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11月も後半に突入し、日に日に冬らしさが増えてくる。 最近は部活から帰る時点ですでに真っ暗だ。 「今日は転校生が来たぞー」 岡部は教室に入ってくるなり、そう言った。 教室がざわつく。 お前らは小学生か?と突っ込みつつ俺も少しそわそわする。 「すっごい綺麗な女の子だと良いなー」 谷口、だとしたらお前には振り向かないぞ。 「入ってくれ。」 岡部の掛け声と共に、男子が入ってきた。 男子のため息と、女子の囁きが聞こえる。 入ってきた奴は古泉ほどではないものの、なかなかのイケメンだった。 「よし、じゃあ自己紹介をしてくれ。」 「こんにちは、春日清(きよ)です。」 春日とか言う男は澄んだ、綺麗な声で自己紹介を始める。 「趣味は本を読むこと、特にSFが大好きです。宇宙人、未来人、超能力者などに興味があります。」 …え? その時、ハルヒがガバッと立ち上がった。 「ねぇ、春日君。だったらSOS団に入団しない?」 「涼宮、勧誘は後で良い。んーとじゃぁ春日、うるさい奴だが、涼宮の隣に座ってくれ。」 「よろしく、春日君。」 後ろを振り向くと、ハルヒが春日に挨拶をしている。 「こちらこそ。よろしくお願いします。涼宮さんといいましたっけ?」 「そうよ、涼宮ハルヒ。SOS団の団長よ。」 俺はこいつらの会話を聞きながら、何でこんな微妙な時期に転校してきたのか、疑問に思っていた。まるで朝倉の時のようだ。嫌な記憶がよみがえる。 …後で部室に行けばあいつらが教えてくれるだろう。 授業中、春日とハルヒはずっと超能力者、未来人や宇宙人がいるかどうかについて話し合っていた。ったく、春日は転校生なんだからそんなにしょっぱなから先生に悪印象を与えてどうするんだよ? 途中休みになると、ハルヒは春日に俺を紹介した。 「こいつはキョン、SOS団の雑用係。」 あぁ、雑用係とわざわざつけられたのが気に食わないがよろしく。 「キョン君か、よろしく。」 キョンで良い、なんかくすぐったいからな。俺も春日でいいか? 「どうぞ、むしろ僕もその方が気が楽だよ。」 「さぁ、春日君!校舎の案内するからついてらっしゃい!」 そう言い走り始めるハルヒの後を、春日は微笑を浮かべてついていった。 さてと、俺は部室に行くか。 「来ると思っていましたよ。」 なら話は早い、春日、あいつは誰だ? 「彼は涼宮さんが生み出したものですよ。」 何のためにだ?話が合う友達が欲しかったのか? 「いえ、違います。」 じゃぁ何だよ。 「こればかりはあなた自身で気付いてください。一つ、私からヒントのような質問です。あなたは彼と涼宮さんが仲良くしているのを見て、何か感じますか?」 あいつらが仲良くしてるのを見て…なんとなくハルヒを取られた気がしてイライラする。しかし、何故ハルヒを取られた気がするのかも、それでイライラするのかもわからん。 「素直じゃないですね…」 「さらに鈍感。」 うぉ!長門、居たのか。 「居た、最初から。」 そ、そうか… 「おや、そろそろ次の授業ですね。では、私は行きます。」 じゃぁな。 「あなたは?」 もう少し後で行くよ。 そう言ったが、あまり授業に出る気は無かった。 あの二人が仲良くしてるせいでうるさくて、どうせ集中なんか出来ないしな。 「キョーーーーーン!」 ったく、何だよ。 あれ?ハルヒ? 「あんたなんで授業サボってたの?」 あ、いや、何でもない、ただ単にだ。 「そう。」 いつの間にか周りを見回すと、俺以外全員が揃っている。 「さて、今日は新団員を紹介するわよ!」 って、春日?!お前入るのか?! 「うん、楽しそうだしね。」 お前、本当に自分の意思か?ハルヒに強制させられていないか? 「えーと、キョンは放って置いて紹介よ!これが春日君、私たちの同じ1年生よ。今日転校してきて、未来人、宇宙人、超能力者とかに興味があるみたい。ってことで今日から団員だから、皆も自己紹介してね。じゃ、みくるちゃん。」 「あぁ、え?私からですかぁ?えぇと、朝比奈みくると言います。唯一の2年生です。一般的にはお茶汲みをやっています。よろしくおねがいします。」 「美しい方ですね、よろしくお願いします。」 「あ、ありがとうございます。」 「じゃぁ、次は有希!」 「長門有希、趣味は読書。よろしく。」 「私たちはもう自己紹介したから、最後は古泉君!」 「こんにちは、あなたの噂は彼や涼宮さんから聞いています。私は古泉一樹で、SOS団の副団長を務めさせて頂いています。」 「みなさん、よろしくお願いします。」 「新団員も入ってきたことだし、みんな気合入れてね!」 そこから一週間、春日は毎日部室に来て、俺達と打ち解けていった。 しかし、俺のイライラは溜まる一方だった。 何故か、春日と一緒にいるときにハルヒが笑顔になるのを見ていると嫌になる。 クソッ、俺が閉鎖空間発生させたいぐらいだぜ… だが、この気持ちがなんなのかが分からない。 今は金曜日の放課後で、今部室には長門、朝比奈さんと俺しか居ない。 「あのー…キョン君、どうしたんですか?最近イライラしているようですが。」 あぁ、朝比奈さん。気にしないで下さい。 「どうしたんですか?私の力になれることなら…」 そこで、俺は一部始終を話してみた。 朝比奈さんは俺の話を何も言わずに聞き、静かに頷くと 「キョン君は涼宮さんのことが好きだから、春日君に嫉妬してるんですよ。」 えーと…俺がハルヒを好き?春日に嫉妬? 確かに、もしかしたらこの感情は好き、それにこのイライラは嫉妬なのかもしれない。 だとしたらつじつまは合う。 そう…ですね。そうかもしれません。 「キョン君、気付いてよかったですね。じゃぁ、涼宮さんにアタックしてみてください。」 え、でもあいつは春日が… 「ここからは僕が説明しましょう。」 ん?古泉? 「今少しドアの外で聞いてしまいました。春日君は涼宮さんが、あなたに嫉妬をさせるために作り出したものです。」 相変わらずハルヒってすごいな… 「そこじゃないですよ、つまり嫉妬をして欲しいということは」 ということは? 「あなたはここまで来ても鈍感なんですか…?」 …何だ? 朝比奈さんまでそんな軽蔑した目で見ないで下さい…。 長門、お前もだ。 「ならいいです、明日は不思議探索があります。多分何かが起こるので、ちゃんと心の準備を。」 何が起こるんだ?何のための心の準備だ? 「「「…」」」 「よし、みんないるわね!明日は土曜日だから不思議探索をするわ!午前は団長の私用があるから、いつもの場所に1時集合ね!春日君は初めてだから、説明するわね。」 そういうとハルヒは不思議探索について説明を始めたが、ほとんど俺の耳には入っていなかった。 「キョン!遅いわよ!初めての春日君でもあんたより早いわよ!」 おい、春日、お前何故時間より早く来る事を知っている? 「いえ、ただ単に集合時間より早めにくるべきかな、と思ったので。」 …こいつとハルヒを取り合って勝てる自信がない。 「じゃぁいつもの喫茶店に移動!」 おいおい、神様はどんなにひどいんだよ。 午後のペアは 俺と古泉 長門と朝比奈さん ハルヒと春日だった。 俺の怒りのマグマが心の中でブクブクいっている。 「やったー春日君と同じね!私がこの町の良いところ教えてあげるわ!」 ……… 「ありがとう、涼宮さん。」 ……… 何だよ何だよ、ケッ、両方とも微笑みやがってさぁ。 「大丈夫?性格に悪化が見られる。」 あぁ、長門。気にするな。 「じゃぁ出発!春日君、早く行きましょう!」 ハルヒが春日の手を引っ張る。 一瞬怒りで脳味噌が吹っ飛んでいくかと思った。 いつも春日が来る前はハルヒにやられていたが、端から見るとこんなにもカップルに見えるのか…。 「私たちも行きましょうか。」 るせぇな、どこに行くんだよ。 「あなたの好きなところで良いですよ。」 じゃぁ、あいつらをつけるぞ。 「いつからストーカーになったんですか?」 モラルとかルールとか、正直そんなものは今どうでも良い。 俺は、ハルヒを春日に何があっても絶対に取られたくない。 …ここまで俺がハルヒを好きだとは思わなかったぜ。 「気付いて良かったじゃないですか。しかし、男の嫉妬は醜いですよ?」 放っとけ。 ハルヒと春日は、仲良く喋りながらいろいろな場所を回っていった。 大したことはしていないが、俺にしたら二人が傍にいるだけで嫌になる。 そして暗くなり始め、そろそろ集合場所に戻るかと思っていると、春日が何かを言い出した。 俺達の位置からは何を言っているのかは聞こえない。 ハルヒはその言葉に頷き、春日の後をついていった。 「どうぞ。」 古泉が俺にケータイを少し小さくしたような機械を手渡す。 これは何だ? 「長門さんがさっき仕掛けておいた盗聴器の受信機です。」 そういえばさっき長門とハルヒ達がすれ違ったような… 何故仕掛けたのかが気になるが、まぁここは感謝してせっかくだから使おう。 俺今完全なる犯罪者だな… 『ねぇ、春日君、こっちに何があるの?』 『まぁまぁ、僕についてきて下さい。』 二人はテクテクと人気のないほうに歩いていく。 俺達はコソコソとその後をつけて行く。 すると、春日はハルヒを人気のない公園に連れ込んだ。 「これは、もしかして、彼は涼宮さんに告白する気では…」 なぁんだぁってぇぇぇ?! 春日がハルヒに好意があるのは知っていたが、さすがにこんなに早く告白するとは思わなかった。 やばい、ハルヒは中学時代、どんな男に告白されても、その場でふったことは無いらしい。 つまり、春日がハルヒに告白したとしたら、どんなに短時間だとしてもあの二人は恋人関係になるわけである。 しかも、ハルヒもあまり春日を嫌っていないようだ。 ということは本気で付き合いだすかもしれないという事か?! 『どうしたのよ、春日君。こんなところに連れ込んで。』 『俺…ハルヒのことが好きだ!付き合ってくれ!』 『え…』 俺が飛び出そうとすると、古泉に抑えられた。 「後少し待ってください。」 『え、そんな、春日君?』 『僕は本気です。』 『ちょ、春日君、キャッ!』 するとその時、春日がハルヒをベンチに押し倒したのだ。 一瞬、古泉の腕の力が抜けた。 俺はそのまま、ハルヒと春日の前に出て行く。 おい、春日、何やってるんだよ? 春日がこっちを振り向く。 「キョ、キョン?」 「何って、涼宮さんに告白してるんだよ。」 「違うの、キョン、これは…」 そのことじゃない、何故お前はすでにハルヒを襲おうとしてるんだ? 「涼宮さんは告白は断らない主義だそうなのでね。」 だからと言ってお前何故服を脱がそうとしてるんだよ… 俺は黙々と春日に近付き、 ドスッと春日を殴った。 「キョン?!」 「何するんだ!」 女を襲ってる奴を殴って何が悪い? 「別に僕が涼宮さんに何をしようと僕の勝手だろう?」 違う。 俺はな、ハルヒが好きなんだ。 「…え?キョン?!」 最初お前が転校してきた時、俺は自分がハルヒを好きだとは思っていなかった。 だが、お前らが仲良くしているうちに俺は自分がハルヒを好きだって気が付いたんだ。 