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各キャラ紹介文 パチュリー ここは おちそうなすれを ちからづよく うけとめてくれるだてじゃない おねえさん ぱちゅりーの AAをほかんする ぺーじだよ。 したの りんくから とべよやー 4 7 0 k b /.\ ,. -──- 、_ /. \ rー~ー-¬ 「ヽr'´、, -、 . --.、ノ)クヘ r~ァ─一¬ /. \`¨⌒丁` |: [>r' ソ~ Y l i ム〉 ノ〉. Y `「⌒`´ / \__| |:__く/ /イ /! ハ | l、 ヽ',y、___ | |:__/ ,γ! ハ l / 厶XLィ/ Lハメ、 ノ ハr'. | |: :/ ! / ! .ノ| |(ヒ_] ヒ_ンY |〈 ハ .ト、: :.!! .!/ ! :.//.l | ,___, .| ||'、 / ヽ、.! .i: `ヽ ノハ/ | | |、 ヽ_ン u| || lハ y': ここは私が食い止めるから :ヽr. ν不ト-| | \ /| |-γ⌒ /: ゆっくり次スレを立ててね! :ヽ ハソL._r‐ト--イ-、ト ;ル /: :ヽ ノ { } ! .>< ! { }' 冫 ぱちゅりー~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~すれ が 470KB に なっても だれも すれ を たててないときうまるのを くいとめてくれる おねえさん。ゆっくり するのもいいけど そろそろ だれか ゆっくり すれをたてよう +あ.パチュリー 基本AA あ.パチュリー 基本AA ■左向き ■正面向き ■右向き +ん.パチュリー その1 ん.パチュリー その1 ■フランと愚痴る○フランより先に念願のキャラがつきました ○ゆっくりスレ立てしてね!!! ○このままスレ立たないまま埋めちゃおうぜw ○おい…お前らそろそろ無駄遣いすんな!!! ○だからこんなでかいAA貼るんじゃねぇよ!!!誰かスレ立てろ!!! ○…本当に立たないまま埋めちゃダメだろ… ○新スレが立ちました ■500kbそこまでよ!!! ■そこまでよ!!! ■パチュリーと本 ■470KBなる前にスレが立ちました ■ビタミンが足りないわ ■オワタ ■救世主現る ■湖の妖精 ■連貼をブロック ■もうダリとかそのへんの世界 +た.パチュリー その2 た.パチュリー その2 ■パチ瓜○パチ瓜落とし ■デスタムーア ■Beyond the time ■スレを支え続けた結果がコレだよ!!! ■偽装発覚 ■肉じゅばん ■芸術 ■当たらなければどうという事は無い ■日符「ロイヤルフレア」 +た.パチュリー その3 た.パチュリー その3 ■二人はデスタムーア ■富士⑨ハイランド ■力の勇儀 ■きもんげから礼金が届いたようです ■スレ立て失敗の報に対して ■跳び箱自殺 ■ピザ配達 ■フッジッサーン ■ピラミッド ■さとれいむ ■のうかりん ■GR ジャイアントレイム ■お前は誰だ!!! ■サザえさん ■430kbです ■サタデーナイト +ち.パチュリー その4 ち.パチュリー その4 ■新スレ ■痴漢 ■きめぇ化 ■パ⑨リー ■パッチュンプリン ■狙われるプリン■狙われるプリン2 ■狙われるプリン3 ■怒り爆発 ■一頭身バージョン ■吸血鬼姉妹の助太刀!? ■ボッシュート ■パチュ夫 +!.パチュリー その5 !.パチュリー その5 ■きめぇ丸 ■泣きパッチェさん ■スレ立て、感謝します ■柔符「スパイスガール」 ■帽子を没収 ■東映版スパイダーマン ■説得力ありませんよ・・・ ■パチュリー隊長 ■ブロックつぶし ■スレを支える本■スレを支える本たち ■紅魔図書館防衛システム ■ティウンティウン ■そこまで四駆 ■ロードローラーだッ! ■STOP! ■天災 ■ガ板と幻想板 ■重さ増し増し ■パッチェさん無理して虚勢張らなくても・・・ ■そこまでプリン ■パチェさんの本気 +そ.パチュリー その6 そ.パチュリー その6 ■外道が! ■指差し ■泣き虫 ■鼻ほじり ■壊れたパッチェさん○壊れる前 ■小悪魔へのおしおき ■足の小指 ■ちょこん ■出動不能 ■パチュリーの代理幻想郷チャンピオン、スパイダーマッ! ■雪の中のパチュリー ■マジギレ ■サザエさん ■分身の術 ■新刊(ジョジョ) ■諏訪子 NDS +こ.パチュリー その7 こ.パチュリー その7 ■過労死 ■この感じ・・・ ■地中から出現 ■ごめんなさいで済めばパチュリーは要らない ■19×47=893がon ■パチェトラマン ■パチュリーロボ対3ゲット諏訪子 ■別符「ホットスプリング」 ■平和祈念像 ■スーパーパチュリー ■そこまでよ!三連発 ■真そこまでよ!!! ■パチュリフ +ま.パチュリー その8 ま.パチュリー その8 ■予告そこまでよ ■衣玖さんにおしおき ■お酒の飲みすぎ注意 ■ソコマンドー ■うまいこと言った ■きめぇ丸憑依 ■パッチェさんの憂鬱 ■ケロちゃんを制裁 ■こぁとゆかりんを制裁 ■岸辺露伴 ■テディベアぶつけんぞ ■読書 ■そこまでよの予感! +で.パチュリー その9 で.パチュリー その9 ■ヨコハマパチュリー ■連続フックをラーニング ■飲んだくれ ■腕組み ■PCの前でご立腹 ■パチュリーご乱心 ■パチュリーご乱心2 ■おぜうさまの羽根に孔を…… ■巨大文字:むきゅううう!!! ■モアイ ■パチュリーさんの本気 ■魔理沙をナデナデ ■知っているがお前の素行が気に入らない ■てめーはダメだ ■飛び蹴り ■見返り ■ヘッドロック ■パピコ ■加藤にそこまでよ +よ.パチュリー その10 よ.パチュリー その10 ■そこまでよ!どアップ ■パチュリーの楽しみ ■狙撃 ■パチュリーさんを救う会 ■秋符「オータムブレード」 ■スク水 ■マッチョリーさん ■白蓮叩き ■ 1叩き ■カンペ ■タバコ ■すまぬ すまぬ ■ロケットランチャー ■リーゼント ■鼻ほじり ■ケロ帽寄生 ■パチュリータンク ■本に夢中 ■どうすればいいのよ ■プーッ クスクスクス ■魔法的分身 +!.パチュリー その11 !.パチュリー その11 ■パチュネス・チャンレッジ ■久々の仕事待ち ■監視○増殖 ■顔いじり○ハメハメハ ○出っ歯 ■むきゅう○大群 ■新作被害 ■ヨコハマパチュリーその2 ■むきゅきゅガール ■乳臭いパチュリー ■うつらうつら ■パルチュリー ■パチュリーパネルで記念撮影 ■クレイジー ■ブブゼラ○火炎放射器 ○マスタースパーク ■水兵帽憑依 ■流し目の紫髪 ■18禁マーク ■きめぇとヨコハマ ■しわ寄せ +!.パチュリー その12 !.パチュリー その12 ■本棚 ■教授 ■あざといパチュリー ■現役宣言 ■茶 ■茨華仙 ■あまり私を怒らせない方がいい ■この感じ… ■空腹→満腹 ■!? ■ソコマデヨソード ■ユルシタ状態 ■オプーナ ■にんまり ■介錯 ■首をかしげる ■目のやり場に困る ■体調不良でもそこまでよ ■パッチェさんアウトしたお ■パチュリー+にちょり ■そこま +!.パチュリー その13 !.パチュリー その13 ■パワーボム ■そこまでよキック ■水晶占い ■怒首領蜂大往生 ■ビンタ ■大型そこまでよ ■カクカク ■首絞め ■着ぐるみ ■夜神パチュリー 各キャラ紹介文 パチュリー
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闘技場内に限り、パチュリーの助けを借りることができます。 パチュリーのレベルは200固定となっていますが、ステータスは挑戦するボスの難易度によって変化するので、攻略にかなり役立ちます。 ただし、パチュリーの素早さは低め(現段階では真偽の神しかいませんが、それより遅い)なので、それを頭に入れて立ち回らないとすぐにやられてしまうことがあるので気を付けましょう。 ここからは、パチュリーが使える魔法について解説します。 ・メタリックオーラ 味方全員の防御をあげる魔法。闘技場のボスの攻撃はかなり強いのでおすすめ ・ジュピターオーラ 味方全員の魔法力を上げる魔法。鈴仙にとってはかなり有効。 優先度はメタリックオーラ>ジュピターオーラの順かと思われる 火符「アグニシャイン」 敵単体に火属性の大ダメージ(追加効果なし) 水符「プリンセスウンディネ」 敵全体に水属性の大ダメージ&敵の強化を解除する 偽りの影を解除しようと何度も撃ってみたが当たったためしがない() 木符「シルフィホルン」 敵全体の魔法攻撃力を上げる代わりに、敵全体を魅了状態にする。 真偽の神に何回も撃ってみたが効いたためしが(ry 土符「レイジィトリリトン」 敵単体に土属性の多段ダメージ。相手の物理防御でダメージ計算する。 真偽の神に対してはこちらのほうが与えるダメージが多く、命中率もいいので攻撃時は基本的にこれを使えばいいと思われる 金符「メタルファティーグ」 ランダム5回のダメージ。植物系のモンスターには効果が大きいそうだが、現在闘技場にはいない。 ダメージ量的にレイジィトリリトンの劣化だが、今後やばいラフレシアの強化個体が闘技場に現れたら活躍しそう 月符「サイレントセレナ」 敵単体に闇属性のダメージを与え、相手のスキルを1ターン封印。 ただし、先制でないと効果がないので素早さが低いパチュリーでは全く使えない 日符「ロイヤルフレア」 敵単体に光属性の大ダメージを与え、暗闇状態にする ウィーク 発動には100TP必要。敵全体の属性耐性を下げ、魔法を避けにくくする ヴェール 発動には100TP必要。3ターンの間、味方が受ける物理攻撃と魔法攻撃のダメージを減らす(必中攻撃のダメージは減らせない) 火水木金土符「賢者の石」 発動には100TP必要。4ターンの間、パチュリーの行動回数を増やす。 基本TPを使う魔法はこれを使えばよいと思われる。ただし、難易度ルナティックではボスが狂気の波動を使った後に発動するように
