約 628,718 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1274.html
ゆっくり加工場は今や莫大な利益を上げている。 もちろん、餡子等の生産数が多いのもその理由だが、もう一つ理由があった。 紅魔館の庭に住み着いている二匹のゆっくり。 ゆっくりフランとゆっくりれみりゃだ。 時々、ゆっくりフランにいじめられる事はあっても、紅魔館の人達(特にお嬢様と可愛いものが好きなメイド長のYさん)に溺愛されていた二人は、他のゆっくり達には想像も出来ないような生活を送っていた。 似ている人物が吸血鬼なため夜に活動することが多かったが、それでも一日三食、ゆっくりをエサとして出してくれた。 そして、何時もデザートを与えられた。 天蓋つきの豪華なベッドも与えられた。 いまや、紅魔館の主と同じ位の扱いを受けていた。 それはもう籠入り娘と同じくらいに。 それでも、籠入り娘言うものは親に反発するものだ。 新月の夜、主がパワーアップするこの夜は、咲夜はゆっくりの所へはこれない。 その事を知っている二人は、新月の日にちょっとだけ冒険をしてみることにした。 起きた時に、今夜のデザートはババロアだと聞かされていたが、今はババロアよりも外に出てみたかった 門番に気付かれないように、屋敷を抜け出した二人は久々の自由な時間に浮かれて思っていたよりも遠くまで来てしまった。 うっそうと茂る森、それを縫う様に飛んでいく。 適当な所に着地し、辺りを走り回る。 「ゆっくり食べてね」 「「いただきまーす」」 沢山の木の根が連なって出来た大きな空洞、その中に沢山のゆっくり霊夢がすんでいた。 大きさがまちまちなところを見るとおそらく家族なのだろう。 「「う~♪」」 同時に二人にとっては食事の時間になった。 「ゆ?」 「がぁ~お~。たーべちゃ~うぞ~!」 「ゆっくりしね!!」 突然現れた来訪者に唖然とするゆっくり達。 唯一、母親だけはコレの危険性を知っていたらしく、追い返そうとタックルを食らわせた。 「ううっ!!」 れみりゃを押倒し羽を食いちぎる母親。 「うーーー!!!」 同時に絶叫をあげるれみりゃ。 「ゆ!?」 そして、同時に母親に食いつくゆっくりフラン。 「ゆっくりしね!!!」 「ゆ゛ーー!!!」 一対二では勝負にならなかった。 いや、先にフランをどうにかしていれば勝機はあったのかも知れない。 すでに、意識が朦朧としてきたゆっくりにとってはどうでもいい事だったであったが。 餡を吸い出されガリガリになったそれを今度はパクパクと食べ始めた。 「ゆ゛ー!!」 「お゛があ゛ざーん゛」 「ゆ゛っぐり゛た゛べな゛い゛でー」 半ば狂乱状態になったゆっくり達、しかし誰も騒いでいるばかりで逃げることはしなかった。 否、そこまで頭が回っていないのだろう。 やがて羽が再生されたれみりゃが、フランの晩餐に合流する。 子供らしく、限度を知らずにどんどんと食べていく。 すべてのゆっくりが食べられるのにそんなに時間はかからなかった。 残ったのは、大小様々な人数分のリボンだけだった。 「う~♪ んまんま」 「う~♪ ゆっくりしね」 何時もの、生きているのか死んでいるのか分からないゆっくりと違って、泣き叫ぶゆっくりを食べたのは、久しぶりだった。 まだ、夜は長い、久々に出ることが出来たのだ。やりたいことは山ほどあった。 「おいおい、皆食べちまったらしいぞ」 「なんてこったい、ここは特に数が多いから楽しみにしていたのにな」 「でも、その代わりに同じくらい値打ちがあるもんがいるじゃないか」 入り口からの声、振り向くと数人の人間が空洞を覗き込んでいた。 「うっう~」 「う~」 踊りながら喜ぶ二人。基本的に紅魔館の人間しか知らない二人は、すべての人間が自分たちに良くしてくれると思ってるようだ。 「君達、ここのゆっくりは美味しかったかな?」 「う~。おいち~」 「う~。うごいた~」 「動く? 何時も食べているゆっくりはあんまり動かないの?」 「「う~♪」」 首を縦に振る二人。 「こりゃ、余程の箱入りだな。でも簡単に捕まえられようだ」 「まだ、ゆっくり達を食べたいかい?」 これも同じように首を振る。 「じゃあ食べさせてあげよう。おいで」 また、大量のゆっくりを食べられるなんて、抜け出してきてよかった。 男たちに抱っこしてもらいながら、その場所へ向かう間二人は冒険の成功を称えあった。 「着いたよ。ここがそうだ」 大きな建物、外見だけは紅魔館よりも遥かに大きかった。 通された部屋には檻に入っている十数匹のゆっくり霊夢と魔理沙がいた。 「おじさん。おなかすいたよ。ごはんちょうだい」 一匹のゆっくり魔理沙が男の姿を認め、話しかける。 「ああ。ちょっと待ってな」 鍵を開けて二人の男に合図する。 抱きかかえていたフランとれみりゃを勢い良く檻の中に投げる。 「う~! た~べちゃうぞ~」 「ゆっくりしね!!!」 投げられた事に多少不満はあったが、目の前の大量のゆっくりが食事なんだろうを思い、決まり文句をあげて立ち上がった。 「ゆっくりたべられるね」 「いただきまーす」 二人めがけて群がってくるゆっくり達、あっという間に二匹を押倒す。 その動けなくなった二人に、かぶりつくゆっくり達。 まさに、集団でスズメバチを倒すニホンミツバチの様だ。 「うー!!」 「うめぇ。めっちゃうめぇ!」 頬、手、太もも、様々なところが食いちぎられていく二人。 その様子を見ている職員には、肉まんとあんまん特有の食欲をそそる匂いが届いていた。 「おっと、沢山たべるのはいいけど、ちゃんと残しておいてね」 「わかっているよ。これでまいにちゆっくりたべれるね」 「おいしーね」 今になって、ようやく二人は、屋敷の中でデザートを食べていたほうが良かったと後悔した。 ようやく食事が終わったらしい、ゆっくり達は一箇所に集まっておしゃべりをしている。 一方の二人は、既に体を再生していた。 「うー。がえるー」 「ざぐやー。ざくやー。もうがえるー」 泣きながら、懇願する二人。 先ほどの光景が強烈なトラウマになったようで、もうゆっくり達を食べようとはしなかった。 頼みの綱も咲夜も今は主の世話で精一杯だろう。 ましてや、既に探す手段も無いのが現状だが。 程なくして檻から出される二人。 顔には安堵の色が伺える。 しかし、連れてこられたのは、またも無機質は檻の前だった。 しかも、中では数匹のゆっくりアリスが、ゆっくり霊夢と魔理沙を襲おうとしている直前だった。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ」 絶叫が幾重にも木霊する、そのあまりの光景にガタガタと震えるしかない二人。 すべて終わり、アリスが檻から出されて暫くすると、伸びた蔓から数匹のゆっくりの赤ちゃんが生まれてきた。 その数は三十匹はいるだろうか。 「ゆっくりしていってね!!!」 大合唱の後、男から簡単な言葉の説明を受けたゆっくり達。 「それで、ここは数が減ってきたゆっくり達の数を増やしている施設なんだ。君達はここでゆっくりしているといいよ」 「うん!ゆっくりするよ」 刷り込みのように、男の言うことを直ぐに信じるゆっくり達。 「じゃ、お腹も空いているだろう。ご飯をあげようね」 先ほどと同じく、檻の中に放り投げられる二人。 「う~!」 「う~!」 二匹そろって檻の前で泣き叫ぶ。 生まれてきたばかりのゆっくりならば、コレくらいの数でもどうという事はないのだが、知能の低いゆっくりは既に、攻撃するという選択肢は出現していないようだ。 「おじさーん。これがごはん」 「これもひとじゃないの」 「いやいや、これはゆっくりの仲間なんだよ。いくら食べても少し残しておけば直ぐ再生するんだ。だから、全部食べないで少し残しておいてね」 「わかった!!」 「「う゛ーーー!!!」」 二人の悲鳴は、初めての食事に興奮するゆっくり達の声にかき消されてしまった。 ゆっくり加工場、設立当初は、毎日大量に繁殖されるゆっくりのえさ代が馬鹿にならなかったが、再生能力の高い希少種のれみりゃを発見したことによって、利益がうなぎ登りに上がった。 一方紅魔館。 館内で声を張り上げるメイド長がいた。 「ゆっくりれみりゃー、ゆっくりフランー。そろそろおやすみの時間よー。……変ねぇ、いつもなら直ぐに出てくるんだけど」 その手には、未だ食べられていないババロアの皿が乗っていた。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1659.html
今週最後の仕事を終え、夕暮れの中、家路に着く。 以前は同僚と飲みに行ったりしていた物だが、ここ数週間の間は、めっきり人と遊ばなくなった。 娯楽に掛かる費用と時間の殆どが、アレの虐待や拷問に割り振られるようになったからだ。 さて、アレとは何かと言えば、ここ最近になって急激に繁殖を始めた謎の生命体、ゆっくり達の事だ。 私以外にもゆっくり虐待を娯楽としている人間は多数居るそうだが、私の嗜好は、 一般的な虐待紳士・淑女の皆様方とはいささかズレたものであった。 簡潔に言おう。 私は『ゆっくりれみりゃ及びその亜種』のみを専門的に愛好しつつ虐待・虐殺するのが大好きなのだ。 初めて『胴無しゆっくりれみりゃ』を見たのは、数週間前の事だった。 仕事帰りにたまたま、民家の畑に居た、ゆっくりれいむ・まりさ種の成体二匹が、 ゆっくりれみりゃに捕食されているのを目撃した。 その時まで私は、ゆっくり種など大して気にも留めていなかった。 農家や露天商の方にとっては害獣なのだろうが、私の仕事は雑貨屋での事務・経理だ。 仕事上、ゆっくりの話を聞く事はあっても被害を受けた事など無いし、興味も無かった。 愛好もしなかったし、虐待もしなかった。 ――まぁ、それこそ『路傍の石』として、路上に居たら蹴る程度の事はしていたが、それも道から退かす程度の強さであり、 餡子をぶち撒けて絶命させるような力では無い。 また仕事上、金銭などの貴重品取り扱いには神経質にならざるを得ない為、 戸締りも厳重にしていたので、家を荒されるといった事も無かった。 話を戻そう。 初めてゆっくりれみりゃを見た時、私の胸に言いようの無い暖かな気持ちが芽生えた。 「うー♪ うー♪」 と愛苦しい声で鳴きながら、目を細めて可愛らしく飛び回る、胴無しゆっくりゃ。 私は目を輝かせて、胴無しゆっくりゃが獲物を食し、ぱたぱたと飛び去っていく姿を見送った。 なんて、可愛らしいんだろう。 ああ、可愛い、可愛い可愛い、可愛い可愛い可愛い!! ――ブチ殺したくなる程の可愛さだ。 私はその日から、ゆっくりゃに魅了された。 休日に森に出かけては胴の有無を問わず捕獲し、また亜種である『うーぱっく』『ゆっくりゃザウルス』も捕まえた。 そして、大枚を叩いて建築した『ゆっくりゃ収容所(拷問・虐殺室も兼ねる)』に閉じ込めておく。 一日2~3匹ほど殺すとして、一週間分の約20匹のゆっくりゃ達を休日の間に確保しておくのだ。 サイズの小さい赤ちゃん等が脱走しない様に、きちんと定番グッズの『頑丈な透明箱』に閉じ込めてある。 餌に関しては捕食種という事もあり、 菓子やの甘言に釣られた馬鹿なれいむ種やまりさ種を捕まえて箱に入れるだけで勝手にむしゃむしゃ食ってくれる。 ……胴付きに関しては、 「うっう~♪ れみりゃはぷっでぃ~んがほしいんだどぉ~」 「おぜうさまはあんこよりぷっでぃんがくちにあうんだどぉ~」 などとワガママを言って、グズったり泣き喚いたりと散々だったが、 死なない程度に顔面を殴打したり、 「ぶぎゃっ!!」 腕・脚・翼を引きちぎってやったり、 「いぎっ!? ……いだいーー!! だずげでざくやぁぁぁ!!」 腹に蹴りを入れて転がした後、顔面を潰さない程度に踏みにじったり、 「おごぶぇぇぇっ! う、うぅぅ~!!」 そんな調子で適度な虐待をしつつ、ゆっくり種以外の餌をけして与えないようにしていると、 何を言っても食事は変わらないと肉饅脳で理解したのか、 「「わ"がり"ま"じだー!! ごべん"な"ざい"だべま"ずー!!」」 渋々食べるようになった。 あと、特に理由は無いが、逆さにしたうーぱっくの中に煮えたぎった熱湯を注ぎこんで苦しむ様を楽しんでみたりもした。 「……う? うぅうううっ!? うぅあぁっっ!!」 手足もなく四角い体型が災いして、体内を灼く激痛から逃れられず絶叫するうーぱっくは本当に可愛かった。 余りの可愛さに刃物で滅多刺しにして穴だらけにしてやった事もあった。 それでも死なない、いや死なない生命力も立派なチャームポイントだと思う。 あぁ、やっと我が家に着いた。 手早く夕食を済ませる。 明日も仕事だ。 お楽しみの時間をたっぷり味わう為には、それ以外の時間を削らねばならない。 動きやすく、また油に汚れても構わないような服に着替えて、いそいそと収容所へ向かう。 扉を開けるとそこは、 「うー! うー!」「うっうー!」 「う~?」「うー♪」 「うっう~うぁうぁ♪」 「いないいなーい……うー!」 「う~まんま~♪ だっこちて~♪」 「れみりゃのあかちゃんかわいいどぉ~♪」 「ぎゃお~! た~べちゃ~うぞ~!」 れみりゃ種の大合唱が私を出迎えてくれた。 あぁ、これだ。 この鳴き声。 実に癒される。 コンテナの様に大量に積まれた透明箱の中で、沢山のれみりゃ種が勝手気ままに暮らしている。 水は毎日きちんと換えているし、箱の中には藁も敷いてやっている。 胴無しの飛行型は巣を作りたがるので、その箱には藁だけでなく、小枝なども入れてある。 もちろん食料として、一般的な被捕食種のゆっくり――れいむ種やまりさ種を入れてあるので、餓死の心配も無い。 狭いスペースでぎゅうぎゅう詰めだとストレスの原因になるので、 サイズの小さい胴無し型なら三~四匹、胴有りなら一~二匹程度を、そこそこ大きめの箱で飼っている。 餌となるゆっくり達は、いちいち加工所から買っていては莫大な餌代になってしまうので、 家の付近に菓子などを載せた皿を置き、それを食いにきた馬鹿饅頭を捕獲したり、 一気に大量の数を揃える時は、近場の森や林で親ゆっくりと思しきサイズの無能饅頭を見つけ、 「ゆっくりプレイスに案内してあげるよ」 と甘言で釣って、一家総出で家までついて来た所を拘束したり、といった手段で用意した。 さて、待望の虐待タイムだ。 「うっうー♪」 「まんま~!」 「う~う~♪ お外だどぉ~♪ おぜうさまをさっさとだすんだどぉ~」 胴有り二匹と胴無し一匹を選別して取り出し、隣の拷問室へ運んでいく。 拷問室と飼育箱室は防音加工された壁で区切られているため、 ゆっくりゃ達は、将来自分達がどうなるのかを知らないまま日々を過ごし、やがて『その日』を迎えるのだ。 三匹全てが拷問室に入った所で、私も室内に入って扉を閉じる。 拷問室内にあるのは、手術台を思わせる大きな机と、椅子が一つ。 その傍らには、ノコギリや杭、針やマッチなど、 さまざまな拷問グッズを詰め込んだ、素敵な道具箱が鎮座している。 床は洗い流すのに便利な防水加工が施され、 いくつも刻まれた小さな溝が、備え付けられた排水溝へ続いている。 「しゃくや~! このおへやなんかへんだどぉ~!」 「うっうー! ううー!」 「まんまぁ~! れみりゃかえりゅ~!」 この室内に充満する奇妙な空気を悟ったのか、ゆっくりゃ達が落ち着きを無くしてざわめきだす。 既に百匹を越えるゆっくりれみりゃ種が殺されてきた部屋だ。 本能的に何か感じる物があるのだろう。 この日の為に愛情たっぷりで育ててきたゆっくりゃ達を、悪意たっぷりで虐め殺そう。 まずは一匹目。 胴無しゆっくりゃの成体を両手で掴んで、頬を軽く引っ張る。 「うっうー♪ うー?」 この時点では、相変わらずのニコニコ顔だ。 そこから徐々に、片手だけ力を強めてみる。 「うぅー……うっ!」 笑みが消えた。 痛くなってきたらしい。 頬が赤くなり始める。 当然辞める気は無い。 更に強くしてみる。 「んー! んぅうー!」 目に涙が浮かんできた。 あぁ、いい表情だ。 私の精神がほんのりと癒されていくのを感じる。 「うぅぅぅぅぅ……!!」 涙をぼろぼろと零す。 手足を持たないこのゆっくりゃは、羽を必死に動かして、私の手をペチペチと叩き始める。 飼い主に暴力を振るうなんて、悪い子だ。 お仕置きをしてあげなくては。 引っ張っていた手を離し、室内に置いてあった道具箱を片手で開く。 有った。 「うぅ~…」 まだ痛みが引かないのか、涙を零しつづけるゆっくりゃ。 泣こうが喚こうが、もうお仕置きは決定済みなのだが。 「う?」 まだ赤みの残る頬に、先ほど道具箱から取り出した、細長い針金の先を押し付ける。 