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名前:ルク・サイマグネ 性別:男 年齢:14歳 アコサリ星に住むマッドシティ出身のアコサリ星人。首にかかるぐらいの紺色の髪と黒い瞳が特徴。冷静で頭の回転が早く、ロケットをも作ってしまう。約500年前の伝説の宇宙飛行士、オリマーを心から尊敬している。 名前:ミレア・クリス 性別:男 年齢:14歳 マッドシティに住んでいるアコサリ星人。ちょい長めの白い髪と大きな赤い瞳が特徴。左手のひらから自由に泡を出す事ができる。その左手のひらには、青い宝石が埋め込まれている。 名前:タバサ・サイマグネ 性別:男 年齢:65歳 アコサリ星人。ルクの祖父。お茶目だが、かなり優秀な科学者。また、レモネード市の市長でもある。よくルクをからかってフルボッコにされている。 名前:スワン初号機 性別:不明 年齢:2歳 ルクが小学生の時に作った2人乗りロケット。配色は白と水色。ルク自身は意識していなかったが、何故か喋るように出来てしまった。だが、今はルクの唯一の友達。機能はドルフィン初号機よりも少し良い程度。 名前:フレン・ヴォルケ 性別:男 年齢:19歳 エネルギーシンジゲート、『リクシル』の組員。短くて赤い髪と青い瞳を持つ。炎を自在に操る。基本的に熱い男だが、その扱われ方は酷すぎる。 名前:スコラ・ポイズン 性別:男 年齢:20歳 リクシルの組員。蠍の尾の様な黒い髪が特徴。毒を使った攻撃が得意。リクシルの組員の中では比較的マトモな人物かと思われる。 名前:ブゲン・フェーグ 性別:男 年齢:32歳 ホコタテ星人。リクシルの3幹部の1人。ホコタテ星人には似合わない程の大きな体の持ち主。常に冷静沈着。 名前:サー・ジェネイド 性別:男 年齢:21歳 サコザエ星人。リクシルの3幹部の1人。何処からどうみてもただのチンピラにしか見えないが、その実力はリクシルの中でもトップクラス。 名前:ジンギ 性別:男 年齢:21歳 アコサリ星人。リクシルの3幹部の1人。右手に手袋をはめている。どこか間が抜けているが、相当な実力者である。 名前:デルタ・トライル 性別:男 年齢:34歳 リクシルの総帥。色々と謎が多い人物。言動が常に上から目線である。しかし、そのリーダーシップは本物。
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チタニウムマン(Titanium Man) (キャラクター、マーベル) 初代:ボリス・ブルスキー(Boris Bullski) 二代目:グレムリン(Gremlin) /コンドラーチ・トポロフ(Kondrati Topolov) など複数のチタニウムマンがいる。 ボリス・ブルスキー(Boris Bullski) 初登場:Tales of Suspense #69 (1965年6月) 属性:特殊な装備を身につけた人間、ソ連人 グレムリン(Gremlin) /コンドラーチ・トポロフ(Kondrati Topolov) 初登場:Incredible Hulk #163(1973年2月) 属性:特殊な装備を身につけた人間、ソ連人 ハルクの初めての敵だったガーゴイルの息子。 ガーゴイルは後天的変異により巨大な頭と小さな体を持ち、増強された知能を特徴とするが、ブルース・バナーによって変異を治癒され、自殺してしまった。 息子のコンドラーチはガーゴイルの変異を遺伝的に受け継ぎ、同様の形質と知能を持つためミュータントに分類される。 父親はハルクによって殺害されたと騙されてハルクを狙うが、敗北する。 ARMOR WARS ARMOR WARS(1987年~1988年)では独自に開発したチタニウムマンアーマーを装着して登場。アーマーに執着しており、武装化された地下の隠れ家のような場所でないとアーマーを脱ぐことができない様子だった。 このアーマーには盗まれたアイアンマンの技術が使用されているため、シベリアまで追ってきたアイアンマンとの戦闘になる。 ステルス機能を持たせたため武装が手薄なアイアンマン・マークVIIを強力ばベアハッグで追い詰めるが、トニーが脚部のジェットの出力を最大限にしたため発火、海に墜落して死亡したと思われる。 能力 コンドラーチ自身は超人的な知能を保有。 チタニウムマンアーマー 超人的な腕力や耐久性 両目からエネルギー放射(ビーム兵器) 両手からステイシス・ビーム(相手を静止させ動きを封じる) など アメコミ@wiki
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俺はどこにでもいる極平凡な高校生だ。これだけは誰もが認めるだろう。 いや、何だったらちょっとイケ面に部類されても良いかもしれんと自分では思っている。 しかし、最近俺の周りに平凡でない事が起こり始めているのだ。 これは憂うべき事態だぜ。俺は高校でこそカワイイ恋人を作り、 楽しい青春を謳歌するつもりなのにその障害になるかもしれん。 勘弁してくれといいたいね。何で俺を巻き込むんだと声を大にしていいたい。 しかし、俺は友情を何よりも大切にする男だからしょうがねぇよな。 キョン「こないだは悪かったな、谷口」 谷口「俺もボールをかっ飛ばせてスッとしたし、気にすんなよ」 平凡でない事というのは他でもない。ダチのキョンが変な連中とつるみだした事だ。 あの奇行で有名な涼宮ハルヒの作った団体に所属させられているらしい。 ついこの間なんか、俺まで引っ張り込んで草野球をしていた謎の団体だ。 最近ではコイツもすっかり毒されてしまって同情を禁じえないが、 そんな事では俺達の友情は揺るがんぜ。 例え、完全に涼宮化しようと俺はお前の友達だからな。 キョン「『気にすんな』なんて逆に気持ち悪いな」 谷口「ちょっ、失敬な。まぁ、それはそうと朝比奈さんや長門は あれから俺の事何か言ってなかったか?」 涼宮の謎団体には朝比奈さんという見目麗しの学園アイドルの上級生と 長門というAマイナー(当社基準)の美少女も所属しているのだ。 なぜ、こんな美少女達が謎団体に加わっているの甚だしく謎だ。 キョン「別に何も言ってねぇよ」 谷口「そうか、彼女らに俺のこの男・谷口の力が必要なら いつでも呼んでくれと伝えといてくれ」 キョン「お前が必要な事は永遠に来ないと思うが伝えておこう」 谷口「あっ、涼宮には伝えなくて良いぞ」 キョン「…ああ、じゃあ俺は部室に行くから」 キョン、我が心の友よ。お前がいてくれるおかげで俺にもチャンスが… いやいや、俺はお前を心から心配してるぞ。さて、俺は帰るか。 みくる「あっ、こんにちわ。キョン君のお友達の方…ですよね?」 谷口「あぁぁ、たっ谷口です。こっこんな所でお会いするなんて偶然ですね」 みくる「この前はありがとうございました。助かっちゃいました」 谷口「あっ、あの程度の事で御座いましたらお安い御用で御座いますです」 みくる「今度何か………あっ、えっと…その、さよなら」 ふぅ、あのレベルの美少女の不意打ちは厳しいな。途中で言葉使いがおかしかった気がする。 しかし、最後の言葉が出なくなって真っ赤になってうつむいてたな。 まさかっ、ついに俺にも春の風が吹いてきたのか、しかもアイドル相手に。 俺の前途は明るいぜ。まずい、笑いが止まらん 谷口「あれっ…もしかして、長門……さん」 長門「…」 谷口「俺、この前の野球で会った。キョンの友人の谷口です」 長門「…」 谷口「アハハ、キョンによろしくお伝えください」 やれやれ、長門は顔は良いけど話さないんだよな。場が持たなくて無駄に笑っちゃったぜ。 でも、長門も下むいたり俺の目見たりを繰り返してたよな。 いよいよ罪作りな男ですよ、この谷口は。全くどうしようかね。 本当にキッカケをくれたキョンには感謝してもし足りないな。 キョン大明神として末代まで奉るぜ。 ハルヒ「あらっ、キョンの友達の川田じゃない?相変わらずバカ面ね」 谷口「谷口だっ!!川田って一字もあってねぇよ」 ハルヒ「どうでもいいわ。それよりチャック全開で恥ずかしくないの? それとも単なる変態?」 谷口「なっ、ふぐわぁぁ何故開いているぅぅぅううっ」 文芸部室にて キョン「どうしたんです?朝比奈さん、顔が赤いですよ?風邪ですか」 みくる「部室に来る途中、キョン君の友達の……谷口君に会ったんですけど…」 キョン「谷口が何かしやらかしましたか?」 みくる「え~と、ですねぇ…その、何と言うか…」 長門「私も会った」 みくる「長門さんもですか……その言えましたか?」 長門「…言っていない」 キョン「谷口が二人に何かしたんですか?」 みくる「違うんです、何かしたとかじゃなくて…いやしてたんですけど…」 長門「…チャック全開」 キョン「あっ、いつもの事なんで注意し忘れてたっ!!!」 みくる・長門「……」 ガチャ キョン「よう、ハルヒ。遅かったな」 ハルヒ「キョン、あんた友達は選んだほうが良いわよ」 キョン・みくる・長門「……」
