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『キモキャラとのHシーンがあるゲーム』の議事録 【提案内容】 2010年08月20日 21時19分 1. 題名 キモキャラとのHシーンがあるゲーム 2. 説明文 生理的嫌悪感を催されるような気持ち悪いキャラ(キモオタ・中年オヤジ・浮浪者など)とのHシーンがあるゲームです。 評価は該当シーンの量や質などで決めてください。 3. 該当するゲーム 臭作 姦染シリーズ 町ぐるみの罠~白濁にまみれた肢体~ 凌辱ファミレス調教メニュー Last Waltz ~白濁まみれの夏合宿 など… 4. 既存POVとの重複の可能性 特に無いと思います。 陵辱・調教・輪姦・主人公がダメ等のPOVの作品には該当のシーンはありそうですが。 該当シーンの多さや質でゲームを選ぶ為のPOVなので…重複はしないかと。 5. ご提案者以外にこのPOVで検索してくれそうな方がいることの証明 (エロゲー板)まるでお前らのようなキモブサ男が主人公のエロゲスレ http //qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1274099201/l50 (AV総合板)爺さんキモメン出演作品10 http //set.bbspink.com/test/read.cgi/avideo/1274019005/l50 (エロ漫画板)キモいおやじや老人にやられる漫画を語ろう http //set.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1194251303/l50 【審議】 2011年02月11日 ~ 2011年02月27日 内容 概略 提案者不在で審議が始まる。 参加者のファーストインプレッションは、概ね中立~賛成であり、趣味の好き嫌いは別にしてPOVとしてデータを収集するに値することは共通見解が得られていた。 一方で、提案者不在、推進者不在の為、詳細部分の審議に移行できない雰囲気となり、『見送り』の声が上がる。 02月20日 提案者代理の意思表示があり、審議続行となる。 問題点 POVで無くても、属性でもデータ収集できるのではないか? →(反論)キモキャラと言っても、多種多様。プレイシチュなども含め、コメント情報・ランクによる情報整理がしたい。 当初提案にはランクの基準はないが、ランクの基準の明示は不要か? →(改案)登録者間の認識の共有は必要。ランクの基準を説明文に盛り込む。 『ゲテモノ』POVとの部分的な重複。(触手、亜人種等、生理的嫌悪感が強い物) →(改案)対象を人間(人形)に限定する為、『キモい男性キャラとのHシーンがあるゲーム』という方向にタイトル修正。 内面的なキモさと、外面的なキモさなど、混在するPOVとするのか。 →(改案)内面の描写の質をランクの基準にする。 ※外面的なキモさは、登録の必要条件のようなもの。外面だけキモくても、性格が良く相手に好かれていれば、それは『美女と野獣』テーマであり本POVとは別の嗜好の物。 【結果】 2011年02月27日 可決されました。 1.題名 キモい男性キャラとのHシーンがあるゲーム 2.説明文 気持ち悪いキャラ(オタク・オヤジ・デブ・浮浪者など)のHシーンがあるゲームを登録してください。 「寝取られ」や「陵辱」等と他のPOVとの組み合わせで様々な嗜好ニーズにも対応できます。 キモさが表現されていれば和姦・強姦を問いませんが、触手・化物・禽獣の類は「ゲテモノ」POVへお願いします。 A 外見だけでなく歪んだ内面まで描かれており、際立ったキモさを誇る。 B 外見的な特徴は十分だが、内面描写は薄い。 C ちょい役程度であまり印象に残らない。 3.システム_タイトル キモ男 4.システム_グループ エロシーン タグ一覧:
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バトルシップ Battleshipsの例題の答え
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応えるための答え G5の町までまであの演説が聞こえている―――。 それはつまり、ファラの演説は島のほぼ全域にまで届いていることを意味する。 最も、教会まで届いているかは定かではないが・・・。 必然的に、ファラの声はカイルとミントの耳にも入っていた。 二人は橋から少し西に向かい、自体を把握するためにファラの声を聞いて草原に腰をおろしていた。 「ミントさん聴きましたか!?」 カイルは驚きの表情を隠しきれずに隣にいるミントへと振り向く。 「・・・ハイ」 その顔色は嬉しさを持ち、その中に悲しみを帯びた微妙な表情。 カイルはもしかしたら協力してくれるかもしれないと、そんな期待を込めてミントに顔を向けたのだが、その表情に戸惑ってしまった。 「ど、どうしたのミントさん・・・何かあった?」 「いえ、実は・・・」 ミントはゆっくりと息を吸って吐き、カイルに現実を伝える。 「確かにあの方の声には真剣な想いが感じられました。ですが・・・」 カイルはじっとミントの話しを聞く。 「カイルさんも気付いていらっしゃるとは思いますが、あの方はおそらくもうそう長くはないでしょう」 ミントの顔は至って真剣。その真剣な眼差しゆえ、カイルは思わず俯いてしまう。 確かにカイルは気付いていた。彼女の声に途切れ途切れ異様な咳き込みが混ざっていたこと。 そして『これが最期の仕事になるかもしれない』と言っていたこと。 そこからはみなまで言わずともイヤでも察してしまう。あの声の主は、極めて健康ではないということが。 そこまでカイルにも気付いていて、じゃあこれからどうすればいい? やっぱり、あの声の下まで行くべきじゃないのか? そんな衝動に駆られる。僅かな自尊心を持つものなら誰にでも訪れるモノだ。 だがミントはその考えを躊躇いがちに制止する。 「・・・あの方の下に向かえば、おそらく他の人たちも集まってくるでしょう。それは善悪問わずにです」 ミントの意見は的を射ていた。確かにそれが今の現状、それが事実。 つまりそれは、言葉にせずともあの声の下―シースリ村―は遅かれ早かれ色んな人たちが集まり、この異常な状況下の中互いに剣を交じ合わせてしまう混沌の戦場へと化してしまう。 ミントの冷静な判断がカイルにはひしひしと伝わってきた。 判っている。ミントさんは自分たちの身を案じて言ってくれているんだ。 そんな危険な場所に行けば死んでしまいますよと、残酷なことを彼女は頑張って諭して言ってくれているんだ。 それだけで今の自分の状態が判る。判ってしまう。 自分は誰かの隣にいて、誰かの隣に自分がいる。 だから言葉を交わし合って、的確に状況を判断できる。 本来はそんな危険な場所に行くべきではないと、臆病な自分が囁いてくる。 だけど・・・ 「だけど・・・」 カイルはゆっくり口を開く。 自分の本当の意見を。 自分の素直な気持ちを。 「それでも俺は、あの声の人を助けたい」 知らずに右手が握り拳になっていた。それだけカイルは必死だった。 「英雄なんて肩書きじゃなくて、ただ純粋にあの声の人の気持ちに応えたいんだ」 今度は小さく声を絞る。 「そりゃ、俺の考えは後先なくて、理想主義なのかもしれない。でも」 ミントは黙って聞く。何を考えるわけでもなく、ただカイルの声を聞く。 「それが俺だからね。誰が何て言おうと、これだけは譲れない」 その瞳は確かにカイル自身の強い色が輝いていた。 「そうですか」 言って、ミントは 「では参りましょうかw」 なんてニコッとした天使のような微笑みをカイルに向けた。 「え・・・いや、あの」 あまりの呆気なさに困惑するカイル。 恐る恐るミントに声をかける。 「反対してたんじゃ・・・」 だがミントは「いえ」と言って、 「ただ私はシースリ村というところが人でいっぱいになってしまいます。と言いたかっただけです」 間の抜けた声で出発の準備をする。 カイルは開いた口が塞がらない。 (もしかして・・・俺の思い込み!?) カイルはがっくりと肩を落とす。あまりに自分が真剣すぎたせいで彼女の雰囲気がものすごいぽわんとしていて・・・。 「ダメだ・・・気を持ち直さないと」 パンと頬を両手で叩き、気合いを入れなおす。思いのほか痛かった。 「それに・・・」 ミントが呟く。とても小さな声で。 「え?何か言った?ミントさん」 あまりの小ささに聞き取れなかったのでカイルは問いただすが、 「いいえ、何でもありませんよ」 と茶を濁して歩き出す。 「早くしないと置いていってしまいますよ~」 カイルを急かす。後ろからは「待ってよ~」という嘆きが聞こえてくる。 それに・・・ 「カイル君ならそう言うと思ってましたから」 今度も本当に小さな声でミントはそう呟いた。 晴れてカイルは英雄なんて称号にこだわらず 自分の意志を貫く決意を手に入れた だが完全に英雄を捨てたわけではない 彼は一人の少女の英雄であることに変わりはないのだ 【カイル・デュナミス 生存確認】 状態:全身に軽い打撲 (ほぼ完治) 所持品:鍋の蓋、フォースリング、ラビッドシンボル (黒) 第一行動方針: 声の主の所に行く 第ニ行動方針:リアラとの再会 第三行動方針:父との再会 第四行動方針:仲間との合流 現在位置:F3草原 【ミント 生存確認】 状態:健康 TP2/3 所持品:ホーリースタッフ サンダーマント 第一行動方針:シースリ村に向かう 第二行動方針:仲間と合流 現在位置:F3草原 前 次
