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デュオ・マックスウェル(Duo Maxwell)(CV 関俊彦) デュオ・マックスウェル(Duo Maxwell)(CV 関俊彦)【解説】 【属性】 【台詞】 【解説】 生年月日・・・A.C.0180年頃、15歳 血液型・・・不明 身長・・・156cm 体重・・・43kg 趣味・・・ジャンクいじり 特技…破壊活動他 原作搭乗機・・・XXXG-01D ガンダムデスサイズ XXXG-01D2 ガンダムデスサイズヘル XXXG-01D2 ガンダムデスサイズヘルカスタム XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ OZ-06MS リーオー 通称・・・2、死神、としくん、綺麗なラウ 【属性】 ガンダム 少年 非正規軍機体 格闘機 【台詞】 選択時また死神に戻るか… 派手に暴れてやるぜ! 死神が地獄から舞い戻ってきたぜぇ!! 俺はデュオ。デュオ・マックスウェル 戦闘開始時派手に暴れてやろうぜ! そろそろ始めるとするか! 行くぜぇ…死神のお通りだ! そいじゃ…おっぱじめますか!! さぁて、死にたい奴は前に出な! 地獄への道連れは、ここにある兵器と戦争だけにしようぜ! ま、盛大なパーティになることは、間違いないと思うんだけどな 逃げも隠れもするが、ウソは言わないデュオ・マックスウェルだ 平和を口にして武力を振るう、か…あーやだやだ!これだから軍人って連中は!(僚機属性「軍人」「CB」) デ「ここは俺に任せとけって!」ヒ「あぁ、この程度ならお前一人でも十分だろう」(僚機ヒイロ(EW)) 何だぁ?俺にくっ付いて勉強したいってか?殊勝な心掛けじゃねぇか(僚機レオス) 攻撃遅い!(メイン射撃) いけっ!(メイン射撃) 落とす…!(メイン射撃) 当たれっ!(メイン射撃) 当ぁたれぇぇ!!(メイン射撃) おびき寄せたぜ!いまだ!(サブ射撃) 派手にぶちかましてやろうぜ!(サブ射撃) ちぃっとばかし遅いんじゃねえの?(サブ射撃) 五「ここは俺に任せてもらおう」(サブ射撃) 五「始めるぞナタク!正義の戦いを!!」(サブ射撃) 死神は闇へと消える…(特殊射撃) 誰も俺を捉えられないのさ!(特殊射撃) たっ!!(N格闘初段) 当てる…!(N格闘初段) いやっ!!(N格闘) えぇい…!(N格闘) でやああっ!!(N格闘最終段) 逃がすか!!(N格闘初段前派生) 気合いいれていくぜ!(N格闘初段前派生) 沈め!!(N格闘初段前派生→最終段) 消えろ!!(N格闘初段前派生→最終段) ほざくなあぁ!!(N格闘初段前派生→最終段) ふざけるなっ!(N格闘2段目前派生) そこだっ!(前格闘初段) なめるな!!(前格闘初段) させるか!(前格闘) 邪魔だぁ!!(前格闘2段目) うりゃあぁぁ!(前格闘2段目) あーら…よっと!(前格闘2段目) そこぉ!!(横格闘初段) くらえ!!(横格闘初段) このっ!!(横格闘初段) たぁぁぁ!!(横格闘) おらおらぁぁ!!(横格闘) はあああああ!!(横格闘2段目) オラオラオラオラぁぁ!!(横格闘2段目) 斬って斬って斬りまくる!!(横格闘2段目) おねんねしてな!!(格闘後派生) トドメ!!(格闘後派生最終段) あらよっと!!(格闘後派生最終段) 甘い!!(後格闘) たあっ!!(後格闘) 無駄だ!!(後格闘) たあぁぁぁっ!!(後格闘) 今だ!!(BD格闘) しめた!(BD格闘) やらせるか!!(BD格闘) 遅いぜ!!(特殊格闘) やらせるか!(特殊格闘) いっくぜぇ!!(特殊格闘) でやあああぁ!!(特殊格闘) いやああああ!!(特殊格闘) 突撃あるのみ…!(特殊格闘) くっそぉ…!(特殊格闘ゲージ0) くぅっ…!だがなあ!!(特殊格闘ゲージ0) いくぜ、相棒!!(覚醒技) 斬りまくるぜぇ!!(覚醒技) ラストォ!!(覚醒技最終段) これでなんとかなるかもな!(覚醒技最終段) 気合い入れていくぜ!(一定以上のダメージ) 目標は徹底的に叩くぜ…!(一定以上のダメージ) どうだい!これでもまだやるかい?(一定以上のダメージ) やったな!(連携成功) 同時攻撃かよ!お前も〜(連携成功 ヒイロ(TV))(後半聞こえず) わりいわりい!(誤射) いぃ…わりい…(誤射) しまった!味方かよ!(誤射) ロックオンいたいた! 見つけたぜ! かくれんぼは終わりだぜ! デスサイズだぁ!?(敵機デュオ(共通)) まぁだわからないのかぁぁ!!(ロックした機体を撃破で勝利) そろそろ年貢の納め時だぜ!!(ロックした機体を撃破で勝利) 被ロックオン馬鹿正直な野郎だ! 右ぃ!! 左!! 後ろをとられた!? 弾切れ時しまった、弾切れか! 被弾うおっ! ぐぁぁ! ちぃっ! そんなもんかよ! まだまだ問題ないぜ! くっそぉっ!(ダウン) ちぃぃぃぃいい…!!(ダウン) くぅ…なんてスピードとパワーなんだ…!(ダウン) こいつ…ガンダニュウムの破壊数値を知っている!?(ダウン) ぐあああああああ!!(スタン) 何しやがんだ馬鹿野郎!(誤射) いってー、味方ごとかよ…!(誤射) くっそー…夢見が悪くなるじゃねえか!!(誤射) サンキューな、助かった!(僚機がカット) シールドおらよぉ!! させっかよ!! 危ねえ危ねえ…! 敵機撃破さぁ……次だ! 顔を洗って出直しな! おととい来やがれっての! さぁて、お次はどいつだ? 今度仕掛ける時は、俺のデータを取っとくんだな おっしゃあー!(僚機が敵機撃破) ひゅー、やるぅ!(僚機が敵機撃破) 被撃破運がなかったな… 俺は…くっそぉ…! くそ、やられちまった… かっこわりいとこ見せちまった… おい…!返事をしろ、おい!(僚機被撃破) こんな所で死ぬんじゃねぇぞ!(僚機被撃破) クソォ、やるなぁあいつら…!(僚機被撃破) 復帰勝負はこれからだぜ! 今度はこっちから行くぜぇッ!! 今日はあとへは引けないぜぇ!! 負けるわけにはいかないんだぁー! 死神が地獄から舞い戻ってきたぜぇ! 死神が死んでちゃ、格好がつかないんでねぇ! あんなのに負けてて、ガンダムのパイロットが務まるか! 増援 覚醒本気で俺を怒らせるなよ…?長生きしたかったらな!(ゲージMAX) いっちょ派手に暴れてやろうぜ!! オラオラ、死神様のお通りだぁー! 迂闊に俺に近付く奴は…死ぬぜぇ…!! 死ぬぜぇ…俺を見たやつは、みんな死んじまうぞぉ! どーんなもんだい!(覚醒終了) ざっとこんなもんさ!(覚醒終了) おいおい、マジかよ…!(敵機覚醒) いぃ!?なんてスピードだ!!(敵機覚醒) 戦況変化時そいじゃあ、おっぱじめますか!(開始30秒) さぁーて、死にたい奴は前に出な!(開始30秒) うっひゃー!派手にやってやがるなぁ!(開始30秒) こっからはのんびりしてらんないぜぇ?(開始30秒) 後悔しても遅いぜぇ?(独白) おっと、二機同時か!?コイツはラッキーだぜ!(敵機全滅) ターゲット確認!(ターゲット出現) やっとお出ましか、しぶてぇ!(ターゲット出現) こういう場合、どう見たってお前の方が悪者だろ?(ターゲット出現 ヒイロ(EW)) ようやくお出ましかよ!(ボス出現) こいつ、今までの奴とは違う…!!(ボス出現) そろそろ決めさせてもらうぜぇ?(あと一機で勝利) やられるな…このままじゃ…!(あと一機で敗北) 勝利迂闊すぎるぜ! これで終わりだぁーっ! ったく…手間とらせやがって…! よぉし!任務終了!!(僚機の攻撃で勝利) これだけやりゃあ充分だろ!(僚機の攻撃で勝利) よぉし!作戦終了!一杯やろうぜ!(僚機の攻撃で勝利) 敗北こんちきしょう! 俺ってカッコわりぃ… くそぉ…ここまでか…! 勝利時リザルト俺はずっと、死神のままでいいのさ! 任務完了!こんな所、さっさとお暇しようぜ! 死神か…大量殺人の英雄より遥かにマシだな! 今回ばかりは、負けているつもりはないんでね! 案外大したことなかったな!楽勝だぜ!(大勝or完勝) ご馳走も無くなったし、そろそろ帰るか!(大勝or完勝) くっそぉ~…結構な仕事だったぜ(辛勝) あーやだやだ!もう俺がお前だったら、その暗い性格呪ってとっくに人間やめてるぜ!(僚機ヒイロ(TV),刹那(共通),ティエリア 自機とどめ) おとなしい奴に限って、やることが派手なんだよなぁ…(僚機ヒイロ(TV),刹那(共通),ティエリア 僚機とどめ) 敗北時リザルト負けた負けた!さっさと引き上げようぜ! まあそんなに気にするなよ! これでも負け続ける戦いは得意でね! さあ、さっさとトドメを差しちまってくれよ! コンティニュー俺は信じられなくなっちまってるのかもしれない…俺たちが夢見ていた未来を…平和なんか所詮、実現しないものじゃないかって…
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僧兵オニワカ パラメータ 初期コマンド 覚える技 僧兵オニワカ 出現条件 クラスチェンジ派生 解説 由来 台詞 僧兵オニワカ パラメータ 属性 風 HP 203-215 クラス ☆☆☆ 攻撃 50-53 種族 戦士 素早さ 38-40 EX(ボタン連打) 弁慶立ち往生→金剛弁慶立ち往生 入手方法 オニワカ(Lv10)で無条件クラスチェンジ CPU対戦時アイテム さびた鉄片 岩融の柄(レア) 初期コマンド # ★ ★★ ★★★ 1 (オニワカ(Lv10)から継承) こうげき 2 足ばらい 3 足ばらい 4 仁王立ち 5 仁王立ち 6 必殺の一撃 覚える技 単体選択攻撃 こうげき こうげき! 会心の一撃 必殺の一撃 ランダム攻撃 全体攻撃 足ばらい 防御 ベンケイ立ち 仁王立ち 回復 強化 召喚 異常 EX増減 コマンドパワー増減 ためる ★→★★ ★★→★★★ 技変化 無効 ミス 僧兵オニワカ 出現条件 ☆クラス合計 7~9 ☆クラス合計 10~ (BOSS)風隠の族長オロシのお供 クラスチェンジ派生 解説 新3章「風隠の陰謀」に登場したクラス3・風属性・戦士・男性モンスター オニワカの進化した姿。 【必殺の一撃】と【仁王立ち】が追加され、攻防両面において強化が行われた。 これによりタンカーとしては貴重な高威力攻撃も確保可能となった。(同様の仕事ができるモンスターに関しては後述) ステータスに関しては全体的に底上げがされたものの、HPは(風属性としては高めだが)☆3としては妥当な数値に落ち着いている。 【仁王立ち】は1ターンの間、味方をかばい、受けるダメージを-60%する技。 元々はロボ弐式の下位EXだっただけあり、防御性能はとても高い。 頑丈な壁役性能ではあるが、競合相手はいくつか存在する。 耐久力としてはHPの差により【ベンケイ立ち】状態のロボ参式の方が高いため、こちらは素早さが最大47にもなる事を活かした素早いかばう役として使い分けるのが良いだろう。 また、上のクラスには更に高速・軽減量も大きいロボ零式もいる。 その他には、攻撃とかばうを両方こなそうと言う場合に、竜人ベーマスが近いポジションにいると言える。 竜人ベーマスの場合は特定の属性に対して大幅に軽減するかばう系、こちらはEX技による永続高性能かばう効果が持ち味と言える。 種族・属性・クラスと言った違いを鑑みて、それぞれ求められる環境で使い分けていこう。 タンカー共通の弱点である即死や石化は、このモンスターも同様に苦手とする。 ☆3のため死神グリムの【風は止む】の範囲に入ってしまうので、相手となる場合には注意しよう。 とはいえ攻撃面を活用し「やられる前にやれ」で立ち回れば対抗する事は可能だろう。 2020/02/12より「[速報]一部のモンスターが強くなったぞ!」と題されて取り上げられた中の1体。 【足ばらい】への防御ダウン追加が確認されている。 由来 「僧兵」とは、昔の日本にて猛威を振るった、武装した僧侶である。 神輿を担いでデモを起こし、朝廷や幕府に自分たちの要求を飲ませるという、横暴な行為がよく知られていると思われる。 台詞 登場 「ワシは僧兵オニワカ、かかってこい!」 カットイン(vs風隠の戦士ハヤテ) 「誤解ですじゃ、ハヤテ殿!オロシ様は、きっと…」 攻撃前 「むん!」 こうげき 「」 会心の一撃 「オラオラ オラァ!」 必殺の一撃 「どれ、泣き所はどこじゃ!」 足ばらい 「隙あり!」 ベンケイ立ち 「ここは通さん!」 仁王立ち 「ワシを…倒してみろ!」 ステータス↑ 「まだまだァ!」 ステータス↓ 「」 ミス 「ドンマイ……」 麻痺 「」 ダメージ 「ぬわあ」「やるのお」 EX発動 「」 EX技 「」 超EX技 「」 勝利 「わっはっは!なんじゃつれないのお!」 撃破 「ワシは決して倒れぬッ!」 排出(加入時) 「ワシは、オロシ様の森を守るのじゃ」 排出(通常) 「風が濁って、なんたることじゃ!」 排出(Lv10) 「ハヤテ殿を…、救ってくだされ…」 回復アイテム使用時(オレ最強決定戦) 「」 罠アイテム使用時(オレ最強決定戦) 「罠じゃ!」
