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AI ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ 【あい そむにうむふぁいる にるう゛ぁーな いにしあちぶ】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4Xbox OneWindows(Steam/Microsoft Store) 発売元 スパイク・チュンソフト 発売日 【Switch/PS4/One】2022年6月23日【Win】2022年6月25日 定価 6,800円(税別) プレイ人数 1人 レーティング CERO C(15才以上のみ対象) 判定 良作 ポイント 人間とAIコンビの刑事サスペンスの続編改善されたソムニウムパート前作とは全く違ったシナリオ展開元気○倍!半パンマン! AI ソムニウム ファイルシリーズAI ソムニウム ファイル / ニルヴァーナ イニシアチブ チュンソフトサウンドノベル関連作品 概要 ストーリー 特徴 (前作からの変更点) 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 あなたが、わたしのAIを引き裂いた 概要 刑事とその自身の義眼の中にいるAIと共に事件を調査していくアドベンチャーゲーム『AI ソムニウム ファイル』の続編。 前作に引き続きシナリオは打越鋼太郎氏、ディレクターは岡田昌氏、キャラクターデザインをコザキユースケ氏が務めている。 また、嘗ては打越氏と共にinfinityシリーズを生み出し、『ルートダブル -Before Crime * After Days-』や『ワールズエンドクラブ』も手掛けた中澤工氏(*1)も一部シナリオに参加している。 本作では「 伊達 (だて) 鍵 (かなめ)」に代わり「みずき(*2)」が主人公となり、AIの相棒「アイボゥ」と共に今作の主な出来事となる「ハーフボディ連続殺人事件」を調査していく。 また、もう一人の新主人公「龍木」とAIの相棒である「タマ」の新キャラも加りダブル主人公形式となっている。 みずきは現代の主人公として、龍木は6年前の過去の主人公として事件の調査を進めることとなる。 ストーリー 最初に【右側】が発見されたのは、今から6年前のことだった。中心からまっぷたつに切り裂かれた死体……。当時どれだけ捜索しても、もう片方が見つかることはなかった。それから6年後、行方がわからなかった【左側】が発見される。時空を超えて現れた半分の死体……。それはまったく腐敗しておらず、まるでついさっきまで生きていたかのようだった。特殊捜査班ABISの新人捜査官であるみずきと龍木はパートナーの眼球型AI――アイボゥやタマとともに過去と現在、夢と現実を行き交いながらこの【ハーフボディ連続殺人事件】の真相を解き明かすべく捜査を始める ※公式サイトより抜粋。 特徴 (前作からの変更点) 前作同様に現場で証拠物件を調べる「捜査パート」と、重要参考人の夢の中に入って操作を行う「ソムニウムパート」に分かれており、これらのパートを行き交いながらストーリーを進めていく。 基本的なシステムは『前作の記事』を参照。ここでは主な変更点を記載していく。 システム全体 難易度が選択できるようになった。 前作は難易度自体が設定できなかったが、本作は「スタンダード」「イージー」「ストーリー」の3つの難易度が選べるようになった。 主にプレイヤー自身の直接的な操作が必要となるQTEとソムニウムパートの難易度設定が可能。 「スタンダード」は前作同等の難易度設定。QTEの制限時間と連打回数は前作とほぼ同じ感覚(*3)。ソムニウムパートの制限時間は6分に変更は無く、移動をし始めると秒数通りに減る。リトライ回数は3回まで。 「イージー」はQTEパートの制限秒数が1.5倍に増加し、連打するシーンに関しては全体の1/2の回数でクリアできるようになっている。ソムニウムパートは時間減少速度と選択肢の消費秒数が1/2となり、リトライ可能回数も6回まで増える。 「ストーリー」は物語だけに集中したい人向けの難易度となっており、QTEシーンの制限秒数は3倍、連打回数は1/4になるほか、ソムニウムパートでは時間減少速度と選択肢の消費秒数が1/4となり、リトライ可能回数は無制限となる。 各難易度はQTE・ソムニウムパートそれぞれ別々に設定可能。 前作のプレイ経験の有無について聞かれるようになった。 シナリオの序盤で「"第2サイクロプス連続殺人事件(*4)" について知っているか」と尋ねられる。 「知っている」と答えるとテストと称し、前作の事件に関するクイズが始まる。 回答欄は選択肢ではなく文字を入力するシステムなので、当然当てずっぽうで回避することはできない。 全問正解するとシナリオ内で前作の事件に関与していた人物から当時の話について、そしてその後に話についての台詞が追加される。 このシステムはいわば前作未プレイヤーに対してのネタバレ配慮の一環。クイズの問題が全て事件の真相に関する事なので前作をクリアしていないと答えられない内容になっている。 なお、似たようなシステムを打越氏が関わっていた『ワールズエンドクラブ』でも導入されている(*5)。 捜査パート 新たに「拡張視覚パート」と「真相再現パート」が追加。 「拡張視覚パート」は特殊な視覚機能を使い、事件が発生した場所やその当時の状況を再現して捜査を行う。 このパートの追加により龍木またはみずき自身を操作できるようになった。 「拡張視覚パート」で手がかりが集まると「真相再現パート」に移行する。 時系列で事件の状況を再現しつつ、途中で発生する問題に対して正解を選ぶ事で状況再現率が進行。 最終的に状況再現率が100%になると真相に辿り着ける。 なお、この2つのパートに置き換わる形で前作における証拠を突きつけて情報を入手する尋問パートがほぼ無くなった。 完全に無くなったというわけではなく、一部シーンにおいて尋問パートは存在する。 新しい捜査方法として「Wink Sync」が追加。 捜査パートにおいて特定の人物に対し、選択肢の一つとして使用可能になる。 「Wink Sync」はいわばソムニウムパートで行うPsyncの簡易版、短時間ではあるが相手の思考を読み取ることができる。 「Wink Syncを使うとAI-Ball自体のバッテリーの消費が激しくなる」という設定のため、短時間しか見ることができない。また、使用可能回数も1回に限られている(*6)。 相手の思考を読み取ることで真実がわかるものもあれば、調べるだけ無駄なものも存在する。 ソムニウムパート オブジェを調べるバリエーションの増加 前作では「オブジェを調べると必ず選択肢が発生し、選択肢に応じて秒数が消費される」要素しかなかったが、本作は選択肢が存在しない要素も追加された。 選択肢の無いオブジェは消費秒数が固定されており、調べるだけで指定された秒数が消費される。 この要素が設定されているオブジェにおいては通常・悪性共にTIMIEの使用はできない。 「 鍵則 (きそく)」の追加。 ソムニウムパートの不評な点であった「推理しようにも推理しようがない」問題を改善する新要素。 本作のソムニウムパートにはPsync対象者の意識や記憶に基づいたルール「鍵則」が設定されており、これを紐解くことで行うべき選択や行動が絞り込みしやすくなる。 パート開始時の鍵則は殆ど隠されている状態だが、調査を進めることで鍵則の一部を発見することができる。 抗性意識体の追加 抗性意識体とはソムニウム世界で具現化されたPsync対象者の警戒心の存在、要するに敵キャラ。 接触すると残り秒数が減少してしまう。プレイヤー側から攻撃はできないので接触を避けるのが基本的な対抗策となる。 特殊イベントの追加 本作のソムニウムパートでは通常の捜査とは別に特殊なイベントが発生するようになった。 クイズゲームやミニゲームといった特殊なイベントが発生し、通常の捜査とは一味違ったイベントが展開される。 制限時間以内に選択肢を選ぶイベントや、UIとコントローラー操作が反転したりといった奇抜なイベントも中には存在する。 クリア後の「無制限Psync」の追加。 ソムニウムパートにおいて各ステージをクリアした後、「無制限Psync」が追加されるようになった。 「無制限Psync」は本編で設定されている6分の時間制限がないモードとなっており、時間に縛られることなく各ステージ内を探索したり、イベントを隅々まで楽しめるようになった。 シナリオルート 本作では6年前の過去を捜査する「龍木編」と現代を捜査する「みずき編」の両方のルートに分かれてシナリオを進めていく。前作における「左ルート」と「右ルート」のような扱い。 前作同様にマルチエンディング方式を採用しており、龍木編(またはみずき編)のソムニウムパートの結果次第で結末が分岐する。 一部のルートは分岐ポイントにおいて必要な暗号を入力すること進めることができ、その答えはシナリオ中に隠されている。 謎解き要素が強化 前作では不評要素の1つであった「謎解き要素の薄さ」が本作では改善。『極限脱出』シリーズさながらの謎解き要素が追加された。 捜査パートにおいて様々な謎解き要素が追加されたほか、ソムニウムパートにおいても謎解きがメインのステージが存在する。 これらの暗号は選択肢ではなく全て文字入力となっており、前作のように適当に選択して進めることはできない。 間違いを繰り返すとヒントを貰ったりスキップできる救済要素は存在するので、謎解きが苦手な人でも進めることができる。 その他の新モード追加 本作では新たに『めだまっぺ』『アイボゥの部屋』『タマの部屋』が追加された。 『めだまっぺ』は『たまごっち』風のガジェットに表示されている謎の生物を育てるミニゲーム。 20分おきに『めだまっぺ』から質問されるので、4つの選択肢から回答を選ぶ形式。 回答に応じてめだまっぺが成長。様々な姿に変化する。 『アイボゥの部屋』『タマの部屋』はアイボゥもしくはタマの姿を鑑賞できるコンテンツとなっている。 このモードではゲーム中もしくはDLCで入手した衣装を変更できる。 基本的に衣装は本編を進めたり、やりこみ要素の進行次第で追加される。 衣装はクリア済みのパートのみ反映され、未クリアの場合は通常の姿となる。 また、アイボゥもしくはタマがプレイヤーの悩みに答える「AI的人生相談」も実装されている。 『めだまっぺ』と同じく、質問に対して4つの選択肢から答える形式となっている。 選択肢次第でアイボゥもしくはタマが答えてくれるというもの。 評価点 完成度の高いシナリオ 本作のシナリオは前作と同じく殺人事件の調査、犯人と真実を見つけ出すという流れは同じ。 「過去と現代を駆け巡って真実を見つけ出す」という前作とは違った観点でシナリオを構成しており、2つの時代に鏤められた謎や伏線を回収して事件の真相を解明していく。 前作同様にシナリオ終盤で怒濤の伏線回収が行われる。前作とは全く違った形で真相が明かされるため、前作プレイヤーでも驚かされるような内容となっている。 主要人物のキャラクターの描き込みもしっかりしており、シナリオ面でも上手く絡んでいる。 前作同様に各キャラクターの強烈な個性は今作も健在。前作のキャラクターに加え、AIでありながらとてつもないナイスバディなタマ、四角い頭にピンクのスーツという奇抜な外見の米治、可愛いマスクとは裏腹にとてもゴツい体型をしている厳、外見も奇抜なら声もボイスチェンジャーで喋る仮面の女など、一癖も二癖もある新キャラクターが登場する。 本作は前作以上にとても辛い出来事がそれぞれの主要人物に重くのしかかるが、6年という歳月をかけてその苦境を乗り越えていくシナリオとなっている。 シナリオを進めるうち主要人物達が苦境を克服し、最終的に一致団結して事件を解決するという熱い展開が行われる。 前作を壊さない、続編シナリオ ネタバレなので割愛するが、前作に深く関わっていた重要な要素・人物は本作では一切関わる事がない。 前作のトゥルーエンドにおいて盛大な内容かつ大団円でシナリオが終わったことから「あの終わり方からどう続編に繫げるのか」がファンの間である意味心配されていたが、杞憂に終わる形となった。 「前作とは繋がりのない独立した物語」と定義付けることで前作のエンディングとの繋がりは薄くなり、前作とはまた違った楽しみ方ができるようになった。 この定義付けによりみずきの怪力設定(*7)やある人物の存在そのものなど、前作のトゥルーエンド時点での設定が一部変更されている。 繋がっていないとは言え本作は前作のトゥルーエンドが基となっているため、一部登場人物の会話において前作の事件のその後が明かされる。 前述の通り序盤の事件の真相に関わるクイズに全問正解していないと明かされることはないので、(事件に関して正直に「知らない」と答えていれば)前作未プレイのプレイヤーに対してネタバレされることはない。 前作の問題点の改善 前作ではシステム面や設定面において評価を左右していた箇所が改善された。 前作ではQTEパートやソムニウムパート自体が難しく、ストーリーを楽しみたい人にとっては厄介な存在となっていたが、今作では難易度選択が追加されたことにより緩和された。 特に一番簡単な「ストーリー」はこれでもかというぐらい難易度を下げており、各パートが苦手な人でも楽しめるようになった。 ソムニウムパートにおいて調査の対象となるオブジェがわかりづらかったり、目的が不明確なままただ動き回るしかなかったのだが、UIの改善や鍵則が追加されたことで進めやすくなった。 前作にあった理不尽なステージも本作では無くなり、全てのステージにおいて調べやすい構成になっている。ただ、調べやすいと言っても終盤になるにつれ難易度は高くなる。 前作のトンデモ設定として挙げられていたみずきの怪力設定が本作で明確な形で明かされる。詳しくは伏せるが、本作のシナリオのテーマに沿った内容であり設定としても破綻していない。 ちなみに、同じく挙げられていた伊達のエロ本怪力設定の経緯も一応出てくる。伊達自らが話すので信用して良いのかは微妙だが。 本作も健在する豊富な小ネタ・パロディ シナリオの重さに対して緩和するために置かれた大量のギャグ要素は本作でも健在。 ソムニウムパートにおいてはステージ開始前に人間とAIによるコントが始まり、明らかに無茶のある選択肢に関してはアイボゥやタマが身体を張ってネタを行うのは前作同様。 この流れは龍木編・みずき編共通。みずきはそこまで変化はないのだが、龍木はテンションが異様にハイになり完全に別キャラと化している。 一部のソムニウムパートのステージにおいてはギャグ漫画さながらのクッキングバトルが始まるなど、前作よりも大きな形でネタが込められている。 なお、前作にもあった熱海エンディングは本作でも健在。それどころかシナリオ中に所々熱海に関するネタが出てくる。 また、どこかで見たようなパロディ要素も前作以上にパワーアップしている。 前作ではお馴染みとなった「ぼく、ドラム缶」のネタの他、「溶岩ピン抜きゲームの主人公並みの鈍さだわ」というどこかのスマホゲーム広告(*8)の話を彷彿とさせるような台詞や、「元気○倍!半パンマン!」といったパロディ要素が随所に鏤められている。 演出面においてもあるアニメの最終回に似たシーンが再現されたり、ある話の説明にしれっとどこかで見たような配管工が出てくるなどネタに抜かりない。 なお、ステージ自体が他のゲームのパロディであるソムニウムパートは本作も健在。前作の『イクラマンふとし』に代わり本作は『クセモンGo』が登場。 「いかにもソレっぽい青色のモニュメントを調べ、クセモン(仲間)を集めてジムリーダーにバトルを挑む」という、システムもソレっぽければこのパートのためにわざわざクセモンと闘うバトルシステムも実装しているという徹底的なパロディっぷり。というかもう某法務部に怒られろ。 ちなみにこのステージに限り、スパチュンの有名シリーズのキャラクターが隠しキャラとして登場する。このステージでこんな物仕込んで本当にいいのかスパチュン。 良い意味で後味の悪いルートの存在 本作では様々なルートが存在するが、その中でもあるルートはとてつもないインパクトを誇っている。 + 深刻なネタバレにつき折りたたみ トゥルーエンド後に発生する隠しルートで、とあるルートの選択肢においてあることをすると「存在しないはずのルート」に行く事ができる。 条件を達成するとゲーム画面全体がバグ(という演出)が入り、その中で拡張視覚パートと同様にキャラクターを操作することができるようになる。 このルートに入ると一部のキャラクターやオブジェの配置がおかしくなっており、キャラクターに話しかけても不可解な言葉しか返さず、壁のすり抜けも行うことができるいわばバグの中でゲームを行うようなもの。 グラフィックも不可解なら音楽も非常に不可解な曲が流れており、不気味さがより一層増している。 不可解な世界の中でキャラクターを操作し、ある人物に接触するのが本ルートの目的となっている。 ルート自体は短いものだが、シナリオを進めていくことで強烈なエンディングが待ち構えている。 + ルートのエンディング内容(さらにネタバレ) 簡単に説明するとこれから起こる未来を龍木が全て知り、真っ先に事件を解決するというもの。 つまり、このルートではこれ以降の殺人や、一部登場人物の大きな悲劇が全く起こらないという何も起こらないエンディングとなっている。 (知っている前提なので)完全解決に6年かかるはずの難事件をあっさり解決。誰もが不幸にならず龍木も出世してABISの副本部長へ昇進とある意味ハッピーエンドではあるが、「プレイヤー自身がトゥルーエンド後にこのルートを触れる」という効果でハッピーではあるが、後味が悪いエンディングに仕立て上げている。 このルートはただプレイヤーを驚かせるために作られたオマケ要素の存在ではなく、トゥルーエンド時点で明かされなかった謎を回収する役目が込められている。 賛否両論点 オカルト・ホラー演出 前作では少ないながらも残虐なスプラッター演出があったのだが、本作には全く存在しない。その代わりにオカルト演出やホラー演出が前作よりも強化されている。 本作で扱っているシナリオがオカルト方面に寄っており、前作における「右ルート(*9)」よりも一層オカルトさが増している。 シナリオ中に「NAIX」という思想団体の関係者との会話や捜査があり、そこで交わされる内容がオカルトまみれとなっている。 さらに、前作の登場人物であるイリスがオカルトや都市伝説の話が好きという設定もあり、彼女の会話はより一層オカルトさが強化されている。 ただし、今回のオカルトは見方を変えると「本作がゲームであること」を逆手に取ったメタネタとも解釈できる。 龍木が時折発症するバグ演出や配信動画、ソムニウムパートの一部演出においてホラー要素がふんだんに使われている。 シナリオ中に配信される動画の演出や龍木をはじめとした一部登場人物が時折狂い始めるシーン、突然画面が乱れたり視界がブラックアウトするシーンやホラー演出が主体のソムニウムパートのステージがあるなど、気味悪く感じるホラーシーンが多く人を選びやすい。 そして本作には特定人物を痛めつけたり、残虐な殺害を連想させるシーンがいくつか存在する。 あくまでイメージとしての表現であり一部を除き直接的ではないものの、本作のオカルト要素も雰囲気も相まって強烈な演出に仕上がっている。 残虐な描写ではないとは言えイメージと音声でプレイヤーの精神面にダメージを与えるような演出のため、苦手な人は辛い展開となっている。 強化された下ネタ要素 本作のギャグ要素のうち、下ネタに関しては伊達からタマが引き継ぐ形で炸裂することとなる。 そのタマが発する下ネタは前作の伊達以上に直球の表現となっている。 さらに伊達が加勢するような形で下ネタを発揮するので、前作以上に下ネタの癖が強い。 もっとも本作では何かと下ネタを喋っていた伊達が主人公でなくなったので、前作よりは若干ながら下ネタが減っている。 モデルデータの使い回し 龍木編とみずき編の間で6年という年月が経っておきながら、一部登場人物のモデルが何一つ変わっていない。 衣装も同じなら髪型も同じ、6年という長い期間にもかかわらず外見が全く同じなのはさすがに違和感を感じやすい。 一応、「みずき」をはじめとした一部キャラは6年の間で外見が変わっている人物もいる。そのため、「変わったキャラ」と「変わってないキャラ」が同じ画面に並ぶと尚更違和感が生じやすい。 + しかしこの使い回しは…(ネタバレ) このモデルの使い回しこそ、シナリオの核心においての重要な伏線となっている。 もし使い回し対象の登場人物に少しでも変化があった場合、その時点でシナリオに矛盾が生じてしまう。 ゲームの開発においてはモデルの使い回しはよくある話だが、そのよくある話を逆手に取りシナリオの伏線として繫げるのは見事な演出とも言える。 ただ、それを踏まえても「見た目が全く変わらない」以上、違和感を感じやすいのは咎めないが。 とある登場人物の扱い 本作に登場するキャラクターのうち、とある人物の扱いがやや残念な事になっている。 + その人物とは…(ネタバレ注意) 宴田米治は元クイズ王のピン芸人で芸名は「アンデス米治」で、売れない芸人ながらも息子の祥磨のために日々仕事をこなしている。 シナリオを進めることで米治は多額の借金により苦しい生活を強いられている事実が判明する。 そして米治は返済のために事件に関連する危険な行動を取り、その結果連続殺人事件の犠牲者の1人になってしまうというもの。 「借金を返済するために危険な行為に手を出し、最終的に殺される」という末路はまさに自業自得そのもの。 しかし、シナリオを進めるうちに米治に関わるある人物の真意が判明するのだが、その真意を知った上で展開される本シーンは非常に重苦しいものとなっている。 そして残念な事にこの米治が殺される展開そのものがみずき編へと続くルート、つまり過去から現代への正史である。 