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RX-178 FXA-05D スーパーガンダム [部分編集] 正義の創痕 / 拡張シート1 UNIT U-70 青 3-4-2 C 《(1)》範囲兵器(2) 宇宙 地球[3][2][3] [部分編集] 疾風の砲火 UNIT U-269 青 2-4-1 C (防御ステップ):範囲兵器(2) 《[2・3]》換装〔ガンダムMk-II〕 【チーム>〔アーガマ隊〕(戦闘フェイズ):《R》自軍ユニット1枚は、ターン終了時まで±0/±0/+2を得る】 (自動B):《[2・4]》このカードが「換装」の効果で場に出た場合、このカードの上に+1/+1/+1コイン1個を乗せる。 宇宙 地球[3][2][3] ガンダムMk-IIから換装する事が出来る【チーム>〔アーガマ隊〕】を持ったスーパーガンダム。 疾風の砲火に収録されているが、テキストで+1/+1/+1コインを得るためには、《[2・4]》が必要なので換装元としては、同じく収録されているガンダムMk-IIだけでなく、果てなき運命に収録されているガンダムMk-II(カミーユ・ビダン機)とも相性がよい。 【チーム>〔アーガマ隊〕】のテキストであるが、自軍ユニットの防御を2上げる事が出来る。対象の味方ユニットのいるエリア及び、テキストが使用出来るエリアが限定されていないため、どこにいても使用する事が出来る。 また、自分自身の防御を上げる事が出来るため、コインが乗った状態で使用すれば6国域のユニットにも破壊されなくなる。 反面、自身をロールしなければいけないため、防御専門とも言えるだろう。 また、威力は小さいが、防御ステップに範囲兵器(2)を使う事が出来る。 そのため、守備隊コインやザクIIコインによるチャンプブロックを無効化する事が出来る。 地味であるが、なかなか役に立つテキストを備えた優秀なユニットである。 なお、ほとんど無意味だがサイコガンダムMk-IIから換装が可能である。 [部分編集] プロモーションカード / 覇王の紋章 ジャンボカードダスVer. UNIT SP-2 青 2-4-1 SP 【(自動B):このカードは、プレイされて場に出る場合「変形形態」で出る。その場合、「変形」が行われるまで、「変形形態」を「通常形態」として扱う】 (自動A):このカードは「変形」の効果を使用できない。 宇宙 [3][2][3] Gフライヤー 高機動 変形 [*][2][4] 変形形態で場に出るスーパーガンダム 変形形態で場に出るテキストを利用して、一回だけだが高機動アタックが出来る しかし、それ以降は[3][2][3]のバニラになってしまう 使うのなら、何らかの効果で手札に戻して再利用したい
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奥様の名前は「恭子」 そしてダンナ様の名前は「ダーリン」 ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました でもただ一つ違っていたのは「奥様はスーパーヒロイン」だったのです・・・ 【朝、玄関にて】 「いってくるね、恭子」 「もうっ。わ・す・れ・も・の」 「ん・・・」 恭子は目を瞑り…ちょっとあごを上げる ちゅ・・・ 軽く唇を合わせ、離れる。 「えぇー」 「な、なんだよ」 「前に言ったでしょ、“いってきます”のキスは5秒以上!」 「あ、あれは恭子が勝手に・・・」 「ん・・・」 「って、聞いてないし!」 「んっ!・・・」 ちゅ・・・ 再び唇を合わせる。 「あ、んっ・・・ん、ちゅ・・・ちゅぷ、ちゅ・・・ちゅぅ~!!!」 「んーー、んっ!?んんん!!!」 恭子に肺の中の空気を一瞬で吸い込まれて、慌てて恭子の背中を叩くダーリン。 「は、はぁ、はぁ、はぁ、し、死ぬかと思った・・・」 「もう・・・だらしないんだから~。ま、いいわ。ね、今日は早く帰ってきてね、ちゅ♪」 ダーリンのほっぺに優しくキスする恭子。 「・・・(///)う、うん、それじゃ、いってきま~す・・・」
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霧切「苗木君、あなたに手伝って欲しいことがあるの」 苗木「うん、いいけど。それって、また探偵の仕事?」 霧切「その通りよ。引き受けてくれて助かるわ」 苗木「それで、今度は何をするの?」 霧切「潜入捜査というやつよ。 私が調べている事件の関係者があるパーティーに出席するのだけれど、そこに潜り込むのにあなたもついてきて欲しいの」 苗木「パーティーって、どんなパーティー?」 霧切「議員の主催する、よくあるものよ。まあ、それなりに大規模なものだれけどね」 苗木「それは……なんだか緊張するなあ。ボクなんか思いっきり場違いな気がするんだけど」 霧切「私がついているんだから、心配しないで。……いえ、むしろ自然な潜入を果たすためにはあなたの協力こそ必要なのよ」 苗木「そ、そうなの? ボクなんかで大丈夫かな」 霧切「ええ。不審を買わず会場に紛れ込めるよう、私達は若手実業家とその妻に扮して……」 苗木「ちょ、ちょっと待って。その設定、少し無理があるような……。ボクが若手実業家?」 霧切「そうかしら。私には何の問題も無いように思えるけれど」 苗木「ていうか本当に必要なのその設定?」 霧切「苗木君、私が今まであなたに必要の無いことを頼んだことがあったかしら?」 苗木「うーん……。無い……と、思う。多分」 霧切「そうよね。だから今回も疑問を挟むことはないのよ。いいわね?」 苗木「わ、わかったよ」 霧切「わかって貰えて良かったわ。それじゃあ、パーティーに備えて少し練習しておきましょう」 苗木「練習?」 霧切「そう、夫婦を演じる練習よ。『ねぇ、あなた?』」 苗木「う、うん? え?」 霧切「『響子さん』よ」 苗木「あ、ああ……。『何だい、響子さん?』」 霧切「そうね……さん付けでは少し硬いわね。『響子』にしましょうか。『ねぇ、あなた?』」 苗木「えーと、『何だい……響子』」 霧切「『愛してるわ』」 苗木「!!?? ボ、ボ……『僕も愛してるよ』……!」 霧切「よろしい。その調子でやってくれれば問題ないわ」 苗木(霧切さん……いつものポーカーフェイスで『愛してるわ』なんて言うんだから……ドキッとしちゃったよ) 霧切「当日もよろしく頼むわ。じゃあね」 苗木(そしていつも通り素っ気無く行っちゃった……でも何だか凄く嬉しそうに見えたのは気のせいだろうか) ・ ・ ・ 霧切「……ッシャァ!(ガッツポーズ)」
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「……よし、勝負だ! ……8と9のツーペア」 ボクが些か緊張しながら場に示した手札を見て、セレスさんは微かな笑みを浮かべる。 「うふふ、残念でしたわね。……こちらもツーペア。ただしジャックとクイーンです」 セレスさんの示した『役』は、当然ボクのそれよりも強いものだ。 ……また、負けた。これで15連敗か……。 ボクがため息をつくと同時に、背後で西園寺さんの無邪気な笑い声が上がる。 「あははっ。苗木おにぃったら、また負けたんだー? よわーい!」 傍観者ゆえのお気楽なコメントに、ボクは言い返す気力すら湧いてこない。やれやれ……。 ここは太平洋上に浮かぶリゾート地、ジャバウォック島。 そこに建つホテルの客室で、ボクとセレスさんはトランプゲームに興じていた。 ボクの後ろのベッドの上では、この島で知り合った日本舞踊家の西園寺日寄子さんが寝転がり、 時折適当なヤジを送りつつ勝負を観戦している。 「少し、疲れましたわね。ちょっと休憩にしましょうか。──ところで」 それまで楽しげだったセレスさんの声が、微かに不満の色を帯びる。 「どうして、わざわざ南の島まで来て、こんな状況になっているのですか? 苗木君」 ──それは、仕方のない事だ。だって、朝からずっと激しい雨が降り続いていたんだから。 時計を見れば、針は午後8時を回ろうとしている。 今頃になって、ようやく雨が上がったようだが……これじゃ、島内観光どころじゃない。 ボクらは観光の予定を全てキャンセルして、一日ホテル内に留まるハメになってしまった。 「……天気の事はしょうがないよ。明日また、出掛ければ──」 ボクの言葉を遮って、セレスさんは首を横に振る。 「違いますわ。わたくしが言いたいのは、どうして余計なお荷物が増えたのか、という事ですの……!」 