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プロフ キャラ 好きなおっぱい 一言 備考 タグ 黒雛 レミリア 巨乳 ヽ( ω )ノ三ヽ( ω )ノ 一応創設者みたいです ・7英雄 美乳勢 アリス 美乳 アリス可愛いよアリス 人形劇相手ぼしうちう ・7英雄 KINO アリス 乳 アリス可愛いよアリス アリスこそ真実 ロリコン友の会 仔猫 アリス、てんこ 巨乳派 だがアリスがかわいい 誰か絵を教えて・・・! ・アリスキラー ふわりふわりと 早苗さん、萃香 バランス命 早苗さん愛してる おっぱいは体型とのバランスが命!でもぺったんは好きじゃないです はぐりん ゆゆこっこ 大きい方が・・ ( ´゚ー゚`)b d(´゚ー゚` ) ・7英雄 ・ロリコン友の会 ・ぱんちょ組 くろねこ 衣玖さん 美乳が至高 貧乳巨乳もおk しかしバランスが命である ・エクセルマスター ・ぱんちょ組 ・技術者特級 Forte 霧雨魔理沙ちゃん び乳 幼馴染み茶髪だいすき び乳だったら微でも美とでも受け取れるじゃん!? ・7英雄 サム パチュ 隠れ巨乳 髪の毛舐めたい 大きいのか小さいのか分からないって言うのが一番ロマンあるじゃん?まぁパチュは貧乳だけど 鵺 アカツキパチェ いりません 憂きことの尚、この上に積もりかし 我に七難八苦を与えたまえ! ・7英雄 ヴァルハラ 妖夢 美乳 妖夢好きっていないよね・・・ でかけりゃいいってもんじゃあない ヴぁるちん コリコリ 文、咲夜 美乳 はたてってお洒落だよね みんな違ってみんないい ガト ゆゆ様 美乳 大きくても小さくても中くらいでも綺麗ならええんや (`・ω・´)ゆっ!ゆっ! 美乳勢 bombsoldier 諏訪子 美乳 爆発はしません! す、諏訪子メインです… モリヤドーム 北斗勢 早苗 vi乳 激流を制するは静水・・・ ↑の人妖夢メインらしいですよ モリヤドーム 青波 霊夢さん 微乳 大きさより形云々 青い霊夢さんなでなで モマさんの愛人 あすせ 霊夢さん 美乳 大きさは似合っているかが重要 華扇ちゃんかわかわ げきらぶ レミリア 奇形以外有 乾かず飢えず、無に還れ! エロ本まじかわいい。アルたんもはぁはぁ。 めがねまん 魔理沙 美、巨乳 レティさんのちちましさは黄金率 青波ちゃんは寝落ち勢 昏城 パチェ 膨らみかけ 三面鏡の前で阿求の髪梳きたい あーわまちょのちーから! ・7英雄 あるく れみりあ 貧乳 ろりこんではないです! 真祖(笑) ピチューン アリス 美乳 アリス可愛いよアリス ヽ(´゚ー゚` )ノ三ヽ( ´゚ー゚`)ノ もつ鍋 こまツォ 美乳 おっぱい・・・それは人類の希望 大鎌ちゅっちゅっ MDT 衣玖 美巨乳 衣玖さんのおっぱぃやばいよ! 衣玖さんハァハァ 杏仁 魔理沙 好きなものは好き あんっにんっ 甘さ控えめ 大佐 萃香 いいか?そこに胸があるというのはそれに対して情熱を傾け、とびつくべきry お酒ください よ、酔っぱらいだー! 卑猥餅(望月) パチュリー 美しい餅のような乳 さとりの参戦はまだですか? (´・∀・`) つ い か よ う
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※虐待というよりかは虐殺。 ※東方キャラ登場。がんばったつもりだけど、やっぱりメイド長だけはキャラ崩壊。 ※特定のゆっくりが優遇(?)されてます。 ※いかにもゲスなゲスは出てきません。 ※でも、たくさん死にます。 ※東方キャラによる虐待は薄め、メインはゆっくり同士の殺し合い。 ※こっちか投棄場か、悩んだけど、こっちへ。 ※見ての通り、長いです。 「ゆぅぅぅぅ!」 まりさは、渾身の力で飛んだ。 捨て身の体当たり、それで自分の体がぺしゃりと潰れてもいい全力の一撃。 それで、そいつを倒せるなんて思っていなかった。できれば逃げてしまいたかった。 でも、おかーさんを助けるために、まりさは飛んだ。彼女は、元々れいむ種などよりも身体能力に優れているまりさ種の中でも特に秀でた個体だったが、相手が悪過ぎた。もしかしたらこの一撃で、などと微かな希望を抱くこともできなかった。 れみりゃ――。 ゆっくりの中でも、捕食種と呼ばれるそれは、れいむ種、まりさ種などの通常種など問題にしない能力を持っている。動きは鈍いが、それはまりさ種などもそうだったし、力となると全く相手にならない。 しかも目指すれみりゃは胴付きだ。小回りが効かぬため、入り組んだ場所に逃げ込めばむしろ胴無し種よりも容易な相手だが、手近なところにそのような場所は無いし、その手に握られたおかーさんを見捨てるわけにはいかなかった。 草原で思い思いに過ごす家族たち。 疲れた子供は寝転がって日向ぼっこ。 お腹が空いた子供は草を食む。赤ちゃんも食べたいといえば、咀嚼した草を吐き出して与えている。 おっかけっこに興じる子供たちもいる。 「ゆゆぅ、みんなとってもゆっくりしているね!」 母まりさが感無量といった感じで言った。 「ゆぅ、大きい子もちいちゃい子たちの面倒をよく見ているよ。とってもゆっくりしているね!」 それに答えたのは、母の横にいて妹たちを見守っている長女まりさ。 家族構成は、バレーボールサイズの母まりさに、それとほぼ変わらぬ大きさの長女まりさ、そしてテニスボールサイズの子まりさ四匹、子れいむ三匹。ピンポン玉サイズの赤ちゃんまりさが五、赤れいむが五、計十九匹のなかなかの大家族であった。 長女まりさだけが子供の中で大きいのは、彼女が両親の初めての子供であり、他の姉妹は既に死んでしまっているからだ。 おとーさんのれいむは、赤ちゃんたちが生まれてすぐにれみりゃに食べられて死んでしまった。一人立ちしていてもいい大きさの長女が家を出ないのはそのせいだ。 ――それでも、そろそろゆっくり一人立ちする時かもしれないよ。 すぐ下の妹たちが一番下の妹たちの面倒をよく見ている。そろそろその時期かもしれない。今は夏、秋を経て冬を越したらそうしようと長女まりさは考えていた。 それでも、すぐに完全に離れるわけではない。始めは今のおうちの近くにおうちを作り、いざとなれば助け合えるようにしようと思っていた。 そんな幸せでゆっくりな風景がそよ風に草揺れる草原で展開されていたのが僅か一分前である。 「れみりゃ、だぁぁぁ!」 その一声で、その場にあったゆっくりなど吹き飛んだ。恐ろしい捕食者、狩りの得意だったおとーさんれいむをむしゃむしゃと食べてしまったあのれみりゃが現れたのだ。 「ゆっゆっ、ゆ゛びぃぃぃ!」 「だじゅけでえええ!」 「ごっぢこに゛ゃいでええええ!」 と叫びながら、しょわぁぁぁぁ、としーしー垂れ流しながらも必死に逃げるすぐ下の姉妹たちはまだマシで一番下の姉妹たちなどは震えて動けなくなっている。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 「ゆ゛っ゛ぐぢ」 辛うじて声にもなっていないような声が口から漏れるだけだ。 失敗した。自分が離れすぎた、と長女まりさは思った。まだ赤ちゃんには固めの草を噛んで柔らかくすることや、おっかけっこで転んですりむいてしまった赤ちゃんの傷をぺーろぺーろするぐらいならば姉たちで十分にできたが、れみりゃの襲来に対しては、大きめの姉妹も小さい姉妹も等しく無力であった。 しかし、果たして自分がそばにいてもどうにかなったであろうか。れみりゃに対して無力なのは、長女まりさとて同様ではないか。 「ゆゆっ!」 長女まりさが硬直している間に、母まりさが脇目もふらずに赤ちゃんたちの元へ向かった。 「……ゆっ!」 慌てて長女まりさも後を追う。 「や、やめちぇね、むーしゃむーしゃしないでね!」 「ゆ゛あああん!」 赤ゆっくりたちはれみりゃへの無駄とわかっている懇願と悲鳴の大合唱だ。 「ゆーっ! まりさの赤ちゃんたちに手を出さないでね!」 一番手近なところにいた赤れいむに手を伸ばそうとしたれみりゃの前に、横から母まりさが立ちふさがった。おきゃーしゃんの登場に、赤ゆっくりたちは涙と涎をだばだばと流しながらその後ろに隠れる。。 「うー、ちいさいあまあまを食べようとしたら大きいあまあまが来たんだどー、いただきますだどー」 むしろそれにれみりゃは喜色を浮かべて、むんずと母まりさを掴んだ。指が母まりさの頭皮に食い込む。 「ゆぎぎぎぎ、赤ぢゃんだち、今のうぢにゆ゛っぐりじないで逃げでね!」 「あまあまだどぉー」 一足遅れて長女まりさが到着した時には、れみりゃは今にも母まりさにかぶりつこうとしていた。 「ゆぅぅぅぅ!」 まりさは渾身の力で飛んだ。 母まりさを助けたいという一心だった。 「うあ゛あああ」 その体当たりに、さすがにれみりゃがよろけて倒れ、母まりさを離した。 思っていた以上の戦果といえた。長女まりさは自分の渾身の体当たりですら、れみりゃはビクともしないだろうと思っていたのだ。 「ゆっ! ゆっ!」 続けて倒れたれみりゃに連続で体当たりを見舞っていく。今のうちにみんな逃げて、と思いながら。 「ゆっ! ゆっ!」 頭から餡子を少しはみ出させた母まりさもそれに加わった。 「い゛だいー、やめるんだどぉー」 れみりゃは泣き叫んでいる。そうなると、まりさたちは一層激しくぶつかっていった。 「おかーさんとおねーさんを助けるよ! 赤ちゃんたちは逃げてね!」 遠くに逃げていたはずの妹たちまで戻ってきてれみりゃ攻撃に加わったのに、母も長女もびっくりした。逃げて逃げて、といいたくとも、そのために少しでも体当たりの力が弱まったらその隙にれみりゃが復活して、子供たちがやられてしまうのでは、という強迫観念に支配されていて、体当たり以外にはあらゆる力を使えないのだ。 「ざぐやー! ごーまがんのあるじのびんちだどぉー! ざーぐやぁー」 叫ぶれみりゃへ決死の体当たりは続く、 「ゆゆーっ!」 長女まりさはれみりゃがいつまでも反撃して来ないので、思い切って噛み付き攻撃を仕掛けた。ぽよんぽよんと跳ね回る体当たりと違って噛み付きは強力だが、こちらの動きも止まってしまう危険な攻撃だ。 実際のところ、れみりゃが「さくや」なる言葉を吐き始めたら、これは相当に弱っているということなのだが、そんなことは知らない。そして、知らないのが良かった。少しも気を抜くことなく、みんな全力で攻撃している。 「むーしゃむーしゃ!」 長女まりさは、口の中に広がる肉汁の味に、思わず攻撃というよりも食事というべき声を出した。それを見て聞いた他のみんなも体当たりから噛み付きに切り替える。 「むーしゃむーしゃ! じねぇぇぇ!」 「にぐじるぶちまけてじねぇぇぇ!」 一つ一つは大したことのない傷でも、母と長女と七匹の姉妹たちに絶えず噛み千切られるのだから体の損傷は馬鹿にならない。 「いや、うめえ、これめっちゃうめえ」 「うめえ、マジパネェ、れみりゃイケる!」 そして、その台詞も段々、ただ単に食事している時と変わらなくなってきた。 「ざーぐーやー、だーずーげーでー」 れみりゃはこの期に及んでも反撃しない。というよりも、十分に反撃が可能な状態の時に泣くばかりで攻撃されていたために、もはや反撃ができないぐらいに体がボロボロになっていた。 「ゆゆっ! れみりゃが動かなくなったよ!」 長女まりさがそういった時には、れみりゃは既に事切れていた。 「ゆゆゆゆゆぅぅぅぅぅぅ!」 家族全員、大きく息を吐いてべしゃりと潰れるようにへたり込んだ。 「つ、疲れだよ゛~」 母まりさの言葉が全員の気持ちを代弁していた。無我夢中で限界を超えて動いていたのが、気が抜けた途端に意識が披露を認識して、どっと疲れてしまったのだ。 「もう動けないよー!」 と、言いながら、みな弾けるような笑顔だ。それもそのはず――。 「勝った! れみりゃに勝ったよ! 勝ったよ! 勝っだよー!」 母まりさは歓喜の声を上げる。それには、生き延びたという喜び以上の熱がこもっていた。 「でいぶぅぅぅ! 勝っだよ! れ゛みりゃにがっだんだよぉぉぉぉ!」 今は亡き伴侶の仇を討った。無論、れいむを殺したのは別の個体だが、同じれみりゃだ。見事仇討ちを果たしたと思いたいのも無理は無い。 子供たちもみんな、おとーさんのかたきをとったよ! と喜び転げ回っていたが、もしこの一連の光景を見ていたゆっくりにある程度詳しい者がいたら、こういって水を差したかもしれない。 「なんて弱いれみりゃだ」 と。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー」 「赤ちゃんたち、もうお腹一杯になったね! それじゃ暗くならないうちにおうちに帰るよ!」 れみりゃの残骸をついばんでいた赤ちゃんたちに母まりさが声をかける。 「ゆっきゅりおうちにきゃえるよ!」 「ゆっゆっ、ちょっと急がないと暗くなっちゃうから急いでね! ゆっくりはおうちに帰ってからするよ!」 一家がちょっとゆっくりしない速さで帰宅しようとしたその時、 「あ、あれじゃないかしら。ねえ、ちょっとみんな来て!」 上空からそんな声がしたかと思うと、すいーと空から妖精たちが合わせて三人、れみりゃの死体の傍らに着地した。 「うわちゃー、死んでるね、これ」 「うん、確かに赤バッチがあるわ」 「ああ、メイド長の激怒ぶりが目に浮かぶ……」 その妖精たちはメイド服を着ていた。この幻想郷でそんな格好をしている妖精といえば、泣く子も黙る悪魔の館、紅魔館のメイドたちである。 「あ、ゆっくり、まりさとれいむみたい」 「ねえ、ちょっと話を……なんか威嚇されてる?」 ぷくー、と顔を膨らましたゆっくり一家を見て、メイドの一人が困った顔をする。 その困惑顔を向けられたメイドは、ゆっくりの扱いを知っていた。 「ゆっくりしていってね!」 と、声をかけ、 「「「ゆっくりしていってね!」」」 と、元気に返事をされると、すぐに自分たちはゆっくりできる妖精だと伝え、ちょっと話を聞かせて欲しい、といった。 「ゆゆっ、暗くならないうちにおうちに帰らないといけないからゆっくりしないではやく話してね!」 「はいはい」 母まりさににこやかに答えると、メイドはれみりゃの残骸を指差した。 「あそこのれみりゃがなんで死んでるのか知らない?」 「ゆゆっ、それはまりさたちが……」 と、そこまで言って、もしやこの妖精たちはれみりゃの仲間ではないのか、と思った母まりさは口を噤んだ。長女まりさもそれを察して沈黙する。 「そのばかなれみりゃは、おかーさんとおねーさんとわたしたちがやっつけたんだよ!」 「そうだよ、わるいのは赤ちゃんを食べようとしたれみりゃだよ!」 「まりさたち、強いんだよ! れみりゃに勝ったんだからね」 しかし、妹たちはそこまで察することはできずに口々にそういって、ぷくーと膨らんでメイドたちを威嚇する。 「ええ、ウソでしょ!」 思わずメイドはいっていた。いくらなんでも、成体まりさが二匹だけで、あとは子供のゆっくり一家にやられるれみりゃはいないだろう、と思ったのだ。 「ウソじゃないよ!」 「まりさたちはウソつかないよ!」 「そうだよ! おかーしゃんもおねーしゃんも、強いんちゃからね!」 途端に、一家が激昂する。れみりゃを倒して仇討ちを果たしたと思っている母まりさと長女まりさも、頭からウソと決め付けるメイドの発言に、後先考えずに怒鳴り散らした。 「ああ、はいはい、ごめんごめん」 メイドがあっさり謝ったので、一家は「わかればいいんだよ、ゆふん」と胸……というか顎の下を張っている。 「……これを上げるわ」 それまで黙っていたメイドが母まりさに向けて手を差し出した。その掌の上には、赤いバッチがあった。れみりゃの帽子についていたものだ。 「ゆっ、それはれみりゃのお帽子についてた赤いのだね」 母まりさもそれに気付いた。 「あのれみりゃはチャンピオンだったのよ」 「ゆゆ? ちゃんぴおん?」 「すっごく強いことをみんなに認められたってことよ」 「ゆゆっ! まりさたちの方が強いよ!」 「うん、だから王者交代、この赤いのをこれからはあなたのお帽子に着けるの。れみりゃに勝ったという証よ」 「ゆぅ、それなら貰うよ!」 「じゃ、つけて上げる。あなたたちの口じゃつけられないだろうから」 メイドは母まりさの横にしゃがみこみ、黒い三角帽子にその赤バッチを取り付けた。 「うん、似合ってるわよ。新チャンピオン!」 ぐっ、と親指を立てるメイド。 「ゆゆぅ、なんか照れるよ……」 「すごーい、おかーさんすごーい!」 「しゅごーい、おきゃーしゃんしゅごーい!」 子供たちも囃し立てるものだからますます母まりさは照れてクネクネと体をよじる。人によってはそれだけで殺害理由になりかねない。 「でも、おかーさんが代表して赤いの貰ったけど、みんなもれみりゃをやっつけたちゃんぴおんなんだからね」 「ゆゆっ! まりさたちもちゃんぴおん!」 「ゆゆっ! れいむたちもちゃんぴおん!」 いい感じに出来上がっとるなあ、と思いつつ、メイドたちはふわりと宙に浮いた。 「それじゃあね、チャンピオン!」 「妖精さんたちありがとー」 「ありがちょー!」 「ゆゆっ、それじゃ急いでおうちに帰るよ! おうちに帰ってゆっくりしようね!」 「「「ゆっくりしようね!!!」」」 時折、ちゃんぴおん♪ ちゃんぴおん♪ と叫びつつ、ぽよんぽよんと跳ねて行くゆっくり一家を見送ってから妖精メイドのうち二人が紅魔館の方へと飛んでいった。その内一人の手には、れみりゃの帽子がある。 残った一人は、ゆっくり一家が去っていった方角へとゆっっっくりと向かった。 「……そう」 れみりゃが死んだ。ゆっくりまりさとれいむの一家に殺された。 そう告げて、れみりゃの帽子をテーブルに置いた。 「赤バッチをその一家の親まりさの帽子につけてあります」 「一人、残って一家を見張らせています」 「いい処置だわ」 れみりゃの帽子を優しく撫でながら、紅魔館のメイド長十六夜咲夜は、全く笑っていない笑みをメイドたちに向けた。そのうそ臭い笑みの向こうにあるものが自分たちに向けられていないことがわかっても背筋を悪寒が縦断せざるを得ない。 ああ、あの時のじゃんけんに勝っていれば……。 と、二人は悔やんだ。先ほど、残ってゆっくり一家を見張る役目をかけたじゃんけんで二人は見事に負けてしまったのだ。一見、さっさと館に戻るよりも、ずっとゆっくり一家を見張っている方が厭わしげに思えるが、れみりゃの死を報告すればメイド長がこうなることは目に見えていたので、むしろ残って見張りが一番マシな役目なのだ。 先ほどメイドがゆっくりたちにいった「赤バッチはチャンピオンの証」というのはもちろん嘘である。あれはあのれみりゃが紅魔館で飼われている――館の周辺や庭に住み着いて時々、メイドに餌を貰っているのではなく――正真正銘、十六夜咲夜に飼われているものであることの証であった。 飼いゆっくりのつけるバッチで最上のものは金バッチであるが、この赤バッチはそれよりも遙かに恐るべき存在であった。例え金バッチであろうとも、いやむしろ金バッチをつけているゆっくりほど虐待しがいがあるんだぜ、ヒャッハー! という人間の法できっちり裁かれるということがわかっていながらやってしまう筋金入りの虐待派でも、この赤バッチには手を出さない。 「出かけるわ」 「はい」 咲夜が立ち上がった。既に行くべき場所はわかっている。あの赤バッチには少々の魔法処置が施してあって、いわば外の世界でいう発信機のように場所を特定することができるのだ。 メイドが一人見張っているので、到着前に死んでしまっていることはないだろう。そう、残ったメイドは、いと死に易い生物であるゆっくりたちが、咲夜が行く前に外敵に殺されたりしないように見張っているのだ。 やはり、自分で手を下すか、とメイドたちは自分たちの判断の正しさにほっとした。