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憂「あ、は、はい!」 突然の来訪に私は飛び上がって、そのままベッドに正座した。 扉が開くと、いかにもお風呂上がりといった風情のお姉ちゃんがシャンプーの匂いを漂わせたまま入ってきた。 ああ……なんだろう。 今日はただカワイイだけじゃなくて大人の色香にも似たものを感じる。 唯「どうしたの、憂? ベッドで正座なんかしちゃって」 憂「な、なんでも……ないよ?」 私は誰がどう見ても慌てふためいているようにしか見えない状態で返事をした。 唯「おかしな憂」 お姉ちゃんが笑って私の隣に腰かけた。 ドキリと心臓が一際強く跳ねた。 唯「実は明日ね。軽音部は活動しないんだ」 憂「……?」 唯「なんかみんな用事あるみたいで。だから、明日は放課後二人で買い物にでも行かない?」 お姉ちゃんの提案に思わず「うん!」と言いそうになったが、すでに明日の予定は埋まっていることを思い出して私はその言葉を飲み込んだ。 忸怩たる思い……とはこういうことを言うんだろう。 そんなことを思いながら、一瞬鈴木さんとの約束を反故しようかという発想が浮かんだ。 憂「……」 けれどもそれはそれで気が進まない。 というより、それはある意味お姉ちゃんの誘いを断るよりもイヤな感じがする。 胸に突然霧のように現れたモヤモヤとした気持ちに戸惑って、私は眉をひそめてしまった。 唯「もしかして、明日なにか予定入ってる?」 お姉ちゃんの眉もぴくりと動いた。 その表情は驚いているようにも嬉しがっているようにも見える。 憂「ええとっね……その、明日の放課後は……鈴木さんとの、約束が…………ある、の……」 最後らへんの言葉は消えかけてしまっていた。 もちろんここで嘘をついてお姉ちゃんと明日お出かけするのもいいのかもしれない。 けれども、私はお姉ちゃんとのおでかけを断って、明日は鈴木さんとハンバーガー屋さんに行きたいと思った。 どうしてかはわからないし、その選択は気の迷いみたいなもので、次の日には後悔しそうなものだったけど。 唯「そっか」 お姉ちゃんは少し唇を尖らせたけど、すぐそれを解くと満面の笑みを浮かべて私に言ってくれた。 唯「じゃあ、せっかくなんだから楽しんでこないとね!」 ♪ いつも通り、教室に入って机にカバンをかける。 なんだか気持ちがふわふわしている。 まるで自分じゃない他の誰かになったみたいな、そんな感覚。 憂『おはよう、純ちゃん』 うん? 自分の喉から別の誰かの声がして私はビックリしてしまった。 透き通るという表現がぴったりのちょっと高めの声。 ハキハキとしていてとても自分の声とは似ても似つかない声。 純『あ、おはよー憂』 それに対して鈴木さんは鳥の巣を連想させる髪を押さえて鏡の前で格闘していた。 憂『あ……今日も湿気が強いもんね』 私はなにか納得したようにそう言った。 純『ううぅ……わかったような口を……!』 憂『私もくせ毛だから純ちゃんの苦労はわかるつもりだよ?』 まるで私は私じゃないかのようにすらすらと喋る。 どうしてしまったんだ私!? 純『まだ憂なんてくせ毛のうちにも入らないよ。 最近リンス変えてみたけどいまいち効果でないし、かといってアイロンかけてもすぐ解けちゃうしなあ……』 鈴木さんがうなだれるように勉強机に突っ伏した。 髪のほうは湿気で爆発していたけど、その湿気のせいで気持ちのほうはしけってしまったらしかった。 梓『今日も雨強いねー』 そう言っていつの間にか中野さんが隣にいた。 自分のものとは打って変わってキレイなツインテールを鈴木さんはうなだれた状態で睨みつける。 純『出たな、髪充め……』 梓『なにそれ?』 純『うるさい。私はどうせ鳥の巣頭だよ』 憂『まあまあ』 二人の間に割って入るように、私は鈴木さんをなだめる。 今日の私はどうしてしまったんだろう、タチの悪い呪文でもかけられたのだろうか。 喋りは滑らかだし、なんだかすごい社交的な気がする。 ていうかなんだろう? 顔の筋肉が道の動きをしている気がする。 純『縮毛矯正でもしてみようかな……』 鏡を見てうんざりとした表情を浮かべる鈴木さんに、私はあろうことかとんでもないことを口走っていた。 憂『そんなことしなくても純ちゃんはカワイイよ』 な、なにを言ってらっしゃるのこの人!? お姉ちゃんにさえそんな『カワイイ』だなんて言ったことなんてないのに!? さぞや奇異の目で鈴木さんと中野さんが私を見るだろうと思ったが、二人とも特にリアクションを返さない。 まるでその発言はいたって聞きなれたものであるかのように。 純『ああ、梓ほどキレイな髪になりたいとは言わないからせめて憂ぐらいにはなりたい……』 梓『それ憂に対してなんか失礼だよ。ねえ、憂?』 鈴木さんを咎める中野さんに、私は胸の前で否定するように手を振った。 憂『そんなことないよ。実際梓ちゃんってすごく髪質いいし』 なんというのか今日の私はほめちぎりまくりの上、発言一つ一つが滑らかすぎて気持ち悪い。 いや、案外これが普通なんだろうけど。 憂『実際、私はそんなに髪質よくないから』 鈴木さんの机の上にある手鏡を手にとる。 鏡に私が映った。 その私の両目は私とは思えないほどパッチリと開いていた。 ……いや、待て待て。目元がこんなにはっきりと見えるということは。 よく見れば前髪も今よりも短い。せいぜい眉毛にかかるぐらいだ。 なにより鏡に映った私の口元は笑みの形を作っていた。 ――次の瞬間、鏡の中の私がゆがんだ。 いや、というより視界全体が揺らいでそのまま真っ黒に塗りつぶされた。 ♪ けたたましい音が耳元でして私は飛び上がった。 起きた瞬間、すぐに背中が汗でぬれていることがわかった。 ケータイのアラームを止めて私は、ため息を一つこぼした。 憂「……夢、か」 小さな欠伸をしてから伸びをする。 凝り固まった筋肉がほぐれて、みしみしと音を立てた。 締め切っていたカーテンを開けて、窓も開放して新鮮な空気を肺にいっぱい吸い込む。 天気は夢のそれとは違い、快晴で朝日が妙に眩しい。 それにしても奇妙な夢だった。 憂「そういえば……」 以前にも似たような夢で見た気がする。 社交的で明るい私が、あの二人を名前で呼んでいる夢。 憂「……まあ、どうでもいいよね」 私は誰にともなく呟いた。 その言葉は不思議なほど空しく青い空に響いた気がした。 ♪ 純「よっ! 憂、今日も元気?」 教室に入ろうとした瞬間。 いきなり背後から肩をたたかれて私は足をもつれさせそうになってしまった。 反射的に後ろを振り返ると、白い歯をむき出しにして鈴木さんが笑みを浮かべていた。 夢の中とは違って彼女の機嫌はイイみたいだった。 そして、私はきっと渋い顔をしていることだろう。 憂「おはよう……」 純「朝からそんな顔をしちゃダメでしょ? ほら、笑って笑って」 憂「ニコニコ」 擬音だけで答えて私は教室に入って机にカバンをかけてそのまま椅子に腰かけた。 梓「朝からテンション高いね」 既に教室にいた中野さんが鷹揚と手をあげた。 低血圧なのかどうかは知らないが、朝の彼女はそれこそ寝起きの猫のように動きひとつひとつが鈍い。 寝ぼけ眼で私と鈴木さんを見比べて中野さんはポツリと言った。 梓「ホント……対照的だよね」 誰と誰のことを言っているのだろうか。 いや、考えるまでもないし言われなくてもわかっているつもりだ。 純「んー?」 鈴木さんは中野さんの言葉の意味がわからないのか目を白黒させた。 純「どういう意味?」 なぜかその質問は私に向けられたらしく、鈴木さんは私の方を見た。 私はなにも言わずに首をかしげた。 ♪ 純「いや~、この三人でここに来るのは案外久々?」 梓「そうかな? ……あー、でも確かに初めて純と喋ったとき以来かな?」 純「あれ? もう一回一緒に来なかったっけ?」 梓「それは二人で来たときじゃないの?」 憂「……」 純「どうだったけ、憂?」 憂「……わからない」 放課後。 私と中野さんと鈴木さんで、何度かお世話になっているハンバーガーショップにやってきた。 ……あれ? 憂「……」 たしか今日はお姉ちゃん以外の全員が用事があるということで、軽音部の活動は中止になったのではなかったのか? 疑問がそのまま顔に出たのか、中野さんは以心伝心で私の疑問に答えてくれた。 梓「実は私も唯先輩と同じで今日は特に用事はなかったの」 憂「じゃあ……なん、で?」 なんであなたは用事があるなどという嘘をついたのでしょうか? 梓「なんでって……」 中野さんは視線を少しだけさまよわせてから答えた。 梓「だって、唯先輩と二人きりじゃあ練習にならないし」 しれっと中野さんは言った。 憂「……」 いったい私はどんな表情をしているだろうか。 鏡があったら是非チェックしたい。 梓「うん、でもね……」 と、そこまで言ったあたりで再び中野さんは視線をさまよわせた。 言うべきか言うべきじゃないか、なにかの台詞を舌の中で転がしているかのように頬を少しだけ膨らませた。 純「そういえば、なんで梓は放課後四十分も遅れたの?」 私と中野さんの間に割って入るかのように鈴木さんが言った。 相変わらず空気を読めない人である。 梓「……ああ、やっぱいいや」 中野さんはめんどくさげにため息をついた。 なにがいいのかわからないし、言いかけの言葉は最後まで言ってくれないと気持ち悪い。 いや、私の言えたことじゃないのだけど。 純「私の質問に答えてくれないの?」 梓「うん」 純「ううぅ! ひどいよ! 梓が私に冷たいよ!」 泣き真似をする鈴木さんに抱きつかれる。 突然のことに顔や体が赤くなっていくがどうすることもできなかった。 憂「い、入り口の前だし……邪魔になるから、入ろ?」 純「おっと、そうだね」 背後に立っているサラリーマン風の男性を振り返って鈴木さんが私の背中を押す。 首筋にひんやりとした感触が不意に落ちてきて、私は空を仰いだ。 いつの間にか雲一つなかったはずの青は、鉛色にとって代わって空を狭めていた。 憂「……雨、降るかな?」 私がポツリとつぶやくと、空も真似するようにポツリと雨粒を垂らして私の前髪を濡らした。 ♪ 店内は平日ということを考慮しても閑散としていた。 というか、この店が混んでいるところを見たことがないな。 いつかはつぶれてしまうかもしれない。 そうなったら、私たちはどこをたまり場にするんだろう? ……と、そこまで考えたあたりで私は首を振った。 なんでこの三人でいちいち集まる必要があるのだろうか。 だいたい、普段からずっと一緒にいるのにこれ以上一緒にいる必要なんてないじゃないか。 純「どうしたの、憂? 頭でも痛いの?」 憂「う、ううん……べつに……」 相変わらず下手な誤魔化しをしていると、後ろから中野さんに小突かれる。 梓「早くメニュー決めないと。後ろのお客さんに迷惑だよ」 私個人としてはわりとやること成すことダメな人という印象なのだが、中野さんは案外しっかり者らしい。 ……というのは、お姉ちゃんから聞いた話なのだが(もっともお姉ちゃんは逆の言い方をしていた)あながち間違いでもないみたい。 純「じゃあ、私は極上チーズバーガーのセットで!」 梓「それはロッテ!」 憂「……」 どうでもいい漫才の炸裂だった。 ♪ 純「でさ、やっぱり澪先輩はかっこいいしすごい頼りになる人だと思うんだ」 梓「私もまあ、だいたい純と似たような意見かなあ。澪先輩みたいなお姉ちゃんなら欲しいと思うし」 憂「……」 私は二人の会話を聞きつつ、ジンジャーエールをずずっと啜った。 鈴木さんはどうやら秋山先輩のファンなのか、熱心に彼女について語っていた。 が、注文したエビカツバーガーを食べ終えると、彼女はなぜか黙ってしまった。 ああ、これで少しは静かになるのか……と思ったのも束の間で次の瞬間に鈴木さんは大きく息を吸いこんだ。 純「これから重大な発表があります!」 ……声、でけえよ。 梓「じゅ、重要な発表……!」 中野さんが誰がどう見ても演技だとわかるオーバーなリアクションで鈴木さんの言葉に反応する。 なんだなんだ? また二人で漫才でもするつもりだろうか。 ……できれば、店内では他のお客様の迷惑だし、単純に恥ずかしいのでやめてほしいんですけど。 純「ズバリ! 憂と憂のお姉ちゃんをくっつけようラブラブ作戦を決行するのであります!」 さらに一段とでかい声で鈴木さんは宣言した。 もはやシャウトと言ってもいいレベルの声量かもしれない。 ……おい、モップ女。 そんなに私に恥をかかせたいのか……? 純「ふっふっふ、まさか憂。あの時のことを忘れてないよね?」 マコトにイカンながら覚えています。 ……いつか夕日の川のそばで似たようなことを鈴木さんはおっしゃいましたからね。 たしか私の記憶が正しければ、そのときにその提案はきっちり却下したはずだが。 梓「まあ、記憶力抜群の憂に限って忘れてはいないでしょ?」 憂「……」 中野さんが得意顔でそんなことを言ってのけた。 ちなみに中野さんの指摘の通りだいたいの『作戦』内容も覚えている。 もっとも、それは記憶力とかそういう問題ではなく、単純にその作戦に呆れたがゆえに覚えていたにすぎないが。 憂「お、覚えているよ?」 純「なら話は早い。明日にでも決行するべきだよ」 鈴木さんが鼻の穴を膨らませる。 憂「いや、でも……」 いったいそのお粗末な作戦で、私とお姉ちゃんの間がどう変わるというのだろうか。 ていうか、べつに私は……。 梓「いや、ね。私、最近思ったんだけど。憂はなにごとに対しても奥手すぎると思うんだ」 純「そうそう。そんなんじゃあ、誰かに唯先輩をとられちゃうよ?」 誰がお姉ちゃんをとるって? 純「たとえば……」 鈴木さんはそこで言葉を区切って中野さんを見る。 純「梓とかがさ」 梓「え?」 憂「……!」 不意に頭の中で赤い光が爆ぜた気がした。 もっとも、気がした、というにはその光はあまりにも明瞭で私は反射的に目を閉じた。 そうして瞼の裏側に現れた光景に息を飲まずにはいられなかった。 赤い光……それは真っ赤な夕焼け。 夕日をバックに伸びる二つの影。 そしてその影にただただついていくだけの小さな影。 最初はそれがなんなのか、理解できなかった。 しかし、その光景は比較的最近に見たものだったのですぐになにを意味するかを理解した。 二つの影はお姉ちゃんと中野さん。 そしてその後ろをのろのろとついていくのは――私。 楽しそうに話をしている二人。 そして、それをただ後ろから聞いているだけの私。 思わずかぶりをふって私はその光景を振り払った。 純「憂……?」 目を開くと、鈴木さんと中野さんが仲良く首を傾げていた。 13
