約 3,294,404 件
https://w.atwiki.jp/okaishonen/pages/30.html
ちっさーが男の子だとわかった日、あの日は私にとっても特別な日になった。 私たちはメンバー同士で頬っぺたにキスをする程の仲のいいグループだけれど、口と口ではしたことがなかった。 しかもステージ上でされるとは予想外だった。 リハーサルでも昼公演でもそんな事はなかったのに、夜の公演でちっさーが突然私の唇を奪っていった。 『YES!しあわせ』、この曲には歌詞の中に『キスしてる』というフレーズがある。 そこの振り付けに私とちっさーが向き合ってキスをする振りをするところがあって、そこでちっさーからキスされたのだ。 最初はびっくりして何をされたのか一瞬わからなかったけれど、ちっさーがしってやったりって顔で笑っているのをみて あぁキスしたんだと実感が湧いた。 私は照れ臭くて、すぐに顔を逸らしてしまったのだけれど、思えばそうして正解だったのかもしれない。 あの時点では知らなかったとはいえ、私はあろうことか男の子とキスをしてしまったのだから。 もしも、男の子とわかっていたらきっととんでもなく緊張してステージどころじゃなくなっていたと思う。 ちっさーは男の子だし女の子を好きになるのは当然のことなのに、その相手が私なのは意外過ぎて現実味がない。 私たちは家族みたいに強い絆で結ばれていると思っていたから、あの子が私を異性としてみているのが不思議だった。 私はちっさーを意識して男の子としてみた事はないけれど、ずっとボーイッシュな子だとは思っていた。 それがまさか本当に男の子だったから、驚きもしたし同時にやっぱりと頷いてしまう部分は少なからずあった。 フットサルをしている時のちっさーは活き活きしていて、グラウンドで駆け回る姿には好きなんだなと微笑ましくみていた。 ドリブルでボールを捌くテクニックは私たちの中でも抜き出てセンスがあるって監督も言っていたし、 ちっさーが℃-uteの活動をしていなかったならサッカー選手になれたかもしれない。 ちっさーのフットサルをしている時の横顔、それを思い出すとちょっぴりカッコイイなぁと何故だか私が照れてしまう。 まだ男の子って知ってから日が浅いし、年下でまだ子供なちっさーを意識しているとは思えないのにこの気持ちは何? 「舞美ちゃん、今度のバスツアーでちっさーと同じ部屋にしなよ」 これは名案とばかりに目を細めてうっとりした笑顔で提案してきた愛理。 彼女はちっさーが男の子って知らない筈なのに、キスをしてからは面白半分でやたらと二人にしたがる。 それだけならいいのだけれど、ちっさーをちらっとでも見ていると「見てたでしょ」とからかってくる。 確かに最近は撮影の合間の休憩時間はついちっさーを目で追っていることも多い。 でも、それはちっさーの秘密が皆にバレないように私も気をつけているからであって、決して好きとかではない。 と、自信ないけどそう思っている。 愛理にはそのからかった後の私の慌てっぷりがみたいから言っているような節がある。 結構、愛理も落ち着いているようでいて子供な面があるのには少しだけ安心させられる。 「えぇぇぇ~何でよぉ。ちっさーちっさー言うなら愛理が一緒になればいいじゃん」 「私は栞菜と同じ部屋になるからいいよ。えりかちゃんはなっきぃと一緒で、舞ちゃんは私たちと一緒でもいいし」 「何、もう勝手に部屋割り決めてるの。やだなぁ~私にも選ぶ権利あるでしょ」 「選ぶ権利はあるけど、皆にも意見きいてみてからでも遅くないよ。たぶん多数決でこれで決まりかな」 ここまできたら、部屋割りは愛理の案が通ったも同然だろうな。 皆も私が慌てる様子をみたら、これは面白そうって事になってどんなことしても決定になる。 舞ちゃんは特に私が慌てる様子をみて「面白い」って声をあげて調子に乗るタイプだし、嫌になっちゃう。 そういえば、舞ちゃんはあれだけ仲が良くて一緒にいるのに気づかないなんて鈍いなぁ。 ちっさーが男の子だって知ったらうるさそうだし、舞ちゃんは知らない方がいいかもしれないな。 そうだね、秘密を守るって意味でも私が一緒になるのが一番かもしれない。 「へへん、いいよ。私がちっさーと一緒の部屋になるよ」 「どうしたの?いきなり物分りよくなっちゃってさ」 「ま、まぁいいじゃん。ちっさーの面倒をみてあげようかなってね。あははは」 「もう気まぐれなんだから。わかった、えりかちゃんたちにはお仕事で会った時に話しておくね」 「はぁい。愛理もBuono!の活動も頑張るんだよ。じゃあ、お休み」 「うん、お休み」 電話を切ると、私は疲れが出たのかベッドに倒れこんだ。 ファンクラブのバスツアー、そこでは私とちっさーがあれから初めて二人きりになるのか、と思うとドキドキしてきた。 いくら男の子だって意識していなくても、キスをした事はまた別なのだ。 ちっさーは私を異性としてみているのか、だとすると今度お話が出ている写真集なんてどうなんだろうな。 年頃になってきたわけだし、私の水着姿みておぉとか言って興奮するのかな。 うちには二人のお兄ちゃんがいて、小さい頃にはよくキャッチボールをして遊んだこともあって、今でも仲がいい。 小さい頃にはお風呂にも一緒に入っていたし、お互いに裸は見慣れていたのに大きくなると違和感を覚えた。 華奢だった体つきは筋肉が浮き出てゴツゴツしてきたし、声も太くなってきた。 そうなると、私にはお兄ちゃんが私のお兄ちゃんじゃなくなった気がして複雑になった。 その違和感を決定づけたのが、お兄ちゃんが一人でエッチな事をしている所をたまたま目撃したことだった。 お兄ちゃんたちも大きくなると、こそこそしてエッチな本みていたりしてるってお母さんが言っていた。 部屋の掃除にいくと、エッチな本が散らかっていたりしたらしい。 私は初めは不潔だとか抵抗があったけれど、男の子なんだし当たり前だと思うようになって、気にしないようになった。 でも、あの光景だけは今でも忘れられない。 お兄ちゃんが部屋でこもって、一人エッチな本を開いてあそこを弄っていた日のことを。 しばらくはあの光景が頭から離れず、ようやくオナニーって言うことを知った時には皆そんなものかって割り切っていた。 それでも、私はちっさーにはそんな事してほしくない。 別に今まで女の子だと思っていたからとかじゃなく、ちっさーには穢れてほしくなんかない。 私が好きなら、これからグアムに行って撮影する写真集はどんな気持ちで見るんだろうなぁ。 「舞美ちゃん、もうすぐバスツアー始まるんだからぼけっとしてないで」 「ぼけっとなんかしてないってば。ちょっと考え事してただけだよ」 「舞美ちゃんでも考え事するんだね、安心した。妹としてはお姉ちゃんの進歩が嬉しいな」 「舞ちゃ~ん、言ったなぁ~このこの」 私がモヤモヤした気持ちを抱えたまま、とうとう気づけばバスツアーの当日になっていた。 バスガイドさんの衣装を着ての写真撮影があったりと企画が盛りだくさんのツアーだ。 ファンの人たちとも触れ合って、日頃の応援に感謝して恩返しが出来たらいいな。 だけど、私にはやっぱりちっさーの事が気がかりだった。 「考え事してるっていうよりもぼけっとした顔だよ。舞美ちゃんには考え事は無理だって」 「言ったな~妹。私はそんな育て方した覚えないよ」 「また言ってる。本当の事いっただけなのに」 「くすぐったい~それは禁止だよぉ。きゃはははは」 ぼけっとしてるなんて私らしくないし、ファンの人たちに失礼だよね。 いつだって全力投球がモットーなんだから、今だけはちっさーの事忘れなきゃ。 今だけは・・・ ←前のページ 次のページ→
https://w.atwiki.jp/rootsroots/pages/41.html
子どもという表記 文責:りょうたん 2009.5.6 「子ども」と表記するか、「子供」と表記するかの問題。 正直に言ってしまえば、それ自体は非常にくだらない問題。言葉狩りであり、表記の統一を無理にはかろうとするのは、問題視されるべきやもしれない。 しかし、とりあえずRootsでは原則「子ども」と表記するのが好ましいと思われる。 教育界や保育の世界においては「子供」という表記が忌避され、「子ども」を使おうという運動があるようである。 「子供」の表記が嫌われる理由は、「供」という字は供えもの・従うものという意味があり、よろしくないというのが大きいようである。またソフトな印象がよいという(差別を根拠とする論とは関係ない)意見もある。 しかしこれには有力な反論がある。歴史的変遷として「子ども」の「ども」は複数をあらわす意味(この場合漢字は「共」)から発展して、現在は意味を失しており、「供」は当て字に過ぎない、といったものである。そして「児童」の「童」にもしもべの意味があり、これを問題にしないのはアンバランスだといった指摘もある。 また近年は「ども」を罵り言葉として使うが、「子ども」の表記はむしろそういった用法を彷彿とさせるという批難も存在する。 以上の流れから、筆者は「子ども」推進派の意見の恣意性を感じないわけでもない。他人への過度の強制は問題を含むだろう。 ただ、たまに本当に子どもを自分の付属物とか従物とか思う人間もいることを喚起する(軽度なものは子どもの財産は親が処分できるという類の思い込みなど)点においてこの議論を知ることは意味があり、またその表記のソフトさといった利点を見逃す手はない。そういった意味において、このことについて知っておくことは重要であろう。 よってRoots内では極力――不使用に一切のサンクションはなく――「子ども」の表記に統一することが適当と考える。 ソース:Wikiの「子供」(というわけでいい加減なので、その点注意すること!)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6233.html
前ページ次ページラスボスだった使い魔 「う゛~~~~……」 ルイズは部屋の中で一人、唸り声を上げていた。 「う゛う゛う゛~~~~~……」 納得いかない。 どうしていきなり長姉がやって来て、自分の使い魔を強引に連れて行ってしまうのか。 どうしてあの馬鹿は、それに対して抵抗らしい抵抗もせず、ただ黙ってついて行ったのか。 姉が自分に対して命令口調で説明を行っている時、銀髪の男が黙って部屋の中を掃除していた記憶が頭をよぎる。 最近になって、自分の中で使い魔に対しての羞恥心が猛烈に湧き上がってきたので、洗濯や身の回りの世話はルイズが自分でやるようになっていた。 なので、使い魔の仕事が朝起こすことと髪を梳くこと、それと掃除くらいしかなくなってしまったのだ。 とは言え、残ったそれらの仕事に関しても、ルイズは微妙な気恥ずかしさを感じていたりするのだが……。 閑話休題。 ……あの無表情を思い出すと、ムカついてくる。 いや、まあ、長姉に逆らえないのは自分も同じだし、苦手意識がかなり深いところに根付いてしまっているから、思わず『は、はい』と言ってしまったけれども。 よくよく思い返してみれば、あの馬鹿からも……なんだか諦めてるような空気が出てたけれども。 それにしたって、どうして姉はよりによって自分の使い魔なんかを連れて行ったのだろうか。 確かに『研究者』としては……優秀、だろう。 実はこっそり使い魔の書いたレポートを読んでみたことがあるのだが、なんとも斬新な―――と言うか、珍妙な視点からハルケギニアの魔法についての考察を重ねていた。しかも、それがいちいち的を射ているのである。 あれなら、エレオノールが一目置くのも分かる。 では、『戦う人間』としては……そんなに強くもない、とは思うのだが……。 (仮にもワルドに勝ったらしいし……) 自分がその光景を見たわけではないし、どうせ奇をてらった戦いをして不意打ちに近い勝ち方をしたのだろうが、少なくとも『弱い』ということはないだろう。 「……………」 こうして考えてみると、なんだか自分の使い魔ってけっこう凄いのでは? という気がしてきた。 「いやいや、ちょっと待ちなさいルイズ」 その能力は高くても、人間的に問題がかなりある。 無愛想だし。 いちいち理屈っぽいし。 何を考えてるのかよく分かんないし。 生意気だし。 そもそも貴族に……って言うか、御主人様に対する敬意もないし。 必要以上の会話をしようとしないし。 同じ部屋で寝なくなったし。 なんだか最近、わたしにかまってくれてないような気がするし。 「う゛う゛う゛う゛う゛~~~~~~~…………!」 また唸り始めるルイズ。 本当は差し迫るアンリエッタの結婚式に向けて、詔(ミコトノリ)を考えなくてはならないのだが……こんな正体不明のモヤモヤした気分を抱えたままでは、とても出来そうにない。 「う゛~~~~……」 でもやらなきゃいけないことなので、取りあえず机に向かって、ボンヤリと詔に関係あることないことを考えたりするルイズなのであった。 数十年の時を経て、荒れ果ててしまった寺院跡。 かつて開拓されかけ、しかし『ある理由』からその開拓を途中で放棄されてしまった場所である。 その寺院跡に、一人の男が立っていた。 男の狙いは、かつての寺院の司祭がこの地から離れる際に置き去りにしてしまった『秘宝』にあったのだが、それを手に入れるには1つの……しかし強大な障害を解決しなくてはならない。 ここでこうして立っている分には、平和でのどかな平原でしかないこの場所に、一体どのような障害があると言うのか? 男はその『障害』に思いを馳せ、身震いした。 後方では、自分をサポートするために仲間が控えている。イザとなれば、必ずや自分を助けてくれるだろう。助けてくれるはずだ。助けてくれるに決まっている。助けてくれないと困る。 そして、何故に自分がこのような場所にいるのかを考える。 (……気が付いたらここにいた、ということしか分からない……) あの高慢でプライドばかり高そうで、そして胸がほとんどない金髪眼鏡の女性は、さも当然とばかりに自分に命令を下す。 くそう、家が名門だからってそんなに偉いのかよう。 ……偉いんだよなぁ。 そうして男は―――ギーシュ・ド・グラモンは、ガックリと肩を落としたのだった。 「って言うか、何で僕が前衛なんだ!?」 普通に考えれば、ユーゼスが前衛で、自分はワルキューレなどで後方支援、そしてほとんど攻撃魔法が使えないエレオノールが物陰からちょこちょこサポートをする……となるはずだ。 なのにユーゼスが前衛だったのは最初の戦闘くらいで、以降は全部この自分が前衛なのである。 ギーシュも1~2回目くらいまでは『まあ、ユーゼスもワルキューレで色々と試してみたいことがあるんだろうな』と快く引き受けていたのだが、さすがに6回目ともなると不満が爆発してしまう。 そりゃあ、最初から最後までずっと孤立無援というわけではないし、ユーゼスも本当に危なくなった場合は援護してくれた(エレオノールは本当に何もしなかったが)。 ……しかしユーゼスに関しては、秘宝が目当てではなくて『実験』の方が重要なんじゃいかと思っている。 人の魔法を使って実験なんかしないでくれ、と言いたい気持ちもあるにはあるが、何だかんだ言って役に立っているのは事実なので、そう大っぴらに文句も言えない。 「ぐぬぅ……。……っ!?」 そんな感じにギーシュが悩んでいると、いきなり爆発音が響いた。 自分が先日『錬金』で作った爆発物が、エレオノールの『着火』によって爆発したのである。 ……その爆発音によって、この村跡が打ち捨てられてしまった『ある理由』が飛び出してきた。 「ふぎぃ! ぴぎっ! あぎっ! んぐぃぃいいいいいッ!!」 オーク鬼の群れである。 あんなのが大挙して押し寄せて来ては、開拓民たちも逃げ出すしかないだろう。開拓民たちはオーク退治を領主に訴えたらしいが、その訴えは却下されたらしい。ハルケギニアでは、そんな話はよくあることだった。 そして自分はオーク鬼の群れから逃げ出したいけど、逃げられない。ギーシュはエレオノールに逃亡と今回の宝物の探索の取り止めを何度も訴えたが、その訴えは却下された。毎回そんな感じであった。 「ええい、くそっ……!」 バラの造花を振り、その花びらからマントを羽織ったゴーレム……ワルキューレを5体ほど造り上げる。 敵の総数は……目測で20よりは少ない。 