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おいハルヒ、いい加減にゲームをやめろ、ゲームは一日一時間までと某名人もいってるだろ? 同じ所に就職も決まったし卒論もでっち上げた俺達は卒業するまでの間をダラダラと二人きりで過ごしている。 そこ、爛れたバカップルとかいうなよ、それにしてもハルヒは怠惰すぎるが……。 「うるさいわね、いまやめるわよ、いま……そうだキョンあれとって頂戴」 またか? あれは昨日も食べたじゃないかジャンクフードは体に毒だぞ。それにもうすぐ晩飯だろ? あれだけで会話が成立してしまう俺とハルヒの仲な訳だが……、ハルヒが俺のアパートに入り浸っているんだから当然かね。 「いいじゃない、それにこういうのは別腹よ、別腹!」 おまえなぁ……、そんなんで来週大丈夫なのか? あとで慌ててもしらないぞ。 「来週って? 何かあったけ?」 なんだ覚えてないのか、来週は俺達内定者の健康診断だろ。バクバク食べてると泣きをみるぞ。 「ちょっとスナック菓子を食べたくらいで健康診断にはひっかからないわよ。キョンは心配症ね。」 ……ホントに気付いてないんだな、そっちじゃなくてさ、身体検査もあるんだろ? 身長、体重なんかも測るんだよな? 「それがどうしたのよ、いくらでも測らせてあげるわよ」 ……ハルヒ、おまえ自覚がないんだな。 「一体なんのこと? 勿体ぶらないではっきり言いなさいよ!」 今はいてるGパンきつくないか? 「えっ……それって……うそっ!」 嘘じゃない、すくなくとも3キロは増えてるな。 「いつ…いつわかったの…」 昨夜かな、ひさしぶりにお前が上だったろ、その時実感したんだ。 まぁあの最中に『お前太ったろ』などというなんざ野暮の極みだから黙ってた、それにちょっと肉感的なハルヒもそれはそれで悪くは無かったしな。 10代の頃とは違い今は代謝が落ちてるんだ、それなのに今まで通りにバクバク食べてりゃ当然の結果だ。 「嘘よ…嘘に決まってるわ……、あたしはいつだってベストウェイト、ベストプロポーション……、ナイスバディでみんなの注目の的……」 ハルヒは壊れたラジカセのように呟いている。 嘘だと思うんならヘルスメーターで測ってこい、数字は正直だ嘘はつかないぜ。 「そ、そうよ測れば、測ればはっきりするわ、きっと…キョンの勘違いよ……」 そうかヘルスメーターは冷蔵庫の脇だ、いってこい。 「嘘っ! ……これは…携帯が重いからよね、重いものはこっちに置いて………!、ふ、服の重さのせいよ、………脱いでもう一度測ってみれば……!、……ハ、ハルヒ落ち着いて……そうよカチューシャが……」 落ち着けハルヒ、カチューシャの重さなんか関係ないだろ、現実を直視しろ現実を。 「そ、そうよ、このヘルスメーターが……壊れてるのよ、きっとそうよ、そうに違いないわ!」 だからハルヒ現実逃避はやめろってば。 「ちゃんとした……、ちゃんとしたヘルスメーターで測れば……」 おいっ! ハルヒどこへ行くしっかりしろ。 「離して今から壊れていないヘルスメーターを買いに……」 まてまて、マズ服を着ろ服を! そのままの格好で外に出たら確実に警察に通報されるぞ。いい加減に落ち着け。 仕方ない、はっきりと現実を見せてやるか……。 ハルヒ服を着ろ服をこの服だ、ほら、と俺は以前ハルヒが置いていったリクスー一式を差し出す。 「えっ、キョンどういうこと?、……もうキョンたら好きなんだから……、あれでしょあたしにリクスーを着せたいからってこんな茶番を……、そうよねベストプロポーションでナイスバディなあたしにキョンはメロメロだもん……きっとヘルスメーターだってキョンが細工を……」 いいからさっさと着ろ……、うん終わったようだな、……うーん微妙にピチピチだ、でもハルヒは絶対に認めないだろうな。 「どう? ばっちりでしょ?」 自信たっぷりにハルヒは言い放つ。 あぁ、サイコーだ、惚れ直したよ、そうだくるっとまわって後ろも見せてくれ。 「こう? あたしにリクスー着せたいんならはっきり言いなさいよ、こんな回りくどいことしないで……」 あぁそうだなハルヒ、といって俺はハルヒを背後から抱きしめる。 「ちょっとまだ夕方よ早くない? それにこういうことはムードだって…キョンたら素直じゃないんだから……」 誰かさんの妄言に構わず俺は続けた。ハルヒ覚えてるか? 夏ごろにこの服を着たお前をこうやって後ろから抱きしめた。 「……覚えてるわ、キョンたら強引で……痴漢プレイとかいって……」 あぁそうだったな……、そう…こうやってお前を後ろから抱きしめて……手を下に降ろして……、次はどうしたか覚えてるか? 「たしか……胸をタッチしたあと下へ移動してウエストの方からスカートの中に手を入れてきて……、って今度は言葉責め?」 そうだ良く覚えてるな、でもな今はスカートの中に手が入らないんだ、ほら? ハルヒの腹にスカートがぴったりくっついてるだろ? 夏は腹とスカートの間にちゃんと余裕があった、だから手も入った、でも今は無理、これが現実だ、確実にウエストが太くなってるぞ。 「…………嘘、……」 なんだったらメジャーで測ってみるか? 「……自分でも……自分でも……なんとなく気が付いてはいたの…でも認めたくなくて…」 やっとハルヒは現実を直視する気になったらしい、長かった……。 「……キョン、あたしをみないでベストプロポーションでナイスバディじゃないあたしを見ないで……いや…」 すっかり自信喪失というか錯乱状態らしい、へたり込んだハルヒを俺は優しく抱きしめる。 あぁハルヒ、別に俺は今のぷにっとしたハルヒでも問題ないぞ、こうやってても抱き甲斐があるしさ。 ただこれ以上増えるとマズイからちゃんと節制して今の状態をキープ…っておいどうした? 「キョン……、でも…ぷには嫌、ぷには……、そうよダイエットよ! 来週までに元の体重に戻してベストウェイトでベストプロポーション、ナイスバディなあたしをとり戻すのよ!」 おいっ来週までって、無理なダイエットは体に悪いしに効果だって出ないぞ、もっと落ち着いてだな……。 駄目だきいちゃいねぇ……。 「そうと決まったら早速はじめましょう、キョンも協力してもらうわよ! 確かこの雑誌にダイエット特集が……、これよ『SEXでダイエット!』」 だからハルヒ人の話を聞けって……、おいハルヒ! 「ほらキョン、服を脱いでダイエットに協力してもらうわよ、このあたしがリクスー着てるんだし五回は頑張ってもらうわよ!」 ***************************************************************************************** ……なんだ、もう朝か……、確か昨夜は晩飯も食わずにあのまま……。 風呂場の方からシャワーの音がする、どうやらハルヒはシャワーを浴びてるらしい。 昨夜の俺達がしたコトを考えるとシャワーは当然だな。 おっとハルヒのシャワーが終わったらしい、俺もそろそろ起きるとするか。 昨夜の錯乱ぶりとは打って変わって上機嫌な、鼻歌混じりで体を拭くハルヒとご対面だ。 「おはよキョン、あんたもシャワー浴びてきなさいよ」 あぁ、随分上機嫌だな、何かいいことがあったのか? 「聞いてよキョン、一晩で一キロも減ったのよ、この調子なら一日一キロで来週までに5,6キロはいけるわね、ダイエットなんてチョロイチョロイちょろろんよ」 あぁわかった、と生返事をした俺はシャワーでざっと汗を流すべく風呂場へと入った。 しかしハルヒは何を勘違いしてるんだ、もう一回現実を直視させないと駄目だな。 「ねぇキョン、見てこんなに減ったのよ」 よほど嬉しいのかハルヒは素っ裸のままヘルスメーターに乗り俺に針を見るように呼びかける。 あぁ……その…なんだ、俺達昨日晩飯を食べてないし、今朝の朝飯もまだだよな? 「えぇそうよ、ちょっとおなかがすいて来たわね」 それでハルヒ、お前は今朝トイレにいったんだよな? 「な、なに変なコト聞いてるのよ……」 ハルヒは俺の話に不審そうな顔をする、まぁ当然の反応かな、しかし俺は心を鬼にして話を続けた。 あのなハルヒ落ち着いて聞いて欲しいんだが……人間の体重ってのは常に一定じゃないんだ。 一日の生活のうちでだと1,2キロくらいの幅でいつも上下してるんだ。 だから夜と朝で体重がちょっと減るくらいは……つまり『日常生活で発生しうる変動の範囲内』ってことなんだ。 おまけにお前は晩飯も朝飯も食ってないだろ? 食うもの食わないで出すもの出してれば1,2キロくらいはすぐに落ちるんだ。 でもそれは本当の体重とは関係ない。 「う、嘘よ……、あたし…あたし……ダイエット……」 嘘じゃない、体重が減ったのはダイエットとは無関係だ、食事をすればお前の体重は直ぐに元に戻る。 大体あんな与太記事なんかに信憑性なんかあるわけないだろ。 ハルヒはかなりショックを受けたようだ、しかし無理なダイエットは危険だ、ここは厳しい現実をみせて思いとどまらせるしかない。 「そ、そうだ、あたし……あたし…来週までゴハン食べないで我慢する、そうすれば…そうすれば……」 やめろ、そんなことしても体を壊すのがオチだ、それに絶食で体重を減らしても無意味だぞ。 腹廻りとか減って欲しいところの贅肉は落ちない、そのかわりに胸とかの減って欲しくないところが落ちるんだ。 絶食で体重は減るかも知れんがナイスバディとは正反対、本末顛倒だぞ。 「……じゃぁ…じゃぁ…ダイエット……沢山運動して……」 まだ諦め切れないらしい、まぁ無理もないか? ハルヒ『ダイエットに王道無し』だ、数日で5,6キロは無理だ、元々お前は太ってるわけでもないし、それだけ落とすのは結構難しいぞ。 「それじゃ…来週までに元の体重に戻すのは……」 無理、というか不可能だな。 