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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/一本の白き道 とある右手の番外編(パラレルワールドストーリー) 「しかし、……一体何で、どうして補習なんか……。しかもあの補習の内容……。この前のテストで出たトコロじゃねぇか……」 「この前のテストって、オレ……平均点はクリアしてたはずなんだけどなぁ……」 「確かに、ちょっとヤバかったのがあって、美琴にかなり怒られたけどさ……。でも、補習を受けなきゃならないような点は取ってないはずだ」 「なのに……何でなんだ?今日は勢いに流されちまったけど……明日は小萌先生にこの前のテストの点数聞かないとな」 「それにしても……美琴のヤツ……怒ってんだろうなぁ……。……アレ?……アレは……美琴?なんでこんなトコロに居るんだ?」 「ま……まさか、部屋に戻ったらお仕置きが出来ないからって……ココで待ち伏せしてるとか……ガクガク(((( ;゚Д゚)))ブルブル……」 「……逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!!逃げちゃダメだ!!!逃げちゃダメだ!!!!……」 「ココで逃げたら、もっとキツいお仕置きが待っている。ココはキチンと謝るしかない……。でもなァ……怖いモノは怖いよなぁ……」 「あっ……コッチに気が付いたぞ……どうしよう……でも、逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!!逃げちゃダメだ!!!……」 「ちょっと、アンタ……あのメール、何考えてんのよっ!?」 「美琴ッ!!ゴメンッ!!!!!」 そう言って、即座に土下座モードに入る上条さん。 相変わらずお美しいですなぁ……土下座が。 「ヘッ!?」 「オレだって、訳が分からないんだよっ。この前のテストでは平均点をクリアしてたはずだし、確かに美琴に怒られたところもあったけど、補習を受けなきゃならないような点数は取ってないはずなんだよ。だから……何かの間違いだとは思うんだけど……。明日、小萌先生にもう一度聞いてみるから。だけど、今日は遅れて……本当にゴメンナサイ」 「あ……あの……」 「あ……あの~……美琴さん?」 「ヘッ!?(な、名前呼びッ!?……ま、まるで恋人同士……みたいじゃないっ!?)」 「一体、どんなお仕置きをお考えなのでせうか?」 (お、お仕置きって……何ッ!?ゎ、私……コイツにお仕置きするくらい、コイツのことを尻に敷いているってコトなのっ!?) 「アレッ!?……美琴さん?……なあ……どうしたんだ……美琴?」 (エエッ!?また名前で呼ばれたっ!?しかも今度は呼び捨てっ!?……それもスゴい自然な感じで……なにか……嬉しい……) 「どうしたんだよ?……今日のオマエ、なんか変だぞ?」 (コイツ、さっきから全然『ビリビリ』って言わないし、私を全然無視しない……。その上、恋人みたいな感じで……私を呼んでくれてる……//////////) 「アレッ!?……エラく顔が赤いじゃないか?……熱でもあるのか?……どれどれ……」 そう言って、額と額を合わせる上条さん。 (ヘッ!?……な、な、な、ななななな何?なんでいきなりこんなに顔が密着してる訳?も、も、も、も、ももももももうもうちょっとで、キス……出来ちゃう~~~~~~~~ッ) 「大したことは無さそうだけど……もしかして、オレをずっと待っててくれたとか?」 「(コクン……)」 「そっか……ありがとな……美琴。……ゴメンな……待たせて……(ナデナデ)」 (ななななな何?きょきょきょきょ今日のコイツ、メチャクチャ優しい。……それに……こいつの手が……スゴく気持ちイイ……) 「それじゃあ、買い物に行こうか?」 「……もうちょっと」 「ヘッ!?」 「もうちょっとだけ……ナデナデ……して……」 「ハイハイ……フッ、可愛いな。美琴は……」 (なっなっなっなっなんて笑顔をスルのよっ!?そんなスゴい優しい笑顔初めて見たっ!!!それが私に向けられてるなんて……信じられないっ!!!) 「じゃあ、早く行こうぜ。補習で遅くなってんだから、一緒に居られる時間が減っちまうだろ?」 「えっ!?」 「ほら?行くぞ」 そう言って、右手(私)を差し出す上条さん。 それを見た瞬間、美琴さんは完全にパニックに陥ったご様子。 上条さんの顔と右手を交互に見て、オロオロするばかり。 「なにやってんだよ……いつもなら、腕に抱きついてくるクセに。『ちゃんとエスコートしないとダメなんだからねっ』っていつも言ってるじゃないか?」 そう言われて、おずおずと上条さんの腕を取る美琴さん。 でも……いつものような『ギュッ』はありません。(当然でしょうけど……) 「???」 その様子に首を傾げながらも、いつものスーパーに向けて歩いて行く上条さん。 美琴さん、かなりギクシャクしながら付いて来ますね……。ああ、手と足が一緒に出てますよ……。なんか壊れたロボットみたいです。 (こんな……こんなの……夢じゃないよねっ!?……もし、夢だったら……絶対に覚めないで欲しいッ!!!) 「なァ、美琴?今日のオマエ、やっぱり変だぞ?……も、もしかして……やっぱり怒ってる?」 「えっ!?……ううん、そ、そ、そそそんなこと……ない……」 「さっきから全然喋らないし……俯いて黙ったままだし……ドコか具合でも悪いのか?」 「あっ、えっと……だ、だ、大丈……夫……だよ。……(当麻)……」 (名前……言えない……言いたいけど……言えないよォ……) 「それならイイけど……具合が悪くなったら、ちゃんと言えよ。寮まで送ってやるからさ」 「ヘッ!?」 「当たり前だろ?具合の悪い彼女をそのまま一人で帰らせる訳にはいかないからな」 (か……か……か……彼女ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!?) 「ふんにゃぁぁぁぁぁあああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~」 「ワワワッ……『バキィィイン』……って、何こんなトコで漏電してんだよっ!?」 やっぱり最近は漏電を止める役が多いんだよなぁ……。 あ……だからって、電撃を止めたいって訳じゃありませんからねっ!!! 「もう……しょうがねぇなぁ……無理してんじゃねぇよ。ほら、寮まで送ってやるから……シャッキリしろ」 「えッ!?……寮?……送る?……ヤダッ!ヤダッ!!……このまま、このままがイイッ!!!!!」 「ヘッ!?」 (ヤダッ!ヤダよォ……!!終わるのなんて、絶対にヤダッ!!!こんなに楽しいの知らない。こんなに嬉しいの……私、知らないッ!!!!!) 「だ、大丈夫、……大丈夫だから……。と、と、当麻と一緒に……一緒に居たいのッ!!!」 (な、名前で……呼んじゃった……恥ずかしい……でも、嬉しい!!!) 「分かった、分かったよ。でも、無理はするなよ」 「う……うん……」 (スッゴい優しい……。こんな当麻知らないッ。こんな当麻と一緒に居られるなんて……ホントに夢みたい……だから、終わりたくない。終わらせたくない!!!) 上条さんの腕を『ギュッ』と掴んで離さない美琴さん。 よほど嬉しかったんでしょうねぇ……。 でも、この当麻さんはアナタの知ってる当麻さんじゃないんですよ……。 「でもさ、美琴は今日具合が悪そうだし、オレが晩メシ作るよ」 「えっ!?」 「さすがに美琴には敵わないけどな」 「そ、そ、そんな……」 「ハハッ……でもさ、オレの腕もそんなに悪くはないはずだぜ。で、何がイイ?」 「えっ!?」 「美琴は何が食べたいんだ?」 「な、なんでも……イイ……」 「何言ってんだよ。オレがそれ言ったら、すぐ怒るクセに……」 「と……当麻……イイ……」 「へっ!?」 「当麻が……イイ……」 「(ボンッ!!!)……そ、そ、それはぁ……/////」 「当麻が作ってくれるなら、何でもイイ……」 「あ、……ああ……(あー、吃驚した。オレをお買い上げかと思ったぜ……)そ、そうか?……ハハハ……」 (でも、やっぱり何か変だぞ、今日の美琴……。体調が悪いって訳では無さそうだけど……。ちょっと震えてる?何か緊張してる……?) 「ど、どう……したの?」 「あ、イヤ……別に……」 「うん……そう……」 (一緒に居られるって、こんなに嬉しいんだ……。こんなに楽しいんだ……。コイツってこんなに優しいんだ……。知らなかった……何にも知らなかったよォ……。だから、……このままがイイ。ずっとこのままで居たい。終わらせたくないッ!!!) (お願いッ!!夢なら絶対に覚めないで!!!……もう、こんな世界があるって知ったら、昨日には戻れない。……戻りたくないっ!!!) (もう、あんなのはイヤッ!!……ケンカ腰で、ビリビリして……、嫌われてると思ってた……。ホントは、私を見て欲しくて……でも……素直にはなれなくて……) (私は……私は、この人が好き。上条当麻が好き。……ずっと忘れてた……毎日、毎日ケンカして……嫌われてると思ったから……考えないようにしてた……) 「おっ、今日の特売品は『鮭の切り身』か……。そのまま焼いてもイイけど……、それだけってのもなァ……。時間がないから、パパッと作れるもの……」 (今のコイツになら……素直になれる。……こんなに優しいんだもん……。告白して……『好き』って言って……ずっと一緒に……) 「ネギ……高ぇなァ……。おっ、大葉はお買い得……だな。ん~……」 (今なら言える……ううん、言わなきゃ!!……でも……でも……今でもこんなに優しいんなら……もし、もし告白して……断られたら……) 「そう言えば……パスタが残ってたはず……だよな。簡単にスパゲッティーにするか?……スープか何か付けたら……大丈夫そうだしな」 (断られて、今の関係が壊れるのなら……今のままがイイ。だって、……コイツは……当麻は……こんなに優しいんだもん……) 「卵は昨日の特売で買ってあるし……、中華スープのダシはまだあったよな……。うんっ……よしっ」 (ダメッ!……言わないと……もっと、ちゃんと恋人になりたいッ!!!……でも、……もし……断られたら……どうしよう……) 「後は……サラダか何かがあれば……おっ、100円引きゲットだぜ!!」 (断られたら……、そんなのヤダッ!!……だったら、今のままで……) 「あっ、オイ……美琴。ボーッとしてたら、他の人が通れないだろ?……あ、スミマセン」 (もう少し、今のままで……甘えてても……イイ……よね……) 「じゃあ、メニューもほぼ決まったし……レジ行って、部屋に戻るか?……美琴、……オイ、美琴?」 「えっ!?……えっ!?……な、なななな何ッ!?……と、と、ととと当麻……?」 「何、ボーッとしてんだよ?……ほら、行くぞ」 「あ……ぅ、うん……」 (でも……でも……ホントは言いたい。……『好き』って……『アナタが好きです』って……ちゃんと……言いたい……) (……でも、……でも、もし……断られたら……怖い……怖いよォ……) 『ありがとうございましたー』 (言いたい……けど……断られたら……って考えたら……怖い……。どうしたら……私……どうしたら……どうしたらいいの?) 「……うっ……えぐっ……ヒクッ……うっ……ううっ……」 「ヘッ!?……エエッ!?……みっ、みっみみ美琴ッ!?」 ふと上条さんが美琴さんを見ると、美琴さんは俯いたままポロポロと大粒の涙をこぼしてます。そして…… 「うわぁぁぁぁああああああああん」 スーパーから出た途端……美琴さんがいきなり泣き出してしまいました。 上条さんは、何が何やら分かりません。 そりゃそうですよね。 「お、オオオオオイ、み、みみみ美琴ッ……ど、どどどどどどうしたんだっ!?ドコか痛いのか?具合でも悪くなったのか?」 「うぇぇぇぇぇええええええええええええん……」 「どうしたって言うんだよ……一体!?……どうして泣いてるんだ?」 「当麻……当麻……当麻……当麻……うわぁぁぁぁあああああん」 泣きながら、上条さんに抱きついてくる美琴さん。 上条さんは事態に困惑しながらも、優しく美琴さんを抱き締めてあげてます。 