ギーシュはまずワルキューレを1体だけ前に出し、ユーゼスが言っていた『実験技』を繰り出してみることにした。 この『実験技』は当たりもあればハズレもある、半分バクチのようなものなのだが、今回はどうなることか……。 「……!」 考えている間にも、オーク鬼の群れは迫ってくる。 とにかく、やってみないことにはどうにもならないので、実行に移す。 ワルキューレに拳を作らせ、その腕を前方に突き出し、拳を対象にして更に『錬金』をかける。 どうにも自分のセンスからは外れている技の名称だが、イメージがしやすいのでギーシュは技の名称を叫んだ。 「無限パーーーーンチ!!」 突き出した拳に『錬金』がかけられ、その拳が変化して新しい手首となる。 新しい手首の先には、また拳がついていた。 そしてその拳に、更に『錬金』をかけ……これを延々と繰り返す。 伸びていった腕は、見る見る内に敵であるオーク鬼へと伸びて行き……、やがてその中の1体に、ゴガン、とぶつかった。 「よ、よし……!」 ユーゼスが言うには、このまま拳で持ち上げて、更に地面に叩き付けるのだとか。 取りあえず言われた通りにやってみるか、と手首の角度を変えて体長2メイルほどもあるオーク鬼の身体を持ち上げようとして……。 ベキリ、とワルキューレの腕が途中で折れた。 「ええっ!?」 ギーシュが仰天していると、更にバランスを崩したワルキューレが伸びた腕の重みで転倒してしまう。 「何だそりゃああああ!?」 唖然とするギーシュだったが、攻撃されたオーク鬼たちの方は激怒し、興奮し、いきり立った。 おまけに厚い皮と脂肪を鎧としているオーク鬼には、生半可な拳の打撃など大して効果がないらしい。 つまり結果だけ見ると、精神力を無駄遣いしてオーク鬼を怒らせただけだった。 「ああもう、何でこうなるんだぁ~!!」 転倒したワルキューレの腕にもう一度『錬金』をかけ、伸びた腕を切り離して普通の長さに戻す。 しかし、オーク鬼十数匹に対して、こちらの戦力は装甲が厚めのワルキューレ5体、プラス自分。 1体分の精神力は無限パンチで使い果たしてしまったし、『最後の手段』のためにラスト1体分の精神力はキープしておかねばならない。 何とも、心もとない布陣である。 そして剣や槍で武装したワルキューレたちは、真正面からオーク鬼にぶつかったが……。 「よ、弱い……」 それなりに善戦はしているのだが、やはりオーク鬼にはちょっとやそっとの切り傷など何もしていないのと同じである。 ワルド戦で使った『ディスタント・クラッシャー』を使えばそれなりにダメージを与えられはするのだが、あくまで『それなりのダメージ』であって致命傷には至らない。奴らを戦闘不能に追い込むためには、最低でも2発は食らわせる必要があるようだ。 だが、ワルキューレの『ディスタント・クラッシャー』は火薬を仕込んだ単発武器。そしてワルキューレの腕は2本だけで、場に出しているのは5体。 ……オーク鬼を4体ほど倒した時点で、ワルキューレたちに打つ手はなくなってしまった。 あとは個々の能力と、何よりも数が物を言わせ―――それでも1体だけオーク鬼を倒したが―――ワルキューレは全滅してしまう。 「あ、あわわ、あわわわわわわ……!」 もはや丸裸同然のギーシュは、ガクガク震えながらたった1人で10匹前後のオーク鬼と対峙する。 そして、ギーシュの頭脳はこれまでの17年間の知識を総動員しながらフル回転し、ある1つの行動を主人に導き出した。 逃げよう。 ダッ、と全速力で後ろへと駆け出すギーシュ。 当たり前だが、オーク鬼たちは怒り狂って追いかけてくる。 (お、追いつかれたら、死ぬ……!) 『命を惜しむな、名を惜しめ』という父の言葉が一瞬だけ頭をよぎったが、こんな戦いに名誉も誇りもあったもんじゃない。だから今は命を最優先だ。 しかしオーク鬼のスピードは、人間よりも明らかに速かった。 逃げ惑うギーシュへと迫り来るオーク鬼の棍棒。その大きさは人間1人分ほどもある。当たれば良くて大怪我、普通で即死、悪ければ苦しんだ末に死ぬだろう。 「ひっ……!」 オーク鬼の荒い息遣いが聞こえ、黒い影が自分を覆う。 ギーシュは必死の逃亡もむなしくオーク鬼に追いつかれ、棍棒に強打されてその短い人生を閉じようとしていた。 (も、) もうダメだ、と思う間もなく棍棒は振り下ろされ、 赤い血が草原を染め、 ギーシュはまだ走っていて、 僕は死んでるはずなのに何でまだ走ってるんだ、と思ったギーシュがふと右を見ると、 銀髪の男が遠くから鞭を振るっている光景が見えた。 「……やはり駄目だったか」 長い鞭を飛ばしてオーク鬼の首をはね飛ばしたユーゼスは、ポツリと呟いた。 ワルキューレに転用が出来そうな攻撃方法はないものか……と、クロスゲート・パラダイム・システムを使って様々な次元世界を覗いてみたのだが、『無限拳』は無理があったようだ。 そもそもアレは『アクエリオン』というロボットだからこそ可能な技であって、外見だけ真似できるからといってそうそう上手くいくわけがないのである。 しかし出来ないと99.9%理解していても、残りの0.1%を検証せずにはいられないのが研究者や科学者という種類の人間なのであった。 ……ギーシュに聞かれたら殴られても文句が言えないが、言うつもりなど全くないので特に問題はない。 それに、このトレジャーハントの旅の途中で、ワルキューレについては色々と試した。 成功例としては、ワルキューレの腕を弓にした『ゴーガン』(弓を武器にも転用出来たので採用された)や、身体の一部を始めから刃にしておいて戦闘時に取り外して武器にする『スラッガー』などがあった。 他にも『ディスタント・クラッシャー』の時に使う鎖を、『ディスタント・クラッシャー』に使わずにそのまま敵の動きを束縛するのに使ったり、その鎖の先に鉄球を付けて武器にしたりした。 また、目くらましや動きをさえぎるカーテン程度にしか役に立たないと思っていた『マントを羽織らせる』というアイディアはギーシュがえらく気に入ったようだ。何でも見栄えがグッと良くなるらしい。 ……アイディアの元は海賊のガンダムから頂いたことは、黙っておこう。 ワルキューレの足に車輪を付けてみる、というアイディアもあったのだが、これはスムーズに動けるようになるまで少し習熟期間を要するため、保留となっている。 そして、成功例があれば失敗例も数多くあった。 ワルキューレの身体を一度バラバラにして、もう一度合体して再構成を――― とギーシュに話したら『無茶を言うな』と言われてしまった。やはりゴーレムに飛行機能が付加出来ない以上、『手の平サイズで空を飛ぶ』ことが大前提のビット兵器のようなものは無理らしい。 ……では他の方法で飛行する方法はないものか、と考えはしたのだが……。 極限まで軽量化して、鳥の骨格を模して飛ばせるのはギーシュが鳥について徹底的に熟知する必要があるので無理。 背中にジェットやロケットのような物を付属させるのは、ワルキューレが弾丸になるだけなので駄目(これはこれで良い攻撃方法ではあったが)。 それなら詳しくは知らないが『LFO』という機体のようにボードに乗せてみてはどうかと一瞬思ったが、よくよく調べてみたらあれはトラパー粒子とやらが存在しないと飛べないと判明したので口には出していない。 結論、ワルキューレを飛行させることは不可能である。 ……他にもワルキューレを人型から獣形態に『錬金』を使わずに変形させようとしたが、人型形態か獣形態のどっちかが、どうしてもイビツになってしまうので駄目だった。 ならば始めから獣形態ならどうか……と、ユニコーン型、ライオン型、ヘビ型、竜型、イノシシ型、牡牛型の6種類のゴーレムを作らせてみたのだが、『やっぱり人型の方が動きのイメージがしやすい』ということで没。 上半身が人型のままで、下半身を馬のような四足歩行にした『パーンサロイド』も試してみたが、やはり違和感を感じるらしい。 だったらこれはどうだ、と複数体のワルキューレを物理的に合体させようとしたが、変形と同じ理由で駄目だった。 結論、ワルキューレは人型で単体のままが一番。 ……ワルキューレそのもののバージョンアップがこれ以上無理なら、使わせる武器を考えようともした。 まず最初に『ドリル』を付けようとしたのだが、あのスパイラル状の形状はともかくとして、『回転させる』機構を『錬金』のワンアクションで再現するのは無理だ、と言われたので断念。 ワルキューレの全長を上回るほどの巨大な斧や、巨大な剣……『使い勝手が悪すぎる』と不評だったので断念。 ワルキューレに銃や大砲を付けてみる……ドリルと同じく機構の再現が出来なかったので断念。 両手に剣を持たせ、高速で横回転させて攻撃する『シュトゥルム・ウント・ドランク』はどうかと思ったが、『高速で横回転』がどうしても『ただ踊っているだけ』に留まってしまうため断念。 やはり機体の能力はともかくとして、ガンダムファイターの『技』を再現させるのは不可能であった。 結論、普通の武器で普通に戦った方が良い。 と言うか、ここまで来るとワルキューレの運用方法よりも、ギーシュの『操り方』の強化をした方が良いのではないだろうか? そんなことを回想しつつ考えながら、ギーシュがオーク鬼から逃げる光景を眺めていると……。 「……む」 ギーシュが逃げる方向をこっちに向けた。 (あれでは私も巻き添えを食ってしまうな) そんなことはご免こうむるので、とっとと逃げ出すことにする。 するとギーシュは、物凄い形相で何かを叫びながら自分を追いかけてきた。 (足止めをしたいのならば、青銅のトラップでも仕掛ければ良いだろうに……) そう思いはしたが、錯乱しかけているギーシュにそんなことを言っても無駄だろう……と結論づけて、ともかくユーゼスは逃げる。 ……取りあえずはモグラのヴェルダンデが掘った穴まで、あのオーク鬼たちを誘導しなければなるまい。 「も、もう、もう嫌だぁぁあああああああ……!!」 『戦利品』である真鍮製のネックレスやイヤリングを見て、ギーシュが嘆く。 ……あの後、どうにかこうにかオーク鬼たちを迎撃しつつ落とし穴まで誘導し、落としたオーク鬼たちに用意しておいた油を浴びせ、更に火薬を満載させた最後のワルキューレを1体放り込んで『自爆』させて事なきを得た。 結果としてオーク鬼たちは全滅し、ユーゼスは『自爆させるくらいなら、頭や下半身をミサイルのように飛ばせば……』などと考えたりしていたが、ギーシュの精神はかなり参っていた。 ギーシュは切実かつ切迫した様子でユーゼスに訴える。 「……も、もう、もう魔法学院に帰ろう!? そもそも、僕たち3人だけでこんな危険なことをするってこと自体が間違いだったんだよぉ……!!」 「確かに3人で、というのは少々厳しかったな」 出発する直前、他について来てくれそうなメンバーに声をかけようとはした。 最初にキュルケの所に行こうとしたのだが、『ミス・ツェル―――』と言いかけた時点でエレオノールに物凄い形相で睨まれた。そう言えばヴァリエール家とツェルプストー家は物凄く仲が悪かった、と思い出してキュルケは諦めた。 次にタバサに声をかけようとしたが、部屋まで行ってノックしても返事がない。どうやらどこかに出掛けているらしく、何でもタバサはたまにこうやって学院からいなくなることが多いそうだ。 ではダメ元でモンモランシーはどうかという話になり、『ならば僕に任せてくれたまえ』と自信満々でギーシュが向かったが、10分後に頬に赤い手形をつけて戻って来た。 他にも色々と声はかけてみたのだが、返事は全てNO。 まあ、あるかどうかも分からない宝を探して、大怪我どころか命すら危ない道中に身を投じるために授業をサボタージュするような酔狂な人間はそういるまい。 しかも実際に命が危なくなったのだから、ギーシュが嫌になるのも無理はなかった。 「大体、直接的な戦闘に向いている人間が一人もいないって時点で……!」 と、必死になってユーゼスに帰還を呼びかけるギーシュだったが、今回の宝探しの『そもそもの元凶』の出現によってその口は閉ざされる。 「……泣き言を言うのはそれまでにしておきなさい。それでも元帥の息子?」 「ミ、ミス・ヴァリエール……!」 苦手意識どころか、もはや軽い怯えすら見せてエレオノールから後ずさるギーシュ。 『もうやめましょう』、『もう帰りましょう』、『もう諦めましょう』と言う度に徹底的に言い負かされ、自分の意思を無視され、そして強引に……と言うか無理矢理にここまで付き合わせた女性である。 なお、このエレオノールとの一件によってギーシュには『年上の女性』が少々トラウマになりつつあるのだが、本筋とは関係がないので割愛する。 そんなギーシュはなけなしの勇気を振り絞って、エレオノールに上申した。 「ミス・ヴァリエール、もう7件目です! この1週間……いえ、もうそろそろ10日になりますが、あなたがどこからか手に入れた地図を頼りに行ってみても、見つかるのはせいぜい銅貨が数枚! 地図の注釈に書かれた『秘宝』なんて、カケラもないじゃないですか!」 「フン、最初から失敗を恐れてるようじゃ、成功は望めないわよ」 「限度がありますよ!! いくら何でも!!」 (……確かにな) ユーゼスは道中でのエレオノールの言動や行動を見るに、彼女は『宝探し』よりも別に目的があると考えていた。 特に先ほどのような戦闘中は、自分に視線が向けられていることを感じる。 (目的は……『私』か?) ガンダールヴの能力の見極めか、あるいは自分という人間を判断するためか。 妹を預けるような形になっている以上、心配することは理解が出来ないでもないが……。 ともあれ、さすがに10日間というのは長い。 「その辺りにしておけ、ミス・ヴァリエール」 「……何よ、ユーゼス。あなたも文句があるの?」 ジロリとこちらに視線を向けるエレオノール。 ちなみに一週間を越える時間を経て、彼女のユーゼスに対する呼び方は単なる『ルイズの使い魔』とか『平民』から、『ユーゼス』に変わっていた。 「持って来た保存食料も底をつき始めた。それに夜具やテントも使い込んで調子が悪くなりつつあるからな、いい加減に切り上げ時だろう」 「……むう」 確かに、一理ある。 体力も辛くなってきたし。 そろそろテント生活が耐えられなくなってきたし。 何より、肌がどんどん荒れてきたし。 「…………なら、最後にあと1件だけ行ってみて、それで終わりにしましょう」 そのエレオノールの言葉を聞いて、ギーシュの顔がパッと明るくなった。しかし直後に『まだあと1件あるのか……』と落ち込み始める。浮き沈みの激しい男である。 「最後の1件か。……どのような場所にある、どのような宝なのだ?」 「場所は……ラ・ロシェールの向こうにあるタルブって村ね。名前は……『銀の方舟』だとか」 「……『銀の方舟』?」 聞き覚えのある名前だった。 アレは確か……。 「話は道中でも出来るでしょう。それじゃ、早速出発するわよ」 ユーゼスが思い出している途中だったが、それに構わずエレオノールは馬車に乗り込む。 (出来ればアレは放置しておきたかったのだが……) 口でエレオノールに勝てるとはとても思えないし、他の人間ならともかくこの女性に対して嘘をつき通せる自信もない。 取りあえず『現物』を見てから考えよう、とユーゼスはギーシュを引っ張って馬車に乗り込んだのだった。 その日の夜。 街道の脇で馬車を止めて、一行は野宿することにした。 近くには手頃な村もないので、こうするしかないのである。 馬車を操る御者はその馬車の中で休んでおり、ギーシュは自分の使い魔のヴェルダンデと抱き合いながらテントの中で眠っていた。 ユーゼスは転がっていた丸太に座って焚き火の見張りをしながら、何をするでもなく星を眺めていたのだが――― 「……雰囲気の暗い男ね。そうして火に照らされていると、危ない人間にしか見えないわよ?」 エレオノールが横に置いてあるもう一つの丸太に布を敷いて、その上に腰掛ける。 そんな彼女を一瞥すると、ユーゼスはぞんざいな口調で『それで構わん』と呟いた。 ……暗い人間だとか、危ない人間だとか言う評価など、別に問題ではない。 むしろ、自分を的確に表現していると言えるだろう。 しかし、言われた彼女の方は自分の言葉に納得がいかないようだった。 「この道中、あなたとはそれなりに関わってきたけど―――何だかあなた、人とあまり関わろうとしていないのね」 「ふむ」 少し驚く。 