実のところ、すぐにあのゆっくり一家を殺してしまおうかとも思ったのだが、きっと咲夜が自らの手で殺したがるだろうと思い直して赤バッチを取り付けて逃がしてやったのだ。 「おはよう」 しかし、廊下を歩いていると前方からやってきたのはレミリアであった。 レミリア・スカーレット。この紅魔館の主であり、この幻想郷の人間妖怪妖精神様その他全て含めてもトップクラスの力の持ち主である。見た目はロリっちいが、これでも五百年は生きている吸血鬼だ。 陽が落ちるこの時刻は、丁度彼女の起床時間である。 「早速紅茶を入れてちょうだい」 居間へ向かうレミリアが、咲夜を見た。感じたのは少しの違和感。 ――何を苛立っているのかしら? 一見、平静そのものの咲夜だが、なにやら心穏やかでないことは一目ではわからずとも、少し見ればわかった。 何かあった、と確信したのは、後ろのメイドたちを見てからである。こちらは必死に装うとしているが、全く成功していない。 「何があったのか話なさい」 レミリアは、メイドではなく殊更咲夜に言った。言外に、咲夜の口から全て話せ、と圧力をかけている。 ちら、とレミリアの視線がメイドに移ったところで咲夜は降参した。メイドたちがレミリアの強圧を受けて沈黙を通せるはずがない。それに、そもそもレミリアに感付かれてしまった時点で、隠し切れるはずがないと諦めてもいた。 まずは何よりもお茶よ。 との、主の命令に従って話をする前に紅茶が淹れられる。この状況でもいつもと変わらぬ絶妙のお茶を淹れる従者にいささかの満足を覚えつつ、レミリアは話を促した。 「ふーん」 話を聞き終えて、あからさまに、どうでもよさげにレミリアは呟いた。もっと面白い話かと思っていたと、続けて吐いた溜息に表れていた。 「ちゃんと掃除しときなさい」 そんなことする暇があるなら、という前段の言葉を省いてレミリアは言った。 色々と言いたいことはあるのだろうが、レミリアにそう言われては反論もできない。 「大体、あの肉まん、捕食種とかいうんじゃないの」 自分に似た格好で名前の響きまで似ているあの愚鈍な生物をそう呼ぶ気になれず、レミリアはいつもれみりゃのことを「あの肉まん」と呼ぶ。 「普通の巫女やら魔法使いに似たゆっくりよりも強いんじゃないの? なんでやられてんのよ」 少しそれが不満である。存在自体が不快なのに、それよりも弱いとされている連中にやられるとはどういうつもりなのか。 「あなたが甘やかし過ぎたからじゃないの」 部屋を出ようとしている咲夜の背中にそういってやると、明らかに動揺が感じられた。咲夜もそれに思い当たらないではいられなかったのだろう。実際、あのれみりゃが本気で戦えばまず負けることのないゆっくり一家にやられてしまったのは、痛みに弱かったからである。咲夜の庇護を受けていたのと、多少の強運もあり、ほとんど痛みらしい痛みを感じずに育ってしまったあのれみりゃは、少々の痛みにも取り乱し、反撃をすることを思うことすらできずにやられてしまったのだ。 紅茶を飲んでいると、どたどたと瀟洒とは言いがたい足音を立てながら咲夜がやってきた。 「何かあったの?」 あの咲夜がそんなことをするものだから、レミリアはけっこう真剣に何か重大な出来事が起こったのかと思ったのである。 「あのれみりゃの子供です!」 ずい、と目の前に差し出されたのは、ちっこいれみりゃだ。 「紅茶に肉まんは合わないわよ」 なんかもう、心底どうでもいいと思ったレミリアは適当にそういったが、咲夜は真剣な面持ちである。 「今日は早めに休みなさいな」 と、到底理解はできない理由ながら、意気消沈しているであろう従者を気遣ったレミリアだが、咲夜は下がらない。 「この子に親の仇討ちをさせます!」 「……ふーん」 「このままでは紅魔館の名折れです」 「別にそんな程度で折れるような名前じゃないけど、要するにそいつを飼いたいんでしょう。やることやって自分で面倒見るのよ」 「ははっ! ありがたき幸せ!」 やっぱりなんか咲夜はおかしくなっているな、と思ったレミリアは、退出する咲夜の背中へもう一度声をかけたのだった。 「本当に、今日は早めにお休みなさいな」 「……で、何してるのかしら、これは」 あの夜から、けっこうな時間が経った。無論、レミリアにとっては大した時間ではないが。 「うー、うー、うー」 「はい、あと十回、がんばれー」 「わんもあせっ!」 れみりゃが前に倒れて腕を屈伸させていた。いわゆる腕立て伏せだが、レミリアはいまいちそれがわからない。人間が体を鍛える方法など、自らが全く必要としないため興味がなかったからだ。 「特訓です!」 咲夜が、凄く目をキラキラさせて答えた。 「うー、うー、う゛ー」 「ほら、あと三回! まぁまの仇とるんでしょう!」 「今日は週に一度のプリンの日だよー、そらがんばれー」 苦しそうなれみりゃを、二人の妖精メイドが励ましている。 「……あれ、こないだの小さいの?」 「はい!」 だから、なんなのだ、そのキラキラした目は。 「うー、づかれだんだどぉー」 「はい、よくやったわね。プリンだよー」 「うー、うー、ぷっでぃーん。特訓の後のぷっでぃーんはさいこーだどー」 腕が疲れて動かないれみりゃの口に、メイドがスプーンでプリンを運んでやると、れみりゃは喜色満面、おいしそうに口を動かす。 「ふーん、頑張ってるようね」 何気なくいったレミリアの言葉に、 「そうなんです! ここまで来るには大変でした!」 凄い勢いで咲夜が食いついてきたので、何も言わないで黙っているのが正解だったとレミリアは後悔した。 あまりにも嬉しそうに言うので聞いてやった咲夜の話によると、あの晩から、既に特訓は始まっていたらしい。 「いい? あなたはお母さんの仇をとるのよ」 と、言い聞かせたが、当然そんなこと言っても赤ん坊なので聞きゃしない。そこで死なない程度にぼてくり回して、無理矢理、了解させた。 「う゛ー、れみりゃはまぁまのかたきをうつんだどー、そのためにいっしょーをささげるんだどぉー」 と、咲夜の提示された言葉を何十回となく復唱させた。 それからは、食事の前にそれを百回復唱しなければ食事をさせなかった。少しでも嫌がれば殴り蹴り押し潰し、死ぬ寸前まで痛めつけた。 それを続けていると、れみりゃも文句をいわなくなった。 「泣きながら殴った私の気持ちをわかってくれたんですよ」 と、咲夜は言うのだが、レミリアはコメントを控えた。 体が少し成長してくると、本格的な特訓が始まった。普段は餡子(もちろん、その辺のゆっくりを捕まえて潰したもの)を与え、週に一度だけ頑張ったご褒美として最上級のプリンを食べさせた。 もはや、そのプリンだけが人生ならぬゆっくり生における唯一の楽しみなのか、どんなにだらけてきても「今週のプリンを無しにするわよ!」と言うと、最後の力を振り絞った。 「ほら、見てください。あの自信に満ちた表情を」 ゆっくり生に疲れきった囚人みたいな顔にしか見えないが、咲夜にとってはそう見えるらしい。 「まあ、頑張りなさい……やることやった上でね」 寛大にそう告げてレミリアは去っていった。 またまた少し時間が経った。 「門番、何してるのよ」 紅魔館の中庭に紅美鈴がいるのを見て、レミリアは声をかけた。正直に言って、あまり門番として頼りになるとは思っていないのだが、それでも妖精程度なら通さないし、彼女がやられることで侵入者であることを知ることができるので、持ち場を離れられると本格的に役に立たないのである。 「これはお嬢様。咲夜さんにちょっと特訓を頼まれまして、門はメイド部隊に任せてあります」 「ふーん」 一応、その辺のシフトの組み換えは咲夜に一任してしまっているので越権行為とも言えず、レミリアは気の無い返事をした。 「あ、来ました」 咲夜が「あの肉まん」を連れてやってきた。もう、死んだ母親と同じぐらいの大きさにまで成長している。 「あら」 と、思わず隣の美鈴にも聞こえぬほどの小声でレミリアは呟いた。 れみりゃの顔が、何やら引き締まって見えたのだ。これまでれみりゃといえば脳天気に頭の悪そうな笑顔ばかりという印象だったのだが、何やら渋面というか、何も楽しいことはないというような顔をしていた。 それはこの前もそうだったといえばそうだったのだが、以前よりも諦めというか達観というか、自分のゆっくり生は、もうこれで行くしかないのだ、とでも言うような……。 「お嬢様もいらっしゃっていたのですね」 で、こいつは相変わらずキラキラした目である。 美鈴と相対すると、れみりゃの顔が強張った。 「じゃ、私と同じように」 「は、はいだどー!」 声にも緊張感がある。 「はい!」 美鈴の四肢が緩やかに動く。彼女は拳法を一通り心得ている。この幻想郷において大きな力を持つ者同士が決着をつけるスペルカードによる弾幕バトルではそれほどではないが、純粋な肉弾戦となったら紅美鈴は相当に強いと言われている。 「うー」 れみりゃもそれを真似て手足を動かす。 「そこぉ!」 突如、美鈴の足がしなってれみりゃの右腿を叩いた。 「う゛あ゛ー」 れみりゃの悲鳴など聞こえぬとばかりに、美鈴は動きを再開する。慌ててれみりゃもそれに続くが、 「何度蹴られりゃわかるんだ! お前はぁ!」 すぐさま美鈴に蹴られる。一発二発と蹴っていたが、とうとう倒れこんでしまい、そこを上から蹴られた。 ちらっ、と美鈴が咲夜を見る。咲夜は表情を少しも変えずにいる。 「おらぁ! 立てコラぁ!」 引きずり起こして無理矢理に立たせて、再開。しかし、既にれみりゃの両足はガクガクだ。すぐに体勢が崩れ、美鈴の怒声と蹴りが飛んでくる。 ちらっ、と美鈴が咲夜を見る。 「美鈴、その辺にしておきなさい」 「はい。おらっ、この肉饅頭! 咲夜さんがもう休んでいいとよ!」 と、また無理矢理立たせた。 「礼!」 手を合わせ、美鈴がれみりゃに向けて頭を下げる。 「あ゛じがどうどだいまじだぁー」 れみりゃが目を潤ませながら、同じように頭を下げた。ありがとうございました、と言っているらしい。 妖精メイドに付き添われて部屋に戻っていくれみりゃを見ながら、美鈴がぽつりと呟いた。 「……大丈夫ですかね? けっこう強く蹴ってしまいましたが」 「大丈夫よ、あの程度なら。壊れたところはすぐ回復するわ」 一連のやり取りで、レミリアには既に察しがついていた。 「美鈴は鬼教官役なのね」 「その通りでございます」 「ちょっとかわいそうですけどねー」 「見た目が私に似ているアレを蹴飛ばしてすっきりしているんじゃないの?」 「…………………………そんなことはありませんよ」 「何よ、その間」 「いえ、冗談、あくまでも冗談ですが、ええ、実はそうなんです、とか言っていいものかどうか悩んだわけです」 「あら面白い。言えばよかったのに、お腹抱えて笑ったわよ」 「私は門番の仕事に戻ります!」 「ええ、励みなさいな」 「ははっ!」 美鈴は凄い勢いで門の方へと戻っていった。 「でも、あの肉まん……」 「はい、なんでしょう」 「もう、けっこう強いんじゃないの。少なくとも、母親の仇のゆっくりに勝てるぐらいには」 美鈴はもちろん相当に手加減した蹴りを打っていたが、それでもそこそこの強さだった。普通のゆっくりだったら即死していただろう。それを何回も喰らいながら、目を潤ませる程度に我慢して泣き叫んだりすることは無かった。 「ええ、そうなんですが、ここまで来たらあの子がどれだけ強くなるのかと思いまして、それと……仇のゆっくりですが、今や群れの長になっておりまして」 「ふーん、その話、退屈しのぎに聞かせて貰おうかしら。お茶を淹れてね」 「はい、お嬢様」 (2へ続く)
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「ゆっくりくりくりくりっくり♪」 この歌を歌っているのは、ゆっくり霊夢である。 「やっぱりれいむのおうたはせかいいちだね!!!」 本気で褒めているのは、ゆっくり魔理沙である。 「ゆへへ♪」 「にへへ♪」 ここは、ゆっくり達が暮らすとある森の一角。 勝手気ままなゆっくりらしく、一日をゆっくりと過ごし、ご飯を食べ一家で寝る。 それだけで嫉妬の炎で焼かれそうな生活だが、そんなことはお構いなしにのんびりと暮らしていたのである。 「ぺ~ろぺ~ろ♪ すっきり~~~しあわせ~♪」 奇しくも秋の長雨が一段落し、近くに大きな水溜りが出来ていたのを発見したゆっくり達は、我先に集まって水分の補給をしていた。 小さな赤ちゃんには、母親が口に含んだ道を口移しで与えている。 「ま、までぃさぁ♪」 「あ、あ☆り☆すぅ♪」 違うところでは、アリスと魔理沙のカップルがこれまた口移しで水を飲み合っている。 「むきゅ~~……こっきょうふーぞくがみだれるわ。ぷんぷん!!」 「わか~るわかるよぱちゅりぃ~のきもち~~♪」 「でも~~♪ ぱちぇぇもやりたいのよねぇ~~♪」 「むきゅきゅ♪」 まさに姦しいゆっくりの集団である。 「はーーるですよーー……ふぅ」 そんな折に、どこからか人の声が聞こえてきた。 それに気付いたゆっくり達は、なにやら話し始める。 「ゆ? にんげんさんだね!!」 「きっと、もみじがりにきたんだね!!」 「きれーなはっぱさんはおいしーもんね!! れいむもだいすき♪」 友好的なゆっくり達は、早速声の主を探そうと、キョロッキョロと言いながら辺りを探しているが、なかなか見つからない。 「む~~……みつからないね」 「にんげんさ~~ん!! こうさんだよ!! つぎはまりさがおにになるよ!!」 「れいむじゃいちにちかかってもみつけられないよ!!」 「そんなことないよ!! まりさっていう、さいこーのぱーとなーをしっかりみつけたもん!!」 「あっっみゃ~~~~いい!!!」 純粋な瞳であーだこーだ騒いでいるゆっくり達。 それを今まで見つめていた声の主は、一瞬口元を歪ませてゆっくり達に姿を現した。 「はーるですかー?」 真っ黒な服に真っ黒な帽子。 その姿は、幻想郷に春を運ぶ妖精である。 白いほうは春にしか殆ど姿を見せないが、こちらはここに姿を出している。 「ゆ!! かわいいにんげんさんだね!!」 「めごいめごいね!!」 「やっぱりこどもはかわいーね!!!」 その愛くるしい容姿に、またまた大騒ぎのゆっくりの群。 中には、集まって自分の子供の自慢を始めているものさえいる。 「はーるですか~~♪」 そんな反応を無視して、今一度同じ言葉を投げかけるリリー。 二度目にして、漸くゆっくり達もまともな返答を返してきた。 「ゆゆゆ♪ いまははるじゃないよ♪ あきさんだよ!!」 「にんげんのこどもちゃんは、はるさんがすきなんだね!!」 「わかる!! わかるよーーー!!!」 既に、そこには笑いだけが流れており、なんとも楽しそうな光景が広がっている。 子供達はリリーの足元までやってきて飛び跳ね、歌を歌う。 今度は、大人達がそれに加わり踊りだす。 酒が入っているかのような、そんなノリが辺りを包んでいる。 「ばぁ~かですね~~~♪」 と、今まで終始笑顔でいたリリーがそれだけ呟き、突然ゆっくり達の目の前から消えた。 それが上空に飛び立ったと気付くのに、ゆっくり達には一瞬の間が必要だったようだ。 「すごーい!! おそらをとんでるー!!」 「さっすがにんげんさんだね!!」 自分達に侮辱的な言葉を発した事が聞こえなかったのか、ただただ空中にいるリリーに黄色い声援を送るばかりである。 そんな声援を、興味なさそうに聞いていたリリーは、一度深呼吸すると、今までとは比べ物にならないような声を出した。 「あーきでーすよー!!!」 同時に放たれる強力な弾幕。 並みの妖精よりも強力なその弾幕は、ゆっくりを駆逐するのに十分な威力であった。 「きゃ♪ わ♪ いい~~♪ んべ!!!」 まず、最初に放たれた一発が魔理沙を直撃した。 「ゆ♪ まりさ♪ !!! だいじょーーぶ?!!」 「い……、いだいーー!!! でいぶーーだすけでーーー!!!」 霊夢が振り向くと、そこには苦悶の表情を浮かべながら、必死で助けを求める魔理沙の姿があった。 しかし、既に底部から大量の餡が飛び出しており、生存は絶望的な状況である。 だが、それが分かるほどゆっくりの知能は高くない。 「わかったよ!! れいむにまかせt……」 弾幕の海の真っ只中にいた霊夢に、漸く弾幕が命中した。 「いだいーー!! まっでぃざぁーーー!! ゆっぐりしでないでたすげでーーー!!!」 今まで当たらなかったことは幸運の賜物であったのだろう。 続けざまにもう二・三発弾幕を食らう。 「どうしでぞんなごというのーー!! れいむはそごまでおばかだったのぉーー!!!」 「たすげるよーー!! までぃさはやくたすげでーー!! れいむがたすけるよーー!!」 ソフトボール大の穴が数個開いた霊夢は痛みで通常の思考が出来なくなっていた。 目の前に写る光景と、自身の痛みのみで状況を理解し、スイッチのようにま逆の言葉を発するオブジェに成り下がってしまったようだ。 「むっきゅーーー!! じゅーーそーーよーー!!」 「とかいはのありすがきずものにーーーー!!!!」 「うあーー!! いだいーー!! いっっだいーーー!!!」 「わからないよ!! わからないよ!!!」 「てぃ~~~んっぽ!!!!!!!」 同じ様な光景は、あちらこちらで繰り広げられていた。 そのどれもが、酷い重症を負いながらもかろうじて生きているというものであった。 「おかーーしゃんたちのいいちゅけをゆっくりまもりゅよ!!」 「まもりゅよ!!!!!!!!」 隠れていた草むらで大声を上げた赤ちゃん達も、同様の状態に仕上げられた。 「ゆ……あうあう……」 「おう……かえ……って、ごはん……」 「としょかん……」 「しぶたに。あらたやど……はら……やど」 物の数分で、そこには餡子の海に成り代わっていた。 先ほどまで歌とも思えないような会話をして、飛び跳ねていたゆっくり達は今やうめき声を上げ、 かろうじて生きているだけとなった。 「あ~~きですよ~~♪ あたまが春なゆっくりはお門違いですよ」 くすくすと、笑いをかみ殺しながら、その様子をまじまじと見るリリー。 いまだまともな思考が出来るゆっくりは、これがただの人間では無いことに気付いているのだろう。 「ど、……じで」 やっとの事で、それだけを搾り出した霊夢だったが、リリーが答えないと分かると、そのまま息を引き取った。 「あきですよ!!」 どのくらい経っただろうか? 群に打撃を与えなお留まっていたリリー。 ただひたすら何かが来るのを待っていたようだが、それがきたと分かると、再び空に舞い上がっていった。 「う~~♪ た~~べものがいっぱ~~い♪」 「う~~♪ おなかぱ~~んぱ~~ん♪」 やってきたのは、多数のゆっくりれみりゃとフラン。 数体の成体の後ろを、ニコニコと赤ちゃん達が飛んでいる。 「う~~……いっご~~♪ にこ~~~♪ さんこ~~♪ ……いっこ~~~♪」 「さいしょはかぞくいっこづつ~~♪」 「ふらんのあかちゃん。ままがたべかたをおしえてあげるぅ~~♪」 その群は、家族ごとに分かれて、餡子の海の隅々に散らばっていく。 匂いに釣られて、近くの捕食種が集まってきたのだ。 中には、赤ちゃんを釣れ、餌の食べ方を教えようとするものまでいた。 「うっう~~♪ あうあう~~♪」 「う~~♪ なかがおいしーのぉ~~♪」 「まますご~~い~~!!!!」 「秋なのに春ですね~~♪」 そして、待ってましたとばかりに襲い掛かるリリー。 「う~~♪ う!!?」 「うっう~~♪ あかちゃん、どうしたんだz!!!!」 一匹の赤ちゃんれみりゃを捕まえると、振り向いた母親に弾幕を浴びせかける。 そして、他のゆっくり達にも、先ほどよりも濃密な弾幕を浴びせかける。 「うあーー!! さくやーー!! さくやーー!!」 「まんまぁーー!! れみりゃのあじがーー!!!」 「ゆっくりしね!! あかちゃんいてをだすやつは、ゆっくりs……」 以下に捕食者といえど、ゆっくり以外には無力なもので、先ほどと同じような光景が繰り広げられていた。 違う点といえば、確実に息の根を止めていることだろう。 泣き叫びながら、必死にさくやさくや叫び続けるだけのれみりゃと、闘志をむき出して突っ込んでこようとするフラン。 対照的だが、弾幕の前には平等にやられていく。 「はるはるはるですね~~~♪ あたまがはるですね~~♪」 リリーが一頻り満足すると、そこは既に餡子と肉まんの具が混じった不気味なモノで覆われていた。 「まぁまぁーー!!!!! どこにいったのぉーーー!!!!!!」 その光景を確認して、リリーはその場から去っていった。 「こんにちはー」 「はいは~い。あっ、リリーブラック、屋台ならもう開いてるよー」 「はい。これ」 「はいはい。れみりゃ一匹ねー。ちょっと待っててね~♪」 「はなすにょーー!! れみりゃのままはつよいんだじょーー!! おまえらなんてあちょいうまに!!!」 慣れた手つきでれみりゃの口に杭を打ち込み、片手をちぎって餃子型に加工した後、一杯のお酒と共にリリーの前に出される。 「はいお待ちど~♪ 今日もくつろいでいってね!!」 最近、海産物が多かった夜雀の屋台に、肉料理が並び始めたのだった。 このSSに感想を付ける