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『火』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:おみくじ 『水』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:おみくじ 『木』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:おみくじ 『金』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:おみくじ 『土』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:おみくじ 『日』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:合成(『火・水・木・金・土』のパチュリー全種 Lv10) 『月』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:進化(『火・水・木・金・土』のうちいずれか1つのパチュリー Lv30) 『七曜』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:合成(『月・火・水・木・金・土・日』のパチュリー全種 Lv15) 『動かない大図書館』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:合成(『土』パチュリーLv30+『日』パチュリーLv10) 『得体の知れない魔法の元』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:合成(『動かない大図書館』パチュリーLv20+『暴走魔力』小悪魔Lv20) 『七曜を統べる魔女』パチュリー:攻/範/敏/命/能 入手手段:進化(『七曜』パチュリーLv50)
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加入条件 宴席召喚 能力 タイプ HP 攻撃 防御 魔抵 素質 コスト 移動 射程 命中 回避 必殺 吹飛 拡大 再動 便乗 反撃 アイテム 療養 魔法 24+12 39+18 4+1 15+7 B(36) 3 2 4 13 1 1 0 30 2 3 0 109/195 5 評価 霊力あたりの攻撃力がかなり高めの魔法タイプであり、拡大基礎値が最大。 異界の中に拡大か再行動を発動させない限り失敗するステージがあるため、1人は欲しい拡大用キャラとしての有力候補。 HP成長は全キャラ中最低であり、簡単にいうと異界と同レベルの場合7ターン目にはお帰りになる耐久力。 HP上昇アイテムをつけても焼け石に水ではあるが、唯一無二の風軽減を手に入れればあるいは・・・。 台詞集 初登場時 +... パチュリー …………。 魔理沙 お、見知った顔が出てきたな。 パチュリー ……貸し出してないわ。 魔理沙 お? パチュリー 私は貸し出してないわ。 魔理沙 何も借りてないぜ。 パチュリー じゃあ、「私」を借り出したのは誰? 霊夢 そこの白黒よ。 魔理沙 この白黒どもだぜ。 てゐ 違う、詐欺だ! ルーミア ウサギだ! パチュリー 何でも良いけど、返却してくれないかしら。 本の在る所に。 魔理沙 本ならここにもあるぜ。 魔理沙は、香霖堂に置いてあった本を、 数冊、広げて見せた。 パチュリー それは何の本? 魔理沙 香霖の本だ。 パチュリー ……そっちは何の本? 魔理沙 香霖の本だな。 パチュリー ……目の前にいる白黒を消極的に除去する方法の 載った本は無いかしら。 霊夢 無いわ。 ついでに、アンタを送り返す気も無いわ。 パチュリー ……ゲホッ、ゴホン。 てゐ 薬ならここにあるよ。 パチュリー ……むきゅー。 戦闘台詞 +... レベルアップ ふぅ……。落ち着いた……? アイテム発見 これは……? 図鑑で調べよう………。 クリティカル けふん、ごほっ! 吹っ飛ばし ふっ……けふん!けふん! 効果拡大 巻き添えになって……。 再行動 ………もう一度? 反撃 げほっ。帰って……! 便乗 そこっ……けふけほっ。はぁ、はぁ……。 撤退 はぁ、ふぅ。やっと帰れる……。 体力0 うっ。だから無茶だって……。
https://w.atwiki.jp/orz1414/pages/224.html
今さ、布団の脇にノート置いて書き込んでるんだけど 毎晩パッチュリが布団に潜り込んで来て困っちゃうよね さすがにあんなにくっつかれたら冬でもあっついよね あっ こら、また勝手に入ってきてー そんなくっつくなって え、いや、まあ、迷惑って事でもないっつーか、うん うん……うん、 俺も、大好きだよ じゃ、おやすみ…… 6スレ目 408 ──────────────────────────────────────────────── 図書館の一画。 目当ての本を見つけた俺はパチュリーの隣に座り、本を開いた。 「仕事をサボって何を読んでるのかしら?」 言われて顔を上げると、パチュリーが本を少し下げてジトリと俺を睨んでいる。 「アガサ・クリスティーのクリスマス・プディングの冒険、 しかし本当にこの図書館は何でも揃ってるな~・・・。 少しくらい良いだろ? 本の整理は終わったし、もう特にする事も無い 大体クリスマスイヴだってのに、休みもくれないお前が悪い 今日に限って図書館に来るような物好きなんてそんなに居やしないよ。 あとの雑務は小悪魔にでもやってもらえば良い」 そう長々と答えるとまた睨まれた。 「私と過ごせるなら何処だって良い。 なんて言ったのは誰だったかしら?」 「それを言われると ぐうの音も出ない・・・」 一拍、間を置いて2人で苦笑。 お互いに視線を本に戻す。 静かに時間だけが流れる・・・。 華やかではないがこんなイヴも良いかもしれない・・・。 「なあパチュリー、部屋に戻ったら今夜はワインでも開けようか?」 俺がそういうと彼女はクスリと笑って、 「そうね」 と、一言だけ言った。 6スレ目 577 ──────────────────────────────────────────────── パッチェさんが風邪を引いた。と言うわけで見舞いに行く。 見舞いと言うからには何か持っていったほうがいいだろうから、 とりあえず紅魔館の食堂から適当にりんごでも持って行くことにした。 ちなみに食堂の食べ物がなくなると門番の食事が減らされると言う噂がある。 明らかに内部犯だろうに外にいる者の食事が減らされるというのはどうかと思うが、まあどうでもいい。 一応勝手に持っていくわけで、カウンターに身を隠しながら、置いてあるりんごに近づきすろすろと手を伸ばす。 丸い形と重さを確かめ、2,3個抱え込むように持っていく。 と、不意に声をかけられる。 「りんご持っていくんなら、ナイフはいりませんか?」 「手持ちがあるからいいや。それよりすりおろすやつおくれ」 「はいどうぞ」 「はい、ありがとう」 計 画 通 り。 パチュリー私室は、毎度黴臭い図書館内の閲覧個室の改装されたものとなっている。いや図書館自体が私室といえばそうか。 ノックをしても返事はない。いつもない。声が届かないらしい。風邪を引いているなら尚更か。 返事が無いので勝手に入る。待っていたらいつまでも入室できんぞなもし。 入って見渡すと、ベッドの上がもぞもぞと動いている。どうやら寝ているらしい。 ……と思ったら寝そべりながら本を読んでいた。 予 想 通 り。 いや、予想が当たったからと喜んでいる場合じゃない。どうにかせにゃならん。 いくら本読み魔女と言ってもゲロ吐きながら読むものじゃない。 なので、横から本を取り上げる。 なーなー言っていたが、何を言おうとしていたのか分らないので無視していすに座り、 本を体と椅子の背もたれの間に挟みこんで取れないようにする。ついでにりんごを机に置く。 「なに……するのよ」 咳き込みながら文句を吐く。 「風邪引いてるときに本を読むものじゃないだろ」 「魔女が本を読まないでどうするのよ」 「病人が寝ていないでどうするんだよ」 「む、じゃあ代わりにその本読んで頂戴」 「風邪引いてるのにこんな難しい本読むもんじゃないよ」 言いながら本を抱えてドアに向かう。 「その本がいいのよ」 無視してドアを出る。ラテン語なんか読めるか。 難しい本を戻し代わりの易しい本を持って部屋に戻ると、パチュリーはうつ伏せのまま寝入っていた。 息がし辛そうなので横向きに直してしばし寝顔を観察する。 しかし、ずっと観ているわけにもいかないので、本を持って退室する。 が、司書連中に運悪しくつかまり書庫整理の手伝いなどをやらされる。 盗難本のリストアップらしいが、照会に時間がかかり正直暇だ。というか俺いらんだろ。 捉まってから1時間ばかりたった。 仕事を10分ぐらい、後は皆で駄弁っていた。どうせまた盗られるんだし、リスト作っても無駄よね、と言うことだ。 駄弁った結論として、女って怖いなあ、と言うことが再確認された。 不意に子供の泣き声が響く。何かの魔道書かと思い音のする方へ駆けると、パッチェさんの自室だった。 訝みながらドアを開けると、パチュリーが突っ伏して泣いていた。 これはアレか、病気のときに誰もいないで不安で泣くというやつか、愛い奴め、と思いながら近づくと、 ほんーほんーわたしのほんー、と言って泣いていた。 本かよ。俺じゃないのかよ。 がっくりしながら話しかける。 「起きたかね。じゃあ、作るからすりおろしりんごでも食べなさい」 「それよりも本はどこ?」 「とりあえずりんご食え。あと水飲んで寝れ」 「寝かしつけないで頂戴。で、本はどこ」 「りんご食べたら持って来るからりんご食え」 「わかったわよ……」 同意を得たところで皮を剥き、種を取り、すりおろして器に盛る。 多少血が入った気がするが問題ないだろう。 器と匙を渡すともそもそと食べ始める。 少し寝たからなのか心なしかさっきより血色も声色も良いように思える。 食べている間に見繕っておいた本を取ってくる。 「食べ終わったわよ。で、本は?」 「ん、あるよ」 「妙に薄いわね…というかそれ絵本じゃない」 「うん? 風邪引きにはちょうどいいだろう」 「読んでくれるなら向こうの棚に入ってる本がいいんだけど」 「だから難しい本はだめだって」 アラビア語も読めんがな。 枕元の椅子に腰掛けて絵本のページをめくる。 ゆっくりとしたペースで読んでいると、パチェさんが端ににじり寄ってくる。 「うん? 遅い?」 「絵が見えない。絵本なんだから絵も見せて頂戴」 どうやら絵本が存外に気に入ったらしい。 ベッドに深く腰掛けて、腿に頭を載させるようにして読もうとするが、 「見辛い。あと首いたい」 仕方がないので、寝かせて顔の上に本を持ってくるが、今度は自分が読めない。しかも、 「いたいいたい。紙が当たってるわ」 ページをめくる時に顔に当たったり手から抜けたりするようになった。どうにも目測がつけ難い。 どうしようかねえ、と考えていると、パチュリーが枕元をぱんぱんと叩いている。 こっち来いって…ああ、そういうことか。 結局枕を退けて自分が枕代わり、と言うか座椅子になった。 背中がベッドの宮に当たっるので、邪魔な枕と布団を背中に置く。 それでも痛いのと布団の重みで体が少し丸まる。 パチュリーは頭を首筋にもたれかけ、毛布を巻いている。 なので各々が肩に頭を持っていくような格好になる。 「読むのは結構上手いわね。でも少し早いかしら」 「そうかねえ? まあもう寝て早く治してしまいなさいな」 「そうね」 そういってごそごそと動くが、 「なんで胸の上で寝ようとするの?」 