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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 第12話 一方通行(4) <絶対能力者進化実験 後日談> 所長:御坂君、お疲れさま。まずは、ミッション・ コンプリートおめでとう。 美琴:デモよりマスコミの報道が多くなりましたが、おおむね想定内でしょう。 所長:まあ、研究所の基金も1兆円単位で増えたし、まずは天井君 以外はめでたしめでたしだな。 で久しぶりに一方通行でも会うかい? 美琴:しばらく冷却期間をおいたほうがいいと思っています。 で実験はどうなります? 所長:妹達の管理は我々が引き継ぐこととなった。 もちろん御坂君にはその必要がないから妹達は殺さない。 あ・・御坂君は知っているかな? 布束君だ。今日からここで働いてもらう。学習記憶装置いわゆる テスタメントの開発責任者で言語学・大脳生理学のプロだ。 妹達の管理をしてもらう。 それと、妹達は調整後全世界の協力機関へ散らばってもらう。 すべて理事長の許可は得ている。安心してくれ。 あそれと、これ辞令ね。 御坂美琴殿、貴殿をプラズマ・応用電磁力研究所 副所長兼主任研究員に 任命する。 所長木原 ** それから常盤台だけど9月末で、卒業していいよ。 もういいだろう。もちろん卒業試験は8月中に受けてね。 常盤台校長には昨日私から連絡しているから。 美琴:では10月以降は、9時から18時勤務 週休2日ですね。 所長:ああ、正式に職員だから。それと、学籍だが、長点上機大学院ということにしてお くから。1月に試験だけ受ければいいから。こっちに専念して。 じゃ。。まずは副所長就任おめでしょう。「御坂美琴」さん 美琴:あ・・「御坂君」でいいですよ。所長 所長:そーかい。いや・・親しきなかにも礼儀ありだ。御坂さんに変えるよ。 美琴:わかりました。所長明日、上条当麻の退院日なので、家まで送ります。 所長:そう明日は1日休みでいいよ。 美琴:いいんですか?研究が? 所長:超能力者だって風邪くらいひくだろう。欠勤届出しときゃいいよ。 美琴:所長ありがとうございます。 美琴は、辞令を鞄に入れ、所長へ深々と90度の最敬礼をした。 そして、所長室の右手でドアハンドルを握り退室した・ そして明日の会う人物の顔を思い描いた。 上条当麻か・・・、 私が介入しなければアンタはどうするつもりだったの? なにもNo Idea で、関係者を「そんな幻想はブチ壊す」て言って ただ右手で壊すつもりだった? でもさ、アンタに救出された妹達の世話なんてできる?猫じゃないのよ? 一万人の人なのよ? 食わせるだけで年間約100億円 衣食住を提供し、居場所を与え、それだけでも、最低年間500億の生計費がいるわ? アンタにそれができる? できないわよね。 仕方ないわね。 あんたはその力に見合う、教育を受けていない。 あんたは、その力に見合う、収入を得ていない。 あんたは、その力に伴う、責任をだれにも追っていない。 つまりね所詮アンタは偽善使いにしかすぎないのよ。それが現実。 アンタの努力は、結局目の前の誰かしか救えない。 アンタはまだ、神様になるには修行が、経験値が決定的に足りないのよ。 上条当麻、私がアンタを変える。 私がアンタを真人間に変えて上げる。 アンタに約束する。 アンタにその圧倒的な力に見合う教養を身に着けさせる。 アンタにその圧倒的な力に見合う収入を与えてあげる。 だから アンタはその圧倒的な力に見合う責任を負わなきゃいけないのよ。 翌日7月25日 午前9時 冥土帰しの医師の病院 美琴:上条さん先日は大変ご迷惑おかけしました。 当麻:あ・御坂さんか・・いや驚いたよ。あんなに簡単に両手切断されてさ・・ 御坂さんて本当強いね。さすが・・1位様だな。俺さ幻想殺しに結構 自信あるんだけど、はあ・・俺の幻想がぶち殺されたな。 なさけねな。 手の事ならいいぞ、いや実験で模擬戦なんだからさ・・ 御坂さんの綺麗な顔に傷をつける可能性もあったわけだし。 それに契約金500万、慰謝料500万もらってんし、まあ手も しっかり治ったのでいいさ。それに正直家計が苦しいので 助かります。 美琴:そうですか・・でも後遺症もなく治って本当よかったです。 当麻:御坂さん、もしよければ、・・また模擬戦に呼んでくれません? なんかあんな惨敗じゃ・・上条さんの小さなプライドはボロボロ なんです。 美琴:そうですか、所長に話はしましょ。ですが。。その前に 上条さんには、片付ける課題があるのでは? 当麻:課題? 美琴:実は私の寮監と上条さんの御担任の月詠先生が知り合いだそうで、 それで、先日月詠先生に今回の実験の件でお詫びに伺いましたところ 開口一番「上条ちゃんには困ったもんなんです」成績は下から数えたほう がいい惨状・出席不足、正直レベル0なんですから、せめてまじめに勉学 だけでもしないと言い訳できません」とおしゃっていました。 それで、「レベル5の御坂ちゃんに、ぜひ上条ちゃんの家庭教師をお願いします」なん て言われてしまいました。 つまり・・来週から上条さんの課題を教えてあげます。 当麻:へ?中学生が高校生の課題? 美琴:・・これは私が先日受けた学園都市大学入試総合模擬試験の結果です。 当麻:えーと御坂美琴、・・604371人中総合1位? 1000点満点で評点999点、平均点495点 偏差値90.3 はあ・・?つまり全部の中・高校生の中で1位て事? は・・容姿端麗・才色兼備・文武両道か ・・でそんな完璧お嬢様が勉強を見てくれる。と。 美琴:そうゆうことです。楽しみにしていただけますか? 当麻:宜しくお願いします。「御坂先生」 美琴:ふふ上条さん「御坂先生」なんて照れますね。 いっそ 「美琴」なんて呼んでいただけません? 当麻:いいんですか?超のつくエリートの御坂先生を美琴なんて呼んで? 美琴:これから夏休みの午前中は一緒なんだから堅苦しいのはなし。美琴と呼んで いただけます?私は「当麻君」と呼びたいので。 当麻:へ・・当麻君、御坂先生 ご冗談を・・ 美琴:当麻君 御坂先生はなしよ ・み・こ・と 美琴と呼んで ・・ダメ? 当麻:ダメ?・・ダメじゃないです。むしろいいです。 美琴:じゃ・・タクシーまたせているから いきましょ。 「当麻君」 当麻:じゃ・・みさ いや美琴いこう。 ふふ・・第一歩を踏み出したわ。 上条当麻・・アンタは私のものになるのよ。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 第03話 上条当麻(3) ああやりすぎたわ・・ あくびを噛み殺しながら、腕を伸ばす。 分解酵素を生体電気で活性化させ急速に 疲労物質を分解する。 まあ・・1週間くらい徹夜してもどうーてことはないしね。 小学時代から無茶は慣れている。 能力をフルに使えば、疲労物質なんてすぐに分解できる。 生体電気を操り、脳科学・生理学を極めた自分にとって、 このくらいは朝めし前だ。 でも無駄に時間を使ってしまったのは事実。 きつい開発・実験に無理は禁物だ。 ああ・・・あ しゃあない1限と2限は保健室で睡眠だな。 もう7時30分か・・朝食はオレンジジュースにしよ。 気になることがあると見境なく調べつくす悪いクセ 危うく徹夜になるとこだった。 「上条当麻」その 人間関係、肉親の個人データ、携帯番号、過去の出来事、 預金残高 調べれば調べるほど、興味深い。 ついつい洗いざらい調べてしまった。 それにしても・・「不幸」なやつね。私はデータを ダウンロードし、急いで登校の準備 をする。 食堂でオレンジジュースだけのみ、7時40分に門を出る。 じゃ・・ちょっくら急ぎますかね。 能力で、筋肉細胞を活性化させ、 磁力を駆使し、近くの20階のマンション屋上まで移動する。 まさにぴょーんと飛び跳ねるという感じだ。 そこから、自分の周辺の空気を電荷させ、磁力線を 学び舎の園の外壁の上空まで張る。 自分を加速させ、1気に約1キロ飛ばす。 ブーンと移動し、丁寧に着地する。約5秒で移動を終える。 ゲートでSUICAのようなIDカードを入れ、バイオメトリックス 認証を行う。 7時45分、常盤台中学へ到着する。 眠気さめたな。。撤回 授業は受けよう。 1限は、日本語 2限 は選択事業の 経営学 3限は体育か PDAの画面を見て時間割を確認する。 日本語は退屈だ。 しょうもない純文学作品なんて、読んでどうするんだ。 夏目漱石?太宰治?村上春樹か田中芳樹でも読めばいいのに。 携帯もない時代の文学を解釈してどうすんだ。 古文や漢文ならまあ・・歴史学としてその分析ツール として理解するのはわかる。 だけど普通の口語日本語は無駄。 文法さえ理解できればあとは無駄な時間だ。 PDAで録音し、自分の脳にテキストデータにして 記憶させる。目をあけつつ、脳だけは睡眠させる。 能力は便利だ。睡眠しつつおきているように偽装できる。 所詮は復習すぎない授業、特に口語日本語は無駄だ。 まあ睡眠学習だよね。実際は。寝不足の今日はありがたい。 中学生で経営学なんて授業があるのは、常盤台くらいだろう。 今日は、LCCの経営戦略なんて内容だったはず。 LCCの価格戦略と大手キャリアとの差別化 これなら多少は聞く意義あるかな。 普通の中学生には夢のような高度な教育。 世界の森羅万象を取り扱い、大学院のような授業。 でもどうせ、私がなんか言って、御坂様と追従される だけなんだろうな。 いつも模範解答を書けと言われ、生徒からさすがわ 御坂さまと呼ばれる日々。 でも、、お世辞でも気分は悪くないかもと思う。 自分にとって日常を取り戻す まさに息抜きの時間。 思ったとおり最後は私の独演会だった。 先生も悪乗りしすぎよ。私に独演会を開かせるなんてさ・・ 体育はフェンシングで汗をかく。正直な話、級友を ケガさせないようにするのが 結構疲れる。体育はリスキーだ、本気を出せば 死者を出しかねない。 小学生のころ砂鉄剣で何十人のスキルアウトと 遊んだ私にとって、お嬢様と のフェンシングなんて児戯にしか思えない。 能力は使わないが、肉体強化系もびっくりな 脅威の身体能力を持つ私にとって ちょっと女のコとじゃれても、相手をケガさせかねない。 怪獣のような自分は、常に自分を隠して暮らさないといけない。 自分の強大な能力が周りに与える影響を、 配慮しながら力をセーブする日々。 ちょっと力を振るうだけで、事故で他人を殺しかねない自分。 常盤台たって結局はその程度なのよね。。 体がなまるわ・・まあ胸を貸すつもりで遊びましょ。 そして、一人で学食を食べる。 21時までは食事はないし、今朝はオレンジジュース しか飲んでいないので しっかり肉食中心に食べる。 そして最後にデザートのフルーツパフェを食べしめる。 13時30分に下校、研究所へ向かう いつもように、磁力を使い、5KMを1分で移動する。 学校は息抜き、研究所はビジネスだが、もう小五以来4年 、所長以下職員は今や家族みたいなものだ。 全員、プラズマ開発を行う同士て感じかな。 めったにあわない両親より、今は所長が父親みたいなものだ。 私も、学校より正直ここが落ち着く。 同一の目標に向かい、共に進む。厳しさの中に愛情を秘めた、 一見飄々としていながら、統括理事会とも渡り合い予算を 獲得するタフネゴシエータ。 自分と職員のためにすべてをささげる中年男。 そんな所長が私は大好きだ。 むろんビジネスである以上、それに伴う対価をいただいている 仕事の厳しさはある。 実験は本当命がけの日もある。 パワードスーツや、戦車との戦闘シーンなんて日常茶飯事だ。 数百体の無人ヘリをプラズマでぶっ飛ばしたこともある。 聞いた話では、学園都市の最新兵器開発は私との対戦が 結構重要なステップとなっているらしい。 所長にいわせれば、対磁力、対質量 対高圧電流、学園都市の兵器は外では考えられないほど洗練 されたそうだ。10年は開発を進んだとか。 その功績なくして1位の称号はないと。 でも・・それさえも欲求不満は消えない。 思い切りプラズマ・キャノンをぶっ放せば、この町が、日本が消滅 する以上結局は、力をセーブするしかない。 プラズマ・キャノンか・・ 実際にはオーストラリア沖のインド洋上の航空母艦で 1発撃っただけだ。 標的のICBMと、SLBM、ステルス戦闘機をすべて破壊した。 小六の冬休みのあの1回だけ・・ まああんなものこの町で打つわけにはいかないわよね。 