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ローンを組んで引っ越してきた家にも大分慣れた 幼稚園に通う娘も、子供らしい適応能力でしっかりと私達よりも馴染んでいた。 毎日元気に通っている。 外でも元気に遊ぶ。 新しい友達もできたようだ。 ただ―――― 私達両親に何か隠し事を持ち始めたようだ。 子供ならば、それは当たり前の事で、今までそんな事がなかった方がおかしいかもしれない。 どうやら、「秘密のお友達」ができたらしい。 聞きなれない、変わった名前をよく口にするので、近所や幼稚園の子供の名前かと思っていたが、 そんな変わった名前の子供はいなかった。 問いただしても、その名前を連呼するだけで、明確に答えてくれない。 空想上の友達なのだろうか? それも、珍しい事ではない。ただ、しっかりと現実の友達はいつもいるのだし、今までそんな事はなかった。 ただ、一人で家で遊ぶ時、屋根裏部屋や、物置―――もしくは、寝室の押入れなどに篭る事が多くなったのだ。 子供部屋も用意しているのに。 前の家では、それ以外では、リビングルームなどでいつも遊んでいたし、私に一緒につきあうようにせがんできた。 それが、なくなった。 そして、きまって一人で誰かと会話している 無論、他に応える者はいない。 これは――――空想上の友達、という遊びの域なのだろうか? 実際に、口数が少なくなったと感じるのも、気のせいだろうか? そういえば―――――主人に対してでもそうだが―――――時折私を見つめる目が鋭い気がするのだ 娘は、私に何を感じ取っているのだろう。 そんな少し歯がゆい気持ちで過ごしていたある日、幼稚園から帰ってきた娘は、そこで撮影した写真を見せてくれた 「あら、よく撮れてるじゃない」 「みんなで、こうえんであそんだときにせんせいがとってくれたの!!!」 我が家の近くの公園だ。休日にはたまに一緒に遊ぶ。 そして――――6枚ほどめくった時、 私は、 それを、 発見した ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 1999.5.30. ┃ /. . . . . . ;. . .;. . . i. ,へ . .、 .、 . . . ゙, _,,_ .┃ /. . . . .;. . .! . .| . l. |. { l ト;⊥_! .i . . i -'' \ .┃. l. . !. . . l. . |! ,ィチ厂i| |l | 」_「ハ . .l | ;ノ´∨\_,. -‐ァ _ __ !. |. /. .{ l. lヘ |!- ミヽ 1 d〉ヽ .ト _,.!イ,.ヘーァ'ニハ'ヽ、ヘ,_7 r , -`―'- 、イ、 l. !/ . .;;} l . lYち ! ,`´,, . rー''7コ|_,‐"リ´V、!__ハ イi イ人ルレ ン、 'ヌヽf ハ .lヽ `゙´ _.. - i !イ´,'イ ノr=- r=ァY.i ! /r=- r=ァ | i、| Yl |Yヽ、キi l ''' l | イ ! ( ,ハ" ー=‐' ノ人 (" ー=‐' " []ノ i ノ| | !N . . . . >-_ ._ゝ-_ イl| ,)、 .ヘ,、)― ‐'´''レヽ `ー―――'レル' `l ´j .|z リ〈rー―tコ' ̄ 〉 「――――何『コレ』?」 「『これ』ってなあに?」 r=- r=ァ r=- r=ァ 「いや、『コレ』よ『コレ』 この、 " ー=‐ " ー=‐ " な顔した、お饅頭みたいな生首達のこと」 「れいむちゃんとまりさちゃんのこと?」 ――――娘がいつも言う、「秘密のお友達」 の名前が、 それだった 「こいつらが『レーム』と『マリサ』!!? こんな生首が?」 「『なまくび』ってなあに?」 「何でこいつ等首しかないの?胴体は? っていうか………大きさも……」 「どうたい?くびだけ? なんのこと?」 「写ってないだけ!!? 何なの?いたずら?」 にしては、異様に出来がいい。 まったくそこに当たり前のように、ゆったりと余裕綽々な表情で、2体は写真に写っている。 私は、思わず娘の肩を掴んで問いただしてしまった 「一体何なのこいつら!!? いっつもあなたが勝手に妄想して遊んでるだけの友達じゃないの!!? 『レーム』も『マリサ』も何者よ!!?」 「れいむちゃんはれいむちゃんだし、まりさちゃんはまりさちゃんだよ!!! いつもふたりともそういってるよ!!!」 ―――そんな事も解らないの? と、鼻で笑うように娘は返した。 いつものやりとりだった。 我慢ができずに、私は…………軽くだが、どれだけ久しぶりだかに…………娘に手をあげた 娘は火がついたように泣き出した。 そして言った。 「いつもおうちにふたりともあそんでるのに、どうしてママ、きづいてくれないのお!!? ほんとうにみえないの?」 ―――と、タイミングが悪い時に、玄関のチャイムが鳴る。 こんな時に誰だと舌打ちしつつ、玄関に出た。 いつもの客がいた ,.‐‐、 ,.--、 く__,.ヘヽ. / ,ー、 〉 \ ', !-─‐-i / /´ / `ー' ー' ヽ / /, /| , , ', どうですかいな奥さん 絶対損はさせまへんで。 イ //-‐/ i L_ ハ ヽ! i これから娘さんの学費も跳ね上がるだけですて。こないな商売、 レ ヘハi ( ゚ ) ( ゚ ) ト、!| | アメリカ辺りじゃ高校生かて皆やってますわ !, |7"" .. "" 、ソ | ∬ | 从 'ー=三=-' 从 | _ ∫ レ'| i> .,,_ __ イ/ .i =|л=・ レ'| | / k_7_/レ'\i |, ( E) ―――う~ん……… 魅力的ではあるんだけど、夫も反対していて……… まだふんぎりが着かない所が……… 本当にこの話には乗りたい。最初に言ったが、ローンもまだ残っているし、お金はいくらあっても足りないのだ。 何回目か解らないが、またいつもの話をしていると…… いつの間にか泣き止んだ娘が後ろに立っていた そして、真っ赤な目で言った 「ママ、 なんで、だれいもいないのに、おそとでおはなししてるの?」 これまた奇怪な作品デスことww -- 夢の東方タッグ戦の魅力 (2009-06-25 16 18 46) どういう話なんだよww てか娘さんにアレがみえないのは幸いだなw -- あははw (2011-07-28 12 35 11) 名前 コメント
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Ver. 2.0EX1 カードNo. 2-0-124 種類 ユニット レアリティ UC 名称 彼岸のメイカ 属性 紫 種族 精霊 CP 2 BP 3000/4000/5000 アビリティ ■学んだ和心このユニットがフィールドに出た時、このユニットの行動権を消費する。あなたの紫ゲージを+2する。 ■ブロッカーこのユニットがブロックした時、ターン終了時までこのユニットBPを+2000する。 一手で紫ゲージを+2できる小型ユニット。 他のゲージ+1効果と合わせることで、早い段階から▲3が条件のインターセプトが発動可能になる。 中盤以降でもゲージを大量消費する大型ユニットからのリカバリーとして扱いやすい。 デメリットとして、場に出ると行動権を失う。 相手の【スピードムーブ】や【呪縛】などを考慮しなければ大きなデメリットではなく、 先攻初手でもデメリットをカバーできる。 ■ブロッカー も持つが素のBPは低く、特にバーン効果に対する安定性はあまりない。 フレーバーテキスト 異国の文化に触れ多大な影響を受けたブロンドの女性型プログラム。影響を受けすぎた結果、奥ゆかしいを通り越し少々引っ込み思案な性格になってしまった。 ユニットボイス タイミング ノーマル フォイル 効果発動時 お祈りを 花を手折るの? アタック 礼儀知らずね 花はお嫌い? +エラッタ 2016年08月30日付修整リスト(Ver.2.0EX1_02) BP5000/6000/7000 BP3000/4000/5000 関連項目 デッキ紫単 イラスト大好物 共通モデル・モーション彼岸の玲花
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前へ 「・・・・ねえ。」 舞美ちゃんの家から仕事場に一緒に来た私は、楽屋の鏡の前でぼんやりしている千聖の横に立った。 「舞、さん」 「話があるから一緒に来て。」 腕を掴んで立ち上がらせて外に出ようとしたら、栞菜となっきぃが前にたちはだかった。 「ちょっと待って、舞ちゃん。栞菜も舞ちゃんに話があるんだ。ちっさーにも聞いてほしいから、ついていっていい?」 「舞ちゃん、私も。おとといの夜のこと、ちゃんと話したい。謝りたいよ。」 「2人とも、舞はちっさーと2人で話したいんだって。後でいいじゃないか。」 「でもっ」 ・・・ああ、そうか。 私がこの千聖のことをいじめるんじゃないかって、心配してるんだね。 無理もない。私は自分の感情にまかせて、かなりひどい仕打ちをしてきた。 挨拶無視にはじまって、一昨日はついに直接本人を責めた。 なっきぃはその現場にいたわけだし、栞菜の耳にだって入ってないわけがない。 愛理は私を睨んでいる。えりかちゃんは「舞美・・・」と何かいいかけて口を閉ざした。 皆にいじめっ子認定されちゃったわけか。でもそれも、自分の起こした行動が生んだ報いというやつなんだろう。 「別に、何にもしないよ。」 「でもさ、実際に舞ちゃんちっさーのこと」 「栞菜。早貴さん。」 その時、ずっと黙って私に手を引かれていた千聖がもたもたした口調で喋り出した。 「私も今舞さんと、2人で話がしたいわ。私が先ではだめかしら。」 「ちっさー・・・」 ちょっとボーッとしているみたいだ。顔色が悪くて隈が出ているから、寝不足なのかもしれない。 でも、はっきり「舞さんと話したい」そう言ってくれた。 「ごめん、もう行く。ちょっと時間がないんだ。」 「時間って、どういうこと?」 「ほらほら、舞がそう言ってるんだからちょっと2人にしてあげようよ。さ、行って。みんなは舞美のところに集合!」 ありがとう、お姉ちゃん。 きっと今回の事件について、みんなに話してくれるんだろう。 私も後でちゃんと、なっきぃと栞菜の話を聞かなきゃいけないな。 「こっち。ついて来て。」 ちょっと奥まった自販機の前に千聖を連れて行くと、 「おごって。」 と唐突に言ってみた。 「えっ・・・」 「前の千聖なら、舞におごってくれた。」 「・・・・ええ。」 千聖は困惑した表情で、ジュースを差し出してきた。 「舞の好きなやつだ。忘れてなかったんだね。」 「舞さんは、いつもこれを選ぶのよね。もちろん覚えているわ。」 微笑む顔につられて、つい表情を緩めてしまった。 この千聖と笑いあうなんて、これが初めてだ。 「・・・一昨日の、夜なんだけど。」 一呼吸置いて、私は本題を切り出した。 「ごめんなさい。舞が悪かったです。」 「舞さん、待って、頭を上げて。舞さんは悪くないわ。」 千聖の手が、私の手を包み込んだ。 「以前の私がどんな性格だったのか、自分ではわからないれど、本当に全く違うのでしょう? ずっと仲良くしてくれていた舞さんが、今の私を拒絶するのは仕方がないと思うの。 でもね、・・・たとえ舞さんが私を嫌いになってしまったとしても、私は舞さんが好き。 どうか、この気持ちだけは拒まないで。」 「もういいよ、わかったから。」 これ以上聞いていたら、また心が乱れてしまいそうだった。 動揺しているのをごまかしたくて、千聖の目元に手をやった。 「ひどい顔してる。また泣いてたんだ。あと、寝てないでしょ。顔色ヤバいって。」 「そん、なにひどい?」 「最悪だよ。アイドルなのに。 ・・・・・あの、さっきは、気持ちをきかせてくれてありがとう。だから、舞の話も聞いて。」 もう逃げない。 千聖の目をまっすぐに見つめながら、私は昨日舞美ちゃんと考えた事一つ一つを言葉に変えていった。 次へ TOP
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めいどさんへぶん【登録タグ め レッドカードP 曲 神威がくぽ】 作詞:レッドカードP 作曲:レッドカードP 編曲:レッドカードP 唄:神威がくぽ 曲紹介 サ骨です。ゆううつやわあー。 歌詞 柔らかな朝の陽が 部屋の窓を叩いている 穏やかにメイドさん 部屋のドアの向こう側 朝食ができている 食卓の上温かく 穏やかにメイドさん 後ろにいる 微笑んで 気がつけばそこにも メイドさんの気配 千年の監視者のように 千人のメイドさん メイドさんのヘヴン お世話役 フリルのついた服の群団 あの世は"ここ"よと メイドさんのヘヴン いたずらに 地獄の果てでも待っている 天国は"そこ"か 夕暮れの寒空に 僕の帰りを待っている 穏やかにメイドさん このラインの向こう側 今日もまたいつもの リアルな鬼ごっこ 千年の監視者のように 千人のメイドさん メイドさんのヘヴン 今日も行く 苦しみを唄うこの歌さえ うつつは"どこ"へと メイドさんのヘヴン 時の果て 夢なら覚めてよ うなされては この世は"そこ"と メイドさんのヘヴン お世話役 フリルのついた服の群団 あの世は"ここ"よと メイドさんのヘヴン いたずらに 地獄の果てでも待っている 天国は"そこ"か コメント メイドさん怖~~~~~い(゜Д゜)!! -- 名無し (2012-05-15 16 07 48) メイド…メイド…あ、そうか冥土か -- 支援射撃隊隊長 (2012-08-17 18 40 14) 名前 コメント
