約 4,207,150 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/7296.html
紬「日直の仕事で遅くなっちゃった」 紬「早く部室に行かなきゃ」 紬「遅れてごめんなさい、すぐお茶の用意するわね」ガチャ 唯「りっちゃんのばーか!もう知らないっ」プンスカ 律「なんだとー!唯のアホー!」プンプン 唯「ジオンが好きなんてどうかしてるよ!ガンダムって言ったら連邦軍だよ!」 律「連邦のどこがいいんだよ!あんなろくでもない連中なんて粛清されるべきなんだ!」 唯「コロニー落としとか水爆とか卑怯技ばっかりつかってるくせに!そんなこと言われたくないよ!」 律「それも愛する祖国のためなんだよ!国力が連邦の30分の1以下のジオンが連邦と戦うには仕方ないじゃないか!」 唯「だからってそんなことしていいわけないもん!」 律「うっさい!もとは連邦がスペースノイドを弾圧したのが悪いんじゃないか!」 唯「なんだとー!」 律「やるかー!」 紬「ふ、二人ともどうしたの?」 唯・律「ムギ(ちゃん)はどっち派?」ズイッ 紬「ほおえっ???」ビクッ 唯「ガンダムっていったら連邦軍だよね?」ズイッ 律「いやいやジオンだよな?」ズイッ 紬「え?え?」オロオロ 紬(がんだむ?れんぽうぐん?じおん?なんのことかさっぱりだわ・・・) 唯・律「ねえねえ、どっち?」グイグイ 紬「えーと・・・」オロオロ 澪「二人ともやめろよ。ムギが困ってるだろ」 律「スパロボ厨は黙ってろ!」 澪「スパロボを馬鹿にするなよ!」 律「馬鹿にしてはないよ!スパロボはおもしろい。それは認める」 澪「じゃあ何が嫌なんだよ。さっきからつっかかってくるけどさ」 唯「原作を見てないのに作品を語るのはどうかと思うよ、澪ちゃん」 澪「いいじゃないか!大体合ってるんだから!間違ったことは言ってないだろ」 律「ゲームでちょっと齧ったくらいのニワカにあーだこーだ言われる古参のファンの気持ちを察しろって言いたいんだよ!」 唯「そーだそーだ!」 澪「うるさい!おまえらだってスパロボに関してはニワカじゃないか!第二次からやってる私に対して好き勝手言いやがって!」 唯「第二次からやってるならせめてファーストくらい見ようよ・・・」 唯・律・澪「ぎゃあぎゃあぎゃあ」バチバチバチ 紬(なんだか嫌な空気だわ、止めなきゃ) 紬「あの 梓「遅れてすいません」ガチャ 梓「ってなにやってるんですか?」 紬「それがよくわからないんだけど、三人が喧嘩してて・・・」オロオロ 梓「なにやってるんですか。練習しましょう!」 唯「あっ、あずにゃん!あずにゃんはガンダムって知ってる?」 梓「知ってますよ。かっこいいですよね、フリーダム」 唯「えっ」 律「えっ」 澪(また面倒なことになりそうだな) 唯「あずにゃん。フリーダムって聞こえたけど気のせいだよね?」 律「フリーダムファイターガンボーイのことだよな?」 澪(間違いなく種のことだろうな) 梓「何言ってるんですか?フリーダムガンダムですよ。ガンダム知らないんですか」プッ 唯・律「」 澪「ムギ、ちょっとコッチへ来るんだ。部室から出るぞ」グイ 紬「えっ?」 澪「これからガノタどもの不毛な争いが始まるから巻き込まれるぞ」 紬「う、うん」バタン 音楽室の外 紬「澪ちゃん、さっきは何を言い争ってたの?」 澪「ガンダムっていうアニメの話だよ」 紬「がんだむ?」 澪「なんだ、ムギ知らないのか?」 紬「ごめんなさい」シュン 澪「いや、昔のアニメだし知らなくて当たり前か」 紬「さっき唯ちゃんとりっちゃんが「れんぽうぐん」とか「じおん」とか言ってたけどどういうことかしら?」 澪「ガンダムは連邦軍とジオン軍が戦争するアニメなんだ。」 澪「唯は連邦軍が好きで律は根っからのジオン派だから揉めてたんだよ」 紬「ふーん。じゃあ、さっき梓ちゃんが言ってたフリーダムっていうのは?」 澪「順序良く説明すると、ガンダムっていってもたくさんシリーズが出ていて唯と律が言ってたのは一番最初に放映された機動戦士ガンダムっていうアニメのことなんだ。」 紬「うんうん。それで?」 澪「それで梓の言っていたフリーダムって言うのはガンダムSEEDっていう結構最近のガンダムのことなんだ」 紬「全く別のお話ってこと?」 澪「そういうこと。ただ・・・・」 紬「ただ?」 澪「昔のガンダムのファンとSEEDのファンは仲が良くないんだ。まぁ一部の人間のことだけどな」 紬「えーと、つまり?」 澪「今、部室では三人が大いに言い争ってるってこと」 紬「大変!とめないと」 澪「無理だよ。私もムギが来る前に唯と律を止めようとしたけど、火に油を注ぐ結果になってしまった」 澪「へたに関わると逆に面倒になるからやめたほうがいい」 澪「それにこのままじゃ練習になりそうにないから、今日は解散だな」 紬「じゃあ、私ガンダム見てみるわ」 澪「いいんじゃないか?だいたいどこのお店にも置いてるだろうからすぐ買えると思うし」 紬「澪ちゃん、バイバーイ」タッタッタッ 澪(どっぷりハマらなければいいけど・・・) その頃、音楽室 律「中野ォォォォ!!」 唯「見損なったよ!あずにゃん!」 梓「なんですか急に?」 律「ガンダムって言ったらファーストだろうが!」 梓「これだから懐古厨は・・・」ハァ 唯「」ブチッ 律「腐のくせにガンダム語ってんじゃねーぞ!」 梓「腐って言うなぁぁぁぁ!」 唯「腐は腐だろうが!キラ様、キラ様うぜぇんだよ!」 梓「キラとアスランは最高です!異論は認めません!」 律「それがうざいって言ってるんだよ!」 梓「確かに私は腐です。でもそうやって腐のせいにしてSEEDをこき下ろすのはやめてください!」 律「内容もカスだろうが!ほぼパクリじゃねーか!」 梓「パクリじゃないですよ!オマージュです!」 律「それをパクリって言うんだよ!唯、お前もなんか言ってやれ!」 唯「いや、私は腐オタは嫌いだけどSEED自体はそんなに嫌いじゃないよ?」 律「なん・・・だと・・・?」 唯「確かに真似て作ってあるけど、話はちゃんとしてるし面白いよ」 梓「ほら、わかる人にはわかるんですよ」 律「どこがだよ!前半パクリで、後半は主人公のひとりよがりじゃんか!」 梓「律先輩はちゃんと見てたんですか?あの後半の盛り上がりがわからないなんてどうかしてます」 唯「そーだそーだ」 梓「そしてDESTINYです!最高ですよ!」 唯「ごめん、種死はないわ」 梓「なん・・・だと・・・?」 唯「あれを面白いって言う感覚がわかんないよ」 律「てかいつの間に主人公入れ替わってんだよ」 梓「うるせぇ!屋上に行こうぜ。切れちまったよ、久しぶりに」 唯「なにをー!」 律「やるかー!」 唯・律・梓「ぎゃあぎゃあぎゃあ」 和「律、例のプリント提出今日までよ。ってなにやってるの?」 唯「和ちゃん!ガンダムって知ってるよね?ガンダムって言ったら」 和「ナイドガンダムかわいいわよね」 唯「」 律「」 梓「」 和「なんで黙るの?」 律「なんでSDが一番なんだよ・・・」 和「かわいいじゃない。小さくて。話も単純でわかりやすいし」 唯「私もSDは好きだけど、あれはガンダムとは別次元で楽しいって言うか・・・」 梓「ナイトガンダムってなんですか?」 律「これだからゆとりは・・・」チッ 梓「おい、デコ!今、なんつったよ?オイ」 和「こら、喧嘩しないの。律、プリント今日中に生徒会まで持って来てね」ガチャバタン 梓「ゆとりって言いましたよね?言いましたよね?」 律「イッテナイヨ。キノセイダヨ」 純「あっずさー、遊びに来たよー。ってどうしたんですか?」 梓「純はガンダムで何が好き?」ズイッ 純「うーん、ターンエーが一番好きかな。かっこいいじゃん」 梓「あのヒゲのどこがいいの?」 唯「純ちゃん!」ダキッッスリスリ 律「私もターンエーは面白いと思うぞ。見た目で判断するのはいくない」 唯「人の作ったものなら、人を救って見せろー」 純「僕はムーンレイスなんです!」 唯・純「ワイワイガヤガヤ」 律「やっぱいいよなぁ、ターンエーは」ドヤッ 梓「ぐぬぬ」 憂「お姉ちゃーん、迎えに来たよー。って何やってるの?」 梓「う、憂はガンダムって知ってる?」 憂「ガンダムは知ってるよ。Vガンダム面白いよね」 梓(うっ、Vガンは見たことない) 梓(でもこのままじゃ、律先輩にバカにされてるみたいでなんかイヤ) 梓(なんとか憂を見方に付けたい・・・) 梓「お、面白いよね。Vガンダム」 憂「梓ちゃんもVガンダム好きなんだ。誰が一番好き?」 梓「えっ?」 梓(マズイ・・・キャラクターの名前なんてわからない・・・)ダラダラ 憂「???梓ちゃん、どうしたの?」 律(ははーん、梓のやつ・・・・)ニヤッ 律「タシロ・ヴァゴ」ボソッ 梓「!!!タ、タシロ・ヴァゴってかっこいいよね!」 憂「えっ」 梓「えっ」 憂「ごめん、梓ちゃんそれはないわ」 梓「」グサッ 唯「うーいー、どうしたのー?」 憂「お姉ちゃん、梓ちゃんはVガンでタシロが好きなんだって」 唯「あずにゃん、それはないわ」 梓「」グサグサッ 純「憂、どうしたの?」 憂「純ちゃん、梓ちゃんはVガンでタシロが好きなんだって」 純「梓、それはないわ」 梓「」グサグサグサッ 律「タシロはないわ」プッ 梓「もとはお前がいったんだろぉぉぉ!