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Q1.1話でスキマ妖怪が範囲選択で操作しなさいって言ったけど、魔理沙のスペカ使うとき結局クリックし直す必要があるじゃないの! A1.レミィ、落ち着いて選択した状態で左Tabキーを押してみて、ユニットごとのアイコン切り替えが可能よ。 コンフィグのショートカットでユニークユニット選択キーを設定しておくことでヒロインを個別で選択、二度押しでヒロインの位置に画面を切り替えることもできるから3人めくらいまでは登録しておくといいんじゃないかしら? ヒロイン1は一人目に生産されたヒロイン、ヒロイン2は二人目に生産されたヒロインが割り当て、という感じね Q2.坂を降りて、回りこんで、あそこの資源地に農民を…あー!操作面倒すぎ!ちょっと移動するたびに命令しなおさないといけないじゃない! A2.左Shiftキーを押しながら命令をしている?Shiftキーを押しながらの命令は予約命令をすることができるわ ここまで行ったら次はあそこに移動、という細かい命令ができるわ 複数の農民を選んだ状態で連続建築命令をすれば一人ずつ作業してくれるし 複数の資源地を選べば溢れた農民が次の資源地に移動してくれるわよ。 Q3.生産したユニットが魔法陣の前で溜まってて面倒よ、パチェえもーん!! A3.誰がパチェえもんか、それはミミズクにでも言ってやりなさい。 生産施設を選択した状態でどこでもいいから右クリックしてみなさい、移動命令みたいに表示されるでしょ? 生産されたユニットがそこに向かって移動をしてくれるわ、兵士の集合や 資源施設への農民の移動とかに使えるわよ?ついでに複数の資源施設を予約で選ぶと均等に資源に移動してくれるわ Q4.対人戦やってるんだけど、終盤は資源が沢山あるから魔法陣もいっぱい作ったわ、でも!生産命令がおいつかない、というか面倒すぎるわよ! A4.資源が増えたら魔法陣を増やすのは良い戦術よ、そういう"面倒"はちゃんとフォローしてるから安心して 建物の選択はShiftキーを押しながら選択していくことで複数選択できるわ 同種の建築物を選んでおけば一度に全部の施設に命令が可能よ またユニットや建築物をダブルクリックすることでも画面内の同種全選択をすることが可能だから、コレを使えば兵士の操作も楽になるわね Q5.毎回魔法陣のところまで画面戻してダブルクリックして…パチェ!"面倒"がまた増えたわ! A5.それが終わったら、今度は前線に動かした兵に画面を戻して、また"面倒"事ね。 選択をした状態で左Shift+数字キーを押してみて、ユニットに重なるようにナンバリングの表示がされるわ こうやって登録をすれば、以後は数字キーを一回押すと何処にいてもその登録組を選択した状態に もう一回押せば画面を登録したユニットや建物のところに移動させることが可能よ 別のグループを登録しなおせば上書きができるし、Ctrl+数字キーを押せば追加登録をすることもできるわ Q6.チーム戦で味方と意思疎通取りたいんだけど A6.チャットとフレアを使えば良いわ、試合中でもエンターキーを押すことでチャットをすることが可能よ このチャットは相手チームに見えないから、もし相手チームに話しかけたいなら"*"を先頭に入力しておけば相手チームにも見えるようになるわ フレアは味方への"合図"ね、マウスホイールを押し込むことでミニマップにエフェクトを、そして音を鳴らす事ができるわ 一緒に攻めるとき、敵を見つけた時、合図はいろんなところで手軽に活用できるわよ
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評価 内容 S パチェの性能を考慮して使いやすく、どんな相手にも大抵有利な状況に運べるカードor天候 A Sほどはないが、有利になるカードor天候。相手を選ぶ必要も多少ある。 B 性能を理解してつかえば相手次第では有利になるカードor天候。もしくは、それなりの効果 C 戦えなくもないがいれない方がいいカードor天候。できればS-Bを優先したい。 D 入れない方が戦いやすいカードor天候。パチェとの相性が悪い、コストに見合ってない、欠陥がある等。 システムカード 評価 名前 解説 B 「霊撃札」 安定無敵切り返し。1枚で使え発生が速く要らなければ捨てて良し、範囲も広いので空中に届き、隙も小さめしかしダメージ無しの切り替えしにコス1は少々惜しい気もする。エメや銭を積んでるなら使わなくてもいいだろう D 「マジックポーション」 ちょっとしたフォトシンの効果と割れた霊力全快の効果があるが、これが必要な状況において使う暇はあまり無い D 「ストップウォッチ」 バージョン1.10では効果時間が短すぎて使い道を探す方が難しい。別のカードを入れよう D 「白楼剣」 打撃オンリーのコンボ火力が低いパチェには不要。別のカードを使おう。 A 「身代わり人形」 4枚目でいきなり効果が伸びる(12→20%)ので4枚必須。根性値含みの計算は、「根性値を引いてから」人形の割合分差し引く(例1000ダメに根性値30%人形20%引くと560ダメージになる。30+20の半分で500,はない)エメと相性が非常にいい。というのも、エメを装備する→DBが振り易くなる→DBコンが上昇する上、シスカを一回使える時間が増える。→使う。捨てラウンドや勝ちラウンド時は雪で消えない内に優先して宣言して行こう。 A 「グリモワール」 相性は霊力停止時間軽減と相まって最高。しかし逆に考えると霊力回復速度しか上がらないうえ初めから霊力軽減というアドバンテージがあるのに無駄、ともいえる。 B 「特注の日傘」 レーザーがない相手ならば5秒ほど引き分け~有利に持ち込める。デッキ回しには都合のいいカードだが、レーザー持ちには無力。ちなみにサマレCは貫通する。 B 「人魂灯」 意外と使い勝手は悪くなく、パチェには少ない画面に残る攻撃。攻撃を受けても消えない性質を利用できるならば十分実用レベル C 「左扇」 解る人には残念ながら効果はない。削り性能の高いパチェならば最後の一押しには使えなくもない。なお紫のこれには注意。藍をガード中に左扇、のコンボが凶悪 C 「伊吹瓢」 パチェの場合、これを使うよりは立ち回りで稼いだ方が良いと思われる。しかも厳密には2枚分上昇ではない。溜まっていたカードゲージを即MAXにしてから次のカードゲージを充填する。そのため。最初のカードゲージが多いほど損をすることになる。それでも圧縮したい人向け。 S 「天狗団扇」 速度の遅いパチェにとって役立つシスカ。追う、逃げるが行いやすくなり結果的に火力と防御力、霊力管理すべてが上昇する。人形と違い、効果は一定なので状況を見てコストにしてもいい。 B 「符蝕薬」 貴重なパチェの打撃択。だが発生がイマイチ。効果の方は優秀だが、狙ったカードを先に打たれるケースが多い。 S 「宵越しの銭」 使うなら2枚入れた方がいいかもしれない。1枚あれば十分なので片方はコストにしよう。中央からの固めが大分楽に抜けられるようになる。正ガなら霊力がなくても使える。これを使う上で銭結界を覚えることは必須事項。やり方は正ガしつつ、飛翔→銭をずらし押し。相手の結界読みを回避することもできる。 A 「龍魚の羽衣」 ガード中に使用できる固め抜けカード。隙は大きいが連ガを割って反撃できるのはおいしい。これをちらつかせて脱出しよう。確定魔法陣になるのでシスカや起き攻めの準備ができる。 A 「緋想の剣」 パチェは不利な天候、有利な天候がはっきりしてるので天気を操作できるのは有利になる。発動さえしてしまえば長めの無敵時間もある。これを利用して幽々子の手形をやり過ごすことも可能。 C 「病気平癒守」 1k回復は結構大きい。実際には根性値の計算もあるので効果はもっと大きい。人形を使えば更に大きい。難点は隙の多さ。水柱やドヨーを当てて使えればよいがやすやす当たってはくれない。 C 「冷凍カエル」 しっかりとした使い方を知っていれば無駄にはならない。使いどころは主に、相手の持続系の効果時間を減らすの使える。天子や衣玖の持続が長く強力なカードに使ってみよう。 C 「龍星」 3撃耐えられる。コンボが途切れるととまた3撃耐えられる。でも正直パチェには微妙かも。 C 「制御棒」 4枚使うと、攻撃力が40%上がり防御力が30%下がる。相対的な増加量は1枚あたりわずか2.5%。しかし勝敗は別にして決着が速くなる点はいいかもしれない C 「三粒の天滴」 無敵になっても空中割ができないパチェには見合ってない。素直に別のカードを使おう。 C 「ナマズの大地震」 これをガード中にくらうとお互いの補正が切れ、大ダメージが狙える。が、パチェでは有効に使えない…か? スキルカード 評価 技名 解説 S サマーレッド 基本にして最強。強度が全スキル中最硬で、隙が少なく、速度が調節でき、コンボや牽制に使え、空中可で、高威力の単発射撃。レベル3になると巨大になり全キャラの中でもトップクラスの性能となる。欠点は単発ゆえ身代わり判定に弱いことくらい。 C サマーフレイム 1k削り、超強度、持続、連ガにより結界強制、広範囲と利点はあるが、発生の遅さですべてが台無し。Aから連ガできないのが痛すぎる。しかし、アリスに特効。広範囲が幸いしアリスの要の人形、厄介な攻撃をまとめて焼き払える。レーザーには注意。 C ワイプモイスチャー 唯一の打撃スキルなので入れたいところだが、火属性なのが最大の欠点で性能もやや控えめ。一応DBの保険にはなる…がリターンは微妙。エメで十分。 B スプリングウィンド 諏訪子に特効。しかし、これを積むくらいならダメージを取れるスタグリを積んだ方がいいかも。 C フラッシュオブスプリング レベル3から本領発揮。遅すぎです…本当にありがとうございました。一応幽々子等に差し込める…かも。しかし何故かこれをいれると空サマレを撃つ時に誤爆しやすくなる A スタティックグリーン ドヨーと併用できる切り返しという点が優秀。切り替えし抜きにしてもエメとは違った活躍ができる。低姿勢にはあたらず、魔理沙に効果が薄いのが難点。 C オータムエッジ レベルが低いうちはイマイチだがレベル4ならかなり優秀な速射になる。相手がなにかを設置しようとしてる時によく刺さる。疎雨時には狙ってみてもいい。 A オータムブレード 固い射撃。射角の広さからパチェの隙間を埋めるような活躍ができる。レベル2で止めても問題ない(初期B×3Hit。2でHit+1、MAXで更にHit+1)Bはサマレの範囲外に相手の射撃の穴を開ける、コンボ持続に使う、5Cの隙消しに使う等。Cは相手が下で待ち伏せした時に投げつける等 B フォールスラッシャー 他のスキルとは全く異なる性質の設置系スキル。そのため立ち回りが大幅に変わる。レベル1から十分実用レベル。打撃→射撃→フォール→打撃→射撃→必殺技ということもでき、4K出すことも可能になる。元々金属性を使わなくても何とかなるので1枚だけしのばせても面白い。難点は操作がむずかしいこと。そして描画処理が相当重いらしく、回線の状況により重くなる。 S ドヨースピア エメと双璧をなすスキル。これを書き換えるかで立ち回りが大幅に変わる。エメに書き換えるにしても、初期装備で実用レベルなので存分に使おう。牽制に固めに優秀。レベルを上げて持続力をあげても強いが、上げずにコンボで立ち回れる方がデッキの幅が広がる。 S エメラルドシティ 1枚から実用レベルの打撃無敵の切り替えしスキカ。何気にサマレと同威力。コンボや切り替えしCHでおいしい。ただし射撃属性切り替えし能力のせいで守り専用に見られがちだが、DBをグレイズされても択が振れる、当たった際は魔法陣込の〆に使えて有利時間も大きい、と攻防一体。銭やセレナと一緒に持てば択がさらに増えて読ませ辛くなる。 C ダイヤモンドハードネス 効く相手にはかなり効く(小町に特効)。が、上記2つが即戦力に対してこちらはレベル2からでないとまともに使えない、攻撃力がない、ダメージを受けるのが前提なので終盤厳しいと問題がある。土属性でなければまだ使えたかもしれない。 A ウィンターエレメント レベル0でも十分な牽制力を誇る。相手のシスカや射撃に差し込もう。また、これを用いた中央割を覚えれば便利。やや難しいがやり方は中央付近でA→4B→2C→水柱→お好みで。水柱の時点で霊力を3~4つ削れる。 B コンデンスドバブル 大きな身代わり判定のある泡をだし、泡がダメージを受けると攻撃判定のあるしぶきを出す。立ち回りをしっかりすれば射撃メインの相手にも十分使える。空中使用可なので使用しやすいのもgoodこのスキルを使うには着キャン泡に慣れる必要がある。うまくできればダウンさせた時に複数置くことも可能 D スティッキーバブル これのレベルMAXより、水柱レベル0を積んでる方がましかもしれない。とりあえず使わない方が勝率は上がると思う。付着時間制限がなければ… スペルカード 評価 技名 解説 S 土水符「ノエキアンデリュージュ」 2コス、空中可、霊力2の割り性能、削り、コンボの底上げと汎用性が高く高性能。またサーチせずにまっすぐ飛ぶため6Cではヒットしない場合でもこれなら当たるコンボもある。完全に上位の攻撃スペルを喰っているのが欠点か。 S 金木符「エレメンタルハーベスター」 2コス、発生保障ありの発生8F、打撃属性、広範囲、持続中打撃無敵、と高性能な切り替えし。欠点はダメージが低いこと、さらに位置によって取りこぼしが多いこと。これにより反確する場合がある。 B 火金符「セントエルモピラー」 CHさえすれば5コス並のダメージを与えられるがそうそう当たるものではなく、コンボに組むと安くなる。グレイズがあり様々なルートから繋がる点は優秀 A 水符「ジェリーフィッシュプリンセス」 ver1.10で持続時間が6秒になりカードゲージが貯まらなくなった。それでもスキルキャンセル不可の攻撃時にローリスクの保険、霊力がなくなった時の休憩、最後の追い込みなどなかなか便利。 A 月木符「サテライトヒマワリ」 3コスの中では泡姫と並んで使いやすい。相手がスペルをもっていないならブッパも選択肢に入るだろう。相手は逃げざるを得ないのでダメージを取れなくてもデッキの圧縮には使える D 日木符「フォトシンセシス」 効果はなかなか良いが、非常に硬直が長くダウンさせたくらいでは使用できない硬直が半分くらいなら主力だったろう。 C 火水符「フロギスティックピラー」 空中可、上手く行けば3700、こちらの有利時間が非常に長いと美味しいように見えるが、コンボルートが狭い、端では使えない、コンボ専用と汎用性が低く2コスのノエキに劣る点が痛い。 A 月符「サイレントセレナ」 優秀な完全無敵切り返し。コストは4とやや重いものの、セット時のプレッシャーはかなりのもの。発生12Fとハベスタ(8F)より遅い点に注意。 D 土金符「エメラルドメガロポリス」 完全に4コスに見合っていない。コンボルートもフロギより狭い、おまけに身代わり判定も効果薄。ノエキを入れた方が有益。 B 日符「ロイヤルフレア」 パチェの代名詞的なカード。しかし生当ては厳しく割りの場合でも霊力2もあればガークラ補正もありなんと1500程度にダメージを抑えられてしまう。周知クラスで対処法が露呈したスペカといっても過言ではなく、場合によってはロイフレを誘ってきて低ダメージで済まさせれてしまう。相手が空中にいる際に(着C)→C→ロイフレで追加で霊力を削れる。 C 火水木金土符「賢者の石」 20秒間アンプがつきサポートしてくれるのだが、ver1.10で発生保障の削除、カードゲージが貯まらない、などの影響でかなり使いづらいカードになってしまった。とはいえ状況次第では攻防一体となるハドネスや春風、グレイズ狩りからのダメージが増えるワイプなど、相手とスキル構成次第では使えなくもない使用中は手札を使っての切り返しはできなくなるのでターンを渡さないか、最悪エメかスタグリを使える状態にしておくのが望ましい D 日月符「ロイヤルダイヤモンドリング」 画面端上段に逃げ込まれるとダメージを与えられなくなる欠陥がある。コンボに使えなくもないが、それならば少し威力が落ちるがロイフレの方が立ち回りにも使えるのでそちらを積もう。 天候 相性 名前 解説 B 快晴 霊力を割らずに回避結界ができる、のだが消費した霊力はそのままなので再度つかまってしまう可能性もあり一概に有利になるとはいえない。なお結界されても霊力が回復しないのでロイフレとの相性はいい方。 D 霧雨 スペルにさほど頼らないパチェはあまり生かせない。むしろ相手のスペルが強力になるのであまりよくない天候。 S 曇天 カードゲージが貯まりやすい天候。スキルがたくさんたまるチャンスなのでなるべくこの天候を維持しよう。スキルを使っても天候は終了する点に注意。 B 蒼天 あまり意識する必要はない天候。もしも相手からこれを利用したコンボを受けたらその都度覚えていこう。 S 雹 スキル威力が上がり、霊力が貯まりやすい天候。霊力が溜まりやすいことを生かし、たくさんゲージを溜めていこう。霊力が常に高いので逃げやすいのも〇 A 花曇 攻撃を当てようとは思わないこと、また攻撃を食らわないこと。その2つを守ればカードゲージを溜めるのに有効な天気。摩耗射撃には要注意or狙おう。 D 濃霧 人形があれば相手より格段に有利になる。それでも丁寧な立ち回りを心掛けたい相手のスペカを見て攻めるか守るか決めよう。 D 雪 サマレや人形などレベルUpを狙ってるカードは早めに使っておこう。また、優先度の低いカードをセットしておいて盾にしよう。ガードしてもゲージが減るので逆に相手の狙ってる5コスを消せることもある。 D 天気雨 固めが強いキャラが圧倒的に有利な天候。早く流したい。こちらが固めてるなら、Aの次にAAか2Aかの2択をかけよう。 S 疎雨 非常にパチェ向きな天気。スキルを思う存分発揮しよう。相手のレベル上昇による無敵付加の切り替えしには注意オータムエッジを使いたくなる天気 C 風雨 相手もこっちも速くなる。妖夢が超高速で接近してくるので射撃をまく暇がない。こっちも速くなっているのでなんとか切り抜けよう。 D 晴嵐 カードがわからなくなり、予定が崩れてしまう。スキルカードが消えてしまうのでブッバするにも困るので途方にくれる。一応対策はあるので天候一覧を参照。 S 川霧 自動追尾の射撃を持ってるパチェには敵につかまりにくく攻撃をあてやすい天気。逃げつつCを使いゲージを溜めていこう。Cウィンターを撒くと引っかかりやすくなる A 台風 Cやサマレがあるパチェなら意外と戦える。良くも悪くも体力に差があると一気に勝負が決まる。 A 凪 相手が点灯してても落ち着いて攻めよう。逆にこっちが点灯してるときは相手が焦った時に迎撃してあげよう。 D ダイヤモンドダスト 移動起き上がりができないうえ追加ダメージをもらってしまう危険な天候。慎重に立ち回ろう。こちらが攻める場合、J6AやJ2Aなど強制ダウンを狙えば吉 A 黄砂 サマーレッドを当てた際、威力が激増するうえ、追加ダメージを当てれるようになる。相手の単発攻撃には要注意。 B 烈日 カードゲージが貯まるがダメージは結構高い。様子をみて立ち回ろう。 B 梅雨 攻撃を受けると弾むが、受け身をとれるのでダウンを回避できる場合もある。とはいえ追撃の場合もあるので注意。ハベスタと相性が最高。 D 極光 見分けられたら、セオリー通り行動しよう。とりあえず雪の可能性を考えてスキルは早めに使っておこう。
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パチュリー17 Megalith 2012/02/28 ――舞踏会をやるわ―― バカなんじゃないかと思う。 言い出したレミィも。 それを聞いてノリノリの紅魔館の皆も。 お誘いをかける女の子に囲まれてデレデレしてるあいつも。 ……そんなあいつを見て、拗ねている私も。 「パチュリー様……いいんですか?」 「……」 いいわけない。 「とられちゃいますよ……?」 解ってる。そんな事。 こうやって、ウダウダしている間に。 あいつは、他に子と一緒に、幸せそうに笑っている。 そして、私の前から――いなくなるのか。 「……っ」 「パチュリー様……?」 そんな事は、ダメだ。 許さない。 座って、暢気に本を広げている暇は無い。 とられて――たまるか。 「ダメ」 「え?」 「ダメよ。他の奴にとられるなんて許さない。あいつは、○○は、私の――」 今宵の舞踏会は、穏やかに終わりそうには無かった。 * ここ紅魔館の主様に、舞踏会をやる、そんな話を聞かされたのは今日の朝だった。 え?いつやるんですか?――なんて間抜け面で問い返したら 「今夜」 ――だそうだ。 気まぐれ、なんだろう。 ついこの間も24時間耐久ドロケイin紅魔館なんてイベント企画しやがった。 ケードロが正しい表記だっていうのに。 ……まあ、いずれにせよ、今に始まったことじゃない。 何だかんだと今までの気まぐれイベントは全て楽しかったし。 今回も楽しめば良い。 と思っていたのだが。 「○○さ~ん?」 「や、やあ、小悪魔……」 赤毛のお姉さんの登場。胸はでかい。 「どこ見てるんですか」 「いやあ……」 嫌な予感しかしない。 妖精メイド達の舞踏会のお誘い――からかい半分なんだろう――を切り抜けて五分もしない内に小悪魔に捕まった。 いや本当に、嫌な予感しかしない。 「あ、あの……また、パチュリー、怒ってた……?」 「ええ、ええ。まあ怒ってるって程でも無いですけどねえ。機嫌は悪かったですよ」 またか。 毎度毎度、何かある度にパチュリーの機嫌を損ねたり、怒らせたりしてしまっている。 原因は俺にあるらしい。 でも、何故俺が悪いのかがわからない。 聞いても教えてくれないし、考えてみても心当たりが無い。 パチュリーに謝りに行けば、早く気付けだの、鈍感などと怒られる。 全く謎である。 「まあいつもは、理由を聞く度に、うわあとか、それは無いわあ、とか思ったりしてましたけど」 「思ってたのか」 傷つくぞ。 「今回はいいでしょう。比較的、些細な事ですからね」 「でもなあ」 「だから」 一度を言葉を区切って、小悪魔は続けた。 「今夜の舞踏会、時間空けといてくださいね! パチュリー様が話があるらしいですよ」 「は?」 いきなり何を、と言う前に小悪魔は走り去っていた。 * 廊下の隅で見ていた。 そりゃあ、小悪魔の胸は大きいし、あいつも男だからしょうがないんだろうけど。 イライラする。 でも、それだけ。 イライラするだけで何も出来ない。何も言わない。 勝手に私が機嫌を悪くして、黙ったままあいつに辛く当たる。 最低だと思う。 理由なんて正直に話せるはずが無い。 他の女の子と楽しくしているのを見て嫉妬した。 だから機嫌が悪いんです。 そんな事言えるはずが無い。 それだけじゃない。 たまに、可愛いって言われたり、優しくされても、同じ。 同じように、辛くあたったり。 本を投げたり。 無視したり。 ……スペルカードを持ち出した事も有ったっけ。 思い出して泣きそうになった。 でも――好き。 どうしようも無く不器用で、臆病だけど。 これ以上は――もう沢山。 「パチュリー様、パチュリー様」 「ん……あ、小悪魔」 「やりましたよ。後は……パチュリー様次第です」 「……うん」 本当は私が言うべきだったんだろう。 