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【元ネタ】史実、「沈黙」 【CLASS】アサシン 【マスター】 【真名】井上筑後守政重 【性別】男性 【身長・体重】171cm・61kg 【属性】秩序・悪 【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷D 魔力D 幸運C 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 アサシンではあるが、筑後守に暗殺行為は不可能に近い。 【固有スキル】 扇動(攻撃特化):B 個人に対する精神攻撃に特化した扇動。 数多の大衆を導く力はないが、個人の、特に傲慢な人物の心を折ることに適している。 また、この言葉は“拷問”として見なされる。 拷問技術:A 卓越した拷問技術。 拷問器具を使ったダメージにプラス補正がかかる。 このサーヴァントの場合、“自分は耐えられる”と思っている者に対しては、 さらにダメージ補正があがる。 神々の加護:E 日本土着の信仰体系に由来する八百万の神からの加護。 “神の加護”など一神教ないし一柱の神から受ける加護とは似て非なる、そして交わることのない“水と油” 微弱ではあるが、それらの加護に対する特攻と、ステータス上昇補正を得られる。 【宝具】 『沼地の秩序を護る者(あなづりのごうもん)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 精神的攻撃によって相手に与えた精神ダメージに応じて相手を蛇のように縛り上げる縄。 精神ダメージが一定以上に達すると、全身拘束による拷問“穴吊り”へと移行。 こめかみ近くに浅く穴をあけ、汚物の入れられた穴に上半身が入るように逆さに吊るす、キリシタンに棄教を迫るために実際に行われた拷問。 穴吊りを成す縄や汚物入りの穴、こめかみの傷は、相手の心に絡みつく“精神攻撃”の一種であり、 近接ステータスはもちろん、魔力や幸運でさえ防ぐことはできない。 また、さらに悪辣なのは屈服の意思表明が容易に行えることにあり、これに屈したサーヴァントは自己の正当なる英雄性を失い、 宝具の弱体化や、アサシンと対峙時の戦闘能力低下、最悪の場合屈服の時点で消滅するなどのデメリットを負うことになる。 対精神干渉能力などで、縄の締め付けや拷問の苦痛を軽減、またはそれらから脱することは可能。 【解説】 江戸時代初期の大名。高岡藩初代藩主。 一説には当初、蒲生氏郷に仕え、その死後に豊臣、徳川と主君を変える。 豊臣配下時に小田原征伐で、徳川配下時に大阪の陣で功績を挙げ、 秀忠政権下で従五位下・筑後守を拝命。のちに大目付にも任ぜられる。 島原の乱の鎮圧にも中心的な働きを成し、鎮圧から程なくして下総は高岡に大名として封じられる。 同時に長崎へと赴き、同地の奉行としてオランダ商船や禁教後の隠れキリシタンらの取り締まりにあたる。 この取り締まりと穴吊りなどに代表される拷問によって、イエズス会宣教師ジュゼッペ・キアラを含む多くの棄教者、 そして多くの殉教者を出した。この取り締まりには、当時すでに棄教し、日本人・沢野忠庵となっていた イエズス会司祭、クリストファン・フェレイラも携わっていたという。 キリシタン弾圧の中心人物であるが、自身も禁教以前はカトリックの信者であったともされる。 また、遠藤周作著の歴史小説「沈黙」では、史実のキアラに相当するロドリゴ神父を追い詰める重要人物として登場している。
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【元ネタ】史実 【CLASS】キャスター 【マスター】 【真名】黒田官兵衛 【性別】男性 【身長・体重】169cm・58kg 【属性】中立・悪 【ステータス】筋力D 耐久C 敏捷E 魔力B 幸運B 宝具C 【クラス別スキル】 陣地作成:B 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 宝具の基点となる堤防や砦を用意する他、戦争時における陣形にも精通している。 【固有スキル】 中国大返し:B 絶対のピンチをチャンスに変える奇跡の逃走スキル。 仕切り直しと似た効果を持つが、判定成功時には必ず有利な状態で戦闘を再開できる。 羽柴秀吉はかつて備中高松から全軍を取って返し、主君信長の仇を討った。 この時、仇を討つよう秀吉に進言したのはキャスターであり、強行軍に必要な準備も整えたという。 軍師の忠言:A 軍師系サーヴァントに与えられるスキル。状況を把握、分析することにより味方側に正しい助言を与えることが出来る。 Aランクであれば天変地異レベルの不測の事態を除けば100%的中する。 これに対抗するには、相手方にあらゆる分析を打破するレベルの幸運やスキルを持つことが求められる。 軍師の野心:A 自身のマスターが死亡した場合に機能するスキル。 同ランクの単独行動スキルと同様の効果を持ち、更にマスター死亡時にマスターの有していた魔力、令呪を根こそぎ徴収する。 キャスターは優秀な軍師だが、「主君と共に死ぬ」のではなく「主君と別れても己の野心を叶えようとする」側面を持つ。 無論軽率に裏切るような真似はせず、非常に慎重な動きを取るのだがキャスターのマスターは見切りを付けられないよう注意が必要となるだろう。 【宝具】 『高松・水殺し(たかまつ・みずごろし)』 ランク:C 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人 キャスターが高松城攻めの際に献策を行った水攻めが宝具となった物。 宝具としては水の奔流が敵陣に襲い掛かり、出入り困難な水の結界を生み出すという物。 また発動前に任意の数のターンを発動準備に充てる事で、水量を増加させる効果を持つ。 『鳥取・飢え殺し(とっとり・かつえごろし)』 ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:10~50 最大捕捉:500人 キャスターが鳥取城攻めの際に献策を行った兵糧攻めが宝具となった物。 宝具としては包囲した敵陣の魔力のパスを一時的に切断し、魔力消費を増大させるという物。 これにより単独行動スキルを保有しないサーヴァントは毎ターン弱体化してゆき、保有するサーヴァントも現界可能ターンが半減する他、 魔力が減少すればするほど効果を増す飢餓状態となり、判定に失敗すれば味方同士で魂喰いしようと殺し合う無惨な光景が繰り広げられるだろう。 【Weapon】 『圧切長谷部』 キャスターが中国攻めの策を提言した褒美として織田信長から下賜された名刀。 重みのみで人の体を両断したと言われる一品。 【解説】 黒田孝高、黒田如水とも呼ばれる戦国時代から江戸時代初期の武将、キリシタン大名。 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑に重用された。 「今世の張良なるべし」と評されるほどの名軍師であり、 秀吉に仕えていた時には「今孔明」の異名を持つ名軍師・竹中半兵衛と合わせて「両兵衛」「二兵衛」と並び称されたという。 秀吉の中国大返しや秀吉三大城攻めの内の二つ、鳥取の飢え殺し、高松の水殺しを献策したともされる。 また、信長に仕えていた時には有岡城の戦いにて謀反を起こした荒木村重を説得しに行ったものの、 そのまま有岡城の牢に長期間投獄され、それが原因で頭部に醜い瘡ができ左脚が不自由になったとされる。
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リーヴァーズ(Reavers) (組織名、マーベル) 初出:Uncanny X-Men #229 (1988年5月) サイボーグ傭兵集団。主にX-MENのヴィランとして登場。 ヘルファイア・クラブの傭兵であったコール(Wade Cole)、マコン(Angelo Macon)、リース(Murray Reese)がウルヴァリンに返り討ちに遭い、瀕死の重傷を負う。しかしモジョーの部下、スパイラルが営む「ボディーショップ」でサイボーグとして復活、レディ・デスストライクとともにリーヴァーズを結成する。 一時、オーストラリアに本拠を置いたことがあり、同じくオーストラリアを拠点としていたX-MENとやりあった。 リーダー ドナルド・ピアース(Donald Pierce) レディ・デスストライク(Lady Deathstrike) / ユリコ・オーヤマ(Yuriko Oyama) メンバー 初期メンバー 初期メンバーは、人間プラスくらいの外観を留めている。特にコードネームはない。 コール(Wade Cole) マコン(Angelo Macon) リース(Murray Reese) 追加メンバー ボーンブレーカー(Bonebreaker) / 本名不詳:下半身がキャタピラであることを除くと、グラサン&モヒカンという北斗の拳のモヒカン雑魚。銃器を内蔵している。 プリティボーイ(Pretty Boy) / 本名不詳:腕が伸びるように改造されており、また腕から触手を伸ばすことで相手を洗脳できる。 スカルバスター(Skullbuster) / 本名不詳:ドクロの顔を持つサイボーグ。火器で武装。 スカルバスター (Skullbuster)/ サイラ・マーカム(Cylla Markam) スカルバスター(Skullbuster) / 本名不詳の女性。 エリクサー(Elixir)→New X-MENへ 実写化 映画「ローガン」に敵組織として登場。 アメコミ@wiki