「おやすみ」 「それじゃ寝にくいでしょうに」 「うーん」 不満げな声を上げる。これは動きそうにも無い。 しょうがなしに少しずつ体をずらしてベッドに横になる。 肩にかぶっていた布団を掛け、枕を頭の下に敷いてやってから抜け出そうとする。 「あら」 思わず声が出る。 服の端がしっかと握られていた。これでは出るに出られない。 無理してはずす事もできるだろうが、そうすれば起きてしまうかもしれない。 「まあ……役得かねえ」 そういって横顔を見ながら自分もゆっくり目を閉じた。 6スレ目 620 ──────────────────────────────────────────────── いつも通り本の整理をしていると急に視界がぐらついた。 疲れてるのかな? そう思った矢先 図書館の床が目の前に迫り、意識が消失した。 気がつくと俺はベッドに横になっていた。 どうやら気を失っていたらしい。 上半身だけ起こすと濡れタオルが額から落ちてきた。 「あっ!!」 声のした方を見ると椅子に座っていたらしい小悪魔が立ち上がり 「今パチュリー様を呼んできます」 と言うと駆け出していった。 しばらくするとまた走る足音が聞こえてパチュリーが部屋に入ってきた。 彼女はホッとした様子で 「良かった」と言った。 「心配させちゃったみたいだな・・・すまん」 「いいわよ、別に。 薬作ってきたから飲んで安静にしてて。 一応試しに飲んでみたけど副作用もないし、安心して飲んで」 そう言うと半透明の液体が入ったグラスを渡してきた。 色は悪くないが・・・一応覚悟して一息に飲み干す。 味も思ったほど悪くない、というかむしろ良い方だ・・・が。 このグラスの底に残ってる虫の足みたいなのは何だ? 「な、なあパチュリー。 この薬って原材料はなんだ?」 「どうしてもって言うなら教えてあげるけど、聞かない方が良いと思うわよ」 彼女がそういうなら本当に俺が知らない方が良い材料で構成されているんだろう。 知らぬが仏、俺は訊かない事にした。 「なんか、普段と立場が完全に逆だな。 いつもなら俺が看病する方なのに・・・面目ない」 「気にしなくていいわよ、とにかく大事じゃなくて良かった」 微かに賑やかな音が聞こえる 「今夜もレミリアさんの気紛れパーティーか」 「皆大騒ぎしてる、まったく人の気も知らないで」 本当に心配かけちまったな・・・ 「今後はもう少し健康管理に気をつけるよ。 そんな顔するなって、美人が台無しだぞ?」 そういって笑いかけると彼女も笑みを浮かべた。 「それよりお前は大騒ぎに参加しなくて良いのか?」 「今日はいいわよ、毎回参加してたら身がもたないし、貴方の看病もあるし、何処でもやる事は変わらないしね」 そう言うと脇に抱えていた分厚い本を見せた。 「そうか、じゃあ俺は大人しく横になってるから心配しないで読書してくれ。」 「必要な物があったら言って、すぐに用意するから」 そういうとベッドのそばの椅子に座って本を読み始めた。 しかし読み始めてすぐ「あ」と思い出したように声を上げると本から顔を上げて 少し迷うようにしてから 「添い寝、してあげましょうか?」などと言ってきた。 「おいおい、風邪だったらどうするんだよ」 「たぶんただの疲労だと思うから大丈夫」 「確かに咳も喉の痛みも無いが、本読むんじゃなかったのか?」 「寝ながらでも本は読めるし、問題ないわ」 そう言うと彼女はベッドに潜り込んできてうつ伏せになって本を読み始めた。 思わず抱き寄せる。 「ちょっと、 本が読めないんだけど」 「いや、つい。 もう少しこのままでいさせてくれないか?」 「別に・・・良いけど・・・」 遠く聞こえる喧騒の中で、ささやかな幸せを抱き締める 6スレ目 721 ──────────────────────────────────────────────── 彼女は今日もこの広い図書館で孤独に本を読み漁っている。 俺に気付くと、いつものように冷めた目でこちらを見つめてきた。 「あなたも物好きね、こんな本しか無い場所に長年通い続けるなんて」 「君がいるだけでどんな場所も楽園になるのさ」 「チープね……13点」 心持ち視線の温度が下がった気がする。どうも俺にエスプリのセンスは無いようだ。 今日もいつも通り、俺が一方的に話しかけて彼女が煩わしそうに返答するだけの一日が過ぎていった。 まあ結局こんなものか、と思って帰ろうと思い立ち上がると 「今日で49日目、お別れね。この80年、少し楽しかったわ」 唐突だった。俺のことを少しでも気にかけてくれているのが嬉しかった。 「ありがとう、大好きだよ、さようなら」 そう言って、未練を断ち切るように彼女に背を向け、ゆっくりと歩き始める。 「――――Я не могу жить、без тебя」(※1) 「え?」 思わず振り向いてしまう。 「なんでもないわ……さよなら」 それ以降、彼女は本に顔を落とし二度とこちらを向く事は無かった。 ヤーニマグー ジィーチ ビステビャー、か。 いろんな国の人を裁く閻魔様なら意味を知ってるかもしれないな。 そんなことを考えながら俺は図書館を後にした。 最後のはロシア語です。適当知識なので合ってるかは微妙。 何が言いたかったかというと 知識人の彼女は絶対こんな照れ隠しをするに決まってるんだよ!!! 補足 ※1 貴方無しにはいられない。的な意味 6スレ目 747 ──────────────────────────────────────────────── 2月14日 僅かな期待に胸を膨らませつつ、図書館へ向かう。 といっても、幻想郷にバレンタインなんてあるのだろうか? 最大の疑問を残したまま、扉を開いた。 いつも通りの埃臭い図書館 いつも通りのかび臭い蔵書の山 いつも通りの・・・パチュリー・・・。 変わった事は何もない。 全てがいつも通りだ。 「おはよう」 「・・・おはよう」 彼女は本に夢中になっているらしく、顔も上げない。 俺はいつも通り自分の椅子に座る。 な、何の素振りもない。 だが冷静になってみると がっかりというよりは変に期待していた自分が馬鹿馬鹿しくなってきた。 「はあ・・・」 思わず溜息が出た。 「どうしたの?」 「いや・・・別に・・・ただ自分の愚かさに苦悩しているだけだ」 「何よそれ。 頭でも打ったの?」 物凄い呆れ顔だ。 まあ無理もないか。 俺も本のページを開いて読み始める。 一般公開されていないこの図書館では客がそう来る訳もなく 客が来ないという事は、散らかすのも俺とパチュリーと霧雨魔理沙ぐらいであり 要するに先日蔵書の整理を終えていた今日の図書館は、全くと言って良いほど仕事が無かった。 俺は自分の本を読みつつ、パチュリーが読み散らかした本を片付けるという作業を繰り返していた。 何回目かの片づけを終えた後、気晴らしに散歩でも行こうかな、と思って その旨をパチュリーに伝えると 「好きにすると良いわ、どうせ仕事ないし」 とのことだったので、俺は図書館を後にして屋敷の外に出た。 散歩といっても屋敷の敷地をぐるぐる回るだけで、なんとも退屈だ。 「どうせ戻っても仕事無いしな・・・少しぐらいなら良いか」 そう思った俺は門に向かって歩き始めた。 ちょっとぐらい時間潰しても大丈夫だろう。 「よう美鈴!! 調子はどうだ?」 「あれ? ○○さん、仕事はいいんですか?」 「いや、全然無いんだ。 退屈だから少し外の空気を吸いにね」 「そうなんですか。 こっちも今日は侵入者も無く平和です」 「お互いに魔理沙のやつには苦労するな~」 などと雑談していた訳だが、ふと疑問がよぎったので訊いてみた。 こういう時、彼女の人当たりの良い感じは助かる。 この館では貴重なタイプだ。 「なあ、変な事訊くけど幻想郷にはバレンタインって行事はあるのか?」 「どうしたんですか急に?」 「いや、別にどうしたって事は無いんだが・・・パチュリーの奴がくれる素振りも見せないんだよ。 一応俺たちは恋仲というか・・・だからそれでちょっと寂しいなあと」 妙に気恥ずかしい。 美鈴はそんな俺に微笑を浮かべて言った。 「それなら心配する事無いですよ。 パチュリー様、随分前から皆に相談してましたから」 「あいつが?」 「はい。 男の人に喜ばれるにはどういうのが良いかとか。 ほとんど参考にならなかったみたいで、結局自分で考えるようにしたみたいですけど」 「そうか・・・美鈴、ありがとな」 「どういたしまして」 笑顔で手を振る美鈴に背を向けて、俺は足早に図書館に戻った。 「ただいま」 「随分遅かったわね」 ジト目で一睨みされるが気にせず答える。 「ちょっと美鈴のやつと話してたんだ」 「そうなの」 「なんだ・・・妬いてくれないのか?」 「なんで妬かなくちゃいけないのよ?」 それっきり途絶える会話、静寂が2人を包む。 でも視線は逸らさない。 先に目を逸らしたのはパチュリーで、何度も何かを言おうとしては止める。 「何だ? 言いたい事があるならはっきり言えよ」 俺が努めて優しく言うと、彼女は恥ずかしそうな顔で机の下から綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出し 「あの・・・これ・・・作ったんだけど・・・」 そう言って手渡してきた。 「よく出来ました」 意地の悪い笑みを浮かべて言う。 「えっ?」 彼女は怪訝そうな顔をしている、発言の意図が読み取れないのだろう。 「いやあ、いつくれるのかな~とか思ってずっと待ってたから」 「知ってたの!?」 「勘でそんな気がしてて、さっき美鈴に聞いて確信に変わった」 耳まで真っ赤にしてうなだれるパチュリー。 「開けて良いか?」 無言で頷く。 丁寧に包装された箱を開くと、中には一口サイズのチョコレートが数個入っていた。 1つ口に運ぶ、彼女にとっては緊張の一瞬。 俺はじっくりと味わった。 「美味い・・・」 「本当? 良かった。 正直なところあんまり自信はなかったんだけど」 彼女の笑顔も相まって更に美味しく感じる。 甘さは的確に俺の好みを捉えていた。 「パチュリー」 「何?」 「ありがとう」 「どういたしまして」 彼女の嬉しそうな笑顔が眩しい。 同時刻、紅魔館門前―― 「邪魔するぜ!!」 白黒の魔法使い、霧雨魔理沙が咆哮し 「やっぱり今日は平和じゃなかった~!!」 門番、紅美鈴は悲鳴を上げていた。 再び図書館―― 最後の一個を食べ終えた俺はパチュリーに訊ねていた。 「俺、こんなに幸せで良いのかな?」 彼女は優しい笑顔で答える 「良いんじゃない? 私も凄く幸せだから。 2人共幸せなら何も問題ないと思うけど」 「そうか・・・そうだな」 そしてゆっくり唇を重ねた。 「ん・・・はぁ・・・甘い」 彼女が吐息を漏らす。 そのまま抱き合っていると・・・ バン!!!! けたたましくドアが開いた。 「本借りに来たぜ・・・って、あれ?」 状況が理解できない魔理沙。 「へっ!?」 同じく状況が理解できないのと、恥ずかしさの余り今にも卒倒しそうなパチュリー。 