「……」 「うわぁぁぁぁあああああん」 「……何か……良く分からないけど……何かあったのか?」 「(フルフル)」 泣きながら、クビを横に振る美琴さん。 「そっか……まだ、言えないのか?」 「(ビクッ!)」 「そうか……そうか……だったら、思いっ切り……泣いてイイよ……美琴」 「うぇぇぇぇぇええええええええええええん……」 「気が済むまで……泣いてイイからな……」 「ううぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~」 「話せる時が来たら、ちゃんと話してくれよ。な……」 「(コクン)」 「オレは待つから……な」 「(コクン)」 美琴さん、本当は『こうしたかった』『こうして欲しかった』という現実が、目の前にいきなり現れて……。 でも、こちらの世界では、まだお二人はそういう関係じゃないんですよね……。 毎日毎日、ビリビリ追いかけっこにケンカ三昧。 そんな想いがあることすら、忘れていたような感じですね。 そこに、この上条さんが現れて……。 「じゃあ、そろそろ……イイか?」 「(コクン)」 「ん……じゃあ、行くか?」 「あ……、あ……うんっ!!!!!!」 (嬉しい、優しい。嬉しい、優しい。嬉しい!優しい!!……私、嬉しい!!!!当麻が優しいよォ!!!!!) 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、でも……精一杯の笑顔で上条さんに微笑みかける美琴さん。 その泣き笑顔を、優しく見つめる上条さん。 どうしよう……上条さんったら、……コッチの世界の美琴さんに、フラグ……立てちゃったよ……。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/一本の白き道
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるファミレスのバカップル 「美琴」 「当麻」 「今日は一段と可愛いぞ」 「そ、そう?いつもと変わらない制服姿なのよ」 「それは……昨日よりも増して今日の美琴を愛してるからさ」 「私も……昨日の当麻より今日の当麻がカッコ良く見えるわ」 「それは……同じ意味なんだろ」 「決まってるじゃない」 「美琴」 「当麻」 「美琴、先に飲まないか?」 「当麻が先に飲んで」 二人の間、テーブルの上には飲み物が入った大きなグラス。それには二本のストローが刺さっていた。 「美琴、譲り合ってもしょうがないよな」 「そうね」 「一緒に飲むか?」 「……わかった」 学生中心のそれこそ友達同士で食事に来るような只のファミレス。そんなところでこれは辞めて欲しい。 店内の空気は二分。甘い空気にコーヒー、それもブラックをコーヒーサーバーに淹れに行く者多数。もう半分は食器をガチャガチャ云わせ唸り声をあげる者、要するに憎悪に取り付かれた者達。 顔がくっつく程に近づけストローをくわえる二人。 壁殴り代行に連絡を取る者も発生。 衆人監視のもと見せつけている。 「美琴、美味しいか?」 「当麻と一緒なら」 ウゼー!と言いたい店員達。 「美琴」 (名前で呼ぶべきなんだよな?) (名前呼ばれた!名前で返さないと!) 「当麻」 「今日は一段と可愛いぞ」 (服装を先ずは誉めるんだよな) 「そ、そう?いつもと変わらない制服姿なのよ」 (アンタ、ナニ言ってるのよ!見慣れてるでしょうが) 「それは(しまった!制服だった!え、えーと)昨日よりも増して今日の美琴を愛してるからさ」 「私も(バッ、云うに事欠いてなんちゅーこと言うのよ!!ゴルァァァ!)昨日の当麻より今日の当麻がカッコ良く見えるわ」 「それは(す、すみません、睨まないで)同じ意味なんだろ」 「決まってるじゃない」 (引き受けるんじゃなかった……し、心臓が) (次、ナニ言えば良いんだ?) 「美琴」 「当麻」 (また名前を呼ぶぅ……) 困った上条の目がテーブルの上に行く。 そこには二本のストローが刺さった大きなグラス。メニューから見つけ、それらしく見せるために注文した。 置いて在るだけでは意味がない。 しかし、 「美琴、先に飲まないか?」 (こんなん頼んじまっても……) 「当麻が先に飲んで」 (できっこないじゃない?) 「美琴、譲り合ってもしょうがないよな」 (覚悟を決めるしかないのか?) 「そうね」 (バカなこと言い出さないでよ?) (肯定の意味だよな?) 「一緒に飲むか?」 「(ギャー、アンタどうすんのよ?どうなるかわかってんでしょうね?ぐぬぬぬぬぬぬ)わかった」 ストローに顔を近づける。 ((ストローが……短い!)) メニューに有っても話の種ぐらいの商品、よほどのバカップルでもない限りオーダーが入ることは無い。故にグラスは用意してあっても専用の長めのストローは構えていなかった。 (御坂の顔が……近すぎ!) (ア、アイツの顔が!ひ、額がくっつく!) 覚悟を決めストローをくわえる二人。 (御坂の唇が目の前、近ッ!うあああああああああああああ) (ア、アイツの髪の毛が触れてる、私の髪にッ!うあああああああああああああ) 衆人監視のもと見せつけている。見せつけなければならなかった。 (ダメだ、耐えられん!) 「美琴、美味しいか?」 ストローから口を離すため、美琴に尋ねる。 「当麻と一緒なら」 (もう、どうとにでもなれ) ((……どうしてこうなった)) 「うにゃー。カミやーん」 「げっ、土御門」 「げっ、とは何ぜよ、げっとは?」 「何となく『エンゼルフォール』の時を思い出しちまったんだよ」 学校からの帰りがけ、上条に声を掛けてきたのは寮の隣人でクラスメートである土御門元春。ついでに言えばイギリス清教は必要悪の教会からの潜入工作員、ばかりでなく多重スパイをやっているらしい。 友人であるも何度か利用され迷惑を蒙っている。 「察しがいいにゃー、カミやんは」 「……またかよ、今度はなんだ? どこへ行けってゆーんだ、ブラジルかアフリカかそれともまたイギリスか?」 「すっかり疑り深くなってオレは悲しいにゃー」 「テメェのせいだテメェの!」 「今回はどこにも行く必要はないぜい」 「ってことは魔術師がまた潜入したのか?」 「ということでも無いんだにゃー」 「はー?」 「学園都市内でお守りってカタチでマジックアイテムが流通してんだにゃー」 「お守り? 学園都市でかよ」 オカルト否定の学園都市、お守りに興味が惹かれる者がいるとも思えなかった。 「普通ならな。そのお守りは聞いて驚け、恋愛成就のお守りぜよ」 「驚かねーよ、って恋愛成就?」 「そうぜよ、乙女が惹かれるにはピッタリだろ」 確かに恋いに焦がれる乙女は手に取ってみたくなるかもしれない。 「それがマジックアイテム?」 「効果は無いんだぜい」 「……無いなら問題ないだろ」 「オリアナの時を覚えてるかにゃ、カミやんは?」 「あっ、吹寄が」 「効果は無いも持ち主が強く願えばなんかの反応をするらしくてな、持ち主は倒れるか、もしくは」 「もしくは?」 「精神を変調させてストーカー化させちまうんだにゃー」 「へっ、ストーカー化?」 「既に刃傷沙汰も起こってるんだにゃー」 「……それで俺はどーすればいいんだ?」 「誰かと付き合ってくれ」 「付き合うってどーゆーこった!?」 「嘘でもいいんだが、普通にデートしたり、キスしたり」 「なっ、ななななななななな」 「舞夏はダメだぞ」 「怖い声出さんでもそんなことしねーよ、理由を言え理由を!」 「理由はにゃー、恋心が破れたら効果が消えるからぜよ」 「余計に判らなくなってきましたよ」 「恋してる相手に恋人ができたら、そのショックで影響が消えるようなんだにゃー」 「それが何で俺なんだ?」 「先ずは安全確保ぜよ、切り札のカミやんには万一に備えて身の安全を確保して置いて欲しいんだにゃー(フラグの数だけ危険があると言っても信用して貰えなかったら意味ないにゃー)」 「そんなの俺には無いだろうけど、そこまで言うなら……嘘でもいいんだな、でも誰に?」 「嘘でもいいがな見せつける必要があるにゃー、じゃないとショックを与えられないにゃー、付き合う相手の条件としてはレベル5クラスの相手を選んで欲しいにゃー」 「はぁ、なんでレベル5?」 「これも万一だぜい、ショックに負けない者が現れたら恋人役も危ないにゃー」 レベル4の学生がマジックアイテムの影響を受けていたら、大概の恋人役は危険を背負うことになる、かなり危ない役割と言える。 しかし、そうなると恋人役はあまりにも限られる。具体的に云うと頼めそうな人物は一人しかいない。 「お願いしても断られたらどーしよ、普通は断るよなー」 どう頼んだら良いものか悩む上条当麻。携帯電話を取り出し、まずは直接会う約束をすることにした。 その頃、常盤台中学の学生寮では 「黒子、どうしたのよっ!?」 「黒子は黒子はお姉様のことがっ」 それだけ聞くと御坂美琴を慕ういつもの白井黒子である。しかしその手には 「黒子、その包丁を降ろしなさい! どこから持って来たのよ!」 「お姉様が黒子のモノになって頂けないのなら、いっそのことこの包丁でお姉様を、黒子も後を追います、一緒に死んで下さいませですの」 「ナニ言ってんのよ黒子、また通販で買った変なクスリを間違えて飲んじゃったの、落ち着きなさい!」 「そして黒子とお姉様の愛は永遠に語り継がれますの。永遠の愛、なんと甘美な響きですの」 「聞いてないっ!?」 もはや、自分の世界に入っている白井に言葉は通じないようだった。 磁力で包丁を奪い取ろうにも、どうやらセラミック製。電撃で痺れさせるのが一番だったが、その前に白井が跳ぶ。11次元を物ともせず空間を跳ぶ。 そして美琴の背後に現れる。 「お姉様ぁぁぁ!」 美琴はその白井の行動パターンに慣れていた。姿が消えた、その時には背後へ電撃をぶちかます。 ドサッと人が床に落ちる音がした。 美琴が背後を振り返ると黒子が黒こげになって気絶していた。 「ちょっと加減間違えたかしら?……でも一体」 普段の白井も変態と云えば変態。しかし此処までの事は無かった。 美琴が考えていると電話が鳴る。 「えっ、アイツから?」 滅多に向こうから掛かってこない相手。 美琴が慌てて電話に出ると、 『その御坂、頼みが有るんだが会ってくれるか』 上条から積極的に頼み事をされることの無い美琴は勇んで上条の元に向かい、 とあるファミレスでバカップルを演じていた。 つづく 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とあるファミレスのバカップル