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493 名前: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga] 投稿日:2011/03/17(木) 13 53 11.85 ID 1PHjPp0ko [1/2] 2月が過ぎようとしていて、日ごとに暖かくなっていくのを実感する。 来年の今頃は俺も受験で忙しくなっていることだろう。俺としても、残り少ない高校生活ってやつをを有意義に過ごしたい。 沙織たちと一緒にわいわい騒ぐのも決して嫌いじゃないし、むしろ楽しいのだが、やっぱりたまにはのんびり過ごす時間が欲しい。 そんなわけで、俺は休日の朝から幼馴染の家で日向ぼっこと洒落込んでした。 空には雲ひとつなく、気温はほんの少し肌寒いくらい。日向ぼっこには最適だ。 暖かい春の日差しの中の日向ぼっこも悪くないが、こんな季節の日向ぼっこの方が太陽の暖かさを感じることができて俺は好きだ。 「きょうちゃん」 縁側に座り、足を投げ出すような恰好で仰向けに寝転んでいた俺に、幼馴染が声をかけてきた。 ゆるい喋り方が特徴のこいつは田村麻奈実。俺の幼馴染にして、和菓子屋・田村屋の娘である。 「お茶入ったよ」 「さんきゅー。ちょうど喉が渇いてたんだよ」 急須と二つの湯呑が乗ったお盆を持ってきた麻奈実が俺の隣に腰を下ろす。そして、こぽこぽと湯呑にお茶を注いでくれた。 こいつが淹れてくれるお茶って妙に美味いんだよなあ。こいつの腕がいいのか、田村家のお茶葉が良質なのかは知らないけどさ。 身体を起こし、麻奈実から湯呑を受け取り、ずず……と音を立てて茶を飲む。 「……ふう」 本当に落ち着く。こんな時間がいつまでも続けばいいのにと思ってしまう。 と、俺はにこにこと笑う麻奈実に気が付いた。いや、こいつがにこにこしているのはいつものことなんだけど、ただのにやけ面とは違ったんだ。 多分、この違いがわかるのは世界で俺一人だろう。 「どうした?」 「んふふ~。きょうちゃん、おじいちゃんみたいだなあって」 「……悪かったな、爺臭くて」 そういうお前は婆さんみたいなくせに。俺もおまえにだけは言われたくないよ。 今まで何度繰り返したかもわからないやりとり。だけど、だからこそ俺の最も落ち着く場所はここだと断言できる。 湯呑を一旦お盆に戻し、再び仰向けに寝転がる。 今日は昼まで日向ぼっこして、昼からは気温も上がるだろうし公園にでも散歩に出掛けて…… 脳内で今日一日のんびり過ごすための予定を立てる。こんな平穏な休日は久しぶりだ。 『SECRET×2 OF MY HEART I SHOW YOU IT なう。 だ・か・ら 人生相談っ!ちゃんと 責任持って聞いてよね~♪』 唐突に俺の携帯の着信メロディが流れる。 黒猫風に言うならばそれは、俺を平穏な休日から引きはがす悪魔の呼び声だった。 が、俺はそれを無視。そして、慌てず、静かに携帯の電源を切る。 「よかったの、きょうちゃん?」 「いいんだ。今日はゆっくりしたい気分だったからな」 あいつらとわいわい騒ぐのは嫌いじゃないが、俺にはやはりこんな風にほのぼの過ごすのが性に合っている。 ビバ凡庸、ビバ平穏な日常だ。 そして、隣にこいつがいてくれればもう何も言うことはない。 「?」 幼馴染は、俺の視線の意味を理解できず頭上に?マークを浮かべている。 「ふあぁ……ねみい」 「じゃあ、お昼寝しよっか」 そう言うと麻奈実はてきぱきとお茶を片付け、座敷から座布団を取り出し即席の枕を作る。 そのまま二人して横になり、会話もせず、ただひたすらにぼーっとする。 こいつといる限りずっとこんな日々が続くのだろう。それこそ一生な。 「それも、悪くないな」 暖かな日差しの下、俺はそんなことを考えながらそのまま眠りに落ちて行った。 俺の妹が身長180cmなわけがない麻奈実√ おわり
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松山「メイドウィンに復讐する」 松山「アイツのせいで全てが歪んで、俺たちはクソみたいな物語に巻き込まれた」 松山「その次はカーレッジだ、今はあの嘘まみれの怪物を倒す」 松山「小説の中では皆の中心で最強で最高のスーパーヒーロー」 松山「だがメッキを剥がせばそれは、ちゃんとしたことは何もやり遂げていない、軽い設定しか生えてない生粋のろくでなし」 松山「だからガレット、お前だけが頼りだ」 松山「お前と俺達被害者であるキャラクターがあいつとあいつのガタガタな余興を終わらせるんだ」 ーーーー メイドウィン「ねぇねえカーレッジ!!」 メイドウィン「凄いの見つけた!!」 カーレッジ「どうした?一体何があったというんだ」 メイドウィン「見てよこれ!!金と銀のクレヨンがあった!」 カーレッジ「折り紙ならまだしもクレヨンで金と銀!?ありえるのか……」 ※あるにはあるらしい メイドウィン「これまでクレヨンでメイドウィン作る度に死んでたりやる気無かったりしてたけど……」 メイドウィン「これだけレアなクレヨンならいけるんじゃないかな!?」 カーレッジ「確かに」 カーレッジ「ちょっと俺も手伝おう……」 銀『バジル・メイドウィン・銀翼』 金『ゴルド・メイドウィン・ドールズ』 メイドウィン「おーー!!なんか強そうなの出てきたぞ!」 カーレッジ「これでようやく、お前も……」 メイドウィン「………あれ、そもそも俺何させようとしてたんだっけ?」 カーレッジ「作りすぎて最初の目的すら忘れている……ダチョウかお前は…」 カーレッジ「小説だよ小説、また話の続きでも書いてもらうんだろ」 カーレッジ「そして、このメイドウィンワールドを極限まで発展させるんだ!」 メイドウィン「あ、そうだった!」 メイドウィン「何せ俺の家とその周辺しか未だに作られてないもんね!」 カーレッジ「ちゃんと設定を練らないからだ………」 カーレッジ「こいつらに細かい設定は作らせよう、お前はまた適当にそれっぽい話を作れ」 メイドウィン「了解!」 ……… 松山「笑えるぜ」 松山「小説カキコじゃ、イキイキと皆のために活躍してるメイドウィン様が」 松山「実際は上位存在の言いなりなんだからな」
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61. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 14 20 30.99 ID 2AdYb.AO 唯「カービィのハンマーは無敵だよー」 澪「わ ぅわ 避けて避けて」 梓「はーい掴みますよー」 律「ファルコンパーンチ」 紬「澪ちゃん マリオはマントを起点に戦うのよ」 唯「スマブラはおもしろいねー」 梓「そうですねー」 唯「ずっとこうしていっしょに遊んでたいね」 梓「はい みんなでいっしょに」 62. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 07 39.37 ID 2AdYb.AO 紬「梓ちゃんはチーズケーキとモンブランならどっちが好き?」 梓「イチゴショートは?」 紬「殿堂入りよ」 梓「だったらチーズケーキですね」 紬「いいお知らせと悪いお知らせがあるわ」 梓「いきなりですね」 紬「まず悪い方 今日のケーキはモンブランなの」 梓「えー」 紬「つぎいい方 明日のケーキはチーズケーキに決まりましたー」 梓「おぉー」 63. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 13 38.51 ID 2AdYb.AO 律「澪ー」 澪「どうした?」 律「私のカチューシャ何色がいい?」 澪「黄色」 律「黄色は今つけてるんだって」 澪「黄色」 律「元のままが一番、と?」 澪「そう」 律「そっか」 64. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 19 08.82 ID 2AdYb.AO 唯「うーいーアイスー」 和「どうして私の前で憂を呼ぶのかしら」 唯「あれー」 和「ほらしゃんとして」 唯「わー」 和「失礼ね 私の名前はのどかだってば」 唯「えっ?」 和「えっ?」 65. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 23 12.84 ID 2AdYb.AO 梓「ムギ先輩?」 紬「なに?」 梓「ムギ先輩って体温高いんですよね」 紬「えぇ」 梓「じゃあ夏は他人より暑いんですか」 紬「文明の利器が私を助けてくれるわ」 梓「文明の利器?」 紬「エアコンよ」 梓「なるほど」 66. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 26 24.52 ID 2AdYb.AO 律「澪ー漫画貸してー」 澪「ダメ」 律「どして」 澪「ダメだからダメ」 律「えー」 澪「どうしても読みたいならこの部屋で読んでいきなよ」 律「じゃあそうするー」 澪「やった」 律「?」 澪「えへへ」 律「?」 67. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 32 13.66 ID 2AdYb.AO 唯「和ちゃん」 和「何?」 唯「和ちゃんはどうして和ちゃんなの?」 和「親がそう名付けたからよ」 唯「そうじゃなくって」 和「やめましょう唯」 唯「?」 和「敵国同士の私とユイエットが結ばれることは決してないのよ」 唯「そうじゃなくって」 69. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 52 44.83 ID 2AdYb.AO 紬「じゃーん」 梓「カラーコンタクトですか」 紬「そうよ」 梓「しかも片方だけ」 紬「かっこいいでしょ」 梓「えー」 紬「ツムギビーム」 梓「違います」 紬「えー」 70. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 20 54 39.79 ID 2AdYb.AO 澪「ここにネコミミがあります」 律「へぇー」 澪「律につけます」 律「にゃあ」 澪「取ります」 律「あー」 澪「つけます」 律「にゃあ」 71. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 21 00 05.85 ID 2AdYb.AO 唯「私は和ちゃんがどうして和って名付けられたか知りたいんだよ」 和「長くなるわよ」 唯「ちゃんと聞くよ」 和「じゃあ話すわ」 和「私は日系スペイン人と日系ブラジル人の間に生まれた子なの」 和「それで両親は私が誰より日本人であれるようにと願って和と名付けたのよ」 唯「へぇー」 和「ここまでが前置き」 唯「結論でたよ?」 72. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 22 35 45.88 ID 2AdYb.AO 梓「本当に頭のいい人とは」 梓「難しいことを簡単に伝えられる人だと聞きました」 紬「へぇー」 梓「でも」 梓「国語の教科書の文章は難しくてたまりません」 紬「そうね」 梓「だから」 梓「国語の教科書の文章を書いた人たちはみんな馬鹿なんですよ」 紬「梓ちゃん国語の成績下がった?」 梓「あぅ」 73. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 22 59 35.13 ID 2AdYb.AO 澪「ねぇ」 律「なにさ」 澪「2話の私のポニテ気づいた?」 律「いや」 澪「なんと」 律「じゃあ今して」 澪「やだ」 律「えー」 74. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 23 02 05.98 ID 2AdYb.AO 和「メイド」 唯「ドリアン」 和「ンゴロンゴロ保全地域」 唯「金銭」 和「ンダモシテX」 唯「スターリン」 和「ンジャメナ」 唯「生出演」 和「…負けたわ」 和「ん攻めは卑怯よー」 唯「へへーん」 76. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 23 49 33.93 ID 2AdYb.AO 梓「たとえば君がー傷ついて」 紬「くじけそーになーったときは」 梓「必ず僕がそばにいて」 紬「ささーえてあげるよ その肩を」 梓「いい曲ですね」 紬「ホント」 77. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/18(日) 23 55 54.40 ID 2AdYb.AO 澪「私は秋山澪だぜー」 律「なんだなんだ」 澪「昔律が教えてくれたんだぜー」 澪「自分に自信を持つ秘訣だぜー」 律「そうだっけ?」 澪「そうだぜー」 澪「自信満々に見えるんだぜー?」 律「見えるんだぜー」 澪「よかったんだぜー」 78. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 00 05 05.98 ID BTQUqcAO 唯「和ちゃんメガネ貸して」 和「いいわよ」 唯「和ちゃんのメガネは赤色メガネ♪」 唯「夕焼け雲を飛んだから 飛んだから〜♪」 和「なにそれ」 唯「私、知的に見える?」 和「メガネがないからなんにも見えないわ」 唯「えー」 81. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 18 00 57.21 ID BTQUqcAO 梓「ムギ先輩事件です」 紬「どんな?」 梓「学校に魔法使いが侵入しました」 紬「あらあら」 梓「国語の授業のとき私にラリホーをかけていきました」 紬「へぇー」 梓「いつまた奴が襲ってくるかと思うと朝も起きれません」 紬「ふーん」 梓「ムギ先輩助けてください」 紬「はいコーヒー」 梓「わーい」 82. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 18 08 49.29 ID BTQUqcAO 律「澪ー」 澪「なにさ」 律「かくかくしかじか」 澪「まるまるうまうま」 律「ツー」 澪「カー」 律「さすが澪だな」 澪「さすがでしょう」 83. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 18 15 29.77 ID BTQUqcAO 和「唯はケーキの話題で目覚めたのよね」 唯「そうだね」 和「だったら」 和「よい子眠々拳も突破できるのかしら」 唯「できるかもね」 和「さすが」 唯「えへへ」 85. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 18 37 43.20 ID BTQUqcAO 梓「唯先輩のギターはギー太」 紬「澪ちゃんのベースはエリザベス」 梓「私のギターがむったん」 紬「決定じゃないけどね」 梓「じゃあムギ先輩のキーボードは?」 紬「キー坊」 梓「ダメです」 紬「えー」 86. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 18 50 25.39 ID BTQUqcAO 律「スティックのりあるじゃん」 澪「今使ってるじゃないか」 律「中学生以上はみんなこれを使うよな」 澪「なんかかっこいいもんな」 律「でもアラビックヤマトが一番だよな」 澪「私はでんぷんのりが好きだ」 87. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 18 56 23.28 ID BTQUqcAO 和「なんてこと お母さんが病気で倒れてしまったわ」 唯「こりゃあ助からないよ、私が手術でもしない限りね」 和「ユイック ジャック先生 お母さんを助けて」 唯「3000万 和ちゃんに払えるかな?」 和「払いますとも たとえ一生懸けてでも」 唯「その 和「その言葉が聞きたかった」 唯「和ちゃんズルいよー」 和「へへーん」 88. VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/04/19(月) 19 49 25.14 ID BTQUqcAO 梓「ムギ先輩事件です」 紬「また?」 梓「はい」 梓「国語教師が授業中羊を放し飼いにしています」 紬「あらあら」 梓「私に羊を数えるよう強要するんです」 紬「まあまあ」 梓「ムギ先輩助けてください」 紬「はいフリスク」 梓「わーい」 4
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グレーゾーンのメイドと家政婦-3 作者 ◆Z.OmhTbrSo氏 薄暗く、ホコリっぽい廃工場の中ではじめは手足を縛られ座らされていた。 廃工場の中を照らしているものは頭上三メートルほどの位置にある窓から差してくる陽光だけ。 目の前には男が三人。いずれも大柄ではじめよりも年上のように見える。 武器のようなものは何も持っていない。手に持っているものは携帯電話ぐらいだ。 「……今、藤森はじめの身柄を預かっている者だ」 『―――――?!』 男の一人が携帯電話でどこかに電話をかけていた。 相手が誰なのかはわからない。しかし、だいたいの予想はついていた。 『――――――!』 「安心しろ。無事だ。声? 悪いが聞かせられないな。こっちにはあまり時間が無いんだ」 ……嘘だと思うなら信じなければいい。藤森はじめの命が惜しくないならな。 こちらの用件を伝える。金目のものを持って今すぐ隣町の――」 廃工場の位置を電話の相手に伝えている。 男の話にから推測すると、ここは隣町にある廃工場だということになる。 「用件は伝えた。ちなみに警察には連絡するな。騒ぎを大きくしたくはないだろう? ――じゃあな。早く来るんだぞ」 用件を伝えた後、男は電話を切った。 「今、僕の家に電話を……?」 「ああ、そうだ」 男は気だるそうにため息をついた。その姿にはじめは違和感を覚えた。 その男だけではない。残りの二人にも同じものを感じる。 男三人は顔を突き合わせて話し出した。 「なあ、ほんとにいいのか? こんなことして」 「警察に連絡でもされたらどうするよ」 「……たぶん、その心配はしなくても平気だろう」 てっきり自分を殺す算段をするのだと思っていたはじめはその会話を聞いて混乱した。 (やっぱりおかしい。話していることに計画性が無さ過ぎる。普通警察に連絡がいくことも考えるだろう?) 「……やっぱり俺は降りるよ。危険すぎる」 「馬鹿! ようやく借金を返せるかもしれないんだぞ!」 「でも、もし家の人がごつい人を連れてきたらどうするんだよ! 勝てるわけないぞ!」 男達が口論を始めた。仲間割れだろうか? この隙に逃げだしたいところだが、手足を縛られているはじめは動けなかった。 男達は数分間口論したあと、意見がまとまったようだ。 「――すまん。藤森はじめくん」 「は、はい?」 男の一人が声をかけてきた。何故誘拐犯が謝るのだろう? 「実は、君をさらうようにある人から言われていたんだ」 「ええ?! 誰ですかそれは?」 なんとなくそんな気がしていたものの、本当に当たってしまうとは思っていなかったはじめは 驚いて開いた口が塞がらなかった。どこの誰がそんなことを? はじめの手足の拘束を解くと、男が口を開いた。 「実は――――――――」 『ドロロロロロロ ロロロロロロロロ』 突然大きな音が聞こえてきて、聴覚を遮られた。音は外から聞こえてくる。 心臓を打たれたような錯覚を覚えた。静かな廃工場の中の空気をも震わせるほどの音量である。 はっ、としてはじめは口を開いた。 「この音はたしか……マナのバイクの音?」 「なんだって? もう来たのか!」 目の前の男が頭を抱えている。まだマナがやって来ないと踏んでいたんだろう。 それもそのはず。藤森家から隣町までは混雑する国道を通らなければならないので、20分以上はかかる。 いかに機動性に優れるバイクとはいえ、連絡してからこれほどの早さで着くなど考えられない。 常識的に考えれば。 「外に来てるのか……」 バイクの排気音は工場のすぐ近くで止まった。ドルドルドル、というアイドリングの音が聞こえてくる。 男の一人が肩を落とし、かぶりを振った。 「はあ……一体どうやって説明すればいいんだ……ふう」 ため息をつきながらそんなことを言っている。振り向いた顔には疲労の色が映っている。 「藤森くん。君も少しだけフォローしてくれないかな? 俺達のやったことに対して怒ってるかもしれないけど」 「は、はあ……」 そう言われてもはじめには呻くことしかできない。正直なところ、状況がさっぱり掴めていない。 この誘拐事件を起こした人間のことも、三人の男達が何者なのかも。 一つ分かっていることは、彼の知り合いがバイクに乗って工場にやってきたということだけだ。 男がもう一度嘆息し、工場の入り口へ向けて歩き出す。 『バオオオオオッ! ブォォオオオオオォゥン!』 瞬間、一際大きな排気音が廃工場に響いた。反射的に耳を押さえてしまうほどの爆音。 それは段々大きくなって近づいてくる。そして―― 「はっじめぇぇぇぇぇっ!!!!」 音が工場内へ響いてきた。同時に、女の声がはじめの名前を叫んでいるのも聞き取れた。 その場にいた全員が音のする方向、上を向いた。 陽光を取り入れていた窓ガラスが割れていた。 飛び散った窓ガラスが陽光を反射しキラキラと光っている。 その光景に、黄色いバイクが一台混じっている。バイクには女中服を着た女性が二人乗っていた。 背の低い女の子と無表情のままの女の子。それが誰だかはじめにはすぐにわかった。 (マナ! と、やよいさんも?!) 「な、なんだぁぁぁぁ!?」 入り口近く、はじめの前方三メートルの位置にいた男が驚愕の声をあげる。そして、彼の上空には闖入者のバイクが。 「こぉの、お邪魔虫ぃ!」 男の視界が黄色――バイクの車体色――で埋め尽くされる。 彼が最後に目にしたものは、黒いタイヤだった。 「あがぁぁぁっ!!」 後輪のタイヤに顎を直撃され、男は半回転してうつぶせに倒れた。 同時に、バイクも着地する。ハンドルを握っているマナ一人だけを乗せた状態で。 やよいはというと、バイクが着地するより前に飛び降りて駆け出していた。もう一人の誘拐犯の方へ向かって。 「ちょっと待って、これは――」 男が手を体の前に出して何か言おうとするが、やよいの耳には届いていない。 目にも止まらぬ速さで標的の懐に入り込んだ女は、一瞬の溜めの後に跳躍。 がごっ、という音がしてやよいの飛び膝蹴りが男の顎に突き刺さる。そのまま後ろに倒れ、男は昏倒した。 「あと、一人――!」 やよいの鋭い眼差しが残る標的を捕らえた。はじめを挟んで向こう側に一人だけ残った犯人が立っている。 それを確認した彼女は胸元から銀色のボールペンを取り出し、右手の人差し指と中指で挟むと後ろに振りかぶった。 「はじめくん。動かないでください」 「え?」 短く、抑揚の無い声で呟くと、やよいは体をひねりペンを投擲した。 そのペンは一直線に突き進む。座っていたはじめのこめかみを一陣の風が通り抜けた。 「ぎゃああああ!?」 はじめが振り向くと、右掌にペンを刺した状態で悲鳴をあげる男の姿があった。 本来筆記用具であったはずの物は正しい使い方をされることなく、人間の手を貫き半ばまで突き刺さっていた。 膝をつき、しばらく悲鳴を上げ続けていた男は顔を上げるとやよいの目を睨み付けた。 「このアマ! 甘くしてやったらつけあがりやがって!」 血に塗れたペンを投げ捨てると、男はやよいへ向かって襲い掛かった。 「……」 それを見たやよいは男に背を向けた。興味を失ったかのように。 しかし走り出した男は止まらない。怪我をしていない左手を振りかぶり、無防備な家政婦の後頭部に振り下ろす。 刹那。 「噴ッ!!!」 やよいの右足を軸に回転して放たれた左回し蹴りが、標的の右側頭部を直撃した。 男が放った左拳の打ち下ろしの一撃はやよいの右手に進路を曲げられ、不発に終わった。 最後の抵抗も空しく、誘拐犯は脱力してその場に崩れ落ちた。 自分より大柄な男三人が女性二人の手にかかって瞬く間に倒された。 その事実も驚きだが、その女性二人が知り合いだということもはじめにとっては驚きだった。 (本当にやよいさん、強かったんだ) もしかしたらとは思っていたが、これほどだとはさすがに予想していなかったようだ。 それともう一つ。 「ふん、はじめをさらうからこんな目に会うのよ! 自業自得ね!」 誘拐犯からの電話があってから10分と経たないうちに廃工場に到着したマナの運転技術にも驚かされた。 彼女はというと、誘拐犯全員をその辺に落ちていたロープで縛り上げているところだった。 「やっぱり亀甲縛りがいいわよね。そして町中をバイクで引きずりまわすの。楽しみだわぁ」 うふふふふ、と笑いながら複雑に縄を縛っていく。 (マナにも逆らわないほうがいいな。これは) 一歩間違っていたら自分も誘拐犯と同じ目に会わされていたかもしれない。 はじめは昨日マナと喧嘩した自分自身の愚かさに後悔した。 「はじめくん!」 名前を呼ばれたはじめはその声の主――やよいが目の前にいることに気づいた。 その目はいつも自宅で見かける冷静なものではなく、今にも泣き出しそうな目であった。 「大丈夫でしたか? 怪我は?」 「どこにも無いです。あの人達は僕に危害を加えようと考えてはいなかったようですし」 「そうですか。それは良かったです……ん!?」 「? どうかしましたか?」 「はじめくん。ここ」 やよいが手を差し出してこめかみに触れた。その途端、はじめの脳にちくりとした痛みが走る。 こめかみに触れた指先を見ると、赤い液体が付いていた。 