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379 :名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 20 38 43 ID Q9xjXpAf0 久保カオルはサンタだった。 正確にはサンタの衣装を元にした女性用のワンピースを着て、街頭で看板を掲げるバイトだ。 クリスマス商戦に向けて大型デパートで急募していたのである。 その中でも、ひときわ輝く美貌を持っていたカオルはデパートの正面入り口を任されることになった。 そのことを密かに自慢に思っていた彼女だったが、事件はバイト終了時に起こった。 「あんたさぁ、チョーシにのってるよね」 「え?」 同じバイトに応募していた仕事仲間の少女がデパートの裏で話しかけてきた。 看板等の荷物を置いて、あとは着替えて帰るだけといったところで急に話しかけられ、カオルは動揺した。 何か仕事でミスでもしたのかと思ったのだが、そうではないらしい。 どうやらモデル並みの器量を持ったカオルがひいきされていると思ったようだ。 (馬鹿馬鹿しい、自分が十人並みの容姿だからってひがんでいるのね) 「あの、急いでますので」 「は? クリスマスにこんな仕事やってんだからカレシもいないだろ?」 (あんたと一緒にしないでよ) 380 :名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 20 55 36 ID Q9xjXpAf0 カオルは現在、特定の異性と付き合っているというわけではなかったが その器量から引く手あまたで、今日もこれから飲み会の予定が入っているのだ。 時間つぶしに適当に受けたバイトで年下の小娘に絡まれ、内心うんざりしていた。 「ごめんなさい、何かしたなら謝ります、これでいいですか?」 「はあぁ? 舐めてんのかテメェ!」 少女はカオルの言葉に急に激昂したのか、持っていた看板を振り回してきた。 その木製看板は、ガスッという音を響かせてカオルの額に激突した。 「いたっ!」 額の上からどろっとしたものが目蓋の上を流れ落ちてきて、視界が赤く染まった。 左眉の上の部分の皮膚が切られ、血があふれ出してきたのだ。 急に殴られた痛みと、自分の美貌が損なわれたショックでカオルは反射的に叫んだ。 「何すんのよ、このブス!」 「本音が出やがったな、誰がブスだオラァ!」 カオルと同じ可憐なデザインのサンタ服を着た少女は、奇声を上げて襲い掛かってきた。 とっさに逃げようとしたカオルは背を向けて逃げようとしたが、頭にものすごい衝撃を受け 下半身から力が抜けていき、地面にくず折れるようにして倒れる。 頭頂部に垂直に看板の角を叩きつけられ、腰が抜けてしまったようだ。 (た、立てない、頭が割れるように痛い!) 「オラオラどうした、逃げねぇのかよ」 381 :名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 21 14 24 ID Q9xjXpAf0 額からぽたぽたと滴る血の飛沫に、恐怖から脂汗も加わる。 デパートの裏は閑散としていて、ゴミ捨て場と店員用の入り口くらいしかない。 助けを期待できないと理解すると、カオルの心臓の鼓動が早鐘のように響いた。 「どうせ店長に色目でも使ったんだろ、いや体かな」 「や、やめなさいよ!」 少女はカオルのスカートをまくり、下着を露にしてきた。 屋外でショーツを丸出しにされているのを風で感じて、カオルは赤面した。 そのぷっくりと膨らんだ臀部に、轟音とともに衝撃が響いてきた。 「ひぃいっ!」 「オラオラ、そんな締りのねぇケツにはオシオキだよ!」 少女は持っていた看板の広告面で、カオルの尻を打ち据える。 幼児に尻叩きをするような心積もりでやっているのだろうが、痛みはその比ではない。 お尻の筋肉から背骨を駆け上がるような鈍痛が脳まで響いてくる。 なんとか痛みから逃れようと四肢を動かすが、寒さと恐怖で震えた手足は言う事を聞いてくれなかった。 「いたっ、いだい、やめなさいよ!」 「敬語もしらねぇのか、このメス豚!」 ばしっばしっばしっばちぃっ 「ひぃ、ひいいぃ、やめて、やめてください!」 何度も何度も木の板に打ち据えられ、カオルの臀部は下着から覗く部分が真っ赤に晴れ上がる。 子供のころ以来の、尻を叩かれる痛みに涙を流して許しを請う。 お尻中に広がる痛みにそれ以外のことは考えられず、形の整ったヒップをプルプルと震わせ 少しでも衝撃を和らげようとするさまが、普段のカオルからは考えられないほど滑稽だった。 するとその時、従業員用の扉が開いて着替えを終えた他のバイトの少女達が出てきた。 「あん? あんたら何やってんの?」 「! た、助けてください、この子がいきなり襲ってきて!」 382 :名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 21 32 20 ID Q9xjXpAf0 「ああ、久保さんだっけ? アンタ態度でかかったもんな」 「そうそう、すました顔しちゃってさぁ」 「いい気味だよバーカ」 「アンタらもやる? 結構楽しいよ」 「やるやるー!」 「そ、そんな……」 あれほど待ちわびていた助けが、一変して敵になると泣きたくなるような絶望感に包まれた。 少女達は代わる代わる看板を持ち替えて、カオルの尻にスイングをしてきた。 手足をベルトで縛られ固定され、衝撃を逃がすことも出来なくなっていた。 「ひい゛ぃっ、いだい、いぢゃいっ、やめでえ!」 「邪魔だな、パンツも脱がしちまえ」 泣き喚いて必死に許してもらおうとするが、一向に少女らの責めは止まらなかった。 それどころかカオルの下着を脱がせて、直接看板を叩きつけようとしてきた。 外気が肛門に触れる感触に、カオルは気も狂わんばかりの羞恥に囚われた。 だがそんな恥らう気持ちも、次の瞬間飛んできたスイングによって吹き飛ばされた。 ばちいいいぃぃぃ 「いびゃああああああ!」 「うおっ、いい音」 尻肉が取れてしまったかと思うほどの衝撃に、鼻水をぶぴゅっと噴出して絶叫する。 その反応を見て、少女らは喜色満面で次々と看板を振るってきた。 カオルは涙と涎を撒き散らしながら、反省を繰り返すが誰も聞く耳を持たない。 臀部の内出血が無残なほど鮮やかに、夜の街に輝いていた。 383 :名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 21 48 44 ID Q9xjXpAf0 「おら、おら、もっとメス豚みたいに泣いてみろ!」 「ひぃ、ひぐぅ、ぶひ、ぶびいいい!」 「だはは、本当に泣いたよ、みっともねぇ」 「美人だからってチョーシこいてるからそうなるんだよ」 「フルスイングいきまーす」 「! や、やめでぇ!」 バギィッ 「うびゃああらあああ!」 一番長身の少女の全力の叩きつけに、看板は耐え切れず柄の中ほどから折れてしまった。 カオルは体中を駆け巡る痛みに、胃を押されるような衝撃に断末魔のごとく悲鳴を上げる。 事実、すえた臭いのするような胃酸が口内を駆け上がってきて、胃の内容物とともに口からあふれた。 さらに肛門を中心に下半身の力が抜けたようで、ぶすっぶすっと腸内のガスを噴出する。 尿道にも力が入らず、じょろろろろと湯気を立たせて失禁してしまう。 「うは、ひでぇ、何もかも垂れ流しじゃん」 「こうなったら女としておしまいだな」 「看板も折れちゃったし、この遊びもおしまいかな」 「まだよ、トドメの一撃を決めてやる」 少女達の中で唯一のサンタ姿、最初にカオルに話しかけた少女が折れた木の棒を奪い取った。 すでに白目を剥いて、吐瀉物に顔を汚しながら痙攣している少女に向き直る。 折れてささくれ立った木の棒の先端を肛門に向けて、狙いを定める。 少女達も何をするか悟ったようで、小水にまみれた下着をまとわりつかせた下半身を中止した。 そして、サンタは躊躇なく凶器をカオルの肛門に突き入れた。 384 :名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 21 55 23 ID Q9xjXpAf0 ぶぢぶぢぶぢっ 「っ! お、ぃ、ほげえええぇぇぇ!」 カオルの肛門は裂け、腸を蹂躙しながら槍は突きつけられた。 菊門からは血が噴出し、尻を伝って尿で黄色く染まった下着をぬらす。 カオルの顔は元の美貌など欠片も見出せないほど、痛みと恐怖で歪んでしまっていた。 涙と鼻水と涎と吐瀉物にまみれ、白目を剥いて口を阿呆みたいに開けている。 小鼻をぴくぷくとさせて、完全に失神していた。 「あーすっきりした、帰ろ帰ろ」 翌朝、大型デパートの店長が出勤すると店の前にはゴミ袋が置いてあった。 袋の下のほうは赤く濡れており「おいおい、生ものかよ」と思って中を覗くと、 全裸で肛門から血便をブリブリとひりだしながら、オシッコをちょろちょろ漏らし 目の焦点を合わせずへらへらと鼻水をたらしてヨダレをこぼして笑っている 元美人のサンタが入っていた。 「め、めりーくりしゅましゅ、あへ、あへへへ」
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オラファト オロファットの別名。