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ラルク(男) 役職:警備班副班長 国籍:アメリカ フルネーム:Raluc=Leonhart(ラルク=レオンハート) 愛称:ラルク 年齢:25 誕生日:4/9 身長:180cm 体重:74kg 髪:葡萄色のセミロング 眼:イエローブラウン 服装:支給の警備班服 アクセサリー:右耳にリング、左耳に黒と白のモチーフのピアス、唇にリング 使用武器:警棒、銃 戦闘:相手を抑えるのも手一杯だが、銃を握ると一変して相手を木っ端微塵にする勢いで破壊 戦闘能力:下の上 家族構成:父、母、 父→警官。豪快な性格。 母→妻。気が弱い。 経歴:平凡家庭生まれの出。幼い頃から父親のハンティングによく付き合っていたせいか、「銃」に対して興味を持ち始め、貯めたお小遣で色々な銃のコレクションを集めていた。次第に何かを撃ち落とす快感に目覚め始め、自室の物を手にしていた銃で乱射をした。それをきっかけにし、初めは物、植物だったが、動物、人間と次第にエスカレートしていき、ついには大量殺人を犯しかけた。しかしそれは未遂で終わってしまった。原因は、ラルクの扱っていた銃器が誤作動を起こして起爆し、それをまともに受けてしまったからである。奇跡的に一命を取り留めたものの、右目周辺が爛れて露出した状態になってしまった。その自身の顔と周囲の惨状を見て、犯した過ちに気付き、深く自己嫌悪、それが現在の人格が形成した由縁である。死刑までには至らず、数年間罪を償い出所したが、あえなくカルーアトラズにその身を御用されてしまった。償いたいという彼の意思を汲んで刑務所は職員として出迎えた。 性格:思考は刑務所内では一般人に値し、自傷程ではないが基本ネガティブ思考である。しかし「銃」類の物を手に握ると180度反転し、破壊魔へと変貌する。口調も丁寧なものから荒々しいものへと変わる。 交友歴:きゅえむは上司でエドガーとユーゴは部下ではあるが、基本的に皆へ敬語を使っている。 特技:銃の名称を当てる 趣味:ハンティング 能力:情緒不安定な影法師(インスタビリティシャドウ) 自身の影を意のままに操ることの出来る能力だが、躁か鬱の両極端の状態でない限り発動しない。
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385 :名無しさん:2009/06/07(日) 22 34 50 アルク 共通 JC置きは普通に機能するが、ダッシュが非常に早く、着地を取られたり、隙に差し込まれたりしやすいので基本的には様子見を多めで、動きを見てJCやJAをおいて行く。様子見から技がスカってるのが見えたり地上ダッシュが読めたら、しっかり空ダで切り込む 動きが早いので、じっくりと行った方がいい。技相性自体はかなりいい部類なので、とにかく見てから動くを徹底し、ダッシュ潰しをしっかり見せること アルクの上からJAや、密着同時飛びJAには、七夜のJAでは勝てない。こっちの登りJA以外にも、低空ダッシュとかも潰されてウザいので、八点ガード 前JAとか、近距離での登りJAや低空ダッシュは控え気味で Fアルク 波動牽制読みに中空ダッシュをしっかり混ぜるように。低空ダッシュだと引っ掛かって終わる。もちろん、迂闊な地上牽制にもしっかりひっかかる また、遠距離でダッシュ慣性垂直J〉空中ダッシュJCとやることで、フルコンウマー出来る FアルクのJ攻撃はなんか凄く強いので、空中戦をするときは出し切ると決めた上で置くJCをメインに、様子見を多めに 揉み合いになるとJBですら負けるくさい(?)ので、JC先端と空中投げ読み二段Jだけでいいかもしんない Fアルク戦では空中戦より波動読み空中ダッシュJCや、地上戦、対空あたりでリターンを取ることを意識する
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ある人にとっては良くできた嘘のような話が、ある人にとっては信じ難くとも変えようのない"現実"だったりする。 そんな出来事がこの世界には無数に存在する。異星人という存在もまた、そのひとつだと言えよう。 『人類の歴史に異星人あり。異星人の歴史にもまた、人類あり』 その言葉通り、彼らの存在、歴史を紐解いていく事こそが人類の──ひいては宇宙の歴史に繋がっていくのである。 (先人たちの遺産ともいうべき記録書は他の項目を参照してもらう。それを元に隠された過去とこれから先の歴史の断片を集めていくだけだ) まだ見ぬ過去と未来に何があったのか、君たち「紡者」の目で確かめてほしい。 半自律型衛星図書館“メルクマール” いかなる勢力に対しても永世中立の立場をとる存在『ニュートラルグレイ』によって、およそ16,000年前に建造された人造衛星。「宇宙人について記録されたあらゆる書物の保持と保管」を目的とした図書館でもある。 直径60センチメートルほどの球体で、次元潜航すら可能とする一種の宇宙船。地表面近く(高度-6,000~20,000m)を巡行し、地球を約24時間で一周する。巡航速度は時速1,700km/h前後。通常は遮蔽シールドを展開しているためステルス性が高く、いかなる電磁波でも位置の特定は難しく、もちろん人間の目には見えない。 内部の図書館に収蔵される異星人に関する膨大な情報を狙い、無数の異星人種からの襲撃を受けることが屡々であるため、自衛のために光子魚雷6門をはじめとする強力な兵装を備える。 内部には広大な空間が広がっており、正確な容積は不明。内部の図書館は64層からなり、それぞれ4つの区画に区切られ、区画はさらに無数の六角形の小部屋によって構成されている閉架区画、通路に沿って膨大な書架が林立する開架区画などがある。 異星人について書かれた記録は全て物理的な「本」という形で保管されている。異星人の種族、特性や遺伝情報の形態から、過去に引き起こされた事件や紛争などあらゆることが列記されているが、それらは全て地球を訪れたことのある異星人に限られる。 西暦1499年にスイスの事実上の独立戦争であるシュヴァーベン戦争の折、ドイツ領ボーデン湖にて大破轟沈したが、後に引き上げられ改修を受け、新たに艤装される。再就航に際して、館名も『ダダイズール』(異星言語を地球人に発話可能な言語音にした本来の名称)から、ドイツ語に由来する『メルクマール』へと改められた。(※メルクマールとは、ドイツ語で「思い出す」という意味を持つ「merken」を語源とする単語。「基準」「めじるし」「指標」の意。)衛星図書館の「一番館」であり、他に3つの同型館が存在することが造館記録に残されている。 アブ・アエテルノ・アーカイブ(永遠を越える記録庫) ※又はレコード、ライブラリー? メルクマール図書館に収蔵されている蔵書を指す。メルクマ文庫とも。 図書館内には時間の概念が無く、過去・現在・未来からの蔵書へのアクセスが可能である。その蔵書は広く一般の記述者から専門の研究者に至るまで、特定の書式によって書かれた異星人についての文書や記事がメルクマール図書館に自動的に転送され、「異星人特定文書考査委員会」による査読を受けた後、内容ごとに特定の書架へと分類され収蔵・保管される。異星人と無関係な内容であることが明らかとなった場合、その文書は排除される。 また、蔵書へのアクセスには一定の資格が必要である。 館長 半自律型衛星図書館メルクマールの当代館長であり、その最高意思決定者。館長は代替わりによって引き継がれ、現在は16代目。 2外見上は20代の人間の女性の姿をしているが、その正体は不明。衛星図書館の運行の安全を守ることと図書館の蔵書の絶対保守を使命とする。衛星の制御コンピュータを務めるAI(ダダイズール)が図書館内の各設備を司るとともに、館長を補佐する役割も負っている。非常時には、館長とAIの2人によって意思決定される。 ダダイ爺(ダダイズール) 館長に付き従う、人間の男性の老人の姿をした図書館の制御AI。16,000年前に衛星図書館と共に『ニュートラルグレイ』によって製造された。 その姿はホログラムによって形成されていて、何にでも姿を変えることができるが好んで老人の姿を取っている。また、その外観を形成する粒子ホログラムはわずかながら質量を持つため、ごく軽いものであれば持ったり動かしたりすることも可能。衛星図書館の中心核に存在する、巨大な脳に似た有機コンピューターが本体である。 キュレーター(学芸員) ニュートラルグレイに所属し、図書館内の書物の研究を行っている。基本的に外部から蔵書にアクセスするリモートワーカーである。実際に蔵書を閲覧する場合には、ライブラリアンを遠隔操作して行う。例外的に、図書館内に入ることを許され、直接蔵書を取り扱うことのできる「書物の人」と呼ばれるキュレーターがごく少数存在することが確認されている。 ライブラリアン(司書) 図書館内に常駐する人造人間。担当する層を移動し、蔵書の整理や分類などを行う。図書館内に存在する職員は全て人造人間であり、役職も「巡回解読係」「調査官」などに分かれる。蔵書の盗難などを防ぐために武装している個体も存在する。侵入者との戦闘など、様々な理由で機能不全に陥った個体があるため現在稼働する個体の総数は明不明だが、額に0~7776までのナンバリングが入る