「キョン…」 「そんなこと言ったって…僕だって涼宮さんのことが好きなんだよ?」 あぁ、だろうな。でも俺だって好きなんだよ。 おいハルヒ、お前は俺と春日、どっちを選ぶんだ? 「…キョン、ごめんね。」 え…。 「春日君もごめん。」 どっちも振るのか? 「うぅん、キョンにはやきもち妬かせてごめんね?後、春日君、気持ちに答えられなくて、ごめん。」 「涼宮さんは、キョンを選ぶのかい?」 「ごめんね、春日君。春日君はすっごく優しいし、頼りにもなるし、趣味も合う。頼りにならなくて、気も利かなくて、ヘタレなキョンとは大違い。だけど…何故か分からないけど…私はキョンが好きなの。ごめんね。」 すると、ハルヒがいきなり倒れた。 お、おい?!ハルヒ?! 「大丈夫、安心して。私がやったこと。」 長門?! 「キョン、君と争えて良かったよ。」 春日の影が薄くなっていく。 おいおい、どうなってるんだよ? 「春日君は涼宮さんがあなたにやきもちを妬かせる為に作ったもの。あなたがやきもちを妬き、告白した今、用はない。」 「だから、彼は消えるんですよ。」 …春日、お前、意外と良い奴だったな。 「君もだよ、キョン。じゃぁ」 「「またいつか、どこかで」」 「キョーン、一緒に帰ろ♪」 ということで、あの日の告白以来、俺とハルヒは付き合うことになった。 春日のことを長門に聞いてみると、一言 「情報操作は得意。」 と言われてしまった。 つまり、多分みんなの記憶から消したんだろうな。 だが、俺は春日のことを忘れるつもりはない。 もしかしたら、あいつとは、良い友達になれたかもな。 しかし、ハルヒが今、俺の隣で笑っているのは春日のおかげだ。 「何考えてるの?」 いや、別に。お前のこと考えてたんだ。 と適当にごまかす。 「もう、キョンったら」 そういうハルヒの顔は、うっすらと紅色に染まっていた。
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ピアノ? ああ、それは母さん。なにしろ、バレエとピアノで根っこができてる人だからね。 習った、というより、遊びね。砂時計がピアノの上に置いてあってね、それを倒して、3分間、一人で弾くの。 最初は曲にも何にもならないわよ。でもピアノの鍵を叩けば、とにかく音は出るでしょ。最初はそれで十分楽しいわけ。デタラメに叩いて、デタラメな音でね。 3分間が終われば、次の人の番。あたしが最初なら、次は母さんね。母さんも何か3分間だけ弾くの。それはうっとりするようなきれいな曲だったり、ただあたしが叩いたのをそっくり真似したりとか、いろいろだったけど。 母さんが真似するあたしのデタラメを聞いてたら、嫌になるじゃない。だから、あたしも母さんみたいにきれいなのが弾きたいと思うようになったわ。 でも教えてといっても、笑ってるだけでね。ほら、ハルの番よ、って。で、自分なりに母さんのを真似してみるの。最初は同じ鍵を、ただリズムだけは同じように叩くのがせいいっぱい。 そしたら、かあさんも、キーを一つだけ叩いて返してくるの、ちょっとしたメロディになったやつをね。これなら真似できそうだと思って弾くと、やっぱりちょっと間違えたりしてね。母さんはもう一度同じのを弾いてくれて、そしたら今度はできて。喜んでたら、うれしそうなメロディを母さんも弾いてくれるの。そういう遊びね。 お互いに弾き合う曲もちょっとずつ複雑で難しくなっていくし、段々と使う指の数も増えていくしで、結構大変だったけどね。でも、おもしろかったし、楽しかったわ。 で、きっちり3時間で終了。なんで?って聞いたら、もっとやりたいな、ってところで終わった方が、明日もやりたい!って気持ちになるでしょ、って。だから、その3時間はお互い一言もしゃべらないの。時間がもったいないでしょ。ほんと鍵盤を叩いて、コミュニケーションしてた感じね。 だから今でも、一回聞けば大抵の曲は弾いて再現できると思うし、なんかメロディーを投げて来られたら、いくらでもアレンジして投げ返せるわよ。 でも正式に習った訳じゃないし、バイエルとかツェルニーの何番とか、そういうのわかんなかったわ。 小学校でピアノ習ってる子と話が合わなくて、その話を母さんにしたら、ニコニコして聞きてて、どっこいしょと、何冊もある楽譜の束を出して来てね。 今から、この本、弾くからね、と、すごいスピードでがんがん弾いて行くの。はい、一冊終わり。じゃあ、あなたの番よ。弾いてみて、って。 確かこんな感じだったかな、とうろ覚えで弾き終えると、だいたいできてたから、次へ行きましょう、って。 バイエル、チェルニー、ブルグミュラー、ソナチネ、いわゆる教則本の類いをぜんぶ駆け足で二人して弾いてみて(実は母さんが以前弾いてくれたことのある奴がほとんどだったんだけどね)、「どうだった?」って母さんが聞くの。 「どうって?」 「ピンと来るものとか、これってやつあった?」 「うーん、いくつか、へえ、と思う奴はあったけど」 「これと、これと、あとこれかしら?」 「ああ、うん。よくわかるね」 「隣で弾いてるのを聞いてるんだもの、ハルの心まで分かるわよ」 「そうなの?」 「ハルだって分かるでしょ?あたしが弾いてたら」 「ああ、そうかも。というより、ピアノでお話してる感覚だった気がする」 「そうね。この手の本は、弾きたい曲を弾けるよう指がちゃんと動くように、っていう訓練なの。せっかく親と娘なのに、知らない人が書いた教則本弾かせて「ここ間違えた」とかやっても悲しいじゃない。せっかくのハルとの時間を、そういう風に使いたくなかったの。母さんのわがままね。でも、演奏家になりたいんだったら、ちゃんとした先生に習うのもいいわね」 それでどうしたかって? もちろん、「ピアノでお話」の方を選んだわ。ピアノを習ってるって子、全然楽しそうじゃなかったから。
https://w.atwiki.jp/treasure_nyzul/pages/24.html
参加メンバー アーシェ、バッタさん、グルさん、マサさん、コハルさん、カズさん(お手伝い)。ルージュさん欠席。 突入1回目(目的:足) ブロック16【戦術目標】敵のヘッドの駆逐 ブロック17【戦術目標】特定モンスターの駆逐 ブロック18【戦術目標】敵のヘッド駆除 ブロック19【戦術目標】敵の殲滅 ブロック20(HNM層 Fafnir)【ドロップアイテム】ソードブレイカー、アスカルガンビエラ(アーシェ)。 【トークン獲得】805個 突入2回目(目的 足) ブロック16【戦術目標】敵のヘッドの駆逐。 ブロック17【戦術目標】敵の殲滅。 ブロック18【戦術目標】特定モンスターの殲滅。 ブロック19【戦術目標】敵のヘッドの駆逐。 ブロック20(HNM層 )【ドロップアイテム】アスカルガンビエラ(マサさん)。 【トークン獲得】805個 突入3回目(目的 手) ブロック56【戦術目標】ランプの点灯。 ブロック57【戦術目標】特定モンスターの駆逐。 ブロック58【戦術目標】敵の殲滅。 ブロック59【戦術目標】敵のヘッドの駆逐。 ブロック60(HNM層 Hydra)【ドロップアイテム】ダブルハーケン(流れ)。 【トークン獲得】1085個 【その他】 佐助の刀‐グルさん 【鑑定品】 ちょっぴりだけ簡略化してみました。(追加事項&ヘッドの名前など削除)もしも微妙だったら、直して頂ければ助かります。 後、また鑑定品(他にも色々…)のメモ取り忘れました…orz 記録している方がおりましたら、記載の方お願いします…(´・ω・`)
https://w.atwiki.jp/tsvip/pages/1304.html
~青色通知13.0(陸の場合)~ ………なんだ、ここ。 上も、下も、前も、後ろも、乳白色の霧に包まれた真っ白な世界。 ……あれ、ちょっと待て。 俺、前にこういう夢見たような気がする。 そん時は確か――― 「―――よぉ」 ―――目の前に、俺と同じくらいの背丈の男の声と影。 ……良かった、また俺が女になっちまって辱めを受けるようなマゾ夢を見てるわけじゃないらしい。 ……ちなみに、目の前に居る筈なのに影としか言えないのは、この真っ白な霧に視界が遮られて、その男の顔すらも見えないせいだ。 でも、俺は……その顔すら見えない男を知ってる気がする。 「―――ショボくれた顔しやがって。それでも俺のガキか、あぁっ!?」 「………」 久方振りに聞く、乱暴で威圧的な巻き舌混じりの懐かしい喋り。それは――― 「………親父」 一番会いたかった、けれど一番会いたくなかった男がそこに居た。 夢じゃなくて、俺、死んじまったのか……? 「ケッ、一人前ぶりやがって。なーにが"親父"だ、このクソガキが」 「っ、ンだと――!?」 「―――てめぇでロクにメンテもしねぇバイクに跨って、勝手にすっ転んでる奴なんざ"クソガキ"で十分だって言ってんだ、ボケが」 「っ………」 ―――悔しいけど、返す言葉もなかった。親父の言うとおりだ。 あん時はたまたまエアバッグが開いて助かったようなもんで、もし、アレが……るいや初紀を後ろに乗せてた時だったら。 そう思うと……背筋の震えが止まらない。 「……ま、レース中に転んで御陀仏になった俺が言えた義理じゃねーだろうけどよ」 そう言って親父の影は、跋が悪そうに頭を掻く。 「……なぁ、親父」 「あン?」 夢なのか天国なのかは知らないが、折角親父に会えたんだ。 ……聞きたいことは山ほどあった。けど一番聞きたかったのは、やっぱり――――。 「なんで、あのバイクにエアバッグなんて付けたんだよ? ……"そーいうのは邪魔だ"とかいつも言ってたじゃねぇか」 「―――さぁな」 「っ、なんだよ、それッ!?」 「ンだよ。"てめぇのタメだ"って言えば満足なのか? ケッ、バカバカしい。 お涙頂戴ならヨソでやれや。サブイボが立つっての」 「あぁッ!? こっちは真剣に訊いて―――!」 「―――てめぇはンなこと気にしてる場合かって言ってンだよッ!」 「ぐ……っ!?」 不意に、掴まれた胸倉。 吐息が掛かるくらいに近い位置にいるはずの親父の顔が霧に邪魔されて見えない。 ……見えない筈なのに……何故かその怒りに満ちた表情が感じ取れるような気がした。 「こんなトコで油売ってるヒマがあるんなら、とっととてめぇの大事なオンナんトコに行ってこいッ! てめぇがあのジャジャ馬に跨ったのはその為だろーがッ!!」 「――――っ!」 胸元を掴む手が離れ、親父の影が背中を向く。 「……俺にかーちゃんが居たように、てめぇには、てめぇの大事なヒトが居るんだろ。 そんなら、いくつ後悔して良いように、今はそいつのタメにガムシャラに突き進めや。 ……そうするとよ、何でか知ンねぇけど、思ったより後悔しねぇからよ」 ―――背中越しの柔らかい声が迷っていた俺に道を示してくれている気がした。 「……ったく、死んじまっても出来の悪いガキに説教するたぁな、"親父"ってのもかったるいモンだ」 「親父」 「ンだよ?」 