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音が消えて無くなった。 風の音も、羽虫の飛ぶ音さえも聞こえない、完全なる静寂。 それこそが時の止まった世界。スタープラチナとザ・ワールドという、二つのスタンド使いにのみ許された時間停止を行使した結果だ。 この世界の中でただ一人動くことが可能な少年は、己の直感に突き動かされるようにその場を飛び退く。 2秒経過した直後、道路や電柱が纏めて斬り裂かれた。 公園を後にし市街地を駆けていた承太郎は、前触れも無く背筋が凍る感覚を味わった。 空条ホリィを救うべく、DIO討伐の旅で幾度となく感じたもの。 殺気、である。 古今東西、どれ程優れた腕を持つ殺し屋だろうと、対象を手に掛ける瞬間の身は殺気を抑えられないという。 承太郎を追跡していた男、魔王もその例に漏れず。 だだっ広い道路を一直線に駆け抜ける背中を見つけ、すかさず剣を振るった。 放たれたのは不可視の刃。先の戦闘でも使用したピサロの特技の一つ。 追跡される可能性を考えなかった承太郎ではない。 公園にいた二名の危険人物、志々雄真実と魔王。 両名共に名前を知らぬが、並のスタンド使いを凌駕する実力の持ち主である事は明らか。 どちらもスタープラチナの拳を受けて尚も立ち上がるタフネスを有していても、何ら不思議は無い。 それでも承太郎一人ならば、敵が追ってこようと撒ける自信はあった。 だが此度は、背負った命の存在が足を引っ張る形となってしまった。 傷を負った侍、坂田銀時。 魔王との戦闘にて重き一撃を受けた彼を放ってはおけず、共に戦場を離脱した。 ネズミの速さの外套の力を以てすれば、今以上に速く駆ける事も容易い。 が、そんな真似をすれば銀時の体に軽くない負担を強いるだろう。 故に必然的に速度を落として走らねばならなかったのだ。 魔王に殺気をぶつけられた瞬間、即座に叫んだ。 スタープラチナ・ザ・ワールド。DIOとの決戦で得た力の解放。 時の止まった世界において、何者も承太郎の攻撃を防げず、承太郎への攻撃は届かない。 攻防一体、シンプルに強力な異能。 僅か数秒の猶予を得た承太郎は、魔王のしんくう波を無傷で回避した。 銀時を降ろし、承太郎は魔王と向き合う。 相も変わらず殺意のみの宿った瞳がこちらを射抜いた。 追いつかれた以上、この男に背を向けて逃走を続けるのは余りにも無謀。 戦闘不能に追い込むか、撤退させるか。どちらにせよ、ここで対処する以外に選択肢は無い。 銀時に戦わせる気は無い。咄嗟の止血程度しか処置されていない身体で剣を振るえば、傷口が開き今以上に危険な状態となるのは確実。 だからここは自分が、速攻でケリを着ける必要がある。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」 先手必勝とばかりに放たれる拳を、魔王は顔色一つ変えず防ぐ。 まるでどの位置に拳が来るのか、予め分かっているかのように最小限の動作のみでだ。 公園で戦った巨漢、志々雄も生身でありながらスタープラチナの攻撃へ余裕を持って対処していたのだ。 ならば、自分が来るまでに志々雄と戦闘を行っていたであろう男が同じように対処できることに驚きは無い。 元より敵対者へは加減も容赦もしない承太郎であるが、今回はそんなモノを抱く余裕は皆無である。 スタンドではない、正真正銘生身の肉体でスタープラチナと渡り合う怪物。 あのDIOに勝るとも劣らない強敵を前に、そんなふざけた考えなど浮かび上がるものか。 拳の連打を防御しながら、魔王は空いた手を承太郎へかざし唱える。 マヒャド。志々雄との戦闘時より何度も使ってきた氷結呪文。 炎のエシディシの異名を持つ怪物と違い、燃堂力はただの人間。 食らえば氷漬けは確実の攻撃に、承太郎はスタープラチナのラッシュを中断し回避せざるを得ない。 距離を取ってマヒャドを躱す。鼻先がいやに冷えたが問題無し。 開いた距離を一瞬で詰め、魔王は剣を振り下ろす。 単純な身体能力では、ネズミの速さの外套を装備した承太郎よりも優れている。 スタンドを出現させ拳を放つも僅かに遅い、スタープラチナの右腕が斬り裂かれた。 同時に承太郎の右腕からも血が噴き出る。スタンドのフィードバックによるダメージだ。 苦悶の声を漏らす暇すらない。痛みを押し殺して拳を振るう。 「遅い」 痛みを感じた瞬間の、1秒にも満たない硬直。 魔王にとってはそれだけでも十分過ぎる。 先程までは、スタープラチナの攻撃を魔王が防ぐといった形であった。 それが今度は反対に、魔王の攻撃をスタープラチナが防ぐ形へと変化した。 縦横無尽に襲い来る刃へ、反撃もままならない。 「他人を放置して、ドッカンバトルやってんじゃねーぞコノヤロー」 刃が魔王へと奔る。 承太郎への攻撃を止め、バックステップで回避した。 乱入者へ向ける魔王の視線には、僅かばかりの苛立ちが宿っている。 睨まれた相手は、気だるい視線を魔王へ返す。 「ったく、二日酔いの時より気持ち悪いからよ、さっさとこのピンサロ野郎をどうにかしようぜ」 「…ああ。俺も時間を掛けるつもりはねぇ」 それ以上は会話も無く、承太郎と乱入してきた銀時は魔王へと構え直す。 肩に深い傷を負った銀時を戦闘に引っ張り出す気はなかったが、こういった相手に「ここは自分に任せて大人しくしろ」、 と言っても無駄だろうことは承太郎にも察せる。 何せ承太郎自身が、己の負傷を理由に戦闘を任せっきりにする質ではないのだから。 今は不要な言い争いで敵へ付け入る隙を与える訳にはいかない。 だから銀時の負傷に不安は有れど、共闘を受け入れた。 「……」 敵が二人に増えた所で、魔王が焦りを感じる事は無かった。 スタープラチナの拳と銀時の刀が、魔王を挟み込むように左右から迫る。 胴体を軽く捩ると拳は空を切り、刀は破壊の剣で防御。 どちらも殺すべき相手だが、先に始末するのは銀時と狙いを定めた。 傷の深い方から手早く片付ける算段だった。 「ガッ…!」 防いだ一撃の重さに銀時はたまらず呻く。 こちらは手負いの身とはいえ、向こうだって疲弊しているはず。 なのにこの重さは冗談としか思えない。 両津も燃堂も、常人を遥かに超えた身体能力の持ち主であるのは確かだ。 しかしだ、それでも魔王の肉体…ピサロとの間には隔絶した差が存在する。 肉体の強度、備わったスタミナ、発揮できる運動能力。それら全てが人間以上であるからこそ、彼ら魔族は恐れられて来たのだから。 全身に圧し掛かる重みに、肩の傷が酷く痛むが歯を食い縛り耐え切る。 剛毛の生えた太い腕へ力を込めると、破壊の剣を押し返した。 間髪入れずに振るわれる剣へ、銀時は刀を合わせる。 但し今度はただ打ち合うのではなく、敵の攻撃の勢いへ逆らわず受け流す戦法へ変え対処する。 幾ら両さんの体でも、真っ向から打ち合っていてはもたない。 「オオオオオッ!」 幾度目かの剣を受け流し、魔王の懐へと急接近する銀時。 元の肉体の頃より刀を振るい続けて来た銀時にとって、敵との距離を迅速に詰めるのは慣れたものだ。 両津の短い腕は、元の体よりも刀を振るう範囲が縮まっている。 こちらの刃を確実に当てるには、近過ぎるくらいが丁度いい。 「チィッ!」 このままでは己の胴体に刃が食い込むのは確実。 身体スペックでは魔王に分があるが、要所要所で銀時が発揮する爆発力は侮れない。 敵の厄介さを噛み締めながらも、魔王が勝負を放棄する事は無い。 銀時がこちらの体を斬るより先に斬り殺せばいいだけだ。 それを実行に移そうとし、がら空きの背中へ痛みが走った。 誰がやったと考えるまでも無い。承太郎のスタープラチナだ。 魔王を倒す決定打にこそ程遠いものの、銀時へのアシストとしての役目は果たした。 自身の肉へ刀が食い込むのを感じ、だがそれ以上はやらせないと素手で刃を掴み強引に阻止する。 右手の剣は背後へと振り回し承太郎を牽制。 刃を掴む手から血が溢れる。 公園での戦闘と同じ状況。 今度は斬る側と防ぐ側が逆になっているが。 刀を持つ手に力を込める銀時だが、左肩の痛みによって阻害される。 食い込んだ刃は徐々に押し戻されていき、魔王の体をそれ以上傷つける事はなかった。 「どけ…!」 「うおお!?」 刃を掴んだまま、魔王は銀時を持ち上げた。 足が地面から離れ、宙で無防備を晒す羽目となった。 刀を離せば良いだけだが、ここで唯一の武器を手放すのはマズい。 一瞬の躊躇が判断を鈍らせ、結果銀時は大きく投げ飛ばされた。 「スタープラチナ!」 自身と激突するより早く、出現させたスタープラチナで銀時を受け止める。 ピサロの筋力で投げつけられたのだ。 マトモに受け身を取れるかも怪しく、壁の染みを一つ作る末路を迎えていたのかもしれない。 礼を言って立ち上がる銀時へ言葉を返す間もなく、魔王が呪文を唱えた。 「イオナズン」 弾かれたように二人が飛び退くのと、魔王の呪文が発動されるのはほぼ同時。 承太郎達が立っていた場所を中心に爆発が巻き起こる。 直撃こそ避けたが、爆風により吹き飛ばされる二人。 硬い地面を転がる度に鈍い痛みが伝わって来た。 特に銀時は悲惨だ。吹き飛ばされた際に左肩を強打し、声も出せない程の激痛が襲った。 体勢を立て直す暇すらロクに与えられず、魔王が迫る。 「オラァ!」 銀時に比べればまだ傷の浅い承太郎が、魔王へ拳を叩き込む。 尤も承太郎に妨害される事くらい、魔王は予想済みだ。 拳を剣で払いながら片手をかざす。 相手が剣以外にも奇妙な能力持つと分かった承太郎は、その動作を見た瞬間に動いた。 スタープラチナは片手でストレートを放ちながら、もう片方の拳を地面に叩きつける。 砕け散ったアスファルトが魔王の顔面へ飛び散り、咄嗟の行動で呪文を放つはずの手を顔の前へ持って行った。 一先ず呪文の発動を阻止すると、スタープラチナの脚が魔王へ伸びた。 剣で防いだが、蹴り飛ばされ距離を取らされる。 「~~~~~っ!!」 もう何度目になるか、数えたくない痛みを押し殺す行為。 立ち上がった銀時が魔王へと再度急接近する。 柄を砕かんばかりに刀を握る。そうでもしなければ痛みで気が散りそうだった。 来ると分かっていれば驚きも何もない。 銀時の瞬間的な底力を十分理解した魔王は、冷静に朱雀の一閃を防ぐ。 一度防がれたなら二度三度と、ただひたすらに刀を振るい続ける。 この男相手に攻撃の手を緩めるのは愚の骨頂。 ただがむしゃらに、されど今の銀時が出せる全力の速度で刃が奔る。 甲高い金属音が絶えず鳴り響く。 数えるのも馬鹿らしいくらいに打ち合ってきたが、両者の得物には刃こぼれ一つ見当たらない。 互いに武器には恵まれていたのだろう。 もし手にしているのがなまくら刀であったらと思うと、全く持って笑えない。 だがそれもいつまで持つのか、一抹の不安が銀時へ浮かぶ。 朱雀は名刀と呼ぶのが相応しい武器であるが、魔王の持つ剣もまたただの業物ではない。 それに膂力は敵の方が上。果たしてこの状況を乗り切れるまでに自分の刀は持つのか。 もし破壊されてしまったら、いよいよマズい。 浮かび上がった不安をかき消すかのように、銀時は更に一歩踏み込む。 魔王の右側への急速な移動。 敵の視線がこちらを捉えたタイミングで、真正面から拳が魔王の腹部を叩く。 「ッ…!!」 「オラオラオラオラオラオラオラオラ」 一撃こそ食らったが追撃のラッシュまでもを甘んじて受けるつもりはない。 魔王と互角の剣戟を繰り広げた志々雄を吹き飛ばす程の威力だ。 回復呪文があるとはいえ、余計な魔力消費は抑えるに限る。 ここは距離を取らざるを得ず、スタープラチナのラッシュは二撃目以降当たらず空を切った。 承太郎も銀時も簡単な自己紹介すら行えていないが、即席のチームワークとしては見事と言える。 公園での戦闘と現在進行形で行われている死闘、その二つを通じて互いの持つ能力を何となく理解。 そこからは、どう動けば良いかを瞬時に選択しつつ剣を振るい拳を放った。 僅か数時間経つかどうか程度の間柄でここまでの立ち回りを行えるのは、共に強者と呼ぶに相応しい人間だからだろう。 その二人をして、魔王相手では苦戦を免れない。 ピサロの肉体だけではここまでの強敵にはなり得なかった。 姉を奪ったラヴォスへの復讐を糧に、研磨し続けた経験は他者の肉体であっても最大限に活かされている。 承太郎と銀時が手強い敵であることは魔王も認めている。 だが相手が強かろうと弱かろうと、その命を踏み躙って願いを叶える事には変わりないのだ。 魔王の表情はこれまでと一切変わらない無表情。 