お荷物……? と、疑問に思ったが、彼女の視線を追って合点がいった。 その先には、西園寺さんがいる。セレスさんは予定外の闖入者が気に入らないのだろう。 ──それは──それも、仕方がない事だ。多少の罪悪感を感じながら、ボクは小声で返した。 「西園寺さんのお父さんに頼まれちゃって、断れなかったんだよ。 ……いや、でも人数が多いほうがきっと楽しいし……その……ゴメン」 ホテルに着いて早々、ちょっとしたトラブルに巻き込まれたボクとセレスさんは、 結果、西園寺さんや、彼女のお父さんと知り合った。そして今朝、またも偶然顔を合わせる。 お父さん曰く──娘は気の会う友達になかなか恵まれず、いつも寂しい思いをしています。 自分たちは明日には日本に帰るんですが、ここで知り合ったのも何かの縁。 迷惑でなければ今日一日だけでも、娘と遊んでやって貰えませんか? ──人の良さそうなあのお父さんに懇願されて……ボクにはどうしてもNOと答える事が出来なかった。 背後でセレスさんが、露骨な舌打ちをしていたとしても……。 セレスさんが呆れたように鼻を鳴らすのに続いて、西園寺さんがまたもお気楽な声を上げた。 「ところでさー、セレスおねぇ。おねぇと苗木おにぃは二人で旅行に来たんだよねー? って事は────もしかして付き合っちゃったりしてるのかなー?」 ボクは……突然の言葉に、一瞬顔が熱くなるを感じた。 微妙な事を……あっさり言ってくれるな、この子は……。 セレスさんは──僅かな沈黙の後、平然とした口調で答える。 「付き合う……というのは意味がわかりませんが……彼は、わたくしの“ナイト”ですの。 わたくしに忠誠を誓う者として、常に傍に侍るのは当然の事ですわ」 「ナイトぉ……? それってさー、もしかしてイターい『設定』ってやつー?」 小馬鹿にしたように、クスクスと笑う西園寺さん。黙って聞いてるボクの方が無性に恥ずかしくなってくる。 一方のセレスさんは相変わらず、余裕の表情だ。 「設定ではありませんわ。事実ですもの」 西園寺さんは口を噤み、ボクとセレスさんの顔を見比べて、二度三度と瞬きを繰り返す。 それから小さく「なるほどねー」と呟いて、どこか意地の悪い笑みを浮かべた。 「……ふーん。じゃあ、わたしと同じだね。私にもいるよー。……『日向おにぃ』って“奴隷”がさー」 ど……奴隷!? どういう解釈でそうなるんだ……? ともあれ、話題を変えるチャンスだ。ボクはすかさず口を開く。 「そ、その日向おにぃって、どんな人なの?」 「日向おにぃはねー、わたし狙いのロリペドでー、何のとりえもないド凡夫なんだー」 め、滅茶苦茶言ってる……! 会った事もないその人に、少し同情する。 「だけど……とっても優しくて……一緒にいるとホッとするの。 お父さんとか……そうだね、苗木おにぃにも、ちょっと雰囲気が似てるかも……」 ……話しているうちに『日向おにぃ』の事を思い出したのか、西園寺さんは頬を緩める。 そうか……この子は……。……いつもひねくれた事ばかり言ってるけど、素直にしてると可愛いんだな。 ボクとセレスさんの視線に気づいてか、西園寺さんは頬を赤らめ、慌てて立ち上がった。 「──って、いいじゃん、そんな事はさー! もういい、行くよ!」 「え……どこに?」 「決まってるでしょ、お風呂だよー。苗木おにぃ達も来るでしょ? お、ん、せ、ん……」 まさか南の島まで来て温泉なんて単語を聞くとは思わなかった。 しかしよく考えてみれば、ハワイなんかも火山島で、温泉に入れると聞いた事がある。 現にこのジャバウォック島にも、立派な活火山があるらしい。 「温泉……それは、このホテル内ではありませんわよね? わざわざ出掛けなくても、こちらに立派なお風呂がありますのに……」 セレスさんはいかにも気乗りしない、という口調だ。すかさず西園寺さんが言い返す。 「言っとくけど、ただの温泉じゃないんだからね! わたしの踊りを観て、感激したホテルのオーナーが特別に招待してくれたんだから!」 ──詳しく話を聞いてみると、このホテルの裏山にVIP中のVIPだけが入れる『秘湯』があり、 今夜は西園寺さんだけの為に貸し切りにしてくれているんだとか──。 ……ボクは正直、興味をそそられたのだが、セレスさんは面倒くさそうに横を向いてしまう。 「嫌ですわ、秘湯だなんて。雨上がりの事ですし、きっと足元も悪いでしょう。 それにわたくし……夜8時以降は決して出歩かない主義ですの」 ……そんな主義、初めて聞いたぞ……。 セレスさんの頑な態度に、さすがに西園寺さんも不機嫌になってくる。 「このわたしがせっかく言ってあげてるのに……。いーよ、じゃあセレスおねぇは“フツーのお風呂”に入れば? わたしはその間に、“セレブ御用達の美肌の湯”でツルッツルになってやるもん! それはもう、苗木おにぃみたいな朴念仁でも目が釘付けになるぐらいツルッツルのスベッスベに──」 西園寺さんが言い終わるより早く、セレスさんはすっと立ち上がった。 「では、早速その秘湯とやらに参りましょうか。西園寺さんの、せっかくのお誘いですものね」 にっこり笑って、何事も無かったかのように一人で歩き出してしまう。 ボクと西園寺さんは、呆れる暇もなく──慌ててその後を追った。 西園寺さんがホテルの人に用意してもらったという、お風呂セットの袋を提げて夜道を歩く。 幸い、温泉への道はしっかり舗装されている上に街灯も整備されていて、歩くのは苦にならない。 一本道の緩やかな上り坂が、女性の足でも10分ほどで目的地に連れて行ってくれるそうだ。 「感謝してよねー、わたしのお陰でVIP専用の温泉に入れるんだから」 などと得意げな西園寺さんにほどほどに相槌を打ちつつ、歩き続ける。 満天の星空の下、爽やかな夜風が吹いてきてとても心地いい。 やがて道が開け、その秘湯がある建物が林の中に見えてきた。 舗装路が途切れ、木々の中に現れた広場の中央に、白い建物がぽつんと立っている。 ホテルと同じ真っ白い外壁は真新しくとても綺麗で、高級感さえ漂ってくる。 ……秘湯なんて言うから、何となく粗末な施設を想像していたのだが、思ったより近代的で安心した。 雨上がりの少しぬかるんだ地面に歩を進め、入り口に近づく。 ここで西園寺さんが、懐から金色のカードを取り出した。 「これ、カードキーね。夜中まで開いてるけど、従業員がずっといる訳じゃないんだってさ」 防犯対策にもぬかりはないようだ。西園寺さん、セレスさんに続いて横開きの自動ドアをくぐる。 玄関マットで靴についた泥をぬぐい、ホールの中へ。 ふと目をやると、端の方に真新しい長靴が揃えて置いてあるのが目についた。 「あれ……誰か先に来てるのかな?」 思わず口にしたボクの問いに、女子二人が答える。 「……どう見ても、VIPの履物には見えませんわ。従業員用の作業靴ではありませんか?」 「そうだねー、今の時間は誰もいないはずだもん。こんな所で靴を脱ぐのも訳わかんないしー」 つまり、従業員が片付け忘れた長靴か。納得して正面に目を向ける。 ホールの先ではすぐ、男性と女性で通路が分かれているようだ。 「じゃあ、こっちの青い袋が苗木おにぃの分で、こっちの赤い袋がわたしとセレスおねぇの分ね。 ……わかってると思うけど、日本と違って水着着用だからねー?」 ……ボクはわかっていなかった。言われてみれば、海外ではそういう習慣なんだった。 口には出さず、苦笑しながら頷く。 「それでは苗木君、また後でお会いしましょう」 セレスさんが上品な笑みを浮かべ、小さく手を振る。 ボクも手を上げて応じたところで、突然、西園寺さんが素っ頓狂な声を上げた。 「……アチャッ、いっけなーい!」 彼女は握り拳で自分の額を軽くコツンと叩き、舌まで出してみせる。 ……昔の漫画でよく見た光景だが、実際やると変な感じだ……。 「いきなり、どうしましたの? 車に轢かれた蛙のような声を出して」 西園寺さんは、赤い袋の中身を何気なく覗いてみたようだ。袋の方から顔を上げる。 「セレスおねぇの分の水着はあるけど、わたしの分が入ってない……。 ホテルに忘れちゃったのかなー。戻って取ってくるから、二人は先に入ってて」 ボクらが何か言う前に、西園寺さんは赤い袋をセレスさんに渡して駆け出した。 「わたしが戻ってくるまで、ゆっくり入っててね。先に出ちゃったら嫌だからねー!」 自動ドアの前で振り返った西園寺さんを見送って、ボクとセレスさんは顔を見合わせた。 「……えっと。じゃあ、先に入ってようか」 「そうですわね。お言葉に甘えて」 もう一度さっきと同じやりとりを繰り返し、ボクらは通路の前で一旦、別れた。 