約 309,440 件
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/659.html
日々の未来(2) ◆gFOqjEuBs6 仮面ライダーカブトが、短剣を片手にコーカサスに迫る。 凄まじい速度での攻防。カブトが剣を振るえば、その全て叩き落される。 圧倒的な戦力差。完全にカブトの動きが見切られているのだ。 やがて、カブトが振るった攻撃を受け止め、コーカサスが破壊剣を一閃。 「ぐぁっ……!」 ヒヒイロノカネをまたも切り裂かれたカブトが、数歩後退。 よろめくカブトの首根っこを掴んだコーカサスが、カブトの首をギリギリと締め上げる。 ライダースーツ越しに気道を圧迫された天道が、呻きにも似た呼吸音を漏らす。 このまま首を握りつぶされれば、天道の命は潰える。 「おおおおおおおおおおおおおおおッ!」 そうはさせないとばかりに響く雄叫び。 天道の命が潰えるより先にコーカサスの懐に飛び込んだのは、アンジールであった。 バスターソードを振り上げて、コーカサスへと突貫する。 されど、コーカサスも黙ってやられはしない。 物言わぬカブトを放り投げ、アンジールに激突させる。 カブトとアンジール、二人揃って崩れ落ちた。 「――シュートッ!」 「本当にキリがないな」 次に行動を起こしたのは、高町なのはだった。 なのはが放ったアクセルシューターが、無数の光弾を生成し、コーカサスへと迫る。 放った半分は破壊剣によって打ち砕かれ、うち半分はコーカサスを直撃。 コーカサスの体表で爆ぜる無数の魔力弾。されど悲しいかな、威力が足りない。 最強のアンデッドの一角たるコーカサスに、非殺傷設定付きの魔法など通用しない。 コーカサスが、お返しとばかりに腕を突き出した。同時に生成されるエネルギー弾。 刹那の内に人一人を殺せるだけの威力に膨れ上がったエネルギー弾が、上空のなのはに迫る。 「ヘァッ!」 「ミライ君!!」 だが、その間に割り込んだのは、赤と銀と金の戦士――ウルトラマンメビウスだ。 空を駆け抜けて、誰よりも早くなのはの正面へと割り込んだメビウスの身体に、エネルギー弾が直撃。 上級アンデッドの持てるエネルギーの爆発が、メビウスの体表で発生する――が。 それは、メビウスにとっても計算済みの事。 「シュアァッ!!」 その場の全員が、メビウスの身体に起こった変化に気付いた。 コーカサスの放ったエネルギー弾。それによる爆発が、不自然なまでに大きく拡がって居た。 言うなれば、まるで自分の意思で燃え上がる炎の様に――メビウスの身体に纏わりつく爆煙。 やがて爆煙は、メビウスの意思に応える様に激しく燃えあがり……その身に吸収された。 「へぇ、僕の力を利用して自分の炎に変えちゃったんだ」 楽しそうに笑うキングを睨み付ける、銀色の視線。 仲間達との絆の力で体得した、メビウスのタイプチェンジ。 メビウスの全身に浮かび上がる、真っ赤な炎のファイアーシンボル。 どんな困難にも絶対に諦めずに立ち向かう、勇気の力――約束の炎。 どんな窮地に立とうと、最後まで仲間を信じて戦い抜く、俺達の翼。 ウルトラマンメビウス――メビウスバーニングブレイブ。 「デュアッ!」 メビウスが突き出した両腕から、真っ赤な火球が飛び出した。 さながら燃え上がる爆炎を凝縮したような、全てを焼き尽くす炎の塊。 ウルトラマンタロウですら倒せなかったインペライザーを、一撃で破壊した攻撃。 反射的に生成されるソリッドシールド。その表面で、大爆発が巻き起こった。 その衝撃で噴き上がった爆煙が、周囲の全てを飲み込まん勢いで燃え上がる。 「ジュワァァァッ!!」 爆煙を突き破って現れたのは、炎の弾丸と化したウルトラマンメビウスだ。 その両足に勇気の炎を纏わせて、ドリルの如き激しい回転を加える。 ウルトラマンレオと、GUYSの仲間達との修行の末に編み出した、必殺技。 どんな防御ですら打ち破る、炎のメビウスピンキックだ。 「チッ……」 メビウスの両足がドリルとなって、ソリッドシールドを抉る。 燃える炎の身体となったメビウスとの摩擦熱で、シールドから炎が噴き上がる。 噴き上がった炎はそのままメビウスに吸収され、メビウスに更なる力を与える。 やがて、メビウスのキックがソリッドシールドを突き破り―― 「でもっ……!」 ――RIDER KICK―― 「えっ……!?」 振り向いた時には、もう遅い。 コーカサスの死角。赤き装甲が月夜に飛び上がって居た。 タキオン粒子を加速させ、その右脚に稲妻を纏わせる。 対象を原子崩壊させる程の威力を誇るライダーキックが、コーカサスの目前まで迫って居た。 「ハァァァァァァァァァァァァッ!!」 「デュァァァァァァァァァァァッ!!」 燃えるメビウスピンキックと、必殺のライダーキック。 メビウスの脚が、コーカサスの胸部装甲を焼き尽くさん勢いで砕いた。 カブトの蹴りが、コーカサスの背部装甲を粉々に粉砕せん勢いで砕いた。 バチバチと、音が聞こえる。その身に受けた炎と稲妻が、せめぎ合っているのだ。 「やったか!?」 歓喜の声を上げるアンジール。 コーカサスの身体から二人分のエネルギーが溢れ出し、その身をよろけさせる。 爆発する前に飛び退いたメビウスとカブトが、二人並んで構えを取った。 ウルトラマンと仮面ライダーの、完全勝利だ。 この場にいる誰もがそう思った。が―― 「こんな所でやられてたまるかよ! ディアン・ケトッ!!」 コーカサスが叫んだ。 同時に、今し方砕いた装甲が、みるみる内に回復して行く。 デュエルディスクによる、ディアン・ケトの連続使用。 先程メビウスに敗北した直後も、同じ方法で回復したのだ。 戦闘中にこれが出来るのだから、尚更タチが悪い。 「どうやらあのディスクを破壊しない限り、俺達に勝利はないらしいな」 「なら、あのディスクを破壊して、奴を倒すまでです!」 これで当面の攻撃対象は決定した。 コーカサスの左腕に装着された白のディスク。まずはあれから破壊する。 でなければ、いくらダメージを与えて痛めつけた所で、何度だって回復されてしまう。 されど、この場に居る全員が解って居た。それが簡単な事では無いと言う事に。 デュエルディスクを破壊されてしまえば、キングは圧倒的に不利になる。 それが解っていて、黙って破壊などさせる訳がないからだ。 「……こっちの弱点にも気付かれちゃったみたいだし、そろそろこっちも本気で行かせて貰うよ」 言いながら、コーカサスが歩き出した。 ゆっくりと、絶対に負けないと言う余裕を見せるかの様に。 カブトが、ガンモードに変型させたクナイガンから無数の弾丸を発射する。 同時に、なのはが無数の魔力弾を発射。カブトとなのはによる弾幕が合図となった。 メビウスとアンジールが同時に駆け出した。それに続いて、カブトも駆け出す。 コーカサスの盾に全ての弾丸が弾き落されると同時、メビウスがその拳を突き出した。 燃え上がる爆煙によって攻撃力を数倍に上げた炎のパンチ―― 「ハァァッ!!」 「フンッ!」 されど、コーカサスに届く前に……それどころか盾に届く前に、破壊剣によって叩き落された。 拳を叩き落され、体勢を崩したメビウスに迫るのは、コーカサスが振るった破壊剣。 びゅん、と。重たい剣が空気を切り裂いて、メビウスの身体を弾き飛ばした。 コーカサスの正面からメビウスが崩れ落ちた頃には、カブトとアンジールによる追撃。 カブトの短剣と、アンジールの大剣を、コーカサスの両の腕が掴み取った。 狼狽するよりも先に、二人が取った行動は、コーカサスに対する前蹴りだ。 「「ハッ!」」 「効かないっての!」 二人の蹴りはソリッドシールドによって阻まれる。 だが、それで終わりはしない。次いで繰り出される、二人の剣戟。 短剣と大剣が、激しい軌道を描いてソリッドシールドを何度も傷つける。 がきん、がきん……と、何度か音が響いた後で、コーカサスが行動に出た。 「うざいって」 一閃。 カブトの装甲がまたしても引き裂かれ、アンジールの胸板を切先が掠めた。 二人纏めて崩れ落ちた先には……桜色の魔法陣を展開した高町なのはがそこには居た。 赤の宝玉を基部に、金色の装飾が成された魔法杖を突き出して、桜色の魔法陣を幾つも描く。 不屈のエースオブエースの魔法攻撃。それも先程とは比べ物にならない程の砲撃らしい。 「ディバイィイイイイイン……! バスタァァァァァァァァァァァァァァ!!!」 そして、放たれる一撃。 桜色の光の奔流が、黄金の身体を飲み込もうと迫る。 されど、キングも黙ってやられはしない。もう一度右腕を突き出し、エネルギー弾を生成。 今までよりも力を凝縮して、それを一気に突き出した。 加速するエネルギー弾と、なのはのディバインバスターが激突する。 そして巻き起こる大爆発。お互いのエネルギーが相殺しあって起こった事象。 コーカサスのエネルギー弾には、なのはの砲撃と違ってチャージがない。 故に、コーカサスはすぐに次の砲撃へと移れるのだ。なのはが砲撃を放ってから、まだ1秒程。 この一瞬で、なのはが気付くよりも先に決める。爆煙が晴れる前に、コーカサスがエネルギー弾を放った。 『GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』 「チッ……またお前か」 されど、それを阻んだのは白き飛竜・フリードリヒ。 その身にエネルギー弾の直撃を受けて、苦しそうに悶えていた。 無慈悲なコーカサスは、そんなフリードに連続でエネルギー弾を放つ。 一発、二発と、身体が爆ぜる度に悲鳴にも似た叫びを上げる。 やがて、三発目を放とうとした、その時であった。 「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 懐に飛び込んできたのは、ウルトラマンメビウス。 タックルの要領で飛び込んできたメビウスの背中に、肘の一撃を叩き込んだ。 アンデッドの刺々しい装甲と、力を象徴するスペードスートの王の怪力。 そこから繰り出される肘打ちは強烈で、一撃でメビウスをアスファルトに叩き落した。 同時に、背後から飛び込んでくる回し蹴り。仮面ライダーカブトによる攻撃だ。 それを振り抜いた破壊剣で叩き落し、もう一撃、カブトの装甲に破壊剣を叩き込む。 崩れ落ちるカブト。すかさず、アンジールがバスターソードを振り上げた。 ソリッドシールドで防ぎ、右脚の重たいキックを見舞う。 アスファルトを転がるアンジールを尻目に、立ち上がったメビウスがその拳を振るう。 コーカサスがその腕を絡め取って、勢いそのままに、立ち上がり様のカブトへとブン投げた。 「「ぐぁっ……!」」 メビウスと激突し、再び崩れ落ちるカブト。 同時に響く獣の咆哮。その身に鞭打って、空を翔けて来た飛竜による尻尾攻撃だ。 だが、それは既に一度コーカサスに使った手段だ。そう上手くいく筈も無く――。 尻尾がコーカサスの身体を打つ前に、コーカサスがその尻尾を掴み取った。 そのままジャイアントスイングの要領で振り回し、投げ飛ばす。 その先に居るのは―― 「フリード!!」 高町なのはだ。 何度も振り回され、平衡感覚を失ったフリードに、自ら回避など出来る訳がない。 かといって、なのはが回避してしまえば、フリードは硬いアスファルトに激突してしまう。 そこでなのはが取った行動は、魔法によるフリードの身体の保護であった。 アクティブガード。まずは低速の爆風でフリードの加速を和らげる。 ホールディングネット。魔力で構成されたネットが、フリードの身体を優しく受け止めた。 