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そこは音も無く、暑さや寒さといった感覚も無い世界だった。 だが、何も無いというわけではなく、この世界には無数の鏡が浮遊していた。 そして、それらは多くの光景を映し出していた。 公園で遊ぶ親子、タバコを吸うサラリーマン、ゲートボールに興じるおばあさん・・・。 そんな鏡に囲まれながら眠る少女がいた。 彼女は目をつぶりながら考える。 『私は何者なのか?』 『私はどうして存在するのか?』 だが、彼女はすぐに考えるのをやめてしまった。 仕方がないのだ。 なぜなら、この問題はもう何千回・何万回と考えており、すでに結論が出ていたのだから。 自分は『無の世界』の住人。 『無』に生きる者なのだから、存在理由も『無』いのだ・・・。 そう自分に言い聞かせると、彼女は眠りについた。 一方、風都にある遊園地<ウィンダーランド>内を2つの影が疾走していた。 前方を走るのはロブスター・ドーパント、 そしてそのドーパントを後方から仮面ライダーW ファングジョーカーが追いかけていた。 『待ちやがれ、海老野郎!』 Wに存在する左 翔太郎の意識が叫ぶ。 「『待ちやがれ』って言われて止まるアホがどこにいるか!」 ロブスター・ドーパントは逃げながら正論で返した。 『ふざけるな!』 SHOULDER FANG!! Wはファングメモリを2回押し、ショルダーファングを出すと、 勢いよくロブスター・ドーパント目がけて投げた。 だが、ロブスター・ドーパントの装甲は硬く、ショルダーファングを跳ね返されてしまった。 「しつこい奴だ・・・ん?」 逃げるロブスター・ドーパントの目に飛び込む<鏡の館>の看板。 「いちかばちかだ!」 そう言って、ロブスター・ドーパントは鏡の館に飛び込んでいった。 『あいつ、あの中に逃げやがった!』 「問題無い。むしろ『袋のネズミ』・・・いや、『まな板の上のロブスター』ってところかな?」 フィリップはそう言うと、鏡の館の中へと入っていった。 室内に広がる無数の鏡、そして全ての鏡にアームファングを構えるWの姿が映し出されていた。 この部屋のどこかにロブスター・ドーパントがいる・・・。 そう思いながら臨戦態勢を取っていると、Wは何かを感じた。 「危ない!」 Wがとっさに体をかがめる。 その直後、鏡の中から・・・いや、鏡の壁を破ってロブスター・ドーパントが持つ大きなハサミがロケットのように飛来した。 「ふん、運の良い奴め・・・。」 壁に出来た穴の向こうでは、ハサミを再生していたロブスター・ドーパントの姿があった。 すかさず、アームファングで切りかかるW。 だが、ロブスター・ドーパントは横ばいを思わせる素早い動きでさっさと鏡の影に隠れてしまった。 『隠れて戦うなんて卑怯だぞ!出てこい!!』 「残念ながら卑怯とラッキョウは俺の大好物なんでね!」 部屋に響くロブスター・ドーパントの声。 そして、鏡の壁を突き抜けて発射される無数のハサミがWを襲う。 Wはファングジョーカーの持つ身軽さと闘争本能でハサミを交わしていくが、 ロブスター・ドーパントへの攻撃手段が見つからず、防戦一方であった。 『くそっ!何か手段はねぇのか?!』 ヒートアップする翔太郎の意識。 その時、彼の目に何かが入った。 この部屋には自分たちと海老野郎しかいないはず。 しかし、あの鏡には『白薔薇のような少女』が映っている・・・? 『あれは・・・?』 突然の事態に気を取られる翔太郎。 「翔太郎、何しているんだ!」 フィリップの声にすぐさまハッとするが、先ほど『少女』が見えた鏡を貫いて発射されたハサミをよける時間は無く、 ハサミによってベルトに装着されたファングメモリを損傷させられるのであった。 強制的に変身が解け、フィリップとなるW。 フィリップは逃げようとするが、再び飛んでくるハサミに足を取られ、逃げることが出来なかった。 「ふぇっふぇっふぇ・・・これで仮面ライダーもおしまいだなぁ!」 そう言いながらフィリップのもとへやってくると、ロブスター・ドーパントは腕の大きなハサミを振り上げ、 フィリップの体を叩き潰そうとした。 その時、ロブスター・ドーパントの顔に目がけて、蜘蛛の巣のような物が張り付く。 「うわっ?!なんだこれは!」 いきなりの事態に慌てだすロブスター・ドーパント。 「・・・さっきのミスに対するお詫びのつもりかい、翔太郎?」 フィリップの後ろには、スパイダーショックを構える翔太郎の姿があった。 「すまねぇ、フィリップ。とりあえず、さっきのことについての言い訳云々やお詫びは後にさせてくれ。 ・・・まずはコイツの始末だ!」 そう言って、ダブルドライバーを装着した。 「「変身!」」 CYCLONE!TRIGGER!! 翔太郎の体を包む緑と青の装甲。 そして、仮面ライダーW:サイクロントリガーが姿を現した。 「海老野郎!さっきのお返しにてめぇの体を蜂の巣に・・・。」 「ちょっと待って、翔太郎。」 突然、フィリップが声をかける。 「どうしたってんだよ、相棒!せっかく口上を決めてるって時に!!」 「・・・なんで、『君だけがWになってる』の?」 「・・・え?」 そう言って、横を見るW。 そこには、いつもなら気絶しているはずのフィリップが平然と立っていた。 『どうして・・・私がこの世界にいるの・・・?』 突然、フィリップがいるはずのWの右半身がしゃべりだす。 「女の・・・声・・・?」 OP:http //www.youtube.com/watch#!v=updaAwZ_WDE feature=related 「おい!どういうことなんだよ、フィリップ!」 翔太郎のみが変身したWがフィリップに問いかける。 「僕にも分からない・・・。それに、僕の代わりに誰かの意識が翔太郎と合体してるみたいだけど?」 「おお、そうだ!おい、俺の右半身!お前は誰なんだ?!」 『私は・・・私は・・・。』 「おいおい、しっかりしてくれよ!」 「お前ら・・・勝手にひとり芝居をやってるんじゃねぇ!!」 状況的に無視されていたロブスター・ドーパントが己のハサミをWに向けて投げつける。 「危ねぇ!!」 『きゃあ!』 瞬時にハサミをよけたWはトリガーマグナムを構えようとする。 だが、謎の意識が右半身に取り込まれているため、Wの右手が反応することは無かった。 仕方なく、左手でトリガーマグナムを構えて発砲するW。 しかし、利き手ではないため、弾の軌道は完全にあさっての方向を向いていた。 「くそっ、こうなったらルナ・トリガーになるしかねぇ!おい、ルナのメモリを挿すんだ!!」 『え・・・ルナ?・・・メモリ?えぇっと・・・。』 慌てふためく右半身。 そんな状況に翔太郎はさらにイライラするのであった。 「なんだか知らんが・・・相手が混乱しているうちに逃げるとするか。」 この状況を見たロブスター・ドーパントは口から泡を吹き出して煙幕を張り、その隙に鏡の館から脱出するのであった。 翔太郎の怒りが爆発する。 「おい、右半身のお前!どうして俺に合体したんだ!お前がどたばたしてなければ、今頃あの海老野郎を・・・!」 『・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい。』 その声は完全に泣いていた。 膝から落ち、大粒の涙を流す右半身。 そんな状況に翔太郎はハッとした。 「え・・・あ・・・えぇっと・・・ごめん、泣かせて悪かった。・・・な?だから、泣くのをやめてくれよ。・・・ね?」 そして、先ほどの怒りが嘘だったかのように、翔太郎は彼女をなだめた。 ハードボイルドにとって、<女を泣かす>ことは重罪である。 にもかかわらず、 自分はロブスター・ドーパントを倒せなかった怒りを思わず彼女にぶつけてしまった。 どうしてこんなおろかな行為をしてしまったのか・・・。 そんな自責の念が翔太郎の体を渦巻いていた。 「・・・というか、君がまだまだハーフボイルドなだけなんだと思うけどね。」 まるで翔太郎の心を読んだかのようにフィリップが言う。 「間違ってねえけど、そういうことをフツーに言うな。」 翔太郎は落ち込みながら、ダブルドライバーのメモリを外し、変身を解いた。 「お~い、翔太郎く~ん!フィリップく~ん!」 鏡の館を出た2人の耳に鳴海 亜希子の声が聞こえてきた。 声の方向を見ると、亜希子だけでなく照井 竜の姿もあった。 「海老のお化けは?!」 「すまねぇ、ちょっとしたアクシデントで見失っちまった。」 「そう・・・って、あれ?フィリップくん、それってもしかして・・・。」 亜希子がフィリップの持つファングメモリを指差して言う。 