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あるところに、ゆっくり霊夢の家族がいた。 親ゆっくり霊夢に赤れいむ3匹、そして赤まりさ3匹。 もう片方の親であるゆっくり魔理沙は、まりさ種らしくもなく家族が野犬に襲われた際に囮となった。 巣に逃げ帰った親れいむは親まりさの帰りを待ち続けたが、結局帰ってくることはなかった。 そして残された、パートナーとの愛の結晶である6匹の赤ゆっくり。 れいむは全ての愛情を注ぎ込んだ。忙しい毎日だったが、赤ゆっくりがいてくれて幸せだった。 そしてそのような幸せをぶち壊すのが大好きな男がいた。言うまでもない、虐待お兄さんである。 男は新しい虐待法を思いついており、生贄となる家族を探しに森へ来ていた。そこに、 「じゃあお母さんはご飯を探してくるよ!ゆっくりまっていてね!」 「「「「「「ゆっくちまっちぇるね!!」」」」」」 という声。格好のターゲットだとほくそ笑む。 そして巣から出てきた親れいむをすぐさま掴み、持ってきた加工場製透明ケースへ放り込んだ。 「ゆ!なんなのお兄さん!はやくここから出してね!」 必死に出ようとガタガタとケースを揺らすが、当然この程度ではビクともしない。 男はわめく親れいむを無視して、箱を持ったまま戻り、親れいむは一旦隣人に預けた。 もちろん、この隣人も虐待仲間である。 一時間後。 「ゆー…………おかあしゃんおちょいね…………」 「ゆっくちしすぎだよ…………」 食欲旺盛な赤ゆっくり達には早くも空腹が訪れていた。 再び巣の前まで戻ってきた男は、入り口に少量のお菓子をばらまく。 「ゆ!なにあれおいしそう!」 見つけたと思いきやすぐさまかけよる赤ゆっくり達。 あっという間に群がり、ガツガツと食いつき始める。 「「「「「「むーしゃ、むーしゃ!ちあわちぇ~!」」」」」」 投下したお菓子は少量だったため、一瞬にして無くなった。 当然赤ゆっくり達は満腹とはいかないが、これも男の計算である。 「やあ。お菓子はおいしかったかな?」 「ゆ!これおにいちゃんがくれたの!」 「ありがとう!すごくゆっくちできたよ!」 「でもちょっとたりないね!もっとちょうだいね!」 図々しくもさらなる食事を要求してきた。 男は叩き潰したい衝動を抑えながら、赤ゆっくり達を背に歩きながらこう言った。 「ああ、いいよ。ただし次は競争だ。一番早くここまでこれた子に、お菓子をいっぱいあげるよ。 早く来れば早いほど、たくさんのお菓子を食べられるよ」 しばらく歩いた後、これまた極少量のお菓子を足元の地面にばらまく。 「じゃあスタートだ!はやくしないと他の子に食べられちゃうよ!」 少しの間赤ゆっくり達はぽかんとしていたが、その後いっせいに跳ね出した。 全員空腹で何としても食べたいのだろう、皆必死な顔をして向かってきている。 男にとっては誰が一番になろうとどうでもいい。ここで大事なのは着順である。 どのゆっくりが何番目に到着するか、それが後の虐待で重要な意味を持つのだ。 数分後、全ての赤ゆっくりが男の元へ到着した。 やはりまりさ種の方がれいむ種より速いようで、上位3位は赤まりさが独占した。 しかし、ばらまいたお菓子は一番に到着した赤まりさに全て食べられていた。 しかもその赤まりさすら満足しきれない少量である。 「もっといっぱいちょうだいね!」 「かわいいれいむに、おかしをもってきちぇね!」 「おなかすいたよ!はやくちてね!」 清々しいくらい偉そうな態度である。 予想していたとはいえ、やはり腹は立つ。 「よし、じゃお兄さんの家へ来ないかい?たくさんお菓子が食べられるよ!」 「ゆ!おかしがたくさんあるの!」 「はやくつれていっちぇね!」 それを聞くと、男はあらかじめ容易しておいたケースに赤ゆっくり達を入れていった。 このケースは、着順が分からなくならないようにするため中を仕切りで分割されている。 この日のためにわざわざ作っておいたのだ。 「わ~い、おちょらをとんでりゅみたい!」 「たのちいね!」 赤ゆっくりはこれから身に起こることも知らず、無邪気にきゃっきゃと騒いでいた。 男は家に着くと、お菓子も与えず2階のベランダへ向かっていった。 そこには隣りの家のベランダへと繋がる木材があった。幅は赤ゆっくりよりわずかに大きい程度と極めて細い。 その上に赤ゆっくり達を、先ほどのレースで遅いものが前になるように並べていく。 即ち、前に赤れいむ3匹、後ろに赤まりさ3匹である。 ちなみにこの木材、最初は鉄骨のつもりだったが都合の良いものが手に入らなかったので却下された。 「こ、こわいよ!たかいよ!」 「ゆ、ゆっくちやめちぇね!」 ガタガタとふるえ出す赤ゆっくり達。 人間でもこの高さから落ちたら怪我は免れない。体の弱い赤ゆっくりが落ちれば確実に潰れるだろう。 「お菓子ほしいんでしょ。この橋を向こうの家まで渡ればお菓子をたくさんあげるよ」 「ゆ!いやだよ、こわいよ!」 「こんなのわたりたくないよ!ゆっくちたすけちぇね!」 さすがに命の危険を感じれば、お菓子よりも身の安全を優先するようだ。 しかし、この日のためにわざわざこの木材を苦労して作ったのだ。渡らせない気はない。 ここで母れいむを抱えた隣人お兄さんに出てきてもらう。 「お前ら、あの家をよく見てみろ」 「ゆ…………あ、あれは、おかーしゃん!?」 「れ、れいむの赤ちゃんたち!なんでこんなところに…………ふ゛へ゛っ゛」 隣人お兄さんには殴る蹴るの暴行を加えてもらう。もちろん死なない程度に。 さすがは虐待家、生き生きとした表情だ。 「やめちぇね!ゆっくちやめちぇね!」 「おかーしゃんをいぢめりゅなー!」 暴行の間、赤ゆっくり達は色々叫んでいるが、やはり怖いのだろう。橋を渡ろうとはしない。 そんな赤ゆっくり達に向かって、隣人お兄さんが言い放つ。 「ククク…………親を助けたいか……赤子共………… ならば渡れっ…………この地獄への橋をっ…………! ここまで一人でも来れれば助けてやろう…………カカカカッ…………!」 それにしてもこの隣人お兄さん、ノリノリである。 赤ゆっくり達はしばらくはまごまごしていたが、身の危険より親への愛情が高かったようだ。 ついに先頭の赤れいむが、ついに動き出した。 「ゆっくちおかーしゃんをたちゅけるよ!」 「ゆ…………そうだね!みんなでたちゅけようね!」 赤れいむに引き続き、後ろの赤ゆっくり達も少しずつ動き出した。 跳ねるのはやはり危険だと感じているのか、皆這いずるような動きである。 長さは10メートルほど、親ゆっくりならいざ知らず、赤ゆっくりにとってはかなりの距離である。 しかし愛する親を助けるため、恐怖を感じながらも少しずつ進んでいった。 スタートから何分経っただろうか。今のところ落下したゆっくりはいない。 元々幅は赤ゆっくりより少し大きめである。急がない限りはまず落ちることはない。 もう先頭の赤れいむは橋の半分を超えるところまで来ている。 「けっこうかんたんだね!」 「でもきをつけて、ゆっくちすすむんだよ!」 「れいふ゛のあか゛し゛ゃん…………ゆっく゛い゛か゛んは゛って゛…………」 「ほーう、さすがに簡単には落ちないものなんだな」 「ククク…素晴らしいっ……!歓迎するぞ……道開く者……勇者よ……!」 赤ゆっくり達は互いに励まし合いながら進んで行き、親れいむも満身創痍で応援している。 確かにこのまま進んでいけば誰一人落ちず、親れいむの元へ到着するだろう。 だがそれでは何一つ面白くない。いよいよこいつを出す時がきたか。 「はーい、では皆さん聞いてくださーい! この木材渡りにもう一人参加者を追加させまーす!」 「ゆ?もうひとりふえりゅの?」 「だれかな?まりさたちかぞくはみんないりゅよ」 振り返る赤ゆっくり達。そして男の部屋からベランダへ、一匹のゆっくりが飛び出した。 「魔を招き入れての狂宴の舞……パーティーの扉が開く……クククク……!」 「うー!うー!」 「「「「「「れ、れみりゃーーーー!!!!」」」」」」 「あ、あか゛し゛ゃんた゛ち゛!はやく゛にけ゛て゛ね゛!」 パタパタと飛んで現れたのは、隣人お兄さんのペットである体無しれみりゃ。 体付き共とは違って可愛く素直なので、男も気に入っている。 れみりゃは橋の後ろから、飼い主の事前の命で速度を落として飛んでいる。 とはいえ赤ゆっくりが細い橋の上で跳ねる速度よりは速く、少しずつ差は縮まっていく。 赤ゆっくり達も必死で逃げていくが、ここで遅い順に並べた効果が発揮される。 「ゆ!はやくすすんでね!」 「おちょいよ!ゆっくちちないでよ!」 「が、がんばってりゅよ!」 全力で逃げようにも、前にいるのは自分より遅い赤ゆっくり。当然前がつかえる。 どうやら1番手と2番手の赤れいむ、そして5番手と6番手の赤まりさの間がつかえたようだ。 さぞかし後ろにいる赤ゆっくりは焦っていることだろう。 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 れみりゃとの差は容赦なく縮まっていく。 実はこのれみりゃ、隣人お兄さんの合図があるまでは赤ゆっくりに喰いつかないように話してある。 単に喰らい尽くして終わるより、パニックになる赤ゆっくりを見ている方が楽しいからだ。 しかしそんなことゆっくり達には知る由も無く必死に逃げるが、空を飛べる捕食種れみりゃには適わない。 ついに6番手、つまり赤ゆっくり達の最後尾にいる赤まりさに追いついた。 赤ゆっくり達の中では最速とはいえ、こう前がつかえていては進めない。 「おち゛ょい゛よ゛お゛お゛おお!!!ゆっく゛ち゛ち゛ない゛て゛え゛え!!!」 「これいじょうはやくできないよ!ゆっくりがんばるね!」 「うー!うー!」 「た゛す゛け゛て゛え゛え゛え゛えええええ!!!」 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら喚く赤まりさ。 笑顔で追いかけるれみりゃと比べると、何と醜い顔だろう。 「さて、ああ言ってるがどうするよ?」 男はれみりゃをけしかけた後、すぐに隣人お兄さんのベランダまで来た。 もちろん白熱のレースを正面から見るためである。 「ククク……ずれた命乞いだ……」 スッと隣人お兄さんが右手を上げる。『食べてよし』の合図だ。 それを見たれみりゃは嬉しそうに噛り付いた。 「うー!」 「い゛き゛ゃあ゛あ゛あ゛あああああああ!!!!!!」 「れ゛いふ゛のあ゛か゛し゛ゃんか゛あ゛あ゛あ゛!!!」 どんどん食べられていく赤まりさ。 しかし赤ゆっくり達は他人に構っている暇はない、振り返ることもなく進んで行く。 食べられている間はれみりゃの動きは止まるが赤ゆっくりは小さい。食べるのに時間はかからないだろう。 「ゆっく゛ち゛……ちたか゛った゛よ……」 そう言い残し、赤まりさは息絶えた。 赤まりさ一匹では満足できないのか、すぐにれみりゃはうーうーうなりながら動き始める。 あっという間に5番手の赤まりさとの距離は縮まっていく。 「いやあ゛あ゛あああああ!!!!れみりゃこわい゛い゛いい!!!」 後ろからはすぐにれみりゃのうなり声が聞こえてきて、完全に恐怖で取り乱している赤まりさ。 そんな精神状態で、幅が自分よりわずかに広い程度の橋を渡ればどうなるか。 「ゆ!!!!!!!」 れみりゃが追いつく前に、自ら足を踏み外した。そうなると後は重力に従い落下していくのみ。 数秒後、地面にはわずかな餡子が広がっているのであった。二人目の犠牲者である。 そして先頭集団でも異変が起きていた。 「ゆー!!おそすぎりゅよ!!」 「これでもがんばってりゅよおおおおお!!」 先ほどから1番手の赤れいむと2番手の赤れいむが喧嘩している。 まぁ、こうなるように遅い者を前に置いたのだが。 「おそいゆっくりは、ゆっくりたべられちぇね!」 そう言って2番手の赤れいむは、1番手の赤れいむを飛び越えようと跳ねた。 確かに2匹分の幅がない以上、前の赤ゆっくりを抜くには跳ねるしかない。 しかし、橋の幅は自分よりわずかに大きい程度。しかも落ちたら死という恐怖心もある。 そのような肉体的にも精神的にも不安定な状態で、跳ねたりするとどうなるか。 「ゆ!!!!!!!」 当然のように赤れいむも足を踏み外した。 数秒後、この赤れいむは先ほどの赤まりさと同じ死の運命を辿ることとなった。 「ゆう゛う゛う゛うううううううう!!!」 あっという間に半分の子供を失った親れいむが騒いでいる。 「もう止めてほしいってこいつは言いたそうだな」 「ククク……限度いっぱいまで行くっ……!地獄の底が見えるまでっ……!」 さて、残っているのは最初の並び順で1番手の赤れいむ、3番手の赤れいむ、4番手の赤まりさ。 次にれみりゃのターゲットとなるのは赤まりさである。 「うー!うー!」 5番手の赤まりさは食べずに終わったため、4番手の赤まりさとの距離は近めである。 このままでは追いつかれると思ったのか、赤まりさは思わぬ……いや、予想通りの行動に出た。 レース当初から距離が近かった3番手の赤れいむとは今やほぼ同じ位置にいたのだが、 「ゆっくちちね!」 「ゆ!ゆっくちやめちぇね!」 何と後ろから体当たりを仕掛け始めた。 さすがまりさ種、姉妹を犠牲にしてでも自分が生き残ろうとは何という狡猾さであろうか。 「ゆっくちちね!ゆっくちちね!」 「やめちゃね!ゆっくちちてね!」 「なにやっでるの゛お゛お゛!!やべでえ゛え゛え゛!!」 親れいむの絶叫も意に介さず、体当たりを続ける赤まりさ。 そして何度目かの体当たりの時、ついにその時は来た。 「ゆ…………ゆぅぅぅぅぅ~~~~~!!!!!」 赤れいむは落下していき地面に激突、物言わぬ餡子となった。 空いた道をすいすいと進んで行く赤まりさ。 この赤まりさは、身を挺して家族を守った親まりさにはあまり似ていないようだ。 「きさまらっ……それでも……人間かっ…!?」 男はあえてツッコまなかった。 さて、いよいよレースも大詰め。先頭の赤れいむ、そして後ろの赤まりさもかなりゴールが近い。 しかしれみりゃもここに来て飛ばしており、赤まりさのすぐ後ろまで来ている。 「おちょいよれいむ!なにやっちぇるの!」 「ゆ!もうちゅぐだからね!」 れみりゃとの間に赤まりさを挟んでいる赤れいむはまだ余裕があるように見える。 一方れみりゃに迫られている赤まりさにはそんな余裕はない。かなりイライラしているようだ。 男は、これは再び赤まりさが赤れいむを突き落とすも、れみりゃに追いつかれて喰われるかと予想した。 赤まりさにとってもはや赤れいむはただの障害物でしかない。 しかし、親れいむはもちろん、男も、隣人お兄さんも予期せぬ行動に出たのだ。 「ゆひ゛い゛っ゛!」 なんと赤まりさは赤れいむの後ろ頭に噛み付いたのだった。 そして赤れいむを口にくわえながら、くるりとれみりゃの方へ振り向いて、 「それをあげるから、まりさはゆっくちにがしちぇね!」 ササッとゴール目がけて走り出した。赤れいむは「ゆ゛……ゆ゛……」と息も絶え絶えだ。 確かに突き落とすより手っ取り早いし、れみりゃが食べる時間も稼げる。 しかし、まさか自分が生き残るためにここまでやるとは。親れいむも衝撃的すぎたか唖然としている。 「全く、いつもながら何て奴だよ、まりさ種ってのは……」 「ククク……面白い……狂気の沙汰ほど面白い……!」 隣人お兄さんが右手を上げ、すぐさまれみりゃが噛み付いた。 「うー!うー!」 「ゆ゛う゛…………」 赤れいむはすぐに食べ終わったが、もう赤まりさは捕まらない。 れみりゃが追いつく前に、男達と親れいむの待つ隣人ハウスのベランダに飛び込むことができた。 「ついたよ!さすがまりさだね!ゆっくちおかしをもってきちぇね!」 姉妹を二人も殺しておきながら堂々とお菓子を要求するとはふてぶてしさ極まれりだ。 そんな赤まりさを睨みつける目があった。ボロボロになった親れいむである。 「おかーしゃん、まりさがたすけにきちゃよ!もうだいじょうぶだね!」 親れいむに擦り寄っていく赤まりさ。 しかし、親れいむはそんな赤まりさに体当たりをしかけ弾き飛ばした。 「いちゃいよ!おかーしゃん、なにするの!」 「と゛う゛し゛て゛…………」 「ゆ?」 「どうじであんなひどいごどじたのお゛お゛お゛!!!!!! れいぶのあか゛し゛ゃん、みんなしんし゛ゃった゛んた゛よお゛お゛お゛!!!!!」 「あんなおちょいやちゅら、ゆっくちできないよ!しんでとうぜんだよ!」 「ひと゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 親れいむは何度も赤まりさに体当たりをしかける。 姉妹殺しの赤まりさには、もう親の愛情なんて残ってないのだろう。 「いちゃいよ!やめちゃね!」 「ゆっぐりじね!ゆっぐりじ……ぶびゃっ゛!!!」 あまりにうるさいので男は殴りつけた。 ぴくぴくと痙攣し、餡子も吐き出しているが死んではいないだろう。 「たちゅかったよ!おにーしゃんありがとう!かわいいまりさにてをあげるなんて、さいてーなおやだね! それよりはやくおかしをもってきちぇね!」 「ああ、そうだな。だがその前に…………」 「うー!うー!」 赤まりさの気付かぬ間に、飼い主の隣人お兄さんの元にれみりゃが戻っていた。 「ゆ!れみりゃはゆっくちできないよ!はやくおいはらっちぇね!」 「いや、こいつにお前を食べさせるのが先さ」 「な、なにちょれ!おかしはどうなったの!」 「お菓子は出す……出すが……今回まだその時と場所の指定まではしていない…… そのことをどうか諸君らも思い出していただきたい……つまり我々がその気になれば お菓子の受け渡しは10年後、20年後ということも可能だろう……ということ……!」 「つまり、お前がれみりゃに襲われた後、もし生きてたらあげるかもってことさ」 「うー!うー!」 「な…………な゛に゛ちょれえ゛え゛え゛え゛ええええ!!!!!!」 そして隣人お兄さんが右手を上げ、れみりゃが赤まりさに飛びかかっていった。 ちなみに親れいむは男と隣人お兄さんがおいしくいただきました。 あとがき 気が付けば……鉄骨渡りっ…! クォータージャンプを作るつもりだったのに……やってしまったっ……! さすがのうp主も先に鉄骨渡りを作るとは猛省っ……! このSSに感想を付ける