「そんな……、あたしは…ベストウェイト…ベストプロポーション…ナイスバディ……、あたし……」 かなりのショックなようだが無理なダイエットでハルヒが体を壊すよりはマシだな。 しかし、ホントにショックみたいだ、ハルヒはまだぶつぶついっている。 おいハルヒ、いい加減に朝飯でも食べようぜ、ダイエットには規則正しい生活、適度な食事、適度な運動が不可欠だぞ。 「…ナイスバディなあたしはみんなの憧れ注目の的……、そんなあたしにキョンもメロメロ……」 ……ハルヒ? さん……。 「キョン…キョンはあたしのコト好き? あたしナイスバディじゃないけど……」 ハルヒ……朝からなに莫迦な…、というかさっきからお互い風呂上りの素っ裸で一体何やってんだろうな俺達は。 「莫迦なって…キョン……あたしのコト嫌いなの? キョンに嫌われたら……あたし……あたし…一生一人ぼっち…」 だから違うって最後まで聞けってば。 「そういえば…昨夜は五回っていったのにキョンは四回しか……、いつもはリクスーだったら五回でも六回でも軽いのに……これってあたしがナイスバディじゃなくったから……キョンがあたしのこと……嫌いに…」 おいハルヒ? どうした? 大体その前の晩だって『ポニーでポニー』で五回もしたんだから昨夜が四回でも頑張った方だと思うぞ、ってハ ルヒ聞いてるのか? 「キョン…キョンの大好きな『体操着に紺ブル』でも『スク水に水泳帽』でもなんでもする…から、キョンは好きなトコにかけていいから…キョンはかけるの大好きでしょ、だから……あたしを…あたしを嫌いにならないで……」 ハルヒの目に生気がない。あれっ……ひょっとして……俺…地雷踏んだ? 「…『猫耳メイド』の時だってちゃんとキョンのコト『御主人様』って呼ぶし、語尾には必ず『にゃん』ってつけるし……朝はちゃんと『メイドのご奉仕』でキョンを起こすから……」 お、おいハルヒ一体なにを……しっかりしろ、落ち着け。 俺がハルヒを嫌いになるわけがないだろ、俺の目を見ろ…って駄目だハルヒの目が死んでる……orz。 「『ごっくん』だってちゃんとする、この間はあたしが嫌がったから『只の妄言だ、忘れてくれ』とかキョンは誤魔化してたけどホントはあたしにやって欲しかったんでしょ、今度は…今度はちゃんとするから……いつもそうするから……だからあたしのコト……」 確かに俺はそう言った……、だがむしろお前の方こそ妄言だろと思うがハルヒの暴走はまだとまらない。 「……中学の時……あたしに言い寄ってくるヤツは一杯いた……けれど、みんなあたしの外側しか見てなかった……、だから…みんなこっちから振ってやったの……。 でも…でもキョンは違った…あたしの内側までちゃんと見てくれて……それであたしのコト好きって言ってくれた……、あたしのコトちゃんと見てくれるのはキョンだけ……だからキョンにだけは嫌われたくない……」 ……だったら……わかるだろ? お前がどんなだろうが俺はお前を……。…おい、ひとの話をきけって……駄目だ聞いちゃいねぇ……。 「……そうだ! 『ビリビリ』だって沢山していいから、ストッキング一杯買うから、あたし毎晩履くからキョンは履かせたまま破くの大好きでしょ、…キョンのしたいコト好きなだけしていいから……」 おいハルヒ落ち着け、俺は別そんなコトして欲しいわけじゃ無い…コトも無いわけで……むしろ…その…なんだ…。 って違う! そうじゃない、つまり……こういうことだ! 行動あるのみと俺はハルヒを抱き上げた。 「……えっ、何? キョン、一体どうしたの?」 見てわからんか? 『お姫様ダッコ』だ。 抱きかかえたハルヒを俺はベットに降ろし腰掛けさせる。 やっと落ち着いたのかハルヒの目には生気が戻ってきた。 「あのなハルヒも言ったとおり俺はお前の内面も含めて好きなんだ、だから外見が多少変わろうがお前を嫌いになるわけがないだろ?」 「ホントにホント? 嘘じゃない?」 あぁ嘘を言っても始まらない、今も言ったとおりだ。 「だったら……だったら、証拠を見せて…キョン」 えっ証拠って……。 「莫迦ねぇ、お姫様ダッコで女の子をベットまで連れて来たのよ。次にするコトなんてきまってるじゃない、来なさい…キョン、ちゃんと証拠を見せて……」 ……わかった、そうだ…猫耳メイド…してくれるんだっけか? 「莫迦!……御主人様がしたいのなら……してもいいのにゃん…」 ***************************************************************************************** ……結局あのまま朝から三回戦だ……試合の結果は俺の三連敗、というかいままで勝ったためしがないな。 連敗の証拠は…こっちはパサパサのカサカサ、一方のハルヒはツヤツヤのテカテカだ……。 俺はハルヒに覚られないようにゆっくり体を起こした、ちらと確認するとハルヒは満ち足りた表情で二度寝を続けている。 ……別に俺はハルヒは今のままでもいいんだがな、さっきだってぷにっとしたハルヒの抱き心地は中々の…… そして俺はタオルケットからはみ出ている、ハルヒの左手の二の腕の辺りを軽く撫でる、ぷにっとした感触が心地よい。と思ったらハルヒが軽く身動ぎする、起こしてしまったか? 「……zzz…今度は『ワキ』なの? 相変わらずキョンはマニアックね……zzz、…『クンクン』はいいけど『ペロペロ』は程々にしてよ……zzz、キョンは加減を知らないから…zzz…」 ……ハルヒの夢の中じゃ俺はどんだけ変態なんだ? なんだかなー、とんだ寝言だ……orz。 くさった気持ちを一新させるべく俺はシャワーを浴びることにした。 「おはよキョン」 シャワーから上がるとハルヒの声がかかる、どうやら目覚めたらしい。 「あたしもシャワー使うからバスタオル出しといて」 朝昼晩といつでもシャワーだな、お陰でバスタオルはフル回転だ。 「なに言ってんのあたしがシャワーしなきゃいけないのも全部エロキョン、アンタの所為でしょ。このスケベ……」 ……確かにそうだな、すまん一言もない……。 「キョン大変よ、着られるお洋服がないわ!」 シャワーを終わったハルヒがいきなり叫ぶ。 ……なんでだ? 洗濯なら昨日しただろ。 「なんでじゃないわよ、全部キョンの責任よ。もう一回洗濯しないと…、凄く匂うしこんな状態の着れるわけないでしょ。」 あぁ……そう…たしか昨日から今朝に色々ハルヒに着せて……、って全滅なのか? 「そうよ、キョンはホントに加減を知らないわね…」 だってハルヒ、……お前だってかけていいっていったじゃないか。 「ものには限度ってものがあるでしょ、いくらなんでも着られる服がなくなるなんて論外よ」 ……いつまでも裸でいるのもなんだろ、俺のシャツでも着とけ、ほらコレ。 とりあえずクローゼットにあるものを適当に渡す。 「ありがとキョン、…ってキョンこれYシャツじゃない、…全くキョンはマニアなんだから……」 はぁ……一体なんの話だ? 「ほらみなさいよ、上は男物のYシャツで下半身は何も履かない、これって『ブカブカ』っていうんでしょ?」 …………。 「こういうのに男は萌えるって週刊誌の『彼を萌えさせる必殺シチュエーション!』って記事に書いてあったわよ、ホントにキョンはあたしにHな格好させることしか頭にないのかしら、このエロキョン!」 …あぁ…見えそで見えないチラリズムはサイコーだな……(棒読み) この生き物はロクでもない記事しか読まないのか……。 「ま、まぁキョンがあたしにどうしてもって頼むんだったら、こういう格好でしてもいいけど……、四回目したいの?」 確かにハルヒの今の格好は……その…なんだ…、だ、駄目だ四回目なんて俺を殺す気か…。 …そ、そこに昨夜お前が脱いだGパンがあるだろ? それは無事な筈だからさっさと履け。 「そう……じゃぁ『ブカブカ』はまた今度ね。」 あぁ……今度…な。 「そうだ、キョンはなんでダイエットに詳しいの? 今までそんな話してなかったじゃない。」 どうでもいいだろ、そんなこと。 「よくないわよ、キョン! ちゃんといいなさい! でないと…かけるの禁止よ、もうかけさせてあげないから…」 わ、わかった話すけど、笑うなよ、……俺だってな…、お前にベタ惚れなんだよ、お前に嫌われないかって心配なんだ……。 だから、…お前みたいな美人の彼氏に相応しいようにってダイエットとか色々と…… 「…そうだったの、…無理に聞き出してごめんなさい」 いや、いいんだ。それでハルヒはどうしたいんだ? ダイエットするのか? 「……うん、キョンと一緒にダイエット頑張ってみる、だからダイエットのやり方とか教えて」 そうか、さっきも言ったとおりダイエットで大事なのは規則正しい生活だ、規則正しい生活のなかには食事や運動が含まれる。 規則正しい時間に適量の食事を摂り、適度に運動するこれがポイントだ。ジャンクフードで間食なんて論外だ。 そして重要なのは継続することだ、ダイエットの効果は数日とかでは出てこない、数ヶ月のスパンで実施することが基本だ。 あとはきっかけだな、『明日から頑張る』とか『これを食べてから』とかそういうのは一番駄目だ。 思い立ったらすぐに始める、そして『今日だけ』、『今だけ』を頑張ってそれを積み重ねていくこどで継続したダイエットが出来るんだ。 「ありがとキョン、あたしダイエット頑張ってみる。……ほっとしたらなんだかお腹がすいてきちゃったわね」 そうだな、朝飯でもつくるか? 勿論ダイエット仕様の朝ごはんだ、ってかもう昼飯の時間か? 「キョンお願いね、今度あたしにもレシピ教えて、そうだ時間はどれくらいかかるの? なんだかお腹がすいちゃって…」 あー、あと30分くらいかな。そういや昨夜も食べてなかったよな。 「そう、あと30分もかかるの……お腹がすいて…そうだキョンあれとって、一緒に食べましょ」 だーかーらー!
