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■ミニプラとは何か バンダイキャンディトイ事業部から毎年発売されている食玩シリーズ(ブランド名)の事です。 主にその年に放送される「スーパー戦隊シリーズ」に登場するロボットがラインナップされ、1箱300円~500円でラムネが1個入りで 全国のお菓子売り場で発売されています。そられを3~5種集めることでロボットが完成する、という仕様がほとんどです。 「スーパー戦隊シリーズ」はロボットの玩具が主力商品であり、初期作品からDX玩具としてロボットが発売され続けている事は有名ですが、 その陰でミニプラシリーズもひっそりと発売され続けています。 ■DX玩具との違い ミニプラシリーズとDX玩具シリーズの大きな違いは以下の通りです サイズ (DX玩具が30cmを超える大型商品なのに対して、ミニプラは10~15cm程) 組立て式 (DXは完成品なのに対して、ミニプラはランナー状態で入っており自分で組み立てる) 電動ギミック等の有無 (DX玩具では売りとなる電動電飾ギミックなどはミニプラでは採用されない) 可動域 (DXでは腕を前後に振ることしかできないものでも、ミニプラは全身可動可能なものも多いです) 販売方法 (DX玩具は当然ながら玩具売場で玩具として売っていますが、ミニプラは「食品」扱いとして食品売り場などで売っています) 価格 (DX玩具はロボ1体6000円~8000ぐらいですが、ミニプラはロボ1体600円~1500円程です) まとめると、「小さく低価格でコレクションしやすく、組み立てる楽しさがあり、色々なポーズが決まる!」というのがミニプラの特徴です。 食品売り場に売っているということから、お母さんと一緒にスーパーに買い物に来た子供がちょっとおねだりをして買って貰ったりする以外に 戦隊シリーズの本来の対象年齢よりも若干上の年齢層や、ガンプラを作るのが好きな人にも密かな人気が生まれています。 ■ミニプラが欲しい ミニプラが欲しい場合はスーパーのお菓子売り場に足を運びましょう。小さな店舗ではなかなか入荷していない事が多いですが、関東近辺では 大型スーパーのイオン、ダイエー、イトーヨーカドーなどに行けば高確率で入荷されているかと思います。 コンビニなどでも店によっては販売されている事がありますが、入荷するかしないかは店の裁量次第なので不安定です。 また、ミニプラの特徴として「3~5種類のマシンや部品が単体で販売されている」というものがありますが、この特徴故にお店に買いに行ったら「2番~5番はあったが、1番だけ売り切れていた」という事態も起こります。この場合は店員さんに声を掛けて未開封BOXが無いかどうか確認 したり、数軒のスーパーを探し歩いて集めるのも手です。 「探すのが面倒」「揃っていなかったら嫌だ」「良い歳したオサーンが子供の玩具まとめ買いするのが恥ずかしい」という方はインターネット通販を利用する のも手です。BOX単位(10個~12個)での販売以外にも、全種類セット売りなどを行っている通販サイトもあります。探してみましょう。
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ヘリより小回りがきく空戦兵器としてドゥームス社により開発された人造人間 両足と背中の一部を機械化し飛行ユニットを装備している また第2世代型ではラッチの拡張性を重視されており、各種機甲車両との接続を可能とした 顔を覆うバイザーは複合型センサーを搭載し、強化された脳と直接連結されている これによって情報処理能力は並の人間以上となりまた不確定要素である生体的な勘も排除された レーザー通信を介した作戦ネットワークにより統合的な運用を可能としている 歩兵の扱う武器の全てを扱うことができ、また強化された人工筋肉によりミニガンクラスの兵器も運用可能となった これらの特長により既存の兵器ではなしえなかった超三次元機動能力を有するニュースタンダードとして地位を確立している ただ空戦能力の関係から12~16歳程度の外見でなくてはならず、個体ごとに設定された規格以上に成長しないよう調整されている ちなみに少年兵と言っても全てが男性型ということはなく女性型も存在する フィンチのみで構成された部隊をその部隊名とは別にストライクフィンチーズと呼称することもある
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ゼニガメ(♂) 年齢は、人間で言う所の8~10歳 【性格】 やんちゃ がまんづよい 【技】 あわ、ロケットずつき 【島に来た経緯】 トレーナーと来ていた砂浜で昼寝をしていて、流されてしまった。 一応ポケモントレーナーのポケモンだが、実際の戦闘経験も野生での生活の経験も無い。 現在は宝の存在も知らないので、 とりあえずの目標は、島の脱出…、なみのりが無いため、 長距離の移動はできず、そのままでは脱出できない。
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目が覚める。これで何度目だ。 「あー…糞…」 眩い光が目を刺す。どうやら照明の様だ。 一先ず、俺は起き上がった。 まず、感覚している限り身体に変化は無い。意識を失う前にマクスウェインの部下に殴られた箇所も痛いままだ。 それから、周囲を見回した。 「う、うう…」 「痛たた…」 「さ、寒い…」 「くそ、何だここはぁ!!」 響き始める幾つもの声。 俺は意識を失う前の出来事を思い出していた。 ああ、地獄に来たってことか。 照明は眩く輝き、その室内には俺の他に7、8人の男達がいた。 スーツの人間、私服の人間、港湾労働者らしい作業服の人間。人種も年齢も様々だ。 そしてこの部屋は円柱形の部屋で、周囲の壁には何も無かった。 一箇所だけ出口らしき鉄製の扉があるが、恐らく開かないだろう。無理やりこじ開けるには何十人もの力が必要そうだ。 そして――恐れていた通り、部屋の中央には大きな井戸のような丸い穴があった。 穴の底は暗くなっていて見えない。だがどこまでも続いていそうだ。 そして、その穴からは冷たい風が室内に流れ込んできていた。 「あんた、何故ここに?」 俺は先程受けた暴行で痛む口の中を堪えつつ、近くにいたスーツ姿の男に話しかけた。 「わ、私は検事だ。夜中に事務所で書類を整理していたら、突然男が現れて…気がついたらこの部屋にいた」 検事。そう聞いて、俺は自分の推測を口にした。 「近いうちにロワイアル・ファミリーに関係しそうな案件を担当する予定だったか?」 「ロワイアル・ファミリー…あの、マフィアのか。確かに来週、その組織に関係している男の案件を担当する予定だったが…」 「…賄賂の話が来たが突っぱねた、なんて事が最近あったか?」 「何故分かった!?」 ああ、やっぱりだ。 俺は立ち上がり、周囲の男達を見回した。 若い男もいる。恐らく歳は20に行くか行かないかだろう。一番年齢が高そうな男は、40か50くらいだ。つまり、極端に若い者や極端に老齢の人間はいない。 「…俺達が餌になる番か」 『あ、あー、マイクテスト』 急に、室内に声が響き渡った。 周囲を見回してみると、天井の各所に、スピーカーが設置してあるのが見える。 声は、そこから流れているようだ。 聞き覚えの無い声だった。若い声にも、年取った男の声にも聞こえる。 『さて諸君、俺の名はビートルジュース。ロワイアル・ファミリーの者だ』 ロワイアル・ファミリーの名を聞いた途端、この部屋にいた者達が色々なリアクションを取った。 絶望の声を上げる者、呆然とする者、怒りの声を上げる者。他にも色々だ。 「この声が…ビートルジュース…!」 そして俺も、自然と言葉を呟いていた。 ビートルジュース。顔の片側を幾何学模様のタトゥーで覆った、ロワイアル・ファミリー最高幹部の一人にしてこのゲームを考案した狂人。ここにきてこの名を何度も聞き、そして一度は一瞬だが実際に対面した。だが、その肉声を聞くのはこれが初めてだったのだ。 『今日お前らに来てもらったのは他でもない。死んでもらうためだ』 「何だとこの野郎!!」 最初から威勢の良い、ここにいる男達の中では一番体格の良い男が吼えた。だが、それには答えず、スピーカーから響く声は話を続けていく。 『だが、ただ死んでもらうのは面白くない。そこで、ゲームをしてみることにした』 スピーカーから響く声の主の言葉に、その場にいた者達が口々に色々と声を発する。 だがどれにも応答する気配は無い。やはり俺達は餌に過ぎないというわけか。 『その部屋の中央に穴が開いているだろう?そこは、この街の地下にある遺跡へと繋がっている』 飛び込めと言うんだろう。俺はその場に座り、次の言葉を待った。 『手っ取り早く言おう。そこから遺跡へ降りろ。そして徘徊するリーバードから逃げ延びて、出口まで辿り着けた奴がいるなら…』 一泊を置き、ビートルジュースは宣言する。 『もうそいつには、ロワイアル・ファミリーは手を出さない。約束しよう』 その言葉には、不思議な説得力があった。 この中でも比較的非力そうな者達から、歓声のような安堵のような声が上がる。生き延びられる可能性を見つけたのだから当然か。 だが、そんな彼らの声を、一人のスーツ姿の男の大声が遮った。 「馬鹿を言うな!ディグアウターでもないのに、武器の一つもなしに遺跡に飛び込めだと!?自殺行為にも程がある!!」 スーツの男の訴えに、一同に生まれた希望とでもいうものが、縮んでいくのが分かる。 そして、俺にはこの先の展開もある程度予想がついた。意識を失う前に、マクスウェインが言っていたからだ。『武器を持った人間だけがこの賭けを盛り上げられる』と。 『後ろの壁を見ろ』 そう言われて、男達が皆自分達の背後にある壁へと振り向いた。 それを合図に、少しの間地響きのような音が鳴る。 やがて、壁が上に上がり、何段もある棚のようなものが現れた。 