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アナヤマ 女の子の隠された秘密を暴くために、管理人という仮の姿を纏い学園に送られてきたトクトウ(特殊盗撮師)。 以前は印刷会社に勤めていた。ITの知識は凡庸であるが、有名大出身で高校生の勉強を 見てあげるくらいの教養はあるようだ。積極的で強引に物事を進めることが多い。 aRius 携帯電話を通じてアナヤマの参謀役を務めている。どうやら女の子のようだが謎が多い。 ITにはメチャメチャ詳しい。 ひかり ピンクツインテのロリ系少女。なぜかこの子もITにメチャメチャ詳しい。 愛称はカリー。 水紀 聡明な委員長系少女。でもメガネはしてない。 プロフィールには初対面の人には冷たく当たるツンデレとあるが なぜかアナヤマには普通に接する。 愛称はズッキー。 亜美 Gカップメガネ教師。担当は国語。 どことなく抜けている。 学園長 初対面の人には冷たく当たるツンデレ。 合計: - 今日: - 昨日: - 恋と選挙とチョコレート TVアニメ化記念特装版 スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 (通常版) - PSP
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813 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 07 31 01 ID Z6Nbr/7v モノクマ「オマエラ!今日はクリスマスだよ! と言う事でボクからスペシャルなプレゼントを用意しました!! 一 日 強 制 カ ッ プ ル 部 屋 今日一日だけ僕が言ったカップルは同じ部屋で暮らしてもらいます。 断ったらおしおきだよ!! 部屋1 苗木×霧切 部屋2 舞園×桑田 部屋3 不二崎×大神 部屋4 セレス×山田 部屋5 十神×腐川 部屋6 朝比奈×大和田 部屋7 石丸×江ノ島 部屋8 戦刃×葉隠 ちなみに鍵をかけるから部屋から出られないよ。」 どのようなシチュエーションになるかは皆様の 想像にお任せします。 820 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 10 14 17 ID Q9nCatjj 妹様いないと人数あわない 妹様無しならどっか3人 部屋1 苗木×霧切 部屋2 舞園×桑田 部屋3 不二崎×大神 ×石丸 部屋4 セレス×山田 部屋5 十神×腐川 部屋6 朝比奈×大和田 部屋7 戦刃×葉隠 みたいな感じで 828 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 12 59 23 ID ubMmQGoZ クリスマスの「一晩を」過ごすと勘違いしてて 石丸 「じょ、女子と一緒の部屋ましては同じベッドで寝るなど断じて認められんッ! ……という訳で、僕はそこの椅子で寝かせてもらう。心配するな、一晩くらい何でもない」 大神 「しかし、この部屋の椅子は一つきり。男二人に女一人の布陣で、それは不可能ではないのか?」 不二咲 「うーん……困ったねぇ」 大神 「それでは、逆にお前たちがベッドで寝ればいいのではないか? 厳しい修行に比べれば 椅子での一晩なんて我には造作も無い」 石丸「確かに、理には適っているな」 不二咲 「大神さんには悪いけど……仕方ないかなあ。このベッドなら二人で寝ても問題はなさそうだし」 (ご就寝) 石丸 「む……その、寝れないのだが(ギンギン」 不二咲 「石丸くん、どうしたの?」 大神 「どうしたお前たち? 石丸……寝床が変わると寝付けないとは軟弱な……(呆」 石丸 「いや、枕やマットの問題ではない。 その……逆に不健全なことをしている気がして」 不二咲 「……そうだ! 一晩ずっと起きてたら解決なんじゃないかな?」 大神 「それもそうだな。……では、三人で夜通しトレーニングをするというのはどうだろう 幸いここは我の部屋、割る瓦には困らないだろう 強くなるために修練する聖夜も悪くない」 不二咲 「よろしくねぇ!大神さん ボク……強くなりたいんだ」 ----------------------------- みたいなのが浮かんでしまった件 ちーたんの性別バレしてるのと当然のようにさくらちゃんの部屋にお邪魔してるのは スルーで頼む 830 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 13 42 35 ID l10DO9NM 813 健全路線だとこんな感じかな 部屋1 苗木×霧切 霧切「クリスマス、女の子、二人きり。苗木くん、ここまで言えば分かるわね」 苗木「ごめん霧切さん。僕は、君の期待には答えられないんだ」 霧切「……(がーん! 核心を一生懸命ボカしたのにはっきりダメ出しされたなんて!) 苗木「……(プレゼントを催促されても、今はモノガチャの景品くらいしか持ってないし)」 霧切「……(TT)」 苗木「あの、ごめん(そんなにプレゼント楽しみにしてたのか)」 部屋2 舞園×桑田 舞園「(壁に耳をあてて)くっ、何も聞こえない。もう! 何で完全防音なの!」 桑田「音が漏れない方が色々と都合がいいからじゃねーか」 舞園「何の都合ですか!」 桑田「そりゃあぁ。色々とさぁ。さ~やかちゃ~ん(ルパンジャンプ!)」 舞園「まったく(軽やかなステップターンで回避)」 桑田「ごふっ!」 舞園「桑田くん、D486-192をセットして……」 桑田「えーとカラオケのナンバー?」 舞園「完全防音ですから、最大音量でお願いしますね(にっこり)」 桑田「こ、これシャウト系の曲じゃ……」 舞園「ヴォーカルを目指してるんでしょ? 色々と教えてあげますよ。スパルタ方式で」 桑田「ひいぃっ!」 部屋3 不二崎×大神 不二咲「こ、こうですか?」 大神「うむ。思ったよりも飲み込みが早いな」 不二咲「で、でもこうやって踊っているだけで強くなれるんですか?」 大神「なにも鍛錬とは身体を鍛えるだけではない。まずは姿勢と身体のバランスを整えることが大事だ」 不二咲「確かに背筋はシャンとしたような……」 大神「姿勢とは己への自身と信頼を現すのだ」 不二咲「ゆっくりと動いてるのに、なんだか力強い……」 大神「自分の動きを意識し、溜めながら整える。日本舞踊とは古来より武術と密接な関わりを持つのだ」 不二咲(でもこれって女の人の踊りだったような気がするけど……ま、いいか) 831 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 13 43 26 ID l10DO9NM 部屋4 セレス×山田 セレス「あなたと二人ですか。ポーカーでも致しますか? レートはもちろん…」 山田「あいや待たれい! ここに取り出しますはPSP MHP3(モノクマハンターポータブル3)にございまする!」 セレス「流行り物なのでしょうけど、あいにく野蛮なゲームに興味はございませんの」 山田「既にゴスロリ装備とメイド服装備などはコンプしてありますので、是非一度お試しあれ」 セレス「(ピクッ)しかし人のゲームキャラを使う、人の着た服を着るような真似など我慢なりませんわ」 山田「それは盲点でした。しかし一から揃えるとなると膨大な時間と運が必要になりますゆえ」 セレス「運には自信がありましてよ。それに……」 山田「それに?」 セレス「こだわりとは、弛まなく続く積み重ねの先に存在するのです。苦労なくして何がこだわりでしょうか」 山田「では! ここに二台目のPSPとMHP3がありますのでさっそくキャラメイクから始めましょうか」 セレス「携帯機の二台目、ですか。ソフトも一緒に?」 山田「こんな事もあろうかと(ビシッ)! 本当は苗木誠殿などを狩り仲間に引き込むつもりでしたが」 セレス「では始めましょうか。ところでピカチュウはいつ出てきますか?」 山田「ゲーム違うし!?」 部屋5 十神×腐川 十神「読む本も無く一晩ヒマを潰せなどとは無茶を言ったものだ」 腐川「あ、あの白夜様。おヒマならその、私がお話し相手に…」 十神「薄っぺらい貴様に何が話せる。その辺のチラシの方がよっぽど内容があるぞ」 腐川「い、今まで読んだ本の殆どを暗唱できます。聖書でも小説でも純愛小説でも!」 十神「ほう。面白い特技だな。ならば適当に気に入っている短編でも聞かせてみろ」 腐川「は、はい! では○○著の××に収録されていた一遍を……」 (中略) 十神「つまらん。千夜一夜を気取ったつもりか? 本の記述のまま語るだけの能無しが。子守唄にもならん」 腐川「ご、ごめんな…さい」 十神「俺に何か聞かせたければ自分の言葉で話せ。そうだな、お前自身の体験談でもいいか」 腐川「あ、あの。そういうのは一度紙に書いてからじゃないと……」 十神「俺は話せといったのだ。書けとは言ってない」 腐川「は、はい。えーと、あれは私が……」 832 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 13 45 04 ID l10DO9NM 部屋6 朝比奈×大和田 ダメだ、ネタが思いつかんw スポーツに感化される大和田か、バイクに興味を持つ朝日奈か どちらにせよ意気投合して出て来る気がする 部屋7 石丸×江ノ島 真面目な石丸の天然ボケとリアクションが楽しくてからかいまくる江ノ島くらいしか思い浮かばん 部屋8 戦刃×葉隠 葉隠のペテンに騙されまくる純真な残姉、 綺麗に騙しすぎて逆に心が痛くなる葉隠 戦刃「葉隠は凄いのだな。7回も転生して様々な国を戦乱から救っているなんて」 葉隠「まあ、まあそんなところだべ(どうしよう話がドンドンでかくなっているべ)」 戦刃「是非一度尋ねて救って欲しいところがある。困窮を極めるS国なのだが……」 葉隠「えっ? S国つったら国際紛争地帯だべ!」 戦刃「大丈夫だ。葉隠は神の加護があるのだろう? ミサイル落下地点を占って避ければいい」 葉隠「い、いやそれはその……(勘弁してくれ~!)」 836 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 19 20 17 ID Lln5SVoA 830- 832 みんな可愛いな セレスさんピカチュウは知ってるのかw ギャンブラー的にはポケモンバトルの方が向いてそうだな。 