ただ眼前の敵を睥睨する瞳に一層強い殺意が宿らせ、大きく踏み込んだ。 戦闘開始からどれくらい時間が経っただろうか。 承太郎達に疲労が圧し掛かるが、それは敵も同じはず。 むしろ後から参戦した承太郎達より先に志々雄と殺し合っていた分、魔王の方が疲労の度合いは上のはず。 だというのにその動きに衰えは見られず、むしろ徐々にキレが増している気さえしてくる。 戦いが長引けばそれだけ銀時は危険になるのを、承太郎は危険視する。 ならば彼一人だけでも無理やり逃がす手もあるが、そう簡単に見逃してくれる相手ならここまで梃子摺ってはいない。 それに生半可なダメージを与えた所でこの男を倒すのは不可能と見る。 公園で銀時が斬った傷も、自分が殴り飛ばした傷も、追いついた際には綺麗さっぱり消え失せていた。 恐らくだが、負傷を回復する能力か何かもあるのだろう。 一方自分達にそんな便利な力や道具は無く、傷を負えば負った分不利となる。 それでもやるしかない。 運良く殺し合いに乗っていない参加者が加勢に現れるだとか、都合の良い可能性に賭ける気は毛頭ない。 自分達の力で、切り抜ける他に道は無いのだから。 魔王の剣は銀時へと振るわれた。 やはり傷の深い方を優先的に潰す狙いなのだろう。 無論、承太郎がそれを許すはずも無く、割って入るようにスタープラチナを立たせ殴りかかる。 本体の戦意に呼応するかのように、拳の威力と速度に陰りは無し。 馬鹿の一つ覚え、と嘲る気は魔王に無い。 スタープラチナの拳を十分な脅威と見ているからだ。 故に油断も慢心も無く対処に回る。スタープラチナ目掛けて剣を振るった。 斧に似た形状の刃はスタープラチナへ当たっていない。だが問題はない。 刃から放たれるの不可視の攻撃、しんくう波。 複数ある内幾つかは拳で防いだが、残る二つの刃がスタープラチナを切り裂いた。 肩と脇腹からの出血に、承太郎の顔が痛みで歪む。 それ以上はさせじと銀時が朱雀を振るう。 肩の傷は変わらず痛み、刻一刻と進む戦場の空気に銀時の鼓動が強く鳴り響く。 攘夷戦争に始まり、鬼兵隊や春雨との戦闘でも味わって来た殺し合いの場にいると実感させられる空気。 これまでと違うのは、未だ慣れぬ別人の体という一点のみ。 「フン……」 魔王の頬から流れ落ちる、一筋の血。 あれだけの傷を負って尚もこちらへ傷を付けた相手へ、少しだけ目を細める。 しかしその一撃が不利を覆すなど、有りはしないのだ。 気迫は十分。戦意も健在。死のうなんて思っちゃいない。 元の体を取り戻して、偉大なるジャンプの大先輩に体を返して、それであの変わらない万屋での日常に帰る。 そう銀時が思っても届かない。 人の足掻きを蹂躙するのが魔王なのだから。 横薙ぎに振るわれた剣を頭部を下げて躱す。 低い目線が更に低くなり、そのまま朱雀を突き出した。 腕の短さをカバーするにはリーチがある突きが丁度いい。 脚部目掛けて一直線に進む切っ先。脚を潰されればこちらも幾らか有利となる。 但しそれは当たればの話。肉を貫かれる前に跳躍してあっさり回避した。 見下ろす先にある角刈りの頭部へと、剣を叩きつける。 「オラァ!」 ガン、という音がしたかと思えば、破壊の剣は狙いを外して地面を砕くに終わった。 邪魔をした承太郎へ剣を振るうのと、スタープラチナが拳を放つのは同じタイミングだった。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 互いの命を刈り取ろうとする、剣と拳の応酬。 どちらも攻撃の手を緩めない。というより、緩める事が出来ない。 魔王が攻撃を止めれば即座にスタープラチナのラッシュで殴り殺され、承太郎が攻撃を止めれば即座に細切れにされる。 それを分かっているからこそ、どちらも己の得物と拳を振るい続けるしかないのだ。 スタープラチナがラッシュを放ち続けている間、本体の承太郎はフリーとなる。 少しでも魔王への勝率を上げる為に、支給品のマシンガンを取り出す。 スタンド使い同士の戦闘でこういった武器を使用した事は無いが、今は使える物は全て使う。 燃堂なら銃火器の反動にも耐えられるはずと、引き金を引いた。 「シィ…!!」 連続して発射される銃弾と、銃弾を掴む事が可能なスタープラチナのラッシュ。 二つの異なる攻撃に自然と魔王が剣を振るう速度も上昇する。 拳は弾かれ銃弾は斬り落とされたが、全てを完璧に防いではいない。 数発の弾が肩や腕を貫き、拳は時折頬を掠める。 顔には出さないようにしているだけで、魔王にも少しずつだが疲労の影響が現れ始めているのだ。 尤も、スタープラチナを相手にこの程度の傷は浅すぎるのだが。 とはいえ桁外れの速度を誇るスタープラチナを相手にする以上、必然的に魔王は承太郎に釘付けとなる。 その隙へ銀時が斬り込むのも、魔王には分かり切っていたこと。 左手を振り回すようにしてマヒャドを唱え、背後から迫る銀時と正面の承太郎の両方へ冷気の嵐が放出される。 両者共に後退を余儀なくされた。 「オラァ!」 距離を取りながらも承太郎は銃を撃ち続けた。 全て斬り落とされるとしても、敵の意識を自分の方へ引き付けられるのならそれでいい。 自分の傷も決して軽いものではないが、銀時に比べればまだ無理は利く。 というか魔王が相手では、どれ程の傷を負おうと無理をせねば勝てない。 と、銃弾の嵐が止む。弾切れだ。 「……」 「いい加減にしろよ…!」 銃への対処が不要となった瞬間、魔王は即座に銀時へ斬り掛かる。 破壊の剣を受け流しつつ反撃を試みるが、激しさを増す斬撃に隙を見出せない。 腕を振るう度に息が上がるのを自覚し、これはいよいよマズいと銀時の顔に焦りが浮かぶ。 傷口に巻いた学生服は血が滲み出て変色している。 咄嗟の止血だけでは長くは持たず、出血により体力が常に奪われているのだ。 超人的な体力の両津と言えども、無尽蔵のスタミナがある訳ではない。 焦る銀時の心とは裏腹に、体は鉄球を括りつけられたかのように重さが増す。 視界も少しずつ不安定となっていく中で、それでも致命傷となる一刀だけは防いだ。 「バイキルト」 銀時の体力低下を察した魔王は、一気に決めるべく呪文を唱える。 攻撃強化の呪文により、平時でさえ驚異的な破壊力を持つ剣が、更に重みを増した。 刀身同士が擦れ合っただけで、尋常では無い負担が銀時を襲う。 朱雀も優れた武器とはいえ、一撃の威力では破壊の剣の方が上。 最早受け流す事すら危うくなり、右腕への痺れで刀を取り落としそうになった。 「オラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」 弾の尽きた銃を投げ捨て、スタンドで背後から攻撃を仕掛ける承太郎。 予備の弾も支給されていたが、今は弾倉を交換する手間すら惜しい。 スタープラチナの拳で受けるダメージは、無視するには大き過ぎる。 銀時への追撃を中断し、跳躍し回避した。 承太郎らの頭上を悠々と飛び越えた魔王は、地上に降り立つ前に次の一手を繰り出す。 足場も無いというのに、まるで独楽のように回転しこちらを見上げる人間達へ斬り掛かった。 ムーンサルト。複数の敵へ纏めて攻撃する特技。 それぞれ地面を転がり回避するが、魔王が繰り出したのはバイキルトにより攻撃力が強化された上でのムーンサルトだ。 まるで暴風が叩きつけたかのように地面や周囲の民家を削り取る。 承太郎達が飛散したコンクリート片を叩き落とす間に、再度跳躍しムーンサルトを放つ。 「なに…!?」 驚愕の声は果たしてどちらか。 魔王の攻撃は全身の筋肉を総動員しての回転斬り、ではない。 ムーンサルトと同時に破壊の剣からはしんくう波を、左手からはマヒャドを放った。 広範囲に撒き散らされた刃が見境なしに斬り裂き、冷気の嵐が片っ端から凍らせていく。 攻撃力が強化されたそれらを前に、生半可な防御など無意味。 魔王を中心に発生する、災害とも言うべき現象だ。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 それに対して臆さず拳を放ち続ける承太郎。 超スピードのラッシュはしんくう波を掻き消し、冷気の嵐を霧散させる。 それでも全てを完璧に防げてはいない。 打ち漏らした刃が肉を裂き、噴き出た血が凍り付く。 戦闘不能になるダメージこそないものの、一つまた一つと増えていく傷は承太郎から確実に体力を奪っていった。 ムーンサルトも永遠に回転し続けるものではなく、徐々に速度が弱まって行く。 そこへ飛び掛かるのは銀時。朱雀の刃が魔王の首を捉えた。 空中ではロクに身動きが取れないだろうに、魔王は己の首へ刃が到達するより早く片足を伸ばした。 単純明快な蹴り。しかしピサロの長い脚ならば、リーチは十分ある。 衝撃が腹部を叩き、一瞬息が止まりながら銀時は地面へ落ちていく。 それでも無様に激突するのだけは免れた。 両の脚でしっかりと地面を踏みつけ着地。 勢い良く叩きつけられては、左肩の傷へ響く。 丁度魔王も地面へ降り立った。 「オォォラァァッ!」 魔王の脚がアスファルトを踏みしめたまさにそのタイミング。 銀時と承太郎が共に急接近したのだ。 すかさず迎撃に移る魔王。が、この時ばかりは魔王ではなく人間達に有利が傾いた。 拳は魔王の顔面に叩き込まれ、刀は左腕を切り裂いた。 「畳み掛けるぞ!」 「分かってらぁ!」 二人揃っての追撃に、魔王は慌てず呪文を口にする。 その瞬間、承太郎と銀時の全身を奇妙な不快感にも似たナニカが包み込んだ。 痛みは無いが、魔王の目論見通り気を逸らしてしまう。 その場で一回転するように剣を振り回す。 後退する二人だが、胸部を浅く刃が通過した。 傷は浅い、はずが出血の量が異様に多く、痛みも強い。 当然これらは魔王が唱えた呪文の効果である。 呪文の名はルカナン。複数の敵の防御力を低下させる効果を持つ。 自身の攻撃力を上げ、敵の防御力は下げると言う、シンプルながら効果的な戦法。 また一つ、承太郎達にとっての不利な条件が増えてしまった。 魔王の進撃は終わらない。 再度バイキルトを唱え、効果時間を延長させる。 延々と攻め立てる魔王の剣を銀時はひたすらに避け、受け流す。 ビリビリとした衝撃が絶えず右腕を襲い、その度に刀を取り落とさないよう血管が浮き出る程強く握り直す。 左肩の感覚は大分曖昧となっている。 これでは刀を握るどころか立ションすらできねーよと、胸中で毒を吐いた。 勝てないだとか、もう無理だなどとは考えないようにする。一度でもそう思ってしまえば、その瞬間に全身から力が抜けそうな気がするから。 戦意を失っていないのは承太郎とて同じ。 彼が考えるのは、殺し合いに乗った男をブチのめし、共闘した男をすぐに治療するというシンプルなもの。 だから戦況を引っ繰り返すべく叫んだ。 「スタープラチナ・ザ・ワー「ラリホーマ」――ッ!?」 承太郎の体がぐらつき、膝を付く。 剣で斬られてもいなければ、冷気の嵐や大爆発が直撃してもいない。 だというのに魔王が呪文を唱えた途端、体に力が入らず、発動するはずだった時間停止も起こらなかった。 何らかの攻撃を受けたのは確実だが、これは傷の痛みにより膝を付いたのではない。 睡魔だ。突如として発生した強烈な眠気が承太郎を蝕んでいる。 まるで長旅から我が家へ帰って来て、自室の布団に潜り込んだ時のように眠くて仕方がない。 もし本当に自室の布団の中にいるのなら、抵抗せず瞼を閉じただろう。 だが実際には戦闘の真っ只中。この状況で進んで眠るなど自殺志願者か本物の狂人くらいである。 歯を食い縛り、瞳が乾くのも構わず限界まで瞼をこじ開ける。 それでも眠気は健在。このままでは自分は眠りに落ちてしまう。敵へ自ら首を差し出すようなものだ。 手っ取り早く睡魔を追い払うには、一つしかない。 