通路の先には小部屋があり、ここが男性用の脱衣所になっているようだ。 部屋の奥には個室のシャワーが設置されていたり、清潔なタオルやサンダルなども用意されている。 これらはお客が自由に使っていい、という事だろう。 大きなガラス戸の向こうでは湯煙がもうもうと立っており、温泉気分が高まる。 ボクは早速、水着に着替えて脱いだ服を棚に置き、温泉の方へと向かった。 湯煙に包まれた温泉は、屋外にあった。当然ながら目隠しの為の高い塀が巡らされており、 広々とした浴場が全面、石材を敷き詰めて作られているところは日本の露天風呂に良く似ている。 だが、こちらには洗い場がなかったり……見たところ、湯船は結構な深さがありそうだ。 欧米の感覚では、温泉はお風呂というよりプールに近いものなのだろう。 文化の違いに軽いカルチャーショックを受けつつ、足先からゆっくりと湯に入る。 湯船の中でも、端の方は浅く、腰掛けられるようになっていた。 まずは肩まで湯に浸かり、一人、大きなため息をつく。 ……ふぅ。……やっぱり、温泉ってのはこういうものだよな……。 しばらく目を閉じて身も心もリラックスしていると、どこか近くで「キィ」とドアの開く音がした。 ……誰か、入ってきたみたいだ。ボクらの後で別のお客さんが来たのか……。 構わず目を閉じたままでいたが……ボクのすぐそばで、お湯が大きく波立つ。 「なかなか、いいお湯ですわね」 聞き慣れた声が聞こえ、ボクは驚いて目を開けた。ボクのすぐ隣に座ったのは、セレスさんだ。 ……こ、混浴だったのか……! よく考えれば当然だ。その為の水着着用だろうし、海外では男女混浴が普通らしい。 セレスさんは、いつもの派手なウィッグを外した姿で……いや、そんな事よりも。 彼女の着ている水着にどうしても目がいってしまう。これは、どう見ても──布が少ない! シンプルな黒のビキニでありながら、卑猥な……とまではいかなくても、結構大胆な露出度だ。 おかげで、彼女の真っ白な肌が露になり──いや、詳しく表現するのは止めておこう……。 「……苗木君。そうジロジロ見ては、レディに対して失礼ではありませんか?」 視線に気づいたらしいセレスさんにたしなめられ、ボクは慌てて目を逸らした。 「ご、ごめん……」 「いえ。……まあ、この水着が少々人目を引いてしまうデザインなのは、わかりますが。 どうやら、西園寺さんにハメられたようですわね……」 ……西園寺さんがホテルで見せた、いじめっ子のような意地の悪い表情が目に浮かぶ。 もしかして、あの時すでに? こんなイタズラをするなんて……西園寺さん、ありがt──じゃない、困った子だな……。 「それにしても」 しばらくの沈黙の後、セレスさんが静かに口を開く。 「こうしてゆっくり過ごすのは、何だか久しぶりのような気がしますわ。 その点に関しては、ここに連れて来て下さった西園寺さんに、感謝しなくてはいけませんわね……」 「……そうだね。それを言ったら……ボクは、セレスさんにも感謝しないと。 多分、ボク一人じゃ一生こんな所には来られなかっただろうし……」 言うまでもなく、これは素直な感想だ。 “超高校級の幸運”なんて呼ばれているボクだが、自他共に認める『普通』の高校生でしかない。 “超高校級のギャンブラー”として、世界を飛び回るセレスさんにとっては、そう珍しい体験でも無さそうだが……。 「いいえ、それは違いますわ」 セレスさんは小さく首を横に振る。 「いくら海外を渡り歩き、高級なホテルに宿泊したとしても、わたくし一人では当然の事で、さほど価値がありません。 わたくしが感謝しなくては、と言ったのは……その……あなたとこうして……」 意外な言葉を聞いて、ボクは彼女の方を見ずにはいられなかった。 夜の温泉。照明はさほど強くなく、うっすらとボクらを照らしている。 セレスさんの白い肌は熱を帯びて紅くなり、その中でも頬はさらに上気して見えた。 ボク自身も……温泉の温度以上に、体が熱くなるのを感じる。 自然と彼女と視線が重なり、鼓動が急激に早くなる。そしてボクは────…………湯船から立ち上がった。 「ご、ごめん。ちょっとのぼせてきちゃったみたいだ……。一旦、上がるね」 セレスさんは無言で頷き、目を閉じる。 ……危なかった。本当に、あれ以上は、色んな意味で……。 ボクは頭を振って雑念を振り払い、熱を冷ます為に脱衣所のシャワーを目指した。 男性用の脱衣所で、ぬるめのシャワーを頭から浴びて、ほっと息をつく。 ……少しは、気持ちが落ち着いたようだ。だが、このままここに居続ける訳にもいかない。 気を取り直して浴場に戻ろうと振り返り──ボクは思わず声に出していた。 「あ……れ?」 脱いだ服を入れておいた棚が、空になっている。 何かの間違いだろうと辺りを見回すが、どこにもボクの荷物は見当たらない。 まさか、盗まれたのか──!? 一瞬、ホールの方に向かいかけたが、濡れた体ではそうもいかない。 体を拭くより、まずはセレスさんに異変を知らせるべく、ボクは浴場に足を向けた。 「大変だよ、セレスさん!」 ──セレスさんは、さっきと同じ湯船の端に腰掛けたままの格好でボクの話を聞き、ゆっくりと首を傾げる。 「苗木君の服を……? それは、ショボい……というか、おかしな泥棒ですわね……」 ボクも同感だが、実際に盗まれてしまったのだから仕方がない。 「ともかく、ホテルの方に連絡しましょうか。ホールに内線電話ぐらい置いているでしょうから。 ここはわたくしに任せて、苗木君は待っていて下さい」 セレスさんはそう言って立ち上がり、女性用の脱衣所の方に歩いていった。 ──が……5分と経たず、戻ってきた。 「……やられましたわ。こちらも同様です」 ……!! 予想外の展開に、声も出ない。 どうやら、ボクとセレスさん……一度に、二人分の着替えが盗まれてしまったようだ……。 ここで一旦、切ります。続きは1時間後ぐらいに投下させて下さい 「それで……電話は?」 「残念ながら、ざっと見た限りではホールには見当たりませんでした。 元々設置されていないのか、あるいは、それも犯人が盗んでいったのかも……」 電話まで……だとすると、事件の発覚を遅らせる為だろうか? 犯人は、なかなか周到な人物のようだ。ただ、それにしては盗んだ物が── 「そういえば、セレスさんの方は服以外に何か盗まれたの?」 ボクが着替えと一緒に置いていたのは、ホテルの部屋のキーぐらいのものだ。 十分迷惑だが、今のところは被害はさほどでもない。 セレスさんは、記憶を辿るように目を伏せながら答える。 「わたくしは──そうですわね。部屋のキー、携帯電話、化粧品類を少々。 お財布はホテルに置いてきたので無事ですが、後は……まあ、下着でしょうか」 下着……! それは、そうだ。ボクも着替えと一緒に盗まれているが、セレスさんとはまるで意味が違う。 だいたい男の下着なんて盗んでどうするんだ。女の子のならともかく……いや、世の中には変なマニアが……? ──って、今はそんな事はどうでもいい。今重要なのはこれからどうするか、だ。 「現実的な所では、歩いてホテルに戻って警察を呼んでもらう、でしょうね。 この格好を人目に晒すのは少々抵抗がありますが……背に腹は変えられませんわ」 セレスさんは胸の前で腕を組み、小さくため息をついた。 緊急事態にあって忘れていたが、彼女の無防備な格好を見て再び意識してしまう。──それは、ボクも嫌だ。 だが、セレスさん一人をここに残し、ボクだけホテルに戻るのも何だか心配な気がする。 「もう一つの手は、水着を取りに戻った西園寺さんが来るのを待って、彼女に連絡してもらう……ですわね。 彼女が来るのは、あと何分後でしょうか。5分後? 10分後?」 ……わからない。そんなに時間はかからないだろうけど、ただ待っているというのも落ち着かない。 そうだ、それまで水着姿のセレスさんと二人きりで……ボクは── ダメだ、また熱が上がってきた。こうなれば、やる事は決まっている。 「西園寺さんを待つ間、ボクらで犯人の足取りを追ってみよう。 もしかしたら、だけど……服なんてお金にならないわりにかさばるし、案外近くに捨ててあるかもしれない」 ボクの提案に、セレスさんは大きく頷く。……良かった。捜査に集中していれば、少しは落ち着いて── 「そうですわね。ですが、危険な犯人がまだ近くにいるとも考えられますわ。 苗木君。ナイトとして、しっかりわたくしを守って下さいね?」 そう言って彼女はボクの腕を掴み、ぴったりと寄り添った……。 ──とにかく。煩悩を振り払う意味でも、さっさと捜査に取り掛かる事にする。 脱衣所にはこれといって犯行の痕跡は見られないので、次はホールだ。 