「……ありがとよ」 「……ケッ、感謝してンなら墓前に焼酎でも供えとけっての」 ……ったく、親父のこのヒネくれた性格は死んでも直らないってお袋が言ってたけど―――どうやら本当らしい。 「……じゃあな、陸」 「―――っ、親父ッ!!?」 乳白色の霧が、親父の影を包み込んでいく。それに溶け込むように、親父はゆっくりと歩き出した。 「……そうそう、今度会う時は酒でも呑める歳になってろよ?」 「親父ッ! 待ってくれ―――親父ぃッ!!」 ゆっくりと霧の中へ姿を消していく親父の影を必死で追いかける。 ガムシャラに走っているはずなのに、その姿は霧に阻まれて小さくなる一方で……。 「―――親父ッ!!!!!」 ―――心底から叫び、手を伸ばした俺の視界の霧が急に晴れた。 ……そこに映ったのは、霧と同じ色をした―――真っ白な天井だった。 「………はぁっ、っはぁ……」 ……今し方まで走っていた余韻なのか、息苦しくて仕方がなかった。 でも……息苦しい理由は違っていた。 今の俺は走るところか、天井や霧と同じ真白いベッドに横たわっていたのだから。 ―――夢、だったのか……? 「気が付いたか」 男の声がした。その声のする方へ目を向けると、白衣を着た医者らしき妙齢の男と……もう一人居た。 ……事故現場で俺を看てくれた若い男だ。白衣こそ着ていないが、やっぱ医者だったんだな、この人は。 「それでは、神代さん」 「はい。ご協力、ありがとうございます」 妙齢の医者は、若い男に一礼するといそいそと部屋から出て行った。 ……この状況から察するに、俺は案の定病院に担ぎ込まれたんだろうな。 アタマから出た血の量は大したコトはないと思ってたンだが―――。 「―――数時間振りだな。前田 陸くん」 思考を遮る若い男の声に、俺は反射的に身体を起こし、頭を下げていた。 「……すいません」 「何がだい?」 「いや……俺のワガママでこんなオオゴトにしちまって」 「……いや。キミを行かせたのは僕の判断だ。責任は僕にある。 それに―――"今のキミの状況"だったら誰もキミを責められないよ」 ―――"今の状況"? 「……まさか、キミが"御堂 初紀"と"坂城 るい"の知り合いだったとは」 「っ!?」 ありえない人間の口からありえない名前が出て来て、俺は目を丸くした。 なんで……コイツが、初紀とるいを知ってるんだ……!? 「……名刺、やっぱり見て貰えてなかったみたいだな」 若い男は、目を見開いて言葉を探している俺を後目に軽く溜め息を吐く。 「……自己紹介が遅れた。 僕は―――神代 宗。 厚労省直属の"異性化疾患対策委員会"という機関で資料係として働いている」 若い男の長ったらしい自己紹介に、俺は慌ててポケットに突っ込んだまんまの名刺を取り出す。 そこには確かに、若い男の言っていた通りの字面が並んでいる。 ―――神代 宗、か。………先に自己紹介が無かったら読めなかったな、多分。 ……悪かったな、ゆとりで。 「ん? つーことは、神代……さんは医者じゃないんスか? 俺ぁてっきり―――」 「―――正確に言えば"元"医者だ。医師免許の期限もまだ切れていない。 一応、僕の所見はこの病院のものと変わり無かったよ。間違いなくキミは大丈夫だ」 ……なんだ、この妙な感じ。一を訊けば十返ってくる。 頭の回転が早いヒトなんだろうけど、そのソツの無い受け答えに、微弱ながらも敵意みたいなものを感じる。 「……他に質問は?」 「あ、えっと……そ、そうだ……初紀は!!?」 「家に帰らせた。キミがいつ目覚めるかも分からなかったからな」 ……まるで、初めから俺の疑問を全て先読みしてるかのような神代さんの即答振りに、二の句が浮かばなくなる。 「……ちなみに、坂城 るいと僕との間に私的な繋がりは無い。僕は彼……いや、彼女の主治医だった。それだけだ」 「………」 「他には何かあるかい?」 質問を待つのが億劫になったのか、神代さんは俺の言葉を待たずして答えを弾き出す。 その内容は俺の思う質問に対して寸分の狂いもなく答えていて、気色悪くすら感じられた。 ―――だからこそ、俺はこの質問を投げ掛けた。 「―――アンタは、俺の敵ッスか? 味方ッスか?」 見開かれた、若い男の目。……程なくして、彼は心底愉快そうな笑いを堪えながら、口を開く。 「っ、くくっ、随分と突拍子もないコトを言うな、キミは」 「……なんで、医者じゃないアンタが俺なんかを気にするのか? ……納得がいかないんですよ。 たまたま、事故現場に遭遇した赤の他人にわざわざ名刺を渡すなんて……不自然じゃないスか」 "医者だ"と思い込んでいたから、あの事故現場での彼の行動に合点がいった。でもそうじゃないなら、何故? ―――それが、俺に浮かんだ最後の疑問だった。 「くくっ、なるほど。キミは頭の良いバカか」 「な―――っ!?」 知り合って間もない人間にバカ呼ばわりされるとは思わなかった。 ……怒りとか、そう言った感情が浮かぶ余裕もなく、俺はただ驚きに目を見開くだけで精一杯で、言葉も出なかった。 「……敵とか味方とか、そんなもの自己と他者との間の感情に縛られた流動的なものだ。 だから、一概にキミの望む回答をあげられそうにない。 ただ……僕は、無条件に他人の味方を出来るような、そういった綺麗な人間じゃない」 不意に笑みが消えた神代さんの無感情な目に……背筋が凍る気がした。 「―――キミに、利用価値があるから近付いただけだ」 「………っ」 「やれやれ。そう身構えられても困る。確かに僕はキミの味方じゃないかもしれない。 ―――ただ、敵だと言ったつもりもないが」 ……なんなんだ、コイツは。 何を考えてンのか、全く見えない。 さっきまで、小さな敵意みたいなものを感じたような気もするのに、今は―――柔らかな物腰で笑顔を浮かべているだけで、何の感情も見えそうにない。 「―――単刀直入に訊こう。キミはセックスをしたことがあるか?」 「ぶっ!!?」 単刀直入に訊きすぎだろうがッ! つーか、赤の他人から"ヤッたことがあるか"なんて訊かれるなんて、すげぇレアな体験だろうな……いや、体験したくねぇけど。 「無いようだな」 「返事を聞かねぇで勝手に決めンなッ!!」 「では、あるのか?」 「……ねぇよ」 「時間の無駄だな」 あのさ、今すげぇ目の前の優男をぶん殴りてぇんだけど、良いか? ぶん殴って。 「……んで、それがどーしたンスかッ?」 ……冷静に考えると、ムキになるのも何だか癪な気がする。だから、そっぽ向いて布団に潜り込もうとした―――が。 「―――結論から言おう。 キミは異性化疾患に掛かっていない」 「………え?」 ―――俺は、言葉を失った。 「詳しいことはキミの身体を調べてみなければ分からない、が、キミには突発性、普遍性、若年性―――ありとあらゆる異性化疾患の潜伏症状や兆候が見られない。 つまり、だ。 キミは女性になる危険性がほぼゼロだと言っていい。極めて希少な献体の持ち主なんだろうな」 ……小難しいコトを言ってっけど要するに俺は、ほぼ女にはならない身体らしい。なるほどな。 ………って、オイオイオイッ!!? 「ンなバカなッ!!?」 「何がバカなんだろうか?」 「それなら、どーして俺に青色通知が来るんだよッ!?」 「それに関してはこちらの不手際だ。申し訳ない。 まだ、"委員会"が全てを統括管理してる訳ではないからな」 「………っ」 「嬉しくないのか? 尊厳は守られたまま、自らの性別を享受することが出来るのに?」 男で居られるってコトが嬉しくない、そう言えば嘘になっちまう。……けど。 「……俺が、初紀やるいと一緒にこの数日ずっと悩んでたことは何だったんだよ……?」 「……杞憂だったとしか言えないな」 ―――ッ! 「てめぇに何が分かるンだよッ、あぁっ!!?」 ……すべてを否定された気分だった。俺だけじゃない。初紀も、るいも、まとめて否定された気分だった。 それだけが我慢できなくて、俺はベッドから跳ね起きて、目の前の男の胸倉に掴み掛かっていた。 ……この男―――神代さんのせいじゃない。そんなコトは、分かっている筈なのに、自分で自分が止められなかった。 ~青色通知13.1(神代の場合)~ ―――僕にも、こんな若々しい頃があったな。 そんなことを血相を変えて僕の胸倉に掴み掛かってきた少年を見て、思い返し苦笑する。 「キミの考えてることなど、僕の知ったコトじゃないな」 流石に襟元が鬱陶しくなってきて、僕は彼の両手を左手で振り払う。 「ッ、てめぇ―――っ!!」 体勢を崩すと同時に振りかぶられる少年の右拳―――は僕の顔面の真横を通り過ぎる。 歓楽街を闊歩する格好ばかりの素人よりは筋が良いように思える。 ……が、やはり遅い。今の合間に三発は拳を放り込める自信がある。 「な――っ!?」 無防備に放り出された彼の右拳を、手のひらで捕まえて握り潰す。 一応、外傷が残らない程度に、だが、反撃をされない程度の痛みを与えるくらいの力を込めながら。 「ッぐぅっ!?」 「甘く見ないで欲しい。僕はこれでも"はつ"の兄弟子だ。その気になれば――――――君の手を砕くことも造作もない」 」 ……手ツボのリアクションから見るからして……ふむ、どうやら、陸くんは胃腸が弱いらしい。 僕が主治医なら胃薬を処方してあげようかと思うが、素直に服用してくれるとは思えない。 勿論、彼の拳を握り砕くつもりもなければ、そんな無茶をする若さも僕にはない。だが――― 「……だから、なんだよ? てめぇの言いなりになれってのかよっ、あぁっ!!?」 ―――多少の老いを実感させるような若々しく、猛々しい陸くんの眼光が突き刺さる。 油断してると噛み付かれそうだ。まるでサバンナで肉食獣とにらめっこしているような錯覚を覚える。 ……が、相手は人間だ。一応の説得は試みる。 「喧嘩なら相手を見てから売れと言っているだけだよ。痛い目を見るだけだと思うが?」 「ッ、ご忠告ありがとよ……神代さんよぉッ!!!」 「――――ッ!?」 頭突きッ!? 説得の甲斐もなく気勢を上げて突貫してくる、包帯を巻かれたまだらめの茶髪。 慌てて陸くんの拳から手を離し、身を退こうとしたが間に合わない、かッ?! 「……くッ」 頬に熱を帯びた痛みが走る。掠めただけとはいえ……油断したか。 ……やれやれ、その速度での頭突きが僕に直撃していたら、事故で縫合した傷口が開くとか考えないのか? そんな出血大サービスとか要らないぞ、僕は。 ―――頭突きの勢いで項垂れたまま、彼は動かない。 客観的な事実を端的に述べただけ、そう思っていたが、どうやら僕は地雷を踏んでしまっていたらしい。 「……初紀やるいがしてくれたことを、まとめて全否定されて……黙ってられるかよ」 ……俯いたまま、陸くん震えた声で呟く。 自分のプライドが傷つけられたせいで堪忍袋の緒が切れたワケではないのか。 なるほど、彼は自分より他人のためにチカラを発揮するタイプなのか。 ……だとしたら少々、軽率な発言だったのかもしれないな。 「それは申し訳ない。……訂正する、すまなかった」 僕は頭を下げた。 抵抗もなく頭を下げた僕の姿が、陸くんにとってはそんなにも意外だったのか、陸くんは上がりきった怒りのボルテージの捌け口に困ったように目を逸らす。 