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キュービックニンジャ コメント 2011年4月7日にAQインタラクティブより発売されたニンテンドー3DS用アクションゲーム。 アギルダー:CC コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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戦闘のまとめ 【一回戦】 恐るべきニンジャたちを前に、生徒会は籠城作戦を選んだ。生徒会長真野は教職員用地下シェルターに入らんとし、教頭と電話交渉する。教頭の返答は渋いものであったが、続く職員会議では生徒会長のカリスマ性に打たれた教職員のゴリ押しにより、生徒会をシェルターに匿うことが決定された。生徒会は安全な地下シェルターへと避難し、スシを食いながらマリオカートを楽しんだ。後はニンジャたちが番長陣営を皆殺しにするのを待つだけだ……。 無論、番長グループも黙ってニンジャに食われる気はない。番長グループの薬師寺天膳先生は教頭に脅迫電話をかけた。「我々の中にはあなたたちの毛髪を自在にカリフラワーに変える魔人がいます。教頭先生、あなたの残り少ない頭髪が惜しければ、生徒会をシェルターから追い出して下さい」。教頭は悩んだ……。命は惜しい、だが、髪は長い友達だ……。しかし、死んでしまっては髪もクソもない……。「あれ? ひょっとして番長グループもシェルターに入れちゃって、自分たちが外に出たらむしろ安全なんじゃないの……」そんなことを考えたりもする。しかし、隣で真野が囁いた。「外には危険な転校生が召喚されています。シェルターの外に出るのは危険です!」。職員会議の結果、彼らは頭髪を諦め、シェルター内での籠城を続けることにした。状況は依然動かず……! 生徒会の籠城戦術に臍を噛んでいたのは番長グループだけではない。ニンジャ陣営もまた、安全地帯でスシを食い続ける生徒会役員たちへの憎悪を募らせていた。「ビーハイヴ、これを」。アースクエイクは戦術核バンザイ・ニュークをビーハイヴへと手渡す。「この作戦の成功で俺もシックスゲイツ入りだ! そしてラオモト=サンと一緒に憧れの温泉旅行を……」。何も知らぬビーハイヴは職員校舎へと侵入。途中、生徒会の真野の能力がビーハイヴを襲い、150kgの重りがニンジャの行動を阻害するがビーハイヴは意にも介さず戦術核を核シェルター入り口近くへとセットした。その瞬間、ヘルカイトがバンザイニュークのスイッチを遠隔起動。光のドームはビーハイヴもろとも職員校舎を飲み込んでいく。ビーハイヴはソーマト・リコールめいた超加速思考力でハイクを詠んだ。「渡された武器が 爆発した」。爆炎を遠目にしながらアースクエイクがつぶやく。「ビーハイヴ、お前はもうオシマイだ。最後まで俺の役に立ってくれたな」 至近距離からの核爆発により地下シェルター入り口は破壊された。生徒会にとっては誤算であった。核シェルターといえども至近距離での戦術核の爆破には耐えられないことを彼らは知らなかった。中でスシを食っていた生徒会役員、教職員たちはほとんどが即死し、運良く生き残ったものも瀕死の状態であった。ただ一人、真野を除いては。核の衝撃に健気に耐えながら、真野は番長小屋に向かう。番長たちにニンジャの脅威を伝えるべく……。だが、そこに現れたヘルカイトの姿を見た真野はニンジャリアリティショックを起こし心停止に陥った! 生徒会全滅!! 一方、番長グループたちの下にも一人のニンジャが現れアンブッシュを仕掛けていた。アースクエイクだ。「イヤーッ」ビーハイヴから奪ったガトリングガンが火を噴く。「グワーッ」巨大化し、身を呈して仲間を守った超大型番長が蜂の巣となって倒れた。「アイエエエ! ニンジャ、ニンジャナンデ!?」アースクエイクの姿を目にした番長たちをニンジャリアリティショックが襲う。アースクエイクは素早いアイサツの後、直ちに仕掛けた。「イヤーッ」スリケン投擲。「グワーッ」番長グループ二名が即座に死亡!「イヤーッ」アースクエイクのビッグカラテ。「グワーッ」薬師寺天膳の頭部がネギトロ重点! 「ヒィ、ゴメンナサイ!」後方空中三回転から流れるような美しい軌跡を描き魔人級土下座を決めたブロッコだけはその場から何とか逃げ出した。なお、不死身の薬師寺天膳はその後復活したが、またアースにネギトロ重点された。でもまた蘇った。 生徒会の籠城作戦は戦術核の脅威の前に脆くも敗れた。魔人殲滅を誓ったニンジャたちだが、惜しくもブロッコと薬師寺天膳だけは取り逃がしてしまった。一方、番長グループは生徒会殲滅の目的を密かに達成していた。しかし、総合的に見れば、この度のイクサ、ニンジャたちの勝利と言えよう。 【二回戦】 イクサが始まった次の瞬間、ニンジャたちは違和感を覚えていた。「誰だこの女……」。彼らの陣営に見知らぬ一人の女がいたのだ。女の名はニンジャ・アヤメ。忍殺世界から召喚されたニンジャたちには知る由もないが、彼女はダンゲロス世界にて上映された映画「劇場版ニンジャスレイヤー」のオリジナルキャラであった。フジキドの恋人でありヒロインである。演じるのは最近売り出し中の女優ストロング・AYAME。ニンジャ・アヤメは自分がニンジャたちの仲間だと力説しゴリ押しする。ダークニンジャたちは戸惑いながらも、一応なんとなく彼女を仲間に迎えた。 生徒会の面々は人体に眠るツボを刺激することにより半勃起状態となった。半勃起状態は彼らに虎の如き威厳と自信を与えるのだ。半勃起ならばニンジャたちにも立ち向かえる。少なくとも精神的には互角……。魔人たちのしたたかな計算であった。 一方、番長陣営はイクサ開始早々、阿鼻叫喚の地獄絵図を迎えていた。順を追って事の流れを説明しよう。まず、彼らは魔人地蔵寺の能力により地蔵を多数召喚した。狭い番長小屋の床一面を埋め尽くす地蔵の群れ。この地蔵を大切にすれば何らかの恩恵が与えられ、逆にオイタをすると手痛い仏罰が降るであろう。そして、ダンゲロス子が立ち上がった。彼女は以前ロブスターなるサンシタニンジャに敗れていたが、彼女は持ち前のテレパシー能力を使い、その時の記憶を番長グループメンバーに伝えようとしたのである。彼らもまたニンジャリアリティショックの回避方法を考えていたのだ。ニンジャリアリティショックに耐えるためには慣れが一番の早道だ。番長グループはダンゲロス子のニンジャ遭遇経験を共有することでニンジャリアリティショックに備えようとしていた。だが、まさかそれが、あのような惨劇に繋がろうとは……。 一方、ニンジャたちは召喚主である長谷部の死体から携帯電話を取り上げていた。フォレスト・サワタリがダークニンジャから電話を受け取る。「どれ、番長グループとやらに宣戦布告してやろう」。狂気のニンジャ、フォレスト・サワタリの瞳が昏く輝いた。 番長グループメンバーにニンジャリアリティショックの衝撃が走っていた――。ダンゲロス子を通しての間接的なものとはいえ、そのニンジャ体験は彼らの根源的恐怖を呼び起こしていた。恐怖し足が竦む面々。だが、その中の一人、ラバーエクスデスゴムの受けた恐怖は人一倍であった。「オゲーッ!」ラバーが嘔吐! ゲロが地蔵にヒット! 地蔵に憤怒の形相が浮かんだ。次の瞬間、番長小屋の天井を突き破って空から小型隕石が落下! ラバーエクスデスゴムの頭部にヒット! 明らかに仏罰! だが、16層の様々なゴムに覆われたラバーエクスデスゴムはいともたやすく隕石を跳ね返した。 しかし、問題はここからだ。ニンジャリアリティショックに加え突然の隕石落下。あい続いた異常事態に番長グループメンバーの精神はもはや限界寸前だ。その時電話が鳴った! プルルルル。「番長グループは皆殺しだ」「貴様らにナムの地獄を見せてやろう」。電話口からは狂人の血迷った宣戦布告が流れる。これがラストストローとなって、ダンゲロス子のかよわい精神は完全に崩壊した! 発狂! トチ狂ったダンゲロス子は地蔵に根性焼きを始めた! なんという罰当たり! だが、地蔵菩薩はグッと我慢している! けれど、そんなダンゲロス子の罰当たり行為を見て、今度は服部とラバーが発狂! 服部は地蔵に股間を擦り付け始めた! おおっと、これは罰当たりだ! だが、服部は転んで小さなタンコブを作っただけで助かった! やはり女子高生の角マンは地蔵も嬉しいのだろうか!? 一方、ラバーエクスデスゴムは地蔵の頭から小便を浴びせかけた! たちまち仏罰が下り、発狂したダンゲロス子がラバーエクスデスゴムに殴りかかる! しかし、16層のゴムでこれを弾き返し、ラバーエクスデスゴムは無傷! 服部とラバーの罰当たり行為を目にしたことで地蔵寺と飛も発狂! なんという狂気のピタゴラスイッチ! 番長グループは全員発狂した! 発狂した地蔵寺は地蔵の額に「肉」と書いた。ちょっとした罰当たりだ。だが、なんということか。隕石により穴が開いていた番長小屋の天井が突如として崩落し、地蔵寺の頭上へと降り注いだ! 仏罰! 崩落に巻き込まれ地蔵寺が死亡! おお、ブッダ! そこまでされるいわれはない! 生徒会は武道場を決戦の地に定め、ニンジャを迎え撃つべく準備に余念がない。番長グループにも共闘を呼びかける電話をかけた。しかし、番長小屋からやってきたのは、モヒカンニンジャ天狗の群れと発狂した番長グループメンバーであった。モヒカンニンジャ天狗とは彼らの狂気が生み出した妄想の産物であり、それを発狂した服部が魔人能力により具現化したものであった。その異様な姿に呑まれながらも、生徒会は彼らに共闘を呼びかけた。「共に力を合わせニンジャを倒そう!」。番長グループ大爆笑。ダメだ、発狂している! 一方、ニンジャも軽々に彼らの本拠地に乗り込んだりはしない。ニンジャたちは芸術校舎にて引火性の液体を集め始めた。これで希望崎学園を焼き討ちするつもりなのか! しびれを切らした生徒会の魔人慰安坊が芸術校舎へと乗り込む。たちまち鳴り響くナリコ! ニンジャたちの間で伝承される危険なブービートラップだ。すぐさまフォレスト・サワタリがアンブッシュ! 慰安坊は為す術もなく首を刈り取られた。だがその時、校舎の外から奇怪な叫びが! 生徒会の魔人ラッキー自警団団長が一物とケツを同時に刺激する自慰行為により絶頂へと至らんとしていたのだ。ラッキー自警団団長が絶頂に至ると、周囲のもっともマグロな者にとんでもない災厄が降りかかる。アブナイ! だが、敵が絶頂に至る寸前、駆けつけたフォレスト・サワタリの竹槍が相手を貫いていた。サワタリは、続けてラッキーの隣にいた生徒会魔人、クロノスへと攻撃を仕掛ける! その頃、武道場に残っていた生徒会メンバー雲刈は、発狂した番長グループメンバーに向け刀を抜いていた。共闘を謳い誘い出しておきながら役立たずと見るや直ちに始末しにかかる。なんという極悪無道だろうか。瞑想を終え、極限まで身体能力を高めた雲刈が番長グループを殺戮する。だが、ラバーエクスデスゴムの16層のゴムはやはり雲刈の攻撃をも弾き返す! 一方、サワタリも苦戦していた。生徒会の魔人クロノスに攻撃が当たらないのだ。クロノスの目には敵の動きすべてがスローモーションに見える。体術ではサワタリに分があるが、クロノスの瞳術を封じぬ限り決定的な一打を与えることはできない! だが、そこに現れたのがダークニンジャであった。彼のヒサツ・ワザ「デス・キリ」は回避不能の幻惑的なイアイ・ワザである。スローモーションに見えていたとしてかわせる技ではない。クロノスもまたダークニンジャの前に倒れた。 ユカノはラッキー自警団団長の死体から「書籍版ニンジャスレイヤー」を回収した。ユカノのバストは豊満であった。ラバーエクスデスゴムに苦戦していた雲刈も、瞑想による身体能力強化の効果が切れた瞬間を狙われサワタリのアンブッシュに倒れた。サツバツ! 前回の敗北をバネに、ニンジャスレイヤー級の大物ニンジャに一矢報いるべく立ち上がった生徒会だったが、今回もニンジャの刀の錆と化してしまった。ニンジャのフリをしてニンジャたちを騙すことに活路を見出そうとした番長グループも、序盤の発狂により目的を果たせぬまま狂気の中で壊滅した。一方、ニンジャ陣営は「予言書」(ダンゲロス世界における「書籍版ニンジャスレイヤー」。彼らにとっては予言書に他ならない)を手に入れて、今回のミッションをコンプリート。此度のイクサもまたニンジャたちの勝利と言えよう。 【結果】 一戦目:ニンジャの勝ち 二戦目:ニンジャの勝ち 総合優勝:ニンジャ
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Darkninja Look before he leap ◆QkyDCV.pEw その胸は平坦だった。 オーガニック美少女の名に恥じぬ容貌を持つ、ヤモト・コキの走るすぐ横を、江戸川コナンは飛行ネックレスの魔法の力によって飛翔していた。 ずっと無言のまま、コナンが指し示す方向へ逃げ続けていたヤモトであったが、不意に彼女が口を開いた。 「ねえ、君は何を知ってるの?」 「ん?」 「どうして、カギ=サンは、殺されなきゃならないの?」 「俺達をここに連れて来た奴が、爆発する首輪をタテに殺し合いをしろと強要してきているからだ」 「…………カギ=サン、無事だと、思う?」 「シャルティアと名乗ったあの女が、人知を超えた怪物だって事しか俺は知らねえ。後はその、カギ=サンって人次第だろう」 「ガエリオ=サン、も?」 「そうなる。だから……」 そこでコナンの言葉が途切れたのは、走っているヤモトの表情が激変したからだ。 真っ青を通り越し薄白い程に血の気を失った表情は、恐怖と絶望に染まっていた。 「シャルティアが来たのか!?」 「わ、わかんないっ……でも、黒い、黒いのが、来るっ。って事は!?」 ヤモトの表情は更に強張る。恐怖と諦念に加え、隠しきれぬ憤怒の色がコナンにも見えた。 「二人はっ!!」 シャルティアが追って来ていてそれを彼女が感じ取ったのだとしたら、あの場に残った二人は既に殺されたとする判断にコナンも異論は無い。 だが、その次は許さない。 「次の角を右だ! 俺達だけでやれるぐらいなら、あの時残って四人でやってた! 忘れんな! あの二人は! 俺達が生き残る事を望んでたんだよ!」 「でもっ!」 「このままになんかするか! ここにはまだ他にも参加者が居る! そいつら集めてアレを止めるんだ! 俺達がここで死んだら誰がアイツの脅威を伝えるってんだよ!」 グゥの音も出ない程の正論だ。その正しさがわからぬ程ヤモトも子供ではない。 二人は無駄話を止め、全力で逃げにかかる。 コナンにとっては、あの状況から二人を殺害し、更にコナンとヤモトを正確に追って来る者が居るというのは、少なくともコナンの常識からは考え難い状況だ。 その常識外の部分がどれほどかを探っている余裕は無い。 二人の速度はかなりのもので、そこにコナンの小賢しい知恵を加えた逃走ルートを取っているのだから、かなりの距離を稼げたと思える。普通の状況ならば。 だが、それでも振り切れる気がまるでしない。 再びヤモトが黒い悪寒を感じぬようになってまた少し経つが、こうしてただ走って飛んで逃げる以上の事をしなくては振り切れないだろうと、コナンには妙な確信があった。 そんな二人の進行方向から、エンジンの轟音が聞こえて来た。 オルガ・イツカはダークニンジャと別れた後、自分に与えられた支給品とやらの最後の一つを取り出す。 取り出すというか、引っ張り出すというか。 鞄からは金属の塊のようなでっぱりが飛び出ており、これを引っ張ると見た目の重量感とは裏腹に容易く中から引きだせる。 ただその質量が大きすぎて、途中で引っ張りきれなくなり、オルガは鞄を逆さに持って振る、といった形に切り替える。 既にこの時点で、金属の固まりは鞄に収まるようなサイズではなくなっており、オルガはその理解不能な状況に、なんだこりゃを連呼しながら半ばヤケクソ気味に対処していた。 鞄からずるり、といった様子で飛び出して来たのは、黒い車であった。 オルガのセンスでは、全くその美観が理解出来ない車だ。 車の前半分は所謂自動車なのだが、その後半分は家になっている。それも豪奢な屋根をつけ無駄に贅沢気配を漂わせている。 これこそネオサイタマの運び屋デッドムーン操る武装霊柩車ネズミハヤイDⅢなのだが、当然そんなものオルガが知るわけもない。 キーも付いているし、移動が楽になるというのなら、と車に乗り込む。色々とわからない装置もあったが、概ねオルガにも操作出来る乗り物であった。 これ幸いとエンジンをかける。かなりの騒音が予想されたが、意外や意外、車内は物静かなものであった。オルガはその造りの丁寧さに少しテンションを上げて走り出す。 アクセルを踏み込むと、予想していたより加速のノリが良い。いや良すぎる。 こんな街中を走っていいような加速度ではない。しかもコレ、オルガはまだまだアクセルに余裕を持たせているのだ。 更に、オルガが乗り込む時に見た扉の厚みや、各種ギミックが取り揃えてある事を考えるに、この車の作られた目的がそれなりにだが見えて来る。 「戦闘用……か? コイツは結構な大当たりって奴だな」 その加速度や車体重量から運転はしずらい車なのであろうが、オルガは阿頼耶識システムの手術を受けているのだ。 この車と阿頼耶識システムとが接続出来る、という話ではない。阿頼耶識システムでしか扱えないような速度で、モビルワーカーをぶん回して来たという事だ。 この程度のジャジャ馬に、今更ビビるオルガではない。 軽快に道を往くネズミハヤイ。この車の異常に敏感な操作性は即ち、扱えさえすればより高度なドライビングを提供してくれる。 オルガは気分良くアクセルを吹かす。ふと、頭上よりコンという音が聞こえた気がした。 「なんだ?」 アクセル踏んだままで窓から身を乗り出し上を見てみる。こういうあぶなっかしい真似を極自然にしてしまう辺りが、チンピラの頭目雰囲気がなくならない所以なのであろう。 見上げたそこには、先程別れたダークニンジャが立っていた。 比喩でもなんでもない。オルガが気分良くアクセルを踏み込んでる車の、屋根の上にダークニンジャはまっすぐ直立した姿勢で両腕を組んで立っていたのだ。 「はあ!?」 オルガが身を乗り出したのを見て、ダークニンジャもオルガを見下ろしてきた。 「オルガ・イツカ。この先にはニンジャが居る。お前は引いておけ」 「……動じねえのな、アンタ。そいつはアンタが言ってたニンジャスレイヤーって奴か?」 「いや、恐らくは違う。奴ならばきっと、私と同等の数値を示すだろうからな」 そう呟いたダークニンジャは、直径三十センチ程の機械を手にしていた。 これは彼に支給された品、本来は妖怪の能力を数値化する際に用いられるキルリアン感知機である。 だが何故かこれにニンジャも反応するようで。感知機のど真ん中には大きくダークニンジャの反応が輝いていた。 本来は生物全てに数値が出るシロモノなはずなのだが、その用途のせいか、大きな数値以外には反応しないよう調整されており、距離も随分と遠くまでわかるようになっていた。 ただ、この機能をダークニンジャは少し勘違いしていて、自分に反応するのだからコレはニンジャソウルを感知する機械だと思っていたり。 説明の文章にあった妖怪という言葉を、ニンジャの比喩として受け取ったのである。無理も無い。 オルガは時折ちらちらと前方を確認しながらもアクセルは緩めない。 ビビったと思われるのはよろしくない、というやはりチンピラ風味漂う発想であろう。 「だったら交渉の余地はある、か?」 「かもしれん……なるほど、お前はそういう見方をするのか」 「ん? アンタは違うのかい?」 「敵か、そうでないかだ。交渉はお前に任せるが構わないな」 「ああ、後は後ろでアンタが睨んでてくれりゃ完璧だな」 「わかった」 真面目腐った声で頷くダークニンジャに、思わず噴出しそうになるオルガ。 「ここをまっすぐでいいんだな」 「ああ」 江戸川コナンは、この場所に招かれて随分と非常識なものをその目にしてきた。 なのでいい加減そういったものに驚く事も無くなったかと思うとそんな事は全然無く。 前方から走って来た、屋根の上に忍者装束の男が直立腕組みしている霊柩車、なんて馬鹿げた光景に、思考が完全にストップしてしまう。 驚き足を止めるヤモト。 「ニンジャ!?」 「ああ……うん、確かに忍者だな。なあ、ヤモトねーちゃん。あの下に付属の霊柩車の意味わかるか?」 「わからない、でも油断しないで。あのニンジャのジツの一種かもしれない」 「なるほど、れいきゅーしゃのじゅつ、ね。あまりにファンキーかつ前衛的すぎて俺の発想がついていってくれねーや」 霊柩車は二人の前に停車すると、扉が勢い良く開き、中から背の高い男が出て来た。 目つきは最悪。見るからにガラが悪そうな顔付きに、二メートル近い長身で見下ろして来るものだから威圧感がヒドイ。 「俺はオルガ・イツカ。ニンジャってのは……そっちの女の子の方か?」 そしてそれ以上に、相変わらず霊柩車の上につっ立ったまま腕を組んで微動だにしない忍者装束の男。 馬鹿にされてるのかとも思えたが、長身の男も忍者の男も真顔を全く崩さないので、どちらも真面目なんだろうと考えられる。 コナンの前に立つヤモト。 「……そうよ。私達に何の用」 「何だかエライ警戒されてるな。俺も後ろのも、アンタ等に何かしたって訳でもねえだろうに」 「ニンジャを見て、それと一緒に居る男を警戒しない馬鹿は居ないわ」 何だそりゃ、と後ろを振り返るオルガ。 「そうなのか?」 「確かに、その女の態度も間違ってはいまい。だが、実力差も見て取れぬようではな。そういった露骨な警戒姿勢は、お互いの戦力が拮抗していてこそ意味のあるものだ」 「おいおい、いきなりケンカ腰は勘弁してくれ。交渉は俺に任せるんだよな?」 「うむ、ではこれ以上は黙ろう」 ヤモトに向き直るオルガ。 「悪い、ツレが失礼したな。アレで案外気の良い奴なんだ、そう邪険にしないでやってくれ」 コナンは心の中で突っ込んだ。 『お前自分で言ってる言葉の意味もう少し考えろ。例えあれの気が本当に良かったとしても、あの格好であんな所につっ立ちながらケンカ吹っかけてくる奴に、どうやって友好的になれってんだよ』 ジト目が隠し切れないコナンと、やはり同様に驚きを隠しきれないヤモト。 「貴方、えっと、オルガ=サン? 貴方はニンジャなの?」 「いいや、生憎とあんな人間離れした真似は俺には出来ねえよ」 「そ、そうなんだ……」 普通の人間が平然とニンジャ相手に、それもあんな恐ろしげなニンジャと対等な口を利いているのが信じられない様子だ。 オルガは交渉相手がきちんとダークニンジャにビビってくれているのを見て取り、それに満足しながら口を開く。 「その人間離れした真似を、アンタも出来るんだろう? 良ければ、俺達に協力しないか? 俺は、俺達は、殺しあえだのとふざけた事を抜かす連中を、全員潰すつもりだ」 オルガ・イツカは、自分が何も持たない事を自覚している。 学も経験も無い、知識もなければ天才的なひらめきなんてものも持ち合わせていない。 当然金も持っていないし、今この場では、苦労して手にした後ろ盾も兄貴分も役には立たないだろう。 だからこそ、交渉の際には棍棒を持参するのだ。必ず何処かに棍棒を潜ませ、最も効果的と思われるタイミングでこれを行使し、相手の妥協を引き出す。 品が無いだの、文明的でないだの、チンピラだのヤクザだのと、何と言われようとも仕方が無い。構わないわけではないが、選択肢が無い。 オルガには、鉄華団には、棍棒と己の命しか無いのだから。 オルガは、ダークニンジャから新たなニンジャが居ると聞かされた時、真っ先に考えたのはダークニンジャという棍棒を用いて、新たなオルガの側に置ける棍棒を手に入れる事だった。 それがどんな相手であれ、彼等に敗北か利益かを提示出来なければ、交渉相手はオルガの言葉を聞き入れはしないだろう。 ならばダークニンジャと別れるのなら、オルガはオルガの刃を持たなければならない。 武装霊柩車ネズミハヤイもその一つ足りえるものだが、やはりまだ交渉を有利に運ぶ棍棒と呼ぶには心もとない。 見た目は普通の女の子にしか見えないが、ダークニンジャがわざわざ避けろと言うのだからきっと大した相手なのだろう。 「どうだ? アンタは見た所、子供を助けてるようにも見えるし、殺し合いをするつもり、無いんじゃないのか?」 不意にコナンがこの話し合いに割って入る。 「待った。色々とお互い交渉したい事があるのはわかるけど、今はまず、逃げるのが先決だ。もし良ければその車に俺達も乗せてもらえないか? 物凄い敵が後ろから追って来てるんだ」 ぴくりとダークニンジャの眉が動いたが、当然誰も気付かない。 オルガは子供がいきなり口を挟んで来た事に驚いたが、言葉ははっきりとしていて内容も理解しやすいものだったので、普通に返事をする。 「今すぐそうすべきか?」 「うん。信用できないかもしれないけど、そこを曲げて頼みたい……」 コナンの言葉を遮ってオルガは言った。 「わかった、乗れ」 すぐに身を翻すオルガに、コナンは頷き車の方に走る。ヤモトも少し遅れてそうした。 コナンとヤモトが乗り込むのを確認すると、オルガは上のダークニンジャに言った。 「斥候、頼めるか?」 「良かろう。斥候と言うからには戦闘は避けろという事か?」 「片方だけの言葉を全部真に受けるのも良く無えだろう。だが、コイツ等が嘘をついているとも思えねえ。くれぐれも頼むぜ」 「承知した」 コナンが座席から身を乗り出して言った。 「知覚能力が人間のそれじゃない。およそ1200メートル半径は感知される。後、鼻の利く獣を自由に従えてくる。挙句、素手でそこの電信柱ぐらい軽くへし折って来るようなバケモノだ。気をつけてな」 子供に心配された事に、ダークニンジャは何とも言えない顔になったものだが、メンポで隠されそれは誰にも見えなかった。 他のソウカイニンジャに同じ事をしたなら、あっと言う間にコイツはネギトロだろう、などと考えながらダークニンジャは屋根の上から飛び立って行った。 ダークニンジャは、ネオサイタマでも五本の指に数えられる程の優れたニンジャである。一説に寄れば最強との呼び名もあるほどで。 なので先に遭遇したヤモト如きなら、なめてかかってちょうどいいぐらいだ。もちろん油断なぞとは無縁の男でもあるが。 そのダークニンジャが、ヤモトやシルバーカラスに出来た事が出来ないわけもない。 ダークニンジャはある場所で突然足を止める。 「……この悪寒は、一体……」 その優れたニンジャ第六勘は、進む先に居るバケモノの気配を感じ取っていた。 ニンジャソウルを感知するだのといった能力的なものではない。もっと動物的な、生命の危機をも予感させる、絶対者の気配。 デモリション・ニンジャ、ラオモト=カンを身近に知り、妖刀ベッピンの底知れぬ神秘を目の当たりにしてきたダークニンジャが、これまで感じ取った事もない、と言いきれる程の悪寒。悪鬼の気配。 なまじニンジャとしての能力に優れ、ニンジャ第六勘の精度が高いせいで、ヤモトやシルバーカラス以上にその脅威を感じ取れてしまう。 そして彼の直感が正しいと示すかのように、手にしたキルリアン感知機が反応する。その数値は、ダークニンジャを大きく上回るものであった。 実はこのキルリアン感知機、ダークニンジャが考えるようなニンジャソウルの強弱を測るものでは、ない。 たまたまダークニンジャ、そしてヤモトと続いてニンジャに遭遇しただけであって、本来は妖怪の反応を探る為に開発されたものだ。 しかもその造りの関係上、霊力にこそより強く反応するように出来ているので、ニンジャと比べるとより霊的な存在である妖怪やモンスターの方が高い数値が出やすくなっているのだ。 なので今ダークニンジャが見ている数値の差程、ダークニンジャとそのターゲット、吸血鬼シャルティア・ブラッドフォールンに差があるわけではない。 ただ、ダークニンジャもニンジャ以外の神秘に遭遇するのは始めてであり、より警戒度が増しているのも無理からぬ所だ。 とはいえ、そこで恐ろしいからと引き下がるダークニンジャではない。むしろ、如何に対策すべきかを見極めねば、と考えるのが彼だ。 離脱を叫ぶニンジャ第六勘に逆らいながら、ダークニンジャは目標へと慎重に接近していく。 闇夜の中ではあるが、ニンジャであるダークニンジャにはその程度障害にもなりえず、一際高いビルの屋上から、遂に遠目にその姿を視認する事に成功する。 ダークニンジャの目には、禍々しさを極限まで煮詰めたような、忌むべき呪いの塊が見えた。 これ以上は危険だ、と感じた距離を保つダークニンジャ。ふと、それが先程小僧が指摘した距離であった事を思い出した。 偶然? 馬鹿な、アレは幸運すら塗り潰す悪鬼そのものだ。アレの能力を把握するには、それだけの何かが絶対的に必要となる。それを、あの小僧が持っているという事だ。 ダークニンジャの任務は斥候だ。相手の能力力量を探るのも、斥候の仕事の内ではある。 だが、今のダークニンジャはニンジャスレイヤーとの決戦を控える身、それに、あのネズミハヤイならば怪物を振り切るのは難しくあるまい。 また、オルガはダークニンジャを向こうに回しての交渉時、ダークニンジャの持つ武力をすら、凌駕する何かに心当たりがあるようだった。少なくともオルガはそう思っていると、ダークニンジャには感じられた。 もしそれをダークニンジャに向けたのなら、オルガの勘違いをこれでもかと教えてやるつもりであったが、オルガにも優秀な武力の心当たりがあるというのなら、それを用いればあの化け物とより有利に戦える事だろう。 「はーい、そこの古風な君」 不意に、そうあまりにも突然に、ダークニンジャに声をかける者があった。 ただダークニンジャもそれを察知していたようで、動揺した様子もなく平然としている。 「……………………」 最初は無言のままであったが、ダークニンジャは少し不愉快そうに言った。 