燃堂へと小さく謝罪を呟き、スタープラチナを操作した。 対象は自分の顔面だ。 「オラァ!」 承太郎の、というより燃堂の頬に拳が叩き込まれた。 散々敵対してきたスタンド使いを戦闘不能に追い込んだ拳で、体が違うとはいえ自分へぶつけた。 目から火花が出る、という比喩が合いそうな痛みが走るが、眠気を覚ますにはこれくらいの痛みがあった方が良い。 現にジンジンとした痛みのせいで、睡魔は弱まった。 ラリホーマという名の呪文は、承太郎が受けた通り対象を眠らせる効果がある。 もしも承太郎が自分を殴るのに躊躇を抱いていたなら、彼は深い眠りに落ち、死ぬ瞬間にも目を覚まさなかったことだろう。 眠らせることは出来なかった。しかしだ、僅かな間とはいえ魔王への攻撃を封じられた。 その僅かな間でさえ、魔王には劇的な効果を齎した。 仲間の援護を封じられた、手負いの侍を仕留めるには十分である。 「ググ……ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」 腹の底から銀時が叫び声を上げる。 その行為自体に意味は無い。叫んだ所で何か有利になる訳でも無いし、秘めた力に覚醒なんてご都合展開も無い。 あえて言うなら自分に気合を入れ直す為だだろうか。 気休めにさえなるかも分からないが、何もしないよりはマシな気がする。 そうでもしなければ剣を落とし、敗北一直線になりそうなのだ。 本当に今更ながら、安請け合いして様子を見て来るなんて言うんじゃなかったと苦笑いが浮かんだ。 捌く、捌く、捌き続ける。 腕を止めれば死ぬ、目を逸らせば死ぬ、何も行動に移さなければ死ぬ。 残りの体力全てを振り絞って、魔王の剣へ対処する。 それもとうとう終わりを告げた。 破壊の剣に光が灯る。 炎のような力強い揺らめきではない、見ているだけで不安を駆り立てるような、黒と赤の混じった光。 魔力だ。魔族の王として世に君臨したピサロだけに許された力が剣へ宿った。 「終わりだ」 短く告げ、剣を振り下ろした。 その一撃は、これまで何度も振るってきたものよりもずっと速い。 銀時の本能が危機を伝える。これはヤバい。これだけは食らってはダメだと。 回避は間に合わない。必然的に残る選択肢、防御を選ぶ。 右手と、動かすだけでも苦痛な左手で柄を握り締める。 これを受け止めた際の左肩への負担は考えたくも無いが、この一撃を食らう方がマズい。 破壊の剣と朱雀。異なる世界の剣が衝突し――呆気なく両断された。 負けたのは銀時が持つ朱雀。僅かな拮抗さえ許されない。 刀身の半ば程で折れた朱雀は最早刀の役目を果たさず、銀時の体へ刃が食い込んだ。 肉が斬られる。骨が斬られる。水道管が破裂したような勢いで、血が噴き出る。 怪物染みた身体能力を誇る両津勘吉の肉体は、本物の怪物を前に為す術なく倒れた。 血溜まりに沈んだ男を見下ろす魔王に、喜びも達成感も無い。 ようやく一人殺した。優勝するにはこの先もっと大勢を殺さねばならない。 こんな序盤で梃子摺っているようでは、優勝など夢のまた夢だろう。 何の感慨を抱くことなく、残るもう一人へと振り返り、駆け出した。 まじん斬り。それこそが銀時を斬った特技の名だ。 通常の攻撃を遥かに超える威力の会心の一撃。 それを更に上回る威力の一振りを繰り出す、正に必殺の一刀。 とはいえ、そう易々と繰り出せるものでもなく、大半は繰り出そうとしてもミスを引き起こす。 承太郎へ唱えたラリホーマもそう。 ラリホーよりは高い確率で効果が表れるものの、毎回確実に対象を眠らせれらる程万能でも無い。 その問題を解決したのは、魔王が身に着ける一つのアクセサリー。 元々ピサロが所有していた物ではない、魔王に支給されたアイテムだ。 一見すると何の変哲も無い装飾品のようだが、実際には違う。 テュケーのチャームと言う名のアクセサリー。 これを身に着けた者は、『運』を大幅に強化される。 つまりラリホーマが成功したのも、まじん斬りを一回で引き出せたのも、 支給品の効果で魔王の運が上昇していたから。 ただそれだけの事だ。 尤もそんな事情を知るのは魔王ただ一人であり、承太郎から見たら共闘した男が斬られた以上の事実は無い。 「次は貴様だ」 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーーーーッ!!!!」 淡々と告げ斬り掛かる魔王を、スタープラチナで迎え撃つ。 斬撃を防ぐには拳を放ち続けるしかないが、それでは時を止める隙を作れない。 時間停止を発動させようと動いたら最後、魔王の剣は承太郎の首を斬り落とすだろう。 厄介な能力も、使えなければ恐れるに足りない。 魔王は時間を止める力を把握してはいないが、絶え間ない連撃が偶然にも時間停止を防ぐ結果となった。 その後ろで、怒号と衝撃音に反応するように、 銀時はゆっくりと顔を上げた。 ○○○ 自分はもうじき死ぬ。 そう分かっても不思議と銀時の心は落ち着いていた。 これまで様々な騒動に巻き込まれ、時には命の危機に陥りみっともなく喚いた事もあったが、 いざ本当に死を突きつけられると、案外冷静になれるらしい。 別に死にたがっていた訳じゃないし、生きて帰れるのならそうしたい。 だけどそれが無理だと理解したら、意外にも平然と受け入れている。 勝つつもりで、生き抜くつもりで戦った。 それでもあの時、気味の悪い光を纏った剣を振り下ろした時だ。 咄嗟に防ごうとはしたけど、心のどこかで、あの瞬間自分はもう助からないと悟ったのかもしれない。 実際その通りになったのには、笑い話にもならないが。 自分が死んだらこの身体の持ち主も巻き添えだ。 その事は非常に申し訳なく思う。 ゴリラも責任取ってジャンプ追放だなこりゃ。 なんて、どこか現実逃避気味にぼやいた。 ふと幾つもの光景が浮かび上がる。 死の間際に見る走馬灯と言うやつかもしれないが、生憎どれもこれも銀時が体験してきたのではない。 生粋のジャンプ読者である銀時には、誰の記憶なのか直ぐに分かった。 ヤクザになった同級生の逃亡を、力づくで阻止したりだとか。 幼い命を奪って悪びれもしない少年達を、真正面から向き合った上でぶん殴ったりだとか。 普段は金にがめつく、到底警察官とは思えない癖に、ここぞという時には漢らしさを見せる。 そんな男の記憶を見たからだろうか。 このまま終わってしまうのが納得いかない。 あの少年だけに押し付けて、情けなく倒れたままは気に入らない。 何よりも、銀時がこれまで折れずに戦って来れたのは、己の魂に従ってきたから。 坂田銀時という男の魂は、諦めを許さない。 どうせ死ぬだけなら、最後に一泡吹かせてからにしようじゃないか。 最後の最後まで、自分らしく戦ってやろうじゃないか。 ――だからよ、悪いが付き合ってもらうぜ、両さん デイパックに手を突っ込み、最後の支給品を取り出すと、 一気に飲み干した。 ○○○ ――何が起きた? 己の目に映る光景に、魔王の表情は驚愕に染まっっている。 承太郎へ剣を振るう最中、突如左腕に鋭い痛みが走った。 この手でへし折ってやった刀。 半ば程度の長さしかないそれが、自分の左腕に深々と突き刺さっていた。 これをやったのは、斬り殺してやったはずの男。 それがどうだ。立ち上がったかと思えば爆発的な加速でこちらへ接近し、折れた剣を突き刺した。 どこにそんな力があった。何故まだ立てる。 そう問いかけるよう視線をぶつけるも、男は魔王の方を見ていない。 銀時に与えられた最後の支給品。 接種すれば一時の力を得られるが、代償として命を削る、豪水という一種のドーピング。 こんな物を両津の体で飲むつもりはなかったが、この状況では躊躇の必要も無い。 死に体となった今の銀時では、たった一撃が限界。 だがそれで良い。魔王を殺せずとも、意識を自分へ向けさせるには一撃で問題無い。 承太郎と銀時の視線が交差する。 銀時は何も言わない。それでも何を伝えたいのかは、目を見て分かった。 後は任せた。死に行く身とは思えない程に力強い瞳が、自分へ訴えているのを承太郎は感じた。 承太郎は、この男の名を知らない。 バトルロワイアル以前に、この男がどう生きて来たのかも知らない。 自己紹介すらしていない、僅かな時間共闘しただけの、ただそれだけの関係。 それでもだ、この男は承太郎と肩を並べて戦った。 敵の隙を作る為に命をも懸け、自分を信じて託した。 ならばそれに答えない道理は無い。 空条承太郎は、託された想いに応えられないような腑抜けでは断じてない。 「スタープラチナ・ザ・ワールド…!!」 世界は三度、完全なる静寂に包まれる。 自分だけに侵入を許された世界で、スタープラチナの拳を叩きつける。 一発一発に乗っているのは、言いようの無い怒りだ。 共に戦った仲間を殺された怒り。 みすみす仲間を死なせてしまった、自分自身への怒り。 感情の全てを拳に預け、解き放つ。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 鼻がへし折れ、片眼は潰れ、端正な顔がひしゃげていく。 骨が次々に砕け散り、左肩の装甲も粉砕される。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 「―――ッ!!?!ぎっ、がっ…!」 2秒が過ぎ、突如襲い来る全身の痛みへ魔王が呻く。 それでも承太郎は止まらない。 時が動き出そうと関係ない、このまま全力でブチのめす。 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオォォォラァァァーーーーーーーッ!!!!!」 傷も疲労も押し殺して放った、今の承太郎が出せる全力のラッシュ。 ただの一発も漏らさずに食らった魔王は、血を撒き散らしながら吹き飛んでいく。 その勢いは、同じくスタープラチナのラッシュの直撃を受けた志々雄以上であった。 数軒の民家の壁をぶち破って尚も止まらず、その姿は承太郎の視界から消え失せた。 「…っ」 体が異様に重くなったような感覚を、承太郎は味わう。 死んではいないと言うだけで、承太郎も重傷なのには変わらない。 魔王が死んだかどうか、この目で確かめなくては。 そう思っても疲労の蓄積した体で追跡するのは厳しい。 もし道中、公園で戦った半裸の巨漢と出くわせば、承太郎と言えども勝ち目は薄いだろう。 「……なぁ、兄ちゃん」 何よりも、この男を無視して敵を追う事はできない。 彼がいたから全力の拳をぶつけることが出来た。 共闘した人間として、男が何を言い遺すのかを聞く事こそ、唯一承太郎がしてやれることだ。 「今更だけどよ、名前、教えてくれねーか?」 「…空条承太郎だ。アンタは?」 「坂田…銀時。気軽に、銀さんとでも呼んでくれや」 か細い声だが、男の名は承太郎にも届いた。 言いたいことは山ほどあるが、銀時に残された時間はあと僅か。 承太郎にもそれが分かっているから、口を挟まず黙って次の言葉を待つ。 「いきなりで悪ぃが…味方になって欲しい連中が、いるんだよ……」 「アンタの仲間か?」 「おう。新八っていう、イケメン俳優みてーな外見の奴と、神楽っていう…あー、こいつの見た目は分かんねぇな…… それと……ホイミンって……エロい恰好のネーチャンだ……」 「分かった。そいつらの事は任せな」 多くは語らない。 ただ力強く告げる。銀時の言う仲間の事は任せろと。 相手の真剣な声色に安堵したのだろう。 銀時の瞼が静かに閉じられていく。 人間は死の間際に走馬灯を見るらしいが、短時間で二度も見るとは思わなかった。 ただし今回は銀時本人の記憶だ。 次から次へと写し出されるのは、どれも特別な光景ではない。 