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律「ぐはっっ………!!!」 ダァァァァァン!!! 律の体が宙を舞い、壁に叩きつけられる。 律「がはっ……!!」 律(なんだ、今の攻撃…!?梓が刀を振ったと思ったら、衝撃が……!!!)」 律は自分がどんな攻撃を受けたのか分からなかった。 自分と梓の距離は十分開いていた。 律(それなのに私は何故、攻撃を受けた……!?) 梓が高速で移動した…? いや、違う。 私が梓に直接攻撃を食らったのはあの衝撃を受けた後だ。 確かそれは梓が刀を振った直後に私を襲った。 刀を高速で振り、大気を切る事によって発生する衝撃波…? 多分……、そういうものだ……。 それが、あんなに強力だとは……!!! 梓(撃てた……!!) 霊力を刀に乗せ、大気を切る。 それによって、刀に乗った霊力は放たれ、衝撃波となって敵を襲う。 これが先程、梓が律にダメージを与えた攻撃の正体である。 梓は自身のこの技を『牙』と呼んでいた。 牙は普通の悪霊なら一撃喰らわせただけで消滅する。それほど強力なものだった。 いくら律ともいえど、ダメージを受けない訳がない。 牙を喰らった律はダメージを受け、隙が出来た。 そこで梓が間合いを詰め、攻撃を叩きこんだ。 これらが先程の一連の流れである。 律「くっ……!!」ダッ 律は立ち上がり、すぐさま梓との距離を詰めた。 離れれば先程の攻撃をまた喰らってしまう。 律(そうならないためには近づいてして闘うしかない…!!) ガキィィン!!! 二人の刀がまたぶつかりあう。 梓(効いていない……!?) 私は驚きを隠せなかった。 牙によるダメージを受け、連続攻撃を叩きこんだはずの律先輩が、すぐさま立ち上がり、私に向かってきたから。 牙を喰らわせたら、悪くてもしばらくは立ち上がれないほど大ダメージを与えられると思っていた。 梓(そんな……!!) 牙が通用しない。それは私にとってあり得ない事だった。 しかし、それは私の杞憂だった。 ガキッ!!ガキッ!ガキィン!! 律先輩と私は何回か斬りあったが、律先輩に先程の力は無かった。 やはり、牙は律先輩に大きなダメージを与えていたのだ。 梓(これなら…!!) ―――ガキィン!! 律の刀が上にはねあげられる。 律(やばっ……!!!)」 律の体がガラ空きになった。 ――――タンッ 梓が素早く一歩下がる。 律(なっ……!?) 次の瞬間―――。 ―――パァァン!!! 牙が律の体を直撃する。 律「がっ……!!!」 律(これは、さっきの……!!この距離でも打てるのか……!?)ガクッ ドガッ!!ドガッ!!ドガァ!!! すかさず梓は攻撃を叩き込む。 律の体がのけぞる。 律「ぐはっ……!!!」 律(ヤ、ヤバい……!) ―――パァァン!!! 体勢の整っていない律をまた牙が襲う。 律「げふっ……!!!」 ドガァァァァァ!! ものすごい音を立てて、律は壁に吹っ飛ばされた。 律「ぐっ……!!げほっ……!!!」 ―――ズルッ 律は体を壁に預けるようにして倒れた。 梓(もう……立たないで……!!!) 律の体は梓の攻撃でダメージを受けていたが、梓の体もすでに満身創痍だった。 牙はその強力さゆえに、打つたびに多大な負担が使用者の体にかかる。 本来ならば一回の戦闘で使えるのは一回が限度なのだ。 だが、梓はここまで三回、牙を打った。しかも、その内二回は連続での使用である。 律(くそっ……!立てない……!足に力が……!!) 律(このままじゃやられる……!!) 律(梓に…消されてしまう……!!) そうなったら澪の事を連れていけない。 また一人になる。 ……嫌だ。 あんなところでずっと一人きりなんて絶対に嫌だ。 嫌だ。嫌だ。嫌だ。いやだいやだいやだいやだ―――。 ――――ブチッ その時、私の頭の中で何かが切れる音がした。 ―――ユラッ 律先輩が立ち上がった。 顔を伏せているのでその表情は分からない。 梓(くっ……!!でも、あと少しで倒せるはず……!!牙をあともう一発喰らわせれば…!!) 私は牙を撃つ構えに入る。 多分、あと一発が限度だろう。 ―――ゾワゾワッ!! 梓(な……に……!?) その時、私の体に悪寒が走った。 梓(これは……律先輩の殺気……!?)ガタガタガタ 恐怖で膝が震える。 律「…………」 そして、律先輩がこちらにゆっくり近づいてくる。 梓「う……あ……」ガクガクガク 震えがまだ止まらない。 そのとき、ソファーの澪先輩が目に入った。 梓(………!!) 梓(しっかりしろ!!澪先輩を連れていかせはしない……!!) ダンッダンッ!! 足を踏みならし、膝の震えをとる。 梓「あああぁぁぁぁ!!」 自分を鼓舞するため、大声を出した。 そして、牙を撃つ構えに入る。 梓(これで、終わりだ……!!) ギシッ……ギシッ… 全身の筋肉が軋む音がする。 霊力を刀に込める。 大気を横一文字に切った。 ―――パァァン!!! 霊力の刃が大気を切り裂く。 梓の牙が律に向かって放たれた。 牙は律先輩に向かって放たれた……はずだった。 ―――ヒュンッ 律先輩が刀を上下に振る。 パンッッ!! 乾いた音がした。 梓(なっ……!?) 梓(牙が……消えた……!?) 梓(私の牙が……!!!) 梓(なんで……!?) 梓(牙が…斬られた…!?) 私は驚愕した。 梓(牙が斬られて消えるなんて……!) ―――ニタァ 律先輩が顔に笑みを浮かべる。 そして、律先輩が胸に手を当て何かを呟いた。 律先輩の体の傷が一瞬で無くなる。 また、回復の術式を使ったのだろう。 梓(そん…な……) 私は絶望した。 いくらダメージを与えても倒せない。 しかも、頼みの綱の牙は通用しなくなった。 もう何も打つ手はない。 私は何故、律先輩のような霊と戦ってはいけないと言われているのかようやく理解した。 こんな相手に……勝てるはずがない。 こんな相手に戦いを挑むなんて、自殺志願者以外の何者でもない。 ―――ゾワァッッ!! 梓(いやっ……!!) そしてまた、律先輩の殺気が私を襲う。 ―――スタッ、スタッ 律先輩が一歩ずつ私に近づいてくる。 梓(逃げ……逃げなきゃ……!!) 私の本能が逃げろと言っている。 音楽室のドアから逃げようと振り向こうとした瞬間――― ドシュッッ!! 梓(………!!) 私の胸に刀が突き刺さった。 梓(ッ……!!!) ――――バタンッ!! 私は床に倒れた。 刺された胸から、血が……止まらない。 梓「っ……はっ……!!」 律先輩が私を見下ろしている。 律「なぁ……、梓。お前、あの技乱発しすぎなんだよ……」 律「3回も喰らったらさすがに技の正体くらい分かる。そして、その防ぎ方も。」 律先輩が私に向かって話しかける。 梓「げほっ……!!」ゴポッ 私の口からも血が溢れでる。 律「って聞こえてないか……」 何も言う事が出来ない。 ………目が霞む。 だんだん、律先輩の姿がボヤけてきた。 律「それじゃあ、今度こそ本当に終わりだな……」 そう言って律先輩は私の胸、心臓に刀を向けた。 梓(駄……目……だ……体の……感覚……がな……い) 律「……じゃあな」 ――――ズンッ 私の心臓を律先輩の刀が貫いた。 梓「げほっ……!!!」ゴポッ 血が溢れて止まらない。 だんだん意識が遠ざかっていった。 梓(な……ん…でよ……ま……だ……) 全身から血の気が引く。 ああ、これが、死というものなのか――――。 律は梓の2回目の牙でその技の正体が分かった。 霊力を放った事による衝撃波ならば霊力をぶつけて相殺してやればいい。 単純な原理だが、高い霊力を持っている梓の牙は並大抵の霊力では相殺出来ない。 これは梓以上の霊力を持っている律のような者にしか出来ない事だった。 律は梓の4回目の牙の時、自分の刀を大量の霊力で覆い、牙にぶつけた。 そして2つは相殺したのだった。 律(……やっと終わった。) 梓も私の邪魔をしなかったら死ぬことは無かったのに。 律(忠告してやったのに、馬鹿だな……。) 床に横たわっている梓の死体をみる。 ピクリとも動かない。 目は見開いたまま、完全に光を失っていた。 律(……梓の死体は昨日と同じように音楽室の前に置いておこう) 律(また、さわちゃんあたりが見つけてくれるはずだ) さてと、それじゃあ澪を連れていこう。 律「これで全部終わりだ……」 ?「まだ、終わってないですよ。」 誰かの声が背後からした。 律「!?」 ―――バッ 私は声のした方向を素早く振り向いた。 そこにいたのは……。 憂「まだ終わりじゃないと思いますよ」 そこにいたのは平沢憂だった。 律「憂ちゃん……?」 憂「お久しぶりです、律さん」 律「なんでここに……?」 憂「……あることを確かめに来ました」 律(確かめに……?どういうことだ?) 律(まさか、憂ちゃんも私の邪魔をしにきたのか……?) だったら……!! 私は刀の柄を右手で握る。 律(こいつも殺す……!!) 憂ちゃんはそんな私の考えを見透かしたように、慌てて胸の前で両手を振った。 憂「わ、私は律さんと戦いに来たわけじゃありませんよ……!!」 憂「だからそんなに身構えないで下さい……!!」 律「じゃあ、何しに来たんだ……?」 私は刀の柄を握ったまま問う。 憂「少し……長くなりますけど説明してもいいですか?」 律「………いいよ」 憂「……3年前の話になります。私と梓ちゃんはある機関に所属していました」 憂「その機関は霊による災害や殺人を防ぐという目的のために存在しているんです」 憂「梓ちゃんは違いますけど、私は今もその機関の一員なんです」 律「……じゃあ私の邪魔をしにきたって事だよね」 憂「でっ、でも、私達は主に無差別殺害を行う霊だけを倒してるんです」 憂「だから律さんを倒しに来たわけじゃないんです……!!それに、私じゃ律さんには勝てないのはよくわかってますから……」 まぁ…、そうか。武器も持っていないし、見たところ霊力も梓以下だ。この言葉は信用してもいいだろう。 憂「梓ちゃんは私達の中では霊力の高さはトップクラスでした……」 憂「梓ちゃんの技……、霊力を刃に乗せて放つ『牙』は一撃でほとんどの悪霊を倒すことが出来ます」 憂「梓ちゃんはそれを使い、たくさんの悪霊を倒していったんです」 律(あの技は牙っていうのか。……大した事は無かったけど。) 律「ふ~ん、そうなんだ。私じゃなかったら一撃で倒せてたかもな」 憂「………!!」 どうやら憂ちゃんは私が牙を知っていることに驚いているようだ。 憂「律さん……、牙を知っているんですか?」 律「……ああ、四回も喰らったし。最後の一回は防ぐことが出来たけど」 憂「……!!牙を3回も…!!」 憂(普通、それだけ受けたら存在していることなんて出来ないはず……。しかも、牙を防げるなんて……!!) 律「それで?」 憂「牙を撃つと体には大きな負担がかかります……」 憂「しかも、梓ちゃんの体は牙を撃つにはあまりにも小さい……。体が反動に耐えられる訳がないんです」 憂「でも霊を倒すために梓ちゃんは牙を撃つしかなかったんです。」 憂「もし倒し損なってしまえば、関係のない人間が殺されてしまう」 憂「梓ちゃんはそれが許せなかったんでしょう……」 憂ちゃんは続ける。 憂「牙の使用は少しずつ、でも確実に梓ちゃんの体を蝕んでいきました」 憂「そして3年前のあの日、とうとう梓ちゃんの体に限界が訪れたんです……」 憂「その日、梓ちゃんは二人で、出現した霊と戦っていました。」 憂「私達は最小で二人、最大では五人以上で霊と戦うんです」 憂「梓ちゃんは私達の中でも霊力の高さは上位だったので、主に最小の二人一組で討伐を行っていました。」 憂「それでもほとんど梓ちゃんだけで敵を倒していたみたいですけど……」 憂「その時、梓ちゃんと戦っていた霊はかなり強かったんです」 憂「梓ちゃんはその悪霊に対して牙を放ちました」 憂「梓ちゃんも敵が強いのを重々承知していたのでしょう」 憂「………その時、梓ちゃんの体に今までの反動が返ってきました」 憂「牙は不発に終わり、梓ちゃんの脚と腕の筋肉が断裂したんです……」 憂「梓ちゃんは悪霊の攻撃によって致命傷を負い、気を失いました」 憂「そして一緒に組んでいた人間が殺されてしまったんです」 憂「唯一、幸運だったのが死んだ私達の仲間が悪霊と相討ちになった……、ということでした」 憂「だからその悪霊による被害はそれ以上広がらなかった……」 憂「私達が駆けつけた時には梓ちゃんは気を失って倒れていて、もう一人の仲間はすでにこと切れていました……」 憂「梓ちゃんはすぐさま病院に運ばれました。そして三ヶ月以上、昏睡状態になったまま目を覚まさなかったんです」 5