うわぁぁぁぁぁぁぁん!」ガチャバタン 憂「行っちゃった・・・。梓ちゃんどうしたんだろ」 純「さぁ?見たい腐アニでもあったんじゃない?」 律「」ニヤニヤ さわこ「話は聞かせえてもらったわ」 唯「うわっ、さわちゃんいつの間に」 さわこ「てめーら、ガチ党ディスるなんていい度胸だ!全員ギロチンにかけてやる!屋上に来い!」ブチィ 律「うわっ、さわちゃんがキレた、みんな逃げろ!」 唯・律・憂・純・さわこ「ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ」 翌日 唯「結局、昨日は練習しなかったね」 梓「今日は練習しましょう」 律「お茶飲んでからにしよーぜ」 澪「今日はムギ休みだからお茶はなしだ。練習するぞ」 唯・律「えー」ブーブー 梓「ほら、はやく練習するです」 唯「ムギちゃんどうしたんだろうね?」 律「さぁ?風邪じゃないか?」 ズシン 澪「な、何の音?」 ズシン 梓「外から聞こえてきますよ?」 ズシン 唯「ってあれは!?」 律「ガンダム!?」 澪「こっちにくるぞ?!」 ガンダムのコクピット 紬「琴吹財閥の科学力があればガンダムの一機くらい作れて当然よね」 紬「私、MSを操縦するのがゆめだったのー」 紬「紬、行きまーす!!」 グワシャアア ドゴーン 唯「ひいい」 律「あわわ」 澪「」ガクブル 梓「」バタンキュー 紬「やりすぎちゃった・・・。学校が・・・・・」 紬「逃げよっと」 おわり 戻る
https://w.atwiki.jp/yoroduya/pages/126.html
ちょっとだけ、冷静になりました(笑) ウルジャン、新装版まとめ 勢いだけで読んだ直後にメールで垂れ流したのは、みくしまたは、バックアップ用ぶろぐへ。 ウルジャン なに、あの、嫁!!! なに、この、受っ!!!! ちっこい旦那は必死だよ! このまま逃げるんか、嫁!!??!! すべてはきみのためにーっ!(誤解です) 無道好きさんサイト見ると、みな同じ表情で同じ反応をしてるんだ! もう、この、受!! 受!! さすが五月っちゃん!!!(関係ない どーしよーよ、無道!! もう、こいつ、こいつはっっ!!! この受ーっっ 天然受ーっ 天然嫁ーっ(は? 可愛すぎて、萌え死ぬかと思ったろ! 来月まで死ねないってのにっ!!! どーしてくれるんだ! もう、もーーーーっっ ク ロ 綾 ーっ(落ち着け クロ綾な人たち、もー、どーすんのコレ! うらやましいなぁ、くそっ!!(笑) 無道好きーには 「たまらんけど、心臓にかかわりそうな ンか月」 が始まりました(笑) 止まったら9巻 見れないじゃん! ダメじゃん、それ! せめて鼻血で貧血くらいにしといてください!! もうだめだー …だめなのはお前だけだ、まきむら… …それはさておき… ひつぎさん、もっさんに止めてもらう気満々 完全に役割決まってます 決めてます 本人やる気全然ありません ステキ(笑) 父がステキすぎます これで父でも全然驚きません むしろウェルカム 母も気になるけど、父ちゃんでいーです そんな父ちゃんより男前なひつぎさんはやっぱりステキ(笑) この人が父! それでいいです おっけーです 無問題です! うぇるかむです!!! 美人ですてき!ステキすぎ! ネタでもなんでもなく、まぢで父希望!!切望!!! え、俺だけ? ナギに過剰反応していた炎雪がこのあとどう動くかはすごく気になりますが それで無効試合になってもかまわない そこで無道のスイッチが入らなくてドローでもかまわない! まだまだ、無道さん越えるものは大きいし ゆかりたちと決着ついてないのに、無道が先に炎雪と決着つけるのもなんか変だし 移籍したてだから、もうちょっと展開ひっぱるだろうし だから、これは、ナギがからんで無効! ってことで!!! そしてわしらは再び弱気な嫁で悶える機会を得るってことで! ほらっ全然、無問題! いやいやほんとに どうなる、炎雪戦 あそこでバナナを見切るナギとかステキすぎますが 起こすのか動くのか、気になる引っ張り方ですよねー ねー? 個人的には上記のような理由で、無効になる方向で楽しみにしておりますがねー 抜かないと反応しないとか、GPSとか、ひつぎさんちはどんなお仕事してるんだろう ありえないところに何か卸してみえるんかしら? とかいらん深読みしちゃったよ これでシステム的な謎がちょっと解けたので、参考にしよう♪ 扉 槙先輩のサーベル!!! サーベルっ!! サーベルがっっ! 楽しみすぎる! 楽しみすぎるよ! 先輩!!!! 早く、早く、早くゆかりは許可してあげて! 先輩、左手だけでもおっけーだから! 強いから! 信じてあげてよ もう、心配性なんだからっ 奥さんたら!(止まれ ひつぎさんたちとサイズが変わらなかったことで踊ってたのはわたくしだけですか これからの人だよ! いや、「今から」の人だよ!!! ぃやっほー! ずんずんがすげーいい顔してます この顔 この顔が好きなんだよ!!! そしてやはり帯刀は帯刀だったね… 以前、人を描くって楽しいねの中村さんにお会いしたときに「正面顔かきませんね、恥ずかしがりやさんなんですね」って言われたのを思い出しました なんか新しい舞台で、林家センセの目が泳いでる印象を受けました ほんとのトコ、どうなんだろう(笑) 新装版 ししょーにいわれるまで、カバー見返しの帯刀に気付きませんでした さすが、帯刀ファンは違うね… いや、あなでカバーかけてもらっちゃったから、さー(いいわけ) うるじゃんの表紙もそうだけど、こういうときの無道の「顔作ってます」なA型くささが大好きです 一番残念だったのはG組になってたことだよ… ←真っ先に報告が来た 萌えポイントだったのにー ちぇー ちぇー! ちぇーっ!! ちぇーっ!!!(もういい) 1巻表紙はもう、めくりましたか? 2巻表紙は確認しましたか? 裏表紙の無道に萌え倒しましたか? えぇ質素倹約を旨とするらしいですよ?(笑) (一箇所違うものが混ざっています) ぇえ、しっそけんやく! うちに3冊もあるなんていわないよ、新装版! メイド無道に目がくらんだなんて、ああ、言わないともさ …メイトのばかーっ…!!!!(一番のバカは踊らされてるお前だ てんぷらそばです! てんぷらそばですよ!! てんぷらそばには七味唐辛子なんです! そして武蔵!!!! 気になる、気になるじゃんもっさん!! ひつぎさんとこもイロイロ、色々、いろいろっっっ!! もう、是非、過去バナやってくださいーっ 加筆のチェックはしません もかちゃん、4人兄弟の真ん中か! 真ん中っ子か!! しかも下寄り、長女! かっけー筈だよ!! わんこのネコの名前が可愛すぎる!(は? 鬼吏谷の兄弟構成も妙に納得(笑) ぅわ、もー3、4巻が気になる! すげー気になるー!!!! いいひと月になりそうです そうそう、だから 正式 公式 短縮形は 「はぶ」で! 紅蜂さんの言うことは絶対だよ!(笑)
https://w.atwiki.jp/83452/pages/5283.html
律「あたしもさ、唯ほどじゃなくても結構だらしなかったりするんだけどさ」 律「それでもいいなら、期間限定でも、憂ちゃんのお姉ちゃんになりたい」 憂「律さん・・・!」 結局勉強も手に付かず、その日あたしたちは寄り添うようにして眠った 律(ふう・・・事はそう簡単にはいかなかった) 律(憂ちゃんの隠していた願望・・・あたしじゃなくて唯に話せば一発で解決しそうな気がする) 律(唯が頼れる姉になって戻ってきたらそれでめでたしめでたしじゃないか) 律(あたしなんでここにいるんだっけ・・・?) 澪に連絡を入れる気にもなれず、あたしは眠れるまで延々これからのことに思いを馳せていた 翌朝! 憂「律さーん、起きて下さーい」 律「ん・・・?んー!おはよう憂ちゃん」 憂「さあ、朝ごはん作りましょう!」 律「おお、やったろうじゃないか!」 素直にあたしを頼ってくれるようになった・・・それは嬉しい あの笑顔、唯に向けられていたそれが今あたしに向いている・・・望んだとおりのことだ しかし何故だろう、こんなに胸がモヤモヤするのは 律憂「行ってきまーす」 二人で朝食をとった後、一緒に学校へ行く。といっても憂ちゃんは学校違うので途中までだが― ギュッ 律「?」 憂「えへへ」 律「どうしたのさ、突然手なんて繋いで」 憂「何でもないでーす」 ドクン まただ、また胸がおかしい 確かに好きな子と手を繋いで興奮はしてるけど、それだけじゃない もっと別の―― 憂「あっ、私こっちなので・・・」 律「あ、そそそそうか・・・」 憂「また後でね、お ね え ち ゃ ん」 律「!?」 爆弾を投下して憂ちゃんが去っていく 律(お姉ちゃん、か) 嬉しいはずのその言葉が、どこかに鋭く突き刺さった気がした 私と律のミッションの間は、部活は休止ということにしている 理由は律と憂ちゃんの時間を増やすためだ 唯はムギのお菓子が恋しいようだが・・・ 澪「よしよし。帰ったらまずお茶にしような」 唯「よかったー。ティータイムがないと私死んじゃうとこだったよ」 澪「そして練習だからな」 唯「うっ・・・でもギー太のためなら私・・・」 澪「そして夕食の後宿題だ、分かってるな」 唯「見えない聞こえない見えない聞こえない」 澪「こらこら、人の持ちネタを・・・って違う!」 