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その1 ハ「只今、未希はもう寝た?」 キ「おかえりハルヒ、さっきまで起きて待ってるって騒いでたけどもう疲れて寝たぞ」 ハ「そう、はいお土産よ明日食べましょ」 キ「でどうだった古泉達は? 元気にしてたか?」 ハ「それが聞いてキョン、あのふたりすごいのよ、有希ったらまだ制服着てるの、ドアを開けたら制服着ててびっくりしたわ」 キ「制服って北高のか? 俺達が卒業したのは10年近く前だよな? まぁアイツは昔から普段着が制服だったからな、あの格好が一番落ち着くんじゃないか?」 ハ「それがね古泉君も同じの着てるみたいなのよ」 キ「同じのって古泉がセーラー服をか? 確かに元は水兵の衣装だから男も着てたが……」 ハ「馬鹿ねぇそっちじゃなくて男子の制服よ、古泉君があわてて隠してたけどあれは北高の男子制服だったわ」 キ「えっ?じゃぁ二人で高校の制服を……」 ハ「いわゆるコスプレってやつね」 キ「……」 ハ「ねぇキョン、あたしも着てみていい?」 キ「えっ何を?」 ハ「北高の制服に決まってるじゃない」 キ「おい、ちょっと待て!」 ハ「どう?ちょっとキツイけどまだ着れるわね」 キ「あのなぁ」 ハ「じゃぁキョンは先生役であたしは委員長ね」 キ「ハルヒ……お前結婚してるしもう子供だっているんだぞ……」 ハ「いいじゃない、いくわよ『キョン先生!私先生のことが……』」 キ「……」 未「あっハルヒママの声だ! ハルヒママお土産は?」 ハ「えっ未希、ちょっと待って後で持って行くからそっちでまだ寝てなさい」 未「やだそっちへいくもん、お土産お土産、あっ!」 ハ「いやこっこの服はその……」 未「なんだママ、またコスプレなの?」 -落ちは茶の湯落ち- -------------------------------------------------------------------------------- その2 未希はお土産を見たら満足してもう寝たようだ、うん、子供の寝顔が何よりの栄養剤だな。 「今度はちゃんと寝たの?」 あぁ寝たぞ……あとはこっちだな……、それでハルヒその……未希がいってたコスプレって一体どういうことなんだ? 「えっあの落ちは単発じゃなかったの?」 おい話をそらすなよ、なんで未希がコスプレなんて言葉を知ってるんだよ。 「それは……その…宇宙少女魔女っ子ゆきりんの変身衣装セットよ、誕生日プレゼントであげたでしょ?」 魔女っ子ゆきりんは日曜朝からやっている美少女特撮番組だ、未希が好きな番組なので俺も時々見てる。 宇宙からやってきた無口で読書好きな魔女っ子が悪の女王ツンデレハルハル一味とバトルを繰り広げるというシロモノだ。 あれは子供向けの衣装セットだからお前が着れるわけがないだろ? 「その……未希が変身セットを着てゆきりんゴッコするわよね、その時あたしがみっくるん役で……」 みっくるん役って確か……ロリィでナイスバディな敵の中ボス未来魔女みっくるんか? そいつが変装と称し毎回メイド服やナース服などの萌えコスプレで登場するので大きいおにぃさん達にも大人気! だったよな……。 おい、お前まさか! 「未希が喜ぶからつい……そのSOS団の時のメイド服やナース服なんかをあたしが着てゆきりんゴッコの相手を……」 それで未希がコスプレとか言い出したわけか……。 大体ハルヒあの衣装は高校時代のみんなの思い出が詰まってるからって理由で捨てないでとってたんじゃないのか? とんだ思い出の品だな……てゆうかお前近所の子供達の前でもゆきりんごっこやってないか? 「えっ何でわかったの?」 やっぱりな……、こないだ自治会の会合で「衣装が沢山あってお盛んでうらやましい」みたいにいわれたんだ。 あの時はわからなかったがお前のコスプレのことだったんだな、きっと子供達が家でしゃべったんだよ。 「そっそんな事があったの……キョンごめんなさい」 ていうかお前良く着れたな、あの衣装……きつくなかったのか? 「馬鹿にして……今だって充分いけるわよ!」 ってハルヒお前一体なにを……、うわ今度はメイドかよ……ハルヒいい加減しろよ。 「どう? まだまだ似合うでしょ?」 そりゃ確かに似合うけど……美人だしスタイルいいよなコイツ。 「ねぇキョン、この格好で……しよっか?」 あーその……するって何を? 「もうナニに決まってるじゃない、どうせご近所にはこういうことしてるって思われてるんだし丁度いいじゃない」 …………。 「あ~やっぱりあたしじゃなくてみくるちゃんのメイドコスじゃ無きゃ駄目なんだ……、北高の時だってキョンはみくるちゃん見てニヤニヤしてばっかりだったし……」 それは誤解だよ、ホントはお前のことずっと見てたんだよ、ハルヒに気付かれそうになったら視線そらして朝比奈さん見てるフリで… 「本当?」 もちろんさ、そのメイド服だってすごく似合ってるぞ。 「……ねぇだったら……キョン来て、……その…服にかけてもいいから……」 ……おいハルヒ……そのなんだ………キョンじゃなくて…ご主人様だろ? 「馬鹿っ…………ご主人様、早く来てください……」 -END(ちょっと飛ばしすぎたみたいだよ)- -------------------------------------------------------------------------------- その3 ハルヒお休み、電気けしていいか? 「ねぇキョン、明日の朝ちょっとよって欲しいところがあるんだけど」 一体どこだ? 「駅の中のクリーニング屋さんよ」 えっ別にそんなところじゃなくてもクリーニング屋ならすぐ裏にあるじゃないか? 「違うのよこれを出したいの」 これって……。 「そうアレよ」 昨夜使ったメイド服ですか……orz。 「こんなのいつもいくお店になんか出しにくいじゃない、それにほらほっておくとアレが匂うし……、キョンたら沢山出しちゃうから……」 いや昨夜はお前だってノリノリで……。 「とにかくわかった? 駅の中なら無人の受付ロッカーがあるんでしょ?」 あぁわかった、あそこに仕舞ってあとで取りにいけばいいんだな。 ところで……なぁハルヒ……どうせ……その……クリーニングに出すんだし……もう一回それ着て…… 「……えっ……昨夜三回もしたのにまたなの?」 あっその……いやならいいんだいやなら、忘れてくれ……只の妄言だ… 「馬鹿っ……今度はちゃんと服だけにしてよね、昨夜は目にかかって痛かったんだからね」 -END(こんどは目じゃなくてもうちょっと下だったみたいだよ)- -------------------------------------------------------------------------------- その4 ふーっまだ熱があるみたいだな、37度3分か。 「キョンお粥持ってきたわよ、熱は? やっぱりまだあるじゃない」 あぁ今日は休むか、特に急ぎの仕事はないしな。 「だからいったじゃない、まだ駄目だって」 あぁそうだな、所で未希は? 「もういないわよ、パパが休みなら一緒に遊ぶって騒いでたけどさっき送ってきたわ」 ってことは今何時なんだ? 「そんなこと気にしてないで薬飲んで寝ちゃいなさい、はいこれ」 まぁそうだな、……ZZZ……ZZZ…… ……ん、もう昼か? 「……あら起きたのね、お昼の用意するから待っててね。」 とナースが俺に話しかける、熱のせいで幻覚でもみてるのか? いや違うあれはナース服を着たハルヒだご丁寧に『超ナース』なんて腕章をつけてやがる。 ハルヒナースが出て行くのを見送りながら、俺はどこから突っ込めばいいのかと途方にくれた。 「随分汗かいてるわね薬のせいかしら? 拭いてあげるから脱いでちょうだい、ついでに着替えちゃいましょ」 どうも風邪のせいか突っ込む気力がない……、決してハルヒナースが似合ってるからとかそういう訳ではないんだが…。 「お医者さんも汗かいたらこまめに拭いて着替えた方がいいっていってたんでしょ?」 昨日の昼休みに診てもらったら確かにそういわれたが今の状況は明らかに違うんじゃないのか? 「もう夫婦なんだから今更恥ずかしがってどうすんの、ほら脱ぐ!」 あぁ悪いな、適度に暖められた蒸しタオルが気持ちいい、やはりさっぱりするね。 嬉々としてナースの真似事をするハルヒをみながらおれは家族がいる喜びを感じていた。 「どう調子は?」 あぁイマイチだな、どうにも元気が出ないよ、でもハルヒのお陰でさっぱりしたよ。 「そうよねぇ、じゃぁこのシャツを着てその次は下だから」 えっこっちはいいよ、なんだったら自分で拭くし。 「いいからさっさと脱ぎなさい、タオルはまだあるからどんどんいくわよ。」 気が付いたら下も脱がされていた……もうお婿にいけないかも……って結婚してるな俺。 「うーん汗くさいわね……、あっここはしっかりふかないとね、大事なところだし」 おっおいそれなんか違うぞ……、そこは……その…… ってハルヒ昼間からどこさわってんだよ…… 「あらっ! 元気がないとかいった割にはこっちは元気じゃない」 それは…お前が変な触り方してるからだろ…… 「ねぇキョン…お口でしてあげよっか?」 ……それは……その…… 「嫌ならいいのよ……」 ……ナースキャップはしたままがいいな……。 「馬鹿……でもでそうになったらちゃんといってね」 -END(なんか凄く苦かったみたいですよ)- -------------------------------------------------------------------------------- その5 ハ「キョン、風邪の具合はどう? お昼のお粥持って来たから、ゆっくり食べなさい」 キ「あぁ悪いな、どれ……相変わらずお前の料理は美味いな……」 ハ「褒めたって出るのはお薬くらいなもんよ、ほら薬飲んで寝ちゃいなさい」 キ「あぁ悪いなどれ薬を飲むとするか」 キ「……ZZZ……」 ハ「もう寝てるわね、……相変わらずの間抜けな寝顔、……こうして看病してるとキョンが階段から落ちて入院してたときのことを思い出すわね……、あの時はキョンの事が心配で……」 キ「……ZZZ…………ハルヒ……」 ハ「!」 キ「……ZZZ……やめろ未希が真似したらどうするんだ……ZZZ……」 ハ「もう変な期待しちゃったじゃない……、相変わらずバカキョンなんだから」 キ「……ZZZ……ハルヒ……似合ってるぞ……ZZZ……」 ハ「……このバカキョン……(…chu)」 キ「……っん……ハルヒ?…」 ハ「あっあら、起きたのね、…(今の気付かれちゃったかしら)…あらっもうこんな時間、あたしは今から未希を迎えにいってくるからキョンは留守番宜しくね、じゃぁ」 キ「…あぁハルヒ……今すぐにいくのか?」 ハ「そうよなに? 時間ないんだから帰ってきてからでいい?」 キ「その…なんだ…、流石にナース服で未希を迎えにいくのはどうかと思うぞ」 ハ「!……」 - ハルにゃんはナース服気に入ったみたいだお - -------------------------------------------------------------------------------- その6 未「只今~! パパ~お風邪治った?」 ハ「未希だめよ、風邪がうつるからそっちいっちゃ」 未「え~つまんない、未希はパパとお昼寝する~」 キ「未希駄目だぞ、風邪が治ったらゆっくりお昼寝しような、だからこっちに来ちゃだめだぞ」 ハ「そうよお風邪になったら大変よ、未希はこっちでお昼寝しましょうね、ママがお話してあげるから」 未「……ZZZ……ハルにゃん……キョン助……ZZZ……」 ハ「寝たみたいね、そうだキョンの様子をみないと……」 キ「なんだ未希はもう寝たのか?」 ハ「ええ、あたしもなんだか眠くなっちゃたわ、ふふ……ZZZ……」 キ「おいここでねるなよ、ってしょうがないな……しかし俺もなんだか眠くなってきたな……」 未「……ママ…ハルヒママ……どこ……、ずっるーい、ハルヒママだけパパとお昼寝なんて! 未希も一緒に寝るー!」 - 特に落ちは無し -