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/恋する美琴の恋愛事情 風邪ひき美琴のお見舞い事情 「……ごめんね、黒子」 御坂美琴はベッドの上で横になったまま、少し赤い顔をルームメイトである白井黒子に向け、謝罪の言葉を口にする。 「何をおっしゃいますやら。私、白井黒子はお姉さまの唯一無二のパートナーですのよ。こういう時こそ頼って頂かないと、パートナー失格になってしまいますですわ」 そう言って、美琴のベッドの傍に立つ白井黒子は、美琴の額に当てていたぬるくなったタオルを水に浸し、水分を絞り取ると再度額に置き直す。 状況的に既に理解しているとは思うが、学園都市7人のレベル5が第3位『超電磁砲(レールガン)』御坂美琴は現在風邪をひき、床に伏せていた。 『うー、なんでこんな事に……』 美琴は自分の現状に不服を感じ、思い返してみたが、どう考えてもあの日無理したのがいけなかったようだった。 ☆ それは2日前の事、いつものように美琴はいつもの公園で上条当麻とばったり出くわした。 まあ、本当は30分以上待ちぼうけをした末でのことなので、”ばったり”というには無理があるのだが、それでも美琴曰く”ばったり”出会ったと言う事になっている。 「……それで、毎日こうして出会っているわけですが、流石に上条さんも同じ台詞しか出てきませんの事よ――あぁ、不幸だ……」 当麻はそういって自分のツンツンした無造作ヘアーの頭を掻く。 「アンタが私の相手しないのが悪いんでしょうが!!」 手加減しているとはいえ一般人なら大怪我になりそうな高圧電流を美琴は当麻に向けて発生させる。 それに対し、当麻は右手を電流に向けて防御の姿勢を取る。 パリンッ!電流が当麻の右手に触れた瞬間、嘘のように跡形もなく消え去る。 「チッ!」 美琴は舌打ちするが、毎度のことなのでもう驚きはない。 「なあ、御坂。もういい加減止めようぜ。こんな事繰り返したって仕方ない事だろ」 「うるさいっ!アンタは勝ち続けてるから良いんだろうけど、私はまだアンタに勝ったことないんだから、私が勝つまで勝負し続けなさいよ!!」 顔を真っ赤にして叫ぶ美琴に対して、当麻は既に呆れ顔になっている。 こうして、美琴は当麻と毎日顔を合わせるたびに勝負を吹っかけているが、勝敗的にいえば美琴の全戦全敗(本当はとある一件で一度は当麻に勝っているのだが、当麻自身が攻撃も防御も行わず、美琴の攻撃を受けるだけの状態であったため、美琴的にこの勝負は無かった事になっている)である。なので、冷静に考えれば何度やっても同じ事になるのはわかってはいるのだが、美琴にとってこれは既に勝敗ではなく、単に上条当麻と会うための口実になっていた。 「いや、御坂。勝負は良いけど。今日みたいな雨の日にまでって実際どうよ?」 当麻は傘を少しずらし、雨が降りしきる黒雲の覆う空を見上げる。 「う、うるさいわね。雨だろうが雪だろうが、私達の勝負に関係ないでしょ!さあ、勝負よ!勝負!」 「はあ、不幸だ」 本日何度目かになる台詞を溜息とともに吐き出し、当麻はゆっくりと身構える。 「いいぜ。そんなに俺と戦いたいって言うならその望み叶えてやるよ。でもな、この雨がお前に味方するって思っているなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺してやるぜ」 「やっとその気になったわね」 上条当麻が構えに入った瞬間、美琴の背に冷たい汗が流れおちる。 今まで何度となく戦ってきたが、いつものらりくらりかわすだけで、本気で相手されてなかったのだから、構えをするという事で相手の本気度を察知し、緊張が全身をめぐっている事を美琴は感じていた。 『さあ、来なさい。今度こそ勝ってやるんだから』 美琴は当麻の行動を一瞬たりとも見逃さないように視線を向ける。 公園に緊張が走る。そして、当麻の右手がゆっくりと持ちあがり 「あー、あんなところに等身大ゲコ太人形が!!」 「え?どこ?どこにゲコ太が!?」 当麻の指さす方向につい顔を向けてしまう。 もちろん、その視線の先にゲコ太どころか人形などある訳がなく。再び視線を元に戻したところ、その先にも上条当麻の姿は無かった。 「え?なに!?」 一瞬の思考の停止の後、公園の出口に目を向けるとそこには走って逃げる当麻の姿があった。 「あ、あんにゃろめー!!待てや、ゴラァ!!」 それを確認すると、とてもお嬢様学校である常盤台中学在籍とは思えない台詞を口に出しながら、美琴は当麻を追跡し始める。 こうして雨の中を朝まで当麻を追いかけていれば、風邪の一つや二つひいて当然と言えば当然の結果であった。 ☆ 黒子は美琴の差しだした体温計を見る。体温計が表示する数値は37度2分、風邪の症状としてはかなり落ち着いてきたようだった。むしろ、先ほどまで美琴が咥えていたその体温計を持っている黒子の方が落ち着きが無くなり、体温が上昇しているようにも思えたが、気の性と言う事にしておこう。 「昨日に比べると熱は下がったとは言え、まだ無理してはいけませんの。まだ今日一日は安静にしておく事。良いですわね?お姉さま」 体調が戻ったことですぐにでも動き出そうとする美琴に対し、何とか平静を取り戻した黒子は釘をさすかのように厳しく言い詰める。 実際、黒子がいなければ美琴は直ぐにでも動いていただろう。どうしても行きたいところがあったのだから。しかし、それでまたぶり返しては折角看病してくれた黒子に申し訳ないので 「……わかったわよ。今日”も”おとなしくしておくわよ」 と少しだけ頬を膨らませて、拗ねたように返答をする。 その態度は普段の美琴からは考えられないような幼稚な態度だったのだが、黒子はただ「そうして頂けますと、ありがたいですの」とだけ返答した。もっとも心の中では『ウハァッ!お姉さまの子供のような態度!普段見られないだけあってプレミアものですわ!!この表情写真に撮って、いえいえ、360度全方位からの動画撮影をしなくてはいけませんのに、あー、もうどうしてこういう時に限って撮影機材をメンテナンスに出してしまったのでしょう!?口惜しい、神様を呪いたくなりますの!!』などとどす黒い感情が渦巻いていた事はここだけの秘密だ。 『あーあ、これで2日も会えなかったな……折角、このところ毎日顔を会わせることが出来てたのに』 もちろん、誰の事とは言わないが、胸の内で大きな溜息をつく。その時だった ――コンコン 美琴の耳に部屋の扉をノックする音が聞こえた。 「はいですの」 黒子が扉に向かうために席を立つ。 『だれか見舞いにでも来てくれたのかな……もしかして、アイツ?そ、そんな訳ないよね……でも、アイツだったら嬉しいな』 などと少し顔を赤らめながら、期待するあたりまだまだ少女の域を出られない美琴だった。 しかし、現実は 「御坂、身体の具合はどうだ?」 女子寮の寮長が部屋に入ってきただけだった。 「ええ、もう大丈夫です。ご心配をおかけしました。明日には復帰できると思います」 まあ、そううまくいかないとは思いつつも、やはり期待していた分多少の落胆はあった。決して表情には出さないが。 「どうやらそのようだな。何故風邪をひいたのかの原因は後日聞くとして、お見舞いだ」 そう言って美琴に紙袋を手渡す。 「あ、ありがとうございます」 「あらあら、わざわざ有難うございますですの」 美琴は受取った紙袋の中身を確認すると、市販の栄養ドリンクが数本と桃の缶詰が2個入っていた。 いくら寮監が男勝りとはいえ、流石にこの取り合わせは男前過ぎないだろうか。と、首をかしげていると 「勘違いするな、御坂。それは私からのお見舞いではない。先ほど寮の前でウロウロしていた少年がいてな。訳を聞いてみると、御坂を昨日見掛けなかったことから風邪をひいたんではないかと思ってお見舞いを持ってきたのだが、どうすれば良いか迷っていた。とのことでな、私が代わりに受け取っただけのことだ」 え?それって…… 「りょ、寮監様、もしやその男性とは……」 「ああ、高校生くらいの髪がツンツンとしていた独特なヘアスタイルの少年だったぞ。御坂、その少年との関係も後日改めて聞くが、とにかく今日はゆっくり休め」 そう言って寮監は部屋を後にした。 黒子は美琴に背を向け、扉に向かい固まったままになった。そして、部屋に流れる沈黙。 しかし、それを打ち破ったのもやはり黒子だった。 「お、お姉さま……そのような見舞いの品はお姉さまにふさわしくございません。ですから、こちらにお渡しいただギョォ!!」 ゆっくりとギギギというまるで錆びついたような擬音と共に振り向いた黒子が見たのは、ベッドの上で紙袋を抱えたまままるで天上の楽園を見たかのような幸せそうな微笑みを浮かべた美琴の姿だった。 「お、お姉さま!!何故黒子の看病では見せた事の無いような極上の笑みを浮かべておられるのですか!? あんの類人猿、今度会ったら体中串刺しにして学園内を引廻しにして差し上げますわ!!ですから、お姉さま、現実に戻ってきて下さいませ!黒子を見て下さいですのー!!」 しかし、寮内に響き渡る黒子の絶叫は美琴の耳には届かなかった。もちろん、寮監の耳には届き、その日黒子はかつてないお仕置きを受けたのは言うまでもない。 なお、余談であるが、紙袋を抱えたまま眠った美琴はよほど良い夢を見たのか、朝からにやけっぱなしで、公園で2日ぶりに会った当麻に対して顔を真っ赤にしたまま、視線を合わせる事が無かったという。 Fin 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/恋する美琴の恋愛事情
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の告白成就 <第一章> 俺はこの頃、ある夢を見ていた。 どこか見知らぬ町で俺はとある少女と出会い、その少女に一目惚れをし、すぐさま告白をした。 だがその少女はどこか浮かない顔をして、俺の前から消えてしまう。 その後、場面がころころと変わり、最後には少女が俺ではない誰かの手によって連れて行かれてしまうのを見る。 俺は大声を出してソイツの名前を叫んだが、少女には届かなかったらしい。振り向くことさえしてくれなかった。 そして追いかけて行こうとしても、その場所からは一歩も進めず、 物語の終わりには少女のことをすっかり忘れていしまう。 そんな夢を、ここ連続して嫌になる程見ていた上条も、今日に限って眠れない。 (こんな惰弱なままでいいのか、俺っ!明日にはアイツに告白するんだぞ…) ―――そう、夢ではない現実の上条にも思い人がいるのだ。 その少女の名前は御坂美琴。 学園都市における超能力者。それも第三位の『電撃使い(エレクトロマスター)』 肩書きは他にいくらでもあったのだが、共通の目的のためにそれら全てを放り出して、 最後の戦いまでずっと傍にいてくれた。 そんな彼女のことをいつの間にか好きになってしまい、ここのところは彼女に逢うだけで その日どんなことがあっても、幸せな一日であったと思える程である。 そんな上条が今まで告白できなかったのには理由があった。 上条には不幸体質がある。その上、富も地位も学もなく不良高校生のレッテルを貼られている上条が、 何でもできて優秀な美琴のお荷物になることがどうしても我慢できなかったのだ。 そこに追い討ちをかけたのが、今回上条が見ている夢なのである。 (あぁ~~~、くそっ!もう寝る!絶対寝てやる!) 何とか気合いを入れなおした上条はその後、 枕に鼻を押さえつけて、深い眠りにつくことが出来た… _______________________________________________________________________________________________ ________________________________________________________________________________________ _________________________________________________________________________________ (ここは…どこだ……) 気が付くと、俺以外何もない空間へと辿り着いた。 何もない、というよりは辺り一面が銀世界で、数メートル先すら見通せないような場所だった。 しばらく歩いていた上条の目の前に、一人の少女が現れた。 少女は泣いていた。何も残されていない、誰の目にも留まることのないこの空間で… (…ひょっとして、--か?) 上条が知っているその人物には到底見えなかったが、確かに肩を震わせて今もまだ泣いているのは--であった。 呼びかけるのを躊躇っていた上条だが、彼女が誰かの手に引かれるようにして彼の前から消えていくのを見て 思わず叫んだ。 (--!待ってくれ…!俺を、一人にしないでくれ!) 叫んだつもりだったがやはり声にはならかった。 俺の眼に映っていたその世界は大きく揺れ動き、俺は浸食する闇に飲み込まれていった… _________________________________________________________________________________ ________________________________________________________________________________________ _______________________________________________________________________________________________ ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピ… (…5時か) セットしていた携帯のアラームが鳴る。