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アキラとメリィの二人が割とピンチになっているのとほぼ同時刻。 二人の帰りを待つデル・ホウ・ゲンは、相変わらず応接室でまったりとしていた。 ……いや、正確にはまったりとしていたのはホウだけであるが。 『決戦、シルフカンパニー(後編)』 「……zzz」 「って寝るな!」 「……んぅ」 「ホウさん、お疲れですか?」 「ん……意外と合体攻撃は体に来る」 「あー? デルもやってたが平気そうじゃねーか」 「……ボクはフーディンの念を間近で浴びたから」 ヨルノズク族であるホウは、他の種族の萌えもんと比較しても高い特殊防御力を持っている。 だが、やはり一般の萌えもんの中では最高クラスの特殊攻撃力を誇るフーディンの念をノーガードで受け止めるのは流石に堪えたようだった。 「あー……そか、んじゃしゃーねーか……」 「ゲン」 「んあ?」 「膝枕……して?」 「ぶっ!?」 ホウはソファに横になりながら上目遣いでそんなことを言い出した。 完全な不意討ちに、ゲンは口に含んでいた飲み物を吹き出してうろたえる。 「なな、なななななななぁっ!?!?」 「……駄目?」 「だ、駄目とかそういうもんじゃねーっての! おい、デル! 笑ってないでおめーも何か言ってやってくれ!」 「うふふ、別に減るものでは無いですし……してあげてもよろしいかと私は思いますよ?」 「キサマそっちの味方かーーー!!!!!」 二人の気持ちを知ってか知らずか、GOサインを出すデル。 こっ恥ずかしさとかその他諸々でテンパっていたゲンは、我慢できずに吼えるのだった。 と、その時。扉が開き、ヨシタカが一人の少年を連れて入ってきた。 「やあ、みんな。割と無事そう……かな?」 「お義兄さん!」 「おー、とりあえずは順調だったぜ」 「……(コクコク」 ヨシタカの質問に肯定の意を返す三人。 そこで、ヨシタカはアキラとメリィが居ないことに気がついた。 「おや? アキラとメリィが居ないようだけど」 「お二人なら、お手洗いに行っていますよ。少々長いような気もしますけれど……」 「あれ、それは妙だね」 「あ? どーいうこった」 「いや、さっきここに来る前にトイレに寄ってきたんだけど……誰も居なかったよ?」 「えっ……?」 その報告に、デルは眉を顰める。 アキラとメリィが、自分達を置いて二人だけで先に進んでしまうとは考えづらい。 ……と、すれば。 「まさか……何かしらトラブルがあったのかも」 「否定できない……というかまず確実にそうだろうね。それと、デル。このフロアのワープ床……本当にどれも大した場所に繋がってなかったのかい?」 「え、ええ。入れる部屋と通れる通路は全て調べましたけれど」 「おかしいな。上の階の団員から入手した情報だけど、このフロアには特殊開発エリアへ直接飛べるワープ床があるそうなんだよ」 「何っ、オイそれマジかよ!」 「今からそれを確かめに行こうと思ってた所なんだけど……急いだ方が良さそうだね。僕の勘が当たっているとしたら、二人は相当マズい状況に陥っているはずだ」 そう言うとヨシタカは振り返り、連れてきていた少年に声をかける。 「タイチ君、君はどうする?」 「俺も行きます。もしかしたら、何か手伝えることがあるかもしれません」 「わかった、その時には頼らせてもらうとするよ……よし、行こうか」 「サイドン、ロックブラスト!」 「くっ、避けろ!」 「あ、うぁ、きゃっ!」 ゴスッ! 「ぁぐっ……」 「メリィ!」 アキラとメリィの方の状況は、更に悪化していた。 主力である電気技を軒並み無効化するサイドンに対し、覚えたての格闘技で応戦するメリィ。 しかし、如何に岩タイプに抜群の効果を誇る格闘技といえど、使い手の腕力が無ければ大した効果を発揮することは出来なかった。 付け加えるならば、サイドンの防御力も並みの萌えもんを軽く凌駕するだけのものがあったのも事実である。 更には戦闘前に一時的に持ち直したものの、メリィの精神状態も恐怖に染まり始めて動きに精彩を欠き、一方的に嬲られる状況に陥っている。 ……結論として言えば、手詰まりであった。 「クククククッ、何だ? 大見得切った割りにゃぁ随分とよえぇじゃねぇか」 「………」 「ぁ……ゃ………!」 「メリィ……一体どうしたんだよ……!」 そう呟きながらも、アキラは相手……サイドンの動きに違和感を感じていた。 腰砕けになりながら逃げ惑うだけのメリィは、攻撃を当てることも容易いはずである。 なのに、メリィは未だに倒れていなかった。 (コイツ……わざと攻撃を外しているのか?) サイドンは全く無言のまま、男の指示するがままに技を繰り出す……が、悉くクリーンヒットしない。 この行動は男の指示なのか、それともサイドンの意志なのか……そう考えた所で、攻撃が一旦止んだ。 「あーあー、ヤメヤメ。おいサイドン、何ワザワザ直撃させねぇようにやってんだ?」 「………」 サイドンは何も答えない。 ただ、顔を伏せて拳が白くなるほどに握り締めている様子から、彼女は望んで戦っているのではないことはアキラにも理解できた。 「ったくよぉ……いくらオレがいたぶるのが好きだからって、流石に飽きってモノもくるんだな、これが」 (好き勝手言いやがって) 「だからよ、アレで終わりにしてやろうぜぇ……クックククククク!」 彼は立ち上がり、サイドンの頭に手を置いて言った。 「この立派な角で……角ドリルで、胸ブチ抜いてよォ!」 「……キサマ……ッ!!!」 サイドンが初めて言葉を発した。 彼女は立て続けに、マスターであるはずの男に意見していく。 「キサマは!……私に……私に10年前と同じ過ちを繰り返せと言うのか!」 「あ?10年前?…………おぉ、アレか。いやぁ、懐かしいことをよく覚えてるもんだなおめぇ」 「忘れるものか……!今に至るまで、一日としてあの日の事は……!」 「ハッハハハハ、そりゃ結構だ!……それにしてもアレだなァ」 男は一旦話を切り、メリィを見て言った。 「的も10年前と同じ、デンリュウ族だなんてよォ!」 「…………え」 その言葉に、メリィがぴくりと反応した。 それに気づかないまま、彼の口は言葉を吐き出していく。 「本当に懐かしいぜあの日はよぉ……丁度イラついてるところに野生のメリープがオレの服を汚しやがって」 「殴ってやろうとしたら親が出てきやがってな、ゆるしていただけないでしょーか?だってよ、笑っちまうww」 「さっさと片付けてガキをいたぶってやろうと思ったら逃がしやがって、なかなかしぶといから風穴開けてやったんだよなァ!ッハハハハハハハハハハハ!」 「…………」 大声で笑う男。 サイドンは怒りと悔やみの混ざったような表情で彼を睨みつけている。 と、そこで。 「……あなたが、わたしの、おかあさんを、ころした、の」 「……え?」 メリィは問いかけていた。 今男が話した内容。 それは、彼女が10年前……母親を失うことになった事件と、全く同じ内容であったから。 「貴女……まさか、あの時の子供なのか」 「……クククククッ、クアッハハハハハハハハ!コイツぁ傑作だ!」 「……なんで?なんでおかあさんは、しななきゃならなかったの……?」 無垢な子供のような口調で、メリィはサイドンに問いかける。 が、彼女は唇を噛み下を向いて答えない。 代わりに、男が口を開いた。 「決まってるだろが……オレ様の機嫌が悪かったからだっての。クックク!」 「…………っ!」 「さぁて、そんじゃ〆といこうかァ……サイドン」 男はサイドンを呼び、カプセルの装置に軽く顎をしゃくる。 「言うこと聞かなかったら……わかってんな?」 「く……恥を、知れ……!」 そう、精一杯の悪態をつきながらもサイドンは角ドリルを始動する。 独特の回転音とともに、螺旋の溝が刻まれた角が回転する。 メリィは、あまりのショックと恐怖で体が動かなくなっていた。 「……貴女に怨みはないのだけれど……すまない」 (いや……こわいよ……) 今のメリィの目から見た世界は、全てが灰色であった。 (ああ……もう……いや……) 螺旋がメリィに向かって一直線に近づいてくる。 死の直前は時間の感覚が引き伸ばされるという話があったが、メリィにはサイドンの動きがとてもスローなものに映っていた。 (だれか……たすけて……) メリィは瞼を閉じた。 そして。 「メリイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!」 パシャァッ! 「……え……」 顔に生暖かい液体がかかるのを感じた瞬間、メリィは再び瞼を開けた。 目の前に見えるのはサイドンではなく、最も愛しい人の背中。 そして……脇腹を貫通している、鈍い銀色と赤い色に染まった角ドリル。 わけもわからず顔を拭うと、手にはべっとりと赤黒い液体が付着していた。 「……なん、で……?」 「めり……は……にげ、ぐっ」 ズル……ドサ。 ドリルが抜け、床に人形のように倒れるアキラ。 深く抉られた右脇腹からは、真っ赤な血が止まる様子も無く溢れ続ける。 あまりの光景に、メリィは……現実を受け入れることが出来なかった。 「え……うそ、嫌だ、嫌っ、嫌あああああああああああああああああああ!?!?!?」 「……あった、これだ」 再び場面はヨシタカ達の居るフロアへと移る。 フロア内の詳細なデータを入手してきていたヨシタカは、マットの下に隠されていたワープ床を発見したところであった。 「まさか、こんな所にワープ床が隠されていたなんて……」 「でもよ、こんなとこの床なんか間違って踏めるか? 隠れてたのによ」 「……少しだけ露出してた」 「ああ。理由は分らないけれど……二人で接触してる状態ではみ出している所を踏んでしまったんだろう」 「……急ぎましょう。なんだか、凄く悪い予感がします」 「そうだね。行こうか……!」 そして一行は、同時に床を踏み……次の瞬間、錯乱したような悲鳴を耳にしたのだった。 「嫌あああああああああああああああああああ!?!?!?」 「な、何だってんだよ!?」 「今の悲鳴……メリィさん!?」 急いで現場に駆けつける一行が見た物は。 脇腹から大量に出血し、床に倒れ伏しているアキラと、彼に縋りつき、悲鳴を上げていたメリィ。 そしてアキラを貫いたと思われるサイドンと、二人を見下ろしながら低い声で笑っているロケット団員。 ……一番最初に動いたのは、デルだった。 「……貴女かああああああああああっ!!!!!!!」 「ぐぅっ!?」 「……チッ、増援か」 叫びながらサイドンの懐に飛び込み、鳩尾に跳び膝蹴りを叩き込む。 見事な不意討ちに、ガードも間に合わずサイドンは膝をついた。 この状況に形勢不利と見た男は、サイドンを置いて離脱しようとする……が。 「おっと、逃がさねぇぞ!」 「な……にぃ!?」 「チェックメイト。大人しくしててくれ」 「グ……チクショウめ!」 いつの間にか後ろに回りこんでいたゲンによる黒い眼差しが決まる。 その場で足を固められた男を、背後から近づいたヨシタカが拘束した。 その一方で、戦闘に参加していなかったホウはアキラの傍で意識を集中させていた。 念力とリフレクターで、止血をするためである。 「……………」 「……………」 錯乱状態だったメリィは、今は眠っていた。 処置の邪魔だと判断したホウが、催眠術で眠らせたためだ。 そこに、男を拘束し終えたヨシタカが来た。 「……アキラの傷の様子はどうなんだ?」 「脇腹を背中側まで貫通……でも、重要な内臓は殆ど傷ついてない」 「そこまで解るものなのかい?」 「ん……傷は大きくて出血も派手だけれど、場所は浅い」 「そうか……後はどうやって運ぶかだけど、ホウ。行けるかい?」 「……流石に、アキラ君を念力で止血しながら抱えて空を飛ぶのは無理」 「くっ、僕が抱えて降りるしか無いか」 「……ヨシタカさん、俺が行きます」 焦るヨシタカに、タイチが声をかけた。 「俺のリザードンなら、俺と彼、それに彼女を乗せたままセンターまで飛べます」 「すまない、恩に着るよ……じゃあ、頼んだ」 「任せてください……リザードン!」 タイチはボールからリザードンを呼び出す。 「リザードン、怪我人の搬送だ……三人乗り、頼めるかい?」 「任せてください。えーと、そこの男の人ですか?」 「うん、あと看護に彼女を乗せるから……」 「それじゃあ、この方は私が抱えますね。ご主人様とそちらの方は、私の背に」 「わかった、お願いするよ」 「……よろしく」 そんなやりとりの後、4人はこの部屋にあった唯一の窓をぶち破って外へと飛んでいった。 デルはロケット団の男が拘束された後も、なおサイドンに攻撃を加えていた。 