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117 名前:パッチン[sage] 投稿日:2008/12/04(木) 21 28 20 ID ??? ある日の葛城家…午後7時 「アスカ、夕飯出来たよ」 「ん~?今日なにぃ?」 リビングのソファーで寝んゴロリするアスカと、エプロン姿におたま片手のシンジ。 「えっと…唐揚げとサラダとお味噌汁」 「はぁ~…いつものメニューね相変わらず」 「むっ!」 「たまには手の込んだディナー作れないのかしらねぇ~。テレビタレントは羨ましいわ、高級料理なんかをパクパク食べたりできて」 アスカの視線の先では牛肉のIT革命が起こっていた。 「あっ!あのソース美味しいのよぉ、ドイツのレストランで食べたことあんの。赤ワインベースでねぇ♪」 「ご飯冷めるよ!」 「はいはい」 ヒョイとソファーから立ち上がり、ダイニングへと移動する。 「・・・アスカはそんな料理が食べたいの?」 「ん?そりゃたまにはね。アンタ作ってくれるの?」 「・・・・・」 「はは~ん、さては愛しのアスカちゃんがその料理恋しさにドイツに帰っちゃうかもぉぉ…とか心配しちゃったのね?」 「な゛っ!だ、誰がそんなこと!」 「くっくっくっ、可愛いとこあんじゃない」 「勝手に決め付けるなよ!」 「ほら、ご飯冷めるから食べるわよ」 そんな他愛もない会話が続いた。12月2日 …あの日の2日前の出来事でした。 おわり
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65 名前:コピ改[sage] 投稿日:2008/10/13(月) 19 14 22 ID ??? 僕の新しい家に女の子が越してきたのは中2の夏休みだった。 彼女の母親は本当の母親ではなかった。 お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。 学校でも同じクラスになって僕と彼女は仲良くなった。 彼女は勝ち気な性格ではあったが、その分女子の友達も少なかった。 音楽ばかり聞いて親しい友人の少なかった僕と彼女はお互いの部屋に遊びに行くほど仲良くなった。 そのうち彼女は愚痴を言うようになった。 だいたいは僕の内罰的な生き方のこと。 同じ年ごろの男子はまともな男がいないこと。 すきな年上の男の人ができたけどその人には恋人もいて、やっぱり自分を見てくれないこと。 最初は僕のほうがよくしゃべっていたけれど、この頃からは一方的に彼女が話し僕が聴くようになっていた。 66 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/10/13(月) 19 16 18 ID ??? ある日を境に彼女は心を閉ざした。 戦いで戦果を挙げられなかったのが理由だ。 プライドの高い彼女は傷付いたのだろう。 彼女は僕に会うたびに「あんたなんか大嫌い」といった。 「みんな大嫌い」といった。 そして現実味のない復讐や僕の悪口を延々と話し続けた。 僕はただ黙って相槌を打っていた。 しばらくして彼女の素行が荒れ始めた。 夜遅くまで帰ってこないようになった。 家庭環境も悪化し、深夜にいきなり僕と喧嘩が始まったりもした。 一度は監視の黒服の人が彼女を迎えにやってきた。この頃から近所と折り合いが悪くなり、 中傷ビラや落書きなどの悪質な嫌がらせが僕らの家に行われた。 一度は郵便受けに刻んだ猫が入っていた。 僕も綾波に彼女と付き合うのをやめるよう言われた。 67 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/10/13(月) 19 39 23 ID ??? ある日彼女は部屋に引きこもるようになった。 僕は彼女の姿を見ることがめっきり減った。 めっきりふけこんだミサトさんに話を聞くと昼は絶対に出てこない。 ご飯は部屋の前においていく。 深夜になるとトイレに行くときだけ出てくる。 そんな生活を送っているようだ。 僕は久しぶりに彼女と話をしようとした。 彼女は僕に会うのを拒絶した。 扉越しに帰れと怒鳴った。 何を話しても黙っていた。 一度なんかはドアがあいたと思ったら味噌汁をかけられた。 