「っ……バカにしたり、謝ったり、アンタが何を考えてるのか、俺にはわかんねぇよっ」 「僕にはキミの方が分からないがな」 「……遠回しにバカにしてンだろ、それ」 「いや、そんなつもりはない」 「じゃあ、どんなつもりだっつのッ」 「キミの機嫌を取るつもりも、機嫌を損ねるつもりもないだけだ」 「……チッ」 珍妙な押し問答が、少年の舌打ちで止まる。 ……漸く、陸くんの頭の血が下がりきったらしい。 少し話を本題に入るのが遅れたが、今なら何とかなりそうだ――― 「―――閑話休題だ」 「……」 ―――そう思ったのだが、彼は俯いたまま答えようとしない。 「どうした?」 「前に初紀も言ってたけどよ」 「……あぁ」 ……なんとなくだか、空気が重い。陸くんは何を言いたいんだ? 「―――"閑話休題"って、なんだ?」 ……至って真面目な陸くんの発言に全身のチカラが抜けた気がして、思わず僕は目頭を押さえる。 「……辞書を引くことをお勧めする」 「………悪かったな、ゆとりで」 「周囲環境の所為にするのは戴けないな」 「……そーなのかもな」 ――――――― ――――― ――― 「さて。本題に移ろうか。」 病院着から学生服に着替えながら、そっぽを向いている陸くんに、僕は強い語気で話し掛ける。 声は確かに届いているはずなのだが、彼からの返事はない。 「陸くん……聞いているのか?」 「………」 ……やれやれ。どうも僕は同性に嫌われる性質らしい。 異性を惹きつけるものとは真逆のフェロモンでも出しているのか僕は? 「……アンタが俺に言ったことをそのまま返すよ。 俺はアンタの考えてることなんざ知ったこっちゃねぇンだよ」 「その通りだな。 だが―――キミには、僕に協力しなければならない絶対的な理由がある」 「……どーいうこった」 怪訝そうに睨みを利かせる彼を短時間で懐柔することは、恐らく無理だろう。 ―――なら。 「"坂城 るい"。彼女の身柄を僕らが預かっている」 「ッ!!?」 ―――彼の最大の弱点を突くまでだ。 「先程、名刺を渡しだろう。 僕は"異性化疾患対策委員会"の人間―――つまり、坂城 るいを含む全通知受取人を監視、管理する立場にある。 彼女は未成年であるにも拘わらず"通知受取人"の恩恵に与っていたのだから、除籍と起訴の理由には十分だろう?」 「っ」 「それに、"はつ"―――"御堂 初紀"に関しても同罪だ。 彼女は結果的には"未遂"だから厳重注意に留まるが、この件に関しては学校に報告が行く。 これから将来を決める大事な時期に差し当たって、打撃にならないとは言えないだろうな?」 「っ!」 それに、キミを無免許運転の現行犯で警察に突き出すことも出来るということを忘れるな? ……さぁ、後はキミの返答次第だ」 「………ッ!!」 最早ぐうの音も出ないか。代わりに陸くんの口角からは、血が流れ出るほどの強い歯軋りが聞こえてくる。ギリギリ、ギリギリと。 ……彼も生傷の絶えない男だな。 「……アンタ、それでも人間かよッ!!?」 「―――関係ないな。 民意を反映させ、大多数の人間で取り決めたルールを、簡単に無視する者を庇う道理が何処にある?」 冷酷と言われようが、こうでもしなかれば彼は意固地になって話に耳を傾けはしないだろう。 ……多少強引な方法ではあるかもしれないが、致し方ない。 「……アンタは他のオトナよりは、ちったぁ話せると思ったけど―――……見込み違いだったみてぇだな」 「それはどうも」 失望したと言わんばかりの若い眼差しが向けられる。 そして、心なしかその苦々しい眼差しは、同時に自身の無力さを恥じているようにも見受けられた。 「……人を傷付けたり、誰かから何かをパクったりした訳でもってねぇのに、ただ"ガキだった"って理由だけで―――アンタら大人が勝手に決めたルールに縛られなきゃなんねぇのかよっ!!?」 「そうだ」 少年の悲痛な物言いを僕は一言で肯定する。紛れもない事実だからだ。 その理不尽さに他の誰もが目を瞑り、口を紡ぎ、耳を塞ぐ。 反吐が出そうな理不尽。それこそ、大人の決めたルールだから。 「だがキミには、キミの大事な友人を救えるチャンスがある。僕はその協力をしようと言っているんだ」 「………はっ。 "委員会"だか何だか知らねーけど、たかだか資料係のアンタに何が出来るっつーんだよ」 名刺を見ながら、彼はベッドに腰掛けて僕を見やる。 ……そうか、彼には僕の家柄のことを話していなかったな。だが、そういう事情には疎そうな彼にはどう言ったものだろうか――――。 ―――そうだ。 「―――"群青の蝸牛"という本を知っているか。 坂城 るいと馴染みのある"有島 美春"という元・通知受取人が書いた暴露本だ」 「っ!?」 陸くんがあからさまな反応を示した。……なるほど。彼も通知受取人や異性化疾患に興味がゼロ、という訳ではないらしい。 「―――筆者は一応彼女となっているが、あれを書くように指示したのは僕だ」 「っ、アンタが……ハルさんに?!」 ―――ハルさん? その呼び方は坂城 るい特有のものだ。だとしたら、彼も有島 美春を少なからず知っているというコトか。 ……それなら話は早い。 「そうだ。 なんでも、自殺を図って昏睡状態だった恋人が目を覚ましたとか言っていたな。 それで、"どうにかして通知受取人を辞められないか"という相談を彼女から持ち掛けられてな。 ―――そこで僕は彼女と取引をした。 "僕が通知受取人を辞める算段を立てる代わりに、キミが知る限りの―――通知受取人の問題点を列挙した本を書いて欲しい"とね」 「………」 陸くんは、再び訝しげに僕を見やる。僕自身を値踏みするような目で。 ……やれやれ、坂城さんの言った通り、僕の風貌は、第三者から見ればまだまだ頼りなく見えるのかもしれないな。 心中でボヤきつつ、僕は話を進める。 「……当時、医師だった僕にはそれが可能だった、と言うべきだろう。 通知受取人のシステムは機密性の保持を優先するために、実名を含む個人情報を伏せた上での、面接と簡単な性病検診によって行われるのは知っているかい?」 「……あぁ」 ……元来、未成年はなれない筈の通知受取人に坂城さんがなれたのは、この不透明な採用システムのせいでもあるが、そこは割愛しよう。また話が拗れかねない。 「一応、通知受取人は採用時に顔写真を撮影する決まりがある。理由は至極単純に2つ。 ―――1つ、通知受取人の賞与である"選択権給付"を受給する際にIDナンバーとPCに登録された顔写真での照合を以て本人確認をするため。 ―――2つ、通知受取人が失踪した際に警察に届けを出して捜索してもらうため。 ……だが、そこに穴がある」 「穴?」 「"死亡"が確認されてしまえば、通知受取人のIDも顔写真も抹消されてしまうという穴だ」 「……まさかっ!?」 少しずつだが、漸く彼にも話の終着点が見えてきたようだ。 「そう、僕が有島 美春―――いや、有島 美春のIDナンバーを持つ人間の死亡報告書類を偽造したんだ。 当時働いていた病院に担ぎ込まれた、交通事故で顔の潰れた遺体にIDを握らせてな」 勿論、越権行為だし違法行為だが、そこに噛み付く余裕すら今の陸くんには無いらしい。。 「……そんなの、詳しく遺体を調べられたら一発でハルさんじゃねぇって、バレちまうじゃねぇかっ!」 「誰に?」 「その、親族の人とか、警察とか……」 「だからどうした?」 「はぁっ!?」 オクターブ上の素っ頓狂な声に、僕は気付く。 彼との間に、決定的な論点のズレがあることを。 「……僕が死亡報告書を提出したのは役場の通知受取人管理事務だ。警察や、遺族、戸籍管理には何も連絡が行っていない。 最初に言っただろう? 役場に登録されている情報は、顔写真入りのIDナンバーだけだ。誰であっても例外はない。 それは坂城 るい然り、有島 美春然りだ。 つまり、"第三者"によって通知受取人の死亡が確認されれば―――死亡届を出さずして、通知受取人IDナンバーを抹消することが出来る」 「……その"第三者"が、神代サン。アンタって訳か?」 「そうだ」 どうやら、長ったらしい説明の甲斐もあったようだ。漸く彼も理解してくれたらしい。ただ、理解しただけで納得してくれた訳ではないらしく――― 「―――なんでハルさんに協力した?」 静かな彼の言葉の端々と眼から、怒気が滲み出ている。 だが、今度は言葉を取り消すつもりはない。 「言った筈だ。僕は、他人のために動けるような博愛精神は持ち合わせていないと。 僕は自らの利益の為に有島 美春を利用した。それだけだ」 歯に衣着せない僕の物言いが不満なのか、陸くんは再び僕の胸倉に掴み掛かってくる。 「てめぇら二人の勝手な都合で……どれだけるいを苦しめたって分かって言ってンのかよッ!!」 ―――その、一見正論のように聞こえる怒号が、僕には我慢できなかった。 「……なら、キミはどうだ。前田 陸」 「ぐっ!?」 僕が、本気で力に訴える真似をしないと踏んでいたのか……彼は目を見開く。 気付けば、僕は彼と同じように襟元に掴み掛かっていた。 「……自分の都合で違法に通知受取人になり、それを他人に押し付けようとした坂城 るいも、 自分の都合で、自らが不注意で引き起こした事故現場から逃走したキミも―――同じ穴の狢(ムジナ)だと自覚して言っているのか?」 「っ、て……めぇっ!?」 努めて平静を装った口調には、あまりにそぐわない程の力で、僕の右手が彼の襟元を締め上げる。 「そのせいで、"はつ"は……御堂 初紀は悩み苦しんだか、キミには分かるのか?」 ―――ぎり。 「ぁ……がっ!」 「彼奴を苦しめたのは何処の誰だ?」 ―――ぎりぎり。 「っぐ、ぅ……っ!」 「……烏滸がましいにも程があるッ!」 少年のカラダが宙を舞い、引力に任せて光沢のあるアイボリー色の床に背中から叩きつけられる。 僕が、彼をカラダごと振り払ったからだ。 ―――そこで、我に返る。 僕は……この前田 陸という少年に対して怒りを抱いていたのか。 ……一体、どうして? 「っ、はぁっ、……ぅ…はぁ…」 目の前の出来事に、僕の自問自答は直ぐに霧散した。 肩で必死に上下させ床に突っ伏して呻く少年の荒い息遣いが、僕の肝を秒速単位で冷やしていくような気さえする……。 「―――……ぅっ!」 「す、すまないっ、大丈夫かっ!?」 自分でしでかしたことなのに、"大丈夫か"も無いし、今更、どう言葉を取り繕っても遅いだろう。 だが、自分を律する事が出来ない歳でもない僕がしてしまったことを、素直に彼に謝罪したかった。 あまりに子供じみた自己満足な考えだと自覚していたとしても、だ。 「っ、はぁ、はぁ……」 ……本当にどうかしていたとしか言いようがない。素人の子供相手に僕は何を熱くなっていたんだ……? ……そこで、不意に何かが脳裏を過ぎる。 ―――坂城さんの部屋で半裸で気絶していた陸くんと、着衣の乱れた姿で必死に彼の肩を揺さぶっていた―――"はつ"の姿。 ……なんだ、これは? なんでこんなことを今更思い出す? 「……っ、はぁ、……っ、わぁ……った、よ」 荒い息混じりの言葉が、再び僕を現実に引き戻す。 