何といっても、デルからしてみれば最愛の男性を傷つけた仇である。 だが、感情の赴くままに攻撃を加え続け……漸く少し覚めてきたところでおかしなことに気がついた。 (……反撃が来ない?) そう、サイドンは防御行動をとろうとはするものの、デルへ攻撃は一度もしていなかったのだ。 デルは一旦攻撃の手を止め、ある程度距離を取ってからサイドンに話しかけた。 「……一体どういうおつもりですか」 「……何のことだ」 「白を切らないで下さい……何故、反撃をしないのです」 「……もう私には、戦う理由が無い。奴は……」 と、そこで男を一瞥する。 「奴は、捕らえられるのだろう?」 「当然です……そして、貴女もです」 「そう、だろうな」 そう言って、彼女はふらついた足取りでカプセルの前まで歩を進め、中で浮いている少女を見上げた。 「……この子は?」 「……私の娘だ」 「……」 「10年前、奴に娘を捕らえられ……私は」 一瞬言葉を詰まらせるサイドン。 だが、そこで終わることなく彼女は話を続けた。 「……私は、娘を護るために……そこで寝ている娘の母親の命を奪ったのだ」 「……!」 「……許してくれとは言わない。一生怨まれても仕方が無い。私は……それだけのことをしてしまった」 「さっき……ご主人様を傷つけたのも、そうだった、と?」 「あれは彼がそこの娘を庇ったからああなっただけだ……私は、そこの娘を殺すように命令されたのだ。……全ては、私の娘を護るためだ」 「…………」 「……これから私は、罪を償うために何処かへ収容されるのか?」 「それは……」 「そうなるでしょう」 いつのまに居たのか、後ろからヨシタカが声をかけてきた。 「期限はこれからの捜査と裁判で決まるでしょうが……あなたの意思でないとはいえ、あの子の母親の命を奪ったことに変わりは無いのですね?」 「……ああ」 「あの子の体の傷は、どうしたんですか?」 ヨシタカはカプセルの中の少女を指して問う。 「……奴が、気に入らぬ事がある度に虐待を加えていたのだ。私に対しての人質であった故に、死ぬような目には遭っていなかったようだが……」 「……なるほど。それで貴女は、貴女の娘をこれからどうする気です? 流石に収容所に連れて行くわけにもいきませんよ?」 「……こういう事を願うのも、おこがましいかも知れないが……預けるとするならば、先ほど運ばれていった彼に預けたい」 「それは、何故?」 「彼なら……娘に、普通の幸せを与えてくれると見た。あれだけこの子らに慕われているのなら、間違いでは無いだろう」 「……だ、そうだ。デル、君はどうする?」 「え? 私ですか?」 先ほどから話を聞いていて、デルの中のサイドンへの怨み・憎しみは殆ど薄れてしまっていた。 それこそ、彼女自身の力ではどうしようもなかったのだ。 それを怨んでもどうしようもないと割り切る程度には、デルは精神的に大人であった。 「私は構いませんが……メリィさんがどう言うか」 「……私も、いいよ」 「メリィさん!」 何時の間に目を覚ましていたのか、メリィから許可の返答があった。 サイドンはというと、呆気なく許可が下りたことに少し面食らっていた。 「……本当に、良いのか?」 「……だって……仕方が無いじゃない」 「……」 「……話、全部聞いてたけど……貴女は、娘想いの……いい、お母さんじゃないですか」 「だが、私は」 「あんな話されて……それでも貴女のことを仇としてただ怨むなんて……私には、できないよ……っ」 「……すまない」 その後。 後から現れた増援のトレーナーに男とサイドンを任せ、ヨシタカは先のフロアへとワープ床を踏んで飛んでいった。 デル達アキラの手持ち一行は、サイドンの娘……サイホーンの少女をボールに収め、アキラが運び込まれた病院へと向かっていた。 「ご主人様……大丈夫でしょうか」 「……きっと大丈夫、だよ」 「お? 随分な自信じゃねーか。最初はびーびー喚いてた割りにゃーよお」 「そういえば、目を覚ました時には随分と落ち着いていましたけど……」 「うん、ホウちゃんがね……悪夢の原理を応用して、夢の中で教えてくれたの。見た目は派手だけど、命に別状は無いって」 「あー? 適当に安心できるように言ったんじゃねーのか?」 「っ!!! ゲンさん、いくらなんでもそんな言い方は無いでしょう!?」 無神経な発言をするゲンに、デルは非難の声を上げる。 が、それに怯む様子も無く、ゲンは言葉を吐き出していく。 「ヘッ、現実はそう甘かねーんだよ! 大体、そう上手くいくような世界だったら……俺は何でアイツを残して死んだ!?」 「ゲン、さん……?」 「……ゲンくん、昔に何かあったの?」 「あ……え、いや、ちょっと待ってくれ」 メリィに聞かれ、ゲンは自分の言ったこと、脳裏に写った映像を思い返す。 ゲンには、この姿……正確には、進化前のゴーストだが……に転生する前の記憶を覚えていないはずであった。 少なくとも、転生した時にはそれまでの記憶は思い出せなかった。 そして、今……頭を抱えて思い出そうとして、ほんの少しだけながら思い出していた。 「あー……アレだ。オレは……誰かを護ろうとして、焼け死んだんだ……」 「……」 「アイツ……今頃どうしてんだか……ヘッ、顔も思い出せねぇのに……なんでこんなに気になんだよぉ、チクショウめ……」 ゲンは泣いていた。 大切な者を遺してきてしまった悔しさと、その相手の顔を思い出せない悲しみに、彼の涙は止まらなかった。 「ゲンくん……」 「……わり、先に行っててくれ……こんな姿、ホウに見られたら笑われっちまうからな……」 「……わかりました。では、先に行っています」 その場にゲンを残し、二人は先に病院へ向かっていく。 ゲンは狭い路地に入り込み影の中に埋もれると、声も出さずに泣き続けていた。 病院のロビーで二人はホウとと合流し、アキラのいる病室へと向かっていた。 「ホウさん、ご主人様の容態は……」 「ん……意識はまだ戻ってないけれど、輸血も間に合ったから平気」 「良かったぁ……」 「はぁ……一時はどうなるかと思いましたよ」 ホウの報告に心底安心した二人。 一方でホウは、ゲンが居ないことが気になった。 「……ゲンは?」 「ゲンくんは……えーと」 「ゲンさんなら、個人的な用事があるそうで遅れる、と」 「……そう」 そこまで話したところで、丁度アキラの病室の前まで着く。 先頭を歩いていたホウが、ゆっくりと扉を開けた。 そして、ベッドには……半身を起こした状態のアキラがいた。 「……おはよう?」 「いや、今はもう夕方……って、デルにメリィ?」 「ご主人様、意識が戻られたんですか!?」 「え? ああ、ついさっき……ってて」 「ああ、無理しないでいいですから。傷そのものは大きいんですし」 「…………」 「ほら、メリィさんも随分と心配して……メリィさん?」 メリィは俯いたまま、何も言わない。 「……? メリィ、どうかしたか?」 「…………」 返事もせず、視線は下げたままアキラの元へ歩み寄っていくメリィ。 そして。 パシンッ! 「いづ……っ!?」 メリィは、アキラの頬を叩いていた。 「メ、メリィさん!? ご主人様は怪我を……」 「……デルちゃんはちょっと黙ってて」 「……!」 「……デル、ここはメリィの言うとおりにする」 「うぅ……」 少々納得が行かない様子だったが、デルはしぶしぶ引き下がった。 その一方でアキラは、尋常ではないメリィの様子に戸惑っていた。 「ど、どうしたんだよ」 「……なんで」 「え」 「なんであんな無茶なことしたの……!」 「無茶って……だって仕方ないだろ!」 「何が仕方ないの!? 私は……私はもし受けても、マスターがボールに戻してくれれば、まず確実に助かるのに!」 「んなっ……そういう問題じゃない! 俺はお前がドリル喰らうのは見てられなk」 「そういう問題だよっ! 私だって……私だって! マスターがドリルに貫かれてるとこなんて、見たくなかった……!」 「……っ」 「ホントに……マスターが、死んじゃうって……私のせいで死んじゃうって、思ったんだからぁっ……!」 メリィは両目から涙をこぼしながらも、アキラの目を見つめ、思いの丈をぶつけていた。 アキラはそんなメリィの想いや、メリィの後ろから心配そうな視線を向けているデルを見て……如何に自分が軽率な行動を取ったのかを自覚した。 「……ゴメン、俺が悪かった」 「もう、あんな無茶はしないで……私もデルちゃんも、マスターにもしものことがあったら……」 「ああ……すまなかった、みんな……」 ここでひとまず、彼らのヤマブキシティでの戦いは終わりを告げることとなる。 報告によると、最上階にてクリムやヨシタカがサカキと交戦したものの、取り逃がしたらしい。 こうしてヤマブキシティには平穏がもたらされ、攻略戦に参加したトレーナー達には社長から様々な形で報酬が出たのであった。 勿論、途中でリタイアしたアキラも例外ではない。 そして、その報酬とは…… 「やあ、アキラ。元気にしてるか?」 「ああ、兄さん。まだ殆ど動けないけど、前よりはね」 「それは何より……ところで、シルフカンパニーの社長から攻略戦参加者に報酬が出てるのは知ってるか?」 「知ってるけど……もしかして、今日はそれを届けに?」 「正確には違うけれど……似たようなものだね。報酬は……これだ」 ヨシタカは一枚の写真を取り出した。 そこには、海辺の小奇麗なペンションが一軒写っている。 「へぇー……って、嘘だろ!?」 「ま、流石にお前一人分の報酬ではないよ。僕とお前、二人分の報酬だ」 「っても、俺そんな大したことしてないぞ!?」 「それがそうでも無くてね。お前が戦ってたあの男、小悪党風だったけれど、かなり上級の幹部だったんだ」 「な、なんだtt(ry」 「ま、そういう事情と……あと、下手すると命に関わってた怪我してるからね。自分から飛び込んだとはいえ」 「う……」 「そういう訳だから、あんまり気にするな。それに、社長には個人的な貸しもそこそこあったからこれでチャラになった」 「……とりあえず、兄さんが相変わらず別次元なのは把握したよ」 「はは、照れるな……さて、それじゃ行こうか」 「……は? 突然何を言い出すんだよ、ってか何処に?」 「そりゃ勿論、この別荘に決まってるだろう?」 「え、ちょっと待ってくれ! 俺今入院中……」 「ああ、退院許可は貰ってきたし、向こうでの面倒はキララが見てくれるから大丈夫だよ」 「外堀埋めるのも相変わらず速いよな……で、どこにあるんだコレ」 「聞いて驚け……ナナシマ諸島、5の島さ」 「……最高級リゾート地ーーーーーーーーーーー!?!?!?」 とまぁ、そんなこんなで。 アキラ達一行の、最高に贅沢な療養旅行が幕を開けるのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・あとがき ども、相変わらず遅筆な曹長です。こんばんわ。 今回で漸くヤマブキ編を終わらせることができました……いやー、難産だったw 気がついてみれば普段の倍近い文章量、どんだけ私はネタを盛り込んだのかと。 そして最後は今までに投稿した中で一番のグダグダ度……まともに書け、私(笑) そして今回は200のひと氏の作品から、タイチ君とリザードンをお借りしました。 この場を借りてお礼を言わせていただきたいと思います。ありがとうございました! さて、次回からは舞台を一新。ナナシマへとアキラ達一行は旅立ちます。 ……っても、暫くは絶対安静なんでアキラ君は寝てるでしょうが(ぇー それでは、また次回の後書きでお会いしましょう。