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ジエール・ヴァルエルク戦争とは1785年に発生した、ジエール帝国連邦とヴァルエルク共和国間の戦争である。第二次宇宙大戦の一部でもあり、レーウス戦線とも呼ばれる。 目次 勃発までの経緯ジエール・ヴァルエルクの対立ジサ同盟の解消と不景気 第二次宇宙大戦の勃発 サーヴァリアの暴露 ジエールの陰謀? 学者階級弾圧? お前もやるんだよ レーウス戦役ヴェオン・レギトの戦い アマイファン奇襲戦 ミョウノの攻防 フォルバ逆侵攻〇〇占領 和平交渉 独立運動 勃発までの経緯 ジエール・ヴァルエルクの対立 ジサ同盟の解消と不景気 1775年、天嶺企業クーデターが発生し、サーヴァリア企業連合と天嶺皇国の関係が最悪なレベルに悪化。ジエール帝国連邦は苦渋の選択を迫られ、長年の友邦である天嶺皇国を支持した。これによりジエール・サーヴァリア同盟が解消され、経済協力関係が終結した。ジエール、サーヴァリア両国内ではこれの煽りを受け不景気が発生。両国はヴァルエルク共和国との接近を図り、自分側に取り込もうとした。結果ジエールは外交官マインドハック疑惑事件を起こしてしまい、さらに天嶺皇国からの反対を受け、ヴァルエルクへの接近を断念。一方サーヴァリアはヴァルエルクへの接近に成功し、協力関係が発足された。 ジエールはサーヴァリアの動向を受け、ニーネン=シャプチに接近し、経済状況の立て直しを図ろうとした。この間アウラス事件が発生し、ジエールとヴァルエルクの関係がさらに悪化。さらにニーネン領惑星シャグマ=ラゴンの情勢悪化からニーネン・ヴァルエルク間の関係が悪化すると、ジエールとヴァルエルクの対立は避けられなくなった。 一方サーヴァリアは不景気からの脱却を目指すため、ジエールとヴァルエルクの対立を煽り、特需景気を獲得しようと画策していた。ジエールはエルトリア王国を取り込もうとしたものの、エルトリアは中立主義政策を貫いた。 この間、ジエールはケルスト政権の下、ジェレーグ星系に要塞「ケルスト・ライン」を建造し、貧弱な武装しか持たない偽装艦隊を建造していた。これらはすべて「研究費」で予算に計上されており、ヴァルエルクの誤算の一つにつながった。 第二次宇宙大戦の勃発 1785年2月にヴァルエルクがニーネン領シャグマ=ラゴンの内戦に介入し、まもなくヴァルエルクとニーネンが交戦状態に入った。ジエール・天嶺両国はヴァルエルクの内政干渉行為を公然と非難したものの、これに伴って軍事行動は起こさなかった。 サーヴァリアの暴露 1785年6月、サーヴァリアはヴァルエルクに対しレーウス機械反乱時のジエールの陰謀を暴露。協定では陰謀に関わるデータはすべて処分することになっていたのだが、サーヴァリアはそれを残していたのである。サーヴァリアはそれらを捏造し、全責任をジエールに転嫁。この暴露によりヴァルエルクでは反ジエール・ジエール制裁の民意が高まり、「レーウスを危険に陥れた陰謀の枢軸」とジエールを非難するデモが各地で発生した。 一方ジエールも協定に違反し、報告書を残しており、内容を一部捏造し公表した。ゴルギストに全責任を転嫁、さらにサーヴァリアの説が本当ならサーヴァリアが関わっていないのはおかしいと以前からの主張を一貫し、ヴァルエルク共和国に冷静になるよう促した。以前の主張を強引に捻じ曲げるサーヴァリアの主張を陰謀論だとみなすものも多く、ヴァルエルクでは学者階級をはじめとしジエールを擁護する集団が登場し始めた。「サーヴァリアに企業倫理はない」とサーヴァリアを非難するデモが対抗して各地で発生した。 ヴァルエルクはすでに第二次宇宙大戦参戦国となっており、国内のこうしたいざこざを調停する余裕はなかった。この暴露に関しては政府の見解を発表せず、特にプロパガンダ行為を行うこともなかった。 ジエールの陰謀? ヴァルエルク国内の学者階級がジエールのサイバー空間上で集会を行っていることが判明。ヴァルエルクでは情報の自由が保障されており、当然ジエールのサイバー空間へアクセスはできるのだが、その集会はジエール製の匿名化ソフトを通じて行われているものと判明した。が、実際は国内情勢の意見交換だった。 しかし、これに関して、ヴァルエルクの新聞社が騒ぎ立てた。「学者階級がジエールの陰謀によって、管理主義革命に駆り立てられている」「先日の疑惑で、ジエールを擁護するものは、ジエールの手先」と論調がエスカレート。ヴァルエルクの反ジエール感情はコントロール・キャパシティを完全に超過した。 学者階級弾圧? ヴァルエルク警察は知識層たちとジエールの関係を解明するため、ジエールとつながりを持っていた知識層を情報隔離し、捜査を開始した。ジエール政府はこれを「学者階級弾圧」として非難し、即座解放するよう要求。また、この件で弾圧を受けた知識層のジエールへの亡命を認めると発表した。 サーヴァリアの横からの煽りを受け、ヴァルエルク政府も限界を突破。ニーネンへの支援を断ち切る目的も併せて、ジエールとの開戦を決意した。ヴァルエルク政府はジエールの過去の陰謀を洗いざらい調査するため、「強制捜査」に乗り出すと宣言。ジエールはこれを事実上の宣戦布告と読み取り、戦時状態へ入った。 お前もやるんだよ ヴァルエルクとジエールの開戦にサーヴァリアは歓喜した。サーヴァリアでは軍需物資が飛ぶように生産され、好景気に入るかのように思われた。しかし浮かれるサーヴァリアにヴァルエルクが参戦を要請、一方サーヴァリアはそれを拒否し武装の提供のみにとどまろうとした。 これにはヴァルエルクも激怒。サーヴァリアの国民感情を見るに、ジエール側へは加担しないだろうと判断したうえで、参戦しないならサーヴァリア国債を無効にし、貿易協定をすべて破棄すると宣言した。これにはサーヴァリアも度肝を抜かれ、しぶしぶ参戦した。 レーウス戦役 ヴェオン・レギトの戦い ヴァルエルクはジエール首都星惑星ヒェルニエの上陸占領を勝利ラインと定め、そのレーン上に存在する惑星ヴェオン・レギトへの攻撃を行った。しかし、ヴァルエルクの艦隊はすでに多方面に出払っていたため、ヴァルエルクは同盟国を集め、同盟国連合艦隊を組織した。 一方、ジエールはヴェオン・レギト攻撃を予測しており、艦隊を配置していた。新たに建造していた要塞「ケルスト・ライン」も稼働しており、ヴァルエルクは完全にジエールの艦隊規模を誤算していた。 交戦勢力 ヴァルエルク同盟国連合艦隊 ジエール帝国連邦 ヴァルエルク第四艦隊ヴァルエルク第六艦隊サーヴァリア第一宙軍課メロア第3航宙攻撃隊スレフィエ第3群 帝連防衛連合艦隊(帝連第一艦隊・帝連第二艦隊)遠征第一連合艦隊(帝連第三艦隊・帝連第四艦隊) 艦隊規模はジエール側が若干優位だったものの、最初の衝突ではヴァルエルク軍が優位に立った。しかし、次第にジエールにダメージ・レースで優位を取られるようになった。ヴァルエルク軍はまだ逆転は可能と判断し、しばらく奮戦したが、要塞の存在が決め手となり立て直しを迫られた。ヴァルエルクの同盟国連合艦隊が撤退したころには、艦隊の1/4が壊滅していた。しかし、ジエール艦隊も敵を撤退させることには成功したものの、敵側相当の被害を被っていた。 アマイファン奇襲戦 ジエールは艦隊の損傷艦を修理し、遠征第一連合艦隊と帝連防衛連合艦隊を統合した。こうして、帝連防衛統合艦隊が組織され、惑星ヴェオン・レギトの要塞上に駐留した。ヴァルエルクはこれらの情報をサイバー戦役を通してすでに確保しており、ヴェオン・レギトの突破は困難であると判断。航路開拓がされていないフォルバ=アマイファン間のルートを伝い惑星ミョウノへの奇襲作戦を考案した。 同航路は光源がなく、航行が非常に困難であったが、ヴァルエルク艦隊は最新の照明弾とレーダーを使いながら、アマイファン星系への侵入に成功した。天嶺皇国はヴァルエルクのヴェオン・レギト侵攻を警戒し、皇国第二艦隊をヴェオン・レギト星系に駐留させていた。