「……神代サン、アンタに……っ、協力、するよ」 「……………。は?」 僕は思わず言葉を失った。漸く絞り出せた声はオクターブ上のたったの一文字。 「っ……ふぅぅ……。 ……勘違いすんな、アンタを完全に信用した訳じゃねぇし、アンタのしてきたコトを認めるつもりもねぇよ。 ……けどよ―――」 口元の血を手で拭い、息を整えながら少年は立ち上がり、真っ直ぐな目で僕を見つめてくる。 「―――アンタが、マジで初紀を想ってくれてることは分かった。 ……さっきの初紀のくだりもウソなんだろ?」 「っ……!」 「……そーいう顔が出来るアンタなら、信用してもいい」 そういう顔って、どういう顔だ? 今し方、僕に理不尽な暴力を受けたにも拘わらず、先程までありありと感じ取れた敵意も警戒心も霧散しているように見えるのは気のせいだろうか。 「……協力、してくれるのか?」 「そう言ってるじゃねーか」 念押しに訊く。返ってくるのは不機嫌そうな肯定。 正直に言えば……彼の行動は理解に苦しむ。僕はただ、感情に任せて暴れただけに過ぎないのに。 「んで、何をどう協力すりゃいいんだよ?」 「―――その前に訊いておきたい」 本当ならば、本人が乗り気な内に話を進めるべき場面だった筈なのだが……気付くと口が動いていた。 「……なんスか? まさか―――」 「―――約束は守る。二人のことも、キミの事故のことも、話を着けておく。 だが―――」 こんなことを言ったところで、また話が拗れるだけだろう。 やめておけ。理性はそう言う。 でも――――。 「―――坂城 るいには少なくとも数年は会えないと思ってくれ」 「っ!?」 ……あまりにも真っ直ぐに、僕に向かい合う彼を蔑ろにはしたくない。してはいけない。 先程まで彼を利用することばかり考えていた筈なのに、そんな思いに駆られるのは何故だろう。 気が付くと僕の口は、僕の自問自答を余所に……少年に語り始めていた。 「先程、役場に問い合わせて分かった事だ、彼女……坂城 るいの両親は今、海外に住んでいる」 「……つーことは……」 「そうだ……キミの協力が得られたとすれば、司法取引として確かに彼女の起訴は免れる。 だが、国が未成年を通知受取人として働かせられる道理が無い。 ………そして、坂城 るいがこの街で暮らして居られたのは通知受取人としての住居や収入の恩恵があったからだ。 今回の一件で、それが一遍に無くなる。 つまり、だ。 もし坂城 るいの起訴が無くなったとしても―――海外に居る両親に引き渡されてしまう。……どちらにしても、残された選択肢は別離しかないんだ。 ……すまない、力不足で――」 「そこまで都合良くなんて神代サンに期待しねぇよ」 矢継ぎ早に飛び出していた言葉が、尻切れ蜻蛉になりかけたその時、予想に反して落ち着いた陸くんの声がする。 だが、その声のトーンはどこまでも低く、重苦しいものだった。 「ガキが金貰って、好きでもねぇ男に抱かれるっつーことが間違ってるって……それくらいバカな俺でも、分かるっつの」 「……それでも、僕に協力してくれるのか?」 念を押して僕は問う。 ……しばらくの無言の後に、返ってきたのは―――。
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ハルヒは死んだ。何もかも大切な物が無くなった… あれから、俺は大人になった… あの日の記憶忘れやしない… 「閃光のハルヒ」 ――25年前 俺は、今、高校3年である。 SOS団設立してから2年後か? 今は、春…暖かい空気で眠気を誘う日が続く… そして、俺は今いるのは… 「皆!おっまたせーっ!」 相変わらず声がデカい困った団長…涼宮ハルヒが来た。 みくる「お帰りなさい、涼宮さん」 俺の気持ちを癒してくれる、我らアイドル…朝比奈みくる ん?何で卒業したのにいるんか?って? あー、それはな…放課後だけ遊びに来るんだよ…大学から近いらしい。 俺は、部屋の隅っこへ向く… 「……」 そこに座ってるのは、長門有希…相変わらず無感情で本を読むのが好きみたいだな… 「キョンさん、あなたの番ですよ」 「ん、おぉ…そうか」 先ほど声掛けられた主は、古泉一樹…ハンサムでカッコいいと言う理由で女子達の間で人気らしい…気に入らん! そんな、相変わらず活動してるか… まさか、あの日が来るとは思わなかった… 「…ゲホッ…ゲホッ…ゴホン…」 咳をしてたのは、ハルヒだった。 「大丈夫か?ハルヒ?」 「う、うん…おっかしぃーなぁ…今日まで咳する事は無かったんだけどね」 「そうか…ま、気を付けろ…最近、インフルエンザやら流行ってるみたいからな」 「うん…気を付ける」 あの時、俺は気付いてやれなかった… 俺は、激しく後悔してる… 帰り道… 「キョン」 「ん?何だ?ハルヒ」 「明日、デー…!…ゲホッゲホッ!…ゴホッゴホン!」 「お、おぃ…ハルヒ!大丈夫か?」 「う、うん…だいじ…ゲホッ…ゴホン!」 と、ハルヒの口から出たのは… 血だった… 「!?ハルヒ!」 「だ…大丈夫よ!」 俺から見ても、大丈夫じゃない… 「ハルヒ…」 「大丈夫だから…」 あの時、強制に病院へ連れとけばよかった… 一週間後、ハルヒは元気に活動していたが… 「さぁ、皆!ミー…!ゲホッ、ゲホッ…ゴホン!」 「ハ、ハルヒ!」 「だ…大丈夫よ…平気だ…か…ら…」 と、ハルヒはその場で倒れた… 「ハルヒ!」 俺は、ハルヒがスローで倒れているように見えた… 「涼宮さん!」 「…!長門さん!救急車を!」 「うん」 「ハルヒ!ハルヒ!ハルヒ…ハルヒーーーーっ!」 俺は、いつの間にかにハルヒの事を呼んでた… ピーポー、ピーポー、ピーポー… ―病院 「…キョンさん…覚悟はいいですか?」 「あぁ…何だ…」 「…重い病気ですよ…えぇ、死ぬ可能性もある病気…」 「!?…え?」 「キョン君…その病気は…」 「癌」 と長門が答えた… 癌!?癌だと!?そんな…ハルヒは今まで元気してたのに!?そんな! 「…仕方ない事ですよ…」 「あぁ…ぁ…ぁ…うわあぁぁぁぁぁぁぁ…」 俺は、虚しくも叫んでた… ハルヒ…前から知ってたんだろ?…何で…何でなんだよ… ハルヒの病室 「…ハルヒ…」 俺は、ハルヒの寝顔をずっと見てた… 「……」 可愛い寝顔だ… 「ハルヒ…お前は、どうしたいんだ?」 「……」 「俺とデートしたかったんだろ?」 と、言ってても…ハルヒは返事しない…息を吸ってる音が少し聞こえるだけだった… 「ハルヒ…ハ…ル…ヒ…うっ、ううっ…」 俺、泣いてるのか?辛いのか?何故だ…こんな思いは… 「…あぁ、俺は…ハルヒの事が好きだったんだな…好きだったんだな…」 次の日の朝 俺は、病室で寝てた。 あぁ、俺…泣いて、このまま寝たっけ… 「おは…よう、キョ…ン」 今のは、ハルヒの声だった。 「ハルヒ!起きたのか!?」 「う…ん、昨日は…ゴ…メンね…」 「いいんだ!そんな事はいいんだよ…」 「キョン…」 「ん?」 「泣いて…たの?」 「…あぁ」 俺は、無理矢理に笑顔を作った… そして、毎日… SOS団員や妹…クラスメイト達も見舞い来てくれた。 色々、喋り…笑い…そういう生活を過ごして行った… あの日が訪れるまでに… 一ヵ月後… 「じゃ、俺…帰るわ」 「待って…」 と、ハルヒに呼び止められた。 「何だ?」 「あたしの事…どう思ってるの?」 「ハルヒ…」 弱弱しくなったハルヒ…見てるだけで辛い… そんなハルヒを守りたい… 「…俺は、今までハルヒが居ない学校生活して来た…俺は、学校生活してて、やっと分かった。 ハルヒがいないと、俺はダメなんだよ…元気なハルヒを見たい、見たくでも見れない…俺は、寂しかった! 家で泣く日が多かった、ハルヒのいない学校生活を送るなんで嫌なんだよ!俺は、ハルヒの事好きなんだよ、好きなんだよ!」 俺は、まだ泣いた…情けなかった。 その時、ハルヒは、自分の手で、ゆっくりと俺の手と重なった。 「!?」 ハルヒ… 「あたしも、寂しかったよ…先生から聞いたよ…癌だってね?」 「…あ…」 俺は、言おうと思ったけど…息苦しくで言えなかった。 「あたしは、あの時…凄く泣いたよ…」 「ハ、ハルヒ…」 「あたしは、キョンが好きなのに、もう会えないなんで嫌だった…」 「……」 「それでも、キョンの側に居たい気持ちあったのよ…」 「…俺も!俺も、ハルヒの側に居たかった!」 「あたしは死ぬのが怖い…それでも仕方ない事…だ…よね?」 ハルヒは、泣いてる…俺も泣いてる 「…キョン、キスしてくれる?」 「あ、あぁ…するよ…」 と、ハルヒの唇と重なってキスした…暖かいキスだった… そして…その時が訪れた… 「!?ゲホッゲホッ!ゲホッゴホンッ!」 「!?ハ、ハルヒ!」 「血が出た…あたし、死ぬのね…」 「ハルヒ!今、先生に呼んだからな!手、握ってるから安心しろ!」 「あたし…疲れたよ…ありがとう…キョン…」 「ハルヒ!」 「好きだよ…さ…よう…な…ら…」 ハルヒは、ゆっくりと目閉じた… 「ハルヒ!ハルヒ!」 ハルヒの手は力無くなり、落ちた… 「ハ、ハルヒ…ハルヒーー……」 その時、ハルヒは死んだ… ハルヒといた生活は幕閉じた… そして、葬式が行われた みくる「涼宮さん!涼宮さぁん!…うぅっ…」 長門「……」 古泉「涼宮さん、天国で会いましょう…」 SOS団もクラスメイトも参加してた…皆、泣いてるのは物凄く辛い事だった… 「キョン君ですか?」 「あ、はい」 「ハルヒの母です…あの子を最後まで見守ってありがとうございます…うっ…」 「キョン君、ありがとう…父親である私が…最後までに…うっ…ううっ…」 「御父さん、御母さん、ハルヒは幸せな子です…ですから、ハルヒを悲しませないように頑張って生きてください…」 「あ、ありがとうございます…」 「それから、ハルヒの部屋はどこです?」 俺は、ハルヒの部屋へ行って見た。 「…何だ、シンプルな部屋だな…」 本棚、机、時計、ベッド…色々あるな… 「ん?」 机の上に1冊のノートとビデオが置いてあった。 「これは…ビデオと…日記だ…」 ○月○日 明日は、バレンタインデーだ! 張り切ってキョンに渡そう! あたしの作ったチョコは美味いよ! ○月○日 今日は、楽しいデートだったよ。 色々トラブルあったけど、本当に楽しかったよ! ○月○日 明日は、あたしの誕生日 キョンはその事気付いてるかな? プレゼントが楽しみだな! 俺は、読みながら思い出してしまった…楽しかった事…悲しかった事… 色々あった… 「あぁ…ハルヒ…ハルヒ…」 次へ次へ読む事に手が震えて来た。 そして… 手は止まった。 「!…これは…」 ○月○日 あたしは、病院へ行った… そして、先生から、こう告げた… 「あなたは、重い病気持ってます」と… あたしは、世界が止まったような気がした。 それは、癌だった。 あたしは混乱したよ… あたし死ぬのかな?死にたくないよ…まだ生きる命あるよ! お願い!癌を治して!そうじゃないと、皆に会えなくなる!キョンに会えなくなる! 