咄嗟の状況でもこれらの判断を一瞬でこなしたあたり、流石エースオブエースと言える。 やがて、体力を使い果たしたフリードの身体は、小さな竜のそれへと戻って行った。 仮面の下でつまらなさそうな表情を浮かべるコーカサスであったが、しかし退屈はしない。 「えいっ!」 連続で繰り出される無数のエネルギー弾。 空を駆け抜け、それらを回避するなのはであったが……エネルギー弾は、何処までもなのはを追尾する。 いくら空を駆け抜けても脱げ切れぬ事を悟ったなのはは、自らの魔法で相殺に掛る。 が、大量に発射され続けるエネルギー弾全てを撃ち落とす事など不可能。 数発を自らの魔法で叩き落すも、残りは交わしきれず、シールドで防ぐしかなくなった。 されど、無慈悲なコーカサスはエネルギー弾の発射を止めはしない。 「ハァァァァァッ!!」 もう一度起き上がったアンジールが、その大剣を突き立てた。 切先の無いバスターソードはコーカサスの盾にぶち当たり、大幅に減速。 その隙にコーカサスが、アンジールへと破壊剣を振り下ろした。 咄嗟にバスターソードを構え直し、それに備えるアンジール。 防御の為に一瞬だけがら空きになったアンジールのボディに叩き込むのは、重たいキック。 黄金の脚がアンジールの胸板を強打し、その肋骨をへし折る。 アンジールが、盛大に真っ赤な血液を吐いて吹っ飛んだ。 それと同時に、上空で巻き起こる爆発音。コーカサスのエネルギーが、なのはのシールドを破ったのだ。 白いドレスを回転させながら、アスファルトへと落下して行く高町なのは。 「アンジールッ……! クソッ!」 「なのはちゃん!! うわぁぁぁぁぁぁ!!」 もう一度駆け出したカブトとメビウス。 カブトが振り抜いた短刀を破壊剣で弾き返し、その仮面に拳を叩き込んだ。 カブトの頭が揺れて、真っ赤なマスクに亀裂が入る。さらに、追撃とばかりに振り抜かれる破壊剣。 ヒヒイロノカネを叩き割って余りある衝撃が、天道の身体を襲う。 アンジール同様肋骨をへし折られたカブトが、盛大に吹っ飛んだ。 そこに迫りくる真っ赤な炎の闘士、ウルトラマンメビウス。 メビウスの拳を黄金の盾で受け止めて、下方から破壊剣を振り上げた。 ボディを切り裂かれたメビウスが、大きく仰け反り――隙だらけになった身体に、キックを叩き込む。 呻きとも取れる叫びを上げながら、メビウスが後方へと吹っ飛んだ。 「どんなものかと思ったら、この程度? 正義のヒーローが聞いて呆れるね!」 最早立ち上がらなくなった一同を嘲笑うように、コーカサスが両手を広げた。 かろうじて意識を保って居た一同が、よろめきながらも立ち上がる。 メビウスに、カブト。アンジールに、なのは。満身創痍ながらも、その身に鞭打って。 ここで自分達が負けたら、こいつはきっともっと多くの災厄を撒き散らすことだろう。 そんな事は、絶対に許せない。もう二度と、こんな奴の為に、誰かが悲しむ涙を見たくはないのだ。 「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」 メビウスが、自らを奮い立たせるように、咆哮した。 夜の街に、ウルトラマンメビウスの雄叫びが響き渡る。 両腕を振って、最早立つ事すらままならない身体で、アスファルトを蹴った。 全速力で、コーカサスに向かって駆け出すメビウス。 対するコーカサスは、右手を突き出し、無数のエネルギー弾を発射。 ――するも、命中はしない。メビウスの炎によって、軌道を逸らされたエネルギー弾が、メビウスの後方で爆発するのみ。 メビウスが駆け抜けた道を……アスファルトが、瓦礫が。炸裂、爆発――爆煙を振り払う様に、メビウスは叫んだ。 「絶対に守るんだッ! 皆の命を、皆の思い出を……! 僕達の、未来をッ!!!」 メビウスの叫びをその耳に聞いたカブトが、僅かに顔を上げた。 メビウスの思いに心揺さぶられたアンジールが、その眼光でコーカサスを捉えた。 そうだ。命を守る為に戦い続けてきた自分達が、こんな所で負けていい筈がない。 生きとし生ける命を……アメンボから人間まで、全ての命を守ると誓ったのだ。 人々を救い、その命を守る為に、揺るがぬ決意と共に、神羅に入ったのだ。 それが天道総司と、アンジール・ヒューレーという男の生き様なのだ。 気付いた時にはカブトとアンジールも、メビウスに続いて走り出していた。 「デュァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」 燃え盛るメビウスの剣が、ソリッドシールドに激突した。 メビュームブレードが、ソリッドシールドに食い込んだ。 絶対に諦めない。守りたい気持ちがあれば、こんな盾だって壊せる筈だ。 メビウスの魂の炎が燃え上がると同時に、メビウスの剣が爆煙の如き炎を噴き出した。 ソリッドシールドを侵食して、焼き尽くさん勢いで燃え上がるメビュームブレード。 そして――ついに、ソリッドシールドが焼き裂かれた。同時に、迫りくる破壊剣。 ソリッドシールドの破壊と同時に、メビウスの胸部を破壊剣が強打した。 その場に崩れ落ちるメビウス。だが、その想いは絶対に無駄にはしない。 「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」」 両腕で大剣を構えて、真っ直ぐにアンジールが飛び込んだ。 片手で短刀を構え、コーカサスの直前で腰を屈め、一気に振り抜いた。 二人が狙った標的は、キングの左腕に装着されたデュエルディスク。 これさえ破壊すれば、この勝負は貰ったも同然――なのだが。 「フンッ!」 キングが、左の腕を――その掌を自ら突き出した。 掌にエネルギーを集中させて、二人の刃を受け止めたのだ。 黒金に煌めくバスターソード。黄金に輝くカブトクナイガン。 その二つの切先を、掌一つで受け止めて、二人分の力と拮抗する。 それでも、負けてなるものかとカブトとアンジールが構えた刃に力を込める。 同時に、二人の攻撃に応える様に――キングが、掌に集中させたエネルギーを解き放った。 「なっ……うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」 「ぐぁ……ぁぁぁぁああああああああああああああああっ!!」 カブトとアンジールの身体が、まるで紙きれの様に吹き飛んだ。 数十メートル吹き飛ばされた二人の身体が、後方のコンクリートの壁に激突。 力無く崩れ落ちる二人。今度こそ全ての力が抜け落ちていくようだった。 これだけの攻撃を加えても、少し本気になられただけで、こうも実力差が開いてしまう。 守るだけでは、勝てないのか――そんな考えを振り払う様に、カブトが頭を振った。 カブトの仮面の亀裂からは血が溢れ出している。アンジールはその口から血液を流し、倒れ込む。 メビウスは最後の力を振り絞った攻撃でカウンターをくらい、立ち上がる事すらままならない。 なのはは先程の攻撃に次いで、無駄に魔力を消耗した事、コーカサスの攻撃を防ぎきった事で、魔力残量など無いに等しい。 最早この場に居る全員が、満身創痍。最強のアンデッドの一角たるコーカサスには、誰も勝てはしなかった。 「あれ? なのはだけなんかダメージ少ないよね。バランス悪いなぁ」 「……キング……貴方と言う人は……っ!」 「いいね、いいよその眼! じゃあ最初に死んでね」 コーカサスを睨み付けるなのはに放たれた一言。 それは、なのはに絶望すら与える言葉であった。 最早、キングの攻撃を防ぎきるだけの魔力は無い。 かと言って、もう自分を守ってくれるものはいない。 今度こそ、チェックメイトだ。 「ばいばい」 コーカサスが、その腕を突き出した。 今度はエネルギー弾では無い。エネルギーを光線にして吐き出す攻撃。 全ての上級アンデッドが持つ、エネルギー派による攻撃だ。 そんな物を受ければ、いくらバリアジャケットを装着していようと、耐えられる筈がない。 (ごめん、フェイトちゃん……ヴィヴィオ……) 自分の最期を想像し、目を瞑る。 最期に大切な親友と、掛け替えのない娘を心に思い描いて。 出来る事なら、最期にもう一度だけ会いたかったな、と思う。 誰よりも信頼出来る親友に、守ると誓った一人娘の笑顔を思い浮かべて―― Back 日々の未来(1) 時系列順で読む Next 日々の未来(3) 投下順で読む アンジール・ヒューレー 高町なのは(StS) 天道総司 クアットロ ヒビノ・ミライ キング
https://w.atwiki.jp/trinanoss/pages/29.html
ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL 第7話 Mobius1VS Stars4 鷹は地面に降りた――だが、決して無能になった訳ではない。 「はい、出来ました」 そう言って、シャリオがメビウス1に手渡したのは魔力が格納された二つの拳銃用のマガジン。 「ありがとう――すまないな、急に頼んで」 マガジンを受け取ったメビウス1はその出来を確かめるように手にしていた九ミリ拳銃にもともと入っていたマガジンを抜き取り、新たな それを入れる。カシンッと小気味のよい機械音がして、マガジンはしっかりと拳銃に収まった。 「けど、急にどうしたんですか? いきなり予備のマガジン作ってくれなんて」 そもそもメビウス1の九ミリ拳銃は彼がもともと所有していたISAF空軍正式品のものをF-22の改修に合わせて改良したものだ。彼は礼を言 いつつも、「実際使うことはあんまりないだろう」と言っていた。パイロットの持つ拳銃など自衛及び自決用だそうだ。 それが今朝になって突然、メビウス1が自分の仕事場にやって来て「大至急拳銃の予備マガジンを作ってくれ」と頼んできた。これではシ ャリオが怪訝に思うのは無理もない。 「いや、まぁ……やっぱり予備の弾はあるに越したことはないだろ?」 「それはごもっともですけどね――そうだ」 なんとなくお茶を濁したようなメビウス1の回答に適当に頷きつつ、シャリオは何か思いついたようだ。 「メビウスさんの拳銃、カスタマイズしましょうか」 「カスタマイズって……出来るのか?」 確かにシャリオは技術者として非常に優秀なのはメビウス1も理解している。だが、果たして拳銃の改造など可能なのだろうか。 彼女がガンスミスと呼ばれる銃改造のスペシャリストなら納得できるが、とてもそんな風には見えなかった。 「ふっふっふ――休憩時間に八神部隊長がやってるゲームを見せてもらいまして。それから最近ずーっと銃器の勉強してるんですよ」 「ああ――」 メビウス1もそのゲームのことは知っていた。従来のゲームとは違う、敵を倒すのではなく敵から隠れながら進むというステルス・アクシ ョンゲームだ。ゲームシステムもさることながら緻密でリアルなシナリオに細部までとことんこだわった兵器の描写が人気らしい。 「だから! ちょっとメビウスさんの拳銃、カスタマイズさせてください」 「あ……ああ、頼む」 なんとなく、シャリオから異様な威圧感を感じたメビウス1は素直に拳銃を渡す。 たかが拳銃とはいえ官給品、言ってしまえば国民の血税で出来たものを勝手に改造するのは少し気が引けたが、今のシャリオには何を言っ ても通用しない気がした。 「それでは、メビウスさん……」 「う、うん?」 「早速作業に入るのでしばらくお待ちください」 そう言って、彼女は部屋の奥へと消えていった。 待っている間、メビウス1は今夜の"対決"のことを考えることにした。 ――はっきり言って、火力は負けてるよな。射撃の精度だって、いいとこ互角だろうし。どうにかして火力を封じ込まないと。 対戦相手は二丁の拳銃型デバイスを使いこなす若き銃士。拳銃の片手撃ちなどその命中率はベテランでない限りたかが知れているが、彼女 は例外だ。片手撃ちで普通の兵士の両手撃ちを圧倒する命中精度を叩き出している。 おまけに、実際に目にした事はないが彼女は今では数少ない幻術を使えるらしい。下手に攻撃を仕掛けて実は偽者で、後ろからズドンとや られるのはたまったものではない。 「ここは、ペン型拳銃とかで意表を突いて――ダメだ、森の中でペンなんぞ何の意味もない」 馬鹿な考えが浮かんできて、メビウス1は自己嫌悪しながらそれを否定。 「ならば蛇型拳銃か!巨大蛇と格闘していると見せかけて――芝居が凝り過ぎだな」 ため息が出た。何故こうもさっきから馬鹿な発想しか出来ないのだろう。蛇型拳銃はアタッシュケース入りの組み立て式まで考えていたの に――ああ、また馬鹿な考えが浮かんできた。と言うか、巨大蛇が六課の敷地内に住み着いていたらそっちの方が危険である。 あーでもないこーでもないとお馬鹿な発想を繰り返し、その度にメビウス1は自己嫌悪。こいつは本当にISAF空軍のエースなのだろうか。 「出来ましたー」 そんなこんなで、シャリオが戻ってきた。手には九ミリ拳銃。カスタマイズしたと言う割りにあまり見た目は変わっていないようだった。 「ああ、ありがとう――具体的に、どんなカスタマイズを?」 「それは、触ってみてのお楽しみです」 意味深な笑顔を浮かべて、シャリオは九ミリ拳銃をメビウス1に渡す。 九ミリ拳銃を手にした瞬間――メビウス1の眼がかっと見開かれた。 「こ――これは!?」 「気に入りました?」 驚愕するメビウス1を見て、シャリオは得意げな笑顔。 「鏡のように磨き上げられたフィーディングランプ……強化スライドだ。さらにフレームとの組み合わせをタイトにして、精度を上げてある。 サイトシステムもオリジナル……サムセフティも指をかけやすいよう延長してある。リングハンマーに、ハイグリップ用に付け根を削りこん だトリガーガード――それだけじゃない、ほぼすべてのパーツが、入念に吟味されカスタム化されている!」 色々小難しい専門用語を並べて、メビウス1はシャリオによってカスタマイズされた九ミリ拳銃を大絶賛。とりあえず要は「とにかく凄い 凝った作りになっている」と思ってもらえばそれでいい。 これなら今日勝てるかもしれない。そんな希望さえ芽生えた矢先、メビウス1がマガジンを抜いてから引き金を引くと―銃口から火が出た。 火を噴いたのではない。火が出たのだ。ライターと同レベルの火力である。 一瞬思考が完全に停止し、放心状態のメビウス1ははっと我に返りシャリオに詰め寄る。 「おい、これは何のギャグだ」 「ご、ごめんなさい。それ今度の宴会芸用の奴で――間違えちゃいました、テヘ」 舌を出して可愛らしく笑みを浮かべるシャリオの顔が最高に憎たらしく見えたのは錯覚ではないはずだ。 「はーい、それじゃ今日の訓練はこれでお終い!」 この日も厳しい訓練が終わった。だが、内容はみんな基礎的なものばかりだ。ティアナはこれで本当に強くなっているのか、いまいち実感 が沸かなかった。 なのはの声でティアナを含む新人フォワード部隊は残り少ない体力で走り、整列して姿勢を正した。 「うん、みんないい調子に技量が上がってきたね。特にティアナは、今日はなんだか鬼気迫るものがあったよ」 「いえ――まだまだ、です」 荒い息を整えながら、ティアナは言った。本心からの言葉だった。 「向上心があるのはいいことだな。けど、ちゃんと休める時は休めよ? お前、昨日も遅くまで自主訓練をやっていたそうじゃないか」 途中から訓練に参加したヴィータの言葉に、ティアナは内心顔をしかめたい気分になった。 昨日の自主練のことを話したのはスバル、エリオ、キャロだけ。あと知っているのはメビウス1だが、おそらくヴィータは彼から聞いたの だろう。 「はい、大丈夫です。昨日はちょっと、寝付けなかっただけなので」 「そうか? ならいいが――」 ――まったく、余計なことをするわね。 言葉とは裏腹に、ティアナは昨夜から抱いている闘志の炎がますます燃え上がるような気がした。 「――ともかく、みんなお疲れ様。ヴィータ副隊長の言うとおり、しっかり休んでね」 なのはの解散の指示。だが、彼女の視線は今自分に向けられていなかっただろうか。ヴィータも聞いているなら、確かになのはも昨日ティ アナが自主練していたことを知っていてもおかしくはない。 ――頑張って。メビウスさんは戦闘機に乗ってなくても、たぶん手ごわいよ? 「え?」 突然頭の中になのはの声が響いてきて、思わずティアナはなのはを見た。 「どうしたの、ティアナ?」 首をかしげているが、確実に今の念話はなのはからだ。ところが彼女は表情を変えない。 そういうこと、とティアナは何故だか久しぶりの微笑を浮かべ、なのはと向き合う。 「絶対に負けません」 「あれ~、何のことかな?」 あくまでもとぼけて見せるなのは。ティアナはそんな優しいエールを送ってくれた上官に一礼して、決闘の地へと向かった。 「……なぁ、ホントによかったのか?」 遠ざかっていくティアナの背中を見ながら、ヴィータが言った。 「ヴィータちゃん、知ってる? メビウスさんって、元の世界じゃ右に出る者がいないくらい、凄腕のエースパイロットだったそうだよ」 「地面にいるときは全然そんな風に見えねぇがなぁ」 ごもっともなヴィータの意見になのはは思わず苦笑い。 「で、それがどうしたんだ」 「ティアナは自分に自信が持てない――でも、生身とはいえエースパイロットに勝てたら、それが自信になると思う。だからメビウスさんと の模擬戦を許可したんだ」 「ふぅん…でもメビウスがあんまり呆気なくやられたら今度はあいつの立場が無いぞ」 「大丈夫だよ、たぶん」 あくまでも気楽な考えを通して、なのはは呟く。 「鋭い爪や嘴を持った鷹は、地面に降りても結構強いよ――だから負けないでね、ティアナ」 日が落ちかけている六課の敷地内の森。 メビウス1は、木に体重を預けてティアナを待っていた。その間、彼の手はさながらガンマンのように九ミリ拳銃を弄んでいた。 「いけねっ」 ガチャンッと金属音が響く。腰のバックアップに引っ掛けていた予備マガジンが落ちてしまった。固定が甘かったのかもしれない。 落ちたマガジンを拾おうと身を屈めた時、後ろに気配を感じて振り返る。バリアジャケットを展開していたティアナが、そこにあった。 「装備はちゃんと身につけた方がいいですよ」 「ああ、まったくだな」 彼女の言葉に同意しながら、メビウス1はマガジンを拾い腰のバックアップに改めて引っ掛ける。 「さて――準備はもういいのか?皆に別れの挨拶はしてきたか?」 「いいえ。普通にまた明日って、言ってきました」 メビウス1が勝てばティアナは六課を去る―今回の模擬戦のルールのことを言ってみたが、ティアナはとことん強気な姿勢だった。 「いいだろう――交戦規定は唯一つだ。相手が降参するまで撃つ」 ホルスターから九ミリ拳銃のカスタムを引き抜き、メビウス1は静かに言った。 「私が勝ったら、本当に好きにさせてもらっていいんですね?」 「ああ。俺は何も言わない」 ティアナもクロス・ミラージュを待機モードを解除させ、両手に構える。瞳は闘志で輝いていた。 ――ああ、頼むからそんな眼しないでくれ。 内心もう帰りたいメビウス1だったが、言いだしっぺは自分だ。ポーカーフェイスを気取って、身構える。 パイロットのメビウス1が彼女に勝っている点と言えば、戦闘機乗りとして養われた眼のよさと実戦経験の豊富さだろうか。特に後者はテ ィアナはメビウス1の足元に及ばない。もっとも、地上戦と空中戦では異質な部分も多い。 だがメビウス1も死線を幾度となく潜り抜けてきた。ただでやられるつもりは、無い。 「――来な、小娘。"リボン付き"が相手してやる!」 「手加減はしませんよ!」 互いに銃口を向け合い、引き金を引く。二つの銃声が、森の中に木霊した。 魔力弾の交差。お互いの放った弾は数ミリのところで外れた。 「!」 メビウス1は背筋に冷たいものを感じながら、横に飛んで森の中へと逃げ込む。 ティアナはすぐに撃ち返して来ると思っていたため一瞬呆気に取られたが、即座に頭を切り替えてメビウス1が逃げた方向に魔力弾を叩き 込む。だが手応えは感じられなかった。 「っち」 露骨な舌打ちをして、このまま追うべきか彼女は迷う。 森の中は視界が悪く、障害物となる木が多いためせっかくメビウス1よりはるかに高い火力が生かせなくなる。 ――少しでもこっちのアドバンテージを減らそうってことね。 地形を生かして戦うのは戦術としては初歩的だが効果的でもある。ティアナはなのはの言うとおり、ただで勝てる相手ではないことを悟っ た。 「っ!」 視界の隅で走った発砲炎を、彼女は見逃さなかった。すんでのところで身をよじって飛んできた銃弾を回避。直ちにありったけの魔力弾を 送り込む。 一方、奇襲を仕掛けたメビウス1は彼女のすばやい反応に驚き、直後に叩き込まれてきた魔力弾の群れをどうにか木に身を寄せてやり過ご した。 ――くそ、うまく行くと思ったんだが。それにしても一発撃ったら五発くらいの勢いで返ってきやがる。 火力の差は歴然だ。しかもこちらはカスタムされたとは言え元がごく普通の九ミリ拳銃だ。扱いやすくはあるが、何のサポートもしてくれ ない。対してティアナのクロス・ミラージュは高度なデバイスであるから、通常の射撃でさえサポートが入る。レシプロ機でジェット機に 喧嘩を売っているようなものだ。 メビウス1は匍匐前進でゆっくり、音を立てないようにティアナの後ろに回り込もうとする。 「――逃げてないで、出てきたらどうですか!? あんな大口叩いておいて!」 ティアナの挑発するような声が聞こえてきた。 ――逃げているんじゃない。今ちょっと策を練っているのさ。 胸のうちで返答しながらメビウス1は匍匐前進を続ける。ちらりと視線を上げると、ティアナの背中が見えた。 「もらった――!」 立ち上がり、拳銃の引き金を引く。銃声が響いて、魔力弾がティアナの背中に迫り――突き抜けていった。 「何……うお!?」 直後に側面から魔力弾がいくつも飛んできた。たまらず、メビウス1は木に身を隠すが魔力弾は鼻先数センチのところをかすめ飛んでいく。 おそらくアレは彼女の得意な幻術だ。分身を囮にメビウス1を誘い出し、出てきたところを滅多撃ちにする。 こんなの初歩的な戦術じゃないか、俺は何やってんだ――。 自分を情けなく思いながら、木の影から拳銃の銃口だけ突き出してティアナのいると思しき方向に適当に撃ち込む。ただちにその五倍の数 で魔力弾が返ってきた。 「ホントに手加減抜きかよ、洒落にならん……」 顔をしかめて、メビウス1は思い切って木の影から飛び出す。それを待ち構えていたように、ティアナは銃口を向けてきた。 互いに横に移動しながら銃撃戦。当たっていないのが不思議なくらい、多数の魔力弾が交差する。 「痛っ!」 その時、偶然にもメビウス1の撃った魔力弾がティアナの右肩に当たった。同時に銃撃も止む。 「――運も実力のうちってね。今度こそ!」 メビウス1は止めを刺すべく引き金を引く――だが、響いたのは銃声ではなく軽い金属音だけ。弾切れだった。 「ホント、運も実力のうちですね……!」 