そのため、即時戦力が皇国第四艦隊しかおらず、第四艦隊は全艦隊の中で最弱であった。 交戦勢力 ヴァルエルク同盟国連合艦隊 天嶺皇国ジエール帝国連邦 ヴァルエルク第四艦隊サーヴァリア第一宙軍課サーヴァリア第二宙軍課 皇国第一艦隊皇国第四艦隊+偽装連合艦隊/援軍(偽装第一艦隊・偽装第二艦隊) ヴァルエルクは惑星ミョウノ上の制宙権を確保するため、進撃を開始。皇国第四艦隊は圧倒的な戦力差を前に、交戦を回避した。制宙権を確保したヴァルエルクは地上軍の投下を開始し、地上戦が始まった。 サーガイノ星系に駐留していた皇国第一艦隊が皇国第四艦隊に合流し、制宙権奪還のため攻撃を開始したが、ヴェオン・レギトの戦いでほぼ無傷だったサーヴァリアの艦隊と再編成されたヴァルエルク第四艦隊に苦戦し、次第に消耗した。 ここにジエールの偽装連合艦隊が合流。ジエールの新品二艦隊が合流したことにより、ヴァルエルク側は戦意喪失を引き起こし、一時的に制宙権を放棄した。ヴァルエルク側は、地上軍に大量の物資を降下し、撤退。地上軍には再度合流を約束した。 ミョウノの攻防 惑星ミョウノへの奇襲は完全に成功しており、天嶺陸軍は手薄だった。緊急で民兵が組織されたものの練度の差は圧倒的であった。 交戦勢力 ヴァルエルク地上軍サーヴァリア陸軍課 天嶺陸軍天嶺民兵+帝連陸軍/援軍 惑星ミョウノではヴァルエルクの電撃作戦によりすでに多くの都市が陥落していた。その後制宙権を確保したジエールは援軍として、シュッリルムスライト部隊を降下させた。 サーヴァリア陸軍が現地で大規模な略奪を行っており、またヴァルエルクも民衆から物資の徴収を行っていたため、補給切れを起こしていなかった。天嶺・ジエール軍は惑星外から物資を降下していたものの、天嶺宙軍は再編成に入り、自由に稼働できる艦隊が偽装艦隊だけであったため、いつまた奇襲を受けるかもわからないという緊張状態を強いられていた。 フォルバ逆侵攻 ジエール・天嶺連合軍はヴァルエルクが奇襲作戦を仕掛けた際に使用したフォルバ=アマイファン間航路を使用した反攻作戦を計画した。ヴァルエルクは自分たちがしたようにフォルバ星系に対し奇襲作戦が仕掛けられるのではないかと警戒をしていたが、度重なる第二次宇宙大戦の戦線拡大を前に十分な防衛戦力を整えられずにいた。 ジエール・天嶺連合軍はフォルバ星系の制宙権を奪取し、シュッリルムスライト部隊を惑星〇〇に降下させた。 〇〇占領 惑星〇〇はジエール・天嶺陸軍に占領された。過去の戦争では時々帝連陸軍の軍紀の乱れから様々な問題が発生しており、ヴァルエルク人の多くがジエール軍の上陸に関してパニック状態になった。しかし、ジエール陸軍の末端はすべてシュッリルムスライトにとってかわられており、完璧に統制された軍紀の元、大きな問題は発生しなかった。 それどころか、ジエール・天嶺両国は占領地に管理主義体制をしき、民衆にベーシックインカムと食料を無償で配給した。これによりヴァルエルク下層市民・学者階級をはじめ、多くの市民が管理主義統治を受け入れるようになった一方で、中産階級が中心となりレジスタンスが組織されていた。 管理主義政府とレジスタンスの戦いが過熱する中、ジエール・天嶺の統治はどんどん浸透し、管理主義階級を増産するという目的の元、学校、博物館、美術館、研究所の建造が進められた。 特に、ジエールの行った「人質政策」の効果はすさまじいものであった。ジエール軍はヴェルエルクの資本家階級は必ず生かすように軍に命令していた。ジエール軍はヴァルエルクの資本家階級をとらえると、命を引き換えに、資産をすべて没収し、民衆への配給に回していたのだ。 民衆からはあまりにも「太っ腹」に見えた管理主義体制は没収された彼らの資本で行われていたのである。ジエール宙軍はこれらの資本を使って軍拡を主張したものの、ケルスト主席は「惑星〇〇の資本はすべて惑星〇〇の人民に使え」と指示した。 さらに、ジエールは資本家や反管理主義民衆の帰国を条件に、ヴァルエルク本国から資本をむしり取ろうとするなど、「人質外交」を加速させた。これは戦時中に関わらず行われた「人道目的の交渉」であった。ヴァルエルクはジエールに戦争資金を与えることを嫌い、これを禁止したが、資本家は命欲しさに本国に置いていた資本も投げうって帰国を嘆願した。また、これにより反管理主義人民の帰国が実現し、レジスタンス活動も一定の鎮静化を見せた。 和平交渉 ヴァルエルク共和国は戦線が拡大し、ジエール・天嶺も戦争によりかなり疲弊していた。ジエールとヴァルエルクの戦時中の異例の交渉が増えるにつき、和平交渉も行われるようになった。 和平交渉でヴァルエルクは惑星〇〇の返還を強く要求し、ラゴン戦線で勝利を収めれば、神国同盟は踏みつぶせると主張した。これに対し、ケルストは「軍を撤退させる」ことを条件とし、惑星〇〇の解放を約束し、国内から弱腰だと大ひんしゅくを買うことになる。 ヴァルエルクは意外なケルスト主席の妥協に条件に和平を締結した。 独立運動 ジエール・天嶺軍の撤兵後、〇〇はヴァルエルクに返還されたが、その後学者階級が中心となって独立運動を展開。ジエールが事前に武器を配給していたため、ヴァルエルクの治安部隊と交戦となった。 ケルスト主席は『「ジエール・天嶺軍」は撤退した。ヴァルエルクは独立を承認するべきだ』とコメントし、ヴァルエルクから「狡猾なケルスト」と非難を受けた。 民衆からの奇襲を受けたヴァルエルク軍は一時的に撤退したが、独立は認めずジエール・天嶺とは講和状態でにらみ合いを続けることになった。
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タイトル "本物"のメルク!!(ほんもののメルク) シリーズ メルクの星屑編 話数 122話 収録 トリコ14巻 掲載誌 WJ2011-2 概要 メルクの星屑編9話目。 登場人物 トリコ 小松 初代メルク 二代目メルク ←121話 →123話
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フランベルク ~Flamberg~ 基本スペックと定義 全長 75~80cm 重量 0.8~0.9kg 地域 西ヨーロッパ 年代 17~19世紀 ドイツで作られた初期型のフランベルジェをフランベルクという。 定義としては、ドイツの形式学上では波刃型のレイピアの剣身名称をこう呼ぶ。 部位別の呼称 1 剣身:ブレイド(Blade) 2 切先:ポイント(Point) 3 リカッソ 4 護拳付き柄:スウェプトヒルト(Swept Hilt) 5 鍔:ガード(Guard) 6 握り:グリップ(Grip) 7 護拳:ナックルガード(Knuckle Guard) 8 柄頭:ポメル(Pommel) 時代背景 17世紀頃、つまり製鉄技術が進歩して鋼が作られるようになり、武器がレイピア系中心になったことで、刀剣術が著しく変化した。 同時に刀剣に対してファッション性も求められるようになり、試行錯誤の末に作られた剣のひとつである。 また、フランベルクの刀身の影響を受けてフランベルジェが生まれたとされている。 使用用途 フランベルジェと同じく装飾的な意味が強かったので、あまり戦闘で使われた記述がない。 しかし、レイピアの流れを汲んで刺突の威力を高める刀身として開発されたので、刺突に関しては非常に効果は高い。 突き刺し、引き抜く際に波状の刃が肉をえぐるため、総合的な破壊力は高い。 レイピアタイプの武器なので、あまり斬撃には向かないと思われる。 フランベルジェの項にも書いたのだが、この刀身には2つのタイプの刀身が存在している。 この画像のフランベルクのように、緩やかに波を打つタイプのものと、激しく鋭利な波を打つタイプのものである。 どちらも肉を裂き、傷口を広げる効果に変わりはない。 2007年 11月5日更新 2008年 9月6日 画像差し替え+追記 参考文献 ・ウェブサイト wikipedia ・文献 新紀元社 武器事典 市川定春 著 新紀元社 武器と防具 西洋編 市川定春 著 新紀元社 図解 近接武器 大波篤司 著 ダイヤグラム・グループ 武器―歴史、形、用法、威力 田島優 北村孝一 著 幻冬舎コミックス 図説 武器だもの 武器ドットコム 著