ただ頭ごなしに命令するだけかと思っていたが、意外と人のことを良く見ているものだ。 ……いや、自分の観察に重きを置いていたようだったから、その程度のことは分かって当然か。 「いかにもその通りだ。……私は、人との関わりを避けている」 「……………」 「どうした、そんな驚いた顔をして。お前の見立ては間違いではなかったのだぞ?」 「……いえ、普通はそこで『そんなことはない』って言うんじゃないの?」 「否定しても意味がないだろう。同様に、人と積極的に関わることも意味がない」 意味のないことは、極力しない主義だ。 それにこの女性は自分と話をしたいようであるし、ここで否定しては話が途切れると考えたので、あえて肯定してみた。 まあ、無意味と言うのなら、この会話こそが無意味ではあるが。 「『無意味なことに意味がある』……なんて哲学的なことを言うつもりはないけど。あんまりそうやって効率を重視したり簡潔すぎたりすると、息苦しくなるわよ?」 「特に問題はないな。息苦しさなど、昔からずっと感じていたことだ」 「……………」 呆れた視線でエレオノールはユーゼスを見る。 ……そんな目を向けられても、自分の人生はこれまでずっと息苦しさを覚えるようなものでしかなかったのだから、仕方がない。 ずっと何かに追い立てられていた。 ずっと何かに焦っていた。 ずっと何かに苦しんでいた。 ずっと何かを求めていた。 ずっと……何かと戦っていた。 今となってはその『何か』の正体も分からないが、そんな状況で息苦しくないわけがない。 ユーゼスにとって、『息苦しさ』とはもはや日常であった。 「しかし、『息苦しい』と言うのならば……」 そうしてユーゼスは、ゆっくりとエレオノールを見つめる。 「……何よ?」 いぶかしげな様子で、今度は自身がユーゼスの視線を受け止めるエレオノール。 だが次に彼が放った言葉によって、彼女の表情は固まった。 「いや、『息苦しさ』ならば、お前も感じているのではないか?」 「…………な」 『そんなことはない』、と否定しようとして―――だが、エレオノールはその言葉を否定しきれない。 貴族として。名門ヴァリエール家の長女として。アカデミーの主席研究員として。 物心がついた時から両親には厳しく躾けられ、常にトップであることを義務づけられ、なまじ才能があったばかりに――― 「……っ」 強引に思考を打ち切る。 このことについて、深く考えては駄目だ。 止めないと……何かが、止まらなくなる。 エレオノールは少しわざとらしく咳払いをして、話題を転換した。 「……そんな抽象的な話はともかく……」 「お前から話を振ってきたはずだが」 「うるさいわね! ……ともかく、もうこの話はやめましょう。それこそ息苦しくなってくるんだから」 「そうだな」 転がっていた小枝を薪として焚き火に放りながら、ユーゼスは同意する。 ……ある程度の期間を一緒に過ごして分かったのだが、どうにもこの男には『主体性』というものが見えにくかった。 とにかく受動的と言うか、意志の強さが感じられないと言うか……。 あのグラモン家の四男のゴーレムにあれこれ注文を付けている時は、そんなものも見え隠れしていたが、一旦『研究』から離れるとすぐ元に戻ってしまう。 まるで人生全てを諦めているような、あるいは人生でやるべきことを全てやり尽くしてしまった後のような、そんな印象をエレオノールは感じていた。 (見た目は若いわよね……) どう見ても自分と同年代程度にしか見えないこの男が、そんな密度の濃い人生を送っているとも思えない。 何かの呪いか、あるいは魔法で不老にでもなったのかしら―――とも思ったが、それなら『ディテクト・マジック』に何らかの反応があるはずである。 ……そこまで考えると、この銀髪の男が妹に召喚される前のことが気になった。 よくよく思い返してみれば魔法学院の生徒や、主人であるルイズですらユーゼスの過去は知らないようであるし。 興味本位でそれを尋ねてみると、 「……人に語って聞かせるような、立派なものではない」 アッサリと、そう返された。 そして逆に尋ねられる。 「では、お前のこれまでの経歴はどうだ? 人に物を尋ねるのであれば、まずは自分から語るのが道理だろう?」 「え……」 そう言われても……それこそ、語って聞かせるようなものではないような気がする。 だが、まあ、立て続けに自分から話を振っておいて、自分で話を打ち切るのはどうかと思ったので、簡単にではあるが『自分の経歴』をユーゼスに話した。 ヴァリエール家の長女に生まれたこと。 幼い頃から『立派な貴族であるように』と、さまざまな教育を受けたこと。 トリステインの魔法学院に入学し、優秀な成績を残し続け、首席で卒業したこと。 卒業後はアカデミーに鳴り物入りで入所し、以後は様々な業績を残して主席研究員にまで登りつめ、現在に至ること。 「……………」 ユーゼスは、黙ってエレオノールの話を聞いていた。 「……まあ、こんな所かしら」 語り終わって、何だかむなしくなった。 何と言うか―――意外に早く、自分の経歴を語り終えてしまったのである。 もちろん細部には色々なエピソードがあるし、努力もしたし、壁にぶつかったことも一度や二度ではない。 プライドの問題があるため言わなかったが、恋だって少なからず経験がある。……全部破れたが。 だが、こうして簡潔にまとめてみると……『簡潔にまとめてしまえる』ことに、何だか落ち込んでしまう。 「ふむ、なるほど」 自分の話を聞いていた銀髪の男はそう言って頷くと、 「私もそれと大差がないな」 唐突に自分のことを語り始めた。 おそらくエレオノールが過去を語ったので、自分も語る気になったのだろう。 ユーゼスは『子供の頃など、もはや全く覚えていないので省くが』と前置きした上で、自分の過去を語り始めた。 「……学術機関に在籍していたのは、そちらと同じだ。そこで自分の決めた研究テーマに打ち込み、それなりに結果も出した」 「研究テーマ? ……どんなことを研究してたのよ?」 「汚染された大気や自然環境の浄化、だな」 「?」 何よそれ、とばかりにエレオノールは首を傾げる。 無理もない。 このハルケギニアでは『環境汚染』などという概念は、あまり馴染みがないのだから。 「……何と説明すれば良いか―――そうだな、『空気や水を通して世界中に広がる毒』を除去する、とでも考えてくれ」 「はあ……」 まだ得心がいかない様子のエレオノールだったが、ユーゼスは概要はおぼろげながら理解したと判断して話を進める。 「その後は……あまり多くは語りたくないのだが」 「何よ、気になる言い方ね」 「そうかね? ともあれ詳細は隠させてもらうが、分不相応な野望を抱いて、それに破れた。破れた直後は何をするでもなく一人でいたが、そうしている内に御主人様に召喚され……後は知っての通りだ」 「……肝心なところが隠されてるから、いまいち要領を得ないけど……。その『野望』って言うのは何なの?」 「語りたくない、と言っただろう?」 「それは気になる言い方だ、とも言ったわね」 「……………」 「……………」 沈黙する二人。 そのまま少しの間、そうしていたが―――やがて焚き火の中の枝がパチンと弾け、ラチが明かないか、とユーゼスは根負けしたように自分から口を開く。 「……笑われるか呆れられるかされることを、覚悟で言うが」 「言ってくれなきゃ、反応のしようもないでしょう」 そしてユーゼスは、さも言いたくなさそうに、まるで『自分の恥部』を告白するかのように、言った。 「神になろうとした」 「…………え? 何ですって?」 思わず聞き返すエレオノール。 よく聞き取れなかった……と言うか今、この男の口から凄い言葉が出たような気がする。 主人から『無愛想で何を考えているのかよく分からない』と評された使い魔は、ハルケギニアに召喚されてから初めて苦々しげな表情を浮かべ、もう一度その言葉を口にした。 「……神になろうとした、と言ったのだ」 「…………神ぃ?」 エレオノールは唖然とした。 神? この理屈や理論を何よりも重視し、不確かな存在など一切認めないとでも言わんばかりの、このユーゼス・ゴッツォが? 『実際には神とは違うのだが……』などとブツブツ言ってはいるが、例え話にしても『神』とは……。 「何と言うか……」 吐息と共に、言葉が漏れる。 それを聞いたユーゼスは額を指で小突きながら、 「……だから言いたくなかったのだ」 と、深い溜息と共に小声で言うのだった。 「ふぅん……。まあ、確かに壮大すぎると言うか、身の程知らずと言うか、馬鹿みたいな考えねぇ……」 「……………」 やはり言うのではなかった、と後悔してももう遅い。 これ以降、この話を元に自分が散々からかわれたり馬鹿にされたりする光景を思い浮かべて、ユーゼスは少し落ち込んだ。 ……落ち込むような精神がまだ自分に残っていた……いや、そんな精神が新たに芽生えていたことに、驚きも感じていたが。 そしてエレオノールは、ユーゼスに蔑みやあざけりの言葉を、 「でもまあ、それも良いんじゃないの?」 「?」 ……そんな言葉は、放たなかった。 まさかそのようなリアクションが返って来るとは思わなかったので、思わずユーゼスは疑問を顔に浮かべる。 その疑問に、エレオノールは答えた。 「何だか安心したわよ。……悪いけど、私は今まであなたに対して『人間味』みたいなのをあまり感じてなかったから、そういう『願望』みたいなのがあったって分かるとね」 「そういうものか?」 ユーゼスとしては、どうにも信じがたい理屈である。 「そういうものよ。たまにあなたのこと、ゴーレムかガーゴイルかって思うこともあったし。 ……その内容はいただけないけど、でも……」 エレオノールは、軽く笑みを浮かべた。 「あなたもちゃんと『人間』なんだって、安心した」 「……………」 「……何よ、その絶滅したはずの幻獣を見たような顔は?」 「…………お前が笑っている所など、初めて見た」 ユーゼスが言った言葉に、カチンと来るエレオノール。 その言い方では、まるで自分が笑い方を知らないようではないか。……いや、確かに他人に笑顔などを見せるのは随分と久し振りなような気がするが。 「悪い? 人間なんだから、怒りもすれば笑いもするわよ」 って言うか、笑わないのはそっちも同じじゃないの……と、拗ねたような顔をして、ユーゼスに言う。 そして次の瞬間、今度はエレオノールが驚いた。 「フッ……、そうだな。結局、私は―――どこにいようと、どこまで行こうと、どれだけ時が経とうと、人間でしかない……」 「……………」 「……何だ、そのありえない現象を目撃したような顔は?」 「…………あなたが笑ってる所、初めて見たわ」 その言葉を聞いて、ユーゼスは自分の顔を右手でペタペタと触る。 だがすぐに気を取り直すと、エレオノールに向けて反論を開始した。 「悪いか? 人間なのだから、怒りもすれば笑いもするだろう」 金髪の女性は、銀髪の男の言葉にキョトンとして――― 「……フフ、そうね」 ―――もう一度、軽く笑う。 つられたユーゼスもまた、もう一度軽く笑った。 「それじゃあ、もう寝ましょうか。明日も早いんだし、もしまた何かの亜人や幻獣がいたら寝不足じゃ対応しきれないわよ?」 「そうだな」 ユーゼスはギーシュと同じテントに、エレオノールは専用の少し豪華なテントに向かう。 意味があるのか無いのか、よく分からない話はこれで終わりだ。 明日には、最後の秘宝があるというタルブ村に着くだろう。 それに備えて、睡眠をとらなくてはならない。 「朝にはちゃんと起こしなさいよ?」 「起こしたのならば、きちんと目覚めることだ」 就寝のあいさつ代わりに、言葉を交わす。 二人はそれぞれ違う場所で毛布を被り――― (……そう言えば……) (……あれ以前に最後に笑ったのは、いつのことだったか……) ―――全く同じことを考え始める。 しかし記憶を漁ることに疲れ始めると途中で切り上げ、やはり二人ともほぼ同じタイミングで眠りに入ったのだった。 前ページ次ページラスボスだった使い魔
https://w.atwiki.jp/worldneverland/pages/27.html
キャラの動かし方、国での過ごし方はわかってきたけど、プレイしていくうちで「これって何?」という質問を集めてみます。 初歩的Q&A、他左上部分の「共通」メニューのページなども参考にしてください。 オルルドについてはオルルド・困ったら見るページにどうぞ。 わからないことは ゲーム内の生活マニュアルを見てみる(メニュー(スタート)→生活マニュアル) わからない物、場所は ワンポイントヘルプを見てみる(アナログパッドを右に入れる)のが有効す。 オルルドとの違い Q.オルルドであったのに無くなったものを教えて。 A・隠されたメモ、ランク外での練習試合、友人らといっしょに練習、強制ワープ(試合や結婚など)などが無くなりました。 国の地形としては、ワープ(トンネル)地点がなくなり、移動が若干わかりやすくなったように思います。 アイテムについて Q.アイテムを使おうとして地面に置くと、すごい勢いで誰かに取られちゃうんだけど… A・Rボタン押しながら□(四角)ボタン、で持ったまま使えます。 Q.20日のバスの浜でウミカイの卵を拾いたいんだけど、アイテムを引きずらないんですが? A・□(四角)ボタンで拾う。○(まる)ボタンだとその場で食べちゃってることになります。 訓練、試合 試合に勝てない場合は試合について(プルト)を参考にしてください。 Q.PC(プレイヤーキャラ)のLVが勝手に下がっていくんだけど? A・プルトでは成長タイプというのがあって、自分に見合ってない一定のLVを越えると、それに合わせるためLVが下がっていきます。 若いうちはまだのびしろがあるかと思われますが、自分の成長タイプのピークをすぎると必ず衰え始めます。 隠しパラメーターで、画面には表れません。 ややネタバレですが、成長タイプと素質に詳しく書いておきます。 Q.試合の時に強い技を使うと、やたら疲労してる気がするんだけど関係ある? A.関係あります。初期技は疲労度ゼロで使えますが、技が下にいくほど疲労度はたまりやすいです。 仕事について(ウルグ、ボーナス、ウルグ長) Q.仕事が遅いんだけど、高価な道具を借りるほうがいいの? A.仕事の速さは「勤勉性」で上下する。(「性格」の中の要素のうちの一つで、数値は見えない) まじめなキャラほど仕事が早く、勤勉性を上げるには仕事をしないといけないので ずっと仕事をしていればスピードも上がっていく。 Q.ウルグ長になれたから他ウルグの人を勧誘して引き抜きまくったけど、何か問題出たりする? A.ウルグ人数がアンバランスになると、バランスを保つ為にシステム移住者が来ることもある。 Q.ウルグ長になったけど、店持てないのか。メリットなくね? A.デメリット…個人商店が持てない、会話がウルグ長専用のものになってしまう メリット…引き抜きで人員増やして売り上げと給料アップ 回避するならウルグ順位を上げすぎず、候補に選ばれても選挙に出ないこと (現職死亡→2位以下が役職持ちやその同居家族ということで ウルグ2位以下でもウルグ長に任命されてしまうこともある) Q.毎年15日に支給されるボーナスって何? どこでもらえるの? A.その年の前半、14日までの各個人でのウルグでの働き(仕事ポイント)に対してボーナスがもらえます。 ボーナス額は15日の評議会館での会議で決定し、会議終了後、自動で持ち金額に加算されます。 特に受け取る行為は必要はありません。 その年の仕事ポイントに対するボーナスなので、仕事をしていなければもらえません。 Q.転職ってすべき? A.自ら転職をすると、通産仕事ポイントが半分になってしまうためおすすめはしない。 他のウルグ長が勧誘してきた場合は仕事ポイントそのままで転職できるので、 転職先が気に入るようならOKしても。 (いずれも、借りていた仕事道具は新しいウルグ用に借りなおさなければならない。) また、個人商店を持つためには「勤続年数」がかかわってくるので 転職するとその部分でも不利になる。 恋愛、結婚、出産 引継ぎについては子供への引継ぎで説明しています。 Q.結婚したら、アイテム庫にアイテムが大量に入ってたんだけど? A.