シナリオを進めると判明するのだが、むしろ米治が殺されないと流れが成り立たないというシナリオ構成になっている。 前作ではトゥルーエンド時点で(既に殺されていた人物を除き)主要人物のキャラクターはすべて生存することが可能だったので、本作のこの展開はなんともいたたまれない。 別のルートでは米治が生きていたり、殺された後のソムニウムパートでも米治が活躍するのが救いではあるが。 そしてもう1人、ある人物の扱い方も賛否両論になっている。 + その人物とは…(ネタバレ注意) その名前は「フレイヤー(frayer)」で、ゲーム画面内には一切登場しないが、一部シーンの会話でその人物の存在が触れられる。 本作のシナリオはこの「フレイヤー」の存在が事件の真相に近づく鍵となる。 そしてその「フレイヤー」の正体とは……。 + 核心に関わる深刻なネタバレ 「フレイヤー(frayer)」は第四の壁にいる人物。つまりプレイヤー自身のことである。 本作のシナリオの一部はプレイヤーに対して騙している箇所がいくつか存在する この「騙していた」部分を正常化することで、シナリオ内の謎の一部が解明するというもの。 演出という点では驚かされるのだが、「プレイヤーそのものを騙す」という点においては評価が分かれている。 前作でも似たような演出はあったのだが、本作は露骨に現れるので人によっては印象の悪さを感じやすい。 「フレイヤー」もといプレイヤー自身に語りかけるシーンは少ないため、「シナリオを進めるうちにいつの間にかプレイヤーも主要人物として巻き込まれていた」という印象になりやすい。 一応、ある登場人物が直接プレイヤーに話しかけるシーンがあるのでのでこれが「フレイヤー」が関わる導線にはなっているのだが。 問題点 理不尽なイベント演出 本作のソムニウムパートで追加された特殊イベントにおいて、唯一理不尽なイベントが存在する。 とあるソムニウムパートにおいて敵から逃げたり隠れたりする必要があるイベントが発生するのだが、これに失敗すると残り時間に関係なく即ゲームオーバーになる。 他のイベントにおいてはチュートリアルが表示されるのだが、このイベントにおいては事前の説明は一切無い。 「間違えたら即死」というそれっぽい演出は感じられるので説明が無くても感覚でわかると言えばわかるのだが、理不尽さは咎められない。 ゲームオーバーになると所定のシーンに戻されるほか、「イージー」以上はRetry回数も減るのでやり方によっては作業感が増してしまう。 特定の登場人物の扱いが悪い 前作でも特定の登場人物の扱いが悪かった要素があったのだが、本作でも一部キャラの扱いが非常に悪い。 しかもとても重要な人物なので扱いの悪さが尚更目立ってしまっている。 + 問題の登場人物とは…(ネタバレ注意) その人物の名前は龍木来斗、つまり本作の主人公の1人である。 主人公でありながら奇怪な言動・行動を繰り返し、シナリオ全体で問題行動を繰り返す存在となっている。 序盤では泥酔によりみずきの質問に対して無視するシーンから始まり、捜査中に不祥事を起こしボスに迷惑をかける、みずきの捜査に全く協力しないどころか逆に攻撃的な姿勢を見せるなど、主人公でありながら感情移入がづらいキャラクターとなってしまっている。 一応シナリオ終盤には龍木自身の問題行動の原因が明かされ、終盤で活躍するフォローがある。ただ、それを踏まえても龍木自身の行動には疑問を抱かざるを得ない。 また、龍木が時折発症する「視界が突然バグり、その後発狂する」原因がシナリオ中に明かされない。 龍木自身の過去の経験と配信された動画のある演出の因果性など考察すると一応規則性はあるが、これらがシナリオ内でフォローされることはない。 「扱いが悪い」というよりかは「シナリオ中での龍木というキャラクターの描画不足」と言うべきか、挙げた問題点の細かいフォローが入っていないため扱いが悪いようになってしまっている。 なお、龍木のキャラ設定は打越氏も意識していたのか、電撃のインタビュー記事において「龍木はもしかしたら嫌われちゃうかもと思っていたのですが」と語っている。 と同時に「蓋を開けてみれば大人気でびっくり」と語っているので、キャラクターとしては人気がある模様。 ゲーム中に発生する不具合 前作同様にゲーム中において処理落ち、描画不具合、そして本作ではロード時間の長さが目立ってしまっている。 処理落ちや一部モデルの描画がおかしくなる(*10)他に前作よりもロード時間が長くなっており、希にフリーズも発生するなどの報告もある。 これらの不具合は軽微なもので、発売当日に配信されたアップデートである程度改善はされている。 前作のうちSwitch版はフレームレートの低下が目立っていたが、今作ではフレームレートが安定しているので前作より状況が悪くなったというわけではない。 エンディングムービー 前作のエンディングではリアルタイムレンダリングの演出で展開されたが、本作はスペックの都合があったのかプリレンダリングによるエンディングムービーとなっている。 ムービーの演出自体に問題はなくむしろ楽しい内容となっているのだが、動きが激しいシーンでブロックノイズが目立ってしまっている(*11)。 前作に続き本作でもエンディング演出が良かったため、動画の荒さは残念な印象を感じやすい。 総評 前作のゲームシステムの改善や追加よりゲーム内容が強化され、本作もシナリオの完成度が高く仕上がっており、初めて本シリーズに触れるユーザーも楽しめるのはもちろんのこと、前作プレイ済みのユーザーなら一層楽しめる作品となった。 所構わないギャグ要素や強烈な世界観のソムニウムパート、下ネタ要素やオカルト・ホラー要素と本作でも相変わらず人を選ぶが、ADV好きにはオススメできる作品となっている。 前作プレイヤーはもちろんのこと、未プレイヤーでも楽しめる内容となっているので、気になる人は実際に手に取って貰いたい。 余談 本作のタイトルが前作よりもとても長くなったほか、『AI ソムニウムファイル』の表記が変更されている。 前作は『AI ソムニウム ファイル』と単語の間に空白があったが、本作では『AI ソムニウムファイル』とそれぞれの単語を繋げ合わせている。 本カタログにおいては前作は前者の空白入りのタイトル、本作は後者の空白なしのタイトルで扱っているため、他の記事で取り扱う際は注意されたし。 なお、PS4/Switch版限定で配信されている前作と本作が収録されたダブルパックの正式名称は『AI ソムニウム ファイル ダブルパック』と各単語に空白がある。とてもややこしい。 打越氏自身も「田中優美清春香菜ばりに長い名前」と自負している。 前作のCERO Z(18歳以上のみ対象)に対し、本作ではCERO C(15歳以上のみ対象)に落ち着いた。 残虐かつ流血表現が激しかった前作と比べ、本作は「半分になった死体」というインパクトの強さはあるものの、死体そのものから流血してる描写も無ければ死体の断面が見えることもない(*12)。 アクションシーンをはじめとした一部シーンにおいて若干の流血演出はあるが軽微なものとなっており、最終的に15歳以上対象に落ち着いたかと思われる。 シナリオ序盤で発生する事件において死体に刺さっている看板「Fray to free」にあるQRコードはダミーではなく実際に読み込むことができる。 QRコードの内容はYouTubeへのリンクとなっており、アクセスするとゲーム内で『QR動画』と称されたものと同じ映像が再生される。 2023年1月12日から2日間、電撃オンラインにて前作と本作に関するインタビューが前後編構成で公開された。→前編インタビュー / 後編インタビュー(ネタバレ注意) このインタビューで本作において伊達が主人公から外れた理由が初めて語られる。 ダブル主人公は開発初期に決まっており、そのうちの1人を伊達にする予定だったが、最終的に新キャラである龍木が担当することとなった経緯が判明する。 これは打越氏が勤めているトゥーキョーゲームスの小高和剛氏から「みずきと伊達にしてしまうと1作目のファンにしか刺さらない内向的な作品になってしまうのでは」とアドバイス受けた結果とされる。 また伊達自身も主人公としてではなく、重要な役回りを行うことで前作ファンにも納得いく活躍をするキャラクターとなっている。 打越氏は本作の下ネタについて触れられており、「2作目では極力下ネタは減らそうと思っていたのですが、通しでプレイするとやっぱり多く感じますよね……」と語られている。自覚はあったんかい。 オアシズの大久保氏の「下ネタはね、誰も傷つけることがない優しい笑いなのよ」という言葉に感銘を受け、「僕はこれからも下ネタを書き続けていこうと、固くなったあれに誓ったのでした」と語っている。全くもって懲りてない。 本作のキャンペーンの一環としてTwitterを利用したリアルタイム謎解きプロジェクト『Hidden Bats カクレコウモリ』というイベントが開催されていた。 失踪者が地下室に監禁され、事前にYouTubeで公開された『Bats489(*13)』をヒントに、監禁部屋にある『数字9桁のロックが掛かった箱』の暗号を解いて監禁された失踪者を脱出に導くというもの。 失踪者は「壱来アイネ」「卒斗原ビナト」の2名から始まり、開催期間中に新たな失踪者として「門前マリハ」「離久浄ルミナ」「吾志木カイロ」と、本作でも登場する「左岸イリス」が追加された。 なお、この謎解きと本作のシナリオに関連性は無く、失踪者達はイリスを除き本編には出てこない。この謎解きに参加していないからと言って本作を楽しめなくなるということはない。 一応「配信された動画を見た視聴者が行方不明になる」という話は会話中に出てくるが、本イベントの主催である「カクレコウモリ」や、関連団体の「砂育財団」の存在については触れられない。
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桃太郎伝説1→2 【ももたろうでんせつ いちからに】 ジャンル RPG 対応機種 ゲームボーイカラー(専用) メディア 16MbitROMカートリッジ 発売元 ハドソン 開発元 タムタム 発売日 2001年1月1日 定価 4,300円 判定 劣化ゲー ポイント タイトル通り「1→2」強制テンポが悪すぎる 桃太郎シリーズリンク 概要 特徴・オリジナル版からの変更点 問題点 評価点 総評 余談 概要 PCEで発売されたFC版『桃太郎伝説』のリメイク作『桃太郎伝説ターボ』とその続編である『桃太郎伝説II』をカップリングして移植したものである。 特徴・オリジナル版からの変更点 段(レベル)が上がりやすいように変更。金もかなり手に入る。 『I』で一定以上段を上げると『II』での能力に補正が入ったり、『I』で井戸に置いたアイテムが『II』で使えたり変化したりする。 移植に伴う、グラフィックや一部基本システムの変化。 一部の敵の名前が変わった。 買い物をすると、ポイントカードにポイントが貯まる。また、敵から盗み攻撃を受けた場合の保険という役割もある。 必ず『I』→『II』の順番でプレイしないといけない。公式サイトにもわざわざ書いてあり、スタッフがあえてこうしたらしい。 セーブは両作ぶっ続けで一つだけ。 いわゆるモンスター図鑑のような存在である「鬼図鑑」がある。 『2』においてラスボスの地獄王に一定のダメージを与えると、第二形態になる。 『1』にて中ボスに相当する敵との戦闘BGMが『2』の「せんとう2(*1)」に変更された。 また、雑魚戦のBGMが『1』と『2』で異なったアレンジが流れる。 ストーリーは変更されていない。 問題点 端的に言うと、移植によって追加された要素のほとんどが無意味もしくは逆効果になっていることである。 段が上がりやすく、金が入りやすくなったことで難易度が大幅に低下。このこと自体は特に問題ないとしても、新システムが意味を成さなくなっている。 まず『I』の段を上げた結果『II』で得られる能力補正は雀の涙な上、そもそもドーピングアイテムが買えるため普通に戦ってレベル上げ 金稼ぎをしたほうが早い。 当然ポイントもあまり意味が無く、敵が相対的に弱くなっているため盗み攻撃の恐怖も減っている。 かといってさくさく進めるかというとそんなことはなく、むしろUIに難があるといえる。 まず、桃太郎の動く速度が遅い。伝説シリーズ自体、全体的なテンポに難があるものが多いのだが、その中でも本作は飛び抜けて遅い。 メッセージ送りも遅い。しかも旧作ではメッセージ送りの速さが変えられたのに本作では 固定。 メニューの開閉も遅い。シリーズの他作品(というかハドソン製RPG全般)にもいえることではあるが。 これももはやお約束的だが、エンカウント率がやはり高い。 攻撃がよく外れる。そのため、敵が弱いのにザコ敵との攻撃が変に長引く。 そのため道具として使うと、命中率100%のしゃくねつのゆみが人数分あるととてもラク。というかそうでもないとやってられない。 鬼図鑑に敵を登録するための「カード」はボスを除いてランダム入手となっているため、手に入るまで同じ敵と戦わなくてはならない。 一応、終盤になると安価でカードを買える施設が出てくるので取り逃しはそこで買えばいいが、逆に言えば集める楽しみも失われてしまう。 PS版でも同じ鬼を10体倒すと入手と言う面倒な仕様だったが、これでは改善されたとは言い難い。 前述の通り必ず『I』→『II』の順番でプレイしないといけない。セーブデータも共通で一つだけなので、『ドラゴンクエストI・II』のようにどちらかだけをプレイすることはできない。 ちなみに、 最初から始めるを選択した瞬間に前のデータが消える。 戦闘画面の背景が描かれるようになったが、全体的にグラフィックは劣化している。 評価点 PS版で不評だったあしゅらのデザインが従来のものに戻った。 ただし、腰布を巻くというスタイルになっており、従来よりもやはり露出度は抑えられている。 バランス取りに失敗しているわけではない。致命的なバグもない。 井戸にアイテムを保存しておく「タイムカプセル」は有用。 特に『II』の序盤はかなり役に立つ。もっとも、あまり凶悪なものを入れておくと逆につまらなくなるが。 総評 ファミコンで発売された初代以降、どちらかといえばマニア向けであったPCエンジンというハードをメインに展開された本作が現行の携帯ゲーム機で遊べる点が大きな利点となるはずだったが、不親切なUIやシステム周り、そして安定の高エンカウントという粗の多さで劣化してしまった。 名作を手軽に遊べる機会だっただけにつくづく惜しまれる出来となってしまった点が悔やまれる。 余談 本作の発売後、本作の後日談に当たるRPG仕立てのミニゲーム集『桃太郎まつり』がGBAとPSで発売されたが、それ以降、「伝説」シリーズは再び沈黙した。 2011年になってようやく携帯電話向けに『桃太郎伝説モバイル』(初代のリメイク)が配信されたが、家庭用ゲーム機向けの新作は出てい無い。 その後、作者のさくまあきらが「伝説シリーズのプログラムは旧作含めてハドソンに保管されていたはずなのだが、紛失してまった」と明言しているため、過去作のリメイクや新作の発売はほぼ不可能といえる状況である。
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本項ではファミリーコンピュータ用ソフト『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』と、ゲームボーイ移植版の『ダウンタウン熱血行進曲 どこでも運動会』について記述する。判定は前者が「良作」後者は「劣化ゲー」。 ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 【だうんたうんねっけつこうしんきょく それゆけだいうんどうかい】 ジャンル アクションゲーム 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 2MbitROMカートリッジ 発売・開発元 テクノスジャパン 発売日 1990年10月12日 定価 6,200円(税抜) プレイ人数 1~4人 配信 バーチャルコンソール【Wii】2007年12月4日/500Wiiポイント【WiiU】2013年4月27日【3DS】2013年6月12日/上記共に500円 判定 良作 ポイント エキサイティングな乱闘運動会エキサイトしすぎてゲームの外でリアルな乱闘が始まることも… くにおくんシリーズ 概要 参加高校 競技とルール 共通ルール 評価点 問題点 ゲームバランスの悪さ 対戦以外の問題点 総評 その後の展開 余談 ダウンタウン熱血行進曲 どこでも大運動会 概要(どこでも) オリジナル版との変更点(どこでも) 評価点(どこでも) 賛否両論点(どこでも) 問題点(どこでも) 総評(どこでも) その後の展開(どこでも) 余談(どこでも) 概要 くにおくんシリーズの一つであり、ダウンタウンシリーズの2作目。おなじみ熱血高校のくにおくん達が、高校ごとに4つのチームを組み4つの特殊な競技を戦う。 ストーリーは『ダウンタウン熱血物語』からしばらく経った後の話。 新しく冷峰学園の生徒会長となった「とうどう」が、「やまだ」の起こした不祥事のお詫びとして親睦を深めるための大運動会を開催するが、 それは「くにお」達に赤っ恥をかかせる為に仕組まれたものだった、というもの。 参加高校 熱血高校 主人公「くにお」が所属する高校。チームカラーは白。メンバーは他にすがた・ななせ・もりもと・たかみね・いちじょう。 この高校で一人プレイをクリアした場合のみ、エンディングを見ることができる。 くにお以外は全員が初登場の後輩メンバー(すがた・ななせは2年、他3人は1年)で、サッカーの大会前では運動会を見据えていたはずのドッジボール部員は左記の大会後サッカー部マネージャーのみさこに約束の○○○○をブッチされたことでヘソを曲げてボイコットしたのか未登場。 くにおのワンマンチームと言われがちだが、足が速く必殺技「爆弾パンチ」が強力な「すがた」、体力以外の基本ステータスが低めとはいえ地味ながら使える必殺技「ダブルチョップ」を持つ「ななせ」、必殺技はないものの地力が強く格闘戦に強い「たかみね(*1)」、素早さと武器殴りが強い(*2)以外は低能力で特に体力が最低の「いちじょう」など、強みを的確に活かして運用すればそこそこ戦えるようになっている。 本作でデビューした「すがた」は後に『ダウンタウン熱血べーすぼーる物語』で主役を務めることとなる(他のメンバーも全員登場)。それ以外のシリーズでも何度か登場しており、本作初出の熱血高校メンバーでは最も出世したキャラと言える。 ちなみに「もりもと」は、ステータス面では武器投げ以外に何の取りえもないが、とある裏技を使うことで武器投げが異様に強くなる。俗に「武器投げ覚醒(*3)」と呼ばれ、覚醒もりもとが武器を投げるだけで、キャプテンクラスのキャラだろうが吹き飛ばすほどの強キャラになる(*4)。 花園高校 くにおのライバル「りき」が率いる高校。チームカラーは青。メンバーは他にさおとめ・わしお・よしの・まえだ・しみず。 熱血高校と同じくドッジボール部員は未登場。 総じて体力と防御が高く(*5)格闘戦に強い。そしてなぜか、まえだ以外は水中移動が有利(立ち泳ぎが速く、水中の息継ぎ間隔が長い)。 しかし足の速いメンバーが少ないため、玉割り競争と勝ち抜き格闘には強いが序盤2種目が辛い。貴重な俊足要員の「よしの」と副キャプテンで同程度のスピードを持つ「さおとめ」をいかに活用するかが重要となるが、両名は花園の中ではかなり打たれ弱いのが難点。 「まえだ」が地味にクセのあるキャラである。格闘面は副キャプテンの「さおとめ」以上に強いが鈍足・カナヅチ・必殺技なしでプレイヤー側としては使いづらいのだが、CPU側の場合勝ち抜き格闘時にジャンプキックで頻繁にハメてくる。このため「CPUに使われるとウザイキャラ」として地位を築いた(*6)。 冷峰学園 ダブルドラゴン兄弟の兄「りゅういち」が率いる学園。チームカラーは赤。メンバーは他にりゅうじ・こばやし・はやさか・おとなし・もちづき。 はやさか・おとなしといった新メンバーが加入した一方で「きのした」「たいら」「おにづか」は未登場。彼らの登場は後発のシリーズまでお預けとなった(*7) 今大会の主催校。前作でラスボスを務めた「やまだ」も元はここの生徒であった。 ちなみに最初はやまだがリーダーとして出る予定だったが変えられたらしく、内部データにその痕跡が残っている(*8)。 後述するが、とにかくこの学園の強さが問題。実質キャプテンが3人もいる上、全種目に得意とするキャラがおり、それを知っていなくても勝ち抜き格闘でほぼ全員が挽回可能な能力がある。いわゆる初心者向けチーム。 各校連合 名前通り、前述の3つの高校以外の複数の高校の代表が集まりチームを組んでいる。チームカラーは黄緑。「ごうだ(宝陵高校所属)」がキャプテンを務めており、他のメンバーはごだい(谷花高校所属)・にしむら・さわぐち(共に白鷹工業高校所属)・はやみ(隼商業高校所属)・くまだ(虎島実業第四高校所属)。 同じく別の高校(影村学園)に所属していた「かみじょう」「やまもと」は未登場。後発の作品でも未登場にされやすい二人組ではあるが…。 前作と同様の固有必殺技を持ち共にキャプテン並の能力を持つ「ごうだ」「ごだい」の二人が強力だが、残りのメンバーは体力こそ全選手でトップだが鈍足&カナヅチ&守備力最低の「にしむら」、俊足だがそれ以外の能力が劣悪で揉み合いに弱い「さわぐち」など癖の強い選手が多い。しかしそれぞれの得意競技ははっきりしており、各校の大将クラスが揃っているだけあって、慣れると冷峰に次いで使いやすい。 CPUが使った場合の意外な特徴として、「ごうだ」は走る競技では大人しく、滅多に攻撃を仕掛けてこない(*9)。 競技とルール クロスカントリー 夢見町を一周する長距離走。もちろん普通のクロスカントリーではない。