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「なによ。ずいぶんとご機嫌ね?」 カーペットに寝転んでTVを見てるのは親父。いい大人が日曜の朝からアニメ見ておもしろい? 「そうとも。気分がいい。だが、お前には負けそうだ」 「どういう意味かしら?」 「年頃の娘の幸せそうな姿を見るのは親冥利に尽きるが,男親としては寂しさに悲しさが添加されるようだ」 「な・に・が・言いたいのかしら?」 「ハル、お父さんと遊んでいいの? 思ったより時間過ぎてるわよ」 と助け舟を出したのは母さん。どっちにとっての助け舟かしらね。 「ええ、うそ。やばい。じゃ、行ってくるね」 「まて娘。行きがけの駄賃だ」 そういってバカ親父が何か放ってくる。と、と、と、キャッチ。え、あたしの携帯? 夕べ、居間でテレビみながらメールして、そのままだったんだ。 「心配するな。何も見てない。それから充電なら、しといた」 何も聞いてないでしょ! ……見てたら殺すけどね。 「楽しんでこい。だが、孫はまだいらんぞ」 「母さん、グーで殴っといて。いってきます!!」 「はいはい、いってらっしゃい」 ああ、もう! だから親父が家にいると、調子狂うのよ! 今日だって、ほんとだったらキョンに迎えに来させるはずだったのに。キョンの奴、「俺はかまわんぞ」って言ってたけど、あたしがかまうの! あんなセクハラ親父、見せられないわよ。こんなあたしを見せたくない、ってのもあるけど。 「いっちまったか」 「お父さん、さみしそうなのに、何だかうれしそうですね」 「何故だか当てたら、母さん、デートしよう」 「そうですね。とてもいいお天気で、お洗濯日和だこと」 「わかった、ヒントを出そう。これ、なーんだ?」 「お父さんの携帯でしょ。……あなた、まさか? またハルに怒られますよ」 「俺の娘のくせして、機械に弱いからな、あいつ」 「機械に弱いというより、せっかちなんですよ、お父さんに似て」 「『携帯なんて電話とメールができれば十分よ!』って、どこの親父かと思うよ」 「で、何したんですか?」 「あいつはマニュアルなんて絶対読まないからな。自分の携帯の機能も知らないんだ。母さん、最近の携帯にはGPS機能というのがあってな」 「はあ。なんだか、わかっちゃいましたよ」 「さすがだな、母さん。デートしよう」 「はいはい。でもハルの邪魔しちゃ駄目ですよ」 「それぐらいの慎みはある。だが歯止めが効かない恐れもある。だから、母さん」 「デートというか、お守りじゃありませんか。……すこし支度に時間がかかりますよ」 最悪よ、最悪。 集合場所(じゃなくて今日は待ち合わせ場所よね)には約束の10分前に着いたわ。予定では30分前につきたかったとこだけど。 物陰から恐る恐る覗くと、キョンの奴はまだそこにはいなかった。そこにはね。 「なにしてるんだ、ハルヒ」 「!」 いきなり背後から声かけないでよね! 「あたしがどっかのスナイパーなら、撃ち殺してるところよ……」 じとっとした目でにらんでやる。 「おれも今来たところだ。どっちにしろ、今日は俺のおごりだから、安心しろ」 缶コーヒーを二つ持って後ろから登場したキョンは、はあ、とため息をつく。でも、不機嫌というわけじゃないわね。まあ、これはもう癖みたいなものね。多分。 「あんたの情けは受けないわ」 キョンの奴は一瞬あ然として、それから吹き出した。 「な、なんで笑うのよ!」 「いや、すまん。というか、おれはおまえに情けをかけた覚えは一度だってないぞ。まあ、かけられた覚えもないが」 まだ笑ってるし。何がそんなにおかしいのかしら。 「し、知ってるわよ、そんなこと」 少しくらいは、優しくしてくれてもいい、と思う時もなくはないけどね。まあ、いつだって、ある意味「やさしい」のだけれど。特殊すぎて、時々腹が立つわね。 「出掛けに何かあったか?親とやらかしたとか?」 それに、普段は極端に鈍いくせに、時々ムダに鋭い。わざとやってるんじゃないかしら。 「親父と、ちょっとね」 「ケンカか?」 「ケンカというか、いたぶられた、わね」 なに、その「お前がか?」みたいな顔は。むかつくわね。 「まあ、おまえの親だもんな」 「どういう意味?」 あたしじゃなけりゃ、頬をはられて一発で退場ものよ。 「別に。まあ、強いて言えば、俺にも据えられる腹がなくはない、ってことだ」 「意味分かんない。ああ、言わなくいい!」 あたしは、このバカの手を引いて歩き出す。この場で、これ以上の言葉は不要だわ。 「用意できたか。じゃ、出発!」 「ハルとは2時間遅れですけど」 「小娘には、それくらいのハンディはやらんとな。俺も鬼じゃない」 「……これで、結構仕事ができるっていうんだから、不思議ね」 「うん。多分世の中には2種類の人間が要るんだな。一つは壊す人間、もう一つは修復する人間。壊す人間がいるから新しいことが起こるし、直す人間がいるから毎日が続いていく。俺やハルヒは壊す方だし、おまえや、えーと……」 「キョン君」 「そうそう、そのキョン君は、直す方の人間だな」 「苦労しそうですね」 「俺は仲良くなれそうな気がする」 「不憫になってきますよ、キョン君が」 「なあ、おまえの家って、普通か?」 「はあ?なに?」 「ああ、NGワードだったか。いや、ただ家族仲とか、どうだと思ってな」 「それを知って、あんたはどうしてくれる訳?」 「ふう。確かにできることしかできないけどな。手順を踏めば、もう少しできるかもしれん」 「どういう意味?」 「いや、とにかく、雑用係にも、愚痴ぐらいは聞けるって話だ。おまえが話したいこと限定でな」 「いまは雑用係に用はないわ」 「そうか。じゃ、暫定彼氏志望者じゃどうだ?」 「・・・」 「……黙るなよ。情けないが、これでも、なけなしの勇気なんだ」 「出直してきなさい。あと『志望者』ってのは、外してきて」 「へ?」 「あー、もう、うっさい。あんたが変だから調子狂うわ。どうしちゃったのよ、今日は?」 「知らん。……父親って聞いたらかな?」 「言っとくけどね!」 「……おう」 「あたしは親父似だからね!」 こ、こらキョン、なんでそこで笑うのよ!バカにしてんの!? 「おまえはキョン君に何度か会ってるんだろ?」 「ええ。よくハルを送って来てくれますし、遊びに来たことも何回か」 「拗ねてるように聞こえるかもしれんが、初耳だ」 「ええ、はじめて言いましたよ。拗ねてるんですか?」 「正直言うと拗ねてる」 「私は感謝してますよ」 「俺だって感謝してるよ。娘と軽口を言い合える日が来るなんてな。うれしくて頬刷りしたくなる」 「愛情表現が相変わらず下手ですね」 「いまのは冗談だぞ、母さん」 「私のも冗談ですよ」 「ハルヒの中学時代を思うとな」 「あら、『俺はハルヒを信じる。信じて待とうと思う』と言ってたじゃありませんか」 「父に二言はない。が、つらくなかったと言えば嘘になる」 「ハルヒ似のお父さんが、よく切れずに我慢しましたね」 「それ、ほめてくれてるんだろうが、ハルヒが俺に似てるんだ」 「どっちもどっちですよ」 「いや、時間の順序とか、遺伝とか、そういうのがあるだろう」 「冗談ですよ」 「で、母さん。映画と買い物と、どっちがいい?」 「映画見てから買い物するか、買い物してから映画を見るか、ですね」 「買い物はいいが、あまり荷物になると、映画も見にくいし、第一フットワークが悪くなる」 「あら、その後、追いかけっこでも?」 「娘と彼氏を追い回す、いかれた親父か。悪くないな」 「一生、口を聞いてもらえなくなりますよ」 「まあ、荷物なんか預けてもいいし、送らせてもいいか」 「とりあえず映画見てから、買い物で時間をつぶしましょうか」 「で、キョン君って、どんな奴なんだ?」 「そうですねえ。一言では言えないけれど、やさしい子ね」 「最近の男はみんなやさしいぞ。中には例外もなくはないが」 「ハルがどんなわがまま言っても、照れ隠しに怒っても、許してくれる。でも、ハルのためにならないと思ったら、嫌われようが苦言するし本気で怒ってくれる」 「ほんとはその役をやりたかったんだ」 「お父さんは何をやっても、真剣に怒っているときも、どこか楽しげですもの」 「そうでもない。特に娘に『楽しんでる』『好きでやってる』といわれのない非難を受けることほど悲しいものはないぞ」 「ハルはお父さんにはそうあって欲しいのよ。でも私はハルがちゃんと涙を流せる女の子に育ってうれしいわ」 「……」 「どうかしました?」 「いや、黙ったら少しは悲しげに見えるかなと思って」 「自分で解説が必要なら、まだまだですね」 「キョン君に聞いといてくれ。ハルヒの叱り方」 「『親のプライドが微塵もない』ってハルの声が飛びそうですねえ」 「あいつときたら、父親をグーでなぐるんだぞ。俺のお仕置きビンタはスウェイでかわすくせに」 「そんなの教えたの、お父さんじゃありませんか」 「父親のこめかみにハイキックするんだぞ。父親に関節技つかう娘が他にどこにいる?」 「それでも少しも効いてない振りして笑っているからですよ。あ、でもハイキックはキョン君に叱られたみたい。『スカートの中とかいろいろ見えるだろ』って」 「……」 「なんですか、そのOh, my god!! みたいな身振りは?」 