「魔理沙・・・何でお前はこんなにタイミングが悪いんだ?・・・」 邪魔されてがっかり&呆れる俺。 ちなみに、その後魔理沙によって俺たちがイチャついていた事が言いふらされたのはいうまでもない・・・ 鴉天狗、何しに来た? 6スレ目 766 ──────────────────────────────────────────────── 何だよパチュリーいきなりくっ付くなよ。 今PCやってんだから。 え? 何やってんのか見せろって? 別に良いけど。 何? 本当に浮気してないのかって・・・当たり前だろ!! そんな事するわけないじゃないか。 うわっ!! 勝手にマウスいじるなよ。 ってお前!! それ俺の秘密のフォルダ!? 止めて!! 待って!! 開かないで!! 頼む、後生だから!! 待っ―― はい・・・はい・・・俺もそうだと思います・・・。 こういう動画とか画像持ってるのも浮気だと思います・・・。 はい・・・すいません・・・嘘つきました・・・はい・・・すいません。 もうしません・・・それも全部削除して良いです。 あの、そろそろスペカと魔道書しまっていただけませんか? 違います!! 反省してます!! でも、あの、ここで火符とか使われると住むとこ無くなっちゃうんで・・・。 他の住人にも迷惑かけるし・・・色々弁償とかしなきゃいけなくなるんで・・・。 それにパチュリー様もこっちに特に知り合い、いるわけじゃないですよね? だから、それだけはお互い何の得にもならないと思うんです。 だからもう危ないのはしまってください。 ていうかしまって!! 何でも言う事聞くから!! パチュリー? それ金額見てカートにいれてる? いや、確かに欲しい本買ってあげるとは言ったけどさ。 ちょっ!? それ一冊で五千円超えてる!? 待って!! 何でわざわざ文庫化されてるやつ単行本で買うの!? これで最後か、良かった・・・。 あれ、何で俺のパスワード知ってるんだよ!! って、即行で注文確定!? 待てよ、総額いくらだよ!? おかしいな・・・メール見れない・・・注文内容確認できない・・・。 パスワードが違う? ねえパチュリー・・・変えたの? いつ変えたの? そこでダンマリは無いだろ? ねえ、俺どうなるの!? 借金するの!? ねえ!! 数週間後―― 一括配送されてきた本の山が、俺の部屋を埋め尽くしていた。 金額は思い出したくない、俺の私物は数多くパチュリーに売却された・・・。 「俺、こっちに帰ってきてこんな事言うのなんだけどさ、幻想郷に戻りたい・・・」 「私はこっちでの生活をそれなりに楽しんでるけど」 俺はこの一件で、この世界の機械文明が怖い。 「幻想郷じゃなくてもいいから何処か、動画と画像と通販の存在しない世界に行きたい」 彼女は何も答えずに読書に夢中になっている。 しかし、暫くしてゆっくりと口を開いた。 「今度浮気なんかしたら・・・その時は大英図書館買ってもらうから」 本で顔を隠しているせいで表情は分からないが、たぶん真っ赤になっているんだろう。 可愛いやつめ。 もう2度と浮気なんかしない!! しないが・・・。 それは、個人に購入できる物なのだろうか・・・ 7スレ目 258 ──────────────────────────────────────────────── 身体が冷めていく。目を閉じると命の炎が燃え尽きるのが見える気がする。 やけにあっけない人生だった。普通に生きていたつもりが、いきなり普通じゃない場所に来てしまった。 そしてそこの何かに命を食われた。……思い返すとここに来てからロクな目に合ってない。 でもせめて、せめてもう少し生きたい。出来れば元の場所で。なるべく平凡に。 ……いや、高望みもほどほどにしよう。神様、こんな人生歩ませてくれてありがとう。そして死んじまえ。 「……はっ」 気が付くと、辺り一面が本の山だった。……訂正。自分が本に埋もれていた。 「気絶してた、か。……懐かしい夢だったな」 一度目の死。この世界に来て、その後に殺された時の記憶。 正確には死んではいないが。死にかけたところを助けてもらい、そして現在の生を歩んでいる。 本の一部が崩れて光が差し込んだ。そこから見えるのはメイドさん達。 「__ー、生きてるー?」 「あいにくと身体は頑丈なんでね、むしろこれくらいで死ぬほうがおかしいさ」 「今発掘してるからね。動いたら多分……砕けるよ?」 「それはどっちの意味だ?」 「聞かないほうがいいかも」 結局生命の危機に変わりはない、と。 時間はかかったがようやく掘り出され、起こせるようになった身体をパンパンとはたく。 「お疲れさまー」 「そっちもご苦労さん」 掘り出してくれた羽付きメイドさん達に礼を言い、本の山から降りる。 「またやったんですか、__さん」 埋もれていた本の山を見ていると、後ろから声がかかった。 「あ、すいません先輩。仕事増やしちゃって」 後ろにいたのは小悪魔先輩。背中と頭の羽がチャームポイント兼性感帯、らしい。 「そろそろその先輩って言うのはやめてもらえませんか?」 「いや、一応先輩ですし」 「どっちの意味でですか?」 「そりゃ両方に決まってます。ここの従業員として、そして使い魔として」 ……よく考えてみれば、先ほどの『死にかけた』は不適切だった気がする。何せもう九割九分九厘死んでいたから。 残った魂を少し書き換え、魔力を固めて元の体を模した物に入れておく。……言葉にすると単純だがとんでもない事を先輩の主がやってくれた。 そのおかげでこうやって命を永らえたのだ。まあ、多少は勝手が違う部分が出てくるが。 「……でも先輩って言われるとちょっとむずがゆくてそれでいて後輩萌えな感じで……」 ムッハー、と鼻から息を噴き出す先輩。先輩は名前のとおり悪魔の一種。メイドさん達から『この人絶対淫魔だよ』と囁かれていたり。 ……本人は否定してるけどその言動のせいで説得力がなかったりする。 「落ち着いてくださいよ先輩」 「え、あー……そうだ。パチュリー様からの伝言があったんだっけ。……コホン。『__。今日の業務が終わったら私の部屋に来なさい』だそうです」 伝言の内容だけ件の先輩の主……パチュリーさんの声で喋る先輩。 「了解いたしました。ならさっさと片付けないといけませんね」 「……__さんは別の所をお願いします」 「やっぱりですか」 頭を掻く。……これだけの惨事を起こしたなら仕方ないよな。先輩の命に従い、別の所へ向かう事にした。 仕事が終わり、先輩の伝言どおりにパチュリーさんの部屋へ向かった。 「パチュリーさん、__です。小悪魔先輩の言伝により、こちらに参りました」 『入りなさい』 「はい、失礼します」 扉を開けると、その向こうにも本の山。……ここにあるのは図書館には置けないようなとんでもなく危険な本らしい。 本当の意味での魔道書(グリモワール)の中で、彼女は生活している。……とことん本漬けなんだな、と思っていると。 「こっちに来なさい」 パチュリーさん本人はベッドの方にいた。今は上着を羽織っておらず、寝間着のような薄いワンピース一枚だ。 「……それで、どう言ったご用件でしょうか」 パチュリーさんに近づき、そう尋ねると。 「ええ、少し試したい事があってね。……脱ぎなさい」 ……普通の人ならここで「おい、ここは全年齢板だぞ!」とか突っ込みそうだが、俺の場合は違う。 「わかりました」 そう言って制服の上を脱ぐ。上半身をさらけ出し、パチュリーさんに見せた。 胸の辺り……元々心臓があった場所には円を描いた刺青のような模様がある。そこを彼女の指が撫でると。 「うっ……つぅ」 痛みと共に、模様のあった場所から模様の刻まれた球体が半分出てきた。……これが俺の魂の入れ物。言い換えれば核の部分だ。 六角形に並んだ点と三角の模様のうち、逆三角形に並んだ三角の模様全てに指が当てられる。 指をずらし、三角の模様を丸の模様に合わせると……丸と三角が重なり、一つの魔法陣になった。その瞬間、胸の模様が全身にまで広がる。 「っがぁぁっ……!ぐぅぅぅぅっ……!!」 同時に俺の全身に激痛が走り、思わず蹲ってしまう。これは俺が『作り変えられる』痛み。そうわかってる。だけど、この痛みだけは本当に勘弁してほしい。 しばらくして激痛が治まり、ようやく立つ事が出来た。……まだ少々痛みを引きずってはいるが。 「ご苦労様」 「……それで、どういう用件ですか?マスター」 彼女への呼び方が変わったのは俺が使い魔に変化した証。 「これ」 一冊の本を俺に見せた。……恋愛ものの小説。 「ここに書いてある『腕枕』っていうのがどんな物なのかを試してみたかったの」 「そのためだけに、俺を使い魔状態に?」 正直言ってこの使い魔状態……人から人外になった状態……には何度も変化したくない。 身体が作り変えられる際に起こる激痛が一番の原因だ。……例えとしては体中の血液が暴れまわり、血管が破裂しまくっているかのような痛みだ。 その記憶は人間に戻ったときも残っている。……だから嫌だった。 しかし目の前のパチュリーさんはジト目に涙をにじませ、こう言ってくれた。 「だって、__じゃなきゃ……」 前言撤回。彼女を泣かせるくらいならこんな激痛、耐えてみせる。 「……だからと言って、マスター。俺だって……」 「口答え『禁止』」 「うぐっ」 ……ちなみに。使い魔状態の俺はパチュリーさんの命令には絶対に従わなければならない。分類は『許可』と『禁止』の二つ。 口答え、というか自分自身の苦労を伝える事を禁止され、俺の口が止まる。 「それじゃ命令するわ。__。あなたに一晩の腕枕を『許可』する」 そう言ってベッドに潜りこむパチュリーさんに付き添い、彼女の頭を俺の腕の上に乗せる。 「それと。腕枕以外の一切の接触行為を『禁止』する」 ……それなんて生殺し?と言いたいが、禁止されてはどうしようもない。おとなしく従うしかなかった。 「所でマスター」 「何?」 「質問の許可、いただけますか?」 「……ええ、『許可』するわ。何かしら?」 「なんで俺だったんですか?先輩とかメイドさん達とかいるじゃないですか」 「……貞操の危機。こぁは絶対『パチュリー様ぁぁぁぁ!』とか叫びながらどこかの泥棒みたいに飛び込んでくるしメイド達もメイド達で寝たら何されるか」 「……すいません。聞いた俺が馬鹿でした……」 やりかねん。確かにやりかねん。特に先輩は。 「だから、あなた。あなたは使い魔の状態なら私に従ってくれる。それと……男の人の腕枕が試したかったから」 そう言ってパチュリーさんは……えっ? 「……マスター」 「何よ」 「自分から接触するのはいいんですか?」 ……パチュリーさんは、身体ごとこちらを向いて手を俺の胸の上に置き、脚を俺の脚に絡めた。 「さっき口答えは禁止って言ったじゃない」 「これは質問です。……答えを言ってください」 「……だって、いつもと変わらないから。むしろ枕が固くて頭が痛くなるわ」 「まあ、あくまでも恋人同士で愛を深めるためのものですから……寝心地を重視してるわけがないですよ」 「こ……っ!?」 