唯「ごめんごめん。そうだよね、一つ積んでは憂のため・・・」 澪(そして私とお前と律のため・・・) 澪「わかったら帰るぞ!」 唯「うん!」 紬「REC」 憂「律さーん!こっちこっちー!」 律「おー、憂ちゃん待ったー?」 憂「いいえ、今来たとこです」 律「なんだかデートみたいなやり取りだな!」 憂「デ、デート・・・!?」 何でだろう、律さんはお姉ちゃんのはずなのに デートなんかじゃないのに 何でこんなに胸がドキドキするんだろう 律「あれ?どうしたの憂ちゃん」 憂「え!?い、いいえ、何でもないですっ!」 律「それじゃーまず何買おうか」 憂「えっと・・・そもそも今晩の献立考えてからですね」 律「そういやそうか。憂ちゃんは何食べたい?」 憂「いえ、私より律さんが・・・って」 律「・・・・・」ジー 憂「わ、私はハンバーグが食べたいかなー、なんて」 危ない危ない。律さんは私のお姉ちゃんなんだ。律さんには本音をぶつけなきゃ そう、私のお姉ちゃんなんだから・・・ 律憂「ただいまー!」 律憂「おかえりー!」 律憂「プッ・・・」 何が楽しいのか、ケラケラと二人しばし笑い転げる。 律「はあ、はあ・・・とりあえず荷物なんとかしよう・・・」 憂「は、はい」 律「さて、平沢家三分クッキングのお時間です」 律「先生、本日もよろしくお願いします」 憂「はい、よろしくお願いします」 律「さっそくですが、今日のメニューは何ですか?」 憂「今日は平沢家特製ハンバーグです」 律「それは素晴らしい!レシピはどのような・・・・・」 憂「隠し味は・・・・・」 昨日より楽しく作れた夕食は、とってもあたたかかった 律「で、今日もお風呂に入ろうと思うんだけど・・・」 憂「・・・・・」 律「い、一緒に入る?」 憂「・・・・・はい」 律「憂ちゃんって髪きれいだよなー」 憂「り、律さんこそ・・・髪下ろしててもいいのに」 律「・・・」 憂「・・・」 律「あ、ありがとう」 憂「い、いえ・・・こちらこそ」 昨日より早くあがったお風呂は、とってもぽかぽかした 憂「今日こそ勉強しましょう!」 律「おー!」 憂「・・・」サラサラ 律「・・・」カリカリ 憂「あのー律さん、ここがわかんないんですけど・・・」 律「憂ちゃんにわかんないものをあたしがわかるわけが・・・」 憂「・・・」ジー 律「わ、わーかったって!で、どこだって?」 憂「エヘヘ・・・えっと、ここなんですけど」 律「あれ、中学違うのに教科書同じの使ってんじゃん」 憂「えっ、そうなんですか?」 律「うん、うちも去年これだったな。さすがに細かいとこは違うとは思うけど」 憂「へー・・・」 昨日よりはかどった勉強は、とってもたのしかった 律「ん~っ!もうこんな時間か」 憂「ふわぁ~あ・・・もうそろそろ寝ましょうか」 律「そうしよっか」 憂「それじゃ・・・おやすみなさい」 律「おやすみ、憂ちゃん」 憂「・・・・・」 律「・・・・・」 律「いや、自分の部屋に戻らないと」 憂「そ、そうなんですけど・・・もうちょっとだけ」 律「仕方ないなぁ・・・ほら、こっちきなよ」 憂「エヘヘヘヘ、ありがとう、お姉ちゃん」 律「ッ~~~~!」 昨日より近づいた距離は、とってもおおきかった でも。 律(お姉ちゃん・・・なんだよな) 憂(お姉ちゃん・・・なんだから) その距離は、とってもとおかった そして。 憂「律さーん、起きて・・・ってあれ?」 律「おはよう憂ちゃん」 憂「今日は早いんですね」 律「ああ、なにしろ今日は休日だからな!休日を満喫するためなら早起きなど朝飯前よ!」 憂「変わった考え方ですね・・・うちのお姉ちゃんは休日は昼まで寝てますよー」 律「さすが唯・・・さて、朝飯作ろっか」 憂「はーい」 律「さて、朝飯後なわけだが」 憂「これからどうしましょうか?」 律「憂ちゃんはどっか行きたいとかない?」 憂「うーん・・・律さんと一緒ならどこでも・・・」 律「ちょっ///そういうこと真顔で言わない///」 憂「あっ・・・すみません///」 律「あ、そうだっ!」 憂「ど、どうしたんですか!?」 律「澪んちに行こうぜ!」 憂「えっ・・・でも澪さんの家って今お姉ちゃんが・・・」 律「そう、唯がいるな。でも、来ちゃ駄目とは言われてない」 憂「そうなんですか・・・?」 律「そうなんだな。今気付いたんだけどさ。で、どうする?ここ数日で唯が変わったかどうか、見てみたくない?」 憂「そうですね・・・」 怖くはあった。もし仮に、お姉ちゃんが既に真面目人間さんになっていたら。その時私はどんな顔でお姉ちゃんに会えばいいのか? 律さんにしたように、甘えてみせればいいんだろうか。ん?律さんにしたように・・・? 律「で、結論は!?」 憂「ひゃい!い、行きます!」 確かめてみよう、この気持ちを。もし同じようにできてしまったら、その時は―― 律「ぴんぽーん」 唯「はーい」 澪「開けるな唯!それは律の罠・・・」 唯「え?なに?」ガラガラ 律「おっじゃまっしまーす!」 澪「お、遅かったか・・・」 憂「こ、こんにちは・・・」 唯「おお憂ー!なんだか久しぶりー!」 憂「ほんとだねお姉ちゃん。たった数日なのに・・・」 律「はっはっは、あたしを止められるとでも思っていたのかい、秋山澪ちゅわん?」 澪「くっ・・・!」 唯「まあまありっちゃん。憂も、ひとまず上がって話そうよ」 律「お、おう・・・」 憂「う、うん・・・」 お言葉に甘えて、上がらせてもらうことにした お姉ちゃんがてきぱきとよく動く姿は、嘘のようだった 唯「どうぞ、粗茶ですが」 澪「ってうちのお茶だ!」 律「ほお、これはよいお手前で・・・」 唯「オホホ、恐縮でございますわ」 澪「・・・・・」 唯「こちら、手前が直々に焼きましてございます」 律「おおー、パンケーキとな!」 澪「たくさん練習した成果だ、味わって食べるんだぞ」 唯「な、なにもバラさなくても・・・憂もどうぞ~」 憂「う、うん、ありがとう・・・」 お姉ちゃんがそつなく接客をする様は、夢のようだった 唯「とりあえずここ数日の特訓の成果を見てよ!」 澪「ああ、唯のギターは本当にうまくなったよ」 律「へー、楽しみだな憂ちゃん」 憂「は、はい・・・」 人の気も知らないでこの人は・・・ これが終わったら、全部元通り・・・ううん、お姉ちゃんが今の律さんの立場に戻るだけ でも・・・ 『期間限定でも、憂ちゃんのお姉ちゃんになりたい』 ―そう言って受け止めてくれた律さんを。そのままお姉ちゃんに挿げ変えるなんて真似、できるわけなかった 憂「・・・ッ!」ダッ 律「あ、憂ちゃん!?」 唯「え、え?何、どうしたの?」 澪「薬が効きすぎたか・・・どうするんだ、律?」 律「もちろん、追っかけるに決まってんだろ!」 澪「ああ、行って来い行って来い。やれやれ、とんだ茶番じゃないか」 唯「まあまあ澪ちゃん。私はけっこう楽しかったよ?」 澪「唯がそういうんならそれでいいか・・・」 唯「ふふっ、でもどうせ二人から連絡があるまでまだ時間あるでしょ」 澪「そうだな・・・せっかくだから寸止めされたセッションでもするか」 唯「イェーイ!私の歌を聞けー!」 律たちが来る少し前。 prrrrrrrr 澪『ん、律からメールだ・・・なになに?』 『これから第三段階に入ろうと思う。唯と準備して待っていてくれ』 澪『まだ早いだろ!って言って聞くような奴じゃないか・・・仕方ない』 澪『ゆいー、お茶の用意だー』 唯『はーい!』 ハァ、ハァ・・・ どこまで走ってったんだ、あの子は? ん?あの後ろ姿は・・・ 律「やっと見つけた!」 憂「ひゃっ!」 唯に似ている、だけど見間違えるはずもない背中 律「髪、解けてるよ」 憂「えっ・・・?夢中で走ってきたから気づきませんでした・・・って!」 律「へへー、捕まえたー」 憂「は、離して下さい!」 胸がズキッと痛んだ。そういや憂ちゃんに本気で拒絶されたのは初めてか・・・ 律「なあ、もう終わりにしよう。唯がちゃんと進歩してたのは見ただろ?唯なら受け止めてくれる。あとは唯に― 憂「嫌です!」 律「なんで・・・!」 憂「それじゃ律さんがお姉ちゃんの代わりみたいじゃないですか!」 律「そう、代わりだったんだよ!」 律「今回の件は、ただ二人を姉離れ、妹離れさせるためだけのものじゃなかったのさ」 憂「どういう・・・ことですか?」 律「あたしが、姉離れした憂ちゃんの寂しさに付け込んで仲良くなろう、って・・・そんな計画だったんだ」 憂「嘘ですっ!」 律「嘘じゃない!」 律「この後、家に戻った唯の一人立ちした姿を見て、憂ちゃんは寂しさを覚えて」 律「そこをあたしが・・・って計画だったんだ」 憂「そ・・・んな・・・」 ああ、もう終わったな・・・ やっぱりこんなの最初からやめときゃよかったかなぁ・・・ でも、あたしはけじめをつけなきゃいけないんだ 律「ごめんね憂ちゃん・・・憂ちゃんの気持ちも考えないで」 律「でも、短い間だったけど、本当に妹ができてうれしかったなぁ」 律(本当はお姉ちゃんじゃなくて、ずっと一人の女の子として接したかったけど) 憂「本当ですよ・・私の気持ちも考えないで・・・」 律「ああ・・・どんなに謝っても足りないけど・・・ごめん」 憂「私がどんな思いで妹として接してきたか・・・」 律「本当にごめん・・・」 憂「勝手に私の中に入ってきて!