる破綻共鳴論』の欠片で白く染まっているらしい。 魔力不足のせいで失っていた魔術スキルを取り戻し喜んでいる梨花。…それは本当に、魔力不足で失っていたのか? とりあえず家に戻る。もう深夜か。アサシンは未だに引き籠もっているので様子を見に行く。 ドアを開けると―――無限に広がる大宇宙、か。って、済まん! まさか着替えてるとは思わなかった! 出ようとするオレをアサシンが引き留める。筋肉痛で薬を背中に塗って欲しいらしい。 オレが知る限りの日常知識を総動員して、アサシンの背中に薬を塗り広げていく。 無理矢理こんな事をさせて? 気にすることはない、むしろアサシンの痛みを取れてやれて嬉しいくらいだ。 マッサージ知識なら資格を持ってる程度にはある、喜んで貰えれば幸いだなアサシン――いや、アグラヴィンと呼ぶべきか? 「好きに呼んで。王の為に生きた一生が正しい騎士道と私が知っていれば良い。」と言うアグラヴィン。 しかし歪められた知識は正さねばならない。それにきっとアグラヴィンの主 “アーサー王” も知っている――とオレは思う。願いはきっと届く。 互いに誓いを交わし、床につく。 2395年 4月9日 目を覚ますと部屋の前で梨花とアグラヴィンが話し込んでいた。なんと言うか…可愛いなぁお前達は。 二人とも朝食には甘いものが食べたいらしい。甘いものは興味範囲外だったんだ………ああ、いや、知っている。オレは知っている…。 知識を、知識を! より多くの知識を! ああ知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい知りたい 【日常知識】のランクが“なぜか”上昇しました。 ――はっ? ん、そういえば昔教えて貰った菓子の作り方が記憶にあったな、それにしよう。 にしても最近梨花のことが愛らしくて仕方ない…っと、いかん。口に出ていた。 兎にも角にも聖杯を調べないと仕方がない、か。調べないことには始まらない。 分かっていることといえば、聖杯に溜まっている魔力が暴発したらこの都市どころか地域が吹き飛ぶくらいだということ。 ついでにガードに聞いたことについて梨花に尋ねると、怖くて言えない、と。嗚咽と共に謝罪の言葉を連呼し続ける。 そんな梨花をオレは抱きしめる。怖がることは何もない。何があったとしてもお前を嫌いになんてならない。 そうだ、聖杯戦争じゃ…オレみたいな魔術回路だけの一般人、見捨てられてもおかしくはなかった。 そんなオレをマスターと慕って今までずっと付いてきてくれたんだ、嫌うことなんてありえない。 たとえ幾万、幾億の死の果てだろうと、共に逝ってやる。だから梨花、オレを信じろ。 『キャスターの隠し事が開帳されます。』 『同時にキャスターの地雷原が解除されます。』 これまでの梨花の悪行を書いて渡される。 敵陣営への呪い等の工作・陣地の随時改良、周辺に住む一般人の魔力吸収。 異界を外部で展開した時に周囲の一般人を異界の中に取り込み魔力源に。既に解放しているが少なくとも300人以上の死者がでている。 なお、キャスターは積極的に外に出て行って一般人の魔力を死ぬ直前まで(場合によっては死ぬまで)魔力を奪い取っている。その時は千匹獣を使用していた。 異界の展開時は人を巻き込んでしまう、それはどうにでもしようはあったがバーサーカーを隠れ蓑に好きにしていた、と。 しかし、たとえオレに嫌われたとしても、オレがこの聖杯戦争で生き残るためには必要なことだったと梨花は言う。 確かに実力的に不足している。それでもオレには強くなれる“知識”がある。何をしてでも、お前に負担をかけないマスターになろう。 『共に行こう。共に逝こう。共に往こう。オレは何時までもお前の側に居る。梨花。』 『ここから先は地獄。共に逝こう、永久に地獄で謳う為に。』 【梨花に負い目を作らないという決意により、やらない夫の行動選択に【起源覚醒】が追加されました。】 有言実行。オレの起源を覚醒させる。躊躇うことはない。 オレの魂に刻み込まれた思いを形にする。 ――梨花がオレの脳内の魔術陣と異界をリンクさせる 飽くなき知識への渇望を。狂おしき探“究”心を。 ――魔術陣の制作者との一騎打ち 梨花のため、強くなろうという想いで力に変える。 ――アグラヴィンが宝具で魔術を情報化する 繋げた絆は、何物にも侵されることはないと信じ。 ――厄除けの加護が不吉な干渉を駆逐する 全てが滞りなく遂行され、生まれ変わった気分で世界が別物に見える。何もかも知りたい……その思いに包まれる。 だが、踏みとどまる事が出来る。梨花のために。大切な人のために。 【やらない夫と梨花のステータスが更新されました】 起源覚醒をしたが、中途半端に時間が余ったので真紅にでも電話を掛けようと…おや、番号を間違えたか? 良い声した姉ちゃんが出たのでパンツ野色を聞いてみる。「白っす。」 何…だと? こいつ、できる…! 返しの質問としておっぱいは貧か巨、どちらが正しいかを問われる。貧乳こそが正しく、この世の正義だ。 +【著者、やらない夫の貧乳への愛は長すぎるため省略されました。閲覧する場合は左の+を押して下さい】 はっきり包み隠さず言うなら、俺の心より愛する人が貧乳だからとでも言っておこうか。 お前はアイツの綺麗な身体を知っているか……? 一度あれを"知"ったその時、百年続いた夢から覚めたような感動を覚えたね…… あの清浄な輝きこそ、至高の胸に他ならない! ……悪いかね? 愛は全てに勝る……しかしそれだけ逃げるのは確かに卑怯だな。 強いているなら……抱きしめたときに正面から全身を抱き留めることができる…… そして手のひらにその全てを収められるのもまた愛らしいだろ。掌に収める征服感……堪らないとは思わないかね。 さらに!!真髄は恥じらいにこそある! 巨乳故に自らの胸への視線に耐性を持ってしまっているのでは恥ずかしがる姿を拝めないではない…………これは中々のデメリットだ。 貧乳ならば……貧しいのを気にして恥ずかしがる……ふふっ……素晴らしい。 特にだ……『ごめんね・・・私・・・小さいから・・・』とか言われたらしたら……堪らないだろ。 未来についても同じ事が言える……巨乳は大きくなっても小さくなっても型崩れするだけで未来が無いだろ。 貧乳は萎んでも目立たず……大きくなればそれはそれで美味しいだろ。未来への可能性を持っているだろ。 つまりだ……おっぱいは皆等しく平等だが貧乳のそそられる点が何かと問われれば『成長性』に他ならないッ それは大いなる可能性であり、同時に「征服」でもあるんだよォォォオオ 大きさも、包容力も、巨乳には遠く及ばない――子供や男にも近いだろう……だが!! 近いからこそ!!!それを分ける決定的な差異が際立つのだぁぁぁーーーー!! それはこれ見よがしな巨乳など及びもつかぬ発見の喜びをもたらしてくれる 故にあえて宣言しよう――ビバ☆貧乳!!!!貧乳!!貧乳!!貧乳!!貧乳!! 揺るがず、そのありようを変えず…………全てが手に収まるその慎ましさ、胴のラインと一体化した美しさは……まさしく美! その美しさに心打たれずしてなんとする!!これが…………貧乳の無限の可能性!! 大きいのが良いんでしょとかそうやって一方的に男性みんな大きい方が好きとか思われてるのは我慢ならん 小さいのが好みであり、それに欲情するのに理由など要ろうか!要らん!!今までの全ては貧乳なのだよ!! 巨乳は確かに性的興奮を覚えるが……貧乳は、美しいんだ…… ちまりはーーーーーーーーちっぱいprpr そしてオレは「貧乳を愛している」もん。 電話越しに、巨乳派としてもその情熱を認めると返される。だがオレの “魂を揺るがす咆哮” に動じないとは、そっちも並じゃない。 巨乳についても聞きたいところだが、生憎と時間がない。好きな童話や神話について尋ねてみる。 インドの神話、特にブラフマーという創造神が好き…ブラフマーとはまた通な。これがオレでなかったら分からない奴も多いだろうに。 黄金の卵(ヒラニヤガルバ)という物から“この世の全てのものを造り出したとされる創造神”、か。図書館に入れさえすれば調べられるものを。 電話番号を登録し別れる。面白い奴だったな。そして妙に体が軽い。きっと愛を叫んだからに違いない。 【創造神の加護】 B+ 取得 太陽も頂点を過ぎたところで、アサシンを誘って霊地探索に出掛ける。大学と公園か…大学にしよう。 異界から出ると、早速ライダーから激しい“あいさつ”を食らう。聖骸布がなければ即死だった。 マスターから安全に蹂躙するように五月蠅く言われており、削りに来たそうだ。史実通りの “強襲&逃亡” …全くいい迷惑だ。 大学に到着。梨花が魔術スキルにより聖杯の存在を察知、また死の気配を感じるという。見抜いたとハッタリをかまし、現れたのは朝倉ハオ。 バーサーカーの陣地が落ちたため、聖杯の欠片を求めて訪れたという。全く、この聖杯戦争は知りたくなる物が多すぎて困る。 軽く知的好奇心に飲まれかける。アグラヴィンが代わって交渉するが…サーヴァントを侮辱する気配と、式神? ALL Aクラスか…。 莫大な神秘を纏い、これから名を残す英雄並の存在感、知識も魔術的技量もあるようだ。 一旦ここは逃すこととする。空に待機させていたライダーと共に去るハオ。英雄の座の完全消滅が願いだ、と残して。 馬鹿げた出力の聖杯の魔力、及びサーヴァントと座の関係を利用すれば、叶えられる可能性は高いようだ。 大学に入ったところでアグラヴィンから願いは何かと問われる。オレの願い。やはり真実を知ること…だろうか。 アグラヴィンは、真実に救いは無いと言う。そこには脚色も何もない。全ては受け入れざるを得ない。逃れ得ない。 その時に備え覚悟する事を決める、と。 《 知 り た い 》 背後から得体の知れぬおぞましい声が響く。振り返るが、そこには梨花が居るだけだ。アグラヴィンも何かを聞いた様子はない。気のせい、か? 聖杯の要へと辿り着く。梨花は手際よく術式を展開し、アグラヴィンは周囲を警戒する。 視界が闇に沈み、意識は彼方へ向かう。再び、あの聖杯戦争の続きへと。 父さんが梨花、いやキャスターと話をしている。『桜田』『神薙』『春川』 の名家による聖杯戦争。これは明らかに様子がおかしいと。 意図的な情報流出・令呪の宿り先範囲の変更により、誰かがこの聖杯戦争の成立を妨害させようとしたのだろうとキャスターは言う。 母さんはキャスターに押し負けたのが悔しく落ち込んでいる。相性の問題だったと慰める父さん。 『桜田家当主:桜田ジュン』、『春川家当主:春川獏』、『神薙家当主:神薙凪』、『栄光の頂:素晴らしきヒィッツカラルド』、『最強:Z-ONE』 二度と聖杯戦争による悲劇を起こらないようにしたいと、父さんは自らの願いを口にする。使用後の聖杯は母さんに譲るという。 キャスターは、二度と悲劇が産まれない為にマスターを聖杯の元まで届ける、と。 そう口にしたところで意識は現実へと引き戻された。 【死亡17】 梨花とアグラヴィンは周囲の警戒をしている。どうやらアサシンの宝具が機能しない相手らしいが、隠れているなら戦闘力はそれまでということだ。 つまり、オレ等は正面から相対するか、逃げれば良い。梨花にタイミングを任せ、間操で小石を巨大化させ視界を封じる。 虚魔術で千匹獣を召喚しそのまま逃走する。召喚の文言しか聞こえてないはずの奴は、今頃見えない敵と冷戦していることだろう。 にしても不思議な感覚だ。まるで“熟練の戦略家” のように行動できた。 【日常知識】 A+ → A++ 【アサシンのステータスが更新】 大学を出ると、再びライダーの襲撃。だが辛うじて避けることに成功する。 折角会えたんだ、もう少し互いを知り合おうじゃないか。こんなに平和なオレらを狙うとは…さては惚れたか? なんてな。 生き様の全てが戦争のライダーと、生きる事全てが知る事のオレは対極で…そして限りなく同位だ。 どうも気に入られたらしく、オレは殺さないがサーヴァントは殺すという。流石にそれも看過できない。 マスターの願いは自らの破滅を意味するというのに、サーヴァントってのは切ないものだ。 今度は向こうからデートに誘う、と微笑むライダー。心臓を握られる感覚。オレはそこに人間の狂気を見た。 疲労からか倒れ込んだオレは家まで運ばれていたらしい。随分と迷惑掛けっぱなしだな。 迷惑掛けるといえば真紅ともしばらく会話していなかったな、電話をしよう。当然…いたずら電話以外に選択肢はない! ヤクルトの出前、のふり。効果は抜群だ。慌ててキャンセルする真紅にここでネタばらし。 気を取り直す真紅に、ルイズコピペ爆撃を投下。しばらくの間。「式は何時にするの?」 一撃必殺。やらない夫は死んだ。スイーツ(笑)。 何とか冗談ということで場を収める。泣かれても、その、何だ、困る。 ガードの話を振るが、大学から逃げた後ライダーに襲われ令呪を一画切ったという。疲れている…サーヴァントが? まぁアグラヴィンも筋肉痛になってたくらいだが…。さておき聖杯について知りたい。共に調べようと誘うが、断られる。 先代、真紅の父親の手記から察するに聖杯は危険過ぎる代物だという。調べるな、という警告だろう。 ガードの要塞は無事であり、【サーヴァントが後、2騎落ちてから】合流するとのこと。 そこでガードが電話を替わる。声に深い精神的疲労の色が見える。 ライダーは【敵が多人数である程強くなる】と教えてくれるガード。また自身が脱落したら真紅を保護して欲しい、と言う。 どうにも弱り切っている様子なので、ヤクルトを届けようかと言うと、弱気に気付いて立ち直ったようだ。 ガードと言うからメンタルも含め屈強な英雄かと思ってたが、人間らしい面が見えて嬉しいものだ。 真紅と同じように、自分自身も守るようにと伝える。ガードは最後に、慰めてくれてありがとう、と。 まだ時間もあるので、次は件の巨乳好きのお姉さんに電話を掛ける。