私と踊って欲しい――そんな、簡単な一言を。 「ありがとう……」 「いえいえ、いいんですよ。いい加減、進展してくれなきゃつまらないですしね」 「うん……」 「ここまでしたんですから……って言っても殆ど私は何もしてないですけど……とにかく、そろそろどうにかしてくださいよ?」 「うん……頑張る」 ずっと何も出来なかった。臆病だった。 けど、それはお終い。 今夜、決着をつけてやる。 * 日が落ちた。 時刻は6時を過ぎた頃だった。 寒くない。 もう春が来る頃だろうか。 花粉は辛いし、眠くなる季節だ。 でも花見は楽しいし、春になれば満開の桜が見れる。 そんな他愛の無い思考は、控えめなノックに掻き消された。 「○○さーん? 準備できましたー?」 「ああ、うん。もう大丈夫だよ」 「失礼しまーす……って、わお」 「どうかな……?」 タキシードなんて着たこと無い。 スーツも似たような物だとは思うが、何というか、重みが違う。 「似合ってますねえ! これはパチュリー様もメロメロですよ!」 「はは……お世辞でも嬉しいよ」 「いやいやいや! はーそれにしてもこんな似合うとは思いませんでしたねえ。○○さん、ずば抜けた美形でもないのに。雰囲気ですかねぇ」 「いやあ、俺に聞かれてもねえ……」 褒めてくれるのは嬉しいけど。 「それで、話は変わりますけどね。今夜……パチュリー様を怒らせたら承知しませんよ?」 「うっ……手厳しいなあ……」 「当たり前ですよ。今度怒らせたら何度目になると思ってんですか。次が最後だと思ってくださいよ」 「むう。まあ、しょうがないか。……うん、頑張るよ」 「はいっ、頑張ってくださいね!」 そうだ、頑張らなきゃな。 ……最後。 つまり、そういうことなんだろう。 「うん、やっぱ、謝った方がいいよな」 間。 「は?」 呆けた顔をするな小悪魔よ。 「今まで、怒らせてきて、今回が最後なんだろう? 多分、次しくじったら紅魔館追い出される的な」 「え……いや、○○さん、あの」 「みなまで言わずとも解る。任せろ」 「え、あの、任せられません……」 とにかく。 与えられた最後のチャンス。 殺さないようにしなければ。 「○○、そろそろ時間……って、あら、小悪魔もいたの」 「お、咲夜さん」 「咲夜さん……」 音も無く現れたメイド長。 気配を殺して登場するのは俺の心臓に悪いですよ。 「どうしたの、○○は何か吹っ切れたような決意したような顔で。小悪魔は、それ女の子がしていい表情じゃないわよ」 「ええ、その……かくかくしかじかで……」 「あー……まあ、なるようになるわよ……多分」 何か話しているようだが、何を話しているのかは解らない。 そんな事よりも、大切な事がある。 謝ろう。 怒らせたんだから。 ――今にして思えば、バカな結論だったと思う。 怒らせたから、謝る。 そうする事が、一番楽だった。 * 俺が小悪魔や咲夜さんに小言を言われている間に舞踏会の時間となった。 神社の宴会のような豪快さは無い。 優雅な賑やかさがあった。 よく解らないクラシックの様な音楽を流しながら、食事を楽しむ者、踊りを楽しむ者と様々だ。 ……まあ、ほとんどが妖精メイドだが。 客人はいないらしく、紅魔館内の者だけだった。 ……さて、どこにいるかな。 テーブルや椅子の間、メイドの壁を通り抜けながら、パチュリーを探す。 どっちを見てもメイドばかり。 たまに美鈴や小悪魔。咲夜さんやフランちゃんがいる。 パチュリーは、いない。 「どこだよ……」 「ここよ」 「うおわぁっ!?」 背後からの突然の声。 振り返ってみると、パチュリーがいた。 「全く」 「気配を消すな、気配を……ん?」 こいつぁ……。 黒いドレスに身を包んだ少女。 いつもは無造作に垂らすだけの髪は、綺麗にセットされている。 化粧もしているが、濃いという印象は受けない。 薄く、本当に少しだけ。まあ、化粧なんて元から必要ないって言うのもあるのだろう。 胸元には花をモチーフにしたリボン。 鎖骨や微かに見える谷間が、艶かしい。 あ……パチュリーって着痩せするんだ……。 「何……じろじろ見て……」 「あ、いや、ごめん」 「……まあ、いいけど。あなたに見られるなら……まあ、悪くないわ」 最後はボソボソとして聞き取り難かった。 「それで、どうしたんだよ、そんな格好してさ。ガラじゃないだろうに」 「舞踏会だからよ。流石にいつもの格好っていうのもどうかと思って」 「なるほどなあ」 しかし、見ればみるほど。 ううむ、悩ましい。 「それで……その……」 「うん?」 俯きながら、パチュリーは何かを言おうとしている。 そんなパチュリーも可愛いなあ。 ……。 って違う! すっかり、当初の目的を忘れていた。 謝らなきゃいけない。 「パチュリー!」 「ん? どうしたの、いきなり大きな声を出して……」 「言わなきゃいけないことがあるんだ」 「ええっ……?」 「その……、俺……「待って!」謝らなきゃ……って、どうした……」 言葉の途中で区切られる。 一大決心した後だってのに。 「このパターン、嫌な予感しかしないわよ……。先に私から言わせて貰うわ。いいわね?」 「お、おお……」 人が殺せそうな勢いですごまれたら、首を縦にふるしかない。 「その、ね、今晩、私と踊って……い、いや、やっぱ何でもない!」 「え……どうしたんだよ……」 「そう、そうね。私もいきなりすぎたと思ったわ。うん。ちょっと食事にしない? 後、ワインとか飲んだり。お腹すいたでしょ? 喉乾いたでしょ?」 そう言われればそうだ。 お腹も空いたし、喉も渇いた。 「あ、ああ……」 「じゃ、じゃあ行きましょう、ね? あ、ほら、あのテーブルが空いてるわよ!」 そう言って、パチュリーは俺の手を取り、強引に歩き出す。 後ろから見た首元は真っ赤で、握った手は汗ばんでいた。 * テーブルにつき、簡単な食事を摂る。 量は決して多いとは言えないが、どれも素材は極上だった。 ワインも、とりあえず、安いものではないのだろうなと想像できる。 「それでさあ、用事って何だよ?」 「う、うん……」 俯きながら、ワインを飲むばかりのパチュリー。 小悪魔の言っていた、パチュリーの用事。 はて。何か。 ワインを飲む度に、顔を上げ、何か決心したような表情にを浮かべる。 これほどの表情をするような話題なら大事な事だろうと思い、真剣にパチュリーの顔を見つめ返すと、途端に顔を真っ赤にして俯いてしまう。 「……大丈夫か?」 「だ、大丈夫だから……ちょっと、待って、お願い……」 そうして、またワインを一口。 ……酔わないだろうか。 「う、うん、よし」 「お?」 今度の表情は違って見える。 「そ、その、○○! わ、わ、私と、一緒に踊らない……?」 「へ?」 真っ赤なパチュリーの顔は、林檎のようだった。 * ゆったりとした音楽。 格調高く、名のある音楽家が作り出したのだろうと容易に想像がつく。 そして俺は、拙い足捌きで、間抜けな踊りを見せていた。 「ほら、足はこっち」 「お、おお……」 「バカ。だから、こっちだって」 酒が回ったのか、饒舌である。 さっきの様な緊張した様子は無い。 それにしても。 「ダンスってのも、案外難しいな……」 「まあね。でも、いくら初心者でも、普通はもっとまともにやるわよ」 「まじか……」 「まあ、悲観すること無いわよ。私が教えてあげるし、それに教え子の出来が酷ければ酷いほど、教師は嬉しいものよ。教え甲斐があるわ。誇っていいわよ」 「嬉しくねえなあ……」 「嬉しがりなさい」 言いながら体を密着してくるパチュリー。 当たる。でかい。何がとは言わない。 「すけべ」 「ってえ!」 思いっきり足を踏まれた。 痛いぞ。 「全く……じゃあ、まず、足は右ね」 「っつつ……む……」 無様にならない様に、リードしてくれる。 何となく。 何となく悔しい。 「ほら、こっち」 「ああ、ん、あ、こっちか……」 「そう。上手ね」 機嫌良さそうだなあ。 酒が回ってテンション上がってるのかな。 「ふふふっ」 「……わーお」 「? どうかしたかしら?」 「いや、何か機嫌よさそうだなって……」 「機嫌? そう、そうね。機嫌、良いわよ」 「そ、そうか……」 「ふふっ」 「……」 本当に機嫌が良いんだな。 こんな風に笑うパチュリーも、殆ど見たこと無い。 というか、見たことが無い。 笑うときはもっとこう、 ――……無様ね……(にやっ 温情も何も無い。氷そのもの。 だというのに。 「楽しいわね……うん、楽しい」 「……」 いや、本当に機嫌が良いらしいな。 「やっぱ、さ……」 「どうしたの?」 「そうやって笑ってる方が、可愛い」 思わず、口に出る。 その瞬間、パチュリーの体が、止まった。 「……な、ななななな、何をっ」 「いや、いつもあまり笑ったの見たこと無いからさあ。新鮮だし。後はやっぱ、うん、可愛いし」 「――っ!」 あ、やば。 いつもこのパターンだ。 可愛いと思って、うっかり可愛いと口にすると、何故かへそを曲げる。 酷い時は、俺がベッドの上で目覚めることになる。 もうちょっと短気を治して欲しいなあと思う。 しかし。 「……もう、ばか」 「……え?」 何も無かった。 何事も無かったように、ダンスを再開する。 「ど、どうしたよ。いつもは無視したり、ビンタしたり、スペルカード使ったりしてただろ? なのに今日はどうした!?」 「……いいの、今日は。……その、可愛いって言ってくれて……嬉しかったわ」 「――!!」 何事だ。 パチュリーが、素直だ……! これが酒の力なのだろうか。 「さ、続きよ、続き。あなた、ただでさえ下手なんだから……って、あれ、あ、きゃっ」 「!? パチュリー!」 足を踏み出した瞬間、転んだ。 目立った怪我こそ無いが、転ぶ時に大きな音がした。 「ったたた……」 「大丈夫か?」 「う、うん……っ」 「どうした!? どこか痛いのか!?」 「ちょっと、足が……」 「足?」 「足がどうかしたのかしら?」 音を聞いたのか、咲夜さんがやって来た。 「これは……捻挫、かしらね。無理すのは良くないし……そうだ、○○。パチュリー様を、部屋まで送ってあげなさい」 「「えっ」」 これ以上無く、綺麗にシンクロした声だった。 ――そうして、俺は、謝る機会を逸してしまった訳だが。 後になって思うと、ここで謝らなくて良かったのだと、感じられる――。 * 「ごめんなさい……」 「良いって、別に」 「……」 パチュリーを部屋まで運んで来た。 肩が触れるか触れないかの間を空けて、俺とパチュリーは、並んで、ベッドに腰を下ろした。 それきりだ。 それきり。 一言、二言で会話が終わる。 それきりだ。 「……ごめんなさい。私が、運動音痴で……つまらない思いをさせて……」 「……いや、そんなことはない」 「嘘、言わなくても良いわよ、別に……」 「嘘じゃないさ。楽しかったぜ。それに、パチュリーをおんぶしたりとかもさ、結構、役得だったよ」 「……ばか」 そんなのばっかりだった。 いたたまれない空気というわけではない。 何となく、暖かい。 「……ねえ」 パチュリーがしなだれかかって来る。 心地良い重さを肩に感じる。 鼻腔をくすぐる匂い。 あ……眩暈。 「……何だ?」 「今日は……何でだと思う?」 「え?」 「今日、どうして、あんなに素直だったと思う?」 「……いや、わからん」 ふふ、と。 笑ったのか。 「今日でね、決着、つけようと思ったの」 「決着? 何の」 「解らない? ここまでしても……まだ、解らないかしら?」 そう言って、パチュリーは俺の首に手を回す。 不意を突いた、強い、女の子の、匂い。 あ……また、眩暈。 「ぱ、パチュリー……?」 「ねぇ……」 ほぅ、と息を吐き出す、目の前の少女。 火照っているのか、密着する体はとても熱い。 あてられる。 熱を振り払うように、俺は声を出す。 「そ、そうだ! パチュリー! 俺、言わなきゃいけないことが」 何を? しかし、俺の言っている事など聞こえなかったかのように、パチュリーは言葉を紡ぐ。 「ほんとうに……わからない……?」 「――っ」 解らない。 そう、解らない。 ――いや。 「待ってくれって、俺、お前に」 お前に――何? 何を言う。 ――謝るんだ。 何を? 何を謝るっていうんだ。 解らない。 でも、謝らなきゃ――それが、一番楽だから。 だっていうのに。 「ぁ……」 「パチュリー……」 抱き締めていた。 きつく、きつく、抱き締めていた。 細い腰、腕。似合わず大きな胸。 首筋には水滴がぽつり、ぽつり。 直視したらどうにかなりそうだった。 熱にあてられる。 何かを誤魔化すように、押し倒さなかった俺の理性は賞賛ものだと、阿呆な事を考えていた。 「あー……ごめん……」 「……ううん、いいの。嬉しい」 「いや、今までの事とか、さ。色々……」 「……そうね……でも、いいわ。許してあげる。特別よ」 「ははは……そうだな、ありがとう」 ねえ、と、パチュリーが一言。 「終わり? これだけ?」 「……いや」 終りじゃない。 ――とっくに解ってた。自分の気持ちは。 相手の気持ちも、まあ、何となく。 ただ、確信が有ったわけじゃなくて、何となく。 絶対だって自信を持っていたわけじゃない。 拒絶される確率もゼロじゃなかった。 ゼロじゃない。 それが、怖かった。 変わることが、ぬるま湯を出ることが、怖かった。 だから、鈍感の振りをしていた。 臆病だったな、と思う。 バカだったんじゃないかとも思う。 でも、今は、違う。 流されているだけかもしれないけど。 今は、違う。 「終りじゃないさ、まだ」 密着させていた体を離し、パチュリーと俺の間に僅かに隙間を作る。 顔と顔。 自然と見つめあう形になった。 「その、な。改めて言うとなると恥ずかしいんだけどな……言った方が良い……?」 「当然よ。当たり前でしょ。それとも、ここまで来て逃げる気? 流石に次は命はないわよ」 ジト目で見るんじゃない。 物騒な事を言うんじゃない。 「あー……その、うん。パチュリー」 「はい」 「好きだ」 「私も、好きよ」 簡単な一言だ。 口にしてしまえば呆気ない。 それを口にするのに――どれほどの遠回りをしてきたのか。 「これで終りってのもあっさりしすぎてるわね……そうだ」 「ん?」 「キス……しない?」 「まだ、想いが通じ合って三分経ってないぞ」 「いいのよ。あなた、人間だし、すぐ死んじゃうでしょう。早め早めの行動よ」 「まあ、いいけどさ……」 パチュリーが目を瞑る。 良い匂いだなあ、とか。 顔小さいなあ、とか。 やっぱ可愛いなあ、とか。 そんな事ばかり考えていた。 「……むー。はやくして」 「あ、ああ、ごめん」 「全く……」 「ん、じゃあ、するよ」 「うん」 どちらとも無く顔を近づける。 微かに、唇の先と先が触れた。 そして。 * ――結婚式をやるわ―― バカなんじゃないか、と思う。 言い出したレミィも。 それを聞いてノリノリの紅魔館の皆も。 そんなノリノリな女の子に囲まれてデレデレしてるあいつも。 ……そんなアイツを見て、拗ねている私も。 「パチュリー様……いいんですか?」 「……」 いいわけない。 「とられちゃいますよ……?」 「……それは、無い。あいつだし……」 「おやぁ、自信満々ですねえ! これが愛の力って奴ですかパチュリー様!」 「うるさいだまれ」 こうやって、ウダウダしている間に。 あいつは、他に子と一緒に、楽しそうに笑っている。 でも、私の前から――いなくなったりしない。 「それにしても、結婚式なんて、急すぎじゃないですかね。パチュリー様と○○さんが付き合いだして、まだ一ヶ月と少しでしょう?」 「私も、最初はそう思ったんだけどね……まあ、いいんじゃないかしら」 早め早めの行動。 告白直後のキスとか。 まあ、流石に結婚式は早すぎたような気もするが。 「お似合いですよ、パチュリー様」 「そうかしら?」 純白のドレス。 あの、舞踏会の時とは対照的な服だった。 「それにしても、○○さん、楽しそうですねえ。……とられちゃうんじゃないですかあ?」 「……」 そんな事は――無いと思う。 でも、万が一が。 「……っ」 「パチュリー様?」 とられて――たまるか。 「ダメ」 「え?」 「○○っ!」 声を大きくしながら、○○の元へ歩いていく。 何事かという様子の○○。 強引に手を取って、妖精メイドの包囲の中から引きずり出した。 ……キャーキャーうるさいわね。 「パチュリー? どうしたんだよ」 「……他の奴にデレデレするなんて許さないわよ。あなたは、私の――」 今宵の結婚式は穏やかに終わりそうになかった。 おしまい Megalith 2012/08/30 パチェ「むきゅっきゅきゅ、あー効くわー」 ○○「このくらい一人でやりなよ。だいたい紅魔館の人に頼めばいいでしょ」 パチェ「駄目なのよ」 ○○「咲夜さんなんか得意そうでしょ」 パチェ「咲夜はだめ。」 ○○「どうして。」 パチェ「咲夜は体が柔らかすぎる。だから、加減が、むきゅ、わからない痛た!」 ○○「強くしすぎた、このぐらいかな。小悪魔さんとか」 パチェ「あいつもだめ。なぜなら、私とは骨格部分以外の人体組成が違いすぎるの。」 ○○「骨以外?」 パチェ「そう、あいつは胴体に対する下肢の比率がが平均水準より高いわ。 あと、大胸筋および大臀筋に付着する体脂肪分量がこれまた多い。 参考にならないのよ。」 ○○「スタイルよくてバインバインってことね。」 パチェ「卑近な言い方ではそうなるわ。」 ○○「それで僕?」 パチェ「そう。レミィや妹様では体長が違いすぎるわ。 美鈴にやってもらった時はいきなりナパームストレッチをかけられた。」 ○○「プロレス技じゃないの。」 パチェ「キン肉族三大奥義くらい痛かったわ。あの子、できる。」 ○○「わけわかんないです。」 パチェ「わたしはもっとわけわかんなかった。それであなたというわけよ。」 ○○「パチェさんに似てひ弱のぺったんこであると。」 パチェ「短くて小さくってかむってるってとこは違うわね。」 ○○「なんで知ってるの」 パチェ「……」 ~~~~~~~ パチェ「これからの魔法使いはね、頭脳だけじゃだめなのよ。」 ○○「はあ。」 パチェ「体をうまく使えば、知的活動も数段レベルアップするわ。体がほぐれれば頭も冴えてくるのよ。」 ○○「うまく、使えてる?」 パチェ「今は、まだ、ちょっと」 ○○「左手が左耳より右に行かないってどうなんだろ」 パチェ「誰にでも初めてはあるのよ」 ○○「もう2カ月目だよ」 ~~~~~~~ パチェ「これではラチがあかないわ。なにか一発逆転を。」 ○○「ストレッチは地道に続けるものだよ。」 パチェ「できる人間の言うことよ、それは。」 ○○「誰にでも初めてはあったんだってば。できる人間も地道に練習したからこそ…」 パチェ「うるさい!今いい方法を思いついたわ。」 ○○「いやな予感」 パチェ「今まではわずかな力でやってもらってたのよ。」 ○○「うん」 パチェ「倍の力だったら倍の効果のはずよ。」 ○○「いやその」 パチェ「3倍だったら、3倍効果よね!」 ○○「やめようよ。」 パチェ「試さないうちからやめるの?科学的態度にはほど遠いわ。」 ○○「理性なき科学は暴力だよ」 パチェ「科学なき理性は無力よ!やってちょうだい!」 ○○「いいの?」 パチェ「魔女に二言はない!」 ○○「えいっ!」 パチェ「ぐわっ!ぎゃあーー!」 ○○「すごい叫び声出た!えーと、ファンの人ごめんなさい。 それよりどうしよう、背骨がイワナの焼き魚みたいだ。」 パチェ「…やればできるじゃない。」 ○○「生きてるーッ!」 パチェ「効いた実感あったわ。見た目どう?少しは柔らかくなった?」 ○○「見た目?イワナの焼き魚。」 パチェ「バキバキじゃないの!!」 ○○「最初からわかってよ!どんだけ身体感覚鈍いの!」 ~~~~~~~ ○○「だいたいね、道具使えばいいでしょうが。」 パチェ「むきゅ~」 ○○「今は外界の健康ブームも過ぎ去って、こっちにたくさん道具も流れついてるんだから」 パチェ「むきゅきゅ~、そこ、もうちょっと右」 ○○「何もこんな人力に頼らなくっても。それこそ精霊使うなり、専用の魔法生物作るなりね。」 パチェ「うふー。」 ○○「お役に立てるのは嬉しいけど、僕がいないときとかどうすんの。」 パチェ「当然だわ。来てくれる時まで、コリをためこむのよ。」 ○○「こまめにやんなきゃストレッチの意味がない。今やってるのはマッサージだけど。」 パチェ「あなたの考えはそこらへんが人間ね。浅はかだわ。」 ○○「浅いかな。」 パチェ「浅すぎる。そのうち海難事故が起こるわ。それらの無生物には欠けているものがあるの、何かわかる?」 ○○「?」 パチェ「シンキングタイム、10000000000ナノセコンド。」 ○○「10秒ね。えーと、こうやって話相手になれるってこと?」 パチェ「おしい。チャンスもういっこ」 ○○「えー?うーん、わかんない。どう考えても無生物の方が効率いいでしょ。疲れないし。」 パチェ「こまめに休んでいいわよ。先は長いんだから。」 ○○「筋肉痛になりそう」 パチェ「体温よ。」 ○○「え?」 パチェ「正解は体温。テンパラチャー、サーモグラフィー、ナイトビジョンゴーグル。わかる?」 ○○「わかるけど…どういうこと?」 パチェ「疲労除去には人肌より少し高い温度が一番いいのよ。掌の熱量は背中より高い。特に男性は女性より体温が高いからちょうどいいわ。」 ○○「それこそ」 パチェ「え?」 ○○「それこそ人造生命体でいいじゃん。体温も思いのままで。遠赤外線とかマイナスイオンとか思いのままだろうし、マジノ線とか。」 パチェ「1936年。わかってないわね、あなたは。」 ○○「わかってないのかな。」 パチェ「わからないこともわかっていないわ。心理的効果を忘れてるじゃない。」 ○○「なにそれ。」 パチェ「なにそれとはなによ。」 ○○「科学的じゃない。パチェらしくもない。」 パチェ「私も女性ということよ。」 ○○「女性が科学的であっちゃいけないのか」 パチェ「あなた、フェミニズムに熱くなりすぎるわ。きっとマザコンね、さもなくば思春期だわ。」 ○○「言いがかりだ、たぶん二次性徴期なんだろう」 パチェ「アダルトチルドレンを名乗るなんておこがましい。ともかくね、こうしてあなたの手に触れていると…ふわあ」 ○○「僕も眠くなってきた。ふわあ。」 パチェ「なんだかね、脳波がベータのゆらぎからアルファーの領域に入って…ふう」 ○○「眠そうだね。」 パチェ「愚問ね。ところで…」 ○○「何だい?」 パチェ「……」 ○○「パチェ?」 パチェ「じゅるっ。…寝てたわ。」 ○○「もう寝る?」 パチェ「……」 ○○「パチェ?」 パチェ「……」 ○○「寝ちゃったか。しかし、疲れた。僕もストレッチしないとな。 でも幸せそうな寝顔だな。…おやすみ、パチュリー。」 パチェ「…行かないで。」 ○○「え?」 パチェ「……」 ○○「寝言か。」 パチェ「……ずびっ。はっ、寝てた…」 ○○「…僕は帰るよ、お休み。」 パチェ「だめ。」 ○○「だってそんな眠そうじゃん、まぶたほとんど閉じてるし。」 パチェ「さっき言いかけたことだけど…」 ○○「いつ?」 パチェ「21行上。ところで、の次の言葉。」 ○○「22行上だね。最後にそれ聞いてから行くよ。」 パチェ「あのね、○○、ちょっと耳を貸して。」 ○○「うん、……わっ」 パチェ「……むきゅきゅ、つかまえた」 ○○「これが言いたいことなの?ボディランゲージだったなんて」 パチェ「惜しいわね。