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梓「一日中家に引きこもってパソコンは楽しいなあ」ピコピコピコ 梓「あ、なんかある!」 梓「え?なになに?風俗行ったら人生変わった話?へーそういうのあるんだ」 梓「あれれ調べてみるとそういうのっていっぱいあるんだね。ふーん、今まで物事に臆病だったけど風俗に行ったらそれ以来前向きになった……ふうん、なになに、仕事のできない後輩を風俗に連れて行ったら見違えるようになった」 梓「へー?あ、そうなんだ、変わるもんなんだなあ、知らなかったよ」 梓「じゃあちょっと行ってみようかな、人生を変えに」 風俗の店! 梓「なんか怖い雰囲気だなあ、怖いものが出てきそう」 梓「町がまず怖いもんねー、わかんないけど、深夜とか怖そう」 人「いらっしゃいませー」 梓「あ、どうも」 人「どの子を指名いたしますか」 梓「あ、えと、猫耳似合う子を指名したいんですけど……」 人「当店ではそういうサービスはやってないんですよ、申し訳ないです」 梓「そうですか、じゃあなんでもいいです、ごめんなさい」 人「じゃあフリーということでよろしいでしょうか?」」 梓「あ、はい、そのフリー?で」 人「かしこまりました。こちらで少々お待ちください」 梓「あ、はい」 梓「わ、怖い、怖いなー。もう喋り方が怖いもんなー。丁寧なところが逆に」 梓「はーまだかなぁ……なんか寒いなぁ」プルプル ガタッ 梓「わっ怖い……なんだ別のお客さんか」 梓「緊張するなぁ……怖い」 梓「……」 梓「……」 梓「だめだ、逃げよう!」 ガチャンバタバタバタバタ 梓「はあはあ……ここまで来れば流石に平気だよね」 梓「ふぅ、怖かったぁ……でもこれで人生変わったのかな?」 梓「あ、変わった気がするぞ!」フンス 梓「やったぁ!人生変わったじゃん!」グッ 唯「あー、あずにゃんだー!こんなとこで会うなんて奇遇だねっ」ギュー 梓「わ、やめてくださいよ。っていうか、唯先輩、風俗で働いてるんですか?」 唯「いや、風俗では働いてないよ」 梓「そうですか……」 唯「それよりあずにゃんは今日はどうしたの?」 梓「ああ、いや。わたしさっき風俗に行ってきて……」 唯「風俗?」 梓「ええ、ちょうど人生が変わっちゃったところなんですよ!」 唯「へーそれはずいぶんいい体験だったみたいだね」 梓「はい」 唯「え、もっと聞いていい?」 梓「はい!もちろんですよ。根ほり葉ほり聞いてください」 唯「じゃあさ、いきなり聞いちゃうけど本番とかしたの?」 梓「本番はしないですね」 唯「本番なしのお店だったんだ」 梓「いや、ありのお店ですよ」 唯「ありだけど、しなかったんだ?」 梓「はい」 唯「はじめてだと緊張しちゃいそうだもんねえ」 梓「ええ、すっごく緊張しましたよ。もうぜんぜん別世界でしたもん」 唯「おお、そうなんだー」 梓「はい、なんか人生変わったって感じです!」 唯「あはは、あ、そうだ。あずにゃんこの後ひま? よかったら一緒にご飯でも食べない?」 梓「うーん、暇ですけど。人生変わったばっかりだからなあ、どうしよ」 唯「だめ?」 梓「んー、うーん……ま、いいですよ。人生変わったばかりのわたしでよければですけど」 唯「いいよいいよ。なんか食べたいものとかある?」 梓「なんでもいいですよ……と、今までのわたしなら言っていたところですが……人生が変わったのでお寿司が食べたいです!」 唯「お寿司かあ、回るやつでいい?」 梓「はい」 唯「じゃあちょっとスマホで調べるね」 梓「あ!あそこにデニーズありますよ」 唯「でもデニーズって寿司屋じゃなくない?」 梓「でもまあいいじゃないですか、あそこにあるんだし」 唯「ま、あずにゃんがいいならいいけどさ」 からんからんからん 梓「ね!唯先輩はなに食べます!わたしは和風ハンバーグセットのダブルにします!」 唯「だぶる?あ、ふたつ頼むってことなんだ……ハンバーグセットにダブルってはじめて聞いたな……」 梓「どうでもいいですよ!そんなの!唯先輩は!なに頼むんですか!」 唯「なんか楽しそうだね!あずにゃん」 梓「だって、人生変わってはじめての食事なんですから!楽しいですよ!ハッピーです!これは幸せって意味ですけどね!」 唯「そっか、わたしはイカスミパスタにしようかなー」 梓「あ、それベストチョイスです!」 唯「じゃあなんであずにゃんは違うの頼んだのさ……」 唯「でもさあ、あずにゃんがなんていうのかな、そんなに……その……たまって?たの?」 梓「いや、そうじゃないです。インタネットに風俗に行くと人生が変わるっていう話があったので、行ってみようと思ったんです」 唯「そんなに人生を変えたかったの?」 梓「はい、とっても」 唯「なんかやなことがあったんだ? あんまりそんなに風には見えなかったけど」 梓「いや、やなことはなにもなかったです」 唯「じゃあ、なんで、人生を変えたかったの?」 梓「それは」 唯「それは」 梓「人生を変えたかったからです」 唯「だから、なんで!」 梓「だから、人生を変えるために……」 唯「だからそれがなんでかって!」 梓「え?」 唯「だからね人生を変えたいって思うってことはその前の人生が嫌で新しくしたい!っておもうわけだよね?」 唯「なんで前の人生が嫌だったのかなあって思ってさ」 梓「別に前の人生は嫌ではなかったですよ。でも人生変えられるっていうから試しに変えてみようって思って」 唯「じゃああずにゃんは人生を変えるためだけに人生を変えたの?」 梓「そうですよ、わたし人生変えるの好きなんですよねー。けっこう昔から人生よく変えてて」 唯「えーなにそれ?」 梓「いやだから趣味みたいなものですよねー、気分転換によく変えるんですよ。ふられたあととか」 唯「髪の色みたいに?」 梓「唯先輩はなんかおすすめの人生とか知りませんか?」 唯「いや、わたしは一応生まれつきのでずっとやってるからなあ」 梓「あ、そうですか。でもその人生はすごく唯先輩に似合ってると思いますよ、あと髪色も」 唯「えへへ、そうかなぁ」 梓「そうですよ!」 唯「ありがと」 唯「あずにゃん、最近は何してる?」 梓「最近はずっと家に引きこもってゲームかパソコンですね」 唯「金髪なのに?」 梓「髪の色は関係ないじゃないですか」 唯「褐色なのに?」 梓「それは体質ですよ」 唯「金髪褐色なのに、一日中家に引きこもってゲームしてるんだ?」 梓「最近はfalloutが出たんで新しいの。あのゲームやって人生が変わったとか言う人、すごく多くないですか?」 唯「わたしゲームとかはあんまりわかんないんだよねー」 唯「あ、でも、ぷよぷよはできるよ!」 梓「一番かわいいやつじゃないですか、それは。ぷよぷよだけのやつは」 唯「えへへ、そうかな」 梓「そうですよ、ほんとあざといですね」 唯「わ、わざとじゃないもん!」 梓「その怒り方があざとい」 梓「あざといの連鎖だ」 梓「フィーバー」 唯「うるさい」 唯「髪の色と言えばさ、やっぱ金髪にしたのも人生変えたいと思ったからなの?」 梓「そうですよ!」 唯「変わった?」 梓「人からかわいいって言われるようになりましたね、あ、でもそれは昔からか、どうでしたっけ?」 唯「えーどうだろー?わたしは正直黒いほうが似合ってると思うけど、まあでもそれはそれでかわいいかも!」 梓「別に唯先輩の意見は聞いてないですけど」 唯「むむむ……」 唯「でもあずにゃん大学に入ってから変わったよねー、大学デビュー?っていうのとは違うかもしれないけど」 梓「そうですか?」 唯「そうだよ!金髪にしたのもそうだし、服装とかふんいきとかも」 梓「どうなりました!」 唯「なんか近寄り難い感じ」 梓「そうですか」 唯「みんな言ってるよ、軽音サークルの人たちとか。あいつやばいやつなんじゃないのって」 梓「そうなんです?」 唯「そうだよ!すっごいわたし言われるんだよ!あの子どうしたのとか昔からあーいう感じなのとかなんか怖いとか」 梓「なんで唯先輩に言うんですか?」 唯「そりゃたぶんほらわたしとあずにゃんがなんかこう、近いと思われてるんじゃない?」 梓「家が?」 唯「家は近いけども!っていうか同じアパートにしようって言ったのわたしだけど!」 梓「お金ほしさにですよね」 唯「そうだけど!でもちがうじゃん……」 唯「だってほら、友達と住むと安くなるっていうのやってたから……それは巡り巡ってお金ほしさだけどー……でもちがうじゃん!」 梓「いや、よくわかんないですけど」 唯「お金じゃない大切なもの欲しさにだよ!」 梓「なんですか、それは」 唯「それは、だから……ふたりで過ごす時間っていうか」 梓「…………へぇ」 唯「や、やっぱうそ!うそだから!欲しいのお金!」 唯「っていうかそれより、あずにゃんの話だよ!」 唯「あずにゃん変な服とか着てくるよね」 梓「そうでしたっけ?」 唯「なんだっけ?I♡JAZZみたいな」 梓「あ、I♡Jazz喫茶Tシャツですか?」 唯「そう。なんで喫茶なんだよー」 梓「いいじゃないですか、お洒落ですよ」 唯「あとはなんかすっごい子どもの落書きみたいなのが描いてあるやつのトレーナー、あの、ほら、太陽に顔が描いてあって手と足が出てる」 梓「アラマブラ君トレーナーですか」 唯「あれそういう名前なんだ」 梓「そうですよ」 唯「あんなのなんで着てんのさ!」 梓「宗教上の理由で」 唯「意味わかんないし!」 唯「なんかみんなすごいダサいって言って笑ってて、わたしまで恥ずかしかったんだよ!」 梓「なんで唯先輩が恥ずかしいんですか」 唯「え、なんかない?そういうの。あるじゃん、あずにゃんにはない?」 梓「あのあれですよね、自分の大好きなお店とかがネットで叩かれてたりするとなんか自分のことじゃないのに悲しくなっちゃうみたいな」 唯「そうそうそれだよー」 梓「わたしは唯先輩のフェイバリットスポットかっ! 」バシン 唯「いったぁ……なんで叩いたのさ」 梓「わたしは唯先輩のフェイバリットスポットじゃないのに唯先輩が勝手にフェイバリットスポットにしたから……」 唯「それはたとえじゃん!あとフェイバリットスポットかどうかはわたしが決めることだし」 梓「じゃあわたしは唯先輩のフェイバリットスポットなんですか?」 唯「え?」 梓「わたしが唯先輩のフェイバリットスポットかどうかは唯先輩が決めるなら、どうなんですか、わたしは唯先輩のフェイバリットなんですか、ちがいますか」 唯「え、わかんない、えっとね……」 唯「うーん……」 唯「ふぇ……フェイバリットスポット…………ア、リトル?」 梓「語順!」 唯「あとHTTシャツとかもふつーに着てくるよね、あずにゃん」 唯「ちょー言われるもん、あの子、あのちっちゃい子、今日も放課後ティータイムのTシャツ着てたよーって。あの子HTTのこと大好きじゃんって!すごい恥ずかしい!」 梓「いいじゃないですか、ほんとに大好きなんですから。あと着心地がいいし」 梓「ていうかなんでいちいち唯先輩に言うんですか、そいつらは。唯先輩の舎弟なんですか」 唯「舎弟じゃないよ、あずにゃんの行動が目に余るから忠告してくれてるんだよ」 梓「そんなこと言えばわたしよく宣伝してますけどね、放課後ティータイムのこと。学食で隣に座った子とかにライブのチケットあげたり、あと講義で発言した後とかにあ、CDが出てるんで買ってください、って言ってますよ」 唯「やめてよー!そんなの!恥ずかしいよ!」 梓「でももう毎回言ってるから言わないと教授にキミ今日はバンドの宣伝はいいのかい?っていじられて逆に目立っちゃいますよ」 唯「もー、ばか!」 唯「はぁーあ……あずにゃんほんとに変わったよね。高校のときはあんなかわいい後輩だったのに」 梓「っていうかむしろ高校のときが特別だったんですよ。わたし子どものことからずっと人生変わりまくってますから」 唯「変わってるっていうか変えてるんでしょ?」 梓「そう、そうです。でも高校時代の3年ずっと変わらなかったっていうのは長かったなあ、それだけ先輩たちとの出会いが衝撃的だったんでしょうけど」 唯「ま、そう言ってくれるのは嬉しいけど」 梓「まああの時が一番大きいですね、一番人生変わったかな。中学生のときわたしぜんぜんあんなじゃなかったですもん」 唯「えーどういう感じだったの?」 梓「いっつも自分の席に座って友だちどころかちょっとお話する相手さえいなくて休み時間とかはずっと一人で本読んでて、いわゆる眼鏡とかかけてて周りのみんなからも……」 唯「いじめられてたの?」 梓「いや、普段喋ったりはしないけどよくよく見るとすごくかわいいって評判でしたね」 唯「なんだよー」 梓「え、いじめられてた方がよかったですか?」 唯「うん……そ、そんなことはない、ないけどさ!」 梓「でもって小学生の頃は子役やってましたからね」 唯「え、テレビとか出てたの?」 梓「あずみんって知りませんか?」 唯「ああ、え?あ!聞いたことある!あるよ!」 梓「後にですけど、あの人がいまの取材とかも来たんですよ」 唯「ほんとに!?」 梓「ええ、お蔵入りになっちゃったみたいなんですけどね」 梓「画が取れなかったんですよね」 唯「なんか業界用語っぽい!」 梓「えへへ」 2
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6,スタートライン 果たして中庭で待っていた古泉は開口一番に、 「緊急事態です」 と言った。微笑み、手には湯気の上がる紙コップの安コーヒーを二つ持って。一つを俺が受け取ると、少年はテーブルを挟んで対面に座った。 その様子と台詞が余りに俺の中で食い違う。「藪から棒に何を言ってやがるんだ、お前は」なんて言葉を俺は寸での所で飲み下して、ソイツの二の句を待つ。古泉はまるで焦っている様子も無く、のんびりとコーヒーに息を吹きかけてから口に運んだ。 「ゆったりコーヒー啜ってられる間は緊急なんて言葉を使うな。その内に俺が意味を履き違えるようになったらお前の責任だぞ」 「おやおや、これは責任重大だ。再来年のセンター試験で緊急の意味を問う問題が出ない事を祈りましょう。……まあ、」 少年は右手でカップを握りこんだままに遠くを見つめた。人差し指を伸ばす。 「このままでは今年度のセンター試験はおろか来年すら一生訪れませんけど……ね」 「はあっ!?」 古泉の流し目と人差し指の先を俺は咄嗟に振り返る。ああ、そこにはやはりと言うべきか…………いや、「やっぱりお前か」以外に出てこない。えーっとだな、まあ、その眼と指は当然と文芸部室に向けられている訳だ。 どこに行った、意外性。おい、マジでどこ行った。戻って来い。 そこに居るのは……そうだよ、ハルヒだよ。他の誰だともお前らだって思ってないだろ。俺だってそうさ。前科が有るからこそ疑惑の眼を向けちまう。それが偏見だとも分かっちゃいる。 それでも、二度有る事は三度有る。夏の時は何回だった? 一万五千回くらいだったと思うんだが。そりゃもう一回有っても一つもオカしくない。だが! そんなんで納得出来るか? 出来ないよな? な? 「いえ、結論から言いますと十二月二十五日以降の時間が」 古泉は俺に向けて笑った。 「長門さん曰くどうやら途絶しているそうでして」 「……またか」 古泉のような爽やかな笑みなどまさかまさか浮かべられる筈も無い俺は空を仰いだ。未来を相談しようと言ったヤツが、未来を断絶してどうすんだよ、ハルヒ。 まったく、神様の真意とやらはいつだって雲の上である。 「頭が痛くなってきた。アイツは反省って言葉を知らんのか?」 つい今朝方「涼宮ハルヒの口から反省なんて言葉が出るなんて」と感動したはずなのだが。一歩進んで二歩下がるって有名なフレーズが今の俺ほど似合うヤツもいないだろう。――ちっとも嬉しくない。 「どうでしょうね。それと、貴方は『またか』と仰られましたが初めてのケースですよ。恐らく昨年の夏の終わり、エンドレスサマーを思い返しての発言ではないかと思われますが」 「違うのか?」 「その時との最大の違いはループしていない、という点です。いえ、ループが確認出来ないと言うべきですね」 どういうことだ? 古泉は言い直したが、その前後に何の違いが有るのか俺には正直よく分からない。 