我が “貧乳の桃源郷” を超える、伝説の巨乳列伝…聞かせて貰おうか! こちらの“情熱”を読み切り、“論理”で対抗してくる彼女。全ては読まれている。…だが! +【著者、やらない夫の貧乳への愛はやはり長すぎるためまた省略。閲覧する場合は左の+を押して下さい】 オレが小さいのを好む理由は触れた時の感触だろ!! 優しく触れれば柔らかく、強く触れれば固く………… 毎日の朝日のように同一で日々姿を変える物だ!! 確かに火は常に暖かいかもしれない……巨乳は常に救いかもしれない。 だがな…………オレは求め続ける!!最後まで!!諦めず!! 場所によって豊かな感触を得る事が出来る……無限の可能性を秘めた貧乳を!! 無駄?無駄だと?笑わせるな!! 例え巨乳が優れていようと、個人の好みまでは操れないだろ!! オレは負けない!! 非合理であろうと!! ちっぱリストの論を叩きつぶすだけ勝てると思ったかぁぁぁーーー!!! それに巨乳の欠点もある…… お前は未だに大きいほど良いという固着概念に縛られているだろ。 古代のギリシャやローマの例を紐解けば………… 胸は小さく形が美しいものほど良いとされ、 巨乳はただのデブと同じ扱いだっただろ。 そして……巨乳は重力の誘惑に逆らえないだろ!! いずれ必ずその引力に引かれ醜い姿を晒すことになろうッ!! 得意の“論理”が錆び付いてるだろ!! お前は……貶めることでしか自らを誇ることのできないーーー ーーー嫉妬の奴隷だろ!! 平坦な丘だからこそ……その小さきポッチ(乳首)が!! 二つが!!目を引くだろ!! 山脈を超えるのだけが山登りじゃない!! 丘を歩くのも立派な…………『山登り』 だ!! お前は “ 強 敵 ” だっただろ。 オレの好きな人がちっぱいでなければ…… オレは負けていた…… 勝者からの敗者への礼儀だ、受け取れ。 『巨乳の良さを認めた上で叫ぼうーーー ーーー貧乳こそ至高なり。』 好きな人、と言ったところに食いついてくる。適当に個人特定されない程度に答え、そちらはどうなのかと聞くと、釣り合う男がいないのが悪いという。 悪いことを聞いたと思ったが、向こうはさして気にしてないようだ。趣味は才能開花、職場の男は全員堅物の役立たずだそうだ。 そういえば、と。図書館が閉まっていて調べられないので代わりに彼女からブラフマーについての話を聞いてみる。 三位一体(トリムルティ)。シヴァ・ヴィシュヌ・ブラフマーの三神が集まった状態で、またの名を『ダッタートレーヤー』と言うそうだ。 ダッタートレーヤーの加護を、と。そう言って電話を切る。側には梨花。 何と言うか…熱くなって本音が駄々漏れになったが、オレはお前を大切に思っているからな。 日も傾いてきたところで異界の住民と契約を結ぶ。 純粋に鬼を強化し、また新規に鉄道との契約に臨む。…契約に失敗したら帰りそうなタイプだ。話も聞きそうに見えない。 望む物を訊く。「絶対的で逆らう事の出来ぬ正義!! 圧倒的で完全無欠な秩序!! 至上で揺るがない不動の信念!!」 ならば問おう。今現世には罪なき人々に仇なし、涙を流させる悪が居る。それを打ち倒す為に動くオレはなんだ? 正義ではないが、良い信念だ、と。そう言い、全力を見せてもらおうとオレを試しに来た。ならば…行くぞ、梨花。 正直な話…正義なんてどうでもいいが言質を取ったらコッチのもんだ! 河童の雷を受けた鉄道は、オレ達を認め契約は成された。 日も落ちたところで、梨花は明日からまた地獄になるという。分かってはいるが堪えるな。 今の内に聖杯の要を調べに行くとしよう。留守番は……そうだな、異界の住民に頼んでみるとしよう。何か梨花が焦ってるが大丈夫だ問題無い。 ゾッドと名乗る住民に留守を任せ、海岸沿いの霊地へと足を運ぶ。 星の綺麗な夜だ。好きな星座は何かあるか訊いてみると、アグラヴィンは『チャールズのかしのき座』だと答える。またマイナーなところを。 理由を訊くがはぐらかされる。オレに隠し事をして無事だとは思ってないだろう、少し手荒になるが――っ! オレは何恥ずかしいことを! 海岸の洞窟内に聖杯の要はあった。『数理多層屈折(アルティメ・アカウンス)』と、聖杯に取り込まれたアーチャー、ピタゴラスから答えが返る。 交渉開始。どうにもオレはピタゴラスには気に入られてないようだ。だが他に勝たせてはいけない陣営を引き合いに出し落とし所とする。 サーヴァントは、聖杯から溢れ出ようとする膨大な魔力の何かの蓋になっているらしい。 この聖杯戦争は聖杯戦争を目的とされていない。複数の神霊級に外部から見張られている。聖杯に取り込まれた今の役割は負荷の分担。 ここまで語ったところで、メインの聖杯から何かがやって来ているのを感じ取る。『にくい』と。 だがこれは汚染ではない、と梨花は言う。汚染ではないが地獄だ、とピタゴラスは言う。 聖杯に埋め込まれていた情報を受け取り、死にものぐるいで外へ逃げ帰る。 家まで辿り着いたところでライダーの襲撃。何とか回避するが、ライダーは更に【魔弾の舞踏】にて全方位攻撃を行う。 異界展開前の蹂躙。最大限に防御してなお倒れる俺と梨花。アグラヴィンはオレを守ろうと、命を賭してライダーに向かう。 引き留めようと叫んだ、その瞬間。銃声が響く。撃ったのはライダー。しかし、撃たれたのはグラヴィンでも、オレでもない。 梨花の左胸に穿たれた穴。銃弾は正確無比にその心臓を貫いていた。だが梨花は動きを止めない。 家の異界がうねり曲がり始める。飴細工のように崩壊を始め、あらゆる世界の因子が顔を覗かせる。 金属を擦り合わせたような怪奇音が梨花の口から漏れる。直感に任せ離脱するライダーのつい直前までいた場所、いや空間が破壊されよく分からない物に成り果てる。 狂気を、瘴気を撒き散らす、意識のない梨花。その体からは“無数”の視線を感じる。その一つ一つが悪意と敵意を放つ。 自分が行くと引き留めるアグラヴィンを、オレは言葉で制する。これはオレが。オレがやらなきゃいけないことだ。 手の届く距離まで近付く。指先一つ動かしても殺されると確信する殺意。オレは、全身全霊を込めて梨花に呼びかける。 それは梨花に届いたのか、膨大な狂気と死と絶望が収まっていく。このタイミングしかない。令呪を用い、戻ってこいと、オレと共にあれと命じた。 全てを吸い込むような黒い手がオレの首に掛かり…意識を取り戻した梨花によって制御され、消滅する。 まったく手の掛かるお姫様だ。目指すはハッピーエンド…それだけだ。 【【反骨の相】 A が消滅しました】 家に入ると、そこには無惨な姿で倒れ伏すゾッドと、それを見下ろすルパンの姿があった。 何故かと問うが、ルパンは答えない。とりあえず梨花とアグラヴィンを別の部屋に移し、二人きりで話を聞くことにする。 重い口を開くルパン。そこから語られたのは、思い出すことも躊躇われるような極めて冒涜的、狂気的な出来事の数々であった。 これらについて記述することは異界の深淵を記述するに等しく、さしものオレでも躊躇われる。深淵もまた覗いているのだ。風呂とか。 片付けはルパンが済ませてくれたらしい。感謝する。 バーサーカーは量から質に方針を変更し、大型魔道兵器を大量生産しているらしい。『セイバーの一撃を耐える強度』が目安のようだ。頭が痛い。 そしてランサーのマスターの宝具が、『日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ・クンダーラ)』。待て、マスターと言ったか? 肉体を一体化している上装備者に不死の概念を与えるカルナの鎧。ランサーの加護もあることを考えるとマスター殺しは不可能だとのことだ。 と、そこで電話がある。皇国日本の関係者を名乗る彼は、資金凍結を解除したことと、バーサーカー…チクタクマンが全滅したことを伝えてくる。 「苦難を乗り越えて成長し豊かな人間になってくれ。君の声が聞けて良かったよ」と。そう言って電話は切れた。 真偽の確認のためルパンは外出、とりあえずは鬼とコミュニケーションを取ることとする。 鬼は人と共存していけるかと聞いてみるが、彼は無理だろうと、一時の夢でしかないと、そう諦めた顔で言う。 だが夢というなら、それが実現できるときを目指すだけだ。お前の優しさは知っているからな、優しい優しい鬼よ。 さて、一日の最後に梨花のところへ行く。とにかくも問題事が多すぎる、まずはオレの身体自体がどうなってるか聞いてみる。 何らかの膨大な加護が付いており、また魔術陣からは脳に直接影響を与えて行動の最適化、生存特化の知識、etc。 セイバーの去り際の加護に、梨花自身の厄除けの加護も付き、もはや神の悪戯のような環境だ。 そしてアーチャーから貰った記憶を再生する。…ん、どうした梨花、変な顔でも見たかのような顔をして。 父さんと母さんが組み、アーチャーを従える春川獏との戦い。膠着する戦闘に、父さんは獏と会話に臨む。 嘘をついた物は死ぬ、そのルールを飲んでの対話。聖杯を作ったのは神薙と春川で、後から桜田が入ってきたらしい。 獏は父さんの望みを問う。聖杯戦争が始まってから生まれた望みを。見抜かれたことに当惑する父さん。 満足したらしい獏はアーチャーに宝具の開帳を許す。敦盛を踊るアーチャー。下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり。 周囲の神秘を喰らい、飲み干し、そして消え失せる。全員が思考を停止した刹那――世界を変革した軍勢が襲う。 そこで目が覚めた。スキルを取り戻し浮かれる梨花の姿がそこにある。 【専科百般】 C+ 己の力量の乏しさを再確認したところでおやすみを告げる。冗談のつもりの一言から、梨花の部屋へ。 何があったかは、ここでは語るまい。マスターとしてでなく。サーヴァントとしてでなく。一個人としての二人の姿があった。 2395年 4月10日 爆撃の音と衝撃で目を覚ます。ライダーめ…まぁ異界の頑丈さがよく分かったからいいか。 早速梨花が顔を見せる。随分と可愛いエプロン姿だ。カメラで撮っておこうと、冗談交じりに言うと許可が下りた。 折角だからツーショット、タイマーをセット…と。べ、別に緊張してなんか…ああ緊張してますよ顔真っ赤だよちくしょう! さて、今日はどうするか。梨花とアグラヴィンとでライダー・ランサーの情報をまとめる。ライダーの戦鬼っぷりが恐ろしい。 ランサーの大神宣言の情報をアグラヴィンに公開。お返しにエア、アヴァロン、魔力炉の情報を貰う。 魔力炉が13個…毎ターンMPが39000回復? 何だこのチート。しかも異界の影響じゃ壊せないと来たか。 これからやらなければいけないことは、【ライダー対策】 【ランサー対策】 【ガード合流の勧誘】…全く泣けてくる。 とりあえずはお姉ちゃんをどうにか…色々と手は考えたが、皇国日本の人に頼むか。電話を掛けると例のイケメンボイスが現れた。 海外への避難を請け負ってくれる条件として出されたのは、白紙の自己強制証文。キャスターは猛反発するが、オレはこれを受け入れた。 さて、流石に送付が戦争中はやめて欲しいところだが―――5年後? しかもバレバレの棒読みじゃないか。全く、食えない人だ。 時間も空いてるので真紅に電話を掛ける。ガードが出るが…ほうメイドかーってたまに真面目に掛けようとしたらふざけてるんじゃない。 どうやら精神的には立ち直っているようだ。真紅を守る立場なんだ、しっかりしてくれているなら助かる。 【(ガードって真面目で臆病で頭良いから凄い弄りたくなるだろ。さて……さて……さんざん弄ったし……)やらない夫、心の声】 バーサーカーが脱落した件について説明する。倒したのは恐らくランサーだろう、とのこと。ガードを単独で向かわせると言うが、後に回す。 ガードの神託によればバーサーカーを滅ぼしたのはブラフマーストラによるもののようだ。それと海岸で戦闘をしたことが引っかかるという。 水と親和性の高い宝具による物ではないかと推測し、神託で答えを得るガード。ポセイドンの槍の複製…即座全回復とかチートだろう…。 そしてランサークラスで宝具を生成できる理由は【無窮の叡智】Exによるものらしい。異界の住民を増やしてリンチするしかないか…? ガードのことだが、真紅自身は調整を終えた『薔薇の繁栄圏』があれば充分だという。 正直なところ心配であることに変わりはないが、こちらの手数のためにもガードの防衛力は重要になる。 礼装と共に送ってくれるらしいが……電話の向こうから喧噪が続いてる。こんなところで令呪使ったりしないでくれよ、な? 合流の約束を取り付けられたところで、知れば知るほどランサーへの勝ち目が無さそうに思えてくると愚痴るアグラヴィン。 何か思い出せそうだという梨花、それを手伝うアグラヴィン。しばらく目を閉じていた梨花だが、不意にその目から涙が溢れだす。 何があったのかと心配するが、梨花は願いの理由を思い出したからだという。聖杯の獲得への決意を新たにする。 【※召還時に3人まで同時契約できるようになりました。】 【召喚時の制限が『一部』撤廃されました。(異界強化用の住民・行動回数増加用の住民 etc etc etc )】【予知・予言系統、陣地操作系も追加です。】 さて、住民の召喚条件も緩和された。戦力が足りない、ならば増やすのがオレ達のやり方だ。 アグラヴィンが見学する中で新たな異界の住民との契約を開始する。混沌とした異界が膨れあがるのも、もはや見慣れた光景だ。 早速の一人目は…竹取物語の月の使者か。彼の名誉のため、登場時に特に何も問題はなかったことを念を押して記しておく。 矢避けの加護を試させてもらうため河童を召喚、全力の落雷を落とす――無傷、だと!? いや確かに1500年も過去の日本の最高クラスの軍を退けたのは分かる、分かるが…とんでもないな。 しかし了解もなく攻撃を加えたのは失策だった。不興を買ったようだが、謝罪と説得は功を奏したようだ。…心臓に悪かった。 「如何なる『運命』も諦めるな、若いの。」そう言い残し、彼は異界へと消えていった。 さて、次は ―――異界から刃を手にした女性の白い腕が伸びる。安全地帯だからと完全に油断していた。 狂気に彩られた瞳をたたえ、「浦島サンを連れ去るモノはシネ」と、異界の管理者…梨花にすら牙を剥くとは。 腹に据えかねた様子の梨花だったが、そこに現れた青年が狂気の姫君を異界に送還した。名を、浦島太郎。 どうにも先の姫様には相当苦労させられてるようで、他人事ながら哀しくなる…避難部屋を貸すことで契約を締結した。 最後……!? 聖骸布がなければ即死だった! まさしく焼くような輝きが射し、現れたのは太陽神トナティウ。 生贄を喰らいに来ただけだ、と殺意を振りまいて襲いかかる。まさかここが戦場になるとはな! 船で守りを固め、鬼で押し込む。幸い火力はそこまででもなく…いや、敵勢力が馬火力過ぎるだけか? 軽い持久戦でトナティウは魔力が尽き音を上げた。しかし、生贄が悪いことだなんてオレは言ってもいないのに何を勘違いしているのか? そんなに生贄が欲しいのならな(3時間ほど演説が省略されました)ってことだ。おお、分かってくれたかトナティウ。 そんなこんなで、皇国日本からお姉ちゃんを迎えに来る時間である。何か息切らしてるが…なんかあったか? 故郷に送り届けてくれるよう頼んだが一度聞き返された。本当に何があるんだ。まぁいいか。 さて、夕方にもなったしライダーどいて外に出れないし、今の内にアグラヴィンと話をしておこう。