『お返しの全身対全身全方位弱圧力加圧健康法よ』というセリフが来るの」 ○○「つまり、人間抱き枕」 パチェ「まだ終わってないの、『お返しの全身対全身全方位弱圧力加圧健康法よ、来てくれてありがとう』が全文」 ○○「どういたしまして」 パチェ「あったかい、いい匂い。ね、心理的効果てきめんでしょ」 ○○「返す言葉もないね。」 パチェ「ふふふ。結婚してくれる?」 ○○「唐突だね。」 パチェ「結婚と恋愛と掃除のチャンスは唐突にやってくるの。」 ○○「パチェとなら、ニ十回はできるよ」 パチェ「『できる』なんてイヤ。…するの?しないの?」 ○○「…」 パチェ「…魔女は、こわい?」 ○○「……」 パチェ「……」 ○○「……」 パチェ「……」 ○○「……」 パチェ「……」 ○○「…しよう。」 パチェ「……」 ○○「結婚しよう、パチェ。ずっと、僕のそばにいてほしい!僕も君を守ってみせる!暖かい家庭を作ろう! そのためにまず、何よりいまここで子どもを作ろう!」 パチェ「じゅるり」 ○○「ん?」 パチェ「すぅ、すぅ」 ○○「…………おやすみ。」 おわり 頭休めの骨休め 長編の 合間に短編 書いてみる 電波のままに 暇のまにまに もやしもみしだきたい Megalith 2012/09/21 普通の魔法使いが蔵書を持ち去る時以外は大図書館は静かなもので 紙の擦れる小さな音だけが広大な空間を彩っていた パラパラとページをめくる手を止めて一息つく 紅茶を一口 次の本に手を伸ばし、少しばかり姿勢を正すと衣擦れと椅子が僅かにきしむ音が 不意に空気の流れがわずかに乱れたことに気付く 紙面に眼を落としたまま読み進める 煩くないのなら気にする必要も無い 焼き菓子の香りが飛び込んできたので視線を移すと 不揃いな物が小さな皿から今にも零れ落ちそうに山を作っていた 一番上の一口サイズのソレを手にとって頬張る サクサクとした食感と共に甘さが口の中に広がってゆく 指に残った欠片を舐めとり紅茶で流し込むと自然とため息が出た ――合わないな 紅茶を入れた人と焼き菓子を作った人が違うのだから当然か また一つ焼き菓子を手に取り口に運ぶ 紅茶にミルクを足して赤と白がゆっくり混ざり合う様にしばし見入ると自然と口が開いた 「皆にお土産を渡すのね」 「手ぶらで訪問するなと婆ちゃんが言ってたんで」 本にしおりを挟んで閉じて机の上を羽根箒で清める きっとこの焼き菓子は喜ばれたのだろう 零れ落ち僅かに広がった欠片を一纏めにしてにして捨てる 「私よりも先にレミィに会いに行くのね」 ――捨てたはずなのに、顔がこわばっている 「礼儀を欠く訳には参りません」 いつもは礼儀という物を渇望していたはずなのに 今になって疎ましく思うとは―― ――疎ましいなら捨ててしまえ 「貴方、魔理沙の箒に乗ってきてるのよね」 「そりゃぁ空も飛べない一般人ですから。誰かに抱えて貰って来る訳にも行きませんし」 改めて確認するまでも無いことだ 彼の最初の訪問はいつもにぎやかな彼女と一緒だったのだから 長椅子にだらしなく体を投げ出して横になっている 慣れない飛行と家主のプレッシャーに晒されて参っているのはいつもの事 ――思うままに振舞おう 好機と判断して仰向けに晒されてる腹に腰を下ろした 「重い」 なんと言われ様ともやめる気は無い 呼吸の都度上下する腹はすわり心地は良くないものの、気分はとても良い ここで本を読んでみるのも楽しそうだ 「どいてくれ」 「嫌よ」 「苦しいんだが」 「喋れる余裕あるじゃない」 衣擦れの音と椅子の軋む音が耳に心地よい 「どうしたら勘弁してもらえるんだ?」 ほとほと困り果てたその表情に程よく征服感を満たされた 「そうね…… 視線をわざと外して、焦らすように思案に耽るフリをする ――名前を呼んで頂戴」 七曜の魔女 パチュリー・ノーレッジではない 全ての衣を脱ぎ捨てた 一人の女の名前を呼んで欲しい なんか猫をイメージしたらこうなった うpろだ0030 大図書館にて トントンガチャ 「おう図書館の使い魔さんや」 不躾にドアを開け、叫ぶ 「は~い」 ふよふよと羽の生えた女の子が飛んでくる 「なんでしょう○○さん」 「小悪魔、パチュリーは何処だ」 「ご主人様なら……先程お嬢様と一緒に人里へ出かけられたかと」 「よし、手伝え」 「え?えぇ~?」 小悪魔の手を引っ張り図書館の奥へ引きずる ~大図書館奥~ 「成程、日頃のご主人様への態度が喧嘩以来素っ気無くなっているので今日を機に……ですか」 「あぁ、ハロウィンマジックでも起きやしないかなと思ってな 「で、喧嘩の内容と言うのは?」 「ん、えー……っとなぁ……」 痛い所を突かれた、まぁ普通に考えて触れるよな、うん 「こないだ服を持ってきたんだよ」 「着替えではなく普段着として、ですか?」 「あぁ、そしたら思い入れのある服を脱げるかーなんだの言われて」 「そこから口論に?」 「口論と言われれば何とも言えんが……ま、そんな感じ」 センスが問われるのでアリスさんや東風谷さんに見せ、OKを貰ったんだけどなぁ 「ひとつ伺いますけど、○○さんはその時自分が悪いと思いましたか?」 「いや、全然」 「……はぁ」 『やれやれこの人全然ダメだわ』風な動作と共に首を振って溜息をつく、と同時に勢いよく机を叩く バァン 「○○さん!貴方には誠意が足りないんですよ!誠意が!」 「どした?小悪魔」 真剣な表情で口を開く 「○○さん、貴方大図書館に来ていませんよね?喧嘩以来一切」 「なんか行きづらくてな……」 「じゃあ聞きますけど!この前の喧嘩はどっちが悪いんですか?」 「え、えぇと……」 言われてこの間のやりとりを思い出してみる 『おーいパチュリー、新しい服持ってきたぞー』 『……どんな服?』 気になっているようだが、読んでいる本から目を離さない 『香霖堂での掘り出し物で割と安価で買えてな』 ごそごそと手に持った紙袋から取り出し、パチュリーの目の前に置く 『真っ白なワンピース……』 本を置き、手に取ってじっくりと見ている 『どうだ?パチュリーなら似合うと思って買ってきたんだけど』 『ん~……これがあるからいい』 自分の着ているいつもの服を引っ張りながら言う 『こっちは着慣れて思い出もあるから。後そっちは露出が……』 『そか、じゃあこれは売っちゃうか』 言った瞬間パチュリーの表情は曇り、読書を再開する 『……好きにしなさい』 『何だよ、買ってこない方が良かったのか?』 急に不機嫌になったパチュリーを見て少し苛立つ 『……知らない』 『あぁそうかい、今後金輪際買って来ないから安心しな』 そして強い口調で図書館を後にした 「……思い返すと我ながら一方的だったな」 「ご主人様のあの態度はいつもの事です!勝手にご主人様の感情を決めつけないでください!」 「申し訳ない……」 「謝るのはご主人様にしてください!」 「は、はい」 「……とお説教はここまでにして」 小悪魔は語調を先程の強いものから優しいものへと変え、再び語り出す 「貴方と付き合い始めて日々新しい事で一杯なんです、ご主人様は」 「明日何をしようか、一緒に何ができるか、一つ一つ真剣に考えていらっしゃいます」 「でもこの前の喧嘩から貴方と出会う前のご主人様に戻ってしまいました」 「最近はただ本を読むだけの日々が続いています、恐らく内容は頭に入っていないはずです」 あの大人しい頃のパチュリーか…… 「どうかご主人様を元気にしてあげて下さい。小悪魔からのお願いです」 深々と頭を下げる小悪魔 「……分かった。考え直すと、俺は自分が悪いのに謝りもせず逃げてただけだもんな」 それをイベントで解決しようとするのはズルい気がするけど 「ご主人様は繊細なんです、大事にしてあげて下さいね」 「あぁ!任せとけ!」 顔を上げた小悪魔はいつもの小悪魔だった 「気を取り直して、今日の作戦実行手伝ってもらっていいか?」 「勿論です!全力でお手伝いさせていただきます!」 言うや否やハロウィンパーティの装飾を開始する ~数時間後~ 「さて……あとは」 「ご主人様の帰りを待つだけですね」 普段パチュリーが生活している周辺をハロウィン一色に飾った 「じゃあ後は言われたとおりに頼む、くれぐれも失敗の無い様にな?」 「使い魔を侮らないで下さい!お茶の子さいさいですよ!」 「……心配だから余計に気を遣ってるんだけど」 俺の心配を余所に上機嫌で予行演習を行う小悪魔、頼むから失敗しないでくれよぉ…… 「あ、それと○○さん」 「ん?」 「小悪魔は種族上まだ未熟ですので……ね?」 「ね?じゃねぇよ!」 「頑張るぞー!」 飛び去って行った……失敗する気満々じゃないか?あれ ギィ 「やっべ!」 予想より早く帰って来たので大急ぎで隠れる 「……はぁ」 着くなり溜息か……ん?他に足音? 「どう?人里でリフレッシュできた?」 「少し……ね」 「友人としてできる事はこれくらいだけど、気晴らしにならなかったようね」 「ううん、そんな事は無い。さっきより幾分かは楽になったわ」 「食事も摂らず書籍を読み耽っていたら体に悪いわよ?」 「分かってる」 「ま、大体原因は特定できてるけど」 「……でしょうね」 「○○って奴がこれ以上パチェを苦しめるなら、私は問答無用で」 「レミィ」 「……精々今日が良い所ね、今日現れなかったら咲夜に捕獲してもらうから」 「……」 館の主が友人心配して出てきちゃったよ……やべぇ命日はすぐそこだった 「「じゃ、また明日」」 足音が遠ざかり、ドアの開閉音とともに消えた 「○○……○○……」 しきりに名前を呟くパチュリー 「あーしたーがーめーにちだぞー……」 うん、今さっき知った驚愕の事実だ 「こー……ないとー……」 人間の死神がやって来るらしい 「言っても……来ないか」 自分の机に座るなり顔を伏せてしまう、今が好機と見た パッ 「あら?停電かしら?」 合図をして小悪魔に照明を落とさせる、その間に移動して…… 「小悪魔?居るかしら?電気のスイッチ見て来てくれない?」 パサパサパサ ゴンッ アイツ平気だって言った割にしっかり頭打ってんじゃねぇか! 「いたた~……はい、見てきますね」 パチッ 「ありがとう小悪……魔……」 「や、やはぁ」 パチュリーの真向かい、机の向こう側で声を裏返しつつ挨拶をする 「なっ、どっ、え?」 大体『なんで!どうして!ここに!?』だろうな 「その……えーっと……はぴはろい~ん」 ラッピングした薄紫色の袋を差し出す 「ど、どうもありがと……」 言いたい事を告げて帰る予定にしていたので矢継ぎ早に 「こ、この前の服とささやかなプレゼントだ受け取ってくれそれじゃばいばいっ」 言い終わるや否や脱兎の如く図書館の出口めがけ、だぁっしゅ 「こぁ~ん」 「なっ!?」 ズッサァァァァ 小悪魔の足かけで見事に転んだ 「まーだー謝ってーませんよねー?」 「す……すんません」 そこへパチュリーが駆け寄ってくる 「小悪魔っ!何してるの!」 「自分……未熟ですから……グッバイ!」 矢の如く図書館の奥へ消えて行った小悪魔、アイツ謀ったな…… 「大丈夫だって、こんくらい」 「ダメよ、治療しないと。ここには色んなモノがあるんだから相乗効果で人体爆破もおかしくないの」 「そら……恐ろしいな」 「じっとしてて、痛くても少しは我慢すること」 右手を傷口にかざし何かしら唱え始める 「回復魔法か?」 「間違いじゃないけど、そんな高性能なものじゃないわ。ただの応急手当」 蒼い光が傷口を照らす。見つめるパチュリーは真剣そのものだ 「……こないだはごめんな」 「唐突ね」 表情を変えずに言葉を返す 「それで思ったんだけどさ、普段から可愛いって言うべきだったんだよな」 「……っはぁ!?」 「いやなんだ、普段から褒めてればお前ももっと積極的になれるのかなーと思ってさ」 「こっ、この間のはその……それよりも、よ!」 傷口から手を離すと、ポンと軽く叩かれる 「って!何すんだよ!」 「……遅いのよ……ばか」 「わりぃ、言い出せなかった」 「察するに、自分が悪いと思ってなかったから謝りに来ないんだろうとは思ってたけど?」 「ぐっ……」 「どうやら図星みたいね」 ふっと表情が和らぐパチュリー 「イベント任せで仲直りしようとしたんだがなかなか上手くいかないもんだな」 「今日何かあったかしら?」 「認識してる限りでは他人の家にお菓子を集りに行くイベントだったかと」 「あー……あったわねそんなの」 館内の飾りつけを見ながら思い出すように言うパチュリー 「で?小悪魔と何か企んでたと」 「そこまでお見通しですかい……」 「女のカンは何でもお見通しなんだからね?」 「うっへぇ……」 パチュリーはいつもの元気を取り戻してくれた、よかったよかった 「で、ハロウィンらしいけど貴方仮装は?」 「……こ、これ」 持っていた布切れを差し出す 「ははぁーん、ミイラ男かしら?」 「ご名答。思った以上に早く帰って来たもんだから仮装できなかったんだよ……」 「買い物するような気分じゃなかったものだから早めに切り上げてきたのよ。レミィには悪いと思ってる」 「重ね重ね申し訳ない……」 深く頭を下げる 「迷惑かけた紅魔館の主にも謝っておきたいから今から行ってきていいか?」 「ねぇ……まだハロウィンって終わってないのよね?」 「ん?まだ日付代わってないだろうし……まさか」 「そのまさかよ、ま・さ・か」 「ミイラ男で謝罪とかふざけてるとしか……」 「あら、違うわよ?普通に謝ってきてここに呼んできてほしいの」 「?」 「とりあえず連れてきてくれる?」 「あぁ……」 ハロウィンと紅魔館の主と俺とパチュリー……何だ? ~謝罪後の大図書館~ 「おーい、パチュリー」 「パチェー?何考えてるのー?」 二人して呼ぶが返事がない 「まさかまたアンタ何かしたんじゃないでしょうね」 吸血鬼に鋭い眼で睨まれる 「そんなわけないじゃないですか!謝って仲直りしましたって!」 「ふぅーん」 しかし目線は疑いっぱなしだ、とそこへ 「○○さーん、レミリアお嬢様ー。こちらへ来てくれませんかー?」 小悪魔が奥から飛んできた……猫耳を付けて、だ 「おうい小悪魔さんや……その耳は一体」 「?」 なんでそんなこと聞くんですか?みたいな目で返された…… 「似合ってるわよ、小悪魔」 「ありがとうございます!さ、奥へ奥へ」 主の褒め言葉を受け取り奥へ急かす 「何なんでしょうね」 「さぁ、私はさっぱり」 本当に何も知らなそうなので特に追及もせず奥へと進んでいくと 「いらっしゃーい、○○、レミィ」 「……」 「綺麗よ、パチュリー」 絶句したそこには持ってきた服を着たパチュリーの姿が 「着てくれたのか……」 「前も今日も着ないとは言っていないけれど?」 「選んだ俺が言うのも何だけど、パチュリーの魅力が際立ってすっげぇ綺麗だよ」 「……面と向かって綺麗って言われると照れるわね」 肌理細やかな頬をほんのり染めながら言う 「それと……気に入ってくれたか?」 「次はデートの時にでも使わせてもらうわ、ありがとう」 そう言って微笑む……ん?次は? 「小悪魔、日は沈んだかしら?」 「ばぁっちり!」 「じゃ、行きましょうか。トリックオアトリートしに」 「あらパチェ、良い考えじゃない」 「○○さんは仮装してくださいねー」 「……マージでミイラ男するんですか」 「「「もちろんです!」よ」じゃないの」 三人から揃って言われるこの……ねぇ 「着替えたら夜の街へ繰り出すぞー!」 この吸血鬼、ノリノリである。聞いてはいたがほんとイベント好きなんだなぁ ~ミイラ男誕生中~ 「揃ったわね?まずは神社よー!」 館から出るなり勢いよく空を飛ぶ主、こちとら一人徒歩だってのに…… 「○○、見える?」 横に居たパチュリーが心配そうに声をかけてくれた 「館内でふらついてたから心配で……」 「一応な、ただかなり暗くなってるし明かりが要るかも」 「そ、まぁ安心なさい」 スッと腕を組んでくるパチュリー 「今日までに話したい事……たくさんあったんだからね」 「了解、話に夢中になり過ぎて躓くなよ?」 「大丈夫よ、今は貴方が居るんだから……」 俺はパチュリーの肩を優しく抱いて神社へ向けて歩き出した そんなハロウィンの夜
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パチェ「ヤンデレ、という物を実践してみようと思うの」 〇〇「…いきなりどうした?」 パチェ「始めるわよ……〇〇、私は貴方を愛しゴファッ!!(吐血」 〇〇「パ、パチュリイィィィ!?」ガビーン パチェ「ゴフッ…〇〇、貴方に抱かれて死ねるのなら本望よ」 〇〇「しっかりしろパチュリー!それはヤンデレじゃなくて病んデレだ!!」 パチェ「…?じゃあヤンデレって何なの?」 〇〇「えーと…好きな相手を監禁したりとか…」 パチェ「ああ…今の生活の事ね」 〇〇「うん、そうだな…ところでパッチェさん、いい加減外に」 パチェ「ダメ」
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タグ一覧 パチュリー パチェ「○○は外の世界の出身なのよね?」 ○○「ん?ああ、そうだよ」 パチェ「じゃあ、やっぱりあるんじゃないの?」 ○○「なにが?」 パチェ「幻想郷には無い外の世界の料理が食べたい、なんて思うことが」 ○○「あー、まあ、あるな」 パチェ「ふーん、咲夜の作るものじゃ不満なんだ?」 ○○「その言い方はずるいと思うぞ」 パチェ「冗談よ。ねえ、例えば何を食べたいの?」 ○○「言っても分からないだろ?」 パチェ「まあまあ、いいじゃない」 ○○「妙に食い下がってくるな。んー、そうだな、ハンバーガーとか?」 パチェ「ハンバーガー、ハンバーガー……あれか。○○はどこの店の何が好きなの?」 ○○「うーん、迷うけどやっぱりマ○クのビッグ○ック……って、あれ、なんでパチュリーが店のことなんて──」 パチェ「さて、私は用事ができたからちょっと離れるわ。○○も仕事に戻っていいわよ」 ○○「え、おい……なんだったんだ?」 ──────────────────────────── パチェ「はい」 ○○「はいってお前、先に私室に呼んだ理由を…………え?ビッグマッ○セット?なん……え!?」 パチェ「くすくす、いい驚きっぷりね」 ○○「いや驚くだろ普通。え、なに?幻術か何か?」 パチェ「いいえ、本物よ?ほら、食べてみなさい。期待は裏切らないと思うわ」 ○○「変なもの入ってない?」 パチェ「入れる理由がないもの」 ○○「たしかに。まあ色々聞きたいことはあるけど……いただきます」 パチェ「……どう?」 ○○「すげえ、マジでビッグマ○ク……ん?」 パチェ「美味しくない?」 ○○「いや、美味い……んだけど、久しぶりに食べたせいか?なんか美味過ぎる」 パチェ「美味しいのね?……よかった」 ○○「もしかして何か混ぜたのか?」 パチェ「混ぜたというか、改良したのよ。貴方が今食べてるそれ、私がさっき作ってきたんだもの」 ○○「つく……は?え、どうやって?」 パチェ「実物を分解して成分を調べて、貴方の好みと栄養を考えて組み合わせて再構築……要は調理ね。調合は得意だし、錬金術も苦手ではないからわりと簡単だったわ」 ○○「魔女すげえ。けど、肝心の実物とか材料はどうやって持ってきたんだ?」 パチェ「そこは八雲の賢者との取引。まあ、貴方が満足してくれたのならあの術式を渡しても全然お釣りがくるわ」 ○○「貴方がって、俺のために?」 パチェ「そうよ。あ、ハンバーガー以外でも外にしかない料理はほとんど覚えちゃったから、食べたいものがあったらなんでも言ってね……栄養バランスを考えると毎日は駄目だけど」 ○○「……なんでそこまでしてくれるんだ?」 パチェ「あら、女が男にこれ程のことをする意味、本当にわからない?」 ○○「……今わかった。その、ありがとう」 パチェ「いいのよ、私がしてあげたかっただけだもの。ああ、答えは急がなくていいし、私を選ばなくても恨んだりしないから安心して」 ○○「良い奴過ぎて裏を疑うレベルなんだが」 パチェ「じゃあ、今答えを出してくれる?他の子の方がいいなんて言ったら恨んであげるわ」 ○○「すみませんでした」 パチェ「それでいいの。さ、せっかく作ったんだから全部食べていってね」 ○○「おう。改めて、いただきます」 パチェ「はい、召し上がれ」 ──────────────────────────── パチェ「これで食欲は押さえられた……いや、あんなジャンクフードだけではなく日本食ももっと質を上げて……」 小悪魔「なんと言いますか、パチュリー様は用心深いのですね」 パチェ「用心深い?」 小悪魔「はい。この幻想郷で○○さんの故郷の味を作れるパチュリー様のアドバンテージは凄まじいと思うのですが、それでも上を目指しているようですので」 パチェ「アドバンテージ?貴女はさっきから何を言っているのかしら」 小悪魔「え?他の女性を制して○○さんの恋人になるための行動なのでは?」 パチェ「違うわよ。私は○○の欲求を全て満たしてあげたいだけ」 小悪魔「……はい?」 パチェ「○○が辛い思いをするのが嫌で、○○に笑っていてほしい。だから私が○○の不満を取り除くの」 小悪魔「え、あの、でもさっき、○○さんに告白じみたことをしてましたよね?お付き合いしたいんですよね?」 パチェ「そうなればこの上ない喜びだけど、別に○○が他の女と好き合っても問題ないわ。○○が幸せでいられるのなら」 小悪魔「えぇ……」 パチェ「ああ、違うか。そうなれば私が影で○○を幸せにし続けるの。ふふ、とてもやりがいがありそう」 小悪魔「……ちなみに、○○さんが誰かとお付き合いして、その誰かが○○さんを悲しませたりしたら──」 パチェ「言ったでしょう?○○の不満は取り除くわ」 小悪魔「で、ですよねー」 パチェ「ああ、貴女○○が好きなのかしら?いいわよ、好きにアタックしなさいな。ただ──」 パチェ「何があっても○○を幸せにしなさいよ?」 小悪魔「し、しませんしません!あ、幸せにしないってことじゃなくて、そもそもアタックとかしませんってことです!」 パチェ「あら、そう?」 小悪魔「はい!私は○○さんとは絶対にどうにもならないのでご安心ください!では!」 パチェ「……行っちゃった」 パチェ「ま、いいわ。さて、どうしましょうか。料理は……まあ今はこれでいいか。先に睡眠の質を上げる魔法の開発を……いや、私が選ばれる可能性を考慮して閨事の作法を……ああ、私の容姿に飽きるかもしれないし変身魔法……うーん、幻術の方がいいかしら?」 パチェ「ふふ、やることが山積み。ああ、恋って素晴らしいわね」 感想 パチュリーが怖可愛くていい -- 名無しさん (2019-11-16 17 26 21) 仮に◯◯が結婚したら姑ポジションだな。 -- 名無しさん (2019-11-21 06 19 19) 後半で一気に闇、もとい病みが吹き出すのゾクゾクする -- 名無しさん (2019-12-24 02 11 05) この闇がいい -- 名無しさん (2023-01-01 10 23 48) こーゆーの好き -- 名無しさん (2023-01-01 10 24 18) 名前 コメント