「僕も最初に長門さんに時間の断絶を言い渡された時に『あの』八月を思い出しました。タイムリミットが定まっているという共通項、そして幾重にも上書きされた記憶のインパクトがそこへと思考を自然に誘導したのでしょう」 「いや、俺はあの時と何が違うんだと聞いているんだ」 「言った通りです。ループが長門さんのお力をもってすら確認出来ていません」 つまり、どういうことだ? 今回は八月が一万五千回続いたあの時とは訳が違うのか? 勝利条件が明示されてるだけでも気の持ちようは大分違ってくるんだぜ。 「考え方としては二通りです。今、この時がループの一回目である可能性。これならば長門さんのお力でもループを確認出来ない説明が付きます。なにしろ前回が無いのですから。 もう一つは可能性は低いですが、長門さんにも確認出来ない高次の力を涼宮さんが発揮しているというもの。まあ、僕個人としてはこれは無いと思っています」 「その根拠は?」 「簡単な話です。長門さんは十二月二十五日がタイムリミットだと気付いていらっしゃる。そんな方がループの方には気付けないと思いますか? 気付かないのならば両方ともであるのが、この場合の筋です」 古泉は眼に見えて生き生きと話し出す。テーブルの上に身を乗り出して肘を突き、おい、顔近いぞ。離れろ。 「であるならば、これがループの一回目であると僕は考えますね。……さて、何か思い当たりませんか?」 古泉の言いたい事はここまでくれば俺にも理解出来るってなモンで。 「果たして本当に『ループ』なのか、だな?」 「ええ、その通りです」 おいおい、少しづつ話が厄介になってきたぞ。だっていうのに、そんなのにもどこか「いつも通り」だって感想を抱いちまう俺。 我ながらどうかしてるとしか思えないね。 ループでは無い。つまり「次」が無いってことだ。そうなっては緊急性は一気にグリーンからレッドに達する。悠長な事は言っていられないし、世界の終わりも割と現実味の有る話になってきた。 「以上より、ループではないという前提で僕らは行動するべきでしょうね。まあ、具体的に何をすれば良いのかは分かりかねますが。幸いにも時間は有ります。こちらでも地道に探りを入れてみますよ」 こちらでも。つまり俺の協力を当たり前だと思っている訳だ。一年半も付き合っていれば、それが自然になってくるか。でもって俺にだって断る理由は無い。別に世界の為になんて格好良い事を言う気は無いが。 そりゃまあ、えらく現実味の薄い話だがそれでも誰よりもこの俺が動かない訳にはいかんだろう。 「っつーかさ、古泉」 「はい?」 「なんでお前、そんな事知ってるんだ?」 あはは、と小さく笑っても俺は誤魔化されんから大人しく白状しろ。それとも俺には言い出し難い情報源なのか、超能力者? 「いえ、そんな事は。……そうですね、ちょっとした引っ掛かりです。最近の長門さんはどうにも素っ気無い気がしまして。心ここに在らずとでも言いましょうか」 ああ、猫の話か。バックグラウンドで走らせてる分身の術が相当メモリを食っているらしいからな。そりゃ古泉への応対もおざなりにならざるを得ないだろうよ。 どうやら猫と古泉との間における関心の不等号が長門の中で食い違っていないようで俺としちゃ一安心だ。 「それで少し探ってみたのです。いえ、問い詰めてみたと言いましょうか。ああ、勘違いなさらないで下さい。乱暴な事は決してしていません」 いや、そこは疑ってない。大体、古泉では長門によって返り討ちにされるに決まっている。アイツはSOS団最強だからな。地域限定超能力者ではどう足掻いても相手にはならん。 「で、長門がそう言ったのか? 未来が無い、って?」 「……ええ。但し、疑念が二つ。なぜ長門さんは僕らに言い出さなかったのか。そしてもう一つ」 十二月二十五日よりも先が無い。それに気付いた時点で真っ先にアラートを出さなきゃいけないお方が、眼を真っ赤に染めて泣きながら俺に抱き着いて来なければおかしいあの先輩が、しかし何のアクションも起こしていない。 「朝比奈さんの時空通信デバイスとも言うべきそれが、どうやら通信途絶を起こしていないようなのです」 「……は?」 なんだそれ? 未来が無くなっているんじゃなかったのか? 矛盾してるだろ。 「長門さんと朝比奈さんのどちらかが嘘を吐いているというのも考えました……が、そんな事をしてもあの二人に何のメリットも有りません。しかし、何かがおかしい。僕らの認識の何かが確定的に間違っている。そんな気がしませんか?」 古泉は笑顔を崩さない。どちらかと言えば推理を楽しんでいるような節さえ見受けられる。俺は紙コップの中の冷めたコーヒを一息に呷った。 「分からん」 推理小説で言うなら証拠が出揃ってない状態に感じる、あのモヤモヤ。多分、まだ全貌が見えてくるのは先なんだろう。長門が動いていないこと、朝比奈さんが泣き付いてこられないこと。それはつまり、時期尚早って意味なんだと思う。 「つまり、静観なさるおつもりで?」 俺は頭を掻いた。 「こっちもやる事が有るんでな。端的に言えば忙しいんだ。だから、そっちはお前に任せた。信じてるぜ、副団長」 「やる事、ですか?」 紙切れを一枚ポケットから取り出して古泉に見せる。言うまでもないだろうが件の進路調査票だ。実はこれについての相談をこの休み時間にしたかったのだが、まあ、こればっかりは仕方ない。 「この字、涼宮さんですか」 筆跡鑑定人か付き纏い(ストーカ)の二択しか出てこない観察眼を披露された。古泉は生き方をそろそろ見直す段階に来ているんじゃなかろうかと個人的には思う。 未来をよりによってのこの俺に危ぶまれるほど可哀想な超能力者は、真剣そのものの顔で暫しの間ハルヒの字を見つめていた。やがてもう五時限始めのチャイムが鳴ろうかという頃、古泉はようやく口を開いた。 「……ふふっ、なるほど」 だから、どうしてどいつもこいつも説明を省略しようとしたがるのか。推理モノの探偵だったら即クビだぞ、クビ。 「それほど悪いことは起こらないのではないかと。そう思いまして」 はあ? なんだそりゃ? 楽観論も度が過ぎると単なる怠惰になっちまうが、その理解でお前はいいのかい? 「根拠を問われると苦しいところですが。しかしながら状況証拠も量によっては証拠能力を有するものです」 状況証拠? それってのは長門や朝比奈さんがまるで危機感を抱いていない点か? いや、まあ確かに妙と言えばそうだが。 あの絶望と希望の入り混じった十二月を越えて以降、長門に対して俺は全幅の信頼を寄せてはいる。昔ならば何もかもを一人で背負い込んじまっていたあの宇宙人少女ではあるが、今はもう違う。 多少ではあっても頼りにして貰えているんじゃないか、などと――これは自惚れではないと思いたい。 だから何かが有れば俺にも荷物を山分けしてくれるはずなんだ。しかし、今回はそれがない。一人で苦も無く背負える量なのか、それとも最初からその背には荷物なんて載ってはいないのか。出来れば後者だと信じたい。 今度、長門とちゃんと話してみようか。 「ただ、この時期に何も無いとは俺には思えないんだよなあ……」 頭を掻きながら、そうボヤく。と、午後の授業開始五分前を告げる鐘が鳴り、古泉は立ち上がった。聞きたい事は山と有るが、どうやらこの場ではタイムアップらしい。 「そう構えなくとも大丈夫ですよ、きっと」 「無責任な言い方だな。お前らしくも無いぞ、古泉。ついに職務放棄(ストライキ)でも決行する気になったか?」 「ふふっ、まさか」 古泉は顎をしゃくって俺に起立を促す。膝に手を付いて立ち上がる時に「しょっ」と掛け声が出た事はどうかそっとしておいて頂けたら幸いだ。 「僕は信じているんですよ」 「信じる」ねえ。そりゃ良い言葉だ。信じるものは救われるとも言うしな。だが、その対象が俺としちゃどうにも気になる。放棄した責任は一体どこの誰の肩に乗っけたんだよ? あまり長門ばかりに頼るのもどうかと思うぜ、俺は。 「いえ、長門さんでは……と、急ぎましょうか。授業が始まります」 「だな」 未来に本気になると言っておいて、授業に遅刻してちゃ論外だ。次の授業は化学だったか。センター試験で取らない俺にはどうでもいい授業。 いつもならば教科書を目隠しに机に突っ伏す時間でも、今日からは違う。内職に、と佐々木から受け取ったプリントをこなさねばならない。 「涼宮さんが待っていますよ」 別れ際に優男が瞬き一つして(止めろ、気色悪い)言い放った一言は俺の胃の中に何かモヤモヤしたものを植え付けるのに十分なものだった。 咄嗟に反論が口から出て来なかった事が悔やまれる。ぐるぐるした腹ん中は一体どこに吐き出せば……って、あ。 「あーあ……昼飯食うの忘れた」 なるほど、そりゃ腹も落ち着かないってもんだ。 佐々木から貰ったプリント三枚をどうにかこうにか終わらせた所で授業終了まで十分余った。もう一枚やろうかとも考えたが、いや待て。一枚終わらすのに大体十五分弱掛かってるんだから、今からやっても中途半端になるか。 ならばと思考を転換。俺はポケットから折り畳んだ紙片を取り出して睨み付けた。朝から俺を悩ませ続ける紙切れを、俺は勉強をする事で思考から無理矢理に追い出してきた訳だが。 短期目標、中期目標、長期目標……か。よくよく考えれば俺が目を背けているのは自分自身の未来で、つまり自分そのものである。 そんなもんも直視出来ないとはなんともまあ情けないもとうとう極まってきた感が有る。これがまあ、他人が進路に悩んでいるってんなら思わず応援したくなる話にもなってくるんだろう。だが残念、こればっかりは客観的にとはいかないのが現実だ。 流され体質を自認するも吝かではない俺であるが――っつーか、これはSOS団に在籍している時点で否定のしようが無い――流石に自分の未来まで他人に決めて貰うのは違う気がする。いや、「気がする」じゃない。絶対的に間違ってんだ。 そこまで決定力の無い人間は、乱暴な話だがそれはもう人間なんて呼んじゃいけない気すらすんだよな、個人的に。考えなければナイル河に生える水草と大差無いとパスカル先生も言っていらっしゃる。含蓄の有るお言葉だ。 さて、前置きはここまで。なら本腰を入れて考えよう。見つめてみよう、今の自分ってヤツを。 特技は無し。成績も下から数えた方が大分早い。夢なんてご大層な代物は当然と持っておらず、まあ、持っていればもう少し授業や日々の生活にも身が入っていたと思うが。こればっかりは仕方が無いか。無い袖は振れん。 気が滅入るばかりであるが自己分析はまだ続く。家は普通のサラリーマンだから家業を継ぐという裏技は最初から無く、趣味にしたって漫画やゲームといった男子高校生のテンプレート。見事なものだと自分でも思うくらい、多数派から逸脱した記憶がない。 これが俺の現在地、スタートラインである。 やりたい事を探しもせず、自己の根源欲求と向き合いもせず、ただ漫然と生きてきたそのツケは「何者でも無い自分」という至極当たり前に落ち着く。 ――ハルヒの言う通りだった。 俺は適当に適当な大学へと進学し、これまた適当に適当な会社に就職しようと考えている、ザ・適当だ。 いや――ザ・適当「だった」。過去形にするにはいささか以上に気は早いし、そもそも千里の道における一歩を踏み出したくらいで何を大袈裟な、とは自分でも思う。 しかしだ。しかし、それに気付けた今はチャンスなんだ。千載一遇ってのを今使わないでいつ使うってくらいの。 変わろうとするのは、決して悪いことじゃないと思うから。思いたいから。 あと一ヶ月で自分はどうなっていれば良いのか。この学校を卒業する時に俺はどうなっていたいのか。どんな自分でありたいのか。 自分に問い掛ける。決まっている。恥ずかしくない自分でいたい。 それは誰に対して? 親? 妹? そりゃ勿論だろう。家族が自慢できるような「お兄ちゃん」に、なれるんなら俺だってなりたい。顔を合わせては溜息を吐かれるのにだってもう飽き飽きだ。でも、それはそこまで強い欲求じゃない。 そうじゃなくって。 家族じゃなくって。 今……この今を並んで立っている友人と、未来も卑屈になる事無く付き合っていけたらと俺は願うんだよ。変かも知れない。人によってはそんなものは夢でもなんでもないと言うだろう。俺もしょうもないとそう思う。けど、仕方ないじゃないか。 ああ、つまり。 俺の望みってのは。 SOS団と、そしてこの一年半に集約されていたんだな。 7,クリスマス戦線異常アリ 「起立、礼――」 日直が号令を掛けて、本日の授業も終わる。日が暮れるのも早くなって、後一時間足らずで夕暮れが始まるだろう。時間は巻き戻らないなんて常識を俺が儚んでアンニュイになっていると後ろからハルヒに首根っこ掴まれた。 「ぐえっ」 「ちょっと用意が有るから、アンタは少し時間潰してから部室に来なさい。十分くらいでいいわ」 耳元に掛かる少女の吐息は艶かしい。座椅子の後ろ足だけという不安定がもたらす吊り橋効果は鼻で笑い飛ばすとしても。顔のすぐそばにハルヒの顔が有る、その事実。さらさらとした髪が頬に当たる、そんな僅かな感覚が俺に教えること。 涼宮ハルヒは異性である。それもトビッキリの。 それでもコイツは、なんて言葉では誤魔化せないのは距離のせいだろう、きっと。顔が近いのは超能力者の持ち芸じゃなかったのか。そんな抗議を俺がするよりも早くハルヒは離れた。 「そんじゃ、おーばー」 鞄とコートを両手に抱えて少女は教室を飛び出していく。その様に空母から離陸する戦闘機の勇姿を幻視せずにはいられない。きっと廊下はカタパルト加速。周りに衝撃を撒き散らすとこまでそっくりだぜ。 「なんだか、涼宮さん機嫌良さそうだね。良い事でも有ったのかな?」 俺へと近付いてそう言った国木田に向けて首を横に振る。いや、思い当たる節が無いのは本当だ。昨日の今日で機嫌を直しているのがそもそも俺にはクエスチョンなのだから、だったらアイツが上機嫌の理由なんて俺に思いつくものかよ。 「仏頂面がデフォルトの彼女が――廊下を走ってく時の顔見たかい、キョン? すっごい満面の笑みなんだよ。楽しいこと見つけた、って顔中に書いてあった。だから、僕はてっきり君が関わっているとばかり思っていたのだけど」 「お前、俺をアイツの付属機器かパワーアップキットだと思ってんだろ」 「どうかな? その辺りは自分の胸にでも聞いてみたほうが良いんじゃない?」 まるで取り調べでも受けている気分だった。まったく、ドイツもコイツも俺とハルヒの間柄を誤解するのに余念が無いらしい。そんな下らない事に心血を注ぐよりももっと優先するべき事項が有るだろうに。