でも・・ 私の頭に上条当麻の少し眠そうな顔が浮かぶ。 所長に話そう。幻想殺しのすべてを科学で解明しよう。 ふふふ楽しみだわ・・私の退屈を紛らわせてね。お願いよ。 上条当麻 最大の原石さん 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲 御坂美琴の朝は早い。 時刻は午前五時三十分、まだ誰一人起きてはいないであろう女子寮で1人、身支度を整えていた。 半袖の白いブラウスにサマーセーター、灰色のプリッツスカート、名門常盤台中学の制服である。 肩まである茶色い髪に、愛用しているヘアピンを装着、鉄壁ガードの短パンを履き、よしっ、準備完了! 足音を立てないようにドアへと移動し、隣で眠るルームメイト(変態)を起こさぬようにそっと部屋を後にした。 こんな朝早くからどこへ何をしに行くのかというと、とある学生寮に住むとある幼馴染を起こしに行くためだ。 ―――――――――――――――とある幼馴染の超電磁砲 レールガン ―――――――――――――――― 慣れた手つきで鍵を開け、未だ眠りの中にいる幼馴染の元へと向かう。 薄暗い部屋で寝息だけが聞こえる、よく眠っているようだ。無論、すぐには起こさない、時間はたっぷりとある。 というのは美琴が早起きするのは、この寝顔を見るのが特権であり、日課であり、密かな楽しみだからである。 そうして、今日もじっくりと幼馴染の寝顔を見る。心なしか無防備なその寝顔はニヤついてるようにも見える。 (ニヤニヤしちゃって、どういう夢見てるのかしら?ほんっっっと鈍感で、フラグ体質で、ちょっとは私の気持ちに気 付いてくれてもいいと思うんだけど、バカ当麻!つついちゃえ、えいえい!) 思わず頬をつつくと、うーんと少し顔をしかめ、つんつん攻撃を回避しようと、顔をそむけようとする仕草がたまらない。 (…………ちょっと可愛いかも♪) 美琴はひとしきり寝顔を堪能すると、少々名残惜しいがエプロンを着け台所へと向かう。まさか寝顔を見る為だけに来た のではない。半分はそうなのだが、もう半分は朝食とお弁当を作るためだ。冷蔵庫の中身を確認し、献立をささっと組み立 て調理に取り掛かった。 トントントントンと子気味良い音がする。 しばらくすると美味しそうな匂いが漂い、とある幼馴染こと上条当麻の意識は急速に覚醒へと向かう。 目を開けると、ちょうど朝食を運ぶ美琴と目が合った。 「あっ、起きた?おはよっ!」 「お、おう…おはよう」 目が合った事に気恥ずかしさを覚えたが、対する美琴の方は、特に気にすることもなく朝食の準備をしているので、何故だか 負けてしまったような気がしてならない当麻だったが、そんな気持ちを誤魔化そうと、リモコンを手に取りテレビの電源を入れる。 流れるニュースをBGMに気持ちを切り替え、顔を洗いに洗面台に向かう。ちらっと美琴の方を見ると、朝食の準備は終わったよう でお弁当の盛り付けに入っている。毎朝の当たり前の光景なのだが、いい加減ひとり立ちしなければとも思う。 美琴のいる女子寮はそれはもう規則が厳しいとのことであり、朝早くから抜け出してここに来ることがそもそもダメではないのだ ろうかと言ってみたことがあるのだが、本人曰く刀夜さんと詩菜さんに面倒を任せられてる手前、アンタに何かあったら困るというこ とで暖簾に腕押し、柳に風といった具合で全く聞き入れてもらえず慣性の法則のごとくずるずると続き今日に至る。 「はぁ…なんだかなぁ」 「どうしたの?」 「いや、なんでもありません」 「そ、ほらちゃっちゃと食べて、ご飯冷めちゃうでしょ」 へいへーいと生返事をし、朝食に手を付ける。勿論、いただきますと食べる前に言うのは忘れない。 ちなみに今日の献立は、キャベツと卵を炒めたものと大根の味噌汁、晩御飯の残り物の肉じゃがである。 「ご飯おかわりいる?」 「おう、頼む」 はい、と美琴からご飯をよそった茶碗が渡され、受け取るときにたまたま指先が触れ合う。 妙に意識してしまい、心拍数は一気に跳ね上がる。それを打ち消すかのように慌てて大根の味噌汁を飲み干し、気持ちを落ち着ける。 ほんのささいな接触なのだが、上条当麻にとって美琴という存在は幼馴染以上恋人未満であり、異性であり、気になる相手であり、と にかく健全な男子高校生としては、その一挙一動に悶々としてしようがないのである。 (ぐぁぁぁあ、落ち着け落ち着くんだ落ち着くんですよ俺の心臓ーーーーー) そんな思春期特有の複雑な心境をしってかしらずか、美琴はテレビに目を向けていて、最近騒がれている爆弾魔事件をみて物騒な 世の中ね~とつぶやいているのだから、なんだか自分だけ振り回されているような気がしてならない。いや、確実に振り回されてるのだ が、そう思いたくない葛藤というのか、プライドというのかそういうものが含まれてたりするのだ。 「ごちそうさまでした」 「はい、お粗末さまでした」 食べ終わった食器を流し台へと運ぶ、作るのは美琴の役目で、洗い物は当麻がするという暗黙のルールがある。 しばらくゆったりとした時間が訪れ、時折カチャカチャと洗い物の音が聞こえてくる。特に面白いニュースもないので美琴はテレビの電源を 切り、ちらっと時計を見る、そろそろ寮に戻らないとまずい時間なのだがもう少しだけここにいたい。当麻と共有する時間が長くなればと思う。 いつまでも幼馴染以上恋人未満で満足できるわけではない。むしろ想いは募る一方で、素直になれない自分に自己嫌悪することもしば しば、けれど今の状態から一歩踏み出す勇気がないのも確かだ。付き合いが長いだけに、越えられない壁というものが出来てしまったとい うか存在するわけで、その壁をぶち壊してくれるような幼馴染では無いから苦労するのである。 (ここで帰りたくないって言えば…って帰れって言われるのがオチよね、はぁ~リアクション一つ起こした ところで、結果が目に見えてると言うのか、バカ当麻には伝わらないのよね、鈍感にも限度ってもんがあると思うわ) さらに言えばフラグ体質で、超がつく鈍感、本人は無自覚すぎるし、その度に相手をけん制し、手を伸ばす方の身にもなってほしいものだ。 無論、そんな乙女な心境をこれっぽちも知るはずもない当の本人は、お前そろそろ戻らないとまずいんじゃねーの?とそっけなく言うのだか ら、ついつい電撃をお見舞いしてしまって、素直になれない気持ちは先延ばし、思っていることと言う事はまるっきり逆になる。 「ちょっ、何を怒ってらっしゃるので美琴さん?おわっ電化製品が死ぬから!ビリビリすとっぷぅう!」 「わかってるわよ、いつ戻ろうが私の勝手でしょ!それで何?早く帰れだなんて、気が利かないにもほどがあるわよー!」 「はぁ?早く帰らないとお前、朝食の時間決まってるんじゃ?それに寮監に見つかるとまずいだろ。 えっ、違う?俺なにか地雷を踏んだ?踏みましたか?踏んだのですね?の三段活用って、ぎゃぁあああ!」 こうして今日も、幼馴染二人の日常は平和に?始まる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「はい、これ当麻の分のお弁当ね」 にこやかな表情でお弁当を渡すこの少女が、数分前に電撃を放っていたのとは同一人物と思えないほどの変わりようである。 非常に理不尽な話だが、電撃をお見舞いしたことですっきりしたらしい。先ほどの剣幕はどこへいったのやら、穏やかだ。 当たられた方は不幸だと思わず口に出そうになるが、口に出すとまた厄介な事になりそうなので口を噤む。口は災いの元なのだ。 寮に慌てて帰って行く美琴を玄関先で見送ると、やれやれといった感じで学生服を手に取る。美琴が帰ってから、服を着替えるのも暗黙の ルールの内の一つである。それもそのはず、上条当麻は一度失敗しているのだ。 かつて一度だけ、美琴がいる前で着替えを始めてしまったことがある。別に全裸になるわけではないし、学ラン、Tシャツ、ズボンと着るだけの 作業。それがダメだったらしい、顔を真っ赤にして、アンタ、なっ何してるのよ!アタシがいるのにちょっとは恥じらいなさいよ!とぎゃぁぁっと騒が れ、その時はまだ意識していたわけでも無く、幼少の頃に風呂にも一緒に入ったことがあるくらいのある意味、裸の付き合い?的なものがあった わけで、当麻からしてみれば肉親や妹に近いそれだったのだが、ああこいつもお年頃なんだなぁ…と再発見。 今思えば御坂美琴という幼馴染を、1人の女の子として見るようになった決定的な出来事だったかもしれない。 しばらく物思いに耽っていると、ピピッとメールの着信音、相手は勿論、美琴だ。内容は、セブンスミストで服を買うから付き合えとのこと。 断ると後が大変なので補習がなければ付き合うと返信し、そろそろ学校へ行きますかね~ってな具合で部屋を後にする。 二人の関係に微妙な変化が訪れるのは、空からふってきた少…もといベランダに干されていた少女と遭遇するところなのだが、それはまた別の機会に話すとしよう。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある幼馴染の超電磁砲
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるファミレスのバカップル 「美琴」 「当麻」 「今日は一段と可愛いぞ」 「そ、そう?いつもと変わらない制服姿なのよ」 「それは……昨日よりも増して今日の美琴を愛してるからさ」 「私も……昨日の当麻より今日の当麻がカッコ良く見えるわ」 「それは……同じ意味なんだろ」 「決まってるじゃない」 「美琴」 「当麻」 「美琴、先に飲まないか?」 「当麻が先に飲んで」 二人の間、テーブルの上には飲み物が入った大きなグラス。それには二本のストローが刺さっていた。 「美琴、譲り合ってもしょうがないよな」 「そうね」 「一緒に飲むか?」 「……わかった」 学生中心のそれこそ友達同士で食事に来るような只のファミレス。そんなところでこれは辞めて欲しい。 店内の空気は二分。甘い空気にコーヒー、それもブラックをコーヒーサーバーに淹れに行く者多数。もう半分は食器をガチャガチャ云わせ唸り声をあげる者、要するに憎悪に取り付かれた者達。 顔がくっつく程に近づけストローをくわえる二人。 壁殴り代行に連絡を取る者も発生。 衆人監視のもと見せつけている。 「美琴、美味しいか?」 「当麻と一緒なら」 ウゼー!と言いたい店員達。 「美琴」 (名前で呼ぶべきなんだよな?) (名前呼ばれた!名前で返さないと!) 「当麻」 「今日は一段と可愛いぞ」 (服装を先ずは誉めるんだよな) 「そ、そう?いつもと変わらない制服姿なのよ」 (アンタ、ナニ言ってるのよ!見慣れてるでしょうが) 「それは(しまった!制服だった!え、えーと)昨日よりも増して今日の美琴を愛してるからさ」 「私も(バッ、云うに事欠いてなんちゅーこと言うのよ!!ゴルァァァ!)昨日の当麻より今日の当麻がカッコ良く見えるわ」 「それは(す、すみません、睨まないで)同じ意味なんだろ」 「決まってるじゃない」 (引き受けるんじゃなかった……し、心臓が) (次、ナニ言えば良いんだ?) 「美琴」 「当麻」 (また名前を呼ぶぅ……) 困った上条の目がテーブルの上に行く。 そこには二本のストローが刺さった大きなグラス。メニューから見つけ、それらしく見せるために注文した。 置いて在るだけでは意味がない。 しかし、 「美琴、先に飲まないか?」 (こんなん頼んじまっても……) 「当麻が先に飲んで」 (できっこないじゃない?) 「美琴、譲り合ってもしょうがないよな」 (覚悟を決めるしかないのか?) 「そうね」 (バカなこと言い出さないでよ?) (肯定の意味だよな?) 「一緒に飲むか?」 「(ギャー、アンタどうすんのよ?どうなるかわかってんでしょうね?ぐぬぬぬぬぬぬ)わかった」 ストローに顔を近づける。 ((ストローが……短い!)) メニューに有っても話の種ぐらいの商品、よほどのバカップルでもない限りオーダーが入ることは無い。故にグラスは用意してあっても専用の長めのストローは構えていなかった。 (御坂の顔が……近すぎ!) (ア、アイツの顔が!ひ、額がくっつく!) 覚悟を決めストローをくわえる二人。 (御坂の唇が目の前、近ッ!うあああああああああああああ) (ア、アイツの髪の毛が触れてる、私の髪にッ!うあああああああああああああ) 衆人監視のもと見せつけている。見せつけなければならなかった。 (ダメだ、耐えられん!) 「美琴、美味しいか?」 ストローから口を離すため、美琴に尋ねる。 