一応、犯人の襲撃を警戒して身構えつつ、ホールに入った。 セレスさんと二人で慎重に調べて……わかった事は2つ。 1つ、ホール内に電話機(と、ボクらの荷物)は存在しない。 2つ、ホールの隅に置いてあった長靴が無くなっている。 ……これは──これも、犯人が盗んでいったのだろうか。だからといって手当たり次第、という訳でもなさそうだ。 その証拠に、壁に飾られている絵や高級そうな花瓶などには手をつけていない。 つくづく、おかしな泥棒だな……。とりあえず頭の隅に置いておき、捜査を続ける。 さて、次は── 「……そういえば、犯人はどこから入ってきたのでしょうか?」 セレスさんのふいの質問に、「えっ」と聞き返す。 「こちらの入り口は……西園寺さんが持っていたカードキーを使わなくては入れませんわよね。 VIP専用の施設ですから、不審者が他の場所から楽々侵入できるとは思えません。 という事は、犯人は入り口から堂々と侵入した──カードキーを持っている人物に限られるのではありませんか?」 なるほど、一理ありそうだ。警察が調べれば、それだけでかなり容疑者が絞り込まれるかもしれない。 となれば、次に調べるべきなのは──。ボクらの目は、入り口のドアに吸い寄せられる。 自動ドアが閉まると厄介なのでセレスさんにドアの間に立ってもらい、ボク一人で外に足を踏み出す。 夜ではあるが、施設の照明と道路の街灯が辺りを照らしており、周囲はよく見渡せた。 その中で、まず目につくのは、足跡だ。 向こう側の道路と、こちらの施設の間のぬかるんだ地面に、複数の足跡が散らばっている。 これは──重要な証拠かもしれない。はっとして、すぐ後ろのセレスさんに声をかけた。 「ねえ、これ……この辺りの足跡は、ボクらが来た時の分だよね?」 ボクが指差した辺りには、ほぼ横並びに3人分の足跡が、道路側から温泉に向かってついている。 セレスさんは同じ位置に立ったまま、少し背伸びして頷いた。 「ええ、間違いありませんわ。わたくしのヒール、苗木君のスニーカー、それに西園寺さんの下駄の痕でしょうね」 三者三様、特徴的な形が綺麗に横一列に並んでいるので、わかりやすい。 問題なのは、それらを除いた足跡で── 1つは、温泉から道路に向かう、西園寺さんの物と思われる下駄の跡。 ホテルに水着を取りに戻った時についたのだろう。 そして──正体不明の靴跡が、きっちり一往復分だけ残されている。 それは明らかにボクのスニーカーとは別の靴跡で…… 道路側から温泉に向かう片道分は、他の靴跡とは離れた位置に、 温泉から道路側に向かう片道分は、同じ方向についた西園寺さんの靴跡と重なるように。 ボクらが温泉に来た時には、こんな足跡はついていなかったはずだ……! 「それは、きっと犯人の靴跡ですわね。道路側から温泉に来て、また帰った時の……。 周りに他の足跡がついていない事からすると、すでに目的を達成して逃げてしまったのでしょう」 だとすると、犯人は真っ直ぐ温泉施設に来て、正面のドアからカードキーを使って侵入した。 そして素早くボクらの服を盗んで、また真っ直ぐ道路の方に帰って行ったのか……。 確かに筋は通っている。だけど……ボクはどこか違和感を感じていた。 この足跡──何か変じゃないか? 「道路に出られては、その先は足跡を追えません。後は警察に任せるべきでしょうか……」 そんなセレスさんの声を背中で聞きつつ、しゃがみ込んで道路側に向かう犯人の足跡をよく観察してみる。 靴跡は……一部が同じ方を向いた西園寺さんの足跡に踏まれているものの、とても綺麗だ。 靴底が欠けているとか磨り減っているとかいった特徴は、それ自体にはない。 サイズから、大人の男性用の靴で間違いないだろう。見比べると、ボクの靴跡よりも一回り以上大きい。 だから、犯人は大人の男で……恐らくボクよりも背が高い……──ボクよりも……? それにしては……やけに歩幅が狭いような……。 頭の中に突然ある考えが閃いて、ボクは思わず「あっ!」と叫んでいた。 背後でセレスさんが聞き返す声にも答えずに、『──だとしたら?』という自問自答を繰り返す。 そして……ようやく結論が出た。 「セレスさん、犯人がどこにいるかわかったよ」 しゃがんだ体勢のまま、後ろを向く。 「まあ……! それは──どこですの?」 と──下から水着姿のセレスさんを見上げる格好になってしまい、ボクは慌てて目を逸らして答えた。 「多分……いや、間違いなく──ボクらがさっきまでいた、この温泉施設のどこかだよ……」 ボクの推理を証明する為に、もう一度温泉施設の中を見て回る。 ボクらが一度見た場所以外には、トイレとランドリー(客用のタオルを洗濯する部屋か)があった。 そして犯人は──苦もなく見つかった。ランドリーのタオルの山に埋もれ、すやすやと寝息を立てて…… 「西園寺さん……こんな所に隠れてたのか……」 そう……ホテルに水着を取りに戻ったはずの西園寺さんこそが、犯人だった。 彼女のそばに、盗まれたボクらの荷物が置いてあるのが動かぬ証拠だ。 「全く……隠れるのが好きな子ですわね。能天気な顔をして、よく眠っていますわ……」 何故、ボクが犯人の正体に気づいたのか──それは、不自然な靴跡のせいだ。 “犯行の前にホテルへ戻ったはずの西園寺さんの靴跡が、逃げた犯人の靴跡を踏んでいる” ……そんな馬鹿な事があるわけがない。 確かなのは、西園寺さんは犯行前にホテルへ戻っていない。つまり、彼女はホテルに戻ると嘘をついたのだ。 そしてボクらの荷物以外にも盗まれていた、ホールの長靴。 あの長靴を使って足跡を偽造したから、不自然な靴跡が出来てしまったのに違いない。 ボクは、頭の中で事件の流れを再現する。 まず、水着を忘れたフリをした西園寺さんが、一旦、施設の外に出てボクとセレスさんをやり過ごす。 (恐らく、最初はそれだけのつもりだったのが、自分達の足跡を見ているうちに、偽装工作を思いついたのだろう……) ボクらが脱衣所に入った頃合を見て、ホールに戻った西園寺さんは置いてあった長靴を持って再び外に。 そこから、長靴をスタンプのように使って足跡をつけながら道路まで歩いた。 これでホテルに戻る西園寺さんと、犯行を終えて立ち去る“犯人”……片道で二人分の足跡が出来る。 ただし、この時誤って長靴の跡を自分で踏んでしまう。 道路までたどり着いたら、下駄から長靴に履き替え、今度は下駄を手に持って施設側へ戻った。 これで温泉へ犯行に向かう“犯人”の足跡の完成だ。 最後に、ボクらが温泉に入っている間に脱衣所を回って荷物を盗み、ランドリーに身を隠す。 そして──隠れている間に居眠りしてしまった……。 「ちょっと、いつまで寝ていますの? 早く起きて下さいな。あなたのせいで──」 セレスさんが苛立ちを滲ませた口調で声をかけ、西園寺さんの肩をゆする。 やがて薄く目を開けた西園寺さんは、呑気に大きな欠伸をしてみせた。 「ふぁー…………あー、セレスおねぇだー……。温泉はもういいのぉ?」 この子は……大物だな。体は小さいけど……。 「『もういいのぉ?』、じゃありません……! 全く、タチの悪い悪戯ばかりして…… 今度ばかりは、しっかり反省しないとお仕置きしますわよ」 セレスさんの厳しい口調にも西園寺さんはまるで怯まず、口を尖らせて不満を露にする。 「むー、何でわたしがお仕置きされなきゃいけないの? セレスおねぇの為にやってあげたのにさー」 「セレスさんの為に、って……どういう事?」 不審に思って聞き返すと、彼女は得意げに胸を張った。 「だってさー、セレスおねぇは苗木おにぃともっと仲良くなりたいんでしょ? でも、セレスおねぇは素直じゃないしー、苗木おにぃはどっちつかずのヘタレだしー、 わたしが、二人の仲が進展するように、二人きりで“裸の付き合い”をさせてあげたんじゃん」 は、裸の付き合いって……! 当然、悪戯心もあったんだろうけど……それで、ボクとセレスさんを水着姿のまま温泉に閉じ込めたのか……。 さらに西園寺さんは、にやりと笑って続ける。 「で、手ぐらい握ったの? チューはした? それとも、もっとスゴイ事も……?」 ……!!!! こ、これは……どう答えれば……いや、ボクはもしかして、西園寺さんの言う通りに……── 色々な考えが頭を巡り、混乱を極める。救いを求めてセレスさんの方を見たが…… 彼女も無言のまま、赤い顔でこちらを見ていた。 結局、ボクらは西園寺さんをそれ以上責められず……逆に彼女にからかわれる事になってしまった。 こんな空気で温泉に入りなおす訳にもいかず、服に着替えて帰路につく。 その後、ホテルに帰り着くまで、セレスさんがボクと目も合わせてくれなかったのは、 照れのせいか、あるいは怒り……のせいだろうか? ──この旅行から帰る頃には……ボクの中に……答えが出るといいな……。