勝手に作り変えていって!挙げ句勝手に出ていくつもりですか!」 憂「そんなの許しませんよ・・・」 律「ごめ・・・ん?」 憂「責任を取って下さい」 律「え?」 憂「お姉ちゃんとしての責任じゃありません」 憂「律さんとして責任を取って下さい」 これは・・・どういうことだ?憂ちゃんは何を言っている? 律「えーっと・・・それはどういう・・・?」 憂「わかりませんか?」 律「皆目」 しばし憂ちゃんはうーんと考えていたが、やがて。 憂「えいっ」チュッ 律「な!?」 何だ?今、キスを、された、のか? 律「な、何考えてるんだ!私は憂ちゃんに酷いことを・・・」 憂「確かにびっくりしましたけど・・・それ以上に嬉しかったですから」 律「嬉・・・しい?」 憂「はい!考えてみたんですけど、律さんが本当の計画をバラすメリットって無いですよね」 律「む・・・」 憂「私と仲良くしたいなら、黙って慰めればいい。違います?」 律「う・・・」 憂「そうしなかったのはどうしてかなー、って考えたんですけど」 憂「律さんは誠実でありたかった、んじゃないですか?」 参ったな・・・これは敵わないや 律「降参だよ、その通りだ。あたしは憂ちゃんに嘘をついていたくなかったんだ」 律「だから姉でいることが辛かった、もちろん嬉しくもあったけど」 律「やっぱり一人の女の子として付き合いたかったからさ」 憂「律さん・・・」 憂「私も、ですよ」 憂「私にとってお姉ちゃんはやっぱりお姉ちゃんで、律さんは律さんだったんです」 憂「お姉ちゃんにはあんなふうに甘えられる気は・・・しないんですよね」 憂「結局、律さんはお姉ちゃんの代わりなんかじゃなかったんですよ」 律「憂ちゃん・・・ありがとう」 憂「お礼を言うのはこっちの方です。この数日、とっても楽しかったです」 ああ・・・確かにもう終わりだったみたいだ 律「それじゃ・・・帰ろうか」 憂「はい・・・」 憂「さようなら、お姉ちゃん」 憂「大好きです、律さん」 律「あたしも大好きだ、憂」 おしまい 戻る
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1379.html
その日の朝は、いつになく爽やかな目覚めだった。 お日様の陽気も心地よく、今日は何か特別なことが起こるかもしれない。こなたはそんな予感を感じていた。 スキップでもしそうな上機嫌で校門に辿り着いたこなたは、前方にみゆきの後姿を見つけた。 「おっはよー、みゆきさん」 上機嫌なまま、みゆきに挨拶をするこなた。みゆきがその声に振り返り、こなたに挨拶を返す。 「ういっす、泉」 一瞬、こなたは人違いだと思った。しかし、再度見直しても、目の前にいるのはみゆきに他ならなかった。 でも、泉って呼び捨てされてるぞ。そもそも「ういっす」ってなんだ。いつからみゆきさんはこんな砕けたキャラになったんだ。 こなたは混乱する頭で、みゆきに問いかけた。 「えっと…みゆきさん…だよね?」 「そうよ。他の誰に見えるって言うのよ…大丈夫、泉?また徹ゲーとかしてたんじゃないの?」 「…えーっと…なに?かがみの物真似?」 特別なこと起こっちゃった。 とりあえずこなたは、今日一日爽やかには過ごせない予感をひしひしと感じていた。 - なんだかおかしな日 - 「ホントに大丈夫なの?熱とかない?」 冷や汗をだらだらと流しながら立ち尽くすこなたの額に手を当てながら、みゆきがそう言った。 「…いや、熱がありそうなのはむしろ貴女の方なんですが」 こなたは、かがみが来て突っ込んで欲しいと心底思っていた。 「…おはよう、こなちゃん、ゆきちゃん」 そこにつかさがやってきて二人に挨拶をした。 「お、おはよう。つかさ」 まさに天の助け。つかさがいると言う事は、かがみも来ているはずだ。 こなたは期待を込めてつかさの方を見た。つかさの声になんとなく元気がないのが気になったが。 「つかさ。おはよっ」 みゆきが軽快に挨拶する。それを見たつかさが、盛大にため息をついた。 「…そっか…ゆきちゃんがこうなってたんだ…」 「…え?」 つかさの言葉に、こなたは嫌な予感がした。 そして、つかさの後ろにいたかがみの姿を見て、嫌な予感は的中したことを悟った。 柔らかく微笑んでいるのだ。かがみが。なんというか、みゆきっぽく。 「おはようございます。こなたさん。みゆきさん」 「おはよう。かがみ」 「…お、おはよう…かがみ」 これまたみゆきっぽく挨拶するかがみに、軽快に挨拶を返すみゆきと怯えたように挨拶を返すこなた。 「…あの、こなたさん、どうかなされましたか?なんだか顔色が悪いようですけど…」 かがみがこなたの顔を覗き込んでそう言った。 「そうなのよ。ちょっと様子が変なのよね…ま、日頃の不摂生が原因だとは思うけどね」 みゆきがそう答えた。 「そうですか…つかささんも今朝から様子がおかしいですし…」 と、かがみ。 「…うーん…だらしないのに移る新手の病でも流行ってるのかしらね…」 と、みゆき。 「…や」 と、こなた。 『や?』 かがみとみゆきがこなたの方を向いて、同時に首を傾げた。 「ややこしいわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 多数の生徒の集まる校門前で、こなたは盛大にぶちキレた。 「…なにやってんのよ、あんたは?注目集めまくって、ホント恥ずかしかったんだからね」 教室の自分の机に突っ伏しているこなたに、みゆきが呆れ顔でそう言った。 「…ほっといてくだちぃ…」 校門前での出来事が話題になっているのか、クラス内でもこなたの方を見てヒソヒソと話す生徒が何人か見受けられた。 「ホントにもう…しっかりしてよ?」 そう言いながらみゆきは自分の席へと戻って行った。そして、入れ替わりにつかさがこなたの傍へとやってきた。 「…こなちゃん」 「…つかさ、かがみは朝からあんなだった?」 突っ伏したまま、首だけをつかさの方に向けて、こなたがそう聞いた。 「う、うん…朝起きたらああだったの…まつりお姉ちゃんなんか、頭が痛いって大学休んじゃったし…」 「どーなるんだろねコレ…」 一方その頃の隣のクラス。 「…あやの、アレはホントに柊か?」 「…だと、思うんだけど」 変わり果てた友人の姿に、みさおとあやのは動揺を隠し切れないでいた。 「あの…わたしの顔に何か付いてますか?」 少し控えめにそう聞いて来たかがみに、みさおとあやのはブンブンと首を振って否定した。 「だと、いいのですが…どうしてでしょう?なんだか今朝は随分注目を集めてる気がするんです」 それはそうだろうなーと、みさおは心の中で突っ込んだ。 「泉、つかさ。お昼にしましょう」 昼休み、みゆきがそう言いながら、こなた達のところにやってきた。 「あ、みゆきさん。わたしちょっとトイレ先行ってくるよ…行こう、つかさ」 みゆきにそう断り、こなたはつかさの腕を掴んだ。 「ふえ?わたしも?」 「さっき漏れそうだって言ってたじゃん。いいから行くよ」 「い、言ってないー」 「いちいち言わなくていいから…早く行きなさい」 つかさを引き摺って教室を出て行くこなたを見ながら、みゆきはため息をついた。 「さてと、つかさ。なんだかややこしくなってるわけなんだが…」 「う、うん」 こなたとつかさは廊下を歩きながら、今朝からの異常について話し合っていた。 「最初はね、漫画とかに良くあるような人格入れ替えだと思ってたんだけどね…微妙に違うみたい」 「どういうこと?」 「かがみもみゆきさんも、自分は自分だって認識してるみたいなんだよね」 「え、えーっと…どうしてわかるの?」 「わたしの呼び方。みゆきさんは名字で、かがみは名前でちゃんと呼んでる」 「あ、そっか」 「だから、みゆきさんはみゆきさんのまま、かがみはかがみのままで、性格だけが入れ替わってるみたいなんだよ」 つかさは、うーんと唸りながら考え込んでしまった。 「や、ややこしいよ、こなちゃん」 「だよねー…」 「…でも、なんでこんなことになったんだろ?」 腕を組んで考え込みながら、つかさがそう呟いた。 「それはさっぱりわかんないよ…昨日二人が衝突したって事もなかったし」 こなたもまた、腕を組んで考え込み始めた。 結論らしい結論が出ないまま、トイレの前まで来たこなたはそのまま中に入っていこうとした。 「あ、おトイレはホントに行くんだ」 「そだよ、つかさは行かないの?」 「わ、わたしはいいよ…」 「じゃ、ちょっと待ってて」 「う、うん」 ひらひらと手を振ってこなたはトイレに入って行き、ふと何かを思いついたように立ち止まって、つかさの方を振り向いた。 「つかさ…なんだったら、してるとこ見る?」 「見ないよ!」 「おまたへー」 教室に戻ってきたこなたとつかさは、席を準備して待っていたみゆきと、隣のクラスから移動してきたかがみに手を振りながら、自分達の定位置に座った。 「思ったより早かったわね」 「そ、そう?」 かがみ口調のみゆきに未だ慣れないのか、こなたの返事がどもりがちになる。 「…あ、あの、つかささん…その、おトイレで何かありましたか?」 その横では、かがみがつかさに非常に言い難そうにそう聞いていた。 