「……ドーモ、ダークニンジャです」 姿を現した優男は、ビルの屋上のフェンスの上に器用に立っていた。 「ん? ああ、これはご丁寧に。僕は月山習という。いきなりで何だけど、一つ、何より先に確認したい事があるんだけど、いいかい?」 「……言え」 「君、人間かい? あっちの女の子もそうだけど、正直とても人間とは思えない臭いがするんだよね。危なっかしさもどっちもどっちって感じに見えるし」 ダークニンジャも全く同じ疑問を持っていた所だ。この男からニンジャソウルは全く感じ無いが、にしてはあまりに人間と気配が違いすぎる。 くいっとダークニンジャが首を振る。こっちに来いという意味で、月山習もすぐに頷き後に続く。 あの化物の探知範囲ぎりぎりで会話するような馬鹿な真似はしたくないというのは、両者にとっての共通認識であったようだ。 少し離れた場所に着く。月山習を名乗った男は、ビルの屋上から飛び降りたダークニンジャの後に平然とついて来た。 ダークニンジャは、己の常識に従って彼を判断した。 「お前も察している通り、私はニンジャだ。だが、お前はニンジャではあるまい。一体何者だ?」 習は怪訝そうな顔になる。 「に、にんじゃ、かい? ごめん、ちょっとその返事は予想外だった。ちなみに僕は、人喰(グール)なんだけどね。君もその一種かと思ったんだけど、どうも違うみたいだね」 今度はダークニンジャが怪訝そうな顔をする番であった。 「ぐーる? ……お前はもしかして、ネオサイタマの住民ではないのか?」 「ね、ねおさい、たま? えっと、何だろう、話せば話す程お互いの距離が離れていってる気がするよ。おっかしいなぁ、聞きたい事他にあるのに全然そっちに話が振れないよ」 ダークニンジャを小さく息を吐く。 「同感だ。ではその辺は置いておき、まずは一つ。あの化物の事、お前は何か知っているのか?」 「あー、僕もそれ聞きたかったんだ。ごめん、僕も全くわからない。妙な匂いに惹かれて近づいてみたんだけど、アレ、絶対にヤバいよねぇ。何がって聞かれたら答えるの難しいけど、アレの近くに行くのがヤバイって事だけはわかるよ」 「こちらも同様だ。……どう危険なのか、一つ試してみるか?」 一瞬反応が遅れたが、習はにやりと笑みを見せる。 「いいねぇ……」 そして、人差し指でダークニンジャを指差す。 「なんてね。生憎と、会ったばかりの相手の為に我が身を盾にする趣味はないんでね」 見知らぬ化物の手の内を調べたくはあるのだが、ではアレからどう逃げるかとなった時、見捨てて逃げる捨石があれば逃げられる確率も上がろう、とそんな魂胆であった。 「ふん、そうか。なら、何時までもここに居ても仕方があるまい」 「はいはい。次はもっと余裕を持てる場所で会いたいものだね」 「望む所だ」 二人共、ここでやりあったりしたら間違いなくアレに気付かれてしまうとわかっているので、この場でケリを着けるなんて真似が出来なかったのだ。 化物の範囲から外れるようにして、ダークニンジャは北に戻り、習は南西の方へと。 走りながら、ダークニンジャは妙に気疲れしている自分に気付く。 任務とあらば、それがどんな事であれ当たり前に全てをこなすダークニンジャであるが、元々社交的とは程遠い人物で、ここ数年はソウカイヤのニンジャとして裏方仕事を黙々とこなしてきた身だ。 一かゼロかで全てを判別出来る拷問やらを用いない交渉術からは、長い事離れていたせいだろう。 打ち合わせていた合流場所にオルガ達が辿り着きしばらく待っていると、ダークニンジャが特に息を切らした様子もなく戻って来た。 結構な距離があったはずなんだがなあ、とか思いながらもオルガはダークニンジャを出迎える。 「よう、お疲れ。どうだった?」 ダークニンジャからは、何があってもアレの認識範囲内には近寄るな、との話であった。 ただ、ネズミハヤイの最高速度ならば、逃げるだけは何とかなるかもしれない、との事。 ネズミハヤイにはロケットブースターに飛行能力までついているらしいから、これを使って逃げられない相手だった場合、もう何もかもが無駄であろうが。 ネズミハヤイの持つ能力を確認した時のコナン君の台詞がこれだ。 「この機能を霊柩車につけなきゃなんねえ必要性を誰か俺に説明してくれ」 コイツはいい、と無邪気に喜ぶオルガには完全にスルーされた台詞でもある。 ダークニンジャは、斥候の役目を終えるとかねて決めていた通り、西の方へと向かっていった。最後に、ダークニンジャはコナンを見ながらオルガに言った。 「あの小僧、見た目は子供だが、何か大層なものを隠し持っているようだ。それが何であれ、上手く見極め利用するといい。きっとお前の役に立つだろう」 へぇ、とオルガも改めてコナンを見る。 あの場で逃げるよう言ったのはコナンで、その見立ては実に正しいものであったとダークニンジャが証明してくれた。 ヤモトと名乗る女の子の方は、ダークニンジャよりは弱いが同類のニンジャで戦闘能力に長けているようだし、これでどうにか、何かをしでかす程度は出来るようになったか、とオルガは考える。 ただ、ヤモトもコナンも、ダークニンジャが確認してきた化物を随分と気にしているようだ。 そういった無差別に暴れ回る類の奴は、オルガの目的から外れてはいるがやはり駆除しなければならないだろう。 「チッ」 思わず舌打ちが漏れる。 強いからこそ、殺し合いをしろなんて言われて、じゃあ殺すかという気になったという事か。 確かに、連中の言う事が真実である可能性に賭けるのも選択肢ではある。 だが、ダークニンジャもそうであるように、まともに考える頭があれば連中の言葉なぞ何一つ信用に値しないとわかろうものだが。 話し合いは可能か。とりあえずモニター越しでもいいから会話をして、人となりの一端でもわかれば、といった事を考えながら、オルガは霊柩車のエンジンを切る。 後部座敷に座るコナンとヤモトも、神妙な顔でその時を待っている。 あと少しで、連中の言っていた最初の死亡者報告の時間になるのだ。 【C-8/早朝】 【オルガ・イツカ@機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ】 [状態]:健康 [装備]:コルト・ガバメント(4/7)+予備弾倉×2@現実、クナイ・ダート×3@ニンジャスレイヤー、武装霊柩車ネズミハヤイDⅢ@ニンジャスレイヤー [道具]:支給品一式 [思考・行動] 基本方針:鉄華団のメンバーと合流し、殺し合いを瓦解させる。 1:三日月とビスケットを探す。 2:放送を聞いた後、コナンとヤモトから話を聞く。 3:南下して時計回りにCGS本部を目指し、十二時間後にダークニンジャと合流。 4:ベッピンを探す。ニンジャスレイヤーにダークニンジャのメッセージを伝える。 [その他] ※参戦時期は地球到達直後。 【ヤモト・コキ@ニンジャスレイヤー】 [状態]:健康 [装備]:ヤモトのスカーフ@ニンジャスレイヤー [道具]:支給品一式、不明支給品1(武器の類ではない) [思考・行動] 基本方針:ニンジャがシュウゲキするならば相手をする。 1:シャルティアから逃げる。 2:二人のニンジャに警戒。 3:折り紙を確保し大量にバッグへ仕込む。 4:……………………。 [その他] ※参戦時期はスワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウにて『シルバーカラス』と対峙する前から。 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:健康 [装備]:双眼鏡(トロピカルランドの備品)飛行ネックレス@オーバーロード [道具]:支給品一式、ランダム支給品0~2 [思考・行動] 基本方針:殺し合いからの脱出 1:シャルティアから逃げる。 2:人外の怪力と運動能力を持つシャルティアの打倒。 3:蘭、灰原の保護 ※シャルティアの恐るべき能力を見ました。魔法の存在を認め、この世に本当に魔法があるとどうなるかを考えています。 【E-8/早朝】 【シャルティア・ブラッドフォールン@オーバーロード】 [状態]:健康 [装備]: [道具]: [思考・行動] 基本方針:人を探す 1:人を見つけ、ここが何処か等の基本情報を入手する。 2:アインズ様にこの楽しい場所(トロピカルランド)を是非紹介したい。(←名簿を見ていないので、アインズが来ている事は知らないがっ) 3:もうとっくに追いついてもいい頃合でありんすが…… ※彼女の支給品他は、G-6付近に放置されたままです。また彼女は首輪爆破で自分は死なないと思ってますし、殺し合いのルールも何一つ把握しておりません。 ※シルバーカラスよりニンジャスレイヤーの世界に関する様々な事を聞き出しました。 ※どうやらシャルティアの吸血鬼の気配は、ニンジャや人喰といった鼻の利く連中には、かなりの遠距離からでも存在を感じ取られてしまう模様。 【C-8/早朝】 【ダークニンジャ@ニンジャスレイヤー】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:支給品一式、不明支給品0~1、鉄華団のマーク入りペナント、キルリアン感知機 [思考・行動] 基本方針:ベッピンを取り戻す。脱出、優勝、可能性の高い方を選ぶ。 1:ベッピンを探す。役立ちそうにない者は人目につかないよう抹殺する。 2:光覇明宗総本山、501基地を調査し、十二時間後にCGS本部でオルガと合流する。 3:ニンジャスレイヤーを殺す。十三時間後、指定した場所でイクサを行う。 4:三日月・オーガス、ビスケット・グリフォンの捜索・保護。 5:キルリアン感知機とやらに、明らかにニンジャでないものも反応していた。これはよもや…… [その他] ※参戦時期は第六話『コンスピーラシィ・アポン・ザ・ブロークン・ブレイド』以後。 【E-7/早朝】 【月山習@東京喰種トーキョーグール】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・行動] 基本方針:喰種同士で力を合わせて脱出する。 1:ヤモリと霧島董香に協力を持ちかける。 2:甚だ不本意ではあるがカネキ君には手を出さない。 3:とんでもない化物を見つけて、何事だと思ったらこれを忍び探っている奴を見つけ、何者だと思ったらそっちにも凄い化物が居た。 ※この殺し合いは他所の喰種達が娯楽の為仕掛けたものだと考えており、無理矢理さらわれた者の他に狩人が居てこちらを殺しにくると予想しています。 時系列順で読む Back ムリダナ(・×・) Next 第一回放送 投下順で読む Back ムリダナ(・×・) Next 第一回放送 035 歌う角笛の騎士と銀鴉の忍、そして吸血淑女 江戸川コナン 053 くっ殺(ガチ) ヤモト・コキ シャルティア・ブラッドフォールン 060 最凶のバケモノ達 021 レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ダークアイアン オルガ・イツカ 053 くっ殺(ガチ) ダークニンジャ 060 最凶のバケモノ達 034 人と喰種と 月山習
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ニンジャスレイヤーをおおむね時系列順と思われるように整理した。 齟齬があるけどまあこの順だろう、というところもあり、よく分からないのもあり。 第一巻/第一部などと称される(表記揺れ)巻名「ネオサイタマ炎上」は、わざわざその旨が明記されてある章題にのみ付加されている。 エピソードXやセクションX、#Xといったものは同じ枠組みを指した表記揺れだと思われるが(セクション2の次がエピソード3とかだったりする)、ここでは「エピソード」に統一した。 隣接している章は、基本的には「続く」とその旨明言されている。 章名があってURLがないのは、未筆の章。直前エピソードでそれに続くと称されている。 「キックアウト・ザ・ニンジャ・マザーファッカー」エピソード1ギンイチ・ミーツ・ガール編 http //twilog.org/NJSLYR/date-101024/asc エピソード2アゴニィ登場編/地上げ屋タメジマ登場 http //twilog.org/NJSLYR/date-101025/asc エピソード3ギンイチ・トーク・ウィズ・イチジク編/ギンイチたち「ヨタモノ」へ行く約束をする http //twilog.org/NJSLYR/date-101030/asc エピソード4ギンイチ・アドベンチャー編/ギンイチ「ヨタモノ」へ行く、恋敵出現 http //twilog.org/NJSLYR/date-101101/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101102/asc エピソード5アゴニィ=サン来襲編/ギンイチ失恋・退場、アゴニィ=サンの来襲 http //twilog.org/NJSLYR/date-101103/asc エピソード6ギンイチ彷徨編/アゴニィ=サン大暴れ、ギンイチ最期の決意、そしてヒーロー登場 http //twilog.org/NJSLYR/date-101105/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101106/asc エピソード7アゴニィ=サン戦闘編/ニンジャスレイヤー戦闘、アゴニィ=サン磔に、ギンイチ駆けつける http //twilog.org/NJSLYR/date-101108/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101109/asc エピソード8アゴニィ=サン・インガオホー編/ニンジャスレイヤーがナラク状態であると発覚、ゲンドーソーとユカノ初登場(ナラクソウルをドージョーで感知したカットの挿入)、二人はネオサイタマへ、ギンイチとイチジク手をつなぐ http //twilog.org/NJSLYR/date-101111/asc 「ネオサイタマ炎上」「レイジ・アゲンスト・トーフ」エピソード1「スシ・バー」シガキ・サイゼン孤独のグルメ編 http //twilog.org/NJSLYR/date-101024/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101025/asc エピソード2「バックストリート・ニンジャ」バンディット編 http //twilog.org/NJSLYR/date-100725/asc エピソード3「ソウカイ・シンジケート」カスミガセキ談合編/クローンヤクザ工場事故に言及、ナオモト・カンとネコソギ・ファンド初登場?ダークニンジャ初登場?バンディット死亡に言及、ビホルダー初言及? http //twilog.org/NJSLYR/date-101026/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101027/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101028/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101029/asc エピソード4「ウシミツ・アワー・ライオット」ビホルダー登場編/二千人の暴徒を集め扇動、シガキ=サン精神防壁を突破される http //twilog.org/NJSLYR/date-101030/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101031/asc エピソード5「エグジスト・イン・ジ・アイ・オブ・ザ・ビホルダー」シガキ=サン覚醒編/トーフ工場襲撃中、ダイダロスのハッキング能力 http //twilog.org/NJSLYR/date-101105/asc エピソード6「ナラク・ウィズイン」チャプター1:シガキ=サン大暴れ編/ヘルカイト情報操作に活躍、ビホルダー本性を見せる、シガキ男泣き http //twilog.org/NJSLYR/date-101106/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101107/asc チャプター2:ビホルダー編/ビホルダー&そのジョルリたち(シガキ等)との戦闘、尋問、フジキドの覚醒が数ヶ月前の「マルノウチ抗争」であることが発覚、ダークニンジャが乱入し、そのままニンジャスレイヤーとともに退場 http //twilog.org/NJSLYR/date-101109/asc 「ネオサイタマ炎上」「ネオヤクザ・フォー・セル」ラオモト黒幕編/ヒュージシュリケン登場、バンディット既に出動に言及、アースクエイクに言及http //twilog.org/NJSLYR/date-100725/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100726/asc 「ネオサイタマ炎上」「サプライズド・ドージョー」エピソード1ヘルカイト登場 http //twilog.org/NJSLYR/date-100728/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100729/asc エピソード2http //twilog.org/NJSLYR/date-100802/asc エピソード3http //twilog.org/NJSLYR/date-100806/asc エピソード4先月の話として、ナンバー6のガーゴイルの死に言及 http //twilog.org/NJSLYR/date-100808/asc エピソード5http //twilog.org/NJSLYR/date-100815/asc エピソード6http //twilog.org/NJSLYR/date-100821/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100822/asc 「アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ」 「ネオサイタマ炎上」「ベイン・オブ・サーペント」コッカトリス編/ナンシー初登場、手掛かり「タヌキ」、バンディットとヒュージシュリケンの死に言及http //twilog.org/NJSLYR/date-100803/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100804/asc (この間の「あらすじ」が↓冒頭で提供されている) 「アポカリプス・インサイド・テインティッド・ソイル」フォレスト・サワタリ編/ナンシー・ニンジャスレイヤーの初コンビ編?「タヌキ」探索、ゲンドーソー用の薬の元データ獲得、フロッグマン、ディスターブド、ノトーリアス登場http //twilog.org/NJSLYR/date-100827/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100829/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100830/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100831/asc 「ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ」(←時系列情報不祥)エピソード1ヤバイ・オオキイ紹介編/ナンシー登場 http //twilog.org/NJSLYR/date-101009/asc エピソード2スコルピオン編/オムラ・インダストリ・ヨロシ=サン製薬・ソウカイヤの結合追求、ニンジャスレイヤーのロイヤルペガサス・ネオサイタマ滞在 http //twilog.org/NJSLYR/date-101015/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101016/asc エピソード3スコルピオン編/ダイダロス登場、リー・アラキ先生登場、フブキ・ナハタ登場、死体憑依発見 http //twilog.org/NJSLYR/date-101021/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101022/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101023/asc 「ネオサイタマ炎上」「ゼロ・トレラント・サンスイ」ミニットマン編/イクエイションは既に死亡http //twilog.org/NJSLYR/date-100724/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100725/asc 「ネオサイタマ炎上」「メナス・オブ・ダークニンジャ」ダークニンジャ編/ドラゴンドージョー崩壊後の隠れ家、薬を使用するも戦闘でケンドーソー死亡、ユカノ離別http //twilog.org/NJSLYR/date-100727/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100728/asc 「ティラニー・ウィズイン」 「フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ」インターラプター編/ウォーロック登場、ユカノ情報獲得、ダークニンジャとコッカトリスの死が言及 エピソード1http //twilog.org/NJSLYR/date-100806/asc エピソード2http //twilog.org/NJSLYR/date-100809/asc エピソード3http //twilog.org/NJSLYR/date-100816/asc エピソード4http //twilog.org/NJSLYR/date-100820/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100821/asc 「チャブドメイン・カーネイジ」(エピソード3まで)エピソード1情報獲得編/ゴッドハンド登場 http //twilog.org/NJSLYR/date-100919/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100921/asc エピソード2インフェクション編/ヴィトリオール登場、ダイダロスに言及 http //twilog.org/NJSLYR/date-101016/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101019/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-101020/asc エピソード3インフェクション編/ヴィトリオールも死亡 http //twilog.org/NJSLYR/date-101023/asc 「ネオサイタマ炎上」「キルゾーン・スモトリ」(←時系列情報不祥)アイアンヴァイス編/ゲンドーソーのファースト・インストラクションに言及 エピソード1http //twilog.org/NJSLYR/date-100823/asc エピソード2http //twilog.org/NJSLYR/date-100904/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100905/asc 「スシ・ナイト・アット・ザ・バリケード」前編エクスプロシブ編/トットリ、モーターヤブ登場、イッキ・ウチコワシ初登場、ラプチャー&アムニジア登場、ヘルカイトが情報提供役として言及 http //twilog.org/NJSLYR/date-100908/asc http //twilog.org/NJSLYR/date-100909/asc 後編ニンジャスレイヤーとアムニジアことユカノ遭遇、離別 http //twilog.org/NJSLYR/date-100909/asc 「ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ」でニンジャスレイヤーが安ホテルに泊まってるけど、これはドラゴン・ドージョーから逃れてゲンドーソーらと潜んでいた隠れ家、が壊滅した後にすべきかもしれない。とは言え、ダークニンジャ編→インターラプター編→エクスプロシブ編、の間のどこに挿入するんだと言われてもなかなか微妙な。いっそのこと、ナンシーと一緒に対陰謀で活動してるのはユカノと第2の離別を迎えた後とかすればいいのかもしれないけど…… -- laeva (2010-10-29 02 53 29) そうなると、「ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ」「キルゾーン・スモトリ」は「スシ・ナイト・アット・ザ・バリケード」の下に入れることになるか。「キックアウト・ザ・ニンジャ・マザーファッカー」はさらに最後でいい気もする。 -- laeva (2010-10-29 02 57 20) 名前 コメント