「当麻と一緒なら」 (もう、どうとにでもなれ) ((……どうしてこうなった)) 「うにゃー。カミやーん」 「げっ、土御門」 「げっ、とは何ぜよ、げっとは?」 「何となく『エンゼルフォール』の時を思い出しちまったんだよ」 学校からの帰りがけ、上条に声を掛けてきたのは寮の隣人でクラスメートである土御門元春。ついでに言えばイギリス清教は必要悪の教会からの潜入工作員、ばかりでなく多重スパイをやっているらしい。 友人であるも何度か利用され迷惑を蒙っている。 「察しがいいにゃー、カミやんは」 「……またかよ、今度はなんだ? どこへ行けってゆーんだ、ブラジルかアフリカかそれともまたイギリスか?」 「すっかり疑り深くなってオレは悲しいにゃー」 「テメェのせいだテメェの!」 「今回はどこにも行く必要はないぜい」 「ってことは魔術師がまた潜入したのか?」 「ということでも無いんだにゃー」 「はー?」 「学園都市内でお守りってカタチでマジックアイテムが流通してんだにゃー」 「お守り? 学園都市でかよ」 オカルト否定の学園都市、お守りに興味が惹かれる者がいるとも思えなかった。 「普通ならな。そのお守りは聞いて驚け、恋愛成就のお守りぜよ」 「驚かねーよ、って恋愛成就?」 「そうぜよ、乙女が惹かれるにはピッタリだろ」 確かに恋いに焦がれる乙女は手に取ってみたくなるかもしれない。 「それがマジックアイテム?」 「効果は無いんだぜい」 「……無いなら問題ないだろ」 「オリアナの時を覚えてるかにゃ、カミやんは?」 「あっ、吹寄が」 「効果は無いも持ち主が強く願えばなんかの反応をするらしくてな、持ち主は倒れるか、もしくは」 「もしくは?」 「精神を変調させてストーカー化させちまうんだにゃー」 「へっ、ストーカー化?」 「既に刃傷沙汰も起こってるんだにゃー」 「……それで俺はどーすればいいんだ?」 「誰かと付き合ってくれ」 「付き合うってどーゆーこった!?」 「嘘でもいいんだが、普通にデートしたり、キスしたり」 「なっ、ななななななななな」 「舞夏はダメだぞ」 「怖い声出さんでもそんなことしねーよ、理由を言え理由を!」 「理由はにゃー、恋心が破れたら効果が消えるからぜよ」 「余計に判らなくなってきましたよ」 「恋してる相手に恋人ができたら、そのショックで影響が消えるようなんだにゃー」 「それが何で俺なんだ?」 「先ずは安全確保ぜよ、切り札のカミやんには万一に備えて身の安全を確保して置いて欲しいんだにゃー(フラグの数だけ危険があると言っても信用して貰えなかったら意味ないにゃー)」 「そんなの俺には無いだろうけど、そこまで言うなら……嘘でもいいんだな、でも誰に?」 「嘘でもいいがな見せつける必要があるにゃー、じゃないとショックを与えられないにゃー、付き合う相手の条件としてはレベル5クラスの相手を選んで欲しいにゃー」 「はぁ、なんでレベル5?」 「これも万一だぜい、ショックに負けない者が現れたら恋人役も危ないにゃー」 レベル4の学生がマジックアイテムの影響を受けていたら、大概の恋人役は危険を背負うことになる、かなり危ない役割と言える。 しかし、そうなると恋人役はあまりにも限られる。具体的に云うと頼めそうな人物は一人しかいない。 「お願いしても断られたらどーしよ、普通は断るよなー」 どう頼んだら良いものか悩む上条当麻。携帯電話を取り出し、まずは直接会う約束をすることにした。 その頃、常盤台中学の学生寮では 「黒子、どうしたのよっ!?」 「黒子は黒子はお姉様のことがっ」 それだけ聞くと御坂美琴を慕ういつもの白井黒子である。しかしその手には 「黒子、その包丁を降ろしなさい! どこから持って来たのよ!」 「お姉様が黒子のモノになって頂けないのなら、いっそのことこの包丁でお姉様を、黒子も後を追います、一緒に死んで下さいませですの」 「ナニ言ってんのよ黒子、また通販で買った変なクスリを間違えて飲んじゃったの、落ち着きなさい!」 「そして黒子とお姉様の愛は永遠に語り継がれますの。永遠の愛、なんと甘美な響きですの」 「聞いてないっ!?」 もはや、自分の世界に入っている白井に言葉は通じないようだった。 磁力で包丁を奪い取ろうにも、どうやらセラミック製。電撃で痺れさせるのが一番だったが、その前に白井が跳ぶ。11次元を物ともせず空間を跳ぶ。 そして美琴の背後に現れる。 「お姉様ぁぁぁ!」 美琴はその白井の行動パターンに慣れていた。姿が消えた、その時には背後へ電撃をぶちかます。 ドサッと人が床に落ちる音がした。 美琴が背後を振り返ると黒子が黒こげになって気絶していた。 「ちょっと加減間違えたかしら?……でも一体」 普段の白井も変態と云えば変態。しかし此処までの事は無かった。 美琴が考えていると電話が鳴る。 「えっ、アイツから?」 滅多に向こうから掛かってこない相手。 美琴が慌てて電話に出ると、 『その御坂、頼みが有るんだが会ってくれるか』 上条から積極的に頼み事をされることの無い美琴は勇んで上条の元に向かい、 とあるファミレスでバカップルを演じていた。 つづく 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるファミレスのバカップル
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/ログ 23スレ目ログ ____ ________________ 23-014 コスモス(22-047) 全力で貴方たちを倒す! if√ 3 23-024 サッド(22-344) とある底辺と頂点の禁断恋愛 8 最終話 学園都市の崩壊と自覚と救出 23-034 さわわ(22-733) もう一度 23-041 虚無(22-525) 小ネタ 素直になれれば 23-055 23-045氏 小ネタ 23-062 くまのこ(17-598) こぼれ話 1 上条美琴の禁書目録こぼれ話 23-071 ナナ氏(20-146) (無題)3 23-082 虚無(22-525) embrace 23-089 花鳥風月(6-752) 9年越し 23-110 ダニエル(19-956) とある少年の教育実習 4 23-121 サッド(22-344) Parallel World Trips 1 Prologue ノルン三姉妹の末っ子の名前はスクルド 23-134 さわわ(22-733) 小ネタ 学園都市のバカップル 3 愛の重さ 23-148 ・・・(22-517) とある不幸なHappy days 16 御挨拶 第一章 出発 23-153 くまのこ(17-598) とある雑誌の能力占い【フォーチュンテリング】 1 23-160 さわわ(22-733) 小ネタ 予告 23-167 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 1 chapter1 電撃少女と雷様 23-175 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 2 行間 23-178 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 3 chapter2 悩める少女と最高の後輩~best firend~ 23-182 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 4 行間2 23-187 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 5 chapter3 大切な人のために~love~ 23-190 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 6 終章 全てを見通す科学者~wizard~ 23-194 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 7 番外編1 23-202 はりねずみ(23-141) 少年の覚悟と少女の決意 8 番外編2 その手で掴んだもの 23-207 さわわ(22-733) とある乙女の小さな願い 1 プロローグ 乙女の日常 23-212 ・・・(22-517) とある不幸なHappy days 16 御挨拶 第二章 御挨拶 23-217 はりねずみ(23-141) 小ネタ 砂糖よりも甘い空間 23-222 さわわ(22-733) とある乙女の小さな願い 2 1章 乙女の不安 23-231 くまのこ(17-598) とある雑誌の能力占い【フォーチュンテリング】 2 23-241 はりねずみ(23-141) 2人で歩むと決めた未来 23-244 さわわ(22-733) とある乙女の小さな願い 3 2章 乙女の苦悩 23-254 ・・・(22-517) とある不幸なHappy days 17 御挨拶 第三章 帰宅 23-262 さわわ(22-733) とある乙女の小さな願い 4 3章 乙女の決意 23-269 はりねずみ(23-141) 失ってしまった幸せ 1 序章 限りない幸せ~familiar~ 23-278 はりねずみ(23-141) 失ってしまった幸せ 2 第1章 その手から零れた掛け替えがないもの~sacrifice~ 23-280 はりねずみ(23-141) 失ってしまった幸せ 3 第2章 失くした心~despair~ 23-286 さわわ(22-733) とある乙女の小さな願い 5 終章 乙女の真実 23-292 さわわ(22-733) とある乙女の小さな願い 6 エピローグ 乙女の願い 23-297 はりねずみ(23-141) 失ってしまった幸せ 4 行間 23-297 はりねずみ(23-141) 失ってしまった幸せ 5 第3章 絶望の底に差した光~salvare000~ 23-298 はりねずみ(23-141) 失ってしまった幸せ 6 第4章 取り戻した笑顔~friend~ 23-298 はりねずみ(23-141) 失ってしまった幸せ 7 最終章 この手に戻った幸せ~familiar~ 23-303 さわわ(22-733) とある乙女の小さな願い 7 特別編 舞台裏 23-316 はりねずみ(23-141) 小ネタ 甘いシュークリームが2つ 23-321 トワノハテ(23-319) 春、始まり 23-326 コスモス(22-047) 全力で貴方たちを倒す! if√ 4 23-336 はりねずみ(23-141) 小ネタ お内裏様と2人のお雛様 23-340 ・・・(22-517) とある不幸なHappy days 18 とある不幸な遊園地デート《上琴勢力》 23-350 コスモス(22-047) 全力で貴方たちを倒す! if√ 5 23-357 くまのこ(17-598) こぼれ話 2 超電目録こぼれ話 絶対能力進化実験 前編 23-371 トワノハテ(23-319) 春、来たれり 23-386 はりねずみ(23-141) ひらりと桜が舞う頃に 23-399 ・・・(22-517) とある不幸なHappy days 19 とある不幸な Happy end 23-407 はりねずみ(23-141) 小ネタ バカップルの1番の被害者 23-413 さわわ(22-733) 小ネタ 学園都市のバカップル 4 春休みには 23-418 くまのこ(17-598) 小ネタ 店員が好きな人だと得した気分になるよねって話 23-436 ・・・(22-517) 小ネタ よくあるお話 23-439 コスモス(22-047) 全力で貴方たちを倒す! if√ 6 後日談 23-451 JIN(23-443) とある二人の暗部生活 1 序章 消えたアイツ 23-462 コスモス(22-047) 小ネタ とあるバカップルのインサイドプレイ 23-467 くまのこ(17-598) 小ネタ とあるカップルのすごい特訓 23-473 ・・・(22-517) 小ネタ ど根性なのであります!! 