相手を殴ったり物をぶつけて妨害してもいいのは当たり前で、冷峰学園校舎前をスタートし民家に侵入→庭から塀を上り屋根の上を駆け巡る→ビルをよじ登って屋上から公園へ飛び下り、下水道を泳いで校舎前へ戻るという破茶目茶なもの。 当然道中には大量の武器アイテムが配置されており、無防備な登り動作を挟んだり進行ルートが狭くなる場所もあるため、対人戦ではレースそっちのけで勝ち抜き格闘化することもザラ。 そもそもスタートする前から動けるので、3回フライング(失格)するまでの間にスタートライン前でスタンバイしている他のプレイヤーに肘打ちやジャンプキックをかますといった攻防が繰り広げられる。(*10) コースはエリア毎に区切られていて、各エリア通過時に順位に応じて点が入り、最後のエリアを1位で通過したものが勝利となり高得点。1つのエリアを全員が通過したところで次のエリアが始まるため、リタイアでもしない限り途中で趨勢が決まってしまうことはない。 この競技と後述の「しょうがいべや」に関しては操作方法が『熱血硬派くにおくん』のように、向いている方向に応じてABボタンのアクションが変わるようになっている。 しょうがいべや 基本のルールはクロスカントリーと同じだが、この競技では1エリアが狭くスクロールしない。また競技名どおり、各エリアには障害となる仕掛けが設置されている。 奥から迫り出してくる壁やベルトコンベアなど、『ダブルドラゴン』を彷彿とさせる仕掛けも用意されている。 クロスカントリー以上に進行ルートが固定化されており、道中での妨害はさらに熾烈になりがちなため、足は速いが打たれ弱いキャラは途中脱落の危険性が高い。特にハシゴの前での攻防は日常茶飯事。 またジャンプ力の重要度もクロスカントリーよりも高い。そのため初心者には人選が難しい。 たまわりきょうそう この競技のみ2チーム対2チームで行う。2本のポールの上にあるくす玉を殴って割った組の勝ち。前述の競技と同様、もちろん相手を殴って妨害してもいい。玉割りにしろ妨害にしろ攻撃力のステータスが重要になる。 もちろん、味方と言えど当たり判定はある。勝ち組に入れれば平等に勝ち点が貰えるので仲良く協力するのもよし、あるいは自分以外の全てのチームを失格させて競技中ポイントを荒稼ぎする事も可能。時には裏切る事も選択肢の一つ。 この競技のみ、終了時に持っているアイテムが持ち越されない。 かちぬきかくとう 冷峰学園の壁面に設置された特設ステージで行うバトルロイヤル。3人が力尽きるかリングアウトするまで戦うガチンコ勝負。選手によってはここで必殺技が使える。 アクションは『ダウンタウン熱血物語』に近い。他の競技と違ってタイムアップにならない限り1位以外が総脱落するため体力の消耗が激しく、最終競技に相応しい死力を尽くした総力戦となる。 リングアウトした場合は即座に失格となり、その時点で残っていた体力の半分が残る。 共通ルール どの競技においても床には「木刀」「メリケンサック」「タイヤ」「爆弾」など様々な特徴を持つ武器が落ちている。これを使って殴ってもいいし、投げてぶつけてもいい。倒れた選手を拾って武器にすることも可能。 特殊な武器として、飲むと体力が一定量増える(*11)「びたみんどりんく」や、振ると(1回のみ)能力が上昇することがある「まじっくすてっき」が存在。これらの武器は常に激しい争奪戦となる。 どりんく、すてっき、メリケン、まいぼうるは当たりハズレがあるが見分けがつかず、使用することで効果がわかる(*12) クロスカントリーおよびしょうがいべやでは、足を止めることにはなるがアイテムを拾うだけで得点がもらえる。また、かちぬきかくとうでは特定の武器を持たないと使えない必殺技もある。 特にクロスカントリーでは後半の水泳エリアにて「武器を持っているかどうか」で機動力が大きく変化するため、有利に進めたいのならどこかで武器を拾っておく必要がある。 各々の競技には順位ごとの得点が設定されており、この合計を競うことになる。体力切れでの中途リタイアは減点。 順位のみならず競技中の行動によっても得点が加減されるため、中間発表を見ると意外な差が付いていることも。 競技に参加して選手の体力が減った場合、その体力は持ち越しになる。「びたみんどりんく」で体力が上限を超えて回復した場合も同様。 競技に参加しなければ体力が一試合に付き32回復する。 競技で体力切れになった場合、競技後に体力16で復活する。 マルチプレイ時のみ、競技のいくつかを省いたり順番を変更できる。 1人プレイ時では競技省略や順番変更ができず、各競技終了時点で2位以下の場合ゲームオーバーになる。 そのため優勝発表でプレイヤーのチームキャプテンがぶっ飛ばされて負けるパターンは格闘で逆転された場合に限られるのでちょっとしたレアケース。 評価点 なんといっても、マルチプレイ時の盛り上がり。これに尽きる。 ゲームに熱中しすぎてリアルファイト等の場外乱闘に発展するなんてことも。←ここまでがテンプレ 別売りのマルチタップを使えば4人までの同時プレイが可能。友達と一緒に、ワイワイしながらこのゲームを楽しんだ人も多いことだろう。 操作も比較的単純で、とっつきやすい。何回かプレイすれば簡単に慣れる。 チーム間の格差及び稼ぎ行為の存在など、対戦バランスはお世辞にも良いとは言えないが、それをローカルルールで補う事が多い。また、ローカルルールを設定することで、独自の面白さを追求していた。 各競技はそれぞれ0~9回の回数を設定できる。故に不人気競技を飛ばしてもよし、やりたい競技だけを多数やってもよし、総力戦にしてもよし、と自由度と柔軟性が高い。 一方で、本気で勝とうとすると戦略的にも奥深く、様々な細かいテクニックが存在する。それらを踏まえた上で状況を考えた取捨選択、格闘時のコンボなど、考える要素は数多い。 例えばごだいの必殺技「棒術スペシャル」による無双(後述)にしても「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」「龍尾嵐風脚」といった技には通用せず逆に吹っ飛ばされてしまうなどまんざらいいことずくめではない。 更に「棒術スペシャル」は動きながら繰り出すと滑りやすいというクセの強さもあり、うまく誘い出せば落下による自滅も狙える。「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」も上手く誘い出せば勢い余っての自滅を狙える。特にCPUのすがたがそれを積極的に見せてくれる。 これらをそうならないように使いこなせるようになるのもやり込み要素となっている。 競技の合間にある中間発表では、順位に応じて各高校のチアリーダー達が様々なリアクションを見せてくれる。 熱血高校のチアリーダー「ももぞの」は、以降のシリーズでもレギュラーとなった。『熱血!ビーチバレーだよくにおくん』ではくにおに次ぐ準主役級キャラになる。 BGMの出来は総じて良い。 ゲーム性ばかりでなくこれも上記の対戦プレイでの盛り上がりにもしっかり貢献している。 ゲームオーバー(おわり)のBGMは、大抵はすぐ飛ばしてしまうが実は意外と長曲でよく聴いてみると非常に心に染み入るような哀愁漂う良曲である。 問題点 ゲームバランスの悪さ 強弱の調整が大味で甘く、ガチ対戦ではローカルルールで制限する必要がある。 まず根本的な問題として点数のカウントシステムの仕様が甘い点が挙げられる。 チェックポイント通過時や1試合ごとの順位はいいのだが、落ちている武器を拾うと加算されるのが致命的。 このためクロスカントリー・しょうがいべやでは他の選手が既に通過するなどで自分1人になった後、「武器を拾う→捨てる」を繰り返すだけで大量の点数を稼げてしまう。点数も1回で5点=40回拾い直すだけで競技1位と同じ点数であり、武器2つを交互に行えば1分で300点以上も余裕という異常な数値。 当然ながら一人プレイではもはや難易度もへったくれもなく、対人戦では禁止しなければゲームが成立しない。 難易度の低いハメ技がそこかしこに存在し、ハメられる側はダウンする度に減点されていく。 ダウンから起き上がる際に無敵がなく、さらに移動しながら起き上がることもできないため、拾い投げやダウンを奪う必殺技のハメループが容易にできてしまう。特に壁際付近で延々と投げ続けるハメはあまりにも有名。どのキャラでもできる上、武器や複数のダウンキャラを絡める等の条件を重ねれば僅かな隙もない完封が成立。加えてハメ側は拾得ボーナスで加点、ハメられ側はダウンペナルティで減点。こちらもやはり禁止しなければ対人戦が成立しない。 「マッハキック」「マッハチョップ」など、ほとんどのマッハ系の必殺技(パンチや武器振りを高速連打する)は攻撃判定の持続が長めで、起き上がりに重ねられると回避できない。狙って被せれば敵が何をしても潰せる上に、当たればダウンを取れる。なお特定武器限定も含めればこれを持っているキャラは多数。木刀がないと使えないのが欠点だが、ごだいの「ぼうじゅつスペシャル」などは広範囲攻撃判定&長い時間出っぱなし&連射可能で隙なし&遅いが移動可能という異常な性能で、かなり適当なタイミングで起き上がりに重ねてもハメられる。上手くハマれば対戦相手3人をまとめてハメ殺せることも。上述の通り「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」「龍尾嵐風脚」「人間魚雷アタック」とカチ合えば打ち負けて吹っ飛ばされるとはいえ裏を返せばそれさえ避ければ無敵同然でしかも点数までモリモリ稼げるオマケがついてくる。 なお、各選手のステータスとして「起き上がり速度」があるのだが、プレイヤー操作ならダウン中のボタン連打で復帰時間を短縮できる。が、起き上がり速度が最速に設定されているキャラ(*13)は、逆に起き上がりタイミングが常に一定となってしまい、かえってハメから逃げられない欠点を負っている。逆に復帰が遅いキャラは起き上がるタイミングを任意にズラせる長所を持っていると言える。とはいえ有効なのは必殺技ハメに対してで、逆に壁際投げハメには弱い。 上記のようなハメは使用禁止が常識だが、それでもまだ問題は残る。 「冷峰学園チーム」が突出して強すぎる 能力値の面では、他チームでは1名だけ居る全能力値が最高クラスのキャラが冷峰チームのみ「りゅういち」「りゅうじ」「こばやし」と3名も居る。ではこの3名以外でバランスを取っているかというとそんなことはなく、チーム内最弱クラスのキャラ「おとなし」ですら他チームなら中堅級。戦えるキャラの層も他のチームより厚いため、ダメージの回復でも有利に働く。短期決戦でも連戦でも有利。 競技別では、「クロスカントリー」や「しょうがいべや」でまず勝てる最速+層の厚さがある。特に「もちづき」はゲーム中で並ぶものが居ない俊足のため、普通にやれば先行逃げ切りで1位を取れる。もちづきが疲弊したとしても、キャプテン級のりゅういち・りゅうじ・こばやしで回すことができるため競技と相性の悪いキャラで持ちこたえるというシチュエーションが起こりにくい。 他チームなら副将クラスの強さを持つ「はやさか」の影が薄い、と言えばその異常性が分かりやすいだろう。 「かちぬきかくとう」ではりゅういち・りゅうじ・こばやしの基本性能がくにおやりきに劣らない最強級な上、弱点も殆どなく(*14)相手の技にほぼ一方的に打ち勝てて囲まれた状態を含めた反撃が難しく簡単にハメれる強力な技に恵まれている。 彼らで手加減や縛り無しで全力で勝ちに行こうものなら、負けたら恥ずかしいと言ってもよいレベルで強すぎる。本気で勝ちに来た彼らに勝つには、自滅を誘うか少ないチャンスを延々狙いリングアウトさせるなどかなり辛い戦いを強いられる。 そこまででなくても、技を適当に振って暴れているだけでも返される心配が殆どない始末である。 ほかの3名も中堅クラス以上の強さを持っており、上述のキャプテンクラス3名を禁止する縛りを設けたとしても、不利に振れにくい。 以上より初心者以外は冷峰チーム使用禁止というのがこのゲームをやりこんだ人たちの暗黙の了解であり、大方の常識。初心者でないプレイヤーが冷峰を使用した場合に、残り3人が結託して冷峰潰しにかかる光景も見られる。むしろそうでもしないと勝負にならない可能性があるほど、冷峰チームの強さは群を抜いている。 反面、熱血高校は「くにお」一人のワンマンチームだというのに、くにおのアドバンテージが今一つ地味で特に対戦プレイではそこまで絶対的な優位にならず、他が弱いハンデの方が大きい。 地力が強く立ち上がりが最も早い強みはあるが、必殺技が「マッハキック」のみというのは地味でいささか心許ない。 無敵を誇った「すくりゅう」は忘れたか? 足の速さは「よしの(花園)」「ごうだ・はやみ(連合)」などの俊足キャラと並びトップクラスだが、最速の「もちづき(冷峰)」には大きく劣るため、積極的に格闘戦を仕掛けないとトップを取るのは難しい(必然的に殴り合いに持ち込ませたい意図とも考えられるが)。 くにお本人には関係ないが、走る競技はくにお以外の代替の選手が心許ない。 そこそこ足の速い選手は他に「すがた」「いちじょう」がいるとはいえ、「いちじょう」は打たれ弱く体力も最低で、その上武器殴り以外の攻撃力が非常に低いため、もみ合いになるとまず負けるので途中脱落の危険が常に付き纏う。「すがた」は強力な技を持つ熱血高校の数少ない格闘要員のため、走る競技では温存したくなる。また技の強力なイメージに反して地力はあまり強くないため格闘で使えなくなるリスクを冒してまで出すほどでもない。 結局、くにお自身が走るのが一番効率がよく、後の格闘に温存したい気持ちを抑えて起用することになる。くにお以外のキャラを使うとしても、大抵は「くにお」と「すがた」の二人でローテーションを組む羽目になりがち。他メンバーは玉割り競走で「たかみね」が起用される程度。 バグ技の使用を気にしないなら武器投げ覚醒を使った「もりもと」で無双するという手もなくはない。 必殺技の強弱が激しく、中でも「人間魚雷アタック」が強すぎる。 各競技中落ちているアイテム「かくとうのゆびわ」を所持している時のみ使用できる技で、条件さえ満たせば「かちぬきかくとう」で「わしお」「はやさか」以外のキャラで使える。 上記二人の場合は必殺技の「まっはたたき」(武器を持つと高速連打する)が優先されてしまうため、プレイヤー側では使えない。 技自体は「地を這う回転体当たり攻撃」だが、技中の判定が強くたいていの攻撃に打ち勝つことができ、高速移動しながら突撃できるため軸を上下にずらさないと回避しにくい。加えて画面上部にある金網を利用し往復を繰り返すと、反転する際のジャンプ中、再びこの技に入るまでの一瞬しか隙がない(具体的にはA+Bでジャンプし再度Aを入力するまでの間のみ)。そして下手に触れたらふっとばされる。 「かくとうのゆびわ」が無かったとしても、ごだいが木刀などを持つと無双できたりなど、武器とキャラによっては極悪。しかもアイテムは持ち越し可なので、あえてクロスカントリーなどを1回捨ててアイテム回収に当てる手も有る。 先述の「こばやし」の「まっはちょっぷ」も非常に強力。マッハ系の技の中でも特に連射力・リーチの長さに優れ、隙がとても少ない。ハメられると脱出は極めて困難。 「くまだ」の「人間魚雷」もステージ下部で発動すればリングアウト確定という壊れ技。 逆に、「にしむら」の「ためパンチ(*15)」、「おとなし」の「のーてんちょっぷ」などは、当てることすら難しい。 他にも「しみず」「はやみ」の「ハリケンクラッシュ」は木刀でないと発動しない上、低威力で当てても怯む程度しかなく、同じ木刀の専用必殺技を持つごだいとは雲泥の差であり実用性はない。そもそも2人とも地力が低すぎる。 上述したキャラクターの強弱に加え、体力以外の能力はゲーム中で一切提示されていないため、シリーズファンでないと誰がどの競技に強いのかがわからない。 「もちづき」や「こばやし」といった過去作からの続投組はともかく、「すがた」や「さおとめ」など本作初出のキャラはシリーズファンでも予想がつかない。 説明書である程度の必殺技はわかるのでパンチ系の必殺技所持のキャラは玉割りに向いているだろうというのは予想が付く。 何度もプレイすることがこのゲームの醍醐味でもあるので、マルチプレイでプレイヤー同士情報共有をして各キャラの持ち味を理解していくというのも当時の楽しみの一つではあった。 走る早さは勿論、格闘や武器攻撃力、ダウン復帰速度、キャラ固有の必殺技(アイテム含む)まで差異が激しいだけに、各自使用して研究しなければ分からない要素が多い。体力ですら防御力の差で例外がある。 解析が進んだ現在はともかく、特定の条件下でステータスに変化が起きてしまうバグもあいまって戸惑うプレイヤーも多かった。 なお当時発行された攻略本にはキャラの特徴や技は記載されていたが、詳細なステータスの数値までは網羅されていない。 3人以上で対戦時のプレイ環境の悪さ 最大4人プレイが売りなのだが4人戦に必須となるファミコン用マルチタップは流通量が少なく、入手が困難であったため3人対戦までしか実現しなかったプレイヤーは多い。 3人目のプレイヤーからは市販のパッドを使用することになるのだが、純正コントローラーより操作のレスポンスが悪い。 特にレース種目ではジャンプ操作が難しい。誤って武器を投げてしまい奪われたり水中に落としてしまうことも多々ある。 市販のパッドも寸法が統一されておらず、ハード的な面でも操作性は変わってきてしまう。 対戦以外の問題点 COMの思考が固定しており、選手によってはしょうがいべやの一部のエリアにおいて、悪い方向にタイミングが合ってたりして障害に引っ掛かり続けることがある。自キャラがすでにいない場合は延々とタイムアップまで待たされてしまうことがあり、制限時間を長く設定していると地獄。 「かちぬきかくとう」において、プレイヤーではできない事をCOMがする事がある。 先述でも触れたが「わしお」と「はやさか」は必殺技「まっはたたき」が優先発動するせいで、「かくとうのゆびわ」による「人間魚雷アタック」を出せなかったり「びたみんどりんく」を飲めなかったりする。しかしCOMは「まっはたたき」をすることなくそれらを普通に行ってくる。 木刀技を持つ「ごだい」「しみず」「はやみ」は普通に木刀で叩くことができないが、COMは普通に使い分けてくる。 「くにお」や「ごうだ」はBボタンで必殺技が出るので通常のジャンプキックを出せないが、COMは平然と出してくる。 特にその不公平が如実に現れるのは「しゃがみ状態でAボタン(その状態はジャンプの着地時にしかならないので必然的にプレイヤーが出すにはジャンプが必要)」が発動条件となる必殺技「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」で、 立ち状態からいきなり出してくる など、使用条件を無視してくる。特に「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」はいきなり繰り出されて、その勢いで場外に叩き出されてしまうこともしばしば。 加えて「すがた」は「爆弾パンチ」しか技がないのでガンガン連発してくる。そのまま勢い余って落っこちまくるのもお約束ではあるが… 他に「りゅういち」「りゅうじ」の「龍尾嵐風脚」もCOMは立ち状態からいきなり繰り出してくる。これはプレイヤーが使う条件も「ジャンプ中にAorB」と簡単なのであまり大差ないが、やはり立った状態からいきなり繰り出される方がスキがないので不公平。 バグもそれなりにある。 水上でタイヤを使って殴っても当たり判定が無い。 アイテムは画面内に4つまでしか存在できないのだが、「びたみんどりんく」を飲んで消費してもアイテム存在判定が消えない。クロスカントリー・しょうがいべやでは1回の競技中に飲んだ数だけアイテムが存在できる数が減ってしまう。その回が終われば次からはまた元に戻る。 体力0になったキャラが倒れた瞬間に持ち上げられると、失格判定になると同時にキャラが復活してしまう。1回だけなら順位がおかしくなる程度ですむが、勝ち抜き格闘で2回以上やると順位決定時にフリーズする。 前述の投げハメループをしていると、キャラの体力は徐々に減っていくが、何故か画面に表示されている体力は減らない。このため、いつ体力が0になるかがわかりにくく、バグが発生しやすい。 全ての競技が終わると個人賞の発表があるのだが、その前の時点で最終順位が決定されてしまっているため個人賞の点数自体は加算されるものの順位に反映されない。 他にも高校紹介の欄で述べた武器投げ覚醒、キャラや武器のすり抜けやハマり、など…。 これらのバグは視覚的な面白さがあるため、ある意味では評価点かも知れない。 一部のキャラステータスの設定が競技仕様と噛み合っておらず、そのため不都合が生じることがある。 熱血の「いちじょう」はあまりにもパンチ力が低すぎるため、「玉割り競争」で万が一生き残ってしまうと、玉が無傷の場合、101回パンチしないと割ることができない。 点数は大きく稼げる(1発5点なので、全部いちじょう一人で割ると505点も入る勘定)のだが、はっきりいってあまりにも長い時間単純作業をしなければならないため、特にマルチプレイ時は苦痛になりがち。「いちじょう」は格闘能力が低くひとりだけ生き残るのは至難ではあるが、武器殴りだけは強い(*16)のと「玉割り競争」はチーム戦であるため、状況次第では生存することもあり得てしまうレベル。 このため、ローカルルールで「いちじょうはたまわりに出すのを禁止」「もしいちじょうを出した場合は一人で生き残るのを禁止」にしているプレイヤーも多い。 総評 単純な操作とルールで熱く盛り上がれる本作は、ファミコン時代のパーティーゲームの代表として今でも広く親しまれ、シリーズ最高傑作に挙げる人も多い。 制限時間を弄ったり身内ルールを決めることでさらに多彩な遊び方ができる。 今までは熱血高校側でのプレイが常識だったが、今作で『熱血物語』での敵キャラを使えるようになったことでシリーズのキャラクター性も大幅に増した。 