「感情表現が下手なんだ」 「『別に減るもんじゃないでしょ!』ってハルが言い返したら、『減るんだよ。俺のHPとかLPとか、なんかそんなのが』とキョン君が」 「そんな話したのか?」 「ええ、ハルが声帯模写付きで話してくれたのよ。『自分のものでもないのに何言ってんのよ!』とか、ぶつくさ言ってたわね。あら、私の声真似もなかなかいけてた?」 「ハルヒが母さんにいじめられている映像が、何故だか頭に浮かぶんだが」 「ええ。ハルが照れ隠しに不機嫌ぶるのがかわいくて、ついついからかちゃうんだけど」 「今度そういうことがあったら、喜びは二人で分かち合おう。写メで送ってくれ」 「そんなに変なのか、ハルヒの親父さん」 今日は日曜、俺的には近頃すっかり定番となった市内、もとい「市街探索」だ。参加者は、土曜に定例で行われる市内探索と違って、団長と団員その一。今、二人は移動中、電車の中で隣り合って立っている。 前の日の探索の終わった後か、その夜の電話などで、日曜の集合時間とだいたいの行き先が決まる。目的は「市内探索」と大同小異、つまりあってないようなものだが、参加者によってはいくらかの意見の相違はあるかもしれない。あっても別にかまわん。他人と付き合うのは、いやそういう意味じゃないぞ、異なる意見の持ち主と共にいること、なんだろう。多分な。 「変ってもんじゃないわ。あれはヘンタイの域に達しているわね」 「さっき、ハルヒは親父さん似だ、と聞いたような気がしたんだが」 「何か言った!?」 「いや、続けてくれ」 「娘を叱る時まで、おもしろ半分なのよ。一応、顔は怒ってる訳。でも、目がいかにも 『怒り顔、演じてます』って感じにニヤケてるの」 「気のせいじゃないのか?」 「ないわよ。叱り終わったら、さっさと隣の部屋へ行ったの。で、こっそり後付けてみたら、突っ伏して、文字通りお腹を抱えてるのよ!『すまん、母さん。限界だ』だって。母さんもその時ばかりは離婚を考えたって。あたしもそれで一時、人間不信に陥ったわよ」 突っ込んでいいのか、笑っていいのか、わからんぞ、ハルヒ。 「ある時、また親父のひどい悪ふざけで、何だったかは忘れちゃったけど、すごく頭にきて、親父のこめかみにハイキックをあびせたの。ああ、昔の話だし、あんたに会う前だし、部屋着に着替えてたし、スカートじゃなかったんだから、ノーカウントよ。……話もどすわ。とにかく親父の側頭部を蹴ったの。クリーンヒットだったわね。で、親父どうしたと思う? 屁でもないって顔でせせら笑ってるのよ。レバ—打ち→ガゼル・パンチ→デンプシー・ロールでとどめ刺そうとしたら母さんに止められたけど。ったく、思い出すだけで腹立つわ」 「子どもみたいだな」 おまえみたいだ、とは言わなかった。いかに俺でもそれくらいの空気は読める。というか、そう言った際の「不幸な俺」の映像を思い浮かべることはできる。 「そうよ、ガキなのよ、ガキ!」 「しかし父親と殴り合ってる中高生は、ざらにはいないと思うぞ。男女問わず」 「誰と誰が殴り合ってるのよ!? 向こうがこっちに一方にやられてるんでしょ。直ちに修正しなさい!」 「いや、ハルヒのケリを頭にくらって立っていられること自体、想像しにくいんだが。お前の親父はレスラーか何かか? 首まわりがお前のウエストより太いとか?」 「フツーのサラリーマンだと言い張ってるけどね。ああ、でも『相手の攻撃をよけてもいい格闘家がうらやましい。どんな技でも一度は受けるのがプロレスラーだ』とか、ふざけた台詞を吐いてたことはあったわ」 「ハルヒ、それに似たようなセリフ、俺もマンガで読んだことあるぞ」 「ああ、そうなの。それ知ってたら、その時突っ込んでやったのに」 やれやれ。なんだかハルヒの無駄な攻撃能力の育成環境を垣間見た気がする。 「お父さん」 「なんだ、母さん?」 「ロードショーじゃなくて名画座、というのはいいんですけど」 「すまんな。実は古い映画が好きなんだ」 「それは知ってますけど、この3本立て」 「ルトガー・ハウアー特集。『ブレードランナー』(1982年)、『ヒッチャー』(1986年)、『聖なる酔っぱらいの伝説』(1988年)。うむ、確かに右肩下がりだな。いい役者なんだが、この後、いい映画と役にめぐまれなかった」 「それはいいんですけど」 「あとサム・ペキンパーの『バイオレント・サタデー』(1983年)とリチャード・ドナー 『レディ・ホーク』(1985年)があれば完璧だったんだが」 「お父さんの見た映画は大抵見るようにしてるんですけど」 「それは、なにげにすごいな」 「『ヒッチャー』って、デートで見に来るような映画だったかしら?」 「ご立腹はごもっとも。しかし、いささか都合があってな。これ」 「携帯?」 「実は今さっき、ハルヒの携帯に特殊なメールを送った」 「大丈夫なんですか?」 「問題ない。このGPS機能のおまけだ。そのメールを送ると、ハルヒの携帯から、現在いる位置情報を知らせる返信メールが俺の携帯に来る。すると、地図の上にハルヒの現在位置が表示されるというシステムだ」 「いくら熱々カップルでも、メールが入ったら気付くんじゃないかしら?」 「恋する乙女の手を煩わすまでもない。今朝、ハルヒの携帯をいじって、『GPSメールを自動返信』モードにしといた。もともと迷子や徘徊老人の位置把握に使う機能なんだ」 「おもしろがって、その説明をハルにしないでくださいね。種明かしとか言って」 「駄目か?」 「そんな肉を川に落とした犬のような目で見ても駄目です」 「あいつの怒った顔を見るのが、唯一の生き甲斐なんだ」 「寂しい老後ね。いずれは出て行く娘ですよ」 「キョン君に婿に来てもらえばいい。あいつは話せる奴だ、多分」 「まあ、会ったこともないのに」 「もうすぐ会えるさ。だが今はまずい」 「どうしてです?」 「演出上の都合だ。さっきチェックしたところ、あいつらも映画を見るらしい」 「ロードショーを、ですか?」 「そう。だからあの界隈をうろうろしたくない」 「お父さん、嘘と尾行は下手ですものね」 「そうなんだ。よくサラリーマン社会でやっていけると思う」 「では、こうしましょう。交換よ」 「携帯をか。で、どうする?」 「お父さんはルトガー・ハウアーをご覧になって。私は買い物と尾行を楽しみます」 「母さん、今日はデエトだぞ」 「発音を気取っても駄目よ。デートなら、嘘でも私とルトガー・ハウアーを見る必然性を力説しなきゃ」 「ダシに使ったみたいで悪かった。素直じゃないんだ。ツンデレなんだ」 「本当にルトガー・ハウアーが見たかったのね」 「そっちじゃない。いや、完敗だ。最初から勝てる気がしない」 「では集合時間を決めましょ」 「12時半に○○屋(本屋)の哲学・思想書コーナーでどうだ? 誰も近づかん。その時間でもすいてるぞ。なんなら合言葉も決めようか」 「じゃあ、私が『ハルヒ』といったら、あなたは『キョン』ね」 「逆にしないか? 父親の男心も察してくれ」 「いいけれど、ダメージという点では同じじゃないかしら」 「本当だ。ハートブレイクだ、母さん」 「はいはい。じゃあ、また後でね」 「映画、よく見るのか?」 キョンが尋ねる。映画館でする質問じゃないわね。間抜けっぽい。キョンらしいといえば、キョンらしいけど。 「そうでもないわ。親父は家にいると絶えず何か見てるけど。多分、その反動ね」 キョンはいつものように少し困った風に笑う。あたしの方がもっと自然に笑ってるわね。それは多分、こいつの前だから。以前は少し悔しい気がしたけど、今は認めてあげるのもやぶさかじゃない。というくらいには、寛大になれた気がする。「寛大」というには、ほんとは程遠いけどね。はあ、自分につっこむ癖がついた気がするわ。誰のせいかしらね。 「で、今日の映画、おもしろいんでしょうね?」 「正直よくわからん。ふつうの映画とごくふつうの映画とへんな映画とすごくへんな映画があったんだが」 「なによそれ?」 「今、この辺りでやってる映画だ。あとは、怖い映画とすごく怖い映画だったな」 「すごく怖い映画がよかったわね」と言ってやると、キョンの顔に少しだけど焦りの色が見える。そこはポーカーフェイスで華麗にスルーでしょ。いつもみたいにやる気なさそうな顔でいいのよ。あたしはニヤリと笑ってやる。 「まあ、ヒロインが白血病で死ぬとかでない限り、暴れ出さないわよ」 声には出さないけど、やれやれ、って言ってる顔ね。 「まあ、『暴れる』と口で言ってるうちは大丈夫か」 うっさいわよ、キョン。 「ハルヒ」 「キョン。……母さんの言うとおりだった」 「何がです?」 「映画だ。『ヒッチャー』。確かにデエトで見る映画じゃない」 「そうですよ」 「ごついおっさんが、若い者を延々と追いかけ続けるんだ。自己嫌悪だ」 「あらあら」 「殺しても死なないんだよ、そのおっさん」 「ルトガー・ハウアーですから」 「それでさらに、若い者を延々と追いかけ続けるんだ。