恋人、その言葉を聞いてパチュリーさんの顔が赤くなる。 「やっぱり気付いてなかったんですね。……大体、腕枕をしてくれなんて誘われたら誰だって『おいおい、これってもしかして』とか思いますよ」 「……__は?」 「はい?」 「__はどう思ってるの?」 「俺は、マスターの命令でやってるだけですから……」 「そこじゃない」 パチュリーさんのジト目が細くなる。 「私に誘われてどう思ったか、って聞いてるの。あなたの本心以外の発言は『禁止』よ」 つまりはごまかし無しに俺自身の気持ちを言えって事か。……なんとも酷い人だ。 「……俺は嬉しかったですよ。でも正直言って辛くもありますが」 そうは思っても答えるしか無いが。 「どういう意味?」 「ここまで身体が近づいてるのに、俺だけ何も出来ないのは辛すぎます。……本気で発狂するかもしれません」 近づいている、というか密着している。それなのにこの主は『何もするな』と言う。これを生き地獄と言わずして何と言うか。 「……わかったわ、__。性的な意味を持たないのであれば接触を『許可』するわ」 「ありがとうございます……では、失礼します」 枕にしている腕の肘から先を起こし、パチュリーさんの頭を撫でる。……体勢的に辛いのは仕方が無い事だ。 もう枕にしていない方の手はパチュリーさんの背中を撫でていたから。寝間着のすべすべした感触が少し気持ちいい。 ……しかし、上半身をねじったままというのは辛い体勢だ。疲れを知らない使い魔状態だからこそできる技だが、正直二度とこんなポーズを取りたくない。 「……__?」 「はい、何でしょう」 「さっきの言葉、訂正するわ。ただ寝てただけじゃいつもと変わらない。でも、こうやって触れ合うとその途端に温かい気持ちになれる。愛を深め合うためというのも頷けるわ」 目を閉じて呟くパチュリーさんに、俺は微笑む。 「それは良かった。それでは、おやすみなさい」 「あ、ちょっと待って。あなたにお願いがあるの」 また目を開いたパチュリーさんが、俺にお願いを伝えた。……まあ、俺自身も予想はしてたが。 パチュリーさんが熟睡し、時間的には館の主が絶好調な頃。俺達のいる部屋に来客が。 「__さん……パチュリー様……起きてますかー……?」 小悪魔先輩だ。俺達のいるベッドに近づき、俺に向かって呟く。 「__さん、起きてるなら返事してください。……聞こえてるのはわかってるんですよ」 「……ばれてましたか」 小声で答える俺に、先輩はニヤリと笑った。 「……ふっふっふ。__さんさえ起きていればもうこちらのものです。……『__。あなたにかけられた禁止事項を全て解除するわ』」 ……やっぱり。パチュリーさんの声でそう言われ、俺は隣の本人にこう言った。 「……だ、そうですが?マスター」 「あら。そんな事言ったかしら」 むくりと起き上がるパチュリーさんと俺。 「ぱっ、ぱぱーぱぱぱぱーぱぱぱーぱぱぱ」 「ファンファーレの真似なら外でやってください」 「ちが、え、パチュリー様!?」 「あなたが扉を開けた時点で起こすように__に言ってあったのよ。……まったく、私の声色で__を誑かすなんて、ねぇ」 「あ、ちなみに。今の命令は有効にしますか?」 「……ええ、そうね」 両手をパキポキと鳴らしながら、パチュリーさんにもう一度聞く。 「それじゃあ、『先輩には逆らうな』って命令も消えますね」 「ええ、そうなるわ」 「え?あれ?そ、そこって普通『ならあなたを襲っても』とかって……」 「先輩、あなたは黙っててください」 先輩の意見を黙殺し、パチュリーさんに向き直る。 「それでは、マスター。今一度命令を」 「ええ。……目の前の大馬鹿こぁに対し、全力使用を『許可』するわ」 「了解しました。マイマスター」 もう一度先輩の方を向き、ニタリとねちっこい笑みを浮かべる。 「……というわけです。さあ、観念してください、いや。観念しやがれ」 「だ、だから私はただパチュリー様と__さんの仲を……」 慌てて言いつくろう先輩。……それが弁護の言葉になってるとでも? 「さあ、謳いなさい」 その言葉を鍵に、俺の口から唄が紡ぎ出る。 「……私は、ヘルメスの鳥」 「え、あの……」 「私は、自らの羽根を食いちぎり」 「ゆ、許してくださ……」 「……飼い、慣らされる」 俺の持てる力を全力開放し、先輩に射ち込んだ。 「地球の果てまで飛んで行け、この有害指定超弩級淫魔!」 「こぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 放出魔力ならマスタースパークにも劣らない威力を食らい、派手に天井を壊して吹っ飛んで行く先輩。 「……で、__」 「はい?」 「全力開放は許可したけど、私の部屋を壊す事は許可してないわ」 天井に見事に開いた大穴を見ながら言うパチュリーさんに、俺はこう返す。 「だったら、全ての禁止事項を解除した先輩に文句を言ってください」 「まったく、そういう言い訳は……いえ、止めとくわ」 パチュリーさんは言いかけた言葉を止め、俺に抱きついた。 「……あなたのせいで寒くなったじゃない。早く暖めて」 「はい、マスター」 華奢な身体を抱き返す。……理性よ、がんばれ。この体中で感じている柔らかい感触の誘惑に負けるな。 「__、あなたは私が好きかしら?ただし、本心以外の発言は……」 「そんな事されなくても好きだと言えます。ええ、あなたを愛しています」 パチュリーさんの頭を撫でて、そう答えた。 ……一応、先輩に感謝はするべきだろうか?しなくてもいいか。と、そう思った矢先。 俺とパチュリーさんが光に包まれる。……まだ日は昇らないはず。ならば…… 「……こぁね」 「ええ。烏に告げ口したんでしょう。……命令を、マイマスター」 「人の恋路を邪魔した烏と、それを呼びこんだこぁに天罰を『許可』する」 「認識しました。……寒くなりますが、我慢しててください」 す、とパチュリーさんから離れ、俺は自分の開けた穴から飛び立った。阿呆二人に天罰を下すために。 これは余談だが、実は俺が飛び立った直後に館の主がスピア・ザ・グングニルと言う名の馬の後ろ足を撃ち込んでいたらしく、脳天に赤い槍が刺さった二人を簡単に発見する事が出来た。 烏についてはメイド長に引き渡し、盛大に料理と掃除をしてもらっている。小悪魔先輩は……言わずもがな。 そして翌日の夜、俺はパチュリーさん共々館の皆に祝福された。……その時に少々臭みのある鶏肉が出たのは気にしないでおこう。 うpろだ197 ─────────────────────────────────────────────────────────── 彼女は、ぺたりと膝を床にぶつける様、座り込んだ。 両手を自らの体をかき抱くように回しながら。 ――唐突に。 「ゲホっ!?」 激しく咳き込む。 何かを吐き出すように。 内臓がひっくり返っているかのような、 悲鳴のような、咳だった。 発作だ――。 直感で悟った。 喘息の発作が起こった。 気持ちが高揚して、きっとそれが悪かったに違いない、発作が起こった。 止まらない、咳が止まらない。 息をつく暇さえなく、吐き出される息は、パチュリーの胸を締め上げていく。 もうすでに、咳の音はただの音だった。 「パチェ……」 レミリアが俺の横から一歩、足を踏み出した。 心配げに瞳を揺らして、パチュリーの方に歩き出す。 「来ないでっ!!」 それを、パチュリーの悲鳴が無理矢理にとめる。 普段の彼女からは想像もできない大きな声だった。 俺は初めから動けなかった足が、さらに硬くなるのを感じた。 唾液の絡んだ声で、パチュリーは言葉を続ける。 「…ごめんなさい……来ないで…。 優しくしないで……。 ごめんなさい……私、……勘違いしてました……」 搾り出すような声。 間違いなく、彼女の体に悪い。 心配でたまらない。 なのに、足が動かない。 馬鹿の様に俺は突っ立ったままだ。 「ごめんなさい……私が間違っていました…。 ……私が…○○に…………愛されるなんて………… 間違っていました…………っ…」 掠れた声で、パチュリーは謝り続ける。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい――――。 声を上げる以外に動きの無かったパチュリーが初めて動きを見せた。 すっ、と。 顔を上げる。 その表情は貼り付けたような笑顔だった。 真っ青な、生きた心地のしない顔で、笑っていた。 「私が……いけませんでした…………。 畏れ多くも……紅魔館の主…レミリア・スカーレット様……」 レミリアが息を呑む。 レミィと言わずに、レミリア様と、言った。 遠回しな、それでも明らかな、拒絶。 「……ごめんなさい…………ごめんなさい…………。 どんな罰でも…………受けます……だから…………」 言葉をそこで切る。 ぼたぼたと、涙が床を濡らしてゆく。 涙で彼女の顔はぐしゃぐしゃになっていた。 それでも、笑顔を貼り付けたまま、パチュリーは言った。 「……○○だけは…………私に……下さい…」 うpろだ200 ─────────────────────────────────────────────────────────── パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺も本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺は飽きたので、席をそっと立つ。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 俺はしのび足でパチュリーの後ろに回りこむ。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読んでいる。 パチュリーは本を読ん「何読んでるの?」「きゃあ」 腋の下に手を挟み込み、肩にあごを乗せて覗き込みながら言う。 目の前には珍妙な顔をした太陽と月の絵のある本と、 目の横には柔らかい白い頬を赤にしたパチュリーの顔がある。 「あなた、自分の本はどうしたの」 「飽きたので擦り寄りに来ました。で、何読んでるの?」 「錬金術の本よ。で、あなた本はどうしたの。魔法使いになるんじゃなかったの?」 「進歩した科学は魔法と区別がつかないんだ」 言いながら首筋に頬擦りをする。 「理由になってないわ。それとやめなさい」 「いいじゃないか、減るもんじゃなし」 今度は首の下に頭を差し込む。 「髪の毛がちくちくするわ。やめて」 「じゃあ引く」 そう言って頭を先刻まであった場所に戻す。 「ひゃああ」 同時にパチュリーが体をぶるりと震わせる。 「もう。だからやめなさいって。あなたさっきから何がしたいの」 「飽きたので甘えにきました。というわけで遊ぶよろし」 両手を肩に置き、顎をパチュリーの頭の上に乗せて言う。 「わかったわ。噴水と滑り台どっちがお好み?」 「アスレチックの方がいいな」 「そう。