ティアナは無事な左手のクロス・ミラージュを構えて引き金を引く。機関銃の如く大量の魔力弾がメビウス1に浴びせられ、彼は後退。 「装弾数は身体で覚えないとダメですよ」 「まったくもって!」 逃げるメビウス1の背中に向けて容赦なく魔力弾を撃つ。だが彼はそうされるのを想定してかわざと木が多い場所に向かって走っていく。 放った魔力弾のほとんどは木の枝や幹に当たって、散ってしまった。 とは言え後ろから撃たれるメビウス1はあまり気分のいいものではない。銃声が止んだと同時に適当な茂みに身を隠して、マガジンを交換。 これで予備のマガジンはあと一つ。長期戦は不利だな――。 と言って、正面から無謀な突撃をやっても火力で圧倒されるのが落ちだろう。先ほどの銃撃戦は本当にただ偶然に過ぎない。 落ち着け、今までの戦いで何か参考になることはないか――? 脳裏によみがえってくるのは辛く長かったユージア大陸での戦い。その中で、一つの戦いが彼の眼に止まった。 巨大レールガン"ストーンヘンジ"の攻撃作戦。ストーンヘンジはもともと隕石迎撃用に開発されただけあって、長大な射程と強力な火力に より高度二〇〇〇フィート以上の航空機を叩き落すほどの威力を持つ。これでエルジアは大陸の空を支配していたのだ。 だが、弱点があった。低空を高速で機動し、進路の予測が困難な少数の戦闘機には射撃管制が対応しきれない。メビウス1はその点を突い てストーンヘンジに接近、破壊に成功した。 要するに撃てない状況を作ればいいんだな――。 メビウス1は自分の装備や辺りを確認し、手段を模索する。その手段は案外簡単に見つかった。 あとは、向こうがこっちに接近してくれればいいんだが―。 右手に拳銃、左手に一筋の砂を掴み、メビウス1は息を潜めてティアナの接近を待つ。 やがて、痺れを切らしたのかティアナが森の中へ入ってきた。彼女もこのままでは埒が明かないと踏んで、危険な接近戦を挑むことにした。 大丈夫、火力では勝ってるから発見次第滅多撃ちにすればいい―。 最大限の注意を払いながら、ティアナは一歩一歩足を進める。その時彼女は見つけてしまった。茂みの中で、不自然な黒い塊がある。 ――あれね。隠れたつもりなんでしょうけど、見え見えよ。 メビウス1もティアナが近づいてくるのを確認。心臓の鼓動が、爆発的に早くなった気がした。 ――いいぞ、もっと近づいて来い。 ティアナがクロス・ミラージュを構えるのとメビウス1が跳ね起きるのは、ほぼ同時だったかもしれない。 引き金を引こうとして、ティアナはメビウス1が左手に何かを握っていることに気づく。 あっと思った時にはもう手遅れだった。彼女の整った顔立ちに砂が叩きつけられ、視界を奪われた。 「う!?」 「終わりだ」 メビウス1は拳銃を構え、引き金を引く。銃声とともに放たれた魔力弾は、ティアナに直撃する―はずだった。 視界を奪われた瞬間、ティアナは攻撃されることを読んだ。即座に身を屈めて、魔力弾をぎりぎりのところで回避。そのまま銃声のした方 向に向かって、クロス・ミラージュを撃ちまくった。 「でぇええやぁあああー!」 目は見えていない。だが咆哮と共に放った多数の魔力弾は確実にメビウス1を射線上に捉えていた。 ――これは、避けきれんな。 降り注ぐ魔力弾が着弾する寸前、メビウス1の脳裏によぎった言葉は、それだけだった。 次の瞬間全身に衝撃が走り、彼は地面に叩きつけられた。 「イッテェ~……」 ズキズキと痛む痣が、意識を取り戻したメビウス1を苦しめていた。 もっとも、目に当たらなかっただけマシかもしれない。パイロットにとって目は命も同然だ。 「畜生、目くらでこれだけ当てておいて何が凡人だ……イテテテ」 「……勝負は、あたしの勝ちですね?」 バックパックに入れてきたのか、救急キットを展開させながら引き続き苦しむメビウス1にティアナは確認するように言った。 「ああ、もうお前の勝ちだよ勝ち。もうそれでいいよ」 「――ずいぶん投げやりなんですね。そんなに痛むんですか?」 情けないものでも見るような眼で、ティアナは救急キットの消毒液を取り出すとメビウス1の傷に塗りつけてあげた。 「魔力弾って非殺傷設定でもこんなに痛いもんなのか」 「ええ、まあ――当たりどころも悪かったようですね」 「まったくだ……しかし、これで俺はお前に何も言えなくなった訳だ。喜べ、好きにしていいぞ」 消毒液を塗った箇所に絆創膏を貼りながら、メビウス1は言った。 ――そういえば、あたしが勝ったらそういうことになるんだったっけ。 勝負に意識を集中するあまり、ティアナは完全に忘れていた。 「メビウスさん……一つ聞いていいですか? "リボン付き"ってなんです、元の世界でのあだ名ですか?」 落ち着きを取り戻して、ティアナは戦いの前にメビウス1の言った言葉について尋ねた。 「ああ、あれな――リボン付きってのは敵からのあだ名だ」 「敵……から?」 「うむ――いつの間にか、そういう風に呼ばれて敵からは死神扱いだ。味方からは"嘘でもいいからメビウス1が来てると言っとけ"なんて言 われるくらい引っ張りダコ。下手に戦果上げるもんじゃねぇな」 敵から死神扱いって――それって非常に恐れられていたと言うこと? ティアナの中で、初めてメビウス1に興味が湧いた。 「メビウスさんって、そんな凄い腕だったんですか?」 「まぁ技量に自信はあるが――やっぱ地面じゃ上手くいかんな」 自嘲気味な苦笑いを浮かべて、メビウス1は拳銃のマガジンを引き抜いた。もう、使うことはない。と言うより使いたくないのが彼の本音だ。 「とは言え、"リボン付き"に勝ったのはお前が二人目だ」 生身ではあるが、と付け加えて彼は言った。その言葉に、ティアナははっとなる。 「勝ったって……え? あたしが二人目?」 「一人目は黄色の13って凄腕のパイロット。お前が二人目だ、自信に思っていい」 そう言って、メビウス1はティアナの肩を叩いた。 ――勝った。あたしは、この人に勝った。 ティアナの胸のうちで、ようやく勝利と言う実感が湧き上がってきた。 実際に彼女がメビウス1のユージア大陸で上げた戦果を見れば腰を抜かすに違いない。また地上と言うメビウス1にとって不慣れな状況で勝てた のは当然であり、それを自信と呼ぶのは少し傲慢かもしれない。 それでも勝利は勝利だ。これは疑いようもない。 「さて、俺は帰るぞ。痛くてかなわん」 一通りの治療を終えたメビウス1は救急キットを収納して、やたら辛そうに立ち上がる。 「あの……メビウスさん!」 「ん?」 立ち去ろうとするメビウス1を、ティアナは呼び止めた。 「……自信にしていいんですね、本当に」 「ああ――いいと思う。"リボン付き"に勝った史上二人目の人間ってな」 それだけ言って、メビウス1は森から抜け出していった。 残ったティアナはしばらく虚空を見つめ―よしっと力強く頷いて、自分も帰ることにした。 その日からと言うもの、ティアナは常に自信を持って訓練に臨むようになった。 自主練もほどほどになり、休息もしっかり取ってますます訓練に磨きがかかる。 「ねぇー、ティア。最近すこぶる調子がいいけど、なんかあったの?」 訓練の間際、スバルが尋ねてくる。ティアナは少しの逡巡の後、こう言った。 「別に――リボン付きに勝っただけよ」 「へ?」 意味がまったく分からない、と言った表情を浮かべるスバルを尻目に、今日もティアナは銃口を訓練標的に向ける。 ――質量兵器は今でも認めない。けど、それも扱う人次第なのかもしれない。 メビウス1に抱いていた黒い感情は、すでに消え去りつつあった。 戻る 目次 次へ
https://w.atwiki.jp/mobagemysteryhouse/pages/74.html
コレクション一覧へ 交換アイテム:黄金のメイド*1 ボーナス:700キラン アイテム 入手方法 価格 ドレス クエスト:黒いドレス、謎のギフト 不可 エプロン クエスト:メイドさんのレースエプロン、謎のギフト、寝室 不可 靴 クエスト:ヒールの靴音、謎のギフト、友達手伝い 不可 ボンネット クエスト:エルザの頭飾り、謎のギフト 不可 ホコリ取りブラシ クエスト:ピカピカで整理整頓、謎のギフト、寝室 不可 チャージアイテム 個数 メビウスのバンド 1 シュレーディンガーの青箱 1 二重のメビウスの輪 1 クエスト:ギフトパッキング、ひどい金切声
https://w.atwiki.jp/trinanoss/pages/26.html
ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL 第4話 テストフライト 手に戻りし我が力――今、それを試す時。 新造されたばかりの滑走路の向こうでは、背景が陽炎で揺れている。 天候はこれ以上ないほど良好で、視線を上げると雲一つ無い青空が広がっていた。 「――メビウス1、聞こえますか?」 通信機に、雑音の無いクリアな声が入ってきた。確か副官のグリフィスとか言う六課では数少ない男だ。 この世界の通信機の性能に感嘆しながら、F-22のコクピットでメビウス1は返答した。 「ああ、よく聞こえる」 「滑走路上に障害物無し、進入を許可します」 「了解」 グリフィスに言われて、メビウス1はエンジン・スロットルレバーをわずかに押す。F-22はゆっくりと歩き出し、滑走路の一番端に到着する。 到着するなりメビウス1は愛機の離陸前の最終点検を実施する。ラダー、エルロンなど機体の各部を実際に動かして動作確認。 いつもより念入りにチェックするのは今回機体の整備を実施したのがもともと六課でヘリの整備を担当していた者たちだからだ。 彼らを信用していない訳ではないが、九七管理外世界から取り寄せたマニュアルがあると言っても不慣れな固定翼機、それもF-22のような 高度な電子制御で飛行する機体の整備では不安なところもあっただろう。 幸い、機体にはどこも異常が無かった。 「こちらメビウス1、離陸準備完了」 「ロングアーチ、了解。離陸を許可します―グッドラック」 「サンクス、ロングアーチ……メビウス1、離陸する」 離陸許可が下りると、メビウス1は一呼吸置いてからエンジン・スロットルレバーを押し込む。 F119エンジンが咆哮を上げ、猛然とF-22は加速。あっという間に離陸速度に達したメビウス1のF-22は、大地を蹴って空に舞い上がった。 離陸した彼は針路を離陸前に行われたブリーフィングにて定められた方向に機首を向け、時速四〇〇ノットで飛行する。 F-22の強みである音速巡航は、地上への配慮から緊急時以外使用が禁止されていた。 まぁ、何も急ぐことは無いか――。 質のいい燃料を入れてもらったためか、機嫌のよさそうなエンジン音を聞きながら、メビウス1は今回の飛行の目的を思い出す。 メビウス1の六課への協力が決まり、はやては一つの問題と対峙していた。 彼の愛機、F-22の燃料及び弾薬の補給である。 燃料の方は容易に確保できた。現役戦闘機の中ではもっとも優れた性能を誇るF-22も、燃料は従来と同じケロシン(灯油)だ。 「苦労したのは弾薬なんよ」 そう言って、はやては今回確保した弾薬の詳細が記された書類をメビウス1に渡す。 「質量兵器は禁忌なんだって? ランスターって子に言われたよ」 書類に目を通しながら、メビウス1は言う。先ほど見学した六課新人メンバーによる訓練で、ティアナに何か言われたらしい。 「あ、ごめん。なんか失礼なこと言いました?」 「いや。生真面目なんだろ、彼女? 