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前ページ次ページゼロの答え 一旦部屋に戻ってルイズは爆発でボロボロになった服を着替えた。着替え終えると昼食をとるため食堂へと向かった。 デュフォーにも一緒に来るように言っておいたので一緒に廊下を歩く。 正直気分は最悪だった。腹の立つ使い魔にご主人様らしいところを見せ付けようと張り切ったのに結果はあれだ。 これではますます嫌味を言われる材料を与えてしまったようなものだ。 なのに使い魔のほうは何も言おうとしない。ひょっとして同情されているのだろうか? そう考えるとますます落ち込む。 (平民の使い魔にすら同情されるなんて……) そうこうしていると食堂に着いた。 このときルイズは酷く落ち込んでいてあまり周りを良く見ていなかった。 そのせいか椅子に座ろうとしたとき、一人の男子のマントをうっかり踏んでしまった。かなり思いっきり。 「ぐえっ」 蛙を踏み潰したような声を上げて男子が仰け反る。とその時、男子のポケットからガラスの小壜が落ちた。 勢いよくポケットから飛び出たためだろう、その小壜は床に落ちるとあっさり割れてしまった。 「あ、ごめん、ギーシュ」 流石に悪いと思ったのかルイズは謝った。だがギーシュは謝罪の言葉など聞こえていないかのようにルイズを怒鳴りつけた。 「なんてことをするんだ!ゼロのルイズ!この香水はモンモランシーが僕に」 ギーシュは最後まで言うことができなかった。モンモランシーにまで言ったところで一人の少女が席から立ちあがり、ギーシュの前に立ち塞がったからだ。 「ギーシュさま……」 「ケ、ケティ。その、これはごかぶっ」 最後まで言い訳させずケティと呼ばれた少女はギーシュのほほを思いっきり張り飛ばした。 「ご自分でおっしゃったことが何よりの証拠ですわ!さようなら!」 呆然とほほを押さえるギーシュ。だがその少女と入れ替わるように、また別の少女がギーシュの前に立ちふさがった。 「ギーシュ。何か言いたいことは?」 「モ、モンモランシー、こればぁっ!?」 モンモランシーはケティと同様に言い訳させる間もなく殴り飛ばした。平手ではなく、拳で。綺麗なストレートだった。 もんどりうって倒れるギーシュ。モンモランシーはテーブルの置かれたワインの壜を掴むと、倒れているギーシュにかけた。 中身が空になるとおまけといった感じで壜をそのままギーシュの頭の上に落とした。 「この嘘つき!」 そう言い捨てると憤懣やるせないといった表情でモンモランシーは自分の席に戻る。ギーシュは目を回していた。 ルイズは自分が原因だったため、流石に少しは悪いことをしたかなと思ったものの、元はといえば二股をかけていたギーシュが悪いと思い直して気にしないことにした。 ギーシュの分の食事が余ったのでデュフォーにも多少分けてあげようかと思ったが、マリコルヌが既に陣取っていたので諦める。 そのデュフォーだがパンとスープを食べ終わるとどこかへ行ってしまった。どこに行ったのか気になったものの、こちらはまだ食事中だったので放っておく 普通はご主人様の食事が終わるまで待つものだが、もうこの使い魔にそんなことを期待するのは諦めた。 ちなみにワインまみれで目を回しているギーシュを介抱しようとする人間は誰もいなかった。まあ二股かけていた最低男を助けるほど心の広い人間はいなくて当然だからよし。 ルイズが食事を終えてデザートを待っていると、何故かどこかへ行ったはずのデュフォーと今朝見かけたメイドが配っているのが目に入った。 驚いてルイズは飲みかけた紅茶を噴いた。正面に座っていた女子が嫌な顔をする。だがそんなことよりデュフォーのほうが重要だ。 「デュフォー!あんた何やってるのよ!」 デュフォーはケーキの置かれたトレイを近くのテーブルに置いて、怒鳴り声をあげて近づいてくるルイズに向きなおった。 一緒にケーキを配っていたメイドは突然怒鳴り声をあげて貴族が走ってきたため硬直している。 とりあえずルイズは一緒にケーキを配っていたメイド(シエスタというらしい)の方から事情を聞くことにした。 デュフォーから聞こうとしないのは、こいつが説明したら平静を保てる自信がなかったからだ。 「……つまりあいつはわたしが上げたパンとスープじゃ足りなかったから。直接厨房に行って、手伝う代わりに食事をくれって言ったのね」 「はい、そうです。デュフォーさんが突然、厨房に来たときは驚きました」 「あなたが一緒に配っているのは?」 「あ、それは私は今朝デュフォーさんと顔を合わせたので面識があったからです」 なるほど理由を聞いてみれば単純なことだった。ルイズに食事の量を増やしてくれと言わなかったのは、使い魔としての立場を理解してのことなのか。 それとも言っても聞き入れるわけがないと理解していたからなのか。―――恐らく後者だろうとルイズは思った。 「でも大丈夫?こんな奴が手伝ったらかえって邪魔じゃない?」 「そんなことありませんよ。デュフォーさんは私がケーキを掴み易いタイミングと高さでトレイを出してくれるから凄い助かってます」 そういうとシエスタは再びケーキの配り始めた。デュフォーと一緒に。 ―――面白くない。とルイズは思った。 (わたしに対してはあれだけムカつくことをしてくるのに、メイドに対しては優しいなんて) 実際は別にそんなことはないのだが、ルイズはそう思い込んでいる。 ルイズがそんなことを考えていると誰かに話しかけられた。そちらを見るとそこにいたのはギーシュだった。 「何よ、何のよう?言っておくけど今機嫌が悪いから、話しかけないで」 「ゼロのルイズ。君のせいでケティとモンモランシーの名誉が傷ついたじゃないか。どうしてくれるんだい?」 「は?何言ってるのよ。あれはあんたが二股かけてたのが悪いんじゃない」 「それに昼食もとれなかった。これもどうしてくれる」 「……それもあんたの自業自得でしょ」 どうやらギーシュは今さっき目が覚めたらしい。ギーシュの分の昼食はマリコルヌが全て平らげていたから当然昼食にはありつけなかったのだろう。 ルイズは相手をするのが馬鹿らしくなってギーシュから視線を外した。するとケーキを配り終えたらしいデュフォーが目に映った。 「おい、ルイズ。一体どこを見て……ん、あれは?」 ギーシュもルイズの視線に気がついたのかデュフォーたちの方を見る。 ちょうど配り終えたらしくルイズのところへと歩いてくるところだった。 ルイズの傍にきたところでギーシュは馬鹿にしたように鼻を鳴らした。 「流石はゼロのルイが呼んだ平民だ。ご主人様を放っておいて同じ平民の子とデートでもしてたのかい?」 どうやらルイズからデュフォーへと八つ当たりの対象を変えたらしい。 もちろんギーシュだって二股をかけていた自分が悪いことは理解しているが、八つ当たりをしないと収まらないのだ。 だがはっきり言って絡んだ相手が悪かった。 「お前頭が悪いな」 「なっ!」 「このトレイを見ればデザートのケーキを配っていたことはわかるだろう?それとも頭が悪いから理解できないのか」 「なななな、なっ!」 ギーシュの顔が怒りのあまり赤を通り過ぎてどす黒くなった。 これはもう喧嘩を売っているという次元ではない。今すぐギーシュがデュフォーを殺そうとしても納得できるほどだ。 現にデュフォーの隣に居るシエスタは恐怖のためか蒼白になっている。 ルイズですらあまりにもあまりな言いように硬直していた。 「きききききききききき、君はどうやら貴族に対する礼を知らないようだな。さ、流石はゼロのルイズが呼んだ平民だ」 「お前頭が悪いな。さっきも流石はゼロのルイズが呼んだ平民だ、と言ったのをもう忘れたのか?」 ギーシュが無言で薔薇の造花を振り上げたところで近くにいたギーシュの友人がギーシュを押さえ込んだ。 「よせ、ここで魔法を使うのは拙い」 「離せ、こいつは、僕が」 「気持ちはわかるが落ち着け。やるならヴィストリの広場だ」 必死でギーシュを宥める友人たち。当事者の癖に我関せずといった表情でそれを見つめるデュフォー。 傍から見れば蒼白になっているシエスタの方がギーシュの怒りを向けられた当事者にしか見えない。 しばらくして何とか落ち着いたのか荒い息を吐きながら、ギーシュはデュフォーに薔薇の造花を突きつけた。 「決闘だっ!いいか、ヴィストリの広場で待ってるから必ずきたまえ!貴族に対する礼儀を教えてやろう!」 そう告げるとギーシュは体を翻した。その後ろをさっきまで宥めていた友人たちがわくわくした表情でついていく。一人だけデュフォーの案内と逃がさないようとの監視も兼ねて残った。 「あ、ああああ、なんてこと。あ、あなた殺されちゃう。貴族をあんなに怒らせるなんて……」 血の気を失った表情でそう言うと、シエスタはだーと走って逃げてしまった。 そこでやっとルイズの硬直が解けた。 「あああああ、あんたね、平民がメイジをあんなに怒らせてどうするのよ!本当に殺されるわよ!」 「大丈夫だ」 「何が大丈夫よ!ああもう!仕方ないわね。私も一緒に頭を下げてあげるから謝りなさい!あんただけだと確実に許してもらえないだろうけど、わたしも頭を下げるなら許してもらえるかもしれないわ」 「非があるのはあいつだろ。俺やルイズが謝る理由はない」 「このわからずや!あんたは確かにムカついてムカついてムカついてムカつく奴だけど、それでもわたしが召喚した使い魔なのよ!勝手に死なせるわけにはいかないんだから!」 「なんだと?」 「そうよ!あんたは絶対に勝てないわ。その上あれだけ怒ってるのよ。手足の一本や二本くらいの重傷で済んだら運がいいわよ!」 「言いたいことはそれだけか?」 「それだけかって……聞きなさいよ!メイジに平民は絶対勝てないの!あんたがアンサー・トーカーとかいう能力を持ってても意味がないの!」 「意味がないかどうかは見ていればわかる」 そういうとデュフォーは一人残っていた男を促して歩き始めた。 「――――――っ!もう知らない!あんたなんかどうなっても知らないんだから!」 そう叫ぶとルイズはデュフォーを追いかけていった。 デュフォーがヴィストリの広場についたときには、噂を聞きつけた生徒たちで広場は溢れていた。 「とりあえず逃げずにきたことだけは誉めてあげるよ。それとも謝りにきたのかい?今更謝っても手遅れだけどね」 そう告げるとギーシュは薔薇の造花を突きつけた。目は殺気だって血走っている。傍目にも、もはや謝った程度では許す気はないのがわかる。 「お前頭が悪いな。戦いに来たことくらいわかるだろう」 ギーシュの顔が歪んだ。この期に及んでもそんなことを言われると思っていなかったのだろう。 「そ、そうかい。それじゃ始めるか」 そう言うと同時にギーシュが薔薇の花を振り、花びらを青銅でできたゴーレムへと変える。 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句……」 ゴーレムを出すとギーシュは長々と口上を述べようとしたが、途中で止めざるをえなかった。