ちらりと見えた彼女はげっそりと青白くやつれていた。 絞った雑巾のようだった。 僕は毎日彼女に会いに行った。 毎日彼女の部屋の扉の前に立った。 68 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/10/13(月) 19 40 32 ID ??? そのうち彼女は扉越しに話をするようになった。 母親のために頑張って認めてもらおうとしたこと 世界を守る世界一の存在に自分が選ばれたこと 嬉しくて一番に母親に伝えようと息を切らして走ったこと 扉の先で母親が首を括っていたこと その顔が酷く嬉しそうだったこと その嬉しそうな顔が嫌だったこと 一人で生きて行こうときめたこと 君は勝手に喋り続け、僕は相槌を打つ。 意見を求められたときはなるべく無難な意見を言う。 そのうち彼女は部屋を出た。 アルバイトも始めた。 だんだん性格も明るくなり始めた。 ミサトさんから泣きながらお礼を言われた。 69 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/10/13(月) 19 41 28 ID ??? ある日、彼女は近所の団地から飛び降りた。 下が植え込みだったこととたいした高さじゃなかったために一命は取り留めたが 脊髄が傷ついたために今後の人生は車椅子のお世話になるそうだ。 ベッドに横になった彼女はなきながら謝った。 ミサトさんや僕に迷惑をかけていたのがすごく申し訳なかったから飛び降りたんだそうだ。 泣いている彼女を慰めた。 寝転んだまま泣いている人を慰めるのは難しいと思った。 慰めながら彼女にプロポーズした。 結婚を前提に付き合ってくれるように頼んだ。 彼女は全身の水分を絞りつくすようにして泣きながら 「本気?あたしでいいの?本当にいいの?」 と何度も聞き返した。 訊かれる度にうなづき返した。 君のことがずっと好きだった。 顔をゆがめて僕の悪口を言っていたときも 夜遅くまで帰って来ずに荒れていたときも 一方的に愚痴をしゃべり続けていたときも 君が泣きながらお母さんが自殺したことを告白したときも 引きこもって別人のようにやせたときも 小さく震える背中に反応がないことがわかっていて「良かったね」と声をかけたときも 加持さんがもういないことを伝えたときも 「うそ…」と力なく呟いたときも どんな言葉で切り裂けば一番効果的だろうかと、ビラの文面を考えていたときも 家のポストに入れる猫を刻んでいたときも 足の感覚を失い白いベッドに飲み込まれそうに小さく横たわっている今も ずっと君が好きだ。 これで完璧に僕は全部君だけの「もの」だ。 僕たち今度結婚します。
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346 名前:346[sage] 投稿日:2011/01/02(日) 20 41 10 ID ??? 結局誰もいなくなってしまった。 皆、海に溶けてしまった。 一体、僕は何をしていたんだ。 今までの行為はなんにもならなかったんじゃないか。 これまで僕は「僕には何も出来ない」と言う事で自分の殻に閉じ篭って保身していた。 けどそれは嘘だ。 現に今こうやって、自分のしてきた事がなんだったのか考え、なにか意味のあるものであって欲しい、と望んでいるじゃないか。 僕や周りの人にとって、本当になんにもならなかったとしたら、僕は…。 アスカにひどい事したんだ。 カヲル君も殺してしまったんだ。 ミサトさんも触れる事すらできなかったんだ。 綾波は目を見る事すらできなくなってしまった。 僕は前に進む事が出来たのか。 これからどうするつもりなんだ、僕は。 僕は再び、何をしようとしているんだろう。 結果として、今までのことは結局なんにもならなかった。 でも、それらが経験として、今の僕を形作っているのも確かだ。 結果として意味をなさないからといって、そのものに価値がないわけではない。 そう、学んだんだはずだ。 そうだ、僕自身のことなんだ。 ごまかさずに、自分にできることを考え、償いは自分でやらなければいけないんだ。