具体的には自分自身の恋愛とか。 「玩具扱いの域をいまだもって出れちゃいないと俺は思っているが」 「いや、遊び友達でしょ」 一体、その前後で何が違うのか。なぜだかオランウータンと人間の遺伝子の差異が一パーセント程しか無いって話を思い出した。だからどうしたってんでもないけどな。論ずるまでもなく猿と人の間には深い溝が有る訳で。 「遊び友達は選べるけど、遊び相手は選べないんだよ。言ってる意味、分かる?」 国木田が言っているのは俺なりに要約するとつまり扱いの差であろう。オブジェクトとして見られているか、ヒトとして見られているか。まったく、何を物騒な事を言っていやがるのか、この友人は。ああ、しかしそうは言っても玩具と友達の違いを説明するにはコイツの発言内容は確かにしっくりとくる。 そうだな。俺もからかわれる側にはなりたくはない。 「ま、ハルヒが俺をどう思っているのかなんざ分からんよ。興味も無い」 「割に良好な関係を築けていると思うけどね。少なくとも傍から見るとさ」 ああ、国木田。そりゃあアレだ。 「ハルヒと他のクラスメイトとの距離が余りに絶望的だから、相対的に俺との関係がマシに見えるだけだろ」 言っても入学し立ての頃とは違いハルヒも結構丸くはなってきている。クラスの女子とも普通に話すようになっているし、俺を通してハルヒに伝言をするなんてのも最近はとんとご無沙汰だ。 友達と呼べそうな関係にはまだ誰も至っていないが、それにしたって時間の問題だろうと俺は勝手に見ている。特に阪中。彼女はどうやらハルヒの事が気になっているらしく何かとよく話しかけていた。ハルヒもそう邪険にしておらず、このままならそう遠くない未来、二人は打ち解けることが出来るだろう。 晴れてハルヒにも普通の友人が出来る訳だ。そうなれば必然、俺の負担も軽減される事だろう。喜ばしい話だ。赤飯の準備をしなければならないくらいにな。 「そうかなあ……ううん、キョンの言う通りかもね」 「ああ、そうだ。なんせ人間ってのは本質的に相対評価しか出来ない悲しーい生き物だからな。落差が大きければマシに見えても無理からぬ話だろ。クラスも部活も同じだから周りがそれを勘違いしたくなる気持ちはまあ、百歩譲って俺にも分からなくはない」 しかもその部活ってのが得体の知れない少人数のクラブだった日には尚更懐疑も深くなろうというものだ。 「だが、それだけだ。誰かが俺とハルヒがデートしてる場面でも目撃したか? 決定的瞬間でもフライデーされたか? いやいや、そんなもん有る筈が無い。以上、証拠不十分で不起訴なんだよ、この案件は」 否定材料は揃っている。人気の無い場所でキスしたとかは……まあ、悪夢って事でアレはノーカウント。誰にだって気の迷いは有るものだからな。 SOS団についてよく知らない人から見れば、そりゃまあデートに見えなくも無いような事も度々している訳だが、しっかし不思議探索のどこに桃色幻想が幅を利かせる余地が有ったと言うのか。 何も無い。そりゃもう呆れ返るほどにな。 「ねえ、キョン。さっきから気になっていたんだけどさ」 国木田が口を開く。ほほう、まだこの俺に恋愛模様を期待するか。無駄だから止めとけと、ああ、一年の頃から何回言っても聞かない奴だ。アサガオの鉢植えを眺めて観察日記に毎度毎度「変化なし」と書き込む時のあの味気無さと良く似たものがこうなると俺の胸に去来する訳で。 「なんでそんなに向きになって否定するのかな?」 「あ?」 向きになってなんていない。そう言おうとしたのだが、口から出てきたのはスモールエーとスモールイーが背中合わせに寄りかかった発音記号でしかなかった。否定の言葉が喉元から先へ出て行かない。それくらいに俺は動転してしまっていたらしい。 「キョン、一つ良い事を教えてあげるよ」 中学から続く友人はお前のことはお見通しだと言わんがばかりにくすりと笑って。 「二重否定は肯定なんだ」 なんて言われてしまった日には俺としちゃ押し黙る他にもう打つ手は残されていなかった。まったく、腹立たしい。 「まあ、全部そうだったら面白いなあっていう僕個人の希望なんだけどね。でも実際キョンだって涼宮さんのことは嫌っていたりしないんだろう? っていうか、多少好意的に見てるよね」 ……ノーコメントだ。どうしても知りたけりゃ司法解剖して心臓を取り出し、矯めつ眇めつしてみてくれ。谷口の顔みたいに油性マーカで落書きしてあるかもしれんぞ。 国木田の追及はそこで終わり、俺はこれ以上傷口を広げてなるものかと教室から退散した。夕暮れにはまだ早い廊下は冬のこの時期であれば壁に凭れ掛かって談笑するような生徒の数も少ない。当たり前だな。誰だって寒いのはゴメンだ。 教室の有るだけマシってなストーブ周辺は人気スポット過ぎて場所取りに苦労するし、部活動をやっている奴なら部室に秘密裏に持ち込んだ暖房器具を利用する。そして俺はもっぱら後者だった。とは言え部室には遅れて来いと言われているんで、どっかに良い時間潰しは無いかと思っていたところ偶然に長門が通り掛かった。 「よう、長門。今帰りか?」 「……そう」 立ち止まり、無表情に俺を見上げる少女。いつもと変わらぬ三点リーダはなんとなく俺を安心させてくれる――って、いやいや。何をころっと忘れているんだ。和んでるんだ。 世界の危機。未来の途絶。ワールドエンド・クリスマス。 長門に聞きたい事は山のように有るじゃないか。ここで会ったがなんとやら。幸いにも人通りは他に無しとなれば、後は寒さに耐えるだけだ。 「あーっと、その聞きたい事が有るんだが」 さて、どう話し始めたものか。いつもならば聞いてもいないのにスラスラと日本語ギリギリのスペース・ミステリを披露するってのが多かっただけに、もしくは解説役の超能力者が同行していた為に、こういうのに悩むってのは珍しい体験だった。 「……何?」 クリスマスに世界が終わるって聞いたんだが、なんてストレートな切り出しでいいのだろうか。それとも「最近どうだ」みたいな外堀から埋めていく感じにするべきか。誰に聞かれているかも分からない場所柄を考えると後者だな。 いや、流石に聞き耳防止策くらいは長門の事だから講じてくれているだろうが。 「最近、どうだ? 何か変わった事はないか?」 時節柄だろう。なんとなく長門に引け目と言うか負い目と言うか、注意して見ててやらないとな、って思いが無かったとは言わない。コイツは人知れず悩むのが常な上に、表情を隠すのが古泉並に得意だ。 去年はSOSを見逃した。だから今年こそは二の轍は踏むまいと決めている。 「貴方は古泉一樹から現状を聞いたはず。それが今の私に教えることの出来る全て」 宇宙人少女は抑揚無く言った。それは確かにいつも通りではあったかも知れない。でも、引っ掛かった。 今の私に教えることの出来る全て――ってのはつまり教えられないことが有るという意味じゃないのか。それに隠し事を教えたくないのならば「貴方は古泉一樹から現状を聞いたはず。それが全て」で済んだだろう。ならばなぜわざわざ長門は言葉を足した? それは「私は隠し事をしていますよ」とそれとなく俺に伝えるためだ。するとまた別の疑問が浮かぶ。なぜこんな回りくどい真似をするのか、って点だ。 長門に制限を掛けられる相手ってのはそう多くない。というか俺は一人しか知らない(果たしてそれを一人とカウントしていいのか分からないが)。 情報統合思念体――長門の親玉だ。 なるほど、つまりこの件には宇宙人の思惑も関わっているとそういう事か。はあ……どうやら古泉のヤツもここ最近めっきり平和ボケしてきたらしい。ったく、なーにが「それほど悪いことは起こらないのではないか」だ。しっかり長門に緘口令敷かれてるっつーの。 「俺に話せない事が有る、って感じか?」 長門は何も喋らなかった。どうやらこれ以上のヒントはコイツの口からは出せないらしい。そんな風に思ってソイツの顔をよくよく見てみれば、いつもと変わらぬ無表情の中にも歯痒さがどことなく混じっている気がする。もしくは焦り。 勿論、こんなのは俺の気のせいかも知れない。人は見たいように見るらしいからな。宇宙人少女の表情学における第一人者を自称するもやぶさかではない俺では有るが、さりとてそれが長門の顔を見て十を知ることが出来るかと言えば、当たり前だが無理な話だ。 谷口みたいに顔に油性マーカで落書きしてあるのとは訳が違うのだ。繊細さもな。 「そっか、分かった」 さてさて、返答も応答も無いせいで、少女の前で独り言をぶつぶつ呟いている怪しい人みたいに俺はなってしまっている――客観的に見れば。 会話とはキャッチボールで成り立つものなのだとしみじみ思う。剛速球でもいい、逆に飛距離が足らなくったっていいから拾ったボールを逐一俺に向けて投げ返してはくれないものかね、コイツも。正直言って間が持たん。 捕り易く、また投げ返し易い球を投げるべきか。 「それじゃ切り口を変える。長門、俺は何をしたらいい? 何をするべきなんだ、教えてくれ」 目的語はあえて省いた。それは言わなくても分かるはずだし、また間違えようもないからだ。 SOS団の今後の為に。それとも俺自信の未来の為に。もしくはクリスマスの破滅を回避する為に。 ほらな、穴埋め候補のどれを目的語に持ってこようと結局、俺が聞きたい肝心要は一緒だろ。でもって、もし目的語を省かなかった場合――長門の口から出る回答には情報規制がかかってしまう可能性が生まれる。網の目をすり抜ける言葉をもって、危機回避の手段をご教授願おうって腹だ。 平たく言や、婉曲表現で回りくどく、核心には触れないように攻めていくしか手は無いってこったな。……今なら爆弾処理班の気持ちの数分の一くらいは分かりそうだ。果たして長門は俺の期待通りにその小さな口を開いた。 「貴方にして貰いたいことが一つ有る」 赤のコードと青のコード、どっちを切るか選んでくれとかそういった内容でないといいのだが。ああ、そんなのは去年の十二月でお腹いっぱいだから、今年は謹んで辞退させて頂きたいモンだ。 「十二月二十四日の午後六時に会って欲しい」 それはもしかしてデートのお誘いかなどと考える間も、赤面する暇も俺には与えられず長門は二の句を次いだ。 「貴方と接触させたい人物が居る」 「接触させたい人物? お前じゃなくてか?」 長門はほんの少しだけ頷いた。ああ、そりゃもうほんの少し。極めて僅か。ここに居るのが俺じゃなければ見逃していたに三千点。 「……そう」 「誰だ?」 「……言えない」 それも口止めされているのかと聞きたかったが、恐らく口止めの事実から口止めされているであろう長門に聞いたところであの気まずい沈黙が廊下を更に寒々しくするだけかと考え至って止めた。これ以上気温が下がったらいつぞやのハルヒを笑えない事態に陥りかねないしな。 しかし、そうは言っても俺だって健康的な高校生男子の類に漏れないのであるからしてこれは大いに気になる。日時の指定がクリスマスイブの午後六時ってのも俺の好奇心に拍車を掛けた。 「えーっと、それは……それってのは」 と、ちょっと待て。これは果たして口に出していいものなのだろうか? 誰かからのデートの申し込みなのか、なんて。気にはなる。気にはなるがしかし、これで長門から「……デートって、何?」とか聞かれたら俺は窓ガラスに全力体当たりして中庭に飛び降りるだろう。 多分、頭から。意識の混濁は願ったり叶ったり。 果たしてそんな危険を侵してまで俺は長門に聞くべきか。いや、普通に考えたら聞いておくべきなんだ、それは。だって、クリスマスだ。しかも本番の、中でも一番「いい」時間帯だ。テレビで言えばゴールデンタイム、日本史で言えば関が原。極々極々個人的な天下分け目で誠に恐縮ではあるが。 「……何?」 少女の瞳は真っ直ぐに俺を見つめてくる。何の躊躇いもなく。昔ながらの奥ゆかしい日本人にはちょっと出来ないその無遠慮な――素っ直な眼差し。 「あー、その……」 当然だが先に眼を逸らしたのも、 「……すまん、なんでもない。男か女かだけ気になってな。その、俺が会った方がいいって人がさ」 ついでに話を逸らしたのも俺だ。だが、大筋は逸らしてないから安心して欲しい。それにここで男だって言われればまあ、十中八九古泉で間違いないだろう。 本音を言えば折角のクリスマスイブにまであのニヤケ面に会いたくはないのだが。 だが、そんな俺の不安と、やっぱりそんなオチだよなって具合の意味不明な安心をもたらすであろう言葉は長門の口からは出て来なかった。 「性別は女性」 顔色一つ変えず言う長門とは対照的に俺は全身にカーっと血が回っていくのを感じていた。いや、仕方ないだろ。クリスマスイブで午後六時に異性と出会えって言われて、これに恋愛的ななにがしかを期待せずにいられるようならソイツはきっと頭がオカしいから病院に早急に行くべきだ。 「お、女?」 「そう」 「ちなみに、そこには長門も一緒に居るんだよな?」 そうだ、二人きりなら何事かも妄想しようが、事これが三人になってしまえばなぜだかは知らんがそんな事は起こりえないのがこの世界のルールであり、不文律である。今だけはそこに感謝しよう。 「……なぜ?」 おや、情報の伝達に齟齬が発生しているぞ、長門。 「いや、だってお前が連れてくるんだろ、誰だか知らないけど、ソイツ。その、俺が会うべき人っての」 「違う」 「え? それはどういう」 「彼女と貴方が出会うその時間、私は別の事を行っている。言い換えるならば――忙しい」 って事は何か? 待ち合わせでもしなきゃならんのか、俺は。誰かも分からん相手と? 俺の認識ではそこに「デート」の三文字がどうしてもピタリと嵌まり込んでしまう。せめて事前に相手くらいは知っておきたいんだが。 情報統合思念体とやらは本当にロクな事をしやがらないな。 「なあ、『それ』って本当に必要なのか?」 「必要」 こう言い切られちまっては、SOS団一の事情通を信じない訳にはいかない俺としては、ああ、初クリスマスデートの相手くらいは自分で選びたかった。それとも選ぶ権利が有るとでも思ってんのか、って皮肉屋の運命の仕業だろうか。 それだけはないと信じたい。