そしてその棚のスペースに、色々な武器が置いてあった。 拳銃は言うに及ばず、ショットガンやライフルが見える。 最初は皆怪し過ぎて手を出す者はいなかった。 だが、スピーカーの声が煽るように促す。 『それを使え。勿論弾丸も用意してある。実弾だ。なんなら近くにいる奴を撃ってでも確かめてみろ。まぁ、生き延びたいなら無駄に人数を減らす必要は無いがな』 スピーカーの促す声にも、しばらくはまだ武器に手を伸ばす者はいなかった。 だが、ここでも最初に武器に手を伸ばしたのは、体格の大きい労働者の男だ。 男は一丁のショットガンを手に取ると、おもむろにその銃身を頭上へと掲げた。 紛れもない銃声。 一瞬後に、天井に設置されていたスピーカーの一つがバラバラになって落ちてする。 「間違いない、本物だ…!!」 男のその言葉を皮切りに、他の男達が動き始める。 そして、皆思い思いの武器を手に入れていく。 「よこせ!それは俺が目をつけたんだ!!」 「ふざけんな!!俺が先に手に取ったんだぞ!!」 同じ武器を目当てに、争う男達まで現れた。 こんな状況でも、いやこんな状況だからこそ現れる人間の浅ましさに、俺は呆れを通り越して苦笑した。きっと、あの会場にいる貴族達も笑っているだろう。反吐が出る。 最早、この時点で俺は自分の生存を諦めていた。 あの会場で見た、凄まじい大きさの鉄の獣。どんな武器があったって、アレを相手に生き残れる気がしない。 なので、俺が壁から出てきた武器の山に手を伸ばしたのは、男達が思い思いに武器を手に取った後だった。 俺は銃を探した。なるべく、『その時』が来たら引き金を引きやすいように軽いものを。 「…これは…」 武器の山の中に、見慣れた小型の拳銃が見つかった。 マーガレット・カーライルが持たされ、俺を撃とうとして撃てなかった銃。そして、俺がボスを撃つことができなかった銃。 あの時の銃と同型のものだった。 「…お誂え向きだな」 本物はボスに撃たれた時、取り落としてから見ていない。ボスの事務所に落ちているのか、それとも警察かマフィアが持ち去ったかだろう。いずれにしろ、もう俺の手元に戻る可能性は低い以上、今この手にある銃に頼るしかなさそうだ。 それを一頻り眺めてからポケットに入れた時だった。 「お前ら、離れろ!!」 その大声と共に、あの労働者の男が、グレネードランチャーを手に部屋の一角にある鉄の扉に銃口を向けていた。 間髪入れず、弾丸が発射され、鉄扉に着弾する。 凄まじい爆発音に、俺は耳を塞いだ。 だが、煙が晴れたそこには、傷一つ付いていない鉄扉があるだけだった。 当然だろう。ここにある武器で脱出できるようなら、こんな賭けが成立する筈がない。 労働者の男はそれを見ると、諦めたようにグレネードランチャーをその場に落とし、今度はそれより巨大な銃を持ち上げる。 ミニガン。携帯用の機関銃。弾丸がトイレットペーパーのように繋がれている。 「一瞬で弾切れして終わりだぞ」 俺は思わず、男にそう言わざるを得なかった。 あの鉄の獣には有効な武器かもしれないが、それでも一瞬で殺せる火力ではない。それを、人間一人が持ち運べる程度の弾数でどうにかできるわけがないと思ったのだ。 「うるせぇぞ、黙ってろ!!」 男が敵意のある眼を俺に向けてくる。俺は黙るしかなかった。 『全員、武器を持ったな?ならその穴へ飛び込め。言っておくが、その部屋に残ろうとは思うなよ。生き延びたければ、降りて遺跡を脱出するしかない』 スピーカーからの言葉に、何人かの男が穴の中を恐る恐る眺める。だが穴の底は暗闇に覆われ、見ることは叶わなかった。 「ここから…落ちたら転落死するんじゃないか?」 「ずっとここにいれば…助けが来るかも」 非力そうな者達が口々にそう言う。 それを、先程異議を申し立てていたスーツの男が否定した。 「多分…転落死はしないだろう。あの声は『ただ死んでもらうのは面白くない』と言った。それにこんなに大量の武器まで用意したんだ。転落死で終わりになんてする筈がない」 男の言葉に、何人かが頷く。 今度はこれまで喋らなかった、壁際にいた痩せて薄汚れた作業着を着た男が言った。 「逆に、ずっとここにいたら撃ち殺されるんじゃないか?」 男の言葉を最後に、その場を沈黙が覆った。 若い男が泣き出した。こんな状況に陥った現実を受け止められなかったのだろう。 それを合図にしたかのように、男達の表情を暗い影が覆っていく。 仕方ないか。俺のように大体の事情を掴んでいる者は恐らくこの場には殆どいないだろう。 先に逝ってやる。そう思い、穴に向かって一歩を踏み出した時だった。 「皆何してる。こんなに人数がいてこれだけ大量の武器があるんだ。脱出できないなんてことは無いだろ!!」 そう言うと、体格の良い労働者の男が、ミニガンを担いで踏み出した。 「このままここで死ぬのを待つくらいなら、俺は行くぞ!お前らも生き残りたければ、俺について来い!!」 そう言い残し、男は躊躇い無く穴の中へ落ちて行った。 それを見送った後に続くように、他の男達が言う。 「よ、よし!俺も行くぞ!!」 「俺もだ!さっきあいつが言ったように、固まって行った方が生き残れるかもしれない!!」 その声を皮切りに、男達が次々に穴へと飛び込んでいく。 やがて、2人の小心者と俺だけが残されていた。 一人は俺の後ろの壁際で、現実を受け入れられず蹲ったままの小男。そしてもう一人は未だに武器を漁り続ける若者だけだ。 「…仕方ない」 このままここにいても、何も変わらないだろう。 そう思い、俺は意を決して、穴の縁へと歩いた。 ゆっくり深呼吸する。片手はポケットに入った拳銃を握ったまま。 『ああ、そうそう』 不意に、頭上のスピーカーから声がした。 このタイミングでまたスピーカーから声が出てくるとは思わなかった俺は、驚いて上を見上げる。 その瞬間、不意に背中を押された。 驚愕した直後だったため不意を衝かれた俺は、なすすべなく穴の中へ落ちていく。 だが、それでももがきながら、俺は振り返った。 俺を押した――先程まで壁際に蹲っていた小男――は、俺を見下ろして醜悪な笑みを浮かべていた。 顔の片側に、幾何学模様のタトゥーを浮かび上がらせて。 「幸運を祈るぜ、スティーブ・ハント」 落ちながら、俺は絶叫していた。 「お前は…何なんだああああぁぁぁぁぁぁ!!!」 しばらく続く落下感。どれほど深いのだろう。 まんまと一杯食わされた。俺は悔しさを噛み締めた。 まさか、あの中に『ビートルジュース』本人がいたとは。 マクスウェインの言っていた『特等席』の意味がこれとは思ってもみなかった。 そう思いながらも、妙な違和感が心に燻る。 ビートルジュースという男は、前に一瞬だがこの目で見たことがある。 その像と先程見た男を照らし合わせようとしても、違和感が残るのだ。 だが、何が違和感なのか、説明ができない。 そこまで考えて、俺は思考を打ち切った。 考えても分からないし、恐らく答えも出ないだろう。それよりも、今自分が直面している問題の方に意識を集中するべきだ。 そう思った瞬間、身体に衝撃が来た。 「ゴホッ!!」 治療されたばかりの腹の銃創や、マクスウェインの部下に殴られた痣が衝撃で痛む。 俺は身を起こすと、溜まらず床に血を吐いた。 「お、おい!大丈夫か!?」 横から声をかけられる。俺より先に降りた奴か。 辺りは薄暗く、目が慣れていないせいでまだ視界が開けない。だが、どうやら床にクッションのようなものがあるようだ。このお陰で転落死はしないで済んだ。 漸く目が慣れてきたので、俺は周囲を見回した。 降りた穴の直径より少し広い程度の四角い部屋だ。俺の他には先程声をかけてきた男しかいない。 部屋の一角に、先程と同じような扉があった。ただし、ノブが無い。 俺は図書館で見た資料を思い出した。確か、扉の横に開閉を操作するスイッチがあるんだったか。 そこまで把握してから、俺は男の方に目を向けた。 よく見れば男というか、少年だ。ジャケットにジーンズ。まだ20にも満たないだろう幼さの残る顔。茶色の短髪をした白人だ。 先程の部屋から持ち出してきたのはライフルらしい。マガジンも何箇所かのポケットに突っ込んでいる。 その少年を眺めると、自然と疑問が俺の口をついて出てきた。 「あの場所に集められたのは、少なからずロワイアル・ファミリーと関わった奴らだった筈だ。お前もそうか?」 「…何で急にそんなことを」 「話したくないならいい。ただ確認しておきたかっただけだ」 それで会話は終わりかと思ったが、少年はしばらく迷ってから話し始めた。 「俺も詳しくは知らない。ただ、親父がヤバイ連中から金を借りたって事しか」 俺は思わず呻き声を上げそうになった。 まだ未成年で、しかもほぼ無関係とさえ言えるような奴じゃねぇか。何でこんな地獄に送る必要がある。 「バイトから家に帰ったら、親父もお袋もいなくなってて、突然覆面被った男達に襲われたんだ。頭を殴られて、気がついたら、ここに…」 「分かった、もういい。それより、他の奴らは?」 俺の問いに、少年は視線を扉の方に向けた。 「あそこから出て行った」 俺は生唾を飲み込むと、立ち上がった。 そして扉に向かう。後ろから少年が声をかけてきた。 「お、おい!あんたも行くのか!?酷い怪我してるみたいだが」 「ああ。この先はいつ死んでもおかしくない。お前も覚悟ができてから来い」 そうして行こうとしたが、少年は俺の隣まで歩いてきた。 「だったら一緒に行くよ。先に出て行った奴らも、固まって行った方が生き残る可能性は高くなる筈だと言ってたし」 俺はその少年の言葉を聞き、意識を失う前にあのホールで見た映像を頭に思い浮かべる。 あんなでかい獣が何匹もいるなら、幾ら人間が集まろうと生き残れる気がしない。 「…一緒に行くなら、一つだけ条件がある」 「何だ?」 「もし死んでも、俺を恨むなよ」 俺の言葉に、少年は力無く笑みを浮かべるだけだった。 そして、俺達は扉を開けて先に進んだ。 どうやら、ロワイアル・ファミリーはやはり誰一人として生かすつもりは無かったらしい。 