そのまま、ゆっくりと押し込んでいく。 「うっ! う~!」 少しづつめり込んでいく先端。 再び羽を動かして痛みを訴えるゆっくりゃ。 先ほどはそれで行為が中断されたので、これでまた離してもらえるとでも思っているのだろう。 おお、愚か愚か。 更に力を込めつつ、回転を加えて押し込んでいく。 「うっ…うぅぅぅ! うぁあぁぁぁぁぁぁ!!」 グジュッという音と共に、針金が頬を貫通した。 頬に空いた傷口から、肉汁が零れ落ちる。 激痛に白目を剥いて痙攣を始めるが、この程度でれみりゃ種は死なない事は知っている。 「うっ……うっ……うぁぁあぅっ!!」 ドリルの様な回転を加えつつ、もう片方の頬も一気に貫通させた。 滴り落ちる肉汁と涙。 それに委細構わず、素早く引き抜いて、再び頬にもう一つ穴を空けてやる。 「んぅぎゃっ!?」 今度は両の頬を素早く貫通させた。 そこから、針金を何度も突き刺しつつ、抉るように回転を加える。 「……あうぁぁぁぁぁっ!! うぎぎゃ! うぎぃぃぃぃぃ!!」 お前はサルか、と突っ込みたくなる絶叫を挙げるゆっくりゃ。 針金を刺したまま、クルリと手の中で回し、片方の羽を引きちぎる。 「ぎゃっ! うぁうっ!!」 いい声だ。 もう片方はゆっくりといこう。 私の手を叩いた悪い羽はきっちり除去してやらなくては。 みちみちと音を立てて、羽の根元から肉汁が零れ落ちていく。 「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」 先ほどは一瞬で過ぎ去った痛みが、今度はじわりじわりとゆっくりゃを苛んでいる事だろう。 唸るような苦鳴を漏らすが、それがより一層、私の嗜虐心をそそるのだ。 顔を真っ赤にし、涙と肉汁を零しながら、全身を震わせるゆっくりゃ。 なんと可愛らしい。 あまりの可愛さに思わず、中程まで千切れかけた羽を、一気に捻じ切ってしまった。 「うぅぁっ!!! かひゅっ、ひゅー! ひゅー!」 泡を吹いて、弱い呼気を漏らす。 大きく何度も体を痙攣させている。 これが通常のゆっくり種ならショック死の前兆なのだが、 愛すべきれみりゃ種はまだまだ死なない。 ここで、一匹目に時間を掛けすぎている事に気付く。 仕方無い。 こいつはそろそろ殺してやろう。 両手の親指を、愛らしい小さな二対の目にそえて、抉る。 寒天の様な感触を楽しみながら、更に指を押し込む。 「……うぅっ……うーっ………う……うぅ……」 もはや泣き喚く気力も失せたのか。 薄いリアクションでは楽しめないじゃないか。 殺すにはいいタイミングだったのかもしれない。 親指が生暖かい肉まんの餡に包まれる。 潰されたゆっくりゃの両目から肉汁が吹き出した。 「さようなら、愛しいゆっくりれみりゃ」 別れを告げて、顔面を穴だらけにされ、羽をもぎ取られ、両目を抉られたゆっくりゃを、 「うぶぎゅっ!!」 両手で押しつぶしてやった。 「さて」 肉片と肉汁まみれの手で、私は振り返る。 「ぎゃっ!」 「うみゅっ!?」 一連の凶行を眺めて放心状態に陥っていたらしい、胴付きゆっくりゃの親子と目が合う。 どちらから殺そうか。 まだ成長しきっていない為に立つことが出来ず、床にぺちゃっと垂れた体勢の赤ちゃんゆっくりゃ。 その襟首を引っつかんで持ち上げる。 すると、 「やめでーーーー!! あがぢゃんかえじでぇぇぇぇぇ!!」 と、親ゆっくりゃが私の裾を掴んで泣き喚き始めた。 それにつられたのか、 「うー! やぁなの~! れみりゃはまんま~といっちょにいりゅの~!」 赤ちゃんまで愚図り始めてしまった。 泣き叫ぶ姿も愛らしい。 心配する事は無いんだよ。 ゆっくりゃ。 お前達は親子揃って、ここで拷問死するんだから。 今日のお楽しみはこれからだ。 ~~~~~~ 後編?に続きます。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1299.html
「美鈴、調子はどう?」 「万全ですよ咲夜さん。今なら、黒白辺りが来ても撃退できそうです」 「そう、ならその調子を維持してね」 「了解です!」 様子を見るメイドと、そのメイドに防御体勢の万全さをアピールする門番。 普通に考えるとややおかしな組み合わせであるが、ここ紅魔館では日常的に見られる光景である。 咲夜さんと呼ばれた人物……十六夜咲夜は、紅魔館のメイド長である。 仕事は完璧にこなし、主には絶対服従、決して出過ぎないだけの謙虚さも持ち合わせる。 『完全で瀟洒なメイド』の二つ名に恥じないだけの能力を持つ、従者として最高の能力の持ち主である。 「しゃくや!」 「……」 そんな咲夜に声をかける人影。 3~4歳児程度の背丈と頭脳を持つ、ゆっくりれみりゃである。 咲夜は、目を細め、端から見ると怒りを堪えている様な視線をゆれみりゃにぶつける。 当然だろう。自ら絶対的な忠誠を誓った主と同じ名前というだけの肉塊に、呼び捨てにされているのだ。 瞬間、得意武器であるナイフを投げつける……かと思いきや、目を疑う様な反応を見せた。 「しゃくや~♪ ぷっでぃんたべたい~♪」 「はいはい、ただいまお持ちしますね~」 突然笑顔になり、ゆれみりゃのわがままを聞いて、台所へと急いだのである。 その顔は本当に楽しそうで、スキップまでして全身で喜びを表していた。 十六夜咲夜。 完全で瀟洒なメイドの二つ名に恥じないだけの能力の持ち主。 そして、無類のゆっくりれみりゃ好きである。 彼女は、今日も甲斐甲斐しくゆれみりゃの世話を焼いていた。 『ゆっくりれみりゃいぢめ~おめぇに食わせるぷっでぃんはねぇ!~』 レミリア・スカーレット。 紅魔館の主であり、十六夜咲夜が絶対の忠誠を誓うただ一人の妖怪。 永遠に紅い幼き月の二つ名を持つ、ヴラド・ツェペシュの末裔を自称する吸血鬼。 紅霧異変と言われる事件の主犯でもある、幻想郷屈指の実力者。 彼女は、現在二つの事に頭を悩ませていた。 「う~う~♪ ぷっでぃんくれないとたべちゃうぞ~♪ がぁお~♪ がぁお~♪」 一つは、こうやって近づいてくるゆっくりれみりゃ。 もう一つは、それを可愛がる従者の悪癖である。 「ぷっでぃんよこせ~♪ たべちゃうぞ~♪ がお~がぁお~♪」 「醜いわ……消えなさい」 にこにこと近づいてくるゆっくりれみりゃに、手で振り払う仕草をするレミリア。 その顔は嫌悪に満ちており、通常の人間が同じ事をされたならば、十中八九は後ろも顧みずに逃げ出すだろう。 ただ、自分を恐れる人間の血のみを飲むレミリアにとっては、それは自殺行為であるのだが……。 閑話休題。 危機回避能力が異常に低いゆれみりゃは、指を動かしただけでも消えるほどの力の隔絶に気付かず、ちょこちょこと近づいていった。 「がぁお~♪ ぷっでぃんくれないとしゃくやにいいつけるぞ~♪ がぁお~♪」 「咲夜ね……貴方の言いつけを聞いて、私の従者が私に何をするのかしら」 レミリアの声色が不快の度合いを増す。 ゆれみりゃは、こんな生物がなぜ生きられるのかと不思議に思えるほどに無防備に近寄って、ついに言ってはならない事を口にしてしまった。 「がぁお~♪ しゃくやなしでもおまえなんかやっつけちゃうぞぉ~♪ れみりゃはこうまかんのあるじなんだぞぉ~♪」 「……そう」 レミリアは、一瞥さえせずにゆれみりゃの方に向かって、軽く指を動かした。 「がびゅっ!?」 たった一発の弾幕、いや弾が、ゆれみりゃに突き刺さる。 ゆれみりゃは、その瞬間何が起こったかもわからないまま、ただの肉塊と化した。 元々肉弾戦を好むレミリアであるが、ゆれみりゃに対してだけは弾を使う。 「当然よ、パチェ。だって、あんなもの触ったら感染りそうじゃない」 それを不思議に思ったパチュリー・ノーレッジが聞いた時の、レミリアの答えがそれだった。 レミリアにとって、ゆっくりれみりゃはそれほどに疎ましい存在なのである。 一方で咲夜は、前述した通りゆっくりれみりゃを我が子の様に可愛がっていた。 レミリアにとってはそれもまた不快の一つである。 だが、咲夜はゆっくりれみりゃ以外の事に関しては極めて有能な従者であるため、彼女にしては驚異的と思えるほどの忍耐力で、紅魔館内部のゆれみりゃの数を一定以下とする事で、どうにか妥協していた。 その結果が、自分を紅魔館の主と思い込むほどに増長した肉塊である。 レミリアの、元々大きくない堪忍袋の緒は、音を立てて引き千切れた。 「咲夜っ! 咲夜! いないの!?」 つかつかと目的の人物を探すその姿は、何も知らない者が見ればとても愛らしいが、レミリアという吸血鬼を知る者にとっては、恐怖そのものとなる。 「はいはい、どうかされましたか~?」 だが、咲夜は主の怒りに、のんびりと答えた。 「どうもこうもないわ! 何よあのクズ饅頭、自分が紅魔館の主なんて勘違いしているのよ!? 全部皆殺しにして、屋敷には永久に出入り禁止になさいっ!!!」 怒鳴り散らすレミリアに対し、困った顔で咲夜は答えた。 「はぁ、可愛いと思うんですけどねぇ」 「可愛くない! あんな饅頭は二度と見たくないわ! 奴らは全てこの屋敷から叩き出しなさいっ!!!」 「えぇ~……可愛いじゃないですか。あの真ん丸な所とか、創作ダンスとか『う~う~』言って笑っている所とか……」 その後も、ここが可愛いあそこが可愛いと、ゆっくりれみりゃの良さを列挙して笑う咲夜は、本気であの豚饅頭を可愛いものだと考えているらしい。 レミリアは、信頼する部下のあまりの趣味の悪さに、流石に頭を抱えてしまった。 「分かった、もう良いわ。いいから……」 「お分かりいただけましたか!?」 100は下らないほどの大量の『ゆっくりれみりゃの良い所』を列挙されて、レミリアは力尽きてしまった。 どうすればそこまで可愛く思えるのか……レミリアは、忠実な従者に対し、ほんの少しだけ恐怖を感じてしまう。 「……分かったけど、許すとは言っていないわ」 「どういう事です?」 可憐に小首をかしげる咲夜に、やっと自分のペースが戻ったとばかりに、レミリアは非情な命令を出した。 「一匹だけ許可します。その代わり、そいつが紅魔館の評判を落とす事がない様、調教なさい」 えぇ~、と不満を顕わにする咲夜を見向きもせず、レミリアは蝙蝠風の羽を伸ばし、その場を後に……しようとして、空中で静止した。 「そうそう、期限は決めないけれど、見つけたら叩き潰すからそのつもりでね」 えぇえ~、と不平アリアリの従者のその姿を見て、やっと溜飲を下げたレミリアは、今度こそ優雅な動きで飛び去っていった。 「……どうしましょう」 その場に残された咲夜は、困ったわ、と頬に手を当てた。 実のところ、彼女の趣味の悪さの犠牲者は、精々がレミリア一人。広く取っても紅魔館の住人に対してたまに行う、この『ゆっくりれみりゃはいかに可愛いかを教える』事だけである。 それも強引にはやらないし、そもそも自分の仕事が忙しいのであまり布教はできない。 当然だが、人里で騒ぎを起こしたりなどした事もなければ、するつもりもない。 レミリアは幻想郷での体面を何よりも重んじるから、そんな事をしてしまえばその日の内に追い出されるか、運命を変えられてゆっくりれみりゃを皆殺しにする役目をやらされるかのどちらかになるだろう。 人里で流布している噂は、ただの噂でしかない。 紅魔館内でゆっくりれみりゃを可愛がっている咲夜を見た者(=紅魔館に侵入した者)を排除した事が、尾ひれが付いてそんな風評となってしまったという所だろうか。 余談はさておき、咲夜は見た目よりも本気で困っていた。 「あのゆっくりゃ、わがままな所も可愛いのに……どうしましょう」 だが、忠実な従者である咲夜にとって、主の命令は絶対である。 咲夜はため息を一つつき、門へ向かった。 「美鈴……あら」 「……zzz」 美鈴は眠っていた。 「美鈴ったら……」 穏やかな寝顔を見て、笑顔を浮かべる。 咲夜は寝ている門番を起こさない様にそっと目の前に立ち、いきなりナイフを突き立てた。 「うぁぢゃぁぁぁぁあ!!??」 「お仕事しなきゃダメよ、美鈴」 銀のナイフを頭に突き刺された美鈴は、形容不明な叫び声をあげて飛び起きた。 激痛に苦しむ美鈴の前で、イタズラした子にめっ、とする様に人差し指を立てる咲夜。 だが、ごろごろと転がって痛みを訴える美鈴の様子を見て、やっとまずい状態だと気付き、慌てて館内へ走っていった。 「……落ち着いた?」 「……はぁ、まー、なんとか」 頭に包帯を巻かれ、ふらふらしている美鈴。そのあまりの包帯を手に持った咲夜は、流石にやりすぎたと思ったか、苦笑いを浮かべている。 「ちょっと出かけるから、私。留守はよろしくね」 「分かりましたー……」 美鈴は、実はまだ意識がハッキリしていないから、反射的に答えているのではないかと疑わせる様な頼りない声で返事をする。 だが咲夜は、本人が大丈夫と言っているし、何かあっても妖怪だから平気だろう、と根拠のない信頼を寄せて、屋敷を後にした。 完璧なメイドは、細かい事にこだわらないのである。 「ゆっくりの飼い方ですか?」 ええ、と咲夜は、ほとんど面識のない少女に頷いた。 「ええと、私は別にペットの飼い方について詳しい訳ではないのですが……なぜ私に?」 少女……東風谷早苗は、ハッキリ顔に書いてあるほど困り果てた表情を浮かべている。 だが、咲夜は世間話でもする様な気軽さで、先ほどのゆっくりれみりゃが追い出されそうになるに到った経緯を簡単に説明した。 「なるほど。それでしたら、微力ながら協力させていただきます」 先ほどの困った様子はどこかに吹っ飛んでしまった様に、早苗の目が燃えている。 『可愛いゆっくり』が追い出されそうになるなど、とてもガマン出来ない事態だ。そう、早苗は思った。 ――いざとなったら、奇跡を起こしてでも止めてみせます。 早苗はそう考え、手を差し出す。 咲夜もその意思を捉え、早苗の手を握った。 『ゆっくりは可愛い』 この日、幻想郷住民の過半数からの支持が得られないであろう考えの下、早苗と咲夜の間に同盟が結ばれたのである。 『ゆっくりキモ可愛い同盟(略してゆっキモ同盟)』が樹立してから一週間が過ぎた。 相変わらず、ゆっくりれみりゃはウザい行動をしてはレミリアに潰され、咲夜は屋敷の維持から何から、全てを一手に担って仕事をしている。 だが、咲夜の日課に、ほんの少しだけ変わった所が出来た。 暇を見つけては、美鈴に指示をして、どこかへふらっと出かけていくのである。 「うー……」 レミリアは、それが不満だった。 別に、多少出かけても問題はない。 紅魔館内外の仕事は完璧に終っているから、咲夜がいなくて起こる不具合など何一つ存在しないからだ。 一度、咲夜が淹れなければ紅茶の味が悪いと言った時は、その時だけ戻って、即座にどこかへ飛び出していった。 疲れは一切見せないが、恐らくはかなりの疲労が蓄積されているだろうその姿も、レミリアの不満の一つである。 「うぅー……」 ごろごろとベッドで転がる。 不満げに顔を膨らませ、手足をじたばたさせるその姿は、駄々をこねる子供そのものである。 実際、レミリアは駄々をこねているだけである。 どうしても咲夜を屋敷から出したくないのであれば、外出禁止令でも出せば良いのだ。そうすれば、忠誠心の高い咲夜は屋敷から出ようとはしないだろう。 だが、それもプライドが傷つくし、そもそも子供のわがままの様で格好悪い。 そのため、不満に思ってはいてもレミリアはそんな命令は出さなかった。 「うぅうーーー……」 ごろごろごろ。 転がりながら、うなり声をあげるレミリア。 紅魔館のお嬢様の一日は、こうして過ぎていった。 「お邪魔するわ」 「いらっしゃーい」 咲夜を出迎えたのは、八坂神奈子。神様である。 神様の出迎えという、物凄くレアな体験に、咲夜は全く心を動かさず、目的の人物を呼んでくれる様頼んだ。 「はーい……あ、いらっしゃいませ」 家の奥から、エプロン姿の早苗が駆けて来る。 若奥様の様な女子高生の出迎えに、咲夜は笑顔を浮かべた。最も、我々が浮かべるのとは別の意味での笑顔であるが。 「今日もよろしくね」 「はい、よろしくお願いしますね。……あ、こんなところで立ち話もなんですから、奥へどうぞ」 早苗達に促され、奥へと入っていく咲夜の手には、一つのカゴ。中には、ゆっくりれみりゃが入っていた。 咲夜が出かけていたのは、この守矢神社。 二人はここでゆっくりの教育をしていこうという考えで合意し、咲夜は可能な限り毎日ここへ通っていたのである。 「今日は、どんな事を教えていただけるのかしら?」 「はい、今日は叱り方について学んでいただきます」 広い一室にゆっくりれみりゃのカゴを置き、二人は向かい合って話し合う。 咲夜は、早苗が驚くほどに優秀な生徒だった。 これまで、褒め方・エサのやり方など、いくつかの事を教えてきたが、その全てを完璧にこなしていた。 ――これまでは大丈夫だから……後は、咲夜さんの頑張り次第です。 こんなに簡単でいいのかしら、などと内心思っていた早苗。 だから、その考えはが誤っていたと思い知る事となるとは、思いもしなかっただろう。 「じゃあ、まずは咲夜さんのやり方で叱ってみて下さい」 「わかったわ」 ゆっくりれみりゃ人形を、咲く夜の前に置く早苗。 これまでの講義でも、まずは必ず人形に向かってやってみるというやり方で進んでいった。 早苗がにこにこと笑いながら見つめている前で、咲夜はどういう方法で叱るか考えた。 ――叱る……しかる、叱る? 思い出したのは、よりによって一週間前の美鈴の姿。 ナイフを頭に突き刺し、ごろごろと転がる美鈴は、確実に反省していたに違いない。 ――そうだわ、あれなら絶対に大丈夫、間違いなく反省する。 「だめじゃないのっ!」 咲夜の言葉と共に飛んでいくナイフ。 ざくざくと音を立ててゆっくりゃ人形に突き刺さり、あっという間に人形なのかナイフの塊なのか良く分からない物体へと化した。 早苗は、その様子を見て笑顔のまま固まった。 「えーと……これで良いかしら?」 ナイフまみれの物体を前に、おずおずと聞く咲夜。 その様子から、真剣にやった結果がこれなのだと知り、早苗の意識は彼方へ飛んだ。 一週間、二週間……瞬く間に、一ヶ月が過ぎた。 泣き叫ぶゆっくりれみりゃの前に、咲夜と早苗が立っている。 咲夜は真剣そのものの表情であるが、早苗は巫女であるにも関らず、悟りでも開いたかの様な穏やかな表情をしていた。 「なんでかしら?」 「……やりすぎです、咲夜さん。もっと優しくしなきゃ」 「優しく、優しく……こうね!?」 ざしゅ。 「う”あ”ーーーーーー!!! い”だい”、い”だい”ぃぃぃ!!!」 ごろごろと転がるゆっくりゃ。 それを、咲夜は不思議そうに、早苗はまたやったとばかりにため息をついて眺めた。 「咲夜さん……ですから、ナイフは使わないで下さいって」 「でも早苗、言う事を聞かせるには、これが一番なのよ?」 「うー……ごあいー、ごあいよー……だれかたすけて、たすけてー……」 先ほどのナイフがトラウマにでもなったらしく、震えるゆっくりゃを前にして、早苗は咲夜に一枚の紙を渡した。 「これは?」 「ゆっくりれみりゃ……いえ、ゆっくりの育て方です。読んでみてくださいね」 ぺらぺらの紙に、いかにも女子高生らしい丸文字が踊っている。 早苗の手書きらしいそれは、かなり詳しく育て方について書かれていた。 「ふんふん……分かったわ、これを参考にしていけば良いのね」 やっと分かってくれた……早苗は、ある意味ゆっくりより教えにくいこのメイドが理解してくれた事を悟り、密かに涙した。 「ちなみに、ここの『体罰』というところは、ナイフで代用しても良いのよね?」 「ダメですっっっ!!!」 同盟を組んでから一ヶ月が経過しても、この有様である。 流石に、早苗は疲れてきていた。 このデコボココンビが、果たしてどこまでやれるか……それは、早苗の頑張り次第かもしれない。 遠く果てない未来を思い、早苗は深く深くため息をついた。 ゆっくりれみりゃをペットとして扱う咲夜さんが見たいのと、早苗さんが見たくなったので、ちょっと自分で書いてみた。 案外書けるもんだな……出来はさておき、ですが。 自分の中のイメージですが、ゆっくり……というかペットへの接し方、2人はこんな感じです。 咲夜:可愛がり方も叱り方も、やたら激しい。そのため、饅頭の強度しかないゆっくりを調教するのはほぼ無理と言える。 早苗:『ペットの飼い方』とか持ってきて、マニュアル通りにやってる。優しすぎ、甘えさせすぎで困った子に育つ。 by319 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1298.html
「う~~~♪ ここはれみりゃのおへやにするどぉ~~~♪」 「ばぁ~か♪」 「うっう~♪ うあうあ~♪」 「ぎゃ~をた~べちゃ~うぞ~♪」 「れみりゃはつよいんだどぉ~~♪」 「ざぐやにいいつげるどぉ~♪」 「う~♪ ぷぅっでぃ~ん♪ ぷぅっでぃ~んもっでぎで~~♪」 「ちがうの!! ぷりんじゃなぐでぷぅっでぃ~んなの~!!!」 「いりゃにゃい!!! おやさいにがいからきらい!!!」 「おさかなもおにくもくしゃいからきらい!!!」 「ぽいするの♪ ぽいっ♪」 「れみ☆りゃ☆う~♪ にぱ~♪」 「う~~♪」 これは全てゆっくりれみりゃの言葉である。 更に詳しく言うと、紅魔館に住んでいる ザ・メタボリックれみりゃ の言葉である。 このれみりゃは、普通の俊敏な動きのできる四肢無しれみりゃに少し劣るが運動性能が高いれみりゃよりも遥かに劣る種類?だ。 だからこそ、普段は食料として出荷されている。 人間が侵入するのは難しいが、良く訓練された同系のれみりゃで友釣りするのだ。 そこで、俺は思った。 他にもれみりゃができる仕事があるんじゃないだろうか、と。 ゆっくりとはいえ四肢もある個体だ、可能性はある。 俺はその可能性を探求するために、イジメ、じゃ無くて研究を始める事にした。 「……」 そうして、紅魔館が見える所で張り込む事一週間。 「うっう~~♪ れみりゃう~♪」 きた!! ゆっくりれみりゃだ。 「みゃみゃ~~♪」 しかも四匹の子供連れだった。 「大丈夫ですかれみりゃ様? 家族だけでお出かけなんて?」 「う~~♪ れみりゃはこ~まかんのおぜうさまだど~~♪ だいじょうぶだど~♪」 「「「「う~う~♪」」」」 ……ふむ。 どうやら今回は勝手に抜け出したんじゃなくて、きちんと伝えてから出て行くらしい。 これはひょっとしたら不味いかもしれない。 「うっう~いっでぐるどぉ~~♪」 「いってらっしゃいませれみりゃ様」 手を振っているメイド長は、ずっとれみりゃ一家を見続けている。 「うっう~~♪」 おそらく、特製であろう日傘を片手で持ち、もう片方の手をブンブンと振りながら先頭を切って歩いてくるお母さんれみりゃ。 「う~ごっじにいくど~♪」 角を曲がってメイド長から見えなくなると、やはりメイド長がコソッと追いかけてきた。 仕方ない、これは諦めよう。 そう思い仮眠を取ろうとしたら、メイド長の動きが止まった。 「……どうしたの?」 「はい、レミリア様が至急お話があるそうです」 「そう。……分かったわ」 これはラッキー、屋敷の中へ戻って行った。 この機を逃す手は無い。 「おーいおまえたちー!!!」 「う~~~♪ うっう~れみりゃはこ~まk」 「よこせ!!!」 先手必勝、れみりゃの手から日傘を、そして帽子を奪い取る。 「うあああーーーー!!!!! れみりゃのぼーじかえぜーーーー!!!!!」 おお酷い酷い。 頼むからそんな顔でこっちを向かないでくれ。 「んー。こんなきったないものは処分しないとなー!」 「だめーーー!!!! それはゆいじょだだじーこーまがんのれみりゃのものなのーーーー!!!!」 「じゃあやっぱりごみだね!!! ごみがこはこっちだったね!!!」 「までーーー!!! までーーー!!!!」 俺の後ろを必死になって走ってくるれみりゃ。 必死になって走っているが、俺は唯歩いているだけなんだがな。 「まぁまぁ~~まっで~~~♪」 「う~~~♪」 その後ろからは、赤ちゃんれみりゃが追いかけてくる。 これは面白い事になりそうだ。 「うーーーー!!! がえじてねーー!!!!」 「はいはい。この帽子だったかな?」 漸く、目的の場所に到着した俺は、れみりゃに帽子を返さなかった。 「ほれ、ここにすでじゃう~♪ ぽいするど~♪」 そこの側溝に何時もれみりゃがやるように捨ててやった。 「あああーーー!!! れいむのぷりでーなおぼーじがぁー!!!!!」 躊躇なく側溝に飛び込んでいくれみりゃ。 そのまま、帽子と同時に側溝に落ちる。 「うっう~♪ うーーー!!! きだないーーー!!!!」 帽子を被り、漸く周りの状態を理解したれみりゃが勢い良くその場から上がってこようとする。 「セイヤ!!!」 「うぎゃ!!!」 上がってくるれみりゃをけり落とす。 そのままお尻を打って尻餅をつくれみりゃ。 「うーーー!!! ぎたないどーー!!! こーまかんのおじょーざまのごーじゃすなおよーふぐがよごれじゃったどぉーーー!!!!」 「そのほうが似合ってる。お前は今からそこを綺麗にするんだよ!!」 「うっう~♪ いやだぁ~~♪ ざぐやにやってもだう~~♪」 仕方がないなぁ。 「うっぎゃー!!! まぁまぁーーー!!!!」 取ったままだったれみりゃの日傘で一匹の赤ちゃんれみりゃを串刺しにする。 「あああ!! あがじゃん。れみりゃのぷりでーーなあがじゃんがーーーー!!!」 その言葉を無視し、その子供を放り投げると相違していたスコップでどぶをさらいれみりゃの頭にかけてあげる。 「うあーーー!! ぎだないーーー!! こーまgん!!!」 「ちがうだろ? お前は紅魔館のお嬢様じゃないんだよ?」 余りにも紅魔館紅魔館煩いので、スコップでガンガン叩く。 「うあーーー!! うあーーー!!!」 「分かったか? お前は紅魔館のお嬢様じゃないんだよ?」 「わがったーー!! わがったからゆるじてーー!!!」 よーし。 これで漸く計画どおりに事が運べる。 「よし、それじゃあさっさとココを綺麗にするんだ」 「うーーわがったーーー!!!」 少し小さめのスコップを投げてやる。 小さくても鉄製なのでずっしりと重い。 「うーーおもい!! ざぐやーーーれみりゃのかわりにやっでーー!!! んびゃあ!!」 「お前が一人でやるんだよ」 「はいーーー!!!」 全く。 れみりゃは、よろよろと立ち上がり必死になってスコップを持った。 「う~~?」 そうか、どうして良いか分からないのか。 「こうやって、すくってこっちに捨てるんだ」 身振り手振りを交えて、れみりゃに教えてやる。 「うーー!! うーー!!!」 単純な作業なので、ゆっくりにしては簡単に覚えた。 そして、今れみりゃは必死になってどぶをさらっている。 「うあーーー!! づがれだーー!! もうおわり~~♪」 「……」 「あぎゃああ!! まぁまぁーー!!!!」 もう一匹、赤ちゃんれみりゃの四肢を引きちぎってみた。 その後スコップで本人を殴打。 「さっさとやれ」 「はいーー!!! はいーーー!!!!」 何度も何度も、重いスコップを持ってかき出していくれみりゃ。 最後の方になると、疲れて何度も転びながら、何とか100Mのどぶさらいを終える事ができた。 「うーーー!!! うーーーー!!!」 「おい! 最後の仕事だ」 未だ側溝で荒い息をしているれみりゃに、最後の仕事を言いつける。 「うーー? ざいご?」 「そうだ。これで最後だ」 「う~~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱ~♪」 コンだけ元気があれば大丈夫だろ。 「ほい」 「うっぎゃーーー!!!」 「ほいほい」 「まぁまぁーー!!!!」 「ほーい」 「ぎゃーーー!!!」 「ラスト」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!!!」 四匹の子肉まんをバラバラびしてそこに放り込む。 「あああ!!! れみりゃのぷりでぃーなあがじゃんがーーー!!! んびゃ!!」 「違う! それはどぶだよ。さっさとそれをすくってココに入れろ」 大きなバケツをれみりゃの前に落とす。 「ちがうのーー!! これはrぎゃーー!!!!」 「はやくしろっていってるんだよ?」 「はいいーーーー!!! いれまずーーーー!!!」 おお早い早い。 随分と速いペースでバケツの中に入れ終えたれみりゃに、それを上にもってこいと命令する。 「ううーー!!! うーーー!!!」 律儀にスコップを持ったまま、バケツを上にあげたれみりゃ。 「ご苦労さん。それじゃあ、これ持って」 「う?」 「こうやって摺ってみて」 「うーー」 「あ、折れちゃったね。もっと早くやってみてね。折れたのはバケツの中に捨ててね」 「うー。う~~~!! う~~~♪」 「火がついたね。それもバケツの中に入れてね」 「う~~~♪ ぽい♪ うあああ゛あ゛ーーーー!!!!!」 うん、予め灯油を入れていただけあって良く燃える。 「まぁまぁーー!!!」 「あずいーーー!! あずいーーー!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!! あがじゃんがーーー!! あがじゃんがーーー!!!」 物凄い炎を上げるバケツの前で、唯呆然と立ち尽くすれみりゃ。 ここは一つ言葉をかけてやらねば。 「おまえがころしたの」 「!!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!!!」 おっと、馬鹿なれみりゃにも分かりやすく言ったのに、意味が分からないから泣き叫んだのかな。 まあいいや、もう焼け終わったみたいだし。 「ご苦労さん。これはごほ-びだよ」 「あああ!! う♪ ぷぅっでぃ~~ん♪」 「そうだよ。食べて良いよ」 「う~~♪ ぷぅっでぃ~~ん♪ うまうま!!!」 やっぱり働いた後のプリンは最高だよね。 「赤ちゃんは?」 「うあああーーー!!!」 「プリンは?」 「うっう~♪」 わースイッチみたい。 「それじゃあね…………」 俺は、二・三れみりゃと言葉を交わした後に紅魔館に返した。 俺も、先回りして張り込み現場に戻る。 ……。 待つ事数時間。 漸くれみりゃが帰ってきた。 「れみりゃさまーー!!! おそかったですねーー!! 咲夜心配しま……した……よ?」 「う~~~ざぐや~~~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱ~♪」 メイド長さんが驚くのも無理はない。 全身どぶまみれで差している日傘には、一つの赤ちゃんれみりゃの帽子が中身をべた付かせて同道と刺さっているのだから。 「あの? その格好は?」 「う~~~!! ざぐやはばぁかだ~~~♪ こ~まかんのおぜうさまのれみりゃのえれがんどながっごだどぉ~~~♪」 「それじゃあ、その傘は?」 「うっう~♪ れみりゃのかさはかっこいいどぉ~♪ たたぐとつよいんだど~~♪」 「……それじゃあ、子供達は?」 「う~~~?」 予想通り、混ざりまくった記憶から必死に子供の事を探し出すれみりゃ。 「う~~♪ こどもおいじかっだどぉ~~♪ うごいでつがれだがら、おながいっぱいだべたどぉ~~~♪」 呆気に取られたメイド長。 俺は、その結果を必死にメモに取った。 その為、屋敷の中で、数人の笑い声が聞こえた事など知る由も無かった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/301.html