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― 翌日 ― 俺「よし!ひとまず休憩だ」 エーリカ「んん~ 疲れた~」 今日はウィッチたちの訓練が無いということで、ハルトマンは朝から俺の部屋に勉強しに来ている 朝から晩までみっちりと勉強できる機会は少ないので、今日を有効活用しなければならない 俺「ハルトマンもコーヒー飲むか?」 エーリカ「私はいらないかな。それよりも…」 俺「お菓子だろ、ほら」 エーリカ「さすが俺~!!」 ハルトマンはお菓子好きなので、勉強を手伝うときはお菓子を多めに用意しておく 俺「ところでハルトマン、カフェインを服用すると、どんな効果があるかわかるか?」 エーリカ「えーっとね……脂肪細胞に直接作用して、脂肪の分解を促すとがだよね?」 俺「さすがハルトマンだな。その通りだ。そのほかにも、眠気防止・糖尿病予防に役立つ可能性もある」 エーリカ「そうなんだ~ だから俺はいつもコーヒー飲んでるの?」 俺「違うさ。酒が飲めない寂しさを紛らわす為だ」 エーリカ「そういえばお酒と煙草没収されたんだよね~」 俺「あと1ヶ月の我慢だけどな」 俺としては2ヶ月間禁煙・禁酒ができたことに驚いている 自分は意外と根性があったんだなと気づかされる 俺「よし、勉強再開するぞ!」 エーリカ「了解~」 エーリカ「うぅ~ 疲れた~」 俺「午前の勉強はここまでだ。次は午後だな」 俺は少し重く感じる体をベッドで休めることにした 俺「少し寝るわ」 エーリカ「それなら、私の膝に寝たら?」 俺「それって……」 エーリカ「ひざまくらしてあげる!!」 俺「じゃ、頼むよ」 と、いうことで俺はハルトマンの柔らかそうなふとももに頭を乗せた 俺「なぁ…俺はどっち向けばいいんだ?ハルトマンの腹のほうを向けばいいのか?」 エーリカ「どっちでもいいよ~」 俺「では、お腹のほうを向くことにする」 ふむ…ハルトマンのふとももは快適だな 肌もスベスベだし 俺「…ハルトマンから良い匂いがする」 ドスッ!! 俺「痛ぇっ!! なにすんだよ!ハルトマン!!」 エーリカ「俺ぇ~ そういう"変態"っていうんだよ~」 俺「いい匂いを良い匂いと言って何が悪いんだよ!!」 ハルトマンの匂い…というか、女の子の匂いと言うべきかな 甘くて…安心する匂い エーリカ「変態さんは女の子に嫌われるよ?」 俺「男はみんな変態だと思うぞ。それに、俺は女に興味がないから」 エーリカ「そうなの?」 俺「慎ましく生きていければいいかな~って思ってるだけだ」 エーリカ「へぇ~ なんか俺、おじいちゃんみたい」 俺「そうか?俺、これでも22歳だぞ」 エーリカ「容姿は10代だけど、心はおじいちゃんだよね~」 俺「ふむ……そんなこといったら、ハルトマンは姿も心も子供だろ」 エーリカ「そうでもないよ? 身体も心も大人だよ!」 俺「その身体で大人かよ……」 俺はハルトマンの胸をチラリと見て、鼻で笑った エーリカ「俺ひど~い!! 今、胸見たでしょ!?」 俺「見てないから。それに見るほどの胸でもないし」 エーリカ「それは禁句だよ!! こう見えても、実は大きいんだよ!」 俺「本当かよ… 」 エーリカ「それに大きかったら、戦闘に不利でしょ?」 俺「まぁ…空気抵抗が大きくなるし……」 エーリカ「だからワザと大きくしていないだけだよ~」 俺「…へぇ………」 コンコン 俺「ん?誰だ?」 ガチャッ バルクホルン「俺医師、いるか?」 バルクホルン大尉が書類をたんまり抱えて入ってきた 俺「うぇ……なんだよ…その量は…」 バルクホルン「…そんなことより、ハルトマン…なにをしているんだ…」 エーリカ「えーっと…俺にひざまくらしてるだけだけど?」 バルクホルン「そんなことは見ればわかる。なぜ、そんなことになっているんだ?」 エーリカ「んん~ 俺が私のふとももにスリスリしたいって言ったから」 俺「はぁ!?そんなこと言ってないから!!」 バルクホルン「まぁいい…最近私は気づいたんだ、俺医師は変態だと」 俺「…やめてくれよ…」 バルクホルン「俺医師、この書類に必要事項を記入し、明後日までに提出してくれ」 俺「明後日!? いくらなんでも早すぎる…」 バルクホルン「言い忘れていたが、提出日が1日過ぎる度に俺医師の禁煙・禁酒期間を延ばすとミーナが言っていた」 俺「嘘っ!? そうしたら……俺まだまだ提出してない書類があるんだけど…」 バルクホルン「少なくてもあと6ヶ月は禁煙・禁酒期間が延びてるな」 俺「………はぁ……仕事するか………」 エーリカ「俺~ がんばってね~」 ― 次の日 ― 俺「……俺…こんな本持ってた覚えないぞ…」 俺は医学書を取る為、本棚を漁っていたのだが、ある本を見つけた 表紙がピンクで彩られている 中を開けたら、ビックリ 俺「…これ…エロ本じゃねぇか……」 なぜ、俺の本棚にこんな本が? ウィッチたちが持ってきたとは考えられないし… 整備士か? それもありえないな… 俺「ま、別にいいか」 俺は特に気にせず、エロ本をゴミ箱に捨てた エイラ「今、何を捨てたんダ?」 俺「ん?ああ、今エロ本を……って、なんでスオムス娘がここにいるんだよぉぉぉっ!?!?」 エイラ「暇つぶしに来タ」 俺「ノックぐらいしろぉぉっ!!」 エイラ「ノックなんて私には必要ないんダナ」 俺「……オマエ……」 俺の部屋に突然、スオムス娘が現れた 部屋のノックぐらいしてもらわないと困る…本当に困る ハルトマンもノックしないし… エイラ「それより、オマエもこんなの読むんダナ」 スオムス娘はゴミ箱からエロ本を拾う 俺「それは俺のじゃねぇよ」 エイラ「気にスンナッテ、男だからこんな本持ってて当然だもんナ」 俺「…だから…それは本当に俺のじゃねぇから」 エイラ「うわぁ……俺こんなのが趣味なのカ?」 スオムス娘はエロ本をペラペラとめくりながら、俺に喋りかける エイラ「…これは…さすがに……」 俺「どんなやつなんだ?ちょっと貸せよ」 俺はヒョイとエロ本を奪う 俺「…………くだらねぇ…」 俺はチラリと見て、返した エイラ「オマエ、こんなの見ても興奮したりしないのカ?」 俺「俺は女に興味なし。結婚するつもりもないし」 エイラ「ふぅん……いい顔してるのにもったいないナ」 俺「ほぅ……スオムス娘は俺がハンサムだと思ってるのか」 エイラ「ま、普通よりは上ダロ」 俺「そう思われていて、悪い気はしないね」 エイラ「……そういえば、俺ってハルトマンと仲が良いよナ」 俺「まぁ、勉強手伝ってるしな」 エイラ「ハルトマンも医者になりたいんだっケ?」 俺「そうらしいな。今のままいけば、俺以上どころか世界的に有名な医者になるぞ」 エイラ「そんなにスゴイのか?ハルトマンは」 俺「あいつこそ天才という文字が似合う」 エイラ「そんなにすごいのカ…」 俺たちはしばらく談笑した スオムス娘とは気をつかわずに話せるところがいい たまに、イライラしてくるが… エイラ「それで、俺はハルトマンをどう思ってるんだ?」 俺「どうもこうもねぇよ……ただ、良い医者になってくれればいいなと思ってるだけだ」 エイラ「ふぅん……てっきり私はハルトマンのことが好きで好きでたまらないから、勉強を教えているのかと思っタ」 俺「それは無いな。 だが、ハルトマンと一緒にいると緊張したりすることもあるけどな」 エイラ「…………もしかして、ドキドキしたりするのカ?」 俺「ああ、よくわかったな」 エイラ「………もう一度聞くけド、俺はハルトマンのことは恋人になりたいとか思わないんだよナ?」 俺「そうだけど」 エイラ「……でも、ハルトマンといるとドキドキしたりするんだよナ?」 俺「何度も同じこと言わせんじゃねぇよ……そうだけど…」 エイラ「………オマエ…鈍感ダナ…」 俺「はぁ!?俺が鈍感!? そんなはずねぇだろ」 エイラ「………じゃぁ、オマエがハルトマンに対してどんな気持ちを抱いているか分かるのカ?」 俺「……良い医者になってくれればいいなっていう気持ちか?」 エイラ「……ハァ………オマエは、ハルトマンに恋をしているんだヨ…」 俺「魚の鯉のことか…?」 エイラ「……オマエ本当に馬鹿ダナ……」 俺「…じゃぁなんなんだよ…その"こい"ってやつは…」 エイラ「…恋ってのは特定の異性に強くひかれることって辞書に書いてあったゾ」 「また、切ないまでに深く思いを寄せることだっテ」 俺「……ふぅん……で、その俺はハルトマンに恋をしていると言いたいんだな?スオムス娘は」 エイラ「そうダ、オマエはハルトマンに恋をしていル」 俺「……いまいちその恋ってのがわからないんだが……」 エイラ「そのうちわかるサ」 俺「……そんなもんかな…」 エイラ「だけド、この基地は男女の必要以上の接触は禁止されてるからナ」 俺「そうなのか?」 エイラ「だかラ、恋人関係になるのは禁止ダ」 俺「…ほぅ…ま、俺には関係ないけどな」 エイラ「……ハァ……鈍感ダナ…」 続く
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「佐々木、なんか近頃顔色がすぐれないな。何かあったのか」 「キョン。四六時中一緒にすごしていて、何かあったのかとはごあいさつだな」 「いや、だからだよ。同じメシ食って同じ部屋に寝てて、俺は以前よりすっかり体調も快調なんだぜ。 おまえん家は夜の騒音もないしジャレてくる妹もいねーし、環境は問題ないはずだしさ」 「環境というがねキョン、環境には主観的環境と客観的環境というものがあってだね。 キミが言うのは客観的環境、つまり物理的な事実にすぎないのさ。 それとは別に個々の感性がとらえる主観的環境というものがある。 僕のそれとキョンのそれが同じであると決めてしまうのはいささか早計と思われるのだが」 「つまり俺と佐々木の見ているものが違うというのか」 「今日はなかなかものわかりがいいね、キョン」 「確かに同じフロ、同じトイレを使っちゃいるけど、一緒に入ってるわけでも様子を見てるわけでもねえしな」 「////////」 「お、おい、佐々木、顔真っ赤だぞ、やっぱ熱でもあるんじゃないか?」 「…す、すまない、キミのあまりにすばらしい応答に 僕はずっこけていいのか想像して恥じらっていいのかはかりかねた」 「ちょっとオデコ出してみろ。熱があるか比べてみよう」 「わ。わわっ。キョンやめてくれ、顔が近すぎるじゃないか。違うんだ、僕は寝不足なだけだ」 「そうか?静かでよく寝られる部屋だと思うんだがな。それに部屋の主のお前をフトンに寝させて 俺がベッド使わせてもらうのも図々しいと思ったから、交互に使うことにしたじゃないか。 どっちも寝心地は抜群だったぜ」 「キョン。キミはその、僕の寝たフトンを使うことに何か思うところはないのかい? 僕がキミの寝たベッドに寝ることになにか感じることはないのかい?」 「そりゃまあいいニオイはすると思うけどさ」 「////////」 「そうか、ひょっとして俺の体臭が気になるんだな?」 「そ、それはない、そんなことはないよキョン キミは客観的環境にはなかなか気が回るようだけど,主観的環境には」 「結局その主観的環境って何なんだ?」 「僕に言わせるのかい。いいだろう。気持ちさ。同じ時間でも楽しい時はあっという間にすぎさり 辛い時や退屈な時はなかなか時計の針がすすまない。同じ客観的環境でも気持ち次第で 全然かわる、それが主観的環境の違いということさ」 「つまり俺が佐々木の気持ちをちっともわかってない、だから寝不足の原因も解らないというのか」 「ありていにいえばそうなるね」 「人を情け知らずの冷血漢みたいに言うな。俺だって佐々木の気持ちにくらいなれるさ。いいか、 いつもは自分ひとりだけの寝室に、同級生が泊まる。眠れない。さあ、それはどんな気持ちだろうな。」 「うん」 「ましてそいつは男だ。しかも別の部屋でなく、一緒の部屋だ。」 「うんうん」 「そいつは自分のことなど気にとめもせず、きもちよさげにグウスカねてやがる」 「うん」 「! …佐々木、わかった。俺はお前に怒られて当然なやつだ。すまんっ! 今度からはお前にそんな思いはさせない。お前が毎夜どんな気持ちで横になって そして眠れずにいたかなんて、ちっとも考えやしなかったよ。俺ってなんてひどいやつなんだろうな!」 「えっ、あ…」 「だけどな佐々木、だったら一言言ってくれよ。言いづらかったら遠回しにでもさ」 「僕の方から言わせるのかい。こういうことはね、態度から察するものだよ。だがいいさ、 キミが今、僕の気持ちに気付いてくれた瞬間の、キミの気持ちの昂ぶりだけで十分報われた」 「それじゃ俺の気持ちが済まない。今日はちゃんと行動で示すから。」 「キョン…」 「だから、佐々木は今日はこのまま先に帰っててくれないか。俺はちょっと寄ってくとこがあるから」 「晩ごはんには遅れそうかい?」 「いや、すぐすむと思う。俺はチャリだから佐々木の家までには追いつくかもしれん」 「わかった。じゃ先にかえってるから」 「ああ、じゃあな。 さて、この近くの薬局ってまだ開いてるよなぁ…コンビニでも売ってるかな…」 (!!えっ!?キョン、それにはもう少し踏むべき段階があるだろうっ…ドキドキ) 「今日も遅くなったなぁ。じゃあそろそろ…」 「わっ、待ってくれ、僕…わたしはまだ心の準備が」 「準備なら万端さ。ちゃんと売ってたしな。今日はちゃんとこれをつけるからさ」 「…キョン。こう言ってはなんだが、もっとムードというものも考えて発言してくれないか こう見えても僕…わたし…は、そのう、ロマンチックなムードを好まないわけではない女の子…」 「これをこうハメてさ。これでもう大丈夫さ。今日からは安眠だぜ、佐々木。 いやしかし、俺がイビキうるさかったとは。自分では解らんもんだね。」 「 目がさめると佐々木は珍しくもう部屋にはいなかった。 リビングで佐々木の家族に挨拶する。どうも佐々木の態度がそっけなく、 なんだか視線を合わせてくれない。良くみると寝不足らしく目が真っ赤に充血している。 しまった、どうも寝る間際の記憶がないのだが、せっかく買ったイビキ防止の鼻クリップを はめ忘れて寝ちまったのかな。あれだけ宣言したってのになんてこった。 そりゃ佐々木も怒るだろうよ。 あと何だか頭がズキズキしたりほっぺたがヒリヒリしたりする。 そういえばとても厄介な騒ぎの当事者になってしまった夢をみたような気がするが その影響かもしれないな。