嫌だよ…あたしは、死にたくないよ… その事を、皆に言ったらどうなるのかな…怖いよ… だから、あたしは黙っとく事にしたの… 静かに死んで、皆に悲しませないように死ぬ事にしよう… 今まで、ありがとう そして、さようなら…皆…キョン… ハルヒ…そんな事思ってたのか… 「…っ!」 すまない…ハルヒ、本当にすまない…すまない! 俺は、泣いた後の疲労感が溜まり 家に着いた… 「……」 俺は、一本のビデオをずっと見てた。 「…今、何時だ?」 と、確認すると…既に0時になってた。 「…見るか」 ビデオを持ってリビングへ行った。 暗闇の中でテレビを付けてビデオを再生した… そして、画面に写された映像… その中に、一人の少女がいた… それが、涼宮ハルヒだった。 ハルヒ!…これは、生前の頃の映像だった。 「こら!バカキョン!今、見てるのは、あたしが死んだ後かな? 元気の無いあんたは見たくも無いわ!あたしが死んでも、キョンはキョンらしく 生きなさいよ! あたしは、死ぬのは怖いけど…仕方ないよね…あたしは、元々、気が弱かったの… それでも、めけずに生きてくれたのは…あんたのお陰よ!」 そりゃ、そうだな…ハルヒを支えたのは、この俺なのだからな… 「…キョン、あたしは今から…告白するわ…あたしは、あんたの事が好きよ!世界で一番好きなのよ! だから、毎日…あんたと会えるのを楽しみに通ってたんだから!それでも、気付かないあんたは… かなりの鈍感ねぇ…ま、それは仕方ないと思うわ!…愛してるよ!キョン!」 ハルヒ…ありがとう… 「…あたしが、死んでも…あたしの事忘れないでね!忘れたら死刑よ! …キョン…今までありがとう、あたしは嬉しかったよ…そして、さようなら…あたしの愛した人…」 ここで、砂嵐に変わって、終わった… 「ハルヒ…俺も、忘れない!何があろうと忘れない!忘れないからな!ハルヒっ!」 時間はもう戻らない…ただ前に進むだけ… …あれから、25年後… 俺は、43歳になった… 古泉は、15年前に俺の知らない女と結婚し、幸せな生活を送っていた。 朝比奈さんは、24年前に…未来へ帰った。もう会えないだろう… 長門は…22年前に俺と結婚し、俺の妻となり…子供も出来た… 俺は、今…重い病気を持ってた… それは、ハルヒと同じ病気だった。 もう、しばらくは持たないだろう… 側に居る、美しい女性…姿は昔とは少し変わらない… それは、長門だった。 俺は、有希に言ってみた。 「…有希、お前は今、幸せか?」 「うん…」 「俺も幸せだ…でもな、俺の命は長く持たない…」 「…うん」 「泣くな…有希…今まで、一緒に歩いて来たんだろ?」 「…嫌だ、あなたと別れるのは辛い…」 「…あぁ、俺もだ…長門、俺が死んだら…ハルヒの側に置いてくれないか?」 「…分かった」 長門…今までありがとな… 「…じゃあ、俺は眠るよ…じゃあな…な…がと…」 「…あなたは、天で無事に、ハルヒに会えますように…」 その時、俺は死んだ… 【*****(本名) 二×××年○月○日死去 原因 胃癌】 …暗い… …ここは、どこだろうか… 周りは、闇に染まってる。 俺は、闇の向こうへ歩いてみた… 闇の向こうから光が溢れて来た… 段々と光は大きくなり、光に包まれた… 「…ここは…」 周りを見ると、あの懐かしき北高校である。 俺は、身に着けてる物を確認した。 「…これは、北高校の制服…」 ふと、隣にあるガラスを見てみると… 「あれ?高校時代の俺じゃねぇか…」 取りあえず、あの懐かしきSOS団室へ向かった。 懐かしい木の香り、風景などを楽しみながら歩いてると… SOS団室に着いた。 そして、俺は、扉を開けた… 「久しぶりね」 扉の向こうにいたのは…俺が今まで会いたかった、愛しい女性…涼宮ハルヒだった。 俺は、動揺してしまい、言葉を探してた。 「キョン、25年ぶりに…やっと会えたね…」 「あ、あぁ…」 「25年間、寂しく過ごしてたよ?」 「…スマン」 と俺は、謝った。 「あははは、いいのいいの!あんたが最後まで生きてくれたし、あたしの事忘れてなかったみたいね」 「あぁ…」 「キョン、改めて言うわ…あたし、あなたの事が好きです! 」 「…ふっ、俺もだよ…ハルヒ!」 「ぶっ、あはははは…真面目に言うなんでおかしいわね!」 「ぶ、ふははははは…確かに、確かにそうだよな!」 俺たちは、やっと笑った…お互いに笑った。 「…ねぇ、キョン」 「ん?」 「久しぶりに、キスして…」 「分かったよ…」 と言って、キスした… ハルヒ、いつまでも一緒にいるからな… キョン、やっと会えて本当に良かったわ… 次、転生した時は…ハルヒとキョンみたいな子が生まれるだろう… そして、会えた時は…まだSOS団やるのだろう… 完
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『ハルヒの想い』 放課後 いつも通りSOS団部員は部室へ向かった ハルヒ「よし!みんな集まったわね!会議を始めるわ」 当然この日が会議の日など決まっていない ハルヒ「いい?明日は休日なんだから町に行くわよ!」 キョン「なにしに行くんだ?」 予想はついてるが聞いてみる ハルヒ「決まってんでしょうが、明日は思いっきり遊ぶのよ」 え・・・ 宇宙人や未来人探索ではないのか? キョン「宇宙人や・・・」 ここで口を止めた 余計なこと言わない方がいいな。 古泉は俺を見ている。 いつみても憎いほど笑ってやがる 朝比奈さんは少し残念そうな顔をしていた 未来から来たから起きる事はわかってるのか? 長門は読書。 ハルヒ「・・・・とにかく明日は絶対遅刻しないように 特にキョンっ!あんたはいつも遅刻するんだから気をつけなさいよ」 …時間は遅れてないんだがな ハルヒの解散と言う声と共に俺たちは帰宅した。 翌日 やはり俺が一番最後だった。 俺以外超人揃いだから俺が最後になることは覚悟済みである。 ハルヒ「遅い!罰金!」 キョン「はいはい、飯奢るよ」 レストランに行き今回は集団で出歩く事に決めた。 ハルヒ「こうやって一同で行くのも悪くないわね」 そうやってハルヒが先頭を仕切っていた 俺は尋ねてみた キョン「なぁハルヒ、どこまで行くんだ?」 ハルヒ「そんなことどうでもいいでしょ!あんた達はあたしについてくればいいのよ」 まぁ大体こんな事答えるのは予想出来てた。 ハルヒ「着いたわ!」 ここは・・・遊園地・・みたいだな 古泉はニヤニヤしている。 今日ばかりは楽しめそうだな キョン「ここも一同で行くのか?」 ハルヒ「当然でしょ?一々そんなこと聞かなくてもわかるでしょう。まったく 機転が利かないわね」 その後ジェットコースターに乗ることにした。 朝比奈さんは可愛らしく首を横に振っていたが 当然ハルヒは無視。 古泉は得意げに「僕も好きなんですよ」とか言ってやがる 俺は好きでも苦手でもなかったのでどうでもよかった。 長門はボンヤリしている。 ハルヒ「古泉君!キョン!みくるちゃんと有希!さっさと来なさーい」 周りの客の目を気にしてないみたいだ。 朝比奈さんは嫌々乗らされたが、それはそれで可愛いな。 古泉は楽しみな顔で乗り込んだ。 長門は何を考えてるか全くわからないな。 コースターが上昇・・・・・そして落下! すごい迫力であんまり覚えてないが カーブの際に古泉が「マッガーレ」と言ったのは覚えている。 朝比奈さんは気絶したみたいだ。 長門は朝比奈さんが目覚めるまで付いていると言っていた。 俺と古泉とハルヒは三人でお化け屋敷に行った。 中は真っ暗だ。 お化けが出てくる光のみで道を探っていた 意外にも俺の袖をハルヒがつかんでいる キョン「なんだお前こうゆうの怖いのか?」 俺は笑ってしまった ハルヒ「・・・・バカ」 古泉は俺を睨んだかと思うと笑っていた 古泉がはぐれた。 二人きり・・・・ かと思ったら古泉は俺の真後ろを歩いていた事に気づいた。 俺は古泉を見ていた 古泉「なんです?まさかあなたも怖いのですか?」 キョン「んなことねぇよ」 と言うと古泉は口元で笑った。 無事屋敷が終わり戻ったベンチでは長門と朝比奈さんが待っていてくれていた。 ハルヒはため息をついて俺の袖を話して走っていった。 ハルヒ「おーいみくるちゃん!有希!」 朝比奈「どうでした?」 おろおろ聞いていた ハルヒ「う~んまぁまぁだったわ」 朝比奈「そうですか」 後にいくつか乗り物に乗り帰宅することにした。 ハルヒ「よし!十分遊んだわね!そろそろ帰るわよ!」 俺が帰り支度していると ハルヒ「キョン!遅い!モタモタしていないでさっさと帰るわよ!」 見てみるとたしかに俺だけ遅れていた。 キョン「悪い、悪い。」 ハルヒ「ったくもう」 と俺がハルヒの方に走った瞬間突然めまいが起き、 その場で倒れた。 …………ここは・・・・?・・・・ 目が覚めると古泉が居た。 古泉「おや?・・・起きたようですね」 キョン「・・・・・ここはどこだ?」 古泉「ここは病院ですよ。あなたは昨日倒れ、今日まで寝てました」 キョン「・・・・・そうか」 古泉が何かに気づいたようにわざとらしく「おや?」とつぶやき 「僕はこれで失礼します」と言い病室を出た。 横に誰か立っている キョン「誰だ?」 暗くてあまりわからなかったが 影を良く見たら一瞬で分かった ハルヒだ。 ハルヒ「やっと起きたようね!バカ!団員が団長に心配させるなんて 許されると思ってんの?」 キョン「ハハ・・・悪い悪い。」 俺は気づいた。 あのハルヒが涙目になっている事に。 ハルヒ「バカ・・・・本当に心配したんだから・・・・」 キョン「・・・・ありがとな・・・・」 俺は心から思った ハルヒ「・・・・・ねぇ、キョン・・グス」 キョン「何だ?」 ハルヒ「心配させたんだからお願い一つ聞いてよ・・・グス」 まず泣くの止めてくれ と思ったが お願いとはなんだ・・・? キョン「お願いとはなんだ?それともう泣くな」 ハルヒは涙を拭くと俺にこういった ハルヒ「今日あんたが居ない一日を体験してわかったの」 なにが分かったんだろう ハルヒ「あたしは・・・・あんたが居なくちゃ駄目なんだって事を・・・」 俺は黙って聞いていた ハルヒ「あたしはあんたの事を・・・・好き」 俺は時が止まったように感じた キョン「・・・・・それは本当か?」 無言でハルヒがうなずく 自然と俺も涙を流していた。 キョン「・・・ハルヒ・・・・俺も愛してるぞ・・」 ハルヒは再び涙を流していた 俺は黙ってキスしてやった。 fin