デュフォーが歩みを止める様子を欠片も見せず、こちらへと向かってくるからだ。 開始を告げると同時にデュフォーはギーシュへと近づいていった。走らず、歩いて。ギーシュがゴーレムを出してもまったく足を止めることはなく、ザッ、ザッと距離を詰めていく。 そのギーシュのゴーレムなど気にするまでもないというかのような態度に知らず歯を食い閉めた。ギリッと歯が軋む音が聞こえた。 ギーシュは無策に歩いて近づいてくる平民を叩きのめす―――いや叩き『殺す』ようゴーレムに指示を与える。 同時に再び薔薇の花を振り、更に六体のゴーレムを出す。新たに出たゴーレムにも同様の指示を出した。 ここまで自分を馬鹿にした態度をとる平民を生かして帰す気は、もはやギーシュになかった。 合計で七体ものゴーレムが一斉にデュフォーへと殺到し―――そして全ての攻撃があっさりと避けられた。 「―――え?」 ギーシュが間の抜けた声を出した。だがそれはその場を見た人間の素直な感想だった。誰一人として今、目の前で起こったことを理解できなかった。 誰が見ても避けられるとは思えなかった七体ものゴーレムの攻撃が、デュフォーがほんの少し動いただけで全て宙を切った。 そこから先はまるで夢の中の出来事のようだった。ギーシュにとっては悪夢に等しい。 ギーシュへと近づいていくデュフォーに攻撃をしかけるゴーレムたち。だがデュフォーはまるでどこにくるのかが解っていたかのように、少し動くだけでそれを全て避ける。 目の前の男を平民だと侮る気持ちは跡形もなくなった。代わりに恐怖が芽生える。 「何でだよ、何でワルキューレの攻撃が当たらないんだよっ!」 必死でゴーレムに命令を下すギーシュ。だが攻撃を当てることはおろか、後退、いや足を止めることすら満足にできない。気がつけばデュフォーはもう間近に迫っていた。 ドン、とギーシュの背中に何かが当たる。振り向くとそこには壁があった。ギーシュは無意識のうちにデュフォーから離れようと後ずさりしていたことに気がついた。 (追い詰められた―――?) ギーシュがそう思った瞬間、首を掴まれ、壁に押し付けられた。一瞬息が詰まる。魔法の杖である薔薇の造花が叩き落された。 「まだやるか?」 冷めた声でデュフォーが訊ねる。既にギーシュは戦意を喪失していた。 震える声でギーシュが降参を告げたのをルイズは信じられないものを見るような思いで見ていた。 前ページ次ページゼロの答え
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前ページ次ページゼロの答え 「何ですって――――っ!!」 その日のルイズの目覚めは最悪だった。 昨日召喚した使い魔、デュフォーが夢の中に出てきて『お前頭が悪いな』と連呼してきたのだ。 ムカついてぶん殴ろうとしてもひょいひょいと避けられて『お前頭が悪いな』といい続けられ、とうとう怒りが限界に達したところでルイズは目が覚めた。 (夢だったけど、現実のあいつをぶん殴らないと気が収まらないわ。うん、昨日の分の借りもあるし、これは正当な報復よ) 幸いなことにデュフォーはまだ寝ていた。 ご主人様より後に起きるなんて使い魔のくせに生意気だ、とルイズは思った。気持ちよさそうに寝ているのが更に腹立たしい。 ルイズはゆっくりと床で寝てるデュフォーに近くと、体重を乗せて踏みつけた。 起きた気配がしたことに気づかないフリしてそのままうりうりと踏みつける。昨日の分の怒りも込めて、思いっきり。 調子に乗ってしばらくそのままでいると足を掴まれる。バランスを崩してルイズは尻餅をついた。打った尻が痛いのかルイズの目に涙が浮かんだ。 「ちょっとなにするのよ!」 「重い。邪魔だ」 「だ、誰が重いのよ!言っておくけどわたしは」 そこまで言ったところで、ルイズはあることに気がついた。乙女の直感といってもいい。 ―――ここで話を切らないとこいつはわたしの体重を言う。 「わ、わたしはー、な、何でもないわ。そんなことより起きたんなら早く着替えさせなさい」 ルイズ自身、我ながら苦しいなーと思ったが、デュフォーはそれ以上この件に追求してくる様子はなかった。 (よし、上手くごまかせた) デュフォーによる着替えはやたらと上手く、ルイズが自分で着替えるよりも遥かにスムーズだった。 だがそこでルイズは下着をしまってある場所を教えていないのに、迷いもせず下着をしまっている引き出しを開けて下着を出していたことに気がついた。 そのことについてルイズが追求すると「お前頭が悪いな。下着をどこにしまっているかの『答え』もわかるからアンサー・トーカーだ」との返事がきた。デュフォーに対して殺意が沸きあがる。 とりあえず今日は朝食抜きにしてやるとルイズは決意した。 朝食抜きとルイズに告げられたため、デュフォーは下着の洗濯を先に終わらせることにした。 部屋から出たときはルイズと一緒だったが、赤い髪の女に挨拶をされてルイズは足を止めたので、そのまま無視して水汲み場へと向かった。待つ理由もない。 横を通り過ぎる際、赤い女の使い魔であるサラマンダーを見る。だが火を吐く大蜥蜴という感じで元居た世界で見た魔物の子に比べれば大したことはなかった。 洗濯物を持って下の水汲み場までいき、洗濯を済ませるとルイズが食事を終えるまで時間が空く。 暇なので同じようにそこらにいる使い魔たちを見ていた。 (珍しいのは風韻竜くらいか……) 他の使い魔にも元居た世界では架空の生物に属するものも多く居たが、この世界では特に珍しいといえるものではなかった。 それに加え、元居た世界でも100人の魔物の子の戦いにパートナーとして参加していたこともあるデュフォーにとっては、架空の生物というだけでは特に驚くようなことではない。 暇つぶしになるような相手も他に居ないので、風韻竜(シルフィードと名付けられているようだ)にでも話かけてみるかとデュフォーが考えたとき、後ろから声がかかった。 「どうなさいました?」 振り返ると怪訝な表情でメイドの格好をした少女がデュフォーを見つめていた。 不審者だと思われたのかもしれない。学院の中に格好からして明らかに学院の関係者でもない人間が居れば不審に見えるだろう。 「朝食を抜かれて暇だから使い魔を見物していた」 「え?」 予想外の言葉が返ってきたためか少女は戸惑いの言葉をあげる。 「えーと、そのあなたは「デュフォー!」」 少女の質問はルイズの怒鳴り声によって途中でかき消された。 少女が怒声の方向を見ると、ルイズが全身から怒っていますという気配を発散しながら大股でデュフォーへと近づいていくところだった。 「あ、あんたね、使い魔がご主人様を無視して先に行くってどういうこと!あんまり自然に歩いていくから居ないのに気がつかなくて恥かいたじゃない!」 「何故俺も立ち止まる必要がある?目的地が違うんだ、俺が先に行こうが関係ないだろう」 「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!こ、この馬鹿使い魔!ごごご、ご主人様に向かってその態度はなによ!謝りなさい!今すぐ!擦り切れるまで頭を地面に擦り付けて!」 「ああああ、あの、ミス・ヴァリエール落ち着いて、どうか落ち着いてください!」 完全にキレて怒り狂うルイズ。突然修羅場に巻き込まれてどうすればいいのかわからず必死でルイズを宥めようとうろたえているメイド服の少女。そしてただ一人平然としているデュフォー。 その場を見たあるものは後日こう言った。 「いやぁ、あれは凄かったよ。温度差が高―中―低と傍から見てもはっきりしててさ」 結局、そろそろ教室に行かないと遅刻するぞ、との外野からの声で一先ずその場は収まることとなった。 ルイズが教室に入ると先に教室に入っていた生徒たちが一斉に振り向き―――そして静まり返った。 誰が見てもわかる。もう噴火寸前を通り越して噴火していると。 少し前まではルイズのことで雑談していただろう生徒も、今のルイズを見てちょっかいをかけるような度胸はなかった。 ルイズは無言で席への一つに座った。口を開けば爆発してしまうのか『使い魔は床に座れ』と顎で指す。ついでに殺気をこめて睨みつけた。 デュフォーは何も言わず、それに従い床に座った。 ルイズから放たれる一触即発の雰囲気に教室は支配されていた。 (ねぇ、なんなの、この空気?) (恐らくあの使い魔と何かあった) 小声でひそひそと話をしていた人間もいたが、ルイズにギラリと睨まれて話を止めた。 教室に居る人間が一部を除いて重い空気に押しつぶされそうになったとき、扉が開いて先生が入ってきた。 のちにその場にいた生徒は語る。『こんなに授業が始まるのが待ち遠しかったのは初めてだった』と。 授業が始まったもののルイズから放たれる殺気は一向に静まることはなかった。 先生―――ミセス・シュヴルーズが一度いらないことを言って逆鱗に触れかけたが、先生に怒りをぶつけるのは拙いと理解できるだけの理性は残っていたらしい。 そして何事もなく講義は進み、事件は起こった。シュヴルーズがルイズから放たれている殺気をやる気だと勘違いしてしまったのだ。 そのためルイズに『錬金』を実演するよう指名してしまった。 ルイズもルイズで成功して生意気な使い魔を見返してやるとばかりに周りの静止などまったく聞かず、いつも以上に気合を入れて呪文を唱え、杖を振り下ろした。 結果は爆発。気合を入れていた分だけ凄い爆発だった。爆心地の机と石は一瞬で消し飛んでいる。 爆風をもろに受け、シュヴルーズとルイズが吹き飛ぶ。二人とも黒板に叩きつけられ、倒れたまま起き上がる気配はない。時々痙攣はしているから死んではいないのだろう。 爆発で驚いた使い魔たちが暴れだし、教室は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。 軽く溜息をつくと、デュフォーは煤だらけで気絶しているルイズのところへと歩いていった。流石に暴走した使い魔に踏み潰させるわけにはいかないと思ったからだ。 呪文を唱え。杖を振る。―――爆発。 また呪文を唱え。杖を振る。―――爆発。 何度でも呪文を唱える。何度でも杖を振る。その度に起こるのは望んだ魔法ではなく―――爆発。 爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発 爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発 爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発 爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発 爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発爆発 何千、何万回繰り返しただろう。それでもたった一度。使い魔の召喚の儀式のときを除いて爆発しか起こらなかった。 ゼロのルイズと呼ぶ級友たちの声が聞こえる。 魔法成功率ゼロ、使える魔法ゼロ。だからゼロのルイズだと。 認めたくなくて必死で叫んだ。 ―――違う、違う、違う!わたしはゼロなんかじゃない! 声はそれに反論する。 ―――じゃあ何か魔法が使えるのかよ。 何も言えなくなった。努力はしている。自画自賛でなくそう思う。魔法を使えるようになるため必死で勉強した。 だけど未だに何も使えない。 悔しくて、悲しくて、涙が溢れて。 ……そこで目が覚めた。 寝ながら泣いていたらしい。目をこすりながら起き上がる。あんな夢を見たのは使い魔を見返してやろうと思ったのに失敗したからかもしれない。 「やっと起きたか」 デュフォーの声が聞こえた。声のした方向を見ると寝ていたところのすぐ近くにデュフォーが居た。 泣いているのを見られた!?と思い身構えたが、思いなおす。別に泣いているのを見られてもこいつが何か反応するはずないと。 そこでもう昼休み間近であることに気がついた。朝の一件から結構時間が経っている。 「ひょっとしてわたしが起きるまで傍にいたの?」 正直かなり意外だったのでそう聞いてみる。昨日からの一日足らずの付き合いだが、気絶している人間の傍についているなんて思いやりがあるなんて思わなかった。 「いやついさっきこの教室の片づけが終わっただけだ」 「……予想通りの返事をありがとう。そうよね、あんたに思いやりを期待したわたしが馬鹿だったわ」 前ページ次ページゼロの答え
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ハッピーの答えはどこに? カード番号 ISC/S81-023 レアリティ CR,RRR カード名 ハッピーの答えはどこに? 種類 レベル コスト トリガー 色 ソウル パワー 特徴 クライマックス チョイス 黄 フレーバー 千雪「ふふ ……花じゃなくって、『ハッピー』ね」甘奈「そうそう、超幸せの葉っぱ!」 【永】 あなたのキャラすべてに、パワーを+1000し、ソウルを+1。(☆:このカードがトリガーした時、あなたは自分の控え室のトリガーアイコンにがあるキャラを1枚選び、手札に戻すかストック置場に置いてよい) CXコンボが2枚に対応し、色もレベルも同じなので発動しやすい。 関連カード 事務所。静寂。大輪の華_大崎甜花 CXコンボ,レベル3 スタンバイオッケー_大崎甘奈 CXコンボ,レベル3
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一日目 二日目 三日目 四日目 イベント関係者(ビシュナル、クローリカ、ヴォルカノン) 一日目 「姫! すっごくいいことがあったんですよ!」 フレイ「いいこと? なにがあったの?」 「それはですね――」 「あ、でもなあ……。」 フレイ「?」 「……うん、そうですね!」 フレイ「??」 「姫、 明日空いてますか?」 フレイ「あれ? いいことがあったっていうのは?」 「いえいえ、違いますよ!」 「デートしながらお伝えしようと 思いついたんです!!」 「デートもできるし、 話もできるし一石二鳥です!」 「だから、明日どうですか?」 大丈夫だよ・明日はちょっと…… ▼明日はちょっと…… 「ああ、そうですか……。」 「では、デートができるようになったら 僕に声をかけてください。」 「待ってますから!」 話しかける 「あ、姫。」 「明日、大丈夫そうですか?」 《選択肢に戻る》 ▼大丈夫だよ 「ほんとですか! ありがとうございます!」 「では、明日、姫の 部屋の前で待ち合わせしましょう。」 フレイ「うん。」 「明日楽しみにしてますね♪」 「明日、姫の 部屋の前で待ち合わせですよ。」 「明日楽しみにしてますね♪」 二日目 「デート忘れてませんよね?」 「姫の 部屋の前で待ち合わせですからね。」 「姫、 お待ちしていました。」 「今日もかわいいですね。」 なっ!?・そうかな……?・ビシュナルくんはかっこいいよ ▼なっ!? 「あっ、すみません……。」 「姫が かわいかったので、」 「つい口走ってしまいました……。」 フレイ「謝らなくても……。」 ▼そうかな……? 「ええ、姫は かわいいですよ!」 ▼ビシュナルくんはかっこいいよ 「えっ!?」 「……ありがとうございます。」 「さあ、行きましょうか。」 「目指すは西地区です!」 西住宅街ベンチ 「ふんふん~♪」 機嫌がいいね・なにがあったの?・どうしたの? ▼機嫌がいいね・なにがあったの?・どうしたの? 「実はですね……。」 「今度、執事の審査官が町に 来ることになったんですよ!」 フレイ「審査官?」 「はい!」 「僕たち執事の力量を審査して、 能力に応じて称号を与えてくれる人です。」 「その人に認められれば認められるほど 一人前へと近づけるわけです!!」 フレイ「それで昨日から機嫌がよかったの?」 「はい!」 「もしかしたらと思うと、 ウキウキするんです!!」 「まあ、称号をもらえるかどうか わかりませんけど……。」 「でも、日々、特訓してますからね! かなりいい線いくと思います!」 フレイ「そっか。 楽しみだね。」 「はい!!」 「一流の執事は僕の夢ですから!!」 フレイ「ところで――」 どうして執事になろうと思ったの?・どんな称号をもらえるの? ▼どんな称号をもらえるの? 「そうですね……、 最初だから1つ星の称号だと思います。」 「ちなみにヴォルカノンさんは3つ星の 称号を持ってます。」 「これってとってもすごい事なんですよ!」 フレイ「そうなんだ。」 「他に聞きたい事があれば 何でも聞いてください!」 《選択肢に戻る》 ▼どうして執事になろうと思ったの? 「え? 執事になろうと思った理由ですか?」 フレイ「うん。」 「えーっと、それはですね……。」 「……きっかけは父です。」 「『人のために何かをできる男になれ』 昔っからの口ぐせです。」 「誰かのために何かをするのが 好きな人なんです。」 「大勢の人のためになるからって 医者になったような人ですから。」 「そんな父を見て育っているので、 僕も父のようになりたいと思いました。」 フレイ「医者になりたかったの?」 「それは僕も考えましたけど……。 僕の頭だと無理でした!」 そんなことないよ・そうだよね ▼そんなことないよ 「そ、そうですか? ありがとうございます。」 「でも、実際は少しきびしかったんですよ。」 ▼そうだよね 「そんなはっきり言わなくても いいじゃないですか!」 「はあ……でも、無理だったのは確かです。」 「だから色々探しました。」 「けど、なかなか見つからなく どうしようと悩んでいて……。」 「そんなある日……。」 「僕の人生を決めるあの執事に……。 セバスチャンに出会ったんです。」 フレイ「どんな人だったの?」 「すごく……輝いている人でした。」 「でも、その輝きは自分を 輝かせるものではなかったんです。」 「セバスチャンが主の側に立つと 主がいっそう輝いて見えたんです!」 「衝撃でした……。」 「その輝きは自分でない誰かを 輝かせるものだったんです。」 「僕なりに人のためになることを 一通り探したつもりでしたけど、」 「こんなカタチがあるだなんて 思いもしませんでした……。」 「……僕は執事に憧れました……。」 「執事になりたい!」 「そう思いました。」 「………………。」 「けれど、幼かった僕には不安もありました。」 「執事って主のために仕える仕事ですよね? だから「人のため」になってはいます。」 「けど……なんて言うんでしょう……。」 「父が言ってた「人のため」と この場合の「人のため」は同じなのか?」 「もし違っていたら反対されるんじゃないかって。 ……それがすごく不安でした。」 どうしたの?・…………・あきらめたの? ▼どうしたの? 「悩んでるだけでは解決しません。」 「なら、いっそのことぶつかってみようと 思いまして父に相談することに決めました。」 ▼………… 「でも、将来のことはいずれ 話さなければいけないことですしね。」 「迷ってても先に進めませんから、 父に相談することにしました。」 ▼あきらめたの? 「いやいやいや! あきらめませんよ!」 「あきらめてたら僕はここにいませんし!」 フレイ「どうだった……?」 「笑われました。 そんなことは気にするなって。」 「『おまえが「人のため」になると思ったなら 自信を持ってやればいい』」 フレイ「…………。」 「……まあ、そんな感じで父も 応援してくれることになったんです。」 「それからは僕が大きくなるまで 父相手に執事のマネごとをしました。」 「時期をみて父の友人に紹介してもらって、 今、ここで修行をさせてもらっているんです。」 フレイ「そうだったんだ……。」 「ええ……。」 フレイ「でも執事になってるっていう 夢は叶ったんだよね?」 「まあ、そうですけど。」 「夢っていうのは叶えたそばから また新しい夢ができるものなのです。」 「立派な、一人前の執事になる事……。」 「それに加えて、さらにまた 新しい夢も出来ましたし。」 フレイ「新しい夢?」 「あっとー……。 これは秘密でした。」 フレイ「え?」 「ごめんなさい。 今のは聞かなかったことにして下さい。」 フレイ「どういうこと?」 「あーしまったー。 特訓の時間だったー。」 「急がなくっちゃ! 急がなくっちゃ!」 フレイ「あ、ちょっと!」 「姫、 ごめんなさい!」 「また今度ゆっくり話しましょうね!」 フレイ「行っちゃった……。」 フレイ「…………。」 フレイ(審査か……。) フレイ(……ビシュナルくん、 がんばってね。) 