23-477 JIN(23-443) とある二人の暗部生活 2 第1章 アイツとアホ毛 23-488 トワノハテ(23-319) バルーンハンター 23-499 ・・・(22-517) 小ネタ 三段活用 23-514 JIN(23-443) とある二人の暗部生活 3 行間 23-533 コスモス(22-047) もし美琴が同棲してたら 23-550 トワノハテ(23-319) バルーンハンター 前日譚 23-559 ・・・(22-517) 小ネタ 劇的!! 23-563 JIN(23-443) とある少女と堕ちた少年 1 序章 悪夢を越えた先にある闇 23-572 23-571氏 (無題) 23-584 JIN(23-443) とある少女と堕ちた少年 2 第1章 別れと仕事 23-592 はりねずみ(23-141) 素直になれない者 23-601 JIN(23-443) とある少女と堕ちた少年 3 第2章 戸惑いと安らぎ 23-628 くまのこ(17-598) Black Message 23-640 ・・・(22-517) 小ネタ デコレーション 23-645 コスモス(22-047) 福引きで変える二人の関係 23-656 トワノハテ(23-319) 振り回される人々 23-676 虚無(22-525) とある二人の掌中之珠 1 23-678 虚無(22-525) とある二人の掌中之珠 2 行間一 23-681 さわわ(22-733) 想いのかたち 23-692 ・・・(22-517) 小ネタ ホワイトデー終了のお知らせ 23-694 トワノハテ(23-319) 小ネタ ホワイトデー終了のお知らせ そして・・・ 23-703 風花(19-114) みこにゃんの日常 ななっ! それは一種の… 23-706 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 1 23-716 つばさ(4-151) 許嫁狂詩曲(ラプソディ) 1 23-730 幻影(23-724) とある二人は反逆者 1 第一部 序章 23-736 幻影(23-724) とある二人は反逆者 2 第1章 ①二人の出会いと別れ 23-741 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 2 23-746 幻影(23-724) とある二人は反逆者 3 第1章 ②家族と絆と… 23-752 つばさ(4-151) 許嫁狂詩曲(ラプソディ) 2 23-774 幻影(23-724) 小ネタ 幸せの代価 23-784 ・・・(22-517) 小ネタ ノーカン 23-792 虚無(22-525) とある二人の掌中之珠 3 23-794 虚無(22-525) とある二人の掌中之珠 4 行間二 23-795 虚無(22-525) とある二人の掌中之珠 5 23-797 虚無(22-525) とある二人の掌中之珠 6 行間三 23-806 幻影(23-724) とある二人は反逆者 4 第1章 ③罪を背負いし者と最後の妹 23-812 さわわ(22-733) 幸せのかたち 23-833 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 3 23-844 くまのこ(17-598) こぼれ話 3 超電目録こぼれ話 絶対能力進化実験 中編 23-862 幻影(23-724) とある二人は反逆者 5 第2章 ①安らぎの時 23-894 くまのこ(17-598) 誰でも簡単! なんちゃって読心能力者 23-902 コスモス(22-047) 占いで幸せになる二人 23-910 ・・・(22-517) 被害者 1 佐天 23-920 さわわ(22-733) いつまでも貴方の側に 23-927 トワノハテ(23-319) とあるファミレスのバカップル 4 23-942 幻影(23-724) とある二人は反逆者 6 第2章 ②科学と魔術 23-956 ナナ氏(20-146) (無題)4 23-972 幻影(23-724) とある二人は反逆者 7 第2章 ③決断と信頼と… 23-980 幻影(23-724) とある二人は反逆者 8 第3章 ①シスターと天草式 23-994 ・・・(22-517) 花見 ▲ 編集 Back
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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/みこにゃんの日常 能力覚醒!ぴんちにぱんちっ 1月のある日 ごぜん10じ 年も明け、すっかり冬モードになったみこにゃん。 こたつでみかんを食べたり、まるくなったりでおうちでの生活を満喫していました。 12がつ30にちにすずにゃん(実家)のもとへ上条さんと帰り、そのまま両親と共に年を越したのです。 ちなみに、つい昨日帰ってきたばっかりです。 さて、現在みこにゃんはテレビにくぎ付け。 見ているのはいつものニャル子さんではなく… 「続いて紹介するのは、なんと超能力で社会貢献をするネコです! 身体検査によって覚醒された能力を使って一体どうやって貢献をしているのでしょうか!? さっそく見てみましょう!」 超能力を持つネコ。 一見不気味なイメージがあり、そんなのあり得ないと信じられない人も多いようですが、学園都市ではこういったことは普通なのです。 能力が覚醒したネコは、研究所か施設に送られることもあり、まさに大事な研究材料になっているそうです。 テレビでは、ある研究所に突入したレポーターが、次々とさまざまな能力を持つネコを紹介していました。 風を操って風力発電したり、水を操って消化活動の訓練に励んだり。 今現在なんの能力も持たないみこにゃんには輝いてみえました。 画面の向こうのネコたちが羨ましくなります。 「にゃー、すごい」 「おー、何見てるんだ?」 そんな興奮気味のみこにゃんを、後ろからひょいっと抱き上げて膝の上に乗せたのは飼い主である上条さん。 番組の特集を見ると、すごいネコもいるんだなーとありきたりな感想を口にしました。 「私もあんな風ににゃりたい!」 「そうか?」 「身体検査受けたい!」 「うーん……と、言われましても…」 上条さんは真剣に悩み始めました。 身体検査(システムスキャン)を受けると、100%の確率で能力が覚醒すると言われています。 もちろん、超能力の資質を持っているネコとそうでないネコがいるので、素質を持っていないネコは身体検査後に「あなたは超能力を使えない」と はっきり言われるそうです。まぁ、80%の確率でどんなネコにも素質があるとどこかの優秀な研究者によって証明されたようですが。 しかし、身体検査には欠点があります。身体検査によって覚醒した能力を持つネコのうち、将来能力のレベルが上がるネコは半分にも満たないそうです。 たとえば発電系だったら、静電気程度の電気が出るだけ…といった具合に、覚醒したが日常で使えないようなイメージです。 しかも裏では「身体検査を受けると寿命が縮む」、「副作用がある」などの嫌な噂が出回っているのも事実です。 仮にみこにゃんが身体検査をして能力が覚醒された場合、研究所か施設に送られて能力の育成を強要されます。 しかもこの期間、ネコによって変わるようです。早くて1か月、長ければ数年もかかるそうです。 その間はもちろん飼い主と過ごすことはできません。(支障をきたす可能性があるとか) それにもし、育成期間で強力な能力になればそのまま研究材料になってしまうかもしれません。 薬品の匂いが立ちこもる狭い空間でご飯もろくに与えられず…なんてことはないでしょうが、今のようなのびのびとした暮らしではなくなってしまうはず。 上条さんはそれを考えた上で、みこにゃんのお願いを断ることにしました。 「うーん、残念だけどそれは聞けないな」 「む!にゃんで!?」 「やっぱり危険な感じするし、それにこれは美鈴さんだって望んでないはずだ。お前は、今のままでいいんだよ」 「むー!」 「それに…研究所に送られたらこわーい白衣の化け物と一緒にせまーい部屋で毎日過ごさないといけないんだぞ」←※嘘です 「にゃっ…ば、ばけもの…」 「ご飯もろくに食べられないみたいだし」←※嘘です 「ま、マシュマロが!」 「嫌なことばっかりだろ?」 「にゃー…た、確かに」 「だから、今のままのみこにゃんで十分なんだよ。俺も変な能力ぶちまけてるネコより、何の変装もないネコの方が好きだぞ」 「にゃー、じゃあ、やめる」 「よしよし、いい子だな」 上条さんにポンポンと頭を撫でられると、みこにゃんは今のままでもいいやと思うようになりました。 いつの間にか、テレビも別の特集をやっていました。 「(それに…身体検査以外でも能力は覚醒することがあるらしいし)」 上条さんはふと美鈴さんに言われたことを思い出しました。 なんでも、「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」らしいのです。 しかもそれによって覚醒した能力は、身体検査よりはるかに上回ることがほとんどで、レベル4(極稀に5)にあたるとも言われています。 自然に能力を覚醒することは極めて珍しく、これが分かったのもつい最近です。 その最初の事例が、川で溺れかけた飼い主が必死になってもがいていると、いきなり水が盛り上がって岸辺に放り出され、見ると自分のネコが 水流を操って川の流れる向きを変えていたんだそうです。 これに似た事例が後からいくつか起こり、研究者たちがたどり着いた結果が「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」とのこと。 「(まぁ、俺はなるべく今のままでいてほしいけど)」 上条さんは、頭を撫でられて気持ちよさそうに目を細めるみこにゃんをみて、そう思うのでした。 すうじつご ごご1じ みこにゃんは上条さんとお買いものにきていました。 いつものスーパーではなく、今日は街に出て大きなスーパヘとやってきました。 ここで1週間分の食料や日用品を買い、公園でひとやすみ。公園にはクレープ屋さんが来ていたので、上条さんがマシュマロ入りのクレープを 買ってくれました。 「んー、おいひーっ!」 はむはむと頬張りながら、みこにゃんは幸せそうな声で言いました。 「はは…もうちょっと安くしてくれると嬉しいんですがね…」 人間よりネコの方が高いクレープ屋ってどうなんだと云々言いながらソフトクリーム(300円)を食べる上条さんでした。 どうじつ ごご3じ 「あれ?ここって工事中だったけ?」 クレープを食べてひとやすみしたみこにゃんたちは、帰りみちで首を傾げました。 公園に寄ったため、行きと帰りで風景が違うのですが、駅までの道のりはあってるはずです。 「この間来たときはこんな工事やってなかったはずだけど…」 なにやら建物の耐震工事を行っているようです。 幸い、通行止めにはなっていないので、遠回りする必要はなさそうです。 「にゃー」 「まいっか、通ろうぜ」 上条さんが歩き始めたそのときです。 真上から叫ぶ声が聞こえました。 「あぶないッッ!!そこの少年、ーッ!!!!」 上条さんが「え?」と上を見上げたとき、 長さ6メートルほどの鉄骨が、垂直落下していて―――…… 「(ま、ずッ……今からじゃ、避けられなッ…!!」」 上条さんが半ばあきらめかけたとき、ふわっと肩が軽くなりました。 見ると、なんと目の前でみこにゃんが飛び出したのです。 そうして、そのまま、 バチイイイイィィィィィッッッッッ!!!!!!!!!! ――――青白い光と共に、電撃を放ちました。 電撃によって速度を落とした鉄骨は、上条さんの目の前にズシリと落ちてきました。 その鉄骨の上に、 「みこにゃんっ!!」 上条さんがと抱きあげると、みこにゃんが「今、わたし…」と不安げな声で上条さんに抱きつきました。 「当麻を助けなきゃって思ったら…突然身体が動いて、それで…」 「バカ…危ないだろ…ッッ!?」 「違うの!大丈夫な気がしたのっ!」 「死んだらどうするんだよッッ!!?」 「そしたら、前髪から電気が出てきたのっ!!」 上条さんがはっとなってみこにゃんの頭に触れました。すると、パキン!!と何かを打ち消す音がしました。 静電気でしょうか。とにかく能力を打ち消したことに変わりはありません。 ということは… 「能力が、覚醒した…?」 どうじつ ごご4じはん 「ふむ…つまり、自然に能力が覚醒したってことだね?」 「はい」 家に帰った後、病院に向かった上条さん。今日はいつもの病院ではなく、有名なカエルに似た医者のいる大きな病院です。 「君が落ちてきた鉄骨の下敷きになるのを守ろうとして覚醒したんだろうね?」 「そんな…けど、アイツは、今までなんの能力も持ってなかったのに…」 「これを見てほしい」 カエル医者が、レポート用紙を上条さんに渡しました。 タイトルは「自然覚醒の条件」。 一通り目を通すと、驚くべき事実がわかりました。 