親元にいたキャラと結婚する場合は、相手は何も持たず新居に来ますが、 結婚前に一人暮らしだった場合は、アイテム庫の中身をそのまま新居に持ってきます。 (PCのアイテム庫の中身がなくならないのと同じ) ガアチウルグの岩やカイモドキなど、本人の所属ウルグでないアイテムが大量に入っているのは、 結婚前に亡くなった親や家を出た兄弟が溜めたものだったりします。 Q.子作りしても、いつ成功したかわからない。 A.ハートの飛ぶ画面をじっと見ていると、成功したときはハートの出ている数がとても多くなっています。 Q.妊娠確定っていつわかるの? いつ出産するの? A.子作りに成功していたら半年(15日)後に「赤ちゃんが出来た」という報告がある。 さらにその半年後(成功した日からちょうど1年後)に出産になる。 半年をすぎた時点でカレンダーに出産予定日マークがつくが、出産が年をまたぐ場合(来年の1日~14日) 現在見ている年内のカレンダーにはマークがつかないので注意。 また、妊娠報告の台詞を聞かなくても出産は行われる。 Q.息子(または娘)が欲しいのに、逆の性別しか生まれない…。 A.国民の男女比も関係するので、男ばかり、女ばかり生まれるということもあります。 (人口や男女比は28日の評議会館で行われる会議で聞けます) ただし男性過多になっても男の子が一切生まれないというわけはないので、運良く生まれることはあるかも。 子供時代 Q.14日のテストの時、○×を選ぼうとしても、キーを押しても反応しないんだけど… A.子供のテストは操作不可です。オートで進むので見守りましょう。 国民(NPC)について Q.NPCの性格を変えることはできる? A.できないことはないが、簡単ではない。特に勤勉性は難しい。 子供時代に教育方針とお弁当で調節するのがメジャーだが、勤勉性が尽きている子供の場合全く学校に通わないためそれも無意味である。 成人の場合、不勤勉なNPCは恋人ができると仕事を頑張りだすので緩やかに勤勉性が上がっていくが、非常に時間がかかる(勤勉-1000から0になるまで10年程度はかかる)。また、家族が多く試合の応援で忙しかったりガアチウルグ員だとさらに勤勉化は遅くなる。NPCの習性として、リムやバハの収穫物は夜に持ち出して朝納品に向かうためその分勤勉性が上がるが、ガアチの収穫物はアイテム庫にしまいっぱなしになるためである。 また、上記の勤勉性上昇は「積極性が低いキャラのみ」であり、ワイルダーやリーダー系は常に走り回り訓練をするため水を飲む回数が多く、恋人ができても勤勉性が改善しない可能性が高い。 詳しくは性格変化(プルト)をどうぞ。 Q.最初に入った国の住人たちって、固定じゃなくて入れ替わりますか? A.一気に死んだらシステム移住者が来る。基本的には死ぬまで固定。 Q.向こうから一度話してきただけですぐ友人になるキャラがいる。友人は選びたいんだけど… A.それぞれの性格に相性があるからです。相性のいい性格同士は友人になりやすいです。 また、友人欄は恋人候補欄でもあるので、異性のキャラが入りやすいです。 具体的には「独身」で「子供のいない」異性のキャラとのファーストコンタクト(知人欄・友人欄にそのキャラの名前がない状態で話しかける)では友好度にボーナスがつくため友人欄に入りやすいです。 Q.システム移民が来たら困ることを教えてくれ A.気をつけていないと勝手に増えてる 変な苗字→結婚して繁殖→地元姓絶滅 訓練魔がきて国のリーグが荒れていく 好きでない性格、顔のキャラが増えるのが望ましくない 子供ができなくなるギリギリの人口でも容赦なく入ってくる、長生き+寿命固定でハラハラ感がない、低素質固定で繁殖し地元民の高素質を駆逐していく まあ好き好きですが長年プレイしている人など特に「システム移民うぜえ」と思ってる層も少なからずいます ただ長生きだから子供残せるし国の空気が多少変わるので必ずしも嫌わなくてもというフォローもしておく その他、生活など Q.オートにするとアイテム、金使いまくりなんだけど、これって仕様? A.仕様です。むしろ本能です。 Q.雨、雪って何か影響ある? A.雨、雪が降っている時に走ると転びやすくなる。また、仕事に影響。 雨 バハ→仕事速度アップ、リム→仕事速度ダウン 雪 バハ→仕事速度ダウン、リム→仕事速度ダウン?★情報求む★ ガアチは影響なし?(雨の日に仕事速度アップ?)★情報求む★ 他、普通の雨と土砂降りの影響の差は不明? Q.武術がんばってたら「ナァム継承権○位」っていうのがついたんだけど、 ナァムって決められた一族だけなんじゃないの? A.ナァム継承権は1位~4位まであり、現在のナァムの親族につくのですが、 親戚が少ない(4位まで親族で埋まらない)場合は、 ショルグ順位が高く、役職(ショルグ長、ウルグ長、議長)についていないキャラにも継承権がつきます。 PCが継承権1位の時に現ナァムが死亡すれば、初代PCでもナァムになることができます。 Q.いつのまにかイムが自宅に住み着いてるんだが? A.議長とイム争奪戦優勝者はイムを飼う権利がある。 そうでなければ、イムは夜中、地面に置いてある(落としてしまった)アイテムを食べにいく習性があり、 自宅に落とした際に住み着いたものと思われる。 放っておけばそのうちいなくなるし、そのまま居続けてほしいなら同じように夜中にアイテムをばらまいておけばしばらく居つく。 Q.ある日いきなり住居がかわってた。なんで? A.PCを含む同居人が役職についた場合、役職専用の家に転居します。 通常、ウルグ長→選挙で選ばれた日(28日)ショルグ長→ショルグ順位が決定する日(30日) 議長→議長選挙で選ばれた日(30日)に転居します。 議長以外の役職者が死亡した場合(ナァムを含む)、次の候補者は、前任の死亡した日に転居になります。 また、役職を持っていたキャラがウルグ選挙に負ける、ショルグ順位が低下するなどで役職を失った場合、 それぞれの日に一般の住居に転居させられます。 Q.画面を切り替えた時、たまに「?」の吹き出しをPCが出してることがあるけど、あれって意味あるの? A.1・意味はない説 絶対誰にも呼び止められない状況でも起きるので2はありえないため削除 ★情報求む★
https://w.atwiki.jp/cbkomachi/pages/11.html
ここでは、「アイマス」というゲームの側面から見たアイマス2問題(及び懸念・危険性)を追求しています。 1. アイドルマスターとストーリー アイマスシリーズは、全て周回プレイを前提として作られたゲームです。 勿論2もその例に漏れませんが、そのシステムは周回プレイに極めて不向きと言わざるを得ません。 1-1. ゲームの奥行き アイドルマスターは本来、「決められたシナリオ・ストーリーがない」ゲームです。 ストーリー性を持つのは営業(コミュニケーション)ですが、各コミュのシナリオは基本的には断片的です。 どのコミュから見ても、あるいは全く見なくても辻褄が合うように作られており、 各コミュはいわば「シナリオのかけら」とでも言うべきもの。 プレイヤーはそのシナリオのかけらを拾い集め、担当アイドルと一緒に自らストーリーを紡いでいきます。 誰かに敷かれたレールを走るのではなく、 自分の好きなキャラクターと共に、自分達の好きなように自由にストーリーを描いていく。 ちなみに、これらはマスターブックのシナリオスタッフインタビューでも言及されている事です。 与えられた週の中では何をするのも自由であり、どんなストーリーにするかは好きなように決める事が出来ます。 ベストエンディングを狙うもよし、血の涙を流しながらわざとバッドコミュ取ってメール集めするもよし、スコアアタックするもよし。 自由過ぎる程に自由度の高いゲームです。 シナリオの不足分は各々の脳内で妄想補完。 それぞれのファンがそれぞれのストーリーを描き、広がりと奥行きを持つ独特で多様な世界を形成、それがアイマスの極相でした。 1-2. シナリオの一本化が意味するもの 毎回毎回毎回毎回、おんなじストーリーです。 回避ルートや別ルートはなく、プロデュース中は敷かれたレールに沿って走っていく事となります。 エンディングが4ルートに分岐していると言っても、分岐するのは最終週である55週目。それまでの「過程」となるシナリオは完全な一本道です。 これでは分岐しているとは言わない。 しかもそのシナリオが一部ファンを心底不愉快にさせる内容ってどうよ ? ついでに言うと、前作のエンディングは9種で今作は4種と半分以下に減ってますからね ? 今作は「シュミレーション」と言うよりは「RPG」であり、 自分でストーリーを決め・紡ぐ楽しみは薄れてしまっています。 しかし、自分達で作るストーリーこそがアイマスの独自性であり、他に代え難い魅力なのではないでしょうか ? もしこれがアイマスに存在しなかったら、果たしてアーケードゲームから発展していったでしょうか ? コンテンツとしての成功を見たでしょうか ? 『アイドルマスター』に集うのは、『アイドルマスターにしかない魅力』を求めているファン達。 他のゲームで代えがきくようなら、そう長い間ファンでいる事はありませんし、わざわざ大金を次ぎ込んでDLCやグッズを買う事もないでしょう。 アイマスコンテンツが成功したのは明らかに少数精鋭のユーザー層をがっちりと獲得していたためであり、そのユーザー層は「アイマスにしかない魅力」に惹かれてファンになり、ファンでい続けています。 アイマス以外のゲームでは代用がきかない、独特の面白さ。 それが「ストーリーを担当アイドルと二人三脚で紡いでいく事」だったとしたら、シナリオの一本化は何を意味するでしょうね ? 1-3. そして作業化へ… また、シナリオの一本化は「プレイの作業化」をも強める事となります。 当たり前の事ですが、何回も何回も同じ事を繰り返していると、やがて「飽き」がきます。 そうなると、ゲームは完全に「作業化」しますね。 つまりゲーム自体をやり尽くした事と同義となり、プレイの意味は薄れます。 ……これが何を意味するか、説明する必要もないでしょう。 長期に渡るプロジェクトを展開させていくつもりなら、ファンを飽きさせてしまったらそこでおしまいです。 また、『シナリオに飽き、作業化する』という事は、シナリオ自体を形骸化させ、その意味を完全に失わせる事にも繋がります。 「ジュピターはゲーム性を高めるために投入された」 → 「飽きたら燃えもなにも無い」 → 「じゃあアイマス2の戦略性と難易度は ?」 「10周目の小町戦で負けるとユニットステータスがドン底に落ちる」 → 「毎回毎回落とされる、何をしても負けるからプレイの意味はない」 → 「やがて自由なプレイを阻害する『邪魔者』くらいの認識しかされなくなる」 こうなると最早「ライバルと競い合ってトップを目指す」という目的も意味も内容も崩壊。 あれ ? アイマス2ってどんなゲームだっけ ? 1-4. 前作までとの違いは『回避』の有無 ゲーム自体が作業化しやすいのは前作でも同様ですが、『作業感を回避するルートが取れる』という点で決定的に違います。 作業感が苦痛ならば、作業化しないルートを取ればいい。 作業ゲームになっているのは、作業化したルートを取っているから。パターン化して作業ゲームになってきたら、その一部だけでも崩してやればいいだけの話です。 例えば、同じAランクベストエンドにしたって、オーディション18回前後でコミュを中心にのーんびりプレイする道から、 マスターとLT出たらあとは時間の浪費とも言えるIV7万狩りを行ない大半をオデに費やす道までピンキリです。 オデに飽きたらコミュを中心にプレイ、休日イベントを1回のプロデュースでフルコンプしてみたり、 パフェコミュに飽きたら、あずさBランクある日7でム(中略)をマッサージし、そのリアクションを色んな意味で楽しみつつわざとノーマルコミュやグッドコミュを取ったり、 あずさCランクビデオ撮影でム(中略)をタッチしてパフェコミュを取るというとんでもねぇプレイ(可能です)をしてみるとか、 作業にならないルートを「選択する自由」がありました。 決まったストーリーはなく、自由過ぎるくらいに自由。(前述) シナリオ片であるコミュは無数にあり、また多少の作業感もキャラでカバー出来た。(後述) 作業にしなくても最良のエンディングへと辿り着ける。(2のパフェエンド狙いは作業必須) しかし2ではそれが出来ない。1-2.で述べたように独自性も失われている。 この展開・方針を続けていくとしたら、一体誰が今後アイマスに付いて行くと言うのでしょう…。 2. コミュニケーションの大幅減と問題点 コミュニケーションはそのキャラを掘り下げ、性格に深みを与え、プレイヤーの目に魅力的に映すもの。 また彼女達と触れ合える場でもあるため、キャラ好きファンはこれを原動力として何十何百とプレイを繰り返します。 では、そのコミュが非常に薄っぺらいものになってしまったら……、何が起こるでしょうか ? あまり大きく取り上げられていませんが、アイマス2のコミュのボリュームは恐ろしいくらいに激減しています。 無印のコミュ量は休日イベントを含め87種類。 多くの場合、3択の選択肢が3回繰り返されて、1コミュあたりの時間は3分前後。2択×2回もありますが、逆にタッチコミュは5パターン以上の異なる反応があるものも存在します。 で、それを10人分。(81種×3択3回+休日イベント6種)×10人=7350パターン。 つまり、無印のコミュのシナリオには約7350パターンもの異なる反応が隠されているという計算になります。 エンディングも9種×10人、裏ルートがある方もいますし、更にお別れコンサートで選ぶ楽曲によっては違うセリフになったりして………とにかく膨大な量です。 やり尽くして飽きるには相当数のプレイを必要としますし、また数が多い分アイドルさんの様々な一面を盛り込む事が可能です。 およそ7350パターンもの反応をコンプリートする・しないは別にしても、 これは紛れもなくゲームの幅であり、プレイの自由度であり、周回プレイの楽しみであり、そして作業化の回避・軽減の道でもあるわけで。 さて、アイマス2はどうかと言うと。 聞いて驚くがよい。ストーリーコミュも全てひっくるめて、1人あたり僅か31種類。 これだけでもびっくりの減少率だと言うのに、このうち5種類は開始1分で無条件パフェコミュになるという仕様。 選択肢数も多くが3択×2回とこれまた大きく減少。しかもP可能キャラ9人ですよ ? (26種×3択×2回+5)×9人=1449パターン。 前述通りエンディング数も無印の半分以下。些細な問題では済まない程の、有り得ないボリューム減少率です。 さて、この項目の最初の文に戻ってみて下さい。 アイマスにおいてコミュニケーションは、一体どんな意味を持っていたのか。 それが大きく減るという事は、すなわちどういう事を招くか。 新規ファンへキャラの魅力をアピールする場である → それが失われたり、減ってしまったら ? 飽きさせずに何回もプレイをさせる事が出来る → それは無印ほどの分岐があってこそでは ? コミュ数に比例してキャラを深く掘り下げられる → キャラゲーであるアイマスでキャラを掘り下げなかったらどうなる ? その魅力は ? キャラとの交流を楽しみにプロデューサー業を続けるコアユーザーが多い → その一番の機会であるコミュが減ってしまったら ? これらはいずれも「量的問題」になりますが、2ではこれに加えて「質的問題」も見られる始末…。 1st Vision、特にコミュ数の多い無印はお仕事から雑談、プライベートや複雑な家庭事情までそのコミュ内容は多岐に渡り、かつ深い描写がありましたが、 2は基本的にお仕事の話で単調、その上キャラの個性の掘り下げを怠っている感が否めず、一部の性格を強調するに留まりその深い内面や人間的魅力の表現が不足しています。 「キャラクター」はアイマスにおいて主要な魅力の1つ。 量的にも質的にも、アイマス2ではそれが損なわれていると言えるでしょう。(まして性格改変や改変と映る描写があるので尚更。) なにがボーナスコミュだ ? コミュは単に「思い出を稼ぐ」だけの場では無いのだ !!! 