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今日はクリスマス。 とはいっても私、霧切響子にとってはクリスマス・イブもクリスマスも別に例年と大して変わりは無い。 何時も通りに過ごすだけの一日だ。 …まあ、今年のクリスマス・イブは学園のみんなと過ごしたので、例年に比べれば楽しかったのは認める。 ………苗木君がいなかった事を除けば、だが。 しかしそれは彼も別にわたし達の事を嫌ってとかではなく、ただ単純に家族に「クリスマスぐらい帰って来い」と 言われたからだ。 それならば仕方ないと諦められるし、現に彼は最後までどうするか悩んでくれていた。 しかし根っ子から優しい彼だから・・・家族を蔑ろになど出来るはずもなかっただけの話だ。 そして今日はそれから夜が明けて25日。世間一般の男女の感覚でいえば今日こそが本番といえるのだろう。 実際学園の皆も其々思い思いのクリスマスを過ごす様だ。 例えば葉隠君と桑田君は二人で街に繰り出してナンパして女の子ゲットだぜ!と息巻いていた。 ……普通に考えて今街はカップルの巣窟だと思うのだけれども、彼らは気付いているのだろうか? 舞園さんは自分達のアイドルグループメインのクリスマスコンサートがあると朝早くから出掛けていった。 彼女は自他共に認める超高校級のアイドルだ。こんな日に休ませてくれるほど事務所も甘くはない。 実際昨日パーティーに参加に出来たこと自体が奇跡に近いのだ。 ……まあ、それ故、苗木君が参加していないと聞いた時の彼女の顔には、さすがに同情を禁じえなかったが……; 大和田君と不二咲さんは二人でツーリング(といっても不二咲さんは大和田君の後ろに乗るだけだが)をすると言っていた。 二人はよく普段もそうやって遠出をすることが多い。だがその理由は不二咲さん曰く、 「大和田君・・・女の子に振られるとバイクをかっ飛ばしたくなるんだって・・;けど一人だと事故りそうだから一緒に乗ってくれって・・w あ、けどぼくも大和田君のバイク乗るの好きだから全然いいんだけどね?」 ということらしい。ここまで話だけをきけば只の友情話ですむのだが・・・・如何せん相手は不二咲さんだ。 ……本人等にその気はないのだろうが、そういう風な行動を取っているからそっちの気があるのではと学園の女性達の中で 噂されるのではないだろうか? 実際二人がそんなことをしている場面をみれば傍からには恋人同士にしか見えない・・・大和田君が振られる原因の一つは 不二咲さんとの関係(誤解)の所為もある気がしてならない。 石丸君と十神君は苗木君と一緒で実家に帰っていた。まあ二人とも苗木君とは違ってクリスマスを家族と楽しむ様には見えないが・・・・。 ちなみに腐川さんは十神君を追いかける為、朝早くから出掛けていった。たまに彼女の行動力には感心すら覚える。 ……決して真似したいとは思わないけど。 朝比奈さんと大神さんはクリスマスだというのに二人して強化合宿とやらに出掛けていた。こんな日ですら自らを鍛える事を止めない彼女らこそ 真ののスポーツマン(一人はスポーツの範疇を超えているけど)といえるのだろう。そこまで打ち込めるモノが無い私には羨ましさすら感じる。 江ノ島さんと戦場さんは昨日の深夜からどこかに出掛けていた。理由も聞いたが本人ら(主に発言したのは江ノ島さんだが)曰く、 「今日は私らにとって最高に「壊したい」日だから・・・まあ邪魔者は消えとこうってね・・・・♪」 とよく解からないことを言っていた。 ……何かクリスマスに嫌な思い出でもあったのだろうか? しかし確かに今思えば、昨日パーティーで見た彼女らは楽しんでいるようにも見えたが・・・・・・どこか不思議そうにしているようにも見えていた。 まるで、今感じている感情に何か・・・疑問というか納得できない・・・・そんな顔だったような・・・まあ推測でしかないのだけども。 一番意外なのはセレスさんと山田君のペアだろうか。何故なら二人は「二人っきり」で街に繰り出しているのだから。 まあ本人達は、 「只の荷物運びですわ(ニコ)」 「只の荷物運び役ですな・・・助けて皆さん!たえこ殿が我輩をいじめるのです!?」 「てめえぇぇぇ!その名で私を呼ぶなって言ってんだろうがあ、この腐れラードがあああああああああ!!??////」 「ひぃぃぃぃぃぃ、たえこ殿がご乱心!?ご乱心ですぞぉぉぉ!!????」 といいながら(叫びながら?)、寮を出て行ったが・・・なんだかんだであの二人はいいコンビな気がする。 まあそんな訳で、他の人と違い特に予定の無かった私は、普段の騒がしさが嘘のように静まり返った学園寮で久しぶりの独りを味わっていたのだ。 別に寂しいなどと子供のようなことは言わないし思いもしない。 元々私は独りでいることが嫌いではない。どちらかといえば独りの方が気楽だという人間だ。 しかし、それでも・・・この静かな寮にいる自分を違和感に感じるぐらいには、今の私は学園という「輪」の中にいたのだなと自覚する。 そんな風に思うようになったのは何時からだっただろうか・・・・・少なくともここにくる以前には感じなかったし、入学した当初も「騒がしい場所」ぐらい にしか思わなかった。 ……当時の私は「他人」という存在が信じられなかった。 いや、信じられなかった訳ではない。 ただ「信じる」のが怖かった。信じた時に裏切られるのが怖かったのだ。 今でも「この手」の原因となった事件は忘れられない。その為、当時の私は話しかけてきたクラスメイトにも素っ気無い態度しか取らなかった。 ―最初から「情」を持たなければあんな後悔をしないで済む。そう思っていたからだ。 しかし・・・他のクラスメイトがそんな私から離れる中・・・・ただ一人懲りずに話し掛け続ける人物がいた。 「ねえ霧切さん。今日寮まで一緒に帰らない?」 ……『苗木 誠』。私に初めての「感情」を教えてくれた人。. 【続く】
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モノクマ「オマエラはこの学園で一生共同生活をしてもらいます。」 舞園「いやです!!皆さん、私のそばに集まってください。」 モノクマ「何をする気なのかね?」 舞園「…テレポート!!」 ブゥン モノクマ「何ぃ!!舞園さんが皆と一緒にテレポートするなんて…!」 ブゥン 舞園「さぁ、皆さん脱出しましたよ。」 苗木「すごいね舞園さん。テレポートまで使えるなんて…」 舞園「…エスパーですから…」 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 舞園「…はっ、夢か… …流石に本当のエスパーでもないのにテレポートなんて無理か…」 終わり
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843 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2011/05/11(水) 11 05 46.72 ID I2CWHNY6 苗木「○○さんクリームは生とカスタードどっちが好き?」 朝比奈「生!絶対生!あ~ん苗木が生がどうとか言うから食べたくなって来ちゃったじゃんか~!」 舞園「 無いなら生で良いからっ!. こんな事が聞きたいんですよね?わかっちゃいますよ。エスパーですから」 さくら「カスタード」 腐川「カスタ. ハッあんたわたしに生が良いって言わせて今夜のオカズにしるつもりでしょう!」 セレス「苗木君が山田君と同じ思考回路だったとはおもいもしませんでしたわ」 ちーたん「どっちかっていうとカスタードが好きだよ!苗木君は生が好きなの?」 霧切「なまが好きよ. あっ. エロスは程々にしておかないと身を滅ぼすわよ」 文才が無いなぁと思う わたしに