家に帰ったらゆっくりれみりゃがいた。 笑顔で「うー!うー!」と言いながらよってくる。 うるさいので蹴飛ばしたらみぞおちにヒットした。 吹っ飛ばされて部屋の壁に当たる。 こいつは笑顔を崩して「う”-!!う”-!!」と泣き喚く。 赤い目から涙が流れ出て鼻水らしき液体も駄々漏れ。 所々で「ふごっ」と鼻をすする。汚い豚だ。 せっかくのお洋服がぐしょぐしょになってしまった。 ?ぐしょぐしょ?そうか。 俺はいい事を思いついた。次の作業に移るためにれみりゃにやさしく声をかける。 「う”ぁー、うぁぅ・・・」 「よしよしごめんよれみりゃ、痛くなかったかい」 「がぉー!い~たかぁ~ったぞぉ~!」 れみりゃは蛸のようなぐねぐねした腕を精一杯伸ばしてずれた帽子を直す。 上目遣いのれみりゃは顔をぐずつかせてご機嫌斜めのようだ。 「ほんと~に勘違いしてたよ、ごめんな」 そう言ってよしよししてやる。 れみりゃは暫くふてぶてしい表情をしていたが、 やがて俺がもう危害を加え無いと判断したのかご機嫌を取り戻していく。 「うっう~うぁうぁ♪」 不可解な音頭を取り笑顔になるれみりゃを連れて浴室へ。 俺はれみりゃを脱がして服を洗濯機に入れる。 「うぁ~、えっち☆」とぶりっ子のポーズを取るれみりゃ。 殴り殺したくなる所を抑えて風呂でシャワーを浴びさせる。 そこで俺は観察した。 このゆっくりは一体何だろう。 肉まんと呼ぶには人間に限りなく近い。 3頭身程度だが体温も髪質も人並み。 人の言葉を解して拙くとも喋る。 手足は五本指で爪もある。人の犬歯よりやや長い牙を持つ。 何より帽子や服は本当の布でできていた。 誰の差し金で俺の所に来た? そもそもこいつは生物なのか? ゆっくりゃの目は赤く、頭は不自然に大きい。 顔のパーツは上よりになっていて、髪を引っ張ると痛がる。 「ぃたぃ、ぃたぃ、ぅー・・・がぉ!」 牙を向いて腕に噛み付くが全く痛くない。 俺はゆっくりの顎を無理やり残る手で開かせてゆっくりゃの体を洗う。 裸のゆっくりゃは肌色で人間の幼女と変わりない。 生殖器もついでに開いて見ると人間のそれと似ている。 「ゃぁ~だぁ。だめだぉぅ。がお~ぅ・・・」 ゆっくりゃは顔を赤くしてうつむく。 この不相応な大きさの頭を除けばこれは人間の幼女と同じだ。それなら・・・ 仮説『適当なプロセスを選べばいくらでも人間の形に近づけることができるだろう』 俺はこいつのシャワーを終えると一人で良いアイデアがないか考えることにした。 ゆっくりゃは大きな頭をぶるんぶるん振って髪の水気を取ろうとしている。 「がぉー、水きらい!ざぐやぁ!ふげふけ!」 うるさいよこの豚。 俺は睨みを利かせて黙らせた。 リビングで乾いたゆっくりゃに服を着せずに放置しておく。 裸でも良いらしく相変わらずうぁうぁ踊っている。 俺は500ml紙カップ入りのコーヒー牛乳を飲みながら考えた。 あの顔には肉まんの中身が詰まっているのだろう。 噂ではゆっくり種は30%程度の中身を失うと死ぬらしい。 そして中身を他の部位に移し変えれば生きているそうだ。 だとすれば・・・・。 やるべきことが決まってきたので早速準備に取り掛かる。 肉まんを幼女に転生させるのだ。 しかし幼女にすることが目標ではない。 肉まんを審美眼に堪え得る存在に昇華させる事が目的なのだ。 準備品はは家にあるものだけで十分だった。 包丁、おたま、肌色の縫い糸と縫い針、接着剤、新聞紙、プリン、やさい、これが全てだ。 早速実行に移す。ゆっくりゃは退屈してきたのかテディベアのような姿勢で座り込んでいる。 顔からはよだれと涙が垂れており、食欲が湧いている。 「うぅ~、は~らぺ~こだぞぉ!」 俺の視線に気づくと床を叩いて 「さぐや!おやづ!」 とねだる。赤い眼は薄く濁り、ふてぶてしい表情を浮かべている。 俺は用意したプリンを見せる。 「よし、こっちおいで!プリンがあるよ!」 「ぷりん?ぷでぃんがあるの?う~!だべどぅ♪」 笑顔で転がりながらやって来る。 ごろごろしたゆっくりゃを片手で止める。 俺はプリンをすくってこいつの目の前までもっていく。 もう片手にはやさい(キャベツ)を隠しておく。 「あ~ん♪」 「これあげるっ」 隠しておいたキャベツを思いっきりゆっくりゃの口の中に押しこむ。 一瞬「ごぼっ」と音が聞こえ、ゆっくりゃはもがく。 「ん”-------!!!!!!!ん”ん”--------!!!!!」 手足をジタバタさせるゆっくりゃ。 俺は翼を手でもぎ取り、余った顎を包丁で開き、中の肉をお玉で一気にこそぎとる。 キャベツが芯になってやりやすい。 まるでケバブを調理する感覚だ。 キャベツを含んだ口の袋を残して肉といくつか皮を新聞紙の上に取り出す。 頭だけでこいつは40%の肉をもっているだろうから注意する。 「ぐっ!!!ん”ん”ん”!!!!ぶぅー!!!」 今度は胸を切開する。暴れるれみりゃ。 「暴れると余計痛いぞ」 そう言うと鼻息荒くもれみりゃはじっとしようと耐え始めた。 何もない胸にまず切り取った顎の皮を縫い付ける。 皮にゆとりができたのでさっきの肉を接着剤と混ぜて詰め込む。 この作業を二回繰り返して胸を作った。 そこそこ上手くできたのでさらに接着剤で胸のの手術跡を塞ぐ。 次は空きっぱなしだった顎を整形させる。 ゆっくりゃの頭の大きさを直すために頭を思いっきり押さえつける。 切り開かれた顎の下から肉がめきめき出てくる。 ゆっくりゃは前にも増してじたばたする。 「☆★♪!!!!!!!??!?!#$#”$%」 キャベツをそろそろ取り外してやる。 「ぎゃぁ”””””””!!!!ぶでぃんだべずるっふーげふ」 顎が塞がれていないので上手く喋ることができない。 大きな顎と頭のラインを整えるために出てきた肉と余った皮を切り取る。 喉を押さえつけて皮を思いっきり引っ張る。 頭が普通の人間位の大きさになってきたのでまとめて包丁で切除、縫合、接着。 「い”だぁあああああああああああああい”よぉおおおおおおおお!!!!!」 出来上がったゆっくりゃの顔は引っ張って作ったせいか垂れ目で口は鯉のようだ。 全体のシルエットは胸のある幼女といった所。 「ぷでぃんたべる!!!!!!」 幸い言語はちゃんと喋れるようだ。 しかし細かい所まで処置できなかったので所々おかしな箇所があるがそれはどうでもいい。 こうしてゆっくりゃの人間化は一つの節目を迎えた。 残った肉と皮は全体の15%程度で、どうするべきか悩んだが捨てることにした。 「すでないでぇええええええええええ」 ゆっくりゃが泣き付いてきたが食べさせるとまた元通りになりそうだったので無視した。 足元に抱きつきながらずるずる引っ張られるゆっくりゃ。 ああ、かわいい、かわいいよ。 数日後。 ゆっくりゃはそのまま変わった所も無くいつものようにうーうー踊っている。 たとえ形が変わっても精神が変わるには困難を要する。 あれからやさいしか与えていない。もしゆっくりを与えるとすぐに元に戻ってしまうだろう。 仮に与えても口が小さくなったから丸かじりできない。 野生に放すともう捕食すらできないだろう。 「ぶでぃんだべどぅ!やざいいだだい!ざぐや”!!!!う”----------!!!!!」 じたばたするゆっくりゃも毎度の事となった。 俺がこの存在を育てていくのだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1660.html
れみりゃ拘束虐待~刺したりねじったり固定したり~ ある日、俺はゆっくりれみりゃを森で捕獲した。稀なる幸運だ。 これは日々虐待お兄さんとして清く正しい生活を送っている俺に、神様が下さった贈り物に違いあるまい。 今までは手に入れやすい野生のれいむやまりさ、時たま確保できるゆっくりありすなどで平々凡々とした虐待に明け暮れていたが、 実は以前からこうした大型のゆっくりを手に入れたいと思っていたのだ。 「ああ……俺の、俺だけのれみりゃ……」 「う~♪う~♪」 「うるせぇ!!」 挨拶代わりに、手足と翼に一本ずつ錐を突き刺してみた。 「いだい!!ぢくっとじたどぅ!!おぜうさまになんてことするんだどぅーー!!」 錐は比較的細いので、まだ注射針を刺された程度の痛みしか感じていないようだ。いい感じに虐待魂を刺激する、生意気な言葉を発する余裕さえ見て取れる。 俺は錐に手をかけると…… 「あぐっぅぅ!?いだいどぉぉぉぉーー!!じゃぐやぁぁぁぁ!!!!じぃいゃぐやあああああ!!!!!」 ぐるぐるぐるぐると回転させる。少しでも痛みから逃れようと、本来のものよりさらに不恰好なダンスを踊るが、俺の手の動きからは逃れられるはずもない。 ぐるぐる、ぶっちん。 「ぎゃおおおお!!!!!」 ぐるぐる、ぶちん。 「いだだだだだだだだあっあっあっあっああああああ!!!!!」 ばちん。ばちん。 「もげるううううう!!!!れみりゃのごうぎなおつばざがどれぢゃううううう!!!!!!」 数分とかからず、手足四つと翼がねじ切れる。その断面からは肉餡と肉汁が覗いている。 「ほらよっと」 芋虫のようになったれみりゃの胴体部分に錐の一本を突き刺し、床に固定する。 「さて、肉饅を味見するかねっと」 「がえぜええええ!!!おぜうざまのだいじなだいじながらだだどぅぅぅ!!がえぜえええ!!!!」 無視を決め込む。 「うおっ、まずっ。なんだこりゃ。全然喰えたもんじゃないぞ。恥ずかしい肉饅だなあ」 「にぐばんじゃなああああいいいい!!!」 本当はなかなか美味だったが、肉饅頭のこいつはどんなことで増長するかわかったものではない。適当に残して、 「まじゅいまじゅいごみにくは、ぽいっ☆だどぅ~☆」 れみりゃ種の仕草で捨てるそぶりを見せてやる。……隠すだけだ。本当は取っといて後で食べる。 「ぃやべでえええええええ!!!!!れみりゃのおおおおお!!!!」 続いて翼。そういえば、今まで気にした事はなかったがこの部分はどんな味がするのだろう。 肉の出来ばえから考えて、食べられないということはなさそうだが……? とりあえず食べようとして――もっといいことを思いついた。 「なんじゃこりゃ!!くさっ!!おぜうさまのつばさ、くさっ!! さすがにこれを食べるとかはないわ~…」 顔を背ける。我ながら迫真の演技だ。 「ぐざぐなんがないどぅ~!!がえぜっ!がえぜえええ!!!」 まあ、これも取っといて後で食べるんだけどね。 「くさいどぅ~☆こんなの生やしててはずかしくないんだどぅ~?」 「ううううううーーーー!!!」 俺は二枚の翼を両手で一枚ずつ持つ。 「いないいない……う~☆」 「うっ?」 さっきまで泣いていたのに、俺のいないいないうーに即座に反応するれみりゃ。 「いないいない…」 「いないいないぃぃ…」 そこで。 「くさっ!!!」 「ぐぢゃぐなんがないっでのにいいいい!!!!!」 もう一回。 「いないいない…」 「いないいないぃぃ…」 「くさっ!!!くさすぎっ!!」 「ぐぢゃぐないぃぃ!!!うぎぃぃぃ!!!!」 しばらくそのようにして、れみりゃの翼をおもちゃにして遊んだ。 「ゆぐぐぐぐ………」 「おっ?」 やがて、過剰なストレスからかれみりゃはとうとう気絶した。寝姿も実に滑稽だ。 そのままれみりゃを眺めていると、感慨が沸き起こる。 「ああ、本当に、いいものを手に入れた……」 こいつをどれだけ激しく、かつエレガントに虐待できるか。俺の器が試される時だ。 * * * * 準備に数ヶ月を要し、ついに俺は自分のれみりゃにふさわしい虐待方法へとたどり着いた。 「ほら、こっちへおいで。おいしいぷでぃんがあるぞ」 滅多にくれてやらないぷでぃんをちらつかせ、大変な思いで清掃し機材を取り付けた地下室へとれみりゃを誘う。 「うー♪やっとぷでぃんをよこすきになったどぅ~?ほめてやるどぅ~☆さっさとそのぷでぃ…」 「何 様 じ ゃ ボ ケ が!!!」 「ゆぎゃあああああ!!!!!」 ぶちぶちぶちっ!!翼の一枚を根本からもぎる。 ちなみにこの翼、メンマというかなんかそんな感じの食感だった。日々の虐待によってどんどん味が濃く、香ばしい独特の風味が出てくるようになってきている。うまい。 「あーくせえくせえまずい」 けなしてやりながらぼりぼりとかじる。あーだのうーだのぐぢゃぐないだのと喚くれみりゃを蹴り転がして地下室へとたどり着く。 「着いたぞ」 「うう~?」 地下室には、ゆっくりの入ったガラス箱を、左右正面の壁に沿って敷き詰めている。さながらゆっくり専門店のように。 「ゆぐううううう!?」 「れみりゃごわい!!!こっちこないでね!!!」 「ゆっぐりでぎないよおおおおおお!!!!」 れみりゃの姿を認めると、一斉に騒ぎ出すゆっくり達。 はじめは呆けていたれみりゃだったが、ゆっくりの声を聞いて、今まで忘れていた捕食種としての自尊心を取り戻し威嚇を始めた。 「ぎゃおぅ~☆たべちゃうどぉ~☆」 「ゆっぐりだすげてえええええ!!!!」 俺はれみりゃの背中を掴み、室の真ん中へと押しやる。 「ほれ」 「う~?」 ゆっくり箱に開けた穴から手を突っ込ませる。 「つっかまえるどぅー!」 突如箱に進入してきた捕食者の手から逃れようとするゆっくり達だが、そのゆっくりした動きのせいで逃げ遅れるものが出る。 「びゃぶううっ!!」 俺はゆっくりゃの手を完全に突っ込ませてから錠をかけ、固定する。逆側の手も、逆側の箱に突っ込んでやる。 「やめろおおお!!!まりざをだずげるんだぜええええ!!!」 「おにいさん!まりさをたすけてね!!」 同じ箱の中にいるんだから、お前が助けろよ。 「たべちゃうどぅ~☆」 と、そこでれみりゃは手を引っこ抜けない自分に気がついた。 「たべられないどぅ~?」 その間に、ゆっくり達は箱の隅、れみりゃの手の届かない安全地帯へと逃げ込む。 「それじゃあな」 俺は地下室を出た。 * * * * まんじりともせず、血反吐が出るほど待ち遠しく数日をすごした。 ついに自分で決めた刻限がやってくる。頃合いを見計らい、俺は再び地下室へと足を踏み入れる。 いや、あまりのテンションに、踏み入るというよりは踊り込むといった感じだったのは否定できない。 「ヘローエブリワン!!虐待お兄さんだよ!!」 「ゆっ!!!!」 待ち望んでいたその場所―― そこには、俺の望んだままの光景が展開されていた。 「Oh……グレート……」 箱の中には、欠けることのないゆっくりの群体。 室の中央には、両手を固定されてこちらを振り向くこともできないれみりゃ。 れみりゃは俺に気づくと、口汚く騒ぎ始めた。 「たべられないどおおおおお!!!!あしがつかれるどぅぅぅぅぅ!!!ぷっでぃんんんん!!!おででぇぇぇぇ!!!」 支離滅裂だが、言わんとすることは分かる。 れみりゃは身体を固定されているために、餌をとることができない。 それのみならず、ゆっくりに手をかじられている。ゆっくりは、普段はガラス箱の内部の餌発生装置から生成される餌で生活しながら、れみりゃが寝るのを見計らって襲撃すればいいのだ。 立ちっぱなしで足が疲れている。 計画通りだ。これなら、さぞかし美味しい肉饅になるだろう。 「ソーグレートエブリワン!!!エブリワンはゆっくりしてるかな!!」 「ゆっ!!ゆっ!!!」 「ゆっくりしてるよ!!」 「お兄さんもゆっくりしていってね!!!」 「いぢゃああいいいい!!!おあしぃおあしがいちゃいのおおおお!!!なんとかするんだどぅぅぅぅぅ!!!」 れみりゃをのぞいたゆっくり達は、れみりゃ肉饅という極上の餌を食べてご満悦だ。 俺は叫ぶ。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 「ゆっぐりでぎないいいい!!!!!」 大合唱が地下室に反響する。あとれみりゃの悲鳴も。 「さてと」 俺はゆっくり箱かられみりゃへと視線を移す。 「おあし……おあしがあああああ……」 両手が固定されているので、座ることもできない。足の力を抜いてしまえば腕がもげる。まさか乳酸菌がたまったりはしないだろうが、予想通りこいつらにとっても立ちっぱなしは辛いらしい。 俺は、じたばたとみっともなく地団太を踏む足に、用意してきたギプスをはめる作業に入った。 「う♪」 一切の刺激がないまま放置され、くたびれきった足に俺の手の感触が心地よかったのか、れみりゃは一瞬機嫌を直す。 「きもち~どぅ~☆」 内心むかつきながらも作業作業。 「そうら、これでおあしを曲げることもできなくなったよ」 さらに、金具で床に固定する。これで地団太を踏むことさえできなくなったわけだ。 「なにしてるどぅー!!そんなことよりはやくおぜうさまをここからだすんだどぅ~!!!!そうしないとたべちゃうどぅ~☆にぱ~☆」 出すわけねーだろ。っていうかまだ状況を理解していない。 「動かせるかい?」 念のため、そして肉饅の頭脳に状況を理解させてやるため問いかける。 「う?」 「おあしが、動かせるか試してみなよ」 「ああああーーーーー!!!!あんあああーーーー!!!!!おあじいいい!!!!おあじがあああ!!!じぇんじぇんうごかないどぅぅぅぅ!!!!」 「そうかい、それはよかった」 「よぐないいいい!!!」 さらに、長方形のガラス箱を取り出し、ゆっくり箱かられみりゃの帽子へと渡す。 「エブリワン、あれをげっとしたらもっとゆっくりできるよ」 「ゆゆっ!!」 「ゆっくりとりにいくよ!!」 左右のガラス箱、その上の方の棚に住んでいたゆっくりたちが我先にとれみりゃの帽子めがけて動き出す。 「れみりゃ、おあしのことはあきらめて(笑)上を見てごらんよ。お帽子が取られちゃうぞ」 俺はれみりゃに教える。れみりゃは言われたとおり自分の頭上を見上げる。 しかし、うぎぎぎと手や翼に力をこめるだけで、どうすることもできない。 「ゆっゆっゆ!!まりささまがゆっくりいちばんのりだぜ!!!」 「ゆぐぐう…にばんめぇ……」 やがて、自分の大切な帽子がゆっくりにもてあそばれはじめるのを見て怒り出すれみりゃ。 「ぎゃお~!!れみりゃのすぺっしゃるなおぼうしにてをだすなんてふとどきものだどぅ~!!たべちゃうどぅ~☆」 しかし、対するゆっくり達の反応は冷淡だ。 「たべちゃうだってさ」 「おお、こわいこわい」 「ぎゃおおう!?ほんどーにたべぢゃうんだどぅーーー!!!」 「おっと!こいつはそっちがわにはわたさないんだぜ!!まりさのなんだぜ!!」 「こっちのはこにもゆっくりわたしてね!!!れいむたちもゆっくりしたいよ!!」 おお、すげえ。相手にもされてない。