3. NPC戦は対人戦の代わりに成り得るのか 経験者なら誰でもお分かりでしょうが、NPC戦と対人戦では戦略性も緊張感もまるで違います。 体感的に言っても石原氏の考えが真にはならない事は明白ですが、ここでは「なぜこうも違うのか」という理由を探ってみましょう。 3-1. 条件の公平性 さて、オデにしろライブにしろフェスにしろ、いずれも一定の「ルール」の上に成り立っています。 総スコアを競います。 スコアが高ければ勝ち、低ければ負け。 それはプレイヤーもNPCも対等な条件であり、何をやっても負ける、何もしなくても勝てるなどという事は一切なし。 つまり、フェアプレーの成立です。 アケ・無印のオーディションにしても同じ事で、特に対人戦は一進一退の攻防。 勝つも負けるも可能性は平等。対等な条件において、一切のイカサマもなく競う真剣勝負です。 気を抜けばあっけなく負けますし、全力でぶつからなければイメージレベル16であっても足元を掬われます。 イメージレベルを多少上げて臨みさえすれば、「絶対に勝てない」という戦いがないのも特徴。 (そりゃイメージレベルに差が大きければ当然勝てませんが、『イメージレベルが高い』という事は、つまりそれだけレッスンをして能力を上げる事に努めたという事。無条件で得られる強さではなく、それ相応の努力の結果。その気になれば自分自身も同じ事を出来ますし、相手との条件はやはり対等です。) で、アイマス2はどんなものかと言うと。 スコアで上回れば勝利するのがルール。 向こうのスコアが上回った場合はこっちが負ける、というルールなのに、何故こちらはスコアが高くても無条件で負け扱いなのか。 ユニットの「強さ」は言わば努力の結晶。 プレイヤーが努力の結果手にした実力で、自分もそれと対等の状態にする事が可能ならともかく、いくらレッスンしても到達不可能な強さを無条件に得ている相手と強制的に戦わされる事になる。 そんな勝負に意味はありますか ? いわば「チート」相手の戦いが、楽しいですか ? 燃えますか ? 何をしようが同じ結果になるのなら「頑張ろう」などという気持ちにはならず、燃える事はありません。 10週目や32週目など、それこそコントローラー放置0ptsでも同じ結果なわけで。 対等の条件での戦いでなければ、勝負に「燃え」を感じて興奮する事は有り得ません。スポーツとかと同じですね。 3-2. 根本的に異なる「強さ」の質 ただし、そのNPCの実力が本物で、かつプレイヤーが必死になって戦えば勝てるものであったら、条件がフェアでなくても「燃え」を感じるでしょう。 「実力が本物」であれば、です。 …なぜ、アイマス2は「強い相手を用意する」ではなく、 さんざん強い強いと強調した挙句、 実際の対戦時は弱く設定する、なのでしょう ? その強さを裏打ちする実力が無いんですよ。 例えば54週目、「仕様」と「設定」という強さがなくなったジュピターは、びっくりするくらいに弱い。 32週目の有り得ないスコアとボルテージ上昇率が嘘のようで、竜宮小町が負けたのが全く理解出来ません(シュガーシャワーフェスやソング・アンセムズやってごらん)。 演出があまりに過剰にして誇大。 実力が伴わない、仕様と設定に頼った偽りの強さの者など、逆に弱く見えます。戦っても燃えどころか「萎え」。興ざめです。 こんな強さのライバルの燃えがプレイヤーと同等と言うのは、担当アイドルと共に努力し経験を積み腕を磨いてきたプロデューサーへの侮辱と同義ですよ ? ちなみに戦略性の低下は、簡単にクリア出来てしまう → 周回プレイの魅力低下にも繋がります。 頭脳戦やリズムゲームの好き嫌いなどとは無関係に、これは存在する事実と言えます。 4. 周回プレイとS4U アイマスの「オーディションに合格しないとステージシーンが見られない」というシステムは、 周回プレイを強化する一種のオペラント条件付けとなっていました。 ……と言っても分かり辛いですね。 (この場合の)オペラント条件付けは、いわゆる「アメとムチ」です。 一般的に言うのなら、レッスンやオーディションは「ムチ」、コミュやステージシーンが「アメ」でしょう。 ステージシーンを見るためにはレッスンを積み、オーディションに挑戦して合格する必要があります。 コミュにしたってそうで、特に高ランクのいちゃいちゃ系コミュを楽しみたいなら、オデを勝ち抜いてファンを集め、ランクを上げていく必要があります。 「アメ」はなかなか手に出来ないからこそ「アメ」の効果を持ちます。 簡単に手に入るのならその意味はなく、特にゲーム性がシビアで難度の高いアーケード版は、アメの効果をより高いものにしていました。 (それ故じっくりコミュやステージを楽しむ事が出来ないのが欠点でしたが、だからこその箱版移植と、P要素なしのファンディスクであるL4Uが大きな意味を持ちました。しかもどちらも正統進化を遂げた作品。) すなわちオデとステージのアメムチ関係は、周回プレイを魅力的に感じさせる(楽しんで周回プレイをしてもらうための)条件付けの効果をもたらし、 他の要素との相互作用もあってコアユーザーの定着・維持の役割を担っていたと考えられるでしょう。 さて、アイマス2に搭載されているS4Uシステムですが。 これが存在していると、わざわざ周回プレイをしてまでステージを見る必要はなくなるわけです。 ステージの「アメ」としての機能を失わせ、周回プレイの必要性と魅力を損なっていると言えるでしょう。 「それでいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。しかし、 アイマスは単なる「ステージシーン鑑賞ゲーム」などではなく、 また「ファン」の視点から「アイドル」を見るゲームでもありません。 そもそもゲームは「見る楽しみ」だけではなく、「自分でプレイする楽しみ」を付加したコンテンツです。 アニメや漫画とはそこが違う。自分でプレイする面白さはゲームでしか味わえません。 アイドルマスターは、あくまで自身がプロデューサーとなってアイドルを育成するシュミレーションゲーム。 プロデュースこそがアイマスの独自性であり、他のでは代えが利かない最大の独自性。 そういう意味でもP不可は重罪であり、ビデオ・フォトの保存数が少なかったのは賢明な判断であり(でもL4Uだったら曲数分あっても良かったね)、プロデュース要素とS4Uシステムの混在はアイマスの根幹を損なう性質のものと言えます。 プロデュースの意味を失ったアイドルマスター2は、L4Uの劣化版ソフト『スモールフォーユー』。 ゲームとしての寿命は長いものではないと言え、それはコンテンツの寿命にも関係してきます。 高価なDLCで長期の継続搾取を目論んでいるなら、尚更ね。 5. まとめ ボリュームは少なくやり込み度が低い。 作業化しやすく飽きが早い。 肝心要のキャラを活かし切れていない。 戦略性に劣る。 S4Uにより周回プレイの意味が薄れる。 アイマス2も、ゲームとしての「完成度」は決して低くありません。 しかし、その「内容」はコンテンツの長期的な存続・繁栄には全く不向きのものであり、完成度が評価されるのも初期のうちだけでしょう(この予測は後に見事的中する事に)。 ちなみに無印はその正反対、内容は良いですがシステム的には改善の余地を多く残します(モバゲーほどではないですが…)。 アイマスコンテンツが発展したのは、少数ながらコアなユーザーを長期に渡って定着させる事に成功したため(しかも開発陣ではなくユーザーの動画による偶発的ヒット)。 ただでさえ衰退の傾向を見せていたのに、9.18で最大の搾取対象であるヘビーユーザー層を逃し、その後もユーザー獲得の視点からは疑問のある展開・対応の連続。 ……アイマス、大丈夫 ? コメント欄 尚、ここでは大きく分けて4点を扱いましたが、実はこれ以外にも問題はあったりします。ただし本会は「小町返還を求める会」なので、キャラゲーとしての側面・アイマスの根幹に関わる部分のみに絞って記述しています。 石原さん↑のコメント否定してません?「単なるギャルゲーではない。」って5年前に頂いた評価を鵜呑みにして(公式ブログ「【開発部より】アイドルマスターを愛して下さっている皆さんへ」より) -- 名無しさん (2011-06-02 19 33 34) す、すみません、ちょっと意味がよく取れないのですけど…、えーと、コメントのどこの部分を、でしょうか ? 「キャラゲーとしての側面」の部分ですか ? (もしそうなら)アイマスは「ただのギャルゲー」で無くとも、「キャラゲー」である事には違いありません。(と答えます。捉えた場所が間違ってたらまた言って下さい) -- あずさ専属P (2011-06-02 20 34 19) その部分のつもりでいったのですが…回答ありがとうございます -- 名無しさん (2011-06-02 22 12 09) あ、合ってて良かったです。この回答で分からない所などがありましたら、また聞いて下さい。 -- あずさ専属P (2011-06-03 08 28 35) こんなにも酷くて酷くてめっちゃ酷いゲーム(あくまで個人の意見です)なのに確かなんとか賞(名前忘れましたorz)やらとったらしいですね。いろんな意味でビックリです。…小町を差別化したり、ミクさんゲーをパクったり(しかも劣化してるのは内緒)、姉さんだけイメチェンさせたり、ゆきぴょんにm(ryで弁当暖めさせたり、亜美ちゃんより真美の方が作画とかが良かったり、はるるんの朝の挨拶がやたら元気だったり、等2路線は本当におかしい。本当におかしい。大事なことなので(ry最後の作画はあくまで個(ryなので気のせいかも。でもSFは明らかに…こんなの絶対おかしいよ。というかごめんなさい途中からあんまり関係ない話にorz -- アミリP (2012-11-26 00 56 07) エンディング数が一人当たり9種→4種ということは、全体で見れば96種(美希裏ルート含む)→36種ってことになるんですよねー。 -- 東海道本線P (2012-12-06 23 09 43) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/9179.html
161 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 08 33 55.38 ID 5SSSmPR6I ついカッとなって通勤中にカキコ 俺はGMよくやってるんだが、この所忙しくてGMできていなかった というかサークル時も参加できていない そんな中、GWくらい参加しろってメールが来た 「忙しいとか言い訳してやるべき事をやらない奴はクズだ」 なんてマジに書いてあった 「時間なんてものは作るものだ」とか「みんな待ってるのにお前が来ないからできない」とかの恨み言がびっしりで 「ここまで言われてやる気出ない」と返したら 「それはおかしい。やる気が本当にあるんなら外野に何言われても断固としてやる事やるはずだ」 「結局お前は逃げを正当化してるだけだ。責任転嫁するな」 こんな事や他の罵詈雑言書かれてるんだが もしかしてこれでやる気無くした俺が悪いのかな(棒) 162 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 08 44 52.96 ID pRGhgy5IO [1/2] メール相手は161のこと奴隷みたいなもんだとしか認識してない 164 名前:ゲーム好き名無しさん[] 投稿日:2014/05/02(金) 09 03 22.88 ID h4AoxybG0 [1/4] 161 マジ乙 ただただ酷いとしか言いようがない 「そこまでの暴言吐く奴につきあってやる義理がないからだ 自分の都合ばかり押し付けておいてでかい顔するな暇人」と送ってやれよ それでつながり切れても文句ないだろこんな奴 そのメールしてくる奴が一人で鳥取顔役でもないならその前に他の面子に相談してもいいと思うが 165 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 09 05 51.06 ID +kZ0naAj0 [1/2] 161 乙 そいつがGMやってるのかは知らんけど、そうでないなら「お前がGMやってろよ」とでも送ってやれば? 166 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 09 07 54.41 ID HM89BKiP0 [1/4] こんなんに付き合う必要なんてあるんですかね? 167 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 09 13 50.60 ID fZRB6aYA0 PL専って本当害悪でしかないなあ 訂正、「GMをやる気もない、GMにぶら下がってばかりの」PL専って本当害悪でしかないなあ 168 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 09 35 54.90 ID l74lu0380 時間がないから遊べないんだよに対して 時間は作れカス とか返すアホとつきあう必要性0だよな 169 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 09 43 28.28 ID Kq2AUiyy0 [2/2] オンラインセッションでかなり地蔵寄りのPL専ってなにが楽しくてやってんだろ しかも寝落ちするから追放手前だし 170 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 09 47 00.36 ID uRYM2fOJ0 [1/2] 161 乙。ひでえなあ。なんで遊びなのに強制されなきゃいけないんだ さっさとサークルの面子にそのやりとりメール転送して、そいつ蹴り出すかサークルからFOした方が良いと思う 少なくとも、そいつとは卓囲まない方が良いと思う。囲みたくもないだろうけど 172 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 10 59 11.45 ID 5ZPGVwrw0 161 とりあえず他のメンバーにそのメールを公開してやればいいんじゃないかな 173 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 11 05 50.94 ID Uw3NuIAB0 161 >「やる気出ない >やる気が本当にあるんなら そのメール相手池沼かwねぇって言ってるだろw 174 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 11 14 29.48 ID 2AVi4tma0 ただただ乙としか言えん ここ見てると俺の近辺は平和なんだなーって確認できてほっこりする 175 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 11 42 04.84 ID v+zSLp9x0 161 お疲れ。 困の主張はまんまブラック企業の理論だな。頭おかしい。 232 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 21 59 50.32 ID gndSyw/TI 今朝カキコした者ですが… 仕事中スマホ見れず放置してたら 「で、明日は何時なんだ」とか「ここまで言われてんだから当然準備はしてるよな」とか「合間合間に携帯チェックくらいするのは当然社会人のマナーだから見てるよな?」とか 「メール見て行動しないクズじゃなければ14時までに連絡よこせ」とか「まさかお前が本当に無視する程度の低いクズだとはな。