おそらくハワイにいた時の時差の関係で、 いつもよりも早く起きてしまったようだった。 ――最悪の朝が来てしまった。結局寝られたのはおよそ三時間程度であろう。 しかし、いつもの起床時刻よりも随分前に起きてしまった上条は、もう一度夢の中に行くことはできなかった。 午前7時。天気は曇りのち雨。運勢は勿論最悪。 「不幸だ……」 だが、今日決めてしまわないと駄目な予感がした。 だから俺は御坂に「聞かせたいことがある」という内容のメールをして、 いつもの自販機のある公園で待ち合わせすることにした。 …しかし、今日提出しなければ『留年ほぼ確定』という課題をすっかり忘れていたこともあり、 約束の30分後に公園に到着した上条だが、いまなお美琴の姿が見当たらないのである。 メールの返事こそもらっていないが、常磐台の朝は早いと聞いている。 先に行ってしまったのではないかと上条は無理矢理考え、公園をあとにするまいかどうか、 迷っているときに美琴がやって来た。 「おっす、御坂」 「…おっす」 「どうしたんだ?約束の時間はとっくにすぎてんぞ。お前らしくもない」 「…」 軽くいつも通りの挨拶をして、少し元気のない美琴を気遣って上条が声をかける。 しかし、美琴の返事は返ってこない。 …しばらく上条も黙り込んで通学路を歩いていると、美琴が喋り出した。 「いや~、昨日ちょっと運がつきすぎてね? 商店街のくじ引きで三等のプレミアムゲコ太を三つも取っちゃったのよね~」 おそらくその事で、今日の運も使ってしまったな~ というのが、彼女に今日元気がなく、朝も遅刻ぎりぎりだった原因だろうと上条は推測した。 …彼女は『運』といった一種のオカルトに対してあまりこれまで関心を持てずにいたのだが 上条の右手、幻想殺しに関するオカルトに触れたことで急速に理解を深めていった。 この前はインデックスにも多分右手のことについて聞いていたのをちらりと見たので、上条はこう判断したのだ。 「それで、結局今日の運を神様から返してほしかったから、そのゲコ太を友人にあげちゃったのよ。 あーあ、もったいないことしたなー」 「…ほぉう。ちなみにその友人というのは一体誰のことでございましょうか?」 「ひ・み・つ!…まあ嫉妬してるんなら、もう一個のやつもアンタにあげるけど、ねぇどうする?」 「ああ、はいはい。オマエがそんな簡単にあげちまうってことは、どうせたいしたことないんだろ? だったらいらねぇよ、んなの」 「…そう」 (なに言っちゃってんの俺ーーーーー!!!) 上条の心の叫びである。 本当は欲しい。凄く欲しい。だけど自分以外、もしかしたら男に、そんな大切なものを贈ってしまう 美琴の行動に若干いらっときてしまったのだ。 上条は昨日降った大雨でできた水溜りの水面を傘で大きく前にはね飛ばしている。 ・ ・ ・ 「…でもね、神様は応えてくれなかったみたい。昨日嫌な夢見ちゃったのよね」 「……あー俺もこの頃変なの見るんだよな。今朝も見たし」 上条として話題がそっち方面に行くのは、今朝見た夢の内容を思い出しかねないので 何とか阻止したいのだが、話題を振ろうとしてもがんじがらめになってしまうので会話が弾まなかったからだ。 「へぇー、ちなみにどんな夢なの?美琴様直々に評価してあげるわよ」 「オマエが俺の元から離れてしまう夢…………あっ」 「えっ」 …やっちまった。 夢の内容に触れない…触れない…と呪文のように唱えていたはずが、つい口に出てしまった。 しかし、言ってしまったのはしょうがない。嘘ではないのだ。 (…本当は夜景の綺麗なところとかで言いたかったんだが、仕方ねえ!こうなったら当たって砕けろだ!) 上条は大きく息を吸って、動揺している美琴の手を取り、大きな声ではっきりと伝える。 「御坂、俺はオマエが好きだ!こんな俺だが付き合ってくれ!」 即席の告白だが、正直な気持ちだった。ただそれだけあれば超えられる壁だと思っていた。 ―――このときまでは。 「そ、そうなの…」 「ああ、もう一度言う。御坂、俺と付き合ってくr「危なぁ~~い!!!」…へっ?」 突如、大きな叫び声が聞こえたと思って振り返る。 そこに暴走した大型バイクが突っ切ってきた。 「くそっ……!!」 「避けて!!!」 ドン!……ガシャーーーン! 一瞬反応が遅れた上条を美琴が押し倒す。 その間に、バイクは隣の洋品店の窓ガラスに突っ込んだ。 ― ―― ――― 間一髪で助かった上条は、水溜りに飛び込んだ自分のことは後回しにして、 自分の上に覆いかぶさっている美琴の状態を確かめた。 「ふ~、間一髪だったな。ありがとうな、御坂。怪我とかしてねぇか?」 「…」 見た限りではどこにも怪我らしいところはない。 だから、取り敢えず安堵した上条は彼女が返事をするのを待っていた。 「なんで…」 「?何だ、御坂?」 声が小さく聞こえない。 きこえない。 キコエナイ。 「なんで、そんなに平然としてるのよ!!! あんた死にかけたのよ! アタシのことより…もっと自分のことを大切にしなさいよ!!!」 そう言い放つと、アイツは俺が起き上がるのを待たずに行ってしまった。 俺は夢と同様に呼び止めようとしても、アイツは振り返ってさえもくれなかった…。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の告白成就
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白 第3話「似た者同士」 店内に入った上条は佐天の質問攻めあっていた。 「上条さんと御坂さんっていつどこで知り合ったんですか?」 「えっと、なんでそんなこと知りたいのかな?ってか、2人とも目が怖いくらいキラキラしてるんですけど!上条さんが何かしましたか!?」 「上条さんは何もしてないですよ。何もしてないけど知りたいんです。」 「あの~、上条さんはバカなんで出来ればもっと分かりやすく説明して欲しいんですけど…」 「単純に興味です♪」 「分かりやすっ!つーか興味だけ!?」 「そうですよ~、ってことであらいざらい吐いちゃって下さい♪」 「いくら可愛らしく言ったって喋らないですからね!そんなに気になるなら御坂に聞けばいいじゃねえか?」 「それもそうですね。御坂さ~ん。」 (なんなのよアイツ!佐天さんと初春さんといちゃいちゃしちゃってさ!!私のことは無視してるし!!…まさか2人もアイツのこと?…今日会ったばっかりなのにそれは考え過ぎよね。……でも、アイツの体質ならありえるかも…。) また、思考の迷路に入っている美琴。 (さっきは黒子達がいて買えなかったけど、アイツにも何かクリスマスプレゼント買おうかな?そのときに私の気持ちを伝えれば…。でも、フラれたらどうしよ?今みたいな関係も無くなっちゃうのかな?…それは嫌だな。アイツに会えないなんて絶対に嫌!でも……アイツが他の女の子と歩いてるのも絶対に嫌!!………やっぱり言おう!どんな結果になってもいい!明日、私の気持ちをアイツに伝えてやる!!!) そう気持ちを固めると今までモヤモヤしていた嫌な感情がスッと消えていった。 「それもそうですね。御坂さ~ん。」 今回は迷路から自力で脱出した美琴のところに佐天が近づいてきた。 気持ちを固めていなかったら、どんな顔をしたんだろうと内心苦笑しながら振り返るとニマニマとした笑顔の佐天がいた。 「…どうしたの、佐天さん?」 (嫌な予感しかしないわね。) ついに自分の番が来たのかと、佐天が上条のところから離れてよかったと思う反面、これから起こることを考えると手放しで喜ぶことが出来ない。 「上条さんに御坂さんとの馴れ初めを教えてもらおうと思ったんですけど、何も話してくれなかったので御坂さんに聞きにきました!」 「馴れ初めって…。別に付き合ってるわけでもないから話すことなんてないわよ?」 「でも、御坂さんは上条さんのこと好きですよね?」 「っ!!」 美琴の顔が真っ赤になる。 これ以上無いくらいの反応に佐天は驚きつつ、内心 (御坂さん可愛い~!) と叫んでいた。 そんなことが起こっているも知らないもう一組は、 「上条さんってレベルは何ですか?」 と普通の質問をしている初春と普通に答えている上条がいた。 「0ですよ。何をやってもシステムスキャンで引っかからない正真正銘のレベル0が上条さんです。」 「そうなんですか!?でも、さっき御坂さんの電撃を受け止めた、というより消してましたよね?」 日頃ジャッジメントで活動をしていて、多くの能力者を見てきている初春は、美琴の能力が別次元のレベルであることを理解している。 そんな能力がレベル0の無能力者に消せるわけないのだ。 「まぁ、理由はそのうち教えてやるよ。で、俺からもちょっと内緒で聞きたいことがあるんだけど…」 「何ですか?」 「御坂の指輪のサイズって分かるか?」 「っ!!??」 異性に指輪を贈るという行為がどのようなものかなど中学生にもなればいくつかの選択肢が出てくる。 間違っても友達同士ではない行為。それが指し示す意味とは… 「結婚っ!?」 「そんなわけないでしょーが!!上条さんは、まだ高校生ですよ!!それに相手は中学生じゃないですか!早すぎます!!!」 「じゃあ、告白ですか?」 上条の顔に赤みが差す。 (上条さん、分かりやすいですよ。) 「じゃあ、ここには指輪を買いに来たんですか?」 「いや、何をプレゼントするかも決めてねぇんだ。見てて御坂に似合いそうなのがあったらでいいなって思って。」 (御坂さん愛されてますね…) 「じゃあ、御坂さんと一緒にアクセサリーショップに行きませんか?」 確かにそういう方法もあるな。と賛成した上条。 初春は御坂さん達に伝えてきますね。と前を歩いている2人のところまで小走りに駆け寄る。 美琴が顔を赤くして騒いでるのを見ながら、何が似合うかなと考える上条。 初春にはああ言ったが、女の子に似合うものなんか分かるわけがない。 というわけで上条にとってこの環境はありがたいものだった。 「御坂さん、佐天さん。」 「初春さん、どうしたの?」 「上条さんと話してたんですが、アクセサリーショップに行きませんか?」 「アクセサリーショップ?アイツが?」 普段の上条がアクセサリーの類いをつけているところを見たことが無い。 おしゃれに気を使うようになったのかと思ったが、その理由が分からない。 (もしかして…誰かにプレゼント?) それが1番納得出来る。 しかし、当然の疑問がある。 (誰に渡すんだろ?) まさか、自分のために上条がアクセサリーショップに行こうとしているなんて考えもしない。 (アイツがプレゼント、しかもアクセサリーなんて…。素直になるのが遅すぎたのかな…。じゃあ、もう付き合ってる人がいる…?それとも、明日告白する気なのかな?) 思考がどんどん悪い方に流れていき、顔色が悪くなる。 自分が俯いていくのが分かる。気を抜くと涙も出て来てしまいそうだ。 「(御坂さん、なんかいきなり元気なくなったよね?)」 「(そうですね。多分、勘違いしてるんじゃないでしょうか?)」 美琴が今日3度目の迷路探検をしているときに佐天と初春はお互いの情報を共有していた。 美琴と上条がお互いのことをどう思っているのかも、何故上条がアクセサリーショップに行きたがっているのかも2人は分かっている。 この2人が幸せな明日を迎えるためにも今日上条と美琴をアクセサリーショップに一緒に行かせるのは必須事項である。 そのためとりあえず、美琴の意識を迷路から引っ張り出す方法を考える2人。 「(ねぇ初春、上条さんがなんでアクセサリーショップに行きたいのか教えてもいいんじゃない?)」 「(ダメですよ!!プレゼントはサプライズの方がいいんです!)」 「(それもそうだよね…。じゃあ、御坂さんはどうしようか?)」 「(私に任せて下さい。)」 そういうと美琴を下から覗き込む初春。 「御坂さん。」 呼びかけられたのに、なんの反応もしない美琴。 (これは重症ですね。) そう思い、次の一手を打つ! 「御坂さん、あんまりそうしてると後ろから上条さんに襲われちゃいますよ?」 「!!???」 美琴―――覚醒。のち、 「ふにゃーーーーーー!」 気絶。 ビリビリしだした美琴に気がつき、右手を頭に置いた上条によって周りへの被害はなかったものの、気絶した美琴をほっておく訳にも行かずしばらくベンチで休むことになってしまった。 