男たちに殴られたりはしなかったので、はじめにはその怪我に心当たりがなかった。 しかし、やよいは自分の指先を見つめると息を呑んだ。 「もしかして、さっき私が投げたペンがかすって……? ごめんなさい! ごめんなさいはじめくん! ごめんなさい!」 「あ、大丈夫ですよ。これぐらいかすり傷です」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。まさか怪我をさせてしまうなんて、私……」 さらに何度も謝り続ける。はじめはその姿を見ていたたまれなくなってきた。 「もう大丈夫ですって。こんなもの、怪我のうちにも……」 「駄目です! 今、すぐに消毒をしないと!」 「え、でも」 消毒できる道具なんてどこにも、と言おうとしたらやよいの手が頭に触れた。 はじめの頭は彼女の顔の近くにまで引き寄せられた。 「……れろ」 「うひぇっ?! やよいさん!? いきなり何を!」 「ですから、消毒です。私の舌で舐めて消毒しますから」 やよいがはじめのこめかみを舐め始めた。血の流れている部分に何度も舌を這わせる。 ぴちゃぴちゃという卑猥な音が聞こえてくる。 「うわ、わ、やよいさん。そんなこと、しなくてもいいです、から」 その言葉を聞いてやよいが一旦舌を止めた。 「……まだ駄目です。血がまた滲んできました」 「ですから、これぐらいなら放っておいても」 「駄目と言ったら駄目です! 放っておいたら化膿してしまいます」 再びやよいがこめかみを舐め始めた。今度は先ほどまでの血を舐めとる動きではない。 舌を突き出し、全体を使って血が滲んでいる部分に唾を塗りつける。 「わ、あわあああ、はぁ、ぁうあああ……」 未知の体験をしているはじめには、やよいを止めるという選択肢が思い浮かばない。 ただこめかみを舐め続ける舌が止まるまでそのまま待ち続けるしかなかった。 「……うん……血が止まりましたよ。はじめくん」 「へ。あ、そ、ですか。あはははは、は」 「良かった……」 ぎゅっ……とやよいがはじめの頭を強く抱きしめた。 形のいい胸に少年の顔が埋め込まれる。 「む?! うわ、柔ら――いや、やよいさん、手を離し、て?」 頭を抱きしめる腕が小さく震えていた。同時にはじめの頭も小刻みに揺れる。 もしかしたら泣いているのかもしれない。そう思ったら彼は何も言えなくなってしまった。 「本当に、ごめんなさい」 「でも、あれはわざとじゃないんでしょう?」 「いいえ。それだけじゃなくて、昨日のことも」 「あ……」 そう言われてはじめは思い出した。昨日、やよいと口論になってしまったということを。 それをやよいが気にかけているということを知って彼は心苦しくなった。 「でもあれは僕が悪いじゃないですか。今朝だって僕の方から避けたのに」 「違うんです。そうじゃなくて――なんて言ったらいいかわからないです。・・・・・・ごめんなさい」 「……」 「ごめんなさい。何度でも謝るから、だから居なくならないで。はじめくん」 やよいは謝りながら抱きしめる腕に力を込めてきた。胸の谷間にはじめの顔が沈む。 エプロンの生地越しに未体験の感触が伝わる。 優しく受け入れながらもそれを弾こうとして柔らかく押し返す。そんな感覚。 しかし、最初は気持ちよさを感じていたはじめも、抱きしめる力の強さに我慢できなくなってきた。 頭を締め付けられ、脳に圧力がかかる。やよいが喋るたびにその力は強くなっていく。 「昨日も本当はあんなことを言うつもりじゃなかったんです。ただ、二人に仲直りしてほしくて。 それなのに喧嘩してしまって、そしてはじめくんがさらわれて、二度と会えなくなると思ったら……。 お願いです。許してください。はじめくん」 「あ、が、だだだだだ、それより、い、やよいさん。ち、からが強す、ギ……」 「居なくならないでください。ずっと、あの家に居て」 「……ぅ……ぁガ…………ギ……」 後頭部からプレス機のような力をかけられて、額をやよいの胸板に押し付けられる。 はじめにはその胸の肉感的な柔らかさはもう感じられなかった。 暴力。理不尽。拷問。そんな単語しか思い浮かばない。 「私にできることなら、なんでもしますから……だから、ずっとあの家に居て……」 「……ぁ……め…………ぇ…………ぅ」 抱きしめられている少年は声を出すこともままならなかった。呻き声を漏らすだけで、呼吸さえできない。 やよいの腕を振りほどく力も余裕も、今のはじめには残されていない。 女性に抱きしめられながら死ぬというのは幸せな場合ばかりではない。 はじめはそう思いながら繋ぎとめていた意識を手放すことにした。
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「そんなこともあったかな。」 合同練習のあと、駐輪場で防具を自転車の荷台にくくりつけながら一人つぶやくと、 「どうしたの、ユージくん。」 と、同じく自転車に防具をくくりつけている最中だった彼女が、たずねてきた。 「いや、一年前のこの日を思い出してね。」 彼女に苦笑いしながら答えると、真っ赤になった。ウン、相変わらず純情で可愛いな。 「も、もう、一世一代の告白だったんだから…」 うつむきながら答えたせいか、少しずつ小さな声になっていった。 「うん、ゴメンね、メイちゃん。そして、ありがとう。僕を好きになってくれて。」 ぽんぽんと頭を軽くたたきながら言うと、彼女は顔を上げて、 鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。そして、 「ううん。ユージくんこそ、わたしを選んでくれて、ありがとう。」 と笑顔で答えた。つられて僕も笑顔になった。 彼女を家に送り届けるため、自転車を並べて押して歩く。 市内は人通りも多いから、彼女と話すためにはこうしなくてはいけない。 彼女の家の近くの新興住宅地にはいると、市内と違って、車も少なくなるから、 ここからは自転車をこぎながら、お互いの顔を見ながら話す余裕も出てくる。 そんなこんなで彼女の家についた。 いつもなら、ここでさよならをするはずなんだけど、彼女が自転車のスタンドを たてたとたん、玄関が開いて、彼女の母親が出てきた。 「あ、ただいま、お母さん。」 「あ、メイ、お帰り、ちょうどいいところに帰ってきた。 あらあら中田くん、いつもありがとうね。」 「いえいえ、そんな。」 「ねぇ、ちょうどいいところって…」 「あのね、実は親戚のおばさんが交通事故にあって入院するから、 家の用事とか、入院の手続きのお手伝いをしに、わたしとお父さんが行くのよ。」 「え、そうなんだ、おばさんのけがは?わたしも手伝いに行こうか?」 「ううん、メイはそんなに気を使わなくても大丈夫。けが自体も骨折くらいらしいし。 だから、あなたはお母さんたちが帰ってくるまで、お留守番しておいて。」 「うん、わかった。」 「ところで、中田くん。お願いがあるんだけど。」 「なんでしょうか、おばさん。」 「こういうわけでメイがしばらくひとりぼっちになるから、わたしが帰ってくるまで、 一緒にいてあげてくれない?ほら、こんなご時世だし。」 「僕でよければ、お邪魔させていただきますけど。」 「ごめんね、送ってくれた上に用心棒まで頼んで。せっかくだからご飯も食べて いってね。メイ、簡単な用意はしてあるから、あなたが仕上げをして、 中田くんに出してあげなさい。」 「そんな、ご飯まで。スミマセン。」 「ううん。ユージくん。たっぷり食べていって、わたしがんばるから。」 そんなやりとりのあと、小川家にお邪魔した。防具と竹刀は三和土において、 着替えなどの入ったバッグなどを持って、リビングルームに通された。 「ごめんね、ユージくん。遅くなるのに」 「いやいや、おやすいご用だよ。でも、信頼してくれているんだね。 普通、年頃の娘と男を二人っきりにするかなあ。」 「そりゃ、ユージくんだからだよ。やさしいし、賢いし、剣道も強いし。 お母さんが、『今後メイにユージくん以上の男ができるわけないんだから、 しっかり捕まえておきなさい』って。」 「そりゃどうも。」 頭をかきながら答えると、メイちゃんは話題を変えた。 「ねぇ、せっかくだからお風呂入っていったら?その間にわたしご飯の準備をするし。」 「え、でも、ご飯をごちそうになるだけでなくて、お風呂までだなんて。」 「だって、今日はお家に帰るのが遅くなるでしょ?それに、男子更衣室には シャワーがないから、汗でベトベトだろうし。」 「いや、そんなに気を使わなくても。僕も料理を手伝うよ。」 「でも、ユージくんはお客様だし、それに、今日はわたしががんばりたいの。 だって、『一年目』の記念日だから…」 そういうと彼女は赤くなってうつむいた。そうか、駐輪場でも思ったけど、 あれから一年だもんな、女の子ってこういう記念日が大事なんだろうな。 そう思うと、今日は彼女の言うとおりにしようと思った。 「わかったよ、メイちゃん。そこまで言うなら、お願いするよ。」 「うん。じゃあ、お風呂の使い方説明するね。」 彼女の案内で脱衣場と風呂場に進む。まぁ、風呂の設備はどこも似たり寄ったり だから、あまり違和感なく操作できそうだ。 「じゃあ、お風呂借りるね。」 「うん、ごゆっくりどうぞ。それからえっと。」 「なに?」 「ついでだからお洗濯もしようか?胴衣とか…」 少し考えて、ここはさっき決めたとおり彼女の言うとおりにしようと思った。 「うん。お願いするよ、メイちゃん。何から何までありがとう。」 「うん、じゃあ、バッグから出して洗濯しておくね。それじゃ今度こそ、 ごゆっくりどうぞ。」 かちゃりと静かにドアが閉まったあと、服を脱いでいった。きっちり畳んで しまうのはやっぱ、性かなぁと考えながら、シャワーのノブに手を触れた。 さて、頭を洗おうとして、並んでいるシャンプーのボトルを見て、あらためて 女の子の家だなぁと感じた。端っこのほうに申し訳なさそうにトニックシャンプーを 見つけた。たぶん親父さんのだろう。さすがにメイちゃんのシャンプーを使うのは はばかられるから、これを借りることにした。おじさんゴメンナサイ。 お言葉に甘えて、ゆったり風呂に浸かってから出た。バスタオルを腰に巻き、 ドライヤーで頭を乾かす。すると、居間の方から小さな悲鳴が聞こえた。 思わず、そのまま飛び出した。 「どうしたの?」 「え、えっと、ゴキブリが出て、それであわてて包丁でちょっと。」 そういえば、彼女は人差し指をたてて少し涙目になっている。 確かに赤い血が見える。 「とりあえず止血しなきゃ…」 思わず彼女の手をとると、血が出てる指をくわえてしまった。 「え、え、え…」 彼女は真っ赤になったまま固まっている。彼女の涙を久しぶりに見た気がする。 そう、一年前、彼女につきあおうと返事したとき以来かも。そんなことを考えながら しゃぶりつづける。 「ユージくん…指があついよ…」 気がつくと、彼女は頬を真っ赤にして俺を上目遣いで見ている。 あわてて俺はの指を解放した。すると、彼女はそのまま俺にもたれかかってきた。 しまった、下半身にバスタオルを巻いただけの格好だった。思わず、 「ゴ、ゴメン。」 そう叫んで離れようとしたら、逆に力を入れて彼女が抱きついてきた。 「やさしいね、ユージくん。わたしがピンチの時に駆けつけてくれて。」 「い、いや、お恥ずかしい。」 「たくましいね、ユージくんの体、この引き締まった身体、素敵。」 「え、えーと。」 「ユージくん。」 「な、なに?」 「わたしでいいの?」 「え?」 「だって、青木さんみたいに明るくないし、近本さんみたいにしっかりしていないし、 それに。」 「それに?」 「川添さんみたいに剣道が強くないし。こう、賢くもないし、いつもドジで、 剣道もなかなか上達しなくて、ユージくんに釣り合わないんじゃないかと…」 「そんなことを心配していたの?」 「そんなことって…」 「うん。一年前お返事したときと、僕の気持ちは変わらないよ。やさしくて、 まっすぐで、ここ一番ではいつも一生懸命な君だから、好きになったんだ。 うん。一年たつと、ますます深くそう感じるよ。」 しばらくの沈黙のあと、 「ありがとう、ユージくん。大好き。」 そういって彼女が顔を上げた。その笑顔がいとおしくて、そのまま彼女の頬に 手をそえて唇を重ねた。 何秒たっただろうか。どちらからともなく、唇が離れた。そのまま見つめ合う。 彼女が静かに開いた。 「ユージくん。お願い。」 「え、何?」 「部屋に連れていって欲しいな。」 「えっと。その…」 「ユージくんのものになりたいの。お願い、恥をかかせないで…」 最後の方は消え入りそうな声だった。彼女にとっては重大な決断だったんだろう。 そうだ、今日は全部彼女の言うことを聞くって決めたじゃないか。そう考えると、 そっと手を彼女の背後に回した。 「え?」 彼女がとまどっている隙に、いわゆるお姫様だっこの状態にした。そして彼女に尋ねる。 「部屋は二階でいいのかな?」 彼女は真っ赤になってうなずいた。それを見て、二階へと静かに上がる。 「右の部屋。」 彼女が小さく答える。少し苦労したけど、ドアのノブをひねると静かにドアが開く。 初めて入るけど、女の子らしい可愛いものがたくさんあった。タマちゃんの部屋とは 少し違うなと感じた。そして、静かに彼女をベッドにおろす。 