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1スレ809からの一連の流れをまとめ。パチェリーだけでなく、さまざまなキャラがいじめられます。 809 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/16(木) 21 08 56 [ 9LSJsDS6 ] 長文を失敬 1/2 ・・・ やってしまった。 呆然と膝をついたパチュリーの前に魔理沙が転がっていた。 金髪を紅く染めた魔理沙が転がっていた。 その後頭部には大きな裂傷が見受けられ 血がピューピューと吹き出していた。 大きく見開かれた目には生命をうかがわせる何かがなく 血溜まりが刻一刻と広がっていく。 魔理沙の手足は痙攣していたが、ややあって停止した。 おそるおそる脈を見ると、死後硬直にはまだ早いらしく関節は柔らかだったが なかなか脈を伺うことができない。そこまでやってパチュリーは自分の手が ガタガタと震えていることに気がついた。 「ぱ・・・パチュ・・りー、様・・・」 見上げれば、小悪魔が顔面を蒼白にしている。 足元には彼女が片付けようとしていた書物が複数、乱雑に落ちてばらけていた。 「事故よ」 かすれた声は弁解の言葉を紡いだ。 こんな時にこんな「言葉が真っ先に出てきたことに、パチュリーは自分でも驚いた。 「まさかこんなことになるとは思わなかったの」 ・・・ いつもの調子で本を奪いにきた魔理沙だったが 珍しく体の調子がよく、精神衛生がそれと逆の状態だったパチュリーと ひょんなことから喧嘩になり カッとなったパチュリーは、魔理沙が後ろを向いた隙にカンテラで思いっきり殴った。 そしたら死んだ。 よく考えてみれば魔理沙は人間なのだった。 後頭部を重量のある金属器具のカドで殴打したら脳挫傷やくも膜下出血を起こして死ぬ。 当然すぎる結果だった。 だのについカッとなってパチュリーはそれを実行してしまった。 おかげでこのざまだ。 ・・・ パチュリーはしばらく放心していた。 小悪魔は涙を流しながらもう固まりかけた魔理沙の手を掴んで嗚咽していた。 それは長くは続かなかった。 「・・・こ、小悪魔」 「・・・なん・・・なんでしょうか、ぱ・・パチュリー・・っぅ・・様・・・」 パチュリーがこんなに目を丸くしているのを、小悪魔は初めて見た。 「死体を・・・隠さないと・・・」 小悪魔は一瞬、自分の主が何を言っているのか解らなかった。 彼女は、それなりに知った人間とのあまりにも早すぎる死別を受け入れねばならない悲痛に加え 魔理沙が死んだことで泣き悲しむ、霊夢やアリスをはじめとした知り合いたちと 魔理沙が失われたことでどこか寂しげになった幻想郷という未来を想像して涙していたのだ。 しかし 小でも悪魔である彼女の意識は、加害者であるところの主人が 悲しみではなく、恐怖に苛まれていることを、すみやかに理解した。 810 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/16(木) 21 10 32 [ 9LSJsDS6 ] 2/2 ・・・ そこらの人間を喰っただけでも博霊の巫女が飛んできて成敗される事がある。 低級の妖怪や魔物は、食人にあたってそれを隠すことを知らないからよくそんな目に遭うが 小悪魔やパチュリーなどは、歩いている人間にむやみに襲い掛かって その場で戴くようなヘタな真似をすることはない。 レミリアのように「飼っている」人間の血を定期的に吸ったり、誘い込んで魂を喰ったり 弾幕少女たちの守るべきタテマエと実際がそこにはあった。 だが魔理沙だ。 いなくなればすぐに皆が探し始めるだろう。そして事の次第が明らかになれば 怒り狂った霊夢が、もしくは嘆き悲しむフランが、パチュリーを責め立て、あるいは殺すのだろう。 いや、それ以前に・・・ 「・・・お言葉ですが」 目を真っ赤にしているが、それでもなんとか平静を保ち、小悪魔は言った。 「お嬢様はご自分の能力でこのことをお知りになるかもしれません。隠し通せるとは・・・」 「レミィには私からなんとか言うわ」 パチュリーのほうが錯乱しているようだった。 「こ、この殺人を隠し通すのは悪魔の私でもムリですよ??罰を甘んじて受けるくらいじゃなきゃ・・・」 「黙りなさい」 パチュリーは頭を抱えていた手を外すと、ゆっくりと小悪魔を向き、その目を凝視した。 「貴方が私の下僕である以上、私に従ってもらうわ。まず麻袋を持ってきなさい。それから血を拭かないと・・・」 小悪魔は眩暈を感じた。要するに自分は死体遺棄に加担させられるのだ。 もうおしまいだ。間違いなく自分もパチュリーと一緒に消されてしまうだろう。 だが悪魔が主人に逆らうことなど望むべくもない。 消え入りそうな声で「はい」と頷くも、涙声は隠し通すことができなかった。 すぐ涙がぼろぼろとこぼれだし、滲む視界の中で小悪魔は命じられたとおりの道具を・・・ 816 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/16(木) 23 28 46 [ 9LSJsDS6 ] 続き 山に死体を捨てようと思えば匂いを嗅ぎ付けてルーミアがやってきて、 森に捨てようかと思えばみすちーとかリグルがやってきて 湖に捨てようかと思えばチルノや大妖精がやってきて そんなことを繰り返しているうちにだんだん嗅ぎ付けられていって いよいよ隠し切れなくなって、小悪魔も壊れちゃって使い物にならなくなるんだけど パッチュさん土壇場で魔理沙を自分の胃袋の中に隠すという手段を(ry うまくこぁ苛めにならないんでダメそうです 817 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/17(金) 00 00 50 [ PJVD1DgA ] ぬぉぉぉぉぉぉぉorz ところで 実は周り皆グルになって、本物さながらの魔理沙人形を作ってパチェをどん底まで落とそうというパチェいじめルートを幻視 818 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/17(金) 00 24 57 [ /bN7d8uk ] 是非とも、こぁ苛めルートの続きが読みたい所であります そして 817のパチェルートも良い… 言葉でプレッシャーかけたり わざとパチェの前で嘘泣きする霊夢&激怒するフランちゃん&激怒号泣するアリス。 青ざめるパチェ。 精神的に参っていくパチェ。 やがて魔理沙の幻覚、幻聴に苛まれるパチェ。 口論をするパチェと小悪魔。 等などで、ひとつお願い致したくorz ちなみに自分は ロイヤルフレアで1.4秒焼却→骨粉を紅魔湖に撒く→和式に合唱、まで妄想しました 820 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/17(金) 02 41 06 [ FB1cqgkQ ] 817 その本物さながらの魔理沙人形とやらは 実はえーりんとアリスによって改造手術されたちゆりで 意識はあるんだけど自分の体が勝手に動いて 殺されていく運命を傍観させられるんだ なんて考えたらちょっとおっきした 821 名前:名無しさんも私だ 投稿日:2006/11/17(金) 04 35 36 [ RLD5QjT6 ] 唯一の目撃者である小悪魔もろとも 図書館の壁に埋め込んでしまうパチュリー。 魔理沙と子悪魔の失踪はやがて忘れられていった… だが、ある日図書館で茶会を開いていると、壁の一角から声が… 「こ、こ、こぁーっ!」 823 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/17(金) 18 22 06 [ ivozZLbU ] パチェ「あぁ…早く……早く隠さないと…」 魔理沙「…………。」(ピクピクッ) パチェ「え…?」 【リザレクション】 魔理沙「うわ゙ぁああああああああああああああああ!!!!???」 パチェ「きゃああああああああああああああああ!!!!????」 魔理沙「ぜぇっ……はぁ…はぁ………な、なんか凄い恐ろしい夢を見たぜ…」 パチェ「( ゜д゜)」 こんな展開だったら正直噴く 826 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/18(土) 12 46 17 [ A4ofndI2 ] 810の続きを勝手に書いてみるぜ コンコン。不意に鳴らされるノックの音。髪が逆立つ程に反応するパチュリーと小悪魔。 「パチュリー様、紅茶をお持ちしました」 咲夜だ。メイドの咲夜だ。顔を見合わせる殺人者と死体遺棄人。お互いに思った事は一つ、絶対にこの事を気付かれてはいけない! 「小悪魔、出なさい」 「……っあ、はいっ……で、でも」 「誤魔化すのよ小悪魔何としてでも絶対に。絶対に誤魔化すのよ、バレてみなさい小悪魔そうなったら真っ先に……あなたをけしてやる」 「わ、あ、解りました解りましたから……!」 コンコン。二回目のノックの音。 「パチュリー様?」 そう、咲夜が二回もノックを鳴らすなんて事はいつもならばありえない。何故なら小悪魔は必ず一度目のノックで紅茶を受け取る。 それは咲夜の時間を少しでも取らせまいとする小悪魔の気遣いではあったが、とにかくノックを二回鳴らした時点で咲夜が少なくとも『いつもと違う何か』を感じ取ったのかも知れないのだ。 例えドアに向かう足取りがフラフラでも、涙で顔がくしゃくしゃでも、小悪魔は誤魔化さなければならない。この正直な悪魔が完全で瀟洒なメイドを誤魔化す、騙すと言うのだ。 何をどう言えばいいのか、何で私が泣いているのか、説明した方がいいのかそれとも普段と変わらぬ立ち振る舞いをすればいいのかどうなのか。 ああ、消されるのも嫌です霊夢さんやアリスさんに殺されるのも嫌です死にたくないです……死にたく無いです…… ドアノブを握り締め、ぽろぽろ涙をこぼす小悪魔。早くドアを開いて紅茶を受けとらないと。時間が1秒でも過ぎればそれだけ咲夜は『いつもの違う何か』を深めていくに違いない。 「うぅ……ぐす……っ……」 回る、ドアノブ。 無理ですダメです、パチュリー様、私にはむりです無理です出来ません……! 歯がうまくかみ合わない。肩を脚は地震でも起きているように激しく震えている。 誤魔化さないと、誤魔化さないと……! 小悪魔は何度も自分に言い聞かせる。そして、ドアはゆっくり開かれた。 「あ…あぁ……あ」 ドアは開かれる。少しづつ見えてくる。咲夜の腕、お盆、肩、いつもと変わらぬ咲夜自身。 「小悪魔?」 首を傾げながら、お盆を差し出す咲夜。それを受け取ろうとする小悪魔。 「ななな何でもないですよ、本当ですよ、本当になんにも……」 お盆を受ける指。でも震える指先では紅茶の乗ったお盆すら保持出来なくて がしゃーん!! 「ああああ、ぁあぁああーー!!大丈夫です直ぐに片付けますから咲夜様はお仕事に―――」 「小悪魔」 ずい、と顔を近づける咲夜。 「何か、あったの」 「あ、はは、何にもないですよ、何にもありません。本当ですよ嘘なんか……あ、ははははっ」 咲夜の眼は小悪魔を見つめている。それは普段と変わりない咲夜の視線ではあるが、小悪魔にはそれが自分の心臓を突き刺す槍としか思えなかった。 やがて凄まじい葛藤に耐えられなくなった小悪魔は、自分の心にひびが入り、そして崩れていくのが解った。 827 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/18(土) 13 36 02 [ vUKe/WLA ] 夜中になって死体袋をかつぎ出した小悪魔は、それを処分するために 重い足取りで紅魔館を後にした。 とはいえ、図書館を出る時から誰かに発見されないかと気が気でなかった。 普段メイドたちでごったがえす廊下。 館の主が起きてくるかもしれない庭。 門番に出くわすかもしれない城門。 今の小悪魔にはすべてが恐怖だった。 パチュリーには遺体の焼却を薦めてみた。 それは拒否された。 肉体が完全に喪われれば、魔理沙の魂は彼岸を通じてヤマザナドゥのところへ行くだろう。 そうすれば殺害は露見してしまう。パチュリーはそれを恐れ 魔理沙の肉体と魂がぎりぎりのところで分離しないように細工したらしい。 (まるで自縛霊だ・・・) 小悪魔は、主人の冷酷さにあらためて戦慄した。 友人だった魔理沙へのあまりの仕打ちに嗚咽した。 「小悪魔・・・さん、でしたよね?」 「ひッ!??」 突如かけられた声に小悪魔は短く悲鳴を発した。 振り返るや、そこには門番が立っていた。あの気さくな笑顔で。 「脅かしちゃいましたか、すいませんでした。閉門時間は過ぎていますが・・・」 「ちょ、ちょっとヤボ用を仰せ付かったんです」 「野暮用・・その大荷物ですか?」 門番は何も気づいていないようだった。 「パチュリー様の用事なら手伝いましょうか。私、力はありますから。ほら、遠慮しないで・・・」 「絵・・・いや、その、あの、これは・・・」 「遠慮しなくていいですよ、いつものことですから」 830 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/18(土) 20 59 30 [ GYN.gLDE ] 夢だ これは夢だ そうに決まっている あの魔理沙が死ぬわけがない 私が魔理沙を殺せるわけがない 「そう、これは夢、夢以外の何だっていうの」 小悪魔に死体を捨てさせに行ってからこっち パチュリーは自分のベッドで魔理沙の帽子を抱きしめながら布団に篭っていた。 「夢、悪夢、非現実、あれは魔理沙じゃない、あれは・・・」 布団の中からはぶつぶつとそんな言葉が洩れていた。 喘息なのに布団にもぐりこんでいるのだから、埃を吸って時折咳が出た。 図書館のドアが開く音がした。 今、図書館の内部にはパチュリー以外には誰もいなかった筈だ。 そうなると小悪魔が帰ってきたのか、あるいは・・・ 「パチェ、居るの?」 どうやら親友のようだ。パチュリーは帽子をベッドの下に隠すと なるべく平静を装って、レミリアを迎え入れた。 「レ・・ミィ・・・」 レミリアは己の従者と自分の使い魔を連れていた。 小悪魔はパチュリーを見るや、歯をガチガチと鳴らして涙をこぼした。 そして彼女が抱えているべき麻袋は、咲夜の手の中にあった。 「パチェ、酷いじゃない。こんな重大なことを私に内緒にしようだなんて」 吸血鬼は、あのどうしようもない威圧感を伴った笑みを浮かべながらパチュリーへ歩み寄る。 「ち・・・違うわ、違うの、レミィ、これは・・・」 パチュリーは足がすくんで動けなかった。 レミリアはパチュリーの顎を掴み、言った 「ねぇ、パチェ。なんで黙ってたの?」 「れ・・・レミィ、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」 パチュリーはレミリアの質問に答えられなかった。 ただすすり泣き、懺悔の言葉を繰り返すパチュリーが駄目であると知ったレミリアは 振り返って、その視線を小悪魔に向けた。 小悪魔は自分の股間に何か生暖かいものが伝うのを感じた。 「別に、貴方を取って食べようとは思わないわ。でも事の顛末くらい教えてくれたっていいじゃない?」 「ぁ・・・ぅ・・・ぁ・・・」 834 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 00 25 10 [ c7w/6Goo ] 紅魔館で開かれた晩餐会 肉料理がたくさん出た ステーキ、レバーの炒め物、もつを煮込んだシチュー、スペアリブ 巫女も妖精も妖怪も蟲も雀も閻魔もみんな楽しそうにわいわいと食べていた ただ魔理沙と、パチュリー、それに小悪魔が居ないのが 紅魔館での晩餐会にしては妙と 霊夢にはそう思えてならなかった 835 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 01 38 37 [ R/SirwKk ] こんなタイトルを幻視した 紅魔館殺人事件~裏返った愛情は死人に鞭を打ち、硝子細工の心を持つ従者は葛藤の日々を送る~ うん、やっぱ火サスだw 最初に犯人が判ってるからコロンボよりで、霊夢がコロンボか・・・ 836 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 01 39 08 [ kgUJ7Qes ] 834 巫女の勘が冴えますな。 …巫女さん刑事(デカ)!? 832 わくわくしてお待ちしています 書きにくさを乗り越えて頑張って下されいッ 837 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 01 55 18 [ c7w/6Goo ] 巫女さん刑事(デカ)!? 「細かいことが気になりましてねえ。私の悪い癖」(水谷豊ボイス) 838 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 02 37 22 [ P8iknddU ] 837 相棒を誰にするかが問題だな 魔理沙は今回被害者だし…… 839 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 02 53 36 [ 7btJPGf6 ] 838 ほら、そんな時こそ相棒探偵にはあいつですよ、最初にアがついて人形っぽいあいつ。 多分寂しがりやで、多分高スペックな弾幕性能で、人気抜群の つ[阿求] 843 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 15 08 50 [ JrmBX2vc ] 827 の分岐 アリスは困惑していた。 アリスは信じられなかった。 まさか、五寸釘を人形に打ち付けた深夜、 その時刻以降に魔理沙が目撃されなくなるなんて考えてもいなかった。 最初は、母から誕生日に貰った魔導書を『借りていった』魔理沙にいつもより少し憤慨して、 だから、効き目なんて無いだろうと思いつつも藁人形を作り、 例え効果があったとしても少しだけ苦しめばそれで十分だと思って釘を打った。 でも、まさか、呪った直後に失踪して三日たった今でも誰も魔理沙の行方を知らないなんて予想外だ。 何の力も無い人間が呪っただけで胸に痛みを覚えるのだから、 膨大な魔力を持つ私が呪えばそれだけ強力になる……という事なのだろうか。 嫌な予感を覚えて彼岸にそれとなく探りを入れてみたが、魔理沙は見つからなかった。 ……だからといって、彼岸にいないとは限らないが。 次に、御菓子を作って冥界の妖夢に会いに行き、 クリスマス用の料理を作ろうと思っているのだが良いアイデアが無い、 冥界ではどんなクリスマスを送っているのか気になったとか、 そんな他愛の無い話をしつつ、魔理沙の事を聞いてみたが、 最近は見かけていないという事しか分からなかった。 ……庭師の仕事が忙しくて見逃した可能性もあるが。 困った事に、文々。新聞に私が(我ながら怖い表情で) 五寸釘を打っていた事が記事になったのはそう遠い話ではない。 魔理沙がこのまま見つからなければ私を疑う人も出てくるのではないか、そんな不安が襲ってくる。 いや、失踪してはいるが霊魂はどこにもいっていないのだ。 人が死ぬと霊魂は冥界か彼岸に送られる。 と、いう事はまだ魔理沙はどこかで生きている。 私が呪ったのが原因ではないという事を確認して安心するため、 私が原因で魔理沙が失踪したのではないという事を証明するため、 そしてここまで私を不安にさせた魔理沙に 魔導書の件を含めて文句を言うため、魔理沙失踪について調べよう。 別に、あいつがいないと困るだとか、 やっぱり寂しいとか、そんな気持ちは全然ない、これっぽっちもない…… そう、このままでは私が迷惑するから仕方なく調べてやるんだ。 あいつの事なんてこれっっっっっぽっちも気にしてないんだし仕方なくだ! そう自分に言い聞かせて私は身支度を整えた。 まずはどこから調べるべきか…… 続かない? 847 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 19 59 52 [ JrmBX2vc ] 843 の続きを書いてみたり。 [魔理沙失踪三日目] 朝から晩まで、聞き込みをして分かったのは次のとおりだった。 失踪当日、魔理沙は博麗神社の賽銭箱からいくらかの賽銭を抜取ろうとするも中身が無くて失敗。 霊夢をからかってから私の家に向かい、昼食がてら魔導書を『借りる』。 ここまでが午前。 午後から香霖堂に向かい、いくつかの漢方薬の材料を選んで不用品と交換、何を交換したのか、何の材料を持っていったかは不明。 迷い家上空を飛び、慧音の里へ向かって(魔理沙にしては珍しく)御金を払って饅頭を箱買いする。 そして永遠亭に赴き、永琳から漢方薬の調合方法を数時間に渡って学んだらしい。 何の漢方薬なのかを尋ねてみたが、的を得ない返事しか帰って来なかったため、 おそらく医薬品や健康補助以外……という事なのだろう。 午後6時頃に永遠亭を出て、紅魔館でレミリア達と遅めの夕食を取ってから図書館で『金枝篇』と『無名祭祀書』を持ち出そうとする。 それを見たパチュリーと1時間程弾幕ごっこををするも二人共、咲夜に図書館で暴れて本を散らかした事を怒られる。 最後に門番の……確か、メイヤという名前だったか、 彼女が守護する門を咲夜に見送られて(むしろ、怒られた直後なのだし監視されてというべきか?)飛び去った以降の足取りは不明。 門番と咲夜の話ではこの時の時刻はおおよそ午前1時。 だとすると、失踪は紅魔館から自宅に戻るまでの午前1時以降と、 自宅に着いたであろう午前2時から翌日霊夢が訪れる午前11時頃までの間という事になる。 ……私が五寸釘を人形に打ったのが午前2時、 人気の無い場所を選んで10分ぐらい打ち続けたがまさか本当にそのせいで魔理沙は失踪したのだろうか。 いや、呪いの藁人形に人を失踪させる程の力があるわけがない。 それに、呪いが効果を発揮するのは三日三晩続けた場合だ、私はあれが初日だからそもそも呪いは発動しない。 魔理沙自身も誰にも行き先を告げず、誰ともあわずに今日まで過ごす様な奴じゃない。 呪いでも、魔理沙の意思でもないとしたら、誰かが何らかの理由で魔理沙を『隠した』……という線が無難なのだろうか。 ……………………誰が、何のために? 分からない、魔理沙自身はあんな性格だがそこまでされる程の恨みを買うとは到底思えない。 五寸釘を打ち付けた私が言うのもおかしな話だけれど…… 何で……怒っていたとはいえあんな事をしてしまったのだろうか…… ……幻想郷中を飛び回って今日は疲れた。 もう夜も遅い事だし、心身ともに疲れたから少し休むべきだろう。 頭が疲れきった状態では分かる物も分からなくなってしまうのだから。 例え眠る気になれなくたって、目を閉じて体を休めなきゃいけない。 私はそう考えると、ふかふかのベッドに身を投げた……。 『どうか、明日にはひょっこりと魔理沙が現れて、私を安心させてくれます様に……。』 850 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 21 42 17 [ DoBi/U/. ] 「あ…ぁぁ…ぁ…」 「はぁ…はぁ…、っご、ごめんなさい、ごめんなさい…アリス…! けど、こうするしか方法はなかったの…! 私が魔理沙を殺したなんて…、ばれない為には…!」 852 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 22 02 11 [ 3Vj7wm9Y ] ところでパチュリー、魔理沙を知らない?最近見かけないの 「貴方の目の前にいるわ」 え? 「今貴方が食べてるスペアリブよ」 え・・・え? 853 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/19(日) 22 12 59 [ pDJODNKI ] ところでパチュリー、魔理沙を知らない?