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その1 ハ「只今、未希はもう寝た?」 キ「おかえりハルヒ、さっきまで起きて待ってるって騒いでたけどもう疲れて寝たぞ」 ハ「そう、はいお土産よ明日食べましょ」 キ「でどうだった古泉達は? 元気にしてたか?」 ハ「それが聞いてキョン、あのふたりすごいのよ、有希ったらまだ制服着てるの、ドアを開けたら制服着ててびっくりしたわ」 キ「制服って北高のか? 俺達が卒業したのは10年近く前だよな? まぁアイツは昔から普段着が制服だったからな、あの格好が一番落ち着くんじゃないか?」 ハ「それがね古泉君も同じの着てるみたいなのよ」 キ「同じのって古泉がセーラー服をか? 確かに元は水兵の衣装だから男も着てたが……」 ハ「馬鹿ねぇそっちじゃなくて男子の制服よ、古泉君があわてて隠してたけどあれは北高の男子制服だったわ」 キ「えっ?じゃぁ二人で高校の制服を……」 ハ「いわゆるコスプレってやつね」 キ「……」 ハ「ねぇキョン、あたしも着てみていい?」 キ「えっ何を?」 ハ「北高の制服に決まってるじゃない」 キ「おい、ちょっと待て!」 ハ「どう?ちょっとキツイけどまだ着れるわね」 キ「あのなぁ」 ハ「じゃぁキョンは先生役であたしは委員長ね」 キ「ハルヒ……お前結婚してるしもう子供だっているんだぞ……」 ハ「いいじゃない、いくわよ『キョン先生!私先生のことが……』」 キ「……」 未「あっハルヒママの声だ! ハルヒママお土産は?」 ハ「えっ未希、ちょっと待って後で持って行くからそっちでまだ寝てなさい」 未「やだそっちへいくもん、お土産お土産、あっ!」 ハ「いやこっこの服はその……」 未「なんだママ、またコスプレなの?」 -落ちは茶の湯落ち- -------------------------------------------------------------------------------- その2 未希はお土産を見たら満足してもう寝たようだ、うん、子供の寝顔が何よりの栄養剤だな。 「今度はちゃんと寝たの?」 あぁ寝たぞ……あとはこっちだな……、それでハルヒその……未希がいってたコスプレって一体どういうことなんだ? 「えっあの落ちは単発じゃなかったの?」 おい話をそらすなよ、なんで未希がコスプレなんて言葉を知ってるんだよ。 「それは……その…宇宙少女魔女っ子ゆきりんの変身衣装セットよ、誕生日プレゼントであげたでしょ?」 魔女っ子ゆきりんは日曜朝からやっている美少女特撮番組だ、未希が好きな番組なので俺も時々見てる。 宇宙からやってきた無口で読書好きな魔女っ子が悪の女王ツンデレハルハル一味とバトルを繰り広げるというシロモノだ。 あれは子供向けの衣装セットだからお前が着れるわけがないだろ? 「その……未希が変身セットを着てゆきりんゴッコするわよね、その時あたしがみっくるん役で……」 みっくるん役って確か……ロリィでナイスバディな敵の中ボス未来魔女みっくるんか? そいつが変装と称し毎回メイド服やナース服などの萌えコスプレで登場するので大きいおにぃさん達にも大人気! だったよな……。 おい、お前まさか! 「未希が喜ぶからつい……そのSOS団の時のメイド服やナース服なんかをあたしが着てゆきりんゴッコの相手を……」 それで未希がコスプレとか言い出したわけか……。 大体ハルヒあの衣装は高校時代のみんなの思い出が詰まってるからって理由で捨てないでとってたんじゃないのか? とんだ思い出の品だな……てゆうかお前近所の子供達の前でもゆきりんごっこやってないか? 「えっ何でわかったの?」 やっぱりな……、こないだ自治会の会合で「衣装が沢山あってお盛んでうらやましい」みたいにいわれたんだ。 あの時はわからなかったがお前のコスプレのことだったんだな、きっと子供達が家でしゃべったんだよ。 「そっそんな事があったの……キョンごめんなさい」 ていうかお前良く着れたな、あの衣装……きつくなかったのか? 「馬鹿にして……今だって充分いけるわよ!」 ってハルヒお前一体なにを……、うわ今度はメイドかよ……ハルヒいい加減しろよ。 「どう? まだまだ似合うでしょ?」 そりゃ確かに似合うけど……美人だしスタイルいいよなコイツ。 「ねぇキョン、この格好で……しよっか?」 あーその……するって何を? 「もうナニに決まってるじゃない、どうせご近所にはこういうことしてるって思われてるんだし丁度いいじゃない」 …………。 「あ~やっぱりあたしじゃなくてみくるちゃんのメイドコスじゃ無きゃ駄目なんだ……、北高の時だってキョンはみくるちゃん見てニヤニヤしてばっかりだったし……」 それは誤解だよ、ホントはお前のことずっと見てたんだよ、ハルヒに気付かれそうになったら視線そらして朝比奈さん見てるフリで… 「本当?」 もちろんさ、そのメイド服だってすごく似合ってるぞ。 「……ねぇだったら……キョン来て、……その…服にかけてもいいから……」 ……おいハルヒ……そのなんだ………キョンじゃなくて…ご主人様だろ? 「馬鹿っ…………ご主人様、早く来てください……」 -END(ちょっと飛ばしすぎたみたいだよ)- -------------------------------------------------------------------------------- その3 ハルヒお休み、電気けしていいか? 「ねぇキョン、明日の朝ちょっとよって欲しいところがあるんだけど」 一体どこだ? 「駅の中のクリーニング屋さんよ」 えっ別にそんなところじゃなくてもクリーニング屋ならすぐ裏にあるじゃないか? 「違うのよこれを出したいの」 これって……。 「そうアレよ」 昨夜使ったメイド服ですか……orz。 「こんなのいつもいくお店になんか出しにくいじゃない、それにほらほっておくとアレが匂うし……、キョンたら沢山出しちゃうから……」 いや昨夜はお前だってノリノリで……。 「とにかくわかった? 駅の中なら無人の受付ロッカーがあるんでしょ?」 あぁわかった、あそこに仕舞ってあとで取りにいけばいいんだな。 ところで……なぁハルヒ……どうせ……その……クリーニングに出すんだし……もう一回それ着て…… 「……えっ……昨夜三回もしたのにまたなの?」 あっその……いやならいいんだいやなら、忘れてくれ……只の妄言だ… 「馬鹿っ……今度はちゃんと服だけにしてよね、昨夜は目にかかって痛かったんだからね」 -END(こんどは目じゃなくてもうちょっと下だったみたいだよ)- -------------------------------------------------------------------------------- その4 ふーっまだ熱があるみたいだな、37度3分か。 「キョンお粥持ってきたわよ、熱は? やっぱりまだあるじゃない」 あぁ今日は休むか、特に急ぎの仕事はないしな。 「だからいったじゃない、まだ駄目だって」 あぁそうだな、所で未希は? 「もういないわよ、パパが休みなら一緒に遊ぶって騒いでたけどさっき送ってきたわ」 ってことは今何時なんだ? 「そんなこと気にしてないで薬飲んで寝ちゃいなさい、はいこれ」 まぁそうだな、……ZZZ……ZZZ…… ……ん、もう昼か? 「……あら起きたのね、お昼の用意するから待っててね。」 とナースが俺に話しかける、熱のせいで幻覚でもみてるのか? いや違うあれはナース服を着たハルヒだご丁寧に『超ナース』なんて腕章をつけてやがる。 ハルヒナースが出て行くのを見送りながら、俺はどこから突っ込めばいいのかと途方にくれた。 「随分汗かいてるわね薬のせいかしら? 拭いてあげるから脱いでちょうだい、ついでに着替えちゃいましょ」 どうも風邪のせいか突っ込む気力がない……、決してハルヒナースが似合ってるからとかそういう訳ではないんだが…。 「お医者さんも汗かいたらこまめに拭いて着替えた方がいいっていってたんでしょ?」 昨日の昼休みに診てもらったら確かにそういわれたが今の状況は明らかに違うんじゃないのか? 「もう夫婦なんだから今更恥ずかしがってどうすんの、ほら脱ぐ!」 あぁ悪いな、適度に暖められた蒸しタオルが気持ちいい、やはりさっぱりするね。 嬉々としてナースの真似事をするハルヒをみながらおれは家族がいる喜びを感じていた。 「どう調子は?」 あぁイマイチだな、どうにも元気が出ないよ、でもハルヒのお陰でさっぱりしたよ。 「そうよねぇ、じゃぁこのシャツを着てその次は下だから」 えっこっちはいいよ、なんだったら自分で拭くし。 「いいからさっさと脱ぎなさい、タオルはまだあるからどんどんいくわよ。」 気が付いたら下も脱がされていた……もうお婿にいけないかも……って結婚してるな俺。 「うーん汗くさいわね……、あっここはしっかりふかないとね、大事なところだし」 おっおいそれなんか違うぞ……、そこは……その…… ってハルヒ昼間からどこさわってんだよ…… 「あらっ! 元気がないとかいった割にはこっちは元気じゃない」 それは…お前が変な触り方してるからだろ…… 「ねぇキョン…お口でしてあげよっか?」 ……それは……その…… 「嫌ならいいのよ……」 ……ナースキャップはしたままがいいな……。 「馬鹿……でもでそうになったらちゃんといってね」 -END(なんか凄く苦かったみたいですよ)- -------------------------------------------------------------------------------- その5 ハ「キョン、風邪の具合はどう? お昼のお粥持って来たから、ゆっくり食べなさい」 キ「あぁ悪いな、どれ……相変わらずお前の料理は美味いな……」 ハ「褒めたって出るのはお薬くらいなもんよ、ほら薬飲んで寝ちゃいなさい」 キ「あぁ悪いなどれ薬を飲むとするか」 キ「……ZZZ……」 ハ「もう寝てるわね、……相変わらずの間抜けな寝顔、……こうして看病してるとキョンが階段から落ちて入院してたときのことを思い出すわね……、あの時はキョンの事が心配で……」 キ「……ZZZ…………ハルヒ……」 ハ「!」 キ「……ZZZ……やめろ未希が真似したらどうするんだ……ZZZ……」 ハ「もう変な期待しちゃったじゃない……、相変わらずバカキョンなんだから」 キ「……ZZZ……ハルヒ……似合ってるぞ……ZZZ……」 ハ「……このバカキョン……(…chu)」 キ「……っん……ハルヒ?…」 ハ「あっあら、起きたのね、…(今の気付かれちゃったかしら)…あらっもうこんな時間、あたしは今から未希を迎えにいってくるからキョンは留守番宜しくね、じゃぁ」 キ「…あぁハルヒ……今すぐにいくのか?」 ハ「そうよなに? 時間ないんだから帰ってきてからでいい?」 キ「その…なんだ…、流石にナース服で未希を迎えにいくのはどうかと思うぞ」 ハ「!……」 - ハルにゃんはナース服気に入ったみたいだお - -------------------------------------------------------------------------------- その6 未「只今~! パパ~お風邪治った?」 ハ「未希だめよ、風邪がうつるからそっちいっちゃ」 未「え~つまんない、未希はパパとお昼寝する~」 キ「未希駄目だぞ、風邪が治ったらゆっくりお昼寝しような、だからこっちに来ちゃだめだぞ」 ハ「そうよお風邪になったら大変よ、未希はこっちでお昼寝しましょうね、ママがお話してあげるから」 未「……ZZZ……ハルにゃん……キョン助……ZZZ……」 ハ「寝たみたいね、そうだキョンの様子をみないと……」 キ「なんだ未希はもう寝たのか?」 ハ「ええ、あたしもなんだか眠くなっちゃたわ、ふふ……ZZZ……」 キ「おいここでねるなよ、ってしょうがないな……しかし俺もなんだか眠くなってきたな……」 未「……ママ…ハルヒママ……どこ……、ずっるーい、ハルヒママだけパパとお昼寝なんて! 未希も一緒に寝るー!」 - 特に落ちは無し -