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※美鈴によるゆっくり虐待。 ※fuku1007.txtの続きです。 ※例の如く、ある意味では美鈴虐めかも。キャラ性格の俺改変ひどいし。 ※事情により中編です……いや、18禁になりそうな性的描写が……後編に……。 ※当然のように俺設定満載な感じです。 ※特に、ゆっくりの設定は思い切り俺設定です。イメージと違う場合もございますので、 ご注意ください。 「美鈴と森のゆっくり ~中編~」 ゆっくりありすの抵抗心を破壊した美鈴は、青竜刀を振り上げている。 「ごっ、こば、ごわ゛ぐない゛ばよ……ぞ、そ、ぞぶなの゛……!」 もうすぐ訪れるであろう死に対し、ありすは精一杯の虚勢を張った。 ガタガクブルガタと震え、滂沱の涙を流しながら。 「そうなの? でも、斬られると痛くてよ。それに、一刀のもとに真っ二つにされても、 しばらくは死ねずに苦しむわよ」 強がるありす見て、愉快そうに美鈴は微笑む。 「ふふっ、そう言えば私は発展途上国なんですって? 悪いわね、発展途上国っだから、 そんな痛くて苦しい殺し方しかしてあげられないのよ……都会派のゆっくりさん」 言われたときは流したが、やはり結構カチンと来ていた美鈴は、ことさらに発展途上国 を強調しつつ、ありすの恐怖を煽るように嘲弄する。 「う゛、ゆ゛っ……あ゛、あ゛ぁ……ぞ、そ゛ぶな゛の゛……う゛う゛っ……」 死ぬ覚悟は出来ていたはずだが、やっぱり怖い。とても怖い。 ひと思いにやられるのならともかく、振り上げられた白刃を見せつけられながら、この ように「痛い」「苦しい」などと言われては、その死への覚悟も揺らぐ。 「あら、怖いの? 怖くないんでしょ? 都会派さん」 ありすの恐怖を百も承知の美鈴は、まだ刃を振り下ろさない。 「ゆ゛……う゛、あ゛、あ゛ぁっ……!」 耐えきれず、ありすは恐怖のあまり、底部からカスタードクリーム汁を漏らす。 いわゆる、失禁である──。 「むきゅっ! そ、そご、までよ! あ、あ゛りずを……い、い゛ぢめ゛ない゛でぇ~!」 愛する者のそんな様子を見かねたゆっちゅりーが、美鈴の前にありすを守るよう立ち塞 がった。 「そう。それじゃ、あなたを虐めようかしら」 鈍いゆっくりにも目で見てわかるように、美鈴は強い殺気を放ち、青白い気の光で薄明 るく全身を輝かせた。 「む、むきゅぅっ……あ、あ゛ぁ……む、むむきゅっ……!」 殺気にあてられたゆっちゅりーもまた、ありすと同じように底部から梅紫蘇餡汁を漏ら した。 「あ゛、あ゛あ゛ぁぁっ! や゛べでっ! お゛あ゛ぢゅじーを、い゛ぢめ゛ない゛で!」 ゆっちゅりーの後ろでガタガタ震えていたありすが、前に出て来た。 「あら、せっかくこの子が庇ってくれてるのに、隠れてなくていいの?」 殺気を身にまとったまま、愉快そうに美鈴は微笑んだ。 「か、が、がぐれでい゛だっで……ど、どう゛ぜ、あ゛じずもごろ゛ずん゛でじょ? な、 な゛ら゛っ……い゛、い゛……い゛っじょじ、ごろ゛じでよ゛ぉぉぉぉぉぉっ!」 自らが出した涙とそれ以外の液体で顔ばかりか全身を、ぐじょぐじょにした姿で、あり すは絶叫した。 「む゛ぎゅっ! ら、らめぇぇぇぇぇ! お、お゛ねえざんっ、ばぢぇをごろ゛じで! あ、あ゛りずは……だ、だずげであ゛げでぇぇぇぇぇっ!」 ゆっちゅりーもありすに負けじと叫ぶ。 「そうねぇ、そこまで言うんなら、どっちかのお願いはきいてあげようかしら?」 「え゛え゛っ! お、お゛ねがい゛ぎい゛でぐれるの゛っ!?」 異口同音に、ありすとゆっちゅりーは喜びの声を漏らす。 「ええ、あなたたちの気持ちはよくわかったわ。その気持ちに免じて、どっちかのお願い は聞いてあげるわ」 にやり、と人の悪そうな笑みを美鈴は浮かべた。 「あ゛、あ゛じがどぉぉぉぉぉっ! お゛ねえざん゛っ!」 「いいのよ、お礼なんて。その代わり、私の言う事きいてね? いやならお願いもきかな いわよ」 ますます人の悪そうな笑みを浮かべる美鈴。 いつも人の良さそうな顔をしている彼女には、あまりこう言う表情は似合わない。 「うんっ! きくきく! なんでもいってねっ!」 今泣いた烏がもう笑っている。二匹は泣くのをやめ、早くも喜色を浮かべていた。 「えらいわね。それじゃ、まずはあんたたちの後ろに隠れてる子を、私の前に連れてきて」 見えない闇が濃くわだかまる、巣の奥の方に視線を向ける。 「え? かくれてるこ?」 「むきゅ? ぱちぇたちのうしろになんか、だれもかくれてないよ」 きょとんとした顔で二匹は言った。 「え? あいつらが隠れているんでしょ? あのゴミク……まりさの親子が」 この期に及んでウソは言わないだろうが、確かにあの母子は巣の奥に居るはずである。 巣の出入り口は、ここだけのはずなのだから。 「まりさたち? まりさたちは、おくにはもういないとおもうよ」 「むきゅ! あいつらは、たぶんもうにげたわよ……」 ──居ない? 逃げた? そんな、まさか……? 「ウソじゃないわよね? どうやって逃げたって言うのよ?」 逃げられるはずが無いのに逃げたと言う──いったい、これは……? 「ゆっ! ゆっ……みんな、ちゃんとついてくるんだぜ!」 ゆっくり一匹がどうにか通れるぐらいの通路を、母まりさは進んでいた。 「ゆっ! ちゃんとついてくよ、おかあさん!」 「すていしにしたぱちゅりーとありすは、きっといまごろゆっくりしんでるね!」 母の後を子まりさ二匹はしっかりと尾いて来ている。 成体でも通れる大きさの通路は、小さい子供には充分すぎる広さがあるため、二匹は横 に並んで仲良く進む。 「ゆっゆっゆっ! できるだけゆっくりころされてるといいぜ!」 時間稼ぎの捨て石が殺されるのに、時間がかかればかかるほど、自分たちは遠くに逃げ られる。 「ゆっ! そうだね! でも、れみりゃじゃなくて、にんげんがあいてでよかったよね!」 「にんげんじゃこのひじょうぐちはとおれないもんね!」 この森に住む野生のゆっくりたちにとって、最大の外敵はれみりゃなどの捕食種である。 野犬や狼などの獣は、ゆっくりが喋る声の周波数を好まないようで、あまり襲ってくる 事がない。 人語を解さず知能も高くない低級の妖怪たちは、れみりゃ種の外見を本能的に忌避して いるためか、れみりゃがやけに多く生息するこの森にはほとんど近寄らない だから──まりさたちは、れみりゃの襲撃を最も恐れ、巣に非常口を作ったのである。 もっとも自分たちだけではなく、れみりゃも通れるサイズの非常口は、今まで使われる 事が無かったのだが。 ちなみに、この非常口は主にありすが作らされ、完成後「役に立たない物を作った」と 言う理由で折檻されたのだが、それは過去の話である。 「ゆっへっへっ! れみりゃがきたときはおどろいたぜ! でもあのにんげんがれみりゃ をたおしてくれたおかげでたすかったぜ!」 「ゆっ! あのにんげんもてきだったみたいだけど、ばかなにんげんでよかったね!」 「ゆっゆっゆっ! どれいどもがやくにたってよかったよ!」 もう完全に助かったと思いこんでいる母子は、楽しそうに語り合いながら出口を目指す。 朽ち倒れた大木を、先端に向け掘り削らせて作らせた非常口は、とても長いが、もうす ぐ終点である。 「ゆっ! いい? おそとへでたらべっそうにいくんだぜ! しばらくあっちでゆっくり くらしてから、おうちにもどるんだぜ!」 「ゆっ! わかったよ、おかあさん! おやこでゆっくりくらせるね!」 「あたらしいどれいは、ゆっくりしながらみつけようね! こんどはちぇんかみょんがい いな!」 これからの新生活に向けての相談をする母子。 別荘と言うのは、かつて母まりさが一匹で住んでいた巣穴である。 れいむやありす、ゆっちゅりーたちには教えていない、餡子の繋がった親子たちだけの 秘密のゆっくりプレイスだ。 あまり広くは無いが、親子三匹ならば充分ゆっくりできるであろう。 ──もう、出口はすぐそこである。 「ゆっ! やっとおそとだぜ! こんなながいひじょうぐちつくるなんて、ありすはほん とにやくたたずだったぜ!」 その長い非常口を作らせ、完成後に「れみりゃもとおれるおおきさだからつかえない」 と言って、ありすに暴力を振るい、目の前でゆっちゅりーをレイプしたのは、この母まり さである。 「ゆっ! ほんとだね! れいむたちもじゃまだったけど、どれいたちはやくたたずだっ たね!」 母れいむを罵倒し子れいむをいじめるのが日課だったのは、この子まりさである。 「ゆっ! ありすはくさくてきもちわるかったね! ぱちゅりーもうっとうしかったね!」 母の威を借りて、常日頃からありすとゆっちゅりーに嫌がらせをしていたのが、この子 まりさである。 「ふーん……まりさたち、そんなにありすがきらいだったの……」 外へ出て少し進むと、後ろから声がした。 「むきゅっ! うっとうしくてわるかったわね!」 前からは、ゆっちゅりーが──美鈴に抱っこされて、やって来た。 「ゆっ! ゆゆゆゆゆゆっ!? ありす? ぱちぇりー? なんでいきてるんだぜ? ゆっ くりしねってめいれいしたのに!」 「おっ、おかあさん! あのおろかなにんげんもいるよ!」 「ゆっ! どれいども、すていしにならずうらぎったの? おんしらず!」 驚愕する母子は、驚きのあまり言わなければ良さそうなことを口々に言った。 「おねえさんが、ありすたちをたすけてくれたの。ゆっくりしぬのは、まりさたちよ」 非常口の出口に陣取ったありすは、ゆっくりらしくない冷たい声で言った。 朝から晩まで餌取りや巣の拡張工事をさせられながら、罵られ、体当たりで小突き回さ れ、食事と言えば食べ残しや痛んだ物やゴミクズ母子の排泄餡子だった、忌まわしい日々 の記憶が、ありすにそんな声を出させたのである。 「むきゅ! かくめいのときよ! ぼうくんはうちたおされるのがきまりなんだから!」 ゆっくりと地面の上におろされたゆっちゅりーが、力強く言い放った。 外で遊べない雨の日は、いつも面白い話をするように強要され、何を話しても「つまん ないぜ!」「やくたたずのむらさきもやし!」「ゆっくりしね!」と罵倒された思い出。 何でもかんでもわからない事は聞いてくるくせに、教えると「そんなのしってるぜ! じょうしきだぜ! えらそうにいうなだぜ!」「まりさたちがいなかったら、のたれじぬ くせに、いいきになるな!」などと、お礼の言葉ではなく罵声を浴びせられた日々を思い 返し、ゆっちゅりーは悲しそうに目を閉じた。 「だるいから、とっととやっちゃうわよ」 やっと喋ったと思ったら、空気を台無しにする美鈴。 暴君が滅びるのは、中国四千年の歴史から見たら、別に珍しくも感慨深くも無いのであ る──と言うよりも、ゆっちゅりーを抱いて出口まで案内させながら、これまでまりさ母 子が行ってきた所行を聞かされ、テンションが下がっていた。 客観的に見て絶体絶命の状況となった母子まりさ三匹は、 「ゆっ! おねえさん! ありすとぱちゅりーはわるいゆっくりなんだぜ! まりさたち をずっといじめてたんだぜ!」 「おかあさんのいうとおりだよ! おねえさん! わるいゆっくりのみかたしちゃだめ!」 「ゆっ! ほんとうはまりさたちがどれいだったんだよ! こいつらはうそつきだよ!」 ──と、なおも諦めず、自分たちこそが正しいと主張する。 「はいはい、悪いか良いかは私が決めるから、お黙んなさいよ」 ぞんざいな調子で言うと、美鈴はまりさたちに向かって歩き出す。 「ゆっ! こ、こっちこないでだぜ! まだまりさたちのはなしはおわってないんだぜ!」 「おねえさん、こわいよ! わるいひとになっちゃだめだよ!」 「ゆっ! ありす、ぱちゅりー! まりさたちをにがしてくれたら、いいものあげるよ!」 ずりずりと三匹は後ずさるが、美鈴の歩幅の方が明らかに大きい。 とっとと全力で逃げ出せば、もしかしたら一匹ぐらいは逃げ延びられたかも知れないの に、自分たちの話術に絶大な自信を持っているまりさたちは、言葉の力で危機を脱する事 が出来ると未だに思っていた。 「もう……黙んなさいっていってるのに、うるさいわね」 手を伸ばせばすぐに捕らえられる位置まで、美鈴は進んだ。 「ゆっ! お、おねえさん! ぱちゅりーがにげだそうとしてるんだぜ!」 「え? あ、しまった……」 ついうっかり、美鈴は振り向いた。 「いまだぜ! にげるんだぜ!」 叫ぶと同時に、母まりさは左に向かって逃走を図る。 ゆっくりにしては早い反応速度で、子まりさたちも母の後に続く。 「……なんてね」 慌てず騒がず、美鈴は威力を極小に抑えた気弾を放つ。 前に、れみりゃに向けて放った際うっかり偶数弾を出して失敗したので、今度はばら撒 き弾を射出した。 前方から放たれたとしても、ゆっくりが弾幕をかわせる事はまず無い──ましてや、後 方から撃たれたのなら、なおさらだ。 「ゆぎっ!」 「ゆぐっ!」 「ゆげっ!」 ほぼ同時に三匹は被弾した。 微妙に異なる悲鳴を上げ、そのまま俯せに倒れ、まりさたちは気を失った。 「はい、それまでよ……ふふっ、本物の白黒ならともかく、ゆっくりごときじゃ私の弾幕 は避けられなくてよ」 さっきれみりゃにグレイズされたのは、二発だけしか撃たなかったから偶然外したのだ と、心の中で美鈴は自分に言い聞かせた。 「こいつらを運ぶから、あんたたちも尾いて来なさい」 気を失ったまりさ母子を抱え上げ、ありすとゆっちゅりーに指示を下す。 「一応言っておくけど、もし逃げたりしたら撃つわよ……避けられると思うんなら、試し てみる?」 「いっ、いいですっ! にげませんから、うたないでぇぇぇっ!」 「むきゅ! ぱちぇもにげないよぉぉぉっ!」 言う事を聞けばお願いをきくと言われたので、もとから二匹に逃げ出す気はなかったが、 気まぐれに撃たれたりしたらたまらないので、必死の形相で逃げない事を誓う。 「ものわかりの良い子は好きよ。さ、いきましょ」 二匹の移動速度を考えて、ゆっくりとした歩調で美鈴は歩き出した。 「ゆ゛ぎぃぃぃぃっ! だべぇぇぇっ! べびぶの゛な゛がび、だべう゛ぁう゛ぃでぇぇ ぇぇぇっ!」 「ゆ゛ぎゅぅぅぅっ! お゛がぁ゛ざあ゛ぁぁぁぁん゛! どごぉぉぉぉぉっ!」 巣穴の中からは、放置していた母子れいむの絶叫が聞こえる。 「そう言えば、とどめ刺してなかったわね……ま、いいか」 ゆっくりは、ゆっくりするのが好きらしいから、ゆっくり放置しておけば良いと美鈴は 考えた。 一応、今どうなってるかだけを確認するために巣穴の中を覗き込んだ。 ──特に状態は変化していなかった。 相変わらず母れいむは、れみりゃアームを眼窩に突き立てられたまま、のたうち回って いる。何度か餡子汁を失禁させたようで、身体はところどころ餡子で汚れていた。 悲鳴から察するに、母れいむの目の中に入れた子れいむが、声はすれど姿は見えずの母 を求めて、周りを囲む母の餡子を食べて除こうとしているようだ。 「うーん……中がどうなっているのか気になるわね」 ゆっくりの表皮と中身が半透明だったら。蟻の巣観察キットのように中の具合が見られ るのだが、残念ながら透明ではないため中の様子は想像するしかない。 「まぁ、気が向いたら、あとで斬ってみればいいか」 今すぐに斬って楽にしてやるのが慈悲であろうが、生憎と愚鈍な饅頭にかける慈悲なん ぞ、美鈴は持ち合わせていなかった。 「しかし、ちょっと耳障りなうるささね……そうだ!」 母の身体に包まれている子れいむの声はともかく、母れいむの上げる悲鳴の煩さに辟易 した美鈴は、とりあえず黙らせる事にした。 「ゆ゛ぎゅっ! う゛う゛う゛う゛う゛う゛っ!?」 おもむろに舌を掴まれ、母れいむは声を出せず喉の奥で呻いた。 「うるさい舌は、いらないのよ」 掴んだ舌に爪を立て、そのまま手と指に力を込めて捻り切る。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっっっ!」 新たな激痛に母れいむは身を震わせ、喉奥から地鳴りのような声にならない音を響かせ る。 「これはこれで、うるさわいね……でも、さっきよりはマシかしら」 視覚に続き今度は言語も奪われ、生き物から饅頭により近い存在になった母れいむを見 下ろしながら、あまり面白くも無さそうに言った。 切り取った舌は、口の大きさに比例してとても大きく、人間の舌よりも牛タンをイメー ジさせるようなサイズである。 触感は人間の舌よりも柔らかい──人間の舌はびっしり詰まった筋肉を粘膜で覆ってい ると言う構造だが、このゆっくりの舌は粘膜を粘膜で覆っているのかと言うぐらい柔らか い。 そんなので声が出せるのかどうか不思議だが、もともとゆっくりと言う生命体自体が、 不思議に溢れた幻想郷でも非常識な存在なのだから、気にしても無意味であろう。 「ぬめぬめして、大ナメクジみたいね」 臭いは甘い。中身が餡子で甘いのと同様、舌の表面を濡らす唾液も、きっと甘いのだろ う。 「んー……えいっ」 手に持った母れいむの舌を、しばし見つめてから、美鈴は思いきってそれを一口かじっ てみた。 「……うわぁ、甘い……うん、これはおいしいかも」 中身が餡子ならば、粘膜である舌は求肥である。もちもちとした食感が、心地良い。 「……ぺっ」 しばらく噛んで味わっていた美鈴だったが、ある事を思い出し吐き出した。 「こいつらって、虫だろうとなんだろうと何でも食べるのよね……忘れてた」 以前に生ゴミや畜糞を食べるゆっくりを見た事もあった。 「うっぷ……気持ち悪っ……ぺっ、ぺっ!」 さっきまで美味しいと思い、味は確かに美味しかった母れいむの舌を、まるで忌々しい 汚物のように放り捨てた。 「う゛っう゛う゛っ……う゛う゛う゛! あ゛あ゛っあ゛っあ゛っあ゛!」 意味のある言葉を喋れなくなった母れいむは、喉の奥から餡子混じりの粘液や空気を吐 き出して唸っている。 「完全に声を奪うのは、やっぱ無理ね……音は空気の振動だし」 ゆっくりは窒息死しない生き物なのだから、静かにさせるには、空気を振るわせられな いよう、口いっぱいに何か詰め物をすべきだった事に、美鈴は今さら思い至った。 「ま、いいか……うるさいから奥行ってなさい」 「う゛う゛っ!」 非常口の存在と言い、この巣の奥はかなり広いようなので、とりあえず入り口から遠ざ けるため殴り飛ばした。 続く このSSに感想を付ける