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最凶のバケモノ達◆QkyDCV.pEw どうやらここはシャルティア・ブラッドフォールンの全く見知らぬ土地であるらしい。 とっ捕まえた戦士から聞き出した話から考えるに、ここはネオサイタマという場所の近くと思われるが、そいつも拉致されて来た口で本当にそうなのかの確証も得られなかった。 シャルティアが見つけた人間は全部で四人居た。内二人は殺してしまったので残る二人を追ったのだが、どうにも見失ってしまったようだ。 眷属まで使っての捜索に全く引っかからなかったのだから、かなり高速で移動したのだろう。最早周辺には居ないと考えるべきだ。 とにかくここが何処かがわからなければどうにもしようがなく、シャルティアは特にアテもなく人の居そうな場所を目指し歩いてみる。 この町、人の住居と思しきものは所狭しと建ち並んでいるのに、人の気配はまるでない。 建築様式も何処かで見た事あるような無いような、な感じで。それなりに進んだ文化と技術を持った国だとわかる程度だ。 高いところに上がってみても、人の気配は無い。時折、妙な違和感があって集中して気配を探ってはみるものの、やはり何も引っかからない。 よほど人が居ない土地なのだろう。いや、人は居たのだが、何処かへ消えてしまったというのがより正確な気がする。 「流石に、参りましたでありんす」 もう一度、シャルティアは現状を整理する。 恐らくシャルティアは何者かに拉致された。もしくは強制テレポートの類で吹っ飛ばされた。 その際、身につけていた装備品を悉く奪われているので、そういった魔法の罠の類でもなければ、やはり拉致されここに放り出されたと見るべきか。 「まったく、これではまるで迷子にでもなった気分でありんす」 少し考えて、シャルティアは頭を抱えてうずくまった。 「まるでじゃないしっ! まるっきり迷子そのものだしっ! ああああああああああ、なにこれなにこれ、わざわざ人をさらっておいてそのまま放置って何かの特殊プレイでありんすか!? 幾らなんでもこんな現状に性的興奮をもよおすとか難度高すぎでありんしょう!」 創造主にエロゲ設定を山盛り詰め込まれたシャルティアさんにも、流石にコレは無理らしい。 遊んでいる場合ではなかったのである。 てっきり、ここにシャルティアを拉致した者から何らかの接触があるものと思っていたのだが、見つけられたのは同じように捕まって来た者ばかりである。 確認したのは一人だけであるが、シャルティアを相手にロクに前に立つ事すら出来ぬような輩がシャルティアを拉致出来るなどとは考えられないので、アレ等も先に捕えた者と同様であろうと判断した。 ここまで接触が無いのなら、恐らくシャルティアを拉致した何者かはシャルティアと会うつもりはないのであろう。 つまり、接触して来た時にそいつから直接拉致の理由を問い質そう、というシャルティアの考えは実行出来ぬという事で。 もちろんそれでは帰る方法もわからぬままだ。転移系の術は全て、この地に結界だか封印だかがなされているらしく使用不能。伝言の魔法も駄目。小憎らしい程に、シャルティアには何も出来ない状況である。 よよよ、とその場に崩れ落ちる。 「どうして何時もわたしだけがこんな目に……この前も気がついたらアインズ様に……あああああああああああああぁぁ、またこの前のような失態を晒したらきっと……」 その時のアインズの様を想像したのか、シャルティアの全身を怖気が走る。 「いやっ! 絶対に嫌でありんす! そうよ、今回は意識がなくなってるなんて事もないのだし、わたしにもまだどうにかする目があるはずっ!」 意地でも自力で帰還して見せよう、と気合いを入れるシャルティア。ちなみに支給品やらの入ったバッグは最初に居た場所に放置したままである。 どうするべきか、不用意に動かず慎重に行動し(←既に色々と手遅れ)逆に窮地を見事乗り切ったとアインズに褒めてもらえるよう頑張って考えようと、頭を捻る。 そんなシャルティアの耳に、何やら騒がしい声が聞こえて来た。 「えー、これより第一回放送を開始します……」 シャルティアは、苛立たしげに怒鳴り返す。 「うるっさい! わたしが考えてるんだから邪魔すんな!」 そう怒鳴って音の発生源と思しき場所目掛けて、そこらに転がってる石をぶん投げる。 シャルティアの百レベルは伊達ではなく、ぶん投げた石は見事音の発生源である家の屋根の端についた魔法の装置を粉砕する。 だが、声はまだ聞こえる。シャルティアの感覚は、それは人が発する音とは似て非なるものであると感じ取っている。 別の音の元を探ると、街中に立っている石の柱の上部に付いている魔法の装置から聞こえて来る。 「……以上、十六名になります。また禁止エリアはC1、A8、H8の三箇所になります……」 小首を傾げるシャルティア。 「十六人? 何が? あーもうっ! 良く聞こえなかったでありんすよ!」 別に声は悪くない。大声で怒鳴ったり装置壊したりしていたからである。 実に馬鹿丸出しなザマであるが、これは彼女のみに原因があるわけではない。 エロゲのような設定を詰め込まれているシャルティアであるが、設定とは趣味嗜好であったり、性質だったりを定めたもので。 趣味嗜好が、戦闘に有利云々ではなくそれ以外の方向に突き抜けていったような内容であるのなら、好き嫌いは概ね当人にとっての弱点にしかなりえない。 性質にした所で、冷静沈着で常に最善の判断を下せるような性格を形成するような要素は、そのほとんどが可愛いといった要素と相反する。つまり、こちらも設定を盛られれば盛られる程立ち回りが不利になっていくものだ。 シャルティア・ブラッドフォールンはそれ以外、つまり能力的な面で言えばかなりのガチ仕様であり、総合的にはナザリック守護者達の中でも最強の部類に入ろう。 スキルや能力のバランスも良く、戦闘の際の大きな弱点もない。アインズがこれと戦うと言い出した時は、残る守護者全員が止めに入った程だ。 そういった能力の高さを活かす為の頭脳に、彼女は制限が加えられているという事。さながらガンダムの阿頼耶識を通した強力なフィードバックを、安全装置が防いでいるかのよう。いや別に、シャルティアに能力を発揮したらフィードバック食らって死ぬなんて設定は無いが。 結局、シャルティアは放送を耳にしていながら聞き逃すという素敵な失態を晒す事に。 まあ主たるアインズ・ウール・ゴウンも後半聞き逃していたようなので、きっと責められるような事は無かろうが。 シャルティア・ブラッドフォールンの能力はいずれかに特化しているわけではなく、故に様々な事態に対応出来るようになっている。 ならばこうした予測も出来ぬ緊急事態の対処において、彼女程相応しい存在はあるまい。 実際、様々な術への耐性を備え、耐久力や回復力も高い、索敵能力が少々劣るも、完全な不意打ちを食らったとしても一撃でシャルティアを打倒しきるのは至難の業だ。 そしていざ攻撃に移ったとなれば、物理、魔法、双方をバランス良く行使出来、スキルも充実している為ほとんどの防御手段への対応策をその手にしている。 彼女を殺すのは極めて難しく、彼女に殺せぬ敵はほとんど居ない。そんな存在である。 挙句、初見殺しも多数所持していて、魅了の術も数多揃えている為、敵を倒した後の情報収集も万全。スキルと能力だけ見るなら、アインズよりよほど彼女の方がこの地に向いているだろう。 また装備が奪われた現状でも、彼女はアンデッドである為疲労とは無縁で、当人が手を止めるか、行動不能になるまで何時まででも戦闘力が落ちぬままに継続戦闘が可能だ。 これまでに打倒された二人の守護者、これを倒した者達ともしシャルティアが戦うとなれば、恐らくまた別の結果になっていたであろう。 アルベドでは殺しきれなかった斗和子も、シャルティアならばすり潰す事が可能だ。デミウルゴスが耐え切れなかったオシュトルの斬撃もシャルティアならば堪えきり回復再生、しかる後反撃が可能であったろう。 斗和子やオシュトルならば、シャルティアの弱点である血の狂乱発動まで戦いきる事が出来るだろう。だが、血の狂乱はただのバーサークではない。魔法やスキルの行使も可能な、暴虐の嵐であるのだ。如何な双勇であろうとこれを耐え切るのは難しかろう。 この地に招かれた事で、計らずもシャルティアは守護者最強の証明を為し得る事となろう。当人がそれを望んでいるかどうかはさておき。 月山習、一生の不覚。 とばかりに頭を抱え、おろおろとその場でふらつく喰種月山習。 放送を聞いた結果である。そりゃ、アテにしていた喰種の二人の内の一人、霧島董香の死亡をいきなり聞かされてしまえばショックも受けよう。 習がこれまでに出会ったのは四人。学生らしき少女が二人、奇特な格好をした忍者紛いが一人、少女の容姿をしたバケモノが一人。 実に半数が人外である。これほどの者が居るというのならば霧島董香程の喰種が殺されるのも理解は出来る。 彼女とは面識もあるし、それなりに気にはかけている。一度殺されかけた相手でもあるし。ただ、彼女以上に、彼女が死んだ事で衝撃を受けるだろう人物、金木研の事が気になる習だ。 かなり真剣に、一度彼に会っておかなければと考え始める。 ふと、何かに気がついた習は、今居るビルの屋上から隣にビルへと飛び移る。音も無く着地をし、滑るように走る。再び跳躍、ビル端のフェンスの上に一足で飛び乗り、再び次のビルへと飛ぶ。 こんな派手なムーブ、もし他人に見られたらと思うと何時もの町ではそうそう出来ないだろう。習は少し気を良くしながらビルの屋上を飛び移りながら移動を続ける。 が、突然足が止まる。 『何っ!?』 驚いたなんてものではない。 それまでアホみたいに騒ぎ喚き、挙句隠す気配すらない死臭を漂わせながらゆっくりと移動していた対象が突然消滅したのだ。 習の鼻は喰種ならではの鋭敏さを持ち、その索敵範囲は彼が追っているゴスロリバケモノ少女の索敵範囲を軽く超えている。 別の臭いで上書きしただのでは断じてない。突如、臭いそのものが消失したのだ。 かなり壁の厚い建物にでも入ったか。いや、臭いのみならず、習の肌にひりつくように漂ってきていた死の気配までが、綺麗さっぱりなくなるというのはありえない。 だが、そうなった原因らしきものはわかるので、習は細心の注意を怠らぬままに、追跡を続けた。 ダークニンジャは流れて来た死者を告げる放送に、思う所があったのか表情を引き締める。 呼ばれた名に聞き覚えは無いが、ダークニンジャのニンジャ第六感が言っているのだ、呼ばれた名の中にも恐るべき使い手が居たであろうと。 それは直前に姿を見かけた、ニンジャならざる圧倒的脅威の存在故の事だろうか。否である。 アレの存在もまたダークニンジャが警戒を強める原因ではあろうが、だからと言ってダークニンジャのニンジャ第六感の感性にブレが生じる事は無い。 何処までも冷静に、冷徹に、現状がどうであるかを受け止める為のセンサーとしての役割に、乱れが生じる事は無いのだ。 故にこそ、ダークニンジャはこの地に複数の絶大なる脅威が存在する事を知る。 例えば江戸川コナンであっても、シャルティアのような規格外は特別である、と考えているフシがあった。 もちろん彼の知能ならばアレクラスのバケモノが複数存在する可能性にも当然思い至っているだろうが、まずはアレを対処すべしと全力をそちらに傾けてしまっている。 だがダークニンジャは違う。ニンジャならではの独特かつ超越した感性により、更なる強敵の存在をコナンよりも確かなものとして感じているのだ。 ダークニンジャは町を走る。 前述の理由により、常ならぬ警戒を周囲に張り巡らし、四方にカラテを向けながら。 そしてダークニンジャの優れた感知能力は、手にしたキルリアン感知器よりも早く、その存在をダークニンジャに教えてくれた。 これもまた、ダークニンジャがまるで出会った事のない類の気配であった。 少ししてキルリアン感知器も反応を示すが、その数値はあのバケモノはもちろん、ダークニンジャよりも大きく劣るものであった。だが、だからこそ、ダークニンジャはこの数値が戦闘力の高さではないと察する。 ダークニンジャのニンジャ第六感は、この気配の主の並々ならぬ脅威度を感じ取っていたのだ。 だがダークニンジャは今度の相手には遠くから様子を見るのではなく、自身をその脅威の前に晒しだす。 まず、ダークニンジャを前にした相手の反応を確かめる。 ダークニンジャの登場にもその大男は動じた風もなかったのは、そういったものが表に出ずらい人間であるかもしくは、ダークニンジャのニンジャソウルを感じ取っていたか。 大男は手にしたバッグより太長い棒状の武器を取り出す。 言葉は無い。あるのは肌にひしひしと伝わってくる殺気のみ。ダークニンジャは先の青年の時と同じように、僅かに眉を動かした後、お辞儀をしながら言った。 「……ドーモ、ダークニンジャです」 大男からの返事は無かった。 これは許されざる非礼であろう。だが、少しダークニンジャも予想していた事であった。 挨拶を返す事は古事記にも記されているユイショタダシキものであるが、マッポーの世においては古事記を全く知らぬ無学の徒が強力な力を持つというのはありえる話だ。 ニンジャソウルをまるで感じぬ事といい、やはりこの地にはニンジャ以外の強者が存在するのだ。それも複数。 ダークニンジャは長棒を構える大男に対し、だらりと両腕をたらした一見無防備にも見える構えを取る。だが、これを無防備と受け取る思慮の浅い者は、たちまちダークニンジャのカウンターの餌食となろう。 そんな誘いの型であったが、大男はダークニンジャの構えなぞ委細構わず、ゆっくりと前進してくる。 その覇気とダークニンジャの仕掛けなぞ意に介さぬ自信に、ダークニンジャはぼそりと問う。 「名乗れ、大男よ」 返事は無くても構わない、その程度の一言であったが意外にも相手からの答えはあった。 「……ヤマト八柱将、ヴライ」 ヴライと名乗った大男は、その一言と共に、巨大な長棒を振り下ろして来た。 何たる豪腕、何たる威力か。 ヴライの振り下ろした長棒は叩き付けた大地を深く抉り、跳躍し距離を取ったダークニンジャを吹き上げた土砂が襲う。 ダークニンジャ、叩き付ける土砂を厭わずじっとブライから目を離さない。 当たり前にヴライはこの土砂の中を突っ込んで来た。攻撃はまたしても単純明快な、振り下ろしの一撃。 だがその振り下ろしに、珠玉の技が込められている事をダークニンジャは見てとった。 あれほどの威力。筋力だけで為し得るものではあるまい。いや、技のみでも不可能だ。類稀な鍛え抜かれた筋力を、膨大な経験に基づいた術理により運用し、早く、強くを何処までも極め尽くして初めて至る戦人の境地の一つであろう。 実際ダークニンジャも、飛んでかわさねば危うい。ギリギリでかわしあわよくば反撃などという甘えた行為の一切を拒否する、鋭さを備えた攻撃であるのだ。 太い棍棒をそのまま長くしたような、常識外の膂力でもなくば振り回せぬ武器を軽々と振り回すヴライ。だがそれは彼の戦闘力のほんの一部に過ぎない。 ダークニンジャが注視しているのは、その長棒を大地に叩き付けた動き、そのものだ。 最初の一撃は敢えて大地を叩いた。だが、次の一撃は大地に付く直前で棒先がぴたりと制止していたのだ。 それはダークニンジャの飛び道具による反撃を警戒しての事であろう。もしスリケンなどで仕掛けていても、あの長棒が跳ね上がり容易く弾かれていた。 たったこれだけのやりとりでもわかる。この大男ヴライは、ただの力自慢などでは断じてない。もちろん、ニンジャソウルを手にした事で有頂天になってしまうような浅薄な輩とも違う。 己を厳しく律し、何時でもより強くならんと切磋琢磨し続けて来た者の持つ、重厚な土台が感じられる。 これを一言で言い表すならば、見事なカラテ、であろう。 ヴライの足は止まらない。後退したダークニンジャに向かって、三度目の振り下ろし。 『否っ!』 ダークニンジャは前二度と全く同じモーションのヴライに対し、脅威は上ではなく前と感じ、その直感を信じ動く。 果たしてヴライの振るった長棒は振り下ろす挙動から一瞬で切り替わり、奥深くへと伸びていく突きとなる。もし後ろに下がる事でかわそうとしていたならば、この突きに追いすがられ致命的な一打を許したであろう。 だがヴライが稀有な武人であると言うのなら、ダークニンジャもまた古今稀に見る優れたニンジャだ。 突きの気配を感じ取り、後退ではなく左方への跳躍に切り替えこれをかわす。 ヴライの突きの威力は周辺の大気をすら巻き込み伸び行くもので、渦を巻いた風がダークニンジャを引きずりこまんと吹き付けるが、ダークニンジャはニンジャ脚力で大地を踏みしめこれを堪える。 更に、この突きの風圧で動きを制したヴライは、三種目の攻撃、薙ぎを繰り出す。 これぞ必殺の一撃であろう。前方の空間全てを削ぎ取る回避不能の剛撃だ。 地上には物理的にこれを回避する空間が存在しない。何処に居ようと薙ぎの範囲内であり、この範囲から一足で飛べる距離を、ヴライが長棒を振るう速度を越えて稼ぐのはさしものダークニンジャにも叶うまい。 それでも、ダークニンジャは歴戦を潜り抜けてきた勇士。出来ぬをこなしてこその超一流であろう。 先程大地を深く踏みしめたのは、風圧を堪えるのみが目的ではなかった。 次撃を薙ぎと予想したダークニンジャは、深く沈みこむ事で跳躍に必要な脚力を溜め込んでいたのだ。 一瞬でヴライの頭上を取るダークニンジャ。そして、何たる妙技か。空中で一回転し、ヴライの頭部を蹴り飛ばしにかかる。 咄嗟に、長棒から片手を外し、頭上に掲げて手の平で受け止めにかかるヴライ。ダークニンジャのニンジャケリキックを、彼は片手で受けようというのか。 だがここでもまたダークニンジャは、カラテならぬカラテの極地を見出す。 無造作に頭上に掲げたヴライの手は、骨格が足先にまで連動し、手で受けたとて全身と大地をもって支える事が出来る構えとなっていたのだ。 自らの必殺攻撃の直後であるというのに、即座にこれほどのウケが出来るなど、さしものダークニンジャも驚きを隠せず。実際、ケリにかかった足は振りぬく事が出来ず、逆にヴライの手で弾かれる結果となる。 しかしこの結果はダークニンジャ故の事でもある。 並のニンジャであればそのままヴライに足を掴まれていたであろう。ヴライのウケの強さを見てとったダークニンジャは咄嗟に、ケリを振りぬくケリではなく弾くケリに切り替えたが故のこの結果なのである。 さしものヴライも、片腕のみではダークニンジャ着地までの間に長棒を振るう事は出来ず、両者にとってあまり本意ではない形で交錯は終わる。 表面的に見えた動きは、ブライが振り下ろし、振り下ろし、突き、薙ぐ。これをダークニンジャが下がり、下がり、横に飛び、上に飛んで反撃するも受けられる。のみである。 これのみでも実にアクロバティックで迫力のあるやりとりであったのだが、これらの動きにはそれぞれ常人では踏み込みえぬ深い鍛錬と技術が詰め込まれており、両者の実力の程が知れようものだ。 現時点ではいずれに有利が付くといった風でもない。 だが、ここでダークニンジャは動きを変化させて来た。 戦場を広い道路上から、建物の中へと切り替えてきたのだ。 確かに、長物は建物内では不利であろうし、ヴライの得物を封じる意図でそう行動するのは正しい選択であろう。 建物の中へと走るダークニンジャを、そうとわかっていて平然と追うヴライ。 背の高いビルの一階ロビー、ここに入り込んだダークニンジャであったが、一階ロビーは上二階まで吹きぬけた広い空間になっており、ヴライが長棒を振り回すに充分なスペースがあった。 ダークニンジャは仕方が無いとでも思ったか、ロビーにそそりたつ巨大な柱を背負って構える。ヴライはやはり気にした風もなく長棒を振り下ろす。 そう、ヴライが構わず建物内に入ったのは、中に鉄筋が入ってようと大理石で覆われていようと、叩き砕く自信があったからである。 斜めに振り下ろされたヴライの長棒は、柱を袈裟に叩き斬ってしまう。その抉られた柱の傷跡は、明らかに長棒の長さよりも深い。 少し計算が外れたか、と柱の後ろに回りこんだダークニンジャは、これに同じく袈裟に手刀を叩き込む。こちらもヴライに負けじと中の鉄筋ごと深々と柱を抉り取る。 上にだけでなく、ヴライのドウジマを振り回しても問題ないぐらいに横にも広いフロアであるという事は、つまり、支えとなる柱にその重みが集中しているという事で。 ただの一本が支えたらず崩れるだけで、フロア全体の天井が細かく揺れ始めたではないか。 フロアの構造を一瞬で把握し、最適の柱に目をつけこれをヴライの力すら用いて破壊する。 ただ強いだけのニンジャには絶対不可能な戦い方だ。当然仕掛けた方のダークニンジャは即座にビルの外へと脱出。轟音と共に崩れ落ちてきた天井に、ヴライは避難が間に合わない。 だが、とりたてて彼は慌てる様子もなく、手にした長棒を深く後ろにまで引き構え、コンクリートの塊がヴライの頭上に至った瞬間、弧を描き長棒がこれを粉砕する。 細かな瓦礫は流石に避けようが無かったが、問題になるような大きな塊は全てその一閃で砕いたヴライは、頭上や肩に乗った瓦礫を払いもせずのそりとビルから出る。 ビルの外では、両腕を組んだダークニンジャが道路に立っていた。まるでヴライが出てくるのを待ち構えて居たかのように。 しかしヴライは外に出てもダークニンジャから目を離し、頭上高く、自らが入っていた十数階のビルを見上げている。 ヴライの知る建築では、ここまでの大きな破壊があれば建物全体に影響を及ぼす事必至であったのだが、このビルは一層の底が抜けた程度ではビクともしないようだ。 それを確認し、戦闘の最中だというのに何処か感心したような顔になる。 完全に無視された形のダークニンジャであるが、そもそもこの男、激情とは最も縁遠い男。怒りを顕に襲い掛かるような真似はしない。 そんなダークニンジャをせせら笑うヴライ。わかりやすいぐらいわかりやすく隙を見せてやったというのに、お互い引っ込みがつかなくなるような必殺の間合いへは決して踏み込んで来ようとしないダークニンジャの腰抜けっぷりを笑ったのだ。 「つまらん男だな。殺し合いをする気は無いか?」 本来のダークニンジャならば、敵が何をほざこうと黙殺するのであるが、どうしたものか、ダークニンジャはヴライの言葉に返事を返してやる。 「……ニンジャでもない、かといって人間でもあるまい。お前は一体何者だ」 ヴライの眉根が怪訝そうに寄る。 「まるで自分は人間ではない、と言っているように聞こえるな」 「ふむ、それだけの暴威を持ちながらニンジャを知らぬか。貴様、ネオサイタマの者ではあるまい。ヤマトと言ったか、事によれば、日本の外の者か?」 ヴライにはまるでわからぬ単語ばかりだ。それにこの男の動きは、ヴライも見た事が無いと思える程独特のものであった。 この踏み込み過ぎぬ戦い方こそがこの男の戦いで、ヴライが致命的な隙を見せるのを待ち構えている、といったヴライが最初に抱いた予測は実際に隙があったにも関わらず踏み込まなかった事で外れであったとわかった。 だが同時に、この男は隙があっても攻めない、つまり今の時点ではヴライにリスクを負ってまで大きな損害を与えようと思っていない、とも考えられる。 即ち、この男の狙いは時間稼ぎ。 ならば付き合う事もあるまい、と踏み込みかけたヴライ。その足が止まる。 ダークニンジャはそちらの気配に注意を向けながら、心の中で呟いた。 『我が策、成れり』 「あー、もうっ。この魔法、気配も消してくれるのはいいんでありんすが、こっちに気付いてもらえないのは面倒この上無いっ。あー、そこの二人、今からわらわの質問に答えなんし。その後でそっちの覆面は顔を見せて見た目が良かったらもう少し生かしておいてやりんす。そっちの不細工は自殺でもしなんせ」 周囲の大気が歪んで見える程に明白な強者気配を相手に、この超が付く見下し台詞を平然と吐けるのはこの会場広しと言えど、ギルド、アインズ・ウール・ゴウンはナザリックの階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン以外におるまいて。 「うん、やっぱりあの音の所に行ったのか。さて、僕はどうしたものかな」 月山習は三者が遭遇する様を、少女、シャルティアの索敵範囲外、更にダークニンジャやヴライからも察知されぬ距離を取りながら観察していた。 漂う匂いは間違いなく戦いの匂い。あの三人がどんな会話を交わすかはわからないが、結果として戦闘は起こるだろう。 あの少女の能力を見ておきたい、出来れば実際に手合わせも、と考えていた習には願ってもない好機。しかも先程出会った忍者装束の男までヤる気でいるのだ。その上、足の遅そうな、逃げる時の囮に出来そうな者までいてくれる。 「んー、ここは僕もお邪魔するとしようか」 こきりこきりと手首を鳴らしながら、習もまた、かの人外戦場へと足を進めた。 【E-8/朝】 【シャルティア・ブラッドフォールン@オーバーロード】 [状態]:健康 [装備]: [道具]: [思考・行動] 基本方針:人を探す 1:人を見つけ、ここが何処か等の基本情報を入手する。 2:アインズ様にこの楽しい場所(トロピカルランド)を是非紹介したい。(←名簿を見ていないので、アインズが来ている事は知らないがっ) ※彼女の支給品他は、G-6付近に放置されたままです。また彼女は首輪爆破で自分は死なないと思ってますし、殺し合いのルールも何一つ把握しておりません。 ※シルバーカラスよりニンジャスレイヤーの世界に関する様々な事を聞き出しました。 ※どうやらシャルティアの吸血鬼の気配は、ニンジャや喰種といった鼻の利く連中には、かなりの遠距離からでも存在を感じ取られてしまう模様。 【ヴライ@うたわれるもの 偽りの仮面】 [状態]:健康 [装備]:クインケ『ドウジマ1/2』 [道具]:支給品一式、不明支給品0~1 [思考・行動] 基本方針: 1:全てを殺して優勝し、帰還する。 【ダークニンジャ@ニンジャスレイヤー】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:支給品一式、不明支給品0~1、鉄華団のマーク入りペナント、キルリアン感知機 [思考・行動] 基本方針:ベッピンを取り戻す。脱出、優勝、可能性の高い方を選ぶ。 1:ベッピンを探す。役立ちそうにない者は人目につかないよう抹殺する。 2:光覇明宗総本山、501基地を調査し、十二時間後にCGS本部でオルガと合流する。 3:ニンジャスレイヤーを殺す。十三時間後、指定した場所でイクサを行う。 4:三日月・オーガス、ビスケット・グリフォンの捜索・保護。 5:キルリアン感知機とやらに、明らかにニンジャでないものも反応していた。これはよもや…… [その他] ※参戦時期は第六話『コンスピーラシィ・アポン・ザ・ブロークン・ブレイド』以後。 【月山習@東京喰種トーキョーグール】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・行動] 基本方針:喰種同士で力を合わせて脱出する。 1:ヤモリに協力を持ちかける。 2:甚だ不本意ではあるがカネキ君には手を出さない。 ※この殺し合いは他所の喰種達が娯楽の為仕掛けたものだと考えており、無理矢理さらわれた者の他に狩人が居てこちらを殺しにくると予想しています。 時系列順で読む Back 納鳴村の見え方 Next 投下順で読む Back 納鳴村の見え方 Next 050 Darkninja Look before he leap シャルティア・ブラッドフォールン 000 ダークニンジャ 月山習 035 蟷螂の斧 ヴライ
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もうすこしポケモンでニンジャは出来る筈だ。サヴァイヴァードージョの面子だけでも ノトーリアス=サン(カイリキー)、フロッグマン=サン(カエルめいたポケモン)、 ハイドラ=サン(ワニめいたポケモン)、ディスターブド=サン(ベトベトン)、 セントール=サン(鹿めいたポケモン)と言った感覚でたくさんできるはずだ、 実際ネタが少ないな。もっとネタ集め重点な。 -- (名無しさん) 2013-07-09 16 17 14 キリキザン=サンはハガネ・DARK(あく)タイプかつ切断系の技で実際ダークニンジャ=サンっぽさが倍点な -- (名無しさん) 2013-11-08 11 27 32 ピンク色でコトダマ空間に侵入可能 そして狂っているポリゴンZこそザ・ヴーァティゴ=サンにふさわしい ふにゃふにゃしたドラゴンのヌメルゴンが出てきたら逃走重点な -- (名無しさん) 2014-01-04 19 26 47 アイエエエエ・・・タイプミスです、ザ・ヴァーティゴ=サンが正しい名前です 直ちにケジメします -- (名無しさん) 2014-01-04 19 29 08 「ドーモ!モータージバコ改善は賢く強い」 実際鋼タイプのポケモンは汎用性がありますよ!インダストリ! -- (名無しさん) 2014-01-13 17 01 21 フーリンカザンの体現者、ゲッコウガ=サンは実際強い。専用技のミズ・スリケンはもっと色々なポケモンに普及して欲しいな。 -- (名無しさん) 2014-02-17 18 44 24 ジャビー(プテラ)とオーブ(マンタイン) ガンドー=サン(ドンカラス) スカラムーシュ(ムクホーク) オフェンダー(エテボース) スーサイド(バッフロン) シルバーキー(クレッフィ) とか あとフジキドはナラク的な意味でミカルゲも合うのでは? -- (名無しさん) 2014-05-20 14 37 48 皆!我らがヤクザ天狗さんを忘れてるだろ⁉︎ ヤクザ天狗さんはダーテングで良いよ。 ぶっちゃけ天狗ってそれしか思いつかない -- (名無しさん) 2014-11-13 23 21 01 サザンドラ(ブラックドラゴン)、ヒヒダルマ(レッドゴリラ)、ウォーグル(アイボリーイーグル)、オクタン(パープルタコ) 四聖獣(ザイバツ・シテンノ)の完成だ。 -- (名無しさん) 2015-01-12 11 20 11