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戦争の原因は常に些細なものである。 この戦争とて、始まりは一個の林檎だった。 その林檎が国を動かし、戦を巻き起こした。 戦士達はその理不尽を―――歓喜した。 槍と槍がぶつかり合い、剣戟が火花を散らす。矢は雨となり、騎馬がことごとく蹂躙する。 神々は戦場で人間に加護を与え、更に、更に、戦えと急き立てる。 ―――言われるまでも無い。 兵を斃し、城を陥とし、町々に攻め込み、物は奪い、家は焼き、女は犯す。子供は殺す。 民草の涙も怨嗟の声も、全てが心地良い。敵が流す涙は即ち味方の賞賛。打ち立てる武功を飾り立てるだろう。 ―――嗚呼、素晴らしい。 全てを壊し、燃やし、殺しながら、その地獄こそ“彼”は美しいと思った。 ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………… 最悪な夢で目が覚めた。あんな記憶は凛の中には無い。映画などの影響にしても、あれはリアルに過ぎる。と、すれば考えられるのは。 「あー……そうか」 凛は、聖杯戦争におけるマスターはサーヴァントの過去の記憶を夢という形で追体験することがあるという話を思い出した。 椅子に座ったままで、部屋の中央に視線を移す。うたた寝から目が覚めて間もない状態だが、魔力の供給をカットすることによって容易に霊体化させることを凛は可能としていた。 「もういいわよ。出てきなさいバーサーカー」 「……◆◆◆◆◆―――◆◆◆―――」 狂声を上げながら、バーサーカーが出現する。魔力が吸い出され、力が抜けかけるが、ぐっと我慢した。 「……つまり、あんたは戦争が好きだってことでいいのかしら」 凛はバーサーカーのそれを趣味が悪いとは思うが、非難しようとは思わない。 古代人の価値観を現代人の価値観で裁くなど不可能だ。大体バーサーカーに何を言ったところで理解できるとは思えない。聞くのは今のところ簡単な命令だけだ。 疲れが残る身体を動かし、机の上にあるメモ帳を見る。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― セイバー……シグルド ランサー……おそらくはシグルド由来の戦乙女。(二騎ともマスターはアインツベルン) アーチャー……不明 ライダー……不明 アサシン……不明 バーサーカー……自分のサーヴァント キャスター……不明(マスターは衛宮士郎) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 思わず溜息が出る。 敵サーヴァントの半数以上が詳細不明だ。遭遇してすらいない。 しかもその内の最低一騎は無関係の一般人を鉄砲玉として使う外道ときた。 そして、アインツベルン。まさか一人のマスターが二騎のサーヴァントを使役するとは思わなかった。 弱点である背中やマスターを狙おうにも、最速の英霊であるランサーがいる以上それも難しい。 「ああ、もう。何て反則―――!?」 「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆―――◆◆◆◆◆◆―――◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆!!!!!!!!!!!」 結界の反応に凛が行動するより早く、バーサーカーは壁を破壊して外に飛び出していた。 「ったく。壁の修理代は聖杯で支払いなさいよね!」 足に魔力強化を施し、廊下を駆け抜け玄関の扉を開ける。既に庭にいたバーサーカーは唸り声を上げながら槍を振り回している。 「◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆!!!!!!!!」 飛来した何かがバーサーカーの胸と頭に直撃するが、ダメージは皆無らしく、咆吼に衰えは無い。腕にも何かが当たる。バーサーカーが既に展開していた装甲に弾かれたそれは回転しながら凛の足下に落ちた。 「これって、矢?」 人間世界で最も古い武器。銃の発達と共に消えたそれを使う敵とくれば、答は明らかだ。 「アーチャー!」 凛の言葉に対する返礼は、矢の連撃だった。身体を蜂の巣にもできるその攻撃は、移動したバーサーカーが盾となることで防がれる。十の矢が力を失い、地面に落ち―――ない。 轟、と言う風鳴りが聞こえた瞬間、十の矢は勢いを取り戻し、凛に殺到した。 「バーサーカー!」 瞬間的にバーサーカーが盾になる事で攻撃は防いだ。しかし、矢を操っていた突風は今度は不可視の手となって主従を絡め取りにかかる。 「っ、Anfang(セット)!ぶっ飛ばせえ!!」 すかさず凛が宙に放り投げた宝石が一瞬の輝きを発すると、一陣の強風となって周囲を蹂躙する。強風をぶつけられた突風が一瞬弱まった隙を生かし、バーサーカーは跳躍した。 「―――――◆◆◆◆◆◆―――――!!!!!」 重力の鎖を引き千切り、矢の攻撃を全て身体で弾いたバーサーカーが着地した場所は遠坂邸の屋根だった。狂気に濁った目で眼前の矢を放つ獲物を見据える。 「……妖怪変化に見えるその異形。しかし」 瞬間、バーサーカーが突進した。アーチャーは冷静に攻撃を放つ。 矢はバーサーカーにかすり傷すら負わせることなく弾かれる。 バーサーカーは手に持つ槍を渾身の力で振り抜いた。 「◆◆◆◆◆◆―――――!!!」 咆吼の一閃は爆発のような勢いで遠坂邸の屋根を破壊していく。しかし、バーサーカーの槍が振り抜かれた時にはアーチャーは既にその身を別の場所へ移していた。続けざまに放った矢が次は眼を狙う。 がき。 鉄骨に小石を投げたような音が響き、それを意にも介さずバーサーカーは猛襲する。その時初めてアーチャーのサーヴァントである若武者が口を開いた。 「急所も鋼作りか。頭も心臓も覆っている以上、拙者には殺せぬか」 いっそ潔すぎる程に弱音を吐くアーチャーだが、冷静な表情は絶望とは無縁だ。ぽつ、と言葉を紡いだ。 「ならば、宝具を使うまで」 轟音が響く度に壁にヒビが入り、震動と共に家が大きく軋む。そんな屋敷の中を遠坂凛は魔術で脚力を強化して走り続けていた。 「あいつどんな戦いしてるのよ?もし家が壊れたら絶対修理代請求してやるんだから!」 敵のクラスをアーチャーだと断定した凛は、ひとまず家の中に戻ることに決めた。飛び道具主体のサーヴァントならば、ひらけた外よりも屋内の方が相手にしやすいだろうとの判断だ。 地震のような衝撃を家屋に与えながら戦いは推移しているらしい。階段を駆け上り、屋根の上に続く窓に手をかけて一気に屋根の上へと降り立った。 屋根には二騎の英霊が対峙していた。 全身に花弁状の鎧を装着し、唸り声を上げる自分のサーヴァント、バーサーカー。 古代日本の物らしい様式の鎧を身につけ、弓を構える敵のサーヴァント、おそらくはアーチャー。 「―――!!」 アーチャーの姿を視認した瞬間、凛の魔術師としての視覚が理解した。 濃密な魔力が荒れ狂うような流動。サーヴァントがこれ程の魔力を使う時など、凛には一つしか心当たりが無かった。 「真名、開放」 若武者は番えた弓を真っ直ぐにバーサーカーへと向けた。そして謡うように力ある言葉を口にする。 「『住吉双箭(すみよしそうせん)』」 矢が、放たれた。 ―――『彼女』に責任があったとすれば、それは周囲に流され過ぎたことだろう。 『彼女』は魔法使いと呼ばれた。 『彼女』は知恵者と呼ばれた。 『彼女』は、魔女と呼ばれた。 『彼女』を神と呼ぶ者さえいた。 『彼女』自身にも意向はあっただろう。 『彼女』は平凡な女でいたかったのかもしれない。妻でありたかったのかもしれない。母でありたかったのかもしれない。だが、『彼女』自身が選んだ道はそう呼ばれたように在り続けることだった。 幸いか、それとも不幸だったのか、『彼女』には知恵があり、力があった。 ある時は病を治して命を救い、ある時は復讐に手を貸して命を奪った。 いずれも顔色一つ変えずに淡々と行う『彼女』を誰もが恐れた。 ―――それはひょっとしたら、心の動揺を見せないように彼女の被った仮面だったかも知れないが、少なくとも周囲の人々がそれを見抜くことは無かった。 「森へ放逐せよ」 世界に遍く文明を広げることが人類の本能だとするならば、人間が手を出すことができない神代の森に追いやられるということは死と同意である。 「いずれ死ぬのであれば、恐れることは無い」 獣か虫か、病か孤独か―――いずれかでごく自然に『彼女』は落命するだろう。 それは自分達で手を下すことを恐れた人々の振り絞った―――浅知恵だった。 …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………………… 「……?」 寝ぼけた頭を横に振って眠気を覚ました。目の前にはいつもの庭がある。 