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新型コロナの対応と対策 / パンデミック帝国 ■ グレートバリントン宣言 グレートバリントン宣言 ― 私たちは感染症疫学者および公衆衛生科学者として、現行の新型コロナウイルス政策により人々の身体的および精神的健康が害されることを深刻に懸念している。ここに、「集中的保護 (Focused Protection)」という手法を提言する。 様々な場所、そして世界中で、私たちは人々を守るために専門性を捧げてきた。現行のロックダウン政策は、短期的および長期的公衆衛生に破滅的影響を与える。その結果として(ごく一部の例を挙げれば)、子供の予防接種率の低下、心疾患アウトカムの悪化、がん検診の減少、および精神衛生の悪化などがあり、以後何年にもわたり超過死亡率が上昇し、労働者階級や社会の若者たちが最も重い負担を負うことになる。学生たちを学校に行かせないのは重大な不正義である。 ワクチンが利用できるようになるまでこれらの政策を実施し続ければ、修復不能な損害となり、貧しい人々が不平等に被害を受ける。 幸い、私たちはウイルスに対する理解を深めている。新型コロナウイルスによる死亡に対する脆弱性は、若者に比べ高齢者で1000倍高い。事実、子供にとっては、新型コロナウイルスはインフルエンザなどの他の多くの脅威に比べ危険度が低い。 人々の間で免疫がつくにつれ、ウイルスに対する弱者も含め社会全体の感染リスクは下がる。すべての集団において、最終的には集団免疫を獲得する(つまり新規感染率が安定する時期に到る)ことは周知のことであり、これはワクチンにより補うことができる(ワクチンに頼るのではない)。したがって、集団免疫を獲得するまでの間、死亡率と社会的損害を最小限にすることを目標にすべきだ。 集団免疫を獲得する利点と欠点のバランスをとる最も思慮深い方法としては、死亡リスクが低い人々には普段の生活を許し、自然感染を通してウイルスに対する免疫を獲得するようにし、一方リスクが最も高い人々は保護するのがよい。私たちは、これを「集中的保護」と呼ぶ。 ウイルスに対する弱者を保護する対策をとることは、新型コロナウイルスの公衆衛生対策の重点項目であるべきである。例として、老人ホームでは獲得免疫をつけたスタッフを雇い、その他のスタッフや訪問者には頻繁に検査を実施する。また、スタッフの入れ替わりは最小限にする。自宅に住む退職者は食料品やその他の生活必需品を配達してもらう。可能であれば、家族との面会も室内より屋外で行うようにする。などが挙げられる。包括的で詳細な(複数の世代からなる家庭での対策を含む)対策方法リストを実行するのもよく、それは公衆衛生専門家の監修のもとで行うのが望ましい。 ウイルスに対する弱者ではない人々は即急に普段の生活に戻るべきである。手洗いや風邪をひいたときの自宅待機などの簡易的な衛生対策を社会全体で行うことで、集団免疫閾値を下げることがでる。学校や大学は開校して対面授業をすべきである。スポーツなどの課外活動も再開すべきである。若くてリスクが低い大人は自宅からでなく通常通り働くべきである。レストランやその他の商売も開けるべきである。美術、音楽、スポーツなどの文化活動も再開すべきである。リスクが高い人々も希望すればこれらの活動に参加してもよいが、社会全体としては、集団免疫を獲得することによりウイルスに対する弱者を保護するのがよい。 本宣言は2020年10月4日に米国グレートバリントンにて以下の3名により記述、署名された。 マーティン・クールドルフ博士、ハーバード大学医学部教授、生物統計学者および感染症疫学者(専門は、伝染病流行に関する発見と観察およびワクチンの安全性の評価) スネトラ・グプタ博士、オックスフォード大学教授、感染症疫学者(専門は免疫学、ワクチン開発および伝染病の数理モデル作成) ジェイ・バタチャリャ医学博士、博士(経済学)、スタンフォード大学医学部教授、医師、感染症疫学者、医療経済学者および公衆衛生政策専門家(専門は伝染病および脆弱な人口集団) .
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元スレURL 真姫「思い通りにならない雨と休日」 概要 雨の休日はカフェでゆっくり読書… してたらいきなり声をかけられて タグ ^西木野真姫 ^短編 名前 コメント
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千葉県。 永江衣玖の空気を読む程度の能力によって大災害で生き残った日本も数日中に天変地異が襲うことを知った雪音クリスとシマリス。 知り合い探しを兼ねて、この緊急事態を伝えるべく奔走することにした一行であったが、そこで怪人の急襲を受けた。 シンフォギア「イチイバル」を纏った雪音クリス、究極の胡桃使いであるシマリス、サタデーナイトフィーバーポーズしか取れないとはいえ空気を読む程度の能力を応用した電撃技に加えて仮面ライダーイクサに変身することで能力を増大した永江衣玖の三者の前ではただの怪人などひと捻りだろう。 ……そう、ただの怪人ならば。 「クソッ、死んだ仲間を悼む暇もなく、ヤバイ奴に出くわしちまったッ!」 「わ、わたしの技が全然効かないなんて……」 「これは少々まずいですね」 クリスもシマリスも衣玖ですら多大なダメージを受け、消耗していた。 強者の部類に入るであろう三人をここまで追い詰めるのはそこらに転がっている有象無象の怪人では土台無理な話だ。 つまり、彼女たちが戦っているのは自分たちより遥かに強い敵である。 その強敵こそ、宇宙生物ワームの中でも最強であるカッシスワーム・乃木であった。 「三人ともスジはいいようだが、もうここまでだ」 ボロボロのクリスたちに対してカッシスワームは全くの無傷である。 これは敵の攻撃をエネルギーに還元吸収する能力を持っているからである。 したがって、シンフォギアで生成した銃弾・投げ込んだ胡桃・電撃もエネルギーとして吸収されてしまったのである。 さらに吸収した技をコピーして返せる能力まで備わっているため、攻撃するということはそのまま自分に攻撃が返ってくるということであった。 「だが、諸君ほどの腕の持ち主を殺すのは些か惜しいな。 俺の傘下に下るのならば、降伏を認めてやってもいいぞ」 このまま押し切れば三人を殺せるであろう乃木が戦闘の最中に取った行動は、意外にも降伏勧告であった。 「そっちから襲いかかってきやがったくせに、何勝手なことを言ってやがる!」 「それは君たちを腕試しするためだ。 俺もこんな下らない殺し合いなど進んでしたくはない」 「……信用できませんね。 私たちに何かをさせたいようですが、あなたの目的は何なのです?」 衣玖の問いに、カッシスワームは淡々と答える。 「諸君には三つほど手伝ってもらいたいことがある。 一つは愚かな主催共の打倒、一つはこの邪魔な首輪を外せる技術者の捜索。 そしてもう一つは、弱くて愚かな他の参加者の間引き」 「間引きって……どういうことでぃす!?」 「力も技術も持たない弱者を生かす必要はない。 そういったものは俺の糧になってもらう形で有効利用させてもらう」 カッシスワームのスタンスは対主催である。 だが、日本という僅かに残った土地と資源では人類含む全ての生物を賄いきれない事ぐらいは理解しており、主催に対して反抗的な理由も社会基盤そのものを壊しかねない『殺し合いによる』人口削減を否定しているだけだ。 人口削減そのものは必要であると彼は思っている。 仮に、この男が殺し合いを打倒した暁にも壮大な間引きが待っている。 自分にとって不都合な存在……特に弱い人類は淘汰・虐殺し、自身が優れた種であると信じている宇宙生物ワームによる日本の統治を始めるつもりなのだ。 いわば超危険対主催、この男に殺し合いの破壊をさせても人類や弱者に未来はない。 そんな男を野放しにできる理由がクリスたちにはあるハズがなかった。 「……ざけんなッ!!」 「アンタみたいなのを放っておいたら、ぼのぼのちゃんたちの身が危ないでぃす!!」 「なおさら、あなたのような人を生かす理由がなくなりました」 ダメージを負った体に鞭を打ちながら、クリスは両腕のガトリングガンを、シマリスは大量の胡桃を、衣玖はイクサの上をいくライジングイクサに変身し、カッシスに再び戦いを挑む。 「諸君、それは交渉決裂と見ていいようだね。 だが君らでは俺に勝てる見込みはないだろうな」 余裕を見せるカッシスに三人は銃弾・胡桃・電撃による弾幕を浴びせる。 しかし、それでは攻撃をエネルギーに還元吸収できる敵に餌を与えているに過ぎない。 「無駄だよ、その程度で俺に勝とうなど……?」 ふと、カッシスは気づいた。 弾幕の影の中で自分を囲むように三者が移動をしていたことに。 「確かにあなたはあらゆる攻撃を吸収できる力をもっているようですが、限度は必ずあるはずです」 「バラバラだった火力を一点に集中させりゃあ、どうなるかな?」 「まさか……」 「そのまさかでぃす!!」 三人は一見無敵に見えるカッシスの吸収能力にも限界はあると見抜き、その可能性に勝負を賭けた。 三方向からの集中砲火でカッシスを倒すつもりなのだ。 「いくぜッ!! メガデスパーティーッ!!」 「秘奥義、ナッツアバランチでぃす!!」 「弾幕&ファイナルライジングブラスト」 クリスの方角からは大量の弾丸とミサイルが、シマリスの方角からは課長を確実に殺害できる雪崩のような胡桃が、仮面ライダーイクサライジングは必殺の光線とスペルカードによる弾幕がカッシスに押し寄せる。 それは嵐のような、回避不能の理不尽弾幕であった。 カッシスは襲いかかる弾幕の中に飲み込まれて見えなくなり、彼を中心に大きな爆炎が巻き起こった。 「やったか!?」 そう言ったのはクリスである。 いくらカッシスと言えど、吸収しきれぬほどのありったけの力を注ぎ込んだんだ。 パワーだけでなく攻撃から逃げられないように隙間もないほど撃ち込んだ……負けるハズがない。 彼女だけではなく、他の二人もそう信じていた。 だが。 「……ゴフッ!」 「衣玖さん!?」 「衣玖ッ!?」 突然、衣玖の腹部から見覚えのある二つの刃が飛び出した。 背中から腹部を貫くほどのひと突きに、腹部にかけてあったイクサベルトが全壊して変身が解除されてしまう。 変身が解けて元の美少女の姿に戻った衣玖の姿は、刃が刺さったままの腹部からの出血と口からの吐血で真っ赤に染まっていた。 そして彼女を背後から刺したのは一瞬でも倒したと思ったていた無傷のカッシスワーム・乃木であり、クリスとシマリスは目を見開かざるおえなかった。 「あの攻撃でピンピンしている……でぃすと……?」 「どうして生きてやがるんだ!」 「惜しかったな。 吸収能力を上回る火力で攻撃するという諸君らの着眼点は悪くなかった。 だが私のもう一つの能力……時間を止める力『フリーズ』を使わせてしまったのが悪手だったな」 「時間を止めるだって?!」 カッシスは通常のワームがもつ高速移動できる能力『クロックアップ』から進化した力、時間そのものを停止できるフリーズの力を持っているのだ。 もっとも『グラディウス形態』に移行した現在ではエネルギーの還元吸収能力と引き換えに使えなくなったハズだったが、先の佐倉杏子、高町ヴィヴィオの肉体を吸収した際に使用できるようになったのだ。 テラカオス化の進行か、それとも魔法少女と聖王という特殊な存在を取り込んだことでカッシスの肉体に変化を及ぼしたのだろう。 制限によって一度の使用に体力を消耗するので無限に使えるわけではないが、時間停止能力を持たぬ者にとってただ一度の使用ですら脅威となる。 回避不能に見えた理不尽弾幕ですら、彼の前では宙に浮いたオブジェにしかならないのだから。 クリス、シマリスはただ驚愕するしかなかった。 「能力の使用で少々小腹が空いてきたところだ。 歯向かった罰として、この小娘には最初に糧になってもらう」 「そんなことさせるか!」「でぃす!」 「安心しろ、諸君らも直に同じ場所に行き着く、そこで大人しく見ているがいい」 クリスたちが満身創痍の衣玖を救おうとするが、それよりも早くカッシスは衣玖の肉体をエネルギーに還元しようとする。 