自己嫌悪だ」 「お昼、どうします?」 「携帯、とりかえてくれ」 「はい」 「ピ。ピ。ピ。……おいおい」 「どうしました?」 「あいつらだ。高校生らしく、ファストフードで済ませると思ったんだがな」 「この地図、小さいわ。どの辺りにいるのかしら」 「ここだ。こじゃれたイタメシ屋なんかあるところだ」 「よくそんな細かいところまでわかりますね」 「この辺りのメシ屋、ゲーセンの類いはすべて暗記した。基本だ」 「少年課の刑事さんみたいね。娘に似て、無駄に高いスペックね」 「娘が俺に似たんだ。……無駄に高いか?」 「キョン君が奮発したんですよ、きっと」 「イタメシ屋か? ランチだと1500円からある」 「そこまで覚えてるの?」 「基本だ……無駄に高いかな?」 「ええ、きっと。でも、嫌いじゃありませんよ」 「よかった。凹むところだった」 「で、鉢合わせはまだ避けたいの?」 「劇的な登場と行きたいもんだ」 「すてきな昼食と、わたしたちもいきたいわ」 「ガキが来そうにないそば屋があるんだが。そのイタ飯屋からすると駅を挟んで反対側だ」 「落ち着いて食べられそうね。天ざるなんて、どうかしら?」 「人におごりたくなるほど、うまいのが食える」 「すてきね。ごちそうになるわ」 「イエス、マム」 映画は可もなく不可もなく、といった感じだった。 泣かせどころが2〜3カ所、笑いどころが5〜6カ所。まあ,普通に「へんな映画」だったわ。 それも、前半はハラハラドキドキ手に汗にぎって見てたのに、後半はグーグーいびきかいて寝てる奴ほどではなかったわね。呆れるのを通り越して、笑えたわよ。 言い訳がまた古典的というかベタというか、「明日が楽しみで、夕べ寝られなかった」と。あんた、何時代の人間よ? 思いついても普通口に出来ないわよ。事実なら、なおさらね。 まあ、あたしも終わり三分の一は寝てたし、この件はこれ以上追求しないわ。あんたも忘れなさい。いいわね、キョン? いいのよ。こういうのは何を見るかより、誰と見るかが,重要なのよ。自爆?どこの誰が? へえ、あんたも言うようになったわね。でも、顔真っ赤にしてちゃ説得力は1ピコグラムもないわよ。うっさい。トマトとか言うな。指をさすな。小学生か?! ……ああ、待って。以後、恥ずかしいこと言う度に一回、グーで殴るから。はい、どうぞ。 ……ヘタレ。いくじなし。 まあ、食事は、おいしかったわね。 「ほんと、食べてる時は幸せそうだよな」 わるい? おいしいもの食べて幸せになるのは当然よ! 何食べても見境なく笑ってたら多幸症だけどね。あんたも、あんなにおいしいお弁当、持ってきてるんだから、笑顔で幸せを噛みしめて食べなさい。あれは、いつ取られるかわからんから、周囲を警戒してる表情だ? 上等よ、表へ出なさい! あ、そ。確かに混んでるしね。随分、並んでるわね。で、この後どうするの? はあ、誘ったの、あんたでしょ。しょうがないわね。ほら。何かって? 見てわかんない? 怪しげな収蔵品を展示してる博物館というか室内テーマパークの割引券。新聞屋が置いて行ったのよ。うっさい。行くの?行かないの? あたし?行くに決まってるでしょ。じゃあ、早く来なさい! 「で、どこで劇的な登場をするんです?」 「俺の計算だと、黄昏どきの展望台だな。みんな景色を見るふりをして、お互いを見ないお約束だから、若いアベックの宝庫だぞ」 「そこに乗り込むの?」 「命知らずだろ? 惚れたか?」 「あの二人、照れ屋だから、いっそ観覧車にするかもね」 「だから町の中にあんなもの建てるのは反対だったんだ」 「ロンドン・アイ、ふたりで乗ったわよね?」 「テームズ川は、心のふるさとなんだ」 「いいところでお父さんが現われたら台無しよね」 「馬に蹴られるような真似はしない。登場はその直後だ」 「『口づけを交わした日は、ママの顔さえも見れなかった』」 「なんだ、それ?」 「歌の歌詞ですよ」 「クールな自分を見失いかけた」 「ふつうですよ」 「目がきょどってないか?」 「ふつうよ」 「まあ、観覧車には爆破予告の電話をするとして、だ」 「いいけど、オカマ声はやめてね」 「母さん、念のため言っておくが、あれは悪ふざけだ」 「知ってるわ」 「信じてくれ」 「はいはい」 「結局、私たちが乗ることになったのね、観覧車」 「何事も予習復習だ。俺は照れ屋なんだ」 「行き当たりばったりも素敵よ。期待以上の事が起きるかもしれないし」 「たしかに。ぎちぎちのスケジュールだと、そもそもサプライズの生じる余地がない」 「どうしたの? 『しまった』って顔して」 「今のをハルヒに伝えるの忘れてた。ああ、親らしいこと、何もせずじまいだ」 「平気よ。どうせ聞く耳もたないもの」 「だが、母さん。あれは、ああ見えて勝負パンツをはいていくような娘だぞ」 「『お父さんの親心は、おじさんの下心』よ」 「なんだ、それ?」 「ことわざですよ」 「新しい自分を見つけ損なった」 「よかったですね」 「声、うらがえってないか?」 「大丈夫」 「しかし、こんな密室に二人きりで向かい合って、恥ずかしくて死ぬんじゃないか?」 「同じ側に隣り合って座る手もあるわね」 「ああ、それならお互いの顔を見なくて済む」 「こんなに近くにいるのに、もったいないわね」 「俺たちも、いいかげん素直になろう」 「あら、私はずっと素直ですよ」 「わかってる。我が家でツンデレは、俺と娘だけだ」 「三分の二いれば、憲法も変えられますよ」 「そうなのか?」 「違ったかしら」 「眼下の下界を見ろよ。人間がアリのようにたかってる」 「夜景には早いけれど、きれいね」 「母さん、吊り橋効果って知ってるか?」 「ええ、保健の時間に習いました。たしかシャクターの情動二要因説(1964)やダマジオのソマティック・マーカー仮説(2000)と一緒に」 「そうなのか?」 「違ったかしら」 「さあ、たっぷり楽しんだな」 「そうですね」 「あとは、若い連中をからかいに行くだけだ」 「ひかえめにね。『やーい、やーい』は、やめてね」 「あれ、嫌がるんだぞ」 「されるのが嫌というより、『これが自分の親』と思うのが嫌みたいですよ」 「うまいぞ、母さん。『親』と『嫌」をかけたんだな」 「いいえ」 「他に禁則事項はないかな?」 「女の子だから、残るような傷はちょっと」 「顔以外の傷は、見たらクーリング・オフは認めんぞ」 「ハルが小さい頃は、毎日、なま傷だらけで。きれいに治ってよかったわ」 「男の子がするような遊びしかしなかったからな」 「息子の方がよかったの?」 「息子だったら、俺が殺されてるか、殺してるよ」 「そうなの?」 「ああ、俺が息子だったらそうしてる」 「ふふ、ハルヒが女の子でよかったわ」 「心底そう思う。だが、うまく伝わらないんだ」 「表現方法を変えてみたら?」 「今度そうする。だが、恥ずかしくて死にそうだ」 「それもいい手かも」 「生まれ変わったら試してみる」 「あの子たち、この中にいるの?」 「隣のビルとつながってるチューブみたいのがあったろ。あれが展望台なんだ。今だと、夕日が正面でロマンチックだ」 「このロビーで待つの?」 「あそこの色の違うエレベータが展望台直通のやつ。あいつらは事がすんだら、あそこから出てくる予定だ。そっちに喫茶があるから、座れるし、お茶も飲める」 「ハルヒ、それとキョン君だったかな? Comment allez-vous?(コマンタレブー)」 「な、なにしてるのよ!?こんなところで」 「母さんと二人で青春してるんだ」 「まさか、つけてきたの? 最低!!」 「自分ばっかり幸せになれると思ったら大間違いだぞ。幸せは分かち合うもんだ」 「母さんまで、この悪魔に魂売ったの!?」 「キョン君、君はまだやり直せる。いっしょに日本へ帰ろう!」 「キョンに指一本でも触れたら承知しないわよ!」 「ラブラブだな、このツンデレ娘」 「親父にだけは言われたくないっ!」 「じゃあフラクラか?」 「娘相手にどんなフラグ立てようっての?」 「死亡フラグ」 「覚悟はできてるようね!」 どうしたらいいのか、いや何がはじまったのか、見当もつかず途方に暮れていると、いきなり襟首をすごい力でひっぱられた。 ハルヒ?は前にいるよな、ってハルヒの母さん? おまえのアレは、母親ゆずりだったのかよ。 「少し離れて見てましょうね。キョン君までケガしたら大変」 「止めなくていいんですか?」 普通は娘の心配をしませんか? 「もう無理よね。こんなにおもしろいもの」 ああ、最後の頼みの綱だったが、この人も駄目だ。 「仕事で家を空けることが多いせいかしら。会うと愛情表現が過激になっちゃうみたいなの」 ころころ笑うところじゃありません。 「ハル、今日はキョン君も呼んで夕食よ。