「これでわかったかい?なぜある日突然あの子が能力を発揮したのか」 「はい…」 自然覚醒の条件。それは、飼い主へのなつき度が関係しているのだそうです。 まだ研究段階ですが、これは確実に関係していると書かれています。 飼い主を守りたい、という意識が強ければ強いほど、ピンチになったときに覚醒しやすいそうです。 そのため、いつどこでどんな能力が発揮するか分からないのです。 「そろそろ別室で行っている能力測定数値が来るはずだけど…お、来たようだね?」 やってきた看護婦さんがカエル医者に一枚の紙切れを渡しました。 「おぉ、これはすごいね?」 「なにかあったんですか!?」 「あの子の能力は、レベル5級だそうだよ?」 「れ、レベル5…?それって、一番高いんじゃ…」 「レベル5のネコはまだ2匹しかいないんだ、あの子で3匹めだね?」 と、ここで看護婦さんに連れられてみこにゃんがやってきました。 「にゃー!」 「みこにゃん!」 上条さんを見つけると、飛び乗ってきました。 「痛くなかったか?」 「うん!」 「見た限りじゃとてもなついているようにみえるね?さて、君たちには研究所に行くか行かないかを決めてもらわないとだね?」 「みこにゃん、行きたいか?」 「にゃ、いかにゃい!」 「研究所が強制じゃなくてよかったね?わかった、それじゃあいつもどおりの生活を送るといいね?」 「はい、ありがとうございます!」 「にゃー!」 どうじつ ごご 4じ45ふん 病室を後にして、みこにゃんたちは夕日のさす廊下を歩いていました。 「ねー、当麻」 「ん?」 「私のこと、嫌いになった?」 「いきなりどうしたんだ?」 「前、変な能力使うネコは嫌だって言ってた」 「そんな理由で、嫌いになる訳ないだろ?それになんか電撃使いのネコって、かっこよくないか?」 「ほんとに!?」 「ああ。上条さんはラッキーですよ」 「にゃー、よかった」 電気を自由に操れるようになったみこにゃん。 きっと、他のネコにはできない技もたくさんマスターすることでしょう。 そして、2人の未来も明るく照らしてくれるはずです。 ―ふぃん― 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/みこにゃんの日常
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の告白成就 <第一章> 俺はこの頃、ある夢を見ていた。 どこか見知らぬ町で俺はとある少女と出会い、その少女に一目惚れをし、すぐさま告白をした。 だがその少女はどこか浮かない顔をして、俺の前から消えてしまう。 その後、場面がころころと変わり、最後には少女が俺ではない誰かの手によって連れて行かれてしまうのを見る。 俺は大声を出してソイツの名前を叫んだが、少女には届かなかったらしい。振り向くことさえしてくれなかった。 そして追いかけて行こうとしても、その場所からは一歩も進めず、 物語の終わりには少女のことをすっかり忘れていしまう。 そんな夢を、ここ連続して嫌になる程見ていた上条も、今日に限って眠れない。 (こんな惰弱なままでいいのか、俺っ!明日にはアイツに告白するんだぞ…) ―――そう、夢ではない現実の上条にも思い人がいるのだ。 その少女の名前は御坂美琴。 学園都市における超能力者。それも第三位の『電撃使い(エレクトロマスター)』 肩書きは他にいくらでもあったのだが、共通の目的のためにそれら全てを放り出して、 最後の戦いまでずっと傍にいてくれた。 そんな彼女のことをいつの間にか好きになってしまい、ここのところは彼女に逢うだけで その日どんなことがあっても、幸せな一日であったと思える程である。 そんな上条が今まで告白できなかったのには理由があった。 上条には不幸体質がある。その上、富も地位も学もなく不良高校生のレッテルを貼られている上条が、 何でもできて優秀な美琴のお荷物になることがどうしても我慢できなかったのだ。 そこに追い討ちをかけたのが、今回上条が見ている夢なのである。 (あぁ~~~、くそっ!もう寝る!絶対寝てやる!) 何とか気合いを入れなおした上条はその後、 枕に鼻を押さえつけて、深い眠りにつくことが出来た… _______________________________________________________________________________________________ ________________________________________________________________________________________ _________________________________________________________________________________ (ここは…どこだ……) 気が付くと、俺以外何もない空間へと辿り着いた。 何もない、というよりは辺り一面が銀世界で、数メートル先すら見通せないような場所だった。 しばらく歩いていた上条の目の前に、一人の少女が現れた。 少女は泣いていた。何も残されていない、誰の目にも留まることのないこの空間で… (…ひょっとして、--か?) 上条が知っているその人物には到底見えなかったが、確かに肩を震わせて今もまだ泣いているのは--であった。 呼びかけるのを躊躇っていた上条だが、彼女が誰かの手に引かれるようにして彼の前から消えていくのを見て 思わず叫んだ。 (--!待ってくれ…!俺を、一人にしないでくれ!) 叫んだつもりだったがやはり声にはならかった。 俺の眼に映っていたその世界は大きく揺れ動き、俺は浸食する闇に飲み込まれていった… _________________________________________________________________________________ ________________________________________________________________________________________ _______________________________________________________________________________________________ ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピ… (…5時か) セットしていた携帯のアラームが鳴る。おそらくハワイにいた時の時差の関係で、 いつもよりも早く起きてしまったようだった。 ――最悪の朝が来てしまった。結局寝られたのはおよそ三時間程度であろう。 しかし、いつもの起床時刻よりも随分前に起きてしまった上条は、もう一度夢の中に行くことはできなかった。 午前7時。天気は曇りのち雨。運勢は勿論最悪。 「不幸だ……」 だが、今日決めてしまわないと駄目な予感がした。 だから俺は御坂に「聞かせたいことがある」という内容のメールをして、 いつもの自販機のある公園で待ち合わせすることにした。 …しかし、今日提出しなければ『留年ほぼ確定』という課題をすっかり忘れていたこともあり、 約束の30分後に公園に到着した上条だが、いまなお美琴の姿が見当たらないのである。 メールの返事こそもらっていないが、常磐台の朝は早いと聞いている。 先に行ってしまったのではないかと上条は無理矢理考え、公園をあとにするまいかどうか、 迷っているときに美琴がやって来た。 「おっす、御坂」 「…おっす」 「どうしたんだ?約束の時間はとっくにすぎてんぞ。お前らしくもない」 「…」 軽くいつも通りの挨拶をして、少し元気のない美琴を気遣って上条が声をかける。 しかし、美琴の返事は返ってこない。 …しばらく上条も黙り込んで通学路を歩いていると、美琴が喋り出した。 「いや~、昨日ちょっと運がつきすぎてね? 商店街のくじ引きで三等のプレミアムゲコ太を三つも取っちゃったのよね~」 おそらくその事で、今日の運も使ってしまったな~ というのが、彼女に今日元気がなく、朝も遅刻ぎりぎりだった原因だろうと上条は推測した。 …彼女は『運』といった一種のオカルトに対してあまりこれまで関心を持てずにいたのだが 上条の右手、幻想殺しに関するオカルトに触れたことで急速に理解を深めていった。 この前はインデックスにも多分右手のことについて聞いていたのをちらりと見たので、上条はこう判断したのだ。 「それで、結局今日の運を神様から返してほしかったから、そのゲコ太を友人にあげちゃったのよ。 あーあ、もったいないことしたなー」 「…ほぉう。ちなみにその友人というのは一体誰のことでございましょうか?」 「ひ・み・つ!…まあ嫉妬してるんなら、もう一個のやつもアンタにあげるけど、ねぇどうする?」 「ああ、はいはい。オマエがそんな簡単にあげちまうってことは、どうせたいしたことないんだろ? だったらいらねぇよ、んなの」 「…そう」 (なに言っちゃってんの俺ーーーーー!!!) 上条の心の叫びである。 本当は欲しい。凄く欲しい。だけど自分以外、もしかしたら男に、そんな大切なものを贈ってしまう 美琴の行動に若干いらっときてしまったのだ。 上条は昨日降った大雨でできた水溜りの水面を傘で大きく前にはね飛ばしている。 ・ ・ ・ 「…でもね、神様は応えてくれなかったみたい。昨日嫌な夢見ちゃったのよね」 「……あー俺もこの頃変なの見るんだよな。今朝も見たし」 上条として話題がそっち方面に行くのは、今朝見た夢の内容を思い出しかねないので 何とか阻止したいのだが、話題を振ろうとしてもがんじがらめになってしまうので会話が弾まなかったからだ。 「へぇー、ちなみにどんな夢なの?美琴様直々に評価してあげるわよ」 「オマエが俺の元から離れてしまう夢…………あっ」 「えっ」 …やっちまった。 夢の内容に触れない…触れない…と呪文のように唱えていたはずが、つい口に出てしまった。 しかし、言ってしまったのはしょうがない。嘘ではないのだ。 (…本当は夜景の綺麗なところとかで言いたかったんだが、仕方ねえ!こうなったら当たって砕けろだ!) 上条は大きく息を吸って、動揺している美琴の手を取り、大きな声ではっきりと伝える。 「御坂、俺はオマエが好きだ!こんな俺だが付き合ってくれ!」 即席の告白だが、正直な気持ちだった。ただそれだけあれば超えられる壁だと思っていた。 ―――このときまでは。 「そ、そうなの…」 「ああ、もう一度言う。御坂、俺と付き合ってくr「危なぁ~~い!!!」…へっ?」 突如、大きな叫び声が聞こえたと思って振り返る。 そこに暴走した大型バイクが突っ切ってきた。 「くそっ……!!」 「避けて!!!」 ドン!……ガシャーーーン! 一瞬反応が遅れた上条を美琴が押し倒す。 その間に、バイクは隣の洋品店の窓ガラスに突っ込んだ。 ― ―― ――― 間一髪で助かった上条は、水溜りに飛び込んだ自分のことは後回しにして、 自分の上に覆いかぶさっている美琴の状態を確かめた。 「ふ~、間一髪だったな。ありがとうな、御坂。怪我とかしてねぇか?」 「…」 見た限りではどこにも怪我らしいところはない。 だから、取り敢えず安堵した上条は彼女が返事をするのを待っていた。 「なんで…」 「?何だ、御坂?」 声が小さく聞こえない。 きこえない。 キコエナイ。 「なんで、そんなに平然としてるのよ!!! あんた死にかけたのよ! アタシのことより…もっと自分のことを大切にしなさいよ!!!」 そう言い放つと、アイツは俺が起き上がるのを待たずに行ってしまった。 俺は夢と同様に呼び止めようとしても、アイツは振り返ってさえもくれなかった…。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の告白成就