背中に回した手は抜かずに、彼女を抱きしめる。そしてまた唇を重ねた。 今度は舌差し入れてみる。彼女はビクッと震えたけれど、おずおずと絡めてきた。 その状態のまま、少しずつ彼女の服のボタンを外していく。 身体が密着しているせいで、すこし苦労したけれど、彼女も身体をずらしたりして 協力してくれた。 ただ、困ったことにブラジャーをはずそうとしたけど、外した経験がないもので、 はずし方がわからい。しようがないから、そのまま強引にたくし上げた。反動で 小振りな胸がぷるんと出てきた。乳首がブラジャーに引っかかったのが、 少し痛々しかった。 「あっ…」 彼女がつぶやいた。 「ち、ちょっと待って。」 「え?」 やりすぎたかな?とおもって固まると、彼女が小さく答えた。 「じ、自分で外すから」 そういうと、少しからだを起こして、脱がしかけの服を脱いで、 それから背中に手を回して外した。小振りな胸に、小さな乳首が目立つ。 (思ってた以上に、やわらかいんだな、女の子の胸って…) とその姿を見ながら、さっきかすかに触れた彼女の胸のことを考えていると、 服を脱ぎ終えた彼女が、僕の股間を見つめる。あ、そういえば バスタオルを巻いたままだったんだ。あらためてどぎまぎすると、 彼女の手がそのバスタオルに伸びてきた。 「おかえし。」 そういうと彼女は結び目をほどいて、バスタオルを取り去ってしまった。 「すごい、おおきい…」 彼女は顔を真っ赤にして凝視している。 「さわってみる?」 そうたずねると、顔を真っ赤にしたまま固まっている彼女の手を股間に導いた。 彼女の柔らかい手にそっと包まれる感覚が伝わる。 「あつい…そして、かたい…」 「メイちゃんのここはどうかな?」 そういうと、彼女の胸をもみしだく。 「あ、ひゃっ、ユージくん…」 彼女の手は股間から放れ、僕のされるがままになっている。感じているのか、 それともくすぐったいのか、軽くあえぎ声をあげる。 「あっ……くうんっ…くふぅっ…」 乳房の周りを攻めた後、自己主張をするかのようにそそり立っている、 小さな乳首を突然つまんだ。とたんに、 「ああっ」 と彼女がかるく叫んだ。 感じているのかな?それともやりすぎた?わからないから、軽く口でかんだり、 吸い上げたり、変化をつけてみた。 「あっ…ユージ、くうん…かん、じる…」 「そう?それじゃあ、もっとしてあげなきゃね。」 口で乳房を責めながら、手を彼女の股間に伸ばす。下着の上から軽く秘所を なでる。よくわからないが、かすかに湿っているような気がした。僕の愛撫で 感じてくれているのだろうか?そう思うと興奮が高まって、手を下着の中に伸ばしていた。 下着の中は熱気にあふれていた。 「凄く熱いよ。」 「ユ、ユージくんの、せいっ、なんだからぁ…」 あえぎながら彼女は答える。下着に手をかけたまま、 「いいかな?」 とたずねると、彼女は腰を浮かしてくれた。下着を丸めるように脱がす。 彼女はついに生まれたままの姿となった。 「恥ずかしい。」 と、彼女がかすかな声で言う。 「こんな言葉でしか言えないけれど、本当にきれいだ…」 よりいっそう、顔が赤くなったような気がした。 「だいじょうぶ、力を抜いて。」 そういうと、彼女の硬さが少しとれたような気がした。彼女の膝に手をかけ、そっと 足を広げる。彼女の閉じた秘部は少し湿り気を帯びており、部屋の明かりで鈍く 光っていた。 「ああっ…」 恥ずかしいのか、彼女は目をぎゅっと閉じた。 「すごい…」 ついそんな言葉が出てしまったが、思わず、ゴクッとつばを飲み込む。 「ユージくん?」 いつまでも固まっている僕に、彼女が疑問を投げかける。我に返って、そっと顔を 彼女の秘所に潜ませる。そしてやさしく下でかたく閉じた割れ目をなめあげる。 「ああっ……くぅん…やだぁ…恥ずかしい…」 愛液か、それとも僕の唾液かわからないが、秘所がますます濡れてきたような 気がした。興奮した僕は舌だけでなく、指も使って、刺激する。 「ああんっ……あはぁ…、つぅん…、ね、ねぇ…ユージくん」 彼女の顔を見ると、目があった。彼女は僕の目を見ると、 恥ずかしそうに、 「ユ、ユージくん、わたしの胸ポケットに…」 といった。先ほど脱がした彼女の服の胸ポケットを見ると、何か入っている。 取り出してみたら、コンドームだった。びっくりして彼女の方を見ると、 「台所に、『まだおばあちゃんはイヤよ』というメモと一緒においてあって…」 今度顔を合わせたときのことを思うと冷や汗が出るけど、もしもできてしまったら、 そのときは頭を下げても下げたりないし…複雑な心境が渦巻くけれども、なれない 手つきで中身を取り出し、自分の股間に装着する。 再び、彼女と向かい合う。彼女は僕の股間に目をやり、 「さっきよりも、大きい…それに、天井につきささりそう…」 といった。僕は彼女に軽くキスをすると言った。 「いくよ、メイちゃん。」 「お願い…やさしく、して…」 彼女はそういうと、軽く目を閉じた。 ここら辺かな?お互い童貞と処女だし、ある程度の失敗はしょうがないよねなどと 一人で悩み、一人で言い訳を考えて、右手でナニをを中心部らしきところに導いた。 「あん、あつい…そして、くぅんっ、かたい…」 「すごい…きつい…」 「ああ…ユージくんが入って……」 腰に力を入れて彼女の中を蹂躙していくと、何かしらの抵抗感を感じた。 これがいわゆるの処女膜だろうか。 「いいね、メイちゃん。」 彼女に尋ねると、痛みを耐えているのか、ぜいぜいいながら、けなげに答えた。 「おねがい、ユージくん、ちょうだい。」 その答えを聞くやいなや、彼女の足を抱えて、一気に腰を押し出した。 とたんに、 「あーーーーっ」 と悲鳴が聞こえた。しばらく彼女が落ち着くまで、じっとしていた。すると、 彼女の秘所からじんわりと血が… 「メイちゃん…がんばったね。そして、ありがとう。」 「ユージくん…私、ユージくんのものになったんだよね…」 「どう?まだ痛い?」 「かなり痛い…でも、少しましになったかも。」 「そう。」 そう返事したまま、彼女と一つになれたことに感動していたら、彼女が言った。 「ねぇ、動かなくていいの?」 「え、でも、まだ痛いんでしょ?」 「少しは。でも、ユージくんにも気持ちよくなって欲しいの、わたしで。」 そういって恥じらう彼女を見ると、気持ちがまた高ぶってきた。少しずつ、 ナニを出し入れする。その動きに応えて彼女が声を上げる。 「うんっ…あっ……つっ……」 「本当に大丈夫?」 「くふっ…少し……あんっ、でも…気に、しないで…かはっ」 少しずつあえぎ声が混じってきた。感じているのだろうか? 僕は少し腰の動きに変化を付けて、彼女に応えようとした。 「あ……うふんっ……いい…」 「ああ、きつくて、いい……止まらないよ、メイちゃん…」 確かに彼女の中はキツくて、愛液のせいか、血のせいかよくわからないが、 ナニの滑りもよくなってきたような気がする。だんだん頭の中で、線香花火の ような火花がちらついているようだ。 「ふんっ…ふんっ…メイちゃん…」 「ううんっ…ああああん……なに?ユージくん」 「もう…ダメだ…」 「あん…くふっ…いいよ、イッて…」 「で、でも…」 「いいの…ユージくんが…気持ちよければ…」 彼女のその言葉に甘えるかのように、腰の動きが激しくなる。彼女の声も激しくなる。 彼女も感じているのだろうか?一緒にイケるといいななどと考えているうちに、 その火花のちらつきがますます大きくなってゆき、花火のようにはじけたとたん、 僕は彼女の中で果てた。 「くっ、あーっ!!」 「あっ、あっ、あーっん!」 そのあと、交代でお風呂に入って汗を流した。ちょうどいい具合に、 彼女が洗濯してくれていた僕の服が乾いていた。そして、かなり遅くなったけど、 先ほどの作りかけのご飯を作り、遅い晩飯をとることになった。生野菜とかが しなびていたけど、それはご愛敬ということで。 食べ終わる頃には、おばさんから帰るコールがあった。二人で食器を洗い終えて、 食後のコーヒーをいただいていると、おばさんが帰ってきた。 「「お帰りなさい。」」 「メイ、ただいま。あ、中田くん、遅くまでありがとうね。」 おばさんはそういうと、僕と彼女を交互に見て、それから僕の方を向いて言った。 「中田くん。」 「はい。」 「メイを、お願いね。」 あー、やっぱ見抜かれているよな。でも、もう気持ちは変わらないし。 おばさんをしっかりと見て、力強く応えた。 「はい。まかせてください。」 「お母さん!ユージくん!」 隣では彼女が真っ赤になっていた。 彼女とおばさんに玄関先でさよならの挨拶をすると、自転車をこぎ出した。 夜風に吹かれながら、考える。栄花くんと比べると、自分は大したことないと 思っていたけど、いつまでもそんなことを言っていちゃダメだよな。だって、 さっきはっきりと「まかせてください」と言い切ったわけだし。彼女の人生を これからも支えていけるように、自分を磨いていこう。明日から、また勉強に、 剣道に、一日一日、自分を磨く努力を続けていこう! 「にゃー」 どこかでねこの声がする。フッと、我に返る。 「そこまで力まなくてもいいか…僕も、メイちゃんも、少しずつ、少しずつ…」 勢いよくペダルをこいでいた足を止めて、ゆっくりと下り坂を下っていった。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1290468634/748-761 30、海岸・岩場 京介「俺は常々、普通や無難が一番いいって思って生きてきた。 なのに、あの日から全てが変わっちまった……」 京介と桐乃が並んで座っている。波の音が繰り返し聞こえる。 二人の後ろには防砂林が並んでいて、道があり、子供や漁師 が行き来している。 京介は場に似つかわしくない絹仕立ての着物を着ていて、 領民達の注目を浴びている。 桐乃「……」 桐乃は京介の言葉に涙を浮かべてジッと堪えている。 京介はそれに気づかない。 京介「いや、足を滑らせて溺れちまった俺がアホなんだろうさ。知っ てっと思うけどよ、俺の弟の光輝は勉強も武芸もできて、顔もいい。 俺なんかよりずっと跡取りに向いてるんだ。そう思ってたから、まあ ここでおっ死んでもしゃーねーかなーなんてちょっとは思ったんだ」 桐乃は京介の手を掴むと、イヤイヤするように首を振った。 京介、少し驚いて、桐乃を宥める為に頭に手を置く。 京介「いやちょっとだけだぜ? ちょっとだけ。俺だって死にたくねー もん。だから一生懸命足掻いたね。でも、後から聞いたら、こういう 時は一回力を抜いた方が正解なんだってよ。まあ、お前は俺みたいに 間抜けじゃねーか」 桐乃、溺れた時の対処法に頷く。 京介「まあ、そん時の俺は一生懸命あがいたんだわ。手足バタバタさせ て。でもちっとも助かりそうにない。水泳の練習もっとやっておけば 良かったって、あん時は思ったな。それで気づいたんだ。結局、俺っ てヤツは何か一つでも真面目にやってきた訳じゃなかったんだって。 その癖、俺は弟に嫉妬してた。情け無いったらありゃしないぜ」 京介、桐乃から視線を外し、海を見る。 京介「そう思ったとき、アイツが俺を助けてくれた」 京介の「アイツ」という単語に、桐乃は嫉妬で眉を曲げる。 京介「溺れた経験から、俺はこれからもうちょっと頑張って生きようっ て思ったんだ。まあ……助けてくれたアイツがスゲー可愛くて……ア イツに振り向いて貰おうって下心もあるんだけどよ」 京介は照れ隠しに頭を掻く。 SE 大波の音 ナレーション「違うの! アンタを助けたのはあの黒いのじゃない! あたしなの! ……人魚の桐乃姫は何度も叫んだでござる。しかし、 魔女との取引で足の代わりに声を失った桐乃姫の言葉は、京介殿には 届かなかったのでござった」 胸元を掻きむしる桐乃に、京介は気づかずに続ける。 京介「こんなこと、お前にしか言えねーけどよ。アイツは……仏門に入っ ちまった。色々頑張ったけど仕方ねぇか。初恋は実らないって言うしな」 桐乃、怒りで顔を真っ赤にして、京介の胸を叩く。 京介「俺に諦めるなって言ってるのか? けど、無理だ。俺は明日、隣の 国の姫さんと結婚しなきゃならねぇ。恋も大事だけど、国も大事なんだ」 桐乃、腕を振り切って京介の頬を叩く。 SE ビンタの音 「痛ってぇぇ~~!? 本気で叩くことねぇだろうが!!」 「はあ? うっさい、本気で叩かなきゃリアリティないじゃん!!」 舞台袖で待機していた黒猫が、妹に細波の音を出す小豆入りの箱を動かすのを止めさせるのが見えた。 稽古は一時中断。まあ中断させたのは俺だけどさ。 「きりりん氏、きりりん氏、確かにリアリティは大事でござるが、役者の顔はもっと大事でござる」 「こんな平々凡々の顔、そこら辺にいくらでも転がってるっての」 桜色の小袖に身を包んだ桐乃は腕組みをして、頬を膨らませた。 俺を平々凡々の顔と言うだけあって、この妹様の顔はこんな表情でも可愛らしい。 と、俺が部外者なら、つーか頬さえ叩かれてなかったら、思っただろう。 「京介氏も、まあそう怒らずに。きりりん氏もつい、役に入ってしまったのでござろう」 「そうそう、沙織わかってんじゃん。やっぱあたしってば、誰かさんと違って何でも出来ちゃうからさー」 「ふ……確かに、他の雌に尻尾を振って、自分を女として見てくれない男に対する嫉妬なんか 見事なぐらい感情移入できていたわよ。