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【元ネタ】アーサー王伝説 【CLASS】セイバー 【マスター】レオナルド・B・ハーウェイ 【真名】ガウェイン 【性別】男性 【身長・体重】180cm 78kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力B+ 耐久B+ 敏捷B 魔力A 幸運A 宝具A+ 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等をもってしても傷つけるのは難しい。 騎乗:B 騎乗の才能。 大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、 幻想種は乗りこなせない。 【固有スキル】 聖者の数字:EX ガウェイン卿の持つ特殊体質。 午前9時から正午の時間、午後3時から日没の3時間だけ力が3倍になるというのも、 ケルトの聖なる数である3を示したものである。 カリスマ:E 軍団を指揮する天性の才能。 カリスマは稀有な才能だが、稀に、その持ち主の人格形成に影響を及ぼす事がある。 ガウェイン卿の場合、彼の裏表のない物言いが”天然の騎士”と評される原因となった。 【宝具】 『転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)』 ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:20~40 最大捕捉:300人 ガウェイン卿の持つ光り輝く剣。 エクスカリバーの姉妹剣であるとされており、 本来の持ち主はエクスカリバーと同じく、湖の乙女である。 伝承ではエクスカリバーの影に隠れ、多くを語られる事のない聖剣だった。 アーサー王の聖剣は星の光を集め、ガウェイン卿の聖剣は日輪の熱線を顕すという。 【キーワード】 【大陽の騎士】 アーサー王が夜 ……アルト、アルテミス系の、月の女神の系譜…… の守りであるのに対し、ガウェイン卿は太陽の恩恵を受ける騎士である。 その力は正午において最大限に発揮される。 【エクスカリバー】 五世紀~六世紀に実在したとされるイギリスの王・アーサー。 彼を主題にした物語、 「アーサー王と円卓の騎士」に登場する聖剣。 もともとは「湖の貴婦人」と呼ばれる精霊が持ち主。 二十世紀において、聖剣の代名詞として扱われた。 【人物背景】 「アーサー王伝説」に登場する円卓の騎士の一人。 アーサー王の甥でもある。 アーサー王の片腕と称されたランスロット卿に並ぶ騎士だったが、 兄弟をランスロットに殺された事をどうしても忘れられず、彼とは相容れなかった。 高潔な人格、理想の若武者であったが故に、 肉親への情も人一倍だったのだろう。 しかし、その怨恨がガウェイン卿の騎士としての格を落とすばかりか、 最後には王の没落にまで繋がってしまった。 ガウェイン卿はアーサー王最後の戦いであるカムランの丘で、 ランスロット卿に受けた古傷を敵に打たれ死亡したとされる。 その死の淵で、自らの怨恨が王の破滅を招いたのだと悔い、 ランスロット卿への私怨も、彼の不忠さえも、 自らの不徳からと受け入れた。 そも、ガウェイン卿はランスロット卿への憎しみさえなければ完全な騎士である。 相手を軽んじる事も侮辱する事もなく、 相手が力量不足であってもその戦意、覚悟をくみ取り、 礼節をもって相対した。 王の前では影に徹し、 ひとたび号令が下れば颯爽と戦場に赴き、 涼やかな笑顔で勝利する―――まさに理想の騎士と言える。 その在り方は、こうして英霊になる事で蘇った。 多くの迷いから解き放たれたガウェイン卿は文字通り“太陽の騎士”として、 本来の姿を取り戻したのである。 【『円卓の白騎士』】 円卓の白騎士。 アーサー王の影武者とも言われた、 もう一人の聖剣の担い手である。 しかし、アーサー王を妄信的に崇拝しているが故、 王の苦悩を知る事はなかった。 アーサー王の最期を看取ったヴェデヴィエールもガウェイン卿と同じ忠節の騎士だが、 ヴェデヴィエールは王の人間としての幸福を心の底で願い、 ガウェイン卿は王の王としての活躍を願ったのだろう。 ◆ アーサー王が夜、月の象徴であるのに対し、 ガウェイン卿は昼、太陽を背負っている。 その姿も見目麗しい事もあり、王城キャメロットではアーサー王の影武者、 ないし王が倒れた後の代行候補の一人であった。 そんな周囲からの評価も意に介さず、 ガウェイン卿はあくまでアーサー王の右腕であり続けた。 そんな彼の最大の後悔はランスロット卿との諍いである。 『ランスロット卿に兄弟を殺されたばかりか、 あの黒騎士は王さえ裏切った。 王の妻を拐かしたのだ。許せるはずがあろうか』 だが、最終的にアーサー王はランスロット卿を許す。 すべては余が悪かったと。 だがガウェイン卿はランスロット卿の裏切りを許せず、 最後まで彼と敵対してしまった。 破門されながらもカムランの丘にはせ参じようとするランスロット卿をガウェイン卿は拒み続け、結果的に、彼は王を戦死させ、自らも戦死してしまう。 その結末から、英霊としてのガウェインは “王の補佐に徹する” 事を絶対の使命として捉えているようだ。 カムランの丘で自戒するアーサー王のように、 ガウェイン卿も死の淵で叫んだのだ。 自身の激情が王を死に誘った。 『――もし次があるのなら。 まだ挽回する機会が、二度目の生があるのなら、 今度こそ、自らの全てを王に捧げるよう――』 ◆ その誓いを胸にサーヴァント化した彼は、 生前の悔い、過ちを正すため、 より完成された「騎士」として主人に仕えた。
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むかしむかしの話をしよう。 あるところに、人ではなくなった女の子がいました。 女の子は、悪い人をやっつけるため、人をやめたのです。 えらい人たちは自分のことばかり考えて、みんなのことを考えません。 みんなが苦しむのが女の子はいやだったので、女の子はえらい人と戦っていました。 あちらに悪い人がいると聞けば、どんな場所へも行きました。 悪い人を倒すためなら、どんなことでもやりました。 お父さんが死んだ日も、女の子は戦っていました。 そんなある日、女の子はふしぎな人に出会いました。 はじめ、女の子は、その人が悪い人だと聞いて、やっつけに行きました。 この国のえらい人は、だれもかれも悪い人だとばかり思っていたからです。 ところが、そのえらい人は――良い人だったのです。 自分をやっつけにきた女の子をもてなし、さまざまな話をしてくれました。 女の子は考えます。 この人とだったら、この国から悪い人を追いだせるかもしれない。 この人だったら、悪い人をやっつければ笑ってくれるかもしれない。 女の子は、そのえらい人に仕えることに決めました。 えらい人も、喜んで女の子のご主人になりました。 毎日のように、女の子は悪い人と戦います。 悪人が主人を狙うので、ご主人を守って戦うこともありました。 国からどんどん悪い人はいなくなっていきます。 女の子はどんどん悪い人をやっつけていきます。 でも、ご主人は喜んでくれません。 女の子を見るたびに、ご主人は悲しそうな顔をするのです。 女の子には、それがなぜだかわかりません。 きっとまだまだ悪い人が多いからだと、女の子は考えます。 あちらに悪い人がいると聞けば、どんな場所へも行きました。 悪い人を倒すためなら、どんなことでもやりました。 今までと同じことを、女の子はずっとずっと続けます。 でも、たった一つだけ、今までと違うことがありました。 ご主人が病気にかかった時、女の子は戦っていなかったのです。 女の子はご主人の傍にいました。 ずっとずっと傍にいました。 それを見て、ご主人は悲しそうに笑います。 女の子には、それがなぜだかわかりません。 きっと自分が悪い人と戦っていないからだと思いました。 結局、ご主人は悲しそうな顔のまま、死んでしまいました。 ――女の子には、それがなぜだか、ついにわからなかったのです。 「う、あぁー……。もう、朝、かぁ……」 障子の隙間から差し込む朝日に眼を細めながら、ゆっくりと夏海は布団から身を起こす。 ごしごしと眼を擦るが、まるで眠った気がしない。 昨日は帰ってきてすぐにバッタリと倒れこんでしまったというのに、だ。 無理も無い、と自分でも思う。 ――人が、死んだのだ。 大勢死んだ。 夏海も、殺す手伝いをした。 あの名前も知らない僧侶。鉄鼠を率いて、聖杯戦争に参加した男。 戦ったのは彼女の兄であり、命を奪ったのは彼女のサーヴァントだ。 しかし――それに協力した以上、夏海が彼を殺した事になる。 責任逃れをする気はない、が。どうにも心が重たかった。 あの僧侶が人を殺すように命じ、水上都市に地獄を作り出した張本人なのは間違いない。、 だが、だからと言って、殺しても良いという事にはならない。 死んで良い人間なんて一人もいない。 「――でも、あの人。後悔してるようには……見えなかったんだよねぇ……」 救いと言えば、唯一その点だけか。 あの僧侶の死に顔は、酷く安らかだった。 彼を『視る』事はないだろうと思う。 ……なら、良いのだろうか? 大勢の人が死んで、その多くを夏海は『視る』事になるのだろうけれど。 それでも、彼が満足して逝けたなら――良いのだろうか? 「うー……」 考えても、よくわからない。 よくわからない以上、考えたって仕方あるまい。 「……うん、よしっ」 ぴしゃりと頬を叩いて気分一新。 がばぁっとTシャツを脱ぎ捨てて、着替えを手に取った。 着替えて、顔を洗って、それから朝ごはんだ。 ――――テレビをつけると、ニュースでは『水佐波市で暴動発生』となっていた。 リゾート開発に反対する人々が暴動を起し、集団ヒステリーも相俟って死傷者多数、だとか。 馬鹿げているとは思ったけれど、死体と鼠の戦争が起きた、なんて言っても誰も信じないだろう。 「……これって、どういう事なのかなぁ?」 「あン?」 今日の朝食は夏海が作ったものだ。焼いた塩鮭に、ご飯に、味噌汁に、卵焼き。 もうちょっと手の込んだものにしようかとも思ったのだが、材料が無ければ致し方ない。 唐突な質問に対し、鮭をほぐして骨を取り除いていた鉄人は小さく首を傾げた。 「うん、正直な事を言っても誰も信じないのは、あたしだってわかるけど。 でもほら、誰がこういう嘘を考えてるのかなぁーって。不思議に思わない?」 「ああ、そりゃ……監督役だな。昨日あった、あの菅代の坊主だ。っと、醤油とってくれ」 「アーチャーのマスターの殿方でしょうか?」 はい、とアサシンが醤油を手渡す。やはり文化圏が近いからか、箸での食事も慣れた様子。 言われて、夏海も思い出した。友達を車で病院まで送ってくれた、ヤクザみたいな人物のことを。 「監督……でもマスターって事は参加者だよね? 良いの、それって?」 「ああ、監督っても、大した権限は無ェよ。いわば、後始末係みたいなもんだ。 水佐波ってなァ、菅代の土地だからな。厄介を放置すると自分の首が絞まる」 「ふーん……」 「まあ、元々は――っても、何百年か前だが――神社の方の連中が治めてたんだがな。 権力争いで菅代に負けたせいで、今じゃ神社も一箇所しか残ってねェのさ」 郷土史で習わなかったか?と聞かれ、夏海はぶんぶんと首を左右に振った。 水佐波は大好きだったが、歴史についてはまるで興味を持った事が無い。 「兄さん、神社って……志那都神社? あの、八尾比丘尼が建立したとかいうところ」 「なんでェ、知ってるんじゃねェか。 そうだ。あそこが昔の、水佐波の管理者だ。 しかし八尾比丘尼云々なんて良く知ってるな。碑文も残っちゃいねェと思ったが……」 「あたしの知識じゃないよ。友達から聞きかじっただけ」 ――その友達の事を考えると、不安になってくる。 昨日、あれからどうなったのだろうか。病院に行って、それから――……。 「……………………………」 「……どうかしたか、夏海?」 ――やっぱり、自分でみことに逢いに行こう。 皆のことも気になるし。 うだうだ悩んでいたって仕方ないのだから、行動あるのみだ。 そう決めると、夏海はカカカカカッと茶碗に残ったご飯を掻き込み、パンと手を合わせた。 「ごちそうさまっ! あ、兄さん。あたし、ちょっと出かけるから!」 「あ? あー……アサシンは連れてけよ。昨日の今日で騒ぎを起こす奴がいるとも思えんが」 「うんっ 夕方までには戻る――と、支度するねっ。お皿は帰ったら洗うから!」 言うなり、立ち上がった彼女は食器を重ねて流しに放り込み、ばたばたと走るようにして自室へと戻る。 その様を見やり、仕方ないなぁとでも言いたげな笑みを鉄人は浮かべ――。 今まで沈黙を保っていたアサシンが、じっと此方を見つめている事に気がついた。 「……あン?」 「鉄人様。昨日の戦いを見ていて思ったのですが、一つ……お伺いしたい事があるのです」 「…………………」 「貴方様は――――人間では無い、ですよね?」 ――沈黙。 アサシンは何も言う事は無く、鉄人もまた静かに湯飲みを握り、離す。 ただ時計が針を刻む音だけが、静かな居間に響き――ぽつり、と鉄人が口を開く。 「……………英雄ってなァ、なんだ?」 アサシンが答えないのを見ると、鉄人は唇の端を歪めて笑った。 常日頃からは想像もつかないほど酷薄な笑み。 或いは――普段の表情こそが偽りで、これが本来の顔なのか。 「近代戦争になって英雄が消えた、なんてェのは真っ赤な嘘も良いところだ。 どんな時代、どんな場所でも、規格外の兵士ってのは出てくるもんさ。 もっとも――大概は航空兵だったり、戦車兵だったりしたんだが……歩兵だって例外じゃねェ。 頭を吹っ飛ばされた癖に戦い続けて、敵の基地を吹っ飛ばした奴もいたし、 独逸の方じゃ、たった一人で戦車部隊を蹴散らした歩兵がいたって話も聞いたな」 正しく人類の規格外。 常人には不可能な偉業を成し遂げた者ども。戦場の鬼。 たとえ泥と土、埃と血に塗れ、這いずり回った結果だとしても。 不可能を可能にしたのなら――それは、確かに『英雄』だ。 「生憎と、俺の国は負け続けでなァ。 だから、馬鹿みたいな事を考えた奴がいたのさ。 『英雄を量産化すれば、この戦局でさえ覆せる』ってな」 本当に馬鹿げた考えだったと、鉄人は呟いた。 英雄とは、一つの時代、一つの国に、ただ一人しか存在しないものだろうに。 それが大勢いたのでは――英雄とは呼べない。それは兵器の域を出ない。 ただ単に強力な兵器という、それだけの代物だ。 「……ああ。英雄ってのが、たった一人で戦局を覆せる存在だってんなら、確かに英雄は消えた。 どんなに頑張って戦術的勝利を積み重ねた所で、戦略的敗北は覆せん。 第一、幾ら剣やら銃やら持ってたって、空から爆弾の山を落とされちゃぁ……」 そう言って寂しそうに笑い、鉄人は煙管に火をつける。 「つまり、そういう役に立たなかった、英雄もどきの兵器が――俺だ。生憎ともうガタが来てるがね。 ……だってェのに、また戦争だ。あんなのは……半世紀も前に終わったのになァ」 「……お聞きしたかったのは、その――『ガタ』の部分なのです。 どうか、あまり御無理をなさらぬよう……。夏海様も心配しております」 その言葉に対し、鉄人は小さく手を振った。早く行けとでも言いたげな様子である。 「夏海は気が短いからな。とっとと行かねェと、痺れ切らすぞ」 「…………」 小さく頷き、アサシンは立ち上がり、居間を後にする。 既に支度を終えた夏海が「早く早く」と急かす声を聞き――鉄人は、息を吐いた。 「――構わんさ。普通に生きたって、そろそろ死ぬ頃合だろうしな」 ――――Interlude 6 「…………ここか、マスター」 「ヤー。キャスターが結界を展開したと思わしき拠点です、セイバー」 水佐波総合病院を見つめる、鋭い視線が二つあった。 一人は漆黒の軍服に腕章、銀髑髏の制帽を被った少女。 雪のような髪と肌に、赤い瞳。随分と若い。 もう一人は、少女の傍らに従っている、赤銅色の肌を持つ美丈夫。 金髪碧眼というゲルマン民族の特徴がはっきりと現れているが、 その日に焼けているのとも違う、血に濡れたような体躯だけが異様である。 はっきりと言えば、常人ではあるまい。 しかしながら病院の傍を行く人々は、誰も彼女達の姿に気づかない。 認識阻害の魔術と霊体化――疑うまでもなく、聖杯戦争の参加者である。 ヒルデガルト・フォン・ノイエスフィール。 そしてセイバー、シグルド。 ナチス第三帝国の残党組織、秘密結社グラズヘイムの擁する最強の主従。 彼女達が何故ここにいるのかを説明するのには、少々時間を遡らなければならない。 昨夜のことだ。 水上都市で発生した大規模戦闘に先行するように、病院に結界が張られた事が確認された。 予め水佐波市内に人員を配置していた為、結界展開と同時に監視を開始。 その規模と強度からして、まず間違いなくキャスターによるものであると予測され、 未だ確認のとれていなかった最後の一騎の所在が掴めたことを、単純に喜んだのだが―― ――問題は、その監視担当者との連絡が、ほどなくして途絶した事である。 「――ツヴァイは、姉妹の中でも気が強い子です。白兵戦闘にも長けていました。 それがあっさりと敗北したということが、私には信じられません。 戦闘の痕跡すら残っていません。私は、彼女が囚われたのだと判断しました」 病院――白亜の壁に覆われた、まるで城のような姿となっている――を見上げながら、ヒルダは呟いた。 セイバーはその声に怒気が混じっているのを感じ取ったが、黙って頷きを返す。 「私は姉なのです、セイバー。 ノイエスフィールの娘達の中で、もっとも優れていると認められた以上、 妹達を守らねばならない義務が私には課せられています。それを実行しなければなりません」 再び、セイバーは頷いた。是非も無し。 彼はこの少女が気に入っていたし、信頼に応えねばならない事も良く理解していた。 義務と権利。約束と裏切り。それはどれもセイバーの生涯に付き纏い、決して離れなかった事柄だ。 なればこそ、この少女がそれを果たそうとするなら、助力を惜しむ筈も無し。 「これは不確定な情報に基づく任務である以上、貴重な戦力を割くわけにはいきません。 私が行使しうる戦力は私と、貴方だけです。それで十分だと思っています。何の問題もありません」 「…………………」 「閣下は、『派手にやれ』と仰いました。私はそれを実行に移すつもりでいます。 