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登録日:2015/02/16 (月) 22 28 10 更新日:2024/04/28 Sun 14 25 10NEW! 所要時間:約 34 分で読めます ▽タグ一覧 ※主人公です インガオホー ダイ・ニンジャ デオチド ナラク・ニンジャ ニンジャ ニンジャを殺すもの ニンジャスレイヤー ニンジャ殺すべし。慈悲はない ヌンチャックおじさん ノー・カラテ、ノー・ニンジャ フジキド・ケンジ 主人公 復讐者 所要時間30分以上の項目 本当は優しい人 森川智之 毒舌家 父親 登場すると視聴者が絶望 赤黒 麦人 「ニンジャ殺すべし。慈悲はない」 ※この後めちゃくちゃスレイした ニンジャスレイヤーは、Twitterで絶賛翻訳/連載中の同名小説の主人公である。 CV:森川智之 目次 ◆人物◆ナラク・ニンジャ ◆出落ち職人フジキド◆ ◆容姿・服装◆ ◆戦闘能力◆◆装備◆ ◆ヒサツ・ワザ一覧◆ ◆ナラク化◆ ◆エイプリルフール◆ ◆関係者◆◆協力者◆ ◆敵◆◆鏡像達◆ ◆?◆ ◆人物◆ 本名「フジキド・ケンジ」。(物理書籍版PVによると、漢字表記は「藤木戸 健二」。ひょっとして次男?) ある年までは中流サラリマンとして、妻フユコ、長男トチノキと共にささやかだが何物にも代えがたい幸せの中にあったが、 その年の奇しくもクリスマスイヴ、彼の幸せは無残に砕け散る。 家族で訪れたマルノウチ・スゴイタカイビルが暗黒ニンジャ組織「ソウカイヤ」と「ザイバツ」の抗争の舞台となり、フジキド家も例外なくその惨事の犠牲となった。 眼前で妻子を殺され、自らもサンズ・リバーを渡る直前にあったフジキドだが、抗争で死した無辜の民の嘆きと苦痛に、 ビル地下に封じられていた謎のニンジャソウル「ナラク・ニンジャ」が共鳴し復活。 同地点に唯一生き残っていたモータル(定命の者。非ニンジャの事な)であるフジキドに憑依した全ニンジャ抹殺を目論むナラクと、 妻子を理不尽に奪い去った暗黒ニンジャ組織への復讐を誓う彼が同調する事で、対ニンジャ殺戮存在「ニンジャスレイヤー」として蘇ったのである。 絶賛生死&行方不明状態の自分が名を晒すのはあからさまに危険なので、普段は「イチロー・モリタ」の偽名で情報収集を行い、 見つけたニンジャの殺戮(スレイ)に勤しんでいる。 敵対組織所属ニンジャが事を起こせば探してスレイし、無関係なニンジャであってもやっぱり追い詰めてスレイする。 暗黒欲望にとらわれる事の多いニンジャ存在からすればあからさまに死神めいているが、実際死神な。 復活当初は久々のシャバにヒャッハー&ハッスルしたナラクに肉体の制御を奪われてニューロンに押し込められた上、 マルノウチ抗争の悪夢を延々見せられる事で憎悪を増幅・抽出され、ナラクがカラテモンスターと化して ニンジャであるなしを問わずその手にかけていくのをなす術なく見ているしかなかった。 が、そのニンジャ邪悪さを中国地方から(!?)感知したリアルニンジャ「ドラゴン・ゲンドーソー」との熾烈なイクサの果て、 ナラクはフジキドのニューロン内に封じられ、彼は自我と肉体の制御を取り戻す。 一度はゲンドーソーからイクサを離れるよう勧められたフジキドだが、自らの復讐のためにこれを退く。 ニンジャ全滅と妻子の復讐を胸に、彼は「ニンジャスレイヤー」として本格的に行動を開始したのだった。 以後の足取りとニンジャ抹殺譚は、決断的に本編を熟読しよう。 ニンジャ全滅を標榜してはいるが、悪堕ちした師匠の忘れ形見や敵組織と無関係かつ無害なニンジャを見逃す、 無差別に殺意を振りまきモータルまでも殺しまくるのにはさすがに躊躇するなど、ニンジャソウル憑依存在としては希少な感傷の残存者。 己の経験や数多のニンジャとのイクサを経て、やがて「人間性を失った暴虐ニンジャ」のみを殺忍対象とするようシフトしていく。 当然ではあるが、ナラクはこれに不服。ただし何だかんだで主導権はフジキドにあるためか、表立って文句を言うつもりはないらしい。 実際、自分が表立ってニンジャをスレイしまくった挙句、自らの忍殺の寄す処であるフジキドを殺されて封じられるよりは、 より長くスレイを楽しめるこちらの方がまだマシと思っているフシはある。 モータルであっても邪悪ニンジャに与するのであれば容赦はしないし、戦闘中にやむを得ずモータルを巻き込む事もあれば、 目的優先のために眼と手の届く範囲にない人命を切り捨てる事も。そして、それに苦悩もする。 彼自身は、そういう感傷に揺れ動く、ニンジャたちが惰弱と切り捨てる「人間性」こそが、自らをニンジャ邪悪さの侵食から踏みとどまらせてくれる 最後の拠り所と信じており、これを失う時こそ自らをスレイ=セプクする時だと考えている模様。 ちなみに殺忍活動の資金は、敵から奪ったもの(実際RPGな)や解約した各種保険・貯蓄など。 巨大ニンジャ組織を敵に回し、本気で全て殺す気でいる彼は度々「狂人」と言われる。 今やヘッズの間で「狂人」は「変な奴がいるぞ!」とほぼ同義語になっているとか…… ナラク・ニンジャ 理不尽が道理を殺すのだ!これぞインガオホー也! CV:麦人 フジキドに憑依した正体不明のニンジャソウル。 後に判明するが、ものごっつい厳重な封印を施されていた。 その封印に見合った残虐非道な性格で、ニンジャ全滅と対ニンジャ蹂躙、そしてニンジャ全滅を活動目的とする。実際ほとんどバーサーカー。 ニンジャを殺すためなら他の些事はどうでもいいようで、フジキドに協力するニンジャだろうとお構いなしに殺させようとする。 フジキドがニューロン内のナラクと「グググ……フジキドよ、○○するのだ」「黙れナラク!」と怒鳴り合うのはもはや様式美。 現在は奇妙な共生関係にある両者だが、何だかんだでナラクも肉体の主導権を虎視眈々と狙っており、ある面では和解しつつも油断ならぬイクサを精神下で繰り広げる、そこはかとなく宿敵めいた状態。 封じられる前から多くのニンジャと戦い、そして片っ端から殺しまくった経験から、データベースめいて極めて豊富なニンジャへの知識を有する。 古今東西のニンジャ・クランからユニーク・ジツ、果ては神話級ニンジャに至るまでナラク・ニンジャは膨大な知識を有しており、対ニンジャ戦における彼の助言は実際有用。 特に強力なジツを用いる敵に対して有効に働くため、フジキドはバトルもの最大の死亡フラグである「初見殺し」を回避できる。 しかし、時々肝心な事をド忘れしてたり、現状関係ないウンチクや自慢話を(多分ドヤ顔で)唐突に語り出す事も。 その上、敵の強さを憑依しているソウルの格でしか判断せず、本人のカラテの腕前を考慮しない場合もあり、助言がイマイチ役に立たない事も実際多い。 その結果、一部ヘッズからは 「まだらボケの入ったカワイイなおじいちゃん(ド忘れorボケモード。転じてたやん)」、 「ナラクペディア(ちゃんと助言してる時)」 などとマスコットめいた扱いを受けるハメに。どうしてこうなった。 最近は暴走を引き起こすようなこともなく、フジキドも制御出来ている期間が長いので割と危険性が忘れられがちではあるが、 フジキド以前に憑依された人物は大抵制御しきれず、全員が非業の最期を遂げてきているなど、本来はたいへん危険な存在であり、 少し扱いを間違えれば一瞬で人間性を失い、自身と周囲に破滅をまき散らす死の嵐と化すであろう。 他作品で強引に喩えれば零+獣の槍と考えればアニヲタ的にはイメージしやすいだろうか。 実際に神器に当たるような槍が埋め込まれているらしいし。 ◆出落ち職人フジキド◆ 基本的には(というかほぼ常時)シリアス&ハードボイルド重点な雰囲気を漂わせるフジキドだが、時折天然としか思えない行動に出る。 特に満を持して殺忍対象の前に現れる時に顕著で、例えば第1部だけでも ソウカイ・ニンジャ送迎車の運転手に扮し、芝居がかったセリフと共に無人ビルに体当たり、先んじて脱出 自身のイメージカラーである赤黒に塗装したセスナでジェット旅客機に並走、ニンジャロープで飛び移って窓からエントリー ソウカイヤが在野の女子高生ニンジャを追い詰めている現場のソバ屋台で、その脅し文句にあからさまに被せてズゾーッ!ズルズルーッ!とソバを啜る音を立て、それにキレたソウカイヤ側の怒声に対し、メンポをつけた上でドンブリ持って「おちおち食事もできんな、この街は」 暗黒殺戮遊戯場として再利用された、廃デパート地下の冷蔵庫の中から飛び出し、複数の冷蔵庫の上を無駄に飛び渡り、トドメに着地して5連続バク転 など。狙っているのかフジキド。あと止めろよナラク。 敵性ニンジャの心を折りに来る衝撃的なものから、あからさまに作風の違うコミカルギャグ時空めいたものまで幅広く取り揃えており、 ヘッズからは「エントリー職人」「デオチド」などと呼ばれる。 ニュービー・ヘッズがデオチドのエントリーに出落ちリアリティショックを発症させたり腹筋を爆発四散させたりするのは、もはや通過儀礼の一種と化している。なお重篤ヘッズでも普通に爆発四散する模様。 またそれらとは逆に、他のニンジャが重点されるエピソードにおいて、 ヘッズの心を響かせたニンジャをスレイする気満々のフジキドのエントリーに、Twitter上に彼らの悲鳴がこだまする事も……。 ◆容姿・服装◆ 鋭く虚無的で、ウキヨエ・カトゥーン的には「死んだ目」と形容されるような目をしている。 しかし精悍と描写されたり、ホストの勧誘を受けるなど、容貌はいい方であるらしい。また、背も高い様子。 サラリマン時代の習慣は抜けきっておらず、髪が伸びれば床屋に行き、ヒゲが目立てば鏡の前で丁寧に剃る。 実はマルノウチ抗争以前のプロフィールはほとんど不明(第1部でかつての上司、第3部で恩師がちらっと登場した程度)だが、 トチノキの享年(5歳)から察するに、年の頃は20代後半から30代前半程度の可能性が高い。 弁舌の達者さ(後述)から、営業職にあったのではという推測もされている。 また、第3部で登場したハイスクールの恩師曰く「実直で真面目だった」との事。 その実直さと生真面目さ故か、真顔で突拍子もない事を言ったり相手の冗談を真に受けたりと、天然キャラの気質も有する。 戦闘時には赤黒のニンジャ装束に身を包み、「忍」「殺」のカンジが決断的に刻まれたメンポを装着する。 メンポはナラクが表に出る時には禍々しくもおぞましい形状に変形し、硫黄混じりの蒸気を吐き出す。コワイ! 赤黒とは「ほとんど黒に近い赤」のことだそうだが、それだと見づらいためか、ヘッズのウキヨエでは普通に赤(鮮血色?)で塗られる事も。 平時には耐重金属酸性雨トレンチコート(バッファロー革のものと草色のものを使い分ける)に身を包み、ハンチング帽を目深に被る。 ザ・ヴァーティゴ=サンが受けたインタビュー曰く「ニンジャになる前はあの格好はしてなさそうだよな」との事。 確かに、妻帯者の外出着としてはハードボイルドに過ぎるか? なお、オーディオドラマ版での中の人は森川智之=サン。ヒサツ・ワザのシャウトでマイクをスレイした実績のある声量で、 フジキドの「ジゴクめいた声」を表現している。実際必聴な。 また、フジキドは公式から「しんのすけとみさえを殺されて復讐鬼となったひろし」に喩えられているが、 藤原啓治=サンの病気療養に伴う代役で、森川=サンが実際にひろしの声を担当する事態になった(のち、藤原=サンの逝去に伴い、正式なひろし役に)。 ゲーム『戦国大戦 1477~破府、六十六州の欠片へ~』とのコラボでは服部半蔵としてエントリー。ちゃんと「ドーモ。ハトリ=ハンゾーです」とアイサツしてくれる。 使用する武器は槍で、こちらも中の人は森川=サン。 スゴイタカイ・ヤグラの上で襲撃されたハトリ=マサナリに謎のニンジャソウルが憑依してハトリ=ハンゾーになったらしい。 ◆戦闘能力◆ 主人公なので当然強い。以上。 ……これだけではつまらないので、一応根幹的ネタバレにならない範囲で解説しよう。 飛び道具としてスリケンを用いる以外にこれといった遠距離攻撃手段を持たず、戦闘の基本はもっぱら素手での殴り合い。 ある程度強力なニンジャが持っているような特殊なジツ(RPG的な奥義や高位魔法めいた何か)も持たないため、それ以外に戦闘手段がないとも言える。 だが、そのカラテ(作中世界における戦闘技能全般の表現)のワザマエが最も恐ろしいのである。 ???「戦いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない」 もとよりイレギュラー、かつ作中でも随一のチカラを誇るナラクが憑依しているだけあり、その身体能力はそれだけで上位層。 さらにそのナラクをある意味で師とし、自らの命を賭してニンジャのイクサで鍛えに鍛え抜いたカラテ、ジュー・ジツ、 そして暗殺拳チャドーの高いワザマエが結びつき、単純な近接戦闘ランキングでは作中でも最上位クラス。少なくともトップ10入りはほぼ確実な。 戦術眼や状況判断力も極めつけに高く、そこらにあるものを駆使するなどして的確すぎる対処を取ってくる。 そこに前述のナラクペディアも加わるので、もはや正面からの戦闘では、相当な実力差がないと攻略不可能な域。 並の使い手では十重二十重に囲んで仕掛けても、ラッキーヒット的に手傷を負わせるのがやっとのありさまで(*1)、まともに殴り合おうと思えば、相当に疲弊or重傷を負わせるか、一握りの手練をぶつけるか、あるいは極めつけに強力なジツで抑え込むしかない。 作中の戦闘哲学に「ノー・カラテ、ノー・ニンジャ」というのがあるが、まさにそれを体現した存在である。 さらに、後述の「チャドー呼吸」により、深呼吸する余裕があれば体内にカラテを循環させ、体力と気力を回復できるため、継戦能力・戦線復帰能力もヤバイ級。継続的に戦闘を仕掛けて疲弊させないと殴り合いに持ち込めないのに、数分でも隙を与えると疲弊分を回復される。チャドー呼吸で多少の毒も解毒できるため、搦め手の類も事実上無効。……引っかかること自体はあるが。「グワーッ麻痺毒!」 一方で遠隔攻撃手段がスリケン以外になく、あるニンジャは「ニンジャスレイヤーは射撃戦に弱い」という見立てをされている。 一時期その弱点を突かれ実際苦戦させられたが、これはそのニンジャのスリケンが特殊な性質を帯びていたことが大きく、そもそも並の使い手相手なら悠々と射撃を掻い潜って殴りかかってくる時点で、そんなものは弱点たりえない。 というかスリケン狙撃特化ニンジャ相手に射撃戦で勝ってる時点で、射撃能力が低いとはお世辞にも言えません。スリケンを用いたヒサツ・ワザも割と多彩だし。 弱点らしい弱点がない、という意味ではもはや完成形。 と言ってもイクサの中で成長を重ねてもおり、憑依直後と現行連載の第3部ではワザマエには少なからず差はある。 さらにジツは無いが後述のナラク化が「ニンジャスレイヤーのユニーク・ジツ」と認識されており、事実上の「残機有り」という点もニンジャスレイヤー攻略を難しくしている。 おまけに口喧嘩のワザマエもヤバイ級であり、敵ニンジャとの舌戦では態度や長所を逆手に取って精神的にフルボッコにする。 サンシタともなれば、この口上のみで戦意喪失する事さえある。誰が呼んだか「バトウ・ジツ」「ドクゼツ・ジツ」。実際ほとんどジツの域。 なお、第3部に登場したあるニンジャ曰く「言葉の投げ合いもカラテ」なので、ニンジャのイクサには舌戦もありらしい。 前述のエントリーとあわせ「とにかく相手を怯えさせ、慄かせ、その誇りと実力とを完全に踏み躙ってへし折った末、完膚無きまでに叩きのめして殺害する」という復讐の一環な為、ノリノリだしキレッキレ。 例 「ザイバツ・シャドーギルドの久遠の歴史において、貴様らごときビョウキ鼠に白砂を踏ませたためしなど無し。卑しい知性のいじましき努力は褒めてやる」 「くだらん」ニンジャスレイヤーが言い捨てた。 「たかが古城。たかが砂。たかがニンジャの寄り合い所帯よ。ゴロツキ風情が笑わせるな!」 まとめるとクラシックニンジャスタイルでありながら、個々の完成度がヤバイ級の実際理想のニンジャである。 ◆装備◆ スリケン ニンジャの用いる飛び道具としてメジャーな方。自力精製も可能。 投擲速度は200km/hをゆうに超えるらしい。サンシタ相手ならこれだけで十分致命武器な。 ちなみに宿敵のダークケツベッピンダークニンジャ=サンはクナイ・ダート派。 ドウグ社製マキビシ 江戸時代以降、ニンジャの間でも使用が禁じられていた非人道兵器。 ある程度の数を発注・製造してもらっており、現地調達や自力精製はできない。 潜入時に見つかったりして離脱する際などに使う。 聖なるヌンチャク 存在そのものがネタバレなので、ここでは語らない。決断的に本編を読もう。 ヌンチャク 第3部中盤以降使い出した、何の変哲もないヌンチャク。何回か壊れているので、そのつど修復している模様。 彼の卓越したワザマエをもってすれば、銃弾の雨を弾き反らし、敵ニンジャの武器をも砕く恐るべき打撃武器と化す。 ニンジャ装束 前述の通りの赤黒衣装。デザインとしては極めてスタンダードで、頭巾もセット。 いかにナラクパワーで血から生成したとは言っても、これ自体に特殊な防御効果はない。ただの布です。 序盤に装束の自力生成ができなかった頃は、どこで材料を調達したのか、自作のものに着替えるシーンも。 死んだ目の長身精悍なイケメンが、チクチク縫い物してると思うと妙にシュールであるが、『ニンジャスレイヤー殺』では廃工場で独り、鬼気迫る執念の中、決断的にDIYする姿が描かれた。 ブレーサー&レガース 籠手と脚甲。装束同様、ソウル由来の生成品と自作したものの2種類が存在する。 ブレーサーは第2部中盤でドウグ社製の新型に新調された。 こちらは強靭な合金製で、鈎のような出っ張りに敵の武器を引っ掛け、絡めたりへし折る事もできる。 巻上げ機構付きフックロープ 腰のポーチから伸びる多目的フックロープ。様々な局面で幾度となくフジキドの命を救った功労者。 ロープはカーボンナノチューブ製で、細くとも極めて強靭、かつ高い絶縁性と防刃性を持つ。 当然のようにこれもドウグ社製。ドウグ社マジ人の手足な。 アイアンオトメ フジキドの足となる大型バイク。ヘルヒキャク社製の最新モデルで、敵をスレイして奪った。 高性能UNIXを搭載し、自動操縦や遠隔操作が可能な優れもの。 なお、彼の他の乗機(セスナ、スノーモービルなど)と違って赤黒カラーではない。 時系列が後になるにつれて排気量が増えているため、エンジンは暇さえあればチューンしてパワーアップさせている模様。 フジキドはバイクいじりが好きなのかもしれない。 第三部のとあるエピソードでフジキドの手元からは失われた。 ドウグ社製IRCボウガン 超小型無線IRC端末を仕込んだボルトを発射する、黒鉄色のクロスボウ。 ボルトを打ち込んだ対象に限定的ながらハッキングを仕掛けられるほか、発信機としての機能もある。 暗黒非合法システム ネオサイタマのIRCネットワーク上に「ニンジャ」という単語が流れるのを常時監視するものや、 マッポやヤクザネットワークからニンジャ案件などを傍受する、複数台のUNIXを結合したシステム。 どうやらヤクザ天狗=サンにインスパイアされてこしらえたものらしい。多分製作者はナンシー=サン。 ◆ヒサツ・ワザ一覧◆ ドラゴン・トビゲリ ドラゴン・ゲンドーソー直伝、ドラゴンニンジャ・クランに伝わる伝説の暗黒カラテ技。 力を溜め、狙いを定め、完璧に均整の取れた姿勢で、嵐の如く決断的に叩き込まれる飛び蹴り。 センセイとの連携攻撃でアースクエイクを仕留めたのもこの技。ドラゴン! ドラゴン・クロウ・ツメ これまたドラゴンニンジャ・クランの継承技。ショートステップからのチョップ突き。 フジキドほどの使い手が繰り出した場合、肉を裂き肋骨と脊椎を砕き、貫いた心臓を抉り出して握り潰す。 この技が炸裂する時には、実況TLに「ハートキャッチ!(物理)」のコールが飛ぶ。ところでドラゴン=センセイ、クロウとツメって同じ意味じゃ……。 アラバマオトシ 敵を上空で羽交い締めにし、諸共に落下しつつ脳天を母なる大地にシュートイン! 相手は死ぬが自分はエンシェント・ウケミで無傷。 高々度からの超高速落下やフーリンカザンの駆使で必殺的に威力倍点!要は飯綱落としである。 しかし、一定以上のワザマエの相手には耐えられたり振りほどかれたり。実際ペガサスローリングクラッシュな。 テキサス独立戦争の裏で暗躍したニンジャが編み出したとされる、恐るべきダークサイドヒストリーめいた技である。 サマーソルトキック 伝説の暗黒カラテ技にしてジュー・ジツの奥義。フジキドが繰り出すと、サンシタや凡骨程度の首ならば一撃で刈り取る。 なお、某待ちガイルのような体勢でカラテを溜めて放つ、エクストラバージョンもある。 エクストラバージョンの跳躍力と回転力は通常の3倍、さらに攻撃回数も2倍。実際威力はヤバい級な。 ジキ・ツキ 直突き。 主に右の拳を顔の横まで弓めいて引き絞ってから決断的速度で真っ直ぐ放つカラテ奥義。 彼の放つそれは神速とも言われるほどの威力で、使われれば大体の場合はトドメの一撃となる。 ヘッズのメンターへのカイシャクに使われたこともある。 ワザの前に溜めが必要なため、トドメ専用技と思われていたが、3部終盤にて……後述。 チャドー呼吸 ザゼンを組み、特殊な呼吸法でニンジャ回復力をブーストし、体力回復と肉体の補修を行う呼吸法。 解毒効果もある。 緊迫したイクサの中で「スゥーッ!ハァーッ!」という独特の呼吸音が響けば、ほぼ確定的な逆転勝利フラグとなる。 実際、フジキドがチャドー呼吸後にスレイし損ねたニンジャはほとんど存在しない。 仮に取り逃がしたとしてもだいたい別の人物の手によって死んでいるため、敵にとっては回避不可能な必滅フラグとも言える。 呼吸する余裕さえあれば行動消費無しで自動HP・MP・BS回復できるというチートめいた奥義であり、ニンジャスレイヤーが単独で多数組織を相手取って次々に連戦できるのはチャドーあってこそ。 チャドー、フーリンカザン、そしてチャドー……。 エンシェント・ウケミ チャドーの秘奥たるグレーター・ウケミ(火達磨になろうがその炎そのものをも受け流せるチート技)よりもさらに古い、全ての受け身の源流。 アラバマオトシを使う際、これができないと自分が受けるダメージを逃せないため、諸共に死ぬ。 恐ろしい事に、衝撃を逃がせる高度に理論的限界は存在しないらしい。ニンジャの受け身パねぇな。 タツマキケン ドラゴン=センセイの授けた最後のインストラクションによってナラクを制御した際、作中で最初に繰り出したチャドーの奥義。 大きく屈み込んだ後に斜めに跳躍、横倒しで高速回転しながら連続回転蹴りを浴びせる血も涙もない暗殺技。 アラシノケン 高速回転しながら敵の軸足を蹴り払い、脇腹へ拳撃を入れつつ跳躍、跳躍と同時に肩へ肘、さらに跳びつつ側頭部に回し蹴り…… これら四撃を一瞬のうちに叩き込む、禍々しくも強力なチャドー必殺奥義。 四撃合一の完全発動時には、ほぼ同時に打ち込まれたカラテ衝撃が増幅・共鳴しあい、 奇妙な一発の破裂音のみを残して敵の肉体を内部からミンチにしてしまう。 「パ ァ ン」 サツキ ニンジャスレイヤーが古代ローマカラテ最強の戦士スパルタカスとの対決の最中に見たソーマト・リコール(走馬灯)現象……めいた体験の中で得た技。 前方に突き出して手の平を外へ向ける様に捻った左腕に、研ぎ澄ませたカラテをコンマゼロゼロ数秒間だけ集束、その瞬間のみ敵の攻撃を弾き逸らして無力化する事を可能にするチャドーの防御。 これは作中で度々使い手が登場する、全身の硬化による絶対防御ムテキ・アティチュードの一種である。実際ブロッキングめいている。連続で使用することも可能。 ただしこれだけでは不完全であり、サツキで敵の技を受けた後、対となる存在であるジキ・ツキをカウンターとして繰り出す事でチャドー奥義「サツキ・ジキツキ」として完成されるのだ。 ニンジャスレイヤーはローカルコトダマ空間(忍殺における心象世界の様なもの)らしき場所でこの技を得たのだが その場所はフジキドや、ましてやナラクのものでもなく(オヒガンからワザを得ること自体は ドラゴンニンジャクランの伝統ではあるらしいが)、サツキ自体も何者かに「奪われ」、その場所に「隠されていた」など 謎の多い技である。今後謎が解明されるかは不明であるが……今はただ、備えよう。 ツヨイ・スリケン 何かもう名前そのまんまな気がするが、腰を落とし、上体に縄のように筋肉が浮き上がるほどの力を込めたスリケン全力投擲。 たかがスリケンと侮るなかれ、戦闘ヘリ程度ならば一撃で叩き落としてしまう。 両手をクロスさせて同時投擲する「ダブル・ツヨイ・スリケン」、指の股に挟んで両手から放つ「ツヨイ・スリケン8枚同時投擲」という派生技も。 さすがに8枚同時投擲時の単発威力は、通常に比べれば劣るらしい。そりゃそうだ。 前述の戦国大戦とのコラボでは「強手裏剣」と書いてツヨイ・スリケンと読み、計略(各武将のヒサツ・ワザ)としてこの技を使う。 効果時間中にカードをタッチする事により、戦場に巨大なスリケンを発射する。 このスリケンは連射が効き、連射中は森川=サンの「イヤーッ!」という叫び声が延々戦場に響いて実際うるさい。 この計略単体ではまるで戦果を挙げられないが、トクガワ・シンジケートの三葵システムを活用する事により威力が飛躍的に上昇する。 ちなみに蒼葵点灯中は後述の不浄の炎を纏い、カラテの威力も上昇する。 ヘルタツマキ 高速回転しながら全周囲にスリケンを無差別投擲する。ここだけスゴイモーター大戦な。 フジキド自身の成長から、回転中にニンジャ動体視力でちゃんと狙って投げる事で味方への誤射の危険性を解消。 やろうとしてる事はわかるが、努力の方向性ェ…… 関連して初期エピソードの『サプライズド・ドージョー』ではtwitter版のみ、 片腕をヘリコプターの羽根のようにまっすぐ伸ばし、回転の力で空中静止したままヒュージシュリケンに永遠にスリケンを投げ続けていたが、 この時点でフジキドは高速回転中には無差別投擲しかできないことと矛盾するためか、物理書籍ではカットされた。 チョップ あらゆるカラテの根幹となる基本動作。発生最速だが低威力の、いわゆる弱Pな。 自らの殺忍衝動の昂ぶりを抑える為、フジキドはフートンの中でチョップしたり、地面にむけてチョップしたり、チョップし、チョップしたりする。 フジキドが最も得意とする技であり、第二部において、あらゆる技をコピーしてしまう強敵サラマンダーをこの技の連打で打ち破った。 ◆ナラク化◆ ナラクの力を開放したニンジャスレイヤーの全力戦闘モード……というよりほとんどリミッター解除。 カラテのさらなる強化や筋力・瞬発力などのブーストアップといったフィジカル的な強化(残像をまとった高速機動すら可能)のみならず、 血やソウルを媒介とする赤黒い「不浄の炎」を引き出し、攻守に応用する。 この不浄の炎は、敵を焼き尽くすのみならず、傷を焼き潰す事で断ち切られた腕を繋ぎ直した事も。 劇中ではカトン・ジツに分類されており、ヘッズ間では同名ジツ最強クラスと推測されている。 ある意味では、このナラク化とそれに伴うブーストアップこそがフジキドのユニーク・ジツと言えなくもない。 第3部における敵対暗黒ニンジャ組織アマクダリは、このフジキドのカジバ・フォースめいたチカラを 「Ninjaslayer Abnormal Reaction Against Karate Urgency (N.A.R.A.K.U.)」と名づけ、非常に警戒している。 訳すと「カラテ的窮地におけるニンジャスレイヤーの異常反応」となる。結構言い得て妙だね。 なお、奇しくも略号が「ナラク」となっている点も見逃せない。 実はナラク化には複数のバージョンがあるのだが、説明すると非常に長いので本家wikiを参照されたい。 とりあえず「発動したらヤバイ級にパワーアップ」「実際勝率もうなぎのぼり」「でも確実に勝てるとは限らない」って覚えておけばいいよ。 まあ敵にとってはニンジャスレイヤーを倒したと思ったらなんかパワーアップして体力全回復して襲いかかって来るとかいう、ラスボスの二段変身めいた状況である。 ◆エイプリルフール◆ ほんやくチームによるエイプリルフール企画でももちろん主役。ただしキャラクターは別人もいいところ。 ◆2013年『ニンジャ戦士特に宇宙』◆ 伝説的宇宙戦士フジキド・アルベルトの息子、神秘的なジュー・ウェアをまとった少年フジキド・ケンジ14歳。 星間談合組織ソウカイ・シンジケートのニンジャに家族を皆殺しにされ、復讐を誓う。 が、マスター・ゲンドーソーをダークニンジャに殺され、不時着した惑星で引き抜いた赤黒の刃を持つ伝説の剣ニンジャスレイヤーでソウカイ・シンジケートと戦う。 ◆2014年『忍者スレイヤー』◆ 偶然、赤黒の巻物モジュールを手に入れた高校生で部員一人の応援部部長、バンカラな学ラン姿の藤木戸ケンジ。 風魔オーパーツを研究して作られた変身装置、巻物モジュールで忍者スレイヤーとなって幼馴染の瀬戸内小梅を忍者魔人から守った。 主人公の風体や変身アイテムがあからさまにオメーンライダーなのだ! なおこれらの赤黒アイテムは、明らかに原作準拠のナラクが中にいる。 ◆2016年『忍偵ヌンチャック』◆ 原文ではシンプル化されているものの本編そのまま…のはずなのだが、かの宇宙忍者ゴームズ並の昭和的超訳によりとんでもないことに。 「In the cyberpunk city Neo-Saitame, Fujikido lost his family in the ninja war and suddenly got the mighty ninja soul!」 ↓ 「ポジトロンマキモノに触れて強力な忍者パワーを身につけたフジキドことヌンチャックは、武田信玄の力、徳川家康の辛抱強さ、羽柴秀吉の策略、上杉謙信の奥ゆかしさ、織田信長のイノベーティブ性で、今日も闇組織ヤックザーの暗躍から市民を守るのだ!」 ◆2017年『ラスト・ボーイ・スタンディング2017』◆ 女体化。 フジキド探偵事務所の女社長、 フジキド・ユミ 。 事務所アルバイトの マスラダ・サキ ことニンジャスレイヤーの窮地を度々救う謎の戦士 サツバツナイト との関係は? ◆関係者◆ ◆協力者◆ ナンシー・リー フジキドのパートナーとして電脳支援を行うヤバイ級ハッカーにしてジャーナリストの美女。そのバストは豊満であった。 当初はニンジャに関わっては窮地に陥りフジキドに助け出されるだけの存在であったが、たび重なるニンジャとのイクサのなかで急速に研ぎ澄まされ、ニンジャスレイヤーの「守護天使」となる。 ドラゴン・ゲンドーソー 平安時代より続くドラゴン・ニンジャクランのアーチニンジャ。 ニンジャソウルに憑依されるのではなく、修行によってニンジャの力に開眼した希少な「リアルニンジャ」であり、日本最後のリアルニンジャ。 ナラクに呑まれて暴走していたフジキドを止め、師匠としてインストラクションを授ける。 指導できた期間は非常に短かったが、彼の教えは窮地において幾度もフジキドを救うことになる。 ドラゴン・ユカノ 師匠ドラゴン・ゲンドーソーより託された孫娘。ヒロイン格。そのバストは豊満であった。 第一部序盤で行方不明、記憶喪失となり、ヘッズからもそのヒロイン性を疑われながら第二部後半でフジキドと対面するまで長らくの空白期間があったか、その出生には恐るべきニンジャ真実が秘められていた。 ヤモト・コキ 飛び降り自殺に巻き込まれたことで死にかけ、ニンジャになってしまった女子高生。 ニンジャソウルに呑まれず以前の人間性を保っている希少なニンジャ。 ソウカイヤの力づくのスカウトから逃げ回るうちにフジキドに助けられた。 それからも何度か顔を合わせているが、総じてあまり深い関わりは持っていなかったりする。 彼女に取り憑いたニンジャソウルは、ナラクと何らかの因縁があるらしく、 フジキドは彼女と対面するたびに、ナラクに殺せ殺せと囁かれる。 デッドムーン 武装霊柩車「ネズミハヤイDIII」でネオサイタマを走る、死体専門の運び屋。 当初はソウカイヤの罠により交戦するも、和解。 その後はドライビングテクニックを生かし度々フジキド達をサポートする。 タカギ・ガンドー キョートにおけるフジキドの協力者、ズバリ(ドラッグ)中毒の壮年私立探偵。 深刻になりがちなフジキドに「シリアスになりすぎる事の危険」を教えるなど、良き相棒となる。 ピストルカラテの有段者とはいえモータルであり、陽気で危なっかしい振る舞いから当初は面白黒人めいた立場かと思われていたが……。 シルバーキー キョートにおいてフジキドの協力者となったジツ特化型のニンジャ。 ニンジャとなっていながら気弱な小市民的性格で、当初はニンジャとして振る舞う事さえしていなかったが、彼の強力なユニーク・ジツを狙ったザイバツに襲撃されて以降、フジキドと行動を共にする。 当初はそれだけの間柄だったが、戦いの中でフジキドと友情を築き上げ、またそのジツから重大な役割も担っていくこととなる。 本名は「カタオキ」。鍼灸師としてキョートで生計を立てていた折、いつの間にかニンジャソウルに憑依されてニンジャとなった。 自身がニンジャになったことに気づかず、「なんか変な能力が身についた」程度にしか認識していなかったが、 ユニーク・ジツを診療に利用していたことでその存在をザイバツに嗅ぎつけられた。 ヤクザ天狗 ニンジャスレイヤー誕生以前よりソウカイヤと戦い続けてきた孤独なるニンジャハンター。 完成された戦術と執念により、モータルでありながら二十人以上のニンジャをハントしてきた、作中通してもあり得ないほどの強者。だがその勝利は常に紙一重であった。 その在り方には、フジキドも若干のリスペクトを抱く。 ザクロ ニンジャネームは「ネザークイーン」だが、他者からも地の文からも本名でしか呼ばれない。 マイノリティが集う繁華街ニチョームでBAR絵馴染(エナジー)を経営する、自警団ニンジャ。 