10分後―― 「…ん?…あれ?」 美琴は目を覚ましたが、自分がどのような状況にいるのか分からなかった。 分かるのは、自分が寝かされていることと、頭の下になにか柔らかいものがあるということ。 とりあえず、周りの状況を確認するために起き上がろうとする美琴に 「おっ、起きたのか御坂。でもまだ横になってろよ。」 と上から声がかかる。 (…上?) 美琴が上を向くと上条が自分の顔を覗き込んでいた。 周りから見ればキスをしようとしているようにも見える感じで。 「っっっ!!……ふにゃ。」 「だから、ビリビリすんなっ!!」 右手が頭に置かれたので、青白い電流は消えたが美琴はまだ状況を把握出来ていない。 (どうなってるの!?えっと…初春さんが……後ろから襲って来るとか言って。ち、違う!襲われてもいいかななんて思ちゃったわけじゃない!!でも…コイツになら///。…はっ!って違う!!えっと…佐天さんと話してて、それから初春さんが来て、それからコイツがアクセサリーショップに。って!そうだ!!!) ようやく状況を把握出来たため、若干の余裕が出来る。 「アンタッ!アクセサリーショップに行って、誰に何買うつもりなの!!」 「み、御坂さん?アナタ様は何故そんなに怒ってらっしゃるのでせうか?」 「いいから質問に答えなさいよっ!!」 「誰にって自分にですよ。貧乏学生の上条さんがおしゃれに気を使ってはいけないなんて法律はないですしね。」 (策士上条さんはあらかじめこの質問に対する答えを用意しておいでなのですよ。これなら御坂に変な誤解を生まないし、不自然じゃないはず!) と自信満々で答える。 が 「嘘ね。」 「即答っ!?しかも完全に否定!??」 「だってアンタこの前年末は物入りだから節約するって言ってたもの。そんなやつが自分のためにアクセサリーを買いにいくわけ無いでしょ。」 「あの、それは、その、…そう!おしゃれに目覚めたといいますか!」 「じゃあ、なんでおしゃれに目覚めたの?」 「……黙秘し「アンタに黙秘権はない。」」 それでもいつまでたっても話そうとしない上条に美琴は制服のポケットに手を入れる。 「ちょ、話す!話しますからポケットに手を突っ込んでジャラジャラ言わせないでっ!さすがにここでゼロ距離超電磁砲なんか打たれたら死んじゃいますっ!!」 「なら、私の目を見てさっさと話せ。」 「…はい。」 上条は真剣な顔をして美琴の目を見ると、美琴も顔がどんどん赤くなりつつも見つめ返してくる。 自分の顔も赤くなってるだろうなと思いつつ、上条はセブンスミストに来た目的(嘘)を話す。 「俺、ちょっと前から気になる子がいて、その子にちょっとでも気にしてもらうためにおしゃれも多少頑張ろうかなって思ってだな。それで、考えてみたら俺アクセサリーって1つも持ってなかったから男子高校生としてダメじゃね?って気になって買いに来たわけです、はい。」 「……ちょっと聞きたいんだけど、その子ってどんな子なの?」 「はい?」 「だから、アンタが気になってる子ってどんな子なのって聞いてるの!」 「…なんでお前にそんなこと話さないといけないんだ?」 「それは、その、気になるからよ!!」 「はぁ~…興味本位で聞かれても答えるわけないだろ。」 「なんでよっ!教えてくれたっていいじゃないのよ、ケチっ!!」 「ケチっ!?確かに上条さんは貧乏ですけどケチじゃないつもりですよ!!」 「お金のことを言ってるんじゃなくて、心の問題を言ってるのよっ!!」 「つまり、この海よりも深くて大きな心の上条さんに対して心が貧しいとっ!?」 「その通りでしょ?こんな可愛い美少女が頼んでるのに教えてくれないなんて心が狭い証拠よっ!!」 「お前はあれを頼んだっていうのかっ!?御坂、お前世間様に謝れ!汗水たらして働いている営業の方とかに謝れっ!!」 「なによっ!!!」 「なんだよっ!!!」 にらみ合っていると近くに佐天と初春が立っていることに2人は気づいた。 「「あれ?佐天さん、初春さんどうした?(の?)」」 「いやー、お二人の痴話ゲンカに当てられたと言いますか、蹴られたといいますか…。」 「「ちっ!?」」 「とりあえず、移動しませんか?凄く目立っちゃってますし…。」 「「え?」」 周りを見ると、男女問わず足を止めてこちらを見ている。 先ほどの痴話ゲンカもそうだが美琴を膝枕しているときから、実はギャラリーはたくさんいた。 美琴は常盤台の制服を着ているだけでなく、その外見も含めとにかく目をひく。そんな女の子を膝枕し、さらに優しい顔をして髪を梳いている男が目立たないわけが無い。 それに加えて先ほどの痴話ゲンカである。周りはこれから遊園地のアトラクションを見るかのような人だかりが出来ており、写メまで取っている人もいる。 「「不幸だぁーーーー!!」」 2人の叫び声が重なった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男の本気告白
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説 3日目 第22学区 地下市街 フレンドパーク前 御坂と上条は入り口に着いた。 普段の御坂なら、電磁波を利用して10メートル後ろで佐天と初春が後をつけている事など分かるはずなのだが、 テンパっているせいか気づいていない。 初春はさっきから唸っている。 「どしたの初春? 便秘?」 「ち、違いますよ! いや、よく考えたら打ち止めって聞いたことがあるような気がして……」 「じゃあその人も知り合いなの? 初春は何でも知ってるなぁ~」 「何でもは知りませんよ。知ってることだけです。 ここまでは出掛かってるんですけど…」 「まぁそれは後でいいんじゃない? それよりどうすんの? 盗聴器はもう使えないんでしょ?二人の会話聞けないよ?」 「それなら大丈夫です。フレンドパーク内にも盗聴器がありますから。 昨日のうちに色々仕掛けたって言ったじゃないですか。」 当たり前のようにさらっと恐ろしい事を言う初春。 さすがの佐天も若干ひいた。 夜神総一郎もこんな気分だったのだろう。 そんな事とは知らず、上条たちは中に入って行く。 受付のお姉さんにチケットを渡すと、変わりにカードを出された。 余談だが、このお姉さんも都市伝説の被害者らしく、上条を見て顔を赤くしたのだが、 隣の彼女を見て落ち込んだ。常盤台のお嬢様が相手では勝てないと思ったのだろう。 カードの中にはチップが埋め込まれているらしく、ゲームをするときに画面にかざすと100円を入れずにプレイできるようだ。 ちなみに、乗り物に乗るときは係員にカードを見せればいいらしい。 外の人間から見れば十分ハイテクなのだが、中の人間からしたら、しかもこの未来未来した第22学区ではなんとも時代遅れな代物だ。 だが上条にとってそんな事はどうでもいい。とにかくタダがうれしいのだ。文句などあるはずがない。 普段の上条はこんな所に来ない。 補習やら買い物やらで時間がないのもそうだが、基本的にお金のかかる遊びはしたくないのだ。 RPGの中でさえ「ぜになげ」はしないくらいである。 なので今日の上条は若干テンションが高い。 対して御坂は挙動不審のようである。 さっきから、もじもじそわそわふらふらキョロキョロしている。 そんな様子に気づいていないのか、上条は追い討ちをかける。 「な、なな何で手とか繋ぐわけ!!?」 「いや、結構人多いし離れたら面倒だろ?」 佐天はまたモヤが掛かった気がした。 中はわりと賑わっていた。 遊園地やゲーセン特有のガチャガチャした音や、雑踏【モブキャラ】の声が聞こえてくる。 「ひょうか!次はこのぷりくらで撮ってみるんだよ!」 「で…でもこれ以上変な格好は……」 「なー兄貴ー本当にこのUFOキャッチャー取れるのかー?」 「まかせろ!俺はゲーセン界の課長と呼ばれた男だぜい!? それに舞夏の為なら、たとえ火の中水の中草の中あの子のスカートの中だにゃー!」 「ど、どうして結標ちゃんは乗れるのに先生はダメなのですか!? 先生のほうが年上なのですぅ!!」 「だって小萌は身長足りないし……」 「何してるじゃん鉄装!! こういう所にバカは集まるから見回りはしっかりしないといけないじゃんよー!」 「ま、待ってください黄泉川先生! せめて一回だけ! 1プレイだけストⅣやらせてください!!」 「あれー? なにコレ。イチゴ味? 頼んでたのと違うんだけどな~?」 「さすが浜面。超使えないです。」 「いや、ねーから! シャケ味のアイスとか売ってねーから!!」 「大丈夫。私は役に立たなくてもはまづらを応援してる。」 「うわ~い! 今度はアレをやってみたい、ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」 「ウロチョロすンじゃねェクソガキィ! ちゃンと手ェ繋いでねェと迷子になンだろォがァァ!!」 「キャハハハ! じゃあ代わりにミサカが第一位と腕を組んであげるよ。」 最近のモブキャラは随分個性的な様で……ていうか平気かここ? 一触即発っぽいメンバーがうようよしているのだが。 しかし上条も御坂も他の連中も、どうやら気づいていないようだ。 もはや奇跡である。 学園都市の技術は外に比べ20年は進んでいるが、なぜかゲームはレトロな物が多い。 上条は15年以上前のゲームを指差した。 「コレやってみよーぜ!面白そうだし!」 「ふぇ?……あ、あぁうん……」 御坂はまだドキドキしているらしく、何だか生返事だった。 そんな事とは知らず、上条は 「どうかしたのか? あ、ひょっとして負けるのが怖いのか~?」 などと要らん事を言う。 御坂も御坂で、 「な! そんなわけないでしょ!? アンタに負けるなんてありえないし!!」 と、言い返した。 少しいつもの御坂に戻ったかな?と、さらに上条は挑発する。 「いやいや、無理しなくてもいいんですよ? プライドをズタズタにされたくなければ尻尾巻いて逃げたって……」 言いかけて上条はハッとした。 どうやらやりすぎたようだ。 御坂からなにやら、ゴゴゴゴと音がする。 そして御坂は指を突きつけこう言った。 「いいわよ! 受けて立とうじゃない! その代わりに負けた方は罰ゲームだからね!!勝った方の言う事何でも聞くんだから!!」 上条は激しく後悔した。 勝負は三本勝負。3つのゲームで戦い、先に二本取った方の勝利だ。 「つーか御坂。能力使ってズルすんなよ?」 「しないわよそんな事! アンタこそ『負けたのは不幸のせいでした』なんて言い訳しないでよね!!」 両者の間でバチバチと火花が散る。 ちなみにこれは比喩表現であって、御坂の能力ではない。 第1ラウンド モンスター系格闘ゲーム ……ファイ デモンクレイドル ジゴクヲアジワエ…… ……ズッダーン ドッカーン オバーチャーン ウエーンウエーン…… 上条 WIN! 「はっはっはー! まずは一勝!」 「く…なによ最後の! でっかい猟師2人も出して! 卑怯じゃない!!」 「…そういう技だし…」 第2ラウンド 同じ色4つで消える系パズルゲーム ……イテ ヤッタナー ゲゲゲ…… ……エイ ファイヤー アイスストーム ダイヤキュート…… 御坂 WIN! 「うぅ…俺の大連鎖が……」 「でかいの一発狙おうとするからでしょ? せめて相殺用の中連鎖くらい用意しときなさいよ。」 「ていうか、頭を使うゲームで上条さんが勝てるわけがありません!」 「威張るな!!」 次のゲームで勝負がつく。泣いても笑ってもラストだ。 だがどうにも嫌な予感がする。こんなときこそ不幸が発動するのが上条だ。 しかも不幸を負けた原因にするなと釘を刺されている。 負ければ罰ゲーム。絶対にめんどくさいこと請け合いだ (神様、仏様、デンデ様! なにとぞ今だけは力を貸して下さい!!) 敬虔な十字教徒でもないくせに、こんな時だけ神頼みする日本人丸出しの上条。 アーメン・ハレルヤ・ピーナツバターだ。 最終ラウンド 太鼓を叩いて達人になる系リズムゲーム ……キョクヲエラブドン…… ……キーミーガーイタナーツーハートオイーユーメーノナカーーアーー…… いい勝負だが、僅かに上条の方の点数が高い。しかもここから上条の得意な、黄色の連打ゾーンが来る。 