ついてきてくれますね、セイバー?」 「――――御意」 その言葉に、今度はヒルダが頷きを返す。 水佐波聖杯戦争において最強の主従が、今、最悪の居城に向けて脚を踏み出した。 「さて、それではもう一度仰ってくださいな。あの女の子は、何処の何方?」 「ひゃ、ひゃい……。 ひるではると、ひょうい、へふ。ははしの、はね……へふ」 「ヒルデガルド……少尉、と。貴女のお姉様なのね。 男の人の方は――クラスや真名はご存知?」 「ひゃい……。へいはー、へふ……。ひふふと、はっへ……ひっへまひは」 「セイバーの……しくくと?……ああ、シグルドかしら。 もっとハッキリ言って欲しいですわね。もうちょっと続けましょうか?」 「ひっ!?」 ――――そして、その光景を見つめる者が二人。 志那都みこと、ツヴァイ――ツヴァイ・フォン・ノイエスフィールと呼ばれていた少女である。 真っ赤に彩られた室内で、二人は水晶玉に浮かび上がる像を眺めていたのだが…………。 部屋と同様、血のように赤いイブニングドレスを身に纏っているみことに対し、 ツヴァイの、かつてはヒルデガルドと同様に美しく気高かったろう姿は、あまりにも無残であった。 数々の暴虐を受けた結果、漆黒の軍服はただの襤褸切れと化しており、衣服の機能を果たしておらず、 雪のようだった頬は無残に腫れ上がり、気力に満ちていた筈の鋭い瞳も、ぼんやりと濁ってしまっていた。 無論、ただの暴力でノイエスフィールの姉妹達の結束を打ち砕く事などできる筈もない。 ましてや、このように仲間の情報を口にさせる事など不可能であっただろう。 しかし――待ち受けていたのは、ただの拷問などではなかった。 英雄として座に収まり、サーヴァントとして召還される以上、それに見合った伝説が必要となる。 剣によって達成された偉業。戦場で獲得した武勲。世を統一せんとした覇業。 それは、時として神に迫ることもあるという程の、他に並ぶ物の無い、絶対不可侵の伝説だ。 この結界を構築したキャスターもまた、ある種の伝説を備えていた。 ――六百十二人の少女を拷問し、殺戮したという、恐るべき伝説。 ただの人が、戦場で英霊と競うことが不可能であるのと同様に、 英霊ではない少女が、この者の拷問に抗うことなど、不可能であったのだ。 『やめろ』と叫んでいたのが『やめて』に変わり、やがて悲鳴になるまで、然程の時間はかからなかった。 「ふぅむ……。人外の娘、それも処女ともなると、その血もまた格別よのぅ……。まるで極上の葡萄酒のようじゃ」 「あら、キャスターさん。もう湯浴みは終わったんですの?」 不意に聞こえてきた声にみことが視線を向けると、其処には豪奢なドレスを纏った貴婦人の姿があった。 年齢は――何歳ともわからない。病的なまでに白く美しい肌に対し、その瞳は驚くほに老成している。 十代の少女だといわれても納得できるような面もあれば、六十歳の老女といわれても頷ける。 その細く長い腕を伸ばし、袖を捲くって見せながら、キャスターはくつくつと哂ってみせた。 「うむ。ほれ、わしのこの肌を見ぃ。一段と白くなったとは思わぬかえ?」 「あら、本当! わたくしも嬉しいですわ。 キャスターさんが美しくなればなるほど、彼と逢える日が近づくのですもの!」 ぱん、と両手を合わせて笑顔を見せるみこと。 全ての始まりは――彼女の恋人が事故にあった夜のこと。 昏睡状態に陥り、一生目覚めることはないかもしれないと医師に言われた。 病室で横たわる彼の隣に座ってはいたものの、何も考えられず、 ただ一心に、誰かに助けて欲しいと願って、祈って、そして――奇跡が起こった。 まるで御伽噺のように、魔法使いが現れたのだ。 彼女はキャスターと名乗り、この地でおこる聖杯戦争という儀式について語った。 みことが望むならば、その聖杯が願いを何でも叶えてくれるだろうと。 無論、代価は必要である。キャスターは、血を望んだのだ。 キャスターの望みは若さと美貌であり、それは女性の血液によって叶えられる。 そして血液を浴びれば、キャスターは力を増し、きっと聖杯を手に入れる事ができるだろうと。 みことは一も二もなく頷いた。 悩む余地など何もなかった。 彼のためならば何でもできる。彼のためならば何でもしよう。 そう告げると――キャスターは、まるで姉が妹を見るようにして微笑んだ。 「殿方に懸想をするのは女人のみに許された悦び。 ましてや、相思相愛ともなれば、どれ程の幸福であろうかのぅ……。 ――わしにも覚えはある。安心するが良い、必ずや、そちに聖杯を授けようぞ」 そして、今日に至る。 病院に展開された居城は、多くの少女達の血を啜り、徐々に強固なものへと変化している。 聞けば外でも戦いは繰り広げられており、幾人かの参加者は既に脱落したのだとか。 となれば、後はこの城に入り込む敵を迎え撃てば良い。血を集めて、もっと血を集めて。 そういえば、と過去のことを思い返していたみことが呟いた。 「わたくしの友達はどうなさったのかしら、キャスターさん。昨日、訪ねて来てくださったのですけれど」 「うむ。わしのマスターの御友人であるからのぅ……。 何か間違いがあってはならぬゆえ、ほれ……こうして、ここに」 そう言って、キャスターが片手に提げていた鳥篭を掲げてみせた。 全体に優美な彫刻が施され、煌めく宝石が幾つも使われたそれは、王侯貴族が持つに相応しい。 しかしながら、内部にいるのは小鳥ではない。一糸纏わぬ姿をした少女達である。 『羽無き少女の鳥篭(ピジョン・ブラッド)』 と呼ばれるそれこそは、病院を覆う結界と並ぶキャスターの宝具である。 まるで白魚のように細いキャスターの指先が、愛しげに鳥篭に触れ、そっと揺さぶってみせた。 「やめて、やめてやめてやめてヤメテエェエェエエェエェェエェッ!!」 「死ぬ、死んじゃう、死んじゃうよぅ……アガアアァアアァアアァアァッ!?」 「ヒギャアアアッ! ひぎ、ぎ、ギゥアァアアアァアァァッ!」 聞くも無残な絶叫である。 籠の内側に生えた棘が、小鳥のように愛らしい娘達の体を切り裂き、血を絞りとっているのだ。 苦痛を訴える声を聞けば、誰であろうと『止めてくれ』と訴えるだろうが――しかし、この二人の耳には届かない。 「みんな、すごい声ねぇ……。何を言っているんだか、わからないじゃない。 でも、この分だと……前の子たちみたいに、またダメになってしまうのではなくて?」 「その心配は無用じゃ。先に用いた娘子は、急場凌ぎに病に侵されていたものを使ったのでな。 聞けば泳ぎが達者であったり、女だてらに剣を振るっていたのであろう? なれば、数日は大丈夫じゃろうて」 「ああ、それは良かった。 まだ夏海さんが来ていないのよ。折角ですもの、全員いれてあげたいの」 「そうよのぅ……。やはり、仲の良いものは皆一緒にいた方が良かろうて」 そう言って穏やかに哂う二人をぼんやりと見つめながら、ツヴァイは心の底から必死に祈っていた。 神でも良い。悪魔でも良い。或いは聖杯戦争の礎となった祖、ノイエスフィールでも良い。 どうか――敬愛する姉が、自分を諦めてくれることを。一心に願っていた。 ――Interlude out **あとがき********* はっちゃけ第二段。みこっちゃん。順調に黒化進行中。 まあ、あんまりグロいのもあれだけれど、残酷無残は嫌いではなく。 そしてキャスターさんは、こういう事でなければはっちゃけないので! で! とりあえず正月休みも終わりましたし、連日アップは今日で終了……かなぁ? ちょっと間が空くかとは思いますが、どうか気長にお待ちいただければ、と思いまする。
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【元ネタ】ギリシャ神話、ローマ神話、Fate/hollow ataraxia 【CLASS】ルーラー 【マスター】 【真名】アムール〔カレン〕 【性別】女性 【身長・体重】156cm・40kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力C- 耐久A+ 敏捷B- 魔力C- 幸運A- 宝具EX 【クラス別スキル】 道具作成:A 『愛の矢』を代表とする、心に作用する道具のプロフェッショナル。 ちょっと弱気なアナタの背中を一押しする、人間の心をよりよく機能させる、そんな素敵なアイテムをたくさん作れる。 単独行動:A 『愛の伝道師』でもあるカレン・C・オルテンシアにとって、仕えるべき主人はマスターだけではない。 主の御心、人々にたくさんの愛を届ける使命のもと、彼女はマスターの事情に囚われない。 フリーダム。 被虐霊媒体質:EX 本人の意思に関係なく、周囲にある魔を肉体に取り憑かせてしまう体質。 現象としての悪魔を再現し、事によっては受肉させてしまう。 毒、呪い、火傷といったバッドステータスにかかりやすく、また、それらバッドステータスがかかっているとカレン自身の攻撃力が増していく。 被虐からの、おそるべき加虐。とはいえ、狙って出せるものではない。 女神の神核:B 本来ならアムールの『神性』になるのだが、依り代の少女の強い信念により、女神の神核となった。 少女にとって、『神性』を獲得しているのは大いなる父だけなのだろう。 鋼の信仰:A 概念礼装にある『鋼の鍛錬』のカレン版。 