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コスチュームプレイ、略してコスプレ。 コスプレとは何か。コスプレとはまぁ普段着用しないような一風変わった衣装を身に付けて堪能する遊びである。 で、なんで俺が今こんなことを説明してるかというと。 「……お前ら、何してんだ」 「えへへ……えーと、ご主人様っ♪」 「メリィさんが、私の服を着たいって言ってたので……折角なので、衣装を交換してみたんです」 まぁ、要するに。 メイド服に身を包んだメリィと、メリィの普段着のワンピースを身に付けたデルが、俺を起こしに来た訳なんだが。 「メリィのメイドさん体験記 ~おつかい編~(題名に偽りアリ)」 そんなこんなで、メリィが用意したという朝食を食べながらデルから事情を聞いた。 「事の次第はとりあえず理解した……んで、メリィはどこいったんだ?」 「ちょっと足りないものがあったので、タマムシデパートまで買出しをお願いしました」 「タマムシに?」 「ええ、この辺ではタマムシのデパートにしか無い物なので」 デルはさらっと言ってのけるが、タマムシって大都市ひとつ挟んで西側のこれも大きな町だ。 「……流石に遠くないか?」 「私だったら半日もあれば行って帰って来れますけど……」 お前は慣れてるだろうからそうだろうけど、メリィはそうもいかんだろ…… 「はぁ……流石にお前と同じようには行かないだろ。手伝いに行くぞ」 「でも、折角メリィさんがやる気になっていらっしゃるんですから……」 「それで何かあっても困るからなぁ……」 正直、メリィは何かと鈍くさいし。 「兎に角、俺たちもタマムシに行こう」 「ですけど……」 「……わかった、とりあえず昼までは二人でデートしよう。その後はメリィ探して見守る、ってのはどうだ?」 「はぁ……わかりました、そうしましょう」 「よし、そうと決まれば準備していくぞ」 俺は食べ終わった食器を片付け、身なりを整えるために部屋へと戻る。 ダイニングに残されたデルが「ご主人様は過保護なんだから……」とか言っていた気もするが、とりあえずスルーした。 ……だって心配なものは心配なんだからしょうがないじゃないか。 支度を済ませて戻ると、デルがメリィの普段使っている髪留めを使って髪をツインに上げていた。 「あれ、その髪型……」 「折角ですから、髪型まで真似てみようかなって。流石にロールする時間は無かったですけど……似合いませんか?」 ツインテールにしたさらさらの黒髪を揺らしながら、デルはすこし困ったような表情で俺を見る。 「いや……中々似合ってて驚いた。そういうのもなんかいいな」 「そうですか?……ふふっ、試してみてよかった」 嬉しそうに微笑むデル。 ……やっぱ普段と違う格好のせいか、年頃の女の子っぽさがいつもよりも増し増しな気がする。 やべ、なんか頬が緩んできた。 そんな顔を見せるのもなんだか小恥ずかしいので俺はそっぽを向きつつ手を差し出す。 「さ、時間が勿体無いから早く行こうぜ」 「はい、お兄様」 「……はい?」 今、何と? 「どうかしましたか、お兄様?」 「いやちょっと待てお兄様って誰だってか俺かってそうじゃなくて何故お兄様ってくぁwせdrftgyふじこlp」 「とりあえず落ち着いてください」 落ち着けって言われたって、それは(ry 「はぁ……この格好でご主人様って呼ぶものどうかと思ったんですけど」 「理由になってないだろ……」 「……そんなに嫌ですか?」 「や、嫌どころかむしろ発狂しそうなほど嬉しいが」 ってか今発狂したし。 「なら行きましょう、お兄様」 「ああ……」 「……というわけでタマムシに着いた訳なんだが」 「今日も中々にぎわってますね……」 バスを降りた後、デルの後ろをついていくようにして俺は歩く。 と、余所見をしている隙にデルが俺の腕に抱きついてきた。 「っと、どうしたんだ?」 「こういうことは、メリィさんばっかりでしたから……私も、してみたかったんです」 「そか……」 そういや、あんまり俺に甘えてきたりはしないもんな。 「で、どっか行きたいところとかあるか? 俺はあんまりこっちまで来ないから、良くわかんなくてさ」 「そうですね……では、前から気になっていた甘味処があるんですけれど」 「オッケー、そこに行こうか。場所は?」 「こっちですよ、お兄様」 少しはしゃぎ気味のデルに手を引かれつつ、俺は町を歩いていった…… ……一方その頃。 メリィはメモに書かれた品物を探してデパートの中をてんてこ舞いであった。 「はぁぅ~、疲れた……」 メリィは品物を一つ見つけるたびにレジに持っていき、再びメモを見る……ということを繰り返していた。 ぶっちゃけ非効率的だが、本人は全く気づいていない。 更には何度か長いスカートの裾を踏んで転倒している。 アキラが鈍くさいと思うのももっともである。 それは置いておくとして、メリィは今デパートの屋上で荷物を横に置いて休憩中であった。 勿論、荷物は転送サービスを使えばいいのだがメリィはそれに気づいていない。 「はぁ……デルちゃんって、いつもこんな大変な買い物してたんだ……」 そんな訳は無いのだが。 というか現時点でまだメモの半分買い物が終わっていない。 先は長いなぁ……と、空を見上げながら考えていると。 「うえぇぇ……うあぁぁん……」 「あれっ……」 どこからともなく聞こえてくる女の子の泣き声。 そちらを振り向くと、小さな女の子がしゃがみこんで泣いていた。 それを見た瞬間、メリィは考えるまでも無く彼女に話しかけていた。 「ねぇねぇ、こんなところでどうしたの?」 「うぅ、ママが……どこかにいっちゃったの……」 「そっか……それじゃ、お姉ちゃんと一緒にママを探そ?」 「いっしょ……?」 「うん、一緒。一緒なら寂しくないでしょ?」 「……うん」 「それじゃ、行くよ~」 少女の手を引きながら、メリィは下の階へと降りていく。 ……その数分後、少女の母親が戻ってくる可能性なんぞ微塵も考えずに。 「中々いい感じの店だったな」 「ええ、思っていた以上でした」 店を出て、二人で歩きながらさっきの店のことを語り合う。 「何度かあんみつって食べたことあったけど、あの店のが一番だな」 「あら、私の作ったあんみつよりも美味しかったですか?」 「そりゃ流石に敵わないだろうな。でも、今回のを参考にすればよりうまく作れるんじゃないか?」 「ふふっ、それもそうですね」 「ところで、次に行きたいところはあるか?」 「そうですね……それじゃお兄様、服を見たいのですけれど」 「オッケー、それじゃデパートだな」 「ええ。行きましょう」 んで、数分後。 「なぁ、デル」 「どうかしましたか、お兄様」 「何故、服を見るって言ってマニアショップに……?」 デルについていくままに入っていった店。 そこは何というか……どう見てもいわゆる『マニア』向けの品物を扱っているお店だった。 ってか、デルがこういう趣味あるなんて初めて知ったぞ俺。 「いえ、その……いつもメイド服だと飽きられるからと、ホウさんが紹介してくださったんですけれど」 「ま た あ い つ か」 それならかなり納得だ……つか、頭痛い。 そんな俺を軽くスルーしつつ、デルは一通り服を集めてきたようだ……って。 「随分多くないかソレ」 「そうですか?」 「まぁ、買える限りは買ってやるつもりだが……」 「まさか、全部は買いませんよ。ちょっと試着してみて、気に入ったものだけを買おうかと」 「なるほどな、把握した」 「じゃ、着てきますね」 そういってうきうきしながら試着室に入っていく。 暫くして、カーテンの開く音が聞こえて俺は振り向いた。 「お、着替え終わっ……」 「どうですか、お兄様?」 全身を覆う黒いタイツに、ワインレッドの丈の短い長袖ジャケットと、同色のこれまた短いタイトスカート。 更に同じ色のブーツと白手袋、そして右手に巻いた状態で持っている鞭……ってコレは。 「……ナツメ?」 「はい、ヤマブキのジムリーダーさんの衣装ですね……似合いますか、お兄様?」 似合うも何も、黒髪赤目のお前がそのカッコしたら見事に小さくなったナツメじゃねーかとry 「いや……似合うは似合うが、どっちかって言うとそっくりさんかな」 「そうですか……それでは、違うものを」 再び引っ込み、衣擦れの音をBGMに待つこと数分。 「今度はどうですか?」 と、出てきた姿は……一瞬、赤いセーラー服に見えた。 が、よく見ると肘までの長手袋とか、膝丈の白いブーツとか…… 更にはスカートに違和感があったり額にサークレットらしき物まで付けていた。 「……何ソレ」 「え、えっと……火星に代わって折檻よ!」 「……」 「な、何か反応してください……流石に無反応は堪えます」 「いや……なんていうかな」 正直、反応に困るって言うべきなんだろうか。 似合うことは似合うんだが…… 「ぶっちゃけ、よくわからん」 「はぁ……コレは失敗、と」 妙に凹んだ様子で試着室に引っ込むデル。 ……似合ってるってくらいは言ってやったほうが良かったか。 「それでは……これはどうでしょう?」 今度は……割と普通、か? 黒い長髪をバレッタでアップに纏め、ふち無しのメガネ。 白いブラウスと地味なタイトスカートの上に白衣を羽織り、持っているのは……教鞭か? 「へぇ……理系の女教師か。案外似合うもんだな」 「お兄様、案外ってどういうことですか?」 「いやまぁ、ほら……ギャップ萌えって奴か?」 「……」 ……あれ、地雷踏んだ? 「どうせ私は、実年齢よりも数段幼い外見してますよ……」 と、言って試着室に引っ込んでしまった……しまったな、折角のデートなのに。 次は何とかして褒めなければ、と考えていると、着替えが終わったらしく再びカーテンが開いた。 「なら、これはどうですか?」 「へぇ、これは……」 若草色の振袖に緋色の袴。 大和撫子を髣髴とさせるその衣装は、さらさらの黒髪が自慢のデルに非常によく似合っていた。 「いいな、これ……しかし、どっかで見たことあるような」 「ふふっ……これ、タマムシのジムリーダーさんとお揃いの物なんですよ」 「ああ、なるほど。通りで」 それにしても、いつもメイド服だから和服が似合うってのは新鮮な新発見だな。 「じゃあ、それにするか?」 「んー……ちょっと待ってくださいね」 そう言って再び試着室に以下略。 「……こっちはどうですか?」 数分後、試着室から出てきたデルが着ていたのは艶のある黒色の振袖。 袴はさっきと同じもののようだった。 「おお、こっちの方が似合ってるな」 「ありがとうございます。じゃ、これにしますね」 と、そんなこんなで会計を済ませて店を出た訳なんだが。 「……それ、着ていくのか?」 「折角ですから……それに、今後着る機会もそうそう無いでしょうし」 買ったばかりの袴を身に付け、上機嫌で言うデル。 まあ、確かに今のうちの家事関係はデルにまかせっきりだから明日からはまたいつものメイド服に戻るんだろう。 ……メイド服も悪くないけど、やっぱ何だか名残惜しいな。 「……そのうち、また服買いに来ようぜ」 「え……あ、はい。お兄様♪」 一瞬驚いたような表情の後、デルは向日葵のような笑顔で俺に答えた。 「さてと、それじゃそろそろ昼飯にでも……あれ?」 「お兄様、どうしたんですか?」 「いや、あれって……」 俺の指差した先。 そこには…… 「メリィさん……みたいですね」 「あんな大荷物抱えてキョロキョロして、何やってんだ……って」 よく見てみると、メリィのメイド服の裾をちっちゃな女の子が掴んでいる。 メリィもそれは承知のようで、時々泣きそうな彼女をあやしながら何かを探しているようだ。 「……なぁ、デル」 「なんでしょう?」 「メリィのやつ、何してるように見える?」 「うーん……誘拐、でしょうか」 「いやお前ちょっと待て」 幾らなんでもそりゃ無いだろ……と、思いたいが。 「……とりあえず、予定変更。接触するぞ」 「はあ……仕方ないですね」 と、いうわけで。 「おーい、メリィ!」 「ふぇ……? え、マス……じゃなくて、ご主人さま!?」 「いや、別にマスターでいいから。ところでお前、何やってんだ」 「何って、この子が迷子になっちゃったみたいだから、お母さんを探してあげてるの」 「……なぁメリィ、お前その子のお母さんってどんな人なのかわかるのか?」 「……あ゛(汗」 アホだ。 先生、アホの子がここにいます。 「あとメリィさん、荷物は注文したら宅配便で送ってもらえばよろしかったんですけど……」 「そ、それはお店の人にも言われたんだけど……お家の詳しい場所、覚えてなくて……」 「……シオンタウンジムにお願いしますって言えば良かったんだが」 「そ、そうなの!?」 「まぁ、一応は……って、それよりもその子はどうするんですか?」 「どうって、探してあげないと」 「だが、探す方法が無いだろ……お譲ちゃん、お母さんはどんな人なんだい?」 「やさしーの……」 「いやそうじゃなくて……服とか、覚えてる?」 「うん……ぴんく」 「……これだけの手掛かりで探すのは無謀では」 「それじゃ、どうすればいいのかな……」 「そういや、この子の名前は?」 「ひなちゃんって言うんだって。かわいい名前だよね~♪」 「……それだけわかってるなら、迷子センターに預ければ呼び出してもらえるんじゃねーのか?」 「……あ゛(滝汗」 ……先生、アホの子がここに(ry んで、結局のところ。 彼女を迷子センターに送り届けて呼び出しの放送をしてもらうと、彼女の母親はすぐにやってきた。 「娘が、お世話になりました」 「いえいえ、こちらこそ勝手に連れ出しちゃったような格好になってしまい……」 「ですが、お陰で娘は安心していられたようです。