もうお前は出禁だ」とかのメールだらけだった しかもCCで他メンバー全員に送られてたけど他も何もフォローなし これは抜けどきですかねととりあえず一人に打診したら 「お前が辛いなら辞めるのは止めないよ」ってさ どうも残る気の面子ばかりらしい 長い付き合いだったが何だかな…と思う最後でした 233 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 03 55.64 ID RoYbEX8B0 [1/2] 232 縁が切れておめでとう、いや本気で 念のためにそいつら(特に困)のメアド着信拒否しておくといいよ 234 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 08 50.16 ID f35iqJTZ0 [1/2] 232 家庭板のようなネタだけど、このTRPG界隈でも 一方的に縁切りとかサークル追放宣言をしておいてから 「『許してやる』から戻ってこいよ。お前も、TRPGができなくなって『反省』したろ?」 とかメールを送ってくることがあるし、ひどいのになると「お前が払うはずだった 会場代を今まで立て替えているからその分も払え」とか 理解ができないものを送ることもあるそうだ。 今のうちに連中のメルアドと電話番号を着信拒否しておけよ。 235 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 15 23.49 ID q0muZ24e0 234 つか、過去にそういう報告あるしな… 236 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 21 26.33 ID vYFLJSu7O 232 これは・・・次の被害者が出ないように、色々と晒しても良いと思えるレベルだな。 せめて都道府県だけでも。 237 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 22 57.02 ID S1VYmkYp0 [3/4] 232 おめでとう!マジでおめでとう! 頭のオカシイヤツ等と縁が切れて万々歳じゃないか良かったな、おつかれさん おっと、上で書かれているように諸々の対処は怠らないようにね 238 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 26 10.65 ID pRGhgy5IO [2/2] CCで送られた通りに一方的にあれやこれやだから、もうやらない って事をCCで巻き込まれてるやつに送って擁護があるかだけ見てみたいな。 一緒に抜けてやるってのが一人か二人いれば、困にいい仕返しになるんだけど 239 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 26 32.33 ID OUmrg5b1I そうね、ありがとう とりあえず送ってきた奴は拒否にした 240 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 28 46.23 ID i4SfRU5W0 [3/4] 232 乙、情の残るような形でなく縁が切れて幸いだったと思うしか… TRPGそのものだってお互い適度に気を遣いながらやらないと楽しめない遊びなのに そんな態度を取ってくるやつや、それになんの意見もしないような奴等ばかりじゃ 例え続いていたとしても楽しい卓は囲めないと思うよ 241 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/05/02(金) 22 30 12.36 ID +2J3ocwv0 俺本気で理解できねえんだけども GMは基本的に一番負担だし面倒(そしてだからこそ一番楽しい)ってことを理解出来ない、 もしくは理解してても他人に押しつけて楽しい部分だけ横取りしようとする人間がどうしてこんなにいるんだろうか スレ381
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/2454.html
789 :1/5:2012/09/03(月) 20 59 38.73 0 【ツンデレと久しぶりに会ったら】 なんか超なんか。なんか。なんかー! 夏休みが終わったとか。なんか! 「今日は登校日なんだ。今日は登校日なんだ……」 そんなわけであずまんがの智ちゃんよろしく自分に言い聞かせながら教室に入ると、何やら寂しそうな顔をした奴が視界に映った。どうしたのだろうと見ていると、その生物が顔を上げた。瞬間、目が合った。 途端、目をきらきらさせ、にっこりと幸せそうな笑みを浮かべるではないか。だがその生き物はその表情をぱっと改め、急にしかめっ面になった。そして、何か言いたげにじーっとこちらを見ている。 見られたからには仕方がない、自分の席へ移動して鞄を置き、そのまま寝る。 「違うだろっ! そこはみことのところへ来るところだろうっ!」 なんか席の前がやかましくなったので顔を上げると、件の生き物が何やら半泣きで俺の席の前に立っていた。 「おはよう、みこと」 「う、うむ。お、おはよう」 ので、とりあえず挨拶をかわしてみると、腕を組みながら鷹揚に返事をくれた。ただ、なんか頬がひくひくとひくついている。なんだろう。 「久々の登校日に俺は早起きして眠いので寝る。お休み」 「む? 何を言っている。登校日ではなく、今日から学校だぞ?」 「みことは子供だから知らないかもしれないが、登校日なんだ」 「子供じゃないっ! それに、登校日ではないぞ。もう9月に入っているし」 「冗談は背だけにしろ」 「また馬鹿にしたな!? ううう~……やっぱ貴様なんか嫌いだっ! ふんっ!」 「それは残念。ところでみこと」 「なんだっ! みことは今、ヒジョーに不機嫌なのだっ! くだらん用事だと張り倒すからなっ!」 「久々に会ったことだし、帰りにどっか寄っていこうか?」 「うんうんっ、行く行くっ!」 なんか満面の笑みでうなずかれた。 「…………」 そしてみことが止まった。 「……と、とでも言うと思ったか、た、たわけめ」 790 :2/5:2012/09/03(月) 21 00 10.17 0 何やら顔を赤くしながら、しどろもどろになりながら、みことは途切れ途切れに言った。 「ええと。どうすりゃいい」 「……貴様に武士の情けがあるのなら、流せ。頼む」 うつむきながら、絞りだすようにみことがつぶやく。良く見たら身体が震えてる。 「ふむ、分かった。で、最初の満面の笑みの『うんうん行く行く』はどういうことだ?」 「武士の情けーっ!」 みことは顔を真っ赤にして、半泣きになりながら俺をぺこぽこ叩いた。 「生憎ただの学生なので、武士の情けは存在しないなあ。学生の情けがあるなら、と言っていたら流していたのだけど」 「やはり貴様は大大、だーい嫌いだーっ!」 「わはは」 ぺけぽけしてくるのが楽しくて、みことの頭をわしわしとなでる。 「うぅー……」 「どうした」 「なんでもないっ! がるるる!」 がるるる言うこのみことは怖いなあ、となでながら思った。 今日は初日ということで、あっという間に放課後になった。さて、どうするかと思ってたら、何やら視線を感じる。けど、まあ、気のせいだ! 「さあ帰ろう帰ろう!」 「ええっ!?」 何か怪訝な声が聞こえたのでぐるりと教室を見回すが、特に異変は見つからない。ただ、強いて言うなら、みことが何もない壁の方を向いて、口でぴょーぴょー言ってるだけだ。口笛のつもりか。 「……気のせいか。さあ、帰ろうか!」 「ぴょーぴょー!」 妙に口笛風のぴょーがうるさくなった。一体なんだというのだ。そちらを見るが、やはり壁の方を見てぴょーぴょー言ってるばかり。 「……ああ! そういえば!」 「ぴ、ぴょ? ぴょー?」 「腹が減った。早く帰って飯を食おう」 791 :3/5:2012/09/03(月) 21 00 40.74 0 「みことと遊びに行く約束だろうっ!?」 どでででとこちらに走りより、みことは俺をがっくんがっくん揺さぶった。 「なのに貴様は帰ろうとか腹減ったとか! どういうことなのだ!? みこととどっかへ行く約束はどうなったのだ!?」 「いや、覚えていたのだけど、忘れたフリをしたらどうなるかなあと思い実験したら、こうなった」 「…………」 ややあって、みことから湯気が出た。 「みっ、みことは貴様なんかと一緒に遊びに行くのなんて、ちっとも楽しみになんてしてないからなっ!?」 「いやお嬢さん、それは少々無理があるかと」(なでなで) 「無理などないっ! みことはそんなの全然楽しみになどしてないからなっ! あと頭なでるなっ!」 「いいえ」 「いいえ!?」 「で、どうする? 行くか、行かないのか」 「…………い、行く」 「──えーと」 「色々言うなっ、たわけっ!」 なんか半泣きだったので、いじめるのはここまでにしようと思った。 そんなわけで。 「えへへー♪」 みことと一緒に街をぶらぶらしたりしているわけなんですが。 「あの、みことさん」 「ん、なんだ? あっ、このアイスはやらんぞ! みことをいじめた罰なんだから、それくらい当然だぞ!」 俺から守るようにみことはアイスを急いでぺろぺろ舐めた。だが、急ぐあまりクリームが口の周りにつきまくりだ。 「あーあー、クリームがついてるぞ。ハンカチ持ってるか?」 「持ってるわけないだろう」 「はぁ……。ほれ、こっち向け」 792 :4/5:2012/09/03(月) 21 01 47.79 0 みことと一緒にいるとこういう事態が多々起きるので、俺はハンカチを持ち歩くのが習慣づいている。そんなわけで、ポケットからそれを取り出し、みことの口元を拭う。 「んー、んぅー」 「ほれ、動くな。……ん、よし。終わりっと」 「綺麗になったか?」 「perfectでございます、お嬢様」 「うむ、褒めてつかわす!」 二人してわははと笑う。 「……えへへー」 笑い終わると、みことは何やら嬉しそうにこちらに寄ってきた。 「どした」 「んー? いや、なんでもないぞ。ほら、学校が始まったなー、って思っただけだ」 「あー……そうな。ああ、夏休みが一年あればいいのに」 「それじゃ毎日が夏休みじゃないか」 「なんて夢のある生活なんだ。そうなればいいのになあ」 「……みことはそんなの御免だ」 「なんと。学校が楽しいとかリア充か。ちくしょう、こんなところまで来て非リアの俺を攻めるか」 「みことという美しい女性と一緒にいて、何を言うか」 「ああそういやそうだった。みことという可愛い子供と一緒にいるし、俺もリア充なのか」 「じょせい!」 「子供」(なでなで) 「じょーせーい! れでぃ扱いしろっ!」 「任せろ!」(なでなで) 「言動不一致だぞ! まったく……」 ぷんぷん怒りながらも、みことは俺になでられるがままだった。 「──で、家の方は?」 ベンチに座り、ぼやーっと人の流れを眺めながら切り出す。 793 :5/5:2012/09/03(月) 21 02 30.54 0 「相変わらずだ。歌に舞に茶にと、大忙しだ。下手に家がでかいと、苦労が絶えん」 「そか。ま、学校にいる間くらいは息抜きしろよ。ぶっ壊れちゃ、元も子もないからな」(なでなで) 「……ん」 金持ちには金持ちの苦労があるよな。せめて学校にいる間くらいは、笑っていてほしいものだ。 「……何より、休みの間は貴様に会えんからな」(ぼそり) 「ん?」 「なっ、ななな、なんでもない! 何も言っとらんっ!」 「なんでそんな顔赤いの?」 「あ、赤くなどないっ!」 「俺も本当は休みの時にも会いたいんだけど、いつも門前払いされちゃうんだ」 「聞こえているではないかーっ!?」 「わはは」 「忘れろ! 全部忘れるのだ!」 「や、俺もみことに会えなくてずっと寂しかったよ」 「も、ではない! みことはちっとも寂しくなどなかったぞ! 学校が始まるのを指折り数えなどしなかったらからな!」 「……はは、なるほど。じゃあその分を埋めるべく、しばらく一緒にいましょうね」 カレンダーを見ながら指折り数えてるみことを想像すると、思わず笑みがこぼれる。それを隠すため、という名目のもと、みことを膝にのっけて頭をなでる。 「寂しくないと言っているだろう! ……だ、だが、人の厚意を無碍にするのもなんなので、我慢してやる。と、特別だぞ?」 こちらに振り返り、上目遣いでそんなこと言われた日には、そりゃもう。 「ああもうみことは可愛いなあ!」(すりすりすり) 「ひゃああああ!?」 「今すぐにでも一緒にお風呂入って洗いっことかしてえ!」(すりすりすり) 「は、犯罪だ、馬鹿者! そ、それより、すりすりするなあ!」 「ふっにふにでモチみてえ。ああもう一生こうしていたいなあ!」(すりすりすり) 「ふにゃー!」 うららかな街角でみことの悲痛な声が響くのだった。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5849.html
前ページ次ページラスボスだった使い魔 「………」 ようやく2冊目を読み終えた。かなり遅いペースである。 そもそも、いちいち辞書を参照しながら専門書を読み進む―――という行為に無理があるようにも思う。 (ともあれ、焦る必要もないが……) 1冊目の本を読んでいる時に感じた『強烈な反応』に関しては、少なくともこちらからは絶対にアクションを起こさない、と決定している。『一ヶ月前の反応』も『一週間後の反応』も同様だ。 こんな未知数な存在を相手に、うかつに行動を起こすほど、自分は若くもなければ勇気もないのである。 今まさに調べている『魔法』のように、自分の興味を引く物であればその限りではないが、何せ精神年齢はもう70歳近く。 40年前のように、 (……地球人の凶暴性、ウルトラマン、そしてデビルガンダム……私の汚名を返上するには最高の素材だ……。 クククク……全宇宙に私の才能を示してやる……) このような思考に行き着くのは、少々困難だろう。大体、ハルケギニアの人間に自分の才能を示したところで、あまり大した意味もない。 そもそもこのハルケギニアでは魔法が使えない『平民』の地位がかなり低いらしい。『貴族にあらざれば人にあらず』―――というほど酷くもないようだが、決定的な『壁』のようなものがあるのだ。 (……どうでもいいことだな) 今の制度が続こうが、市民革命が起きようが、異邦人である自分にはあまり関係がない。 ならば自分の趣味に没頭しよう、と本2冊分の知識を元に考察を始める。 (まずは『杖』か) エルフなどが使う『先住魔法』とやらは置いておくとして、魔法の行使には絶対に『杖』が必要とされている。 メイジの『精神力』を外に『出力』するための装置、あるいはメイジが『精神力』を使ってこの『世界』そのものに対して影響を及ぼすための媒介のようなものだろうか。 ……仮に前者だった場合、『魔法』はメイジ自身の力となり、後者だった場合はメイジというより『世界』自体が反応、あるいは呼応していると捉えることも出来るが。 『杖』もまた、その辺の木を切れば良いという物ではなく、数日以上かけて契約したその個人専用のものでなくてはならないらしい。 この行為が『世界』と『メイジ』とを接続するためのものだとすると、後者の方が可能性が高いのではないかと考えられるのだが――― (あくまで『可能性』の話だからな……) あるいは、全く別の要因が絡んでいるのかも知れない。 なかなか興味深い、などと思いつつ、ユーゼスは次のテーマに移る。 (メイジの能力は遺伝される……ふむ) 階級制度が導入されているということは、おそらく長い間メイジ同士で血を交わらせてきたのだろうが、そのメイジと平民が子を成した場合、その子供は魔法を使えるのだろうか? 考えられるパターンとしては、『魔法が普通に使える』、『魔法は使えるが威力は弱くなる』、『魔法が使えない』、『隔世遺伝によって数世代後に発現する』くらいだが、少なくとも自分が読んだ本にはそんな事例は書いていなかった。 本によると、このハルケギニアには6000年も歴史があるのに、そのような例が1件も無いとは不自然すぎる。 (……平民と子を成すことを『家の恥』とでも考えたのだろうか。ならば記録に残すわけはないな) 次に、レベルを上げる条件には、大きな感情のうねりかメイジの修練が必要とされる件について。 ……感情のうねりについては、それこそスーパーモードかハイパーモードのようなものだろう。