最近見かけないの 「貴方の目の前にいるわ」 え? 「魔理沙の顔を忘れたの? ほら、ここにいるじゃない」 だ、だってこれってドクロ・・・ 870 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/20(月) 12 25 22 [ lkqaqsUU ] 827と 830の間を埋めてみる 空気読めてない気がしないでもないし 自分の文才が(略 「すみません!!」 袋を持とうとする美鈴を突き飛ばし小悪魔は全速力で飛び立った 美鈴サイド 「私何かしたのかな……」 飛んでいく小悪魔を見ながら美鈴は呟く 「ちょっといいかしら」 「あ、咲夜さん……」 「もうそろそろ休憩でしょ、ちょっとお茶につきあいなさい」 「でもそろそろお嬢様を起こす時間じゃ……」 「17分40秒後よ」 「さいで」 他愛のないことをしゃべりながらティータイムはすぎていく…… 「そうそう、今日は魔理沙さん帰ってないみたいですけど、今日は泊まりですかね~」 「なんですって?」 「はい?」 「今日、魔理沙が帰ってない?」 「え……あ、はい」 「門以外から出たとか」 「その場合私に連絡がきます」 「そう……」 「なにか?」 「いえ……なにもないわ…… それじゃ、そろそろお嬢様を起こす時間だから」 「あ、がんばってくださいね~」 小悪魔サイド 「どこに埋めれば……」 小悪魔は森を飛んでいた 悪いものは重なるものである 「いい匂いがする~」 飛ぶ小悪魔の前に現れたのはルーミアである 「その袋かな~」 「!!」 (この程度の相手なら……撃退できるはず) 「みんな~!!」 そうルーミアが叫ぶと周りの茂みから数匹の妖怪が出てくる 「!!」 (こんな量相手じゃ……守りながらなんて……) レミリアサイド 「おはようございます、お嬢様」 「おはよう、咲夜、今日も時間通りね」 「それが仕事ですので」 「それもそうね」 「ところでお嬢様、少しお話が……」 「何?」 「魔理沙が帰っていないそうです」 「図書館?」 「いえ、図書館にはいませんでした」 「まさかフランのところ?」 「いえ、妹様は一人でルービックキューブで遊んでいました、主にダーツの要領で」 「再教育が必要ね、ルービックキューブの使い方の、で……魔理沙は?」 「ほかに変わったことといえば、少し様子のおかしいパチュリー様の使い魔が大 きな荷物を持って出かけたくらいです」 「……咲夜、私の言いたいことわかる?」 「なんでしょう?」 「出かけるわよ」 小悪魔サイド どれだけの弾を回避しただろう 二、三体は撃退できたが小悪魔の体力は限界に近づいていた ついに妖怪の放った弾が小悪魔の腕に当たり袋を落としてしまう 「あ!!」 「もーらい!!」 妖怪の内一匹がそれを拾いにいく 「何をしている!!」 叫び声と共に大量のレーザーが飛来する 「慧音だ!!逃げるよ!!」 蜘蛛の子を散らす様に妖怪は逃げ出す 「大丈夫か、っとおまえは、紅魔館の……」 「え……あ、その、ありがとうございます」 「まったく……」 袋に近づく慧音 「これはおまえの……」 「あ!!」 袋を拾う慧音 「駄目です!!」 慧音を突き飛ばし袋を取り返す 「なあ……その袋の……中身は……なんだ?」 立ち上がりながら慧音は聞く その目には怒りが宿っていた 具体的に誰かはわからないまでも中身が何かは気づいたらしい 「ひ……」 「だから……なんだ?と聞いているのが聞こえないか?」 「あ……あの……」 小悪魔は腰を抜かし座り込んでしまう 「なにだ!?言って見ろ!?」 慧音その胸ぐらをつかみあげ怒鳴りつける 「死体……です」 「何の!?」 「に……人間の」 「何故だ!?」 「帰る途中で……おそらく行き倒れの……外の人間がいたので……パチュリー様に連絡をとると……『調べるからもって帰りなさい』と……」 「……もういい……私の気が変わらない内に失せろ……」 その言葉を聞き小悪魔は慌てて飛び立つ しばらく飛ぶと目の前に人影が現れた 「あら、小悪魔じゃない、こんなところでそんな荷物を持ってどうしたの?」 その人影は永遠に幼き紅い月……
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##現在書きかけ## まずはパチェのキャラ特徴を見てどういうキャラなのか理解しておくこと。 ってまだ書いてないから簡単に述べると ・発生が早く全方向に出る脅威のC射 ・強度が高く弾数が多いためほぼ撃ち負けない速射の6C ・壁となる4B ・緩急を付けれるドヨーと水柱 ここらへんをぶち撒きながらJAJ6Aでグレイズ狩りを混ぜ、チマチマダメージ取っていくキャラ 打撃は貧弱。コンボ火力は低い。固めはゴミ。 射撃バラまいてゲージ溜めてヒマワリ泡姫で立ち回り強化してゲージ溜めてを繰り返しじわじわ殺す あるいはエメとセレナでくそげーに持ち込む。 まず頭に入れておきたいのが、レミのグレイズ性能は非常に低いということ。 ダッシュと飛翔が特殊である事のデメリット。これがパチェ戦ではモロに影響する。 パチェ曰く「対レミはC射とJ6Aしてたら勝手に灰になってる」 調子こいた魔女に紅魔館の頂点が誰かを思いしらせるっきゃない。 【立ち回り】 グレイズして近付き殴る。バカみたいな話だがこれ。 基礎を徹底してミスを減らしながら捕まえる。 捕まえるまでに3割~4割食らうのは覚悟しておくこと。必要経費と割り切るしかない。 射撃はほぼ不要。たまにC射を置いておくくらい。ただしサヴァは役立つ。 B射は論外。パチェのあらゆる射撃に負ける。出す意味がないと思っていい。 C射はパチェC射を貫くが、中距離では迂回した弾が来る。 パチェ6Cにぶちぬかれ刺される。パチェ4B貫くがキャンセル早いからグレイズされる。 大事なのはC射を貫けること。中空パチェに2C先置きしてると当たってたりする。 試合の流れは 1.距離をじっくり詰める ↓ 2.グレイズミスや硬直に射撃が刺さったりグレイズ狩りを食らったりで体力4割払う ↓ 3.捕まえて2コンボ+αで5割奪う。+αは単発系やスペカ底上げ分を考慮 ↓ 4.移動起き上がりやC射暴れ、春風エメ等でターンを失い最初へ戻る ※パチェの移動起き上がりは非常に長く、基本的に両対応の重ねができない 誤魔化しながら日和らせる 「4割払い5割奪う」ここがボーダーライン。意識して試合展開を作ること。 状況によりこの割合は前後する。 [+]スカデビあれば5割以上見込める [+]キックアップ引いていれば捕まえる前からダメ取れる [+]バッドレディさんマジぱねぇっす [-]ヒマワリや泡姫を回されると4割に押さえきれない [-]エメ引かれていると5割取る前にターン終わりやすい [-]天候はマイナス要素が多い。詳細は後述の天候項目参照 相手が中空~高空を飛び回るパチェだった場合は、 不夜城握れていれば真下に張り付く。C射見てから不夜城余裕。 キックアップ宣言できていればCキックアップの角度範囲を維持する。 C射見てからキックアップでは間に合わないが、適度に出しておけばよく吹っ飛ぶ。 下飛翔でグレイズしながら来られると危険なのでそこだけは注意。 【要注意技】 C射 C射に頼ってるパチェとか怖くないし なんて気取った発言できない。普通に怖い。 困るのは中距離維持の下り低空C射と差し込みに対する地上C射。 下り低空C射は裏択J6Aと前飛翔JAがあるのがキツいところ こちらの手は ・HJA パチェがC射の場合JAAから空コン決めれる。J6Aの場合CH食らう。JAの場合1コンボ食らう ・C射 パチェがC射の場合迂回弾が当たりダウン。J6Aの場合1コンボ決めれる。JAの場合1コンボ食らう ・2A パチェがC射の場合そのまま食らいダウン。J6Aの場合お互いスルー。JAの場合1コンボ決めれる リスクリターンは勝ってるが、 (メモ)B射どうだろうか。J6Aには微リターン。 パチェC射には通らないがHJグレイズ間に合う?パチェ6Cの選択肢もある? パチェ4Bという選択肢もありそうなんだけど、使ってる人を見ない。 こちらがHJAだと微ダメージ食らう。2Aだとお互いスルー。C射だと貫き1コンボ。B射だとお互いスルー。 地上C射は差し込みDAに対して中心当てを食らいダメージがマッハ。 J6Aや3A、牽制2A等も当然狩られる。 ウォークでなら吹っ飛ばせるので早めに見せておいて相手に制限かけたい。 J6A よく見る下り低空J6A。低空というよりもう地面付いてる。 J6Aがそのままでは当たらず、ダッシュやHJすると刺さるあたりの距離に置かれる。 基本的に手が出せない。終わってから差し込みにいくと前述の通りパチェC射で追い返される。 リターン取れる対応策としてはC射先置きだが、J6A置かれる距離ではパチェC射も怖い。 飛翔残していた場合も困る。J6A一点読みなので平時は控える。 リターンは無いに等しいがB射でペチっとくのがいいかもしれない。 エメ 打撃無敵の射撃判定技。コマンドは逆だがつまりは昇竜。 判定が裏にもある+高さがあるため、レミのダッシュの性質上かなり厄介。 もちろん昇竜のため読めればフルコン叩きこめる。 射撃判定であるため、エメ来そうなとこではとりあえずダッシュだけして様子見もあり。 エメ無ければ立Aで固め継続、といきたいがダッシュ硬直のためC射暴れに発生負けして全弾ヒット食らう。当然遅らせエメにも負ける。 なのでこの様子見は 「エメ警戒してますよってアピールしてるんだから次固める時は振るんじゃねーよ」 と相手に伝えるのが主な狙いになる。 普通にガードでもいいが、エメは他の昇竜と違い前進しないので 密着ガードでも無い限り歩き立Aが間に合わない?要調査 立A間に合わないとしたら2Aor3A始動コンボとなり、リターンが安くなる。 中央だと立Aはもともと安い。 なお、ハヴェorセレナを握られてる時は非常にめんどくさい。 エメ読んでグレイズしたからフルコンしようと思ったらハヴェセレナ食らいましたーとかなるので エメ読んでセレナ読んで、と2回読み勝って初めて反確取れる。 そのためパチェ側は強気にエメ振り回してくる。どうにかしてハヴェセレナ消費させたいところ。 セレナの影に隠れがちだがロイフレ握られててもヤバい。 エメ>ロイフレが繋がる。通称エメフレア。 言い換えればロイフレが打撃無敵の割り込み5コススペカに化けるということ。 書いててふと思った。エメを引かれているからには射撃主体で固める必要があるけど 霊力3以下になるとエメガードしたのにロイフレ磨耗で確定割りとかなっちゃう? 2以下だとエメグレイズしても確定割りかな。 打撃も射撃もできないとか固めムリじゃないのこれ。 ただしスカデビ握っていれば別。 ついでに蒼天だとエメ読んでも春風で隙消しとかされるのでこれまたダルい。 エメグレイズからC射にすれば、おそらく春風するしないに係わらず確定取れる(要調査)が安くなる。 フルコン入れようと思ったらハヴェセレナと同じく2回読み勝つ必要がある。 エメ読みダッシュから更に春風読みダッシュ。ハヴェセレナ握られてたら3回読み勝たないとダメ? エメについて書きすぎた。まとめると ピラー握り→単発でも威力の高いエメがさらに底上げされる ハヴェ握り→2回読み勝たないと反確取れない セレナ握り→2回読み勝たないと反確取れない ロイフレ握り→打撃無敵のみのスカデビみたいな感じになる 蒼天→春風フォローができるのでリターンが安くなるor2回読み勝たないとフルコン入れれない 総じてめんどっちぃスキカ。 エメ引かれると途端にくそげーなりやすいから引かれる前に倒す。 ドヨー 現在、ドヨーを上手く使うパチェってのを2,3人しか知らない。 なのでほとんどのパチェと戦う時は別にドヨーは要注意技にならないんだけど一応記載。 レミからの接近に対する壁。パチェからの接近に役立つ布石。 これを出されるととにかくレミは一度引かざるをえない。 普段はレミがパチェに詰め寄るのだが、ドヨーがある間だけはそれが逆になる不思議なスキル 硬直が少ないためパチェ側は気軽に出しやすく、中距離でとりあえず置かれるだけでも結構厄介。 他にも、パチェ側がターンを握った際に固め継続として混ぜて来る 各種A>なんか射撃>ドヨーからHJで継続 みたいな。 ドヨー見てから前HJでパチェが飛ぶところをJAで狩ろうとしたら、向こうの昇りHJAに狩られまくった。 ドヨー絡まって1コンボ魔方陣。おそらくHJじゃなくて前Dも狩られる。 こちらの昇りHJAで潰せないかと試してみたがほとんど潰された。 1回通ったけどこちらが最速だったのか向こうが遅れたのかよく分からん。 ならJAとケンカせずスカらせてからターン取ればいいやと思ったが、 その場待機ではドヨー降ってくるため固め継続される。 後HJから空ダでもタイミング的にドヨーとかぶる。 距離取るしかなさそう。 パチェ相手に距離離したくないが、もともとターン取られてるんだから仕方ない。 五分状況に戻せるだけで十分。 とにかくドヨーを出されたら、ほぼどんな時でも一度引くしかない。 その際ヒマだからといってC射やサヴァ出しておくのは危険。 J6Cにぶち抜かれる。 ガマンして、相手が霊力減った事を喜んでおく。 ~おまけ~ ドヨーとエメ、どちらが強いか?というのは時折聞く話題。 「使いこなせばドヨーの方が明らかに上」 「汎用性と制圧力からどう考えてもドヨー」 とか言えばとりあえず上級者っぽく聞こえるらしいので、分かんない人はドヨーって言っておくといい。 強い弱いで言えばドヨーの方が強いのは否定しない。 が、エメの方が数倍イヤ。 ドヨーパチェ100人とエメパチェ30人ならドヨーパチェ100人倒す方が楽。 つーのは、エメぶんぶん振り回されて運ゲー持ち込まれるから 腕に差があっても簡単に五分に近づけられてしまう。 調子こいた事言っちゃえば、自分の知る限り格上のパチェがいない。同格のパチェが2,3人程度。 残り全部が格下なんだから普通にやれば普通に勝つ。 それがエメだとくそげーにされて事故る。 自分と同格かそれ以上のパチェが何人いるか?に焦点あてて考えたら ホントに上級者ならエメの方を嫌うはずだと思うんだけど、 世間ではドヨーって言った方が上級者っぽいらしい。 「ドヨーの方が強い。エメの方が嫌い」 つまりこれが最適解。ちぃ覚えた。 泡(スキカ) 泡使いとは何度か戦った事あるけど、たぶん相当キツいこれ。 泡を出されてる限りレミは殴りにいけない。 割るにはB射するしかない。しかしB射は対パチェで軽々出せない。 というかパチェ側がレミはB射撃たなきゃいけないってのを分かってるから 泡出した瞬間6C撃ちまくってくる。 他キャラのようにグレイズ調整できるならいいがレミのダッシュは固定。 打撃不可、B射は6Cに潰され、C射も6Cに潰され、サヴァも設置時に6Cに潰される という事でこちらの手は上飛翔してからJ2Bしかない。 これに対してパチェはC射やドヨーで霊力にプレッシャーかけてくる。 最初に上飛翔1回しているため、残り1回の飛翔で安全に着地できるかっていったらちょっとキツい。 無事着地できたとしてもその隙にまた泡とか出されるとやってらんない。 霊力の我慢比べになりそうな感じ。 とはいえ泡使いの強いパチェ使いがいないためよく分からない。 ブレード ヒマワリ 泡姫 セレナ ロイフレ ##メモ ・C射に不夜城 ・ロイフレはダッシュ2回からスカデビ?3回だっけ?霊力磨耗はダッシュ何回で何個? ・泡はC射何発で割れる?
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24.0. sm2049418 2008年01月16日 02 40 投稿 魔理沙とアリスとパチュリーと小悪魔の相思相愛恋占い マイリスコメント: 第二期の試運転動画。 マリ×アリ×パチェ×コアは、第1期の時にやろうと考えていた話でしたが、こんな所に来るとは・・・ で、これがまりありぱちぇこあシリーズ第一弾! 投稿者コメント: 五つの星が誘う、百合の世界・・・・ 「作者は健常者シリーズ」第二期暫定開始! タグロック:ゲーム・東方(カテゴリ)・作者は健常者シリーズ 魔理沙 と アリス と パチュリー と 小悪魔(リトル) 相思相愛恋占い☆ 本動画説明 各キャラのセリフの左下に、 ☆マークがあります ☆☆☆☆☆ これは、「甘味検知器です」 ☆☆☆☆☆ 話の内容が甘いとき、 ☆☆☆☆☆ このように、 星が点灯します ★★☆☆☆ 多く付けば、それだけ甘い話ということです。 ★★★★☆ ピチュン!するときの目安にして下さい ★★★★★ それでは始まります。 ☆☆☆☆☆ パチェ:・・・う~ん ☆☆☆☆☆ リトル:どうされました?パチュリー様 ☆☆☆☆☆ パチェ:あっ、リトル ☆☆☆☆☆ リトル:はいはい、何でしょうか? ☆☆☆☆☆ パチェ:・・・・・・・・ ★☆☆☆☆ リトル:? ★☆☆☆☆ パチェ:右手上げて! ★☆☆☆☆ リトル:ひゃっ! はっ、はいっ! (シュパッ!) ★☆☆☆☆ パチェ: 左もっ! ★☆☆☆☆ リトル: はいぃぃ~! (シュパッ!) ★☆☆☆☆ パチェ: (こちょこちょこちょ) ★★★☆☆ リトル: ふあぁぁ~、あっ、 あひゃっ、やぁぁ~ん ★★★☆☆ リトル: パッ、パチュリー、さ、ま、 あうん、わ、わきは、あっ、 ダ、メ・・・ ★★★☆☆ パチェ:これくらいの強さならガマン出来る? (さわっさわっ) ★★★★☆ リトル: ・・・っん、くっ、 これ、なら、んっ、あっ、 ★★★★☆ リトル: って、何するんですかっ! (バンッ!) ★★☆☆☆ パチェ:机を叩いてはダメ ホコリが舞ってしまうわ ★☆☆☆☆ リトル:じゃあ、そこを退いて掃除させて下さいよう ★★☆☆☆ パチェ:ねえ、リトル ★☆☆☆☆ リトル:はい? ★☆☆☆☆ パチェ: 魔理沙は、素直な子よね ★☆☆☆☆ リトル:素直と言うか、図々しいと言うか、自己中心的と言うか、毒舌と言うか、泥棒と言うか、暴れん坊というか、 ★☆☆☆☆ リトル:要は、 いい人ですね ★☆☆☆☆ パチェ:今みたいに、 「手を上げろ!」って言ったら、上げてくれるかしら? ★★☆☆☆ パチェ: そしたら、ぎゅぅっ! てしてあげるのに ★★★☆☆ リトル: 何故か私には、 こちょこちょ、なんですよね ★★★☆☆ リトル: 私も「ぎゅっ」がいいな☆ ★★★★☆ パチェ:リトル・・・ ★★★★☆ リトル:魔理沙さん以外にも、こ~んな近くに可愛い子が居るんですよ~☆ ★★★★★ リトル:って、自分で言うと、 ちょっと、恥ずかしい、かな ★★★★★ パチェ: ・・・くすっ、バカねぇ ★★★★☆ リトル: バカで結構ですよ~だ ★★★★★ リトル:バカでいいから、 私をもっと愛して下さい ★★★★★ パチェ:なら、蕩けてしまうような愛を、あなたに注いであげるわ ★★★★★ 魔理沙: パチュリーの所に行くのも久しぶりだな ☆☆☆☆☆ アリス:最近、ずっとうちに入り浸っていたからね ☆☆☆☆☆ アリス:けど、魔理沙? ☆☆☆☆☆ 魔理沙:なんだ? ☆☆☆☆☆ アリス:なんか、 ・・・・楽しそうね? ★☆☆☆☆ アリス:私より、 パチェの方が・・・・、 好き、とか・・・・ ★★☆☆☆ 魔理沙:この世にアリス以上に好きなものなんて無いぜ ★★★☆☆ アリス:本当かなぁ? ★★★☆☆ アリス:じゃあ、魔理沙の気持ちを知るために、 紅魔館に着くまで、 ★★★☆☆ アリス:「恋愛古今東西」 をやりましょう ★★★☆☆ 魔理沙:「恋愛古今東西」? ★★★☆☆ アリス:自分の恋心について、互いに言い合うの ★★★★☆ 魔理沙:なるほど、 じゃあ私から ★★★★☆ 魔理沙:アリスの声は、 私の心の奥底にまで響き渡る ★★★★★ アリス:魔理沙に見つめられると、胸がキュンとなる ★★★★★ 魔理沙: キスは甘い夢路への扉 ★★★★★ アリス:貴方の瞳に映る私は、心を奪う小悪魔さん ★★★★★ そして紅魔館へ 塩辛CM お値段以上、にとり 塩辛CM 終 魔理沙:お~い、パチュリー! ☆☆☆☆☆ リトル:おや、魔理沙さん こんにちわ ☆☆☆☆☆ アリス: こんにちわ、リトル ☆☆☆☆☆ リトル: おや、アリスさんも ☆☆☆☆☆ パチェ: 二人とも、いらっしゃい ☆☆☆☆☆ リトル:パチュリー様が呼ばれたんですか? ☆☆☆☆☆ パチェ:ええ、 ☆☆☆☆☆ パチェ:お互いの愛を再確認しよう、って言って ★★★☆☆ リトル: そっ、そうなんですか? ★☆☆☆☆ パチェ:ウソよ ★☆☆☆☆ リトル: 可愛いウソですね☆ ★★★☆☆ パチェ: けど、魔理沙に会って嬉しいのは本当の気持ち ★★★☆☆ 魔理沙:私もパチェのかわいい顔が見れて、嬉しいぜ ★★★☆☆ アリス: わっ、わたしのことは! ★★★☆☆ パチェ:アリス! ★★☆☆☆ アリス:はっ、はい! ★★☆☆☆ パチェ:右手・・・・ あっ、いいやもう (抱き☆) ★★★★☆ 散々思わせぶりな事言っておいてアリスに抱きつく尻軽女 リトル: ぎゅうっ、ですか しかも相手はアリスさん ★★☆☆☆ 魔理沙: じゃあ、私はパチュリーに (ぎゅうぅ☆) ★★★★☆ アリス:私は魔理沙☆ (抱きつきっ!) ★★★★☆ リトル:それでは、 私はパチュリー様に ★★★★☆ パチェ: リトル、正面からお願い ★★★★☆ リトル:へっ? ★★★★☆ パチェ:抱き合いましょう ★★★★★ リトル:はっ、はい! ★★★★★ パチェ&リトル: (ぎゅううぅぅぅっっ!) ★★★★★ パチェ: うう、みんな可愛いわ ★★★☆☆ 魔理沙:じゃあ、全員お嫁さんにしちゃえ☆ ★★★★☆ リトル:一夫多妻制ですか ★★★☆☆ 魔理沙:そう。で、 旦那様は、パチュリーだな ★★★☆☆ パチェ:わっ、わたし? ★★★☆☆ リトル:それで、 こう言うんです ★★★☆☆ リトル: あなた、ご飯にします? ★★★★☆ 魔理沙: それとも、私を食べる? ★★★★☆ アリス:ふぇあっ! うんと・・・・・・・ ★★★★☆ アリス:・・・・えと、 ★★★★☆ アリス:いっ、いっしょに おフロ、入ろう・・・よ ★★★★★ パチェ: すべてのスケジュールを、 こなさせて頂きます。 ★★★★★ 魔理沙:その次の日は、 私が旦那様だな ★★★☆☆ アリス:次は、わたし~ ★★★☆☆ リトル:最後は私ですね ★★★☆☆ パチェ: それで、今日は何の御用だったのかしら? ☆☆☆☆☆ 魔理沙: ちょっと教えてもらいたいことがあってな ☆☆☆☆☆ アリス: 恋のおまじないを 教えて欲しいの ★★★☆☆ リトル:お二人は、今更占う必要性があるんですか? ★☆☆☆☆ アリス:女の子は、 恋のラビリンスで迷う、 穢れ無き天使なのよ ★★★★☆ パチェ: 私が知ってるのは・・・ ☆☆☆☆☆ パチェ: 相手の目をじっと見て、 「大好き!」って連呼する というのがあるけど・・・ ★★★☆☆ アリス:・・・・ (じ~~~~~~っ) ★★★☆☆ 魔理沙: なっ、なんか緊張するな ★★★☆☆ アリス:魔理沙っ! ★★★★☆ アリス: 大好き大好き大好き大好き 大好き大好き大好き大好き ★★★★★ 魔理沙: アリス、私も好きだっ! ★★★★★ リトル: あれは、おまじないではなく、 ただの告白では? ★★☆☆☆ パチェ: 鰯の頭も信心からよ ★★☆☆☆ アリス:パチュリーも、 大大大好きー! ★★★☆☆ パチェ:え? ★★★☆☆ 魔理沙:パチュリー ★★★☆☆ 魔理沙:好きだぜ ★★★☆☆ パチェ:(コクッ) ★★★☆☆ リトル:パチュリー様、 だ~い好き☆ ★★★☆☆ パチェ:ううぅぅ、 (ドッキ、ドッキ) ★★★★☆ パチェ: このおまじない、 すごい利くわ ★★★☆☆ パチェ:これでは、 私の心の羅針盤が 狂ってしまうわ ★★★☆☆ ← →