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26 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 23 20 03 ID ??? 「いや、【おやすみなさい】とかぐらいで良いんじゃないか?」 「ワイもケンスケの意見に賛成やな」 眼鏡を掛けた少年はきょとんとした顔で、さも当然なように言う。 普段着がジャージ、と一風変わったセンスを持っている関西弁の少年もその言葉に同意見。 けれども、そんな友人等から頂いた有難い意見も、問題を抱えているひ弱そうな少年にとっては「んー」と唸るばかりで納得がいくものではないらしい。 「おいおい、何もそんなに真剣に悩むことないだろ?」 「かぁ~、ほんっま難儀なやっちゃなぁ~」 その態度に2人は大きな溜め息を吐いてしまう。 2人が溜め息を吐く理由も判らないでもない。けれど、自分からしてみればどうしても簡単な問題ではすまされないのだ。 まだまだ「んー」と唸り続ける少年。 そんな少年が不器用だということを良く知っている2人。 やれやれ、と困った表情を出しながらも、共通の親友である少年に更なるアドバイスを授ける。 「だったら―――――」 「だったら、【今、何しているの?】って聞いてみれば?」 ピンク色の可愛らしいパジャマを着込んだ少女が、何時ものお下げから髪を下ろし丁寧にブラッシングしながら更なるアドバイス。 確かにもう一声欲しいとは思うのだが、それではあまりにも他人行儀過ぎるのではないか、と問題を抱えている紅髪の少女は 大きな猿の人形を抱えながら「んー」と唸るばかりで納得がいかないらしい。 「それも駄目?」 駄目ってわけじゃあない。でも良いって訳でもないらしい。 「OK」サインを出せる唯一の存在、己の心が「OK」と言わないのだからそういうことなのだ。 「んー、困ったなぁ……」 27 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 23 20 46 ID ??? ことり、と机の上にブラシを置いて紅髪の少女が腰掛けているベッドの隣に座る。 「んー」と猿の人形を抱えながら悩み続ける少女。 そんな少女が不器用だということを良くしっている元・お下げの少女。 ふふっ、と柔らかく優しい笑みを零しながら、親友である少女に更なるアドバイスを授ける。 「それじゃあ――――」 「それじゃあ、素直な気持ちを伝えれば? 【大好き】だとか」 マグカップに入ったコーヒーを飲み下しながら、何時も白衣を着ている女性が更なるアドバイス。ちなみに今は、猫がプリントされたパジャマを着用。 それが一番ベストなのだろうが、それではあまりにも直球ストレート過ぎてのはないか、と問題を抱えているビール好きの女性は 机に突っ伏したまま「んー」と唸るばかりで納得がいかないらしい。 「それも違うの?」 突っ伏したまま頭だけを上下に振り肯定の合図。 良い年齢だと言うのに何時までもびきようだということを良く知っている猫好きな女性。 はぁ、と小さく溜め息を吐き、呆れ顔ながらも更なるアドバイスを授ける。 「―――とは思うものの、これ以上良い案が思い浮かばないよなぁ」 「あったとしてもシンジが納得する答えが出るとは思えんしのぉ。それに―――」 「それにね、アスカ。別にそんなに難しく考える必要ないんじゃない? 何時も通りの会話をするみたいな感じの内容で良いと思うよ。だから―――」 「だから、ここは素直にさっさと送っちゃいなさい」 28 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/07/23(水) 23 21 17 ID ??? 「んー」と同時刻に唸り続ける3人。 そんな困った様子を見せられたそれぞれの友人等は、更なる溜め息を吐いたり、苦笑したり、更なる呆れ顔になったり三者三様。 しかし、次に発せられる内容はどこも一緒だった。 「「「「何でメール送るだけでそんなに困るわけ?(何でメール送るだけでそない困るねん?)」」」」 そんな疑問に対する回答はたった1つ。 「「「だって照れ臭いし、何だか恥ずかしいもん……」」」 それぞれの友人宅でお泊り会。 そんな日の葛城家の面々。 「ほんっと今更ながらの発言ね」 「あによぉ、リツコだってレイにメール送ることになれば判るわよ」 「貴女と違うんだから、そうならないわよ」 「じゃあ、今送ってみなさいよ」 「はいはい……」 「おっ、最近素直よねぇ、リツコって」 「…………」 「どったの? 打たないの?」 「ミサト」 「ん?」 「何て送れば良いの?」 「ほれ、みたことか」 プラス愉快な仲間達。