人間の感情を安易に単純化するのは危険だが、『激しい怒り』や『憎悪』などがキーになるはずだ。……『明鏡止水の境地』に至れば、一体ランクはどうなるのだろう。 よく分からないのは、修練によってレベルが上昇する場合である。 これは、ある日突然にレベルが上がるのか、それとも『そろそろ上がりそうだな』などという手応えのような物と共に上がるのか。 あるいは、その『修練』の果てに至った精神的な境地こそが、レベルを上げるキーなのかも知れないが。 続いて、魔法そのもの―――とは言え、コモンマジックについてしか読んでいないが―――について考える。 『ライト』。そのままストレートなネーミングだ。光を放出する魔法だが、瞬間的に使って敵の眼をくらませる、という使い方も出来るだろう。 『ブレイド』。魔力を刃とする魔法であり、そのメイジが得意とする系統によって刃の色も異なるらしい。ウルトラマンもスペシウム光線のエネルギーを使って八つ裂き光輪やキャッチリングを使っていたので、原理的には同じものかもしれない。 『ディテクト・マジック』。魔法やマジックアイテムを探知するための魔法。応用として、その魔法やマジックアイテムの詳細を分析することも出来るのだとか。 ……かなり大雑把な例えだが、リトマス紙を使って酸性かアルカリ性かを調べたり、ヨウ素液を使ってデンプンを検知するようなものだろうか。しかし詳細を分析するとは……。……自分が使えれば、おそらく乱用しているに違いない。 『サモン・サーヴァント』と、『コントラクト・サーヴァント』。……これらが『コモン』であるということに非常に納得がいかない。 仮にも空間を捻じ曲げる魔法と、ゲートを潜り抜けた生物にクサビを打ち込む魔法なのである。ルイズに至っては時空間まで捻じ曲げ、自分に特殊能力まで付加させたのだ。これが専門的なものでも、高度な魔法でもなく『コモン(共通)』。 ……自分は40年かけてクロスゲート・パラダイム・システムを造り出し、ほとんど生涯を懸けて時空間を超えたのに、『コモン』。 (…………………………) ……深く考えると、めまいや頭痛が起きそうなので、これについては打ち切ることにする。 『ロック』と『アンロック』。………………これに至っては、わけが分からない。鍵の構造など無数にあるはずなのに、それに対して施錠と開錠を行うとは、どういうことだろうか? しかも『アンロック』が効かない鍵もあるという。おそらくこの鍵はマジックアイテムの類ではないか……と推測する(あくまで『推測』である)が、そうするとこの『アンロック』の存在意義とは何なのだろうか。 ―――と、基本的なコモンマジックだけでこれだけの疑問や考察が出て来る。 これがそれぞれの系統魔法にまで及んだら、おそらくとんでもないことになるのだろうな―――などと考えていると、窓の外の空が白んでいるのが見えた。 (……徹夜してしまったな) 研究に没頭して時間を忘れるなど、研究者にとってはよくあることである。 無論、身体に良いわけはないが。 「―――そう言えば」 自分はルイズから洗濯を頼まれていたのだった。 率直に言って、こんなことはやりたくないが、これが務めだと言うのなら仕方がない。 下着や肌着を持ち、ドアを開けて部屋の外に出る。 そこで気付く。 「しまった」 ……洗濯はどこでやれば良いのだろう。 そもそも、この建築物の構造はどうなっているのか。 いや、それ以前に、洗濯とはどうやるのだろう。 「……むう」 途方に暮れるユーゼス。 すると、そこに。 「……あら? たしか、ミス・ヴァリエールの使い魔の……」 ルイズから状況説明を受ける前に、自分にパンを運んで来てくれた黒髪のメイドが現れたのだった。 ちょうど良い。洗濯の場所、およびそこに至るまでの経路を説明してもらおう。 「……すまないが、洗濯する場所を教えてくれ」 「え? どうして使い魔さんが洗濯を?」 「御主人様に命じられたのでな」 あはは、と苦笑しながら部屋の前に置かれた皿とコップを片づけるメイド。 「……えっと、私がやっておきましょうか、お洗濯? 多分、私の方が慣れてると思いますし」 メイドは朗らかに笑いながら、ユーゼスの仕事の肩代わりを買って出る。 ……ここまで邪気のない笑顔を向けられたのは、かなり久し振りである。 (逆にやりにくい相手だな) 敵意や悪意、疑念などを向けられるのに慣れすぎたせいか、このような『見返りを求めない善意』はかえって危険かも知れない。 「……一応、私に与えられた仕事だからな。私が果たさねばなるまい」 「はあ、律儀な方ですねぇ。 そういうわけなら、私が実地も込みで教えてあげます」 そして洗濯物を持って歩くユーゼスとメイド。二人は連れ立って歩きながら、 「ふーん、それじゃ使い魔さんは東方から来たんですか?」 「……それに近い」 正確に言うと『東方』どころではないのだが、東にはクロスゲートが頻出しているようだし、自分は擬似的なクロスゲートから出現したのだから、完全に間違いというわけでもない。ような気がする。 「む?」 ふとメイドの顔を見てみると、そのすぐ下……襟元に光る物があった。 よく見ると、それは……。 「? 使い魔さん、どうしました?」 「……その襟に付けているものは、何だ?」 ユーゼスにとっては、どうにも見覚えのあるマークである。 何せ、かつて自分が地球に赴任した折に、一番最初に所属した組織のマークなのだから。 「これですか? 我が家に伝わるお守りです。何でも、ひいおじいちゃんの故郷では、選ばれた人しかこれを貰えなかったそうですよ」 ……あの組織は何だかんだ言ってもエリート集団だったのだから、当然である。 しかし。 「曽祖父の故郷?」 「はい。60年前に、東の地から空を飛ぶ『銀の方舟』に乗ってやって来た、ってお父さんは言ってました。 でも、『銀の方舟』をもう一度飛ばすことは出来なくって、そのまま村に住み着いてちゃって―――」 「……その『銀の方舟』とやらの、形状や色を教えてもらおう」 「えっとですね、『銀の方舟』ですから、やっぱり銀色で……ああ、先の部分あたりが赤かったですね。形は、こう……丸っこい形をしてるんですけど」 メイドから『銀の方舟』についての情報を聞いたユーゼスは、乗っていた人間やその状況について思考を巡らせる。 (……空間の歪みか、ウルトラゾーンにでも巻き込まれたのか?) このメイドの曽祖父が乗っていた物がユーゼスの推測通りの物だとしたら、アレにワープ機能などないはずである。つまりワープ中の事故ではないことになるが…。 (……いや、待て) こちらに転移してきたシチュエーションは、大体ではあるが察しがつく。 その転移してきた人間とやらの詳細については、これも察しがつく。人格などはどうでもいい。 問題は。 「曽祖父は、お前の村で子を作ったのか?」 「はい。私の髪の色って珍しいでしょ? ひいおじいちゃん譲りらしいです」 「………」 (私の世界の人間と、ハルケギニアの人間で遺伝子交配が出来るだと……!?) ユーゼスは機会があればいずれ試してみようか(『試せる』可能性は限りなく低そうだが)とも思ったが、遺伝子交配については十中八九失敗すると考えていたのである。 極端な話、自分は異次元人のようなものであるし、ハルケギニアの人間と遺伝子配列が極端に似通っている可能性は、限りなく低い。 一条寺 烈こと、宇宙刑事ギャバンは地球人とバード星人の混血であるが、バード星には遺伝子変換のための技術もある。 ……いや、そう言えば『母親は遺伝子変換を行ったのか?』と直接に聞いたことは無かったか……。 仮にギャバンの母親である地球人が、遺伝子変換を行っていないとしたら……。 (……都合が良すぎるな) いくら何でも、そんな訳はないだろう。 ユーゼスは思考をハルケギニアの人間に関するものに戻し、あらためて考える。 (やはり、ハルケギニアは地球の並行世界なのか……) 隣り合っているとまでは言い切れないが、かなり『近い位置』にあるようだ。 (……まあ、私には関係のないことだな) 並行世界だの、時空間の移動だのについては、今まで散々研究してきた。 今はどちらかと言うと、この世界の『魔法』の方が興味深い。 そして何より、今の自分には『洗濯』という困難な使命がある。 メイドの襟に輝く流星のマークを視界に入れながら、ユーゼスは彼女と歩いていくのだった。 「ちょっと待っててくださいね、私の分の洗濯物を持って来ますから」 そう言って、メイドはどこかへと小走りに駆けていった。 待つこと10分ほど。……遠くから、何か布のカタマリのようなものがこちらへと向かって来る。 「………」 「よいしょ、っと」 そこから聞こえるメイドの声。 自分が手に持つ洗濯物の量と、メイドの洗濯物の量を、改めて比べてみる。 (……まあ、いいか) 慣れていない人間に手伝われても、かえって足手まといになるだけである。そのあたりの割り切りは大切だ。 「じゃあ、行きましょうか」 「分かった」 そして洗い場に到着し、メイドの指導を受けながらの、たどたどしい洗濯が始まった。 「あっ、駄目です、まだ十分に濡れてません……!」 「む、そうか?」 「焦っちゃダメです。もっとゆっくり……そうです、やさしく……」 「加減が……難しいな……」 「ああっ! そんなに乱暴にしたら破れちゃいますっ!!」 「……申し訳ない」 「もうっ、けっこうデリケートなんですからね? まあ、経験を積めば、使い魔さんももっと上手になると思いますけど」 「うむ」 「し、しぼる力が強すぎですっ! ちぎっちゃうつもりですか!?」 「いや、そんなつもりは無いのだが」 洗濯終了。……なかなかハードな内容だった。 「それじゃ、私はまだ続きがありますから」 「分かった」 洗濯物を干す場所は教えてもらったので、メイドに教えてもらった通りに干す。……これも、意外にコツが必要だった。 干し終わり、遠目に選択中のメイドを見つつ、ルイズの部屋に戻る。……気が付くと、既に日は昇りきっていた。 ガチャッ ドアを開けると、ちょうどユーゼスの御主人様も目覚めた所だったようだ。 「……ぅあ?」 寝ぼけた様子でこちらを見るルイズ。 「目が覚めたか、御主人様」 「……あ、アンタ、誰?」 「……………御挨拶だな」 ルイズは数度まばたきをすると、『ああ、そう言えば昨日、召喚したんだっけ』と呟いてベッドから起き上がる。 「下着」 「どこにある?」 「そこのー、クローゼットのー、一番下の引き出しに入ってるー」 言われた通りに見てみると、確かに入っていた。 ……どれを持っていけば良いのか分からないので、適当に選んで手渡す。 なお、さすがに下着は自分で替えるらしい。 「服」 椅子にかかっていた制服を無言で持っていき、ブラウスやスカートを着せる。 「顔」 「?」 「……顔を洗うのよ」 「そういうことは前の日の内に言って貰いたい」 「ったく、気の利かない奴ね……」 明日から仕事が一つ増えるな、などと考えるユーゼスに頓着もせず、ルイズは命令を出していく。 「髪を梳きなさい」 「…………言っておくが、私はその方面は素人だぞ」 「別に良いわよ、わたしの髪は質が良いんだから、ちょっとやそっとじゃ絡まったりはしないの。でも少し乱れてるでしょ?」 「まあ、御主人様が良いと言うのなら構わないが」 という訳で、言われた通りに桃色の髪を梳く。 「……じゃあ、食堂に行くわよ」 「分かった」 そうしてルイズと部屋を出ると、ほぼ同じタイミングで真向かいの部屋のドアが開いた。 そこから出て来た赤髪で色黒、長身でスタイルの良い女性がニヤリと笑って、ルイズに挨拶した。 「おはよう。ルイズ」 「……おはよう。キュルケ」 面倒臭そうと言うより、嫌そうな顔でその女性に挨拶をするルイズ。 「あなたの使い魔って、それ?」 女性はユーゼスを指差して、馬鹿にしたような口調で問いかける。 「…………そうよ」 「あっはっは! ほんとに人間なのね! 凄いじゃない!」 (ふむ) 『人間の使い魔』が異常であるということについては、昨日の時点で主人から言われている。 しかし。 (『凄い』、か) よくよく考えてみれば、あの付加機能を差し引いたとしても、自分は『特殊な例』なのである。凄いと言えば、確かに凄い。 (後で使い魔に関する本も読んでみるか) そんなユーゼスの思考などつゆ知らず、女性とルイズの会話は続く。 「『サモン・サーヴァント』で平民を召喚しちゃうなんて、あなたらしいわ。さすがはゼロのルイズ」 「……うるさいわね」 「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」 「あ、そう」 「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよねぇ~。フレイムー」 女性が声をかけると、その部屋の奥からのっしのっしと、地球のトラくらいの大きさの、真っ赤な爬虫類と思しき生物が現れ、その生物から熱気が伝わってくる。 (怪獣か) 特に目を見張るものでもないな、とユーゼスは思った。 彼のいた世界では、地球や他の惑星や宇宙などに、ウジャウジャこういう類の生物がいたのである。 切られた尻尾がビチビチ動いたり、火を吐いたり、冷凍ガスのようなものを出したり、光線を吐いたり、その光線を腹から吸収したりする怪獣がいるのだから、今更、熱気を出す程度では全く関心を引かない。 「あら、そっちのあなたは興味なさそうね?」 「……いや、それなりに興味はあるがな」 『通常の使い魔』という面においては、興味を抱いている。 「襲いかかったりはしないのか?」 「平気よ。あたしが命令しない限り、襲ったりしないから。冷静そうな顔してるけど、意外と臆病なのね」 (命令に従うということは、あの『精神制御』は全ての使い魔に共通しているのか) 自分のように『この世界よりの思考』を押し付けるものではないだろうが、それでも『主人の命令を聞く』という方向づけはなされているのだろう。 その後、自分の使い魔の凄さをこれ見よがしにアピールした女性―――『微熱』のキュルケというらしい―――は、ついでとばかりにユーゼスの名前を聞くと、颯爽と去っていった。 「くやしー! なんなのあの女! 自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって! ああもう!」 (希少価値という面で言えば、『人間の使い魔』の方が高いと思うが) わめくルイズを冷静に見ながらそんなことを思うユーゼスだったが、おそらくルイズにそんなことを言おうと、慰めにもなるまい。むしろ逆効果の可能性もある。 ルイズは『う゛~』と唸って自分を見ると、 「ああもう、メイジの実力を測るには使い魔を見ろって言われているぐらいなのに! なんであのバカ女がサラマンダーで、わたしがこんな平民なのよ!」 今度は、ユーゼスに向かって喚き出した。 「それは私の方が聞きたい」 ユーゼスもユーゼスで、主人と同じ疑問を主人自身に投げかけてみる。 「うっさいわね! ……ああそうだわ、今後、あの女には近付かないようにしなさい。いいわね?」 主人はその疑問を一蹴し、かなり一方的な通告を使い魔に行った。 「理由を尋ねても良いか?」 「……そうね、どうもアンタは理屈で動くタイプみたいだから、ちゃんと説明してあげる」 ルイズ曰く、 ・キュルケはゲルマニアの貴族である。 ・わたしは成り上がりのゲルマニアが大嫌い。 ・実家のヴァリエールの領地はゲルマニアとの国境沿いにあり、逆にキュルケの実家のツェルプストーの領地はトリステインとの国境沿いにある。 ・つまり両国が戦争になったら、真っ先にヴァリエールとツェルプストーの戦いになる。 ・要するに、先祖代々、両家は戦争のたびに殺しあっている関係。 ・加えて先祖代々、婚約者や奥さんを寝取られている。 ・小鳥一匹だって、あの女には取られたくない。 「わかった!?」 「概要はな」 (先祖はあくまで先祖であって、今代には直接的な関係はないのではないか?) そんな考えが頭に浮かぶが、どうもこの世界の『貴族』という人種は、歴史や伝統などを重要視しすぎる傾向にあるようだ。メンタリティの違いという物は、そう簡単に受け入れられるものではあるまい。 ……自分が、地球人を受け入れられなかったように。 それに、この主人の個人的な性格もある。下手な刺激は火に油を注ぐ結果になるだろう。 