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「幕末なんでもQ A」から派生した 「短歌を詠む」 をまとめました。 スレ主はLIONさんです。 今、巷で話題の短歌スレッドを立ち上げてみました。幕末の志士さながらに、心の旋律を奏でてみませんか? あなたの歌が本に載る!(かも?w) 正直スレ主、短歌わかりませんwこの際、形式に捉われず、好き勝手自由でいいのではないかと。 * * * * * * * まとめ注釈 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * ここで言う巷で話題だったと思われる短歌は「幕末Q A」で展開されていた。 ・団子屋の 軒先に咲く 一輪の花 [詠み人:ワイジロー] ・朝焼けの 天見上げるは 亀若く 月陰しとき またしのびなく [詠み人:ワイジロー] ・きぬぎれに しとねさわりて しとどめの あさきりはらい かげおもうかな [詠み人:あじのひらき] * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 投稿者 ましろ それならば。 最初にスレッド作成したLIONさんが、お手本見せないと、でしょう(笑 ・・・楽しみ(わくわく。 ■ 謎解きに 四方八方 飛びつつも 見上げた空は スタート地点 [詠み人:LION] >ましろさん 攻めてきますね~wじゃ、人生初の短歌を! そんなあじさんやワイタローさんのように情緒ある歌は詠めませんが、まぁ、生まれて初めてだしこんな感じで。 浅!見たまんまですw 季語も情緒も無いw 謎解きって難しいよねという意味ですwww くぅ、勉強してきますw ■ 日本の 夜を明かさんと 登る竜 望んだ未来は 今はいずこに [詠み人:遼恒パパ] 今の日本を竜馬が見たら・・・ ■ 人知れず 闇夜の海へ 漕ぎだせば 並ぶ帆先は 数多の星よ [詠み人:kuontui] 失礼しました。 ■ おぼろげな ガイドを頼りに 旅にでる 危うきこと これ見守られたし [詠み人:ワイジロー] 行ってきます ■ 天の川 陰に映せし 身を以て 左岸の君を 想い見つめん [詠み人:kuontui] ご武運を ■ あぎとかな あらやだ虫歯だ くろぐろと 一本抜き取る 北斗の星々 [詠み人:あじのひらき] ■ きぬぎれに しとねさわりて しとどめの あさきりはらい かげおもうかな [詠み人:あじのひらき] まず、これは恋歌です(はずかちー) 次に前提として、今が蒸し暑い梅雨の時期というのがあります。 さらにワイジローさんの歌に影響を受けています(朝と陰の対比)。 それぞれの部分についてですが、 「きぬぎれ」というのは「絹布」の意味で、服みたいなものです。昔はこれを床にしいてその上に寝ていました。 当時は男が女の家に行くという風習があり、並んで寝るときにお互いのきぬぎれの上で寝たということから、転じて男女の間柄を指す言葉となっています。 次に「しとね」ですが、これは「きぬぎれ」=布団という連想から続く言葉で、要するに夏用の布団のことです。これに触ると、ということです。 次に「しとどめの」ですが、三つの意味がありまして、まずは「しとど雨の」という意味。しとどとは「びっしょりと濡れるさま」を表す言葉で、梅雨という季節に対応しています。 二つ目の意味は「しと(人)止め」で、要するに別れの場で離れたくなくて止める様子。 三つ目は卑猥な言い方になりますが、「昨晩はお楽しみでしたね」のしっぽり感を表現しています。 「あさきりはらい」は、今までの言葉を引き継ぐ形のもので、 「朝霧を吸った服を払い」という意味と「朝、(思い)切り払い」の意味を持たせて、離れなければならない気持ちをこめています。 最後の「かげおもうかな」は、これも二つの意味がありまして、霧深い朝の暗さである「日陰」と、暗さに応対した太陽の光である「日影」をあらわしています。転じて、太陽=同衾した相手を思う気持ちを歌っています。 まとめると、「『昨晩お楽しみでしたね』の相手と朝、離れなければならないときの気持ち」を歌った内容となっています(笑) わかりにくくですいません(^^; 投稿者 ましろ >あじのひらきさん うわ。びっくり。 内容も解説も驚きっぱなしです(笑 言外のニュアンスは何となーく推測出来たのですが、隠された意図がこれほど複雑だったとは。 その伊達男っぷり・・・おみそれいたしました。 根拠はありませんが、 あじのひらきさんは秘めた情熱の持ち主 もしくは もしかして「女泣かせ」 ではないでしょうか(笑 詠み人に解釈を求め過ぎてはいけないのかもしれませんね。 この一句で印象が随分変わった気がします。・・・ホント、びっくり。 ましろの無粋なお願いを聞き届けて頂いて、ありがとうございました(笑 投稿者 ワイジロー >あじのひらきさん 私の素人短歌を見事看破しているようで・・・ 御見それしました。 そしてあじのひらきさんの詠みっぷりに脱帽です。 共に卑猥短歌詠みとして精進しましょうかw 投稿者 あじのひらき >ましろさん いろんな意味をこめていても、それが読み手に伝わらなければ作品としては欠陥だと僕は思っています。 もっと精進しなければ……。 ちなみに女泣かせはわかりませんが、確かに秘めた情熱はあると自負しています!(笑) というわけでこれ以上は板違いになるので、そのスレに移動したいと思います。 >ワイジローさん そういえば、最近自分の名前をじっくり観察してみたところ、あじの「ひらき」のひらきって、よくよく考えると卑猥ですな(笑) ■ 朝焼けの 天見上げるは 亀若く 月陰しとき またしのびなく [詠み人:ワイジロー] 恐れながらこちらに載せさせてもらいます。 一見ワイですが、実は綺麗な唄を詠んだつもりです。 投稿者 ましろ ちなみに、どれほどステキなのか その解釈を是非お聞かせ願いたい。 卑猥だったらハルさんにお願いして消して頂きましょう(笑 ■ 団子屋の 軒先に咲く 一輪の花 [詠み人:ワイジロー] ■ 「甘い欲望」 [詠み人:ましろ] blankimgプラグインエラー:ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 短歌ではありませんが。 解釈に苦しむ事もないでしょう。「心のままに」捧げてみます。(※クリックすると、別画面で拡大表示されます) ■ わかたれば のべはなのよには あえねども みださずきゆる むらくものうち [詠み人:輪舞] 中学卒業の時に詠んだ歌。 たぶん文法滅茶苦茶だったけど。 ■ 大嵐 激しく揺れる 夏蜜柑 後に残るは 空か果実か [詠み人:マトバ] なんとかこのゼミのことを含めようとして失敗w ■ 夕方も暑さが少し残りますね。残暑お見舞い申し上げます。 [詠み人:kicky] Phase 2終了ということで。熱さ冷めやらぬ!みたいな(笑)。 あ、字余りですねw ■ 百余年 開かずの扉は 語らずも 飽かず必ず おひらきになる [詠み人:ワイジロー] 本当は厚化粧で一ついきたかったんだけど・・・ ■ あけたとて 積まれし嘘の厚化粧 まことの顔も 霞ゆくかも [詠み人:輪舞] 返歌? ▲ ページTOPへ
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「二人のハルヒ ハルヒの気持ち」 さて、キョン君に代わって、未来の涼宮ハルヒである私が語るわ! 北高校に教師を勤めて間もない頃。 家を買ったので、生活するのに必要な物を買って帰った。 自宅の途中に公園に入って通る事になる。 そこで、一人の少女が俯いたまま座り込んでだ。 よく見ると、この時代の涼宮ハルヒだった。 私は、気になって声かけてみた。 「何をしてるの、ハルヒちゃん」 その彼女は吃驚して顔上げた。 いつ見ても、可愛いわね…。 だから、モテたんだな…私って。 「え、あ…あなたは、確か…キョンの従姉の…鈴見ハルカさん…ですよね」 そういえば、そうだった。 私が勝手に決めた設定だったわね。 「で、こんな所にいて、どうしたの」 ハルヒちゃんは、まだ俯いた。 「それは、その…えっと…」 ははーん、さてはキョン君の事ね。 この頃の私って、ウブだったっけ。 「もしかして、キョン君の事で悩んでたりして?」 ハルヒちゃんの肩を少し動いてたのは見えた。 …図星なのね。 私は、買い物で缶ジュースを思い出し、袋の中から取り出した。 「はい、喉渇いたでしょ、飲んでいいよ」 「あ…ありがとう」 私は、ジュースを受け取ったのを見てハルヒちゃんの隣に座った。 それにしても、こんなに落ち込むような事あったかしら…。 色々思い出しても答え見つからないわね…数年前の出来事だったからね。 「で、どうしてキョン君の事で悩んでるの」 いきなりの質問で、ハルヒちゃんがかなり動揺してた。 「それは!その…」 「大丈夫よ、キョン君には言わないから言っていいよ」 ハルヒちゃんは、ゆっくりと顔上げた。 「あたし、前に夢見てたの…周りに巨人が出た夢を…」 あー、あれね。 思い出したわ、最後は確か…。 「あたしの側にキョンがいたの、それで巨人が出た途端…キョンがあたしを連れて 逃げたわ。あたしはあの世界がいいと思ったの…でも、キョンは「俺達がいた世界がいい」 と…。その後、キョンは私の肩を捕まって言ったの「俺、実は…ポニーテール萌えなんだ」と…。 それを言った後…その…えっと、キ…キスしたの…」 あぁ、そうだった…アレがファーストキスだったわね。 「それなら、いいじゃないの」 「ダメよ!アレは夢だったんだから、実際どう思ってるのが怖いのよ!」 と、ハルヒちゃんが叫んだ。 ちょっと、こんな所で叫んだら近所に迷惑でしょ…。 「キョンは、分かってないのよ!あたしの気持ちを…」 ハルヒちゃんは、まだ落ち込んだ。 古泉君、悪いわね…仕事入っちゃって…。 キョン君は鈍感だから、分かってないのも無理も無いわね。 「…うっ…ひっく…キョンなんか…ひっく…あたしの気持ちをぉ…」 あらら、ハルヒちゃんが泣いちゃったよ。 でも、私は知ってる…いつか告白されるのを…。 「ねぇ、ハルヒちゃん…聞いてくれる?」 ハルヒちゃんは、泣きながら頷いた。 「私はね、昔…そうね、高校時代だったわね…。 私は、入学式当日にある男の子に出会ったの。 その人はキョン君に似てるぐらい優しい男だったのよ。 アレから何ヶ月経ったかな、部活に入ったんだけど…その人も同じ部活に入ったのよ。 偶然としか言いようが無いよね、その後、部活の仲間と一緒に楽しく活動したわ。 で、数ヵ月後…私は夢見たの、静かな世界で私とその男の子だけ残った夢を。 その男の人は何したと思う?」 「…キス?」 あら、分かったわね。 「そうキスしたの、した途端、目覚めたのよ。 夢なのか現実なのか分からなかったわ、それでもあの人の側にいたいとね。 私は、あの人は実際どう思ってるのが怖かったけど。 告白されるまで、頑張って、彼の側に居ようと必死に必死にやって来たわ。」 「あの、その人とはどう…なったの」 いつの間に、泣くのを止んだみたい。 「ん、ちゃんと告白されたわ。アレから何年経ったかな…その人とは無事に結婚したのよ。」 「そうなの…」 ハルヒちゃんが、いつものハルヒちゃんになった。 「あたし、待った方がいいの?」 「うん、待ったらいいよ…だから、頑張りなさい」 私は、ハルヒちゃんの頭を撫でてやった。 「うん、頑張るよ!」 この調子で頑張ってくれたら、告白されるのは私は分かってるから安心していいよ。 「あら、ハルヒ…こんな所にいたのね」 ん、今のは…。 「お母さん」 え、お母さん!? 「あ、こんにちわ…と言っても、こんばんわですね」 私は、呆然してたが慌てて。 