ハマり役だわ、人魚姫さん」 「なっ……は、はん! アンタも役になりきって頭剃ったらどう? その鬱陶しい黒尽くめも、頭の反射で少しは明るく見えるんじゃない?」 いつものように喧嘩を始める桐乃と黒猫。 何だろう……この叩かれ損は。 「大丈夫ですか、お兄さん」 あやせたんが冷たいタオルを渡してくれたよ! やったね京ちゃん!! 「あの、お兄さん……」 「ん、ああ、気にすんなって。あれはアイツらのスキンシップみたいなもんなんだから」 喧嘩する桐乃を不安げに見るあやせに、俺は説明した。 というか、同じく二人の関係を知らない黒猫妹が涙目になってて、 流石に桐乃と黒猫も喧嘩を止めたようだ。 「つーかよぉ、加奈子の出番まだかよ?」 「そうでござるなぁ、じゃあシーン36の練習を始めるのは如何でござる? 黒猫氏~、拙者は隣国の姫役で舞台に上がるので、監督を頼むでござるよ」 なんで俺達が「大江戸版人魚姫」なんかを演じているかというと、話は少し前に遡る。 その日、いつものようにオタクっ娘三人が我が家に遊びに来ていた。 そしていつものように桐乃と黒猫が喧嘩を始め、俺と沙織は二人の仲裁に入ったわけだが 沙織の様子が少しおかしいと感じた俺は、頃合いを見計らって訊ねてみたんだ。 「人の心に踏み込むには、それなりの資格がいる……」 「友人という資格じゃ、ダメなのかよ? バジーナ大佐」 「私は大尉だよ。……ふう、どうして分かったのです?」 いつも思うが、メガネを外して急にお嬢様モードになるのは反則だ。 別に大した質問じゃないってのに、心臓がバクバクして答えが見つからなくなっちまう。 「い、いや、俺達って似たようなポジションだからじゃね? 今日も桐乃と黒猫の間に入ってさ。 そん時に、なんか沙織がいつもと違うなーって、まあ、そんな感じかな」 「そんなに優しくしないでくださいまし……過剰な期待に、甘えたくなるではありませんか」 「ふ…バジーナ……いや、沙織、俺に甘えにきたまえ」 とちょっと小粋なガノタトークの後、沙織は滔々と語り出した。 要約すると、姉との思い出の劇場が閉鎖されることになって、胸を痛めているらしい。 その劇場は小さな劇場で、町や市のちょっとしたイベントに使われていたりしたらしいのだが 昨今の不況の煽りで閉鎖されることに。それは仕方無いにしても、最後にその劇場に何かをしてあげたいのだそうだ。 その為に劇場の使用許可も取った。 しかし、何をすればいいのか分からない。予算はあるので、有名な劇団を呼んだり、コンサートを開いたり そういう事はいくらでもできる。しかし、そうやって劇場に人が集まれば それが劇場にとっていい最後であると、そう言い切っていいのだろうか? 沙織はそんな風に悩んでいたのだ。 そっから紆余曲折を経て、俺達素人が寄って集まって劇なんかやってみたりすることになった訳だ。 入場料? そんなのとれる訳がねーじゃん。俺達素人だぜ? 体裁としてはチャリティーというか、ボランティアというか、そういうことだ。 近所の小学校とかにチラシ配ったりしてよ、大道具なんかも色々手を尽くして安く仕上げた。 小道具なんかも、最近は100均でなんでも揃うしな。 素人とは言ったが、メンバーは結構華やかだ。何せ桐乃たちはモデルだし、黒猫や沙織も間違いなく美人だ。 麻奈実は家から和菓子持ってきて配ってくれるし、案外、当日は人が入ってくれるんじゃないかとちょっと期待したりしている。 そんな期待がある分、やっぱハンパな演技は見せられないってんで練習にも気合いが入るって訳だ。 桐乃のビンタも、まあそんな所かもな。 俺は舞台の上で熱演する桐乃達の声をBGMに、台本を捲って自分の台詞をもう一度確認した。 「桐乃っ! あんな男、桐乃には必要ない! 必要ないよ!!」 「つーかさー、マジありえなくね? 隣国のお姫様がちょっと美人だからって あの馬鹿殿なんでノリノリで結婚しようとしてるワケ? あいつ、黒猫尼が好きだったんじゃ無かったじゃなかったのかよ? 誠氏ねってレベルじゃねーぞ」 「大丈夫だよ桐乃、あんな男、私が埋めてあげるから……また一緒に海で暮らそう? ね? もう人間になんてならなくてもいいじゃない。そうでしょ?」 「魔女から魔法の短剣貰ってきたからよー。コイツでブスッとアイツ刺せば お前は声と足が戻って、加奈子達と一緒に暮らせんだよ。 あ? 髪? うっさいなー、ちょうど切りたかっただけだっーの。 加奈子達の髪やったら短剣くれるって言うし、こういうのってアレだろ? Winwinってんだろ?」 「こうして、人魚の友達から桐乃姫は短剣を送られたのでござった」 しっかし、加奈子の言うとおり、この若殿ひでーヤツだな。 脚本の瀬菜は原作の人魚姫に少々のアレンジを加えたって言ってたが、 子供に見せんだから素直にディズニー版で良かったんじゃねーの? あ、ちなみに瀬菜が最初に書き上げた段階では、登場人物全て男でした。もちろん設定変更したけどね! 「京介お兄様」 「ん、次は結婚式のシーンだな」 と、台本から顔を上げると、そこには天女にいました。 「京介お兄様?」 沙織さん、マジ天女。 結婚式なんだから白無垢が正しいんだろうが、それだと舞台映えしないってんで 色々黒猫が頑張った結果、天女が降臨してしまったというミラクル。 つーかもう天照大御神。 そりゃ俺だって、この女神様引っ張り出すためにゃ裸踊りしちゃうぜ。 「……いかん、こりゃ若殿のこと言えねーわ、俺」 結局、短剣を使わなかった桐乃は海の中に飛び込む。 閃光と同時に、舞台が変化した。 これは手前の海の絵をフラッシュペーパーっていう、マジックとかでよく使う紙に描いてあるんだ。 火を付けると一瞬で光って消える紙で、その下に描いてある雲の絵が現れる。 空に登った桐乃は、妖精のブリジットに告げられる。 「私達は空気の精になって、暑い国の人達に涼しい風を送ったり 花の香りをふりまいて人々を爽やかな気分にさせたりするんですよ。 そうやって善行を積めば、人間と同じ魂を授かることができるのです」 つまり、人魚姫はバットエンドなんだが、救いがある結末ってことだな。 っていうかブリジットちゃんのピクシー似合いすぎ。 いや、妖精の方だよ? グランパスの監督とか、ダガーもったガンダムとかじゃなくてね? 劇場の時計を見ると、結構いい時間だ。 もう閉鎖する劇場で、予定も入ってない為に、いくらでも稽古には使えるのだが 参加するみんなにはそれぞれ予定もある。今日の練習はここまでだろう。 . . 講演まで一週間を切ったある日、俺は学校帰りに劇場を訪れていた。 今日はみんなの予定がつかないので稽古は休みだ。 舞台をやってみて分かったことが一つある。 確かに台本作ったり、道具揃えたり、衣装用意したり、演技の稽古したり、みんな大変だけど なによりもこうやってみんなのスケジュールを合わせて予定を組むのが一番大変だということ。 言い出しっぺの沙織が監督で、俺はその助手みたいなポジションになってたから、それがよく分かった。 沙織は俺よか2つも年下なのに、ホントにスゲーよな。 夕日の色に染まる劇場を眺めながら、寒さにコートのボタンを閉じた。 「お一ついかがですか?」 頬にじんわりと温かな塊が押し付けられる。 「沙織…?」 制服姿の沙織が焼き芋を持って立っていた。 「沙織でも焼き芋食べたりするんだな」 「なんですか、それ?」 クスクスと上品に口を隠して、沙織は笑った。 それだけのことなのに、俺は照れて明後日の方向に顔を逸らしちまった。 だってよ、お嬢様モードの沙織は顔は超美人だし、身体はボン!キュ!ボン!だし、俺なんかより全然大人って思ってしまうんだが それなのに中学生の制服着てるアンバランスさ! メラ系とヒャド系を融合させた結果、メドローアできちゃったよ、コレ!? 「焼き芋とか、俺らみたいなのの食べ物じゃんか」 「あら、ひどいですわ。京介お兄様は、こんなに美味しいものを独り占めしてらっしゃいますの?」 「いや、だからさ、沙織みたいなお嬢様でも焼き芋食べるんだなーって……アレ? 同じ事言ってる?」 「ふふ……だって美味しいじゃありませんか、焼き芋」 そりゃそうだ。美味いもんを美味いと思うのに、身分は関係ないか。 「この焼き芋だって、そこの角のお店で買ったものですもの。別に目黒で購入したわけじゃありませんよ」 「そいつはお後がよろしいようで」 俺達は暫く焼き芋を頬張って時間を過ごした。 そうやって並んで何も喋られないでいても苦にならないのは、麻奈実とコイツぐらいだ。 といっても、お嬢様モードのコイツにはメチャクチャドキドキするけどな。 「京介さん」 「ん?」 お兄様、ではなく沙織は俺の名前を呼んだ。 友人の兄ではなく、俺個人に何か言うことがあるのだろう、俺はそんな風に解釈した。 「ありがとうございます。色々と……」 「いきなりお礼を言われてもな。劇の事なら、俺は好きでやってるんだ。他の奴らも多分そうさ。 だから、そんなに畏まって感謝しなくていいし、その言葉は劇が成功した後で聞きたい」 「でも……私一人では、きっと出来なかったですもの。きっと、思いつきもしませんでしたわ」 「んな事はねーよ。俺は背中推しただけ」 焼き芋を食べ終わった俺は、クシャクシャと芋を包んでいたアルミホイルを潰した。 「そういやさ……お姉さんには劇の事、言ったのか?」 「え? お姉様に?」 「お姉さんとの思い出の場所なんだろ。声、かけてみたらどうだ?」 「海外にいるお姉様は忙しくて、こんな場所には来てくれな……」 「ストップ」 愁眉って言葉がある。 昔の中国に、西施っていう美人がいて、ソイツが胸に手を当てて愁いの顔で眉をひそめる様がスゲー可憐で評判だった。 そんなわけで、その地方の女の間で胸に手を当てて眉を曲げるポーズが流行ったんだが そのポーズは西施がやるから可憐なんであって、他の女がやっても美しくは見えなかった、なんて話が由来だ。 何が言いたいかっていうと、沙織みたいな美女がやれば、苦しむ様でも充分見惚れちまうって事だ。 だからね、俺結構頑張ったんだぜ。だって、沙織が苦しんでるの放っておいていいわけないだろ? 「やってもいない内から弱気すぎるぜ。声かけるだけかけてみたって、いいじゃねぇか。 姉貴なんだろ? 向こうだって、お前から一言も無しにこんな事やってるって知ったら哀しむと思うぜ」 言ってから、俺は気づいた。 それが家族なら当たり前なんだ、と言えるようにまで、俺と桐乃の関係は回復したんだと。 ちょっと前の俺と桐乃のままだったら、俺の口からこんな言葉は出てなかったと思う。 アイツが何かしようと、俺には関係ないと思っていただろうし、俺に告げないことを哀しいとも思わなかったろうな。 「思い出の劇場が無くなるのが辛いぐらい、お前はお姉さんのことが好きなんだろ? 大切なんだろ? そりゃ、今はちょっと疎遠になっちまったかも知れねえけどさ、そんな簡単に消えるもんじゃ無いだろ、姉妹の絆って」 冷え切ったと思っていた。 一緒に住んでるだけの、他人だと思っていた。 けど……それでも…… 桐乃が俺を頼ってきた時、俺は……嬉しかったんだと思う。 桐乃に、コイツや、黒猫みたいな友達ができて、ホッとしたし 親父に桐乃の趣味がバレた時、全部俺が責任おっ被ったのは…… 結局、俺はアイツとは他人なんかじゃなくて、 どんなに関係が冷え切っていても、アイツはやっぱり妹で、俺は兄貴で 俺がアイツの為に行動する理由なんて、それで充分だった。 「もし沙織が連絡して、音沙汰一つ無い、沙織が頑張ってるのがどうでもいい、そんな反応だってんなら そいつは姉貴なんかじゃねえよ! そんな家族捨てちまえ! なんなら俺ん家の子になるか?」 ……アレ? なんか勢い余っておかしなこと言ってねーか? 「そりゃウチはお前ン家みたいな金持ちじゃねえけどよ、絶対にお前に寂しい思いなんかさせねぇぜ! 俺がさせねぇ! 俺がお前の兄貴になってやる。なぁに、桐乃の無茶に散々つきあわされているんだ。 今更お前一人増えたところで、全っ然問題にならないね! むしろ自慢の妹が増えて鼻高々だ!!」 「きょ、京介さん……」 俺に肩を掴まれた沙織が、食べかけの焼き芋を地面に落とした。 「あ……わ、悪りぃ。驚かせちまったな。それに、お前のお姉さんのこと、勝手な想像で悪く言い過ぎた」 「いえ……私、京介さんの言うとおり、お姉様に連絡してみますわ」 イチョウの葉が舞い咲くような微笑みで、沙織は俺を見つめ返してきた。 ああ、やっぱり美人は愁いの表情なんかより、笑顔が一番だな。 一方その頃、桐乃は―― 「アイツ、今日は予定無い筈なのになんであたしより帰るの遅いわけ? ありえなくない? あたしがこうして一緒にエロゲやろうって部屋で待ってるのにさ。 それにしても、相変わらず殺風景な部屋よねー。あいつの没個性っぷりを象徴してるみたいな? お前はエロゲの前髪主人公かっての! はーヤダヤダ、そんなんだから地味子ぐらいしか 構ってくれる女がいないのよ。他は妹のあたしぐらいじゃん? うわダサッ。 ……遅いなぁ、兄貴。 ん……なんだろ、これ。……ああ、劇の衣装か。アイツ劇場に置かないで持ち帰ってるわけ? そういえばマスケラのコスプレしてた時もノリノリだったし……部屋で着てポーズとってたりしてないよね? うっわーキモっ! 超キモッ! 完全ラストサムライじゃん。ラストはオワタの意味だけどね。 ……これ、カツラか……(キョロキョロ)……スンスン……うわっ、これ臭いキツっ! 帽子とかシャツの比じゃない。舞台練習で汗掻いているから? この兄臭、パンツレベルじゃん? ランクで言ったらA級。もう魔界に帰ることが出来ないレベル。要・次元刀。 ……待って、ってことはあたしの衣装も相当ヤバい感じ? いやいやいや、兄貴とあたしじゃ全然違うし。 兄貴が鉄人28号だとしたら、あたしは鉄人28号FXぐらいには改良されてるし、臭いも薄い。 け、けど、兄貴の臭いを嗅ぐことで、あたしの臭いを想像することはできるよね? そ、そう、だからこれはあくまで、あたしの為。あたしが恥ずかしい思いをしたくないから、 だから兄貴の衣装を嗅ぐ。うん、大丈夫、何にもおかしな所はない。 よし、じゃあ……スンスン……スンスン……き、き、き、切り捨てゴメェェェェェェェェェン!!! 兄貴・ザ・侍キタコレ! 間違ったブシドーキタコレ!! 兄貴のマスラオ包んだ兄貴の袴! 袴の臭いで、墓場まで飛んでっちゃうっ!! キラッ☆ 流星にまたがって、兄貴に急降下ぁぁぁぁん!! なにこの性感飛行! 兄貴何時の間に松本隆なみの作詞力身につけた? 超策士っ! 着物でチョンマゲなのに、兄貴の背中には羽根がある? それどんな厨二病!? きもっ そうやって、あたしのこと見下ろしてるけど、わ、わかってんのよ、あんたの心の中、君に胸キュン状態だって! はぁ…はぁ…ヤバイよ、侍兄貴ヤバイ、どれぐらいヤバイかっていうと、討ち入りしちゃうぐらいヤバイ 世界の中心で妹にチュウしちゃう忠臣蔵!みたいな斜め上の映画が中欧で注目されちゃったような状態! スーンスーンスーン……はぁ、このなんとも言えない、兄貴サムライな臭い。例えるなら荒川の橋の下の臭い。 これを世界中に発進しちゃっていいわけ? 日本古来の精神としてANIKI紹介しちゃう? 新渡戸越えちゃう!? 台湾で国兄扱い受けちゃうの!? 共産党批判して京ちゃん党作っちゃう!? わ、わかってんのよ? あんたの狙いなんて……そうやって人種的差別撤廃提案の中にこっそり兄妹婚を認めさせるつもりなんでしょ?! と、とんだ侍よね。悪党、悪党でしょ? 千早(B72)城で籠城しちゃうんでしょ? 貧乳好きとかキモッ そ、そりゃ胸は大きくないほうが着物は似合うけど? つまりアンタは妹に着物プレイをしたいわけ? 変態っ! 変態っ! な、なにが女性の着物の合わせ目は横からおっぱい揉みやすいようにできてるよ!! あたしがアンタ以外に揉ませるわけないじゃん! めちゃくちゃガードするっての! 無理だかんね? 普通にやって、あたしは犯されないから! で、でも兄貴がもし大典太抜いたら? 兄貴の大典太があたしに迫ってきたら? 裂かれるっ! 着物も処女も簡単に裂かれちゃうっ! 兄貴の童子切で処女切られちゃうっ! 兄貴マジ鬼畜っ! 兄貴もう完全に鬼丸と化しちゃった! あたし生死の狭間で兄貴の数珠丸膨れて精子命中! 三日月までトンじゃうっ!! あたし乱れまくりっ! 花の乱っ!……ハァ……ハァ……あ、後始末しないと…… 兄貴が帰ってくる前に……うぅん……その前にちょっとだけ……兄貴のベットで寝よう……」 誰も居ない舞台を、俺と沙織は歩いていた。 あの後、俺達は何となく別れたくなくて、 沙織は劇場の鍵を持っていたのを良いことに、誰もいない劇場に入ってみようと そんな、子供みたいな好奇心を理由で中に入った。 暗い舞台で、客席側の通路にある非常口を示す緑色のランプだけが存在を示している。 「劇さ……上手くいくといいな」 前を歩く沙織に向かい、俺は語りかけた。 「ええ。きっと上手くいきますわ。黒猫さんもおっしゃっていた通り、皆さんはまり役ですもの」 「……俺、あんなに酷い男じゃないぞ?」 人魚姫の好意に気づかなかったり、尼に惚れてみたり、お姫様に鼻の下伸ばしたり……さ。 「私もそう思います。京介お兄様はもっと、酷いですもの」 「おい!?」 「あの若殿の倍はフラグ立ててるでござるよ?」 バジーナの口調になって沙織は話すが、メガネを掛け直したのだろうか? あるいは、この暗がりなら、つまり自分を誰かに見られていないのなら 沙織のコスプレは、沙織の気持ち次第で着替え可能だったりするのか。 「後は……きりりん氏も、似てないでござるな」 「ああ、アイツなら声が出なくなっても、好きな奴には好きって絶対伝えるよな」 惚れた男が、自分を好きになってくれるまで待つなんて、桐乃とはかけ離れている。 「本当に……酷いお話……」 葉っぱの滴が地面に落ちたように、ポツリと沙織が呟いた。 「ちょっとだけ、救いがあるだろ。一流の悲劇より、三流の喜劇のほうが、俺は好きだぜ」 「……きりりんさんが人魚姫なら、きっと諦めないと思いますわ」 お嬢様の口調に戻った沙織が、舞台の中央で踊るようにターンをした。 「人間の世界で生きることも、好きな人から愛されることも、両方手に入れようとする筈ですわ」 「ん……確かにそうかもな」 尼や隣国の姫に身をひくなんて、桐乃には一番似合わない、か。 「でも……隣の国のお姫様だって、簡単には渡さないと……思いませんか?」 「姫さんが惚れるような男じゃねーって」 沙織が芝居がかった動きをして、ここが舞台で、俺もなんか俺じゃないような そんな気分になっていたんだろうな……俺は沙織に近づくと、手を取って口付けをしていた。 「お姫様には、もっとマシな王子様がお似合いだ」 「私が待っているのは王子様ではないの、ごめんなさい。 私が待っているのは、私を外の世界へ連れ出してくれる人。 忍者でも、怪盗でも、構わないのですよ。でも、一つだけ、ダメなものがありますの」 「それは?」 「……お兄様。お兄様だけは、ダメ」 ピタリと、BGMが止んだ気がした。 元からそんなものはかかっていなかったんだが、今まで、この瞬間までは 宮廷に流れるような、オーケストラが奏でる音楽が、存在するような錯覚が確かにあって 俺は沙織の演技に付き合っていたんだ。 「だって……」 沙織の声だけが、劇場に残る。 「兄貴とは、結婚できないから」 それは告白だったのかも知れない。 十数分前の、「俺の妹になれ」といった事に対して、「妹はヤダ。恋人がいい」と。 ただ、そう受け取るにはあまりにも…… 「誰の、真似だ……?」 答えたのは沙織ではなかった。 お嬢様の沙織でもなく、オタクの沙織でもなかった。 別の誰かを演じて、沙織は答えたんだ。 俺を「兄貴」と呼ぶ人物になって。 「沙織は、演技の才能はあるけど、シナリオの才能はないな。そいつはちょっとした超展開だぜ?」 俺の作り笑いには応じず、沙織は俺の横を通り過ぎていった。 「これは拙者の……ちょっとしたフェア精神でござるよ。情け無い恋敵に勝ってもしょうがないでござるからな。 まあその実……拙者が納得したいだけの、卑怯なフェア精神なのかも知れないでござるが」 クルリと、先ほどのターンより大分もたつき、時間をかけて沙織は振り返る。 「京介お兄様は厭。京介さんがいい……」 新雪の雪を踏んでしまうような、そんな儚げな声だった。 その声だけで、俺はどうしようもなく心をかき乱された。 この世にこんなに美しいものがあったなんて、知らなかった。 五感の内、たった一つ、聴覚だけで、 体中の骨が溶けてしまうほどに甘く、体中の肌に電気が走ったように痺れた。 電気がついてなくて良かった……顔が真っ赤で、とても見せられるもんじゃない 後で、この時について、同じ事を俺と沙織は言った。 ただ、二人の間に差違があったとすれば 俺は男の意地もあって、立ち続けていたが、沙織はその場に踞ってしまった。 その音に、何かあったのかと俺は慌てて駆け寄った。 「おい、沙織!? 大丈夫か……」 「いや……恥ずかしい……」 両手で顔を隠して、沙織は頭を振っていた。 元から恥ずかしがり屋の沙織だが、告白には相当の勇気を振り絞ったのだろう。 そんな事をさせた自分が、非道い罪人のような気がした。 「沙織……」 そして、それ以上に……その沙織の姿が愛おしかった。 今までに見た、どの沙織よりも、等身大の、俺より二つだけ年下の女の子だった。 「沙織っ!」 彼女の身体を抱きしめた時、胸の奥で何かがチクリと痛んだ。 丁寧に積み重ねてきたレンガ造りの家から、一つ石を抜いたように。 この石が無くなっても、家は崩れることはない。 だけど、この隙間から冷たい風が、家の中に入り続けるんだ……そんな事を考えた。 「京介…さん……」 これだけ近づけば、暗がりだろうと沙織の顔を覗くことができる。 そして、沙織の瞳が揺れているのが分かる。 きっと俺の心が揺れているから、こいつの心まで揺れちまってるんだろう。 「………」 その揺れが、奥に引っ込んでいこうとしていた。 すると、さっきまでの沙織まで居なくなって、 いつもの、気配りができる、俺より年下だってことをつい忘れちゃうような完璧な沙織になるんだ。 それでいいのか? 俺が抱きしめた沙織は、愛しいと思った沙織は、もっと弱さも持っていた少女じゃなかったのかよ? それを隠しちまったのは、俺が怯んだからだ。 沙織との新しい関係を選択することで、失うものがあることに躊躇いを感じたからだ。 じゃあ、それを守れば俺は幸せなのか? 無理だ。 だって狂おしいぐらいに、想っちまった。沙織を好きになっちまった。 「悪りぃ……」 それは、この場にいない、ソイツに向けて放った言葉だった。 俺はその言葉の後に、沙織の唇を奪った。 . . 「なあ桐乃、お前は俺と姫の結婚を祝ってくれるだろう? 人はこれを所詮は政略結婚というかも知れない。けど、俺は本当に姫を愛しているんだ。 それを祝ってくれる人がいないんじゃ、俺は喜べないんだ。 父上や弟も喜んではくれるだろうさ。けど、俺はお前に祝ってほしいんだ。 お前は俺の大切な……んぐ!?」 友人だから、とセリフが続く筈の所で、桐乃は俺の口を塞いだ。 ……唇で。 ませたガキ共が、観客席で沸いているのがわかる。 「な、何を……」 俺が驚くよりはやく、桐乃は舞台袖へと賭け逃げていった。 混乱する中、黒猫が慌てて照明を落として場面切り替えをするように指示し、 あやせがドス黒いオーラで、俺を●そうとしているのが見えた。 ……18年か。結構生きたな、俺。 兎に角、ひたすら土下座を繰り返し、 あやせから「劇が終わるまでお兄さんの命は預けておきますね」との言質を頂いた。 やったね! あと数十分だけ長生きできるよ!! 「……沙織、次は出番だぞ?」 花嫁衣装に身を包んだ沙織が、ソワソワと観客席を覗いていた。 理由は分かる。お姉さんを捜しているんだろう。 沙織から聞いた話では、舞台は「見に行きたい」とメールが帰ってきたそうだ。 だが、客席に沙織のお姉さんの姿はない。 しかしですね、恋人が妹にキスされても気にされてないってのはちょっと哀しーです、沙織さーん。 カラン……と、厳粛な音楽が流れるなかで、盃が沙織の手から零れた。 といっても、劇中で使用しているので、盃の中に酒が入っているわけじゃない。 「も、もうしわけありません。私、この日を楽しみにしていましたので…… 緊張で粗相をしてしまいましたわ。京介様、ダメな妻だと思わないでくださいましね?」 アドリブで結婚式の演技を続ける沙織に、 俺は(上手い返しも思いつかなかったので)ただ頷き、演技を続けた。 沙織がミスをするなんて珍しい……そう思いながら、彼女の視線を追うと 劇場の入り口に、この場には似つかわしくない上品な服(とはいえ、場違いではない)に身を包んだ 妙齢の女性が立っていた。急いでいたのだろう、肩を上下に動かしている。 沙織と同じ、アッシュカラーの髪の毛と瞳。 これであの女性が沙織の姉じゃないとしたら、とんだミスリードだぜ。 「兄上、この度の祝言、誠にめでたく存じ上げます」 弟役の御鏡が、折り目ただしく礼をする。 いや、かえって浮いてるけどね!? その完璧な時代劇の演技! 「いやメデタイ! メデタイ! 美人の嫁さんもらえて、高s…京介は幸せもんだ!」 赤城の野郎は完全にバカ親だ。っていうかケツを観客側に向けるんじゃねぇ! 「京介様、これからも末永く可愛がってくださいませ」 と、沙織は俺の手を握り…… 「ん!?!」 桐乃に続いて衆目の前で、俺の唇を奪っていきやがりました。いやん、もうお嫁にいけない。 その後、劇はまずまずの好評を得、終了し 俺は沙織のお姉さんと沙織と三人で少し話した後、打ち上げに合流した。 沙織のお姉さんとはあんまり話せなかったのが少し心残りだ。 初対面で緊張した事もあるが、向こうも忙しい時間を縫って駆けつけてくれたらしい。 俺なんかと違って、妹思いのいいお姉さんだ。 最後に「妹を頼みます」と言い残して帰っていった。魂抜けたね、そん時は。 んで、その打ち上げのカラオケボックスで 桐乃に「アレは演技だから勘違いしてんじゃないわよ!」と蹴り飛ばされ 黒猫に「本当に節操のない雄ね」と冷たく罵られ あやせに「●んでください」とナイフとフォークを投げられ 加奈子に「ついでだから殴ってやんよ」とカエル飛びアッパーを食らい 麻奈実の「ごめんね、砂糖と塩間違っちゃったみたい」という和菓子を喉に詰められ 瀬菜にふっかけられた赤城に「お前はファーストキスじゃないから我慢してくれ」と×××され 劇の成功を喜びあった。 ……うん、喜びあったんだよ、本当に。 沙織に膝に沈んだ俺をブリジットちゃんと黒猫妹にナデナデされたのが唯一の救いだったぜ。 「……って、桐乃さん、この領収書は一体?」 「今日の打ち上げ、アンタの奢りだから」 「どーやったらカラオケでこの額になるんだよ!」 「メニューの全品頼んだら?」 道理で皿が多いと思ったよ! うう…近くにATMあったかな…… 「言っとくけど、沙織にお金借りたら、アンタのこと一生ヒモって呼ぶから」 「借りねーよ!」 「んじゃ、あたし達は二次会のボウリングに行くから。あ、人数足りてるからアンタ達はこないでね」 「なっ…お前なぁっ!」 言いたいことだけ言って、俺の言い分は聞かずに出て行きやがったよ、ウチの妹様は。 俺は兎も角、沙織までハブっておかしいだろ。お前の友達だよ?! 今回の劇製作の主役っていっても過言じゃないんだぜ、沙織は! 「お兄さん、お兄さん…」 「あんだよ、御鏡…」 「これ、使ってください」 こっそり、輝きをもつカードを差し出すイケメン(外面) 「御鏡……悪いな、後で返すから」 「いいですよ。楽しかったですから」 くそっ…なにこのイケメン(中身)。この前はゴメンね。 「はぁ……」 「きりりんさん達に感謝ですわね」 「なんでだよ」 「京介さんと私に気を使ってくれたのだと思いますわ」 ……そういう事なのか? 他の連中は兎も角、桐乃は俺に嫌がらせしたいだけなんじゃねーかなぁ…… つーかバレてんのね、俺達の関係。別に隠してた訳じゃないけど 劇に集中しなきゃいけないときにゴタゴタするのもアレだと思って、しいて発表もしてなかったが。 「京介さんはきりりんさんに対してだけはニブチンですわね」 「そーかぁ?」 「そうですわ…ぁんっ…」 質量をもつパイオツを、俺のテンタクラーロッドが揉みしだく。 うーん、何度揉んでも手から零れてしまう、圧倒的な物量。戦いは数だよ、兄貴。 「んっ…ダメですわ……こんな所で……」 「まだ使用時間残ってるから大丈夫だって」 沙織の服のボタンを外し、そのたわわな膨らみを外気に解放させる。 触り心地のよい、高級そうなブラも取っ払う。 ううん、今年のクランベリーは発色がよく、小ぶりだが瑞々しさがありますなぁ~ツンツン☆ 「っぁ…ふぁっ……んっ…っぁ…」 「桐乃に蹴っ飛ばされた頬が痛てーんだよ。な? ナデナデしてくれよ」 沙織の15歳が持つには不相応な双丘に顔を埋め、擦りつける。 「京介さん…あっ…ぁっ……」 俺より背は高いし、肉感たっぷりな沙織ではあるが、それでも俺が抱えられないぐらい重たいわけじゃない。 沙織の胸を堪能しながら、そのくびれに腕を回し、場所を交換する。 カラオケボックスの安いソファに背を預け、沙織の身体を受けとめた。 「ん…じゅっ…ちゅるっ……ちゅっ…ちゅっ……」 体面座位の形になった俺達は、意馬心猿とばかりにお互いの唇を啜りあう。 「…っは…んふっ……ちゅるるっ…じゅぽっ…んぽっ……」 口膣に刺激を受ける度、沙織が身をよじる。 それに追従する沙織のバスト揺れ、もう艶福、艶福。 「もう…いやですわ、京介さんったら。私の胸ばっかり……私と私の胸と、どっちが好きですの?」 「お前に決まってるだろ」 ジト目(←ふつくしい)の沙織を宥めるため、髪を手で梳くと、くすぐったそうに身を縮めて俺に身体を預けてきた。 「じゃあ今回は許してあげますね」 そういって、あどけない少女の顔をちらつかせながら、一方で俺の胸元をはだけさせているのが沙織という女である。 「京介さんにお返しです……んっ…ちゅっ…ちゅっ…」 「ぁう…」 いやはや、年下の女の子に乳首舐められるというのも、乙なもんですなぁ……いや、Mじゃなくてね? 「ふふ…京介さん、可愛い……」 「ダイの大冒険、もとい、大の男に対してそりゃねーだろ」 これは挑発か? たけしの挑戦状なのか? よーし、受けてやろうじゃねぇか。 俺は沙織の背中に手を潜り込ませると、背筋を人差し指でそっと撫でた。 「ふぁんっ…やっ……そこ、ダメですわ……弱いの…っふ…知ってますのに……京介さんのいじわるっ…」 「ほらやっぱりな。お前の方が可愛いだろ?」 「…やぁっ…そんな…はんっ……可愛いだなんて……」 ウェーブのかかった浅鈍色の髪が崩れるほどに、俺の「可愛い」という言葉を否定する沙織。 まあ実際可愛いんだから、嘘は言ってないんだ。 けど、美人とは誉められても、可愛いとは言われ慣れてないのか、こうやって極度に恥ずかしがる。 その姿がまた愛らしいのなんのって……何この無限ループ。 「ああもう、俺の彼女は可愛いなぁ! 沙織は愛らしいなぁ!!」 「そ、そんな大声で叫ばないでくださいっ!」 「いいじゃんか、カラオケボックスなんだしさ。ボックスじゃなくても叫ぶけど」 「京介さんっ…んぐっ…ん…ふぁ……」 彼氏に反抗しちゃう悪い口は食べちゃうもんね。 とか言いつつ、ペロペロしながら沙織の服を脱がせる。俺も中々手慣れたもんです。 「こんなに固くして……京介さんのエッチ……」 あれー? 俺の下半身がスースーするぞー? ザ・ワールドかキンググリムゾンでも食らったのか!? くそー、俺がエッチだって? お前の方がとんだ淫乱娘じゃないですかヤダー 「ぁ…っん……こんなに脈うって……京介さんの……熱い……」 真珠のように白く長い指で俺のヴァジュラを絡め撫でる沙織。もう雷でちゃいますよ、その指使い?! どこで覚えたの?! 今すぐにでもあるるかん操作できちゃう腕前ジャマイカン! 「んっ…ふぅ…っんぁ……はぁ…」 しかし、そのこなれた手つきの割りには、顔は恥じらいで染まっていて、 チラチラを俺と俺の息子を交互に見やっている。 その事を前に指摘したら、やはり恥ずかしいのもあるが、俺の反応を見て気持ちいい場所を探しているんだと。 まったく献身的なお嬢様だぜ。その上、真面目で学習能力が高いときたもんだから、俺は耐えるのに必死だ。 「ふぅ…ふぅ……先っぽからヌルヌルしたのが……んっ…止まりませんわ……」 熱っぽく語る沙織は、亀頭を親指の腹でやわやわと撫でて刺激しながらも リズミカルに根本から手全体を使って肉棒をしごき続ける。 「ふふ…まだダメですよ、京介さん」 沙織は手を離すと、俺から離れ、姿勢を変え始めた。 「ん……何か企んでるな?」 俺に見透かされたのが嬉しいのか、沙織は口をωにして悪戯っ子の顔を見せた。 多分、これが一番ありのままの沙織なんじゃないかと思う。 相手に喜んで欲しいという健気さと、気づかれないのは寂しいという我が侭と、その二つを許して欲しいという甘えと そんな子供のような無邪気さを、俺は大事にしてやりたいと思う。 今はエロ方面に発揮されてるけどね、その無邪気さ。 「ほぅら、京介さんの好きなおっぱいですよー」 手淫だけでもイッパイイッパイだった俺のハヌマーンを、二つの柔肉が包んでいた。 こ、これは、天に選ばれた女性のみが使えるという……双包肉安天圧(パイズリ)!?!?! 「馬鹿なっ、民明書房(おとこのこのおとも)でしか見たことがない絶技が、現実にっ!?」 床に膝を付いて高さを調節し、沙織は両手で自分の胸を押さえて上下に動かし始める。 「んっ…ふぅ…っん……どうですか? ……もっと強く挟んだ方が……」 「い、いやいい……丁度いい。……沙織の肌、なんでこんなにもっちりスベスベなんだ……気持ちよすぎる……」 「そ、そんな恥ずかしいですわ……んっ…で、でも…はぁっ……京介さんが喜んでいただけるなら……っぁ…嬉しいです」 グッ、グッ、としごき上げる度に微妙に乳圧を替えて刺激してくる沙織と目が合う。 すると少し照れたように上目遣いではにかんできて、精神的にも相当やられてしまう。 「沙織…沙織……」 「…っん…ふぁ……ビクビクしていますの……もう我慢できませんと、京介さんのが……おっしゃってますわ……はぁんっ…」 胸元に先走りの汁が垂れ、カラオケボックスの強めの照明がそれを淫靡に照らしていた。 沙織は自分の胸から出て存在を主張する俺の分身を、その形の良い、やや厚めの唇で包んだ。 「うおっ…沙織、それはヤバいっ……」 「じゅるっ…じゅぽっ…ぬぽっ……ぐちゅ…じゅっ…じゅっ…ちゅるるるる………」 沙織の口内で精製された熱い粘液が、俺の先走り汁と混じって泡を立てる。 飲み干せなかったそれが、沙織の口の隙間から零れて顎を伝った。 沙織には似合わない、その下品な様が俺の劣情をかき立てる。 「沙織っ…もう出るっ!!」 俺の宣言に、沙織は一際大きく頭を振って陰茎を飲み込むと、引っこ抜かれるんじゃないかと錯覚するほど強く吸入した。 「う…うあぁっ……」 体中の血管を鼠が走り回るような、悪寒にも似た悦楽を感じながら 俺は沙織の口の中へと白濁を撒き散らしていった。 「むぐっ…うぷっ…んっ…あほっ……ぇ……けほっ……」 その量に、始めこそ喉を鳴らしていた沙織だが、受けとめきれずに自分の胸へと精液を垂れ流してしまった。 「だ、大丈夫か、沙織?」 「けほっ…んっ……いつもより、多いですのね……」 「……案外冷静なのか?」 苦笑するが、誰かが置き忘れていったポケットテッシュを見つけて、引っ張り出すと沙織に渡す。 「ん……大丈夫ですわ」 しかし沙織は受け取らず、ペロリと舌なめずりをし口周りの精液を為取ると コクコクと喉を馴らして嚥下していった。 「やっぱり…いつもより粘りが強いような気が致しますわ……」 「場所が場所だからじゃねーかな……はは…」 苦笑いしながら、俺は沙織の意見を肯定してやる。 本来そういうことのする用途ではない場所で、個室とはいえドアにはガラスがあり、 万が一何かのキッカケで店員が入ってくるかも知れず……などという要素に興奮しなかったかといえばNOだ。 「ふふ…京介さんの赤ちゃんの素がいっぱい……」 沙織は玩具を見つけた子猫のように、自分の身体にかかった精液を掬っては舐めている。 「んちゅ…ふっ…んっ……」 「すげ…」 乳首に垂れた精液を口にするために、自分の胸を持ち上げて吸い付いたのには、思わず声を上げてしまった。 マイリヴァイアサンも唸りを上げてしまった。 「沙織……今度は俺がお前を満足させてやるぜ」 サムズアップして白い歯を覗かせた俺に、沙織が郵便ポストかってぐらい真っ赤になる。 ば、ばか、なんか言った俺まで恥ずかしくなってきたじゃねーか。 上半身精液塗れの癖に、なんでそんな初々しい反応すんだよ。ちくしょー可愛いじゃねーか。 「こんにゃろ、足腰立たなくなるまで溺れさせてやる!」 沙織のすらっとした足を抱えると、そのまま持ち上げて、椅子の背まで押し付ける。 床じゃ可哀想だしな。もっとも、今日はここに沙織をホールドしちゃうぜ! 細かい刺繍が施された沙織のショーツは既にヌレヌレで、 早くひっぺ返して、俺のスプリガンをぶち込んで欲しいと嬌声を挙げていた。 「沙織……大好きだぜ。どこにだって、お前を連れて行ってやるからな。恋人として」 「京介さん……はい! よろしくお願いしますね」 じわりと、焼け石が投じられたお湯のように温かい気持ちが繋がり溢れていくのを感じた。 俺は沙織の一番奥へと、ゆっくりと肉槍を進めて…… 「兄貴、ゴメン、ちょっと忘れ物!!」 盛大に開かれたカラオケボックスの扉の音に、俺達の時間は静止した。 「あ、あ、あ、アンタ、人の友達に何しちゃってくれてんのよー!!」 「アホかー! お前な、俺達二人を残したってことはそういうことだろうが! 忘れ物したとしても空気読みやがれっ!!」 「どこの世界にそういう事でここまでするって思うヤツがいるのよ! キモッ! 変態性欲兄貴っ! 盛り過ぎっ! アンタ前世は猿なの!?」 「お、お、おちついて、京介さん、きりりんさん……!」 「ウルセー! てめえはその猿の妹なんだよ! ざまーみろ!!」 「いいから、ソレしまえ! バカぁぁぁぁぁぁ!!!」 「はっ! いいぜ仕舞ってやる! 男のココが、一番収まる場所にな!!」 「きょ、京介さ…あんっ!!」 「なっ…なっ…なにしてんの変態ぃぃ!!」 「お前だって親父とお袋がこうやって生まれてきたんだよ! 現実を直視しやがれ! 俺は兄貴として妹に性教育をしてやってるだけだ、わははははははは!!!」 「死ねェェェーーーーーーーーー」 「わっ! バカっ、マイク投げるな……痛っ!!?」 嵐のように桐乃は去っていった。俺の頭にたんこぶを残して。 「だ、大丈夫ですか? 京介さん……」 「へ……まあ、これでアイツともまた普通の兄妹に戻れるかな」 色々歪な方法だったけどよ。 「京介さん、まさかワザとああいう態度を……」 「……まあ、ちょっと羨ましいって思ったからさ」 目を丸くする沙織に、力なく笑ってみせる。 「沙織とお姉さんがさ、やっぱ仲良くていいなって思った。 俺達も……喧嘩ばっかしてるけどさ、そういうの続けばいいって 欲張りだけど、思っちまったんだよな。誰の影響なんだか……」 俺と沙織が付き合うことで、俺と桐乃の関係が、桐乃と沙織の関係がギクシャクするのは厭だった。 昔の冷戦状態に戻るのなんか真っ平御免だ。 ま、そういうことだな。 「俺はアイツの兄貴だし、お前の彼氏なんだ。ずっとな」 フィナーレが終わって、アンコールが起きてもずっと、そいつだけは変わらない。 そう、俺は決めたんだ。 「……はい」 沙織は頷くと、俺のたんこぶを優しく撫でた。 おしまい