心やさしく気風があって面倒見の良い姉御肌の人物で、皆から慕われている。 ある戦いにおいてフジキドに救われて以来、彼を一途に慕っている。 ……あ、一応付け加えておくと、男性である。 ◆敵◆ ダークニンジャ マルノウチ抗争においてフジキドの妻子を殺した仇敵。 妖刀ベッピンを操るストイックなカラテ戦士であり、ラオモトの懐刀、ザイバツの懲罰騎士と、立場を変えながらも自らの目的の為に暗躍、フジキドと激闘を繰り広げる。 彼もまたニンジャによって背負わされた過酷な運命に抗い続ける、もう一人の主人公である。 人気投票36位=サンだったのも今は昔の話だ。 ラオモト・カン ネオサイタマを裏で牛耳るニンジャ組織ソウカイ・シンジケートの首魁。カネをこよなく愛す最強レベルのニンジャ。 フジキドが妻子を失いニンジャスレイヤーとなった大元の原因であり、なんとしても殺さなくてはならない怨敵。第1部はフジキドが彼の元に辿り殺すため、配下のニンジャをスレイして回る物語である。 ◆鏡像達◆ フォレスト・サワタリ 元ヨロシサン研究員でバイオニンジャを連れ出しサヴァイヴァー・ドージョーを旗揚げする。 グエン・ニンジャに憑依され、度々脳内がベトナム戦争になる。見た目も戦闘スタイルもゲリラだが米軍側に成り切ることが多い フジキドはその狂気をナラクに乗っ取られた自分と重ねている節がある。 奇しくもフジキドが後述の「ニンジャを消去する有資格者」をスレイしサツバツナイトとなったのと時を同じくしてヨロシサンへの復讐よりドージョーのサヴァイヴを選ぶ ランペイジ 元ソバシェフ。暗黒メガコーポの進出によって全てを失い、破壊活動を行って逮捕され、獄中で憑依された。 アカラ・ニンジャの剛腕が武器。後に腕を失い、デモンストレーション用の巨大サイバネ腕を装着した。 フジキド刑務所に潜入した際に知り合い、復讐者という身の上から彼にはバトウなどがあまり見られない。 ニンジャスレイヤー(セイジ) 第一部の頃にニンジャの襲撃からニンジャスレイヤーに助けられた若者。 ニンジャスレイヤーに縋る余り第三部でニンジャスレイヤー行方不明に絶望して憑依され自らニンジャスレイヤーにならんとするが、 ニンジャのみならず目撃者も殺し挙句テロ行為に走りフジキドと戦う際のアイサツでニンジャキラーとなる。 スカラムーシュ モータルの妻の尻に敷かれる実際珍しいフリーランスの傭兵ニンジャ。 請け負ったビズの裏(実はサイバーツジギリとして利用されていた)を詮索してアマクダリに妻と友を殺される。 自らも殺される寸前、アマクダリを追っていたニンジャスレイヤーと遭遇し利害の一致と、うわごとで妻の名を呼んでいたことが彼のセンチメントに触れたか彼と共闘して重傷を負いながらも黒幕にたどり着き仇を討つ。 負ったダメージの重篤さと復讐を果たして虚脱状態になっていたことから安否が心配されたが……。 アルビオン ソウカイニンジャだった兄・スキールニルをニンジャスレイヤーにスレイされ、それからニンジャスレイヤーに執着するアマクダリ・セクトに属するニンジャ。 隠遁生活を送っていた元ソウカイニンジャのナンバーテンに師事し、触れた箇所を粒子めいて分解する武器を生み出すコク・トン・ジツを会得する。 特訓中のニンジャスレイヤーの居場所を突き止め、過去の清算のために挑む。 最低な兄との数少ない思い出、滞在した旅館のオイラン・ヌノメとのやり取りから来る虚無的なアトモスフィアは、時折フジキドが醸し出す感傷と同じものがあった。 アガメムノン アマクダリ最高幹部。実質的にはアマクダリのボス。ケオスを嫌う鷲の一族最後の生き残りでディストピアめいた秩序を信奉し、ニンジャ組織でありながらニンジャの力が不要なシステムを構築するが…… その真の目的は現世とオヒガンの接続を絶ってニンジャという現象そのものを消去すること。フジキドの忍殺を不完全と断じ、自分こそニンジャ殲滅を完遂するものと称する。 原動力はオヒガンのケオスによって人類が辛酸を舐めてきた復讐、ニンジャの消去は同時にディストピア秩序を盤石とすることでもある。 ◆?◆ サツバツナイト ニンジャスレイヤーを誘き出す目的でアマクダリに襲撃されたニチョームへ突如助っ人としてエントリーし、アマクダリ司令部を混乱の渦に陥れた、ニンジャスレイヤーとの関連が疑われる、「殺」「伐」と刻まれたメンポを着用した謎のニンジャ。一体何者なんだ……。 言わずもがな、ある事情でニンジャスレイヤーとして動けないフジキドの変装(?)した姿である。 ちなみに名前は某探偵が戯れに考えたものらしい。 ラッキー・ジェイク 賞金首のガイジン。 元ソウカイヤ傘下で3部ではアマクダリ傘下のヤクザが彼に爆弾を取り付けたところ、監視映像には爆弾を背負ったニンジャスレイヤーが映るという怪現象が起きた。取り付けた担当者は「ジェイクがニンジャスレイヤー」と主張しているが……事の真相は単独項目を参照。 以下のリージョンはニンジャスレイヤー第3部最終局面以降のネタバレになります。 未読の諸兄は注意な。 + 「奪わせはしない」フジキド・ケンジは言った。 奪わせはせぬ。二度とは! 第3部最大の強敵との宇宙空間におけるイクサを制したフジキドは生身で大気圏に突入し、ネオサイタマに帰還。 間髪入れず、最大の宿敵ダークニンジャとの決戦に赴く。 カラテとカタナの応酬の果て、ダークニンジャの奥義「ヤミ・ウチ」によってナラクのソウルを奪われてしまい、『ニンジャスレイヤー』は敗北。ニンジャソウルを失ってしまう。 炎が消え、黒く冷えていく装束。「忍」「殺」の文字が崩れ、ひび割れていく鉄のメンポ。 ベッピンに貫かれ、ソウルを失えば爆発四散もせず屍となるのみ。 ダークニンジャはナラクのソウルを手にしてその場を去らんとした。 誰がニンジャスレイヤーを殺したと?(フー・キルド・ニンジャスレイヤー?) だが、フジキドは死んでいなかった。 これまで彼が築き上げてきたカラテ、メンターとなったドラゴン・ニンジャが与えたメンキョ、ハナミの桜が如く舞うオリガミ、そして友が与えたニンジャとしての名。 かつて古の時代、ニンジャを目指す修行者達は師からメンキョを与えられ、桜舞うハナミ儀式でニンジャネームを得て、リアルニンジャとなったという。 そう、条件は全て揃ったのだ。 ニンジャスレイヤーは斃れぬ(ニンジャスレイヤー ネヴァーダイズ) 立ち上がるフジキド。カイシャクに入らんとするダークニンジャの目の前で、砕け散ったはずのメンポには「殺」「伐」の文字が刻まれ、装束は漆黒に変わってゆく。 その縁にはニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨンではドラゴン・ドージョー(もしくはリアルニンジャ)の象徴である赤橙のハイライト。 ダークニンジャの妖刀、かつて妻子を殺めた「ベッピン」を素手で砕いたフジキド――正体を隠していた際に名乗っていた「サツバツナイト」を新たなニンジャネームとしたリアルニンジャは自身のカラテでダークニンジャを圧倒。彼を退かせるのだった。 フジキドの妻子も含むモータルのニンジャへの無念の声-ナラク・ニンジャ-は、嘗て封印されていた地下深くの銀のオベリスクへ戻っていった。 「サツバツナイトとなったフジキドはニンジャスレイヤーの頃よりも強くなっているのでしょうか?それとも多少弱体化しているのでしょうか?」 B「当然ながら、ナラク・ニンジャの力を失っているので、純粋なニンジャの力としては弱まっている。アガメムノンとともに月で戦ったときの彼は、まさに半神と呼ぶにふさわしい存在だったが、それに比べれば遥かに弱体化しているといえるだろう。ナラクによる敵ソウルの正体看破ももう行えないのだ」 と、第3部クライマックスほどの力は持たない様子。 とはいえ彼の強さの要であるカラテ技量や無数のニンジャを殺してきた戦闘経験がそのまま残っていると思われ、前述の通りダークニンジャに勝利した実績もある以上、弱体化の程は不明である。 前述の通り赤橙に光っており、シヨンでドラゴン・ドージョーを表すハイライトと同じものと思われていたが、4部では既にドラゴン・ドージョーの内弟子ではなく、 対峙したリアルニンジャから「見たところドラゴン・ニンジャからカイデンされたわけでもなさそうだ」と思われているためドラゴン・ドージョーの特徴というわけではないらしい。 + 「ニンジャスレイヤー」のその後 (何故おれが…)ナラクは答えない。(何故おれを死なせなかった、ナラク!) ナラク・ニンジャのソウルはダークニンジャの元を離れたが、再度フジキドに憑依することはなく、その後サバイバーズギルトに苦しむオリガミ職人の青年「マスラダ・カイ」に宿り新たな「ニンジャスレイヤー」となっている。 外見的な違いとしてはニンジャ装束の頭巾部分が無く、「目つきが悪い」ことが度々描写されている。 第4部「エイジ・オブ・マッポーカリプス」はこの新たなニンジャスレイヤーと、サツバツナイトことフジキド・ケンジの二人を主人公とすることが明かされている。 「4部ナラクにはフジキドとすごしたころの記憶やカラテが残っているのでしょうか?」 B「残っている。過去のすべてのニンジャスレイヤーの経験の総体だ」とのこと。 その証拠として、ソウル由来の装束生成の際にかつてフジキドが使っていたフックロープやブレーサーを思わせる装備を生成している。 ただしカラテは憑依者の違いもあり、どちらかと言えば単発の大きな一撃を狙うスタイルに変わっているなど結構ガラッと変わっている。 メンターもいない全くの素人であるため、チャドー呼吸も使用できない。 それでも初期のフジキド同様、ニンジャとして並以上のカラテは有している。 むしろゲンドーソーにナラクを封じられた上でインストラクションを与えられたフジキドの方が例外で、こちらが本来の「ニンジャスレイヤー」のスタイルなのだが。 またマスラダ自身の特質として「大体わかった」の台詞に代表されるよう飲み込みが早く、敵のカラテやナラクからもたらされる断片的なカラテ記憶を元にすぐに対抗策を編み出すことが可能というフジキドとはまた別の逆転手段を有している。 他にも機器なしで無線LAN通信が出来たり、コトダマ空間に介入したりとオヒガンとの接触が強い節がある。 邪悪なニンジャにジツを与えて回っている「サツガイ」なる人物によって、家族同然に育った幼馴染のアユミ=サンともども命を落としたが、ナラクの憑依で蘇り、ニンジャスレイヤーとなった。 全ニンジャを殺す……というつもりはなく、サツガイの配下を狙うことで彼の元へ辿り着き復讐せんとしているが、フジキドの時のように悪夢の場面を見せつけても、フジキドとは違い憎悪より後悔が蘇る性格のためナラクも苦慮している様子。 基本的に「仇」と認識しているのはサツガイのみで、邪悪なニンジャへの殺意を抱かない限り、体を乗っ取られる兆候はない。 + マスラダがニンジャ全般への殺意を抱かない理由 ネタバレ注意 実はマスラダがサツガイのスリケンに斃れたとき、アユミはサツガイのスリケンを防いでいた。つまりアユミ自身がニンジャだったのである。 事情は不明であるが、生前にマスラダのオリガミを称えるシーンがあり、ニンジャといえど一流の職人や芸術家のワザマエに敵わないということが3部までにも度々あったこととの連想から既にこの時点でニンジャとなっていたとの説もある。 逆に苦痛を与えることにはあまりこだわらないためバトウには消極的で敵の恨み言を「どうでもいい」と切って捨てるのが基本。 サツガイの配下というかファンクラブ会員の取引先がドラゴン・ドージョーを襲撃した神話級リアルニンジャの配下だったことで ニンジャスレイヤーとサツバツナイトは遭遇を果たしたが、互いの敵へ直進したため僅かな時間にとどまった。 サツバツナイトのカラテを見たマスラダはチャドー呼吸を模した「スゥーッ……フゥーッ!」という憎悪の炎を増幅する呼吸法を会得した。 ナラクはマスラダにサツバツナイトを「厄介なリアルニンジャ」「かつてのニンジャスレイヤー」と告げ、サツガイとは無関係であることを念押しし、ドージョーに帰ったフジキドは知己に連絡を取り…… 第四部の予告編では、燃え落ちるテンプルで満身創痍のニンジャスレイヤーとサツバツナイトが対峙し、カラテを構えてアイサツを交わす姿が描写されていたが、本編では基本的にはドラゴン・ドージョーを巡る外伝作品の主人公めいたポジションでマスラダのイクサに干渉することなく各地のリアルニンジャ達と戦いを繰り広げ、時に友好を結んでいたが、 主犯格のケイトー・ニンジャがナラクの持つ内なるギンカクを狙っていることを知り、シーズン2にてアラスカのシトカを本拠地とするロシア系ヤクザクラン「過冬」と戦うマスラダに接触、共闘を果たす。 余談ながら、リアルニンジャ化の際の地の文により「サツバツナイト」のネーミングセンスはフジキドのものではないことが判明したが、マスラダの口調がナラクが憑依しても割と普通であることから、今度は「オヌシ」とか「ニンジャ殺すべし」とか「せぬ!」とかの口調がフジキド自身のものなのではないかという疑いを持たれることになった。 さらに余談ながら、サツガイの出現の規則性を見抜き複数回接触した結果、 「攻撃を反射する変種ムテキ・アティチュード」「チャドー呼吸」「コトダマ視界による正体看破」 というフジキドを思わせるワザセットを得たニンジャが序盤のボスとして登場している。 ドーモ、wiki籠り=サン。ニンジャスレイヤーです。追記・修正すべし、慈悲はない……イヤーッ! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 例えると、しんのすけとみさえを殺されて復讐鬼となった野原ひろし。カッコいい -- 名無しさん (2015-02-16 22 40 56) ヒサツ・ワザにタツマキケンが無い‼︎ これはミラーシェード=サンのケジメ案件では? -- 名無しさん (2015-02-16 22 43 10) 人間関係も欲しいね -- 名無しさん (2015-02-16 22 47 24) ナルト「殺されるってばよ・・・」 -- 名無しさん (2015-02-16 22 53 45) コトダマ空間認識能力もあるから、ハッカーニンジャにも対応できる!スゴイ! -- 名無しさん (2015-02-17 10 44 35) ニュービーヘッズへのネタバレ配慮も為された、実際奥ゆかしい項目ですよこれは! -- 名無しさん (2015-02-18 06 35 47) タツマキケンについて簡易ながらもコメント者による決断的追記により項目作成者のケジメは免れる。ごあんしんください。 -- 名無しさん (2015-02-18 23 59 56) ↑4何の因果か父親と同じ声wやっぱ森川さんスゲーわ -- 名無しさん (2015-02-19 00 07 21) ↑つまりナルトとクシナがマダラ(トビ)襲撃時死んでたらこうなっていた可能性が実際ある -- 名無しさん (2015-02-19 01 28 41) 凄い項目だな。忍殺語とココらしいフランクな語り口が合わさって独特のアトモスフィアをかもしだしてるわ~ -- 名無しさん (2015-02-19 20 31 07) ミナト「暁殺すべし。慈悲はない」 -- 名無しさん (2015-02-19 20 37 23) >あと止めろよナラク。 いやこの人ニンジャ殺すのに役立つなら嬉々としてやりそうだし… -- 名無しさん (2015-02-19 20 45 34) フジキドのキャラって物腰とかバトウ・ジツの内容を踏まえると『OFF』のプレイヤーキャラのバッターと結構似ている気がする。(ただ一方でバッターのそれはヤクザ天狗とかポケモンORASのヒガナ寄りの狂気のような気もする) -- 名無しさん (2015-02-21 00 25 02) フックロープは活躍してるのにブレーサーはあっさり破壊されすぎな気がする。同じドウグ社製なのに。 -- 名無しさん (2015-03-01 15 22 02) ↑「ブレーサーが破壊される=ヤバイ級のカラテないしジツの使い手」っていう指標だからなぁ……そういう意味では仕事してるんじゃない? -- 名無しさん (2015-03-04 06 30 26) 「相手のプライドを叩き潰した上でスレイする」という目的があるため、バトウ・ジツもスレイの一環なのである -- 名無しさん (2015-04-20 23 24 51) ライル=サンとベリアルみたいな関係だな -- 名無しさん (2015-04-22 12 53 50) 後、カラーターゲットにフルメタルデーモンのミナト=サンと似ているオーラがする -- 名無しさん (2015-04-22 13 04 22) 射撃戦に弱いって言ったニンジャがネタにされているけど、そのニンジャは実際射撃戦で有利に立っていたんだし間違ってはいないだろう -- 名無しさん (2015-08-10 14 48 36) ダークニンジャ=サンに「・」はつかない、これは編集者=サンのケジメ案件では -- 名無しさん (2015-08-17 20 37 46) 編集カラテ!「・」無残!(ナカグローッ -- 名無しさん (2015-08-31 04 43 20) アニメ版だと最終回で原作の表紙絵になるというインガめいた姿に。 -- 名無しさん (2015-10-09 17 52 48) 見直してみたら、最初に書籍版のデザインを素体に各パーツが装着されてるのが描写されてたんだな -- 名無しさん (2015-10-20 21 23 51) ↑4 まあまあ、コウボウエラーズは誰にでも有るじゃないですか -- 名無しさん (2015-11-09 20 43 08) パニッシャーがモチーフかな。悪の組織の抗争で妻子を失った所が一緒。 -- 名無しさん (2016-04-02 23 06 52) ただパニッシャーは復讐型ヒーローだが、古典型ヒーロー、復讐型ヒーロー、自警型ヒーローに続く4種類目のヒーロー、ニンジャ型ヒーローを提案したいと原作者がどこかで言っていた。 -- 名無しさん (2016-04-03 00 04 11) ヤクザ天狗=サンとザクロ=サンの説明、意図的になんかを隠してる気がsアッハイなにももんだいはありません -- 名無しさん (2016-04-17 15 05 28) ↑ 記述された事項には何一つ欺瞞がない、いいね? なお記述外の事罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰幸せです! -- 名無しさん (2016-05-07 20 04 09) イグゾーション=サン戦は今でも印象に残ってる向こうの辛勝なのに直後にタカギ=サンに射殺され殉職はマジで驚いた。他者を駒扱いしてきたインガオホーか、そこが生死を分けたかな。何よりナンシー=サンとの出会いが彼の幸運だったか。 -- 名無しさん (2016-07-02 01 17 58) 最近彼は別の世界でゼツボウスレイヤーとして活躍しているかも知れない。(中の人繋がり) -- 名無しさん (2016-07-21 09 08 12) まさか本当にニンジャスレイヤーとサツバツナイトが別人だったとは -- 名無しさん (2016-08-06 03 52 10) サツバツナイトがフジキドの真面目ボケぶりが生んだアレな変装とネーミングと思ってたのに、「フジキド・ケンジ自身」のニンジャ形態にして友が付けた名前だったなんてテストに出ないよぉ… -- 名無しさん (2016-08-07 23 06 00) 藤原啓治さんの代役で野原ひろしを森川智之さんがやることに。ここにきてまさかのフジキドヒロシ誕生である。 -- 名無しさん (2016-08-26 14 45 46) ミサエ…シンノスケ… -- 名無しさん (2016-08-26 14 53 07) 正直いってフジキド以外の新ニンジャスレイヤーをまともに応援できる気がしない。五代クウガ→小野寺クウガくらい抵抗ある -- 名無しさん (2016-08-26 17 03 15) こっちでは忍者を殺す者なのに別世界では忍者の頭領やってたというね… -- 名無しさん (2016-08-28 00 05 47) 二代目ニンジャスレイヤーが現れて本人は別の名前で活動してるところアメコミ感ある -- 名無しさん (2016-09-26 09 08 56) 暗黒騎士→聖騎士なクラスチェンジを果たした・・・と解釈するべきか。第3部の副題と過去のニンジャスレイヤーの話が出てきた時点で最悪な結末も予測してたがこれは予想外 -- 名無しさん (2016-10-03 21 57 33) 新ニンジャスレイヤーの基本一人称は「おれ」! -- 名無しさん (2016-10-06 00 32 28) ニンジャって大体古めかしい言い回しするよね -- 名無しさん (2016-10-09 12 55 14) バックインブラックで装束を自作する辺り、フジキドは形から入るタイプ。つまりフジキドのニンジャっぽい口調は… -- 名無しさん (2016-10-10 17 14 01) サツガイに殺されたアユミは新ニンジャスレイヤーの名鑑よりマスラダ・カイの幼馴染と判明 -- 名無しさん (2016-10-12 22 48 03) マスラダくんの戦いぶりがあぶなっかしくてハラハラする -- 名無しさん (2016-10-20 23 38 38) フジキド=サンやはりあの妙なセンスは自前でしたか・・・ -- 名無しさん (2016-12-04 12 54 18) twitter版のみヒュージスリケン戦でヘリコプターめいて回転して空中静止したまま連続スリケン投擲という謎技を使っていた -- 名無しさん (2016-12-11 22 51 53) 射撃戦に弱い奴のヒサツ・ワザがツヨイ・スリケンなわけないだろっていう -- 名無しさん (2016-12-15 16 04 58) 年末企画で玄関を蹴破って登場したマスラダ。一方フジキドは回転スシバーで手作りの皿に乗せたトロスシを流しながら登場した。ウム -- 名無しさん (2017-01-04 18 58 00) フジキドやマスラダとは別にサムライのニンジャスレイヤーのキルジマも出てきたな。 -- 名無しさん (2017-04-03 22 52 05) ↑2やはりデヲチジツは先代の方が上・・・ -- 名無しさん (2017-07-21 02 01 39) ↑4なんだかんだで射撃戦弱くはないよね。まあ、フロストバイトがそう言ってた時点だとツヨイスリケンあんま使ってなかったから射撃戦弱いと勘違いされてたんじゃないかな? -- 名無しさん (2017-08-12 11 20 38) ↑フロストバイト=サンあたりからすればあの時点では御せるレベルだったのは確か。ツヨイ・スリケン使えてもあの中~近距離じゃ使わせてくれなかったかもしれないし。 -- 名無しさん (2017-08-12 13 14 59) いつかユカノ=サンみたいに息吹くだけで爆発とか出来るようになるのかな? -- 名無しさん (2017-08-20 16 16 54) ↑そういやユカノ=サンそんなことやってたな。チャドーの技術はユカノの方が上ということなのかな? -- 名無しさん (2017-08-24 00 11 07) マスラダ「ヌンジャ殺すべし」 -- 名無しさん (2017-08-27 14 43 28) 「スゴイモーター大戦」とか書いてるけど他作品とかは元がわからなくなるので忍殺語っぽく変えたりするなよとピンクメンポから直々にお達しがあったことを知らない人は多い -- 名無しさん (2017-09-28 15 54 20) ニンジャ(忍者)、妻子持ち、cv.森川智之…とけっこうミナトとフジキドは共通点が多い。ただ、ミナトが「息子を残して死んだ父親」なのに対してフジキドは「息子に先立たれた父親」なんだよね… -- Kiramaru1025 (2018-10-27 23 25 24) これ項目名「フジキド・ケンジ」にしてマスラダの記述独立させた方がいいんじゃないかな…… -- 名無しさん (2019-10-03 16 43 18) 鬼殺隊の茶柱呼ばわりされてんのクソワロタ。確かに席の端っこで黙ってれば…w -- 名無しさん (2020-10-21 22 23 36) 与太話で史上最大級の悲鳴が上がってて吹く> ヘッズの心を響かせたニンジャをスレイする気満々のフジキドのエントリーに、Twitter上に彼らの悲鳴がこだまする事も……。 -- 名無しさん (2023-12-12 06 54 36) ↑ブラックフライデー=サンは爆発四散しなくて良かったね -- 名無しさん (2023-12-15 23 46 46) 名前 コメント
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キュービックニンジャ 2011/07/05 クリア(・∀・) エリア5+エクストラステージをクリア。 3DSのジャイロセンサーをフル活用した良作でした。 2011/06/11 久々にプレイしてエリア4をクリア。 ボス戦以外はけっこう楽でしたね。 2011/04/14 エリア3をクリアしました。 だんだんやっかいなステージが増えてきましたね( ・ω・) 2011/04/10 エリア2をクリアしました。 苦戦するステージもありましたが 何回でも挑戦できるので特に問題なかったです。 2011/04/09 3DS本体をいろんな方向に傾けて 自機をゴールへ導くゲームなんですが、 自分も一緒になって動くので地味に楽しいです( ・ω・) とりあえずエリア1をクリアしましたが、 今のところそんなに難しい印象はないですね。