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やっぱり苗木君に似ているわね、というのが話してみた感想。 「誰とでも友達になれるのが私の特技です!」と自負するだけはある。 こまるちゃんが話題を出して、苗木君がたしなめながらもみんなに振る。 仲の良い兄妹ね――ちょっと焼いてしまうくらい。 私が来てからだいぶ時間が過ぎたけれども、会話は尽きない。 今日来ていないメンバーの話や高校生活のこと。 今自分たちがどんなことをしているかを聞くだけでも楽しかった。 「あ、僕ちょっとお手洗い言ってくるね」 会話がひと段落したところで苗木君が席を立った。 はいはーいとこまるちゃんが笑顔で見送る。 と、苗木君が見えなくなった途端。 こまるちゃんがやおら表情を真剣にしたかと思うと 「え、えーっとですね……女性の方にだけ聞いてほしいことがあるんです……」 そう切り出してきた。 「ど、どうしたのこまるちゃん?」 「なんだべ?悩みの相談だったら俺っちが一番だべ!」 「葉隠なんて一番しちゃダメな人じゃない……」 「葉隠はわかるけどよー。なんで俺や山田もダメなん?」 「えーっと……そのー……」 「ほらー。こまるちゃん困ってるでしょう?いいから向こういったいった!」 「そこまで言われると、逆にどんな内容か気になりますな」 「……桑田くん、盗み聞きしたら嫌いになっちゃいますよ?」 「あー、あたしも桑田さん嫌いになっちゃうかも~。いい人だと思っていたのに……」 「おーしお前らこまるちゃんのそばに行ったらぶん殴る!」 「……完全に操られてますわね」 「仕方がありませんな。大事な話のようですし。 ではこちらでは『外道天使☆もちもちプリンセス』の素晴らしさを改めて……」 「誰も聞きたくないべそんなもん……」 なんて会話を横目にしながら女子は机の一方に集まる。 苗木君は置いておいて……贔屓目に見ても相談しづらい男子メンバーだ。 込み入った話なら女子だけで話すというのは正解だろう。 「えーと……それでこまるちゃん、話というのは何ですか?」 みんなが集まったところで、舞園さんが切り出す。 「は、はい……実は……お兄ちゃんのことなんですが……」 まあそうだろう。苗木君がいなくなってから持ちかけたのだから。 問題は内容だ。……彼が一体どうしたというのだろう。 「うー……すいません!ちょっと先に経緯を説明します!」 「そうね、それでいいわよ。そのほうが私たちもわかりやすいだろうし」 「私としてはスパッと言ってほしいのですけれども」 「こらっ、セレスちゃん!」 「こまるちゃん、ゆっくりでいいですからね。」 と、ここで苗木君が戻ってきた。 「……あれ?何かあった?」 「う~……お兄ちゃんはいいからむこう行ってて!!」 「苗木君、悪いんですけれど少しだけ離れていてもらえませんか? ……こまるちゃんと女子トークです」 「まさか盗み聞きする……なんてことはないですわよね、苗木君?」 「い、いや……そういうことなら別にいいけど」 何を話すつもりなんだ?とつぶやきながら桑田君達のほうへ向かう苗木君。 「えっと……大丈夫ですか?こまるちゃん」 「あ、ありがとうございます……じゃあ、えっと、状況から……説明します。。 実はですね、私……お兄ちゃんには今日のお昼にこっちに着くと言っていたんですが…… 実際は午前中には駅に着いていたんです」 「……は?」 「つまり……、嘘の時間を教えていたと?」 「……はい」 「なぜそのようなことをしたのかしら?」 「いやー、ちょっとお兄ちゃんの家に突撃して、どんな暮らししてるのか見てみようと。 事前に行ったら絶対入れてくれないだろうし」 「ああ、なるほどね……こまるちゃんかわいいじゃん。」 えへへへーとこまるちゃんが照れ笑いを浮かべる。 ……本当こういうしぐさが苗木君そっくりだ。 しかし……今のところ、何も問題ないようなのだけれど。 うん?…………苗木君の家? 途端。嫌な予感がした。 「それで?苗木君の家には行けましたの?」 セレスさんが会話を続けるよう促す。 こまるちゃんも「は、はい!」と真剣な表情に戻った。 それはいいのだけれど……私はこの会話がどこに行きつくか大体わかってしまった。 それと同時に嫌な汗が背中をつたう。 「それで、お兄ちゃんの家に突撃したまではよかったんです。 住所もお母さんたちから聞いてましたし」 「さすがに苗木君でも、いきなり行ったら入れてくれなそうですね」 舞園さんが苦笑いしながら言う。 「ええ、そうなんです。お兄ちゃんたら全然入れてくれなくて。 扉の前で思いっきり叫んでやるぞー!って脅したらようやく入れてくれました」 「こ、こまるちゃんすごいね……」 「すごいしぶしぶでしたけどね。それで、ここからが本題なんですけれど……」 ああ、嫌な汗が止まらない。 「お、お兄ちゃんが……同棲しているかもしれないんです!!!!」 「「「………………………………………………」」」 その発言を聞いた途端。3人の目が一斉にこちらを見る。 「……?どうかしましたか?」 「いえ、なんでもないですよー?うふふふふ」 「ええ、なんでもないですわよ。それより、なぜそのような結論に?」 「あ、はい。えっとですね……まず、お兄ちゃんの家に入ったとき、ブーツキーパーがありました。 見えにくい位置にあったのでお兄ちゃんも気が回らなかったのかもしれません」 「ふむ……なるほど」 「あー……苗木そういうのにぶそうだからねー……ねえ霧切ちゃん?」 「……ええ、そうね」 「それよりこまるさん。まず、とおっしゃいましたわね。それ以外にも何か?」 「はい。……こっそり覗いた洗面台に色違いの歯ブラシが2本ありました。 あとはお茶碗などの食器が2組ずつあったり。極めつけはベッドにあった2つの枕! ……あまりにベタ過ぎて、私を驚かすドッキリだったんじゃないかと思うくらいです……」 でもそんなことできる兄じゃないんですよねぇ……とこまるちゃんがぼやく。 「家にいたのはお兄ちゃんが着替えるまでの短い時間だったのでこれくらいですが…… お兄ちゃん鈍いので私が気付いたことにすら気づいていないかもしれません…… それに……その、実はもう別れてしまっていて、その人が忘れられない兄がそのままにしてる…… とかだったらつらいじゃないですか!!」 「うーん……それはないんじゃないかな……」 「と、とにかくですね!お兄ちゃんに彼女がいるのか、同棲しているのか……気になって。 それで……みなさんが何か知っていないかな……と。 ……どうかしましたか?」 「「「いえ、何も」」」 こまるちゃんの相談内容を聞き終えた3人が一斉にこちらを向く。 朝比奈さんとセレスさんそのいやらしい笑みをやめなさい舞園さん笑っているようだけど目は笑っていないわよ 誠君不測の事態だったのはわかるけれどせめてもう少し何かできたんじゃないかしらなんで私は今日出張に行っていたのだろう ああもう早くここから逃げ出したい消えてしまいたい 「こまるさん。安心してくださいな」 「え?」 「!!」 「残念ながらわたくしははっきりとした答えは存じません。 ですが……この霧切さんが何と呼ばれていたかはご存じでしょう?」 「あ……!超高校級の探偵!」 「そうですよ。霧切さんならきっと調べてくれますよ。 ……それどころか霧切さんは今の話だけで推理できてるんじゃないですか?」 「ほ、本当ですか!?」 「え、ええ。そうね……」 先ほどから舞園さんの視線が痛い…… 「き、霧切さん!ぜひお兄ちゃんの彼女がどんな方なのか調査をお願いします!」 手を握られ、懇願される。 誠君とちがってこの子は積極的なのね。先ほどの話が本当ならなかなかの観察眼も持っているみたいだし 探偵にむいているんじゃないかしら――なんて現実逃避をしてしまう。 と、ここで朝比奈さんが 「ねーねー。こまるちゃんはお兄ちゃんの彼女を調べてどうするの?」 「え?」 ……そうだ、こまるちゃんは調べてどうするつもりなのだろう。 ……別れさせるつもりです!とは言わないだろうけど。 こまるちゃんはいったいなんと答えるのか……思わず緊張してしまう。 「別に、どうもしませんけれど?」 「「「「…………は?」」」」 だからその答えを聞いたとき、思わず目が点になってしまった。 周りの3人も同じらしい。 「だってお兄ちゃんが選んだ人ですもん。きっといい人ですよ。心配はしていません。 ただ……私に黙っているってひどくないですか!?秘密にされたらどんな人か気になってしまうじゃないですか!!」 ……なんというか。 「……苗木君、信頼されてますね……」 舞園さんがやや苦笑い気味に言う。 「まぁ……彼の性格なら当たり前でしょう」 「うん……苗木だしね」 ほんと……仲のいい兄妹なのね。 と、気が緩んだところでセレスさんが 「そうですわね……では、そんなこまるちゃんに1つアドバイスを差し上げますわ」 「アドバイス?……なんでしょう?」 「今後霧切さんを呼ぶときは"お義姉さん"と呼んだほうがよろしいですわよ。 ……いずれそうなりそうですし。」 「………………は?え?」 その一言を口にした。 