さらに点差を広げてやる!と、意気込んだ所で先程の嫌な予感が的中した。 変に力が入ったのか、手がすべりバチを落としてしまう。 慌てて拾う上条だがもう遅い。数秒のタイムロスなど音ゲーでは致命的だ。 もう取り返しのつかないほど点差が開いていた。もちろん逆転されて。 折角の祈りも天には届かなかった。 神も仏も、立川のアパートでバカンスを楽しんでいるのかもしれない。 そうでなくても神の加護など、自分の右手で粉砕・玉砕・大喝采しているだろうに。 この瞬間、上条が罰ゲームを受ける事が確定した。 御坂 WIN! そんな様子を見守る【のぞく】影が二つ。 「うーん…なんかこう…もっとこういい感じになりませんかね?」 「そうだねー…最初は良かったんだけど、途中から普通の友達っぽくなっちゃったね。 あんまりカップルっぽくないっていうか……」 「ボッスンとヒメコのデートを見てるみたいです……」 「でもまぁここからじゃない? 上条さんが罰ゲームを受けるわけだし、 何でも言う事聞かなきゃいけないわけだしね。」 「何でもって……ぬっふぇ!!? まま…まさか御坂さん!!」 「…何を想像してるのかは知らないけど、そこまではいかないでしょ。御坂さん、意外と奥手っぽいし。」 上条はビクビクしていた。さっきから御坂が不気味なほど沈黙している。 きっととんでもない事を要求されるに違いない。 あらゆる最悪な可能性を覚悟する上条だが、御坂が口にしたのはわりと呆気ないものだった。 「…名前……」 「え…?な、なんでせう……?」 「あたしの事、これから先…な、な、名前で呼びなさいよ!!!」 キョトンとする上条。初春達はおお!と、盛り上がっている。 この一歩は周りからは見れば小さな一歩だが、御坂にとっては偉大な一歩である。 「あー…何だ。 そんなことでいいのか? つーかお前だって俺の事『アンタ』って呼んでるだろ。」 「あ、あたしはいいのよ!勝ったんだから!」 本当は御坂も「当麻」と呼びたい所だが、そんなことをしたら確実に漏電する。すでにギリギリなのだから。 今この幸せな時間を、気絶なんかしたら勿体無い。 上条は頭をぽりぽり掻いた。気負っていたわりには(上条にとっては)あまりにも拍子抜けな罰である。 「じゃー、次は何する?…《美琴》」 「~~~~~!!!」 言葉にならないほどうれしい御坂。 その様子を見ていた佐天はボソリとつぶやいた。 「……もう帰ろうか初春。」 「ええ!? これから面白くなりそうなのにですか!?」 「さすがにこれ以上は悪いしさ。」 「…そうですね。後は若いお二人に任せますか。」 「あはは! あたし達の方が若いって!」 軽口を叩く佐天だが、心の中は益々ざわついていた。 あんなにうれしそうな御坂を見て、なんだかんだで楽しんでいる上条を見て、 胸がギュッと締め付けられ苦しくなる。 何故かは分からないが、ここから離れたかった。 この感情は何なのだろう………? 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/壊れかけの超電磁砲 御坂がこんなに可愛いわけがない お互いの名前を呼び合うようになってから一ヶ月が経とうとしていた。俺と美琴は何て言うか・・・ 勘違いかもしれないが俺の知識だと恋人っていう関係に近いのかもしれない。でもキスとかはしてないぞ? でもその・・・腕組んで歩いたりするのって恋人がやることだろ?好きじゃなかったら女の子は して来ないよな?でも美琴はしてくる。一人で外出して帰ってくると 「おかえりぃ!」 と言って俺に飛び掛る勢いで抱きついてくる。俺が知ってる美琴じゃなく新しい美琴になったと言ったほうがいいのかもしれない。 普段の美琴は・・・うん、最初と比べると凄く元気になった。前よりも活発になったとも思う。 例えば俺がソファーでウトウトしていると 「寝ないで私の相手しなさーーーーーーーーーい!!!」 「うぼぇあ!!!」 見事に俺の腹にボディプレスをかまして来たり、 例えば食事を取っている時 「それちょうだい!」 「ん?同じヤツじゃん」 「違う、アーンしてほしいの!」 「/////////////////////////////ほれ」 と心も体も色んな意味で満身創痍な訳なのです。上条さん理性が良く保ってくれていらっしゃる。 それくらい何かとじゃれてくる。俺はというと・・・嫌ではない。ていうか嬉しいに決まっている。 最初はどうなるかと思った美琴との生活だが十分満喫できている俺がいた。 でも俺は一つ大事なことを思い出した。忘れていたわけではないが・・・ 美琴の「自分だけの現実」のことだ。 俺からすれば最初の美琴と今を比べると天地の差。笑顔が絶えないし色んなことを話してくる。 これは・・・元に戻ったんじゃねえか? そう思って美琴に聞こうとするが 「美琴、お前の「自分だけの現実」のことだけど・・・」 「あ、トイレ」 「おう・・・」 そう言って美琴は2時間トイレから出てこない。おいおい、いくら大きいのだからって 長すぎですよ?2時間も経てば俺も「自分だけの現実」のことを話そうとしていたのを忘れてしまっている。 それで美琴が寝た時に「あっ!!」と思い出す。その繰り返し。 でもですね、最近美琴の気持ちを多少なりともわかった気がする上条さんはある疑問が浮かんだのです。 もしかして話をされまいと逃げているんじゃないか・・・と。 そう思ってから色んなタイミングで話そうとしても美琴はさすがレベル5。俺が上手く「自分だけの現実」についての話題に持っていったとしても 巧みな話術と行動であやふやにされる。何でもない普通の会話の時は笑顔を見せてくれるのだけど・・・ 仕方ない・・・一番やりたくなかった最後の手段を使うしかない。 ここでの生活で俺はソファーに座っていることが多くなった。なんていうか、俺が一番落ち着く位置だろう。 美琴は手が空いてると最近は必ず俺の隣に座ってくる。そして俺の右腕堪能タイム。 ギュっと抱きついてきてその仕草が可愛い。 「えへへっ」 そしてこの満足そうな笑顔である。上条さんの特殊能力に美琴属性が備わったのは確実だろう。 たまにその時俺が漫画本を読んでいたらそこから 「何読んでるの?」 と頭をにゅっと伸ばしてくる。その位置は俺の顔のちょうど真下。髪の毛のいい匂いがするのは言うまでもない。 俺はこの一連の動作は嫌いじゃない、むしろ好きなくらいだ。美琴の気持ちを多少なりともわかった気がする俺の考えだと きっと美琴もこの時が好きなのだろう。 「触れ合っているだけで守ってもらっている気がする」 ともいつか言ってくれたっけ。だから拒まなかったし拒む必要もなかった。 美琴に悪いがその心の隙を狙うしかない。全てをはっきりさせるために。 その日は朝からずっとソファーに座ってテレビを見たり雑誌を読んだりしてひたすら美琴が 隣に来るのを待つ。しかし美琴は料理をしたり洗濯、掃除をしたりしてなかなか来ない。 いや、必ずチャンスは来る!それまで待つんだ上条当麻!! 一通り家事をこなした美琴は・・・よし!こっちに来た!! 「えへへ、隣いい?」 「あぁ」 美琴は自然な流れで俺の隣に座る。そしていつものように俺の腕に抱きつこうとするが 俺はそれを許さず 「今日は俺が美琴に抱きつく番だ!」 「えっ!?ちょ・・・きゃ!」 わずかな抵抗を見せてきたが構わず美琴の全身を両腕で包んだ。右手で美琴の頭を俺の方へ寄せ、 左手でガッチリ捕まえた。 「ふふん、たまにはやり返さないとな?」 「わ、私がしたかったのに・・・」 「これで俺からは逃げられないな?」 「うん、当麻に捕まっちゃった。えへへ」 このセクハラ!て言われないだろうかと心配したがその反対、喜んでくれたようだ。でも俺は この後美琴を傷つけてしまうのだろう。でも美琴のため。そう信じて心を鬼にした。 「この生活には慣れたか?」 「うん、毎日楽しい!最初どうなるかと思ったけど」 「お前、俺に謝るだけだったもんな」 「うん。あの時の私は本当にどうかしてた」 「今はどうだ?」 「もうあんなことにはならないと思う。当麻と一緒にいられるっていうことがこんなに 幸せだってわかったから」 俺の腕の中でモジモジしているのがわかる。そこがまた可愛らしいのだが・・・ 「ならさ・・・もうこの生活はいいんじゃねえか?」 「・・・え?」 腕の中の美琴の全部が固まった。まるで石を抱いているみたいだった。 「これで美琴の「自分だけの現実」は元に戻ったかそれ以上になっているハズだ。俺はそう思っている。 だからもうこの部屋を出る時が来たと思うんだ?それに美琴の「自分だけの現実」が回復するまでの期間だけだし これじゃお互いダメになると思う」 きっと俺の言葉は耳に届いていると信じて話し続けた。美琴の耳にしっかり届いていたが癇癪を起こしだした。 「やだやだ!ずっと一緒にいるの!!」 「いや、二度と会えない訳じゃな・・・」 「アンタはいつもどこかに消えて、気づいたら大怪我して帰ってくるし・・・そんな事がたくさんあるアンタなのに 何故そんな簡単に二度と会えない訳じゃないって言えるの!?アンタを離したくない! もう嫌なの・・・アンタが私の前からいなくなるのが・・・」 「でもここを出ないとお前のためにはならない!」 「嫌!アンタがここから出たら・・・もう私の前に現れない!!」 「んな訳ないだろ!!」 「いや、いや・・・・」 美琴は俺がいなくなるということを恐れていた。でも何故そこまで俺に執着する? なら俺は美琴のことをどう思う?俺は・・・・・・ 「美琴、俺はお前と約束したハズだ。美琴を守ると」 「そんな約束、叶うハズない!」 「何が何でも叶えてやる。だってさ・・・」 「好きな女の子との約束を守る事って当然のことだろ?」 静まり返った部屋の中で美琴の「え?」と言った音がやけに響いていた。 「い、今なんて・・・」 「もう恥ずかしすぎて言えません・・・」 俺の決死の告白に腕の中の美琴は石みたいになっていた体の硬さが取れた。 しっかり聞こえていたクセに聞き返すのはやめてください・・・ 「う、嘘・・・信じられない・・・ねえ、私のためだからってそんな嘘つかないでいいのよ?」 「嘘じゃねえ。お前のためというよりこれは・・・俺のわがままだ」 美琴は俺に抱きしめられているため身動きがとれない。その顔の距離がやけに近い・・・ これは・・・まさか「アレ」のフラグですか~~???? そう舞い上がっていたけど 「うっ・・・う・・・えぐ・・・」 いつ以来の美琴の涙を見ただろう。でも何故か心が痛まなかった。いや、サディスティックではありませんよ? その涙は今まで見た涙より綺麗だと思えた。 「美琴・・・すまん」 「何でアンタが謝るのよ。何で私が泣いてるかわかる?」 「・・・悲しいから?」 「アンタの頭の中には嬉し泣きという単語がないのかしら?」 「・・・えと、つまり俺の事好きってことでしょうか」 「もっと早くに気づいてよ!!ていうか最初に気づけ!!この鈍感!バカ!アホ!! ・・・・・・・・・・・・うわあぁぁぁぁん!!」 美琴は顔をぐしゃぐしゃにして俺のシャツを濡らした。それを止めようとは全く思わず右手で美琴の細い手を握った。 この手は絶対に離さない。 だって美琴と本当に、やっと心が繋がったと実感したから。 あれから俺と美琴はすぐ部屋を出て、それぞれの戻る場所へ戻った。インデックスは小萌先生の家で散々贅沢をさせてもらったのが原因で 俺の寮に戻るのを相当ためらっていた。それを考えると・・・くそ、美琴とは正反対だぜ。 美琴はというと能力判定テストを再び受けて見事超能力者の力を見せ付けた。でも寮に戻ると 白井に散々尋問されたらしい。こんな長い期間の療養なんて絶対怪しいですの!と・・・ 誤魔化さないで俺たちの関係教えたら?と言ったら 「あの子は当麻と直接会った時に伝えないと意味がない」とのこと。なんとなくわかる気がする。 美琴ゾッコンLOVEの白井から奪ってしまったもんなぁ。 そして肝心の俺たちの関係は・・・ 順調というか以前と変わらない関係かもしれない。でも恋人になったということは間違いない。 俺は美琴、美琴は俺のことを当麻と下の名前で呼ぶ所は継続している。順調にも思えていたのですが・・・ 「ア~ン~タ~は~!!私がいるというのに他の女の子と下校ってどういうことよ!!!」 「はいぃ!?何を言っているのですか美琴さん??」 「その隣にいる!その女の子!!」 「ち、違うんだ、さっき財布拾ってあげただけで・・・」 「・・・・・・・・・へ?」 「勘違いさせてしまってすみません彼女さん!!」 「か・・・・かの・・・///////いえ、私こそ取り乱してごめんなさい」 「では失礼します」 「・・・な?違うだろ?」 「ふん!私がいないとすぐこれなんだから。行くわよ!」 「おわっ、待てって!」 俺の右腕に抱きついて器用に俺を目的も決まっていない行き先へ引っ張った。 「やっぱり当麻と一緒にいるだけで幸せ」 「じゃあ、何もしなくていいんじゃね?」 「そうかもね?えへへ」 前言撤回、やっぱり順調でした。今日は俺の部屋へ招待してみようか?インデックスはさぞかし驚くことだろう。 インデックスもきっと美琴の話を聞いたら喜んでくれるに違いない。 なあ美琴、俺はお前を守れているか? 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/壊れかけの超電磁砲