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登録日:2017/08/04 Fri 01 39 42 更新日:2023/12/25 Mon 21 59 07NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 シックスゲイツ ソウカイヤ トブ・ニンジャクラン ニンジャスレイヤー ヘルカイト 凧 名脇役 地味な強敵 斥候 野心家 高木渉 「虻蜂取らず……虻蜂取らずになってはならない」 ヘルカイトは『ニンジャスレイヤー』の登場人物。 『シヨン』での声優は高木渉=サン。 曲者役に相応しいワザマエを持つ曲者ベテラン声優であり、ニュービーにも実際キャラクターがわかりやすいキャスティングであった。 ■登場エピソード 『バック・イン・ブラック』 『レイジ・アゲンスト・トーフ』 『サプライズド・ドージョー』 『デッドムーン・オン・ザ・レッドスカイ』 『ストレンジャー・ストレンジャー・ザン・フィクション』 『ネオサイタマ・イン・フレイム』 【概要】 ソウカイ・ニンジャ。 第一部の敵“ソウカイ・シンジケート”の威力担当部門「ソウカイ・シックスゲイツ」のニンジャで、シンジケートの幹部級待遇である“六人”の座を預かる一人。 ニンジャネームのヘルカイトは、そのまま地獄(Hell)と凧(Kite)とも取れるが、区切らずにヘルカイトでも、猛鳥(猛禽)、冷血漢、闘志のある人物といった意味で使われる名詞となる。 どちらかといえば、こっちの意味の方が込められているのではないか?との意見も。 嘗ては、英語への理解力の低さからタコカイトなどと名前がアレンジされた時代もあった。 連載開始当初からの“六人”の一人ではあるが、初期メンバーでは新参で、前任者の最低のクズであったガーゴイルを謀殺して“六人”の地位を得た野心家。 この為、古参のヒュージシュリケンからは不信感を持たれて警戒されていたが、この確執が元でヒュージと、その相棒のアースクエイクは、ドラゴン・ドージョー攻略の際に意図的に支援を遅らせたヘルカイトの企てにより、揃ってミッション途中でオタッシャされることになった。 ヘルカイトのこうしたやり方は正直褒められたものとは言えないが、元々ソウカイヤでは実力主義がモットーとされていることと、ポストが空いたのならば即座に次の人材を充てればいいという考え方が基本となっている為か、この事でヘルカイトがペナルティを受けたような描写はない。 これは、主君ラオモトが“真の邪悪をもった強者”が頭角を現してくるのにも期待して組織内の自由競争を容認していたからで、自分に反旗を翻すような輩でもなければ幹部級の“六人”であっても、切り捨て可能の人材の範疇だったからであろう。 実際、ヘルカイトは有能者としてラオモト自ら買っていると発言する程のニンジャである。 一方、ヒュージが唾棄していた通り自分の仕事の範疇を越えて功績を挙げようとする癖があり、豪放磊落に見える一方、奥ゆかしさ重点なラオモト=サンの不興を買って減給されてしまったこともある。 シンジケートの宿敵たるニンジャスレイヤーとは顔を合わせる機会こそ多かったものの、ヘルカイトが直接対決を避け続けていたこともあり、狂人の誕生からソウカイヤが壊滅するまでのほぼ同時期(つまり、第一部の殆ど)を“六人”として過ごせている。 この為、第一部終盤頃の時系列では、逆にヘルカイトが最古参の“六人”となっているが、その頃にもなるとヘルカイト以外の“六人”がデガラシじみたモブめいたニンジャばかりになってしまっており、明らかに組織が弱体化してしまっている。 これについてはヘルカイトが実際関わった部分も多いものの、ニンジャスレイヤーとの対決を前にした自問自答の中で、「温泉旅行……思えば、あの頃がシックスゲイツの黄金時代だった。……」などと、かつての強者揃いだった頃のシックスゲイツを思い浮かべて奮起する姿をも見せた。 ……野心家のヘルカイトにしても予想外だったのは、ニンジャスレイヤーがシンジケート相手に生き延び続けた上に、補充が追い付かなくなる程に仲間のニンジャを殺し続けたことであろう。 そして、これはそのままソウカイヤ壊滅の理由でもある。 また、野心家でこそあるがラオモトへの忠義は篤く、他の“六人”や腹心ダークニンジャへのライバル心は持っていたものの、ラオモトへのムーホンを企てようとしたことどころか、思ったことは微塵もない。 組織の弱体化に付け込んで分不相応な企みをした上に底が浅い嘘で逃げようとして失敗したグリーンリバーな声の小物とは大違いである。 ニンジャ装束は地の文、及び公式イラストではオフホワイト。 イラストではメンポも猛禽めいたカラステング・フェアリーのようなデザインになっている。 『シヨン』では、シックスゲイツでは珍しく公式イラストからデザインが大きくアレンジされており、オレンジ色の空挺部隊風な装束に、メンポというよりはスカウター付きのメットめいたデザインに。 アレンジ意欲を刺激するのか、ウキヨエコミックでも姿が大きくアレンジされており、グッドルッキング重点な『グラマラス・キラーズ』は言うに及ばず、『殺(キルズ)』のテックめいた装束もかっこいい。 若造設定からか小生意気な美少年している『グラキラ』版はグッドルッキング凧にも注目だ。 【劇中での活躍】 前述のように複数のエピソードにて名前が出てきたり、行動が言及されている。 飛行能力を活かして作戦のバックアップや情報収集、ニンジャの輸送までを行うなど、その仕事の範囲の広さは実際多い。 ドラゴン・ドージョー襲撃時に武装ヘリ部隊を率いていたり、ラオモトを迎えにきたヘリに自らが乗り込んでいたこともあるので、それら飛行支援部隊の指揮も執っていたと思われる。 原作(翻訳)版では、本人達が回想するのみに留まっているヒュージシュリケンとの確執がウキヨエコミックなどで補完されたりしている。 第一部最終決戦『ネオサイタマ・イン・フレイム』ではダークニンジャとデガラシックスゲイツに続く五番手としてニンジャスレイヤーと対戦。 それまでは、ヘルカイトに単なる卑劣漢としてのイメージを抱いていたヘッズにも、この時のヘルカイトの独白を読んで評価を改めた者は実際多かったとのこと。 デガラシックスゲイツの部屋をも越える、遠隔IRC操作されたいくつもの巨大ファンと針山を備える他は小さなコケシ足場がいくつかあるだけのUNIX電子基盤を思わせる異様なフロアでの対決では、人工で作られた風を自在に操っての飛行のみならず、スリケン乱射や敵の移動を誘っておいての非人道兵器マキビシのトラップを利用したフーリンカザンでアドバンテージを握り、人工風を利用した高速の極悪ヒット アウェイ戦法から繰り出されるヤリとサスマタによる攻撃でニンジャスレイヤーを追い詰める。 大型ディスプレイに映るラオモトのTV出演映像の見守る中で勝利を掴みかけたヘルカイトだったが、ダークニンジャとの対決の後にニンジャスレイヤーがナンシー・リーを救い出していたことから、フロアのIRC操作をハッキングされコントロールが奪われる。 それを目撃したニンジャスレイヤーの決断的カラテにより反撃され、サスマタによる首級切断を押し返されネックスプリングキックで蹴り飛ばされる。 ファンコントロールを出来ないままに強化ガラスに叩きつけられたヘルカイトがハッキングを悟り、動揺した隙をついて接近したニンジャスレイヤーの渾身の回し蹴りを受け、右腕と胸骨をも砕かれつつトコロザワ・ピラーの外まで蹴り飛ばされて敗北した。 ……しかし、それ程のダメージを受けても爆発四散しなかったばかりか、落下途中で意識を取り戻したヘルカイトは傷付いた肉体と凧を震いたたせてラオモトの許へとドゲザ報告に向かう。 ナンシーのハッキングにより、数々の悪巧みの場面を選挙活動の為に出演していたTVで流され一気に支持を失ったことと、短期間でシックスゲイツが壊滅したことを知らされていなかった怒りから、ドゲザ状態のままストンピングカイシャクされそうになったヘルカイトだが、遂にニンジャスレイヤーの排除を決意したラオモトに、天守閣上空に待機しての支援を命じられるのだった……。 【ワザ・ジツ】 「トブ・ニンジャクラン」のグレーターニンジャソウル憑依者で、背中に背負う折り畳み式の大凧で風に乗り、自在に空を舞う斥候ニンジャ。 トブ・ニンジャクランは「フージン・ジツ」の一種によって周囲の風を増幅或いは操作し、原始的なグライダーなどに挙げられる様々な飛行道具を装備して空を飛び回る技に長けていたとされる。 健在だった頃には、同じく斥候ニンジャである三倍脚力=サンとは、空と陸で区分を分け合っていたと予測される。 この他、IRCコントロールやバックアップ時の様子から電子戦にも強かったと見られ、表に出ない所での有能さがマジでヤバイ級。 前述のように有能が過ぎて、余計なことまでして怒られる位のソウカイヤ最高峰の斥候ニンジャである。 同じ斥候でも追跡にバレて真価を発揮できないままに逆にスレイされた山賊とは比べるまでもない。 ■ステルス凧(カイト) ヘルカイトの背中に展開される鋼鉄以上の強度を誇るバイオバンブーと強化和紙製の大凧。 威圧的ショドーが記されているのが最大の特徴で、文字は基本3文字構成。劇中では 「キリステ」「囲んで棒で叩く」「逃げ場は無い」 「殺伐」「ハリキリ」「囲んで警棒で叩く」 「キリステ」「ムテキ」「ヤリで刺す」「アブナイ」 の文言が使用された。因みに、このショドーだけでもモータルや気の弱い敵は失禁必至な。 折り畳み式で、ヘリなどからもそのまま飛び立つことも可能。 凧だがコントロールする紐の類などはなく(原作者曰く「大凧の紐は色々と面倒なので取った」)、自分の意思のみで自由自在に飛ばすことが可能である。 凧なのに風がなくても、自由に上昇することが出来ることについてはピンクメンポ=サンが「ジェットかなにかあるよ」と答えている他、自在に風を捉えること自体がヘルカイトのジツであった可能性が高いとの見解を翻訳チームが示している。 実際、大のニンジャを持ち運べる位なのだからパワフルな。 この大凧からの攻撃は警察の武装ヘリすら容易に落とす程らしく、証拠隠滅の裏工作にも最適である。 また、ハッキリと描写されたことは無いもののステルス凧というようにレーダーを掻い潜ることも可能な模様。 ニンジャとはいえ武装ヘリを落とせていたのにも、ステルス機能が効果を発揮していた可能性は高い。 原作者によると、モデルはドイツ空軍が製造した「ユンカース Ju87 シュトゥーカ急降下爆撃機」 とのこと。 装備 ■スリケン ■クナイ・ダート 共に、空中からの投擲に使用。 両方使用するニンジャは実際珍しい。 ニンジャスレイヤーとの対決ではスリケンを雨あられとばら蒔き、ニンジャスレイヤーの動きをコントロールした。 ■ヤリ 特殊チタン製の刃先と、赤漆塗りの柄をもつとされるヘルカイトの必殺武器。 スピードを活かした極悪ヒット アウェイ戦法の主武器であり、ドラゴン・ドージョー襲撃の道すがらでもアースクエイクとのIRC連携によるアンブッシュにより、ニンジャスレイヤーに致命傷を与えている。 わらいなく=センセイの公式イラストでは背面にたくさんストックがあるように描かれている。 ■サスマタ ニンジャスレイヤーとの対決の際に、破壊されたヤリの次に繰り出した。 本来は胴体を挟んで相手の動きを封じるのを目的とする武器だが、ヘルカイトはスピードに乗せた一撃から押し込んで首を切断しようとした。 Twitter連載時はヤリと同じく赤漆塗りとされているが、物理書籍版では鋼鉄製サスマタと改められている。 ■マキビシ 非人道兵器。 空中からのスリケンやクナイと組み合わせ、相手が逃げるであろう場所に仕掛けるフーリンカザンに用いる。 ■バクチク 『忍殺』世界でのバクチクはマイトや手榴弾めいた武器のことを指す。 ■ニンジャロープ 空中から対象を捕獲するのに使用。 ■ソナー 音波で相手を感知する(ニンジャ反応も)。 ■漢字サーチライト 『忍殺』世界ではお馴染みの威圧的光圧とコトダマで照らされた相手の動きを封じる装置。 ■手巻き式サイレン 相手に威圧を与え、聴覚と精神にダメージを与える。 ■サイバーサングラス・レーザー ラオモトが最終決戦を前にヘルカイトに下賜していたオムラ・インダストリ製の実験兵器。 ソウカイヤ紋の小型赤外線ポインターで照準した後に青白いレーザー光線が射出される。 必殺の威力は無いが、命中すればグワる位には激痛が走るため、イクサでの集中力を乱す妨害効果として実際厄介な性能を誇る。 【余談】 『忍殺』での「アブハチトラズ」は、我々の知る「一石二鳥」の意味となるが、ヘルカイトのように「虻蜂取らず」と漢字表記するとそのままの意味になる。 ヘッズには常識だが、ニュービーにはややこしいのことですねー。 「……そうだ、俺に与えられた任務は、この項目を追記・修正しニンジャスレイヤー関連項目を充実させること。……ヘルカイトよ、真のシックスゲイツの矜持を奴に見せつけるのだ!」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 何とヘルカイト=サンの記事が・・・しかも、かなり充実している・・・本当に記事作成アリガトゴザイマス!! -- 名無しさん (2017-08-04 01 44 49) 非常に珍しい「虻蜂取らず」を使った人物。 -- 名無しさん (2017-08-04 02 12 09) フーリンカザンがヘルカイト=サンに傾いていたこともあるが、ナンシー=サンいなきゃたぶんニンジャスレイヤー=サンやられてたよね。 -- 名無しさん (2017-08-04 23 58 19) 何だかんだでシックスゲイツの六人に相応しい実力者。頭脳ばかりでなく、ニンジャ耐久力もかなりのものだった。 -- 名無しさん (2017-08-05 13 04 34) こいつが精鋭揃いの初期シックスゲイツを権力争いで殺しまくったのは確実にソウカイヤ崩壊につながったと思うが、忍殺があれほど生き残ると予測出来た人はいなかったろうし、しょうがないのかなと -- 名無しさん (2017-08-08 00 57 56) 唯一?キャラがまともに描写されたグラキラのガーゴイル=サンが好青年だったので、だいぶ株を落としているイメージ -- 名無しさん (2019-02-03 11 44 12) 名前 コメント
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登録日:2022/06/09 Thu 07 04 00 更新日:2024/04/28 Sun 00 12 06NEW! 所要時間:約 46分で……グワーッ!?46分グワーッ!長い! ▽タグ一覧 「ドーモ、〇〇=サン。△△です。」 アイサツ エチケット ニンジャ ニンジャスレイヤー ニンジャヘッズ マナー ワザマエな項目 作成者がラリってたとしか… 和風 常識 平易で一般的な日本語(大嘘) 忍殺 忍殺しぐさ 忍者 怪文書 所要時間30分以上の項目 挨拶 日本 礼 礼儀作法 秀逸な項目 重篤ヘッズ 「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。ダークニンジャです」 「ドーモ。ダークニンジャ=サン。ニンジャスレイヤーです」 初対面での第一印象を左右したり、職場や学校での人間関係を円滑に保ったり、折りに触れて贈り物とともにやり取りしたり、魔法の言葉だったりと、社会において重要な役目を担う「挨拶」…… 日本人である以上、いや日本人でなくとも日常生活にはかかせぬものであり、当然ながら読者の皆様もこのマナーについて相応の知識を持ち合わせていよう。 しかし推定読者数5おくにんを超えるちょうエンターテインメント冥府魔導カラテtwitter小説『ニンジャスレイヤー』において、挨拶、いや「アイサツ」は我らの知るそれとは似て非なる奥ゆかしい(*1)礼儀作法であり、これに対し適切な知識を持っていなければ ◆ ニンジャスレイヤーほんぺんを読んだ時に、「なんでこいつら殺し合い前に丁寧に自己紹介してんの?バカなの?鎌倉武士なの?」などとあなたが誤解する ◆ ニンジャスレイヤーほんぺんを読んだ時に、「なんだコレ……ぼくの知ってる日本文化と違う……帰ってパラッパラッパー(*2)しとこ……」などとあなたが混乱する ◆ニンジャスレイヤーほんぺんを読み進めていても、「む……このアイサツは礼儀作法として適正ではないのでは?もしやコイツは礼儀を知らぬサンシタ(*3)なのでは?」などとあなたが早合点する ◆ある日あなたが突然にニンジャとなり、敵性ニンジャが現れてイクサ(*4)となった時、敵性ニンジャのアイサツに適切なアイサツを返すことができず、あなたの名誉が失われる などといったさまざまな弊害が予想される。 しかし心配ごむよう、この項目を読むことによってあなたはこの複雑で奥ゆかしい礼儀作法を完全に理解することとなり、安心してニンジャスレイヤーを読み進められるし、またいつ訪れるやもしれぬニンジャとの接近遭遇にも備えることが可能となるだろう。 なおニンジャスレイヤーといえばその独特なほんやく言語、所謂「忍殺語(*5)」で有名だが、しかし本項目ではピュアなニュービーの方々にもわかりやすいよう、平易で一般的な日本語で叙述していくため、初めてのかたでも実際ごあんしんだ……いや、安心してご覧いただきたい。 またどうしても使用せざるを得ない用語などに関しては、注を用いて解説もしているため、どうぞ有効活用あられたい。 ◆「ニンジャスレイヤー」における一般的アイサツ行為◆ ◆ニンジャのアイサツ◆ ◆なぜニンジャはアイサツにこだわるのか?◆ ◆ハウトゥーアイサツ◆① イクサの手を止める ②-a 名乗る ②-b 敬礼動作を行う ◆アイサツのルール◆・「アイサツ前のアンブッシュは1度まで」 ・「イクサの前にはアイサツする」 A. 超遠距離戦の場合 B. 相手がモータルである場合 ・「集団戦の場合、個別のアイサツ交換は必須ではない」 ・「アイサツをしたら返さなくてはならない」 ・「アイサツ中に攻撃しない」 ◆アイサツ・タクティクス◆・「アイサツ終了直後を狙え」 ・「アイサツで逃亡を阻止せよ」 ・「先行アイサツ側が有利を得やすい」 ・「後手側は数少ない優位点を活かすべし」 ・「隙はなるべく小さくすべし」 ・「あえて隙を大きくする戦術」 ◆アイサツ事例集◆ ◆アイサツ・トリヴィア◆「実は描写外でアイサツをしているかも?」 「敬礼動作の種類」 「何語でアイサツしてる?」 ◆「ニンジャスレイヤー」における一般的アイサツ行為◆ 初見の方や詳しくない方には誤解されがちだが、「アイサツ」とは基本的に我々の知る「挨拶」に近似のものである。 よってアイサツそれ自体は、ニンジャスレイヤー世界においても一般的な日本式の礼儀作法であり、特にニンジャに固有のものというわけではない。 古事記(*6)にもそう書かれている。 アイサツ……トクガワ・エドの治世から数百年が経過した今となっても、この極東のハイ・テック国家には「義」「礼」と呼ばれる価値観が連綿と生きている。自らを卑しめ、相手を尊ぶ。この国家では何より調和こそが重んじられる。たとえそれが、薬物中毒者と売人のようなマケグミの間であってもだ。 「……ドーモ。あー……」シルバーカラスは会釈した。「カギ・タナカです」カギ・タナカは彼の使う偽名だ。マンションもこの名前で借りている。「ドーモ」少女も会釈を返す。「ヤモト・コキです」二者は自然に名乗った。異常な事ではない。他人同士、同席すればアイサツ有り。日本の奥ゆかしさだ。 「ドーモ。始めまして」アルビノの男はなんと、先手を打ってオジギを繰り出したのである。さらに、頭を上げながら自らの懐に手をいれ、滑らかな動作で名刺を差し出した。「私の名前はエシオです。ピグマリオン・コシモト兄弟カンパニーのエージェントをしております」 「ドーモ。明智光秀です」「ドーモ。織田信長です」織田は座したまま挨拶を返した。本能寺内のアトモスフィアが張り詰め、不穏なカラテが周囲に満ちた。明智は襖を後ろ手に閉めると、しめやかに座し、織田と茶を交わした。 等と言った具合である。 見ての通り、「相互リスペクト」「謙譲の美徳」といった日本的価値観を体現した儀礼行為がアイサツであり、 初対面の相手や改まった場、あるいは単に顔を合わせた時、また別れ際などでアイサツをするのが望ましい アイサツをされたらアイサツを返すのがマナー 多くの場合、会釈などの肉体的礼儀を伴う サラリマン(*7)等の場合、同時に名刺などを差し出すことも と言った多くの点で、我らの知る「挨拶」と共通している。 反面、 会釈などにとどまらず、両手を合わせる合掌礼、さらに30-45度程度頭を下げるオジギ(*8)などを伴う場合がある 「ドーモ(*9)」が、互いの上下関係や場のフォーマル度に関わらず使用できる、汎用性の高いアイサツ用ワードとなっている 適切なアイサツを欠いたことに対する社会的ペナルティが概して重い などの違いもあり、全体として我々の「挨拶」に比べて、より厳粛で荘重、儀式的な行為になっていると言える。 ……とまあ、そんな感じにニンジャスレイヤー世界の「アイサツ」についてはおおよそ理解されたことと思うが、しかしこれはあくまでニンジャスレイヤー世界における、「一般的な社会」の間でのアイサツである。 だがニンジャスレイヤーという作品内においては、「一般的な社会の日常」は登場人物の誰もが過ごす常日頃の光景ではなく、むしろその逆、「非日常の世界」ですらある。 では作中における「日常」とは何か? ……そう。ニンジャとニンジャの無慈悲なるイクサである。 ◆ニンジャのアイサツ◆ イクサに臨むニンジャにとって、アイサツは神聖不可侵の行為。古事記にもそう書かれている。アイサツされれば返さねばならない。 ご存じの方もおられよう。 かの伝説的電子ドラッグことアニメイシヨン第1話においてナレーションのゴブリン氏によって発せられた、ニンジャスレイヤーにおける「アイサツ」を象徴するベストセンテンスである。 そう、先に述べた日本人としてのアイサツ儀礼とはまた別に、ニンジャ達は「イクサに臨んでのアイサツ」という独自の礼儀作法体系を持っているのだ。 このアイサツに関するは諸々のルールはニンジャにとって「掟」と称されるほどに重要、かつに拘束力の大きいものであり、一山いくらのサンシタニンジャであろうが、あるいは神話級と称えられる最上位ニンジャであろうが、この厳粛厳正なプロトコルからは逃れられないのである。 ニンジャスレイヤー世界において、ニンジャとは無慈悲な暴力の化身であり、自らの欲望のままに非ニンジャを殺し、搾取し、隷属させることに一片の疑問も抱かない、邪悪で身勝手な超人類である。 そんな彼らが、何ら物質的な強制力のないアイサツという礼儀作法にだけは従わざるを得ない、いやむしろ自ら進んで従っている様は見るからに異様であるが、しかしそれこそがニンジャという存在の特殊性をあからさまにしているとも言えよう。 ※そもそもニンジャスレイヤーの「ニンジャ」をよく知らないという人は、こちらをクリックして解説を出そう! 一般的に「忍者」と言えば、闇に紛れて忍び寄りクナイや刀で敵を暗殺したり、ボディアーマーを着てカエルを呼び出したり、二刀流やサイや棒やヌンチャクを駆使したり、感度が3000倍になったり……といった、「高度な訓練を受けた特殊隠密戦士」的な存在を思い浮かべられることだろう。 しかしニンジャスレイヤー世界での「ニンジャ」はそれらと根本的に違い、生物としてのヒトが変異することによって生まれた、いわば「超人類」とも呼ぶべき存在である。 彼らはもともとは人間であったが、常人の粋を越えた激しいカラテ(*10)トレーニングや、ザゼン(*11)などを重ね、さらにある種のイニシエイションを経ることによって、その肉体と精神を不可逆的に変質させた超人類なのだ。 ニンジャになると肉体や神経系、果ては染色体に至るまで大幅な変質強化がもたらされ、常人をはるかに超える肉体的能力や、また一部の者は「ジツ(*12)」と呼ばれる超自然の特殊能力を得るなど、全てにおいて人間を凌駕する半神的な存在へと至るのだ。 つまり一般的なフィクションにおいて「職業:忍者」であるのに対し、ニンジャスレイヤーにおいては「種族:ニンジャ」なのである。 ただしそのようなニンジャの正体は、様々な経緯から作中の時代(*13)においては殆どの一般人に知られていない。 そのため世間一般では「ニンジャ」と言えば吸血鬼やドラゴンと同じ「荒唐無稽なフィクションの産物」とみなされており、ニンジャのヒーローなどもフィクション作品などで度々登場するという。 そういう意味では、わりと我々の思い描く「忍者」に近いところもないではない。 ニンジャ殲滅を目指すニンジャスレイヤーが、我々の思い描く「忍者」に最も近い見た目をしているのはなんとも皮肉である。 ただし前項で述べたように、アイサツそれ自体はニンジャに固有の作法ではないため、非ニンジャであってもアイサツ概念、ルール等の多くは共通していると考えられる。 少なくとも平常時のアイサツに関してはニンジャと非ニンジャの間にそれほどの感覚差はみられないし、非ニンジャが戦闘前アイサツや名乗り行為を行う場合もわずかながらあるため、ニンジャ独自のアイサツルールと、広く一般モータルにも共有されているルールの境目は、今のところ判然としていない部分も多い。 ◆なぜニンジャはアイサツにこだわるのか?◆ 簡潔に説明するのはなかなか難しいのだが、身もふたもないことを言ってしまえば「それがニンジャだから」である。 作中のキーワードを使って言うなら、「アイサツがニンジャというミーミー(*14)の、重要な一部であるから」とも換言できよう。 もともとの起源まで遡れば、ニンジャのアイサツへの執着はそもそもニンジャ社会、それも古き神代の古代ニンジャ社会の性質に由来している。 古代のニンジャにとって、自身の、また属する組織やニンジャクラン(*15)の名誉とは、命や勝敗よりもはるかに重いものだった。 例えイクサ自体に勝利しても、イクサの中で礼儀に欠き、名誉を汚す行いがあったらそれはイサオシ(*16)とはされず、ムラハチ(*17)、ケジメ(*18)、甚だしきはセプク(*19)などの厳しい制裁が科されるほどだったのだ。 そしてニンジャのイクサにおいて、名誉を守るための大前提ともされる礼儀作法、その象徴たるものがイクサに臨んでのアイサツだったのである。 それを定めたのは全てのニンジャの祖カツ・ワンソー本人であり、自身の弟子でもある偉大なるニンジャ将軍だったハトリ・ニンジャの進言を受け入れ、これを全ニンジャが守るべき礼儀作法としたとされている。 これ以後、ニンジャ社会に由来するすべてのニンジャ達にとって、イクサに臨んでのアイサツは名誉のための必須のプロシジャ(*20)となり、それはやがて彼らにとって本能と呼べるレベルにまで刻み込まれていったのである。 さらに作中にはそうしたニンジャ社会の一員であった本来のニンジャ、即ち「リアルニンジャ」だけではなく、そうしたリアルニンジャの魂が非ニンジャに憑依することによって生まれた「憑依ニンジャ」も存在する……というかそっちの方が作中の年代では圧倒的多数派である。 彼らはそうした古式ゆかしいニンジャ作法を知識として持ってはいないが、ソウル憑依時に本来の人格がソウルと融合することで、彼らもまた半ば本能めいてアイサツを重んじるようになるのだ。 現実世界においては平安時代から戦国時代における武士(あるいは中世ヨーロッパにおける騎士)の「名乗り」が作法とされたものに近い。 これは戦いの中で自身を討ち取った相手の武勲のため、あるいは死にゆく相手への手向けとして、双方の名前を告げ合うというもので、 互いに殺し殺されることを許容し、その一点においては対等であることを認め合う、殺伐としながらも極めて奥ゆかしい礼儀作法である。 故に彼らは互いがどのような立場であろうと、どのような力量差であろうと変わりなく、攻防の手を止め、名乗りを交わすのだ。 それを踏まえると、作中においてアイサツする事もできずに行殺されてしまったニンジャたちは、ブザマであっても決してシツレイではなく、 ましてやアイサツ直後に即殺されてしまうようなニンジャたちですら、互いに殺し殺される事を許容した上でイクサに臨んだ事を思えば、 アイサツという作法そのものを踏みにじる下劣なニンジャなどは、話にもならないという事が理解できるだろう。 ◆ハウトゥーアイサツ◆ さてニンジャのアイサツについて基本的な知識を得たところで、いよいよその具体的な流れについて学んでいこう。 ニンジャがイクサにおいてアイサツ態勢に入った時、まずすべきは ① イクサの手を止める アイサツの際には戦闘態勢をとらず、相互に一時的な無防備状態、あるいはそれに準じた非戦闘状態となるのが基本である。 これで「私は礼儀を守るために命をかけます」という自身の矜持を示すと同時に、また敵手に「貴方もまたこの作法を尊重し、攻撃しないと信じています」というリスペクトを示すことができる。 これは互いに向かい合ってイクサを始めた時だけではなく、アンブッシュ(後述)や乱戦などで戦闘が始まって後にアイサツをする形になった時も同様であり、一時的に手を止めて戦闘態勢を解除したのち行うのが望ましい。 ②-a 名乗る 「ドーモ、初めまして、ドラゴン・ゲンドーソー=サン。ソウカイ・シックスゲイツのニンジャです。ドラゴン・ドージョーに放火に来ました」 次いで、自らの名や所属組織、また場合によってはその戦闘目的などを相手に宣告する、いわば名乗りを行う。 アイサツを受けた側がアイサツを返す時、あるいは事前に相手の名前を知っている場合などは、先に呼びかけを挟んでから名乗るのが基本のようだ。 これらの一連の口上は、原則として敬語で行うべきであり、また相手に対しても敬称つきで呼びかけるのが望ましい(というか作中においては、ニンジャ・非ニンジャを問わず、家族以外の相手に対しては常に敬称(=サン)つきで呼ぶのが一般的作法である)。 ただし必ずしも敬語でならなければならないというわけでもなく、普段通りの口調で名乗ったり、あるいは端的に自分の名前を告げただけで済ませる、などの例も少なからずみられる。 「テメェー」キングピンは警棒で警戒する。「ダチュラ=サンじゃねえな。テメェー」「ああ違うね」ダチュラは……否、そのニンジャは不敵に頷き、あらためてアイサツした。「俺はシルバーキーだ」 「ドーモ。ダークニンジャです」ダークニンジャは接近してくる影へ呼ばわった。「貴様の名を忘れたな。名乗れ」「……ランペイジ……」ダークニンジャのニンジャ聴力が、鉄仮面の奥で発せられたくぐもった名乗り声を捉えた。ダークニンジャはさらに、後方にも一つ、別のニンジャ存在を感じ取った。 さらに直接的な名乗り(つまり「〇〇です」の部分)以外に挟まれる口上部分となるとむしろ敬語の方が珍しいほどで、ここで示威や挑発的言動を行う例も多いが、特に問題とはされない。 また多くのニンジャは、いくつかの名前を同時に持ち、日常生活時やイクサ時、ビジネス時などレイヤーに併せて名前を使い分けている。 一般的にイクサ時にはニンジャネーム、つまりニンジャとしての名前を名乗り、また相手もニンジャネームで呼ぶのが基本ではあるが、厳密なルールがあるわけではなく、偽名などを使っても特にシツレイにはあたらないようだ。 さらに負傷や病気などで、または身体的な問題があって喋れない(*21)場合は省略してもよいし、あるいは他人に代わって言ってもらってもよい。 「フーンク」インペイルメントは小首を傾げた。顔全体を覆うメンポはサイボーグめいている。そして思い出したようにヤモトへオジギした。「フーンク」「……!」「喋れんのだ、そいつは。インペイルメント=サンだ」モスキートが説明した。「インペイルメント=サン、その女子高生はヤモト=サンだ」 また、ショドー(*22)など声以外の手段で名乗りを行なうパターンも見られる。 もし貴方がニンジャとなり、憑依ソウルの影響や重サイバネ化など種々の都合により発話が困難となった場合は、ショドーを学んでおく、名刺を刷って携帯するなど事前の備えをされるとよいだろう。 異様なニンジャはくるくると回転ジャンプしてこれを回避、着地点にいたクローンヤクザの首を掴み、捩じ切った。「アバッ!」そしてバイオ血液の滴る生首を地面のアスファルトに擦り付け始める。 生首が毛筆めいて、そこに血のショドーが書かれた。「ドーモ」「ザ・ヴァーティゴです」 ②-b 敬礼動作を行う それは赤黒の装束に身を包み、「忍」「殺」の漢字が刻まれたメンポで口元を隠したニンジャだった。彼はタクシーのドアを閉めると、両手を合わせオジギした。 名乗りにあたっては、オジギをしたり、合掌礼などをして、相手に何らかのリスペクトを示す敬礼的動作を伴うことが望ましい。 名乗りと敬礼動作は基本的に順不同であり、また同時に行ってもよいようだ。 これらは両手をふさいだり敵から視線を切ったりせねばならぬため、アイサツのプロセスの中でもっとも危険な瞬間であり、短時間で行ってもシツレイ(*23)には当たらないが、故にあえて悠々と行うことで己の強さへの自信と奥ゆかしさを見せつける場合もある。 また名乗り同様、身体的条件その他によって敬礼動作が不可能な場合(肉体が人としての原型をとどめていない異形のニンジャとか)は必ずともしなくてもよい。 ……といった感じである。 この「ドーモ。〇〇〇=サン。××です」から始まる一連のアイサツ口上は、ニンジャスレイヤーという作品が生み出したミーミーの中でも最メジャー級センテンスであるため、あるいはニンジャスレイヤー・ニュービーの方でも「なんかこれ見たことある!」と既視感を覚えたかもしれない。 しかし作中では各々のニンジャのスタイルや、あるいは場面・状況に合わせた多様なアイサツが登場するため、実際の所それはあくまでその中の一例(とはいえ圧倒的多数例ではある)にすぎないことには注意がいるだろう。 