「え、特になかったと思うけど…どうして?」 「その…先ほどクラスのお友達に、『柊の妹ってのぞき趣味でもあんのか?』って聞かれまして…」 その言葉に、つかさは先ほどのことを思い出した。 「こーなーちゃーんー」 つかさが前にいるこなたを睨みつけた。こなたが思わず「うひゃっ」と声をあげ、後ずさった。 「つ、つかさ…なんだか萌えキャラがしちゃいけない顔になっているザマスわよ…よ、よかったじゃん、なんか話題になれて」 「よーくーなーいー」 「…ご、ごめんなさい」 とうとう迫力負けして謝るこなた。それを見ていたみゆきが、ため息をついてこなたに言った。 「あんたも『覗かれる趣味でもあるんじゃない?』って噂になってたわよ」 「うそぉっ!?」 「あ、あの…そろそろ食べ始めませんか?」 遠慮がちにそう提案するかがみに、三人が頷いた。 「…あの…こなたさん…あんまり見ないでください…」 自分の弁当を凝視するこなたに、かがみが照れくさそうにそう言った。 「今日のお弁当。作ったのかがみ?」 「はい、そうですが…」 弁当箱の中の質素なおかずを見たこなたは、ふむと頷いた。 「…性格がみゆきさんになっても、家事下手はかわらないのか」 「はい?」 「いや、なんでもないよかがみ」 弁当を見るのをやめて、チョココロネにかぶりつくこなた。そのこなたの横顔を見て、かがみが何かを思い出したように「あっ」 と声をあげた。 「そう言えばこなたさん。昨日お貸した本は、もう読まれましたか?」 「…う」 こなたの食べる動作が止まった。 確かに昨日かがみにオススメのラノベを借りた…というか押し付けられていたが、読んでいないどころか鞄から出してすらいない。 「ちょ、ちょっと昨日は忙しかったから…」 「そうですか…残念です。今日はその事についてお話しようと思ってたのですが…」 「も、申し訳ない…」 普段のかがみへの反応とは違い、本気で罪悪感めいたものがこなたの中に湧き上がってきていた。 「とても読みやすい文章ですから、小説に慣れていないこなたさんでもすんなり入り込めると思いますよ。わたしなどはうっかり徹夜で読みふけってしまいまして…次の日が大変だったことがありましたから」 「そ、そうなんだ…」 とりあえず、家に帰ったら読んでおこう。こなたはそう心に誓わざるを得なかった。 「ゆきちゃん、鮭の皮まで食べるんだね…」 「うん、そうだけど…なにか変?」 「う…ううん、全然」 思わず頷きかけて、つかさはブンブンと首を振って否定した。そして、少し横を向いてボソリと呟く。 「…でも、ゆきちゃんのイメージじゃないよね」 「ん?なんか言った?」 「ううん、なんでも」 再びブンブンと首を振るつかさ。 みゆきはなんとなく納得のいかない表情をしたが、すぐに元の表情に戻った。 「あ、そういえばつかさはこれ知ってるかな?水戸光圀っているじゃない…えーっと俗に言う水戸黄門ね」 「うん」 「その人の大好物が、鮭の皮だったそうよ。なんでも周囲の人たちに、1㎝くらい皮の厚さがある鮭がいればいいのにって漏らしてたらしいわ」 「へー、それは知らなかったよ」 「さすがはみゆきさんですね」 素直に感心するつかさとかがみ。しかし、こなたは何故か渋い顔をしていた。 「こなちゃん、どうしたの?」 「ん、いや…この口調で雑学披露されると『なに、この知ったかは』って気分にならない?」 「…なんか、文句あるのか?」 「い、いえ、何も…」 みゆきに睨まれ、こなたは首をすくめた。 帰り道。こなたとつかさは、ちょっと二人で寄りたい所があるからとかがみとみゆきに断り、連れ立って歩いていた。 「…どうしよっかー」 「…どうなっちゃうんだろー」 今日の異変について話し合うつもりだったが、口を突いて出る言葉はそんな程度のものばかりで、なんの進展も見出せなかった。 「もしかしたらさ。願いが叶っちゃったのかな?」 そんな中、つかさがポツリとそう呟いた。 「願い?」 「うん、昨日お姉ちゃんが言ってたじゃない『ちょっとは、みゆきみたいなお淑やかさも欲しいわね』って」 「あー、そう言えばそんなことも言ってたような…」 ちょっとした雑談の中で出た言葉だったので、こなたはすっかり忘れていた。 「それでその後ね、ゆきちゃんが『わたしは、かがみさんのような活発さが欲しいですね』って呟いてたの聞こえたんだ」 「ふむー…それでお互いが入れ替わった?」 「かも」 こなたは考え込んだ。そんなこと思った程度でこんなことが起こりうるのか?起こりうるなら、何故みゆきさんの胸やら尻やら背丈やらをちょっと欲しいと思ったときに、大きくならなかったのか? 「…こなちゃん、なんか別のこと考えてない?」 「いえ、考えてございませんよ?…ってーか、なんとなくな理由が分かっても、なんの解決にもならないね」 「…そだね」 二人して、大きなため息をつく。 「まあ、明日になってまだこのままだったら、改めてなんか考えよっか?」 「うん、そだね」 結局、こなたがそうまとめ、つかさがそれに頷いた。 「…で、つかさ。どこまで付いてくるつもりなの?」 「…へ?」 こなたはつかさに向かい、自分の目の前にある『泉』と書かれた表札を指差して見せた。 「もう、わたしんちなんだけど」 「ほぇーっ!?早く言ってよこなちゃん!」 「いや、普通に気がつこうよ…」 家に入ったこなたは、折角だしちょっと寄っていくと家に上がってきたつかさに飲み物でも出そうと、とりあえず台所に向かった。 その途中にある居間を覗いてみると、父のそうじろうがテーブルに突っ伏しているのが見えた。 「なんだ、お父さん寝てるのか…後で起こしてあげないと」 そう呟いて、こなたは台所に入った。 「おかえり、こなた」 「うん、ただいま」 台所で声をかけられ、答えながらこなたは冷蔵庫を開けた。 「つまみ食い?晩御飯まで我慢できない?」 「ううん、違うよ。つかさが来てるからなんか飲み物出そうと思って…」 と、そこでこなたは違和感を感じた。確か父親は居間で寝てたはずだ。だったら、今わたしと話してるのは誰だ?こなたは声の方向を向いた。 「そう。でも、あんまり遅くまで引き留めちゃだめよ?」 「え…あ、あれ?…」 自分と同じような体型と容姿を持った女性が、晩御飯の準備をしていた。 写真でしか見たことのない、いや見ることが出来ないはずの人。 「…お、お母さん?…え、ちょ…えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」 「ちょ、ちょっとこなた、声が大きいわ。そう君が起きたらどうするのよ…」 「あ、お、お父さん…お父さーん!」 こなたは慌てて台所を飛び出し、居間で寝ている父の元に走った。 「あ、待ってこなた!」 その後を、こなたの母親…すでに他界しているはずのかなたが、追いかけた。 「お父さん!のんきに寝てる場合じゃモガッ…」 こなたがそうじろうを起こそうとしたところで、かなたが後ろからこなたの口を塞いだ。 「ダメだってばこなた…ふう、自然に溶け込もう作戦は失敗だったわね」 そう言ってため息をつくかなたを、こなたはジト目で見つめていた。 「な、なにかしら?」 慌ててこなたの口から手を離し、かなたは苦笑いをした。 「いや、もうなんか色々アレなんだけど…とりあえず、なんでお父さん起こしちゃダメなのさ?」 「うん、そう君がいるとなんだかややこしいことになりそうだったから、とりあえず寝ててもらったの」 こなたは父の方を見た。 「…お母様、お父様の後頭部にやたらデカイたんこぶらしきものが見えるのは、ワタクシの気のせいでありましょうか?」 「そ、それは…若い人にだけ見える幻影ってヤツなのかも…」 胡散臭そうなものを見る目で見つめるこなたから、かなたは冷や汗を垂らして目を背けた。 「こなちゃん。何かあったの?」 騒がしい物音を聞きつけたのか、こなたの部屋にいたつかさが、居間に入ってきた。 「え?あ…な、なんでもないよ…」 「ふーん…ねえ、こなちゃん」 「な、なに?」 つかさは、テーブルに突っ伏して寝ているそうじろう覗き込んでいた。 「おじさん。呼吸して無いっぽいんだけど、大丈夫?」 『うそぉっ!?』 つかさの言葉に、こなたとかなたは同時に声をあげた。 なんとかそうじろうを蘇生させ、自室のベッドに寝かせた三人は、こなたの部屋に移動していた。 「…ふう、危うくそう君を連れて逝っちゃうところだったわ」 「いや、まあなんか色々とアレなんだけど…まあ、いいや…」 爽やかに汗を拭う動作をするかなたを、こなたは諦めの境地の表情で眺めていた。 「ねえ、こなちゃん。さっきから気になってたんだけど」 「なに、つかさ?」 「この人、誰?なんだかこなちゃんに似てるんだけど…」 つかさが、かなたの方をチラッと見ながらそう言った。 「誰って、わたしのお母さん…ってーかつかさも写真見たことあるじゃん」 「あ、そっか」 「初めまして。こなたの母でかなたと言います。こなたがいつもお世話になっているみたいで…」 つかさにかなたが深々と頭を下げる。それを見たつかさが、それに負けずに頭を下げた。 「あ、こちらこそ初めまして。柊つかさです…って…あれ?」 感じる違和感。つかさは自分の記憶の糸を手繰り、ある会話に辿り着いた。 「…えっとさ、こなちゃん…こなちゃんのお母さんって確か…」 「うん、死んでる」 「…えーっと…その…ほ…ほぇぇぇぇぇぇぇっ!?