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あるところに、ゆっくり霊夢の家族がいた。 親ゆっくり霊夢に赤れいむ3匹、そして赤まりさ3匹。 もう片方の親であるゆっくり魔理沙は、まりさ種らしくもなく家族が野犬に襲われた際に囮となった。 巣に逃げ帰った親れいむは親まりさの帰りを待ち続けたが、結局帰ってくることはなかった。 そして残された、パートナーとの愛の結晶である6匹の赤ゆっくり。 れいむは全ての愛情を注ぎ込んだ。忙しい毎日だったが、赤ゆっくりがいてくれて幸せだった。 そしてそのような幸せをぶち壊すのが大好きな男がいた。言うまでもない、虐待お兄さんである。 男は新しい虐待法を思いついており、生贄となる家族を探しに森へ来ていた。そこに、 「じゃあお母さんはご飯を探してくるよ!ゆっくりまっていてね!」 「「「「「「ゆっくちまっちぇるね!!」」」」」」 という声。格好のターゲットだとほくそ笑む。 そして巣から出てきた親れいむをすぐさま掴み、持ってきた加工場製透明ケースへ放り込んだ。 「ゆ!なんなのお兄さん!はやくここから出してね!」 必死に出ようとガタガタとケースを揺らすが、当然この程度ではビクともしない。 男はわめく親れいむを無視して、箱を持ったまま戻り、親れいむは一旦隣人に預けた。 もちろん、この隣人も虐待仲間である。 一時間後。 「ゆー…………おかあしゃんおちょいね…………」 「ゆっくちしすぎだよ…………」 食欲旺盛な赤ゆっくり達には早くも空腹が訪れていた。 再び巣の前まで戻ってきた男は、入り口に少量のお菓子をばらまく。 「ゆ!なにあれおいしそう!」 見つけたと思いきやすぐさまかけよる赤ゆっくり達。 あっという間に群がり、ガツガツと食いつき始める。 「「「「「「むーしゃ、むーしゃ!ちあわちぇ~!」」」」」」 投下したお菓子は少量だったため、一瞬にして無くなった。 当然赤ゆっくり達は満腹とはいかないが、これも男の計算である。 「やあ。お菓子はおいしかったかな?」 「ゆ!これおにいちゃんがくれたの!」 「ありがとう!すごくゆっくちできたよ!」 「でもちょっとたりないね!もっとちょうだいね!」 図々しくもさらなる食事を要求してきた。 男は叩き潰したい衝動を抑えながら、赤ゆっくり達を背に歩きながらこう言った。 「ああ、いいよ。ただし次は競争だ。一番早くここまでこれた子に、お菓子をいっぱいあげるよ。 早く来れば早いほど、たくさんのお菓子を食べられるよ」 しばらく歩いた後、これまた極少量のお菓子を足元の地面にばらまく。 「じゃあスタートだ!はやくしないと他の子に食べられちゃうよ!」 少しの間赤ゆっくり達はぽかんとしていたが、その後いっせいに跳ね出した。 全員空腹で何としても食べたいのだろう、皆必死な顔をして向かってきている。 男にとっては誰が一番になろうとどうでもいい。ここで大事なのは着順である。 どのゆっくりが何番目に到着するか、それが後の虐待で重要な意味を持つのだ。 数分後、全ての赤ゆっくりが男の元へ到着した。 やはりまりさ種の方がれいむ種より速いようで、上位3位は赤まりさが独占した。 しかし、ばらまいたお菓子は一番に到着した赤まりさに全て食べられていた。 しかもその赤まりさすら満足しきれない少量である。 「もっといっぱいちょうだいね!」 「かわいいれいむに、おかしをもってきちぇね!」 「おなかすいたよ!はやくちてね!」 清々しいくらい偉そうな態度である。 予想していたとはいえ、やはり腹は立つ。 「よし、じゃお兄さんの家へ来ないかい?たくさんお菓子が食べられるよ!」 「ゆ!おかしがたくさんあるの!」 「はやくつれていっちぇね!」 それを聞くと、男はあらかじめ容易しておいたケースに赤ゆっくり達を入れていった。 このケースは、着順が分からなくならないようにするため中を仕切りで分割されている。 この日のためにわざわざ作っておいたのだ。 「わ~い、おちょらをとんでりゅみたい!」 「たのちいね!」 赤ゆっくりはこれから身に起こることも知らず、無邪気にきゃっきゃと騒いでいた。 男は家に着くと、お菓子も与えず2階のベランダへ向かっていった。 そこには隣りの家のベランダへと繋がる木材があった。幅は赤ゆっくりよりわずかに大きい程度と極めて細い。 その上に赤ゆっくり達を、先ほどのレースで遅いものが前になるように並べていく。 即ち、前に赤れいむ3匹、後ろに赤まりさ3匹である。 ちなみにこの木材、最初は鉄骨のつもりだったが都合の良いものが手に入らなかったので却下された。 「こ、こわいよ!たかいよ!」 「ゆ、ゆっくちやめちぇね!」 ガタガタとふるえ出す赤ゆっくり達。 人間でもこの高さから落ちたら怪我は免れない。体の弱い赤ゆっくりが落ちれば確実に潰れるだろう。 「お菓子ほしいんでしょ。この橋を向こうの家まで渡ればお菓子をたくさんあげるよ」 「ゆ!いやだよ、こわいよ!」 「こんなのわたりたくないよ!ゆっくちたすけちぇね!」 さすがに命の危険を感じれば、お菓子よりも身の安全を優先するようだ。 しかし、この日のためにわざわざこの木材を苦労して作ったのだ。渡らせない気はない。 ここで母れいむを抱えた隣人お兄さんに出てきてもらう。 「お前ら、あの家をよく見てみろ」 「ゆ…………あ、あれは、おかーしゃん!?」 「れ、れいむの赤ちゃんたち!なんでこんなところに…………ふ゛へ゛っ゛」 隣人お兄さんには殴る蹴るの暴行を加えてもらう。もちろん死なない程度に。 さすがは虐待家、生き生きとした表情だ。 「やめちぇね!ゆっくちやめちぇね!」 「おかーしゃんをいぢめりゅなー!」 暴行の間、赤ゆっくり達は色々叫んでいるが、やはり怖いのだろう。橋を渡ろうとはしない。 そんな赤ゆっくり達に向かって、隣人お兄さんが言い放つ。 「ククク…………親を助けたいか……赤子共………… ならば渡れっ…………この地獄への橋をっ…………! ここまで一人でも来れれば助けてやろう…………カカカカッ…………!」 それにしてもこの隣人お兄さん、ノリノリである。 赤ゆっくり達はしばらくはまごまごしていたが、身の危険より親への愛情が高かったようだ。 ついに先頭の赤れいむが、ついに動き出した。 「ゆっくちおかーしゃんをたちゅけるよ!」 「ゆ…………そうだね!みんなでたちゅけようね!」 赤れいむに引き続き、後ろの赤ゆっくり達も少しずつ動き出した。 跳ねるのはやはり危険だと感じているのか、皆這いずるような動きである。 長さは10メートルほど、親ゆっくりならいざ知らず、赤ゆっくりにとってはかなりの距離である。 しかし愛する親を助けるため、恐怖を感じながらも少しずつ進んでいった。 スタートから何分経っただろうか。今のところ落下したゆっくりはいない。 元々幅は赤ゆっくりより少し大きめである。急がない限りはまず落ちることはない。 もう先頭の赤れいむは橋の半分を超えるところまで来ている。 「けっこうかんたんだね!」 「でもきをつけて、ゆっくちすすむんだよ!」 「れいふ゛のあか゛し゛ゃん…………ゆっく゛い゛か゛んは゛って゛…………」 「ほーう、さすがに簡単には落ちないものなんだな」 「ククク…素晴らしいっ……!歓迎するぞ……道開く者……勇者よ……!」 赤ゆっくり達は互いに励まし合いながら進んで行き、親れいむも満身創痍で応援している。 確かにこのまま進んでいけば誰一人落ちず、親れいむの元へ到着するだろう。 だがそれでは何一つ面白くない。いよいよこいつを出す時がきたか。 「はーい、では皆さん聞いてくださーい! この木材渡りにもう一人参加者を追加させまーす!」 「ゆ?もうひとりふえりゅの?」 「だれかな?まりさたちかぞくはみんないりゅよ」 振り返る赤ゆっくり達。そして男の部屋からベランダへ、一匹のゆっくりが飛び出した。 「魔を招き入れての狂宴の舞……パーティーの扉が開く……クククク……!」 「うー!うー!」 「「「「「「れ、れみりゃーーーー!!!!」」」」」」 「あ、あか゛し゛ゃんた゛ち゛!はやく゛にけ゛て゛ね゛!」 パタパタと飛んで現れたのは、隣人お兄さんのペットである体無しれみりゃ。 体付き共とは違って可愛く素直なので、男も気に入っている。 れみりゃは橋の後ろから、飼い主の事前の命で速度を落として飛んでいる。 とはいえ赤ゆっくりが細い橋の上で跳ねる速度よりは速く、少しずつ差は縮まっていく。 赤ゆっくり達も必死で逃げていくが、ここで遅い順に並べた効果が発揮される。 「ゆ!はやくすすんでね!」 「おちょいよ!ゆっくちちないでよ!」 「が、がんばってりゅよ!」 全力で逃げようにも、前にいるのは自分より遅い赤ゆっくり。当然前がつかえる。 どうやら1番手と2番手の赤れいむ、そして5番手と6番手の赤まりさの間がつかえたようだ。 さぞかし後ろにいる赤ゆっくりは焦っていることだろう。 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」 れみりゃとの差は容赦なく縮まっていく。 実はこのれみりゃ、隣人お兄さんの合図があるまでは赤ゆっくりに喰いつかないように話してある。 単に喰らい尽くして終わるより、パニックになる赤ゆっくりを見ている方が楽しいからだ。 しかしそんなことゆっくり達には知る由も無く必死に逃げるが、空を飛べる捕食種れみりゃには適わない。 ついに6番手、つまり赤ゆっくり達の最後尾にいる赤まりさに追いついた。 赤ゆっくり達の中では最速とはいえ、こう前がつかえていては進めない。 「おち゛ょい゛よ゛お゛お゛おお!!!ゆっく゛ち゛ち゛ない゛て゛え゛え!!!」 「これいじょうはやくできないよ!ゆっくりがんばるね!」 「うー!うー!」 「た゛す゛け゛て゛え゛え゛え゛えええええ!!!」 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら喚く赤まりさ。 笑顔で追いかけるれみりゃと比べると、何と醜い顔だろう。 「さて、ああ言ってるがどうするよ?」 男はれみりゃをけしかけた後、すぐに隣人お兄さんのベランダまで来た。 もちろん白熱のレースを正面から見るためである。 「ククク……ずれた命乞いだ……」 スッと隣人お兄さんが右手を上げる。『食べてよし』の合図だ。 それを見たれみりゃは嬉しそうに噛り付いた。 「うー!」 「い゛き゛ゃあ゛あ゛あ゛あああああああ!!!!!!」 「れ゛いふ゛のあ゛か゛し゛ゃんか゛あ゛あ゛あ゛!!!」 どんどん食べられていく赤まりさ。 しかし赤ゆっくり達は他人に構っている暇はない、振り返ることもなく進んで行く。 食べられている間はれみりゃの動きは止まるが赤ゆっくりは小さい。食べるのに時間はかからないだろう。 「ゆっく゛ち゛……ちたか゛った゛よ……」 そう言い残し、赤まりさは息絶えた。 赤まりさ一匹では満足できないのか、すぐにれみりゃはうーうーうなりながら動き始める。 あっという間に5番手の赤まりさとの距離は縮まっていく。 「いやあ゛あ゛あああああ!!!!れみりゃこわい゛い゛いい!!!」 後ろからはすぐにれみりゃのうなり声が聞こえてきて、完全に恐怖で取り乱している赤まりさ。 そんな精神状態で、幅が自分よりわずかに広い程度の橋を渡ればどうなるか。 「ゆ!!!!!!!」 れみりゃが追いつく前に、自ら足を踏み外した。そうなると後は重力に従い落下していくのみ。 数秒後、地面にはわずかな餡子が広がっているのであった。二人目の犠牲者である。 そして先頭集団でも異変が起きていた。 「ゆー!!おそすぎりゅよ!!」 「これでもがんばってりゅよおおおおお!!」 先ほどから1番手の赤れいむと2番手の赤れいむが喧嘩している。 まぁ、こうなるように遅い者を前に置いたのだが。 「おそいゆっくりは、ゆっくりたべられちぇね!」 そう言って2番手の赤れいむは、1番手の赤れいむを飛び越えようと跳ねた。 確かに2匹分の幅がない以上、前の赤ゆっくりを抜くには跳ねるしかない。 しかし、橋の幅は自分よりわずかに大きい程度。しかも落ちたら死という恐怖心もある。 そのような肉体的にも精神的にも不安定な状態で、跳ねたりするとどうなるか。 「ゆ!!!!!!!」 当然のように赤れいむも足を踏み外した。 数秒後、この赤れいむは先ほどの赤まりさと同じ死の運命を辿ることとなった。 「ゆう゛う゛う゛うううううううう!!!」 あっという間に半分の子供を失った親れいむが騒いでいる。 「もう止めてほしいってこいつは言いたそうだな」 「ククク……限度いっぱいまで行くっ……!地獄の底が見えるまでっ……!」 さて、残っているのは最初の並び順で1番手の赤れいむ、3番手の赤れいむ、4番手の赤まりさ。 次にれみりゃのターゲットとなるのは赤まりさである。 「うー!うー!」 5番手の赤まりさは食べずに終わったため、4番手の赤まりさとの距離は近めである。 このままでは追いつかれると思ったのか、赤まりさは思わぬ……いや、予想通りの行動に出た。 レース当初から距離が近かった3番手の赤れいむとは今やほぼ同じ位置にいたのだが、 「ゆっくちちね!」 「ゆ!ゆっくちやめちぇね!」 何と後ろから体当たりを仕掛け始めた。 さすがまりさ種、姉妹を犠牲にしてでも自分が生き残ろうとは何という狡猾さであろうか。 「ゆっくちちね!ゆっくちちね!」 「やめちゃね!ゆっくちちてね!」 「なにやっでるの゛お゛お゛!!やべでえ゛え゛え゛!!」 親れいむの絶叫も意に介さず、体当たりを続ける赤まりさ。 そして何度目かの体当たりの時、ついにその時は来た。 「ゆ…………ゆぅぅぅぅぅ~~~~~!!!!!」 赤れいむは落下していき地面に激突、物言わぬ餡子となった。 空いた道をすいすいと進んで行く赤まりさ。 この赤まりさは、身を挺して家族を守った親まりさにはあまり似ていないようだ。 「きさまらっ……それでも……人間かっ…!?」 男はあえてツッコまなかった。 さて、いよいよレースも大詰め。先頭の赤れいむ、そして後ろの赤まりさもかなりゴールが近い。 しかしれみりゃもここに来て飛ばしており、赤まりさのすぐ後ろまで来ている。 「おちょいよれいむ!なにやっちぇるの!」 「ゆ!もうちゅぐだからね!」 れみりゃとの間に赤まりさを挟んでいる赤れいむはまだ余裕があるように見える。 一方れみりゃに迫られている赤まりさにはそんな余裕はない。かなりイライラしているようだ。 男は、これは再び赤まりさが赤れいむを突き落とすも、れみりゃに追いつかれて喰われるかと予想した。 赤まりさにとってもはや赤れいむはただの障害物でしかない。 しかし、親れいむはもちろん、男も、隣人お兄さんも予期せぬ行動に出たのだ。 「ゆひ゛い゛っ゛!」 なんと赤まりさは赤れいむの後ろ頭に噛み付いたのだった。 そして赤れいむを口にくわえながら、くるりとれみりゃの方へ振り向いて、 「それをあげるから、まりさはゆっくちにがしちぇね!」 ササッとゴール目がけて走り出した。赤れいむは「ゆ゛……ゆ゛……」と息も絶え絶えだ。 確かに突き落とすより手っ取り早いし、れみりゃが食べる時間も稼げる。 しかし、まさか自分が生き残るためにここまでやるとは。親れいむも衝撃的すぎたか唖然としている。 「全く、いつもながら何て奴だよ、まりさ種ってのは……」 「ククク……面白い……狂気の沙汰ほど面白い……!」 隣人お兄さんが右手を上げ、すぐさまれみりゃが噛み付いた。 「うー!うー!」 「ゆ゛う゛…………」 赤れいむはすぐに食べ終わったが、もう赤まりさは捕まらない。 れみりゃが追いつく前に、男達と親れいむの待つ隣人ハウスのベランダに飛び込むことができた。 「ついたよ!さすがまりさだね!ゆっくちおかしをもってきちぇね!」 姉妹を二人も殺しておきながら堂々とお菓子を要求するとはふてぶてしさ極まれりだ。 そんな赤まりさを睨みつける目があった。ボロボロになった親れいむである。 「おかーしゃん、まりさがたすけにきちゃよ!もうだいじょうぶだね!」 親れいむに擦り寄っていく赤まりさ。 しかし、親れいむはそんな赤まりさに体当たりをしかけ弾き飛ばした。 「いちゃいよ!おかーしゃん、なにするの!」 「と゛う゛し゛て゛…………」 「ゆ?」 「どうじであんなひどいごどじたのお゛お゛お゛!!!!!! れいぶのあか゛し゛ゃん、みんなしんし゛ゃった゛んた゛よお゛お゛お゛!!!!!」 「あんなおちょいやちゅら、ゆっくちできないよ!しんでとうぜんだよ!」 「ひと゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」 親れいむは何度も赤まりさに体当たりをしかける。 姉妹殺しの赤まりさには、もう親の愛情なんて残ってないのだろう。 「いちゃいよ!やめちゃね!」 「ゆっぐりじね!ゆっぐりじ……ぶびゃっ゛!!!」 あまりにうるさいので男は殴りつけた。 ぴくぴくと痙攣し、餡子も吐き出しているが死んではいないだろう。 「たちゅかったよ!おにーしゃんありがとう!かわいいまりさにてをあげるなんて、さいてーなおやだね! それよりはやくおかしをもってきちぇね!」 「ああ、そうだな。だがその前に…………」 「うー!うー!」 赤まりさの気付かぬ間に、飼い主の隣人お兄さんの元にれみりゃが戻っていた。 「ゆ!れみりゃはゆっくちできないよ!はやくおいはらっちぇね!」 「いや、こいつにお前を食べさせるのが先さ」 「な、なにちょれ!おかしはどうなったの!」 「お菓子は出す……出すが……今回まだその時と場所の指定まではしていない…… そのことをどうか諸君らも思い出していただきたい……つまり我々がその気になれば お菓子の受け渡しは10年後、20年後ということも可能だろう……ということ……!」 「つまり、お前がれみりゃに襲われた後、もし生きてたらあげるかもってことさ」 「うー!うー!」 「な…………な゛に゛ちょれえ゛え゛え゛え゛ええええ!!!!!!」 そして隣人お兄さんが右手を上げ、れみりゃが赤まりさに飛びかかっていった。 ちなみに親れいむは男と隣人お兄さんがおいしくいただきました。 あとがき 気が付けば……鉄骨渡りっ…! クォータージャンプを作るつもりだったのに……やってしまったっ……! さすがのうp主も先に鉄骨渡りを作るとは猛省っ……! このSSに感想を付ける
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スカーレット姉妹「レミリア・スカーレット」 「フランドール・スカーレット」 読み:すかーれっとしまい「れみりあ・すかーれっと」 「ふらんどーる・すかーれっと」 カテゴリー:Extra/女性 作品:東方混沌符 属性:闇 ATK:10(-) DEF:10(-) 【エクストラ】〔「レミリア・スカーレット」 「フランドール・スカーレット」〕 【登場】〔自分の手札4枚を控え室に置く〕 [自動]相手がイベントカードを使用した場合、ターン終了時まで、このキャラは攻撃力と耐久力が2上昇する。 『貫通』 R:いつもお姉様とやり取りしているの、聞いていたわ SR:ふふ、こんなに月も紅いから? illust:千葉サドル TP-156 R SR 収録:ブースターパック「OS:東方混沌符 2.00」 参考 ネームが「レミリア・スカーレット」であるキャラ・エクストラ一覧 運命を操る程度の能力「レミリア・スカーレット」 運命を操る吸血鬼「レミリア・スカーレット」 紅魔館の主人「レミリア・スカーレット」 紅色の冥界「レミリア・スカーレット」 紅き月の下「博麗 霊夢」 「レミリア・スカーレット」 紅い悪魔「レミリア・スカーレット」 永遠の紅い幼き月「レミリア・スカーレット」 夢幻の紅魔「十六夜 咲夜」 「レミリア・スカーレット」 亡き王女の為の七重奏「レミリア・スカーレット」 ツェペシュの幼き末裔「レミリア・スカーレット」 スカーレット姉妹「レミリア・スカーレット」 「フランドール・スカーレット」 エリュシオンに血の雨「レミリア・スカーレット」 “異変解決”夢幻の紅魔「十六夜 咲夜」 「レミリア・スカーレット」 “異変解決”不夜城レッド「レミリア・スカーレット」 “異変解決”ナイトダンス「レミリア・スカーレット」 Final Stage「霧雨 魔理沙」 「レミリア・スカーレット」 東方紅魔郷 「レミリア・スカーレット」 東方紅魔郷 the Embodiment of Scarlet Devil. ネームが「フランドール・スカーレット」であるキャラ・エクストラ一覧 紅魔館の幽閉姫「フランドール・スカーレット」 破壊する吸血鬼「フランドール・スカーレット」 東方紅魔狂「フランドール・スカーレット」 悪魔の妹「フランドール・スカーレット」 メイド長と妹様「十六夜 咲夜」 「フランドール・スカーレット」 スカーレット姉妹「レミリア・スカーレット」 「フランドール・スカーレット」 クランベリートラップ「フランドール・スカーレット」 ありとあらゆるものを破壊する程度の能力「フランドール・スカーレット」 U.N.オーエンは彼女なのか?「フランドール・スカーレット」 Extra Stage「博麗 霊夢」 「フランドール・スカーレット」 東方紅魔郷 魔法少女達の百年祭「パチュリー・ノーレッジ」 「フランドール・スカーレット」 東方紅魔郷 「フランドール・スカーレット」 東方紅魔郷 the Embodiment of Scarlet Devil.