ありがとうございました」 ……待ってるように言われたのを勝手に連れてっちゃったのはどう考えてもダメだろ、と思いつつ、 母親はあえてそこに触れないつもりのようなので俺もそれ以上は話を引っ張らないようにする。 一方でメリィは、少女……ひなちゃんだったか、彼女とお話しているようだった。 「ごめんねひなちゃん、いろいろ連れまわしちゃって」 「ううん、おねーちゃんのおかげでさみしくなかったから……ありがと!」 「あはっ、どういたしまして!」 ……ま、丸く収まったんだしこれでいいか。 そうして親子を見送った後。 「さて……メリィ、買物は終わったんだっけか?」 「そ、それは……まだ、半分くらい」 「はぁ……メリィさん。手伝いますから、早く終わらせましょう」 「うぅ……ごめんね」 「んじゃ、とりあえずはその荷物を宅配便で先に送っちまおう。大荷物抱えて歩くと邪魔だしな」 「そうですね」 「はーいっ」 こうして俺たちの休日は終わった。 まぁこの後にも、メリィの非常に効率の悪い買い物法にデルが頭を抱えたりもしたんだが、ここでは語らないでおこう。 ……その頃、シオンジムの一室にて。 「……ホウ、何やってんだ」 「???」 「いや、はてなみっつ出してもわからんっての」 「……強いて言うなら、コスプレ?」 「把握したが何故に疑問形」 「……なんとなく」 風呂をあがったゲンがリビングに顔を出すと、ホウが巫女服を着ていたのだった。 黙ってれば純朴系美人である彼女には、中々似合っている。 「ってか、ウチにそんなもんあったんか」 「ん、クリム君の所のフーディンが送ってきた……余ったからくれるって」 「ま た あ い つ か」 「ねぇ、ゲン……」 「あ、あんだよ」 「ボクに、似合ってる……?」 「……別に、言わなくてもわかんだろ」 「キミの口から……答えを、聞きたい……」 「う……」 ホウはすっとゲンの傍まで寄ると、ゲンの胸に手を当てて少し彼を見上げる。 上目遣いでそんな風にねだるホウに、ゲンは観念した。 「あ、ああ……すっげー似合ってる」 「……ホントに?」 「嘘ついてどーすんだっての。今すぐ襲い掛かりてぇくれーだ」 「我慢する必要、無い……」 「……いいのかよ」 「キミがボクを欲しいなら……ボクは、いつでも」 「へっ……言ったな、覚悟しろよ」 「それは、ボクの台詞……」 「あ?」 「今夜は、離さない……」 「……上等だぜ!」 ……翌日、ゲンは魂を抜かれたような表情で、ホウは満足気な表情でぐっすりと寝ていたというのはまた別の話である。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き どうも、二回連続で本編すっぽかした曹長です(ぇ だってこんなステキな祭り、参加しないわけにはいかないじゃまいか……いや、一応本編も書いてますので。 とりあえずいきなり題名からアレですね。メリィ全然目立ってない(笑 題名に偽りアリとは正にこのことだと(10万V てかアホの子度が有頂天に達したようd(ry んで、実際のメインはデルでしたが。 途中のコスプレシーン、ネタに走りましたw もうちょい普通のコスも入れれば良かったかなと少々反省。 最後に、相も変わらず自重しないゲンホウ。 ってかこいつらホントにオチに使いやすいな。 掛け合いがいつの間にか一人歩きし始めるのが少々問題ではあるが(ぇー ……さて、そろそろ長いこと放置してる本編を仕上げねば。 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
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スリーパーの催眠にかかったデルとメリィ。 二人は、最愛の人であるはずのアキラに容赦なく攻撃を繰り出す。 怯えるサイホを庇いながも、打つ手なしのところまで追いつめられるアキラ。 ……救いの手は、突然の竜巻とともに現われたのだった。 『深林の追跡者(後編)』 デルとメリィの動向に気をつけつつ、ゲンはアキラに状況を聞く。 「とりあえず、何があったんだこりゃ」 「俺にもわからない……ちょっと二人が席を外して、戻ってきたら襲ってきたんだ」 「……(コクコク」 「……アキラ君」 「ん、どうした?」 「二人とも……催眠術にかかってる」 「うお……マジかよ」 「何だって!? 催眠術って、眠らせる技じゃ……?」 驚くアキラに、ホウはほんの少しだけ眉を歪ませて更に説明する。 「ボクやゲンの使う催眠術と原理は同じ……ただ、意識を混濁させた後に強力な暗示をかけるとこうなる」 「ま、フツーはんなことできねーけどよ……暗示かけて操るなんざ、よっぽど強えぇエスパーか特別な才能があるかだな」 「……ちなみに、ボクもやろうとすればできる」 「何だとぉっ!?」 「ボクの念力は、どちらかというと精神に働きかけるのが得意だから……」 「……ぜってーやんじゃねーぞ」 「ん……」 「ホウ、二人を元に戻すにはどうすればいい?」 「……基本的に催眠術と同じ。つまり、意識を覚醒させるか気絶させる」 「ってことは、眠気覚ましや何でも治しでいいのか」 「ん、そういう事……!」 「チッ、ゆっくりおしゃべりはさせてくれねーか!」 デルが放ってきた火炎を、ホウはリフレクターを展開して防ぐ。 ゲンはシャドーボールを投げつけるが、デルは軽く回避する。 「おいアキラ!」 「……すまん、今日は傷薬くらいしか持ってきてなかった。戦闘する予定じゃなかったし」 「んなアホなぁっ!?」 「……なら、木の実を探して。カゴの実かラムの実」 「そっか、この森なら……サイホ、行くぞ!」 「……!(コク」 二人は広場を離れ、木々の中へと走っていく。 その背に火炎が襲いかかるも、またしてもリフレクターに阻まれた。 「さーて……倒して気絶させちまっても良いわけだが」 「……そう簡単に行くとも思えない」 「まーな……行くぜ、ホウ!」 「ん……!」 「目標……変更……」 「あはははははははははっ♪」 ゲンのシャドーボールが。 ホウのエアスラッシュが。 デルの火炎放射が。 メリィの10万ボルトが。 広場の中央で激突した。 「これはオレンの実……これはチーゴの実……くっ、早く見つけないと」 「……(キョロキョロ」 背後から聞こえる戦闘音をBGMに、二人は木の実を探していた。 「これも違う……くそ、何でカゴの実だけこう見つからない……!」 「……(くいくい」 「ん、どうしたサイホ」 「……!」 サイホの指差した木。 そこには、お目当ての青い木の実が一つ生っていた。 「カゴの木……よし、でかしたサイホ!」 早速アキラは木から実を採る。 そうして元の広場に戻ろうとした時。 「……あらあら、行かせませんわよ」 「なっ……!?」 行く先を塞ぐように、スリーパーが姿を現した……鼻にちり紙を詰めて。 「……まさかとは思うが、デルとメリィに催眠かけたのは」 「うふふふ……勿論わたくしですわ」 「一体何が目的だ、こんなことをして!」 「目的? そうねぇ……」 少し考えるようなそぶりを見せるスリーパー。 「目的は……可愛らしい女の子に、とびっきり可愛い服を着せて……可愛がること、かしら」 「……(フルフル」 「うふふっ、あの二人は既にわたくしの玩具……最後はその子ですわ♪」 「……!(ビクッ」 「くっ……そうはいくか! 逃げるぞ、サイホ!」 「逃がしませんわよ……!」 「んなっ……!?」 逃げようとするアキラに、スリーパーは金縛りをかける。 走っている最中に突然体が動かなくなり、アキラは派手に転倒した。 その音に、サイホは思わず足を止めてしまう。 「……!」 「止、ま……るな、逃、げろ……木、の実、頼ん、だ、ぞ……!」 「……っ!(タタタッ」 「っ、まさか、木の実を持たせて!?」 「へっ……これ、で、カ、タが……つく……!」 「くぅ……待ちなさい!」 動けないアキラを放置し、スリーパーはサイホを追う……だが、遅かった。 十数秒遅れて、彼女が広場へ飛び込んだ時には。 「デルちゃん、ごめん!」 「っがあ……!」 正気に戻ったメリィが、デルに電撃を浴びせて気絶させた所であった。 そして。 「……ねぇ、そこのオバサン?」 「オ、オバ……!?」 突然のオバサン発言にムっと来たスリーパであったが、メリィを見て言葉が出なくなった。 メリィは、とても優しそうな柔らかな笑顔を浮かべている。 ……が、彼女の体はほぼ全身で放電現象が起きていた。 額と尻尾の珠も、眩しいほどに光っている。 そして何より、目が笑っていなかった。 そしてメリィは、優しい声でスリーパーに声をかけた。 「私たちをお人形にするって……どういうことなのかな?」 「…………」 「言えないの? じゃぁ……私たちを操って、マスターを攻撃するって……何のつもりだったのかな?」 「…………(汗」 「……少し、頭冷やそうか」 「ひっ……」 最後だけ異様に冷たい声で言い放つと、メリィは右手を空にかざす。 スリーパーはその場から退散しようと、背を向けて走り出した。 「……逃がさないよ」 その背中に向けて、メリィは手を振りおろす。 ドォンッ……! 「がは…………!?」 遙か上空から落ちてきた雷にその身を焼かれ、スリーパーは体の所々から煙を吹いて気絶した。 「……ホウ、アレほんとにメリィか?」 「……メリィは怒らせると一番怖い」 「オレも気をつけよう……」 そんなこんなで、アキラ達一行は事件の元凶を断つことに成功したのであった。 攫われていた少女たちも、観念したスリーパーが白状した住処に全員無事で見つかった……多少、服装が派手可愛らしくなっていたが。 そして今、彼らは連絡船で別荘へと戻るところであった。 「……なぁ、アキラ」 「どうした?」 「いや……ソイツ、このまま連れてくのかよ?」 ゲンの視線の先には、アキラのボールホルダーに新しく増えているモンスターボール。 中には事件を起こしたスリーパー……リースが捕獲されている。 怪訝な表情で聞くゲンに、メリィも同意した。 「マスター、私もちょっとどうかなーって思うよ……」 「まぁ、確かに今回犯罪じみた……ってか犯罪行為をやってた訳だけどさ。 でも、話聞いてて根っからの悪い奴って訳でもなさそうだったし。 コイツ、幼い頃からロケット団で育ってきて、常識とかがズレてるだけみたいなんだ。 どうも最近悪事についていけずに脱走して、あの森に住み着いたらしいんだけど」 「つまり何だ、オレ達で矯正しようってワケか?」 「そこまでは言わないけど、野良でいて事件起こされるよりは俺たちと一緒にいたほうがいいんじゃないかと思ってさ。 それにほら、戦闘能力も高いみたいだし」 「……まぁ、マスターがそう言うならいっか。これからは仲間になるんだったら、仲良くしないといけないね」 メリィはそう言うと、リースの入っているボールを見て微笑んだ。 アキラは何故か、腰のボールが震えているような気がした。 「そういや、デルはどうしたんだよ。いつもなら外に出て話に参加してねーか?」 「いや、俺にも訳がわからん。メリィと二人で出ていく前まではいつもどおりだったんだけど」 今ボールから出ているのはメリィとゲンの二人だけであった。 ちなみにサイホは疲れきって、ホウは単純に楽だからという理由でボールの中である。 ……デルは気絶から回復するなり、ボールの中に引きこもってしまっていた。 「もしかして、リースさんが何かしたのかな?」 「だからって、何故に俺を避けて引きこもるんだか……メリィみたいに怒るんならまだ解らないでもないけど」 首をひねる三人。 デルのトラウマになった事件を覚えている、若しくは知っている者は、この場には居ない。 当然、デルが何故こうなったのかを推測するのはほぼ不可能であった。 「まぁ、考えてもわからないものは仕方ないさ。今の俺たちには、待つことしかできない……無理に問い詰めても、傷つけるだけだ」 「だぁな……ま、いくらなんでもメシ時になりゃ腹減って出てくっだろ」 「そ、そういうものでもないと思うけど……じゃ、私が今夜はご飯作るね」 「おう、楽しみにしてるぞ」 と、そこで船は5の島に到着し、彼らは別荘へと戻った。 別荘へ戻ったアキラは、今はそっとしとくべきだと思い、デルのボールを彼女の部屋に置いて自室へと戻る。 ……だが彼女はその夜、夕飯の席に顔を出すことはなかった。 その日の夜。 「……んぅ」 「……う゛ぁー……(げっそり」 ホウは、自室でゲン(搾り滓)を抱き枕にしてベッドでまどろんでいた。 ちなみに毎晩こうしていてはゲンの体がもたないので、三日に一度程度である……搾り滓になるのは。 と、そんな時。 (……て……誰……、……けて……) 「……?」 