扉の先は、広大な空間だった。 右を見ても、左を見ても、暗闇で見えなくなるまで壁が続き、天井さえもどこまで高いのか分からない。 申し訳程度の照明は、少し先までしか見渡すことができないようになっていた。 そして…その広大な空間の中で、怒号や絶叫がそこかしこから聞こえてきたのだ。 「おい…今来た扉、開くか?」 俺は背後の少年にそれだけ尋ねた。 背後で、少年が扉のスイッチを操作する音が聞こえる。 「あ、開かない」 あの部屋に戻ってくる者がいなかったのは、こういうカラクリか。この扉は、奥の部屋から操作すれば開くが、こっちからは開かないようになっているのだ。 「とにかく、壁伝いに逃げるぞ」 俺は少年と共に、壁伝いに走り出した。 やがて、ここへ来た扉が見えなくなった頃、地響きのような音が聞こえてきた。 後ろから。 即座に振り向く。背後にいた少年も、走りながら振り返っていた。 体高2.5メートルはありそうな、四足の鉄の獣が、俺達を追いかけていた。 あまりにも足が速い。見る間に、俺達に接近してくる。 そして少年の眼前まで接近したそれは、その巨大な頭部を少年に向けて振り払った。 「危ねぇ!!」 最初は助けるつもりなど無かったんだが、やはりこんな極限的な状況下だと、思考と行動は必ずしも一致するわけではないらしい。 俺は振り返り、少年を突き飛ばそうとしていた。 だが一瞬間に合わず、少年は鉄の獣の突進をまともに喰らい、俺も巻き添えになる形で吹っ飛ばされていた。 そして今に至る。 意識を失っていたのは恐らく数秒くらいだったろうが、1時間くらい寝ていたような感覚だ。 気がつくと、俺は壁際に倒れていた。 全身が痛い。肋骨が何本か折れたようで、呼吸するだけで体中に激痛が走る。 思えば、ボスに撃たれたのに始まり、マクスウェインの部下に散々殴られ蹴られ、そして今の鉄の獣の突進。 何でまだ死なせてくれない。そうとすら思った。 傍らには既に事切れた少年の死体。 先程俺達に突進を見舞った鉄の獣は、どういうわけか姿を消していた。 獲物はどちらも仕留めたと思ったらしい。 俺は、どうにか壁を背にして身を起こした。それだけで全身が焼かれるような痛みを訴え、口からは溢れるように血が流れる。 それでもどうにか上半身を壁に預けると、俺はポケットを探った。 先程拾った拳銃がどこかに行っていなかったのは不幸中の幸いだった。 俺は、震える腕で拳銃を持ち上げると、その銃身を米神に当てた。 遠くで労働者の男がミニガンの銃弾ををばら撒いているのが見える。 と思えば案の定、見る間に弾切れだ。その瞬間、何匹もの巨大な鉄の獣が、男に群がり凄惨な肉塊へと変えていく。 ああ、どうして俺はこんな地獄にいるんだ? 最初は普通の探偵だった筈だが。人生一寸先は闇とは言うが、どうやら俺はいつのまにか、底の無い闇の中にダイブしちまってたらしい。 そうぼんやりと考えていた。米神に銃口を当てたまま。 だが俺は少なくとも、さっきの男のような死に方は御免だ。 そうなるくらいなら、自分で決着をつけた方が何万倍もマシだ。 だが、あの獣に見つかるまでは、もう少しこの暗くて寒い地獄を眺めてやる。それが俺の、ささやかな抵抗だ。 そして、俺は目の前の広大な空間を眺めた。 先程よりも暗さに目が慣れたせいだろう。そこかしこに、元は人間だったのであろう肉塊が見えた。 もう絶叫も銃声も聞こえない。とっくに全滅してしまったのだろう。 体長3メートル、体高2.5メートルくらいの鉄の獣が、そこかしこをうろついているのがここからでも見えた。 ああ、見れば見るほどろくでもない光景だ。 俺は痛みを堪えながら、首を回して周囲を見回した。 そして、信じられないものを見た。 これは死ぬ間際に見るタイプの夢か?そう思わずにはいられなかった。 無数の鉄の獣達。そいつらの中央に、背の低い子供が立っていたのだ。 いや、顔が見えないほど遠くにいるので、実は大人なのかもしれないが。 それでも、その背の低さや体格は、子供としか思えなかった。 「な…」 驚きから、声を発してしまった。 その途端、視界にいた無数の獣達が一斉にこちらを振り向く。 さっきまでは、その瞬間に引き金を引いていただろう。 だが、今は。 立ち位置や、全く攻撃されていない所から見て、俺は自然とこう思っていた。 あの子供が、この獣達を操っているのか、と。 だから、俺はその子供に銃を向けた。 視界に、持っていた銃が映る。その銃を見た途端、今度は別の思いがこみ上げてきた。 「(あぁ…マーガレット、そういやあんたは子供を助けて欲しいと依頼したな。それが最初だった筈だが、今や俺は子供に銃を向けちまってる。すまない)」 気がつけば、柄にも無く胸中で謝罪していた。 ああ、ヤキが回ったな。そう思いつつ、獣達が襲い掛かるのを待った。 襲い掛かってきた瞬間に撃つつもりだった。当たろうが外れようが構うものか。 震える腕を必死に堪え、俺は待った。 だが、獣達は襲ってこなかった。 代わりに、獣達の中央にいた子供が、段々と俺に近づいてくるように見えた。 霞む視界の中で、段々その姿がよく見えるようになってくる。 黒に金色のラインが入ったワンピースを着ている。裾が長く、ギリギリで床に着かないくらいだった。 髪の色は銀色で、腰くらいの長さだ。 そして、その顔は見えなかった。銀色の仮面を被っていたからだ。 しかし次の瞬間、その子供が自ら、顔に被っていた仮面を取り外していた。 見覚えのある顔だった。 その口から、出る筈のない名が出た。 「…マーガレット?」 ――今思えば、これが俺の運命を変えるものだったのだ。 ――この、地獄の底の出会いが。 第三章へ 刹那に生きる者・目次
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ミニプラ ギンガイオー(1998年3月?頃発売) 星獣戦隊ギンガマン放送当時に発売されたミニプラの第1弾。 全5種類(1箱200×5=1000円)1.銀星獣ギンガレオン2.銀星獣ギンガルコン3.銀星獣ギンガリラ4.銀星獣ギンガベリック5.銀星獣ギンガット 銀星獣ギンガレオン DX版はふんだんに超合金が使われていた為無茶苦茶重かったが、ミニプラではそんなことはない。 可動箇所はほぼ無く、尻尾と前足が後ろに動く程度。 銀星獣ギンガルコン DX版では腕を動かす事が出来たが、ミニプラではそれは省略。 銀星獣ギンガリラ 200円とは思えぬ大ボリュームで、一番大きい。頭部は固定だが、腕を前後に動かす事は可能。 銀星獣ギンガベリック ギンガイエローの星獣なので本来は黄色なのだが、残念ながら成形色が白となっている。 この当時はランナーの成形色は4色が限界だったのであろう。 銀星獣ギンガット 成形色も含めて一番再現度が高い。ちなみにギンガット、ギンガベリックは共通して前後の足が可動する為、 ほぼDXと同じように動きを付ける事ができる。 以上の5種類を揃えることでギンガイオーへと合体できる。 星獣合体ギンガイオー 頭部や胴体のバランスなどもほぼDX玩具と同じで、忠実にサイズダウンされている。 ギンガットに付属する「銀鎧剣」を手に装備できる他、背中のギンガルコンを外して、 ガルコンボウガンとして持たせることもできる。 ギンガイオーの手首は分離状態ではDX版と同じくギンガリラの足の裏に格納されている。 残念ながら発生してしまう余剰パーツ達 ギンガレオンの変形が若干複雑な為、ミニプラでは合体方法が変更されていて、ギンガレオンの後部は丸々余剰パーツとなってしまう。 更に、ギンガレオンの頭部も余剰となり、ギンガイオー専用の頭部を取り付けることになる。 DX版では膝の中に収納していたギンガリラの腕も余剰パーツとなる。 この頃のミニプラはまだまだ発展途中といった時期であり、合体を簡略化したり、余剰パーツが出てしまう事が良くあったようです。 参考画像:ミニプラ ギンガイオー
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荒れ地だけでなく、瘴気により腐った土壌であっても生育可能という生命力を誇る麦科の一年草。 名前の通り凄まじい苦さを持ち、どのように加工してもその苦さが抜ける事は無いと言う。 その苦さは味覚を持つ大多数の生物が忌避する程であるが、毒となる成分は一切含有してはいない。 関連 アマムギ ニガムギ粉 ニガムギ茶 目次に戻る
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ハウリングソウル * 第四話 『神姫センター・謎の生命体出現!?』 「・・・・・ふむ、今日も今日とて客は来ないな」 今日、朝に店を開いてから来た客は四対の神姫を連れた騒がしい男が一人だけだった。 それにしても彼、随分と大変そうだったな・・・・まぁ、大変でも上手くやっていけているようだから問題は無いのだろうが。 「暇だなぁ・・・・・いっそ店を終わりにしてゲーセンか神姫センターにでも行こうかな・・・・・ハウの調子も見ときたいし、ノワールのガトリングの弾もなぁ・・・・」 無表情のアッパーシューター・ノワール。 台所とかに出没する忌々しい黒い悪魔を見るとすぐに武装して追い掛け回すのだ。 追い掛け回すならまだいいのだがチーグルの両手にガトリング、ノワール自身は両腕でミニガンとか抱えているから恐ろしい。 ハウもハウでチーグルの背中に乗って楽しんでるし・・・・お陰でうちの神姫用の弾代はかさむ一方だ。 まぁ副業の収入があるから貧乏ではないのだけれど。 ・・・・・私はレジに置かれた“彼”の写真を見る。 写真の中の“彼”は時が止まったかのようにあの時のままだった。 「・・・・・・お前のせいで、只でさえ白けていた気分がさらに白けたぞ」 私は写真に向かって悪態をつくと椅子から立ち上がる。 やる気が無くなった。 昼寝をしているあいつ等を起こして遊びに行こう。 神姫センターは平日の午前中ということもあってか、人影がまばらだった。 まぁ今の時間帯にここにいるのはサボりか自営業か夜間に働く奴らくらいだろう。 「マスター。本当に良いんですか? お店閉めてきちゃって」 ひょこっと、私の胸ポケットからハウが首だけ出して言う。 「別にいいよ。生活のためにやってるわけでもないしね」 私はハウにそう返してからとりあえず受け付けに向かって歩き出した。 一方、ノワールは不思議そうに人の少ない神姫センターを眺めている。どうも人が少ないのが新鮮らしい。 「すいません、吉岡さんはいらっしゃいますか。神姫の様子を見てもらいに来たんですけれど」 私の質問に若い店員が答えた。胸のネームカードには『玉川』と書かれている。 「吉岡様なら神姫用医務室の方にいらっしゃいます。医務室は ―――――」 「いや、良い。場所なら知ってますから」 そういって医務室に直行する。後ろのほうでさっきの店員が同僚にからかわれているのか、『マジで勘弁してください』と言うのが聞こえた。 「ヤッホー、久しぶりじゃないのみーちゃん。調子はどう?」 神姫用医務室の扉を開けた瞬間にオネエ言葉の野太い声が聞こえた。神姫用医務室のカウンターには身長2メートル近い大男が鎮座していた。 彼の名前は吉岡 昴(よしおか すばる)性別男のオカマである。 身体的特徴としては筋骨隆々にスキンヘッド、気分しだいでウィッグを被ったり被らなかったりな状態にサングラスが一日おきに変わる謎の生命体である。それ以前にこいつは本当に日本人なのだろうか。 ・・・・ついでに言うと“みーちゃん”と言うのは不本意ながらも私のあだ名である。 「・・・私の調子は悪くないのだがね。というかいつもいつも疑問に思うのだがなぜキミがここで働いているのかな」 「いやねぇ中学以来のお友達にそんなこというなんて。私がここで働いてるのは素直に神姫が好きだからよぉ」 「嘘をつけ。受付の男が目当てだろう」 「さて? 何のことかしらね?」 妙にくねくねとしたポーズでしらばっくれる吉岡。ってそんなことはどうでもいい。 私は妙に楽しそうに吉岡と私の会話を見ていたハウを指先でつまむとそのまま手のひらに乗せた。 「今日はこいつの健康診断に来たんだ。診てやってくれ」 「あらあらハウちゃんもお久しぶり~!」 「お久しぶりです。吉岡さん」 人の話を聞けオカマ。 ハウも普通に応待するな。 ちなみにこの間中、ノワールは胸ポケットから腰のウェストポーチに移動して丸くなっていた。 どうも吉岡のハイテンションが苦手らしい。 私は手のひらに座ったままのハウを机の上に移動させる。 「とりあえず普段どおりの検診で頼む。私はどっかそこら辺で暇を潰すから」 「マスター・・・・行っちゃうんですか?」 私がそういうとハウは少し悲しそうな顔をして上目使いでこちらを見上げてきた。 ・・・・・ごめん。正直たまりません。 「・・・・そうだな。なんならここで待っても ―――――ぐっ!?」 何だ!? 突然腰に刺すような痛みが!! 慌ててウェストポーチを開けるとそこにはアングルブレードを持ったノワールが丸くなっていた。 「・・・・マイスター・・・・買い物、行く」 ・・・・・・恐っ! 悪魔型恐っ!! 「はいはい判ったよ。一刻も早くお前はここを離れたいんだな?」 「違う、買い物・・・・行きたいだけ」 そっぽを向いているのは微妙にすねているのだろうか。 ノワールとの付き合いは長いがたまに何を考えているのか判らない時がある。 「そうねぇ・・・・一時間くらいで終わっちゃうから少しバトルでもしてきたらどうかした? 今日はね、凄い人が来てるのよ~!」 楽しそうに野太い声で吉岡は言う。と言うか同僚の女性職員がさっきからこっちを見て笑っているのがとても気になるのだが。 「吉岡さん。凄い人って?」 ハウの質問に吉岡は上機嫌に答える。 「天使型の人なんだけれどもねぇ。物凄く速くてもうだれも追いつけないのよ! ライトセーバー二本とビームライフルだけでまだ負け知らずだし! 後はセイレーン型の人もいてねぇ。こっちは何と接近戦用のエウロスっていう剣みたいな武装だけで勝ってるのよ!」 ・・・・・・・・・ふぅん? 随分と極端な武装を組む奴もいたものだ。 遠距離に持ち込まれた場合はどう対応するつもりなんだろう? 私も話に加わろうと口を開いたらその瞬間、今度は控えめに刺す様な痛みが腰に走った。 ・・・・・もう見なくてもわかる。 突きつけてるなこれは。 「それじゃ私は適当に暇を潰しているよ。・・・・ハウ、この巨大スキンヘッドに何かされそうになったら大きな声で助けを呼ぶんだぞ」 私の言葉にはハウは苦笑しながらもしっかりと肯いた。 うん。良い子だ。 私の頭よりもはるか上空から何か不満そうな声が聞こえたが無視して医務室をでた。 NEXT
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第5話 剣の舞姫(ソードダンサー) ついに来た。俺は、目前の多目的ホールの収まる建物を見上げていた。 今日、これからここで行われるのは”武装神姫ショウ”というイベントだ。 企業による次世代モデルの発表や会場限定品販売、個人ディーラーの自作品販売、新規ユーザー獲得の為の催しも充実している。 もちろんバトル大会も行われる。 バーチャルバトルで強くなったエルを公式戦に出すことを決意し、出場を申し込んだ。 会場前には、一般参加者の列が伸びており、今現在も伸び続けている。 俺はその列を横目で見ながら、メインゲートとは違う入り口へと向かう。 そこで大会招待状をみせ、入場証をもらい控え室へと案内された。 控え室はかなり広く、すでに数人の参加者が自分の神姫のチェックをしていた。 俺も与えられた一角に荷物を置き、持ってきたパソコンを起動させる。 「よし、出ていいぞ」 ペンケースのような箱を開けると、二人の神姫が起き上がる。 「マスター、いよいよですね」 「ああ」 アールの頭を撫でてから立たせてやる。 「あ、あたい……」 「緊張してるのか?」 無理も無い、この大会の模様はTVはもちろん、ネットにも配信される。 エルも同じように頭を撫でて立たせてやる。 「エル、ちょっとじっとしてて」 俺は、パソコンから伸びたコードをエルにつなぐ。 パソコンにさまざなな情報が表示されるが、異常個所は見られない。 「よし! OKだ」 コードを抜き、エルに答える。 それから俺たちは、パソコンに入れておいた簡易型ヴァーチャルバトルの対CPU戦用モードにてエルのウォーミングアップをした。 開始時間が近づいて、次々と参加者が入ってくるが、人数が少ない気がする。 「別にも控え室があるのでしょうね」 「だろうな」 アールに答える。 確かに、ここが広いといっても個人個人が持ち込む荷物がかなりあり、入れる人数が少なめみたいだ。 会場側もそのことを分かっているようで、個人に割り当てられたスペースがかなり広くなってる。 もちろん、俺のスペースも同様でパソコンとエルに使う武装一式と、メンテナンス用具しか持ってきていない俺にはかなり広い。 他の参加者を見回すと、およそ実戦向きでないようなドレスを着せている人、俺の用に2,3人の神姫を連れて来ている人などが居る。 「この全てがあたいのライバルなんですね」 俺が他の参加者を見ているのに気が付いたのだろう、エルがそう言ってきた。 「ああそうだ。こわいか?」 エルの頭を撫でると、ふるふると首を横に振る。 「ううん、マスターと姉さんがついてるから平気」 エルはニッコリと笑った。 控え室にスタッフが入ってきた。 「これより、武装神姫バトル大会が始まります。参加者の皆さんは、バトルに参加させる神姫を素体状態で持ち、順に廊下へ並んでください」 それを聞いた参加者が立ち上がり、神姫を連れて出て行く。 「じゃあ、行ってくるよ」 「はい」 アールにそう言って、エルを持ち廊下に出た。 スタッフに連れられて廊下を歩いていると、向こう側からも同じように歩いてくる集団があった。 二つの集団の合流地点で右に曲がり会場へと目指す。 ステージに全員が並ぶと、スポットライトが当たると同時に大歓声が巻き起こった。 『ここに集まった戦士たち。目指すは優勝という栄光。このステージに立てばルーキーもランキング一位も関係ない』 『あるのは、そう、今現在の能力の優劣のみ。さあ! 始めよう! 栄光を目指す挑戦者達の競演を!』 『注目せよ! これが栄光への階段だ!!』 大音量のナレーションと共に、俺たちの背後にある大スクリーンにトーナメント表が表示された。 バトル参加者に見えるように、ステージに置かれたモニターには同じ様子が表示されている。 『エントリーNo1』 ナレーションと共に個人にスポットライトが当たる。それと同時にトーナメント表に名前が入る。 名前が入るたび、ギャラリーから大歓声が上がる。そして、俺は一回戦最終組となった。 その後、俺たちは控え室に戻ってきた。 「まだドキドキしてるよ」 エルが胸を押えて興奮を隠しきれない様子だ。 「じゃあ、調べてやろうか?」 「やん」 俺がいやらしい指の動きでエルに迫ると、身を翻しエルが逃げる。 「あははは」 「うふふふ」 「くすくす」 俺たち三人は一斉に笑い出す。エルもリラックス出来たようだ。 しかし、異変は突然やって来た。 そろそろ準備をしようとしていたときだった。 「マスター!」 アールが叫ぶ。 アールの方を向くと、そこにはぐったりとしたエル。 「どうした! 大丈夫か?!」 エルの反応は無い。 急いでエルにコードを挿し、機能チャックする。 「原因不明の動力停止、それによりAIがスリープ状態か」 パソコンからエルに再起動指令を与える。 「反応なし。再起動できない……」 「マスター……」 心配そうなアールに説明する。 「エルは機能停止して、復帰出来なくなってる。AIはスリープしただけだから、起動さえ出来れば……」 「マスター、動く動力……ボディがあればいいんですよね」 「そうだが、そんなもの持ってきてないぞ」 最低限の物しか持ってこなかったことを悔やんだ。 「あります」 「え?」 俺はそういうアールに驚く。 「………ここに」 そういって自分の胸を押えるアール。 「使ってください」 「いいのか?」 コクンとうなずくアール。 「ごめんなアール」 俺はそういって、メンテナンスベッドにアールを寝かせ、機能停止させた。 ボディ破損などによる交換手順は知っていたが、いざ行うとなると違う。 胸部カバーを外し、CSCを引き抜き、壊れないように刺さっていたスロットをメモして紙で包む。 それから、アールのヘッドを外し、エルのヘッドと交換した。 エルのCSCをアールに刺し、カバーを閉じる。 「たのむ、起動してくれよ」 俺は祈るように起動指令を与えた。 「ん…んん」 エルが起き上がる。 「あれ? あたい、いったい」 「機能停止したんだ」 「そっか……え! どうして!」 自分の身体をみておどろくエル。 「起動できなくなったボディの変わりに使ってって言ってな」 エルに説明すると、泣きそうになった。 「エル、泣くな。エルは戦って勝つことだけ考えろ」 「うん……」 そういってエルは、頭だけのアールを抱きしめた。 「いくぞ」 「うん」 エルに武装をしていく。足にストラーフのレッグパーツ、太ももにアーンヴァルのシールドパーツ。 背中にサブアームユニットとアーンヴァルの翼にレッグパーツのブースター、肩にアーンヴァルのシールドパーツ。 頭にアーンヴァルのヘッドギアを付けた。 胸にストラーフのアーマーをつけたときエルが言ってきた。 「マスター、胸の名前のとこ、アール姉の名前も書いてくれよ」 「わかった」 そういって、胸に書かれた”L”の文字に重ねるように”R”を書いた。 背中にフルストゥ・グフロートゥとフルストゥ・クレインを取り付け、レッグパーツにアングルブレード。 手首にアーンヴァルのサーベルを取り付けて武装完了。 そこまで行った所で、スタッフの声がかかった。 「陽元さん、準備をお願いします」 俺は、不正パーツのないことを審査してもらう為、エルを提出した。 そして俺は戦いの舞台へと向かった。 ステージに上がると、再び大歓声に迎えられる。 バトル用のブースにつくとすでにエルが準備されている。 俺は、備え付けのインカムをつけて、エルとの交信状態を確認する。 「エル、聞こえるか?」 「おう、マスター聞こえるぞ」 「いいか、お前は一人じゃない。アールと一緒に二人で戦うんだ」 「マスター、その計算、間違ってるぞ」 「え?」 「あたいにはマスターの気持ちが注がれている。アール姉にもマスターの気持ち……いや、愛だな。アール姉の場合は」 「お、おい」 「あはは、気づいてないと思ったか? 相思相愛、熱いねぇ。とにかく、あたいとアール姉と、あたい達に対するマスターの気持ち。合わせて四人だ」 「……そうだな。だから絶対負けないさ」 「おうよ」 「いくぞ!」 「おう!」 バトル開始の合図が鳴った。 開始と同時にエルはヴァーチャルステージへと移る。 ゴーストタウンステージに光の柱が現れ、光が消えると同時にエルが現れた。 こちらのモニターでは確認できないが、相手もどこかに現れたはずだ。 エルは出現地点からまだ一歩も動いていない。 いや、動いていないわけではない。 その場で左右の踵を交互に上げ下げをしてリズムを取っている。 どこからともなく、猫型ぷちマスィーンズが襲い掛かる。 エルは尚も足踏み状態だ。 猫ぷちの砲撃がはじまるがエルには当たらない。 いつのまにかサブアームにフルストゥ・グフロートゥを持ち、くるくる回転させることにより弾をはじく。 猫ぷちが突撃してくると、エルは優雅に足を振り、足先の刃で突き刺し、地面に叩き落す。 しかし、身体の軸はぶれずに、サブアームのフルストゥ・グフロートゥを回転させたままだ。 「さて、そろそろ公演開始しようか」 「OKマスター」 にやっと笑いそういうと、エルは目を開き、アングルブレートを自分の両手に持ち、前方へ大きく飛び出した。 そして、身体を回転させると同時にアンブルブレードを振り、猫ぷちを斬ると光となって消えて、退場扱いになった。 「まず、2機」 身体の回転を止めると同時に、サブアームのグフロートゥを左右別方向に投げる。 刃の飛ぶ先に猫ぷちがそれぞれ位置して、貫通する。 「はい、4機」 猫ぷちの倒されたことによる退場を確認すると、アングルブレートをサブアームに持たせゆっくりと飛ばしたグフロートゥの方へ歩いていく。 辿り着くなり足先で思い切り蹴り上げると、そのまま回転し後方に回し蹴りを放つ。 足先の刃に今度は犬ぷちが突き刺さっていた。足を下ろすと同時に退場する犬ぷち。 エルはすっと腕を伸ばすと先ほど蹴り上げたグフロートゥが落ちてきて手に収まる。 驚いたことにグフロートゥには犬ぷちが刺さっていて退場していった。 「6機か、あと2機くらいいるだろう」 サブアームの手首を回転させアングルブレードを地面に突き刺した。 「7機目」 エルが呟くと、地面から退場の合図の光が漏れた。 突然エルが上を向き、身体を回転させてその場所から離れると、さっきまで居た場所に犬ぷちの乱射が降って来た。 サブアームのアングルブレードを軽く放り投げ、自分の腕で持つと、跳び上がり下から犬ぷちを薙ぎ払う。 「8機、これで打ち止めだろう」 エルは一旦全ての武器を収めた。 ここまでの戦いを見ていたギャラリーは静まりかえっていて、エルが武器を収めると同時に轟音と化した感性が沸き起こる。 見ていた誰もが同じ感想をもったことであろう。 それは戦いというより、”剣の舞い”だったと。 「エル、レーダーに反応は?」 「いまんとこ無しだぜ、マスター」 「そうか、こっちから動くか」 「OK! 恥ずかしがり屋さんを迎えに行きますか」 エルが探索の為に歩いていると、弾が落ちてきて煙幕を吐き出す。 「エル!」 「大丈夫だ! たぶんここから出たところを狙い撃ちっていうことだろうが、そうはいくか!」 エルはブースターを全開にして飛び上がる。 するとエルを追うようにマシンガンの乱射が迫ってくるが追いつかない。 エルが上空から確認した相手の神姫は忍者素体にハウリンのアーマー、両肩に吠莱壱式、背中からストラーフのサブアームを二対ついている サブアームには、STR6ミニガンを2門、シュラム・リボルビリンググレネードランチャーが2門装備されていた。 足はマオチャオのアーマーで、エルとは対照的な射撃に特化しているようだ。 轟音と共に両肩の吠莱壱式が火を噴く。 エルは上空に停止しフルストゥ・クレインを自分の腕で、サブアームにフルストゥ・グフロートゥを持つ。 四枚の刃を蝶の羽の用に合わせて防ぐ。 さらに、グレネードランチャーやミニガンをも合わせて撃ってくるが、四枚のグフロートゥとクレインで全て防いだ。 銃は効かないと思ったのか、忍者が飛び上がりハウリンの腕が下から襲い掛かる。 「気をつけろ! 射撃戦用が接近してくるのは、何か隠してるぞ」 俺はエルに注意を促す。 「分かってるって」 エルは上体を反らせてかわし、そこから地面へと急降下。 その一瞬後、エルの居た位置に相手の背中から伸びた、マオチャオの腕に取り付けたドリル空を切る。 エルより遅れて着地した忍者がマオチャオの腕を出すと、両腕にドリルがついていた。 ハウリンとマオチャオの腕、サブアームが二対、合計八本の腕が出揃った。 「まるで蜘蛛だな…」 正直な感想をもらす俺。 「マスター、作戦は?」 「んじゃ、蜘蛛の足から落としていくか」 「OK! 派手にいくぜ」 エルは相手に向かって飛び込み、発射間近だった吠莱壱式にアングルブレードを刺しこみ、バク転で逃げる。 大爆発と共に吠莱壱式とマオチャオの腕が吹き飛ぶ。 「まず二本!」 エルが叫ぶ。 爆発でうろたえる相手の頭を優雅に飛び越えの背後に回り、フルストゥ・クレインとフルストゥ・グフロートゥをサブアーム基部に突き刺す。 そして、ジャンプして足で押し込むとそのままジャンプして飛び越える。 「これで六本!」 倒れた忍者が起き上がると同時に、ビームサーベルを両手に持ち懐に飛び込んで相手を貫いた。 相手は、ヴァーチャルフィールドから消えてエルの勝利が決定した。 エルはビームサーベルを収めて左手を腰に当て、右手は頭上に高く掲げる。 そして、タンタンと大きく二回足踏みをして音を鳴らすと、キッとポーズをとった。 この日最大であろう、大歓声がエルと俺を祝福する。 控え室に戻った俺たちは、結果をアールに報告した。 「アール姉、勝ったぞ」 エルは武装をつけたままで、アールの頭を抱きしめる。 「よくがんばったな」 俺はエルの頭を撫でる。 「この調子で二回戦もがんばるぞ」 「おう!」 エルは勝ち進み、ベスト8まで行ったが、そこで負けてしまった。 そのときの相手が今回の優勝者だった。 俺の部屋の本棚の最上部に二つ目のアクリルケースが置かれることになった。 一つ目には、壊れたストラーフの素体。 二つ目にはストラーフの胸アーマーをつけたアーンヴァルの素体がストラーフの素体を抱きしめている姿になっている。 頭がない分ちょっとシュールになってしまっているが。 結局、エルの素体は起動しなくなったので新しいのを買った。 エルの使ったアールの身体をアールに戻すと、記念だから残して欲しいと言われ、アールの素体も新品にした。 それからもアールとエルは仲良くダンスをして俺はそれを眺め、エルをバトルさせるといういつもの生活が続いている。 大会を見ていた誰かが付けた、エルの二つ名”剣の舞姫(ソードダンサー)”が日本中に広まるには、あと少し時間が必要だった。 戻る 次へ
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Call of Duty MW3 のひねりすぎセリフ集 キャンペーンモード専用 ミッション一覧 プロローグ BLACK TUESDAY HUNTER KILLER PERSONA NON GRATA TURBULENTH BACK ON THE GRID MIND THE GAP GOALPOST RETURN TO SENDER BAG AND DRAG IRON LADY EYE OF THE STORM BLOOD BROTHERS STRONGHOLD SCORCHED EARTH DOWN THE RABBIT HOLE DUST TO DUST 特殊ゲームオーバー 別のシリーズ Call of Duty 4 Modern Warfare Call of Duty Modern Warfare 2 「プロローグ」 ブリーフィング プライス「おれたちの知っていた宇宙はすでにない 取り戻すために 何ができる?」 プライス「戦争を引き起こしたのはチワワ… おれたちだけが真実を知っている」 プライス「ニコライ、ソープをここから連れ出す!」 ニコライ「いい場所を知ってる」 ムービー 上に運べ! ニコライ「セーフハウスは5キロ西へ直進だ!」 プライス「止まるな!」 通路を確保しろ!医者を呼べ! プライス「傷口を押さえてろ!」 ニコライ「やってる!こっちも手一杯だぞ!」 ニコライ「おい 死なないでくれよ」 今すぐキュアーを! 「BLACK TUESDAY」 ブリーフィング ミッション 「HUNTER KILLER」 ブリーフィング ミッション 「PERSONA NON GRATA」 ブリーフィング オーバーロード「全軍に告ぐ 我々はこれより攻勢に切り替える 繰り返す 各軍は態勢を立て直して反撃せよ」 グリーン・ベレー「こちらODA-F!ロシア軍が早退中!とぐろを巻いて逃げていくぞ!」 プライス「戦場の絆には まだマカロフの狂気に 染まっていないロシア人もいた 信念のために死ぬ 覚悟のある者たちが」 ニコライ「プライス ソープの脈が停止寸前だ まともな治療なしじゃ体力がもたんぞ」 プライス「こいつはやたらとしぶとい 大丈夫 生き残るさ」 政府支持派「レーダーに反応あり なにかが高速で接近している」 ニコライ「お客さんだな」 プライス「マカロフ…いきなりクライマックスというわけか」 プライス「五番の腕利きは?」 ニコライ「ユーリ・ローウェルだ 元必殺仕事人であんた以上にマカロフを憎んでいる」 プライス「呼んでくれ」 プライス「連中は稜線を盾にライオットシールドを構えて南側から攻めてくる」 ニコライ「どうしてわかる?」 プライス「俺ならそうする」 ミッション ユーリ! ユーリ こっちだ! プライス「ソープを輸送ヘリに乗せるんだ!」 ニコライ「あれは何だ?」 みんな無事か? ニコライ「この男の指令どおりに」 プライス「ユーリ バルコニーの手前に陣取れ!ドクターのために応急処置の時間を稼ぐぞ!」 プライス「中庭からZ注目を離すなよ」 中庭に次々入られた!排除しろ! ソープを輸送ヘリに運べる状態になるまで 食い止めるぞ! ドクターが殴られた! ユーリ 肩を貸してくれ! ユーリ こっちだ! 注射を打ってやれ! プライス「屋根にとりつかれた 早くソープをヘリに運ぶんだ!」 ニコライ「任せろ!」 プライス「ユーリ 一緒に来い!」 階段を降りるぞ 急げ! ユーリ 早くしろ! 中庭を強行突破するんだ! 道でくぎ付けにされてる!増援を求む! 中庭はオールクリアだ! プライス「頭上にロシア軍の無人爆撃機!」 プライス「人数も火力も武器・装備も支援も負けている 重火器が必要だな」 ニコライ「街の門横に武器庫がある!UGVがあるはずだ」 プライス「そいつをこき使ってヘリまで突破する 行くぞ!」 撃つな!民間人ガイル! バルコニーに注意しろ! ニコライ さがれ!ソープを守れ! 右側のどこでもドアだ! そのまま通りを右折しろ! ソープをここから連れ出すぞ! バルコニーに機銃手が陣取っている!片づけろ! 無人機がまた来るぞ! ヘリは門の向こうだ! ニコライ「武器は真正面の建物内だ!」 プライス「ヘリに行くまでに敵が多すぎる」 プライス「ニコライ 今すぐUGVが必要だぞ!」 ニコライ「あとちょっとだ 屋内を抜けていけ!」 ユーリ あっちだ! ユーリ こっちだ! ユーリ UGVはそっちだ 突入!突入!突入! 止まれ これだ プライス「武器庫の中に入れ!」 ニコライ「UGVは鉄箱の中にある そちらの真下だ」 プライス「了解だ」 UGV…無人攻撃車 装甲180センチ 武装はミニガンとグレネードランチャーか 操作はロシア語のはずだ 頼むぞ ユーリ ユーリ 操作を頼む! プライス「ニコライ ソープの容態はどうなってる?」 ニコライ「マジで最悪だ はやくここから連れ出さないと」 プライス「ユーリ ヘリまでの道を掃除してくれ 残りも後に続く!」 ミニガンなら紙や薄い木材、極薄の鉄板やシートのような幅が薄い素材を軽く貫通するぞ グレネードランチャーを団体さんに撃ち込め! 進路を切り開け! 攻撃ヘリを残らず堕とせ! ユーリ 前進する!掃射を行なって敵をくぎ付けにしろ! ヘリまで強行突破するんだ! プライス「ヘリの真横にとりついた!ソープをすぐ乗せる!」 ニコライ「心拍もよくないな」 プライス「無人爆撃機が真上に来るぞ!」 プライス「ユーリ 攻撃ヘリまでマラライで走れ!急げ!」 後退しろ! フォックス 危ない! ニコライ「いたぞ!ユーリだ!」 プライス「いいぞ あいつは必要だ マカロフを双剣で狩るためにな」 ソープ「ユーリ・ローウェルってのは何者だ?」 「TURBULENTH」 ブリーフィング ミッション アリョーナ「あの人 好みじゃない…」 ワルシャフスキー大統領「みんなそうさ だから無能なんだ」 ハイジャックです! 貨物室に多数侵入されました! マカロフ「俺が誰だか分かるか?」 ワルシャフスキー大統領「ああ」 誰にでも弱みはあるものさ… 今すぐアリョーナを探せ 「BACK ON THE GRID」 ブリーフィング 記者「ロシア大統領は 依然としてハンブルグに到着していない模様です」 記者「その居場所がわからない以上は 和平交渉の予定も先送りに…」 ソープ「マカロフが次の手を打ってきたらしいな」 プライス「みんながそう思ってる あいつが組織的に情報を広めてるんだろう」 ソープ「で 大剣での狩り(ハント)はどこから始める?」 ユーリ「アフリカだ」 ユーリ「マカロフは地元の民兵をこき使ってシエラレオネに 支援物資を運んでいる」 ユーリ「そこからモロッコ そしてスペインへ流れていく」 ソープ「北に流してるのか…」 プライス「女王陛下の宮殿口にまでな 積み荷はなんだ?」 ユーリ「まだわからない」 ユーリ「だが奴には重要なアイテムだ」 プライス「ならいただこう」 ソープ「川を利用すれば近づけるぞ 野営地内の工場に積み荷がたくさん保管されてるかもな」 ソープ「…だが民兵たちは高原一帯でここ何ヶ月も虐殺を続けている そこら中にいるぞ」 プライス「その目的がない限りマカロフは大事な救援物資の輸送を人任せにはしない」 プライス「自ら部隊入りして 作戦指揮も執っているようだ」 プライス「奴は再び動き始めた おれたちも行くぞ」 ミッション プライス「ニコライ 村の外まで来たぞ」 ニコライ「了解 14時間後に迎えに来る」 プライス「工場はそこまで遠くない マカロフの大事な積み荷がそこに置いてあるはずだ」 プライス「音を立てるなよ 行くぞ!」 ブラインドアイアサシンデッドサイレンスサプレッサーを使い目立たずに行け 民兵がそこらじゅうにいる プライス「ソープ 今度は死ぬなよ」 ソープ「自分の心配でもしてな ご老体」 ソープ「車両が接近中!」 プライス「すぐさま伏せろ」 進むぞ ソープ「エックスレイ4名 11時方向」 プライス「排除しろ」 クリア ソープ「火だるまにするつもりか」 プライス「先手を打つ 任せたぞ」 ソープ「クソッタレ」 プライス「後で対処する まずおれたちが生存することを考えろ」 始末しろ 進もう 前方に複数の敵集団 撃つな 数が多すぎる 辛抱するんだ…バカな真似はするなよ よし C4爆弾を仕掛けるぞ… 行くぞ ほそ道から離れろ! 隠れろ!早く! もうちょい待て… オールクリア 耐えるんだ…こらえろ クリア ソープ「橋にもう6人 始末するか」 プライス「トラックが通過するまで待て」 排除しろ 急いで前進! 工場が見えた 舗装路の先だ よし ソープとオレは前進 ユーリは見張りだ 屋根の上から狙撃援護してくれ ユーリ 指定配置につけ 敵が接近中 65メートル先 西からもう2人来る 始末しろ 前進 道路に別の見回りだ 素早く片づけろ ソープ「移動しろ」 プライス「移動する」 突入する プライス「クリア」 ソープ「クリアだと? どう探してももぬけのからだ」 プライス「ニコライ 工場はからっぽだ 物資の手がかりもない」 ニコライ「町の西側にある民兵組織のHQに置いているんだろう」 プライス「今からそっちに向かう」 ソープ「気をつけろ お客さんだ」 プライス「発見された!」 ハンドガンに持ち替えろ ユーリ マラライで走れ! 合流しろ! ユーリ 後退しろ ソープ「エリアを制圧」 プライス「ここを抜ける! 急げ!」 ユーリ 上だ! ソープ「感づかれちまったかな」 プライス「持って行かれた積み荷のことだけを考えろ 止まるな」 左側に武装車両! ユーリ 機銃で制圧してくれ! ユーリ 固定機銃を使え! 増援の敵車両に火力を集中! 脆い屋根に敵 右だ! 前方に敵! 左に敵! 新たな武装車両が突撃して来るぞ! 応戦しろ! 前方に敵! 右だ 右! 迫撃砲が飛んで来る! 止まるな 狙い撃ちにされるぞ! つかまれ! 立て! 戦線離脱する! 民兵総出で向かって来る! 歩け! 走れ! 迫撃砲 上から来るぞ!気をつけろ! 止まるなよ! 足を止めるな! 行け! 迫撃砲来るぞ 左! ユーリ! ユーリ 無事だな! マラライで走り続けろ! 迫撃砲は あの監視塔からだ! ユーリ 射手を狙撃して始末しろ! 普通に片づいたな ソープ「民兵の軍勢が真下に大挙して向かってる」 プライス「超派手に歓迎してやろう ユーリ そこの迫撃砲であいさつだ!」 ユーリ 迫撃砲を使うんだ 砲弾を次々お見舞いしてやれ! 市場を荒らしてる敵どもに向かって迫撃砲であいさつしてやれ! 武装車両が14台と歩兵が多数 片付けろ! 動く奴は全員敵だ! 村にいる奴らへ迫撃砲をお見舞いしろ! 迫撃砲をガンガン撃ちまくれ! よし もう十分だ 行くぞ! 教会に向かうぞ 時間がない 動け こっちだ プライス「ニコライ 現在教会に移動中 救援物資は確かにそこなんだな?」 ニコライ「このエリアで支援物資を移せるのはそこだけだ」 ニコライ「でなけりゃ積み荷はすでにヨーロッパへ輸送中だな」 ソープ「そうならなければいいが」 ソープ「エリアを制圧」 プライス「ソープ ドアを頼む!」 (まだ途中) 「MIND THE GAP」 ブリーフィング ミッション ウォールクロフト「スペクターでも呼んで、河に沈めてマルチキルしたらどうです?」 ベースプレート「目立ち過ぎだ ブラボー6」 民間人ガイル!射線に注意しろ! 「GOALPOST」 ブリーフィング オーバーロード「GIGNが追い込んだが、周囲を車両部隊に囲まれてくぎ付けにされてる」 サンドマン「くぎを抜きに行けと?」 オーバーロード「必要に応じてな だが、ヴォルクは生きたまま連れて帰るように」 ミッション 「RETURN TO SENDER」 ブリーフィング ミッション 「BAG AND DRAG」 ブリーフィング ミッション 「IRON LADY」 ブリーフィング ミッション 最後の弾倉だ!大事に使え! 無理だ!手持ちのポケモンが全てひんしになっててもういない! 俺たちは橋のど真ん中にいる!北側に大勢いる敵軍に全弾撃ち込め! グリンチ「恐ろしいフライトを 幸運を祈る」 サンドマン「わかっている だがグリンチ、そいつは殺すなよ」 「EYE OF THE STORM」 ブリーフィング ミッション さん橋の下に潜れ 暴風と雷が音を消してくれる プライス「ここがセーフゾーンだと言ったのはおまえだぞ カマロフ」 カマロフ「おまえたちなら余裕な事だろ」 プライス「話はそこまでだ 仕事に戻る」 チワワとその相棒は任せろ 一撃で始末する 1人は任せる もう1人はおれが ソープ「プライス、屋上に伝説の老兵スナイパーがそこらじゅうに居座ってるぞ」 プライス「了解だ」 聞こえたか? 敵のヘリだ!急いで室内に入れ かがめ 動くな… やりすごせ 奴ら、店内に入ってきた… 素早く進まんとな… 屋根の上のスナイパーを始末しろ 待て! 最悪のタイミングだな ご老体 心配性だから助っ人を連れてきた 俺が注意を惹きつけてる間に、RPGで装甲車を粉々にしろ! プライス「ソープ 視界から消えたぞ! ソープ どうした!」 ソープ「今は話せない 逃げるのに精一杯だ」 あの機関銃兵をHSで始末しろ! 道路から離れろ! 店へ飛び込め! あいつらをやり過ごすのは普通に考えて無理だ 合図を待て 今すぐかがめ! 走れ!踏み潰されるぞ! 了解だ 休憩しろ 合流まであと20時間ある 「BLOOD BROTHERS」 ブリーフィング ユーリ「安全のため 常に武装車両を乗り変えている どれに乗っているかは見当もつかない」 ソープ「ずいぶんとマカロフに詳しいんだな」 (中略) プライス「辛抱しろ 奴の身元が確認できたら好きなだけ撃て」 ソープ「1発でHSして排除するさ」 ミッション プライス「カマロフからの応答が いまだない」 ソープ「スマートフォンの電池パックを入れ忘れたんだろ」 ソープ「どうなってる?」 プライス「カマロフだ」 マカロフ「プライス少尉 地獄が迫ってるぞ」 ソープ「プライス 側転しろ!」 マカロフ「ユーリよ おまえはそこで狙撃するべきではなかった」 ソープ「ヤツは何のことを喋っているんだ?」 ソープ「逃げろ!」 ソープ!おれを見ろ!大丈夫だ! ユーリ! こいつを担いですぐ走れ! プライス… マカロフが… 言ってた… おれたちも戦線離脱するぞ! 隅に下ろしてやれ ソープ「最低限の応急処置をしてくれればいい おれもなんとか戦う」 プライス「ここも危険だ 急いでそこの店内に避難するぞ」 救援部隊だ! プライス… すぐ… 知らせ… ないと… マカロフが… ユーリを… 動かせてた… プライス「Oh no no no Soap! no no no no no Soap!」 レジスタンスのリーダー「ここからすぐ脱出するぞ!急げ!」 プライス「離せ!」 …すまない… ソープはおまえを頼りにしていた オレも手伝っていた なのに、どうしてマカロフと組んでいたんだ! …ユーリ 目を覚ますんだ この取り引きで莫大な軍事金がこちらに支払われる 我々の勝利は目前だ、友よ… (マクミラン「今撃たないでどうする!撃て!」) (司令部「アウトロー、こちら司令部。首都にて起爆コード入力済みの核弾頭が確認された。核緊急捜索部隊が核弾頭の起爆コードを解除するまで、東方の世界に退避しろ。」) 今すぐに起爆しろ わかるか、ユーリ これは最悪のシナリオの始まりにすぎない… おまえが何の情報を西側に流したのかは全て知っているよ オレを期待させながらも簡単に裏切った友よ… これから起こる出来事は 宇宙のパワーバランスを物凄く簡単に変えてしまうだろう もはや誰にもこれを止められはしない たとえおまえでもな (マカロフ「殺せ、ロシア人だ」) よし、ユーリ… 次の任務があるから話は後回しにしよう… …今はな 「STRONGHOLD」 ブリーフィング ミッション 「SCORCHED EARTH」 ブリーフィング ミッション 「DOWN THE RABBIT HOLE」 ブリーフィング プライス「報酬が大好きなアメリカ人のために、みんなで警備兵を殲滅しておく 必ず人質を救い出すんだ」 ミッション サンドマン「プライス すぐ行け!重要人物を頼む!」 プライス「無理な話だな!おいてなどいけるか!」 サンドマン「仲間とペイブロウに乗れ!乗るまで援護する!」 グリンチ「RPG!2Fだ!」 サンドマン「トラック 右側を守れ!RPG兵を始末しろ!」 プライス「乗り込んだら来いよ 必ず!」 「DUST TO DUST」 ブリーフィング ミッション 特殊ゲームオーバー (現在は準備中) Last Update 2015/02/16 22 54 48↑上に戻る
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首尾よくローマに潜入したステッラ達は、闇に紛れて下水道の中へと身を潜めた。ローマの地下を縦横に走る下水道には、流石の『ヴィルトゥ』の力も及ばない。そして、スーサイド・ダイビングをもってすれば何処からでも出入りする事が出来るから、敵よりも機動性で勝る事が出来るはずだ。 「いいか、今から今後の方針について話をする。『ヴィルトゥ』のボスは用心深く、『パッショーネ』が潜り込ませたスパイや暗殺チームでさえも、スタンド能力はおろか居場所さえ大まかにしか掴めなかった。 そこで、俺達はまずやつの居場所を見つけなければならない。つまり、適当に『ヴィルトゥ』のメンバーを捕まえて、情報を吐かせる必要があるという事だ」 「ステッラ、危険すぎはしないか? つまり僕らはわざと市内をうろつきまわって、敵を招き寄せないといけない、ということだろう?」 「その通りだ。それも、集団ではなく、バラバラになって、だ。かなり危険な話だが、成算がない訳ではない。どうも、現在ローマはかなり手薄な状況にあるらしい。つまり、それほど多くの敵と戦う事はないはずだ。危険ではあるが、如何にか逃げ切れるだろう」 何故手薄なのかをステッラは説明しようとしなかったが、おそらくボスの差し金なのだろう。しかし、それでも不安は残る。やはり、この方法はあまりにも危険が大きい。 「あの、私も危険だと思います。もし、私が敵のチームに居れば、数人がかりで一人を捕えることにします。私達の拠点のネアポリスならともかく、敵のお膝元では逃げ切れないんじゃないでしょうか?」 ジョルナータの言葉に、ステッラは理解を示しはしたものの、 「逆に、そうなればこっちのものだ。こういった場合、やつらは相手を殺そうとはせず、他の仲間が何処に居るかを尋問しようとするだろう。それがつけ目だ。尋問する為には、それなりの設備がないと不可能だ。筋金入りのギャング相手の尋問は、能力で異空間に放り込むなんてチャチな事をするだけじゃ意味がない。 だから、俺達のうちだれかが捕まった場合、やつらは自分らの拠点へと運びこまざるを得ない。それなら、全員に通信機を隠し持たせれば敵の拠点を発見し、仲間を助けつつ敵の力を削ぐ事は難しくないだろう」 と、あくまで当初の姿勢を変えようとはしなかった。 ** ルーチェが、ウオーヴォを見つけたのは偶然の事だった。嫌がるキャッツ・グローブをつれて、ローマ中の建物のブレーカーを手当たり次第に切って遊んでいる時に、たまたま警戒心を剥き出しにして歩いている青年がいるのに気づいたのだ。 幼いとはいえ、彼女も一応『ヴィルトゥ』のメンバー。ローマが手薄になっている現在、潜入してきた『パッショーネ』メンバーの顔くらいは覚えこまされている。 ボスの敵を見つけたからには、誰か組織の大人に連絡をすべきなのだろうが、それじゃあ何となく面白くない。ルーチェは、しばし考えた揚句に、ポン、と手を叩いた。 「そういえば、ボスがこの前新しい玩具をくれたっけ。よーし、今日は狩りを楽しんじゃうぞー!」 まるで「今日はピクニックに行こう」と言うかのような気軽な物言いに、しかしキャッツは顔を土気色にした。彼女の言う『玩具』なんてものを使ったりしたら、どれ程の被害が出るか判ったものではない! 「ルーチェちゃん、それだけは駄目でし! あれを使ったら、多くの人が死んじゃうでしよ!」 「それの何がいけないの? 面白ければ、それでいいじゃない。ほら、キャッツ。早くいこ!」 ルーチェは、自分のスタンドの反対など意にも解さず、その尻尾を引っ掴んで歩き出した。その強引さに、キャッツは諦めたかのように口を閉ざした。 ** ウオーヴォが、その攻撃を無傷で乗り切れたのは、傍目から見て完全に奇跡としか言えなかった。それは、キレ者の彼でも予測すらしていないモノであった。 ショーウィンドーの前を歩いていた彼を襲ったのは、爆走する小型トラックであった。危ういところで、ダフト・パンクを付近の車につなげ、引っ張らせることで難を逃れた彼をかすめ、トラックは店へと突っ込む。 驚愕して振り返ったウオーヴォは見た。スタンドらしいピンクのカバを模したぬいぐるみに運転を任せ、トラックの荷台に立った少女が、荷台に取り付けたM134機関銃を四方八方に向けて、周囲の人間を面白半分に薙ぎ倒す光景を。 「くそっ、なんてガキだ! 親のしつけはどうなってるんだ!」 舌打ちをしながら、近くに止まっていたバイクを失敬し、ウオーヴォはこの場から離れにかかる。こんな人通りの多い場所にいたら、関わりの無い民間人が更に巻き添えになってしまう! 「おい、待て泥棒! ぶげぇっ!」 バイク泥棒に、持ち主らしい男が慌てて追いかけたところを、バックして店から飛び出したトラックがわざわざ弾き飛ばし、バイクの去った方向へと向きを変える。 「そうそう、こうじゃないと面白くないよね。よーし、追いかけちゃうよー!」 荷台の上で、ルーチェはいかにも楽しそうに笑ったが、運転席にちょこなんと座るキャッツは、酷く苦渋に満ちた顔をしていた。 ** 甘かった! 決死の逃避行を続けながら、ウオーヴォは内心臍を噛んでいた。トラックに乗る少女は、彼を追う先々で、面白そうに人混みへとトラックを乗り入れ、ミニガンの弾丸をばら撒きながら疾走を続けていたのだ。まったくの無意味な殺人を、無邪気に少女は楽しんでいたのだ。 M134はミニガンなどと可愛らしい愛称でこそ呼ばれてはいるが、その威力は「生身の人間に当たれば、相手は苦痛も感じずに即死する」とまで言われている代物だ。それと、トラックの運用をスタンドに任せながらも、事もあろうに、激しく揺れる荷台の上で少女はケロリとこう言ってのけた。 「きゃーっ、たっのしーーーーーーーーっ!」 楽しい? 冗談はよしてほしい。小型トラックで暴走しながら、荷台に取り付けた小型ガトリングを乱射して、無関係な一般市民を呆れるくらいに巻き添えにして、楽しいもクソもあるのか?! 毎分4000発の弾丸をばら撒いてるんだぞ?! ウオーヴォは、バイクを走らせながら少女に毒づいた。彼は知っていた。自分が射殺されないのは、少女がわざと外して、追いかけるのを楽しんでいるからだ。懸命に逃げさせる為だけに弾丸をまき散らして、罪もない一般人を多数巻き添えにしているのだ! どうやら、少女のスタンドがトラックとガトリングを動かしているらしい。つまりは、自分と同タイプのスタンド使いのようだが、動かす為にスタンドの尻尾を機械につなぐ必要があるらしく、空いている尻尾はあと一本しかない。 ならば、こちらにもやりようがある! ウオーヴォは、バイクで走り回りながら、目につく機械や人間すべてにコードをつないでいった。コードをつなげた機械から更にコードを伸ばし、ビルのブレーカーから、内部に居る人間、機械全てを支配下に置く。 バイクからの射程範囲を、支配下に置いた機械などが出そうになれば、今度は別の経路からネットワークをつなぎ直す。 少女に怪しまれないように、適当な乗用車を割り込ませて時間稼ぎをしながら、彼はネットワークをローマ全体へと広げていき、自分の目的に最も合致する、と判った場所へと向かっていく。 しかし、ルーチェも負けてはいなかった。遠く先に建築中の建物があるのを見かけると、ウオーヴォをそちらへと追い込みつつ、 「キャッツ! 尻尾をクレーンにつなげちゃえ!」 と、座席で俯いて「ごめんなさいでし……、ごめんなさいでし……」と繰り返し呟き続けるキャッツに命令を下す。キャッツは、もはや虚脱しきった顔で尻尾を窓から外に伸ばしていった。 一方、ウオーヴォもクレーンの存在には気が付いていた。位置は、ちょうど一本道の中ほどにある。その位置が、追い込もうとする少女の行動が絶妙であった。 おそらく、少女はクレーンの利用を考えるのだろうが、これまでの彼女の行動原理は「快楽」を基準としていた。そして、『ヴィルトゥ』の側としてはなるべく自分達を捕えようとするはずだ。 ならば、自分を殺すよりも、むしろ釣り上げる事を目的にするはず。そこが、彼のつけ目と言えた。 グオン! 思った通りに、彼が一本道を通り過ぎようとした瞬間に背後からクレーンが引っかけに動き出す。その風音を感じてウオーヴォは、 「ダフト・パンク!」 逆に、コードを伸ばし、クレーンの先端の鉤へと掴まった。その様に、荷台から飛び降りたルーチェは、 「何よそれー! 自分から釣り下がるんじゃ、面白くもないじゃない! キャッツ、あいつを振り回しちゃえ!」 本体の命令に、もはや反抗する気力さえないのか、キャッツは言われるがままにクレーンを左右に動かし始める。ブルン、ブルンと激しく振り回されるウオーヴォであったが、 「……やれやれ、甘やかされていい気になっているガキほど度し難い者はないな」 と、平然たる口調で呟いた。 「あはは、おもしろーい! じゃあ、そのいい気になってるガキにしてやられてるおにーさんは何なの?」 地上から彼を指差し、ケラケラと楽しそうに笑うルーチェ。だが、 「調子に乗るな、小娘。此処へと僕が向かったのが、自分のしたことだと思っているのか?」 ウオーヴォの冷徹な言葉に、少女の顔が強張った。 「お前くらいの年齢じゃ知らないだろうが、並列処理というものがある。大量のコンピューターをネットワークでつなげて、計算を分かれて行わせることでスパコン並みの成果を発揮させるってやつなんだがな。 僕の『ダフト・パンク』は、それを人間で行う事が出来る。彼らの五感を利用して、都市の何処に何があるかを判断し、それを自分の脳へと連絡させ、更に必要な物を複数同時に動かさせる。僕が、他のスタンド使いに決定的に勝るのはこれだ。 これこそが、僕の『ダフト・パンク テレビジョン・ルールズ・ザ・ネーション(電影国家)』だ! 僕は、それが最大限に力を発揮するべき場所へとお前を誘い込んだに過ぎないんだ!」 ウオーヴォの言葉が合図だったかのように、その時周囲から何百本ものコードが伸びる。その大半はクレーンに巻きついて動きを止めるが、残る一部は、或いはトラックに接続して移動をさせ、或いはルーチェの手脚に巻きついて拘束する。 ギュッと手足を締め付けるコードの痛みに、罵声を上げようとしたルーチェは、コードが何かに猛烈に引っ張られる感覚に思わず悲鳴を上げた。 「ああ、言っておくがそのコードはそれぞれこの場から離れる方向に向かうスポーツカーから伸びてきたモノだ。そして、ついでに言うと今この場には、石油を満載したタンクローリーを前後から突っ込んでこさせるようにしている。 四裂きにされるのが先か、タンクローリーの衝突に巻き込まれて即死するのが先か、そこまでは計算していないがな」 「ウ、ウソ! やだやだ! それじゃ、私が死んじゃうじゃない! 許してよ!」 突如突きつけられた死の恐怖に、泣きわめくルーチェ。その姿にウオーヴォは鼻を鳴らした。 「ふん、自分を知ったらどうだ。お前は、今日弾丸を喰らわせた相手、トラックで轢殺した相手に、情けをかけたのか? ギャングの殺し合いに、堅気を巻き込むなどという掟破りを、それも自分一人の楽しみの為だけに行っておいて、自分だけが『死ぬのはいや』等と言う権利はないぞ」 ジロリ、と少女をねめつけておいて、コードを建物に引っ掛けて去っていこうとするウオーヴォであったが、その時身じろぎもせずにこちらをつぶらな瞳で見つめてくるキャッツ・グローブと視線が合う。 「……本体を助けたいのならば、僕を斃すしかない。来ないのか?」 彼の不思議そうな問いかけに、ようやくそれに思い至ったのか、ルーチェも、 「キャッツ! 早くそいつをやっつけなさいよ!」 と、騒ぎ出すが、キャッツは一度そっちを向き、 「……ルーチェちゃん。僕は、最初で最後のわがままを言うでし。僕は、ルーチェちゃんがこうなるのは当然の罰だと思うでしよ。ルーチェちゃんが死ねば、僕も死んじゃうでし。でも、ルーチェちゃんを止められなかった僕も同罪でし。だから、僕はルーチェちゃんを助けないでし」 と、答えてから、ウオーヴォへと向き直り、深々と頭を下げた。 「ありがとう、そしてさよならでし。ルーチェちゃんを止めてくれて、僕は感謝してるでし」 予想外のスタンドの行動。それに、ウオーヴォは酷く後ろめたさを感じた。 「……済まない」 そう言い残すと、ウオーヴォはヒラリ、と宙を舞った。 その後ろで、 「いたいいたいいたいいたい! しにたくないしにたくないしにたくない!」 ビチッ、ビチッ、と体が裂けていく音が鳴る。迫りくるタンクローリーのタイヤ音が轟と響く。少女の身体が千切れ飛んだのが先か、正面衝突したタンクローリーに少女の肉体が押しつぶされたのが先か。 だが、確実に先であった事が一つある。「でっ、でしぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」との悲痛な叫びを残し、主に恵まれなかった薄倖のスタンドがこの世から消え去った事であった。 だが、その悲鳴も、タンクローリーの爆発音にかき消され、誰の耳に届く事もないまま消え去った。 今回の死亡者 本体名―ルーチェ スタンド名―キャッツ・グローブ (手足を、スポーツカーから伸びた『ダフト・パンク』につながれ、引っ張られることで四裂きにされると同時に、前後からタンクローリーに押しつぶされるという惨すぎる手段で殺害される。爆発に巻き込まれ、骨の一欠片すら残らなかった) < 前へ 一覧へ戻る 次へ > 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用、AI学習の使用を禁止します。 [ トップページ ] [ ルールブック ] [ 削除ガイドライン ] [ よくある質問 ] [ 管理人へ連絡 ]