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/一本の白き道 とある右手の番外編(パラレルワールドストーリー) 「しかし、……一体何で、どうして補習なんか……。しかもあの補習の内容……。この前のテストで出たトコロじゃねぇか……」 「この前のテストって、オレ……平均点はクリアしてたはずなんだけどなぁ……」 「確かに、ちょっとヤバかったのがあって、美琴にかなり怒られたけどさ……。でも、補習を受けなきゃならないような点は取ってないはずだ」 「なのに……何でなんだ?今日は勢いに流されちまったけど……明日は小萌先生にこの前のテストの点数聞かないとな」 「それにしても……美琴のヤツ……怒ってんだろうなぁ……。……アレ?……アレは……美琴?なんでこんなトコロに居るんだ?」 「ま……まさか、部屋に戻ったらお仕置きが出来ないからって……ココで待ち伏せしてるとか……ガクガク(((( ;゚Д゚)))ブルブル……」 「……逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!!逃げちゃダメだ!!!逃げちゃダメだ!!!!……」 「ココで逃げたら、もっとキツいお仕置きが待っている。ココはキチンと謝るしかない……。でもなァ……怖いモノは怖いよなぁ……」 「あっ……コッチに気が付いたぞ……どうしよう……でも、逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!!逃げちゃダメだ!!!……」 「ちょっと、アンタ……あのメール、何考えてんのよっ!?」 「美琴ッ!!ゴメンッ!!!!!」 そう言って、即座に土下座モードに入る上条さん。 相変わらずお美しいですなぁ……土下座が。 「ヘッ!?」 「オレだって、訳が分からないんだよっ。この前のテストでは平均点をクリアしてたはずだし、確かに美琴に怒られたところもあったけど、補習を受けなきゃならないような点数は取ってないはずなんだよ。だから……何かの間違いだとは思うんだけど……。明日、小萌先生にもう一度聞いてみるから。だけど、今日は遅れて……本当にゴメンナサイ」 「あ……あの……」 「あ……あの~……美琴さん?」 「ヘッ!?(な、名前呼びッ!?……ま、まるで恋人同士……みたいじゃないっ!?)」 「一体、どんなお仕置きをお考えなのでせうか?」 (お、お仕置きって……何ッ!?ゎ、私……コイツにお仕置きするくらい、コイツのことを尻に敷いているってコトなのっ!?) 「アレッ!?……美琴さん?……なあ……どうしたんだ……美琴?」 (エエッ!?また名前で呼ばれたっ!?しかも今度は呼び捨てっ!?……それもスゴい自然な感じで……なにか……嬉しい……) 「どうしたんだよ?……今日のオマエ、なんか変だぞ?」 (コイツ、さっきから全然『ビリビリ』って言わないし、私を全然無視しない……。その上、恋人みたいな感じで……私を呼んでくれてる……//////////) 「アレッ!?……エラく顔が赤いじゃないか?……熱でもあるのか?……どれどれ……」 そう言って、額と額を合わせる上条さん。 (ヘッ!?……な、な、な、ななななな何?なんでいきなりこんなに顔が密着してる訳?も、も、も、も、ももももももうもうちょっとで、キス……出来ちゃう~~~~~~~~ッ) 「大したことは無さそうだけど……もしかして、オレをずっと待っててくれたとか?」 「(コクン……)」 「そっか……ありがとな……美琴。……ゴメンな……待たせて……(ナデナデ)」 (ななななな何?きょきょきょきょ今日のコイツ、メチャクチャ優しい。……それに……こいつの手が……スゴく気持ちイイ……) 「それじゃあ、買い物に行こうか?」 「……もうちょっと」 「ヘッ!?」 「もうちょっとだけ……ナデナデ……して……」 「ハイハイ……フッ、可愛いな。美琴は……」 (なっなっなっなっなんて笑顔をスルのよっ!?そんなスゴい優しい笑顔初めて見たっ!!!それが私に向けられてるなんて……信じられないっ!!!) 「じゃあ、早く行こうぜ。補習で遅くなってんだから、一緒に居られる時間が減っちまうだろ?」 「えっ!?」 「ほら?行くぞ」 そう言って、右手(私)を差し出す上条さん。 それを見た瞬間、美琴さんは完全にパニックに陥ったご様子。 上条さんの顔と右手を交互に見て、オロオロするばかり。 「なにやってんだよ……いつもなら、腕に抱きついてくるクセに。『ちゃんとエスコートしないとダメなんだからねっ』っていつも言ってるじゃないか?」 そう言われて、おずおずと上条さんの腕を取る美琴さん。 でも……いつものような『ギュッ』はありません。(当然でしょうけど……) 「???」 その様子に首を傾げながらも、いつものスーパーに向けて歩いて行く上条さん。 美琴さん、かなりギクシャクしながら付いて来ますね……。ああ、手と足が一緒に出てますよ……。なんか壊れたロボットみたいです。 (こんな……こんなの……夢じゃないよねっ!?……もし、夢だったら……絶対に覚めないで欲しいッ!!!) 「なァ、美琴?今日のオマエ、やっぱり変だぞ?……も、もしかして……やっぱり怒ってる?」 「えっ!?……ううん、そ、そ、そそそんなこと……ない……」 「さっきから全然喋らないし……俯いて黙ったままだし……ドコか具合でも悪いのか?」 「あっ、えっと……だ、だ、大丈……夫……だよ。……(当麻)……」 (名前……言えない……言いたいけど……言えないよォ……) 「それならイイけど……具合が悪くなったら、ちゃんと言えよ。寮まで送ってやるからさ」 「ヘッ!?」 「当たり前だろ?具合の悪い彼女をそのまま一人で帰らせる訳にはいかないからな」 (か……か……か……彼女ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!?) 「ふんにゃぁぁぁぁぁあああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~」 「ワワワッ……『バキィィイン』……って、何こんなトコで漏電してんだよっ!?」 やっぱり最近は漏電を止める役が多いんだよなぁ……。 あ……だからって、電撃を止めたいって訳じゃありませんからねっ!!! 「もう……しょうがねぇなぁ……無理してんじゃねぇよ。ほら、寮まで送ってやるから……シャッキリしろ」 「えッ!?……寮?……送る?……ヤダッ!ヤダッ!!……このまま、このままがイイッ!!!!!」 「ヘッ!?」 (ヤダッ!ヤダよォ……!!終わるのなんて、絶対にヤダッ!!!こんなに楽しいの知らない。こんなに嬉しいの……私、知らないッ!!!!!) 「だ、大丈夫、……大丈夫だから……。と、と、当麻と一緒に……一緒に居たいのッ!!!」 (な、名前で……呼んじゃった……恥ずかしい……でも、嬉しい!!!) 「分かった、分かったよ。でも、無理はするなよ」 「う……うん……」 (スッゴい優しい……。こんな当麻知らないッ。こんな当麻と一緒に居られるなんて……ホントに夢みたい……だから、終わりたくない。終わらせたくない!!!) 上条さんの腕を『ギュッ』と掴んで離さない美琴さん。 よほど嬉しかったんでしょうねぇ……。 でも、この当麻さんはアナタの知ってる当麻さんじゃないんですよ……。 「でもさ、美琴は今日具合が悪そうだし、オレが晩メシ作るよ」 「えっ!?」 「さすがに美琴には敵わないけどな」 「そ、そ、そんな……」 「ハハッ……でもさ、オレの腕もそんなに悪くはないはずだぜ。で、何がイイ?」 「えっ!?」 「美琴は何が食べたいんだ?」 「な、なんでも……イイ……」 「何言ってんだよ。オレがそれ言ったら、すぐ怒るクセに……」 「と……当麻……イイ……」 「へっ!?」 「当麻が……イイ……」 「(ボンッ!!!)……そ、そ、それはぁ……/////」 「当麻が作ってくれるなら、何でもイイ……」 「あ、……ああ……(あー、吃驚した。オレをお買い上げかと思ったぜ……)そ、そうか?……ハハハ……」 (でも、やっぱり何か変だぞ、今日の美琴……。体調が悪いって訳では無さそうだけど……。ちょっと震えてる?何か緊張してる……?) 「ど、どう……したの?」 「あ、イヤ……別に……」 「うん……そう……」 (一緒に居られるって、こんなに嬉しいんだ……。こんなに楽しいんだ……。コイツってこんなに優しいんだ……。知らなかった……何にも知らなかったよォ……。だから、……このままがイイ。ずっとこのままで居たい。終わらせたくないッ!!!) (お願いッ!!夢なら絶対に覚めないで!!!……もう、こんな世界があるって知ったら、昨日には戻れない。……戻りたくないっ!!!) (もう、あんなのはイヤッ!!……ケンカ腰で、ビリビリして……、嫌われてると思ってた……。ホントは、私を見て欲しくて……でも……素直にはなれなくて……) (私は……私は、この人が好き。上条当麻が好き。……ずっと忘れてた……毎日、毎日ケンカして……嫌われてると思ったから……考えないようにしてた……) 「おっ、今日の特売品は『鮭の切り身』か……。そのまま焼いてもイイけど……、それだけってのもなァ……。時間がないから、パパッと作れるもの……」 (今のコイツになら……素直になれる。……こんなに優しいんだもん……。告白して……『好き』って言って……ずっと一緒に……) 「ネギ……高ぇなァ……。おっ、大葉はお買い得……だな。ん~……」 (今なら言える……ううん、言わなきゃ!!……でも……でも……今でもこんなに優しいんなら……もし、もし告白して……断られたら……) 「そう言えば……パスタが残ってたはず……だよな。簡単にスパゲッティーにするか?……スープか何か付けたら……大丈夫そうだしな」 (断られて、今の関係が壊れるのなら……今のままがイイ。だって、……コイツは……当麻は……こんなに優しいんだもん……) 「卵は昨日の特売で買ってあるし……、中華スープのダシはまだあったよな……。うんっ……よしっ」 (ダメッ!……言わないと……もっと、ちゃんと恋人になりたいッ!!!……でも、……もし……断られたら……どうしよう……) 「後は……サラダか何かがあれば……おっ、100円引きゲットだぜ!!」 (断られたら……、そんなのヤダッ!!……だったら、今のままで……) 「あっ、オイ……美琴。ボーッとしてたら、他の人が通れないだろ?……あ、スミマセン」 (もう少し、今のままで……甘えてても……イイ……よね……) 「じゃあ、メニューもほぼ決まったし……レジ行って、部屋に戻るか?……美琴、……オイ、美琴?」 「えっ!?……えっ!?……な、なななな何ッ!?……と、と、ととと当麻……?」 「何、ボーッとしてんだよ?……ほら、行くぞ」 「あ……ぅ、うん……」 (でも……でも……ホントは言いたい。……『好き』って……『アナタが好きです』って……ちゃんと……言いたい……) (……でも、……でも、もし……断られたら……怖い……怖いよォ……) 『ありがとうございましたー』 (言いたい……けど……断られたら……って考えたら……怖い……。どうしたら……私……どうしたら……どうしたらいいの?) 「……うっ……えぐっ……ヒクッ……うっ……ううっ……」 「ヘッ!?……エエッ!?……みっ、みっみみ美琴ッ!?」 ふと上条さんが美琴さんを見ると、美琴さんは俯いたままポロポロと大粒の涙をこぼしてます。そして…… 「うわぁぁぁぁああああああああん」 スーパーから出た途端……美琴さんがいきなり泣き出してしまいました。 上条さんは、何が何やら分かりません。 そりゃそうですよね。 「お、オオオオオイ、み、みみみ美琴ッ……ど、どどどどどどうしたんだっ!?ドコか痛いのか?具合でも悪くなったのか?」 「うぇぇぇぇぇええええええええええええん……」 「どうしたって言うんだよ……一体!?……どうして泣いてるんだ?」 「当麻……当麻……当麻……当麻……うわぁぁぁぁあああああん」 泣きながら、上条さんに抱きついてくる美琴さん。 上条さんは事態に困惑しながらも、優しく美琴さんを抱き締めてあげてます。 「……」 「うわぁぁぁぁあああああん」 「……何か……良く分からないけど……何かあったのか?」 「(フルフル)」 泣きながら、クビを横に振る美琴さん。 「そっか……まだ、言えないのか?」 「(ビクッ!)」 「そうか……そうか……だったら、思いっ切り……泣いてイイよ……美琴」 「うぇぇぇぇぇええええええええええええん……」 「気が済むまで……泣いてイイからな……」 「ううぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~」 「話せる時が来たら、ちゃんと話してくれよ。な……」 「(コクン)」 「オレは待つから……な」 「(コクン)」 美琴さん、本当は『こうしたかった』『こうして欲しかった』という現実が、目の前にいきなり現れて……。 でも、こちらの世界では、まだお二人はそういう関係じゃないんですよね……。 毎日毎日、ビリビリ追いかけっこにケンカ三昧。 そんな想いがあることすら、忘れていたような感じですね。 そこに、この上条さんが現れて……。 「じゃあ、そろそろ……イイか?」 「(コクン)」 「ん……じゃあ、行くか?」 「あ……、あ……うんっ!!!!!!」 (嬉しい、優しい。嬉しい、優しい。嬉しい!優しい!!……私、嬉しい!!!!当麻が優しいよォ!!!!!) 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、でも……精一杯の笑顔で上条さんに微笑みかける美琴さん。 その泣き笑顔を、優しく見つめる上条さん。 どうしよう……上条さんったら、……コッチの世界の美琴さんに、フラグ……立てちゃったよ……。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/一本の白き道