頭の中にノイズ混じりで聞こえてくる声に気づき、ホウはそれに意識を集中させる。 (……けて……誰か……助けて……) 「これ……」 ホウは念が飛んできた方角に顔を向ける。 その方向は丁度南。場所には最近噂になっていた、私有地に勝手に建てられていたというR印の大型倉庫。 ホウの頭の中で、いくつかの想像が繋がっていく。 「明日、リースに聞こ……」 そう呟くと、再びゲンに抱きついて眠りにつくのであった。 同じ頃、デルの部屋。 デルは、ベッドの上で膝を抱えて座っていた。 「そうでした……私には……」 虚ろな瞳のまま、彼女はぽつぽつと呟く。 「お兄ちゃんの……ご主人様の傍に居る資格なんて……無い……」 幼き日の彼女の思い出。 大切な人に執着するあまり、大切な人を失いそうになった記憶。 「また私は……同じ、過ちを……ご主人様を……やはり、私は……」 デルはベッドから降り、窓を開けて月を見上げる。 その瞳には、悲しい決意が浮かんでいた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き どもこんばんわ、今回はちょいとばかし早めにできました曹長です。 ……なんでこうテストが近づいてくると筆が進むんだろうか(ぇ ということで、今度こそは解決編こと後編をお送りいたしました。 ……うん、解決どころかまたしても問題がry ってかこの程度の長さで済むんだったらまとめた方が良かったかのぅ。 とまあそんなことは置いといて(ぇ、またしても新しい仲間が増えました。 今度は年上のオバs……お姉さんだよ! ・リース(スリーパー♀) 木の実の森に住み着いて悪さをしていたスリーパー。人間の年齢にして29歳相当。 森林浴に来ていたデル、メリィ、サイホを気に入って攫おうとするが失敗し、アキラに捕獲された。 幼い頃からロケット団に所属していたせいか、倫理観や常識が多少ズレている。 ただし根っからの悪人ではなく、預けられた先での幹部の悪逆非道に付き合いきれずに逃げてきたという一面も。 筋金入りのロリコン・ショタコンであり、かわいい子にかわいい服を作って着せるのが趣味。 ・外見的特長 身長168cm バストサイズ:C 3サイズ:89・67・90 身長高め、ただしヘル姉とかと比べてスタイルは控えめ。 最近腰周りがふにふにしてきたのが気になるらしい。 金髪黒目で、服装はふわふわの襟巻きのついた黄色のワンピース。 さて、思いつめるあまりアキラを避けるデル。 そして、ホウの受信した謎のSOS。 一人では手の回らないアキラに、最強の助っ人が手を差し伸べる。 次回、萌えっこもんすたぁ Long long slope 『囚われし水の君(前編)(仮)』 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
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現在稼働中のワールド「エストール」 「†Liberal†(リベラル)」 統合されたワールド「エゼルシャーン」 「アルバロア」 「リラローザ」 「シュナト」 「メリィ・ウェザー」「ナイトカイト」 「バロウバロウ」 「リーディンスルー」 ワールド名について 現在稼働中のワールド 「エストール」 2016/02/16から稼働しているワールド アルバロアとエゼルシャーンが統合されて誕生した。 「†Liberal†(リベラル)」 2014/09/17から稼働しているワールド 公式サイトやクライアントがエゼルシャーンやアルバロアとは分けられており、PKやルート(とそれに関連するシステム)がなく、ソウルランクによるレベルキャップがないなど基本的な仕様も異なる(詳細は †Liberal† 公式サイト『 『†Liberal†』ワールドの仕様について』 )。 また、これらに加えてダンジョンや一部コンテンツは、エゼルシャーンやアルバロアで公開されたあとに公開されることになっている。 統合されたワールド 「エゼルシャーン」 2013/03/27から2016/02/16まで稼働していたワールド。 「アルバロア」 2014/02/08から2016/02/16まで稼働 リラローザとシュナトを統合してできたワールド。 「リラローザ」 2013/03/27から2014/02/08まで稼働 「メリィ・ウェザー」と「バロウバロウ」を統合してできたワールド 「シュナト」 2013/03/27から2014/02/08まで稼働 「ナイトカイト」と「リーディンスルー」を統合してできたワールド 「メリィ・ウェザー」「ナイトカイト」 2011/10/08から2013/03/27まで稼働 オープンβテスト最初から稼働していたワールド オープンβテストのデータは正式サービス後も引き継ぎできた 「バロウバロウ」 2011/10/09から2013/03/27まで稼働 オープンβテスト途中から稼働したワールド 「リーディンスルー」 2011/10/15から2013/03/27まで稼働 2011/10/14正式サービス開始後に稼働した新ワールド ワールド名について 「メリィ・ウェザー」「バロウバロウ」「ナイトカイト」「リーディンスルー」は神龍リィン・リーアンの相続者である龍の名前に由来する。 「リラローザ」「シュナト」および「エゼルシャーン」「アルバロア」は作中世界に登場する都市の名前に由来している。
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セッショントレーラー のんびりほのぼのしたいらしい 参加メンバー メリィ ファーマーヒーラー/テクニックテクニック http //charasheet.vampire-blood.net/39747.html ラリー ファーマーミンストレル/テクニックテクニック http //charasheet.vampire-blood.net/38910.html フレッド ファーマーマーチャント/マジックマジック http //charasheet.vampire-blood.net/39985.html ベルール ノーブルノーブル/アタックアタック http //charasheet.vampire-blood.net/34201.html シュネー クラフトクラフト/アタックテクニック http //charasheet.vampire-blood.net/39246.html フレア ヒーラーマーチャント/マジックマジック http //charasheet.vampire-blood.net/39680.html リーダー:ラリー マッパー:フレア 荷物係:メリィ ログファイル 第一話 オープニングと親睦を深める回 日誌係:フレッド、メリィ http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/519/DragonEggCampaign1.zip 第二話 旅の続き 石油の村に行ったり小屋に騙されたり 日誌係:ラリー http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/520/DragonEggCampaign2.zip 第三話 レンギョウについた 日誌係:ベルール http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/279/DragonEggCampaign3.zip 第三.五話 風邪で一名欠席のため準備に時間を費やす 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/305/DragonEggCampaign3.5.zip 第四話 頂上まで登山 臨時マッパー:メリィ 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/316/DragonEggCampaign4.zip 第五話 下山、そして砂漠準備 臨時マッパー:メリィ 日誌係:フレア http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/327/DragonEggCampaign5.zip 第六話 砂漠探検 初日 まだまだジャブだよ 日誌係:シュネー http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/356/DragonEggCampaign6.zip 第七話 砂漠探検 二日目 お金には困らなさそう 日誌係:ラリー、フレア http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/377/DragonEggCampaign7.zip 第八話 砂漠探検 三日目 敵を倒したんだけど何か… 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/401/DragonEggCampaign8.zip 第九話 砂漠探検 四日目前編 今明かされる衝撃の事実 日誌係:フレッド、メリィ http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/430/DragonEggCampaign9.zip 第十話 砂漠探検 四日目後編 取るもん取ったらずらかる 日誌係:メリィ(継続) http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/503/DragonEggCampaign10.zip 第十一話 目指すはグルケ、そして密林 日誌係:ラリー http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/505/DragonEggCampaign11.zip 第十二話 密林で彼らが目にしたものとは・・・!? 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/518/DragonEggCampaign12.zip 第十三話 色んなお話 この物語は一体どこへ向かうのか 日誌係:ラリー、フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/569/DragonEggCampaign13.zip 第十四話 色んなお話の続き 側近さん強い 日誌係:次回 http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/599/DragonEggCampaign14.zip 第十五話 やっとお話終わり プロローグ終わり 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/642/DragonEggCampaign15.zip 第十六話 新たな想いを胸に、また旅が始まる。そして―― 日誌係:ベルール http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/646/DragonEggCampaign16.zip 第十七話 ラリー家の秘密 そして北へ…北へ…? 