ゆっくりたちはそれっきりれみりゃに構うことなく、新たな玩具をめぐって一進一退のおいかけっこをはじめる。 一番乗りのまりさは、自分の側から登ってきている後続に声をかける。 「みんな!!ゆっくりかせいするんだぜ!!」 それを見てれいむも、自分の子供に助けを求める。 「おちびちゃん!!おかあさんをたすけてね!!」 「ゆゆぅ~っ!!」 見る見るうちに両側の箱から後続がたどり着き、れみりゃの頭を挟んで引っ張りっこが始まる。 「ゆっゆっゆっゆっ……」 「ゆうううううう!!!」 「おぼうじぃ!!おぼうじがだめになっぢゃうぅぅぅ!!!」 「だぜ!!だぜ!!」 「ゆゆゆゆゆゆ!!!!」 びりっ。 案の定、二つに裂ける帽子。 「あああああんんんんんん!!!!!だがらいっだどにいいいいい!!!!」 滂沱の涙を流すれみりゃ。ゆっくり達はというと各半分ずつを自分側の取り分として納得したようだ。 「いいしょうぶだったぜ!!」 「ゆゆ!!つぎはれいむがゆっくりかつからね!!」 毎日ゆっくりコールを交わす間柄として、両側のゆっくりは仲が良さそうだ。身体を擦り付けあうなど存分にゆっくりし、自分たちの箱へ戦利品を持ち帰る。そして、自分達の箱でまたそれを引きずったり裂いたりして楽しんでいる。 「ゆがががががががが!!!!!!!もうゆるざないんだどぅぅぅぅ!!!!」 「おお、おろかおろか」 「ゆゆっ!!できるものならやってみてね!!」 「ごんどごぞ、ほんどうのほんどうのほんどぅぅに、たべじゃうんだどぅぅぅぅぅ!!!!!ぎゃおおおおおお!!!あああああ!!!!!」 「おばかさんはあいてにしてらんないよ!!そんなことより、あかちゃんとおぼうしであそぶよ!!」 「ゆっ!!!ゆっきゅり!!」 「おぼうじいいいいいい!!!!がえじてぇぇぇぇぇ!!!!!!」 俺は箱に近づき、 「ちょいとごめんよ」 帽子の切れ端を取り出し、かじる。餃子の皮のようなシンプルな味わいだ。 「あぐうううううう!!!!!!!だめえええええ!!!!!!」 半分ほど残し、箱に投げ入れてやる。それも、ゆっくり達の近づかないれみりゃの手の側だ。 「おぼうしとりかえしたどぅ~☆れみりゃ~のだどぅ~☆」 自力で取り返したわけでもないのにこの威張りよう。所詮は肉饅か。しかも、それを手にしてどうするかという点まで気が回ってもいない。ニヤニヤと見守る。 「う~っ?うっう~☆」 「…………」 「うううーーー!!!できないどぅぅぅぅぅ!!!!????」 すぐに挫折する。そりゃそうだ。手に取ったって、頭に持っていきようがないんだからしょうがない。 「なんでだどぅ~!!おぼうじかぶれないどぅぅぅぅーーー!!」 「おぼうしもかぶれないのかい?そんなことじゃ、おぜうさま失格だね」 「ゆっゆっゆっゆっ!!!!」 ゆっくりまで笑ってるよ、おい。 「臭いしおててはかじられてるし、おあしも動かせないんだったよね?ぜんぜんえれがんとなおぜうさまじゃないなあ……」 「うぎゃおぅぅぅぅ!!!!!!いやだどぅぅぅ!!!!おながずいたどぅぅぅう!!!!おあじぃぃぃ!!!おててぇぇぇ!!!!!」 「あ、そうだ。お翼とお肉を貰っていくね」 わざとゆっくりと、翼をもぎり肉をかっぱぐ。 「ぎゃうぅぅ!!!いだいどぅぅぅぅぅぅ!!!!やべでぇぇぇぇぇ!!!!!」 「ゆゆゆゆゆ!!!」 「おぼうし、きたなくなったからぽーいだよ!!!」 「ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「うがうぅぅぅぅ!!!!!れびりゃはおぜうざま、おぜうざまなどにぃぃぃぃぃ!!!!だんでえぇぇぇぇぇぇ!!!????」 はー、面白かった。 れみりゃには、植物に養分を与えるのに使うアンプルを突き刺してきた。濃度の高い薬が入っているので、これでずっと保つだろう。 顔の前にぷっでぃんを吊るしてきたが、あれはまたしばらくあとでゆっくり達に与えるとして……。 あれも、これも――してやりたいことは沢山だ。 「ああ、本当にれみりゃはいいなあ……」 甘美な喜びは胸の奥に。 俺は次なる虐待に思いをはせるのだった。 おしまい □ ■ □ ■ あとがき ちょっと詰め込みすぎてくどくなったかもしれません。作中でいい目をみてばかりいるゆっくり達も虐待できなかったし…… 今後精進していきたいと思います。 読了下さり、ありがとうございました。 今まで書いたSS 豚小屋とぷっでぃーん 豚小屋とぷっでぃーん2 エターナル冷やし饅頭 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1748.html
かりしゅま対決! ============================ ≪はじめに≫ 「でびりゃまん」の続き(その2)になります。 本家東方のキャラが出ますが、口調・性格ともに結構いい加減です (※fuku2706.txtから一部修正しました) 以上、ご容赦ご了承ください。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。 ============================ 空を、一匹のれみりゃが行く。 このれみりゃ、見た目は一般的な胴体付きのれみりゃに近いが、少しばかり勝手が違った。 体は、他のれみりゃより一回り大きく、120~130cm程もある。 お飾り程度にしかついていないはずの羽も、それなりに大きく、飛行速度はうーぱっく並。 また、普通のれみりゃの服がピンク色なのに対して、 このれみりゃの服は紫がかったスミレ色をしていた。 ……というのも、このれみりゃ、 諸々の事情によって、れみりゃ種とフラン種の間に生まれた変異種なのだ。 「う~♪ とうちゃーく」 紅魔館を囲うように繁る木々、 その中でも一際大きな木の枝の上に降り立つ、れみりゃ。 「うー! おっきぃーどぉー!」 れみりゃは紅魔館を見て、ただでさえ大きな目を丸くする。 「えれがんとなおやしきだどぉー♪ わるいやつぽぉーいしたら、ここをべっそうにするどぉー♪」 "わるいやつ" このれみりゃは、森で偶然助けたれみりゃ達から頼まれ事をしていた。 れみりゃ達をいじめる悪い奴がいるから助けて欲しい、と。 このれみりゃは、その話を聞いて、わるいやつをやっつけるべく、 こうして紅魔館にやって来たのだった。 「う?」 れみりゃは、館の庭先にとある一団を発見する。 「う~~♪ れみりゃがいっぱぁ~~い♪ か~わいいどぉ~♪」 館の庭先には、紅魔館で飼われているゆっくりれみりゃ達が勢揃いしていた。 みな歌を歌ったり、うぁうぁ踊ったりして楽しそうだ。 「うー……? みんな楽しそうにゆっくりしてるどぉ?」 見たところ、いじめられている様子は無い。 話に聞いていたのは、何やら様子が違う。 「れみりゃもゆっくりしたいどぉー♪ なかまにい~れてぇ~♪」 パタパタ木から下りていくれみりゃ。 が、れみりゃが屋敷に下りるよりも一歩早く、 庭先のれみりゃ達はメイド達に連れられて屋敷の中に入っていってしまう。 「みんなどこぉ~♪ れみりゃおいてけぼりにしちゃイヤイヤ~~ん♪」 誰もいなくなった庭に下りた、れみりゃ。 周囲には、ゆっくり一匹おらず、広大な庭の中央に一人取り残された形となる。 「うー♪うー♪ ゆっくりゆっくり~♪」 しばらく、ニコニコしながら仲間の登場を待ったが、何も起こりはしなかった。 「うー……」 せっかくたくさんの仲間と"ゆっくり"できると思ったのに……。 れみりゃは、がっかりしてしょぼーんとする 「うっ! わかったどぉ!」 やがて、れみりゃは顔を上げ、プンスカ憤慨しだした。 「みんなわるいやつにつかまっちゃったんだどぉー!」 そう、やはりここは悪い奴のヒミツ基地なんだ! れみりゃはそう解釈し、仲間を助けるべく燃え上がる。 「みんなぁ~いまたすけるからまっててねぇ~ん♪」 だが、相手はあれだけたくさんいたれみりゃ達を捕まえてしまうほどの強敵! うかつに入るのは危険と感じたれみりゃは、なにか良い手は無いかと屋敷の周りをパタパタ回る。 「うっ! これだどぉー! やっぱりれみりゃはおりこうさんだどぉ~♪」 れみりゃは、屋敷から出されたゴミを集める集積所で"あるもの"を見つけ、目を輝かせた。 「うーしょ♪ うーしょ♪」 その"あるもの"をえっちらおっちら引っ張り出すれみりゃ。 それは、大きなダンボールの空箱だった……。 * * * 「……はぁ」 紅魔館の廊下を、一人の少女が溜息をついて歩いていた。 彼女の悩みの種、それは少女への巷の評価に因るものだった。 「納得いかないわ……。この私のどこがカリスマブレイクなのよ……」 そう、この少女こそ齢500年、幻想郷でも屈指の力を誇る吸血鬼、 紅魔館当主レミリア・スカーレットであった。 しかし、その立場や実力に反して、昨今の彼女の評判は決してかんばしくない。 恐怖と畏怖の的であるべき彼女のイメージは、今や地に落ちていた。 人々は影でごう囁いていた"カリスマ(笑)"と。 「もう! それもこれも咲夜があの変な奴らを飼い始めたせいよ!」 そう言って、勢いよく自室の扉を開けるレミリア。 部屋の中からは心地良い風が流れてきて、彼女の髪を揺らした。 「あら? 窓を開けていたかし…ら……」 レミリアは、部屋の中の様子を見て、ピクっと体を硬直させる。 部屋の窓ガラスが割られ、部屋の中に石ころが転がっている。 そして、もっとも大きな違和感。 部屋の中央に、巨大なダンボールが置かれていた。 しかも、そのダンボールの下からは、短い足と隠し切れていない大きなお尻が伸びていた。 「…………」 絶句するレミリア。 たった今、彼女が口にした自分の評判を貶めているもの。 すなわち、にっくき"ゆっくりれみりゃ"なる存在が、あろうことが部屋に入り込んでいた。 「う~~♪ せんにゅうせいこうだどぉ~♪」 そのれみりゃは、レミリアの存在など気にも留めず、 嬉しそうに口を開いた。 「……あなた、ここがどこだかわかっているの?」 「うっ!?」 れみりゃは、レミリアの声を聞くと、慌てて身を屈めてダンボールを目深に被る。 しかし、ダンボールはれみりゃより小さく、体を完全に隠し切れてはいない。 「うー、あぶなかったどぉー♪」 ……と、安堵の声をあげるれみりゃ。 どうやら、れみりゃ本人は完璧に隠れられていると思っているらしい。 「……それで隠れてるつもり?」 「うっ!?」 「……バレバレじゃない」 「うー! そんなことないのぉー! れみりゃのへんそうはかんぺきなのぉー!」 返事までしておいて何を言っているのか…。 レミリアは、仮にも自分の姿と似ている(と周りが言う)このゆっくりが、 あまりにもバカで情けないことに対し、怒りを通り越して悲しくなってきていた。 運命を操作する能力を持つ吸血鬼にしても、 この神のイタズラとでも言うべき運命には、ただ悲嘆するしかなかった。 「なんて……情けない……」 「うー♪ ここにはだれもいましぇ~ん♪ おねぇーさんはゆっくりしないでどっかへいくどぉー♪」 「どこへも行かないわよ」 「うー! だめぇーなのぉー! それじゃれみりゃがゆっくりできないのぉー!」 「だって……」 「ぎゃおー♪」 「ここは私の部屋だもの!」 レミリアは、我慢がならず、れみりゃのダンボールをがばっとはぎ取る。 「うっ!」 一瞬、ダンボールを取られたのに気付かなかったれみりゃは、 レミリアと視線が交わっていることに首を傾げた後、ポンポンと両手で自分の頭を撫でて、 ダンボールが無いことを認識した。 「う~~~♪ みつかっちゃたどぉー♪」 れみりゃは、慌てず騒がず、ただ笑顔でそう言った。 目の前に立つレミリアの恐ろしさも、その機嫌の悪さも、 全く理解していないからこそできる言動だった。 もし、この場に並の人間や妖怪がいたならなら、そんなことは出来はしない。 何故なら、レミリアは怒りでプルプルと体を震わせ、今にも爆発寸前だったのだから。 「れみりゃを見つけるなんてなかなかのもんだどぉー♪ ごほうびになでなでしてあげるぅ~♪」 とてとてレミリアに近づき、 精一杯、背と手を伸ばして頭を撫でようとする、れみりゃ。 が、あともう少しのところで手が届かず、上手く撫でることができない。 「うー! あたま下げてくれないと、なでられないどぉー!」 レミリアに頭を下げるように催促する、れみりゃ。 「私が、お前に、頭を……?」 「そうだどぉ! じゃないとなでなでしてあげないどぉー?」 「いらないわ、そんなもの……」 「う~? もしかしてなでなで以外のごほうびがほしぃのぉー?」 れみりゃは、しばし考え込んでから、合点する。 「ゆっくりりかいしたどぉー! もぉ~~おねぇーさんはよくばりやさんだどぉ~~♪」 れみりゃは苦笑してから、 「でびりゃうぃーーーんぐ♪」 と叫んで、レミリアのベッドの方へパタパタ飛んでいく。 そして、靴も脱がずに土足のまま、ベッドの上に着地する。 「れみりゃの~とっておきのしぇくしぃ~だんすぅ~~♪ とくべつにみせてあげるぅ~~ん♪」 「………………」 レミリアは無言だった。 しかし、その怒りは確実に溢れだしていき、部屋の中の小物をカタカタと揺らす。 「れっつ☆しゅびどぅばぁ~~~♪」 れみりゃは、そんなレミリアを無視して、勝手にベッドの上で踊り出す。 他のれみりゃでは踊れない……と本人が勝手に思っている、自慢の創作ダンスだ。 うぁうぁリズムを刻み、手足をヨタヨタ動かし、お尻をふりふり。 やがて、のってきたれみりゃは、さらに自慢のテーマソングを歌い出す。 「あれは~だれどぉ♪ だれどぉ♪ だれどぉ♪」 それは、森のれみりゃ達と一緒に何日もかけて考えた歌。 「あれは~でびりゃ♪ でびりゃま~ん♪」 正義の味方である自分を鼓舞する、お気に入りの歌。 「でっび~りゃまぁ~~~~~ん♪」 ばぁーん! 両手両足を大の字にして、決めポーズを取る、れみりゃ。 「……でびりゃ、まん?」 「うっうー♪ れみりゃは~せいぎのみかた、でびりゃまんなんだどぉ~~~♪」 正義の味方・でびりゃまん。 れみりゃは、それが自分の名前であり、役目であり、使命だと思っていた。 そして今日も、正義の味方でびりゃまんは、こうして悪い奴がいる屋敷に潜入したのだと。 故に、れみりゃは何も悪びれず、レミリアからも理解と協力が得られて当然だと考えた。 「でびりゃまんのかつやく、ききたい~♪」 「……聞きたくない」 「えんりょしないでいいどぉー♪ とくべつさぁーびすだどぉ♪ う~、れみりゃやっさしぃどぉー♪」 まずはどこから説明しようかな? れみりゃは、「う~~~」と考えた後、 まずは格好良いテーマソングの続きを聴かせてあげようと結論づけた。 「うぁうぁもの~なを~う~けてぇ~♪ ぷっでぃんをたべてぇ~たた~かう~れみりゃ~♪」 「……うるさいっ!!」 とうとう我慢の限界。 レミリアは、れみりゃを怒鳴りつけた。 「う?」 「おまえなんかの、おまえなんかのために、私のカリスマが……」 下唇を噛み、握り拳を振るわせるレミリア。 「う~? おねぇーさん、かりしゅまでおなやみなのぉ~♪」 一方、この状況になってまだ、れみりゃは危険を感じていなかった。 このれみりゃ、れみりゃ種としてはなまじ強く、 また、でびりゃまんとしてチヤホヤされてきたため、 いまだに危機的な状況や死ぬような目に陥ったことがなかった。 それどころか、自分はヒーローなのだ、カリスマなのだという自負心ばかりが強くなっていた。 「しょーがないどぉー♪ このでびりゃまんがぁ~、かりしゅま☆のなんたるかをおしえてあげるどぉ~♪」 全くの善意から、レミリアに"かりしゅま道"を教えてあげようとする、れみりゃ。 だが、次の瞬間。 れみりゃはおかしなことに気付いた。 目の前にいたはずのレミリアがいつの間にか消えているではないか。 「うー?」 代わりに見えるのは、天井とシャンデリア。 いつの間にか寝てしまったのだろうか? れみりゃは不思議に思って体を起こそうとする。 「う~~? おきれないどぉ?」 「そりゃそうでしょうね……」 「う?……うわぁぁぁぁぁぁぁ---っ!!」 レミリアの声に振り向く、れみりゃ。 すると、そこには首の無い体があった。 その体は、紫がかったスミレいろのおべべに身をつけていた。 森のみんなから賞賛された自慢のスミレ色が。 「うあぁぁぁぁっ! それ、れみりゃのだいじだいじだどぉーーー!!!」 顔だけになり床に転がるれみりゃが、泣き叫ぶ。 レミリアは、一瞬の間にれみりゃをなぎ払い、体を奪い取っていたのだ。 「ふん、これが無ければ、あなたも無礼を働けないでしょう?」 「うあ~~っ! かえせぇぇ~~っ! かえすんだどぉぉぉ~~~っ!!」 