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ややネチョ注意 ※美鈴によるゆっくり虐待……温めなエピローグ。 ※fuku1007.txtの続きなfuku1136.txtの続きで、fuku1137.txtの別バージョン。 ※18禁版だけだと微妙そうな気がしましたので、全年齢版も。 ※これぐらいなら18禁にならないと思いますが、18禁相当だったら……直します。 ※また、虐待とあまり関係ない美鈴さんの日常生活場面が、冒頭から少々ございます。 ※あと、虐待していない可愛がりシーンもございます。 ※一応ハッピーエンドなので、ゆっくり虐殺を望まれる方には、たぶん温いかと。 ※例の如く、ある意味では美鈴虐め。キャラ性格の俺改変ひどいし。かなり変態だし。 ※当然のように俺設定満載な感じです。 ※特に、ゆっくりの設定は思い切り俺設定です。イメージと違う場合もございますので、 ご注意ください。 「美鈴と森のゆっくり ~後編~ (全年齢版)」 ゼンマイ式目覚まし時計のベルが鳴る。 仕事開始まで、あと一時間を告げるベル。 「……んっ……んーっ……ふぁ~あっ……あふっ……」 藁布団の中から手を伸ばし、美鈴はベルを止めた。 帰ってからの後始末に夜明けまでかかり、あまり眠れなかったが、仕事を休むわけには ゆかない。 眠い目を擦り、頑張って美鈴は起きた。 ──そして身支度を調え、出勤の準備をする。 仕事着に着替え、寝る前にあらかじめ用意しておいた朝食を、味わう間も惜しむように 胃袋へと移動させる。 「さて……よし、5分前ね」 時間を確認し、美鈴は地下への階段を降りた。 「いってきまぁ~す!」 地下室の扉を開け中に向かって出発の挨拶をしてから、美鈴は自宅を出た。 外へ出れば、勤務場所はすぐそこである。 ──今日は二回、合計三本のナイフが刺さった。 「ただいまー!」 仕事を終え美鈴ハウスに帰宅した美鈴は、大声で帰宅の挨拶をする。 屋内に入り、やや進んでから玄関先を振り返って、 「お帰りなさい、美鈴!」 大声で返事を自演した。 どんなに虚しく見える行為であったとしても、今のところ美鈴はこの帰宅時の儀式を止 める気は無い。 しばし寛いでから再び家を出て、中庭を歩いて紅魔館の本館に向かい、夕飯の食材を受 領して来る。 本日受領した食材は、皮むきやカットなどが行われていない収穫したまま、買ったまま の姿を保った野菜と、ウロコ取りやワタ抜きをまだ行っていない丸魚のコイであった。 戻り次第、美鈴は調理に取りかかる。 メインがコイであるため、今日は糖醋鯉魚を作る事にした。漢字で書くと、やたらと大 層な料理に見えるが、単なるコイの甘酢あんかけである。 手際良く調理を終え、素早く食事を済ませた。 食後のお茶を飲みながら、美鈴は鴉天狗が置いて行った、イマイチ内容の信憑性が疑わ しい新聞に目を通す。 「さて、そろそろエサをあげないと……」 卓の上へ無造作に新聞を投げ置き、美鈴は椅子から立ち上がった。 生ゴミ専用のゴミ入れとしている、かつて紹興酒が入っていたカメを手に持って、地下 へと向かう。 急角度の階段を手が塞がっているにも関わらず、美鈴は軽い身のこなしですいすいと降 りる。 元々は中庭の物置小屋だった美鈴ハウスであるが、地上と同じく地下もかつては倉庫と して使われていたため、内装は壁も床も打ちっ放しの粗製コンクリートと言う、シンプル と言うよりも無骨な空間であった。 階段を降りた先は廊下である。左側の壁の真ん中と、つきあたりに扉が一つずつあるだ けの殺風景な廊下には、普段あまり使わない日用品や地下用の掃除用具などが、歩行の邪 魔にならない程度にいくつか置かれている。 美鈴は左側の壁にある扉の前に立った。 木製の頑丈そうな扉には、南京錠が掛けられている。 「あんたたち、ご飯よぉ~」 ノックをしてから鍵を開け──扉を開けた。 そこは広さ六畳ほどの部屋である。 照明は新聞が読める程度の明るさで、壁と床は板張り、奥に隣室への扉がある他は、い くつかの木箱や雑多な物が無秩序に置かれ、部屋の中央付近の床の上には丸い何かが三つ あった。 「ちゃんと言いつけた通りしてるみたいね。えらいえらい」 部屋の中へ一歩足を踏み入れ、足下に手に持ったカメを置いてから、美鈴は扉を閉めた。 再びカメを持ち、部屋の中央にある、三角形の形で向き合うように置かれた人の生首ら しき物に近寄る。 帽子を奪われ、長かった金髪を無造作に半ばで切られ、白く滑らかだった皮肌はところ どころ黒い染みのあるでこぼこ肌となった、ゆっくりまりさが喋っている。 「……まりさはごみくずだぜ。ありすはうそつきだぜ。ぱちゅりーもうそつきだぜ。まり さは……」 ヘアバンドを外され、さらりとしたセミロングの金髪を短く五分刈りにされた、ゆっく りありすが声を出している。 「……ありすはうそつきです。ぱちゅりーもうそつきです。まりさといっしょです。あり すは……」 帽子がところどころ泥などで汚れているものの、他には特に外見上の変容が無い、ゆっ くりぱちゅりーが呟くように言っている。 「……ぱちぇはうそつきです。ありすもうそつきです。まりさとどうれべるです。ぱちぇ は……」 三匹のゆっくりは、延々と同じセリフを繰り返していた。 まるで文化大革命でブルジョワと認定された人たちのように、自己批判の言葉を口にし ている。 「もう今日は終わりでいいわよ。ご飯食べて、ゆっくりしていってね」 向かい合う三匹の中心に、美鈴はカメを覆し中の物をぶちまけた。 野菜の切れ端、コイのはらわたや骨、傷んだ昨日の残り物、害虫の死骸などである。 「……むしゃ、くちゅっ……べちゃっ……むしゃ……」 うつろな目で三匹は淡々と与えられたご飯を食べる。 ご飯と言うよりもエサ、より正確には残飯ですらない生ゴミであるが。 「おいしい? あなたたちのために、野菜はちょっと多めにしてあげたのよ」 本来なら野菜クズは肥料にするのだと、美鈴は恩着せがましく言った。 「お、おい……しいんだぜ……お、おねえさん……あ、あ……あり、がとうだぜ……」 「おい、しい……です……ありが、と……う、ござい、ます……」 「むきゅ……おいしい……わよ……おねえ、さん……あ……ありが、とう……」 あまり美味しくなさそうである。 「ほんとは不味い、食べたくないって思ったでしょ?」 三匹が残さず全て食べ終わるのを見届けてから、優しげな微笑みを浮かべ、美鈴は三匹 に聞いた。 「そ、そんなことはないんだぜ! おいしいんだぜ!」 真っ先にまりさが答えた。強い調子で、おいしいと言った。 「うっ……あ、そ……その……」 ありすは答えにつまり、もじもじと身を捩った。 「むきゅ……しょうじきにいうと、まずかったわ……でも、おねえさんのこういだから… …」 言いづらそうに戸惑いながらも、ゆっちゅりーは正直に答えた。 「そう。まりさはお仕置きね。ウソつき直ってないから。ありすも答えられなかったから お仕置き。ゆっちゅりーは見てなさい」 微笑みを崩さずに美鈴は言うと、まりさの右頬に手を伸ばし、中の餡子ごと皮を一掴み 引きちぎる。 「ゆ゛っ! ゆ゛ぎゃぁぁぁぁっ! い゛だい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 傷口からは餡子がでろでろと漏れ出す。 「お仕置きなんだから、痛いに決まってるでしょ? もう一掴みよ」 そう宣言し、その通りに美鈴は実行した。 「い゛っい゛だい゛ぃぃぃぃぃぃっ! ごめ゛ん゛な゛ざい゛ぃぃっ! うぞづびで…… ごめ゛ん゛な゛ざい゛ぃっ!」 「ゆっくり反省してね。次はありすよ」 痛みに震え涙するまりさから、怯えるありすへ身体を向ける。 「ごっ、ごめんなざいっ! お、お゛ねえざんっ、ごめ゛ん゛な゛ざい゛っ!」 死ぬのは怖くなくても、痛いのは怖くて嫌なようだ。 「謝ったから一回でいいわよ。痛いけど、ゆっくり我慢してね」 まりさにしたのと同じように、ぶちっと美鈴はありすの右頬を一掴み引きちぎった。 「ぎっや゛ぁぁぁぁぁっ! い゛だい゛ぃよ゛ぉぉぉぉっ! あ、あ゛りずがわ゛る゛が ったでう゛ぅっっっっっっ! ごめ゛ん゛な゛ざい゛っっっっっ!」 「あら? 痛くないわ? って言わないの?」 ニタニタとあざ笑うような笑みを美鈴は浮かべている。 「い゛っい゛だい゛でずっ! も゛、もう゛……づよ゛がじま゛ぜん゛っっっ! ずな゛ おじなう゛ぃまずぅぅぅぅぅぅぅっ!」 泣きながら、ありすは叫んだ。 「それじゃ、お仕置き終わり。治療してあげるわ」 びりっと、ありすの無事な左頬の皮を、餡子が見えない程度に薄く剥がす。 「い゛ぎっ! い゛っい゛だい゛ぃぃぃぃぃぃっ! や゛べでぇぇぇぇぇぇっ!」 昨夜見せつけられた、全身の皮を切り剥ぐ凌遅刑を思い出し、ありすは取り乱した。 「あらあら、外科手術に痛みはつきものよ。麻酔なんか無いんだし」 くすくすと笑いながら、美鈴は剥がした皮をありすの傷口に被せ、手で押さえる。 「むんっ……ほーっ、はぁーっ……ホァァァッ!」 いちいち大げさなかけ声とともに、手から気を放つ。 気功による治療である。いわゆる外気功施術である。 「ふぅ……私も病院開いてみようかしら? 門の前で門番しながら施術する、青空気功医 院とか」 額に浮いた汗を手で拭いながら、ゆっちゅりーに向かって呟いた。 「むきゅ! えいえんていとはちりょうないようがちがうから、きょうごうはしないとお もうわ。ためしてみるのもいいとおもうわ」 「あなた本当に色々知ってるわね……今はいいいけど、そのうちあんたらの過去も喋って 貰うわよ」 喋らないなら拷問も辞せず──と言外に匂わせて言った。 その後、美鈴は同様の治療をまりさにも施す。 傷の数が一つ多いため、まりさはありすよりも一回多く麻酔無し外科手術の苦痛を味わ った。 ──本当は気の力によって痛みを与えず治療する事も、美鈴には可能である。 「じゃ、寝るまで自由時間で良いわよ。遊んだり、お喋りしたりして、ゆっくりしていっ てね」 美鈴は三匹の頭を順番に優しく撫でてやってから言った。 「ゆっくりしていってね!」 異口同音に応える三匹。 しかし、特に遊び道具もないこの部屋では、遊ぼうにも遊べず、ただその辺りで何もせ ずだらだら過ごす他ない。 会話しようにも、ありすとゆっちゅりーはまりさとは話したくないが、二匹だけで話し ていると「仲間外れにしている」と、美鈴に難癖を付けられかねない。 何もする事が無く、無言で、本当にただゆっくりそこに居るのが、今のこの三匹に許さ れた自由時間である。 次に美鈴は部屋の隅に置かれた、長方形の木箱に近寄った。 先ほどのお仕置きで引きちぎった、まりさとありすの破片を手に持って。 「どこまで再生してるかなぁ~っと」 鍵を開け、木箱の蓋を持ち上げた。 「う~……うっ! おっ、おべえざんっ! れみぃをだじでほしいんだどぉぅっ!」 箱の中には、ゆっくりれみりゃが横たわっていた。 れみりゃは帽子だけを残し他の着衣は脱ぎ剥がされ、そのお腹ぽっこりな幼児体型を露 わにし、両足を麻縄でぐるぐる巻きに縛られて、大量のボロ布に埋まるように寝かされて いた。 「首はしっかり繋がったみたいですね……腕もほぼ再生してます。さすがですね。お強い ですよ」 頬を膨らませて怒るれみりゃを無視し、再生の具合を美鈴は確かめた。 腕はまだ動かせず、感覚もほとんど無いようだが、しっかりと新しく生えている。 「うぅ~っ? そ、そおだどぉぅ~! れみぃはつよいんだどぉぅ~っ! うっうー♪」 一度に多くの事を考えられないれみりゃは、褒められた事で気分を良くし、たちまち上 機嫌である。 「ふふふっ、へちゃむくれなお顔もブサ可愛いですよ」 美鈴の美的センスは──ストライクゾーンが幅広い。 「うっうー♪ れみぃはかわいいんだどぉぅ~っ! にぱー☆」 褒め言葉と言うにはかなり微妙な表現であったが、可愛いと言う単語に反応して、大喜 びで可愛らしく笑った。 無論、れみりゃの主観での「可愛らしく」であるが。 「あらあら、ただでさえ殴られた顔面神経痛の子豚ちゃんみたいな滑稽ヅラなのに、そん な笑うとますますブサキモ可愛いですよ」 どう聞いても悪口にしか聞こえないが、美鈴は本当に可愛いと思っている。 「うっうー♪ うぅっへっへっへ~っ♪ かわいいれみぃを、もっともぉっとほめてほじ いんだどぉぅ~っ♪」 難しい言い回しがわからないれみりゃは、また可愛いと言われたので、さらに嬉しくな る。 自由を奪われ閉じこめられていた事に対しての怒りは、すでにもう頭の隅の方へ追いや られていた。 ──およそ30分ほど、美鈴が褒めれみりゃが喜ぶと言う、甘いやりとりが繰り返される。 その間、耳をふさげないため強制的に聞かされている、まりさ、ありす、ゆっちゅりー の三匹は、なんとも言えないいたたまれない気分に苛まれ続ける。 だが、止めて欲しいとは言えなかった。 言ったら、確実に肉体的にも精神的にも、もっと辛い事態になると思ったので。 三匹は無言で、ひたすら耐えた。 まったくもって、ゆっくりできない。 「ああ、そうだ! 可愛い豚お嬢様に、美味しいご飯をお持ちしました」 褒める事でれみりゃが見せる、喜んだり、微笑んだり、照れたり、無意識な色目を使っ たりする反応が楽しく、まりさたちの破片を与える事を美鈴はすっかり忘れていた。 「うっ! うっう~っ! ごはーん! おいじいごはーん、たべたいどぉぅ~っ♪ あぁ ~んっ!」 手が使えないので、れみりゃは口を大きく開き、媚びるような上目遣いで美鈴を見つめ た。 「はい、おいしくいただいてくださいね」 引きちぎってからやや長く時間が経過したため、ちょっと乾燥してしまった、まりさの 破片を優しく口に入れてやる。 「むぅ~……ぱさぱさしてるどぉぅ~っ! おいしくないどぉぅ~っ!」 ぺっ、しようと口をすぼめた瞬間、れみりゃは口を塞がれた。 美鈴の唇で。 「むぐぅっ! むぅっ~ぅぅぅっ! んぐ~ぅっ! んぐっ!」 吐こうとしても美鈴の舌が押し戻してくるため、仕方なくれみりゃは飲み下した。 「ぷはっ、好き嫌いはいけませんよ!」 強い視線でキッと睨むように眼を見て言った。 「う゛ぅぅぅっ! やっだぁ~っ! おいじいのだべだいどぉぅ~っ! う゛っぷーっ!」 言葉で叱られた程度で、素直に言う事をきくわけもなかった。 だが美鈴は肉体言語によって身体に言い聞かせたりはせず、 「しょうがないですね。これのなにがいやなんですか? 甘いですよ」 言葉での躾を続行する。 「う~っ……? ぱさぱさいやだどぉぅ~っ! れみぃは、ぷっでぃんっ! ぷっでぃん ったべたいどぉぅ~っ!」 野生であったにも関わらず、このれみりゃはプリンを求めた。 本能にインプットされている食物なのである。れみりゃにとっての「ぷっでぃん」は。 「ぷっでぃんもサラディンもサーディンもありません! ゆっくりで我慢なさい!」 「やっどぅ~っ! れみぃはぷっでぃーんたっべるっどぉぅ! ぷっでぃんっ! ぷっで ぃ~んっ!」 いっそ清々しいまでに、聞き分けのない駄々っ子そのものの姿である。 「もぅ……じゃあ、ぱさぱさしなくして、さしあげますよ!」 まりさの破片を美鈴は自らの口に入れた。 くちゅくちゅと音を立てて、たっぷりの唾液と噛み合わせる。 そして先ほど行ったのと同じように、己の唇をれみりゃの唇に重ねた。 「うっう~っ? ……んっう゛っっ!」 皮と餡子と唾液を噛み砕き混ぜる事によって、甘い粘液と化したまりさの欠片だった物 を、美鈴はれみりゃの口内に流し込む。 閉じようとする口を、手であごを掴んでこじ開け、舌を使って奥へと流し入れる。 「む゛う゛ぅっ! んんっん゛~っむ゛っ……ん゛っんぐっ! う゛ぐっ!」 れみりゃも舌で押し返そうとするが、美鈴の力にはかなわず飲み込まされた。 「んっ……ん゛んっ……んーっ!」 口に含んだ物を全て嚥下させた後も、れみりゃの唇を離さず、そのまま舌で舌を絡め取 る、濃厚なディープキスを行った。 「ん゛っ! む゛っ、ん゛う゛~っ……んんーっ!」 ──べろやわらかくて、あまくって、きもちいいどぉぅ~……なんだどぉぅ、これ……。 最初は抵抗したれみりゃだったが、やがて徐々に力を抜き、美鈴のなすがままとなる。 美鈴は好きなようにれみりゃの口腔内を舌で蹂躙してから、ようやく唇を離す。 「んっ……ぷっはぁ! どうです? 美味しかったでしょう?」 口元から垂らした、光を反射し銀色にきらめく唾液の糸を手で拭いながら言った。 「……うっ、う……っ、うぅ~っ……お、おいじがっだ、どぉぅ~っ……う~」 頬を赤く染め、とろんとした眼でれみりゃは言い、力なく半開きになった口の端から涎 を垂らす。 「あらあら、こぼしちゃだめですよ」 顔を寄せ、ぺろっとれみりゃの涎を舐め取った。 「さ、次はカスタード味ですよ……あぁ~んして、ゆっくりお待ち下さい」 「うーっ……あっ、あ゛ぁぁ~んっ……」 相手の身体を損壊するような暴力は一切用いず、れみりゃに言う事を聞かせる事に、彼 女は成功した。 余人には、あまり真似の出来ない──したいと思う人が少なそうな方法で。 この食事の光景を、放置されている三匹のゆっくりは、うんざりした眼で眺めていた。 する事もなく、会話も出来ず、何の娯楽も無い以上、少しでも楽しくなれるかと思って、 期待して見ていたのだが、見事にその期待は裏切られたのである。 「むきゅ……きがはれない、わね……」 ゆっちゅりーが口を開いた。 「そ、そうね……」 ありすが短く相づちを打った。 「…………ゅ……」 まりさは、喋りたそうな目で二匹を見て口を開き掛けたが、結局何も言わなかった。 他の二匹もまりさを無視し、またそれ以上言葉を発する事もなく、再び三匹の上には沈 黙が訪れる。 気が晴れない、気が晴れるはずもなく、ただ黙ってそこに居るだけの時間が流れて行く。 「はぁ……豚お嬢様は、本当になんてブサキモ可愛いんでしょう……もう、我慢できませ ん!」 口移しでの食事を終えてから、また褒める、喜ぶのを見る、褒めるを繰り返していた美 鈴は、そう言ってれみりゃを箱の中から抱き起こした。 「う~っ? うっうー! だっこぉぅ~♪ うっしゃっしゃっ♪」 横抱きに、いわゆるお姫様抱っこの体勢で抱きかかえられ、れみりゃは遊んで貰えると 思い、楽しそうに笑った。 「抱っこお好きですか、豚お嬢様? それなら、これからする事は、きっとお気に召しま すよ」 取り出したのとは別の、近くにある手頃な大きさの木箱の上に、れみりゃの身体を俯せ に寝かせる。 サイズの関係で、れみりゃの腰から下は箱の縁からはみ出し、だらんと側面に沿い床に 向かって垂らされる格好となった。 「うっー? うっうー!? かだぁいどぉぅーっ! だっこがいいどぉう~っ!」 布団が敷かれているわけもなく、木箱へ直に寝かされたため、その硬質な寝心地に不満 の声を上げる。 「はいはい、終わったらまた抱っこしてあげますよ」 宥めるように言いながら、美鈴はれみりゃの身体の位置を調節する。 