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……、なんだもう朝か…、相変わらずの爛れた関係の俺とハルヒだ。 始めのうちは昼ごろに来て夕方には帰っていったハルヒだが、いつの間にか週末に一泊していくようになり、一泊が二泊…二泊が三泊…三泊が四泊……と気が付いたら俺の部屋にほぼ常駐状態となっていた。 一度心配したハルヒの両親が様子を見に来たが、『キョン君となら安心』とかいってそのまま帰ってしまった。つかキョン君って……。 そういえば昨日『たまには一緒に遊びに来い』って親からメールが来たとハルヒがいってたが……。 一緒に向こうの両親の所へ行くのは……『責任取ってくれるんだよね? 勿論卒業してからでいいけど』という無言のプレッシャーを毎回感じるので正直あまり行きたくはないのだが……。 別に責任取るのがいやとかそういう訳じゃないけど、なんというかわかるだろ? などと考えながら、いつもどおりの朝、満ち足りた笑顔を見せるハルヒの隣で俺は暫しまどろんでいた。 「おはよ、キョン」 あぁおはよう、おきたのか、さわやかな朝だな。 「あたしは微妙ね……、なんだかヒリヒリするの、昨夜の『ゾリゾリ』のせいね。 えと……、それは……。 「大体キョンはいつだって加減を知らないのよ、昨夜だって『痛いからやめて』っていったのに『痛いのは始めのうちだけ』とかいって無理矢理続けて……」 ……いやだって…昨夜はお前だってノリノリで……、……ヤバイ目がマジだ…そうだ話を変えよう……。 そ、そうだ、いつも俺ばっかり色々してもらってるけど……その…ハルヒが…ハルヒがしたいことってないのか? 俺が色々してもらってるみたいにハルヒがしたいことがあれば…その…おれも出来る限り協力するし。 「ほんとにキョンはマニアックよね、あたしに色々お願いして…昨夜の『仁王立ち』とか『お清め』とかあんなのどこがいいのかしら……、でも…キョンにして欲しいことは特にないわ、それに今だって充分して貰ってるし……」 そ、そうか…なら…いいんだが、でもして欲しいコトがあったらいつでもいってくれ。 「それにキョンが『猫耳メイド』の格好とかしてもねぇ……」 いや…流石にそれは……でもホントになにも無いのか? 「……キョンは…ほぼ毎晩してくれてるでしょ? それも一回だけじゃなくて何回も……他の人の彼はそんなにしてくれないって、多くて週に二晩か三晩だし、しかも一晩で一回か二回だけだって…」 そ、そうなのか、みんなそんなにしないのか……、俺達お互い初めて同士だったし…そういう常識には疎いかもしれんが…。 「うん、キョンは毎晩してくれて、しかも何回もって話したら皆びっくりしてた」 そ、そうなのか、俺はこれが普通だと…っておい、今なんていった? 誰に話したって? 「えっそれは…阪中さん達にキョンのコト相談したの…『キョンが変なコトばかりしたがる』ってそれで色々話してるうちにそういう話になって…」 阪中達っていつもの四人組? 「えぇ大野木さんとかよ」 ……それじゃぁ……俺が未だにハルヒに北高の制服を着せてるのとか、その他もろもろは全て元五組の連中に筒抜け……orz。 これじゃクラス会にどのツラ下げて……。 「その前の晩は6回だったって話したらうらやましがってたわよ、あたしのこと『キョン君に愛されてる』ってみんながいってくれて……キョンは胸をはっていいわよ」 そ、そうなのか…なんか違う気もするが……。 「だから…キョンが毎晩しかも何回もしてくれる、あたしのこと沢山愛してくれる、あたしはそれだけで十分なの…」 ……ハルヒ…。 「……でもねキョン、あたしのコト騙したでしょ『みんなごっくんしてる、毎回するの当たり前』って、阪中さん達に話したら大笑いされちゃったわよ」 …それは……すまん…。 「したいことがあるのなら嘘ついたりしないでちゃんといってね、キョンが本当にしたいのならあたしも協力するし……あっでもキョン、いくらしたいからって『お尻で』とか『おもらし』とか『いちじく』とかは駄目よ、いくらなんでもマニアックすぎるし…」 いや……俺はそんなコトしたいなんて…いってないし……。 ていうかなんでそんな話に? 「キョン…窓際の本棚の裏…、……あたしが何をいってるかわかるわよね?」 いやその……あのDVDは谷口が無理矢理……、ってなんで知ってんだよ! 「週刊誌に書いてあったのよ『彼のコトを全部知りたい大作戦-秘密のHな隠し場所』って記事にね」 …またそれか……ロクでもない……だからハルヒはそれは谷口が……。 「あたしというものがいながら……キョンはまだし足りないのかしら……。そうだ……キョンが…キョンが……どうしてもっていうんなら…その…『縛り』や『お仕置き』くらいなら…、DVDじゃ痛そうだったけど…我慢すればいいし……」 ……いやだから…って結局見たのかよDVD! 「そうだキョン、今晩は『お仕置き』にしましょう、あたしのお願いなんでも聞いてくるれんだったわよね」 ……、あぁわかった…。 その夜…… 「じゃぁ『お仕置き』ね、キョンそこに横になって」 っん、こうか? 「そうね、じゃぁ軽く手を縛るから……。」 えっ、ちょっとまてハルヒこれって俺がされる方……。 「そうよ、あたしに嘘ついて阪中さん達の前で恥をかかせたキョンには罰が必要よ」 いや…その…俺痛いの嫌だし…。 「大丈夫…『痛いのは始めのうちだけ』なんでしょ」 ……えと…ハルヒさん? 「キョン、違うでしょ。女王様って呼びなさい」
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……、なんだもう朝か…、相変わらずの爛れた関係の俺とハルヒだ。 始めのうちは昼ごろに来て夕方には帰っていったハルヒだが、いつの間にか週末に一泊していくようになり、一泊が二泊…二泊が三泊…三泊が四泊……と気が付いたら俺の部屋にほぼ常駐状態となっていた。 一度心配したハルヒの両親が様子を見に来たが、『キョン君となら安心』とかいってそのまま帰ってしまった。つかキョン君って……。 そういえば昨日『たまには一緒に遊びに来い』って親からメールが来たとハルヒがいってたが……。 一緒に向こうの両親の所へ行くのは……『責任取ってくれるんだよね? 勿論卒業してからでいいけど』という無言のプレッシャーを毎回感じるので正直あまり行きたくはないのだが……。 別に責任取るのがいやとかそういう訳じゃないけど、なんというかわかるだろ? などと考えながら、いつもどおりの朝、満ち足りた笑顔を見せるハルヒの隣で俺は暫しまどろんでいた。 「おはよ、キョン」 あぁおはよう、おきたのか、さわやかな朝だな。 「あたしは微妙ね……、なんだかヒリヒリするの、昨夜の『ゾリゾリ』のせいね。 えと……、それは……。 「大体キョンはいつだって加減を知らないのよ、昨夜だって『痛いからやめて』っていったのに『痛いのは始めのうちだけ』とかいって無理矢理続けて……」 ……いやだって…昨夜はお前だってノリノリで……、……ヤバイ目がマジだ…そうだ話を変えよう……。 そ、そうだ、いつも俺ばっかり色々してもらってるけど……その…ハルヒが…ハルヒがしたいことってないのか? 俺が色々してもらってるみたいにハルヒがしたいことがあれば…その…おれも出来る限り協力するし。 「ほんとにキョンはマニアックよね、あたしに色々お願いして…昨夜の『仁王立ち』とか『お清め』とかあんなのどこがいいのかしら……、でも…キョンにして欲しいことは特にないわ、それに今だって充分して貰ってるし……」 そ、そうか…なら…いいんだが、でもして欲しいコトがあったらいつでもいってくれ。 「それにキョンが『猫耳メイド』の格好とかしてもねぇ……」 いや…流石にそれは……でもホントになにも無いのか? 「……キョンは…ほぼ毎晩してくれてるでしょ? それも一回だけじゃなくて何回も……他の人の彼はそんなにしてくれないって、多くて週に二晩か三晩だし、しかも一晩で一回か二回だけだって…」 そ、そうなのか、みんなそんなにしないのか……、俺達お互い初めて同士だったし…そういう常識には疎いかもしれんが…。 「うん、キョンは毎晩してくれて、しかも何回もって話したら皆びっくりしてた」 そ、そうなのか、俺はこれが普通だと…っておい、今なんていった? 誰に話したって? 「えっそれは…阪中さん達にキョンのコト相談したの…『キョンが変なコトばかりしたがる』ってそれで色々話してるうちにそういう話になって…」 阪中達っていつもの四人組? 「えぇ大野木さんとかよ」 ……それじゃぁ……俺が未だにハルヒに北高の制服を着せてるのとか、その他もろもろは全て元五組の連中に筒抜け……orz。 これじゃクラス会にどのツラ下げて……。 「その前の晩は6回だったって話したらうらやましがってたわよ、あたしのこと『キョン君に愛されてる』ってみんながいってくれて……キョンは胸をはっていいわよ」 そ、そうなのか…なんか違う気もするが……。 「だから…キョンが毎晩しかも何回もしてくれる、あたしのこと沢山愛してくれる、あたしはそれだけで十分なの…」 ……ハルヒ…。 「……でもねキョン、あたしのコト騙したでしょ『みんなごっくんしてる、毎回するの当たり前』って、阪中さん達に話したら大笑いされちゃったわよ」 …それは……すまん…。 「したいことがあるのなら嘘ついたりしないでちゃんといってね、キョンが本当にしたいのならあたしも協力するし……あっでもキョン、いくらしたいからって『お尻で』とか『おもらし』とか『いちじく』とかは駄目よ、いくらなんでもマニアックすぎるし…」 いや……俺はそんなコトしたいなんて…いってないし……。 ていうかなんでそんな話に? 「キョン…窓際の本棚の裏…、……あたしが何をいってるかわかるわよね?」 いやその……あのDVDは谷口が無理矢理……、ってなんで知ってんだよ! 「週刊誌に書いてあったのよ『彼のコトを全部知りたい大作戦-秘密のHな隠し場所』って記事にね」 …またそれか……ロクでもない……だからハルヒはそれは谷口が……。 「あたしというものがいながら……キョンはまだし足りないのかしら……。そうだ……キョンが…キョンが……どうしてもっていうんなら…その…『縛り』や『お仕置き』くらいなら…、DVDじゃ痛そうだったけど…我慢すればいいし……」 ……いやだから…って結局見たのかよDVD! 「そうだキョン、今晩は『お仕置き』にしましょう、あたしのお願いなんでも聞いてくるれんだったわよね」 ……、あぁわかった…。 その夜…… 「じゃぁ『お仕置き』ね、キョンそこに横になって」 っん、こうか? 「そうね、じゃぁ軽く手を縛るから……。」 えっ、ちょっとまてハルヒこれって俺がされる方……。 「そうよ、あたしに嘘ついて阪中さん達の前で恥をかかせたキョンには罰が必要よ」 いや…その…俺痛いの嫌だし…。 「大丈夫…『痛いのは始めのうちだけ』なんでしょ」 ……えと…ハルヒさん? 「キョン、違うでしょ。女王様って呼びなさい」