「また今度デート行きましょうね。」 三日目 執務室 ヴォルカノン「こちらは審査官のバイエル殿ですぞ。」 バイエル「はじめまして。」 バイエル「ただいまご紹介に与りました バイエルと申します。」 バイエル「数日の間ではありますが、 よろしくお願いいたします。」 「よろしくお願いします!」 クローリカ「よろしくお願いします。」 バイエル「では、さっそくで申し訳ありませんが、 仕事の話をよろしいですか?」 「もちろんです!!」 バイエル「私は各地に点在する執事の 審査を行っております。」 バイエル「私が授与する称号は1つ星。」 バイエル「1つ星とは、ある1つの物事に 特化した執事に与えられる称号です。」 ヴォルカノン「大変名誉ある称号ですぞ。」 バイエル「ここ数日、ビシュナルさんに クローリカさん――」 バイエル「お二方の仕事振りを 拝見させていただきました。」 ヴォルカノン「おお、もうご覧になられたのですか。」 ヴォルカノン「まだまだ至らぬところもありますが、 我輩の自慢の弟子でこざいますぞ。」 バイエル「ええ、さすがは3つ星の称号を持つ ヴォルカノン殿のお弟子さんです。」 バイエル「わずかな視察でも 能力の高さが伺えました。」 バイエル「まだ審査段階ですので、 はっきりとはお伝えできませんが、」 バイエル「お二方とも――」 バイエル「称号を得られるだけの能力は 充分に備わっているものと見受けられます。」 「ほ、ほんとですか!?」 クローリカ「うわあ~。」 バイエル「ええ。」 バイエル「ですが、1つだけ。 ゆゆしき問題がございます。」 ヴォルカノン「ゆゆしき問題? バイエル殿、それはいったい?」 バイエル「ビシュナルさん。」 「え……。」 バイエル「恋人がいるそうですが本当ですか?」 「あ、はい……。 恋人は……います。」 ヴォルカノン「バイエル殿、 恋人がいることに問題は――」 バイエル「わかっております。 恋人がいることに問題はありません。」 バイエル「ですが……。」 バイエル「恋人が誰であるかというのが 問題なのです。」 「…………。」 バイエル「その方はビシュナルさんが 仕えているお方で間違いありませんね?」 「………………。」 バイエル「主と執事に関係があっては、」 バイエル「執事の評判だけでなく尊厳までもが 傷つけられてしまう可能性があります。」 バイエル「ビシュナルさん、 今一度お聞きします。」 バイエル「あなたがお付き合いされているお方は、 仕えているお方で間違いありませんね?」 「……………はい……。」 バイエル「わかりました。」 バイエル「ビシュナルさん。」 バイエル「主と恋人関係であるままですと、 称号を与えることはできません。」 バイエル「執事を続けていくというのであれば……。 恋人とよく話し合って下さい。」 「………………。」 バイエル「では、みなさん。 私は1度失礼いたします。」 バイエル「審査結果はまた後日、 お話しさせて頂きます。」 バイエル「では、失礼。」 ヴォルカノン「ビシュナル……。」 クローリカ「大丈夫ですか?」 「………………。」 ヴォルカノン「我輩からもバイエル殿には 話をしてみます。」 「…………はい。」 ヴォルカノン「さあ、仕事を再開しますぞ。」 クローリカ「はぁい……。」 「………………。」 ヴォルカノン「これはフレイ殿。 今の見ておいででしたか?」 フレイ「はい……。」 ヴォルカノン「そうですか……。」 ヴォルカノン「我輩もなんとかしたいですが……、 いかんせん、どうしたものかと……。」 ヴォルカノン「お役に立てず……我輩……我輩……。」 ヴォルカノン「ウオォォーン!!」 フレイ「ヴォルカノンさん……。」 ヴォルカノン「しかし我輩、できる限りのことは させていただきますぞ。」 ヴォルカノン「こんな所で若い希望を 失わせるわけにはいきません。」 ヴォルカノン「フレイ殿は ビシュナルの様子を見てあげて下さい。」 ヴォルカノン「よろしくお願いします……。」 ヴォルカノン「ビシュナルの様子を見てあげて下さい。 よろしくお願いします……。」 クローリカ「はぁ…………。 なんか納得いきませんね……。」 フレイ「ビシュナルくん。」 「姫……。」 フレイ「…………。」 「……ごめんなさい。 今は1人にしてもらえますか……。」 フレイ「…………。」 「……お願いします。」 フレイ(ビシュナルくんは ああ言ってるけど……。) フレイ(今ほんとにビシュナルくんを 1人にしていいのかな……。) フレイ(…………。) …………・ううん、よくない! ▼………… フレイ(でも……。) フレイ(こんなときだからこそ、 私が力にならないと!) ▼ううん、よくない! フレイ「ビシュナルくん!!」 「は、はい。」 フレイ「…………。」 「…………。」 「……ど、どうしたんですか? 急に大きな声を出して……。」 フレイ「ええっと……。」 何も考えてなかった……・い、今からでかけよう!! ▼何も考えてなかった…… 「姫?」 フレイ「そうだ! い、今からでかけよう!!」 ▼い、今から出かけよう!! 「え、でも――」 フレイ「行くよ!」 「ちょ、ちょっとー!!」 展望台 「姫……。」 「もしかして、審査官の 話……聞いてましたか?」 フレイ「うん。」 「……はあ。 僕はどうしたらいいんでしょう……。」 フレイ「……迷ってるの?」 「……………………………。」 「僕は誰かのために執事であり続けたい。」 「だから執事をやめるのは 絶対にイヤです……。」 フレイ「…………。」 「でも、姫と別れるのも 絶対にイヤです……!」 「…………。」 「けど、僕のせいで執事の存在そのものに 傷がつくのもイヤです……。」 フレイ(今、私がビシュナルくんのために できることって…………。) 「さっきからイヤばっかり言ってますね。」 「僕は……わがままです。」 フレイ「…………。」 「でも……決めないといけませんね……..。 いつまでも……考えていられませんし……。」 「だけど……。」 「どうしたら……。」 どうするの?・執事をやめる?・審査官を説得できない? ▼どうするの? 「どうしたらいいんでしょう……。」 「弱気になってしまってごめんなさい。」 「でも……。 でも…………!」 《選択肢が減って戻る》 ▼執事をやめる? フレイ(……………………。) フレイ(私の口から執事を やめるかなんて聞けない……。) フレイ(ビシュナルくんの夢を 諦めさせることはできないよね……。) 《選択肢が減って戻る》 ▼審査官を説得できない? 「……くやしいですけど審査官の 言い分もわかるんです……。」 「もし僕が姫に 秘密をぺらぺら話してしまったら……。」 「そんなこと絶っ対しませんけど、 それを証明できないんです……。」 《選択肢が減って戻る》 《全ての選択肢を見ると次へ》 執事を続けて ▼執事を続けて 「えっ!?」 「姫! な、なにを言ってるんですか!!」 フレイ「執事になることが ビシュナルくんの夢だよね?」 「そ……それは……。」 「ですけど、執事を選んだら 姫とは――」 フレイ「私は……。」 フレイ「ビシュナルくんの夢を ジャマしたくないよ。」 「………………。」 「でも、やっぱり……!」 フレイ「審査官の人も言ってたよ? 『称号を得られるだけ能力はある』って。」 「…………。」 フレイ「それって執事として 認められてるってことだよね?」 「……執事として…………。」 フレイ「半人前じゃなくて一人前として 認められるってことじゃないかな?」 フレイ「だから………………。」 フレイ「私のことだけだよね。 問題だったのは。」 「……っ!」 フレイ「ビシュナルくんの夢は?」 「僕の夢は……。」 「……執事に……なることで。」 フレイ「うん。」 フレイ「どれだけ憧れてるか 私に教えてくれたよね。」 「……僕は………………。」 夢を叶えておいで ▼夢を叶えておいで 「……………………………………… ………………………………………。」 「…………ありがとうございます、 姫。」 「ごめんなさい……、 姫!」 フレイ「………………。」 「僕……。」 「僕は……。」 「執事が夢なんです!!」 フレイ「うん。」 「姫が背中を 押してくれなければ執事をあきらめていました。」 フレイ「…………。」 「僕……姫のためにも 立派な執事になります!!!」 フレイ「うん……。」 フレイ「じゃあ、もう行かないと。」 フレイ「称号がもらえるかもしれないのに ここで休んでたらダメになっちゃうよ。」 「はい……。」 「ほんとうにありがとうございました……。」 フレイ「ビシュナルくん…………。 立派な執事になってね……。」 ヴォルカノン「申し訳ありません、 フレイ殿。」 ヴォルカノン「バイエル殿にかけあってみましたが……。」 フレイ「大丈夫です。」 フレイ「私もビシュナルくんには 夢を叶えて欲しいですから!」 ヴォルカノン「フレイ殿……。」 ヴォルカノン「我輩がいながら……。ウオォーン!!」 クローリカ「ビシュナルくんと何かあったんですか?」 クローリカ「ビシュナルくん…… ……泣いてましたよ?」 フレイ「…………。」 クローリカ「それにフレイちゃんだって……。」 大丈夫・………… ▼大丈夫 クローリカ「でも……。」 フレイ「ほんと大丈夫だから。 ありがとう。」 クローリカ「…………。」 ▼………… クローリカ「フレイちゃん……。」 「…………。」 四日目 執務室 クローリカ「フレイちゃん……。」 フレイ「みんな集まってるの?」 クローリカ「ええ……。」 クローリカ「これから審査官のバイエルさんが いらっしゃるんです。」 フレイ「そう……。」 クローリカ「あの――」 クローリカ「いらっしゃいませ。 どうぞ、こちらへ。」 バイエル「…………。」 バイエル「あなたのお気持ち、お察しします。」 バイエル「ですが、許して下さい。」 バイエル「執事になるということは こういうことなのです。」 ヴォルカノン「バイエル殿、どうぞ。」 バイエル「はい。」 バイエル「では、さっそく……。」 バイエル「クローリカさん。」 クローリカ「はい。」 バイエル「あなたの作るお料理は 大変すばらしかった。」 バイエル「その味は食べるものへ至福を 与えること間違いないでしょう。」 