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以下の点に注意してお読みください。 東方キャラ登場注意 ボクっ娘注意 ――12月24日、クリスマスイブ。宵の刻 紅に染まる館、紅魔館。 吸血鬼レミリア・スカーレットの居城であるこの館では、毎年この季節になると、大規模なクリスマスパーティーが開催される。 大勢の人間以外と一部の人間が招かれ、一流の従者が作った豪勢な食事と華やかなイベントを享受する、年に一度のお祭り騒ぎ。 聖者の聖誕祭を仮にも悪魔を名乗る吸血鬼が祝っていいのか、と本人に問いただせば、 『たまたまよ、私たちのパーティーの日時と奴の生まれた日が偶然被さっただけに過ぎない』 とか屁理屈にすらなっていない答えが返ってくる、 その程度のいい加減な認識の、それでも規模だけは大きな馬鹿騒ぎ。 招待者はもちろん、館で働く者たちにとっても、年に一度のこのパーティーは大変待ち遠しく、楽しみなものであった。 「こぁこぁこぁ~!こぁこぁこぁ~! クリスマス~♪」 紅魔館内部に存在する大図書館。 そこでは一人の小悪魔がパーティーの準備に明け暮れていた。 「さってと、イルミネーションの飾りつけはこれにて終了なのです。そぉれぇ、ライトアップ!!」 立ち並ぶ本棚に、何の法則性もなく適当に、それでも量だけは多く取り付けられたイルミネーションを眺め、 小悪魔は満足気に大きく頷くと、手元にあったスイッチをポチっと押した。 「おぉぉ!ピカピカ綺麗なのです!普段は主同様に情緒も優美さも可愛らしさも欠片も無い図書館が、 一瞬でクリスマス限定仕様の素敵空間に劇的ビフォーアフターなのです!」 正直、大図書館に無茶苦茶に飾り付けられたそれらの明かりは、 厳かな雰囲気を持つその場には相応しくないアンバランスなものであったが、 仕掛けた小悪魔本人は『これが匠の技なのですかー!』などとはしゃぎながら、楽しげに次の準備に取り掛かろうとしていた。 「次はテーブルの飾りつけなのです! 赤いテーブルクロスに、サンタさんの縫いぐるみ!隣にはトナカイさんも一緒なのです! おっと、これだけではまるでお子様ランチに乗っかった爪楊枝でできた国旗の如くの幼稚さなのです! ここは大人っぽい小悪魔的な妖艶な雰囲気を演出する為にワイングラスをそれっぽく置いてみるのです! きゃー、これだけで何だかちょっぴりイケナイ大人の女になった気分なのですー!」 『でもワインは苦手だから、中身は無難にカルピスサワーにしておくのです♪くっふふぅ』 と誰に向けたのだか分からないしたり顔で微笑みながら、彼女は更に準備を進める。 「ケーキの上にももちろんサンタさんなのです! 食べるのが勿体無いくらい可愛いのですぅ!そしてイチゴもたくさん乗せて‥ あれぇ、そういえばこういうケーキって、蝋燭は何本立てればいいのですか?某張り付け聖者の歳の分だけ‥? しかしそれだと余裕で二千オーバーなのです~」 「クリスマスツリーも飾り付けるのですよー! でもモミの木なんて近場に生えてないから、ロビーに飾ってあった良くわからない観葉植物で我慢しておくのです! 取り敢えず天辺に星がついてりゃ、それで良いのですよー! そーれ、リースぐるぐるー!なのです」 「そして、じゃーん、ボク自身もクリスマス仕様の限定コス『ミニスカサンタ』なのです! 帽子に付いた黒い羽根飾りと、白いニーソックス、 そして大胆に開いた両肩がアピールポイントなのですよー。 冬専用なのに、まるで耐寒性のことが考えられていないこの格好、最高なのです!! 普段はパチュリー様の趣味の、糞つまらない白黒の制服だから、こういう色可愛い服は久々なのですよ!くるくるーっと」 すっかりご機嫌な様子で、小悪魔はその衣装を見せびらかすように本棚の脇をくるくる回りながら歩を進めた。 すると、 『むきゅー』 どこかで聞いたようなか細い鳴き声が耳に通った。 小悪魔が自分の身体の回転を止め、首を傾けると、ちょうど彼女の頭と同じ位置の本棚に『そいつら』を見つけることができた。 いつ頃からか、すっかりこの大図書館に居ついてしまった、一頭身の奇妙な生もの達。 「おやおや、そこに居るのはいつぞやのむらさきもやし饅頭」 『むきゅ!』 『こぁ!』 「そして、ボクにそっくりの超癒し小悪魔系饅頭まで!いやぁ、何度見てもお前は可愛いのです~!」 『むきゅー』 『こぁこぁ~』 「まったく、寒くなってからあまり見なくなったなとおもっていたら、今まで何処行ってたのですか? それでいざクリスマスパーティーの直前に再び姿を現すなんて、ちゃっかりした奴らなのです」 『むきゅー!』 『こぁー!』 「はいはい、分かったのです!特別にお前らもパーティーへの参加を許可してやるのです!」 『むきゅ?』 『こぁこぁー?』 「ふふふ、『そんなこと下っ端であるお前が勝手に決めていいのか?』とでも言いたげな顔ですね? 心配することなんざ何もないのですよ?だって‥」 ――同時刻、紅魔館ロビー。 いつもなら大勢の屋敷下部妖精で賑わっているはずの、 例年通りなら多くの客人と豪華料理、そして楽しげなイベントで賑わっているはずの、 この館で一番大きく忙しないはずの空間。 そこは現在、 誰の姿も見つけることができず、 何の音も聞こえることがなく、 絢爛豪華なシャンデリアどころか蝋燭一つの灯りすらない、 簡潔に申すなら“空虚”の二文字で表せる空間になっていた。 「だって、今紅魔館に居るのは、 クリスマスだってのに‥、 誰にも御呼ばれさないで、 何処に行く宛も無く、 孤独に過ごそうとしているのは」 小悪魔は、淡々と言葉を紡ぐ。 「ボクだけなのですから」 『‥‥』 『‥‥』 人外の饅頭二人は何も喋れなかった。 気づいてしまったからだ。 それまで無邪気に意気揚々にワクワクしながらパーティーの準備をしていた彼女は、 言動こそ楽しげに笑っていた様子だったが、 その瞳には、溢れんばかりの涙が溜まっていたことに。 某デビルハンターが言っていた。『悪魔は涙を流さない』と。 皆さん、それは嘘です。 彼女は今ボロ泣きです。 2009年冬企画 『間に会うかもしれないパチェさん』 ――同時刻。 幻想の境界、博麗神社。 「それじゃ、適当に始めましょうか。博麗神社のクリスマスパーティーよ!」 ――『博麗神社クリスマスパーティー』 ――主催者、博麗霊夢。 「まったく‥、祭事となると異教異文化見境なく馬鹿みたいに宴会騒ぎなんだから‥、 卑しき地上の皆々様はもう少し節度というものを学ぶべきだわ」 「萃香ー。そこで大吟醸がぶ飲みしてる天人さんがお帰りよ。ぶん投げてあげなさい、雲の上まで」 「おーけー、紫ー」 「あ、ちょっと待ってくださいー。そんな劇的な瞬間、何が何でもカメラに収めなければ」 参加者、比那名居天子。八雲紫。伊吹萃香。射命丸文。 「まぁ、極々偶にはこんな辺鄙で狭苦しい犬小屋みたいな神社でクリスマスを過ごすのも一興だわ。 人が集まりすぎて窮屈この上ない上に、出されてる料理は三流だけどね」 「萃香ー、こっちの吸血鬼もお帰りよ。ぶん投げてー、流れる川に」 「やっだぁ、霊夢ったらぁ!冗談に決まってるジャン!私神社とか神聖な雰囲気の場所って超好きなんだからぁ! 今日は招待してくれてありがと!レミィすっごく嬉しかったゾ!」 「寄るな触るな引っ付くなウザイ」 そして、紅魔館の主、レミリア・スカーレット。 ――同時刻。 死者の邸、白玉楼。 「という訳で‥、これより従者慰労クリスマスパーティーを‥」 ――『従者慰労の会 クリスマスパーティー』 ――主催者、魂魄妖夢。 「ひゃじめたいと思いにゃす!!みょん!!」 訂正。 ――主催者、酔って理性のタガがはずれかけた魂魄妖夢。 「あの半人半霊、もうベロンベロンじゃないか」 「あのぅ、何があったんですか?」 「うん、まぁちょっとね。早苗達が来る前に色々あったのよ」 「ここは空気を読んでそっとしておくべきですかね?」 「そっとしておくってか、そっとしそうにもない動きだよ、あいつ。目とかぐるんぐるんだし」 参加者、ナズーリン。東風谷早苗。鈴仙・優曇華院・因幡。永江衣玖。小野塚小町。 「あーもう、畜生ー。幽々子様死んでくんねーかなー。あの夜雀と一緒に死んでくんねーかな、マジ死んでくんねーかなー」 「いや、もう死んでるから。貴方のご主人様これ以上ないくらい亡霊だから、ね」 「咲夜さんは良いですよねー!主人が幼女だよ、幼女!つるぺただよ!うちのおっぱいお化けとは偉い違いだよ!!」 「落ち着いて妖夢、胸の大きさは関係ないから」 そして、パーフェクトメイド長、十六夜咲夜。 ――同時刻。 妖怪寺、命蓮寺。 「という訳で、これよりクリスマス魔女の集いを開催致します」 ――『クリスマス魔女の集いin命蓮寺』 ――主催者、聖白蓮。 「姐さん、本当に始めちゃったよ。お寺でクリスマスパーティー」 「シュールだなー」 準備した人、雲居一輪。村紗水蜜。 「この度はお招き有難う、聖さん」 「白蓮でいいのよ、アリス・マーガトロイドさん」 「始めて来たけれど、これが“寺”という建築物なのね。神社とどう違うのかしら?」 「良ければ私の弟子に後ほど説明させましょうか?パチュリー・ノーレッジさん」 「いやぁ、私は魔女なんかじゃないのに、押し掛けてしまって済まないねぇ」 「この寺は、妖怪でしたら何時でも誰でも大歓迎ですわ、河城にとりさん」 参加者、アリス・マーガトロイド。パチュリー・ノーレッジ。河城にとり。 「魔理沙もお久しぶりですね。ようこそ、命蓮寺へ」 「ああ、御招き大変有難いが」 そして、普通の魔法使い、霧雨魔理沙。 「どうして私はいきなり雁字搦めに縛られてるんだぜ。 今日は純粋に祭りを楽しみ来ただけの善良な普通の魔法使いだってのに」 訂正。堅いロープで縛られ吊るされた霧雨魔理沙。 「それじゃ、始めましょうか。クリスマスパーティー兼、魔理沙の蒐集癖を矯正する会を」 「おい、アリス!今なんて言った!?」 「ルールは簡単、遊びに来たら取り敢えず盗む、他人のスペルカードも平気で盗む、 呼吸をするように物を掠める、魔理沙は大変なものを盗んでいきました(実害的な意味で)、 そんな盗みが生活の一部となってしまった悲しき不良魔法使い、 霧雨魔理沙に正しき善の心を取り戻すこと、それがこのイベントの目的です。 ちなみに、魔理沙の心に一番深い傷を刻み込んだ人が優勝です」 「待て、白蓮。改心させるのにどうして心に傷が刻み込まれる必要があるんだ!?」 「道具は一人一個までだったよね(ギュィィィィンン)」 「道具って何!?その怖いドリル回転音は何だよ、にとり!?」 「殺しちゃったらその場で失格よ。手加減を見誤らないように。身体ではなく精神を削ることに重点を置くこと」 「その言い方だと身体も多少削ることになっていませんか!?パーチュリーさん!?」 「大丈夫よ、魔理沙」 「全てが終わったころにはきっと」 「もう二度と悪事ができないぐらいの」 「純朴な乙女に生まれ変わってることでしょうから」 ケタケタケタケタ、妖怪寺に魔女達の笑い声が高らかに響き渡る。 「わ、私の傍に近寄るなぁぁぁあああああ!!!」 ――同時刻。 「うわぁ、雪が降ってきたよ、美鈴」 「ええ、綺麗ですね。フランドール様」 「もう!今日はフランって呼んでって言ったでしょ!」 「あ、そっか。ごめんね、フラン」 「まったくもう‥!」 普通にデート。 紅美鈴とフランドール・スカーレット。 ――同時刻。 「お休みだー」 「お休みだー」 「でもさみぃ」 「はやく家帰ろうよー」 普通に休日。 その他大勢の妖精メイド達。 そして、舞台は再び、紅魔館の大図書館。 「という訳で、今年はパチュリー様、お嬢様、妹様、メイド長、門番長、 みんなみーんな別の約束に御呼ばれしたので紅魔館のクリスマスパーティー中止なのですよー。 小悪魔は今現在この館でホームアローンなケビン少年なのですー。 でもケビン少年には想っている親兄弟が居ますが、小悪魔にそんな優しい人は居ないのです!ケャハハハアハハハ」 その空気は、シンプルに、 ただシンプルに、重かった。 『むきゅきゅ‥』『こぁぁぁ‥』 言葉を持たぬこのゆっくり達に耐えられるものではとてもない。 2匹ともあまりのショックに白目を向き口をあんぐり開け、いわゆる『うわぁああああ』といった形相だ。 「ちなみにぃ、パチュリー様に至っては」 『人里に新しくできた寺の連中に面白そうなパーティーの御呼ばれしたから行ってくるわ。 はぁ?図書館でのクリスマスパーティー? そういえばそんなこと言ってたわね。分かったわ。 できたらなるべく早く帰ってこれるよう努力を試みるかもしれない可能性を考えておくべきかどうか運命の分かれ道の選択肢に追加しておかなくもないわ。 もしかしたら間に合うかもしれないわね』 「とあやふやさ全開な言葉で濁らせられたのですー。ていうか間に合わせる気0%なのですよー」 だからもう独りっきりのクリスマスは確定事項なのですよー、と、なんでもないような笑顔に見える泣き顔で語る。 「あ? たった一人なのにボクがクリスマスパーティーの準備していたのか不思議だっていう顔しているのです。 えっへぇへぇ、それはですねぇ」 小悪魔は両手をパチンと合わせてまた笑顔、に見える泣き顔。 「このあと、思い切り暴れまわって全てぶっ壊すためなのですよー」 そう嬉しそうに語る彼女の目は、そのなんというか‥、色がない。 レイプ目と言えばわかりやすいだろうか、宿る生気が皆無に等しい。 『‥‥』『‥‥こぁ』 ゆっくり達、笑えない。 「自分で‥、懇切丁寧に‥、楽しく、理想のクリスマスパーティーを思い描きながら‥、 たくさん頑張って‥、苦労して準備した‥、この料理も‥、飾りつけも‥、サンタさんの縫いぐるみも‥」 震える声。 小悪魔は、それでも口元で笑いながら、 「ボクの手で準備したものすべて、ボクの手で全部壊すのです」 「ハッハハァ、ハアハハハハハッハハハハァァァ!ハハハハアハハハハハハハハアハ!!!!」 高らかに、とても高らかに小悪魔は笑う。 でもそれの伝える感情は歓喜などでは決してない。 この状態を仮にカタカナ4文字で表すとすれば、アレだ。 ヤンデレ。 問題は、デレる対象がどこにもいないことである。 デレる対象がいないヤンデレって、あんたそれはただの悲しい人です。 『‥‥』『‥‥‥』 ゆっくり2匹。 駄目だこいつ、早く何とかしないと、的な表情。 「さてと、言葉様ばりの笑顔を振りまいたところで、さっそくこのクリスマスを『だむ ですとろ~い』なので‥」 『むきゅむきゅー!!』 「あいたぁ!!」 紫饅頭による、馬鹿なことはやめるんだ!的な体当たりが小悪魔の顔面に炸裂! 小悪魔はバランスを崩しその場に腰を落としてしまった。 「な、何をするのですかー!!」 『こぁ!こぁこぁこぁー、こぁこぁこぁ!!』 自暴自棄になってどうするの! こんなに一生懸命準備をして‥、 クリスマスパーティー、凄く楽しみにしていたんでしょ! それを自分の手で壊すなんて、悲しいことはよして!! 的な小悪魔風饅頭の説得、のような気がする叫び。 「楽しみだったから‥、ずっとずっと楽しみにしてたから‥、 だからこんなに悲しいのですよ!!こんなに涙が出るのですよ!!」 小悪魔、何故か通じる。 「でも、もうどんなに泣いたって‥、みんな‥みんなボクを置いて行ってしまったのです‥。 ボクは‥ボクはもう独りぼっちなのです!!」 『むきゅぁぁあ!!!』 「あう!!」 バチコーン! てな感じに、紫饅頭のお下げによるビンタが小悪魔の頬に炸裂! 『むっきゅむきゅむきゅぅぅぅぅううう!!!』 甘ったれるんじゃねぇ! お前は小悪魔だろ!誇り高き魔族だって自分で言ってただろ!! 孤独になんか負けんじゃねぇ! 他人がちっと期待した通りに動いてくれなかっただけでこの世の終わりみたいな顔すんじゃねぇよ! 的な突然の一方的な説教をやっぱり叫んでいた気がする。 「そんな‥、どんなこと言われたって、もう手遅れなのです! ボクだけで‥ たった独りじゃ‥、何も、何もできる訳ないじゃないですかぁ!!」 小悪魔、やっぱり通じる。 案外レベルの近い生き物同士なのかもしれない。 『むきゅぁぁ!!むきゅむきゅむきゅむきゅむきゅ!!!』 「あぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅあぅ!」 グルドガッドダッーンダダダダダダダダダダダダ! 紫饅頭が今度は左右両方のお下げで小悪魔の頬に往復ビンタ‥、したはずなのだが、 効果音はどう聞いてもそういうレベルじゃありませんでした。 だからって、ここで自分の不幸に酔って、ヤンデレ演じて、それで全てを壊せればそれで満足なのかよ! ちげーだろ!そんなの絶対間違ってるだろ!! お前はずっと待ってたんだろ、誰も不幸にならず、皆で笑い合える、 そんな誰もが望む最高のクリスマスパーティーって奴を! だったらそれはまだ終わってねぇ!始まってすらいねぇ! ちょっと長いプロローグで絶望してんじゃねぇよ!! 幻想殺しみたいな、紫饅頭先生によるスーパー説教タイム、のような気がする熱の入ったシャフト。 その剣幕に呆然とする小悪魔に、小悪魔風饅頭がそっと近づき、彼女の胸にぴょんと飛び乗り、 口に咥えていた何かをそのまま彼女の胸の上に落とした。 「これは‥」 それは、10円玉硬貨ぐらいの大きさの、安っぽい玩具のロケット。 人間用に作られたもののようで、首からぶら下げるための細長い鎖が通されている。 そして、その中に飾られた一枚絵は、子供が描いたような稚拙な、 それでも確かな暖かさを感じる手作り感に溢れた、一人の少女の似顔絵だった。 「ボクの‥、絵?」 『こぁこぁこぁ!』 二人で、作ったの。 クリスマスだから、何か、形に残るものを贈りたくて。 普段、とってもお世話になってる友達に‥。 こんな簡単なものでも、私たちには凄く時間がかかったけど‥。 ねぇ、独りだなんて、悲しいこと言わないで。 あなたには、私たちが居るじゃない。 人間や妖怪に比べれば、取るに足らないちっぽけな存在かもしれないけど、 それでも、私たちはあなたの友達でしょ! 多分こういうそんな感じの意味が込められた言葉なんだろうなぁ、と思われる小悪魔風饅頭による告白。 「お、お前たち‥」 『むきゅ』 手を伸ばせば届くんだ。 いい加減始めようぜ、小悪魔! 的に熱い瞳で紫の饅頭は小悪魔のことを真っ直ぐ見つめた。 「ぼ‥、ボクは、馬鹿でした。ボクのことを、こんなに思ってくれる仲間が、友達がいるのに‥」 小悪魔はもらったロケットを強く握り締め、再び瞳から涙を零し始めた。 だがその涙は、さっきまで流していたものと、同じ種類のものではない。 「ボクはそんな当たり前のことも忘れて‥、勝手に、自暴自棄になって‥、馬鹿なのです」 小さく首を振ると、小悪魔は手を伸ばし、小悪魔風饅頭を優しく抱きかかえた。 「そんなボクを友達と言ってくれて、ありがとう‥なのです」 『こぁこぁ~』 聞きたかった言葉を聴けたからか、 やっと友達から悲しみ以外の感情を見つけることができたからか、 小悪魔風饅頭は満足そうに微笑んだ。 『むきゅ』 その様子を見て、やれやれといわんばかりの呆れ顔で紫の饅頭は首を横に振った。 「お前にも、一応礼を言っておくのです。 でも、さっき散々なぶられた痛みは、いずれ返して差し上げますのです」 涙目、かつ顔を真っ赤にしながら、 怒っているのか、照れているのか判断に困る表情で小悪魔は対象をキッと睨みつけた。 『むきゅ』 悪態をつく小悪魔に対し、やってみろ?と言わんばかりの小ばかにした表情をする紫饅頭。 だが、その顔はどこか満足そうだった。 「という訳で、遅れた分を取り戻すのです、野郎共!!今日この日、紅魔館に居るのはボクたちだけ‥、 つまり、今日一日はこの小悪魔がこの館の主なのです!! 好き勝手暴れ騒ぎ放題なのですよー!!!」 『むきゅー!』『こぁー!』 以上の非常に長い茶番を乗り越えて、今やっと小悪魔のクリスマスパーティーは始まった。 用意された料理といえば事前に作ってあった1ホールのケーキと、 もともと買い置きしてあった数種類の菓子類、 それとワイングラスに並々注がれたカルピスサワーだけ。 それでも一人と二匹にとっては十分すぎる量だ。 『むぎゅむぎゅ』『こぁこぁ』 ボリボリと適当に、だが幸せそうに菓子類を頬張る二匹。 「それでは、鬼の居ぬ間に何とやら‥、 まずはこのボク、小悪魔による、我が主人紫もやしについての愚痴大会を開催するのです!!」 『むきゅー‥』『こぁー‥』 「『おいおい、また身内の愚痴かよ‥』なーんて顔してねーで聞きやがれなのですー。 こちとらクリスマスにシカトされて片腹大起立なのですからー」 「面白そうな話ね。聞かせてもらおうかしら」 「お~さっすが、パチュリー様は話が分かるのですー‥、それじゃ話ますですよー!」 小悪魔、元気よく愚痴を始めようと思うも、 「あれ?」 さっきの会話に物凄い違和感、というか異物感、寧ろいつも通りの自然感を感じて、 「れれ?」 つまり、聞き慣れた声がしたような気がして、後ろを振り向いてみる。 「構わないわ、続けなさい」 彼女の背後にはいつの間にか、寧ろいつも通りと言うべきか、 彼女の主である魔女、パチュリー・ノーレッジの姿があった。 「いやいや、これはないのです」 「何が、かしら?」 「いくらなんでもいつも通りのパターン過ぎなのです。 ボクがパチュリー様の悪口とか陰口とか陰湿な噂とか卑猥な噂とか愚痴とか垂れ流してる時に限って、 ボクの背後のパチュリー様出現確立が上昇の一途を辿り過ぎなのです。 この一連の流れには作為的なものを感じざるを得ないのです」 「あなたがどんな場所でも構わず馬鹿みたいに大きな声で喋り始めるのがいけないんじゃない? ついでにさっきの“馬鹿みたい”は“大きい”を強調しているのではなく、 言葉どおりに貴女自身を修飾していると補足説明を加えるわ」 「その冷たく無駄に具体的に言い放たれる毒舌は間違いなくパチュリー様‥、え?でもどうして‥」 現在の時刻は宵、と言ってもまだ深夜と呼ぶには早すぎる時間帯だ。 アルコールの類が振舞われるはずのクリスマスパーティーがこんなに早い時間帯に終わるはずがない。 幻想郷の住人で宴を好まない者は殆ど居ない。 故に、一般的にクリスマスのような一大パーティーでは、宴は朝まで続くのが通例なのだが。 「どうして、こんなに早く帰ってきたのですか?」 そう、いくらなんでも早すぎる。 この時間帯じゃ二次会どころか一次会すら終わってるかどうか怪しい時間帯だというのに。 「そんなこと、どうでもいいじゃない」 だが、パチュリーはそんな当然の疑問に介せず、その淡白な瞳で小悪魔を見つめた。 「今重要なのは、今日のお仕置きはロイヤルフレアとサイレントセレナ、どっちが良いって話だけよ」 「いぃぃいいい!?エクストラスペル以外の選択肢はないのですかー!?」 いつも通りの摂関を食らう流れだと頭で理解するより速く心で理解した小悪魔は、 頭を抱え震えながらも衝撃に耐えようと目を瞑った。 「じゃ、今日は奮発してどっちも行こうかしら!?」 