母さん、本気出すから、早くしとめて帰りましょう」 ハルヒは顔は敵(父親)に向けたままだが、親指を立てて(いわゆるサム・アップだ)、多分「OK」の返事をした。 「いつもは、本気じゃないんですか」 と、当たり障りなくて、どうでも良さそうなところに突っ込んでしまう。 「そう毎日だと家計がねえ。普段はどうしても時間とか値段とか効率を考えてしまうの。今日はそういうリミッターなしだから、楽しみにしててね。『さすがハルヒの母さんだ』ってところをお見せするわ」 すみません。俺にはお見せできるようなものが何もないみたいです。 「いいのよ、そんな」 「今はこれがせいいっぱい……」 どこかで聞いたようなことを言って、俺は闘争オーラの震源地へ、びびりながらも2歩、3歩踏み出した。 「一家団欒のところお邪魔してすみません」 「キョン君、下がっていろ。手負いの娘が何をするかわからん」 「このバカ親父!!」 俺はすうと息を吸い込んで、低く押さえ込んだ、しかしよく通る声の出し方で言った。 「おいハルヒ、やめとけ」 「うっさい、邪魔するな!!」 「やめないとな・・・別れるぞ」 「「!!」」 音速の壁を越えて父と娘が同時に俺につかみかかってきた。ああ、ハルヒのお母さん、後のことはお願いします。 「お、親の前で、だ、だ、だれが、あんたと、つ、付き合ってるみたいなこと言うな!!」 「……」 「親父、何黙ってるのよ!!」 「いや、突っ込もうか、おちょくろうか、嬉しいような、寂しいような、複雑な心持ちでな。ところでハルヒ」 「なによ!?」 「キョン君、もうオチてるぞ」 「あ」 親の前だとか、いきなり既成事実だとか、パニっくって力の加減ができなかったとか、言い訳はしたくない。結局、意識を失ったキョンは親父が蘇生させて、そのまま親父がおぶって帰った。あたしが、と主張したんだけど、 「若い兄妹を売る奴隷商人に見られたらかなわん」 という訳のわからない親父の言い分が通ったのだ。無理を通せば道理が引っ込むって奴だわ。 母さんは母さんで、キョンの家へ電話をして何やら調子の良い嘘話をこさえて(確かにうちの娘が息子さんの首を絞めましたので、夕食を食べていってもらおうかと、とは言えないわよね)キョンの親御さんを説得し、その前に電話してあったのか、話が終わって建物の外に出ると、タクシーが私たちを出迎えていた。親父とキョンと母さんが後ろに乗って、あたしは一人、運転手さんのとなりの前の席。母さんが無言でそう促したのに従った。 キョンといるところをうちの親に見られて、ううん、うちの親をキョンに見られて、どうしようもないくらい動揺してたのは確か。怒りをあおった親父に乗ったのも,混乱と照れを隠すため。そこにキョン、あんたまで乱入してきて、さすがの私もオーバーフローよ。パニックにもなるわ。でも、あんた、あたしを止めようとしたんだよね。それくらい、分かるよ。分かる過ぎるくらい。あんたがどういう奴で、あの場面に居合わせたら、何を考えて、どうしようとするかぐらい、百もお見通しよ。だから,今は自分が情けない。 「おい、こいつ。なかなかやるな」 バカ親父が何か言ってる。もう黙っててよ。娘が泣いてるのに、責任ぐらい感じなさい。 「『こいつ』なんて呼ばないでよ。ちゃんと『キョン』って名前があるんだから」 「『キョン』は、ちゃんとじゃないだろ……。わかったよ。キョンはすごい奴だ」 「『キョン君』でしょ」 「はいはい。キョン君は、なかなかのもんだ」 「キョンが目覚ましたら、その無駄口、ふさいでよね」 「混乱に混乱を、か。ベタだがなかなか思いつかん。思いついても普通は選択せん。ずいぶんと修羅場をくぐってるのかな、この若者は?」 「知らないわよ」 「おいおい、知らなくていいのか?」 「知ってても、あんたに言う必要ないわ」 「そりゃそうだ」 親父はそっぽを向いて、アヒルみたいに口をとがらせる。子どもみたい。恥ずかしいから止めて。 「昔、父さんの親友二人がな、ちなみに男と女で、そのうち夫婦になるんだが、ちょっとしたレストランで痴話喧嘩を始めた。気性の荒い二人でな、飛び交うのは怒号だけじゃすまなくなって、両方が同時にナイフとフォークを握りしめて立ち上がった。俺はそいつらの向かいで飯を食ってたんだが、店中の人間が父さんを注目しているのに気付いた。『止めてくれ』ということらしかった。その国の言葉は、まだあんまり得意でなかったんで、細かいことはわからんが。父さんは、とっさに自分たちが食事していたそのテーブルを蹴り飛ばしてひっくり返す手を思いついた。でかい音と衝撃で、気をそげるかもしれんと思ったんだ。だが、実行は躊躇した。テーブル・マナーはいくらか教えてもらったが、犬も食わないケンカにテーブルを蹴飛ばしても可、なんて常識はずれもいいところだからな。もう一度、他の手はないか考え込んだ。父さんも若かったから口では『常識なんてくそくらえ』と言っていたが、いざそんな場面に投げ込まれると、自分が骨の髄まで常識に染まってるのを思い知ったよ。結局、父さんがテーブルを蹴飛ばすよりも早く、女のフォークが男の胸にぶすり。……ハルヒ、全然信じてないだろ、今の話」 「親父、その話、怪談になってる」 「しょうがない。母さん、胸の傷を見せてやれ」 「バカじゃないの。刺されたのは男でしょ」 「そうだ。言ってなかったが、母さん、昔は男だったんだ」 「だったら、あたしはどこから生まれたのよ」 「そりゃ、おまえ、コウノトリをおびきよせて孕ませたんだ。だが、そのコウノトリは本当はハゲタカだったんだ」 「母さん、このバカ、いますぐ捨ててきて」 「父さんは、この若者、気に入っちゃたな。お前が捨てるなら、俺が拾うぞ。お前にオトされるようじゃ、少々線は細いが、なに海兵隊に2年もぶち込めば、口で糞たれる前と後にSir.をつける立派な若造になる」 「訳わかんない。捨ててないし、勝手に拾わないで」 「今時の若いもんを見直したってことだ。……よし、来年は冬コミにサークル参加するぞ」 「はあ?」 「サークル名も決めた。涼宮家を大いに盛り上げるソフィスケイトされた大人の団、略してSOS団だ。ガキは入れないから安心しろ」 「母さん、親父が壊れた。新しいの買っていい?」 「はいはい」 はいはい、じゃないでしょ。誰か何とかして。キョン、いいかげん目をさましなさいよ。や、やっぱ駄目。寝てなさい。目が覚めても寝たふりしてて。 気がつくと、事態は修羅場から、魅惑の食卓へと激変していた。 俺たちはナプキンなどつけ、出ては下げられ、また出ては下げられていく何枚もの皿の上の料理を食べている。 「お、おい。ハルヒ」 「なによ。ちょっと、顔が近いって」 「すまん。しかし、これ家で出てくるような料理じゃないぞ」 「あの人は無駄になんでもできるのよ。若い頃、フレンチの店、してたこともあるみたいだし」 「まじか?」 「金持ちのじじいに金出させて、店出したんだって。シェフもギャルソンもソムリエもピアニストも全部自分ひとり。テーブルも一つっきりで予約のみ。親父と出会うまで続けてらしいんだけど。本人の話だし、あてになんないわ。『日本じゃないのよ』とか言ってたし」 「まじか?」 「小学校も途中までしか行ってないとか、14の時には日本にいなかったとか。そういう『伝説』みたいなことしか、自分のこと言わないの。たしかに語学は親父よりできるみたいだけど、発音はきれいだし。親父は何語しゃべってもカタカナね。あれでよく通じるわ。まあ母さんの方が、娘をからかわないだけマシだけどね。最近そうでもないけど」 そこで何故「じとっ」とした目で俺をにらむ? 「わかんないなら、いいわ。あ、親父、醤油とって」 「フレンチに醤油はないだろ?」 「何言ってんの?このソースにも使ってあるわよ。だったらソイ・ソースとって」 「それ醤油と同じだ。母さん、このソースだが……」 「ええ、使ってますよ、お醤油」 「……キョン君、お互い苦労するなあ」 「はあ」 「愚かしくもバカバカしい店があるんだが、憂さを晴らしに今度飲みに行かないか?新しい友情のはじまりだ」 「キョン、知らない親父に着いて行っちゃ駄目よ。死刑だから」 いや未成年だし。そんな店、行きたくないし。友人は選びたいし。親は・・・選べないんだよな。 「母さん、娘がグレた。次のと交換していいか?」 「次の、って何よ?」 「……教えない。だが、眼鏡っ子で巨乳とだけ、言っておこう」 「むー、巨乳は垂れるんだからね!」 論点が違う!・・・よな? おわり (別の日の食卓にて) 「そういえば、あたしが親父の頭を蹴って、親父が平気な振りして笑ってた話をしたら、キョンの奴、なんて言ったと思う?『子どもみたいだな』『でも、そういうの嫌いじゃないぞ、オレは』だって。ばっかじゃないの!」 「おお、心の友よ!!」 「あんたはジャイアンか!?」 ほんとにおわり ▲ページのトップへ