「ふふ、イヤよ♪」 吸血らしく、邪悪な笑みを浮かべるレミリア。 「れみりゃのおからだぁぁーーーっ!! かえさないとぉたべちゃうぞぉぉぉぉーーーっ!!」 「おおー、こわいこわい♪」 ぶ~んぶ~んと、レミリアは雑にれみりゃの体を振り回す。 振り回されるたび、切断面からは肉餡が飛び散っていく。 「うっぎゃぁぁぁ! れみりゃのぷりぃてぃーぼでぃがぁーーー! ないすばでぇがぁぁーーーーっ!」 大事な体を粗雑に扱われ、気が気でないれみりゃ。 「やだ、手がベトベトだわ……汚らしい」 「ぎゃぉぉぉっ! れみりゃのおからだ、きちゃなくなんてないのぉぉぉーーっ!!」 「なに言ってるのよ。もう、手がベトベトになっちゃたじゃない!」 「う~~~! べとべとちがうのー! れみりゃのかりしゅま☆おじるなのぉー!」 かりしゅま汁って……。 つくづく、目の前のゆっくりに対して呆れ果てるレミリア。 「そんなに言うなら取り返してみなさいよ……ねぇ、カリスマさん?」 「うーーー! かりすまじゃなくて、かりしゅま☆なのぉー!! おねぇーしゃんのぶーーかぁっ!!」 悪態をつく、れみりゃに対して、レミリアの額に新たな青筋が浮かぶ。 「口の利き方に気をつけなさい? つい手が滑って、この体ポイしちゃうかもよ?」 「うううーーーっ! おねーしゃんわるいやつだどぉーー! れみりゃがやっつけてやるどぉーー!」 床の上のゴロゴロ転がる、れみりゃの頭部。 レミリア、最小限に力を絞った弾幕を、そのれみりゃの額に当てる。 「ひどぉいどぉぉーーーーっ!!」 「あら、だから忠告したでしょ? 口の利き方」 れみりゃの額が赤く染まる。 だぁーだぁー涙を流す、れみりゃ。 「ざくやーあーーーー! なにしてるんだどぉーーー! はやぐおぜうざまをだずげるんだどぉーーーっ!!」 「……もう、一発くらいたいみたいね♪」 「ひ、ひぃっ! い、いやぁ~~~!」 れみりゃは、がくがく震えながら、か細い声をあげる。 「いやぁー、いたいたいの、こあいどぉー……」 れみりゃは、ぎゅーと目を瞑り、小刻みに頭を振り出す。 「う~~~、いたいいたいの、もうやめてぇ……」 「あらあら、この程度で降参だなんて、とんだカリスマさんね」 追い打ちをかけるレミリア。 彼女は、ここぞとばかり普段の鬱憤を晴らしにかかっていた。 「う~~~、れみりゃはかりしゅまなんだどぉ~~~~! こんなことしちゃ"めぇ~"なのぉ~~~!」 「あら、まだそんな生意気言うの?それなら」 レミリアが再び弾幕を撃とうとする。 と、れみりゃは何かに納得が言ったらしく、顔を上げた。 「うーー! わかったどぉ! おねぇーさんのねらい!」 「え?」 「おねーさん、れみりゃにしっとしてるんだどぉーー!」 思いもよらぬ反応に、レミリアは弾幕を撃つのを止め、唖然としてしまう。 (嫉妬? この私が? この品性の欠片もない肉まんに?) レミリアは、怒りや呆れを通り越して、頭が白けていくのを感じた。 彼女は、まさか目の前の肉まんから、そんな無礼を言われるとは思っていなかった。 そして、すっかりその肉まんと同じ目線で自分が話していることにも気づき、なんだか無性にばからしくなっていった。 「……ふん、興が冷めたわ」 レミリアは、れみりゃの体を、れみりゃが隠れていたダンボールの中へ放り投げる。 どさっと無造作にダンボールの中に格納される、れみりゃの体。 「な、なにするんだどぉぉぉーー! れみりゃのかりしゅまぼでぃだどぉぉーーー!!」 「もういい、飽きたわ……」 レミリアの発言を、れみりゃは都合良く解釈して、元気を取り戻す。 「う~~♪ しっとはみにくいどぉー♪」 「……なんですって?」 「れみりゃのおからだをとっても、かりしゅま☆は手にに入らないのわかったのねぇ~~ん♪」 「…………」 レミリアは無言のまま、弾幕をれみりゃの体に放つ。 部屋を汚してはいけないと威力を絞った一発は、れみりゃの体だけに的確に穴を開けた。 「も、もうやめてぇぇぇぇ!! れみりゃのかりしゅま☆わけてあげるからぁぁーー!!」 「いらないわよ、そんなもの」 「なんでそんなごどいうどぉぉーーー!!?」 「……それより急がないと、お前の体が無くなっちゃうわよ」 レミリアは、もう一度弾幕を当てようと指先をれみりゃの体に向ける。 それを見たれみりゃは、必死に自分の体へ向かっていく。 「うあぁぁぁん! れみりゃのおからだぁ! そこでまっててねぇ~~~!」 れみりゃは、ゆっくりらしく、ぴょんぴょん頭を跳ねさせて、ダンボールへ近づいていく。 れみりゃ種の本能として、すぐに体を取り戻せば、まだ接合して再生することができると感じていた。 「うーー!」 力を込めて跳躍する、れみりゃ。 ダンボールの中の、自分の体の上に無事着地する。 「うっう~~~♪ れみりゃのおからだだどぉ~~~♪ すぅ~りすぅ~り♪」 れみりゃは、愛おしそうにスミレ色のおべべに頬ずりを繰り返す。 それを軽蔑の眼差しで見つめる、レミリア。 彼女は、元々れみりゃの体をここで破壊することは考えていなかった。 そんなことは造作も無いことだったが、それでは忌むべき肉まんの匂いが、 一時的にでもこの部屋に染みついてしまうだろう。 だから、"いつも通り"の処分の仕方を、冷静に行おうと考えていた。 「……咲夜、来なさい」 「はい、お嬢様」 レミリアが呼んだ刹那、その傍らに忠実な従者が姿を現した。 時と空間を操作する力を持った、レミリア自慢の従者。 わずかな欠点を除きパーフェクトな、メイド長の咲夜だ。 「あら?」 咲夜は、ダンボールの中のれみりゃを見ると、早速その欠点の一つを露わにした。 「どうしたの、れみりゃ?」 「うーー♪ さくやだどぉー♪」 れみりゃに駆け寄る咲夜。 れみりゃは、本能でそれが"さくや"であることを察して、顔をほころばせる。 「ほら、しっかり」 れみりゃの扱いには、慣れている咲夜。 分断された体の上半身を抱え起こすと、れみりゃの頭をその上にのせる。 そして、エプロンのポケットから常備している小瓶を取り出すと、 その中身を手にのばして、れみりゃに塗っていく。 瓶の中身は、小麦粉と蜂蜜と油を混ぜたものだ。 それは、遊んでいてケガをしたゆっくりれみりゃに塗るために、 咲夜が日夜研究して作り上げた、お手製のゆっくりゃ用傷薬だった。 「うーー! さくやーーー! あのおねぇーさんがひどいことするのぉーー!」 「はいはい、いま治してあげるから静かにしてるの」 「う~~♪ れみりゃいい子だからぁ~ゆっくりしずかにするどぉ~♪」 「はい、ぬ~りぬ~り」 「う~♪ う~りう~り♪」 流石に手慣れた様子の咲夜。 ゆっくりゃ用の傷薬を、手早くれみりゃの首周りに塗り込んでいく。 すると、ゆっくりれみりゃ特有の再生能力とあいまって、れみりゃの胴と頭が見る間につながっていった。 「う~♪ いたいのぽぉ~い♪」 さっきまでの泣き様がウソのように、れみりゃは笑顔を取り戻していた。 「うわ……きもちわる……」 ゆっくりの不思議生態を目の当たりにして、 自分よりもれみりゃを優先した咲夜への怒りも忘れ、引き気味になるレミリア。 「それでお嬢様、何か御用でしょうか?」 完璧で瀟洒なメイドは、れみりゃを膝の上に乗せてあやしながら、 本来の主人であるレミリアに話しかける。 「そ、そうよ!そのことで呼んだの! いい、そいつが勝手に私の部屋に入っていたのよ!」 咲夜は、それを聞いて顔を曇らせる。 「……本当なの?」 「うっうー! れみりゃはかれいにせんにゅうしたんだどぉー♪ いいこいいこしてぇ~♪」 れみりゃは、ダンボールを指差して笑う。 「わかってるわよね、咲夜。 こいつらを飼う時にした、私とした約束?」 「はい、お嬢様には決して御迷惑をおかけない。もしかけたら……」 「……今夜はダンボール肉まんね」 ニィと口の端を上げるレミリア。 れみりゃは、俯く咲夜の顔見上げ、楽しそうにはしゃぐ。 「うーとね、うーとねぇ、れみりゃは今夜はぷっでぃんがいいのぉー♪」 "わるいやつ"を退治する……そんな目的はすっかり忘れ、 館のれみりゃのように咲夜に甘える、でびりゃまんれみりゃ。 咲夜は、悲しそうに微笑んで一度だけれみりゃの頭を撫でると、 れみりゃをダンボールにいれて、それごと持ち上げる。 「う~~?」 「行くわよ、れみりゃ」 レミリアはその様子を見て、楽しげに目を細める。 「ふふ、今晩の食事が楽しみだわ♪」 「それでは、失礼します……」 咲夜は一礼すると、ダンボールごとれみりゃを持って部屋を退室する。 ダンボールの上で揺られるれみりゃは、これから起こることを考えもせず楽しそう。 「ゆ~らゆ~ら♪ たぁーのしぃどぉー♪」 咲夜は、何も言わずツカツカ廊下を歩いていく。 「ねぇーさくやぁー♪ れみりゃちょっとつかれたからー、ゆっくりしたいどぉー♪」 「そうね、たっぷりゆっくりできるわよ……」 と、口にしかけて、咲夜はふと気付いた。 このれみりゃが、自分が飼っていたれみりゃでは無いことに。 「あなた、ウチのれみりゃじゃないの?」 「うー♪ れみりゃはもりからきたのぉー♪ ここはえれがんとなおやしきだからぁー、れみりゃのべっそーにしてあげるどぉー♪」 咲夜は、興味深そうにれみりゃを見つめる。 自他ともに認めるれみりゃマニアの咲夜ではあったが、 このスミレ色の服を着たれみりゃは見たことが無かった。 咲夜の中で葛藤が起こる。 主レミリアの命令は絶対だ。 そして、彼女への忠義もまた絶対。 それは強制ではなく、自らの願いであり矜持だ。 けれど。 同時に。 この珍しいれみりゃを調べてみたい、飼ってみたい。 咲夜は、その自らの欲望を否定できなかった。 「……ねぇ、あなた名前はあるの?」 「うー! よくぞきいてくれたどぉー!」 れみりゃは、例のテーマソングを歌いだす。 「あれは~だれどぉ♪ だれどぉ♪ だれどぉ♪」 それは、森のれみりゃ達と一緒に何日もかけて考えた歌。 「あれは~でびりゃ♪ でびりゃま~ん♪」 正義の味方である自分を鼓舞する、お気に入りの歌。 「でっび~りゃまぁ~~~~~ん♪」 バンザーイ! ダンボールの中で、両手を上げて決めポーズをとる、れみりゃ。 「ふふふ、そう……でびりゃまんね……」 「そうだどぉー! れみりゃは~~、もりのかりしゅま☆なんだどぉ~~~♪」 咲夜は、ダンボールを床に置き、れみりゃだけを抱き上げる。 「うー♪ うー♪ だっこしゅきしゅきぃ~~~♪」 無邪気に微笑むれみりゃに対し、 咲夜は邪な笑みを浮かべて口元を歪める。 実は最近、咲夜はお気に入りのれみりゃの一家を失い、落ち込んでいたところだった。 その一家とは、母親が"ザウルス化"してしまった一家だった。 ザウルス化したれみりゃは、その能力の低下とともに、大概が短命に終わる。 故に咲夜は、その一家を大事に屋敷の中に匿っていた。 だが、それを不満に思ったのか、気が付いた時には、その一家は屋敷から逃げ出していた。 厳しい自然環境に放り出されては、あの一家が生き延びられる可能性は皆無だろう。 咲夜は、無念で胸をいっぱいにした。 そして同時に、こんなことがもうないよう、 より一層"ゆっくりれみりゃ"に対して愛情を注ぐようになったのだった。 その矢先に現れた、特別なゆっくりれみりゃ。 咲夜は、でびりゃまんれみりゃに対し、(勝手に)何か特別なものを感じだしていた。 「ふ、ふふふふ♪ 一緒にゆっくりしましょうね♪」 「うー! れみりゃ、さくやといっしょならあんしんして、ゆっくりできるどぉー♪」 「ふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃない……」 咲夜は、れみりゃの顔を撫で撫でムニムニ繰り返し始める。 「そーれ、む~にむ~に♪ す~りす~り♪」 「う、うぅーーー? さ、さくやぁーーー?」 怪しく微笑み、鼻血を垂らす咲夜。 れみりゃは、なんだか背中が寒くなった気がした……。 おしまい? ======================== ≪あとがき≫ gy_uljp00198に見て元気になったので ティガ5を終わらせようと思ったんですが……。 気付いたら、こっちが先に出来ていました(汗) by ティガれみりゃの人 ======================== このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/300.html
家に帰ったらゆっくりれみりゃがいた。 笑顔で「うー!うー!」と言いながらよってくる。 うるさいので蹴飛ばしたらみぞおちにヒットした。 吹っ飛ばされて部屋の壁に当たる。 こいつは笑顔を崩して「う”-!!う”-!!」と泣き喚く。 赤い目から涙が流れ出て鼻水らしき液体も駄々漏れ。 所々で「ふごっ」と鼻をすする。汚い豚だ。 せっかくのお洋服がぐしょぐしょになってしまった。 ?ぐしょぐしょ?そうか。 俺はいい事を思いついた。次の作業に移るためにれみりゃにやさしく声をかける。 「う”ぁー、うぁぅ・・・」 「よしよしごめんよれみりゃ、痛くなかったかい」 「がぉー!い~たかぁ~ったぞぉ~!」 れみりゃは蛸のようなぐねぐねした腕を精一杯伸ばしてずれた帽子を直す。 上目遣いのれみりゃは顔をぐずつかせてご機嫌斜めのようだ。 「ほんと~に勘違いしてたよ、ごめんな」 そう言ってよしよししてやる。 れみりゃは暫くふてぶてしい表情をしていたが、 やがて俺がもう危害を加え無いと判断したのかご機嫌を取り戻していく。 「うっう~うぁうぁ♪」 不可解な音頭を取り笑顔になるれみりゃを連れて浴室へ。 俺はれみりゃを脱がして服を洗濯機に入れる。 「うぁ~、えっち☆」とぶりっ子のポーズを取るれみりゃ。 殴り殺したくなる所を抑えて風呂でシャワーを浴びさせる。 そこで俺は観察した。 このゆっくりは一体何だろう。 肉まんと呼ぶには人間に限りなく近い。 3頭身程度だが体温も髪質も人並み。 人の言葉を解して拙くとも喋る。 手足は五本指で爪もある。人の犬歯よりやや長い牙を持つ。 何より帽子や服は本当の布でできていた。 誰の差し金で俺の所に来た? そもそもこいつは生物なのか? ゆっくりゃの目は赤く、頭は不自然に大きい。 顔のパーツは上よりになっていて、髪を引っ張ると痛がる。 「ぃたぃ、ぃたぃ、ぅー・・・がぉ!」 牙を向いて腕に噛み付くが全く痛くない。 俺はゆっくりの顎を無理やり残る手で開かせてゆっくりゃの体を洗う。 裸のゆっくりゃは肌色で人間の幼女と変わりない。 生殖器もついでに開いて見ると人間のそれと似ている。 「ゃぁ~だぁ。だめだぉぅ。がお~ぅ・・・」 ゆっくりゃは顔を赤くしてうつむく。 この不相応な大きさの頭を除けばこれは人間の幼女と同じだ。それなら・・・ 仮説『適当なプロセスを選べばいくらでも人間の形に近づけることができるだろう』 俺はこいつのシャワーを終えると一人で良いアイデアがないか考えることにした。 ゆっくりゃは大きな頭をぶるんぶるん振って髪の水気を取ろうとしている。 「がぉー、水きらい!ざぐやぁ!ふげふけ!」 うるさいよこの豚。 俺は睨みを利かせて黙らせた。 リビングで乾いたゆっくりゃに服を着せずに放置しておく。 裸でも良いらしく相変わらずうぁうぁ踊っている。 俺は500ml紙カップ入りのコーヒー牛乳を飲みながら考えた。 あの顔には肉まんの中身が詰まっているのだろう。 噂ではゆっくり種は30%程度の中身を失うと死ぬらしい。 そして中身を他の部位に移し変えれば生きているそうだ。 だとすれば・・・・。 やるべきことが決まってきたので早速準備に取り掛かる。 肉まんを幼女に転生させるのだ。 しかし幼女にすることが目標ではない。 肉まんを審美眼に堪え得る存在に昇華させる事が目的なのだ。 準備品はは家にあるものだけで十分だった。 包丁、おたま、肌色の縫い糸と縫い針、接着剤、新聞紙、プリン、やさい、これが全てだ。 早速実行に移す。ゆっくりゃは退屈してきたのかテディベアのような姿勢で座り込んでいる。 顔からはよだれと涙が垂れており、食欲が湧いている。 「うぅ~、は~らぺ~こだぞぉ!」 俺の視線に気づくと床を叩いて 「さぐや!おやづ!」 とねだる。赤い眼は薄く濁り、ふてぶてしい表情を浮かべている。 俺は用意したプリンを見せる。 「よし、こっちおいで!プリンがあるよ!」 「ぷりん?ぷでぃんがあるの?う~!だべどぅ♪」 笑顔で転がりながらやって来る。 ごろごろしたゆっくりゃを片手で止める。 俺はプリンをすくってこいつの目の前までもっていく。 もう片手にはやさい(キャベツ)を隠しておく。 「あ~ん♪」 「これあげるっ」 隠しておいたキャベツを思いっきりゆっくりゃの口の中に押しこむ。 一瞬「ごぼっ」と音が聞こえ、ゆっくりゃはもがく。 