「ひゃい!? そ、それはいくらなんでも鬼畜過ぎなのですぅぅう!!!」 パチュリーが片手に持っている魔道書が魔力を秘めた輝きを集め、その高明度を上げていく。 小悪魔は半分諦めの境地で、責めてテーブルの上のケーキは潰れなきゃいいな、と片隅に思いながら、 近いうちに訪れるであろう痛みを恐怖の感情と共に待ち構えた。 「なんてね」 ――ぱたん しかし、小悪魔に届いたのは静かに本が閉じられる音だけだった。 「ほえ?」 「見逃してあげる、今日は疲れてるから」 釈然としない面持ちで小悪魔が目を開けると、 パチュリーはすでに小悪魔の元を離れ、図書館の離れにある自室へと歩を進めていた。 「明日からこの館も通常営業よ。その無駄に寄せ集めた飾り付けも明日までに片付けておくのよ。 それと、あまりはしゃぎ過ぎないうちに貴女も寝なさい」 「は、はいなのです」 その余りにも潔い、仮にも主人を馬鹿にした言動を取っていた自分への対処としては優しすぎる処遇に、 小悪魔は一片の違和感を感じた、 (そういえば疲れてるって‥、確かにちょっと顔色が優れていないように見えましたのですが‥) が、 「何はともあれ苛められずにすんで良かったのですー!パーティーを再開させるのですよー!」 あまりそういうことを深く考えられる性分ではなかった。 「いやぁ、場に軽い緊張感を走らせてしまったのですー。すみませんなのでしたー」 『むきゅー』 「あれ?」 テーブルを見やった小悪魔はそこに“ない”一つの違和感に気づく。 いつの間にかテーブルの上にのっている饅頭は紫色のそれだけになっていた。 「ボクそっくりのキュートなあの子は何処行ったのですか?」 『むきゅー』 「ふー」 廊下に出たパチュリーは、疲れたように壁に身を預けて、大きなため息をついた。 それと同時に、ずるずると壁に身を預けたまま身体を床に落とす。 「コホ、コホッ、まったく‥私ともあろうものが、柄にもなく急ぎすぎちゃったわね」 持病の喘息が治まるまで休憩しよう、そう判断した魔女は冷や汗を流しながらその場に蹲った。 「それでも‥」 思い出されるのは、今日の朝まではつけていなかった、小悪魔の首に飾られていた玩具のようなロケット。 そして、彼女の嬉しそうな笑顔。 「結局私は‥、間に合わなかった訳ね」 どこか自嘲めいた笑みを浮かべながら、パチュリーは自分の懐から小さな箱を取り出した。 ピンクの可愛らしいリボンで包まれた、一目でプレゼント用だと分かる小箱。 「これじゃ最初から、参加するのは本命だけにしておくべきだったかしら‥、まぁ、今更遅いか‥」 『こぁー』 「‥‥、こぁー?」 突然聞こえた奇怪な声に、パチュリーはきょとんとしながらも声のした方向に振り向いた。 『こぁこぁ!』 そこにはパタパタと笑顔で羽ばたく、自分の使い魔みたいな顔をした饅頭のような生物が飛んでいて、 「あ」 いつの間に盗られたのだろうか、そいつはさっきまでパチュリーが持っていたはずの小箱を器用に咥えていた。 「ちょ、ちょっと待ちなさい。まさかあなたそれを‥」 『こぁー!』 パチュリーが言い終わる前に、その小悪魔風饅頭は嬉しそうに風を切って飛んでいってしまう。 「ま、待ちなさい!それは駄目!持ってかないでー!!」 「あ、戻ってきたのです」 小悪魔風饅頭が居なくなってから、その辺の本棚を適当に探索していた小悪魔は、 捜索対象がこっちに大はしゃぎで飛んでくるのを見つけて安心そうに息をついたと同時に、 「あれ?パチュリー様まで?」 その後ろを必死に、だけど喘息のせいで苦しそうに息をつきながら走ってくる自分の主人の姿も見つけて、 何があったのかと首を傾けた。 『こぁー♪』 小悪魔風饅頭は、彼女の頭の上まで滑るように滑空すると同時に、ぽとりと小さな箱を落とした。 「なにですか?」 反射的に小悪魔はその小箱をキャッチ、ぽかんとした表情で眺める。 何のことはない、ピンクのリボンで巻かれただけのただの箱。 中身は気になるところだが。 「ま、駄目よ!小悪魔!!!」 「ひゃい?」 「そのままストップ!ストップよ!動かないで!」 「パチュリー様?これはいったい!?」 「口答えするな!絶対その小箱を開けちゃ駄目よ!あと、読んじゃ駄目!」 「読む?」 箱に対し『開けるな』という命令は理解できるが、『読むな』とはいったいどういうことだろう。 そんな疑問と共に、小悪魔は半ば反射的にもう一度、その小箱のことを見てしまった。 「おや?」 よく見ると、リボンが縛っているのは小箱だけではない。 小箱とリボンの間に、小さなメッセージカードが挟まっていた。 「これは‥何か書いてあるのですよー」 「だから読んじゃ!!」 だが、文字とは視覚的に一瞬で頭の中に入ってくる情報だ。それがシンプルで短い文章なら更に。 そして、受け取る側の人間が待ち望んでいるような情報なら、それはなお更に。 パチュリーの静止は、最初から意味をなしていなかった。 親愛なら我が使い魔へ いつもお仕事ご苦労様。 By.パチュリー・ノーレッジ 「あぁあああああ!!!」 パチュリーは目を見開いて、その短いメッセージ熟読している小悪魔の様子をも見て、 自身の静止が完全に間に合わなかったことを悟りながらも、 顔を真っ赤にして、恥ずかしげな叫びをあげてしまった。 「‥‥‥、開けるのです」 「ちょっとまっ!!」 普段ないくらい冷静に、その目をギラギラと輝かせ、 小悪魔は小箱のリボンを手早く解き始める。 小箱は見た目の通り、難しい造りはしていなかった。 だから、その中身はすぐに日の目を浴びることができた。 「これは‥ロケットなのです」 それは、綺麗な装飾が施された、純金製のロケット。 首にかけるための鎖までもが金で作られているようで、 先ほど饅頭たちにもらったものとは比較にならない程の重量感と、価値の高さを持っていることが伺える。 「だ‥だって、しょうがないじゃない!」 パチュリーは自分の今の表情が小悪魔に覗かれないよう顔を伏せながら、 観念したように声を押し殺すように小さな声で続ける。 「まさか‥、ここのゆっくり達とプレゼントが被っちゃうなんて‥想像できる訳ないし。 それに、貴女は私がいなくても楽しそうにしていたし。 あんな空気の中で、そんなもの、渡せる訳‥うばぁ!」 だが、その言葉は途中で打ち消された。 言葉によってでなく、半ば強制的に。 実力行使で。 小悪魔の、懇親の抱きつきによって。 小悪魔は、基本的に人の話を聞かない娘です。 「パチュリー様っぁぁぁぁぁ!!!大好きなのです!」 小悪魔は手に取ったばかりの純金製のロケットを手にぎゅっと掴みながら、 満面の笑顔で、本当にこれ以上ないくらい嬉しそうな笑顔で、パチュリーに唐突に抱きついてきたのだ。 そして、そんな体当たりに近い抱擁に貧弱な魔女の身体が持つ訳がなく。 「ひ、ひにゃぁああああ!!」 パチュリーはそのまま床に倒れ、小悪魔がパチュリーを押し倒したような形になってしまう。 「ま、待ちなさい!小悪魔!そんな格好で抱きかないでー!!」 長い間描写しなかったので忘れていたかもしれないが、 小悪魔の現在の衣装→ミニスカサンタコス、である。 「パチュリー様!パチュリー様!パチュリー様♪」 小悪魔は、本当に人の話を聞かない娘です。 もう本当に嬉しそうに、悪魔らしく獣らしく、獣っていうか子犬っぽく、 自分の額をパチュリーの胸に何度もこすりつけている。 「だぁぁ!!プレゼント一つで何でそんなに喜んでんのよ!ロケットならさっきもらったじゃない!」 こんな馬鹿みたいに喜んで。 パチュリーはさっきまでの自分の苦悩が本当馬鹿らしく感じてきた。 「だって、だって!だって!」 小悪魔はパチュリーの背中まで腕を回して、彼女の胸に頭を埋めながら更に深く抱きつく。 「嬉しかった!パチュリー様はボクの為に、クリスマスプレゼントを用意してくれた! ボクとのクリスマスのことを、考えてくれていた!」 主人が自分のことを気遣ってくれる、ちゃんと想ってくれている。 使い魔として、それ以上の幸福はない。 「ボクは、もう一生パチュリー様の使い魔なのです!これから先もずっとずぅっぅうと一緒なのです!!」 パチュリーはそんな、まるで自分の本心を隠そうとしない自分の使い魔のアクションに圧倒されながらも、 ついでに顔を真っ赤に染めながらも、 「ば、馬鹿ね。そんなの‥当然でしょ」 とても、不満気の無い、寧ろ満足そうなすねた声で自分の想いを小悪魔に返した。 『こぁこぁこぁ~!』『むきゅ』 そんな二人の様子を満足そうにテーブルの上から眺める饅頭が2匹。 まったく、クリスマスだからって自嘲しない子猫ちゃん達だぜ! とか言ってたかどうかは定かではないが、 取り敢えず、彼女らは本当に満足そうな表情をしていた。 もっしゃもっしゃと、ケーキを美味しそうに頬張りながら。 多分小悪魔の分はもう残っていない。 ――12月25日。 クリスマス当日。午後。 同図書館。 「なるほどね、だから小悪魔がいつになくはしゃいでいた訳だ。良い部下を持って幸せじゃない?」 「冗談はよして。昨日は色々疲れたわ」 「それじゃ魔理沙は最終的にどうなったのか分からないの?途中で抜け出しちゃったんでしょ?」 「ええ、ただ私が抜けた時点じゃ、まだ軽い幼児退行を起こしている程度だったわ」 「短時間でそこまで追い詰めたの!?」 「私のことはもういいでしょ。それより、レミィの方はどうだったのよ」 「あー、私んとこはいつも通りだわ。朝まで飲んで馬鹿騒ぎしてそれでお開き、平和なもんよ、 一回霊夢に本気で殺されかけたくらいで」 「あー、そりゃいつも通りで何よりね」 どうやらこの友人も自分も、今年のクリスマスはそれなりに楽しむことができたらしい。 二人は顔を見合わせニッと笑い合った。 「それでさ、パチェ?」 「何かしら?」 「あんたのその格好、何?」 「う‥、このままスルーしてくれればいいのに」 「美味しいものは最後にとっておくものでしょ」 「あー、今嫌いなものを最後に食べる奴の気持ちがよく理解できるわ」 パチュリーは頭を抱えながらも、恥ずかしげに自分の衣服の端を摘んで説明する。 「これは‥その‥、小悪魔からのクリスマスプレゼントで。まさかこんなもん用意してるとは思わなくて‥」 「その‥、御揃いだからって‥。それで、今日逃したら一年着る機会がないからって‥、せがまれて‥、 それでしょうがなくね?」 「あー、パチェも甘いわねー」 「だって涙目よ!あのイベントの後涙目でせがんでくんのよ! しょうがないじゃない!!断れる空気が欲しかったわ!!」 「なんだかんだで嬉しそー」 「ない!そんなことない!!」 「ありゃりゃりゃ、パチュリー様とお嬢様がまた口喧嘩してるのです。懲りないですねー」 遠くの方で二人の喧騒を耳で聞いた小悪魔は、呆れるように首を振った。 ちなみにまだサンタコス。相当気に入ってるらしい。 『こぁ』『むきゅ』 近場の本棚で佇んでいた二人のゆっくりも同意するように声をあげる。 「できれば、近寄って眺めてやりたいところなのですが」 小悪魔の両手は現在抱えるほどの量の本で塞がっている。 今日もまたパチュリーに図書の整理を命じられているのだ。 「ていうか、面倒だからそういうサボタージュは歓迎なのですが」 小悪魔は自分の首下を見つめ、また小さく首を振った。 「ま、今日くらいは、真面目に仕事してやるのですよ」 そして彼女はまた元気に本を抱えて運ぶ。 首下にある、クリスマスの名残を肌で感じながら。 「よっしゃー、頑張るぜなのです!」 12月25日。 紅魔館の大図書館。 そこに居る小悪魔は、二つのロケットを大事そうに首からぶら下げていた。 一つは、子供が作ったような安っぽい玩具のような小さなロケット。 中には小悪魔の似顔絵が飾られている。 そしてもう一つは、鎖も本体も純金製の立派なロケット。 中に飾られているのは、 とても無愛想で、 貧弱な喘息もちの、 ときどき彼女に酷い体罰を与えたりする、 それでも、彼女の敬愛する、とてもとても大切な、 魔女の顔写真が飾られている。 この二つのロケットは、彼女の最高の宝物だ。 ~了~ パチュこあっていいですね、小悪魔がとても可愛いです ゆっくり達もいい味を出していました。上条さんw -- 名無しさん (2009-12-28 12 37 26) 小悪魔デレすぎだろう・・・ -- 名無しさん (2009-12-28 13 00 49) パチュリーってやつツンデレ -- 名無しさん (2009-12-28 15 21 29) 前半の小悪魔、星さんちの飛雄馬くんを思い出す -- 名無しさん (2009-12-28 17 05 04) 飾り付けをしてはしゃいでいるシーンといい、某悪魔ハンターさん形無しなくらい泣いているシーンといい、 相変わらず小悪魔が愛嬌たっぷりで可愛くて最高でした また東方キャラたちや小悪魔とパチュリーのかすがいとなったゆっくり達など、 登場キャラ一人ひとりから個性を感じられ、会話のシーンを読むのがすごく楽しかったです -- 名無しさん (2010-01-02 20 18 52) 名前 コメント
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パチュリー13 12スレ目 853 うpろだ896 1月5日 新しい研究テーマを立ち上げることにした。 基礎理論は既に構築しているので、そう苦労せずに結実を見ることが可能だろう。 今日は朝から妙にメイドたちが浮き足立っていた。 もともと騒がしい連中なのに、更に落ち着きがないとなったら、大変な目障りだ。 小悪魔によると、昨晩保護した行き倒れの人間の男が、中々の男前だとの事。 実にどうでもいい理由だった。 小悪魔がニヤニヤしながら「気になりますか? 気になりますか?」とやかましかったので、アグニシャインで燃やしておいた。 1月7日 小悪魔に伴われて、人間の男が図書館にやってきた。 先日助けた行き倒れだとの事。 メイドたちが騒ぐほどの美形ではないように思う。 何か挨拶をしてきたが、面倒なので適当に目礼を返しておいた。 そのまま放っておいたらおもむろに禁書を開こうとしだしたので、慌てて止めに入った。 普通の図書館と魔法図書館の区別がついていないらしい。 結局そのまま図書館を案内することになってしまった。 別に面白くもおかしくもなく済んだが、終始おとなしくしていてくれたのはありがたかった。あまり喋るほうではないらしい。 ただ、魔法についての話をするたびに、一々驚いていたのが印象的だった。 彼が帰った後、小悪魔がニヤニヤしながら「いやあお疲れ様でした」などと言い出したので、あんたの仕事でしょうとエメラルドメガリスで潰しておいた。 1月8日 昨日の男がまたやってきた。 帰らなくていいのかと思ったが、小悪魔によると外界からの迷い人であるとの事。 魔法についての知識がない理由に納得する。 帰る方法が見つかるまでここにいることにしたらしい。 紅魔館は普通の人間が生きていくには少々厳しい環境であるように思うが、一体何が気に入ったのか。 まあ別に私には関係のないことだ。 図書館の使用許可を求められたので、騒がないこと、私の邪魔をしないこと、勝手に本を持っていかないことなどを条件に許可した。 それはわざわざ言うほどのことなんですかと不思議そうな顔をされた。悲しい。 彼は本を持ってきて、読んで、帰っていった。 去り際にまた来ますね、と言ってきたので、そう、と適当に返しておいた。 私としては、私の邪魔にさえならなければ、いてもいなくてもどうでもいい。 小悪魔がニヤニヤしながら、「恋の予感ですか?」とよくわからないことを言ってきたので、プリンセスウンディネで頭を冷やしておいた。 2月13日 今日は特筆すべきことはなかった。研究も引き続き順調に推移している。 無理をして一点挙げるとするなら、○○の姿を今日は見なかったことだろうか。 このところは毎日来ていたように思うが、あまり注意していなかったので本当にそうだったかはよく分からない。 聞いてもいないのに小悪魔が、彼が風邪を引いたらしいということをしつこく言ってきた。私にどうしろと言うのか。 それを問うと、ニヤニヤしながら「またまたあ。わかってるくせに」と意味不明なことを言ってきたので、マーキュリポイズンで沈没してもらった。 2月14日 今日は朝から妙なことを言われ通しだった。 まず起き抜けに顔を合わせるなり小悪魔が「部屋は二階の掃除用具入れの隣ですよ」と言い出した。誰の部屋だ。 朝食の席に行こうとすると廊下で門番と出くわし「酷い風邪だそうで。このたびは大変でしたねえ」と慰められた。なぜ私が大変なのか。 席に着いたら着いたでレミィが「そういえば、あいつの容態はどうだ?」と聞いてきた。私が知るわけがない。 挙句の果てに咲夜が「薬膳を作ったのですが。持っていっていただけますか?」などと言って怪しげなスープを押し付けてきた。自分で持って行けと思った。 妙な臭いに辟易しながら持っていくと、○○はベッドで眠っていた。確かに風邪のようで、高潮した頬や湿っぽい吐息がその症状を伝えていた。 ベッド脇に土鍋を置くと、その音に反応して、一瞬だけ薄目を開けたように見えたが、消耗しているのか、すぐにまた眠りに落ちていった。 看病など柄でもないのですぐに立ち去ろうと思ったが、せめて床に散乱しているシャツくらいは椅子にでも掛けておいてやろうかと手に取ると、 「おう、風邪引いたんだって? 調子はどうだ?」と言いながら扉を蹴破るようにして魔理沙が入ってきた。 しかし魔理沙はシャツを持つ私を見ると急に頬を赤らめ「あー、すまん。これを渡しに来ただけだから。義理だから全然心配しなくていいぜ」と 早口で言いながら、私に小さい箱を押し付けるやいなや「じゃあお前から渡しておいてくれよ。まあなんだ、邪魔したな」と、 困惑する私を尻目に去っていった。 意味が分からないので箱を開けると、「義理 Marisa.K」と白文字で大書されたチョコレートが入っていた。 そういえば、これまでは女所帯なので大して気に留めることもなかったが、今日は確かそういう風習がある日だった。 もっとも、男がいたとしても気には留めなかったと思うが。 それも土鍋の横において部屋を出る。なんだかよく分からないが、まだ朝だというのに異様に疲れた。 図書館に戻ると、小悪魔がニヤニヤしながら「看病イベントですね! これでフラグが立ちましたよ」とこれまた意味不明なことを言ってきたので、 ジンジャガストで薙ぎ倒しておいた。 2月16日 驚愕の事実が判明した。 どうも周囲からは、私と○○が両想いの仲だと思われているらしい。 通りで先日は皆から妙なことを言われると思った。 実際には、私と○○は会話することすらあまり無いのだが、確かに図書館の外から見ると、私に会いに足しげく通いつめているように見えるかもしれない。 良い悪いという以前に困惑せざるを得ない事態だ。実験にも身が入らない。 考えていると、間の悪いことに当の本人がやってきた。もう大丈夫なんですか、という小悪魔の質問に、ええおかげさまで、などと呑気に答えている。 こちらの身にもなってほしいものだ。 ○○がこちらを向いて、パチュリーさん一昨日の朝に来てくれましたよね、と言ってきた。あいまいにうなずくと、きっとあのスープが効いたんです、 ありがとうございますと頭を下げた。 あれは私じゃなくて咲夜が作ったものだと言おうと思ったが、小悪魔がさえぎるように「いやーそうなんですよー、パチュリー様ったら慣れない料理を 一生懸命、○○さんのためにですね」とよどみなく嘘を並べ立てた。○○はそれを聞き、よりいっそう感謝の念を深めたようだった。非常に困る。 彼はまた帰り際に改めて礼を言い、お返しには期待しておいてくださいね、と笑顔を残して去っていった。 小悪魔に目線で非難を送ると、悪びれずにニヤニヤしながら「だって本当に両想いになったほうが面白いじゃないですか」とうそぶくので、 セントエルモピラーで爆破しておいた。 2月28日 どうにも先日以来、○○が来ると調子がおかしくなって困る。 それもこれも、あの両想いだとか何とかいう噂のせいだろう。 何度か否定してみても、誰もが「またまた照れちゃって」という顔をする。まったく信じてくれないのはどういうことだろうか。 小悪魔によると、○○と私は「静かで本好き」という共通点があるため、きわめて「お似合い」であるのだそうだ。意味が分からない。 その○○は今日もテーブルの隅でページをめくっていたが、こんな状況ではその様子が気になって何度も目を向けてしまう。 一度は○○がそれに気づいて目が合ってしまい、慌てて視線をそらしたほどだ。まるでこれでは本当に恋仲のようではないかと、我ながら呆れてしまう。 そういえば○○はこの噂を知っているのだろうか。知っているのだとしたら、それについてどう思っているのだろうか。以前なら気にも留めなかっただろう 些細なことが、なぜか今はとても気になった。 あと小悪魔がニヤニヤしながら「いやあ青春っていいですねえ」と言ってきたので、エレメンタルハーベスターで削っておいた。 3月13日 本を読んでいる○○の元に狐の式神が訪れた。 そろそろ春、隙間妖怪が目覚める時期なので、それにあわせて外界に帰る算段をつけたいとの由。 ようやくと言うべきか、これで私の精神にも平穏が訪れるというわけだ。 しかしあろうことか、○○は狐に、帰るつもりはありませんと言った。 私の心臓はなぜか跳ね上がり、狐も当然驚いたが、私を見ると急ににやつきだし、何かを納得した様子で帰っていった。 そしてまた図書館は静かな状態に戻ったが、私はどうしても気になったので、なぜ帰らないのかと尋ねた。 ○○は驚いたように顔を上げたが、すぐに満面の笑みを浮かべると、僕がここに通うようになって初めてじゃないですか、パチュリーさんのほうから 話しかけてくれたの、などと言い出した。 私はそれを聞くと急に○○を見ていられなくなって、馬鹿じゃないの、と小声で言い、本に視線を落とした。 そのページに何が書かれていたのかは、あまり覚えていない。 後で小悪魔がニヤニヤしながら「あーあパチュリー様ばっかりいいですねー。私もときめきたいですー」と言い出したので、ノエキアンデリュージュで 押し流しておいた。 3月14日 そういえば結局昨日はなぜ帰らないのか聞いていなかったということに気づき、改めて今日聞いてみた。 ○○は悩んでいるようなそぶりを見せたあと、もともと帰るところなんてなかったんです、と少し寂しそうに笑った。 それを聞いて初めて、そういえば私は○○のことを何も知らないということに気づいた。知っていることといえばせいぜい名前くらいだった。 それに気づくと、私は急に○○へ質問がしたくなった。 外界では何をしていたのか。どんな本を読むのか。好きな食べ物は。そのような、まったくどうでもいい疑問は尽きることなく湧き続け、その答えを 得るたびに、私のどこかにある空白が埋まっていくように感じられた。 今日は随分と喋った気がする。今まで○○と喋った分、その数倍を今日一日で喋っただろう。 その間、本は脇に置かれたままだったが、ありえないことに、それはあまり気にならなかった。 最後に、○○は「先月のお礼です」と言って袋包みのクッキーを置いて帰っていった。 おそらく手作りだろうそれを前に私がぼんやりしていると、小悪魔がニヤニヤしながら「いらないんですかー。私が食べちゃいますよー」と 言ってきたので、ラーヴァクロムレクで撃ち抜いておいた。 3月25日 いつになく真剣な目つきの○○がやってきて、何かと思ったら愛の告白をされた。 