本来、生まれてすぐに息絶える筈だったアルビノの娘は、人々の予想に反して成長した。 自分が生きている事───それ自体が奇跡であり 『主の愛』が実在する証明だと彼女は考える。 恐怖耐性、魅了耐性、バスター耐性をパッシブスキルとして獲得している。 【固有スキル】 ヴァレンティヌスの聖骸布:A エロース(性愛)。 もともとは『マグダラの聖骸布』を愛用していたカレンだが、今回は『恋人たちの聖骸布』を使用している。 『ヴァレンティヌス』と名付けているのはカルデアのバレンタインに合わせてのもの、らしい。 黄金の矢:A フィリア(隣人愛)の力。 射貫いた人間の心を強制的にアモーレさせる天使の矢で、サーヴァントのエウリュアレが有する『女神の視線』と同質の物。 「恋はいつだって突然、でしょ?」。 魔力放出(愛):A ストルゲー(家族愛)。別名ゴッドカレン。 愛するもの、守るべきもの、唯一のもののために奮われる超バフ。なんかすごい。 【宝具】 『遍く無償の無限の愛(ザ・グレイテストヒッツ・“コーリング・アガペー”)』 ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:不明 あまねくむしょうのむげんのあい。 祈りの殻で自らを包み、より新しく、そして普遍的な“愛”の代弁者として昇天・降臨する宝具。アセンション。 愛の神アムールではなく、それを起源とした“天の愛”となり、無償にして無限の愛で地上を照らす天罰系の攻撃。 どう見ても対界宝具であるが、本人はあくまで対人宝具です、と言い張っている。 カレンの言う『愛』とは、人類全てを無条件で、無償で愛する神の愛、即ちアガペーである。 かつてカレンは『タイガーころしあむ』で『持ち主の愛の重さが武器の重さになる』というモーニングスターを使っていた。カレンは全人類を愛しているので、イコール、ハンマーの重さは地球の重さになっていたと言う。それのFGO版。 また、無限なのは『愛のビーム』の方で、 無償なのは「それをタダであげている」というカレンのおおらかな気持ちを指している。 【解説】
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【元ネタ】黙示録 【CLASS】ライダー 【マスター】 【真名】マザー・ハーロット 【性別】女性 【身長・体重】167cm・53kg 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷D 魔力A 幸運A 宝具EX 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:A+ 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。 ただし、竜種は該当しない。 【固有スキル】 魅了:A+ 魔性の美貌により、老若男女を問わず対象の精神を虜にする。 ここまでくると魅惑ではなく魔術、呪いの類である。 対魔力で抵抗可能だが判定次第。 黄金律:A 身体の黄金比ではなく、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。 大富豪でもやっていける金ピカぶり。一生金には困らない。 【宝具】 『黙示録の獣(アポカリプティック・ビースト)』 ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人 かつて存在し、現在は存在せず、そして、バビロンが底知れぬ場所より生み出す宝具。 赤き竜より同等の力と権威を与えられ、善を汚し悪へと誘惑する呪詛で構成された、 7つの頭と10の角を持ち、それぞれの角に冠を持つ『緋色の獣』。 その呪詛は常に気化し、周囲を侵食し汚染し続けるが、 大地よりマナを奪うことで強力な再生能力を得ているため、呪詛の供給が途絶えることは無い。 『溢れる邪淫(ルクスリア・チャリス)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:0~25 最大捕捉:50 鮮血を元に香り高く味の良い真紅のワインを生み出す、黄金の杯。 杯の内部で空間が圧縮されており、大量のワインを蓄えることができる。 この杯のワインには、人々の理性を一時的に麻痺させ、感情的な行動を促進させる効果がある。 対象の持つ精神攻撃無効を一定確率で無効化し、魅了に対する抵抗判定にペナルティを与える。 ワインを広範囲に対し霧状に噴霧することもできる。しかし、効果は大きくランクダウンする。 【解説】 キリスト教における黙示録に出現する。 「地上の忌むべき者や売春婦達の母たる、大いなる、謎めいたバビロン」。「グレート・ハーロット(The Great Harlot="大淫婦"の意)」とも呼ばれる。 もろもろの民族、群衆、国民、国語の上に立つ人々を惑わす悪徳の象徴とされる美女。 緋と紫の衣を着て、黄金と宝石と真珠で体を飾り、金の杯で善きキリスト教徒の血を飲んで酔う。 体中が「神を汚す名前」で覆われ、七つの頭と十の角を持つ黙示録の獣に乗る。 【イメージイラスト】 マザー・ハーロット① マザー・ハーロット② 騎乗バビロン M・H(色なし) M・H(色つき) M・H(色なし修正版) M・H(色つき修正版) M・H(色なし帽子マントなし修正版) M・H(色つき帽子マントなし修正版) 大淫婦① 大淫婦② 大淫婦③ ハーロットさん① ハーロットさん② ハーロットさん③ ハーロットさん④ 【出演SS】 裸婦は月夜に舞う マザー・ハーロットエッチネタ集 マザー・ハーロット召喚 ネイキッド・ハーロットのピンクな日々 サーヴァントの一日。ハーロットの場合 AとHの最終決戦 Fate/MINASABA 16th (ハーロットルート) マザー・ハーロットVSブリュンヒルド、士郎争奪戦 黙示録が訪れなかった世界で。アンチキリストとマザー・ハーロットの邂逅 衛宮士郎&マザー・ハーロットのトラぶる道中記 シグルド&ブリュンヒルドのトラぶる道中記 平行世界での皆で考える聖杯戦争 予告編 メルティブラッド風・勝利セリフ一覧 マザー・ハーロット編 ドキッ!女だらけの聖杯戦争 黙示録の救済 黙示録の終末 Go!Go!守護神タロス! バベルの塔の狸 ウラド、バビロン、アンチキリストの三つ巴戦 Fate/Revelation ~ドキッ☆EXランク宝具持ちだらけの聖杯戦争~
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10話 天の門が開かれ、ラッパの声を聞いた 月が出ていた。 辺境の夜がいかに危険であろうとも、夜自身の清澄さに変化はない。 獣も人も、見る夢だけは安らかなのかもしれなかった。 夢は平穏でも、今日の夜は飢えと凶気の巷だった。 毒霧が吹きつけ、相手の思考と言葉を封じては、おもむろに砂粒ほどの浅い理性で破壊と暴走を繰り広げる人々の群れ。 ――この大群にかかっては、全長が三メートルに達する巨象でさえ、二分で肉塊と化してしまう。 闇にも色彩が生じる。 月光を浴びて絢爛と開く純白の花びらが、風の音に異音を聴きつけたか、 小刻みに揺れつつ、薄紅の霧で薄っすらとその姿を滲ませ、それとともに小さな、白い人影も地に堕ちる。 手に手に淡く光る長剣を携えたそれが、霊長への外敵を根絶し、遍く罪人たちを肉塊と化した抑止の顕現だとは、 この世界の外へ身を置いたものしか知らぬだろう。 その他、闇の奥で、その奥で、さらに奥で輝く蒼色の眼(まなこ)は、 単なる観察者などひとりも――一匹もいないことを物語っている。 無造作に淡い草色の長髪を風にたなびかせ、その姿を月光が照らしている。 質素な貴頭衣に覆われて、そして、何よりも、左手に携えた不形の長剣が、 鮮明な想像と確信を誘わずにはおかぬ。 そのすべてが、美しきものが身を飾るには似つかわしくない品々であった。 深い深い瞳は、20メートル前方に立つ、これも黒色の影をただ映していた。 5メートルを優に越す、溶岩石のような巨躯であった。 ある力がセイバーの顔にあたった。 巨体から発する呪詛であった。 並の人間なら、それだけで精神的廃滅に追いやられ、回復まで一生を要するであろう。 それは、7つの頭と10の角を持ち、それぞれの角に冠を持つ『緋色の獣』。 其は、終末の世に顕現する汚らわしき退廃。 足元からは絶えずコールタールのような物体化する程の濃縮された呪詛が 獣の巨体からは、鳴動する魔力の残照が、気化するように全身から黒い煙を立ち昇らせ周囲を絶えず汚染している。 それぞれが、お互いを牽制するように三角形の形へと立ち位置につくと足を止め 凄絶な敵意が、空気を震わせるようにギチギチと壁面を鳴らし始める。 交錯する視線。 互いの存在が許せぬと、全力を持って対敵を滅殺せんと獲物を見定める。 巨体の眼前で、左腕を対神迎撃砲へと組み合わされたとき、バーサーカーの右手が長剣の柄へと動いた。 優雅な動きは、この青年にふさわしかった。 弾丸が唸りをたてて飛んだ。 バーサーカーの姿勢はそのまま、鞘から迸る銀光が美麗な弧を描く。 豪々たる飛翔と緩やかな斬線とが火花を散らせて噛み合ったとき、 セイバーは、敵の淡く光る長剣がすべてこの世ならざる物で造られていることを察知した。 