「ん”-------!!!!!!!ん”ん”--------!!!!!」 手足をジタバタさせるゆっくりゃ。 俺は翼を手でもぎ取り、余った顎を包丁で開き、中の肉をお玉で一気にこそぎとる。 キャベツが芯になってやりやすい。 まるでケバブを調理する感覚だ。 キャベツを含んだ口の袋を残して肉といくつか皮を新聞紙の上に取り出す。 頭だけでこいつは40%の肉をもっているだろうから注意する。 「ぐっ!!!ん”ん”ん”!!!!ぶぅー!!!」 今度は胸を切開する。暴れるれみりゃ。 「暴れると余計痛いぞ」 そう言うと鼻息荒くもれみりゃはじっとしようと耐え始めた。 何もない胸にまず切り取った顎の皮を縫い付ける。 皮にゆとりができたのでさっきの肉を接着剤と混ぜて詰め込む。 この作業を二回繰り返して胸を作った。 そこそこ上手くできたのでさらに接着剤で胸のの手術跡を塞ぐ。 次は空きっぱなしだった顎を整形させる。 ゆっくりゃの頭の大きさを直すために頭を思いっきり押さえつける。 切り開かれた顎の下から肉がめきめき出てくる。 ゆっくりゃは前にも増してじたばたする。 「☆★♪!!!!!!!??!?!#$#”$%」 キャベツをそろそろ取り外してやる。 「ぎゃぁ”””””””!!!!ぶでぃんだべずるっふーげふ」 顎が塞がれていないので上手く喋ることができない。 大きな顎と頭のラインを整えるために出てきた肉と余った皮を切り取る。 喉を押さえつけて皮を思いっきり引っ張る。 頭が普通の人間位の大きさになってきたのでまとめて包丁で切除、縫合、接着。 「い”だぁあああああああああああああい”よぉおおおおおおおお!!!!!」 出来上がったゆっくりゃの顔は引っ張って作ったせいか垂れ目で口は鯉のようだ。 全体のシルエットは胸のある幼女といった所。 「ぷでぃんたべる!!!!!!」 幸い言語はちゃんと喋れるようだ。 しかし細かい所まで処置できなかったので所々おかしな箇所があるがそれはどうでもいい。 こうしてゆっくりゃの人間化は一つの節目を迎えた。 残った肉と皮は全体の15%程度で、どうするべきか悩んだが捨てることにした。 「すでないでぇええええええええええ」 ゆっくりゃが泣き付いてきたが食べさせるとまた元通りになりそうだったので無視した。 足元に抱きつきながらずるずる引っ張られるゆっくりゃ。 ああ、かわいい、かわいいよ。 数日後。 ゆっくりゃはそのまま変わった所も無くいつものようにうーうー踊っている。 たとえ形が変わっても精神が変わるには困難を要する。 あれからやさいしか与えていない。もしゆっくりを与えるとすぐに元に戻ってしまうだろう。 仮に与えても口が小さくなったから丸かじりできない。 野生に放すともう捕食すらできないだろう。 「ぶでぃんだべどぅ!やざいいだだい!ざぐや”!!!!う”----------!!!!!」 じたばたするゆっくりゃも毎度の事となった。 俺がこの存在を育てていくのだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1272.html
「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 耳障りな万能の挨拶が、霧のかかった湖の畔にこだまする。 悪魔の棲む館の近所に集う饅頭たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で元気よく飛び跳ねている。 汚れを知らない心身を包むのは肌色の皮。 生まれつき被っているZUN帽は落とさないように、体内に詰まっている黒い餡子は吐き出さないように、ゆっくりと過ごしていくのが彼ら(彼女ら?)のたしなみ。 もちろん、天敵に追いかけられて必死こいて逃げ回るなどと言った面白、否、可哀想なゆっくりなど存在していよう筈も無い。 だがそれもたった今までの話。 元気に跳び回るゆっくり二匹の傍の茂みには、まさにその天敵が潜んでいたのである。 「ゆっくりたのしいね!!!」 「ゆっくりたのしいよ!!!」 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!」 天敵が茂みから飛び出した瞬間、それまで太陽にも負けんばかりの笑顔だった二匹の顔が凍りついた。 ゆっくりれみりゃ。略してゆっくりゃと呼ばれるそれは、他のゆっくりとは明確な差異があった。 基本的にゆっくり達は人間の生首に似た生物である。 このゆっくりゃもその例に漏れず生首っぽい外見なのだが、一組の蝙蝠に似た翼を生やしている。 他のゆっくりには無い飛行能力も多少有しており、最大の特徴はゆっくりを好んで捕食する事である。 「ゆっゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりさせていってね!!!」 ゆっくり二匹もゆっくりゃの危険性を本能的に知っているのか、必死で命乞いを始めた。 大量の涙で頬をふやけさせた惨めったらしい表情は、極一部の、常人には理解し難いが―――加虐嗜好を持つならば歓喜する事だろう。 それはともかく、ゆっくりゃにとってそのような命乞いなど何の意味も持たない。 むしろ、ゆっくり種の中でも凶暴な部類に入るゆっくりゃからしてみれば、丁度いい前菜のようなものだろう。 あっという間に紅白のゆっくりを組み敷くと、物凄い勢いでかぶりついた。 「い゛だい゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!ゆ゛っぐりざぜでえ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「れ゛い゛む゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「うー♪」 喰われる紅白饅頭と、傍観するしかない黒大福の奏でるデュエットを聞きながら、荒々しく食事をするゆっくりゃ。 始めは大声で騒ぎ立てた紅白饅頭も、やがて声を出すことの無い醜いオブジェへと変貌し、そしてZUN帽以外全てがゆっくりゃの中に納まった。 「うー♪うー♪」 「う゛わ゛あ゛ぁ゛ぁぁ゛ぁぁ゛!!!」 ゆっくりゃが一息ついた隙に、黒大福がその場から猛然と逃げ出した。 どうやらずっと逃げる隙を窺っていたらしい。どんなに仲の良い相手でも、意外とあっさり見捨てるのがこの種の特徴なのだ。 ……尤も、食事中に隙を見出せなかった時点で黒大福の運命も決まったようなものであるが。 「ぎゃおー!またないと、たべちゃうぞー!!」 「だずげでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!! 運動能力でも他のゆっくりを大きく上回るゆっくりゃから逃げられる筈も無く、あっさり捕まり、捕食される黒大福。 「うー!うっうー♪うあうあ♪」 二匹ものゆっくりを喰い、上機嫌のゆっくりゃ。 どう考えてもゆっくりゃよりあの二匹の方が体積が大きいが、そのような事は気にしてはいけない。それが世界の選択なのである。 食後の散歩、というより散飛を愉しんでいたゆっくりゃ。少々休憩しようと地上に降りようとした時、新たな獲物を発見した。 今日はツイている。また二匹組みだ。 そのような事を言いたげな笑顔で、再びあの言葉を口にする。 「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!」 だが、今度の二匹は先程の二匹とは違う反応を見せた。 「たべちゃうぞ、だってさ」 「おお、こわいこわい」 これらは、外見は先程のゆっくりれいむ、ゆっくりまりさとほぼ同じであるが、性格が大きく違う種類だった。 浮かべる笑顔も通常のゆっくりとは違い、どこか皮肉っぽい半笑いである。 「う、うー?」 自分の雄叫びで動じない相手に動揺するゆっくりゃ。気を取り直してもう一度 「ぎゃおー!たーべーちゃーうーぞー!!」 「たべちゃうぞ、だってさ」 「おお、こわいこわい」 平然としている二匹。ゆっくりゃはどうしていいのか分からず泣きそうになるが、考えてみれば所詮相手はゆっくりれいむ達。 何も恐れる必要など無いのだ。怖がらせるのはやめにして、さっさと喰う事にしたゆっくりゃ。だが 「ぎゃおおー!がぶり!!」 「かみつかれたみたいだよ」 「おお、いたいいたい」 実際に噛まれても堪えた様子も無いゆまりさ。それどころか、 「おんみょうだんを、くらえ」 「おお、まぶしいまぶしい」 何とゆれいむの方が、ゆまりさにも構わずゆっくりゃに体当たりを仕掛けた。 「うー!うぅー!」 「うぅー!だってさ」 「おお、なみだめなみだめ」 ありえない事の連続に、最早ゆっくりゃは完全にパニック状態に陥っていた。噛付いたままでべそをかいている。 もういい、こんな奴らとは関わりたくないお家帰る、とでも思ったのか、牙を引き抜こうとするゆっくりゃ。だが。 「うー!うあー!」 「うあー!だってさ」 「おお、ぬけないぬけない」 蚊に食われた際、その部位に思いっきり力を入れたら管が抜けなくなり、蚊が破裂するという。 まさにそれと同じ事が起きていた。 「ううー!おうひはえふー!!」 飛び上がって逃げようとするゆっくりゃ。だが、飛び上がる前に翼にゆれいむが食い千切った。 「う゛ぅ゛ぅ゛ー!!!」 「う゛ぅ゛ぅ゛ー!!!だってさ」 「おお、とべないとべない」 牙を引き抜く事も出来ず、空を飛ぶことも出来ない。 もはやこのゆっくりゃに出来る事といったら、嬲り殺されるまでの数時間、ただ唸り、涙を流す事だけだった。 おわり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1708.html
ゆっくりれみりゃ。 それは最近になって突然幻想郷に現れた下膨れ顔饅頭生命体“ゆっくり”の亜種である。 このれみりゃ種の特徴は胴体や手足があり、二足歩行をする事、羽が生えていて短距離なら低空飛行できる事と他のゆっくりを襲って食べる捕食種である事。 身長は人間の2,3歳児程度しかなく大きめの個体でも1mに達するかどうかで、50cmに満たない個体はたいてい歩けない。 体重に関しては食事の摂取量による変動が激しい生き物ゆえ確かなことはいえないが、体型は大体ぽっちゃりしている。 たとえ空腹でも飢えに苦しんでいても人間の目にはぽっちゃりしているように見える。 「う~っ!おにーさん、ここはれみりゃのべっそうだど~!」 「「「「しょ~だど~!」」」」 「・・・・・・は?」 れみりゃ達がさっき見つけた別荘で楽しく踊っていると突然よそ者が入ってきた。 ぽかんと口を開けた間抜け面の男の視線の先にはれみりゃとれみりゃの可愛い4匹の赤ちゃん達。 きっと彼は最近立てるようになった赤ちゃんのあまりの可愛さと、ダンスを教えてあげているれみりゃの美しさにメロメロになっているに違いない。 そう判断した親れみりゃはぺたぺたという音が聞こえてきそうな足取りでその男の前まで歩いていくと、偉そうに胸を張る。 「おに~さん、れみりゃたちのだんすがみたいならぷっでぃ~んをもってくるんだど~♪」 「「「「ぷっでぃ~んたべたいど~!」」」」 「・・・なあ、お前らに一つ訊いてもいいか?」 結論から言えば親れみりゃの妄想は完全に的外れで、れみりゃ達は全く気づいていないが男性の声には殺気を通り越して殺意に近い感情が宿っていた。 正確に言うなら男性はれみりゃが自分の別荘だと思い込んでいるこの家の主で、彼の殺意の正体は憎しみだ。 さらに正確に言うならば自分のペットのゆっくりれいむを室内に散乱する無残な餡子片にしてしまったれみりゃへの憎しみである。 男性はおぞましいほど強烈で、傍にいるだけで怖気を催しそうなまでに憎悪のこもった低い声を絞り出して、何とか言葉を続ける。 「ここにいたれいむが何処行ったか知らないか?」 勿論、このれみりゃ達に食われてしまったのだろうと目星はついている。 しかし、彼は虐待お兄さんでもないし、その他特殊な性癖を持ち合わせているわけでもないので、万が一の場合後味の悪い思いをするのを嫌っているのだ。 そして、れみりゃには「怒られるかもしれない」なんて危機意識が無いことや、それゆえに嘘をつく必要を感じていないことを理解していた。 だからこそ親れみりゃに率直に真実を問いただしたのだ。 「れいむなられみりゃたちがたべたど~♪」 「「「おいちかったど~!」」」 「うーっ!れみりゃはたべれなかったど~!」 「「「どんくさいからわるいんだど~♪」」」 結果は彼の予想通り。この家で、彼が飼っていたゆっくりれいむはこのれみりゃ一家に食べられてしまったようだ。 一匹だけれいむを食べ損ねて膨れっ面をしている赤ちゃんれみりゃを除いて、皆その味を思い返しながらうっとりとした表情を浮かべてよだれを垂らしている。 こうして、彼は心中で「こいつらを酷い目に合わせてやろう」という結論に達した。 「そうかそうか・・・やっぱりお前らが食べたのか・・・」 「うぅ?あのれいむはおにーさんがよういしたんだど~?」 「ああ、そうだよ。あいつは俺が飼っていたれいむだよ」 「うーっ!だったらもっとれいむをもってくるんだど~!そしたられみりゃのべっそうのめいどにさせてあげるど~!」 男性は親れみりゃの言葉を笑顔で「それはどうも」と聞き流す。 殺す気満々なのだから、表情通り喜んでいるわけでもないし、光栄に思っているなんてことはありえない。 ただ、どうやって制裁してやろうか考えているだけだ。 潰して殺すだけでも十分だが、後始末が面倒だし、れいむを食べていない赤ちゃんにまで危害を加えるのは筋が通らない。 そんなことを考えていた男性だったが、れみりゃの「おにーさんはめいどだど~♪」という言葉を聞いた瞬間に制裁方法が決定した。 「さあ、れみりゃ達。ここがお前らの部屋だ!」 男性がれみりゃ達を案内した先の部屋にあったのはかつてのれいむの飼育ケージだった。 このケージは男性がれみりゃに食われたれいむを溺愛していた証拠と言っても過言ではなく、それが置かれているわりと広い日当たりも決して悪くない部屋の半分以上を占めている。 高さも2m近くあり、ケージの中は透明のしきり板によって二分されていた。 板で隔てられた一方は全体の面積の1割程度のスペースしかなく、そこには足ツボマッサージ用の突起を大きくしたようなものがずらりと並んだカーペットが敷かれていた。 もう一方は全面積の9割を占め、乳児用ブランコに滑り台、積み木、お絵かき用の小さなホワイトボード、タンバリン、小さな子供用ピアノ、ボールにゆっくりのぬいぐるみなどが綺麗に四隅に置かれている。 更に床には暖かそうなのカーペット、窓際の日当たりの良い場所には小さなソファとテーブルが置かれていて、部屋の真ん中にはふかふかのベッドが置かれていた。 ここまで来れば人間なら男性の目論見を難なく看破できるだろうが、れみりゃにはそんな高度なことは出来ない。 「うーっ!ごーまかんのおぜうさまにふさわしいなかなかいいへやなんだど~♪」 「「「おじぇうさまのおへやにふしゃわちいんだど~♪」」」 「みゃ~みゃ、まちゅんだど~!」 親れみりゃとさっきれいむを食べたことを認めた3匹の赤れみりゃはそのケージを見て目を輝かせる。 そして、4匹から遅れて部屋に到着したれいむを食べなかったやや小柄な赤れみりゃも同様の反応を示した。 この部屋は男性が可愛がっていたれいむの欲しがるものを片っ端から買い与えた結果であり、れいむ存命時には飼い主馬鹿もいいところであった彼が時間とお金をかけて作り上げた最高のゆっくりプレイス。 部屋の中は野生のれみりゃ達にとっては見たことは無いが興味を引く鮮やかな色彩の遊具ばかりなのだからこの反応は当然のものだろう。 「う~っ!ここがれみりゃたちのあたらしいべっそうなんだど~♪」 「「「しゅごくえでがんどのべっそーなんだど~!」」」 「べっしょ~だど~!」 5匹揃ったところで一家はよたよたと幼稚園のお遊戯会でも見かけないような足元のおぼつかない踊りを始めた。 通称「れみりゃののうさつだんす」。勿論、悩殺なんてされるはずもなく、せいぜい脳が殺される的な意味で“脳殺”がいいところだろう。 しかし、本人らはその踊りが上品で、優雅で、魅力的で、色っぽくて、鮮やかで、高貴で、高度で、芸術的で、斬新で、活力に満ちたものだと思っているらしい。 信じられないだろうが、彼女らの顔に張り付いた笑みと「れみりゃのだんすをみられてめいどはらっきーなんだど~」というあほらしい言葉がその証拠だ。 「めいど~、れみりゃをはやくおへやにいれるんだど~!それからぷっでぃ~んをもってくるんだど~!」 