翌朝、結局朝まで付き合わされた桑田と山田が 山田「ぼ、僕はちゃんと、疲れたからもう寝ましょうと要求したのですが、安広多恵子殿が寝かせてくれなくて‥むにゃむにゃ」 桑田「お、俺も、舞園が寝かせてくれなくて‥」 石丸「何だと!?」 とか言って、大騒ぎになるとこまで幻視できた。 839 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 19 49 44 ID NWUJ8iUG 836 モノクマ「え~、校内放送、校内放送。昨晩、CERO-D基準を余裕で上回るふしだらな行為をした人がいます。一定時間の後、学級裁判を行って下さい。まったくもう、モザイクかけるの大変だったんだからね!」 そしてノリノリで捜査する石丸や山田や桑田。 840 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 20 08 53 ID NpNIT4Ce 明らかに動揺している苗木、声が上ずっている十神、バツの悪そうな大和田、キリッとしている葉隠 やけに上機嫌な舞園、顔を赤らめ物憂げな霧切、顔真っ赤な朝日奈、ジェノになりっぱなしの腐川 普段通りのさくらちゃん、ぶつぶつ言ってるセレス、無口な江ノ島、引きこもる不二咲 さぁ、犯人は誰!? 841 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 20 37 24 ID 1fY42sIS 840 あ、あれ? 839の3人を足しても15人しかいないよ? つまりここにいない人が犯人だべ! 俺の占いは3割当たる! 842 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 20 45 29 ID NWUJ8iUG きっとモノクマファイルが官能小説みたいになってるんだろうな。 腐川「い、今のうちに潰しておかないと…悔しいけど、かなりの完成度だわ」 葉隠「そういう感想だべか!?」 841 そ れ は 違 う ! 苗木「2人きりじゃないと、そういうコトって出来ないのかな?」 葉隠「え?じゃ、じゃあまさか…」 苗木「そうだよ、3人以上でそういうコトをしていた可能性だってあるんだ!」 葉隠「な、ななな、なんちゅー大それた行動だべー!!」
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「更科くんは…ずるい…」 学校からの帰り道、一緒に歩いていた綾門さんに、突然やんわりとなじられた。 「ええっと…急にそう言われても心当たりがないんだけど、どこがずるいのかな?」 僕には全く原因が分からない。 お互いまだまだ慣れなくてギクシャクしているところはあるけれど、一応恋人同士でいられていると思うし、今だって一緒に下校している。 さっきのお昼休みも、屋上で綾門さんが作ってきてくれたお弁当を一緒に食べたし。 それなのに突然ずるいと言われても、本当に心当たりがない。 とにかく、綾門さんが教えてくれないことには始まらない。 僕は並んでゆっくりと歩きながら、綾門さんからの返答を待った。 「…だって更科くんは…私の秘密を知ってる…」 少し俯き加減で、頬を赤く染めながら綾門さんが出してくれた答え。 これは、やっぱりあの事を言ってるのかな。 「秘密って…綾門さんがスーパーガールだっていうこと?」 コクンッと首を縦に振り、綾門さんは僕を見つめてくる。 確かにこれは、世界規模で重要な凄まじい秘密だ。 あの世界中で噂になっているスーパーガールが、普段は一見地味なただの女子高生として日本で生活していて、しかも僕みたいな冴えない彼氏がいるなんてことに、誰も思い当たらないだろう。 ではどうすればいいのだろう? 今から僕が、突然綾門さんがスーパーガールだということを忘れることなんてできないし… 「…だから…私にも更科くんの凄い秘密を知る権利がある…。好きなお弁当のおかずとか、好きな本とか、好きな歌手とか…今後の参考に…」 悩んでいる僕に、綾門さんは顔を赤らめ、こっちが驚くぐらい緊張した面持ちでお願いしてきた。 あれ?それってつまり… 「恋人同士なんだから、僕のこともっと良く知りたい、ってことでいいのかな?」 「………う、うん」 綾門さんは僕の答えを聞いて、恥ずかしそうに微笑んでくれた。 いつもの地味メガネを使用中なのに、それでも隠しきれないぐらい可愛い笑顔だ。 ちなみに最近、一昔前の文学少女風地味装備では綾門さんの魅力が隠しきれなくなり、クラスの男子の中でも綾門さんのことを話す人が増えてきている。 まぁ、元々の驚くような美少女である顔はメガネだけではとても隠しきれるものではない。 さらに無理矢理小さめなブラで抑え込んでいるという胸元はそれでも学校でトップクラスの膨らみをしているし(だからブラをしていないスーパーガール姿だと…なんていうか物凄い。間違いなく3桁超えている…)、 身長が高いこともありスーパーモデルのようなスタイルをしてしまっているのだから仕方がないか。 さて、とりあえずどうしよう? いきなりずるいと言われて喧嘩になるかと思いきや、気が付けば綾門さんが僕のことを好きでいてくれるていることを再確認するやり取りになってしまった。 べつに綾門さんが知りたがっていたことなら教えて問題ないんだけれど…そうか僕の秘密か… 確かにまだ知り会ったばかりだし、僕について知らないことたくさんあるはずだ。 そんなことを考えていると、ふと一つのことに気が付いた。 誰にも教えていない、最近できた自分の秘密。 自分でも、こんな癖というか好みがあったなんて、綾門さんに会うまでは気が付かなかった秘密。 「綾門さん、僕の秘密聞いてくれるかな。その、最近になって好きになったことがあるんだけど…」 「…聞きたい」 僕の声に興味深そうに反応すると、綾門さんはぐっと身体を近づけてきた。 「綾門さんを見て気が付いたんだけど…僕は強い女の子が好きみたいなんだ。この前屋上で鉄のベンチを鉄球にしちゃった綾門さんに、凄くドキドキしたんだ」 綾門さんが学校の屋上で見せてくれた、鉄のベンチを折り紙のように力を込めることなく折り畳んでいくスーパーガールの異常な怪力。 初めは恐怖でドキドキしていたと思ったんだけど、今思い返してみても気分が高揚してしまう。 「だから、綾門さんが一体どれだけ力が強いのかっていうのにも興味があって…ごめんね、こんな変な秘密で…」 僕の話を見下ろしながら黙って聞いてくれている綾門さんの姿に、段々と語尾が声が小さくなってしまった。 やっぱりちょっと変だったよね。急にこんなこと言われて綾門さんもきっと呆れて… っと、僕は後悔しだしていたが、綾門さんは違ったようだ。 「…つまり更科くんは…強ければ強いほど好きになるの?」 「え?…あ、うん、そうなるかな?」 「…よかった。私、世界で一番強いから…きっと更科くんに一番好きになってもらえる…」 僕の言葉が本当にうれしかったのか、心から喜んだような柔らかい笑みを綾門さんは浮かべた。 「世界で一番?」 「うん…スーパーガールより強い人なんて…どこにもいないよ…」 確かに、綾門さんより身体が大きかったりする人はいるかもしれないけど、彼女に勝てる人間はいないだろう。 80万トンを持ち上げられる怪力と、マッハ6000で飛べる飛行能力を持ち、おまけに目からレーザーも出せるし、スーパーブレスで物を凍らすこともできる女の子。 どんな格闘家でも、彼女にかかれば小指一本…いや、息一吹きで倒されてしまうだろう。 「更科くん…秘密を教えてくれてありがとう…」 「あ、うん、僕も喜んでもらえて嬉しかった」 まさか喜んでもらえるとは思っていなかったから、僕としても嬉しいというかほっとしている。 そんな僕に、本当に嬉しそうな綾門さんは、 「…更科くん…教えてくれたお礼したいから…これからつきあってもらえるかな?」 そう言って優しく僕の身体を抱きしめると、ゆっくりと身体を浮かび上がらせた。
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――最近、調子がヘンだ。 ウサミから言われるままに始まったこのサバイバル生活も、残すはあと二日だけになった。 島中の色んな所から資源を拾ってきたり、それを使ってみんなで『課題』を作ったり (宇宙船やロボットなんかも作らされた。メチャクチャにもほどがあるよな)、 一緒に共同生活を送っている連中と話したり遊んだり。 そんな生活を続けていくうちに、オレは自分の中の何かが大きく変わっちまった事に気づいた。 それは、今まで感じたことのない不思議な感覚だった。 その感覚は決まって、日向のヤツが関わってる時に限ってやってきた。 サバイバル生活が始まってから、一番言葉を多く交わしたのはアイツとだった。 平凡なヤツだなーとか、オレとバトれるくらい鍛えてはいねえんだなーとか、最初はそんな程度の印象 しかなかった。でも、何度かアイツと話していくうちに、オレは自分の生い立ちとか弟妹のこととか、 結構踏み込んだところまでアイツに話していた。気づくとオレはアイツに自分の事を知って貰いたいと 思うようになっていた。そう思わせる何かが日向にはあった。不思議なヤツだった。 それから暫くすると、二人で島にあるいくつかのスポットへ遊びに行くようになった。 公園で木登りをしたりゴミを拾ったり、海岸で泳いだり釣りをしたり、他にも色々。 アイツと一緒にいる時間は、それこそ時間を忘れるほど楽しかった。 いつしかオレは、今日は話しかけてこねーかな、遊びに誘ってくれねーかなと期待して、アイツの事を 目で探すようになっていた。 アイツに話しかけられると、自然に笑顔を作っちまう。 アイツに笑顔を向けられると、自然に嬉しくなっちまう。 アイツが他の女と話していると、胸の奥が握りつぶされるように、痛くなる。 これってその、やっぱり、アレなんだろうか。 自分が生きていく為、弟妹を養っていく為、金の為に過ごしてきた今までの殺伐とした生活の中では、 全くといっていいほど芽吹かなかった感情。 これを知ってしまってから、前より精神的に弱くなっちまったような気がする。でも、その弱さを日向に 曝け出したい、支えてもらいたい、あわよくば、甘えたい――自分でも信じられない考えが頭を回っていくのを、 どうしようもなく抑えられない。 