それじゃ」 「一人で遊んでいらっしゃい!」 「二人で遊びにいきましょうな」 「木h「いや、それやったら図書館壊れる」 瞬間、パチュリーの動きががくんと止まる。 右手とこっちを交互に見ながら、眉根を寄せて、どうしたものかと考えているらしい。被害については全くの慮外だったようで、どうにもずっと悩んでいる。 「も…もk「だから壊れるって」 このままおろおろするパチュリーを見るのも楽しいが、もう少し楽しいことを考え付いたので実行に移すことにする。 まず、先ほどと同じようにすり足で近づく。 未だパチュリーはうろたえている。 まだ近づく。まだうろたえている。 まだ近づく。少しいぶかしんだようだ。 まだ近づく。怪訝な表情で見ている。 一気に飛びつく。驚いている。 「ちょっとなにするの」 「遊べ」 「遊べじゃ無いでしょ」 「じゃ膝貸して」 抱きしめながら言う。 肩の辺りの肉がぷにぷにしていて、つまむと気持ちいい。 顎でもってぐりぐりとするのもまた楽しい。 「痛い痛い」 「あ、ごめん」 パッと手を離す。 「ひざまくらーひざまくらー」 「わかったわよ。でもどうやるの?」 「うん? 頭を膝の上に乗っけるだけでしょ」 「だからどうやって体を横にするの?」 そういわれてみればそうだ。椅子を並べて寝るのは痛そうではなはだ体に悪そうである。 「じゃベッドで」 「それはだめ」 「なら長椅子」 「ならいいわ」 難なく解決。 しかし更なる問題は、 「ところで長椅子どこ?」 「さあ。私は見かけたことは無いわ」 辺りを見回してみるが、やはり無い。元より椅子に座るような者など殆ど居ないのだから、当然とも言えるか。 「じゃあやっぱりベッドに……」 「私のベッドはだめよ。二人入れるところじゃないわ」 「じゃ俺の寝床」 「あそこも二人も入るところないでしょ」 自慢ではないが俺のベッドの上には本やら被服やら、あるいは実験道具やらが散乱している。メイドらも片してくれればいいのにとは思うが、基本的に部屋の中のことまではやってくれないらしい。いや、そもそもやる気が無いだけかもしれない。 パチュリーの部屋は本の山で、単に手がつけられないというだけのようだ。狭い部屋大量の本を閉じ込めてやったおかげで、紙とインクの臭いが三年閉じっぱなしの集密書庫より凄絶なものになっており、正直な話こっちとしてもあまり入りたくない。 ベッドの使用が不可なので、代替手段を考えなければならない。 床で寝るのは汚いし、絨毯がちくちくするのでアウトだ。木の椅子並べて寝るのも厳しい。 ふと、長椅子のありそうなところを思いつく。 「ああ、あそこなら有ったなあ」 「? どこ?」 「なんて言うんだろう? リビング? テラス?」 「図書館の外じゃないの」 確かに図書館の外である。しかしベッドが駄目なら致し方ない。 「しかもあそこは……リビングね。あそこにあるのは長椅子じゃなくてソファよ」 「それ言い方変えただけじゃないの?」 「あとレミィ居るわよ」 「何か支障でも?」 誰が居ても問題ない。ただ寝るだけである。 膝枕で。 「異論の無しならいざ往かん」 「待ちなさい。レミィに何言われるかわからないわよ」 「それがいいんじゃあないか」 「何が良いのよ!」 俺も分からないがまあいいや、とりあえず行っとこう。 「言う事聞かない子はこうだぞ」 「きゃあ」 否やパチュリーの背中と膝裏に手を添えて持ち上げる。俗に言うお姫様抱っこの形だ。 「待ちなさい。あなたそんなことしたら」 「うお、……腰が……痛い……」 「何やってるのよ……」 「俺はもう……駄目だ……」 ゴポ、と血を噴くような仕草をする。 パチュリーはそんな俺をじっと見下ろして言う。 「ほら、早く立ちなさい」 「ん。抱っこ」 「しないわよ」 すげなく断られる。まあいっか。 立ち上がり馬鹿に大きい扉をやっとのことで開ける。 ……体当たりせにゃ開かん扉なんざ使えねえだろ。 「リビングどっちだっけ?」 「階段上って左」 「階段ドコ?」 「こっちよ」 言うと、とことこと歩いていく。なんだかんだ言っても案外乗り気だ。 しかし、あまり先に進まれるとはぐれかねない。勝手知らない場所ではあるが、この歳で迷子になるのはさすがに恥ずかしい。 「どうしたの?」 「ん。あんま先に行かんのよ」 小走りで追いつき、手を握る。 「?」 「はぐれるでしょ」 「家の中でそんなこと無いわよ」 「まあいいじゃない」 二人でてこてこ歩いて行く。 途中いくらかメイドらに見られていたが、気にしない。 「ここがリビング」 「ずいぶん遠かったなあ」 ここに来るまでにたっぷり10分は歩いたろう。途中2回階段を上り下りした気もするが、ずいぶん複雑な構造なのだろうか。 「これまたでかい扉やのう」 「レミィはこういうの好きだから」 図書館より小振りではあるが、目の前には樫だろう、白い立派な扉がある。ノックし、ノブを回してやはり全体重をかけてドアを押し開く。 「あら、パチェと…。ずいぶん久し振りね」 「そうかしら」 「そうよ。最近図書館に篭りきりじゃない」 「いつものことじゃないの」 二人は随分仲良さそうに話し込む。 一人取り残された俺は寂しいので、パチュリーに抱きつく。 「なにするの」 「いや寂しかったし」 「貴方達、本当仲良いわねえ」 けらけらと笑いながらレミリアが言う。 俺は、その通りと言わんばかりに頬擦りをする。 「もうっ、やめなさい」 「いいじゃないの。睦まじい」 レミリアが言う。 「いいじゃないの」 「良くないわよ」 真似して俺も言ってみる。しかし嫌がられたようなのでしょうがなく離れておく。いくらかパチュリーの表情が曇った気もするが、見間違いだろう。 「それで、どうしたの? 見せつけに来ただけじゃないでしょう?」 「いや、見せつけn「ソファーを借りにきたのよ」 俺の言を阻むようにパチュリーが言う。 「ソファー? いいけど何で?」 「いろいろあるのよ」 「いろいろねえ。いいじゃない、教えてよ」 ほれ、なんぞサポートせい、という目をレミリアがこちらに向ける。面白そうなので乗っかってみることにした。 「話してもいいんじゃない? 図書館に持っていくわけじゃないんだし」 「そうよ。持っていくわけじゃないんだし」 「いえ、持っていくわよ」 パチュリーさんがさらりととんでもないことを言ってくれる。 ソファーは3人掛け位の大きさがある。これを二人で、しかも虚弱児二人で運ぶのは随分と酷だ。 「別に、魔法を使ってもいいし、そこに吸血鬼がいるじゃない」 「え? 私に運ばせるつもりなの?」 「ええ。駄目かしら」 見掛けの所為で忘れていたが、そういえばレミリアお嬢様は吸血鬼だ。吸血鬼といえば怪力の代名詞的存在。高々3人掛け、50Kg程度の代物軽々と運んでしまうだろう。 しかし、 「運ぶのはいいけど、それなら理由教えてよ」 「それはいや」 まあ、そう言うやなあ。普通は。 「あなただって嫌でしょう?」 「別に構わないだろう?」 パチュリーさんいきなり話をこっちに振らないでください。 後お嬢様睨まないでください。 「で、どうなんだ」 いくらか語尾を強めてレミリアが言う。怖い。すごく こうなれば返答は1つ―― 「私は一向に構わんッ!」 「なッ……」 「私も一向に構わんッ!」 「ちょっ……」 いやお嬢様。アンタはそうでしょうよ。 「ほらパチェ、2対1よ」 「早く話してしまいなさい」 二人して言い放つ。あれ、俺何しに来てたんだっけ。 「くっ……」 まあ、たじろぐパチュリーさんかわいいし、どうでもいいか。 「ほら早く!」 「言ってしまいなさい!」 レミリアと俺で声を繋げて畳み掛ける。 「何でそんなに息ぴったりなのよ……」 「仲良しですからな」 「そう、こんなに」 そう言ってレミリアが俺の背中に飛び乗る。 そして俺の腰が砕ける。 「誰か……湿布を……ッ」 「……寝かせてたほうがいいのかしら」 「ほっといてもいいわよ」 心配してくれるレミリアに対して冷たく言い放つパチュリー。俺がいったい何をしたというのだ。 「まあ、パチェも膝枕でもしてやればいいじゃない」 「いいじゃない。もともとそれが目的なんだし」 「なッ――!」 「なんだ、そうだったの」 だからパチュリーさんうろたえすぎ。 「ちょっと! 何で話しちゃうのよ」 「別に。すぐにばれることだし」 主に小悪魔のいいふらしで。ほんに女子はお喋りの好きなことで。 「パチェ早くしてやりなさいよ。ひ・ざ・ま・く・ら」 顔を赤らめるパチュリーに対してこの言動。お嬢様マジ悪魔。 しかし腰が痛い。 「とりあえずソファに横になってていい?」 「ほらパチェ待ちかねてるわよ」 違わないけど違う。 ゆっくりと立ち上がり、腰を曲げたままソファに向かい、横になる。 「早くいってあげなさい」 大外から煽りまくるお嬢様。 応じるように手招きする俺。 見る見るうちに顔を赤くするパチュリー。 「パチェ?」 いつまでも動かないパチュリーに、レミリアが声をかける。 それに応じる気配も無く、うつむくパチュリー。 手招きを続ける俺。 「……」 そのうちに、焦れてきたのかレミリアがゆっくりとパチュリーの後ろに回りこむ。 そして、 「早く行きなさいって」 ぐいっと後ろから持ち上げる。 「ちょっと! レミィ!?」 じたばたするパチュリー。しかしその程度であのお嬢様がどうこうする訳も無く、なんらの支障も無しにソファに運ばれた。 「ほら、早く膝枕してやりなさい」 そう言いながら、パチュリーを俺の頭の上に降ろす。柔らかい幸せが頭を包む。が重い。でも幸せ。 「なにするの!」 「だから早く膝枕してやりなさいって」 「いやそれよりちょっとどいて」 だんだん頭がじんじんしてきたよ俺。 「もう。強引なんだから」 「悪魔だしね」 「どいてってばさ」 早くどかないと噛み付くぞ。 「きゃあ」 「どうしたの?」 「噛み付かないで」 「ふぁやくほいて(早くのいて)」 やばいもう限界だ。 言っていることを理解したのか、レミリアがパチュリーを持ち上げる。 俺はまた載せられては溜らんと、すぐに頭を上げ、ソファにもたれかかる。 「あー、痛かった」 「何で噛み付くのよ」 「だって気づいてくれないんだもん」 しょうがないじゃないのよさ。 しかしあれだ。今パチュリーはソファの淵に座っている。そして俺はソファにもたれかかっている。 これはチャンス。 少し体を起こし、そのまま傾ける。頭はすっと地面に近づき、パチュリーの胸元を過ぎソファの手置きでとまる。 「あらら」 言いながら俺はずりずりと体を後ろに持っていく。少し下がると頭はさらに落ち、パチュリーの膝に留まった。 「寝心地はどう?」 レミリアが聞いてくる。 「なかなかいい感じ」 頭を二三度揺すりながら答える。その間パチュリーがこそばゆそうにしている。 「……なんかくすぐったいわね」 「まあ、人が乗ってるんだし、物が載ってるのとは違うやね」 「慣れれば違ってくるよ」 レミリア貫禄の発言。 「お嬢様も誰ぞに膝枕を?」 「この頃フランが妙にへばりついてきてねえ」 妹様か。