色々あって疲れた身体は縁側で自然にうたた寝をしてしまったらしい。 意識が覚醒する寸前まで見ていたあの夢はなんだったのだろうか? その時表が大分薄暗くなっている事に気がついた。 「やばっ……」 眠っている間に夜の時間が早まっている。夜は聖杯戦争の時間だというのに。 「キャスター!」 「何か?」 「三人は?」 顕現したキャスターに三人のことについて尋ねる。 「今テレビとかいう道具がある部屋に居るわよ」 「シグルドとブリュンヒルドってのはともかく、関羽は伝説通りじゃ無いんだな」 楓は携帯電話をいじりながら、今まで見たサーヴァントに対して考察していた。 「ほう。何か気がついたことでもあるのか」 「青龍偃月刀みたいな大刀使ってただろ。それがおかしいんだよ」 そこで楓は腕を組んだ。その表情はどうやら本気で悩んでいるらしい。 「あの電撃放ってた薙刀みたいなのがどうしたの?」 「関羽は後漢時代の人物だ。だけど青龍偃月刀は宋代の武器だ。700年以上も開きがあるじゃねーか。どうなってんだよ。ほんとに……」 「別にそれで良いのよ。実在の有無にかかわらず、そういう武器を使っていたというイメージがあれば」 襖を開けて入ってきたキャスターは、特に面倒くさがる様子も無く、すらすらと説明した。 「英霊は人々の信仰で成り立つ存在、伝説の後付けで神の血を引いていたり、使ったことの無い武器を使っていたとしても何もおかしいことはないわ。人々の思い込みは姿や能力すらもねじ曲げる」 「むう、つまりそれは私達を襲った関羽は、本来の関羽とは違うということか?」 「別に違うというわけでも無いわ。本人のコピーには違いないもの。もっとも顕現する時代や場所によってやはり能力程度ならブレはあるでしょうね」 はーっ、と士郎を含む四人はキャスターの知識に感心した。 「色々知ってるんだなキャスター」 「キャスターの英霊ですもの」 そう言うと、キャスターは士郎に向き直った。 「それより士郎、彼女たちを家まで送っていくのであれば、バーサーカーのマスターと一緒に行った方がいいわ」 「遠坂とか?」 キャスターは頷いた。 「あのライダーは本物の英雄、襲われれば私では太刀打ちできないわ。バーサーカーが居れば、少なくとも牽制にはなる」 淡々と事実を言うだけあって、キャスターの言葉には重みがあった。 「……そうだな。遠坂に頼んでみよう」 「あ、遠坂の電話番号なら知ってるぞ?」 「そうか。ありがとう蒔寺、さっそく遠坂に電話するか」 「ん?おかしいな」 受話器を耳に当てた士郎は閉口一番、疑問を口にした。そのまま別のダイヤルを回す。 『……地方、今夜は晴天です』 「どうかしたの?」 士郎の呟きが聞こえたらしく、キャスターと三人も電話の周りに集まる形となった。 「ああ、遠坂の家と連絡が付かないんだ。話し中や留守ならそう分かるんだけどな。ウンともスンとも言わない」 瞬間、キャスターの眼差しが心なしか鋭くなった。 「―――その受話器を貸して」 急に重くなった雰囲気に、戸惑いながらも士郎は受話器をキャスターに渡す。キャスターはそれを右手で受け取ると、左手にいつの間にか持っていた手鏡を近づけた。 「―――***―――***―――」 古代の言葉らしい呪文を唱えたキャスターの持つ手鏡に、突如波紋のような模様が浮かび上がる。 『っ、Anfang(セット)!ぶっ飛ばせえ!!』 『―――――◆◆◆◆◆◆―――――!!!!!』 遠坂凛と、暴れ回っているバーサーカー。鏡に映し出されている二人の周囲には幾つもの矢が突き刺さっている。 その緊迫した様子から予想されることはただの一つしかない。 ―――襲撃。 「お、おい。遠坂がヤバイのか?」 楓の狼狽した風な声に反応する暇もなく、士郎は玄関へと向かった。 「待ちなさい」 キャスターの一言で体が止まる。比喩で無く、身体が凍り付いたように動かなくなった。何らかの魔術だろうか。 「キャスター、いそがないと!」 「相手はサーヴァントよ。あなた一人で行ってどうするの。大体走っていたら間に合わないわ」 「そ、そうか!令呪なら瞬間移動もできたな!」 鐘が宙にかざした掌を、キャスターはやんわりと押しとどめた。 「……それよりも、今見た場所の近くに林か森のようなものはあるかしら」 「あ、うん。あるよ。この間遠坂さんの家に行ったときに、家から少し離れたところに林があった」 由紀香の言葉に、キャスターは琥珀色の瞳を閉じた。 「……そう。これくらいなら、十分に転移はできるわね」 「転移って、空間転移か?魔術じゃできないって親父から聞いたぞ」 士郎の驚きに、キャスターは事も無げに返した。 「私は森に縁があるから、木が密集している場所にならなんとかいけるわ」 「じゃあ、早くいこうぜ!バーッとテレポートみたいにいけるんだろ?」 さあ早く、と楓がキャスターの手を取った。 「行くのは私だけ」 屋根に落ちる血痕は多量では無いが、それでも少ないとは決して言い切れない。 「◆◆◆◆◆―――!!」 流れる血を意に介さずにバーサーカーは突撃する。槍が空を裂き、風圧が渦巻く。 「……」 アーチャーは再び矢を放つ。バーサーカーはそれを迎撃―――できなかった。 アーチャーが弦を弾いた瞬間にその矢はバーサーカーの右膝に突き刺さっていた。大きく機動力を削がれた形になった自らのサーヴァントに凛はすぐに回復の魔術をかけようとするが、足下に突き刺さった一本の矢がその動きを止める。 「死にたければ来るが良い。死にたくなければ何もしないことだ」 事も無げに言葉を紡ぐ弓兵に、しかし暖かみというものは皆無だった。 凛は歯噛みしながら先程の宝具から推察される英霊の正体を考える。 ―――彼の英雄は住吉大明神のお告げ通りに二本の矢を鬼に放ち、一つは鬼の投げた巨石を、もう一つは鬼の片眼を射貫いたという。 「吉備津彦命……日本神話、鬼退治の大英雄」 「真名を知ったか」 弓矢の照準が蹲るバーサーカーでは無く、その後方、自分に向けられていることを凛は知った。 「許しは請わぬ。全ては我が願いのために……ここで終わるがいい」 弦が限界まで引き絞られる。宝石魔術もガンドもこのタイミングでは間に合わない。弓の英霊の矢をただの魔術師である凛が避けられる道理は無く、その落命は必定だろう。 「さらば」 無情にも矢が放たれた。 ―――明後日の方向へ。 「―――、――――――、―――」 おそらく古代のものであろう力ある言葉が周囲に響き、矢は中空で真っ二つになって地面に墜落した。 凛はアーチャーが矢を放った方角を遠視の魔術で目をこらして見つめた。 「トオサカ、リンだったわね。無事なら早くそこから離れてくれないかしら」 キャスターのサーヴァントは濃密な魔力を纏いながらそこに立っていた。 ―――夜はまだ終わらない。
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Fate/Another Servant HeavensFeel 2 第二十三話ミニ劇場 ~四月一日編~ ベーオ 「唐突ではあるがみなにお知らせがある」 ローラン「ん~? なんだーファイター?」 ヘイドレ「あん? またなんかやんのか?」 綾香 「なにどうしたの?」 ラメセス「発言を許す言うてみよ」 遠坂 「む、改まって珍しいなファイター」 雨生 「なんか面白いことでもやんの?」 間桐 「この堅物にそんな芸ができるわけないだろ雨生? もう少し考えることを身に着けた方がいいよ君は」 アン 「先祖ワカメうるさい声が聞こえんじゃろがだまっとれ」 ゲドゥ 「とりあえず内容を聞こうではないか」 ローゼン「ではファイターどうぞ聞かせてください」 ベーオ 「え~今年はASでもなんか四月馬鹿ネタをやろうかとも思ったが止めました」 綾香 「えーーーーーーー!」 アインツ「信じられない」 ラメセス「ふざけるなよ貴様! 誰の許しを得て中止になどした! 俺様の出番を奪うとは死刑だ死刑! デススタッフゥーー!」 ゲドゥ 「今回ばかりはライダーに賛成だ。貴様は腹を切れ」 ローラン「そーだそーだ! なんでやらなかったんだよファイターのアホー!」 遠坂 「ファイター誰がそんな許可を出した! 私はそんな真似をしろとは一言も言って無いぞ!!」 間桐 「おい遠坂お前のサーヴァントはヴァカじゃないのか?! 何考えてるんだよホント!」 ヘイドレ「死ね! てめぇ死ね! マジ死ね! この怒りはスプリクト連投爆撃でも治まらねえぞゴラァ!!」 雨生 「バーサーカー俺もスプリクト手伝ってやるぞ!!」 アン 「常識的に考えてやるべきじゃろが! このスットコドッコイがー!」 ソフィア「下僕の躾がなってないねトオサカ! これはキミの失態だぞ?!」 ローゼン「ファイター貴方には失望しました。ボクと同じでもっと理性的な方だと思っていただけに今回の失態は真に残念です」 忠勝 「ファイター……許されることと許されぬことがあるとわかっておるか? お主の所業はゆるされんぞぉぉぉぉお!」 ベーオ 「あーちなみに四月馬鹿ネタはまだ今話が完成してなかったので手の込んだ物はやれなかったので、 一日にテキストファイル投下したけど中身は真っ白で下までスクロールすると最後に、嘘ですファーストライアーAA略 が、出るというセイバーの四月馬鹿アイディアを採用しようとなりましたが私の判断で止めました(実話)」 綾香 「でかしたわファイター。