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349 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2009/07/22(水) 23 19 00 ID ??? あんまし上手くないけど、思いついたので小咄を。 -- ここはミサトマンションの台所。 あるとき、フッとシンジは溜息をつく。それを聞きつけたアスカ。 「ん、どうしたのよ」 お鍋をおたまでかき回しながら、シンジは苦笑い。 「いやね、ここに来て炊事に洗濯、家事ばかりやってる僕って……」 「不満なわけ? そーいうのをね、前時代的っていうのよ」 「前時代?」 「そう、女が家事やって男が稼ぐなんて考えが古いの。アンタは専業主夫が似合ってるわ」 「そ、そうかな」 「そーよ、なんなら代わりにアタシが稼」 「……」 「……」 そこで、すかさず話題を変えるシンジは実におりこうさんである。 「あ、アスカ? 味見をしてくれないかなぁ」 「え、あ、ああ、うん、いーんじゃない」 (終わり) おじゃましました。
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389 名前:kou[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 11 59 42 ID ??? AEOEイタ?モノ投下させてもらいます。 『Motion Picture Soundtrack』 生まれ変われるなら。 時計の針を戻せるなら。 あの日の私を殺してしまいたい。 あの日の貴方を殺してしまいたい。 赤銅色の光の中で起こった真実が、あの触れ合いならば。あの言葉ならば。 決して二度と触れ合えない程遠くへ行きたい。 390 名前:kou[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 12 03 44 ID ??? 波の音がする。いや、波の音しかしない。先程まで泣きじゃくっていた彼は、死んだように動かない。 かく言う私もだらりと、ぼんやりと、何もかもが無機質になった風景を見ていた。 あぁ、終わったんだ。始まりの無い終わりが始まった。 言葉ではなく直感的に悟った。意味なんて無い、ただそこに置き去りにされた事実があるだけ。 そう思うと、痛むはずの左目がぴくりと動いた気がした。 「…」 「…ァ」 「黙って」 消え入りそうな声をぴしゃりと止めた。 その後は簡単だった。 男とはいえ、無抵抗な瞳を浮かべた人間に馬乗りになるなんて事は、造作も無いことだ。 「ねぇ」 「…」 「優しくしてくれた?」 「…」 「みんな、優しくしてくれた?」 頬に手を当てて、出来るだけ柔らかく撫で上げる。涙でかさついた皮膚がパリパリとめくれる感触。 「僕は…」 「ん?」 「狡くて臆病で弱虫で…。でも、みんな僕を見てくれてたんだ。父さんでさえ…」 「そうね」 「だから、僕も誰かを好きになれるかも知れない。誰かが好きになってくれるかもしれない」 そう、当たり前なのだこの言葉は。溶け合った心が理解させた嘘偽りの無い情報。聞くまでも無い、確かな答え。 でも私は、こうして彼を試すしかなかった。 「……ッッ」 親指に食い込む小さな喉仏が、唯一反抗していた。 391 名前:kou[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 12 06 49 ID ??? 「ねぇ…私のこと、好き?」 ごくり、と音を立てて飲んだ固唾が彼に聞こえていないか心配だった。彼のうめき声も波の音に消されてしまうくらいだから、その心配は無用だったけれど。 「…グゥッ…ア、アス…」 待ちに待った答えが聞けるのだろうか。そう思うと、一層手に力が入ってしまう。 「なに?」 