家賃を請求されたりだとか、万屋メンバーで卵かけご飯を掻っ込んだりだとか、チンピラ警察と出くわし子ども染みた煽り合いをしたりとか、 そういうありふれた日常の1ページ。 けどどうしてか、そんな日々が無性に恋しくなった。 変わる事の無いかぶき町での日常が、やけに輝いて見えた。 最後の最後でこんな未練がましくなるなんて、台無しも良い所だ。 だけど、だけどやっぱり――― 「………帰りてぇなぁ………チクショウ……」 【坂田銀時@銀魂(身体:両津勘吉@こちら葛飾区亀有公園前派出所) 死亡】 【F-7と8の境界 街/早朝】 【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】 [身体]:燃堂力@斉木楠雄のΨ難 [状態]:疲労(大)、両腕と肩に裂傷、上半身に切り傷、頬に痛み、銀髪の男(魔王)への怒り [装備]:ネズミの速さの外套(クローク・オブ・ラットスピード)@オーバーロード、MP40(残弾ゼロ)@ストライクウィッチーズシリーズ [道具]:基本支給品×2、予備弾倉×3、ランダム支給品×0~1(確認済み)、童磨の首輪 [思考・状況]基本方針:主催を打倒する。 1:銀時の仲間を探す。 2:まずは自分に協力してくれる者を探す。 3:主催と戦うために首輪を外したい。 4:自分の体の参加者がいた場合、殺し合いに乗っていたら止める。 5:DIOは今度こそぶちのめす。 6:天国……まさかな。 [備考] ※第三部終了直後から参戦です。 ※スタンドはスタンド能力者以外にも視認可能です。 ※ジョースターの波長に対して反応できません。 ※ボンドルドが天国へ行く方法を試してるのではと推測してます。 ※時間停止は現状では2秒が限界のようです。 ◆◆◆ 街から離れた草原に魔王は横たわっていた。 全身が酷く痛む。指一本軽く動かすだけでも、体中を激痛が駆け巡る。 スタープラチナのラッシュによる傷だけではない。 吹き飛ばされた際に民家の壁へ幾つも当たり、地面を何度もバウンドしたからだ。 ボロキレのような有様を見て、これが魔王の肉体だとは誰も思わないだろう。 「ベホマ」 一言呟く。たったそれだけで全身の痛みは消えて無くなった。 痛ましい肉体はどこにもなく、代わりにあるのは傷一つない魔王の肉体。 あっさりと回復を済ませた魔王だが、立ち上がる様子は見られない。 というより立てない。呼吸をするのすら億劫に感じる程、体中が鉛と化したかのように重い。 傷は癒せても、疲労までは消し去れない。 それに加えて呪文を連発した事による魔力の多大な消費。 特に回復呪文はその強力さに見合うかのように、唱えた瞬間かなりの魔力がごっそりと減ってしまった。 元々ピサロが使っていた時よりも、多くの魔力が消費されるよう枷を付けられているのだろう。 こんな状態でまたベホマを唱えようものなら、消耗死は免れない。 参加者を直ぐに殺したいと逸る心を静めるように、体は休めと伝えて来る。 気に喰わないが今はそうするしかない。 手痛い反撃を食らったとはいえ、あの太眉の男はもう死んだだろう。 男の死に、魔王は何も感じない。 良心も罪悪感も、当の昔に捨て去った。 そんな役に立たない感情を持っていても、ラヴォスは殺せない。姉は帰って来ない。 結局のところ、元いた世界での復讐にも、この地での優勝にも、必要なのはそれを為すだけの力。 ただそれだけだ。 次の戦場へ臨む為に、男は力を蓄える。 魔王の脅威は、未だ消えず。 【F-8 草原/早朝】 【魔王@クロノ・トリガー】 [身体]:ピサロ@ドラゴンクエストIV [状態]:疲労(大)、魔力消費(特大) [装備]:破壊の剣@ドラゴンクエストシリーズ、テュケーのチャーム@ペルソナ5 [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1 [思考・状況]基本方針:優勝し、姉を取り戻す 1:マトモに動けるようになるまで休む 2:強面の男(承太郎)は次に会えば殺す 3:剣を渡した相手(ホイミン)と半裸の巨漢(志々雄)も、後で殺す [備考] ※参戦時期は魔王城での、クロノたちとの戦いの直後。 ※ピサロの体は、進化の秘法を使う前の姿(派生作品でいう「魔剣士ピサロ」)。です ※回復呪文は通常よりも消費される魔力が多くなっています。 【MP40@ストライクウィッチーズシリーズ】 9x19mmパラベラム弾使用の短機関銃。 エーリカ・ハルトマンが使用する銃火器の一つ。 【テュケーのチャーム@ペルソナ5】 ニイジマパレスにてコインと引き換えに入手できるアクセサリー。 装備すると運+10の効果がある。 【豪水@ONE PIECE】 飲むと一時の力を得るが、命が削られる水。飲んだ後には、腕にアザができる。 アラバスタのツメゲリ部隊が使用した。チャカの台詞からすると、一気に命(余命)が削られる模様。また、ツメゲリ部隊は豪水の副作用で吐血して死亡した。 飲むんじゃなくクロコダイルにぶっかければ倒せただろ、と言ってはいけない。 57 前兆 投下順に読む 59 不安の種 時系列順に読む 53 BLADE CHORD 坂田銀時 GAME OVER 空条承太郎 61 その魂は、否定させない 魔王 86 「鬼殺隊は異常者の集まりだ」by鬼舞辻無惨
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出題:2スレ目 186 187 女「はっ! やあっ! とうっ!」 男「何してんの?」 女「見れば分かろうぞ! 武士たるものいかなる時にも鍛錬すべきで候!」 男「いや、だからなんで鍛錬なんかしてんの?」 女「なぬ、貴様御題を見てはおらぬのか! さむらひおなごと申したるは……」 男「それジジョだから」 女「……オラオラオラオラオラオラオラオラ」 男「ジョジョでもなくて」
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律「梓もそれを心のどこかで感じ取ったから、 軽音部を辞めちゃったのかもな」 唯「そ、そんなこと…… 澪ちゃんやムギちゃんだって、説得して……」 律「説得して、改心すると思うか? あいつら本気で幸せそうな顔してたぜ。 梓が辞めたことだって、まったく気にしてないみたいだったし」 唯「でも……」 律「……」 唯「……」 律「……こんなことになるなら、 新入部員なんて入んない方が良かったな」 唯「それは違うよ、りっちゃん…… 私たちが部活という体裁を取っている以上、 新しい部員が入ってくれるのは喜ぶべきだよ。 悪いのは新入部員じゃなくて、私たちだよ」 律「……お前は偉いな」 唯「そ、そうかな」 律「そうだよ……私なんて部長なのに、 もう諦めて退部しようとしてるんだぜ?」 唯「あは、そういえばりっちゃんは部長だったね」 律「忘れてたのかよ」 唯「うん……なんか自分が部長みたいな気になってたから」 律「そっか…………」 唯「……」 律「…………もう、戻れないのかな」 唯「……」 その夜、唯は梓に電話をかけて、 今までの過ちを全て謝罪した。 梓も泣きながら自分の胸中を告白した。 梓「ううっ……嫌だったんです、 みんな変わっていってしまって……」 唯「うん」 梓「私たちのっ……ぐすっ、軽音部が…… ひっく、壊れていく気がしてぇ……」 唯「うん」 梓「5人で……のっ、演奏も、ひぐっ、 しなくなってっ……」 唯「うん」 梓「軽音部のこと……先輩たちのこと、 ひぐっ、大好きだったのにっ……」 唯「ごめんね、つらかったね……」 梓「ぶわあぁぁぁぁん!」 唯「もう部活には来ないの?」 梓「はい…… あの軽音部には、行きたくありません」 唯「そっか……」 梓「すみません」 唯「いや、いいんだよ。気にしないで。 でも……」 梓「?」 唯「澪ちゃんとムギちゃんを説得してみない? もしかしたら元の軽音部に戻るかも知れないよ」 梓「えー……そんなにうまくいきますかね」 唯「やってみる価値はあるよ。 りっちゃんも誘ってさ、明日、やってみようよ」 梓「……はあ、唯先輩がそこまで言うなら……」 ―― ―――― ―――――― 翌日、放課後。 澪「はあはあ、ふっひひひひ、やっと授業終わったなあムギ……」 紬「ああもう部室に行きたくて行きたくてたまらないわ! 早く行きましょう、澪ちゃん!」 澪「ああそうだな、このために学校来てるようなもんだしな! 行くぜムギ!」ダッシュ 紬「ええ!」ダッシュ 律「……あいつら日に日にヤバくなっていってないか」 唯「あはは……」 律「ほんとに元に戻せるのかよ」 唯「それはやってみないと分かんないよ」 ガラッ 梓「あのー……先輩」 唯「あ、あずにゃん」 梓「さっきそこで、澪先輩とムギ先輩とすれ違ったんですけど…… あれ大丈夫なんですか? 目とか完全に逝っちゃってるじゃないですか」 律「大丈夫かどうかはこれから確かめに行くんだ」 梓「……どうにも手遅れっぽいですけど」 唯「そう決めつけるのは早計だよ。 さあ、音楽室に行こう」 律「ああ」 梓「はあ……でもなんだか、 あんな先輩たちを見るのはもう嫌です……」 律「だからこそ、あいつらの目を覚まさせてやる必要があるんだ」 唯「うん、そうだよ。 そしてそれには、軽音部の変化に一番敏感だったあずにゃんの説得が欠かせない」 梓「は、はい……分かりました」 律「よし、じゃあ行くか……敵陣へ」 ―― ―――― ―――――― 音楽室。 そこにはうず高く積まれた机の上でふんぞり返って、 新入部員の崇拝を一身に集める澪と紬の姿があった。 澪「はははははは! 跪け! 崇めろ! 私は天下のミオミオ様だぞ!」 新入部員「ははーっ、ミオミオ様ー!」 新入部員「ミオミオ様、ミオミオ様ー!」 新入部員「ミオミオ様のお声を聞けて幸せです!」 新入部員「私、ミオミオ様のために死にます!」 紬「ほうれほうれ、お菓子だぞお菓子! 私の慈しみと優しさの心を食すがいいわ!」 新入部員「ははーっ、ありがたき幸せ!」 新入部員「ああっ、こちらにも! こちらにもお願いします!」 新入部員「おいしゅうございます紬お姉さま!」 新入部員「もっと、もっとくださいませ!」 梓「…………帰りたいです」 唯「……」 律「おい、澪、ムギ! いいかげん目を覚ませ! こんなこと続けてたって良いことないぞ!」 唯「そうだよ、澪ちゃん! そこから下りてきて!」 梓「ムギ先輩もお菓子で餌付けはやめて下さい」 澪「ん……なんだ、お前らか。 お前らも早く部活をやれよ」 律「馬鹿か、これのどこが部活だ! 思い出せ、あの日の軽音部を!」 唯「そうだよ、5人で楽しく、 お茶したりバンドしたりしてたじゃん」 梓「私、もうこんな澪先輩やムギ先輩は見たくないんです! もとに戻ってください!」 澪「ハッ……何を言っているのか分からんな」 紬「そうよ、馬鹿なことばかり言って…… あなたたち、あいつらを追い出しなさい」 新入部員「はっ! 了解しました紬お姉さま!」 新入部員「オラオラ、紬お姉さまにたてつく奴は今すぐに出て行け!」 新入部員「消え失せろ、オラオラ!」 新入部員「神聖なる紬お姉さまを穢す俗物め!」 唯「ひいっ、痛い、痛い!」 梓「や、やめてっ……!」 律「ゆ、唯、梓、ここは一時撤退だ!」 唯「らじゃー!」 梓「ちょ、ちょっと待ってくださいよう……」 ―― ―――― ―――――― 教室。 律「はあ、はあ……」 唯「まさかあんなことになってるとは思わなかったね」 梓「ど、どうするんですか?」 律「えー、もうどうにもならんと思う……」 梓「諦めるんですか」 律「だって行っても追い返されるし…… あいつらの気が済むまでやらせとこうよ、もう」 唯「気が済めば、いいんだけどね……」 梓「放置しといたら今以上に増長しますよね」 ガラッ 豊崎「……あっ、軽音楽部の」 唯「あ、吹奏楽部の」 豊崎「何やってんの?」 