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者 第3章 ①シスターと天草式 第六学区のアミューズメント施設での激闘が終わってから一週間、あれほどの騒ぎがマスコミなどで取り立たされることはなかった。 被害者が一人もいなかったこともあるかもしれないが、それにしたって全く情報が出てこないのはおかしい。 やはり学園都市の上層部が情報規制を敷いたことに間違いはなさそうだった。 だが上条と美琴にとってそのことが特に害があるわけではないので 無事に退院した上条は恋人でパートナーである美琴と共に平穏で幸せな時を過ごしていた。 そしてこの日も上条は美琴と一緒に夕飯の買出しに出掛け、上条の寮に戻るところだった。 しかし二人の平穏な時間は長く続くことはないらしい。 「ねえ、当麻…」 「…いいのか、関わったら十中八九碌な目に遭わないぞ」 「でも当麻は手を差し伸べたいと思ってるんでしょ。 大丈夫、私はそんな当麻のことを愛してるんだから…」 「美琴…」 完全に二人の世界に入ってる上条と美琴だが、二人の先には真っ黒な修道服に身を包んだ女性が辺りをキョロキョロと見渡している。 宗教関係者…上条と美琴が共通で知っているのは銀髪のシスターと赤髪の神父だけだが、二人とも所謂裏の世界に通じる人間だった。 そのせいか二人、特に上条にとって宗教関係者は鬼門であり自分から関わるのには少し勇気がいる人間である。 それは完全に上条の偏見なのだが、恋人である美琴が傍にいる状況なのでどうしても慎重にならざるを得ない。 しかし前方にいるシスターが纏っている気配は特に邪なもの感じさせない、何というか本当に神職者を思わせるものだった。 「ハ、ハロー」 「あら日本人のようにお見受けしますが、英語で話したほうがよろしいのでしょうか?」 「の、ノー!!」 思わず片言の英語で返事をしてしまう上条だったが、明らかな外人であるシスターが日本語を喋れることに安心する。 何故か上条に関わりがある外人は日本語が話せる者ばかりなのだが、上条にとってそれに越したことはない。 「あの困ってるように見えたんですけど、何かあったんですか?」 「やはり日本語のほうがよろしいんですね?」 「あっ、はい」 「しかし学園都市というのは凄いところでございますね。 街中を自動で掃除する機械が徘徊しているなんて」 「外から来たなら珍しく感じるかもしれないですね」 「ええ、実は少々立て込んだ事情に巻き込まれておりまして…」 少し前の質問に答えるシスターの会話の独特のテンポに戸惑いながらも、 上条はやはり何かにシスターが巻き込まれていることに少し辟易としながらも詳しい事情を聞こうとする。 「何かあったなら話してもらえませんか? 力になれるかもしれないですから…」 「やはり学園都市の技術は進んでいるのでございますね」 「だー、何だこのシスター!? 会話のリズムが掴みづれー!!」 「と、当麻、落ち着いて!!」 今まで何となくシスターが放つ雰囲気に敬語を使っていた上条だったが、シスターの会話のリズムに頭が混乱し始める。 「実は私、追われているのでございます」 その言葉に上条と美琴の緊張感が高まる。 そして宗教関係者の人間を追っていると聞くと、何となくだが思い当たる節は一つしかなかった。 「追われてるって、もしかして魔術師にか?」 「魔術師のことをご存知なのですか?」 やっと会話が追いついたシスターの表情を見据えて上条は答えた。 「少しばかり縁があってな。 それよりも魔術師に追われて学園都市に来たなら、まあ回答としては間違いじゃない。 だけど思っているよりも学園都市の警備はザルだ。 何か当てはあるのか?」 「当てでございますか? てっきり学園都市に逃げ込めば安全とばかり思っていたもので…」 「…学園都市に入る許可証は持ってるよな?」 「許可証でございますか?」 「…これは思ったよりも厄介ごとになりそうだ」 「とにかく立ち話もなんだし、部屋で詳しい話を聞きましょう」 「えっと、私はあなた様たちを頼らせていただいてもよろしいんでしょうか?」 「ここで会ったのも何かの縁だしな」 そしてオルソラ=アクィナスと名乗ったシスターと共に上条と美琴は二人の住む寮へと向かうのだった。 夕食の準備を始めた美琴をオルソラも手伝うと言って二人は狭い上条の部屋のキッチンに並んで夕食の仕度をしていた。 美琴がオルソラの料理のスキルに若干の劣等感を覚える中、上条は一人今後どのような行動に出るべきか思案している。 学園都市に入る許可証がないとなると、いずれ学園都市の治安組織の尋問に遭うかもしれない。 そうすればあっという間にオルソラはお縄につくことになる。 魔術師に追われているなら却ってその方が安全なのかもしれないが、 得体のしれない闇を持つ学園都市にオルソラを預ける気にはならなかった。 となると一番確実なのは信用できる外部の人間にオルソラを預けることだった。 しかしながらオルソラを追っている魔術師の正体が分からぬ以上、下手に他の魔術師に連絡を取るのは危険である。 とにかく行動の指針を決めるのはオルソラの話を聞いてからだと上条が考えていると、夕食の準備が終わった。 「いただきます!!」 目の前に並んだ料理を上条は口に運ぶ。 すると上条は少し料理の味に違和感を覚える。 「あれ、味付け変えた?」 「…どうかしたの?」 「いや、今日の料理も滅茶苦茶美味いんだけど… 何ていうか、いつものほうが安心するっていうか」 「今日の味付けは私がしたのでございますよ」 「ご、ゴメン。 決して美味しくないというわけじゃなくて、少し違和感を感じただけというか…」 「謝ることはございませんよ。 それだけ大事な恋人の味付けが恋しいということなのですから。 フフフ、お若いのに既に夫婦のようでございますね」 オルソラの言葉に美琴は嬉しさと恥ずかしさで顔を真っ赤にする。 そして上条はやはり自分は美琴がいないと駄目なんだということを、改めて自覚するのだった。 食事を食べ進めながら上条はオルソラに追っている魔術師について改めて質問する。 「大変申し上げにくいのですが、実は私二つの組織に同時に追われているのです」 「二つの組織?」 「私は主に魔道書などの暗号を解読することを生業としているのでございますが、 先日ある曰くつきの魔道書の暗号を解読することに成功してしまったのでございます。 その結果、所属していた組織から危険分子として追われる形になってしまい…」 「その所属していた組織がオルソラ追ってる組織の一つってわけか…。 そしてその組織の名前は?」 「…ローマ正教」 「ローマ正教ですって!?」 オルソラの言葉に美琴が驚いた声をあげる。 「何だ、魔術師の組織なのに知ってるのか?」 「…当麻はもう少し勉強しないとね。 ローマ正教っていうのは十字教旧教における最大の宗派よ。 私が知っているのは別に魔術結社とかそういう団体じゃなくて、普通の宗派として有名だからよ」 「仰る通りでございます。 ローマ正教は世界113ヶ国に教会を持ち、実に20億を数える教徒を従える大組織です」 「ちょっ、20億人ってそんなの逃げ切れるわけ…」 「だから少し頭を使いなさいって。 もし20億人も魔術師だったら世界の人口の四分の一以上が魔術師ってことになっちゃうわよ。 その中でも魔術に関わる人間はほんの一握りってことよね?」 美琴はオルソラに確認するように言う。 「そうなのですよ。 あなた様は随分と聡明な恋人をお持ちなのですね」 地味に美琴に頭が悪いことを指摘された気がして、上条は項垂れながら頷く。 「でもあなた様の心配はある意味、当たっているのでございます。 いくら一握りといっても教徒の数は20億人。 私を追ってる部隊の人数も200人を超えていますから」 「200人の追跡部隊って、よく逃げ切れたな」 「いえ、私は一旦他の組織に攫われたのでございます。 そして追跡部隊とその組織が戦闘を行っている隙を見て逃げ出したのでございます」 「何か話が大事になってきた気が…」 「あなたを追っている組織のもう一つがあなたを攫った組織ってことでいいのかしら?」 「はい」 「だけど流石に学園都市の中にそんな大規模な魔術師たちが侵入することは出来ないだろうし、 取り合えず追手といっても時間を稼ぐことくらいは…」 上条がそう言い掛けた時… 「ところがそうもいかんのよな」 何処からかともなく聞こえてきた声と共に、上条の部屋の窓ガラスが叩き割られた。 上条は咄嗟に飛び散らばったガラスから美琴とオルソラを庇うように二人を押し倒す。 ガラスの破片が上条の頬を少し切ったが、それ以外は美琴にもオルソラにも怪我はなかった。 上条が割れた窓ガラスの方を見るとそこから一人の男が土足で上がりこんでくる。 クワガタのような髪型に赤十字が染め抜かれたぶかぶかのTシャツにだぼだぼのジーンズを履いている。 そして何よりも異様なのは刀身が波状になっている巨大な剣を担いでいる。 上条はガラスの破片が届いていないベッドの上に美琴とオルソラを担ぎあげると二人を庇うように男に向かって対峙する。 「一時的にだが学園都市はローマ正教に対してオルソラ嬢を捕まえるために学園都市内での行動の自由を許可した。 まだ学園都市には辿り着いていないが、後一時間もしないで追跡部隊がやって来るぞ。 オルソラ嬢が我々に対して不信感を抱いてるのは承知しているが、グズグズしてる暇はないのよな」 「…そりゃ他所様の部屋の窓ガラスを叩き割って部屋の中に土足の中に進入するような男は信用できないよな」 「時間がないと言ったはずだ。 それとも名乗れば部屋の中に招きいれてくれたのか?」 「…」 「ウチのもんが命がけでローマ正教の足止めに徹している」 男がそう言った瞬間、オルソラの顔が青褪めたものに変わる。 その心境は誰かの心配をするというよりも自分のした軽はずみな行為を悔いるものだったのだが上条には分からない。 「命がけで戦ってるって、そこまでして魔道書の力が欲しいのかよ!?」 「それは…」 男が何か言いかけた時、オルソラが上条の言葉を否定するように言った。 「違うのです。 天草式の皆さんは恐らくローマ正教に処刑されるであろう私を救うために 全ての原因である法の書諸共私のことを攫ってくださったのです」 天草式と法の書という新たな言葉に上条は少し戸惑うが話の流れからして天草式というのが目の前の男が所属する組織、 そして法の書というのが魔道書のことで間違いないだろう。 しかしオルソラの言葉には明らかに矛盾することがある。 「でもだったら何で天草式からも逃げるような真似を?」 美琴に聞かれてオルソラの代わりに男が答える。 「所詮俺達も魔術師ってことなのよな。 いくら口で助けると言ったって簡単に信じられる人種じゃない。 それに人を信用できなくなるくらい法の書っていうのは危険な代物なのよな」 「どうしてそこまでしてオルソラのことを助けようとしたんだ?」 「…救われぬ者に救いの手を。 それが俺達が女教皇様から受け継いだ精神だからな」 何故か聞き覚えがある言葉が上条の胸に突き刺さる。 そして目の前の男が嘘を言っているようにも感じられない。 オルソラとは恐らく特殊な立ち位置からすれ違いを起こしてしまった。 「オルソラ、俺はこの男が信用にたる人物だと思う。 オルソラはどうするべきだと思う?」 「私は、私は私のために戦ってくれている天草式の方々を助けたい!!」 「だな」 「だなじゃないのよな!? それじゃあ本末転倒…」 「救って終わりじゃ駄目なんだ、物語の終わりは誰一人欠けちゃいけない。 天草式の人間を放っておくことは却下だ。 それよりもオルソラの身の振り方について、何か頼る当てはあるのか?」 「それは…」 「俺は魔術師の世界にあまり詳しいわけじゃないけど、イギリス清教を頼ることは出来ないのか?」 「なっ、まさかお前さんイギリス清教にパイプがあるのか?」 