その眼に宿る凄絶な光は、声なき叫びとも見えた。 相触れた瞬間、弾丸は中央で両断され、深々と大地にめりこんだのである。 迎撃したバーサーカーの左肩に、黒い光条が突き刺さったのは、次の一刹那であった。 セイバーは、第二弾も同時に放っていたのである。 寸分の狂いもなく、等しい航路を辿ったそれは、バーサーカーの眼すら幻惑させ、その肩を貫いた。 だが、僅かの動揺を浮かべぬ白影は、音もなく接近している。 心臓を貫くはずの弾丸を、肩で食い止めたバーサーカーの体技の凄まじさを、彼だけは理解したのである。 同時に『緋色の獣』も動いた。 その巨体に似合わぬ凶悪じみたフットワークで、的を絞らせぬように かつ、確実に接近を繰り返しセイバーに迫る。 貴頭衣の裾が閃いたのは次の瞬間であった。 振り下ろされる光鞭の一刀に、壁面を切り裂く手応えのみを残し、黒い姿は五メートルも後方に跳び下がった。 空中で、びいん、と弦が唸った。 世にも美しい音をたてて、細長い影を若鮎のように空中へ撥ね上げ、 人格を持たないカルキを制御する彼の乗騎たる機動白馬が一気に空を蹴ったのだ。 第三の弾丸を弾き返す数百分の一秒が致命的になると判断したバーサーカーは 左肩に穿孔した弾丸を抜こうともせず、疾走した。 両者の中で最遅である、彼の脚力は、百メートルを7秒台で走破する。 そしてバーサーカーの今の速度は7秒を切り、しかも、スピードは落ちなかった。 だが、影は闇に紛れた。 『緋色の獣』はすでに、消失と現界を繰り返し、その姿の捕捉を困難にしている。 唐突な気配の消失を、バーサーカーは感じたかどうか。 そのままのスピードで彼は疾走し、足を止めたのはまさしく、敵の消失地点であった。 そこまで続いていた深い足跡が消滅していることに、バーサーカーは気づいている。 天に消えたか地に潜ったか――この世界では格別特異な現象ではない。 System K.A.L.K.I――――対象の索敵を開始―――― HIT――――11次元上での存在を確認―――― 確率存在検索――――HIT――――波動関数収縮検索――――ERROR―――― ――――HIT――――ERROR――――HIT――――目標の捕捉完了、――――攻撃開始 瞬間、機動白馬が弾けるように全身を無数のパーツへと分解し 塔の屋上一帯を囲むように顫動するやいなや、爆音とともに一帯を稲妻が走る。 たまらず、けたたましい咆哮とともに、暴れ狂いながら姿を現した『緋色の獣』は 全身を約く聖上の雷光に悶えながら、転がり続け 結界が解除されると同時に、接近したバーサーカーが目が眩むほどの閃光となった粛正剣で右足を切り飛ばした。 痛みに耳を潰したくなるような叫びをあげながらも、『緋色の獣』は冷静さを失わずに すぐさま実体の消失を図ろうとするが、見計らったように『System K.A.L.K.I(ハヤグリーヴァ)』 は 再度、結界を発動し消失化を強制阻止させる。 それでもなんとか離脱をしようともがき暴れるが、バーサーカーの効率的かつ合理的な剣裁きで 獣の全身を切り刻んでゆく。 左肩には赤黒い穿孔、その傷口からは鮮血を滴り落としながら、眼差しも表情も、この戦いの全過程において変化していない。 弾を抜かないのは、しかし、苦痛を感じないためではなく、敵に不意打ちの隙を与えぬ目的であった。 彫像のごとく凍てついた姿が、急に崩れた。 周囲は暗黒と静寂だ。 死闘の気配に鳥たちも脅えたか、怪しい鳴き声ひとつ、唸り声ひとつきこえない。 バーサーカーの顔がある方角を向き、すぐに身体も動いた。 『吹き荒ぶ天闢の風(イムドゥグド)』 30メートルほどの中距離(ミドルレンジ)からのサイクロン(狂嵐)が両者を襲い 巨大な削岩機のように壁面を削り飛ばしながら、中空ごと刺殺せんと吹き荒れる。 宙を裂く嵐が止み、対象の確認をするため、索敵を開始しようと目を細めた 次の瞬間、上空を疾駆する巨体は三つに分かれ、そのすべてがセイバーめがけて跳んだ。 降り落ちる銀蛇のごとく、牙と爪が伸びる。 そのすべてが美しい響きとともに撥ね返され、 空中で新たな陣形を整えんとよろめく無防備な動きを縫って、再度、剣光がきらめいた。 三つの巨体が今度は縦に両断され、さあっと血の霧が吹き煙る中を、セイバーはすでに十数メートル先を走っている。 直後、分断された獣の身体が一瞬、煙のように黒色の気体になると、まるで意思を持つかのごとく セイバーの追走を始めた。 セイバーの真横にも光る影が迫っていた。 機動白馬『System K.A.L.K.I(ハヤグリーヴァ)』 に跨るバーサーカーだ。 くわっと開いた口から迸るのは、燃える吐息か、かがやく唾か。 白馬が渾身の力をこめて、流れるような光の塊となって食らいついている。 ――と思った刹那、横なぐりに銀光がきらめき、反射的に身を躍らせ宙に浮かせ、セイバーは粛正剣の光撃を回避。 さらに二撃目が白い尾を引いて、今度は黒影へと走った。 架空元素の無属性へと変質することにより、あらゆる物理攻撃も通らぬ筈の黒色の気体は 斬撃に触れるやいなや、感電するように全身を震わせその身を苦しみ悶えながら顕現させる。 振り向きもせず、バーサーカーはさらに一刀をふるった。 凶獣は吸いこまれるように、その軌跡へ身を躍らせ、光の稲妻となって全身を約かれる。 闇に蒼白い炎が上がった。轟きが後を追う。 空気と霧が肌にまつわり、ちぎれ飛んでいく。 前方から何かが飛んできた、と知ったのは、セイバーゆえの超感覚である。 背中から滑り出した長剣が迎え討った。 紅霧の中でもきらめく銀糸の奔流――それに触れたものは、美しい響きを上げて打ち落とされた。 ことごとく路上へ転がり突き立ったそれを見て、 「投剣か」 と嗄れ声がつぶやいた。 円錐型の胴の先に、二〇センチほどの刀身を突出させた武器である。 通常の短剣と異なり、刀身があの長剣同様、未知の物質で構成されているため、淡く輝いており これを放った敵は自分と同様に、視界の悪いこの環境下でも敵を捕捉することが可能なのだとセイバーにはわかっていた。 第二陣は? バーサーカーの長靴(ブーツ)の踵が馬の胴を叩く――人馬は一体となって宙に舞った。 霧さえ讃えるその美しさ。 着地と同時に全力疾走に移る。 機動白馬を狙った対神迎撃砲の弾丸は、すべて命中することなく側面を通り抜けている。 機動白馬が地を蹴った。 今度は弾丸を避けなかった。 真っ向から粛正剣で弾き返し直進する。 だが、またもセイバーを捉えるには至らない。 『System K.A.L.K.I(ハヤグリーヴァ)』と『緋色の獣』の化物じみた機動力をもってしても セイバーの神速に追いすがるのが精一杯なのだ。 かの最速のアキレスに匹敵する健脚のみではない。 反射速度・思考速度・行動速度・変形速度…etc………etc. 桁外れの性能速度をもって、あらゆる凡俗たちを彼方へと抜き去っていく超高速。 一度たりともアクセルは緩めずに。 切り取られた極限の中で、際限なく破壊(かそく)する獣たちを迎え撃つ。 都合、数十合の攻防が繰り広げられ、3組は奇しくも初回と同様に三すくみとなって対峙する。 異変は次の刹那に生じた。 System K.A.L.K.I――――対象の当該データ、67.125%の解析完了。 敵性危険基準、第9級指定判断。――――甲冑形態を起動/救世合体(シャンバラフュージョン) 同時に、キィン、と金属が共鳴する高い音がこもり、バーサーカーが跨る機動白馬が俄かに発光し始めた。 全身を構成するフレームそのものが光を放ち、 間接の継ぎ目から赤とも緑ともつかない燐光(りんこう)が滲み出してくる。 『System K.A.L.K.I(ハヤグリーヴァ)』の足を構成するパーツが、 装甲の継ぎ目から割れ、スライドした装甲の下に赤く輝くフレームが露出する。 足、膝、太股でも同様の現象が起こり、腰のフロント・アーマーと胸部装甲も展開すると、 赤い燐光が輝きを増し、白い機体を彩る鮮やかなフレームの模様を闇に際立たせる。 そして、足元からせり上がってくるパーツがバーサーカーを覆い続けて全身を包み 飾るように屹立(きつりつ)してゆく。 もっとも変異が顕著(けんちょ)なのは頭部で、口の部分に相当するマスク状のパーツが開き、 目を覆うバイザーがスライド収納された顔は、もはや人間のそれではなかった。 その姿はまるで………… 黒霧がある一点に流れ出した。 その点は疾駆するサーヴァントのような速度で移動しつつ、巨大な漏斗状の窪みを形成していった。 渦巻く霧が、今、自らに生じた大渦に吸収されていく。 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■――――――!!!」 血走った眼光。酸素欠乏に苦しむ喉。これ以上は無理だと、悲鳴をあげる肉体。 それら一切を無視し、『緋色の獣』は狂気と破壊衝動のボルテージを上げていく。 強く。今のが防がれるのならより強く。 多く。今のが捌かれるのならより多く。 己の体に限界はない、いや、己の体の限界など知らない、と。 それは、 破滅を厭わない狂躁、脳を冒された獣そのものだ。 蒸気のように沸き上がる殺意が、『緋色の獣』の姿をさらに凶大に変えていく。 歪み、なお熱くなっていく殺害欲求が、血肉となって『緋色の獣』の体を包む。 ある者は聞け。捕われるべき者は、捕われて行く。 剣で殺されるべき者は、剣で殺される。ここに、聖なる者たちの忍耐と信仰が必要である。 大きく、大きく、さらに大きく――― 三つ目の眼はかがり火のように燃え盛り 耳まで裂けた口からは杭のような牙が何十本と覗き どこまでも、淫らで醜悪な形態は、さらに狂騒に禍々しく見るに耐えない姿となり果てる。 恐怖が狂気を誘発する。 『緋色の獣』はぐいと身を沈めるや、巨大な飛翔体と化してバーサーカーへと躍りかかった。 合わせて、セイバーも両者を殲滅せんと旋回しながら、新たな対神兵装を装填しはじめた。 闇を裂く一陣の光も、肉と骨とを断つ刃の響きも、『緋色の獣』の肺が吐く断末魔の吐気も――認識できなかった。 彼らは地に落ちる重い音を聞いた。 じきに、闘いの音が遠く去り、闇の呪縛が、なお濃くなる気配へ真っ先に眼を向けたとき、 彼らが見たものは、眼下に広がる惨たる焼け野原であった。 その破滅の足音を、この世のものと識別し、ようやく泥沼の闘争の呪縛から逃れ得たかのように、 静かに視線を向けるのであった。 そして耳を潰したくなるようなおぞましい咆哮を上げると 『緋色の獣』の巨体は頭頂から股間まで、磨き抜いた鋼のような鮮やかな切り口を示して、縦に裂けたのであった。