貴方のおかげでマスターの監督責任を問われずに済んだわ!」 アインツ「流石は闘王の王位を持つ英霊ね。召喚責任を問われずに済んだことにアインツベルン一族を代表して感謝しますわ」 ゲドゥ 「君の今回の働きは主も認めてくださることだろう。聖堂教会を代表して感謝の意を表したい」 ヘイドレ「ヘッなかなかやるじゃねーかよ。おれと同じで外見は筋肉だが脳味噌は上物だったか」 遠坂 「どうだ諸君? これが私遠坂刻士の、わ・た・し・のサーヴァントの実力なのだよ!」 間桐 「遠坂は気に入らないけどファイターの働きは全力で認めてやってもいい」 雨生 「俺も遠坂は認めないがファイターは素直に褒めるぞ。"ぐっどじょぶ!"だファイター!」 アン 「がっはっはっは! いきなり今年最大の大仕事を見事果たしおったなファイターめ、憎いぞこのっこのっ」 ラメセス「俺様に見合った派手さが全く足りておらぬから論外だな、よくぞ判断したファイターよ」 忠勝 「ファイター……讃えられることと讃えられぬことがあるとわかっておるか? お主の偉業は讃えられるぞぉぉぉぉお!」 ローゼン「いやいやこれは失礼を。どうやらボクは少々勘違いをしてしまったらしいです。やはり貴方はボクと同じく理性的でした」 ソフィア「なんだ、躾が行き届いた素晴らしいサーヴァントじゃないか! 私は羨ましいよあんなサーヴァントが下僕で!」 ローラン「え? え? え? な、何故だみんなーーー!!!?」 ラメセス「しかし本当になにもないのか今日は四月一日だぞ? おいバーサーカー何か俺様向きの派手なものはないのか?」 ヘイドレ「ちょいと待ってな頭の中から搾り出してやっからよ。お、あったぜ。 んんとだな、今日なら年に一度M-78で光の国から僕らのためになウルトラ男との交信が出来やがるぜ!」 ローラン「な、なんだとぉぉ!? オレ自慢じゃないけどマン兄さんとジャックの区別つくぜ!」 綾香 「あ。本当だ。ねえ、ところでさぁこの"いんたーねっと"ってなに?」 忠勝 「むむむぅ西洋の言葉でござるかね? かねごんぶろぐ? つぶったー?」 雨生 「"いんたーねっと"はイングリッシュつまり英語だと思うが俺もこんな単語聞いた事が無いなぁ?」 ソフィア「し、知らない……こんな魔術西洋でも見たこと無いぞ!?」 ローゼン「ほぅこれはとてもすごいですねぇ」 ラメセス「おお!牧師ッ見るがいい! このゴモたんとか言う幻想種非常に愛い奴ぞ! 俺様も愛玩動物として飼いたい飼いたい!」 ゲドゥ 「駄目、ペットならもうスフィンクスがいるでしょ」 アン 「なるほどのぅゾフィ隊長はウチの若布と同じでヘタレっと」 ベーオ 「無論他にもあるぞ! 私の仕入れた情報によるとなんと! どうやら今ネカフェに錬金術師が出るらしい! なので我々の力を合わせて凸しに行くべきではと思うのだ!」 一同 「オオオーーTMtterスゲー!」 ベーオ 「うむ実に手軽かつ短く済んだ良い小ネタだった。さて、事後報告も済んだことだしタイトルコールに入るか。 ────いま起こったことをありのままに話そう。 私はASの続きを書いてた筈なのにいつの間にか別のものを書いていた……! 何を言ってるのかわからないとは思うが読めば分かる! 二話分もの容量を使って別のものを書いていたなど作者は何を考えていたのか────!!? FateAS第二十三話、10日目『神の剣たち』その壱。本当にどうしてこうなった?」
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【元ネタ】史実 【CLASS】バーサーカー 【マスター】 【真名】スパルタクス 【性別】男性 【身長・体重】220cm台後半・160kg台 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力A 耐久EX 敏捷D 魔力E 幸運D 宝具C 【クラス別スキル】 狂化:? パラメーターをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。 狂化を受けてもスパルタクスは「縛られた者こそが強い。いつか解き放たれる時まで、怒りと悲しみを蓄えておけるからね」などと普通に喋る。 ただし彼は"常に最も困難な選択をする"という思考で固定されており、誰の言うことも聞き入れない。 実質的に彼との意思の疎通は不可能なのだ。 スパルタクスは、やはり制御不能なバーサーカーなのである。 【固有スキル】 被虐の誉れ:? サーヴァントとしてのスパルタクスの肉体を魔術的な手法で治療する場合、それに要する魔力の消費量は通常の1/4で済む。 彼の闘志は痛めつけられるほどに燃え上がり、秘めた力のすべてを引き出すに至る。 むしろ彼は、痛めつけられないと本気になれないのだ。 "敵が与えうる苦痛のすべてを耐えて凌駕することで、その敵を完全に凌駕し勝利する"というのが、スパルタクスの必勝の戦術である。 【宝具】 『疵獣の咆吼』 常時発動型の宝具。 敵から負わされたダメージの一部を魔力に変換し、体内に蓄積できる。 この魔力への変換効率は、スパルタクスの体力が減少するほどに上昇する。 こうして体内に貯められた魔力は、スパルタクスの能力をブーストするために使用可能である。 もし瀕死まで傷めつけられていれば、スパルタクスは眼前のすべてを破壊して余りあるほどに膨大な魔力を溜め込んでいることだろう。 彼は寄せ集まったに過ぎない反乱軍をよくまとめ、強力なローマ軍に連戦連勝したことから、 その人望や戦争指揮能力は卓越したものであったと考えられる。 だがそれ以上に彼が人望を集めた要因は、この宝具に象徴される"必ず逆転に寄って勝利する"英雄だったことだ。 反乱軍の兵士にとって戦況が絶望的であればあるほど、その先にある勝利は確かなものだったのである。 この逆転戦法は、彼自身は意識していないがショーマンシップに則ったものであり、剣闘士としての人気も非常に高いものだった。 彼に聖杯を求める確かな動機はなく、ただ戦いの場に赴くことだけを悲願する。 被虐者を救済し、加虐者に反逆することだけを志すスパルタクスにとって、戦場こそ弱き者と強き者しかいない場所であり、 彼が求めてやまない苦痛と試練に満ちあふれた場所だからだ。 【原案設定】 ローマの剣闘士。 すべてを堪え忍んだ果てに人間の強さがあると信じて疑わない。 彼の行動理念はただひとつ。 加虐者に反骨し、被虐者を救済すること。 そのための最善の選択として、より苦難の多い道を選ぶ。 劣勢にある敵は攻撃せず、自分より優勢な敵にのみ牙を剥く。 それも敵の攻撃を受け止めたうえでの反撃を選ぶため、勝利の形は土壇場での一発逆転になる。 傷だらけの顔は殴るときも殴られるときも悠然と微笑んでおり、とても恐い。 【解説】 ローマに捕らえられたトラキア人の剣闘士奴隷で、カンパニアの剣闘士養成所に属していた。 しかし紀元前73年、78人の仲間と共に脱走計画を実行する。 ローマはこれに対し3000人の追っ手をかけるも、スパルタクスを中心に奇襲をかけられ敗退。 この勝利を聞いた各地の奴隷が蜂起し、反乱軍は70000人にまで膨れ上がった。 反乱軍は次々にローマ軍を打ち破りながら北上するが、アルプス越えを断念。 次にシチリア島を目指すも、海峡の輸送を依頼していた海賊に裏切られ、ついにはローマ軍に包囲された。 この戦いでスパルタクスは戦死。 死体は誰か分からないほどに斬り刻まれていたという。 【元ネタ】史実 【CLASS】バーサーカー 【マスター】- 【真名】スパルタクス 【性別】男性 【身長・体重】221cm・165kg 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力A 耐久EX 敏捷D 魔力E 幸運D 宝具C 【クラス別スキル】 狂化:EX パラメーターをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。 狂化を受けてもスパルタクスは会話を行うことができるが、 彼は“常に最も困難な選択をする”という思考で固定されており、 実質的に彼との意思の疎通は不可能である。 【固有スキル】 被虐の誉れ:B サーヴァントとしてのスパルタクスの肉体を魔術的な手法で治療する場合、 それに要する魔力の消費量は通常の1/4で済む。 また、魔術の行使がなくとも一定時間経過するごとに傷は自動的に治癒されていく。 【宝具】 『疵獣の咆吼(クライング・ウォーモンガー)』 ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人 常時発動型の宝具。 敵から負わされたダメージの一部を魔力に変換し、体内に蓄積できる。 体内に貯められた魔力は、スパルタクスの能力をブーストするために使用可能である。 強力なサーヴァントなどと相対すれば、肉体そのものに至るまで変貌していくだろう。 【元ネタ】史実 【CLASS】バーサーカー 【マスター】 【真名】スパルタクス 【性別】男性 【身長・体重】221cm・165kg 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力A 耐久EX 敏捷D 魔力E 幸運D 宝具C 【クラス別スキル】 狂化:EX パラメーターをランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。 