「……させませんよ」 「なにッ!?」 突如、衣玖は刺されてなお続けていたサタデーナイトフィーバーポーズを解き、腹から突き出ているカッシスの刃を握り締め、さらに自分とカッシスの周りが強く帯電をさせた。 それらの事象に対して直感的にまずいと感じたカッシスは急いで自分の体の一部でもある刃を引き抜こうとするが、衣玖は刃を腹や両手の肉に喰い込ませて、どんなに鮮血を垂れ流し激痛を感じても離そうとしなかった。 「あなたの一部である…この刀は絶、対に離し……ません。 時間を停めても無駄ですよ……あなたには私と共に死んでもらいます」 「貴様ッ……!」 周囲の帯電がより一層強くなる。 帯電の発生源は衣玖本人であり、その発生源から離れられない以上、カッシスはフリーズを使っても無意味である。 吸収能力の許容限界を超えたエネルギーはカッシスの身を焼くこともできる衣玖の会心の策である。 ……引き換えに衣玖自身も命を落とすことになるが。 ポーズを解くと制限で呼吸困難に陥るが、致命傷で死ぬ以上、もう呼吸する必要もないと見越して彼女はポーズを解いたのだ。 「衣玖さん!」 「衣玖ッ! 馬鹿な真似はよせ!」 「お二方……どのみち、この傷…では私は助かりません……」 一人と一匹は衣玖を助けようとするが帯電が強すぎて近づくこともままならなった。 されど自分を助けようとしてくれている仲間たちの気持ちだけでも嬉しかったのか、衣玖は最後に微笑みかけ後を託すことにした。 「クリスさん、シマリスさん……私の代わりに天子様を、お願い致します……」 その言葉を最後に衣玖は力尽き、それと同時に莫大な量の電気が衣玖とカッシスを包んでその場を中心に大爆発が生じさせた。 「衣玖ぅーーーーーーーッ!!」 「衣玖さーーーーーーーん!!」 感情のままにクリスとシマリスが叫ぶが、爆炎が消えた跡にはクレーター以外は何も残っていなかった。 衣玖も……カッシスも……粉微塵になった、彼女と彼はそう理解した。 ::: それからしばらくして、クリスとシマリスは先の戦闘の爆音を聞きつけたゼクスを中心とする対主催グループに保護された。 MS・ガンダムエピオンの手に乗って彼らが拠点にしていた浦安市にある某遊園地まで案内されることになった。 現在はその遊園地の敷地内にあるホテルで身を休めている。 「先ほどの爆音はそういうことだったのか……」 「まあ、仲間に関しちゃ残念だったというしかねえが、お嬢ちゃんと小動物くんは立派に戦ったよ」 「しかし、あらゆる攻撃を自分のパワーにし、時間まで止める相手とはとんでもないですね。 あなたたちが止めてくれなければどれだけの被害が出ていたことか……」 応急処置を受けながら先の戦闘の顛末をクリスたちは、ゼクスと彼の仲間であるベルナドットとLに話していた。 衣玖と過ごした時間はとても短いが、それでもかけがえの無い仲間だった。 そんな彼女を守れなかったクリス・シマリスは自分を責め、己の無力さに恥を覚えていた。 (もっと強くなりてぇ……響や衣玖のような犠牲を出さないためにも) (今のままのわたしじゃぼのぼのちゃんやアライグマくんを守りきれないでぃす、どうすれば……) 衣玖の死は、二人にカオスロワの厳しさを教えたのだった。 これが後の成長に繋がるかどうかはまたの後の話である。 二人は衣玖の死を嘆くと同時に、彼女が遺した言葉の一つを思い出した。 「そうだ! シマリス、あのことをゼクスたちにはまだ話してなかったよな!」 「ええ、まだでぇす」 「あのこと?」 衣玖は空気を読む程度の能力を使って、この日本であることが起きることを知っていた。 それはあの大災害を生き残った者全てに伝えるべき重大な事柄であった。 「みんな殺し合いなんて悠長なことやってる暇はないんでぃす!」 「近日中にこの日本にも天変地異が、あの世界を沈没させた大災害が生き残った日本にも襲いかかってくる……衣玖はそう言っていた」 世界が滅びるかも知れない将来の可能性を真顔で伝えるクリスとシマリス。 それを聞いたゼクス、ベルナドット、Lの三人の男たちは―― 「えっ」「えっ」「えっ」 ――面食らっていた。 (うん、まあ普通はそんなリアクションだろうな) (シマリス達もそれを初めて聞いた時は似たような感じだったでぃす) 【二日目・1 00時/千葉県 浦安市にある某遊園地】 【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】 【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、悲しみと怒り 【装備】イチイバル 【道具】支給品一式、その他不明 【思考】 基本:仲間を探して現状を打破する 0:とりあえず、今はゼクスたちについていく 1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える 2:もっと強くなりてぇ 3:響、どうして死んじまったんだ…… 4:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する 【シマリス@ぼのぼの】 【状態】ダメージ(大)、疲労(中) 【装備】胡桃百個 【道具】支給品一式、その他不明 【思考】 基本:仲間と共に生き残る 0:とりあえず、今はゼクスたちについていく 1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える 2:胡桃の扱いを極める 3:胡桃の補充をしたい 4:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する 【永江衣玖@東方project 死亡確認】 【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】 【状態】健康 【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW 【道具】支給品一式 そのほか不明 【思考】基本:バトルロワイヤルを止める 0:えっ 1:今はクリスとシマリスの手当をする 2:殺し合いを止める意志のある仲間を集めたい ※浦安市にある某遊園地を拠点にしているようです。 【ピップ・ベルナドット@HELLSING】 【状態】健康 【装備】自動式拳銃×2 M16 【道具】支給品一式 【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る 0:えっ 1:生存確率が上がりそうなので今はゼクスについていく 2:あのアーカードの旦那が死ぬとは…… 【L@DEATH NOTE】 【状態】健康 【装備】自動式拳銃 【道具】支給品一式 手榴弾×25 【思考】基本:バトルロワイヤルを止める 0:えっ 1:クリスたちと情報交換をする ::: クリスたちが先程までいた戦闘跡地。 焦げ付いたクレーターの中から這い出るように怪人が現れた。 ――カッシスワームだ。 クリスたちが死んだと思っていたカッシスワーム・乃木は生きていたのだ。 「くっ、おのれ小娘……だが俺を仕留めるには今一歩踏み込みが足りなかったな」 彼の身体は多少は焼き焦げており、ダメージは確かに与えられ、気絶によって数時間ほど行動不能に追い込んだ。 されど、殺すことはできなかった。 衣玖が命を投げ打って起こした電撃は、彼の吸収能力を超えるエネルギーだったが、その襲いかかるエネルギーで衣玖が粉微塵になる瞬間と同時にカッシスはフリーズを発動、手枷になっていた衣玖の骸が消滅することで腕の自由を取り戻す。 さらにその腕で地面を掘って天然の絶縁体である地中へと緊急避難、電撃ダメージを最低源まですり減らした。 結果的に一時的に気絶まで追いやれるダメージは与えたものの、殺しきるにはいたらなかった。 クリスとシマリスをカッシスから引き離すことができたという意味なら衣玖の死は無駄ではなかったが。 「もう一人の小娘と小動物はどこかに行ったか。 まあいい、無理に追いかける意味もない……殺すのは主催共を皆殺しにし、この無意味な殺し合いを終わらせた後からでも遅くない」 カッシスはあくまで感情に囚われず、クリスたちは後回しにすることにした。 ただし、ワームに逆らった者として次に遭遇した場合は確実に始末するつもりではあった。 「とにかく今は一刻も早く首輪を外したい。 これが外れてくれぬことには主催を皆殺しにはできないからな」 カッシスの現在の目標は自分を縛る首輪の解除である。 首輪が付いている限り主催との交戦ができない。 いち早く首輪を外せる技術者を確保する必要があった。 技術者以外は襲撃し、腕が立つ参加者は利用し、そうでないものは糧にする。 それが彼のロジックである。 「しかし、もっと効率の良い探し方を検討した方が良さそうだな。 虱潰しでは流石に時間がかかりすぎるし……ん?」 より良い技術者探しを思案するカッシスの目に止まったのは一軒のネットカフェであった。 「インターネット……地球人にはそんな便利なものもあったな」 今まで手を出さなかったが、パソコンでネットに繋げばまだ生きているであろう技術者の捜索も楽になる。 そう思ったカッシスは一旦、乃木の姿に戻りネットカフェの中に入っていた。 乃木怜治……彼が首輪を解除して主催に勝利したとしても、人類にもたらされるのは殺し合いからの解放ではなく、ワームが世界の支配権を握る地獄だけが待っている。 【二日目・1 00時/千葉県のネットカフェ】 【乃木怜治@仮面ライダーカブト】 【状態】ダメージ(中)、疲労(中) 【装備】なし 【道具】基本支給品一式、不明支給品 【思考】 基本 愚かな参加者の諸君を始末し、最後には主催者の諸君も始末する 0:ネットカフェでしばらく情報収集 1:特に首輪を外せる者を優先して探す 2:利用出来る参加者がいるなら利用するが、そうでないなら餌にする 3:クリスとシマリスは後回し、もう一度遭遇したら殺す ※佐倉杏子、高町ヴィヴィオの肉体を吸収しました。 ※時間を止める能力・フリーズが使用可能ですが、使用毎に体力を消費する制限がついています。
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697 :earth:2012/03/13(火) 18 55 13 並行世界(平成世界)から出現した日本帝国軍、ドイツ第三帝国軍によって第二次世界大戦を勝ち抜いた連合国は文字通り 灰燼と帰した。この世界の日本とドイツを蹂躙し、解体した国々はその報復を嫌と言うほど受けることになったのだ。 特にアメリカ合衆国は並行世界において「絶対に怒らせてはならない」と言われる日本帝国を文字通り激怒させたために 入念に叩き潰された。 戦勝国として栄華を誇ったこの国は、それまで築いた栄誉がまるで嘘だったように滅亡した。主要都市は軒並み核攻撃で 消滅しガラス状の大地と化していた。 そして辛うじて残ったワシントンDCでは、平成世界の列強国が主導する形で軍事裁判が開かれていた。 「私は日本を追い詰めることに反対したのだ。それなのに大統領が」 「私は無差別爆撃には反対したのだ。それを大統領が」 「我々は日本の占領政策について反対した。それをアカに唆された大統領が押し切ったのだ」 裁かれる立場に転落した旧合衆国政府の人間達の多くは全ての責任を大統領や元政府高官、あるいは共産主義者に転嫁した。 勿論、中には自分の非を認める者もいたが、多くの人間は自分の無罪を主張した。 そしてそれを憂鬱世界から派遣された人間達は嘲笑と侮蔑の表情で見守っていた。 「これが正義の国か。笑えるものだ。日本人やドイツ人を殺したことを誇っておいて、立場が逆転したらその責任を転嫁するとは」 この裁判の様子は平成世界にも中継されており、多くの都市では誰もが戦争犯罪人である合衆国軍人や政府高官の処刑を 熱望した。 「あんな畜生にも劣る下種をさっさと吊るせ!」 「合衆国など、さっさと消滅させろ!」 「ソ連や中華もだ。日本を滅亡させ、国土を陵辱した連中を生かしておく理由はない!」 端的に言えば「殺せ!」の大合唱だった。 その一方で各国政府は、核攻撃で耕した世界の統治について話し合っていた。 「あの世界は資源採掘場、それにゴミ捨て場が適当だ」 「同意します。向こうの日独の国民をこちらに移民させ、あとは搾り取るだけ搾り取る。遠慮は不要です」 「あとは人体実験だな。精々、我々の繁栄の礎になってもらおう。問題はないと思うが?」 「ええ。問題ないでしょう。何しろ並行世界とは言え、日独の解体に手を貸した、いや反対しなかった国など遠慮は不要です」 日本とドイツの意見に反対意見を唱える国は無い。 アメリカ合衆国の精神的後継者と言われるカリフォルニア共和国やイギリスなどは、向こうの旧合衆国やイギリスから 色々と助けを請われるが、どちらも助けることなどしなかった。 「「お前らは自業自得! 俺達を巻き込むな!!」」 フィンランドなどごく一部の国々は辛うじて首はつながったが、旧合衆国を含めた多数の国は悲惨な運命を辿る。 そしてこれらの国々の恨みは、この事態を引き起こしたルーズベルトや合衆国に向けられることになる。 ルーズベルトは世界を破滅させた魔王、そして合衆国は世界を黄昏に導いた悪魔の帝国として人類史に刻まれることになる。 724 :earth:2012/03/13(火) 20 49 52 ワシントン軍事裁判において大多数の旧合衆国要人は、己の所業の報復を受けた。 ルーズベルト本人は夢の国の住人となっていたが、減刑の余地は無かった。むしろ晒し者にされ「世界最強国家を率いた狂人」と 世界に喧伝された。平成世界のルーズベルト大統領の縁者の子孫さえ「あれは他人」というのだから、どれだけ彼が嫌われているか が良くわかる。 