管理局の人間ってことをよく自覚してるよ」 その時、書類を捲ったメビウス1の手が止まる。書類に記されていた一文が、そうさせた。 「……おい八神、これって?」 「ああ、それな。うん、まだテストはしてないんやけど」 メビウス1が驚くのも無理は無い。今回彼女が確保した弾薬の正体―それは紛れも無い、ミサイルだった。 オリジナルとほぼ同等の性能を持つ空対空ミサイルのAIM-9サイドワインダー短距離AAM、それにAIM-120AMRAAM中距離AAMの複製品。 もちろん完全なコピーでは質量兵器であるため、どちらのミサイルもロケットモーターは魔力推進式に置き換えられている。 さらに二〇ミリ機関砲弾――これも、あらかじめ組み込まれた魔力を炎熱変換させて発火、弾丸を発射させる方式を取った。 いずれもはやてが九七管理外世界からの資料を元に、管理局の技術部に依頼して開発させたものだ。 「質量兵器とは大雑把に言えば魔力によらずに質量物質をぶつけたり爆発させたりするもんや。逆を言えば、魔力に頼れば例え質量物質を 相手に投射するもんでも、質量兵器ではなくなる…って理屈なんやけど」 「かなりグレーな線ではあるな…しかもブラックに寄ってる」 メビウス1の指摘にはやては苦笑いを浮かべた。 「でも、戦闘機に対抗するんやったらこれが一番やろ。メビウスさんもいきなりこっちの世界の武器使えって言われて出来へんやろうし」 「そりゃごもっとも…俺にリンカーコアとやらはないようだし。な、シャマル先生」 そう言ってメビウス1は同席していた六課の医務官、シャマルに視線を向けた。 ここに来る前に実施したシャマルの身体検査で、メビウス1にはリンカーコアがないことが判明している。要するにメビウス1は念話の ような基本的な魔法すら使えないのだ。 「ええ、体力とかは同年代の男性の平均値を上回ってるけどこれも常識の範囲内だし……毛細血管の破裂の跡が見られたけど、身体に特に 大きな影響は無いわ」 「毛細血管の破裂?」 はやてが怪訝な表情をする。血管の破裂というくらいだから、彼女には何か重い怪我のように思えてしまった。 「戦闘機のパイロットにとって職業病みたいなもんでな。急旋回とか、強いGがかかると指先とかの毛細血管が破裂しちまうんだ」 「ははぁ、なるほど……」 メビウス1の解説にはやては納得した。同時に、「強いGはお肌に悪そうやなー」なんて言ってみたりする。 「しかしリンカーコアがなくて念話が出来へんとなると、通信で問題が起きるなぁ」 「そうねぇ……私たちは当たり前のように使ってるけど」 「失礼、念話って?」 今度はメビウス1が疑問の声を上げた。魔法はこの目で見たが、彼が知っているのは攻撃用と防御用、さらに飛行用のものくらいだった。 「念話って言うのは魔力を持ってれば誰でも使える、実際に口に出さなくても会話できる初歩的な魔法なんだけど、リンカーコアがない メビウスさんにはそれが出来ないのよね」 「実際に口に出さなくても? 潜入任務じゃ重宝しそうだな」 「確かに声を聞かれる心配はいらんからね。蛇の人が欲しがりそうや」 はやての言葉にメビウス1は頭上に"?"を浮かべる。後でシャマルに聞くと、「最近休憩時間にやってるゲームのこと」だそうだ。 「……とりあえず、念話が使えないなら使えないで通信機をメビウスさんに使こうてもらおうか。滑走路は明日完成予定やから、ミサイル の実射試験も併せてやろか」 彼女の提案にメビウス1は素直に頷いた。 二日後、かくしてメビウス1のF-22にはミッドチルダ製の通信機が搭載された。これは念話との交信も可能で、周波数を変えれば相手を指定 できる。 胴体内のウエポン・ベイには魔力推進式のAIM-120が六発、主翼下のウエポン・ベイにAIM-9が二発、機関砲弾は従来は最大四八〇発だったが 搭載スペースを拡大して八〇〇発に増やした。いずれもミッドチルダの工業力なら製造は難しくない。 ミサイルの推進力である魔力はF-22の機体内部に大容量の魔力コンデンサを設置、発射時はここから魔力を供給することになる。 いっそのこと機体の推進方式も魔力に頼ってはどうかという提案もなされたが、AMFの影響を考えて基本的構造には手をつけないでおいた。 ――あとは、おまけのこいつか。 サヴァイバル・ジャケットの内側に仕込んである九ミリ拳銃。これも発射するのは非殺傷設定、殺傷設定選択可能な魔力弾だ。外見はごく 一般的な拳銃とまったく変わらない。装弾数は一二発、魔力は完全にマガジン内のものに頼っている。 「使うことはないと思うけどなぁ」 対地攻撃用のGPSで――これもこの世界の情報を入力し直した―現在地を確認しながら、メビウス1はぼやいた。 所詮パイロットの持つ拳銃など敵地に不時着した際の自衛用。しかも最後の一発は自分に向かって撃つこともある。 そうこうしているうちに訓練空域に入ると、通信機に突然声が入った。 「――聞こえるか、メビウス1?こちらスターズ2だ」 「こちらメビウス1、聞こえるぞ」 高度一万五千フィート、航空機にとっては決して高くない高度だが、コクピットの外を赤い外套を身に纏った幼い少女が飛んでいたら 普通のパイロットはみんな驚くだろう。もっともメビウス1はなのはとフェイトと言う例を目にしているのだが。 スターズ2――ヴィータは、今回の各種兵装のテストフライトに同行していた。彼女曰く「どれ程のもんなのか見ておきたい」とのことだ。 「訓練標的は前方37キロの地点に同じ高度で浮かんでるってのは聞いたな?」 「ああ、レーダーに映ってる」 「じゃあ後は予定通りにやりな、あたしは見てるから」 「了解」 はやても言ってたけどありゃホント、グレーな線だな―。 メビウス1のF-22を見ながら、ヴィータは自分の主にして家族の言葉を思い出す。 そもそも、ヴィータとしては戦闘機の実力に疑問的だ。同分隊のトップであるなのはが苦戦したとは聞いたが、実際にこの目で確かめて みないと納得いかない面もあった。 ――何にせよ、これではっきりする訳だ。 そう彼女が思った瞬間、 「――タリホー、1時方向。やや低い」 「……あん? なんだって?」 「目標を視認したってことだよ。これより、各兵装の実射試験を実施する」 ヴィータはメビウス1の言葉が信じられなかった。訓練標的との距離はまだ37キロほどあるのだ。そんな距離で目で目標を捉えるとは、 いったい彼の視力はどうなっているのだろう。 「レーダーロック……メビウス1、フォックス3」 彼女が驚いている間に、メビウス1のF-22は胴体内のウエポン・ベイからAIM-120を発射。魔力推進による白い光を描きながら、AIM-120は オリジナルのそれとまったく変わらない速度で捉えた目標に突き進む。 用意された訓練標的は航空機型のガジェットⅡ型を模したもので、機動力は高い。にも関わらず、超音速にまで加速したAIM-120は必死で 回避機動を行う訓練標的に易々と食らいつき、直撃。木っ端微塵に吹き飛んだ。 「当たった……!?」 「みたいだな」 はるか向こうでわずかに見えた閃光に、ヴィータは驚きの声を漏らす。対照的にメビウス1の声はえらくのんびりしていた。 「続いて、サイドワインダーの試験を行う」 加速。F-22は高速で訓練標的に接近する。ヴィータは離されまいと追いかけるが、距離が徐々に開いていることに気づいた。 ――くそ、遅れてる。なんてスピードだ。 そうしているうちに訓練標的との距離は10キロに縮まる。そこでようやく、ヴィータは瞬きすれば見失いかねないほどの小さな黒点を 見つけた。あれが訓練標的に違いない。 「メビウス1、フォックス2」 彼女が訓練標的を見つけた瞬間、メビウス1は今度はAIM-9を発射。独特の蛇行した白い光跡は、このミサイルの愛称"サイドワインダー" がガラガラヘビの一種の別名から来ている由縁だ。 AIM-120に比べて幾分小柄なAIM-9は逃げる訓練標的を追い回し、これも直撃。訓練標的は空中に四散した。 「いい感じだ。よし、最後に機関砲のテストを行う」 そう言ってメビウス1のF-22は残り一機となった訓練標的に近づく。訓練標的に顔があれば恐怖で歪んだ表情を浮かべているだろう。 上昇、降下、右旋回、左旋回と狂ったように逃げ惑う訓練標的だったが、メビウス1のF-22はどの機動にも離される事なく、むしろ 距離を縮めていく。 「捉えた――!」 F-22の右主翼の付け根の辺りが光る。あまりに高速なため、赤いビームに見える機関砲弾の雨が訓練標的に降り注ぐ。 全身をズタズタに引き裂かれた訓練標的は失速し、これも空中で爆発した。 「……すげぇな」 プログラムされたことしか出来ない訓練標的とはいえ、ほとんど秒殺と言っていい速さで全滅させたメビウス1に、ヴィータは感嘆の 言葉を漏らした。 同時に―目の前のF-22がなんだかカッコよく思えてきた。 空を舞う鋼鉄の翼。決して物言わぬ、主人であるパイロットに忠誠を尽くし、空を舞うその姿。戦うためだけに造られた、力の証。 「……いいじゃねぇか」 「ん? 何か言ったか、ヴィータ?」 「いいじゃねぇか! おい、カッコいいな戦闘機って! さっきもお前なんてった、タリホー? センスあるなぁ、いい響きだ!」 「……なんだかよく分からんが、気に入ってもらえたようだな」 「おうよ! いいないいな、あたしもコールサインを"マーヴェリック"とか"ブービー"とか"ガルーダ1"とか"オメガ11"にしようかな~」 「最後のはよせ、イジェクト的に」 はしゃぐヴィータに、メビウス1は苦笑いしながら偶然彼女の口から出たしょっちゅうイジェクト(脱出)する元の世界の同僚の名に突っ込んだ。 そうこうして六課に帰還したメビウス1は、まずはやてに実射試験の結果を報告した。 「命中精度、機動性、いずれも申し分なし。むしろ命中精度は直撃の連続で、近接信管のテストが出来ないくらいだ」 「そりゃよかったわ。じゃあ今後の弾薬はこれらを使こうていこうか」 頷くメビウス1に、そうだとはやてはポンと手を打った。 「何かあるのか?」 「んーっとな、実は次回の任務で必要なもんが今届いてな」 そう言ってはやてが取り出したのは、複数の丁寧に包装された紙箱だ。 彼女は中身を一つ開けて、メビウス1に見せた。 「……タキシード?」 紙箱の中にあったのは、紛れも無くタキシードだった。目立った感じは無いものの、いい男が着ればビシッと決まっているだろう。 だが問題はそこではない。彼女は次回の任務で必要なものと言った。タキシードが必要な任務とは、いったい何なのだろう。 「なんだ……俺にスパイでもやれってか?」 「残念ながら外れや。もしそうならボンド・ガールもおるはず」 「じゃあ舞踏会か。天使とダンスでもしろと?」 「それは6や、メビウスさんは04やろ」 「だめだ、分からん。いったい何なんだ?」 疑問の声を上げるメビウス1に、はやてはニヤリと笑って言った。 「パーティーや―ホテル・アグスタでの、な」 戻る 目次 次へ
https://w.atwiki.jp/makarusnap/pages/252.html