「パイプってほどじゃないが個人的な知り合いがいるんだ。 もしかしたら力になってくれるかもしれない」 「お前さん、一体?」 「天草式とローマ正教が戦っている場所に急ぎましょう。 大覇星祭で警備が甘くなっている今なら、外に出るチャンスが…」 美琴がそう言い掛けた時、上条と美琴の携帯が同時に鳴った。 何事かと思って二人が携帯を見ると、それは学園都市の住民のみに発進される緊急のメールだった。 そしてメールの中身を見て上条と美琴が固まる。 そこにはオルソラと目の前の男…建宮斎字がテロリストとして指名手配されたことを告げる、 二人の写真が添付されたメールだった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白 第3話「似た者同士」 店内に入った上条は佐天の質問攻めあっていた。 「上条さんと御坂さんっていつどこで知り合ったんですか?」 「えっと、なんでそんなこと知りたいのかな?ってか、2人とも目が怖いくらいキラキラしてるんですけど!上条さんが何かしましたか!?」 「上条さんは何もしてないですよ。何もしてないけど知りたいんです。」 「あの~、上条さんはバカなんで出来ればもっと分かりやすく説明して欲しいんですけど…」 「単純に興味です♪」 「分かりやすっ!つーか興味だけ!?」 「そうですよ~、ってことであらいざらい吐いちゃって下さい♪」 「いくら可愛らしく言ったって喋らないですからね!そんなに気になるなら御坂に聞けばいいじゃねえか?」 「それもそうですね。御坂さ~ん。」 (なんなのよアイツ!佐天さんと初春さんといちゃいちゃしちゃってさ!!私のことは無視してるし!!…まさか2人もアイツのこと?…今日会ったばっかりなのにそれは考え過ぎよね。……でも、アイツの体質ならありえるかも…。) また、思考の迷路に入っている美琴。 (さっきは黒子達がいて買えなかったけど、アイツにも何かクリスマスプレゼント買おうかな?そのときに私の気持ちを伝えれば…。でも、フラれたらどうしよ?今みたいな関係も無くなっちゃうのかな?…それは嫌だな。アイツに会えないなんて絶対に嫌!でも……アイツが他の女の子と歩いてるのも絶対に嫌!!………やっぱり言おう!どんな結果になってもいい!明日、私の気持ちをアイツに伝えてやる!!!) そう気持ちを固めると今までモヤモヤしていた嫌な感情がスッと消えていった。 「それもそうですね。御坂さ~ん。」 今回は迷路から自力で脱出した美琴のところに佐天が近づいてきた。 気持ちを固めていなかったら、どんな顔をしたんだろうと内心苦笑しながら振り返るとニマニマとした笑顔の佐天がいた。 「…どうしたの、佐天さん?」 (嫌な予感しかしないわね。) ついに自分の番が来たのかと、佐天が上条のところから離れてよかったと思う反面、これから起こることを考えると手放しで喜ぶことが出来ない。 「上条さんに御坂さんとの馴れ初めを教えてもらおうと思ったんですけど、何も話してくれなかったので御坂さんに聞きにきました!」 「馴れ初めって…。別に付き合ってるわけでもないから話すことなんてないわよ?」 「でも、御坂さんは上条さんのこと好きですよね?」 「っ!!」 美琴の顔が真っ赤になる。 これ以上無いくらいの反応に佐天は驚きつつ、内心 (御坂さん可愛い~!) と叫んでいた。 そんなことが起こっているも知らないもう一組は、 「上条さんってレベルは何ですか?」 と普通の質問をしている初春と普通に答えている上条がいた。 「0ですよ。何をやってもシステムスキャンで引っかからない正真正銘のレベル0が上条さんです。」 「そうなんですか!?でも、さっき御坂さんの電撃を受け止めた、というより消してましたよね?」 日頃ジャッジメントで活動をしていて、多くの能力者を見てきている初春は、美琴の能力が別次元のレベルであることを理解している。 そんな能力がレベル0の無能力者に消せるわけないのだ。 「まぁ、理由はそのうち教えてやるよ。で、俺からもちょっと内緒で聞きたいことがあるんだけど…」 「何ですか?」 「御坂の指輪のサイズって分かるか?」 「っ!!??」 異性に指輪を贈るという行為がどのようなものかなど中学生にもなればいくつかの選択肢が出てくる。 間違っても友達同士ではない行為。それが指し示す意味とは… 「結婚っ!?」 「そんなわけないでしょーが!!上条さんは、まだ高校生ですよ!!それに相手は中学生じゃないですか!早すぎます!!!」 「じゃあ、告白ですか?」 上条の顔に赤みが差す。 (上条さん、分かりやすいですよ。) 「じゃあ、ここには指輪を買いに来たんですか?」 「いや、何をプレゼントするかも決めてねぇんだ。見てて御坂に似合いそうなのがあったらでいいなって思って。」 (御坂さん愛されてますね…) 「じゃあ、御坂さんと一緒にアクセサリーショップに行きませんか?」 確かにそういう方法もあるな。と賛成した上条。 初春は御坂さん達に伝えてきますね。と前を歩いている2人のところまで小走りに駆け寄る。 美琴が顔を赤くして騒いでるのを見ながら、何が似合うかなと考える上条。 初春にはああ言ったが、女の子に似合うものなんか分かるわけがない。 というわけで上条にとってこの環境はありがたいものだった。 「御坂さん、佐天さん。」 「初春さん、どうしたの?」 「上条さんと話してたんですが、アクセサリーショップに行きませんか?」 「アクセサリーショップ?アイツが?」 普段の上条がアクセサリーの類いをつけているところを見たことが無い。 おしゃれに気を使うようになったのかと思ったが、その理由が分からない。 (もしかして…誰かにプレゼント?) それが1番納得出来る。 しかし、当然の疑問がある。 (誰に渡すんだろ?) まさか、自分のために上条がアクセサリーショップに行こうとしているなんて考えもしない。 (アイツがプレゼント、しかもアクセサリーなんて…。素直になるのが遅すぎたのかな…。じゃあ、もう付き合ってる人がいる…?それとも、明日告白する気なのかな?) 思考がどんどん悪い方に流れていき、顔色が悪くなる。 自分が俯いていくのが分かる。気を抜くと涙も出て来てしまいそうだ。 「(御坂さん、なんかいきなり元気なくなったよね?)」 「(そうですね。多分、勘違いしてるんじゃないでしょうか?)」 美琴が今日3度目の迷路探検をしているときに佐天と初春はお互いの情報を共有していた。 美琴と上条がお互いのことをどう思っているのかも、何故上条がアクセサリーショップに行きたがっているのかも2人は分かっている。 この2人が幸せな明日を迎えるためにも今日上条と美琴をアクセサリーショップに一緒に行かせるのは必須事項である。 そのためとりあえず、美琴の意識を迷路から引っ張り出す方法を考える2人。 「(ねぇ初春、上条さんがなんでアクセサリーショップに行きたいのか教えてもいいんじゃない?)」 「(ダメですよ!!プレゼントはサプライズの方がいいんです!)」 「(それもそうだよね…。じゃあ、御坂さんはどうしようか?)」 「(私に任せて下さい。)」 そういうと美琴を下から覗き込む初春。 「御坂さん。」 呼びかけられたのに、なんの反応もしない美琴。 (これは重症ですね。) そう思い、次の一手を打つ! 「御坂さん、あんまりそうしてると後ろから上条さんに襲われちゃいますよ?」 「!!???」 美琴―――覚醒。のち、 「ふにゃーーーーーー!」 気絶。 ビリビリしだした美琴に気がつき、右手を頭に置いた上条によって周りへの被害はなかったものの、気絶した美琴をほっておく訳にも行かずしばらくベンチで休むことになってしまった。 10分後―― 「…ん?…あれ?」 美琴は目を覚ましたが、自分がどのような状況にいるのか分からなかった。 分かるのは、自分が寝かされていることと、頭の下になにか柔らかいものがあるということ。 とりあえず、周りの状況を確認するために起き上がろうとする美琴に 「おっ、起きたのか御坂。でもまだ横になってろよ。」 と上から声がかかる。 (…上?) 美琴が上を向くと上条が自分の顔を覗き込んでいた。 周りから見ればキスをしようとしているようにも見える感じで。 「っっっ!!……ふにゃ。」 「だから、ビリビリすんなっ!!」 右手が頭に置かれたので、青白い電流は消えたが美琴はまだ状況を把握出来ていない。 (どうなってるの!?えっと…初春さんが……後ろから襲って来るとか言って。ち、違う!襲われてもいいかななんて思ちゃったわけじゃない!!でも…コイツになら///。…はっ!って違う!!えっと…佐天さんと話してて、それから初春さんが来て、それからコイツがアクセサリーショップに。って!そうだ!!!) ようやく状況を把握出来たため、若干の余裕が出来る。 「アンタッ!アクセサリーショップに行って、誰に何買うつもりなの!!」 「み、御坂さん?アナタ様は何故そんなに怒ってらっしゃるのでせうか?」 「いいから質問に答えなさいよっ!!」 「誰にって自分にですよ。貧乏学生の上条さんがおしゃれに気を使ってはいけないなんて法律はないですしね。」 (策士上条さんはあらかじめこの質問に対する答えを用意しておいでなのですよ。これなら御坂に変な誤解を生まないし、不自然じゃないはず!) と自信満々で答える。 が 「嘘ね。」 「即答っ!?しかも完全に否定!??」 「だってアンタこの前年末は物入りだから節約するって言ってたもの。そんなやつが自分のためにアクセサリーを買いにいくわけ無いでしょ。」 「あの、それは、その、…そう!おしゃれに目覚めたといいますか!」 「じゃあ、なんでおしゃれに目覚めたの?」 「……黙秘し「アンタに黙秘権はない。」」 それでもいつまでたっても話そうとしない上条に美琴は制服のポケットに手を入れる。 「ちょ、話す!話しますからポケットに手を突っ込んでジャラジャラ言わせないでっ!さすがにここでゼロ距離超電磁砲なんか打たれたら死んじゃいますっ!!」 「なら、私の目を見てさっさと話せ。」 「…はい。」 上条は真剣な顔をして美琴の目を見ると、美琴も顔がどんどん赤くなりつつも見つめ返してくる。 自分の顔も赤くなってるだろうなと思いつつ、上条はセブンスミストに来た目的(嘘)を話す。 「俺、ちょっと前から気になる子がいて、その子にちょっとでも気にしてもらうためにおしゃれも多少頑張ろうかなって思ってだな。それで、考えてみたら俺アクセサリーって1つも持ってなかったから男子高校生としてダメじゃね?って気になって買いに来たわけです、はい。」 「……ちょっと聞きたいんだけど、その子ってどんな子なの?」 「はい?」 「だから、アンタが気になってる子ってどんな子なのって聞いてるの!」 「…なんでお前にそんなこと話さないといけないんだ?」 「それは、その、気になるからよ!!」 「はぁ~…興味本位で聞かれても答えるわけないだろ。」 「なんでよっ!教えてくれたっていいじゃないのよ、ケチっ!!」 「ケチっ!?確かに上条さんは貧乏ですけどケチじゃないつもりですよ!!」 「お金のことを言ってるんじゃなくて、心の問題を言ってるのよっ!!」 「つまり、この海よりも深くて大きな心の上条さんに対して心が貧しいとっ!?」 「その通りでしょ?こんな可愛い美少女が頼んでるのに教えてくれないなんて心が狭い証拠よっ!!」 「お前はあれを頼んだっていうのかっ!?御坂、お前世間様に謝れ!汗水たらして働いている営業の方とかに謝れっ!!」 「なによっ!!!」 「なんだよっ!!!」 にらみ合っていると近くに佐天と初春が立っていることに2人は気づいた。 「「あれ?佐天さん、初春さんどうした?(の?)」」 「いやー、お二人の痴話ゲンカに当てられたと言いますか、蹴られたといいますか…。」 「「ちっ!?」」 「とりあえず、移動しませんか?凄く目立っちゃってますし…。」 「「え?」」 周りを見ると、男女問わず足を止めてこちらを見ている。 先ほどの痴話ゲンカもそうだが美琴を膝枕しているときから、実はギャラリーはたくさんいた。 美琴は常盤台の制服を着ているだけでなく、その外見も含めとにかく目をひく。そんな女の子を膝枕し、さらに優しい顔をして髪を梳いている男が目立たないわけが無い。 それに加えて先ほどの痴話ゲンカである。周りはこれから遊園地のアトラクションを見るかのような人だかりが出来ており、写メまで取っている人もいる。 「「不幸だぁーーーー!!」」 2人の叫び声が重なった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白