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【元ネタ】史実、説話等 【CLASS】アサシン 【マスター】 【真名】藤原保輔 【性別】男性 【身長・体重】182cm・92kg 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運D 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:B サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を断てば、発見は極めて困難。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【固有スキル】 掠奪の姦計:B 他者を欺き、殺め傷つけ物品を奪っていくまでの思考能力。あるいは悪知恵。 アサシンは『宇治拾遺物語』に曰く、屋敷の蔵の床下に穴を掘り、商人を蔵に呼びつけ物を買ったそばから穴に突き落とし殺していたという。 妖術:B 優れた妖術の使い手であり、大蛇などの妖獣を使役する事が可能。 戦闘続行:B 戦闘を続行する能力。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 アサシンの場合、自害を図り腹を切っても翌日まで死ななかったという。 心眼(真):C 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が数%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 【宝具】 『妖鬼変生・鬼童丸(ようきへんじょう・きどうまる)』 ランク:B 種別:対人宝具(自身) レンジ:0 最大捕捉:1人 物語においてある時はアサシンと術比べをし、ある時は同一視さえされた鬼、鬼童丸への変質。 この宝具を発動すると、幸運を除く全ステータスがワンランク向上し、更にBランクの鬼種の魔スキルを取得する。 体力は毎ターン回復し、更に時間が経過すればより鬼種へと近づき更なるステータスの向上が見込めるが、 長時間発動し続けると、アサシンと鬼童丸の人格が混ざり合い、最悪の場合人格が崩壊し、理性のないバーサーカーの如き状態になる。 【解説】 平安時代中期の人物。ふじわらのやすすけ。 藤原南家巨勢麻呂流、右京大夫・藤原致忠の子であり、兄に道長四天王の一人、藤原保昌がいる。 貴族ではあるが盗賊として有名で、大饗において傷害事件を起こす、検非違使を射る、屋敷への強盗を行うなどの罪を重ねた。 『尊卑分脈』においても「強盗の張本、本朝第一の武略、追討の宣旨を蒙ること十五度」と語られている。 これにより朝廷より保輔を追捕した者には恩賞を与えると発表され、父・致忠が検非違使に連行・監禁される事態となった。 この状況に危機感を持ち剃髪・出家したが、まもなく以前の手下であった足羽忠信によって捕らえられた。 この時自らの腹部を刀で傷つけ腸を引きずり出して自害を図り、翌日その傷がもとで獄中で没した。 これは記録に残る日本最古の切腹だという。 後世においては『今昔物語集』などに登場し、兄保昌と縁のある盗賊袴垂と同一視され、伝説的盗賊たる袴垂保輔となった。 曲亭馬琴による読本においては妖術使いの盗賊として描かれ、この袴垂保輔と鬼童丸による妖術比べが描かれている。 鬼童丸と保輔の妖術合戦を題材とした絵は多く創作され、歌舞伎の中で鬼童丸と保輔が習合されもした。 袴垂説話と鬼童丸説話が綯交ぜられて同一視されすらしたのだ。
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【元ネタ】マヤ神話 【CLASS】バーサーカー 【マスター】 【真名】ヴクブ・カキシュ 【性別】男性 【身長・体重】7.2m・4.3t(通常形態)/75m・???t(翼竜形態) 【属性】混沌・悪 【ステータス】筋力A+ 耐久B+ 敏捷B+ 魔力B 幸運D 宝具A 【クラス別スキル】 狂化:E 正常な思考力を保っており、ステータス上昇の恩恵を受けない。 しかし唯我独尊を地で行くそのメンタリティは、並大抵のバーサーカー以上に意思の疎通を困難としている。 【固有スキル】 光の僭称者:A 自身は太陽であり、光であり、月である。 そう称し人間たちの支配者になろうとしたその傲慢なる野望。 人間あるいは人類のサーヴァントに対して重圧をかけステータスを低下させる。 ただし神性を持つ存在、あるいは神性の加護を受ける存在に対しては機能しない。 またこのスキルが機能している限りバーサーカーには王の属性が付与される。 ナンセの実:C バーサーカーが主食としていたナンセの木の実。 神代の頃の植物であったからかその大きさは現代のそれとは桁が違う。 バーサーカーは召喚された時点でこの実を数個ほど所持しており、食する事で現界の糧とする。 尚魔力を注ぎ種を育てる事で実を栽培する事も可能だが、木が巨大となり目立つ欠点がある。 巨人外殻:A 巨人種の肉体を構成する強靭な外殻。 極めて特殊な組成を有しており、攻撃的エネルギーを吸収して魔力へと変換する。 吸収限界を上回る攻撃(一定ランク以上の通常攻撃や宝具攻撃など)については魔力変換出来ず、そのままダメージを受けることになる。 魔力放出:A 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。 いわば魔力によるジェット噴射。 バーサーカーが魔力を帯びさせると肉体の輝きは増し、当人はこれを星の光だと嘯くが、星気とは無関係である。 但し宝具『絢爛褪せぬ輝矮星』で光に列なる者を喰らったならば、魔力放出(星)へとこのスキルは変化する。 怪力:B++ 一時的に筋力を増幅させる。本来は魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。 バーサーカーは山々を崩壊させる程の膂力を持つ巨人カブラカンの親である事から子と同等の怪力を有している。 【宝具】 『天寵翳らぬ翠龍牙(クシャン・スウム)』 ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:0 最大捕捉:1人 バーサーカーが持つエメラルドの歯であり彼の力の源泉。 高水準の魔力炉心として働き、バーサーカークラスの欠点の一つとも言える魔力消費の激しさを抑えている。 また真名解放を行う事でその力をより引き出し、バーサーカーを本性たる怪鳥…より正しくは翼竜…の姿へと転じさせ飛行能力付与とステータスの向上を起こす。 尚この宝具が何らかの要因で失われた場合、バーサーカーのステータスは低下し、所持するスキルも機能不全となる。 『絢爛褪せぬ輝矮星(フルカアン・カキシュ)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 バーサーカーが双子の英雄神の片割れ、フンアフプーの腕を奪った逸話が昇華された宝具。 相対した相手の任意の部位を掴む事でその部位を奪い取りわが物とし、その部位に何らかの特殊能力があればそれをバーサーカーは行使する事ができる。 そして相手は対象部位を使用する判定にマイナス補正が掛かる状態になる。 ただし奪った対象に対しては宝具『天寵翳らぬ翠龍牙』が奪われやすくなるデメリット効果も存在する。 隠された効果として『天寵翳らぬ翠龍牙』が万全な状態で光に列なる者を喰らうことで魔力炉の活性化と「光の僭称者」のランクアップ及び神性の発現が起る。 …尤もバーサーカーは極度の自信家であるため、マスクデータとしての隠匿性を見込めるかは怪しいところ。 【解説】 マヤ神話に伝わる巨人。その名は「七の鸚鵡」を意味する。 エメラルドの歯と、金と銀で出来た輝く体を持ち、巨大な怪鳥として描かれる事もある。 ナンセの木の実を食べて生活していた。 神々が人類を創造する前に現れた存在であり、神々に反し人間たちの支配者となろうとした。 自らを太陽であり、光であり、月であると称する程の傲慢さに、のちに太陽と月になる双子の英雄神フンアフプーとイシュバランケーは彼を倒そうとする。 双子はナンセの木の根元で待ち伏せし、フンアフプーが吹筒を打ち、ヴクブ・カキシュの顎の骨に当てた。 木から落ちたヴクブ・カキシュだったが、フンアフプーの腕を折り奪っていった。 逃げ延びた双子は、ヴクブ・カキシュの強さの秘密は歯にあることを知る。 そして双子との戦いで負った歯痛に悩まされていた彼の下に治療師を装った双子が現れた。 それに気づかずに治療を任せ、ヴクブ・カキシュは歯を抜かれて力を失う。 更に目玉も抉り抜かれ、衰弱死することになる。