なんで死んでる人がここにいるのぉっ!?」 「驚くのおそっ」 「あら、今度は気付かれないかと思ったのに」 「あーまあ、落ち着いてつかさ」 とりあえずこなたは、なんだか得体の知れない驚きの動作を繰り返すつかさを、なだめにかかった。 「とりあえず、害は無いからね?…はい、深呼吸」 「…害なんてあるわけないじゃないの」 素直に深呼吸して、落ち着きを取り戻しつつあるつかさを見ながら、かなたはそう呟いた。 「そう言えば、こなた。今日は何か変わったことが無かったかしら?」 つかさが落ち着いた頃を見計らって、かんたがこなたにそう尋ねた。 「え?変わったことって?」 こなたの頭に、今朝からのみゆきとかがみの事が浮かんだ。 「そうね、例えばお友達の感じがちょっと変わったとか」 「…うん、そう言えば性格がいつもと違ってたのがいたけど…」 なんとなく、こなたは嫌な予感がした。 「あら。じゃあ上手くいったのね」 「…なに?上手くいったって?」 「うん、こっち来る時にね、なんだかお互いの性格に憧れてるみたいだから、ちょっといじってみたんだけど…どうだった?」 なんだか軽い口調でそう言うかなたを、こなたとつかさはなんともいえない表情で眺めた。 「…害…あったよこなちゃん」 「…うん…わが母ながら何処から突っ込もうか」 自分を見つめるこなたとつかさの視線が妙に痛く、かなたは冷や汗を垂らした。 「…えーっと…ダメだった?」 「ちょっと感じが変わったどころか、丸々性格が入れ替わってて非常に厄介なので、早急に元に戻すことを所望しますよ、お母様」 「…ごめんなさい」 少々の怒気をはらんだこなたの言葉に、かなたは小さくなって謝った。 「…何処を間違えたのかしら…」 「最初から全部」 かなたの呟きにも、容赦なくこなたの突っ込みが突き刺さる。 と、こなたの部屋のドアがノックされた。 「こなた。帰ってるのか?」 そうじろうの声がする。それを聞いたかなたが慌てて立ち上がった。 「やっばい、そう君だ」 そのまま窓の方に向かい。 「じゃあ、こなた。私はこれで。そう君には内緒よ?」 窓を開けて出て行った。 「…窓からって」 「…間男ですか。アンタは」 それを、つかさとこなたが呆れ顔で見送った。 「こなたー?」 「あ、うん。どうぞ」 再びノックとそうじろうの声が聞こえ、こなたは返事をした。ドアを開けてそうじろうが部屋に入ってくる。 「すまんな。今日は俺の当番だったのに、晩飯作らせて」 「え?…あ、いや、うん」 「しっかし、なんでベッドに寝てたんだろうな…なんだか後頭部が痛いし」 「えっと…帰ってきたらお父さん居間で気絶してたんだよ。それで、たまたま一緒にいたつかさとベッドに運んどいたんだ。晩御飯の仕度もまだっぽかったから、ついでにやっといたんだよ」 こなたの説明に、そうじろうが頷いた。 「そうか…それはすまなかった。しかし、気絶時の記憶が全くないな…記憶が飛んだんだろうか?」 「うん、そう。きっとそう…頭打ったんだし、ご飯食べたらゆっくり休んだほうがいいよ」 「ああ、そうさせてもらうよ」 そう言いながら、そうじろうは部屋を出て行った。 こなたがほっとしたようにため息をつく。 「なんでフォローまでわたしがしなきゃいけないんだ…」 「う、うん…」 ブツブツと文句を言うこなたに、つかさが苦笑いを返す。 「ついでだし、つかさも晩御飯食べてく?」 「え?いや、わたしはいいよ。なんだか解決したみたいだし、そろそろ帰るよ」 「じゃ、駅まで送るよ。つかさ一人はなんだか物騒だし」 「えー、そんなことないよー」 文句を言いながらも、結局つかさはこなたに送ってもらっていた。 次の日の朝。こなたはつかさと一緒に登校していた。 「かがみは元に戻ってた?」 「うん…だけど、なんか頭が痛いって言って、今日はお休みするみたい」 「…後遺症かなんかかな…いい迷惑だ」 「ゆきちゃんもお休みしてそうだね…」 「うーむ…」 二人して大きくため息をつく。 ふと、こなたは自分たちが視線を集めているような気がした。見渡してみると、何人かの生徒が自分たちの方を見てヒソヒソと話をしている。 「…こなちゃん…なにか、おかしくない?」 「う、うん…なんだろう?」 こなたとつかさは良く耳を済ませて、みんなが何を言ってるのか聞き取ろうとした。 「…ほら、泉さんと柊さん。やっぱりそうなのよ…」 「…今日は同伴出勤ってところなのかしら…」 「…昨日、泉さんが柊さんに…おトイレしてるところ見せようとしてたって噂が…」 「…泉さんの家に二人で入っていくの見た人が…」 「…え、じゃあもしかして、そのまま一晩過ごして?…」 聞こえてくる、間違いはないんだけど勘違いされまくってそうな会話に、こなたとつかさはダラダラと脂汗が流れてきた。 「…こなちゃん、これって…」 「…わたし達にも後遺症出てたか…とことん迷惑な…」 その日一日、こなたとつかさは噂の火消しに奔走する羽目となった。 - おしまい -
https://w.atwiki.jp/ron_rock_music/pages/183.html
【麻雀 / まーじゃん】(ゲーム) 4人でするテーブルゲーム ルール 役満 和了年月日 名前 役 備考 2011/1/? 中込一郎 四暗刻 2011/12/? 中込一郎 字一色・小四喜 2011/7/13 山口賢二郎 大三元 2011/6/28 中込一郎 数え 2011/3/3 木下和則 大三元 2011/1/5 松本頌平 四暗刻・単騎 2010/12/30 山口賢二郎 九蓮宝燈 放銃者:大沢薫 2010/12/28 山口賢二郎 国士無双 2010/7/20 木下和則 大三元 2010/6/18 中込一郎 国士無双 放銃者:山口賢二郎 2010/6/12 ジョン 国士無双 放銃者:山口賢二郎 2010/2/22 木下和則 四暗刻 2010/1/23 松本頌平 国士無双 放銃者:山口賢二郎
https://w.atwiki.jp/83452/pages/4819.html
1 2 律梓澪 2010/06/09 http //live28.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1276045003/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る ↓ 見えます。あずにゃんはツンデレさんですからねぇ〜 ↓×7 あずにゃんが入部希望で訪れた時にりっちゃんが抱きついた様に原作最終回であずにゃんも憂ちゃんと純ちゃんに抱きつこうとしたシーンありましたね。 -- (名無しさん) 2020-10-29 21 09 29 ↓ むしろりっちゃんとスキンシップしたいからあずにゃんはわざとからかってる様に見えるよね。 -- (名無しさん) 2016-03-01 14 16 40 梓は律に抱きつかれた(技をかけられた?)時に嬉しそうな顔をしているシーンが幾つかあるから梓は律の事が嫌いとかって事は無さそうだね。 -- (名無しさん) 2014-02-20 22 44 29 ああなんか心が浄化された気分だ・・・ マジでドロドロする展開になる物語ばっかり見てたからこういうのは新鮮だ・・・ 澪にしたって梓にしたって本気じゃないってのが丸わかりだし -- (名無しさん) 2013-04-05 21 32 03 とても素晴らしい良い話だった。 -- (名無しさん) 2013-04-05 16 16 35 律が部長だから、このメンバーが揃いやってけるんだから自信持って良いと思う。 -- (名無しさん) 2011-12-05 17 40 21 某スレのSSで澪から梓に、梓から澪に送られるメールの着信音がお互いにダースベイダーのテーマだった話しがあったけなぁ〜 澪と梓が律をめぐって修羅場になる話しとか見てみたい。 -- (名無しさん) 2011-12-05 14 34 43 みんな、一番最初にあずにゃんに抱きついたのは、りっちゃんだぜ‼ それを忘れてはいかんぞ‼ -- (あずにゃん) 2011-10-11 14 11 48 これはいい -- (名無しさん) 2011-10-11 13 08 49 ktkr! -- (名無しさん) 2011-08-19 01 50 37
https://w.atwiki.jp/yoroduya/pages/158.html