床にしっかりとれみりゃの足裏がつくように。 腰を90度に曲げる深いお辞儀をさせられているような体勢だ。 上半身を受け止める木箱の支えがなかったら、長時間とり続けるのは困難と言うか、身 体と比べて頭が大きなれみりゃでは、バランスを崩し確実に転倒するであろう。 「うーっ! やぁ~っ! やだぁっ~っ! れみぃはゆっぐじじだいどぉぅーっ!」 手と腕が動かせれば、ぶんぶん動かして不満の意を存分に表明したであろうが、生憎と 再生はしたものの腕はまだ動かない。 代わりにれみりゃは、麻縄で縛られ一本の太い足となった両足で木箱を蹴る。 「ふふふっ、豚お嬢様ったら可愛いお尻そんなにぷるぷるさせて……おねだりですね、わ かりました」 そして、美鈴はれみりゃに性的虐待を行ったのである──。 肛門を凌辱しながら、腕をもぎ、羽を引き千切って食らった。 犯しながら首に噛みつき、首の部分を食らう事で頭部と胴体を切断した。 その後、もぎ取った左腕を、れみりゃの肛門に刺し入れた。 散々にれみりゃに性的虐待を行ってから、 「それじゃ、ちゃんと繋げてあげますよ。胴体に腕を」 美鈴はそう言うと、今度は本当に引きちぎった腕を繋げにかかる。 切断面を合わせ両手で覆い、気の力で再生力を促進させる。 「ほら、しっかり繋がりましたよ! って、そっちに頭向けてたら見えませんでしたね、 うっかりしてました。あははははっ!」 れみりゃヘッドを持ち上げて、腕がしっかりと胴体に繋がっているのを見せる。 「よくご覧下さいな。完璧でしょう? ねぇ、豚お嬢様」 「う゛ぅ…………あ゛、あ゛じがどだどぉぅ…………」 あまり言いたくは無かったが、言わないと酷い目を見そうな気がしたので、れみりゃは 躊躇いながらも礼の言葉を発した。 「あはっだいぶ素直になりましたね。豚お嬢様。ほーら、良い子、良い子」 頭を優しく撫でてやる。 「うっうー! う~っ……うー……」 褒められて、撫でられて嬉しい気分になったが、今までされた事と現在の首と胴が離れ ている状況を思い、途端に悲しい気持ちになった。 「おや……? なるほど、少しは賢くなったようですね……ふふふっ」 どんな状態でも褒めれば上機嫌になると思っていた美鈴は、少しだけ認識を改めた。 「では、そろそろ首も身体に戻して差し上げますね!」 「うっうー! ほ、ほんどぉっ? ぼん゛とにぃっ?」 「はい。美鈴は豚お嬢様が大好きなんですから。だから、こうして遊んで差し上げたので すよ。遊び終わったら、ちゃんと治して差し上げるのです」 言ってから、美鈴はれみりゃの唇に己の唇を重ねた。 舌を絡めるような激しいものではない、優しいキスをする。 「繋げますから、ちょっと待っててくださいね」 唇を離し、床の上にれみりゃヘッドを置くと、れみりゃボディに近寄った。 両足をまとめて縛っている麻縄をほどいてから、ボディを抱きかかえ、木箱の上に座ら せる。 「うっうー!」 どうやら本当に繋げてくれるらしいとわかり、れみりゃは少し機嫌を直した。 「そう言えば私が首は食べちゃったんですよね。まぁ、くっつけて気を送れば大丈夫かな」 呟きながら、れみりゃヘッドを、れみりゃボディの首があった位置に置く。 「……では、行きますよ……ホァァァッ……」 ただでさえバランスの悪い頭部が落ちないように片手で支えながら、もう片方の手を首 筋になるであろう辺りに伸ばし、美鈴は気を送り込む。 「フォァァァッ……さて、どうかな……おおっ!」 食べてしまった首の分の外皮と中身もちゃんと再生したようで、れみりゃヘッドは見事 に胴体と繋がった。 「具合はどうですか? 豚お嬢様?」 「う゛っー……!? う゛ぁぁぁぁぁっ! い゛だっい゛だい゛どぉぅぅぅぅぅっ! おっ お゛ぢり゛ぃっ! れ゛みぃお゛ぢりぃい゛だぁぁぁぁぁい゛っ!」 頭部と胴体は無事に繋がり、美鈴に食べられた首の部分も再生したが、強烈な虐待を受 け破壊された肛門は、まだ再生されていなかった。 「お尻……? あぁなるほど! あははははっ、そりゃそうですよねぇ、あんなにボロボ ロになってたんですからっ!」 座っていた木箱から転げ落ち、床の上をのたうち回るれみりゃを、心底おかしそうに指 さして笑う。 ひとしきり爆笑してから、美鈴は転がるれみりゃに歩み寄り、 「ほらほら、お嬢様、抱っこして差し上げますよぉ、可愛い可愛い」 優しく抱き上げ、あやす。 「う゛ぁぁぁぁんっ! ぐじゅっ、ずびゅっ……お゛ぢりぃ、れう゛ぃのおぢり゛ぃ、ご わ゛れ゛ぢゃっだぁぁぁぁっ! う゛ぇぇぇぇぇん゛っっっ!」 「あぁ、もう……そんなに情けなく泣くなんて……可愛いすぎますよ……よしよし」 ぐずぐずと泣き続けるれみりゃを抱いたまま、美鈴は奥の部屋に続く扉に向けて歩き出 した。 「ふふっ、しばらく休めばすぐ治りますよぅ。お嬢様は、お強いんですからね」 美鈴は扉を開けて、隣の部屋へと入って行った。 その部屋は四畳半ほどの広さで、床には赤い絨毯が敷かれ、壁には赤い壁紙が貼られて いた。 家具や調度品は、小粋なテーブルと二脚の椅子、それとダブルサイズのベッド──美鈴 が毎日の夢の床としている藁布団&木製寝台よりも、はるかに寝心地が良さそうな普通の ベッドである。 「お目覚めでしたか、お嬢様? これから暮らすお友達ですよぅ、仲良くしてくださいね」 室内には先客が居た。 ベッドの端に腰掛けている、一人の少女が。 「うっうー♪ おっともだっちぃだどぉぅ~♪ れみぃのおともだちぃ♪ う~、なかよ ぐずるどぉぅ~」 美鈴が抱っこしているのと良く似た、ほぼうり二つの少女──ゆっくりれみりゃは嬉し そうに笑った。 「う゛ぁっ!? れ、れう゛ぃ? う゛ぁっう~っ……」 れみりゃは、地下室のれみりゃを見た。 自分と同じように帽子だけを残して全裸にされ、この部屋に住まわされている同族を。 「うっうー♪ れみぃだどぉぅ~♪ いっしょにあそぶんだどぉぅ~っ♪」 その同族はベッドから床に飛び降り、きゃっきゃっとはしゃいでいる。 鏡に映したように良く似ているが、地下室のれみりゃは首輪をつけていた。 そして、なだらかな丘にすらなっていない平たい胸の、淡い桜色に色付いた突起には、 ピアスがついている。 「う~っ? れみぃ? おむね、どしたんだどぉぅ~?」 ずきずきじくじくとする肛門の痛みに耐えながら、れみりゃは聞いた。 「うっうー♪ おしゃれだどぉぅ~♪ めーりんにつけてもらったんだどぉぅ~♪」 「ふふふっ、つけた時はあんなに嫌がって泣いていらっしゃったのに、もうすっかりピア スがお気に召したみたいですね」 自慢するように胸を張る地下室のれみりゃを見て、くすくすと美鈴は笑い、 「さぁ、ここが今日からあなたのおうちですよ。可愛く良い子にしていてくださいね」 ベッドの上に抱いていたれみりゃを横たえた。 「う~? おうち? ここ?」 「はい。森で約束したじゃないですか。おうちとご飯と遊び。ここがおうちで、さっきの が遊びですよ……ああ、ご飯はちゃんとしたのを後ほどお持ちします」 ほとんど忘れていたが、確かにこの人間がそう約束したのを、れみりゃは思い出した。 「うーっ! や、やぐぞく……ちがうんだどぉぅ~っ! ゆ、ゆっくりできないんだどぉ ぅ~っ! たのしくないんだどぉぅ~っ!」 ──こんなところいやだ! あんなあそびはもうやだ! もりにかえりたい! そう思いながら抗議した。 「住めば都ですよ。このお嬢様みたいに、慣れればゆっくりできますし、楽しくもなりま すからね……それじゃ、お二人とも仲良くお待ち下さい」 全く取り合わず、美鈴は部屋から出た。 「う゛ぁっーっ! う゛ぁあ゛ぉぉぉあ゛ぁぁん゛っ!」 れみりゃはベッドに突っ伏して泣いた。 もう二度と森には帰れない、きっとこれからは毎日あんな風に虐められて、痛めつけら れるんだろうと思うと、怖くて、悲しくて、悔しくてたまらなかった。 「うっうー……れみぃ、ながない゛でぇっ! いだい゛の? ど、どっがいたい゛んだど ぉぅ~っ?」 号泣するれみりゃに、おろおろしながら地下室のれみりゃが話しかけた。 「う゛ぁぁぁぁん゛っ! う゛ぁっ……ぐじゅ、う゛ぃぇぇぇぇん゛っ!」 そんな事では泣きやまなかった。 「うっ~……ながない゛でぇ~……おぉぅっ! そうかだどぉぅ~っ♪」 ある事に気付き、ぽんと手を打ち合わせから行動に移す。 「ぐじゅっ! う゛ぁぁぁん゛っ! ひっぐ……う゛!? う~っ?」 臀部と肛門に湿った温かな感触を感じる。 首をかしげて見てみると、地下室のれみりゃがお尻に顔を埋めていた。 「う゛ぁっ! い゛や゛ぁぁぁぁっ! お゛、お゛ぢりぃっも゛お゛や゛べでぇぇぇぇぇ ぇぇっ! う゛ぁぁぁぁぁっ!」 また、さっきのように犯されるのかと、今度はしかも同族にされるのかと思い、れみり ゃは取り乱した。 「うっうー! らいじょうぶだどぉぅ~! なめ゛ればな゛おるんだどぉぅ~っ!」 顔を上げ、安心させるように微笑んだ。 確かに舐められると痛みが和らぐ。 「……う~っ……はずがぢぃどぉぅ~っ……」 この同族が好意でしてくれているのはわかったが、そんなところを、酷い目に遭わされ てきっと可愛くない形になっているであろう部位を、見られるのは恥ずかしい。 「すぐなお゛るどぉぅ~っ♪ 」 慰めるように言い、再び顔をお尻に埋める。 当然の事だが、舐めながら喋る事は出来ないため、地下室のれみりゃは沈黙した。 室内に響くのは、ぺろぺろぴちゃぴちゃとお尻を舐める水音と、痛みと心地良さの混ざ ったれみりゃの小さな呻きだけとなる。 「……うーっ……ん゛…………れみぃいつからここいるどぉぅ~?」 沈黙に耐えかねたのか、れみりゃが口を開く。 「う゛~……わがん゛ない゛どぉぅ~……」 今度は顔を上げずに言った。 れみりゃの臀丘の感触が気に入ったのか、地下室のれみりゃは頬ずりをして、 「でもぉ、めーり゛んはやざじい゛どぉぅ~。れみぃかわ゛いがっでぐれ゛るどぉぅ~」 と続けてから、舌で肛門を治療する作業に戻る。 「……ぞ、ぞう……う゛~……や゛ざじぃの゛かぁ~……ん゛~」 あんな目にあった直後なので、今ひとつ納得できなかった。 だが、少なくともこの同族は大事にされているようだ……自分も大事にして貰えるのか も知れない。 考えていると眠くなってきたので、れみりゃは静かに瞼を閉じた。 このれみりゃも確かに大事にはして貰えるであろう──美鈴なりの方法で。 続く このSSに感想を付ける
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ゆっくりゲットだぜ!!7(こうまかんの嵐) 俺設定、れみりゃの捕食設定が条件次第ではありです。代表は、主人公のゆっくりのれみぃと届け物のだめりゃ 原作キャラが登場します。 俺設定満載です それでよければどうぞ読んでください 【あらすじ】 紅魔館のれみりゃを返しに旅に出た主人公 旅のお供は、 2つのてっぺんがある帽子をかぶり短い手足と狐のような9本の尻尾と耳をはやしたゆっくりらん(75cm胴体付き) 緑色の帽子とネコミミと茶色の髪の毛と2本の尻尾が生えたソフトボールぐらいのゆっくりちぇん 背中には黒い小さな悪魔のような羽をもつゆっくりれみりゃ(胴体付き)75cmと1メートル2匹 美しい短い金色の髪、紅い瞳、白い肌、頭に赤いリボンをつけた肉まんぐらいのるーみあ それに案内をしてくれたゆっくりちるのとゆっくりだいちゃんだ。 紅魔館に到着すると咲夜という女性に『こうまかん』と呼ばれる場所に案内されることになった そして、咲夜という女性に御礼をしたいといわれた主人公の答えとは 私の望みなど決まっている…自分の探究心をうめることだ 「こうまかんと紅魔館を見学させてください」 「あら、それだけでいいの?」 「あと、私たち全員の命の保障をお願いします」 「わかりました…主の命令が無い限り保障をします」 主の命令がない限りという言葉が引っかかったが、どうやら見学できるようだ。 最初にこうまかんの案内をしてくれることになったので場所ごとに数字を振って説明する 1.正面入り口の門 最初に案内されたのは先ほど通った入り口の門だった。 「じゃお♪」 先ほどまで一緒に遊んでいためーりんが足にすりすりしてきた その様子をみた咲夜さんが何か考えているようだが気にしなかった。 「ここが玄関よ。門番としてゆっくりめーりんを配置してるわ!」 「じゃぉおおん!!」 咲夜さんの言葉に返事をするようにめーりんが大きな返事をした。 この穏和な性格で門番などできるのだろうかと質問をすると 咲夜さんは、普段は穏和な性格だがその一方で侵入者に対しては容赦がないと答えた 私に撫でてくれるようにせがむめーりんをみてると信じられないと感じた。 私はとりあずめーりんの頭を撫でた「じゃお♪」といって喜んでくれた 2.こうまかんの庭 次に案内されたのは先ほどの学校の教室2個分ほどの庭だった。 壁の回りには花壇があるがこの時期に咲く花はないのかパンジーやチューリップの蕾がある。 それと先ほどまで休んでいた日傘付きのテーブルがおいてある。 気付かなかったが赤い道が玄関から門に対して一直線に引かれている。 私も園芸の趣味があるので誰がやったのかを聞こうとしたその時だった。 「じゃぉおおん!!」 玄関にいためーりんがどこかから持ってきたバケツに入った水を花壇にむけてまき始めた そして、花壇の雑草を抜き始めた…どうやら彼女が庭師をかねているようだ。 質問がないようなら次に行きましょうかと私たちは庭を後にした 3.正面玄関の広間 「ここが正面玄関よ」 玄関のドアを開けると目の前に階段がある大広間だった。 まるで、バイオハザー○の洋館の玄関をそのまま小さくしたような形だった 違いは階段の裏側に地下へと続く階段があることと階段裏にも扉があることだった。 「うんうんわかるよー! おにいさんのいえよりおおきいんだよ!」 ちぇんに突っ込まれなくてもこの部屋だけで私の家と同じくらいの大きさはあるかもしれない。 待て、確かにこの館は広かったが、玄関がここまで大きいとは思えない。 いったいどうなってるのだと考えると好奇心がわいてきた。 咲夜さんのに聞いてみるとここの内部は彼女の能力によって拡げられていると答えられた。 なるほど、彼女は時間を操る能力を持っているがゆえに、空間も操ることができるらしいというのは本当のようだ。 私は先ほど彼女に対して口答えしたのがどれだけ命がけのことだったのかと体が震えるのを感じた。 そんな私を無視して次の部屋に案内すると言った。 「ゆっくしていってくださいですわ!! では次に部屋に案内するですわ」 口調が変わっている気がするとそちらをみるといつの間にかゆっくりに変わっていた。 大きさは成体のバスケットボールぐらい。銀髪にカチューシャと緑のリボンをつけたお洒落なメイドさんのゆっくりがいた。 らんに聞いてみると咲夜さんは用事があるからと席をはずしたそうだ。 その時にこのゆっくりさくやを置いていったそうである。 4.だいとしょかん 次に案内されたのは風通しが悪く日当たりもないので、かび臭い地下室だった。 ゆっくりさくやがランプに火をともすと部屋全体の様子が見えてきた。 周りにあるのは本棚のようだ。ふと一冊の本を取り出してみた。 「むきゅーん。ご本をもってかないでー」 声のほうを見ると紫色の長髪に紫色の瞳にピンクの服、ピンクの帽子に月の飾りをつけた少女がいた。 どこかでみたことがある気がする…むきゅんと言う声、ピンクの洋服に紫の髪 そうだぱちぇにそっくりなのだ。 「ぱちゅりー様、この方達はお客様ですわ。私がご案内してますわ」 さくやがそう答えるとぱちゅりーと呼ばれた少女は、手に持っていた本を読み始めた 何を読んでるのかと思い私は自分の持っている本を開いてみた。 私が持っていた本は絵本だった。それも写真のついた外の世界のもののようだ。 驚いて手当たり次第に本を開いていくと絵本からライトノベルなどの小説がおいてあった。 「こぁ、本を散らかさないでください!!」 赤いロングヘアーに頭に黒い小さな悪魔の羽、背中にも小さな羽根が生えた少女がいた。 この子も家で留守番をしているゆっくりこぁにそっくりだ 「こぁ!! こちらはお客様ですわ!! 失礼なことを言わないのですわ!!」 「いや、本を散らかしたのはこちらが悪かった。今、付けるよ」 私は手に持っていた絵本やライトノベルなどを元の場所に戻していった。 彼女達は誰なのかをゆっくりさくやに質問をした 「はい、ゆっくりぱちゅりー様とゆっくりこあくまですわ」 どうやら胴体つきのゆっくりぱちゅりーとゆっくりこあくまらしい。 本よりも彼女達に興味のわいた私は彼女たちの様子をみたいとゆっくりさくやに頼んだ。 その間、ゆっくり達にはらんに絵本を読んでもらうように頼んだ。 ぱちゅりーは、薀蓄話しが好きなようで本を読みながら色々と後ろに立っているこぁにはなしかけた。 それにこぁは、ニコニコしながら相槌を打っている。 胴体がついてる事以外は家の2匹と変わらないのかと思いながら興味深くみていた。 そんなことを繰り返してる2匹をみているとゆっくりさくやはが話しかけた。 「次の場所に行かないと時間がなくなるのですわ」 「ああ、すまなかった。」 私はさくやにそう答えるとゆっくりらんたちに出発するぞと伝えた。 らんは小学生低学年用の本を読んでる途中だった。 ゆっくり達が本の内容を気になっていたので私が今度を話してあげるよといった。 本の題名は『ごんぎつね』だったので内容を話せる自身があった。 5.食堂 その後、色々な部屋を案内された私達は最終的に横に3人、縦に10人掛けのテーブルのある食堂に案内された。 反対側の3人掛けのイスにはよっく知ってるゆっくりと少女が1人座っていた。 中央のイスには七色に光る特徴的な形状の翼を持ち、髪は薄い黄色をしているれみりゃにそっくりな少女が座っている その左右のイスには、恐竜のような服を着た胴体つきれみりゃ種(たぶんだめりゃ)とれみぃが横のイスに座っていた その周りをソフトボールぐらい胴体無しのれみりゃ種の子供とふらん(?)種の子供たちが10匹ずつ飛んでいた。 そして、10人掛けのところには胴体無しのれみりゃが9匹、ふらん(?)が10匹ずつ座っていた 「とりあえずお食事の時間までここでお待ちくださいですわ!」 そういうとゆっくりさくやはどこかにいってしまった。 …生きた心地がしないのだろうか通常種のゆっくり達の顔が青くなっている。 私とらんはいつでも逃げれるようにしていたがれみぃが近づいてきたので心配をといた 「なんのようだい。れみぃ?」 「大丈夫なんだどぉー ふらんまんまぁーや姉妹達はゆっくりを食べた事ないんだどぉー」 「どういうことなんだい?」 れみぃの話しを要約してみた。 他の動物と同じようにゆっくりは自分が幼少時に食べた物を自分の食料と覚える。 例えば、猫だが日本では魚が好きだという印象が強いかもしれない。 