クローリカ「ありがと~ございます。」 バイエル「ビシュナルさん。」 「はい。」 バイエル「あなたの掃除の腕は一級品です。」 バイエル「あなたの手にかかればどんな色あせたものでも 美しい輝きを取り戻すでしょう。」 「ありがとうございます。」 バイエル「お二方の実力――」 バイエル「1つ星の称号を 得るに申し分ありません。」 ヴォルカノン「おお、それでは。」 バイエル「ええ。」 バイエル「お二方に1つ星の 称号を授与いたします。」 ヴォルカノン「ビシュナルにもですか?」 バイエル「ええ。」 「…………。」 バイエル「ただし、ビシュナルさん……。」 「……わかっています。」 クローリカ「ビ、ビシュナルくん……。」 「大丈夫です。」 クローリカ「え?」 クローリカ「じゃあ、フレイちゃんは どうなるんですか?」 クローリカ「ねえ、ビシュナルくん!」 「…………。」 「もう決めたんです。」 クローリカ「決めたって……。」 バイエル「ご決断ありがとうございます。」 バイエル「さぞ辛かったことでしょう。」 バイエル「では、勇気ある決断を行った ビシュナルさんから称号を授与いたします。」 バイエル「執事ビシュナル――」 バイエル「あなたは執事における 極めて優秀な技術を示されました。」 バイエル「その栄誉ある技術を称え、 ここに1つ星の称号を与えます。」 「………………。」 バイエル「ビシュナルさん?」 「………………。」 「……お断りします!!」 バイエル「どうされましたか?」 「主と恋人で何がいけないんですか?」 バイエル「え?」 「主をこんなにも側で 守れることの何がいけないんですか!」 バイエル「……それでは執事の名が……。」 「評判がなんですか?」 「主を守ることより 評判のほうが大事なんですか!?」 「それって主を守れなくても 評判は守れってことですよね?」 「僕たち執事にとって大事なのは 評判だけじゃないはずです!」 バイエル「それは……。」 「大切は人を1番近くで守れる。」 「僕たちの関係の何がいけないんですか!」 「バイエルさんが僕を評価してくれたことは とってもうれしかったです。」 「でも……。」 「姫との 大切な関係を否定されてしまうのなら……。」 「僕はそんな称号なんていらないし、 そんなものは執事だと思わない!」 「姫が 僕の背中を押してくれました。」 「夢を追いかけてと応援してくれました。」 「僕と別れなきゃいけないのに……。」 「とってもうれしかった……。」 バイエル「…………。」 「僕は執事です。」 「そして執事とは主のために生きるものです! どんなときでも主の側を離れません!」 「だから僕は姫の側を 絶対に離れません!」 「それが……僕の目指した執事ですから!」 バイエル「…………。」 バイエル「ですが、執事と主が 特別な関係になるべきではない。」 バイエル「守るべき存在にとって、 守られる存在になってしまうからです。」 「それなら、今の僕に 執事の名は必要ありません!」 「もう1つの夢――」 「姫を 誰よりも幸せにする夢をつかみます!」 フレイ「ビシュナルくん……。」 「ヴォルカノンさん、 いままでありがとうございました!」 ヴォルカノン「ビシュナル……。」 「クローリカさん、 執事でなくなってもまた料理を教えて下さいね。」 クローリカ「ビシュナルくん……。」 「お待たせしました、 姫。」 「さあ、行きましょう。」 うん!・でも…… ▼でも…… 「遠慮は不要です! さあ、行きましょう!!」 《選択肢に戻る》 ▼うん! 「もう離しませんから……。」 バイエル「待ちなさい!!」 「待ちません。」 「姫への愛は――」 「誰にも止められないんです!!」 ヴォルカノン「やれやれ……。」 クローリカ「ビシュナルくん……。」 メロディストリート 「はぁはぁ……。」 「あー、やっちゃいましたね。」 フレイ「やっちゃいましたって……。」 「あはは。」 フレイ「笑い事じゃないよ……。」 「いいんです。」 ほんとうによかったの……?・よくない! ▼よくない! 「いいんです。」 《選択肢に戻る》 ▼ほんとうによかったの……? 「はい。」 「これからの僕の全てをかけて、 守っていこうって決めたんです!」 「執事をやめてしまったら……。」 「姫への愛以外、 僕には何も残りませんけど……。」 「でも!!!」 「それでも!!!」 「僕はあなたを守ります!」 「姫に この命を捧げます!!」 フレイ「…………。」 「執事でなくなっても、 執事の心は忘れません。」 「あなたの将来を僕がお供し、 お守りしてもよろしいですか?」 ……お願いします・ごめんなさい ▼……お願いします 「かしこまりました!!」 「これからもずっと姫の お世話をさせていただきます!」 ▼ごめんなさい 「がーんっ!!」 「そっ、それでもずっと姫の お世話をさせていただきます!」 「あっ、しまった……!」 フレイ「?」 「いや……これ……。」 フレイ「指輪……?」 「えっと……今のタイミングで 指輪を渡すつもりだったんだけど……。」 「つい話に夢中になって忘れてました。」 「あーもう僕のバカバカ!!」 フレイ「それって……。」 「ええ……。」 「姫に プロポーズしようと思いまして。」 フレイ「!!!」 「あらためてって感じに なっちゃいましたけど……。」 「姫。」 「あなたじゃないとダメなんです!」 「今回のことだって……、」 「あなたがいなければ逃げ出していました。」 「僕はまだまだ半人前です。」 「でも、あなたに対する気持ちは一人前――」 「いいえ、僕の気持ち5人分でも 足りないくらい愛しています!」 「もう1度言わせてください。」 「僕と結婚してください!」 「夫として頼りないところはあるかもしれませんけど、」 「あなたを愛する男として!!!」 「あなたを絶対に幸せにします!!!」 フレイ「えっと……。」 ヴォルカノン「ビシュナルーーー!!」 「ヴォルカノンさん!?」 (な、なんてタイミングで!!) 「どうしたんですか?」 ヴォルカノン「戻りなさい、ビシュナル。」 「僕は戻りませんよ!」 ヴォルカノン「いいから1度戻りなさい。 バイエル殿が話があるそうですぞ。」 「でも……。」 フレイ「1度戻ったら?」 フレイ「その間にさっきの返事……、 考えておくから……。」 「………………。」 ヴォルカノン「行きますぞ。」 「いったいなんでしょうか……。」 フレイ「ほら、行ってきなよ。」 「……わかりました。」 「今度会ったとき、 さっきの返事を聞かせて下さいね!」 フレイ「うん。」 「じゃあ――」 ムービー ヴォルカノン「ビシュナルも成長しましたな。」 ヴォルカノン「我輩とてもうれしいですぞおおお!!」 クローリカ「ビシュナルくん、 カッコよかったですね~。」 クローリカ「ちょっと胸キュンですよ。」 「あ、姫!! 聞いて下さいよ!!!!」 フレイ「どうしたの?」 「バイエルさんがですね――」 「なんでしょう……。 僕もう執事をやめてるんですけど……。」 バイエル「いいえ、その必要はありません。」 「え?」 バイエル「私……あなたの言葉に目が覚めました。」 バイエル「私たち執事は本来施しの精神に 満ちあふれてなければなりません。」 バイエル「しかし……周囲の目を気にするばかりに……。」 バイエル「愛が足りてないのです!!」 バイエル「かくいうこの私にも 愛が足りていませんでした……。」 バイエル「ビシュナルさん、ありがとう……。」 バイエル「私に愛の偉大さを思い出させてくれて! ありがとう!!!」 「はあ……。」 バイエル「あなたの主に対する愛、 私はしかと受け止めました。」 バイエル「ビシュナルさん。」 バイエル「主を心から愛せるあなたに 1つ星の称号を贈らせてください!!」 「えぇ!? ほんとうですか!?」 バイエル「はい。」 バイエル「そしてその溢れんばかりの愛で 私たちを導いて下さい!」 「というわけで!!」 「執事として姫の 側にいてもいいそうです!」 フレイ「ほんとに?」 「はい!!!」 「……色々お騒がせして 申し訳ないです。」 フレイ「ううん。」 フレイ「ビシュナルくんが 執事に戻れてよかったよ。」 「はい!」 「あっ、心配しないで下さいね!」 「姫を 幸せにするって夢も叶えますから。」 フレイ「そうだ……。 ビシュナルくんに返事をしないとね。」 フレイ「私は――」 ビシュナルくんと結婚したい!・やっぱり結婚はまだ…… ▼やっぱり結婚はまだ…… 「…………。」 フレイ「もうちょっとだけ待ってくれる?」 フレイ「私もまだ気持ちの 整理がついてないから……。」 「………………。」 「わかりました。 少し残念ですが、しょうがありません。」 「姫が 結婚してくれるその日まで――」 「僕、ずっと待ってますから!」 「一つ星の称号はいただきましたけど、 まだまだ半人前です!」 「一人前に執事を目指してがんばります!」 がんばってね・一人前じゃないの? ▼がんばってね 「はい!」 ▼一人前じゃないの? 「ええ、まだですよ!」 「だって一人前のヴォルカノンさんは 3つ星の称号をもってるんですよ?」 「僕の称号は1つ星。」 「つまりヴォルカノンさんの半分以下なので、 まだまだ半人前ってことですよ!」 フレイ「そうなんだ……。」 クローリカ「ビシュナルくんと別れることにならなくて よかったですね。」 ヴォルカノン「今回ばかりは我輩もひやひやしましたぞ。」 ヴォルカノン「ビシュナルの決意が伝わって 本当によかったですなあああ!!」 ▼ビシュナルくんと結婚したい! 「!?」 「………………。」 「い…………………………………… …………………………。」 「やっあああああああああああ たあああああああああああああ!!」 「僕も姫と 結婚したいです!!!」 「大好きです、姫!」 「いえ、愛してます。」 フレイ「私も愛してる ビシュナルくん。」 結婚式