また盛り上がれるゲームとして人気を得たことから後のシリーズ作品でさらなる活躍の場を与えられたキャラも多く、シリーズそのものの隆盛にも大きく貢献している。 その後の展開 この作品から、手を変え品を変えくにお達に勝負を挑むとうどうと、それを迎え撃つくにお達の対決はダウンタウンシリーズの基幹テーマとなった。 とうどうの挑戦はGB版『熱血高校ドッジボール部 強敵!闘球戦士の巻』や後述の『熱血新記録』など、数え上げればキリがない。 このゲームでの出世頭は熱血高校の後輩「すがた」だが、「ごだい」も強さと独特の顔と技、性格のおかげでシリーズ屈指の人気キャラとなった。人気投票では2位と準主役級の扱いである。 同チームのキャプテン、「ごうだ」を差し置いて『ホッケー部』や『すとりーとばすけっと』にも登場している。もちろん看板技「棒術スペシャル」がしっかり採用されている。 ごだい自身は『熱血物語』の時点で登場しており、必殺の棒術スペシャルもその頃から使っていたがCPUは本作でプレイヤーが使うようなハメ殺しできるほどの大乱射をしなかったので本作でプレイヤーが関与したことで、それが際立ったと言える。 続編として『びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル』が発売されたが、競技は2つが個人競技で3つが2人対戦競技となった上に連打がゲームの要となったため、対戦ツールとしての出来は悪かった。 後にPCEとGBおよび携帯アプリに移植された。なお携帯アプリ版のタイトルは『ダウンタウン熱血行進曲DX』となっている。 『行進曲DX』では歴代のくにおくんシリーズに登場したキャラクター達がそれぞれ格闘チーム(『格闘伝説』)、サッカーチーム(サッカーリーグ)、バスケットチーム(熱血すとりーとバスケット)、女の子チーム(FC版における各チームの応援ガール。このチームのみ、4人)、たっぐチーム(とうどう・やまだの敵役コンビ)として追加された。 チームメンバーはそれぞれ格闘(やまいし、じんない、あんざわ、みどう、いしづき、らいどう)、サッカー(おにたけ、さじ、げんえい、うがじん、かいずき、かるろす)、バスケット(ジョニー、マイケル、ピエール、アッシュ、ミック、わいいき)、女の子(ももぞの、しまだ、あいはら、きりしま)となっている。 PCE版には武器の種類が増えている等の追加要素がある。 GB版については後述の通り。 また、有志にPCゲームとしてリメイクもされている。本作以外のキャラも追加されチームアレンジも可能になっているが、ステージ構成が変化していたりAIの質が向上しているなど、バランスが大きく変化している。 各バーチャルコンソールで配信されている。 オムニバスとしては3DSにて『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』、およびPS4、Switch、XboxOneにて『くにおくんザ・ワールド』にて収録されている。 『くにおくんザ・ワールド』では「クオリティアップ版」として、武器拾得時の加点廃止やバグの修正および、最終スコアが表示されるといった改善点があるが、武器投げ覚醒まで修正されてしまったため、ゲームバランスが大幅に変化し、賛否を呼ぶ部分もある。 ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineのラインナップに、本作が2019年8月21日に追加された。 版権がミリオンに移った後、DSで『くにおくんの超熱血!大運動会』のタイトルで3Dリメイクされた。 2015年にアークシステムワークスよりPS3でリメイク作品『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 ~オールスタースペシャル~』が発売された。オリジナルキャラを作成して本作のストーリーを掘り下げた「シングルモード」をプレイできるほか、通信プレイにも対応、加えてシリーズの枠組みを超えて「スポーツシリーズ」や「熱血硬派シリーズ(*17)」に登場するキャラが多数参加、『熱血べーすぼーる物語』を抑えて史上最多のキャラが登場する作品となった。 更に「かちぬきかくとう」に特化した『ダウンタウン乱闘行進曲 かちぬきかくとうSP』もPS4で配信された。こちらもシリーズの枠組みを超えた作品になっており、なんと『時代劇』で登場した「にざえもん」こと「まつど」、GBの『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』のラスボスだった「宗方裕二」が黒幕として再登場すると言うマニアックなキャスティングになっている。 その後、Steamにも参戦し、アーケード版の製作が決定するなど、『ダウンタウン熱血物語』と並んで関連作品が多い作品となった。 ゲーム以外では14年後の2004年に平和からパチンコ機「CR熱血硬派くにおくん」として登場する(残念ながら既にこの頃にはテクノスジャパンは倒産していた)。 2013年の『熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲』発売後から放送された実写ドラマ版は熱血硬派シリーズベースの世界観となっているが、ダウンタウンシリーズ要素も僅かに取り入れられており、運動会のエピソードも前後編で二話分描かれた。 こちらでは学園対抗ではなく、商店街再興を賭けた(という建前の)開催となっている。ちなみに主催者であり黒幕の名前は「東郷」。「とうどう(藤堂)」を意識したのだろうか。 余談 徳間コミュニケーションズ発行の攻略本では障害部屋のタイムオーバーは-30点となっているが実際には1点も引かれない。 これでは4番手通過もタイムオーバーも意味がないので本来はマイナスのつもりだったのが設定ミスでこうなったと思われる。 ダウンタウン熱血行進曲 どこでも大運動会 【だうんたうんねっけつこうしんきょく どこでもだいうんどうかい】 ジャンル アクションゲーム 対応機種 ゲームボーイ 発売・開発元 テクノスジャパン 発売日 1992年7月24日 定価 3,800円(税抜) プレイ人数 1~4人 判定 劣化ゲー ポイント FC版を引き継いだ発展形ながらゲームボーイとの相性の悪さが隠せず一部仕様変更やBGMの違和感もあり白熱度はダウン くにおくんシリーズ 概要(どこでも) 1990年にテクノスジャパンから発売された上記作品『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』のゲームボーイへの移植版で1992年7月に発売された。 全体的なゲーム性は上記作品から受け継がれているが、一部競技の変更などアレンジが加えられている。 またゲームバランスも大幅に変わっている。 もちろん通信ケーブルに加え4人用アダプタを用いれば最大4人での対戦が可能。 本項目では上記作品からの変更点のみに焦点を絞るものとする。 オリジナル版との変更点(どこでも) 1人用プレイに於ける「全種目必須」の縛りがなくなった。 同時に「競技終了時で首位をキープしていないと打ち切りゲームオーバー」が廃止。 ただしエンディングを見たいなら全種目行わなければならない。 オリジナル版では1人プレイ時は各競技の回数に下限があり、「クロスカントリー」「しょうがいべや」は最低2回、「たまわりきょうそう」「かちぬきかくとう」は最低3回プレイする必要があったが、いずれも1回から設定できるようになった。 BGMに7番が追加。 オリジナル版からはすべて続投しているが1番と4番の中身が入れ替わっている。 全般的にマイナス点が廃止。 競技中ではダウンによって個人点が引かれることはあっても0点で下げ止まり。 失格終了などで競技点が減点されることはあるが総合点では0点で下げ止まり。 オリジナル版にいた「もりさわ」「こうづき」「やまだ」が登場しなくなりメニュー画面は全て「はせべ」が担当している。 1人プレイでの優勝時、熱血高校だけでなく全校にエンディングが用意された。なお、「ねっけつチーム」のエンディング内容はオリジナル版とは違う新しいものに変更されており、スタッフロールもカットされている。 ただし全種目をプレイしなければ対象外。また、後述の隠しチームでは無効。 熱血でエンディングを見た場合、次のプレイで「ねっけつチーム」が「てくのすチーム」になる。 グラは違うものの中身は同じ。選手名はテクノスのスタッフになっている。「たけうち」…「くにお」と同じ。「かしわばら」…「すがた」と同じ。「さかもと」…「ななせ」と同じ。「よしはら」…「たかみね」と同じ。「さくま」…「もりもと」と同じ。「わだ」…「いちじょう」と同じ。 連合でエンディングを見た場合、次のプレイで「ねっけつチーム」が「ゆめみチーム」になる。 「ゆめみ」は『熱血物語』の舞台になった冷峰学園付近の「ゆめみちょう(夢見町)」のことと思われる。 こちらは「連合」のステータスに「冷峰」の必殺技を持つという特徴を持っている。「じじい」…「ごうだ」のステータスで「りゅういち」の技を使う。「ポール」…「ごだい」のステータスで「りゅうじ」の技を使う。「さんぺい」…「にしむら」のステータスで「はやさか」の技を使う。「なすお」…「さわぐち」のステータスで技はない(ベースとなる「もちづき」自身に元々技がない)。「かりや」…「くまだ」のステータスで「こばやし」の技を使う「ひらめ」…「はやみ」のステータスで「おとなし」の技を使う 一部技のバランスが変わっている。 「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」が壁にぶつかると反転するようになった。 「ごうだ」の「頭突き」がスリップしなくなった。 「ごだい」の「棒術スペシャル」も同様だが、動きながら出せなくなったことと木刀の向きが縦寄りになったためオリジナル版ほど攻撃範囲は広くなくマッハ系の技に負けるようになった。 「さおとめ」の「オーラパンチ」、「にしむら」の「ためパンチ」は溜めながら振り向けなくなった。 「おとなし」の「脳天チョップ」がダウンを奪えるようになった。 「人間魚雷アタック」が一定の距離で止まるようになった。 プレイヤーを中心にスクロールするため「クロスカントリー」のスクロールからはみ出した場合のコースアウト(減点)がなくなった。 アイテムを投げた場合の挙動が異なる。 壁にぶつけての跳ね返りが大きくなった。 実際に壁がある場所でしか跳ね返りは発生しなくなった。 オリジナル版ではクロスカントリーのコースの継ぎ目(壁になっていない場所)でもアイテムを投げると跳ね返りが発生したが、ちゃんとした壁などでなければ発生しなくなった。そのため、上記のクロスカントリーに於ける同様のケースの場合、アイテムが画面外に飛んでいってしまい実質的に消滅する。 爆弾はぶつけると必ず即爆発するようになった。 体力がバー並びの表示ではなく数値に変更。 これはゲームボーイというハードである以上、オリジナル版のようなバー表示では無理があるためと思われる。 どの競技でも終了時に持っているアイテムが持ち越されなくなった。 ジャンプ動作はFC版より緩慢になり、特に横方向へのジャンプ距離が短く滞空時間が長くなったため、ジャンプキックやジャンプ突きの性能が大幅に変化した。 特に攻撃範囲が狭くなったことで後ろから追ってのジャンプ攻撃の有効性が大幅ダウン。 「まえだ」がFC版で使うようなジャンプキックハメは動きが緩慢すぎて不可能に。 個人賞の表彰でキャラがアクションをするようになった。 また最終競技が終了し、個人賞の発表前にもそれまでの得点が表示される。 個人賞の得点が反映されないオリジナル版のバグは解消。 「しょうがいべや」がオリジナル版では1画面固定だったが2画面ほどの長部屋にリニューアル。 ほとんどはオリジナル版からの雰囲気が持ち越されているが、一部全く新しい部屋がある。 特徴的だったベルトコンベアや最後の停電で真っ暗になる部屋がなくなった。 「たまわりきょうそう」が廃止され「かくとうパンくい」と「ばくだんおにごっこ」が追加され、全5種目になった。 かくとうパンくい 4人で1つのフランスパンを奪い合って、最後に食べきって飲み込んだ者、食べきれなかった場合は多く噛んだ(咀嚼した)者が勝者となる。 パンの他に木刀が1本用意されている。CPUは「ごだい」であっても木刀には一切興味を示さない。 パンを口に頬張っている者はAボタン連打で噛み、パンチはできずキックでしか攻撃ができない。 頬張っている状態で攻撃を喰らいダウンすると、そのパンを勢いよく吐き出してしまうので、またそれに向かって殺到することになる。普通なら地面に落ちたものや他人が口に入れたパンなど食べるどころかさわりたくもないのだが… ステージは(恐らく)夢見町の商店街だが、その背景中央には そのパンを提供したであろうパン屋があり、店主が驚きの表情で店から顔を出す中高校生達が1個のパンを巡って乱闘を繰り広げる というシュールな構図に。 ばくだんおにごっこ 最初にルーレットで爆弾の初期所持者が決まり、一定時間持っているか時間切れ時に持っていた者が負け。 長く持っているとBGMがテンポアップし、やがて爆弾自身がピカピカと点滅し爆発の危機を煽ってくる。 爆弾はダウンしている状態の相手にAまたはBで押し付ける。 誰かに押し付けると爆発までの時間がゼロリセットされる。時間切れの場合はその時点で爆発。 ステージは上段と下段に分かれており下段中央部が粘着ゾーンになっており、この中では移動速度の低下に加えジャンプしてもほとんど飛べない(繰り返せば3回程度で普通のジャンプができる)など動きが鈍くなる。 粘着ゾーンの上段では「しょうがいべや」にあるものと同じ壁から手が飛び出す罠があり、前を通過する選手を下段の粘着ゾーンに押し落とそうとしてくる。 この競技では体力は無制限なのでいくら殴られようが蹴られようが体力が尽きての失格はない。その代わり爆弾が爆発して負けた者はステータスや開始前の体力にかかわらず体力が16まで減少し、爆発の巻き添えを喰らった者は開始前の半分まで減少する。 評価点(どこでも) 基本的には「運動会の名を借りたバトルロイヤル」に変わりはなく、操作性がシンプルで直感的にでき、白熱した闘いに盛り上がる仕様。 その乱闘はゲーム外まで飛び出すほどになりかねないのもお約束。 1人プレイでの打ち切りを廃止。 これにより、負けていても後や最終競技で逆転する楽しみ方ができた。 最終競技での逆転というドラマチックな展開も生み出すことができ快感さえ感じられる。 くにおくんらしい良さが出ている新しい演出も盛りだくさん。 個人賞でキャラがアクションしたり、エンディングも主人公の熱血高校だけでなく全チーム用意されるなど、好きなチームでのプレイがより尊重されている。 演出には関係ないが個人賞の得点が反映されない設定ミスも改善されている。 ただ優勝発表で優勝チームのキャプテンが他の3チームのキャプテンをぶっ飛ばす展開はなくなっている。 隠しチームの存在。 特に冷峰と同じ技を使いながら、ステータスで微差のある「ゆめみ」はただでさえ飛びぬけた性能を持つダブルドラゴン兄弟の技が共演できるので、その技同士でカチ合ったりするなど、それまでにない楽しみ方ができる。 ただ、それに置き換わるのが熱血高校固定だったり、隠しチームにエンディングがないのはもったいない部分。 得点のマイナスがなくなった。 オリジナル版での「ごだい」の棒術やマッハ系の連打ハメで一方的にグングン離されたることが少なくなり競りやすくなった。 その反面競技中の個人点635点打ち止めも廃止されたが、こちらは上述の投げまくって得点を稼ぐ裏技を禁止する前提なら問題ない。 賛否両論点(どこでも) 必殺技の強弱バランス変化。 特に弱体化著しいのが「ごだい」の「棒術スペシャル」。 上記の通りオリジナル版では攻撃範囲の大きさから「くにお」「こばやし」等手強いマッハ系を完封できる強さがあったのだが、攻撃範囲が狭まったことで打ち負けるようになった。更に命中時には大きく吹っ飛ばしてしまう上、回転しながら移動できなくなったのでハメ技完封ができなくなった。 アイテムの持越しができなくなって予め木刀を用意できなくなったため運よく格闘開始時に出ていることを祈るしかない。 オリジナル版では上記の通りハメができて得点モリモリの美味しい技だったとはいえ元々それに対抗できる技もあり完全無欠ではなかったことや予め木刀を用意する手間がかかること、また予め用意する場合でも持つ前に潰される可能性があるなどの対抗策も取れたため、この弱体化はやりすぎな感が否めない。 とはいえ「ごうだ」の「頭突きスペシャル」が滑らなくなり、攻撃範囲が広がったなどグンとパワーアップしているので彼への依存度が高まったもののチーム全体のバランスではそこまで顕著なパワーダウンではなかったりもする。「くまだ」の「人間魚雷」も後述の理由から扱いやすくなっている。 「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」はバッチリなタイミングを狙わなくても、大まかに連打していれば連続で出しやすくなった反面、人間やアイテムに触れるとそちらを持つことを優先するようになったのでやむくもに連打すると、それらで歯止めがかかるようになった。 そのため、これらはオリジナル版から一長一短だが、それだけにこの仕様を好むと好まざるに分かれやすい。 「さおとめ」の「オーラパンチ」、「にしむら」の「ためパンチ」は溜めている間や発動時に振り向けなくなったことで扱いが難しくなった。特に後者は直接当てなければならないため人間との対戦での使い勝手は絶望的に。 わかりやすくしたというより単に旧来のバー並びの表示がゲームボーイでは画面占有幅の圧迫が大きいため、やむなくこうするしかなかったというシステム都合でしかないが、くにおくんらしくない体力の数値表示。 とはいえ、それまでハッキリわからないからこそ、あと1メモリのドキドキ要素なども醍醐味の1つだったので、それが失われている一面。 ただし技の威力などが実感でき手ごたえを感じやすくなったという利点もある。 BGMナンバーの変更。 好みもあるだろうが元々オリジナル版のBGMのデフォルト配置は非常に雰囲気にあっていたので、それが違和感のある配置になった。 特に「クロスカントリー」によく似合っていた「クシコス・ポスト」のアレンジ(オリジナル版の1番、本作では4番)を入れ替えたのはその意図が不明である。 一方でゲームスピードが遅くなったことから「クロスカントリー」の走る速度やスクロール速度とオリジナルの4番のテンポが意外と合うため、GB版から入ったプレイヤーからはそこまで大きな違和感を感じない。 問題点(どこでも) ゲームボーイに不向きなゲーム性。 ドッジボールのようにコートに分かれているならまだしも本作は元々入り乱れての乱闘であるためモノクロではキャラの判別がしにくい。 オリジナル版では色などで判別できても入り乱れて見失うこともあったぐらいなので、それをより助長している。 後ろから蹴っていたつもりがいつの間にか自分が後ろに回られて蹴られていたなんてことはザラ。 新種目の2つも完全に乱戦ありきなものであるため、この難点が表面化しやすいためより不向きなものを取り入れている。 「クロスカントリー」は開始時に風の有無が選択できるが本作は「あり」にしても風が吹かず全く意味のない設定となった。 また、一部マップにて投げたアイテムが壁に引っかかって取れなくなるバグがある。 「しょうがいべや」が広くなったのは単純に見れば進化したと思えるが、元々オリジナル版では狭いからこそ走る競技とはいえ多彩なギミックと合わせて入り乱れやすい展開を作り出し、足の速さの依存度が「クロスカントリー」よりも低い(足が多少遅くても渡り合える)という一味違った面白さがあったのに、広くなったことでただの速い者勝ちになりやすくなった。 「たまわりきょうそう」が廃止され新種目「かくとうパンくい」になったことで単調さが増している。 棒を登って玉を殴って割る代わりにパンを奪い合い食べるというゲーム性だが、登って割るなりお互いに殴り合うなりいろいろやり方があったがアイテム(パン)を持った選手をダウンさせてアイテムを叩き落すことを繰り返すだけという結局お互いに殴る蹴るの単調な展開になりやすくなった。 実際パンを食べたと同時に立ちキックしか使えなくなることから戦闘力が低下するので、大勢いる時は食べるより先にまず相手を潰しに行く方がいいぐらい。 また、コンビありきだった「たまわりきょうそう」と違ってパートナーチームと協力する要素がなくなっているため、仲良く協力するか裏切るかの駆け引き要素も無くなった。 「ばくだんおにごっこ」を複数回プレイする場合にルールの不備がある。 前述のとおり「体力無制限で格闘戦のダメージが蓄積しない」「爆弾が爆発して負ける、または爆発に巻き込まれると開始前の体力に関係なく一定量減少」のため、複数回プレイする場合は直前で負けた(体力が16まで減少した)選手が続投しても競技中に格闘戦でリタイアする心配はない。 よって攻撃力も考慮する必要がなくほとんどのステータスも関係ないので弱い選手一人で回し続けることができ、同じ選手が絶えず続投することで選手の選出やローテーションについてはノーリスク(次の競技の順番だけ考慮しておけばよい)となるので、戦略も何もあったものではない。 「ゆめみ」チームの「なすお」だけ扱いが悪い。 前述のとおり「なすお」は「さわぐち」の能力に「もちづき」の技を持つという設定だが、言い換えれば「もちづき」に技がない=「さわぐち」の能力しかないという設定になるため事実上顔グラと名前を変えただけの完全相互互換になっている。 能力面でも「もちづき」は技こそないものの、最速の足や最強クラスの武器投げの威力といった技に代わる強みがあったが「さわぐち」は体力以外はそれなりのバランスでまとまっているものの突出したものがないので感覚的でもトータルでも見劣るし何より地味。 他のチームメンバーが個性的なだけに彼だけ地味で不遇な存在となっている。その顔グラは帽子を被っているというシリーズでも珍しいものなのだが… アイテムが持ち越せない。 上述の「ごだい」の弱体化と被るが、このために戦略性がかなり低下している。 アイテムが1度に2つしか出ない。 ジャンプ動作が緩慢になったため操作性が悪化しただけではなくゲームバランスにも悪影響を与えた。 特に走る競技では無駄にジャンプ動作すると走っている選手に対し大きく差をつけられてしまう。 ジャンプキックやジャンプ突きの攻撃範囲が狭くなりすぎて、ほとんど使えないものになった。 オリジナル版では「しょうがいべや」でハシゴに登ろうとしている相手を蹴落としたり「クロスカントリー」でマンションの壁登り最中に叩き落したりできたので多少足が遅い程度ならそういったポイントを絞っての叩き落としでカバーできたり入り乱れて盛り上がる一面もあったが、それが難しくなったことで「しょうがいべや」などでは、入り乱れた展開になりにくくなり、ほとんど足の速い選手同士の走り合いだけになりやすくなった。 ダウンからの立ち上がりが均一になり、連打でも早くならなくなった。 これにより、それを強みとしていた「くにお」「りき」「おとなし」「ごうだ」などはその個性を一部失っている。 反面「くまだ」はオリジナル版では特にプレイヤー対戦において「人間魚雷」があまり活かせなかったが、それが解消したことになる。 スリップの距離が長い。 オリジナル版よりもダッシュからのブレーキングで滑りやすくなったことは操作性の悪化に繋がっている。 総評(どこでも) 各校エンディング新演出はくにおくんらしいノリで見ていて面白いものばかり。技のバランス調整に関しては一長一短であるため、一概にどっちがいいとは言い切れない。 しかしゲームの根本では、やはりモノクロになったことで自分の位置がわかりにくくなったことや、ジャンプ絡みの動作がほとんど使えないものに成り下がったことで、足の遅さをカバーしにくくなったことなど難点も多い。 また新競技「かくとうパンくい」は「たまわりきょうそう」に比べると単調な競技であることなどを含めて考えると、やはりオリジナル版に比べて改悪になった印象は否めないところ。 その後の展開(どこでも) 直近では、直後の8月7日に『初代熱血硬派くにおくん』を発売。 シリーズのみならずテクノスジャパン初のスーパーファミコンソフトである。 ゲームボーイのシリーズでは『びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル』のアレンジ移植『びっくり熱血新記録! どこでも金メダル』を1993年7月16日に発売。 上記作品は元々、本年に行われたバルセロナオリンピックに合わせて作られたものだけに時機を逸した移植となった。 運動会作品ではオリジナル版のPCエンジン CD-ROM 2 移植版を1992年12月11日に発売。 これは本作ではなくオリジナル版をベースにしたリメイクとなる。 余談(どこでも) FC版当時にはまだ無かったスーパーファミコンが冷峰のエンディングに登場する。 しかし「とうどう」からそれを受け取ったダブルドラゴン兄弟の二人は、あろうことかそれをまるでヌンチャクのように振り回して「木刀より使いやすいよ」と言い「とうどう」に呆れられるオチ。 上記の「障害部屋」のタイムオーバーに於ける-30点は本作でも取り入れられていない。 個人賞のバグがちゃんと修正されているので、これは意図的に残した可能性が高い。意外とバランスが良かったので敢えて正式なものとして採用したとも考えられる。 本作では個人点や総合点がマイナスにならなくなったので尚更だろう。
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翠の海 -midori no umi- 【みどりのうみ】 ジャンル 真実の欠片を探すサスペンスADV 対応機種 Windows XP/Vista/7 発売・開発元 Cabbit 発売日 2011年10月28日 定価 8,800円 レーティング アダルトゲーム 配信 FANZA 2011年12月2日/4,800円 判定 なし ポイント ミステリアスな館での共同生活極上の雰囲気だが、色々と説明不足 青い鳥はここにいる。私たちの楽園はここにある──そう信じて。 概要 ストーリー 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 合資会社スカイ・フィッシュの新設ブランド「Cabbit」の処女作。 ストーリー ――翠の、海。木々に囲まれた深い森の中。 決して出られないその場所で、俺たちは出会った―― 森の中心には綺麗な湖。そして12人が暮らしている広い洋館。 図書室にはたくさんの本があり、音楽室には楽器もあり、何の不自由もなく生活できるその場所…… 少年少女たちは、記憶を失ってこの場所にやってきた。 決して外には出られない。それは言うなれば樹海。決して出られない深い闇。 出て行ってもかまわない。けれど……、外に出られる保証はない。 その場所を、美しくも儚いこの場所を、彼女は “楽園” と呼ぶけれど…… 確保されたライフライン。消えた少年。 ゆっくりと思い出される自分の過去…… 自分は、どうしてここにいるのか…… 知りたいけれど、知ろうとしてはいけないと忠告される。 知ってしまったら……、どうなるのだろうか……? ――何も知ろうとしなければ幸せが約束されているのに、翠の海に閉ざされた楽園で、空を望めば――? (公式サイトから抜粋) 特徴 選択肢で展開が変わるノベルゲーム。 5章構成で、16のエンディングに分岐する。 特定のヒロインと交流を深める、いわゆる個別ルートもこの16の中に含まれている。 「最初からはじめる」を選択して、過去に経由した章から開始できる。 1章からははじめると、選択に応じて16種類のエンディングに分岐するが、5章から辿り着けるエンディングは5種類である。 このように章が進むにつれて辿り着けるエンディングの種類が減っていく。 おまけシナリオ 本編と同じ舞台を茶化したギャグシナリオ。ヒロインとのエンディングを迎えることで解禁される。 後半に登場するキャラも出演しているので、一通りクリアしてからの閲覧を推奨する。 評価点 抜群の雰囲気と掴み 樹海で目覚め、ヒロインに館に案内されたところでオープニングムービー「翼を持たない少女」が流れる。 霜月はるかの高い歌唱力と演出が相まって期待が高まる。 湖と館、これらを取り囲む樹海が舞台であり、木々の中にポツンと建っている館の異質さがよく表れている。 水や木々のグラフィックがミステリアスな雰囲気を強めている。一部の水CGは自然にアニメーションする。 + OPムービー シナリオ 記憶喪失故に、どのキャラクターとも初対面でありプレイヤーとの目線が一致している。 選択肢により、プレイヤーの思った通りに事を運びやすく、主人公の行動の変化がどのような影響を及ぼすかを探る楽しみがある。 館の住人は見ず知らずの者同士で築き上げられたコミュニティである。物語中盤の住人の死や「どうしたって……、一緒に生きていけない人はいるの。わかるでしょう?」といった発言から、閉鎖コミュニティにおける人間関係について考えさせられる。 矛盾点は多いものの、バッドエンドからグッドエンドまで種類は多彩で、インパクトの強いものもある。 個別ルートにおけるキャラ萌え 重い要素も多いものの、意外なキャラクターのデレ描写が光り、清涼剤として機能している。 カードモード 本編での右クリックやエクストラモードで閲覧できる。 16枚のタロットカードにエンディングを迎えるためのヒントが書かれており、到達したエンディングも分かる。 抽象的な説明文が、雰囲気に合致しつつもヒントとしても機能している。 尤も総当たりでクリアできるため、存在に気が付かなくてもあまり支障はない。 問題点 構成 樹海にポツンと建った館なのに食糧が供給される・蛇口からは水が出る・深夜の住人の怪しい動き等の多くの謎が、一つのルートで概ね分かってしまう。 特に館の正体を追う緊張感は1ルートで消滅してしまう。館に深く関わるキャラほど終盤に攻略することになるが、プレイヤーは既に知っている、予定調和な部分が多いためカタルシスに欠ける。 また、殺人者の行動が一貫しておらず、制裁もされない。重要な場面において不自然なエロシーンが挟まる等、多くのプレイヤーが最後に見るであろうルートがあまり練られていない。 序盤がピークと評されやすいのはこの構成によるところが大きい。 舞台設定 ファンタジー要素ではなく、現実的な理由で館の生活が成り立っているが、説明に色々と無理がある。 + 個別ルートのネタバレ 館の住人は記憶を喪失させられたうえで、送り込まれている。 送り込んだ人間が資金を提供し、特殊な組織が食料を送り、館の住人の一部が食料を受け取っている。 何故そんなことをしたのか? という理由がろくに説明されない、あるいは説明されても理屈が通っておらず、ご都合主義とされやすい。 早い段階で、脱出手段があると明らかになってしまうため、ミステリアスな雰囲気が一気に薄れてしまうのも大きな難点。 説明不足や後付けが多い キャラクターの思想や物語への理解が深まるにつれ、「あのキャラは殺されるほど酷いことをしたか?」という疑問が浮き上がる。確かに目を引く展開ではあったが、その説明は不十分であった。 あるルートでだけ行方不明になるキャラクター、学力が認められての館からの脱出、SF要素の介入等々、1ルートだけに使われる後付け設定が多く、全体を通した整合性に欠ける。 解釈が委ねられているのではなく、投げっぱなしと捉えられやすい。 結果的に、情報開示が少ないバッドエンドの方が矛盾が少なくまとまっている。 システム CG鑑賞モード等の画像切り替え時などに、僅かだが読み込み時間がかかる。 選択肢で右クリックが利かなくなる。セーブするにはコンフィグボタンを左クリックするか、Sキーを押す必要がある。 総評 ミステリアスな舞台とBGMの相乗効果で、雰囲気ゲーとしては極上。 しかし一つの個別ルートでほぼ全容が分かってしまう構成や、説明不足な数々の要素によりサスペンスとしては難がある。 とはいえ、独特なテーマや情報開示の上手さから序盤においては名作の片鱗を感じさせ、全体的には佳作といえるだろう。 余談 発売後に行われた人気投票1位のキャラのifストーリーSSが公式サイトに掲載されている。 ネタバレを含むため、プレイ後の閲覧が推奨されている。 メインヒロインはモチーフがいると考察されている。 OPムービーやキャッチコピーに出てくる青い鳥からメーテルリンクの『青い鳥』を連想させる「みちる」、作中でそのまま「デウス・エクス・マキナ」に例えられる「真希奈」などは分かりやすい。 体験版が配信されている。 タイトル画面が製品版とは異なる。序盤と予告ムービーを体験できる。 2019年1月24日にSteamで200円で配信開始。タイトルは『Endless Jade Sea -Midori no Umi-』に変更されている。日本語はサポート対象外。 アダルトゲーム雑誌「メガストア2019年7月号」の付録DVDに本作が収録された。
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ピンボール 【ぴんぼーる】 ジャンル ピンボール 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 ハドソン 発売日 2005年9月29日 定価 2,940円(税込) 判定 なし ポイント まんまピンボール拭いきれない割高感 概要 主な収録台 主なモード 主な操作方法 評価点 問題点 総評 概要 ハドソンが2005年にてプレイステーション・ポータブルにてリリースしたソフトであり、PSP初のピンボールゲーム。 同名の任天堂のファミコンソフトが存在するが、一切関係ない。 ピンボールとしては全台共にリアル路線であり、TVゲーム的な仕掛けはほぼ在しない。 主な収録台 Forest of The Fortune Teller ファンタジーをイメージしたデザインが特徴の台。タロットカードによる演出があり、独特の怪しい雰囲気を漂わせている。 The Morphing Avenger 近未来のサイバーパンクをイメージしたデザインが特徴の台。主人公の研究員が獣人となって秘密結社に戦いに挑むというストーリー設定。 主なモード アーケード 限られた玉数でどれだけのスコアを稼げるかを競う、ピンボール定番のモード。全台に対応。 アタック リミットモード 制限時間1分30秒以内にどれだけのスコアを稼げるかを競うモード。全台に対応。 ターゲットモード スコア100万点を稼ぐまでの時間を競うモード。全台に対応。 シェアリング VS ゲームシェアリングによる通信対戦にて相手と競うモード。対戦ルールはリミットモードに準じる。「The Morphing Avenger」のみ対応。 主な操作方法 PSP本体のボタン配置側を下にした縦持ちにてプレイとなる。 プレイ感覚は従来のピンボール同様の操作系統である。×ボタンで左フリッパー、△ボタンで右フリッパー、Rボタンで玉発射、□ボタンで台揺らし(アーケードのみ)(*1)。 これまたピンボールの例に漏れず、台揺らしを連続でやりすぎるとティルト(操作不能による強制ボールロス)となってしまうので注意。 原則として一人プレイ専用だが、一部モードではゲームシェアリングによる通信対戦が可能。 評価点 PSP縦持ちのため空白やスクロール移動が一切存在せず、リアルなピンボール視線でプレイできる。 従来のゲーム機におけるピンボールゲームは横画面に台を表示している影響で、台の左右に不自然な空白ができたり、ボールの位置によってはスクロールがめまぐるしく移動したりする場合が多かった。 ボタン配置が直感的にわかりやすく、リアルピンボール寄りの操作を実現している。まさにPSPならではの操作形態の利点と呼べるだろう。 シンプルな台構成故に、視覚的に何が起きているのかがわかりやすいグラフィック。 グラフィックセンスも雰囲気が十分に伝わってくる上質なものとなっている。 ロード時間は皆無でほぼウエイトに悩まされる事もなくさくさくとプレイが可能。 ゲームオーバー後のリトライも即座に可能で、わざわざモードを選びなおす必要もない。 問題点 ボリューム不足 低価格ソフトではあるが、それでも約3,000円の販売価格に対して収録が2台のみと、どうみても価格とボリュームが釣り合っていない。 しかも、シェアリング VSはその内の1台しか対応していないので、ますますプレイバリューに乏しいボリュームである感が目立ってしまっている。 効果音が妙にへなへな ガンガンとギミックにボールを当てる面白さが薄まっている。リアルピンボール経験者からすれば、一発でわかるへなっぷりであろう。 BGMに関しては、曲自体は格好良くて雰囲気にマッチしてはいるものの、音量が小さくて空気気味なのもいまいち盛り上がらない要因となっている。 ボールが不自然なまでに下に落ちやすく、思わぬミスを連発しやすい。 発射したらいきなりボールが消えていたなんて事態もザラな程。ただし、発射後のボールがいきなりロスしてしまったら、救済処置として一度だけロスカウントなしでボールが発射されるという仕様は本作にも搭載されているので、開始数秒でロスボールになる事はない。 評価点で述べた縦持ち視線は確かに見やすいが、画面切り替え機能は搭載されていない。 それ故にギミックの拡大表示などができず、終始小ぢんまりとした画面でのプレイとなってしまう。 総評 ピンボールとしての完成度は決して低くはないものの、ボリュームの少なさ、いまいち爽快感に欠ける等、無視できない問題も抱えている。 かつてPS1~2にてリリースされたSIMPLEシリーズ(*2)のピンボールでも共に2~3台(*3)収録だった事を考えると、約3,000円という価格設定も非常に割高に感じられる。
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クイズ! ヘキサゴンII 【くいず へきさごんつー】 ジャンル 番組体感クイズアクション 対応機種 ニンテンドーDS メディア DSカード 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 インフィニティー 発売日 2010年7月22日 定価 5,040円(税5%込) プレイ人数 1~3人 セーブデータ 2箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 原作クイズを上手くゲーム化特にゲーム目的が存在しない フジテレビ関連作品リンク 概要 ゲームシステム セーブデータの作成 ゲームモード クイズのルール その他 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 かつてフジテレビ系列の人気クイズ番組だった『クイズ!ヘキサゴンII クイズパレード』を原作としたゲームである(*1)。 本作は、プレイヤーの分身が実際にオーディションを受け、出演者として実際にヘキサゴンに出演するというストーリー展開で進行する。 アクションとクイズを融合させたゲーム性であり、タッチペンを主体としたミニゲームとクイズゲームをこなす。 ゲームシステム セーブデータの作成 出演者募集 ニューゲーム時に自分の分身を作成する(この分身が番組に参加する)。 設定できるのは性別、名前の2つ。これらはセーブデータを消さない限りは後から変更できない。またキャラの外見をいじることもできない。 分身の素性をひととおり決定した後は、オーディションとしてペーパーテスト(クイズパレードモードの予選ペーパーテストと同じ10問)または縄跳び(「みんなで跳ぼう なわとびクイズ」の縄跳び部分だけ抜粋したもの)のいずれかの競技をこなしてから、正式に番組に参加できる。 結果に応じて、ペーパーテストなら「かしこさ」のパラメータが、縄跳びなら「体力」のパラメータが変動する。一方で、プレイしなかった側のパラメータは強制的に最低ランクとなる。 なお、どちらの競技もしないという選択肢もあり、それを選んでも司会者の島田紳助から度胸があると認められて、オーディション合格。一応番組には参加出来るが、「かしこさ」「体力」共に最低ランクからスタートとなる。 パラメータ 「かしこさ」と「体力」の2種類のパラメータが存在し、それぞれ3段階で設定される。「かしこさ」は正答の出しやすさ、「体力」は回答権を得るためのミニゲームの勝ち抜きやすさに影響。 「かしこさ」が高い程、アシストアンサー(後述)に正解が流れてくる頻度が高くなる、NPCとして参加するクイズの正解率が高くなるなど、クイズ部分の有利不利に影響を及ぼす。 「体力」が高い程、キャラクターの移動スピードが早くなる、ドッジボールで相手をアウトさせやすくなるなど、(クイズの解答権を得る為の)ミニゲーム部分の有利不利に影響を及ぼす。 プレイヤーの分身のみ、おてがるモード(後述)の「ヘキサゴンドリル」または「なわとびトレーニング」でパラメータを変動させる事が可能。ただし、最新の結果を基準に決定される為、成績が悪いとプレイ前よりもパラメータが下がるという場合もある。 他の出演者のパラメータは、実際のテレビ番組での活躍や成績をベースに決まっており、変動はしない。 例えばおバカキャラ枠の羞恥心・Paboは勿論「かしこさ」は最低ランクだがその分「体力」が高い人が多く、アンガールズ山根などは「かしこさ」は高いが「体力」が低いのでそもそもクイズの解答権を得る為のミニゲーム部分で苦戦する、といった具合。 ゲームモード クイズパレード 実際の番組と同様、プレイヤーと17名の出演者を予選ペーパーテストの結果に応じて6人×3チームに分け、3つのクイズコーナーの総合成績を競うモード。 チームの振り分けは、1 - 3位が各チームの先頭(リーダー)となり、4位以降は各チームの知識レベルが均等になるよう、成績順でジグザグに着席する。 チームの代表者数名で参加する一部クイズコーナーでは、プレイヤーがリーダーであればその代表者を選ぶ事が可能。リーダーでない場合は、ランダムに決定される。 クイズコーナーは、200点×3コーナーの600点満点で争われる。前半2コーナーはランダムで選ばれるが、最後のコーナーのみ「行列早抜け リレークイズ」で固定。 好成績であったり、番組前に紳助から提示される条件を達成していれば、新しい出演者やクイズコーナーが追加される。 + 以下ゲーム内容に関するネタバレ 更にある程度ゲームを進めると、実際の番組でもあった沖縄合宿(スペシャル)が行われ、合宿でしか遊べないクイズコーナーやデートイベントをプレイ出来る。 おてがるモード クイズパレードでプレイしたことのあるクイズコーナーを1つだけ選んでプレイするモード。 クイズのルール アシストアンサー 解答候補となる言葉がランダムに、横方向にスクロール。正解と思うものが中央の赤い線に重なった時、下画面をタッチして選択する。 「かしこさ」が高ければ正解の言葉が流れる頻度も高くなるが、「かしこさ」が低いと正解の頻度も低くなるどころか的外れな言葉(所謂「おバカ解答」)も流れてくる。 イニシャルアンサー まず、「あ行」「か行」…「ら行」「やゆよわ」の9つのうちから、正解と思う言葉の頭文字にあたる行を選択。行を選ぶと、その行の言葉の中から候補が幾つか表示されているので、正解と思う言葉を選択する。 「頭文字」の属するページは制限時間が許す限り何度か選び直せるが、時間切れは不正解として処理される。 + 特に代表的なコーナー ペーパーテスト 文章を読んで時間内に、「イニシャルアンサー」の解答形式に沿って解答。 オーディションや予選ペーパーテストは10問、ヘキサゴンドリルでは50問出題。 なわとびトレーニング 異なる周期で往復する■マークが重なった瞬間にDS下画面をタッチして、縄を飛び続けるゲーム。 最初のタッチ(縄に入るタイミング)はプレイヤーの任意だが、一度縄に入った後はノーミスで飛び続けていく。 ■マークがズレていたり重なる瞬間を見逃すと、縄に引っかかって失敗。失敗するまでに連続で飛び続けた回数が記録となり、それに応じて体力パラメータが変動する。 行列早抜け リレークイズ クイズパレードモードの最後に必ず行うことになるコーナー。 各チームでペーパーテスト成績上位者から順に行列を作る。先頭に立った3名が「アシストアンサー」形式で回答する早押しクイズに挑み、正解した人から抜けていく形式。 本作ではプレイヤーが自チーム全員分のクイズを回答するので、原作番組のように成績下位者に対する出題が簡単になるというわけではない。 全員正解を達成したチームほど高得点がもらえる(1位抜け:200点、2位抜け:100点、3位抜け:0点)。 + その他収録コーナー(イニシャルアンサー形式で回答するもの) クイズ! ムカデ競争 遠くにある回答ボタンに向かって3チーム同時にムカデ競争する。 移動は「左足」、「右足」に対応したエリアをタッチペンで交互に連打することで行われる。 転がってきた柱は「しゃがむ」に対応したエリアをタッチし続けることでやり過ごす。 柱にぶつかると一定時間行動不能に。ただし得点やクイズ難易度などにペナルティはない。 問題文は走っているときにしか読めない。ゴールするまでに覚えていく必要がある。 何着でゴールしたか、クイズに正解できたかどうかが得点に影響する。 つなひきクイズ 4人vs4人でつなひきをし、勝ったほうにクイズが出題される。 4人には必ずリーダーが含まれなくてはならない。その他メンバー3人は自由選出。 綱引き時はひたすら矢印の方向へタッチペンをこすり続ける必要がある。 自チーム以外の2チームとそれぞれ1回ずつ対戦し、このときの勝敗およびクイズに正解した否かが得点に影響する。 一定時間内に決着がつかずに両者敗北になるケースもあり。 + その他収録コーナー(アシストアンサー形式で回答するもの) みんなで跳ぼう なわとびクイズ 長縄に入ってクイズに答える、という流れをチームメンバー6人分こなす。 縄跳びに入る瞬間およびクイズに正解できず縄跳びから出る時のみ、「なわとびトレーニング」のように、行き来する■マークが重なる瞬間にタッチする必要がある。 なわとびトレーニングのように連続でタッチし続ける必要はない。 体力のパラメータが高い人ほど、■マークが大きくなるため縄跳びに入りやすい。 6人全員正解した後、アシストアンサーの要領で流れてくる「ヘ」「キ」「サ」「ゴ」「ン」のワードをタッチできるとパーフェクト達成。パーフェクト未達成時は正解数が得点に影響する。 かるたクイズ 沖縄合宿に行くと解放されるクイズ。 砂場でパネルを拾ってきて紳助のもとに届けると、パネルに書かれているクイズに回答できる。 紳介に近いパネルほど難易度が高くなる。また問題文は届けてからでないと確認できない。 パネルは一定時間経つごとに再生する。 ぬかるんでいるところを歩くとスピードダウンする。また落とし穴が仕掛けられていることもあり、はまるとレバガチャで脱出しなくてはならない。 制限時間内の正解数で順位づけされ、1位が200点、2位が100点、3位は0点となる。 ドッジボールクイズ 3つに等分された6角形の中を、それぞれのチームから選ばれた2名でドッヂボールする。 相手にボールをぶつけた後に、相手の身に着けたゼッケンにある記号や図に関するクイズが出題されるので、これに正解すればアウトにできる。不正解だとその相手はセーフになる。 キャラはひとりずつタッチペンで動かせる。キャラをタッチしながらスライドすると、それに従って移動する。ボールが飛んできた瞬間にタッチでボールキャッチできる。ボールを持っているキャラをはじくようにタッチペンでなぞるとはじいた方向にボールを投げる。 ボールを持てる時間には制限時間があり、それまでに投げないと敵陣ボールに。 自陣から投げたボールでアウトさせた人数、自陣の誰か1人でも生き残っていたかどうかが得点に影響する。 浮島早押しクイズ 沖縄合宿に行くと解放されるクイズ。 3チームはそれぞれ代表者1名を選出し挑戦することになる。 1つの問題に対し、代表者たちは浮島を進んだ先にある回答ボタンにたどり着いて回答する。 浮島から落ちると少し前の地点からやり直し。 ゴールで出題されるクイズに正解しないとスタート地点からやり直し。誰かがクイズに正解したら即終了。 回答ボタンにたどり着いた順番、クイズに正解できたかどうかが得点に影響する。 + その他収録コーナー(回答方法が特殊なもの) 仲間を救え! 底抜けドボンクイズ! 4文字のアナグラムをいじって、単語を完成させる。 制限時間内に5問正解することが目的となる。正解数、かつパーフェクトを達成できたか否かで得点が決定する。 先頭車両に針を備えたミニチュア列車が巡回しており、風船を割られてしまうと残り時間に関係なくゲームが中止に。 風船をタイミングよく持ち上げる必要があるが、風船のところに移動するには若干タイムラグが存在する。 また正解した直後も回答者が入れ替わるため、しばらく風船を持ち上げられなくなる。 前後を答えよう! 2ショットクイズ 正解となるワードが「2文節に分割」されたクイズが用意され、それに2人で回答するクイズ。 回答切り替えボタンをタッチすると、2人が思い浮かべるワードが切り替わる。この2人が両方とも正解となるワードを思い浮かべたときに回答すれば正解できる。 わからないときはパス可能。 全5問。制限時間内の正解数が得点に影響する。 ちゃんと出題できるかな!? アナウンスクイズ 難読漢字がちりばめられた問題文にプレイヤーが読み仮名をふり、残りの5人が回答するクイズ。 あらかじめ読み仮名の文字数は判明している。五十音表からタッチペンで読み仮名を決定していく。 残りの5人はコンピュータが自動的に回答する。かしこさのパラメータが高い人ほど正解を出しやすい。 全5問。制限時間内に正解した数で得点に影響する。 脳解明クイズ! 計算を要する文章題が出題される。ただし計算に必要のない部分も含まれているため、プレイヤーがそれを判断してチームメンバーに教えることになる。 下線が引かれた部分が、問題文のキーワードが答えに関係があるかないかを「はい」「いいえ」で仕分けたのち、すべてを仕分け終わったら自分自身もその計算問題に回答する必要がある。 正しく仕分けられるほど、自分以外のメンバー5人の正解率が上昇する。 プレイヤー自身を含めた正解者数が点数に影響。 電撃4択クイズ どっちカニ~!? 4つの選択肢、「A」、「B」、「AB両方」「どちらでもない」の形式で回答できるクイズが出題される。 制限時間が来るまで下のタッチパネルを連打し、キャラのアイコンを誘導できる。 マイキャラ以外は各自で正解だと「思う」方へ移動を始める。かしこさが高いキャラは正解へ移動する確率が高いほか、プレイヤーが間違った方向へ導くと嫌がる。 制限時間が来た時に乗っかっていたアイコンが正解だと抜けられて、6人抜けるとクリア。 不正解だと電気を食らって、次の回答をあまり悩めなくなる。 全員正解を達成したチームほど高得点がもらえる。(1位抜け:200点、2位抜け:100点、3位抜け:0点) ベルトクイズ 3択クイズ形式で、全12問。 不正解だと1m後ろに流される、流れてくるドリンクをタイミングよくジャンプしてとると1m前進できる。 クイズ開始時はプールまで3mのところにいる。開始時から3m後ろに流されてしまうとプールに落ちてクイズそのものが中断してしまう。 正解数が得点に影響。 PKクイズ 正解が複数ある問題が出題される。 プレイヤーはゴールキーパーを操作し、相手チームが蹴ってくる全10球を防ぐことになる。 正解が書かれたボールによるシュートをゴールキーパーが防げば得点。 不正解の答えが書かれたボールは防いでも防がなくても得点、ただし防いでしまうと次のターン少しの間動けなくなる。 なお、プレイヤーがシュートする側を操作することはできない。 その他 難易度調整 難易度調整すると本編に登場するクイズ難易度が一括で変動する。回答者の成績で変動しない。 「キッズ」「イージー」「ノーマル」「クイズ王」モードが収録されている。 クイズ王モードは最初から遊ぶことができず、ノーマルモードで数回優勝することで解放される。 + 出演者について(敬称略) 司会者 島田紳助・中村仁美(アシスタント)・田中真弓(ナレーター) 回答者 アンガールズ・大沢あかね・岡田圭右・上地雄輔・神戸蘭子・小島よしお・木下優樹菜・クリス松村・崎本大海・さとう里香・里田まい・品川庄司・スザンヌ・辻希美・つるの剛士・野久保直樹・波田陽区・FUJIWARA・南明奈・misono・元木大介・矢口真里・山田親太郎・プレイヤーの分身 回答者は18人なので、全員が一度に出演できるわけではなくランダムで出演できない人がいる。 評価点 多彩なルールをゲームに収録している ルールはゲーム用に改編されつつも、ゲームルールのカブりは存在しない。 知力だけでなく、体力のパラメータも重要視されるのでワンパターンなバランスではなくなっている。 番組を意識した演出 番組開始時の雛壇を鳥瞰したカメラワーク、ナレーターによるクイズ布陣の説明、新登場キャラの説明コーナー、次回予告、合宿クイズといった、特番ならではのイベントも再現しにかかっている。 ヘキサゴン出演者同士が寸劇を繰り広げることもよくある。プレイヤーを寸劇に巻き込んでくれるので没入自体はしやすい。 スベラーズが罰ゲームロケとしてアラスカに行かされるくだり、FUJIWARAの藤本が1か月休みの罰ゲームを食らう、元木大輔が番組中にアキレス腱を断裂した話に触れる等、なかなかマニアックな出来事を再現する場合もある。 登場するキャラクターはイラストによってデフォルメ的に再現されているが、外見はそれなりに本人に似ている。 賛否両論点 イニシャルアンサーというシステム 当てずっぽうが通用しない良いシステムとはいえる。 しかし「○○という言葉は何を略したものか?」「○○の記号は何を意味するか?」といった頭文字のヒントが与えられているクイズが出されていると難易度が激しく低下してしまう。 ゲーム自体は単調 ルールこそ頻繁に切り替わるが、動き回ってクイズに答えるというゲーム根幹部分は一貫している。 クイズコーナーのルールは、開始前に確認可能。そのためシナリオや難しい前準備は不要であり、いつでも気軽に取り掛かれる。 惰性で休み休みプレイするにはもってこいなのだが、集中的にプレイし続けるには向いていないかと思われる。ゲーム目的も特にないため飽きるとかなりつらい。 前か後ろかのみの出演者の顔グラフィック ゲーム自体には全く影響はないものの、出演者の顔グラフィックは常にカメラ目線か後ろ向きかのどちらかで、横顔は用意されていない。 そのため、クイズ! ムカデ競争なんかは18人全員が常時カメラ目線で右に進むというとてもシュールな光景になる。 問題点 答え合わせが非常に行いにくい ほかのチームの誰かが正解する瞬間を見ない限り、自分が答えられなかったクイズの正解を確認できない。 プレイヤーだけがクイズに挑戦するような場面では、正解すらわからず次のクイズに移行しなくてはならない。 このゲームをプレイしているうちに賢くなりたいなら、問題文をプレイヤーが覚えてインターネットで調べるなどの努力が必要。 アクション性が高いゲームだと問題文を確認するのもやっとだったりする。 得点のシステムがやや極端 パーフェクトを達成できた場合、あと少しでパーフェクトを達成できた場合の得点差が著しい 1位・2位・3位にそれぞれ200点、100点、0点とふりわけるルールのクイズもある。 キャラ個性のなさ 学力、運動のパラメータ以外であまりキャラが差別化できない。 問題文を読む、チームメンバーを動かすのはほぼプレイヤーの仕事。いわゆるおバカキャラの回答をどう予測するか、どうおバカキャラを正答へ導くかといった原作番組ならではのルールはほぼ消失している。 クイズへの回答に関しても、コンピューターがなにかしらの基準で機械的な処理をしている。そのため原作でおバカキャラとされていたキャラでも難問に対して平然と正答したり、頭がいいとされるキャラが何度も同じミスをする珍妙な光景が現れる。 クイズ中に挟まれる寸劇では、原作番組で組まれた音楽ユニット(Pabo、羞恥心、合田兄弟、スベラーズ)の出番がどうしても多い。 この音楽ユニット未所属で、学力も平均的な品川庄司はかなり空気。 おバカキャラも出番こそあるが、基本おバカ発言をするだけの役割で、原作にあったような笑える珍解答を楽しめるわけでもない。 ボイスがほとんどない しゃべる人物が当番組ナレーションの田中真弓氏のみ。番組を再現した寸劇のほぼすべてがふきだしとキャラの立ち絵で繰り広げられるだけなので非常に殺風景。 実際出演者全員に吹き替えさせることは無理に近かっただろうが、せめて司会の島田紳助氏や中村仁美アナには喋ってほしいところ。 評価点の裏返しになってしまうが楽屋裏の会話は、原作番組にあった下りを知らない限りは楽しめず、ただただ内輪で盛り上がっている会話のように映りかねない。 総評 原作番組に登場した多彩なクイズをうまくゲームへとデフォルメしている。 ゲーム構造上、ひたすらクイズに答え続けることになり、それでいて教育用ソフトの機能が弱いため、プレイを続ける意欲を持ちにくいことは課題。 ゲームとしてはあと一歩の出来であったとはいえ、番組の全盛期に登場したゲームであっただけに次回作でのブラッシュアップも期待された。 しかし、今となっては下述の理由で望むべくもないだろう。実際、10年以上経った現在も新作は出ていない。 余談 原作番組の前身は『クイズ! ヘキサゴン』という割と真っ当なクイズ番組であったが、視聴率的に芳しくなかったので番組内容を大幅にリニューアルする形で『II』となった。 その出演者の珍解答をクローズアップし、島田紳助氏がそれを弄ぶという番組のスタイルが視聴者に受け、常時高い視聴率を保持。「Pabo」や「羞恥心」といった番組内ユニットも人気を博し、芸能界において一大勢力を誇った。 しかし、本ゲーム発売から1年後の2011年に紳助氏が裏社会との黒い交際発覚の影響で電撃的に芸能界を引退したため、番組もなし崩し的に終了となっている。レギュラー陣だった芸能人も、現在では本番組に出演していたことについては黒歴史扱いしているものが多い。
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2013/08/06以降の編集は、ゲームカタログのKOTYリストの方でお願いします。 クソゲーオブザイヤーにノミネートされたソフト一覧リスト1 クソゲーオブザイヤー(KOTY)の据え置き機部門と携帯機部門で、ノミネート作ならびに選外作となったソフトを網羅しています。 右端の表記は本サイトにおける判定です。必ずしもすべてのKOTYノミネート作がクソゲー判定されているとは限りません。 対象ゲームを執筆された方は、このページにリンクと判定を入れて下さい。 執筆されていないゲームには判定を入れないでください。 判定は管理人及び有志の相談の上で変更される可能性があります。勝手に判定改変するのは絶対にやめましょう。 エロゲ部門、乙女ゲー部門のリストはKOTYゲーム一覧2へ 据え置き機部門(2004~2012) 2012据え置き 大賞 太平洋の嵐 ~戦艦大和、暁に出撃す!~ PS3 次点 デューク ニューケム フォーエバー Xb360PS3 ヘビーファイア アフガニスタン PS3 時と永遠~トキトワ~ PS3 クソゲー判定 選外 機動戦士ガンダム バトルオペレーション PS3 Dishonored PS3 SIMPLEシリーズ for Wii U vol.1 THEファミリーパーティー Wii U 2011据え置き 大賞 人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ Wii クソゲー判定 次点 Wizardry 囚われし亡霊の街 PS3 Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~ Xb360 code_18 Xb360 グラディエーターバーサス PS3 街ingメーカー4 Xb360PS3 クソゲー判定 ドラゴンボール アルティメットブラスト Xb360PS3 クソゲー判定 選外 スライ・クーパー コレクション PS3 マインドジャック Xb360PS3 DEAD ISLAND Xb360PS3 2010据え置き 大賞 ラストリベリオン PS3 クソゲー判定 次点 ラブルートゼロ Kisskiss☆ラビリンス PS2 クソゲー判定 戦極姫2 ~葉隠の乙女、風雲に乗ず~ Xb360 人生ゲーム ハッピーファミリー Wii クソゲー判定 選外 レッド シーズ プロファイル Xb360PS3 カタログ ノーモア★ヒーローズ 英雄たちの楽園 Xb360PS3 劣化ゲー判定 バスフィッシングWii ワールドトーナメント Wii クソゲー判定 F1 2010 Xb360PS3 人生ゲーム ハッピーステップ Wii 2009据え置き 大賞 戦極姫 ~戦乱に舞う乙女達~ PS2 クソゲー判定 次点 人生ゲーム Wii クソゲー判定 戦国天下統一 PS2 クソゲー判定 Let s 全力ヒッチハイク!!!!!!!!! Wii クソゲー判定 黄金の絆 Wii クソゲー判定 選外 涼宮ハルヒの激動 Wii クソゲー判定 FRAGILE ~さよなら月の廃墟~ Wii 新宿の狼 PS2 バカゲー判定 怒首領蜂大往生 ブラックレーベル EXTRA Xb360 改善ゲー判定 ダーツWii DX Wii カタログ ドアラでWii Wii すっごい!アルカナハート2 PS2 クソゲー判定 デカスポルタ2 Wii メジャマジ・マーチ Wii ティル・ナ・ノーグ~悠久の仁~ PS2 麻雀格闘倶楽部Wii Wi-Fi対応 Wii 改善ゲー判定 Battlestations Pacific Xb360 THE 麻雀~通信対局機能付~ PS3 ジャンライン アール PS3 改善ゲー判定 マグナカルタ2 Xb360 PUZZLE BOBBLE Live! Xb360 NARUTO-ナルト- 疾風伝 龍刃記 Wii 2008据え置き 大賞 メジャーWii パーフェクトクローザー Wii クソゲー判定 次点 メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!! Wii クソゲー判定 奈落の城 一柳和、2度目の受難 PS2 改善ゲー判定 大奥記 PS2 クソゲー判定 ジャンライン Xb360 クソゲー判定 神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア PS2 クソゲー判定 プロゴルファー猿 Wii クソゲー判定 選外 ポイズンピンク PS2 カタログ メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 Wii ミブリー テブリー Wii プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~ Wii クソゲー判定 ヤッターマンWii ビックリドッキリマシンで猛レースだコロン Wii カタログ Mr.DRILLER Online Xb360 ダービータイム オンライン PS3 改善ゲー判定 2007据え置き 大賞 四八(仮) PS2 クソゲー判定 次点 オレたちゲーセン族シリーズ PS2 カタログ APPLESEED EX PS2 エルヴァンディアストーリー PS2 クソゲー判定 戦闘国家・改LEGEND PS2 一騎当千 Shining Dragon PS2 クソゲー判定 ゾイドオルタナティブ Xb360 クソゲー判定 選外 ドラゴンシャドウスペル PS2 カタログ ローグハーツダンジョン PS2 リバーライドアドベンチャー PS2 GUILTY GEAR XX Λ CORE PS2 劣化ゲー判定 GO!GO!ミノン Wii クソゲー判定 ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2 Xb360PS3 新・中華大仙 ~マイケルとメイメイの冒険~ Wii 劣化ゲー判定 オプーナ Wii 良作 遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX TAG FORCE EVOLUTION PS2 劣化ゲー判定 グランツーリスモ5プロローグ PS3 2006据え置き 大賞 ファンタシースターユニバース PS2Win クソゲー判定 次点 ガンパレード・オーケストラ(三部作) PS2 クソゲー判定 ダージュオブケルベロス ファイナルファンタジーVII PS2 クソゲー判定 宇宙刑事魂 PS2 クソゲー判定 SIMPLE2000シリーズ Vol.100 THE 男たちの機銃砲座 PS2 クソゲー判定 カルドセプトサーガ Xb360 改善ゲー判定 縁日の達人 Wii クソゲー判定 聖剣伝説4 PS2 クソゲー判定 2005据え置き 大賞 ローグギャラクシー PS2 クソゲー判定 次点 ラジアータストーリーズ PS2 カタログ 戦闘国家-改- NEW OPERATIONS PS2 機動戦士ガンダム 一年戦争 PS2 クソゲー判定 天外魔境III NAMIDA PS2 ドラッグ オン ドラグーン2 封印の紅、背徳の黒 PS2 カタログ 絢爛舞踏祭 PS2 クソゲー判定 SIMPLE2000シリーズ Vol.82 THE カンフー PS2 クソゲー判定 グランディアIII PS2 クソゲー判定 コード・エイジ コマンダーズ ~継ぐ者 継がれる者~ PS2 高速機動隊 PS2 ソウルキャリバーIII PS2 カタログ 2004据え置き 大賞 ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸 PS2 クソゲー判定 次点 ダービースタリオン04 PS2 転生學園幻蒼録 PS2 クソゲー判定 幻想水滸伝IV PS2 カタログ 重装機兵ヴァルケン PS2 クソゲー判定 アーマード・コア ナインブレイカー PS2 黒歴史ゲー判定 携帯機部門(2007~2012) 2012携帯 大賞 ヘビーファイア・ザ・チョーズン・フュー 3DS 次点 パシャットバシット~Whack A Friend~ DSi クソゲー判定 次点 みんなの縁日 3DS 次点 Piaキャロットへようこそ!!4~夏の記憶~ PSP 選外 タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 3DS NEWラブプラス 3DS シャイニング・ブレイド PSP カタログ DJMAX Portable BLACK SQUARE PSP シェルノサージュ 失われた星へ捧ぐ詩 PSV 全wikiで記事凍結中 キミカレ~新学期~ PSP 2011携帯 大賞 対戦チンチロリン PSP クソゲー判定 次点 ヱヴァンゲリヲン新劇場版 3nd Impact PSP 選外 ナナミの教えてEnglish DS ~めざせTOEIC TESTマスター~ DS パタポン3 PSP クソゲー判定 RED STONE DS ~赤き意思に導かれし者たち~ DS 文明開華葵座異聞録 PSP code_18 PSP スーパーブラックバス 3Dファイト 3DS オレ様キングダム 恋もマンガもデビューを目指せ!ドキドキLOVEレッスン DS 2010携帯 大賞 ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!! PSP クソゲー判定 次点 ゲームブックDS アクエリアンエイジ Perpetual Period DS クソゲー判定 現代大戦略DS ~一触即発・軍事バランス崩壊~ DS 大戦略PERFECT ~戦場の覇者~ PSP 天下一★戦国LOVERS DS DS どんだけスポーツ101 DS クソゲー判定 プーペガールDS2 DS 選外 RPGツクールDS DS クソゲー(ツール)判定 真・戦国天下統一 ~群雄たちの争乱~ DS 2009携帯 大賞 戦極姫 ~戦乱に舞う乙女達~ PSP クソゲー判定 次点 北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王 PSP クソゲー判定 戦国天下統一 PSP クソゲー判定 ラストバレット DS クソゲー判定 超名作推理アドベンチャーDS レイモンド・チャンドラー原作 さらば愛しき女よ DS クソゲー判定 世界ふしぎ発見!DS 伝説のヒトシ君人形を探せ! DS クソゲー判定 選外 犬神家の一族 DS 夢想灯籠 PSP サンデーVSマガジン 集結!頂上大決戦 PSP クソゲー判定 ダン←ダム DS クソゲー判定 剣と魔法と学園モノ。2 PSP クソゲー判定 金田一少年の事件簿 悪魔の殺人航海 DS クソゲー判定 Jリーグプロサッカークラブをつくろう6 Pride of J PSP 改善ゲー判定 2008携帯 大賞 高校野球育成アクションゲーム めざせ!甲子園 DS クソゲー判定 次点 梅沢由香里のやさしい囲碁 DS クソゲー判定 SIMPLE DSシリーズ Vol.32 THE ゾンビクライシス DS クソゲー判定 ぷちえゔぁ DS クソゲー判定 海腹川背Portable PSP クソゲー判定 エンブレム オブ ガンダム DS クソゲー判定 ウィンディ×ウィンダム DS クソゲー判定 メジャーDS ドリームベースボール DS クソゲー判定 みてはいけない DS クソゲー判定 逆境無頼カイジ Death or Survival DS クソゲー判定 選外 超熱血高校くにおくん ドッジボール部 DS クソゲー判定 THE 営業道 DS ヤッターマンDS ビックリドッキリ大作戦だコロン DS カタログ ダンジョン オブ ウインダリア DS クソゲー判定 タクティカルギルド DS UNKNOWN SOLDIER ~木馬の咆哮~ DS マジカル頭脳パワー!!DS DS 2007携帯 大賞 ONI零 ~戦国乱世百花繚乱~ DS クソゲー判定 アパシー ~鳴神学園都市伝説探偵局~ DS クソゲー判定 次点 リーズのアトリエ ~オルドールの錬金術士~ DS クソゲー判定 SDガンダム Gジェネレーション CROSS DRIVE DS クソゲー判定 ドラグナーズアリア ~竜が眠るまで~ PSP クソゲー判定
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ZERO ESCAPE 刻のジレンマ 【ぜろえすけーぷ ときのじれんま】 ジャンル 極限脱出アドベンチャー 対応機種 ニンテンドー3DSプレイステーション・ヴィータプレイステーション4Windows(Steam) 発売元 チュンソフト 開発元 チャイム 発売日 【3DS/PSV/Steam】2016年6月30日【PS4】2017年8月17日 定価 【3DS/PSV】5,800円(税別)【PS4】3,800円(税別)【Steam】5,638円→4,104円→2,190円(税込) レーティング CERO D(17歳以上対象) 判定 良作 ポイント 最後の極限脱出「決断」のデスゲーム 極限脱出シリーズ9時間9人9の扉 /善人シボウデス / 刻のジレンマ 概要 ストーリー 世界観・用語 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 数多くの登場人物が織り成すサスペンスシナリオを搭載した脱出ゲーム『極限脱出』シリーズの一作。 前作の『極限脱出ADV 善人シボウデス』から4年越しの新作であり、シリーズ完結作である。 シナリオ・ディレクションは過去2作と同様打越鋼太郎氏だが、キャラクターデザインは前作までの西村キヌ氏から友野るい氏に交代している。 前作は基本的に1人の主人公の視点で時系列順に物語が進行していたが、今作は登場人物が3チームに分かれ、各チームの視点で脱出に挑む群像劇に近い形になっている。 前作、前々作と異なりタイトルに「極限脱出」は付いておらず、海外におけるシリーズ名である「Zero Escape」の名を冠している。それに伴ってか、旧作よりも海外を意識した部分が多く見受けられる。 ストーリー 全ての始まり、Xday、ラジカル6が漏洩した日。そして60億人が死ぬことが決定した日。2028年12月31日のネバダ砂漠。それは、実験施設「Dcom」での共同生活が始まってから6日目のことだった。その日、Dcomで実験を行っていた者たちを含める9人の男女は目覚めると監禁室の中にいた。左の手首にはバングル。そこに仮面をつけた謎の人物が現れる。「ある日偶然そこにカタツムリがいた、たったそれだけである女性が死んだ。人生とは理不尽なものだ……そうは思わんか?」謎の人物は、自分を 第二のゼロ と名乗る。「君たちにはDecisionゲームをしてもらう。これはきみたちと、私と、人類の存亡をかけたゲームだ」Decision(決断)ゲームとはなんなのか?3つの区画に分かれて行われるデスゲームの行方は?はたして、生き残るのはどのチームなのか?そして、「人類の存亡」とはなんなのか?今、悪夢のゲームが始まる。 世界観・用語 ディシジョンゲーム(Decision Game) ゼロに仕掛けられたゲーム。閉じ込められた地下核シェルターからの脱出を目指す。 参加者は3人1チームに分けられ、Cチームはカルロス・淳平・茜、QチームはQ・ミラ・エリック、Dチームはダイアナ・シグマ・ファイとなっている。シェルターはC区画・D区画・Q区画の3区画に分けられている。チームは自分の区画の中しか行けず、他の区画へは行くことができない。 各シナリオの主人公はCチーム編がカルロス、Qチーム編がQ、Dチーム編がダイアナ。この3人の視点でストーリーを体験していく。 シェルターから脱出するには、各区画のラウンジから繋がるエレベーターホールへの扉(Xドア)から地上に出るしかない。 Xドアを解錠するには6個のパスワードを入力する必要がある。パスワードは参加者が1人死亡する毎に1個ずつ開示される。つまり、他のチームの人間が全員死ねばチームは生き残ることができる。 前作までのノナリーゲームやABゲームのような、数字や色を用いた仕掛けや複雑なルールは存在しない。ルールは、後述するように90分毎に記憶消去が行われる事と、6人が死亡すれば脱出の為のパスワードが得られるという事だけ。 しかしシェルター内には様々な仕掛けが施されており、主人公達は何度も命の危険に晒され、否応無しに脱出ゲームや「決断」を迫られる事になる。 バングル 全員に強制装着された腕輪。参加者が活動を開始してから90分後に麻酔薬と記憶消去薬がバングルから装着者に注射される。ゆえに参加者は記憶消去薬によって前回の活動期間の行動を覚えていない。ただし、ゼロの判断によって記憶消去薬を投与しない場合もある。また、両側のボタンを押すことで現在時刻が表示される。 システム クエストパート クエストパートは、いわゆる脱出パートであり、シェルター内の施設を探索して、そこに仕掛けられた謎を解いていくというもの。 前作と違い上下左右のギミックもあり、前作よりは難しめ。 シネマパート シネマパートは、いわゆるムービーシーン。全員がフルボイスで喋り、臨場感の溢れるドラマを堪能できる。 ディシジョンパート 本作で行われるデスゲームである。 内容は、ゼロから提示される理不尽極まりないゲームや、チームメンバーとの論争など実にさまざまだが、選択次第でのちの展開に大きな影響を与えるものばかりなので、慎重に慎重を重ねた決断を下す必要がある。 一見正しい選択も実は違ったり、またその逆もあるなど、単純なイエスノーの二元論を超越した、良い意味で厄介な選択肢になる。 フローティング・フラグメント・システム 本作のストーリーは、時系列の不明な「物語の断片」の中からプレイする物語を選ぶという「フローティング・フラグメント・システム」を使ってゲームを進めていく。 物語の断片の数はストーリーを進めるごとに増えていき、徐々に全貌が明らかになるという仕組みである。途中でほかの断片を選び直すこともできるので、詰まったら別のチームに切り替えてみると、また違った視点でストーリーの背景が見えてくる。また、クリアした断片は「グローバルフローチャート」として時系列順に可視化される。 Quest-FILE 脱出パートで部屋を調べると手に入るファイル。 主に脱出パートのヒントである Cinema-FILE ムービーパートで出てくる用語・固有名詞の解説してくれるファイル。 評価点 歯ごたえのある脱出ゲームの難易度 今回も仕掛けやミニゲームパズルが数多く用意されている。好評だった前回を踏襲して、大元の難易度は「簡単すぎず、難しすぎず、理不尽でない」の範囲をキープしている。 脱出の仕方はどれも同じだった前作までと異なり、脱出の種類も増えている。二人視点での攻略など飽きさせない。 前作までの脱出パートは先に進む為に挑戦させられる課題、ゲームを盛り上げる余興と言った側面が強く、ストーリー上の意味はさほど無かった。しかし今回の脱出パートはいずれもストーリーに組み込まれており、謎を解くモチベーションに繋がっている。 施設内のいたるところを調べ、点と点をつなぎ合わせていき、一本の線としてつなぎ合わせるというクエストパートの展開はまさに王道の謎解きとなっている。ある意味、プレイヤーの推理力が最も試されるシステムでもあり、見事謎を解いた時の達成感は確かなものがある。 前作までは打越氏が脱出パートも全て考案していたが、今作では新たに脱出パート担当のデザイナーが二名参加しており、よりバリエーションに富んだ謎解きが用意されている。 本作の意味深なパッケージイラストは、実はある脱出パートの場面である。忘れた頃に出てきて、プレイヤーを驚かせてくれる。 シナリオ面 続きを知りたくなるシナリオ 時間、場所、歴史、様々に描かれる物語は多くの謎に満ちている。以前と同じように、伏線はテキストだけでなくゲームの構成要素全体を取り込みダイナミックに張られている。 それらがゲームの進行に合わせて次々と種明かしされていくさまの面白さとその内容の意外性が、プレイヤーを熱中させてくれる。 閉鎖された空間で行われるデス・ゲームから起こる臨場感ある人間ドラマも健在。 ゲームの状況によっては仇討ちに走ったり、自暴自棄に陥る者も現れる。そして、信頼や愛情が目覚めることも。絶望的な状況であるからこその人間ドラマも本作の魅力の一つである。 システムと設定が巧みに交差している。 フローティング・フラグメント・システムという様々な時間、場所、人物で行われるゲームやシナリオの数々はシステムそのものが伏線となっており、ゲームとよくマッチしている。 何故このシステムなのか?何故この世界観なのか?それさえも伏線となっており、ゲームの楽しみの一つである。 このパートではパスワードが分からず、先に進めないルートも別の場所でパスワードを知るということもあり、システム全体が謎解きとなっている。 過去作の伏線回収 過去作(特に前作)では多数の謎を残して終わってしまっていたが、本作ではその多くが解明され、物語は大団円を迎える。 前作の消化不良極まりない結末で「現実のシナリオロック」を喰らったプレイヤーは、本作においてようやくロックを解除する事が出来る。あの物語の結末がどこに向かうのか、それは本作をプレイしてその目で確かめて欲しい。 哲学・数学 ・心理学要素 スワンプマン問題、眠り姫問題、モンティ・ホール問題など本作でも哲学、心理学などが混ぜられたシナリオは好評。トリックと合わせて打越氏の持ち味が存分に活かされており、物語を深めてくれている。某有名時間遡行映画を例にした考察もある。 雑談の増加 脱出パートでは雑談が復活。淳平と茜の夫婦漫才を始め、本編の良い塩梅となっている。 前作ではイージーモードでしか殆ど聞けなかったので、今回はそう言った点を気にせず楽しんで脱出ゲームに挑戦できる。 キャラクター 『999』から淳平と茜、『善デス』からファイとシグマが登場。前作と前々作の主人公とヒロインが集結するという、正に完結作に相応しいキャスティングにファンからは発売前から歓喜の声が上がった。前作に絡む伏線回収も本作の醍醐味である。 新キャラのダイアナ、Q、カルロスらも前作キャラに負けず劣らずの個性があり、彼らもゲーム全体の伏線の大きく関わってくる。 シネマパートではキャラクターの意外な過去や性格の側面などにもスポットが当てられており、非常に見応えもある。 今回の新規声優も杉田智和氏や石田彰氏、坂本真綾氏と過去作に負けず劣らず高い知名度を誇る人気声優揃い。重厚な人間ドラマを迫真の演技で盛り上げてくれる。 後のダブルパックで音声が付いた『999』では淳平、茜のCVは本作に準拠している(*1)。 能登麻美子氏のみダイアナ役で続投しているが、これにもちゃんと理由がある。 グラフィック 3Dキャラクターデザインの向上 『善デス』では粗い3Dモデルに批判が大きかったが、今回は大きく改善。特に、前作のファイのモデリングは大きく変化して高評価。 シネマパートでは、主人公たちが勝手に話し、動き、まるで海外ドラマを見ているように感じる。 システム面 フローチャート機能 今回は様々な時間や場所に飛ばされる仕様であり、様々なチーム、場面を選択するのだが、フローチャートがあり、時系列的には混乱することは少ない。 クリア後に時系列毎にみるとまた違った見方が現れる。 バックログやスキップが搭載された。 賛否両論点 ショッキングなシーンの増加 ディシジョンゲームの「参加者の内6人が死ねば脱出可能」というシステムにより、登場人物の死亡が常態化。誰であろうが数回にわたって死亡する上、ゼロによる処刑は残酷なものが多く、人によっては気分が悪くなるかもしれない。 刺殺、射殺などは当たり前。過激なものになると、酸で肉片になるまで溶かされる、焼却されて灰になる、爆弾で頭を吹っ飛ばされる、さらにはバラバラにされて首だけが置かれるといった死に様まで登場する。 新キャラは勿論、淳平、茜、シグマ、ファイと言った過去作からお馴染みのキャラもが無残な死体と化すのは不可避であり日常茶飯事。その凄惨さは前作の比ではない。 ドラマパート グラフィックが向上して、動きが出るようになり臨場感が増したのは確かだが、一方で動きが出た所為でテンポが悪くなった側面もあり、一長一短。 また旧作の海外の反響を受けて本作が制作された為か、登場人物の生い立ちや言動、それに伴うイベントが洋画調。登場人物自体も日本人は茜、淳平だけである。 この洋風な雰囲気が良いとする意見もある一方、前作までにあった砕けた雰囲気がなくなったと批判する意見もある。 Qの正体 今作肝である、Qの正体であるが、その正体は少々賛否があり、人によってはアンフェアと思うかもしれない。 + ネタバレ注意 そもそもQとされるヘルメットの少年はQではない。Qと呼ばれる人物は別に存在していて、名前も違う。 しかしQチームの主人公である事や、彼の名前を呼ぶ者がほぼいない事、プレイヤーに明かされるまで本物のQの存在に触れられる事自体が皆無な事(厳密に言うと触れる場面はあるが、何も情報を得ていないほとんどのプレイヤーはQではないと思い込んでしまう)などから、自然とプレイヤーは彼がQであると思ってしまう。それでいて、彼がQではない伏線は多数張られている。この打越テイスト溢れる巧みなミスリード自体は評価されている。 一方で、公式サイトや各種情報、初回特典のブックレット等でははっきり「Q」と紹介されているため、これはアンフェアと思うユーザーも多い。 打越氏が過去に手がけたinfinityシリーズも説明書が嘘だらけであり、それを踏襲した系統のトリックとも言えるが、あちらがプレイヤーや登場人物を騙す事にストーリー上の意味があるのに対し、少年のことをQだと誤認させることに意味は全く無い(登場人物は本人含め全員がQと少年は別人だと分かっている)。 本作の説明書には登場人物紹介が無い事が幸いして、HPや他の情報誌を見ないでそのままプレイしたユーザーにはこの点に関しては問題はない。 繰り返しになるが、本作のストーリーにおいて少年=Qと思わせることに意味は全く無い。つまりストーリーとは別枠で、純粋にプレイヤーのみを騙すための仕掛けとなっている。 そのため、見方によれば難解なストーリーをさらに分かりにくくしているだけである、という受け取り方も出来てしまう。このような仕掛けが好みか、意味を感じるか否かでゲーム上の評価は大きく変わるだろう。 システムの都合上、勘違いしていたりプレイヤーが正しく状況を理解していないままシナリオが進んでしまうことも珍しくなく、少年=Qという認識が断ち切られずに急に少年の呼び名が認知されている、もしくは変わったと感じ混乱したというプレイヤーも。 この仕掛けを組み込むのであれば、騙されたという感覚は薄まってしまうが、もう少し分かりやすい伏線があっても良かったかもしれない。 SHIFTの乱用 前作の終盤のキーとなっていた「SHIFT」能力(*2)が今回も登場するのだが、前作では使用者はシグマとファイだけだったのに対し、今回はほぼ全員が使えるようになった。その理由が「大勢のSHIFT保有者といること」というもので、少々やっつけ気味ではという意見もある。 また、終盤にSHIFTのせいで違う歴史の自分達を「死亡が確定する未来」に飛ばす(*3)ことを躊躇するシーンがあるが、これまで散々SHIFTしてきたので今更感が強い。 実際、作中でも早い段階で「SHIFTとはそういうもの」だと割り切るように言われるので尚更そう思えてしまう。 バッドエンド不可避なシステム 前作と同様だが、シナリオの性質上「どちらも後味が悪い上に、最終的に両方選ばなければならない選択肢」が大量に登場する。特に今回は「運命の理不尽さ」がテーマである通り、ディシジョンゲームで迫られる決断の内容も無慈悲なものが多い。全編を通して究極の選択を何度も迫られる為、ストーリーは重くプレイヤーの精神への負担も少なくない。 トゥルーENDに至るには凄惨かつ陰鬱なバッドエンドの殆どを体験しなければならない。そういった体験を経ただけあって、脱出時のカタルシスは大きいが、そこまで辿り着くまでの道のりが血に塗れている事は覚悟しなければならない。 とは言ったものの、前述したようにとにかく登場人物が死にまくる他、後半ではSHIFT能力が多用されるので、ほとんどのプレイヤーはゲームを進めるごとに命が軽く感じるだろう。SHIFT前提であえて死に向かっていくキャラクターもいるので、彼らと同じように割り切ることが出来れば精神的な負担は軽減されると思われる。 もっともその境地に至れるまでの前半はどうしようもないが。 脱出パートの音声はなし これまでのシリーズ同様に脱出パートに音声はない。 トゥルーENDの是非 + ネタバレ注意 トゥルーENDは最後の決断が明かされないオープンエンド形式となっている。 今まで何度も究極の選択を迫るディシジョンゲームを行ってきたにもかかわらず、ラストがこのような形式のため不満に思う声もある。 問題点 シナリオ面 キャラクターの改悪 登場人物の性格に関して、旧作から続投した4人のうちファイはほとんど変わっておらず、シグマは変わる相応の理由が存在するが、淳平・茜に関しては特に大きな理由は無いにもかかわらず、ビジュアル変更も相俟って「999」からほぼ別人と言っていいほどの変わりっぷり。 淳平は正義感の強い好青年からは一変、やさぐれてしまい終始口調が荒い上、周りへの態度も悪い。一応作中でそうなってしまった理由が語られるだけ茜よりはマシだが、要は「裏社会の闇を見たから」であり、納得感は薄い。 根は変わっておらず優しい、などの後に好印象に繋がる設定も殆ど見られず、とあるエンドでのカルロスへの仕打ちはクズの一言。 茜は「999」の真相などを踏まえた変更であるとは考えられるが、淳平に何かがあると正気を失い、攻撃的になってしまうような感情の起伏が激しいキャラとなってしまっている。 + ネタバレ注意 特にバラバラにされた淳平を見て発狂し、チェーンソーを持ち出して無実のカルロスの前に襲いかかる場面は槍玉に上げられやすい。 愛する人の変色した生首を目の当たりにするという非常にショッキングな出来事に出くわした心情は察するに余りあるが、それを考慮してもチェーンソーを持ち出し、犯人である可能性は高くとも(*4)本当にそうであるのか定かではないチームメイトに襲いかかるのは人としてどうなのか。 この場面はディシジョンゲームによってストーリーが2つに分岐するのだが、その1つでは結果としてカルロスの左腕を切り落とし、八つ当たりでは済まないレベルの実害を出している。というかカルロスが反撃しなければ確実に人1人を冤罪で殺めていただろう。 因みにもう1つの分岐ではカルロスが自分を犯人だと思い込み茜に襲われるより前に自殺するのだが、茜はカルロスが倒れた瞬間に正気を取り戻す。それ故に、非常に不安定な印象を受ける。 長くなるので省略するが、これ以外にもカルロスは茜の暴走に巻き込まれていたり、淳平・茜に振り回される場面が多い。1番の被害者は間違いなく彼だろう。 この改悪のために淳平は本作よりも「善デス」ルートの方が幸せなのでは……という声まで上がる始末。曲がりなりにも第1作である「999」の主人公とヒロインなのだが、ケチがついてしまった。 考えうる理由として「999」のままの淳平や茜では残酷さがなくシナリオ展開が難しかったのかもしれないが、それにしてもあんまりな改悪である。本編のストーリーでこの2人に好感を持つ人は少ないだろう。 後日談が薄い 本作には後日談が用意されているが、トゥルーEND後にCinema-FILEで小説形式で語られるという寂しい物。音声などの演出もない。 そもそも後日談が追加されたなどのシステムメッセージは表示されないため、気づかないプレイヤーもいる。 トゥルーENDは大団円ではあるが、最後の選択を明かさない形で終わる。後日談では当然そこには言及されない。消化不良に感じる人もいるかもしれない。 後日談自体は基本的に後味が良い内容になっているだけに残念である。映像の制作は難しかったのだろうか。 しかもDチームに至っては後日談自体が無い。打越氏によるとこれは意図したものだそうだが、やはり不満の声は多かった模様でtwitterで謝罪する事態になっていた。 また、一部キャラクターの描写が薄い。 + ネタバレ注意 ミラは大量殺人鬼であった事が作中で明らかになるのだが、倫理観の欠如したシリアルキラーにもかかわらず後日談でいきなり改心して自首する。 作中にその過程が描かれていれば良いのだが、実際は全くそんな素振りは見せず、自分が殺されようが惨事に遭遇しようがエンディングに至るまでほぼゴーイングマイウェイを貫いている。一応、主人公達の意志に賛同はしているがその場の流れで言っているだけにしか見えず、彼女自身が自分の行為を顧みて悔い改めるような描写は作中には無い。一体、エンディング後に何があったのか。 また、後日談ではそのせめてもの償いの道が示される大きな出来事があるのだが、これもやはり小説形式。ちゃんと映像で(ry Xドア解除のパスワードが面倒くさい Xドア解除するために、わざわざ6つのパスワードを入力しなければならず少々面倒。入力させることに演出的な意味がある場面は少ない。 一部伏線未回収。 完結作であるがシリーズ全体で見ると未回収の伏線がある。『善デス』メンバーのその後、前作のオルタナティブENDの件など、前作の伏線のうち特に今作の本編に関わらないものは回収されていないものが少なく無い。 前述の通り、『善デス』と深い関わりがあるDチームに後日談が無い事もこの問題に拍車を掛ける。主人公のダイアナ、シグマとファイは勿論、前作登場したKやアリス達がどうなったのかは一切分からないまま終わってしまう。 『999』のメンバーに関してもおまけ程度にしか語られないが、あちらは本編や『善デス』で大凡の決着が付いているのでまだ良い。『善デス』に続投した四葉などは救われないが。 本作は「シリーズファンの期待に応えられる」「シリーズ未経験者・予備知識のない人でも楽しめる」と、両方に配慮した作りになっているとされるが、その為に過去作に触れるのはシナリオ上の必要最低限に留められてしまっている。 シリーズ未経験者のハードルを低くする事は至極真っ当な事だが、それでシリーズファンに消化不良感を与えたのでは元も子もない。完結編なのだから、完全に未経験者置いてきぼりとまでは行かずとも、未経験者への配慮よりもシリーズを後腐れなく終わらせる事に専念した方が良かったのではないだろうか。 一方、完結編である上に複雑なストーリーである以上、いくら配慮しても予備知識なしの初心者には分かり辛い部分はそれなりにある。結果、どっちつかずな作りになってしまっている印象も否めない。 また今作のみでも明かされない部分がある。 Dチームのエンドの一つで、地下に残るダイアナがマインドハックを受けた理由など不明な点はある。 システム面 不完全なスキップ ムービーシーンのスキップが1シーンだけでなく、1、2シーンスキップしてしまう。 自分のペースで、早く進めたい場面では不便極まりない。特に上記のショッキングなシーンを見たくないというユーザーもいるため、批判が多くなった。 また本作は脱出パートとフルボイスのムービーシーンで構成されているが、ムービーシーンでセリフ送りをすることはできない。繰り返しになるセリフや内容でも強制スキップをオンにしていない限り飛ばすことができない。 パネルの反応の悪さ 前作同様に画面の反応がおかしく、メモが書きにくかったり、脱出パートで調べられるものの判定が狭く詰まりやすかったりする。 少しでも快適に遊ぶには手書きのメモを用意しておくことを推奨する。因みに、前作の図形並び替えのような操作性の悪い謎解きは存在しない。 総評 完結編の名の通りに以前の伏線やキャラを巧みに使い、ゲームを完成させている。 一部アンフェアな部分はあるが、ゲームそのものとしては問題ないだろう。 未回収の過去作の伏線こそあれど、『999』から続く物語自体は完結している為、過去作をプレイしたことあるユーザーはきっと満足できるゲームである。 余談 2017年にSteam/PSV/PS4で、2022年3月22日にXbox Oneで『999』と『善デス』をカップリング移植した『ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック』が発売された。 これにより、過去2作も『ZERO ESCAPE』のタイトルを冠することになった。 海外では当初より「Zero Escapeシリーズ」と呼ばれており、前作『善デス』も『Zero Escape Virtue s Last Reward』というタイトルだった。本作の海外版のタイトルは『Zero Time Dilemma』。 さらに本作『刻のジレンマ』を加えた三部作『ZERO ESCAPE トリロジーパック』としてもパック発売されている。これは1つのソフトにしているのではなく、単に『ダブルパック』と本作のセット販売である。
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「修正依頼」が出されています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「ゲームシステムの説明の追加」「通信プレイでの作成ハンターの使い方の記載」です。 ハンター×ハンター ハンターの系譜 【はんたーはんたー はんたーのけいふ】 ジャンル RPG 対応機種 ゲームボーイカラー(専用) 発売元 コナミ 開発元 コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(EAST) 発売日 2000年6月15日 定価 4,500円(税別) 判定 クソゲー ポイント 上にのんびり進むだけの一次試験野探しするだけの二次試験罠を避けて進むだけの三次試験無抵抗のトイレマークをリンチするだけの四次試験と最終試験(クソゲー)ハンター試験 少年ジャンプシリーズリンク 概要 問題点 システム面 ゲーム面 評価点 総評 余談 概要 週刊少年ジャンプ誌の人気漫画『HUNTER×HUNTER』のゲームの1作目。 内容は原作の序盤「ハンター試験編」をゲーム化したもので、主人公はハンター試験を受ける為、試験会場に向かうところから物語は始まる。ストーリーは原作を踏襲している。 なお、題字にアニメ初期のものをそのまま使用しているため、タイトルはカタカナの『ハンター×ハンター』表記となっている。 問題点 システム面 キャラクターがマスに沿って移動する事が大部分を占めているゲームだが、その移動がとにかく遅い。『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』や『星をみるひと』に匹敵するほど。 また、他のキャラクターもほぼ同じスピード(主人公よりちょっとだけ速い)で歩くのだが通路で詰まってプレイヤーの移動を遮ることがある。 さらにキャラクターは話してかけても同じ台詞ばかり返し、無機質な印象を与える。 相手が無防備で、こちらが攻撃してもまったく反撃してこない。戦闘と言うより単なる暴行で、駆け引きも何もない。 アイテムが無駄に多いものの、そのほとんどはハンターの称号に関係するだけでゲーム上役に立たないものばかり。 また、「○○ポイントのダメージ!」などと表示されるが、基準となる数値が出てくるわけではないので、敵味方のHPが把握できない。 ゲーム面 ゲーム開始時に名前性別や体型、師匠などを選択するがほとんど意味がない。 試験会場に行く過程もサウンドノベル形式で原作通りに進む。いくつか選択肢がでるが、短くどれを選んでも結局あっという間に会場にたどり着くので意味がない。 一次試験はただ上に進むだけ。探索に時間をかけてもペナルティは無し。 周りのキャラクターに攻撃しても反撃されない。たとえ攻撃相手が原作屈指の超危険人物だったヒソカであろうと、こちらの攻撃に無抵抗・無反応で黙々と上に進む。 その次の二次試験が 最大の鬼門。 食材を探して作った料理を試験官に提出すればクリアなのだが…… 原作ファンならばスシ(寿司)を作りたくなる所だが、スシを作ることはまずできない。このせいで二次試験で詰まったプレイヤーも多いようである。 正確に言うと、スシを作れそうな組み合わせ(米+魚)を試しても高確率で失敗する。 フィールドに落ちている米、魚、肉、各種野菜などのアイテムの内の2つを合成して料理を作るのだが、作れる料理(正解の組み合わせ)はプレイする度にランダムで決定する一品のみ。正解ではない料理は合成自体ができない。つまりは運任せの総当り。 またバグにより合成したアイテムが消えることがある。 確かに原作でも、料理の試験は受験生達も手こずっていたが、ゲームにまで入れてくると非常に面倒である。 三次試験は一次試験と同様、ゴール地点まで進むだけ。 途中にトラップがあるがはっきり言ってたいしたものではなく、「さがす」を使えば楽に避けられる。 この試験でトラップを3回踏むとゲームオーバーになるが、敢えてゲームオーバーの可能性があるポイントを挙げれば本当にココだけである。 四次試験は敵を倒してプレートを奪ったらクリア。 前述の通り、敵が一切襲ってこないのでフルボッコにしてしまえば簡単にクリアできる。 その戦闘シーンというものが、右から左に向かって動く照準が、トイレマーク(標的)の上に来たらボタンを押すという驚天動地のシンプルっぷり。 武器は攻撃力8の近接武器と攻撃力4の遠距離武器の2種類に分かれており、近接武器は攻撃力こそ高いものの攻撃できるのは前後左右1マスだけなので、攻撃できる確率は決して高くない。遠距離武器は攻撃範囲が数マスあるものの攻撃力は低い。いずれにせよ、相手の進行方向に突っ立っていればあとはただのサンドバッグである。 最終試験も同じく敵が襲ってこないのでボコるだけ。むしろ、四次試験をクリアできて最終試験をクリアできない方がおかしい。 また、失格者も原作通りになっており、if要素はない。 一直線に進めばクリアまで1時間というペラペラボリューム。 しかもゲームオーバーが実質存在しないため、攻略する楽しみは皆無に等しい。 評価点 原作のキャラクターと会話して好感度を上げることができる。 好感度はエンディングの会話などに影響する。 オープニング及び幕間のサウンドノベルパートの原作キャラのグラフィックは概ね再現率が高い。 試験会場に向かうサウンドノベルパートでは原作通り「ドキドキ2択クイズ」が行われる。 前述したとおり何を選んでも進めるのだが、原作を読んでいるプレイヤーが選ぶであろう回答の場合には専用の会話が発生するなど、その点の原作再現はしっかりしている。 総評 メインとなる試験本編は操作性も悪く、移動速度が遅く快適も無い作業ばかりを強いられるゲーム……のような何か。 原作に沿って試験を進めるだけで肝心の内容は酷い有様。 結局、メインを抜いたらキャラクターと会話して好感度を上げるだけの馴れ合いをするゲームになってしまった。 キャラゲーとしてもGBC作品に限らない全ゲーム中トップクラスのクソゲーと言えよう よほど原作愛が強い人なら上記の苦痛な作業を乗り切れるかもしれないが…… 余談 本ゲームで出てくるアイテムのユウギカードは遊戯王カードの事。 開発元が遊戯王デュエルモンスターズシリーズを担当している。 遊☆戯☆王デュエルモンスターズII 闇界決闘記を所持していれば隠しキャラクターのオーギュが出現し、隠しシナリオが遊べる。 オーギュは次回作の『HUNTER×HUNTER 禁断の秘宝』では隠しキャラではなく、ゲーム内でプレイヤーにキーアイテムを与えてくれるキャラとして普通に出てくる。
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熱闘サムライスピリッツ 【ねっとうさむらいすぴりっつ】 ジャンル 対戦型格闘アクション 対応機種 ゲームボーイ メディア 4MbitROMカートリッジ 発売元 タカラ 開発元 タムソフト 発売日 1994年6月30日 定価 4,660円(税抜) プレイ人数 1~2人 周辺機器 通信ケーブル(通信対戦)スーパーゲームボーイ/同2対応 判定 なし ポイント 何もかもがあやふやオリジナルのオープニングデモなどが追加飛脚がプレイアブルキャラクターである唯一のタイトル割り切ってプレイすればなんとか遊べる 備考 スーパーゲームボーイを使用した場合のみカートリッジ1本で対戦プレイ可能通信ケーブルでの対戦プレイ時はカートリッジ2本必要 サムライスピリッツシリーズ 熱闘シリーズ 概要 評価点 問題点 総評 その後の熱闘シリーズ 余談 概要 SNK(現 SNKプレイモア)から発売された対戦型格闘ゲーム『サムライスピリッツ』のゲームボーイ向け移植作品で、「熱闘シリーズ」の第1作目となる。 発売は同作スーパーファミコン版の発売元でもあるタカラ(現 タカラトミー)が行っている。 開発は発売当時会社組織を立ち上げたばかりのタムソフトによるもの。 GBの性能に合わせてキャラクターがデフォルメされた他、ボタンも2つしかないため、斬りがB、蹴りがA、強斬りがA+B同時押しとなっている。 また、特定の隠しコマンドを入れる事で本作のボスキャラクターである「天草四郎時貞」の他、「黒子」と「飛脚」が使用可能となっている。 評価点 追加要素 概要の通り、ラスボスや追加キャラが使用可能。 黒子の性能は本作オリジナル仕様。本作発売の4ヶ月後にアーケード版『真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変』にて特定条件下で乱入キャラクターとして黒子が登場するが、そちらとは技が全く異なる。 飛脚はアーケード版などで対戦中にマップ奥の方を駆け抜けながら色々なアイテムを放り投げてくる脇役のアレ。プレイアブルキャラクターとして使用できるのは、後作含むシリーズ全体で見ても本作のみとなっている。 勿論、出現させれば敵キャラクターとしても登場して戦うことになる。その際のステージは、黒子は演武(ボーナスステージ)の流用だが、飛脚はオリジナルのステージが用意されている。 本作ではキャラクターを選んだ後で、そのキャラクターが旅立つ理由が描かれる。 完全に黒子のそれはギャグのノリだが、隠しキャラクターにもちゃんと用意されている。 黒子は(半蔵の)果し合いに魅せられ、自身も戦いの場に立ちたくなったというもの。 飛脚は天草によって妹を人質に取られ、邪魔者となる敵を倒すよう命じられたというもの。 再現度関連 流石にアーケード版のそれは不可能だが、幕間デモの類などもアレンジを加えつつもちゃんと収録されている。 また、『サムライスピリッツ』の移植は機種によってはキャラクターが一部削られていたりするが、本作の場合は元々登場するキャラクターは全て登場し、それでいてラスボスの天草が使用可能になったり新キャラクターの黒子と飛脚を追加しているなど、ボリューム面でも評価できる。 総じて可能な限り作品の雰囲気を再現しようと頑張っているのは認められる。 BGM 一部のステージは全く別物のBGMがあてがわれているが、それらも雰囲気を壊すようなものでは無く、全体的な曲の質としてはGB音源であることを考えれば、十二分に頑張っていると言える。 また、ラウンドを跨いでもBGMが途切れずに流れ続ける点は評価できるだろう。 問題点 何もかもがあやふや 技の攻撃判定・威力などはいうに及ばず、あらゆる要素があやふやになってしまっているため、まともにプレイしようとするとストレスが溜まる。 特に攻撃力のランダム性が激しく、同じ行動でもダメージ幅が非常に大きいため運ゲーに近い。 当然まともな対戦プレイなど望むべくも無く、プレイヤー側はそれを前提として割り切ってプレイする必要がある。 ニュートラル状態の敵が至近距離にいる状況で、投げのコマンドを入れているのに投げが成立せず、それどころか逆に投げ返された程度のことでイライラしていたらこのゲームはまずプレイできない。 ただ、このあやふやな部分を許容できれば(それが難しいのだが)操作性だけはまだまともな方なので、何とか遊べるものではあり、どう足掻こうがプレイできたものではない訳ではないというだけマシかも知れない。 爽快感に欠ける アーケード版は通常時でも覇王丸の遠距離強斬り(斬鉄閃)一発で2割3割は平気で持って行っていったが、今作の場合はそもそも覇王丸の遠距離強斬りのモーションが異なっている上に、威力もあまり高くない(とは言え、モーションが近いだけメガドライブ版よりはマシだが)。 一例として覇王丸の遠距離強斬りをあげたが、全体的に威力が低めに押さえられている事も影響している。 …が、ここもあやふやで思い出したかのように突然威力が跳ね上がったり、ただでさえ低いのが余計に弱くなったりと訳が解らない。 また、怒りゲージも再現されているが、怒り状態がすぐに切れてしまう上に、元々が上記のような有様で通常時とダメージの差が実感できず、有って無いようなものになってしまっている。 総評 演出面などで見る所がない訳でもなく、そう言うものだと割り切って遊ぶ分にはどうにか遊べるようにはなっているが、ゲームボーイだから仕方ないとして納得できるかは限りなく疑わしい、クソゲーに片足を突っ込んでいる作品である。 しかしながら、ゲームとしてまともな部分が皆無と言うほどに破綻しきっていると言う訳でもなければ、作を追うごとに(当然と言えば当然だが)シリーズ作品の完成度が上がっていった事を考えれば、むしろシリーズ1作目としては頑張った…と言っても良いのかも知れない。 その後の熱闘シリーズ 本作以降、「熱闘シリーズ」としてSNKを中心とした格ゲーのGB移植が継続して行われるようになり、内容も段々と洗練されていった。 本作とその後のシリーズの大きな違いとして、SGB使用時専用フレームの実装と、スコアの廃止が挙げられる。 サムスピシリーズのGB移植としては、後に『熱闘サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』が発売されている。 余談 本作には「得点」の概念があるが、コンティニュー回数が増えたり、スコアランキング等が用意されている訳でも無く、特に意味の無い要素となってしまっている。 開発側もそのことに気づいたのか、『熱闘餓狼伝説2 -あらたなるたたかい-』以降は削除された。 対戦中の画面上部にある体力ゲージの上にはキャラクター名が表示される。 ひらがなとカタカナを用いて表示されるのだが、カタカナで表示される上に名前に長音(「ー」のこと)が入るキャラクターは、何故か長音が「~」で表示されるため、非常に見た目に脱力するものとなっている。 該当するのが「ガルフォード(ガルフォ~ド)」・「アースクェイク(ア~スクェイク)」・「ワンフー(*1)(ワンフ~)」の3名。 また、なぜか黒子は文字の間に空白が取られている(「 く ろ こ 」のような案配)。…何故。 本作の発売から半年後にゲームギアにて初代サムライスピリッツが移植された。 GG版はアースクェイク・王虎・タムタムの3人や対戦モード、エンディングが削除されているものの、グラフィックがオリジナルに忠実な物が再現されてたりと、ゲームの出来自体は悪く無い様子。 更にその後は、SNKアーケードクラシックス vol.1やネオジオステーションを経由してオリジナル版自体もPSPに移植されている。この様に現在は本作より出来の良い携帯機移植作品が存在しているため、本作独自の隠しキャラやストーリーが目当てでないのなら、携帯機で初代サムライスピリッツを遊ぶのなら素直に別機種のものを選んだほうが良いだろう。