狂化を受けてもスパルタクスは会話を行うことができるが、彼は“常に最も困難な選択をする”という思考で固定されており、実質的に彼との意思の疎通は不可能である。 【固有スキル】 被虐の誉れ:B→B+ サーヴァントとしてのスパルタクスの肉体を魔術的な手法で治療する場合、それに要する魔力の消費量は通常の1/4で済む。 また、魔術の行使がなくとも一定時間経過するごとに傷は自動的に治癒されていく。 不屈の意志:A あらゆる苦痛、絶望、状況にも絶対に屈しないという極めて強固な意志。 肉体的、精神的なダメージに耐性を持つ。ただし、幻影のように他者を誘導させるような攻撃には耐性を持たない。 一例を挙げると「落とし穴に嵌まる」ことへのダメージには耐性があるが、「幻影で落とし穴を地面に見せかける」ということには耐性がついていない。 【宝具】 『疵獣の咆吼(クライング・ウォーモンガー)』 ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:0 最大捕捉:1人 クライング・ウォーモンガー。 常時発動型の宝具。 敵から負わされたダメージの一部を魔力に変換し、体内に蓄積できる。 体内に貯められた魔力は、スパルタクスの能力をブーストするために使用可能である。強力なサーヴァントなどと相対すれば、肉体そのものに至るまで変貌していくだろう。 別作品では最終的に肉塊の不定形生物のようになり、一撃で巨大な城塞を一つ、完全破壊した。 【解説】
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Act.2 「質問よぉう。あなたが妾(わらわ)を呼んだマスターなのかしらぁ?」 光は消え、風も治まった魔法陣の中に立っていたのは、龍之介よりも幾分か年下に見える少女だった。 頭には宝冠を冠し、胸元と肩のはだけた純白のドレスを纏うその姿は、中世のお姫様を体現しているかのようだ。 高貴な装束とそれに見合う美しい容貌はしかし、それを見る者に可憐や美しいといった賛辞を贈らせない何かを発していた。 どこか灰色のようにくすんだ銀色の長髪。美しさよりも、不気味さが先に立ってしまうどこまでも白い肌。 その肌にさす薄らとした赤みは血の通っているそれではなく、まるで白い肌に何度となく“赤い液体”を浴びせているうちに、色が染みついたのではないかと、そんな突拍子もない考えを、妄想として一笑に付すことのできない、とにかく不気味な「赤」だった。 そんな突如現れた不気味な少女を前に、龍之介は言葉を失った。 と言っても彼は驚きや恐怖で絶句しているのでもなく、出てきた「悪魔」があまりに普通どころか、自分よりも背の低い女の子でお姫様だったことが意外すぎたのである。 人外の怪物や一目でそれとわかる異常性を携えているでもなく、恰好や口調などは少なからず奇抜ではあるが、タイムスリップしてきた昔の人と言われれば、そのほうが悪魔よりも現実的な回答の気さえする。 「ちょっとぉ、訊いているんだから答えなさいよねぇ。あんたが妾のマスターなのぅ?」 沈黙にしびれを切らしたのか、どう見ても龍之介より年下にしか見えない悪魔――であろう少女は上から目線で詰問する。 とりあえず龍之介は覚悟を決め、彼女に答える。 「えーと、マスターってのが何だかは分かんないけど、自分は雨生龍之介っす。 職業フリーター。趣味は人殺し全般。子供とか若い女とか好きです。最近は――」 「わかっているじゃなぁい!」 自己紹介を続ける龍之介の言葉は、唐突に発せられた白い少女の歓声で遮られた。 「そおぅよ、そおよ、そおよぅ! 若い女(コ)はイイわよぉぉ。特にその体を流れる血はぁこの世の何よりも素晴らしいわぁ! ああ~あぁ、素晴らしい素晴らしい素晴らしい素晴らしいわぁ……」 突然捲し立てるように喋りだした白い少女。 恍惚の境地に至ったような至福の笑みを浮かべ、焦点の合わない瞳は中空をさ迷い、遂には身振り手振りを交え、正確に聞き取れないほどの早口で弁舌をふるう白い少女に、龍之介は“あるもの”を思い出し、自分の後ろに転がっていた“それ”を見せた。 「あのー若い女が好きだってんなら、これなんかどうです?」 縛り上げられたこの家の少女が視界に入った途端、ピタリと動きを止める白い少女。 数秒の沈黙。そして―― 「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」 ――閑静な夜の住宅を引き裂く哄笑がこだました。 「いいわ、イいわ、イイわ、いいわよぉう! 見どころあるじゃなぁい、マスターァ。気に入ったワよぉ!!」 言いながら龍之介を押しのけ、縛り上げられながらも泣き叫び、必死にもがく少女の前に白い少女が立つ。 狂気を宿した赤い瞳と、狂喜の笑顔を張り付けたその貌は、正しく悪魔そのものだった。 「あ、気に入ってもらえました?」 龍之介が安堵の息を洩らそうとしたその時、異変は起きた。 白い少女――否、悪魔の周囲に赤い霧が立ち込め、それが見る見るうちに形を成しはじめた。 龍之介が呆然としている間に、赤い霧は幾つもの真っ赤な「凶器」へと姿を変える。 まるで生きた蛇のようにうねる2人挽き用の大きな鋸、先端の刃が鮫の乱杭歯を彷彿させる槍、何もない空中で激しく回転する直径50センチはあろう丸鋸、その他にも龍之介の見覚えがあるものや、見たことも使い方も分からない無数の凶器が、必死にもがく少女の上を漂う。 その様は死肉を啄む凶鳥たちが、獲物の息絶える瞬間を待ちながら宙を旋回しているそれに酷似していた。 だがこの凶鳥たちに自我は無い。ただ主の命にのみ従い、獲物に襲いかかりその命を奪う忠実な兵団だ。 「さ~あ、可愛い娘(こ)。その身を流れる血をぅ、妾のために捧げなさい!」 鋸歯の凶鳥たちが主の命を受け、一斉に獲物に喰らいつく。 鋸が高速で少女の体を蛇のようにはい回り、皮膚を、肉を刻む。 槍が肉と骨を貫通し、床にまでその刃を届かせ、少女の体の至る所を床に繋ぎ止める。 丸鋸は唸りをあげながら血肉をまき散らし、ゆっくりと少女の体に潜っていく。 彼らの刃に皮膚を裂かれ、肉を抉られ、骨を削られ、血と体液と絶叫をまき散らす少女。 だがその叫びはそれ以上の哄笑にかき消され、虚しく闇に消える。狂気と歓喜に満ちた哄笑の主が誰かは言うまでもない。 そして、医学的に見れば出血多量か激痛でショック死してもおかしくない状況でありながら、少女は未だ存命で悲鳴をあげ続けている。 だがそれ以上に不可思議な現象がこの場では起きていた。 全身を切り裂かれた少女から飛び散り流れた血は、ただの一滴も床や壁を赤く染めることなく、この惨劇の張本人である悪魔の全身に、まるで強力な磁石に引き寄せられる鉄屑のように吸い寄せられ、悪魔の肌を、そして全身を赤く染めていく。 そしてそれを悪魔は当然のように、両腕を広げ受け入れる。 ――どれ程時間が経っただろう。 室内に響いていた叫び声もいつしか途絶え、少女の体は元が何であったか、想像すらつかないズタボロの■■となり、血の臭いで満たされた地獄絵図に響くのは、血で染まった悪魔の高笑いだけだった。 ゆっくりと笑い声が小さくなり、完全に途絶えると同時に凶鳥たちは霧散し、全身から血を滴らせた悪魔が龍之介に向き直る。 「ウフフフゥ、やっぱり若い娘の血はいいわぁ。東洋人の血も、悪くはないわねぇ~。 それにしてもぉ、久しぶりだからつい何もしないで搾取しすぎてしまったわぁ。気をつけなくちゃぁねぇ? それよりもぉ、マスターァ。早く他の若い娘を調達してきてちょうだいなぁ?」 まるで先ほどまでの惨劇など無かったかのような言い様である。 そしてここまで言葉が出なかった龍之介が、ようやくその口を開けた。 「COOL!すげぇよ、マジすげぇ! あんなド派手な殺し方初めて見た!」 飛び跳ねて小躍りするほどの歓喜に身を震わせながら、殺人鬼は自分の呼んだ悪魔を、その殺し方を褒め称える。 あれ程までに強烈な生の断末魔を聞いたことなど、龍之介にはなかった。 殺し方も彼の想像さえしたことの無い、芸術の域にあり、龍之介は自分の世界に新たな地平が生まれ、その感動が全身を震わせていた。 その様を見て、悪魔は辺りを見回し、何かを考える素振りを見せた後、小躍りを続ける龍之介に提案した。 「ねぇえマスター? 妾に協力してくれるならぁ、妾もあなたの遊興に付き合ってもよくってよぉう? さっきのなんてぇ、妾の所有する道具の一つでしかないのですものぉ、まだまだあなたを楽しませることはできてよぉ」 「オーケイ、オーケイ! オレ何だって協力しちゃうぜ、何でも言ってくれ! その代わり、もっともっとド派手な殺し方を見せてくれ!」 ここに、第四次聖杯戦争最大のイレギュラーチームが誕生した。 死してなお、己が欲望を満たす為に凶行に手を染める怨霊と、彼女と出会ったことによりモチベーションをたて直した殺人鬼。 最凶最悪の2人組の進む道が、無辜なる犠牲者の血で染まることがここに決定された。 「あー、ところで君はなんて名前なの?」 ようやく肝心なところに気付いた龍之介が、問いかける。 「なぁにぃ? 妾が誰か知っていて呼んだんじゃぁなかったのぅ? まぁいいわぁ、妾はキャスターのぉサーヴァント、エリザベート・バートリーよぉ。 