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前ページゼロの答え 深夜の中庭。二つの月が照らす中、デュフォーとそれを見つめるルイズとキュルケ、そして自らの使い魔に乗って上からそれを見るタバサの姿がそこにあった。 あの後、中庭に出たところキュルケとタバサも来て何をしているのかルイズに追求してきた。 そしてとうとう根負けしたルイズが事情を話し、キュルケとタバサは半ば押しかけ気味に見届け人として参加すると言ってきたのだ。 デュフォーは我関せずと他人事のようにそれを静観していた。 最初はまったく興味なさそうだったタバサだったが、"ガンダールヴ"という言葉を聞くと積極的に参加の意を示してきた。 「あそこの壁を傷つければいいんだな」 そういうとデュフォーは本塔の壁を指差した。 「ええ、そうよ。あんたが本当に"ガンダールヴ"ならそのくらい楽勝でしょ?」 腕組みをしてルイズが答える。 本塔の壁にどれだけの傷を付けられるか?それがルイズたちの出したデュフォーが本当に"ガンダールヴ"なのかどうかを知るためのテストであった。 本塔の壁は非常に頑丈にできている。その上、指定した場所は地面からかなりの高さである。 普通の人間ならとてもではないが手出しできないような位置を指定していた。 仮に本当に"ガンダールヴ"だとしても地面からそれだけ高さのある場所なら、多少の傷しかつけられないとはタバサの弁であった。 タバサがウィンドドラゴンに乗っているのは、指定した場所が場所であるので、宙に浮いて見ないと正しく判別できないだろうとのことからである。 デュフォーはルイズたちの指定した場所の後ろが宝物庫だと知っていたが何も言わなかった。 どうでもいいことだからである。 ルイズが合図をすると同時に、デュフォーの左手のルーンが光り輝いた。 そしてデルフを持って振りかぶり、投げる。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 「「「「「えっ!?」」」」」 デルフから伸びる悲鳴と、五つの驚きの声が夜の中庭に響いた。 ルイズたち三人以外の声の内、一つは植え込みの中、もう一つはタバサの方から聞こえたのだが、叫んだ当人たちは誰もそのことに気が付かなかった。 そしてデュフォーはそのことに気づいてはいたものの、最初からそこに人がいたり、タバサの使い魔は風韻竜で喋れるということを知っていたので特に反応はしない。 (タバサは自分の使い魔が喋ったことには気が付いていたので、杖で軽く頭を叩いた) 悲鳴をなびかせながら、デルフは見事に根元まで、本塔の壁に突き刺さった。 ルイズたちが指定した場所に寸分の狂いも無く埋まっている。 「これでいいんだろ?」 ごくり、とその場にいた全員が息を呑んだ。 一瞬間を空けて、フーケは我に返るとすぐさま詠唱を始めた。目の前で起きた光景は信じられないが、チャンスであることには違いは無い。 長い詠唱であったが、その場にいたデュフォー除く全員が壁に突き刺さった剣に目を奪われていたので完成まで誰にも邪魔をされることは無かった。 デュフォーは別にどうでもいいといった感じでフーケを邪魔することも無く、ルイズたちが剣を見るのを眺めていた。 巨大なゴーレムが現れるとデュフォーはとりあえず近くにいるキュルケとルイズの肩を叩いた。 「「きゃっ!?」」 突然の刺激に驚いたのか二人が身を竦める。 「な、何するのよ!」 「ダーリンったら。触りたいなら前もって言ってくれれば」 まるで別々のことを言ってくる二人だったが、二人とも同じようにデュフォーに無視された。 あれを見ろ、デュフォーはそう言ってルイズたちの後ろを指差すと小石を拾ってタバサに軽く投げる。 こつんと頭に当たり、惚けたような表情で剣を見ていたタバサが我に返る。 そして石が飛んできた方向を見て、固まった。ルイズとキュルケも同様にデュフォーが指差した方向を見て固まっていた。 土でできた巨大なゴーレムがそこに居た。 いち早く硬直が解けたキュルケが悲鳴を上げて逃げ出す。 タバサがウィンドドラゴンでキュルケを拾った。 ゴーレムはデュフォーたちのいる場所。本塔の方へと向かっているため、キュルケのようにその場を離れなければウィンドドラゴンで拾うことは難しい。 だがルイズは逃げようとしない。それどころかゴーレムに向けて呪文を唱える。 巨大な土ゴーレムの表面で爆発が起こる。"ファイヤーボール"を唱えようとして失敗していつもの爆発が起こったのだろう。 当然ゴーレムには通じない。表面がいくらか爆発でこぼれただけだ。 それから何度もルイズは呪文を唱えた。そのたびに爆発が起こる。だがゴーレムはびくともしない、爆発のたびに僅かに土がこぼれるが、それだけだ。 「逃げないのか?」 冷静な声で隣に居るデュフォーがルイズに訊ねた。 ゴーレムはもうすぐ近くまで来ている。 「いやよ!学院にあんなゴーレムで乗り込んでくる奴なのよ。そんな奴を捕まえれば、誰ももう、わたしをゼロのルイズだなんて……」 真剣な目でルイズが言いかけた言葉をデュフォーは遮った。 「お前、頭が悪いな。あいつを捕まえようがお前がゼロのルイズと呼ばれることに関係はないだろう」 息が詰まる。怒りで目の前が真っ赤になった。許せない。ただその言葉だけがルイズの頭の中に浮かんだ。 「ふふふふ、ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 その叫びに、ゴーレムも驚いたのか動きが止まる。 「ななな、なんでわたしがゴーレムを捕まえても関係ないってあんたにわかるのよ!」 怒りのあまり呂律の回らなくなった口調で叫び、ルイズがデュフォーに掴みかかる。 「お前がゼロと呼ばれているのは魔法が使えないからだろう?例えこいつを捕まえようがお前が魔法を使えないことに変わりはない」 まったく熱を感じさせない声でデュフォーがルイズに告げる。 「だから逃げろって?こいつを倒しても扱いは変わらないから。……はっ、冗談じゃないわ!」 ルイズは短く吐き捨てるとこう叫んだ。 「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!たとえゼロのルイズと呼ばれるのが変わらなくてもわたしは決して逃げないわ!」 再び動き始めたゴーレムがルイズを踏み潰そうと足を振り下ろした。 その足に対してルイズが杖を振る。爆発が起こり、土がこぼれた。まったく変わらないゴーレムの足がルイズへと迫る。 ルイズの視界がゴーレムの足で埋め尽くされる。そこで横から引っ張られた。 地面に投げ出され、尻餅をつく。横を見上げるとそこにデュフォーが立っていた。ギリギリのところでデュフォーが踏み潰される前にルイズを助けたのだ。 ゴーレムの方はルイズを踏み潰したと思ったのか、それとも興味をなくしたのかその場で止まった。 そして腕を引くと、本塔の壁。それも壁に突き立っているデルフを殴り飛ばした。当たる瞬間にフーケの魔法により、ゴーレムの拳が鉄に変わる。 デルフを楔として、本塔の壁に亀裂が走る。一瞬の沈黙の後、壁が崩れた。 ゴーレムの肩からフーケが降りると壁の中へと入っていく。壁の後ろにあるのは宝物庫。フーケの狙いはその中にある破壊の杖だった。 助けられたことで張り詰めていた糸が切れたのか、ゴーレムが壁を破壊していくのを見上げながら、ルイズの目から涙がこぼれた。 自分の力が通じない悔しさにルイズは泣きながら拳を握りしめる。 そんなルイズに対してデュフォーが声をかけた。 「お前、頭が悪いな。逃げないのは構わないが無駄なことをして何がやりたいんだ?」 思いやりのまったくない言葉に更に涙が溢れる。 「だって、悔しくて……わたし……いっつも馬鹿にされて……だから見返したくて……」 嗚咽で途切れ途切れに言葉を紡ぐルイズ。 そんなルイズをデュフォーは一刀両断で切り捨てる。 「お前は本当に頭が悪いな。見返したいのなら、何故無駄なことをする?」 ナイフのようにデュフォーの言葉はルイズを切りつける。 泣きながらルイズはそれに反論した。 「わかってる……わかってるわよ、わたしじゃどうしようもないことくらい……でも、じゃあどうしろってのよ!」 その言葉に対する返事はすぐにデュフォーから返ってきた。 「オレが指示を出す」 ルイズは顔を上げた。 今聞いた言葉が信じられなかったからだ。 「どうやったらあいつを倒せるのか?その『答え』が欲しいんだろ?」 普段と変わらない冷静な表情でデュフォーはルイズにそう告げた。 「―――え?」 目に涙を浮かべたまま、告げられた言葉の真偽を確かめるかのようにルイズはデュフォーを見つめる。 いつもと変わらない表情。嘘でも慰めでもなく、ただ単純に事実のみを伝えたという様子でデュフォーはルイズを見ていた。 「……本当に、あいつを倒せるの?」 おずおずとルイズがデュフォーにそう訊ねた。 まるで目の前の希望に縋り付いて裏切られるのが怖いという様子でデュフォーの提案に乗ることを躊躇している。 だがそれもデュフォーが口を開くまでだった。 「お前、頭が悪いな。『答え』が出せるから、『指示する』と言ったんだ」 ビキッという音があたかも実際にしたかのような勢いでルイズの顔に青筋が浮かぶ。 同時にデュフォーの提案に対して躊躇させていた気持ちは跡形も無く吹き飛んだ。 「やるわよっ!やってやるわ!」 それを聞くとデュフォーはルイズに向けてこんなことを言った。 「そうか。だったら今から奴を追う。そして術者に対して直接"ファイヤーボール"を唱えろ」 あまりといえばあまりに突飛な提案にルイズの目が丸くなる。 「ちょっ、ちょっとデュフォー!何で"ファイヤーボール"であのゴーレムが倒せるのよ?防がれて終わりでしょ!」 「何を言っている?お前が魔法を使えば爆発が起きるだろう。それでゴーレムを操っている術者を直接倒せばいいだけだ」 「んなっ!ははははは、初めからわたしが魔法を失敗することが決まってるみたいに言わないでよ!ひょっとしたら成功するかもしれないじゃない!」 しかしデュフォーはルイズの怒声を無視すると、ウィンドドラゴンに乗って上空を飛んでいるタバサへと声をかけた。 「何?」 タバサはデュフォーの近くまで来ると、自らの使い魔の上から降りて何の用なのか訊ねた。 ルイズが対して何やら騒いでいるのは互いに完全に無視している。 「今からあのゴーレムを倒しに行く、だからその風韻竜で後を追ってくれ」 告げられたゴーレムを倒すという言葉よりも、風韻竜という言葉に驚いてタバサは息を呑んだ。 そしてデュフォーに対して警戒の目を向ける。だがデュフォーはこちらもあっさり無視してまだ騒いでいるルイズに向き直った。 