こみっくすは 明日 買うの 日が変わる直前に 買って来たよ 4回くらい読んでちょっと冷静になった 初読で書いたいきおいだけのしろものは みくし か ばっくあっぷ用ぶろぐ へ しげ美来た 3 4 巻まとめ買い確定の瞬間 今月は何冊買うんだろ(苦笑) いきなり染谷 いきなり先輩 「私しかいないから?」って 「私しかいないから?」って 「私しかいないから?」って (おちつきなさい) 星奪りに参加できないからって 後輩連れ込んでお絵描きですか!!! 先輩 なちゅらるに 染綾ストーカーですから! 「我がことなれり」ってやつですか(美周郎か) やつですかっ!!!!(だから落ち着け) 思ってたより黒くなくて若干テンション下がったのは内緒にしない なんだー ずっと綺麗じゃん無道さん(おまえどれだけ もうちょっと黒い人だったら萌えたおしてたのになー ちぇー そっちだったか… 次の本のネタだったんだけど…よかった 軌道修正できて(笑) 氷室ん まったく 世話がやけるわねー 聞くまでもないでしょそんなこと な表情は好きなんですが そこまで熱心じゃないので 名前だけ書いてみた(ぇ? だだっこ 結局 この一言に尽きるでしょー 好きなだけなのに それじゃだめなの? ってのが 結局 本音で この展開なのに 無道が可愛い どーしよーもなく可愛い ひたすら可愛い 嫁に見えて仕方がない お前の目は節穴だ(笑) けどけど!! クロの直球がいとしくてしかたないのは正常だよね?! あんなの脳天にくらったら死ぬよ…クロ… 久我といい およそ頑丈じゃなきゃ無道の旦那は務まらんな! さりげない土管オヤジとタップ君(13さんの感想読むまで気付かんかった)がささやかな和みな10月号 個人的には 無道の黒フラグよりも嫁フラグの方が気になるので 無道に興味を持ったらしいナギとか天然たらしな展開にちょっと期待(本気か) 黙っててすみません そうですね そりゃないんじゃない? な足蹴してる無道の太ももとスパッツは ときめくところ ですよね! すみません 黙ってて 何度読み返しても どきどきするわーっ(…お前… 不用意にそういうものをさらすんじゃない! いろいろとスイッチはいっちゃうでしょーっ>< 足 脚ーっ ぅわー 撫でたいっ(マテ 主に内側を!(マテマテ ぶっ倒れたクロの膝の裏っかわもつつきたいなー
https://w.atwiki.jp/tarunonakami/pages/10.html
(宮藤)ADHDってありますよね。 (ルッキーニ)忘れっぽいとか落ち着きがないとかですかね。 (宮藤)あれって自分がそうなんじゃないかと悩んだことありませんか? (ルッキーニ)多かれ少なかれいるんじゃないですか?! (宮藤)若い人見ると自身なさそうな人いるよね (ルッキーニ)はやく一人前になって欲しいからしょっちゅう怒られてますよね。 (宮藤)私もADHDじゃないかと悩んだことあります。 (ルッキーニ)そうなんですか? (宮藤)でも年月がたつとすっかり忘れてしまっていたります。「そう言えばADHDの本読んで考え込んでしまったなー」とか最近思い出しました。 (ルッキーニ)そうなんですか。 (宮藤)あれって自然と治りますよ。私が保証するから大丈夫。 (ルッキーニ)まじっすか!?10円かけましょうか?! (宮藤)なんで10円なんですか。。。
https://w.atwiki.jp/pixmax/pages/215.html
ああああqq
https://w.atwiki.jp/bokuchu777/pages/80.html
目が覚めたのは昼過ぎだった。 昨晩のユリアさんとの会話を思い出し、なんとなく気恥ずかしさから顔を合わせ辛かったんだけど、 「ユリアさんとレンさんなら、今日も学校に行ってるよ」 「何でまた?」 「……わかんない。ナイショだって」 肩を落とす美優。うなだれる様が子犬みたいっていうのは本人に黙っておこう。 頭をなでてやると、ちょっとむっとしたような、それでも嬉しそうな顔になる。 「……お兄ちゃん、ワタシ、子供じゃない……」 「んなことわかってるって」 「…………、…………。ん」 ああもう、かわいいなこやつめ。 なでなでなでなで。 なでなでなでなでなでなでなでなで。 なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで。 なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで。 なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで。 「お、お兄ちゃん? いつまでこうしてるのかな?」 「ああ、ごめんごめん。なんか楽しくなってきてつい」 「べ、別にワタシはいいんだけどっ。お、お兄ちゃん、ご飯まだでしょっ」 「今起きたばかりだからな。何かあるのか?」 自分で言うのもなんだけど、おきたのがこんな時間だし正直ちょっと諦めていた。 「うん! 焼き飯、ワタシが作ったのがあるよ!」 「あっはっはー。そうか、美優が作ったのか。がんばったな、美優」 「……えへへ」 ぐしぐしと頭をなでてやると嬉しそうに頬を染める美優。 そんな美優を見て、 「じゃあ俺外で食ってくるわ」 「えええぇぇぇぇぇぇっ!?!?」 美優、愕然。 せっかく作ってくれた美優には悪いと思うが、俺だって命は惜しい。 「ま、待ってお兄ちゃん! だいじょうぶだから! 今回はだいじょうぶだから!!」 「いやだって、前に弁当作ってくれたときも同じこと言ってただろ!」 あの時の恐怖は記憶に新しい。なんていうかこう、ね。弁当を開いた瞬間背筋を走り抜けた戦慄は洒落になっていなかった。 惨劇に挑めといわれた気分だった。 ひとくち口に含んだと思ったら脳みそが破裂するかと思ったんだぞ、比喩でもなんでもなく。何で口の中で増えるわかめみたいに爆発的に体積を増やすんだよ、ピーマンが。 「うぅー! こ、今回は本当にだいじょうぶだから! レンさんに教えてもらって、味見もしてもらってるから!!」 「あ、そうなのか? じゃあ、食べてみようかな」 どうやら今回は以前のような惨事にはならないで済むらしい。 それにしても、今の言い回しだと前のときは味見をしていないみたいに聞こえるんだが……してないんだろうなぁ。 料理って、やらない人間には当然のことが理解できてないときがあるからなぁ。味見の概念とか、傷みやすい食材とか、火の通りにくいものとか。 「それじゃあ、用意してくるから、ちょっと待っててね」 「わかったから、慌てんなよー」 とてとてと台所へ向かう美優。こういう姿を見ていると、ほんとに犬っぽい。ちなみに美羽は猫だ。 それにしても、今日は何をしようか……この時間に学校に行っても入れないだろうしなぁ。 久しぶりに、ランニングにでも行こうかな。 「……お兄ちゃん、できたよ」 「ああ、サンキュー。へえ、確かにうまそうだな」 見た目はオーソドックスな焼き飯だった。見た目のインパクトは皆無といってもいいだろう。 誰も虹色の焼き飯なんて食べたくない。 「えへへ……レンさんもほめてくれたんだよ。食べてみて」 「それじゃあ……いただきまーす」 スプーンを手に取り、ライスの山へ突き刺す。 「……あ、それと」 こんもりと乗っかったライスを運び、 「味が落ちてるかもって思って、ちょっと隠し味を入れてみたの」 美優が告げたときには手遅れだった。 かちゃーん、と音を立ててスプーンが手からこぼれ落ちる。 しかしそのときには焼き飯はすでに俺の口の中へダイブを終え、舌の上で狂ったような死霊の盆踊り。飲み込むことはかなわず、吐き出す力すら出ない。 それどころか、その威力は人体の機能にまで影響し始めた! なんか呼吸ができない。のどが痙攣している!? どこからかカチカチという音が聞こえてくる。ああ、そういえばスプーンをくわえっぱなしだった……、どうやら、あごが痙攣してスプーンをカチカチ噛んでいるらしい。 ちょ、これ、ヤバ……。 「お、お兄ちゃん、だいじょうぶ!?」 美優が心配してくれているが、それに答える余裕がない。ていうか、何入れたお前――!? あ、なんかもうだめ。 目の前に白い粒が浮いてきてどんどん視界が白に染まっていく。 あー、これは……。もうだめだ、そう思ったとき。 ごくん、と。 自分でも知らないうちにのどが動いて、舌の上で荒れ狂う死霊たちを踊り食いしていた。 瞬間。 「――――美優」 「う、うん……」 「お前、しばらく料理禁止」 「お、おにいちゃああああん!?」 意識が限界を向かえ、俺は三途のほとりへと旅立った。 ほんきでしんだとおもった。 いまだにおもいだすだけでぜんしんにいやなあせがながれる。 「まだ舌がぴりぴりしてるぞ……」 あのあと、1時間ばかり気絶した俺は、目が覚めると泣きじゃくる美優にこれでもかというくらいに謝られた。 なんか昨日から謝られたり気絶してばかりだ俺。 とにかく、何か口直しがしたかった俺は適当にバーガーを買ってきたのだが、これが自分のダメージの確認にしかなっていないのだから悲しいことこの上ない。 わざわざ河川敷までやってきたのだが、心は寒々しい。 「なんであいつは向上心と努力が結果に結びつかないんだ……」 コーラを飲み下す。味がわからない。 ため息が漏れる。舌に感覚を取り戻すために買ったっていうのに、まったく効果がないか……。 「あ、あの~……」 「え?」 さてこれからどうするか、と途方にくれていたところに声がかかった。 聞いたことのないような……聞き覚えのある――懐かしいような、声。 「いやぁ、そのなんていうか、遠くから見てたらみょーに落ち込んでるように見えたんだけどね? いやいや、別に『あ、これひょっとして話しかけるチャンス!?』とかそういう不純な動機じゃなくてね、ほんとに心配したんだってば!!」 「ええと……」 すごいテンションだった。少し離れたところに立っているのに、目の前に立っているみたいな迫力がある。 その姿は学校で見覚えがあった。外にはねたセミロングの髪に、口から覗く八重歯。