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ちょっと電波を受信したので勢いそのままに書いてみました。 分かる人には分かるネタのようなものですが。 あとこの物語はフィクションです。 間違った過去、誰かが選択を誤った世界。 犯罪結社・フィオナ騎士団の牛耳るアイルランドに、一人の男が舞い戻る。 彼の名は、フィン・マックール。 手には一槍、斃すは5人……魔都アイルランドに報仇雪恨の槍が哭く。 ケルト街~The Unlucky Lancer 部下の裏切りによって死線を彷徨った彼は、一年の時を経てアイルランドに舞い戻るものの、既に裏切り者たちは騎士団の権力を掌握し、 そればかりかフィンの最愛の婚約者、グラニアまでもが辱めを受け殺された挙句、その意識を五体のホムンクルスに分割転写されてしまったことを知る。 怒りに身も心も焼き尽くされたフィンは、自分を裏切り婚約者を殺した者たちへの復讐と、グラニアの意識が記録されたホムンクルスを奪取し、 彼女の意識を再統合させるため、その手に復讐の槍をとる。 仇は五人。 一人また一人と血祭りにあげながら、孤高の槍兵は魔都アイルランドの夜闇を駆け抜ける。 × × 「何故だ、どうして俺の『刺し穿つ死棘の槍』が当たらねぇ!?」 「ふん、当たらない必中の槍とは笑わせる。貴様がいくら呪いの魔槍を繰り出そうと無駄な事。 『全知なる白き指』によって因果逆転のからくりが暴かれた以上、貴様には万に一つの勝機も無い!」 魔槍から繰り出される、因果逆転の呪いを帯びた回避も防御も不可能の刺突を、捌き、躱すフィンの槍が最初の仇敵の心臓を穿つ。 × × 「貴様がそう言うなら是非も無い。貴様お得意の『蝕む黒水』、五手までは見逃してやる。俺が攻めるのはその後だ」 「はっ、内家騎士風情が本気で俺たち外家騎士に勝つつもりなのか?」 「のみならず、殺す気でいる……」 ケルトハルの全身を泡立つような恐怖が襲う。 たかが利器型宝具使いの内家騎士如きに、真名開放型宝具を使う外家騎士の自分が―― × × 「結局俺は人間じゃあねぇ。お前らの腕前の優劣なぞ区別つかんし、騎士道なんぞに拘る気は毛頭ねぇ!」 目の前の復讐鬼に対する恐怖を打ち払おうと、クラン・カラティンは咆えた。 「27人の息子たちと合体したか。やはりお前は槍兵などより狂戦士のクラスの方が似合っている」 今しがたまで騎士団の精鋭たる外家騎士たちを相手に大立ち回りを繰り広げ、些少だが傷を負った筈のフィンは無傷で立っている。、 全ての敵を斬り伏せた後、『全治なる白き掌』で掬った水を飲み、全ての傷を完治させたのだ。 × × 「久しく忘れていたぞ、この血の滾り。今宵の我が『屠殺者』のキレは一味違うぞ、フィン・マックール!」 「貴様ら外家騎士は真名開放型宝具の威力に頼るしか能の無い奴ばかりだな。 まぁいい、この世の見納めに拝ませてやろう、内家利器型宝具の技の冴え、我が槍『血統の青槍』を!」 ピサールにしてみれば、フィンの手に握られた槍は『屠殺者』と比るのも馬鹿らしい、ただの利器型宝具でしかない。 だというのに、あの槍から迸る魔力の量は何だ? 真名を解放した『屠殺者』を遥かに上回る魔力の奔流が、ピサールの総毛だった全身を蹂躙する。 × × 「騎士であるためのよすがを失い、生きたまま守護者に成り果てたか。 仮にもフィオナ騎士団の次期団長と目された貴方が、随分と堕ちたものだ。なぁグラニア?」 「あ……うぅ……」 「ディルムッドォォォ、貴様ぁぁぁぁ――グッ!? ゴホ、ゴホ、ゴホ……」 激昂しディルムッドに飛び掛かろうとした瞬間、フィンの顔が苦悶に歪み、口から大量の血が流れ出る。 「おやおや、苦しそうですね、フィン殿? まぁ負担の大きい『全知なる白き指』をこうも連日使用すればこうなることは分かっていた筈――」 「黙れ! 俺は貴様に復讐するためだけにこの1年を生きてきた。 ディルムッド、貴様が騎士団を裏切り、グラニアを殺した理由を今更問うつもりはない。だが、贖いだけはしてもらうぞ、その命で!」 「出来ますか? 貴方に」 激突する2人。 ディルムッドが2本の真名開放型宝具『大いなる激情』と『小なる激情』を使用すると考えていたフィンの眼に、信じられない光景が映し出される。 ディルムッドが両手に携えた長柄の獲物。それはフィンもよく知る“内家騎士 ディルムッド・オディナ”の宝具、 『破魔の紅薔薇』と『必滅の黄薔薇』以外の何物でもなかった。 「ぐあっ!?」 フィンの身体をディルムッドの槍が穿つ。既に全身傷だらけのフィンに対し、未だ傷ひとつ無く涼しい顔でディルムッドは双槍を繰り出す。 「無駄ですよ、フィン殿! 貴方の『血統の青槍』は我が『破魔の紅薔薇』と打ち合う度に魔力を絶たれる。 その瞬間『血統の菁槍』により向上していた貴方のステータスと対魔力は無効化され、その脆弱な肉体は地金を晒す。 外家の馬鹿どもには通じても、この私にその槍は通じない!」 「くっ、だがまだ『全治なる白き掌』と『全知なる白き指』があれば形勢は――」 「無駄だと言った! 『必滅の黄薔薇』で穿たれた傷の前には『全治なる白き掌』は意味を成さない。 そして『全知なる白き指』を使わせる隙など与えはしない!」 そして決着の時―― 「終わりにしましょう、フィン殿。我が秘奥、戦場に咲いた徒花の心意気――『悲恋繚乱』!」 「未だ開眼至らぬ身なれど、この場で体現できなければどの道命は無い……勝負! 受け継がれし血統は我が代にて滾り、青銅は全能なる白銅へと昇華する。奥義、『正統の白薔薇』!!」 サーヴァントバンク騎士道片 『ケルト街』 ケルト歴333年3月3日発売予定! ――――――――――我はこの一槍に賭ける修羅―――――――――― 登場人物 フィン・マックール 主人公。 外家騎士の真名開放型宝具を利器型宝具で圧倒する内家騎士。人呼んで『白指掌』。 ディルムッドに裏切られ、瀕死の重傷を負うも一命を取り止め、1年振りに戻ったアイルランドで騎士団の変貌と婚約者の死を知り、 自らとグラニアの復讐のため、騎士団に戦いを挑む。 惨殺され分割されたグラニアの意識を再統合させるため、大聖杯を内蔵した少女型ホムンクルスを連れている。 グラニア フィンの婚約者。 惨殺されてその意識を切り裂かれ、5体のホムンクルスに内蔵された小聖杯へと吸い出されてしまう。 クー・フーリン(EXTRA) 幹部の座を手に入れ騎士団を牛耳る4人の外家騎士の1人。人呼んで『四枝浅瀬』。 呪いの魔槍の使い手。 ケルトハル・マク・ウテヒル 幹部の座を手に入れ騎士団を牛耳る4人の外家騎士の1人。人呼んで『黒炎凶犬』。 ペットである3匹の犬を使ってホムンクルスを嬲るのが趣味。 クラン・カラティン 幹部の座を手に入れ騎士団を牛耳る4人の外家騎士の1人。人呼んで『熔合毒血』。 元々は英霊ではなく怪物。27人の息子がいる。 ピサール 幹部の座を手に入れ騎士団を牛耳る4人の外家騎士の1人。人呼んで『魔人王』。 現フィオナ騎士団長の補佐を務める。 ディルムッド・オディナ かつてのフィオナ騎士団におけるフィンの部下であり、騎士団随一の戦士であったが、今は最大の仇敵。人呼んで『輝貌麗人』。 騎士団の副団長であり、老齢のコールマックを差し置いて事実上騎士団を牛耳っている。 かつては利器型宝具を扱う内家騎士だったが、現在は強力な真名開放型宝具を扱う外家騎士となっている。 2本の槍を2本の剣に持ち替え、槍から剣の騎士へと鞍替えしたらしいのだが…… 言峰綺礼 幹部たちが持つ5体のホムンクルスと、フィンが連れているホムンクルスの製作者。人呼んで『外道神父』。 かつては悩める求道者だったが、『この世全ての悪』の存在を知り、人の嘆きや絶望を悦とする破綻者として覚醒した。 己の人生に解答を得る為、幹部たちがグラニアの意識を霊核転写しホムンクルスに記録することに協力した。 青セイバー 黒セイバー 白セイバー 赤セイバー グラニアの意識を分割転写された5体のホムンクルスの4体。それぞれ容姿は微妙に異なる。 幹部の4人に与えられており、それぞれの下で様々な扱いを受けている。 グラニア フィンの婚約者だったグラニアの意識を分割転写されたホムンクルスの1体で、ディルムッドが所有。 外見は生前のグラニアに瓜二つの美女。 コールマック・ マックアート フィオナ騎士団の団長でグラニアの父。 自らも真名開放型宝具に頼らない内家騎士だったが、外家騎士を取り込み騎士団の実験を握ろうとした副団長のディルムッドに殺害される。 ディルムッドの虚言により、グラニアはフィンに殺されたと騙されたまま死亡。 フーリン兄弟 槍とルーン魔術を武器とするフィオナ騎士団の戦士。 兄のクー・フーリン(SN)と弟のクー・フーリン(PT)からなる双子の兄弟。人呼んで『不幸槍犬』。 かつてのフィンの先輩にして好漢。クー・フーリン(EXTRA)とは無関係。 コンラ フィンを慕う、騎士団の見習い。