こまるちゃんがこちらを見たまま固まってしまう。 おそらく顔を真っ赤にした私を。 ……なんというべきか頭が真っ白になってしまった。 ……こんなときはなんというべきだったか。 「……えっと、はい……なえ……誠君と……お付き合いさせていただいてます……」 ……普通こういうのは男の人が言うものではないのかしら。 言った後に若干後悔した。 そのまま、何も言えない私とこまるちゃんがたっぷり見詰め合い―― 「…………おにいちゃん!どういうこと!?説明を要求する!!!!」 「な、なんだよいきなり!!」 妹さんが誠君のもとへ駆けて行った。 赤くなったままの私を残して。 ……私たちにも説明しなさい、と訴えてくる3つの視線をどうかわそうかしら…… 結局、男子メンバーにも事の経緯を知られてしまった。 「かわいい妹がいて霧切と同棲してる……って苗木どういうことだおい!?」 「拙者からひと言。リア充爆発しろ!!」 「付き合ってるのはバレバレでしたけど、もう同棲してるなんて……ショックです」 「高校のときからよく2人でいたのに、これ以上何を隠すのかと」 「実は結婚してましたーって言われても驚かないかもねー」 「うう……お兄ちゃんがこんな綺麗な彼女作るなんて意外だよ……」 「ふわぁぁ……よく寝たべ。うん?みんなどうしたんだべ?」 なんて会話を、誠君と2人で顔を赤くしながら聞いていた。 いつかは知られてしまうことだろうけど……こんな形になるとは予想外だった。 ……こまるちゃんが来たとき、もう少し何とかならなかった?という視線を誠君に向けてみる。 誠君は真っ赤な頬をかきながら 「えっと……こんなことになって……ごめん。気づかなくて」 と少しずれた謝罪の言葉を口にした。 ……もちろん、私も本気で怒っているわけではない。 「別にいいわよ……いつかは……その、言わなきゃいけないことだし」 「う、うん。……ありがとう」 「こらそこ!いちゃいちゃしない!まだ質問は終わってないんだからね!」 まだまだ質問の嵐は収まりそうにない。 ……みんな明日大丈夫なのかしら? 「みんな乗れたかな?」 まさかこんなことになるなんて……と小さくため息をつく。 ようやく解散したのは終電……とまではいかないけど、かなり遅い時間だった。 やっぱりみんな明日も予定が詰まっているらしく、それぞれタクシーや電車で帰って行った。 残っているのは僕と響子さん、それと 「なによ、ちゃんと帰るから心配しないでよ」 なぜかまだ帰らないこまる。 そのままそっぽを向いてしまったが、時折こちらに振り向く。 ……僕に言いたいことがあるのだろう。 飲み会最中質問攻めにしてきたくせに……これ以上何かあるのか? やがて、ゆっくりとこっちを向き 「あ、ありがとね……今日無茶を聞いてくれて」 「お、おう……」 「すっごい楽しくて…次も誘ってくれるって言ってもらえて。 すごいうれしい…お兄ちゃんのおかげ」 お礼を言われた。面と向かって言われるのは久しぶりな気がして……妙に落ち着かない。 次の瞬間 「でもっ!黙って彼女作って同棲して!お兄ちゃんのくせに生意気だよっ!」 そう叫んだかと思うと、駅に向かって走り出した。 ……あいつらしいや。 思わず苦笑い。 「幹事お疲れ様。誠お兄ちゃん。……ふふふ」 「や、やめてよ響子さん。もう……」 響子さんはあの後開き直ったかのように堂々としたいつもの態度に戻っていた。 もちろん僕をからかうのも忘れない。 ……そこはゆずれないのか…… ほんと、今日の飲み会はいつもより大騒ぎだった 「それともう1つ!」 「あれ?」 見ると、妹が途中でこちらを振り返って叫んでいた。 …まだなにかあるのだろうか しかし、こまるは僕ではなく、響子さんを見ながら。 そして、わずかに考え込むようなしぐさをした後 「えっと…響子お義姉ちゃん!お兄ちゃんをよろしくおねがいします!」 「……ええ、こちらこそよろしくお願いします。こまるちゃん」 …そんなやりとりをした。 その言葉を聞いて、こまるは満面の笑顔になると――今度こそ振り返らずに走っていった。 「……いい妹さんね」 「ははは……にぎやかなだけだよ」 こんな形になってしまったけれど……響子さんとこまるは結構仲良くなれたみたいだ。 ただ…きっと帰ったら今日のことを両親に報告するんだろうなぁ…。 早く連れてきなさい!と電話口で叫ばれる未来がありありと目に浮かぶ。 それならばいっそ。 「ねぇ……響子さん、お願いがあるんだけど」 「?何かしら、誠君」 「今度、2人で旅行に行かない?行先は……僕の実家だけど」 「……あら、いい考えね。じゃあ苗木君、そのあと私の実家に行くのはどう?歓迎するわよ」 「……いいね。じゃあ明日さっそく予定の確認しようか」 「……いっそ違う報告もしちゃう?」 「ん?何かほかに報告することあるっけ?」 「……まあ急ぐ必要はないわね。……指輪もないし。とりあえず帰りましょ誠君」 「ちょ、ちょっと一人で納得しないでよもう。最後なんていったの?」 「なんでもないわよ、誠お兄ちゃん」
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スーパーダッシュ!アイニー XX(ダブルクロス) C 火文明 (5) クリーチャー:ファイアー・バード/ハンター 4000 ■自分の他のハンターは攻撃されない。 作者:赤烏 【企画】フルオリカパック ハンター&エイリアン フレーバーテキスト DMWX-01 「フルオリカパック ハンター&エイリアン」全部が命懸け!「ハンター・チェーン・バリアー!」 関連 《チェン・アイニー XX》 収録 DMWX-01 「フルオリカパック ハンター&エイリアン」 評価 名前 コメント
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>霧切さんと公園にやってきた。 「……ていうか、何この世界線」 海原が陽光を照りかえす、常夏の島。 画面の向こうによく見た世界の中に自分がいると思うと、違和感が果てしない。 状況を飲みこめずうろうろとしている僕に、いつものように彼女が呆れたような溜息を吐く。 「ジャバウォック島でしょう。貴方、もう仕事を忘れたのかしら?」 「えと…そういうことじゃないんだけど…」 「……相変わらず、適応力のないヒトね」 「いや、霧切さんが順応しすぎ…」 ジト目の彼女に背を向けて、いつの間にか手に持っていたファイルケースに目を通す。 何を隠そう、僕たちは今―― 「あの事件の事後処理のために、二人でプログラムの不備を見直しに来たんでしょう」 「ああ、うん…そうだっけ」 「……ちょっと。貴方が一人だと大変だと泣きを入れるから、手伝ってあげているのに」 ちなみに代償は高級芋焼酎でした。安くはない、けっして。 「それなのに、当の貴方がそんなに等閑だなんて…誠実さに欠けるんじゃないかしら?」 「う……ゴメンなさい」 「貴方の数少ない長所なのよ、それは。大切にした方がいいと思うけど」 さらりと酷い言葉を吐き捨て、霧切さんはそっぽを向いた。 彼女なりの、もう追求しないという、許してくれた合図だ。 その仕草を、というより霧切さんを、僕は少しも漏らさず目で追っている。 先程から僕が上の空なのは、実のところ、それが原因だったりする。 この電子空間の中で過ごすためには、アバターが必要だ。 そしてそのアバターは、必ずしも現実世界の姿を反映するワケではない。 僕と彼女は、あの日々の、すなわち超高校級の高校生時代の服装に、戻ってしまっているのだ。 「……なによ、ジロジロ見て」 「あ、いや…その、ゴメンなさい」 「あのね…何でもかんでも謝るその癖も、そろそろどうにかならない?」 手厳しさは、今も昔も変わらないのに。 見慣れた黒のスーツではなく、懐かしい濃紫色のジャケット。 少しだけ高く、幼くなった声色。 細いままの肩幅。華奢な肢体。 ……なんかちょっと、古臭い背徳的な感があるのは否めない。 イメクラ? と突っ込んでみたいけれど、多分死亡フラグだ。 「苗木君、背が伸びたんじゃない?」 「……昔はまだ霧切さんとそこまで身長差なかったからね」 自分で言って哀しくなるのに蓋をして、自分の姿にも目をやった。 よく見なれたはずの、自分自身の昔の姿だ。 ブレザーにパーカー、濃い色のジーンズ。いつものスーツよりホッとするというか、だいぶ着心地が良い。 ついでに、目線の高さは全然変わってなかったりする。ホント、哀しくも。 「それで、どうしてジロジロ見ていたのかしら?」 