トップページ カードリスト(コスト5) 《セラ》 《セラ》 基本情報 カード名 セラ コスト/パワー 5/4 テキスト 永続:自分の手札にある全てのカードのコストを-1する。(最小値:1) 収録シリーズ シリーズ3 特徴 【エリジウム】の効果を部分的に内蔵したカードです。 複数のコスト軽減効果が有効である場合、それらは重複します。例えば、ロケーションに【エリジウム】がひとつ見えていた場合、このカードをプレイするコストは「4」になり、このカードのプレイ後は、自分の手札のコストは「2」軽減されることになります。 特殊な状況について ▶︎《メビウス・M・メビウス》の影響 コストの数値を変える効果は、《メビウス・M・メビウス》の効果の影響を強く受けます。自分の《メビウス〜》の効果が持続中、コストが減った自分の手札は、コストの数値が元に戻らなくなります。 相手の《メビウス〜》の効果が持続中、コストが減った自分の手札は、コストの数値が元に戻ります。 両方のプレイヤーの《メビウス〜》の効果が持続中、両方のプレイヤーの手札はすべて、コストの数値が元に戻り、変化しなくなります。 アップデート履歴 2022/10/18 ・初期カード(シリーズ3)として実装されました。 2022/11/29 ・基礎パワーが「5→4」に変更されました。 ▶︎カードリストへ戻る カードリスト(コスト1以下) カードリスト(コスト2) カードリスト(コスト3) カードリスト(コスト4) カードリスト(コスト5) カードリスト(コスト6以上) ▶︎トップページへ戻る
https://w.atwiki.jp/yaru_hikari/pages/304.html
▽タグ一覧 故人 公式キャラ ネタバレ項目 出典 ウルトラマンメビウス 【概要】 第10話でメビウスが回想した時に触れられている地球人。ウルトラマン達にとって人間の負の一面を象徴する存在。すでにこの時代では故人と思われる。 注意!ウルトラマンメビウスのネタバレが含まれています 本名は蛭川光彦。職業はフリーのジャーナリストだが、前述のとおり人間としてもマスコミとしても負の一面だけを凝縮したような人物((過去にも防衛チームやウルトラマンを快く思わない組織または個人はいたが、必ずしも絶対悪と言う存在ではない))。GUYS(メビウスの時代の防衛組織)のゴシップ記事を捏造し、命の恩人であるメビウスを引き渡そうと扇動するなど穏やかなメビウスをして一時的にとは言え人間不信に陥らせ、果てはヤプールからも嫌悪される(もっともマッチポンプであるが)というウルトラシリーズでも前代未聞の人物。 しかしながら彼もまた地球人の一面を現す存在であり、そのような人間に会ってもやる夫が乗り越えられるようメビウスは祈っていた。
https://w.atwiki.jp/trinanoss/pages/64.html
プロローグ Skies of Deception いい加減にして欲しい。 彼の思考は、その言葉でいっぱいだった。 身体に繋がれたコードの類は、うっとうしいことこの上ない。汗ばんだ飛行服の方がまだマシだ。 同じ質問を繰り返す、自分のそれよりはるかに多いラインと星が縫い付けられた階級章を持つ男の声。一応上官なので質問は真面目に答えてやっているが、それにしても酷いだみ声だった。衛生兵からのど飴でももらったらどうだ。 「――大尉、もう一度聞こう。"メガリス"を破壊した後、君はどこに行っていたんだ?」 またこの質問か。報告書は送ったはずだぞ、畜生め。 口汚く罵りたい衝動を堪え、彼は口を開く。 「ちょっと魔法の世界に行っていたのであります、サー」 とは言え、イラつきだけは隠さなかった。憂さ晴らしも兼ねて出した回答に、しかし上官はその表情を崩そうとしない。 ただ、隣でデスクトップのパソコンを操作する技術員と少し会話をし、そこで初めて上官は感情らしいものを見せた。 「……OK、今日はこの辺にしよう。ご苦労だった、メビウス1」 苦々しい表情から出た言葉に、"メビウス1"と呼ばれた彼もまた、不満げな顔を露にする。 技術員がやって来て身体に纏わりつくコードを外すまでの時間が、妙に長いように感じた。 ユージア大陸の北にある小国、ノースポイント。 今でこそ空軍基地がある以外は特に珍しいものはない、田舎のような国だが、ほんの一年と数ヶ月前にはISAFの総司令部があった。ゆえに、軍の施設は小国であるにも関わらず、やけにデカい。 外に出ると、凍てつくような寒さが身に染みた。北国だけあって、気温の低さは尋常なものではない。 それでも決して嫌な気分にならなかったのは、頭上を駆け抜けていく雷のような轟音。こいつのおかげだろう。 見上げれば、そこにあるのは眩しいほどに魅力的な青空。澄み切った空気を引き裂く、鋼鉄の翼。寝ぼけた思考を熱く滾らせる、ジェットの鼓動。 ここが、彼の――メビウス1の、生きる場所だった。 出来ることなら、あの青空に一秒でも早く舞い上がりたい。虚空に手を伸ばすが、しかし掴むことが出来るのは、相変わらずの寒さを持った空気だけ。 格納庫に目をやると、そこにいつもの愛機はない。自由エルジアを殲滅して、一度また"向こう側"に行った後、どこかの技術者たちが持っていってしまった。 後に残されたのは、退屈なオフィス勤務。まぁ、これは仕方ない。一応彼は名高い"メビウス中隊"の中隊長なのだ。中隊の予算、訓練計画、各隊員の休暇日数、彼がいなければ成り立たないことは多い。 だが、たった一枚の書類――飛行禁止の、命令書。これだけは、どうにも納得がいかなかった。鳥に飛ぶな、魚に泳ぐな、パイロットの彼にこう言ってるのと同意義だ。 「上の連中は疑ってるんだよ、英雄」 以前部隊を訪ねてくれた、彼が戦闘機乗りを志すきっかけとなった老練の傭兵は、メビウス1の気持ちを理解した上で、その辺の事情を語ってくれた。 とりあえず英雄、と呼ぶのは勘弁してください。そう前置きした上で、彼は傭兵に問う。俺がいったい何をしたんでしょう、と。 「君が乗って帰ってきたF-22、修理の跡が見られたがそこに使われていた技術が問題なんだ。あんなもの、ユージアどころかかつてのベルカだって作れない。それと、君が書いた報告書――なんと言ったかな、ええと」 年を取ったせいで記憶力が落ちた。実際のところは、まだ四十代も行ってない傭兵の言い訳にメビウス1は苦笑いしつつ、答える。 「"メビウス・レポート"ですか? 俺の書いた、ミッドチルダについての報告書」 「そうだ、それだ。私も読んだが、あれが事実ならとんでもないことだぞ」 航空機に頼らず空を自由自在に舞う魔導師、次元空間を飛び越える次元航行艦、そしてそれに搭載される、衛星軌道上から地上を撃ち下ろす"アルカンシェル"なる大量破壊兵器。まともな判断力を持つ者ならただのおとぎ話と切り捨てるところだが、その報告書を書いたのが、先の戦争の英雄ならどうだろうか。 「オーシアが建設途上の宇宙船にレーザーを搭載する、なんて話がある。この意味が分かるか?」 「――スカーフェイス1、冗談もほどほどにしてください。俺の報告書一枚で、なんで大国オーシアが動くんです」 「さて、な。私も人伝に聞いた話だから、真意は分からん」 だが、仮にその話が本当だとしたら。報告書を真に受けたオーシアやユージア大陸内の各国は、ミッドチルダを、管理局を恐れているのだ。 「ましてや、君はメガリスを潰した後、数回に渡って消息を絶っている。向こうからの尖兵だと思われても、仕方ないんじゃないか? だから飛行禁止なんだよ」 「そんな話――」 「案ずるな、私は君のことを疑ってはいない。私も、何度かあっちに行った身だからな」 こういう時は傭兵の彼が羨ましい。所詮フリーランスに過ぎない彼は、契約条件や配偶が気に入らなければさっさと姿を消してしまえる。正規兵である自分は、そうもいかない。だから、今日も軍の上層部から直々に尋問を受けていたのだ。ご丁寧に、嘘発見器付きで。 ああ、六課にいた頃が懐かしい。 なのはは無理してないだろうか。 ティアナは腕を上げているだろうか。 みんな元気だろうか。 ずいぶん遠くなってしまった空に向け、白いため息を吐きつつ、メビウス1は自分のオフィスに戻ることにした。 そうして気だるい日々を送っていたある日のことだった。メビウス1の下に、一枚の命令書が届けられる。 「……限定解除? なんだこれ、おい、ヘイロー2」 「ああ?」 手元に舞い込んできた妙な命令書を、中隊副官であり戦友であるヘイロー2に渡す。 内容はいたって単純、それ故に難解。メビウス1に対して発令されていた飛行禁止命令を、一部を持って解除するということだ。 「……読んで字の如く、限定解除だろ。よかったじゃないか」 ところがヘイロー2は大して気にした様子もなく、命令書をメビウス1に突き返す。 しかし、素直に喜ぶ気になれない。疑いが晴れたと言う意味でこの命令が下るなら、限定とするのは何故だ。しかも、許されるのはF-4Eファントムのような複座戦闘機の後席に座ることだけ。後席は電子機器の操作と見張りを担当するのであって、機体の操縦を行うものではない。 「考えすぎじゃないか?」 そんなメビウス1の心境を察してか、ヘイロー2が声をかけてくれる。また飛べるようになったのだから、喜ぶべきだろうと。 ――そうかもしれないな。 オフィスの窓から見える青空。実際は数週間程度だが、もう何年もあそこには行っていないような気がする。 よし、とメビウス1はボールペンを手にとって、まずは目前に大量に積まれている書類仕事を片付けることにした。こいつらを撃破すれば、形はどうあれ空に還れる。 「やる気出た?」 「おかげさまでな」 ヘイロー2の問いに、久しぶりにメビウス1は屈託のない笑みを浮かべて答えた。 さぁ行こう、青空へ。そこが、俺の生きる場所だ。 ノースポイントの海には、カモメが多く飛んでいる。この空は戦闘機が舞う訓練空域であると同時に、彼らの住処でもあるのだ。 バードストライク(鳥との衝突)には気をつけなければならないが、メビウス1はついついハーネスを緩め、眼下の洋上上空を飛び交うカモメたちに目をやってしまう。 お帰り、メビウス1。ここがあなたの居場所です。カモメたちはそう言って、彼が空に上がってくるのを歓迎してくれているようだった。 マスクから送られてくる酸素は、極上のウイスキーに勝るとも劣らない。背中にビリビリと伝わってくるエンジンの鼓動は、戦闘機乗りの血を熱く滾らせる。例えそこが後席であったとしても、この魅力だけは変わらない。 「光栄です、"リボン付き"を後ろに乗せて飛べるなんて」 前席で機体を操縦するパイロットは自分より年上のようなのだが、わざわざ敬語を使って話しかけてきた。 「俺もこうして、また飛べるのが嬉しい限りだよ」 前席の言葉に気軽に答えて、メビウス1はコクピット内の隅々にまで視線をめぐらせる。 古めかしい計器は、アナログ表示のものが多い。近代化されているとは言え、原型機の初飛行はもう五〇年も前なのだ。 だけども、このF-4Eファントムは、彼がパイロットとなってから初めて乗った戦闘機だった。初陣もこの機体、しかもこのノースポイント付近上空だ。感慨深いものを感じるのは、無理もない。 この日は単機による航法訓練だった。地上からの誘導や慣性航法装置があると言えど、パイロットが自分の手で現在地を知り、目的地まで飛べるのは重要なことだ。 「メビウス1は大丈夫ですか? この手の訓練は?」 前席が、唐突に声をかけてきた。彼は、久しぶりに空に上がってきたメビウス1のことを心配してくれている様子だ。 「大丈夫だよ。航法訓練は訓練生時代に嫌ってほど教え込まれたからな」 膝の上に広げた地図と計算用のメモ用紙、双方に目を配らせながら、メビウス1は答えてみせた。 眼下に見える島、現在の方位、高度、速度。視覚だけでも得られる情報は決して少なくない。それらを参照に、メモ用紙の上でシャーペンを走らせて計算すると、大まかな自分の現在地が判明する。