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265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/23(月) 23 16 23.50 ID 988aYuNzO [19/21] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(かなみさんVer.) 男「なぁ、かなみ。今日は何の日か知ってるか?」 女「知らない。何の日だって言うのよ?」 男「なんか今日はキスの日らしいぞ」 女「へぇ、そうなんだ。タカシにしては博識じゃない」 男「あれ? いつものかなみならキスって単語だけで狼狽するのに、今日は余裕だな」 女「彼氏でもない男に言われたところで、動揺なんかするはずないでしょ?」 男「え? 俺とかなみって恋人同士だろ?」 女「なんでそうなるのよ。私はあんたなんかに好きだって言ったことはないし、言われたこともないわよ」 男「だったらなんで弁当作ってくれたり、一緒に帰りたがったりしてたんだよ」 女「それはあんたが可哀想だったから。その程度で恋人面しないで下さい」 男「マジかよ……せっかくかなみとイチャイチャしたかったのに、衝撃的な事実を突きつけられちまった……」 女「ただし!」 男「えっ……」 ふわっ 男「おっ……え?」 女「……それは、昨日までの話だから」 男「……今なんか頬っぺに柔らかい感触が」 女「うっさいわね、今日がキスの日ならちょうどいいでしょ!!」 男「ヤバい、ニヤニヤが止まらないんだけど」 女「ニヤニヤすんな! 私だって恥ずかしいんだから!」 271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/23(月) 23 44 08.14 ID 988aYuNzO [20/21] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(ちなみさんVer.) 男「なぁ、ちなみ。今日は何の日か知ってるか?」 女「……知らない……何か、特別な日なの……?」 男「なんか今日は、キスの日なんだってさ」 女「……ふーん」 男「反応薄っ! もっと照れるとか何とかしてくんないと、教えた甲斐がない」 女「……祝日にならない記念日なんか……ゴミ以下の価値しかない……」 男「そこまで言うか……お前想像以上にシビアだな」 女「……それに……今日がキスの日だからって……私がタカシとする訳じゃないし……」 男「えー? 本気か、それ?」 女「本気と書いて……ガチと読むくらい本気……」 男「ちなみはしたくないのか? キス」 女「……したくない……」 男「本当は?」 女「……したくないってば……」 男「本当の本当の本当は?」 女「……本当に……したくないから……キモいぞ……タカシ……」 男「お前は頑固だな。分かったよ、降参するよ。ちなみは俺とどうあってもキスしたくないんだな?」 女「……そんなこじつけじみた理由でキスしたがる……タカシは変態だ……」 男「まぁ確かに、半分はこじつけだし間違っちゃいないな」 女「……じゃあ、もう半分は……?」 男「本当にちなみとキスがしたかっただけなんだ。分かってくれよ」 女「……そこまで言うなら……頬っぺにちゅーするくらいは……許してやろう……」 男「マジか、さすがちなみ。。それじゃ早速……」チュッチュ 女「……こら……回数は一回だけに……決まってるだろうが……」 男「聞こえませんなぁ」チュッチュ、チュゥー 女「……///」 315 名前:一日遅れになったが[] 投稿日:2011/05/24(火) 08 05 58.08 ID P1qmuudoO [1/14] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(尊さんVer.) 男「なぁ、尊。今日は何の日か知ってるか?」 尊「5月23日……。いや、知らんな。それにさして興味もない」 男「じゃあ教えてやろう。今日はキスの日なんだってさ」 尊「キスの日? なるほど、うすら馬鹿の貴様が好きそうなイベントだ」 男「うすら馬鹿って、ただの馬鹿より酷いな……」 尊「どうせ貴様のことだ。キスの日に乗じて私に口付けしようという腹だろう。そうはいくか」 男「そんな邪な気持ちはありませんよ奥様」 尊「誰が奥様か。貴様はスケベだから信用ならん」 男「本当だって。今日の俺には下心なんかこれっぽっちもござんせん」 尊「そう言いながら私をつけ狙うのがいつもの貴様だ」 男「つけ狙うとか人聞き悪いなぁ」 尊「……」 男「……」 尊「……本当にしないのか?」 男「見ての通りですが」 尊「……そうか」 男「実はちょっと期待してたりして?」 尊「なっ、何を馬鹿なことを……!!」 男「隙あり!」チュッ 尊「ふぁっ!?」ビクッ 男「ふふふ、この油断を作り出すのに苦労したぜ」 尊「……ほら見ろ、やっぱりやったじゃないか!」 男「俺は尊の期待に応えてあげただけですよーだ」 尊「貴様ぁっ……今日という今日は許さん、警察へつきだしてやる!」 男「おっと、逮捕は困るぜ。退散退散っと」テテテーッ 321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/24(火) 09 32 40.02 ID P1qmuudoO [3/14] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(纏さんVer.) 男「なぁ、纏。今日はキスの日だって知ってたか?」 纏「ほぅ、きすの日とな?」 男「そう、キスの日。恋人同士がイチャイチャチュッチュしても許される日らしい」 纏「ほぉ。……のぅ、主よ。もしも儂が主に接吻しようとしたら、主はどうする?」 男「え? そりゃ、お堅い纏からキスなんかしてくれようものなら大歓喜しますが」 纏「そうかそうか、ぬふふ……」 男「まさか、してくれるの?」 纏「するはずなかろうが。主ゃあ何を言っておる」 男「でも今、なんかしてくれそうなこと言ってたけど」 纏「もしもの話じゃ。儂とてむざむざこの唇をくれてやるつもりはないわい」 男「むーん、なんか期待させるだけさせて肩透かし食らった気分だ」 纏「……とはいえ、今日は年に一度のきすの日じゃというし。唇に触れるくらいなら許してやらんでもないぞ」 男「……触るだけ?」 纏「触るだけじゃ」 男(ぬぅ……我慢できるかなぁ) 纏「どうした? 早くせねば儂の気が変わってしまうかもしれぬぞ?」 男「あ、あぁ……じゃあ」ソッ 纏「……ふふっ」 男「えっ? なんで避ける?」 纏「冗談じゃよ。主になぞ、儂の唇を触れさせるのも勿体ないわい」 男「なんだよ、結局触らせてくれもしないのかよ!」 纏「そう怒るでない。然るべき時が来たら、唇と言わずくれてやるでの。それまで我慢せい、タカシ」 男「へっ……あ、え?」 纏「可愛い間抜け面じゃのう、動揺がありありと伝わってくるわい」クスクス 男「……あぁ。俺、纏にからかわれたのか……」 345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/24(火) 15 32 08.15 ID P1qmuudoO [4/14] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(かつみさんVer.) 男「ふぃー。ただいま」 女「お帰り」 男「風呂は?」 女「沸いてるから勝手に入れ」 男「あいよ。けどその前に、やることあるだろ?」 女「んだよ。そんな物欲しそうな面しても、なんも出ねーぞ」 男「……お帰りのキスは?」 女「は? 誰がするかそんなもん」 男「今日はキスの日なんだぞ? そんな日にキスしないなんて罰当たりな」 女「なんに対して罰当たりなんだよ。俺はやんねーぞ」 男「じゃあ俺からチュッチュするだけだし」チュッチュッ 女「止めろ汚い離せ死ね馬鹿」 男「淀みなく罵倒したな。さすが俺のかつみ」 女「ガキ同士じゃねーんだからそんな頻繁にイチャイチャしてたまるかよ」 男「大人な関係だからこそ、愛を確かめあうことが必要なのではなかろうか」 女「お前に愛なんて感じるかよ。付き合ってるのは惰性だ惰性」 男「うわ、今の何気にショックだぞ」 女「……ふん。こんな俺の性格くらい知ってて付き合ってんだろ?」 男「でも、たまには素直におねだりするかつみとか見たいなぁ」 女「うるせぇ。そこまで言うなら、後で目一杯甘えてやるから覚悟しとけよ!」 男「さすがかつみ。ツンとデレの配分が絶妙だ」チュッチュ 女「だからチュッチュすんなっつーの。馬鹿っ!!」 376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/24(火) 21 07 29.91 ID P1qmuudoO [5/14] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(お嬢Ver.) 男「今日~は何の日~、フッフー♪」 女「……馬鹿に陽気ですわね。一体どうしたんですの?」 男「どうしたって、今日は年に一度のキスの日だぜ? これが浮かれずにいられようか」 女「私には関係ありませんわ。せいぜい一人で盛り上がってはいかがかしら」 男「関係ないことあるかよ。今日は国家が全国のカップルにキスするのを奨励してんだぞ」 女「だから何だと言いますの? それは私があなたに キスしなければならない理由にはなりませんわ」 男「んもう、頑固だなリナは。そんなんじゃあ良い嫁さんになれないぞ」 女「おあいにく様。私を伴侶にと望む殿方は、あなたが思っている五倍は多くてよ」 男「えっ、マジで? それじゃあ俺の出る幕なんかないじゃないか」 女「残念でしたわね。きっと私の唇を奪うのも、あなた以外の誰かになることでしょうね」 男「トホホだな……だが、こうなったら仕方ない。リナからは潔く手を引くとしよう」 女「えっ、ま、待ちなさい! そんなに簡単に諦めていいと思ってますの!?」 男「俺、競争率の高いところには賭けない主義なんだ」 女「どうせあなたのことですから、私がキスしないと言って拗ねたのでしょう!?」 男「いや、今回はわりとマジで。すっぱりきっぱり諦めて新しい恋に殉じようかと」 女「新しい恋ですってぇ!? そんなもの、この神野リナの名にかけて許しませんわ!!」 男「俺が誰を好きになろうと、引く手あまたのリナには関係ないんだろ?」 女「う、そ、それは……そう、ですけれど……でも……」 男「自分がちやほやされたいがために、人の恋路にまで口出しするのは感心しないな」キリッ 女「う……うるさーい!! タカシのクセに、私に意見していいと思ってますの!? タカシのクセに、タカシのクセにぃ!!」 男「あ、ヤベ。ちょっとからかい過ぎたか……えいっと」チュッ 女「ふぇっ……!?」 男「落ち着け、リナ。今のは全部嘘だよ」 女「……嘘? 私に嘘をつきましたの?」 男「あぁ。俺がリナ以外を好きになることなんかあり得んから」 女「……全然、嬉しくもなんともありませんわっ」ギュゥッ 男「あー、はいはい。この期に及んで素直じゃないんだから……」 395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/24(火) 22 24 00.12 ID P1qmuudoO [8/14] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(ボクっ娘Ver.) 男「梓、目をつぶってくれるか?」 女「えー? いきなり目をつぶれとか意味わかんないよ。何すんの?」 男「今日、5月23日はキスの日だ。そして俺と梓は今二人きり……あとは分かるな?」 女「ふえぇっ!?」 男「驚くのも無理はないけどな。けどマジだぞ」 女「……って、ビックリしたけど、どうせからかってるんでしょ?」 男「(ドキッ)な、何を馬鹿な……」 女「タカシはボクのこと馬鹿にしてる節があるからなぁ。 そんな露骨にキスキス言われても信用出来ないよ」 男「なん……だと……梓が大人の対応してやがる……」 女「ほらー、やっぱり嘘だった。もしかして今日がキスの日だっていうのも嘘じゃないの?」 男「そ、それは嘘じゃないって」 女「……じゃあ、目ぇつぶってあげるから、キスしてみせてよ」 男「……え?」 女「え? じゃないよ。それとも案の定、ボクをからかってただけなの?」 男「い、いや、そんなことはないけど……」 女「じゃあやって見せて。ほら、んーっ」 男「……えと、はい」チュッ 女「ん……」 男「……」 女「……」 男「……なんで微妙な空気になってんだよ」 女「実際にキスされると恥ずかしいのっ!」 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/24(火) 22 53 48.71 ID P1qmuudoO [9/14] ツンデレに今日はキスの日なんだってって言ってみた(いいんちょVer.) 男「いいんちょ、今日って何の日か知ってる?」 女「知りませんね。何の日なんですか?」 男「今日はな、キスの日なんだってさ」 女「キス……ですか? それは初耳でした」 男「いいんちょって、キスとかしたことあるの?」 女「別府くん。女の子にそういうこと聞くんじゃありません」 男「はぐらかすってことは経験あるんだ。ねぇ、どんなだった? 舌とか入れた?」 女「馬鹿なこと聞かないで下さいと言ったはずです」 男「へー、いいんちょって見かけによらず大胆ー。誰としたの? クラスの奴?」 女「今の別府くんは心底気持ち悪いですよ?」 男「それでもいいんちょなら……いいんちょならきっと答えてくれるはず…!」 女「……覚えてないんですか?」 男「えっ? 何を?」 女「幼稚園のころ、別府くんが泣いてる私を慰めるためにチュッてしてくれたの……」 男「いや、全然覚えてない。なんつーキザガキだ俺は」 女「それが私のファーストキスです。何か問題でも?」 男「いや。けど、そんなんよく覚えてたな。やった本人すら忘れてたのに」 女「当たり前です……人を好きになったきっかけを、忘れるはずないでしょうに」 男「えっ。今なんて?」 女「ただの独り言です」