ちなみに読者諸氏がアイサツをエミュレートする際、「〇〇デス」など名乗り以外をカナ表記にするのはよくあるミスだが、劇中では(カタコトなどの理由で元々カナ表記されている場合でも無い限りは)ひらがなで「〇〇です」とされている。 とはいえニュービーヘッズ(*24)のミスを鬼の首を取ったように指摘するのは奥ゆかしさに欠ける行為なので、もし指摘する際はシツレイの無い文体を心がけたい。アイサツにおいてそうであるように、奥ゆかしさは日本人として重要な美徳である。 ◆アイサツのルール◆ ではアイサツの流れを抑えた所で、今度はアイサツに関する最も重要な要素、即ち戦闘前アイサツ時に守るべき各種ルールについて詳しく解説していこう。 ・「アイサツ前のアンブッシュは1度まで」 ニンジャのイクサは互いに向かい合い、丁寧なアイサツと共に始めるのが常ではあるが、アイサツをする前のアンブッシュ攻撃(*25)もまた認められている。 ただしその機会は1回きりで、そのアンブッシュ攻撃で仕留められなかった場合は互いにアイサツし、普通のイクサを再開することとなる。 しかしアンブッシュ、つまり不意打ち攻撃とは卑劣な行いではないか?アイサツの精神と矛盾しているのでは?と思われた方もいるだろうが、 一方で、アイサツに持ち込むよりも前に一撃のアンブッシュで惨たらしく殺されたセンチュリオンであるが、これをもってニンジャスレイヤーを責めることはお門違いだ。これすなわち、アイサツする実力すら持ち合わせなかったセンチュリオンの不覚。「ドヒョウ前に犬死に」のコトワザ通りである。 とされている。 要するに1度きりのアンブッシュで軽く殺されるような者は、そもそもニンジャとしての心構えがなっておらず、カラテ(*26)も足りていない、つまり「リスペクトを払うに値しないサンシタだった」とされてしまうのだ。ニンジャのイクサは無慈悲なのである。 アイサツ関連のルールの中では比較的明わかりやすい条項ではあるが、 「1回のアンブッシュ攻撃」とは具体的にどこまでの範囲をさすのか? 連続コンボだとしたら完走するまで「1回」の範囲なのか? それともコンボは最初の1撃で「1回」なのか? といった長さ的な面での判断はなかなか難しく、実際作中でもキャラクター同士で判断が割れている場面がある。 実はリアルニンジャが台頭していた太古の昔にはこの決まりは存在していない。 アイサツ前のアンブッシュが認められるようになったのは、太古の昔コブラ・ニンジャクランを興した開祖であるコブラ・ニンジャが「自分はアンブッシュ・ジツを鍛えたが、アイサツをしてからではアンブッシュの意味が無い。この掟を改めて欲しい」とカツ・ワンソーに直訴し、申し出を聞き入れたカツ・ワンソーが認可したのが始まりだと伝えられている。 ・「イクサの前にはアイサツする」 言うまでもないようだが、基本中の基本ともいうべきモストベーシックなルールである。 作中でも「ニンジャ同士のイクサはまずアイサツから」的なメソッドが、形を変えつつたびたび強調されることからもその重要性は明らかだろう。 しかし意外なことにこの有名なルール、実は「何があろうと絶対に守らなければならない」というほどの強制力は持っていない。 ニンジャのイクサの様態は互いのカラテやジツ、周囲の状況などによって千差万別であり、イクサの流れによっては、互いにアイサツを行うタイミングを見つけられないこともある。 そうした場合、下手すれば両者アイサツなしのままイクサの終わりまで行ってしまうこともあるが、この場合は好ましくないイクサ運びとされるのは間違いないにせよ、シツレイと断じられるまではいかないようだ。 またそうした不可抗力でなくとも、あまりにも互いの実力差がありすぎてイクサの前に片方の戦意が砕けている場合など、アイサツなしでイクサが進むことも実のところままある。 またそうした例外的なケースとは別に、最初からアイサツを免除されているケースもある。具体的には A. 超遠距離戦の場合 ニンジャの中には、スリケン(*27)やユミ(*28)、または遠距離攻撃ジツの技術を極端に磨き上げ、姿も見えないような超長距離でのイクサを可能としたものもいる。 この場合、標的のニンジャとは到底声が届かないほど離れていることもありうるため、そうした「アイサツが不可能な距離で戦う」場合もアイサツ義務は免除される。 ただしあくまで「免除される」だけであり、義務を越えてアイサツ、またはそれに代わる行為をしたほうがより奥ゆかしいとされるのはいうまでもない。 もし貴方が突然に遠距離戦型ニンジャとなり、かつ名誉を大いに重んじたいとお考えなら、ニンジャ声帯を鍛えて大音声のアイサツを会得するなり、スピーカー付きドローンやLED搭載矢などの最新テックに手を出すなりされるといいだろう。 実際、古のユミ使いニンジャは自分の名前を季語などと共に記した紙を矢に結び、それを最初の1射とすることでアイサツに代えた、という奥ゆかしい逸話も伝わっている。 なお「最初は遠距離から一方的に狙撃していたが、次第に距離を詰められた」など、戦闘中にアイサツが可能な距離まで間合いが縮んだ場合は、その時点で改めてアイサツを行うのがベター。 B. 相手がモータルである場合 ルールとして明示されているわけではないのだが、基本的にニンジャは非ニンジャの人間、所謂「モータル」を相手にする場合、アイサツの必要はないと考えているようで、実際あまりしていない。 モータル相手に上記のアイサツをする場合もあるにはあるが、そういった場合は侮蔑を含んだ上から目線の挑発や威圧目的で行われることが大多数を占める。 先にも少し触れたが、ニンジャは伝統的にモータルを「非ニンジャのクズ」と蔑視していて、自分たちと同列の存在とはみなしていないのだ。 したがってアイサツの根本理念である「リスペクト」を払うべき対象ではそもそもない……というような感覚なのだと思われる。 またそれ以前に、ニンジャを前にしたモータルは一般に「ニンジャ・リアリティ・ショック(略称NRS)」と呼ばれる一種のパニック症状に陥ることが少なくないため、アイサツのしようがないことも多い。 モータルの身でありながらNRSを起こさずニンジャ相手にアイサツを返してしまったことで、敵性ニンジャと判断され戦闘になってしまった事例があるぐらいだ。(*29) ※「ニンジャ・リアリティ・ショック(略称NRS)ってなに?」と気になった人は、こちらをクリックして解説を出そう 「アイエエエ!?」「ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」「コワイ!」「ゴボボーッ!」 ニンジャスレイヤー世界において、古代のニンジャたちはかつてその圧倒的なカラテとジツにより、世界中の非ニンジャを無慈悲な支配下に置いていた。 だがその後さまざまな経緯から彼らの力は次第に衰えていき、最終的には力をつけた非ニンジャ勢力の攻撃を受けてゲコクジョ(*30)され、歴史の表舞台から駆逐されてしまう。 その後歴史の勝者となった非ニンジャ勢力は、徹底的にニンジャ支配の歴史の詳細を隠匿し、また改ざんを重ねてその抹消に努めたため、現代では表向きニンジャの存在は歴史書から消えてしまっている。 先にも触れたように、一般人にニンジャが荒唐無稽なフィクションの産物ととらえられている」のはそのためである。 しかしミーミーの面でニンジャを忘れ去ることはできても、ジーン、つまり遺伝子の場合はそうはいかない。 長きにわたってニンジャの暴虐的な支配を受け続けてきた記憶は、非ニンジャの中にはもはや遺伝子レベルで刻まれており、ニンジャの存在は非ニンジャに対しヘビを前にしたカエルのような本能的な恐怖反応、拒絶反応を誘発するのだ。 この強力な精神作用によって引き起こされる一連の急性精神障害が「ニンジャ・リアリティ・ショック」と呼ばれるもので、パニック障害に似た精神喪失、錯乱、嘔吐、手足の震え、心停止、失禁などの諸症状を引き起こす。 実際にニンジャの支配にさらされていた昔の非ニンジャにも無論起きうるが、ニンジャをフィクションの産物と思っている現代人がこれに陥ると、今までの現実認識がひっくり返されてしまう心理的衝撃も相まって症状がより深刻化しがち。 ニンジャが直接目の前に現れた時だけではなく、その存在を様々な形で認識してしまった際にも起こりうるが、やはりニンジャを直接目の前にし、その力を認識した際に最も起こりやすい。 ・「集団戦の場合、個別のアイサツ交換は必須ではない」 数人、数十人以上の集団によって敵と相対した場合などは、1人もしくは数人が代表としてアイサツするなどして、余人のアイサツを省略してもよいとされている。 「イヤーッ!」ファーリーマンが到達し、ルイナーを援護する。アマクダリのニンジャ達が一人また一人と降り立つ。イクサにおける個別のアイサツは、開戦時の両大将が代表する事で省略可能だ。「イヤーッ!」「イヤーッ!」攻撃応酬を周囲に見ながら、スターゲイザーとスーサイドは押し合う。 ただしこの場合も、イクサの中で敵ニンジャとの個別の一騎打ちが発生するなどして一対一の状況になった場合は、改めて互いにアイサツをするのが望ましいとされる。 またアイサツは省略「してもよい」だけであり、あえて全員分やったとしても無論シツレイにはあたらない。実際作中でも少人数の場合だと、全員がアイサツをしていることも少なくない。 そして相手が省略せずに全員分アイサツしてきた場合は、やはりされた側も全員で返すのが礼儀とされている。 なおこの場合の集団戦とは、複数の勢力が入り乱れるような所謂「乱戦」も含まれる。 つまり 「ドーモ。ネブカドネザルです」陽炎に霞む巨大なシルエット……恐るべき背部アーマーを装着した鋼鉄ニンジャがアイサツした。全ての者たちが一瞬、固唾を呑んだ。「アーッ!」ヤマミ鋼材の跡取りが風圧で床を転がった。バスター・テツオが叫んだ。「オムラだ!奴をやれ!皆殺しになるぞ!」 「あなた方のアイサツは省略します」ジャキン!音を立て、ネブカドネザルが両肩のキャノン砲と両腕アーマーのミサイルランチャーを展開した。「とりあえず重要対象を除く者達を全滅させます。当然ながら降伏は認めない」「イヤーッ!」ドラゴンベインが跳んだ! この場合、ネブカドネザルは自分だけアイサツして相手のアイサツをキャンセルした形になるが、この時はニンジャスレイヤーやドラゴンベインを含めた複数勢力によるイクサが既に繰り広げられていた。 そのため新たにエントリーしたネブカドネザルは「乱戦に途中参加した」格好となるため、この場合もアイサツ交換を待つ必要はないとされる。 本来ならば自分がアイサツする必要もないのだが、多くのニンジャはこのようなアイサツ不要状況下でも名乗りだけは短く行う傾向があり、ネブカドネザルも同様なのだと考えられる。 ・「アイサツをしたら返さなくてはならない」 非常に優先度の高いルール。相手のアイサツに対してアイサツを返さないのは大変なシツレイである。 ここまで述べてきたように「必ずしもアイサツをしなくていい場合」というのは割とあるのだが、相手がアイサツしてきた場合は話が別。 基本的に「アイサツにはアイサツを返さなくてはならない」というこのルールが優先適用されるのである。 ただし注意すべきは、このルールは「アイサツされれば、即座にアイサツを返さなくてはいけない」という意味ではない。 もちろんなるべく早く返すのが望ましいが、イクサの流れ次第では、敵のアイサツの後にアイサツを返せるような時間がなかなか訪れないこともありうるのだ。 さらに言えば、「アイサツを返さない」のはシツレイにあたるが、同様に「アイサツを返させない」のもまたシツレイとみなされる。 例えば自分だけアイサツをして相手のアイサツを待たずにイクサを始めたり、アンブッシュから攻撃を続けつつ一方的にアイサツした、などの場合である。 この場合、自分が相手のアイサツ行為を妨害しているも同然であるため、礼儀を欠いているとみなされるのはむしろアイサツした側となる。 また、上記のようにニンジャがモータルと相対した場合はアイサツの必要なしとして即座に攻撃を始めることが多いのだが、モータルの側からアイサツされた場合はこちらのルールが優先される。 と、いうかその必要は全くないとわかっていても本能レベルでアイサツを返してしまうニンジャがほとんどであるらしい。 原則として非常に優先度の高いルールであるが、適用されない場合もないわけではないらしい。 例えば実際のケースとして、第二部のニンジャスレイヤーVSデスナイト戦のように、「アンブッシュ成功→直後にアイサツ→そのまま相手が戦場からキックアウトされて離脱→結構たってから戦闘再開」といった感じにそれなりのロングスパンを挟んだ場合がある。 この時アイサツを受けた側であるニンジャスレイヤーは、戦闘再開後もアイサツを返していないのだ。 彼はいかな理由があろうと安易なシツレイを自らに許すタイプではないため、こうした場合もあるいはシツレイにはあたらぬとされているのかもしれない。 ・「アイサツ中に攻撃しない」 ニンジャのアイサツに儀礼において最も簡潔で、かつ最も優先度が高いルール。 相手の、そして自分のアイサツ中に攻撃行動を取ることは厳に戒められており、アンブッシュであろうが乱戦中であろうが、議論の余地なく最低、スゴイ・シツレイ(*31)な行いであるとされる。 アイサツってのはさ、神聖な時間で、相手のために攻撃や防御の手をあえて止めてるだろ?あえて止めてるっていうのが大事だ。わかるか?礼儀を尽くしてるんだよ。その相手の礼儀を踏み台にして攻撃しちゃいけないんだ。 何度も述べてきた通り、アイサツ儀礼の根幹にあるのは「相互リスペクトの精神」であり、サツバツたるイクサにあっても「イクサはイクサ、礼儀は礼儀」としてそれを厳粛に守ることにこそ意義が、そして名誉があるのだ。 なのでアイサツ行為を利用して攻撃するというのは、そうしたアイサツの根本的な精神性、存在意義そのものに対する侮辱とすら言えるのである。 ニンジャが行えば「この恥知らずな戦術に味方ながら戦慄した」と味方から内心でこき下ろされるほどに嫌悪され、組織からは「礼儀を知らぬ」という端的な理由から査定でマイナス評価が下される。 twitter連載が始まってより13年がたった現時点(2023年12月)ですら、この禁を侵したニンジャはただ1人のみ。 ちなみにアイサツ中の攻撃行為ほどの忌避はされないが、同じようにアイサツ中の隙に逃走したりするのも非常にシツレイ、また卑劣な行為であるとされている。 なお、上記のようにモータルが相手でもアイサツをされればアイサツを返してしまうのがニンジャだが、この隙にモータル側から先制攻撃を仕掛けてくる場合がある。元々アイサツとはニンジャ同士のイクサのルールであるため、この場合シツレイには当たらない。 無論、ニンジャ側からすれば卑怯であるとは感じるようだが、どちらかと言えばモータルごときに不覚を取られたニンジャの恥であると解釈される。 ◆アイサツ・タクティクス◆ アイサツのルールについては読者の皆様も詳細な理解を得たものと思われるので、次いでは応用編にいってみよう。 幾度も繰り返してきたように、アイサツはニンジャにとって非常に重要なプロトコルであり、侵すべからざる神聖な儀礼行為である。 しかし同時に、ニンジャの本分はあくまでもサツバツたるカラテに、イクサにあるのも事実。 なので多くのニンジャは、「アイサツのルールを決して侵さぬように、しかしルールの範囲内でなるべく戦術的アドバンテージを得るべし」という、ある種の法律闘争めいた現実的な見方をしている。 そうしたアイサツ戦術ともいうべき観点からアイサツを分析すると、 ・「アイサツ終了直後を狙え」 アイサツ動作中の攻撃は厳禁されているが、終了と同時にその禁は直ちに、そして完全に消滅する。 なのでアイサツ終了後ゼロコンマ1秒で攻撃を加えたとしても、それはまったくシツレイには当たらないのだ。 そしてニンジャと言えども、オジギ中などの無防備状態から戦闘態勢にシームレスに移行するのは決して簡単なことではない。 よってカラテの足りぬ未熟なニンジャなどは特に、アイサツ終了直後にも隙を残していることは少なくないため、これを狙うのは非常にニンジャ戦理にかなった行動と言える。 ちなみに作中でこのメソッドを最も実践しているのは間違いなく主人公であり、アイサツ直後の情け容赦ない速攻(*32)によって戦いのイニシアチブを奪い、多くのサンシタニンジャを葬ってきた。 「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン、ブラックドラゴンです」「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン、シャドウウィーヴです」2人のザイバツニンジャは抜け目ない警戒感とともにオジギを返す。その直後!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーが跳んだ!ブリッツクリーグめいた電撃的トビゲリが空気を裂く! その狙いはシャドウウィーヴ!ニュービーにありがちなオジギ終了後の硬直時間を突いた、見事なアンブッシュだ!「イヤーッ!」シャドウは咄嗟に両腕でこれをガード!だが片腕を半分失っている彼にとって、ニンジャスレイヤーのトビゲリはあまりに痛烈すぎた!「グワーッ!」激痛に顔を歪めるシャドウ! よって「アイサツはキチンとしつつもアイサツ終了直後の隙をどれだけ無くして即座に戦闘に移行・対処できるか」が、ニンジャの力量のボーダーラインの1つと言える。 ・「アイサツで逃亡を阻止せよ」 アイサツは原則として互いが認められる距離で戦闘態勢を解き、向かい合って行う。 つまりアイサツの終了後はお互いが近距離で向かい合って立っていることになる為、その状態から直ちに逃げ出すのは非常に難しい。 無防備な背中を晒すのは言うまでもなく危険すぎるし、じりじりと下がろうにも距離が近いため安易にはいかない。 このため敵を先に捕捉したが、逃亡を阻止したいのであえてアンブッシュでなくアイサツするという戦術も成立し得る。 「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」機先を制し、流れるようにアイサツしたのは赤黒のニンジャであった。レッドハッグはこれによりアンブッシュと逃走の選択肢を奪われた格好だ。彼女はアイサツを返す。「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。……レッドハッグです」路地裏に殺気が満ちる。 ・「先行アイサツ側が有利を得やすい」 一般論として、先んじてアイサツした側がイクサの主導権を握りやすいと考えられている。 まず機先を制することで相手を精神的に圧迫できるし、相手がもたついたりしたらすかさず礼儀不足を指弾したりすることで、さらなる精神的優位に立つことも可能だ。 またそうした心理戦要素以外でも、相手のアイサツを待つ間に精神的、肉体的コンディションを整える時間が得られるし、さらにあまり推奨される行いではないが、開戦直後の攻撃の予備動作などをその時間で密かに行うこともできる。 これがいわゆる「アイサツ的優位」である。 ・「後手側は数少ない優位点を活かすべし」 逆に不利となってしまう後手アイサツ側だが、有利な点がないわけではない。 後手側の優位点といえば、なんといってもアイサツに至るまでの「間」、また口上の長さなどを調整することで、アイサツ終了=イクサ開始のタイミングをある程度操作できるという点に尽きるだろう。 先述したようにニンジャのイクサはアイサツ終了後数秒、あるいはコンマ数秒で決着がついてしまうことも少なくないため、このタイミングを操作できるアドバンテージは決して小さくない。 ・「隙はなるべく小さくすべし」 アイサツ動作中の安全はニンジャの掟によって守られているとはいえ、物理的に見れば無防備な瞬間であることに違いはない。 このため単純にイクサの勝敗という観点から考えれば、可能な限り無防備な時間を短くし、アイサツ終了直後の攻防に備えるのが望ましい。 またそうした油断のなさを相手にアイサツ前に見せつけ、わからせることで、イクサの前からプレッシャーを与えることにもなる。 ・「あえて隙を大きくする戦術」 しかしそれを逆手に取り、あえて丁寧にアイサツしてみせ、長く大きな隙を意図的に作り出すという戦術もありうる。 これは即ち「私はアイサツの際に生じる隙など、気にする必要がないほどの強者です」というアッピールを意味する奥ゆかしいマウンティングであり、相手に威圧感や恐怖を与え、心理的な優勢に立つことができる。 「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン……イグゾーションです」赤橙のニンジャはぞっとするほど冷酷なアイサツを行った。余裕を見せつけ相手に敗北感を味わわせるための、支配者然としたアイサツである。「ドーモ、イグゾーション=サン、ニンジャスレイヤーです」焦燥を隠しオジギするフジキド。 ◆アイサツ事例集◆ ここまでくれば皆様はもはやアイサツのオーソリティと言ってよく、いつニンジャとのイクサが始まっても名誉を汚さず振舞えるほどの知識を身につけられたことであろう。 しかし油断は禁物である。イクサの流れは千変万化であり、アイサツに至るまでの状況もまた然りなのだ。 よってこの項目では実際にニンジャスレイヤーの作品内で行われたアイサツをいくつか紹介し、皆様のアイサツ知識をより実践に即した形で補強していきたい。 ※ ちなみに作品内の文章の引用に関して、一部に編集用プラグインが作動してしまう箇所があったため、やむを得ず該当部分を微修正している。ご了承いただきたい。 【ゼロ・トレラント・サンスイ】より(クリックで展開) 「ドーモ、ミニットマン=サン。ニンジャスレイヤーです」風に乗って、ニンジャスレイヤーのアイサツが届く。ミニットマンは怒りに震える手を合わせ、アイサツを返した。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ミニットマンです」 twitter上で最初に翻訳されたエピソード、つまり連載上最初の作品で登場した、それも初めてのアイサツシーン。つまりこれが「ニンジャスレイヤー」の記念すべき初アイサツということになる。 第1話の冒頭から「前回までのあらすじ」が始まるだけあって、唐突なアイサツ行為に関する言及も全くなく、さも当然のように行われているのが何かこう、実にニンジャスレイヤー的である。 ちなみに物理書籍版ニンジャスレイヤーもこのエピソードから始まっており、表紙を飾っているのは向かい合って互いにオジギをする両ニンジャのシーンである。ワオ……ゼン……(*33) 【アット・ザ・トリーズナーズヴィル】より(クリックで展開) 「ドーモ、ファシスト的な搾取構造に疑問を持たず、欺瞞的に用意された泡沫的なトランキライザー的遊戯にうつつを抜かす奴隷的存在の皆さん。私は進歩的革命組織イッキ・ウチコワシの戦闘的エージェント、フリックショットです」 おそらく現時点で最長のアイサツ事例であり、なんと1ツイートを丸々使う形で行われた。なんて決断的なんだ…… ちなみにこのアイサツはニンジャに対してではなく、非ニンジャの集団に向けたものである。これ以外にも、ニンジャが非ニンジャに(多くの場合は非常に一方的な)イクサの前にアイサツする例は割とある。 【ストレンジャー・ストレンジャー・ザン・フィクション】より(クリックで展開) ニンジャスレイヤーがオジギを返そうとした時、さらに一人のニンジャが背後に現れた。格子模様のニンジャ装束で、背中に巨大な機械を背負っている……ドラム式の大口径ガトリング・ガンだ。「ドーモ、はじめましてニンジャスレイヤー=サン。ビーハイヴです」 ビーハイヴは腰を90度に折って最オジギをする。いきおい、背中のガトリング・ガンの銃口がニンジャスレイヤーを向く。その時!「イヤーッ!」「グワーッ!?」な、なんたる卑劣非道か!その姿勢からビーハイヴはガトリング・ガンを発砲したのである!もはや言葉も出ぬほどのスゴイ・シツレイだ! 第1部ながらも依然忍殺史の頂点に立ち続けるシツレイ・オブ・シツレイなアイサツ事例であり、ビーハイヴというニンジャの名をある意味永遠のものとした。 アイサツ儀礼上最大の禁忌である「アイサツ中の攻撃」をやらかしたという点だけでも十分にすごいが、真にヤバイのは出来心やイクサの流れではなく、計画的にこれを行っていること。 彼は武装から戦術にいたるまでの一切を「アイサツ中のだまし討ち」という最低の初見殺しに特化しており、アイサツ行為を完全に無視……どころかハナっから悪用する気100%という恐るべきシツレイぶりであり、ここまでいくともはや逆にすごいかもしれない。 ちなみにニンジャの間では基本的に「礼儀作法がなっていないニンジャは、所詮カラテもサンシタ」という共通認識があるが、少なくともビーハイヴにおいてはこれが完璧にあてはまっており、素のカラテの実力はそれはもう悲惨の一言であった。 ちなみに第1部の敵組織であるソウカイヤには、彼以外にも ビビりまくって相手の先行アイサツ中に逃走したレオパルド 相手のアイサツ中に戦闘行動(煙幕の展開・音響兵器の作動)を取ったヒュージシュリケン 相手が丁寧にオジギしているのにもかかわらず、戦闘態勢も解かずにアイサツを返したサボター 飛び跳ねつつ攻撃しながら一方的にアイサツし、相手にアイサツを返させなかったアルバトロス 相手がアイサツしたのに、オジギどころか名乗りも返さず毒づいたウォーロック などなど、いずれ劣らぬシツレイなニンジャがいっぱいである。 ソウカイヤという組織自体、ニンジャよりもヤクザ(*34)やギャングのミーミーが強いためであろうか? 【アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ】より(クリックで展開) 「誰だ!? 貴様はァ!?」バーグラーが狼狽し、謎の侵入者を指差す「そ、そのテング・オメーン、もしや、貴様は!」ソウカイニンジャの脳裏に、ある男の名が浮かんだ。ラオモト・カンですら疎む正体不明の非ニンジャ存在にして、孤独なるニンジャハンター!「……神々の使者、ヤクザ天狗参上!」 ドスの利いたバリトン声が事務所に響く!〈〈〈ワッツ? 神々の使者だと? こいつは一体、何を言っているんだ?〉〉〉「ド、ドーモ、ヤクザ天狗=サン、バーグラーです」ただならぬ存在感と口上に気圧され、バーグラーはアイサツを決める。その時!「ザッケンナコラー!」ヤクザガンが火を噴いた! LAN直結された赤漆塗りのオートマチック・ヤクザガンが、論理トリガによって弾丸20発を高速射出する! BLAMBLAMBLAM!「グワーッ!?」アイサツを完了していないバーグラー! この卑劣な奇襲を受け、左肩から先が弾け飛んだ! 壊れたスプリンクラーのように、鮮血がほとばしる! 半神的存在であるニンジャを非ニンジャの身で狩る異例のニンジャハンター、ヤクザ天狗のアイサツ事例。 見ての通り、相手のアイサツ中の隙を狙って攻撃するという議論の余地なくシツレイな行動であり、理屈から言えば「自分のアイサツ中」に攻撃したビーハイヴよりさらなる悪質な行動と言える。 しかもこの攻撃はビーハイヴ同様に意図的なものであり、ニンジャの習性を知り尽くした上で、意図的にアイサツの隙を作り出して不意打ちを狙うという徹底的なやり口である。 だが地の文を含め、登場人物の誰も、奇襲を受けたバーグラー本人でさえ彼のシツレイを指摘したりはしない。 なぜなら彼はモータルでありニンジャではないので、アイサツにこだわるような本能は持ち合わせていないし、また同じくニンジャとしての名誉を気にする必要もないのだ。 【ネオサイタマ・イン・フレイム】より(クリックで展開) 「イヤーッ!」自転する足場から足場へニンジャスレイヤーは壁沿いに飛び移った。対角には安定したバルコニー状の足場がある。そこまで足場が続く。このフロアは広く、対角はまだまだ遠い!「イヤーッ!」背後から飛来する飛び道具を空中のニンジャスレイヤーはチョップで弾き返す。 ニンジャスレイヤーが弾き返したのは小型のマチェーテだ。この武器には見覚えがある!ニンジャスレイヤーを追って足場をジャンプしてくる異様なニンジャの事を、彼は知っている!「イヤーッ!」追ってくる異様なニンジャは再度小型のマチェーテを投擲した。「イヤーッ!」再度弾き返し、足場を蹴る! ニンジャスレイヤーは難しい立ち回りを強いられていた。防御時にバランスを崩せば足場で滑り、眼下のスパイクグラウンドへ真っ逆さまだ。だが、なぜあのニンジャがここに居る?ジャンプを繰り返しながら、ニンジャスレイヤーは追跡者を一瞥する。円錐形の編笠を被った迷彩ニンジャ装束の男を。 「アイサツも無しか!フォレスト・サワタリ=サン!イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはスリケンを投げ返した。「イヤーッ!」敵は空中で大振りのマチェーテを振り回し、スリケンを撃ち落とした。「これはアンブッシュの範疇だ、ニンジャスレイヤー=サン。ジャングルでは常に敵に囲まれている!」 前述した「どこまでが1回のアンブッシュとみなされるか」という論点に関わってくる事例。 1発目の投てき攻撃を回避され、その時点で敵に認識されたにもかかわらずさらに二度目の攻撃を敢行しているが、これに対する捉え方が両者で分かれているのがわかる。 結局ここでは明確な結論は出なかったが、そもそもアンブッシュ者のフォレスト・サワタリは、その憑依ソウルの影響か「アンブッシュ」の範疇をかなり広めに解釈しており、これ以外の場面でもアンブッシュ攻撃が長めなことが少なくない。 【ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ】より(クリックで展開) 応戦!応戦しろ!ソーンヴァインは震えながらカラテを構えた。バイオ鞭はもう無い。カラテだ!カラテがニンジャの身を守る!いや待て、アイサツがまだだ!「ド、ドーモ、ソーンヴァインです……」「フーンク!」インペイルメントの鞘がエンドウ豆のサヤめいて展開、抜き身のロングソードが放たれる! 貴重な、しかし大変に情けないニュービーニンジャのアイサツ事例。 先述の通りニンジャのアイサツは半ば以上彼らの本能に根差すものだが、憑依ニンジャの場合は憑依ソウルの格や憑依対象者との相性といった複合的要因によって、その本能の「度合い」には個体差が出るらしい。 よって彼の様に本能的なアイサツ返しができない、という例もままあるようだが、彼の場合は初の実戦(しかも最悪な状況下での)で、絶望的に緊張していたという点も大きいかもしれない。 【カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル】より(クリックで展開) 両者は目を合わせた瞬間から、激しい嫌悪感を抱き合った。「ドーモ、はじめましてデスドレイン=サン、ダークニンジャです」「ドーモ、ダークニンジャ=サン。って……アァン?俺の名前知ってンの……?まあイィや……デスドレインです」何たる不遜な態度か!神聖なアイサツを省みぬ悪童的姿勢! 主人公のライバルであるダークニンジャと、作中屈指の腐れ外道ヴィランとして名高いデスドレインのアイサツシーン。 テンプレ通りながらも正調なアイサツを行ったダークニンジャに対し、デスドレインのそれは不遜極まりないものであり、アイサツの根本精神を理解せぬ(あるいは理解しつつあえて嘲弄する)彼の精神の下劣さが顕著に表れている。 しかし逆に言えばデスドレインのような下衆の極致ともいうべきニンジャですら、一応はアイサツ行為自体のルールには従っているということであり、ニンジャにとってアイサツ儀礼の強制力がどれほどに高いのかがわかる。 【ザ・マン・フー・カムズ・トゥ・スラム・ザ・リジグネイション】より(クリックで展開) 「バカなーッ!」ニンジャアドレナリンが血中を駆け巡り、チェインボルトはにわかに意識を覚醒させた。そしてバック転で間合いを取ると、マシーナリーなオジギを繰り出した。「ドーモ、はじめましてニンジャスレイヤー=サン。チェインボルトです」頭上には「罪罰」の威圧的ホログラフィ! 当wikiに個別項目まである著名なニンジャ、チェインボルトによるアイサツ事例。 戦闘直後に適切な間合いを取り、アイサツを行う。 敬礼動作、名乗りともに完備のミニマルかつ過不足ないアイサツぶり さらにホログラフィによって自身の所属(*35)を言外に明らかにする奥ゆかしさ など、練達の礼儀作法を感じさせる見事なアイサツである。 これほどの古強者なら、きっとカラテ(*36)においてもすごい\活躍/を見せてくれたに相違あるまい。 【フー・キルド・ニンジャスレイヤー?】より(クリックで展開) 「シューッ……」セイジは深く呼吸した。紅蓮の装束から炎が噴き出し、両腕に収束した。赤黒の影がゆらりと立ち上がる。そしてアイサツした。断定的に。「ドーモ。ニンジャキラー=サン。ニンジャスレイヤーです」 「アイエエエエ!恐ろしいーッ!」背後でウミノがもがき、泣き叫んだ。セイジは叫んだ。〈〈〈俺がニンジャスレイヤーだ!ふざけるな!〉〉〉だが、叫びは現実には為されなかった。かわりに彼の口をついて出たのは、アイサツだった。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ニンジャキラーです」 ヒーローものにはつきものと言うべき「にせ〇〇」との対峙シーンにおける事例。 ニンジャスレイヤーを僭称するセイジに対して、本来のニンジャスレイヤー、即ちフジキド・ケンジは彼を「ニンジャキラー」と名付ける。 興味深いのは、セイジ自身の思考はその命名を否定しているのにもかかわらず、アイサツとして言語化する際にはそれを認めてしまっていることである。 理性を越えて本能がアイサツを司っていること、即ち憑依ニンジャにとってアイサツという行動がニンジャソウルより喚起されているものであることがよくわかる事例である。 【ギルティ・オブ・ビーイング・ニンジャ】より(クリックで展開) Twitter版 ニンジャ修道士たちが侮蔑の視線とともにユカノを取り囲んだ。「あなた方は何者です」ユカノは睨みつけた。「ドーモ、ドラゴンニンジャ=サン。我々はニンジャ修道会。私はタルタロスです。そして……」「ワッチタワーです」「ケムリ・ニンジャです」「セノバイトです」「スタラグマイトです」 物理書籍およびnote版 ニンジャ修道士たちが侮蔑の視線とともにユカノを取り囲んだ。「あなた方は何者です」ユカノは睨みつけた。「ドーモ、ドラゴンニンジャ=サン。我々はニンジャ修道会。私はタルタロスです。そして……」「ワッチタワーです」「スモークです」「セノバイトです」「スタラグマイトです」 「ニンジャであることが罪でありそれゆえ殺人衝動は抑えられないがそれをわかり切ったうえで名ばかりの贖罪をしている」邪悪なニンジャ修道会に属するニンジャのアイサツ場面。 そのニンジャの1人であるスモークがあろうことかアーチ級リアルニンジャの命名規則に則った「ケムリ・ニンジャ」という名前を名乗っていたのだ。 ヘッズが重篤なリアルニンジャ・リアリティショックを引き起こしたのは言うまでもないがその日の更新終了後に実は翻訳担当のケジメ・インシデントであった旨がアナウンスされ、Twitter版における彼の名前は前代未聞の中黒をケジメされた「ケムリニンジャ」となってしまう。 そして物理書籍版では「スモーク」という普通のニンジャネームに改名されてしまった。note版は原作者の意向に基づき一部改訂が行われているが、ここでも彼のニンジャネームは「スモーク」となっている。 一方ケムリ・ニンジャについてフォローもされておりnoteで閲覧できる同話のサブスクリプション式設定資料集であるN-FILESによると、Twitter連載時は「ケムリニンジャ」という冒涜的な名前を名乗ったことでユカノを強く怒らせたとのこと。 これらのことから憑依ニンジャがアーチ級リアルニンジャの命名規則に則ったニンジャネームを名乗るのはタブーであることが伺える。 ニンジャスレイヤーWikiには彼のページは「ケムリニンジャ」として表示されているが前述のN-FILESを見るにTwitter版でもスモークが本当の名前のようだ。 なおこのスモーク、結局のところはシノビ・ニンジャクランのソウル憑依者に過ぎなかったが死に際に吐いた「待て!ニンジャスレイヤー=サン!我々はニンジャにしてはかなり控えめで邪悪ではない方だ!」とある意味ニンジャ修道会の性質を体現する迷言までほざき、ヘッズの腹筋に重傷を与えている。 真面目な話、彼の弁明は「多数のために少数が犠牲になるのは仕方がない」という、ニンジャスレイヤーが最も憎む理論であり、彼の怒りの炎に油を注いだだけであった。インガオホー! 一方で物理書籍及びnote版ではヤクザ天狗参戦後の役割がスタラグマイトと入れ替わっており、早々に爆発四散してしまった。従って上記の台詞はスタラグマイトが発している。 【バック・イン・ブラック】より(クリックで展開) 「ドーモ。ローシ・ニンジャです」ゲンドーソーはニンジャとしての真の名を名乗り、アイサツした。「アバーッ!」枯れ葉ニンジャは倒れた。 「タワケめ!アイサツする力も無しか」ゲンドーソーは言い捨てた。「せめて名乗れ!」「アバーッ!」枯れ葉ニンジャは痙攣しながら名乗った。「デッドリーフです!サヨナラ!」断末魔とともにその身体は爆発四散! ドラゴン・ゲンドーソーのアンブッシュで致命傷を負わされたニンジャが、アイサツとサヨナラを同時にこなして爆発四散した事例。 前述の通りアイサツ前のアンブッシュで殺されてしまうようなニンジャはアイサツする価値もないサンシタと見做されるのが通例だが、致命傷を負ってから爆発四散まで間があったこともあり、ゲンドーソーはきちんと自らのニンジャネームを名乗りアイサツ。 さらに突然のことで混乱したまま叫ぶことしかできない敵ニンジャに、せめて名乗ってから死ぬよう一喝。 死の瀬戸際に立たされたニンジャは断末魔と共に「デッドリーフ」の名を名乗ってアイサツを返し爆発四散した。 「相互リスペクト」というアイサツの基本に立ち返った、ゲンドーソー先生の奥ゆかしさが際立つ場面と言えよう。 【アセイルド・ドージョー】より(クリックで展開) 「ドーモ。シャン・ロア=サン」入場者は階段を前に謁見者めいて進み出たが、跪きはしなかった。彼は挑戦しに来たのだ。アイサツする彼の黒い装束を、橙色の輪郭が縁取っていた。「あるいは。ムカデ・ニンジャ=サン」「……」王の目が細まった。王は首を傾げた。「名乗れ。サツバツナイト=サン」 腕の一つを長く伸ばし、シャン・ロア王、すなわちムカデ・ニンジャはサツバツナイトを指し示した。「名乗りを許す。カイデンのニンジャよ」サツバツナイトは怯まず見返した。拳を合わせ、オジギした。そして名乗った。「ダイ・ニンジャです」 リアルニンジャ同士の玄妙なアイサツ事例。 先にも触れた通り、現代にあふれる憑依ニンジャは多くの名を持ち、状況によって適宜使い分けているのだが、この点は憑依者ではないリアルニンジャであっても同様である。 しかし彼らの場合、憑依ニンジャに比べると名前の使い分けについてもう少し細緻なルール、あるいは従うべき規範のようなものを持っているようにも感じられる。 この事例もその1つで、憑依ニンジャもよく名乗るニンジャとして「ニンジャネーム」と、ニンジャ社会において最上級と認められたリアルニンジャがだけがもつ「カイデンネーム」を明確に使い分けているのがわかる。 【ザ・シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カム】より(クリックで展開) 「貴方は」笛の男は息を吐き、アイサツしようとした。フィルギアは被せるようにアイサツを先んじた。「ドーモ。フィルギアです」「……フィルギア?この地にて、さような名を名乗り……」男は言葉を切り、吟味するように、今のフィルギアの装いを、アトモスフィアを確認した。「さような出で立ちを」 様々な方面でのネタバレになってしまうため詳細な背景は避けるが、要するに先行アイサツ側のニンジャが「今は自分をこの名前で呼んでくれ」という意味で先んじてアイサツをしている事例である。 ここ以外でもリアルニンジャは「相手の名のレイヤーに合わせた名を名乗る」ことを重視するシーンが多く、いかなる作法の下に名前を使い分けているのかは非常に興味深いところである。 【アルター・オブ・マッポーカリプス】より(クリックで展開) 「ドーモ。サツバツナイトです」サツバツナイトはクローザーに決断的にアイサツした。そして喝破した。「久しいな、ケイトー・ニンジャ=サン!」「ヌ……!」クローザーは僅かに狼狽した。「何の事やら」だが瞬き一つせずクローザーを凝視するサツバツナイトに、彼は苦笑し、瞬時に装束を纏った。 「よく見破ったものだ。だが考えても見給え。その認識が罠かも知れんぞ? 私がケイトーだと敢えて貴公に見破らせる事自体が私の罠であったとすれば、貴公は致命的な弱点を晒す事にもなりかねんのでは? つまりだね、私がケイトー・ニンジャと思わせる他の何某である可能性も捨てきれん筈……」「イヤーッ!」 「シツレイ!」ケイトーはサツバツナイトのカラテを躱し、間合いを取った。「私がアイサツに応じるを待たず殴りかかるとは!」だがサツバツナイトは騙されず首を振った。「オヌシにはアイサツに応じる時間が十二分にあった。礼儀にもとるのはオヌシだ、ケイトー・ニンジャ=サン」「……フン」鼻を鳴らし、オジギを返す。「クローザーです」 「アイサツを返さないのはシツレイ」「アイサツを返させないのもシツレイ」という両ルールの境界線を理解しやすい事例。 この場合、アイサツを受けた側が長々とアイサツ以外の会話を挟み、一向にアイサツを返す気配が見えなかったため、返礼を待たずして攻撃した側はシツレイとはされていない(*37)。 類似の事例として第2部のニンジャスレイヤーVSモスキート戦などがあるが、この場合も同様にアイサツされた側の返礼が遅れたために攻撃されたものの、シツレイとはされなかった。 【デストラクティヴ・コード】より(クリックで展開) 黒い三角帽(トリコーン)を被ったニンジャは、ニューロン速度で跳ぶ銃弾に、アイサツを込めた。『ドーモ。ハイウェイマンです』アヴァリスは眉間に銃弾を受け、後ろに吹き飛びながら、彼の名乗りをニューロンで聞いた。時間が極限圧縮され、アヴァリスは後ろに倒れる自分を無重力めいて感じた。 先にも少し触れたが、古代のユミ使いのニンジャは「遠距離戦であっても、矢に矢文をつけてアイサツを送る」というアイサツ行為で知られているが、その現代版ともいえるアイサツと言えよう。 ◆アイサツ・トリヴィア◆ 「実は描写外でアイサツをしているかも?」 先にも何度か触れたが、原作小説内では意外なほど「アイサツを片方が、あるいは両方がしていないイクサ」が頻出する。 ご存じの通り各種ルールの上ではアイサツは必ずしも必須ではないためだが、しかしこれは「実際にアイサツしていないケース」と「実際にはアイサツしているが、描写が省かれているケース」の両方が存在しているらしい。 原作者、またほんやくチームはこれを「解像度の関係」と述べており、本筋に絡まない背景的な意味が強いイクサだったり、あるいはエピソード内のアトモスフィア(*38)などによっては、アイサツシーンが省かれてしまうこともあるということだ。 「敬礼動作の種類」 アイサツ時の敬礼といえば、作中で圧倒的に多くみられるのが両手を合わせた合掌+頭を下げるオジギを組み合わせたタイプである。 かのアニメイシヨンでもキービジュアルとして多用されたため、原作未読の方々の中にもご存じかもしれない。 しかし原作に登場する敬礼動作は決して一様ではなく、 ・<利き手で拳を握り、逆の手の掌で拳を包む、あるいは打ち合わせる> 「遊んでやがる、コイツ!」スーサイドは毒づいた。謎の乗り手は加速するハーレーの真後ろにピッタリと着き、速度をシンクロさせて、決して離れはしない!「すっげェー」フィルギアはシート上で器用に座り直し、真後ろを向いた。顔の前で左手のひらと右拳を合わせた。「ドーモ。フィルギアです」 中国のカンフー映画や歴史映画などでよくみられる、いわゆる「抱拳礼」もしくは「拱手礼」のような敬礼動作だと思われる。 合掌+オジギタイプに次ぐ登場率を誇る比較的メジャーなタイプで、利き手の拳を自らふさぐことでアイサツ中の非戦意志を奥ゆかしくアッピールできるという。 また非戦闘時ではあるが、両手を組み合わせて頭より高く掲げてひざまずく、所謂「天揖」めいた最敬礼をしたケースもある。 ・<両手で拳を握り、それを打ち合わせる スワッシュバックラーは奇妙な自剣を振った。平たい刀身は鞭めいてしなり、ビュルルと音を立てた。そして白金のニンジャがアイサツした。「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。ドラゴンベインです」両腕には鷲を象った無骨なセスタスが装着されている。拳と拳が打ちあうと、澄んだ高音が広間に響いた。 ↑のタイプに近い敬礼であるが、比べるとややこちらの例は少ない。 ちなみにアニメイシヨンでは、#11【メナス・オブ・ダークニンジャ】にてダークニンジャがこれにオジギを組み合わせた敬礼動作を行ったが、実は原作ではそうした詳細な動作の描写はない。 ライバルキャラとして、主人公のアイサツに対するビジュアル的な個性を出しつつ、きちんと原作に依拠はするというリスペクトも忘れないアニメイシヨンスタッフの見事なワザマエである(*39)。 ・<両手を腰に添わせたままオジギする> トビゲリ・アンブッシュを決め終えたニンジャスレイヤーは、素早くバク転を3回決めて体勢を立て直す。そして両手を腰にぴったりと添え、ノトーリアスの機先を制するように、素早くオジギを決めて精神的優位に立った。「ドーモ、サヴァイヴァー・ドージョー=サン。ニンジャスレイヤーです」 我々日本人が改まった場やビジネスシーンなどでよく行う「お辞儀」に酷似した敬礼だが、作中では非常に珍しいタイプで、少なくともニンジャ同士のイクサ前アイサツとしては殆ど例がない。 ・<片手のみで合掌様のしぐさを行う> 猶予はもはや無い。ニンジャスレイヤーは眠るナンシーに失礼を詫びる片手アイサツをした後、フートンを剥がした。そして患者衣姿のナンシーを抱き上げた。その身体が、電気ショックを受けたように、数秒間、ニンジャスレイヤーの腕の中で激しくふるえた。ニンジャスレイヤーは目を見開いた。 時代小説などでよく登場する、所謂「片手で拝む」タイプの敬礼動作で、我々にとっては比較的身近なものだが、ニンジャの戦闘前アイサツとしては希少と言うか、実は現時点で例が無い幻の敬礼動作。 ただしイクサ時ではない普通のアイサツとしては使用例もあり、また原作陣営の監修の上で製作されているコミカライズ版においても何度か登場している。 なお、現実の挨拶においても古来より伝わるものは、洋の東西を問わず速やかに攻撃態勢に移れない姿勢を相手に見せることにより、生殺与奪の権を相手にゆだねることをもって敬意を示す動作がもとになり、儀礼化したもの(*40)が多く見られる。 その点で考えると、片手が空いていて攻撃態勢に移りやすいこの姿勢は攻撃の手を止めていることを示すことが重要なニンジャ同士のイクサ前に行うアイサツとしては適さないのかもしれない。 などなど、多彩な敬礼動作が登場する。 また人型を外れたタイプのニンジャの場合だと、もはや全くテンプレートが通用しないような敬礼動作を取ることもあるが、ニンジャは本能的にそれがアイサツなのか否かを感じ取ることができる。 「何語でアイサツしてる?」 ニンジャスレイヤーにおいては、原則として「今登場人物たちが何語でしゃべってるか」という点はあまり取りざたされない。 日本語と英語など、複数の言語の使用を重点描写されているのは、かのラッキー・ジェイクや、あるいはロシア人ニンジャのサボターなど、ごくまれである。 作中のニンジャは日本を発祥としているし、ニンジャ関連の用語も多くが日本語なのだが、アイサツも日本語で交わされているかどうかは今のところ不明である。備えよう(*41)。 アニヲタwiki……トクガワ・エドの治世から数百年が経過した今となっても、この極東のハイ・テックwikiには「追記」「修正」と呼ばれる価値観が連綿と生きている。 現記事を卑しめ、新記事を尊ぶ。このwikiでは何より記事の充実こそが重んじられる。 たとえそれが、wiki中毒者とwiki編集人のようなマケグミタッグであってもだ。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……「良い」を -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アイエエエエ重篤な項目!! -- 名無しさん (2022-06-09 07 51 00) アイサツがあることで忍殺を読むにあたり登場したニンジャの名前をすぐに認識出来るという大変奥ゆかしい効能があることは注目に値する。 -- 名無しさん (2022-06-09 07 55 48) ビーハイヴ=サンのシツレイ行動は侍殺シリーズの歴史に残る大偉業っスね。尊いんだ、絆が深まるんだ -- 名無しさん (2022-06-09 08 05 54) アイサツをしないやつにはスシトーチャリングだな! -- 名無しさん (2022-06-09 08 53 29) ↑忍殺の項目でのアンブッシュ的タフ語録はスゴイ・シツレイ! -- 名無しさん (2022-06-09 08 54 44) 編注の最後辺りがやたらフランクになってるのが笑える。これはもはや編集者=サンのケジメ案件では? -- 名無しさん (2022-06-09 08 57 54) アッハイ備えます(ニュービー的アトモスフィア) -- 名無しさん (2022-06-09 09 01 34) 平易で一般的な日本語(大嘘) -- 名無しさん (2022-06-09 11 06 34) 忍殺の世界にも先行制圧というか先行有利の概念があるのか… -- 名無しさん (2022-06-09 12 40 36) ニュービーへの豊富なインストラクションと、ほんぺんを交えた実例による履修者へのフォローアップにも繋がるワザマエ記事ですねコレは… -- 名無しさん (2022-06-09 12 50 59) 秀逸なこうもく(迫真) -- 名無しさん (2022-06-09 13 01 35) 項目始まる前の所要時間でいきなり忍殺語を出す見事なアンブッシュ。 -- 名無しさん (2022-06-09 13 40 50) なんという丁寧な解説記事…!(キルズ並感) -- 名無しさん (2022-06-09 13 47 44) 何らかの事情でこの世界の人々に伝わる原語を話せなくとも自ら名前を発声する代わりに紙に名前を書いて広げてみせるのもアイサツになるし、作法の類を一際に重視するあるニンジャ組織でも事情も相まってか唸り声しか上げられないニンジャですらちゃんと他のニンジャに会う度アイサツだとはっきりわかる動きをしているならば自分の名前を自ら発声できていなくとも明確にシツレイを咎められている様子はなかったりする -- 名無しさん (2022-06-09 13 51 44) 「歴史書かそれに近い古代の書物のようだが、我々の知る日本の歴史書『古事記』と共通する部分はいまだ確認されていない」で吹いてしまってダメだった -- 名無しさん (2022-06-09 16 48 50) ゴウランガ! なんたる項目か! -- 名無しさん (2022-06-09 17 46 39) 「ニュービーにもわかるように平易な日本語で書きます」と断っておきながらニンジャ特有の怪しい文体で書かれているあたりに建て主の愛を感じる良項目 -- 名無しさん (2022-06-09 19 44 22) 代表アイサツが出ると続きが無性に気になる。大乱闘のサキブレみたいなもんだからかな。 -- 名無しさん (2022-06-09 20 15 14) 夥しい注釈、詳細な引用、不文律と化したファクターの本家wikiを超える明確な言語化。どれをとっても素晴らしい。これほどの項目は久しく見ない。よき時間を過ごせた -- 名無しさん (2022-06-09 20 38 25) ニンジャ本能に組み込まれたアイサツを罠として扱うまでに至ったとはある意味凄いんだ、ビーハイヴさん(【アイサツ】──……これが?…虚無い…)とかなった可能性があると考えられる -- 名無しさん (2022-06-09 20 47 58) 忍極世界でも“100%ブッ殺すと決めた相手には堂々名乗る”と言う裏社会の礼儀(ウラマナー)として伝わっている。アイサツは作品の垣根を越える -- 名無しさん (2022-06-09 20 49 01) 決闘のやり方は学んでいるな? まずは互いにおじぎだ…おじぎをするのだ!とあるように、ニンジャどころか魔法使いにおいてもアイサツは実際大事。これ忌憚の無い意見ってやつっスね。悔しいだろうが仕方ないんだ、テストに出ないよお…… -- 名無しさん (2022-06-09 21 43 46) 『原初の時代から今日に至るまでニンジャに虐げられてきた人間達の憎悪と怨念の集合体』なんて対ニンジャ殺戮存在でさえ守り通すor破れないルールを『自分の為だけに』『意図的に』『何度でも』破り続けられるビーハイブはやっぱりとんでもないイレギュラーだよなぁ… -- 名無しさん (2022-06-09 22 22 39) 唐突なパラッパラッパーに対する注釈が普通に「パラッパラッパーとはなにか」を解説していて結局唐突にパラッパラッパーしようとしてる理由が何一つ理解できない所で腹筋が爆発四散した -- 名無しさん (2022-06-09 22 36 15) 多分あれ体を直角に曲げると自動的にガトリングの引き金が引かれる仕掛けになっててニンジャソウル的には普通にアイサツしてるだけだからプロテクトを搔い潜れてるんじゃないかなと思ってる -- 名無しさん (2022-06-09 22 38 43) アイサツのタイミングが被って同時に行われる場合もあるんだろうか? -- 名無しさん (2022-06-09 23 49 57) ↑ニンジャ同士であれば多分ニンジャ聴力とかニンジャ反射神経で被った事はすぐ分かるので「「ドーモ……ッ!」」で止まってからどっちが先に名乗るかの腹芸合戦になりそうな。機先を制して精神的優位に立つか、悠々と構えて自身をアッピールするか -- 名無しさん (2022-06-10 00 02 53) ビーハイヴ=サンのアレは成果主義重点のソウカイヤですら礼儀知らず扱いされて冷遇されてるんだからザイバツなんて行ったら大変なことになりそうだ。 -- 名無しさん (2022-06-10 00 13 49) ザイバツでまともなアイサツができない奴は出世できないを通り越して命が危ない。使い捨ての駒として最前線に捨てられる -- 名無しさん (2022-06-10 01 18 21) ニンジャ絶対殺すマンのフジキド、ラオモト、ロード、アガメムノン等の各部ラスボス、忍殺世界でも一二を争う外道デスドレインですらアイサツの掟には逆らえないんだからビーハイヴ=サンがどれほどオンリーワンな存在なのかがよく分かる -- 名無しさん (2022-06-10 03 13 54) ヤクザの注釈で突如別のネットミームが出てきて腹筋がしめやかに爆発四散 -- 名無しさん (2022-06-10 04 00 45) コブラ・ニンジャがカツ・ワンソーにジキソしたという有名な逸話だが…謀を得意とするコブラ・ニンジャと依然謎に包まれし始祖カツ・ワンソーの間に起きたことが歴史に知られるそのままであるとも限らない。ただ備えよう。 -- 名無しさん (2022-06-10 10 43 34) ミスターでもミズでもないジェンダーニュートラルな敬称として日本語のサンが英語圏でも注目されてるってのが最近も話題になったがやっぱり忍殺が脳裏によぎってつらい -- 名無しさん (2022-06-10 16 44 59) 世界が=サンに満ちた時既にヘッズである貴方は正しい礼儀作法ができ実際有利。流れるようなアイサツを決め精神的優位に立とう。 -- 名無しさん (2022-06-10 20 19 58) フジキド=サンVSノトーリアス=サン戦は模範的なアイサツ→イクサ遷移事例 -- 名無しさん (2022-06-11 05 03 43) ビーハイヴ=サンの戦法はジッサイカッコイイ、カッコよすぎて俺なら自殺してるぜ -- 名無しさん (2022-06-11 05 06 58) シヨンと面接指導教材を使ったMADで面接会場でガトリングぶっ放すビーハイヴとあまりにも尤もな『もはや言葉も出ぬほどスゴイ・シツレイだ!』の畳みかけに腹筋が爆発四散したの思い出した -- 名無しさん (2022-06-11 08 37 18) ヤクザ天狗はモータルだけどニンジャにアイサツさせてるのがスゴイ。ニンジャ側も(ひょっとしてニンジャでは?)と思っているのでは? -- 名無しさん (2022-06-11 10 03 41) ネブカドネザル=サンのように一方的に相手のアイサツを省略する場合もあるよね -- 名無しさん (2022-06-11 14 23 03) アイサツは大事。古事記にもそう書かれている -- 名無しさん (2022-06-11 18 53 27) 挨殺・・・?(多分違う) -- 名無しさん (2022-06-11 20 08 25) 「ちなみに作中でこのメソッドを最も実践しているのは間違いなく主人公であり」のとこすごい好き -- 名無しさん (2022-07-11 20 49 27) バーグラー=サンに兄貴いたっけ?グリーンエレファント=サン辺りと混同しているのでは? -- 名無しさん (2022-07-12 20 17 09) 【ヒア・カムズ・サン】でナラクが言ってる「遠隔操作を介してアイサツする必要はない」というのは特筆すべき例だろうか>(*42))ナラクが認めた。(*43)) 20 -- 名無しさん (2022-08-20 22 58 08) ↑つい挨拶をしてしまう迫力はあるだろうけど、ニンジャだと認識しているとアイサツ中の攻撃がシツレイになっちゃうので(してない以上)ニンジャと思ってはないんじゃないかな。 -- 名無しさん (2023-01-23 22 17 41) 現実でも堂々と「どうもはじめまして。〇〇(名前)と言います。あなたを殺しに来ました。」って挨拶されたら圧倒される。不意打ちを考えないならアイサツは実際強力な戦術と言えなくもない。(彼は真顔で -- 名無しさん (2023-06-30 11 08 55) 普通の挨拶のつもりでアイサツしたらうっかりイクサが始まるなんてことはないの? -- 名無しさん (2023-12-08 14 46 11) 本文にもある通り、ニンジャも平時には普通の(※作中基準)日本人同様の感覚でアイサツしてるからね。あくまで「イクサ=アイサツ必須」なのであって、「アイサツ=イクサの合図」ではないのだ。むしろイクサが始まった(あるいは始める)直後に、宣戦布告の意味でアイサツをするような感じ。 -- 名無しさん (2023-12-13 18 56 52) 名前 コメント