その様子にタバサはこの場でそのことについて言及することを諦めた。 幸いなことに今デュフォーが言った風韻竜という言葉を聞いていたのは恐らく自分しかいない。 キュルケは風韻竜の上にいるから、今の会話が聞こえていた可能性は低い。ルイズは騒いでいるからこれもまた今の言葉が聞こえていた可能性は低い。 だがこの場で下手に追求したら、近くにいるルイズと自らの使い魔の風韻竜―――シルフィードの上に乗っているキュルケにも聞かれるかもしれない。 そう判断するとタバサはシルフィードに戻った。 そして"レビテーション"でデュフォーたちをシルフィードの背に乗せる。 デュフォーたちが乗ったことを確認すると、指示通りゴーレムを追いかけ始めた。 「ねえタバサ、あなたさっきダーリンから何を言われたの?」 シルフィードでゴーレムを追い始めて間もなくして、キュルケはタバサにそんなことを訊ねた。 デュフォーとルイズはピリピリとした空気を発していて、とても声をかけられる雰囲気ではない。 正確にはルイズだけがそんな空気を発しているのだが、デュフォーは平然とした顔でその近くにいるため同様に声をかけられる雰囲気ではなくなっている。 そのため親友であり、今のところ何もしていないタバサに聞くことにしたのだ。 「今からゴーレムを倒すって」 タバサはそれに対して短く答える。 「あ、それで私たちにも手伝うようにってことかしら?でもあんなゴーレム相手にどうやって?」 その返答に対しキュルケが訝しげな表情を顔に浮かべた。 当然だろう、あんなゴーレムをどうやったら倒せるというのだ。 「違う。今からあのゴーレムを操っている術者を吹き飛ばすから、そうしたら捕まえろって言われた」 その言葉に対してキュルケは息を呑む。 「ちょっ、ちょっと本気!?どうやったらそんなことができるのよ。ここから魔法を撃ってもあのゴーレムが防いで終わりに決まっているじゃない!」 タバサは叫ぶキュルケに眉根を寄せた。 「わからない。でも……」 そう言うとタバサは首を後ろに向けてデュフォーたちを見る。 「彼はできないなんて微塵も思っていない」 ゴーレムと風韻竜では速度において圧倒的に差がある。 そのためフーケのゴーレムに追いつくまでにはさほど時間はかからない。 丁度城壁を越えたところで追いつき、その上空を旋回する。 それを確認するとデュフォーは隣にいるルイズに声をかけた。 「ルイズ。あそこだ」 その指の先にはフーケの姿があった。 「そろそろ詠唱を始めろ。このままの位置を保ち、奴を吹き飛ばす」 その言葉にルイズが息を呑んだ。 そして意識を集中し、呪文を唱え始める―――が数秒もしないうちに詠唱は尻すぼみになり、途中で消えた。 「……やっぱり、無理よ」 消えてなくなりそうな声がルイズの口からこぼれた。 「何故だ?」 何を言ってるんだこいつは?という顔で聞き返すデュフォー。 「動いてる的に直接当てるなんて今までやったこと無いのよ!無理に決まってるわ!」 ヒステリックに叫ぶルイズ。 それに対してデュフォーは呆れたような顔をしてルイズに向けて言った。 「オレが言ったことはお前ができる範囲のことでしかない。不可能だというのなら、それはお前自身に問題がある」 ルイズは歯を食い締めた。自分に問題がある?そんなことは最初からわかっている。 「今更なに言ってるのよ!わたしに問題があるなんて最初からわかってるでしょ!」 その言葉にデュフォーはますます呆れたような表情になった。 「お前、頭が悪いな。オレが言っていることを理解できていない」 ルイズは顔を上げるとデュフォーを睨みつけ、そして叫んだ。 「なにが理解できてないっていうのよ!あんたなんかにわたしのことはわからないわ!」 その叫びを受けてもデュフォーは微動だにしなかった。何の感情も浮かび上がっていない瞳で睨みつけるルイズを見返す。先に目を逸らしたのはルイズだった。 デュフォーはそんなルイズに対して追い討ちのように言葉を投げつける。 「オレはお前の能力を理解した上で、できると言っている。できないと思い込むのはお前の自由だ。だがそれはお前自身ができないと思い込むことで、自分の能力を下げているからだ」 それはまったく温かみを感じさせない冷徹な言葉。 だがその言葉は不思議とルイズの中に染み渡る。 その言葉の重みは今ままでルイズが感じたことのある誰のものとも違った。 失望でも、期待でもない。ありのままの事実。ルイズに対してそれができて当たり前だからやれと要求するだけの言葉。 ルイズの胸の中で何かが溶けて消えた。代わりに熱いものが溢れる。 「もう一度聞く。あいつを倒すための『答え』が欲しいか?」 そして再び、デュフォーがルイズに訊ねた。 デュフォーの問いかけに対し、恐らくそれが最後の確認だとルイズは理解した。 ここで断ればきっとデュフォーはルイズにさせることを諦めるだろう。 だからルイズは答えた。今まで生きてきた中で培っていた勇気を全て振り絞り、ルイズはデュフォーに答える。 「……欲しい。わたしはあいつを倒すための『答え』が欲しい!」 気圧されることも無く、それを受けてデュフォーは一度頷いた。 聞き返しはしない。デュフォーからしてみれば最初からできるとわかっていたことに何故悩んでいたのかと不思議に思うだけだ。 だから後は互いにやるべきことをやるだけでしかない。 短くデュフォーが合図をする。 「今だ。詠唱を始めろ」 軽く頷き、ルイズはゴーレムの肩にいるフーケを見つめると深呼吸をした。 息を吸い、吐く。 呼吸を落ち着かせ、標的を見つめる。 さっきまで荒れ狂っていた心臓が、今は静かに鼓動を奏でているのがわかる。 自分と標的。世界に存在するのはその二つだけ。 集中する。一度限りの大博打。外せば次のチャンスはないと警告はされた。 詠唱を始める。かつてないほど集中しているのが自分でもわかる。外す気なんて欠片もしない。さっきまであれほど不安だったことが嘘みたいに感じる。 悔しいがあの使い魔の言っていることは全て正しいのだろう。 思いやりとかそういうものはまるでないが、それだけに事実が痛いほど突き刺さる。 だけどそのおかげでわかったことがある。 ただ悔しく思うだけじゃ何も変わらない。悔しいからって無謀なことをしても何も意味が無い。 そして劣等感から自分の能力を低く評価したら、ますます駄目になるだけだ。 まず自分にできることをしっかりと見つめる。その上で、できることをやる。 そうでなければ前には進まない。 たぶん今までの自分は無いものねだりをしていただけの子供だったのだろう。 そんな自分に対してできると断言したデュフォー。 信頼とか暖かい気持ちなんて微塵も感じない。ただ事実を告げただけという感じの言葉。 だけどそれだけに―――信じられる。 純粋に自分の能力を評価してくれているとわかるから。 思いやりや盲信からの過大評価も、蔑みからの過小評価もしない、ありのままの自分の能力を見てくれてると信じられるから。 だからわたしはあいつの言うことを信じる。 ありのままのわたしを見てくれる人間として、あいつを信じる。 ―――だからこれは絶対に成功する。失敗なんてするはずがない。 "ファイヤーボール"の詠唱が終わる。 瞬間、フーケの真横で爆発が起きた。 人形のように吹き飛ぶフーケ。 タバサが杖を振り、"レビテーション"をかけて落下するフーケをシルフィードの上に運ぶ。 術者が気を失ったためかゴーレムが崩れ土の塊へと戻る。 ルイズは安堵すると大きく息を吐いた。 やりとげたことを実感すると、途端に全身から力が抜けてその場に崩れ落ちる。 シルフィードから落ちないようデュフォーが襟を掴んだ。 「ぐえっ!」 襟が引っ張られ首が絞まる。 「何すん――」 文句を言おうとルイズは鬼のような形相でデュフォーを睨んだ。 が、いつもと変わらないその顔を見ると怒りは急速に萎んで何だか笑いがこみ上げてきた。 「ふ、ふふふ、あははは!」 キュルケが『凄いじゃない、ルイズ!』と褒めてきたが、それよりもデュフォーのよくやったなと褒めるでもないその態度が今は無性に嬉しかった。 そのまま学院に戻るまでルイズは笑い続けた。 前ページゼロの答え
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しろいりぼん【登録タグ NexTone管理曲 し ぶりるP 曲 鏡音リン】 作詞:ぶりるP 作曲:ぶりるP 編曲:ぶりるP 唄:鏡音リン コーラス:鏡音レン 曲紹介 ひさびさのリンチャーズの曲、第2弾はリンちゃんがさまざまな土地を駆け巡ります!(作者コメ転載) KarenTよりダウンロード配信されている『ゴー!ゴー!リンチャーズ』のA面。B面は「もしもきみが」。 歌詞 追いかけて 追いかけて 追いかけても 恋は メランコリー じらす テクニック 枯葉 舞い散る 季節は 不安だらけ ふるえた くちびる なぜか 届かぬ 想い 不満だらけ あなたは いじわる きっと 離れられない この世の果てに 逃げても ムダよ しょっちゅう あなたに ヤキモキ だんだん ハートは ドキドキ イヤだ しり込みしてる 場合じゃないでしょ 目と目を ただ 合わせて 恋の嵐に 吹かれ 白いリボン みたいに 揺れてたい 雨が そぼ降る 街角 ロマンだわね 崩れた スマイル なにが どうして こうなった 欺瞞なのね 釘打つ 丑三つ ずっと 離れたくない たとえ 世界が 終わるとしても けっこう あなたは ファンキーモンキー どんどん 涙が 湧き湧き 女の子が 待ってる 時代じゃないのよ メラメラと 燃えてる 恋の炎に 焼かれ 白いリボン ゆらり 揺れてた 追いかけて 追いかけて 追いかけても 恋は メランコリー じらす テクニック 恋は メランコリー 魅せる テクニック コメント ノリがよくていい意味で昭和だった!MMDもよかったw -- リンチャンズ (2010-01-18 17 17 22) ヤキモキの部分とか歌い方がとにかく可愛い^^ -- うえだ (2010-01-19 09 19 05) リンチャーズは神!! -- 夏美 (2010-12-09 21 38 31) 名前 コメント
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サンゴペイントの例題の答え