とりあえずキャスターとでも呼ぶといいわぁ」 エリザベート・バートリー。美貌で知られたハンガリー名門貴族の娘。 15歳の時にフィレンツ・ナダスディ伯爵と政略結婚するも、後年、自身の欲望のため若く美しい少女612人を殺害したという殺人者。 『血の伯爵夫人』の二つ名で後世に名を知らしめる彼女は正しく、悪魔と呼ぶに相応しい存在だった。 「オーケイ、キャスターちゃん! 何だかよくわかんないけど、よろしく頼むよ、マジで!」 龍之介の喜びに気をよくしたのか、新たな協力者を得て上機嫌なのか、サーヴァント・キャスターはにっこりと微笑んだ。 「えぇ~。お互い聖杯を求めてよろしくねぇマースタァ」 ∞ ∞ ∞ 召喚は成功した。招かれたサーヴァントのステータスがウェイバーの意識に流れ込む。 クラスはライダー。三大騎士クラスの括りからは外れ、基礎能力値は平均やや上と格別恵まれたステータスではないが、それでも十分に強力なサーヴァントだ。 人類史に聳え立つ2人の『覇王』。西はマケドニアの『征服王』と双璧を成す、東はモンゴルの『蹂躙王』チンギス・ハンこそが、ウェイバーの召喚に応じ、現界したサーヴァントだった。 ウェイバーは飛び上がって喝采をあげたかったが、召喚と同時に腰を抜かしていたため、実現は出来なかった。 白煙が薄れ、魔法陣の中に立つその姿が鮮明になる。 そして、自分のサーヴァントと目が合った瞬間、ウェイバーの全身が凍てついた。 それはウェイバーの知る“使い魔”――術者の傀儡としての存在でしかない人形とは、天と地ほども離れた存在だった。 そのサーヴァントは自分よりも遥かに強大な怪物であると本能で理解し、召喚成功の喜びで満たされていた体の熱が、一瞬で消え失せた。 狼のように鋭い眼光と琥珀色の瞳。 荘厳な顔と、薄らとはやした口髭と蓄えられた顎鬚から受ける印象は壮年の男性のそれだが、白髪は一切混じっておらず、精力に溢れた雰囲気は、見た目よりも若々しい印象を与える。 あるいはまだ若年の男性がその貫禄故に、実際よりも年配に見えるのか。 どちらとも受け取れる容貌の男は、白一色で統一されたモンゴル人特有の民族衣装、デールで身を包み、頭には防寒仕様の黒いモンゴル帽を被っている。 ウェイバーの眼前に立つ男の圧倒的な存在感は、肉体を得て現界したサーヴァントの迫力を存分に見せつけていた。 「この俺を呼んだのは貴様か、小僧」 男の第一声が雑木林に響く。低く、唸る獣のような獰猛さを感じさせる声で問われたそれに、ウェイバーの発した第一声は―― 「は?」 ――だった。 自分のサーヴァント、ライダーの迫力に圧倒され、意識が飛んでいたのだ。 「俺の言葉が分からぬか、小僧? この俺を呼んだのは貴様かと聞いている」 2度目の問いには、鋭い眼をさらに尖らせ、次に答えなければ殺すと言わんばかりの怒気が込められていた。 「そ――そう! そうです! ぼぼぼボクが、いやワタシが、ワタクシめが! オマエの、いえ、アナタのマスターの、ウ、ウェイバー・ベルベットです! いや、なのだッ! いや、なんです! とにかくマスターなんだあッ!!」 動転しながらも、精一杯の虚勢と嘘偽りない本心の入り混じった名乗りを上げるウェイバー。 果たしてそれに満足したのかどうかは不明だが、ライダーは怒気を収める。 「よし、契約とやらはこれではよかろう。 さて小僧、まずは俺と貴様で決めておかねばならんことがある」 「な、なんだよ……」 鋭い眼光をそのままに、ライダーがウェイバーに言う。 「この聖杯戦争において俺と貴様、どちらが差配を振るうかだ」 「は?」 ライダーの発言に、ウェイバーは先程と同じ返答――と呼べるかは不明だが――をした。 しかし先程の思考が止まっていた状態とは違い、今度は呆気に取られてのことだった。 腰は抜かしたままだが、とりあえず平素の思考を回復していたウェイバーは、ライダーの訊かれるまでもない問いに、すぐさま反論する。 「どっちがって。そんなのマスターである僕――じゃなくて、私に決まっているだろうが!」 語気を強め、そんなことも分からないのかという思いを込め、腰を抜かしたままのウェイバーが吠えた。 「それはつまり俺が貴様に従え、と?」 「当たり前だろ、私はお前のマスターだ。サーヴァントがマスターに従うのは当然だ。 だいたい、なんでそんな分かり切ったことを――」 憤懣をぶつけるウェイバーの眼前に、何処からともなく飛来した一本の矢が突き刺さり、彼の怒声は途切れた。 「……へ?」 暫し状況が理解できずに呆然とするウェイバー。 「……こ、これって――う、うわぁぁぁぁぁぁぁ! て、敵か!?」 漸く理解し、慌てて地面に突き刺さった矢から離れようと、腰を抜かしたまま後ずさるウェイバーの背中が何かにぶつかる。 感触と音からして、具足を纏った誰かの脚のように感じたウェイバーが恐る恐る振り返ると、そこには片手に槍を持ち、東洋風の鎧で全身を覆った何者かが立っていた。 「ひいぃぃぃぃぃっ!!!」 再び慌てて逃げようとしたウェイバーは、その時になって気づく。 いつの間にか、自分が今ぶつかった者と同じような恰好をした集団が、自分とライダーを取り囲んでいることに。 10や20どころの数ではない。ネズミ一匹逃げる隙間も無い程に、槍や剣や弓などを構えた人の壁がいつの間にか出来ており、うち何人かは確実にウェイバーを標的として武器を構えていた。 もはや疑うまでも無く、先の矢はこの集団――否、兵団の誰かが放ったものだ。 「あ、あぁぁぁぁぁぁぁ……」 恐怖で竦み上がり、呂律もまともに回らないウェイバーに、何事も無いかのように落ち着き払った態度のライダーが声をかけた。 「残念だったな、小僧。貴様はここで終わりだ」 「な、なにを――」 ――言ってるんだ。と問う前に、ライダーはゆっくりとウェイバーに近づき、間近で腰を抜かす彼を見下ろした。 その目に慈悲や優しさなどといった感情は一切含まれておらず、冷酷非情な殺意だけが双眸に滾っていた。 生まれて初めて浴びせられる「殺意」にウェイバーの全身が硬直する。瞬きも呼吸も忘れ只々恐怖に震えるウェイバーにライダーが言う。 「小僧、たかだかマスターであるという事だけでこの俺が跪くとでも思ったか? 俺は小間使でも騎士でもなければ、杯1つのために魔術師に頭を垂れるそこいらのサーヴァントとも違う。 貴様の前にいるのは『蹂躙王』チンギス・ハンだぞ? この俺を従えようなどとほざく者は、何者であれ俺は敵として扱う。そして敵ならば速やかに殺し尽くすのが俺のやり方だ。 まさかその程度の事も弁えず俺を呼んだ――などとは言うまい? 魔術師よ」 「――あ、あぁ……」 蛇に睨まれた蛙のように怯え竦むウェイバー。 自分を囲む兵団がウェイバーにのみ敵意を向けていることから、彼らがライダーの支配下にあることは明らかだ。 どう足掻いたところで逃げることは叶わず、立ち向かう事など考える事すら愚かしい。 令呪の事も、今のウェイバーの頭には無い。 命がけで戦いに挑む覚悟はしてきたウェイバーだが、まさか自分が召喚したサーヴァントにいきなり殺されるとは夢想さえしていなかった。 しかも相手は人間よりも遥かに力を持った英霊。それも屍山血河を山と築き、血の覇道を突き進んだ『蹂躙王』。あまりにも相手が悪すぎる。 ウェイバーの本能が避けようの無い死を告げる。 だが、そんな不可避の運命に待ったをかけたのは、以外にもライダー本人だった。 「だがまぁ、貴様には不完全だが俺を現世へと再臨させた功績がある。 くわえてサーヴァントという楔に繋がれた今の俺では、マスターである貴様を殺すと今後が少々面倒だ。 故に一度だけ慈悲を与えてやろう。この俺が慈悲を与えるなど滅多に無いぞ? そして2度目の慈悲は無い。慎重に考えて口を開けよ、小僧。 この聖杯戦争、俺と貴様のどちらが差配を振るう?」 悪辣かつ獰猛な笑みを浮かべたライダーが問う。 ウェイバーの出した答えは―― ∞ ∞ ∞ 深夜、“それ”は何処からともなく、遠坂邸の門前に現れた。 まるで闇の中から生まれ出たかのように自然に夜闇に溶け込み、間近で見ても生命の鼓動を感じさせない幽鬼のごとき“それ”は、全身を黒いボロボロのローブで包んでおり、身体つきからかろうじて男だろうと見てとれる。 腰には二本の曲刀を下げ、ローブの奥に覗く顔には白い髑髏の仮面をつけた男の姿は、見るからに『山の翁』の名を冠するアサシンのそれだった。 突如、アサシンらしき男は10メートル近い高さを予備動作なしで跳躍し、遠坂邸の領空へとその身を躍らせた。 疑うまでもなく、このアサシンらしき男は遠坂邸の襲撃を目的として現れたのだ。 上空10メートルの地点でローブの下から腕を伸ばした暗殺者は、その手の先から複数の投擲用のナイフを投げ放った。 飛刃の先には、いずれも遠坂時臣が聖杯戦争に備え張り巡らせた、探知や防衛の結界が処置されていたが、それら全てが投げ放たれた刃により破壊され、無力化した。 そして何の危険も無くなった敷地の一角に暗殺者はいとも簡単に侵入し、そのまま屋敷を目指し広い庭を疾走する。 その間には当然ながら他の結界が張られているが、それらは全て本来の役割を果たす前に、暗殺者により放たれた刃の前に無力化されていく。 