地図と照らし合わせて、現在地と目標地点の位置を確認。あとはメビウス1が、前席のパイロットに向けて機体の方位と高度を修正するよう指示していく。 「進路を右に、三〇度修正だ。慌てずゆっくり」 「了解」 前席はメビウス1の指示を聞いて頷き、操縦桿とラダーペダルを微妙に調整し、F-4Eの機首をずらす。 だが、メビウス1はここでふと気付く。機体の方位が、指示したものと違うのだ。 「おい、進路がずれてるぞ。修正だ、左に四〇度――」 言いかけたところで、メビウス1は言葉を止めた。前席のパイロットが、じっとこちらを睨んできていた。 「申し訳ないが、その命令には従えないな」 「何? お前、何を言って……」 はっと、彼はキャノピーの外を横切った黒い影に振り返る。特徴的な前進翼、いかにも悪役のような面構えの戦闘機が多数、F-4Eを取り囲むようにして現れた。 戦闘機は全て、国籍マークを消しているようだ。いったいどこの手のものか、想像尽かない。 咄嗟にメビウス1は、サヴァイバル・ジャケットの内側に入れてきた拳銃に手を伸ばし、それを引き抜いた。銃口を前席のパイロットに突きつけ、機体のコントロールを渡すよう脅す。 「機体のコントロールを渡せ、今すぐにだ」 「――どうぞ」 パイロットは言われた通り、素直に操縦桿から手を離した。メビウス1は拳銃を左手に持ち替え、銃口は突きつけたまま、右手で操縦桿を持ち、それを捻る。 たちまちF-4Eは主翼を翻し、自重を利用して素早い降下に入った。エンジン・スロットルレバーは拳銃を構えているせいで触れないが、降下すれば速度がつけられるはずだ。 決していいとは言えないF-4Eの後席の視界。しかし、その中でどうにかメビウス1は自分を取り囲む国籍不明機の機種を判別する。Su-47か、違う。妙に機体が鋭角的だ。すると、こいつはS-32か? 国籍不明機の機種が分かったところで、メビウス1は酸素マスクの中で苦々しい表情。F-4Eでは機動性で敵うべくもない。 「逃げても無駄だぞ、リボン付き」 「黙ってろ」 前席のパイロットはそう言ってメビウス1を嗤うが、彼は諦めるつもりはなかった。 速度計にちらっと目をやり、次に自分を追う国籍不明機の位置を確認。降下するこちらを、執拗に追い掛け回してくる。 いいぞ、ついて来い――今だ。 バックミラーに映る機影が徐々に近付いてきたその時、メビウス1は操縦桿を引いた。途端に上から圧し掛かってくるようなGが彼を襲う。 F-4Eはその老体に鞭を打って、釣り上げられたように機首を上げていく。急降下で速度を得た分、その機動は老兵と呼ぶには力強いものだった。 S-32の編隊は一瞬遅れて上昇し、メビウス1のF-4Eを追いかける。だが、それよりも早く、メビウス1は操縦桿を薙ぎ払う。 たちまち視界が反転し、F-4Eはハーフロール。上昇を続けたおかげで、速度は徐々に下がっていた。揚力を失ったF-4Eは上下逆さまの状態で失速、今度は機首を引っ張られるようにして下げる。その正面を、上昇してきたS-32が駆け抜ける。彼らが高度を上げた頃には、すでにF-4Eは再び急降下に入っていた。 S-32を振り切ったメビウス1は、操縦桿を引いて機体を水平に戻しつつ、通信機のスイッチを入れた。応援を呼ぶつもりだった。 「スカイアイ、聞こえるか!? 国籍不明機多数に追撃されている、こちらは実弾を積んでない。応援を――!?」 「無駄だと言ったろう、リボン付き」 前席のパイロットが、また嗤う。通信機から聞こえてくるのは、耳障りな雑音だけだった。 直後、コクピット内に響き渡るロックオン警報。メビウス1は振り返ってみせるが、そこに敵機の姿はない。あのS-32の編隊が追いついたにしても、速過ぎる。 ちかっと、バックミラーの上で何かが光るのが見えた。太陽の光が反射しただけかと思ったが、違う。一瞬だったが確かに見えた。あのシルエットは戦闘機だ。 「やめておけ。実弾も無くこんな旧式機だ、勝ち目はないぞ」 操縦桿を捻ろうとしたところで、前席のパイロットの言葉がメビウス1に投げかけられた。 ――確かに、勝てるとは思えなかった。通信はジャミングでもかけられているようだし、実弾も搭載されていないのでは攻撃手段が無い。 くそ、とメビウス1は吐き捨てた。何者なんだ、こいつらは。いったい何が目的だ。 「何、大したことじゃない。君の技量を貸して欲しいんだ――」 メビウス1の心中を察したのか、パイロットは彼の疑問に答えるように口を開く。 酷く歪んだ笑みだった。その口から語られたのは、メビウス1にとって思いも寄らない言葉。 かつての大国、時代の変化に気付かず領土拡張を繰り返し、やがて壮絶な自決行為を行った、あの国。 「我がベルカ公国のために、な」 ACE COMBAT04 THE THE OPERATION LYRICAL Project nemo 目次 次へ
https://w.atwiki.jp/wiki15_ggeneration_portable/pages/44.html
機動戦士ガンダムSEED 開発元 開発先 自走砲 開発対象なし ハーフトラック 開発対象なし アジャイル 開発対象なし スピアヘッド Lv03+ スカイグラスパー リニアガン・タンク 開発対象なし メビウス Lv03+ メビウス(核装備)Lv04+ メビウスゼロ スカイグラスパー Lv02+ スピアヘッドLv03+ コスモグラスパー ザウート Lv02+ ガズウート ジンオーカー Lv02+ ジン ジン Lv02+ ジンオーカーLv02+ 長距離強行偵察複座型ジンLv02+ ジンハイマニューバLv03+ シグー ストライクダガー Lv03+ ロングダガーLv03+ ダガーLv03+ ダガーL 長距離強行偵察複座型ジン Lv01+ ジン メビウス(核装備) Lv01+ メビウス グーン Lv03+ ゾノLv03+ アッシュ M1アストレイ Lv02+ M1アストレイ(シュライク)Lv03+ M1AアストレイLv03+ アストレイ レッドフレーム シグー Lv01+ ジンLv02+ ディンLv03+ ゲイツ ゾノ Lv02+ グーンLv03+ アッシュ バクゥ(ミサイル装備) Lv02+ バクゥ後期型(ミサイル装備) メビウスゼロ Lv01+ メビウスLv03+ エグザス ラゴゥ Lv01+ バクゥ後期型(ミサイル装備) ディン Lv01+ シグーLv02+ バビ ゲイツ Lv02+ シグーLv03+ ゲイツR ブリッツガンダム Lv03+ フォビドゥンガンダム デュエルガンダム Lv02+ デュエルダガーLv03+ デュエルガンダム アサルトシュラウドLv03+ ストライクガンダム ストライクガンダム Lv02+ ストライクダガーLv03+ ストライクルージュ バスターガンダム Lv03+ カラミティガンダム ストライクルージュ Lv01+ ストライクガンダムLv02+ ストライクルージュIWSP イージスガンダム Lv03+ レイダーガンダム デュエルガンダム アサルトシュラウド Lv01+ デュエルガンダム レイダーガンダム Lv02+ イージスガンダム カラミティガンダム Lv02+ ソードカラミティ フォビドゥンガンダム Lv02+ フォビドゥンブルー ジャスティスガンダム Lv03+ インフィニットジャスティスガンダム フリーダムガンダム Lv03+ ストライクフリーダムガンダム プロヴィデンスガンダム Lv02+ XアストレイLv03+ レジェンドガンダム ジャスティスガンダム(ミーティア) 開発対象なし フリーダムガンダム(ミーティア) 開発対象なし 逆引 開発先 開発元 自走砲 ハーフトラック アジャイル スピアヘッド Lv02+ スカイグラスパー リニアガン・タンク メビウス Lv01+ メビウス(核装備)Lv01+ メビウスゼロ スカイグラスパー Lv03+ スピアヘッドLv02+ コスモグラスパー ザウート Lv02+ ガズウート ジンオーカー Lv02+ ジン ジン Lv02+ ジンオーカーLv01+ 長距離強行偵察複座型ジンLv01+ シグーLv02+ ジンワスプLv01+ ジンハイマニューバ ストライクダガー Lv02+ ストライクガンダムLv01+ ダークダガーLLv01+ ダガーLLv01+ ロングダガーLv01+ ダガー 長距離強行偵察複座型ジン Lv02+ ジン メビウス(核装備) Lv03+ メビウス グーン Lv02+ ゾノLv02+ アッシュLv03+ ジンワスプ M1アストレイ Lv01+ M1アストレイ(シュライク)Lv01+ M1AアストレイLv02+ アストレイ ブルーフレームLv02+ アストレイ レッドフレームLv02+ アストレイ ゴールドフレーム シグー Lv03+ ジンLv01+ ディンLv02+ ゲイツLv01+ シグーディープアームズ ゾノ Lv03+ グーンLv02+ アッシュ バクゥ(ミサイル装備) Lv01+ バクゥ後期型(ミサイル装備) メビウスゼロ Lv04+ メビウスLv02+ エグザス ラゴゥ Lv03+ バクゥ後期型(ミサイル装備) ディン Lv02+ シグーLv02+ バビLv01+ AWACSディン ゲイツ Lv03+ シグーLv01+ ゲイツR ブリッツガンダム デュエルガンダム Lv01+ デュエルガンダム アサルトシュラウドLv04+ デュエルダガー ストライクガンダム Lv03+ デュエルガンダムLv01+ ストライクルージュLv01+ ストライクルージュIWSP バスターガンダム Lv03+ バスターダガー ストライクルージュ Lv03+ ストライクガンダム イージスガンダム Lv02+ レイダーガンダム デュエルガンダム アサルトシュラウド Lv03+ デュエルガンダム レイダーガンダム Lv03+ イージスガンダム カラミティガンダム Lv03+ バスターガンダムLv02+ ソードカラミティ フォビドゥンガンダム Lv03+ ブリッツガンダムLv04+ フォビドゥンブルー ジャスティスガンダム Lv01+ インフィニットジャスティスガンダム フリーダムガンダム Lv01+ ストライクフリーダムガンダム プロヴィデンスガンダム Lv02+ レジェンドガンダムLv03+ Xアストレイ ジャスティスガンダム(ミーティア) フリーダムガンダム(ミーティア)
https://w.atwiki.jp/makarusnap/pages/131.html
トップページ ロケーションリスト 【ドリーム・ディメンション】 【ドリーム・ディメンション】 基本情報 ロケーション名 ドリーム・ディメンション 効果タイプ タイミング誘発型 テキスト ターン5に、全てのカードのコストを+1する。 ロケーション効果 ロケーション以外の領域にある全カードのコストを、一時的に変更します。 ターン5が終了すると効果は解除されます。 この効果には「コストの上限」が設定されていません。上昇後のコストは、一時的に7以上になることがあります。 特殊な状況について ▶︎《メビウス・M・メビウス》の影響 ロケーションの自分側で《メビウス・M・メビウス》の効果が作用している間、自分は【ドリーム・ディメンション】の効果を無視できます。ただし、ロケーションの相手側にも《メビウス》の効果が作用している間は例外です。自分側に《メビウス》があるかどうかに関係なく、【ドリーム・ディメンション】の効果は無視できなくなります。 アップデート履歴 2022/10/18 ・初期ロケーションとして実装されました。 ▶︎ロケーションリストへ戻る ▶︎トップページへ戻る