だが、欧米では猫は肉食であり魚よりも牛・豚・鳥などの肉類を食べる印象が強いそうだ。 実際に猫が自分の食べ物と覚えるのは幼児期に食べたものだけという実験も行われたことがあるらしい。 それと同じように咲夜さんのお菓子しか食べたことの無いこの場所の捕食種はゆっくりを食べ物とは感じないらしい。 れみぃの回想録でもゆっくりを最初は食べるものと自覚できなかったと話していたことを思い出した 自分やれみりゃまんまぁーは…とつらそうに話そうとした時にギューとれみぃを抱きしめた 「君は、ぱちぇやこぁの自慢の娘で私たちの大切な家族だよ」 「飼い主さん…ありがとうなんだどぉー」 私は彼女の過去を知ってるがそれがどうした。 今は家族の一員として楽しく暮らしているのだからそれでいいではないか。 その時、怪獣姿のれみりゃを引きずりながら胴付きのふらんがやってきた 「うー、赤ちゃんから話し聞いた。お姉さまが迷惑かけた。謝る。ごめんなさい」 「れみりゃはわるいことやってないんだどぉー」 ボカン(ふらんがれみりゃを叩く音) 「やめるんだどぉー!ぼうりょくはんたいだどぉー!」 ボカン(ふらんがれみりゃを叩く音) 「うー、いいからちぇんとこの人に謝る」 ボカン(ふらんがれみりゃを叩く音) 「わかったんどぉー。あやまるんだどぉー。ごめんなさいんだどぉー」 その様子をみていると自然と笑いが出てきた。 他のゆっくり達も同じようだったのか顔に笑みを浮かべた それを見ていたふらんが声を上げた 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 と40匹近いゆっくり達の「ゆっくりしていってね!!!」の大合唱が始まった。 そこには捕食種も通常種も関係ないゆっくりとした空間だった。 それを影から見ていた咲夜さんとゆっくりさくやが泣いていた。 「れみりゃ様、ふらん様、あんなご立派になられて」 「おぜうさま、妹様、あんなご立派になられて」 れみりゃのダンスを見たり。胴なしれみりゃの『いないいないばー』をみたりして大騒ぎをした 私は、ゆっくり達に今日の旅の内容や自分達のことをそれぞれ話したりした。 何十分か経つと咲夜さんが食事を持ってきてくれた。 それはここにいるゆっくりと私の分のプリンだった。 「えーとこれは何でしょうか?咲夜さん」 「私の特製プリンです。足りなければお代わりしてください。何か文句でも?」 「・・・いえ、何でもありません」 右太もも当たりに持っているナイフを見て私は何もいえなくなった。 確かにプリンは美味しいが私には全く足りなかったのでお代わりしまくった。 あとでレシピを貰って家で作ってみようと考えた。 そして夜が深まり妖怪が出る前に私たちは家に帰る事にした。 紅魔館見学は…本当の主が怖いので取りやめにした。 のちに見学をしたがそれはまたの機会にでも話したい。 「うー! またおチビちゃんを連れてくる。」 「うー♪ おじさん。またくるんだどぉー」 「「「「「「うー♪ うー♪」」」」」 れみりゃとふらん達が館の外に出て私を見送ってくれた・・・彼女達の後ろの丸い物体はなんだ? 彼女達の後ろには10匹以上のゆっくりさくやがいたのだ。 その中の一匹が出てきた…大きさはトマトくらいの子ゆっくりだ。 「ゆっくしていってくださいですわ!!」 「ゆっくりしていってね!! さくやは私に何の用だい?」 「はい、さくやをれみぃ様のメイドとして連れて行って欲しいのですわ」 「私は構わないが・・・れみぃや君の母親はどういっているんだい?」 「れみぃ様も母にも了承していただいたのですわ」 「なら構わないよ。ゆっくりしていってね。さくや」 「ゆっくしていってくださいですわ!!」 あとで聞いたのだが彼女はれみぃ専門のゆっくりさくやの子供だった。 母親もついてきたがったが自分担当の子れみりゃと子ふらんがいるので娘を修業に意味もこめて出したそうだ 『お洒落なメイドさんのゆっくりゲットだぜ!!』と心の中でつぶやいた 私は見送ってくれているれみりゃとふらんたちに手を振りながらこうまかんをでた。 霧の湖をわたる時は咲夜さんと妖精のメイドさんに湖の上空を渡してもらった。 今回は水の中に入ることはなかったので一安心だ。 湖を渡った私は咲夜さんと妖精のメイドさんにお礼を言った。 「本日は、色々とありがとうございました。また機会があればお伺いします」 「さくや! ばいばいなんだどぉー !」 「れみぃ様。いつでもこうまかんに来てくださいね」 そういいながら咲夜さんはれみぃのことをギューと抱きしめてくれた 言い忘れていたがれみぃはこうまかんに残らずに我が家に来るそうだ。 生みの親より育ての親というわけではないがぱちぇとこぁのそばにいることを彼女が望んだのだ 「それでは失礼いたします。みんな我が家に帰ろうか」 「「「ゆっくり理解したよ」」」 れみぃから手を離すときに私の耳元さくやさんの囁きがが聞こえた。 「あなたには私と同じにおいがする」 ゆっくりの愛好家としての言葉だったのだろうかそれとも… その意味することがわかるのには時間がかかることになった。 私はその言葉の意味を模索しながら家路についた。 ちぇんは疲れたのだろうらんに抱っこしてもらいながら「らんしゃま」と寝言を言っている れみぃはとさくやは互いに「さくや♪さくや♪」「おぜうさま♪おぜうさま♪」と話している るーみあはくたびれたのだろう私の頭の上で「たのしかったのだー」といいながら眠ってる ちるの達は今日の冒険についてみんなに話すのが楽しみだと騒いでいる その様子をだいちゃんは静かに見守っている。 途中でちるのとだいちゃんは自分達の家にに帰るといってわかれた。 また遊びにいくから覚悟しなさいという言葉はなんだったのだろうか? あんな楽しいやつらならいつでも歓迎だ。 るーみあは私の元で修業したいからと残っている 「りっぱになっておかあさんたちのじまんのこどもになるのだー」 と意気込んでいたのでこぁやれみぃに飛び方や狩りのやり方を教えさせるつもりだ 家に着くとぱちぇとこぁが、今日の出来事を聞きたがったので話した。 新しい家族のるーみあとさくやの事 ちるのとだいちゃんの事 こうまかんの門番のめーりんの事 こうまかんのゆっくりさくやと咲夜さんの事 こうまかんにいたれみりゃやふらんの事 ぱちぇは「むきゅ、むきゅ」と興味深そうに聞いていた。 「むきゅ。だいとしょかんに一回行ってみたいわね」 といっていたので機会があれば連れて行ってあげようと思った。 ちぇんとらんは色々と学べたことに満足しながら毛布をかぶって眠りについた。 れみぃはぱちぇ達とと丸まって寝ていたので布団をかけてあげた。 さくやは子ぱちぇのいるバスッケットで寝てるようだ。 私は今日の出来事をPCにまとめたあとに眠りにつこうとした。 「うー♪ うー♪」 何かの泣き声が聞こえるのでおきることにした。 睡眠中のれみぃの帽子の中からその声は聞こえた。 私が帽子をとって見ると中からバレーボ-ルぐらいの成体ゆっくりが飛び出てきた 七色に光る特徴的な形状の翼を持ち、髪は薄い黄色のこのゆっくり…ふらん種の胴無しのようだ。 何故こんなところにいるのだろうか? 私は睡眠中の昨夜とれみぃの体を揺らして起こした 「さくや、れみぃ、悪いんだがおきてくれ」 「なんだどぉー、れみぃはねむねむなんだどぉー」 「どうしたのですわ。ご主人様ですわ?」 「うー♪ うー♪」 その鳴き声の主を見たときに二人の目が覚めたようだ。 「なんでふらんがここにいるんだどぉー」 「妹様が何故ここにいるのですわ」 「うー♪ うー♪」 「れみぃといっしょにいたいからついてみたんだどぉー?」 「うー♪ うー♪」コクコクと首を頷いている どうやられみぃと一緒にいたくてついてきたらしい。 それはいいのだがれみぃは頭の中にいたことに気付かなかったのだろうか? あとは、このふらんの食べ物の問題があるなと思った。 「ふらんはどうして何でついてきたんだい?」 「うー♪ うー♪」 「れみぃ様と一緒にいれば、自分もエレガントな体が持てるかもしれないといってるのですわ」 なるほど、このふらんの目的は胴体付きに進化することが目的か… 胴体付きへの進化がどうやって起きるのかわからないがどうするかな… 「ふらん、よく聞きなさい。胴体付きになるのには他のゆっくりを食べないれみぃと同じ行動をしなさい」 「うー? うー?」 「そうすればいつかエレガントな体が手に入るよ。」 「うー♪ うー♪」 「わかったってよろこんあでるだどぉー!」 よっしゃ。『最強のゆっくり。ゆっくりふらんゲットだぜ!』と心の中でつぶやいた。 わたしは、れみぃとさくやにふらんをあずけると自分の部屋に戻り眠りについこうとしたときにぱちぇがやってきた。 昼間、大工の棟梁が来たこと子供をあげる約束をしたとのことだ。 これからの事を相談しなければと考えながら深い眠りへと落ちていった。 いつものやつ 「さすがこうまかんだぜ! こうまかんの名は伊達じゃないんだぜ! とってもゆっくりできる場所なんだぜ!」 次回のゆっくり 「・・・」 【あとがき】 作者名無しです。 次の話はエピローグかプロローグです。 とりあえず、このシリーズを一区切りさせるつもりです 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1~7 外伝1 名前 コメント
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「ゆっくりくりくりくりっくり♪」 この歌を歌っているのは、ゆっくり霊夢である。 「やっぱりれいむのおうたはせかいいちだね!!!」 本気で褒めているのは、ゆっくり魔理沙である。 「ゆへへ♪」 「にへへ♪」 ここは、ゆっくり達が暮らすとある森の一角。 勝手気ままなゆっくりらしく、一日をゆっくりと過ごし、ご飯を食べ一家で寝る。 それだけで嫉妬の炎で焼かれそうな生活だが、そんなことはお構いなしにのんびりと暮らしていたのである。 「ぺ~ろぺ~ろ♪ すっきり~~~しあわせ~♪」 奇しくも秋の長雨が一段落し、近くに大きな水溜りが出来ていたのを発見したゆっくり達は、我先に集まって水分の補給をしていた。 小さな赤ちゃんには、母親が口に含んだ道を口移しで与えている。 「ま、までぃさぁ♪」 「あ、あ☆り☆すぅ♪」 違うところでは、アリスと魔理沙のカップルがこれまた口移しで水を飲み合っている。 「むきゅ~~……こっきょうふーぞくがみだれるわ。ぷんぷん!!」 「わか~るわかるよぱちゅりぃ~のきもち~~♪」 「でも~~♪ ぱちぇぇもやりたいのよねぇ~~♪」 「むきゅきゅ♪」 まさに姦しいゆっくりの集団である。 「はーーるですよーー……ふぅ」 そんな折に、どこからか人の声が聞こえてきた。 それに気付いたゆっくり達は、なにやら話し始める。 「ゆ? にんげんさんだね!!」 「きっと、もみじがりにきたんだね!!」 「きれーなはっぱさんはおいしーもんね!! れいむもだいすき♪」 友好的なゆっくり達は、早速声の主を探そうと、キョロッキョロと言いながら辺りを探しているが、なかなか見つからない。 「む~~……みつからないね」 「にんげんさ~~ん!! こうさんだよ!! つぎはまりさがおにになるよ!!」 「れいむじゃいちにちかかってもみつけられないよ!!」 「そんなことないよ!! まりさっていう、さいこーのぱーとなーをしっかりみつけたもん!!」 「あっっみゃ~~~~いい!!!」 純粋な瞳であーだこーだ騒いでいるゆっくり達。 それを今まで見つめていた声の主は、一瞬口元を歪ませてゆっくり達に姿を現した。 「はーるですかー?」 真っ黒な服に真っ黒な帽子。 その姿は、幻想郷に春を運ぶ妖精である。 白いほうは春にしか殆ど姿を見せないが、こちらはここに姿を出している。 「ゆ!! かわいいにんげんさんだね!!」 「めごいめごいね!!」 「やっぱりこどもはかわいーね!!!」 その愛くるしい容姿に、またまた大騒ぎのゆっくりの群。 中には、集まって自分の子供の自慢を始めているものさえいる。 「はーるですか~~♪」 そんな反応を無視して、今一度同じ言葉を投げかけるリリー。 二度目にして、漸くゆっくり達もまともな返答を返してきた。 「ゆゆゆ♪ いまははるじゃないよ♪ あきさんだよ!!」 「にんげんのこどもちゃんは、はるさんがすきなんだね!!」 「わかる!! わかるよーーー!!!」 既に、そこには笑いだけが流れており、なんとも楽しそうな光景が広がっている。 子供達はリリーの足元までやってきて飛び跳ね、歌を歌う。 今度は、大人達がそれに加わり踊りだす。 酒が入っているかのような、そんなノリが辺りを包んでいる。 「ばぁ~かですね~~~♪」 と、今まで終始笑顔でいたリリーがそれだけ呟き、突然ゆっくり達の目の前から消えた。 それが上空に飛び立ったと気付くのに、ゆっくり達には一瞬の間が必要だったようだ。 「すごーい!! おそらをとんでるー!!」 「さっすがにんげんさんだね!!」 自分達に侮辱的な言葉を発した事が聞こえなかったのか、ただただ空中にいるリリーに黄色い声援を送るばかりである。 そんな声援を、興味なさそうに聞いていたリリーは、一度深呼吸すると、今までとは比べ物にならないような声を出した。 「あーきでーすよー!!!」 同時に放たれる強力な弾幕。 並みの妖精よりも強力なその弾幕は、ゆっくりを駆逐するのに十分な威力であった。 「きゃ♪ わ♪ いい~~♪ んべ!!!」 まず、最初に放たれた一発が魔理沙を直撃した。 「ゆ♪ まりさ♪ !!! だいじょーーぶ?!!」 「い……、いだいーー!!! でいぶーーだすけでーーー!!!」 霊夢が振り向くと、そこには苦悶の表情を浮かべながら、必死で助けを求める魔理沙の姿があった。 しかし、既に底部から大量の餡が飛び出しており、生存は絶望的な状況である。 だが、それが分かるほどゆっくりの知能は高くない。 「わかったよ!! れいむにまかせt……」 弾幕の海の真っ只中にいた霊夢に、漸く弾幕が命中した。 「いだいーー!! まっでぃざぁーーー!! ゆっぐりしでないでたすげでーーー!!!」 今まで当たらなかったことは幸運の賜物であったのだろう。 続けざまにもう二・三発弾幕を食らう。 「どうしでぞんなごというのーー!! れいむはそごまでおばかだったのぉーー!!!」 「たすげるよーー!! までぃさはやくたすげでーー!! れいむがたすけるよーー!!」 ソフトボール大の穴が数個開いた霊夢は痛みで通常の思考が出来なくなっていた。 目の前に写る光景と、自身の痛みのみで状況を理解し、スイッチのようにま逆の言葉を発するオブジェに成り下がってしまったようだ。 「むっきゅーーー!! じゅーーそーーよーー!!」 「とかいはのありすがきずものにーーーー!!!!」 「うあーー!! いだいーー!! いっっだいーーー!!!」 「わからないよ!! わからないよ!!!」 「てぃ~~~んっぽ!!!!!!!」 同じ様な光景は、あちらこちらで繰り広げられていた。 そのどれもが、酷い重症を負いながらもかろうじて生きているというものであった。 「おかーーしゃんたちのいいちゅけをゆっくりまもりゅよ!!」 「まもりゅよ!!!!!!!!」 隠れていた草むらで大声を上げた赤ちゃん達も、同様の状態に仕上げられた。 「ゆ……あうあう……」 「おう……かえ……って、ごはん……」 「としょかん……」 「しぶたに。あらたやど……はら……やど」 物の数分で、そこには餡子の海に成り代わっていた。 先ほどまで歌とも思えないような会話をして、飛び跳ねていたゆっくり達は今やうめき声を上げ、 かろうじて生きているだけとなった。 「あ~~きですよ~~♪ あたまが春なゆっくりはお門違いですよ」 くすくすと、笑いをかみ殺しながら、その様子をまじまじと見るリリー。 いまだまともな思考が出来るゆっくりは、これがただの人間では無いことに気付いているのだろう。 「ど、……じで」 やっとの事で、それだけを搾り出した霊夢だったが、リリーが答えないと分かると、そのまま息を引き取った。 「あきですよ!!」 どのくらい経っただろうか? 群に打撃を与えなお留まっていたリリー。 ただひたすら何かが来るのを待っていたようだが、それがきたと分かると、再び空に舞い上がっていった。 「う~~♪ た~~べものがいっぱ~~い♪」 「う~~♪ おなかぱ~~んぱ~~ん♪」 やってきたのは、多数のゆっくりれみりゃとフラン。 数体の成体の後ろを、ニコニコと赤ちゃん達が飛んでいる。 「う~~……いっご~~♪ にこ~~~♪ さんこ~~♪ ……いっこ~~~♪」 「さいしょはかぞくいっこづつ~~♪」 「ふらんのあかちゃん。ままがたべかたをおしえてあげるぅ~~♪」 その群は、家族ごとに分かれて、餡子の海の隅々に散らばっていく。 匂いに釣られて、近くの捕食種が集まってきたのだ。 中には、赤ちゃんを釣れ、餌の食べ方を教えようとするものまでいた。 「うっう~~♪ あうあう~~♪」 「う~~♪ なかがおいしーのぉ~~♪」 「まますご~~い~~!!!!」 「秋なのに春ですね~~♪」 そして、待ってましたとばかりに襲い掛かるリリー。 「う~~♪ う!!?」 「うっう~~♪ あかちゃん、どうしたんだz!!!!」 一匹の赤ちゃんれみりゃを捕まえると、振り向いた母親に弾幕を浴びせかける。 そして、他のゆっくり達にも、先ほどよりも濃密な弾幕を浴びせかける。 「うあーー!! さくやーー!! さくやーー!!」 「まんまぁーー!! れみりゃのあじがーー!!!」 「ゆっくりしね!! あかちゃんいてをだすやつは、ゆっくりs……」 以下に捕食者といえど、ゆっくり以外には無力なもので、先ほどと同じような光景が繰り広げられていた。 違う点といえば、確実に息の根を止めていることだろう。 泣き叫びながら、必死にさくやさくや叫び続けるだけのれみりゃと、闘志をむき出して突っ込んでこようとするフラン。 対照的だが、弾幕の前には平等にやられていく。 「はるはるはるですね~~~♪ あたまがはるですね~~♪」 リリーが一頻り満足すると、そこは既に餡子と肉まんの具が混じった不気味なモノで覆われていた。 「まぁまぁーー!!!!! どこにいったのぉーーー!!!!!!」 その光景を確認して、リリーはその場から去っていった。 「こんにちはー」 「はいは~い。あっ、リリーブラック、屋台ならもう開いてるよー」 「はい。これ」 「はいはい。れみりゃ一匹ねー。ちょっと待っててね~♪」 「はなすにょーー!! れみりゃのままはつよいんだじょーー!! おまえらなんてあちょいうまに!!!」 慣れた手つきでれみりゃの口に杭を打ち込み、片手をちぎって餃子型に加工した後、一杯のお酒と共にリリーの前に出される。 「はいお待ちど~♪ 今日もくつろいでいってね!!」 最近、海産物が多かった夜雀の屋台に、肉料理が並び始めたのだった。 このSSに感想を付ける