これらの結界は、魔力を備えた者ならば人間だろうが使い魔だろうが、主たる時臣の許可なく踏み込めば無事には済まない仕組みであり、魔力の塊であるサーヴァントともなれば尚更だ。 実体、霊体を問わず、察知されずに遠坂邸の結界を潜り抜けるのは、まず不可能であろう。 しかし、察知されないことや潜り抜けることを前提としなければ、その限りではない。 単純な話、結界をものともしない守りで突き進むなり、結界そのものを破壊すれば脅威は無くなる。 そして暗殺者は後者の方法をとった。 勿論ここまで乱暴な手段で無力化すれば、相手には間違いなく気づかれる。 潜り抜けるのではなく破壊してとなれば、その異常に気付かない魔術師はいない。 だが暗殺者はそんなことなど念頭に無いのか、または気付かれても構わないかのように、あるいはそれが目的だとでも言わんばかりに、ひたすら派手に遠坂邸の結界を破壊していく。 暗殺者の前に結界は次々と敗北し、その疾走を阻むものはおらず、いよいよ屋敷の内部に暗殺者が入り込もうとしたその直前――不意に暗殺者が止まった。 理由は明解。遠坂邸の入り口と暗殺者の間に、霊体から実体化したサーヴァントが出現したからだ。 現れたサーヴァントは眉目秀麗を地で行く青年だった。 背中の中程まで伸びた金髪は夜の闇を切り裂かんばかりに輝かしく、澄んだ海のように蒼い瞳は暗闇の中でもその輝きを損なっていない。 そして当世風の服装を夜風にたなびかせ、まるで来客を迎えるように悠々とした態度で青年が暗殺者の前に立ちはだかった。 およそ10メートルの距離をはさんで、無言のまま視線を送る暗殺者に視線を向け、青年が口を開く。 「セイバーだ。お前は?」 この時、遠坂邸を使い魔で見張っていたマスターたちは、使い魔越しであるにも拘らず、誰もがその威容に戦慄いた。 存在するだけで周囲の視線を釘づけにするその姿。 現代の人間では纏うことのできない雰囲気は、数多の熾烈な戦いを身一つで潜り抜けた戦士だけが持つことを許されたそれであり、見るだけで分かる人とは次元の違う強さ。 この青年こそが七騎のサーヴァントの中で、最優にして最強の呼び声高き剣の英霊、セイバーのサーヴァントだった。 それまで動きを止めていた暗殺者は、やおら投擲用のナイフを捨てると腰に差していた2本の曲刀を抜き、セイバーに向かって構えた。 対するセイバーは未だに手ぶら。まさか剣の英霊でありながら徒手空拳で戦うとでもいうのだろうか。 「真名を名乗れとは言わん。が、クラスぐらい明かしたらどうだ?」 「……」 セイバーが問いを投げても暗殺者は何も答えず、構えた姿勢を崩さない。 「それにしても、ずいぶん派手に荒らしてくれたな」 相手との会話を諦めたのか、セイバーは辺りを見回しながら、ゆっくりとした足取りで暗殺者に近づいていく。 それはありえないほどの無防備さだった。 武器を構えた謎の敵を相手に、セイバーは手ぶらであまつさえ、完全に敵から視線と注意を逸らしている。 既に両者の距離は5メートルを切っており、セイバーがどれほどの猛者であったとしても、これは致命的な隙だった。 「!」 無論その隙を暗殺者は容赦無く衝いた。 5メートルの距離など、彼にとっては一足で踏み込める間合いでしかなく、例え誘いやカウンター狙いの罠であったとしても、セイバーが反応するよりも早く暗殺者はセイバーに刃を突き立てることが可能だった。 一瞬にして間合いが詰まる。 万全の攻撃態勢を整えての暗殺者と、手ぶらで視線さえも逸れているセイバー。 セイバーの慢心が過ぎたのか、実力を低く見積もり過ぎたのか、どちらにしても決定的に必殺の先手を暗殺者は取った。 右手の曲刀がセイバーの喉笛に振るわれ、左手の曲刀はセイバーの心臓に突き出された。 瞬きひとつしている間に事は終わっており、暗殺者と使い魔越しにこの光景を見ていた誰もが、セイバーの敗北を不可避の未来と確信した。 只1人、セイバーのサーヴァントを除いて。 何かが砕ける音がして、無数の金属片が宙を舞い地に落ちる。それは一瞬前まで、曲刀の刀身だったものだった。 セイバーの喉笛を切り裂き、心臓を貫くはずだった二本の曲刀は、どちらもセイバーに刃が当たった瞬間、刀身が粉々に砕け散ってしまった。 「!?」 声こそ発しなかったが、暗殺者の驚愕は明らかだ。セイバーの姿に変化は見られない。 血を流すどころか掠り傷1つ無い状態も、未だ自分を斬りつけた相手を見ていないことも。 セイバーのクラスらしく、自身の剣で曲刀を切ったのでも、鎧や盾などの防具で身を守ったのでもない。 まるで桁違いの硬度を持った“何か”に当たった剣が、比べるのも愚かしい脆さを曝け出したかのように、その刀身を崩したのである。 例え堅牢な鎧や巨大な岩に曲刀を振るったとしても、錆びてもいない刀身がバラバラになるなど有り得ない。 まるでガラス細工を鋼鉄の壁にでも叩き付けたかのような有様だ。 セイバーは如何なる手段を以て刃を防いだのか、それを知るのは当人だけであった。 「終わりか?」 まるで何事も無かったかのように、セイバーの視線が暗殺者に向けられる。 その瞳には明確な闘気が込められており、鋭い眼光こそが彼が攻勢に転じることを如実にものがたっていた。 慌てて後退する暗殺者。ただ相手から離れるためだけに全ての力を使った必死の逃亡。 だが―― 「マスターからの指示だ。お前は逃がさん」 全身全霊で逃亡する暗殺者の正面に、涼しい顔のままセイバーが一瞬にして肉薄する。セイバーが本気を出していないことは明らかだ。 セイバーと自分の格の違いをこの時になって理解した暗殺者は、次の瞬間自分の身に何が起きたのかを認識できぬまま敗北した。 ∞ ∞ ∞ セイバーの拳が暗殺者の頭部を粉砕し、首より上を喪失した死体が崩れ落ちる。 事態の収束を確認した時臣は、ゆっくりと椅子に腰掛け、手元のグラスを取ってワインを呷った。 己の庭を好き放題に荒らしてくれた賊にはセイバーを討伐向かわせ、その命で償いをさせた。 結界を破壊されたことは業腹だが、日中を費やせば大部分の修繕は可能であり、2日もあれば同じ規模の結界を張り直せる。 こうも早くセイバーの姿を晒すことになってしまったのは誤算だったが、得体の知れぬ守りと圧倒的な実力を他のマスターたちに見せつけたことで、今後しばらくは無闇に挑んでくる敵もいないだろう。 そのあまりに有名な伝承故に、「弱点」を看破されやすいセイバーの真名が早期に知られることだけは何としても避けたい時臣は、あえて『剣を使わずに賊を討て』と、セイバーに命じた。 反論も覚悟しての命令だったが、セイバーはすんなりと了承し、見事にそれを成し遂げた。 これでセイバーが少々の無理でも、マスターである自分の指示には従うことが確かめられた。 結果的に失うモノより得るモノが多く、自分に有利な状況が出来上がったと結論しほくそ笑む時臣の下に、セイバーが帰還した。 「賊は仕留めた」 室内に霊体で入ったセイバーが実体化し、簡潔に報告する。 「ご苦労、手並みは見せてもらった。さすがは北欧最強の戦士と讃えられるだけのことはある。実に見事だったよ」 「痛み入る、マスター」 時臣の賛辞に会釈程度に頭を下げるセイバー。 マスターに対するサーヴァント、としては人によっては少々礼を欠いた態度とも取れるが、時臣は特に気にしていなかった。 そも、このセイバーは騎士よりも戦士に近い英霊であり、『騎士道』とは無縁の北欧神話の出であれば、これでも十分すぎる――というのが、現在の時臣の認識だ。まして今しがた十二分な成果を出してきたとなれば、些細な事で責める必要はない。 「それで、賊について何か分かったことはあるかね?」 「単純に見ただけなら、あれはアサシンという事になるが……」 「それはないな」 反応を窺うように『アサシン』の名を口にしたセイバーの意見を、時臣は否定する。 「先にも話したが、アサシンのマスターは私の弟子で、表向きは敵対しているが、実際は協力関係にある。我が家に襲撃を掛けることはない」 「その弟子が裏切ったということは?」 「それもない。アサシンの召喚には私も立ち会い、その姿を確認している。 今夜の賊は明らかに違う存在だった。 おそらくこちらの事情を知らぬ何者かが、アサシンに見立てた偽物を使って我が工房を襲撃したのだろう。 そんな芸当ができるとなると、相手はおそらくキャスターだな」 「だがマスターにサーヴァントの偽物は通用しないのでは?」 そう、聖杯戦争に参加しているマスターにはサーヴァントのステータスを読み取る能力が与えられている。 いかに精巧な偽物であろうと、マスターの目を誤魔化すなど不可能であり、その点が時臣も腑に落ちないところだった。 「おそらくキャスターとそのマスターは、独力で勝ち残ることが難しいと考え、 最後には戦うことになる相手と同盟を組むより、アサシンが敗退したと思わせ守りに隙ができたマスターを、本物のアサシンが狙って敵を減らしてくれるとでも安易に考え、こんな芝居を打ったのだろう。 逆に、対魔力スキルの無いアサシンならば、独力でも倒せる自信はあるという事か…… あの偽物を見た中には、アサシンはステータスを隠蔽する能力を有していたなどと深読みし、積極的に動き出す者もいるかもしれない」 時臣の考えをセイバーが黙って聞き続ける。 「とはいえ、敵にどんな思惑があれ私たちには無意味なこと、あれこれ考えても詮無いことだ」 自分たちには影響も問題も無いと結論する時臣。 