頭から煙が噴き出しそうな勢いでプリプリ怒りながら、ルイズはユーゼスを連れて食堂へと歩いていくのだった。 (……私の趣味ではないな) トリステイン魔法学院の食堂の内装を見た、ユーゼスの感想はそれだった。 とにかくきらびやかで、派手、豪奢、贅沢、豪華絢爛。 「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけじゃないのよ」 「ふむ」 「貴族たるべき教育も存分に受けるの。だから食堂も、貴族の食卓にふさわしいものでなければならないのよ」 「ふむ」 「ホントならアンタみたいな平民は、この『アルヴィーズの食堂』には一生入れないのよ。感謝してよね」 「『アルヴィーズ』?」 「小人の名前よ。周りに像がたくさん並んでいるでしょ。夜になるとアレが踊ったりするわ」 「ほう……」 どういう原理で動くのだろう、などとユーゼスがまた思考しようとすると、 「椅子」 思考する間もなくルイズから指示が飛び、ユーゼスは無表情で主人の椅子を引く。 「アンタはそれを食べなさい」 椅子に腰掛けたルイズが指差した先には、床の上にスープが一皿と、パンが二個。 「……………」 「ホントなら、使い魔は外なんだから。アンタはわたしの特別な計らいで、床。感謝しなさい」 「……………感謝しておく」 「よろしい」 凶暴な地球人と傲慢なハルケギニア人、どちらがマシなのだろう……などと考えつつユーゼスは床に座り込む。 「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我らに与えたもうたことを感謝いたします」 唱和の声が、アルヴィーズの食堂に響く。 (ささやか、か) ここでは『ささやか』という言葉の意味が、自分の知っているものとは違うのだろうか、と思ったが、翻訳機能の正確さからすると同じなのだろうと溜息をつく。 そもそも、朝から大きな鳥のローストや、高級そうなワイン、マスの形をしたパイなど、明らかにカロリー多可である。 よく胸焼けや胃が重くなったりしないものだ。 (これもこれで極端だが……) 固いパンをスープでふやかしながら、ユーゼスはこの使い魔生活が早くも嫌になって来たことを自覚していた。 (………かと言って、支配や征服や君臨などをする気力もないし、滅亡させるのも意味がないがな) ゆっくりやっていこう、と改めて思う使い魔であった。 「ああそうだ、昨日は部屋の中にいたけど、今日からアンタも魔法の授業について来なさい」 「? 良いのか?」 魔法に興味がある自分としては願ったり叶ったりであるが、この扱いからすると『授業に出るな』と言われると予想していたのである。 「……使い魔を連れてないせいで、色々と言われるのよ」 「ふむ」 何はともあれ、『魔法の教育』が見られるのはありがたい。 ユーゼスはその内容を期待しつつ、取りあえず今日一日の手始めのエネルギーの摂取を第一に行った。 前ページ次ページラスボスだった使い魔
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/10238.html
370 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 11 21 14.44 ID LSPctExr0 [1/4] ネタ台詞云々で白熱してる今なら言える報告 セブンフォートレスでPL参加してる時の話 ボス戦で取り巻きの雑魚を爆発を起こす範囲魔法で攻撃したときクリティカルしたんで一撃で落とせたかもと思い 「これはやったか?」 と言ってしまったらGMがにやっと笑って 「お、フラグが立った」 と言い出して雑魚全員ノーダメにされた 俺きょとん他のPLなんか大ウケ 「昔バーニングシステムがあったセブンフォートレスでそんな生存フラグ立てられたらやるしかないでしょw」 なんて言われて、当時はバーニングシステムの存在知らなかったから無根拠に理不尽な裁定でノーダメにされたとしか思えなかった いや、裁定は今でも理不尽だとは思うけども 何気無く言った発言をネタと取られて俺以外 「そうきたか~」 なんて盛り上がってる状況下ではコンセンサス取れてる事にされるんだよな それからは 「次からは迂闊な発言控えてね」 と言われたり キルマーク欲しがったPLが、俺が先に動いて攻撃魔法で攻撃した時に 「この威力じゃあいつもお陀仏だろう…なにっバカな!」 と割り込みで言って、それにGMが乗って無効化演出入れて来たりした 373 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 11 24 27.66 ID PRCmiAhn0 [9/9] 370 すごいな……これが口プロレスか…… これで他の人のコンセンサス取れてるってのが酷いなw 375 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 11 30 37.47 ID LSPctExr0 [2/4] あああ…まとめてた間に正に 360で似た話が挙がってる 俺の場合はまじで確認だったよ それをネタとして扱われて 「爆発系でやったかなんて言ったらダメだよなあ」 「あーあw」 「これはフラグですよねえ」 とPLGM一緒になって言われた セブンフォートレスのリプレイだと迂闊な発言したら取り込まれてるものだからとか言われたが そのキャンペーン抜けてからリプレイを途中までは読んだけどそこまで露骨にはやってなかったと思う 377 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 11 37 54.54 ID tJ9Ywa7/0 [2/4] 370 乙。GMとPL全員ぶん殴りたくなるな。ただの新規虐めじゃねえか。 昔の奴を知ってる人間だけで内輪ネタ気味に盛り上がってやるならともかく、 そんなシステム知らない人間居るのにそりゃねえよ。 今でも付き合い有るなら、即縁切りした方が良いレベルだ。 378 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 11 41 39.36 ID EqvnPVxP0 [8/11] 370 乙 やっぱネタセリフを強引に引っ張ってセッション失敗に追い込むGMって碌なもんじゃないな 適度にネタも許容できるGMの方がやりやすくていいよな 379 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 11 47 32.02 ID LSPctExr0 [3/4] 378 いや、ネタじゃなくて本当に何も考えず確認で言っただけ ネタ許容云々じゃなくてネタ扱いされて弄られた 383 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 12 02 14.35 ID tJ9Ywa7/0 [3/4] 379 バーニングシステム自体、本当に最初期の無印しか無い奴だからなあ。 しかもリプレイも、入手可能なのは氷砦のテストプレイを兼ねた奴しか無い。 弄りというか、虐めを受けたで良いと思うよ。 キャンペーン抜けてから、そいつらとは縁がなくなったと思いたい。 384 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 12 04 23.00 ID LSPctExr0 [4/4] もうキャンペーン以来縁切ってるよ 「また一緒にセッションやりたいね」 とかメールが来てた時期もあるけど無視してたら来なくなった 385 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 12 06 09.88 ID tJ9Ywa7/0 [4/4] 384 いけしゃあしゃあと「またやりたい」かよ…とことんクズな奴等だな。 そんな奴等とは縁が切れて良かった。良いTRPGライフを送ってくれ。 386 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 12 10 53.77 ID b3418hj60 [4/4] 384 何と言うか……乙 立場としては 210の逆パターンっぽいけど、根底にある問題は共通だと思うわ 嫌がってる相手の気持ちをちゃんと思いやって行動を改善できる連中ばかりなら、そもそもここで報告されるような事態にならないんだよなあ 387 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/03/01(日) 12 55 24.14 ID +ezAEYmD0 [1/3] 自分が悪いと思わなくても、不快にいる人間がいるなら意識する、だけでも違うんだよな。オタクはそれが自分を含めて苦手だから。 スレ408
https://w.atwiki.jp/changerowa/pages/326.html
JUDOは考える。 もし、自分がこの殺し合いで優勝した後、これと同じ催しを開いた時、どのようなことをしようかと。 そうする際の目的はすでに思い付いている。 殺し合いの優勝者の肉体を、自分の新たな”器”にしようかということを。 本来、そのための”器”を用意する計画は別に元からある。 人間をJUDOの元の体と全く同じに改造したサイボーグ『ZX』、それが本来のJUDOの器だ。 JUDOは、そのZXと人格を交換することで魂の牢獄からの脱出・復活を計画していた。 しかしJUDOの精神は今、牢獄ではなくこの殺し合いの中にある。 ZXとの入れ替わり計画の必要性が1つ無くなったのだ。 ならば、ZXとは別に新たな器候補を用意するのも良いかもしれないと、JUDOは思った。 今JUDOの器として機能している門矢士のままでいることも選択肢の1つだ。 どうも仮面ライダーディケイドの力は、この肉体で扱ってこそ真の力を発揮する、そんな感覚が存在する。 だが、これよりもJUDOにふさわしい器が、他にあるかもしれない。 そんな条件を満たせそうなものとして、JUDOが開く場合のこの形式の殺し合いの優勝者のものという考えが浮かんでくる。 中の精神が何者であろうと殺し合いに優勝できる身体であれば、それはあらゆる世界で最も強き肉体と言えるかもしれない。 もしかしたら、今いるこの殺し合いの主催者達も、JUDOと似たようなことを目論んでいる可能性も思い浮かぶ。 その場合は、主催者達は優勝者に報酬を与える気が無い可能性も高くなる。 もしそうだった場合は、どうにか力付くで奴らの力や立場を奪うことを試みよう。 まだ全然決定事項にするつもりは無いが、そんなことを、JUDOは窓越しの雨を見ながら考えていた。 ◆ 「ふむ、これは…」 食事が終わった後、JUDOは葛飾署内で何気なしに地図を広げて眺めてみた。 そこで、新たに1つ表示されているものがあることに気付いた。 変化のあった場所はG-3、そこの森の中に地下通路があることが地図に新たに記されていた。 地下通路は、先の放送において新要素であるモノモノマシーンが置いてある場所として発表された施設だ。 この地下通路に対し、JUDOは興味を抱く。 その場所は、他のモノモノマシーンがある場所である網走監獄や、もう片方の地下通路の入り口よりもここから近い位置にあった。 放送を聞いたばかりの時は距離故に行くことを考えていなかったが、それを改めることになりそうだ。 新たなアイテムは入手できるに越したことはない。 それに、JUDOが所有しているディケイドライバーはどうも、何らかのアイテムによりまだ拡張できる可能性もあるようだった。 モノモノマシーンは、それを入手するチャンスでもあった。 新たな地下通路の入り口が地図に記されていることは、その場所に他の参加者の誰かがたどり着いたことも意味するが、それは大きな問題ではない。 その参加者がその場所から離れているかそれとも動いているかは分からないが、どちらにせよターゲットの一人であることには変わらない。 (この地下通路に向かうのも良いかもしれん。……だが、風都タワーはどうするか) ここでJUDOに少し迷いが出る。 JUDOは元々、休憩後は風都タワーに行き、前に仕留め損なった者達やそれらと入れ違いに来るかもしれない者達を探して戦うつもりだった。 しかしここで、タワーの方には向かわず、森の地下通路の方に行った方が良いのではという考えが浮かんできてしまった。 元からの考えでは風都タワーの用事が終わった後は西か東かの方面で行動することを考えていた。 なお、2つの地下通路口の位置関係上、JUDOが森の方から地下通路に入ればそこからは果的に東方面に移動することにはなる。 とにかく、ついさっきまではここから南の方の森に行くという選択肢はなかったわけだ。 けれども、考えてみるとその森方面で行くべきなのではという思いの方が出てきてしまう。 どうせ闘争をするのなら、装備はより潤沢な方が楽しめるかもしれない。 自分以外にも新たな地下通路口の存在に気付いた者達がそちらの方に向かい、その者達との闘争が楽しめるかもしれない。 早めに行かないと、D-8にあったらしいもののように、モノモノマシーンのある場所が禁止エリアに指定されて使えなくなるかもしれない。 風都タワーの方には絶対に今も誰かがいるとは限らないこともあり、すぐにども森の地下通路に行くべきなのではという考えの方にだんだんと傾いてきていた。 けれども元からの考えが風都タワー方面に行くことだったために、少し悩ましい気持ちが出てきてしまっていた。 (……いや、ここは逆に考えてみるか?) ここで、発想を逆転させることを思い付く。 風都タワーに行くか行かないかで考えるのは一旦止めた。 いっそのこと、地下通路での用事が終わった後に、風都タワーに行けば良いのではという考えが出てきた。 その方が、良いのではという考えが思い浮かんでいた。 (ならば、そうするか) 少し考えた後、JUDOは最終的に南の森の地下通路の方に先に向かうことを決めた。 もしかしたらそっちに行っている間に風都タワーの方が禁止エリア指定される可能性だってあるが、その時はその時だ。 そうなった時に後から考えれば良い。 「では…そろそろ動くか」 窓の外を見てみれば、街に広がっていた火の勢いが雨により収まってきていた。 完全に鎮火しているわけではないが、街中を歩く分には十分なほど火は小さくなってきているようだった。 動くことを決めたからには、これ以上ここで立ち止まっている暇はない。 JUDOは新たな戦いの予感に気を引き締めて、レインコートを羽織り、葛飾署から外に出て歩き始めた。 【E-4 葛飾署/午後】 【大首領JUDO@仮面ライダーSPIRITS】 [身体]門矢士@仮面ライダーディケイド [状態]負傷(小) [装備]ディケイドライバー+ライドブッカー+アタックライド@仮面ライダーディケイド、レインコート@現実 [道具]基本支給品×5、賢者の石@ドラゴンクエストシリーズ、警棒@現実、アクションストーン@クレヨンしんちゃん、トビウオ@ONE PIECE、タイムふろしき(残り使用回数:1回)@ドラえもん、精神と身体の組み合わせ名簿×2@オリジナル [思考・状況] 基本方針:優勝を目指す。 1:闘争を楽しむ。 2:ここから南の森の地下通路の方に行き、モノモノマシーンを探す。 3:2の後、風都タワーに向かい誰かいれば闘争を楽しむ。 4:風都タワーでの用事が終わったら、西か東に向かう。 5:改めて人間どもは『敵』として殺す。 5:屈辱と侮辱をした痣の男(ギニュー)は絶対に絶対に絶対に絶対に殺す。 7:宿儺とは次に出会ったら、力が戻った・戻ってないどちらにせよ殺しあう。 8:疲れが出た場合は癪だが、自制し、撤退を選択する。 9:優勝後は我もこの催しを開いてみるか。そして、その優勝者の肉体を我の新たな器の候補とするのも一興かもしれん。 [備考] ※参戦時期は、第1部終了時点。 ※現在クウガ~響鬼のカードが使用可能です。 127 チェンジ・チェンソー・アマゾン 投下順に読む 129 檀黎斗の憂鬱 時系列順に読む 108 ディケイドリベンジャー-cry baby- 大首領JUDO 135 アウトサイダーズ