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 前日録 「私は自分より強い奴がいるのが気にいらないの。」 最初はただの負けん気の強い、ただのレベル1の 少女のたわごとだった。 だが、少女はあらゆる文献を読み漁り、毎日 徹夜をいとわず、能力開発の実技 指導と薬物による脳開発に耐え、小5のころには、当時は 空想科学の産物だった超電磁砲を打ってみせ周りを 驚かし、レベル5の3位になり、それでもあきたらず、研鑚を重ね、 小六の冬休みのシステム・スキャンでプラズマを 能力で発射する超荷電粒子砲を 完成させ、それを通り名にした。 1000億電子ボルトに加速された陽子は、陽子 と衝突するさいに、ガンマ線を放射し、その ガンマ線が、絶大な殺傷効果を持つ。 またガンマ線はあらゆる電子機器を破壊する。 分厚い鉛10M以外に遮蔽するものはなく、通常の 核シェルターすら、役に立たない。 その力技は、1000億KWを超えた発電能力で 作り出す莫大なプラズマが 可能とする。 その莫大な電力は、物質の第4態と呼ばれる プラズマを思いのままに操る ことを可能とし、将来的にはおそらく 反物質を使った究極兵器とされる 対消滅兵器すら可能にするだろう。 学園都市は、彼女の多大な利用価値を認め 中1の最初システム・スキャン後 序列1位に据えた。 兵器・素材・エネルギー・あらゆる用途に 応用可能な、プラズマ操作能力は おそらく学園都市に莫大な利益をもたらすであろう。 だが、彼女はそのあまりにも便利すぎる能力 ために、始まる苛烈な 日々をまだしらない。 第01話 上条当麻(1) はあ・・・疲れた。本当きついわ・・ いや実験は嫌いじゃないけどさ。 それなりの対価はもらっているしさ・・ でも、さすがに・・・毎日6時間極限まで頭を使うのは 結構つかれるわ・・ でも・・まあ世のため人のためならしょうがないわよね。 御坂美琴は、ぶつぶつひとりごとを吐きながら、 研究所からの帰り道を急いでいた。 夏の遅い、遅すぎる残照も薄れ、あたりは 夜のとばりが支配し始めていた。 御坂美琴は、いつも学校を午前中に終え、午後 は個人の能力開発と実験に充てている。 学校自体は彼女にとって、まあ息抜きみたいなものだろう。 春に支給された教科書は一瞥しただけで 復習にすぎないことは、支給された その日にすぐにわかってしまった。 小学校のころに、能力開発の基礎開発過程 でたたきこまれた数学・物理学 化学・生物学それらの教科書を読むために 暗記させられた日本語を含む 複数の言語。英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、 イタリア語、スペイン 語、日本語、中国語などの語学。 その知識は今思えば大変貴重なものだ。 だが・・あまりにも自分は詰め込みすぎた。 正直な話、学習はもう飽きた。 通常の大学院生以上の知識を叩き込まれた 小学時代の知識 は大学に匹敵する常盤台のカラキュラムでも全く底を見せない。 中2時点でも新規に学ぶことはなく、学校は復習 の場にしかすぎない。 だから学校は別に行く必要なんかないような気もする。 だが、所属する研究所所長の意見できっちと午前中だけでも、 授業を受けるようにしている。 まあ・・息抜きで行ってみれば、いいんじゃないの? と所長はいう。 それに同世代の普通の女性と会話するのも、御坂君が 今後研究者になるには 必要な知識だと思うよ。ともいう。 正直な話、プラズマの利用法を考えるだけで、楽しくて しょうがない自分には ガールズトークは退屈でしょうがないのだ、 自分にとって、学習と能力開発漬けだった 苛烈な小学校の日々、多分一般人の何十倍も 密度のある日々だったろう。 その結果つかんだ、能力、そして1位の地位。 その日々がふつうの女のコであることを 不可能としてしまっている。 そんな自分でも、ちょっと遊びたくなることがある。 ちょっとスキルアウトでもからかって遊んで見るか、 そんな出来心だったんだ。 でもそれが運命的な出会いになるなんて その時の私はしらない。 午後は研究所に缶詰めになる私は、20時までは 能力開発と実験に全精力を つぎ込んでいる。 物質の4態の一つであるプラズマは 開発領域が莫大である。 核融合、反電子砲、プラズマ溶接、電子銃、 プラズマ微細加工、プラズマを利用した 電磁爆弾など応用範囲はちょっとやそっとでは 終わるものではない。 という事情により寮監に毎日朝に門限延長の許可をもらっている。 通常20時の門限も22時までに戻れば許される。 まあ・・ささやかだけどさ・・レベル5の特権てやつよね。 でもせいぜい1時間かな遊べるのはさ・・ 効率的に遊びましょ・ アンチスキルの監視カメラサーバを ハッキングし、スキルアウトの 居場所は把握済み、ふふ10名で 何をバカ話してんのかしら・・ はあ・・女か。。。本当けだものね・・ じゃ・・ちょっと夢を見させてあげようかしらね。 いたいた。 10名のスキルアウトは、私をかわいい ふつうの女子中学生としか認識していない。 なれなれしく声をかくて来る。 ちょっとつきあわない・・。 はあ・・誰が 私はうつむいて何も言わない。 まあ焼きゃいいか。 100万V 1A程度の弱い電気でちょっと根性を試して 見ようかしら。黒子だとご褒美になるけど、 一般人なら気絶するでしょ。 こんがり皮膚も焼けて、スキルアウト定食 できるあがりなんてさ・・ でもさ・・最低でもレベル3以上が確定している常盤台生を 襲おうなんて馬鹿? レベル3以上でも10名で囲めばいいて考え? 短絡的で怖いもの知らずね。見かけにだまされて・・ もしも私がレベル5だったら どうするつもりなんだろう。馬鹿ね。 まあ退屈なやつらだし・・やっぱ焼くしかないかな。 本当女口説くならもっと勉強しなさいよ。 私は心の中でつぶやく。まあ馬鹿じゃな・・しょうがないか。 こいつらがMHD発電なんか理解できるわけないしな・・ ローレンツ力もマクスウエル方程式も理解できないでしょうしね。 さあ・・え? すいません。期待していない声が聞こえる。 つんつん頭の高校生くらいの男が私を助けようと、なにやら 言い出す。 へえこいつ・・なけなし勇気をだして助けようてわけ? まあちょっとついててみようかしら・・ ウニ頭の高校生と私は手をつなぎ走り出す。 それが始まりだった。・・・ 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある乙女の小さな願い 3章 乙女の決意 翌朝――― 美琴が起きた時にはすでに上条は起きていて朝食の準備をしていた。 「起きたか御坂、おはよう」 美琴は返事をしない。 「もうすぐご飯が出来るから待っていてくれ」 「お腹空いたんだよ!」 「インデックスもう少しだから我慢して」 「早くするんだよ!」 昨日はよく眠れなかったのだろう、美琴の顔にはクマが出来ていた。 そして、美琴は誰にも聞こえないような小さい声で「よし」とつぶやいた。 朝食ができた、上条が作った朝食はどこの家庭でもおなじみのトーストとハムエッグである。 「「いただきます」」 インデックスは美味しそうにトーストにモグモグとかぶりつく。 上条は自分の分のトーストとハムエッグを美琴のサイズに小さく分ける。 美琴は嬉しかった、上条の小さな気遣いが・・・・優しさが嬉しかった。 でも――― 「いらないわ」 「お前なぁ、昨日の夜も何も食べてないじゃねーか」 小さくても、美琴の顔が少しやつれているのは分かる。 「それが何?」 心配してくれている上条に対して冷たく当たる。 「そうだよ短髪!食べないと大きくなれないんだよ!」 小さくなった美琴のその言葉をかけるのは若干不謹慎なような気もするがインデックスは気にしない。 「こんな不味そうなもの食べたくないって言ってんのよ!」 もちろん本心では無い、美琴は必死に涙を我慢した。 上条とインデックスの優しさを踏みにじる言葉。 決して許されない言葉。 それでも、美琴は元に戻るために覚悟を決めたのだ。 小さいままでずっと迷惑をかけ続けて生きていくほうが嫌だった。 「不味そうとか言われると、さすがの上条さんも傷つくんですが・・・・・・」 「ふん!私はお嬢様なんだからお嬢様にふさわしい朝食を用意しなさいよ!」 「へいへい・・・・」 上条は少し悲しげに返事をした。 「さすがにわがままが過ぎるんだよ」 変わって美琴に注意したのはインデックス 「うるさいわね!アンタも居候ならコイツにばっかり家事させないで少しは手伝ったらどうなの?」 「うぅ・・・・」 家事のことを言われたらインデックスも反論できない。インデックスは一蹴されてしまった。 「御坂いったいどうしたんだ?」 「別にどうもしてないわよ」 (何かおかしい?御坂は目を合わせようとしないし・・・・・・) 「おはようございます」 白井がテレポートでいきなり現れる。 「あぁ白井かおはよう、テレポートでいきなり入ってくるのはやめてくれないか?」 「おはようなんだよ」 「こんな朝早くからなんの用なのよ」 「お姉様が心配で・・・・・・」 「別に心配くれなんて頼んでないわよ」 「お姉様?」 思いがけない言葉に白井は一瞬戸惑った。 「白井ちょっといいか?」 「なんですの?」 上条と白井は御坂には聞こえないように二人で話した。 「今日の御坂はちょっと機嫌が悪いみたいなんだ」 「そのようですわね」 「小さくなって3日目だし、ストレスがたまってるんだと思う」 「二人で何ヒソヒソ話してんのよ!」 「なんでもありませんの」 「それより今日はどうするんだ?」 「私は一人になりたいから、アンタ達でどこか行けば?」 「今のお前を一人に出来るはず無いだろ」 「私は子供じゃないんだから一人でも大丈夫よ!」 「そう言ってもお姉様・・・・」 そのとき上条の携帯電話が鳴った。 「上条です」 『上条ちゃんですかー、今日補習があること忘れてないですよね?』 「小萌先生ですか・・・・今日はちょっと簡便して欲しいんだけど」 『ダメですー、上条ちゃんはバカだからたくさん勉強しないといけないのですー』 「ちょっと待ってくださいよ」 『それじゃ遅れないように来るのですよー』 補習の呼び出し、どうしてこんな時に・・・・・・ とも思ったが、それは文字通り日ごろの行いが悪いからである。 「悪い・・・・今日補習だった・・・」 「ふーん、アンタ馬鹿なんだからさっさと行って来たら?」 再び美琴は冷たいように言い放った。 普段から上条のことを馬鹿と呼ぶことはあっても、それは素直になれない裏返し。 自分で意識して言うことは辛かった。 「そんな言い方しなくてもいいだろ?」 上条は悲しげに美琴を見つめて、ため息をついた。 「うっさいわね」 「お姉様、さすがに言いすぎかと・・・・・」 「黒子もジャッジメントの仕事があるんでしょ?」 「そうですが・・・・・」 「だったらこんなところにいないで、ジャッジメントの仕事に行けば?」 「ですがお姉様」 「心配されて自分のことも後回しにされても迷惑なのよ!」 「御坂言い過ぎだ!」 