セイバーは変わらず何も言わないが、時臣の考えを否定するつもりもないらしく、無言で時臣の方針に従う意を示す。 その姿を見て、アサシンについて深く詮索されないうちに時臣は話を切り上げにかかった。 「予定外の事態ではあったが、戦局に影響はない。我々は引き続き静観を続け、サーヴァントの数が絞られたら、君の力を存分に振るってもらう。 とりあえず今夜のところは屋敷の見張りを頼む」 「承知した」 話が終わったと判断し、部屋を出ようとするセイバーの背中に時臣は気になっていたことを訊いた。 「ときにセイバー、その服はどうかね?」 「俺は気に入っている」 足を止めて振り返り、セイバーが答える。 服とはもちろん、今セイバーが纏っている当世風の衣装のことだ。 召喚された時、セイバーの姿はその美貌に反し酷いものだった。 装着している鎧は、かつては白銀色の立派なものだったのだろうが、今はほとんどが壊れ、砕け、罅割れ、色はくすんだ茶色がこびりついて輝きは完全に失われていた。下半身の元は具足だったと思えるものも、鎧と同様の有様だった。 無論それはセイバーの激闘を物語るものであり、この上ない勲章でもあるのは、時臣も理解できる。 くわえて、セイバーの『宝具』があれば鎧など必要性は無くなる。 が、「常に余裕をもって優雅たれ」という家訓を誰よりも重んじている時臣には、遠坂の威信を賭けて召喚したサーヴァントを、あまりにみすぼらしい格好で敵の前に行かせることは出来なかった。 結果、時臣は急ぎ璃正神父を通してセイバーの服を手配してもらい、幾つか届いた中からセイバーに好きなものを選ばせたると、彼は見事にそれを着こなして見せた。 おまけに何の神秘も魔力も無い現代の服装をしていながら、攻撃が通じないセイバーの存在は傍から見ればさぞ不可解で脅威だろう。 「それは何より、私としても用意した甲斐があった。 引き留めて済まなかった、見張りに向かってくれ。 もしまた戦闘になるようなら、引き続き極力剣は使わずに事は運んでくれ。 君の実力を疑うわけではないが、真名が敵に知れるリスクは少ない方がいい」 「了解した。 俺は必ず聖杯を手にしなければならない、その戦略が必勝に繋がるならば俺はどんな命令にも従う。 この機会を与えてくれたマスターには感謝している。必ず聖杯をマスターの手にも約束する」 この時ばかりは恭しく頭を下げるセイバー。その姿に時臣は満足気に頷く。 セイバーが聖杯を求める理由を知っている時臣は、彼をサーヴァントとして確かに信用していた。 セイバーの伝承を知る者ならば、誰もが嘘は無いと納得する理由で、真摯に万能の願望器を必要としている。 そのため時臣の命には服従しているし、令呪もあるマスターを裏切る可能性は低いと時臣は確信しているのだ。 蒼い瞳に灼熱の決意を燃やすセイバーの姿は、この上なく頼もしい存在だった。 「無論だ。私も一族の悲願を遂げるためにも、敗北は許されない。君のことは頼りにさせてもらうよ、セイバー」 かくして、第四次聖杯戦争の戦端は切って落とされた。 ステータス情報 【クラス】セイバー 【マスター】遠坂時臣 【真名】??? 【性別】男性 【属性】混沌・中庸 【ステータス】筋力A 耐久B+ 敏捷A 魔力B 幸運E 宝具A++ 【クラス別スキル】対魔力:A 騎乗:A 【クラス】ランサー 【マスター】??? 【真名】??? 【性別】??? 【属性】??? 【ステータス】??? 【クラス別スキル】??? 【クラス】アーチャー 【マスター】??? 【真名】??? 【性別】??? 【属性】??? 【ステータス】??? 【クラス別スキル】??? 【クラス】ライダー 【マスター】ウェイバー・ベルベット 【真名】チンギス・ハン 【性別】男性 【属性】混沌・中庸 【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷B 魔力D 幸運A 宝具A+ 【クラス別スキル】対魔力:D 騎乗A+ 【クラス】キャスター 【マスター】雨生龍之介 【真名】エリザベート・バートリー 【性別】女性 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力B 幸運C 宝具C 【クラス別スキル】陣地作成D+ 道具作成D+ 【クラス】アサシン 【マスター】言峰綺礼 【真名】??? 【性別】??? 【属性】??? 【ステータス】??? 【クラス別スキル】??? 【クラス】バーサーカー 【マスター】??? 【真名】??? 【性別】??? 【属性】??? 【ステータス】??? 【クラス別スキル】???
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/2090.html
竜容の肉体:B (グラダッソ) 天性の肉体の亜種スキル。 生まれながらに竜種の如き肉体を持つ。 常に筋力がランクアップ、鍛えずとも筋肉質の肉体を保つといった効果に加え、 真性の竜種には劣るものの優れた魔力炉心を持ち、サーヴァントでありながらある程度独立した行動が可能。
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レア度:☆2 クラス:キャスター 属性:中立・善 真名:ヴァンニク 出典:伝承 地域:中欧・東欧 性別:男 身長・体重:155㎝・50㎏ コマンドカード:Q1 A2 B2 HP・ATK:7498・6034 ステ―タス:筋力E耐久E敏捷D魔力B幸運A宝具D クラス別スキル 陣地作成(E) 自身のArtsカードの性能をアップ 保有スキル 風呂の守り神(B)CT(8) 味方の防御力をアップ(3T)&自身にターゲット集中状態を付与(3T) 悪精妨害(A)CT(7) 味方全体に弱体無効状態を付与(1T)&NPを増やす 湯気よ我を隠したまえ(C)CT(8) 自身に回避状態を付与(1T)&NP獲得量をアップ(3T) 宝具:『怒りの熱湯噴射(ガリャーチャヤ・ヴァダー)』種類:Buster ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:2~3 最大補足:1人 敵単体に超強力な攻撃[Lv1~]&やけど状態を付与(3T)(オーバーチャージで効果アップ) 名前
https://w.atwiki.jp/minasava/pages/576.html
【元ネタ】イギリス童謡 【CLASS】キャスター 【マスター】ありす 【真名】ナーサリーライム 【性別】不定 【身長・体重】不定 【属性】不定 【ステータス】筋力D~E 耐久D~E 敏捷D~E 魔力D~E 幸運D~E 宝具EX 【クラス別スキル】 陣地作成:A 『小さな扉、くるくるお茶会、 白黒マス目の虹色草原、お喋り双子の禅問答。 でもでも、お気に入りはやっぱり一つ。 全てを忘れる、名無しの森にご招待!』 【固有スキル】 変化:A+ 『変身するわ、変身するの。 私は貴方、貴方は私。 変身するぞ、変身したぞ。 俺はおまえで、おまえは俺だ。』 自己改造:A 『自身の肉体にまったく別の肉体を付属・融合させる適性。 このランクが上がればあがるほど正純の英雄から遠ざかっ、 カカ、かかか関係ない関係ないそんなのまったく関係ない! 何であろうときっかり貴方の注文通り!』 【宝具】 『永久機関・少女帝国(クイーンズ・グラスゲーム)』 ランク:C 種別:対己宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人 『物語は永遠に続く。 か細い指を一頁目に戻すように あるいは二巻目を手に取るように。 その読み手が、現実を拒み続けるかぎり。』 『誰かの為の物語(ナーサリー・ライム)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人 『ナーサリーライムは童歌。 トミーサムの可愛い絵本。 マザーグースのさいしょのカタチ。 寂しいアナタに悲しいワタシ。 最期の望みを、叶えましょう。』 【備考】 【ジャバウォック】 『正体不明で消息不明。 火をふく竜とか雲つく巨人、 トリックアートは影絵の魔物。 けだし、大人の話はデマカセだらけ。 真相はドジスン教授の頭の中に。』 【名無しの森】 『アクロイドでセルロイド。 アクロスティックなサディスティック。 ここでは誰もがただのモノ。 鳥は鳥で、人は人でいいじゃない。 貴方のお名前、いただくわ。』 【詳細】 【人物背景】 『ナーサリーライムは童歌(わらべうた)。 トミーサムの可愛い絵本。 マザーグースのさいしょのカタチ。 寂しいアナタに悲しいワタシ。 最期の望みを、叶えましょう。』 【『ナーサリーライム』】 ナーサリーライムは実在の英雄ではなく、実在する絵本の総称である。 イギリスで深く愛されたこのジャンルは、 多くの子供たちの夢を受け止めていくうちに一つの概念として成立、 “子供たちの英雄”としてサーヴァント化した。 のちにルイスキャロルという著名な作家を生み出す下地になったもの。 彼の著作「不思議の国のアリス」は、もともとは彼の姪っ子たちに即興で聞かせたナーサリーライムである。 サーヴァントそのものが固有結界であり、マスターの心を映して、 マスターが夢見たカタチの疑似サーヴァントをつくり上げる。