https://w.atwiki.jp/jpops/pages/18154.html
Mebiusをお気に入りに追加 Mebiusのリンク #bf Amazon.co.jp ウィジェット Mebiusの報道 飯島多紀哉の描く新しいホラーアドベンチャー「アパシー 鳴神学園七不思議」2022年夏発売予定! - アットプレス(プレスリリース) Switch「イルベロスウォンプ+ラジルギスワッグ」が本日発売に。RS34によるオンラインイベントの開催も明らかに - 4Gamer.net 【メガネ似合わせ術】リモート時代=めがね時代?人気ショップのプロが語る、今、めがねがキテる理由(MEN S NON-NO WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アイナ・ジ・エンド、「われは海の子」を配信開始 - THE MAGAZINE 「グノーシア」とGraffArtCAFEグッズが11月20日より東名阪店舗でも発売。第1弾グッズも再入荷決定 - 4Gamer.net 大好評開催中「ウルトラマンメビウス~絆、友情、日々の未来展~」。 10月20日(水)より「GUYS市民感謝祭」として一部展示入れ替え&新商品も登場!! - PR TIMES NintendoSwitch専用ソフト・パッケージ版の「イルベロスウォンプ+ラジルギスワッグ」、発売日変更のお詫びとサウンドトラック発売のお知らせ - アットプレス(プレスリリース) 『ウルトラマンメビウス』放送15周年記念企画!9月29日(水)より墓場の画廊(東京・中野)にて「ウルトラマンメビウス~絆、友情、日々の未来展~」を開催! - PR TIMES “加熱式たばこ”も10月から値上げへ 1箱30円程度 JT「メビウス」など - www.fnn.jp NintendoSwitch イルベロスウォンプ+ラジルギスワッグ 愛憎版 その中身を公開! - アットプレス(プレスリリース) 【エギンガー必見】夏イカ攻略モデル、ご用意しております - LureNews 「メビウス」580円に JT、たばこ増税で値上げへ - 日本経済新聞 Switch「スサノオ~日本神話RPG~」が発売!プレイ実況やプレイ動画・画像に関するガイドラインも公開|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer シューティングゲーム「イルベロシリーズ」の最新作! NintendoSwitch用ソフト「イルベロスウォンプ」の配信決定! - アットプレス(プレスリリース) 前田佳織里・村上奈津実と『黎の軌跡』などおすすめタイトルを紹介! 7月22日に特別生放送を配信 - 電撃オンライン メビウスに1箱500円の低価格帯シリーズ「Eシリーズ」5銘柄が新登場 - マイナビニュース 日本神話RPG『スサノオ』はクリアまで40~50時間。ハチクマソフト(はちみつくまさん)の意気込みを見よ!【電撃インディー#37】 - 電撃オンライン JTがメビウスの新銘柄を500円で発売 ラインアップ拡充で選択肢を増やす - ITmedia 「スサノオ~日本神話RPG~」の発売が7月29日に延期―制作工程の都合により|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer 動画でおさらい!ワクチンの調製方法 - 日経メディカル 日本神話のキャラクターが活躍する本格RPGがNintendoSwitchから登場!「スサノオ~日本神話RPG~」7月22日発売 - アットプレス(プレスリリース) NintendoSwitch版本格横スクロールシューティングゲーム「RollingGunner」パッケージ版発売直前!プロモーション動画公開 - アットプレス(プレスリリース) 来たる春イカシーズンに「L」という選択肢。ヤマガブランクススタッフによる「Lクラスのエギングロッド縛り」春イカ釣行記 - LureNews JT “口臭低減”テクノロジーを搭載したメビウス発売 - ITmedia メビウス製薬の社員があえてリモートワークせずオフィスに出勤する理由 「正しく恐れて、正しく対処すべき」 - キャリコネ Switch「Rolling Gunner + Over Power」パッケージ版が4月22日に発売!|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer ホラー映画「ハロウィン」シリーズより殺人鬼・ブギーマンがプラモデル化!雰囲気あふれる情景や点灯ギミックも楽しめる!Amazonで予約受付中!! - 電撃ホビーウェブ 12/14発売の食玩は「鬼滅の刃』のデフォルメフィギュア登場! - アニメージュプラス 塾講師が選ぶ「科目別・学生におすすめの本」読めば学習が楽しくなる?KEC個別指導メビウスが一挙調査 - アットプレス(プレスリリース) ベンキュー、ゲーミングモニターの新ブランド「MOBIUZ」をお披露目 - GAME Watch BenQ、新ゲーミングモニターブランド「MOBIUZ」発表。2モデルを9/17発売 - PHILE WEB - PHILE WEB 「グノーシア」オリジナルサウンドトラックが「BGM Collection」と「SE Collection」の2枚組で10月1日に発売!|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer SF映画の名作『2001年宇宙の旅』ディスカバリー号が全長約43センチの1/350スケールでプラモデル化!Amazonで予約受付中! - 電撃ホビーウェブ JT、メビウスからスーパースリムロング3銘柄・500円で新登場 - マイナビニュース メビウス、レギュラー味の「スーパースリムロング」。増税後は他より安く - Impress Watch 「メビウス」500円超え JT、10月増税で値上げへ - 日本経済新聞 DMM GAMES PC ゲームフロアで、横スクロールシューティング「Rolling Gunner」が配信開始 - ASCII.jp 3DS『メゾン・ド・魔王』が300円! Switch『刑事J.B.ハロルドの事件簿』が100円!! メビウスDLソフトセールが開催 - ファミ通.com KEC個別指導メビウス、コロナウイルス感染防止対策を行い、大阪府・滋賀県の教室(個別指導塾)の対面授業を再開 - アットプレス(プレスリリース) 『ULTRAMAN BE ULTRA』事前登録者数20万人突破!メビウスやキング、マックスなど計9体の新キャラクタービジュアル公開 | スマホゲーム情報ならファミ通App - ファミ通App アプリ『ULTRAMAN BE ULTRA』KEN、KINGのデザインが到着 - 電撃オンライン メビウスが「ワールドネバーランド」より「イム」のアクリルキーホルダーを2020年3月下旬に発売 - 4Gamer.net 窓面を利用した透過型LEDビジョンが眼鏡店を一新!渋谷「アイウェアメビウス」に、ウィンドウビジョンを設置しました。 - PR TIMES メビウスのSwitchタイトルが“全国エンタメまつり”でプレイアブル出展 - 電撃オンライン 『2001年宇宙の旅』人工知能「HAL9000」のプラモデルがAmazonで予約受付中!カメラアイ部分はLEDをセットしてライトアップ可能!! - 電撃ホビーウェブ 東芝のPC事業がシャープの傘下に、10月1日新生TCS発足 - BCN+R - BCN+R なぜ寝室にレディオヘッドのポスターが?『30年後の同窓会』はアメリカの「メビウス」を描く - THE RIVER シャープ、東芝のPC事業を40億円で買収 - PC Watch シャープ、東芝のPC事業買収を検討か - ITmedia JT、「メビウス」を一部リニューアル 「メビウス・ゴールド」など3月発売 - ITmedia 「大正メビウスライン」,「Vitable」と「帝都備忘録 ハレ」のツインパックが発売決定 - 4Gamer.net 【モバイラーが憧れた名機を今風に蘇らせる】 シャープ「MURAMASA PC-CV50F」 ~暗黒時代を生き抜いたEfficeon搭載小型モバイル - PC Watch 【Hothotレビュー】 シャープ「Mebius Pad TA-H10L-B」 ~WQXGA表示対応10.1型IGZO搭載のWindowsタブ - PC Watch メビウス、4月から430円 JTがタバコ1箱10〜20円値上げ - ハフィントンポスト 「Mebius Pad」──超高解像度+防水+LTE内蔵、高機能な10型Bay-Trailタブレット(外観編):最新タブレット速攻レビュー(1/2 ページ) - - ITmedia サイレントメビウス:14年ぶりの新作「QD」が連載スタート 舞台は17年後 - まんたんウェブ JT、「マイルドセブン」を「メビウス」に名称変更 - ロイター 光センサー液晶パッドとは?--写真で見るシャープ新生「Mebius」 - CNET Japan 新Mebius「PC-NJ70A」ついに登場、世界初の光センサー液晶パッドを搭載 - GIGAZINE シャープから約1年ぶりにノートパソコン「Mebius」新製品登場へ、「革新的な特長デバイス」を搭載すると予告 - GIGAZINE シャープ、Windows Vista搭載ノート「Mebius」2シリーズ5機種 - RBB Today デジタル放送とブロードバンド放送に対応するリビングPC 「シャープ Mebius TX PC-TX100K/PC-32MD3」 - ITmedia 家庭用液晶TVに迫る表現力を備えた、欲張り“パソテレ” 「Mebius PC-XG60K」 - ITmedia シャープ、「鮮やかエンジン」搭載の高画質TVノートなど2005年秋冬モデル発表 - ITmedia 高画質大画面液晶が魅力のリビングPC シャープ「Mebius TX PC-TX26GS」 - ITmedia 90ナノプロセスの第2世代Efficeonを搭載した2スピンドル“MURAMASA” シャープ Mebius PC-MP70G - ITmedia シャープ、MURAMASAの新モデル2機種とMebiusの2004年秋冬モデル6機種を発表 - ITmedia Mebiusとは Mebiusの60%は海水で出来ています。Mebiusの39%はお菓子で出来ています。Mebiusの1%は愛で出来ています。 Mebius@ウィキペディア Mebius Amazon.co.jp ウィジェット 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ Mebius このページについて このページはMebiusのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるMebiusに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。