色気の無い。しかし面には出さないようにする。 「今何か失礼なこと考えなかったか?」 「ナンノコトカナ」 Damm it! 読心術か! 思わず片言になってしまった。これは少々ヤバいかも知れん。 「レミィ」 パチュリーが唐突に口を開く。 「悪いけど、図書館からいくらか本を持って来てくれないかしら」 「本を忘れるなんて珍しいじゃない。別に構わないけど」 「強引に連れ出されたのよ」 パチュリーが、スイとこちらに視線を移す。しかしその目に、本が無いことの不快感は無い。 「どういう本がいいの?」 「なんでもいいわ。字が書いてあって綴じてあれば」 そう、とだけ言ってレミリアが出て行き、後には二人だけが残された。 レミリアが去った所為で辺りにはしん、とした空気が流れている。どうしたものか、普段膝枕なんてしない/されない二人である。なれない事に口数―ただでさえ大して多くないものなのに―が減るのもまあ当然だろう。 膝枕をされるほうは目を閉じ、しかし所在無さげな風にし、するほうは手の置き場に困ったように両手を彷徨わせている。 そんな状態がいくらも続いた。 ふと、パチュリーが俺の頭を撫で付けてくる。驚いて頭を傾け、右目だけ開けて見てみれば、一瞬驚いたような顔をし、すぐに手を明後日の方へ追いやった。 それを見て傾けていた頭をゆっくり戻し、幾分膝の深い位置に据え直して、撫でろとばかりに揺さ振る。 またいくらかの間が空き、意を決した様にパチュリーの手が再び頭に触れ、頭を上から下に丁寧に撫でてくる。 リビングには二人。誰も何も言わない、しかし居心地のよい静けさが辺りを満たす。その中で俺は自然と眠りに落ちていった。 「レミィ。あなたいつから見ていたの?」 「パチェが撫でようか撫でまいか迷ってるころからかな」 「鍵穴からのぞいていないで早く入ってきなさい」 「いや、珍しいものだったしねえ」 くつくつとレミリアが笑い、それを見たパチュリーが憮然とした表情をする。何のことも無い。頭を撫でて微笑んでいるのをレミリアにのぞかれていたことを恥ずかしがっているのだ。 「あなたにのぞきの趣味があったなんてね」 「いいじゃないか。そっちものぞいてたんだから」 「なッ……!」 瞬間パチュリーの顔が沸騰する。 「のぞき込んで目に触ったり唇撫でたりしちゃって」 全く熱いんだから、とばかりにレミリアが団扇で扇ぐようなしぐさをする。パチュリーも口をパクパクさせて何かを言おうとはするが、なんら声にはならないようだ。 「まあ落ち着きなさいよ」 なんら悪びれた様子も無く笑いながら言う。それを見て、やっと落ち着いてきたパチュリーもため息つきながら言う。 「はぁ……もういいわ」 「そう。ところでパチェ、紅茶飲む?」 言いながらレミリアが辺りを見回す。すると唐突に一人メイドが現れる。 「そうね。もらうわ」 「咲夜。紅茶二人分ね」 メイドは、かしこまりました、と頭を下げてまた忽然と消える。 紅茶が出るまで数分の間が空く。その間にレミリアは寝ている男の顔を突付いたり額を弾いたりし、その都度パチュリーに止められるということをしていた。 不意に、お待たせいたしました、と言ってまたメイドが現れ、紅茶を置いてはまたも即座に消え失せる。 「咲夜が妙に急いでるわね。何かあったのかしら?」 「いつもあんなものだよ」 パチェは図書館から出ないから、と付け足されパチュリーもそんなものかと思う。働き人が図書館に来るのは休みのときだろうに、それでわざわざ急ぐ必要もあるまい。 「まあ、私が本を選ばせた所為もあるかもしれないけど」 前言撤回。 「本? そういえばどんな本を選んだの?」 それを聞いてレミリアが苦笑し、これを見たパチュリーが怪訝な顔をする。 レミリアは思う。何を不思議がっているのだろうこの魔女は、と。あの図書館の本の虫が、本の上で眠り、本を枕にし、寝巻きにもしようかというフリークが本のことをスッパリと忘れているのだ。可笑しくないはずが無い。 詰まるところそれほどまでに入れ込んでいるのだろう、この男に。 レミリアにはそれが面白かった。無論、それに気づいていないこの魔女のことも含めて、だ。 「こういう本だよ」 取り出したのは三冊。料理の本と服の色あわせについての本、それと恋愛小説。どれもメイドらの娯楽用の棚から持ってこられたものだった。 「……これは何?」 「料理と色は咲夜のチョイスだよ」 「そう」 たまにはやれってことなのかしら、とパチュリーが呟き、そうじゃないだろうとレミリアが苦笑する。 「こっちは?」 「それは私の。面白そうでしょう」 眉根をひそめながらパチュリ-がぱらぱらとめくり、面白くなさそうな顔で机の上に置く。 「あまり良さそうじゃないわね」 「そう? まあ、読んでみればいいよ」 言うとレミリアはカップを傾け、さらに言う。 「じゃ、私はちょっと外に出てくるから」 「あらそう。いってらっしゃい」 「うん。それじゃごゆっくり」 後にはまた二人だけが残された。 「おはよう」 「あら、起きたのね」 レミリアが出て行ってから、いくらかして目を開ける。 「どうしたの?」 「いや、なんも」 ………… 「ねえ……」 「なあに?」 「何で耳引っ張ってるのん?」 一瞬きょとんとした顔をし、パチュリーはあわてて手を離す。そんなパチュリーに苦笑しながら俺は手を伸ばした。 「べつにいいんだけどねえ」 言いながら顔をパチュリーの体のほうに入れ替え、手を頬に伸ばす。と、パチュリーの顔がほんのり赤く染まる。それを見て、リンゴみたいだとか、赤くなってばかりで、明日風邪を引いたら俺のせいだろうか、とかとりとめも無いことを考える。 こんなことを考えている間にも、俺の耳はまた盛んに引っ張られ続けている。ぐいぐいと上やら下やら前やら後ろやら引き上げたり押し込んだりとまるでせわしない。 「なあ、パチュリー。楽しい?」 「意外と。あなたはいや?」 「まあいいんだけどな」 言葉を濁すが、正直くすぐったいだけであまり気持ちいいものではない。しかし、頬に触れている手をもう少し伸ばすだけでパチュリーの耳に届く。それほど面白いのなら、自分も試してやろうと、思い切って手を伸ばす。 耳に触れた瞬間、パチュリーの体がびくりと跳ねる。うむ、なかなか面白い。そのまま耳を下に引っ張ると、釣られてパチュリーの顔も下がってくる。 仰向けの体勢をとり、他方の手をパチュリーの首後ろから頭に回し、耳に触れていた手も頭に寄越し、俺とパチュリーは真正面から向かい合う形になる。 そのまま見つめ合う時間が続く... いくらの時間が過ぎたろうか、外は全くの暗がりに変わっていた。その巨大な窓からはゆらゆらゆれる星々とゆらりとたたずむ下弦が見える。 「もうすっかり暗いわね」 「だな。少し外に出てみるか」 パチュリーは足が痺れたか、ふらつきながら歩く。それを支えながら、二人連れ立ち外に出る。外は纏わり付くような熱気とそれを拭い去らんと言う風が拮抗していた。 「ちと暑いな」 ふとぼやく。 「少し肌寒いわ」 パチュリーが呟き、寄ってくる。俺は小さく息を吐き、引き寄せ言う。 「夜は冷える」 パチュリーは、そうねと微笑み体をこちらに預けてくる。 しばらくの間、二人寄り添って過ごす。 「夜も更けてきたし、そろそろ戻りましょうか」 パチュリーが言い出し、俺も同意する。戻るすがらパチュリーが唐突に言い出す。 「ねえ、今度はあなたが枕になって」 「膝枕? いいけど」 パチュリーは一瞬眉間にしわを寄せ続ける。 「ええ、膝枕もいいけど、今日は腕枕にして頂戴」 問い返す。 「今日は?」 「いえ……そうね、今日からお願いするわ」 //おまけ!// 「ねえパチェ」 「なに? レミィ」 「せっかく膝枕しているんだし、耳掃除やってやれば?」 ! 「耳掃除ねえ。そういえば私してあげたこと無いのよね」 「ならやってやればいいわ」 そういってレミリアは、さくやー、と声を上げる。 三度瞬時にメイドが現れ、用事を申し付かればまたかき消え、手に数本の耳かきを持って現れる。 「何でこんなに持ってきたのかしら?」 パチュリーが不思議そうに言う。 「手に合う合わないがあるんだよ」 なるほど、確かに太さも長さもまちまちである。 「じゃあ耳を出して…」 言い終わる前に俺はぐるりと一回転し、ソファから転げ落ちる……前に足を着き逃げようとする。 「逃げられると……思っているのか?」 しかしまわりこまれた! レミリアが羽を広げて、両腕広げて、およそ戦闘体勢で迫ってくる。これではとても逃げられそうに無い。 「っていうか、何で逃げるのかしら」 パチュリーが不思議そうに言う。 「オレは実は耳掃除が苦手だぞオオ!」 「そうか」 いやレミリアさん、人がせっかく叫んだのに一言で流さないでください。 「そう、耳掃除が苦手だったの」 「ん。だからあまりやられたくないのよ」 「んー、まああれだ。ねえパチェ」 「?」 「ええそうね」 二人して何かを企むような笑みを見せる。非常に可愛らしいのだが、同時に非常に不安な気持ちにさせられる。 『これから良くしていけばいいじゃないか/の』 「痛い痛い痛い」 「動かないの!」 「随分痛がってるなあ」 レミリアが紅茶なぞ飲みながら、のんきに言ってくる。 「じたばたしないで! 危ないでしょ」 「――ッ!」 ソファをバンバン叩く。 「パチェは耳かきが下手なんじゃない? そんなに痛がるんなら」 レミリアは依然、面白そうにいってくる。オノレ対岸の火事と思って。 「なら、レミィのほうが上手いって言うの?」 パチュリーは少し不服そうに返す。 「いや、咲夜は上手かったよ。 何も感じないですぐに終わった」 「それ時止めてやっただけじゃないの?」 レミリアが手を打ち、パチュリーがため息をつく。 「あなたねえ……」 「まあいいよ。それよりパチェ、私にも少しやらせてくれない?」 お嬢様やめて。吸血鬼の腕力で間違って突付かれた日には、鼓膜破れるどころの騒ぎじゃすまないやもしれん。 「駄目よ。私の耳だもの」 レミリアが、ぷー、と長い息をつく。 「いいですねえ。おふたりさん」 なんか棒読みですよ。お嬢様。 「はいおしまい。反対側向いて」 言われて俺はごろりと動く。 「うつ伏せにならないで」 「だが断る」 耳痛いからもういい。と、完全拒否体勢に移行する。 「レミィ、ちょっとやってみる?」 「え? いいの?」 パチュリーさん即座に実力行使に出ました。説得も何もなしです。もう怖いからちゃんと反対側向きます。 「最初からそうなさい」 「なんだやらせてくれないのか」 レミリアとパチュリー、双方が不満そうに言う。……不満の意味は違うようだが。 「こっちの耳はどうなってるのかしら……こらやめなさい」 レミリアの脅しには屈した。しかし、そう易々とあきらめる俺ではない。とりあえず顔をパチュリーの体にくっつけて息を吹きかけてみる。 「くすぐったいでしょ。やめなさい」 パチュリーが笑いながら言う。 「面白いことをやってるなあ」 そういいながらレミリアもパチュリーの首元に息を吹きかける。 「もうっレミィいまで。やめてちょうだい」 パチュリーが目端に涙をためながら言ってくる。 それを聞き、さらに攻勢を強める二人。笑いながら身をよじって逃げようとするパチュリー。 遠くでメイドが笑っている。紅魔館は今日も平和である。 うpろだ201 ───────────────────────────────────────────────────────────