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お昼寝の時間、というものが幼稚園のころにはあった。 そんなことをふと、夏野恵一(なつのけいいち)は思い出していた。 寝る子は育つということなんだろう。子供の成長に睡眠は欠かせないものだ。幼稚園のみんなと畳の部屋で眠り、美人の保母さんに添い寝されて寝かしつけられたことが、恵一の記憶にかすかに残っていた。 恵一は目の前の扉を数回ノックし、返事がないので誰もいないのだろうと判断して扉を開けた。 そこには幼稚園の『お昼寝の部屋』のような光景が広がっていた。六畳半の畳の部屋で、敷布団が四つ用意されており、薄い掛け布団がその上にきちんと畳まれている。昼間でも心地よく眠れるよう、光を遮るためかこの部屋には窓はない。しかし換気と空調設備がしっかりしているせいか、温度も快適で中の空気は新鮮だ。 「ふわ~~。ここに来ると、やっぱり眠たくなるなぁ」 手足を伸ばし、恵一は大きく欠伸をする。一日の疲れから解放されたかのような気持ちに恵一はなっていた。午後の授業も終わり、今日は体育があったせいで疲労もピークだ。今すぐにでも目の前の布団にダイブしたい。 恵一は暑苦しいブレザーを脱ぎ捨て、ネクタイもほどく。すると、ガチャリという音が室内に響いた。 それは扉が開く音だ。だけど入口の扉ではない。この部屋には更衣室がついている。それは部屋の南側にあり、その扉がゆっくりと開かれた。 「あっ」 そこから出てきた人物と、恵一はばっちりと目が合った。 それは女の子だ。しかも、とびきり可愛い。 彼女は深緑の瞳に、腰まで伸びている黒の長髪が特徴的だ。だけどその髪は常に寝起き状態とでも言いたげに乱れている。それに加え彼女のその目の下には大きな隈ができていた。普段きりっとしているその瞳も、心なしかとろんとしている。すごく眠たそうなオーラを、彼女はその全身から発していた。 だけど目がつくのは彼女の容姿よりもその格好である。 その女の子はパジャマ姿だったのだ。 花柄模様の、ピンク色のパジャマだ。 恵一にはわからない高価な素材で作られているであろうその生地と、真珠色に輝くボタン。寝巻とは思えぬほどにお金がかかったそれは凡人である恵一には眩しいものであった。いや、眩しいのは何もパジャマだけではない。 ボタンが外れ、はだけた胸元から覗く神々しい谷間。女の子の白い肌がおしげもなく晒され、バレーボールほどの膨らみがパジャマの生地を盛り上げている。恵一はそれを見てはいけないと思いつつ、目をそらすが、思春期の男子の欲望には勝てないのか自然と彼女の乳房に目が言ってしまう。 「あ、あの白雪(しらゆき)先輩……」 胸が丸見えですよ。なんて言えやしない。恵一は顔を真っ赤にしてうつむいた。そんな恵一の様子を彼女はまったく気にしていないようで、にこりと恵一に微笑んだ。 「ああ、恵一くん。ちょうどよかったわ。今から“部活動”を始めようと思っていたの」 スロー再生でもしているかのようなおっとりとした口調で、パジャマ姿の女の子、湯布院(ゆふいん)白雪はそう言った。彼女は何度も眠たそうに瞼をこすり、今にも布団の上に倒れそうな危なっかしい足取りで恵一のそばにやってくる。 そして―― 「一緒に寝ましょう!」 そう言って思い切り恵一に抱きついた。 恵一の首に手を回し、白雪の顔が、ちょうど恵一の顔の隣に来る形になっている。女の子独特のいい匂いが恵一の鼻の中を支配する。そして何より、グラビアアイドルが裸足で逃げだすような豊満な胸、つまりおっぱいが恵一の胸にこれでもかと押し付けられていた。しかもブラをつけていないらしく、ダイレクトにその柔らかさを堪能することになる。 (ああ、気持ちいい……) なすすべもなく、抱きつかれた勢いのまま恵一と白雪は布団の上に倒れ込む。 「だ、駄目ですよ先輩……」 「いいの。だって、恵一くんはわたし専用の“抱きマクラ”なんだから」 理性を必死に保とうとする恵一にお構いなく、白雪は布団の上でぎゅっと恵一を抱きしめる。白雪の柔らかな胸が、腕が、太ももが恵一に絡みついてくる。そしてその数秒後、すやすやと寝息が聞こえてきた。 抱きマクラ。 それは文字通り抱きしめて眠るマクラだ。恵一は白雪の抱きマクラとして、彼女の昼寝に付き合わなければならない。ふっと横に目を向けると、白雪の幸せそうな寝顔が視界に入る。薄桃色の唇がむにゃむにゃと動くのが艶めかしい。 (ほんと、この人は寝つきがいいよなぁ) まあそれは自分の“異能”のせいもあるのだろうけれど。逆に自分は眠れないなと恵一は溜息をつく。しかし、こうして自分を信頼しきって、子供のようにあどけない寝顔を見せられたら何もできないだろう。 (だけど妙な部活動だよな、これは) 恵一は心の中でそう呟く。おそらくこんな珍妙な部活は世界広しとは言え、ここだけであろう。 昼寝をする。 それが、それこそが白雪が部長を務め、恵一が副部長をしている『睡眠学習効果研究部』、通称『眠り部』の活動内容であった。 そしてこの布団と畳のあるこの部屋が眠り部の部室である。 いつまでもドキドキはしておれず、恵一も隣に眠る白雪の髪から漂うシャンプーの匂いに癒され、ウトウトし始める。しかし、眠りに落ちる瞬間、入口の扉が開かれ、騒がしい声が部屋に響く。 「あー! またお嬢様にやらしいことを、このイエダニ!」 「不純異性交遊禁止ですー! エッチなのはダメ絶対です!」 部室に入ってきたのはメイド服姿で薙刀を構えている金髪碧眼の幼女に、なぜか警官のコスプレをして、ピーピーとホイッスルを鳴らしているメガネの女生徒が乱入してきた。 「ちょ、ちょっとサーニャちゃんに軍艦島(ぐんかんじま)さん。静かにしないと先輩が起きちゃう……」 そう言いかけるが、白雪は目の前の騒ぎに一切気づくことなくぐっすりと眠ったままであった。彼女は一度寝付くとなかなか起きない。 はっと入口のほうへ目を向けると、そこには軽蔑しきった顔で恵一を見下ろす、幼馴染の姿があった。彼女は長いツインテールを文字通り尻尾のごとく揺らし、拳を握りしめていた。 「恵一。あんたまたそんなことを……。世間知らずのお嬢様なのをいいことにいつもいつも添い寝なんか……」 「ち、違うんだって。ぼくはそんなつもりじゃ――」 「言い訳無用! 今日こそお前をお嬢様から引き離してやるのです!」 メイド服の幼女は竹刀の薙刀を振り回し、恵一の脳天に叩きつけた。薄れゆく意識の中、恵一は走馬灯のようなものを見た。 なぜ自分が眠り部に入っているのか。 なぜ自分が白雪専用の抱きマクラになったのかを思い返す。 春眠暁を覚えず。 その言葉の通り、恵一も昼休み時間では眠気のせいでうとうとしていた。昼食のパンを食べながら中庭にあるテラスでぼーっとしている。 (ふう。眠い……) 恵一が高等部に進学して二週間が経つ。さすがに桜の花は完全に散ってしまったようだが、陽気は依然春のぽかぽかした日光が注ぎ、多くの生徒たちが寝むそうに欠伸をしている光景が見える。オリエンテーションも一通り終わり、新しいクラス、新しい学校にも慣れてきた時期のせいもあるのだろう。 一個目のサンドイッチをもそもそと食べ終わり、恵一はテーブルの上のハムサンドに手を伸ばす。しかし恵一の手がハムサンドを掴む前に、誰かがさっと手を伸ばしてそのハムサンドをかすめ取ってしまった。 「あれ?」 恵一が不思議に思って顔を上げると、そこには見知った顔があった。恵一がぼけっとしているうちにいつの間にか目の前の席に座っていたようだ。その人物は赤みがかった髪を二つに結い、いわゆるツインテールにしている。きつい印象を受ける釣り目が恵一をじろりと睨んだ。 「なんて間抜け面してるのよ。ほんっとあんたっていっつもぽわぽわしてるわよね」 中菜香奈花(なかなかなか)はハムサンドを食みながら、悪気も無さそうにそう言った。 「なんだよ香奈花。それぼくのだぞ」 「あんたがぼけ~~っとしてるのが悪いのよ。この世は弱肉強食なの」 「しょうがないだろ。こんだけ陽気がよければみんな眠たくもなるよ。なんてったって春だからね」 恵一は再び大きな欠伸をした。気持ち良さそうに椅子の背もたれに体重をかけ、ふっと辺りを見回す。双葉学園の中庭は自然が多く、小鳥たちのさえずりさえ聞こえてくる。森林浴と日光浴が出来て一石二鳥だ。ここは恵一にとっての憩いの場であった。 「あんたは年中寝むそうじゃない。だいたい今から午後の授業が二時限もあるのよ。寝ちゃってノート取り忘れても見せてあげないから」 「えーそれはないよ。見せてくれよー。そのハムサンド食べただろー」 「見せて欲しかったら三べん回ってワンと鳴きなさい。この香奈花様の丁寧なノートを書き写すのにはそれぐらいの代償を払ってもらわなきゃ」 ふふんと鼻を鳴らし、香奈花は見下すように胸を反らした。呼吸するたびに香奈花の残念なサイズの膨らみが上下する。双葉学園の制服はブレザーだが、香奈花は上着を脱いでブラウス姿のため、わずかな膨らみでも強調されるようになっていた。 (まったく。こいつはなんでこんないつも偉そうなんだか。まるで女王様気どりだな) なんてことを心の中で言いながらも、恵一はほぼ反射的にその場できちんとくるくると三度回って、 「ワン!」 と言った。 「うわあ。さいってー。本当にやらないでよ、反応に困るわ」 命令した張本人にドン引きされた。 香奈花は椅子をガタガタと動かし、犬のように両手を突き出す恵一から距離を取った。そんな香奈花に恵一は喰いかかる。 「なんでだよ! ちゃんとやっただろ! だからノート見せてくれよ。宿題写させてくれよ!」 「宿題ぐらい自分でやりなさいこのバカ! あんたほんっとプライドないわね」 「当たり前だろ。ぼくは面倒なことが嫌いなんだ。堕落するためならば努力だっていとわないんだよ!」 面倒を避け、楽をすること。 それが恵一の信念であった。 若いうちの苦労は買ってでもしろと言うが、恵一はその苦労を人に売り渡すぐらい平気でする。惰眠をむさぼりダラダラ生きることこそ恵一の人生目標であった。 「あんたってほんとダメ人間よね。いつも人の手を借りて、苦労事なんて全然しないもの。人に寄生するのが上手いというか、甘え上手と言うか。それもその“異能”のせいかしらね……」 恵一が残りのサンドイッチを牛乳と一緒に喉に流し込んでいると、香奈花が呆れたような視線を投げかけてきた。 「何を今さら。ぼくとお前は十年も一緒なんだし、それぐらいわかりきってるだろ」 恵一と香奈花は幼馴染だった。同じ幼稚園。同じ小学校に同じ中学。さすがに分かれると思っていたが、あろうことか高校まで同じなってしまった。それどころかここではクラスまでもが一緒であった。 恵一は特に友達も作らず、恵一は休憩時間では一人でダラダラしているのである。そんなことを入学してからずっと繰り返しているせいで今のところ恵一を構ってくるのは香奈花だけだ。だけどこれでいい。友達作ったりなんていうのはただ面倒臭いだけだ。 (ぼくはこうしていられればいいや。休み時間ってのは休むためにあるんだから) そのまま恵一は眠気に負け、テーブルに突っ伏してしまった。 「ちょっと恵一! 眠るんじゃないわよ。もうすぐチャイム鳴るわよ!」 「うーん……。チャイム鳴ったら行くよ。次は現国だろ。あの先生いつも十分くらい来るの遅れるし、ちょっとぐらいむにゃむにゃ」 恵一は顔面をテーブルにつけながらひらひらと手を振った。