「私はそのような発言はしていない」 「それは部下の勘違いだろう」 「私は国際条約に基づき、日本人を丁重に扱っていた!」 朝三暮四の発言を繰り返したプライドがやたらと高い某陸軍元帥は、あらゆる名誉を剥奪されて元大統領のように発狂したが 情状酌量の余地もなく処刑されていった。その最後は見苦しいものだったが、その姿に誰もが溜飲を下げることになった。 だが溜飲が下がったからと言って、この世界の扱いが変わることはなかった。 「ルーズベルトの野郎のせいで……」 死の大地と化した北米で、ついこの間までルーズベルトを賞賛していた旧米国民はルーズベルトに怨嗟の声を挙げつつ 必死に生き残ろうとしていた。 白人至上主義者はナチスドイツに接近を試みたが、ドイツを解体した彼らと仲良くするほど第三帝国もお人よしではなかった。 そして日本人は米国人を徹底的に敵視していた。日独は放射能で汚染されていない地域を現地住民を徹底的に追い出した上で 軒並み押さえてその支配を続けていた。 日本人に押さえられた健全な土地とそこに乱立する近代文明の象徴たるビル群、それを見て旧米国人は忌々しげに叫ぶ。 「ここは俺達の国のはずだ。それなのに、何で連中がいいように支配するんだ!?」 それは魂の叫びだった。だがすぐに冷静な答えが近くの男から返ってきた。 「……俺達が負けたからだろう」 「おい」 「負けたんだ。俺達はあのクソッタレの雲から現れたイエローモンキーとナチに負けたんだ! だからこうなった。 俺達が、俺達の世界で連中にやったことをやり返されたのさ!!」 「「「………」」」 彼らはこのとき、自分達が日独両国に何をしたのかを悟った。 「向こうの合衆国も滅んだ。だが合衆国の精神は受け継がれた。だが俺達は違う。合衆国は滅んだ。完全に。後継者も居ない。 この北米は連中によって滅茶苦茶にされていくだろう」 救いようが無い結論だった。 「……ルーズベルトが向こうと同じように任期の途中で退任していたら、歴史は変わっていたかもしれないな」 「かもな」 ルーズベルトが途中で倒れた世界。あの狂人が存在せず、雲の向こうの世界と決定的に対立しなくて済んだ世界。 そんな世界を夢想して男達は自分達を慰めた。 皮肉にも彼らが夢想した世界、ルーズベルトが任期の途中で倒れた世界の人間が、雲の向こうにある世界を作り上げたのだが そのことを彼らは知る由も無かった。
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ジオン公国軍 トリントン(R)戦術 ここは特に重要な情報などを保存する目的の場合に使ってください 概観 本マップでは、拠点砲撃および拠点防衛のいずれにおいても、まずはコロニー上階の制圧が重要な要素となる。 上階から下階およびコロニー周囲へは容易に飛び降りることができるが、下階から上階への移動は時間がかかるため、まずは3階および3.5階の制圧を目指そう。 また、本マップでは機動セッティングによるフワジャンの活用で、コロニーの様々なポイントを出入りできる。 特に拠点攻略兵器に乗るパイロットは、これらのルートを活用することで、上下の移動を活かした3次元的な立ち回りが可能となるため、ひとつでも多くのポイントを把握して出撃するようにしたい。 他のマップとの違いに狭いコロニーが主戦場になりやすい。 この狭い建物のため互いの拠点ルートが重なり、他のマップではセオリーである護衛、アンチに別れての攻防にはなりづらく、重ねルートと呼ばれる展開に近くなり、数あわせ等が簡単に崩壊する。 タンクの腕が問われるステージだが、上階級になればタンクを落としたらレーダーを見られ新たに出現した点、復活地点を見られ急行されるため、ひたすら拠点を狙いうちにいこうとしても護衛なしでは、砲撃ポイントに着くことすら叶わないであろう。 そうした事からアンチが護衛になったり、護衛がアンチになったり、また外部を使った移動等によるルートもあることから、知識、柔軟性が問われる上級者向けマップである。 機種ごとの立ち回りのヒント 格闘機・近距離機 これらのカテゴリは、コロニー制圧における主力部隊である。 開幕から以下のような要所に展開することで、戦闘を有利に進めやすい。 主力部隊はスロープから3Fに飛び込み、3.5Fおよび4Fの制圧を心がけよう。また、4F拠点攻撃ポイントを速攻で目指す部隊が何機かいると、敵拠点攻撃を防ぎやすい。 左の窓にも1機、高火力の機体がスロープから直接飛び乗っておくと、敵機のけん制としての効果が高い。セッティングによっては、ここから壁伝いに連邦側ジオン側双方のバンジー台フロアに飛べるため、様子を見てこれらに展開するのもいいだろう。この窓に乗る機体が1機いると、左側洞窟ルートからの拠点たたきを発見しやすいこともメリットと言える。 タンクが4Fの砲撃地点に上るスロープからノーロック砲撃しているときは、敵拠点前かアーチに射や狙がいるときが多いので、4Fのバンジー台からフワジャンで近づき牽制しにいくと、タンクの拠点攻略時間の短縮になる。 射撃機 コロニー残骸が主戦場になるとキャノン系やミサイル系は活躍しにくい。逆に中盤以降タンクがコロニー内を諦めたり、片方が占領しきった時は、周辺の広い戦場で活躍できる。 キャノン系であれば、自拠点前アーチ上からコロニー内から拠点を撃つタンクを狙い撃てる。2~4F全てに有効。4Fのスロープを登りきらないところからブラインドショットできる「デキルタンク」以外には鬼のアンチタンク。ただキャノン系はダメージ不足なので過信は禁物。 とはいえ、本MAPで射撃機体を出すのであれば、最も戦場を問わず働けるのはビームライフル装備の機体だろう。 こちらは高火力を活かし、なるべく安全な位置から前衛機を高火力のカットで支援しよう。コロニー内はレーダーが混乱を招きやすく、立ち回りの難度は高いが、うまく立ち回れば効果的にコロニーを制圧することができる。 また、主戦場が外に移動したとき、最も活躍するのが本カテゴリである。外に敵タンクが展開した場合は、射撃機が率先して抑えにいこう。 遠距離 自軍に格が多く尚且つ腕が立つ場合は、コロニー残骸4Fをダッシュで目指すこと推奨。スロープ到達までの時間はこちらが短く有利。しかしその場合もスロープ上りきってα入り口から入らずに、左の壁沿いに飛び南の窓(3、4F中間?)で待機し、中の様子を見ること。中盤以降、1Fは除くコロニー内の過疎率が高いため、色んな形でのセカンドアタック時には覗こう。 コロニー残骸3Fに敵の数が多すぎるとき、自軍に格が少ないときは、外(右スロープ)から回り込みトンネル抜けて(抜けなくてもいい)、敵拠点北東から拠点を狙うのも選択肢。 敵の復活ポイントが前と後ろにあるが、敵が前から来たらトンネル内に戻り真ん中の出口からアーチ上に飛ぼう。そこから拠点を狙いながら拠点に近づき、最初の砲撃地点のトンネル出入り口西を目指す。途中は拠点との距離が近すぎる為当たらないので、弾を撃ちきり移動に集中すること。 敵が後ろから来た場合は、逆に前に出て上記の逆に回りながら拠点を撃とう。 コロニー外で、右側から赤ロックして拠点攻撃するには高射角にする必要があり、時間がかかり敵の攻撃を防ぐのが困難なため、この場所は残り数発をあてる目的以外は推奨しない。 焼夷弾を選択した場合、コロニー内にてわざと壁に当てる事により、近くの敵を燃やす事も可能。 狙撃 旧スナアンチの場合、 アーチ上からの砲撃には拠点の左右に移動して対応。 2階からの敵タンクの砲撃は、アーチ上の岩はいつまでも隠れとおせるほど大きくは無い。 新スナでのアンチの場合、最初はスタート地点であるアーチ上の岩の上から狙うと、橋を使いコロニー内に入ってきた敵を狙う事ができる。拠点の右3連砲の上も射撃しやすい。 敵にタンクがいる場合は、アーチ上より拠点の上から狙うほうが上下の修正をする必要が少ない。 拠点攻撃の時はどの階からも狙えるが、3階から狙うのがお勧め。 2階からも、アーチの下と拠点の丘の隙間に見えるダブテの足を狭いながら撃つ事ができる。アンチ砂対策に有効・階段の前が目印。 タンク拠点砲撃地点 4階の砲撃地点。バンジー台を利用してアーチ上スナイパーの射線を塞ぐ。左にある柱の後ろ付近に、ジムキャノン最大射角で当たるノーロックポイントあり。ガンタンクだと要練習。拠点赤ロック後に左後ろに下がりスロープ少し降りることで前からは無敵のブラインドショット可能。場所を覚えた場合はもう最初から赤ロックしに行かずスロープ上りきらずにノーロックで時間短縮、ただし後ろが怖い。射角調整は難易度[中]。シンボルチャットの中央の三角"▼"の上縁から枠の上縁"-"の間で命中する。 3階の開いた場所では右側はロック撃ちや、4Fから落下・すべりこんで発射できる。連邦側は開幕右側からふわふわで侵入すると、最速でロック撃ちできる。左側ではノーロックで狙うこともできる。 2階の開けた場所も同様に撃てるが(ロック撃ち不可)、敵が1階からジャンプして到達するので注意。 コロニーを迂回してアーチ前。落ち戻りが来たら死亡確定。アーチをくぐって前出すぎると弾が飛び越えてしまう。 アーチ真上。4階からフワジャンで落ちる。アンチが来るのにも迂回ルートしか知らないと時間がかかるため、到達できればかなり撃てる。 右手トンネル出口。出口からロックして下がる。「回りこむ!」で意図がわかってもらえるかどうかだが、敵が来た方向とは逆に逃げながら、トンネル西口→中口→アーチ上→敵拠点前→トンネル西口(逆も)とぐるぐる回りながら拠点を落とそう。 右スロープからの回り込みルート、トンネル入らず左の崖ギリギリ(北トンネルの東口の南)からノーロック、赤ロックは要検証。敵のリスタ地点が近いが、護衛有りならここ推奨。早くから撃ち始められる分、敵も気づきやすく、到達しやすい。 敵が集まってきたら下に下りて、赤ロックして落ち覚悟で一発でも多く入れる(カオスシフト)か、味方を信頼してトンネル通過して(西口⇔アーチ⇔中口)グルグルするかいい判断を期待する。 主な砲撃地点にも情報があります。 おすすめ編成。(あくまでも一例です。参考までに!) 遠・残りALL近格 人数に左右されない定番かつ柔軟な編成、特に全員が単独出撃(通称野良)の時にその柔軟性が活きる。戦術に自信が無い、野良だけどチームとして動き勝利を目指したい時もこの編成に結局行き着く。さらにフルバーストでもこの編成が多い。上官とマッチしてしまった初心者が勝ちたい場合もこれに合わせることが推奨される。 4対4 遠・近・近・格 他のマップと同様の定番編成。敵タンクがコロニー内から抜け出し、格が追いつけなくても近距離が追いつくことでカバーできる。 遠・近・格・格 コロニー内での戦闘を前提とした編成。コロニー内を利用した格闘戦がしやすい。反面敵タンクがコロニーを通り過ぎ拠点に向かって突撃して来た場合、格では追いつくのが困難かつ前線から引き離されることにもなり、柔軟性に欠ける。 8対8 遠、近2+狙or射1、格2or3、近2or3 アンチ側の射狙をどちらか1機にする編成。 2機いることによるポイントの奪い合いを防ぐ。 アンチと護衛の両方が可能な近を増やすことで勝利に貢献しやすい。 遠、近2+狙、射、近2、格 射と狙の連携がとれていることを前提に、拠点落とすタンク護衛に2機、自拠点近くでのアンチ側に5機とする編成。作戦は下記。 護衛を近にし、さらに砲撃は格闘戦の多いコロニー内ではなく敵拠点北東のトンネル出口より行う。さらにアーチに昇ることによりコロニー側1Fにいる敵機の妨害を防ぐことができる。 アンチ側はアーチの上から射による各階コロニー出口へ、近2機は1階と3階での待ち伏せを行う。3階の待ち伏せは南の3.4階窓から。格は2階で待ち伏せる。3機ともコロニー内では射撃による牽制のみ行い、下がることによって広場での戦闘に誘い出す。 対タンクは狙による拠点前またはアーチ上からの狙撃、射はアーチ上、左トンネルから行う。なお敵がダブタンなら分担、1機ならば格闘のできる射が広場に降りて広場の戦闘に参加する。 この策の弱点 敵拠点を落とす前にアンチ側が敵を落としすぎるとタンク側に敵アンチが補充され拠点攻略が困難になる。 敵タンクが気付いて4階で射線の通らない位置からNLする可能性もあり、万全ではない。 敵が様子を見たため誘い出すことができず、さらにタンク側がそれに気づかずに砲撃地点に行った場合、敵に囲まれこれが敗因となることもある。 拠点コストと編成時のコツ コスト一覧表を参照。 MAP戦術コメント ここはMAP に関する使えそうなテク・情報等を述べる場所です。 その他の話題については、各種掲示板でお願いします。 毎回出す奴いるけど、ここでもゲラザクはデフォなのか? -- (名無しさん) 2011-01-21 02 07 59 ↑俺も昨日一回ゲラで出た所、下エリア戻れってチャテロされた… 勝ち確の時点で言われたから、それほどTTでゲラはダメってことなのかと思ったわ。 個人的にはバズ爆発の距離も取りやすいし、壁当ての巻き込みも可能で、コロニー内の乱戦にダメ勝ちできるから、活かせると思うけどな。 -- (名無しさん) 2011-01-21 08 55 59 ↑一発ダウンのザクバズだと、狭いから他に迷惑 が掛かると思いますが、ラーケテンなら格闘との 連携も取りやすいので有りなんじゃないかと。 これは万年Aクラスの戯言です。聞き流す程度で。 -- (名無しさん) 2011-01-21 12 46 01 ↑2 戦術板なんだから、せめてどんな風に立ち回ったかぐらい書いてくんないかな。 乱戦に撃ち込むってことは、味方機を盾にしてるだけだろうから、そりゃあ印象悪いだろう。 -- (名無しさん) 2011-01-21 12 55 19 ↑すまない。味方編成は格2近2射1遠1。 戦術ってか、目的としては3階通路の制圧に来る敵への先制パンチ・制圧援護、その後3、4階で遊撃を考えてゲラ出した。結果敵前衛の体力は削ったが、タンクが四階にシフト。タンク護衛に付いたが、お互いに枚数合わせずタンクの殲滅戦へ。落ちた後も枚数揃わないから、タンク護衛に再度着いたが、枚数劣勢で2回目の落ち。勝ったけど、互いに拠点ギリで落とせず。正直後半は射の立ち回りではなかったね。タンクもすまない。 ま、この戦いでは撃ち込み中心の立ち回りは出来てないけど、限定空間での広範囲大ダメ攻撃の可能性を感じる一戦ではあったということで。実際、連邦蛇が三階に常駐してた時はしてやられたし。 因みにチャテロの主はアンチ組だった。 -- (名無しさん) 2011-01-21 16 02 33 ゲラのザクバズは強力だし↑のような運用も可能だが、そもそも「この狭いステージで射出すな!!」と考えている前衛がいたら出すべきではない。 いくらダメージソースとして一発は高いとはいえ、格のひと噛みにはおとる。要するにダメージソースは格に任せて、そのサポートと考えるともっと楽に勝ちに行けるでは? さらに近寄られると下がらざる得ない状況が多く生まれるはずだから、コロニーから簡単に落とされる。 射ならゲル、ゲルGとかで射速とクラを生かしたカットを中心に立ちまわってもらえるといいのでは? -- (名無しさん) 2011-01-21 19 13 16 TTの場合、3階をゲラバズで制圧にいっても、外回られたら脅威にならないし、無敵時間で詰め寄られるのがおち。 それならば1F抜けタンを装って敵を拠点側に釣りつつ動いた方が味方に枚数有利プレゼント出来るんじゃ? 回復戻りの連中に追い打ちかけたり、アーチ前でバズ爆発させてる方が相手削れる気もする。 ↑2みたいなのは、逆にデジムRCで敵がやってくるのを見る事もあるけど、結局つめちゃえば怖くないしなあ。 てか、蛇こそゲラで狩らないとダメでしょ。威力高いとはいえ、ゲラの様な範囲攻撃出来ないんだから、其処をつく立ち回りすれば簡単だよ。 その間に味方機が蛇との距離詰めちゃえば無敵時間云々どころじゃなくなる筈だからね。 そしてゲラを活かすのは、実のところ結局はクラ、と言ってみる。 -- (名無しさん) 2011-01-21 19 53 06 ここでゲラザクのザクバス&クラ装備は中々いける。開始直後に敵スロープ側に射って、それから3.5回に射つ。これでだいたい200Pは越える(ポイントのことを言いたいんじゃなくて、それだけ開始直後にダメ与えられるって話)。そっからは臨機応変に。俺はアンチで味方が責めあぐねて4階上がれないとこにバズ射ってアンチを4階に到達させたら、建物の外にいる敵(たいてい一機はいるから)の相手をしてる格や近と入れ替わったりした。 真価は残り60秒で敵が撤退ないし攻め込んできて拠点の入り口付近で乱闘する時。置きバズが当たること当たること。逆転も余裕でした。 あくまでも、ゲラザクを出した時の使用例だから、ゲラザク出さなきゃいい話、って言うのはなしな。 -- (名無しさん) 2011-01-21 20 17 21 ↑3 カット性能なら確かにゲル系に負けるかも… その場合はコスパでゲルGかな? ↑2 張り付けばかなり抑えられるけど、狭いからすぐにカット来る。指摘された様にうまく抑え込むにはある程度分かってる味方引けなきゃキツいと思うけどな〜。 野良だと低コ近格ではじめ抑えに行ってくれても、落ちたら何事もなかった様に敵タンク粘着とかざらだしw 野良では目には目をで火力勝負もやむ無しの時も往々にしてあるかな、と諦観気味に言ってみる。 -- (名無しさん) 2011-01-21 21 38 14 みんなゲラ論ありがとう。 安いし、ダメソになるしって事で・・・まぁ昇格したくてポイント欲しさに下手なタンク出されるよりいいかなとは思う。 個人的にはデフォになりつつある事に抵抗があるけど、TTですら頻出するのは事実なので、射カテゴリを超えた「すごく使える子」って事で認識を改めることにするよ。 だけどな!!・・・出すのは66以上でな!! ステージ違いでなんだが、今日のオデッサ制圧44ですら牽制もなくゲラが毎回出る状態だった。 44だぞ!! よ ん よ ん!! 編成で牽制しなかった俺が悪かった。戦闘中にボイチャで教えてあげなかった俺が悪かった。ほんとにスマン。・・・おかげで常に枚数不利だし連撃カット上等だし・・・あぁぁ(涙) 結局6戦して1回も勝てなかった(TT) 44で同じような編成したらちゃんと編成では牽制して、それでも出すなら「〇番機」「下エリア」「了解」って教えてあげるね。 約束だぞっ♪ -- (名無しさん) 2011-01-21 21 49 12 今回のバージョンアップで、焦や鮭でないとダメ的な神話が崩壊した事で少し、ジオンは機体選択に幅が出来たと思うんだ。だからこそ改めて、色々な機体試して有効な活用法を見つけていこうじゃないか。ある種の閉塞感がなくなったのは、イイコトだと思う。 ↑トリントンの様な狭い戦場ならともかくも、オデッサのよーな広い場所でこそ、ゲラが枚数不利を受け持ってくれないと辛いよなあ(苦笑)。青5辺りで足を活かして、戦場も固定しないよーに工夫しないと味方が泣けるよな。 -- (名無しさん) 2011-01-21 23 01 00 まぁ、次のアプデまでだろうからそれまではゲラザクに花を持たせてあげようぜ! 鮭は目もあてられないけど、焦はやっぱデフォだろ -- (名無しさん) 2011-01-21 23 14 41 右側コロニー破片の裏から撃っているザメルをリプレイで見ました。敵側のリスタが近いけど戦術次第では活用できるのかな? -- (名無しさん) 2011-03-16 03 56 13 護衛の腕次第でしょうなー -- (名無しさん) 2012-12-18 23 47 41 名前 コメント すべてのコメントを見る
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「これは…!」 江戸川コナンは、自身に与えられた肉体のプロフィールを見ていた。 そこに書いてあるのは、ベロニカと呼ばれる少女の情報。 一通り目を通したコナンは、二つの驚きに見舞われた。 まず一つは、このベロニカという少女が、自分とは全く違う世界の住人だということ。 そこに書かれているのは魔法使いとして、僧侶である妹と共に、勇者と呼ばれる少年と共に旅をしたことが書かれていて。 とても自分たちの住む世界の話とは思えず、まるでゲームの世界の話のようだった。 (この情報は…信じていいものなのか?どう見ても、創作としか思えないが…) しかし彼、コナンは探偵である。 探偵に思い込みは禁物だ。 完全に信じる気もないが、有り得ないと切り捨てるのもよくない。 そもそもこの殺し合いという舞台自体が、他の人間の肉体に精神が宿っているという状況そのものが、既に常識からかけ離れているのだ。 勇者とか魔法とか、そういうものが存在する可能性も視野に入れておくべきだろう。 「とりあえず、このプロフィールに書いてあるベロニカが使える魔法と詠唱文…これを試してみたいとこだが…」 しかし、プロフィールを見てコナンは、もう一つ気になることがあった。 それは、このベロニカという少女が、元々はこんな子供ではなく、もっと大人な姿だったということだ。 そう、高校生工藤新一から小学生江戸川コナンになった自分と同じく。 魔物に魔力を吸い取られて、という経緯はやはり眉唾物だが、しかし今はそこが問題ではなくて。 このような経緯を持つ少女に、自分の精神を入れたということだ。 (間違いねえ…この殺し合いゲームの奴らは、俺が薬で身体が縮んじまったことを知ってやがる) 自分と同じく子供の姿に退化した経緯を持つ少女。 肉体として選ばれたのは、明らかに意図的なものだ。 奴らは、自分の正体を知っている。 (こんな殺し合いなんてふざけたことを企画する奴に俺の正体が知られた…最悪じゃねえか) 自分の肉体がどうなっているのかもわからない。 先行きは非常に不透明、いや、かなりグレーであると言っていい。 「だからって…負けるかよ」 不敵な表情に少しばかりの怒りを込めて、コナンは呟く。 奴らは、人の命を、身体を、おもちゃのように弄び、蹂躙した。 到底許せることではない。 探偵として、この事件を解決し、奴らを捕らえる。 それが、今のコナンがやるべきことだ。 「とりあえず、このプロフィールにある魔法って奴を試してみるか」 コナンは、一番上にある【メラ】と呼ばれる呪文に挑戦してみることにした。 書いてある詠唱文を唱え、右手を突き出し、 「メラ!」 魔法の名前を、叫ぶ。 が、何も起こらなかった。 「やっぱ魔法なんて、ガセ情報だったか?それとも、やり方がまずいのか?」 ちょっと気取ってそれっぽくポーズまで取って何も起きなかったことに気恥ずかしさを感じつつ、どうしたもんかと考えていると、 「あー!私の身体!?」 背後からの声に、振り向く。 そこにいたのは、茶色の髪に緑の瞳。 ピンクのワンピースに赤いカーディガンを羽織った美しい少女だった。 その肉体の人物の名はエアリス・ゲインズブール。 そしてその中身の精神は…今コナンが纏っている肉体の人物、ベロニカその人であった。 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 「お姉さんが、この身体の持ち主の…ベロニカさん?」 「ベロニカ、でいいわよ。はあ、それにしても…自分の肉体をこんな早く見つけるなんて、幸運と思うべきなのか、肉体まで参加させられてる不運を嘆くべきなのか…微妙なところね」 そういってベロニカは溜息をつく。 とりあえずコナンは、気になっていたことを聞いてみることにした。 口調は…主催連中にも正体ばれてるし、相手はおそらくは異世界の人間。 今更コナンの演技をする必要はないだろう。 おおっぴらに正体を喧伝する気もないが、工藤新一としての喋りでいかせてもらおう。 「なあベロニカ、この身体、魔法ってやつが使えるらしいが、本当なのか?さっきメラって魔法を唱えてみたけど、何にも起きなかったんだが」 「ええ、私こそ偉大なる大魔法使い、ベロニカ様よ!その口ぶりだと…あなた魔法について全然知らないでしょう?」 「そりゃあ、まあ」 「魔法ってのはただ詠唱文唱えるだけで発動できるほど簡単なものじゃないのよ。それが本当に私の肉体なら体内に魔力は蓄積されてるだろうけど…魔力を外に放出するにもコツがいるの」 「それって俺でも出来るのか?」 「まああんたのセンス次第ではあるけど…任せなさい!将来は、魔法を教える先生になるのが夢なんだから!あなたを、立派な魔法使いにしてあげるわ」 「分かった、頼んだぜベロニカ」 「…ただ、その前に、それ見せてほしいんだけど」 そういってベロニカは、コナンが持っているタブレットを指さした。 「それ、私のプロフィールが載ってるんでしょう?変なことが書いてないか確認する」 そういってコナンからタブレットを奪い取ったベロニカは、自分のプロフィールを読む。 そして数分後、その表情は恐ろしいものをみたかのように固まっていた。 「どうしたんだ、ベロニカ」 「…なんなのこれ」 「…何か気になることでも書いてあったのか?」 「ありまくりよ!」 コナンは横からベロニカのプロフィールをのぞく。 そこに書いてあるのは、魔法使いとして勇者と共に旅をしたということが書かれている。 本人が魔法を使えると明言したこともあり、ここに書かれてあることは真実だろうと思っていたのだが、どこかに虚偽情報でも混ざっていたのか? 「このプロフィールには、私がみんなと…仲間と共に、魔王や邪神を倒して世界に平和をもたらしたってあるけど…ありえないのよ」 「ありえない?」 「ええ、だって私は…」 「私は…旅の途中で死んだはずなんだもの」 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [身体]:ベロニカ@ドラゴンクエストⅪ [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況]基本方針:殺し合いを止めて主催陣営を捕らえる。 1:ベロニカの話を聞いてみる。 2:ベロニカから魔法の使い方を教わる。 [備考] ※主催陣営に自分の正体はばれていると考えています。 ※肉体のベロニカは時渡り後、真ED後のものです。 【ベロニカ@ドラゴンクエストⅪ】 [身体]:エアリス・ゲインズブール@ファイナルファンタジーⅦ [状態]:健康、動揺 [装備]:マテリア「ほのお」@ファイナルファンタジーⅦ [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況]基本方針:殺し合いをする気はない 1:私は死んだはずなのに…この私は…何? 2:コナンに魔法の使い方を教える。 [備考] ※参戦時期は時渡り前の世界線、死亡後です。 【マテリア「ほのお」@ファイナルファンタジーⅦ】 その名の通り炎の魔法を使えるようになるアイテム。 APはMASTERまで成長済みで、「ファイア」「ファイラ」「ファイガ」が使える。 34 真のエンディングに向けて 投下順に読む 36 悪魔に宿る影
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登録日:2015/04/06 (月) 18 48 41 更新日:2023/05/24 Wed 11 45 57NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 アメリカ アメリカ海軍 サウスダコタ 戦艦 条約型戦艦 軍事 軍艦 1938年。アメリカ合衆国は、止まることを知らない仮想敵国のワシントン条約脱退に対し、 第二次ヴィンソン案を推進。アメリカ中の英知を海軍工廠に集め、 対16インチ砲用対応型戦艦の開発に着手した。 まず、16インチ砲搭載艦「ノースカロライナ級戦艦」を試作。 だがノースカロライナは、優れた攻撃力に比べ、防御力に大きな課題を残し、 より強力な戦艦の開発に迫られたアメリカは、 ノースカロライナから防御力を引き上げ、攻撃力と防御力の両立を徹底的に解明、分析。 更に、これまで考案された幾多の戦艦、その技術と経験を生かして、 今ここに、史上最強最高の16インチ砲搭載艦を誕生させようとしていた――― 霧島 VS サウスダコタ サウスダコタ級戦艦(South Dakota Class BattleShip)とは、アメリカ合衆国が建造、保持している戦艦である。 名称の由来はアメリカ40番目の州「サウスダコタ州」から。 実際に竣工した戦艦で「サウスダコタ」を名乗るのは本級が最初だが、実際はペンシルベニア級装甲巡洋艦の6番艦や建造中止となった前サウスダコタ級から受け継いだ物である。 即ち本級は三代目サウスダコタとなる。 性能諸元 計画排水量:35,000t 基準排水量:37,970t 満載排水量:44,374t 全長:207.26m 全幅: 32.97m 吃水: 11.02m 機関:バブコック&ウィルコックス式重油専焼水管缶 8基(サウスダコタ&マサチューセッツ) ゼネラル・エレクトリック式ギヤード・タービン 4基4軸推進(同上) フォスター・ホイーラー式重油専焼水管缶 8基(インディアナ&アラバマ) ウェスティングハウス式ギヤード・タービン 4基4軸推進(同上) 最大出力:130,000hp 最大速力:27.8kt(通常時) 航続距離:15kt/17,000海里 乗員:2,364名 兵装:Mk.6 40.6cm(45口径)3連装砲 3基 Mk.12 12.7cm(38口径)連装砲 8~10基 40mm(56口径)4連装機関砲 12~18基 20mm(70口径)機関砲 69~72門 カタパルト 2基 クレーン 1基 水上機 3機 各種レーダー 装甲:(対16インチMARK5砲 16200~28300m) 舷側:310mm+22mm(19°傾斜) 甲板中央線:主甲板STS38mm 二段127mm+STS19mm 舷側甲板:主甲板STS38mm 二段135mm+STS19mm 主砲防盾:457mm 主砲座:439mm 司令塔:406mm 前級:ノースカロライナ級戦艦 次級:アイオワ級戦艦 建造までの経緯 時は遡って1935年。第二次ロンドン海軍軍縮会議の開催を翌年に控え、イギリスは現状維持を望み、アメリカもまたそれに同意していた。 が、急速に勢力を拡大していた極東の島国は違った。 日「なんだぁ…ワシントン条約だぁ…いったい誰の為の条約だよてめ―――っ!! 」 英「」 日本、ついでにイタリアの条約破棄を以てエスカレーター条項が発動で16インチ(40.6cm)砲の搭載が認められ、慌てふためく英国を尻目にアメリカは建造予定のノースカロライナ級戦艦の主砲を14インチ(35.6cm)4連装砲3基12門から16インチ3連装砲3基9門へと設計変更することで対処した。 だが、アメリカの脳裏に一抹の不安がよぎった。 条約を抜けた以上、日本も16インチ砲を積んでくるのではないか、と。(*1) ノースカロライナ級は元々14インチ砲対応の戦艦、主砲と違って船体の方は今更変更出来ない。 無論、14インチ砲対応の防御力では16インチ砲など耐えられる筈もない。 イギリスならここでいらん発想画期的な発想で乗り切るところだが、こいつらは世界最大の新興大国アメリカ、強大な工業力を武器に他国が真似出来ない行動に出た。 そう、「なら新しく造ればいいじゃないか」ということである。 かくしてアメリカは新たな戦艦、後のサウスダコタ級戦艦の設計に乗り出したのであった。 設計と特徴 上記で言ったように、本級は基本的にはノースカロライナ級の防御力を強化した発展強化型である。 艦上構造物の小型化や被弾面積、重防御区画を減少する為に船体を前後に短縮した結果、全長約207mと重巡洋艦クラスと同等かやや大きい程度に収まった。 だが、船体を短くした為に比較的太くなったので速力を発揮し難くなり、艦首の浮力が低下した為に凌波性は低下した。 そしてなにより、居住性は投げ捨てられた。日本もやってたし仕方ないね。 攻撃力 主砲は前級から引き続き、Mk.6 45口径16インチ3連装砲、高角砲にMk.12 38口径5インチ連装砲と、攻撃面ではノースカロライナと殆ど変らない。 砲弾に、標準的な重量の二割増しのスーパーヘビーシェルを採用し、破壊力を増している。 艦隊旗艦設備を積んだサウスダコタのみMk.12 38口径5インチ連装砲が2基少なくなっているが、まあ誤差の範疇だろう。 対空兵装に関してもボフォース社40mm4連装機関砲とエリコン社20mm機関砲の米軍艦の王道コンビ。 圧倒的な対空兵装の数々は南太平洋海戦やマリアナ沖海戦で遺憾なく発揮され、日本側の航空機を次々と撃墜した。 大戦後期になると対カミカゼ用に艦首にも40mm4連装機関砲が追加されたが、これが原因で凌波性が更に悪化、荒天での操艦が困難になっている。 防御力 先程も述べたように、本級が建造されたのは16インチ砲防御に対応する為である。 その肝となる防御は切り詰めた船体に徹底した集中防御方式で、傾斜装甲を上下二層に分けて配置した。 そのおかげで長門型などの従来型16インチ砲に対しては、非常に広い安全距離を誇る。 その一方でSHSを採用した自艦主砲に対しては安全距離が小さくなってしまう。(18000m~24000m程に短縮されてしまう) これは、本級の設計時にはまだワシントン海軍軍縮条約が生きていた為に排水量が制限され、 また、パナマ運河通行の為に船幅を33m以内に抑えなければならなかった為である。 水中防御も前級と同じく三重底に垂直防御同様内装式バルジだが、やはり船体を切り詰めた為かノースカロライナよりも衝撃吸収力が劣っている。 ノースカロライナが不意の被雷で魚雷への防御が不十分であることが露見したことを考えると、より水中防御で劣るサウスダコタ級はそれ以上に被害が大きくなる可能性は高いと考えられる。 アメリカもこの問題点の対処を行ったものの、応急処置程度の改修しか出来ず、結局問題の解決には至らなかったという。 機関と機動力 先程「速力を発揮し難い」と言ったがそこはアメリカ、そういうものは力技で捻じ伏せた。 機関はサウスダコタとマサチューセッツがノースカロライナと同型を、インディアナとアラバマはフォスター・ホイーラー式重油専焼水管缶とウェスティングハウス式ギヤード・タービンを搭載した。 同型とは言ってもノースカロライナ級に比べて艦幅が広がっている為に機関出力が引き上げられ、最高27.8ktと前級と比べても殆ど低下はなかった。 ただし、大戦後期では対空兵装を増加しまくった都合で満載状態のとき速力26kt台まで低下している。 航続距離も15ktで17,000海里と他国の追随を許さないレベルの長大さ。 同時期の他国の戦艦と比較しても サウスダコタ 15kt/17,000海里 大和 16kt/7,200海里(*2) KGⅤ 16kt/7,000海里 リシュリュー 12kt/10,000海里 ビスマルク 16kt/9,280海里 と跳び抜けていることがわかる。 というかノースカロライナ級以降のアメリ艦はやたらと航続距離が長い。 その他 1番艦サウスダコタには艦隊旗艦設備を、他3隻には戦隊旗艦設備を設けている。 本級から艦橋と一体化した集合煙突を採用している点も見逃せないだろう。 総合 ノースカロライナ級から引き継いだ高速性と攻撃力、そして強化された防御力は高いレベルでバランスが取れていた。 排水量制限が響いて水中防御や安定性への不安は隠しきれないが、その性能はポスト条約型戦艦の傑作と評価も高い。 実際に条約の影響を受けた世界中の有力艦、リシュリューだろうがビスマルクだろうがヴィットリオ・ヴェネトだろうがKGVだろうが長門だろうが、サウスダコタ級に対して優位な攻防力を持つ他国戦艦は存在しない。 ただし「条約の影響を受けた戦艦ならば」である。条約をハナからぶっちぎる気が無いと建造できないバケモノには勝てるわけないだろ!いい加減にしろ! また、船体を切り詰めて集中防御を徹底する設計は仮想敵国の大日本帝国が建造した大和型戦艦と似通っており、戦後にその類 似性に驚いたとか。 ともかく、サウスダコタ級が史実で見せた活躍が本級の持つポテンシャルを証明していると言っても過言ではないだろう。 活躍 就役以降、サウスダコタ級は大西洋と太平洋の両戦線でアメリカ艦隊の主力として大活躍した。 中でもサウスダコタはとマサチューセッツは戦艦同士の砲戦を経験し、それぞれに優秀性を示した。 航空機が発達し、艦隊決戦、ひいては戦艦という存在が過去の物となりつつあった中でこの砲戦を経験したことは、最新鋭のアイオワ級でも経験出来なかった戦艦の誉れであったと言えるだろう。 やがて第二次世界大戦は集結し、サウスダコタも多くの戦艦同様に退役後に解体される運命にあったが、市民達の保存運動によってマサチューセッツとアラバマはその巨体を後世に残すことを許された。 2隻の戦艦は今もアメリカの栄光を人々に語り継いでいる。 同型艦 ◆BB-57 サウスダコタ USS South Dakota 起工:1939年7月5日 進水:1941年6月7日 就役:1942年3月20日 退役:1947年1月31日 除籍:1962年6月1日 1番艦。 名称の由来は上記。 やたらと攻撃に晒されたりエンタープライズに衝突しそうになったことから「艦隊の疫病神」という嬉しくない渾名があった。 当初は太平洋艦隊に所属し、南太平洋海戦や第三次ソロモン海戦に参加する。 特に第三次ソロモン海戦での夜戦はサウスダコタのエピソードとして外すことは出来ないだろう。 この戦いでは第64任務部隊の一員として参加。 11月15日の第二夜戦にてアメリカ側がサウスダコタを含めて戦艦2、駆逐艦4なのに対して日本側が戦艦1、重巡2、軽巡2、駆逐艦9という戦力差があった。 この戦闘でサウスダコタは駆逐艦綾波に致命傷を負わせることに成功したが護衛の駆逐艦が壊滅した挙句に電気系がダウンし、遥かに格下の金剛型戦艦霧島以下 第二艦隊十数隻の一方的な攻撃に晒された。 大破したサウスダコタは結果として第64任務部隊旗艦の戦艦ワシントンの乱入によって窮地を脱した。 散々に撃たれたサウスダコタは上部構造物をメッタメタにされたものの、未だに自力で航行可能な状態だったことからもサウスダコタ級のタフさが窺える。 と、ここまでならよかったのだが… [部分編集] その後、ニューカレドニアのヌーメアに帰還したサウスダコタとワシントンの乗員が歓楽街で乱闘騒ぎを起こして拘留される事件が起こった。 一方的に撃たれていたサウスダコタ側としては救援が遅かったワシントンが見捨てて逃げたという疑念があり、それが噂になっていたことが原因だった。(*3) 更にニューヨークに帰還した際に艦長のトーマス・L・ギャッチ大佐が「サンデー・イブニング・ポスト」の取材に対して「霧島は我々が沈めた。ワシントンとリー提督(第64任務部隊司令官ウィリス・A・リー少将)は逃げた。」と誇張したことで両艦の禍根は更に深まってしまう。 結局、この怨恨は戦後まで続いたという。 修理に帰国してからは大西洋にも派遣され、再び太平洋に戻ってトラック島空襲やマリアナ沖海戦、硫黄島攻略作戦、沖縄上陸作戦に日本本土攻撃と様々な作戦に参加した。 退役後しばらくは保管されたが、1962年6月に解体された。 ◆BB-58 インディアナ USS Indiana 起工:1939年11月20日 進水:1941年11月21日 就役:1942年4月30日 退役:1947年9月11日 除籍:1962年6月1日 2番艦。 名称の由来は米国12番目の州「インディアナ州」。 この名を持つ艦は4隻目。即ちインディアナ4号。 こちらも太平洋艦隊に所属し、南太平洋方面で作戦に従事した。 大戦後期はマリアナ沖海戦、硫黄島攻略作戦、沖縄上陸支援、日本本土砲撃に参加、戦後は予備役となり、やがて解体された。 現在、インディアナのマストはインディアナ大学の記念碑として保存され、その他の遺物もインディアナ州各地の博物館に展示されている。 ◆BB-59 マサチューセッツ USS Massachusetts 起工:1939年7月20日 進水:1941年9月23日 就役:1942年5月12日 退役:1947年3月27日 除籍:1962年6月1日 3番艦。 6番目の州「マサチューセッツ州」が艦名の由来。 七代目。 就役直後は大西洋で活動、カサブランカ沖海戦でフランス戦艦ジャンバールを破り(*4)、駆逐艦や沿岸砲台を叩き潰す大活躍を見せ、フランスとの停戦後は太平洋戦線にやって来た。 太平洋でも日本側の島々への砲撃支援、台湾沖航空戦、レイテ沖海戦の〆となったサマール島沖海戦、硫黄島攻略作戦、沖縄攻撃、日本本土攻撃など縦横無尽に活動した。 なお、1945年8月9日の釜石市への艦砲射撃が太平洋戦争最後の16インチ砲射撃となった。 戦後は予備艦を経て解体される予定だったが、マサチューセッツ州フォールリバー市の戦艦入江に展示され、今に姿を残している。 ◆BB-60 アラバマ USS Alabama 起工:1940年2月1日 進水:1942年2月16日 就役:1942年8月16日 退役:1947年1月9日 除籍:1962年6月1日 4番艦。 名称の由来は22番目の州「アラバマ州」から。 