唯「実はカクカクシカジカで」 豊崎「ふうん……後輩とは仲直りしたけど、 他の部員がエラいことになってる、と」 唯「まあそんなかんじ」 豊崎「部員が多いと色々大変ね、 部員が多いと」 唯「あはは、吹奏楽部並の部員数が丁度いいよね」 梓「嫌味言い合ってる場合じゃないでしょう。 これからどうするかが問題です」 律「いいじゃんもう、様子見で」 唯「ううん……現状だとそれしかないかなあ」 梓「部室じゃなくて、新入生のいないとこで…… 休み時間とかにこのクラスで話すってのは」 律「だめだめ、あいつら、授業中も休み時間も 新入生たちとずーっとメールしてるもん。 こっちの話なんか聞きゃしねえ」 梓「はあ……」 豊崎「……」 それから何もしないまま数日が過ぎた。 相変わらず澪と紬は新入生からの崇拝を受けて 音楽室の神様を続けていた。 律はもうすっかり諦めた様子で、 もう軽音楽部のことを気に掛けることもなくなった。 澪と紬のことも完全にスルーし、 今では澪よりも唯と仲良く過ごしている。 唯は軽音楽部に行かなくなった。 澪と紬のことは心配だったが、 どうにもできないまま悶々とした日々を送っていた。 ときおり教室に唯を信奉していた新入生がやってきて 軽音楽部に戻るように説得されたが、 唯はきっぱりとNOを突きつけていた。 そしてそのうち新入生も来なくなった。 梓はまだ諦められなかった。 あの5人でやっていた軽音楽部を、 放課後ティータイムを、その手に取り戻したかった。 しかし唯と同じく、澪と紬に対して何もすることが出来ず、 もどかしい気持ちを抱えていた。 だが異変は起こっていた。 誰にも知られないまま、少しずつ、確実に。 最初に気づいたのは律だった。 律「なあ、唯。気付いたか?」 唯「なにが?」 律「澪とムギがメールを打つ回数、 明らかに減っている」 唯「えっ、そうなの?」 律「ほら、現に今、携帯に触れてもいないだろ」 唯「あ、ホントだ。前までは一日中携帯開いてたのに」 律「なんかあったのかね」 唯「へへ」 律「ん、なんだよ」 唯「いやー、なんだかんだ言っても、 やっぱり澪ちゃんたちのこと気にしてるんだなって思って」 律「ただ視界に入るだけだよ」 唯「どうだか」 4
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1 / 9 ページ 「新(あたらし)さん。こんにちは」 事務所のドアを開き、入ってきた一人の女性は、デスクで昼食を取っているメガネの女性にお辞儀をした後に、すぐに彼女の元に、黒いTシャツを着た若い男が駆け寄ってきた。 「やあよく来たね。唯ちゃん」 満面の笑みを浮かべ、近づくこの男に対し、『新唯(あたらし ゆい)』は冷静にこう一蹴する。 唯「遊びに来たんじゃないの。穂積君。例の情報を売って頂戴」 穂積「ついでにお茶でも飲んでかないかい?」 唯「外に出ていいのかしら? 命狙われてんでしょ?」 穂積(ほづみ)と名乗ったこの男は、唯に対して異様に軽い口調で返す。 穂積「職業柄仕方がなくてね。それにもともと敵は多いしね」 穂積「ここだけの話。あそこの奈良岡さんも僕の命を狙ってるのかと思って毎日接し方には工夫してるよ」 唯が最初に会ったメガネの女性……恐らく秘書のことだろう(彼女と自分、そして彼以外この事務所にはいない)。 唯「奈良岡さんに失礼でしょ」 穂積「唯ちゃんが気にすることァないよ。それに君から「ふんだくった」コレはこう言うのに使ってんのさ」 右手で、『金』を暗示する仕草を取った穂積は、不気味な笑みを浮かべながら部屋の奥の棚を指さす。 穂積「あの「サイフォン」……30万もしたんだよ。もうね僕ァあれで淹れるコーヒーがホント大好きなんだよ。流石この『穂積隆也(ほづみ たかなり)』から30万も取るだけはあるねェ ホントいい仕事してる」 穂積「飲んでくよね? 唯ちゃん」 唯「先に情報を頂戴って言ってるでしょポンコツ『情報屋』……サイフォン壊されたくなかったら『BEATTY REDS』の情報を売りなさい」 穂積「…………せっかちだねェ……「また」彼氏逃げちゃうよ」 2 / 9 ページ この男『日下武治(くさか たけはる)』の寝起きは、決まって悪い。 ボサボサな髪を手櫛で整えるのもほどほどに、寝ぼけ気味の瞼を擦りながら起床の第一声を放つ。 武治「寝足りねえ……」 「君ねえ。開口一番がそれかい?」 武治「惟精か。おはよう」 惟精「もう12時だよ。それとも君の中の常識じゃあこの時間帯が朝なのかい?」 武治「いや、『いいとも』がやるのは昼と決まってる」 この軽妙なやり取りを武治に引き出させた男は、『久富惟精(ひさとみ これきよ)』。無免許だが一応医者である。 そして、武治とは中学時代からの友人で、一軒家をシェアしている『ルームシェア』メイトと言える存在。 武治「唯は?」 唯「ここよ昼行灯」 唯は、武治の寝室のドアの前にいた。 ドアが開くと、ドッと疲れたと言うような表情を浮かべた唯が姿を現す。 惟精「お帰り! 新さん! 相変わらずうちの事務所の所長は可愛いなぁ」 唯「久富くん? それは所長に対する口のきき方かしら?」 武治「そうだぞ惟精? コイツ何かにつけて給料引いてくるからな」 唯「アンタもだゴク潰し。それにいい加減この部屋掃除させなさいよ! 日がな一日寝てるアンタのせいで掃除できないじゃないの!」 武治「いや、十分キレーだろうがこれ! なあ惟精!」 惟精「何か臭い。というか加齢臭もする」 武治「てっめッ! 裏切りやがったな」 惟精「そこは『久富惟精お前もかッ!』だよ。 ブルータスに殺される「ジュリアス・シーザー」のごとくね」 武治「てめえは「ジュリアス・シーザー」の何知ってんだよ」 唯「まあベッドの下には埃が溜まりやすいの。掃除機掛けくらいはさせなさいッ!」 武治「……いや、お前これ部屋十分キレーだろうが」 唯「前掃除したの先週でしょ? いいからさせなさい!」 武治「部屋の掃除なんてなぁあ…………あれだお前。週一でいいんだよッ!」 3 / 9 ページ 結局、武治は部屋から〆出された。 この一軒家は、唯・武治・惟精の3人がシェアしているわけだが、唯の『事務所』でもある。 というか、郊外の異様に閑散とした(周りには廃ビルと潰れた飲食店くらいしかなく、交通の面でも明らかに不便)場所に佇むこの一軒家は、唯の所有物であり、武治と惟精は、『ルームシェア』メイトという建前で、住まわさせてもらっている『居候』なのだ。 惟精「『居候』である僕らは、この一軒家の中に組み込まれている限り、この一軒家の中の『要素』に過ぎないわけだよ」 武治「わけだよじゃねえよヤブ医者。死なすぞ」 惟精「と、言ったところでもう12時半だね。何か食べる?」 武治「いーよ別に。腹減ってねえし」 惟精「君は『居候』の立場を弁えているようだね。腹が減っても家主を気遣って空腹のまま戦場へ馳せ参じ…」 武治「ちげえよホントに腹減ってねえんだ。お前はそのクソウゼえ口調をいい加減やめろ」 唯「別にいいじゃない。それくらいしか久富くんの味ないんだから」 武治「つか何でお前いんだよ。掃除は」 唯「案外きれいだったからやめたわ」 武治「…………」 唯「何よ」 武治「俺を追いやる必要なんてあったのかよ」 惟精「新さん。ここは僕の方から言っておくよ……この世に意味のないことなんて存在しない。だからきっと君が追い出されたことに対して君自体がとやかく言うのは野暮ァッ?!」 久富惟精は、いきなり顔面を殴られて廊下に這いつくばった。 武治「そうだな。お前が言った方が殴りやすい」 4 / 9 ページ 結局、全員集合。 鼻血を滴らせながらも相変わらずニヤついている久富惟精と、眠気のあまり不機嫌な日下武治、そしてこの二人の士気の低さに幻滅を隠せずにいる新唯の三人で、皮肉にもこの『事務所』は成り立っていた。 武治「で、仕事かよ? 所長さん」 唯「まあ平たく言うとそうね」 武治「平たく言うなよ」 惟精「相変わらず野暮だね君は。新さんの言うことにいちいちツッコミを入れまくるとは」 唯「このままだと作者が字数稼ぎで私たちに無駄口叩かせてると勘違いされるかもしれないわ。ここらで本題に」 惟精「勘違いしないでよねっ!」 唯「本題に入るわ。『BEATTY REDS』の情報が入ったわよ」 ここで、久富惟精の表情は一転する。 武治「オイ……なんだそれ? バンドかなんかか?」 唯「違うわ。西日本を拠点に今でも活動している――――」 唯「『掠奪集団』よ」 5 / 9 ページ 唯「ようするに暴力と盗みを生業としてる最低のゲス共の集まりね。連中が直接人殺したって話はあんまり聞かないけど」 唯「どっち道いい話はあんまり聞かないわね」 惟精「『掠奪集団』ですからね。いい話を聞くとかえって恐ろしい」 武治「で……そのなんちゃらレッズがどうしたんだよ? 何でそんなのの情報を集めてんだ」 唯「ホント無知ねえ……」 唯「その『REDS』が『矢』を所持してるって情報が入ってね」 ここでようやっと。日下武治も面食らう。 唯「『矢』についての説明は不要よね。私と久富君はともかくアンタはそれで『スタンド使い』になったんだから」 武治「ああ――忘れもしねえ。あの『矢』は…………」 武治「すまん。忘れた」 その一言に、唯と惟精は、一昔前のコント番組のようにずっこける。 惟精「君の頭はホントに都合いい造りだねえ……」 唯「久富君。仕方がないわよ。だって武治だもん」 武治「だからその「武治だもん」って何だそれお前」 武治が唯に対し怒号を吐こうとした瞬間、事務所の窓を割って、何かがこちらに飛んできた。 床に落ちてコロコロと転がったそれから、紫煙が徐々に立ち込める。 だが、それよりも武治の対応の方が速かった。 武治「誰だよこんなもん投げ込んでくる野郎は――」 武治「こちとら一般市民だ。大概にしとけよ…………!」 武治「『スターズ・アンド・ミッドナイト・ブルー』ッ!!」 武治の肉体に重なるように、人型の、銃を構える像(ヴィジョン)――――『スタンド』が現出した。 6 / 9 ページ 武治「惟精ッ!」 惟精「野暮だね。言われなくても分かってるよ」 惟精「『マッド・チャリオッツ』」 久富惟精も、同様に『スタンド』を発現する。武治のそれとは一線を画する機械的なデザインの巨大な蜘蛛の像。 『マッド・チャリオッツ』が脚で空間を切り裂くと、その空間に、切り傷状の穴が空く。 そこに『S&M・ブルー』が弾丸を撃ち込む。 するとどうだろう、その弾丸の『軌跡』は、ただ空を裂くだけに留まらず、具現化し、「ロープ」のようにピンと張った。 足下の催涙弾を、脚で拾い上げ、それが宙を舞った時点で、『S&M・ブルー』が、銃を構えていない方の、左手で、「ロープ」上に固定し、そして叫ぶ 武治「行けッ!!」 その叫びと同時に、「ロープ」は催涙弾を引き連れたまま、惟精が切り開いた空間に姿を消した。 数秒の作業であった。 『何だァ? 煙が部屋に充満しねえなあッ』 突然、外からメガホンで声が響いた。 惟精が割れた窓を開け放ち、外を眺める。もともと周りに余り建物がない場所なので、真っ直ぐ前にある『廃ビル』から投げ込んだんだろうが、相手はどうも大胆不敵にこちらを眺めていた。 『やっぱ『スタンド使い』かぁッ! そんな気はしてたぜ。俺は勘がいいからなあ』 武治「誰だオメエッ! ブチ殺すぞッ!」 惟精「そんな顔でその口調だとチンピラにしか見えないよ」 『まあそんなことァいい。俺は勘がいいからちゃんと備えをしてきたのさ』 『お前ら俺に近づけねえぜ。