「ど、どうしてって…」 「……まさか、私の懐かしい姿に見惚れていた、だなんて言わないでしょうね」 口元に手を寄せ、クスリと笑う。 彼女が冗談を言う時のクセだ。 けれどその冗談は案外事実だったりするので、彼女の洞察力の鋭さにも改めて惚れ直してみたり。 「は、はは…やっぱバレちゃってるか。霧切さんには敵わないな」 「……え?」 「え?」 「あ、……」 と、笑うのを止めて、まじまじと僕を見る。 突然だったので当惑しながらもその瞳を見返すと、気まずそうに目を逸らされてしまった。 「……」 「……」 あれ、何だ、急に。 「…と、とにかく見回ろうか。といっても、どれくらいのレベルで調査をすればいいのか分からないんだけど」 「…細かいバグのようなものは、後々の調査で本格的に探すらしいわ」 気まずくなった空気を振り払うように、お互いが饒舌になる。 公園から見える遠い海が波を鳴らして、何かを急かしているようだ。 ……とにかく、調査調査。遊び出来ているワケじゃないんだから。 「つまり…目に見えるレベルの大きなバグ、違和感や異変を探せばいい、ということよ」 「気づけるほどの異常は、それほど危険で大きい異常ってことだもんね。じゃ、早速手分けを…」 しようか、と提案した所で、ジト目。 僕の台詞を遮るように、じっとりと睨めつける。 「…その、なんでしょうか」 「……手分け、ね。偉くなったものね、苗木君」 「な、何が?」 「助手たるべき人間が、探偵を放って独りで勝手に調査に臨もうだなんて。貴方、自分の役目を忘れたの?」 …えーと、色々突っ込みどころがあるのは放置だ。 いちいち突っ込んでいたら、いつものように日が暮れてしまうんだから。 「……探偵と手分けして自分も調査に出るタイプの助手って、結構定番だと思うんだけど」 「それは探偵のタイプに依るものでしょう。私は安楽椅子探偵を名乗った覚えはないわ」 ビシ、と、指を突き付ける霧切さん。 彼女がこのポーズをとると、割と他愛のない言葉でも決め台詞に聞こえてしまう、不思議。 「もう一度聞くわ。貴方、自分の役目を忘れたの?」 「え、えーと…」 「…言い方が悪いのかしら。じゃあ、この仕事を請け負うべきなのは誰?」 「そりゃ、諸々の言い出しっぺの僕だけど…」 「正解。なら、私が貴方についてきたのは何故?」 「…僕が、手伝ってくださいって頼んだから」 「そうね。私は『貴方の仕事を手伝いに』来たのであって、『雑用を任されに』来たのではないのよ」 ……あー。物凄く分かりにくいけど、分かった。 霧切さんの言わんとしていることは、つまりこうだ。 「……一緒に調査しよう、ってこと?」 「まあ、諸々の理由を端折って言えば、そういうことになるわ」 「うーん…でもそれだと、霧切さんに手伝ってもらう意味、なくなっちゃうんだよね」 一人でこの島を全部回るのは、中々の骨だ。 集中力も欠いていくだろうし、作業効率は悪い。 二人でやれば、時間は半分、効率は二倍。こういう仕事は人数が多ければ多いほどいい。 けれどもそれは、二人で別々の場所を分担しあう、というのが効率向上の大前提だ。 二人して同じ場所を見回るのなら、一人でやるのと大して変わりない。 だというのに霧切さんは、 「あら、そんなことはないわ」 軽い調子で、そう返した。 「私はともかく、苗木君。貴方一人の観察力で、果たして島の異常にどれくらい気づけるかしら」 「う……そ、そりゃ、霧切さんに比べたら、無いも同然だけど…」 「そうね。理解したかしら?」 つまり、僕は最初から見回り人員にカウントされていない、ということか。 それなら最初から、二人で回りましょう、と。 ……じゃあこれ、今更だけど、僕いらないよね。 「…早速初めましょうか。先ずは手始め、この中央の公園からになるわね」 どことなく楽しそうに声を弾ませ、背を向けてスタスタと歩き回る霧切さん。 僕は少し早足で、その背中を追いかけた。 楽しそうなのは僕を論破したからかな、たぶん。 ごちそうさま、だの、らーぶらーぶ、だの、空から気の抜けるような声が響いた気がした。 まあ、そんなわけで改めて。 >霧切さんと公園にやってきた。 と言っても、あるのは中央の大きな像だけ。 パッと見渡すけれど、他に見るべきところもなさそうだ。異常や違和感もない。 霧切さんは既に、見上げたり触ったりと、像の調査を始めている。 「えーと…どう?」 漠然とした、なんのセンスも感じない、無責任な質問。 いつもの霧切さんにならこれくらい言われるだろうけれど、今は探偵モードのようだ。 「見た目が変、という所以外は、見た感じに異常はないわ」 「そっか…この像に異常がなければ、ここにバグはなさそうだね」 何と言っても、広く見通しの良い空間だ。 異常があればすぐに分かるだろうし。 しかし、なんというか、こんなに心地良い快晴に、潮の匂いが届く公園にいると、どうも任務だという気がしない。 「なんか、昼寝でもしたくなっちゃうね」 「したら怒るわよ、流石に」 返す霧切さんの声も、どこか間延びている。 彼女もこの暖かな日差しに、心癒されているんだろう。 ぐ、と背を伸ばすと、同じタイミングで彼女も欠伸をかみ殺した。 「……ねえ、少しだけベンチで休憩していかない?」 「…やっぱり自覚が足りないようね。手伝って、と言った本人が、こんなに早く休憩を…」 「霧切さん、徹夜明けでしょ」 ぴく、と、眉を動かす。 彼女自身は僕にそれを隠そうとしていた節があるから、何故僕がそれを、と言いたげな目。 「徹夜した日の霧切さん、声が少しだけ高くなるんだよ。あと、喋り方がゆっくりに」 「……昨日、急に別の仕事が入ってしまったのよ。それほど面倒なものでもなかったんだけれど…」 「そういう理由があったなら、無理して手伝ってくれなくても」 「先約はこっちだったのよ。一度した約束を、私の都合で反故にするなんて、できないわ」 そういう、変な意地を張りたがる人だ。 「…それに、少しだけ楽しみにしていたのもあるし」 指を口元に当てて、少し目を伏せる。 言いにくいことや恥ずかしいことを言う時の彼女の仕草だ。 「楽しみ、って…この手伝いを?」 「見方の問題ね」 首を傾げた僕に、さも可笑しそうに霧切さんは、 「ねえ、苗木君。形はともかく、私は『常夏のリゾートに』『貴方と二人で』『貴方に誘われて』やって来たんだけど、この意味が分かるかしら」 そんなことを言ってのけた。 一瞬き。 「えっ、と……あの、それは、」 「……冗談よ」 してやったり、と言わんばかりに目を伏せる。 霧切さんのこの手のからかいは、何度も喰わされてきたけれど。 来ると分かってても顔が赤くなってしまうのは、たぶん、僕の気持ち的な問題です。 「ちょっと生意気だったから、オシオキよ……馬鹿正直の苗木君」 「そういうずるい冗談は止めてって言ってるじゃないか…」 「あら? 冗談じゃなくて本気なら、許してもらえるの?」 「だ、だからそういうんじゃなくて…」 「……『そういうんじゃない』、のね。告白してもいないのに振られちゃったのかしら」 クスクスと、笑いを堪えながら霧切さんがからかうので、今度は僕が目を逸らす番だった。 「…もしかしなくても、霧切さん、僕で遊んでるでしょ」 「あら、今更気が付いたの?」 「はぁ、もう。……少なくとも、そうやって僕で遊んで眠気を紛らわすくらいには、眠いんでしょ」 「……そうね」 認めるまではしぶといけれど、認めてからは素直な女の子だ。 手を引いて促すと、そのまま従って、大人しくベンチにちょこんと座る。 「…苗木君。依りかかるモノが欲しいんだけど」 「あ、えーと…」 なんて言われても、枕になりそうなものなんてないし。 パーカーを脱いで丸めようか、なんて的外れな事を考えて、 「……」 ふと、モノ言いたげな視線を投げかける、霧切さんの隣に、不自然な空きがあるのに気が付く。 こんこん、と、視線に気づいた僕に強調するように、隣の空きを指で叩く。 ああ、なるほど。 言わんとすることを介して、僕は彼女の隣に腰掛けた。 よろしい、と、眠たげな声。 ふわ、と、目の前で揺れる銀色。 「……ちょっと、そっち?」 「何よ、『そっち』って」 「いや、てっきり肩を貸すくらいだと…」 「……横になりたかったのよ。膝枕くらい、許してくれてもいいでしょう」 いや、僕はいいけど、色んな意味でダメだ。 膝、というより太ももにかかるもどかしい重みに、図らずも反応しそうになる。 「……その気になったら、手を出してもいいわよ。草食動物の苗木君」 僕の考えなんてお見通しらしく、もぞもぞと声を響かせて、数秒後には寝息を立てた。 ああもう、ちくしょう、しんらいされてるなあ。 >霧切さんと、もどかしいひとときを過ごした。