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パチュリー ロダ up0581 up0105 up0106 up0167 スレネタ ■5スレ目 未知との遭遇 記憶喪失ネタ パチュリー/5スレ/827 パチュリー/5スレ/876 ■7スレ目 パチュリー/7スレ/285 パチュリー/7スレ/847 ■9スレ目 魔法使い□□の視点 8スレ/551-552の続き ■10スレ目 パチュリー/10スレ/410 ■14スレ目 パチュリー/14スレ/740-742 女帝の微笑 ■15スレ目 パチュリー/15スレ/40 ■16スレ目 あなたの白い手に与えよう ■17スレ目 パチュリー/17スレ/679 パチュリー/17スレ/712 ■22スレ目 パチュリー/22スレ/325 パチュリー/22スレ/476 易経講座1 易経講座2 易経講座3 易経講座4 易経講座EX ■23スレ目 パチュリー/23スレ/135-137 パチュリー/23スレ/172 パチュリー/23スレ/594-596 ■24スレ目 パチュリー/24スレ/191-192 パチュリー/24スレ/641-642 パチュリー/24スレ/917-918 ミーム汚染 ■25スレ目 パチュリー/25スレ/214-215 署名 路地裏 貸し借り ■おやつ氏 パチュリー/おやつ氏① ■New User 知ってるパチュリー
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信仰+ コスト 戦闘力 HP df 労働 知識 探索 特殊能力 0 0 4000 50 10 2 10 7 霊力生産+1 図書館 知識と日陰の少女。紅魔館に居候しているレミリア?の友達の魔女(後に魔法使いという種族になった) 紅魔館の図書館にいつもいて、殆ど外に出ずに魔法の研究をしている。引き籠もっていて愛想が悪いが 暗いわけでもネガティブなわけでも面倒くさがりやなわけでもない。 むしろ活動的な面があり、新聞によく出たり、異変解決に積極的である。ロケットとかいろいろ作ったりもできる。 本作におけるパチュリーの仕事は霊力生産。ただ置いておくだけで霊力生産が+1される。さらに修行すると 図書館の効果により霊力がさらに1生産される。 これだけでは多少信仰を支払ってでも霊夢(Hard)や空を使ったほうがいいが、 小悪魔との絆により大量に霊力を稼ぐことができる。 ただ、それでも霊力を稼ぐために修行を行わなければならないというのがネックで、 霊力を稼いでいると、異変解決ができず信仰不足に陥りやすい。 今は霊力と信仰とドローを全てを高い水準で賄える小鈴?に職を奪われてしまった感がある。 攻撃 スペルカード名 攻撃対象 ダメージ量 ダメージ発生回数 弱 通常弾幕 全体 戦闘力×0.25 1回 中 水符「プリンセスウンディネ」 全体 戦闘力×0.3 1回 強 土&金符「エメラルドメガリス」 全体 戦闘力×0.4 1回 必殺弱 月符「サイレントセレナ」 全体 戦闘力×0.8 1回 必殺中 日符「ロイヤルフレア」 全体 戦闘力×0.9 1回 必殺強 火水木金土符「賢者の石」 単体 戦闘力×0.5 10回 弱 逆輸入「ノンディレクショナルレーザー」 全体 戦闘力×0.35 1回 関連霊撃 カード名 種別 コスト 効果 そこまでよ! 罠 20 次のMAP霊撃を無効化 パチュリー専用 関連アーティファクト カード名 コスト 効果 七曜の聖典? 10万 攻撃内容をEXモードに。7回 住吉三神式月ロケット 100万 関係者で強化特殊召喚AF 不夜城紅魔館 50万 戦闘開始フェイズスキップ 満月の時計塔 50万 カリスマ(弱) 旧地獄街道 50万 強さこそ信仰 灼熱地獄探題地霊殿 50万 死体を焼却して発電 ぼくらのヒソウテンソク 30万 初期戦闘力3倍 賢者の石 50万 知力に応じた霊力生産 絆 絆名称 組み合わせ 効果 リモート可否※ パチュマリ一筋 魔理沙×パチュリー 攻撃力アップ レーザー追加 4ボスデッドライン 4ボス×5 即死防御 紅い悪魔の友人P レミリア×パチュリー 攻撃力アップ・カリスマ強化 パチュフラは雨やどり パチュリー×フラン パチュリー本気 パチュアリは真理 パチュリー×アリス 修行効果アップ 攻撃力アップ ぱちゅみりん パチュリー×美鈴 パチュリーのHPアップ 沈黙の月 ルナチャ×パチュリー 月は出ているようだな 霧雨親衛隊 魔理沙×アリス×にとり×パチュリー×フラン 魔理沙に力を ※○:問題なく成立し効果発動 △:成立はするが一部効果は使えない ×:成立するが効果は使えない -:成立しない 特別な入手法 無し
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正確に言えば「幻想入り」ではなく、「現代入り」である。 しかしながら、クオリティはノベル型としてかなり高い水準である。 今後の展開に期待するばかり。 -- (名無しさん) 2008-07-26 03 59 58 現代入りは幻想入りとちょい違い、なじみのある世界で 東方キャラが活躍するという幻想入りとは違った魅力があって面白い。 -- (名無しさん) 2008-09-04 07 50 02 1004番目の雨男です。話には直接関係しないと思いますけど「射命丸が現代に行った」ということを動画でネタにさせてもらったのでご報告します。 -- (雨男) 2009-03-01 21 55 54 作者の構成力が素晴らしい 小ネタや伏線も巧妙で、BGMのセンスも抜群、 ぶっちゃけほぼ全方面完璧な名作 ラストはもちろん涙腺破壊爆弾付きで -- (名無しさん) 2011-05-24 01 21 52 やはり素晴らしい作品でした。続きあるといいな♪ -- (ブワッ(;_;)) 2015-10-22 13 33 30
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パチュリー対策のメモ パチュリーと言えば切り返しが異常に多く、捕まえるのがめんどくさい上に射撃が強いから逃げられるとまためんどくさい。 結構レミリアが苦手とする相手なはず。 エメラルドとスタティック 起き上がりにJ2Aによるめくりが機能しなくなる切り返しスキル。 結構厄介だが、実はこれ、打撃無敵。 従ってJ2AとJ2Cを使い分ければそれなりに対応は可能。 もしくは射撃属性なのを利用してグレイズしとけばいいか。
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no +信仰 コスト 戦闘力 HP df 労働 知識 探索 特殊能力 008u 0 000000 004000 070 10 2 10 7 霊力生産+1 貴重な霊力生産を持つユニット そして技の全てが全体攻撃かつ高い威力を誇る全体アタッカーでもある 必殺カードの今日は厄日だわを使えば技の威力が大幅に増加する サポート類も基本的に攻撃力を上げる効果が多いので、さらに大ダメージを狙う事ができる 異変解決力もありノーコストでありと高性能だが、HPが低いので守るユニットが居ないとすぐに落ちてしまう むきゅ~ テーマソングの追加により元々驚異的だった霊力生産力はさらに増した。 ただし♪感情の摩天楼などの対抗馬も存在し、曲枠も使ってしまうため採用するかどうかはよく考えよう。 EX異変に対抗できる数少ない手段であるそこまでよ!を使用可能な点も見逃せない。 はたてでも使用できるが、霊力コストを考えるとこちらの方が向いている。 Ver1.14での小悪魔強化により大幅に強化された。 爆発力が今までの比ではないので上手く使いこなそう。 数値の上では負けているが、修行などを考慮すると実質的な最大火力は輝夜(Lunatic)に匹敵する。 しかし強化のしやすさや出しやすさ、必要枚数や周辺サポートの優秀さを加味するとこちらの方が圧倒的に優秀なので、新たな火力面での切り札として活躍できるだろう。 Ver1.20に至るまでに幾度かの弱体補正は受けたものの、充分に実用範囲の火力である。むしろそれまでが高すぎた。 もはや霊力生産だけしたら捨てられてしまう時代は去ったのだ。 攻撃 弱 通常弾幕 全体 戦闘力×0.2 1回 中 水符「プリンセスウンディネ」 全体 戦闘力×0.3 1回 強 土&金符「エメラルドメガリス」 全体 戦闘力×0.4 1回 弱 逆輸入「ノンディレクショナルレーザー」* 全体 戦闘力×0.3 1回 必殺 弱 月符「サイレントセレナ」 全体 戦闘力×0.7 1回 中 日符「ロイヤルフレア」 全体 戦闘力×0.75 1回 強 火水木金土符「賢者の石」 単体 戦闘力×0.5 10回 関連霊撃 451m そこまでよ! パチュリーorはたて専用 50 異変解決度リセット 関連サポートカード 133s パチュマリ一筋 魔理沙×パチュリー 攻撃力アップ レーザー 150s 紅い悪魔の友人P レミリア×パチュリー 攻撃力アップ カリスマ強化 151s 雨の紅魔館 フラン×パチュリー 厄日使い放題 152s パチュアリは真理 パチュリー×アリス 修行効果+500,攻撃力アップ 153s ぱちゅみりん パチュリー×美鈴 パチュリーのHPアップ 228s 動かない大図書館 パチュリー 修行すると霊力+3 276s ふたりきりの大図書館 パチュリー×小悪魔 パチュこあ修行2倍 修行時霊力+3 509s 霧雨親衛隊 魔理沙×フラアリにとパチュ 魔理沙に力を 540s パチュこあは聖典 小悪魔×パチュリー 小悪魔がパチュリーとリンク 154s 今日は厄日だわ 必殺:パチュリー EX化 541s 小悪魔インストール 小悪魔×パチュリー 小悪魔を犠牲に魔力全開 252S さよなら人類 独立宣言:脱霊魔咲早妖 キャラ制限ボーナスLv1 241s 紅魔郷は魂の原風景 独立宣言:紅魔郷オンリー 無駄無駄 246s 地霊殿は秘めたる想い 独立宣言:地霊殿オンリー リモートサポート 248s 黄昏は神々の開拓地 独立宣言:非想天則オンリー 初期戦闘力二倍 249s 文花帖はブン屋の意地 独立宣言:文花帖オンリー 文とはたてに『根性』 テーマソング 308S ♪ラクトガール少女密室 パチュリーのテーマ 知識に応じた霊力生産 関連異変 ヴワル図書館大整頓上級(解決率大幅上昇) 特別な入手方法 異変「サイレント恋心」(H)を解決