それを見下ろす香奈花の呆れた視線を感じたが「勝手にしなさいバーカ」と言ってその場から離れて行ってしまった。 (昨日はずっとドラゲンクエストンをやってたせいでろくに寝てないんだよなぁ。どうにもやめるタイミングが……) そうして恵一は眠りに落ちていく。 周囲の生徒たちもあと二、三分ほどでチャイムが鳴るからと中庭から引き上げていく。そこに残ったのは恵一だけだ。人がいなくなり静けさが訪れる。 すると、恵一の回りに変化が起きた。 空を飛んでいた小鳥たちが眠っている恵一の背中や肩に止まり、羽休めを始める。小鳥たちは気持ち良さそうにリラックスし、恵一と同じように眠り始めた。 いや、やってきたのは小鳥だけではない。誰かが校舎で飼っているネコが何匹も群がって恵一の頭の上に登り、迷い込んでマジックで眉毛を書かれた野良犬が向かってきて、恵一の足に寄り添うように眠り始めた。 それは異様な光景であった。 知らない人が見たらひっくり返るだろう。 様々な動物が恵一にぴとりとくっつき、鳥もネコも犬も争うことなく自然に、幸せそうに眠り始めたのだ。多くの動物たちに囲まれ、暑くてたまらないと恵一は目を開ける。 (またか。やっぱ外で寝るのはまずいな) 恵一はうんざりしながら、その動物たちをしっしっと追い払う。しかしなかなかみんな離れようとせず、気持ち良さそうに熟睡している。 これが夏野恵一の異能“睡眠電波(ザ・ピローズ)”だった。 体中から『癒し』の空気を発し、他者をリラックスさせて安眠へと誘うことができる。こうして外で寝てしまうと動物たちが寄ってきて眠ってしまうのだ。しかもこれは人間にも有効なようで、体育の時間などで相手と触れ合う競技などは、いつも他の生徒が寝てしまったり、やる気がなくなったりしてしまう。 一体いつからこんな異能に目覚めたんだろう。 恵一に残る古い記憶では、幼稚園児の時からその異能はあったように思える。さすがに両親や、保母さんには通用しなかったようだが、同級生の園児たちがいつも遊んでいる途中で寝てしまうのだ。 『だって涼くんと一緒にいると眠くなるの』。という言葉を今でも覚えている。お遊戯で手を友達と繋げば眠りこけてしまうし、学芸会で白雪姫の王子役をした時には白雪姫役が起きずに本当に眠ってしまったままということもあった。 それにお昼寝の時間、同じ組だった香奈花がよく、ぐずって眠らなかったことを恵一は覚えている。そんな時は恵一が香奈花に添い寝してやるのだ。すると香奈花は安心しきった様子で眠る。 (あの時は香奈花も素直で可愛い寝顔だったよなー) そんなことがずっと続いてきたのだ。しかし恵一は自分の異能にはもう慣れていた。恵一が友達を作らないのもそれが原因の一つだ。この異能のせいか、それともこんな性格だから異能になったのかわからないが、グータラに生きると決めた恵一にはぴったりの体質であろう。つまり、彼の惰眠願望が他者に伝染するということなのだろうから。 恵一がそうして昔のことを思い出しながら再び眠ろうとすると、ふと動物たちとは違う匂いが恵一の鼻を刺激した。 なんだろうかこのいい匂い。 リンスの香りが混じった太陽の匂い。それと同時にさらさらとした糸のような細いものが恵一の頬をくすぐった。 (なんだ……?) 疑問に思った恵一はふっと目を開け、それを確認する。それは髪の毛だと一目でわかった。さながら済んだ滝のように流れるその黒髪が恵一の両脇に垂れている。それは、後ろに誰かが立っているということだった。 寝ている自分の後ろにぴったりとつくなんて悪趣味だ――そう思った恵一は振り返ろうとするが、するりと後ろから両腕が伸びて恵一の首にまわされた。 その腕を見ると、それは女子の制服であった。 (ぼくの後ろに女の子が――) なぜ自分の後ろに女生徒がいるのだろう。しかもこんなにぴったりとくっつき、腕まで回して……。恵一の頭の中はパニックになった。恵一は香奈花以外の女の子とはろくに喋ったこともなかった。恵一の頭はパニックを起こしていた。 「あふう……」 そんな艶やかな声がすぐ耳元で聞こえる。甘い吐息が耳を震わせ、背中にぞくぞくとした感覚が走る。そしてさらに後ろの女の子が体を密着させ、大きくて柔らかな物体が恵一の背中に押し付けられた。そのポヨポヨとした感覚はまるで水風船のよう、しかし温かいそれは立ち位置から考えておっぱいに違いなかった。 「あ、ああ……」 初めて覚える女性の乳房の感触。天国にいるような気分を恵一は覚えたが、一体誰が自分に抱きついているのだろうかと不思議に思った。最初恵一は香奈花かと思ったが、彼女がそんなことをする性格ではないことお恵一はよく知っている。それにこの胸の感触――いや、大きさは残念ながら香奈花のものとは全く違う。 「あ、あの!」 恵一は勇気を振り絞り、その女の子の手を跳ねのけ、ばっと後ろを振り向いた。この状況から脱するのはもったいないことだと思いつつも、好奇心を止めることはできなかった。それに抱きついているのがアレな女生徒だったりしたらトラウマになりかねない。 しかし、そんな恵一の不安は彼女の姿を見た瞬間消し飛んだ。 そこには、美少女がいた。 双葉学園は女子のレベルが高い、と噂されている。確かに可愛い女の子が多いと恵一は思っていた。しかしその中でもさらに一際、その少女は可愛く美しかった。 腰のあたりまで長く伸びた綺麗な黒髪は、昼の日差しに煌めき、スカートから覗く白い脚は日本人のものとは思えないほどに長く、美しい線を描いていた。 恵一の背中に押し付けられていたあの大きな胸は、セーラー服の上からでもよくわかる。香奈花と違い、制服の生地を盛り上げ、まるで南国に実る果実のような印象を受ける。彼女が動くたびに、つられて胸もかすかに左右に揺れていた。 そして恵一は視線を上に向ける。彼女の顔が恵一の視界に入った。彼女は恵一が起きてこっちを向いたことに驚いたのか、ぽかんとした表情であったが、すぐにふっと口元を緩め、恵一に微笑んだ。 その笑顔はなんて可愛いんだろうか。 恵一は思わず見惚れてしまう。 手足と同じように白く、きめのある肌に、凛とした芯の強さを感じさせる瞳。唇は柔らかそうに濡れていて、テレビで見るどの女優やアイドルよりも整った顔をしている。 しかし、彼女のその瞳の下には、不釣り合いな大きな隈があった。もう何日も眠っていないかのようで、気をつけて見てみれば肌は白いを通り越して少し青ざめているようにも見えた。足取りもどこかフラフラとして危なっかしい。 「あ、あの……なんでぼくに……?」 なんで自分に抱きついたのか。恵一は混乱する頭を整理しながらも、なんとかそう尋ねた。 すると彼女はその唇をゆっくりと動かしてこう言った。 「あなたは、わたしの運命の人だから」 うっとりとした様子で、少女はまっすぐに恵一の瞳を見つめた。その言葉に恵一はさらに唖然とする。思わずガタリと椅子から腰を上げてのけ反ってしまう。 「う、運命の人……?」 そんなの漫画やドラマでしか聞いたことのないよなセリフだ。陳腐過ぎてナンパ好きの男が冗談交じりで言うような言葉じゃないか。恵一は驚きを通り越して恐怖を覚えた。こんな可愛い子にそんなことを言われたら嬉しいかもしれない。しかし相手は初対面だ。絶対にまともじゃない。美人局か? 新手の結婚詐欺か? そんな不安が恵一の頭を駆け巡る。 しかしその少女は固まる恵一を気にも留めず、今度は真正面から恵一を抱きしめたのだった。 「――――!」 恵一は耳まで顔を真っ赤にし、「ぼんっ」と思考回路がショートした。初めて感じる女の子の柔らかく、温かな感触が体中に駆け廻る。パクパクと恵一は窒息しそうな金魚のように口を動かすことしかできなかった。 そして恵一の耳元で、少女はぽつりと囁いた。 「お願いします。わたしの、この湯布院白雪専用の“抱きマクラ”になってください」 その直後、恵一はテーブルの上に押し倒された。恵一は白雪と名乗る少女に覆いかぶさられてしまう。平均的な男子高校生よりも身長の低い恵一は、モデルのように長身の白雪に伸しかかられて身動きが出来なくなってしまう。 「ふあああ……」 突然のことと、女の子に抱き締められるということが、あまりに気持いいためか、変な声が恵一から漏れる。しかし、直前に言われた言葉が恵一の頭に響く。 抱きマクラ。意味がわからない。白雪が言っていることが、恵一には一切理解できなかった。 「あのう。落ち付いて下さい。」 恵一がぽんぽんと白雪の肩を叩き、そう言うと、耳元から「すーぴーすーぴー」という寝息が聞こえてきた。 恵一の異能が発動したのだ。動物でも、人間でも恵一から発せられる癒しの波動によって眠くなってしまった。彼女は恵一を抱きしめたまま眠ってしまった。すやすやと眠り、完全に脱力しきって恵一に身を任せている。 (これは、すげーおいしい場面だけど誰かに見られたりなんかしたら……) 名残惜しいが、恵一はひとまずこの白雪をどかそうと考えた。もうすぐチャイムが鳴って授業が始まる。そうすれば見回りの先生に見つかってしまう可能性だってある。そうしたら問題になるだろう。 だが恵一が白雪の肩を掴み、引き離そうとした瞬間、 「お嬢様に何をするのですか、この害虫!」 という女の子の怒鳴り声が聞こえてきた。 「え?」 恵一はなんとか顔だけ上げ、白雪の肩越しからそれを見た。 中庭の中心に小さな女の子が立っていたのだ。しかも白雪とは対照的に、その幼女の髪は外国人のようなキラキラと輝く黄金色をしている。その長い金髪を荒縄のように太い三つ網にしていた。その幼女はせいぜい十歳前後であろう、白雪の凹凸の激しい体と違って、ちんまりとした感じが可愛らしい。 だけど恵一が驚いたのは幼女の容姿だけではなく、その服装である。 「め、メイド~~~~~~!」 その金髪幼女はヒラヒラとフリルのたくさんついたエプロンを着込んでいた。恵一もアニメや漫画の知識で知っている。いわゆるメイド服と言うものだ。金髪幼女はカチューシャで前髪を上げておでこを出している。そのおでこに太陽が反射して光っていた。 「うお、眩し!」 「いいからお嬢様を解放しなさい。これだから共学にするなんてあたちは反対だったのです!」 金髪幼女は手に持っていた竹刀の薙刀をぶんと振り回し構える。なんでこんな小さな女の子がメイド服着て薙刀を振り回しているんだ。という疑問が恵一の頭いっぱいに広がるが、考えている暇はない。 金髪幼女は薙刀を前に突き出し突貫してきた。 「うおおおおおおお!」 危険だと判断した恵一は、咄嗟に眠ってしまった白雪を引き離し椅子に座らせる。すると、もう目の前に薙刀が振り下ろされているのが見えた。 横に飛びのいた恵一はなんとかそれを避けた。空を切った薙刀はそのままテーブルにぶち当たる。しかしその衝撃でテーブルは破壊音と共に真っ二つに折れてしまった。破片が辺りに飛び散り、壊れたテーブルは地面に崩れ落ちる。 「ええ! そんな無茶苦茶な!」 「ちっ、外したか。逃げ足の速さはゴキブリ並みですね」 金髪幼女は恵一をギロリと睨んだ。その表情からは一片の容赦もなく、もしあの一撃が直撃していたらと想像すると、ぞっとする。なんて幼女だ、怪物ラルヴァ》か異能者かと恵一は恐怖を覚えた。 「今度は外しません。湯布院家に仕えるものとして、あなたのような狼藉者は生かしておくことはできません。お嬢様のやわ肌によくも触れてくれたな……」 「待て! 待ってくれ! あの女の子からぼくに抱きついてきたんだよ。ぼくは何もしてない。それでもぼくはやってない!」 「問答無用!」 金髪幼女は恵一の言い分を聞く気が無く、再び薙刀を振りおろそうとしていた。 「くそ、ええいままよ!」 薙刀が振り下ろされる直前、恵一は右手を突き出して金髪幼女の頭を撫でた。 