日誌係:フレア http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/673/DragonEggCampaign17.zip 第十八話 なんとか北へ そして竜との触れ合い 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/682/DragonEggCampaign18.zip 第十九話 岩場を抜けると、そこには… 日誌係:ラリー http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/717/DragonEggCampaign19.zip 第二十話 宛もなく湿地を探索するも 日誌係:メリィ、フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/730/DragonEggCampaign20.zip 第二十一話 この戦いに救いはあるか 日誌係:なし http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/816/DragonEggCampaign21.zip 第二十二話 そろそろ癒しが足りなくなってきた 日誌係:シュネー、フレア http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/832/DragonEggCampaign22.zip 第二十三話 買い物を済ませ馬車に揺られる旅、目指すは西へ 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/845/DragonEggCampaign23.zip 第二十四話 巨乳とミニゲームと愉快な姉貴 日誌係:フレッド(継続) http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/890/DragonEggCampaign24.zip 第二十五話 船に乗り、南へ、温泉へ 日誌係:フレア http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/900/DragonEggCampaign25.zip 第二十六話 バハル号ツアー そして迫るイカちゃん 日誌係:なし http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/934/DragonEggCampaign26.zip 第二十七話 イカちゃんはサメさんがおいしく頂きました 日誌係:なし http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/947/DragonEggCampaign27.zip 第二十八話 性転換しつつ礼貰いつつデージー到着で宴会 日誌係:フレア http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/974/DragonEggCampaign28.zip 第二十九話 日も変わり早々に旅立つ準備と故郷への寄り道 日誌係:なし http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/975/DragonEggCampaign29.zip 第三十話 バハルと別れ甘味屋でお土産を買いメリィの村 日誌係:なし http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/979/DragonEggCampaign30.zip 第三十一話 メリィ村続き 新たな思いを胸に 日誌係:なし http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/1030/DragonEggCampaign31.zip 第三十二話 鶏とお米と不思議な川のアイリス 到着と出発と 日誌係:フレッド、メリィ http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/1051/DragonEggCampaign32.zip 第三十三話 迷いがちな老人との邂逅、語られる過去 日誌係:なし http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/1111/DragonEggCampaign33.zip 第三十四話 お節介に導かれ 晴れの竜とてるてる坊主 日誌係:ラリー http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/1112/DragonEggCampaign34.zip 第三十五話 朝を迎え二度目の謁見 そして最後の道標へ 日誌係:フレッド http //ux.getuploader.com/vip_trpg/download/1113/DragonEggCampaign35.zip
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ナナシマ諸島。 七日間かけてできたと言われる逸話を持つ、七つの島群からなる海域。 シルフ攻略作戦で重傷を負ったアキラと仲間達は、五の島にある別荘でリゾート気分を満喫していた。 の、だが。 攻略作戦からもう二ヶ月。 アキラの怪我もすっかり良くなり、今は落ちた体力を取り戻すためにトレーニングをしていた。 「……二十九……三十、っと」 腹筋のノルマの回数を終え、床に寝転がる。 アキラは、ここに来てからのことを思い返していた。 「……まさか、あの二人がくっつくとはねぇ」 二人とは、ホウとゲンのことだ。 アキラもデルから話は聞いていたが、実際にゲンに甘えているホウを見るまでは何かの冗談かと思っていた。 「ってか、キャラ変わりすぎだろあれは」 その辺は散々待った故の反動である。 それを除けば、特に変わったことは無かった、と言えるだろう。 ……そう、「彼女」もこの二ヶ月の間、殆ど変わらなかった。 「サイホ……」 別荘に到着した後にヨシタカから託された、一個のモンスターボール。 その中には、シルフ攻略戦でカプセルの中に入っていたサイホーンの少女が入っていた。 虐待を受けていたと聞いたアキラ達は、彼女の心が癒えるように願いながら優しく接した。 が。 「失声症……それに男性恐怖症、か」 幼少の頃から、長い間……かれこれ10年近く、母親とマスターとしかまともに会ったことが無かったせいもあるだろう。 彼女は女性……デルやメリィ、ホウにはすぐに懐いたが、男性……アキラとゲンは見ただけで怯え、逃げ出してしまうのだ。 勿論、遭遇即逃走ではまともにコミュニケーションをとることもできない。 「俺、サイホのマスターにはなれないのか……?」 天井を眺めて一人呟くも、答えが出るはずはなかった。 『深林の追跡者(前編)』 「森林浴?」 「ええ、お義兄さんたちもいい所だと仰っていたので」 夕飯の席で、デルはアキラにそう提案をした。 三の島の北部には、現地人に木の実の森と呼ばれている大きな森がある。 「リラックスした雰囲気の中でしたら、サイホさんも少しはご主人様に慣れていただけるかなと」 「……待て、まさかそれは俺とサイホが二人で行って来いってことなのか?」 「流石にそれは難易度が高いでしょうから、私やメリィさんも一緒に皆で行くのがよろしいかと思いますよ」 ちなみに今、サイホとメリィはサイホに割り当てられた部屋で食事を取っている。 デルとメリィは、一日ごとに交代してサイホの面倒を見ているのであった。 「……そう上手くいくといいが」 「やる前からそれでは上手くいくものもいきませんよ?」 「まぁ、そうなんだけどさ」 正直なところ、アキラは少々凹んでいた。 今までにも、デルやメリィと喧嘩したことはあったし気まずくもなった。 けれど、きちんと話し合って解決してきたのだ。 それが、今回の場合はそれ以前の問題である。 出合ったら即逃走……まともにコミュニケーションをとることが出来ない状態。 更に言えば、サイホは「声」というコミュニケーションツールを現状では使えない。 拘束すればこちらから話すことは出来るだろうが、怯えさせてしまっては意味が無い。 「きっと、サイホさんも私達がご主人様と森で仲良くしてる所を見れば警戒心も薄れてくると……」 「……デル、お前それサイホの前でいちゃつけってことですか」 「まぁ、平たく申し上げますとそうなりますね……嫌、ですか?」 「いや、嫌って訳じゃないけど……まぁいいか。んで、何時行くんだ?」 「思い立ったが吉日と言いますし、今夜……はもう遅いので、明日にしましょう」 「オーケー、把握した。準備は……」 「今夜の内に私が全員分しておきますよ」 「さんきゅ、頼んだ」 アキラがデルの頭を優しく撫でてやると、彼女は嬉しそうに目を細めた。 「……ところで」 と、そこでアキラは食卓の対面に視線をずらす。 そこではゲンとホウが食事をとっている……のだが。 「なんでお前らは俺らの正面で『あーん』だの何だのをやってんだ」 「……わりぃ、ホウの勢いを抑え切れなくてだな。ってか気がついたらオレの箸が無くて」 「ゲン……あーん」 「う……いや、自分で食えるから」 「……う……(うるうる」 「だーっ! わかった、わかったから捨てられたガーディみたいな顔はよせ!」 「ん……じゃぁ、あーん」 「あ、あー……んむ」 「……おいしい?」 「お、おう……ってか作ったのお前じゃねーだろ」 「……デルの料理だけど、ボクの愛情が加わってるから……ね?」 「おま……真顔で言う台詞じゃねぇだろソレ」 一方でデルは二人の雰囲気に当てられたのか、頬を染めてアキラに向かい直った。 「……ご主人様」 「な、なんだ?」 「私も……ご奉仕しますっ!」 「え、ちょまっ、落ち着け! ってか味噌汁を口に含んでどうする気だ!?」 「……ん~♪」 「…………ああもうわかったよ! 気にしてる俺が馬鹿なんだな畜生ーっ!!!」 「~~~♪」 半分自棄になりつつアキラはデルの唇に食らいつく。 この後の食事の様子は延々といちゃつきながらの食事なので当然時間もかかり。 食器を下げに来てその現場に遭遇して拗ねてしまったメリィの機嫌をとるのに、アキラは夜中にも関わらずサイコソーダを買いに行くハメになったのだった。 翌日。 アキラ達一行は、昼前の便で三の島にある森へと向かった。 ちなみにホウとゲンは「家族連れの邪魔はしない……」とのことでお留守番である。 「……実際に見てみると、中々鬱蒼とした森だな」 「大きいだけに様々な種類の木が生えていて、木の実も沢山拾えるそうですよ」 「へぇ……少し探してみるのもいいかもな」 そんな他愛も無い話をしながら、アキラ達は森の中に入っていく。 「うーん……懐かしいなぁ」 「ん、どうかしたのか?」 「えっとね、私は元々森で暮らしてたからかな……こう、森の香りっていうのが昔を思い出すの」 「そうか……ごめんな、メリィ」 「あ、別にそれで辛いとかいうのじゃないから平気だよ?」 「お二人とも、もっと元気出して行きましょう。それから、サイホさんが先にいってしまいますよ?」 デルに言われてサイホを見ると、彼女は森の中の物……主に木や草の類を見て目を輝かせていた。 「………(キラキラ」 「お、そいつはオレンの木だな」 「!?(ビクッ」 「わわあっ」 「あー……」 アキラは話をすべく声をかけてみるも、サイホはそれに驚いてメリィの後ろに隠れてしまう。 「マ、マスター……ふぁいと!」 「うん、頑張るよ……」 と、そんなこんなで時間は過ぎ。 「……(クー」 「あら、サイホさん。お腹がすきました?」 「……(コクコク」 「それじゃ、お昼にしましょうか」 「さんせー♪」 アキラ達は開けた場所にシートを敷き、その場でピクニックをすることにした。 「……お、このサンドイッチ、メリィが作ったのか?」 「あ、わかる?」 「そりゃ、デルはジャムサンドは作らないからな」 「ふふっ、確かに」 「むー、どうせ私は甘いの大好きなお子様だよぅ」 「そう拗ねるなって。あ、サイホは甘いの好きか?」 そう言ってアキラは手元にあった別のジャムサンドをサイホに差し出してみた。 「……!」 「……や、何もしないって」 「サイホちゃんが食べないなら私が食べちゃうねー」 と、メリィはアキラが持っているジャムサンドにそのまま齧りつく。 「うーん、甘くておいひい……♪」 「あ、こら。行儀が悪いぞメリィ」 「こういう時くらい良いじゃないですか。私も……」 デルもそれに続いて、メリィの齧った跡にそのまま齧りついた。 「うふふっ、甘くていいですね」 「お前らなぁ……」 「ほら、サイホさんもどうですか?」 「…………(ジー」 「サイホ……」 サイホはアキラの手にあるジャムサンドとアキラの顔、そしてデルとメリィの顔を順番に見ている。 それは、ジャムサンドを食べたいが何か躊躇っているようで。 アキラは、その背中を押すように声をかけた。 「……ほら、甘くて美味いぞ?」 「……」 「サイホちゃん……」 「大丈夫……ご主人様は、優しい人ですから。安心してどうぞ?」 「……」 サイホは、おずおずとジャムサンドに口を近づけ…… ……かぷ。 「あ……!」 「……(モグモグ」 「……ね、美味しいでしょ?」 「……(コクリ」 「ふふっ……一歩前進、ですね。ご主人様?」 「あ……ああ、そうだな!」 その後も少々ぎこちないながらもサイホは何度かアキラの手からサンドイッチを食べ、アキラはサイホとの距離が少し縮まったことを大いに喜んだのだった。 