「えっと、こんばんわ!」 社会のルールとして、お辞儀した。 「あ、お母さん!この人は新人の先生で、あたしのクラスの担任の先生よ」 私は、まだ慌てて自己紹介した。 「あ、えっと、私は最近、北高校に就職しました。えー…す…鈴見ハルカです!」 危ない危ない、『涼宮ハルヒです』と言ったら終わりになる所だった。 「はい、分かりました…あぁ、この子をよろしくお願いします、この子は無邪気でね……」 喋り続けるお母さんを姿を見ると、涙が出そう。 だけど、我慢しないと…会いたがった人が目の前にいるとは思わなかった。 思い出す…あの日を…。 とある病院で…。 『お母さん!お母さん!』 『ハルヒ…ゴメンね、私はもう…』 弱くなったお母さん。 『いやよ!このままで別れるなんで…』 『…ハルヒ、あなたを育てて…本当に良かったわ』 震える母の手をゆっくりと挙げた。 私は溜まらず母の手を掴んだ。 『ハルヒ、これからも生きてね…私の…大切な娘…うっ!』 『お母さん!』 『ありがとね…さよ…なら…』 掴んでいた母の手は静かに崩れる。 そして、心電図はピーと言う音がずっと鳴る。 『うっ…ひっく…おかあぁさーーーーーん…』 あの日はずっと泣いた。私はお母さんの事を愛してた。お父さんも…。 「…では、もう遅いので、これで」 私は、ずっと考えてたから、全て話を聞けなかった。 「あ、はい!} お母さんはお辞儀したのを見て、私も慌ててお辞儀した。 慌てるのは、これで3回目だっけ。 「えぇ、これからも、よろしくお願いします」 まだお辞儀する私。 そろそろお辞儀する癖はやめようかしら。 「ハルカさん、ありがと!明日から頑張るよ」 「頑張りなさいよ」 私は、ハルヒちゃんとお母さんが去るまで見守った。 言えなかった言葉…今なら、言える。 「ありがとう、お母さん」 私は、誰も居なくなった公園を後にして、自宅へ歩きながら夜空を見上げ思った。 あなたは、昔とは変わらないわね…。 必死に、私を楽しくしたり、私を守ってくれたんだよね。 だから、そういうあなたが好きよ。 あなたの事を愛してるわ。 私は深呼吸してから叫んだ。 「そうでしょーーーー!」 夜空に、一つの流れ星が流れた。 翌日、学校の廊下で歩いてると後ろから何やら騒いでる。 私は、何かなと思って振り向いた。 「バカキョン!いい事思い付いたわ!」 「だーかーらー、ネクタイを引っ張るなって!破れるから」 「つべこべ言わなーいっ!ほらほら、早く!」 やっぱりね、いつものハルヒちゃんとキョン君を見ると安心出来るね。 少しでも、からかっちゃおうかな。 っと、その前に…キョン君ゴメンね、あなたの代わりに私がやるわね。 私は、少し溜息してから。 「やれやれ…」 完
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「……ここは…」 場所が変わった。 道が、くらい。 窓がある。 向こうは、明るい。 暗い場所から明るいところはよく見える。 明るいところから、暗い場所はとても見えにくい。 まるで、この世界をそのまま表しているかのようだ。 きっと、向こうから、アタシの姿は見えていないんだろう。 長い廊下が続いている。光は、見えない。どこまでこの廊下が続いているのか、わからない。 …………。 でも、歩こう。出口があるかはわからないけれど。 ここで立ち止まっていたって何も始まらない。進むしかないんだ。 ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ ぱちゃ 水が、靴を舐める音だ。 アタシが今立っている場所はどうやら濡れているみたい。 …どれだけ、歩いたかな。今、歩き出して何歩目ぐらいなんだろう。 体力に自信はあるけれど、そろそろ疲れてきた。 …あ。 ずっとずっと先に、光が見えてきた。出口かな。 歩く度に、光が近付いてくる。 光。 出口? ここから出れるのか。 よし。 ………あれ。 でも、このまま光があるところに進んじゃっていいのかな。 あの場所から逃げ出してはきたけれど…。 ここを進んだ先にある、光が溢れるところは、本当にいいところ? 足が動かない。 (ユウイ、わたしと親友じゃなかったの?) 近くにあった窓の向こうから親友の声が聞こえてくる。 違うよ、アタシは貴方を嫌ったりなんかしていないよ。嫌いなんかじゃないよ。 違うの、違うの。貴方は、アタシのたった一人の親友。 待ってて、すぐに―――。 『そっちじゃないわ』 窓に触れようとしたら、あの白い女性に腕を掴まれた。 近くで見て改めて思う。髪も、肌も、服も、白。本当に、真っ白だ。 頭に付けている赤い髪飾りと耳に付けている虹色のピアスが一際目立っていた。 窓から向こうの部屋が見えた。自分と親友が談笑している。 アタシが「死ぬ」前に、当たり前だった風景。酷く懐かしい風景。 何も変わらない、ただ幸せだったあの頃。あぁ、戻れるならあの頃に帰りたい。 …ただ、一つだけ気になったのは、自分の背中が真っ赤に染まっていたことだ。 その、なんと不気味なことか。 『あなたが進むべき道はこっちじゃない。真実に背を向けてはいけないわ』 「…背を、向けて…?」 どういうことだろう。真実って一体何なんだ? …あぁ、そうか。 この光は「真実」。アタシは今までずっと逃げ続けてきた、「真実」で溢れかえっているんだ。 だから行きたくないんだ。 きっと、ここにいればさっきみたいな「望んでいた世界」にいることが出来る。 そこでは、殺し合いなんてものもなくって、ミユも、リオトも、ゆーちゃんも、トキコも、みんな楽しそうに笑っているんだ。 それに比べて、この光の先はどうだろう?アタシを「殺したい」と言う、幽霊となった親友がいて、恐い顔をした幼馴染みや弟がいる。 どちらかを選べ、といわれたら迷うことなく前者を選ぶだろう。 ………でも。 赤い背中の人間になるのは、嫌だ。 背中を焼かれるぐらいなら。正面を焼かれてやる。 その方が、何倍もマシだ。 「ありがとう、アタシ、行くよ」 『ええ、貴方なら、大丈夫』 「……そうだ、ずっと聞きたかった。 あんたの、名前は?」 そう聞くと白い女性は少し言いにくそうに目を伏せたが、やがてアタシを見て優しく微笑むと。 『…ミハル。それが、私の名前よ。美しいに晴れと書いて、ミハル』 「ミハルさん、か…アタシは榛名 有依っていうんだ。 あと、それから…あんたが言う、「ヤハト」っていう人は、アタシの知ってる人、なのか?」 今更、お互いの名前を交わした後、アタシが一番気になっていることを彼女に問いかけてみた。 『……それは、もう貴方も気が付いているでしょう?』 「――そうだな、聞くだけ、無駄だったかも」 開いた口を隠すように片手を軽く口元まで持ってきて。うふふ、とお互いに、同じように笑ってしまった。 暫く無言の時が続く。そろそろ、行かないと。戻って、「ヤハト」さんやみんなに会いに行かないと。 アタシは「あの頃」と比べて、強くなれているかな?――だったら、少し、嬉しい。 「なんだろうな、もっとあんたと話をしていたいのに、言葉が出てこないや」 『私もよ。ずっと話していたいという気持ちは確かにあるのに、言葉にすることができないの』 「なんだか、他人のような気がしないよ」 『――実は、私も。貴方は私…私は貴方に、よく、似ている気がするわ』 でも、アタシはあんたほど女子力高くないよ。 そう返すと、おもしろいことを言うのね、と上品に彼女は笑って。 貴方、短気でしょ?私もなの。ついでに「彼」も。すぐにカッとなっちゃうのよ。なんて、返してくれた。 それから「短気四人組」でお話でもしてみたかったわね、なんて言葉も付け加えて。 アタシと、ミハルさん、それからゆーちゃんと…「あの人」そんな風には見えないんだけどなぁ。意外。 「…待ってて。必ずアンタと、「ヤハト」さんを救うから」 少し恥ずかしかったけれど、ミハルさんを真っ直ぐ見据えてそう言うとミハルさんは目に涙を浮かべながらゆっくり縦に頷いた。 それから、アタシは振り返らずに光の中へと飛び込んだ。背後で、「ありがとう」という小さな声が聞こえたような気がした。 眩しい、何も見えない。おもわず目をぎゅっと閉じた。開けていられない。体中が熱い。まるで焼かれているかのようだ。 それでも負けない。目が悪くなりそうだ、と思ったが、嫌がる瞼を無理矢理開けて。 前へ、歩き出す。 思い出せ。 逃げるな。 駆けろ。 記憶を、辿れ。 アタシはもう、迷わない―――!! 《ユーイちゃんっ》 《この瞬間から、私はあなたの味方になった》 《――あぁ、もう、へいきだ》 《本当に行ってないか不安になって、来てしまった》 《お友達なのですから、他人行儀にならずアオイと呼んでくださいな》 《今日は家族でお出かけなんだ!》 《…不思議な子だな、キミは》 《どうしたんだよ、姉貴らしくねーな》 《生きていれば…》 《――カンよ、カン わたしのカンは結構当たるの》 《オレは"お前の"味方だから》 心の奥に響く記憶 (それは、言葉ではとても言い表せないほど) (素晴らしく、そしてうつくしいものだった)
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「ふたば系ゆっくりいじめ 408 お前もポールさんみたいにしてやろうか!?/コメントログ」 この作品に米がついてないだと!よろしいならばコメントだ オモシロカタヨー。こーいうのりのいいのはすきだよー。 -- 2010-09-12 22 58 44 お兄さんの語りが良いねぇ。思わずどんどん読み進めちゃったよ。 今度は全員分最後まで書いて欲しいよー -- 2010-10-09 14 43 39 >ショボイ賽銭箱の中にしょぼくれたおっさんが印刷された紙幣を捻じ込んでやった いいやつじゃねえかwww -- 2010-10-13 12 48 28 チャンピオン大好きっ子というのは分かった まさかの艶天大聖様登場で+100点だな -- 2010-10-25 08 18 49 >ショボイ賽銭箱の中にしょぼくれたおっさんが印刷された紙幣を捻じ込んでやった お兄さん善良れいむ愛しすぎだろw ゲスもアホで笑った -- 2010-10-25 14 26 51 これ前回の世にも恐ろしい虐待を受けたれみりゃのエサになった饅頭じゃね? -- 2010-11-26 19 23 53 『自分のことを美しいと思っている女は醜い』みたいなことを艶天大聖さまが ここで悟空道ネタを見るとは思わなかったw -- 2011-07-10 23 24 55 お兄さんのキャラが良すぎるww -- 2011-07-19 21 49 31 体育の授業で南斗聖拳教えるなよww -- 2011-08-02 07 43 44 ブラック「ゆっくりが出たのはゴルゴムの仕業だ!!」 RX「いや!クライシスだ!!」 カイザ「これも全て乾巧ってやつの(ry -- 2014-08-01 11 36 30 このひと文才だ -- 2019-01-13 23 35 34