3代目アラバマ。 当初は大西洋艦隊の所属だったが、1944年以降は太平洋戦線に移動。台湾沖航空戦、沖縄戦、日本本土攻撃などに参加した。 戦後は米兵捕虜の移送に従事し、1947年に退役した。 退役後はアラバマ州民の保存運動によりアラバマ州モービル湾で記念艦として保存された。 様々な退役した兵器達と共に、今なおアラバマは「戦艦アラバマ記念公園」にその姿を留めている。 余談だが、1992年の映画『沈黙の戦艦』の撮影に使用された艦はミズーリではなく、外観をミズーリ似に改装したアラバマだったりする。 追記・修正をお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 恐ろしい船だねえ。 -- 名無しさん (2015-04-06 20 34 42) イメージで言うと・・・ロリ巨乳? -- 名無しさん (2015-04-06 20 45 56) 艦娘化するならサウスダコタはイザークみたいな感じで目元に大きな傷跡のある娘で、霧島の眼鏡叩き割って「あの時の意趣返しだ」とやった後財布出して「修理費だ」とかやりそうなイメージが湧いてきた -- 名無しさん (2015-04-07 00 20 30) 最初の方の文章はvsメカゴジラ導入部のパロだね -- 名無しさん (2015-04-07 01 04 17) アメリカ新戦艦の特徴たるSHSの説明は、ノースカロライナが立ったら入れたらいいかな?ちなみに全く実用的ではないが、最大射程近辺の対水平装甲貫徹力は大和型すら上回る。 -- 名無しさん (2015-04-07 01 22 45) トラブルで行動不能になった所に霧島(14インチ砲の割と低火力戦艦だが)含む日本艦隊の集中砲撃を浴びても2ヶ月の修理で済む耐久性は大したものだ -- 名無しさん (2015-05-14 19 43 06) まぁ米自身の戦闘詳報によると霧島の砲弾の半分以上は三式弾だったっぽいしね。徹甲弾の直撃は2~3発しかなかったんで一撃で砲塔が破壊されてるんだから全部徹甲弾だと流石にシャレにならなかったろう -- 名無しさん (2015-11-08 07 09 10) ↑ アメリカに生まれて本当によかったよな 日本に生まれてたら旧式巡洋戦艦上がりに大苦戦した新型戦艦(笑)としてどんだけ叩かれまくってたことか -- 名無しさん (2015-11-21 22 10 06) なお当時から米兵にも疫病神だのなんだの叩かれまくってた模様 -- 名無しさん (2015-11-21 22 44 26) スペックほど使い勝手はよくなく、リー提督もワシントンを好んだ。 -- 名無しさん (2016-03-09 21 04 14) 日本艦が被害受けたエピソードで事実と違う箇所があるとやたらと叩かれるのに「旧式の霧島が米国の新型艦サウスダコタをフルボッコにしてとんずらさせた」っていう曲解をいいところな話がいつまでたっても誇らしい武勇伝みたいに語られるのは何でじゃろ。 -- 名無しさん (2016-04-18 03 32 50) ↑ 戦勝国だから失態話が大きく取り上げられないのに苛立ち持つ人が多いからじゃない 南太平洋海戦の撃墜申告合計しただけとか 人的ミスで電源落ちてとかピンチになるとか日本軍だったら即死に直結するか大批判されるエピソード多いし… -- 名無しさん (2016-04-26 18 25 40) その戦いの戦力比は14VS6で日本圧倒的優勢なのに飛行場防衛任務を成功させた掛け値なしの武勲なんだけどね。 -- 名無しさん (2016-12-13 12 24 53) ↑艦齢30年の旧式巡洋戦艦上がりに新型16インチ戦艦2隻がかりのどこが日本軍圧倒的優勢何ですか? -- 名無しさん (2017-01-20 21 31 17) 桐島を仕留めたワシントンはカーズ様みたいなゲスいキャラが似合いそう。それこそ勝てばよかろうなのだぁ~!的な。だからサウスダコタに嫌われてるとかね -- 名無しさん (2017-01-20 21 41 54) ミスった 霧島だった… -- 名無しさん (2017-01-20 21 42 18) ………別に条約違反犯してるわけでもないのだから勝てばよかろうな思考は当たり前なのでは…?旧式相手だから手加減しろと?たまにこういうの見ると頭が痛くなる。 -- 名無しさん (2017-01-20 23 48 39) 戦艦少女にサウスダコタっていたっけ? -- 名無しさん (2017-01-20 23 56 36) いるよ。攻守のバランスが取れてて、30ノット以上の戦艦だとルート分岐で弾かれてしまうことも度々ある戦艦少女では中々便利な速度の艦。 -- 名無しさん (2017-01-21 00 20 47) なぜ日本14隻VS米6隻で日本圧倒的優勢な海戦なのに1対2で霧島大健闘みたいな大嘘がまかり通ってるんだろうな。ワシントンですら30本もの魚雷を全弾回避してのギリギリの死闘なのに。 -- 名無しさん (2017-01-31 17 36 57) ↑アメリカは最新鋭の16インチ砲戦艦が2隻もいるが日本側は艦齢30年の旧式14インチ巡洋戦艦上がりが1隻のみ。米側はレーダー射撃という新技術もある。どこにも日本が有利な要素なんてない。まあ、魚雷の信管感度調整が裏目に出た問題は反省すべきだな。 -- 名無しさん (2017-01-31 19 41 52) ↑旗艦愛宕以下10隻以上が遊んでたと思ってるの?魚雷が速爆して当たらなかったから戦力には数えないとかいう論理? -- 名無しさん (2017-01-31 20 27 44) ↑だから反省すべきって言ってるだろ。雷撃さえ成功してればワシントンを撃破できて海戦の趨勢も変わってたかもしれない。結果的に雷撃が失敗したことで事実上遊兵になって負けたからな。ただ補助艦艇で優位とは言え、戦艦数では不利な上に大きな能力差があるという事情を考慮すれば圧倒的優勢とは言えないと言ってるだけだ。 -- 名無しさん (2017-01-31 20 47 24) 重巡以下を戦力外にすると、じゃあ第一夜戦で重巡に致命打となる取舵室への一撃を食らった比叡の立場 -- 名無しさん (2017-01-31 20 51 35) ↑↑実際に戦闘に参加して攻撃を失敗した戦力を「遊兵」とは言わん。愛宕、高尾、長良らも砲撃戦にも参加してるしな。 -- 名無しさん (2017-01-31 20 57 22) ↑↑あれは戦場の支配権を確立してない状況でダメコン作業を実施するということがどれだけ大変かといういい例だよね。イントレピッドだって陸攻の魚雷一本で航行不能になってるけどホーネットみたいに反復攻撃を受け続けてたらどんなことになってたかはわかるでしょ。 -- 名無しさん (2017-01-31 21 18 37) ↑↑じゃあ戦艦戦力では米軍圧倒的優位、補助戦力では日本軍優位だったが、日本側は魚雷の信管感度調整ミスによってそれを十分に活かせず。米側はレーダーとリー少将の手腕でワシントンが鮮やかな奇襲を決めて雌雄を決した。初期の米軍魚雷のように不発を恐れる気持ちは分るけど疑心暗鬼すぎ反省しろ。電子関係の問題はまあ真空管1つ満足に作れないような工業力しか養えなかった自分たちの愚鈍さを呪え。ってことでこの話は締めよう -- 名無しさん (2017-01-31 21 32 08) コメント欄は論争場じゃないからリセット頼むわ -- 名無しさん (2017-02-01 10 01 19) 戦艦対決だけがクローズアップされ続けた結果、サウスダコタには20.3インチ砲弾の方が遥かに多く命中してるとか、ワシントンには何十本もの酸素魚雷が撃ち込まれてそれをかろうじて凌いでの戦いなのを忘れられて「ゲス -- 名無しさん (2017-02-03 23 23 33) 新型戦艦のくせに巡洋艦や駆逐艦の砲撃で致命傷負ってたら失笑ものだしな。つくづく信管感度のミスが惜しまれる。まあこの海戦で日本が完勝していようが大局はなにも変わらないしタフィ3もそうだけど米軍だけじゃなく日本軍も同じぐらい苦しいなかで戦ってるのに向こうは称賛され、こちらは嘲笑というのがいい気分がしない -- 名無しさん (2017-02-04 00 31 16) ぶっちゃけ第三次ソロモン海戦で凄かったのは駆逐艦ながらに獅子奮迅の活躍してサウスダコタの電気系統落とすという戦果を上げた綾波なんだけどねえ……正直霧島との戦艦対決はそこまで見所あるとは思わん。霧島との戦艦対決は綾波のおこぼれでしょ。ついでに、上にワシントンがゲスだとか言われてるけどサウスダコタは助けに戻ってくれたワシントンの戦果横取りした上ワシントンにヘマを擦り付けて散々罵倒してた訳で、実際ゲスなのはどう贔屓目に見てもサウスダコタの方。 -- 名無しさん (2017-08-01 20 46 24) 2↑勝てば官軍負ければ賊軍という言葉がありましてね -- 名無しさん (2019-08-04 23 05 55) 「いっけなーい、遅刻遅刻!新学期早々廊下に立たされたくないもんねー!」ドンッ「ギャアアアアアア」「マハンちゃんっー!?」 サウスダコタポンコツ列伝・第一章「曲がり角は死の香り」 -- 名無しさん (2021-04-21 23 17 22) 名前 コメント
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ローレンス・コーヴィントンをお気に入りに追加 vascript(){{ script type= text/javascript var amzn_wdgt={widget Carousel ;amzn_wdgt.tag= actorswiki-22 ;amzn_wdgt.widgetType= SearchAndAdd ;amzn_wdgt.searchIndex= DVD ;amzn_wdgt.browseNode= 562016 ;amzn_wdgt.width= 600 ;amzn_wdgt.height= 200 ;amzn_wdgt.marketPlace= JP ;amzn_wdgt.keywords= ローレンス・コーヴィントン ; /script script type= text/javascript src= http //wms.assoc-amazon.jp/20070822/JP/js/swfobject_1_5.js /script }} } ローレンス・コーヴィントンのリンク #blogsearch2 ローレンス・コーヴィントンとは ローレンス・コーヴィントンの56%は花崗岩で出来ています。ローレンス・コーヴィントンの31%は不思議で出来ています。ローレンス・コーヴィントンの5%はカテキンで出来ています。ローレンス・コーヴィントンの4%は白い何かで出来ています。ローレンス・コーヴィントンの2%は魂の炎で出来ています。ローレンス・コーヴィントンの2%はミスリルで出来ています。 ローレンス・コーヴィントン@ウィキペディア ローレンス・コーヴィントン ローレンス・コーヴィントンの報道 gnewプラグインエラー「ローレンス・コーヴィントン」は見つからないか、接続エラーです。 冬のソナタ またでるよ 冬のソナタ 韓国KBSノーカット完全版 DVD BOX(初回限定 豪華フォトブックレット&スペシャル特典ディスク付) 本当に長い間、待たせてごめんなさい。「冬のソナタ」韓国KBSノーカット完全版をいよいよお届けします。 映像は韓国KBSのオリジナルそのままに、音楽に関してもユン・ソクホ監督が想いを込めて監修し、一部楽曲を変更しました。初回限定特典にはぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/ユン・ソクホ監督&田中美里の対談スペシャルDVDの他、DVDオリジナルポストカード、シリアルNo付 豪華フォトブックレット(20P)を封入しております。 今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!)に加えて、映像特典の【スペシャル短編集】には、ペ・ヨンジュンのスノーボードシーンの撮影風景も収録しています。 【ここが違う!8つのポイント】 ◆今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!) ◆ファン待望の「ダンシング・クィーン」「白い恋人たち」をついに収録。 ◆日本語吹替を再収録。萩原聖人さん、田中美里さんが担当、その他主要人物もなつかしいあの声で。 ◆本編は日本語字幕に加えて韓国語字幕も収録 ◆一部変更した楽曲をユン・ソクホ監督が想いを込めて監修!(一部BGMはオリジナル版より変更されています) ◆<初回限定特典1>スペシャルDVD:★ぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/★ユン・ソクホ監督&田中美里の対談 ◆<初回限定特典2>豪華フォトブックレット:シリアルNo付(20p) ◆<初回限定特典3>DVDオリジナルポストカード3枚 ローレンス・コーヴィントンのキャッシュ 使い方 サイト名 URL ローレンス・コーヴィントンの掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ ローレンス・コーヴィントン このページについて このページはローレンス・コーヴィントンのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるローレンス・コーヴィントンに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。