まさか、オレが男に対してこんな事を想うようになるなんてな…。 嘘みてーだけど、やっぱオレ、日向の事が―― 朝の十時15分前。ジャバウォック公園の彫像前。 日向創は台座に背を預けて、『待ち合わせ相手』が来るのを待っていた。 「それにしても、初めてかもな。時間を決めて待ち合わせてから一緒に出掛けるのって。まるで――」 デートみたいだ。そう考えると、どうにもそわそわして落ち着かなくなってくる。 昨日のお昼。 修学旅行の最後の『課題』を皆で完成させ、一息ついた所でいつものように『彼女』を遊びに誘おうと 思った矢先、珍しい事にその『彼女』――『超高校級の体操部』こと、終里赤音の方から話し掛けてきた。 「おっす、日向」 「あ、終里。珍しいな、終里の方から話しかけてくるなんて」 「ま、まーな」 「それで、どうかしたのか? 良かったらまた今日もどこか行くか?」 「や、えっと、その事なんだ、けどよ」 「?」 「その…なんだ、明日、さ」 「うん」 「ちょっと行きてートコが、色々あってさ。だ、だからっ、明日、ちょっと付き合ってくり…く、くれよ」 「…? いや、構わないけど、今日だとダメなのか?」 「だ、ダメだっ! 今日はやらなきゃいけねー事が出来たんだよっ」 「そっか。じゃあ、今日はとりあえずこのままコテージに戻るかな」 「…それじゃ、明日、十時に真ん中の公園で待ってるからなっ!」 「おう、それじゃな」 「あとっ! 今日はあんまり島をウロウロすんなよ! スーパーとか絶対に来んなよな!」 「?? わ、わかったよ……って、もう行っちゃったな。一体何だったんだろう…」 と、こんな感じで日向はいくつか疑問を残しつつも、言われた通りジャバウォック公園にやってきたのだった。 ともあれ、今回は初めて終里の方から誘ってくれた『お出かけ』だ。 ただ、この島の中で出来る事といったら限られている。 多分、いつもと同じように島のどこかへ遊びに行って、夕方まで時間を潰すだけで終わるだろう。 それなのに、日向は無性に楽しみで仕方がなかった。 (でも、この共同生活もあと、二日で終わっちゃうんだよな…) そう。この島でみんなと――終里と過ごせる時間は残り僅かだ。 突然この島に連れてこられて、戸惑いながら始めたこの生活も、気づけばあっという間に残り二日となっていた。 一緒に過ごしてきた仲間達は、どいつも少しアクが強いけど気のいい奴らばかりで、時間を共にしていく程、 目に見えない繋がりを結ぶ事が出来たような気がした。 中でも、特に日向が心を惹かれたのは、終里だった。 ――『超高校級の体操部』、終里赤音。 いつも食い意地を張ってるし、暇さえあれば弐大と格闘してるしで、初めはヘンな奴だという印象しかなかった。 でも…いや、だからこそ、彼女の動向が気になってしまっていたのだろうか。気づいたら俺は、彼女に話しかけていた。 彼女自身の話、弟妹の話、体操部の話。彼女の事を一つ一つ知っていく度に、比例するように彼女への興味も 一つ一つ、大きくなっていくのを日向は感じた。 何度か話をしていく内に、二人で公園や遊園地、海岸へ遊びに行くようになった。 その頃にはもう、俺は終里の事が好きになっていた。 食べ物を口いっぱいに頬張って、幸せそうに顔を綻ばせる姿も。 笑ったり怒ったり、凄んだり焦ったりとコロコロ変わる表情も。 泳いだり走ったりしている時に見せる、アスリートとしての凛々しい姿も。 滅多に見せないけど、弟妹の事を話す時に覗かせる、照れたような表情も。 終里の何もかもが彼女を魅力的に見せ、俺を惹きつけて止まなかった。 終里の方は俺の事をどう思っているんだろうか。もしかしたら、『会う度に食べ物をプレゼントしてくれる何かいいヤツ』 程度にしか思われていないかも知れない。ただ、俺はそれでも良かった。 終里が、俺のプレゼントで喜んでくれるなら。その笑顔を俺に向けてくれるなら、それでも。 ただ、その島での生活は残りたったの二日だ。 このまま共同生活が終り、なんとなく会ったり話したりする機会が減っていくのは、嫌だ。 それならば、俺は―― 「おーい! 日向ぁ!」 と、そこで自分を呼ぶ声が耳に届き、日向は現実へ引き戻された。 公園の入り口から、背の高めなシルエットがこっちに駆けてくるのが見えた。終里だ。 「おー、終里。おはよ……ぅ…」 「わ、わりぃ。待たせちまったみたいだな。って、おい、日向? どうかしたか?」 目の前まで駆けてきた彼女の姿を目にした瞬間、日向の思考は一時停止し、釘付けになった。 終里の服装が。 いつもの制服のシャツにミニスカート、白のローファーではなく。 胸元からふくらはぎまでを覆い隠す、眩しい位に真っ白なワンピースだった。 「…あー。やっぱヘンだよな? このカッコ。ソニアのヤツ、『バッチグーです! 終里さん、これなら彼もイチコロです!』 なんて、適当な事言いやがって…」 両脇の横から肩を通じて背中に伸びる肩紐には、薄い生地のフリルがあつらえられている。 トップスとスカートの部分には、よく見てみると細やかなレース模様が施してあるようだった。 それほど派手な装飾ではないが、そのシンプルさが終里の長身とスタイルの良さによく映え、彼女の魅力を一層際立たせていた。 「ははっ、おだてられて舞い上がってバカみたいだな、オレ……恥ずかしくなってきたぜ」 足元はワンピースの色に合わせた、踵の低いパンプス。頭にはこれも真っ白なつばの大きな帽子(カプリーヌというらしい) が乗り、彼女の癖毛っぽい乱髪を少しだけおとなしく佇ませている。 上から下まで全身白でまとめたその装いは、褐色がかった彼女の肌とのコントラストも相まって、非常よく似合っていた。 少なくとも日向はそう感じた。 「わりぃ、やっぱ着替えてくるわ。待たせてばっかですまねぇけど、ちょっと待って――」 普段肌の露出が多い服装を好む終里の純朴なワンピース姿に、日向は驚きと共にがっちりと心を奪われ、 しばらく固まったままだったが、きびすを返そうとした終里の様子にようやく思考が動き出し、慌てて呼び止めた。 「ま、待てって! 終里! 全然変じゃないって!」 「…そ、そうか? でも、オレのカッコ見た時に、ドン引きして固まってたじゃねぇか…」 いつもの勝気な彼女は何処へやら、フォローする日向と目も合わせようともせず、口を尖らせていじけた態度を見せる終里。 そんな姿すら、日向には愛らしく映ってしまうのだった。 「ドン引きなんてしてないって。その格好があんまり似合ってたから、その…み、見惚れてたんだよっ」 あんまり歯の浮くようなセリフもどうかと思ったが、ここではっきり言わないと終里も察してくれなさそうなので、 顔が熱くなるのを自覚しながらも、日向は何とか終里に顔を向けたまま言い切った。 「え…あ…っと、そ、そう、なのか。あははっ、やっぱどっちにしろ恥ずかしいなっ」 終里は指で頬をポリポリと掻きながら、いかにも恥ずかしそうにそう返してくる。よく見ると、顔が真っ赤だった。 暫く無言の時間が続いたが、ぎこちない空気になりかけていたのを嫌ってか、唐突に終里の方から切り出した。 「と、とりあえず出掛けようぜ。ここでこうしててもしょうがねぇしさっ」 「そ、そうだな」 それを受けて日向は頷くと、二人で並んで公園の出口へ歩き始めた。 今日は終里は島中を回りたいということで、とりあえず第二の島へ向かうことになった。 まだパンプスに慣れないらしい終里に歩く速さを合わせながら、日向は彼女と言葉を交わしていく。 さっきまでのやり取りもあって始めは探り探りだった会話も、第二の島への連絡橋を渡り始める頃にはいつもの調子に戻りつつあった。 「――じゃあ、その服はソニアに見繕って貰ったのか」 「ああ。オレはもうちょい動きやすい服がいいって言ったんだけどさ。アイツときたら、せっかくのデー…っ、いや、やっぱ何でもない」 「? ソニアが何か言ってたのか?」 「何でもないって。この服はアレだ、アイツの趣味だよ」 「確かに、ソニアもこういう服は似合いそうだよな。でも、終里もすごく似合ってるよ」 一度こういうセリフを吐いてしまうと、慣れてしまうものなのかあまり羞恥せずにすんなりと口から言葉がでてしまうのが不思議だった。 「ば、バカ! あんまりそういうこと言うな!」 ただ、言われる方はそうでもないらしい。また顔を赤くして慌てふためいている。 普段あまり見られない終里の姿に、日向はつい笑みをこぼしてしまう。 ――ああ。だめだ。やっぱり俺、どうしようもなく終里の事が好きだ―― こうして、二人で並んで話をしているだけでも、何ともいえないもどかしい気持ちが湧き上がってくるのを日向は感じる。 『幸せを感じる』っていうのは、こういうことなのだろうか。 でも、こんな風に終里と時間を過ごせるのも、あと、たったの二日だ。 「…ったく。……ありがとな、日向。その、褒めてくれてさ」 自分に向けられたお礼の言葉に、日向は終里に視線を向けた。 慌てても更にからかわれるだけだと悟ったのか、終里は賛辞を素直に受け止めて、はにかんだ笑顔を日向に向けていた。 その笑顔は、自分にだけ向けられたその笑顔はとても綺麗で、優しくて。 (……決めた。俺は今日、終里に――) 日向は一つの決心を、胸に決めた。 それからの時間は、いつも通りあっという間に過ぎていった。 チャンドラービーチのダイナーで軽く昼食を摂って。 遊園地でジェットコースターに乗って。 図書館で休憩がてら少し昼寝をして。 楽しくて仕方がなかった。今日がずっと終わらなければいいのにと、心の底から思った。 いつまでも終里と一緒に居たい。 日向はゆっくりと傾き始めた太陽を眺めながら強く、そう願った。 島中を回って遊び倒した二人は最後に、第一の島にあるビーチへと足を運んでいた。 時刻はもう黄昏時。 雲一つない空と、浮かぶ物一つない海の境界線上に沈んでいく太陽が作り出す夕映えは あまりに幻想的で、二人は暫く無言でその風景を眺めていた。 日向は自分の隣に佇んで海を眺めている終里を横目で見つめる。 今日一日を過ごした満足感の中に、どこか寂しげな雰囲気を覗かせているような、気がした。 日向の心が揺れる。 言葉は、自然と出てきた。 「終里」 「…ん?」 「今日はありがとな。一日付き合ってくれて」 「な、何言ってんだよ。礼を言うのはこっちの方だぜ。オレの方から付き合って貰ったんだからさ」 「まあな。