嬉しいような、哀しいような、苦しいような。複雑な笑顔を浮かべて彼は言った。 「アスカ、ありがとう。愛してる」 「なんで…」 なぜ 「なんで…!」 こんなにも 「私を見てくれなかったのぉ!」 涙が溢れてくるのだろう 解けた縄のように、私の腕は力無く落ちた。離すまいと食い込ませた指も糸屑のように。 砂に触れた雫が点々と染みていく。赤い海に還って行くように。 「アスカ、僕、謝らないよ。だって、僕もアスカと同じだから」 「…うん」 いつか見た甘い夢のような、そんな風では無かったけれど、誰かに愛を伝えられたのは初めてだったから泣いた後の心の落ち着き方なんて知らなかった。 392 名前:kou[sage] 投稿日:2009/08/14(金) 12 09 22 ID ??? たぶんこの瞬間、私は死んだのだろう。 今まで必死になって取り繕ってきた『惣流・アスカ・ラングレー』という人形が、『碇シンジ』の手によって綻びを修正されたように思う。 多くは語らなかったけれど、これが私の始まり。 これを見た貴方がどんな感情を持つか、どんな風景を思い描くかわからない。 でも事実を伝えないと、納得出来ないのは貴方達も同じでしょう? 例えそれが、人のトラウマをほじくり返すような事を書けという出版社と、「別にいいと思うよ」の一言で済ませた我が愛しのバカ朴念仁に背中押されて書いた物でもね。 さてこれで最後だけれど、一言書いておくわ。 これを読んで、貴方がこの先どんな凄惨な人間関係を築くことになっても一切苦情は受け入れません。関知しません。 ま、こんな本を手にとって頂く紳士淑女の方々が、いちいち突っ掛かるようなユーモアの無い人ではないでしょうから安心ですけど。 ではみなさん、我が家の養育費への出資ありがとうございました。 碇アスカ 著 『いい男のつかまえかた』 第四新東京ゼーレ出版社 終章より抜粋
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131 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2008/12/18(木) 01 43 07 ID ??? さてさてさて、クリスマスである。 しかし、アスカは感心なさげな様子。 「あー? クリスマスぅ? どーでもいーわよ。クリスマスだからって何すんのよ」 「クリスマスっていったら、ツリー飾って、チキンにケーキ食べて、あとクリスマスプレゼントとか」 「めんどくさーい。つまんなーい。でもプレゼントって、アタシになんかくれるの?」 「そうだね。プレゼント交換でもしようか」 「交換? だったら自分のお金で自分で好きなの買ってくれば?」 ここまでヤル気の無さを見せられては、流石のシンジも大きな溜息。 「あのねえ、アスカ。贈り物をしたり受け取ったりするのも楽しいよ?」 「つまらなそうな人生送ってきた癖にどこで覚えたのよ、そんなこと」 「ちょ、ちょっと、アスカひどいなぁ」 「だーから、めんどくさいって。ぱぱっと互いに楽しくなるようなことってないの?」 はい、ここでシンジに魔が刺してしまいました。 「うーん、ぱぱっと互いに……キスでもする?」 「え?」 1秒経過。 (ちょ、ちょっと、なんでアタシ固まってんのよ! 今すぐ蹴りでも入れてツッコミなさいってば!) 3秒経過。 (まずいわ。この沈黙、紛れもなく「……いいわよ」って言う他は無くなってしまう沈黙だわ。は、早くなんとかしないと……) 5秒経過。 (ど、どうしよう、完全に詰みに入ったわ。どうしようどうしようどうしよう……) しかし沈黙を破ったのは、うっかり欲を出してしまったシンジの方。 「な、なんてね。アハハ……」 「なーにいってんのよ、このバカシンジ。アハハ……」 乾いた笑いが響き合う、額に汗のアスカとシンジ。 とりあえず、無理のあるシンジの言いごまかしに救われた気がしたアスカなのでした。 (完)
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作者別のリストとなります。 誤りがありましたら訂正お願いいたします。作者の方が自分の作品をまとめて頂けると助かります。 とりあえず作品数順でソート ぱっちん氏 15スレ目36-LAS2 15スレ目108-LAS2 15スレ目111-LAS2『すれ違い』 15スレ目117-LAS2 15スレ目170-LAS2 kou氏 15スレ目389-LAS2『Motion Picture Soundtrack』 15スレ目398-LAS2『雨雲』 15スレ目450-LAS2『ロビンソン』 15スレ目838-LAS2『spece oditiy』※未完 だぶ氏 15スレ目521-LAS2 15スレ目648-LAS2 15スレ目708-LAS2 15スレ目102氏 15スレ目102-LAS2 15スレ目122-LAS2 543氏 15スレ目435-LAS2「Handy Tiger Strike!」 15スレ目737-LAS2「アスカのポジティヴあさごはん」 葛城家シリーズ氏 15スレ目320-LAS2 15スレ目369-LAS2 15スレ目349氏 15スレ目349-LAS2 15スレ目352-LAS2 ◆ZEenP6B.cs氏 15スレ目286-LAS2 ◆35Qp72rnKA氏 15スレ目153-LAS2※LAS小説投下総合スレ17に移動? ◆Fv2.a53w1k氏 15スレ目810-LAS2 おいたん氏 15スレ目564-LAS2 16スレ目14氏 16スレ目14-LAS2「eat me/side s」 16スレ目20-LAS2「eat me/side a」 名無しの単発の人 14スレ目935-LAS2「荒野掌篇」※短編3作 15スレ目26-LAS2 15スレ目65-LAS2 15スレ目92-LAS2※短編2作 15スレ目98-LAS2 15スレ目104-LAS2 15スレ目129-LAS2 15スレ目131-LAS2 15スレ目138-LAS2 15スレ目144-LAS2 15スレ目168-LAS2 15スレ目182-LAS2 15スレ目187-LAS2 15スレ目188-LAS2 15スレ目227-LAS2 15スレ目263-LAS2 15スレ目273-LAS2【Blue Days】 15スレ目278-LAS2 15スレ目280-LAS2 15スレ目291-LAS2 15スレ目294-LAS2「203X年冬」 15スレ目341-LAS2「キズアト」 15スレ目353-LAS2 15スレ目421-LAS2「再び・・・」 15スレ目544-LAS2「DESTINY」 15スレ目607-LAS2「帰らざる彼」 15スレ目769-LAS2 15スレ目784-LAS2「起動実験準備室」※未完? 15スレ目829-LAS2※短編2作 15スレ目836-LAS2 16スレ目23-LAS2「title undefined」※未完?
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144 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2009/01/15(木) 09 48 05 ID ??? 誰も書いてないんだね。ここ。 アスカは長岡乗換えの電車で十日町に降り立ち唖然とした。 長岡の駅ではまだ黒いアスファルトの隅の方にあっただけの白い雪が、ちょっとうとうとしていただけで 一面の雪景色に変わっていたからだ。降っている雪の量も半端ではない。夏でいえば雷があばれまわる夕立のような勢いだった。 「ちょっと、なによこれ。」 駅前に出てさらに驚いた。がちがちに凍った雪の壁が商店街を押しつぶすように立ちはだかっている。 雪じたいは母国でも見なれたものだったが、こんな水っぽい雪が氷と化しているなんて。除雪も容易ではないだろう。 食事をとった店で聞いてみるとここでもインパクト以来の大雪だそうだ。 道路建設会社のブルが雪かき用に転用できる器具を持っていたのだが、この十数年で破棄してしまったこところもあり、 除雪がままならないということだった。この雪の壁の向こう側に道路があるそうだが商店も高齢化が進んでおり氷と化した壁を 破るのにも時間がかかるということだった。 「じゃあ、山間地の住宅なんかは?」 「役場が少しずつ除雪してるがすすまんでいるのう。」 「それじゃあ、迎えになんか来れないかもしれないわね。」 驚かしてやろうかと黙ってここまで来たけど、うかつだったわ。 ましてあのぼけぼけした少年にいい考えなんぞが浮かぶわけもない。 ミサトに焚きつけられるままにくるんじゃなかった。 シンジは長野から新潟に移った親戚に誘われて、強引なミサトの勧めでいわゆる正月の里帰りをしてるのだ。 146 名前:なにがし[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02 49 50 ID ??? 「えーと、ここから松之山ってところまでいくわけよねえ。あ、バスはあるのか。」 一時間に2本くらいね。」 電話をかけてみたが、一向にシンジは出なかった。 圏外なのか、それとも携帯を置いたままどこかに出かけているのか。とにかく行ってしまう方が速そうだと判断。 いてもいなくても、旅館の方はちゃんと予約が入っていた。明るいうちに着くには早めに動いた方がよさそうだ。 旅館の人が道が凍りつくと坂を登れなくなって渋滞する場合もあると言っていた。雪道は凍るといったん止まったら 再度動けなくなるところが多い。たぶんそういうことだろう。 ちょうどバスは10分ほどで来る。鞄を担ぎあげて列に並んだ。 149 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの[sage] 投稿日:2009/01/28(水) 04 50 50 ID ??? 覚えた日本語の中には普段使われないものもある。でも、天嶮(てんけん)なんて言葉はまさしくこういう時に使うんだろう。 両側に迫る崖、それは吹きつけられた雪の上にさらに雪が積もってさらに分厚い氷の崖を作りだしている。両側の深い森も、 そのまま雪の下にすっぽり埋もれている。山間の湖もわずかに深緑の湖面を残し、降りしきる雪の向こうに音もない。 苦しそうなエンジンと、黒い排気ガス。一度止まったら再度この傾斜を登りだすことはできない。 出発時に念入りにごついチェーンを取り付け、切っていた。あれだけの準備をしたのは伊達ではなかったということだ。 まだこの辺が豪雪地帯だったころの経験がある運転手達が生き残っていてくれなかったら、この辺りは冬季は村を捨てなければ ならないという覚悟を決めていただろう。日本と違って一年中雪に閉ざされていたドイツでは、雪が文字通り集落を押しつぶす ことがあった。雪の美しさと共に恐ろしさもよく知っている。 「あいつ、雪なんか経験ないから、ここにきて対応できたのかしら。」 バスの中で暖房をガンガンかけて(いるはずだ)それでも吐く息は真っ白だ。 懐かしい光景。零下の世界。距離感のない雪の巨人と化した巨大な木々の出迎え。 はじめてこの景色を見たシンジの顔を見てみたい、と思った。ぽかんと口をあけて、見上げるしかできなかったろうな。 すごい雪…と呟いて見上げて。なんだそれってあれじゃん。 「アスカ…」と呟いて私を見上げるあいつの子犬みたいな畏敬の表情。 なぁんだ、私とおなじ、か。 そう思った。そしてその直後、シンジと会いたい気持ちがMAXになる。子犬のようなあいつの表情に、なんで。 同時にドーンという大きな音が聞こえた。 162 名前:なにがし[sage] 投稿日:2009/02/03(火) 23 06 26 ID ??? 急ブレーキを踏むかと思ったけど、うまく蛇行することでバスは止まらずに動き続けていた。 曲がり角をゆっくりと過ぎると向こう側に見える崖が崩れ落ちていた。土砂崩れじゃあ、と周りの人達がざわついた。 わたしたちの走っている道の反対側だ。助かった、と思わずため息をついた。崖の上からまだ土砂のかけらがからからと落ちていく。 向こう側には道が走っていないので被害の出る恐れはない。 向こう側はがけ崩れが多いので道は20年ほど前に廃止になったのだそうだ。昔の人の経験則というのは大したものだ。 みんな再び席に着いたが、暫く動悸が収まらなかった。ここで雪の下に埋もれていたらどうなっていたろう。 シンジが掘り出しに来てくれただろうか?そして雪の中から私の白い顔を見つけ出して、抱きしめてくれるかな。 えっと、あたし何考えてるんだろ、ちょっとどこかおかしいんじゃないの? シンジはだれが事故にあおうと一生懸命掘り出しにくるに違いない。誰にだって誠実だもんな、あいつは。