一方、五の島で留守番組の二人はというと。 テレビを見ながらのんびりと怠惰に過ごしていた。 『お昼のニュースです。昨日午後六時過ぎ、タマムシシティ内のゲームコーナーで……』 「……………ぽりぽり」 「……そろそろメシ食わねーか?」 「……面倒」 「いや、腹減ったし」 「ん」 「……いや、菓子で腹を満たせと?」 「……ご飯が無ければお菓子を食べればいいじゃない」 「不健康のキワミじゃねーかオイ」 「普段バランスのとれた食生活をしているから平気……」 「なぁ、オメーもしかして料理とかできないっつーオチか?」 「………………」 「目を逸らすな」 「……別にできなくても困らない」 「いや、今困ってるじゃねーか」 「……ボクは困ってない」 「いや、オレが困ってんだけど」 「キミが料理すればいい……」 「…………オーケー、オレの負けでいいわ」 「……ん」 がっくりと項垂れつつせんべいを手にするゲン。 ホウは隣に座っているゲンにもたれかかりつつ、テレビから流れてくるニュースに意識を移した。 『……次のニュースです。ナナシマ諸島、三の島北部にある森で、少女が行方不明になるという事件が多発しており、付近の住民に警戒を呼びかけています』 『行方がわからなくなっている少女達は、年齢は10~15歳程、身長135~145cm程度で、該当する場合は森に近づかないように……』 「……ゲン」 「あ?」 「今日、アキラ君たちが出かけたの……三の島」 「……だな」 「デルも、メリィも、サイホも……さっきテレビが言ってた条件に、ほぼ当てはまる」 「……待て、それって」 「ん……アキラ君たちが危ない」 「チッ……しゃーねぇ、助けに行くか!」 「うん……飛ぶから、しっかりつかまって」 「おうよ!」 ホウはゲンを乗せると、窓から空に向かって羽ばたいた。 向かう先は三の島、木の実の森。 そこでほのぼのと昼食をとる彼らをじっと見つめる一対の瞳に気づくものは、誰も居なかったのだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き どうも、試験補正が切れたせいか筆の速度も戻った曹長です(ぇー いやー、やっぱ何もやること無いとダレますねぇ。 ってか半月ほど風邪ひいてたせいもありますが(ヲイ 今回のロケ地は三の島、木の実の森ですよ! そして連続少女誘拐事件ですよ! ……ええ、原作やった人には犯人モロバレですね。 そしてゲンホウが自重しない件。 いや、何故かこいつらの掛け合いって勝手に組みあがってくから不思議。 キャラ崩壊して書きづらくなるかと思いきやそうでもなかったよ! そして前回で名前だけ、前々回で存在だけ出てた新キャラ、サイホが漸くの登場。 ……うん、喋れない設定は少しやりすぎたかもしれない。だが反省はしていない(マテ 以下設定をば。 ・サイホ(サイホーン♀) 十数年前にメリィの母親を手にかけたサイドンの娘。人間の年齢にして12歳相当。 シルフ攻略戦の際にアキラ達が発見し保護、後に彼女の母親の意向でアキラに預けられる。 幼少の頃から長い間マスターであるロケット団幹部に虐待されていたせいで、失声症と男性恐怖症になってしまっている。 前述の経緯から、よく知らない相手(特に男性)からは逃げようとすることが多いが、心を許した相手にはかなり甘えたがる。 閉鎖された環境で育ったためか好奇心は旺盛。だが同じ理由から警戒心もかなりある。 ・外見的特長 身長145cm バストサイズ:A 体格はデルやメリィとどっこい……だが、彼女はまだ成長期ということでまだまだわからない。 ってか既に身長は二人を追い越している。 服装はふっくらとしたグレーのカーディガンに黒いスカート。 さて、次回は解決編……ってまだアキラ達は事件に気づいてすらいませんが。 それではまた、次回の後書きでお会いしましょう。
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NPCによってはかなりの影響が出る好感度ですが、その好感度の参照はエンカウント時の数値になっています。 さらに好感度はマイナス値まで存在しており、0以下に下がってもそのまま計算されています。 これは全NPC共通仕様のため、細かく計算していくタイプの人は注意してください。 たとえば初めてメリィに遭遇して話術イベントを成功させた場合。 メリィ遭遇(好感度0) 話術イベント成功(好感度+2) アイテム購入時の値引きは(好感度0)を参照 となります。 次回遭遇時には好感度2で遭遇するので-1ジェムになっているという感じです。 ・ラヴィ、リズ、イノセンス、チューカちゃん、メリィ アイテムの販売価格が 元値-{好感度/2(切り上げ)} 好感度が―2で1ジェム高くなっていることも確認 ・ピピン 500ジェム払った時の報酬SPが 10+{好感度/10(切り捨て)}SPになる まだ好感度の管理をしていない時に報酬が9SPだったことがあるので-10で1SP下がるかもしれない ・アメリア、ナーシャ、アクセル 好感度が45あることで4番目の選択肢にてアイテムが2個確定でもらえるようになる 2番目の選択肢の場合は1or2個なので少しお得 ・リーネ、ミリアム、メラニー 好感度が上がることで報酬の質が上がるかも? 好感度が一切影響しない可能性もある ・ペペル 好感度が上がると回復薬をくれる確率が上がるかも? 好感度が一切影響しない可能性もある ・アリーム、マキナ 好感度が一切影響しないと思われる
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ピネジェムメリィアメン(ピネジェム・メリィアメン) ピネジェムイッセイの別名。
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概要 デッキ内容 デッキ改造例サンプル1 概要 Ver.2.1からの新要素、一定ランクへの昇格で手に入るランクアップデッキのひとつ。BIGINNER9昇格でプレゼントされるのは赤単色のデッキ。 デッキ内容 ユニット カード名 枚数 ラミエル 3 聖夜のメリィ 3 ブレイズシューター 3 勇士ダルタニャン 3 ネメシス 3 ソウルダンサー 3 パズズ 3 火炎将軍スルト 3 デビルウィンナー 3 進化ユニット カード名 枚数 原初神ガイア 1 暴虐王バアル 2 トリガー カード名 枚数 紅蓮の魔導書 2 インターセプト カード名 枚数 ブレイジングツイスター 2 アサルトフレイル 2 おおきくなるよ! 2 インペリアルソード 2 JOKER カード名 枚数 ブレイブシールド - インサイトストライフ - 火炎将軍スルト等のトリガー破壊効果と、聖夜のメリィやラミエルを組み合わせた、俗にトリガーロストとも呼ばれるタイプのデッキ。ゲームを始めて間もない段階で、デビルウィンナーや原初神ガイア、おおきくなるよ!が手に入るのが嬉しいデッキである。 パズズとおおきくなるよ!orインペリアルソード(+ブレイブシールド)のコンボには、しばらくの間はお世話になることだろう。 デッキ改造例 サンプル1 ユニット カード名 枚数 火弦の精サラマンドラ 3 ラミエル 3 聖夜のメリィ 3 パズズ 3 火炎将軍スルト 3 三叉・トリシューラ 3 鳳凰 3 デビルウィンナー 3 風紀委員マコ 3 進化ユニット カード名 枚数 原初神ガイア 1 暴虐王バアル 2 トリガー カード名 枚数 死神のランプ 3 無限の魔法石 3 インターセプト カード名 枚数 おおきくなるよ! 3 インペリアルソード 1 JOKER ブレイブシールド - スターライト - 安価で入手しやすいカードを用いたデッキ改造例。トリガー破壊に三叉・トリシューラを採用し、火弦の精サラマンドラや死神のランプ]といった、相手の動きを抑止するカードを加えた。 焼ききるのが難しい大型ユニットはスターライトで退場してもらい、厄介な【秩序の盾】ユニットは鳳凰で逆にカモにしてやろう。
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夏祭りのあった日の翌日。 いつも通り皆より早く起床したデルは、ジムの開店業務を行っていた。 「♪~♪~」 ご機嫌な様子で床にモップをかけ、てきぱきと仕事を終わらせていく。 アキラは今頃、ホウを叩き起こしにかかっている頃だろうか。 そうして一通りの作業を終え、デルはシャッターを開けに玄関へと向かった。 「さーて、今日も一日頑張りましょう♪」 と、勢い良くシャッターを上げ。 ……軒下に逆さにぶら下がっている男と目が合った。 というか、合ってしまった。 「グッモーニンお嬢さん!早速だけどリーダーさんplz」 「っっっっっ、きゃああああああああああああああああああ!!!!!」 「アンビリィバボゥッ!?」 ズバババババババババァッ!!! ドシャア!!! デルは反射的に悲鳴を上げつつ、悪の波動を最大出力で放っていた。 そして衝撃で錐揉み回転しながら吹っ飛ぶ男。 彼はギャグ漫画のように頭から地面へと墜落した。正に車田落ち。 それを見届けて、デルはへなへなとその場に座り込んでいた。 「朝一で変質者だなんて……今日は厄日でしょうか……」 『挑戦者は異邦人?』 「で、君の弟さんに取り付いた悪霊の言うとおりに俺を訪ねてきたと」 あの後悲鳴を聞いて駆けつけたアキラは、事情を聞くべくエドと名乗ったその男を応接室へと通した。 後ろには彼の相棒(兼自称監視役)だというカメックスの青年……名を凛悟と言うらしい……が申し訳なさそうについてきている。 デルはというと、お茶を置いてさっさと退出してしまった。 「YES!YES!YES!話がわかるねリーダーさん!」 「あんたとりあえず大人しくしてようよ!リーダーさん引いちゃってるでしょ!?」 「アキラでいい……ってか、何でわざわざあんなことを」 「ガ イ ア が 僕 に も っ と 輝 け と 囁 い た の で」 「今日はいつにも増しておかしいな、おい!?」 「んなことでうちの嫁にトラウマ植え付けんでください」 「嫁?あの可愛らしいお嬢さんが?」 「ああ、でも結構根に持つタイプだから気をつけ……っと、そうじゃなくてだ」 こほん、と咳払いするアキラ。 「で、結局のところ俺はどうすればいいんだ?三行で頼む」 「話して 戦って くんずほぐれつ」 「意味わからんだろそれ!?」 「把握した……んじゃ、バトルフィールドへ行こうか」 「って把握しちゃったの!?これで把握できたの!?」 そんなわけで、二人はバトルフィールドへと移動した。 室内のフィールドはまだ準備ができていなかったので、今回は天候対応型の屋外フィールドである。 「そんじゃ、ルールを確認しようか。手持ちの数はそっちに合わせて5vs5、勝利条件は相手の手持ちの全滅だ」 「ああ、了解した」 お互いトレーナーエリアに立ち、先発のボールを持って構える。 「準備はいいな?」 「応!」 「「行けっ……」」 「恋歌!」「メリィ!」 先発はお互い弱点の少ない電気タイプ。 恋歌は高機動型のサンダース族、対するメリィは耐久重視のデンリュウ族。 互角に見える両者、だが恋歌の特性である「蓄電」によりメリィは主力の電気技を無効化されるという状況だ。 中央を挟んで少しの間睨み合う両者。 先に動いたのは、恋歌の方だった。 「恋歌、雨乞いだ!」 「おっけーっ!」 自慢の速度は技の展開スピードにも影響を与える。 空は見る見るうちに曇り始め、あっという間に天候は大雨へと変化する。 狙いは雷の必中効果か、それとも後続に強力な水技使いが居るのか。 何にせよ、アキラが出す指示は始めから決まっていた。 「メリィ、光の壁!」 「うんっ!」 メリィの腕に、光の粒子が集まったような盾が出現する。 それを見たエドは、内心舌打ちをしていた。 蓄電を盾に雷の連打で削る作戦だったが、光の壁がある状態では威力が半減する。 このまま戦うとどうなるか。体力で劣る恋歌が先に落ちるのは明白であった。 「くっ……恋歌、戻れ!」 デンリュウ族は元々の特殊防御力も高い。 更に光の壁を纏い、正に鉄壁といえる状態。 「(だったら、物理技で落とす……!)言ノ葉、頼んだ!」 「はいっ!」 「気をつけろ、すぐにでも攻撃が来るはずだ……!」 雨で視界が悪くなっている中、身構えるマッスグマの言ノ葉。 だが、メリィは攻撃をしていなかった。 ただ、その額と尻尾の先端の発光珠が。 アサギで燈台守をする同族のように、激しく光り輝いていた。 ──『充電』。 自らの特殊防御力を強化しつつ、次に放つ電気技の威力を倍化させる、攻防一体の補助技である。 ……アキラは、恋歌の交代を読んでいたのだった。 「……っ、まずい!言ノ葉!」 「っ……!」 主の意を一瞬で汲み取り、言ノ葉は目にも留まらぬ速さでメリィに襲い掛かる。 それは正しく「神速」。 だが、速度はあれどその攻撃は……そのままではメリィには軽すぎた。 数回の打撃を難なく受け止めると、いまだに飛び回る言ノ葉を。 「……メリィ、雷だ!」 「うあああああああああああああああっ!」 ドンッ! 白銀の雷光で、貫いた。 「っ……ぁ……」 並みの雷の三倍の威力を誇るソレは、並みの特殊防御力しか持たない言ノ葉を、意識すら残すことなく一撃で墜としていた。 エドは言ノ葉を回収すると、次のボールに手をかける。 「(恋歌ではジリ貧、ジニーとリンは相性が悪すぎる……天候が悪いが、仕方ないか)……アルバート!」 「了解だ……言ノ葉の仇、討たせてもらう」 雨粒をその身に受けながら、バシャーモのアルバートはメリィに向かって駆ける。 必殺のフレアドライブが機能しない状況で、彼が打てる手は一つだけだった。 「スカイアッパー!」 「がふっ……!」 至近距離に踏み込んで跳び上がり、顎を下から打ち抜く。 脳が揺さぶられる衝撃に意識を手放しそうになりながらも、メリィはお返しとばかりに雷で反撃する。 「いっ……けぇ!」 「ぐぉっ……!?」 空中で狙われ、回避行動もとれず(とれたとしても避けることは叶わないが)直撃を受けるアルバート。 両者共に受身を取ることができず、背中から派手に地面へと落ちた。 「メリィ、大丈夫か?」 「そろそろ……きついかも」 「アル、もう一撃でシメだ!」 「……エド、すま……ん」 「アル?……っ、まさか!」 アルバートは、大の字に倒れたまま起き上がることができないでいた。 ……特性『静電気』。 触れた相手を一定の確率で麻痺させるという、メリィの鈍さを補うことのできる特性。 「チャンスだ、もう一撃!」 「……っぁ、ええぇぇい!」 「がぁっ……!!!」 再度落ちてきた雷に、言ノ葉に続いてアルバートも沈黙した。 それと同時に、雨の勢いも次第に弱まってくる。 エドはアルバートを回収しつつこの状況での最善の一手を考察、それを実行した。 「くっ……そぉ!恋歌、雨が止む前に間に合わせろ!」 「うっりゃああああああ!」 恋歌が放ったのは、光り輝く水飛沫のビーム……水属性の目覚めるパワー。 それは止みつつある雨粒を巻き込み、メリィに届く頃には威力を倍化させていた。 メリィは光の壁を纏った腕を交差させ……当たる瞬間、光の壁が掻き消えた。 「え……うわああああああああっ!!!」 積み重なったダメージに、ついにダウンするメリィ。 「メリィ!」 「あはは……私、休むね……」 「ああ、お疲れさん……デル、頼むぞ!」 「お任せください!」 アキラはメリィを回収し、二番手としてデルを繰り出す。 それと同時に、雨も降り止んだ。 睨み合うデルと恋歌。 どちらも高機動型アタッカーながら、若干恋歌の方が速い。 更に、水技を持つ恋歌に対してデルは炎タイプを持つヘルガー族。 ……アキラにとって、この選択は一種の賭けであった。 そして、その賭けは。 「恋歌、もう一度雨乞いだ!」 「よーっし!」 アキラの、勝ちだった。 「(読みどおり……!)デル、悪の波動!」 「はいっ……はああああああああああああ!!!」 雨を全身に浴びながら、己の悪意を具現化した黒い光を顕現させるデル。 その瞳は、ただ一点。 ……恋歌の比較的豊かな双丘を、鋭く睨み付けていた。 「(妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい、その豊かな体つきが本ッ当にネタマシイ……)」 「っ!?な、何?ボク何か恨まれるようなことした!?」 「……ご自分の胸に聞いてごらんなさいっ!!!」 ……誰が上手いこと言えと。 それはともかく、怯んだ恋歌にデルは容赦なく悪意の光をぶつけていく。 ……心なしか、胸ばっか狙っているように見えるのは気のせいだろうか。 何にせよ効果はあったようで、恋歌は大きく弾き飛ばされる。 「っげほっ、何なのさもう~~!!!」 「落ち着け、次の一撃で決めるぞ!」 「当然っ!」 先制でデルを落とすべく、恋歌は目覚めるパワーを発動させようとする。 ……そして、それもアキラの読みどおりであった。 「……甘いです」 「え……げぅっ!?」 恋歌の死角から不意に現れたデルは、彼女の腹に拳を打ち込んでいた。 『不意打ち』。 相手の攻撃しようとする隙を突き、先に攻撃をする技である。 急所にクリーンヒットを貰い、恋歌はその場に倒れ伏した。 「してやられた……!リン、頼む!」 「全く、しっかりしてよ……凛悟、行きます!」 恋歌を回収し、後の無いエドは切り札であるカメックス……凛悟を繰り出す。 「さて……アルじゃないけど、レンの仇は討たせてもらうよ?」 そうして放たれるは「波乗り」。 デルはその瀑布の中に、為すすべも無く飲み込まれ……その中から一条の光線が、凛悟を撃ち抜いた。 「うぐっ!?」 「今のは……ソーラービーム?」 「ああ、パワフルハーブを使ってな。雨じゃ威力は半減だが……効果は抜群、ならトントンだ。デル、お疲れ」 「はい……」 ずぶ濡れになったデルを回収し、アキラは三番手としてリースを繰り出した。 「うふふっ、よろしくね。ボウヤ♪」 「…………(ピキッ」 「(……スリーパー、か。欠伸は効果なし……なら)普通に攻めるぞ、波乗り!」 「……うおおおっ!!!」 坊や扱いに気を悪くしたのか、いつもより心なしか大き目の波乗りがリースを襲う。 それに怯むことなく、リースは凛悟の目を見つめていた。 そして、波が過ぎ去った後。 「っ、流石に効きますわね……」 フィールドには膝を着くリースと。 「ZZZ……」 立ったまま眠りこける、凛悟の姿があった。 「催眠術……!」 「よし、リース!」 「ええ、頂きますわね♪」 即座に夢喰いをかけようとするリース。 流石にそれを許すわけにはいかず、エドは慌てて凛悟を引っ込めた。 「やべっ、戻れ!」 「あぁん、残念……」 「(咄嗟に戻したが、相性最悪じゃないか……)ええい……ジニー、済まない!」 そして現れるエドの最後の手持ち……クロバットのヴァージニア。 言うまでもなく、エスパーであるリースは最悪の相手である。 「……何だか、前回も似たような状況だった気もするのだけれど」 「本当に、ごめん……」 「いいのよ、手は……無くはないのでしょう?」 「……っ、ああ!」 力強く応えるエドに、ヴァージニアは微笑み。 並みの萌えもんを寄せ付けないスピードで飛翔し、リースに迫る。 「エディ、指示を!」 「怪しい光だ!」 「……!?」 接触する、という瞬間。 ヴァージニアはリースの顔に向け、紫色の光を浴びせた。 見た者に幻覚を見せ、正常な判断をできなくする「怪しい光」。 リースはそれをまともに見てしまい、混乱状態に陥った。 「あら?あらあら?デルちゃんが、メリィちゃんが、サイホちゃんがいっぱいいますわ~???」 「ちっ、リース!幻覚に惑わされるな!左後方120度、仰角60度にサイコキネシス放射!」 「わかりましたわああぁぁぁ???」 わかっているのかいないのか、リースは目を回しながら言われたとおりの方向に手を掲げて念力を放つ。 ある程度広域に拡散したため威力は若干落ちたが、それでもヴァージニアを落とすには十分な威力。 そしてくるくると回転しながら空へと放たれたソレから、ヴァージニアは逃げ切ることができなかった。 「ああああああっ!!!」 「ジニー!」 「後は、任せましたわ……早く、目を覚ましなさいな」 そして場には錯乱しているリースと、眠りこけている凛悟。 「ZZZ……」 「め~が~ま~わ~り~ま~す~の~??????」 「「…………」」 ……中々にカオスである。 そして。 ゴスッ。 「べぶぼっ!?」 フィールドの角に立っているポールに顔をぶつけ、リースは気絶した。 「なー、アキラさん」 「……何だ?」 「こういうとき、どんな顔すればいいかわからないの」 「……笑えばいいと思うよ」 「プギャー(^Д^)9m」 「(#^ω^)ビキビキ」 と、そんなやりとりをしつつもアキラはリースを回収する。 そして四番手として、ゲンを繰り出した。 「さぁて……真打ちは遅れてやってくる、ってな!」 「頼んだぞ、夢喰いだ!」 「任せろおっ!」 眠り続ける凛悟に、見事に夢喰いは決まる。 そしてそのショックで、彼はようやく目を覚ました。 「……はっ、状況は?」 「だいぶマズい。ってかお前以外全滅」 「何ですとおおおおっ!?」 「だがジニーが頑張ってくれたから、まだ何とかなる。分は悪いが……やれるな、相棒?」 「……ああ!」 そして改めて二人は相対する。 「(ゲンガー相手に眠ったら相手の思うつぼ……なら)波乗りだ、決めて見せろ!」 「ゲン、出し惜しみはナシだ……シャドーボール、ありったけ投げつけろ!」 「「うおあああああああああああああああああああああああああああっっっっっっ!!!!!」」 互いに全力。 凛悟の作り出した瀑布はゲンを飲み込み、フィールドを超えるかのような勢いで押し流していく。 ゲンの投げつけたシャドーボールも、殆どが凛悟に着弾。余波で周辺には土埃が舞った。 ……そして。 「──。」 「っは、はぁっ、はぁっ……やった、か……?」 ゲンはフィールドの端でうつ伏せに倒れている。 一方で凛悟は、膝をつきながらも意識を保っている。 首に巻いているマフラーからは、微かに光……隠されていた気合いの鉢巻のものである……が漏れていた。 ……数秒の時が流れ。 「――ま、だだ……」 ゆっくりと。 頭に巻いているボロボロの鉢巻を光らせながら、ゲンは立ち上がった。 「……あんたも、そいつの使い手だったとはね」 「はっ……そいつはオレのセリフだ」 ……お互い、あと一発。 鉢巻さえ発動し続ければ、いつまでも戦いは続くがそうもいかないであろう。 ……動いたのは、凛悟の方だった。 「終わらせる……波乗り……!」 「…………」 再びゲンに迫る瀑布。 その向こうにいる凛悟に人差し指を向け、ゲンはニヤリと笑って言った。 「……チェックメイト、だ」 そしてゲンは波に飲まれ、意識を手放した。 「これであと一人、か」 「ああ、そうだな……ゲン、よくやった」 そう言ってアキラはゲンを回収し、最後にサイホを繰り出した。 「サイドンか……リン、勝てるぞ」 「――――――――」 「……リン?」 返事をしない凛悟。 ……彼は、立ったまま気絶していた。 「……悪いな。何度も発動されたら困るんで『道連れ』を使わせてもらった」 「……そう、か……戻れ、リン」 エドは凛悟を回収する。 戦いは、アキラの勝利で幕を閉じた。 その後、エド達はジム備え付けの装置で回復し、来たときのハイテンションが嘘のような状態でジムを去っていった。 アキラ達はその後も業務を続け昼休みに入ったとき、デルがアキラの下へやってきた。 「ご主人様」 「ん、デルか。どうした?」 「いえ、その……今朝の方々は、またいらっしゃるのでしょうか」 少し困惑した表情でそう言うデル。 今朝の奇行にいきなり遭遇すれば、そりゃ次が心配にもなるだろう。 「ま、十中八九来るだろうな。話して戦闘はしたが……まだ三行目がクリアできてないし」 「はぁ……憂鬱です」 「あー、んじゃ明日から暫くは俺がシャッター開けるから。そんなら大丈夫だろ」 「そうですね……申し訳ありませんが、お願いしますね」 そう言ってデルは昼食の支度を手伝うべくキッチンへと向かう。 アキラはというと、エドとの戦闘を振り返っていた。 「……今回は運良く翻弄できたが、次は……」 幸運に続く幸運。 初手の相手の雨、静電気の発動、急所に入った不意打ち、錯乱してなお当たった攻撃、最後の鉢巻合戦。 どれか一つでも落としていたら、勝敗はひっくり返っていただろう。 アキラは、既に次の戦いに思いを馳せていた…… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・後書き ども、毎度お馴染み曹長です。 ……あれ、前回の投稿から一週間経って……無い……? うむ、テスト補正恐るべし(ぇ と言うことで今回は番外編、ってか未来編。 吸血の人のとこの子がジムに遊びに来たよ!ってお話でした。 私にしては珍しくガチバトルしてたなぁ……てか割とゲーム準拠に戦わせたら脳味噌沸騰して(ry あと戦闘後のパートが短いのは仕様です(マテ さて、それじゃこの後は吸血の人にバトンタッチだ! ……未来編増えてきたし、外伝から移そうかしら…… それでは、また次回の後書きでお会いしましょう。