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【元ネタ】史実、ファウスト伝説、ゲーテ著「ファウスト」 【CLASS】キャスター 【マスター】 【真名】ヨハン・ゲオルク・ファウスト 【性別】男性 【身長・体重】178cm・73kg 【属性】混沌・中庸 【ステータス】筋力E 耐久D 敏捷C 魔力A 幸運A 宝具A 【クラス別スキル】 道具作成:B 魔力を帯びた器具を作成できる。 キャスターは高名な錬金術師であり、あらゆる魔導器を作成可能。 陣地作成:C+ 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。 工房より規模は小さいものの、極めて能率的な実験室を構築する。 【固有スキル】 探究:A 常に上を目指し星さえ掴もうとする無限の欲望と飽くなき好奇心。 学問に傾けば叡智を湛える賢者となり、享楽に傾けば数多の愉悦を貪る俗悪となる。 しかし尽きない欲望は充足を追求する程、却って永遠の欲求不満と言うべき空虚感を際立たせる。 悪魔憑き:A+ 契約悪魔による「願いを叶える」という加護、あるいは霊障。 キャスターは無条件で幸運判定をパスし、特定の条件なくしては解決し得ない難題の解をも導く。 欲望を具現化する幼稚であるが故に強力な因果の補正だが、必然使い方を誤ると使用者どころか周囲の人間すら破滅させる。 欲望の制御ができない人物には使いこなせない高等スキル。 基本的にキャスターに僅かでも関わった人間は大惨事が約束される。 黄金律(凶):B 人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命ではなく、信仰による金銭欲の充足を他者に与える精神汚染。 キャスターの称する「無尽蔵の財貨」を信じた者に手形を与え、その者の財産の使用権を獲得する。 隣人を誑かす程度の嘘は時に、払底した国庫より湧き上がる泡銭をも作り出す。 召喚術:A- 過去、あるいは未来から霊体を喚起する魔術。 キャスターは通常の使い魔は呼び出せないものの、悪魔や英雄と言った高級霊を自在に現世に召喚できる。 正確には自身の「劇場」から投影した贋作であり、そのものに迫る能力はない……が、その特性上、「壊れた幻想」によって召喚物に自爆特攻させる戦法が成立する。 なお、契約悪魔の現界はこのスキルに依存しない。 【宝具】 『魔宴交響楽団(ヴァルプルギス・ナハト)』 ランク:A 種別:対心宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:- 悪魔達の饗宴と博士が夢見た古典的神話世界が融合した舞台装置。 この舞台に誘われた対象は様々な役者や建物が乱雑に配置された情景に閉じ込められる。 この空間は対象の自己実現願望を写し出す心象鏡像であり、空想力豊かで大欲を抱くほどに舞台はより拡張され、毒々しく彩色されていく。 抵抗判定に失敗すれば対象の時間感覚は消失し、次第に酩酊と共に自我を肥大化させ、刷り込まれた偽りの人生を本物と思い込んでしまう。 この舞台は対象が抵抗判定に成功した時点で崩壊し、効果継続ターンに応じてダメージを与える。 都合の良い夢に耽溺した愚か者を死の微睡みに捉え、絶頂に至った瞬間に舞台から突き落とす悪魔の固有結界。 『時よ止まれ、汝は美しい(フェアヴァイレ・ドホ)』 ランク:C 種別:対魔宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1人 天上の序曲において天主が語った問答の答え。あるいは博士が到達した人生の意義。 発動と共に一条の光が地上へ降り注ぎ、レンジ内の一名を状態異常から解放し、強化状態を固定化する。 ここでいう異常とは魔術や契約あるいは既に発動してしまった呪い、精神的な汚染状態、先祖や伝聞によって受け継いだ宿業などを指す。 この奇蹟とは即ち、人が内に抱え込んだ「弱さ」と呼ぶものを昇華する、教会の聖人級の御業に匹敵する悪魔祓い。 しかし能力の殆どを契約悪魔に依存するキャスターは、発動と共にサーヴァントとしての力を喪失してしまう。 【Weapon】 『光り輝く灼熱の鍵』 さるトロイア戦争の召喚を求められたキャスターに契約悪魔が与えた礼装。 虚数魔術を行使する錫杖であり、地母神に連なる「香炉」へと触れることで英霊召喚さえも可能とする。 もっともこれは悪魔の言葉であり、それが全くのデタラメであるという可能性は否定できない。 【解説】 16世紀ドイツの神学博士(ドクトル)の一人であり、魔術史においては卓越した錬金術師としてホムンクルス技術を数世代進めた人物。 年老いてなお膨れ上がる名誉欲と惰性で研究を積み重ねる様を自我を非常に強く鋳造したホムンクルスに「つまらない」と切り捨てられ実験中に爆殺される。 生前、マルティン・ルターから悪魔の力を得たと非難されていたことから、その最期は多くの文学に取り込まれ、ファウスト伝説が生まれた。 人生に満足できない野心家が一時の成功の為に魂と倫理を手放すという構図はファウストの死後200年後、ゲーテによって真に昇華されることとなる。 伝説において学問の限界と肉体の限界に絶望し自殺を図ろうする博士の前に悪魔は契約を持ち掛ける。 「この世の全ての快楽を以て、その魂を満たしてみせよう。それが叶えば死後に魂を貰い受ける」 悪魔の導きで青春の恋愛、宮廷の権力、美の追求と様々な人生を体験するも全て最後は悲劇に終わった。 百の年月の果てに己の憂愁を振り払った博士は万人の為の理想国家の建設に立ち向かう。 盲いた博士にもはや我欲の情動も悪魔の助力も必要なく、人々が互いに助け合う美しい国を思い浮かべながら絶賛と共に息絶えた。 悪魔は契約に従い博士を連れ去ろうとするが、遂に己の大欲を昇華した魂はかつて愛した女に導かれて天高く昇っていくのだった。
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【元ネタ】Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 【CLASS】キャスター 【マスター】 【真名】美遊・エーデルフェルト/朔月美遊 【性別】女性 【身長・体重】134cm・30kg 【属性】秩序・善 【ステータス】筋力E 耐久D 敏捷C 魔力A 幸運C 宝具A 【クラス別スキル】 対魔力:B 魔力に対する抵抗力。カレイドの魔法少女には自動的に防御効果が発揮されている。 FGOではサーヴァントとの戦力差を考慮してか、ランクが下げられている。 無限の魔力供給:B カレイドステッキの機能。平行世界からの魔力供給により、無限の魔力を与える。 ただし、常時無制限という訳ではなく、一度に扱える量は個人の資質に左右される。 【固有スキル】 愉快型魔術礼装(妹):A ヘンテコステッキの妹の方。 ハイテンションな姉に比べ、落ち着いていて理性的。が、やはり人工天然精霊の性か、マスターを振り回し、面白おかしい事態を引き起こしてしまうやっかいさは、あんまり変わらないのであった。 なお、契約者のコスチュームはなぜか姉に比べてやや露出が多くなる傾向がある。 少女の意地:B 美遊の意志の強さがスキルへと昇華したもの。 高潔な決意は生半なことでは揺るがず、致命傷を受けても戦闘続行を可能とする。 これは生来のものではなく、様々な経験を経て獲得した精神性である。 だがもしかしたらその頑固っぷりは、兄に似たのかもしれない。 ゲーム上での効果は、自身にガッツ・弱体無効化状態(各3T・1回)を付与。 神稚子の願い:EX 美遊が持つとある性質を、ごくわずかに開放するスキル。 ゲーム上での効果は、味方単体のNP増量(20~30%)と強化成功率UP(3T)。 催眠電波:A サファイアに搭載されている、謎の機能。強力な催眠効果のある電波を撒き散らし、周囲の人間の記憶や認識を書き換える。 悪用すれば一国が滅びかねないスキルだが、ルビーとは違い面白半分で乱用したりはしないので、そこはご安心いただきたい。 なお、脳に負荷がかかるためか催眠にかかった人間のIQは1低下する。 【宝具】 『星天を照らせ地の朔月(ほしにねがいを)』 ランク:EX 種別:対人~対界宝具 レンジ:1~??? 最大捕捉:??? 人の願いを無差別に叶えてしまう神稚児の性質を一時的に制御し、限定的に願望を実現させる。 「人理を守りたい」というマスターの願いのみに焦点をあてることで成り立つ宝具であるため、何よりも信頼関係が大事となる。 内に秘めたささやかな思いは、月ではなく星に願うのだと彼女の兄は言った。 願いを束ねて輝く地上の月は、虚空の彼方に光を投げる。 【解説】