「な、何をするか――ふわぁあ……」 一瞬鬼のような怒り顔になったが、すぐにまたたびを与えられたネコのような顔になってしまった。目を瞑り、気持ち良さそうに口をだらしなく開けている。 「ああ……んんっ……はふぅ」 恵一が頭をなでなでするたびに、金髪幼女はそんな喘ぎ声のようなものを出した。脱力した彼女はカランと薙刀を地面に落とす。そして、とうとう恵一が発する『癒し』に耐えられなくなったのか、その場に崩れ落ちて眠り始めてしまった。 「以外に便利だな、ぼくの能力って」 恵一は自分の体質を恐ろしく感じながらも、今がチャンスだとその場から逃げ出した。 それと同時に始業を知らせるチャイムが鳴り響く。恵一は中庭に残した美少女と美幼女に未練を残しながらも教室に戻った。 それからしばらくして、黒髪の美少女、湯布院白雪は目を覚ました。瞼をこすりながら辺りを見回すと、テーブルは破壊され、白雪専属のメイドであるサーニャが地面で眠りこけていた。金髪の三つ網がそよそよと風にそよいでいる。 「ねえサーニャちゃん。起きて。もう授業始まっちゃったよ」 白雪は幸せそうに眠り、よだれを垂らしているサーニャの肩を揺さぶった。 「ううーん。むにゃむにゃ。もう食べられないです~」 「起きたらサーニャちゃんの大好きなチョコレートケーキおおやつにあげるよ」 ベタな寝言を言うサーニャの耳元で白雪はそう囁いた。するとサーニャは目をかっと見開き一瞬で目を覚ました。 「はっ! ほんとですかお嬢様!」 「もう、サーニャちゃんってば眠り過ぎよ。わたしなんてほんのちょっとしか寝れなかったのに……三日ぶりにようやく眠れたと思ったのに」 白雪は頬をぷくーっと膨らませて拗ねるように言った。本当に彼女は眠たそうで、目の下の黒い隈がそれを物語っている。 「す、すいませんお嬢様。メイド兼護衛を務めさせていただいているのに、族にやりくるめられるとは。どうやら敵は異能か何かを使ったようですね」 サーニャはパンパンと自分の頬を叩いて眠気を覚ましていた。そしてすぐに薙刀を手に取り、奮起して気合いを入れる。 「安心してくださいお嬢様。次にあの狼藉者を見つけたら、二度と悪さできないようにギタギタにしてやりますよ」 「ううん。駄目よサーニャちゃん」 「え?」 「あの人は、わたしの運命の人なの。あの人だけがわたしを救ってくれる」 白雪は恵一が走り去った方をうっとりと見つめた。 まるで王子様に出会ったお姫様のように、その顔には希望に満ち溢れている。白雪の寝不足から来る青ざめた顔が少しだけ紅潮していた。 「あの人はきっとわたしの“不眠の呪い”を解消してくれるわ。だから――」 白雪はにっこりと笑い、サーニャのほうを振り返りこう言った。 「どんな手を使ってでも、あの人を手に入れるの」 つづく
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ピロートーク おかしい。 いわゆるピロートークってもんはもっとうこう、甘いもんじゃないのか。 普段は恥ずかしくて言えないこととか、他愛のないこととか、 とにかく二人で余韻に浸りながらイチャイチャと話をするもんじゃないのか。 なのに、どうしてこいつは俺の隣に寝そべったままノートパソコンのキーボードを叩いてるんだ。 「いける!これでいけるぞ!なんで今まで思いつかなかったんだ俺!」 なんだその生き生きした目は。なんだその溌溂とした表情は。 『いける』じゃねーよアホ。今しがた俺にイカされたばっかだろお前。 「……楽しそうだな」 「楽しいというか嬉しいというか、俺って天才?みたいな」 テンション最高の満面の笑顔でこっちを見るな。 ついさっき涙目で俺を見上げて言った「もう駄目」「もう限界」っつー言葉は嘘か。 まさか「早く」とねだったのは早く終わらせたかったからじゃねぇだろうな。 「仕事か、それ」 「まーね。急な仕様変更があって、どうしようかここ数日悩みっぱなしだったんだけど」 こいつの職業はSEだが、『SEとはシステムエンジニアの略称である』ことくらいしか俺には分からない。 「閃いた!唐突にぴかーんと!アドレナリンがどばーっと!」 「へえ」 「解決した。多分ね。明日書き換えてテストしてみないと分からないけど、多分オッケー」 「ああ、そうかよ。良かったな」 わざと機嫌の悪さを滲ませて言ったのに、明るく「うん、ありがとう」と笑う。 本当に嬉しそうに、鼻歌を歌いながらノートパソコンを撫でている。 おかしい。甘くないどころか、すごく苦い。 こいつは表情はとても幸せそうなのに。俺の隣で笑っているのに。 さっきまで何度も好きだと囁いて、囁かれて、最高に幸せな気分になっていたのに。 苦い気分が着地した先は、情けなくも『パソコンへの嫉妬心』だった。 俺たちの甘いピロートークを奪いやがってこの野郎。 次やるときは、絶対隠す。 ピロートーク
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クロートー(神族-010) imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (クロートー.jpg) 初出:α1 / データ更新日:20150701 ステータス No. 神族-010 タイプ 運命神 召喚コスト 30 射程 近距離(350) Illust あさひろ CV 中川 亜紀子 Lv1 Lv20 HP 528 607 AP 62 71 ATK(物理攻撃力) 53 64 POW(魔法攻撃力) 0 0 DEF(物理防御力) 34 43 RES(魔法防御力) 33 38 MS(移動速度) 814 AS 0.75 0.78 口承 口承 アトロポス様、ラケシス様のご姉妹で、運命を司る三様のうち、運命の糸を紡ぐ御役目を担う、長姉にあたるのがクロートー様にございます。 彼女が紡ぎ出す糸、その一本一本が人間一人の人生に相当するのだとか。 考えるだに、相当身の引き締まる重責だと思うのですけれど、このご姉妹は仲がよろしくて、よくおしゃべりに興じて手元がお留守になってしまわれるようで……ああ!申し上げてるそばから縒りを間違えて捻じ曲がった糸が!なんと!そちら、車の糸がもうありません!よ、よくある事と言われましても……申し訳ありません。私には刺激が強すぎます。 アクティブスキル:運命の創出 指定タイプ 対象 効果タイプ 強化 消費AP 30 / 30 / 30 クールダウン 40 / 40 / 40 一定時間,自パーティーの最大HPを上昇させる。[上昇HP:100 / 150 / 200][効果時間:8 / 12 / 16] パッシブスキル:紡ぐ者 指定タイプ ― 効果タイプ 強化 1. 自パーティーに自身と同じタイプのユニットがいる場合対象の数に応じて同じタイプのユニットのHPリジェネが上昇する。[上昇HPリジェネ(1体につき):0.8 / 1.4 / 2] 2. 自パーティーのATKが上昇する。[上昇ATK:10 / 15 / 20] コメント [部分編集] ここにコメントを記述 動画
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バスルームで所謂金的を見事にかましてしまった私は、一緒のベッドに入る時にちょっとだけ距離を取った。 本当はもっとくっつきたいのだけれど、寝てる間にまた蹴ったりしてしまったら可哀そうかな、と思ったのだ。 だけれど友沢は、何も言わずに私を抱き寄せた。私の頭を抱え込むような形だ。好きな人の腕枕。悪くない。 「その……さっきは、ごめんなさい」 「もう気にしてねーよ。次気をつけてくれればいい」 次、ということは、またこういう風に過ごすことを、こいつが望んでいるということだろう。内心ほっとする。 お互いの気持ちは分かっているけれど、言葉でそれが確認出来ると、やっぱり嬉しいものだ。 「ねぇ」 「ん?」 「あんたってさ、やっぱり女の子からもてるの?」 分かり切った質問だった。私の周りの女の子に限っても、友沢のことを嫌いな子を見つける方が難しいのだ。 アカデミー経由とはいえ、1年目で3割の打率を残し、ホームランはそこそこ、盗塁もまぁまぁ、安定していて華のある守備。 球界の誰もが納得の新人王を獲得した、久し振りのスター候補。いや、もう既にこいつはスターなのだ。 そこに凛々しくて整った顔立ちとくれば、女の子が飛びつかないはずも無い。多少無愛想な所を補って余りある。そこがまたいい、という層もいる。 「……まぁ、そこそこにな」 「嘘。絶対そこそこなんてもんじゃないでしょうが」 「ていうか、何で今更そういうことを聞くんだよお前は」 「……やっぱ、気になるもの。恋愛経験とか、片思いしてたかとか」 私は今日、こいつによって処女を散らした。だけれど男には処女膜なんて無い。童貞かそうでないかの判別なんて、自己申告でしか無いのだ。 友沢の事は信じたいけれど、どうしても不安がってしまうのは、女の子なら仕方の無いことだと思う。 「……好きだった奴はいる」 ほら見たことか。 「……教えなさいよ、その子のこと」 ベッドの中から、上目遣いで睨みつける。こうすると男の人は嘘を付けない、らしい。まぁ、友沢がそうであるように、注意していれば、 私もこいつが嘘を付いているかどうか、くらいは見分ける自信はあるのだけれど。念には念を入れておこう。 「……リトルの頃だな。最初に会ったのは」 私とこいつが出会った時期だ。 「初恋ってやつ?」 「そうだな、そう言って良いと思う」 「……続けなさいよ」 「……第一印象は、小さい、だったなぁ。男の中に混じってるもんだから、尚更そう思った。ま、俺もあの時はそんなにでかくは無かったけど」 男の中に混じる?ガキ大将か何かだろうか。きっと気の強い子だったのだろう。成程、友沢はそういう子が好きだと。 「それで?」 「んで、顔を見たんだ。びっくりしたよ。すげぇ可愛いんだこれが。うわ、マジかよ、ってくらいに」 そんなに可愛いのか。美女に言い寄られたりすることもある今の友沢がここまで言うのであれば、本当に可愛かったのだろう。 「そしたら、挨拶した後そいつがマウンドに歩いて行くんだ。またびっくりさ」 「マウンド?」 「マウンド」 「……野球の?」 「野球の」 「……それって」 「で、ボールは正確、変化球は曲がる。チームは決して弱くは無かったはずだけど、俺以外ボールに掠りもしない」 「……」 「初めてだったよ。当時の俺と対等に投げ合う同い年の奴なんて。しかもそれが女子なんだ。そりゃ惚れるわな」 完全に私のことじゃないか。いや、正直とても、とても嬉しいのだけれど、それ以上に。 「……いて。何だよ」 「はっ、恥ずかしいのよ!あんたのその、すかした感じっていうか、なんていうか……あーもう!聞くんじゃなかったー!?」 恥ずかしくて手が出てしまった。ぺち、と弱々しい音を立てて、友沢のほっぺに当たる。 「何今更言ってんだか……もうやることやっちまったんだ、この際全部話した方が良いだろ?」 「ぐぬぬ……何で今日はずっとあんたのペースかなぁ……いつもなら私の勝利で終わるのに……」 「たまにはいいじゃないか。こうやって話せるのも、二人きりだから何だし」 「それは、そう、だけどさ……」 実は、私もこういうやり取りは嫌いじゃ無かったりする。まだ少し恥ずかしさが抜けないだけで、とても安心出来るというか。 多分、友沢はこれが素なのだろう。まるで年上のきょうだいのようにからかってくる。家に居る時は、こんな感じのお兄ちゃんなのだ、きっと。 男の人として、友沢の事は好きだけれど、それ以上に、こうやって兄貴面をしている友沢も、私は好きなようだ。