「私は本当のことを言ってるだけよ!やらなければならないことを後回しにして心配だけされても迷惑だって言ってんのよ!」 その一言にキレたのは上条だった。 「なんだよそれ! 誰のためにみんな心配してると思ってるんだよ!!」 「そうですわ、お姉様! 全員で知恵を集めればきっと解決策はみつかりますの!」 「それが余計なお世話だって言ってんのよ! 別に心配してくれだなんて頼んでないわよ!」 「短髪! 言いすぎかも!!」 美琴は3人の視線が痛かった。 どうして?なんで?もう元に戻りたくないのか? 上条と白井とインデックスは当然の疑問に答えは出なかった。 美琴は必死に涙を我慢した、泣いてしまえば全てがバレてしまう。 (泣くな私、泣けば全てが終わる!) 上条一人にターゲットを絞るとすぐにボロが出てしまいバレてしまう恐れがある。 よって自分を慕ってくれている白井にも冷たく接しないとダメだった。 「お願い・・・・・・もうほうっておいてよ」 その言葉に白井は何かを決意したように、凛とした表情で美琴に答えた。 「わかりましたお姉様、ジャッジメントの仕事に行ってきますの・・・・」 「白井・・・・・・」 「上条さんも補習があるのでしょう?でしたら急ぎませんと。インデックスさん、お姉様のことよろしくお願いしますの」 「インデックス後は頼む・・・・」 「任されたんだよ」 インデックスは力強く返事をした。 彼女も彼女なりに美琴のことを心配している。 自分の知識で助けられなかったのを気にしている。 上条と白井はそれぞれ部屋を出て行った。 (御坂はいったいどうしてしまったんだ?昨日までは普通だったのに―――) こうして上条は小萌先生の待っている高校へ向かう。 (お姉様、わたくしに出来ることは何か―――) 白井はジャッジメント177支部へ向かう。 それぞれの立場は違うが、全員美琴を心配しているのは確かだ。 部屋に残った美琴とインデックスは重い空気の中にいた。 美琴のことを心配しているとはいえ、インデックスも先ほどの美琴の行動には腹を立てているのである。 「短髪いったい何を考えてるの?」 「・・・・・・・別に何も?」 美琴の反応はやはり変わらなかった、インデックスに対しても冷たく当たる。 「こんなことになってヤケになるのもわかるけど、ちょっとやりすぎかも」 「・・・・・・・・」 美琴は口を開こうとしなかった、かまわずインデックスは続ける。 「短髪がはじめてこの部屋に来た日、あの鏡と何を話したの?」 「・・・・・・・・」 美琴は答えない、答えたくない。 「もしかして一生元に戻る事は出来ないって言われたの?」 それは当たらずも遠からずだった。 「私はシスターだから話なら聞いてあげるんだよ」 「うるさいわね、私は一人になりたいの! あんたも私をほっといてどっか行けばいいでしょ?」 「それは出来ないんだよ、とうまとくろこに短髪を頼むっていわれたもん」 「だったら私が出て行く」 「ダメだよ短髪!」 「うるさい!」 小さくなっても電撃の威力は変わらない、まるでスタンガンを使ったように美琴はインデックスを気絶させた。 (ごめん・・・・・・インデックス) インデックスを気絶させたところで突然鏡が話しかけてきた。 『がんばってるようね?』 「何の用よ?」 『嫌われて元に戻ったら本当のことを打ち明けて仲直りするつもり?』 「・・・・・悪い?」 『悪くないけど、良いことを教えてあげようと思って』 「良いこと?」 『この前貴方に言った元に戻る条件のことなんだけど、ひとつ隠していたことがあるの』 「何よそれ!」 美琴は少し希望が見えた、もしかして元に戻るための条件が他にあるのかと。 『残念だけど、一度嫌われるだけじゃ元に戻らないわよ』 「え?」 『永遠に嫌われ続けないとずっと小さいままよ?』 「そんな・・・・・」 その言葉は絶望しかなかった。 「どうして・・・・・・そんなことするの?」 『嫌いなの、貴方みたいな女が』 「なんでよ・・・・・・」 『まだ心の奥であの男が自分を救ってくれると信じてるでしょ?』 「・・・・そうよ」 『男なんて信じるに値しない生き物なの。私の過去を教えてあげようか?まあ知ったところで貴方のすることは変わらないけど』 「・・・・・・・」 美琴は返事をしなかった。 やはり元に戻るには上条に嫌われるしかないのである。 そして次の瞬間、鏡の記憶が美琴の中に流れ込んできた。 そこには二人の姿が見えている 一人は肌の白い女性、もう一人は男性だ。 ―――ずっと一緒にいるって言ったじゃない。 まさか君が魔女だったなんて・・・・・・ ―――あなたのことを信じて打ち明けたのに。 ごめん、君とはもう一緒にはいられない。 ―――待ってよ、お願いだから・・・・・・ 場面は切り替わり狭い路地裏 肌の白い女性が必死に逃げているのが分かる。 いたぞ!魔女だ!! ―――どうして?どうして私の存在が・・・・・・まさか!? 捕まえろ、魔女は皆殺しだ! ―――やめて、乱暴にしないで!! 再び場面は切り替わる 女性は両手両足を縛られ、虐待を受けている。 ―――どうしてあの人は私を裏切ったの? ―――どうして? 「やめて・・・・・」 美琴は想像を絶する光景に、思わず声に出してしまった。 そして次の瞬間、目の前は炎に包まれた。 「もうやめてよっ!」 そう叫んだ直後、記憶の流れは止まる。 「あんたは・・・・・・」 『・・・・・・・・』 全てを語った鏡はもう何も言わなかった。 そして美琴には絶望しか残されていなかった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある乙女の小さな願い
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 第18話 幻想殺し(6) 7月30日(木) 日差しがまぶしい。 朝8時というのに燦燦と突き刺すような夏の強烈な陽光が街路を照らす。 すでに盛夏のはちきれんばかりの熱気が足元から遠赤外線として 伝わる。 朝のニュースは東京都多摩地区の予想最高気温を36度と告げている。 いわゆる梅雨明け10日の真っ青な雲一つない晴天が広がる。 いつもなら保護膜を張り、暑さを遮断している美琴だが今日は 最低限の電磁レーダ以外は解除し、夏の雰囲気を満喫する。 美琴は、真夏の生命力あふれる光景が大好きだ。 生きているという感じがたまらなくいい。 はあ気持ちいいわね。やっぱ夏はいいわ。 じゃ。。運動しますかね。 いつもように全身を磁力で覆い、ぴょうと高層ビルの てっぺんへ移動し、そこから 上条当麻の学寮の上空へ自身を砲弾の玉のように 亜音速で移動する。 数キロの移動を約20秒で完了する。 うん?上条当麻の玄関に見慣れない、褐色肌の女を視認した。 あれが侵入者か? 美琴は今朝方 防犯カメラで確認された侵入者の 記録を思い出す。 あれは、「シェリークロムウエル」 ・・イギリス清教必要悪の教会所属の魔術師か まあご挨拶しましょ。私が目的とは限んないし。 まあその前に電話しましょ もしもし 当麻?ちょっと野暮用で1時間ほど 遅くなるので、昨日渡した 課題を先にやってくれる?到着はそうね。 9時30分くらいになりそうなので 待っていてね。 さあてと朝ぱらから面倒くさいわね。まったく。 多分アンチスキルでは太刀打ち できないわね。 以下すべて英語・・ 美琴 :おやようございます。 シェリー:御坂美琴か? 美琴 そうですが?何か用ですか? なるほど・・その岩が武器ですか シェリー・クロムウエルさん。 とりあえずシエリーさんでいいですか? シェリー:はーん・さすがに学園都市1位様は物知りだね。 でも・・このゴーレムは簡単には・・ 美琴 :はーいゴーレムですね。身長約4M、 質量は約3トンですか、じゃ・・ 約10GJあれば消滅しますね。 ・・・美琴は1000万KWの出力の赤外線レーザを右手から放出し、石像へぶつける。 原子力発電所を上回る出力で岩は液体というレベルを飛ばし、一気に 昇華し気体へ変化する。 この間約2秒、気体はプラズマに変換され、まばゆい光を放ち最後は痕跡ひとつなく 消滅する。 シェリー:へ?今のなに?でも・・ 美琴 :はいそのチョークが術式のカギですね。 回収と・・・ 軽く電撃を手に放ち、チョークを手から離させる。素早く移動し 回収する。 美琴 :シェリーさん・・ゲームセットです。無駄な抵抗はやめてください。 抵抗するなら、心臓へ1アンペアの電流ぶち込みますよ? シェリー:くそ。。やっぱりアンタは危険すぎる。。アンタは いっそ殺せ・・ 美琴 :私を暗殺しようとした目的は何? 私はこの町ではそれなりに有名な人間です。 それを魔術師であるアンタが 殺すのはルール違反です。ご存知でしょ。 そんなこと。イギリス清教の正規の魔術師のアンタが。 シェリー:アンタか上条当麻を殺して戦争を始めようと思った。 美琴 :そうですか・・まあ理由は分かりました。 少し痛い目にあってください。 私は用事が妨害されて、怒っています。 美琴は、1Aの気絶はするが、死なない電流でシェリーを気絶させる。 ドレス姿の女を担ぎあげ、研究所へ向かう。 ああ面倒クセ。交通整理がいるな。 少し情勢を調査しよう。どうやら 世界中で「御坂美琴」が危険人物として認識されつつあるのを 嫌でも認識する。 この件はまあいい、昨日と一緒、所長が統括理事会経由でイギリス清教と 交渉するだろう。 イギリス清教の正規構成員が科学世界の超能力者に危害を加えようとした 大変なスキャンダルだが大事にはならないだろう。 だけど、もともと私は、魔術には触れてはいけないはずだった。 だけど、何かがくるって、触れまくりだ。 プランが変わった?上条当麻じゃなく 私が標的? 私は、もやもやしたものを抱えつつも、目先の課題へ目を写す。 まあいいわ。。どうにかなるでしょ。 今は彼の課題を終わらせることが大事。 小さな学習の成功体験が大事だと思う。 この世は言葉で出来ている。その言葉を理解するためには、言葉 を理解する、ツールがいる。学校教育はその大事なパート その中で、成功しないよりはしたほうがいい。 さあ時間ね。 急ぎ研究所から当麻の学寮へ戻る。2分後の9時20分到着する。 私は、当麻の机の上の課題を見る。 美琴:遅くなりました。当麻君頑張っている? 当麻:ああ・・ 美琴:ちょっと見せて、あんまり埋まってないわね。 なんか躓いている? 当麻:美琴?なんかトラブル抱えていないか? 美琴:あら見てた。私はね。結構ストーカに人気あるのよ。 当麻:ふーん まあ美琴がそう簡単にどうかなるなんて思わねけど無理 するなよ。 美琴;当麻君、ありがとう。優しいのね。うれしいわ。 でも課題は別よ。私を心配する前にまず課題が先よ。 当麻:美琴は厳しいな。でもうれしいよ。いつも俺の事を見てくれて。 それに美琴作成の解説詳しいな。助かるよ。 美琴:明日中には終わらせようね。絶対当麻君ならできる。 当麻:はあ・・ありがとう。今まで親も含めて誰もそんな事いってくれなかった。 美琴:当麻君は、頭はいいと思う。だけど、小さな不幸が積み重なって、学習を 阻害していると思うわ。だから、気持ちを0ベースでリセットしましょ。 私は約束するわ当麻君と一緒に幸福になろう。 当麻:ああわかった。 美琴:今日は13時までここにいるから、今時点でわかんないことは聞いて。 当麻と2人きりで、一緒にやる課題、内容はただの復習だけど、最初の一歩が大事 正直この内容で本当の学力がつくとは思えない。だけど、まず完遂すること。 小さな積み重ねが大事だ。 当麻は頭の回転は悪くない。反射神経とはつまるところ脳の体制御システムだ。 反射神経がいい上条当麻が馬鹿なわけがない。 ただ、その頭を有効に活用する、プログラムを学校教育から取得できないだけだ。 だから。。まずそれを補完する。 それにしても時間ないわね。もう12時か。 明日は、私が1日休んで終わらせよう。 このまま状況に流されては私が不幸になるだけだわ。 当麻が不幸でなくなっても私が不幸では意味がない。 2人で幸福にならなければ何の意味もないのだから。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)