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律「でも実際馬鹿じゃん」 唯「ぶーそんなことないよー」 律「じゃあ馬鹿じゃないって証明してみせろよ」 唯「証明って…どうすればいいの?」 律「…うーん」 唯「じゃあさ、りっちゃんが何か問題出してよ!それに私が答えられたら私は馬鹿じゃないってこになるよね!」 律「まぁ、いいけどさ…問題か…」 律(問題か…) 昨夜、律の家 聡「姉ちゃ~ん、部屋入るよー!」 律「ん、おぉ、どうした聡?」 聡「今日学校でさ、保健体育の授業があってさ」 律「はぁ、それで?」 聡「それで子供は何故生まれてくるのか、自分なりに考えて次の授業までにレポートを提出しろって言うんだよ」 律「へー…頑張れよ」 聡「そこでね、多分姉ちゃんなら知ってると思って。子供はどうやったら出来るの?」 律(そんなこと知らない…) 唯「さぁりっちゃん!」 律「…子供はどうしたら出来るのでしょうか?っていうのはどうだ」 唯「へ?」 律(まぁ私が分かんないんだから唯が分かるハズないよなぁ) 唯「りっちゃん私の事、馬鹿にしてるの?」 律「え?」 唯「流石の私でも、そういう事位少しは知ってるよ!」 律「え…?」 律「う、嘘だろ!?」 唯「嘘って…こんなことで嘘吐いてどうするの」 律(私が知らないのに唯が知ってるのか…!) 唯「憂がね、とっても大切な事だからって教えてくれたんだ」 律「憂ちゃんが…!そ、それでどうやったら子供って出来るんだよ?」 唯「あれ、もしかしてりっちゃんから問題出したくせにりっちゃん知らないのぉ?」ニヤニヤ 律「なっ!そ、そんな訳ないだろ!」 唯「教えて欲しい?」 律「う…いや、だから、これは問題の答えだろ」 唯「う~ん、じゃあ私答え分かんない」 律「え!?」 唯「だからさりっちゃん、答え教えてよ」 律「なぬぅ…」 唯「ほら早く早くー」 律「うぐぐ…くそっ、分かったよ、私の負け!私は答えを知らないよ!」 唯「もう、初めからそう言いなよ。素直じゃないなぁ」 律「う~…!そ、それで、早く子供がどうやって出来るのかを教えろよ!!」 唯「ふっふ~♪それはね…!」 律「それは?」 唯「でーぷきすだよ!」 律「ディープ…キス…?」 唯「そう!憂が言ってたよ、ディープキスすると子供が出来るって!」 某日、平沢家 唯「うーいーあーいーすー」 憂「はいはい、ちょっと待っててねお姉ちゃん」 唯「りょーかいー。何か面白いテレビやってないかなぁ」 ピッピッ 最近避妊をせずに性行為を行い、妊娠してしまった若い女性が子供を~ 唯「避妊?子供?」 憂「!!」 憂「あーごめん私見たい番組あったんだ、変えるね!」 ピッピッ 唯「…ねえ憂、避妊って何?性行為??」 憂「お姉ちゃん、ほら、アイスだよ!」 唯「わ~い、ちべたぁ」 憂(誤魔化せた…?) 唯「それでさっきの話なんだけど」 憂「ですよねー…」 憂「お姉ちゃん!!」 唯「はひ!?」 憂「これからする話はね、とっても大事な話なの!」 唯「え、え」 憂「だから真面目に聞いてね!」 唯「あ、はい、分かりました!」 憂「うん、それでね。大事な話っていうのは、さっきの…その、避妊とか、性行為の話」 唯「!」 憂「あのね、お姉ちゃんは子供がどうやって出来るか…どうして私達が生まれて来たのかって分かる?」 唯「…んーん、わかんない」 憂(ううっ、恥ずかしいよぉ…でもこういう事しっかり教えておかないと、不安だしなぁ…) 唯「それとさっきのせーこーいっていうのが関係あるの?」 憂「う、うん。そうなの。性行為っていうのは、赤ちゃんを作るためにすることなんだよ」 唯「そうなんだ!!どんな事をするの!?」 憂「う…」 憂「そ、それはね…」 唯「うんうん」キラキラ 憂「うっ…」 憂(何て純粋で真っ直ぐな目…直視出来ない…) 唯「どうしたの憂?」 憂「その…性行為っていうのは……き、キスの事なの!!」 唯「えぇっ!そ、そうだったの!?」 憂(やっちゃったー) 唯「でででででもっ、私ちっちゃい頃ふざけて憂とちゅーした事あるよね!?」 憂「えっ、あー…あれだよ、普通のキスじゃ子供は出来ないんだよお姉ちゃん!」 唯「普通じゃないキスなんてあるの?」 憂「えっと…ディープキス…そう、ディープキス!」 唯「でーぷきす…?なにそれ?」 憂「キスしてる時にね、自分の舌を相手の口の中に入れて、相手の舌と絡ませるのっ」 唯「ふぇぇ…なにそれ…すっごいえっちだね…!」 憂(あああ…) 憂「だ、だからね、キスには気をつけようね」 唯「なんでー?」 憂「だってほら、お姉ちゃんもし今赤ちゃん出来ちゃったら育てていけないでしょ?」 唯「そっか、そうだよね。流石、憂は物知りだなぁ」 憂「あはは…」 憂(罪悪感が…うう…) … 唯「ということなのです!」 律「あ…う…嘘だ…」 唯「りっちゃんどったのー?」 律「なぁ唯、そ、それは本当なのか?」 唯「うん、憂は嘘吐かないよー」 律「じゃ、じゃあディープキスして、妊娠する確率は?」 唯「え…っと憂は確か…」 憂((お姉ちゃんが他の人とキスして欲しくないし…)) 憂『ディープキスした場合は、舌を入れられた方が一回で妊娠しちゃうんだよ!』 唯「って言ってました」 律「えぇぇぇえ!?」 唯「りっちゃん…?」 律「どうしよう…どうしよう…」ガタガタ 唯「ねぇりっちゃん!どうしたの!?」 律「私、もしかしたら澪との赤ちゃん出来ちゃったかもしれない…!!」 唯「…え!?」 唯「どういうことりっちゃん!?」 律「あ、あの、昨日の帰りなんだけど…」 昨日・部活終了後 律「ふ~、今日は練習疲れたなぁ」 澪「珍しく真面目にやってたもんな、律」 律「なっ、失礼だな澪!私はいつだって真面目だ!」 澪「あーはいはい…」 律「ん?何だよ澪、そんなに私の顔じーっと見て。恥ずかしいだろー」 澪「…」 律「み、澪?」 澪「なぁ律…」 律「な、なんだよ」 澪「前髪を下ろした君も見てみたい」 律「え、えっ?」ドキドキ 澪「前渡した歌詞、覚えてる?」 律(か、歌詞の事か…) 律「覚えてるけど…」 澪「あれさ、律の事を意識して書いたんだ。それくらい…気付いてるよな?」 律「!あ、えーと…うん、いちおー…」 澪「カチューシャ、外してみてよ」 律「…やだよ、恥ずかしい。似合ってないもん」 澪「そんなことない!」 律「っ、な、なんだよ、大声出すなよ…。ビックリするだろ、もう」 澪「じゃあ…」 律「分かったよ…ほ、ほら、これでいいか?」 澪「…」 律「な、なんで黙ってるんだよぅ!!」 澪「…可愛い」 律「ふぇ?」 澪「すっごい可愛い」 律「や、馬鹿、恥ずかしいからやめてくれ」 澪「この世で一番可愛い」 律「ななななっ」ボッ 澪「なぁ律…キスしていいかな…?」 律「だ、ダメだよ…今日澪おかしいぞっ…」 澪「おかしくていいよ、律が可愛い過ぎるのがいけないんだから…」 律「~~ッ、もう訳わかんないよ…」 律(私、いつの間にか壁を背にしてるし…) 律「澪、落ち着こんむ!?」 澪「はむ…ん…ぴちゃ…んむぅ…」 律「んんーっ!んんん!!」 律(キスだけじゃなくて、澪の舌が、舌が入ってくる~!!) 2
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過去の日記 ( 旧wiki ) 朝 Morning 5 00頃~ 昼 Noon 12 00頃~ 夕方 Evening 17 00頃~ 夜 Night 19 00頃~ 夜中 Midnight 0 00頃~ ※日付の下の「+」を押すと記事が開きます。 ※サムネイル画像はクリックで拡大。 <<前へ 次へ>> 2010.3.29.(Night) +... 玲兎が面白すぎるwwwwwww 玲兎「あ、ゴムが・・・」 リスナー「え?ゴム?www」 リスナー「ゴムと言ったら・・・w」 玲兎「え?輪ゴムですか?」 リスナー「指サックににてるやつかー」 俺「やっぱ薄いやつだよねー」 玲兎「え?ちょっとリスナーさんの言ってることがよくわからない・・・」 リスナー「この前公園に落ちてたwww」 俺「道路に落ちてた時はワロタwww」 リスナー「ま、まあ玲兎は知らない方が・・・」 タグ追加。「俺の玲兎がこんなに純粋なわけがない」 リスナー「wwwwww」 玲兎「え・ゴムゴムのー・・・ってやつですか?」 俺「お、俺もそっちのゴムだと思ったよ(焦っ」 リスナー「お、俺もだよ」 玲兎「え?よくわかんないw」 リスナー「こ」 俺「ん」 リスナー「やめとけwwwww」 玲兎「ほんとわからないんだけど・・・」 俺「薬局で「こ・・・ん・・・ゴホゴホ・・・ください///」って言えば持ってきてくれるお」 玲兎「wwwwwwwwww今やっと分かったwwww」 リスナー「おせぇwwww」 玲兎「さいてーwwwwwww」 リスナー「ごめんなさいゆるしてくださいもうしませんすみませんでした」 俺「男子リスナーが悪かったです。ごめんなさい。」 純粋な少女を変態に育成するのは楽しかった さーて、今日はですね ry ふぅ。こんな感じでした おわりんこ にょろりんこ 名前 コメント 2010.3.27.(Morning) +... こんな時間にこっそりニコ生なう何ですが、 人こないっすねー。 と思ってちょっとトイレ~ 帰ってきたらコメントが・・・ 「初見です」「・・・・・・無音?」 すんませんトイレ逝ってました 油断した、馬鹿だった・・・orz まあ最近チャット逝って生放送みて通話して。 あ、コゥキさん来た コゥキさんも暇人ですな・・・ まあそんな現状報告でした。 名前 コメント 2010.3.21.(Midnight) +... かいとぅーおめでちょ 2度目の更新でした(^ω^) ぬぬん(´・ω・`) -- 寿 (2011-03-21 01 05 43) おめでちょ(´゚д゚`) -- 巧海 (2011-03-21 03 47 05) 名前 コメント 2010.3.20.(Night) +... 今日は結局朝の8時半くらいまで起きてました まあニコ生とかしてて楽しかったDEATH 昨日見てた動画なんですが・・・ パソコン初心者にありがちなこと 【2ちゃんねるより抜粋】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6061171 パソコン初心者がよく言うセリフ 【2ちゃんねるより抜粋】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm4633252 テラフイタwwwwwwwww そしてちょくちょく思い当たる節はある・・・ まあそんなことはさておきですね。 廼唖が母親に買ってもらったという 「オタマトーン」 謎ぃのでニコ動で探してみた オタマトーンが歌ってくれたよ「ブラック★ロックシューター」 http //www.nicovideo.jp/watch/sm8649843 音がマヌケすぎるwwwwwww ほしいこれwwwwww 一時間くらい遊んで飾るwwwww と、動画紹介だけでした(^ω^) オタマトーンぜひかって!!!!!!!!!! -- 廼唖 (2011-03-21 00 03 51) 頂戴>< -- にょろ (2011-03-21 00 11 15) 売ってたら買うかもしれないかもしれないかもしれない(´゚д゚`)w -- 巧海 (2011-03-21 03 47 57) 久々にこのHP来た気がする(゚ω゚) -- れか (2011-03-21 05 16 40) れえかああああああああwwwwwwwwwwwありがとぉおおおおおっwwwwwっうぇっうぇえwえっうぇっうぇうぇえwwww -- にょろ (2011-03-21 06 13 16) 3つとも吹いたwwwwっうぇっうぇえwえっうぇっうぇうぇえwwww -- しろがね (2011-03-22 00 25 38) 名前 コメント 2010.3.19.(Midnight) +... 1919 0281!! どうもにょろです プレミアムにしました!! わーいわーい! なんか勝ち誇った気分!!! え?親? 言うわけないじゃんwww無断でやりましたよww はい、プレミアムにした次の日なんですが、 おかん激怒wwww やべえばれたww と思ったら、 「あんた先月の携帯料金いくらか知ってる?」 「あんただけで7万よ?」 ぶぴゃああああああwwwwwwwwww プレミアムばれるより酷いwww それにしても一体何に使ったんだろう・・・ 表示ミスということを願うまでです・・・ っと、ああ、プレミアムにしたので ニコ生をしようかと思ってやってみたんですけど・・・、 誰もこねーwww まあカメラ買ったら顔出し放送でもしてみようかな、 買ったら。ですけどね。 そんなこんなで今日はこの曲。 【ヲタみん】『泣キ虫カレシ』を歌ってみた【TaMU】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm13354178 マイリス余裕。 ゴールデンボンバー また君に番号を聞けなかった PV (ストーリープレイ編) http //www.nicovideo.jp/watch/sm13471723 マジ吹いたwwwww おいしょ吹いたwwww 空耳やべえww キリショーwwww よかったら聞いてみて下さいね^-^ それと、最近お気に入りの弾き語りのニコ生のコミュ。 http //com.nicovideo.jp/community/co517124 と、 http //com.nicovideo.jp/community/co466458 なんかほっこりします(*´ω`*) もっこr(ry ギター弾きたくなった。 弾けないけどねwww おわりおわた 名前 コメント 2010.3.17.(Midnight) +... どうも、 開設から123日目だ。 今気付いたw 卒るかも云々言ってたんですが なんやかんやで親父のPCでニコ動みて ついでにチャットも行くみたいな 結局逝くみたいな つか逝けみたいな まあ気紛れで更新しまーす、 編集だりー 最近ニコ生が最高に面白いです。 今日はですねー 生主とスカイプ通話で生しましたー なんか一般会員でニコ生出演させてもらえるって すごい感激なんですが、どうでしょうか。 年上だけど余裕のタメ語だし、 俺と主はおほもだちなんで 結構おもしろいです、 最近ノアの声が聞けてないので 凄まじく寂しいです、巧海はもういいでs(ry んまーそんくらいかなー あ、左のメニューに 背景色を変えれるような機能を搭載しました もし使えないブラウザ等がありましたら コメントの方までご連絡下さい。 ぉ・わ・り プレミアムにしようか 本気で考えてる・・・ 名前 コメント <<前へ 次へ>>
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