「「「「もってくるんだど~!」」」」 「はいはい、わかりましたよ・・・っと」 一般的な虐待お兄さん、いやペットを食い殺された一般人でも怒り心頭でこのれみりゃ達を潰してしまいかねないような厚かましい言葉を男性は軽く聞き流してケージの出入り口を開ける。 あくまで怒りが限界を超えて逆に冷静になってしまったのと、何もしていない赤れみりゃにまで制裁する流儀に反するという彼の美学ゆえであり、別にれみりゃに忠誠を誓っているわけではない。 開かれた扉の先にあるのはしきりによって隔てられた1割のほうなのだが、親れみりゃと3匹はそこを玄関か何かと勘違いしたらしく、何故か産まれた時から履いている布?製の靴を脱いで意気揚々とそこに突入した。 そもそも紅魔館は西洋風の建造物であり、そこのおぜう様を自称する彼女らが靴を脱ぐことも、男性の家に上がる前に脱がなかったのも大いなる疑問だが、気にしても仕方がない。 「れみりゃがいちば、んぎゃあああああああああ!?」 「おにぇーしゃま、じゅる、いぎゃああああああああ!?」 「れみりゃがいちびゃ、んぎゃあああああああああ!?」 「えれがんとなおぜうさまはいそいじゃだめだ、どおおおおおおおおお!?」 先ほどからずっとワンテンポ遅れている1匹以外の3匹の赤れみりゃと親れみりゃは我先にと競うようにケージの中に駆け込んで悲鳴を上げる。 「うーっ!どうしたんだど~?」 「いだいいいいい!?いだいどおおおおお!?」 「ばやぐごごがらだぢゅんだどおおおおお!?」 「断る!」 男性はにっこりと微笑みながら、ケージの出入り口の扉を南京錠でがっちりロックする。 全体の1割しかない狭い空間で4匹ものれみりゃがカーペットの突起の痛みのせいでのた打ち回る。 ろくに動くスペースも無い狭い空間でのた打ち回った拍子に壁や家族の腕にぶつかり、更なる痛みにもがき苦しむ。 とは言え、じっとしているとゆっくりの脆い皮に容赦なく突起が食い込み、中身が出そうになるので動かざる得ない。 こうして、れいむを食べた4匹には男性の気が済むまでこの狭い空間で閉塞感と不自由と苦痛の三重苦を味わうことになった。 「みゃ~みゃ~!!」 「でびりゃあああ!だしゅげでえええええ!?」 「「いだいーーーー!いだいーーーーーーー!!」」 「ぎゃおーーーーーーーん!」 唯一外に取り残されたワンテンポ遅い赤れみりゃは必死に南京錠をこじ開けようと頑張っている。 とてもじゃないがこの赤れみりゃの膂力でどうにかなるような代物ではないし、鍵は親れみりゃよりもずっと強い男性の手の中だ。 しかし、それでも「だめりゃ!はやぐだしゅんだどー!」などと罵声を浴びせる家族を助けるために手から中身をもらしながらも南京錠と格闘を続ける。 その姿にちょっとした感動を覚えた男性は、赤れみりゃの手を押さえ、その無意味な行為をやめさせると肩とふくらはぎを抱えて持ち上げた。 いわゆるお姫様抱っこと呼ばれるものだ。 「さて、れいむを食べなかった君はこっちだよ」 「うぅ~?」 男性は他のれみりゃ達に見せ付けるように悠然とした足取りで残り9割の空間に赤れみりゃを抱えて入っっていった。 そして中央のベッドに赤れみりゃを優しく寝かせると、部屋から出て行き、こちらにも鍵をかけた。 どうして自分だけが?とでも言いたげな表情できょろきょろ室内を見回す赤れみりゃ。 一方、他のれみりゃ達は痛みと必死に戦いながらも不満の声を上げている。 「ぞれはでぼりゃのべっどだどーーーーー!?」 「「「だべりゃのぐぜにーーーーーー!?」」」 見たところ、あの赤れみりゃは他の赤れみりゃよりどんくさいらしい。 さっきから家族のために行動しているにもかかわらず「だめりゃ」などと呼ばれている。 恐らく、この赤れみりゃがれいむを食べなかったのはそのどんくささのせいだろう。 だが、男性にとって重要なのはこの赤れみりゃだけがれいむを食べなかったという事実であり、それゆえに罰する理由が無いということ。 もし、たら、れば・・・そんな言葉を並べ立てて無理やり他の連中と同じようにお仕置きするつもりは毛頭無かった。 「さて、さっきも言ったけど・・・君はれいむを食べなかった良い子だからこっちでゆっくり過ごして良いよ」 「うぅ、どういうことなんだど~?」 「つまり、君は僕の飼っていたれいむを食べたりしない良い子だったからあんな風にお仕置きしないってことだよ」 そう言って男性が指差した先では、苦悶の表情を浮かべたまま透明のしきりにべちゃりとへばり付いた4匹のれみりゃが恨めしそうにこちらを睨んでいた。 彼女らは乱暴にしきりを叩きながら「ぞごはでびりゃのおやぢぎだどー!」などと口々に文句を言っている。 しかし、その様子や言動、雰囲気からは反省の意思を微塵も感じ取れない。 もっとも、れみりゃ達にとってれいむが食べ物以外の何者でもないのも、野生動物に所有権なんてものが理解できないのも当然であり、彼女らにいきなり反省を要求するのも酷な話。 客観的な視点に立てば戸締りを怠った男性の側にも責任はあるのだが、れみりゃがれみりゃのルールで動くのと同様に男性が男性のルールで動くことを非難する理由も無い。 まあ、弱肉強食ということで強者のテリトリーに踏み込んでいまだに生かしてもらっているのだから感謝すべきだろうか。 何にせよ、4匹のれみりゃのゆっくり出来ない生活と、1匹の赤れみりゃのとてもゆっくりした生活が始まった。 「よし・・・取りあえず何か食べ物を作ってくるからちょっと待っててくれよ?」 「うぅ?でぃな~だど~♪」 「「「はやくでぃな~もってくるんだど~♪」」」 「うっう~・・・れみりゃ、みゃ~みゃといっしょにたべちゃいど~」 男性が料理を作るために立ち上がると、可愛がれている赤れみりゃ以外のれみりゃも嬉しそうな声を上げる。 彼がどうしたことかと様子を見てみると、狭い空間を器用に使って何とか全員が空を飛んでいた。 なるほど、これならカーペットの突起でいたい思いをすることは無い。体力の続く限りは。 狭い場所で、滞空という繊細な操作の不可欠な高等技術を果たしてゆっくりれみりゃがどれだけの時間続けていられるのだろうか? そんなことを考えながら、男性が台所で献立を考えはじめた時、れみりゃのいる部屋から「うぎゃー!?」という悲鳴が4つほど聞こえてきた。 「よし、今日はシューマイにしよう!」 その頃、可愛がられているれみりゃは家族を助けることを諦めて、目の前のおもちゃで遊んでいた。 まずはブランコ。台の上に飛び乗り、腰を下ろしてみたものの遊び方がわからない。 取りあえずその状態でじっとしていたが、これではソファに座っているのと何も変わらない。 「うー?こりぇなんなんだどー?」 「ぞれはでびりゃのだぞー!」 「「ざぐやーーー!?だしゅげでーーーー!!」」 「う゛・・・うぅぅうぅぅぅう゛・・・にぱぁ~・・・」 赤れみりゃは相変わらずしきりを叩く親れみりゃの何の根拠も無い所有権主張を無視しながらブランコの遊び方を試行錯誤している。 その傍らでは2匹の赤れみりゃが痛みにもがき、片足を上げてはすぐさまもう片足を上げてとエリマキトカゲの走行時のような挙動を繰り返しながら泣き叫ぶ。 更にその傍らでは力尽きて落下した直後に親がその上に落下してきて全身に突起をめりこませた赤れみりゃがぴくぴくと痙攣しながらラリっている。 しかし、れみりゃ種は恐ろしいほどの回復力を誇る種族。このくらいの傷ならば明日の朝には完治しているだろう。 「う~・・・これおもちろくないんだど~!」 「「うっぐ・・・いだいーーー・・・いだいーー・・・」」 「おもぢろぐないなられみりゃによこすんだどーっ!」 ようやく疲労が回復して再び羽ばたいた姉妹2匹が飛びながら泣いているのを尻目に、文句を言いながら赤れみりゃが足をばたつかせていると、急にブランコが揺れ始めた。 れみりゃはまだ気にしていないが、足の動きに応じて徐々に揺れの幅が大きくなって行く。 流石にある程度揺れが大きくなると赤れみりゃもその異変に気づき、足を止めてきょろきょろと辺りを見回す。 「う~?なんだど~?」 「「うー、ゆらゆらしてるんだど~?」」 「ぎゃおーー!ゆらゆらはれみりゃのだどーっ!」 何故揺れているのか理解できず、赤れみりゃは首をかしげた。 その光景を目の当たりにした親れみりゃはさっきから何の進歩もなくただひたすらしきりを叩きながらわめき、まだ無事な他の姉妹はさっきまで痛みでないていたのも忘れてゆらゆら揺れるブランコに見とれていた。 しかし、赤れみりゃは親れみりゃが気が狂わんばかりに憤っていることにも気づかず、彼女に向かって満面の笑みを浮かべた。 さっき使い方を覚えたブランコの上で足をばたつかせて、ゆらゆらと揺れながら。 「みゃ~みゃ!これしゅっごくおもちろいんだど~♪」 「ぎゃおーーーーー!!ゆらゆらはでびりゃのだどーーーーー!?」 「「ゆらゆらだど~、うっう~♪」」 見せ付けるようにブランコで遊ぶ赤れみりゃ。しかし、実は見せ付けているつもりなど微塵もない。 彼女は2つの部屋の間にしきりがあることを既に忘れており、親と姉妹はあの突起の上で何かして遊んでいるんだと認識している。 だから彼女にとっては「すごくごーじゃすなべっそーでみんなであそんでいるどー」くらいの認識でしかない。 勿論、見せ付けられる他のれみりゃにしてみればたまったものじゃない。 だが、しきりの向こうから抗議したところで暖簾に腕押し、「みんなもこっちにくりゅんだど~?」という言葉が返ってくるだけだった。 「しゅるしゅる~♪」 「う゛ーーーーーー!!ぢゅるぢゅるもでびりゃのだどーーーー!!」 「「いだいーーーー!ざぐやーーーーー!だしゅげでーーーー!?」」 「うー・・・いたいどぉーーー・・・ま~まぁ・・・おりでほぢいんだどー・・・」 たっぷり遊んでブランコにも飽きてきたところで、今度は滑り台で遊び始める赤れみりゃ。 こちらは動物的な勘でなんとなく用途を理解できたらしく、最初から絶好調な遊びっぷりを披露していた。 一方、たっぷり飛び続けて飛行にも疲れてきたところで、今度は突起だらけのカーペットで苦しみ始める親と姉妹。 親れみりゃは赤ちゃんたちより足の皮が厚いせいか、幾分余裕を感じられる・・・と思ったら我が子を踏み台にしているだけだった。 それに引き換え、下敷きにされていない子ども達は相変わらずエリマキトカゲのように足を上下させながらもがき苦しんでいる。 「しゅるしゅる~♪」 「ぎゃおー!」 「「いだいーーーー!?」」 「いだいどー・・・」 「しゅるしゅる~♪」 「ぎゃおぅー!」 「「しゅるしゅるたのしそーだどー!」」 「いだい・・・どー・・・」 ただとにかく夢中で滑り続ける赤れみりゃと、彼女が滑り降りるたびに地団駄を踏む親れみりゃ。 そして親れみりゃが地団駄を踏むたびに突起にめり込む誰にも助けてもらえないどころか既に存在すら忘れられぎみの赤れみりゃ。 他の二匹は宙に浮いて痛む足を休めつつしきりの向こうに憧れ、床に下りてカーペットの傷みと戦いながら羽を休めつつ助けを求める。 「だめりゃ」と呼ばれていた1匹を除く全員が、目の前の問題から目を背けて何の解決にもならない不毛な反復を続けていた。 「お~い、ご飯持ってきたぞ~」 「うーっ!」 「でぃなーだど~♪」 「「おいちいでぃな~だど~♪」」 「でぃ・・・なぁ・・・だ、どヴぁ」 おにぎりとシューマイをお盆の上に乗せた男性がやってくるとれみりゃ達はいっせいに顔をほころばせた。 1匹だけ地べたに這いつくばっているせいでほころばせたかどうか良くわからないものも居るが、男性はあまり気にしていない。 「はやくれみりゃにでぃな~をよこすんだど~♪」 我が子の上で満面の笑みを浮かべながら、狭いなりにも工夫してちょっとした踊りを踊ってみせるのは親れみりゃ。 彼女が少しでも動くたびに下敷きになっている赤れみりゃがびくんびくんと痙攣しているのだが、やはり誰も気にしない。 他の赤ちゃんは飛びつかれ、そろそろ足を上下させるのも体力的に限界に達したためにぺたんと座り込んで「いだいーーーー!」などと泣き喚いていた。 実はこの接地面積を増やすという選択は圧力が分散されるため、あながち悪いものではない。 ただし、あくまでそれなりの広さがあればの話である。残念ながら、今れみりゃ達の居る場所は非常に狭く2匹の赤れみりゃはきっと次に立ち上がるときに地獄の苦しみを味わうことになる。 飛べば良いと思うかもしれないが、しきられたケージは細長い長方形で広いほうの部屋を見るか、背を向けるかしないと飛べないし、座るときには横向きにならなければならない。 つまり、座ったままの姿勢では羽を動かすためのスペースが確保できないし、寝転がって更に圧力を分散させる手もケージの中が狭すぎてれみりゃ4匹が寝そべることの出来るスペースないので不可能。 仮に寝そべるだけのスペースがあったとしても下手に寝そべるといつ親れみりゃの足場にされるかわからないので怖くてそれを実行することが出来ないだろう。 「さあ、れみりゃ。これは君のご飯だ」 「う~?こりぇ、れみりゃの?」 「ああ、そうだよ。これは俺のペットを食べなかったお利口な君のためのご飯だ」 しかし、男性は親れみりゃを無視してケージの大きい方に入ると、中に設置されたテーブルの上にご飯を置いた。 それから人間の乳幼児が使用するキャップとストローのついた蓋を取り付けたプラスチックのコップにオレンジジュースを注ぐ。 食事の準備が整ったところで男性は馴れ馴れしく話しかけてくる赤れみりゃに適当に相槌を打ちながら外へ出て行った。 「なにしてるんだど~?れみりゃにでぃな~をよこすんだど~!」 「「う~・・・いだいどーー!おなかすいだどーーー!」」 「うぅ~・・・・・・」 男性が持ってきたご飯を自分に差し出さなかったことに憤り、ケージをまたしてもどんどんと叩く親れみりゃ。 その両隣では赤ちゃん達が痛みと空腹で泣きべそをかき、足元の1匹は何だかもう危険な状況に達している。 だが男性は4匹のことを気に留める様子もなく、また台所に消えて行った。 「うっう~!おいちいど~♪」 何ももらえなかった家族を尻目に赤れみりゃはゆっくりが普段食べるそれとは比較にならないほど美味な人間の食事を食べ始めていた。 おにぎりもシューマイも赤れみりゃでも手を汚さず食べられるように、一口サイズの大きさに揃えられているのでとても食べやすい。 それに人間ならご飯には合わないと感じるオレンジジュースも、とても甘酸っぱくて赤れみりゃにとっては最高の飲み物。 「ぎゃおー!でびりゃにもだべざぜるんだどーーっ!!」 「うっう~!みゃ~みゃもおね~しゃまもどうじょなんだど~!」 赤れみりゃはしきりの方へ歩いて行き、シューマイやおにぎりを差し出す。 が、しきりがある以上、彼女らがそれを食べることは不可能。 (人間にはわからないが)鬼の形相で壊せもしないしきりを叩き続ける親れみりゃ。 その手からはうっすらと肉汁が滲んでいる。 「う~・・・ごめんだど~!なんかちゃべさせてあげられないど~!」 「ぎゃおーーーーーーーーー!?」 赤れみりゃは食べさせられないものは仕方ないと飢えている家族の目の前でシューマイとおにぎりを食べつくした。 食べ終えた赤れみりゃは「おいしかったど~!にぱ~♪」などと言って喜びをアピールしている。 信じられないことに、これでも一切悪気がなく、本当に大好きな家族と自分の喜びを分かち合いたいと思っているだけらしい。 「おい、お前らにも餌を持ってきてやったぞ」 ずっと親れみりゃがしきりを叩き続けていると、台所に消えた男性が何かを持ってこっちに戻ってきた。 その言葉を聞いた一家は「にぱぁ~☆」と顔をほころばせると、痛みを堪えながらも両手を差し出してくる。 だらしなく開いた口からはぼたぼたとヨダレが零れていた。 「ほらよ、お前らの餌だ」 「「うっう~・・・うぅ?」」 「う゛~!?こんなまじゅいのいらないど~!」 男性が差し出したのは生ごみ同然の、いや、もはや生ごみですらない何か。 一瞬だけ開けられた出入り口から放り込まれたそれはケージの中で圧倒的な異臭を放っている。 「それ以外に何もやるつもりはないからな。エレガントなお嬢様の食うものじゃないけど、死にたくなかったら食べるんだ」 そう言い残した男性はさっさと部屋を出て行ってしまい、後には快適な環境を満喫する赤れみりゃの歓声と、生ごみの異臭に餌付く一家の叫び声だけが残された。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ もう何番煎じかもわからないくらいのネタですが。 byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける