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俺はただの人間だ。 今日は用事で紅魔館の近くまで来ているんだが、何時見てもこの屋敷にはイライラさせられる。 理由は、主人のレミリア・スカーレットだ。 たまに、従者を連れて街まで来るのだが、好き放題言い放って帰っていくだけだ。 俺の露店の商品も何一つ買っていかない。 気が付くと無くなっているので、何かしらの能力を使って盗んでいるのかもしれない。 そんな理由で、イライラしながら紅魔館の近くで用事を済ませる。 粗方終えたところで、不意に前に子供が歩いているのが目に入った。 いや、良く見ると子供じゃない、紅魔館の庭に住んでいるとか言うゆっくりれみりゃの希少種だろう。 うわさに聞くと、従者からの寵愛がすさまじく、実際の主より可愛がられているらしい。 箱入り娘といったところか。 「うっうー♪」 よたよたと、自分で日傘をさして散歩しているようだ。 従者の真似なのか片腕にもう一本同じ日傘をぶら下げている。 いや、違う。人一倍耳のいい俺は、紅魔館の近くから。 また、れみりゃさまがいなくなりました。 とか。 れみりゃさま、おいしいプリンですよ~。 とか言っている声を聞くことができた。 どうやら、自分に付きっ切りの従者の目を盗んで、散歩に来たらしいな。 あの様子だとなんどか抜け出しているようだし。 「う~。う~」 興味深そうに、うろうろしているゆっくりは放っておいて自分の作業を再開する。 今探しているのは、ゆっくり魔理沙か霊夢だ。 既に籠は一杯だが、あと一匹くらいは入る余裕がある。 その籠のゆっくりの声が気になったのか、一匹のゆっくり魔理沙が飛び出してきた。 「おじさん、せなかにせおってるなかから、ゆっくりのこえがきこえるよ」 「これかい、これはとってもゆっくりできる機械だよ」 警戒されないために、真っ黒く縫ってある籠は、一見すると大きな筒のようにも見える。 「ゆっくりできるの!おじさんまりさもゆっくりしたいよ」 どれ、ちょっと待ってな、と言おうとした時、ゆっくり魔理沙が悲鳴を上げた。 振り返るとそこには、傘を器用に肩に掛け、ゆっくり魔理沙を両手で加えて美味しそうに食べるゆっくいりれみりゃ。 迂闊だった、色々な偶然が重なった。 れみりゃ種はゆっくりを食べる、それは知っている。 それに、飼われているといってもあの紅魔館だ、普通の家と違って毎日ゆっくりを食事に出すなんてわけが無いだろう。 しかも、当のゆっくり魔理沙はこれに興味心身だった。 たとえ、弱らせて出されていたとしても、動かないでじっとしているゆっくりを食べるのは造作も無いことだろう。 どうせまた勝手に散歩に言ったんでしょ。 嫌なのよ、あいつほかのゆっくりと違って体まであるんですもの。 私が、ノータリンのちんちくりんに思われるじゃない。 とにかく、今日の夜まで戻ってこなかったら、金輪際ここには入れないこと。 分かったあなた達、咲夜も! もしきたら、殺せとは言わないは、直ぐに追い返しなさい。 あーもう!お気に入りの日傘まで持ち出したのね。 咲夜、今すぐ香霖堂かすきまの所へ行って新しい日傘を準備して。 「う~♪ いっぱい」 ショックのあまり、また聞き耳を立てていたらその間に食べ終わったらしい。 近くに、一つの山高帽だけが残っていた。 お腹が膨れて満足したのだろうか、紅魔館の方向へ向かっていく。 その後姿を、紅魔館の主に重ね合わせていると、無性に腹立たしくなった。 あいつが俺の獲物を取ったのだから、俺もあいつから取ればいいんだ。 ダッシュで近づいて帽子を奪う、れみりゃはその拍子に転んだようだ。 「うー!うー!」 帽子がそんなに大事だったか、俺を追いかけてきた。 それでも、懸命に日傘をさしているあたり、実際の主の真似なんだろうか。 ゆっくり種は、日に当たっても灰にはならないと言うのに。 そのまま、ちょこちょこと追いかけてくる。 顔は可愛らしいまでに泣いてるが。 そのまま俺の家まで着いてきやがった。 農村同士の中間にある俺のは、真昼間なのに人気が殆ど無い。 取り合えず、勝手に中まで入ってきたこいつに、帽子を返してやることにする。 「う-!」 ははは、可愛らしく頬を膨らませてやがる、さて、それがどうなるかな? 家の外に放り出す。 すると、腹いせだろうか扉を何べんか叩いた後、慌てて日傘を差した。 あたりをキョロキョロと見回してるところを見ると、どうやら道が分からないらしい。 そりゃそうさ、追いかけっこが始まったのは10時前、今はとっくにお昼も終わってるぜ。 「う~? う~?」 帰りたくても、帰り方が分からないらしい。 何時は側にいる従者も居ない事が余計不安を加速剤になっている。 そういえば、俺も殆ど何も食っていなかった。 さてと、俺もそろそろお昼にしますかね。 がらっと、扉を開ける。まだれみりゃは玄関にいるようだ。 「どうしたの、帽子は返したからもう帰ったら?」 「う~う~」 あらら、また泣き出した。 「ここにいると邪魔なんだよ!さっさと帰れ!!」 「う゛あー!!」 おっと声が大きすぎた。……しょうがないな。 「!! ……うー」 れみりゃを抱いて歩き出す、手を引こうかとも思ったが、如何せん身長差がありすぎる。 「う~♪う~♪」 はいはい。泣けばいう事を聞いてもらえて良かったね。 近くの山々の谷間辺りまで連れてきて、地面に降ろす。 また何か言っているようだが、無視することにした。 日傘を奪って地面に刺す、ちょうど下に木の根が延びていたの様なので、持ち手の部分を引っ掛けた。 ……これ、こうすることを考えていたみたいに急激にまわっているな。 次に落ち葉などをかけて、即席ゆっくりの巣の出来上がりだ。 「ほら、家を作ってあげたよ。昔はこうやって過ごしてたんだろ?」 感謝の言葉を期待したが、まったく無かった。 心優しい俺が、きちんとゆっくりが多く居るあの山を選んであげたのに。 俺は複雑な気持ちで家に帰った。 続く
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『ゆっくりれみりゃ加工所』 6KB 虐待 調理 捕食種 希少種 加工場 3作坊主すみません れみりゃ(稀少種)の虐待です。苦手な方はご遠慮下さい。 通常種の虐待はありません。 このSSのみの独自設定があります。 ここは言わずと知れたゆっくり加工所。 加工所内の高級ゆっくりフード生産ラインである。 このラインではれみりゃを原料にしてゆっくりフードを生産している。 今日はこの工場の生産ラインを見学してみよう。 1.出産コンベア まずはじめに見ていただきたいのは、原料れみりゃの生産施設である。 出産台に固定された親れみりゃが10体程度横一列に並ぶこのエリア、 れみりゃの股の前には回転寿司のようなコンベアが流れている。 『あがちゃん、でてきちゃだべえええ!!』 『でぎゃああああああ!!! うばれちゃだめなんだどぉぉ!』 『いだいいいい! いいこだがらじっとするんだどおお!!』 何故親れみりゃ達は胎内の赤ん坊を出したがらないのか。 なぜならコンベアの流れた先の様子をビデオで見せられているからだ。 当然そこには地獄が待っているが詳細については後述する。 必死に子供を産ませまいと激しい陣痛に耐えながら産道を絞めつけるが、そんな親心子知らず。 脳天気な笑顔を産道から見せながら体をゆすり、徐々に外へ出ようとする。 『だべっ!だべええええええ!!』 メリメリ…スポーン、ベチャッ 『う~☆ ゆっくりしていって… ヘブッ!!』ゴウンゴウン… 実の親にゆっくりしていってねも言うことが出来ず、 冷たいベルトに運ばれていく胴付き子れみりゃ。 『いだいんだど~!! みゃんみゃ~!! ざぐや~!!』 いくら泣き叫ぼうが助けは来ない。後は地獄が待つのみである。 『でびりゃのあがぢゃああん!! がえじでえええええ!!!』 一方、親のほうにも安息は訪れない。 出産台の後ろから通路を渡って作業員が近づいてきた。 確実に胴付き子れみりゃが生まれる胎生にんっしんっをさせるために、 子れみりゃを産んだばかりの産道にホースを差し込まれ、精子餡を流し込まれるのだ。 ブスッ! ミチミチミチミチ… 『い゛ぎゃい゛い゛い゛い゛い゛!!! もうあがぢゃんうみだぐない゛い゛い゛~!!!!!』 2.虐待ライン さて、ここからが生産ラインの中でも最も重要なポイントになる。 ここで先ほど生まれた胴付き子れみりゃを虐待するのだ。 コンベアが流れていく先に宇宙服のような白い作業着を来た職員達が待ち構えている。 職員が子れみりゃを1体手にとった。 『にぱ~☆ ゆっくりしていってねなんだど~』 手足をバタバタさせ、今度こそ返事が返ってくることを期待してお決まりの文句を言うれみりゃ。 「……」 だが返事は返って来ず、れみりゃをつまみ上げると “おようふく”を力任せに引き裂いた。 『も~う おにいさんたらえっちなんだど~』 などと、呑気なことをのたまっている。 頭のお飾りが無事ならお洋服はどうでもいいようだ。 少しイラッとした作業員は作業をすすめる。 具体的には、手に持ったピーラーによる攻撃だった。 シュッ!シュッ!と、ゴボウのささがきのように、お羽を先からジワジワと無言で切り刻んでいく。 始めは何が起きたかわからないれみりゃも、遅れてきた激痛に泣き声をあげた。 シュッシュッシュッシュッ… 『でっぎゃああああああ!!!!! い゛だいいいいい!!!』 『や゛めるんだど! や゛めどおおおおおお!!!』 『でびりゃのえれがんとなぱたぱたがああぁぁぁ!!!』 完全に根元までお羽が切り刻まれた後は、出餡死しないよう、焼きごてで傷口を焼き潰す。 チリチリチリ、ジューッ… 『あ゛ぢゅい゛いいい! いぎあああががががが!!!』 肉汁の鼻水とつばをまき散らしながら泣き叫ぶが 作業員が手を止めることはない。 それが終わると、再びコンベアに放り出され、 死なないようにオレンジジュースのシャワーを浴びる区画を通過。 『う~…? あ、あまあまおいちぃ~んだど~☆』 先程の惨劇も忘れ、オレンジジュースの甘さに感激するれみりゃ。 しかし、その幸せも数秒と続かなかった。 その後は、先程の作業員より体格の大きい作業員のいる区画へ。 『にぱ~☆ こんどこそゆっくりするんだど~』 『いたいいたいしたら せいっさいしてやるんだど~』 『わかったらさっきのあまあまをもういちどよこすんだど~』 どうすれば目の前の人間に制裁などできるのだろうか。 何も考えていないのだろう。 作業員は身の程知らずの言葉を吐くれみりゃをやはり相手にしなかった。 『どんくさいやつなんだど。とくべつにだんすをみせてやるからぷっでぃ~んをもってくるんだど』 『おしりふ~りふ~り』 ついにカッとなった作業員は 一際作業員が大きな手でれみりゃを鷲掴みにした。 そして、頭のお飾りを脇にどけると、力任せに髪の毛を、ブチブチと引き抜き始めたのだ。 ブチブチブチブチ… 『い゛っ、い゛っいぎゃあああああ!!!』 『いだいんだどおおおおぉぉお!!』 『や゛めろおおお! れみり゛ゃのかりすまきゅ~てぃくるへあにさわるんじゃないどおぉ!!!』 結局、髪の毛の引き抜きはれみりゃがハゲ坊主になるまで続けられた。 お飾りは返してもらえたものの、れみりゃはただただ、泣くことしか出来なかった。 3.加工ライン 地獄のような体験をしたれみりゃが開放される時がついに来た。 一旦ベルトコンベアが停止する。 ここはベルトコンベアの終着点。 虐待の限りを尽くされ、栄養価も味も一級品となったれみりゃ達がここで短い生涯を終えるのだ。 「お~い、1番の不良品投下しろ~」 コンベアの上方から作業員の声がすると、やつれにやつれた成体れみりゃが 乱暴に放りこまれた。第1ポイントでにんっしんっできなくなり、使い物にならなくなったせいだ。 こうなった成体れみりゃは子れみりゃと同じゆっくりフードとして再利用されるのだ。 望まぬにんっしんっをさせられすぎたせいで十分すぎるほど虐待されれているので 混ぜても品質を落とす心配はない。 『うぅ… いたいんだど…』 そのうちの一匹が辺りを見回していると、子れみりゃの声が聞こえた。 『みゃんみゃ!』 『あ…あ…』 羽を削り取られ、帽子がなければ素裸の状態でハゲ坊主だったが、 辛うじて残されたおぼうしのおかげで判別が付いたらしい。 『れみりゃのあがぢゃ~ん!!』 第1ポイントで永遠のお別れをしたと思われた親子が感動(?)の再会を果たしたのである。 しかし、ここで再びベルトコンベアが作動した。 その先に親れみりゃが見たものは── 勢い良く回転する、凹凸の付いた鋼鉄製のローラーだった。これに巻き込まれれば間違いなく 絶命するまでグチャグチャにされるだろう。 『い、いやだど…』 『せっかくみゃんみゃにあえたのにー!!!』 殆ど体力の残っていない体をよじってなんとかローラーから逃げようとするれみりゃ達。 親れみりゃも子れみりゃを押してなんとかローラーから遠ざけようと必死だ。 しかし、悲しいことに逃げるスピードよりコンベアの速度のほうがはるかに上であった。 『ごのごだけでもたずけでほじいんだど~!!!!!』 コンベア上方にいる作業員に叫ぶれみりゃだが当然応える者はいない。 おそろしーしーを垂れ流して命乞いをする姿に捕食種としての威厳は微塵もなかった。 『うぞだっ!れ゛みりゃまだじにだくないんだどぉぉぉ!』 『みゃんみゃああぁぁ!! きょわいよおおお!!』 ゴウンゴウンゴウンゴウン 『あ゛がぢゃんどいっしょにかりをしてっ、ごはんさんをむ~しゃむ~しゃしてっ!』 『あがちゃんにす~りす~りをしてあげてっ!』 ゴウンゴウンゴウンゴウン 『まだなんにもやってない゛のに゛いいいいっ!!』 ゴキッ!!グチャッミチミチミチミチ… 『『ぎょええええええええ!!!!!!』』 とうとうれみりゃ親子はローラーに巻き込まれ、永遠にゆっくりした。 挽肉状になったエサ用れみりゃは激痛や絶望によって味も栄養も満点の缶詰となり、 金バッジ通常種などに向けた高級ゆっくりフードとして出荷される。 缶には『う~☆ おいしいんだど~』と書かれたれみりゃが描かれていた。 捕食種たるれみりゃが金バッジとは言え通常種に喰われるとは 何たる皮肉であろうか。 所詮ゆっくりに加工所における運命を操作する事はできなかった。 ■これまでの作品 anko2279 シンプルなれみりゃいぢめ anko2299 うーぱっくいぢめ anko2393 通常種にも復讐を
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弱目のゆっくりゃ虐待SSです。ゆっくりゃ虐待が嫌いな人は見ないで下さい。 じぶん設定(笑)がいっぱい出てきます。 れみ☆りあ☆う~! 昼に公園を歩いてるとれみりゃがついてきた。 「うーうー☆おにいさんこっぢむいて~」 見ると所どころ汚い。どうやら公園の傍の砂場で遊んでいたようだ。 その顔は朗らかな笑顔で目は糸のようだ。 人の子供ほどの背なのに顔はやたら下膨れでほっぺたがやや赤い。3頭身くらいだろうか。 背中には羽と思しきものがついている。そのくせババクサイ服だ。 頭には大阪ドームみたいな帽子が付いている。髪は灰色のくすんでぼさぼさだ。 それはまぎれもないゆっくりれみりゃ(体付き)だった。 「お嬢ちゃん、お名前は?」 「うー!れみりゃだぞぉー!」 この町ではめったにゆっくりと出会わないから珍しく思ったので家に連れて行くことにした。 「そっか、れみりゃ。」「うー?」 ゆっくりゃは名前を呼ばれると頭を傾げてこっちに糸のようだった目を見開く。 まるでルビーのような瞳に、俺は胸を高鳴らせた。 「お兄さんと一緒にあそぼっか?」 「う?・・・うー☆あそぶぞー☆」 ゆっくりゃはいとも簡単に誘いに乗ってくれた。 それから俺とゆっくりゃは公園の遊具で遊んだ。ブランコで膝の上に乗せてこいでやると、始めは涙目で 怖がってしがみついた。 「うー!ごわいよぉ~さくやぁん!」「大丈夫だよ」 それから慣れると「うー!」と嬉しそうにした。 次に滑り台。俺は下でゆっくりゃを待ち構える。 目をつぶりながら震えているゆっくりゃは怯えながら滑り台の階段を上って 「う~こわいよざくや~」 とプルプルしている。 「大丈夫だよ!お兄さんを信じてね!」 と笑顔で言ってやると 「う~?・・・うぅ~ん!!」と否定だか肯定だか字面だけでは捉えにくい同意をしたゆっくりゃは 口をへの字に曲げて眉間に皺を寄せて意を決した顔で滑り台からすべり降りた。 ザシュッ! 俺は降りてきたゆっくりゃを優しく抱えてやる。 「・・・?うあうあ♪おにいさんありがとぉ~だぞぉ~☆」 と目をあけたゆっくりゃはすっかり俺を信じてくれたようだ。 「お腹減ったね、れみりあ?」 「うー!おなかすいちゃったぞー!ぐぎゅるるだぞー☆うあうあ♪」 とヒゲダンスをしながらゆっくりゃは俺を見つめてくる。 その表情はすっかり結婚生活のマンネリを旅行で打開した後の車内での妻の表情だ。 といってもわかりにくいか。とにかく一人前の女の表情をこの肉まん妖精ゆっくりゃはしていた。 その後うあうあ言いながらよちよち付いてくるゆっくりゃと共に家に帰った。 途中でコイツは蝶々を追っかけたり花を摘んだり大忙しだったが俺はゆっくり待ちながら手を引いて促した。 家に帰るとゆっくりゃは嬉しそうに踊りだす。 「うっうーうぁうぁ☆うれしいぞ☆たのしーぞ☆おにいぁんのおうぢにやってきたぞぉ~~~♪」 ぷりぷりとお尻をふって踊る。 立ち止まっては羽をピョコピョコ♪ と動かしてはこっちを チラッ と見て「うー♪」としなだれる。 これを基調にした踊りのようだ。 所々「うっううー♪」「ぎゃおー♪」「うぁうぁ♪」「シャクヤぁん♪」 と合いの手を入れてくるっと回って「だいしゅきー☆」と色目を使ってくる。 正直いってウザイ。今すぐ色目をレイプ目にしたい衝動を抑える。 どうやらこのゆっくりゃは数少ない繁殖期にあるらしい。俺を交尾相手と見なしたってことか。 とにかく今はこの面白い踊りを見ながらPC起動。 よし、ゆっくりゃをちょっと虐めてやろう。 「れみりあ!こっちちょっときてごらん。」 「う~?なぁに?おにぃ」いつの間にか「おにぃ」と馴れ馴れしくなっているゆっくりゃに不快感を感じたが我慢。 目が本当にルビーみたいな綺麗な真紅色をしているがこれは肉まんだ。ステーキのテカリと同じ類なのだ。 俺は動画サイトである動画を選んだ。これをゆっくりゃに見せよう。 「面白いよ。」「う~?おもいおいお?」どうやら俺の横顔に見とれてるらしい。イライラ。 「これ見てごらん」そこには綺麗な風景画が動画に映っていた。 「う~♪きれーだぞぉ~♪うー・・・」 ゆっくりゃは見とれているようだ。俺はニヤニヤしながらゆっくりゃを観察する。 そう、これはゆっくりゃを驚かせるためのびっくり動画、風景画が突然血まみれの女の絵と絶叫する声が流れるものなのだ。 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」 「うあああああああああ”あ”あ”!!」 ゆっくりゃはびっくりして目を大きく見開き後ろに尻餅をついて倒れた。その際に後ろのタンスに頭をぶつけた。 「う”あ”!!いだいどおおおおおおお!!!びぇえええええええええええええええええん!!!びぇえええええええええええええええん!!!! いだーーーいいいいーーーーーーどおおおおおおおお!」 うるさい。ゆっくりゃは目から肉汁の涙を流しながら顔を真っ赤にしている。 目は><こんな感じで後ろの羽がパタパタしている。意味ないのにw 「おにーざん!どーじでデヴィをおどーがずぅんだどぉ~!!うあああああんざぐやー!ざぐやー!きーーーー!!!」 うるせえな。これで殴ったらますますうるさいだけだ。 俺はゆっくりゃにチュッパチャップスをやる。 「う・・・?・・・チュパチュパ。ううー!あまーいどー♪ぷっでぃ~んだど~♪」 プリン味じゃなくてサイダー味なんだけどな笑 ゆっくりゃが重ちー語になっているのは感情が高ぶっている時だ。こうやって甘いもので大人しくさせて元のうーうー語に治そう。 「うー・・・チュパチュパ・・・あまいぞー☆うっうー☆がおっ!」 とげっぷらしき動作をした。ゆっくりゃはげっぷすらがおーなのか。 「ごめんね、ゆっくりゃ」ナデナデ「うー♪いいど☆」 一思いに肉の塊にしてやりたい所だがゆっくりゃが希少な地域だけに資源の無駄遣いはできない。 ちびちび脅かしてストレス発散に使うか。明日は町でゆっくりゃ用のケージでも買って中に入れてやる。 当分はこのゆっくりゃに色々いたずらしてやろう。食費は俺持ちだけどね。
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『ブログの女王』 ※ゆっくりが、現代日本にいる設定です。 ============================ 「なぁ、お前"ゆっくり"好きだったよな?」 「え、まぁ、好きだけど……」 秋も本格化し、文化祭シーズンを迎えた大学の片隅。 特に準備も無く暇な僕は、ゼミ室で適当に時間をつぶしていた。 近くの本屋で適当に買ったマンガ(地球を砕くハンマーを巡って騎士達が戦う内容だった)を一読した頃、 ゼミ室に悪友がやって来て、ぶしつけに行った会話がそれだ。 「へへへ、すげぇーおもしれぇーブログ見つけたんだ♪」 友人はそう言うと、ゼミの備品のPCを立ち上げ、ブラウザソフトを開く。 「今時、ゆっくりを扱ってるブログなんて珍しくもないだろ?」 「ふーん、これを見てもそんな冷めたセリフを言えるかな!?」 そう言って、友人は液晶モニタを僕に向ける。 「……あっ」 モニタに映っている内容に、僕は思わず声をあげる。 そんな僕の反応を楽しげに観察する友人。 「ほら、もっとよく見てみろよ」 友人に言われ、僕はPCの前へ移動する。 PCモニタには、でかでかと、ゆっくりの顔のどアップの写真が載っていた。 満面の笑みを浮かべる下ぶくれ顔……それは俗に"ゆっくりれみりゃ"と呼ばれる種の顔だった。 「これは……」 お菓子とディフォルメされた恐竜の画像が、ベタベタと貼り付けられた、子供の落書き帳のような装丁。 大きな丸文字ゴシック体で、誤字脱字まじりの平仮名のみで書かれた、日記らしき文章。 確かに、それはブログと言われればそうも見える。 そのサイトには、『れみりゃの☆おぜうさまぶろぐ』というタイトルが銘打たれていた。 「よく見ておどろけ! ここは、ゆっくりを扱うブログじゃない……"ゆっくりが書いてる"ブログなんだよ!」 * * * なながつはちにち きょうはー、おにーさんとゆーえんちにいったどぉー♪ にんげんがたくさんいたけどぉ☆ みんなぷりてぃなれみりゃに、めろめろー☆きゅんきゅん☆だったどぉー♪ それからー、おにぃーさんとそふとくりーむたべたどぉ☆ とぉーっても、あまあま☆でりしゃすだったどぉー♪ れみりゃはおつよいからぁ☆ぜっきょーけぇーもらくしょーだったどぉ♪ おばけやしきだってへいきへっちゃらなんだどぉー♪ きょうは、ちょっぴりおつかれだどぉー ふぁんのみんなぁー☆ばいばいだどぉー♪ ≪ブログ掲載画像≫ 風船をもらって嬉しそうなれみりゃ ソフトクリームにかぶりついて、口のまわりをベタベタにしているれみりゃ おばけやしきの前で泣きじゃくって、座り込んでいるれみりゃ * * * はちがつじゅうーごにち きょうはー、おにーさんといっしょに、うみにきてるどぉ♪ れみりゃは、おやさしくてえれがんとなおぜうさまだからー☆ おでかけしてても、ちゃーんとふぁんのみんなのことかんがえてるどぉ♪ ありがたく、ぶろぐをよむがいいどぉー♪ うーとね、うーとねぇ☆れみりゃは、やさしぃーからぁ☆ ぷらいべぇーとびぃーちに、にんげんどもをいれてやっていっしょにおよいだどぉ♪ れみりゃの、ないす☆ばでぇーに、みんなくぎづけだったどぉ♪ うっふーん☆おとこはみんなけだものだどぉー♪ それじゃ、ふぁんのみんなぁー☆ れみりゃは、おにーさんとおふろにはいってくるどぉ♪ れみりゃのおはだか☆そうぞうしてぇ、はなじだしちゃだめだめーなんだどぉ♪ うーうー☆えっちぃーなふぁんとは、ばいばいだどぉー♪ ≪ブログ掲載画像≫ 麦わら帽子をかぶって、海を見て興奮するれみりゃ ドロワーズ1枚で海へ入り、波にびっくりするれみりゃ カニに下ぶくれた頬を挟まれて、号泣するれみりゃ * * * きゅうがつにじゅーににち きょうはー、おにーさんのおたんじょうびだっだんだどぉ♪ おっきなけーきと☆ぷっでぃーんで、あまあまいっぱいしあわせだどぉー☆ おにーさん、おめでとーだどぉ☆ れみりゃ、これからもおにーさんとゆっくりするどぉ☆ うーうーうぁうぁ♪ ……うー? ふぁんのみんなの、しっとのほのおが、あつあつ☆だどぉー! やけどしないうちに、たいさんするどぉー♪ ふぁんのみんな☆ばいばいだどぉー♪ ≪ブログ掲載画像≫ ケーキを口いっぱいに、ほおばるれみりゃ クラッカーにビックリして、ぎゃーと目を見開いているれみりゃ ろうそくの火をフーフーしているれみりゃ * * * じゅうがつにじゅーきゅうにち うー☆ れみりゃ、きょうおもいきってこくはくしちゃったどぉ♪ だいしゅきな、おにーさんにー、 おむこさんにしてあげるー☆っていってあげたどぉ♪ きゃーきゃー☆はじゅかしぃーどぉ♪ おとめのてーそー☆のぴんちだどぉー♪ うーうー☆ そしたら、おにーさんったらぁー☆ れみりゃに、とぉーってもえれがんとなおべべきせてくれたんだどぉ♪ うっうー☆れみりゃこれだいじだいじにするどぉー♪ ふぁんのみんなぁー☆ れみりゃはふつうのおぜうさまにもどるけどぉ☆ これからもよろしくしてあげるから、あんしんするどぉー♪ それじゃ、ばいばいだどぉー♪ ≪ブログ掲載画像≫ 子供用のオモチャのウェディングドレスを着たれみりゃ カメラに向かって、ちゅー☆と口づけをしようとしてるれみりゃ 小さな恐竜のぬいぐるみを、赤ん坊のように抱っこするれみりゃ * * * 「……なっ、面白いだろ?」 ブログを読み進める僕に対して、友人はニヤついてそう言った。 僕は何も答えず、ブログの最新の記事に目を通す。 そこには、恐竜のぬいぐるみを着こんだようなれみりゃの写真が映っていた。 どうやら、れみりゃはこの日"れみりゃザウルス"に進化したらしい。 れみりゃ種にとって、"れみりゃザウルス"は憧れの姿だという。 このれみりゃも、例外ではないらしく、つたない文面からも喜びと興奮が伝わってくる。 日記の至るところに、 「ぎゃおー♪ぎゃおー♪」「うっうーうぁうぁー♪」 などと、れみりゃ種特有の感情表現が散見していた。 そして、このれみりゃは、この自慢の"ザウルス"姿と、 大好きだという"おにーさん"とで築く「ゆっくり☆かぞくせいかつ」とやらを夢想していた。 僕はそこまで読んで、溜息をつく。 「……この最新の日記、興奮してるのもあるんだろうけど、ことさら文章も誤字脱字もひどいな」 「ああ、でもしょーがねぇーんじゃね。だって、その写真見てみろよ」 友人は、モニタに映るれみりゃの画像を指差した。 れみりゃが「ぎゃおー♪」と両手を上げて大の字でポーズを取っている写真だ。 「この、ぬいぐるみみたいな手、これじゃキーボードなんて打てないだろ」 「……あー、そうだな」 僕は、頷いてもう一度ため息をついた。 「ふふふっ、言っておくがまだ終わりじゃないんだぜ?」 「え?」 「実は、本命のサイトはこっちなんだ♪」 友人は、PCを操作し、とあるサイトのトップページを開く。 すると、ポップアップが開き、パスワードを入力するよう求めてきた。 「荒れないように会員制のサイトにしたらしい。あと、未成年者をはじくって意味もある」 「…………」 パスが認証され、開かれたサイト。 そこは、確かに未成年者には……いや大多数の人間にはおすすめ出来ない内容が記載されていた。 無言の僕を見て、友人は解説役を買って出る。 「ゆっくりの虐待サイトってやつさ。ま、この手のも最近じゃ増えてきたけどな。……おもしろいのは、この先」 カチカチという無機質なクリック音がゼミ室に響く。 すると、そこには幸せそうに笑う、れみりゃの画像が表示された。 「これ、さっきのブログのれみりゃだぜ」 「……ブログのメイキング?」 「そう、ご名答だ! このサイトの管理人が、どうやられみりゃの言う"おにーさん"らしい」 そこには、ゆっくりれみりゃに如何にブログを書かせているかのメイキングや、 様々な苦労話や裏事情が書かれていた。 人差し指でしかキーボードを押せないれみりゃに、「ひらがな」を入力させるまでの教育の苦労。 れみりゃが得意気に日記で披露していたイベントの数々で、実際はさんざんれみりゃに手を焼かされたこと。 ブログの題材を作るために、れみりゃをだまして誕生パーティをしたり、結婚式の真似事をしたりした、膨大な費用や時間。 そして、れみりゃには、れみりゃのファンがブログ読んでいると勘違いさせているが、 実際には、変態的性向の持ち主や、ゆっくりの虐待マニア達の御用達サイトであること。 さらに、残虐だったり成人向けだったりするコラ画像が、他ならぬ"おにーさん"自身の手でバラまかれていること。 また、れみりゃがザウルス化してしまったことで、キーボードが打てずブログの続行が困難なこと等。 それら事実が、そのサイトには淡々と綴られていた。 「…………」 しばらく、僕も友人も何も言わなかった。 しかし、だからといって気まずい沈黙を続ける理由も無い。 「いやー、ゆっくりの道ってのも奥がふかいねぇー」 「ああ、いろいろ大変なんだろうなー」 僕と友人は、話題をそらして他愛もないことを話しはじめる。 やがて、小腹も減ったし何か食べに行こうということになった。 「なんにするよ?」 「とりあえず饅頭と肉まん以外な」 僕と友人は、どちらからともなく苦笑する。 念のためブラウザの履歴を消してから、僕らはゼミ室を後にするのだった。 * * * 気付けば、空はすっかり暗くなっていた。 時計を見ると、もう9時近い。 友人と別れた僕は、自転車にまたがって自分のアパートにまで戻っていた。 1階の一番奥の部屋、そこが僕の部屋だ。 僕はカギを開けようと、財布を取り出す。 財布はジャラジャラと小銭で膨らんでいた。 入っている紙は飲み屋の割引券と、スーパーのレシートくらいだ。 「やっぱ、ここらが潮時かなぁー」 僕は、寂しげな財布をしまい、ドアを開けて自分の部屋に入る。 金も無いし、今日も100均のパスタだなーと考えていた僕を出迎えたのは、 ずんぐりむっくりとした四肢と、下ぶくれの笑顔を輝かせた恐竜状の不思議生物……すなわち"れみりゃザウルスだった" 「うっふぅ~ん☆おにーさんおかえりなさいだどぉー♪」 れみりゃは、僕を確認するとどったどった寄ってきて、僕の足に抱きついた。 「ただいま、れみりゃ。良い子にしてたか?」 「あったりまえだどぉー☆きょうもれみりゃは、いいこいいこーでゆっくりしてたどぉー♪」 にぱぁー☆と僕を見上げるれみりゃに対し、僕は笑顔を作って応対する。 「ほらほら、はなれてくれよ。これじゃ歩けないだろ?」 「う~~~♪ れみりゃうっかりさんだどぉ~♪」 僕は、キッチンを通り抜け、奥の部屋に鞄を置く。 そこには1台のパソコンと、様々な撮影機材や衣装が散らばっていた。 「やれやれ、今日は少し肝を冷やした……」 ふぅーと、肩で息を吐く僕。 そう、あのれみりゃのブログを作っていた人物。 それは、他ならぬ「僕」自身であった。 「裏の趣味がバレちゃ、さすがに健全なキャンパスライフに支障をきたすだろうし……やっぱり区切りはつけるべきか」 僕は、考えをまとめて、一人つぶやく。 一方、れみりゃは退屈にしびれを切らして、ぬぅーと僕の前に割り込むように歩いてきた。 「ねぇーねぇーおにーさんみてみてぇー♪ れみりゃのあきのしんさく☆のうさつ☆だうんすぅー♪」 そう言って、大きな尻と尻尾を左右に揺らし出す、れみりゃ。 僕は、デジカメを手に持って、それを静止する。 「まてまて! まずは今日の1枚からだ」 「うー! ゆっくりわかったどぉー♪」 れみりゃは、ブログ用の写真を撮るのだと考え、どんなポーズをとろうかと思案する。 そして、考えた末に、もっとも自信のある決めポーズを実行した。 「ぎゃおー☆たーべちゃうぞぉー♪」 バァーン! 体を大きく広げ、最大限に下ぶくれスマイルを膨らませる、れみりゃ。 僕は、満足気にうなづいてから、デジカメのシャッターを押す。 「うん、いい感じだ……」 「うっうー♪ れみりゃにもみせてぇー♪」 デジカメの写真をのぞきこむ、れみりゃ。 僕は、PCを立ち上げ、デジカメのデータをハードディスクに移す。 「うー☆」 れみりゃは、いつものようにブログを書こうと、僕の膝の上に座ろうとした。 が、僕はれみりゃの体を抱えて、自分の横に座らせる。 「う?」 キョトンとする、れみりゃ。 「みぶんちがいなふぁんたちが、こいこがれてまってるどぉー♪ れみりゃ、ぶろぐこうしんしなくていいどぉ~?」 「……ああ、しばらくゆっくりお休みしていてくれ」 「うーわかったどぉ☆れみりゃゆっくりするどぉー♪」 意味がわかっているのかどうかは曖昧だったが、 僕は、れみりゃに構わず、PCでの作業を続ける。 僕が開いたのは、れみりゃのブログでも、ゆっくりを虐待する裏サイトでもない、 極めて一般的でメジャーなオークションサイトだった。 僕は、手際よく手続きを進め、いま撮影したばかりの写真をアップする。 「よし、これで出品完了と」 画面には、"ペット用ゆっくり売ります"の文章の下、れみりゃの写真が貼り付けられていた。 希少種たる"れみりゃザウルス"なら、低く見積もっても10万円は下らないのが、今のネットオークションの相場だ。 落札の〆切は3日後に設定した。 「さて、夕飯にするか」 「う~☆でぃなーだどぉー♪」 僕は、夕飯の準備を始めるべく、立ち上がる。 れみりゃとの最後の3日間、せいぜい構ってやることにしよう。 「れみりゃ、今日は夕食にプリン食べてもいいぞ」 「うぁーーい☆やったどぉー♪」 喜びはしゃぐ、れみりゃ。 その姿を見ていると、売り払ってしまうのが少し惜しくなる。 だが、地方から東京に出てきた貧乏学生が、ゆっくりを飼うのはやはり難しい。 上京して半年後、無理してバイトで金を貯めて「ゆっくりショップ」で"べびりゃ"を買った。 それから早2年、気付けば東京で何も為さぬまま、そろそろ進路も決めなければならない時期になっていた。 (うん、やっぱりこのままじゃダメだよな!) 僕は、いつかまたれみりゃを飼うためにも、しっかり大学を卒業して、ちゃんと就職することを決意するのだった。 (この決意が出来ただけでも、元はとれた……はずだ……) 僕は、苦笑してパスタを茹で始める。 背後からは、無邪気なれみりゃの声が聞こえてきた。 「ぎゃお~♪ れみりゃは、せかいいちしあわせなゆっくりだどぉー♪」 おしまい。 ============================ 10kb以下の短い話を書く! それが目標だったはずなのに、やはり10kbを越えてしまいましたorz 変化球気味かもしれませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。 by ティガれみりゃの人 ※以下「ティガれみりゃ5」について ありがたいことに、 何人かの方から「ティガ5はどうした!」といった旨の声をいただきました。 結論から言いますと、「ティガ5」は書きます。 というか、当初のプロット通りに既にほぼ書き終わっています。 ……ただ、ひとつの区切りとしては、個人的に満足なクオリティになっておらず、 ひとまず細々推敲しつつ寝かせている状態です。 とはいえ、いつまでも待って天啓がまいおりるとも限りません。 ですので、オリキャラ姉妹の季節が終わって、太ましい方の出番になる頃には、 ある程度見切りをつけてでもアップするつもりです。 もちろん、それより前に納得いく形になれば、その時点でアップします。 申し訳ございませんが、ご了承いただければと存じます。 ============================ このSSに感想を付ける
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俺はただの人間だ。 今日は用事で紅魔館の近くまで来ているんだが、何時見てもこの屋敷にはイライラさせられる。 理由は、主人のレミリア・スカーレットだ。 たまに、従者を連れて街まで来るのだが、好き放題言い放って帰っていくだけだ。 俺の露店の商品も何一つ買っていかない。 気が付くと無くなっているので、何かしらの能力を使って盗んでいるのかもしれない。 そんな理由で、イライラしながら紅魔館の近くで用事を済ませる。 粗方終えたところで、不意に前に子供が歩いているのが目に入った。 いや、良く見ると子供じゃない、紅魔館の庭に住んでいるとか言うゆっくりれみりゃの希少種だろう。 うわさに聞くと、従者からの寵愛がすさまじく、実際の主より可愛がられているらしい。 箱入り娘といったところか。 「うっうー♪」 よたよたと、自分で日傘をさして散歩しているようだ。 従者の真似なのか片腕にもう一本同じ日傘をぶら下げている。 いや、違う。人一倍耳のいい俺は、紅魔館の近くから。 また、れみりゃさまがいなくなりました。 とか。 れみりゃさま、おいしいプリンですよ~。 とか言っている声を聞くことができた。 どうやら、自分に付きっ切りの従者の目を盗んで、散歩に来たらしいな。 あの様子だとなんどか抜け出しているようだし。 「う~。う~」 興味深そうに、うろうろしているゆっくりは放っておいて自分の作業を再開する。 今探しているのは、ゆっくり魔理沙か霊夢だ。 既に籠は一杯だが、あと一匹くらいは入る余裕がある。 その籠のゆっくりの声が気になったのか、一匹のゆっくり魔理沙が飛び出してきた。 「おじさん、せなかにせおってるなかから、ゆっくりのこえがきこえるよ」 「これかい、これはとってもゆっくりできる機械だよ」 警戒されないために、真っ黒く縫ってある籠は、一見すると大きな筒のようにも見える。 「ゆっくりできるの!おじさんまりさもゆっくりしたいよ」 どれ、ちょっと待ってな、と言おうとした時、ゆっくり魔理沙が悲鳴を上げた。 振り返るとそこには、傘を器用に肩に掛け、ゆっくり魔理沙を両手で加えて美味しそうに食べるゆっくいりれみりゃ。 迂闊だった、色々な偶然が重なった。 れみりゃ種はゆっくりを食べる、それは知っている。 それに、飼われているといってもあの紅魔館だ、普通の家と違って毎日ゆっくりを食事に出すなんてわけが無いだろう。 しかも、当のゆっくり魔理沙はこれに興味心身だった。 たとえ、弱らせて出されていたとしても、動かないでじっとしているゆっくりを食べるのは造作も無いことだろう。 どうせまた勝手に散歩に言ったんでしょ。 嫌なのよ、あいつほかのゆっくりと違って体まであるんですもの。 私が、ノータリンのちんちくりんに思われるじゃない。 とにかく、今日の夜まで戻ってこなかったら、金輪際ここには入れないこと。 分かったあなた達、咲夜も! もしきたら、殺せとは言わないは、直ぐに追い返しなさい。 あーもう!お気に入りの日傘まで持ち出したのね。 咲夜、今すぐ香霖堂かすきまの所へ行って新しい日傘を準備して。 「う~♪ いっぱい」 ショックのあまり、また聞き耳を立てていたらその間に食べ終わったらしい。 近くに、一つの山高帽だけが残っていた。 お腹が膨れて満足したのだろうか、紅魔館の方向へ向かっていく。 その後姿を、紅魔館の主に重ね合わせていると、無性に腹立たしくなった。 あいつが俺の獲物を取ったのだから、俺もあいつから取ればいいんだ。 ダッシュで近づいて帽子を奪う、れみりゃはその拍子に転んだようだ。 「うー!うー!」 帽子がそんなに大事だったか、俺を追いかけてきた。 それでも、懸命に日傘をさしているあたり、実際の主の真似なんだろうか。 ゆっくり種は、日に当たっても灰にはならないと言うのに。 そのまま、ちょこちょこと追いかけてくる。 顔は可愛らしいまでに泣いてるが。 そのまま俺の家まで着いてきやがった。 農村同士の中間にある俺のは、真昼間なのに人気が殆ど無い。 取り合えず、勝手に中まで入ってきたこいつに、帽子を返してやることにする。 「う-!」 ははは、可愛らしく頬を膨らませてやがる、さて、それがどうなるかな? 家の外に放り出す。 すると、腹いせだろうか扉を何べんか叩いた後、慌てて日傘を差した。 あたりをキョロキョロと見回してるところを見ると、どうやら道が分からないらしい。 そりゃそうさ、追いかけっこが始まったのは10時前、今はとっくにお昼も終わってるぜ。 「う~? う~?」 帰りたくても、帰り方が分からないらしい。 何時は側にいる従者も居ない事が余計不安を加速剤になっている。 そういえば、俺も殆ど何も食っていなかった。 さてと、俺もそろそろお昼にしますかね。 がらっと、扉を開ける。まだれみりゃは玄関にいるようだ。 「どうしたの、帽子は返したからもう帰ったら?」 「う~う~」 あらら、また泣き出した。 「ここにいると邪魔なんだよ!さっさと帰れ!!」 「う゛あー!!」 おっと声が大きすぎた。……しょうがないな。 「!! ……うー」 れみりゃを抱いて歩き出す、手を引こうかとも思ったが、如何せん身長差がありすぎる。 「う~♪う~♪」 はいはい。泣けばいう事を聞いてもらえて良かったね。 近くの山々の谷間辺りまで連れてきて、地面に降ろす。 また何か言っているようだが、無視することにした。 日傘を奪って地面に刺す、ちょうど下に木の根が延びていたの様なので、持ち手の部分を引っ掛けた。 ……これ、こうすることを考えていたみたいに急激にまわっているな。 次に落ち葉などをかけて、即席ゆっくりの巣の出来上がりだ。 「ほら、家を作ってあげたよ。昔はこうやって過ごしてたんだろ?」 感謝の言葉を期待したが、まったく無かった。 心優しい俺が、きちんとゆっくりが多く居るあの山を選んであげたのに。 俺は複雑な気持ちで家に帰った。 続く 選択肢 投票 しあわせー! (3) それなりー (4) つぎにきたいするよ! (6) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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紅魔館からかなり辺境の地に存在するゆっくりれみりゃの巣。 紅魔館と言うある種本能を刺激される場所が無いためか、ここのれみりゃは持ち前のぷっでぃん脳は持ち合わせていない。 「うっう~♪ あうあう♪」 目を覚ましたれみりゃは餌を探しに巣穴を飛び立つ。 向かう場所は様々。 ゆっくりたちの住処であったり、ゆっくりたちが集まる場所であったり、人里であったり。 「うっう~♪」 今日向かうのは人里のようだ、人の家に入り込んだゆっくり饅頭がよく庭や縁の下に晒されている。 多くは人間が餡子を柔らかくするために苦痛を味わわせているのだが、それは同時にゆっくりれみりゃの格好の餌にもなる。 「ゆっ!! ゆっくりしたいよ!! れいむたちのおおきなおうちでゆっくりしたいよ!!!」 そしてここも苦痛を受けているゆっくり一家がいた。 体に縄を通されて仲良く吊るされて居る一家。 健気にも、未だに自分たちの家だと主張しし続けるその姿は、ゆっくりの無知を通り越してわざと言っているのではを思わせるほどだ。 「!! おねえさん!! ゆっくりたすけてね!!!」 その一家の前に降り立つれみりゃ。 何処をどう見たらお姉さんに見えるのか甚だ疑問だが、必死に助けを求める一家に歩み寄るれみりゃ。 「うっう~♪ あうあう~♪」 沢山の餌を見つけられたことがよほど嬉しいらしく、両手を顔の脇へ腰を振った後に手の甲を上にして腰の脇に手を持って上半身を突き出す、と言うへんちくりんな踊りを舞いながら近づいていく。 「!! おねーさん!! ゆっくりはやくれいむたちをたすけてね!! そうしたら、とくべつにおねーさんはれいむたちのおうちにいれてあげるよ!!!」 「そうだよ!! はやくたすけてね!!!」 「さっさとたちけてね!!!」 助けてもらおうと思っているのに、一々気に障るような口を利く一家。 しかし、ゆっくりれみりゃはお構いなしに踊りを続ける。 どうにか一家の前に到着し、吊るされていた縄を外し地面に落とす。 「ゆゆ!! ゆっくりできるよ!! でもこれかられいむたちがゆっくりするから、おねーさんはかえってね!!」 「にんげんがいるとゆっくりできないから、おねーさんはかえってね!!!!」 「れいみゅたちがゆっくりするから、おnんびゃっぷぃー!!!!」 落ちないように、下を大きな板で止めていた縄から無理去り一家を引き出す。 勿論、体の小さい赤ちゃんは既に絶命している。 「うっう~♪ うまうま~♪」 潰れた饅頭をドンドン口に運んでゆく、口や手が餡子まみれになっても、かなり甘くなっているその饅頭たちを食べるのはやめない。 「ゆっゆゆ!! おかーさんたすけてね!! おかーさnぎゃけるほぉ!!!!」 「れーぶのごどもがじがーーー!! どーじでごんなごどするのーー!!!」 「う~、おっきなおまんじゅう♪」 「しょっきんにゃう~!!!!」 とうとう一匹だけになったお母さん霊夢を引き出して食べ始める。 「ゆ!! やめでね!! れいむはゆっぐりたべものじゃないよ!!!」 体の大きさからか、引き抜かれただけで絶命はしなかったが、それが仇となり、食べられる苦痛を味わう事になってしまった。 「ゆ!! れいむだじのおうじなのにーーー!! おじさんががってにはいっできだからだよ!!」 それだけ言い残して、やっと意識を無くす事が出来たお母さん霊夢。 そして同時にれみりゃの食事も終わったようだ。 「う~♪ おなかいっぱい♪」 それだけ言い残し、悠々と庭を後にする。 まだまだ食べ足らず、巣に戻らずに周りの家を周回するれみりゃ。 「う~~~~~~~~……」 なかなか他のゆっくりは見つからないが、少し集落から離れた家の庭で漸く一匹見つけることが出来た。 「う~~♪」 一気に狙いを定め、もう突進していく。 「むっきゅ~~~!!!」 こちらに背を向けているそのゆっくり目掛けてズンズンスピードを上げてゆくれみりゃ。 「う~~、…………」 あと少し、あと少しで捕まえられる。 「!! むっきゅ~~~~~~~!!!!」 漸く気付いたようだが、この距離ではどうしようもない。 れみりゃは、ゆっくりを捕まえるために手を伸ばした。 「!! うあーーーーーー!!!!!」 突如、自分の前にあわられたのは竹槍。 その先端に勢いよく突っ込んでゆくれみりゃ。 「うっぎゃーーーー!!!」 頭から突っ込んでいった体勢が仇となった、竹やりは脳天から股にかけて見事に貫通した。 幾ら再生力の優れたゆっくりれみりゃと言えども、ここまで綺麗に入ったモノはどうする事も出来ない。 「いだい!!! いだいよーー!!! うっぎゃーーーー!!!!」 言葉に出来ない痛みがれみりゃを襲う。 必死に竹やりを抜こうとするが、れみりゃの力ではどうすることも出来ない。 「うあーーー!!! だれがー!! だずげでーー!!!」 どうしようも無いので助けを呼ぶ。 その必死な声に気が付いたのか、近くから一人の男が出てきた。 草陰で、れみりゃに竹やりを放った男である。 「!! うーーー!!! だずげでーー!!! だずげでーーー!!!!」 視界にその男を認めると、直ぐに助けを求めるれみりゃ。 しかし、男は助けるどころか竹やりを地面に突き刺した。 地面に腰を下ろすように固定されたれみりゃ。 何がなんだか分からず、頭の中は直ぐにパニックになる。 「うーー!! たずけで!! だずけで!!! うーーー!!!」 男は、その様子にある程度満足したのかれみりゃに向かって優しく話し始める。 「いいかい、これから一晩このまま置いておいたら、その後は助けてあげるよ」 「う~~~~? れみりゃたすけてくれるの?」 男の言っていることが理解できたらしく、クリクリした瞳で覗き込むれみりゃ。 「もちろん! でも、この近くには庭においてある人間のゆっくりを勝手に食べるゆっくりがいてね、もしかしたら明日の朝までにゆっくりフランに食べられてしまうかもしれないんだよ……」 「!!!」 れみりゃは何とか理解できた、人間のモノを勝手に食べていたのは自分も同じだったから。 「うーー!! いやだぁーーー!!! れみりゃだべられだくないーー!!!」 動かせる手足をバタバタ振って必死に今晩するれみりゃ。 しかし男はしれっと言葉を続ける。 「でもねぇ。勝手に食べていなくなっちゃうからねぇ……。せめて一言言ってくれればねぇ……」 日が傾いてきた、もう直ぐあたりは薄暗くなる。 「うーー!! れみりゃももうかっでにたべまぜんがら!! だがらたずけでください!!!」 「んー? お前も人の家のもの勝手に食べてたのかい?」 「はいぃ!! でももうじまぜん!! だがらゆくじでぇーー!!」 「そうか、だったらなおさらお仕置きしないとなぁ」 にたぁーっと男が笑みを溢す。 その真意を理解したれみりゃは必死の形相で男に助けを求める。 「もうじまぜん!! だがられみりゃをだずげてくだざい!!!」 日は山に隠れて急激に周りの視界を狭めていく。 それに余計恐怖心を煽り立てられ、傷口から中身がこぼれるのも気にしないで、必死に許しを請うれみりゃ。 男は一旦考えるふりをした後に、れみりゃにある質問をした。 「それじゃぁ、これからは人ものは勝手に食べない、そしてゆっくりたちも勝てに食べない。そしておにーさんの仕事を手伝う、それを約束してくれたら助けてあげるよ。それに家で飼ってあげるし、甘いお菓子も食べさせてあげる」 暗闇の中でうかがい知れない男の顔は、しっかりと笑っていた。 勿論、れみりゃにその申し出を断る文句が見つからない。 比較的、他のゆっくりより身体能力が高いれみりゃだが、それでも毎日餌にありつけるとは限らない。 しかし、この男の仕事を手伝えば今までの狭い洞窟の住まいから、人間の広い家へ、更に食べ物までもらえるのだ。 こんな美味しい話は無い。 「うーー!! れみりゃやぐそくする!!! だがらゆるじでぐださい!!!」 「よーしわかった。じゃあ明日から仕事のためにちょっと練習してもらうことがあるから。それとこのゆっくりパチェリーと一緒のお部屋を貸してあげるよ」 男から大きなペロペロキャンディーを受け取って、れみりゃはその男の家の中へ消えていった。 ……数週間後。 ここは紅魔館の庭、この日も沢山のれみりゃがここで我が物顔をして遊んでいた。 「うっう~あうあう~♪」 「れみ☆りゃ☆う~☆ にぱー♪」 「ぷっでぃ~~ん!! ざぐや~れみりゃぷっでぃ~んどご~?」 その様子はまさにゆっくりれみりゃの託児所と言った所か。 その中を一人かけ巡る人間が居た。 この屋敷の主の従者、十六夜咲夜だ。 「はいはい。プディングの時間ですよ。……はいどーぞ♪」 そういって一匹ずつにプリンを渡していく。 渡された方は気持ちの悪い笑みを浮かべて貪り食う。 「う~さぐやのぷっでぃ~んあまいどぉ~♪」 「ぷっでぃ~んおいしいどぉ~♪」 そして、何時ものように小悪魔に呼び出される咲夜。 今日はパチュリーが鍋焼きうどんを食べたいと言っているらしい。 ……八月に。 無論、咲夜ににとって、れみりゃ以上に大事な数少ない人物なので直ぐに厨房に出向いて鍋焼きうどんを作り始める。 早くれみりゃ達を見れるように……。 庭では、相変わらずれみりゃの大群が腰を下ろしてプリンを食べている。 足を伸ばして、お得意のれみりゃスマイルでぷっでぃ~んと呼ばれるのもをバクバク食べてゆく。 これを毎日見せられている紅魔館の方々は本当に忍耐強い。 「う~♪ れみりゃのおやしぎだどぉ~♪」 プリンを食べ終えたれみりゃはカップを舐め終えると地面に捨ててまた、遊び始める。 今度は全員で踊りを踊るようだ。 「う~~~……う~~?」 いざ、踊り始めようと思った矢先、突然一匹のれみりゃがその場に降り立った。 手には一つのプリンを持っている。 「「「う~~ぷっでぃ~ん!!!!」」」 一同が注目する中、そのれみりゃは三流グルメリポーターもびっくりするほどの手つきでそのプリンを食していく。 れみりゃでなくても十分そのプリンの美味しさが伝わってくる。 「う~♪ このぶっでぃ~~~はさくやのぷっでぃ~~~~んよりもずっとおいしいどぉ~~~~♪」 多少オーバーリアクションでそう言い放つ、れみりゃ。 他のれみりゃも大興奮だ。 「う~~れみりゃもそのぷっでぃ~んだべたいどぉ~♪」 「れみりゃもたべだいどぉ~♪」 沸き起こるぷっでぃんコール、それを満足げに見ていたれみりゃは最後にこう告げ飛び立つ。 「うっう~♪ みんなでこのぷっでぃ~んがあるところにいくどぉ~♪」 「「「「いくどぉ~~~~♪」」」」 飛び立った一匹の後を追うように、次々と重い体を浮かべていく。 先頭のれみりゃは、同属とは思えないほどトロくさいその速度に合わせながら、目的の場所まで移動した。 「うっう~♪ ここだど~♪」 そう言って、大きな施設の前に降り立ったれみりゃ。 ドアの向こうでは、複数の人間がこっちに向かって手を振っている。 「「「「う~~~~ぷいっでぃ~~~~ん!!!!!!」」」」 ドテドテと施設内に入り込んでゆくれみりゃ一行。 入り口の広いホールまで入り込んだ一行は直ぐに、奥の部屋でお盆を持っている男達を発見した。 「う~れみりゃのぷっでぃ~んだど~♪」 一番のりでそこへ入っていったれみりゃ、早速飛び上がってお盆の中を見るが、そこには何も載ってない。 そう、男が持っていたのはただのお盆だった。 「う~~!! ぷっでぃn!! あんぎぇらぱっぱーーー!!!!」 ぷっでぃんと言おうとしたれみりゃが激痛を訴える。 男が突然羽をもぎ取ったからだ。 見ると、後から来たれみりゃもどんどんと同じような状態になっている。 「うっぎゃーーー!!! ざぐやーーー!!! だずげでーー!!!」 「ざぐやーーー!!! こわいひどたじがいるよーーーー!!!!」 「「「「うっぎゃーー!!!! ぷっでぃ~んは!! ざぐやーー!! ぷっでぃ~んはどごー!!!」」」」 「ぷっでぃんならないよ。これからお前たちが餌になるんだから」 淡々とれみりゃ達に真実を告げる男。 それを聞いたれみりゃもプリンは無く、自分たちが食べられることを悟ったようだ。 「いやだーーー!!! れみりゃはおいじくないよーー!!!!」 「がえるーー!!! れみりゃがえるーーー!!!!」 「うーーー!!! ざぐやはどぉごぉーー!!!!」 その喧騒の中で、男達は黙々と作業を続ける。 「この二匹は新しく作るケージの餌だな」 「こっちの六匹は出荷用だ、調理部に回してくれ」 「この親子は⑨⑨街へ届けてくれ、ゆっくり肉まん店の二号店を作るらしい」 「へぇー、でもれみりゃを調教するのは大変でしょうね」 「いや、どうやら一回目同様アリスさんが調教するらしいぞ」 これからこのれみりゃ達の多くは、加工場の餌係として過ごすことになったようだ。 ……。 同じ頃、森の中。 「むっきゅ~むしゃむしゃ♪」 沢山食料が貯蔵されている巣の中でゆっくりパチェリーが楽しく食事を楽しんでいた。 「ゆ!! 「「ゆっくりしていってね!!!」」」 突然舞い込んで来たゆっくり魔理沙一家。 そのままどかどかと家へ上がり込む。 「むっきゅ!!」 突然の行動に呆然とするパチュリー、それを見ていたお母さん魔理沙はとどめの一言を言い放つ。 「ここはまりさたちのおうちになったよ!!! ゆっくりできないぱちゅりーはでていってね!!」 どう考えてもゆっくりしていないのはそっちだろうと言いたくなるが、珍しく素直に家を出て行くパチュリー。 「ゆっくりできないぱちゅりーはゆっくりでていってね!!!」 「ゆっくりしんでね!!!!」 巣からとぼとぼと出て行くパチュリーを見送った後、一家は改めて沢山の食料に向き直る。 林檎、スイカ、メロン、ケーキ、オムライス、スパゲッティー。 ゆっくりには到底発音できない料理も、そこには多種多様な食べ物が並んでいた。 「「「「ゆっくりいただきまーーーす!!!」」」」 家族一斉に飛びつく魔理沙一家、それが食べ物ではないと言うことに気が付くまでそんなに時間は掛からなかった。 「!! ゆゆこれかたいよ!!!」 「たべられないよ!!!!」 「ゆっくりできないよ!!!」 「あのぱちゅりーがだましたんだね!!!」 「ゆっくりしてもらわないとね!!!!」 一家がかぶりついたのは食品サンプル。 元々この巣の中に有った食べ物は最初にパチュリーが食べていたものだけだ。 それでも、自分たちの事は棚に上げて、沸々とした怒りに震える魔理沙一家。 そこにさっきのパチュリーが戻ってきた。 「むっきゅ~♪ ほんもののたべものがわからないまりさはゆっくりしていってね!!!!」 巣の入り口で、中に居る一家に聞こえるように言い放つ。 中で聞いていた魔理沙一家は怒り心頭、勢いよく巣から飛び出す。 「!!! ゆゆゆ!!!」 入り口から出て、飛び掛ろうとしたが身動きが取れない。 「ゆ! これはあみだよ!! ゆっくりもどってね!!!」 しかし、子供たちは大きな網の中へ次々と飛び込んでゆく。 全員がすっぽり入った所で、唐突に入り口は塞がれた。 紛れも無く、ゆっくりパチュリーの隣に居る男が締めたのだ。 「ゆゆ!! おにーさん、まりさたちをこのなわからだしてね!!!」 「そのぱちゅりーはわるいこだよ!! まりさたちをだましたんだよ!!!」 「おいおい、お前達が勝手にコイツの家に入っていったんだろ?」 「そんなことしないよ!!! まりさたちはいいゆっくりだもの!!!」 「おじさんもゆっくりできないんだね!! まりさたちをだしたらゆっくりどこかへいってね!!!」 「そうかい、じゃあ出してあげるよ」 よいしょ、と一声かけて網を持ち上げる。 そのままスタスタ歩いてゆく男、勿論ゆっくり達を出す事もしない。 「ゆゆ!! おにーさん!! ゆっくりはやくだしてね!! いいかげんにしないとまりさおこるよ!!!」 「おこるよ!!! ゆっくりだしてね!!!」 「そんなに心配しなくても、加工場に着いたら直ぐに卸すよ。他の巣に居るのが良いみたいだからゆっくりアリスの巣に入れてあげるよ」 加工場、ゆっくりアリス、その二つの単語が聞こえた瞬間、ゆっくり達の態度は一変した。 「かこうじょーはいやだーーー!!! おにーざんまりざたちをはなじでーーー!!!」 「おにーーざん!! まりざたちがおながへっでやっだんですーー!!!」 「もーじないがらゆるじでくだざいーーーー!!!」 「よかったじゃないか、加工場ではゆっくりできるまで食べられるぞ。……ほら見えてきた」 あっさりと答える男、見れば加工場も直ぐそこだ。 「いやだーーーだずげでーーー!!!!」 「そんなこといってもなぁ、……。もともと君達を捕まえるためにわざとやってたんだし。まぁ、ゆっくりしてた事が悪いって言うことで」 「「「!!! ゆっぐりしたけっかがこでだよーーー!!!!」」」 ……。 「……がこれ位で。お待たせしました、これが今回の見積もりです」 「ほー。結構多いですね。幾られみりゃ種が高級といっても、これはいささか高すぎませんか?」 明細を受け取った男が驚きの声を漏らす。 それほど今回の取引は大きな金額となった。 それはもう、博麗の巫女なら十年間は暮らせる位。 「いえいえ、お得意さまですし。それに紅魔館周辺のれみりゃはあそこのメイド長が可愛がっている所為か、身体能力は随分落ちてますが、その代わり肉が柔らかくて美味しいんですよ」 職員が、笑顔で男に理由を説明する。 男もその答えを聞くと笑みを浮かべた。 「そうですか。それではれみりゃの方は股一ヵ月後に、他のゆっくりはまた二週間後に卸に来ますので」 「分かりました。われわれだと、同じ方法を使っても、メイド長が怖くてなかなか近づけないんですよ。貴方に卸していただいて感謝しています。なにか秘訣はあるんですか?」 加工場から出ようとしていった男は、振り向きざまに一言だけ呟いた。 「本をよく読んでいたから。ですかね?」 それだけを言い残してその場を後にする。 職員は首を捻っていたが、おそらく知識が豊富なのだろう、そう考えて男を見送った。 「むっきゅ~!! おかえりなさい!!!」 「う~♪ ゆっくりしてきたね!!!」 入り口で待っていた二匹のゆっくりが男の下へ駆け寄ってきた。 勿論、あのゆっくりれみりゃとパチュリーである。 「むっきゅ~~!! あのまりさたちぱちゅりーのおうちにかってにはいってきたの!!! あそこでしばらくはんせいするといいの!!!」 暫くではなく一生反省できるだろう、彼らは一生自分の子供を育てて出荷させられるのだから。 ちなみに、謳い文句は『ゆっくり一家が育てました!!! 家族の愛情がゆっくり詰まった濃密餡子』、である。 「う~♪ おにーさんれみりゃはおなかがすいた、すこしでいいからなにかたべたい!!」 このれみりゃに手伝ってもらう仕事。 簡単に言えば鮎の友釣りである。 紅魔館周辺のれみりゃの口調を覚えさせ、加工場に案内させる。 他のれみりゃが中へ入ると、このれみりゃは外で待って待機する。 一応、ある魔法使いに、識別のための魔法をかけて貰ったので、間違えて中に入っても大丈夫にはなっている。 だが、今まで野生を一人で生きていたれみりゃが、幼く、運動音痴のメタボゆっくりにほいほいついて行くかは疑問ではあるが。 このパチュリーだってそうである。 以前、本当に家を魔理沙にのっとられた時にたまたま通りがかった俺が助けた。 そして加工場に連れて行ったのだが、どうやらこの施設を知っていたパチュリーは上記のような台詞を吐いてゆっくり一家を見送っていた。 そして、渡されたのは予想より大きな金額、その時にこのビジネスを思いついたのだ。 「いいぞ! 今日はお金がいっぱい入ったから、二人の好きなもの何でも買ってあげるぞ!」 れみりゃのお願いに快く応じる男。 自慢の教育で並みのゆっくりれみりゃより思慮深くなったれみりゃ、今だってわざわざ遠慮がちに言っているのだ。 媚を売るれみりゃスマイルもしない。 なにより、自分の仕事をきちんとやっているれみりゃ達に、男がご褒美を与えてるのは当然だ。 「「!!」」 これを聞いて笑顔になる二匹。 普段は我侭言わずに、きちんと出されたものを食べていた二匹だが、たまにこうして我侭を言えるのが何よりも嬉しかった。 そして、買ってもらう食べ物は決まっている。 「うー!! ぱちぇはきまったの?」 「ゆ! れみぃもきまったの?」 「う~♪」 それは二人の大好物。 「「おにーさん!! ぷりんがたべたい!!!」」 その日夕食に並んだのはバケツ一杯もある大きなプリンだった。 End
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ゆっくりゃタイフーン ============================ ≪はじめに≫ 昨晩、布団の中で「雨風すごいなー」と思いながら考えた単発時事ネタです。 書いてる間に台風過ぎちゃいましたけどね…。 ゆっくり書いた結果がこれだよ! ============================ その日、とある森に嵐が近づいていた。 まだ昼だというのに空は暗く、風は湿り気をおびていた。 「うーー、なんだかお空がこあいどぉー」 体つきのゆっくりれみりゃが、木々の間をパタパタ飛んでいる。 その顔は、木々の隙間に覗く鉛色の空を見上げたまま、不安そう。 そのれみりゃのすぐ後ろ、少し遅れて4匹の子供のれみりゃが飛んでくる。 4匹の体は小さく、先頭のれみりゃが身長80cm程なのに対して、まだ40~50cm程しかない。 「う~~~、まんまぁ~♪ どうしたんだどぉ?」 「れみりゃ、おなかすいちゃったどぉ♪」 「はやくおまんじゅうつかまえにいくどぉ♪」 「れみりゃ、きょうはぷっでぃーんがいいどぉー♪」 おなか空いた~♪ と口を揃える子れみりゃ達。 このれみりゃ達は、親子だった。 「うー……」 母親れみりゃは、子れみりゃ達の顔見て、迷う。 最近、ようやくひとりで飛べるようになった可愛い可愛い子供達。 そして今日、ついには一緒に狩りに出かけるにまで至った。 子れみりゃ達は、今日狩りに行くことをとても楽しみにしていた。 現に、今も興奮し、みんな楽しそうだ。 だが……。 「うー、今日はおうちに帰った方がよさそうだどぉ」 「「「「うっ!?」」」 親れみりゃは、子供達に狩りの中止を提言した。 その言葉を聞いてショックを受けたのは子れみりゃ達だ。 「なんでだどぉー!」 「もうおなかペコペコだどぉー!」 「おまんじゅうつかまえたいどぉー!」 「ぷっでぃ~~~ん!!」 と、口々に不満をもらした。 「う~~~、ごめんだどぉ。でも、今日はおうちでゆっくりした方がいいどぉ」 親れみりゃには、記憶があった。 こんなふうに空が"こあい"日は、良くないことが起こると。 たとえば、 ビュビュー風が吹いて木に叩きつけられたり、 ピカピカゴロゴロ鳴く姿の見えない怪物が現れたり、 もの凄い雨が降ってきてお肌がぐじょぐじょになったり。 その時、すでに大人になっていた親れみりゃは、辛うじて見つけた"おまんじゅう"の巣に逃げ込み、 そこで"こあい"のがいなくなるまで、おまんじゅうを食べながら何とかしのいだのだった。 だけど、あれは運が良かったから助かったのだと、親れみりゃは感じていた。 人間に捕まりそうになった時より、フランに追っかけられた時より、あの時は絶望的で怖かった。 もう二度とあんな思いはしたくない。 ましてや、可愛い子供達にあんな思いはさせたくないし、 まだ小さな子供達では、"こあい"やつにやられてしまうかもしれない。 赤ちゃん達との狩りを楽しみにしてたのは親れみりゃも同じだったが、 それ以上に赤ちゃん達に何かあっては大変だという親心が勝っていた。 「「「「やだやだやだぁーーー!」」」」 親の心、子知らず。 涙を流してぐずり続ける4匹の子れみりゃ。 「うーっ! おねがいだどぉーママの言うこと聞いてほしぃどぉー」 困り果てる親れみりゃ。 「うぅうー♪ そうだどぉ! きょうはお家でとっておきのダンスを教えてあげるどぉ♪ とぉーてもえれがんとで楽しいどぉ♪」 「「「「そんなのいらないどぉーー! れみりゃたちはかりにいくんだどぉー!」」」 「ううーっ!?」 口を揃えて拒否をあらわにする、子れみりゃ達。 親れみりゃは、ガーンとショックを受けて、ションボリ俯く。 「う~~~、どうしてわかってくれないんだどぉ……」 そんなこんなで泣き叫ぶ続ける子供達。 だが、しばらくすると、1匹また1匹と子供達は泣き疲れ、地面にトテンと座りこんでしまった。 「うっ! 赤ちゃんたち、大丈夫かどぉ!?」 親れみりゃも地面に下りて、子れみりゃ達を心配する。 「……ぅー」 返事をする子れみりゃ。 だが、声は小さく弱々しい。 「う~~~~大変だどぉ! どうすれば良いんだどぉ~~!」 ジタバタ、ウロウロ。 親れみりゃは、その場を行ったり来たりする。 「おなか、へったどぉ……」 「ちからがでないどぉ……」 「ねむたいどぉ……」 「う~、まんまぁ……」 子れみりゃ達は、体力を振り絞り、親れみりゃに要望を伝える。 親れみりゃは、子供達の声を聞き、我意を得たりと得意気に顔を輝かせる。 「うー! ゆっくりわかったどぉ! ママにまかせておくんだどぉー!」 親れみりゃは、キョロキョロ周囲を見回すと、 視線の先に、大きな木の根本に空いた洞を見つけた。 パタパタ飛んでいき中を確認する親れみりゃ。 入口は狭いが、中には直径2m弱の空間が広がっており、幸い誰もいないようだった。 「ここなら、赤ちゃんたちもゆっくりできるどぉ♪」 親れみりゃは、子れみりゃを1匹ずつだっこして、その洞の中まで連れてきた。 そして、「えだぁにぃ~いしぃに~おおきなはっぱぁ~♪」と歌いながら、周辺を飛び回り、 枝や、石や、木の皮や、1mはあろうかという大きな葉っぱを集めて、洞へと運んでいく。 「まんまぁ……なにしてるどぉー……?」 不思議そうに親れみりゃの様子を見つめる子れみりゃたち。 「う~♪ 赤ちゃんたちが疲れたみたいだからぁ~、今日はここでキャンプをするどぉ~♪」 「「「「うーっ!?」」」」 キャンプ。 聞いたことの無い言葉に、興奮する子れみりゃ達。 先ほどまでの疲れっぷりもウソのように、笑顔をこぼしあって盛り上がる。 「きゃんぷきゃんぷぅー♪」 「えれがんとなひびきだどぉー♪」 「かえったらじまんするどぉ♪」 「さっしゅが、れみりゃのまんまぁだどぉー♪」 喜び合う子供達を見て、親れみりゃもホッと胸をなで下ろす。 ここでもうすぐやって来るだろう"こあい奴"をやりすごし、 それから狩りに行くなりお家に帰るなりすれば良い……親れみりゃはそう考えたのだ。 「わかってくれてうれしぃどぉー♪ みんな良い子たちだどぉー♪」 親れみりゃは、微笑み「うぁうぁ♪」リズムを刻みながら、 集めてきた材料で、洞の出入り口を閉じる扉を組み上げていく。 「うー……でもおなかがすいたどぉー……」 「そうだどぉー……おなかがすいてはきゃんぷはできぬだどぉ……」 「このままじゃ……おうたもうたえないどぉー……」 「うー……ぷっでぃーんたべたいどぉ……」 お腹が減ってるのを思い出し、落ち込む子供達。 親れみりゃは、子れみりゃを励ますように、力強く口を開く。 「だぁーいじょぶだどぉ! いまからぁーママがおいしぃーおまんじゅうとってきてあげるどぉ♪」 もうすぐ"こあい奴"が来ると知っている親れみりゃ、 内心はもう外には出たくなかったし、現に足も小刻みに震えているのだが、 子供達のためにと頑張って笑顔を作っていた。 「「「「やったどぉー♪」」」 子供達は、親れみりゃの言葉を信じ、すっかり安心しきったようだった。 「うー、それじゃ行ってくるどぉ♪ よい子でおるすばんしてるんだどぉ?」 「もちろんだどぉ♪」 「ゆっくりおるすばんしてるどぉ♪」 「れみりゃはえれがんとないいこだどぉ♪」 「うー! ゆっぐりするどぉ♪」 子供達の返事に満足し、親れみりゃは洞の外に出る。 そして、洞の外から枝や葉っぱを重ねていき、組み立て途中だった扉を完成させていく。 「うー? まんまぁなにしてるどぉー?」 首を傾げる子れみりゃ。 「うーっ、お外はあぶないからぁーこうやって鍵をしめるんだどぉ♪ とじまりはれでぃーのたしなみなんだどぉ♪」 「「「「う~~! たしなみだどぉ~~♪」」」」 子供達の様子を見て、ニコニコする親れみりゃ。 やがて、扉は完成し、木の洞の入口は石と枝と葉っぱで隠される。 「うー♪ かんせいだどぉー♪」 うっすら額にかいた汗を、ピンク色のおべべで拭いて一息つく親れみりゃ。 「赤ちゃんたちぃ~! お外はあぶないからここから出ちゃダメだどぉ~♪ それからそれかぁ~、ママがいいっていうまでこの扉を開けちゃ"めぇー"だどぉ♪」 扉越しにいるであろう赤ちゃん達へ、呼びかける親れみりゃ。 「「「「うっうー♪ わかったどぉー♪」」」」 子供達の元気な返事を耳にして、満足げに頷く親れみりゃ。 親れみりゃは、遠くでゴロゴロ鳴りだした空に恐怖しつつも、 意を決して舞い上がり、パタパタ森を飛んでいく。 「こあくなんてないどぉ~♪ ふらんなんかう~そどぉ~♪」 早くおまんじゅう達を捕まえて、子供達のところへ帰らなければ。 親れみりゃは、自分自身を鼓舞するため、精一杯の大声で歌いながら、森の奥へと進んでいく。 その歌が、逆にゆっくり達に自分の存在を知らせているとも知らずに……。 * * * 横殴りの雨が滝のようにふりつけ、地上を襲う。 風は金切り声をあげながら、木々を薙ぎ倒そうとする。 空には稲光が瞬き、世界が割れるのではないかと思わんばかりの轟音を響かせる。 「う~~~っ! "こあい"やつがきちゃったどぉーー! ざくやぁーーー! たすげでぇぇぇっ!」 雨風にさらされながら、親れみりゃが空をとぶ。 いつものフワフワ浮かぶような飛び方ではない。 両手を目につきだし、体を地面と水平にして飛ぶ、全力飛行だ。 親れみりゃのおべべはぷっくら膨らんでおり、 その中には、どうにか捕まえて弱らせた、ゆっくりれいむが入っていた。 本当なら、れいむを捕まえた時点で、れいむの巣でゆっくりしたかったのだが、 自分を待っている子供達のことを考え、こうして無理をしながらの飛行を強行していた。 だが、雨で視界はほとんど見えず、突風がれみりゃの飛行を妨げる。 嵐の猛威の前で、れみりゃはあまりにも無力だった。 「うわぁぁぁぁっ!」 横からの突風にあおられ、親れみりゃがバランスを崩す。 そのまま体を木に叩きつけられるれみりゃ。 それでも諦めず飛ぼうとすると、今度は真後ろからの突風に吹き飛ばされ、 顔面から木に衝突してしまう。 「ぷっぎゃぁぁぁっ!」 顔を真っ赤にし、地面に墜落する親れみりゃ。 「う~~~! いたいどぉーーー! れみりゃのおかおがぁぁーーーっ!」 地面でのたうち回る、親れみりゃ。 落下の際、おべべの中に入れていたれいむも地面に落ちて、もはや池と言っても過言ではない水たまりに落ちてしまう。 親れみりゃは、痛みを我慢しながら起きあがり、 ぐっしょり濡れた上に、泥だらけになったれいむを大事そうに抱え上げる。 「……うう、赤ちゃんたちぃー、ママはがんばってかえるどぉー」 親れみりゃは、その場で泣き出しそうになるのをこらえて、 れいむを胸に抱えたまま豪雨の中を歩いていくのだった……。 * * * 「「「「う~~~、まんまぁ~~おそいどぉ~~~」」」 木の洞の中、4匹の子れみりゃ達が、ぷくぅーと頬を膨らませていた。 すぐにおいしいおまんじゅうを持って帰ってくるはずの母親が、いつまで待っても帰ってこない。 自分達はこんなにおなかをすかせているのに。 くわえて、洞の中は狭くてジメジメしている。 れでぃーらしく「うぁうぁ」踊ろうにも窮屈だし、何より汗で服がぐっしょり湿って気持悪い。 それにさっきから外がうるさくて、 姉妹同士お話しをしたり、お歌を歌おうにも、外の音が邪魔をしてままならない。 子れみりゃ達のストレスはピークをむかえようとしていた。 「もぉーいやだどぉ! れみりゃはおそとにいくどぉー!」 1匹の子れみりゃが、外へ出ようと、洞の出入り口を閉じている扉に手を伸ばす。 「うっ! だめだどぉー! まんまぁとやくそくしたどぉー!」 「そうだどぉー! おそとはこあいどぉー!」 「れみりゃたちは、ゆっくりおるすばんしてるんだどぉー!」 それを止めようとする、他の3匹の子れみりゃ。 「うーーー! でもでもぉーーこのままじゃおなかがすいてしんじゃうどぉーーー!」 「「「……う~~~」」」 実際のところ、たかが1食抜いたくらいで死ぬほど、この子れみりゃ達は餓えてはいない。 むしろ今までロクに運動もせずエサだけもらい続けてきたため、体はぷっくら膨らみ栄養状態はすこぶるよかった。 しかし、今まで親から甘やかされ続けてきた子れみりゃ達にとって、1食抜くというのは大事件であり、 いまの劣悪な状況は耐え難かった。 「うう~~~、どうすればいいんだどぉ~~」 「まんまぁ~~~! しゃくやぁ~~~~!」 「おなかすいたどぉ~~! むしむしきもちわるいどぉ~~!」 「う~~~っ! ぷっでぃ~~~んもっできでぇ~~~!」 4匹の子れみりゃ達は、座り込み、だだをこね出す。 と、その時だった。 "うーーーーーーーーーーーーーーーーー" 「「「「……う?」」」 "ううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ" 「「「「うー?」」」 どこからともなく、おそらくは外から"うー"という音が聞こえてきた。 子れみりゃ達は、その音を聞いて首を傾げた。 「「「「……だぁ~~~れだどぉ?」」」」 ハミングして?マークを出す4匹の子れみりゃ。 子れみりゃ達は、この"うー"という音を、仲間のれみりゃ種の声だと考えたのだ。 "うううーーーーーーーーーーーーーーっ" "うううーーーーーーーーーーーーーーっ" "うううーーーーーーーーーーーーーーっ" 音は四方八方から聞こえてきた。 「うー、おそとはれみりゃがいっぱいだどぉ?」 「でもなんだかくるしそうだどぉ……」 「すごいかずだどぉ……みんなつらそうだどぉ……」 「やっぱりおそとはこあいどぉ……」 子れみりゃ達は一カ所に固まって、ガタガタ震え出す。 すると、ドタドタガタガタ扉がゆれはじめた。 「「「「うっ!」」」」 驚く4匹の子れみりゃ。 扉がゆれるたびに、外から"うううーーーーーっ!"という音が聞こえてくる。 「「「「たっ、たいへんだどぉー!!」」」」 このままじゃ、"こあい"誰かが入ってきてしまう。 そう感じた子れみりゃ達は、扉が動かないよう協力して押さえつける。 * * * 4匹の子れみりゃ達が、必死に扉を押さえている時。 洞の外では、親れみりゃが中の子れみりゃ達に話しかけていた。 「う~~~っ! 赤ちゃんたちぃ~~~ただいまぁ~だどぉ♪」 だが、子供達の反応はない。 「う~~~~っ?」 もしかして、子供達の身に何かが? 一瞬肝を冷やすれみりゃだたが、自分が作った扉はこの通り残っている。 こあい人間やいじわるなフランが来たとも考えにくい。 「うーーっ! 赤ちゃんたちぃーー開けてほしぃーんだどぉーー!」 ドンドンと扉を叩いたり、押したりしてみる、親れみりゃ。 だが、中からは反応が無く、扉は押しても動かない。 「うーっ! なんであかないんだどぉー!」 ドンドンドン。 押したり叩いたりしても、扉は開かない。 かといって、壊してしまっては、これから自分や子供達が"こあいやつ"から隠れるのに心許ない。 「ううう~~~~っ!」 可愛い子供達は目の前なのに。 "こあいやつ"から隠れられる場所は目の前なのに。 あと一歩のところで思うようにいかず、親れみりゃは地団駄を踏む。 そうこうとしている間にも、雨風は親れみりゃを襲い続ける。 全身はぐっしょり濡れて、何度も転んで泥だらけ。 木にぶつかったり、叩きつけられたりで、じまんのおべべは破け、体も傷だらけ。 皮膚に相当する肉まん皮は、濡れてぐしょぐしょにふやけてしまっている。 子供達のために持って帰ってきたれいむも、雨で溶け出してグロテスクな黒餡の塊になってしまっている。 「さむいどぉーー! いたいどぉーーー! こあいどぉーーーーー! お願い開けてだどぉーーーーーーっ!」 親れみりゃのストレスもまた、限界だった。 いや、むしろ今までよくもっていた方だろう。 ため込んできたものが溢れだし、号泣しながら自分が作ったドアをドンドン叩く。 "うーっ" 「うっ!?」 その時、れみりゃは扉の向こうで子供の叫び声があがったのを、確かに耳にした。 子供達の存在に、笑みを浮かべる親れみりゃ。 嵐から逃れなければ死んでしまうという生存本能と、 子供達に早く会いたいという思いが、れみりゃの理性を吹き飛ばす。 「うっう~~♪ れみりゃの赤ちゃ~~~ん♪ お声もかわいいどぉ~~~♪」 ベリベリ。 バキバキ。 ゴトゴト。 親れみりゃは、外的から身を守り、風雨を逃れるために作った扉を、自らの手で壊していってしまう。 扉の上の方を壊すと、隙間から4匹の子れみりゃ達の姿が見えた。 「う~~! 赤ちゃんただいまだどぉ~~!」 バンザーイ!と両手を上げて喜ぶ親れみりゃ。 子れみりゃ達は、そろって扉の前で扉を押さえつけていた。 正常な判断力を失っていた親れみりゃは、それが何を意味するか理解できなかった。 そして、子供達が親れみりゃを見て、恐怖で白目をむいていることもまた、理解できなかった。 「う? 赤ちゃん、どぉーしたんだどぉ♪ まんまぁを早く中にいれてねぇ~ん♪」 親れみりゃは優しく微笑みかけた。 本人は、そのつもりだった。 が。 それを驚愕の眼で見て。 子れみりゃ達は、せきを切ったように叫び出す。 「「「「ば、ばけものだどぉ~~~~っ!!」」」」 「うーーーーっ!?」 最愛の子供達から化け物呼ばわりされ、戸惑う親れみりゃ。 念のためあたりを見回すが、雨が強いこともあって、周辺には誰も見えない。 「う~~、なにいってるんだどぉ♪ みんなのママだどぉ♪」 「「「「おまえなんかっ! まんまぁじゃないどぉーーーっ!!!」」」」 「ど、どぉーーじでぞんなごどいうんだどぉーーーーっ!?」 衝撃のあまり、再び泣き出す親れみりゃ。 しかし、子れみりゃ達は、明らかに親れみりゃに対して敵意と恐怖を露わにし続けている。 ……親れみりゃの姿は、子供達の中の親れみりゃーのイメージから変わりすぎていたのだ。 子供達にとって、親れみりゃは尊敬の対象であり、 "きゅーとで、すまーとで、えれがんとなれでぃー"であった。 しかし、現在の親れみりゃは、そんな形容詞からはかけはなれている。 ブヨブヨにふやけた皮、ぼうぼうの髪、いつの間にかどこかへ飛んでいってしまった帽子、 傷だらけでところどころから肉餡がのぞく体、泥だらけで真っ黒なおべべ、大事そうに抱えるグロテスクな黒餡の塊。 極度のストレス状態にあった子れみりゃ達は、 そんな姿になった親れみりゃを親と認識できず、自分達に害をなす化け物と判断してしまった。 「ママはぁ~! みんなのまんまぁだどぉ~~!」 「「「「うーーっ! れみりゃたちはだまされないどぉぉっ!!」」」」 続く平行線の問答。 「うー……おねがいだどぉ……ママを信じてほしいどぉ……」 嵐の中でも自分を支えていたはずの子供達から、今まさに拒絶を受け続けた親れみりゃ。 精神的な支えを失ったことで、同時に親れみりゃの体もまた限界へと近づいていた。 「赤ちゃんお願い~~~♪ ママを助けてぇ~だどぉ~~~♪」 大粒の涙を流しながら、最後の力を振り絞って微笑む親れみりゃ。 が、子供達からの反応は拒絶のみ。とうとう扉が開けられることは無かった。 「……うー」 力なく呟く親れみりゃ。 「なんだか……つかれたどぉ……れみりゃはおねむだどぉ……」 親れみりゃは目を瞑り、体をフラフラゆらしだす。 そして、今まででも最高の突風が、親れみりゃの体を舞い上がらせた。 「う、うあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ…………」 親れみりゃは叫び、そしてその叫びはあっという間に彼方に消えていった……。 * * * 「う~~、ようやくばけものがいなくなったどぉ!」 「やったどぉ! れみりゃたちのかちだどぉ!」 「れみりゃたちはとぉーってもつよいどぉ♪」 「まんまぁにも、ほめてもらえるどぉ~♪」 自分達の親を追い払ったとも知らず、4匹の子れみりゃ達は自分達の健闘を褒め称え合った。 「「「「うっう~うぁうぁ~♪」」」」 喜びのあまり、れみりゃダンスを踊り出す4匹。 「「「「れみ☆りゃ☆うー☆にぱぁ~~♪」」」」 ビシッ。 笑顔でポーズを決める子れみりゃ達。 が、同時にそのお腹から"ぐぅ~"という音が聞こえてきた。 「「「「うー……」」」」 ペタン。 その場に座り込む子れみりゃ達。 動いたことで、より空腹が増してしまった。 もはや、それを我慢することができないほどに。 「……れみりゃ、おそとにいくどぉ」 先ほど扉を開けようとした1匹が立ち上がる。 「だ、だめだどぉ!」 「まんまぁがぁ!」 「ぷっでぃ~ん!」 化け物は追い払ったが、外からは"ううううーーーっ"という音は相変わらず聞こえてくる。 しかし。 「だいじょーぶだどぉ! れみりゃたちはつよいどぉ! さっきばけものだってやっつけたどぉ!」 「「「うー! そうだったどぉ!」」」 この一言が決定的となり、他の3匹も外へ出るのに賛成しだす。 結局、4匹の子れみりゃ達は、満場一致で外へ出ることにした。 「それにぃ~おそとにはたくさんれみりゃがいるんだからぁ~きっとれみりゃたちにごはんをくれるどぉ~♪」 「う~~~! そのとおりだどぉ~~~! れみりゃおれいにおうたをうたってあげるどぉ~♪」 「おそとのれみりゃ、みんなたのしそうにうたってるどぉ~~♪」 「ぷっでぃ~~ん♪ ぷっでぃ~~~~ん♪」 4匹の子れみりゃ達は、外から聞こえる"うーーーー"という音を、すっかり都合良く解釈しだしていた。 「うー! それじゃとびらをあけるどぉ!」 「「「うっうーーー♪」」」 うーっしょ。 うーっしょ。 4匹のれみりゃは、協力して扉を押していく。 ついに、木の洞の出入り口を閉じていた扉は外れ……。 そのまま扉の残骸は空へと舞い上がった。 「うーーーーー♪ みんないっくどぉーーーー♪」 「「「うーーーーーっ!」」」 同時に、外へ飛び出す4匹の子れみりゃ。 そして……。 外は、嵐。 猛烈な雨風と雷鳴は、丸1日続くのだった。 * * * 木の根本、地中の穴の中。 れいむの一家が、乾燥した虫の死骸を食べながら楽しい団らんの一時をむかえていた。 「むーしゃむーしゃ♪」 「おいちぃー!」 「とってもゆっくりできるあじだよ!」 外は大嵐。 親れいむは子れいむ達を家の中に避難させ、冬越え用の食料で夕飯をとっていた。 "うううーーーーーーーっ" "うううーーーーーーーっ" "うううーーーーーーーっ" 隙間に反響して、嵐の風音が巣の中にも響いてくる。 「ゆゆっ! おかーしゃん!」 「だいじょーぶだよ、これはあらしさんの声だよ」 「ゆ? あらしさん?」 「そうだよ。でも、おそとは危ないから、れいむ達はしばらく巣の中でゆっくりしようね!」 「わーい! ゆっくりぃー!」 "うううーーーーーーーっ" "うううーーーーーーーっ" "うううーーーーーーーっ" 「ゆっ! おかーしゃん、なんだかれみりゃのこえみたいだね!」 「ゆふふ、れいむの赤ちゃんはおもしろいことを考えるんだね」 微笑む親れいむ。 それを見て、子れいむも楽しそうに笑う。 "うううーーーーーーーっ" "うううーーーーーーーっ" "うーーーー……………っ" "うううーーーーーーーっ" 「でもね、れみりゃはおばかさんだから、こんな日にもお外にでちゃったりするんだよ」 「ゆっ、れみりゃはゆっくりできないゆっくりなんだね!」 「おお、おろかおろか」 うううーーーーーーーっ" "うぁぁぁーーー………っ" "うううーーーーーーーっ" "たすけぇ………………っ" "うううーーーーーーーっ" 「そうそう、こんな昔話があるんだよ」 「わーい!おはなしぃ~~!」 「おかーしゃん、れいむたちにゆっくりおはなしきかせてね!」 食事をすませ、親れいむの周りに集まる子れいむ達。 親れいむは、"ゆっへん"と咳払いの真似をしてから口を開く。 「これはほんとうにあったお話なんだよ。 むかしむかしあるところに、ばかなれみりゃの一家が狩りに出かけましたが……」 おしまい。 ============================ ≪あとがき≫ 台風がらみのネタでどうしても書いてしまいたくなったので、書き殴りました。 時事ネタはよそうと思っているのですが……つい……。 by ティガれみりゃの人 ============================ このSSに感想を付ける
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※ちょっと長めになるかもしれません。 ※胴体付きれみりゃいぢめです。あまり積極的ではありません。 ※その上、それ以外の饅頭は基本ゆっくりしています。 ※ムチャクチャな俺設定であるおそれがあります。 ※ご了承いただける場合は、お読みいただきたいと存じます。 『冬のれみりゃ Part1』 「う~♪う~♪きのごがいっぱいはえてるどぉ~♪みぃ~んな でみでゃがだべちゃうんだどぉ~♪」 時は十一月の終わり。幻想郷の過酷な冬が、目前に迫っていた。あらゆる生物が、冬を迎える準備に追われ、 あわただしい空気が張り詰める季節。そんな折、緊迫したムードとはまるで無縁の、 能天気な大声を張り上げて、よたよたと頼りなげに漂う、ひとつの影があった。 「う~♪おがしなにおいだどぉ♪でもきにせずにだべちゃうんだどぉぉ~♪♪」 ふらふらした影は、アカマツの根元にまばらに生えたきのこの香りに誘われてきたらしい。 言うまでもなく、それはマツタケであった。手当たり次第、むさぼるようにして食い散らかす「それ」。 その挙動は、まさしく、刹那に生きる者のそれだった。 幻想郷にも、厳しい冬がやって来る。だから、ゆっくりと呼ばれる饅頭も冬眠こそしないが、 命をつなぐために冬ごもりの支度を念入りに行うことはよく知られていた。 饅頭は愚鈍である。知性も、運動能力も、他のどんな野生動物と比較しても劣っている。 そんなゆっくりでさえ冬に備えるというのに、より本能に忠実に生きんとする生命体があった。 その名を、ゆっくりれみりあ。略して「ゆっくりゃ」とか「れみりゃ」などと呼ばれているのだが、 当の本人の発音によると、「でみでゃ」としか聞こえない。悪趣味な服装をし、 奇怪なポーズで所構わず創作ダンスを踊りまくる。甘いものに目がない反面、野菜は絶対受け付けない。 また、自立心が乏しく、何かあればすぐ、某パーフェクトなメイドの名を叫び、頼ろうとする。 極めつけは、ゆっくりチルノにも劣る、人間の乳幼児と同程度か、あるいはそれ以下の知能。 このお馬鹿ぶりは底知れないわがままさと相まって、「れみりゃ」の性質を決定付けていた。 むろん、その能天気な肉饅頭たちには「冬支度」という高度な計画など、及びもつかない。 そこで、なぜれみりゃたちは絶滅せずにいるのか、という疑問が起こってくるのであるが、 それはおそらく、れみりゃの持つ、驚異的な代謝(再生)能力が鍵となると思われる。 つまり、連中は冬の間、なすすべなく猛吹雪にさらされ、カチンコチンの冷凍肉まんとなる。 だが、冬期が終わりを迎え、温かな春の陽射しにより解凍されることによって、 以前の状態に、何一つ相違なく、復元することが出来るわけなのである。 にわかには信じがたい話であるが、吹きさらしの野原を長期間観測した結果得られたデータ故、 信用に値するものと、私は信じている。ついでに言うと、私はその観測員だった。 「うっう~♪へんなあじだどぉ~♪すじっぽいどぉぉ~♪♪♪ う~う~うあうあ☆ あっちのはやしにもいっでみるどぉ♪」 私が荒野の冬期観測員となって、二度目の冬がやってくる。観測の拠点となるのは、 簡素な山小屋だった。夏期と冬期とで、観測員は交代制で居住することになり、 半年の空白を挟んだとしても、内部が荒れ果ててしまっているといったことはなかった。 内装や家具のレイアウトが、前の住人好みに様変わりしてしまっている点だけは、未だに慣れないのだが。 こうして私が、懐かしの職場へと復帰し、ようやく火のおこった旧式の石炭ストーヴでお茶を淹れ、 一息つこうとしていた時であった。かなり遠くのようではあったが、ゆっくりの悲鳴がこだましてきたのだ。 私はそれを聞き逃さなかった。むろん、救助に駆けつける義務はなかったのだが、 好奇心を抑えきれず、厚いガラスを嵌め殺しにした窓から双眼鏡を用いて、はるかな雑木林の様子を窺うことにした。 「う~!!あま゛ぁ~いのまでぇぇ~!!た~べちゃ~うぞぉ~!!!」 「ゆ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!ごっぢに゛ごな゛いでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛!!!」 先の悲鳴は、胴体付きゆっくりゃの追跡に遭い、命の危機に瀕したことを悟った、 一匹の子まりさのエマージェンシーコールだった。泣き叫びながら、親の名を呼んでいる。 林に分け入り、落ちた木の実を採取していたのだろう、頬一杯につめたドングリやクリの実を、 吐き散らかしてこっちに向っているようだ。……こっちに来ている。困ったことになりそうだ。 観測員の業務とはまさしく、決められた期間、決められた土地周辺の様相を、文字通り、 観測し続けることにある。自然環境や、その状態を把握することは勿論、大繁殖しているゆっくりたちが、 万が一、里へ侵攻しようとする場合などは、それを察知し、速やかに本部へ打診する必要があった。 いわば物見やぐらか、斥候の役割といったところだった。これに照らしてみれば、 目前で繰り広げられているハンティングなどは、たいした出来事ではないのである。 だが、私は頭を抱えていた。それは、里とゆっくりとの間に結ばれ、代々受け継がれてきた、「協定」の存在が原因だった。 条文にいわく、「ゆっくりは人里に立ち入らず、人間に迷惑をかけないこと」そして「人間はゆっくり保護区にむやみに立ち入らず、 ゆっくりに危害を加えないこと。互いの生命を尊重すること」というものである。協定というよりはむしろ、 単なる人間社会における法令のようなものではあったが、山野の鳥獣とは異なり、 ゆっくり饅頭たちはちっぽけながら知性を持っていたため、このように、文書化され、「協定」の形を取ることになったと伝えられている。 例えば、今回のような場合、上記の法をいかように解釈すべきだろうか。 私のいる山小屋とその周辺は所謂緩衝地帯であり、立場としては中立である。 その行為基準は、先の協定とはまた別の法に拠るものであった。とは言え、目前の事態は、緊急性を孕んだものであり、 現にゆっくり一匹の命が懸かっていた。こんな時、私はいかような行動を取るべきか。「ゆっくりとゆっくり保護区に関する法令集」、 略して「ゆ法全書」にまとめられた、「人里とゆっくり保護区との境界におけるゆっくり観測局についての特則」、 略して「ゆ特則」の「第四条 特別観測員の行動基準」によれば、目前にかような事態が起こった場合、「ゆ法」の基礎的精神にのっとり、 攻撃者が保護対象外の場合であるなど、諸々の条件の下、観測員はこれを排除してよいということになっている。 このレベルのことは、観測局員養成学校の時代に叩き込まれていたため、私は渋々ながらも、ゆっくりまりさに加勢することを決め、 山小屋を後にしたのである。もっとも、躊躇う理由はあくまで寒いからであり、私は虐待おじさんというわけでもないのである。 「う~!あま゛いのまづんだどぉ~~!!」 「ゆ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ!まりざはお゛い゛じぐない゛よ!!ゆ゛っぐり゛あぎらめでね!!」 小屋のそばの、なだらかな坂道を子まりさが駆け降りてきて、そこに、ゆっくりゃが追いすがる。 坂の上に並び立つ、マロニエの木の落葉がクッションとなるが、勢いを殺しきれず、子まりさがスポーーンと、こちらに飛んで来る。 踏み切り台となってしまったようである。私の胸に飛び込んできた子れいむ。 「お、おじざん!!まりざを゛だずげで!!まだじにだぐない゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!」 顔面を餡子色の涙でぐしょぐしょにしており、泣き腫らした目は水羊羹の色だった。 とりあえず、よしよし、もう大丈夫だなどと慰めて、後続の肉まんに相対する。 「うっう~♪そのあま゛いのはでみでゃのだどぅ♪さっざどわだざないど、いだいめ゛みるんだどぉ~~♪♪♪」 相変わらずの肉餡脳であり、厚手のコートに身を包み、いかめしいブーツを履いた私の姿を見ても、 ひるむことがない。むしろ、狩りの間の無邪気さはどこへやら、ふんぞり返って上から目線である。 抱えていた子まりさを降ろしてやり、私の背後に隠してやる。 「う~~!!!その゛たいどはなんだどぉお゛!さっさどひぎわださないど、たべちゃうんだどぉぉおぉお~~~!!!」 「ゆ゛ぎゅ゛ぅ゛ぅ゛!!おじざん!!お゛ねがいじまず!!!までぃざをだずげでぐだざい゛!!!」 子まりさは滂沱の涙をながし、私のコートの裾をぎりぎりと噛み始めた。ゆっくりゃはさらに態度をでかくし、増長し、 ぷす、ぷすっと合間合間に屁をこいている。この珍妙な空気のながれる場にあって、私は「法律って何だろう」と考えざるをえなかった。 我に返ると、ゆっくりゃが間近に迫り、子れいむが腰を抜かして、卒倒してしまっているではないか。すわ一大事。 私はそれなりの力を左足に込め、みぞおちを狙ってゆっくりゃを数メートルほど蹴っ飛ばしてやった。 右足はかつてのゆっくりとの戦争で失ったため、既に義足である。 「ぶっぎぎ!!!でゅべ!!!!!」 盛大に肉汁を噴出し、ふざけた放物線を描いて吹っ飛んだゆっくりゃ。私が履いていたブーツは、 軍靴と見紛うほど頑丈なものだったので、わずかの力でも、ゆっくりゃにかなりのダメージを与えたようだ。 生地はピンク色だが、薄汚れている衣装はやぶれ、胸部の筋肉が張り裂けていた。 黄ニラや青ネギの混じった肉餡を露出させた大きな裂傷からは、じゃぶじゃぶと豚汁様の液体が、泉のようにあふれ出ていた。 「ぎゅあ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!でみでゃの゛ぜぐじぃ゛~な゛おむ゛ね゛がぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!! お゛べべがあ゛ぁ゛ぁ゛!!やぶれ゛ぢゃっだどぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!!ざぐや゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!!!」 「ぶびっ!ぶぼ!ぶりゃーーーーっ!!!びしびしっ!ぶごご!ばぷぅぅぅっ!!!!!」 少々やりすぎたようだ。激臭のする屁を猛烈な勢いで連発し、痛みに悶え苦しみ、完全で瀟洒な某メイド長の名を叫んでいる。 やむなく防毒マスクを装着する。いくら代謝が並外れて活発なゆっくりゃとはいえ、ダメージの大きさと、 自らの負った深刻な傷を目の当たりにした精神的なショックのために、この場合は回復に相当の時間を要するものとみられる。 とは言え、あくまでゆっくりゃなので、この程度では致命傷とはならない。気絶したままの子まりさの介抱にかからねばならない。 「うぎぎぎ…………!!!???ぶばっ!!!!!ぐっざい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!! ぐさいよ゛ほぉお゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!!!!!」 なんと、ゆっくりゃの放ったニンニクガスの臭気が、子れいむに賦活効果をもたらした。 白目を剥いて餡子色の泡を吹いていたのが、逆に目玉をひん剥き、血走らせ、過呼吸状態になっている。 「ぐざい!!!ぐざい゛よぉお゛おっ!!!いぎがでぎない゛!!!!!!!!!!!!」 途端に跳ね起き、この場を逃れようとする子まりさ。私は自らの山小屋の方角を指し示した。 脱兎の如く駆け出す子まりさのスピードは、もはやゆっくりのそれではなかった。観測記録更新の仕事が出来たことになる。 「う゛ぶぶ……ぐざぐないんだどぅ……でみでゃのぶり゛ぢーなお゛ならはごぞうろっぷにしみわだるんだどぅ………」 すっかり生気を失ったゆっくりゃは、マスタードガスかくあるべしという、自らの放屁を弁護しつつ、その場でのびてしまったのだった。 (続く) ハチの話を書いた者です。SSは書き慣れないのですが、どうしてもゆっくりをいぢめたくて、 やらかしてしまっております。規制中でスレに書き込めない状態ですので、 感想を頂戴したお礼をこちらでさせていただきます。ありがとうございました。 このSSに感想を付ける
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いきなりだが今日のターゲットはれみりゃ。冬に食べたいゆっくりナンバー1である。 さっそく目標の場所へ向っていった。事前に下調べしてあるのですぐ着いた。 月の光が照らす開けた広場。木々の伐採した跡地であるそこが、れみりゃたちの社交場である。夏のこの時期は基本的に毎日集まっているようだ。 「「「「れみ☆りあ☆うー!」」」」 「う-!すばらしいだんすだどぉ~♪でもちょっとつかれたどぉ~♪さくやー!ぷでぃんー!」 「う~♪みゃんみゃ~だっこぉ~だっこぉ~♪」 ざっと30匹ぐらいだろうか。れみりゃの集団がダンスを踊ったり他のゆっくりを食していた。 おそらくこの辺りの全てのれみりゃが集まったのだろう。 予想以上に多かったが足りるかな・・・うん大丈夫だ。 俺は木の蔭からそっとれみりゃたちの前に出た。俺に気づいたれみりゃ達はこちらへ近寄ってくる。 「う~?ぐどんなにんげんがでてきたどぉ~♪」 「がおー!たーべちゃーうぞー!」 「ぷでぃんをもってきたらこころのひろいれみりゃはゆるしてあげるどぉ~♪」 「みゃみゃにさからうとたべられちゃうぞー♪」 予想通り餌をねだってきた。俺は持っていた袋を開けると、そこからクッキーを一個一個れみりゃにあげていった。 「おいしいどぉ~♪にんげんにしてはなかなかだどぉ~♪もっとたくさんもってくるんだどぉー♪」 そんな事を言いながら食していくれみりゃ達。食事が始まり数分ほど経っただろうか。れみりゃ達は突然倒れ出した。 「う・・・ねむいんだどぉ・・・おねむだ・・・どぉ・・・」 全員が寝たのを確認すると、俺は30匹のうち15匹の帽子を回収した。そしてとりあえず帰宅することにした 夜明けも近くなりれみりゃ達は目を覚ました。そして目を覚ましてすぐに頭の異変に気づいた。 「うー!れみりゃのえれがんとなぼうしがないどぉー!」 「れみりゃのぼうじがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!どうじでないどぉーーー!!!!」 「みゃんみゃー!れみぃえれがんとじゃなくなったどぉー!!!いやだどー!」 帽子を失くした15匹は大混乱であった。 その様子を見た、他の15匹がれみりゃたちの肩を叩く。その顔は天使のような笑顔である 「だいじょうぶだどぉ~れみりゃたちはえれがんとだどぉ~♪」 「かわいいれみりゃにわるいこなんていないどぉ」 「ぼうしがなくてもふつくしいどぉ~」 「いっしょにさがすんだどぉ~♪」 などと励まし始めた。それを聞いたれみりゃ達は涙目で抱きつく。 「ありがどぉー!!!!えれがんとなおぜうさまをともだちにもって、れみりゃしあわせだどぉー!!!」 ワンワン泣き始めた。 その様子を遠くから眺めていた俺は思わず舌打ちをしてしまった。 ゆっくりは飾りのない同族に対しては『ゆっくりできない子』として殺すのさえ辞さない。しかしれみりゃには何故かその法則が通じないのだ。 こうなったら実験するしかないだろう。常識的に考えて・・・ 俺はさっそく家に帰って実験の準備に取り掛かった。仕事?自営業だし今日は休みにする。 そうしてまた夜が来た。俺は荷物を持ってあの場所へ向かう。茂みで待機していると案の定れみりゃたちはやってきた。 「みつからなかったどぉ・・・なんでだどぉ・・・」 「うー!きにしちゃだめなんだどぉ~♪きっとみつかるどぉ~♪」 「このあまあまでもたべてげんきだすどぉ~♪」 森にはれみりゃ達の会話と「いぎゃいよ!!!でいぶをだべないでええええ!!!!」 というゆっくり達の悲痛な叫び声が響き渡っていた。 俺は昨日と同じように目の前に飛び出した。するとれみりゃ達は昨日と全く同じように近づいてくる。 「う~!きのうのにんげんだどぉ~♪」 「きょうもあまあまをよこすんだどぉ~♪」 どうやら警戒していないようだ。普通に考えれば帽子泥棒は俺だと気づきそうなものなのだが。 さて、ここからは昨日と同じ展開なので端折らせて頂こう。眠らせた後に残りの15匹の帽子を袋に入れておく。 昨日と違う点と言えば、そこから帽子を一個だけ手に取り、れみりゃ達を無理やり起こしたぐらいだろう。 「ううー!なにするどぉー!れみりゃをおこすなんてぶれい・・・うー!!!!えれがんとなぼうじがぁあああ!!!」 「うー!がえぜえええ!!!!れみりゃのぼうじがえぜええええ!!!!」 慌てふためいてるれみりゃ達へ、追いうちをかけた。 「一個だけ帽子を拾ったよ。でも誰のか分からないからとりあえず僕が持ってるよ。持ち主はゆっくり手をあげてね!」 れみりゃ達からはガヤガヤと声が聞こえる。しかし一匹の子れみりゃがその空気を壊した。 子れみりゃが手をあげようとした。しかしそれは親れみりゃに突き飛ばされてあえなく失敗。 「なにずるんだどぉお゛!!!」 声をあげて叫ぶ子れみりゃ。対して親れみりゃはというと 「うるざいどぉー!あれはれみりゃのぼうじだどぉー!ぶざいぐなこのものじゃないどぉー!」 「み゛ゃんみ゛ゃーー!!!れみりゃぶざいぐじゃないどぉー!えれがんとな・・・」 「うるさいどぉー!!!ぼうしのないこはえれがんとじゃないどぉー!!!ゆっくりしぬどぉー!!」 そして子れみりゃの羽を食いちぎる親れみりゃ 「いっだいいいいいい!!!!!みゃんびゃごべんなざいでびりゃはぶざいぐなぶだでずう゛う゛う゛!!!!」 「ぶざいぐなぶだはだべられるどぉー!!!」 あ~あついに食っちまったよ我が子を。周りのゆっくりもそれぞれ大喧嘩を始めたようだ。 「あれはれみりゃのぼうじー!かざりのないぶざいぐはしぬんだどぉ~」 「うー!うー!ぶざいぐだがらやさしくしてあげたんだどぉ~♪かんちがいするなどぉ~♪」 「れみりゃのかりすまにかんしゃしないなんてさいていだどぉー!!!」 ん?つまりアレか?こいつらは同情で帽子なしのれみりゃに優しくしてたと思ったが。 実は自分より劣ったれみりゃを見て憐れんだだけなのか? 女の子が自分より不細工な子に対してやたら「え?わたし不細工だって?○○ちゃんぜんぜんそんなことないよ~。かわいいじゃん!目がぱっちりしてるしさ~」 とか言う話だったのかこれ。うわ感動して損した。 こうして俺はちょっとしたショックを受けている間に、どうやら決着がついたようだ。 生き残ったのは、最初に子を殺したれみりゃ。 「ううう・・・おにさーん。それはれみりゃのぼうしだどぉ~」 ヨロヨロのまま手をあげたれみりゃ。羽もボロボロだが一日もすれば回復するだろう。俺は約束通り、れみりゃに帽子を返してあげた。 「れみ☆りあ☆うー!えれがんとなおぜうさまだどぉ・・・・?」 帽子を取り戻してやっと冷静になれたのか。辺りを見回したれみりゃはこの肉まんだらけの広場に気づいた。 「なんでみんなしんでるどぉー!!!!うー!れみりゃのあがちゃん・・・あがちゃぁああああああんんん!!!!しっかりするどぉおおおお!!!」 無残な姿になった我が子を抱いて泣いているれみりゃ。いやアンタが半分ほど食ったんですけどね。 そして今思うに、その帽子はその子の帽子じゃなかのか?別にいいけど。 こうして俺はまた一つゆっくりの真実を知ったのだった。 おそらく人生を生きるにおいて無駄な知識ではあるが。 最後にれみりゃの目の前に持っていた帽子を全て置いて行った。 「うー?なんでぼうじがこんなにあるんだどぉー・・・・う!ううう・・・ごべんなざいだどぉおおおおおおお!!!!! あがしゃんゆるじでだどぉおおおおおお!!!!」 己の過ちに気付いたのか。まあ鼻孔を擽る肉の香りに釣られてふらんがやって来たようなので、その声もじきに止むだろう。 俺は夜の森を後にした。 【あとがき】 一部スレの内容を使わせていただきました。 勢いで書いたので見づらい部分が多々あるかもしれません 過去作 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!1 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!2 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!3 お兄さんとドスれいむ 鬼意屋敷殺人事件 どすの加工所 幻想樹の迷宮 幻想樹の迷宮Ⅱ 徹夜でゆっくりしようぜ! 徹夜でゆっくりしようぜ!2 地震 ゆーうーかい ゆーうーかい 解決編 ゆーうーかい番外編 ~ゆっくりプレイス~ ゆっくりパニック れみりゃをむーしゃむしゃー このSSに感想を付ける
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メイド秘技「ボ・ラギノール」 注:こんなタイトルですがうどんげは出てきません ========================================== れみりゃは必死に逃げていた。 紅魔館の厨房に侵入し大好きなプリンを手に入れようとしたところ誤って洗い終わった食器の山を地面にぶちまけてしまったのだ。 メイドはみんな怒ったが特に怒ったのはその日の食器洗い担当。 麺棒片手に明鏡止水なんて無視した怒りのハイパーモード全開でれみりゃを追い回しはじめたのだ。 れみりゃにしては上手く逃げたがそれもこれまで。ついに行き止まりに追い詰められてしまった。 「覚悟しなさい、咲夜さんにたっぷり怒ってもらうんだから!」 「う゛、う゛う゛~!」 じりじりと迫るメイド。しかしそのれみりゃの顔には余裕の笑みが。 「やっぱりめいどはばがだどぅ~♪ れみりゃにはおくのてがあるんだどぉ~~♪」 そういうといきなりメイドに尻を突き出した。 (しまった!) そう思ったときには遅かった。ブッボォォォゥッッ!!という凄まじい爆音と共にれみりゃの尻からオナラが放たれた。 顔面に放屁が直撃したメイドは一ヶ月夏場の常温で放置された餃子のようなニオイが鼻を通過したと思うとなすすべもなく卒倒した。 「う゛っう゛~♪ ごーまがんのおぜうさまはさいきょうでかわいいんだどぅ~♪」 勝ち台詞をメイドに言い放ち、リズムがいろいろおかしいヒゲダンスを踊りながら満足げに去っていった。 「お、おにょれぇ~……」 三日後。 またしてもれみりゃは必死に逃げていた。 紅魔館の厨房に侵入し大好きなプリンを手に入れようとしたところ誤って工作用ニスを廊下にぶちまけたのだ。 プリンを手にいれようとしてどうやったら工作用ニスが必要になるかはさておき。 特に怒ったのはその日の廊下清掃担当。 ちなみに三日前、彼女は食器洗い担当だったそうな。 そして案の定、メイドは行き止まりにれみりゃを追い詰める。 「今度は逃がしませんよ!」 「う゛っう゛~! れみりゃはとってもぷりぢ~でがっごよくでつよいんだど~♪」 そう言うとまたしてもれみりゃはメイドに尻を突き出した。 メイドは咄嗟に反応した。 (あのオナラを避けるには――これしかないッッ!) この三日間何もしていなかったわけではない。 ガスマスクも消臭力もない状況であのオナラを回避する方法。 とても危険な方法であるがそれをメイドは発見していたのである。 メイドは両手をあわせ、人差し指を突き出した。 そして覚悟を決め、れみりゃの尻に向かって特攻する。 「うおお~~!!死なばもろとも―――――ッ!!」 ブスッ 決まった。れみりゃの尻に、メイドの七年殺しが決まったのである。 れみりゃの尻に、メイドの七年殺しが決まったのである。(大事なことなので2回言いました) 「ヴギャオ゙お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!?!?」 れみりゃは今まで上げこともないような悲鳴をあげ、尻をおさえてのた打ち回った。 「か、勝った……」 「ぎゃあぉーー!? んぎゃおおおおおうぅっ!!」 よほど痛かったのだろうか、しばらくすると顔は真っ青になり白目を剥き目からは肉汁があふれ出ししばらく小さく痙攣していた。 「お゛っお゛っお゛っ……」 れみりゃにブッ刺した指を見ると肉汁が少し付いていた。若干貫通したようだ、痛くないはずがない。 エプロンで肉汁をぬぐう。油汚れなのでなかなか落ちなくなってしまうだろうが、メイドはとても清々しい笑顔だった。 「さてと。今日こそ咲夜さんに叱ってもらいましょうね~、れみりゃ様~?」 と、メイドがれみりゃを抱き起こそうとした直後。 ブッボォォォゥッッ!!という音と共にれみりゃの尻から屁が噴出した。 まさに最後っ屁。痛みで悶絶していたれみりゃ自身にはその気はなかったようだが。 一時間後、仲良く気絶しているメイドとれみりゃが紅魔館メイド長によって発見されましたとさ。 -了- ========================================== 作:ゆっくりいくさんはフカヒレまんだと思う人 8/27;ミス修正、加筆 このSSに感想を付ける