しかし、ファングメモリは先ほどの攻撃により一部機械が損傷し、活動を完全に停止させていたのであった。 「やれやれ・・・随分とお前ららしくない結果だな。」 「ああ、そのことなんだが・・・。」 翔太郎が、先ほどの戦いで起きた不思議な出来事について話そうとした時、再び亜希子が何かに気づいた。 「ん・・・?!翔太郎くん!どうしたの、その右手?!」 「右手?」 翔太郎が自分の手を見る。 そこには袖口から植物のツタのようなものが伸び、右手に絡み付いていた。 「うぉい、何だコリャ?!」 突然の事態にジャケットを脱ぐ翔太郎。 そこには、右腕全体にツタが絡み付いていることがYシャツの上からでも分かるような状況となっていた。 「翔太郎!」 「今度はなんだ?!」 「襟元からツタが出ている・・・。」 フィリップの指摘どおり、今度は襟元から伸びるツタ。 そのツタはまるで意識があるかのように翔太郎の耳を一周すると、耳の谷間につぼみを形成するのであった。 「これは・・・薔薇の花か?」 フィリップが触ろうとするが、まるで触られることを嫌がるかのようにそのつぼみは勢いよく開花し、 白い薔薇が姿を現すのであった。 「ちょ・・・何なんだよ、コレ?!だぁ~っ、誰か取ってくれ!!」 「情けないハーフボイルドだ。たかが薔薇の花に脅え・・・。」 『やめて!!』 「「「・・・え?」」」 照井が翔太郎に咲いた薔薇を掴もうとした途端、突然薔薇の花から女性の叫び声が発せられる。 それに驚いた3人が薔薇の花を凝視すると、その薔薇からはまるで花粉のように光の粒子が発せられ、 それらは翔太郎の背面に少女の形を作り出すのであった。 『お願いです、薔薇の花を取らないでください!』 「これは・・・女の子?」 興味深そうに繁々と少女を見つめるフィリップ。 一方、隣の照井は青ざめた顔をしていた。 「・・・あれ?竜くん、どうしたの?」 「・・・お・・・お・・・お・・・お化けぇ?!?!?!?!?!?!」 突然走り出す照井。 その様子は、今までのハードボイルドさからは想像出来ないほどの慌てようだった。 「照井 竜、完全無欠のハードボイルドもまさかお化けが弱点だったとは・・・興味深い。」 今度は照井の方を繁々と見るフィリップ。 一方の照井は奇声をあげて、遊園地の出口へと一目散に逃げるのであった。 『私・・・何か悪いことしましたか?』 「問題ねぇ。あいつはああいう奴なんだ、心配しなくていい。」 翔太郎が自分の背面に出現した少女に言う。 「・・・ところでだ、君は何者なんだ?フィリップの代わりに俺と合体したり、俺に薔薇の花を生やしたり・・・。」 『私は・・・私は・・・。』 「・・・雪華綺晶?」 突然、亜希子が言う。 『!・・・どうして、あなたが私の名を・・・?』 「なんで、亜希子がこの子の名前を知ってるんだよ?」 少女と翔太郎がほぼ同時に亜希子に問いかける。 「いやね・・・昔、お父さんが読んでた『ローゼンメイデン』って漫画に出てくる雪華綺晶っていう白薔薇みたいな 女の子に雰囲気がソックリだなぁ~・・・なんて思ってね。」 「ローゼンメイデン・・・?」 「『ローゼンメイデン』・・・かつてとある雑誌に連載されていた、 ジュンと呼ばれる少年とローゼンメイデンと呼ばれる中世ヨーロッパの生きた人形たちの共同生活の様子を描いた漫画のことだ。 そして、亜希ちゃんの言っていた『雪華綺晶』はその生きた人形のNo.7。 漫画内では『実体を持たない精神体のドール』として描かれていたようだけどね。」 「・・・随分と検索が早いな。」 「それが僕の取柄だからね。」 「・・・で、君の名前は・・・えぇっと・・・きら・・・きら・・・。」 「雪華綺晶。」 「そう、その雪華綺晶なのか?」 『ハイ・・・私の名は雪華綺晶・・・そのお方の言うように、 かつてローゼンメイデンのひとりとして、アリスになるためにお姉さまと戦っていた、体を持たないドール・・・。』 雪華綺晶が悲しそうな声で言う。 「・・・ちょっと待って!それって漫画だけの世界の話じゃないの?!」 「・・・nのフィールドか?」 亜希子の問いにフィリップが答える。 「n・・・?」 「翔太郎、君は仮面ライダーディケイドとの共闘を覚えているか?」 「え?・・・ああ、俺たちの世界とディケイドの世界が何らかのきっかけで共鳴を起こして繋がっちまったってアレだろ?」 「それと同じさ。漫画の中では、彼女は実体が無いためにnのフィールドと呼ばれる異次元空間でしか活動出来ない設定なんだ。 そして、そのnのフィールドは鏡を介して進入する。つまり・・・?」 「・・・雪華綺晶のnのフィールドの出入り口がこちらの世界の鏡に繋がっちゃったってこと?」 「亜希ちゃん、冴えてるねぇ。」 その言葉に先程の戦いがフラッシュバックされる翔太郎。 あの鏡に映った少女・・・それはまさしく雪華綺晶だったのだ。 「でも、フィリップ。なんできらく・・・きらきす・・・だぁ~っ、言いにくいっ!!」 「どんだけ舌足らずなんだか・・・。」 亜希子が冷静にツッコむ。 「うるさい!えぇっとだな、君のことを・・・『きらきー』って呼んで良いか?」 『『きらきー』・・・ですか?』 「『雪華綺晶』だから『きらきー』・・・君らしいネーミングセンスだね。」 「それって褒めてるのか?」 「いいや。」 「・・・とにかくだ、問題はきらきーがどうして俺と合体しっちまったかってことだ!」 「おそらく、あの時のハサミだ。」 「ハサミ?」 「あのドーパントが雪華綺晶のいた鏡を破壊した際、あのハサミとともに彼女の意識もこの世界に飛ばされてきたんだろう。 そして、ファングを破壊したことで翔太郎の意識が飛び、その余波で雪華綺晶の意識も君の体に収まった・・・ってとこかな?」 「だぁ~っ、どうにかなんねぇのかよ!!」 「別に問題は無いだろう?僕無しでもWに変身できるみたいだし。・・・それとも、何か問題でも?」 「大有りだよ!!」 翔太郎が大声で言う。 『・・・ごめんなさい。』 その時、翔太郎の耳に雪華綺晶の悲しげな声が聞こえてくる。 「・・・え?」 『ごめんなさい・・・私が・・・あなたと合体してしまったせいで・・・あなたに大迷惑を・・・。』 「おい・・・また泣かないでくれよ!」 「あ~あ、泣~かしたな~かした。」 亜希子が子供のように翔太郎に言う。 「ちょっと待ってくれ!俺はきらきーが邪魔とか言ってないからな!ただ・・・君をこの戦いに巻き込みたくないだけだ。」 『・・・え?』 「きらきーも見ただろう?俺たちはさっきの海老野郎みたいな怪人と命を賭けた戦いをしているんだ。 そんな危険な戦いに君を巻き込むワケにはいかないんだ・・・。」 クールに言う翔太郎。 その言葉に、先ほどまで涙を浮かべていた雪華綺晶は、頬を赤らめながら翔太郎を見つめるのであった。 「はいはい、熱いねあついねぇ~っと。」 亜希子が冷めた感じで言う。 「・・・にしても、フィリップくん。雪華綺晶ちゃんと翔太郎くんを分離する手立ては無いの?」 「今回の出来事はファングのメモリによって引き起こされた。 ならば、逆にファングのメモリで翔太郎の意識を移せば、2人の意識を分けることが可能なはずだ。」 「そのためには・・・まず、そのメモリを直さないとね。 あと・・・雪華綺晶ちゃんは当分翔太郎くんの体を借りて、うちの事務所にいたら?汚いけど、家の広さと快適性は保障するから。」 『・・・ええ、お言葉に甘えさせていただきますわ。 翔太郎さま・・・私も翔太郎さまのご迷惑にならないよう頑張りますので、当分の間お世話になります。』 「きらきー、『様』なんて付けなくていいよ。普通に『翔太郎』って呼び捨てで良いよ。俺だって、君をあだ名で呼んでるんだから。」 『え・・・あ・・・ハイ・・・しょ・・・翔太郎・・・。』 頬を赤らめながら翔太郎を呼ぶ雪華綺晶。 「あ・・・なんか・・・恋人みたいで恥ずかしいな・・・ちょっと。」 今度は翔太郎が頬を赤らめながら、頭をポリポリとかく。 『そんな・・・恋人だなんて・・・。』 さらに頬を赤らめる雪華綺晶。 「「はいはい、熱いねあついねぇ~っと。」」 フィリップと亜希子は冷めた声でそう言うのであった。
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ローゼン(お茶を飲んでます)「いや~まさか、一週間だけ雇った先生が一日で、全員辞めちゃうとは~」 ラプラス(同じくお茶を飲んでいます)「ええ・・・・・・・確か。一時間目の保健体育の先生は、柿崎さんに一発KOされましたからな・・・・・・」 ローゼン「もしかして、彼女達が居ないと。生徒達って思った以上に、問題児だったのかな~?」 ラプラス「今更、気付いたんですか?」 ローゼン「う~ん・・・・・・・・・・(これから、どうしよう・・・・・・)」
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バラエティ3 銀「もう読んだ?」 雛「まだなの、すぐに読むのよ」 銀「焦らなくて良いわよぉ。ゆっくり読んで頂戴」 雛「ありがとう。でも今読み終わったの」 銀「わかったわぁ。じゃあページ捲るわよぉ」 雛「うん!」 翠「…ってか何で水銀燈の膝の上に雛苺が居るですか!」 銀「あら、だって自分から乗ってきたのよぉ」 翠「だからってなんて羨ま…じゃなかったいやらしいことを…!」 蒼「雛苺、そこにいたら水銀燈も大変だから…」 銀「私は全然大変じゃないわよぉ。だっていつもこうしてるんだからぁ」 蒼「いつも!?」 銀「雛苺、どう座り心地は?」 雛「水銀燈の膝は気持ちいいのー!」 銀「ですってぇ」 蒼&翠「…怒畜生…!」 「あ…かっ…」 ――大切なものを奪われた…悲しみの連鎖… 「も…めて下さいませ…蒼…お姉…」 「…絶対に許さないよ。君だけは、絶対に…」 ――最後迄、願うは心が朽ち、堕ちてしまわぬようにと… 「やぁあ!めぐぅ…めぐぅうう!!!あっ…嫌っ…いやああああ!!!」 ――自分の欠片を奪われた…復讐のために。 「やめなさい!やめなさいったら!!助けて…ジュン…!!」 ――大事な人を奪われた哀しみを…思い知らせるために。 「やめて…ごめ…ごめんなさい、ごめんなさい…お父様…お父様ぁ!!」 ――大切な欠片を、弄ばれた憎しみから。 「やなの…何…これぇ…」 「なにか…くるっかしら…!!」 「「らめえええ!!」」 ――あるいは、純粋な少女を、汚してみたいという欲望からか… ――けれど、一時は…絆を、確かめ合いたい。 この一瞬を、大切に、覚えておくために… 「ずぅっと…一緒ですよ、蒼星石…!!」 Blue Roze ~薔薇と誓いと口付けと~ 成人向けゲーム 価格未定 ついに発売決定!! 豊富なキャラクターと繊細で可憐なグラフィック!! 薔薇乙女の辿ってきた記憶の一つ…その扉を、貴方の手で、開いてください。 主要キャラは全部で12人!! 更に原作ルートとアニメルートに別れてプレイが可能に!! ―原作ルート主要キャラ― 蒼星石、翠星石、雪華綺晶、水銀燈、真紅、雛苺、金糸雀、巴、めぐ、みっちゃん、オディール ―アニメルート主要キャラ― 蒼星石、翠星石、薔薇水晶、水銀燈、真紅、雛苺、金糸雀、巴、めぐ、みっちゃん ストーリー、キャラが異なる二つのルート。双方全員完全攻略を目指せ! ―限定版― 価格未定 限定版のみ、本ソフト一本に加え、『Blue Roze~記憶と白の海~』のセット! ゲームスタッフが創りあげた、切なくて胸が熱くなる…超感動オリジナルストーリーソフトです! ―予約特典― 特製蒼星石フィギュア スタッフの想いが詰まった限定版、ぜひ手に入れてください!! ――翠星石は優しく微笑みながら言った。 「私たちはずーっと一緒ですよ、蒼星石」 「よし、結婚だ!」 ――水銀燈は妖しく微笑みながら言った。 「蒼星石、貴女のこと好きになりそうだわぁ」 「よし、重婚だ!」 ――雛苺は無邪気に微笑みながら言った。 「蒼星石、大好きなの~♪」 「よし、翠星石と水銀燈と雛苺と僕のハーレム決定だ!」 蒼星石の意見に異論を唱える者はなく、 その後4人は幸せに暮らしたそうな。 紅「蒼星石、恐ろしい子!」 紅「うーん…」 リビングのソファに一人陣取る真紅。 右手でDVDのリモコンを操作しアニメを流し見、左手では原作の単行本を捲る。 翠「どうしたですぅ…?そんなに唸って…」 翠「って、やけにせわしないことしてるですねぇ」 紅「新刊のネタが思いつかないのよ…何かいい案は…」 翠「そんな無理に考えなくても…」 DVDも終盤に差し掛かろうとした頃。 紅「ハッ――――!閃いたわ!!」 翠「?どんなのですぅ?」 紅「ふふふ…聞いて驚かないことね…」 紅「その一!「原作蒼星石×アニメ蒼星石」!!」 紅「その二!「アニメ一期水銀燈×オーベルテューレ水銀燈」!!」 紅「この二つ!!この二つの二本立てでいくわ!」 翠「は…はぇ…??」 呆気にとられた顔で翠星石。 翠「そ…そんなネタ、アリですかぁ…!?」 紅「やおいネタでの例えになってしまうけど、(ピ---)では、」 紅「「アニメOPの(ピ---)×本編の(ピ---)」というネタを考え付いた猛者が居るというわ」 翠「そ…それは何とも腐女子の極みですぅ…」 翠「じゃ…じゃあこのネタもアリ…なんですかねぇ…??」 金「アリ…じゃないかしら…?」 雛「アリアリなのー」 雪・薔「アリアリ!!」「…アリアリ…」 紅「じゃあ次の本はこのネタで決定なのだわ!!」 銀・蒼「ないわよぉ!!」「ないから!!」 紅「腐女真紅保守だったわけだけど…このスレ的にこのネタはありなのかしら?」 銀・金・翠・蒼・雛・雪・薔「ないない。それはない。」 翠「この本面白いですぅ」 真「ホントだわ」 銀「流石蒼星石ねぇ」 金「カナには刺激が強かったかしらー」 四体のドールがホラー系の小説の感想を言い合っている 雛「雛も読みたいのー!」 蒼「はい」 雛「うゆ?雛日本語読めないの・・・」 翠「あーはっはっはっ!!流石お馬鹿苺です」 蒼「いや池沼苺に改名したほうがいいよ」 銀「脳みそはジャンクそのものねぇ」 真「こんな奴隷を持って恥ずかしいのだわ」 金「全くいつも付き合わされるカナの身にもなって欲しいかしら」 雛「う・・うゆゅ・・みんな酷いの・・・」 雛苺は泣き出してしまった 蒼「はいはい池沼苺のために仕方ないから読んであげるよ」 雛「びええええええん!!怖いのー!」 翠「じゃあ最初から聞くなですぅゴミ苺」 プロローグ 「はぁ…はぁ…」 ――喉が、あつい… 一人の少女が、森の中に倒れ込んだ。脚はひどく傷つき、衣服はぼろ切れのようになっている。 荒い呼吸が静まり、少女の倒れているところ一面には、血と思われる朱が、広がっている。 拙い寝息が聞こえる頃、木陰から幾つもの話し声。 「…こんなとこにぃ…女の子ぉ?」 「珍しいわね…」 「とりあえず…家…運んじゃう…?」 「…ん…」 少女が、瞼をあげた。 視界に広がるのは、殺伐とした森ではなく、暖かい…暖炉? 「あー!起きたのー!」 突然聞こえてきた、元気な女の子の声。すると奥の扉からは、6人の少女が揃ってやってくる。 「おはよぉ、お嬢ちゃぁん」 「どこか痛い処などございませんか?」 「今おかゆ作ってるかしら!」 ――目をぱちくりとさせ、次々と言葉を発する少女たちを見つめる。 「あら、この子、オッドアイ…?」 そこへまた一人、お盆を抱えた少女――緑を基調とした服装に、綺麗な長髪の――が走ってくる。 「おかゆ作ってきまし……」 少女の姿を見るなり、お盆を落として駆け寄ってきた。 「……蒼星石…!?」 「すい…せいせき…?」 ――二人の想いが、今、交差する… 「いばらの森とみちしるべ」 カミングスーン! な / ______ ぁ 訳/  ̄ヽ ぁな / \ ぁ い レ/ ┴┴┴┴┴| \ ぁ じ / ノ ヽ | ヽ ぁ ゃ ―( 。)-( 。)-| | んぁ ⌒ ハ⌒ | / !ぁ> __ノ_( U )ヽ .|/ ん |ヽエエエェフ | | \ | ヽ ヽ | | | √\ ヽ ヽエェェイ|/ \ `ー― /ヽ 蒼と翠は今日もイチャイチャぱこぱこどぴゅっどぴゅっ♥ そんなところに水銀燈がいつものように 「ローザミスティカちょうだぁ~い」とやってきた… 「ヒッヒッヒ…飛んで火にいる夏の虫とはまさにこのことですぅ…」 「たっぷり楽しませてもらおうか…君のローザミスティカをいただいてね!(勿論下の)」 「「ゆっくりイっていってね!!」」 蒼「翠星石、今日のW杯アジア予選の相手の名前しってる?」 翠「どこですぅ?」 蒼「オマーン国っていうんだって」 翠「///・・・あ、姉をからかうんじゃねーですぅ!」 蒼「いや、本当だよ。オマーン国」 翠「///(こんな子でしたっけ?)」 真紅「水銀燈、ちょっとココ、読んでみてほしいのだわ」 水銀燈「なによぉ、日本-オマーン?」 真紅「おっしゃおらあああああああああああああああ」 紅「水銀燈♥」 銀「真紅ぅ♥」 翠「蒼星石ぃ♥」 蒼「なんだい、翠星石♥」 金「ヒナ♥」 雛「カナ♥」 薔「…きらきー姉ちゃん…♥」 雪「ばらしーちゃぁん♥」 J「…僕の部屋がデートクラブに…。…テレビでも見てこよ…」 巴「のりさん…」 の「巴ちゃぁん…♥」 J「…この家に僕の居場所は無いのか…」 紅「今度の新刊はマリみての可南子×瞳子でいくのだわ」 蒼「真紅…なんでああなっちゃったんだろうね…」 翠「完全に堕ちてしまったですぅ…」 銀「だめねこれは…早く何とかしないと…」 雛「もう手遅れなのー」 ばらしー「私は…ローゼンメイデン第七ドール…薔薇水晶…」 雛苺「え?どーでんべいでん?だいななどーどぅ?なんて?」 ばらしー「………。」 真紅「…あの子はちょっと舌っ足らずなだけなのだわ。 あまりからかうと可哀想なのだわ。」 ばらしー「…別に…気にしてないです…。」 雛苺「え?べとぅに?なんて?」 ばらしー「………。」 翠「あー!」 蒼「どうしたの?」 翠「真紅から借りた本に紅茶を零してしまったですぅ…」 蒼「あーあ借り物なのに…」 翠「どうしよう…」 蒼「素直に謝るしかないよ」 翠「うう…」 結局謝った。 紅「あら、そう」 翠「そう…って、怒ってないですか?」 紅「大丈夫よ。それは布教用だから」 翠「布教用?」 紅「他に使用用、観賞用、保存用とあるから大丈夫なのだわ」 翠(こ、これはいわゆるオタク買いというやつですか…) ほふくぜんしんする雛苺w 銀「そんな格好で何してるのぉ?」 雛「しーっ、なの」 銀「?」 蒼「翠星石、今日も美しいよ…」 翠「蒼星石ぃ…」 銀「…ああ、なるほど…」 雛「ラブラブなのよー」 銀「いつもいつも飽きずによくやるわねぇ…」 雛「ヒナ達も負けてられないのー」 銀「え?」 雛「ヒナ達もラブラブするのー」 銀「ちょ、ちょっといきなり抱きつかないでよぉ…。…まぁ、いいけどぉ」 二組ともラブラブ 蒼「翠星石、今日も美しいよ…例えるなら君はビーナスの生まれ変わりのようだ…」 翠「蒼星石ぃ…恥ずかしいですよぉ…」 蒼「何も恥ずかしがる事は無いよ。だって、君がいるだけで世界はこんなに美しいバラ色に輝いているようなんだもの…」 翠「…うれしいですぅ…」 紅「…ひーっ、ひっ…ひぃ…! お、お腹がよじれるのだわ…!」 銀「ぷっく…! 世界がバラ色って、バラ色なのは蒼星石の脳味噌よぉ…あーおかしぃ…!!」 金「下手なお笑いより面白いかしら…あーははは…!」 雛「わ、笑いすぎて息が出来ないの…きゃははは…!」 この蒼星石は絶対口に薔薇咥えてる。
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水「ちょっとぉ何で私がこんな地味な作業やらなきゃいけないのよ」 蒼「 仕方ないよ水銀燈 今日は授業半時間しか終えてないんだから」 JUN「 先生~こんな夜中に補修授業なんてあんまりだよ」 ローゼン「本当だったら今夜は薔薇ちゃんとh」 チャキ… 雪華綺晶が【S W M36(M60)】 注)《1950年に、S&W社が携行性が高い拳銃を目的に開発した小型拳銃。 最小サイズとなるJフレームを使い、通常の6連装から1発減らして5連装にした結果、ポケットに収まるほどの小型になり、警官などが非番時などの護身用として愛用した。》 をばれない様にローゼンに向けたが幾重にも雪華綺晶に命を狙われてるため感覚が鋭くなり危険を察知し、薔薇水晶から離れるローゼン。 ローゼン「うん みんなで今日の補修授業を早く終えちゃおう」 巴「でもなんでこんな夜中に補修をおこなうんですか?宿題を出して本来やる範囲まで終えれば良いのではないですか?」 真紅「馬鹿ね これは今日やらなきゃいけないのよ だってこれは補修授業ではないのよ」 雛「保守(補修)授業なの~~」 保守促進ネタ
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ラプラス「やっときましたね。おめでとう! このげーむを かちぬいたのは きみたちがはじめてです」 真紅「げーむ?」 ラプラス「わたしが つくった そうだいな ストーリーの おにごっこです!」 真紅「どういうことなのだわ?」 ラプラス「わたしは へいわながくえんに あきあきしていました。 そこでローゼンをよみだしたのです。」 真紅「なにをかんがえているのだわ! 」 ラプラス「ローゼンは がくえんをみだし おもしろくしてくれました。 だが それもつかのまのこと かれにもたいくつしてきました。」 真紅「そこで おにごっこ・・・?」 ラプラス「そう!そのとうり! わたしは ローゼンを ほかくする ヒーローが ほしかったのです!」 真紅「なにもかも あなたが かいたすじがきだったわけね。」 ラプラス「なかなか りかいが はやい。 おおくの モノたちが ローゼンをほかくできずに きえていきました。 だつらくすべき うんめいをせおった ちっぽけなそんざいが ごひゃくまんえんのために ひっしになる すがたは わたしさえも かんどうさせるものがありました。わたしは このかんどうを あたえてくれた きみたちにおれいがしたい! どんなのぞみでもかなえてあげましょう。」 真紅「おなたのために ここまできたんじゃないのだわ!よくも わたしたちを みんなをおもちゃにしてくれたのだわ!」 ラプラス「それが どうかしましたか?すべては わたしが つくった モノなのです 真紅「わたしたちは モノじゃないのだわ!」 ラプラス「きょうとうに ケンカをうるとは‥‥どこまでも たのしい ひとたちだ! どうしても やるつもりですね これも きょうしのサガか‥‥ よろしい くびになるまえに きょうとうのちから とくと めに やきつけておけ!! 」
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はぁ、はぁ……良かったー、なんとか1回目のチャイムに間に合ったよ。 蒼星石と話をしながら来たから回り道したんだよなぁ~ってアブナイ!! 遅刻しそうになったジュンは階段を走り、そのまま勢いよく廊下に飛び出る。 そこに水銀燈のクラスからフラリと出てきた翠星石とぶつかった。 「うぅ~、いったいですぅ~。気ぃつけやがれですぅ!!」 「ゴ、ゴメンなさい…って翠星石かッ!」 「ジュ…ジュン!?」 偶然とはいえ目の前にジュンがいる。 翠星石にとって今日1日はジュンと目を合わせたくなかった。 しかし今、こうして手をほんの少し伸ばせば触れられる位置にジュンがいる。 それもいつもの笑顔で尻餅をついている翠星石に手を差し伸べている。 一瞬、差し伸べられている手を取りそうになる翠星石だが、すぐに澄ました表情でジュンの顔を見ずに立ち上がると無言のまま教室に戻った。 あれぇ~? どうしたんだろ翠星石…いつもなら怒ってくるのに… まさか、マジで怒ってるのかな?でも廊下でぶつかったくらいであんなに怒るはずないよなぁ~? ジュンはヤリ場の無くなった手を引くと、不思議そうに頭をかきながら教室に入っていった。 まだ授業が始まっていないため生徒達の話し声が教室の中を行きかう。 その会話に混じってジュンに挨拶をする真紅の声が聞えた。 「おはよう…ジュン…」 「あ、あぁ、おはよう」 今朝すでに2人は、おはようと言い合ったはずなのに今こうして改めて声を掛け合っているのに気付き、互いに少しうつむく。 しかし、その不自然さに真紅がクスッと笑うとジュンも顔を上げて笑い出す。 そんなジュンと真紅の軽い笑い声に言葉はいらなかった。 そして授業が始まり、教室の雑音が極端に少なくなってもとなりどうしのジュンと真紅は小さな声で何やら話し、時折クスッと笑っている。 いつもなら、そんな時は決まって後ろの席に座る翠星石がチョッカイをかけてくるのだが、今日は何もしてこない。 それどころか意図的に2人の方を見ないようにしている。 それに気付いた真紅はジュンとの会話の中で翠星石のことについて質問する。 「ねぇ、ジュン。今日の翠星石はどうしたの?」 「あぁ、僕もオカシイと思っているんだよ、なんだか怒ってるみたいで」 「なにか心当たりってあるかしら?」 「さぁ、さっき廊下でぶつかった事くらいしか思いつかないよ…」 いくら2人と席が離れているとはいえ翠星石の耳には微かにジュンと真紅の話し声が聞える。 いや、聞えると言うよりも顔は違う方向を見ながら、意識して2人の会話を聞いていたといったほうがいいだろう。 しかし席がやや離れているため詳しい会話の内容までは聞き取れない。 だが、時折2人の会話の中に自分の名前が含まれているのは聞き取れる。 なんですぅ! 翠星石の何を話してるですかぁ~!! 普段の翠星石ならこんな感情など持たないだろう。 しかし今の翠星石はジュンと真紅に対して怒りを感じ始めていた。 それは明らかに嫉妬から怒りへと心境が変化した瞬間であった。 そのため翠星石は授業が終わり、教室に騒がしさが戻るとすぐに教室から姿を消し、次の授業が始まる直後に戻ってくるといった行動を取り始めた。 その間、ジュンと真紅は何度か翠星石に話しかけたが、帰ってくる言葉は短く素っ気無いものばかりであった。 そしてそのまま午前の授業は終わり昼休みに入った。 「もしもし…あぁ、水銀燈? えぇ、どうしたの?」 「どうしたの?じゃないでしょぉ~。曲ができたのよぉ~って翠星石から聞いてなかったのぉ~?」 「えっ、な、何も聞いてないのだわ」 「そぉ?翠星石もそこにいるんでしょぉ~?早くみんなで部室に集合よぉ」 「解ったわ、でも翠星石はここにはいないわ…」 「ふぅ~ん、部室に向かってる途中ぅ?まぁいいわ、すぐに私が翠星石に電話するからぁ、真紅もすぐに来てねぇ~」 もう、真紅もジュンも知らねぇですぅ…蒼星石も水銀燈も金糸雀も、みんなみんな大っ嫌いですぅ!! 昼休み時の楽しそうな声が聞えてくる中で翠星石は一人、だれもいないテニスコートのベンチに腰をかけて両膝を抱いていた。 「おかしいわねぇ~、翠星石ったら電話が通じないわぁ」 「どういう事かしら、この学校で圏外になる所ってあるかしらぁ?」 「圏外ぃ? あぁ、あの場所ねぇ~」 水銀燈は金糸雀のいった圏外に心当たりがあった。 以前、ローゼンメイデンの母体である軽音楽部の部室がまだ無かった頃、水銀燈はよくテニス部の部室で授業をサボっていたのだ。 そこは校舎と他の建物や山などの位置関係なのか極端に電波が届かなかったことを思い出した。 「まったく、テニスなんかヤッてる場合じゃないのに~、ちょっと翠星石を連れてくわぁ~、真紅が来たら曲のイメージだけでも言っておいてぇ」 「解ったかしらぁ~」 水銀燈は部室を出るとまっすぐテニスコートに向かった。 それから数分後、真紅とジュンが部室に姿を見せる。 あらぁ、なぁに? あの子ったら一人で何をヤッてるのぉ~? 水銀燈がテニスコートで見たのは抱えた膝に顔を埋めて泣いている翠星石の姿であった。 それは建物の影で体を丸め、弱々しく泣きじゃくる子猫のようにも見えた。 す、翠星石ぃ……? 思いもしない場面にでくわした水銀燈はそっと翠星石に近寄る。 冷たい北風が泣きじゃくる栗毛色の髪を乱す。 そんな髪を直すことなく声を殺して、ただ今は細い肩を揺らして泣いているだけ。 水銀燈はそっと翠星石のとなりに座ると無言で乱れた髪を撫でた。 「うぅ、グスッ…さ、触るな…ですぅ…グスッ」 「フフッ、泣くか怒るどっちか、どっちかにしなさい」 「な、泣いてなんかねぇですぅ…グスッ」 翠星石は膝に顔を埋めたままで髪を撫でる水銀燈の腕を振り払おうとするが、反対にその手をつかまれてしまう。 それでも始めは、つかまれた手をどうにかしようと弱々しくも抵抗を試みる。 しかし水銀燈はそんな翠星石の手を握ったまま自分のほうへグイッと引き寄せて嗚咽に震える細い肩を抱いた。 「何があったか知らないけどぉ、強がるのはヤメなさぁい、子猫ちゃん」 「す、翠星石は…グスッ、な、泣いてなんかねぇですぅ…うぅ、うぅ…」 Illust ID VrCrFKAKO 氏(112th take) 「はいはい、泣いてないわねぇ~、翠星石は強い子よねぇ~」 「そ、そーですぅ、翠星石は強い…強い子なので…うぅ、うぇぇぇ~~ん」 抱かれた肩が鳴き声と共に大きく揺れる。 水銀燈はそんな翠星石の肩をより強く抱きしめた。 それは優しくてとても温かみと安心感があったのか、いつしか翠星石は埋めていた顔を膝から水銀燈の胸に変えて声を出しながら泣いていた。 そうなのぉ…まさか真紅があのままジュンの家に泊まったとはねぇ… 一通り泣いた翠星石から今回の訳を聞いた水銀燈は、あの時ムリをしてでも雨の中を走って真紅を迎えに行けば良かったと感じた。 しかし同時にあの真紅が簡単に男女の境界線を越えるとは思えなかった。 確かに今回のは私にも原因があるわぁ……それにこのままだとバンドは解散になっちゃうわねぇ~。 ようやく泣き止みつつある翠星石の背中をさすりながら考える。 そして水銀燈はベンチから立つと冷たい北風の中で泣いていた翠星石に暖かい飲み物を買ってくると言い残して自販機のほうに向かって歩き出す。 コクッと言葉なく頷いた翠星石は、ようやく涙を拭う。 「もしもし、あぁ水銀燈? 今どこにいるの?」 「ねぇ、真紅ぅ、ちょっと聞きたいんだけどぉ~」 水銀燈は自販機でホットカルピスのボタンを押しながら携帯電話で真紅と話しはじめた。 「ねぇ、昨日の夜ぅ、貴女どこにいたのぉ~?」 「えっ……そ、それは…」 突然の質問に答えが出てこない真紅は言葉を詰まらせたまま何も言い出せなかった。 「ふぅ~~ん、やっぱりそぉ~なの? 泊まっちゃったんだぁ~」 「………」 「で、もしかしてぇ~~何かあった訳ぇ?」 「な、何を言ってるの、私は何も…そんなことないのだわ!」 水銀燈の言葉に真紅はジュンの唇を感じた一瞬を思い出すと、「何も無かった。」とは言い切れない真紅がいる。 「私は真紅とジュンを信じてるけどぉ、本当に何も無かったのぉ?」 「…な、何も……そんな…」 「まぁ、いいわ信じてあげるぅ、でも話があるから昼休みが終わったら そのまま部室に残っていてほしいわぁ」 「部室?」 「そうよ、詳しい話はその時にするからぁ、あっ、話は私と真紅2人っきりよぉ~、イイ?」 「わかったわ」 「じゃ、また後でねぇ~」 そういい終わると真紅と水銀燈は同時に電話を切る。 しばらく携帯のモニターを見つめる真紅の後姿をジュンと金糸雀は心配な顔付きで眺めていた。 「なぁ真紅。今の電話は?」 「水銀燈かしら?それとも翠星石かしらぁ?」 「い、家の用事よ…」 携帯を制服のポケットに仕舞い込む真紅を見てジュンは、今言った言葉がウソだと直感的に解った。 おそらく金糸雀もそう感じただろう。 そのため部室にはどこか重い空気が漂い始めた。 その頃、水銀燈に貰ったホットカルピスを頬にあてて温もりを感じながら翠星石はベンチに座って北風に流される雲をただぼんやりと見ていた。 そしてチャイムが鳴った後、ジュンと金糸雀には家に電話をするから授業は遅刻すると言い残し、部室に残った真紅。 そこに少し遅れてやってきた水銀燈は音を立てないようにドアを閉めた。 「おまたせぇ~」 「話ってなんなの?水銀燈」 「フフッ、いろいろ聞いてみてもイイ~?」 「聞く? 私に何を聞きたいというの?」 「もちろんバンドの事よぉ、TV出演の期限が近付いていることだしぃ~~」 水銀燈はそう言いながらロッカーの中に隠している灰皿とタバコを出すとジョーカーに火をつけ、フゥ~っと煙を漂わす。 そして言葉を続けた。 「ねぇ真紅ぅ、今のままで私達のバンド、うまくヤッていけると思う~?」 「バンド…?」 「そぉ、バンドよぉ~」 真紅はいまいち質問の意味が解らなかった。 有栖川神社で行われたライブでも圧倒的に観客をひきつけたのは間違いなくローゼンメイデンである。 しかもそのライブ映像が24時間テレビで全国に流れるとTV局、ならびに数社のレーベルからコンタクトが入りだした。 そのことで真紅達はローゼンメイデンというバンドに大きな自信を感じていたのは確かである。 「どういう意味なの?水銀燈、質問がよく理解できないわ」 「ねぇ、真紅ぅ……演奏中に音程がズレたら、音がかみ合わなくなったらどうするぅ~?」 「修正していくわ、当然でしょ」 「じゃ、修正してもぉ、ぜんぜんダメな時はどうするのぉ?」 「どうするって…ねぇ水銀燈、貴女なにが言いたいの?はっきり言って頂戴」 どうも的を得ない質問に真紅は少し苛立ちを感じながら言った。 それに対し水銀燈はジョーカーの煙を天井に向かってフゥとはきながら静かに言葉をだす。 「今朝ジュンの家から帰るところを…翠星石に見られていたのに気付いてたのぉ~?」 「…えっ!!」 突然のセリフに真紅は驚き何も言えない。それどころか思考そのものが止まった感覚すら覚えた。 「貴女もぉ、翠星石の気持ちって気付いていたんでしょぉ~? まぁ貴女もジュンの事を意識しているのは解ってたけどぉ、正直どうなのぉ?」 まさか今朝のことを翠星石に見られていたとは思いもしなかった真紅は水銀燈の質問に言葉が出ない。 「…わ、私は………」 「まぁ、それは貴女と翠星石、そしてジュンの個人的な問題だから私はあまり口を挟むつもりはないけどぉ~、 ねぇ真紅ぅ、翠星石、泣いていたわよぉ~、 たぶんこのままじゃバンドは解散ねぇ……」 「そ、そんな……私は…」 水銀燈の言葉に真紅はただ言葉を無くし、うつむいた視線は足元に落ちているピックを見つめるだけ。 「最悪、バンドか男かを選ぶのは貴女と翠星石だからぁ~、 でもねぇ、その 両方を取るなんて多分できなわよぉ~、 これと同じことは翠星石にも言ってあるしぃ~、後は貴女達で決めなさい」 そう言うと水銀燈は短くなったジョーカーをもみ消し、出口に向かって歩き出した。 ドアに手をかけて部室から出て行こうとする水銀燈は最後に振り向きながら俯く真紅に向かって声をかける。 「あっ、そうそう、もし解散なら声をかけてねぇ~私の知らない間に解散だったなんてバッカみたいだからぁ~ フフッ、それと午後の授業はサボるから金糸雀に言っておいてねぇ~~、じゃぁねぇ~」 それだけ言うと水銀燈は部室を出て行く。 そして独り残された真紅はピックを見つめながら寒い北風が窓を叩く音を聞いていた。 (以下執筆継続中) (6)に戻る/長編SS保管庫へ/(8)に続く
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Story ID ybJevJis0 氏(79th take) ピピピピ……ピピピピ……かしゃんッ! 「――ん―――ふああ…」 耳障りな目覚まし時計を止めて、今もなお布団の暖気を求めている身体を無理やり起こした。 一応時計の針を確認する……短針が向いている方向には数字の7。 ―――うん、予定通りだ。指示された時間まではまだ6時間もある。 「ふわ……よく寝たのだわ…」 寝ぼけ眼をこすりながら、私はモーニングティーの準備をするべくキッチンへと向かった。 【美人で賢い真紅さんも時にはミスをする】 そう、今日は生放送の音楽番組「ミュージックスタビライザー」(通称Mスタ)に出演する日なのだ。 番組自体は夜の7時から始まるのだが、実際に出演者が集まるのは当日の午後1時。 リハーサルなどの時間を十分に取るために、出演者は番組開始の6時間前にはスタジオ入りしていなければならないのだが、もちろん、この聡明な私……真紅が集合時間に遅れるようなミスを犯すはずは無い。 集合時間の更に6時間前に余裕を持って起きられるように、目覚ましをセットしておいたのである。 「完璧主義の私だもの、これくらいは当然よね。 ――ああ、朝はやっぱりストレートのホットに限るわ。紅茶の香り……最高ね…」 鼻の粘膜が刺激されて頭がはっきりとしてくる。 そしてリビングの窓に腰掛けて、朝日を眺めながら淹れたての紅茶を一口。 紅茶党の私の朝はこうして始まるのだ。 窓へと近づいていく。カーテンを開ければ、眩しいばかりの朝日が私を迎えてくれるだろう。 「さあ――今日も一日、頑張りましょう」 私は窓枠に腰を下ろして、カーテンに手をかけた。 カシャーッ! 「…………朝にしては………………随分と外が…………暗いのだわ……」 仮に天気が曇りだとしてもこれは……いくらなんでも暗すぎではないか? 第一、空では無数の星が瞬いて――――あら?星? 「………………ま……まさか……いえ、そんな馬鹿な…………」 カタカタと震えが止まらない手でリモコンを取り、(左手に持っている紅茶は、手の震えで既に中身の半分以上が床にこぼれてしまった) テレビのスイッチを入れる。 ピッ 『――こんばんは!ミュージックスタビライザーの時間です! 最初に曲を披露してくれるのは実力派ロックバンド、ローゼンメイデンの皆さんで――――あれ? メインボーカルを務めている真紅さんの姿が見えませんが……』 『…真紅は……たぶん寝坊しt「わしっ」………んー、んー……』 『馬鹿!薔薇水晶何言ってるですか…!え、ええっとですね、真紅はその…』 『あの、その…………ス、スタジオのみんなを驚かすためにこの後登場する予定なのよ…』 『そ、そうなのよぉ…あの子ったら普通に登場してもつまらないからって言って、 それでぇ………ほら、蒼星石も何か言いなさいよぉ……!』 『ええ!?ぼ、僕!?そんな、いきなり振られても……えと、あの、その、 し、真紅は…………あ、後で来るのでそれまでみんなでトークとか………』 ――そういえば―――さっきからずっとドアを叩くような音が聞こえている気が―――― ドンドンッ、ドンドンッ 「シンクー、タノムカラドアヲアケテホシイカシラー。モウバングミガハジマッチャッテルカシラー」 ――――ゆっくりと、優雅にすら見える動作で、 既にその中身のほとんどが床へと移動してしまっているティーカップをテーブルに置く。 私は叫んだ。 「ちょwwwwww夜7時wwwwwwwwwww人生オワタノダワ\(^o^)/」 そしてそのまま、私の意識は急速に闇の中へと失われていった―――― “Shinku s mistake”closed. 短編SS保管庫へ
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運動部 アーチェリー部 顧問:蒼星石 ラプラス 新部活アーチェリー部 ローゼン逃亡劇とアーチェリー部 射撃部対アーチェリー&剣道部 アウトドア部 顧問:金糸雀 空手部 顧問:蒼星石 剣道部 顧問:蒼星石 巴と剣道部 恐怖の顧問 (剣道部) 合宿と言う名の… 射撃部対アーチェリー&剣道部 射撃部 顧問:雪華綺晶 雪華綺晶と射撃部 まるでレジスタンス! 射撃部きらきー特殊部隊 沈黙の学校 ローゼン大掃除 射撃部突撃隊&親衛隊とローゼン探索 水銀燈vs雪華綺晶 翠星石の蒼星石 姉妹の激闘 未遂 異常な愛情 マウスハント 射撃部対アーチェリー&剣道部 水泳部 顧問:水銀燈 ウォーターカーニバル 誰かのために 真・水泳部、始動 天秤 真夏の夜の夢 卓球部 顧問:金糸雀 金糸雀と卓球 野球部 顧問:未定 蒼星石と野球部 文化部 囲碁部 顧問:金糸雀 演劇部 顧問:雛苺 雛苺と演劇部 翠星石と演劇部 科学部 顧問:金糸雀 発掘 合唱部 顧問:金糸雀 郷土研究会 顧問:金糸雀 郷土資料研究会は楽じゃなかった・・・・・・ 自然科学部 顧問:金糸雀 茶道部 顧問:真紅 写真部 顧問:金糸雀 将棋部 顧問:金糸雀 書道部 顧問:蒼星石 新聞部 顧問:金糸雀 吹奏楽部 顧問:金糸雀 金糸雀と吹奏楽部 新入生誘致大作戦 旋律 心に響く音楽 パソコン部 顧問:金糸雀 美術部 顧問:雛苺 雛苺とオタク美術部員 ヒナの日記 文芸部 顧問:真紅 兵器研究部 顧問:雪華綺晶 部活動設立 放送部 顧問:薔薇水晶 金糸雀の暴露話 ボランティア部 顧問:金糸雀 ボランティア活動をしよう 料理研究会 顧問:翠星石 翠星石の弁当と転校 料理研究会 映画愛好会 顧問:ローゼン 映画を作ろう なぜなに有栖学園 複数 有栖学園の学園取材 有栖学園の学園取材~その2~ 部活動の悩み 部を作ろう
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「ジュン、紅茶を煎れてきて頂戴。ジュン、ジュン…聞こえているの? ねぇジュン!!」 「痛ぇッ!!…何するんだよ~いきなりステッキで後頭部を殴るなんて」 「私の声を無視したジュンがいけないのだわ」 「あぁ、イヤホンしてたから聞こえなかったんだよ」 「いやほん?どんな本なの?」 「ほ、本じゃないよ、コレを耳に入れて音楽を聴くんだ、ホラ付けてみろよ」 「うよぉ~、凄いの~。くんくん探偵の曲がガンガンなのぉ」 「えっ、くんくん!!ちょっと雛苺、私にも聴かせなさい」 「あぁ~ん真紅ぅ、ヒナまだ最後まで聴いてないの~」 「あぁ~くんくんの曲が私の耳に直接流れ込んでくるわ……あら? ねぇジュン。この曲はいつのもくんくんとは少し違うようだけれど?」 「あぁ、これはくんくんの曲をロック風にアレンジしたバージョンなんだ。 さっきいろんなサイトを見ていたら発見したんだよ」 「ロック?ロックって何なの?」 真紅のいつもとは違う真剣な眼差しに少したじろぎながらロックについて解り易く 説明をしているサイトを開いて真紅と雛苺に見せた。 青い目をキラキラさせながらロックの誕生から読みふける真紅と雛苺。 その2人、いや2体の只ならぬ真剣さから僕はイヤな予感がした。 「この説明文によるとロックは練習したら私達にも演奏できるのね」 「うわぁ~い、ヒナもロックしたいのぉ~くんくん歌いたいのぉ~」 「いや、バンドを組むって言ってもお前たち人形に合う楽器なんて無いじゃないか」 「そんな…ヒナはロックバンドってヤッてみたいのぉ、のぉ、のぉ、のぉ!!」 「私もバンドをしたいのだわ、だわ、だわ、だわ、だわ!!」 「あぁ~うるさーい!!最低でもドラム、ギター、ベースがいるぞ、お前ら 2人だけならカラオケになってしまうだろー!!」 「あっ、それなら翠星石と蒼星石と金糸雀を入れたらイケそうなの~」 「そうね、それに金糸雀はバイオリンが弾けたはずだわ、同じ弦楽器だもの ギターかベースもできるはずなのだわ」 「ん、そうか金糸雀とかいうのはバイオリンが弾けたのか。 つーか肝心の楽器はどうするんだよ?」 「nのフィールドのどこかにあるはずよ、雛苺、いますぐnのフィールドで楽器を 探してきなさい」 「はいなのぉ、了解なのぉ~!!」 なんだ、この連帯感は?いつもなら用事を言いつけられたらグズる雛苺が自分から進んで出て行ったぞ。しかし僕が感じてるイヤな予感はこんなものじゃないけど、なぁぁぁぁぁー!! ――――ガシャ~ン!! これか、これがイヤな予感だったのか!!窓ガラスが割れる音と共に僕の頭にクリティカルヒットしたカバンから性悪人形姉妹が現れた。 「おはよーですぅ、真紅とチビ苺とチビ人間がヒマしてると思って 遊びに来てやったですぅ~」 「おいッ、毎回毎回ガラス割りやがってェー!それに僕の頭を狙って 飛んできてるだろー!!」 「ゴメンねジュン君。僕はいつも止めようって言ってるんだけど翠星石が 言う事を聞かなくて…ん、雛苺の姿が見えないけど、どーしたの?」 「下でテレビでも見てるですかぁチビ苺は?」 「雛苺はnのフィールドで探し物だわ」 「nのフィールド? そこで何を探しているの?」 「ロックバンドに必要な楽器よ」 「ロックバンドぉ?」 「楽器ですぅ~?」 「そうよ、バンドなのだわ。今から2人に説明するからよく聞いて欲しいのだわ… それとジュン。私と翠星石、蒼星石の紅茶を煎れてきて頂戴!」 「はい、はぁい!!」 僕がいつものように紅茶を煎れて部屋に戻ると信じられない光景が広がっていた。 そんな簡単に見つかるはずはないと思っていた楽器があるではないか。 しかも翠星石だけではなく蒼星石もヤル気まんまんの顔をしている。 そして僕の知らない所で新たな事態が進行していた。 真紅達がバンド結成に向けて盛り上がっている頃、草笛みつのマンションでは… 「ねぇねぇカナぁ、そのバイオリンを弾いているの見たことがないんだけど、 カナの演奏みっちゃん聴いてみたいなぁ~」 「うぅ、それがダメなのよみっちゃん。カナはこのバイオリンもそうだけど 全ての弦楽器を弾いたら超音波で周りの物が壊れてしまうかしらぁ~」 「えぇ~、そのバイオリンって兵器だったの!? じゃ、コレなんかは大丈夫なの?」 「あぁ、カナにピッタリの大きさのピアノかしらぁ~」 「フフ、私の知り合いのドール愛好家が手作りで作ったカナサイズのピアノよぉ~、 早く弾いてみて弾いてみて」 「じゃ、弾くかしらぁ~」 ~♪~~~♪~~~~~~♪♪~~♪ 「きゃーーーカナぁ、凄いぃぃ~巧みにピアノを弾くカナ最高ぉぉ!!」 「うごぉぉ~み、みっちゃん、、そんなにキツク抱きしめたら中身が出ちゃうかしらぁぁぁ」 「もうカナって最高過ぎるわ、でも他のローゼンメイデンも楽器とかできるのかなぁ~?」 「そ、それよみっちゃん!!たぶん真紅達は楽器なんて芸術性のある教養なんてもってないかしらぁ。そこでカナがこのピアノを持って真紅達の前に表れる。そして美しい旋律を 奏でる、これで真紅達はこの金糸雀には頭脳だけでなく感性でも劣っていると思うはずよ~ さっそく今からカナの実力を見せつけに行ってくるかしらぁぁ~!!」 金糸雀がピアノをもって真紅達の部屋に向かおうとしている頃、めぐは窓際に座る水銀燈に歌をうたっていた。 「からたちの花が咲いたよ~♪」 「フンッ!!」 「どうしたの水銀燈?」 「その歌ばかりじゃない、もう飽きたわぁ」 「す、水銀燈……」 「ほぉんとバカの一つ覚えってよく言ったものね、何か他に歌えないのぉ?こう、 私の胸を熱くさせるような歌ぁ」 「ざわわ~ざわわ~♪ さとうきび畑は~♪」 「バッカじゃないの? 悲しくなる歌をうたってどーするのよッ!! 私は熱くなる歌が聴きたいのよぉ。フンッ、もういいわッ」 「あぁ、まって水銀燈、KOTOKOでも歌うからぁぁ~水銀燈ぉぉぉ~」 あぁ~あッ、シラけたわぁ。ほぉ~んと、この街の景色もみんなつまんない感じぃ~。 そうだわ、真紅達の家に行って軽く遊んでウサばらしでもしちゃおうかしらぁ~ウフフフフッ。 この時、まさか一度にローゼンメイデンのドール達が僕の部屋に集まるとは思ってもいなかった。そしてこの先が本当の地獄だと今の僕には知るよしもなかった。 * あぁ、頭が痛い! なぜ頭が痛いかと?30分前に翠星石のカバンが頭を直撃した のではなく今、僕の後ろでバンドについて口論している真紅や性悪人形だけで 頭が痛いのにそれに加えて10分ほど前に金糸雀がピアノを持って表れたことにより バンド結成がイヤというほど現実味を帯びてきたからだ。 「あら、見損なわないで。この真紅の前の前のマスターはイギリスの 貴族だったわ。そこで宮廷音楽を学んだこともあるのだわ!!」 「へ~ん、そんなのどーせ落ちぶれた貴族ですぅ。この翠星石の前のマスターは 60年くらい前のドイツにいたですぅ。よくワーグナーを聴いていてチョビヒゲを 生やしたオッサンでしたけどぉ、みんなからハイル、ハイルって呼ばれて威厳が あったですよッ!!そのオッサンに仕えていた音楽家に翠星石も蒼星石もいろいろ 教えてもらったですぅ」 「ろ、60年前のドイツでチョビヒゲのハイルぅぅ~おい、性悪人形、ソレっ てまさか…あのアドルf」 「ジュン君、詮索はそこまでにしといたほうがイイよ。それに翠星石もその 話題は止そうよ、いろいろマズイからね」 「………ですぅ」 「ヒナはずっとフランスにいたのぉ、前の前のマスターはマリーアンとわぁ? なんとかって言ってたのぉ、ヒナもそこで音楽をいろいろ聴いたの~」 洗濯のり~早く部活から帰ってきてくれ~、こいつらの話を聞いていると リアルで呪い人形設定が確実に思えてくるよ~。 あぁ、本当に頭が痛くなってきたよ。でも考えようによればバンドをやっている ほうが他のものを壊されないですみそうだな。 練習もnのフィールドとかいう場所でヤラしたら呪い人形に気をかけずに 自分の時間を満喫できるぞ。 「なぁ、真紅。本当にロックバンドをヤルのか?」 「もちろんよ、私はヤルと決めたらヤル人形なのだわ」 「じゃ、練習する場所とかってnのフィールドって場所だよな。 あそこなら誰にも邪魔されずに音を出せるしな」 「そうね、ジュン。それがイイのだわ」 「チビ人間にしてはイイ事に気付いたですねぇ、そうと決まればさっそく nのフィールドに行くですよッ!!」 「じゃ、また後でね、ジュン君」 「ジュン、ヒナはお夕飯までには帰ってくるのぉ~じゃぁねジュン」 「あぁ、いってらっしゃい、いってらっしゃ~い」 さぁ~て、これでやっと自由な時間ができたよ。いつもの通販サイト ってェェェェ、なんだよォォォ!!モニターからぁぁぁ~ 「はぁ~い、元気にしてたぁ~」 「お、お前は、す、水銀燈!!」 「真紅のミーディアム。確かジュンとかって言ったわよねぇ」 「な、なんの用だよ?」 「べぇ~つに。ただヒマだから真紅と雛苺をからかいに来ただけよぉ~」 「2人ならここにはいないぞ」 「どこに行ったのぉ?正直に言いなさい」 「翠星石と蒼星石と金糸雀と一緒にnのフィールドとかいう場所に行ってるよ」 「nのフィールド?そんな所で全員そろってアリスゲームでも始めようって いうのぉ~この水銀燈を外してぇぇ!!」 「いや、そんな物騒なことじゃないぞ。バンドの練習をしてるだけだよ」 「バンドぉ?」 「そう、ロックバンドだよ」 「なにそのロックバンドって? 解るように説明しなさい!!」 ここはヘタに刺激しないほうがイイな、取り合えず何か音楽を聴かせてみるか。 それからさっき真紅と雛苺に見せたサイトを…… 「ま、まぁこれでも聴きながらこれを読んだらロックって解ると思うけど」 「ふぅ~~ん、なかなかいい歌ねぇ……えっ?、、こ、これは!?」 なんなの、この感覚?めぐがいつも歌ってくれるメロディーとはまるで 違うこの高揚感!!これがロックなのぉ?えっ、何、私でも、こんな体の 私でも練習したらロックが演奏できるって言うのぉ? 「おい、ちょっと水銀燈さん?どうしたんですか、固まって?」 「な、なんでもないわぁ、とにかく今日はこの辺りで許してあげる。 でも次に会ったときはただでは済まさないわよぉ、じゃぁねぇ~冴えない ミーディアム。フフフフフッ」 あれ、行ってしまったな…何しに来たんだろ? まぁイイか。でもローゼン メイデンって変な奴ばっかだよな~。 ―――バサバサバサ~ 「あっ、水銀燈。帰ってきてくれたの?ウレシイわ」 「めぐぅ、ちょっと聞きたいんだけどぉ?」 「何?水銀燈の質問なら何でも答えるわよ。さぁ言って」 「貴女、ロックって歌えるぅ?」 「どうしたの、いきなりロックだなんて?」 「なんだっていいでしょ~、私の質問はロックが歌えるかどうかよぉ?」 「ふふっ、どうしたのかな今日の水銀燈は?いいわ、歌ってあげる。 からたちの花が咲いたよ~♪」 「その歌は違うでしょ!!この水銀燈をバカにしてるのぉ!!」 「解ったわ、ちゃんと歌うから羽で私の頚動脈を狙わないで」 「だったら早く歌いなさいッ」 「あれれ おかしいな このどきどきは~♪君の腕の中であふ~れ出す~♪ ポロリこぼれた涙さくらんぼ~♪もっとギュッとずっとしぃ~てて~♪」 「ほんとうにそれがロックなのぉ~?」 「そうよ水銀燈。私が水銀燈にウソを言ったことってある?」 「た、確かに今までのシンキ臭い歌とは違うわねぇ、それに…」 「それに、どうしたの水銀燈?」 「その歌を聴いていたら胸のあたりがキュンキュンしてきたわぁ~」 「ふふ、それが萌え、いや、ロックの力よ、水銀燈」 これがロックの力ぁ?こんなキュンキュンするようなことを、この水銀燈を 除け者にしてみんなで楽しもうって言うのぉ? 許せないッ! 絶対に許せないッ!! 真紅達の楽器を奪ってでも私もロックをするわぁ!! うわぁッ、なんだ?なんだよ、今ものすごくイヤな予感がしたんだけど… 真紅達はバンドの練習をしているし、水銀燈とかいうのも帰ったのに、この 恐ろしいまでのイヤな予感は何なんだ………。 まさかこのイヤな予感が僕の想像を超えて展開されるとはこの時点では思っていなかった。 長編SS保管庫へ/(2)へ続く
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「超機動戦記ローゼンガンダム 第十四話 梅岡、再び」 「お~い、この弾薬も積んでおいてくれ~。」 「こっちのモビルスーツはどうしますか~?」 「それは日本のレジスタンスの補給用だ~。あ、それはこっちだぞ~。」 様々な声が飛び交っている。有り余る物資を一箇所に留めて置く必要はない。JUMやベジータは 各地のレジスタンスに物資を渡す、全体的な力の向上を狙っていた。 「ふむ・・・これでまだまだ戦えるな。工場の作業員も引き続き物資作成を引き受けてくれたしな。」 その作業風景を見ながらべジータが言う。占領の際に、無条件降伏した作業員達は、決してアリスの 信者ではなく、ただアリスが支配していたこの地域において言われるままに働いていただけだった。 故に、メイデンが占領後も引き続き作業を続けてもらっている。 「そうだな。これだけ大きい工場だ。作業も続けてもらってるし、物資補給には困らないだろうね。」 同じように作業風景を見ながらJUMが言う。中国を占領したのは大きなアドバンテージになっていた。 チャーラ!ヘッチャラ!何が起きても気分はへのへのかっぱ~♪ふと、ベジータの携帯が鳴り響く。 「ナッパか。俺だ。なに!?アリス所属の戦艦が近づいている?了解だ、迎撃しよう。JUM。」 「ああ、分かっている。僕らが迎撃に当たるよ。SAIYAは工場の防衛を頼む。」 JUMがサクラダに戻っていく。 「総員、アリス所属の戦艦『ディアーズ』が襲撃の模様。各員、第一戦闘配備!!繰り返す。」 サクラダが急に慌しくなり、戦闘の準備が始まる。 「ふふ・・・桜田。あまり先生を困らせないでくれよ?」 ディアーズの格納庫の中、愛機のプラムに乗った梅岡が気持ち悪く笑った。 「蒼星石、RG004行きます!!」 「真紅、ガンダム5番機、出るのだわ。」 出撃したサクラダからお馴染みの8機が出撃していく。SAIYAのカカロットは機体を出撃させて工場の守備 についている。この工場を潰されるわけにはいかない。 「いいか、工場の防衛に全力をあげるんだ。いいな!」 JUMの声が通信で響く。それとほぼ同時にディアーズがMSバーズを出撃させる。 「18,19,20・・・バーズは20機ね。充分勝てる数ね。」 出撃する機体を見ながら雪華綺晶が言う。 「赤い機体・・・プラム!?JUM、注意するのだわ!あの人が・・・」 そして、前回苦汁を飲まされた相手を真紅が見つける。真紅やJUMの短い学生時代の教師、梅岡。 「さぁ、みんないくかしらー!攻撃のワルツ!!」 カナリアが精神向上の音を奏でだす。 「折角新しい武器もあるわけだし、私があの隊長機を相手するわぁ~。」 スイギントウが漆黒の翼を広げる。 「いいかい、みんな。今回も桜田は僕のモノだからね。邪魔したらダメだよ?じゃあ、散会!」 20機のバーズとプラムが襲い掛かってくる。ここに戦いの口火が切られた。 「当たれですぅ!」 スイセイセキがライフルモードでバーズに向けて乱射する。若干人工知能の性能が上がったのか、 簡単には当たってくれない。 「・・・ミサイルが邪魔・・・・」 ディアーズから放たれたミサイルがバラスイショウを襲う。バラスイショウは両腕のビームガトリングガンで ミサイルを撃墜しながら戦闘を続ける。 「援護するぞ。レンピカ、スィドリーム照準ディアーズ!うてえええ!!」 サクラダの両舷の副砲がディアーズに放たれる。大抵の戦艦には施されているビームコーティングに阻まれる が、注意をそらすことはできた。ディアーズが副砲をサクラダに向ける。 「熱源確認!きます!」 「下げ舵50!回避!!」 サクラダが回避行動をとる。ディアーズの副砲はサクラダに当たることなく空へ消えていく。 「雛苺、合わせなさい!?」 「うい、分かったのー!」 ヒナイチゴの4つの有線式ビーム砲がバーズに襲い掛かる。それは攻撃のためではなく、線でバーズを絡めて 動きを抑制させるためのものだった。動きを制限されたバーズは瞬時に襲い掛かるシンクに真っ二つにされる。 「ふふっ、桜田待ってろよ。先生がいま行くからな・・・んっ!?」 サクラダへ向かうプラムに向かって放たれた砲撃。その主はスイギントウだった。 「ほぉ、黒い天使かい?でも、僕と桜田の邪魔はさせないよ。」 「おばかさぁん・・・こんな黒い天使がいるわけないでしょぉ?」 プラムはビームランス、魔槍の名を持つ「ゲイボルグ」を。スイギントウは、魔剣の名を持つ「ダインスレイブ」を。 「天使君、これはねゲイボルグと言うんだ。先生、これで桜田のハートをゲットしたいんだよ。」 ゲイボルグ・・・決して梅岡だから「ゲイ・掘る苦」ではない。 「へぇ、でもJUMには近づけさせなぁい。貴方はここでサヨナラよぉ。」 スイギントウがプラムに突っかかっていく。振り下ろされた剣は槍に弾かれるが尚も切りかかる。 プラムはスイギントウの猛攻を防ぎながら反撃の機会を伺うが水銀燈がそれを許さない。 「くっ・・・これはデータ以上だな・・・後で槐に報告しないと・・・・ねぇ!」 プラムが一度後退してホーミングミサイルを放つ。 「さぁ、これがよけれるかな!?しつこいよ?」 梅岡のミサイルは必要以上にしつこく追ってくるイメージがある。 「避ける必要ないものぉ・・・・ファンネル!!」 スイギントウの背部からフェザーファンネルが飛び出す。その姿は正に羽の如し。 スイギントウのフェザーファンネルは梅岡のホーミングミサイルを余すことなく撃墜する。 「!?ファンネルミサイルだって・・・これはこれは・・・」 「無粋な事しないのぉ、おばかさぁん。コレで決着つけましょうよぉ。」 スイギントウがダインスレイブを掲げプラムに向かっていく。プラムは数合打ち合うと、再び後退する。 「はははっ、今日はこの辺にしておくよ。また会おう、天使君。」 梅岡はあっさりと撤退を決める。残っているバーズも撤退させる。 「あらぁ?逃げる気ぃ?させなぁい・・・ファンネル!!」 後退していくプラムにスイギントウはフェザーファンネルを放つ。しかし、プラムはそれをライフルで撃墜する。 「いやいや、この後の余興のためにね・・・それから・・・・桜田ーーーー!!!先生諦めないからな!!」 最後にJUMに本人は愛のメッセージと思ってることを告げる。ディアーズは撤退していった。 「・・・最後だけ無駄に疲れた気がするよ・・・」 JUMは何故かグッタリしていた。 「槐、やっぱり行って正解だったよ。武装が増えてた。」 ドイツに戻った梅岡は槐に結果を報告する。 「ほう・・・データを。なるほど・・・ファンネルミサイルか・・・よし、梅岡。アレの最終段階に入る。」 槐が梅岡に指令を出す。梅岡は軽く了解と言うと工場に向かっていった。 「ははは・・・奴らに真の地獄とアリスの恐ろしさを教えてやらねばな・・・」 槐はニヤリと笑うと工場に入り、矢継ぎ早に指示を出した。それが、序曲だった・・・ 次回予告 梅岡を撃退し向上を死守したメイデン。物資などの調整も終わり、各地で抵抗している レジスタンスの為に、一足先にSAIYAがロシアに向かう。そこでべジータを恐ろしいモノが襲う。 次回、超機動戦記ローゼンガンダム ここからが本当の地獄だ その機体の姿はまるで・・・