なによりも、全身からあふれる元気エネルギー。 クラスは違うけれど、確かに記憶の中に――うん? 記憶にはあるけど……なんか、違和感が。なんだろう。見たことがある、とかじゃなくて、もっとこの娘のことをよく知っているような……。 「えっと、その、だいじょうぶ?」 「あ、ああ。だいじょうぶ。べつにそんな深刻に悩んでいたわけじゃないから」 「そうなんだ。あの……横、座っていい?」 彼女はおずおずと俺の座るベンチを指し示す。 「ああ。ぜんぜん問題ないよ。ほら、どうぞ」 おいてあった紙くずやら何やらをまとめる。彼女はぎこちない様子で……というか、ガチガチの動作で横に腰を下ろした。まだASIMOとかの方が滑らかな動きができそうだった。 「……………………」 「……………………」 会話が。 会話が始まらない! 続かない以前の問題だ! 「……………………」 「……………………。あ、あのっ!!」 「は、はい!?」 「ひ、大翔君は今日はなんでここにいたのかなっ!」 彼女は顔を真っ赤にして、必死な様子で訊ねてきた。 「それは、ちょっと家が居心地が悪くて…………え? 『大翔君』?」 「う……うん。あ、その……だめ。かな……」 一気に元気オーラがしぼんでいく。 げっ! ヤバイ泣きそうだ。 「いやいや、だめって事はないから、全然おっけーだか……ら?」 ん? 何となく違和感を感じた。 俺はこの娘と話したことはない……と、思う。思うのだけれど、何故か他人行儀な態度に疑問を覚えたのだ。 こうじゃない、こんなんじゃないって、頭の中で何かが騒ぎ立てている。 「んー……ちょっと待ってくれ。だめじゃないんだが、なんかこう、記憶が」 「陽菜のこと思い出したの!?」 女の子が顔を輝かせて身を乗り出してくる。近い、近いって。 「いや、ちょっと待って! 思い出す。思い出すから」 「あう……」 しゅーんとしぼんでまた涙を浮かべる女の子。あ、ちょっとだからそれまずいってば。 日曜の河川敷には人が多い。遊歩道やちょっとした公園、コートなどがので人の流れが絶えないのだ。そんなわけで周りでは『ママー、あのお兄ちゃん、お姉ちゃんを泣かせてるー』だの『あらやだ、痴話げんかかしら』だの『きっと男のほうが責任を放り投げてるのよ』など、俺の悪評が物凄い勢いで生成されていく。 悪意なき好奇心って時に人を深く傷つけると思うんだっ! とにかく、今はこの娘のことを思い出すことだけを考えよう。 もう一度彼女のことをよく見てみる。やはり、学校で何度か見たことがある以上の記憶が無い。けど、なぜか彼女を知っているような気がする。 なぜだろう。可能性は……今の学園より、以前の記憶? 「あのう……もう自己紹介しちゃおうか……アハハハ」 「ちょっと待って! なんか思い出せそうだから!!」 ていうか、そんなうつろな瞳で乾いた笑顔とか浮かべられたら自力で思い出さないと申し訳なさ爆発だ。 そういえば、さっき『ヒナ』って言ったよな……なんだろう、妙に耳になれた響きというか……。 「うう……ヒロ君……」 かちり。 『ヒロ君』という言葉が、記憶の歯車と噛みあった。 頭の中のの霧があっという間に吹き払われ、水が湧き出すように次々と記憶が浮かんできた。 「沢井! 沢井陽菜!!」 「あっ……! うん! そうだよ! 陽菜だよ!!」 そうだ、思い出した。 沢井陽菜。中学校が別になったせいで疎遠になっていたが、俺の幼馴染だ! ――うちの隣に住んでいる。 中学別だからって忘れていいレベルじゃねぇだろ俺……っ!! 「はあああぁぁぁぁぁ……」 「ひ、大翔くーん? どうしちゃったのかな!? 陽菜の名前を思い出したとたんため息なんかついちゃって」 「いや、なんつーか、自分の記憶力とかその他もろもろに呆れてた……」 「だいじょうぶだよっ! 陽菜は思い出してもらえたからぜんぜんおっけー!」 「そういうわけにもいかんだろ……よりにもよって隣の家の幼馴染を忘れるとか……」 これはかなりショックだ……。 人の名前を覚えるのが苦手だとか言う人はいるだろうが、よりにもよって隣に住んでいる幼馴染を完全忘却できる人間は明らかに少数派だろう。しかも当時一番の友人だったんだぞ、沢井は。 「いいんだって! それに忘れてたのは仕方ないから……」 「え?」 沢井が何か言ったような気がしたけど、声が小さくてよく聞こえなかった。 「それで、大翔君! 今日はなんでこんなところで黄昏てたの?」 「ああ、それなんだけど、実は……」 沢井にあらかたの事情を説明する。 「ふーん、美優ちゃん相変わらず料理苦手なんだ。あはは、昔からその辺のことは変わんないんだね」 「努力はしてるのになぁ。一瞬で食物を劇物に変えるのはある意味才能だろ」 「そんなこと言ったら美優ちゃんがかわいそうだってば」 俺の口の中が大分落ち着いてからは、河川敷沿いの遊歩道を二人でぶらぶら歩きながら中学校時代のことから最近のことまで、お互いに思いつく話を語っていた。 沢井が隣なのに中学が別々になったのは、彼女が私立の中学に行ったせいだった。お隣で幼馴染なんだからそのくらい聞いていてもよさそうなんだけど、やっぱり俺の脳内には記憶が無かった。ほとほと自分の記憶力の悪さには呆れてしまう。 それでも、話しているうちに昔のことをちらほらと思い出してきた。例えば…… 「あ、そういえば大翔君は――」 この呼び方。昔はもっと違う呼び方だった。 俺がさっき沢井を思い出すきっかけになった、『ヒロ君』。 ……一度使ったきり使わないのは、やっぱり今の歳になってその呼び方は恥ずかしいって事なんだろうか。自分勝手な感想を言えば、少し寂しかったり。 「……なあ、沢井?」 「おう! なんだい大翔君!」 「なんかさっきは『ヒロ君』って言って、今は『大翔君』になってるけど、なんか理由あるのか?」 ぴきーん。 あ、人間ってこんなに綺麗に固まれるもんなんだ。すごいな。オブジェって言われても納得するわこれ。 「う、ううううあああああああ」 「え、俺なんか悪いこと言ったか?」 油の切れたブリキ人形みたいにカクカク動き出す沢井。どうしよう。何か触れたらまずいことだったのかもしれない。 昨日から迂闊な行動が多すぎるぞ俺。 「えっと、なんか悪いこと聞いちまったかな」 「え、あ、いやいや! ぜんっぜんそんなことないよ! 覚えててくれたんだ、その呼び方……」 「覚えてたって言うか、思い出すきっかけになったって言った方が正しいかも知れないけど」 「え? きっかけ?」 「って、気付いてなかったのか。いや、さっき沢井のこと思い出そうとしてたとき俺のこと呼んだんだよ。『ヒロ君』って」 「えぇ~っ! 嘘だあ! 陽菜そんなこと言ってないってば!!」 「言ったから思い出せたんだって」 「そうなんだ……」 沢井は喜びをかみ締めるような顔をする。 「それじゃあ、陽菜は大翔君のことを『ヒロ君』って呼ぶから、ヒロ君は陽菜のことも昔の呼び方で呼んで」 「…………え」 「って、やっぱり覚えてないかぁ……さっきまで話てて気付くけどさぁ」 「いやほんと、なんか俺の俺に対する株も急暴落中なんだ……」 自分が心底情けなくなってきたぞ……。 俺が沢井のことを昔どう呼んでいたかといえば……なんでこう、昔の記憶はいちいち霞みがかってるんだ。みんなよく昔のことなんて覚えてられるな。 みんながすごいのか俺がダメダメなのか。いや、わかってる。間違いなく後者だよね。 「えーっと、ちょっとまってくれ」 「はいはい、待ちますよー。ここまで随分待ったっていうか追いかけたって言うか、そんな感じだからねっ」 何か不穏当な言葉が聞こえた気もしないが、これはもう意地でも思い出さないと俺の気がすまない。 沢井、陽菜。家が隣ということで仲良くなって、昔は美羽と3人でよく遊んでいた。美優が来た頃も、一緒だった。それは確かだ。でも、思い出せるのはそういうイメージだけで具体的な内容がぼやけている。 美羽と美優は沢井のことを陽菜さんと呼んでいた。そして俺は、あの頃は――。 「陽菜……そうだ、普通に陽菜って呼んでた」 「せいっかーいっ! でゃー! そうだよ、ヒロ君は陽菜を陽菜って呼んでくれてたんだよっ」 沢井は……陽菜は俺が思い出せたことを喜んでくれた。俺もうれしいことはうれしいのだが。 「なんつーか……一度病院に行ったほうがいいかも知れんな……」 記憶障害でもあるのかと自分でも疑ってしまう。何しろ、俺が思い出したのは結局それだけだったから。 あの頃、みんなで何をしたとか、どこで遊んだとか、そういう具体的な記憶がこれっぽっちも思い出せない。陽菜に関する記憶に穴が開いているというか、フィルタがかかっているような。 「いやー! 今日はいい日だよ!」 「大げさだな、陽菜は」 その喜びように苦笑する。 まあ、今はこんなふうに笑ってくれているからよしとするか。 「ううん、大げさなんかじゃない! だって、ようやくヒロ君が大丈夫になったんだもんね!!」 「は?」 陽菜が何を言っているのか、よくわからない。 「いやいや、気にしないでよろしいのですよっ! とにかく、今日はいい日だってこと!!」 「まあ、いい日だってのには意見はしないけどな」 昔の友人のことを思い出したんだから、悪い日であるわけがない。 そうして、本当に久しぶりに、幼馴染と肩を並べて家路に着いた。