ここには「見えない壁」仕掛けといたからよぉ』 武治「馬鹿にしてんのかテメエコラ。そんな手の内曝け出しまくりやがって」 唯「頭が悪いんでしょ。はい武治。行ってくる」 相変わらず気の強い唯の言葉にたじろぎながらも、武治は外の『廃ビル』の壁に向けて弾丸を放つ。 だが、弾丸は、何もない空間で何かに弾かれ、落ちてしまう。 7 / 9 ページ 惟精「ありゃ。ホントに壁あるみたいだね」 『そんな弾丸で壊れるかよッ! バッカじゃねえの?』 武治「うっせーぞド小物がッ! ハッタリばっか噛ましてねえで姿現しやがれド畜生ッ!」 惟精「君もうそれ小物的チンピラにしか見えないよ」 小物臭い口調と表情で『廃ビル』の男に叫ぶ武治を、惟精が軽い口調で諌める。 『ハッタリだと? 面白れえや手前。ホントに面白れえよ手前……』 『俺は優しいから警告しといてやる。「絶対に避けろよ?」 今から一斉放火するからよォ…』 『廃ビル』の男がそう言うと同時に、見えない壁から大量のピストルが生えてきた。 『降伏しろ。そして『BEATTY REDS』について嗅ぎまわるのを今すぐやめな。今なら適当にリンチってベトナム辺りに逃がしてやるよ』 武治「個人的には「フォー」を喰いてえから連れてってくれよベトナム。旅費お前持ちでよ」 『………………俺の合図で『発射』するぜ? この「見えない壁」に張り付いたS W全部がなあ……!』 唯「武治。久富君。頼むわよ」 武治「OK所長」 武治は、再び『S&M・ブルー』を発現させ、窓から飛び出る。 武治「『S&M・ブルー』ッ!」 まず、武治は、事務所の一番右側の窓に弾丸を発射し、その軌跡をロープに変える。 武治「行けッ!!」 彼がロープに捕まると、ロープは端の方まで武治を引き寄せる。それによって武治がビルの屋上にまで一瞬で登りつめたのだ。 武治「惟精ッ! 一応今から垂らすのは右の以外『第一のロープ』だッ! 右掴むと登っちまうぞ!」 惟精「君じゃないんだから間違えないよ」 武治「よし、後で殴らせろ」 そんなやりとりをしながらも、武治はしっかり、足下に向けて弾丸を発射しながら屋上を駆け巡る。 結果、約8本のロープ(武治を登らせたロープも含む)が、事務所の正面からぶら下がっている状態となった。 『何だァ? そのロープで防ぐ気かァ?』 惟精「敢えて言おう。そのつもりだよ」 『バカにし腐りやがって…………もういいや死にやがれッ!!』 次の瞬間、凄まじいほどの発砲音と共に、大量の弾丸が事務所に襲いかかる。 8 / 9 ページ 惟精「じゃあ行ってきます。マイ・フェア・レディ・新さんッ」 唯「うん。キモいからさっさと行って」 惟精は、少々落胆しながらも武治同様飛び出した。そして、真ん前のロープを掴み、速攻で右端のロープの一つ手前に移動すると、勢いよく叫ぶ。 惟精「『マッド・チャリオッツ』ッ!」 『M・チャリオッツ』の脚の一本を立て、そのままロープを掴みながら左側へ向けて、まるで『ターザン』のように一本ずつロープを確実に掴み、移ってゆく。 『何するつもりだ?! 手前の『スタンド』はバレエを踊りにでも来たのかこの野郎ッ!?』 惟精「低俗だね。ホントに低俗な脳髄だ。高尚である新さんとは大違いだ」 惟精「その脳髄はきっとチューブタイプの味噌くらいしか詰まっていないんだろうね」 左側に移ると『M・チャリオッツ』は脚を仕舞い、惟精も一番近い窓から事務所に戻る。 その間、数秒しか経っていない。だがそれ以上に驚きなのが、弾丸は『見えない何か』に阻まれて一発も事務所に着弾していないことにあった。 『な……何だぁあああ?』 惟精「傷口に縫い付けた「縫合糸」は、血止めの役割を果たしている……」 台所に辿りついていた惟精は、冷蔵庫からペリエの瓶を取り出して蓋を開けると、何やら指をパチンと鳴らし、瓶を口に運んだ。 それと同時に、何かが「抜け」て、消え去った弾丸が再び姿を現す。 だが、それは依然として事務所を攻撃しようとしている凶弾ではなかった。もう既に、標的は『廃ビル』。 『な……』 コンクリートや窓が張られていない穴に向けて、弾丸は無差別に着弾する。 『な……なんなんだよこいつらあああ』 9 / 9 ページ 男はようやく姿を現した。たまらず『廃ビル』から出てきたのだ。金色の短髪に、右耳に大量のピアスを付けたチャラい男。その男は、巨大な口の不気味な『スタンド』を引き連れていた。 武治「何なんだと聞かれたら。こう答えるしかねえだろ」 武治「名乗るほどの者じゃあねえ!!」 武治は、姿を現した男に向けて銃で発砲する。その弾丸は、正確に男に額に着弾したが、男に外傷は一切ない。男の額からロープが生えているだけ。 男「な……なんだこりゃあああ」 武治「『第三のロープ』だこのヤロー」 武治がそのロープを引くと、男は勢いよく天井にまで引き上げられる。 男「うおぉあああ」 武治「冥土の土産だ。教えといてやんよ兄ちゃん……俺の『スタンド』によって生まれるロープは三種類ある」 武治『第一のロープ』が普通のロープ、『第二のロープ』が対象にこっちが飛んでいくロープ、『第三のロープ』が今お前に使ってる対象がこっちに飛んでくるロープだ」 武治「まあようするにあれだ……もう何でもいいから逝っとけ」 武治「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ――――」 銃身を腰のホルスターに仕舞った『S M・ブルー』が繰り出したのは拳撃。連打(ラッシュ)によって男はタコ殴りにされる。 タコ殴りにされた末に、ロープを蹴撃で斬り放され、そのまま落ちる。 武治「あばよ」 唯「あばよじゃねえわよこのバカチンが!」 突然、すぐ後ろから怒号が飛んだ。声の主は当然、新唯。 武治「いつからいたんだよ」 唯「アンタが登ってきたのと同じくらいにもういたわよ。意外と屋上とあそこ近いからね」 武治「お前まさか惟精の事信用してなかったのか? アイツ知ったら泣くぞ」 唯「うっさいわね本能よ本能。それと何重要参考人殺してんのよッ!」 武治「殺してねえよ。ほれ、下でカエルみたいにぴくぴくしてんだろ」 唯「情報吐かせらんないじゃないのよ! 医者呼びなさいよ医者!!」 惟精「僕医者ですよー」 惟精は台所から屋上に向けて叫んだ。 『BEATTY REDS』の下っ端構成員(本名は大塩学) スタンド名:『LIV』――再起不能(リタイヤ) ▼次のページへ ★ 使用させていただいたスタンド No.1167 スターズ・アンド・ミッドナイト・ブルー No.1621 マッド・チャリオッツ No.0013 LIV ▼単発SS一覧へ戻る
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荒波が寄せては砕く海岸線、対峙するは一対四の男たち。 「山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーヴァードライブ)!!」 「くらえ!波紋疾走(オーバー ドライブ)ッ!」 「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァ!!!」 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!」 波音が破られ、先に仕掛けたのは黄金の精神と星の痣を持つ四人の男たち。 『ジョジョ』と呼ばれる彼らの攻撃はしかし、たった一人の巨漢に弾き飛ばされた。 「愚か者が!!」 「「「「あべし!」」」」 ドッギャーン 「この拳王に楯突くとはな……」 砂浜に倒れる四人を冷たい目で見下す巨漢の名はラオウ。世紀末を暴力で支配する恐怖の覇王である。 その力と闘気を前に、百戦錬磨のジョジョたちも頬に冷や汗が伝う。 「OH MY GOD! こいつはマジに人間かよォー!?」 「やれやれだぜ……」 しかしここでラオウから逃げるわけにはいかない。 ラオウはバトロワに優勝する気満々である。このまま行かせては屍の山が築かれること必至だ。 追い詰められたジョジョたち。しかし彼らには最後の秘策があった。 「みんな!融合するぞ! 僕たちジョースターの力を一つに集めるんだ!」 意外!それは融合! ポタラなどのアイテムは使わない!『凄み』でやるのだ!
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黒のオラウス オラウス・ウォルミスはネアトリアハイム建国に非常に貢献した人物の一人であり、三英雄(オラウス、ルシード、ワグニムス)にも数えられているが最も謎の多い人物である。 ルシードとワグニムスはその出生も没年もはっきりとしているのだが、彼の場合没年は確認できるものの出生はハッキリとしない。そもそもこの大陸の出身なのか怪しい点がある。まず彼の使用していた剣は遥か東の国で使用されている“刀”と呼ばれる武器に酷似しており、彼自身の身体的特徴も東国の人間に近いところがあった。 よってオラウス・ウォルミスという名は偽名ではなかったのではないか、という一説も存在している。彼が生きた時代にはまだハーヴェン=フスも存在していなかったため、東洋人は動きづらかった。そこで彼はせめて名を騙ることで動きやすくしようとしていたのではないか、と考えられているがこれはあくまでも仮説に過ぎない。 元々、彼は流浪の傭兵でありどこかの組織に所属していたわけではなかった。改宗戦争の時は傭兵としてラリヴァール=ハイムに就いただけであり、それがどうしたことか飛竜騎士団の一員として選ばれてしまったところから彼の人生は狂い始めた、あるいは動き始めたといえよう。彼には当時はまだ若かった飛竜ヒスヴェット(後の竜王)が与えられ、主従の契りを結んでいる。 改宗戦争後はヒスヴェットや戦いを共にしたルシードと分かれており、そのあとでワグニムスに出会ったとされている。そしてその後でフィーリーと再会したと言われる。ここで注目すべきは再会したと言われているところであるのだが、オラウスとフィーリーが初めてあったのはどこなのか記録している文献は存在しない。 その後の彼はなし崩し的にフィーリーに協力することになり、再び飛竜ヒスヴェットを駆りフィーリーのために戦うことになる。現在では黒のオラウスと呼ばれている彼だが、淡い緑色の光を放つ剣を持っていたことから当時は魔剣のオラウスとも呼ばれていた。 黒のオラウスと呼ばれるようになったのは無数の返り血を浴びてどす黒くなったというのが定説だが、実際は汚れても目立たないよう黒い服を着用していただけだというのが真実である。 彼は生涯に置いて一回も結婚をしていない。しかし子孫を残している。それは何故かといえば、彼の飛竜ヒスヴェットは種族を超えて彼に対して恋慕の情を抱いており一日だけ人間の姿と也交わったからだといわれている。 そのヒスヴェットの産んだ子が後のウォルミス家を建てることになった。だがヒスヴェットがオラウスの子を育てたという話は無く、一体誰がオラウスの子を育てたのかはまったくの不明である。 ソウルム=ヴァド近辺で行われた最後の会戦で、自らの命を引き換えに異界の邪神を呼び出しそれによりフィーリー軍に勝利を与えたとされている。この時オラウスは死んだのではなく、邪神の眷属となることを条件に力を借りたとされ三〇〇年後に蘇っている。 ただし、蘇ったオラウスは生前は黒い瞳であったのに対し何故か金色の瞳を持つに至っている。不思議なことに生前のオラウスの血を引いているはずのウォルミス家の人間は何故か黒ではなく金色の瞳を持っているが、これは飛竜の血も引いているからだとたびたび説明されるのだが真実かどうかは定かではない。