正直○○本人よりも、「ついにやった!」という顔の小悪魔のほうが強く印象に残っている。 返事は少し待ってほしい旨を告げると、○○は分かりましたと言って、本は読まずに帰っていった。 ○○のいないテーブルは、少し広く感じた。 なんで即断即決じゃないんですかー、と不満そうな小悪魔は無視し、私は考えた。 ○○とは誰か――紅魔館の前で行き倒れていた外の人間。毎日のように図書館へ来る。 私はそれが嫌か――嫌ではない。 では、それは好ましいことか――今はそのように思える。 愛の告白を受けて、どのように感じたか――嬉しかった。 つまり……おそらく、私は○○のことが好きだ。 本当は、こんな問答を行うまでもなく、自分の答えはわかっていた。 ただ、それを認めてしまうのは、少し怖かったのだろう。 何しろ、知識以外の物事に自らをゆだねたことは、いまだかつて全くなかったのだから。 きっと、私には自分から踏み出す一歩が必要なのだと思う。 そう決心して腰を上げると、小悪魔がニヤニヤしながら「行きますか? 行っちゃいますか?」とやたら楽しげに言うので、サイレントセレナで 少し黙らせておいた。 3月26日 小悪魔がニヤニヤしながら「ゆうべはおたのしみでしたね」と言ってきたので、ロイヤルフレアで蒸発させておいた。 6月30日 6月の花嫁は幸せになるという俗説がある。それになぞらえたのかどうかは知らないが、とにかく今日、私と○○の結婚式が執り行われた。 わずか半年前、過去に戻って「お前は来年の6月に結婚する」と言ったら信じるだろうか。とても信じまい。実に隔世の感があった。 ただ隣にいる、慣れない礼服に辟易した様子の○○の存在が、これは夢ではないということを告げていた。 控え室で○○が、言ってなかったけど、ここにお世話になることに決めた理由は、パチュリーに一目ぼれしたからなんだよね、とぽつりと言った。 私はそれに、今更そんなことを言われても困ると思った。これから本番だというのに、恥ずかしくて新婦が新郎の顔を見れないというのでは式にならないから。 結婚式の様子については、多く語ることもない。館のメイドたちやそれなりに多くの人妖が私たちを祝福し、私たちはその祝福を受けた。 式は西洋の作法にのっとって行われた。もちろん神父などというものを呼ぶはずもないが、代わりに紅魔館のエントランスに設けられた高台にレミィが立ち 「おいお前、パチュリー・ノーレッジを妻とし、病める時も健やかなる時も、生涯愛することをこの私に誓え」とものすごく偉そうなことを言っていた。 ○○は私の目を見て笑みを浮かべると、レミィに向かい、誓います、と言った。 その言葉だけで、私は幸せになれた。 ことはそう単純ではない。そもそも寿命も異なるし、今後どうしていくのかということも不透明だ。 ただそれでも、その言葉を聴けただけで、今の私は、これはきっと間違いではなかった、と思えた。 次いでレミィが私にも問いかけた。私もまた、レミィに誓った。 ありきたりな言葉だけれど、きっとその誓いが、二人で生きていくということなのだろうと思う。 そのあと、小悪魔が泣きながら米粒を投げてきたので、花束を叩きつけておいた。 9月30日 今日で結婚から3ヶ月経ったことに気づいたが、生活が何か変わったかというと、実のところそれほど変わったようには思えない。 私は相変わらず図書館で本を読んでいるし、○○もまた、館の仕事をこなしては図書館へとやってくる。 今日、唯一つ違ったのは、○○と二人本を読んでいると、小悪魔が知らない男を連れてきたことだった。 聞けば、彼もまた、○○と同じように外界から来た行き倒れだという。 彼は○○と違ってよく喋り、また屈託なく笑ったが、馬が合ったのか三人で歓談していた。 やがて部屋を案内すると言って男二人は出て行ったが、小悪魔がなんとなく落ち着かない様子で、そわそわと立ったり座ったり、ちらちらと 扉に目線を送ったりしていた。 私はピンと来るところがあり、ニヤニヤと笑みを浮かべながら小悪魔に言った。「恋の予感かしら?」 反撃はなく、ただ小悪魔は酷く赤面した。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 887 退行したぱっちぇさん。 「ねぇねぇ○○」 「どうしたのパチュリー」 「あのね、お本読んで~」 「あ・・ぁ良いよ、ささ、ベッドに行こうね」 「○○~」 「なあに?」 「お本てね、食べられるの?」 「美味しくないよ」 「じゃあ食べない」 「うん」 「・・・でした、おしまい」 「ありがと~○○~」 「今日のお話は面白かった?」 「ん・・・わかんない、でも」 「でも?」 「○○が読んでくれたから、面白かった気がする~」 「そうかい、それはよかった・・・ ところでパチュリー」 「?」 「ぎゅってしたいのは良いが腰に抱き着くとポジション的に」 「そ、そ、そ、そそそそそこまでですぅ!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 970 うpろだ925 「うう……」 口から言葉が漏れると同時に無意識で本を開く手が止まった。 集中して読んでたはずなのに、思わず呻いてしまうようなこの匂い。 いや、匂いそのものはまったくもって問題ない。 甘くていい匂いだ。 ……だから問題なのはその量。甘い匂いがこれはありえんだろうというくらいに充満している。それも紅魔館中に。 そもそもこのヴワル図書館にまで届くような匂いってどういうことだ。 しかし本来このことにお怒りになられるはずであろうパチュリーはというと、今回はこの匂いを生産する側。 お嬢様、妹様、中gもとい美鈴さん、咲夜さんも同様だ。 加えて紅魔館で働くメイドの数を考えれば……いややっぱありえない。どう考えてもおかしい。 一体どれだけの数の『チョコレート』がこの紅魔館にあるというのだろう。 想像することすらもはや不可能っていうか想像したくない。 流石は悪魔の館というべきなのか。なにか間違ってる気がするけど。 ――今日の日付は2月14日。つまるところ完全無欠にバレンタインデーだった。 「つってもなあ」 一体なんで幻想郷に外の世界の行事なバレンタインデーがあるのかとかはこの際おいとく。 しかしこっちであるからといっても俺にはさほど関係が無い。 確かにこっちに来て女の子の友人がやたら増えたが、まあ義理チョコ一個くらいもらえれば御の字と思ってるし。 本命? ははは、ばかだなあ。そんなの天地がひっくり返ってチルノが⑨じゃなくなるくらいありえない。 もう期待すらできなくなった俺の外での経験に涙がでそうだ。 く、くやしくなんかない! ……でもパチュリーが生産する側ときいたからちょっとだけ期待もしてたりもする。 どっか矛盾してるけどしょうがないよね、だって男の子だもん。 本を片手にニヤニヤしながらそんな事を考えていると、扉を開ける音が俺の意識を妄想から引き上げた。 目を向ければそこにはパチュリーと小悪魔の姿。 ……と同時に、館に充満していたであろう甘いをとおりこして甘ったるいチョコレートの匂いが襲ってきた。 「あががががが」 「○○? どうしたの」 「あ、いやなんでもない」 「? ……そう。じゃあ小悪魔、準備して」 「はいー」 平素状態そのままに、そう言って奥に飛んでいく小悪魔。 つかなぜこの強烈な匂いに気付かないんだ皆。感覚が一時的に麻痺してんじゃと思わざるを得ない。 救いといえば、パチュリーが後ろ手に持っているものからの匂いはここまで強烈ではないこと。 「…………」 「…………」 そして小悪魔が準備している間。 その間ずっと身体をソワソワしさせているパチュリーから断続的に俺に視線が飛んできていた。 視線が合うとそらされ、だけど恐る恐る戻して、しかしまた合うとそらす。 普段では絶対にお目にかかれないパチュリーの姿に俺はもう狂喜乱舞しそうです。キャッフー。 これはいいんですよね、期待してもいいんですよね!? 少なくとも義理はもらえるはず! しかしそんなことはおくびにも出さず平静を装う俺。 そして気付いたときにはすでにお茶会セットは準備完了しており、俺とパチュリーは向かい合うように席についていた。 とりあえず、目の前の適温に温められた紅茶を手に取り一口飲む。 ……嗅覚の影響をうけたのか、なんだか甘い。 「あの、これ……」 お互いに紅茶を飲んでいたがやがてパチュリーの方がカップをおいた。 陶器がかち合う音と同時に、すっと俺の方に小さな包装された箱が差し出される。 「あ、これチョコ?」 「ええ。……今日は、そういう日なんでしょ? 貴方は整理とか手伝ってもらってるし、本の扱いも丁寧だし、もってかないし……」 言葉を探しながら色々と理由付けしようとするあたり、らしいといえばらしい。 可愛いなあと思ったがどこぞのギャルゲー主人公のように口にだしたりはしないぜ。 「食べてみても?」 「……うん」 顔がニヤケるのを必死で抑え込みながら、包装を丁寧に剥がしていく。 この包装もところどころ曲がってたりしていたが手作り感がまた非常にグッドです。 箱を開けてみると中に入っていたのは一個のチョコレート。 ……しかしですねパチュリーさん。ハート型ってのは、こう、気恥ずかしいです。はい。 向こうもそうなのか俺が箱を開けた瞬間に俯いてしまった。耳まで真っ赤にして。 とりあえずこのハートのチョコを真っ二つに割ってしまうというバッドエンドフラグを回避すべく、端っこを少しだけ割る。 そして口の中に放り込んだ。 ……。 …………。 ………………。 「どう……?」 無言でいた俺に不安を抱いたのだろう。 恐る恐るといった感じで聞いてきたパチュリーに、俺は新たに割ったチョコの欠片をパチュリーの口の中に突っ込むことでその返答とした。 「んむ!?」 最初は一体なにを! と眉がつりあがっていたが咀嚼するにつれてだんだん眉がさがっていく。 俺の言わんとしていたことがわかったのだと思う。 そうして、こくりと喉を小さく鳴らした後 「ニガイ」 言ってから紅茶に手をつけた。 それを確認してから、俺もまた紅茶に手をつける。 チョコそのものの出来は全然問題ない。むしろかなり良いと言っていい。 しかし如何せん、苦すぎた。ビターというよりはド・ビター。つまり凄く苦い。 まあ、この甘ったるい空気の中なので俺には普通のビターより少し苦いくらいにしか感じなかったのだが。 同じものを食べたパチュリーの感想は違っていたようで。 「ごめんなさい……」 ひどく申し訳なさそうに言ってきた。 ついでにちょっと涙目。 俺の冷静な部分は「涙目のパチュリー。なんてレア……!」とか思ってたりもするが大部分では大慌てだ。 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!? その時。 8割がたパニックになりかけな俺の目に飛び込んできたのはティーセット一式。 ――これだっ! そのひらめきのままに、新たに注ぎなおされた紅茶に多めの砂糖とミルクを入れる。 パチュリーの紅茶にもおなじことをして例のチョコを割り、二欠片つくって片方をパチュリーのソーサーに置く。 そして俺の奇行に向けられるじと目はとりあえず無視してチョコを再び口に放り込んだ。 「あ……」 小さな声が聞こえたような気もしたけどそれも無視。 口の中で砕かれたチョコが熱でゆっくりと溶け、苦味が広がっていくところにさっき作った甘めのミルクティーを含む。 すると二つの味がちょうどいいかんじに混ざり合っていって―― 「ん。うまい」 素直な感想が口から出た。 俺がそう言うと、確かめるようにパチュリーもおなじようにしてチョコを食べる。 するとこちらも少しだけ驚いた顔で 「……おいしい」 と言った。 まあやった事といえば、苦ければ甘いので打ち消せいいというそれだけの事なのだけれど。 今回の場合はそこにミルクが加わったことで、砂糖の尖った甘さがマイルドになったのだ。 チョコの出来はいいんだし。口当たりの良さは抜群だった。 ともあれ、僅かな変化ではあるがパチュリーも笑顔を浮かべてくれているみたいだしよかったよかった。 涙目なパチュリーも可愛かったけれど。 やっぱり……その、好きな人には笑っていて欲しいし、そっちの方が断然イイ。 改めてそう思いながら俺は手に持っていたカップを静かに置いた。 「チョコ、ありがとな」 「どういたしまして」 はにかみながらも笑顔を向けてくれたパチュリーに、思わず赤面しながらそれを誤魔化すためにまたチョコを一欠片口に入れる。 口の中に広がる苦味を感じながら思った。 ――まあ、こんなバレンタインも悪くないかな。 ……後日、図書館中に染み付いたチョコの匂いにパチュリーが遅れて激怒した。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 13スレ目 216 「―ゴホッ、ゴホッ」 「……やれやれ、またか」 ここ何日か、パチュリーが俺をつけ回してる。 いわゆるストーカー、なのだが…… 「また発作だな?ほら、背中さすってやるから」 「ゴホッ……あ、ありがとう……」 「なあ、もうやめたら?俺は絶対浮気なんかしないし、 何よりパチュリーにはストーカー向いてないって」 「……だって、貴方を他の誰かに取られたらと思うと、私……」 体力がなく、動き回るのになれていないのに 外をついてくるもんだから、 発作を起こしたり日射病で倒れたり。 何度介抱したことか。 「せめて、小悪魔に代わってもらうとか……」 「……あの子が一番心配なのよ、ゲホッ、ゴホッ……」 こりゃ図書館に住み込むしかないかな、などという俺の思いをよそに、 今日もパチュリーはついて来るのだった。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 13スレ目 221 「……エヘヘ……○○とこんな感じでこう」 「なあ、パチュリー、なに読んでるんだ?」 「ちょ、見ちゃ駄目!……ハァハァ」 「寂しいなあ……。?……鼻血!おい、マジでなに読んでたんだよ!」 「証拠を……隠滅しなきゃ……」 「そんなことより早く安静に!ただでさ「大丈夫。ちょっとくらっと来ただけ……あれ?」 「どうした」 「本がない……」 「大事なものだったのか?よし、探してきてやる!」 「あ、ちょっ」 「ここにありますよー!!!!!」(小悪魔) 『放課後の淫魔な図書館』 「え?なにそ「そ、そこまでよッ!!!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 13スレ目 239 じー…… パチェ「…………(読書中)」 むにっ パチェ「……………何?」 いやなんでも パチェ「…そう……(読書再開)」 むにむに パチェ「…………」 愛してるぞ 「……そう」 パチェ可愛いよパチェ ─────────────────────────────────────────────────────────── 13スレ目 255 ふと思った 身長180オーバーの俺からしたら、幻想郷の女の子はみんなちっちゃいのだ 勿論想像だが、イメージ的に長身なのは師匠やこまっちゃんぐらいなものだと思う そこでその体格差を最大限に活かし、パチュリーを膝の上に座らせたい 椅子の上に座った俺の膝の上に、パチュリーが腰掛けるのだ 「これ1冊しかないから・・・」とかわざわざ言って俺の上に腰掛けてくるパチュリー 座ったはいいものの慣れない据わり心地にもぞもぞするお尻から伝わるバイブレーション 視線を下げればすぐそこにある絹糸のような紫の髪とそこから漂うフレグランス じっと見ている視線に気づいて「何よぅ」と見上げてくる不機嫌そうな瞳 それを塞ぐようにぎゅっと抱き締めて、半ば強引にその唇を・・・ …どうしてパチュリーは現実にはいないんだ ヤらしいこととかしなくていいから、一日中腕に抱いて過ごしていたいよぅ ─────────────────────────────────────────────────────────── 13スレ目 335 図書館にて―― パ「また来てたの?」 ○「ああ、ここには面白い本がたくさんあるからね。ほとんど読めないけど」 パ「そう。はい、コーヒー」 ○「お、ありがと」 パ「…………ぼそっ(日符『ロイヤルフレア』)」 ゴボゴボゴボッ ○「うあっちぃ!?」 コトッ パ「えー?」 ○「ふーっふーっ、あー熱かった。てかなんで急に熱くなったんだ?」 パ「なんでこぼさなかったの?」 ○「本のある場所で飲物をこぼすようなことはしないって。それよりいたずらしたのパチュリーだろ」 パ「ここにある本は飲物くらいかけられても問題ないしズボンにこぼしたコーヒーを拭きながら だんだんとアレな雰囲気になって○○とそこまでよ! なことしたかったのに」 ○「それが目的か」 パ「えーと、積極的に○○とアバンチュールする方法は……」 ○「おーい、そこは消極的にだろー」 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1304 ものすごい轟音と共に現れた普通の魔法使い 「パチェ~。今日も借りに来たぜ~っと。○○じゃないか」 パチェはやれやれ。といった目つきで魔理沙を眺める。 が、特に動く気は無いらしい。いつもの事。といった感じで。 「魔理沙。パチュリーの…というか紅魔館の苦労も考えような」 「いやいや○○。これは私の道だ。邪魔はさせん」 そう言って魔理沙は俺の頭を撫でる 「邪魔をする気は無いがなぁ。パチェの苦労を考えたら、一声掛けといたほうがいいな、と」 「○○。魔理沙は基本的には何を言っても無駄よ。何かを言って帰るようなら苦労はしない」 その言葉に魔理沙が食いつく 「また私を馬鹿みたいに言いやがって」 「違うの?」 「私は馬鹿じゃないぜ。図書館に寄って本を借りる勤勉な魔法使いだ。なぁ○○?」 あながち間違えでは無いが、借りるってとこがどうもパチェには気に食わないらしい。 「借りる借りるって、いつ返すのよ。そろそろ取り立てに行くわよ?」 「別にいいぜ?返却する義務はいつも課せられてないからな。お前が捕まるだけだ」 「何よそれ。勝手に取って行ってる貴女が言えるセリフなの?」 ピリピリした空気が流れる。そして俺空気。 「な…なぁパチェ。少し落ち着け。魔理沙も。な?」 「それもそうだな。○○に落ち着けと言われて、落ち着かなかったら良いことが起きない」 「いつも落ち着かないで事を悪いほうに進めてるのは貴女だけどね」 「なんだと」 更にピリピリとした空気が流れる。なんだ?今日はパチェの機嫌が悪いのか? 「パチェ。落ち着けって。なんか今日変だぞ?」 「…○○。魔理沙の事を追い返しておいて。私はちょっと自分の部屋に行くから」 「俺に任されても…」 「いいから」 「…はいはい」 これはさっさと魔理沙を帰してパチェと話す必要がありそうだな… 「なぁ魔理沙。今日は勉強もいいが休む日にしないか?いつも勉強詰めじゃあ疲れるだろ」 なんとなく変な空気と分かった魔理沙は今日は食い下がる 「…あぁ。分かった。今日は勉強と趣味を慎む日にするぜ。じゃあな」 そう言って素直に帰る魔理沙。小悪魔はドアの修理に早速取り掛かっている 「小悪魔?」 「なんでしょうか」 そう言ってこっちを見る 「パチェ、今日機嫌悪かったみたいだけど…なんか知ってる?」 「いいえ。なんででしょう?魔理沙さんが来るまでは、いつもどおりの用に見えましたが」 「だよなー。まぁちょっとパチェのところに行ってくるわ。いつもすまないが修理頼んだ」 「はいはい。パチュリー様の部屋に行ってもお話だけにしてくださいよ」 「なんだそのジョークは」 俺は苦笑いし、ドアの修理を小悪魔に任せてパチェの部屋に向かう。 「どうしたんだろう…」 本当に何なのか分からないままパチェの部屋の前に止まる。 そして一呼吸置いてノックする。 「誰?」 「○○だけど」 「…いいわよ」 そう言われ俺は部屋に入る。 パチェはベットに寝転がっている。その横に腰を掛ける 「で、何よ?」 「いや、今日どうしたのかな。って」 「別に何でも無いわ」 「そういうときに限って絶対なんかあるんだよな」 そう俺が言うとパチェが黙る 「どうしたんだよ。言ってくれなきゃわかんないぞ?」 「あんまり言いたくない…というか、ちょっと考えれば分かるわよ…」 そう言われ、俺はパチェの機嫌が悪くなったと思われる行動が、何かあったか考える 今日は図書館に来て、そろそろ図書館を仕舞おうかなー。 って思ってるときに魔理沙が来て、俺が注意して、魔理沙がさり気なく反論しながら俺の頭を撫でて 俺が微妙に突っ込みを入れた後パチェが怒って… …そういうことか、パチェ。可愛いやつめ 俺はパチェの頭を撫でる 「あぁもう可愛いなぁパチェは。俺が魔理沙に撫でられたくらいで怒って」 パチェは顔を赤くして枕に頭を埋める。やはり図星か。 「だって…私の大好きな○○が魔理沙に撫でられたら…」 「ちょっとしたことでヤキモチを焼くのが、お前のまた可愛いところなんだなぁ。パチェ。好きだぜ」 そう言うとパチェはのっそりと起き上がり、俺に抱きいて、ベットに一緒に倒れる 「今日はなんか凄い積極的だな」 俺は笑いながら言う 「だって久しぶりに○○が好きって言ってくれたんだもん。私も大好きよ。○○」 パチェも笑顔で返す そんな甘甘ムードの中ベットで二人が寝転がっている 俺がパチェの顔を見つめると目を横に反らす そこで顔を徐々に近づけて… コンコン 二人ともビクリと体が動く ガチャリ 「小悪魔です。パチュリー様。ドアの修理が終わりました…っと」 俺が小悪魔の顔を反射的に見ると、この世のものと思えないほどニヤニヤしている 「へぇー…へぇー。お取り込み中でしたか。へぇー。」 いやらしく笑いながら小悪魔は言う。 「では、失礼致します。パチュリー様」 パチェは口をパクパクさせ、目は泳いでいる。 小悪魔が帰ろうとするが、後ろからでもニヤニヤオーラが出てるのが分かる。 そりゃ、あんなシーンを見せたらな。 ガチャリ。とドアを閉め、小悪魔が出て行った 「…はぁ。見つかっちゃったな」 小悪魔にばれたらちょっかいを掛けられる。と常々言わていたが、まさかこんな所を見られるとは。 「でも、まぁ見つかっちゃったんだから、これからは堂々と図書館でもイチャイチャできるわね。しないけど」 「ま、そうだな。見つかったんだからしょうがないな」 俺とパチェは楽しげに笑う。 「○○。さっきやろうとしてたことは、結局無しになったの?」 パチェは目を閉じて言う 「いやいや。そんな分けないだろ」 そう言ってキスを交わす 「もうせっかくだしこのまま寝ちゃう?」 「う~ん。まぁそうだな。時間も時間だし」 魔理沙が趣味を働く時間は大抵真夜中だ。 「じゃあ髪縛ってるのはずしてくるからちょっと待ってて」 「あ、俺はずすよ」 そう言ってパチェを後ろに向かせてそれをはずす 「はい。とれたよ」 「有難う」 「相変わらず、髪。凄い綺麗だな」 「○○に撫でてもらえるように髪を綺麗にしてるから…」 「そんなことをしなくても、パチェは可愛いさ。俺もお前にもっと好かれるように、格好良くならなきゃな」 「大丈夫よ。○○は、世界で一番私の好きな人だし、世界で一番格好良いから」 二人とも、ウフフ。と遠慮がちに笑う 俺はパチェの髪を撫でながら眠りに付く。 朝起きて、腕が痺れててもまぁ良いか。それは幸せな痺れだと分かっているから。 ───────────────────────────────────────────────────────────