でも、もし終里の方から言ってこなかったら、俺から誘おうと思ってたから」 「…そっか。でもよ、今日だけはオレの方からオメーを誘いたかったんだ」 「…?」 「――それに、ソニアに頼んで慣れない服着てきたのも、その、なんだ……意識して欲しかったからなんだよ」 「……」 「オ……あ、あたしがその、一応、『女』だって事にさ」 「……!」 (終里……まさか) 「……すぅー、はぁーっ、やべーなっ、なんでオレ、こんな緊張してんだろ……」 「終里……」 「日向っ、オメーにとってあ、あたしは、単なる遊び友達かも知れねえけどなっ」 「……っ」 (終里! 俺も――) 「「お前の事、ずっと好きだったんだっ!!」」 穏やかな波音だけが鳴り続ける海岸に、二人のユニゾンが響いた。 終里は右手を胸元に当てて、とても驚いたような表情を浮かべている 無理もなかった。勇気を出して告白したら、相手からも同じ事を告白されたのだから。 「……そんな。日向が、オレの事を……?」 「俺は、終里を女の子だって意識しなかった事なんて今まで、一度もなかったよ。逆に、終里の方が 俺の事を、ただの遊び仲間だと思ってるんだろうなって考えてたくらいだ」 「オ、あ、あたしだって、日向と同じだぜ! 遊びに誘ってくれるのも、すげー気軽に声掛けてくるもんだから、 てっきりそうだと…」 日向は終里の言葉を聞くと苦笑しながら返す。 「終里を誘う時は、いつも緊張してたよ。だってそうだろ? 好きな女の子をデートに誘う時、緊張しない男 なんていないって」 「――日向。あたしは、今も緊張してるよ」 終里が、日向の方へ一歩、近づく。 「終里?」 「日向。ありがとな。こんな男みてえな女の事、好きって言ってくれて」 また、一歩。 「でも、言葉だけじゃ、不安なんだ。今まで、口約束だけで何度も裏切られてきたから」 「終里……」 「……日向の事は信頼してるぜ。オメーはあたしの事、裏切ったりしないって、頭では分かってんだ」 日向のすぐ目の前に立ち、真っ直ぐに日向の目を見つめる。 「でも、理屈じゃねえんだ。どうしてもオメーがあたしと同じ気持ちだっていう、証が欲しいんだよ」 日向の胸板に両手を添えて、ほんの少しだけかかとを浮かせる。 「日向――」 そのまま、終里は日向へと自分の顔を寄せ、唇同士を―― ぐぅ~~、ぐぐぅ~~~っ、ぐるるるるぅ~~~~っ ――重ね合わせようとした瞬間、終里の腹部が、盛大に鳴り響いた。 「………………」 「………………」 至近距離で二人は目をテンにして、時間が止まったかのように固まった。 「……………………」 「…………………………」 「………………………………ぷっ」 「ぷっ、くくくっ」 「あっはっはっはっはっ!」 堪えきれずに、今度は二人でお腹を抱えて笑い出した。 「あっはっはっ! …お、終里っ、今のタイミングでお腹鳴らすって、は、反則っ…くっくっ」 「くくっ…、っ、しょ、しょーがねえだろっ、鳴らしたくて、ふふっ、鳴らしたんじゃ、ねえんだからっ」 暫く二人は笑い合って、ようやく落ち着くと日向の方から切り出した。 「…はぁ、ふぅ…、ふふっ、でも、確かに腹減ったな」 「だろ? 今日は島中を回ったからな。腹がなってもしょうがねえんだよっ」 「ふふっ、そうだな。時間もいい頃合だし、ホテルのレストランで夕食にするか」 「ああ。いこーぜ。……な、なあ、日向」 「ん?」 「手、つ、繋いでもいいか?」 少しだけ日向の前に出て、後ろにいる日向に顔を見せず、手を差し出してくる終里。 顔は見えないが、よく見ると耳が真っ赤になっていた。 そんな些細な事にも了承を得てくる終里の可愛らしさに思わず小さな笑いを漏らすと、日向は答える代わりに 差し出された終里の手をぎゅっと握って、ホテルへと歩き出した。 それから。 二人でホテルに戻ると、終里は一旦自分のコテージに戻っていつもの服に着替え(日向以外には見られたくないから と、また可愛い事を言っていた)、いつものようにレストランでみんなと一緒に食事を摂った。 途中、手を繋いでいる所を澪田に見つかって散々冷やかされたり、ソニアに捕まって今日のデートについてあれこれ 聞かれたり(それでも去り際に終里はソニアにも礼を言っていた)、他にも色々と大変だったが何とか凌いで、 二人は日向のコテージで休憩することにした。 日向のコテージの中。 二人は日向のベッドに並んで座り、今までの共同生活について、話に花を咲かせていた。 二人とも心底から会話を楽しんでいるように見えた。だが会話の最中、終里がそわそわと落ち着かない様子で いた事に、日向は全く気づいていなかった。 話が一区切りし、少し間が生まれた。 そこでさっきから話を切り出す機会を伺っていたらしい終里は、少し早口に口を開いた。 「な、なあ日向」 「ん、どうした?」 「あたしは、日向の事が、好きだ。オメーも、その…あたしの事、好き、なんだよな…?」 「お、おう」 唐突な話の切り出し方に少し戸惑いつつも、日向ははっきりと意思を伝える。 終里は少し安心したように軽く息をつくと、太ももの置いた両手をぐっと握り締めながら続けた。 「い、いやな、日向も、や、やっぱり興味あんのかなって思ってよっ…その、えっちぃコト、とか」 「いっ!? ど、どうして」 「…前さ、体操始める前は、色んなバイトで弟妹達を食わせてたって話したの、覚えてるか?」 「あ、ああ。それが……あ」 確かに、色々なバイトで生計を立てていたと言っていた。その中には、口にするのを憚られるような事もしていたと。 「…稼ぎのいいバイトは、どうしても『女だってこと』を売り物にするのが多くてな。金持ったスケベオヤジ達に、 …身体をまさぐられたりしてさ」 「終里……」 「ま、金を稼ぐためだ、って割り切ってたつもりだったんだけどよ、それからってものの、『そういうコト』に嫌悪感 みたいなものを感じるようになっちまった」 「…………」 無理もないだろうと日向は思う。過酷な境遇の中で生きてきたといっても、まだ十代の女の子なんだから。 「…でも、でもな。あたしはオメーになら、そ、『そういうコト』をされてもいいって、思ってんだ」 終里の身体が、微かに震えていた。 そこにいるのは確かに『超高校級の体操部』終里赤音なのに、日向の目にはひどく弱々しい、儚げな女の子が映っていた。 ――嫌悪している筈の行為であるのに、その終里がここまで積極的になってくれている。 終里はさっき海岸で、『自分と同じ気持ちだという証が欲しい』とそう言っていた。 そこまでして、彼女は自分との繋がりが欲しいと思っているんだ。 俺の事が好きだから―― 終里のいじらしい姿に、日向は胸中が彼女への想いで一杯に占められていくのを感じた。 そして。 「終里っ」 「…えっ、ひな、んぅっ」 日向は気付くと、終里の唇に自分の唇を重ね合わせていた。 「んー! んっ、…んんっ、んんぅ」 終里は始めこそ驚いて目を見開いていたが、すぐに瞼を閉じて両手を日向の胸板に添えると、日向に身を預けた。 お互い息を止めながらのただ重ねるだけの接吻は、二人の息が続くまで続いた。 「…ん、ぷはっ、はぁ…はぁ……日向…」 終里はゆっくりと日向から顔を離し、荒い息を付きながら日向を真っ直ぐに見つめる。 日向の瞳に自分の姿が映っているのが見える。 息を荒げ、頬を赤らめ、潤んだ目で日向を見つめる終里赤音の姿は、思った以上に『女』だった。 「はぁ、……終里」 「………」 「俺は、終里が好きだ。だから、お前を抱きたい。お前が、欲しい」 気持ちを確かめ合った彼女の気持ちに応えるのに、今更長い口説き文句はいらない。ただ実直に、自分の感情を口にした。 「……っ、ああ、あたしも、日向が好きだっ、だから――んっ」 日向は終里の言葉を待たずに彼女の唇を奪うと、ベッドへと押し倒した。 「んっ、はぁ、ちゅっ、んぅ、んちゅっ」 日向は終里をベッドへ優しく押し倒しながら、彼女の唇に吸い付く。 無造作に投げ出された終里の両手に自分の手を重ねて、指を絡ませて恋人つなぎを作ると、唇を吸う力を少しだけ強めた。 「んはっ、ちゅぱっ、ひなたぁっ、すきだ、ちゅっ、んちゅっ、すきだぁ、んんぅっ」 終里が日向のキスに応えながら、自分の想いを囁いてくる。 その一言一言が矢となって日向の心に突き刺さり、そこから終里への気持ちが瞬く間に化膿していく。 「んぅ、ちゅぅ、はっ、ちゅっちゅっ、ひなたぁ…っ」 「………っ」 普段は勝気だとか、男勝りを絵に描いたように活発的な終里が、自分の落とす接吻に酔いしれ、甘えてくる。 そのギャップに、日向の情欲は燃え盛る炎のように大きく猛っていった。 ――――にゅるんっ 「んっ!? ちゅるるっ、はぁっ、んっ、ちゅばっ、んはっ、ちゅ、ちゅぶぶっ」 突然口の中に進入してきた物体に、終里は驚き自身の舌で口内から押し出そうと力を入れる。 しかし、それ――日向の舌は真っ直ぐ伸ばされた終里の舌を横に逸れてかわすと、蛇がとぐろを巻くかのように たちまち終里の舌へと絡み付いていった。 「んんぅ!? ちゅっ、んっ! じゅるっ、はあっ、んっちゅっ、ちゅばっ、ちゅばばっ」 あまりに激しい口づけに、終里は思考能力がどんどんと蕩かされていくのを感じていた。 上顎を舐められると、背中にピリッとした刺激を感じ思わず腰が浮いて。 引っ張り出された舌を日向に甘く噛まれると、股の間が発熱して『何か』が零れていく。 「んっ、ちゅぱっ、はぁ、へはっ、んっ、ちゅぶっ、んんっ」 貪るような長い長い口付けは、二人の唇と舌が疲れて思うように動かなくなるまで、延々と続いていった。 「んぅ、ふっ、ちゅ、ん、ぷあっ! はぁっ、はぁっ、ひ、日向…っ」 「はぁ、はぁ、終里……服、脱がすよ」 「はっ、はっ……っ、ああ、いいぜ……」 長いキスが終り、荒い息遣いを残したまま、日向は終里のシャツのボタンを外していく。 一つ、また一つと外される度に、服の中に窮屈そうにしまわれていた終里の胸が暴かれていく。 やがて全てのボタンを外してシャツをはだけさせ、スカートのファスナーを下ろしてつま先から抜き去ると、 ショーツ一枚を残した、終里のありのままの姿が日向の前にさらけ出された。 「………っ」 「こ、こらっ、あんままじまじと見つめんじゃねえよっ、は、恥ずかしいだろっ……」 恥ずかしそうに顔を逸らしながらベッドに身体を横たえている終里の姿。 意外に小さな肩の下には、シャツの拘束から開放された圧倒的な豊乳が、重力に逆らってツンと真上を向いていた。 身体の動きに併せてふるんっと揺れる二つの頂は、まるで日向を誘っているかのように蟲惑的な存在感を醸し出している。 豊かに膨らんだ上半身とは対照的に、腰周りはさすがアスリートと言うべきか、無駄な脂肪は一切なく、かと言って 目に見えるほど筋肉がついている訳でもない、奇跡としか思えない程均整の取れたウェストだ。 演技と共に外見も重要な体操競技を行う上でこれ以上ないプロポーションだろう。 そこから更に下ると、飾り気のないショーツに隠された、やや大きめだが形の整った柔らかそうなヒップ。 そこから伸びる、スラリと伸びた長く、しなやかな脚。 芸術的とも言える、高校生離れした彼女の美しさに、日向は思わず音を立てて息を呑んだ。 「終里……綺麗だ」 「そ、そうかよっ、ありがとな。でも……不思議なもんだな。他のどの男共から言われても鬱陶しいだけの言葉が、 日向に言われるとすっげー嬉しいぜ」 「…俺も、終里のその言葉が何より嬉しいよ」 言いながら、日向は終里の上に覆いかぶさり、彼女の乳房をやわやわと摩りながら、首筋に唇を落とした。 「んっ、はあっ、ふっ、あんっ!」 「ふふ、カワイイ声を出すんだな? 終里」 下から上へ掬い上げるように終里の胸を揉みしだき、連続して首筋にキスを振らせていく。 「そ、そんなの知るかっ、勝手に出ちまうんだよっ、あっ、ふぁっ」 「可愛いよ、終里」 「あ、あんま、かわいいかわいいって連呼すんなっ、殴んぞっ、んっ、やぁんっ」 普段の凄みのある表情で言われるとかなり圧倒されてしまうが、今の彼女に何を言われても、 日向には全く通用しなかった。 むしろ強がる終里の姿が愛らしくて、尚更イジワルをしたくなってしまう。 日向は胸を愛撫する手はそのままに、顔を首筋から耳元に移動させ、優しく息を吹きかけた。 「ふーーーっ……」 「ひゃあっ!? んっ、ひ、ひなたっ、耳に息、かけんなぁ!」 すると、終里は一際大きく反応し、身体を軽く仰け反らせた。 「終里。耳が弱いのか……?」 日向は格好の標的を見つけたと言わんばかりに、わざと終里の耳に息がかかるようなウィスパーで囁きながら、 彼女を責め立てていった。 「べ、別にっ、んっあっ! そんな、ことっ、んんっ! ねぇっ、ひゃんっ!」 「……だったら、……別にこうしてても、いいだろ……?」 胸を責める手の動きも、段々と激しくしていく。 「んっ、ああぁっ、んやっ、ひなたっ、あたしっ、んぅっ! なんかヘンだっ、ヘンだよぅ、んあぁっ!」 「変じゃないよ。我慢しないで、そのままでいいんだ、終里……っ」 終里の痴態に、日向も感情の昂ぶりを抑えられなくなってきていた。 自然に息が荒くなり、その変化にも終里は敏感に反応した。 「ひなたぁっ、あたしっ、もぉ、だめだっ、なんか、くるっ、ああぁっ!」 「いいよっ、終里、気持ちよくなるんだっ―――はむっ」 とどめとばかりに日向は、終里の耳を唇で甘く挟み、手の中で転がる突起を指で摘み上げた。 「ひっ!? やあっ、あっ、あっ、ああぁあぁあっ!」 その瞬間。 終里はブリッジの姿勢で全身をビクンビクンと痙攣させて、ぐったりと崩れ落ちた。 「はぁーっ、はぁーっ、ひな、たぁ…」 日向の手で上り詰められた終里は、初めての絶頂の余韻に浸っていた。 無防備に肢体を日向の前に晒して、とろんとした表情で日向を見つめる終里の姿は、 日向の理性を大きく揺さぶった。 「……っ、ごめん、終里、俺っ、もう我慢出来そうにない…!」 日向は言うが早いかカチャカチャとベルトを緩めてズボンとパンツを脱ぎ捨て、自身のペニスを終里の前に 曝け出した。 「はぁ、はぁ、終里、下、脱がせるからな」 終里のショーツに手をかけ、ゆっくりと下ろしていく。股間部から離れる瞬間、終里の愛液が糸を引いたのが、 日向の興奮をより一層高まらせた。 他人の下着を脱がせるという慣れない作業に焦れ、日向は終里のショーツを片足だけ脱がせるとそれをそのままに、 終里の膝裏を持ち上げて秘処を開かせると、今までの行為でガチガチに硬くなったそれを、 終里の入り口へとあてがった。 「はぁ、ふぅ……な、なぁ、日向、その…するんだよな?」 「ああ、ごめん、俺、抑えが効かないかも知れない」 「そっか。でも、一つだけ、聞いてくれねぇか…?」 「………」 「……確かにあたしは、口じゃ言えないようなバイトをしてたし、身体を触られた事もあった」 「………」 「でも、男に抱かれた事は、一回もない。日向が、初めてなんだ」 「――終里」 「その、こんな事言うガラじゃねえけどさ。嬉しいぜ、初めて惚れた男に、あたしの初めてをやれてさ」 「終里……」 「そんだけだよ。後は、好きなようにしてく――」 「――ごめん、終里。そこまで想ってくれたんだな。すごく嬉しいよ。俺、自分の事しか考えてなかった。 取って付けたみたいになっちゃうけど、終里みたいないい女の初めてを貰えるなんて、俺も光栄だよ」 「……………う、うるせー。恥ずいコト言うな……」 「ふふっ、そうだな。……終里。なるべく優しくするから」 「………ん」 終里は小さく返事をして日向の背中に腕を回すと、自分の方へと引き寄せた。 それに併せて、日向はゆっくりと、自身を終里のナカへと挿入した。 「――んっ、あぁっ、ん、あんっ! ふ、ぅん、んあっ」 日向が腰を進める程に、甘く蕩けるような声を上げる終里。 女の子の初めては痛みを感じるものだと聞いていた日向は、思わず彼女に問い掛けていた。 「終里。痛く、ないのか?」 「んんっ…全く痛くないわけじゃ、ねーけどっ、ぅんっ! はぁっ、それより、腹の奥がピリピリするっ、 ヘンなかんじだぜっ……んっ、んあっ」 「それじゃ、このまま、奥までいくよっ……!」 「んっ、あ、ああっ、きてっ、日向っ………んっ、ふああぁあぁっ!」 終里の言葉を合図に、日向はそれまでゆっくりと推し進めていた腰を、一気に突き入れた。 終里が一際大きな声を上げると、堪りかねた様に両手両足を使って、日向にしがみ付く。 「はぁ、はぁ、終里……全部、入ったよ……」 「はーっ、はーっ、ああ、あたしのナカに、日向がいるの、感じるぜっ、んっ、あっ」 「…ごめん、終里のエッチな声聞いてたら、やっぱり我慢できそうに、ないかも……っ」 「……っ、ああ、いいぜっ、……あたしを、日向の好きに、してくれ」 「――――」 そこで日向の理性の糸は、完全に焼き切れた。 「あぁっ、んっやぁ、ひなたぁっ、あっ、んあぁあっ!」 終里を組み敷いて、日向は一心不乱に腰を打ち付けていく。 終里のナカに自身を突き入れるたびに、彼女がそれに反応して嬌声を上げるのが、日向を堪らなく興奮させていく。 「あっ! ひなたのっ、んあっ、また、あたしのナカでっ、おっきくっ、あっあっ!」 ――ずっと好きだった終里。今日気持ちを確かめ合ったばかりの終里が。 自分の腕の中で、自分の腰使いで、気持ち良いと喘いで、身を躍らせている。 今、間違いなく。 彼女は、終里赤音は、俺のものだ――。 日向は腰の動きはそのままで終里に覆いかぶさり、両手で終里の頭を捕まえると、その艶やかな喘ぎ声を漏らす唇へ、 思い切り吸い付いた。 「んぅぶぅ!? んっ、はっ、ぶちゅっ、んぅっ、じゅるるっ、ん、ぷはっ、ふぅんっ、ちゅばばっ」 終里の口中に舌をねじ込んでかき回すと、終里も日向の背中と後頭部に腕を回して、日向の舌に自分のそれを絡ませてきた。 「はっ、はっ、んっ、ちゅ、ちゅるっ、はぁ、おわりっ、おわりぃっ…!」 「……ちゅぱっ、ん、ああぁっ! ひなたっ、なまえっ、なまえで、よんでくれっ…あんっ、あたしもっ……」 「ああ、ああっ……ちゅ、んっ…あかねっ…!」 「んっああぁっ! うれしいっ……はじめぇ、もっと、もっとつよくぅ……あっ、ふああぁあぁあっ!」 終里に促されるまま、日向は彼女を強く抱き締め、どんどんとストロークを強く、激しくしていく。 絶対に彼女を手放さないと言わんばかりに、強く、激しく。 「んあっ! ひぐっ、ん、ああぁっ! はじめぇっ、あたし、もう、もうっ……!」 「あかねっ……ぅくっ! 俺もっ、もう、限界だ……!」 「ああぁっ、んっあぁっ! やっ、ああぁっ! たのむっ、このまま、いっしょにっ、あっ、あっ!」 「で、でも、いいのかっ、ナカで、出したらっ」 「いいからっ、このままっ、あぁっ! はじめのっ、あたしのナカにっ、んっあぁっ! だしてぇっ!」 「……うぐっ、もう、だめだっ、射精るっ…!」 「んあぁっ! ひっ! あっあっあっ! いやっ、イクっ! イクぅっ! んっあっ! あぁあぁああぁあぁああぁっ!!」 びゅぐっ!! びゅぐるるっ!! びゅるるるっ!! 「はぁーっ、はぁーっ……はっ、好きだ、赤音っ……」 「はぁー、ひぐっ、あ、ああぁあっ……あ、あたしも、すきだっ、はじめぇ……んぅっ」 二人は心の底からの相手への気持ちを吐露すると、互いの気持ちを交わし合わせるかのように、 深い深い口付けを交わした。 翌朝。 窓から差し込む朝日の眩しさに、終里は目を覚ました。 「…ん、も、朝かぁ…」 「おはよう、赤音」 やや重い瞼を開くと、柔らかな笑みを浮かべた日向が自分の顔を覗いていた。 「んっ、ああ、おはよぅ……創、起きてたのかよ。起こしてくれても…ふぁ~っ……よかったんだぜ…」 まだ眠そうに眼を擦る終里に、日向は少し意地悪そうに笑いながら、 「いや、赤音の寝顔があんまり可愛かったから、ついに見惚れちゃってたんだよ」 すっかり板についた『歯の浮くセリフ』を自然に口に出した。 「……うっせーな。あたしに抱きついて好きだ好きだと連呼してた昨日の創の方が、よっぽど可愛かったぜ?」 終里は頬を赤く染めて若干たじろぐも、すぐに平然と切り替えした。さすがに何度も言われると慣れてくるらしかった。 「ははっ。それはお互い様だろ? 赤音だって――」 「わーったよ。不毛だから止めようぜ。……ったく」 議論だとか言い争いでは日向には全く勝てる気がしない終里は、早々に話しを切り上げると、日向の肩に自分の身体を預ける。 「今日で終りだな、修学旅行……」 「ああ、そうだな……」 そう、今日は修学旅行五十一日目。修学旅行最後の日。 後は、ウサミからの合否を受けて、この島を後にするだけだった。 「…『希望のカケラ』か…。結局、この島で資源を集めてモノを作って、みんなと遊んだだけだったけど、ほんとにこれで 良かったのかな」 難しい顔で考え込もうとする日向に、終里はこてんと日向の肩に頭を乗せながら、 「…少なくても、あたしはこれでよかったと思ってるぜ。この島でのみんなとの……特に、オメーとの思い出と絆は、 あたしにとっての『希望』そのものなんだって、そう思えるよ」 幸せそうな笑顔で、日向を上目遣いで見つめた。 「赤音……」 「だからあたしは―――ひゃあっ!?」 と。 終里が突然、素っ頓狂な声を上げる。 終里にとって、昨日の夜イヤと言うほど経験した感覚が――日向が、彼女の乳房を揉みしだいていた。 「お、おいっ、なにやって――んあっ」 「ごめんごめん。赤音が可愛すぎるから、また、その気になっちゃった」 口では謝りながらもまったく悪びれた様子もなく、日向は右手で胸を愛撫しながら、左手を終里の秘処へと移動させ、 指の腹で割れ目を擦り上げていく。 「んっ! きのうっ、さんざんヤッたじゃねぇかっ、あんっ! それにっ、もう、すぐっ、あっ! 出なきゃいけなっ、ああぁっ!」 「うん。だから、もう一回だけ。……いいだろ?」 「ひゃんっ!? わ、分かったっ、分かったからぁ、耳は、やめっ、んっ、はっ、ちゅっ、んんっ――!」 そうして二人はまた、二人だけの世界へと溺れていった。 ――彼らはまだ知らない。この修学旅行の後に、数々の苦境と絶望が待ち受けていることを。 だが、彼らはこの共同生活で、それに勝るとも劣らない程強い『希望』を手に入れた。 彼らが『希望』を――仲間達と強い絆で結ばれている事を忘れない限り、もう決して、絶望に屈したりはしないだろう。 そう、これは。 彼らの『絶望』のおわり。そして、彼らの『未来』のはじまりの、ものがたり―― END
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スーパーガンダム 図鑑番号 形式番号 正式名称 開発プラン名 あ 必要基礎技術 必要MS技術 必要MA技術 必要敵性技術 関連機体条件 特殊条件 あ 開発期間 生産期間 資金 資源 資金(一機あたり) 資源(一機あたり) 移動 索敵 消費 搭載 機数 制圧 限界 割引 耐久 運動 物資 武装 シールド スタック 改造先: 特殊能力: 生産可能勢力: 武器名 攻撃力 命中率 射程距離 あ 宇 空 水 寒 森 山 砂 陸 攻撃 移動 寸評:
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【マスター】 カムクライズル@スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 【マスターとしての願い】 - 【能力・技能】 あらゆる才能を備えた、万能の天才。 この世に存在する全ての才能を開花させることが出来るが、その代償に才能の獲得に邪魔となり得る思考や感情、感性や記憶といった人間に必要な様々なものが欠如または封印されてしまっている。そのため人格は非常に不安定。 【人物背景】 かつて様々な天才達が集う高校、『希望ヶ峰学園』によって作り出された存在。 かの学園はあらゆる才能を備えた万能の天才を人工的に作り出すことを目論んでおり、カムクライズルという名前も希望ヶ峰学園の創設者、神座出流より取られている。 彼はその計画によって生み出された人工の天才で、元は何の才能も持たないとある少年だった。 しかしその人格はほとんど消滅してしまっており、人間味を彼から感じ取ることは出来ない。 【方針】 聖杯戦争を見届ける
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山田「拙者…メイド喫茶というこの最良の選択…譲りませぬぞ?」 昼休みが終わり、暖かな陽気がより一層眠気を誘う頃希望ヶ峰学園第78期生達の教室では話合いが行われていた・・・ 山田「そう、そして看板娘は不二咲殿!不二咲殿のメイド姿に何人の男が魅了されることか!そして拙者、そんなものが見られたら死んでもいい!」 大和田「おい山田、不二咲が困ってるじゃねぇか…」ボキボキ 山田「ヒィィィイ!」 不二咲「待ってよ!大和田くん、暴力は駄目だよ!それに僕…かわいい服着るの…いいかなって…」 山田「キタコレ!」 石丸「そこの3人!落ち着きたまえ!とりあえず山田くんから『メイド喫茶』という意見が出た!意義のあるものはいるか!?」 間近に迫った希望ヶ峰学園祭 希望ヶ峰学園祭では各クラス一つずつ出し物を発表することになっていた。 美術品展示、ステージ発表、出店…テーマは何でもいい。 ルールは「クラス一丸となって頑張ること」だけだ。 セレス「そうですわねぇ…希望ヶ峰学園祭はその注目度の高さから有名人や大企業の社長なんかも来られる、と聞きましたわ。そんなメイド喫茶なんかでみなさんの評判が落ちないか心配ですわ。」ウフフ 山田「やすひ……セレス殿ぉ…拙者、セレス殿にもメイド服を着てほしくて…それが楽しみで…」 セレス「お断りしますわ」ウフフ 江ノ島「うぷぷwww」 石丸「メイド喫茶は却下か…それでは他に意見のあるものは!」 戦刃「あたし、射的をやりたいです。」 桑田「おっ!いいじゃねぇか!俺は射的得意だぜー!」 戦刃「そうだなぁ…的が葉隠くん、山田くん、桑田くん、十神くんでぇ…」 腐川「クズどもはどうでもいいとしてなんで百夜様まで入ってんのよ!」 桑田「どうでもよくねーよ!」 十神「くだらん…。だが面白いな、襲ってくる大神に当てたら大当たりというのはどうだ?」フッ 戦刃「私は外さないよ?」ニコニコ 大神「勝手に話を進めるな…」 朝比奈「そうだよ!そんなの絶対駄目!」 苗木「アハハ…(濃い人達ばかりじゃさすがにまとまらないなぁ)」 苗木「霧切さんは何か意見ないの?」 霧切「…そうね、私はみんなで話あって決まったのならなんでもいいわ。」 苗木「さっき出てたメイド喫茶でも?」 霧切「…苗木くんは賛成してたの?」 苗木「霧切さんのメイド姿は見てみたかったかなぁ…なんて。」 霧切「………そう。」 舞園「ハイ!委員長!」 石丸「元気がいいな!では、舞園くん!」 舞園「私、ダンスがいいかなって。ダンスならみんなで協力できるし、どうでしょう?」 朝比奈「賛成!さんせー!」大神「我もだ。」 不二咲「うん、いいね。」大和田「みんなでダンスやったろーじゃねぇか!」 苗木「僕も賛成」桑田「かったりぃ…だけど俺も体動かすのは嫌いじゃないしな!」 江ノ島「あたしも賛成だよっ。」戦刃「じゃあ私も」 十神「このあたりが妥協点か…」 腐川「百夜様が賛成ならあたしも…」 山田「拙者、動けない故に…」 セレス「私も運動は…」 舞園「じゃあ2人には衣装作りをお願いします!」 山田「ふっふっふ…コスプレ衣装製作も勉強中である拙者にお任せあれ…」 セレス「わかりましたわ。楽しみにしていてくださいませ」ウフフ 苗木「(セレスさんに衣装を任せるのはちょっと心配だ…)」 霧切「満場一致みたいだしあたしも賛成だわ。」 石丸「反対なしだな!では、わがクラスの出し物はダンスで決まりだ!」 葉隠「zzz…」
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過去ログ保管庫 番外6 わかめて142629番地 うみねこ翼番外 ようじょ縁寿と超高校級村 17人、狼3狂1狐1 うみねこ勢とロンパ勢によるRP交流村。ようじょえんじぇ村ルール。 あらすじ↓ +... ここにあらすじ 番外5 わかめて142567番地 【RP必須】左右田と秀吉の座談会村 9人、狼2狐1 2015年初のうみねこ勢とロンパ勢によるRP交流村。9人狐入り配役。 あらすじ↓ +... ここにあらすじ 番外4 わかめて142221番地 【RP必須】希望ヶ峰学園六軒島分校村 12人、狼2狂1 うみねこ勢とロンパ勢による久々のRP交流村。12人妖狐なしルール。 あらすじ↓ +... ここにあらすじ 6 わかめて141187番地 左折後300m先黄金郷RP交流村 18人猫又有、狼4狂1狐1 久々の4クラスタ合同でのRP交流村。18猫村ルール。 あらすじ↓ +... ◆桜井良さん「占いCO ジェノサイダー翔さん●!」 ◆ジェノサイダー翔さん「っとぉ! あたしってば猫ちゃんちんよーんwwwww」 ◆七海千秋さん「ああ、はいはい猫又COにゃにゃーあんこはとかちせい!」 2日目、初手●からの猫CCOと対抗猫COで全伏せ●猫即吊り。 ◆黒子テツヤさん「影による霊能CO ジェノサイダー翔さん●でした。」 3日目霊能COが出て1-1(途中共有のアーマーはありつつ)の形に。 そこから2連続死体なしが出て……? 番外3 わかめて140859番地 【身内】国とバスケの交流試合村 18人猫又有、狼4狂1狐1 APH勢と黒バス勢によるRP交流村。18猫村ルール。 あらすじ↓ +... ここにあらすじ 番外2 わかめて140411番地 【建てなおし】うみねこ&ダンガンロンパRP村 17人、狼3狂1狐1 うみねこ勢とロンパ勢によるRP交流村。第二戦目は普通村ルール。 あらすじ↓ +... ここにあらすじ 番外2.1 わかめて140408番地 【2村目】うみねこ&ダンガンロンパRP村 17人、狼3狂1狐1 うみねこ勢とロンパ勢によるRP交流村。同日の2村目。 あらすじ↓ +... ここにあらすじ 番外 わかめて139722番地 うみねこ ダンガンロンパRP交流村 16人、狼3狂1狐1 うみねこ勢とロンパ勢によるRP交流村。16人妖狐有りルール。 あらすじ↓ +... ここにあらすじ 5 わかめて137778番地 【身内】人狼を突き止めるRP探偵村 13人妖狐有(探偵村)、狼2狂1狐1 共有者の一人を「探偵」とした特殊村。交流村5戦目。 あらすじ↓ +... ◆ゲームマスター「本日の探偵様は【ウィラード】様となっております。」 ◆ウィラードさんの会話「探偵が探偵引いたwww」 2日目の朝となりました。(14/03/29 22 48 23) 初日犠牲者さんは翌日無残な姿で発見された・・・。 苗木誠さんは翌日無残な姿で発見された・・・。 ◆桑田怜恩さん「超高校級の占い師CO!マイフレンドの苗木は○だったぜ!」 ◆狛枝凪斗さん「ところで、ボクには死体がクロかどうか分かる能力が備わったらしいんだ?」 ◆黄瀬涼太さん「【悲報】占い霊能狐が見事にダンロン勢【七海さんハブ説】」 額面どおりに見れば初日の段階でほぼほぼ人外は壊滅状態。ここからどういう展開になったのか、その軌跡をご覧ください。 5.1 桃栗鯖134125番地 【身内】RPの二次会会場村 10B(貴族奴隷村) 交流村5戦目の2次会を桃栗鯖で実行。 あらすじ↓ +... 初日犠牲者さんを狙います。 ヘタレ求道師さんは翌日無残な姿で発見された・・・。 2日目の朝となりました。(14/03/30 00 08 24) ◆初日犠牲者さん「ちかごろ奴隷の姿が見えぬな」 まさかの初日貴族で奴隷が死亡。そしてこの生存初日犠牲者の投票が波乱を巻き起こし……? 5.2 桃栗鯖134127番地 【身内】RP村三次会村 4F(蝙蝠1) 交流村5戦目の3次会も桃栗鯖で実行。 あらすじ↓ +... ◆ソニアさん「朝一でコウモリCOすっぽえ!」 ◆だべさん「自分村だべ。だからコイキングが狼だべ。 でもコイキング吊るとコウモリ勝利ってことだべ」 ◆コイキングさん「よおおおおおおおおおしいいいいいいいいい柱COしちゃうぞおおおおおお」 第三陣営COを交えた引き分け処理は成功するのか? ワンナイト村の結末やいかに。 4 わかめて136982番地 【身内】如月のRP交流18猫村 18人猫又有、狼4狂1狐1 猫の日(2月22日)にちなんで18人猫又あり蘇生なしルール。交流村4戦目。 あらすじ↓ +... 2日目の朝、事実上3-1-2という、交流村にしては珍しく一見スタンダードな展開からのスタート。 その晩占いが一人噛まれ、翌朝パンダが発生。 ◆罪木蜜柑さん「罪木蜜柑の占いCO 澪田さん ○」 ◆ベアトリーチェさん「占いCO 澪田唯吹●であったぞ」 更には、前日のグレランの結果として霊能●が告げられる。 村はパンダ吊りを選択したが霊能が噛まれてしまい、 ◆罪木蜜柑さん「罪木蜜柑の占いCO アントーニョさん ●」 ◆ベアトリーチェさん「占いCO 戦人○であったぞ」 村人達は占い結果や●の態度から占いの内訳を必死に推理するが、そのとき村には思いもよらぬ終焉が近づいていた。 村、狂人、狼の思惑が交錯する村で最後に勝利を収めたのは……?! 3 わかめて136043番地 【身内】新年一発目のクロスオーバー村 18人猫又有、狼4狂1狐1 18人猫又あり蘇生なしルール。2014年初の交流村3戦目。 あらすじ↓ +... ◆狛枝凪斗さん「占いCO 日向創●」 ◆リヒテンさん「占いCO!朱志香様○!ですの」 ◆日向創さん「共有CO 狛枝吊り」 ◆ さん 「 」 ◆黄瀬涼太さん「対抗共有CO! 相方初日先生!」 ◆苗木誠さん「占いCO 日向君○」 ◆黄瀬涼太さん「ちょっとまつッス!俺が共有なんで日向君吊りっスよ!」 ◆苗木誠さん「ここで、僕がいなくなったら、訳がわからなくなる!日向くんは真共有だよ!」 2日目朝、共有トラップ発動?!と思いきや、対抗共有COが出て、まさかの3-伏-3スタート。 相方初日でCOした黄瀬が吊れて、3日目の朝。 リヒテンさんは翌日無残な姿で発見された・・・。 ◆右代宮 朱志香さん「霊能CO 黄瀬君は〇だったぜー。まぁ狂人だろうな。」 黄瀬とリヒテンが○だったという情報から、村は内訳を推理するが……? 霊界に来た人誰もがあっと驚いた本当の内訳は、どうぞログをご覧ください。 2 わかめて135343番地 【身内村】RP交流会!20猫村 20人猫又有、狼5狂1狐1 20人猫又あり蘇生なしルール。枠を20に広げての交流村2戦目。 あらすじ↓ +... ◆モノミさん「占いCOでちゅ!大和田紋土君は●でちた!」 ◆大和田紋土さん「大和田紋土の占いCO 七海 ● 人狼だったぜ!」 ◆七海千秋さん「占いCO 日向君●」 ◆日向創さん「COなし」 2日目朝、5名しかいないダンロン勢内で、モノミ→大和田→七海→日向で●が出るという大波乱。 日向を吊って3日目、共有が霊能CO日向●→撤回し、霊能結果日向○の3-1-2展開へ。 そして5日目。 ◆モノミさん「占いCOでちゅ!霧切響子さんは○でちた!」 ◆大和田紋土さん「大和田紋土の占いCO 火神 ● 狼だぜ!」 ◆火神大我さん「猫CO!」 ◆霧切響子さん「……え、ちょっと待って猫又COよ」 ……その後の展開はログをご覧ください。 1 わかめて135153番地 【身内】RPの祭典!クロスオーバー村 17人、狼3狂1狐1 17人狐ありルール。記念すべき第1回交流村。 あらすじ↓ +... 2-2、共有者が霊能騙りを明言した状態で2日目、3日目グレラン進行。 2日目の夜に霊能騙りの共有が噛まれて2-1、霊能からはグレラン●→○→指定先○。 占いからは○しか出ないまま5日目、村は占い決めうちを迫られて……? 2日目、3日目のグレラン精度と、王道勝負からの大胆な戦術は必見。
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頭にバンダナを巻いたらエプロンを装着する。 「いざ進めやキッチ~ン♪ 目指すはチョコレート♪」 鼻歌を口ずさみながらキッチンに立つ。 無塩バター、砂糖、塩、卵、薄力粉。そして主役のチョコレート。 よし、材料は全て揃っているな。 早速腕まくりして僕は調理に取り掛かるのだった――。 ~ As You Like take2 ~ 「おはよう」 「おはよう、霧切さん」 「おはよう苗木君。はい、これ」 朝の挨拶と一緒に可愛くラッピングされた四角い箱が手渡された。 そのまま自分のデスクに座らず十神君と葉隠君にも同じようにラッピングされた箱を手渡している。 僕ら男性三人衆は思わず顔を見合わせた。 そしてもう一度ラッピングされた四角い箱を凝視する。 うーん、霧切さんが男性陣みんなにチョコレートか――。 彼女も社交的になったというか、丸くなったというのか。 良い意味で変わっ「おい、どういうことだ説明しろ苗木っ!」「ななななんだべっ!?」 だけど十神君と葉隠君はそのギャップに絶賛困惑中だった。 変わる人もいれば、ぶれない人もいるんだなぁ――。 「そう言われても十神君、今日ってバレンタインだしさ……」 「けーどよぅ、あの霧切っちが俺達全員にチョコを渡すなんて嵐の前触れだべ」 「白夜様、中からは何の音もしません」 「……よし、問題ないなら開けてみろ」 四角い箱に耳を当てていた腐川さんが恐る恐る包装紙に手を掛け開け始める。 十神君と葉隠君は物陰に隠れながら様子を伺って――って、それ時限爆弾か何かじゃないんだからさぁ!? 「これは……カロリーバー?」 黄色いパッケージにチョコレート味の栄養補助食品が中から出てきた。 霧切さんを除く僕ら全員が呆気にとられてしまう。 「あの……何でこれをチョイスしたのかなぁ?」 「体に必要なタンパク質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルをバランスよく配合して合理的じゃない? おまけに1本100キロカロリーとカロリー計算も簡単」 「白夜様の健康管理はア、アンタに心配されなくてもアタシが見ているんだからよ、余計な口出ししないでよ……!」 「霧切っちはどこか着眼点がズレてるべ」 うーん、確かにバレンタインは女性が男性にチョコレートを贈る習慣があるって説明したけどさ。 まさか、こう攻めてくるとは――。 まだまだ霧切さんのことをわかっているようでいて知らなかったようだ。 真のキリギリマイスターへの道は険しいなぁ――。 そんな風に考えながら貰ったカロリーバーを自分のデスクの引き出しに閉まった。 朝食を食べられなかった時や当直で空腹を紛らわすための非常食として活躍するだろうし。 そして腐川さんからは僕と葉隠君には何もくれず仕舞い。 曰く、"身も心も白夜様に捧げているんだから、アンタ達に分け与える筈ないでしょう――?"だとさ。 この日は非番だった朝日奈さんからは後日、ドーナツ店のチョコドーナツをくれたのだった。 ――――― 就業後に響子さんを"一緒に夕飯食べない――?"と自宅に招待すると二つ返事で了承してくれた。 「ただいまー」 「おじゃま…………ただいま」 「うん、おかえり」 そこまで他人行儀にしなくてもいいのに――って視線を送り続けると、響子さんは玄関に入る時の挨拶を訂正してくれた。 そして、軽めの晩御飯を食べ終わったら席を立つ。 予めドリップしておいたコーヒーを二つのマグカップに注ぐ。 一つはブラックで、もう一つは僕用に砂糖とミルクをブレンドさせて。 今度は冷蔵庫に保管していたトレーを開け、中のものを皿に載せる。 「あら、あなたの手作りなの……?」 「うん。一緒に食べよう?」 僕一人では運び辛いだろうと思ったのか、真後ろから響子さんが覗いてくる。 彼女にマグカップを2つ手渡し、皿は僕の方で運ぶ。 「それじゃ、いただきま「待って」……って、どうしたの?」 「私の方からも渡すものがあって……」 そう言って自分の鞄を漁り、一つの箱を取り出し僕の目の前に置いた。 「うわぁ、ありがとう……。でも、どうして? 響子さんからは朝に貰ったはずだよ?」 「あれはその、建前っていうかカムフラージュって言うのかしら……」 もじもじと三つ編みをいじる仕草がどこかかわいい。 つまり、こっちが本命ということか――。 「これは私個人として、あなたにはいつもお世話になっているから用意したわけで……」 「ありがとう、とっても嬉しいよ。開けてもいいよね?」 「もちろん」 ラッピングされた包装紙を捲る。うわっ、ゴディバって高級チョコレートじゃん! 一粒・数百円はする高価な代物だ。 「私の方も気になったけど、どうしてあなたの方も用意したの?」 「先週は僕の誕生日だったじゃん? 貰いっぱなしも何だか気が引けるからさ……だから手作り」 「チョコチップクッキーって懐かしい……。生前の母がティータイムによく作ってくれたわ」 「そうなんだ……。ウェブにあったレシピを真似て作ったやつだけど召し上がれ」 響子さんがクッキーを摘む。僕もハート型にデザインされたボックスの蓋を開けた。 中には6粒のアソート。早速ハートの先端部分にある黄色いチョコを一齧り。 ――あっ、蜂蜜が入っているのかコレ。 仕事で疲れた体を癒すようにジンワリと広がる甘さだ。 「「美味しい……」」 二人して同時に呟くのだった。 「クッキーのサクサク感や甘さ控えめなチョコレートも私好み……。流石ね、誠君」 「それは良かった。チョコはダークチョコレートを使ったんだ、コーヒーに合うようにって。こっちも美味しいよ」 「プロのパティシェが作ったんだから美味しいのは当然じゃない……」 「そうだけどさ、響子さんも食べなよ。お裾分け」 そう言ってピンク色のチョコを摘んで響子さんの目の前に差し出す。 「はい、あーん」 「あーん……」 おずおずと顔を伸ばし摘んだチョコを咥えて一齧り。 「全部食べてもいいのに……」 「あなたのものなんだから、あなたが食べなきゃ」 残った半分のチョコを自分の口に運ぶ。 うーん、ピンクというだけあってイチゴ味か。うまい。 そんなこんなでお互い相手の顔が綻ぶ姿に癒されながら食べ終わる。 その後は二人で洗い物をして、終わる頃には準備していたお風呂も沸くのであった。 「あ、今日は泊まっていくから」 「うん、別にいいよ。だったらお風呂、先に入っていいから」 「そうじゃなくて……。一緒に入りましょう? 背中を流してあげるわ」 「えっ!? どうしてまた?」 響子さんからこういう提案をしてくるのは珍しいケースで思わず吃驚してしまう。 「その……あなたを見習って私も自分の手で誠君を尽くしたくなったの」 「そっか。だったらお言葉に甘えちゃおっかな……?」 「だったら、いらっしゃい。ほら……」 彼女に手を掴まれ、先導される形で脱衣所に入る。 カッターシャツのボタンを外しながら提案してみる。 「でも、尽くされっぱなしも気が引けるかな。お風呂上りに弐大君直伝の"アレ"してあげるよ」 「そう……。期待しているわ」 口付けを交わすと、さっき食べたチョコクッキーとコーヒーの風味が口に広がる。 甘すぎず、苦すぎず――。何だか僕らの関係のような味がした。 完
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10月31日。 今日、ボクたちは江ノ島さんと朝日奈さんの提案で、ハロウィンのパーティをすることになっていた。 そのパーティのコンセプトは「とりあえず盛り上がろう」。 ボクは正直、ハロウィンが何をする行事なのかは知らなかったけど…コンセプトからして、そこを考えたら負けなんだろう。 だったら、たまにはこういうイベントがあっても悪くないかも。 それに、山田クンがパーティ用に、特製のコスプレ衣装を用意してくれるとか、なんとか。 そんな動機もあって、ボクは結構今日のパーティを楽しみにしていた。 なのに… 「………どうして、今日に限ってカゼなんか引いちゃうんだよ…」 ボクは一人悲しく、自分の部屋のベッドに寝そべっていた。 間違いなく、昨日までは元気だった。何か変なものを食べたわけでも、雨に降られたわけでもない。 なのにボクはカゼを引いて、ベッドでぐったりしている。 はぁ、と自嘲気味に溜息をつく。本当に、こんなボクのどこが幸運なんだろう? 人より少し前向きなのがボクの取り柄だけど…こうもツイてないと、さすがに、ちょっとヘコむ。 大体【超高校級の幸運】って才能(?)で希望ヶ峰学園に選ばれた割に、これといった幸運なんて今まで一つも… …いや、あった。ボクにとっての、最高の幸運が。 それは、ここに来たことで中学時代からの憧れの彼女―舞園さんに出会えたことだ。 ひょっとしたら、彼女がボクのことを覚えてくれていたことも、あの時校庭に鶴が迷い込んできたのも、ボクの【幸運】のおかげなのかな? そう考えると、ボクの幸運も案外捨てたもんじゃないのかもしれない。 でも… 「やっぱ、みんなとパーティ、行きたかったなぁ…」 ―ピンポーン… 不意に聞こえた音で、ボクは覚醒した。 どうやら、いつの間にか眠ってしまっていたみたいだ。 結構長いこと寝ていたんだろう。そのおかげか、体調は健康そのものだ。 そこで、時計を確認する……もう10時か。そろそろ、みんなも解散してる頃かな? ―ピンポーン… 再び、インターホンが鳴る。 こんな時間に…いったい誰が、何の用で? 少し疑問に思ったものの、待たせては悪いな、と思い直して、ボクは部屋のドアを開けた。 と同時にボクの視界は、見慣れた綺麗な黒髪で覆い尽くされた。 「苗木君!元気ですかー?」 「え?」 それが舞園さんのものであること、そしてその舞園さんがボクの胸に飛び込んできているということを理解するには、少し時間が必要だった。 「ま、舞園さん…!?」 「はい、舞園さんです」 彼女は人懐っこそうな笑顔でボクを見上げ、答えた。 相変わらず、彼女の笑顔を見ると、自然とボクまで笑顔になってしまう。さすがは超高校級のアイドル、ってことかな? そんなことより… 「……舞園さん、その服は?」 「あ、これですか?これは、山田君お手製の魔女の衣装です!どうですか?似合ってますか?」 ボクの胸から離れて、舞園さんはくる、っと一回転してみせた。 黒い三角帽子に、同色のローブ。2つとも、ちょっとだけサイズが大きめなのは、製作者の趣味なんだろう。 スラっとしていてスタイルのいい舞園さんの、袖余りの服…そのギャップの破壊力は、想像を絶していた。 「うん!すっごく似合ってる…可愛いよ!」 「ふふっ、そうですか?苗木君にそう言ってもらえると嬉しいです……」 そう言って、舞園さんは照れくさそうに頬を赤らめた。 面と向かってそんなことを言われると、何だか小恥ずかしくなってしまう。なのでボクは、慌てて話題を振り直した。 「えっと…それより、何かボクに用事でもあったの?」 「用事、ですか?」 きょとんとした表情で、舞園さんは小首を傾げる。 まさか、衣装のお披露目に来ただけ?まぁ、ボクとしてはそれでもありがたいけど… 「いいえ、違いますよ…そう、苗木君のお見舞いに来たんです。すっかり元気そうだったので、忘れちゃってましたけど」 あぁ、なるほど。今さらっと心を読まれたけど…いつものことか。 その後は、今日のパーティの話題で談笑した。 セレスさんの仮装がいつものゴスロリから殆ど変わってなかったり 案の定、不二咲クンの女装が似合ってたり 大神さんのコスプレから王者の貫禄を感じたり…と、それぞれに楽しんでいたようだ。 女性陣お手製のお菓子も、大好評だったらしい。 手作りのお菓子、か…みんなが羨ましい…。 「舞園さんの手作りのお菓子、ボクも食べてみたかったなぁ…」 思わず漏らしたボクの独り言を、舞園さんは見逃さなかった。 「じゃあ今度、二人で一緒に作りませんか?苗木君と一緒なら、大歓迎です!」 「え、いいの?じゃあ、舞園さんの仕事がお休みのときにやろうよ」 「はい!…よーし、苗木君のために私、特別に腕をふるっちゃいますよ!」 舞園さんはそう言って、この上ない笑顔でボクに微笑みかけてくる。 希望ヶ峰学園に来るまで、あんなに離れて見えていた、あの笑顔で。 でもその笑顔は今、ボクの一番近くにある。 まるで魔法にかけられてるみたいだ…あの舞園さんと、こんな風に笑い合い、話せる日がくるなんて。 「魔法じゃ、ありませんよ」 ボクの心を見透かしたように、舞園さんは真面目な声で言う。 「うん、それは分かってるんだけど…」 そこから更に言葉を繋ごうとした瞬間、ボクの頬を舞園さんがキュッ、とつねった。 「舞園さん?!何を…」 「これで、魔法じゃない、って分かりましたか?」 そういうことか…でも普通はコレって、夢かどうかの判断に使うものなんじゃ… 舞園さんの天然に少し戸惑うボクを尻目に、彼女は続けた。 「魔法といえば……苗木君、トリック・オア・トリートです!」 どのへんが『魔法といえば』なんだろう… その疑問はひとまず置いといて、『トリック・オア・トリート』か。確か「お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ」だったっけ? そんなこと言ったって、お菓子なんて持ってないんだけど… 「む、苗木君…さては、お菓子持ってないんですか?なら、いたずらしちゃいますよ?」 狼狽えるボクの様子を見て、ケタケタと笑いながら、舞園さんは言う。 弱ったな…お菓子も持ってないし、覚悟して受け入れるか… そのとき、ボクの脳裏に電流が走った。 …ん?『いたずら』? 舞園さんがボクに…『いたずら』…? なんだか、良からぬ想像が膨らんで… 「…苗木君?もしかして今、ちょっとエッチなことを考えてませんか?」 笑顔で、しかし強い声で、舞園さんは妄想に耽るボクを撃ちぬいた。 しまった…舞園さんはエスパーなんだった… 「あっ…ごめん!つい…」 あぁぁ…ボクのバカ。『つい』って何だよ…もうちょっと上手な言い訳はなかったのか? しまったな、コレはちょっとマズいぞ… 「……で、でも…私も…別に、イヤってわけでも……」 目を伏せながらそう呟いている舞園さんは顔を真っ赤に染めていて、なんとなく満更でもなさそうな… あれ?意外と好評価? そんな風に舞園さんのリアクションを捉えていると、急に舞園さんが伏せていた目を上げ、強めの口調でボクに言い放った。 「…び、病気の人は、早めに寝ましょう!体に障りますよ!」 その露骨、かつ唐突すぎる話題転換に、ボクの頭はついていけなかった。 寝かしつけようとしてくる舞園さんに抵抗するものの、体力量がまるで違うからか、全く歯がたたない。 「あの…もうカゼは治ったんだって…」 「いいから、電気消しますよ!おやすみなさい!」 ―カチッ 有無を言わさず、舞園さんの手によってライトのスイッチが押され、ボクの部屋は暗闇に包まれた。 ボクはその暗闇の中で、ぼんやりと考えた。 …なんで、舞園さんはいきなり『早く寝て』なんて言ったんだろう? もしかして、変なコト考えたから、怒らせちゃってたのかな?それ以外に、原因なんて見当たらないし… 明日会ったら、謝っておこう…そう考えが纏まったときだった。 ボクの頬に、何か柔らかいモノが触れる感触がしたのは。 「…え?」 「これが、私からの…『いたずら』です」 息が吹きかかりそうなくらいの耳元で、舞園さんの声がする。 ってことはもしかして、今の感触は…?! 「で、電気がついてたら恥ずかしかったので……ちょっと強引でしたよね、ごめんなさい」 そう言い残すと舞園さんは足早に駆けていき、ドアを開け、去っていってしまった。 舞園さんが去った後も、ボクはしばらく、さっきの余韻を引きずっていた。 舞園さんが……ボクに……キスを……? 頭の中は、舞園さんのことでいっぱいで、寝ようにも寝付けなかった。 今度こそ、魔法にかけられているみたいだった。 …いや、『みたい』じゃないか。 今のキスで、ボクは本当に舞園さんに…あの可愛い魔女に、魔法をかけられてしまったんだ。 ボクの心を、虜にしてしまう魔法を。 【END】